ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会> 第23回医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会議事録(2015年6月17日)
2015年6月17日 第23回医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会議事録
医政局経済課
○日時
平成27年6月17日(水)10:00~12:00
○場所
都市センターホテル「コスモスホール2」
○議事
○矢野流通指導官
若干早いのですが、皆様お揃いということですので、ただいまより第23回「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」を開催いたします。
初めに、委員に交代がございましたので、新たに委員に加わっていただいた2名の方を御紹介させていただきます。
日本製薬工業協会流通適正化委員会副委員長の高橋様、長坂様の2名でございます。
次に、委員の出欠状況を御報告いたします。本日は上原委員、関委員、冨山委員、三村委員の4名から御欠席の御連絡をいただいております。
では、ここで開催に当たりまして、医政局長の二川より御挨拶申し上げます。
○二川医政局長
おはようございます。医政局長の二川でございます。私、医政局長に就任いたしましてこの会に出席するのは初めてかと思いますので、御挨拶をさせていただきます。
委員の皆様方におかれましては御多忙のところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、本懇談会の運営に多大な御尽力をいただいておりますとともに、医薬品行政あるいは医療行政全般にわたり、格別の御支援を賜っているところでございまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
医療用医薬品の流通改善につきましては、これまで本懇談会におきまして、現状分析と改善方策について長く議論をいただいているところかと思います。昔はこの名前ではなく、「流改懇」の名前で発足をいたしましたのが10年ちょっと前、私が経済課長をしておったときだったかと思います。私が課長のときは非公開で議論をしておりましたので、ごく一部のメンバーでの議論だったかと思いますが、今日来てみますと、かくも大勢の方が御参加をいただいて行っているということでございまして、活発な議論が行われているものと承知をしております。
少し振り返ってみますと、平成19年に中医協で、薬価調査の信頼性を確保する観点から流通改善方策の取りまとめということが求められたことで、緊急提言がまとめられたということでございます。これらの課題解決に向かって、さらにこの懇談会のもとでワーキングチームが平成24年から設置され、さまざまな問題点について議論がなされたということでございます。
平成19年の緊急提言ですから、そこからもう8年経っているわけでございますが、その後の状況を今回おさらいしてみますと、改善した部分もございますけれども、そうでもない部分もあるのかなということであります。
概略を申し上げますと、緊急提言で御指摘をいただいた留意点は3つあったと承知をしてございます。
1つが、一次売差マイナスと割戻し・アローアンスの拡大傾向の改善ということが指摘されたわけですが、その点につきましては、依然として改善が見られているとは言えないということでありまして、特にそれが一層悪化しているということではないのかもしれませんけれども、まだ改善が見られない状況にあって、引き続き改善が必要だと。こういう状況かと思います。
それから、長期未妥結・仮納入の改善ということにつきましては、むしろ提言後も改善が見られず、平成25年の薬価調査時の妥結率が非常に低調であったことで、中医協から指摘を受けた。
それで、皆様御承知のとおり、平成26年の診療報酬改定においては、妥結率の低い医療機関等の評価の適正化という点から未妥結減算制度が導入された。こういったことを受けまして、去年、妥結状況が大幅に改善をした。こういう状況にあろうかと思います。
長期にわたる未妥結・仮納入の改善につきましては、きっかけは中医協の指摘で、公的医療保険制度のもとでの薬価調査の前提となる取引価格の精度の確保といったことからでございますが、さらに申し上げますと、私ども産業政策を行っている医政局の立場で言いますと、社会への財務状況の正確なディスクロージャーという観点から見ましても、株式会社でありますメーカー、卸、保険薬局において長期にわたる未妥結・仮納入の状況が大変遺憾なことだと言わざるを得ないのかなというふうに考えているところでございます。
緊急提言で3点目、御指摘をいただいているのが総価契約の改善ということでございます。これにつきましては、その当時は全品総価が大変多かった。そこから比べますと、今、単品単価が一番きっちりしておりますけれども、そういうものに移行してきておりますので、改善されてきているのかなというふうに見ているわけでございます。
しかしながら、未妥結減算制度を昨年導入し、6カ月という短い期間で単品ごとに価格を決定しなければならないといったことで、単品単価取引のほうはちょっと停滞をし、単品総価取引が増加をした。一方ではこういった副作用といいますか、そういったものが出ているというふうに理解してございます。
本年度は薬価改定の2年目でございますので、市場における相場観もある程度見えてきているのではないかなというふうに私どもとしては思っておりますので、昨年度の価格交渉を踏まえ、今期の早期妥結、また、単品単価による価格決定を行うための皆様方のさらなる取り組みが不可欠でございまして、そういった点につきましての御尽力、御協力をお願い申し上げたいと思います。
これが緊急提言に関して、3つの事項についての私どもの総括的な見方を申し上げたところでございますが、本日は、新バーコード表示の推進についても御議論いただく予定ということでございます。新バーコード表示は、医薬品の取り違え防止、トレーサビリティーの確保の観点といったことから、特に必要性の高いものを必須表示ということで進めておりますが、この7月出荷分からは全ての医薬品が新バーコード表示になるということでございます。本日におきましては、必須表示の状況の取り組み状況、それから任意表示部分の進捗の確認とともに、任意表示なのだけれども、任意だからいいのだということでいいのか、やはり実効性の確保について図っていかなければならないのではないだろうかということがございますので、この点につきましても幅広に御議論いただければと思っております。
全体といたしまして、今、6月に入りまして、政府全体で経済財政諮問会議等々の会議が頻繁に開催されておりまして、私どもの塩崎大臣もそういった会議に出席して、さまざまな取り組みについてプレゼンテーションをされているわけでございます。
医薬品に関するところを簡単に申し上げますと、後発医薬品の使用の飛躍的加速とともに、医薬品産業全体を底上げするための革新的医薬品の創出促進、それからエッセンシャルドラッグの安定供給、流通の振興に関する総合的な戦略を推進するということを表明されておりまして、恐らく今月末に骨太の方針として閣議決定をされるであろうと思いますが、そういった方針を盛り込んでいただくよう今、調整をしている状況にございます。
骨太の方針に盛り込まれるという前提で、私ども厚生労働省といたしましても、緊急的、集中・実施的な総合戦略を本年夏に策定しようということを考えておりまして、流通面におきましても、先ほどの緊急提言後の環境変化を踏まえた流通改善策につきまして、やはりこの夏までにまとめたいと考えているところでございます。委員の皆様におかれましても、流通改善に向けた取りまとめ、取り組みにつきまして格別の御協力をお願い申し上げたいと思っております。
少々長くなりましたけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○矢野流通指導官
では、続きまして、本日の資料でございますが、机上に配付させていただきました議事次第に記載しているとおりでございます。御確認をお願いいたします。不足の場合は申し出いただければと思います。
それでは、これより議事に入りますので、撮影は終了してください。
以降の議事進行につきましては、嶋口座長にお願いしたいと思います。
嶋口座長、お願いいたします。
○嶋口座長
ありがとうございました。
それでは、早速これから第23回になるのですが、流改懇を始めたいと思います。
今、二川局長からお話がございましたように、大きく見ると今日のテーマは3つございます。
1つは、そんなに大きな異論はないと思われる方向であるバーコード表示の推進について、現状報告と、それに対するディスカッションを委員の皆様方からいただければありがたいと思っています。それが第1番目のテーマ。
第2番目のテーマは、平成26年度の流通実態の最近の状況についての御報告と、それに対して各分野の委員の先生方からお話をいただいて、そしてフリーディスカッションしていく。そういうテーマが第2番目でございます。この流改懇に一番近い、中心の問題がここであります。
3番目は、今、二川局長からお話がございましたように、最近の中で、塩崎大臣が夏ぐらいまでに新しい方向をこの分野でまとめてもらいたいと。そして、それに対する方向づけを考えてもらいたい。そういうお話があったということでございますので、フリーディスカッションが中心になると思いますが、これからの流通改善のあり方について話を進めていきたいと思います。
それでは、早速最初のバーコード表示の推進から入りたいと思います。皆様方のお手元のほうに資料が配布されておりまして、資料1-1、1-2、1-3、1-4と4つのまとめた資料になります。
最初に、事務局のほうから資料1-1、1-2、1-3、この3つについて、バーコード表示の推進の説明をいただきまして、その後で、卸連さんのほうから資料1-4が提出されておりますので、説明をお願いしたいと思っております。
それから、資料はありませんが、後でメーカーさんのほうからもこれに対するコメントをいただくということで進めていきたいと思います。
それでは、バーコード表示の推進について、阿部指導官のほうから資料1-1、1-2、1-3の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○阿部流通指導官
事務局でございます。
初めに、資料1-1から御説明させていただきます。こちらは例年実施しておりますメーカーの新バーコードの表示状況と、卸売販売業者の新バーコードの利用状況の調査結果でございます。
この結果は、本年4月20日に公表させていただいておりまして、調査時点は平成26年9月末現在というところでございます。本日はその概要のみ御説明させていただきたいと思います。
1枚おめくりいただければと思います。こちらはメーカーによる調剤包装単位への表示率でございます。必須表示ではありますが、表示の実施時期が27年7月以降の出荷分からとなっております内用薬、外用薬部分につきましては、100%にはまだ届いておりませんが、昨年度と比較しまして、内用薬で約1.6倍、外用薬で1.4倍ということで、表示率を順調に伸ばしているという状況でございます。
続きまして、3ページ目でございます。上段の販売包装単位の表示状況でございますが、こちらは前回とほぼ同様の表示状況という形になっております。
下段の元梱包装単位の表示状況につきましては、基本的には必須はほぼ100%になっておりますが、任意表示部分につきましても、内用薬につきましては5割を超えるような表示状況になっておりまして、こちらも着実に伸びているのではないかというように思っているところでございます。
続きまして、4ページ目「卸売販売業者による新バーコードの利用状況」でございます。26年につきましては、物流センターにおいて販売包装単位で90%を超えるという状況になっておりまして、既に卸売販売業者側におかれましては、新バーコード表示に対して、十分な受入体制、準備が整っているのではないかというような状況が読み取れるかと思います。
