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2015年6月19日 第30回先進医療技術審査部会

(了)


第30回先進医療技術審査部会

(1) 日時:平成27年6月19日(金)16:00~17:30

(2) 場所:中央合同庁舎第5号館共用第8会議室(19階)

(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、一色構成員、
伊藤構成員、上村構成員、柴田構成員、関原構成員、
大門構成員、手良向構成員、藤原構成員、山中構成員、
山本構成員、飯島技術委員

  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 再生医療研究推進室長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 企画官
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐

議 題
1. 新規申請技術の評価結果について
2. 総括報告書の 再評価について
3. 総括報告書の評価について
4. 試験実施計画 の変更について
5. 協力医療機関の追加について
6. 先進医療の取り下げについて
7. 先進医療会議の審査結果等について
8. その他

議事録

○猿田座長 定刻になりましたので、第30回「先進医療技術審査部会」を開催いたします。委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところを御出席いただきましてどうもありがとうございました。本日の構成員の出欠状況は、佐藤構成員、田島構成員、田代構成員、直江構成員、松山構成員から欠席の連絡を承っています。藤原先生は、ちょっと遅れて参加されます。藤原先生を入れると、18名の構成員のうち、13名の構成員にお集まりいただいていることから、本会議は成立していることをお知らせいたします。本日は、技術委員として、飯島技術委員に来ていただいています。寺本技術委員にも意見を承っております。本日、寺本先生はおいでになれないということで、後ほど事務局からコメントを読んでいただきます。それでは、本日の資料の確認をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 配布資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術委員名簿。新規申請技術の評価結果についてとして資料1-1~資料1-5。総括報告書の再評価についてとして資料2-1~資料2-3。総括報告書の評価についてとして資料3-1と資料3-2。試験実施計画の変更についてとして資料4-1~資料4-3。協力医療機関の追加についてとして資料5-1~資料5-4。先進医療Bの取下げについてとして資料6-1、先進医療Bに係る協力医療機関の取下げについてとして資料6-2。先進医療会議の審査結果等として資料7-1~資料7-7。最後に参考資料があります。会議資料の最終ページは348ページとなります。加えて、構成員の先生方への机上配布資料としてホチキス止めの資料を用意しております。本日の資料は以上です。落丁、乱丁がありましたら、事務局までお知らせください。
 利益相反についてです。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1の15ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して事前に確認させていただいております。今回は、いずれの構成員からも事前の届出はありませんでした。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしということで承ります。
 また、今回もタブレットを使用していただきます。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される方は会議資料の某ページ又はタブレットの某ページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますのでよろしくお願いいたします。
○猿田座長 先月が、案件の関係で開催されなかったものですから、本日は資料が少し多くなっております。資料に特に問題がないようでしたら、早速議事に入ります。最初に、新規申請技術の評価結果について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 撮影されている傍聴者はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。資料1-1、15ページです。今回、先進医療Bとして御評価いただく技術は1件あります。整理番号046「多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍治療」です。適応症は、褥瘡又は難治性皮膚潰瘍(美容を除く)となっています。申請医療機関は、聖マリアンナ医科大学病院です。審査担当構成員は、主担当が伊藤構成員、副担当が山中構成員と田島構成員です。また、飯島技術委員にも御担当いただいております。なお、本技術は平成24年11月開催の先進医療会議における決定により、現在、暫定的に先進医療Aにて実施されておりますが、原則、平成28年3月31日までに先進医療Bに移行又は保険収載されない場合は、先進医療から削除される暫定先進医療Aの技術の1つとなっております。
 暫定先進医療Aに係る取決めの経緯及び詳細については、資料の末尾341ページから参考資料をお付けしておりますので御参照ください。
 資料1-5、31ページです。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より御説明いたします。実施責任医師の要件として、診療科は形成外科又は血管外科又は皮膚科。資格は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、心臓血管外科専門医認定機構のいずれかの専門医が必要。当該診療科の経験年数は4年以上が必要。当該技術の経験年数は1年以上が必要。当該技術の経験症例数として、実施者(術者)として1例以上が必要。その他の取決めはありません。
 医療機関の要件として、診療科は、形成外科・血管外科・皮膚科が必要。実施診療科の医師数は、標榜診療科いずれかの常勤医が少なくとも2名以上必要。他診療科の医師数は不要。その他医療従事者の配置としては、薬剤師又は臨床工学技士1名以上、ただし多血小板血漿を分離できる人材を確保することが必要。病床数は90床以上が必要。看護配置は10対1看護以上が必要。当直体制は不要。緊急手術の実施体制は必要。院内検査24時間実施体制は不要。他の医療機関との連携体制は不要。医療機器の保守管理体制は必要。倫理審査委員会による審査体制として、当該療養を初めて実施するときには、必ず事前に開催すること。1か月に1回開催する、あるいは用時開催の規定があることが必要。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は1症例以上が必要。その他の要件についての定めはありません。以上です。
○猿田座長 説明のありました保険医療機関の要件について、委員の先生方から御意見はありますか。大きな問題はないと思いますけれども、診療科としては形成外科、血管外科、皮膚科ということですが、よろしいでしょうか。御意見がないようでしたら、これはお認めいただいたことにさせていただきます。整理番号046の評価結果について、主担当の伊藤先生から御説明をお願いいたします。
○伊藤構成員 この技術の評価を述べさせていただきます。医療技術の概要ですが、対象疾患は、従来の保存治療において、治療抵抗性かつ手術不能な褥瘡を含む難治性の皮膚潰瘍です。難治性の皮膚潰瘍の治療技術としては、従来型の創傷治癒促進剤とか、感染創部の除菌剤とか、創傷の湿潤閉鎖による自己修復を促進する被覆剤とか様々なものがあると思っております。それ以外にも細胞治療のような、再生医療技術もあると思います。
