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2015年3月12日 第27回先進医療技術審査部会

(了)


第27回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成27年3月12日(木) 16:00~17:10

(2) 場 所:一般財団法人主婦会館プラザエフクラルテ(地下2階)
(東京都千代田区六番町15)

(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、一色構成員、
伊藤構成員、上村構成員、佐藤構成員、柴田構成員、
関原構成員、大門構成員、田島構成員、田代構成員、
直江構成員、藤原構成員、松山構成員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 再生医療研究推進室長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長

議 題:
1. 新規申請技術の評価結果について
2. 総括報告書の評価について
3. 試験実施計画の変更について
4. 協力医療機関の追加について
5. 先進医療の取り下げについて
6. その他

議事録:
○猿田座長
 それでは時間がまいりましたので、第27回「先進医療技術審査部会」を始めさせていただきます。
 先生方におかれましては、年度末で大変お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 本日の構成員の出欠状況でございますが、手良向構成員、山本構成員、山中構成員の3名から欠席の届けをいただいております。
 そういったことで、18名の構成員のうち15名の構成員にお集まりいただいているということで、本会議が成立していることをお知らせいたします。
 なお、本日の新規技術の評価を担当して下さった戸山技術委員はどうしても出席することができないということで、評価結果だけいただいており、後ほど事務局から説明をしていただきます。
 それでは、配付資料に関しまして事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。配付資料につきまして確認させていただきます。
 議事次第から始まりまして、座席表、開催要綱、運営細則、構成員及び技術委員名簿と続きます。
 次に「新規申請技術の評価結果」として、資料1-1ないし1-5がございます。
 次に「先進医療Bの総括報告書に関する評価」として、資料2-1、2-2がございます。
 次に「試験実施計画の変更について」として、資料3-1、3-2がございます。
 次に「協力医療機関の追加について」として、資料4-1、4-2がございます。
 次に「先進医療Bの取り下げについて」として、資料5がございます。
 会議資料の最終ページは63となります。
 本日の資料は以上でございます。乱丁・落丁等がございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 それから、利益相反についてです。
 申請医療機関との関係や対象となる医薬品・医療機器・再生医療等製品の企業等について、資料1-1、13ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報をごらんください。
 申請医療機関との関係、対象となる企業、または競合企業に関して事前に確認をさせていただいております。
 今回は、どなたからも事前に申し出はございませんでした。なお、事前の届け出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場にて御報告をお願いいたします。
(確 認)
○医政局研究開発振興課専門官
 なしということでよろしいですか。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届け出書類等についてはタブレットから閲覧していただけます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される方は会議資料の何がしページ、またはタブレットの何がしページとあらかじめ御発言をいただけますと、議事の進行上、助かりますのでよろしくお願いいたします。
 以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 特に問題なければ、早速議事に入りたいと思います。
 まず最初に、新規申請技術の評価結果につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 なお、撮影されている傍聴者の方がいらっしゃいましたら、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
 では、資料1-1、13ページをごらんください。
 今回、先進医療Bとして新規に御評価いただく技術は1件ございます。整理番号045「欠損を有する半月板損傷に対するコラーゲン半月板補塡材を用いた治療法」です。
 適応症は、半月板損傷になります。
 申請医療機関は、大阪大学医学部附属病院です。
 なお、今回は、会議開催日程の都合上、開催要綱の「8 持ち回り開催」の規定に基づき、先進医療会議にてあらかじめ書面にて意見集約を行い、本技術が先進医療Bとして振り分けられたことを申し添えさせていただきます。
 審査担当構成員は、主担当が伊藤構成員、副担当は大門構成員、田島構成員でございます。また、戸山技術委員にも御担当いただいております。
 資料1-5、33ページをごらんください。
 審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より御説明いたします。
 まず、実施責任医師の要件として、診療科は整形外科。
 資格は、整形外科専門医が必要。
 当該診療科の経験年数は6年以上必要。
 当該技術の経験年数は必要。
 当該技術の経験症例数として、こちらは全て不要となっております。
 その他の条件といたしまして、関節鏡下半月板縫合術・切除術について経験年数4年、かつ術者として20例かつ助手として40例の経験を要するとなっております。
 医療機関の要件といたしまして、診療科は整形外科。
 実施診療科の医師数は、整形外科専門医が2名以上必要。
 他診療科の医師数は必要。
 その他医療従事者の配置は、理学療法士が必要。
 病床数は、400床以上が必要。
 看護配置は、7対1以上が必要。
 当直体制は、当直医1名以上必要。
 緊急手術の実施体制が必要。
 院内検査、24時間実施体制が必要。
 他の医療機関との連携体制は不要。
 医療機器の保守管理体制は必要。
 倫理審査委員会による審査体制は、1カ月に1回以上開催していることが必要。
 医療安全管理委員会の設置が必要。
 医療機関としての当該技術の実施症例数は不要であります。
 その他の要件として、半月板損傷の治療(半月板縫合術・切除術)として年間10症例以上の実績を有すること、また、日本整形外科学会整形外科専門医研修施設であることが必要とされております。
 その他の要件については取り決めはございません。
 以上となります。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 ただいまお読みいただいたこの大阪大学の要件について特に御意見ないでしょうか。大体問題ないかと思いますけれども。
 もし御意見がなければ、このままお認めいただくということで。
 それでは、早速でございますけれども、まず伊藤先生から概略の説明をお願いいたします。
○伊藤構成員
 概略の説明をさせていただきます。
 医療技術の概要でございますが、重度の半月板損傷では、旧来の縫合術では本来の形状に修復できないほどに欠損があっても、切除する以外に有効な治療法がなかったのですが、半月板を一部切除してしまいますと、中長期的には変形性膝関節症を続発するという問題点がございます。本技術は、このような欠損のある半月板損傷患者さんを対象に、半月板と同等の強度を有するコラーゲン半月板の補填材を用いて修復し、温存する治療法です。
