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2015年1月28日 2015年1月28日 第7回労働政策審議会職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会 議事録

職業安定局雇用開発部高齢者雇用対策課

○日時

平成27年1月28日(水)17:00~19:00


○場所

航空会館702・703会議室


○出席者

【公益委員】

阿部委員、岩村委員

【労働者代表委員】

新谷委員、冨田委員、芳野委員、矢野委員

【使用者代表委員】

市瀬委員、遠藤委員、小林委員、鈴木委員

【事務局】

岡崎労働基準局長、大西審議官、村山労働条件政策課長、武田労働条件政策推進官、広畑雇用開発部長、福士高齢者雇用対策課長

○議題

専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法の施行について

○議事

○岩村部会長 定刻より早いですが、御出席予定の委員の皆様がおそろいでございますので、始めたいと思います。

 ただいまから、第8回「労働政策審議会労働条件分科会有期雇用特別部会」及び第7回「労働政策審議会職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会」の合同会議を開催させていただきたいと思います。

 本日は、公益代表の猪熊律子委員、山川隆一委員、労働者代表の八野正一委員の3名が、御都合により御欠席でございます。

 議事に入ります前に、事務局から定足数についての報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○武田労働条件政策推進官 定足数について御報告いたします。

労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、又は公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○岩村部会長 ありがとうございました。

それでは、早速議事に入りたいと思います。お手元の議事次第にありますように、今日の議題は、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法の施行について」ということでございます。前回の御議論を踏まえまして、今日は事務局から、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法の施行に際して、必要な省令などのたたき台を用意いただいております。そこでまず、事務局から資料について説明をいただくことにしたいと思います。その上で、その内容につきまして論点別に議論させていただきたいと思っております。

 具体的には、最初に「専門的知識等に関する基準及び年収要件」、2番目に「事業主等が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置や認定申請手続」、3番目に「労働契約締結時における労働条件の書面明示事項の追加等の事項」の順番でそれぞれ御議論いただきたいと考えております。

 それでは、まず事務局から資料についての説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○武田労働条件政策推進官 それでは、御説明いたします。

 前回、部会長から御指示があり、有期雇用特措法の施行に伴い必要となる省令等のたたき台を事務局で作成しております。議事次第の「配付資料」の資料No.1から資料No.10までがその必要となる省令案要綱等のたたき台です。

この一覧でまず資料の全体像を御説明します。資料No.1は、有期雇用特措法に係る施行規則で、年収要件、申請手続を定めるものです。

 資料No.2は、計画認定及び変更の申請書の案です。

 資料No.3は、特例の対象となる専門的知識・経験等の基準案です。

資料No.4と5は、労働基準法第14条第1項第1号に基づく告示の改正案要綱です。これは1回の労働契約の契約期間は通常3年ですが、特定の高度専門職については、5年の特例となっております。その高度専門職のうち、形式的な改正が必要となっているものです。

 資料6は、雇用管理に関する基本指針のたたき台です。

資料7は、労働条件明示に関する労働基準法施行規則5条の特例を定める省令案要綱です。

資料8は、「モデル労働条件通知書の改正案」です。

資料9は、「労働政策審議会令の一部を改正する政令案要綱」です。

以上、今日、御議論いただく政省令等のたたき台です。

 それでは資料No.1です。有期雇用特措法施行規則案要綱のたたき台です。第一が年収要件で、厚生労働省令で定める額は1,075万円とすることというものです。労働基準法第14条第1項第1号に基づく告示の一定の高度専門職の年収基準と同じ額で、昨年2月の建議を踏まえた内容としております。

第二以降が計画認定の申請手続です。まず第一種、高度専門職の認定申請について、申請書及びその写し1通を主たる事業所、これは本社本店となりますが、その所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならないものとすること。そして、申請書には、就業規則その他の書類であって、高度専門職の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することを明らかにするものを添付しなければならないものとすることとしております。

第三が計画の変更に関する認定の申請です。計画を変更する場合にも、申請書及びその写し1通を都道府県労働局長に提出することとしております。そして、その添付書類は、第二の認定申請を準用するものとしております。

第四は、第二種、定年後の高齢者の認定申請について、認定を受けようとする事業主は申請書1通とその写し1通を都道府県労働局長に提出するものとすることとしております。そして、申請書に添付する書類は、(一)高年齢者の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することを明らかにするもの、(二)高年齢者の雇用確保措置を現に講じていることを明らかにするものとしております。

第五は、第二種計画の変更に係る認定の申請です。高度専門職と同様に、申請書及びその写し1通を都道府県労働局長に提出するものとすること。そして、添付書類については、第四の認定申請を準用するものとしております。

第六は、法律上の認定は厚生労働大臣の権限とされておりますが、これを都道府県労働局長に委任するものです。

第七の附則の一は、施行期日で、本年4月1日から施行するものとすること。二は、報告以外のものについては、社会保険労務士による事務代理ができるものとする社会保険労務士施行規則の一部改正です。

以上が、有期雇用特措法に基づく省令案要綱のたたき台です。

資料2は、「第一種計画認定・変更申請書(案)」です。1が申請事業主の「名称・氏名」や「住所・所在地」欄です。2が「特定有期業務の内容並びに開始及び完了の日」で、特定有期業務、すなわちプロジェクトの内容を「業務の内容」欄に記載していただきます。また、本社で提出していただきますので、そのプロジェクトが行われる主な事業場の名称を括弧に具体的に記載していただくこととしております。

その次の「必要とする専門的知識等」は、特例の対象となる専門的知識等を掲げており、これは労働基準法第14条第1項第1号に基づく高度専門職の範囲と同一としております。

また、(2)には、特定有期業務の開始の日、完了の日、そして特定有期業務の期間を記載することとしております。

さらに、3番目に、第一種の方の特性に応じた雇用管理に関する措置内容について、後で御説明する基本指針に掲げる雇用管理の措置内容を記載しておりますが、事業主には、このチェックボックスに実施する措置をチェックしていただき、それを疎明する資料を添付していただきます。それによりチェックされた措置内容の実施が確認できれば、都道府県労働局長が認定するというデジタルで簡易な仕組みとしたいと考えております。

その次のページが「第二種計画認定・変更申請書(案)」で、こちらも1番目に申請事業主の名称等を書いていただきます。

2番目が「雇用管理に関する措置内容」で、基本指針の雇用管理措置、これは高年齢者雇用安定法に基づく指針を参考に掲げておりますが、それらの内容としております。

3番目は、現に行っている高年齢者雇用確保措置にチェックしていただくものです。こちらも添付書類をつけていただき、これで実施が確認できれば都道府県労働局長が認定するデジタルな仕組みにしたいと考えております。

資料No.3は、専門的な知識等の範囲で、既にある労働基準法第14条第1項第1号に基づく告示の基準と同じものをたたき台として提示しております。

(一)は、博士の学位を有する者。

(二)は、公認会計士等の国家資格を有する者です。

(三)は、ITストラテジスト試験に合格した者、システムアナリスト試験に合格した者、アクチュアリーに関する資格試験に合格した者です。なお、これまでの労働基準法第14条第1項第1号に基づく基準は、システムアナリストでしたが、前回の部会で御説明したとおり、この試験が平成21年以降、ITストラテジスト試験に置きかわっております。しかしながら、従前のシステムアナリスト試験に合格した方もいますので、両方を記載しております。

