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2015年4月10日 第8回 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成27年4月10日(金)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室(12階)


○出席者

委員

佐藤座長、池田委員、石山委員、神吉委員、武石委員、中井委員、両角委員

厚生労働省

安藤局長、蒔苗職業家庭両立課長、中條職業家庭両立課育児・介護休業推進室長、中井職業家庭両立課長補佐、川島老健局振興課長補佐

○議題

1 平成26年度仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査研究事業 調査結果概要報告(三菱総合研究所)
2 個別課題についての検討
3 その他

○配布資料

資料1 平成26年度仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査調査結果概要(三菱総合研究所資料)
資料2  個別課題についての検討(1)
参考資料1 個別課題についての検討(1)に係る補足資料 
参考資料2 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会にあたってのコメント   (田代委員資料)
参考資料3 ケアマネジャーに対する育児・介護休業法の両立支援制度の周知等について(案) (老健局資料)

○議事

○佐藤座長 それでは、「第 8 回今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」を始めさせていただきます。御多忙のところ、御参集いただいてありがとうございます。本日は田代委員が所用で御欠席で、中井委員は遅れていらっしゃるということです。事務局の人事異動がありましたので、御報告をお願いいたします。

○中條職業家庭両立課育児・介護休業推進室長  4 月から、職業家庭両立課育児・介護休業推進室長になりました中條と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐藤座長 よろしくお願いします。本日は議事次第にありますように、仕事と介護の両立支援に関する調査として、「平成 26 年度仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査研究事業」を行い、その調査結果概要が出ていますので、まず最初にそれについて、調査を実施した三菱総研の宮下研究員から御報告いただきます。その後、御報告内容についての質疑をする時間を設けたいと思います。 2 つ目の議題は、個別課題について議論をします。本日も前回の続きということで、仕事と介護の両立支援について御議論いただきたいと思います。これまでの資料はお手元のファイルにとじてありますので、適宜御覧いただければと思います。

 それでは、本日の議題 1 「平成 26 年度仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査研究事業調査結果概要報告」を、宮下さんにお願いしたいと思います。

○三菱総合研究所宮下研究員 お手元の資料 1 を基に、御説明させていただきたいと思います。まず「平成 26 年度仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査」です。本調査の実施体制は、雇用均等・児童家庭局の委託で私どもで実施させていただいております。研究指導はこちらの池田委員に引き受けていただき、御相談申し上げながら進めたものです。

 調査の概要です。本調査は労働者に対する調査と企業に対する調査という、大きく 2 本立てで構成しております。まず、労働者調査の調査方法です。ネットリサーチ会社に登録されているモニターを使い、このモニターに対して平成 24 年の就業構造基本調査の労働者分布に沿った形で、比例割付を実施して進めました。また、同調査も職業別の比率に可能な限り近づけていくということで、調査依頼を掛けるという方法を採りました。調査対象は 2015 1 月末日の時点で、 20 64 歳の年齢の全国の男女という縛りです。その上で、 1999 4 月以降に家族、親戚等の介護に関与された実績があって、なおかつ 2010 7 月から調査時点までの間に、要介護者の快復若しくはお亡くなりになったということで、介護を終了された方という形で抽出しております。調査期間は 3 7 日~ 18 日です。有効回答は、回収したものは 3128 件でしたが、その後に介護期間等でスクリーニングを掛け、集計対象としているのは 2819 件です。

 続いて企業調査のほうです。こちらの調査方法は郵送で配布させていただきました。期間の問題がありましたので、ウェブ回収と自記式調査票の回収の併用という変則的な形になっております。調査対象については、全国の従業員規模 10 名以上の企業 5000 社です。こちらは 2 月末から調査を開始し、 3 月半ばまでという形です。今回、集計対象になった有効回答は 629 件です。

 結果の内容は、 2 ページ以降の「主な調査結果」です。まず労働者調査のほうから御説明いたします。今回の調査は、例えば第 2 回研究会で池田先生から御報告のあった調査と少し異なり、介護を終了された方というところで取っております。今回、介護終了までの期間は平均 3.9 年程度、中央値を見ますと 2.7 年でした。最初の 0 か月というのは、介護着手から終了までが 1 か月未満で経過してしまった方です。最も長かった方は 187 か月ということで 15.6 年です。 1 年以内で介護を終了されている方の割合が 4 分の 1 強で、おおむね半分の方が 3 年以内の間に介護を終えられています。

3 ページが「要介護者との関係」、続柄等々です。まず(1)で、介護が必要になった理由・原因を調査しております。原因疾患は認知症が 19.4 %、がん等悪性新生物が 17.5 %、脳血管疾患が 14.5 %となっております。それから、介護が始まった当時、介護終了時、その間の期間という形で、今回は 3 分割した期間の取り方をしております。介護が始まった当時というのは、おおむね介護着手から 3 か月間程度という形でお願いしております。介護終了時については、介護が終了する前 3 か月間程度という聞き方です。ここで在宅と施設の関係を見ますと、(2)「在宅介護の有無」という表にありますように、当然ターミナルに近づくに連れて、病院・施設等へ入られる方が増えていくという関係です。

4 ページの「介護の頻度」については、ほぼ毎日とか週に 1 2 日といった形で行われている方が多いということです。

5 ページの「介護の担い手の有無」については、他に介護の担い手がいたかどうかを伺っております。おおむね 8 割以上の方が、「自分自身以外にも介護をともに担ってくれる人がいた」という回答を頂いております。 5 ページの(7)の「主たる介護者」であったかどうかという表については、介護を担われている人が他にもいるとお答えになった方のうち、御自身が主たる介護者であると回答された方の割合で、大体 2 割後半から 3 割です。

6 ページからが「介護と仕事の両立」に関する事項です。まず「介護を始めた当時の勤務先の仕事と介護の両立支援策」は、「いずれもあてはまらない」というのが排除項目になっております。要するに「扱っていない」ないし「知らない」「認知していない」というものも含まれてきます。今日はお持ちしていないのですが、非正規の方になりますと「いずれもあてはまらない」に該当するのが、少し増えるような傾向があります。

7 ページの(2)(3)のデータは、今回は介護を終了された方にお聞きしておりますので、振り返ってみて必要だったと考えられる量を伺っております。まず、介護のために必要だった連続した休みはどれぐらいだったのか。「連続して仕事を休む必要はなかった」という方が 66.7 %いらっしゃいますが、 3 割強の方が「何らかの形で休みは必要であった」と。ただ、その中で最頻の回答が「 1 週間以内の期間」でした。更に介護のために必要な連続した休みの日数として、「連続して休む必要があった」と御回答された方に対して、それはどれぐらいの日数かをお聞きしました。これは上の表と傾向は同じで、介護の始まり、中間期、終期の 3 期間いずれも 1 週間以内の期間で連続して休みを取りたかったということです。(4)の問いが、実際に休んだかどうかという実績です。ここでは「介護のために連続して仕事を休んだことがあるか」ということについて、やはり 3 割強の方が何らかの形で連続して仕事を休まれたということです。こちらも分布としては 1 週間以内の期間という方が最も多いところです。

 イ ) では 1 週間を超えて休まれた方に絞って、どれくらいの回数休まれたかを伺っております。こちらは恐らく非常に負荷の高い形で介護をされていたのかもしれないのですが、「 6 回以上」という御回答を頂いた方が 33.8 %と、非常に多いと。もう 1 つの山としては 2 回、 3 回辺りでした。

8 ページのウ ) が、介護を終了するまでに 1 週間を超えて休んだ人のお休みされた回数と、それらの通算期間です。こちらも仮説的な内容というのは難しいところですが、当然回数がアップしていくに連れて、通算期間が延びていく傾向にあります。(5)が「介護のために必要な連続した休みの日数と実際に取得した日数」ということで、必要性と実際に取れた日数の比較です。この色分けの図の下に、小さい横長の箱があります。この見方ですが、必要期間=実際に休んだ期間という方が必要性と実績が一致している方ということで、これが 6 割程度です。真ん中の必要期間が実際に休んだ期間よりも多い方というのは、休みたかった量に対して実績が足りていない、休みが少し足りなかったと感じていらっしゃる方で 27 %でした。「必要期間以上に休んだ」という御回答の方が 1 割程度という状況です。

 続いて 9 ページ、「介護のために休みを取得する際に活用された制度」です。これは連続して休んだと答えられた方に対しての問いです。ここではやはり年次有給休暇が 42.9 %ということで、回答としては多くなっております。介護休業は 13.5 %、介護休暇は 16 %です。一番下の「欠勤又は制度によらない方法で休んだ」というのが 34.2 %となっております。雇用形態などで少しクロスを掛けると、やはり非正規の方でこの回答をされている方が多く、認知の問題なのか、それとも社内でいろいろ検討したところで、例えばシフトワークなどの使い方で休まれる、という方法を採られている方も中にはいるのではないかということで、雇用形態によって少し傾向が違う可能性があります。(7)が休み中に行われた活動です。こちらは既存の調査でも出ているとおりの傾向で、病院への入退院、介護施設の入退所手続等といったものや、食事の支度、定期的な声かけ ( 見守り ) といったところが多く出ています。