 この治療法を適応する前に、関節鏡下で半月板の損傷形態を確認して、この人に適応になるということを、確認して、この人が適応になりそうとなった段階で再度手術をするということではなく、引き続いてこの治療を実施するというところがこの試験の特徴の1つになっております。
 適応症例では、その試験物のアテロコラーゲンを半月板の欠損に合う型に形成して、欠損部に補塡後、半月板を縫合し、24週間のリハビリテーションを実施するという試験になっております。そうしますと、試験物アテロコラーゲンというのを足場にして修復反応が誘導されて欠損部に半月板様の組織が再生されて、関節軟骨保護効果に寄与することを期待するという試験になっております。
 これについては、非臨床試験の3カ月のミニ豚の試験がされていて、そういう傾向があるということではございます。
 主要評価項目は、安全性評価を有害事象の有無、種類、重症度、発現頻度及び発現期間、有効性項目として、KOOS(Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score)により自覚症状評価をする。それから、副次的評価項目として、VASによる疼痛の経時的評価とか、MRI画像評価、活動性評価、関節鏡検査、血液学的検査、血液生化学検査とかが予定されていまして、予定試験期間は3年間、症例数は35例という計画になっております。
 今、申し上げましたとおり、オープン試験で、対象群のない試験として、主要評価項目は術前後の自覚症状の評価という試験でございます。
 このウシ真皮由来のアテロコラーゲンというのは既に臨床で応用されております。止血材とか、組織の欠損部を持ち上げて美容整形のような形で用いられておりますが、こういう圧のかかるところの補填材として使われたというのは、ヒトに対しては投与経験がないということです。ですので、そこが本半月板コラーゲンの最大の問題点かなと見ておりました。
 それ以外、技術的、倫理的、それから試験実施上の問題点については他の評価者の先生方に御説明いただいた後で再度まとめさせていただければと思っております。
 以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 コラーゲンの問題は後ほどとして。
 それでは、整形外科のほうの意見として戸山先生から御報告をいただいているということで、事務局から御説明をお願いできますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 技術委員の戸山先生からは、資料1-2、16ページをおあけいただけますと、実施体制の評価鑑定項目はいずれも「適」との御判断をいただきました。
 コメント欄には、
 医療技術の有用性について、申請医療機関に以下の点、具体的には、
1)術後リハビリプログラムの詳細を提示下さい(特に荷重時期について)
2)ミニ豚での実験では直径5mmの円柱状欠損を作製していますが、臨床例ではこの様な欠損は考えられません。このため、全ての欠損に本手技を適応するのには問題があるのではないでしょうか。より適応基準を絞って、全ての半月板断裂例とするのではなく、実験例に近いタイプに限って開始してはどうでしょうか。その具合を見てから、適応拡大すべきかと思います。
3)補塡材が関節内で遊離した場合はどのように処置、ないし対応するのでしょうか。
4)半月板再生であり、経過観察期間が28週でなく、少なくても1年は観察すべきかと思います。
 以上4点の確認を求め、書類で提出をいただきました。こちらの書類は29ページないし30ページにお示ししております。
 この回答を拝見したところ、一部修正案も御提示いただき、回答には納得いたします。基本的には全て「適」といたします。
 以上のコメントをいただいております。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、倫理的な観点ということで、田島先生からよろしくお願いいたします。
○田島構成員
 同意に係る手続、同意文書につきましては、患者相談の対応も含め、机上配付資料の27、28ページにありますような若干の問題点がございましたので、指摘いたしましたところ、所要の修正がなされたことにより「適」の評価といたしました。補償内容につきましては、保険加入で対応されており、その内容にも特段の問題はございませんので、やはり「適」の評価としております。
 以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、大門先生からお願いいたします。
○大門構成員
 大門でございます。
 試験実施計画書等の評価をさせていただきました。お手元の資料の17ページが私の評価結果になっておりまして、事前に、21ページから26ページにわたって確認・指摘させていただきました。おおむね必要な御回答・御対応をいただいたのですが、少し気になった点がございまして、具体的には17ページに記載しております。
 本試験は、半月板縫合が不可能で、半月板切除術が選択されている患者さんを対象とした単群試験です。試験治療は半月板切除術の直後に実施されることになっています。これは恐らく、本試験の対象集団において半月板切除術(+リハビリテーション)だけでは有効性評価項目において改善の傾向を示さないということを前提としているからだろうと思われました。
 この試験では、半月板切除術の単独での有効性を確認することは当然不可能なだけに、半月板切除術の標準的なヒストリカルデータが、恐らく、今回の試験の1つの対照として重要な役割を果たすのではないかと考えております。実際、そのようなデータは、回答から「数々の論文で明らかにされている」と御回答をいただいております。そこでまた、「今後渉猟する」と書かれてあったのですけれども、やはりこれは重要なデータだと思いますので、実施計画書で明示していただければと思います。逆に、本試験を実施する意義を持たせるためには必要だと感じました。また、似たような治療法が海外等で存在するのであれば、そういったデータも示していただければと思っています。これらは後続の試験へのgo/no・goの判断にも役立つと思われました。
 以上でございます。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 一部のところを除けばいいということで。
 それでは、伊藤先生にまとめていただく前に、委員の先生方からどなたか御質問ございませんか。
 田代先生、どうぞ。
○田代構成員
 先ほどの大門先生のお話にちょっとかかわるのですが、パッドの90ページの説明文書の「他の治療法について」という記載のところで、他の治療法としては半月板の保存療法とか半月板縫合術ということが挙がっているのです。でも、今の御説明だと、基本的には、これは保存とか縫合ができない方が入るものなので、恐らくほかの治療法としては、今の大門先生の御説明を伺う限りだと、普通にリハビリテーションだけをする、あるいはそれ以外に試験治療としてやられているものがもしあるのだったら、そういうものという形で、臨床試験に入らない場合のほかの治療法として何があるのかというところで、保存療法とか縫合術が挙がってくるというのがちょっとよくわからなかったのです。
○猿田座長
 どなたか御意見ありますか。
 伊藤先生、ありませんか。
○伊藤構成員
 済みません。同意説明文書をきちんと把握していなくて申しわけなかったなと思っておりますが、基本的には、これは欠損して半月板の縫合術ができない人、要するに欠損になってしまう人を対象にしているという理解をしております。ただ、問題が発生したあとも、手術するまでは、この人は縫合で済むのか、切ったままなのかということがわからない。説明としては、もしかしたらこういう適応になるかもしれないので、あなたの病気はこうで、いろいろなオプションがあるのだけれども、もしかすると切りっ放しなのか、切りっ放しではなくて補塡をするということの説明かなと、善意には解釈させていただきます。
○猿田座長
 どうぞ。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局より今の伊藤先生の御意見に補足させていただきます。