(四)は、特許の発明者や登録意匠を創作した者、登録品種を育成した者です。

(五)は、農林水産、鉱工業、機械、電気、土木、建築に関する科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、設計等の業務に就こうとする者や、システムエンジニア、デザインの考案の業務に就こうとする者であって、大卒であれば5年以上、短大、高専卒であれば6年以上、高卒であれば7年以上の実務経験を有する者です。

(六)は、システムコンサルタントで、実務経験5年以上の者です。

(七)は、それらに準ずる者で労働基準局長が認めた者ですが、現在は定められておりませんし、今後も当面は定める予定はありません。

この告示については本年4月1日から適用することとしております。

資料4は、システムアナリスト試験がITストラテジスト試験に置きかわっていることから、この機会に併せて労働基準法第14条第1項第1号の基準についても、形式的に改正するものです。

資料5は、その新旧対照表です。

資料6は、「事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置に関する基本的な指針案(たたき台)」です。

これは法律で定めるとなっているもので、第1が雇用の動向に関する事項、第2が雇用管理に関する措置内容に関する事項です。

まず、「はじめに」として、第1パラグラフが、無期転換ルールが導入された経緯で、第2パラグラフが、「専門的知識等を有する有期労働者は企業横断的にキャリア形成を行う例も見られ、事業主もプロジェクトの進捗に合わせて、こうした方々を求める例がある。また、定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者については、加齢とともに健康状態や職業能力の変化に関する個人差が大きくなるため、有期労働契約を活用することで労使双方のニーズを満たす面があると考えられる」等々必要性を述べた上で、有期雇用特措法において、「専門的知識等を有する有期雇用労働者及び定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者」について、「労働契約法第18条第1項の規定による無期労働契約への転換制度の特例を認めることとされている」と背景を記載しております。

第1が「特定有期雇用労働者の雇用の動向に関する事項」です。まず、有期雇用労働者全体の動向について、平成25年の非農林業雇用者5,501万人のうち、有期雇用労働者は1,442万人で、26.2%となっております。

また、いわゆる不本意非正規の方は非正規雇用労働者全体の19.2%となっております。

次のパラグラフでは、「法は、一般的に雇用が不安定、賃金が低い、能力開発の機会が乏しい等の課題が指摘されている有期雇用労働者のうち、雇用の安定性が損なわれるおそれが比較的少なく、有期労働契約の下での人材活用ニーズが高い、第一種及び第二種の有期雇用労働者について、適切な雇用管理が行われることを要件として、労働契約法の特例を設けるもの」としております。

2番が、「第一種特定有期雇用労働者の動向」です。

4ページに趣旨を記載した上で、5ページの上から3行目、「有期雇用労働者のうち、正社員よりも高度な内容の職務に従事している者の割合は、3.6%となっており、そうした者であって年収が1,000万円以上のものの割合は、2.1%となっている」ということです。

また、「新規事業化の試行や検証のためのプロジェクト、受注案件や事業展開に応じたプロジェクト等において、企業のニーズが見られる」というJILPTの結果を紹介しております。

3番目は、「第二種特定有期雇用労働者の動向」です。まず「高年齢者の雇用状況については、60歳から64歳までの役員等を除く雇用者数は401万人で、そのうち253万人が有期を含む非正規雇用労働者」となっております。また、「一方、65歳以上の役員等を除く雇用者数は285万人で、そのうち203万人が非正規雇用労働者となっている」ということです。

なお、「常用労働者が31人以上の企業のうち98.1%が65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みである。そのうち、継続雇用制度の導入措置を講じた企業の割合は81.7%」ということです。また、「継続雇用の契約期間の状況をみると、『1年単位』とすることが最も多いとしている企業の割合は79.5%となっている一方、有期労働契約の反復更新により65歳までの雇用確保措置を講じている企業が多い」、「継続雇用者が65歳以降も勤務できる企業は68.7%となっている」、「高年齢者自身の就業意欲についてみると、『70歳くらいまで』、『75歳くらいまで』、『76歳以上』、『働けるうちはいつまでも』働きたい者の割合が50.4%となっており、65歳以降も働きたいというニーズが高い」という調査結果になっております。

その上で、第2が「事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置の内容に関する事項」です。1が第一種の方に対して、「次に掲げる特性に応じた雇用管理に関する措置のうち、事業主が置かれている実情に照らして適切なものを行うことが必要である」として、「ア 教育訓練に係る休暇の付与」、「イ 教育訓練に係る時間の確保のための措置」、「ウ 教育訓練に係る費用の助成」、「エ 業務の遂行の過程外における教育訓練の実施」としております。エについては、「学会への参加を含む」と高度専門職の方のニーズが高いものを明記しております。

また、「オ 職業能力検定を受ける機会の確保」、キャリア・コンサルティングを含む「カ 情報提供、相談の機会の確保等の援助」としております。

(2)は「雇用管理に関する留意事項」で、参議院の附帯決議も踏まえて記載しております。

アは「一般の労働者との労働条件の均衡」で、「契約締結時の年収水準以外の社会保険等についても、一般の労働者との均衡を考慮したものとなるよう、配慮すべきこと」としております。

なお書きとして、第一種の方、第二種の方についても、「不合理な労働条件を禁止する労働契約法第20条の適用対象となること」を明記しております。

イは「合理的な理由のない雇止めの回避」で、第一種の方について、「特定有期業務の期間中の雇用の安定に配慮し、合理的な理由のない雇止めを回避することが望ましいこと」、第一種の方、第二種の方についても、「いわゆる雇止め法理を規定する労働契約法第19条の適用対象となるもの」としております。

ウに、附帯決議にある、「産前産後休業又は育児休業の取得促進のための環境整備」について掲げております。

2が第二種、高齢者の雇用管理措置です。11ページのアが「高年齢者雇用推進者の選任」、イの(ア)が「教育訓練の実施」、(イ)が「作業施設・方法の改善」、(ウ)が「健康管理、安全衛生の配慮」、(エ)が「職域の拡大」、(オ)が「配置、処遇の推進」、(カ)が「賃金体系の見直し」、(キ)が「勤務時間制度の弾力化」です。

(2)が留意事項で、「原則65歳までは契約更新がされるものであるとの高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえ、適切な措置を行うことが望ましい」と、附帯決議や前回の議論等を踏まえて記載しております。

3番が「その他の雇用管理等に関する留意事項」です。(1)が「個別労働関係紛争の未然防止」で、まず、「労働基準法施行規則第五条の特例を定める省令に基づき、労働契約の締結・更新時に、第一種の方に対しては、特定有期業務の期間(最長10年)、第二種の方に対しては、定年後引き続いて雇用される期間、無期転換申込権は発生しないことを書面で明示する」こと。そして、「第一種の方に対しては、特例の対象となる業務の具体的な範囲も書面で明示することが必要である。その際は、モデル労働条件通知書の活用を図ることが望ましい」としております。

