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2015年3月27日 障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ「手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方に関する論点整理のための作業チーム」(第3回)

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成27年3月27日(金)16:00~18:00


○場所

TKPガーデンシティ竹橋10階ホール10C
(東京都千代田区一ツ橋1-2-2住友商事竹橋ビル)


○議事

○鈴木情報支援専門官 定刻になりましたので、ただいまから第3回障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ「手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方に関する論点整理のための作業チーム」を開催いたします。構成員の皆様方には、御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。本日の構成員の出席状況ですが、全員出席です。

 続いて、資料の確認をいたします。資料1「手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方について」をお配りしております。それでは、ここから座長に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○寺島座長 議事に入る前に、今日のスケジュールについて事務局から説明をお願いいたします。

○鈴木情報支援専門官 本日の流れについて、簡単に説明いたします。本日は、これまでの作業チームでの議論及び団体ヒアリングを踏まえ、<今後議論を深めるべき事項()>を作成いたしました。資料1について15分ほど説明し、そのあと構成員の皆様方で<今後議論を深めるべき事項()>について議論を頂き、ワーキンググループに報告すべきものを本作業チームとして取りまとめていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○寺島座長 それでは、議事に入ります。資料1について、事務局から説明をお願いいたします。

○鈴木情報支援専門官 資料1について、簡単に説明いたします。この資料は、意思疎通支援の在り方ということで、大きく4つのグループに分けたところです。1つ目は、2ページの「制度の内容・運営について」です。<現状>ですが、障害者の意思疎通支援事業については、従来から自治体に対する補助事業である地域生活支援事業により実施してきたところです。実施事業については、市町村事業として、手話通訳者、要約筆記者派遣。手話通訳者設置。手話奉仕員養成。点訳、代筆、代読、音声訳による支援。それから、都道府県の事業として、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員養成。市町村域を超える広域的な派遣。盲ろう者向け通訳・介助員派遣。派遣に係る市町村相互間の連絡調整となっております。

 平成254月の「障害者総合支援法」の施行に伴い、これら意思疎通事業は地域生活支援事業の必須事業として位置づけられたところです。平成27年度予算案ですが、手話通訳者等を派遣する事業を実施するに当たり、小規模な市町村が単独で行うにはニーズが少ないなどの問題。それから、将来的な人口減による市町村機能の弱体化への対応として、複数市町村の共同実施に向けた検討を支援することとしたところです。

 その下は、<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>です。これは、第1回の作業チームにおいて資料として出させていただいたものですので、簡単に主なものを読み上げます。3ページの○の3つ目です。盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業は、個別性の強い人的支援として、本来的には個別給付になじむサービスであるが、盲ろう者が非常に少ない地域や軽度の盲ろう者は、地域生活支援事業のほうがなじむと考えられ、個別給付に移行した場合でも現行制度は存置する必要がある、といったような御意見を頂いたところです。

4ページの○の1つ目ですが、意思疎通支援事業の利用者の範囲を、障害者手帳を持っていない聴覚障害者に広げると同時に、障害者団体にもサービス利用を認めてほしい。また、意思疎通支援の利用目的に対する制限は、原則的に設けるべきではない、といったような御意見を頂いております。

5ページの○の3つ目ですが、地域生活支援事業は、必要な予算が確保されず地域格差が大きく生じており、事業実施に必要な予算確保の法的根拠を確立することが必要、といった御意見を頂いております。5ページの一番下の点線で囲ってある所が、前回第2回の作業チームにおいて団体ヒアリングを実施しておりますが、そのときの主な意見をまとめたものです。代読、代筆のための訪問サービスを同行援護事業若しくは自立支援給付としての意思疎通支援事業に組み入れてほしいといったような御意見。

6ページの○の1つ目ですが、意思決定は失語症者本人で可能な場合が多い。また、失語症者には人間として当たり前の生活を送るために、意思疎通支援者・行動援護者が必須である、といった御意見。合理的配慮の推進と意思疎通支援事業の今後の果たす役割を整理していく中で、意思疎通支援事業についてのニーズや支援の在り方を検討する必要がある、といった御意見。その下は、聴覚障害者に限定した場合、移動支援や生活介助などと意思疎通支援とは区別すべきと考える。聴覚障害者も、移動支援や生活介助が必要となる場合があるが、それは別のサービスで提供されるものと考えたほうが明確、といった御意見。その下は、意思疎通支援事業の対象者の範囲については、中軽度難聴者も意思疎通に困難があり、要約筆記等の支援を求めている。また、18歳未満の聴覚障害児もニーズがあり、検討が必要である、といった御意見を頂いております。

7ページは、会議の際には、失語症者に理解しやすい要約筆記が必須であり、同時に失語症を持つ家族との悩みが解消できない介護家族に対しての支援を公的なものとして支援が必須である、といったような御意見。その下は、小規模自治体での事業実施が困難、不十分な場合の都道府県での事業の補完、代替実施を検討すべき、といったような御意見。

 厚生労働省より発出されたモデル要綱に合わせて、全国の自治体が事業に取り組むことが必要であり、予算面は今後も課題であるが、限られた予算の中でどのような工夫をしていくかが重要、といった御意見を頂いているところです。

8ページは、個別給付化した場合のメリットは、個別給付化により全国均一のサービスが受けられ、地域格差の解消が進むものと考えられる一方、デメリットは利用者負担が発生する。また、複数あるいは不特定多数のろう者が集まる会議、研修、集会などの団体派遣は個別給付になじまないので、メリット、デメリットを十分に検討し、全国どこでも必要なサービスが同じ仕組みで提供されるシステムに加え、地域の特性がいかされる仕組みについての検討が必要である、との御意見。個別給付化の問題は、基本的には提供される支援の内容が個別給付になじむものかどうかという点であり、事業に要する経費を義務的経費とするか、裁量的経費とするかはその後の問題である、といったような御意見。原則として、利用者負担は無料とすべき、といった御意見を頂いております。