 申請者にこの点を確認いたしておりますが、やはり手術に入ってから最終的にこの対象者となるか従来治療となるかという割り振りがされるので、患者さんにはその事前段階において両方の可能性を説明しないといけない。もし従来手術が不可能となった場合にこの被験者となっていただきますというような御説明で了解をとってから手術に臨むということでございました。
 以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 戸山先生の報告書を読んでも、そこのところはそんなに書いていないのですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうです。そこは書いていないですね。
○猿田座長
 伊藤先生がおっしゃった荷重の問題を彼は非常に気にしている。
 山口先生、何かございますか。
○山口座長代理
 特にありません。
○猿田座長
 ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。
 そういう形で、このスタディーの進め方がちょっとおもしろい形なのですけれども、一応オープンで。では、一回まとめて。
○伊藤構成員
 もう一点気になっていたのは、資料をごらんいただきますと、プライマリー・エンド・ポイントの評価表ですけれども、いわゆる自覚症状の評価表が計画書に添付されていないことあって、試験計画書としては適切性に欠けるかなという気がいたしますので、それはどこかでいただきたいと思っております。
 最大の問題点は、大門先生から御指摘をいただいた、事前にオープン試験でやるのであれば、既存の試験の有効性がどれぐらいで、本来はそれをどの程度上回ることが期待できるのかということを議論したほうがよいのでないか。これは実施可能な症例数だけを述べているので、どれぐらい期待できるというのは、本来は計画できちんと述べるのが筋論かなと思いますので、可能であれば、治療成績を提示し、試験開始前に、これぐらいが目標ですという形にしていただいた上で試験を実施していただくのがいいのではないかと思いまして「条件つき適」という判断させていただきました。
 以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 今、御説明いただいたように、一部少し直していただくところ、あるいは不明のところがあるということで、それをお答えいただくということで「条件つき適」ではどうだろうかというのが伊藤先生のお考えです。
 それでは、どなたか全体として御意見ございますでしょうか。
 直江先生、どうぞ。
○直江構成員
 ちょっと細かいところですけれども、31ページの写真を見ますと、非常にきれいに治っていて、こういうのを説明で用いられると、自分が患者ならぜひやってほしいと思うのですが、これは既にやられているのですか。これはどういう写真なのですか。
○伊藤構成員
 確認していないのですが、この記載だけから言うと、実際はやったことがない。
○直江構成員
 ファースト・イン・ヒューマンと書いてありますね。
○伊藤構成員
 はい。ファースト・イン・ヒューマンの試験ということなので。
○直江構成員
 31ページは、ひょっとして何かの動物モデルでの。
○伊藤構成員
 これはもしかすると動物モデルのものかなと。もしかするとミニ豚なのか。これが実際の症例なのかというのは確認せずに来てしまいました。
○直江構成員
 ですよね。もしこういうものを患者さんの説明書に使われるとすると、何となくミスリードされる可能性もあるので、例えば、これはミニ豚の実験結果ですとか、何かちょっと書いていただきたいかなと。そういうことでございます。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 これはもし通るとしても「条件つき適」なので、そのあたりのところはしっかり断らせていただくということかと思います。
 ほかにどなたか御意見ございませんでしょうか。
○伊藤構成員
 一番気にしておりますのは、長期にわたって、血流がそんなに豊富なところではないので、これを足場にして細胞が全部、置換して修復されるのかどうかなのかというのがよくわからないなと思って見ておりました。非臨床試験は3カ月のデータですし、荷重がかかっていないところでの結果かもしれませんけれども、荷重がかかるような状況下で、期待された結果が出て治るのかどうかというのについてはわからないので、そういう意味では大変実験的な治療かなとは思います。
 ただ、今後、何か問題があるようでしたら再手術するなりきちんとしますということが書かれているので、今の段階でそれ以上物を言うのは厳しいと思ったので、こういった判断とさせていただきました。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 戸山先生の意見を見ると、できるだけ長期に見たらということを書いていますね。
 どうぞ。
○医政局研究開発振興課専門官
 ただいまの点、事務局から補足をさせていただきます。
 こちらの場合、この試験の適応になる症例、また欠損した半月板をトリミングするだけでリハビリに入ってしまうような従来治療の症例におきましても、慢性期に一度関節鏡をやって、その治療状況をチェックするということはルーチンに行われている。そこで、例えば遊離がないか、あるいはどれほどの生着をしているのかということは確認できるということを伺っております。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 もしなければ、今、幾つか問題になりましたところを「条件つき適」ということで戻していただいて、確認させていただくということで、ほかに御意見がなければそういう形で処理させていただければと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
 それでは「条件つき適」という形で処理させていただきます。伊藤先生、大門先生、ありがとうございました。
 それでは、これは「条件つき適」ということでお認めいただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、特に御意見なければ次へ移りたいと思います。
 次は「総括報告書の評価について」です。
 まず、事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 では、資料2-1、35ページをごらんください。先進医療Bの総括報告書に関する御評価をいただきますのは、平成21年8月に高度医療評価で開始された従前告示番号17番「内視鏡下手術用ロボットを用いた冠動脈バイパス手術(一箇所のみを吻合するものに限る。)」です。
 申請医療機関は、東京医科大学病院です。
 試験の概要ですが、全身麻酔下に、通常の心臓外科手術と異なって側胸部からロボット鉗子を挿入して、内視鏡下に通常の心臓外科手術と同様の手術を行います。
 虚血性心疾患に対してロボットを用いて内胸動脈などのグラフト採取、その後、肋間開胸にて直視下用手的に心拍動下冠動脈バイパス手術を行う「ロボット支援下MIDCAB(低侵襲冠動脈バイパス術)」と、グラフト採取後、さらに冠動脈バイパス手術まで完全にロボット支援内視鏡下に行う「ロボット支援下完全内視鏡下冠動脈バイパス術」の両者を計画し、開始されましたが、当初の目標症例数に達する前に部品供給が停止されたために、試験が途中で打ち切り終了となったという旨、申し添えさせていただきます。
 審査担当構成員は、主担当が一色構成員、副担当が大門構成員でございます。
 以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今お話しいただきましたように、これは大分古い案件で、高度医療評価のときのものでございます。平成21年8月にかけられたということで、そのときには大分画期的な治療であるということで出されたものでございます。
 担当していただきましたのは、一色先生と大門先生でございます。
 それでは、その技術のことに関しまして一色先生からよろしくお願いいたします。
○一色構成員
 総括報告書を拝見しますと当初16例が組み込まれましたが、うち1例は胸腔内の癒着がひどくて対象から外れたため、計15例が対象になったということです。