10 ページが「介護休業の取得」に関してです。こちらは介護休業の取得日数と満足度ということで、介護休業の通算期間でクロスを掛けています。全体としては介護休業を取得された方のうち、 53.7 %の方が「十分であった」という御回答でした。逆に言うとちょうど半々ということで、ここは解釈がなかなか難しいところです。あと、通算してどれくらいの介護休業日数であったか、分画を取ってみたところです。刻みの細かい所もあって、はっきりした傾向が見えるかというとなかなか難しいところがあります。おおむね半々の回答というのが今の実状であるかと考えます。(2)が介護休業の通算取得日数と介護終了時までに取得した連続した休みの通算日数です。こちらも明確な傾向を読み取るのは、なかなか難しいところではありますが、全体的な状況としては、「 2 週間を超え、 1 か月以内の期間」という連続した休みの取得をされている方が多いところです。

11 ページは「介護期間ごとの休みの取得状況」です。こちらでは(1)として、介護終了までに介護休業を取得したか、したとすればどれぐらいの日数かということで、介護が始まってから終了するまでの全介護期間、どの程度であったかということです。「介護休暇は取得しなかった」という方が 8 割です。一方で取得された方については、「 3 日を超え 6 日以下」とか、「 6 日を超え 15 日以下」というのが 5 %ぐらいということで多いところです。おおむね 2 週間以内です。

 (2)が「介護休暇の取得日数と年次有給休暇の取得の状況」です。こちらも介護休暇の取得日数と年休の取得日数というのが、同じカテゴリーに回答が集中しておりますので、回答に当たっての認知の問題があるかとは思うのですが、傾向的には介護休暇の取得日数プラス 1 2 日の年次有給休暇を取得と回答されている方が多いのではないかと思われます。

12 ページが 11 ページの(2)から始まっている、介護期間中の取得の状況です。これも傾向としては介護開始時と同じです。 12 ページ目の下段の(4)の介護終了時につきましても、同様の傾向というところです。

13 ページの上段が、介護休暇の取得日数と年次有給休暇の取得状況の全介護期間でのクロス集計です。ざっくりと傾向的なことを申し上げますと、ここでも「 6 日を超え 15 日以下」と、「 15 日を超え 21 日以下」の間に、どうも分画線が引けそうな回答の状況です。(6)では、介護のために仕事を休みづらいと感じたことがあるかどうかという、感覚的な評価を伺っております。こちらについてはいずれの介護期間においても、半数程度の方が何らかの形で休みづらいという感想を持たれたという回答です。

14 ページは「介護と仕事の両立に伴う変化」です。こちらでは介護開始時 1 年以内における人事異動があったかどうかを伺っております。こちらについては 9 割以上の方が「経験しなかった」ということで、介護が始まってすぐの人事異動は 1 割以下の発生頻度ということです。

15 ページが「介護に伴う離職」です。(1)の表では介護を開始した時点で仕事を持たれていた方のうち、介護の終了時までに仕事を辞められた方が 18.4 %です。仕事を辞められた方に対し、勤務先を辞めた理由を伺ったのが(2)の表です。ここでは介護に関係のない理由も常にあると思います。これが 3 割程度の回答でしたが、「介護による心身の負担が大きく、仕事を続けられなかった」という御回答が 25.9 %です。もう 1 つが「労働時間が長く、介護の時間を割くことができなかった」という理由が 16.3 %、続いて「上司や同僚に迷惑を掛ける」といったところでした。

 次のページの(3)が「介護開始当時の勤務先を辞めなかった理由」、継続して就労された方についてです。こちらは「介護負担がそれほどではなかった」というのが 48.5 %です。もう 1 つが「辞めてしまうと収入の面で厳しいので続けた」という御回答をされている方が 40 %強です。(4)が「介護と仕事の両立における理想の働きかた」です。各期間で最も回答が多かったのが通常の働き方、これまでどおり働きたいという希望です。初期においてはその回答が 46.3 %ですが、だんだんターミナルに向かっていくに連れて、少し両立策を使いたいという回答が増えていきます。柔軟化のニーズが少しあるのかなと思われるのが、ターミナルに向けてテレワークに関する数字が若干延びています。最初 11.6 %だったのが、中間期 12.7 %、終末期 15.2 %です。

17 ページが「その他」です。ここは仕事と育児の両立状況について確認した所です。今回は全体介護に当たられている方ということで、 2819 名に御回答いただいておりますが、「介護期間中にお子さんがいた」と回答された方が 1311 名、 46.5 %でした。そのうち末子の年齢が 6 歳以下の方が 284 名程度、介護終了時に末子が 7 12 歳の方が 220 名でした。それから、(2)で「介護と育児の両立」ということで、全介護期間を通して御自身が主介護者であった方に絞り、お子さんの状況を伺ったのが(2)の表です。通期で主介護者であった方が 930 名、そのうちお子さんがいた方が 496 名です。末子年齢別に見ますと、 6 歳以下のお子さんがいた方が 82 名、 7 12 歳が 71 名です。男女別に見ますと、少し傾向が違うのではないかというところがあります。お子さんが小さいうちは、男性のほうが主介護者である比率が若干高い。一方で介護終了時に末子が 19 歳以上の方を見ますと、主介護者が女性のほうが圧倒的に多くなります。もしかしたらお子さんの手が離れると、介護も女性が担われるということかもしれません。

18 ページが「回答者属性」で、就調の分布に合わせて割付をした結果です。それが 18 19 ページです。

20 ページからが「企業調査」です。企業調査については、まず社員の介護状況です。介護実施者の状況は、男性の正社員で介護をされている方がいると回答した会社が 24.8 %、女性正社員で「いる」という所が 19.9 %です。男性の非正社員で直接雇用の方が 8.9 %、女性の非正社員で直接雇用の方が 8.9 %です。介護離職の状況ですが、男性正社員の介護離職ありと回答した会社が 6.8 %、女性正社員では 5.8 %です。

21 ページに「課題認識」があります。今後、介護に携わる従業員が増えますと、経営に深刻な影響を及ぼすかどうかという課題認識を問うた設問です。経営への影響ということでは、「大きな影響を与える」若しくは「ある程度影響がある」と御回答いただいている会社が 58.2 %でした。それから、仕事をしながら介護を行う従業員が増えた場合に想定される影響を、(2)で伺っております。ここで多かったのは、家族の介護により、介護に当たる従業員そのものの健康リスクが増えてしまうのではないかとか、そういった従業員が増えることで、周囲の他の従業員の負荷が増えていくことを御心配されている会社の方が多いというところです。あとは、いわゆる時間と場所に制約のある従業員が増えるので、事業へ影響が出るのではないかという形です。

22 ページが「介護休業」についてです。表に沿っておりますが、(1)が「対象要介護者の範囲」です。ここで「申出の有無」としているのが、法定外の対象者についての介護の申出が従業員からあったかどうかということです。「法定外の対象者からの申出があった」と回答された企業は 14.9 %でした。そうした申出があった場合に、どのように対応しているかも伺っております。ここでは「原則として規定外であれば認めていない」という御回答の方が多く見られたのですが、東京の場合、従業員の配偶者の祖父母や兄弟姉妹に関しては例外的に認めるとか、「申出があれば原則として認める」という回答が少し増えているという状況です。

 (2)が「要介護状態の判断」です。申出があった場合の要介護状態をどのように判断し、両立支援の対象にするかです。これについては育介法上の要介護状態と同等の状況にあるかどうかを、ひとまずの判断材料にしている会社が半数です。次点では 2 割程度の会社が「特に定めていない」という御回答をされております。これはもしかしたら実績がない所かもしれません。それから、「用途の説明」ですが、従業員に介護休業の用途を説明しているかどうかということで、説明されている会社について御回答いただいたものです。情報収集に使っていいという形で御説明をされている会社が 46.1 %にのぼったということで、必ずしも直接介護のためだけに限定していないという結果です。

24 ページが「介護休業の最長限度の設定の状況について」です。こちらは法定どおりの「 3 か月まで」という御回答を頂いた会社が 58 %と多かったということです。こちらも次点で、「特に定めていない」というのが 13 %です。法定以上の水準、 3 か月を超える期間から 1 年長い期間までというところで御回答いただいた会社に対し、「その期間設定にした理由は、どのような理由によりますか」と伺っております。ここではやはり育児休業等の達成度との整合を図りたいという理由で、この期間をセッティングされた所が 49 %と非常に多くなっております。(5)が「介護休業の分割取得」についての状況です。こちらも「 1 回のみ」とされている会社が 57.9 %ですが、もう一方で 36.9 %の会社が、「特に定めていない」という回答でした。「 2 回以上休業取得を認めている」という回答があった会社に、なぜそのような形にしているか伺っております。これは「介護期間中の施設入退所、入退院等の複数回の休みが必要だということを想定している」というのが 42.4 %でした。次いで「達成度との整合を図るため」というのが 3 割という回答です。

25 ページが「介護休業時の所得保障」です。こちらの大多数である 68.4 %が、「雇用保険からの給付」という御回答でした。もう一方で 25.4 %が、「所得保障の仕組みが特にない」ということでした。これは恐らく複数回お休みされるといった場合に、特に所得保障の仕組みを設けていない企業群であると考えられます。(7)が「介護休業制度拡充に対する負担感」についてお聞きしております。各質問項目に対して、おおむね傾向は似ているのですけれども、「介護休業期間の上限の延伸」と「雇用保険からの給付以外の付加的な所得保障」という 2 点について、少し負担感が強いという御回答かと思います。

