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2015年4月17日 第28回先進医療技術審査部会

(了)


第28回先進医療技術審査部会

(1) 日時:平成27年4月17日(金)16:00~17:30

(2) 場所:中央合同庁舎第5号館共用第8会議室(19階)

(3) 出席者:
猿田座長、石川構成員、一色構成員、伊藤構成員、
上村構成員、佐藤構成員、柴田構成員、関原構成員、
田島構成員、田代構成員、手良向構成員、藤原構成員
松山構成員、山中構成員、山本構成員

  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 再生医療研究推進室長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長

議 題:
1. 金沢大学附属病院における事案について(宿題事項等に対する回答)
2. 先進医療の継続の可否について
3. 協力医療機関の追加について
4. 先進医療会議の審査結果等について
5. その他

議事録:
○猿田座長 第28回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。新年度に入って、先生方には大変お忙しいところ出席いただきまして誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日の構成員の出欠状況ですが、山口座長代理、大門構成員、直江構成員からは御欠席という連絡を承っております。石川構成員におかれましては、所用のため途中で退席されることになっております。よろしくお願いいたします。18名の構成員のうち、本日は15名の構成員にお集まりいただいたということで、本会議は成立していることをお知らせいたします。
 事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 配布資料について確認いたします。議事次第から始まって、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術委員名簿と続きます。次に、「先進医療技術審査部会における指摘事項に対する回答」(その1)、(その2)として、資料1-1、資料1-2、「先進医療に係る試験結果報告書を作成するにあたっての基本方針」として資料1-3です。「先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告について」として資料2があります。「先進医療Bの協力医療機関の追加について」として、資料3-1、資料3-2があります。「先進医療会議の審査結果について」等、先進医療会議に関する御報告事項として、資料4-1から資料4-3があります。最後に参考資料となります。会議資料の最終ページは182ページとなります。また別途、机上配布資料として3種類、第21回先進医療技術審査部会の資料4-1と記された閉じ紙、様式第1号と記載された試験結果報告書の閉じ紙、及び昨年12月26日に金沢大学より公表された最終報告書の閉じ紙があります。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等ありましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。今回は、利益相反については、6ページの運営細則に基づき御確認いただく案件はありません。
 また、今回もタブレットを使用していただきます。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される方は会議資料の何ページ、又はタブレットの何ページと、あらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。なお、今回は連結可能な個人情報等が含まれる資料がありますが、そちらに関してはその保護の観点から全てタブレットに格納しておりますので、御協力をお願いいたします。以上です。
○猿田座長 資料はよろしいでしょうか。早速ですが、議事に入りたいと思います。まず、事務局より御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 撮影されている傍聴者がいらっしゃいましたら、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 議題1、金沢大学附属病院における事案についてです。構成員の先生方はお手元の机上配布資料、「金沢大学附属病院における事案について」を御覧ください。こちらは昨年9月に開催された第21回先進医療技術審査部会において、告示番号1、「化学療法に伴うカフェイン併用療法」における事案に係る金沢大学からの中間報告書の公表を受け、御審議いただいた際の資料となります。この際、御出席の構成員の先生方より多数の御意見や御指摘を頂き、本事案に係る金沢大学関係者にも既に周知をしたところです。これらのうち、4.「今後の対応について」として、本件の告示削除を検討するとの議決に基づき、5ページ、資料4-2のごとく告示の削除を行いました。それとともに、構成員の先生方より本件に関する総括報告の要請を含む幾つかの御指摘事項を宿題として頂戴していたところです。
 本日は、同じく机上配布資料としてお配りしております試験結果報告書とともに、これら宿題としての指摘事項に対する回答の提出を受け、事前に猿田座長の御了解の下、事務局より金沢大学附属病院に対し、本件について御説明いただく方の出席を要請し、本日、金沢大学附属病院の御関係者にお越しいただいたところです。
 構成員の先生方には本件審議について、金沢大学附属病院関係者5名の御参加及び御発言について御了解いただきたく、よろしくお願いいたします。
○猿田座長 今、事務局からお話がありましたが、金沢大学から5名の方にここに出席して御説明いただいた後に質疑を行うということですが、それはよろしいでしょうか。
(各委員了承)
○猿田座長 ありがとうございました。それでは、御了承いただいたということで、よろしくお願いいたします。
(金沢大学附属病院着席)
○医政局研究開発振興課専門官 事務局より説明いたします。先般、構成員の先生方より頂いた前回の技術審査部会の宿題としての指摘事項に関し、金沢大学附属病院より資料1-1、13ページ、また資料1-2、27ページに記載のように、御回答いただいております。本日は、これら資料に沿って御説明いただきます。なお、こちらは事前に構成員の先生方に内容を御確認いただいておりますことを申し添えさせていただきます。金沢大学附属病院の先生方におかれましては、御発言の際には挙手いただき、座長の御指示に従っていただきますようよろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長 今、事務局からお話があったとおりで、今までの経過もお話いただいたとおりです。おそれいりますが、約30分ぐらいいただいているということなので、その時間の範囲で御説明をよろしくお願いいたします。
○金沢大学附属病院(矢野) 金沢大学附属病院先端医療開発センター長の矢野でございます。本日は副センター長の村山、臨床研究推進部門長の長瀬、当院整形外科の林、武内と共にまいりました。初めに、この度は金沢大学が実施したカフェイン併用化学療法において、様々な不適切な問題があり、患者さんや御家族、関係の皆様方に大変な御迷惑をお掛けいたしましたことを心よりおわび申し上げます。
 金沢大学は、この問題を重く受け止め、深く反省いたしております。本件に関しては、調査委員会による調査を行い、実態を明らかにし、実施責任医師等の関係者に対する処分を行うとともに、二度とこのような問題を起こさないよう再発防止策を立案し、実施いたしております。本日はお忙しい中、御指摘いただきました事項について、先進医療技術審査部会で説明させていただく時間を頂戴いたしましてありがとうございました。
 これより、お手元の会議資料、指摘事項に対する回答(その1)に基づいて、担当者より説明させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。まず、長瀬より臨床試験の結果報告に対する金沢大学附属病院のスタンスについて説明いたします。