続きまして、資料が変わります。資料1-2「販売包装単位・元梱包装単位への任意表示項目のバーコード表示に向けたメーカーの検討状況」ということでございます。こちらは、任意表示部分ではありますけれども、新バーコード表示が可能な製造販売業者から順次取り組むこととしております表示項目の検討状況を確認し、整理したところでございます。
まず、1.販売包装単位の検討状況でございます。こちらにつきましては、表示の実施に当たりまして前向きに検討を行っているというような、上段の「今後、表示予定」「対応を検討中」の部分につきましては、企業数としては全くの横ばいという状況になっておりますが、検討を進めている企業のアイテム数としては、昨年度と比較しまして増加しているというような状況でございます。
もう一方、「今後、対応を検討する予定」「当面は表示しない」という項目につきましては、総計としての企業数は若干増加しておりますけれども、アイテム数自体が減少しているというところでございますので、アイテム数が少ない企業さんのところがまだ「対応を検討中」まで至っていないのではないかというような状況が読み取れるのではないかと思います。
続きまして、2ページ目は元梱包装単位でございます。こちらの検討状況につきましては、「今後、表示予定」が41社ということで、昨年度の33社から大幅に増加しているというところでございます。
「対応を検討中」の企業数と合わせましても77社という会社数で、実際に前向きに検討が行われているというような状況が読み取れるのではないかと思います。
今後さらに多くのメーカーさんが表示に向けた検討を行っていただき、多くの製品に新バーコード表示をしていただければというふうに考えておるところでございます。
続きまして、資料1-3は「新バーコード表示推進WTにおける検討状況」でございます。
1枚おめくりいただきますと検討の状況でございますけれども、直近では先月、5月に開催しております。
次のページが本ワーキングチームでの検討の結果でございます。「3.平成26年度の取組結果」となります。こちらにつきましては、メーカー側としては、新バーコード表示可能なものから表示及び準備を行っていただいたというところでございました。
また、卸側としては新バーコード対応リーダーの入れかえを進めたというところで、現状、物流センターとしてはほぼ9割がリーダーに変更しているというところでございます。
では、27年度は今後どうするのかというところでございますけれども、平成27年度におきましては、27年度中における新バーコード表示の準備状況及び受入準備状況について、改めて確認をさせていただきまして、そのデータをもとに、表示の推進に向けて検討を進めていく、また、今年の7月から必須表示は、全ての医薬品に対して表示されることになりますので、その表示状況を確認するために、今年度も情報化進捗状況調査を実施させていただいて、その結果をワーキングチームにおいて評価をしていきたいと考えております。
事務局からは以上でございます。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
いろいろ質問とか意見があるかもしれませんが、各当事者からお話をいただいた後でまとめて質疑応答あるいは議論をしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、卸連のほうから資料1-4を中心に御説明いただきたいと思います。
○中原委員
卸連の中原でございます。
資料1-4の説明をさせていただきます。平成26年度における変動情報の入った新バーコード表示の普及という形で取り組み状況を説明させていただきます。
1つ目として新バーコード表示の拡大普及ということでございますが、平成26年度の新バーコード表示の状況は、調剤包装単位における必須表示項目の表示率が大きく伸張した関係で、元梱包装単位、販売包装単位とも任意表示項目の表示率は若干ながら上昇いたしました。
しかし、元梱包装単位の表示率に比べて、販売包装単位の表示率は、先ほども説明があったように、外用薬の2%から注射薬の16%と、市場全体から見れば、スタート段階にすぎない状況でございます。この状況を踏まえ、当連合会としましては、日本製薬団体連合会に対し次の要望をして、意見交換をさせていただきました。
要望の1つ目でございます。商品コードだけを表示した新バーコードを表示するのでは現状の表示と全く変わらないことになります。日本製薬団体連合会から製造委託している場合も含めて変動情報、つまり、ロット番号と有効期限が加味された新バーコードの表示を行うよう、引き続き御指導していただきたいという御要望を出しました。
2つ目の御要望としましては、流通量の上位2,200アイテム、これは2014年時点で調査をしたわけでございますが、2,200アイテムは全体のおよそ6%でございます。薬価収載品目の約1,200品目、これは全体の約10%、その部分で流通量の70%、それから売上高の約80%をカバーしているということがわかりました。
つきまして、新バーコード表示を行う際には、変動情報が100%表示されることを強く要望いたしますが、少なくとも流通量の多いアイテムから変動情報の表示をお願いしたいという御要望を出させていただきました。
2つ目は、後発医薬品の急激な拡大の対応についてでございます。後発医薬品の数量シェアの目標を2020年度末までに80%以上に拡大するという方針が示されております。80%が達成されると、全医療用医薬品の数量ベースで50%を超えるところが後発医薬品になると想定されます。このような後発医薬品の急激な拡大は、安定供給や流通の効率化を確保する観点から、卸に重大な影響を及ぼすと考えます。
その中でも大きな懸念要因として、後発医薬品への変動情報の入った新バーコード表示の問題がございます。一部の後発品メーカーの新バーコード表示が遅れていることは承知しておりますが、このまま後発医薬品が拡大すると、変動情報を含んだ新バーコードが表示されない製品が後発医薬品の大半を占めることになり、流通の効率化並びに安全性確保のため、迅速な製品回収に支障を生じる恐れがあります。
つきましては、少なくとも後発医薬品の新発売時の際には、変動情報を含んだ新バーコードの表示100%が行われるよう強く要望いたしたいと思います。
次の3枚目でございますが、医薬品情報のバーコード表示の義務化の状況ということで、海外と比較したものでございます。海外においては、アメリカを初め、欧州の部分、それからトルコ、韓国などと比べましても日本は非常に遅れている。要するに、生物由来品は100%なのですけれども、そのほかのものはまだまだ任意でございますので、進んでいないという状況でございます。それを現した表でございます。
以上でございます。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
今の卸連からの御要望は、メーカーサイドに対する御要望が多かったような感じもするのですが、ワーキングチームで一緒に検討されているメーカーのほうの立場からコメントをいただければありがたいと思います。資料はないと思いますけれども、何かコメントをいただければと思います。
○高野委員
日本製薬工業協会の高野でございます。
先ほど阿部流通指導官からも御紹介がございましたとおり、新バーコード表示に関しては、昨年7月の流改懇以降も、各メーカーが可能なものから表示することに対して積極的に取り組んでおります。さらにはその準備も今、行っているというところをまずは御理解賜りたいと思います。以前よりこの場でも申し上げているとおり、メーカー個々に事情がございまして、できる企業、できるアイテムから新バーコード表示を実施するといった基本方針に変わりはございません。
バーコードワーキングチーム、流改懇での議論の内容に関しては、日薬連の傘下会員、また、団体に対して、流通量の多い製品を中心に販売包装単位、元梱包装単位の任意表示を推進していくように今、周知徹底を図っております。任意表示項目、並びに本年の7月1日より必須表示になる内用薬、また、外用薬の調剤包装単位における商品コードに関しても、今年度の情報化進捗状況調査におきましてその状況を確認していきたいと考えております。
今後もメーカーとしては、この情報化進捗状況調査を含めて、継続的に状況を把握しながら、新バーコードの表示推進に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○嶋口座長
ありがとうございました。
卸連さんのほうから話があった中で、いわゆるジェネリック医薬品の使用促進とバーコード管理の問題という点について、ジェネリックメーカーのお立場からコメントがもしございましたら。どうぞ。
○佐野委員
ジェネリック製薬協会の佐野でございます。
新バーコード表示につきましては、今、高野さんからお話しいただいたとおりでございますが、私どもも二課長通知あるいはワーキングチームでの合意を真摯に受けとめて、会員各社への周知を図るとともに、前向きに取り組んでおります。
1つはこの7月からの必須表示でございますが、これは商品コードの表示、内用薬、外用薬ですが、これについてはもう待ったなしということで、これは日薬連もそうですけれども、我々も取り組んでいるというところでございます。
任意表示でございますが、我々としては、進んでいるところ、進んでいないところ、そのスピードということに関しましてはちょっと問題があるかと思いますが、トレーサビリティーの確保という観点からは推進しているところでございます。
ただ、一つ御理解いただきたいのは、投資の優先順位もありまして、これも日薬連と一緒でございますが、できるところから、できる企業から実施するということで、さらには今までのワーキングチームの合意事項でもあります流通量の多いものから表示するということで、会員への周知を図っておりまして、決して消極的ではないということの御理解はいただければというふうに思っています。
ただ、もう一つ御理解いただきたいのは我々後発メーカーが置かれている状況でございますが、25年4月からロードマップが示されまして、御承知のように、17年度末までに数量シェア60%を達成するということで、これは最優先課題であると思っております。
その中で真っ先に取り組むべき課題は安定供給であるということで、幾つかある課題の中で、増産体制をいかに確保するかということが最重点課題であると認識しております。
ジェネリックメーカーの場合、取り扱いのアイテムが、これは先発メーカーからの受託もあるのですが、約500を超えるメーカーも何社かございます。そのため、1つの工場で生産するアイテムが300を超える、いわゆる多品種少量生産ということで、変動情報の場合、インライン印刷ということで対応しなくてはいけないのかなと思うのですが、そのための費用としましては、1社数億から10億という投資が必要と言われておりますけれども、もともと生産ラインに余裕がある場合はこの範囲でできると思うのですが、余裕がない場合には新たな製造ラインの増設、あるいは建屋の増築が必要となります。そのためにはラインも止めなくてはいけない。いわゆる生産の前倒しというか、在庫確保ということが必須になってまいります。ですから、今、ジェネリックメーカーの生産スケジュールというのは、JRのダイヤのように非常に過密であるということで、その中にどう組み込むかということが大きな問題であります。
また、他社へ製造委託している場合、ジェネリックメーカーは結構多いのですが、これの表示方法とか費用負担についての協議も必要ということで、さらなる費用と時間がかかってくるのかなということが考えられます。以上のような状況にあるということもちょっと御配慮いただければというふうに思っております。
以上でございます。
○嶋口座長
ありがとうございました。
いずれも前向きに取り組んでいるけれども、それぞれの事情があるので、着々と進んでいると。そういうお話をいただいたわけでございます。
これからオープンディスカッションにしたいと思いますが、質問を含めまして、バーコードの問題について、委員の先生方から御意見がございましたら受けたいと思います。何かございますでしょうか。お願いいたします。