 以上を踏まえ、1つ目の制度の内容・運営について、<今後議論を深めるべき事項()>としてまとめたものが、9ページです。○の1つ目は、意思疎通支援事業の内容・運営についてどのように考えるか。1つ目のポツは、意思疎通支援事業の対象者の範囲。2つ目のポツは、介助技術として整理したほうが適切なものや、意思決定と意思疎通支援事業との関係。3つ目のポツは、意思疎通支援事業に関するニーズや支援の在り方。4つ目のポツは、小規模市町村等での事業実施の方法。○の2つ目は、意思疎通支援事業についての財政的措置の在り方についてどのように考えるか。個別給付化した場合のメリット、デメリットの整理、以上が1つ目の<議論を深めるべき事項()>です。

 続いて10ページです。2つ目の枠組みは、「人材の養成について」です。現状ですが、平成254月から市町村において手話奉仕員の養成、都道府県において、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員の養成が必須事業とされたところです。○の2つ目は、地域生活支援事業において、市町村及び都道府県の任意事業として、点訳又は朗読に必要な技術等を習得した点訳奉仕員、朗読奉仕員等の養成研修等を実施しているところです。○の3つ目は、手話奉仕員、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員について、養成カリキュラムを策定し、自治体に周知しているところです。また、養成に関する指導者(講師)の養成については、関係団体により実施しているところです。

 その下ですが、<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>、第1回作業チームにおいて資料として出したものがありますので、主なものだけ紹介いたします。○の2つ目です。全盲者に限らず、弱視者への情報保障として、テキストデイジー制作員、マルチメディアデイジー制作員などのデータ作成の支援者の養成も、意思疎通支援事業に組み入れてほしい、といった御意見。

11ページの○の2つ目ですが、国が認めた専門職として、失語症者に対する意思疎通支援者に対する制度を確立すべき。失語症者対象の意思疎通支援者養成講座を行うべき。また、支援者の派遣も制度として措置してほしい。加えて、会話支援者(家族・職員・ボランティア)の養成の検討も必要、といったような御意見。手話通訳の派遣が広がる一方で、裁判、医療等の専門知識に応えられる人材の養成ができていない。経験の深い者が少なく、情報を保障するところまではできていない、といったような御意見がありました。

12ページですが、点線で囲ってある所が前回の団体ヒアリングでの主な意見です。○の1つ目ですが、点訳・音訳者養成事業を、意思疎通支援事業として明確に位置付けてほしい。英語・科学・数学などの専門分野の点訳者及び音訳者を養成し、それを専門職として位置付けてほしい。○の5つ目は、早急に地域での講師養成の在り方を検討するとともに、講師養成カリキュラムについても、講師養成に係る財源の確保を含めて検討が必要である。自治体・事業体・当事者団体が現在の要約筆記者養成のカリキュラムに至るまで経緯を理解し、講座の論理的な組立てを行っていくべきだ、といったような御意見です。

13ページです。○の1つ目ですが、利用者の障害特性を理解した上で、個別の利用者に対する知識や対応技術、ほかの専門職との現場での連携技術も求められ、現場経験をある程度積んだあと、経験年数に応じて、個別分野(医療、教育、司法等)の研修を実施する必要がある、といったような御意見を頂いたところです。

 以上を踏まえ、人材の養成について<今後議論を深めるべき事項()>として、意思疎通支援関係の人材養成についてどのように考えるか。1つ目のポツですが、必要とされる人材とその養成の在り方。2つ目のポツは、研修カリキュラムの在り方。3つ目のポツは、専門的な知識を必要とする意思疎通支援の在り方。以上が、人材養成についてです。

 続いて、14ページです。支援機器の開発・普及についてが、大きな3つ目の枠組みです。現状ですが、障害児・者の自立や社会参加を支援するためには、支援機器や技術開発の促進を図ることが必要ですので、産・学・障害者の知識技術を結集し、個別具体的な障害者のニーズを的確に反映した機器開発をスタートさせる機会を設けるなどの、障害者自立支援機器等開発促進事業を今、実施しているところです。

 ○の2つ目ですが、障害者が日常生活を送る上で必要な移動等の確保や、障害児が将来社会人として独立自活するための育成助長を目的として、補装具費の支給を実施しているところです。また、福祉の増進に資することを目的とした日常生活用具給付事業を実施しているところです。

<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>です。これも、第1回作業チームにおいて資料として出したものです。○の1つ目は、知的障害者に分かりやすいように文章の長さ、見やすさ、カタカナ語の書き換えと理解等の工夫が必要であり、このための研究事業も行ってほしい。また、コミュニケーションを支援する機器の開発も必要である。その下の○ですが、失語症者に対する意思疎通支援機器としての絵文字等の開発・普及が必要、といった御意見を頂いたところです。

 続いて、15ページの点線で囲ってある所は、前回の団体ヒアリングでの主な意見です。○の1つ目です。支援機器の役割は大変大きなものがあると認識しており、障害者福祉の対象としてどのような支援が必要になるかの検討が必要である。○の2つ目は、手話通訳者がその場にいなくても、タブレットにより手話通訳支援を行うことができる遠隔手話サービスは、手話通訳者不足の地域や、夜間等緊急時の対応で大きな成果を上げることができる。○の3つ目は、個人が利用する補聴援助機器や音声文字化機器のどの部分を福祉サービスの対象とし、どの部分を民生機器として扱うかは大きな問題です。

16ページの○の2つ目です。必要に応じて、支援機器の購入時に、使用する失語症者本人への講習会を無料で実施するとともに、フォローアップの機会を講じるべき。○の3つ目は、自治体では日常生活用具の種目の見直しが行われておらず、ファックスなど古いものが残っているため、現在の状況に合った日常生活用具の見直しをしてほしい、といった御意見を頂いたところです。