26 ページで、介護休暇制度の有無について伺っております。 82 %が「制度化している」ということです。介護休暇がある場合の有給・無給の別は、 26 %が「有給である」という御回答でした。介護休暇の取得の単位について伺っております。こちらは「 1 日単位」という御回答が 75.4 %で、「半日単位」「時間単位」というのがおおむね 2 割程度混ざっているといった状況です。

27 ページが「介護休暇の取得可能日数の上限」ということで、介護休暇制度ありの企業でどのような設定がされているかです。その約半数の 51.2 %が、「介護を要する家族 1 人につき年に 5 日まで」という御回答でした。あと、イ ) のほうの理由は、法定の 5 日を超える期間設定にされている企業に、その理由を聞いたものです。こちらは「子の看護休暇等の他制度との整合を図る」ということで、恐らく子の看護休暇と介護休暇の両方とも、 5 日を超える水準で社内制度が整備されているのだろうと思います。もう 1 つが「特に理由はない」ということで、漠然と 5 日では足りないのではないかというところです。 27 ページの下段が、「休暇中の介護休暇に伴う所得保障」です。「所得保障の仕組みは特にない」という御回答を頂いている会社が 58.5 %、「年次有給休暇と同様の取扱い」、つまり従前の 1 日当たりの給料を払うというのが 32.9 %です。

28 ページが「介護休暇制度拡充に対する負担感」です。負担感が若干強いかなと思われるのが、介護休暇日数の上限の増加です。有給化というのも平均的なところよりは少し高く出ています。ただ、一方で半日単位の取得とか時間単位の取得というのは、負担感が少ないという所もありますので、ここは個別に御判断いただくところではないかと思います。

29 ページが、「介護を理由とした時短勤務」の状況について伺っております。介護を理由にした時短勤務の制度の有無ということで、 7 割以上が「あり」という御回答でした。適用可能期間についても、同様に伺っております。法定の 3 か月が 6 割です。「 3 か月を超える期間」と回答した企業の方に、その設定の理由を伺っております。こちらは「育児休業等の達成度との整合を図るため」というのが、 52.8 %ということで最も多い状況です。

30 ページは、「介護を理由とした残業免除」の制度の状況です。残業免除制度の有無については、 62 %の企業の方が「そういった制度を持っている」という御回答でした。制度の適用可能期間は少しバラ付きがあり、最も多かったのが「 1 年」という御回答です。どういう形で残業の免除が出ていくかという方法ですが、最も多かったのが月単位の上限を設定するという方法です。次点が年単位での上限設定、もう 1 つが前問でということで、適用期間内の残業は一切免除するという御回答でした。

31 ページが「転勤配慮」です。「転居を伴う転勤がある」と御回答いただいた企業のみの質問で、こちらがどのような運用をされているかということです。「可能な限り介護に適した任地希望を実現するように努力している」というのが 44 %、次に「介護が少し落ち着くまで転居転勤のタイミングを待つ」というのが 36.2 %でした。その下段で、両立支援で期待される効果も伺っております。仕事と介護の両立支援を行うことで期待される効果については、「定着率の向上」とか「勤続年数の延伸」といったものが 6 割、「会社へのロイヤルティーの向上」が 52.5 %、「それまでの人材育成投資の損失を防ぐ効果」というのも、 4 割弱程度が「期待している」という御回答を頂いております。

32 ページが「介護離職を防ぐために有効と考えられる方策」ということで、企業側から見た離職防止策です。ここでは回答が多かった順に介護休暇の有給化、育児・介護休業法の休業回数の限定を緩和してはどうか、休業期間を延長することも考えてはどうかといったところが 3 割を超えてきています。

33 ページが、今回の調査に御回答いただいた企業の属性の分布です。以上です。

○佐藤座長 どうもありがとうございました。皆さんから御意見を伺う前に少し確認しておく点があります。個人調査で、 2 つあります。 1 つは 18 ページ、今回就調に割付けたのはいいのですが、これは介護を始めたときに自営業だった人とか無業だった人が入っていますか。

○三菱総合研究所宮下研究員 はい。介護開始時点では。

○佐藤座長 例えば 6 ページのところで、つまりもともと介護休業や有給休暇がない人のデータだということで読んでいけばいいですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 そうです。介護開始時点においては、そういう方も。

○佐藤座長 情報は分かりますか。その介護時点の就業形態。

○三菱総合研究所宮下研究員 介護開始時点の就業形態は判別可能です。

○佐藤座長 基本的には企業に雇われている人、ここでは問題ではないということではないですが、でも、今は全部ほかの人が入っていると読んだほうがいいですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 今の段階ではそうです。

○佐藤座長 それは制度がないとか、つまり有給を使ったとか介護保険を使ったということでいいですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 そこは限定していない。

○佐藤座長 そうすると、もともと分母に全然、制度がない人も入っている理解ですか。 2 つ目は、介護の定義は就調に合わせているのですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 おっしゃるとおりです。

○佐藤座長 ということですので、前の読み方はもちろん大事なのですが、ただ、ここで議論する対象外の人も入った集計になっているということですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 先ほどの就業状況ですが、正規若しくは非正規で就業されている方に限定した集計です。ただ、サンプルの全体は、無業を含むものとなります。要するに介護開始時点では無業を含んでいるのですが、集計結果でお見せしているなかには雇用者のみを集計対象にしているものもあるという状況です。

○佐藤座長  18 ページで回答者数が 2819 で、 2 ページを見ると介護期間の分母が 2819 ですが、無業も入っていますか。これは、 2819 ですから介護を始めたときにエンプロイーだけにしていて、現在が 18 ページのデータですか。そうすると就調で割付ができないと思います。

○三菱総合研究所宮下研究員  2 ページの 2819 には無業者も入っています。例えば 6 ページでは、制度のことを伺っているので。

○佐藤座長 ここに「場合のみ」と書いてあります。

○三菱総合研究所宮下研究員 この設問は正規従業員と非正規社員に限定しています。

○佐藤座長 次の連続して休みの 2819 は、そうではないということですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 そうです。これは絞りができていません。

○佐藤座長 基本的に全部絞ったほうがいい。

○武石委員 つまり対象は、この時点で就業者なのですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 介護のスタート時の就業状況で、絞りをしています。

○佐藤座長  6 ページの絞りが、正社員、従業員と始めた当時企業に雇われた人でいいのですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 はい。

○武石委員  1866 人ですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 そうです、 1866 です。

○武石委員  2819 というのは。

○佐藤座長 この差は無業や自営業の人でいいのですか。この差の 1000 人ぐらい。

○三菱総合研究所宮下研究員 介護の始点においての無業等の人数です。

○武石委員 サンプリングは、現在。

○佐藤座長 現在で取ったのですか。

○武石委員 現在、働いている人。

○佐藤座長 現在は就調に割り付けています。

○武石委員 現在が就調に割り付けているのですか。

○佐藤座長  18 ページが現在ではないですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 サンプリングは介護の開始時点、要するに時点がばらばらなのですが、介護開始時の就業状況についてのデータを使って割付をやっています。

○佐藤座長 でも割付は平成 24 年就調というのは、これが開始時点のそれに割り付けているのですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 ご指摘の通りです。もともとの割付に用いた就調のデータは、平成 24 年のものです。今回の調査対象については介護の開始時点が何段階かに分けられますので、過去の就調との分布は一応確認して、今のところ大きな外れはないのではないかと。

○佐藤座長 もう一度確認します。 18 ページのこれは、就調 24 年そろっているというのは開始時点ですか、今のですか。「従業上の地位」のそろっていますというデータなのですけど。

○三菱総合研究所宮下研究員 平成 24 年の就調と合わせているのは今回の調査対象については、介護開始時点での分布です。

○佐藤座長 これは、開始時点の比率でいいですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 はい。

○佐藤座長 無職の人や自営業の人も一番最初は 2819 に入っているわけですね。途中で幾つか絞った質問もありますが、今のところはかなり全部入ってしまっている。

○三菱総合研究所宮下研究員 ご指摘の通りです。

○佐藤座長 それを踏まえた上で御質問いただければと思います。

○池田委員 一応私が指導して行ったのでお答えします。実務的に言うと、いつの時点で介護を始めた人が該当するのかというのは、事前には分かりません。そこで、平成 24 年度就業構造基本調査をリファレンスにして、配布しました。そうすると当然、前に私の JILPT の研究調査でもお話しましたように、ブルーカラー層はかなり捕まえるのに苦労がいるので、例えば、厚めにまいてもらうとかいう作業は、平成 24 年の就調をベースにしました。

 回収時点の分布というのは、介護開始時点で過去の就業構造基本調査の就業率や雇用形態率、職業比率が分かるので、そこと大きく外れないように結果をそろえるという操作をしました。 18 ページに本来であれば、例えば、介護開始時点が一番近い就業構造基本調査の分布とそろっているということが示せていれば、一番、説得力のある図表になっているのですが、いろいろ、そこのところの整理がまだ追い付いていない段階です。報告書を今作っているということで、 18 ページの図表に細かい整合性が反映できていません。

