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2015年6月10日 第51回 がん対策推進協議会(議事録)

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成27年6月10日(水)17:00~19:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(12階)


○議題

(1)がん対策推進基本計画の中間評価について
(2)今後のがん対策の方向性について
(3)その他

○議事

○がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第51回「がん対策推進協議会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、上田委員、川本委員、佐々木委員、宮園委員より御欠席の連絡をいただいております。また、永山委員がおくれて到着すると伺っております。

 また、本日は2名の参考人を招聘しております。

 国立がん研究センターがん対策情報センター長の若尾文彦参考人です。

 同じく、がん対策情報センターがん医療支援研究部長の加藤雅志参考人です。

 それでは、以後の進行は門田会長にお願いいたします。

○門田会長 皆さん、こんにちは。このメンバーでの協議会は、いよいよ最後ということになりました。また、遅い時間からのスタートでございますけれども、最後ひとつよろしくお願いしたいと思います。

 それでは最初に、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○がん対策推進官 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 資料1 がん対策推進協議会委員名簿

 資料2 「がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少」の達成見込み部位別検討(若尾参考人御提出資料)

 資料3 がん対策推進基本計画中間評価報告書案(事務局提出資料)

 資料4 「今後のがん対策の方向性について」報告書案(事務局提出資料)

 資料5 「がんサミット」の概要(事務局提出資料)

 参考資料1 がん対策推進基本計画中間報告書(平成22年6月)

 参考資料2 がん対策推進基本計画(平成24年6月)

 参考資料3 濱本委員意見書

 また、机上配付資料としまして、指標の詳細を記載した資料を用意してございます。

 資料に不足・落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。

○門田会長 皆さん、よろしいでしょうか。資料に問題がなければ、本日の議事に入りたいと思います。

 議題(1)「がん対策推進基本計画の中間評価について」ということですけれども、前回議論となりました年齢調整死亡率の全体のものは出ているけれども、部位別のものも必要ではないかという意見を出していただきました。本日は、研究班から部位別による年齢調整死亡率のお話をしていただくことにしたいと思います。それに引き続きまして、皆さんにいろいろとメールでやりとりさせていただいておりますけれども、中間評価報告書のまとめ案を事務局から御報告いただき、意見交換をしたいと思います。

 では、まず最初に、若尾参考人から年齢調整死亡率の部位別についての御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいします。

○若尾参考人 それでは、資料2を使いまして御報告させていただきます。

 前回に引き続きですので、最初の部分ははしょらせていただきますが、スライド2をごらんになってください。第1次の計画で2005年の年齢調整死亡率を10年間で20%下げるということが目標とされまして、その確認をしているものです。

 スライド4をごらんになってください。今お話がありましたとおり、全体で20%の目標に対しまして2015年の推測値で17%減、85%の達成率だということを前回御報告いたしました。

 3ページにつきましては、2015年の死亡の予測を示したものです。

 4ページの上からが本日のメーンとなります。今回は、部位別の状況につきまして、計画前952005年までの10年間と、厳密に言いますと計画は2007年からですが、計画の対象となっている期間ということで20052015年と定義させていただいて、この期間の主要部位の変化率について比較させていただきました。

 まず、4ページの下、胃がんの男女計につきましては、952005年が31.1%減少に対しまして、20052015年が30.8%。数字上は減っていますが、ほぼ横ばいということです。

 5ページ上のスライドです。大腸がん(男女計)としますと、952005年が10.2%減少に対しまして、20052015年が9.1%減少と、やや減少が鈍化しているという状況です。

 肺がんにつきましては、男性、女性別と男女合わせたものを3つ掲載しています。まず5ページの下が男性となります。こちらは12.9%から9%に減少率が減少ということ。

 6ページの上が女性で、こちらも7.8%減少が4.8%減少と減少が鈍化しています。

 6ページの下になりますが、男女合わせても9.4%減少が7.5%減少となっています。

 7ページの上にいきまして、乳がんは計画前の952005年では13.7%増加していたところが、今回の計画施行後の10年では0.1%減少ということですので、増加していたものが横ばいになっております。

 子宮頸がんにつきましては、952005年は3.4%増だったものが、今回では5.9%増ということで、増加が加速しているという状況です。

 8ページにいきまして、肝がんは非常に大きく減少していまして、計画前が32%減少だったのが、さらに計画後47.9%減少という状況です。

 8ページの下の図は、全がんを100%としまして、それぞれの腫瘍部位のがん種がどのくらい減少に寄与しているかを出したものです。計画前と計画後という形で出しておりますが、まず男性では、計画前で肝臓32%だったものが34%とふえておりますが、肺は14%が9%と減っています。胃は33%が25%と減っているという状況です。

 9ページの上にいきまして、これは女性ですけれども、一番目立つのが乳房で、計画前はふえていたということで、このグラフでも上側に向いていますが、それが0%になったというところと、胃がんが50%あったものが34%に、肺がんが7%だったものが4%に減っているという状況です。

 あと、乳がんと肝臓がんにつきましては、年齢別のグラフを追加で出しております。

 9ページの下は乳がんで、グラフの右側に凡例で年齢別の色が分けられていますが、高齢者につきましては、死亡率が年次推移によってふえている。若年は減っていますが、高齢者でふえているという状況が確認されます。

 最後の10ページで、上のスライドの肝臓は、まず左側のスライドを見ますと、年齢別にピークがどんどんずれているような状況が見られます。これを右側のスライドで下のX軸を出生年で書き直したものを見ますと、ちょうど1930年前後の世代で死亡率のピークがあるということで、そこを過ぎたところから減少が加速していると。これはC型感染ウイルスの感染率が1930年前後の生まれの世代で高いということが考えられます。

 以上のように、前回はトータルでの割合としてお示ししましたけれども、がん種別に動きが違うということで、まだ臨床的な検討等はこれからとなるのですが、本日は現時点でのデータの状況について御報告させていただきました。

 以上となります。

○門田会長 ありがとうございました。

 前回は全体を通してということでしたが、こういうふうに疾患別に分けていただきますと、それぞれ傾向が非常にはっきりしているということが見えてきたと思います。どなたか御質問あるいは御意見があればおっしゃっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 堀部委員どうぞ。

○堀部委員 貴重な資料を御提示いただきまして、ありがとうございます。

 9ページの下の女性の乳がんの年齢階級別の傾向について少し教えていただきたいのですが、5054歳までの年齢階層別は確実に減少が見られるのですが、その上の年齢は右肩上がりということで、結局、年齢調整別にしても右肩上がりの程度がおさまらないから、全体はもちろん0%まで改善はしているのですが、年齢調整にもかかわらず高齢者のところで減少が得られない背景について、何か御高察がありましたら教えてください。

○若尾参考人 済みません、まだその部分の要因については推測ができていない状況でございます。

○門田会長 乳がんの場合は年齢とともにどんどん増加するのではなくて、影響というのは年齢調整をかけても余り出てこないんですよ。

 そのほかどなたかございますか。大江委員どうぞ。

○大江委員 2ページ下のスライドで、20%の削減目標の内訳が書いてあるのですけれども、例えば、自然減と喫煙率、検診と医療の均てん化。診断だとか治療の進歩というのも結構大きいはずなのですけれども、そういうものはこの中で言うとどこに入ってくるのでしょうか。