 以上を踏まえ、支援機器の開発・普及について<議論を深めるべき事項()>として、意思疎通支援に係る支援機器の活用、開発普及等についてどのように考えるかとさせていただいたところです。

 続いて、最後の大きな枠組みです。「福祉と他施策との連携について」です。現状ですが、差別の解消の推進に関する基本方針が、先月閣議決定されたところです。平成284月から、差別解消法に規定されております合理的配慮に関する環境の整備が求められるところです。差別解消法の第5条においては、行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならないと規定されているところです。その下ですが、<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>です。第1回作業チームで資料として出したものです。○の3つ目ですが、知的・発達障害のある人にも分かりやすい選挙公報、候補者情報の提供や投票所における支援が必要。18ページの○の1つ目ですが、少なくとも公的機関の窓口等の職員には、発達障害者についての知識と対応力を身に付けるための研修等を徹底してほしい。また、学校や職場における電子デバイス等の活用の充実や、大学センター試験で既に導入されている試験時等の配慮を公務員試験・国家試験等においても実施してほしい。○の3つ目は、テレビ、映画等において、字幕番組を増やすとともに、視聴に際して字幕の表示を選択できるようにすることも必要。○の4つ目は、学校、役所、駅、金融機関などの公共の場に失語症の専門職の意思疎通支援者を配置することを義務付けることや、失語症の会話支援者の配置(手配)等、失語症者の意思疎通を保障する様々な取組の検討も必要、といった御意見を頂いているところです。

 続いて19ページです。点線の枠が、前回団体ヒアリングを実施しまして、そこでの主な意見です。○の1つ目は、合理的配慮に基づく意思疎通支援の在り方について、十分検討していくことが必要であるとともに、意思疎通支援事業を単に縮小するということではなく、国として責任をもってどのように合理的配慮を推進していくか。その上での、障害者福祉における意思疎通支援事業の在り方を十分に検討し、国として責任ある方法を示されたい。その下の○ですが、障害者が暮らしやすい社会(共生生活)は福祉サービス、合理的配慮、環境整備の適切な組み合わせで構築されるべき。○の4つ目は、全ての職員・従業員が、障害についての正しい理解と適切な援助の在り方を習得するための方略を、行政機関及び事業所を管理する者が考え実行すること。その下の○ですが、障害者総合支援法における福祉サービスとしての意思疎通支援事業が担う範囲と、障害者差別解消法の合理的配慮及び環境整備としての情報保障が担う範囲との整備が必要。

20ページです。教育・放送・司法・選挙権等社会生活上のあらゆる場面において、失語症者の意思疎通を保障する取組が必要、といった御意見を頂きました。以上を踏まえ、福祉と他施策との連携について、<今後議論を深めるべき事項()>として、意思疎通支援に関する他施策との連携をどう考えるか。1つ目のポツは、合理的配慮との関係。2つ目のポツは、教育・放送分野等福祉施策以外の分野との関係。以上が、福祉と他施策との連携についてまとめたものです。資料1については以上です。

○寺島座長 これは、これまでの作業チームでの議論及び団体ヒアリングを踏まえて、<今後議論を深めるべき事項()>として作成したものです。

 それでは、議論をさせていただきたいと思います。<今後議論を深める事項()>については、具体的な修文意見のような形で頂けると取りまとめがしやすいかと思いますので、御協力のほどよろしくお願いします。本日はかなり時間があると思いますし、せっかくヒアリングで御意見を頂いておりますので、漏れがないか、追加で御意見を頂くものはないか、<今後議論を深めるべき事項()>についての御意見を頂くということにしたいと思います。最初のページから行きたいと思っておりますので、2ページを御覧ください。

 最初は「制度の内容・運営について1」という所です。<現状><ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>が示されています。このページで何か御意見、御質問はありますか。よろしいですか。

3ページです。「制度の内容・運営について2」ですが、ここには<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>が示されていますが、このページについて何か御意見はありますか。

 私からですが、上から4番目の「自治体レベルで行われている要約筆記は、聴覚障害者のみを対象とする制限を外すべく、国から自治体に指示してほしい」という、日本失語症協議会からの御意見があったのですが、全難聴と全要研の連名で、後にメールが来まして、これには危惧があるという御意見が表明されております。すべて読み上げると長いので最後の所だけ少し読み上げます。「失語症者への支援を公的制度として構築する方向への賛意と、要約筆記者派遣を安易に運用することへの危惧をお伝えし、委員の皆様の御協議の材料としていただきたく、本文章を認めた次第です」と書いてあります。要約筆記者の制度をそのまま失語症者に適用するということについては少し心配があるという御意見が示されております。これはそういう要望があったということでコメントに付け加えさせていただきます。また、具体的にはこの文章の中から整理したいと思っております。このページについて何かありますか。

○高木作業チーム構成員 今のお話なのですが、危惧の内容です。要約筆記というものが、聴覚障害者に向けた支援サービスであることがぼけてしまうから危惧しているのかなど、どういう内容か分かったら教えてほしいのです。

○寺島座長 そもそも要約筆記という制度は聴覚障害を中心にした歴史あるものであって、失語症にそのまま適用できるとは考えられない。必要であれば、失語症の方々向けのそういった同様の支援制度を作るべきであるというような御意見です。

 委員の皆様と書いてあるので、皆様に送ってあるのかと思っていたのですが、送っていないのですね。おかしいですね。

○大沼作業チーム構成員 そのことに関して、また後で7ページに同様のことが作業チームの意見の○の4つ目に出てきます。今、座長が歴史があるからということもそのとおりだと思うのです。聴覚障害者向けにずっと検討されてカリキュラム等が吟味されてきたという意味の歴史があって、それで、その中心は常に聴覚障害者が、より情報の受容のほうに障害があるということを補償しようとしてきたわけです。要約筆記についての聴覚障害の特性に合わせたカリキュラムや要約筆記者の養成を連綿とやってきた歴史があって、それが失語症者の情報保障にそのまま適用できるものなのかということを危惧されているのではないかと思うのです。ですから、現用の要約筆記者をそのまま失語症者にも配置せよということで本当に大丈夫なのかという意味ではないかと思うのです。