 なので介護開始時点に関しては、非就業の人がその後就職したとか、自営と雇用と曖昧な働き方をしている人も調査対象にはいるので、そこは最初の時点で雇用に限定するよりは、そこも就調の分布に合わせた上で、その後の介護の流れに沿った動きをトレースするという調査の設計になっています。いいですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 はい、そうです。

○佐藤座長 私は割付はいいと思いますが、分析するところはある程度は雇用者にするということであると。

○池田委員 本来であれば介護開始時の正規雇用、非正規雇用に限定、前半の介護の全体像をつかむというところは就業していない人も当然入ってくると思うのですが、両立に関するところは、正規、非正規に限定して集計すべきところをそこの私の指導が至らずに申し訳ございません。

○三菱総合研究所宮下研究員 もう 1 つ構造的に今回集計する際に難しい部分があって、今回、大体 3 期に介護を分けて伺っています。雇用の有無について、把握しているのは始期と終期なので、一貫して働き続けていた方というのは、ロジック上類推した形で絞り込む必要があったので、そこを手放しで集計させていただいている状況です。

○佐藤座長 どこかで辞めたというのがありました。

○三菱総合研究所宮下研究員  15 ページです。

○佐藤座長  15 ページの所が、これは分母が幾つだ、これは働いていた人ですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 はい。

○佐藤座長  1933 、多分そのような感じですか。

○三菱総合研究所宮下研究員 介護開始時点に働いていた人。

○佐藤座長 働いていて辞めた人が 2 割いて、この 2 割をどうするかはあることはある、ずっと後ろ。開始時点に働いたと限っても途中で辞めた人もいるが、それを入れるか途中で落とすかどうかもあって、その辺は御検討ください。辞めたのが出てくるためにはどこがで働いている、これはすごく大事です。

○両角委員 今の点とも若干、関係があるかもしれませんが、 7 ページの両立の所で、どのぐらい休みが必要でしたか、どれぐらい休みましたかという問いです。これも仕事をしていなかった人は休む必要がないということと、仕事をしていた人でも主たる介護者であった人とそうではなかった人、あるいは、短期で終わった人と 3 年以上の人、在宅で介護をしていた人とそうではない人では、もちろん全然違ってくると思いますので、そこは分かるように内訳を知りたいと思いました。

○三菱総合研究所宮下研究員 ありがとうございます。

○佐藤座長 主たる介護者は、 5 ページで作るみたいです。ですから、 5 ページの上のほうで、私のほかにいませんでしたという 15.2 と、私以外にもいたけれど、自分が主たるというものをくっつけて主たるというものを作るとか、そうすると多分 4 割ぐらいそのような作業をしていただけるというようなことのようです。両角委員の言うように非常に大事なので、サンプルの問題はありますが、可能な範囲、かなり介護の課題は多様なので、それを分かるようにです。

○三菱総合研究所宮下研究員 はい。

○池田委員 今のお話の補足です。今回集計が間に合っていないのですが、今回の調査は介護が終わるまでの全期間を通じ介護の実態や両立の実態はどうだったかが追えるようになっているということと、 3 ページの所の「在宅介護の有無」で在宅でしたかということを聞いているのですが、いつの時点で在宅から施設に移ったかということも実は聞いています。そうすると、全介護期間中の全在宅介護期間が分かるようになっていて、それとは別に、例えば、どのぐらいの短時間勤務が必要とか、どのぐらいのトータル期間の介護休業が必要ということが作れるような調査票の設計になっています。今回はデータの全体像をお見せするということでしたが、今後はそういう集計ができますので、両角委員の御要望に応えられるのではないかと思います。

○佐藤座長 取りあえず今日はトライアルということで、私も全体像も結構大事で雇用セクター以外のいわゆる厚生のほうで。それはそれで、大事な情報なので、それはまた別の形で使えるのではないかと思っています。

○神吉委員 一番最初の「調査対象」です。要介護者の快復や死亡によって介護を終了とあります。多分、快復で終わるのか終了で終わるのか死亡で終了するのかという特に周期でニーズが全然違うと思いますが、これを見ていくと、おそらく死亡による終了がほとんどなのかという感じがするのですが、内訳は分かりますか。もしほとんどいないのであれば死亡で終了する場合としたほうがいいのではないかという印象なのです。

○佐藤座長 骨折時みたいに短期もあるかも分かりません。短期にはそういうのは入っている可能性はあるのかも分からない。

○三菱総合研究所宮下研究員 すみません。今手元にはデータがございませんので事務局から御報告するようにいたします。

○佐藤座長 企業調査でも。企業調査は急ぐ必要はない。よろしいですか。大体、今日の議論の後また、まとめるときなどに使っていくと思います。それでは、個人調査は池田委員にお願いして、ここでの議論の対象層に限定した形で少し分析し直していただく、あと両角委員や神吉委員から出たようなことを分かる範囲内でやっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、先ほど御説明しましたように個別課題の議論に移ります。個別課題については、前回の皆様の意見、議論を反映させたものを資料 2 として用意しておりますので、それについて説明いただいて議論したいと思います。もう 1 つ、本日御欠席の田代委員から事前に御意見を頂いておりますので、それも参考資料としてお配りしております。これを事務局から説明いただいて、続いて資料 2 の総括的課題及び (1) の介護休業と順次、議論したいと思います。事務局から説明をお願いします。

○中井職業家庭両立課長補佐 御欠席の田代委員からのコメントについて紹介いたします。お手元の参考資料 2 です。恐縮ですが代読いたします。(1)介護への対応は、介護保険の活用によるサービスの最大限の利用を前提に、労働者自らが最低限行わなければならないものが何で、そのための必要な期間・日数がどれくらいなのかを、これまでの議論や調査等の結果に基づいて整理が必要と思います。個々のケースでばらつきが多いと思われますが、一般的な平均的イメージでいいので、まとめていただいて、それを基に休業、休暇、短時間等の意味付けを確認させていただいたうえで、分割の問題や短時間等の期間の議論を行い、方向付けを行ってはと思います。

 (2)休業は、あくまでまとまった期間連続して休まざるを得ない状況への対応なので、分割しても、それぞれが一定期間要する場合ということではないかと思います。一方、短時間勤務の期間をどのように設定するかは悩ましいです。育児のように手離れが進んでいくケースとは異なるので、上限について合理的な線引きは難しいですが、勤務を前提にするという主旨からすると休業期間より長くすることは意味があると思います。

 職場マネジメントの実態として、育児のケースに加えて短時間勤務正社員が増えていくことは、業務アサインや人事配置上苦慮することになりますが、社会的に乗り越えないといけない課題として、マネジメントへの意識付けや理解促進を図る取組を進めていくしかないかと思います。

 (3)介護問題への理解促進や実態把握という観点では、当社グループのイメージではキャリア研修、節目研修という名称で 40 代以降に実施する研修の中で、本問題を取上げ、社員の意識喚起と、いざというときのアクセス先を周知しておくこと、及び、年 1 回キャリアについて上司部下で面談する仕組みもあるので、その中で実態を確認していくことが現実的かと思います。

 網羅的に調査して統計的イメージを持つことも必要かもしれませんが、それは国全体の傾向と変わらないと思われるので、個別の事情を職場として把握できる範囲で認識しておくことが重要だと思います。そのためのマネジメント側への教育が必要でしょう。プライバシー尊重の限界はありますが、そういったこともフランクに話せる風通しのいいマネジメントを行っていくことが、両立支援や働き方改革に結び付くことになると思います。

 (4)企業側の負担は、勤務上の配慮にとどめるべきで、賃金補てんにまで、法律上は踏み込むべきではないと考えます。個別の企業、労使で法を上回る優遇された制度を設けるのは、個別の努力であり、取組事例の紹介程度かと思います。介護を理由に休む又は短時間勤務となっても、働き方として認めるというものであり、ノーワーク・ノーペイを原則とすべきと考えます。

 (5)人事部門で社員の支援ができるようなスキルを付けていくことも重要だと思いますが、スタッフが豊富な大企業では、体制づくりもある程度可能かもしれませんが、そうでない場合はかなり難しいと思われるので、例えば、「産業ケアマネ ( 仮称 ) 」の育成等により、公的なアドバイザーとのネットワークづくりが必要だと思います。大企業の人事部員の育成支援という点でも、そのような存在が必要であると思います。

 当社は産業カウンセラー等の資格を持ったキャリアアドバイザーによるキャリア支援制度があり、個別の相談や前述のキャリア教育での講師等もやってもらっています。彼らに対して介護関係の知識も付与して、アドバイスできるようにすることも有効かと考えております。その支援をしていただける体制があると進めやすいと思います。田代委員のコメントは以上です。

 続きまして、資料 2 の「個別課題についての検討(1)」について、前回から修正させていただいた件を説明いたします。総論的課題の所で○の 2 つ目、認知症が増加しているなど、介護の在り方も変容してきているという御意見がありましたので、追加いたしております。また、同じ総論的課題の一番下の○について、前回の御議論を踏まえて、両立支援の整備に加えて、在宅介護・施設介護を含め介護保険サービスやその他福祉サービスの適切な活用も重要。特に高齢者介護は、特別養護老人ホームへの新規入所者が原則要介護 3 以上に限定されたことなどから、在宅介護から始まるケースが多くなると想定される。育児・介護休業法と介護保険サービス等福祉サービスは、利用する側から見ると車の両輪のようなものであるという実態に即して考える必要がある、としております。