○金沢大学附属病院(長瀬) 金沢大学附属病院先端医療開発センターの長瀬でございます。私から、事前に頂戴しておりました指摘事項への回答として、今回新たに作成した「先進医療に係る試験結果報告書」についての作成の経緯と作成に当たっての基本方針について説明いたします。会議資料1-1、「指摘事項に対する回答(その1)」の13ページ目、臨床試験の結果報告に対する金沢大学附属病院のスタンスについてですが、金沢大学附属病院ではカフェイン併用化学療法に関する諸問題について、調査委員会を設置して事実関係の検証等を行うとともに、再発防止のために各種の対策を講じてきました。調査委員会が取りまとめた報告書では、必要であれば新たに前臨床試験を実施するなどにより、安全性と有効性に関して信頼できる科学的な評価結果が得られない限り、いかなる形であれカフェイン併用化学療法を再開するべきではないと考えるとされております。本院では、この報告書の指摘を尊重するものです。
 一方、カフェイン併用化学療法の臨床試験の被験者となることに同意いただいた患者さんの御意思を尊重するため、この結果を真摯に取りまとめることが必要と考え、今回、「先進医療に係る試験結果報告書」を作成しました。本報告書の作成に当たっては、お手元の資料にありますとおり、あらかじめ本院が定めた「先進医療に係る試験結果報告書を作成するにあたっての基本方針」に従い、先端医療開発センターの支援の下で診療科がデータを取りまとめました。しかしながら、調査委員会の報告書にもありますとおり、本療法に関連する諸問題のため、データの質が十分確保されず、また先進医療に参加された被験者のうち一部の解析にとどまっており、本療法の安全性や有効性の解明には至っていないと考えております。
 資料15ページの最終報告の作成方法についてです。今回提出する臨床試験の結果報告は、資料1-3「先進医療に係る試験結果報告書を作成するにあたっての基本方針」に基づき作成しました。この基本方針は、診療科のみならず、金沢大学附属病院先端医療開発センターに所属する臨床試験の専門家等が参画した会議で検討し、法人の病院担当理事並びに金沢大学附属病院長の責任の下で決定したものです。
 会議資料1-3です。症例の解析対象集団への採用についてですが、先進医療として実施した症例を選択するため、カフェイン併用化学療法を実施した症例のうち、先進医療の実施医療機関6医療機関において実施された症例(83症例)を採用しました。各機関において共有された臨床的使用確認試験の計画書の登録期間どおりに実施された症例を選択するため、この83例のうち平成20年4月1日から平成22年3月31日の症例登録期間中に登録された症例(46例)を採用しました。臨床研究に関する倫理指針において、侵襲を伴う研究については文書によりインフォームド・コンセントを受けることが義務付けられていることを踏まえ、この46例のうち臨床試験の同意書の所在が確認されている症例(28症例)を試験結果報告書の解析対象として採用しました。同意以外の被験者の適格基準やレジメンについて、今回、倫理審査委員会の承認を得る手続を経ることなく当初の計画より変更されていることが判明しております。この変更については、倫理指針上の問題があると考えられます。しかし、当初の試験計画で定めた適格基準やレジメンに厳格に照らした場合、採用できる症例は5症例にとどまることになるため、変更後の適格基準やレジメンに適合する症例は解析対象集団に採用することとしました。また、以前の報告書では逸脱症例として解析対象となっていなかった13症例については除外せずに全て採用することとしました。その際、評価自体が記されていない場合、あるいは手術がなされていなかった症例の病理結果は「評価不能」として取り扱うことにしました。
 以上のような方針で解析対象を選択した結果を30ページ目の表にまとめております。網掛けで示す部分のうち、括弧内の28症例を解析対象としました。報告書作成の具体的な作業は試験を実施した診療科が担当しましたが、内容については先端医療開発センターに所属する臨床試験の専門家が確認を行いました。具体的な内容については、整形外科の医師より説明いたします。
○金沢大学附属病院(林) 分担医師と事務局をしておりました整形外科の林です。「先進医療に係る試験結果報告書」を机上配布しましたが、その概要を13ページの問2で説明します。当初の被験者の適格基準は、病理学的に認定された骨肉腫や悪性線維性組織球腫などの悪性骨腫瘍と、非円形細胞軟部肉腫の悪性軟部腫瘍を対象疾患としました。さらに、組織学的悪性度がGrade2からGrade3、StageがT2bN0M0、腫瘍占拠部位は体幹などは含まない四肢であること、パフォーマンスステータスが0から1などの基準を設けました。実際の治療は、シスプラチンなどの抗がん剤に続いて、カフェインを3日間投与しました。手術をはさんで、術前5コース、術後6コースの治療を行いました。評価項目としては、術前化学療法の有効性を画像評価及び手術後の切除病理評価で行いました。また、有害事象の発生頻度とGrade、2年生存率を調査しました。
 しかし、症例登録の開始に先立ち開催された厚労科研の班会議で、当初の試験計画では対象となる症例が極端に少ない可能性が指摘され、被験者の適格基準を緩和することや化学療法のコース数の削減を認めることなどが決定されました。この試験計画の変更については、本来ならば倫理審査委員会の承認を得る必要があり、今回の報告書もこの変更前の当初の基準で症例を解析するべきです。しかし、当初の試験計画で定めた適格基準やレジメンに厳格に照らした場合、現在レトロスペクトルに見ても採用できる症例は5例と非常に少なく、先進医療の実態を反映できなくなってしまいます。このため、今回の報告では、平成20年から平成22年までの症例登録機関中に登録が行われた全46症例のうち、同意書の所在が確認できない18例を除き、28症例を解析対象集団に採用することとしました。
 試験結果は28症例全例で解析しました。治療中断等の症例も無効例として含めて、有効率を算出しました。術前化学療法の有効性は、画像評価での有効率が骨腫瘍56.3%、軟部腫瘍50%、病理評価での有効率は骨腫瘍43.8%、軟部腫瘍17%でした。有害事象としては、カフェインによる不眠、動悸はGrade2以下のものが主体であり、Grade3及びGrade4の有害事象は、抗がん剤による可逆性の電解質異常、血球減少等が中心でした。2年生存率は、骨腫瘍93.8%、軟部腫瘍91.7%でした。
 結論としては、画像又は病理のいずれかで有効な症例は、骨腫瘍が56.3%、軟部腫瘍が50%となりました。しかしながら、本療法に関する諸問題のため、データの質が十分に確保されず、また先進医療に参加された被験者のうち一部の解析にとどまっており、本療法の安全性や有効性の解明には至っていないと考えております。
○金沢大学附属病院(長瀬) 会議資料15ページから長瀬が説明いたします。実施責任医師等の関係者に対する処分については、平成27年3月23日に学長の指示の下、学内の規定に従い、資料15ページに示すとおり処分をしております。
 16ページですが、平成26年8月28日付けの「カフェイン併用化学療法」に係る中間報告から、今回の12月26日の最終報告において、新たに確認・判明した事項、変更した事項、修正した事項についてです。中間報告の取りまとめ後に、厚生労働科研費の検証を進める中で新たな事実が判明したため、これらに関して中間報告の記載内容に修正を加えました。臨床試験期間中に金沢大学附属病院で登録した症例が、中間報告に記載した17症例以外に更に8症例存在したことが判明しました。これにより本院の実施症例数を17症例から25症例に修正しました。また、中間報告を取りまとめたときには、金沢大学附属病院の倫理審査委員会に提出された最終報告書に記載された79例という症例数の根拠が不明でしたが、これは厚生労働科学研究費の研究枠組みの中で登録された症例の総数であることが判明しましたので、この点を追記しました。
 再発防止策については、矢野センター長より報告いたします。
○金沢大学附属病院(矢野) 問6の、カフェイン併用化学療法に係る事案を踏まえて金沢大学附属病院が講じた再発防止策等について、矢野から説明いたします。新たに先進医療を実施する場合は、2年前に発足した先端医療開発センターが治験と同様の管理・支援を行うことにしました。主に3つありまして、1つ目ですが、先進医療に用いる医薬品は通常の医薬品とは区別し、本センターで治験と同等の厳格な管理を行うことにしました。2つ目はデータ管理で、先端医療開発センターのスタッフがデータセンター業務を行うことにしました。3つ目はCRCによるコーディネート支援で、先端医療開発センターのCRCが必要な支援を行うことにしました。