○鈴木委員
業界の話なので、幾つかわかりにくいところもあり、教えていただきたいと思います。
資料1-1の2ページの下のところを見ますと、表示の時期が27年7月、特段の事情がある場合は28年7月となっておりますが、この特段の事情とはどういうものなのか教えていただきたいと思います。
それから、3ページの緑の中は任意の表示ということですが、我々から見ると、少しゆっくりな感じもいたしますので、この辺は、先ほど局長の話にもありましたけれども、もう少し早く進んでもいいのではないかという気がいたします。これは意見でございます。
それから、1-2の資料を見ますと、これも1ページでもいいのですけれども、一番下に「当面は表示しない」という項目があって、その数が結構あり、2ページ目の元梱包装単位では少しふえている感じもするのですが、これはどういう理由なのかを教えていただきたいと思います。
○嶋口座長
では、そこで切ってもよろしいですか。
○鈴木委員
はい。
○嶋口座長
最初のほうの問題は、これをもうちょっと早めてもいいのではないか、着々ともっとやるべきではないか、そういう御意見だと思います。2つ目の問題は、資料1-1の3ページのグリーンのところですか。
○鈴木委員
最初の質問は2ページです。
○嶋口座長
ごめんなさい。2ページ。では、そこのところをもう一回確認していただけますか。2ページの問題を。
○鈴木委員
特段の事情のところですね。
○嶋口座長
では、それは事務局からお願いできますか。
○城経済課長
資料1-1の2ページの調剤包装単位の中の必須項目で、「27年7月(特段の事情があるものは平成28年7月)」としているところの「特段の事情」ということでございます。これは、何かある場合にはということで記載をしているものです。実際にここの部分で相談を受けていることは、今のところないと承知をしておりますが、一度確認します。
○嶋口座長
それから、2つ目は3ページのところですか。
○城経済課長
これは1-2の資料の「当面は表示しない」というところが何か、事情はということだと思います。
○嶋口座長
ついでですけれども、「対応を検討中」というのと「今後、対応を検討する予定」、この違いは何なのでしょう。
○城経済課長
1-2の資料で上と下に箱を切り離して、「対応を検討中」のほうは、一応やる方向で、「今後、対応を検討する予定」というのは、やる方向だというところが決定されていないということで、これは各社に御判断いただいているところでありますが、対応をまだしていなくて対応をどうするかについて検討を始めていると。着手しているか、していないかの違いということで整理をしております。
「当面は表示しない」というところについては各社の御判断ですが、私どもが聞いているのは、ラインの更新を要するのだけれども、なかなかそれが回ってこないから当面できないので、やらないというふうにはっきりお答えいただいたところということでありますので、余りここが増えているのはいかがなものか。これは、会社数で見たところ横ばいで、アイテム数で見ても同様ですが、ちょっとどうかなというふうに我々は感じながらこれをお示ししているという状況であります。
○嶋口座長
その関連で、ついでですが、任意というのといわゆるマストというので、任意というのは、何か具体的な数値目標みたいなものはあるのでしょうか。
○城経済課長
資料に戻って、1-1の3ページの網かけのところかと思います。
○嶋口座長
はい。
○城経済課長
数値目標等は定めておりません。進捗状況を見て期限を切って、そしてその両方を併記してという形で必須のところは進めてきました。最初、大体できるようになったという見通しが立ったところで、ここまでに全部切りかえてくださいという形の進め方だったと思います。その中で、この部分は、要するに、個別のロットごとに入れなければいけないものは対応が難しいということだったという議論で任意になっている。しかし、対応を進めていただいてある程度まで行けば、追ってその期限を定めるといったことも視野に置くのだろうと。ここはそのときにそういう議論になっていたとは思いませんが、そういうふうなことだと思います。いずれはということで、できるだけ早く進めていきたいという趣旨で任意で進めるということだと思います。
○嶋口座長
わかりました。ありがとうございました。
ほかにもし質問がございましたらお願いいたします。
○長瀬委員
資料1-4の日本医薬品卸業売連合会が出している3ページ目「医薬品情報 バーコード表示義務化状況」ということで、製造番号が任意項目になっていますね。わざわざこれを出したということは、やはり整備推進した方がよいということなのだろうというふうに思うのですけれども、一方では、経済的な理由から任意項目を厚労省が必須項目にしない事情があるのかなというふうに思ったりもします。このことは業界に何らかの配慮が必要ということなのかどうか、教えてください。
○嶋口座長
これは卸連のほうに聞いたほうがいいですか。それともメーカーさんに聞いたほうがいいでしょうか。
○城経済課長
卸ではないと思います。
○嶋口座長
そうですね。
メーカーさんのほうの立場で何か。お願いいたします。
○青柳委員
製薬協の青柳でございます。
ただいま御質問があった1-1の資料の3ページ目のところになりますけれども、平成24年の二課長通知から3年経過しているわけですが、それに基づいてメーカーというのは新バーコード表示の準備を行っていて、優先順位として、資料の色で言えば赤、緑、青の順で進めているというのが全体的な状況です。その中で、元梱包装単位の変動情報の表示に関しては、製造ラインの中で製品そのものではなくて、元梱ラベルに表示をすれば対応が可能ということになりますので、バーコード印字可能なラベラー、を購入してシステムを構築していけば対応が可能ということになります。そういう観点から下の元梱包装単位のところの表示率は上がってきていると御理解をいただきたいと思います。
では、販売包装単位はどうなのかということになりますが、販売包装単位への変動情報表示に関しては、まず設備あるいは施設そのものに対応が必要であると。これは先ほど佐野委員のほうからも御解説がありましたけれども、バーコード印字をして、正しく印字されているかどうか、まず全数検査を行う検査装置の導入が必要であるということになります。
それから、製造ライン上にその設備を設置するための工事、あるいはテスト期間というものが必要であるということになってきます。生産に余裕がないと、安定供給に影響してしまうということもあるので、そことのバランスで優先順位をつけているということになります。
製造ライン上にもしも設置場所、スペースがなければ、製造ラインごと変更するということが必要になってきます。製造ラインの変更が不可の場合には、先ほどありましたように、建屋そのものを改築して、製造場所ごと変更しなければいけないということで、長瀬委員から御指摘があったように、費用的な面あるいは設備的な面で、特に販売包装単位は元梱包装単位に比べて少し遅れているということになります。
○嶋口座長
という御説明をいただきました。ありがとうございました。
実はバーコード表示の推進の問題は、もっと深くいろいろディスカッションしたいところでもあるのですが、ほかの議題が大分立て込んでいまして、そちらのほうにも時間を少し割きたいなということでございます。基本的にはこのバーコードの問題というのは、長期的には極めて必要なテーマだと思うのですが、短期的には費用対効果の問題その他があって、なかなか推進が一挙にはいかない。ですから、それをどうやって計画的に進めていくか、それについての御意見がいろいろあったと思いますが、メーカーさんの取り組みとしては、表示の実施が可能なものから新バーコードの表示、及び準備をこれから行っていって、そして今後の表示に向けた取り組みについても、前向きな企業が増加しているという御報告をいただいたわけでございます。
それから、卸側の取り組みとしては、当然これはぜひやっていただきたいということを要望しているわけでございますが、新バーコード対応リーダーへの入れ替えを進めて、受入体制の整備を進めているという御報告をいただいたわけでございます。
それから、必須表示への対応に漏れがないように、また、任意表示への取り組みを進めていくということで前向きに進めていただいているという感じを持っております。
なお、卸側からは、任意表示部分のバーコード表示についても積極的に進めてほしいという要望が出ておりますが、この点を含めて、今後も新バーコード表示の推進のために、また、医薬品業界、医療業界全体の発展のために、メーカー、卸双方で引き続きこの努力をしていただければありがたいと思っております。
また、表示状況に対する調査をこれからも継続して事務局側でやっていただきますが、メーカー、卸双方でやっているワーキングチームでその結果を受けて対応を検討し、さらに状況についてこの懇談会の中で御報告いただければありがたいと思っております。
ということで、バーコード表示の問題は少しずつ前進しているけれども、少し時間がかかっているようですが、また新しい環境状況などを踏まえながら、ぜひこれをさらに進めていただくということで、一応この議論はここまでにしておきたいと思います。
○城経済課長
ちょっとだけよろしゅうございますか。
○嶋口座長
どうぞ。
○城経済課長
今、コメントをいただきましたので、多分御指摘は、ジェネリックの進捗もあってその中でどうすべきかというお話、大分環境が変化していることに伴って次ということだと思います。卸のほうのセンターでも新バーコードが受け入れられるようになった。受け入れができないのにつけてどうかという御議論もたしかあったと思うのですが、それももうできているということだと思いますので、実はこの後、最後の「その他」のところで、今後について新しく次のことを考えたいというところの御意見をいただきたいと思っております。表示について、何かしら次に進める方向で議論を後ほどいただければと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。私どもも次の機会に向けて前向きに進めるいい機会かなと思っておりますので、改めて「その他」のところでお願いしたいと思います。
○嶋口座長
ありがとうございました。
では、きょうのテーマ3番目のフリーディスカッションのところでまたそのテーマについて御意見をいただければありがたいと思います。
それでは、一応バーコード表示の推進についてはここまでにいたしまして、議題の2番目に入りたいと思います。
皆様方のお手元に2-1から2-6まで資料がたくさんありますが、これは流通改善の取り組み状況にかかわる問題でございますが、早速これについて御報告と御意見をいただきたいと思います。
まず、事務局から資料2-1、2-2、2-3、2-4という4つの資料をベースにして、その後、卸連のほうから資料2-5、製薬協のほうから資料2-6、この6つの資料をベースにしてこれから御報告をいただきたいと思います。
では、早速事務局の山口首席、お願いいたします。
○山口首席流通指導官
事務局でございます。
それでは、資料2の関係で御説明をさせていただきたいと思います。
初めに、資料2-1でございます。こちらは「平成26年度価格妥結状況調査結果概要」ということで、3月分のお取引についてまとめたものでございます。
中ほどの「調査結果」の欄にございますとおり、総合計のところで97.4%の妥結率ということになってございます。内訳は、医療機関の計が97.9%、保険薬局の計としまして96.9%といった妥結率になってございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページ目をご覧いただけますでしょうか。こちらは、平成24年度、25年度、26年度という3カ年につきまして1年を4つに分解したもので、あと、病院、薬局といった形で分けた表になってございます。
26年度でございますが、26年9月のところをご覧いただきますと、医療機関で86.0%、保険薬局で98.1%、総合計で92.6%といった形で、例年に比べますと、9月の時点では非常に高い妥結率になっているということでございます。