2 ページの (1) 介護休業のあり方です。介護休業の期間・分割取得の所について、○の 4 つ目で複数回取得できることとする場合、その回数、最低取得単位、取得可能な期間の範囲についてどう考えるかという論点の中で下線部として、「取得回数のみ限定し、最低取得単位を設けないという方法もあり得るのではないか」という御意見を頂きましたので追加しております。

 また、同じ所の○の 6 つ目の所で、介護休業の定義である「介護をするためにする休業」について、自ら介護をする場合以外も介護休業の対象となるとすることについてどう考えるかという論点に関し、「介護」とは、労働者本人が歩行、食事、入浴等の日常生活に必要な便宜を供与することをいうが、継続就業を図るため、介護のための体制整備の調整等を行うことも、介護休業の対象に含まれていることが分かるようにすべきではないか、という点を追加しております。

3 ページの「介護休業の対象となる要介護者」です。「介護休業等の対象家族の範囲は適切か。」を追加しております。現行は、配偶者 ( 事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。 ) 、また、父母及び子 ( これらの者に準ずる者として、労働者が同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫を含む。 ) 配偶者の父母を追加しております。総論的課題及び (1) について資料の説明は以上です。

○佐藤座長 ありがとうございました。これは、この後また 2 を説明していただいてということになると思います。今日は全部一通り議論していただきたいと思いますので、今 11 時ということは 1 時間なので、それぞれ 20 分弱ぐらいでと思いますので、一通り。もちろん、また時間があれば、積み残しがあればまた議論します。基本的に全部今日議論していただくということで、御協力いただければというのが 1 つお願いです。

 もう 1 つ忘れないうちに、先ほどの個人調査ですが、今回始めたときに、無業の人などは結構意味があるかも分からなくて、家に介護者が居る場合と比較して、つまり働いている人はどういう支援が必要かを見る上では、見えづらいかも分からないので、その辺も少し御検討いただくといいかもしれないと思います。

 総括性課題と (1) 「介護休業のあり方」について、今、修正していただいた所も含めていただいて、これまで論点を入れていただきますが、今まで出たものについてもですが、分割した場合の経済的支援をどうするかも含めて、いかがですか。第 1 案は、皆さんのほうにはかなり入れていただいているとは思うのですが。

○両角委員 基本的に介護休業を分割取得できるようにすることには賛成ですが、今回、最低取得単位を設けないことが考え方として入っていて、別にそれに反対ではないのですが、そうすると 1 日取るとかいうことになると、介護休暇との関係はどうなるのかと。そもそも介護休業をもっと柔軟に分割して取れるようにすると、介護休業と介護休暇が結構近付いてくる気がして、その両方の制度をどう整理したらいいのかが 1 つ必要かと思います。

○佐藤座長  2 ページの追加させていただいた所、基本的には最低取得単位みたいのをやったらどうかと。ただ、多分、回数を制限することは、事実上そちらもコントロールできるのではないかと。だから、期間はある程度、介護休暇と違った形で介護休業を使うという前提で、そのやり方として介護休業の最小取得単位みたいのを決めるのか、あるいは回数でと。ただ、その場合、回数でやるとどうかという御懸念があるという御発言だと思いますが。

○両角委員 別に何か、そうすると極端に。だから、介護休業の日数をもっと、後 10 日足して、それで自由に取っていいみたいにしてしまうと、結局、両方を含めた制度みたいになるので、だから、そういうのに近付いてくるのかという気がします。

○佐藤座長 これは池田委員が言ったのでしたか。違いましたか。

○池田委員 そうだと思います。現行の介護休業の規程が最低取得単位を設けていないので、そうすると、最低取得単位を新たに設けなくてはいけないということになるのです。ただ、そうしなくても、取得回数を規定すればその範囲で取れるようになります。たとえば 2 回という規定にした場合、 2 回だから「 1 日と 92 日」という発言をしましたが、実際はあまりそういう取り方はしないだろうと、そういう想定の発言です。介護休暇があるわけですから、介護休業はある程度まとまった期間で取ると思います。

○佐藤座長 多分それですよね。

○池田委員 はい。

○佐藤座長 だから、介護休暇との違いは分かるようにするということはあるわけですね。

○池田委員 はい。

○佐藤座長 ただ、確かにそこが分かりにくくなる可能性はありますね。

○池田委員 はい。

○佐藤座長 それはよく分かります。これは難しいでしょう。だから、介護休暇を入れたときに本当は少しかけておいてもらったほうが、本来は得かも分かりません。確かに、その辺は検討課題だと思います。この回数だけだと、なぜ趣旨が回数かは、説明がないと分かりにくくなってしまう可能性はあります。もし後者を選ぶ場合は、それは少し考えておいたほうがいいかも分かりません。

○中井委員  2 点ありまして、分割取得ですが、これから議論を深めていく中にあるかと思いますが、総論にも出てきましたが、在宅から始まるのが前提になっていますので、在宅から始まり、もしかしたら医療術をしていく上では、どうしても施設介護に頼らざるを得ないという声も多く聞きますので、施設介護に頼る。そうして終末期という流れが想定できるので、そういったことも含めて回数は設定していかなければいけないかと考えています。

2 点目になりますが、介護休業の在り方と期間になりますが、勤務をしながら介護をするのが前提といったところは、非常に理解をしているところではあります。ただ、一方で、例えば、今、介護休業を施設に入るまでの期間、やむを得ず休業を取るという方もいらっしゃいまして、そうしたときに、有料老人ホームですと比較的早く入れるけれども、特養にはなかなか入れないという声も職場のほうで聞きます。実際、そういったところで特養を含め有料老人ホームの施設に入るまでにはどのぐらいの日数がかかるのか、そこら辺は地域によって非常にばらつきはあるのかもしれませんが、そういったことも若干踏まえて検討していただければと思っています。

○佐藤座長 それは分割あるいは連続でも 93 日で、場合によっては足りないかもしれないという趣旨も含めてということでよろしいですか。どうするかは、そこら辺難しい。今回のデータで足していけば分かるのですか。

○池田委員 今回のデータで足していけば分かるようになっています。今、最低限こういうことは言えるかというのが、先ほどお配りした個人調査の 7 ページで、結局、連続した期間、仕事を休む必要がどういう場面で生じるのかが、 7 ページの(3)の連続した休みのために必要な日数を聞いている質問ですが、介護が始まった当初の時期と、終わる時期と、その間の時期と、それぞれに大体 1 週間ぐらい休む必要があるという回答が日数として上がってきているので、例えばこれが同一の人で起きていることであれば、最低でも、今、介護休業を想定して、最初だけではなくて、ターミナルにもう 1 回と。その間には期間が長くなったときに、あと 1 回とか、 2 回とか、そういうのが実態ではないかということが、それが多分集計で見えてくれば、そういう制度を作れるかと思います。

○佐藤座長 あと、これは法定のあれで言うと、期間も中央値で見るのかどうかとかですね。あと、確かに、特養も場所によって相当違うので、大企業の場合は別ですが、割合、特定の地域しか展開しないと、その地域の事情も普通は結構入りやすい所と、今、都市部は入りにくいと思うので、それは今度は個別企業の対応かも分かりませんが。

○石山委員 私もちょうど池田委員と同様に、個人調査の 7 ページについてお話をしようと思っていたところなので、内容はほぼかぶっているのですが、もう 1 つ加えて言うのならば、 7 ページの一番下のイ ) ですが、「 1 週間を超えて休んだと回答した人が仕事を休む回数」についても参考になるのではないかと思います。 6 回以上という方が 33.8 %と最も多くなっているので、ここについてもう少し詳しい内容が分かるといいかと思いました。詳しい内容の 1 つとして、 3 ページの要介護になった原因疾患のうち、多かった上から 3 つのものについて、ここが該当するのであれば、要介護者の状態として多くの方が 6 回以上ということになるならば、確率は高いと思うので、そのあたりも併せて見ていただくと参考になるのかと思いました。

○佐藤座長 これは皆さん、多分、分割取得という方向が考えが多いかもしれません。そうすると、経済的支援、つまり雇用保険をどうするかは同時に考えなくてはいけなくて、特に短い、 93 日という前提で言うと何回かと、 1 回が結構短いですよね。これはその都度やるかどうかと、テクニカルなことは併せて考えなくてはいけないかと思っています。それに何か御意見があれば、経済的支援が主ですね。