 そういうものの中の1つとしてのPRPという多血小板血漿の技術があると思います。治療の方法としては、自分の血液を採って血小板を分離し、その血小板を多く含む血液を局所に投与するという治療法です。そういう意味では、他人のものでないし、感染性の懸念も大きな問題はないと思っています。
 ただ問題になりますのは、そういうPDGF、多血小板血漿は、いわゆるサイトカインとか、PDGFなども含んでいるので、当然有効性が期待できる治療法ではあるのですが、この治療法は、例えば歯科のインプラントや整形外科などの自由診療で実施されていて、様々な論文が出ています。そういう論文で、いわゆるメタアナリシスといったデータを見ると、整形外科領域でも有効性を証明するのは難しそうな領域のようです。
 今回、提出された資料を見ても、有効だと言われるRCT試験はITTからの除外が44%もあって、この試験で有効だと言うのはちょっと厳しい。いわゆる現在使われているb-FGF、商品名で言うとフィブラストみたいなものとの間で本当に差があるのかというのが、頂いた資料で判断するのは難しい技術と思います。。実施体制としては、過去にもおやりになられていますし、安全性についての懸念はないと思っております。
 一方でこの技術が始められた時代が多少古いところもあり、今の目から見ると、もう少し整理をされたほうがよろしいのではないか。同意説明文書もそうですし、プロトコール全体についてもそうで評価者の皆さんから御意見を頂いたと思っています。皆様からのご意見を頂いた上で、最終的に私のほうで考えたことについて述べさせていただければと思います。
○猿田座長 後で総括的なことで御意見を伺います。飯島技術委員から御説明いただけますか。
○飯島技術委員 伊藤先生から御説明がありましたように、この技術自体は数年前から、実際に先進医療で使われています。前回、これを先進医療に導入するときの、先進医療専門家会議でこれの審査に携わっております。前回問題になりましたのは、プレートレット・リッチ・プラズマの生成方法が少し問題になりました。現在は、この製法がかなりストルイスされて、しかも置換法といいますか、製剤を外に出さない形になりますので、技術的には安定しているのだろうと思います。
 この発想のヒントは多血小板血漿にはいろいろなグロース・ファクターであるとか、いろいろなサイトカインであるとか、これがリッチに入っていることは分かっておりますので、難治性の皮膚科医では、特に固い潰瘍で非常に難治のものがしばしばあります。これは御説明のありましたファイブロラスト・グロース・ファクターのようなものでやっても、なかなか治せないものにこれを応用するという技術の発想は昔からあります。技術としては、これをずっと生かしていただきたいと思うのです。いかんせん、この有用性を、EBMをちゃんと客観的に測る物差しがなかったのが実情だと思います。なかなか結果が出ていないのが現状で御覧いただいたとおりです。これは、技術としては難治性の潰瘍、特に固い潰瘍に加えて褥瘡もそうなのですが、こういうものに技術として残しておいていただきたいという気持ちがあります。これは、技術的な範囲からはそのように思います。
 もう一方は伊藤先生から御指摘がありましたように、PRPというのもインターネットを見ていただくと分かりますように、一番懸念するのは、これが美容外科の領域といいますか、しわ取りだとか、たるみのところで、コマーシャルベースでいっぱい出ています。それから、歯科のインプラントのときの口腔外科領域というのは、EBMがこれから出るのかどうか知りませんが、そういう領域でも大分先行しているようです。どういう方向へこの技術が行くにしても、皮膚の難治性潰瘍に関してはこの技術を残しておいていただきたい。それについての技術的な、例えば施行する上での問題点、その他御指摘頂きながら進めていただければと思います。
○猿田座長 本日、田島先生はおいでではないのですけれども、田島先生の御意見をお読みいただけますか。
○医政局研究開発振興課専門官 田島先生は本日御欠席ですので、事務局よりコメント及び意見を代読させていただきます。田島構成員からは、資料1-2、19ページのごとく、同意に係る手続、同意文書は「不適」、補償内容は「適」との御判断を頂いております。田島構成員からは、資料1-3、23ページのごとく、申請者への事前照会事項を頂いており、それに対する申請者からの回答を踏まえ、資料1-2、19ページにお戻りいただきますと、コメントとして「事前の指摘事項1~10について対応がなされた点もあるが、依然として説明文書の内容に以下の問題点があり、分かりにくさが解消されていない」との記載とともに、具体的に改善が必要な点を例示として数点頂いております。
 一方、田島構成員からは、加えて構成員の先生方のお手元に配布しております机上配布資料の1ページに、意見書を頂戴しておりますので、事務局で代読させていただきます。
 「意見書。初めに提出された説明文書の内容を、指摘事項に即して直されてはいますが、短時日で対応しようとされたためか、弥縫策的なものとなっており、全体が整理されず、重複がある一方で、依然として説明不足の点もあります。また、項目立てはなされたものの、項目と内容の不一致があって、かえって分かりにくくなっています。
 先進医療実施届出書案30ページにある説明文書の必須記載項目が、文章のどこかに、何らかの形で記載されていさえすればよいわけではありません。説明文書の原案の部分、部分に手を入れるのではなく、再度一から患者さんの立場で分かりやすく、まとまりの良いものに構成し直していただく必要があると考えます」。以上の御意見を頂いています。
○猿田座長 かなり細かく見ていただいて、今お話いただいたような意見を頂いております。続いて山中先生から説明をお願いいたします。
○山中構成員 実施計画書の審査をさせていただきました山中です。本対象集団は、外科手術が不適応の症例で、標準治療が存在せず、一般的には保存治療の継続がやむを得ず選択されることが多いようです。ただ、放置して漫然と保存治療を継続すると、足首切断ないし全身状態を悪化させて、死亡につながる重症例を対象にしております。その観点からは、本治療の最終ゴールというのは、死亡を回避することだと考えられます。それにつながるような、足首以上の切断の可能性を回避する、足首以上の切断の割合を下げる、ないし切断までの期間を遅らせられるということが、客観的に証明されれば、本医療技術は良いと判断できると思います。
 そういう評価が真のエンドポイントだと思うのですけれども、評価に時間を要しますし、更に高い割合で治療の奏効が得られれば、切断を回避できるという、ある意味サロゲートエンドポイント、代理エンドポイントになると考えられますので、まずはその奏効を高い確率で得ること、奏効が高い確率で得られるかどうかを評価する。そういう観点からプロトコールを作られているのですが、それに関してはおおむね賛同します。
 ただ検討していただきたいのは、その奏効をどう定義するかというのがちょっとコントラバーシャルです。奏効は、潰瘍部位がどれだけ小さくなったかということで今は定義されているのですけれども、それが潰瘍の縮小率が50%以上であれば奏効と定義されています。50%の客観的な根拠、十分合理的な根拠は難しいかもしれないのですけれども、その過去の利用可能なデータに基づいて50%ぐらいがおおむね臨床的に妥当であろうとか、そういう何らかの根拠は欲しいと思っております。
 それから、奏効した割合が30%以上を目安にしているのですけれども、3割以上の患者さんが奏効を得られることを目安にしています。その3割の決め方が少々恣意的ですので、ここに関しては合理性を持って決めていただけるようにしていただきたいと思います。
 症例数の設計の意味が解釈できない点を指摘しておきます。さらに有効性の評価を行う上で、今は奏効率しか挙げられていないのですけれども、奏効率以外に有効性の評価に係る項目、副次エンドポイントとして、奏効率以外に副次エンドポイントとして設定できるようなものがあるか、ないかということは検討していただきたいと思います。そういう観点からは、生物統計学の専門家に入っていただいて、統計学の専門家ではなく、臨床試験の経験が十分ある生物統計学専門家に参加していただき、エンドポイントの設定、副次エンドポイントの設定、症例数的な計算、そういうことを少し整理してほしいと思っております。おおまかにはそれらの点を指摘させていただきます。あと、効果安全性評価委員会の設定とか、利益相反に係る記載を多少整備していただきたいと思います。
