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2015年2月23日 第4回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 議事録

社会・援護局総務課

○日時

平成27年2月23日(月)10:00~12:00


○場所

航空会館大ホール7F
(東京都港区新橋1-18-1)


○出席者

田中滋 (部会長)
石橋真二 (委員)
鎌倉克英 (委員)
川井太加子 (委員)
(代理:西條由人参考人)
小林光俊 (委員)
高橋福太郎 (委員)
武居敏 (委員)
花井圭子 (委員)
福間勉 (委員)
柳川純一 (委員)

○議題

議論のとりまとめ(案)について

○議事

○田中委員長 おはようございます。定刻より少々早い時間ですが、委員の皆様おそろいですので、ただいまから第4回福祉人材確保専門委員会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 初めに、委員の出欠状況について、事務局より説明をお願いします。

○西辻総務課長 それでは、本日の委員の出席状況につきまして御報告申し上げます。

 本日は、黒岩委員、堀田委員から御欠席の連絡をいただいております。

 また、黒岩委員の代理としまして、神奈川県保健福祉局福祉部の西條由人参考人にお越しいただいております。

 以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。

 議事に入ります前に、毎度のことですが、西條参考人の御出席について皆様の御承認をとる必要があります。

 いかがでしょうか。

(異議なしの声あり)

○田中委員長 ありがとうございました。

 続いて、資料の確認を事務局からお願いします。

○西辻総務課長 お手元の資料の確認をさせていただきます。

 お手元には、

 資料 2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~(案)

 参考資料1 介護人材需給推計(暫定値)の検証結果

 参考資料2 介護人材確保の総合的・計画的な推進について(案)

 参考資料3 介護人材の確保について

を配付させていただいております。

 御確認をよろしくお願いいたします。

○田中委員長 ありがとうございました。

 ここから議事に入ります。

 恐れ入りますが、報道関係者の皆様、撮影はこれにて終了とさせていただきます。

(カメラ退室)

○田中委員長 私たち専門委員会の議論は、昨年10月から3回行ってまいりました。今回と次回の議論で2025年に向けた介護人材の確保についての報告を取りまとめようと思います。

 本日は、これまでの議論を踏まえ、事前に委員の皆様にも御意見をいただいた上で私と事務局とで報告書の案を作成いたしました。これをもとに議論を進めてまいります。

 事務局の武内室長より、資料の説明をお願いします。

○武内福祉人材確保対策室長 それでは、資料の御説明を申し上げます。

 本日、御紹介いただきましたとおり、資料として本専門委員会の報告書(案)、参考資料1~3までという形になっておりますが、きょうは途中で参考資料1に関する部分もございますので、その点も適宜御紹介しながら御説明を申し上げたいと思います。

 資料2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~ということで、この専門委員会でこれまで御議論いただいた内容をまとめさせていただいております。

 こちらは事前に委員の皆様にも一読いただいているところでございますが、そういった点も含めて御説明を申し上げます。そういう意味で再度のお目通しということになりますが、御了承ください。

 まず、1ページ目でありますけれども1 はじめにの1 現状と認識ということでございます。

 ここの部分で、最初に、2013年時点で171万人の介護人材の方々が介護サービス提供を支えてきたという中で、2つ目のパラグラフで、平成26年度に各都道府県で行った介護人材に係る需給推計の暫定値によれば、2025年には248万人の介護人材が必要と推計をされている。

 一方となっておりますが、その上で生産年齢人口の減少などの影響も踏まえた上で推計した結果、2025年には約30万人の介護人材が不足するとの見通しが示されていると記載をしております。

 こちらは、今回初めて都道府県の積み上げの需要と供給の双方の推計を行ったというプロセスがございますが、こちらはこの専門委員会では初めて御紹介するものでございますので、この部分につきましては、後ほど参考資料1で詳しく御説明を申し上げます。

 その上で報告書の1ページでは、介護ニーズの多様化・高度化に対応し得る介護人材の質的向上を図る必要があるとした上で、介護人材について量・質ともに安定的に確保するための道筋を示すことが喫緊の課題であると書かせていただいております。

