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2015年2月4日 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第7回) 議事録

健康局疾病対策課

○日時

平成27年2月4日(水)16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室(21階)


○議事

○前田疾病対策課長補佐 ただいまから、平成26年度第7回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会を開会します。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。まず、本日の出席状況について御報告いたします。和田委員より、欠席の御連絡を頂いております。その他の先生方はおそろいです。傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をお願いしたいと思います。それでは、ここからは千葉委員長に議事進行をお願いいたします。

○千葉委員長 まずは資料の確認をお願いいたします。

○前田疾病対策課長補佐 まずは、議事次第の後ろに委員会の名簿、配置図、その後に疾病リストとして資料1-1が、第7回指定難病検討委員会において検討する疾病リスト、資料1-2として、机上配布のほうは大きな形でまとめておりますが、指定難病として検討する疾患ということで、「先天性ミオパチー」から「スタージー・ウェーバー症候群」までを、冊子の形で御用意しております。本日の資料は2つですが、参考資料として前回の第6回指定難病検討委員会資料を再掲させていただいております。「指定難病の要件について(追記の案)」と、参考資料2、「指定難病(第二次実施分)として検討を行う疾病の一覧」という形で御用意しております。資料の欠落等がありましたら、事務局までお申し付けください。なお、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○千葉委員長 議題に入る前に、前回の内容の確認をしたいと思います。前回の委員会では指定難病としての要件である患者数や発病の機構、効果的な治療方法の有無、長期の療養の必要性などの解明状況について御議論を頂き、全般的な考え方について共有できたかと思います。本日からは個別の疾患について、委員の先生方に御議論いただくことになります。事務局から御説明をお願いします。

○前田疾病対策課長補佐 議事に入る前に、参考資料1と参考資料2を用いて、今後の議論の進め方を簡単に御案内したいと存じます。まず、参考資料1です。こちらは前回の会議資料を再掲させていただいたものです。「指定難病の要件について」ということで、追記の案で削除などの御意見もなかったこともあり、そのまま再掲という形で御用意しております。当然、個別の疾患について御議論いただいた中で、この考え方は多少筆記が変わることもあるとは思っておりますが、そこについては個別の疾患を御議論した後に改めて御確認いただいて、要件について再確認させていただきたいと思います。個別の疾患を御議論される際の参考として御使用いただければと思っております。

 続いて参考資料2、「指定難病として検討を行う疾病の一覧」です。こちらは前回の会議の中で、どの範囲の疾患について御検討いただくかということで案としてお示していたベースから、その具体化という形で御用意しております。第二次実施分の指定難病の1ページ目の表紙は、前回の会議資料のミソの所を掲載しております。第二次実施分の指定難病の検討においては、検討段階において指定難病の要件に関する情報収集がなされた疾病であること、具体的には難治性疾患克服研究事業で研究されてきた疾病、及び小児慢性特定疾病の対象疾病です。それに対して研究班や関係学会に情報提供を求め、1月時点で要件に関する情報を頂いた約610疾病と包括病名と一応検討の対象とさせていただきます。また、現時点で日本において対象となる患者さんがいないとされているものについては、検討の対象外と考えております。

 次のページが、前回の図に多少正確な数字を書いたものです。難病として研究していたものが約500あります。重複しているものもありますが、小児慢性特定疾病の対象疾病が704あります。重なりがありますので、全体とすると単純に1,200にはなりません。そういった疾患に対して情報収集をして、610のお返事を頂きましたので、こちらの中から第二次実施分として、指定難病としてふさわしいかどうか、個々の疾病を御覧いただいて、要件を満たしているかどうかという形で今後、御検討を賜りたいと考えております。

 次の資料が指定難病(第二次実施分)として、指定難病検討委員会で検討を行う疾病ということで、表としてまとめております。1番のAlagille症候群から順番に、個々の疾患があります。これはアルファベット順の後に五十音でまとめておりますので、疾患同士で似ているものでも相当遠くにあったり、様々な呼び方がありますので、特定の疾患が見にくいかもしれませんが、そういう形で並べ替えております。最終ページである7ページの610までの各疾患は、情報を頂いたものですので、こちらの中から個々の疾患について御議論いただきたいと思います。

 ここでお断りがあります。先ほどのアルファベットの病名等を最終的に行政の告示として記載する場合は、片仮名に変える所もあると思います。もちろん個別の疾患として候補名を御議論いただく際に、この病名はもっとこういう形で標準的なものにしたほうがいいという御意見がありましたら、逐次変更していきたいと思っておりますので、こちらの病名に関しても変わり得るという前提で御承知置きいただきたいと思っております。

 また、包括病名56というのが最終ページにあります。これは小児慢性特定疾病の特定の仕方として、特定の病名以外に例示で書いております。「ほかの白血病」という形で疾患を書いているものがあります。こういうように56ありますが、これは基本的に難病の対象にならないと思っております。610疾病については、この表を用いながら一気に見ていただくわけではなく、例えば子供では非常に数が少ない病気であっても、大人では明らかに全く病態が異なるものなどがあると思います。あるいは他の施策体系で講じられているものについては、原則、指定難病としては入れないという形で、前回の会議の中でお話しました。正にほかの施策体系で対応していると思われる疾患も多数入っておりますが、それらは最後にひと通り見ていただいて、そういったものは要件を満たさないとか、そういう御検討はまた改めて頂戴したいと思っております。これは参考として御報告するという形にさせていただきたいと思っております。

 本日、時間を用いて御案内したいと思っているのが、資料1-1から始まる個別の検討リストです。具体的には先天性ミオパチーから1-41のスタージー・ウェーバー症候群まで、逐次、個々の概要や診断基準等を御用意しておりますので、そちらについて11つチェックをして、御評価を賜りたいと思っております。それでは資料1-2を用いて、個別の疾病について御説明させていただきたいと思います。

○岩佐疾病対策課長補佐 それでは個々の疾患についての説明を始めます。非常にたくさんの疾患の説明をいたしますので、多少早口になる部分や、多少表現を丸める形でさせていただくこともありますが、詳細な部分については資料等を御参考の上で聞いていただければと思います。

1ページの「先天性ミオパチー」は、骨格筋の先天的な構造異常により、新生児期ないし乳児期から筋力、筋緊張低下を示し、それ以外にも呼吸器症状などを認める疾患群です。経過は、緩徐ながら進行性の経過をたどります。骨格筋の病理像に基づき特徴的な所見から、ネマリンミオパチーとセントラルコア病、マルチミニコア病、ミオチュブラーミオパチー、中心核病、先天性筋線維タイプ不均等症といった病型分類がなされております。原因としては全てが明らかになっているわけではなく、未解明な点が多いとされております。治療法は、特異的な根治療法は存在しませんので、対症療法となっております。予後はタイプにより様々ですが、重症例では気管切開、人工呼吸器等を要するものがあり、軽症例でも進行性の経過をたどるとされております。要件の判定に必要な事項としては、全て満たすと事務局側では整理をしております。診断基準ですが、臨床症状のいずれか及び検査所見のいずれかを満たすもの、若しくは臨床症状のいずれか及びその他の所見の16のうち、3つ以上を満たす場合を対象とすると規定しております。また、重症度分類については前回、110疾病の議論のときにも各神経疾患の所で用いたmodified Rankin Scale、及び食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とするという形にしております。

6ページの「マリーネスコ・シェーグレン症候群」は、小脳失調、精神発達遅滞、先天性白内障、ミオパチーを特徴とする乳幼児期発症の難治性疾患です。原因としてはSIL1遺伝子変異によるものが多いとされておりますが、詳細は不明な点があります。症状は白内障などを含む神経症状を多々認めます。治療法は対症療法が中心となっております。生命予後は比較的良好と考えられますが、各種合併症があり、長期療養が必要となっております。要件の判定に必要な事項に関して事務局側としては、全て満たすと考えております。診断基準ですが、確実例及び疑い例を対象とすると考えております。臨床症状の1を含む4項目以上を満たし、なおかつ遺伝子検査で異常を認める場合を「確実例」とし、臨床症状を満たし、Bの画像所見、又はCの筋生検の所見のいずれかを満たす場合を「疑い例」とし、その双方を対象としてはどうかと考えております。重症度分類に関してはmodified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象としてはどうかと考えております。

11ページの「筋ジストロフィー」は、骨格筋の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患です。筋障害に伴う運動機能障害を主症状としますが、そのほかにも様々な症状を合併する疾患です。代表的な病型としては、デュシェンヌ型やベッカー型というジストロフィン異常症であったり、肢帯型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、エメリー・ドレイフス型筋ジストロフィー、眼咽頭筋型筋ジストロフィー、福山型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィーなどがあります。いずれの病型においても根本的な治療方法はなく、対症療法にとどまるとされております。病型によって予後は異なり、呼吸や心機能、嚥下障害などの合併症により、長期の療養を必要とするとされております。要件の判定に必要な事項としては、全て満たすと考えております。診断基準については、少し複雑な形になっております。病型ごとの特徴を更にもう少しまとめるような形にできないかということで、現在も研究班と相談をしており、大枠としてはこのような形で御提案したいと考えております。Aにある症状の12のいずれかを満たすと同時に、遺伝子異常若しくは責任たん白質の同定が行われて除外診断がされたもの、若しくは症状のいずれかと筋生検で特徴的な所見を認められて除外診断をされたものを「確実例」とします。また、明らかな家族歴があり、慢性進行性の筋力低下を認めて除外診断がなされたもの、慢性進行性の筋力低下及びクレアチニンキナーゼの上昇又は筋電図で特徴的な所見を満たして除外診断をされたものを「疑い例」とし、確実例及び疑い例を対象としてはどうかと考えております。重症度分類ですが、modified Rankin Scaleと食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれか3以上を対象とする形で御提案しております。