26年12月では若干その率が落ちておりますけれども、27年3月では、先ほど申し上げたとおり、総合計で97.4%といった妥結率まで上がってきているということでございます。
1枚おめくりいただきまして、3ページ目をご覧いただけますでしょうか。こちらは200床以上の医療機関につきまして、設置主体別に同じく24年から26年度の妥結率の推移を表にしたものでございます。
こちらの表につきましても、いずれも未妥結減算制度の導入といった影響がございまして、平成26年9月時点の妥結率は以前に比べて高いことが見てとれるかと思います。
1枚おめくりいただきまして、4ページ目は平成18年度以降の薬価改定の妥結率を折れ線グラフにしたものでございます。一番左側の上のほうまで出ている水色の線が26年度改正分の動きになります。こちらの動きは、ほかの改正分と違いまして、9月で一度92.6%ということで大きく上がっておりまして、12月に一旦下がっておりますけれども、また翌年3月には97.4%といった高い妥結率まで上がっているといった表になってございます。
続きまして、1枚おめくりいただきまして、5ページ目でございます。こちらの折れ線グラフは、26年度の薬価改定の医療機関、薬局別ということであらわしたグラフになってございます。
こちらの実線の部分は未妥結減算の対象となる施設ということで、点線のところはそれ以外の施設ということでございます。対象となるところは、一度12月で落ちて、契約をし直して、また3月に上がっているといったような状況が見てとれるかと思います。
資料2-2は「平成26年度の取組状況」についてまとめたものでございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページ目でございます。こちらは薬価を100とした場合の仕切価等の水準についてグラフにしたものでございます。テーマにつきましては、緊急提言において課題とされております一次売差マイナスと割戻し・アローアンスの拡大傾向の改善について分析をしておりまして、大手卸5社から取扱全品目を加重平均で算出したデータを任意で提出していただきまして、5社の算出値を単純平均して整理したものでございます。目安ということで捉えていただければと思います。
なお、括弧書きにつきましては、税抜きの仕切価等の水準を参考値として記載してございます。
1枚おめくりいただきまして、3ページ目は仕切価等の各種水準の24年度と26年度、薬価改定があった初年度ということで、その2年の差、変動幅をあらわした表になってございます。
仕切価につきましては若干上昇しております。割戻し・アローアンスにつきましても若干上昇。一次売差マイナスは拡大といったことが見てとれるかと思います。緊急提言で課題とされております一次売差マイナスと割戻し・アローアンスの拡大傾向の改善といったところに着眼すると、若干後退したといった結果になってございます。
1枚おめくりいただきまして、4ページ目は単品単価取引の状況でございますけれども、こちらも卸連さんのほうから提供いただきましたデータをもとにグラフ化したものでございます。
左側の大きな棒状のほうが200床以上の病院、右側のブロックが調剤薬局チェーンで20店舗以上といったものを表したものになってございます。こちらも薬価改定1年目、24年度と26年度で比較いたしますと、200床以上の病院では5割強でございますが、24年度と比較して若干減少しています。
調剤薬局チェーン(20店舗以上)のほうは6割弱でございますけれども、24年度と比較して若干減少しているということでございます。
ただし、下のほうの太枠でくくってございます「妥結率」というところをご覧いただきますと、これは調剤薬局チェーン(20店舗以上)の24年度、26年度のところにございますように、49.1%から94.2%に大幅に妥結率が上がってきているといった状況もございます。
こちらが2-2の資料でございます。
次の資料2-3は、平成24年度から懇談会の下に設置されましたワーキングチームにおける検討状況でございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページ目はメーカーと卸連とのワーキングの検討状況についてでございます。一次売差マイナスと割戻し・アローアンスの拡大傾向の改善に向けた取り組みについて検討を重ねてきておりまして、昨年の流改懇後、ことしの2月と5月の2回開催したところでございます。
1枚おめくりいただきまして、3ページ目は、ワーキングとしておまとめいただいた「平成26年度の取組結果」と「今後の取引に向けた対応」でございます。新薬創出加算品の増加、カテゴリーチェンジ、後発医薬品の使用促進などを踏まえまして、川上取引の改善について、適正な仕切価水準の設定等に向けた議論を継続していくことといったものが記載されてございます。
1枚おめくりいただきまして、4ページ目は、卸連と日本保険薬局協会とのワーキングの検討状況についてでございます。契約条件の事前明示、それに伴う取引基本契約に基づく覚書の締結、単品単価取引の推進について検討を重ねてきていただきました。
昨年の流改懇後、ことしの2月と5月の2回開催されております。
1枚おめくりいただきまして、5ページ目は、先ほど御説明をさせていただいた資料と同じでございますので、割愛をさせていただきたいと思います。
1枚おめくりいただきまして、6ページ目は、ワーキングとして取りまとめた26年度の取引結果でございますけれども、先ほどの資料2-1、資料2-2でも御説明したとおり、平成26年9月の取引分につきましては妥結率が大幅に向上しております。
一方、未妥結減算制度による早期の価格妥結を優先した結果、単品単価取引の割合は停滞をしているといった結果になってございます。
単品単価取引の割合は停滞したものの、妥結率が大幅に改善をしているといったようなことから、単品単価取引は増加傾向にあるということも見てとれるのかなということでございます。
最後でございますけれども、資料2-4は、先ほどの資料2-3で書かれてございましたワーキングにおけます検討状況を踏まえまして、緊急提言の中で言われております課題ごとに整理し直した表になってございます。内容は先ほどの資料2-3と同じでございます。
なお、本日の懇談会の参考資料といたしまして、一番後ろに参考ということで、緊急提言の概要を含めた流通改善の関係の資料も添付してございますので、御議論の参考としていただければと思います。
事務局からは以上でございます。
○嶋口座長
ありがとうございました。
今の御説明で平成26年度における取り組みの状況が大体お分わかりだと思いますが、先ほど二川局長が冒頭の挨拶の中でおっしゃっていたのは資料2-4、このあたりのことだと思いますが、そういう進捗状況であるという説明をいただきました。
では、続きまして、卸連のほうから資料2-5の説明をお願いしたいと思います。中原委員、お願いします。
○中原委員
卸連の中原でございます。資料2-5の説明をさせていただきます。「平成26年度の取組みについて」ということでございます。
平成25年度は流通改善第3ラウンドの仕上げの年として、医薬品の価値に見合った価格設定等に注力してまいりました。その結果、単品単価取引への理解・浸透が大きく進みましたが、一方では、一部の総価取引の意識が強いユーザーとの間で妥結が困難なケースが目立つようになり、先ほどの厚労省さんの資料にもございましたが、2年前の薬価調査時には73.5という形で低迷いたしました。
平成26年4月の未妥結減算制度の導入は、薬価調査の信頼性を確保するために、長期未妥結の解消を図ることがその趣旨であると認識しております。それにより、昨年9月末の妥結率が大幅に向上し、長期の未妥結問題が解消の方向に向かいました。しかし、早期の妥結を優先した結果、単品単価取引が停滞するなど、その副作用もございました。今後は、未妥結減算制度のもとでの流通改善の推進が喫緊の課題であると考えます。
まず、先に川下流通のことをお話しさせていただきます。
平成26年4月の未妥結減算制度の導入により、昨年9月末の妥結率は大幅に向上し、92.6%ということになりました。価格の遡及値引きがないことを取引当事者間で確認できたことは、流通改善に一定の進展があったものと評価いたします。
しかし、同制度導入1年目に当たり、早期妥結を最優先した結果、単品単価取引が停滞し、部分妥結、これは特定の卸のみを決めるとか、特定の品目の割合のところだけ決めるとか、特定期間のみの妥結があったとか、同制度の趣旨から見て不適切な対応が散見されるなど、流通改善に取り組む立場としては不本意な結果となりました。
また、200床以上の保険医療機関、全保険薬局、これを合わせますと大体6万軒をちょっと下るぐらいの数字になるわけですけれども、そこへの「妥結率の根拠となる資料」の提供等、新たな労務・コスト負担が卸の経営に大きくのしかかってまいりました。
未妥結減算制度のもとで単品単価取引を推進していくためには、覚書の締結が必須であると考えます。これは単品単価明細のついた覚書でございます。卸連傘下の会員卸会社とNPhAさんの理事会社との間で交わされる覚書の締結率は、これまで20%程度でございましたけれども、両者間で話し合いをした結果、26年度の下期は、締結率が50%近くまで上昇し、改善いたしました。
今後、覚書の締結率をさらに向上させて単品単価取引の徹底を図ることにより、医薬品の価値に見合った価格での取引を進め、引き続き早期妥結に向けた価格交渉を行っていく所存でございます。
なお、卸連は、消費税の円滑かつ適正な転嫁を図るため、消費税転嫁対策等特別措置法第12条の規定に基づき、昨年10月1日から消費税の表示カルテルを実施しております。この点については御理解、御協力をお願いいたします。
次に、2ページ目を見ていただきたいと思います。単品単価取引の状況でございます。
先ほど二川局長からも話があったように、平成18年の段階では200床以上の病院、金額ベースで見ますと、全品総価取引が33.3、3分の1ぐらいあったということです。20店舗以上のチェーンに関しましては、全品総価取引が93。ほとんどが全品総価取引だったと。それが、26年の通期のところで見ていただきたいと思うのですけれども、全品総価取引は、200床以上の病院では金額ベースで2%、20店舗以上の調剤チェーンに関しましては0.1%と、ほとんどなくなったという形でございます。
単品単価の停滞につきましては、25年度通期と26年度通期を見ていただきたいと思いますが、25年度の通期、200床以上の病院では53.4。それが26年度通期では53.1%。若干の後退があったという形です。
20店舗以上のチェーン薬局に関しては63.3から59.4ということで、こちらも若干の後退があったという形でございます。
次に、3ページ目はメーカー様、川上取引のことについてでございます。一次売差マイナスの改善については、26年度、ほとんどの進展がございませんでした。この問題を解消するためには、単品単価取引を徹底し、製品の価値に見合った市場価格を形成する必要がございます。同時に、市場実勢価を踏まえた価値に見合った仕切価が設定され、また、期中においても後発品の上市等により市場環境が変化した場合には、仕切価の見直しを行っていただく必要がございます。
新薬創出加算が試行的に導入されて以来、市場構造が大きく変化しております。新薬創出加算と後発品のシェアが拡大し、長期収載品のシェアが低下しております。メーカー各社様の考え方により、カテゴリーごとに価格体系が異なっておりますが、卸連としては、それぞれのカテゴリーごとに合理的な価格体系を設定していただくことを強く要望いたします。また、新薬創出加算については、スペシャリティーとその他の特許品のカテゴリーに分けることなどを検討する必要があると考えております。
本年度は、市場環境の変化等を踏まえた市場価値に見合った仕切価設定のため、また、卸機能と活動を評価した割戻し体系の構築のため、川上交渉が十分に行われ、メーカーの予算編成に反映されるようなルール化について検討する予定でございます。