 2 介護人材確保に向けた4つの基本的な考え方では、これまでの議論でもお示しをしてきた4つの柱となる考え方を示しています。

 (1)持続的な人材確保サイクルの確立ということで、介護人材の量的確保、質的確保を両輪として量と質の好循環を進めるという視点に立ち、参入促進労働環境・処遇の改善資質の向上という3つのアプローチによる総合的な政策対応を図るということ。

 (2)介護人材の構造転換(『まんじゅう型』から『富士山型』へ)ということでございますが、この点につきましても現行のまんじゅう型から富士山型への構造転換ということで、具体的には2ページをごらんいただきたいと思います。

 2ページ目の中ほどにイメージ図を記載しておりますが、こちらもこの委員会で御説明を申し上げてきたとおり、左側の現状では専門性の乏しい人材である青い部分と専門性の高い人材であるオレンジ色の部分が混在していて、役割分担が不明確になっているという状況がございます。

 これを右側の富士山型の目指すべき姿にするということで1.すそ野を拡げるということ。

 2.道を作るということで、山に入ってきた介護人材の方々が進んで行けるような道をつくるということ。

 3.長く歩み続けるは、すなわち定着促進を図るということ。

 4.山を高くするということで、専門性の明確化・高度化を図っていくということ。

 5.標高を定めるということで、限られた人材の有効活用のため機能分化を進めるということ。

 こういった5つの切り口で対応していくべきであるという考え方を示しています。

 (3)地域の全ての関係主体が連携し、介護人材を育む体制の整備では、今の図の下のところにも国・地域の基盤整備と書いてありますが、地域の全ての関係主体が連携し、介護人材を育む体制を整備するプラットフォームをつくっていくということが重要であるということです。

 (4)中長期的視点に立った計画の策定ということで、2025年を当面の目標年次とした上で戦略的に政策展開を図るため、定量的な目標、時間軸に沿った対策というのを計画的に講じていくことが必要であるということを記載しております。

 こうした基本に立った上で、2ページ目の一番下の部分からは2 介護人材確保の具体的な方策という部分に入ってまいります。

 3ページ目にわたりまして、具体的な方策に関しまして一つの前提として、今般、地域医療介護総合確保基金というものが都道府県に造成され、平成27年度予算案では公費90億円が確保されているということ、平成27年度介護報酬改定では月額1万2,000円の介護職員の賃金引き上げのための措置が講じられるという事実を述べた上で、こうした施策を一過性のものとせず、持続的な人材確保のサイクルを確立し、量と質の好循環を図るために地域の実情に応じて総合的・計画的に進めていく必要があるということを述べています。

 1つ目の柱は1.参入促進です。

 この部分につきましては、介護人材の構造的特性として女性、中高年齢者、あるいは非常勤労働者が多いといった点を踏まえ、今後、若者、障害者など、あるいは他業界からの参入を進めていくことが重要であるということを述べています。

 しかしながら、一方で介護の一面的なマイナスのイメージがある。あるいは学生や、その保護者や教員が介護分野に対して就職をさせることにまだ抵抗があるといった指摘もございます。

 こういったことを踏まえまして、介護職への理解促進とイメージアップを推進するということが喫緊の課題であるということと、そのための適切な効果検証を行うべきであるということを述べています。

 特に担い手の人口流出が進む地域では、合同の就職説明会、職場体験の実施など、きめ細やかな対策を行うべきである。

 こうした対策の有効性を高めるため、介護事業者におかれては賃金体系、キャリアパス制度、人材育成システムなどの人材確保の仕組みの整備を行い、多様な人材層に対する情報発信を進めていくべきであるということを述べております。

 その上で、対象となる人材層を幾つかに分けてきめ細やかに対応すべきであるということで、4ページ以降に記載しています。

 (1)介護への理解・関心を高めるべき層ということで、まず掘り起こしていくべき層につきまして(全般)というところに書いておりますが、1つ目の○では、介護への親しみを持っていただく。介護職が現実的な選択肢となっていくために、介護現場の特性に即した3つの魅力(楽しさ深さ広さ)について、マイナスイメージを払拭できる具体的なエビデンスとともに情報発信をしていくということ。