 ご説明がありましたように2つの手術が計画されましたけれども、後半の「完全内視鏡下冠動脈バイパス術」は一例も行われずに終わりましたので、この15例はすべて「ロボット支援下MIDCAB」が施行されたことになります。この手術ではda Vinciを使って内胸動脈の剥離をするところまでやって、後は、従来法に従って、非常に小さい傷ではありますけれども、開胸して吻合する手技が行われていますので、低侵襲の程度については、評価がなかなか難しいところだろうと思います。
 まず、大門先生からの総評を伺ってからまとめさせていただきたいと思います。
○猿田座長
 大門先生、よろしくお願いいたします。
○大門構成員
 まず、お手元の資料の40ページのところに、有効性、安全性、技術的成熟度という観点についてコメントさせていただきました。一色先生から御説明がありましたように、結局、当初計画された目標症例数に到達していないということに加え、「ロボット支援下完全内視鏡下冠動脈バイパス術」は実施されませんでした。
 さらには、統計的な視点からいいますと、従来の医療技術の成績に関する比較対照を設定することなどを含めまして、統計的な評価は事前に計画されておりませんでした。これらの理由により、当該医療技術が従来の医療技術と優れているかの統計的な視点からの判断は非常に困難でした。その意味で「その他」とさせていただいております。
 ただ、従来のMIDCABの成功要件の観点から臨床的に設定された安全性及び有効性の判断基準というのが、この試験ではあらかじめ設定されておりまして、具体的には、手元の資料の35ページから36ページにわたって示されております。一例ずつそれら判断基準と照らし合わせながら、満たさなければ中止するような形で、結局のところ、15例全例が有効性の評価基準を全て満たしながらも、早期中止というようなことになっております。その意味では、それら判断基準が妥当であることを前提としてよいのならば、実施計画書に事前に規定された条件を満たしている点で有効であるのかもしれません。
 また、本試験の選択基準というのは非常に大雑把でして、「虚血性心疾患において手術適応とされた症例で、十分に心肺機能が良好で、かつロボットを使用した手術を希望した症例」という一文だけで設定されております。標的母集団を反映できるように選択基準が機能していたのかも気になるところでした。
 また、41ページの安全性に焦点を絞りますと、従来の高度な心臓外科手術と同様、侵襲性は決して低いものではないと思われます。報告書を見ますと、有害事象は認められなかった、また安全性の判断基準もおおむね満たされたということで、その判断基準が妥当であることを前提としてよいのならば、余り問題はなさそうではないかと考えました。ただし、限られたデータですので、重い副作用だとか合併症が本当に発生しないというわけではないと思いますので、このような評価をさせていただいております。
 また、技術的成熟度については、やはりda Vinciを用いていますので、学習曲線も存在し得ます。その意味で、相応の経験を積まれた先生が実施する必要があるのではないかと考えます。
 以上でございます。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、大門先生にどなたか御質問ございますでしょうか。
 藤原先生、どうぞ。
○藤原構成員
 タブレットの249ページを見ると、実施場所が東京医科大学病院と協力医療機関である金沢大学病院の手術室と書いてあるのですけれども、総括報告書を見ると、実施症例の名前は書いてあるのですが、どちらでやったのかがちょっとわからないのです。
○猿田座長
 これは、実は最初にかかったとき、私が座長をしていて、東京医大でスタートしたのです。たしか担当した教授が東京医大と金沢大学とを行ったり来たりしてやられていたと思うのです。今、藤原先生がおっしゃったように、何例が東京医大でやられて、何例が金沢大学病院でやられたのではないかと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 それについては私どもも確認をいたしておりませんでしたので、また改めて調べて御報告をいたします。申しわけありません。
○猿田座長
 どうぞ。
○藤原構成員
 お聞きしたいのは、金沢大学が、この前、高度医療評価制度でちゃんと終わらずにずるずるやったとかというのがあったので、それと同じようなものがまた金沢大学で起きていないかだけちょっと確認しておいていただければ。
○医政局研究開発振興課専門官
 了解しました。
○猿田座長
 実際に東京医大で何例、向こうで何例かはちょっとわかりませんね。それを一回、事務局のほうで調べていただけますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい。確認いたします。
○山口座長代理
 質問よろしいでしょうか。
○猿田座長
 はい。
○山口座長代理
 タブレットの252ページに成績の一覧がありますけれども、これを見ると、500というのが2つある。カウントするときに1桁の数字が全然なくて、これは一体どうやってカウントしたのか教えていただきたい。偶然なのでしょうけれども、丁度500が2件ある。例えば、これが501ccであればアウトなので重要な数字です。普通は、ガーゼの重量がわかっていますので、重さをはかって、何枚かたまったらそれを計測し、ガーゼの重量を差し引くことで、何グラムと出てくるわけです。その結果としてたまたま下ひと桁が全部0なのか四捨五入したのか、そのあたりきちっと確認していただきたいと思います。
 というのは、ここのところが判定の上で非常にポイントになっているわけです。そもそも500の根拠がどういうことかわかりませんけれども、偶然なのだろうとは思いますが、そこのところはいかがでしょうか。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 それは安全性という意味で特に重要なところですね。
 ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。
 どうぞ。
○柴田構成員
 これは経緯が長いものであるので。
 もともとこの医療技術を始めたときの設定と現在の評価にちょっと温度差があるのは仕方ない部分もあるかもしれないのですが、以前の先進医療専門家会議の際には、たしかここに条件がついていて「統計学的な条件を設定すること」などというコメントがついていたように記憶しているのですが。もしかしたら似たような技術の、他のものに対するものかもしれませんので、間違いがなければ、そこに対してどのような対応がとられたのかというのを御確認いただければと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 承知いたしました。
○猿田座長
 ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。
 石川委員、どうぞ。
○石川構成員
 これは事前のときにちょっと教えてもらったのですけれども、3週間で造影してということがあります。内胸動脈の場合に、恐らく前下行枝にこうやるのですけれども、術後にキンキングといいますか、ひきつってしまうことがあるのです。そうすると、3週間で、造影で、それでこの手術がうまくいったかどうかというのはちょっと。私はもう少し遠隔で確かめる必要があると思っているのです。川崎病の子供などを診ると、内胸動脈の場合、このキンキングをかなり起こしてしまうのです。本当にこれでいいのかどうかというのは、もっといっぱいやっている専門の先生にお聞きしたいと思ったのですが、その辺はどうなのでしょうか。
○猿田座長
 よろしいですか。
 一色先生。
○一色構成員
 私どもの施設では術後の比較的早期の退院前に確認造影を行うことを旨としていますが、これを行うかどうかは施設によると思います。術後造影をみればグラフトの全体像や吻合部の状態はほぼ把握できます。ご指摘のようなひきつれやキンキングは慢性期でなくてもほぼ評価できているのではないかと思います。