○若尾参考人 医療の均てん化の中に診断と治療。

○大江委員 均てん化の中に治療の進歩も入ってくるという考えですか。何かもうちょっと治療の進歩というのをわかるように入れていただきたいような気がします。

○門田会長 堀田委員どうぞ。

○堀田委員 今の点はおっしゃるとおりだと思います。私は自然減10%に一般的な診療の進歩は含まれていて、均てん化対策の効果はどうかというのが下の10%の中に入ってくるべきものと考えます。そういった意味で、医療の均てん化がきちんと行われていたのかどうか、それに対する指標とかあるいは評価はどうなっているかというのは、宿題になってしまうのではないかと思うんです。これは報告書に載せるかどうかは別にして、今後の重要な課題だと思います。要するに、均てん化がどこまで行われて、その結果がどう死亡率の減少に反映されているか、これが一番大きなファクターになるわけですから、これを詰めていく必要があるだろうと思います。

○門田会長 ありがとうございました。均てん化をどう評価したら数値上に出てくるかというのは非常に難しい問題だと思いますが、ある一つの流れの中でということであれば自然減ということもその中に入ってくる可能性はあるのでしょうけれども、いずれにしても今回は今の傾向をどう評価するかということですよね。

 どうぞ。

○若尾参考人 均てん化につきましては、前回も少し御報告させていただいたのですが、標準的な治療がどのくらい行われているかというクオリティー・インディケーター、クリニカル・インディケーターのような形で、あくまでプロセス指標ということになると思うのですが、一定の評価はできるのではないかと考えております。今回の生存率と死亡率には直接は出ていないのですが、今後、均てん化を図る指標としてクオリティー・インディケーターも使えるものと考えております。

○門田会長 ありがとうございました。

 中川委員どうぞ。

○中川委員 いわゆる感染型のがんと分類できるような胃がんや肝臓がんが減っているわけです。これはある意味それこそ自然な流れかなという気がする中で、同じようにウイルスの感染が原因である子宮頸がんが、一旦減少傾向を示して、これがまた最近になって上昇している。しかも、20代、30代の方に非常にふえているという問題は、前回議論がありましたワクチンの問題、また検診をきちんと進めていかないと大きな問題だろうなという気がいたします。

 その反面、乳がんが減少傾向に転じているというのは非常に大きな要素だと思うのですが、若尾参考人にお尋ねしたいのは、これは検診受診率も少しずつ上がっておりますが、どのあたりに要因があるのか、これはまだこれからの分析ですが、個人的な御意見でも結構ですので教えていただければと思います。

○若尾参考人 まことに申しわけないですが、この辺の要因についての検討が今回まだ進められていないところで、これから臨床のグループともいろいろ意見交換をした上で、昨年の死亡率が秋に出ますので、それを踏まえた時点でもう一度計測して、どこかのタイミングで御報告できればと考えております。

 あと、今、御指摘がありました子宮頸がんにつきましては一点留意する点がありまして、年齢調整するのに1985年の人口構成に合わせているのですが、今、年齢構成を考えるときは通常であれば現時点のほうがどんどん高齢世代がふえるということで、その影響を取り除くための年齢調整をしているのですが、子宮頸がんの場合は非常に若い世代も多いがんで、そうすると、1985年の若い世代と今の若い世代の構成を比べると今のほうが減っているんです。なので、それを年齢調整することで、今の世代をふやすような形での死亡率を調整した結果の算定となりますので、その影響も少し今回ふえていることに関係しているのではないかと推測されております。単純にふえたということではなくて、年齢調整の逆の影響も出てしまっている可能性があるのではないかと思います。

○中川委員 ただ、実数としても20代、30代にふえているということは事実だということは指摘しておきます。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほかどなたかございますか。よろしいでしょうか。

 今回の疾患別のデータというのは、本当に全体像をざくっと見たときには見えなかったものが見えて非常によかったのではないと思います。ありがとうございました。

 それでは、次に、事務局から資料3に基づいて説明をいただきたいと思います。

○がん対策推進官 資料3をごらんください。

 前回以降いただいた御意見を反映させたものを赤でお示ししております。また本日、今し方御発表いただきました部位別のがん種別の検討についても既に記載を盛り込んでおります。

 それでは、主な変更点について御説明いたします。

 3ページをごらんください。添付資料としまして、これまで個別に議論をさせていただきました詳細な指標につきまして、添付資料の3としてつけさせていただいております。また、その後の御指摘の中で加藤参考人から御説明いただいていた緩和ケアに関する医療者の意識調査についても、貴重な情報なので最後につけてはどうかということで、添付資料4としてつけております。

 5ページをごらんください。注書きのところですけれども、前回も御指摘がありましたように、本文に抜粋をしている各種主な指標につきましては、実際にはかなり詳細な留意事項等がございまして、それについては添付資料3を参照する必要があるという御指摘がありましたので、その点を全体にかける形で明記しております。

 また、患者体験調査についての留意事項もございまして、回収率が55%程度ということで、必ずしもこの結果が完全に患者の体験を代表できているわけではないといったようなことにも注意が必要だという御指摘がありましたので、それを留意事項に記載しております。

 7ページにつきましては、研究に関しましては「健康・医療戦略」、また、それに基づく「医療分野研究開発推進計画」に基づいて進めていくということを明示しております。

 8ページですが、今、御議論いただきました内容ですが、まず、下半分のうちの前段につきましては、20%の削減目標に対して17%程度であるといったような内容について詳細に記載しております。これは前回の議論を踏まえたものです。

 加えまして、「さらにがん種別の死亡率の推移について検討を行ったところ」以降ですけれども、ここについてまさに本日御指摘いただいた、がん種別の傾向について記載しております。例えば、肝がんについては、死亡率の減少が加速傾向にあって47.9%減少が予測されているといったように、各種がん種につきまして、かなり減少が見られるものもあれば、減少が鈍化しているものもありますし、増加傾向にあるものもあるといったことで、がん種別に書き分けをしております。

 それをまとめましたのが、次の9ページの表になります。これを踏まえまして、今後さらに推進が必要と考える事項につきましても付記しておりまして、最後のパラグラフですけれども、「がん種によって、年齢調整死亡率の推移は異なった傾向が見られるため、年齢調整死亡率が増加傾向にあるがん種や減少傾向が緩徐であるがん種について、重点的に施策を推進することが必要である」ということで、重点化するといった趣旨を加えております。

 また、その上ですけれども前回も御説明しましたが、10年間の指標を測定する期間なのですけれども、現状では20052015年になっております。実際には対策の期間としましては20072017年ですので、この対策の直接的な評価ということに関しては20072017年までの変化を検証することも必要であるということを、より明確化しております。

 文言修正的なものは割愛いたしまして、13ページをごらんください。少し記載の誤りがございましたので訂正させていただきます。今回まだ反映できておりませんで恐縮ですけれども、A18eという表の中の指標なのですが、妊孕性温存に関する情報が提供された40歳未満のがん患者の割合につきまして39.8%とございますけれども、これは実際には38.1%ということですので、それについては訂正をさせていただきます。本文も同様でございます、最終的には38.1%に訂正させていただきます。

14ページですけれども、標準的治療の実施割合につきまして重要な情報ですので、ちゃんと本文に入れるべきだという御指摘を踏まえまして記載しております。

16ページをごらんください。医療安全の箇所ですけれども、前回入れておりました医療事故調査支援センター関係の制度改正の内容につきましては、がんに特化した内容ではないので、必ずしもここに入れなくてもいいのではないかといった御意見がありましたので、その記載については割愛しております。いずれにしても、医療安全管理を推進することが重要であるといった記載を加えております。

18ページですが、一番上のパラグラフに追記しておりまして、これも重要な情報なので本文に入れるべきだということで入れておりますが、指標の中で、がん化学療法看護認定看護師が配置されている拠点病院の割合が増加しているということと、5大がんの転移・再発症例の全身化学療法のうち、8割以上を内科医が担当している拠点病院の割合が27.4%であったことについても重要な情報なので上げていく必要があるだろうという趣旨で入れております。