○猿田座長 伊藤先生にまとめていただく前に、ここまでのところで構成員の先生方から御質問はありませんか。前にも議論したことのある案件ですが、そのときには飯島先生が絡んでくださっていましたが、飯島先生から何かありますか。
○飯島技術委員 エンドポイントの問題、その他も難治性潰瘍というものですから、定義もこれまたコントラバーシャルなところがあります。実は悩ましいところがあります。難治性という定義のハードルを下げると奏効率は上がってきます。ハードルを上げると、今度は奏効率はグンと落ちますので、この辺のところが悩ましいところなのです。この辺は、我々臨床の場にいる人間と、学問的に統計学をやった方々との見解は改めてディスカッションする必要があるのではないかと思います。我々も協力させていただきますし、専門家の先生からも御助言頂きたいと思います。
○山口座長代理 説明は分かったのですが、結局23例やって結果が出ると理解してよろしいのですか。これは、保険収載に向けてのトライアルなので、何の成果も出ないものであって、難しいねで終わるのではやる意味がないのではないかと思うのですが、その辺りの御意見は結論的にはいかがなのですか。
○山中構成員 統計学的な設定に関しては、今の記載が正直言って少し理解できないのですが、多分こうであろうというような、こういう根拠に基づいて設定したのではないか、それをうまく書けていないのではないかと思うところがあります。私のほうから見て、多分こういう根拠で書かれているのだろうなということが正しいとすれば、先ほど申し上げた閾値奏効割合が3割を統計学的にクリアできているようであれば、有効とみなすというように書かれています。そうすると、3割に設定した理由がしっかり記載されていればいいのではないかと思います。
○山口座長代理 例えば、飯島先生が、3割が妥当だと言えばこれでいいのではないかと思います。
○飯島技術委員 私たちが日常診療で感ずる難治というのは、何をやっても難治なのです。それで3割というのはかなり有効性は高いと考えます。厳しく考えての難治という意味では、3割は十分だと思うのですが、日常診療では辛いところなのです。
○猿田座長 伊藤先生からもう一度まとめていただけますか。
○伊藤構成員 山口先生のお言葉が一番きついと思います。外的な資料で判断する限り、この薬の有効性を23例で証明するのは相当程度厳しいと思います。安全性には特段の問題はないとは思います。いかんせんその前段階として説明文書とか、プロトコールだとかを、今の2015年の基準に合わせていただかないと、これで「いいです」というのは言いにくいというのが正直なところです。その部分は最低でもクリアしていただかないと、「適」にはしにくいということで、「条件付き適」という判断にさせていただきました。
○猿田座長 先ほどの田島先生からの倫理的な問題のところは、まだ完全に答えきれていないという御意見がありましたけれども、条件付き適とした場合に、その辺りのところをしっかり答えていただくことが重要だと思います。それから、飯島先生と山中先生の3割ということももう一回確認するという辺りのところでよろしいでしょうか。そういう形で、条件付き適ということで、そこをしっかり見ていただきます。
○医政局研究開発振興課専門官 「条件付き適」という御判断を頂きましたので、事務局で指摘事項を取りまとめた上、先生方に御確認を頂き、申請者にそちら直していただいた後、再度御評価いただくことになりますが、それをもって、技術審査部会で「適」にしたという判断にさせていただきます。
○猿田座長 期限のこともありますから、早急に対応していただきたいと思います。他に御意見がないようでしたら、整理番号046については、「条件付き適」にさせていただきます。続いて総括報告書の再評価について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-1、33ページを御覧ください。先進医療Bの総括報告書に関する再評価をいただくのは、平成21年8月に高度医療で開始された従前告示番号17番、「内視鏡下手術用ロボットを用いた冠動脈バイパス手術(1箇所のみを吻合するものに限る)」です。申請医療機関は東京医科大学病院です。試験の概要ですが、全身麻酔下に通常の心臓外科手術と異なり、側胸部からロボット鉗子を挿入して、内視鏡下に通常の心臓外科手術と同様の手術を行います。虚血性心疾患に対してロボットを用いて内胸動脈などのグラフト採取、その後肋間開胸にて直視下用手的に心拍動下冠動脈バイパス手術を行う「ロボット支援下MIDCAB(低侵襲冠動脈バイパス手術)」と、グラフト採取後、更に冠動脈バイパス術まで完全にロボット支援内視鏡下に行う「ロボット支援下完全内視鏡下冠動脈バイパス術」の両者を計画して、開始されたものです。
 本研究に関しては、前回本年3月に開催された第27回先進医療技術審査部会において、総括報告書が審議されました。その際の評価結果は、タブレットの245ページからお示ししています。
 会議資料にお戻りいただきまして、資料2-2、39~42ページには、前回会議における御審議結果を踏まえた、申請者への指摘事項及びその回答をお示ししています。それに加え、構成員の先生方には、机上配布資料の2ページ目に今回事務局にて「ダビンチ冠バイパス術総括報告書に掛かる研究中止経緯メモ」と題した資料を用意していますので、併せて御参照ください。
 審査担当構成員は主担当が一色構成員、副担当が大門構成員です。以上です。
○猿田座長 お手元の資料2ページ目も見ていただきたいと思います。よろしいでしょうか。それでは担当していただきました一色先生からよろしくお願いいたします。
○一色構成員 この案件は前回お出ししたコメントについて御回答をいただきましたので、改めて内容を確認し、最終的な報告としたものです。今日の資料をご覧ください。結局お返事はいただきましたけれども、報告の内容には変わりがないことから、基本的に私と大門先生の御意見は前回と変わっておりません。残念ですが、「評価不能」という形で最終報告とさせていただきました。御回答いただいた部分については、記載の訂正ということで理解しています。私からは以上です。
○猿田座長 大門先生からよろしくお願いいたします。
○大門構成員 一色先生と同じくでございます。
○猿田座長 これに関して、山口先生に、いろいろな意見をいただいていますけれども、大丈夫ですか。
○山口構成員 はい。
○猿田座長 今、一色先生、大門先生から御意見をいただいたとおりですけれども、全体的に見てどなたか御質問はありますでしょうか。
○柴田構成員 お手元の資料2-2の40ページをお開きいただけますでしょうか。こちらで2つの大学において、どのように倫理審査がされていたのかが記録されています。一方では、「倫理委員会で審査する臨床研究計画書のひな型はなく登録症例数や登録期間についての記載はありませんでした」と書いてあります。倫理的なところでの最低限の担保はされていると思いますが、もともと当時の高度医療の申請条件として、通知などにも研究期間であるとか、登録症例数とかそういう記載を含んだ計画書について承認を得て申請するようにと定められていたところかと思います。ですので、残念ながらそういうところがきちんと詰められないままに申請がされていたということだと思います。
 これは1人の先生が2つの医療機関でされていたということなので、普通の多施設の臨床試験に比べれば、混乱は生じにくい状況であっただろうとは思いますけれども、やはり臨床試験として行うからには、事前に臨床試験の計画書をしっかり作って、それに基づいて評価をしなければ、今回の御判断のように結果として解釈できないというデータが出てくることになってしまうと思います。この医療行為が非常にいいものであったとするならば、そのようなことでなかなか臨床現場に出なくなるであるとか、開発が迷走してしまうことは、やはり医療にとってもデメリットが大きいと思いますので、やはりこういうところはしっかりと、臨床試験としての計画書を作って、それに基づいてしっかり評価するべきものであると、改めて確認するべきでないかなと思いました。