 ただ、長期成績ということになりますと、ネイティブフローの状況や吻合部前後の病変の状態などいろいろな要素がかかわってくるので、早期の造影所見だけでは確かに評価が難しいところです。問題本試験は探索的に行われたものでもあり、とりあえず手技が安全に施行できることが証明されるかどうかが主たる目的ですのでこのプロトコールでも問題はないと思っています。この手技の有効性を評価するためには、ご指摘のようなある程度の期間を置いた後のフォローアップも必要と思います。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 もしよろしければ、先生、一回総括していただけますか。
○一色構成員
 データをごらんになるとすぐに幾つかの疑問点が出てくるところは私も皆様と同様でございました。38ページの安全性のコメントにも山口先生から御指摘のあった出血の問題等を記載させていただいております。本試験では安全基準が全てクリアされたとされているのですけれども、総手術時間は、症例の13、16で6時間を超えています。6時間を超える手術時間は本研究の対象とされているような、十分に心肺機能が良好で、かつ、左前下行枝の一枝病変に対する通常のバイパス手術では考えられないぐらいの長時間と思われます。1本剥離するのに60分以内でという基準がクリアされていたのだとすると、なぜ全体の手術に6時間を要したのかが気になりました。500ccの出血例についても問題なしとはしにくいところです。ロボット手術においては一旦出血すると、止血操作が難しいとされていますので、出血量が多くなる場合があるのかもしれません。これらを勘案すると基準をクリアしたとはいっても、かなりグレーな部分が内在するデータと解釈いたしました。
 以上から、この手技にメリットがあるのかということで評価とさせていただきます。冒頭に申し上げたとおり、ロボット手術のみでバイパス術が完遂できれば、非常に低侵襲ということは理解できますが、内胸動脈の剥離のためだけに高価なロボット手術を使い、通常の手術よりも長い時間をかけ、そして、結局は開胸して従来法の吻合をするという手技の初期成績の結果としてこの15例の成績を見ますと、従来法よりもすぐれている、あるいは同等であるという結論は出しえませんでした。最終的には大門先生の御意見も勘案し、有効性のところは「その他」とさせていただきました。
 安全性については、一応基準内に入っており、少なくとも大きな有害事象には至っていないということで、余り問題なしとさせていただきました。バイパス手術においては剥離の技術のレベルによって開存率が変わってくることは、古くから指摘されているところですので、当然、一定の経験を積んだ医師が行うべき手術であると考えております。
 最後にコメントを追加させていただきます。39ページに書かせていただきましたが、結局、ロボットを使用するということで本手技はハイコストであることが避けて通れないところです。それだけのコストをかけるだけの安全性と有効性が非常にクリアな形で出せないと、これを一般的に広めていくことが難しいのではないかという印象を持ちました。
 私からは以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 山口先生、出血の問題はどうですか。というのは、平成21年ごろというのは、東京医大に割と早くda Vinciが入ってスタートしたころですね。
○山口座長代理
 今、先生が御指摘になったように、やはりちょっと多過ぎると思いますね。これではちょっと手術できないぐらいだと思います。今、腹腔鏡の手術などでも、10グラムとか15グラムとか、そういうレベルの手術になっています。出血すると視野が悪くなって手術が進まないのです。当然、時間もかかりますし、これを見て、スマートないい手術とは到底思えません。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方、どなたか。
 どうぞ。
○関原構成員
 私も、以前高度医療会議にかかったときに疑問に思ったのですが、患者には、完全に後半の内視鏡だけでできるということで説明されるリスクがあるなと。実際は試みたができなかったと。最初から前半しかできない。つまり、患者にとっては内胸動脈を切り出すだけだったら、何もこんなことをしなかったのではないかと思います。こういう説明の仕方というのは、後で振り返ると、ちょっと変になるから気をつけないといかんなと思ったのです。
 私自身については、95年ですから、もっと本件以前にバイパス手術をしたときには、事前に画像で見て、あなたは何回も肺がん手術で開胸しているから、内胸動脈は1本しか使えません、だから1本は大伏在静脈を使いますということで、術前の画像でわかって、人工心肺を回してやったわけですけれども、出血はほとんどなくて、医者の言うとおりに進んだのです。全部あけるというのはあなたの負担が大きいのだけれども、本件は胸骨をどのぐらい切るのかというのは、恐らくやってみなければわからないのでしょうから、非常にグレーなままで同意を求めているようなことになるので、患者のとってはなかなか難しい判断だなと実はそのときから思っていたのですが、今の結果を見たら、やはりそう使う人はいなかった。だから、これは医者の説明如何だと思うのです。これは同意書にこう書いてある、或いは執刀医は大丈夫ですというに決まっているはずです。本件のようなケースで一番気をつけなければならないことだと思いますね。特に新しいやり方というのは。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 貴重な御意見で。最初の許可のときにいろいろもめたものですから、よくわかります。
 ほかにどなたか御意見。
 どうぞ。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 ただいま関原先生から貴重な御意見を賜りましたけれども、一応、この試験のたてつけといたしましては、まず、最初の設定された症例は、全例確認しながら剥離だけを行い、その到達症例に来て、安全だということが確認されたら、次にバイパス術に移るという設定でございましたので、最初の16例に関しましては、もともとから剥離術をするという目的のもとに試験が行われたというように理解をしております。
 以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 結局、半分の部分だけなのですね。先生、そこはどうですか。
○一色構成員
 確かに、小さい傷で、技術的に非常にきれいに、胸壁の裏側にくっついている血管を剥離してくるというのは、それなりに難しい、細かい操作であることも確かなのです。ですから、手際よく、きちんと内視鏡で採取できれば、無理に傷を広げることもなく、単純に血管をつなぐだけでいいという、うまくいった場合には非常にいい手術なのだろうというのは想像できます。現実には通常のバイパス術に習熟した先生がされても、最初の15例はこういうデータになる手技だということではないかとは思っております。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 どうぞ。
○山口座長代理
 この評価というのは非常に大事だと思います。最初にスタートする前にいろいろなことを検討するのはいいのですけれども、最終的な評価というのは物すごく重要です。評価委員は主担当と副担当で、技術委員がいないですよね。これでは技術評価はとても難しいと思うのです。担当の先生は本当に苦労して評価しているように見えます。私などは外科医ですけれども、ほとんど見たことがない手術を評価するというのはとても難しいのです。
 この委員の一覧表を見ますと、技術委員も、循環器の外科の先生は非常に少なくて1人しかおられない。できれば、複数の方がこれを評価すれば、今のみんなの疑問にはもっとクリアカットに答えられるのではないかと思うのです。評価するほうとしては、とてもつらい回答だったのではないかと思います。ですから、ぜひ専門の評価委員を入れていただきたい。