 2番目には、学生や介護に関心のある若者など、地域住民によるコミュニティーを通じた情報発信の方策を講じていく必要がある。また、介護業界と地域住民の間で双方向の理解の促進を図る必要がある。

 (将来の担い手となり得る小中学生)につきまして、1つ目として、具体的なターゲットとして、子供・若者が介護に触れる機会を確保するため、地域の教育機関との連携を図ることを進めていくために体験型学習などを進めていってはどうかということ。

 2つ目に、介護事業者、介護従業者みずからが地域での開放を行い、交流を進めることが必要ではないかという視点です。

 もう一つ(就職活動期の高校生・大学生、地域の若者、子育て中・後の女性、中高年齢者層)といったところに対しても、以下、具体的な方策として提案をしております。

 1つ目として、地域住民のボランティア活動の参加促進。

 2番目の○では、高校生の進路指導を行う教員、あるいは保護者を対象とした情報発信を具体的に強化していくということ。

 3つ目の○では、地元志向の強い若者の掘り起し。

 4つ目の○では、一般企業と連携も図りつつ、介護に対しての基本的な知識を涵養するような機会をつくってはどうかということ。

 5ページ目に至りまして、6つ目として、第2の人生を控えた中高年齢者などに対して介護職に入りやすい研修機会の確保など。

 最後の○では、介護事業者の事業展開に当たっては、隣接分野との協働によってさまざまな人材交流、事業連携を進めるといったことを述べています。

 (2)介護を就職の選択肢と考えている層につきましては、より一歩進んで具体的な参入を促進するための方策を講じるべきであるということで、1つ目の○では、介護事業者の経営理念、事業計画などの見える化やアピールを強化していくということ。

 2つ目については、他産業に負けない採用戦略の強化を進めていくということ。

 3つ目では、介護の未経験の方々が抵抗を感じることなく入職し、定着をしていくための環境づくり、職場体験などの実施。

 4つ目の○では、マッチングを円滑に行うために、介護実習について充実を図っていくということ。

 5つ目の○では、多様な人材をマッチングさせていくためには、福祉人材センターにおいて、アウトリーチによる情報収集やハローワークとの連携などを強化していくということ。

 最後に、障害者の参加促進ということにつきましても、きめ細やかな職業相談、職業訓練などを行っていくということを述べています。

 (3)一時的に介護から離れている層につきましては、介護分野に就業経験や何らかの手がかりがある方々に対して、特に介護福祉士の登録者のうち4割は従事していないという実態があることを踏まえ、こうした人材の方々に再度の参入を促すということが重要であるということで、5ページ目の一番下の○では、看護職におけるナースセンターの取り組みを参考にし、離職した介護福祉士の届け出制度を創設し、離職者情報の把握などを行って介護とのつながりを維持するということが必要ではないかということを述べています。

 また、いわゆる潜在介護福祉士の方々が離職期間中のブランクによる不安感を払拭するため、復帰しやすい環境づくりを行うということを述べております。

 6ページ目、大きな2つ目の柱として2.労働環境・処遇の改善ということがございます。

 この問題意識として、離職者の約7割の方が入職後3年以内だということから、早期離職防止対策を図るということが重要な課題であるということ。

 介護人材の主たる離職事由として結婚・出産・育児労働環境、雇用管理の在り方将来の見通しが立たない心身の不調、腰痛等などの4点が上位に挙げられてくるということを踏まえまして、それに即した雇用管理の改善を進める必要があるということを述べています。

 具体的に(1)新任介護人材の早期離職防止のため、エルダー・メンター制度の活用など、あるいは事業所ごとのキャリアパス、キャリア支援の仕組みの見える化、新任の介護人材の方々に向けた研修の環境整備などを掲げています。

(2)結婚・出産・育児によらず生涯働き続けられる環境整備としては、育児休業制度の充実、事業所内保育施設の運営支援などの環境整備。

(3)労働環境、雇用管理の改善に関しましては、求職者が選択しやすいよう、認証評価制度の実施や介護事業者の情報発信などによる見える化を進めるということ。

 2つ目には、雇用管理制度に関しての助成金について適用拡大を図るということ、あるいは雇用管理制度の導入のための相談支援を行うということを述べています。

 3つ目の○では、経営者に対する研修会などにより、労働・安全衛生法規の理解・遵守、あるいはベストプラクティスの普及の促進などを図っていくということに触れております。