○池田委員 これは確認ですが、今はその当月ごとに払ってもらうと、そういう仕組みでしたか。

○蒔苗職業家庭両立課長  1 回ですから、終わったときに払えば、ちょうどいいです。

○池田委員 終わったら 1 回。今、払って 1 回だから、終わった段階で異なるわけですね。

○蒔苗職業家庭両立課長 終わった段階でです。

○池田委員  2 か月取れば、 2 か月終わったときに。

○蒔苗職業家庭両立課長 終わった後に、多分、申請期間があって。

○池田委員 現状は申請期間がある。

○蒔苗職業家庭両立課長 はい。

○佐藤座長 そうすると、今度もし 3 週間取って、申請して、また半年後に何とかというふうなのが出てくる場合、どうするかですよね。

○蒔苗職業家庭両立課長 それは検討ですね。

○佐藤座長 そのことは少し考えておかなくてはいけないので、育休とはその辺がかなり違うので、事務手続も増えてしまう。企業の場合もあるだろうし、その辺は少し考えなくてはいけないかと思います。あと、介護休業の定義は書き込んでいただきまして、少し広めにということかというのが、多分皆さんは。法律上変えるかどうかは別として、そういう解釈として入れると。実態としては、企業などを見ると、実態としては運用はそうされているわけですよね。では、 1 度戻ってくる前提で、次へ行きましょうか。そのほうが時間的には。急ぐという意味ではなくて、一応全部行ってから、また全体を戻る形で。では、 (2) をよろしくお願いします。

○中井職業家庭両立課長補佐  (2) について御説明をさせていただきます。 (2) 「介護期の柔軟な働き方の充実」について、こちらは 5 ページに幾つか追加をさせていただいています。「介護のための柔軟な働き方に関する制度」の四角の所について、 1 つ目、「所定労働時間の短縮措置について、 93 日から切り出すことについてどう考えるか」という部分について、「介護と育児では必要とされるフレキシブルワークのあり方が異なっており、短時間勤務 (1 日の所定労働時間を短縮する措置 ) や所定外労働の免除を定常的に行う以外のニーズが、介護の場合は生じやすいのではないか」を追加しています。

 ○の 3 つ目、「その他の柔軟な働き方 ( テレワーク、残業や休日労働を免除する所定外労働の免除の制度等について ) に関し、遠距離介護等の場合はテレワークが有効なのではないか。あるいは、先ほどの同じもの、「介護と育児では必要とされるフレキシブルワークの在り方が異なっており」という部分を再掲として書いています。

 ○の4つ目として、労働基準法改正案において盛り込まれた「清算期間を最長 1 か月から最長 3 か月に延長することで、柔軟な働き方を可能とするフレックスタイム制の見直しも活用できるのではないか」と追加しています。

 これについては、資料を準備しています。お手元の参考資料 1 、こちらは前回も提出したものですが、この中に参考資料 1- (9) -2 があります。こちらは後ろから 5 枚目ぐらいにありますが、「フレックスタイム制の概要」という資料を御用意しています。こちらは参考までに御紹介しますと、フレックスタイム制とは、労働者が各日の始業、終業の時刻を自ら決めて働くことができる制度です。 1 か月以内の一定期間、こちらは清算期間と呼んでいるのですが、これと総労働時間を決めまして、その枠内で働くことになります。今回の労働基準法の改正案では、この清算期間について、従来 1 か月以内、こちらにあるように 1 か月以内とされていたものを、最大 3 か月と改正する案となっています。資料の下に図がありますが、所定労働時間を超える山になっている部分が、時間外労働にならない部分と、所定労働時間を下回る部分を下の山になっている部分、こちらを調整する期間が 1 か月となっている所を 3 か月とするものでして、より柔軟な働き方を可能とするものとして考えられているものです。資料の説明は以上です。

○佐藤座長  1 つは、介護休暇を少し時間単位でと、これは石山委員から在宅ということでいうと、ケアマネージャーと月に 1 回。ただ、 1 日中ではなくて 1 2 時間というお話で、そうすると、そういう話になりました。ところで、 5 ページだと、例えば、そうであれば午前中 2 時間だったら、午後在宅などということもあるかという話もあって、もう少し柔軟なということです。

 もう 1 つ、これは余り議論されていない、上の短縮措置を 93 日なかったら入れるか出すかは、結構大きな話で、これは余り議論しなかった感があるので、その辺などの御意見を少し伺えればと思います。現状では、あれは育児と同じですから、昔の選択制就業規則みたいな形で 93 日の中にあるでいいですか。基本的には同じものが全部入っている。

○中井職業家庭両立課長補佐 全く同じではなくて。

○佐藤座長 この後ろにある、参考資料 1- (6)に確か。同じではないのか。

○中井職業家庭両立課長補佐 全く同じではなくて、介護のほうで入っておりますのは、短時間勤務制度、フレックスタイム制度、始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ、これはいわゆる時差出勤の制度で、介護サービスを利用する場合に、その費用を助成する制度で、所定外労働の免除が恐らく入っていないです。

○佐藤座長 時間外の免除がないわけですね。そこをどうするか。論点が幾つかありますよね。それを入れるかどうかと。 93 日の中だけれども、時間外免除みたいなのを入れるかどうかは、あるかもしれないと。いかがですか。

○武石委員 介護休業と介護休暇の整理で言うと、介護休業は給付金が出るのが制度的に一番違っていて、これは 93 日の中で短時間勤務を取っても、そこの部分の短縮分に対して給付金は出ないですよね。

○佐藤座長 そうですね。

○武石委員 ということで、介護休業はある程度公的な所得保障を裏付けにした長期のまとまった休業という整理をする。柔軟な働き方は、一応、基本的に介護休暇の介護休暇の必要な期間は、月 5 日は、介護が 10 年続いても出るわけですよね。

○蒔苗職業家庭両立課長 毎年取れます。

○武石委員 取れますよね。

○蒔苗職業家庭両立課長 はい。

○武石委員 そういう介護が必要な間にフレキシブルな働き方ができるという整理のほうが、金銭的な裏付けとの関連で整理しておいたほうがいいのかという気がしています。

○佐藤座長 期間をどうするかは別ですよね。

○武石委員 はい。

○佐藤座長  1 つの御意見で、ほかには。ここは余り議論してなかったのではないかと思うので。

○池田委員 その期間をどうするかというときに、先ほどアンケートで 1 年以内の人、介護期間が大体 1 年以内が 4 分の 1 で、 3 年以内が半数というのが出てきて、大体中央値で 2.7 。ドイツの場合は、中央値を取って時短勤務の最長期間を決めているという話を前にさせていただきました。

 もう 1 つ、今日、田代委員がいらっしゃらないのでお話を聞けないで残念なのですが、企業調査で法定を上回る短時間勤務の期間は、なぜ、そうしているのですかというと、育児等の他の制度に合わせてというのがあって、これは多分管理するほうの立場からすれば、子育てで早く帰る人も介護で早く帰る人も、同じ制度でそろえておいたほうが管理しやすいのかと思います。そうすると、今、子育ては 3 年が 1 つ目安であるので、介護も 1 3 年ぐらいのところは、企業にとっては、それでくくって管理してしまうほうがしやすいのだったら、そこは 1 つ現実的なラインかということを、感想として持ちました。

○佐藤座長 ただ、企業が育児のほうとそろえているのは、よく知らないで、制度的にそろえたと。これも実はかなり大きいので、内容を理解している。本当はそろえてはいけなかったのかもしれない。違うものを同じものだと思っていた可能性もあるので、そこはちょっとね。

○中井委員 今も期間が休業と合わせてということになっていますので、休業を使ってしまったときに、短時間が使えないというケースが出てきてしまう。そういうケースもあるので、そこはできれば切り分けの方向で考えていただければと思います。

 あと、フレキシブルな働き方という意味では、フレックス等とも変わってきますので、ありますが、中でも私たちの電機産業でも、どうしてもライン業務に就いている従業員もいます。そういった皆さんはフレックスタイムが使用できませんので、そういったところでの時間調整ができませんので、そういった方にとっては短時間勤務も有効ではないかと思いますので、御検討いただければと思います。

○佐藤座長 そのときに選択的措置義務として入れるのか、育介法のときも取り出したみたいに、それは短時間勤務がいいのか、残業免除がいいのかどうかだけれども、それはもう 1 つ議論としてはあるかと思います。あとは、介護の場合、連続してというふうにするか、介護休業を通算 1 年とか、それは分割でというふうなのも考えるほうがいいのかですね。それはいろいろ議論があるかとは思います。

○中井委員 今回、発表いただいた調査の中でも、既に介護の短時間勤務を導入されている企業が 7 割あられることを考えると、全ての企業できちっと導入していただけるようにということで、切り分けて入れることも手かと考えています。

○佐藤座長 もう 1 つ、子育ての場合は親が 2 人で、介護の場合は兄弟で分担もあるので、そうすると、連続して取る必要な場合もあれば、週に 1 回単日で、いろいろな。だから、それは法律で書くかどうかは別だけれども、その辺は結構難しい面もあるかと思います。

○神吉委員 先ほど中井委員が指摘された点と関係するのですが、フレックスタイム制の見直しも活用できるのではないかと、この意味ですが、これはどういう方向性かと、多分 2 つあって、こういうフレックスタイム制があるから、こういった介護の場合に適用させていくべきなのだという方向なのか、それともこれがあるから特に介護に特化した措置は必要ないという方向に行ってしまうのか、それで多分受け取り方が大分違うと思うのです。例えば、今、労働基準法に年次有給休暇という制度があって、実際、すごく介護に活用されていますが、果たしてそれが望ましいことなのかどうかという話とも関係すると思うのですが、フレックス制がいいと、清算期間が延長したということ。これを介護の観点から見て、プラスに考えるのかマイナスに考えるのか、ライン業務に適用されないという問題もありますし、そういったことも考えていく必要があるかと思います。