 また、調査委員会の提言を受けて、先進医療に限らず臨床研究一般について、研究倫理原則の遵守を徹底し、質の向上を図るため、主に2つの対策を講じました。1つ目はe-learningの受講の義務付けによる臨床研究に対する理解の徹底です。現在、臨床研究を実施中、若しくは新たに実施しようとする全ての研究者と研究支援者や倫理審査委員会の委員には、ICR-webの「臨床研究の基礎知識講座」の受講を義務付けました。これまでに先進医療と医師主導治験に関与する全員が受講を完了しました。
 また、ルール遵守を徹底するための組織体制の整備も行いました。先端医療開発センターの体制整備として、臨床試験の全体の質向上を主導するスタディマネージメント部門を新設し、同席している村山が部門長となり、スタディマネージャーを中心とした試験管理体制を組織して、倫理審査委員会の事前審査を抜本的に強化しました。また、モニタリング・監査部門を新設し、企業でモニタリング経験を有する者をこの4月に新規で雇用し部門長に置き、先進医療と医師主導治験については特に重点的にモニタリング・監査を実施する体制を整備しました。各種通知等への対応に遺漏がないよう、専任事務スタッフを配置した臨床研究管理事務局を新設しました。各診療科においても、初期的な指導や助言に加えて、先端医療開発センターや倫理審査委員会との連絡調整を担うローカルスタディマネージャーを選任しました。さらに、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を理解するため、指針の取りまとめに御尽力いただきました藤原康弘先生や研究倫理・利益相反に詳しい曽根三郎先生などにお越しいただき、倫理に関する院内講習会を通常の研修に加えて昨年9月から4か月の間に3回実施し、勉強しました。さらに、その講習会の中で、先端医療開発センターのスタッフが、金沢大学における臨床研究の不適切な事例を紹介し、職員がこれまでの問題点を理解しました。これらを含め、センターの教育・広報部門が主体となって、研究者、研究支援者を対象に年6回以上の講習会を開催する計画を立てております。
 また、カフェイン併用化学療法の試験において、同意書の所在が確認できない症例が多数存在したことを真摯に受け止め、過去3年間に金沢大学で実施された全ての臨床介入研究316試験、3,822名の登録被験者について、同意取得状況の総点検を診療科において行い、先端医療開発センターがダブルチェックを行いました。同意取得に問題があった課題については、原因究明と再発防止策の提出を命じました。
 問7の質問で、金沢大学附属病院の今後の先進医療の申請に係る考え方についてです。カフェイン併用化学療法について、外部の第三者も参加した調査委員会を設置して、事実関係の検証と再発防止策の策定を行い、再発防止策を実行してまいりました。調査委員会の報告書を病院内に周知し、当事者のみならず、他の研究者や研究支援者全体が今回の問題を理解し、反省し、強く再発防止を期しております。また、病院長の責任の下に、先端医療開発センターの専門スタッフが試験全般にわたって適正な管理を行う体制を整備しましたので、今後、二度とこのような問題は生じないと考えております。
 金沢大学附属病院は、北陸地方において高度な医療技術を開発・提供する責務を有しておりますので、以上のことを誓約した上で、今後は新たな先進医療の申請に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、長瀬より説明いたします。
○金沢大学附属病院(長瀬) 続きまして、18ページの問8です。協力医療機関の状況についてですが、協力医療機関においても、基本的には金沢大学と同様な誤解をしており、平成20年4月の制度改正以降も、臨床試験としてカフェイン併用化学療法を実施することとは別に、従前から実施してきた先進医療の枠組みでも同療法を実施できると思っていたため、臨床試験の対象とならない患者にも治療を実施しておりました。臨床試験として実施された分に関しても、被験者の適格基準が変更され、この変更内容に沿った患者登録、被験者登録が行われた結果、当初の計画書で定めた基準に該当しない症例も登録されており、また被験者の同意書の所在が確認できない症例が存在することも判明しました。具体的な結果を表にまとめておりますが、5協力医療機関において登録された21症例に関して、何らかの問題がある症例は11症例、そのうち同意書の所在が確認できないものが7例ありました。
 資料20ページです。薬剤師の関与についてですが、カフェイン併用化学療法は、高度先進医療に承認される以前は学内の自主臨床試験として実施されており、薬剤費を患者さんに請求できないため、薬剤部で診療科が研究費で購入したカフェインの管理を行っておりました。しかし、平成15年12月に高度先進医療に承認されて以降は、診療経費として購入された薬剤を使用することになったため、特別の管理、すなわち別途購入した薬剤を、日常診療で使用する薬剤と区別して、同意書を取得した特定の患者だけに処方可能にするといった管理をせずに、通常の医薬品と同様に払出しを行うようにしました。平成20年の制度改正で、先進医療を臨床試験として実施することが要請されるようになって以降も、病院としてこのことを認識しておらず、同様に薬剤部としても気付くことができませんでした。
 このため、カフェイン併用化学療法のためのカフェインの払出しにおいて、被験者の症例登録・同意取得について確認することはなく、同療法が先進医療制度を逸脱して、臨床試験ではない形で実施されていたことにも気付くことができませんでした。薬剤師の1人として誠に申し訳なく、心よりおわびいたします。この点につきましては、今後、二度と同様な問題が生じないよう、本年1月から、新たに先進医療を実施する場合には、薬剤部と先端医療開発センターが協力して治験と同等の管理・支援を行うこととしました。
 以下、実施体制等に関する質問事項については、整形外科の医師より報告いたします。
○金沢大学附属病院(武内) 分担医師と事務局を担当しました金沢大学整形外科の武内と申します。21ページ目、第10項目の回答ですが、御質問いただいた内容は、これまでの学会発表などで症例数や有効率について幾つもの数字が出ており、解析した症例が都合のよいデータだけではなかったのかという意味かと存じますので、お答えさせていただきます。机上資料3のカフェイン併用化学療法に関して報告された有効率についてお示ししたように、規制改革会議や日本整形外科学会では、平成元年から平成23年にかけて金沢大学附属病院で実施した骨肉腫のみの成績、厚生労働科学研究費補助金の報告では、厚労科研の枠組みの中で症例登録がされた悪性骨軟部腫瘍についての成績を記載しており、本日、提出しました先進医療に係る試験結果報告書とは対象は一致しないことをお許しください。
 22ページ、第11項目の同意取得状況ですが、臨床的な使用確認試験で金沢大学附属病院に登録された25例中11例について、同意文書の存在が確認できませんでした。回答の2.にあるように、調査の結果、当時は合わせて5種類以上の説明文書を患者に同時に渡しており、試験の説明は毎回実施していたものの、3.にあるように、これらに対する同意文書を「一式」として後に回収していたため、回収・保管に混乱が生じた可能性があります。当時は、臨床研究の原則、特に文書による同意取得に対する認識が不十分であり、実施責任医師以下、診療科スタッフ一同、深く反省しております。
 5.にあるように、協力医療機関での登録を含めると、試験に参加していただいた患者さん46人中18人について、同意文書の存在が確認できませんでした。結果として多くの貴重なデータを報告書に残せないことになり、このような不備を心よりおわびいたします。
○金沢大学附属病院(林) 次に、第12項目の、患者さんに対しての説明に関する回答、24ページになります。調査委員会の取りまとめを受けて、生存されている全ての患者さんに対して御説明、おわびの手紙と委員会報告書、相談窓口の連絡先を送付しました。また、その後当科の外来に来られた該当患者さんには随時、今回の経緯を説明しております。
 次に、13項目のウェブサイトに関する回答です。この表に示すように、各医療機関のウェブサイトから本先進医療の記載は削除されており、また本調査委員会の報告書を金沢大学附属病院のウェブサイトに掲載しております。