また、「計画が認定されたことにより有期労働契約の期間中に無期転換申込権発生までの期間が変更となる場合や、特定有期業務の完了の日が変更となることにより、無期転換申込権発生までの期間が変更となる場合には、速やかに特例の対象となる労働者にその旨を明示することが適当である」としております。

さらに(2)が「関係労働者の理解と協力」で、「当該雇用管理の内容について関係労働者に対し意見聴取を行う、周知する等、関係労働者の理解と協力を得るよう努めることが求められる。なお、就業規則の変更を行う場合には、労働基準法第89条及び第90条並びに労働契約法第9条及び第10条の規定に留意することが必要である」としております。

続いて、資料7は、労働条件の明示に関する省令の「特定有期雇用労働者に係る労働基準法施行規則第五条の特例を定める省令案要綱(たたき台)」です。

これについて、改正の手法として労働基準法施行規則第五条を改正する方法もあるますが、労働基準法施行規則第五条は全ての労働者が明示されるべき事項が規定されており、そこにこの特例対象の方に特に明示すべき事項を加えると、実務上もわかりにくくなるということもあり、別の省令として定めてはどうかと考えているものです。

第一が、「計画対象第一種特定有期雇用労働者に係る労働条件の明示の特例」で、第一種の方に対して明示しなければならない労働条件は、労働基準法施行規則第五条第一項に規定するもののほか、第一号として、「労働契約法第十八条第一項の規定の特例の内容に関する事項」、第二号として、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」で、もともと規定されている「労働基準法施行規則第五条第一項第一号の三に掲げる事項を除き、特定有期業務の範囲に関する事項に限る」としております。

第二が、第二種の労働条件の明示の特例で、労働基準法施行規則第五条第一項に規定するもののほか、第一の一に掲げるものとし、労働契約法第十八条の特例の内容について明示するものとしております。

この省令も、本年4月1日から施行することとしております。

資料8は、具体的な明示事項をモデル労働条件通知書で示したものです。「契約期間」の下方のマーカー部分が、先ほどの省令の第一の一で規定する無期転換申込権が発生しない期間で、高度専門職の場合は、特定有期業務の開始から完了までの期間、すなわち、特例の期間を記入していただくというものです。

定年後の高齢者については、定年後引き続いて雇用される期間が特例の期間ですので、それを明示いただくというものです。

次に、省令第一の二で規定する、高度専門職の方に明示する事項は、従事すべき業務の内容に加え、特定有期業務、すなわち、どのようなプロジェクトに従事している間にこの特例の対象になるのかを記載していただき、このプロジェクトの期間中は特例の対象になることが明確化されるようにするものです。

次のページの一番下に「その他」として無期転換申込権発生について記載しておりますが、「ただし」として、「特例の対象となる場合は、「契約期間」欄に明示したとおり」と明記しております。

次のページに「記載要領」がありますが、5に記載してあるとおり、高度専門職の場合は、この認定を受けた第一種計画に記載されている特定有期業務の内容を併せて記載することを明確化しております。

資料No.9は、通例により報告事項としておりますが、有期雇用特措法について、労働政策審議会の各部会の所掌事務に加える労働政策審議会令の改正です。

資料No.10がその新旧対照表で、労働条件分科会の所掌事務に有期雇用特措法を加えており、ただし、「職業安定分科会の所掌に属するものを除く。」としております。

その隣が職業安定分科会の該当部分で、職業安定分科会の所掌事務に有期雇用特措法を加えており、ただし、括弧書きで、「基本指針に定める第二種特定有期雇用労働者の雇用の確保に係る措置に関する事項に限る」としております。

最後に資料No.11です。これは前回、遠藤委員から御質問のあった、第二種計画の変更に関する認定の申請が必要な場合についてまとめたものです。

第二種計画において、「事業主は、第二種特定有期雇用労働者に対する配置、職務及び職場環境に関する配慮その他の特性に応じた雇用管理に関する措置内容を定めること」とされております。その上で、「認定を受けた事業主は、当該第二種計画を変更しようとするときには、あらためて厚生労働大臣の認定を受けなければならないこと」とされておりますので、変更に関する認定の申請が必要となるのは、「第二種計画に記載した事項に変更があった場合」ということで、資料No.2のチェックボックスにチェックをつけ、添付書類も含めて都道府県労働局が確認した事項に変更がある場合には、変更申請が必要ということです。

以上、たたき台について御説明いたしましたが、省令改正等に当たっては、パブリックコメントが必要になります。パブリックコメントに1か月程度の期間を要しますが、本年4月1日の施行と施行期日が迫っており、この間、事業主等への周知を十分に実施していく必要がありますので、委員の御理解が得られれば、今日以降、今回お示しした内容でパブリックコメントを開始させていただきたいと考えております。

以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいま事務局から御提出いただき、かつ御説明いただきましたたたき台に関しまして、先ほどお願いしましたように、項目ごとに順を追いながら、御意見あるいは御質問を伺ってまいりたいと思います。まず、専門的知識等に関する基準及び年収要件につきまして、御意見あるいは御質問がありましたらお願いしたいと思います。

 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 ただ今、御説明いただいた内容で、資料1の施行規則の第一に年収要件として1,075万ということを明記するということですので、これは私どももこの部会の中で主張してきたものでございますし、これが盛り込まれたということについてはこの内容を了としたいと思っております。

ただ、この有期雇用特措法の論議の前提において、本来すべての労働者を対象とすべき労働契約に係る基本的事項である無期転換ルールについて、こうした形で特例を講じることについては非常に違和感がありますので、こうした年収要件、あるいは専門的知識の要件については厳格な運用がなされるよう希望するということを重ねて申し上げたいと思います。これらの要件の安易な拡大につながらないことと共に、ぜひルールの遵守に向けた周知

もあわせて申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。

では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 まず、私は第一種の対象について申し上げたいと思います。前回、私からこの本特別部会におきまして、例えば市場調査担当者ですとか、大型資源プロジェクトを受注した場合のプロジェクトマネージャー、あるいはファンドマネージャーについてもぜひ対象とすることが適当であるということで申し上げさせていただきました。安易な拡大にならないようにという気持ちは私も思いとしては同じでございますけれども、一方で、現在でも高い年収を提示しながら三顧の礼で来ていただいているような高度の有期契約の方がいらっしゃるというのはぜひ御理解いただきたいと思っております。

例えば市場調査担当といった方々は、特定の対象の国ですとか地域の法律、あるいは商慣行に熟知していたり、またファンドマネージャーの場合、高度な金融知識を駆使しながら仕事をされていらっしゃいますけれども、必ずしも国家資格を持っている方ばかりではございません。これは例えば企業法のプロフェッショナルが必ずしも弁護士資格を持っていないですとか、財務のプロフェッショナルが必ずしも公認会計士の国家資格を持っているわけではないということと同じではないかと思っております。