17ページは「非ジストロフィー性ミオトニー症候群」です。この疾患は筋線維の興奮性異常による筋強直現象を主徴とし、筋の変化を伴わない遺伝性疾患です。臨床症状や原因遺伝子から先天性ミオトニー、先天性パラミオトニー、ナトリウムチャネルミオトニーなどに分類されております。全身の骨格筋に見られる筋のこわばりが主症状となっており、これらを繰り返すことにより、関節の拘縮や脊柱側弯などの骨格変形を伴うこともあります。治療方法としては対症療法のみとなっております。それによって、一般的には非進行性とされていますが、筋力低下や筋萎縮を呈する例が少なからず存在するとされております。要件の判定に必要な事項は、全て満たすと事務局側では整理しております。診断基準ですが、(1)ミオトニーを認めることで、(2)発症は10歳以下、(3)病初期に筋力低下及び筋萎縮を認めないという3つの項目を満たした上で、(4)家族歴がある場合、若しくは(5)骨格筋型ナトリウムチャネルのαサブユニットあるいはクロルイオンチャネル遺伝子に変異を認める場合を「確実例」としております。これら(4)と(5)の2つがない場合も、ほぼ確実例と考えておりますが、このうちの確実例を対象とすると考えております。各病型の特徴を21ページにまとめてありますので、こちらを参考にして病型分類をするという形で示しております。重症度分類については22ページに、Barthel Indexを用いて85点以下を対象とするという形で規定しております。

23ページの「遺伝性周期性四肢麻痺」は、発作性の骨格筋の脱力麻痺を来す遺伝性疾患です。血清カリウム値の異常を伴うことが多く、発作時の血清カリウム値により低カリウム性周期性四肢麻痺と、高カリウム性周期性四肢麻痺に分類されております。症状としては、1時間から数日まで続くような脱力発作が限局性、更には完全四肢麻痺まで、様々な形で出現するものとなっております。根本的な治療法はなく、対症療法となっており、更に予防治療という形でされておりますが、十分な効果が得られないこともしばしばあります。予後は、小児期から中年期までは麻痺発作を繰り返し、初老期以降は回数が減るとされておりますが、進行性・持続性の筋力低下を示すことが少なからずあるとされております。要件の判定に必要な事項に関しては、全て該当すると事務局では整理しております。25ページに「重症度分類」と書いておりますが、「診断基準」の間違いですので、後日お示しする際には「診断基準」という形に訂正させていただきます。1)遺伝性低カリウム性周期性四肢麻痺及び2)遺伝性高カリウム性周期性四肢麻痺の確実例と、ほぼ確実例を対象とする形としております。これらは双方ともに(1)の症状の項目のうち3つ以上、及び発症として520歳、発作間欠期に筋力低下やクレアチニンキナーゼ(CK)の上昇を認めない、針筋電図でミオトニー放電を認めないことを満たし、除外診断を行うことで「ほぼ確実例」という形にしております。若しくは常染色体優性遺伝の家族歴がある場合、更に遺伝子異常がある場合を「確実例」とし、ほぼ確実例と確実例のそれぞれを対象としたいと考えております。遺伝性高カリウム性周期性四肢麻痺についても、ほぼ同様の形で規定しておりますので、これも確実例、ほぼ確実例を対象とさせていただきたいと思います。重症度分類ですが、持続性筋力低下についてはBarthel Indexを用いて85点以下を対象とします。また、麻痺発作の重症度において重症を満たす場合、具体的には歩行に介助を要する状態が1時間以上続く麻痺発作のあった日が、平均して月に4日以上認める場合を対象とすることとしてはどうかと考えております。

30ページは「アトピー性脊髄炎」です。アトピー性脊髄炎とはアトピー性皮膚炎、気管支喘息などのアトピー素因を有する患者に見られる脊髄炎です。原因は不明ですが、免疫学的な機序の関係が示唆されていると言われております。症状は、様々な異常感覚や運動障害を認めるとされております。治療法としてはステロイド治療及び免疫グロブリン静注療法、血漿交換療法などが試みられておりますが、確立されたものはできておりません。予後は、長期的に見ますと進行性の経過をたどり様々な支障を来すと言われております。要件の判定に必要な事項としては、全て満たすと事務局では判断しております。診断基準ですが、絶対基準としては、123の全てを満たすことです。原因不明の脊髄炎、抗原特異的IgEが陽性、MSの脳MRI基準を満たさないという要件を満たすことを必須としております。更に病理所見を認めるような場合、若しくは相対基準の4つのうち、(4)のオリゴクローナルバンドがないことを含めて、3つ以上を満たす場合をDefynideとしております。更にProbableとしては、絶対基準及び相対基準の1から3のうち1個以上を満たす場合を対象としてはどうかとしております。重症度分類は、多発性硬化症の重症度分類と同じものになります。EDSSの評価基準を用いて、4.5以上を対象とすることにしてはどうかと提案しております。

35ページの脊髄空洞症は、脊髄内に空洞が形成され、小脳症状を含む多彩な神経症状、全身症状を呈する疾患です。原因としては、Chiari奇形を伴うものや外傷による二次性のものと言われておりますが、当委員会の基本的な考え方に従い、続発性は除いて考えることとしております。治療法としては外科的に大孔部減圧術、空洞-くも膜下腔短絡術などの手術療法が行われるとされておりますが、これらも含めて対症的治療となっております。これらは基本的に根治療法ではありませんので、脊髄内の空洞が完全に消失しないなど、継続的な治療を必要とすることがあるとされております。要件の判定に必要な事項としては、全てを満たすと考えております。脊髄空洞症の診断基準においては、無症候性脊髄空洞症及び続発性脊髄空洞症を除きます。診察所見として挙げている16のうち、1つ以上及び、画像所見上で空洞の証明を行うことをもって診断しております。重症度分類は39ページにありますように、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とすると考えております。

41ページの「顕在性二分脊椎」は、神経管の閉鎖障害により発症する疾病で、二分脊椎、無脳症、脳留などを含む概念と考えております。いわゆる二分脊椎というのは通常、顕在性のものと潜在性のものの2つの病態を包含するとされておりますが、発生学的に、この両者は相違しますので、今回は顕在性二分脊椎として、研究班からも御意見を賜っております。原因は栄養因子、環境因子、遺伝因子が3つのリスク因子とされておりますが、まだ不明な点も多いとされております。症状としては運動障害、膀胱・直腸機能障害を含む様々な神経症状を呈するとされております。治療法ですが、予防法として妊娠前から葉酸を摂取することにより、大幅にその発生率を減少させることができるとされております。しかし全例を予防することは困難であるとされております。発症後に関しては、対症療法が中心となっております。要件の判定に必要な事項としては、全てを満たすと事務局側としては考えております。診断基準ですが、外表所見として14のような所見があることを確認すること、神経症状のいずれかを満たすこと、更には除外診断を行うことによって診断をしております。重症度分類は、44ページのBarthel Index85点以下を対象とするという形にしております。

45ページの「アイザックス症候群」は、持続性の四肢・躯幹の筋痙攣などを主徴とする疾患です。抗VGKC複合体抗体が関連するとされており、免疫的な機序が関与しているとされておりますが、詳細は不明な点が多いとされております。治療法として、根治療法は確立しておらず、対症療法が中心とされております。予後ですが、発症すると症状は持続し、自然寛解はまれとされており、継続的な治療が必要とされております。要件の判定に必要な事項に関しては、全て満たすと事務局では判断しております。47ページに診断基準を示しております。診断基準は、主要症状・所見の1を含めて3項目以上を満たし、診断後の鑑別疾患を除外した場合を対象とするという形で考えております。重症度分類としては、Barthel Index85点以下を対象としてはどうかという提案をしております。一旦ここまでで切らせていただきます。

○千葉委員長 最初の9疾患は、筋疾患と脊髄関連の疾患が多かったわけです。私も見ていて、難病としての要件という点においては御説明いただいたように、全て満たしていたかと思いますが、委員の方の御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

○水澤委員 筋疾患については研究班で作られた基準を、神経学会のmuscular diseaseのセクションにも挙げていただいてディスカッションされたと思うので、大分よくまとまっていると思います。診断基準などは、まだちょっとディスカッションしているとおっしゃっていたので、それはもしかしたら引き続き連絡があるかもしれませんから、お願いしたいと思います。筋ジストロフィーは、かなり広範な疾患を含んでいる包括的病名になっていますので、重症度分類や診断基準に関しては修正もあり得るということでお願いできればと思います。