○佐藤座長 あと、これはほかの所に関わるのですが、法律上どうするかということと、もう 1 つは、企業の雇用管理としては、こういうことをやっていただくこともありますというふうに書く部分と、両方あると思うので、今、それは多分そういうことだと思うので、そこは少し検討しなくてはいけないかと思います。御指摘のとおりです。つまり、ここも組合せになるので、ミニマム、分かりませんが、これは法律上変えるという方向で、あとは、これは企業のあれでこういうものの組合せで考えていただきたいという提案もあると思うので、それは少しきちっと書いていかなくてはいけないと思います。

○両角委員 私も制度の目的からいっても、介護休業は取りあえず休んで介護に専念する制度であり、柔軟なほうは、とにかく働きながら介護もするという制度なので、 93 日という中に両方入れるという合理性はそもそもないかと思います。そうなので、これは切り離したほうがいいかと思いますが、議論になっているように、いったい何年までにするのかとか、何をメニューに入れるのかは問題としてあって、所定外労働免除が今、育児にしかないのですが、それを介護から外したままでおく理由は何かあるのかと。余りない気もします。そうすると、その中のどれかを、どうなのでしょう、職場ごとに選んでやることがいいのか、全部義務付けることがいいのか、そのあたりが問題かと思います。

○佐藤座長 これは今日ではなくていいですが、なぜ育児のが選択制で違ったかは、そのうちでいいです、今日でなくていいです。介護はなぜ違うのか。

○中井職業家庭両立課長補佐 解釈通達にありまして、作った当初は、組み合わせる介護のサービスがないという理由で入れていないのが解釈通達に残っています。

○蒔苗職業家庭両立課長 保育でお迎えがあるということで、そこを免除してあげると、保育サービスとマッチしてお迎えができるということでこれを作ったということです。

○佐藤座長 残業しないで保育園に迎えに行く。

○蒔苗職業家庭両立課長 そうです。そういう趣旨で育児のほうに入ったのです。

○佐藤座長 そうだったわけですね。

○蒔苗職業家庭両立課長 はい、そういう意味です。

○佐藤座長 つまり、デイサービスなどの時間が残業免除では間に合わないと。趣旨かな。もしかすると、短時間勤務ではなくてはということなのですか。一番最初の頃のデイサービスは、もともと 10 時から午後 4 時、それでいいですか。今は 5 時だろう。

○石山委員 今回の改正で延長が。

○佐藤座長 はい、延長になったのでね。

○石山委員 はい、そうなので、かなり長かったのだけれども。

○佐藤座長 だから、当時は多分 10 時から午後 4 時で。

○石山委員 はい。

○佐藤座長 その関係もあったのかも分かりませんね。だから、今回、そちらが動いたこともあるから、もしそういう趣旨であれば、説明としてはあり得るかも分かりませんね。

○池田委員 前回コメントさせていただいたのですが、短時間勤務制度だけだと、これは所定労働時間を短くするだけなので、子育ての助成でも、時短だけれども残業しているという場合ですかね。だから、所定外労働をさせないということは、それはそれとして時短とは別に必要だと思います。どちらかというと、両方があって初めて早く帰れるのが現場の実態ではないかと思うので、そこはもう 1 回参考までにということで。

○佐藤座長 テレワークとか、この辺はいかがですか。遠距離介護とか、こういうことでどうかということですが。

○池田委員 選択的措置義務のメニューの中で、それを期間として延長するか、どれか 1 つを単独で義務化するかということですが、介護をしながら働くということの実態がいろいろなので、例えば短時間勤務が余り必要ないという人もいるので、そうするとある程度一定の期間の中でミックスさせながら複数のメニューをやり繰りするほうが、介護の実態にも合うのではないかというのが、感想として持っています。

○石山委員 池田委員の御意見に付け加えさせていただきますと、短時間勤務が必要のない人もいるということと、あとは、 1 人の人であっても、要介護者の状態の変化によってその働き方を変えていかないといけないという段階がありますので、選択できるほうがいいのではないかと思います。

○佐藤座長 だから、選択的措置義務は、法律上は本人が選択できるわけでもなくて、会社がどこか 1 つを措置すると、複数措置してもいいのだけれどもね。だから、多分そこを池田委員も石山委員も、本人が選べる形がいいということですよね。だから、それは法律でどうなるか。

○両角委員 制度で義務付けるということも。

○佐藤座長 全国的に。法律上はそうなるわけですね。それは結構抵抗があるけれどもね。

○武石委員 だから、措置できる義務を幅広く導入することが望ましくて、全部やれというのはなかなか難しいと思うので、それをどうするか。

○佐藤座長 それは難しいですね。

○武石委員 もう 1 つ、フレキシブルの働き方の期間ですが、育児は 3 歳ぐらいで手が離れるということで、 3 歳までの義務は合理的だと思うのですが、介護はだんだん重くなっていくとか、状況が分からない中で、期間をトータルで 1 年とか、やはり難しいのかという気がするのと、短時間勤務は時間が短くなってしまうのですが、例えば所定外労働の免除とか、フレックスタイムは、働くべき時間は働くわけですから、そこまで上限を決めるのは何か趣旨としてどうなのかという気がします。

○佐藤座長 ただ、これが難しいのは、ばらつきが大きいのですね。だから、介護休業も 93 日。だから、どこかである程度ドイツみたいに中央値と。もちろん、ばらつきがあるのは事実で、ここは企業の労使の実質的努力でそろえればというふうに考えるかね。つまり、一番長いところまでというと、これは相当長くなりますね。 10 年とかということにもなるので、これはなかなか法律の裁定は難しいかと。だから、その辺をどういう考えでいくかと。確かに子育てのようにいかないのは、事実ですよね。標準がある程度決められるのとは違うので、それは確かに御指摘のとおりです。ここは結構難しいかもね。

○池田委員 そうですね。結局、今回の個人調査のときにトータルの在宅介護期間を 10 年ずっと在宅でやっているのか、途中で施設に移行して在宅にというところの 1 つの見極めで、田代委員のコメントにもあるように、どこまで保険とかサービスでカバーして、どこを働き方で調節するのかということを、全部をサービスだけというのは無理です。全部在宅で働き方で調整を現実的ではないと思いますので、そこはデータを見ていく必要があるかと思いました。

○佐藤座長 ほかにありますか。ここでの議論は当然ですが、普通の働き方をまず変えるのが前提で、それを放っておいて残業ベースが短時間勤務では困るので、やはり普通の働き方を変えていく。だから、ある面では残業免除がなくても、実はそれほど残業がないとか、今日は定時で帰るというのが、当然進めていくというふうにしながら、だけれども多方では制度も必要なのでというふうにまとめていただくといいかと思っています。

 では、いいですか。次に (3) 、それでまた戻ってきます。

○中井職業家庭両立課長補佐 それでは、論点ペーパー (3) 「その他」を御説明します。まず、「労働者のニーズ把握」です。○の 1 つ目の「労働者の仕事と介護の両立に関する全体のニーズについて会社側が把握できるようにすることが重要であるが、どのような仕組みとすべきか」に、「企業においてその実情に応じて従業員の状況を把握することができるよう、まず国等が社会全体としての労働者ニーズの収集・周知を図るべきではないか」を追加しております。また、○の 2 つ目の「現状においては会社として個々の労働者が介護を行っているかどうか把握が困難であるが、どうすれば把握が可能となるか」という点について、「個々の企業では従業員のプライバシーの問題があり限界がある。国から情報提供を行い、それに対して従業員からの問合せ等でニーズを把握するという方法があるのではないか」という点を追加しております。

 それから、 7 ページ目の「ケアマネジャーの役割」に関してなのですが、前回、石山委員よりケアマネ研修の内容について御指摘があった件について、老健局より資料を御用意いただいておりますので、御説明いただきます。

○川島老健局振興課長補佐 それでは、参考資料 3 を見てください。ここについては、家族を支援する上で重要な役割を担っているケアマネジャーに対して、両立支援制度をしっかりと学んでいただく場が必要なのではないかということだったかと思います。ケアマネジャーに対しては、ケアマネジャーとして勤務するに当たって研修を受けることを義務付けられていますので、その中でケアマネジャーに対して、この両立支援制度を学んでいただければよいのかなと考えています。

 実際に、その研修については都道府県が実施しております。その都道府県を支援するために研修の質の確保と平準化を図ることを目的として、研修指導者のためのガイドラインの作成をしております。昨年度にガイドラインの作成をしておりますが、その中には両立支援制度についてまだ盛り込まれておりません。今年度、更にそのガイドラインについてブラッシュアップするということで、今年度事業を計画しております。その研修のカリキュラム内容に、家族に対する支援が盛り込まれておりますので、その科目の中において、この両立支援制度を学んでいただくということを今考えています。

○佐藤座長 今年度にやるということ。

○川島老健局振興課長補佐 昨年度からやっているのですが、今年度、また更に内容をブラッシュアップするということです。

○佐藤座長 それでは、今御説明いただいた内容も含めて「その他」ですが、ニーズ把握のところは、企業として社員が介護があるかどうか分からないと支援ができませんので。ただ、ここにあるように会社側から聞き出すというのは難しいので、やはり本人に言ってもらいやすくということが大事だよという方向に持っていくのが基本かなと思います。