19ページ、これは後ほど御紹介する参考資料3で濱本委員より意見書の提出がございまして、それについて可能な限り本文に反映するという趣旨で反映したものでございます。現況報告書というものが定期的に拠点病院から提出されて、それを分析するわけですけれども、その現況報告についてより正確な情報を収集するために、報告する内容や様式を検証していく必要があるという記載を加えております。

24ページをごらんください。緩和ケアの記載ですけれども、拠点病院の緩和ケアセンターの整備を進めるとともに、緩和ケアセンターと各地域の医師会等との連携を図りつつ推進をするという観点を加えるという追記を行っております。

30ページの希少がんの項については、指標の解釈に注意が必要であるということから、表からは記載を削除しておりまして、注意事項を詳しく記載しております。また、一見この指標だけを見ますと、初診から診断まで比較的スムーズに対応できているような印象を与えるのですけれども、実際にはかなり数字の解釈に注意が必要だということで注意事項を記載しています。また、逆に、初診から確定診断までに6カ月以上かかった患者もいるといった結果でしたので、そういった点についても記載しております。

35ページをごらんください。普及啓発の関係ですけれども、さらに推進が必要と考える事項に追記しておりまして、これも濱本委員の意見を踏まえたものですが、「がん医療に関する多くの情報が公開されている中、科学的根拠に乏しい治療を受けたため、本来受けることができた治療を受ける機会をなくしてしまう患者もいることから、各がん種の診療ガイドラインを一般国民にわかりやすく情報公開するなど、より正確な情報を提供するための取組が必要である」という記載を加えております。

41ページです。予防に関して、特に禁煙に関する記載ですが、成人喫煙率の減少傾向の鈍化等についての記載に、全体のがんの年齢調整死亡率減少に関する目標の達成が危ぶまれているということを加えて、死亡率減少に資するという趣旨を明確化しております。諸外国の取り組み状況も踏まえるといったことも追記しております。

 それから、前回御議論がありました42ページの子宮頸がんワクチンについての記載ですが「子宮頸がんワクチンについては、副反応についての議論がなされている一方で、若年者で子宮頸がんの罹患率が増加傾向にあることや、接種しないことによる不利益もある。こうしたことを踏まえた上で、科学的な根拠に基づいた判断をすべきである」という記載を関係部局とも調整した上で記載させていただいております。

49ページ、小児がんの項目ですが、小児がんにつきましては前回の御指摘としまして二次がんだけが例示として挙がっているのは不適切ではないかということで、成長障害、生殖機能低下といったそのほかの晩期合併症を例示させていただいております。また、修学・就労を含めた社会的問題についても記載しております。

52ページのがんと就労の項ですが、これについては前回、世論調査を重点的に記載しておりましたけれども、今回改めて行った患者調査の結果をむしろ少し詳しく記載するような形で調整を行っております。

53ページの都道府県による都道府県計画の策定の項ですが、これも濱本委員からの御指摘を踏まえたもので「各都道府県においては、中間評価報告書の内容を踏まえつつ、地域の特性に配慮して、都道府県計画に基づくがん対策を推進することが求められる」という記載を追記しております。

 その他大きな変更点はございませんが、最後の体裁としまして56ページに委員名簿をつけさせていただきまして、57ページから3ページにわたって、これまでの開催状況を加えております。それ以降は先ほど申し上げた添付資料となります。

 主な変更点の御説明は以上となります。

○門田会長 ありがとうございました。

 皆さんとのやりとりを含めて盛り込んでいただいたということでございますが、皆さんから何か御意見ございますでしょうか。きょうはもう最終回ということで、何とかまとめる方向でいきたいと思いますが、どなたか御意見ございますか。

 大江委員どうぞ。

○大江委員 42ページの子宮頸がんワクチンのところですけれども、先ほどの説明だと罹患率もそうですが、死亡率もふえているということですので、罹患率及び死亡率とかそういう形で入れていただいてもいいかなと思いますが、いかがですか。

○門田会長 よろしいですか。

○がん対策推進官 はい、追記するようにいたします。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほかの御意見いかがですか。永山委員どうぞ。

○永山委員 遅れて失礼しました。

 5ページの患者体験調査について注記されている部分ですが、ここについては濱本委員も以前から御意見をおっしゃっていましたが、今後もこういった患者の皆さんの実態や思いをがん対策に反映させていくということを踏まえての一文になっているのだとは思いますが、それをより強調する形で、より正確に患者や家族の思い、もしくは患者体験調査のような具体的な調査を継続することも含めて、というように明確に分かる文言を入れたほうがいいと思います。このままの表現ですと、患者体験調査のあり方自体が検証対象というふうに読まれてしまう可能性もあるのではないかと思いました。濱本委員も御意見あるかと思いますが、私が思いましたのは、この調査というのはとても意味のある調査だったと思いますので、今後も何らかの形で、厚労省の研究班なのか、国としてやるのか、病院ごとにやるのか、それぞれやり方もあるかと思いますけれども、今後につながるような表現にしてはどうかと思いました。

○門田会長 どうぞ。

○がん対策推進官 これも、そうした趣旨をより明確化したいと思います。一応こちらの「患者体験調査を含めて調査の内容や方法について検証を行う」という記載にしている趣旨としまして、今回初めて患者体験調査を行ったわけですけれども、いろいろ調査の設計や、必ずしも協力を得られない病院もあったといった点も含めて、どうすればよりよい調査ができるかといった観点で書いておりますので、趣旨としましては、こうした患者さんの体験を把握する調査は今後とも必要だと考えておりますので、御指摘のとおりその点がわかるように明確化したいと思います。

○門田会長 スタートの段階で余りネガティブになるよりも、初めてやったのですからポジティブにとらえていくべきだと。これからいろいろな変更点というか、改良点が出てくるのかと思います。

 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

○濱本委員 私のつたない意見のうちから幾つか取り上げていただきまして、ありがとうございます。もしよろしければ、この場をおかりして少しの間だけ、意見書について補足説明させていただけますでしょうか。

 今ちょうどお話に出ました患者体験調査、そして、医療者調査のほうも今回研究班の御予算の割り当ての関係から、対象医師の母数をちょっと我慢しないといけなかったところがおありだったようで、本当に意欲的な調査を精力的にしてくださったということがもったいなく思いました。私がこの「がん情報提供のあり方に関する検討会」というものの設置を提案申し上げました意図は、がん対策情報センターさんに対してもう少し頑張ってほしいという意味合いではなくて、反対に国の事業として予算づけが図れるような機関、後押しができる機関をつくれないかということが第一の目的でございます。ですので、私の意見書では「患者体験調査、医療者調査の継続」ということを、検討会の設置を提案いたします第一の理由に挙げました。

 その次にあります「現況報告」記述についての見直しに関しては、御説明にあずかったとおりです。

 2ページ目になりますけれども、補助療法や副作用対策などのガイドラインや臨床研究を含むがん研究について云々いろいろな情報提供の検討ということ、こちらもAMEDを中心にPMDAから副作用対策のガイドラインが集まったり、臨床研究を含むがん研究についていろいろなデータが集まっていくことと思いますけれども、巨大なデータベースに集まったものをいかように国民に対してわかりやすく適切に提供してくださるかということで、やはり集中的に議論する場が必要ではないかと思いまして、同じく検討会設置の理由とさせていただきました。