 私の質問は、周期性四肢麻痺の所です。重症度分類には発作の時間とか、月や1週間に何日ということが書いてあったと思うのですが、結局、Barthel Indexはどの辺で判断するのか。症状が出ないときは全く大丈夫だけれども、出たときは麻痺して完全に下半身は麻痺という状況になってくるので、決めておかないとなかなか難しいのではないかと思いました。パーキンソン病のonoffみたいな感じですね。その辺は何かディスカッションをされていますか。

○岩佐疾病対策課長補佐 周期性四肢麻痺の重症度分類については、28ページに記載しております。Barthel Indexに関しては、基本的に発作がないときの状態を判断いただくという形で考えております。これは主に持続性の筋力低下を示す症例について判断をする根拠としたいと考えております。また、発作が起こったり起こらなかったりというところに関しては、麻痺発作の重症度で判断したいと考えておりますので、その点が明確になるような形で、少し基準上に明確に記載するような形がいいかと思います。

○水澤委員 分かりました。残った症状ですね。私もそれでいいかと思いますので、記載していただければと思います。

○千葉委員長 分かりました。この疾患は発作を起こす疾患ですので、重症度分類については、発作時の話と、持続的な障害があるという事柄と、それぞれ区別して考えるというお話だったと思います。それでよろしいですね。

○大澤委員 19番までですが、現時点でここに提出されているものは、いずれの疾患も非常に妥当だと思います。今、水澤先生から御指摘のあった点は、非発作時ということで明確になったと思いますし、重症度の所に「平均で月に1日未満」とか「月に1日以上」とか、そういうことが28ページに書かれておりますので、それでクリアできるのではないかと思います。

○千葉委員長 基本的に賛成の御意見ですが、ほかによろしいでしょうか。

○前田疾病対策課長補佐 1点だけ事務局から補足をさせていただきます。筋ジストロフィー自体は先生方も御案内のとおり、どこまで筋ジストロフィーという形で表現するかです。50ほど遺伝子異常を伴った形があると聞いておりますので、基本的には診断基準で十分なところもあるとは思っているのですが、指定難病の入れ方として、こういう様々な疾患が入っている場合は、例えば原発性免疫不全症候群の場合、個別の疾患をお示しした上で、その疾患がそれを1つの概念としてまとめると、この病名でよかろうという形で御議論を頂戴しておりました。ですから今回の「筋ジストロフィー」という言葉の中に、どういう疾患が含まれているかというところは、改めて整理してお示しいたします。大まかな形としては御了承いただいていると思いますが、一応ディテールも改めて御報告させていただければと思っております。それはまた、お時間を頂いてお願いしたいと思っております。

○水澤委員 確かにお示しいただいたほうがはっきりすると思いますので、私もそれでいいと思います。たくさんありますが、主なものはここに挙がっている数疾患ぐらいが大部分を占めていて、後は非常にまれなものになってきますので、これから分かってきても、そんなに大きな影響はないと思います。

○千葉委員長 これは今後の疾患を考える上でも、必ず引っ掛かってくると言いますか、問題になる事項だと思います。いろいろな病気が見つかってきて、今まで言われてきたものが細分化されてくるといったことが、どんどん起こっております。これらは今後、疾患概念や原因などが分かってくる段階で、更に検討を加えていくことが必要だろうということと、もう少しブラッシュアップしていただくということ、その2点だと思います。ほかに何かございますか。

○直江委員 専門外の話なので教えてほしいのです。四肢麻痺は発作の頻度で重症度を決めるのですね。この提案ですと、重症度以上を対象にしてはどうかということですが、一般論として今まで難病は、軽症は省くということでした。つまり、軽症という概念は日常生活にさほど影響がないということですよね。今までの議論としては、中等度以上を認定しようということできていたと思うのです。それが今回だけは重症というのがありますので、ここがどうかというのが1つです。

2つ目は、これは神経の先生に聞いたほうがいいと思うのですが、月に1日以上と月に4日以上という辺りが、大体の感覚として中等症あるいは重症の境い目ということですか。これから、こういう発作性のものは何回も出てくると思うのです。そこは議論をしておいたほうがいいかと思い、あえてお聞きしました。

○前田疾病対策課長補佐 まず事務局として、表記の仕方について御案内させていただきます。基本的には日常生活・社会生活に支障があるという形で、個別の疾患の医学的な特徴に合わせて御判断いただくことを原則としております。その中で研究班から頂戴したのは、ターゲットとする疾患の医学的な評価をするときに、よく使われている指標をそのまま頂戴しているというところがあります。我々の感覚で言う線引きのところが、ある医学的なスケールでは「重症」という言葉を用いていて、ある言葉では「中等度」あるいは2という形で使われたりということがあります。ですから先生の後段の御質問たる、ここの境い目で医学的に日常生活・社会生活に支障があるという線引きをしていただいて、それを一般的なスケールに当てはめたときに、どちらに当てはまるかという形でさせていただいています。表現がややこしいということであれば、また工夫をさせていただきます。その2段階で御容赦いただければと思っております。

○直江委員 もしそこで線を引くのなら、これがもう重症なのだというのがメッセージとしてあるのかなと思ったものですから、あえてお聞きいたしました。

○千葉委員長 そこら辺は神経の御専門の先生方、いかがですか。

○水澤委員 同じ方で同じ病気であっても、発作の長さがいつも同じだとか、重症度が同じというわけでもないので、回数だけでもなかなか難しい部分があります。たとえ1回でも、長く続く場合とか、入院を要することはあります。大体は入院されてくると思います。そういうことで難しいのですが、そこのところは大体これくらいかなということで。月に4回ですと毎週ですから、1回入院してその前後を入れますと、23日入院していたとしても相当の障害ですよね。ですから4回というのは、私はかなり重症でいいかと思います。問題は、中等症がこれからどちらに入るかというのが、なかなか微妙だと思うのです。専門の先生方がディスカッションをした上で、このように決めたのだろうと思います。それが重症度の内容についての私の意見です。

 重症度や診断基準の付け方については先生もおっしゃるように、全体として不揃いな部分はありますね。今日のものはもちろん臨床診断ですので、Definiteが患者さんの一番確実な診断ですけれども、変性疾患の中枢性のかなりのものでは、Definiteは病理診断なのです。DefiniteProbablePossible3段階でやるのですが、Definiteは剖検診断になるものが多いと思います。ですから今のところはすべて臨床診断でやっているということで、完璧には統一されていないという感じと思いますが、将来的には統一したほうが良いと思います。

○直江委員 そうすると日常生活に影響のある辺り、一応今回の案で線引きをされた辺りでいいのではないかということですね。分かりました。

○千葉委員長 今の御議論ですと、実際の線引きとしては問題がないけれども、中等症・重症というところをどういうように考えるか、命名をどう考えるかということでしょうね。ですから臨床家が臨床現場で用いている中等症・重症の感覚と、ここで議論する中等症・重症の感覚というのは、多少違うところもあって、そこら辺を今後、どうするのかというのは議論していかなければいけないと思います。

 一方でこちらの分類を、いわゆる医療現場の医療者側の分類に押し付けることにも多少の問題があり、我々も議論をしてきたところなのです。認識として同等という感覚でいきますと、これでよろしいかということですが、直江先生から御指摘いただいた点は、今後考えていかなければいけないポイントであると思います。

○水澤委員 そういうことで私も賛成というか、ほかの所も齟齬があるというか、ずれていますので、これでいいかなと思います。余裕があるのでしたら、中等症だから軽症にするというか、名前の付け方を少し調整してみることが可能かどうか、ということを聞いてみてもいいかもしれませんね。

○千葉委員長 そうですね。それは是非していただいてということでお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。今日はたくさんありますので、次の1-10に移りたいと思います。引き続いて御説明をお願いします。

○岩佐疾病対策課長補佐 続きまして、49ページの「遺伝性ジストニア」です。ジストニアは持続性の筋収縮により生じるとされる、一般的に症状名とされているものですが、遺伝性にジストニアを来すような疾患をまとめて遺伝性ジストニアという形にさせていただいています。各種病型に分けられており、DYTシリーズとNBIAシリーズということになっているものです。治療としまして、対症療法が行われていますが、根治せず、継続しており、進行性の経過を辿ることが多いとされています。要件の判定に必要な事項に関しては全て満たすものと考えております。診断基準は51ページからになります。少し複雑な形になっていますが、まず、基本的にはDの所からですが、以下の疾患を鑑別するとなっており、これらを除外した後に、ジストニアを示す遺伝性疾患であることを確認し、52ページのフローチャートのほうを参考にして診断を進める形にしています。その中でDYTシリーズの各病型とNBIAシリーズの各病型相互の鑑別も必要とされており、表1及び表2及び診断指針に基づき、いずれかの病型か確定されたものを対象とするとしています。以下に各病型の診断指針を示しています。これがDYT1から各病型の診断の指針を示しています。重症度分類に関しては、70ページのBarthel Indexを用いて85点以下を対象としてはどうかと考えております。