 第14から第16項目についてですが、冒頭に述べたように、データの質が十分に確保されておりませんし、一部の解析にとどまっておりますので、本療法の安全性や有効性の解明には至っておりませんが、試験に参加していただいた患者さんの御意思を少しでも生かせるように、試験結果報告書を作成しました。
 最後になりますが、調査委員会最終報告に記されたとおり、今後はこのような事態を招かないよう、再発防止に取り組み、金沢大学附属病院の基本方針にも掲げております臨床医学発展のための研究開発を推進することが、患者さんや御家族、そして御迷惑をお掛けした全ての人々に対する何よりのおわびになると考えられます。大変申し訳ありませんでした。
○猿田座長 どうも御苦労さまです。今度の事故の一番起こるきっかけは、金沢大学のほうで先進医療、もっと言えば昔の高度先進医療のことが理解できていなかったということだと思うのですが、皆様方、この5人の方は当時、平成15年12月に高度先進医療として許可しているのですが、皆様はそのときに金沢大学に全部いらっしゃったのですか。誰もいらっしゃらなかった。
○金沢大学附属病院(武内) おりました。
○猿田座長 あなたはいらっしゃった。では、あのときの高度先進医療の審査がいかに厳しかったか分かっていますか。実を言いますと、私はあのときの委員をやっているのです。それからずっと私が全部、確認試験も、それから先進医療にいって、今までずっと私が委員をやってきたのですが、高度先進医療のときの許可というのは、3人の審査委員が本当に一生懸命苦労してやった。2人が技術委員、1人が保険関係ということで、非常に綿密に検討して、それで許可を取るということです。特に施設に対する、金沢大学に対する施設も非常に細かく検討されています。
 そういったことなので、あの当時にしっかり分かっている人がいれば、今度のようなことは私は余り起こらなかったのではないかということで、今お話いただいたその後の取り組みのことはよく分かるのですが、そこだけ私のほうからお聞きしたかったということです。それから、皆さん方からの御質問を受けたいと思うのですが、やはり一番大切なことは、どういう制度で始まったか、どういうものであるかということをよく理解していないと、例えば確認試験というのは何のためにやったのか、どういうプロトコールでやったのか。あの当時始まった確認試験でこの間やっと終わったものがまだあるぐらいなのです。そういう状況ですから、やはりこういうシステムをしっかり理解してやっていかないと、とんでもないことになるということを申し上げたかったのです。
 それでは、今ずっと、いろいろなまとめ方の問題、事故の起こった問題、先のことまで全部お話がありましたが、どうぞ先生方のほうから御質問いただければと思います。
○藤原構成員 何点か確認しておきたい所があります。このカフェイン併用療法というのは、たぶん整形外科の教授の先生が、ライフワークのような感じでずっとやってきた話だと思うのです。私は昔、使用確認試験のときに審査を担当したので、あの頃もいろいろな論文を見ても、その先生が素晴らしいといろいろな所で言われていた経緯があるのですが、今日は来られていないのは、やはり何かお忙しいのですかね。
○金沢大学附属病院(矢野) これについては、厚生労働省の方から、その教授ではなく、そのほかの者で実務のことを説明できる者に来いという御指導をいただきましたので、私どもで来させていただきました。
○藤原構成員 では、具体的に幾つか見させていただいて、確認しておきたい所ですが、まず報告書、6番への回答の所です。「再発防止措置」という所で、今回は整形外科の事案ですが、金沢大学のほかの部署でも、多分いろいろなことが起きているのではないかということを実際には懸念しています。インフォームド・コンセントの総点検というのを今年の1月からやられていて、ここには「内容を確認した。今後点検の結果を踏まえて必要な対策を講じる予定である」となっていて、先ほどのプレゼンテーションの中でも簡単に触れられたのですが、ほかの診療科でも同様のことが起きているのではないかというのが、私は一番懸念しているのですが、その結果を何か簡単にまとめていらっしゃれば、先ほどお話になったこと以外に何か気づいたところがあれば、教えていただきたいというのが1点目です。
 もう1点は、8番目の指摘に対する御回答の所です。同意書の存在が確認できないというのは、これはなかなか古い試験だと見つけるのが大変だったりするのですが、その場合、平成15年、かなり昔のもので、診療録がどのぐらい残っていたかというのと、通常だと同意を取得するときには、同意をとった旨をカルテに書くのが流儀だと思うのです。たとえ同意書が残っていなくても、カルテのほうに「今日は同意をしました」とか「こういう説明をしました」という記録が残っていたかどうか、すなわちプロセスの記録があったかどうかという、この2点を教えていただきたいのです。
○金沢大学附属病院(村山) 先端医療開発センター副センター長の村山と申します。御質問ありがとうございます。先ほど矢野センター長から説明がありましたインフォームド・コンセントの総点検につきまして、3,822名について調べたところ、やはり94%以上については同意書が確認されましたが、6%については同意書が確認できませんでした。その原因を調べましたら、診療科によっては、臨床研究あるいは臨床介入研究と認識せずに、通常診療の一環のように考えてしまって試験を実施して同意書がないという例もありましたし、先ほど先生がお問合せいただきましたが、カルテには確かに説明をして同意を得たと書いてはあるけれども、同意文書自体を記録していなかった、保管していなかったというものもあります。だから、カルテ上に同意を得たという記録を確認できたものも含めると、94%よりも更にパーセントとしては、同意を得たとカルテから確認できるものを含めれば、96%ぐらいには増えるのですが、結果として過去3年間で金沢大学では、6%の被験者の方の同意書が確認できていなかったことになります。
○藤原構成員 それに関連して、臨床研究倫理指針等の遵守状況というところです。私どものセンターでも、かつて実施状況報告書という、倫理指針では年1回進捗状況を報告したりするというのが遅れていたということがありました。そうなると恐らく金沢大学でも、いろいろな指針の案件に対応していない診療科が大半ではないかと。例えば実施状況報告書というのは年1回出すのが通常なのですが、そういう指針の他の部分への対応状況というのは、今回のいろいろな全学の調査とかでは見られましたか。
○金沢大学附属病院(村山) ほかの、例えば昨年度までの疫学研究に関する倫理指針であるとか、あるいはヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針等についても、過去3年間について全て点検しましたが、そのほかの試験については、そのような重大な指針違反はなかったと私は把握しています。
○猿田座長 よろしいですか。それでは、ほかにどなたか御意見はありませんか。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局です。先ほどの藤原先生の御質問に関連して、教授がどうして来なかったかという御質問ですが、私どもから金沢大学の先生方に御出席の要請を掛ける際に、具体的な氏名等は申し上げませんでしたが、本件の結果について客観的に説明できる方をお願いしますと申し上げた結果、金沢大学の方がこのように選任されたと理解しています。以上です。
○猿田座長 一番知りたいところは、本当はスタート時点でどのぐらい大学の中に、きちんとそういったことをしっかりと通達したか。一番重要なのはそこなのです。一番トップが先進医療を受けたなら、いかに大学の中にそういったシステムでどうやるべきかということを、やはりこれだけ各大学が大きいですから、末梢までしっかりそういうことを到達させないと、こういった事故が起こってしまうということだと思うのです。
 それでは、どうぞ。
○佐藤構成員 2点伺わせてください。1点目は確認です。22ページで同意書あるいは同意書に代わるものというのがマル1からマル5まで書かれているのですが、本件において同意書の存在が確認できた場合というのは、このマル1だけを指すという理解でよろしいですね。それは確認だけです。
 もう1点は16ページから17ページにかけて、「臨床試験」という言葉と、「臨床研究」という言葉と、あと先ほどの「介入を伴うもの」という言葉が混在しているのですが、それぞれについてどういう定義をされて使われているのか教えてください。