 もとより、この有期雇用特措法の創設に向けた契機となりました国家戦略特別区域法附則第22条には、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進を図る観点から、高度専門職の特別措置を検討するようにという趣旨のことが明記されております。ニーズがあって、現在でも活用されているにもかかわらず対象外とするということは、グローバルな活動を阻害しかねず、本制度の趣旨を考えたとき、見過ごすことができないのではないかと思っているところでございます。

 私からは以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。

では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 先ほども申し上げましたように、労働契約法という、まさしく労働契約の基本的事項、民事的効果を持ったルールについて、一部の労働者だけ別の扱いをするというのがこの有期雇用特措法です。特例であることに鑑みれば、対象者の範囲については、より限定的なものとされるべきです。先ほど、鈴木委員がおっしゃったように、有期雇用特措法は、もともと国家戦略特区法が契機となったものでありますけれども、対象者については、使用者の主張によって定年後引き続いて雇用される者にも拡大適用されてしまっています。よって、対象となる労働者の範囲は、法令に基づいてきっちりと厳格な運用がなされるべきであり、また、すべての労働者を対象にすべき無期転換ルールの特例である以上、対象職種は限定的であるべきです。資料3で、専門的な知識等の範囲について、既にある労働基準法第14条第1項第1号に基づく告示の基準と同じものが示され、「専門的な知識、技術、経験であって高度なもの」ということで特定しておりますので、「ニーズがある」との理由で範囲を拡大することには反対であるということを重ねて申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

ただいま新谷委員から、技術、経験を持たれた方という点の強調があったところでございます。繰り返し申し上げたいのは、国家資格を持っていない方であっても高い専門性を持って活躍されている方がいらっしゃるという点でございます。例えば現行の大臣告示の9号にシステムエンジニアが示されております。システムエンジニアの場合には、新谷委員おっしゃった経験年数5年以上、プラス年収要件で専門家として認められておりますが、例えばファンドマネージャーなどで、なぜ同じく経験年数プラス年収要件で対象にならないのかということについての合理的な理由、説明がございません。

 事務局にお尋ねしたいのですが、国家資格中心の労働基準法第14条の大臣告示をそのまま引用したことについての説明をお願いしたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 お答えします。

 まず1つは、有期雇用特措法の立法の契機となった、当部会とりまとめの建議において、高度な専門的知識等の要件については、全体に係る年収要件ともども、労働基準法第14条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準に定められている内容を参考に定めることが適当であるとされたことです。

もう1つは、参議院の厚生労働委員会における附帯決議において、「民事上のルールとして定められている無期転換ルールについて、行政の関与のもとに特例を定めることはあくまで例外であることに鑑み、特例の対象となる専門的知識等を有する有期雇用労働者の具体的要件については、無期転換ルールによる労働者保護の趣旨が損なわれることのないよう慎重に行うとともに、労使のコンセンサスを得た上で決定すること」とされていることです。これらを踏まえ、今般の形で提示したものです。

○岩村部会長 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 説明としては承りました。まず強調したいことは、使側として何か労働者保護に欠けるような内容まで求めているわけではないということでございます。現に高い年収を得て、高度な専門的知識を発揮しながら有期契約で働いていらっしゃる方は対象にしていただきたいということが使側の考えであります。

 事務局から、建議の中で「参考に」するとされていたことの御説明があったところでございます。これは公労使で決めたものですので、当然覚えております。ただ、「参考に」とされていたものが、今回示された案ではそのものが示されたところでございます。「参考に」ということの意味合いが、事実上、今ある参考にされたものそのものを指すということに変質してしまうと、例えば今後の審議会議論において、「参考に」という言葉が入ったことで、取りまとめを行うということに慎重にならざるを得ない、そのような影響もあるのではないかと思っております。これは私の意見として申し上げたいと思います。

 以上でございます。

○岩村部会長 ありがとうございました。ほかにこの第1番目の項目につきまして御意見ありますでしょうか。

 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

第一種の年収要件について申し上げたいと思います。この年収要件については、まさに労働者の保護に欠けないよう、他の要件と相まって労働者保護に欠けない水準というものを担保するということの必要性は十分理解しているところでございます。今回示された年収案は、事務局から御説明がございました現行労働基準法第14条に基づく大臣告示の一部対象にかかっている年収水準でありますけれども、この年収水準が、平成15年当時どのように決められたのかについて事務局にお伺いしたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局、お願いいたします。

○村山労働条件政策課長 年収要件の1,075万円が平成15年当時どのように決められたのかについてお答えいたします。

 平成15年の労働基準法改正の前は、1回の有期契約期間の上限は、原則が1年で特例が3年でした。これが平成15年の労働基準法改正において、原則が3年で特例が5年とされました。そして、平成10年の労働基準法改正で原則は1年としつつ特例で3年とされた際の3年特例の要件の一部に、年収要件として575万円という数字が定められました。

 この575万円を前提にした平成15年の国会審議等において、1回の契約期間の特例を5年に引き上げる際に、この額では低いのではないかという御議論があり、また、その国会での衆参両院の附帯決議において、有期契約の5年特例の対象者の一部の年収要件については、自らの労働条件を決めるに当たって交渉上劣位に立つことがない方にすることが求められたところです。

これを踏まえ、労働政策審議会で、交渉上劣位に立つことがない年収水準について御議論いただきました。575万円の算出根拠となった、当時の大企業の30歳代の係長級の年収水準では低いのではないかとの御意見があり、5年の特例について定める告示の年収要件としては、技術系の課長級の職にある労働者全体に着目し、その層の上位の4分の1のところがふさわしいのではないかとの結論になったものです。その数字が1,075万円ということです。

このように、交渉力の観点から劣位に立つことがない方というのがどのような水準なのかという観点から、国会審議の経緯も踏まえて労使に議論を尽くしていただいた結果、この数字が出てきたというのが、先ほど御質問にあった経緯に関するお答えです。

あわせて、その後の経過の中で、交渉力のある方々についての年収要件として、労働基準法という基本的な法律の下位法令の中で、労使の間にも一定程度定着してきていることも、一つの経緯と言えるのではないかと考えております。

以上です。

○岩村部会長 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ただいま村山課長から御指摘いただいた交渉力の観点から劣位に立たないような水準というのは、私どもも理解できるところでございますが、この最新のデータに基づいて、今おっしゃられた1,075万円の計算をし直した場合、どのぐらいの水準になるのかお聞かせいただきたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 お答えいたします。

実は先ほど申し上げた575万円にしましても、現行の1,075万円にしましても、依拠している統計は人事院が官民給与比較のために実施している職種別の民間給与実態調査です。この調査について1つ留意しなければならないのは、平成18年以降調査対象が大きく変わっていることです。具体的には、平成17年までは調査対象の企業規模は従業員数100人以上で、スタッフ職は含めておりませんでした。平成18年以降は、官民給与の比較の精緻化や国民世論への対応という観点から、企業規模50人以上でスタッフ職を含めることとなっており、調査のベースになる対象が大きく変わっております。

 例えば労働力調査や就業構造基本調査などの基本的な統計であれば、大きな調査対象の変更があった場合には接続表がつくられますが、民間給与実態調査は、労働力調査等の趣旨、目的とは異なるため、以前と全く同じベースでの比較が、今日では難しくなっております。