 続いて、71ページの「神経フェリチン症」です。神経フェリチン症は、フェリチン軽鎖遺伝子変異に関連する多彩なな神経症状を数十年にわたり認める疾患です。神経細胞体などに様々なタイプのフェリチンが蓄積するというようなことが知られており、振戦、小脳失調、錐体路徴候、錐体外路徴候、認知障害などが出現する疾患です。要件の判定に必要な事項としては、全てを満たすと考えています。診断基準は、臨床症候の15のような症状を認め、特徴的な画像所見で疑い、最終的にはフェリチン軽鎖遺伝子変異を確認することで確定診断し、確定診断例を対象とするという形にしています。重症度分類としては、Barthel Index 85点以下を対象とするという形にしています。

 続いて、75ページの「脳表ヘモシデリン沈着症」です。脳表ヘモシデリン沈着症は、鉄(ヘモシデリン)が、脳表、脳実質に沈着し、神経障害を来す疾患です。中枢神経系にびまん性・対称性に病変が広がるタイプの古典型と、限局型という2種類があります。通常は古典型のみを指すような形になっていますので、今回もそのような形で対応しています。原因としては、様々な合併症を認め、これは原因疾患と考えられることもあるのですが、因果関係が明らかになっているとは言えず、原因は現段階では不明とされています。治療法ですが、特異的な治療法に関しては確立されていません。緩徐進行性で、日常ADLの障害が非常に多くなっている疾患です。要件の判定に必要な事項としては全て満たすと、事務局側では判断しています。診断基準は77ページの、臨床症候(古典型)として、14のいずれかを満たし、画像診断上(MRIによる)、びまん性のヘモシデリンの沈着を認める場合を古典型として対象とすることにしています。重症度分類については、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象としてはどうかと考えています。

 続いて、80ページの「禿頭と変形性脊椎症を伴う劣性遺伝性白質脳症」です。この疾患はCARASILというようにも言われていますが、青年期から若年成人期に進行性の大脳白質病変、多発性ラクナ梗塞、禿頭、変形性脊椎症を発症する常染色体劣性遺伝形式の疾患です。治療法として確立されたものはありません。それにより、認知症と運動障害が生涯にわたって進行し、平均40歳で車椅子を使用するようになる等、徐々にADLの低下を認める疾患です。要件の判定に必要な事項は全て満たすと、事務局側では判断しています。診断基準は82ページの15の症状を満たす場合についてをProbableとしています。34を満たし遺伝子変異を認めるような場合については、Definiteということで、その両者を対象とすることを考えています。1の所に、大脳白質病変若しくは中枢神経病変に由呈すると書いていますが、これは「由来する」の間違いです。こうした誤字等については、委員会以外でも御指摘いただいたものには適宜反映していくようにしますので、もしお気付きの場合は、委員会のあとでも御指摘いただければと思います。重症度分類は、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とすると考えています。

 続いて、85ページの「皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体性優性脳動脈症」です。常染色体優性遺伝形式を示して若年期から前兆を伴う片頭痛があり、大脳白質病変が徐々に進行し、中年期から、皮質下白質にラクナ梗塞を繰り返し発症し、様々な症状を来す疾患群です。治療法としては、従来の脳卒中療法が奏効せず、治療法は確立していません。60歳前後で寝たきりとなり、徐々に進行していくとされています。要件の判定に必要な事項に関しては、事務局では全て満たすと整理しています。87ページに診断基準があります。常染色体優性遺伝形式で特徴的な画像所見を認め、NOTCH3遺伝子の変異を認める、若しくは電子顕微鏡でGOMを認める場合をDefiniteという形にしています。更に155項目を全て満たすような場合については、遺伝子変異、又は電子顕微鏡での検索が行われていない場合であっても、それはProbableなので対象とすべきではないかと考えています。重症度分類としては、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とするということで提案しています。

 続いて、90ページの「神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症」です。大脳白質を病変の主座とする神経変性疾患です。常染色体優性遺伝形式をとりますが、孤発例が数多く存在します。症状はパーキンソン症状、錐体路徴候などの運動徴候などを認め、進行性の経過を辿るとされています。治療法として、根本的な治療方法はありません。症状に応じた対症療法が行われています。ただ、発症後の進行は速く、通常5年以内に臥床状態となるとされています。要件の判定に必要な事項としては全て満たすと、事務局側では整理しています。92ページに診断基準を書いています。症状及び画像所見の3項目を満たして、遺伝子の変異、特徴的な神経病理学的所見を認めるような場合をDefinite、そして主要な症状、画像所見の5項目全てを満たすような場合に、Probableで、対象としてはどうかということで提案しています。94ページに重症度分類を示しておりますが、Barthel Indexを用いて、85点以下を対象としてはどうかとさせていただいています。

 続いて、95ページの「前頭側頭葉変性症」です。これは主として、初老期に発症し、大脳の前頭葉や側頭葉を中心に、神経変性を来すため、人格変化や行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害などを認める神経変性疾患です。遺伝子異常や異常蛋白が蓄積していることというのが知られていますが、その詳細は不明とされています。治療法としては、根治的治療法は未だ確立されておらず、緩徐進行性の経過を辿るとされています。要件の判定に必要な事項は全て満たすと、事務局側では判断しています。97ページに診断基準がありますが、前頭側頭型認知症及び意味性認知症という形に区分されますが、双方ともに、これらと臨床診断された例を対象とするとしています。その臨床診断としては、特徴的な症状及び画像所見を満たし、(5)の除外すべき疾病を除いたものを対象とすることとしています。ただ、高齢になるとアルツハイマー病とか他の認知症との鑑別が非常に難しいところもあり、現段階では、65歳以下で発症した場合を対象としてはどうかとしています。なお、鑑別、画像所見に関しては、次の100ページと101ページに画像所見をまとめたものを示していますので、こちらを参考に診断するというように考えています。重症度分類については、下記の、それぞれのタイプによっての重症度分類を用いて3以上を対象としてはどうかと考えています。

 次に、103ページの「ビッカースタッフ型脳幹脳炎」です。眼球運動や運動失調、意識障害を三主徴とし、脳幹を病変の主座とする自己免疫疾患です。症状は4週間以内にピークとなり、その後は徐々に回復に向かうような疾患ですが、約半数の症例で四肢筋力低下を来し、それらが残存することが多いとされています。治療法は、有効性の確立された治療法はありません。経験的に各種の免疫治療を行っていますが、これらも必ずしも確立されていないというように聞いています。そのため、長期療養が必要です。要件の判定に必要な事項としては全て満たすものと考えています。105ページに診断基準を示しています。特徴的な症状と経過を満たし、血中IgGGQ1b抗体が陽性となっている。更に以下の疾患を示していますが、各種検査から除外できるということを基本としています。ただ、1部の症状や検査が合致しないものもあるというようなところで、Probableも含めて対象とすることを考えています。重症度分類については、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とすることと考えています。

 続いて、108ページの「けいれん重積型(二相性)急性脳症」です。小児に多く、様々な感染症を契機に急激に発症し、典型例では二相性のけいれんと、それに続く意識障害を呈する。意識障害からの回復後に、大脳白質の機能低下と、てんかんがしばしば出現するとなっており、これらは感染症を契機とするという形になっています。しかし通常の感染性脳症とは全く異なる病態で、免疫学的な機序などが考えられているところですが、原因は不明です。また急性と病名に付いていますが、治療方法は確立しておらず、多くの患者さんがその後、経過が遷延し、生涯にわたって治療が必要な状況になる疾患となっているということで、長期の療養が必要な疾患と判断しています。要件の判定に必要な事項としては、全て満たすものと考えています。診断は110ページの、特徴的な経過及び画像所見で診断されるという形で示しています。111ページに重症度分類を示しています。Pediatric Cerebral Performance Category Scoreを用いて、3点以上の中等度障害以上を対象とすることとしてはどうかと提案しています。

112ページの「先天性無痛症」です。これは全身の無痛を主症状とする疾患です。運動麻痺は伴わない疾患です。温痛覚障害に自律神経障害を合併する遺伝性疾患群を、遺伝性感覚自律神経ニューロパチーと呼んでいますが、このうちの4型と5型がこれに相当すると考えています。症状としては、全身の温痛覚が消失することにより、皮膚、軟部組織、骨関節に様々な外傷を受けやすく、それらが重症化することもあります。また、特に4型では発汗低下がありますので、体温コントロールがつかず脳症を引き起こし、小児期に死に至る場合や、そのほかにも様々な合併症を認める疾患です。これらは根治的な治療方法はなく、対症療法のみとなっています。要件の判定に必要な事項に関しては、全て満たすものと考えています。診断基準は114ページの主要徴候として、1.先天性に全身の温痛覚の消失または低下。2.先天性に全身の発汗消失または低下となっており、双方を満たす場合をA4型、1のみを満たす場合をA5型としています。その他の徴候と、所見や重要な検査所見で遺伝子異常のいずれかを満たすような場合を診断するというようにしています。重症度分類については、診断基準自体を重症度分類という形にしてはどうかと考えています。この意図としては、先天性に全身の温痛覚が完全に消失するということが診断基準上必須となっていて、その状態が生涯変わることがないというような性質を鑑みて、当該疾患に罹患した場合は全身の温痛覚が低下している状態がずうっと続くということで、日常生活、社会生活に支障を来すと考えられていますので、この診断基準自体を重症度分類としてはどうかという提案をしています。