下の表2「市場構造の変化」は、カテゴリーチェンジを説明したものでございますが、26年度で見ますと、新薬創出加算の品目の売上シェアが35、後発品のシェアが9という形で、両方とも伸び率にしましては、前年対比で新薬創出加算がプラス13、後発品がプラス10という形で大きく伸びております。これは、後発品の使用促進策、保険薬局、DPC病院等に対しての対策がございまして、大きく増えているという形です。それに対しまして、長期収載品はマイナス12ということで、大幅に低下しております。
新薬創出加算品に関しましては、スペシャリティーなお薬が非常に上市されておりまして、これは新薬創出加算のドラッグ・ラグの解消という点では大きな成果があったかなという形でございます。それも含めて、26年度に関しましては、売り上げの伸び率はマイナス2.6ということで、市場がシュリンクしております。
医療費の増大、医療用医薬品の売り上げが大きくそこを担っているかという形でございますが、今回は市場がシュリンクしたわけでございますので、医療用医薬品は適正に販売されているということが言えるのではないかと思っております。
続いて、4ページ目でございます。これは追加という形でございますが、「後発医薬品の急激な拡大への対応について」でございます。
後発医薬品の数量シェア目標、先ほども申し上げましたけれども、2020年度までに80%以上に拡大する方針が示されております。目標ベース80%が達成されると、全医療用医薬品の数量ベースで50%以上が後発品になるものと見込まれ、このような急激な拡大は、卸経営に甚大な影響を及ぼすと考えております。
今年の改定は、極端な価格競争とか、安定供給、品質管理の観点から問題があると思っております。先発品に対して後発品の品目が過剰に多く上市されていることもあることから、依然として卸の在庫負担が大きく、管理上の非効率性の改善にもつながっておりません。
卸のセンターでは、売上シェア10%ぐらいの後発品で占有率の半分近くを占めるような状況が続いております。
後発品の品目数が多い理由としましては、1つとして、一般名でない後発医薬品名が記載された処方箋が多く、さらに、その半数が変更不可になっており、そのような変更不可とする処方箋が増加傾向にあるということが考えられます。
2つ目として後発品の共同開発が拡大しているということが考えられます。
このような後発品の急激な拡大に対して、卸連としましては、次の4つのことを要望したいと思っております。
1つとしまして、後発医薬品を処方する場合は一般名処方を徹底していただきたいということ。
2つ目としまして、後発医薬品の共同開発について、後発医薬品の品目数が適正な規模になるようにあり方を見直していただきたい。
3つ目として、先ほども申し上げましたが、後発医薬品の新発売の際には、変動情報を含む新バーコード表示が必ず行われるようにしていただきたい。
4つ目としまして、カテゴリーチェンジがこれまでにも増して急速に進み、卸経営に甚大な影響があるので、卸機能を適切に評価する仕切価・割戻しの設定をお願いしたいということでございます。
以上でございます。
○嶋口座長
さまざまな要望が出ておりますけれども、卸連の立場からこれまでの取り組み状況を踏まえて、今後こういうふうにしてもらえればありがたいと。そういうお話がございました。ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、製薬協のほうから資料2-6の説明をしたいと思います。よろしくお願いします。
○青柳委員
製薬協の青柳でございます。メーカーの取り組みとしまして、資料2-6に基づいてご説明をさせていただきます。
1つ目として「医療用医薬品の流通改善について」、緊急提言を受けた基本的な取り組みについてです。
この緊急提言の中に留意事項として、先ほどの事務局の説明にもありましたが、取引の透明性、あるいは仕切価等の速やかな提示、あるいは割戻し・アローアンスの整理、こういったものが留意事項として挙げられたわけですが、各社は、薬価告示後、速やかに仕切価を卸さんのほうに提示をさせていただいている。
割戻し・アローアンスのうち一次仕切価に反映可能なものは反映させている。
割戻し・アローアンスなどの設定基準を明確化する。これらのことに関しては、積極的な取り組みを行ってきた結果、現在ではメーカーと卸間との協議・交渉というのは進展して、また取引の透明性という観点からは十分確保されてきているのではないかなと考えています。
その中で、平成26年度の取り組みということになりますが、仕切価、割戻しあるいはアローアンスということになりますが、仕切価は、本会でも何度もお話をさせていただいていますけれども、各メーカーが製品の製造原価、あるいは自社における製品の位置づけ、薬価改定の影響、製品のライフサイクル等の自社の状況に加えて、競合の状況、後発品の参入状況などの外的環境を勘案した上で仕切価の設定をしているということになります。特に平成26年度におきましては、急激な環境変化、特にジェネリック医薬品の伸張ということもあり、個別メーカーと卸売業者との協議の場が増加していると認識をしています。
また、製薬協と卸連で川上ワーキングチームを開催しているわけですが、こういった市場環境の変化を踏まえた仕切価の設定に加えて、仕切価の修正という形でメーカーとして考えている割戻し、これは卸機能を評価するものとして設定しているわけですが、こういった卸機能と活動を評価した割戻しの設定等について、ワーキングチームで意見交換をさせていただいており、その中で認識の共有化を図っているということになります。ここで議論されたことに関しては、製薬協の各種の会議体において会員会社のほうに周知を行っているという状況です。
3番目の「今後の取組」ということになりますが、市場実勢価を反映する我が国の薬価制度においては、医療用医薬品の価値に見合った単品単価取引の推進ということが、イノベーションの適正な評価の前提条件であろうと考えています。そのことも踏まえて、市場環境等の変化の状況、仕切価水準の設定、あるいは卸機能の評価を踏まえた割戻し、アローアンス等の考え方について、共通認識が持てるよう、今後も卸連との意見交換を継続していきたいと思っています。
以上でございます。
○嶋口座長
ありがとうございました。
先ほどからワーキングチームの話が出ておりますけれども、この懇談会の中ではなかなか細かなところまで議論が及ばないということで、数年前に各当事者間でもうちょっと具体的なディスカッション、あるいは推進ができるようにということで、ワーキングチームをつくってありますが、そのメーンプレーヤーは、もちろん卸の立場、メーカーの立場と、もう一つは末端のほうの立場があって、このワーキングチームに参加している保険薬局協会からも26年度の取り組み結果と、27年度の価格交渉の現状や早期妥結に向けた取り組みについて、いろいろ御意見があると思います。ここには資料はないですけれども、一言御説明いただけたらありがたいと思います。中村さん、お願いします。
○中村委員
保険薬局協会の中村でございます。よろしくお願いいたします。
議長の御指示によって、近年の流通改善に対する保険薬局協会の活動について、御報告を申し上げたいと思います。
資料にもございますように、平成24年が4回、25年が3回、26年が2回、本年度に入りまして5月に1回、ワーキンググループの会合を卸連の皆さんと経済課の皆さんの仲介により、我々が今回の流通改善について努力をする場として相当な回数をやりました。
私どものほうもそれだけでは徹底できないということで、平成24年、25年においては、多いときは全国の24カ所、地元の卸の経営の皆さん、保険薬局の経営者の皆さん、そして、時としては経済課の皆さんにも御出席いただいて、流通改善の必要性の基本的な考え方について徹底してまいりました。この2年間36回、全国で行ってきております。これが卸さんと我々の信頼関係が相当前進した一つの実績ではないかなというふうに考えています。
そして、昨年の9月、減算方式という新たな方式によって、過去の流改懇の中ではなかなか達成し得なかった九十数%の妥結率というのが、達成できたのではないかなと思っております。
ここで申し上げたいのは、ただ減算方式をやったから、それだけでこういう結果になったということでなくて、その前のそれぞれの当事者の信頼関係が構築されたことが、結果的に9月の減算方式のときに、卸さんのほうから、やはり自分たちのお得意先に対して、未妥結のままでペナルティーを受けるようなことがあってはならないということで、相当時間と手間をかけていただいて、それぞれの得意先に対して早期妥結、そのための資料の保管その他、御苦労をかけたことは事実でございますので、それぞれのチャネルの努力によって九十数%達成したというふうに私は理解しております。
それは先月5月の流改懇でもそれほど激しい議論をすることなく、過去はそういうことでなくて、相当激しいやりとりをした時期もあったのですけれども、そういうことでスムーズな信頼関係が生まれているなというふうに思っています。
ただ、宿題として残っております覚書の締結、単品単価のもう少し正確な資料、交渉状況というのは課題として残っておりますが、これはこちら側のほうにも、価格が決まれば、特に契約の覚書は交わさなくてもいいのではないかという考え方が全くなかったわけではなくて、その意味について、単品単価も含めて、各会員のほうにも覚書の締結、及び単品単価がいかに必要かという概念を現在指導、育成している状況でございます。改めてまたワーキンググループの場を活用してより徹底方を図り、次回の流改懇に対して御報告できれば非常にいいなと。こんなふうにも考えておりますので、この流れについてはぜひ御理解のほどよろしくお願いしたいと思います。
経済課の皆さん及び卸連の皆さんにも大変お世話になった結果ということで、改めて深く御礼を申し上げておきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
それでは、おのおのの立場から流通実態についての改善の方向をお話しいただきましたけれども、ここでまた議論をオープンにしまして、質疑応答あるいは御意見の開陳をいただきたいと思います。何か御意見ございますでしょうか。質問でも結構でございます。お願いいたします。
○鈴木委員
資料2-1の4ページを見ますと、9月に一旦上がって、12月に下がって、3月にまた上がるという現象が起きています。3ページ目を見ますと、12月に特に下がっているところは日赤、厚生連です。恐らく全国組織ですから、共通した対応をとっていると思うのですけれども、この2つが特に目立つわけですが、その理由としてはどういうことが考えられるのか。半年契約もあるというお話ですが、特にこの2つの大病院チェーンが低いことについて、どのように考えているのかを教えていただきたいと思います。
それと、2-5の卸連さんの話の中で、4ページ目に一般名ではない後発医薬品名が記載されていて、半数近くが変更不可になっているという話があり、これについて一般名処方を徹底するようにという話がありましたけれども、我々処方する側から見ると、後発医薬品の品質にまだ不安や不信があるという先生方もたくさんいらっしゃいます。1つはメーカーの数が非常に多いということがあると思いますので、そうした改善も必要であると考えております。
一方では、その後に「後発医薬品の「共同開発」が拡大している」という話がありますが、これは余り知らなかったのですが、共同開発によって、何ら開発に苦労しないで販売できるということが続きますと、品目数の適正化、即ち縮小が今後とも進まないのではないかと思うのですが、これについて事務局はどのように考えているのかを質問させていただきたいと思います。
以上です。
○嶋口座長
ありがとうございました。
2つ御質問いただきましたが、最初に、2-1のところの大病院などの妥結が、価格妥結状況では低いが、これについてどう思うかという質問からお願いします。
○城経済課長
資料2-1の3ページ、大病院、200床以上の医療機関の中の内訳をご覧いただければと思います。一番右の26年度の12月の欄を上からずっと見ていくと、20%台というのが2つあって、11番の日赤、14番の厚生連の部分です。