 こちらの大学については、もう既に前回までにいろいろな別件のところで対策をとられているところですので、これについて改めて掘り起こす必要はないと思いますけれども、事前の計画はやはり大事であろうと感じましたのでコメントさせていただきました。
○猿田座長 委員の先生方、ほかに何か御意見はありますでしょうか。ありませんようでしたら、もう一回一色先生、すみませんがまとめとして、ここにお書きいただいたとおりでよろしいでしょうか。
○一色構成員 最終的なまとめのとおり、この御回答をもってアクセプトということにしたいと思います。ありがとうございました。
○猿田座長 どうもありがとうございました。今のコメントのとおりでよろしいでしょうか。一色先生、大門先生、一致しての意見ということで、そのようにさせていただきます。これを最終報告として挙げていただきます。
 引き続き、総括報告書の評価について、これも事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-1、45ページを御覧ください。先進医療Bの総括報告書に関する新規の評価をいただくのは、告示番号16、「神経症状を呈する脳放射線壊死に対する核医学診断及びベバシズマブ静脈内投与療法」です。申請医療機関は大阪医科大学附属病院です。審査担当構成員は主担当が山本構成員、副担当が手良向構成員、寺本技術委員です。試験の概要ですが、近年、高線量放射線治療や定位放射線治療が頭蓋内悪性腫瘍で積極的に行われ、優れた成績を残している一方で、その影響で脳放射線壊死やそれに伴う周囲に強い脳浮腫を呈し、症候性となり、患者の機能予後や、時には生命予後も悪化させることも多いため、それらに対する現存の治療(副腎皮質ステロイド、抗凝固薬、ビタミンE、高圧酸素療法等)で効果不十分であり、壊死巣除去手術が不能若しくは困難な症候性脳放射線壊死に対し、ベバシズマブの静脈内投与の有用性を検討した試験です。以上です。
○猿田座長 本技術の評価については、主担当の山本構成員から御説明をよろしくお願いいたします。
○山本構成員 評価結果は、資料の48ページからです。まず、私の評価を申し上げまして、それから手良向先生と、寺本先生の評価も御紹介していただくようにいたします。私の評価ですけれども、有効性は「A」とさせていただきました。と申しますのは、高線量放射線治療後の脳浮腫に対する外科治療は、現在はスタンダードなのは外科治療となっていまして、壊死部を外科的に切除するということですけれども、これが非常に不可能なことが多く、限定的であり、かつ侵襲的であるということ。また内科治療は確立しておらず、成績も不良であることを考えますと、この薬剤が従来治療に比べて大幅に有効と示唆される成績を出されたと考えています。
 安全性については「B」とさせていただきました。有害事象はもちろん起こっていますが、もともとこれは抗がん剤でありまして、薬剤の適用内での使用時の発現率と大きな齟齬はないと見させていただきました。また、この薬剤では腫瘍関連出血、それから脳出血等の報告があります。本試験でも頭蓋内出血が2件見られています。こちらについては、頭蓋内出血のリスクへの影響について更なるデータの集積は必要ではあると思いますけれども、非常に重篤な病態であることから、リスク・ベネフィット・バランスの観点から検討が今後も続けられればよろしいのではないかと考えています。
 技術的成熟度は「A」とさせていただきました。脳神経外科医の管理下でがん薬物療法に習熟した医師又は薬剤師が投与を行うということであれば、特段の問題はないと考えます。また対象となる患者さんが脳腫瘍でもう既に専門的な治療を行われている方になりますので、当然脳腫瘍を専門とする脳外科医の治療下にあるというように思われますので、一般医家に使用が拡散する可能性は極めて少ないと考えています。
 総合的なコメントとさせていただいたのは、非盲検の単群試験ではありますけれども、薬剤の有用性を示唆する成績を示していただいたのではないかと思っています。また対象患者が非常に少なく一定規模の治療実施が困難な領域でもありますので、薬事承認申請に向けた参考資料として適切に使用されれば、薬事承認申請の効率化に資する可能性は高いと考えます。また、本試験では、脳浮腫の診断にF-BPA/C-MetPETを用いていまして、こちらの診断法は別途、今、先進医療Bでその診断法としての検討がなされています。こちらの診断法の申請の効率化にもこのデータが資する可能性があると考えます。以上です。
○猿田座長 手良向先生からも御意見をいただけますでしょうか。
○手良向構成員 資料の50ページになります。まず有効性に関しては、私も「A」といたしました。効果自体は改善の割合が非常に高いのですが、ただ、投与終了後3か月までが60%を超えているのですが、6か月、9か月になるとだんだん改善割合が下がってきまして、やや持続が認められていないというところが気になります。これはその投与期間等を工夫すれば、まだ改善の余地はあるのではないかと考えます。
 もう1つ気になりましたのは、解析のときに、プロトコールから主要評価項目の定義が変更されており、プロトコールでは「投与終了後1年における奏効」と書かれているのですが、その後、その1年の間に一度でも奏効となれば「奏効」というように定義が変更されています。総括報告書にも変更したことが書かれていますし、そこは問題ないのですが、そうしますと定義がある意味緩くなっていますので、元々決めた閾値の20%というのがそのまま使えるのかという疑問があります。この辺りについて少し補足説明を入れていただきたいと思っています。
 安全性については、「B」としましたが、特に大きな問題はなく、長期投与した場合のリスクが不明ですけれども、リスクは許容可能と考えます。
 技術的成熟度については、「A」といたしました。これも先ほどの山本先生のご説明と同じです。以上です。
○猿田座長 今、御指摘いただいた問題点は後ほど議論させていただき、先に寺本先生の御意見を事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 寺本技術委員からは資料3-1、51ページのごとく、有効性は「A、従来の医療技術を用いるよりも、大幅に有効である」との御判断と、「脳腫瘍の放射線治療に際して生じる放射線壊死(広範な脳浮腫)に対する有効な治療がなかったことを考えるとA判定とすべきである」とのコメント。
 次に、安全性は「B、あまり問題なし。(軽い副作用、合併症あり)」との御判断と、「一般の薬剤と比較すると、有害事象や副作用の比率は高いようであるが、5%以上発現したGrade3以上の有害事象はなかったとされている。脳の放射線壊死は極めて難治であり、しばしば致死的病態でもあるため、報告された有害事象などは許容範囲であると判断する」とのコメント。
 さらに、技術的成熟度については「A、当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」との御判断と、「脳腫瘍の放射線治療とそのフォローは大半が大学病院あるいは大病院の脳神経外科医(一部は放射線科医)が行っており、他の診療科医や一般医家が治療することはない。放射線壊死に関しても、けいれん発作や神経症候の悪化の時点では、神経内科医や一般医家が関与するとしても、治療に関しては脳神経外科の専門医に紹介されて来る。従って、たとえ細かい注釈を付けなくとも、脳腫瘍を専門とする脳神経外科医しか本治療法を用いることはないと言える」とのコメントを、各々頂いています。以上です。
○猿田座長 お話いただいたように、山本先生、手良向先生、それから専門の寺本先生からも全て「A」という判断ですけれども、そこで問題になりますのは、先ほど手良向先生がおっしゃったプロトコールの定義が少し変えられたということで、ここをどう考えたらいいかということで御意見をいただければと思います。