○金沢大学附属病院(村山) 御質問ありがとうございます。ここで使われている臨床試験、臨床研究というのは、確かに幾つもの言葉が使われていますが、全て臨床介入研究、つまり一般的に言う「臨床試験」のつもりで、臨床研究や介入研究と使っていまして、誤解を招くことをお詫びします。全て「臨床試験」のつもりで使っています。
○佐藤構成員 この案件は先進Bの案件ですし、私たちも高度先進医療から先進医療にかけて審査をしていたので、それ以外の臨床研究についてというのは、どちらかというと希望をお伝えするということになるのだと思いますが、16ページの所で、これまで全ての臨床試験について、先端医療開発センターでデータを管理するとしていたのを、実際の管理に確実を来すためというのは、恐らく業務量が多すぎるのでできないということだろうと思うのですが、医師主導の治験と、それから先進医療だけに限られるということになった。そのほかの部分については研究者の倫理教育でやることになっているのですが、その際に「臨床研究」という言葉について正確な理解をしていただくように、具体的な方策を取っていただきたいと思います。
○金沢大学附属病院(村山) ありがとうございます。私たちの目標としては、当先端医療開発センターが全ての臨床試験、あるいは大規模な疫学研究等についてもデータ管理をすることを目標にしていますが、2年前から発足したばかりで、まだ部門等が十分充実していませんので、とりあえずは医師主導治験、先進医療から始めて、部門及びスタッフも拡充をして、最終的には、来年には、先進医療B、医師主導治験以外に主立った5件、そして2、3年後を目標として、全ての臨床試験をデータ管理しようと計画していますし、御指摘のように臨床研究、臨床試験、様々な言葉の意味が正しく研究者、研究支援者に伝わるように教育、努力してまいります。
○猿田座長 それでは、ほかにどなたか。どうぞ、山本先生。
○山本構成員 17ページの6番の御回答で、組織体制の整備のことが書いてありますので、一応確認をさせていただきたいのですが、机上配布されている「再発防止策等の提言」のほうに書かれているのですが、もともと部門長1人で研究者全体を支援することは困難なので、部門長の下にスタディマネージャーを置く。そこに学内から若手の医師を、2年任期の特任助教として雇用し、ということが書いてありまして、一方で6番のほうでは、各診療科での体制としてローカルスタディマネージャーを選任するということを書いていただいているのですが、私自身も、大学でたくさん診療科がある所で、いくら先端医療センターのほうで頑張っても限界があると思いますので、やはり各診療科にきちんと教育のなされた目付役ではないですが、若手で実務ができる方を育てていくというのが現実的な策だと思いますので、このスタディマネージャーの組織をきちんと恒久的に回していくことを是非していただきたいと思うのですが、その辺りについて現状と今後の予定を教えていただきたいと思います。
○金沢大学附属病院(村山) ありがとうございます。山本先生の御指摘のとおり、確かにセンターだけが頑張っても、皆さんが付いてこなければ意味がないのですが、先ほど言っていただきましたローカルスタディマネージャー、臨床研究マネージャーという位置付けで、各診療科で例えばリスクマネージャーであるとか、ICDみたいな感じで、診療科、あるいは診療科が大きければ、いろいろな研究グループに分かれていれば、その中から1名以上、そういう臨床研究のことを、選任されたときにはそれほど知識が深くなくても、先端医療開発センター、あるいは倫理審査委員会のヒアリング等に、常に研究グループからはその人が付いて行って、情報の橋渡しをして、その方もだんだん知識、経験が増えていく。そのようにOJTとして勉強していってもらうようにする。そのローカルのスタディマネージャーの人には、年間数回の会議を開いて、双方向性の情報交換をして、最終的にその若手の医師が育っていって、ほかの病院に行くとか、あるいはほかの大学に行くとか、いろいろな人事交流を増やすことによって、その循環で金沢大学、あるいはほかの病院、その他の大学等の臨床研究に関する知識、経験が更に向上するようなことを考えています。
 スタディマネージメント部門に専任の助教2名を雇用する計画はありますが、彼らも初めはそれほど知識、経験の豊富な人がすぐに出てくるとは思いませんので、山本先生が言われるように、まず一番大事なことは、今月の上旬に選任が終わりましたが、各診療科からそれぞれ人を募って、御本人はまた仕事が増えたと初めは思われるかもしれませんが、診療や教育とともに、研究については大学として非常に重要な、しかも大切な情報を共有しなければならないということを、各研究者が診療科に持ち帰っていただいて、この研究の体制を更に深めていこうと思っています。ありがとうございます。
○柴田構成員 いまの件について、補足でお伺いしたいことですが、支援をする部門の先生方、あるいは先ほどのスタディマネージャーの診療科から参画される先生方は、臨床研究、臨床試験の計画書におかしな所があったら、それをきちんと指摘して、方法論的に、より良い適切なものに変えた上で試験が行われるようにする、そういう権限を与えられると解釈してよろしいでしょうか。
○金沢大学附属病院(村山) 御質問ありがとうございます。初めは皆さんはそれほどの知識、経験はないので、なかなか初歩的な、例えばこの試験はどこに相談に行ったらいいかとか、そういう水先案内をするだけとは思うのですが、半年、1年間というように経験を積んでこられれば、結局その人はグループの中のいろいろな研究を見て、また、ヒアリングでほかの試験の計画を見聞きすることもあると思うので、だんだんそのように経験値が上がってくれば、その研究グループから計画を出す前に、まず研究部門の中で討議をしてもらって、ここは違うだろうと言ってもらうような、そういうアドバイスができるように研究マネージャーを育てていこうと思っています。
 初めから優れた研究マネージャーが何人もいるわけではないので、初めはそこまでの協力は期待していませんが、先生が言われるような形にしていければよいなと思っています。ありがとうございます。
○柴田構成員 これはコメントですが、やはり臨床研究、臨床試験をうまく実施する方法に関する方法論の蓄積というのはあり、支援する部門の先生方の所にたくさん情報が入ってくるはずで、その意味では診療科の先生方よりも、そういう支援をされる部門の先生方のほうが、そういうノウハウをたくさん持っておられるはずなのです。けれども、実際に臨床試験の計画を立てるときに、プロトコールでおかしい所・不備を指摘したりすると、機嫌を損ねられたりであるとか、聞いていただけないということは、しょっちゅう起こることで、いろいろな所で働いている方からもそういう話はよく聞きます。
 ただし、今回のようなものを避けるためには、やはりしっかりした臨床試験のプロトコールを作っておく必要があって、そういう体制を整備する上で、各診療科のスタディコーディネーターの先生方もそうですし、支援部門に属される先生方におかれては特に、そういうことに関して、それなりにきちんとした発言力が担保されるような体制としていただくことが、いい研究を積極的にどんどん実施する上で必要なことかなと思います。これはコメントだけです。
○金沢大学附属病院(村山) ありがとうございます。
○石川構成員 日本医師会の石川です。聞いてびっくりしたのが、同意書といいますか、同意を取ったかどうか分からないというのが数パーセントあったという話ですよね。同意書みたいなものが見当たらない、あるいは同意を取ったかどうか分からないということ。実際に同意を取る作業だとか、そういったことについては、どのように確認をされるのでしょうか。
 私はいろいろな所、ナショナルデータベースだとか、そういった所の会議に出ていますので、同意を取るということについては、大変重要な位置があると思っているのですが、同意書がない、見つからないということと、実際に同意を取ったのか取らなかったのか、この辺のところについては、管理をする方たちはどのようにお考えになっているのか教えていただきたいと思います。
○金沢大学附属病院(村山) ありがとうございます。先ほど3,000例の調査のお話をしましたが、ほとんどの診療科は、全ての研究について、全ての被験者の同意書が確認できています。ごく稀に、その研究を研究として認識していない、一般診療の延長線上のように考えて、それで十分に説明、文書同意というステップを踏んでいないような研究が出てきて、それらが例えばその診療科ではごそっと抜けてしまっているというのが、その6%であって、今後は、各臨床研究が当然倫理委員会で審査されますから、その臨床研究ごとに、先ほどお話がありましたが年次報告も出ますから、何人の登録が行われて、当然、そこで同意書がどうで、進捗がどうでということをチェックしておきますので、要するに倫理委員会にプロトコールを出していながら臨床試験として認識していないということを防ぐように指導していくことによって、その数パーセントがゼロになると考えています。