私どもも各団体に足を運び、妥結率の向上に向けたご協力をお願いしてまいりまして、現場でもそれぞれご対応いただいたものと承知しております。
その隣、26年9月については、どこも90%前後、100%のところもありますし、やっていただいたというのがありますが、12月に大きく落ち込んでいるということだと思います。
こういう比較がいいかどうかわかりませんが、25年度の同じ欄とか24年度の同じ欄を見ていただくと、日赤、厚生連ともに24年度は1%台だったということを考えると、本当に御苦労されたということで、これまで全く年度前半に妥結するという習慣がなかったところに、年度前半で妥結するという習慣を持ち込んでいただいたということで、改善はされたのだというふうに理解しております。
ただ、上期、下期を考えたときに、年度通年での妥結を年度前半で行うというところになかなか至っていないという状況ではないか。ここは、最終的にこの結果が出た後、ヒアリング等々を行っていないので、私どもの推測になりますが、そういうお話ではないかと思います。ここについては改善を促したいというか、お願いをしたいというふうに考えております。
他でも、おおむね公立病院などでは、下げ幅は違いますが、傾向としては同じような傾向のあるところがございますので、働きかけはしたいと思います。これが1つ目であります。
○嶋口座長
では、ついでに事務局のほうから、今の鈴木委員からの御質問、2-5の4ページのところ、後発薬について共同開発云々という御質問がございましたが、それについてお願いいたします。
○城経済課長
共同開発ということで、卸連さんのほうからいただいている話ですが、共同開発というのは何かというのをまず先に申し上げると、ジェネリックに限らずではありますが、医薬品の開発については、特にジェネリックで多いと思いますが、同じデータをもって、数社が医薬品の製造販売の承認申請をするということが制度的に認められたというのがございます。
同じデータですから、同じ製造所で同じ形で製造するということになると思います。そして、それをそれぞれのブランドで販売するということになると思います。それが共同開発であります。ジェネリックの場合も数社で共同開発をし、1つの工場で造ったものを、各社がラベル違いで別製品として販売をするということが制度上認めたられたということで、そういった開発が一定程度行われているということだと思います。
これについてどうかということであります。それそのものの是非ということはともかくとして、今、ジェネリック、後発品の銘柄数が多過ぎて、現場でお困りになっているという状況、これは中医協でも前回の改定のときに御議論がございました。それから、我々が別の場でジェネリックの使用促進ということを進めているわけですが、その場でもアンケート等でそういった声をいただいております。
そういう意味で、最終的には薬価上の話であれば、中医協の御議論を待つ必要があると思っておりますが、何かしら銘柄数の多さについての対策が求められているというのが現状であります。その中で共同開発がある程度銘柄数をふやす方向に働いているということであれば、何らか対応が必要だろうというふうに考えております。
別の話になりますが、これによって規格揃えとか、当時あった課題を解決する役には立ったという経緯がございますので、これを否定するものではないのですが、別の課題が出てきているということは現状としてありますので、それは対策が必要だろうと思っております。
とりあえず今、申し上げられるのはそれぐらいだと思います。
○嶋口座長
ありがとうございました。
今のお答えの中にもちょっとありましたが、聞くところによりますと、6月10日の中医協の薬価専門部会で、単品単価取引がちょっと停滞しているけれども、率としては停滞で、妥結率を勘案すると、単品単価取引の数は増加しているわけなのですが、しかし、停滞について中医協の委員から質疑があったそうなのですが、ちょっと停滞したということについて、卸連の立場でも、保険薬局協会の立場でも結構ですが、ありますでしょうか。では、お願いいたします。
○村井委員
資料2-2の最後のところを見ていただきたいのですけれども、今の御質問はこのグラフにかかわるところだと思うのですが、まず、このグラフの見方なのですけれども、この帯グラフは、妥結している先を100として、その中の単品単価取引あるいは単品総価取引の割合を示したものであります。
しかも、下に書いておりますように、これは全国2,634病院の200床以上の病院と、店舗数の合計は把握しておりませんが、20店舗以上の調剤薬局チェーンさんだけを取り上げて書いているものでありまして、まず第一に申し上げたいのは、全ての医療機関、薬局が対象になっているグラフではないということです。ここには先ほどの折れ線グラフの下のほうにあるところを抜き出して、こういう集計の仕方をされたというふうに理解しております。
構成割合で見ると、単品単価の割合が24年から26年にそれぞれで若干減少しているように見えますが、率ではこのとおりなのですけれども、今、嶋口先生からお話がありましたように、数という面で言いますと、下に赤枠で囲っていただいております妥結率がございますので、これを掛け合わせて見ていただくと、実際の数というのでは、200床以上の病院でも単品単価の数は若干増加しておりますし、調剤薬局チェーンも増加しております。これはかなり大きく増加しております。
ただ、同様に妥結率を掛け合わせてみた場合でも、単品総価もそれぞれ数でも率でも増加しているというところで、それが今回我々が課題ということで書かせていただいたところであります。
単品総価の得意先の増加というのは、考え方によりますと、従来は妥結していなかった先が、未妥結減算制度という制度が入ったために、9月末をもって一旦妥結されたと。ただ、そのときまでに単品単価の交渉が間に合わず、やむを得ず単品総価で妥結するということになったのではないかというふうに私どもは考えております。
○嶋口座長
ありがとうございました。
そのほかはございますか。よろしゅうございますか。小山委員、お願いいたします。
○小山委員
先ほどのお話、単品単価が減った、病院側の対応がある意味よくないということにもなるかと思うのですけれども、この制度が始まって最初のところでもって、どこの医療機関も何しろ9月までに妥結する必要があるという、ある意味お尻に火がついた状態が今回初めての経験だったということが大きく影響していると思うのです。
期待することは、今年度は単品単価がどういうふうになるかということを見てみないと、一概にいいの悪いのというふうには言えないと思いますので、もう少しの猶予をいただきたいのと、そういうことの御指示、いろんな指導を全般的にしていただく必要があるかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございました。
26年度なのですけれども、ほかの委員からも出ていましたが、妥結率が大幅に向上したことは評価できると思うのですが、単品単価取引が停滞したという問題点があったと思います。その上で、未妥結減算導入に伴う影響ということで、卸連のほうからも「妥結率の根拠となる資料」の提供等、新たな労務・コスト負担が卸の経営に大きくのしかかったということなのですが、そもそも小規模の薬局は未妥結とは無関係で、そのため、今回の未妥結減算に伴う事務負担増に対する苦情や改善を求める声が非常に多い中で、今後の課題だと思いますけれども、対象をどうするのかということが1点。
それから、1年目、「妥結率の根拠となる資料」ということで品目リストを出したと思うのですが、こういうものも非常に負担になっているということで、先に向かってこのことに関してはぜひ御検討いただければというふうに思います。
以上です。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
まだいろいろ御質問があるかもしれませんが、時間の関係がありますので、先に進めさせていただきますと、流通、いわゆる取引慣行と言われるこれらの問題については、御報告にありますように、平成26年度の取組結果という意味では、まず、割戻し・アローアンス、一次売差マイナスは、ほぼ横ばいでありますけれども、若干増加したということで、それほど大きな進展は見られなかった。ですから、これについてはいろいろの事情があると思いますが、さらなる改善を進めていただければありがたいと思います。
平成26年度取引分の妥結率のほうでございますが、先ほどから議論がありますように、未妥結減算制度の導入、これは劇薬みたいなもので、待ったなしで入ってきたものですが、こういうものと、それから取引当事者間の御努力、御協力というもので、平成26年度3月取引分についてはかなり高い妥結率であったということで、これはいい結果だったかなと思います。
それに関連して、遡った値引きがない、こういう点も前進が見られたかなという思いがいたします。
ただ一方で、部分妥結といった面もやや見られたとのことですので、今後の改善に向けた取り組みにぜひ期待したいと思っております。
それから、銘柄別の収載という現行の薬価基準制度の趣旨に沿った単品単価の契約は、今、議論がいろいろありましたように、妥結率と単品単価の割合からすると順調に伸びてきているとのことで、数字的にはまだという議論もあるかもしれませんが、まあまあのよい結果が得られているのかなという印象を持っております。
ということで、当懇談会で平成19年に緊急提言が課題として出てきたわけですが、それから7年ほど経った平成26年度としては、取引当事者の皆様方の御努力によりまして、かなり改善が見られたかなと。そういう印象を持っております。
しかし、そうはいっても、これからさらなる引き締めと改善努力をしていくべきではないかなという感じがしまして、川上におきましても、川下におきましても、さらなる改善努力をお願いしたいと思っております。
ということで、一応取引制度そのものについてはここまでにしまして、3番目のテーマに移りたいと思います。いわゆる「その他」という項目になっておりますが、例年議事は大体これまでの1と2のところで終わっているわけなのですが、今回は経済財政諮問会議での議論などを踏まえた新たな流通改善に関する意見交換として、事務局から資料3を用意していただいておりますので、まず事務局のほうからそのテーマについてちょっとお話をいただきまして、後でフリーディスカッションをしてみたいと思っております。
ということで、山口首席、お願いいたします。
○山口首席流通指導官
事務局でございます。
それでは、資料3の医療用医薬品の流通改善というものについて、御説明をさせていただきます。
一番上のくくったところでございますけれども、平成19年9月に「医療用医薬品の流通改善について(緊急提言)」を取りまとめていただきまして、取引当事者に対して流通改善に向けた留意事項等を示し、改善に向けた取り組みを要請してきたところでございます。
内容については、先ほど来出ておりますとおり、3つの大きな事項。一次売差マイナスと割戻し・アローアンスの拡大傾向の改善、長期にわたる未妥結・仮納入の改善、総価契約の改善といったようなものでございます。
これまでの取り組みによりまして、未妥結・仮納入といったところや、総価契約についてといったところにつきましては、一定の改善が見られるようになったところでございますが、その後、後発医薬品の使用促進とか、新薬創出・適応外薬解消等促進加算品目の増加といったことに伴いまして、カテゴリーチェンジが起こってきているということ。
2番目としまして、いわゆる未妥結減算制度といったものが昨年度導入されたといったことがございます。緊急提言を取りまとめていただいた後に、医療用医薬品の流通を取り巻く環境というのは大きく変化をしてきているといった状況がございます。
先ほど来話がございましたとおり、現在、各方面で後発医薬品の使用促進の飛躍的加速といったこととか、医薬品産業の底上げについて議論がされてございます。厚生労働省の提案の中でも、エッセンシャルドラッグの安定供給等の推進、流通の振興等を含めた総合戦略を本年夏に策定予定ということを大臣から表明をしているところでございます。