○山本構成員 少し付け加えさせていただきたいのですが、タブレットのほうに、253ページ以降ですか、総括報告書の本体が入っていますが、今回は非常に精緻な総括報告書でした。と申しますのは、治験の方の総括報告書のまとめかたのガイドラインにほぼきちんと沿った形で全て出していただいています。もちろん信頼性の保証のための調査というのはしていませんけれども、有害事象の一つ一つの内容から全てリストアップしていただいており、作成は大変だったと思います。これを全ての先進医療の研究者の先生方にやるようにというのは非常に厳しい、ハードルが高いと思いますけれども、今回はそういう意味で、手続的にはほぼ治験なみの手続を踏んでいただいたと思います。ですので、手良向先生からの御指摘の主要評価項目の変更も手続としては別に何というか、こそこそとやられたわけではなくて、正しい手続を取ってやっていただいていますので、最初に決めた20%が変更した主要評価項目に対しても適用されるのかどうかということを述べていただくことでよろしいのではないかと思います。
○手良向構成員 タブレットの293ページを見ていただければと思います。今言われたように総括報告書は非常によく書かれていまして、プロトコールから変更した箇所が細かく全部書かれています。そういう意味では非常にレベルが高いと思いますが、今の点については、変更理由に「定義が明確でなかったため」と書かれているので、そこが若干、それだけではちょっと問題ではないかという指摘です。そこをもう少し説明していただきたいということです。
○猿田座長 委員の先生方、どなたか御意見はありませんでしょうか。手良向先生のところはもうちょっとしっかりとコメントしていただければという意見ですけれども。特に御意見はないですか。事務局から何かありますか。
○医政局研究開発振興課専門官 もし今の事項に関しましては、私ども事務局からこの変更の経緯についての照会を申請者に差し上げまして、それをまた回答を得た段階で先生方に展開させていただくということでお認めいただければと思います。
○猿田座長 先生、よろしいですか。
○手良向構成員 承知しました。
○猿田座長 その形でもう一回見ていただき、それでよければ先ほどの案件とこの案件2つを、先進医療のほうへ報告させていただくことになると思いますが、それでよろしいでしょうか。それではそういう形で処理をさせていただきます。どうもありがとうございました。
 次に、試験実施計画の変更です。これは山本先生が関係されますので、申し訳ないのですが、ちょっと席を外していただきます。
(山本構成員一時退席)
○猿田座長 事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療Bの試験実施計画の変更について、本日は3件の申請がありました。資料4-1、55ページから御覧ください。1件目、国立循環器病研究センターからの申請です。告示番号12、「経胎盤的抗不整脈薬投与療法」についてです。適応症は胎児頻脈性不整脈、ただし、胎児の心拍数が毎分180以上持続する心房粗動又は上室性頻拍に限る、となっています。本試験は、胎児頻脈性不整脈、すなわち胎児心拍180bpm以上が持続するもので、洞性頻脈を除いたもので、具体的には心房粗動と上室性頻拍に対し、抗不整脈薬を経胎盤的に投与する胎児治療に対する経胎盤的胎児療法の有効性、安全性を検討するものです。
 予定試験期間は平成22年10月~平成27年6月まで。予定症例数は50例で、今回の申請時点で35例が登録されています。
 主な変更内容は、試験期間の平成27年6月~平成31年3月まで3年9か月の延長、胎児治療無効例の1)かつ2)から1)又は2)への基準変更、申請時の評価項目及び有害事象のフォロー期間の追記、同意説明書への胎児死亡症例の説明の追加、その他となっています。
 ここで資料の3ページを御覧ください。なお、本件に関しては実施医療機関の倫理委員会には各変更に関して適切に申請・承認が得られていたものの、平成26年8月以降かかる変更に関する厚生労働省への申請あるいは届出が失念されていたまま、当初の症例登録期間である平成26年12月31日を過ぎてしまったという事象が発生したため、研究代表者から別途、その原因検索及び再発防止策と併せて、先進医療会議への報告が遅れた理由及び再発防止への取組という経過説明資料が併せて提出されていますので、御参照ください。
 変更申請の理由ですが、試験期間の延長については、58ページに掲載の症例登録状況を御参照いただきますと、若干の進捗遅れが見られ、その対策として、協力医療機関の増加とともに、試験期間の延長を予定しています。昨年度は登録症例数が9か月で12例とペースが伸びてきており、症例登録期間を1年延長することで当初の目標である50例に到達可能と考えられています。なお、変更前の試験期間について、最終登録症例が分娩までに最長約5か月間の抗不整脈薬投与期間を考慮して設定されていましたが、プロトコールで定めていた出生後3歳までのフォロー期間が含まれていなかったため、それを含めた修正の申請です。
 次に胎児治療無効例の基準変更ですが、胎児頻脈の改善に伴い、胎児水腫は改善するとの前提で試験を進行しているものの、抗不整脈薬投与により胎児頻脈の改善にも関わらず胎児水腫が進行し、かかる場合には治療無効と判断して、早期娩出を判断する必要があることから、安全衛生評価委員会より胎児治療無効例の基準変更の指摘を受け、国立循環器病センター倫理委員会の指示に従い、記載の変更を行ったとのことです。なお、現在までに登録された35症例中、上記と同様な経過をたどった症例は他には認めておりません。
 次に、新生児の評価項目及び有害事象のフォロー期間について、安全衛生評価委員より記載不備の指摘を受けたため、倫理委員会の指示に従い、記載の整備を行っています。
 次に、妊娠27週の胎児水腫という早期娩出した場合にも救命困難と考えられる状況において、抗不整脈薬投与中に病状の悪化を認めて胎児死亡に至った症例を経験し、安全性評価委員会及び倫理委員会での審議上も抗不整脈薬との関連性は不明と判断されたものの、説明文章に有害事象が発生した事実を明記するべきとの指示があり、新たに説明同意書に追記を行ったものです。その他は記載整備となります。以上、御審議をお願いいたします。
○猿田座長 詳細に御説明いただきましたこと、1つは12月30日をもって終わっていたのが少し延長してしまったこと、幸い入った症例はなかったようですけれども、そこの所を厳重に注意していただいて、届けを出していただいたということです。それから最後のところでの、死亡例の問題もありましたけれども、全体としてどなたか構成員の先生方から御質問がありますでしょうか。これは非常に大変な技術で、循環器病センターと成育センターのほうにも是非症例をやって頂くようにお願いしてやっていただきここまできました。もうちょっとのところなので、もう少し延期をしたいということですが、どなたか御意見はありますでしょうか。主にやっていただいている施設は胎児専門の所がやってくださっているということです。特に御意見がなければ、こういう形で計画の変更を認めていただくということでよろしいでしょうか。それではそういう形にさせていただきます。
 山本先生にお戻りいただきます。
(山本構成員着席)
○猿田座長 続きまして、2件目の試験実施計画の変更について、これも事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4-2、61ページの2件目は国立長寿医療研究センターからの申請です。告示番号45「FDGを用いたポジトロン断層撮影によるアルツハイマー病の診断」についてです。適応症はアルツハイマー病となっております。本試験は、アルツハイマー病(AD)と前頭側頭葉変性症(FTLD)の診断精度の向上を目的とし、1年間の臨床経過を考慮した最終的な臨床診断を基準診断として、FDG-PET検査の診断能とCSF中のp-tau181の診断能を比較検討して、FDG-PET検査の診断能が既に保険収載されているCSF中のp-tau181よりも高いことを確認するものです。
 両疾患の被験者に対し、臨床検査、神経心理検査、MRI検査を行い、登録可能であれば登録時にFDG-PETを撮像し、臨床診断、FDG-PET以外の検査結果、臨床経過を全て盲検化した上で画像解析を行い、続いて登録後4週間以内にFDG-PET検査と髄液(CSF)検査、12か月後に神経心理検査、MRI検査を再評価します。
 主要評価項目は、FDG-PETの画像所見とCSF中のp-tau181のADとFTLDの鑑別診断における診断能感度の差分、予定試験期間は平成26年8月1日~平成27年7月31日、予定症例数はAD150例、FTLD40例、合計190例で、現在までに3例が登録されております。