116ページの「アレキサンダー病」です。当疾患は、病理学的にグラア線維性酸性蛋白などから構成されるローゼンタル線維をアストロサイトに認めることを特徴とする遺伝性神経変性疾患です。臨床的には臨床症状やMRI画像所見から、大脳優位型とされる1型、延髄・脊髄優位型である2型、更にはその中間型の3型に分類されています。症状としては、1型が主に乳幼児期発症で、けいれんや精神運動発達遅滞、機能予後不良の重症例が多いとなっています。2型は学童期あるいは成人期以降に発症し、筋力低下や麻痺症状などを認め、1型に比べて進行は緩徐である場合が多いとされています。3型は1型と2型の中間型のような形です。治療法は、現時点では根治療法がなく、対症療法にとどまっております。そのために、1型の生存期間は、数週から数年とされており、2型でも進行は緩徐ながら症状は持続するとなっています。したがって、要件の判定に必要な事項に関しては、事務局側では全て満たすと判断しています。118ページの診断基準ですが、この中で確定診断された場合を対象とするものと考えています。1型、2型、3型ともに、特徴的な症状及び画像所見で本症を疑い、遺伝子検査異常若しくは病理学的検査で特徴的な異常を認める場合を確定診断とし、対象とすることを提案しています。重症度分類は、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とすることを提案しています。

 続いて、122ページの「先天性核上性球麻痺」です。ウースター・ドロート症候群とも呼ばれ、胎児から新生児期の非進行性脳障害により咽頭後頭部(球筋)の運動障害を来し、嚥下、摂食、会話等の機能が低下する疾患です。原因は不明ですが、遺伝子異常などが認められているというようになっています。治療法は、基本的に対症療法のみとなっており、症状は年齢によって変化し、基本的に消失することはないとされています。したがって、要件の判定に必要な事項は、全て満たすものと考えています。124ページに診断基準を示しています。特に「診断必須所見」として、先天性に偽性球麻痺症状を呈する。更にはこの中で頭部MRI若しくはCTにてシルビウス裂周辺に異常を認めないものという形で規定させていただいています。この両者を認め、除外診断基準を満たすような症例を対象と考えています。重症度分類は、modified Rankin Scale食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とするということを考えています。

 次に、127ページの「メビウス症候群」です。当疾患は先天性顔面神経麻痺と先天性外転神経麻痺を特徴とする神経疾患です。原因は不明ですが、脳幹の発生障害などによるものと考えられています。治療法として、根治的治療法は確立しておらず、様々な対症療法が中心となっております。呼吸障害を生ずるとか、更には嚥下障害や窒息のリスクなどが長期間継続し、長期の療養が必要となっています。したがって要件の判定に必要な事項に関しては、全て満たすものと考えています。診断基準は129ページのとおり、先天性・非進行性顔面神経麻痺、及び先天性・非進行性外転神経麻痺を認めることと、除外診断をしたものという形で、診断されることとしています。重症度分類は、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とすることを考えています。一旦ここまでとさせていただきます。

○千葉委員長 ありがとうございました。1022の所までですが、かなり希少疾患も入ってきていますが、御説明がありましたように、難病としての要件については、これを全て満たしているというように私も理解しましたけれども。いかがでしょうか。ジストニアなどもかなりたくさんの疾患が入ってきています。

○宮坂委員 1つだけ確認ですけれど、1-18のけいれん重積型(二相性)急性脳症ですが、感染症を契機としてけいれんが起きると。110ページの〔参考所見〕で、「原因病原体としてHHV-6、インフルエンザウイルスの頻度が高い」ということですが、これは病原体が増えたことがダイレクトに病変を起こしているのではなくて、その後に続く二次的な反応で、この病態が起きるということで、感染症ではないということでいいということですか。

○大澤委員 基本的にはそうだと思います。

○宮坂委員 はい、分かりました。

○千葉委員長 感染症が直接原因の場合には、難病としては除外するということがありましたけれども、それが契機として自己免疫疾患が要因とか異なる要因で起こってきているという、そういう理解ですね。ほかにいかがでしょうか。

○錦織委員 専門外で、ちょっとよくわかりりませんが、1-19の先天性無痛症というのが、重症度分類がなくて全てを満たすということですが、今までは全ての疾患について、重症度分類を一応作っていたわけです。確かに生まれてすぐに痛覚も温痛覚もなければ、大変というのは分かるのですが、例えば発汗異常とか、発汗が見られないというのは、この病気でなくても外胚葉奇形とかで発汗異常があって、そのために不明の高熱というような事例はやはりあります。そのようなことを考えても、そういうことだけで診断をして全てを対象としていいのかという点です。それと質問ですが、症状は全て同じように重症度が強いのか、つまり、発汗とか、温痛覚の消失又は低下となっていまして、消失というのはかなり問題があると思うのですが、低下という方もおられるとなると、やはり何某かの症状に重症度に差があるのではないかなという気がしながら拝見していたのですが、その辺はいかがなのでしょうか。

○前田疾病対策課長補佐 すみません、1-19の先天性無痛症、112ページ目からですが、これについては、日常生活、社会生活に支障をと言いますか、実際にその合併症なりで御苦労されているところがあり、正に無痛で非常に傷を起こしやすいというところなので、傷が数箇所以上とかにするよりは、傷が非常にできやすいということで、実際に診断を受けられるとき、特に難病の対象になるときが相当時間を経過してからという、そういうところで対象になろうかということです。もちろん低下というところがありますので、その辺はどこまでを含むかというところは確認させていただいて、また御回答をさしあげたいと存じます。

○千葉委員長 今のお話でよろしいですか。何らかの説明文とか、そういったものが必要かもしれないですね。今のお話では、多少の症状の差異、それこそ重症度というか、程度の差異があるという御意見だったように思います。低下、若しくは完全にペインで痛みがないかという辺りは、私は考慮する必要があるかなというところです。

○水澤委員 多分、ほとんど小児期に発見されると思いますが、私は確定診断されたケースは知りません。多分、大人になって初めて分かるのは非常にまれだと思うのです。この症状が書いてありますように、むしろ無痛ということよりも、その結果として外傷とかそういうことで受診されることが多いのではないかなと私は想像しています。研究班の主任研究者の方は、リハビリの先生ですね。そういう外傷とか二次的なものの症状や障害で、むしろ来られるのではないかと想像いたしました。大澤先生どうでしょうか。

○大澤委員 痛みがない、あるいは痛みが非常に少ないということで、物理的接触の加減が全く分からないのです。例えば机の角などににちょっと手を当てても、これ自体に何も感じないのですね。ですから子供自身が何らかの形で自分の腕などをぶつける事などを伴う動作に興味をもってそれが続いてしまうと、外傷が起こってきて、二次的にいろいろな形態異常とかできます。それから、痛みが分からないので、ほかの人との関わりにおいても、非常に難しい部分もあります。

○岩佐疾病対策課長補佐 少し補足いたしますと、基本的には重症度分類等を入れていくというような考え方になっています。そういう意味では、こういった形で対象としていくことは、ある程度限定的にするべきだというようには考えています。ただ、この疾患に関しては、先天性に神経の発生が制限されているということですので、それがその後の状態として変わることはほとんどないというところから、このような形にさせていただいています。症状の変動があるような疾患については、基本的には重症度分類を入れた上で、その中で、日常生活、社会生活に支障がある人を対象とするのが適切だと考えています。

○千葉委員長 いかがですか。内分泌疾患か何かの遺伝子異常だけでというのは、23件なかったでしょうか。

○前田疾病対策課長補佐 2つほど入れさせていただいています。1つは家族性の高コレステロール血症で、ホモ接合体のものは限定させていただいて、診断と同時にという形です。

2つ目がファブリー病等々のライソゾーム病については、診断された時点で非常に重篤化の懸念が高いということでさせていただいていますので、そういうものについてはこういう形の基準としていただければと考えています。

○千葉委員長 ですから、病気そのもので重症としているのはあると。今おっしゃっていただいたのは、分かった段階で早期の治療関与が必要であるというところで、全例重症とするということだったと思いますけれども、この点については、ちょっとまた専門の研究班にもう一回問い合わせていただいて、これで本当にいいかどうかのところは御確認いただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○飯野委員 1-16の前頭側頭葉変性症ですけれども、95ページからになります。「高齢で発症する例も存在するが70歳以上で発症する例は希である」ということが何回か出てくるのですが、これは認知症との区別という意味で書いていると思いますけれども、あくまでも、例えば診断がついたのが68歳でも、5年前からおかしかったと言えばいいというようなことなのか。ちょっとすみません、私も専門外なので、お聞きしたいのですが。もし希であれば、かなり診断基準がしっかりしているので、ここで65歳以下というような縛りを入れる必要があるのかなと、そんな感じが見えたのですけれども、いかがでしょうか。