本懇談会におきましても、緊急提言以降の大きな環境変化といったものを踏まえて、5年先、10年先を見据えた流通改善策につきまして、本年夏までに取りまとめていただきたいと考えてございます。
取りまとめに向けた御議論をいただくための参考として例示をさせていただいてございますが、大きなところで4つほど書かせていただいてございます。
「単品単価交渉の更なる促進」、「カテゴリーチェンジを踏まえた流通のあり方」、「後発医薬品の更なる使用促進を踏まえた流通のあり方」、「市場の変化や社会的要請に対応する流通のあり方」といったことなどがあろうかと思っております。
1枚おめくりいただきまして、2ページ目のほうにその大きな柱について、こんなことがあるのかなといったようなものをつけ足してございます。
1つ目の単品単価のところには、その下に2つほど書かせていただいてございまして、1つ目が、未妥結減算制度の導入に伴いまして、交渉期間の短期化により単品単価交渉が停滞をしたような状況が今はあるということなので、さらに覚書の締結を推進し、単品単価交渉というのを促進していく必要があるのかと。
2つ目でございますけれども、今後増加するスペシャリティー医薬品の単品単価による取引といったものもあるのではないかということで、書かせていただいております。
2つ目の大きな○、カテゴリーチェンジを踏まえた流通のあり方ということでございます。後発医薬品、新薬創出加算品の増加といったものと、それを受けて長期収載品の減少といった傾向を踏まえた流通のあり方といったものを考えていく必要があるのかと。
2つ目がカテゴリーチェンジに対応した収益モデルの構築といったこともあるのではなかろうかということ。
3つ目の大きな○は、「後発医薬品の更なる使用促進を踏まえた流通のあり方」ということで、2020年までに80%といった目標を表明させていただいているのですが、そういった大きな動き、後発医薬品の使用促進を踏まえました流通の効率化といったことも考える必要があるのかということで、例えばということで括弧書きに書いてございますが、増えてくる在庫管理のあり方とか、配送のあり方といったこともあるのではなかろうかと。
2つ目のところに、先ほども出ておりましたが、一般名処方の促進等といったこともあるのかということで、書かせていただいてございます。
最後の○は「市場の変化や社会的要請に対応する流通のあり方」ということでございます。スペシャリティー医薬品の増加を視野に入れた新たな流通モデルの構築といったこともあるのではなかろうかと。
2つ目のポツでございますけれども、ICT技術を活用した情報共有をすることによる流通コストの削減など、流通に関する情報の活用といったこともあるのではなかろうかということで、書かせていただいてございます。
これらのものを御議論の参考として記載をさせていただいているということでございます。
簡単ではございますが、事務局からは以上でございます。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
もともとこの流改懇というのは、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会でありまして、医政局長、経済課に対して、今後の流通政策を考えていただくにあたって、どういうふうな視点やどういうものを推進するか、意見を具申する会でございますので、これからフリーな議論を出していただいて構わないと思いますので、御自由な立場から。今までの議論を踏まえた上でもいいし、あるいは全く新しい視点でも結構だと思います。
先ほど経済課長のほうから、後発医薬品についての問題をここのところで議論していただいてもいいというお話がございましたけれども、そういうことを踏まえてお願いしたいと思います。では、よろしくお願いいたします。中村委員。
○中村委員
後発品というよりも、例えば新薬創出、あるいは長期収載品、オーソライズド・ジェネリック、あるいは後発品というふうに、薬価制度上、こういう呼び方をしておりますが、医療機関で処方箋を書いている先生方、調剤をする薬剤師、しかも服薬される患者さんにとっては、このカテゴリーは何ら意味のないことなのだろうと。要は、安全であり、自分にとって適切な薬剤であればということを願った中での医療行動だと私は思います。ですから、この言葉は、あくまでも我々の世界で通じることであって、医療の現場ではそれは通じない。だから、上のところで許されて、下のほうでは許されないとか、そういうことがあってはならないので、このゾーン全部が同じレベルで医薬品というのは供給されるべきだというふうに理解しております。
どういうことが起こっているかということは、先ほども議論されていますように、バーコードのときも出ていましたけれども、新薬のゾーンではバーコードが入っていて、後発になると入らないということは、本来は許されないことなのです。バーコードが医療機関の中でどういう活躍をしているかということは、調剤過誤にも活躍しているし、当然在庫管理上も活躍している部分があるわけですね。
それは同じゾーンであってこそ80%目標が達成されるべきで、80のためにそのことが飛んでいくということでは、従来の医療用医薬品の培ってきた歴史に対して非常に大きな禍根を残すことになるのではないか。私は医療機関、保険薬局を経営して、総論でそういう疑問を持っています。
それと、保険薬局で起こっていることは、先ほど卸連の報告書にもありましたように、大変な在庫過多になっております。どういうことかといいますと、例えば従来は500品目ぐらい置いた薬局が、ジェネリックを45、50、60というふうになりますと、大体1,000品目を超える在庫量になっていきます。これを月数で言いますと、3月末の在庫月数が、薬局によって違いますが、0.4カ月、0.5カ月で回ったものが1カ月を超えるようになってきています。それは余りにも品目が多いために、20メーカーが出されたら、全部包装も違う。それを全部揃えなければならぬ。在庫が増えると何が起こるかというと、不動在庫、1回きりで終わるような在庫が増えて、それが有効期限が来て、破棄しなければならないというものが、薬局単位では相当な額に増えつつあります。これは大変大切な医療資源だと思うのですね。
それを大量に破棄するということが日本という国の中で絶対あってはならない。非常に大切な資源だと思うのですね。これはジェネリックであろうが、新薬であろうが、例えば海外、どこかに持っていってあげれば大変役立つものである。現在の運用の中でいびつになっているものが修正されないためにそういうことが起こっているということも御理解いただいた中で、これはこれからのジェネリック推進の中で非常に大きなテーマになるようにお願いしたいなというふうに考えておりますので、よろしゅう御理解いただきたいと思っています。
○嶋口座長
この資料の中では「後発品」という書き方をされていますが、それについては何か。やはり「ジェネリック」のほうがいいでしょうか。どうぞ。
○鈴木委員
日曜日にあった浜松のシンポジウムでも話しましたけれども、国民向けには「ジェネリック」とぼかして言って、我々関係者の間では「後発品」とはっきり言っているので、国民に対して曖昧にしておきながら、使え使えというのは、もうそろそろ終わりにしたらいいのではないでしょうか。私は、そのとき国民向けにも「後発品」でいいではないですかと申し上げましたけれども、それを繰り返して申し上げたいと思います。
○嶋口座長
城さん。
○城経済課長
同じ場におりまして、そのときに同じような御議論がありました。
私どもも、もともとは後発品というもののイメージが日本で悪かったということを踏まえて、言い方として「ジェネリック医薬品」ということで、これは欧米で一般名処方がされているのは普通だから、「ジェネリック薬」というふうに言われていることを踏まえてということでやってまいりました。
ただ、大分その不信感とか偏見はなくなってきただろうということもございます。薬事承認上の分類、分類もその他で書いてあるわけですが、我々は、正式名称は「後発品」として通知上も呼んでおりますので、「後発品」という言葉に抵抗がもうなくなってきているのであれば、逆にそういう形もあるのではないかというふうに考えておりますが、ここはちょっと御議論がありますが。
日本では銘柄があっての収載になっています。後発品であっても銘柄別の収載になっていますので、一般名収載をしているものでないということから考えると、「後発品」と呼んでいるのは正しいのかなと思っておりますので、それを定着させていくということもあるかなと思います。
文章を書いていて、「ジェネリック」という言葉は字数も多いですし、今後考えたいと思っております。
○嶋口座長
ありがとうございました。
これは今、結論をどうということではないのですが、御意見としてそういうものもあるということでございますね。
そのほかに何かございますか。
これは塩崎大臣のほうからこの夏までにまとめろという御指示があったということで、そこの説明をお願いいたします。
○城経済課長
そうしましたら、参考資料にそのときの資料をつけておりますので、参考資料2と3がございます。主には参考資料2をご覧いただくといいかと思います。
一括綴じになっていますが、参考資料2の本文の8ページ「重点改革事項4」ということで、ジェネリックの使用促進のグラフのついているページでございます。私どもは、5月26日、諮問会議に対して、平成32(2020)年度末までに80%以上とする目標を定めるということはどうだろうかという提案をいたしております。
ただ、60%までのところというのは、使用促進策だけで乗り切れるかもしれないけれども、80%という目標を立てて進めるとなったら、使用促進策だけでできるものではなくて、医薬品産業全体、これは新薬の側のイノベーションもそうですし、流通も含めて、全体の底上げをしなければ到底辿り着ける目標ではないということもありますので、そこを全体的に進めるための総合的な戦略ということを併せて進める必要があるだろうということで、上の箱の中にありますが、総合戦略を夏に定めたいということを提案しているところでございます。
その関連で、同じところを3枚ぐらいめくっていただくと、もう一回ページが変わりまして、同じように参考資料の8ページというページが出てまいります。これはこのときの参考資料の8ページでございます。これはそのときの解説であります。医薬品等のイノベーションの推進ということでありますが、ここで治験の活性化であるとか価格面での評価ということがあります。その中で「流通改善・安定供給の確保」ということで、ここは流改懇、まさに今日のこの会を開催することを念頭に置いていたわけですが、ここで夏を目途に流通改善の提言を取りまとめた上で、流通についても何らかの提言をいただいて、そしてそれを戦略の中に反映していきたいということを、大臣から諮問会議のほうに提案し、それと80%目標の設定時期とセットでということで提言をしたわけでございます。
特にこのときの視点としては、イノベーションという文脈の中で、単品単価取引により市場で個別のいい薬の価格がちゃんと価値に見合って定められる。これによって、薬価改定においてもそのイノベーションの成果たる医薬品の価格がきちんと定まり、それが市場における評価として新たな薬価になる。こういったことを進めるのが必要だろうということで、単品単価取引の推進というのは、イノベーションの評価にも不可欠である。こういった観点で流通にも期待をしている、そういう趣旨であったと思います。
ですので、ここで夏に流通改善の提言を取りまとめていただきたいということが表明されているということでございます。ですので、これを受けて本日の3番目のこの議題をお願いしたということでございます。
なお、もう一つ参考資料3というのがございます。これは6月10日、同様に提案をしております。ちょっとページが切れていますが、4ページというところでございます。ここで同様に後発の目標の達成のためにということで、総合戦略を定めると書いています。ここでは流通の話について特段触れておりませんが、量の適正化、価格の適正化、あと、全体の総合戦略とセットにして進める。このときには、もちろん国民への良質な医薬品の安定供給というものを一番に掲げ、それから産業の競争力強化という点も掲げということで進めたいということを述べているということでございます。御参考までに御紹介をいたします。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