 主な変更内容は、登録期間の2016年7月31日まで1年間の延長、説明文書の入院時の臨床試験協力費の記入、その他記載整備となっております。
 変更申請の理由は、技術の告示後、組入れ開始前のCROとの契約や、電子データ登録システム(EDC)の構築のほか、J-ADNI研究が問題となった影響による試験評価項目の変更等に時間を有し、告示後から約7か月後の2015年3月下旬よりようやく組入れ開始となったため、5月現在で症例登録数は3例にとどまっておりますが、その後、同意済みで登録待ちの患者も複数存在し、本年8月以降は協力医療機関での登録も本格的に開始される予定とのことです。それらを鑑み、登録期間を1年延長することとされております。
 また、入院して検査する場合の臨床試験協力費に関しての記載がなかったため、追記したほか、倫理審査委員会の指示の下、記載整備を行ったところです。御審議をお願いします。
○猿田座長 これは国立長寿医療研究センターからのものですが、予定が190例で、まだ3例ということですが、1年間延長で果たしてどれだけこなせるのか、どうしても気になりますが、ともかく施設のほうとすれば、この形でということのようです。どなたか御意見はありますか。これを通すときは随分議論しましたが、こういうことは任せておいていいのですかね。総長も代わりましたしね。特に先生方、御意見はありませんか。もしないようでしたら、一応この形でお認めすることにさせていただき、施設のほうには厳重にその辺りのことも言っていただくことが可能でしたらお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 申し述べさせていただきます。
○猿田座長 それでは、2件目もお認めいただいたことにさせていただきます。
 続きまして、3件目の試験実施計画の変更についてです。事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4-3の65ページです。3件目、国立国際医療研究センター病院からの申請で、告示番号52「腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術における術中のマイトマイシンC腹腔内投与及び術後のフルオロウラシル腹腔内投与の併用療法」についてです。適応症は、腹膜偽粘液腫(画像検査により肝転移及びリンパ節転移が認められないものであって、放射線治療を行っていないものに限る)となっております。
 本試験は、腹膜偽粘液腫の患者を対象に、腹部蔵器の完全減量切除を行い、完全減量切除が達成できた症例に、マイトマイシンC10mg/m2を2000~3000mLの温生食に溶解し、高温を維持したまま1時間腹腔内に還流させてから閉腹。術翌日より腹腔内に5-FU15mg/kg/NS1000mLを4日間連続投与。終了後は5年間経過観察を行うものです。
 主要評価項目は、5年生存割合、その他に無再発生存期間、無病生存期間、全生存期間を検討し、安全性はプロトコール治療終了後30日後までの有害事象を検討するものです。予定試験期間は平成26年8月1日~平成36年7月31日。予定症例数は75例で、現在まで14例が登録されております。
 主な変更内容は、有害事象に係る試験実施計画書の改訂及び記載整備です。変更申請の理由ですが、次のページに示しております別紙1及び別紙2のとおり、重篤な有害事象について、特に術後早期に回復するCTCAEグレード4の肝酵素上昇については、術後早期に回復する一過性の事象で、そのほとんどは、術後翌日若しくは翌々日にピーク値に達した後、比較的速やかに低下したため、本臨床試験で行う手術手技に伴って高頻度で発現が予測される事象と考えられ、全例において入院期間の延長につながることはなく、患者の安全性には影響を及ぼしていないと考えられることから、当該事象については生命を脅かす重篤な有害事象とはみなさないものとして、その取扱い及び根拠を明記したものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 これは山口先生に伺いたいのですが、こういう肝障害ですが、この治療法が開始されてから私の所に緊急事態が起こったということで報告があったのですが、数日後には肝障害が改善しているのです。こんなものなのですかね。
○山口座長代理 相当侵襲が大きいので、こういうことが起きると思います。肝そのものはダメージを受けていないと思いますので、回復するのです。
○猿田座長 手術の影響ということですね。
○山口座長代理 ちょっと心配なのは、生きているのはいいのですが、どのような状態で生きているかということはありませんでしたか。ちゃんと仕事をしているとか、PSだとか、食事ができているかとか。結構腹膜を広範に剥離し手術の中には、生きてはいるが、なかなか難しい生活状態の人もいるので、これだけでは引っ掛かってこないかなと思ったのです。そういう項目もなかったですかね。
○医政局研究開発振興課専門官 私ども事務局で、この有害事象に関しては、後の経過が倫理委員会及び独立効果安全委員会で承認されて継続がなされるまでの経過を報告を頂いておりますが、少なくともその分に関しては、特に問題となるような事象は発生していなかったと認識しております。
○山口座長代理 構わないのではないかと思います。
○猿田座長 おっしゃるとおりですね。手術後一過性にAST,ALTが上昇し、その後すうっと良くなっていましたね。ほかにどなたか御意見はありますか。もし、ないようでしたら、52の計画変更もお認めいただくということでよろしいですか。
 ありがとうございました。それでは変更を認めることにいたします。続きまして、協力機関の追加について、事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料5-1、71ページです。去る5月7日に開催された先進医療会議において、資料7-5の201ページに付けている開催要綱の改訂が承認され、先進医療Bの対象となる医療技術に係る協力医療機関の追加に関して持ち回り開催が可能となったことにより、座長のお認めの下、第29回先進医療技術審査部会の一部持ち回り開催を行ったものです。
 これまでに大臣告示されている5つの技術について、協力医療機関の追加申請がありました。事務局にて資料5-2の73~77ページにお示した先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、すなわち様式第9号への適合性を確認した結果、いずれも条件を満たしており、協力医療機関の追加として、5月13日付けで御了承いただいたところです。
 次に資料5-3の79ページは今月分の申請ですが、各々先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関等について記載してあります。
 資料5-4の81~89ページです。事務局において協力医療機関として提出のあった先進医療実施届書等を確認した結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件(様式第9号)を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了象いただきたいと存じます。特に御意見がなければ、追加の手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長 追加機関ということで見ていただきますと、ちゃんとした施設であるということと、詳細もその裏に付いていますが、私の見たところでは特に大きな問題はないのではないかと思いました。どなたか御意見はありますか。何かあればよろしくお願いいします。委員の先生方、特に問題がないようでしたら、追加を認めることにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。それではお認めしたということにいたします。続きまして、先進医療Bの取下げについて、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料6-1の91ページです。告示番号31「食道がんの根治的治療がなされた後の難治性の良性食道狭窄に対する生分解ステント留置術」及び告示番号50「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下腎部分切除術」について、この度、いずれも臨床試験の目標患者登録数に達し、保険外併用療養が終了したため申請を取り下げる旨、申出がありました。