 こうした中で、直近の調査結果は人事院より公表されてはおりますが、同じように計算したとしても、その結果が持つ意味が同じなのかという点については、難しい課題があるということを御理解いただきたいと思っております。

 十分お答えになってなくて恐縮ですが、以上です。

○岩村部会長 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 統計上の限界で技術的にも再計算が難しいということはわかりました。この年収水準について、交渉力が劣位に立つかどうかという観点から考えた平均的な給与水準がどのぐらいであるかということも十分踏まえた上で判断することが考えられてしかるべきだと思うのですけれども、平成15年と現在を比べたときに、平均的な給与水準というのは一般的にどのような変化があるのかお伺いしたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 申し訳ありません。一般的な統計でどのように推移しているかを直ちにお答えする準備が手元に整っておりませんが、基本的に大きなレベル感の変化はないのではないかと考えております。

 以上です。

○岩村部会長 同じ項目でしょうか。

○鈴木委員 はい、そうです。

○岩村部会長 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 私から参考までに御紹介しますと、国民経済計算の雇用者1人当たりの名目報酬は、平成15年から平成25年にかけて約7%ポイント下がっております。私どもは、1,000万円以上ということが、交渉力が劣位に立たない一つのメルクマールだと思っておりますが、1,000万円としても、他の要件、対象業務がかなり絞り込まれているということとあわせ考えれば、その交渉力が劣位に立たない、労働者保護に欠けるものではないと考えています。

 私からは以上でございます。

○岩村部会長 それでは、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、年収要件をめぐって事務局と使用者側委員でやりとりがありましたけれども、私はそれをお聞きしていて非常に違和感を覚えます。これは1年前の報告書なので鈴木委員ももしかするとお忘れになったかもしれませんけれども、昨年2月に建議を取りまとめた際、「労基法14条の告示を参考に」し、1075万円を念頭に置くというのは、具体的な数字が報告書にも記載され、公労使三者の共通認識であったはずです。今さらになって、算出の根拠がどうであったかとか、その間の賃金の変化がどうであったか等、調査対象が大きく変わっていること等を引っ張り出してきて議論するのは、三者構成で合意した内容に対して、また遡って内容を変更するのではないかという懸念を抱かざるを得ないわけでありまして、私どもとしては、昨年2月の報告書に重きを置いて審議をするべきと考えます。冒頭に申し上げたように、この省令案の「1,075万円」と年収要件は報告書に盛り込んだ内容であるということで、私どもは了としたいということです。

 それと、今おっしゃった中で、「1,000万円以上ということが、交渉力が劣位に立たない一つのメルクマールだと思っている」とのことでしたが、その根拠はどこにあるのでしょうか。「1,000万円」と「1,075万円」との違いは一体どこにあって、1,000万円だったら交渉力あるというのは何か合理的な根拠があるのですか。それは鈴木委員が個人的におっしゃっているのかどうか知りませんけれども、使用者側委員としてもしそれをおっしゃるのであればもっと合理的な根拠を示していただきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 そういう意味では、1,075万円も合理的な根拠というのは示されていないと思います。平成15年にはそれなりの根拠で計算したものの、今は再計算できないような数値にもかかわらず、前例なので踏襲するということについては、私としては納得がしにくい。「参考に」ということで盛り込まれたことについては、当然、取りまとめた当事者の一人でございますので理解しているところでございますが、そもそもこの労働基準法第14条とは趣旨、目的が違います。それから、労働基準法第14条の対象業務の年収要件というのはシステムデザイナーとか一部の方だけが対象になっているというようなことで、その対象業務と合わせてこの交渉力足り得るかということを議論するという趣旨が「参考に」という言葉には含まれていたと私は理解しております。

 私からは以上です。

○岩村部会長 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 昨年2月に取りまとめた報告書が皆さんの手元にもありますけれども、一般的に、報告書の中に具体的金額が盛り込まれ、それを「参考」にと言えば、省令を策定するときにはその数字が出てくるということを当然想定されると考えます。今さらこの数字について、「根拠が違うのではないか」とか「今回の案では参考にするどころか、ほぼ同内容のままで起案されているのは全然想定もしなかった」などとおっしゃっていますけれども、そのようなご意見が出るのであれば、この三者構成の審議会で取りまとめた意味というものは一体どうなってしまうのでしょうか。有期特措法の施行も目前に迫った現段階で算出方法に異論を示す使用者側委員の発言は労使関係の信義にもとるもので、非常な違和感を覚えます。

○岩村部会長 議論の繰り返しで同じことを議論するようになっていますので、もう一回鈴木委員にお聞きしまして、それで、この件については、それを伺った上で私のほうで一言申し上げるということにしたいと思います。

 それでは、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 前回の議論の中でも私からは、1,075万円がどのように決まったのかという経緯を踏まえて議論する視点が重要であるということと、第2点目としては、先ほど申し上げました年収要件がかかっているものとかかってないものとがあるということを十分に踏まえながら今後議論していくことが必要という2つの条件つきで、私どもとしてはこの「参考に」という取りまとめをしたということだけは申し伝えたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございました。今、労使双方から御議論いただいたところでありますけれども、先ほど事務局からも説明ありましたように、この1,075万円というラインを決めた理由については、もともとのこの有期雇用特措法のできた由来、それから国会の附帯決議というようなことを挙げて御説明されておりますので、部会長としてはその説明を了としたいと考えております。

 ほかに、この1番目の事項についてはございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、次に事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置や認定申請手続というのが2番目の事項でございますので、それについて御議論、御意見、あるいは御質問をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。

 では、遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 先ほど部会長から、1つ目のテーマについて、何かほかに御質問はということでしたので、そのお尋ねでもよろしいでしょうか。

○岩村部会長 どうぞ。

○遠藤委員 ただ今の議論というのは、そもそも労働基準法第14条にかかわる告示があって、その告示の内容をそのまま持ってくるというところで議論が終始しているようです。であるとすると、今後、労働基準法第14条にかかわる告示内容が変わった場合については、自動的にこの部分も変わるという理解でよろしいのでしょうか。

○岩村部会長 これも先ほど事務局からも説明がありましたように、もともと報告のときには「参考にして」ということで取りまとめになっているわけです。私の理解では、結果的には労働基準法第14条の告示と同じになっていますけれども、事務局としては、先ほど説明があったいろいろな背景というようなものも考慮し、その上で告示の内容も参考として1,075万円という案を提示したものと理解しています。

 ですので、今、遠藤委員からの御質問に対するお答えとしては、私の理解としては、労働基準法第14条の告示が変わったらこっちが自動的に変わるという形で1,075万円という今日のたたき台の案が提示されているというものではないと私としては考えております。

 それでは、第2番目の事項。では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 2番目の事項である、今回盛り込まれた雇用管理措置については、前回私どもからも申し上げたように、職業能力開発促進法や高年齢者等職業安定基本指針に基づいた内容ですので、この内容について我々としては了としたいと思っております。ただ、幾つか確認を含めて意見を申し上げたいと思っております。