 その次の都道府県の計画に対する指標データの提供推進についても、お取り上げいただいたとおりでございます。

 そして最後ですけれども、これについてもう一言申し上げたくお願いいたします。これも項目には取り上げていただきましたけれども、がん治療や療養に関する信頼性や科学的根拠に乏しいインターネット、報道、書籍などでの発信や広告についての評価検討については、本当に難しいことを申し上げていると思います。国のほうからは、そういう規制や指導ということはなかなかできかねるということは重々承知しておりますけれども、臨床に携わっている先生方は、本来受けられるべき治療があったにもかかわらず、治療しないでいたがために本当ににっちもさっちもになってしまった数十名の患者さんを目の当たりにされた御経験がきっとおありだと思います。私ども患者団体も同様でございます。その場合、本文に盛り込んではいただきましたけれども、本当にガイドラインについて適切で、かつ本当に詳しい情報提供をしたところで、ガイドラインや積極的治療そのものを否定するという立場からの広報、著作、執筆活動が行われている現状がありますので、私は別のところからの指摘、指導、規制が必要ではないかと変わらず思っております。それが例えば、学会の力をおかりした自浄作用でありますとか、放送でありましたらBPOですとか、こちらでは直接お手を下していただくことはできないかもしれませんが、何らかの形でいまだに多く迷っている患者たちに対しての御指導なり御提案、アドバイスを賜れるような検討会であっていただけたらと思います。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 この検討会云々というのは多分、次期の協議会のほうで検討してもらえるのではないかと思いますが、事務局、濱本委員の御意見についてはよろしいですか。

 そのほかどなたか御意見ございますか。堀田委員どうぞ。

○堀田委員 今の濱本委員の発言と一部絡むのですけれども、今回の指標をつくったり、調査をするのはどうしても研究班ベースでやっています。私は再三御指摘申し上げているのですが、なかなか予算の出どころが難しいので、研究班という形で調査研究をやったり指標をつくったりするのだけれども、結局、拠点病院に調査依頼をしたりするときに、一研究班では十分にデータをとり切れない。何で研究班に協力しなければいけないんだとか、あるいは何で国立がん研究センターという一法人から言われなければいけないんだということが、ままあるんですね。そういうことからいうと、こういった問題は協議会の範囲の事業という位置づけにしないといけないのではないか。極めて研究的な要素が高ければ研究班でいいのですけれども、こういった実態調査のようなものは一種の事業であるということからいえば、54ページの「5.必要な財源措置の実施と予算の効果的・重点化」、あるいは「6.目標の達成状況の把握とがん対策を評価する指標の策定」といったところに、協議会の提言といったレベルであれば、がん対策の効果測定の財源確保を出すのはそんなにおかしいことではないのではないかという気がいたします。

○門田会長 ありがとうございました。

 前も中間評価のところで話題になりました。研究班という位置づけでやるには問題があったというのは今回のことで我々は学習したと。あの段階で何らかの形の国の方針としてやらざるを得ない、何がしの補助をもらってやっている拠点病院ですので、そういうことはやっていかざるを得ないと、今回のことをやりながら改めてそういう認識を持ったということでよろしいでしょうか。それとも、予算の云々という5番のところに、その辺をもう少ししっかり書く必要がありますか。

○濱本委員 よろしいでしょうか。私は2年間こちらの委員をさせていただきまして、予算に対する協議会からの提案ということがなかったように思います。それ以前には「がん対策協議会」からの予算にかかわる意見書というものも提出されていたように思います。そのようにいろいろな予算に関して委員の方からの意見をまとめて出すということは非常に有意義ではないかと思います。

○門田会長 予算全体の話よりも、この調査について継続性が必要だというのは前もあったと思うので、何らかの形で記載を残しますか。

○がん対策推進官 堀田委員から御指摘いただいた点は、これまでも若尾参考人からも御指摘をいただいて問題意識は共有しております。

 先ほど御説明した5ページの「患者体験調査を含めて調査の内容や方法について検証を行い」という趣旨としましては、この患者体験調査の実施方法、実施主体も含めて検討していく必要があるということも一応含めているという趣旨でございますので、事業を必ずやっていきますということがなかなか明記できないのですけれども、その趣旨はしっかり踏まえて今後、次期の計画に向けて体制も含めて考えていきたいと思っておりますので、そういう趣旨も一応盛り込んでいるつもりではおります。

○堀田委員 この書きぶりでは財源確保の必要性が伝わっていないのではないかと私は思います。事務局の立場はよくわかります。ほかの省庁や省内の調整が必要なので、はっきり書くことはなかなか難しいだろうけれども、我々協議会としては、そういう意見はある程度しっかり載せたほうがいいのではないかと私は思います。

○門田会長 5ページのところは、検討という内容でもう少ししっかり書き込めないかという御発言ですが。

○がん対策推進官 9ページの今後さらに推進が必要と考える事項に、書きぶりはまた調整させていただいて、今おっしゃった趣旨がわかるような形で追記を検討させていただいて調整させていただければと思います。

○門田会長 そういう向きで検討していただくということでよろしいですか。

○堀田委員 それで結構です。別にこれをひっくり返すつもりはありません。

○門田会長 ありがとうございます。

 そのほか、どなたか御意見ございませんか。よろしゅうございますか。

 それでは、特に御意見がないようでしたら、数カ所文言の整理をするところが出ておりますので、それは事務局と私のほうで、意図は十分わかっておりますので、そういう形で修文させていただいてまとめたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○門田会長 では、そのようにさせていただきます。

 それでは、中間評価報告書は、こういう形で一部修正をしながらやらせていただくということでお認めいただきました。

 では、次にまいります。議題2「今後のがん対策の方向性について」に移りたいと思いますが、事務局からこの内容についての御説明をお願いいたします。

○がん対策推進官 資料4をごらんください。こちらにつきましても、前回以降いただいた御意見を反映しておりまして、その点について赤でお示ししております。主な変更点について御説明します。

 まず、2ページの目次ですが、前回までは最後は各論で終わっていましたので、最後を受ける形で「おわりに」という項目をつけております。

 6ページをごらんください。文言調整以外の点としましては、前回御議論がありましたように、AYA世代の定義としまして、まだ年齢については確定していないので具体的な年齢は書かないほうがいいだろうという御指摘がありましたので、「思春期世代と若年成人世代」という書きぶりに修正しております。

 7ページにつきましては、高齢者の観点からのがん対策ということで、これについては主に内藤委員から幾つか追記の御指摘をいただきましたので、基本的にはその御意見を踏まえて加えております。

 主な変更点は以上となります。

○門田会長 ありがとうございました。

 この件につきまして、どなたか御意見ございますか。よろしいですか。

 これは多分、次期の協議会に提出し、協議会の中でどういう形でこの内容を考えていただくかということになるかと思いますが、皆さんに今期2年間の間にいろいろディスカッションしていただいて、こういうものを申し送るということでよろしゅうございますか。

 特に御意見がないようでしたら、今の形でお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。

 それでは次でございますけれども、御報告のほうをお願いしたいと思います。先日6月1日に、がんサミットが開催されたことは皆さん御存じのとおりですけれども、この報告について事務局からお願いしたいと思います。

○がん対策推進官 資料5をごらんください。「『がんサミット』の概要」という資料を御説明いたします。

 めくっていただきまして、「がん対策を加速するための新たなプランの策定について」というところですが、6月1日にがんサミットを厚労省主催で開催いたしました。その際、塩崎厚生労働大臣の御挨拶の中で、安倍総理大臣からの御挨拶をメッセージとして御紹介いただきました。まず、安倍総理大臣の御挨拶の概要ですけれども「厚生労働大臣に対し、『がん対策加速化プラン』を年内を目途に策定し、取組の一層の強化を図るよう指示いたします。このプランは、厚生労働省だけでなく、関係する多くの方々と政府が一丸となって実施するものです」というメッセージを御紹介いただきまして、こうした総理の御指示を踏まえる形で大臣からの挨拶の中で、がん対策加速化プランを年内を目途に策定するという表明がございました。