○岩佐疾病対策課長補佐 事務局側としましても、研究班とは非常に何度かやり取りをさせていただいています。その中で、65歳を超えてくると、他の認知症というものが増えてくることがあります。実質的には、この疾患は主に画像診断等の特徴的な臨床所見で判断をする形になっていますけれど、65歳を超えてくる場合には、その鑑別診断を十分できないのではないかという懸念があるところから、研究班のほうとも相談の上、現段階では65歳以下を対象とするという形にしてはどうかということで提案させていただいているものです。今後の研究が進む中で、65歳以上の患者さんをどのような形で特定していけば、よりきちんと診断ができるのかというところが明確になってきた段階で、またこの委員会の中で御相談させていただいた上で、診断基準を改定していく形で対応できればいいのではないかと考えています。

○千葉委員長 この点はちょっと難しいですよね。

○水澤委員 私も同意見です。今おっしゃったように、研究班といろいろとやり取りをいたしました。高齢になってきますと、アルツハイマー病を中心とする、いわゆる高齢者の認知症というのがかなり入ってくる可能性があって、そういう方々もここに書いてあるような精神症状と言っていいと思いますけれども、脱抑制とか、そうしたことを起こしてくる可能性が十分ありますので、現段階では、はっきりとそういうところを区別するようにしていたほうがいいのではないかというのが考え方だと思います。

○飯野委員 診断ではなくて、あくまでも発症なので、例えば5年前からとか、それはいいわけですね。

○前田疾病対策課長補佐 最終的に、具体的に運用の形になると思いますけれども、65歳以下の発症が、正に医学的な事実関係としてしっかり確認できるかというところに尽きようかと思っています。そういう意味で、基本的には定期的に評価をさせていただくことがありますので、新規のときにどういう状況であったかをしっかり記載していただいて、それに基づいて、これをしっかり満たしていれば認めるということになろうかと思っています。

○千葉委員長 そうですね。運用上は、そういう医学的な事実が整っていて、明らかに若年の時点から発症していることがはっきりしている場合は、診断時点で65歳とそういうわけではないということだと思います、今のお話では。よろしいですね。ただ、ある程度年齢をここに書いておかないと、なかなか認知症そのものは非常に多い疾患ですので、そこら辺が一定の区別が必要かと思います。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、次に移っていただきたいと思います。

○岩佐疾病対策課長補佐 132ページから続けます。ここからは、比較的てんかんを起こすような疾病になっておりますが、これら出てくるものに関しては、基本的に単純なてんかんではなく、仮にその主たる症状がてんかんであったとしても、その他の運動障害など、他の疾患を来すというようなところで、指定難病として取り扱うことが適当なのではないかと、事務局側から提案をさせていただくものになります。

132ページの「中隔視神経形成異常症」です。ドモルシア症候群とも呼ばれる疾患ですが、透明中隔欠損と視神経低形成に、下垂体機能低下症を伴う先天異常です。視覚障害、てんかん発作、脳性麻痺などを併発する難治性疾患です。原因としては明らかになっておりませんが、遺伝子異常、環境因子の影響が考えられております。治療法としては、それぞれの対症療法が中心となっておりますが、根治療法はなく、症状は継続すると考えております。したがって、要件の判定に必要な事項に関しては、事務局側では全て満たすと考えております。134ページに、診断基準があります。眼症状か、下垂体機能低下症のいずれかを満たし、頭部MRI所見で正中脳構造の異常を認める疾患を本症と診断することにしております。重症度分類ですが、135ページを御覧ください。以下の(1)~(3)のいずれかを満たす場合を対象とするとしております。1つは、視覚障害です。良好なほうの眼の矯正視力が0.3未満と提案しております。これについては、WHOのロービジョンの定義は両眼の矯正視力が0.3未満となっているのですが、日本では片目ずつ診断することが多いこともあり、良好なほうの目を対象としたいと考えております。また、網膜色素変性症と少し基準が違います。網膜色素変性症は、周辺視野から障害されてきて、視力自体に影響を及ぼす頃にはかなりその辺りも障害されているところがあり、そういったものとは少し違った形での基準を提案しております。

2番目は下垂体機能低下症を認め、ホルモン補充療法が必要な場合としております。3番目については、これからしばしば出てくるような重症度分類となります。少し複雑ですので、簡単に説明いたします。精神保健福祉手帳診断において、以下のような形で発作の頻度やタイプで、こういった等級の程度を示しております。1級程度に相当するような発作があるような場合については、下のほうにありますように、精神症状・能力障害の二軸評価の(2)能力障害のほうを見まして、その1から5全てに該当するような場合を対象としてはどうか。更に、2級程度とされるような発作が起こるような場合については、能力障害評価の3から5のみと。更に、3級程度の発作があるような場合については、能力障害評価の45のみという形で、この2つを組み合わせるような形の重症度分類を1つ提案しております。

 続いて、137ページの「アイカルディ症候群」です。当疾患は、脳梁欠損、点頭てんかん、網脈絡膜症を三主徴とする先天性奇形症候群です。遺伝子異常が示されておりますが、詳細は不明です。治療法としては、根本的な治療法がなく、対症療法などの全身管理が主となる疾患になっております。様々な全身合併症を来すところから、予後は非常に不良となっており、こういったことから要件の判定に必要な事項を全て満たすものと考えております。139ページに診断基準を示しております。124の全てを満たし、5から8のいずれかの所見を認めるような場合に対象としてはどうかとしております。重症度分類については、先ほど申し上げました「てんかんの重症度分類」を用いて、これを対象としてはどうかと提案しております。

 続いて、142ページの「片側巨脳症」です。当疾患は、先天的に一側の大脳半球が形成異常により巨大化した状態となり、難治てんかん、不全片麻痺、精神運動発達遅滞を呈するような疾患です。原因は明らかになっておりません。治療法としては、種々の抗てんかん薬で、てんかん発作の抑制を試みられておりますが、治療低抗性の場合が多いとされております。外科治療で半球離断術を行うことで発作の消失が期待できるとされておりますが、てんかん以外にも不全片麻痺などの運動障害を認め、長期の療養が必要となっております。したがって、要件の判定に必要な事項に関しては、全て満たすと考えております。診断基準は、144ページにあります。症状としては、123、難治性てんかんの発作、不全片麻痺、精神発達遅滞の3つを満たし、脳波所見(B3の脳波)と画像所見をもって確定診断とする形にしております。重症度分類については、てんかんの重症度分類を用いて、以下のいずれかを満たすような場合を対象とすることを考えております。

 続いて、148ページの「限局性皮質異形成」です。当疾患は、大脳皮質における局所的な発生異常に関連した病巣により、主としててんかん発作を呈し、その他の運動障害等を呈するような疾患です。原因は不明です。治療法としては、異形成が画像診断で同定でき、その所見に一致するような場合には外科的に切除が行われますが、しばしばその広がりが推定することが困難であるような場合があり、再発を来したり、多発性の場合には手術が困難とされております。症状は、そういった手術で治療ができない場合には持続するとされており、長期療養が必要とされております。したがって、要件の判定に必要な事項を全て満たすと、事務局では判断しております。150ページに診断基準があります。そこに幾つかのタイプを記しております。その上で、基本的な診断としては、A1の症状とB3の脳波所見を満たし、B2MRI所見又はB4の病理所見を満たすことをもって診断する形にしております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を用いて、これらを対象とすると考えております。

 続いて、154ページの「神経細胞移動異常症」です。当疾患は、大脳皮質の形成過程における神経細胞移動後の障害によって生じた皮質形成異常です。無脳回や厚脳回といった古典型滑脳症を示すのですが、ある程度広義には、異所性灰白質、多小脳回、敷石様皮質異形成、裂脳症、孔脳症を含むと考えております。今回に関しては、この広義というところで対象の範囲を考えております。遺伝子変異や環境要因等によって発症するとされておりますが、詳細は不明です。症状としては、てんかん発作以外に、脳性麻痺や知的障害を併発することが多く、顔貌異常や運動機能障害などを認めるとされております。根治的治療はなく、対症療法のみとなっております。神経症状により、様々な症状を来し、予後も不良となっており、要件の判定に必要な事項を全て満たすと考えております。156ページに診断基準を示しております。Aの症状を満たし、B2の画像所見で、各病型に示した特徴的な脳構造異常を認めた場合に、確定診断をする形になっております。注)として、画像所見のポイントを各疾患ごとに記しております。これらの所見が見られるものという形で診断をするとしております。重症度分類については、「てんかんの重症度」を用い、これらを対象とする形で考えております。

 続いて、160ページの「先天性大脳白質形成不全症」です。当疾患は、中枢神経系の髄鞘の形成不全により大脳白質が十分に構築されないことにより起きる症候群です。出生直後からの眼振と発達遅滞、痙性四肢麻痺、小脳失調やジストニア等の症状を呈するとされております。代表的には、ペルツェウス・メルツバッハ病を含め、下にあるような11の疾患が同定されております。

 原因としては、ほとんどが遺伝性で、それぞれにおいて原因遺伝子が同定されておりますが、その病態は十分に解明されておりません。治療法は、対症療法として各種抗痙攣薬や筋弛緩薬を用いられておりますが、根本的な治療法はありません。予後としては、多くの患者は生涯にわたって生活全般にわたる介助を要し、重症例では10歳前後で死亡する方もおります。したがって、要件の判定に必要な事項を全て満たすと考えております。