 要約筆記者を養成してきた今までのスキルや財産は、きっとその失語症者に対する情報保障にも相当役立つ部分があるので、それをどんどん使っていくことは絶対に必要だと思うのですが、制度上、要約筆記者というものの対象者の範囲に失語症者を入れるということについて、例えば具体的には指導者養成のカリキュラムの中に失語症者とは何ぞやというところからどんどんまた新しく盛り込まければならないことがあるという、そういうことを両方を対象にしてやっていけるものなのだろうかと。多分そういう心配をされているような気がするのですが。

○寺島座長 そうですね。ちょっと難しい文章なので、多分、先生のお話いただいたことを含んでいると思っておりますが、この文章をそのまま配ることはできますか。

○竹垣自立支援振興室長 今すぐというのは難しいかもしれませんが、後ほど頂いて、またお配りさせていただきたいと思いますし、これから事務局のほうでもこの中で意見を頂いたもの、それから、今おっしゃっていただいたものなどを考慮しながら、いろいろ検討する材料とさせていただきたいと思っております。

○藤井障害保健福祉部長 これは論点整理のための作業チームで、今、先生がおっしゃった、どう位置付けるのかというのもありますが、今、これはワーキンググループのヒアリングにおける主な意見と、作業チームのヒアリングにおける主な意見というふうに整理して、結論は、それぞれの大きな項目ごとの<今後議論を深めるべき事項()>が結論になるわけなのです。今の先生の御意見も、まず、どこの団体かはあれなのですが、正式な意見としてこの作業チームとして受け止めてしかるべきなのかどうかというのが、まずあるのではないかと思うのです。そこの扱いも、後で相談させていただけますか。

○寺島座長 これは正式な意見として取り上げるという意味ではなく、こういう意見がありましたということをこの議事録の中に残しておきたいという意味です。ヒアリングでも出てきたわけではないので、これ自体は正式ということではないですが、ただ、同席されていた団体の方がそれについてこういう意見を持っているというのは議事録の中には挙げておくべきかなという意味です。正式に取り上げようという意味ではありません。

 では、取扱いについては、危惧を持っておられるという意見があったということを、その内容について要約をしたものをこの会議での議事録の中に残しておきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

4ページの「制度の内容・運営について3」ですが、これについて何か抜けているとか、コメントはありますか。よろしいでしょうか。

5ページの「制度の内容・運営について4」です。最初は<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>、その後は<作業チームヒアリングにおける主な意見>です。その一部が示されていますが、御意見はありますか。

6ページ、「制度の内容・運営について5」です。ここは<作業チームヒアリングにおける主な意見>ということですが、何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。

7ページの「制度の内容・運営について6」です。何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。

8ページの「制度の内容・運営について7」、<作業チームヒアリングにおける主な意見>です。特に御意見がなければ、次のページに移ります。

9ページです。ここが本来議論すべきところだと思われますが、<今後議論を深めるべき事項()>ということで大きく2つに分かれています。「意思疎通支援事業の内容・運営についてどのように考えるか」意思疎通支援事業の対象者の範囲、介助技術として整理したほうが適切なものや、意思決定と意思疎通支援事業との関係、意思疎通支援事業に関するニーズや支援の在り方、小規模市町村等での利用実施の方法。それからもう1つ大きな項目として、「意思疎通支援事業についての財政的措置の在り方についてどのように考えるか」個別給付化した場合のメリット・デメリットの整理。これについてはいかがでしょうか。

○佐藤作業チーム構成員 佐藤です。以前の会議で、この地域生活支援事業のうち、幾つの市町村が手話通訳者の派遣を行っているか、あるいは手話通訳者を設置しているかどうかというデータは一度出ましたよね。もちろん全部の市町村ではないけれども、相当多くの所がそれなりに取り組んでいることが分かったのですが、今回いろいろな、こうすべきである、ああすべきであるという要求や要望がたくさん出ていますけれども、例えば2ページの「現状について」という所で、18まで地域生活支援事業の内容が書かれていますが、これらを含めて全体として運用実績がどうなっているのかということを、もう一度最終的なことをまとめるに当たっても、ヒアリングでいろいろ意見を述べられた方々が、どの辺りの地域やどの辺りの層を代表して語っておられるのかということが少し見えにくいのです。余りにもいろいろな要求がたくさんあって、事実上、地域生活支援事業がうまく機能しているのか、機能していないのか。今の枠組みで意思疎通支援に関して、地域生活支援事業の中でいいのかどうかということが大きな話になるだろうと思うのですが、それを思い描いていく上での基本的なデータが不足していて、だから、いろいろな御意見が断片的にしか聞こえない感じがしています。

 特に1つ目、2つ目ともに意思疎通支援事業を個別給付化してはどうかという提案もあるし、個別給付化した場合にはこういう問題点があるというようなこともあるでしょうし。それから、この中にもありましたが、団体でやることなどになかなか使いにくいのだというようなことがありましたので、全体としてざっくりでもいいと思うのですが、運用の実績がどのようになっているのかということを含めて最初の○を整理すれば、2つ目の個別給付化の問題に入りやすいのではないかと思っています。その点、最終的な整理をするまでに補足できるものなら、運用実績を補足していただければと思います。

○寺島座長 どうもありがとうございます。事務局から何かありますか。

○竹垣自立支援振興室長 第1回目で資料を出させていただきましたが、やはり、濃い資料がなかなか出せておりませんでしたので、我々も更にデータ収集に努めたいと思っておりますので、出せるデータはどんどん出していきたいと考えております。