 具体的には、これから策定していくわけですけれども、基本的な考え方について御紹介がありまして「がん対策を加速するための3つの柱となる考え方」ということで、「がん予防」「治療・研究」「がんとの共生」という基本的な考え方がお示しされました。もう少し詳しい概要については後ほど御説明します。

 続きまして、「わが国のがん対策の歩みについて」という、これまでの経緯とプランの大まかな位置づけを御説明します。

 まず、左の列が法律ということで、平成18年6月にがん対策基本法が成立いたしました。来年その成立から10年を迎えるということで、基本法の改正の動きが議連のほうであるようでございます。こうした基本法の改正の動きも踏まえつつ、この加速化プランを策定していく必要があると考えております。

 真ん中のがん対策推進基本計画としましては、現在第2期ということで中間評価を現在行っているところです。これを踏まえまして、まさに本日も御議論いただいたように、まだ課題、十分進んでいない点等ございますので、こうした点について加速化していくようなプランを年内にまとめるということを考えております。その上で、第3期のがん対策推進基本計画への改定に結びつけていくというイメージを持っております。

 一番右側につきましては研究戦略ということで、現在がん研究10か年戦略が平成26年4月に改定されて、これに基づいて研究を進めているところですので、そうした動きも踏まえながら、このプランで盛り込むべきは盛り込んでいくということかと思います。

 めくっていただきまして、がんプランのもう少し詳しいイメージ、具体的にはこれから詰めていくので、あくまでまだイメージの段階ですけれども、先ほど申し上げた3つの柱「予防」「治療・研究」「共生」につきまして、予防につきまして具体的に考えられる施策のイメージとしましては、がん教育・普及啓発、感染症等によるがんの予防、受動喫煙の防止、検診を含める早期発見が考えられるかと思います。具体的には、もちろんこれから検討していくことになります。

 治療・研究につきましては、例えば難治性がん等の研究といったものが挙げられるかと思います。また、革新的な医薬品等の開発ですとか、AYA世代ですとか高齢者も含めておりますが、先ほど御議論いただいたライフステージを意識したがん対策の充実が考えられるかと思います。

 共生につきましては、がんと就労の調和の推進、緩和ケアを含む地域完結型のがん医療・介護の推進といったことが考えられるかと思いますが、具体的にはこれから年内を目途に議論をして検討して、策定していきたいと考えております。

 がんサミットの概要は以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 堀田委員、中川委員も出席していただいて、御発表あるいは司会を務められたわけですが、何か追加ございますか。

 中川委員、何かございますか。

○中川委員 最後のページの中で、予防の強化で受動喫煙の防止とあるのですが、受動喫煙を下げることは大変重要な問題ではありますし、大臣の御指示ということになるとまたあれなのですけれども、やはり喫煙率の半減というものを掲げて、それが目標の半分程度であることによって2割減というものが達成できないという現実がある中で、受動喫煙の防止だけでいいのかというのは個人的には気にはなります。

○門田会長 堀田委員どうぞ。

○堀田委員 6月1日の厚労省主催の「がんサミット」で厚労大臣より総理大臣の命を受けた形で、「がん対策加速化プラン」が急に出て、「おー」と思ったのですけれども、これは我々にとってはとても追い風になるというか、いいことだと思うんです。今、死亡率の減少等がやや鈍化している中で、もう一歩これを進めるための追い風にはなるだろうと。ただ、具体的に12月までにプランを立てて実行していくという話は、次期基本計画あるいはそれより前倒しでやっていくのかどうかというところは、これから詰めなければいけないのだろうと思います。

○門田会長 ここにいらっしゃる方々、まだたくさん御参加されていたと思うのですが、確かに急遽「加速化プラン」という単語がポッと出てきて年内にということで、関係者は驚いたというのが正直なところではないかと思いますが、今、堀田委員がおっしゃるように、ここの協議会にとっては政府として総理大臣がこういうメッセージを出してくれるというのは本当に追い風そのものですので、我々としても逆にチャンスと思って努力すべきだろうと感じました。次期にバトンタッチするわけですけれども、引き続き頑張ってやっていただきたいと思います。

 よろしいでしょうか。

 本日の議題はとんとん拍子に進んだのですが、その他は事務局から何かありますか。ないようでしたら、一応本日の作業は1時間で全て終了できましたので、冒頭に申しましたけれども、本日がこのメンバーでの最後の協議会でございます。せっかく時間がありますので、委員の皆様方お一人お一人に感想なり、あるいは最後のメッセージなりをおっしゃっていただいて終わりたいと思います。

 では、阿南委員から一言ずつお願いいたします。

○阿南委員 ありがとうございます。2年前に協議会の委員にならせていただいて、初めての自己紹介のときも1番目ということで、本当に物すごい緊張から始まって、毎回責任の重さから発言するたびに手が震えていたぐらいなのですけれども、私は最初のころ、意見はあってもどこで発言したらいいのかがずっとわからなかったんです。この協議会に出続けていく中で、自分が今まで直面してきた問題が小児のがんでも成人のがんでもないから、どこで発言したらいいかわからないんだということに気づいたんです。そしてきょう、とりまとめがありましたけれども、12月に「若いがん患者に対するがん・生殖医療及び緩和ケアに関する意見書」というものも提出させていただき、皆様に御理解もいただいたおかけで、報告書案にはその文言あるいは「AYA世代」という言葉が盛り込まれてまいりまして、本当にうれしく思っております。

 来期もぜひ皆様の御活躍をお祈りしておりますので頑張ってください。ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 では、池田委員、お願いいたします。

○池田委員 池田です。この第2期のがん対策推進基本計画で、小児へのがん対策の充実がうたわれまして、私も小児がんの親の立場ということで、この会議に参加させていただきました。私自身大変勉強になりましたし、何より多くの小児がんの子どもを持つ親にとって励みになったのかなと思います。全国の親の会の皆さんからも意見を聞いてこの会に反映したつもりなのですけれども、どこまでできたか不安ではありますけれども、この場で小児がんについて、それから、子どもたちへのがん教育について議論ができたことは大変ありがたかったなと思います。

 小児がんの場合、成人がんに比べるとまだまだ数も少ないし、希少ながんも多いということではあるのですけれども、日々闘っている子どもたちにとっては高度な医療を受けたい、できれば近くで受けたい。今、小児がんは治る時代になったので、その後の人生のフォローアップも受けたい、何より学校で勉強したい。それぞれ切実な問題があるのですが、そういったことが今回の中間評価の報告書にも盛り込むことができたのかなと思って感謝しております。

 これからも子どもたちのよりよい医療環境のために、皆さん、よろしくお願いしたいと思います。本当にありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして大江委員どうぞ。

○大江委員 私は、たしか去年4月から田村和夫先生の後任として、この会に加わらせていただきました。この会の大きな特色は皆さん御存じのように患者さん方の代表の方が委員に入られているということで、我々は医療者同士の会議というのは非常に多くていろいろディスカッションはするのですけれども、実際に患者さん方の生の声を聞く会というのは非常に機会が少なくて、今回そういうことで患者さん方の生の声、考え方を聞かせていただいて、非常に参考になりました。どうもありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 では、緒方委員、お願いいたします。

○緒方委員 まず、患者をこの委員会に入れていただけるということに心から感謝いたします。そして、私はこういった委員会に余り慣れていないので、少々場違いなことを言ったりしたと思いますけれども、温かく受け入れていただいたこと本当に感謝しております。