162ページに、診断基準を記しております。これも、各病型の診断基準を示しており、それぞれを満たす場合を対象とすると考えております。例えば、ペリツェウス・メルツバッハ病に関しては、主要臨床症状のいずれかを満たし、画像所見で、1MRI検査及び遺伝子異常を満たす、若しくは聴性脳幹反応で消失している場合を対象とする形を基準にしております。同様に、(2)(11)までのほかの疾患についても規定をしております。重症度分類は、167ページに記しております。こちらは、てんかんを来すような疾患群ですが、かなり神経症状が強く出るような疾患であることから、Caillouxらの分類を用いて、Form0からForm2、つまり座位までしか獲得できないような患者、若しくはmodified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用い、いずれかが3以上を対象とするというように提案しております。

 続いて、169ページの「ドラベ症候群」です。ドラベ症候群は、1歳未満に発症し、全身強直間代発作や半身性間代発作を繰り返し、1歳を過ぎると発達遅滞や運動失調が出現するような疾患です。原因として、遺伝子変異を高率に認めるとなっております。治療法としては、抗てんかん薬による対症療法、食事療法等が行われますが、完全に治癒することはないとされており、要件の判定に必要な事項を全て満たすと整理しております。診断基準としては、171ページにありますが、1の全身、若しくは半身けいれん発作を満たし、それ以外のいずれか及び遺伝子異常を来す疾患、若しくはA1の症状及びそれ以外の2つ以上の症状、及びBの検査所見のいずれかを認める場合を対象とすることを考えております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を用いております。

 続いて、174ページの「両側海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん」です。てんかん原性焦点を側頭葉の内側に有する部分てんかんで、かつ病理学的に海馬効果を呈するものと規定されております。原因は不明ですが、何らかの先行損傷の既往があるとされておりますが、そういったことを認めない場合もあり、これらとの関連も明確になっていないということです。てんかん以外に、知的障害や認知機能障害、抑うつ、精神症状等を認めるとされており、薬物による治療が無効なことが多いとされております。一側性の海馬硬化に関しては、その部分を切除することにより、かなり発作の消失等が期待できるということですので、切除不能な両側性を対象とするということで提案をしております。切除不能な症例に関しては、長期の療養が必要となりますので、要件の判定に必要な事項を全て満たしていると考えております。診断基準については、176ページです。Aの症状の3及び4の双方を満たし、検査所見でMRI及び脳波で両側性であることを確認されたものを対象とすることを考えております。ただし、一側性だと診断されて外科治療を行ったあとに対側に由来する発作が残っている場合についても、これに含める形で考えております。177ページに重症度分類を記しておりますが、「てんかんの重症度」を使ってはどうかと考えております。

179ページの「ミオクロニー欠神てんかん」です。主症状としては、ミオクロニー欠神発作を認め、様々な程度の知的障害や行動障害を伴うような疾患です。原因は不明で、抗てんかん薬による対症療法を行うのみとなっており、発達段階で大きな影響のある疾患となっており、要件の判定に必要な事項を全て満たすと、事務局側では整理をしております。

 診断基準は、181ページに示しております。Aの特徴的な臨床所見及び特徴的な脳波所見を満たすこと、及びCの鑑別診断を満たすことをもって診断しております。重症度分類は、「てんかんの重症度分類」を用いるような形で考えております。

 続いて、184ページの「ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん」です。当疾患は、乳幼児期に発症する小型運動発作を伴うてんかん群です。その特異的な発作型や治療抵抗性を認めるてんかん症候群と規定されております。原因として、遺伝性疾患が想定されておりますが、こちらについても原因は不明となっております。症状としては、てんかんを主体としますが、その他の知的障害等を合併するような形の疾患となっております。そういったところから、長期の療養が必要で、要件の判定に必要な事項を全て満たすと考えております。診断基準は、186ページに示しております。特徴的な発作と脳波所見を満たし、Cの鑑別疾患に挙げられたものを除外したものとしております。187ページに重症度分類を示しておりますが、「てんかんの重症度分類」となっております。

 続いて、「レノックス・ガストー症候群および関連脳症」です。レノックス・ガストー症候群は、小児期に発症する難治性てんかんを主症状とするてんかん症候群です。関連する脳症には、ウエスト症候群や大田原症候群、早期ミオクロニー脳症などの疾患があります。これらは、発生する時期によって名前が違うようなところもあり、まとめて1つの疾患単位に整理した形がいいのではないかという提案を頂き、我々としてもそのような形でお示ししております。

 治療方法としては、抗てんかん薬による対症療法となっておりますが、これらも必ずしも奏効せず、長期療養を必要とするとされております。したがって、要件の判定に必要な事項を全て満たす疾患と考えております。191ページに診断基準を示しておりますが、診断する時期により、各種病型によるとされております。例えば、レノックス・ガストー症候群においては、症状及び脳波所見にて診断する形になっております。以下に、ウエスト症候群であったり、大田原症候群などの診断基準を示しております。重症度分類は、「てんかんの重症度分類」を用いております。

 続いて、「片側けいれん・片麻痺・てんかん症候群」です。当疾患は、片麻痺を残すような疾患群です。後に、てんかん群を発症するような症候群となっており、遺伝子異常などが関与していると考えております。当疾患も、感染症後に起こるようなことが知られておりますが、通常の感染症とは異なると考えております。治療法としては、根治的な治療がなく、対症療法が主体となり、片麻痺や知的障害が残存するということで、要件の判定に必要な事項を全て満たすものと考えております。診断基準としては、症状及び脳波所見・画像所見のいずれかを満たす形で規定しております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を使っております。

 続いて201ページの「環状20番染色体症候群」です。主症状としては、難治な非けいれん性てんかん重積状態ですが、様々な知的障害や行動障害を伴う疾患です。原因としては、20番染色体が体細胞の中で0.5から100%の率でモザイクの形になり環状になっている疾病です。病態は未解明となっております。抗てんかん薬による対症療法が中心になりますが、極めて薬剤抵抗性であり、非常に長期の療養が必要となっております。したがって、要件の判定に必要な事項を全て満たすと考えております。203ページに診断基準を示しております。症状、及び脳波所見から本疾患を疑い、染色体試験検査で確定し、これら確定されたものを対象とすることを提案しております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を付けております。

 続いて、206ページの「ラスムッセン症候群」です。慢性進行性の疾患です。健常者に何らかの先行感染症やワクチン接種等があった後、若しくはそういったものがなくても、限局性に細胞傷害性のT細胞を主役とした自己免疫性炎症が起こって発症するとなっております。てんかん発作、片麻痺・知的障害などが出現する疾患です。治療法としては、抗てんかん薬や免疫修飾療法を中心とする治療が行われておりますが、根治療法ではなく、そのため認知機能の低下や運動障害が徐々に進んでくるとされております。したがって、要件の判定に必要な事項を全て満たすものと整理しております。診断基準は、208ページにあります。臨床症状とMRI所見及び脳波所見又は組織所見を満たす場合に診断するような形で示しております。重症度分類に関しては、「てんかんの重症度」を示しております。

 続いて、212ページの「PCDH19関連症候群」です。正常又は軽度の運動発達の遅れを有する乳幼児期の女児に、発熱・感染症等を契機に、てんかんを発症するような疾患です。発症後も、しばしば知的障害が進行し、自閉、多動などの精神症状を伴うことも多くなっております。遺伝子の異常が認められておりますが、変異保因者の男性は基本的には健常となっており、女児のみとなっております。病態は十分に解明されておらず、対症療法が中心になりますが、様々な症状を残存するところから、長期療養が必要で、要件の判定に必要な事項を全て満たすと考えております。診断基準は、214ページにあります。特徴的な症状、及び脳波所見で診断し、遺伝子異常を認められれば診断確定となるという形です。確定診断された例を対象と考えております。重症度分類に関しては、「てんかんの重症度分類」を用いてはどうかと提案しております。

217ページの「難治頻回部分発作重積型急性脳炎」です。当疾患は、極めて難治かつ頻回の焦点発作を特徴とする原因不明の疾患です。急性と名前は付いておりますが、長期間にわたり痙攣が持続して重篤な状態が続くとされており、神経学的予後も不良であり、長期療養を必要とする疾患です。治療としては、抗てんかん薬による対症療法等が行われておりますが、人工呼吸管理や様々な全身治療が必要となり、その後も神経学的所見を満たすということで、要件の判定に必要な事項については全て満たすと考えております。219ページに診断基準を示しておりますが、特徴的な所見、及び検査所見のうち2項目以上を満たし、鑑別すべき疾患を除外したものという形で示しております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を用いてはどうかと提案しております。

 続いて、223ページの「徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症および関連症候群」です。本症候群は、徐波睡眠時に広汎性棘徐波が持続性に出現し、知的・認知機能の退行の形を取る神経心理学的障害を伴う疾患です。関連症候群には、ランドー・クレフナー症候群などが挙げられております。症状としては、様々な発作のパターンと、運動障害・高次脳機能障害を認めるとなっており、抗てんかん薬などの対症療法を行っております。しかしながら、難治性であり、様々な障害が残存するとなっております。したがって、要件の判定に必要な事項を全て満たすものと考えております。