 続いて、資料6-2の93ページです。告示番号7「パクリタキセル静脈内投与(1週間に1回投与するものに限る)及びカルボプラチン腹腔内投与(3週間に1回投与するものに限る)の併用療法、及び告示番号39「腹腔鏡下センチネルリンパ節生検」について、各々協力医療機関である信州大学医学部附属病院及び市立函館病院を取り下げる旨、申請がありました。
 取下げ理由として、いずれも実施医師の退職に伴い先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たすことができなくなったため、該当医療機関の告示取下げを申請されたものです。以上です。
○猿田座長 今、御説明いただいたように、これはやむを得ない理由かと思いますので、お認めいただくということでよろしいですね。それでは、取下げを認めていただくということにさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、報告事項について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料7-1の95ページです。去る5月7日に開催された先進医療合同会議において、御覧のように国家戦略特区内からの新規申請案件が1件審議され、一部修文の上、最終的に「適」とされました。
 145ページです。去る6月4日に開催された第31回先進医療会議において、御覧のように新規申請案件が1件審議され、「条件付き適」との評価でしたが、その後、一部修文の上、最終的に「適」とされております。
○猿田座長 ただいまの説明について、どなたか御意見はありますか。ここに記載されているとおりだと思いますが、よろしいですか。どうもありがとうございました。
 続いて事務局から報告をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料7-2、7-3、7-4、7-5と少々長くなりますが、まとめて御説明いたします。資料7-2及び7-3は中医協の了承を経て、去る5月7日の先進医療会議に報告されたもの、資料7-4及び7-5は同日の先進医療会議にて審議の上、了承されたものですが、ここに技術審査部会の構成員の先生方にも御報告します。
 まず、資料7-2の191ページです。こちらは国家戦略特区における保険外併用療養の特例の対象医療機関の新たな選定に当たって、従来の選定基準を保持しながら、申請様式として医療上の臨床研究中核病院の承認要件に基づいた申請様式を活用することを定めたものです。
 資料7-3の193ページです。昨今の重大な医療安全上の事案や先進医療の不適切な実施への関与等が見られる医療機関にあって、先進医療通知上では、従来それら機関からの先進医療実施届出書の受理や審議等に関する定めがなかったため、新たに先進医療の審議に係る特例的な措置を利用できる医療機関からの技術に係る申請があり、当該医療機関に関して名称の指定取消しや予算の執行停止等の処分等がされている場合は、その問題が終結した、あるいはそのめどが付いていることが明らかとなる資料の提示や、場合によってその説明を求めることができることを定めたものです。
 資料7-4の195ページです。こちらは医療機器における先進医療新規技術の迅速評価体制において、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」において早期導入が妥当とされた29品目を、同体制における検討可能項目とする旨、先進医療会議で了承されたものです。
 資料7-5の201ページです。「先進医療会議開催要綱」において、6の「特定医療技術の検討」で、利益相反の対象となる先生方には審議の場から一時的に御退室いただく対応に統一する旨、また8の「持ち回り開催」で、先進医療Bの対象となる医療技術に係る協力医療機関の追加に関して持ち回り開催が可能な旨、定めております。
 最後に資料7-6、7-7ですが、去る6月4日の先進医療会議にて報告されたものです。資料7-6の209ページは先進医療に関する通知です。通知の本文自体は大きく変わってはおりませんが、昨年11月の薬事法改正に伴い、通知本文及びそれに続く申請様式の中で、「使用する医薬品、医療機器」に加えて、「再生医療等製品」が並列で記載され、また従前の「薬事法」という言葉から、新たに「医薬品、医療機器法」という言葉に置き換わっております。
 さらに321ページからの別添2に「先進医療B実施状況整理票」が付いておりますが、先進医療Bの告示後の進捗状況がなかなか分からないという御指摘があったことを踏まえ、このような形で定期的に報告いただくフォーマットを作成したところです。各医療機関にあっては、本年度の報告からこの形で先進医療Bについて御報告いただくこととさせていただいております。
 最後に、資料7-7、331ページは「先進医療会議運営細則の改正について」です。こちらには利益相反の取扱いが主に記載されています。先に制定された薬事分科会審議参加規定が本年3月に見直され、それを踏まえて、先進医療会議及び先進医療技術審査部会においても運営細則を改正し、運用をしてまいります。
 改正の内容については、主に2点です。まず2ページ目、第3条2項を御覧ください。「この細則において」と書き出している所ですが、「『家族』は、配偶者及び一親等の者であって、構成員本人と生計を一にする者とする」ということで、「生計を一にする者」の範囲を明確化しました。
 もう1点は、その次のページの第4条第5項の「当該医療技術等の評価の公平性に疑念を生じさせると考えられる特別の利害関係を有する構成員等」の範囲を明確に規定しました。今回下線を引いてある括弧の中に、(「特別の利害関係を有する構成員等」には、家族が申告対象期間において検討対象となる医療技術に含まれる医薬品、医療機器又は再生医療等製品の製造販売業者の役員又は職員(常勤)である構成員等が含まれる)という形で示しております。
 なお、薬事分科会審議参加規定等の見直しに準じますと、家族が競合企業の役員又は職員(常勤)である構成員等も含まれることとなりますが、現在、先進医療会議及び先進医療技術審査部会においては、先進医療は申請主体が医療機関であることから、技術評価における競合企業の線引きや取扱いが非常に難しいという背景があるため、扱いが若干異なっており、この部分については今後引き続きの検討課題とさせていただくこととなったところです。以上です。
○猿田座長 いろいろな改正ですが、先ほどの資料7-2、資料7-3は中医協の了承を得て5月7日の先進医療会議に報告させていただいたもので、そのあとの資料7-4、資料7-5も先進医療会議で承認されたものです。そのあとのところは細則の先進医療会議の運営細則の変更とか、特に利益相反の問題とか、全体的にこのようなことに関して御意見はありますか。先進医療会議と先進医療技術会議で同じように理解していただきたいということで報告いただいたものと思いますが、よろしいですか。1回見ておいていただければと思います。
 特に委員の先生方から御意見がなければ、今日、考えられていた議題は全てでですが、全体として、御意見はありますか。
○石川構成員 話を蒸し返すようで大変申し訳ありません。教えていただきたいということもありまして、最初の難治性の潰瘍の話ですが、これは一生懸命途中でページをめくって、どういう症例定義というか、難治性潰瘍というだけで、どういう病気が基礎にあって、どういう患者の体の条件とか、そういったものが余り定義がなくて、話が進んでいたような気がするのです。
 私も在宅などをやっていまして、実に褥瘡ポピュレーションはすごく多くて、これを見ましたら、このタブレットの125ページに、大転子とか仙骨部の褥瘡の症例が全てきれいに治っているのです。非常に効率良く治っていまして、もしこの技術がいろいろ適用されるようになりますと、お金のことは言ってはいけないという話ですが、お金も大変高いのですが、いろいろな所で使われるようになるのではないかと思います。