 そのときに、実はいろいろ利益相反はありますけれども、やはりda Vinciを持っているか持っていないかということも大きな利益相反です。da Vinciを持ってやっているところはネガティブなことはなかなか言えないという実情があります。一方で、持っていないところは持っていないで、けちつけてやろうというようなことがあったらこれはいけないので難しいのです。みんなの前で討論していただくとか、そういうプロセスを踏まないと、やはりda Vinciの正確な評価というのはできないのではないかと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 da Vinciを含めて、これから先、もし技術委員の方の意見を聞けるようなことがあれば、今、山口先生がおっしゃっていた形で。
 どうぞ。
○医政局研究開発振興課専門官
 今、御意見をいただきました技術委員のことに関しましては、私どもも課題の1つとして検討させていただきたいと思います。
 今、3つほど宿題をいただいている状況だと思います。まず1つは、金沢大学と東京医大で何例されていたのか。2つ目は、出血量の測定方法をいかにして行ったのか。それから、統計的な処理条件に対する確認。この3つの宿題をいただいております。こちらは私どもで調べまして、改めて先生方にお諮りするということでよろしいでしょうか。
○猿田座長
 そこの部分のところはいいのですが、問題は、きょうの前半でこれはもう終わってしまっていますね。このテクニックは。これはどのように処理したらいいでしょうか。
○猿田座長
 最初の目的のところまで到達していないわけですね。剥離のところまでで、血管のところまでですね。
○山口座長代理
 ちょっとよろしいですか。
 それは、メーカーがその部品の供給をしないという決定を下したのでできないということでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 私ども、申請者からは部品の供給が停止したので終了したと伺っております。
○山口座長代理
 せっかくこういう機器の評価をしようとしているものに対して、その開発をしている企業自体がネガティブな態度をとっていると理解していいわけですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 こちらについては、そこの詳しいところは、私ども、メーカー等々から直接話を聞いているわけではございませんので、申しわけありません。
○山口座長代理
 現実の問題として、日本で第一世代のものも動いているわけですね。では、それも本当は動かしてはいけないものということになるわけですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 ただ、その辺は、企業さんの開発等々に絡む事情、これは薬事承認がこの時点ではとれていなかったということであると解釈しておりますので、その辺の諸事情があるものかと推察いたします。
○山口座長代理
 しつこいようですが、部品の供給ができないからできないということで、第一世代のda Vinciは全てが動かなくなるということだとすれば、そういうことはちょっとおかしいなと思うのです。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね。少なくとも、最新の先進医療の制度になってからは、その開発企業との協調だとか、薬事のレギュレーションとの協調だとか、その辺のところは確認をしながら先生方にお諮りするということは徹底して努めておりますが、いかんせん、古い高度医療世代の研究であったということは否めませんので、その辺のところは、今後、私どもとしても気をつけてチェックをしてまいりたいと考えております。
○猿田座長
 一番最初の質問事項のところの、何例が東京医大で何例が金沢というのは、実際にそのときは東京医大しか入っていなかったはずなのですね。その後、おくれて、どのくらいになって金沢大学のほうに入ったか。それで症例数が。そこのところもしっかり確認を。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい、そのようにさせていただきます。
○猿田座長
 ほかにどなたか御意見ありますでしょうか。
 一応ここまでで、これ以上進まないから、ここまでのところの報告ということになってしまうのではないかと思うのですけれども、どうですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうです。
○猿田座長
 今、質問で出ていたところは、一応ちゃんとお聞きしていただいて、それで疑問なところは確かにそういうことで。
 要するに、これまでに終わったところでは、大きな問題は起こらなかったということだと思います。出血のことはありますけれども、そういったことで締めて。
 これは先進医療のほうに報告しなければいけないわけですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 そのとおりです。
○猿田座長
 ですから、そういう形でいくのでしょうか。どうですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 やはり、諸般の事情があっても、試験が途中で中止して評価ができなかったということでございますので、そこはもうありていに、これは評価ができなかったということで科学的には御報告せざるを得ないと考えてはおりますが、いかがでしょうか。
○猿田座長
 どうですか。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 今、山口委員がおっしゃった、要するに機械のバージョンによって部品を供給できなくなるという問題は、例えば最初に買うときも減価償却を計画してやるわけですから、もし一方的にそういうことになるのだったら重大な問題になるわけですね。
 例えば、私が何回も言うように、da Vinciはこの後もいっぱい出てきて、そういったところで、日本でこういうda Vinciの技術がいろいろな点で受けられるかどうかという大事な点なので、サプライが古いda Vinciだと供給されなくなる可能性があるとかないとか、その辺は先生方にいろいろお聞きしたいところなのです。私などはITをやっていまして、マイクロソフトのやり方にはいつも頭に来ているわけですけれども、それと同じようなことがやられたら困ります。我々は熱心にきちんといろいろな治験の計画を立ててやっていて、患者さんもそれに協力してやったりすることがあるわけですから、もしこれが途中でだめになると、何の評価もなく終わってしまうとなると重大な問題だと思いますので、その辺どのようになっているのかというのをもう少し明確に教えていただいたほうがいいと思います。
○猿田座長
 どうぞ。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 先ほど申し上げましたが、実際に、企業がどのような事情で停止したのかということはまだ直接伺ってはおりません。このサプライが停止した理由というのも、1つ、申請者のほうに確認をして、先ほどの御質問とあわせて先生方にお諮りをするということでよろしいでしょうか。
 今の段階では、もう既に先生方から御懸念いただいていることにつきましては、私ども、重々チェックしてから新技術をお諮りするようにはいたしておりますので、その辺のところは。
○猿田座長
 要するに、処理されてしまった症例はこれ以上出てこないわけですから、そこをしっかりもう一回まとめて、それで今、先生方から質問があった部分をしっかり答えることだと思います。特に業者との問題をしっかりさせるということ。こういったことがまた起こるといけませんけれども、一応この時点ではそういうまとめをつくるのはいいのではないかと私は思うのです。
○関原構成員
 先ほどの患者に対する説明は、一人一人については、1の低侵襲の手術ですということしか書いていないわけですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうです。計画書どおりに行われたということでありましたら、そのような説明になっているというところです。
○関原構成員
 わかりました。
○猿田座長
 それでは、一応そういう形で処理させていただきます。
○一色構成員
 1つだけ。
○猿田座長
 はい。
○一色構成員