 もちろん紙自体がなくなるとか、そういう物理的な保管ミスということもあり得ますので、電子記録にするとか、あるいは文書管理を一元化するとか、そういう方策も検討しますが、今回の調査で一番大きかったのは、この先進医療についてもそうですが、臨床試験として考えずに、一般診療のような形で試験を進めていく、そういうことが一番大きな問題だったように思いますので、それについて先ほど申し上げたような方策によって、今後改善していく所存です。ありがとうございます。
○石川構成員 この件が実際に話されたときに指摘したのですが、やはり大学の先生方はいろいろと異動されたりして、医局員の方も異動されたりすると思うのです。そのときの伝達の仕方といいますか、臨床研究だよと、ちゃんとしなければいけませんという形での、そういう問題ではないかという推測を立てたのですが、そういうことでしょうか。
 この案件に関しては、同意書については、6%以上のものがあるのではないかと思うのです。そうすると、この教室のそういう伝達の仕方の問題。新しい方がまた異動したときに、どういう伝達をしたのかということについても、把握をされていますでしょうか。
○金沢大学附属病院(村山) 6%というのは全体の話であって、今回の診療科においては、もっと高い割合で同意書がなかったのですが、それについては先ほど説明があったように、5つぐらいの説明文書を同時に渡して、それで化学療法全般に関する、あるいは費用に関するいろいろな文書を同時に渡してしまって、それを後日回収するときに、どこかに紛れてしまったとか、そういうことがある意味この診療科においてはかなり頻繁に起きていたので、先ほど申し上げた6%という数字ではなくて、やはり金沢大学の中でも、特に今回の事例を見る限り、この診療科で、臨床試験ということに関する意識、先進医療と臨床試験の区別、あるいは先進医療を臨床試験の中でやるということに関する意識が非常に低かったのではないかと思います。
 先ほど申し上げた臨床研究のマネージャーという者を各診療科に配置して、当然その人も異動がありますし、それ以外の研究者も異動がありますが、そのマネージャーについては次のマネージャーに十分に引き継ぎをしていくようにする、そのようにしようと思っています。
 当時の先進医療の説明、同意文書の保管、あるいはその処置について、林先生、何か思っていらっしゃることがあれば。
○金沢大学附属病院(林) 整形外科の林です。御指摘のとおり、やはり医局の中はいろいろな人が立ち入り、変わりますので、今回を振り返ってみても、我々は一応分担の担当医ですが、主治医の中でそういう意識が少なかった方が、少なからずいらっしゃったので、それに関しては今後の意識改革で、逐一説明していくことが必要でしょうし、今後、先進医療に関しては大分体制が変わり、治験と同様の体制になりますので、それに関してはもう同意書がないと出ないという形になると聞いていますし、先進医療に関しては、ほぼその問題はないと思います。
○猿田座長 一言いいですか。今の同意の問題で一番大切なのは、先進医療だけではなくて、医師主導型の治験、それから企業治験も全く同じです。全部にしっかりとした同意が取れていなかったらやるべきではないのです。そこが一番のポイントですから。先進医療はその中でも特に難しい、事故の起こりやすいことがあるから、特に緊急にですね、有害事象が起こったときに、すぐに報告する体制です。どのように報告するか。そういうこともしっかりやっておけということなのです。実際に今、先進医療をやっているいろいろな施設でも、やはりどうしても緊急事態が起こったときの届出が遅れているのです。一番きちんとやっている所すらもです。だから今、あなた方もしっかりそういうプランを立てたら、本当にそれがすぐ守れるようにして欲しい。先進医療にしても、あるいは医師主導型にしても、各診療科からこれからどんどん出てくると思うのです。大切なことは、そのときに各診療科にもっとしっかりした責任者を置いて、統一してやっていかないと、必ず事故がまた起こりますよ。それは気を付けてもらわないと。
○伊藤構成員 この報告書を見せていただいて気になったのが、カフェインを投与された方の安全性が全部把握をされているのかです。有効性の解析は、もちろん同意が取られていて、適格な基準の人だろうと思うのですが、カフェインが投与された人で、重篤な有害事象が発現した人がいなかったのかなということが、こういったデータを見せていただくと気になります。同時に、重篤な有害事象が発現したときに、各機関で安全性のデータがきちんと報告されて、倫理審査委員会に報告されていて、かつそういった安全性のデータを皆さんで共有されている体制が取られていたかどうかというのが一番問題で、それが欠けていると、最近新聞報道などであるような、死亡事例が続いているにもかかわらず、そのまま同様の事例が引き続き起こっていたということにつながってしまうのではないか。多分、今のこの書きぶりからすると、安全性データの解析について少し不安が残ります。それだけではなく、今後、重篤な有害事象が発現したときに、倫理審査委員会なり、そのプロトコールによっては効果安全性評価委員会が定期的に把握した上で、ストッピングルールなり何なりを決めるという手順を踏まれたほうがいいのではないかと思いました。
○猿田座長 ありがとうございます。今の点はやはり重要です。ほかにございませんでしょうか。
○藤原構成員 追加です。金沢大学は、卵巣がんの臨床経験で、同意取得を取らずに臨床試験をやったことが確か昔、存在していたことがあって、その後また今回のようなことが起きたというと、大学の体質として、何か臨床試験に対して、教育が弱いのか、あるいは皆さんの認識が弱いのかというところが背景にあって、今回、再発防止策をいろいろ講じても、また数年後に同じようなことが起きるということにはしてほしくないなと、聞いていての感想として思いました。
 この試験の報告書に関連して、先ほどから聞いていて幾つか確認しておきたいのですが、昨今の研究不正などに絡めて、文科省、厚労省などからいろいろな研究不正防止のガイドラインが出ており、告発窓口の設定が、求められていると思います。今回のような事例でも、整形外科の医局員、あるいはほかの科の医局員などが、この臨床試験は確か高度医療だったのにちゃんとやっていない、何でだろうとシンプルに思ったときに、そういうものを通報するような窓口が整備されているのかを1つお聞きしたいです。
 今回の最終報告などを見ても、このカフェインの臨床試験はプロトコールと関係なくいろいろなことが行われていて、過去に発表された同じグループからの論文をリトラクションしなくても、大丈夫かというのがもう1つ不安になっているのです。その2点を教えていただきたいです。
○猿田座長 よろしいですか、どうぞ。
○金沢大学附属病院(村山) ありがとうございます。2点と言われましたが、一番始めの卵巣腫瘍の件等ありましたけれども、私たち金沢大学はもうこの次はない、この次に、いや、今回このように再発防止策を打ち出し、皆様の貴重なお時間をいただき、患者さん、御家族に多大な御迷惑をお掛けして、この上で更にまた何かそういう手続ミス等があれば、本当にもう次はないと思っておりまして、悲壮な決意で今回このように対策をまとめて、次のステップに進もうと考えております。藤原先生から貴重な御助言を頂きましたので、実のところそういう研究不正を申し出るような窓口は今、大学に設置しておりませんし、また過去のカフェインに関する論文の発表についてリトラクションが必要かどうかの検討もまだしておりませんので、頂いた御指摘については持ち帰りまして、速やかに学内で検討して、また御報告したいと思います。ありがとうございます。
○猿田座長 一番重要なことはやはり再発を防ぐこと。今、大学がこれだけしっかりやって起こらないと思うのですが、注意しても実際にはもういろいろな所で起こっているのです。だからよほど毎年毎年きちんとある日をもうその日と決めて、きちんと確認を取っていかないと、必ず起こっていますから。私も大分大きな所のいろいろなことをやって、もうこれだけ注意したのにといっても、また起こっているのです。ですからそういった点で、もうこのときだけでなくて、例えばもう本当にその日を決めて、大学の中で必ず確認を取っていくということは非常に大切だと思います。是非、それはやっていただきたいと思います。