○寺島座長 どうもありがとうございます。ほかに<今後議論を深めるべき事項()>について御意見はありますか。

○高橋作業チーム構成員 高橋です。私も、今お話がありましたように、意見としてお話をさせていただきたいと思います。今回のこの場は論点整理の作業ということで私は呼ばれておりますので、この9ページの<今後議論を深めるべき事項()>にフォーカスを当てさせていただきます。

 これまで書かれてきたこと、団体ヒアリングでそれぞれおっしゃられていたことは事実ですので、そこにどうこう意見ということはありません。今後の事項()として事務局サイドからも御提案いただいているこの大きな2つの○、更にポツで幾つか記載があります。論点としては、私もこのような集約になるのだろうとは思っていますが、今お話がありましたように、全国様々な自治体が地域生活支援事業として、ある意味、自治体の実情、創意工夫等で事業実施をしております。私も基礎自治体として札幌市で事業に直接携わっている立場として少し意見というか、参考にしていただければと思うことがあります。

 札幌は政令市ですので、都道府県と同じレベルで事業展開をさせていただいております。団体さんのヒアリングの中でも出てきましたように、まだまだ十分とは言えないまでも、一定程度は事業を実施していると思っております。しかしながら、情報支援、必要な情報が欲しいと当事者方が思ったときに、やはり小さな自治体では情報支援のサービス提供というか、その支援がまだまだ不足しているなという実感もあります。

 そうした中で、個別給付の話も随分と出てきました。今回のテーマとしても挙がっています。私の個人的意見として言わせていただけるならば、個別給付化はもちろん進んだほうが、多分、サービス提供、いろいろな研究等々も含めて加速していくのだとは思っております。ただ、今後の論点ということで、そこをにらみつつ進めていっていただきたいと思っております。この場、更にはワーキングの親部会のほうでも限定的なお話はできないのでしょうけれども、そういうことを視点として進めていっていただきたいというのが一自治体の職員としての意見でもあります。

 さらに、運用実績は、先ほどもありましたように事務局サイドは大変御苦労されるとは思いますが、そこの実態の評価、団体ヒアリングの中でも30%などといった数字が挙げられて、まだまだ不足しているのだという訴えを直接聞かせていただきましたが、どの部分がどの程度、全国的に進んでいるのか、その辺りの評価も、事務局として大変御苦労をかけるとは思いますが、ワーキングのほうに提供していただいて、今後の論点の支援をしていただければと思います。

○寺島座長 どうもありがとうございます。事務局から何かありますか。

○竹垣自立支援振興室長 データの収集については努力をさせていただきたいと思います。

○寺島座長 ほかにこの項目についてありますか。

○高木作業チーム構成員 高木です。最初の○の2ポツ目です。介助技術として整理したほうが適切なものや、意思決定と意思疎通事業との関係というものがあるのですが、これは多分、介護技術として整理したほうが適切なものというのは何を想定しているかというと、ALSの方に対する透明文字盤や口文字盤などですか。

○竹垣自立支援振興室長 具体的に、この障害とこの障害は介護技術というところまでの想定はしておりません。団体ヒアリングの中で、例えば6ページの3つ目の○ですが、これは移動支援や生活介助などと意思疎通支援とは区別して考えるべきというような御意見も頂いていますので、こういうものを包括的に表現しているということです。現状で具体的にこれとこれという限定はありません。

○高木作業チーム構成員 すみません、私のほうで思い付いたものが、そういった技術かなと思ったのでお聞きしてみたのです。ただ、もしそういうことであれば、介助技術であることもそうだし、意思疎通支援でもあるのだろうと思ったりもするので、そういう関係性を整理するということなのだろうとは思うのですが、それぞれが個別のものということではなくて、ダブるものもあるのではないかと思います。

 あと、先ほど来出ている失語症に関する意思疎通支援というようなことが、今回、団体ヒアリングの中でかなり出てきています。私自身も実際にそういう支援の現場を見たわけではないものですから、というか、まだそういった意味ではほかの部分よりも、聴覚障害者のいろいろやってきた部分よりも歴史が浅いのは確かだろうと思うわけです。先ほどの話で、要約筆記というのは聴覚障害者に特化した形で歴史を積み重ねてきて、いろいろな養成事業や派遣事業などを形作ってきたものなので、失語症に合った要約筆記ということが、今の要約筆記者がすぐにできるとは思えないということではないかと思ったのです。失語症の協議会のほうも、聴覚障害者に対する要約筆記者を使いたいということでは言っていなかったと思います。それ用に育成された方がいるので、そちらを使いたいという話だったかと思うので、先ほどの危惧というのはちょっと違うのではないかと思います。

 ただ一方では、歴史という部分については確かにそのとおりであって、失語症に関しては様々な型があります。運動性失語や感覚性失語などがあって、軽度から重度まであるのだろうと思います。そういった中で、多分、失語症の類型別に支援も形が違う。例えばスマートフォンさえあれば自分でできる人もいるだろうし、絵文字のもう少し綿密な開発が必要なケースもあるでしょうしということを、今、やっていっているところなのだろうと思うのです。歴史の浅いものについての何というか、今後の調査研究というか、オーソライズされたものにしていかないといけないという視点がどこかに要るのではないかという気がしていて、その辺りが、この論点の中に入っていないというか、ヒアリングでは誰も言っていないから入っていないのですが、そういう視点は要らないのかなと思ったところです。

○寺島座長 どうもありがとうございます。先ほどの私の要約がまずくて十分伝わりませんでしたが、大沼先生が言われたように、歴史を積み重ねてきた要約筆記のシステムをそのまま失語症の皆さんに適用して、それが本当にその方たちに対して良いものになるのかということに対する危惧ですので、頭から駄目と言っているわけではないわけです。ですから、今、高木先生が言われたような視点も入っているといいなと私も思いました。