 今の先生方のお話を伺って、ちょっと懸念というか、今、実情どうしているかという話なのですけれども、バージョンは新しい機械かもしれませんけれども、サプライは、メーカーはしているのは間違いなくて、そういう部品があることも間違いない。こういう結果を受けて、今のda Vinciを使った冠動脈に対する手術は現実にそこそこ行われているように私は思うので、この結果とあわせてそれの扱いがどのようになるのかについて、これの位置づけという意味からするとどうなるのかわからないので、ちょっと確認させていただきたい。
○猿田座長
 それは、今、大切なことですから、事務局が業者に聞くときに、現状も、前のときのものと今のもの、そこは聞けますよね。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい。確認は、先生方にお諮りする形で、努力はいたします。
○猿田座長
 そうしていただければと思います。
 そういう形でいいですか。
○関原構成員
 これは必ずなっています。今回は5年だけれども、部品供給は10年間とか。自動車でも、モデルチェンジしても部品は何年間と決まっています。昔、IBMの36から37に変えていくときも、5年ごとにバージョンアップするけれども、部品は10年とか。da Vinciでも、そこはちゃんとやっているはずなのです。第一世代はもちろん変わっているのでしょうけれども、パーツは残しているはずです。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 ですから、今、関原先生がおっしゃったそこのところをしっかり確認させていただくということに致します。
 それでは、事務局は大変かと思いますけれども、その点をしっかり明らかにしていただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 ただいま宿題をいただきました点に係りまして、お調べして、また先生方にお諮りする形にさせていただきます。
○猿田座長
 それでまとめて先進医療のほうへ報告するという形にさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 どうも済みません。時間をとりましたけれども、そういう形で、一色先生、それから山口先生、ありがとうございました。一応そういう形で進めさせていただきます。
 続きまして「試験実施計画の変更について」。
 これも事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 先進医療Bの試験実施計画の変更について、本日は2件の申請がございました。では、資料3-1、45ページをごらんください。
 1件目、北里大学北里研究所病院からの申請で、告示番号28「重症心不全に対する免疫吸着療法」についてでございます。
 適応症は、重症心不全、ただし、心抑制性心筋自己抗体が陽性であって、従来の治療法に抵抗性を有するものに限るとなっております。
 本試験は、拡張型心筋症などの重症心不全症例に対して、免疫吸着療法を代替療法として開発することを目的としたもので、具体的には、患者血液を静脈より採取して、血漿分離及び選択式血漿成分吸着を行い、自己抗体が除去された後の血漿を血球とともに体内へ戻す手技を1ないし2クール行い、治療3カ月後の心筋収縮率改善につき、治療開始前の心筋自己抗体種によって解析するものです。
 予定試験期間は、平成24年12月1日から平成27年3月31日。
 予定症例数は27例で、今回の申請時点で18例が登録されております。
 主な変更内容は、予定協力医療機関の追加、また研究機関の平成28年3月31日までの1年間の延長です。
 変更申請の理由ですが、次のページのグラフに示されておりますような症例集積状況で、研究の早期の完遂を目指して参加医療機関を単施設から複数とし、さらに研究結果を総括できる研究症例数に達するには期間延長が必要なため、1年間の延長を申請されたものです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 これは北里研究所病院1施設でやっていたけれども、症例がなかなか進まなかったということと、できるだけ早く終わらせたいということもあって、プロトコールの変更とともに、施設をふやすというところでかけさせていただいたということで、今、御説明いただいたような形でございます。
 覚えていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、このプロトコールもここで一回出し直させていただいて、抗体がちゃんとあるもので実施するという形にして、かなり効果が認められたということでした。
 どなたか御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ちょうど1年延長ということですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 そのとおりです。
○猿田座長
 それでは、そういう形でこれはお認めいただくということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、次でございます。次は、施設ということで利益相反に絡むのですかね。
 済みません。柴田先生、藤原先生、一時的に御退席をお願いします。
(柴田構成員、藤原構成員退席)
○猿田座長
 国立がん研究センター中央病院からの申請でございます。
 それでは、よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 では、資料3-2、49ページをごらんください。2件目、国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号35「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」についてでございます。
 適応症は、早期乳がん、ただし、長径が1.5センチメートル以下のものに限るとなっております。
 本試験は、腫瘍径1.5センチメートル以下、単発の早期乳がんを対象に、術中に超音波画像をガイドとして腫瘍に電極針を刺入し、ラジオ波発生装置に接続して通電・焼灼を行うものです。焼灼終了後は、超音波画像にて治療効果を確認するとともに、合併症の有無を観察し、治療後乳房に対する放射線照射を施行。その終了後3カ月の時点で吸引式針生検を行い、焼灼不全の有無を確認いたします。その後は、術後5年まで定期的に視触診、画像検査を実施し、温存乳房内再発の有無を確認するものです。
 予定試験期間は、平成24年11月1日から平成28年5月31日。
 予定症例数は372例で、現在まで103例が登録されております。
 主な変更内容は、適格基準の変更、プロトコール治療内容にかかわる変更、患者アンケートの追加、監査の新設、その他の記載整備となっております。
 変更申請の理由ですが、まず、適格基準の変更については、登録基準を早期乳がんに対する初回の治療に限定され、前治療の効果で腫瘍径1.5センチ以下に縮小した症例は対象外とすべきところですが、「今回の乳がんに対する前治療(化学療法・ホルモン療法・放射線治療など)の既往がないこと」という一文が適格基準から欠落していることが気づかれました。なお、本変更を行う以前に登録された症例にも前治療歴を有する症例は含まれていないとのことでございます。
 次に、プロトコール治療内容にかかわる変更ですが、研究計画立案時点で想定されていなかった腫瘍径1.5センチ以下の早期乳がんに対する化学療法につき、その後、ホルモンレセプターやHER2、Ki67といった腫瘍生物学的特性を背景に最新のガイドラインにも整備されてきた事情がございます。
 一方、化学療法と放射線治療は、有害事象の観点から同時に行うことは困難であることから、システマティックレビューや過去のデータに基づき、本試験計画における放射線治療の開始時期を「乳がんラジオ波治療終了後8週以内」から「術後補助化学療法終了後8週以内」に変更するというものです。
 続いて、研究計画立案時点では導入されていなかったセンチネルリンパ節に対する分子診断法であるOSNA法が本格的に運用開始され、現在では、本試験症例以外に対しては、全例、迅速病理診断を廃止しOSNA法のみを行っている状況があり、先進医療告示後ではあるものの、施術と同時に行うセンチネルリンパ節生検の術中診断法として、迅速病理診断法に加えOSNA法も選択できるように追加を申請しております。