○一色構成員 今日の話題は臨床研究ということだったのですけれども、少しポイントがずれるかもしれないのですが、同意書というのは基本的にこの臨床の場で習慣付けてあるべきものだと思うのです。本当に失礼な言い方になってしまうかもしれないのですが、普段の臨床の行為に対する同意書を取るという習慣があると、臨床研究であっても必ずそういう必要性というのは通常は理解しているはずで、そういうポイントについて、例えば、この前の群馬大学の問題も結局、あれは臨床研究というよりは通常の臨床行為の逸脱した形で行われていて、そういうことが逸脱すると大学の存亡に関わる話に直結してしまう話ですから、普段の臨床行為に対する同意書というのも、この機会に大学として取り組まれたらいいのかなと感じましたので、コメントさせていただきます。
○猿田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうかね。
○柴田構成員 配布資料の21ページに、これまで対外的に公表されたいろいろな数字があります。その対象の選び方について質問があります。これに対する回答に関連して、1つだけ質問させていただきたいのです。例えば4.の「平成25年11月の規制改革会議等で報告された有効率」というのが、当時の資料を拝見すると、有効率90%と書いてあります。非常にびっくりするような数字で、そういうものが世の中に喧伝されて、この治療法に期待を持たれた患者さんもたくさんいらっしゃると思います。でありながら、今回のこちらの報告書、「先進医療に係る試験結果報告書」の中では、骨腫瘍に関しては、16例中と数が少ない中ですが56%ということで、この差は何なのかが少し気になるところです。
 実際に前者については、臨床試験以外の患者さんのデータも含めて解析をすると成績が良くて、臨床試験として登録された方に限って調べてみると、閾値として設定した50%とほとんど変わらないような数字しか出なかった。これは言い換えると有効性はさほどなかったという結論になると思います。
 机上配布資料の「カフェイン併用化学療法に関して報告された有効率について」という資料を拝見すると、この規制改革会議のときには、平成元年4月からと書いてありますけれども、全116例からステージ3、初診時転移あり及び標準治療未完遂、手術不能などの57例を除外した59例について有効率を計算したと書いてあります。この除外というのは、多分、科学的には変なやり方だと思います。術前、術後の化学療法の評価をしているのに、その途中で挟まっている手術ができなかった人を分母から除いてしまったら、それは成績が向上するに決まっています。極端な話をすると、薬が効いた人だけを集めて有効率を計算したら100%でした、等のような、結果に基づいて対象を絞り込むというのは不適切ですね。そういうことが普通に行われるというのはやはり変なことですので。やはりこの数字は過大評価のものである。学術集会での発表ではありませんけれども、こういう不適切な数字が独り歩きするというのは、臨床研究であるなど、そういう治療開発をされる所としては気を付けていただくべきではないかと思います。これは患者さんに間違った期待を与えることになってしまいますので、注意していただくべきではないかと思います。質問と言いましたけれども、コメントだけにとどめさせていただきます。
○猿田座長 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。大体出尽くしましたでしょうか。ほかにどなたかございますでしょうか。
○上村構成員 伊藤先生の先ほどの御発言と少し重なる所があるのですけれども、18例の方の安全性の評価というのは、どこかにあるべきなのではないかなと思うのです。もちろん同意書は取れていないので、もう一度これは何らかの形で倫理委員会等でデータの集積の方法などに関しては審査していただいた上で、再同意が取れる方については、再同意等ということも可能かと思います。もしかしたら不幸なことで生存されていない方も、病気が病気ですのでそういう方もいらっしゃると思いますが、何も出てこないというのは問題なのかなと思いました。それが1つ。その報告書の中に倫理違反があったことというのはあまり伝わってこないです。途中で例えば組入れの基準などがいろいろな形で変わっていった、そういった背景についての説明がなかったりもあるので、その辺も少し含めて御検討いただけたらなと考えました。
○猿田座長 先生がおっしゃったように、先進医療だとどうしても安全性の問題が非常に重要なものですから、一応今までの症例の中で安全性の再確認。確かにカフェインの場合はそんなにひどい副作用はないことは分かっていますけれども、でもそこを確認したいと思っています。質問はそういうことですよね、先生。ほかにどなたかございませんでしょうか。
○山中構成員 今回不祥事が起こって、金沢大学附属病院としていろいろと対策を講じているところだろうと思います。いろいろやり方はあって、いずれのやり方をするにしても、それが浸透するには年単位はかかると思うのです。2年、3年ぐらいでいけばいいほうで。ただ2年、3年たつと、先ほどの話にも出ていましたが、教育した先生たちが医局の人事で外に出て行ってしまう。それから大学は事務方も異動が多い所ですから、事務方も異動してしまう。ともするといろいろ対策を講じても当事者意識がどうしても薄れてしまう可能性があると思うのです。そうはならないという、今、決意表明を頂きましたので、それは是非、何年かかっても遵守していただきたいと思います。
 あと、例えばせっかく育てた実務クラスの助教クラスの先生たちが外に出ていってしまうというのは、それは大学病院として高度な医療の伝搬という意味では、それはやむを得ないことだろうと思います。今現在は金沢大学附属病院自身の立て直しに専心すべきだと思いますけれども、、18ページの7.の4.に、金沢大学附属病院は北陸地方において高度な医療技術を開発して提供していくと謳っていますし、北陸の臨床研究ネットワークも作っていらしたと思いますので、関連病院を巻き込んで、そういった医療技術の開発をしていくネットワークだと思いますから、そういった関連病院に金沢大学附属病院で育てるでスタディマネージャーの先生たちが順次配置されていくのだと思いますので、やはり将来的に、今数年後にはネットワークから近隣関連病院の教育等も含めて、是非、北陸地方での医療技術の開発が維持可能になるような仕組みを作っていってもらいたいと心から願っています。
○猿田座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。何か御意見としてございますか。
○金沢大学附属病院村山 一言発言させてください。今回の問題は平成18年以降、先生が先ほど御案内されましたが、高度先進医療、そして時限的先進医療、臨床的な使用確認試験、高度医療評価制度、先進医療Bという臨床研究制度のダイナミックな変遷に、金沢大学附属病院病院長以下、研究責任者も研究者も薬剤師も、それから倫理審査委員会、この全てのどれもが全く把握、そして対処できなかったために起きたことだと考えております。そいう状態で先進医療を始めてしまったことを本当に申し訳なく思いますけれども、先ほど来申し上げたような、さまざまな対策を講じ、皆様から頂いたように、これは単に今回だけの問題ではなくて、半年後、1年後、5年後に確かに金沢大学は変わったと皆さんに思っていただけるように、一堂、襟を正して、今後、また金沢大学が生まれ変わって、先進医療を任せていただいても大丈夫だと皆様方に分かっていただくように、できる限りの努力をいたしますので、是非、御指導のほどお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○猿田座長 今、おっしゃったように、先生方の所は特に北陸地方で大切でありますし、もう1つは今アカデミアにおける臨床研究というのは大きく変わってきているわけです。ですからそういった点で本当に北陸において金沢大学がしっかりやってくれないと、連携を取ってもらわないと困るわけです。ですからこういったことで、今、お出しいただいたこういう報告書を本当にそのとおりしっかり守ること。それから、必ず時がたつと薄れていきますから、それがないように必ず毎年思い出す日を作っていただいて、そういった形でやって、少しでも国民に本当に役立つ医療を届けるということが、今、一番重要な先進医療の役割ですから、そういったことはよく理解していただきたいと思うわけです。