 資料2の申請書についての意見でもよろしいですか。

○岩村部会長 はい。取り合わせてどうぞ。

○新谷委員 計画の認定・変更申請書については、以前からデジタルな内容にしていただきたいということを申し上げました。この案では、雇用管理措置の内容にチェックを入れるとともに、必要な書類を添付して届けを出すということですけれども、大事なことは、ここに書かれている雇用管理措置の内容を現実に事業主が実施するということでありまして、計画は計画にとどまり、実態は異なるということにならないように、きっちりとした管理を行っていくべきだと思います。ついては、認定・変更申請書が提出された後、各労働局においては添付書類を十分に確認するなど、実際にどのようなチェックがなされるかということをお聞きしたいというのが1点です。

 また、資料2の1ページ目に第一種計画の申請書がありますが、おそらく、第二種計画はほとんどの事業場で申請がなされるので、どの事業場が入るか入らないかという問題はないと思うのですが、第一種計画の申請については企業単位で申請しますので、複数の事業場がある場合、その企業の中のどの事業場でプロジェクト行われるのかということが大事な情報となってくると思います。今回、第一種計画認定・変更申請書の中に、「業務が行われる主な事業場の名称」という項目が追加されましたので、これによってある程度特定ができると思いますけれども、計画の認定申請は本社所在地の労働局に対して行われるため、全国展開しているような企業では、そのうちのどこの事業場で特例の対象となる有期の特定のプロジェクトを行うのかというのは、おそらく、該当する事業場を管轄する労働基準監督署ではわからないこともあるかと思うのですね。そうすると、実効的な監督を行うためには、労働局間等で、それぞれ都道府県の管轄内にある本社から申請のあった第一種計画について、本社を管轄する労働局と、プロジェクトが行われる事業場を管轄する労働局の双方でどのように情報を把握し共有していくのかということが課題になるかと思います。その辺の仕組みなり今後の運用の仕方を教えていただきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 では、御質問ということですので、事務局でお答えをお願いします。

○村山労働条件政策課長 2点の御質問にお答えいたします。

まず1点目は、都道府県労働局長宛てに提出された計画認定申請書の内容について、どのようにチェックするのかということです。これは立法段階の建議に至る過程の中でも、行政による裁量の余地がなく運用するようにということとあわせて、事業主負担をできるだけ軽減することも重要であるということもあり、デジタルな仕組みとするため、資料No.2の様式としております。

また、この様式だけでは、表面的にチェックしているけど、それを証明するものがないのではないかという話になると思いますので、その様式の一番下のところで、添付書類として、それぞれ第一種、第二種の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することが分かる資料、多くは就業規則の関係部分の写し等であろうかと思いますし、また、第一種の方であれば、労働契約の中に特別な事項として定められている場合や、職業能力開発計画等の中で確認できる場合もあるかと思いますので、こうしたものを添付していただき、これをしっかりと確認していくということです。

 その上で、申請された措置が履行されていない懸念が生じる場合もあろうかと思います。この点は、立法段階で、建議を踏まえ、厚生労働大臣から権限を委任された都道府県労働局長が、必要な報告を認定された事業主に対して求めることができる規定や、措置の的確な実施に必要な指導及び助言に係る規定を法律上に明記しているところです。

 有期雇用特措法第10条、第11条に基づく助言指導、報告の徴収等により、しっかりと認定された計画の内容が担保されていくように対応してまいりたいと思っております。

 また、新しい仕組みですので、どのような資料を添付したらいいのかといった戸惑いをお持ちになる申請者の方が出るかもしれません。その点については、これからの施行に向けてパンフレットやリーフレットを作成する中で、労使の御意見も十分伺いながら、分かりやすく、そしてまた十分用を足すものとなるよう努力していきたいと考えております。

 御質問の2点目は、全国展開されている企業のさまざまな事業場において、例えば研究開発プロジェクトが行われていて、それぞれの研究所なり支社なりで対象の労働者がいらっしゃった場合にしっかりと確認ができるかということです。多くの場合、本件申請をされるのは、本社と思いますが、その際には、申請事業主の名称、所在地等を記載して管轄の労働局に提出していただきます。同時に、特定有期業務が行われる主な事業場の名称も、例えば○○研究所が主なところということを記載していただくということです。

 そのように記載することにより、本社を管轄する労働局と、プロジェクトが行われる事業場を管轄する労働局の双方できちんと状況を見ることができるようになるということです。その前提として、関係の労働局間の連絡体制、調整体制をこれから通達等で指示を出して整えてまいりたいと考えております。

 なお、主な事業場以外の事業場でも確認が必要になることがいろいろ生じるのではないかという御懸念もあろうかと思いますが、そこは本社管轄の労働局において、そうした御懸念を払拭できるように、必要なきめ細かい対応に努めていきたいと考えております。

 基本的には、本社管轄の労働局と主な事業場を管轄する労働局の連絡調整体制の中でしっかり対応していきたいということです。よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 わかりました。ありがとうございます。もともと私どもも、民事的効果を持った法律に行政が過度な介入をするということは望ましいことでないと思っていますけれども、申請がなされた際には、正しい内容で申請がされているかどうかのチェックが必要です。それに対する実効性を高めるという意味から言えば、やはり労働局が目を光らせているというしっかりとした監督体制があることは大事なことだと思っています。

その上で質問です。第一種計画認定・変更申請書の中に、第一種計画の「開始及び完了の日」というのがあります。例えば、全国展開しているような企業で全社的なプロジェクトの場合には、全ての事業場で「開始及び完了の日」は同じになると思うのですけれども、例えば事業場によってプロジェクトが個々に稼働している場合に、事業主は、個々のプロジェクトごとに申請書を複数枚申請する必要があるのかどうかという点です。個々のプロジェクトごとの期間が異なりますので、おそらく、有期プロジェクトの数だけ日にちを変えて申請しないといけないと思いますけれども、そのような運用でいいのかどうかという確認です。

それと意見ですけれども、第二種計画認定・変更申請書にある「3 その他」の「継続雇用制度の導入」の2つ目のチェック欄ですね。日本語としてちょっとわかりにくいのではないかと思っておりまして、「経過措置に基づく労使協定による」という箇所は、「労使協定により」とした方が良いかと思いますので、御検討いただければと思います。

以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。では、質問について、まずお願いします。

○村山労働条件政策課長 お答えいたします。御質問は、プロジェクトとしてそもそもばらばらである場合ということなのだろうと理解しております。これは使用者側の委員も立法段階で共通の御理解をいただいているものと思っておりますが、異なるプロジェクトが社内に幾つかある場合、例えばロシアとのプロジェクトもあれば、モザンビークとのプロジェクトもあれば、オーストラリアとのプロジェクトも動いているという場合には、それぞれについて高度専門職の方に有期雇用特措法の通算契約期間の特例を活用されるということであれば、それぞれ別個に認定を申請していただく必要があるものであり、また施行に当たってもその点はしっかりと周知してまいりたいと考えております。