夏までにまとめるというのはすごい大変だなと。これは経済課が主体的にここのところをまとめなければならないわけですが、そこに対して、ぜひこういうテーマ、あるいはこういうふうな問題についてその中に入れていただければいいのではないか、そういう御意見でも結構だと思います。全部通るかどうかは別にしましてですね。夏までですから、大体8月末くらいには一応まとめなければならない。そのための素材の提供を含めて、ぜひ委員の先生方から御意見をいただけたらありがたいと思います。いかがでございましょう。
松谷委員から何かありますか。
○松谷委員
取り上げていただいた流通の問題について、例として出してくださったことについては大変ありがたいと思っているのですけれども、流通改善の懇談会ができたときからの問題がまだ解決していない中ですが、やはり単品単価取引というのが一番大きな課題。それぞれのイノベーションにとっても必要ですし、また、総価取引ということがあっても、最初は除外ということで、除外品目といっていると、今度はジェネリックも除外だということで、結局、ジェネリックを買うためには、単品単価取引というか、銘柄間の競争を促進することによって市場が活性化するような、そういう動きがあったわけですから、その意味では、私は、最後に総価で価格合わせをするというのは非常にインチキな商売、取引だというふうに思っていますので、単品単価取引がなぜ必要かということについて非常に強くお願いをしたいということ。
それから、先ほどバーコードのところでちょっとお話があって、これも後からというお話があったのですけれども、あそこの資料の中に卸連から他の国がどんなふうになっているかということをお出ししたのは、他の国は、なぜバーコード、それもトレーサビリティーということで言うと、一番大きな原因は、偽薬の撲滅のためということで、国を挙げていろんなことをやっていたものが、日本ではカウンターフィットと言われる偽薬が少ないということで、余り真剣にならないというか、安心・安全という意味では、今のままでも結構いけるのではないかという観念がおありなのではないかと思うのですが、今、国際化という意味で言えば、薬事法もハーモナイゼーションしていかなければいけない中で、GMPは有名ですけれども、GDP、ディストリビューションのほうでもそういう規定があって、こういう規定をしているところに日本も47番目で昨年参加したわけです。その中にはトレーサビリティーのこと、それからそれは記帳義務というのがあって、日本の中でやっているGSP、流通のほうのものも今、国際的なものから見直しをやっているということなのです。
そういうことになると、この問題はもう少し広く見なければいけないし、また、自由貿易ということで言うと、TPPの問題とか、いろんなものも含めて、国際的なこういうものの動きについて、もっと速やかに対応していっていただかないと困ると思います。
先ほど中村会長から話がありましたように、医薬品という観点であれば、新薬であれ、ジェネリックであれ、また、局方品や補液であれ、全ての薬が流通という意味では重要な意味。価値があるから流通しているのだと思いますので、そういう意味では、このトレーサビリティーというのは、本当は流通量が多いからそちらからつけてくれというのは、方法論ですけれども、できるだけ早く100%つくということが、日本の流通としてとか、また、医療機関のヒヤリ・ハットを含めたデータの蓄積だとか、いろんな意味からは非常に大事なことだと思いますので、そういった観点からもその政策を乗っけていただければありがたいなと思います。
○嶋口座長
どうも貴重な意見、ありがとうございました。
そのほかに何か。森委員、お願いします。
○森委員
ありがとうございます。
今のバーコードの件なのですけれども、今おっしゃったように、現状は川上を中心に考えられているのですが、せっかくのシステムなので、今後を考えたときに、現場を含めてのトレーサビリティーの確保というのが非常に重要になってくると思うので、そういう先を見たときには、その視野を入れた政策というのを入れていただきたいということが一つ。
それから、後発品に関しては、課長からありましたように、60から80というのは、かなりハードルが高くなってきます。別世界のように高くなってきます。そうした中で、鈴木委員のほうからも後発品に関しての信頼性、不安がまだまだあるというお話もありました。さらなる信頼性向上を図りつつ、一般名の処方等、これまで以上に関係者が協力しながら進めていかないと、卸の在庫を含めて解決しない問題になってくると思うので、ぜひこの点はしっかりと書き込んでいただいて、目標が達成できるようにこちらも努力していきたいと思っております。
以上です。
○嶋口座長
ありがとうございました。
では、鈴木委員からお願いします。
○鈴木委員
先ほど最初のバーコードのところで質問しようと思っていたのですけれども、卸連さんが新たに後発品を出す場合に、新バーコード表示を100%してほしいという話がありました。先発品でも達成していないのに、後発品で達成しようというのは無理な要求ではないかと思ったのですが、逆にそれができれば、先発品は何をやっていたのだということになりますので、流通の改善という意味では必要なのかと思っております。
こういったものの進捗状況の促進、あるいは問題点の把握という意味では、1-3の資料の最初のバーコードのところ、ワーキングチームでいろいろな調査をするとありますので、そこにそれらも入れて、問題点を明らかにして改善していってもいいのではないかと思っております。
それと、一般名処方の促進ということですが、これは日曜日の浜松のシンポジウムで、我々としての不安や不信といった問題点をお話ししました。どういう薬が出るのかわからないので、患者さんから質問をされてもなかなか答えられないというところも改善していく必要があります。現場の医師の声、患者さんの声も聞いていただきながら、見直しや検討を進めていただければと思います。
以上です。
○嶋口座長
ありがとうございました。
小山委員、お願いします。
○小山委員
今のバーコードに関しては、私ももうちょっと強制力を持ってやられていいのではないかと思います。それに、後発薬といっても結局、新しく造るわけだから、その中の生産ラインに入れればいいだけですので、ぜひ強制力を持ってやっていただきたいというふうに思っております。
我々として一番問題になってくるのは、今回の資料3の下のほうにエッセンシャルドラッグの話が出ておりますけれども、我々の実際のところでもって時々汎用薬、メーカーが採算が合わないからというので中止してしまう薬が出てくるのですね。
これはどうしてかというと、いろんな薬のカテゴリーがあって、カテゴリーの変化が出たというお話もありましたけれども、エッセンシャルドラッグになるようなものに関してまで高額な薬と同じような薬価の決め方をしていくことにそろそろ問題が出てきているのではないかと思うのです。
ですので、薬価の決め方を少し分類して、何でもかんでも全部実勢価格に合わせてというのでなくて、高額なものはそういうことでいいでしょうけれども、エッセンシャルドラッグになるようなものに関しては、今までの価格の決め方とは少し違うようなやり方をしていかないと、本当に汎用に、重要に使っている薬が突然、いや、これはなくなりましたという話は、我々としては非常に困るので、そこはぜひ考慮していただきたいと思います。
もう一点、単品単価がいいことはもちろん分かっておりますけれども、今回の制度の仕方は減点というやり方なのですね。この前もお話ししましたが、ある意味行政に協力しているので、どちらかというとプラスになる、御褒美にしていただきたいというのが現場からの強い希望ですね。いっぱいの御褒美でなくてもいいのですけれども、マイナスするのではなくて、御褒美であるともう少し単品単価が増えるのではないかというような気がしますので、少し考慮していただければと思います。よろしくお願いいたします。
○嶋口座長
飴と鞭が両方必要だというお話で、それでは、鞭のほうでバーコードをちゃんとやってくれという話、強制でもいいではないかという話がございました。これはメーカーさんのほうから御意見をいただいたほうがいいかもしれませんが、どちらか、いかがでしょう。青柳委員。
○青柳委員
冒頭二川局長からもお話がありましたが、任意表示部分に関する検討ということに関して、異論はないというところであります。
ただし、それまでにお話をさせていただきましたように、各社ごとに少し事情があるので、そこについては御理解もいただきながら、バーコードのワーキングチームの中でまた検討していきたいと思っています。
○嶋口座長
これから活発に白熱した意見が出てきそうなのですが、残念ながら時間がもう終わってしまいます。まだ足りない分がありましたら、経済課のほうに直接御意見をいただいてもいいのではないかと思います。
最後に、山口さんのほうからお願いいたします。
○山口首席流通指導官
いろいろな御意見をいただきまして、ありがとうございました。
夏までに取りまとめということですので、時間も限られてございます。次の開催に当たりましては、開催という形になるのか、持ち回りという形になるのか、そこのところはまだはっきりしてございませんが、いずれにいたしましても、ただいまいただいた御意見、これからいただけるかもしれない御意見といったところを踏まえまして、一度事務局のほうで整理をさせていただきまして、それをまた各委員のほうにお示しをし、御意見をいただいた上で最終的な取りまとめを行えればといったようなことを考えてございます。
どうもありがとうございました。
○嶋口座長
ありがとうございました。
今、山口首席からお話がございましたように、さらにいろいろ意見を取りまとめて、事務局と私のほうで会議の運営を含めて調整させていただきたいと思います。
最後に、課長のほうからお願いいたします。
○城経済課長
ありがとうございます。
時間設定がやむを得ずこんな形になりまして申し訳ありません。御意見はどんなものでも結構でございます。関連すると思われるものでも、本当に何でも結構でございます。我々も全く白地から、これまでの議論の蓄積はあるのですが、さらにこの際ということで改めて取り上げるべきものと今、精査を始めたところでございます。まだ本当に白地でございます。そういう意味で、御意見をいただければ非常にありがたいと思っておりますので、ぜひお寄せいただければと思います。
どのようにということについては、事務局からも御連絡いたしますし、それを待たずに御意見をいただいても、それから二度、三度いただいても結構でございます。それを集約して、座長とまず進め方の御相談をしつつ進めたいと思っております。
急な話で本当に申しわけありませんが、私ども、さらに進めるために、これを契機にひとつ取りまとめができればと思っておりますので、ぜひ御協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○嶋口座長
どうもありがとうございました。
政治家や大臣は性急で、すぐというふうに言ってきますけれども、それを実際にやるのは事務局で、本当に大変だと思いますが、できたら7月いっぱいくらいまでに御意見をいただいたほうがいいですね。
○城経済課長
はい。
○嶋口座長
9月頃いただいても、もうそこには盛り込めないかもしれないということで。ぜひ積極的に事務局のほうに、今お話がございましたように、こんなテーマはどうだろうかというのがありましたら、お話しいただきたいと思います。
それでは、ちょうど時間になりました。以上で第23回の懇談会を終わりにいたします。どうもありがとうございました。
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医政局経済課
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