 ほかに御意見はありますか。

○高木作業チーム構成員 ヒアリングの御意見の中で、例えば同行援護に代読、代筆が使えないかとか、盲ろう者の支援についても個別給付化という話があったと思います。そういった中で、例えば同行援護というものを少し、現在の盲ろう者の通訳派遣事業で実際にやっておられる方などは、例えば同行援護でも派遣可能などと、要件を少し緩和することによって実質的な個別給付化としてできないかなどと、現行制度を少しアレンジすることで、要望に対応することが一定程度、できるのではないかと。そういうことも事務局として少し研究してみるというような視点もあってもいいのではないかという気がしております。

○寺島座長 事務局、いかがでしょうか。

○竹垣自立支援振興室長 実際、その論点ごとに検討していく中で、そういう御意見も十分に参考にさせていただきながら検討していきたいと思います。

○寺島座長 今回いろいろ出された問題の中で、これから研究というのがかなりありました。そういう取組を、是非お願いいたします。ほかにありますか。

○佐藤作業チーム構成員 佐藤です。幾つか今ある制度を、もっと弾力的にしてほしいという、例えば高木さんがおっしゃったこともその1つだと思うのですが、要望の中にもたくさんそういうものがありましたよね。そもそもが市町村が主体にある事業なのだから、これは私も長年、直接地域で活動してきた中で、当該の市町村が厚労省に聞くたびに規制が強まるということで、「あなた方が判断したらいいじゃないの」「いや、それはやっぱり制度に齟齬があったら後で怒られますから」と。法律を執行する側として、聞かれたらそう言わざるを得ないというところはありますよね。そういう点が運用上、あえて違法、脱法を奨励することはできないと思いますが、自治体の裁量に任せる、それは市町村が実施主体であるということの大きなメリットだと思いますので、この枠組みの中であれば制度感は多少アレンジして、それを奨励するわけにはいかないかもしれないけれども、そんなことを現場ではやっていくことで、随分、今回出たいろいろな要望や問題の指摘には応えられると思いますので、そういうことも多少、論点に反映するようなことがあってもいいのではないかと思います。

○寺島座長 どうもありがとうございました。確かにそのとおりだと思います。次に10ページの「人材養成について1」として、<現状>と<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>が提示されております。これについて何か漏れているとか、コメントなどがありましたらお願いします。

 よろしいでしょうか。では11ページの「人材養成について2」に、<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>が示されています。

 よろしいでしょうか。12ページの「人材養成について3」では、<作業チームヒアリングにおける主な意見>ということで、この作業チームで実施したヒアリングの意見がまとめられています。何か御意見はありますか。

 なければ13ページの「人材養成について4」、作業チームヒアリングにおける主な意見の続きです。その下に<今後議論を深めるべき事項()>として、意思疎通支援関係の人材養成についてどのように考えるかという事項が示されております。必要とされる人材とその養成の在り方、研修カリキュラムの在り方、専門的な知識を必要とする意思疎通支援の在り方です。何か御意見はありますか。

○佐藤作業チーム構成員 佐藤です。意思疎通関係の人材養成についてということで3つの課題が出されているのですが、まずもって必要とされる人材の質と量が想定されなければ、どういう規模で、どういう内容で養成すればいいのかがはっきりしないのです。その意味で先ほど、運用実績があればもう少し想像がつくのではないかと申し上げたつもりなのです。ここら辺についてはどういうように考えればいいでしょうね。実際に手話通訳者として活動できる人がどれぐらいいて、実際に活動している人がどれぐらいいるのか。休眠状態になっている人もたくさんいるかもしれません。そのようなことをちょっとでも伺い知ることができないと。一般論としてどれも検討したほうが良い課題だとは思うのですが、それは空中に向かって言っているだけの話になりかねないと思いますので、そのことを何か具体的に検討できるやり方はないかという問題提起です。

○寺島座長 これに対して何か御意見はありますか。高橋先生は現場で、そういう悩みなどはありませんか。

○高橋作業チーム構成員 高橋です。今日は数字を持ってこなかったのですが、手話通訳などでいえば、札幌市もこれまでずっといろいろと養成事業をしてきています。実際に専属手話通訳、あるいはそのサブ的な立ち位置というように、講座で一定程度のスキルを持った方と実際にかなりのレベルで動いている人の数字、札幌市で研修をやった受講生の数字というのは押さえています。ですから少なくとも同じような都道府県政令市レベルでは、今御質問があったような数字はとらまえられると思います。それ以外の中核市から通常の市区町村レベルで、事務局や厚労省サイドで照会したときに、どの程度お答えできるかなとは思うのですが、一定程度の数の実績は、それぞれの自治体で挙げられるとは思っております。

○寺島座長 レベルのようなものまで分かるのですか。

○高橋作業チーム構成員 高橋です。例えば手話で言えば、札幌市内の方であれば、通訳ができるレベルと言いますか、その辺もある程度は押さえていますので、そういうグレード分けでもできるかとは思います。

○佐藤作業チーム構成員 札幌は人口200万人ぐらいでしたか。もうちょっとですか。

○高橋作業チーム構成員 190万人ぐらいです。

○佐藤作業チーム構成員 200万人ぐらいの人口に対して、どれぐらいの技術を持った手話通訳者をこれまでに養成してきているのか。例えば手話通訳の場合だと、聴覚障害のある人やその団体から出てきたニーズに対してどれぐらい応えられているのか、人材がいないためにできないことが多かったのか少なかったのか、逆にリクエストが少なく、たくさんの人材が浮いてしまうという現状があるのか、そういうことを知りたいと先ほど申し上げたわけです。今のお話ですと、早速にも札幌市から具体的なデータを提供していただければ、少なくとも大都市においての傾向が少しは分かるかもしれません。また、中都市あるいは地方の小さな町村などをサンプリングするだけでも、多少はこの議論にリアリティーを持たせることができるかもしれないと思いますので、事務局でも検討していただければと思います。