 以上です。

○岩村部会長 文章の点についてはまた事務局で改めて精査していただければと思います。ほかにはいかがでございましょうか。

 では、市瀬委員、どうぞ。

○市瀬委員 今回の第二種計画の認定申請書につきましては、就業規則の作成義務がない小規模な事業者は、就業規則以外の書類を添付するということになるかと思います。そうした事業者の方でも円滑に対応できるように、今後、対応マニュアルを作成する場合には、十分に御配慮いただくよう、よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 では、事務局お願いします。

○村山労働条件政策課長 大変重要な御指摘だと考えております。パンフレット、リーフレットだけでなく、中小企業事業者の皆様を対象とする場も含めて丁寧に説明会等で対応していくようにという旨を国会審議の中でも御指摘いただいております。私どもとしても、まずは省令等の骨格をお定めいただいて、その後施行までの間、限られた時間ではありますが、周知に努め、また施行後もきめ細かい周知に取り組んでいきたいと考えております。その際には、ぜひ中小企業団体はじめとする関係団体の方々の御支援、御助力もいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 ほかにはいかがでございましょうか。

 では、冨田委員、どうぞ。

○冨田委員 資料6の14ページ目の(2)に「関係労働者の理解と協力」という項目がありまして、この計画の申請手続における集団的労使関係の在り方につきまして改めて御意見申し上げたいと思います。

 この項目の「事業主が」から始まるところの中に、「関係労働者の理解と協力が重要であり、…関係労働者の理解と協力を得るよう努めることが求められる」という記載がございます。この関係労働者の理解と協力が重要であるという考え方は、これまでも私どもが主張してきたところであり、まさにそのとおりのことを記載いただいていると理解しております。

 ただ、「無期転換ルール」という基本的なルールがそれぞれの社内の中でどのように取り扱われているのかということは、この計画の対象者となる労働者だけではなくて、その企業の中で働く全ての人たちにとっても大変関心の高い事項だと思います。したがいまして、ここでのこの「関係労働者」というのはその範囲を狭く解すべきではなくて、やはり過半数の労働組合も当然のように含めるように捉えていくべきではないかと考えます。

 この点につきましては、前回の部会でも、労働側から、「認定の申請に先立っては過半数労働組合への意見の聴取を行うように規定すべき」という意見を述べさせていただいたところですが、その規定がこの(2)の中に含まれていないということにつきましては大変労側としては残念であると言わざるを得ないと思います。

 つきましては、この法施行後の運用状況などの検証もしっかりと行っていただきながら、あらかじめ過半数労働者に対して意見聴取を行うように義務づけるという点につきましては、引き続き検討を行っていくべきではないかということを意見として申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。御意見ということで承っておきたいと思います。

 ほかにはいかがでございましょうか。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今の冨田委員の意見にも関連するところで、意図がよくわからないので、読み方を教えてほしいのですけれども、資料6の14ページの最後のなお書きのところです。「第一種計画又は第二種計画の策定に際し、実施する雇用管理に関する措置の内容に関して就業規則の変更を行う場合は、労働基準法第89条及び第90条並びに労働契約法第9条及び第10条の規定に留意することが必要である」と。これは何を意図して書かれているのかというのを御説明いただきたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局でお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 お答えいたします。

まず、御指摘のあった文章の前段で、「関係労働者に対し意見聴取を行う、周知する等、関係労働者の理解と協力を得るよう努めることが求められる」とありますが、これは読んでいただいている内容どおりの意味です。そして、第一種計画や第二種計画の認定を受けて、それに則った雇用管理を実施していく場合、とりわけ、先ほど冨田委員からも御指摘がありましたが、第二種計画のように、多くの社員にかかわる部分について統一的、集団的に実施していく場合は、就業規則に、その部分の手当てをして、企業内で一律的に運用していくことが考えられます。そうした場合には、労働基準法に定められている手続等の規定や、確立した法理に基づき労働契約法に民事ルールとして定められている内容に、十分留意しながら行っていくことが求められるという趣旨で記載しているものと御理解いただければと思います。

 以上です。

○岩村部会長 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 この労働基準法第89条と第90条は就業規則に関する規定であり、特に第90条で就業規則の変更を行うのであれば過半数労働組合等の意見聴取が必要になるということを規定しています。また、労働契約法第9条と第10条は就業規則による労働契約の内容の変更の規定ですね。こういった条文が記載されていた場合に、すぐにその内容がわかる使用者はどれくらいいるだろうと思うのです。ここでの記載が意図するところ、留意するところは一体何かというと、先ほどご説明あったように、とりわけ第二種計画のように、多くの社員にかかわる部分について統一的、集団的に実施していく場合は、統一的公平な雇用管理をするというため、紛争防止のためにも就業規則に明定していく、または今ある就業規則を変更しないといけないというケースが出てくると思うのです。

そのときには、過半数労働組合等の意見聴取が必要であるというのは法律上の義務でありますので、例えば、第一種、第二種計画の策定に際して、就業規則を変更するという場合には、言葉を補っていただいて、労働基準法第90条の意図する過半数労働組合等の意見聴取が必要となるところ、あるいは労働契約法第10条が意図するところについての記載をもう少し盛り込んでいただきたい。この点はパンフレットに書くということかもしれませんけれども、基本指針の記載のみを読んでわかる使用者がどれぐらいいるかということに私は非常に疑問ですので、もう少し端的にこの指針の中にも意図を記載していただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。これは法律に基づいて定める指針ということで、そういう意味で、書き方もある意味では法令的な書き方になっていると理解いたします。ちょっとそれはやむを得ないかなという気もいたしますので、あとは、事業主の皆様に対する説明等で補うということかなとは思いますが、一応、今、新谷委員の御意見もありましたので、事務局で、書き方、工夫の余地があるかどうか御検討いただければと思います。

 事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 部会長の御差配がありましたので、御指摘を踏まえて、労使双方とまたよく御相談して、今後の運用面も含めてどのような記述がよろしいのか検討してまいりたいと考えております。

 以上です。

○岩村部会長 第2項目目は大体よろしいでしょうか。

 それでは、最後としまして、労働契約締結時における労働条件の書面明示事項の追加など、その他の論点がございますので、それについての御意見、あるいは御質問をいただければと思います。

では、芳野委員、どうぞ。

○芳野委員 資料No.7で省令案要綱、先ほど御説明いただきましたが、要望申し上げておきたいと思います。

 今回の省令案によって、事業主は労働契約の締結・更新時に特例対象となる労働者に対して「無期転換申込権が発生しない期間」等の労働条件を明示するよう義務づけられ、加えて、基本指針案では「モデル労働条件通知の活用を図ることが望ましい」ともされております。