 特に安全性の問題は後で確認していただくとして、全体としてこの報告書で一応、御理解いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。それをどうか守ってやっていただくことが、私たちの一番のお願いでございます。私たちにも責任があるものですから、そういった点でしっかりやっていただきたいと思います。
 一応こういう形で報告書はよろしいでしょうか。ありがとうございました。御苦労様でございました。
(金沢大学附属病院退室)
○猿田座長 先生方どうも御苦労様でした。ただ大切なことは、やはりしっかり守って、このとおりやってもらわなければ困るということで、これは事務局からも厳重に言っていただくことと、先ほどからお話がありました安全性の問題だけ、どうしてももう1回確認だけはしておいていただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局でございます。今、頂いたコメントをこちらでまとめます。報告書に関しては、今、猿田座長からも言及がございましたように、有効性として評価できなかった18例の安全性評価のデータを付け加えていただいて、先生方に御確認いただいた後、お受けするということでよろしいでしょうか。
○猿田座長 はい、ありがとうございます。それで結構だと思います。よろしいですね。それでは、この問題はこういう形で一応、締めさせていただきます。今、事務局からお話いただいたように、調査結果は先生方にきちんと届けさせていただくということです。
 もう1つ、私からも何度も言いますが、やはりこれからきちんとやってもらうことが必要ですから、そこだけは厳重に大学に申し上げて、大学全体として取り組んでいただくことが非常に重要ですので、よろしくお願いいたします。時間を取ってどうも申し訳ございませんでした。それでは今日、少し残っている幾つかの議題がございますので、よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 次に、先進医療Bの継続の可否に係る審理結果の報告について御説明申し上げます。資料2、35ページです。先進医療Bの継続の可否に係る審理結果の報告について御評価を頂くのは、告示番号53、「11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による再発の診断」です。申請医療機関は北海道大学病院になります。本技術は、本申請医療機関が参考資料181ページに示すように臨床使用実績の効率化要件に該当するため、使用実績のない状態で申請され、承認、告示されたものです。適応症は、頭頸部腫瘍、ただし原発性若しくは転移性脳腫瘍、又は上咽頭、頭蓋骨その他脳に近接する臓器に発生する腫瘍であり、かつ、再発が疑われるものに限るとなっております。本試験の概要は35~37ページに記載のとおりです。試験予定期間は平成27年1月16日から平成28年10月31日までです。
 38ページ、初期的に継続可否の評価に必要な症例数として設定された2症例の7日までの評価が終了し、独立した委員会による評価の結果、本研究の先進医療としての継続については承認されております。以上です。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 今、お話いただきましたように2症例の検討が終わったということで、この形で引き続き継続ということでございますが、どなたか御質問ございますでしょうか。もしなければ、この形でお認めいただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは認めていただいたことにいたします。それでは次をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 次に、協力医療機関の追加等について事務局から御説明いたします。資料3-1、39ページです。これまでに大臣告示されている10の技術について、協力医療機関の追加申請がございました。資料3-1、39及び40ページに各々先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載しております。資料3-2、41~51ページです。事務局において、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書を確認した結果、いずれもこれら先進医療実施可能とする保険医療機関の要件(様式第9号)を満たしていたことから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと存じます。特に御意見がなければ、手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長 見ていただくと、かなり多くの追加機関が出ておりますが、私も見ましたが、大体問題はないということですが、どなたか御意見ございますでしょうか。少しでも協力機関を多くして、早く終わらせていただくことが大切ですので、問題がなければ、全てを認めていただければと思います。
 よろしいでしょうか。質問はございませんでしょうか。お認めいただいたということにさせていただきます。それでは続いて事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局から報告事項がございます。資料4-1、53ページです。まず、先進医療会議では、御覧のように新規の案件が2件ございました。整理番号076、整理番号077、いずれも「適」と判断されました。
 資料4-2及び4-3については、今般、医療法の改正に伴って、新しく医療法に基づく臨床研究中核病院が規定されたこと及び予算事業に伴う臨床研究中核病院の予算事業名称が「臨床研究品質確保体制整備病院」と変更されていることから、先進医療通知その他における臨床研究中核病院の標記に関して、資料4-2、141ページの最下段に示したように改正されたものが発出されております。以上をお付けしております。こちらが御報告事項となります。
○猿田座長 今、報告がありましたように、53ページの076は、難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブの療法です。それから077は、腹膜播種を伴う胃がんに対するカペシタビン/シスプラチン+ドセタキセルの腹腔内投与ということになります。よろしいですね。これを認めて、「適」とされるということです。もう1つは、臨床研究中核病院の法規制のものが出来上がっています。名前が混乱するということもあって、こういう形を取りたいということですが、どなたか御質問ございますでしょうか。これは報告事項ですが、よろしいでしょうか。御質問なければ、これも報告を認めていただいたということにいたします。あとは今後の日程をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 次回の日程ですが、5月14日(木)、16時~18時といたします。場所については、別途、御連絡いたします。また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開とさせていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。先生方、今日はいろいろな意見を頂きましてありがとうございました。ほかのことでも結構ですが、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。今度は5月14日です。お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。先ほど宿題を頂いた金沢大学附属病院のところは、もう1回、報告をさせていただくということです。それでは特になければ、第28回の先進医療技術審査部会を終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
(事務局注:次回開催日程としてお伝えした5月14日(木)については後日、会議開催の中止を決定し、事務局より全構成員に通達した。)

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