 2年前に、ここで患者の立場から意見をということで言わせていただいたことが、今回の「これまで取り組まれていない対策に焦点を当てて」というところで、「全てのがん患者が尊厳をもった生き方を選択できる社会の構築」ということで取り上げていただきました。私は、がんになっても守られる自分らしさと尊厳ということで、たしか5分ほどお話をさせていただきました。そして、私たち一人一人が価値観、人生観、死生観をさまざまに持っているわけですけれども、そこに即したがん医療が受けられたらいいなということで意見を言わせていただきましたが、まさにそのまま受け入れていただけたことを本当にうれしく思っています。

 次回の委員会にどうしても検討していただきたいことが1つあります。それは、子宮頸がんが20代から検診が受けられるようになっている、そのことは本当に喜ばしく思っています。しかしながら、何回か言わせていただきましたが、乳がんは本当に若い人がかかっているんです。しかも、青天のへきれきのように若くてもなるのといった感じで進んでいて、大変なケースになっていることも少なくありません。行政としての補助はともかくとして、若くしても乳がんにはなるんだよ、検診が必要なんだよということだけでも、ぜひ啓蒙していただきたい。それを私は次回の委員会で検討していただきたいと思っています。

 本当に2年間ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 では、工藤委員、お願いいたします。

○工藤委員 このがん対策基本法というのは、がん患者さんの熱い思いでできたと思っています。それが10年を迎える今、がん患者の動きがどれほど反映されているか、思いを持った行動がされているかというと、私自身を含め、その当時基本法をつくった人たちに比べると少し穏やかになっているのかなと。もちろん一生懸命な方もいらっしゃいますけれども、自分自身を省みて、その人たちの思いに比べてどうなのだろうという気持ちがありつつ2年間出席させていただきました。

 私自身もがん患者ですし、今、夫もまさに闘病の真っただ中にいます。私がなぜこういう活動を続けているかというと、その気持ちのもとにあるものが、がん対策基本法の中に「がん患者を含めた国民等の努力」という一文があります。私はこういった機会を得たときに基本法を読み込みました。そのときに患者自身がやらなければいけない、努力しなければいけないという、その一言でこういった活動を続けてきました。次期の患者委員の方もそういった思いで自分たちの力で変えていく、よりよいものをつくり上げていくということで出席していただければいいなと思います。

 ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、内藤委員、お願いいたします。

○内藤委員 2年間ありがとうございました。私は、がん対策加速化プランの3本の柱の地域医療の中にいる人間です。日々患者さんの思いや、お年寄りの思いやいろいろなものに触れている人間なのですが、地域は全国にいろいろな形があって、いろいろな地域差もあって、ここで話し合ったことがまるで夢のように思うような地域も多分たくさんあると思いますが、こういうことをやっているんだと、国としても、こういう委員会としても、いろいろな協議会としても一生懸命やっているということを広く伝えていって、先ほど工藤委員が言ったように、これからがん患者になるかもしれない、これから高齢者になるという人たちが本気で自分の問題として考えられるように、いろいろ啓蒙もしていきたいと思います。ここでは緩和ケアを含む地域完結型となっていますけれども、いきなり移住したらどうかという意見が出たり、いろいろな意見があっていいと思いますけれども、お仕着せではなく、私たち一人一人が考えて選択できる時代になるように、また地域に戻って頑張っていきたいと思います。

 いろいろ御意見ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、中川委員、お願いいたします。

○中川委員 先ほど来もお話が出ていますが、この基本法の中で、この協議会の存在とそのあり方というのは大変ユニークかつ大変有効であり続けているなと思います。そういう意味では、この加速化プランを含めて、この協議会を大切に活用していただきたいなという気がいたします。2つの流れができてしまうことのないようにしていただきたいなと思います。

 それから、がん教育が形の上では加速化プランの筆頭に来ているのを見て大変喜んでおります。がん教育というのが恐らく長期的には日本のがん対策を変えていく大きなカギになるだろうと。ただ、これは少し時間を要する対策ですので、がん年齢と言われる今の大人たちにどのように知ってもらうか。がんという病気は、多少の知識と行動で本当に変わる病気なわけです。そういう意味では、現役世代に対する普及啓発をどういう形でしていくのかというのが非常に大事かなという気がしています。

 最後に、第3期になる基本計画の策定は、どうしても新しい、今まで議論していなかった項目に、実際に資料4でそういった形の新しいものに注目が集まっていくのですが、例えば死亡率の2割低減とか、あるいは私の専門としている放射線治療においても、実は大変力を入れてきていただいたのですが、ここへ来てがん治療件数のふえ方が頭打ちになっているという現実もあるんです。ですから、過去議論してきて定めていったことについても、ぜひ立ち返って議論するような形にしていただきたいと思いますし、そういう意味では、今回の2年間の中で指標の策定が行われたというのは非常に有効で、それは全ての項目に関して常にレビューするという形になると思いますが、心構えとしてはこれまで議論してきた大事なことを、ぜひそれに加えるという形で見ていっていただきたいと思います。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 永山委員、お願いいたします。

○永山委員 2年間本当にありがとうございました。私自身大変勉強になりましたし、初めはぼんやりとしていた議論が回数を重ねるごとに、今のがん対策の課題や問題点が明確になってきたのではないかと感じています。その中で特に私が感じますのは、何度も議論にはなっていますが、患者や家族の皆さんの精神的な苦痛や悩み、先ほど濱本委員が意見書で出されておりましたが、どういう情報を信じていいのだろうか、自分は何に頼っていいのだろうかといった、医療だけではない社会生活をする上での悩みや苦しみにどうやって応えていくのかということ。そして、少子高齢化の超高齢社会を迎えて、いつでもどこでも安心して納得できる療養生活をいかに送っていくか、その基盤づくりをどうしていくかといったことが今後の課題として浮き彫りになってきたのではないかと思います。

 その中で今思い出しますのは、門田会長が最初のころにプレゼンをされていた中で、たしか今という時代とともに将来、これからの日本を考えてのがん対策を考えていかなければいけないということをメッセージとして示されていたと思います。その視点で次の第3期の計画を議論していっていただきたいと思います。

 また中川委員のお話とかぶるところもありますが、やはり原点に返ることが大切だと考えます。死亡率の20%削減達成ができないというデータはショッキングな結果だったと思いますので、その原因と考えられているがん検診をいかに受けやすいものにするか、受けてみようと思うものにするか、そして、たばこ対策をいかに進めていくか、そういったことももう一回原点に返って、ぜひ議論していただければと思います。

 メディアという立場から考えますと、がん対策推進基本計画がずいぶん浸透してきているところではありますが、これを改めてきちんと伝えていかなければいけないと思いますし、今回出てきた加速化プランというものとのすみ分け、そのあたりを国民にも分かりやすく施策を進めていただきたいと思います。

 2年間どうもありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、西山委員、お願いいたします。

○西山委員 委員会の委員になりまして、これで3年目となります。私は治療・研究学術団体という立場から参加させていただいているのですけれども、今回の死亡率を見てもわかりますように、本当に私どもがどれだけ貢献できているのかについて常に疑問に思っております。しかも、ここはがん対策を行う場所なのですけれども、現状把握に対しての意見を述べることはできても、本当に必要なことを適切に施策に反映できたのか、政策や対策に反映できたのかということについては反省ばかりの3年間でございました。この間、我々治療・研究学術団体がどれだけ貢献できたかについてはクエスチョンなのですけれども、この結果を持ち帰ってフィードバックしながら、新たな提言ができればと考えております。

 2年間どうもありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 では、引き続きまして、濱本委員、お願いいたします。