この点で、対象となる労働者にとって、「自分自身はいつまで無期転換申込権を行使することができなくなるのか」といった情報が極めて重要になるのは疑いないと考えております。つきましては、施行日が本年4月1日と迫る中で、施行までに残された期間は極めて限られておりますけれども、こうした労働条件明示が事業主より確実に遺漏なく実施されるよう、厚生労働省は周知徹底に向けた取組をしっかりと行っていただきたいと考えております。この点について要望として申し上げておきたいと考えます。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでございましょうか。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 ただいま芳野委員から周知徹底のお願いを申し上げたところでありますけれども、この点は施行日が迫っている中、有期契約労働者にとっては非常に重要な内容が施行されるわけであります。これは本当に対象者に対する周知が大事だと思っていまして、特に施行日と契約の期日との関係、あるいは有期プロジェクトの実施の開始のタイミングとの関係で、一体どのようにこれを考えればいいのかというところが問題であると考えます。以前、労働契約法の施行の際には、図表付きのかなりわかりやすいパンフレットをつくっていただきましたので、ぜひ今回もそのようなわかりやすいパンフレット等をつくっていただきたいと思います。私どもとしても、内容が固まり次第、組織の中で周知徹底を図ってまいりたいと思いますので、ぜひ厚生労働省におかれましても、分かりやすい資料を作成していただきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでございましょうか。

 よろしいでしょうか。

 では、阿部委員、どうぞ。

○阿部委員 資料No.8についてもよろしいでしょうか。

○岩村部会長 どうぞ。

○阿部委員 資料No.8で、「労働条件通知書」の〔有期雇用特別措置法による特例の対象者の場合〕ということで、開始から完了までの期間ということで記載することになっていると思うのですが、ここの開始から完了までの期間は、資料No.2で言えば、(2)の「開始及び完了の日」の最後の欄の「特定有期業務の期間」に間違いないと思うのですが、「労働条件通知書」でこの期間を書いたとして、この労働者がいつまでこの期間なのかわかるかというところが少しぼんやりしているかなあという気がいたします。

最初のプロジェクトが始まる段階で有期雇用契約として雇われて、この期間ということであれば、最初から最後までが雇用契約期間であるということであればわかりやすいと思うのですが、更新を繰り返すとか、あるいはプロジェクトの途中で雇用されるとかいう場合には、いつからいつまでがその申込義務の時点になるのかというのが、多分、労働者にとってもわかりにくい書類になっているのかなあという気がします。

 これが労働者と紛争があったときにも、多分、この資料No.2と資料No.8を照らし合わすような形で紛争処理を第三者はすると思うのですね。そういうときも、どのプロジェクトで紐づけられているのかということがもっとわかりやすくすることも大事だろうと思います。今ちょっと別のことを言いましたが、それは従事すべき業務の内容の特定有期業務をもう少し明確にしないといけないということだろうと思いますが、その点と、それから、その期間の点が少し労働者にとってはわかりにくい可能性があるということで、少し工夫の余地があるのではないかなと思っています。

○岩村部会長 では、事務局お願いします。

○村山労働条件政策課長 多くの方に御活用いただく「労働条件通知書」に関して重要な御指摘をいただいたと考えております。

まず第1点目ですが、個々の方にとっての予測可能性をどこまで高めるかという点に関しては、正直、悩ましい問題であるのは事実です。これは、有期契約の反復更新ですので、高収入の高度な専門職で交渉力もある方なので、自らまた別のプロジェクトに自発的にキャリアアップされるという例もあるのではないかと考えております。

そこが、一回の契約で、5年の特例のような形でリテンションを図るのとはやや違う話です。例えば阿部先生に、幾つか具体的にわかりやすい例をお示しいただいたので、それに敷衍して申しますと、8年間のプロジェクトに最初から入っている方で、6年目で自発的に違うプロジェクトに移られることもあるだろうと思います。それが1年更新の場合であれば、1年ごとにそういう契機が労働者の側にもあるということがこの反復更新に伴う一つの特性だろうと思っています。

 その上で、プロジェクトの途中から入ってこられる方、例えば8年間のプロジェクトの2年目から入って最後まで携わる方等もいらっしゃると思いますが、最初からいて途中で出ていかれる方も含め、労使双方にとって、どこまでこの様式を通じて予測可能性を高められるかということと、一方で、労使双方にとって、反復更新する余地がある、ないし、それが前提とされていることとの兼ね合いの中で、押さえるとすれば、先ほどの資料No.2や資料No.8で、間違いなく押さえられるのはそのプロジェクトの期間、特定有期業務の期間と言えるのではないかと考えておりますが、それで予測可能性がすべて担保できるのかということも別途の議論としてあり得るのかなと思っております。

 ただ、御指摘は重要な点でございますので、今後の使用者、あるいは労働者の方々への説明に当たって、今、御提起のあったような視点からの投げかけにも応じられるよう考えていきたいと思います。

 また、従事すべき業務の内容は確かに御指摘のような点があります。こうしたモデル様式には、通常、赤字の記入例を併せてお示ししておりますので、今回についても、分かりやすい記入例としてどのような形で記入していただくのが労使双方にとっていいものなのか、労使の御意見も伺いながらよく考えていきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。今伺っていて思ったのは、1番目の特例対象者の場合のところのわかりにくさの一つは、1が「特定有期業務の開始から完了までの期間」と書かれているためにわかりにくいと思うのです。結局これは雇入れのときに特定有期業務に就く人に渡す通知書であること前提とすると、特定有期業務の開始というのは「雇入れの日」と括弧書きでもつけておいて、雇入れの日からその業務が完了するまでの期間とわかるようにすると、あと何年、自分は無期転換の特例に該当するのかということがわかるということかなという気がしますので、そこは事務局でもう少し精査して考えていただいて、わかりやすい形になるとより適切かなというような気もいたします。

○村山労働条件政策課長 御指摘を踏まえてよく考えたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございました。非常に貴重な御指摘を阿部委員にいただいたと思います。

ほかにはいかがでございましょうか。

 よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、今日いろいろ御議論いただきましたが、事務局では、今日の議論に基づいて省令、告示案の作成作業を速やかに進めていただきたいと思います。そして、次回のこの特別部会に省令告示案要綱を諮問していただくようにお願いをいたします。

 なお、報告いただいた中で労働政策審議会令の改正案もございましたが、これにつきましては特段の御異論もなかったと思います。ですので、今日提示して、事務局からお示しいただきました改正案要綱に基づいて、この審議会令の改正案の制定作業を進めるよう事務局にお願いいたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岩村部会長 ありがとうございます。

それから、今日事務局で示されましたこのたたき台につきまして、先ほど説明がありましたが、パブコメを開始したいということでございました。施行までそれほど期日もないということもありますので、こちらもパブコメを進めるということで御了承いただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岩村部会長 ありがとうございます。

それでは、次回の日程につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○武田労働条件政策推進官 次回の特別部会は、2月9日、月曜日、18時から20時で開催予定です。開催場所は、厚生労働省、合同庁舎5号館の12階、専用第12会議室を予定しております。よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 ありがとうございました。

それでは、第8回「有期雇用特別部会」及び第7回「高年齢者有期雇用特別部会」をこれで終了としたいと思います。

 なお、最後でございますが、議事録の署名についてでございます。労働者代表につきましては芳野友子委員に、使用者代表につきましては鈴木重也委員にそれぞれお願いいたします。

今日は遅くまで、お忙しい中ありがとうございました。

 


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会)> 2015年1月28日 第7回労働政策審議会職業安定分科会高年齢者有期雇用特別部会 議事録(2015年1月28日)

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