 診断基準を225ページに示しておりますが、徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症およびランドー・クレフナー症候群のうち、診断が確定されたものを対象とする形にしております。例えば、前者ですと、Aの症状のうち1項目以上で診断を疑い、脳波及び運動・高次脳機能検査で異常を認めた場合に確定診断をするとしております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を用いてはどうかとしております。

 続いて、229ページの「レット症候群」です。本症は、神経系を主体とした特異な発達障害を来す疾患群です。初発症状としては、筋緊張の低下を主とする症状を来しますが、そのほか手の常同運働等に様々な症状を来す疾患となっております。遺伝子異常が示唆されておりますが、病態は解明されておりません。精神・神経系を中心とした全身性の進行性疾患であり、長期の療養を必要と考えており、要件の判定に必要な事項を全て満たすと考えております。231ページに診断基準を示しておりますが、主要症状の全てを満たし、典型的レット症候群診断のための除外基準を満たし、鑑別疾患を満たしたものを典型的なレット症候群の診断という形にしております。また、主要症状のうち、2項目以上およびBの全ての項目を満たし、Cの非典型的レット症候群診断のための支持的症状のうち5項目以上を満たす場合に、非典型的レット症候群として診断し、その両者を対象としてはどうかと考えております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を示しております。

 最後に、「スタージ・ウェーバー症候群」です。脳内の軟膜血管腫と、顔面のポートワイン母斑、眼の緑内障を有する神経皮膚症候群の1つです。難治性てんかん、精神発達遅滞、運働麻痺などが問題となるとされております。

 胎生初期の原始静脈叢の退縮不全と考えられているのですが、その原因は不明とされております。抗てんかん薬による治療等が行われておりますが、対症療法に留まっているところです。したがって、長期の療養が必要となり、要件の判定に必要な事項は、全ての要件を満たすと考えております。237ページに診断基準を示しております。出生時より顔面血管腫、及び2歳までに緑内障を認め、更にてんかんを認めるという、全てを満たす場合と、若しくはその3ついずれかを満たし、特徴的な遺伝子変異を有する場合を確定診断とし、これらを対象とすることを提案しております。重症度分類については、「てんかんの重症度分類」を用いてはどうかと考えております。以上です。

○千葉委員長 41までいきましたが、今回の御説明は、てんかんを基本的に来す疾患群です。前回の委員会でも確認がなされておりますが、てんかんだけというものではなく、いろいろな症状や症候を示すものの中の1つとして、てんかんがあるというような疾患群という理解です。2341まで説明していただきましたが、いかがでしょうか。1つは、重症度分類についても、したがって多くの疾患において、精神保健福祉手帳診断書におけるてんかんの障害等級判別区分と、障害者総合支援法における障害支援区分における精神症状、能力障害の二軸評価を用いてということで、これがほとんどの疾患群に重症度分類として適応になっております。いかがでしょうか。

○錦織委員 148ページの1-26で、「限局性皮質異形成」ですが、御説明では、てんかんや運動異常があるとおっしゃっていたと思いますし、あとのほうの診断基準でも、いろいろな症状や、重症度分類でも二軸評価というようなことが書いてありますので、てんかん以外の症状があるのだろうとは思います。疾患の説明に、常に主としては、てんかんと。その、てんかんのことしか出てこないのですね。症状などにも、てんかん以外の症状で何かあるというようなことを少し記載いただいたほうが分かりやすいと思ったのが1点です。

 それから、私は専門外で分からないのですが、150ページの診断基準の所で、FCDタイプ1として、皮質神経細胞の配列の乱れ、異型細胞を認めないとあります。この異型細胞というのは、私の語感としては、病理組織学的なAtypical cellというか、非定型細胞、癌化に1歩踏み出したような細胞のように取ってしまうのです。通常の異形成というのは疾患名としていいと思うのですが、異型細胞と、細胞という形になると、通常は、Atypical cellと思ってしまいます。その辺りは、剖検での判断ではないのですよね。何でもっての判断なのか。診断基準の一番上なのですが、配列の異常などと書いてあるので、やはり病理組織学的な異常なのでしょうか。そこが、皮質の組織を取るというのは結構大変ですし、どのように診断されるのかがよく分からなかったので、教えていただければと思います。

○岩佐疾病対策課長補佐 この点については、研究班にも確認をしております。特に、タイプ1に関しては、画像所見で十分に判断ができないようなものもありますので、病理所見という形で、異型細胞の出現として規定しております。

○錦織委員 それでよろしいのですか。

○岩佐疾病対策課長補佐 非常に限定的ではあるのですが、現段階では、それ以外に診断を確定する手段がありませんので、一応このような形で規定しているところです。

○錦織委員 ありがとうございました。

○千葉委員長 よろしいですか。例えば、160ページの疾患においては、先ほどの群とは違って、てんかんの障害等級区分などは使用されていないのですが、この症状の記載を見ますと、発達遅延や眼振、筋緊張低下といったようなことは一応書かれてあるので、必ずしもてんかんのことだけの記載ではないように思うのですが。

○錦織委員 私が申していたのは、1-26の限局性皮質異形成なのですが。

○千葉委員長 そちらの話なのですね。

○錦織委員 はい。148ページの概要についての記載が、専門外から見ると分かりにくいといいますか、御専門の方にとっては自明なのだろうと思いますが。

○千葉委員長 ここはどうなのでしょうか。私も専門ではないのでよく分からないのですが。

○大澤委員 この限局性皮質異形成の場合には、その診断にたどり付くのに時間がかかることもあり、とにかく難治性てんかんで、MRIを何度も撮り直してみて、形態異常に気付くこともあります。それから、てんかん性の症状の所に、てんかん性脳症という言葉がありますが、てんかん性脳症というのは、てんかん発作が改善せず、その結果として、知的障害やずっとぼんやりした状態が続いてしまったり、てんかん重積状態を呈することもあるとありますが、全体として非常に難治のてんかんで、各種抗てんかん薬に抵抗性というものですね。あとは、脳外科的手術をして、そういうものが見付かったり、病理が分かることもあります。

○錦織委員 てんかんとの棲み分けということで、てんかん以外の神経症状も含んでいるものという意味合いで、ここには全て挙がってきていると思いますので、その観点から、てんかんに由来するもの以外にどのような神経症状があるかをもう少しはっきりさせて書いていただいたほうがいいのかなと思っただけです。

○前田疾病対策課長補佐 そういう意味では、資料の準備が不十分で申し訳ありません。もちろん、前回の委員会の際に御了承いただきましたとおり、基本的に他の施策体系で講じているものについては、原則として個々の疾患を見て、他の施策体系で補い切れていないところがあるかどうか。実際に、そのターゲットになっているところを除いたときに、指定難病の要件を満たしているかどうかで御判断いただいて、お認めいただいておりますので、ほかの症状として、どういうところが論点になるかは分かりやすい形でできるかを改めて確認したいと思います。

○千葉委員長 おっしゃっておられるのは、確かに、この難病の要件において、てんかんだけだと精神障害のほうに入ることになりますので、そこをきちんと記載いただくことは重要だと思います。よろしいでしょうか。それから、感染症などを契機にというようなものもありましたが、それは先ほどの議論と同じように、一応それが契機であって感染症そのものが直接の原因ではないということで問題はありません。

 関連疾患が結構いろいろな所で入ってきており、1つの疾病といいますか、ここで挙げている病名の中に従来何々病とか何々症候群が含まれてきているということですね。そういう疾患が、あとのほうで説明された中に結構入っていますが、この辺りは、各研究班、学会等で十分御検討いただいたものとして入ってきていると思います。その点は特に御専門の先生、何か御異議はありませんか。

○水澤委員 私は特にありません。

○大澤委員 よろしいです。

○千葉委員長 ほかは、よろしいでしょうか。それでは、予定した時間になりましたので、141番目ですが、要件としては、全部難病の要件を満たしている疾患であると判断されましたので、これを指定難病のほうに入れていきます。今日の検討課題としては、そうさせていただきたいと思います。ただし、幾つか御意見が出たと思いますので、そこについては、もう一度さらに研究班並びに学会と御相談していただくなり、問い掛けをしていただき、ブラッシュアップするところはしていただくことをお願いいたします。

 それでは、事務局からお願いいたします。

○前田疾病対策課長補佐 本日いただいた宿題は、可能な限り次回にお示ししたいと思っておりますが、研究班とのやり取り等がありますので、必ずしも次回に間に合わず、それ以降に御確認いただくことになっても、お許しを賜わればと思います。宿題については、一連の議論の中で、またお返しを差し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次回の指定難病検討委員会の日程ですが、213()16時からの第8回として開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○千葉委員長 第2段のうちの1回目の検討ということで、41疾患の検討を行いました。次回、その後もたくさんの疾患の検討が残っておりますので、事務局もさらに御検討いただくと同時に、先生方にも今後もよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。


(了)

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