○濱本委員 今ちょうど西山委員の御意見を伺いながら考えておりました。本当に将来を見越した壮大なプラン、スローガンができ上がりながら、やはりがん患者会としましては、今苦しんでいる人、今死に臨もうとしている人、どうしてもそこへ帰ってきてしまうのです。西山委員のお言葉に便乗させていただきますと、死亡率減少の中に貢献するパーセンテージは低いかもしれないのですけれども、本来救えたかもしれない命を救うということ、そのために治療の向上ということに地道に努力をしていってくださること、それは本当に原点だと思っておりますし、これからもそういった御努力を続けてくださる医療従事者の方々がいらっしゃるということは本当にありがたいことだと思います。

 例えば、均てん化があります中に、集中化が希少がんと言われるがんのみならず、日本で、あえて、ありふれたがんという言葉を使わせていただきますが、日本に多いがんにおきましても、より専門性の強い施術、手術、治療といったものに関しては、ある程度集中化を考えてみることで、いろいろな生存率なり治療成績が変わってくるのではないかと思っております。死亡率減少全体から見ると数値としては小さいかもしれませんけれども、どうかそういったところにも、これからも光を当て続けていっていただけたらと思います。

 最後になりますが、毎回の議事録を拝見していまして、門田会長の「濱本さん、手短にね」というのが毎回1回出てきています。

 大変、皆様にはつたない意見でがさつな委員で御迷惑をおかけいたしましたが、2年間どうもありがとうございました。

○門田会長 失礼いたしました。

 それでは、細川委員、お願いします。

○細川委員 どうも2年間ありがとうございました。私は、日本緩和医療学会から代表ということで参加させていただいてているのですが、もともとは外科を少しと麻酔科をやっていた関係から、がん患者さんとの接点は非常に多かったのです。けれども、1983年に初めてがん患者さんとかかわったのですが、当時、自分は絶対がんでは死にたくないと思うぐらいがん患者さんの病棟での状態は悲惨でした。この会議にも年配の先生方がたくさんおられますが、当時は“ソセアタ”と言いまして、ソセゴン(痛み止め)とアタPという鎮静薬みたいなものを一日3回ないしは4回、頓服がボルタレン坐薬50mg一日3回までという低レベルで、24時間のうちの二十数時間は痛みに苦しみ、それを見ている家族が主治医を追いかけて何とかしてくれと言い、主治医と看護師は逃げ回る。大学のような大きな病院ではやることが終わってしまえば、一般の病院にさっさと出してしまって、最期まで見るということはほとんどしないということをずっと見てきたわけです。

 今、巷間で問題になっているウクライナのキエフというところに、がんの専門病院がありまして、そこに ソルジェニーツィンというソ連の作家が入院したときの経験を基に『ガン病棟』という小説を書いているのですけれども、50年代のキエフのがん病棟で起こっていた描写されている内容と、私が80年代に最初に日本で見たがん病棟が全く同じだということに随分ショックを受けました。そのころに比べると随分痛みの治療も含めて、緩和ケアという言葉も普及し、確かに歩みは遅いとおっしゃる方もおられるのですけれども、この30年で飛躍的に改善しています。がんになってよかったと言って亡くなる人もふえてきています。つまり、「自分の妹は一般病院で手足を縛られて叫びながら死んでいった。私は、ここでがんになったおかげで、たくさんの看護師や医者に話を聞いていただいて、マッサージまでしてもらえる」というようなことをおっしゃった患者さんもおられます。

 ただ、これからは在宅でいろいろなサービスをつけると、経済的に無理という患者さんも出てきます。例えば、我々が在宅に移したら、いつの間にか在宅医にかかっていない、どうしてだと聞くと、高くて払えないということがしょっちゅうある。だから、何でもかんでも在宅サービスに保険をつけていくというだけではカバーできないと思います。今回いろいろな職種の人がここに集まることによって、いろいろな話を聞けて本当に勉強になりましたし、自分も1人で緩和ケアをやってきたところがあるのですけれども、そういったところに看護師、薬剤師が入ることによって随分新たに勉強ができました。

 ただ、全体の動きや今後を包括できて、全てを見ながら方向性を決められる人の存在、ここでは門田先生がその役割を担い、厚労省の方々もその役割を担っていると思いますけれども、現場を知っている人がもっと出てきて話をしていかないと、上だけで話をすると現場は混乱というよりは仕事がふえるばかりです。いいと思うことをやることは物すごく大事なのですけれども、それにはやはり人をつける、そのためだけの予算をつけるということも同時に大事ですし、どこまでやるかということもまず決めていただかないと、いいことは幾らでもあると思いますけれども、ヒトも予算も限界があれば全部はできない。ただ、目の前に25年問題、30年問題が出てきているのでの、やはり時間との競争の部分も多分にあると思いますので、今後、この委員会を中心にそういった方向性を示していただいて、どんどん現場の人たちや現場の患者さんたちが恩恵を得られるという形になればと思います。

 本当に2年間ありがとうございました。

○門田会長 どうもありがとうございました。

 それでは、堀田委員、お願いいたします。

○堀田委員 がん対策推進基本法ができて、それ以来、日本のがんにおける社会的な整備、環境は随分変わってきました。その成果が徐々に表れているのですけれども、それが当初予定した数値目標に達しているかどうかというところでは若干の議論があるなかで、加速化プランが出てきたり、あるいはこの報告書としてもその点を踏まえてまとめられたということは大変意義があると思っています。

 私は、国立がん研究センターの代表としてここに参加させていただいているとすれば、発言内容に必ず責任というか、センターとして何かをしなければいけない立場にどうしてもあります。本日も私がここに出てくるバックグラウンドとしては、きょうここに参考人としている若尾参考人あるいは加藤参考人以外にも、全職員が一丸となってがん対策に対して、国立がん研究センターとしてやるべきことをやるという気持ちでいます。

 しかし一方で、国立がん研究センターといえども独立採算を要求され、運営交付金は毎年10%削減される中で、それをやっていかなければいけないという苦しさと板挟みにあります。がん対策とそのための基本データを収集解析する人はふやしたいのだけれども経費を削減しなければいけないといった中で、がん対策をどうやっていったらいいかというのは日々考えています。しかし、国の流れとしてがん対策に対して加速化プランが出てくるように関心は非常に高いので、これからも協議会でしっかりと意見を出して参りたいと思います。この協議会は確かに厚生労働省のもとにはあるのですけれども、広く国に対してきちんとしたメッセージを出していく高い意識が必要と考えます。例えば医療のあり方、人間の尊厳のあり方も含めて提言していけるような立場になればさらに関心は増すでしょうし、この協議会は、がんの協議会ですけれども恐らくほかの疾患のモデルになるという意味で、日本の医療のあり方にも影響を与えると思っています。次期協議会はまたしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 続きまして、堀部委員、お願いいたします。

○堀部委員 私は昨年9月から日本小児血液・がん学会を代表する形で、前の石井理事長に次いでここに入らせていただきました。非常に短い間だったのですけれども、そういう意味で生の患者さんの声が上がって、それをきちんと国のがん対策に反映していくための重要な機関であるということが実感できましたし、実際第2次のがん対策基本計画、次に向けた方向性を見ても、如実にそれが表れているのではないかと思います。

 私の学会の立場からすると、小児がんというのが第2期の一つの大きな柱として掲げられた。どこに行っても小児がん、小児がんという言葉が最初に出てくるようになった、これはすばらしいことですし、国の対策の第一歩として中間報告にも掲げられていますように拠点病院、中央機関というのが制定されて、そこで進めましょうという段階です。実は中間報告といってもまだその段階で、では、そこから何が生まれたのということになるとまだこれからでして、その具体的なところはまだ闇の中ではないかと。つまり、それを支えるためには、きちんとした人の手当というのがどうしても必要ですし、人の手当といっても特に小児特有の患者さんをサポートするには、専門的な技術を持った支援職の人を育てないといけない。現在の日本の医療の中でそういった職種すらきちんと定義づけられていない状況の中で、今投げられたいろいろな種をどうやって育てていくのかというところがまだ未知の状態です。