 さらに、患者アンケートの追加を行い、術後の整容性がすぐれることも証明する必要があると、先進医療の告示後に研究責任医師が判断したため、患者アンケートによる治療後乳房の整容性評価を追加することとし、研究計画書並びに説明同意文書を改訂しております。アンケートは、あらかじめ決められた10項目を患者自身が電子機器を用いてEDCシステム上に入力する形式で、実施時期は研究計画書に記載のとおりで、受診時期に合わせて行うとのことです。
 加えて、監査の新設として、先進医療告示後に研究責任医師がPMDAに相談した結果、本試験をGCPに準拠して行うよう指摘されたことから、監査を実施することとし、研究計画書並びに説明同意文書を改訂しました。改訂以前の症例に対しては、改訂後の説明同意文書を用いて再度説明を行い、同意を得た上で、全症例を監査の対象とするとのことです。
 なお、これに関しましては、事前に御評価をいただきました山口先生、田島先生には御確認をいただいております。
 以上です。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 山口先生、何か御意見ございますか。
○山口座長代理
 この変更はいずれも問題ないと思います。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 田島先生、何か御意見ございますか。
○田島構成員
 問題ないと思います。
○猿田座長
 よろしいですか。
 それでは、変更が大きくありますけれども、一応この形で、山口先生、田島先生は結構だろうということですが、どなたか御意見ございますでしょうか。
 問題なければ、早く進めていただくことが大切かと思いますので、この実施計画の変更はお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○猿田座長
 ありがとうございました。
 それでは、お認めいただくということで。
 藤原先生と柴田先生にお入りいただいてください。
(柴田構成員、藤原構成員入室)
○猿田座長
 どうも済みませんでした。ありがとうございました。
 一応、変更を認めるということで決定させていただきました。
 よろしければ、次へ移りたいと思います。
 次は「協力医療機関の追加について」でございます。
 これも事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 資料4-1、53ページをごらんください。これまでに大臣告示をされている7つの技術につきまして協力医療機関の追加申請がございました。資料4-1、53ページには、おのおの先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載してございます。
 資料4-2、55ページないし61ページをごらんください。事務局において協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認いたしました結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと存じます。特に御意見がなければ追加の手続を進めたいと思います。
 以上でございます。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 追加機関でございますけれども、どなたか御意見ございますでしょうか。
 特に御意見なければ、追加の手続を進めたいということでございますが、よろしいですか。
 それでは、これも追加をお認めいただくということにさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、先進医療Bの取り上げについて、事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局でございます。
 資料5、63ページをごらんください。1つ目は、告示番号4「ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡下肝切除術」について。こちらは試験期間が終了したため。また2つ目は、告示番号11「パクリタキセル腹腔内反復投与療法」について。こちらは、症例登録及び薬剤投与が終了したため、おのおの取り下げる旨の申し出がございました。
 以上でございます。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今、お話がありましたように、試験期間が終了ということと、投与が終了したということ。これで取り下げでいいのではないかということでございますけれども、どなたか御意見ございますでしょうか。
 特に御意見なければ、これでお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○猿田座長
 ありがとうございました。
 それでは、この取り下げを認めさせていただきます。
 本日御議論いただくところはここまでかと思いますけれども、どなたかほかに御意見ございますでしょうか。
○石川構成員
 ちょっと教えていただきたい。
○猿田座長
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 もう終わってしまった議論ですけれども、3-1のところで、北里大学の期間の延期ということで症例数がありましたが、ちょっと教えていただきたいのです。この文面だけ読むと、大変シビアな心不全に、外に血液を出して、血液を浄化してという、プライミングボリュームが当然必要になると思うのです。そうすると、かなり厳しい状況の中でやるのではないかと思うのですが、こういう場合に、今まで十何例やったところの途中経過の中で、試験が大変重篤な状況になっているとかという途中報告を知らないで、例えば全部やり切ってしまうまでこの試験を延長することをよしとするかどうか。これは途中報告みたいなものはないわけですね。大変重大な状況になっているかどうかとか、そういうのは。
○医政局研究開発振興課専門官
 試験計画には中途の報告等々はたてつけられておりませんが、私ども、この延長申請などの変更申請をお受けした際に、その点については申請者と対面の上確認をしております。今までのところについては特に有害な事象等は発生していない、そのような重篤な事象は発生していないと報告は受けております。
○石川構成員
 そうですか。では、プライミングボリュームの問題だとか、血圧が下がるとか、そういうことはないということですね。
○猿田座長
 実は、これは一回、プロトコールの変更そのほかがあって、私もここへ行って実際に状態を全部チェックさせていただいたのですけれども、そういうことは。ただ、効果に関しては、抗体がしっかり出ているものでないと効果がない。そこは厳重にしてくれということで言ってあります。
 それから、今度のもう一箇所は、榊原記念病院なのです。あそこは非常にしっかりしているから大丈夫だろうと思っております。
○石川構成員
 わかりました。どうもありがとうございます。
○猿田座長
 ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。全体として、先生方に特に御意見がなければこれで第27回を終わりたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 済みません。事務局でございます。
 次回の日程につきましては、現在、4月17日金曜日の4時から6時までを予定させていただいております。
 本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いして、その後、公開にさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○猿田座長
 ありがとうございました。4月17日だそうでございます。
 もしなければ、これで終わりたいと思います。
 御協力どうもありがとうございました。

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