 あと、労働者への情報提供はこれまでもありましたように、会社の制度を十分知らないだけではなく、介護保険制度の内容も知らないというので、この両方についての情報提供をどうするかと。

 あと、在宅から始まるということで、既存調査でもケアマネジャーに相談するというのは結構多いので、相談したときにやはり両立についてもある程度アドバイスを得られたらどうかということで、これを入れさせていただいています。これは、人事の人もワーキンググループに入っているのですか。福祉関係の人だけで検討しているのか。

○川島老健局振興課長補佐 そうですね、人事関係の人は入っていません。

○佐藤座長 是非入れるように御検討ください。私は嫌ですが、是非入れていただくといいかなと思いますので。いかがでしょうか。

○石山委員 ケアマネジャーに対する周知という所についてです。参考資料 3 3 つ目の○に「家族に対する支援に係る科目において」とあるのですが、そうすると、以前の資料で。

○佐藤座長 第何回ですか。

○石山委員 第 3 回の資料です。そちらのページ数ですと 22 23 ページですね。第 3 回の 22 23 ページにこのカリキュラムが書いてありまして、黄色で塗っている所が家族の支援の部分になるのですが、ここについては厚生労働省から示された要綱に「仕事と介護の両立について」という文言があるので、ここは私が執筆担当だったので、これは入れました。

 ただ、前回御指摘したのが、 21 ページの実務研修のカリキュラム、表の右側の上から 2 つ目、ケアマネジメントに係る法令等の理解ですね。法令に関する理解の中に育児介護休業法が盛り込まれていないので、演習ではやるのだけれども法令の理解がないという状態で、整合性がとれていないので、まず法律の理解が必要である。その背景が何かという理解を持った上でないと、恐らくきちんとケアプランが立てられないかなと思いましたので、こちらに組み込んでいただければと思います。

○川島老健局振興課長補佐 そうですね。その研修科目の中に盛り込むことになりますが、法令等の理解の科目は、時間数も少ないこともあって、大枠の部分をそこで学んでいただくことになるかと思います。ただ、実際の中身については、各カリキュラムの中で、家族を支援することの重要性や目的を理解するであるとか、ほかの科目の中においても、家族を支援するための視点というところで幾つか盛り込まれております。そういった中で、しっかりと触れていくということもあると思いますので、そこも含めて平成 27 年度では検討していきたいと思います。

○佐藤座長 多分、企業として当然、法定の制度、就業規則を整備し社員に伝える。これはやっていかなければいけないのですが、なかなかそれだけでは働いている人に伝わらない。ですから、やはりケアマネジャーが、例えば昼間仕事が休めないのですよと言ったときに、介護休暇がありますなどと言っていただくことも結構大事かなと思うのです。つまり、介護休暇が勤務先に整備されていても、本人が知らなかったりするわけですよね。だから、その辺を両方でやっていくといいかなと思います。

 あと、家族に対する支援も、これは多分、海外でいうと就業している家族への支援という、だから働いていない家族も働いている家族も両方支援するというのは結構明確に打ち出してきているので、何かそういうのがあるといいなとは思います。ほかには。

○神吉委員 「労働者に対する情報提供」の部分です。 1 ページで今回追加された所との平仄を合わせるということなのですが、この「介護保険サービスやその他福祉サービス」というふうに広げた点からして、この介護保険にこの部分をフォーカスしているのですが、ここの介護保険とケアマネジャーの役割を、石山委員などが非常に充実させてくださっている。これをほかの福祉サービスにもいかせるような、これをモデルケースとして広げていく足掛かりなのだという位置付けのほうが、今後広がりがあっていいかなと思います。

○佐藤座長 そうですね。確かに大事な点だと思います。ほかにはいかがでしょうか。そうしたら、前のほうからでも、あと 15 分くらい全体について御意見を伺えれば有難いのですが。

○池田委員 介護休暇、先ほど介護休業と介護休暇の区分けがという話もありましたが、介護休暇の半日単位や時間単位のニーズというのは、もう 1 つの検討課題であるかなと思います。 4 ページに。

○佐藤座長  4 ページのですね。

○池田委員 最近、例えばケアマネさんと会うのに、まるまる 1 日休まないで半休とか、あるいは中抜けといって就業時間中に少しお昼をまたいで出るとか、そういうことをやっているケースは割と出てくるのですよね。年休も基本は 1 日単位ということで考えれば、これに対応できる制度はまだない状況です。実態は企業レベルでは半休や時間給でやっているということなので、これも裏付けになるようなデータを取っているので、そこは今後合わせて休業と休暇の関係を考える上で、どういう性質のものとして考えるのかというときに、両方合わせて考えていいかなと。あるいは、介護休暇の日数を増やすというのも当然あると思います。

○佐藤座長 これは、半日で取れるようにしないと、石山さんが言ったように月に 1 回というのをカバーできないということもあるので。ただ、これを伸ばすというのもなかなか難しいかも分からないので、もちろん 1 人だけではないので、皆で分割できれば、半日にすれば 10 日というか 10 回分にはなるので、その整合性でもやはり半日単位みたいな議論は大事かなとは思います。

○神吉委員 正にその点に関しては、非常に重要な指摘だと思います。今、池田委員が言われたように、年次有給休暇というのは 1 日というのを原則としていますが、これは制度上というのももちろんそうなんですけれど、この制度趣旨として、やはり年休は労働者の心身のリフレッシュのためというところから 1 日単位としているわけです。それを堅持した上で、やはり介護休暇はそうではないのだ、介護に対するニーズなのだということで半日単位とするということで、今非常に有休自体が介護に使われていますが、本来は違うのだということを明確にする必要がとても高いと思っています。

○両角委員 介護休暇については本当にそのとおりだと思います。あと、先ほど少し出た、短縮勤務やフレックスタイムなどの柔軟な働き方なのですが、確か、もともと介護休業を法制化したときには、脳出血などで倒れて、倒れた人が急性期が終わって落ち着くまでが大体 93 日みたいなモデルがあったと思うのです。多分、だからもう今はそれが典型的なモデルではないというか、 1 つではあるのでしょうけれど、もう少しいろいろあって、例えば認知症を発症したみたいなモデルも考えてみて、統計の中央値ももちろん大事なのですが、そういうモデルで大体どのぐらいなのかということが分かると、少し考えやすくなるかなと思います。

 あと、先ほど佐藤先生が言われた、 5 日では足りないけれど、いろいろな人がやればというところで、いろいろな人がやるには対象家族の範囲をもう少し考えて、やはり同居していない兄弟姉妹など、これから結構。

○佐藤座長 介護の場合は確かにね。

○両角委員 祖父母など、何かありそう。私も独身の兄弟がいるのですが、考えると結構、今後ニーズはあるかなという気もします。

○佐藤座長 だから介護休業と介護休暇のほうが、もしかしたら対象家族を広げるというのはあり得るかもしれない。介護休暇ももしかしたらね。

○両角委員 はい。それも十分あると思います。

○佐藤座長 実態としてはそういう可能性はありますね。

○両角委員 はい。

○佐藤座長 難しいけれど、確かに実態としてはそうです。ほかには。大体議論していただいているという感じでいいですか。丁寧にまとめていただいて、今日も大事な論点を、何かもう少し議論していただきたいところはありますか。大体いいですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 そうですね。大体一通り御議論いただいていますので。

○佐藤座長 それでは、今日は大体議論していただいたという理解でよろしいですか。そうしたら、少し早いですが、本日の議論はここまでとさせていただきます。この前と同じように、本日の議論を反映したものをまた事務局で整理していただきたいと思います。介護についての議論は今日、もちろんまとめたものを出していただきますが、その後で育児、仕事、子育てに移るのでいいですかね。育児期の柔軟な働き方や、男性の仕事・子育て両立支援について御検討いただくということで。ただ、次回は最初に今日のまとめを出していただくのですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 そこも少し検討します。

○佐藤座長 そうですか。一応、最後にもう一度議論します。取りあえず今日は介護ということで、次回から子育てでいいですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 そうです。あとは昨年度の委託事業の。

○佐藤座長 それがあるのだ。

○蒔苗職業家庭両立課長 次回考えていますので、そことの組み合わせで、どちらで出すのがいいかを検討させてもらいます。

○佐藤座長 そうですね。今日も精査していただいて、いろいろな意味で今回の調査が非常に大事みたいなので、先ほど出た期間や組み合わせをどうするかというのは、介護の実態が、もしかしたら多様だけれど幾つかのタイプごとに見られるというのがあるといいかもしれませんので、それを御検討いただくようにしたいと思います。そういう意味ではまだ議論する時間はあると思いますが、取りあえずは介護はここまでで、あとデータを見ながら少しアディションしていくという形でさせていただければと思います。それでは、次回の日程について事務局から説明いただきます。

○中井職業家庭両立課長補佐 本日は誠にありがとうございました。次回の日程は、 5 15 ( ) 午前 10 時から 12 時です。場所については、事務局より追ってお知らせいたします。

○佐藤座長 少し早く終わったのはいいことだと思います。それでは、ここで終わりにさせていただきます。どうもありがとうございます。


(了)
<<照会先>>

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
電話 03-5253-1111(内7864)

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