 第2期で小児がんが挙がって、第3期、第4期でこの小児がんが表から消えてしまったらどうなるのだろうという不安があったのですが、それは次の方向性の中でライフステージに応じたがん対策というのが皆さんの声で前面に出たということは非常にすばらしいことだなと感じています。すなわち、まさにがん患者さんを支えるためには、それぞれの年代、世代の持っている悩みというか問題をきちんとクローズアップし、それに対して対策していくきめ細やかながん対策には必要な用語ではないかと。実は研究開発のほうでは、ライフステージに応じた標準治療の開発というのが先行してあったんです。だけれども、第2次基本計画の中にはライフステージという言葉はなく小児がんがポンと出て、その他のところに希少がん等々が入っているという状況だったのが、次にライフステージに応じたということが出てくることによって、希少がんから5大がんも含めて、それぞれの年代の患者さんの声に応じた対策がとられる礎ができたと感じましたので、これは非常にすばらしいことではないかと感じています。

 そういう意味で、小児がんもまだ途についたところですし、もう一つ先ほども御指摘がありましたけれども、そのはざまにあるAYAも、AYAという言葉すらまだ浸透していない中で、AYA世代という言葉が実際に中間報告の中にも出てくるようになったということで、そういったところに光が当たる第一歩ができたことに非常に感謝したいと思います。

 どうもありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 道永委員、お願いいたします。

○道永委員 2年間ありがとうございました。私は、この協議会だけではなく、全ての分野での検討会にも出席しています。その中で本当にいろいろな議論がされていまして、対策自身は大分進んでいると思うのですが、結局形はできたけれども、実際にそれを地域で実行していくのに、どのようにうまくやっていくかというのがこれからの議論になってくると思います。医療提供者側からしますと、どうしても医療提供体制ですとか地域連携ということを簡単に口に出してしまうのですが、この協議会の場で本当に患者さんたちからいろいろなお話を伺って、内藤委員もそうですけれども、地域による差がすごくあるということがわかりました。医師会としては今後どういうことができるのかということを考えていかなければなりません。

 また、患者さんだけでなく国民一般の方々、あとは医療関係者に対する正確な情報がいかに必要かということも痛感いたしました。

 あとは、中川委員がやっていらっしゃるがん教育ですが、子どもたちに教育することの効果が出てくるのはもっと先になりますが、職域で成人の方にがんに対する知識を広める必要もありますし、そのためには産業医の先生方にもそういうことを勉強していただかなければと思いました。

 今回、中間評価の指標ということで、国立がんセンターの先生方と非常に苦労して作成に参加しました。とてもいいものだと思いますが、この指標をつくっただけではなく、今後毎年きっちりと評価を続け、次への基本計画、計画をつくるのも大変ですけれども、それを検証し、継続していくことのほうがもっと大変なので、ぜひそちらを続けていただければと思います。

 本当にありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは最後に、湯澤委員どうぞ。

○湯澤委員 2年間本協議会に参加させていただきまして、今改めてその役割と責任の重さを痛感しております。

 がんに罹患された方御本人や御家族が希望される生き方のために、どんな治療とどんな社会的な支援が受けられるのか、そういう点において、今後はライフステージにおける課題の解決というところにも目を向けまして、私は現場の人間ですので、引き続き医療や職域、教育、在宅の場で多くの方々の意見を賜りながら、人をつないで、医療をつないで、最終的にがんになっても安心して暮らせる社会の構築と、さらにがん対策推進に向けた行動を今度もしてまいりたいと思っています。

 2年間ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 皆さん、それぞれの立場ですばらしい御発言をいただきました。私は御礼だけ申し上げたいと思います。特に今回は基本計画を作成して、その後の2年間ということで中間評価をする。今回の2期の基本計画には、先ほどもおっしゃっていただきましたけれども、全体目標として3番目「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」という、つくったときにはすばらしいことだと思ったのですが、これを評価するのはどうするんだと。我々の一番大きな仕事はこれだったわけですが、つくったときにも関係して、これを評価するときにも関係して、これは大変なことをやったと。どういう形で終われるのだろうと思っていたのですけれども、前回第1期のものがどちらかというと数値目標が多くて、その数値目標は達成できた、できなかったということがほとんどありませんでした。ところが、そのときの患者委員の皆さん方から、ほとんどの数値はわかったと。でも、実際にそれだけのクオリティーが維持されているかどうかの評価ができなければ何も言えないのではないかということを言われたのをよく覚えております。

 そういった意味で今回はどうかと思っていたのですが、突貫工事で大変だったと思うのですけれども、すばらしいものをスタートさせていただいた。あえてスタートと言いますけれども、先ほどもどなたかにおっしゃっていただきましたが、この評価というのは簡単に完璧なものができるわけではない。これから内容そのものも徐々に改良・進化していくべきものであって、また同時にそれが反映される次の計画ということになるのだろうと思います。そういった意味では、この2期の間、難しいことをうまく切り抜けたということに対して、本当に皆さんに御礼申し上げたいと思います。

 そして、その次のステップ、この2年の間というのは、その中間評価とその次に申し継ぐ今後の方向性ということをあえて私はテーマとさせていただきましたけれども、今皆さんにおっしゃっていただきましたが、今までできていなかったものを挙げていただいたと思いますし、次期の皆さんにこれを申し伝えて、これから先ぜひ、すばらしい対策がさらに続いていきますことを期待したいと思います。皆さん方の今の気持ち、今本当にすばらしいことをおっしゃっていただきましたが、これを伝えていかなければならないのではないかという感じを受けました。ありがとうございました。

 それでは、最後になりますが、健康局長のほうから一言お言葉をいただけたらと思います。

○健康局長 ありがとうございます。一言御礼の御挨拶をさせていただきます。

 本日が、現行の委員の皆様方で開催する最後の協議会ということでございますけれども、これまで2年間、がん対策の推進に関して毎回非常に活発で貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。私ども行政におります者にとりましても、現場の医療者の方、あるいは患者の立場の方からの御意見というのは、毎回大変耳を傾けるべき貴重な御意見が多くあったと思っております。また、門田会長には、たくさんの御意見が出るこの会議を毎回大変見事に切り盛りしていただきまして、厚く御礼申し上げます。

 今回、委員の皆様方と研究班にも大変御苦労いただきましたけれども、基本計画の中間評価を行い、今後のがん対策について重要な事項を整理することができました。皆様方からいただいた御意見を踏まえながら、次期のがん対策推進基本計画策定のための検討を積極的に行っていきたいと。次の協議会の皆様方とよく御相談しながら進めていきたいと考えております。

 また、何人かの委員の方から言及がありました、がん対策加速化プランというものも、がん対策を推進させていく、加速化させていくためのものですので、この作成に当たりましても協議会の委員の意見なども踏まえながら進めていきたいと考えております。

 今回、委員の交代ということがありますけれども、今後ともにここにお集まりの皆様方におかれましては、がん対策の一層の推進のために引き続き御指導・御支援賜りますようにお願い申し上げまして、終わりに当たりましての御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、本日の協議会、この期の協議会をこれで終わりたいと思います。先ほども申しましたけれども、一部修正のものにつきましては事務局と私で整理させていただきますので、最終版は、またメールか何かでお送りするのですか。

○がん対策推進官 会長と調整させていただきまして、最終的に御確認いただければと思います。

○門田会長 そういう手順でやりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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