 こういう所で症例定義とか、そういったことについて詳しくやらないで、最初に20何例という話でしたが、褥瘡であれば、あっと言う間に20何例になって、条件によっては、すぐ治ると思います。治るというか、結構成績良く治るのではないかと思います。例えばTPを上げるなどということをやれば治ります。これが最初出てきたのはDMで難治性だと思ったのですが。それからリウマチで難治性というのもあったので、これは難しいのかなと思ったら、そうではなくやっています。そこのところを予想というか、この技術の今後の発展の予想はどのようになっているのか、技術員の先生から教えていただけたらお願いしたいのです。
○飯島技術員 そもそも私どもがこの技術を始めたときの予想は、例えばリウマチ様血管炎を伴う下腿潰瘍とか、うっ滞性潰瘍で非常に難治のもの、こういった非常に難治なものを想定してやっております。褥瘡は、実は後から加わってきたのです。褥瘡というのは私ども内科的治療、外科的治療、栄養状態を良くしてやるとか、そういったことは非常に大事なのです。先ほど線引きということを申し上げたのはそのことで、褥瘡をどこで難治性という定義にするかというのは、実は曖昧なところ、逆に言うと悩ましいところがあります。そもそも想定していたのは下腿潰瘍で、何をやっても駄目というのは、多少EBAが出てくる期待が持てるかなと。20何例という数値の根拠は多分その辺からだと私は思っておりましたので、褥瘡をどこまでやるのかについてはこれでは読めないのです。
○石川構成員 そうしましたら、例えばここで先生方が非常に分析をされて、今度は先進医療で扱うと言ったときに、25例の定義についてきちんとやらない限りはおかしいのではないかと思うのですが、それはいかがなのでしょうか。
○猿田座長 伊藤先生、御意見はありますか。病態によって本当に違うのですね。
○伊藤構成員 基本的には今まで通常の治療をやって、全然治っていない人を対象にしているというところだと理解をしていて、このまま行くと治癒が望めない人を難治性潰瘍と定義されていたので、それが30%も治れば、よしとするのではないかということで言われているのだろうと思っています。
 ただ、比較試験ではなくて、オープン試験で、今まで良くならなかった人であっても、手を変え品を変えというか、保存的な治療をもう少しインテンシブにやれば良くなる人もいるかもしれないので、過去が0%だから、本当にそのまま良くならないと限らないわけではないと皆さん思っているところです。
 この手の結論は比較試験をしなければ分からないと思っております。比較試験のデータをほかのペーパーで探してみた結果、多血小板血漿の治療が有効であるという、メタアナリシスデータを見付けることが難しかったのと、今回有効であると提出をされた資料が74ページに英文であるのですが、論文そのものは有効であると言っておりますが、私たちの目から見ると、脱落例が多くて、比較試験対象群に比べて有効であるといいきるのは、少し厳しい。感度分析をやられれば有効性は出てないと思うので、いかがなものかというか、自信を持って有効だと言い切れないという判断をしたのが山中先生も含めて評価表で述べさせていただいております。
 ですから、本来であれば通常の治療群とこの治療との比較試験をやるのでしょうが、そうすると、この有効性から言うと、20数例ではなくて、100例以上の例数を持ってしないと、明らかに有効性があると言うには難しいと思います。
○猿田座長 もう1つは、原疾患が糖尿病のものと、褥瘡の問題、リウマチ関係のものと非常に違いがありますが、これは本当は分けてやるほうがいいのかと思います。今こういう形で進んでいたものですから、一応この形で、今日、山中先生も飯島先生もおっしゃっておりましたが、かなり差があるのですね。
○伊藤構成員 正直言うと、これが過去からの引きずったものではなくて、新たに出てきたものであるとしたら、有効そうではあるのですがこのままでは将来の保険収載に向けて先進医療に関して疑義が生じる可能性が相当程度あると思ったので、少なくともそういったことも含めて、同意説明文書にも記載をきちんとしていただきたいということで「条件付き適」という判断をさせていただいたと思っております。
○猿田座長 そうすると、前の「A」としてやってきたところも、そういうことがあったものですから、ちょっと分かりづらい形になってしまったかもしれません。
○医政局研究開発振興課専門官 ただいまの件ですが、私どもが照会事項として先ほどの御議論でお預かりしていたものの中には難治性というものの定義の明確化、恐らくそれに伴って症例数の計算設計などは変わってくるものだと思われますので、それも併せて再照会をすることを私どものほうで予定しております。
 それと、先ほどの石川先生の御発言ですが、私どもが申請者に照会をしたところでも、難治性の潰瘍に対する原因学的な定義と、臨床症候による定義が若干異なってが、そのどれをもって登録基準とするかというところも含めて、難治性潰瘍のどれを採用するのかという基準を明確に示していただくことが必要になってくると考えておりまして、それに伴って症例数の設定を考えていただいて、先生方に再評価いただくということで、お認めいただければと存じます。
○猿田座長 そういう形でちゃんと提出していただいて、施設と連絡し合っていただきまして、報告いただきます。
○柴田構成員 別件ですが、手続的なところを教えていただきたいのです。今回の先進医療の取下げ案件があったと思いますが、それを取り下げられた理由は、もう患者登録が終了して、保険外併用療養のところが終わったというのは、妥当だと思いますが、今後そのような案件の総括報告書が出てくるまではどのようにして管理されるのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療、要は保険外併用の2階建ての部分は終了しますが、臨床試験としての1階建ての部分はその完了まで引き続き管理されることになります。
 私どもとしては、その期間が全て終了したあとの総括報告書を受けて、この技術は完全に終了したという扱いにしております。
○柴田構成員 それは全然問題ないですし、そうしていただくべきだと思いますが、今回の5月25日の通知で、先進医療Bの下で行われているものに関しては進捗状況が管理できるので、年に1回の医療機関からの報告を見ておけばそのリストは確定できますが、取り下げられたものはその対象にならないので、報告が上がってない、先進医療Bとしては終わったが、まだ報告が上がってないものは宙ぶらりんになって、どこにあるのか分からなくなるのではないかと思ったのです。
○医政局研究開発振興課専門官 年次報告の取下げ後の扱いということですね。
○柴田構成員 そうです。
○医政局研究開発振興課専門官 その点は私どもはまだ定めておりません。これは年次報告に係る様式ということで定めておりまして、そこはまだ検討しておりませんので、持ち帰って検討させていただきたいと思います。
○保険局医療課企画官 今の御指摘は大変重要だと思います。先進医療は保険収載を目指しているはずなのに、総括報告書を出さなければ、次の段階に進まない状態が続いてしまいます。そういうことが起きないように総括報告書が出されていないものについては、例えば、6月末の定例報告をまとめる際に、参考資料として、総括報告書が出ていない技術一覧を付けるなどの対応が必要かもしれません
○猿田座長 前にいろいろなトラブルがあったときも、だらだら続いてしまったということがありましたので、是非そうしていただきたいと思います。ほかにありますか。
 もしないようでしたら、それではこれで第30回の先進医療技術審査部会を終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
○医政局研究開発振興課専門官 次回の開催日程ですが、7月17日(金)の4時から6時までを予定しております。場所は省内を予定しておりますが、別途御連絡いたします。
 本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いして、その後、公開とさせていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。


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