○寺島座長 事務局は、そういうデータはお持ちですか。

○竹垣自立支援振興室長 今、高橋構成員から札幌市について御説明いただいたほど細かくはないと思いますが、例えば手話通訳者であれば全国で5,000名程度、手話通訳奉仕員レベルのボランティア的なことであれば、1万人いるというマクロでの数字は取りあえず押さえております。この最新の数字は調査中ですが、マクロの数字ですので、大都市別だとどうなのかとか、中規模だとどうなのかという分析はできておりません。そういうところは努力していきたいと思います。

 それからもう1点。地域生活支援事業については、自治体で柔軟にやっていただくことを前提に進めているので、そういう意味でデータが余り取れていない部分もあるのです。現状ではその障害の方々の人数規模的なことを勘案し、例えば盲ろう者の通訳介助事業は市町村レベルではなかなかできないので、都道府県事業として位置付けるとか、手話通訳者であれば市町村の事業として位置付けるとか、そういう区分までが現状です。

○寺島座長 この件について、ほかにいかがですか。

○大沼作業チーム構成員 大沼です。この「必要とされる人材」という表現の解釈というか、読み方についてです。今議論のように、必要とされる人数ということもありますが、どういうタイプの人材が必要なのかということも含めた理解で、私はこの案文を読んだのです。手話で情報保障や意思疎通をする支援のタイプというのはよく知られているわけです。それから、文字を通じて意思疎通を支援するというタイプがあります。意思疎通支援や会話支援など、手話とか文字以外の音声支援と言いますか、そういった領域のことも含めて意味を広げて理解していけばいいのかなと考えました。

 そういう意味では「必要とされる人材とその養成の在り方」で、全てが網羅されるのでいいなとは思うのですが、余りにも大雑把だと「音声支援を必要とする」領域が疎かになりそうです。音声支援というのは、例えばある音声だと理解しにくいからそれを言い換えるとか、あるいは唇を読み取れるような形の単語に置き換えるとか。これがアメリカなどでは口話通訳者として存在しているわけですけれども、日本にはそれがない。そういった音声保障も含めた人材を考慮すれば、きっと失語症者の支援の一助にもなると思います。

○寺島座長 では、こういった観点も議事録の中に残して、今後の参考にしていただければと思います。次に14ページの「支援機器の開発・普及について1」です。最初に<現状>と、<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>が示されています。何か抜けている所とか、御意見がありましたらお願いいたします。

○佐藤作業チーム構成員 <現状>の所で私が聞き漏らしただけかもしれませんが、障害者自立支援機器開発促進事業というのは、研究としてこの事業を進めている件数は何件ぐらいあって、予算はどれぐらいかというのを教えていただければと思います。

○寺島座長 もし分かれば、事務局からお願いします。

○竹垣自立支援振興室長 公募ですので、件数的には例年10数件のレベルで採択されている事業です。平成27年度予算案の中では、1億円という枠です。

○佐藤作業チーム構成員 1件約1,000万円弱ということですか。

○竹垣自立支援振興室長 はい。

○寺島座長 盲ろう者の時計などがこれで開発されたのでしたか。

○竹垣自立支援振興室長 目覚ましもこの中で開発されています。

○寺島座長 ほかに御意見はありますか。では次の15ページの「支援機器の開発・普及について2」に、<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>と<作業チームヒアリングにおける主な意見>が示されています。ここが抜けているのではないかとか、コメントがありましたらお願いします。

 よろしいでしょうか。では、次の16ページの「支援機器開発・普及について3」に、<作業チームヒアリングにおける主な意見>と<今後議論を深めるべき事項()>として、意思疎通支援に係る支援機器の活用・開発普及等について、どのように考えるかという事項()が示されています。何か御意見がありましたらお願いします。

 私からですが、議事録として残していただければ有り難いのですが、支援機器は、障害がある方の自立のために非常に有効なツールだと思いますので、いろいろな海外の製品なども積極的に輸入できることも取り上げていただけると有り難いです。チームヒアリングにおける日常生活用具の種目に関する意見とも関わりますが、日常生活用具は今は地方自治体の責任になっていると思います。柔軟に、そのような機器を導入できるようなシステムができてほしいと考えております。これについて何か御意見はありますか。

○高木作業チーム構成員 高木です。文章でまとめると、こういうことになるとは思います。支援機器というのは、論点の中で整理されるのだろうとは思うのですが、意思疎通支援に係る支援機器として、果たして今どのようなものがあるのか、それぞれどういう障害に対応しているのか、これについては十分活用が図られて普及しているけれども、こういったものはまだまだだという整理も必要だろうと思います。

 機器というのは給付すれば終わりではなく、使い方の指導であったり、ALSがやっているスイッチ支援のようなものであれば、使えるようにセッティングをしたりするというのも入ってきます。そういったハード面だけでない、ソフト面も絡んでくる話であるというのは、念頭に置いておかないといけないかなと思います。そういった面で今のITサポーターやパソコンボランティアは、地域生活支援事業でもやっておられると思います。こういったものは現行の地域生活支援事業での枠の活用も図りつつ、こういった支援に付加していくべきではないかと思います。

○寺島座長 ほかに御意見はありますか。よろしいでしょうか。次は17ページの「福祉と他施策との連携について1」に、<現状>と<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>があります。これについて何か御意見はありますか。

 よろしいでしょうか。次の18ページの「福祉と他施策との連携について2」に、<ワーキンググループヒアリングにおける主な意見>があります。これらについて何か抜けている所とか、御指摘とか、コメントなどはありますか。

 それでは私から。これも議事録に残しておいていただければと思います。3番目の○に、「テレビ、映画等において字幕番組を増やすとともに視聴に際して字幕の表示を選択できるようにすることも必要」というのが、日本失語症協議会から出ています。これに関連して、手話放送や解説放送、点字の出力といったものもくわえていただければと思います。失語症の方は必要ではないかもしれませんが、視覚障害の方や聴覚障害の方や盲ろうの方は、点字出力をされればテレビのニュースなども読んだりすることができます。そういったことがこの項目にはないので、ここで発言しておきたいと思います。テレビ、映画などに関しては失語症の方以外にも、先ほど申し上げた障害のある方にも共通しておりますので、そういったことも議事録に書いておいていただけると有り難いと思っております。このページはいかがでしょうか。

○佐藤作業チーム構成員 佐藤です。ヒアリングに出たものを、こうやって全部書いていただくのも、それはそれで必要でしょうけれども、だからといって全部網羅できるわけでもないと思うのです。例えば18ページの上から4つ目に、「学校、役所、駅、金融機関などの公共の場に、失語症の専門職の意思疎通支援者を配置することを義務付ける」とありますが、率直に言うと、やはり非現実的だと思うのです。例えば人口1万人の所、1中学校区ぐらいの所でも、駅のない所はあるかもしれませんけれども、小学校は2つあるでしょうし、中学もあって、市役所もあって、合併していたらその分署や何かもあって、金融機関だって信用金庫や農協の1つや2つあるかもしれません。そういうことを考えると、もちろんそういう場で支障なく、いろいろな人たちがそれを活用できるための支援が必要なことだというのは異論のないところですが、だからといってこういう所に専門職を配置するというのは現実的ではない。そういう意味で、こういう所に全部載せていくのはいかがなものかと、率直に言って思います。

○寺島座長 これは論点整理ですので、論点をワーキングチームにすべて上げていただいて、そこで対応していただければと思います。ほかに御意見はありますか。

 よろしいですか。次の19ページの「福祉と他施策の連携について3」に、<作業チームヒアリングにおける主な意見>が掲載されています。特に何かありますか。

 最後の20ページの「福祉と他施策との連携について4」に、<作業チームヒアリングにおける主な意見>として2つあります。<今後議論を深めるべき事項()>としては、意思疎通支援に関する他施策との連携をどう考えるか、その内容は合理的配慮との関係、教育・放送分野等の福祉施策以外の分野との関係です。何か御意見はありますか。

 これは私からですが、<今後議論を深めるべき事項()>の「教育・放送分野等」の「等」を、もうちょっと書いていただけないでしょうか。例えば司法や公民権のようなものですね。それから建築とか職業といったものも入れていただけないでしょうか。「等」だと、それで消えてしまいますので。通信についてもお願いします。何か御意見はありますか。

○佐藤作業チーム構成員 教えていただきたいのです。合理的配慮に関しての検討は、基本的に内閣府がやるのですか、それとも厚労省の所管ですか。法律では、合理的配慮については厚労省が所管する障害者関係の法律の中に言葉が出てきますよね。しかし、いろいろな所にまたがっていることで、実際に問題解決をするのは全省庁挙げてということになると思うのです。この合理的配慮というのを中心的に検討していくのは、どこの役所ですか。

○竹垣自立支援振興室長 全体の検討は内閣府のほうで基本指針を策定します。それに基づき、各省庁の大臣が自らの所掌事業に関する取扱要領的なものを、それぞれが定めていくと思います。

○佐藤作業チーム構成員 例えばこの中にあった、選挙のときに公報を分かりやすくするべきだというのは、合理的配慮の問題ですよね。こういうことは、もちろん障害者に対しての支援という側面もあるけれども、選挙自身が多くの人に。それは「障害」と言われていなくても、「あんな難しい選挙公報はなかなか読めないよ」と言う人もたくさんいると思いますので、全般的には選挙を所管するほうの合理的配慮の責任だと思うのです。そういうように切り分けていくと、そのほうが私は正しいことのほうが多いと思うのです。そういう作業は内閣府が整理するのですか。

○竹垣自立支援振興室長 所掌する事業ということで、例えば厚生労働省であれば福祉施設とか、理・美容とか、旅館といったところを所掌しておりますので、そこについての基準づくりをするということで、各省庁が所掌するものについて作っていきます。

○佐藤作業チーム構成員 何となく分かりました。

○寺島座長 ほかに御意見はありますか。合理的配慮の議論というのは、現在、全省庁でどのように進んでいるのですか。

○竹垣自立支援振興室長 基本指針が策定されたところですので、今は各省庁で夏に向けて、取扱い要領的なものの策定に掛かったという段階かと思います。

○寺島座長 よろしいでしょうか。

○高木作業チーム構成員 高木です。例えば、役所の窓口に手話通訳があることが合理的配慮だとするのであれば、これがないと差別に当たるわけですよね。そうしてしまえば全窓口で実現することになってしまうと考えていいのですか。

○竹垣自立支援振興室長 これは総務省かと思いますが、指針づくりの中で自治体の窓口はどうというのを、定めたものに沿って配置されることになると思います。そのように決まればそうなりますから、そうすると今まで地域生活支援事業で配置していた部分とバッティングするので、その分は地域生活支援事業はそこではない所に予算が使えるということもあり得るのではないかと思います。

○寺島座長 よろしいでしょうか。これで一通り終わったわけですけれども、最後に全体で言っておきたいことがありましたら、どうぞお願いします。よろしいでしょうか。

 それでは、これで議事を終わりたいと思います。本日、皆様で御議論いただいたことを含め、私のほうで事務局と相談し、論点の整理をさせていただくということでよろしいでしょうか。

                                  ( 異議なし)

○寺島座長 どうもありがとうございます。本日、御議論いただいた論点の取りまとめについては、後日開催されるワーキンググループで、作業チームが取りまとめた論点として御報告することになります。構成員の皆様方におかれましては3回にわたり、大変精力的な御議論を頂きありがとうございました。改めてお礼申し上げます。最後に、事務局から何かございますか。

○藤井障害保健福祉部長 藤井でございます。座長を始め、構成員の皆様方におかれましては大変お忙しい中、御参集・御議論いただきまして本当にありがとうございました。先ほど座長からもお話がありましたとおり、取りまとめていただいたものをワーキンググループに持っていき、またワーキンググループのほうで全体の論点の整理をお願いすることになっておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○寺島座長 それでは、本日の議事を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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