 7ページ、4つ目に、介護業界は小規模の施設・事業所が多いということを踏まえまして、介護人材の方々の相談を受け付ける体制の整備についても触れております。

 (4)将来の見通しを持って働き続けるためのキャリアパスの整備ということで、1つ目に、資質の向上の機会を得られるよう、特にチームケアのリーダーとしての役割を担うためのマネジメント能力向上のための研修、多職種協働に必要となる能力の向上のための研修などの支援を行うということ。

 2つ目の○では、研修受講時における、そのかわりとなる代替職員の雇い上げ経費についての支援。

 3つ目の○では、介護事業者におけるキャリアパスの構築・運用ノウハウの普及を進めるということ。

 4つ目に、小規模事業者でもキャリアパスが構築できるよう、複数事業者が共同して行う採用・人事ローテーションなどの制度構築の促進。

 5つ目に、職業訓練などを実施する介護事業者への賃金の助成といった仕組み。

 6つ目に、介護報酬改定を通じた賃金・処遇の改善などへの事業者への評価を引き続き行っていくということ。

 最後の○では、社会福祉施設職員の退職手当共済制度について、長期加入者の支給乗率を引き上げるなどの措置についても触れています。

 最後に(5)腰痛対策や業務負担の軽減ということで、介護ロボットの導入、ICTの活用などによる事務負担等の軽減を進めるということを述べています。

 3つ目の柱は3.資質の向上についてです。

 これらについては、8ページにわたりまして、基本的な考え方から書いております。

 この点についても、冒頭申し上げた富士山型の人材構造に転換をしていくということと通底するものでありますけれども、まず、○1では、人材需給が逼迫する中で限られた人材をより有効に活用するには、これまでの介護人材を一律に捉え人材層の違いを問わず人材確保を目指してきたという考え方を転換し、多様な人材層を類型化し機能分化を進めていくということ。そして、それぞれの意欲・能力に応じた役割・機能、教育、キャリアパスのあり方に応じた具体的な方策が求められるということです。

 ○2では、専門性の高い人材として中核的な役割を果たすべき介護福祉士については、社会的評価と資質を高めるための具体的な方策を講じることが必要である。その中で、マネジメント能力などに応じた教育プロセスの確立や役割の明確化が必要であるということ。

 ○3では、資格取得方法の一元化の実施を進めることが重要である。その際には、時期の明示と必要な環境整備などを進めることが必要であるということを述べております。

 こうした観点に基づきまして介護人材の全体像の在り方介護福祉士が担うべき機能の在り方介護福祉士資格取得方法の一元化の3点について検討を進めていくべきであるということを述べています。

 その上で(1)介護人材の全体像の在り方に関しましては、平成27年度から数年をかけて、次の視点を踏まえつつ検討を進めていくべきである。

 視点1としては、介護を担う人材層ごとの機能・役割、人材像、量的な比重などのあり方はどのようなものであるかということ。

 視点2としましては、それぞれの人材層ごとに求められる能力、教育のあり方、キャリアパスとはどういうものなのか。これに関しては、初任者向けの入門研修の充実、あるいは他の福祉分野との横断的な共通知識を得られる仕組みの検討ということが考えられる。

 9ページ目に至っては、類型化と機能分化の検討に当たっては、実態を把握・検証し、その実情の違いに留意しながら具体的な検討・整理を進めるべきであるということで、この点につきましては、人材層の区分については実態上さまざまな切り口が考えられるということ、必要な能力につきましても、業務そのもの、マネジメント、指導力を含めたさまざまな観点があり得るということ、この点を踏まえる必要があるということを述べています。

 この検討に当たっては、平成30年度に予定される医療計画と介護保険事業計画の同時改定を見据えて、今後3年間のうちに一定の成果を見出すことを念頭に進めるべきである。そのために平成27年度から速やかに実態調査と分析を行い、平成28年度を目途に方向性を示していくということを掲げております。

 (2)介護人材の担うべき機能の在り方ということで、この点につきましても実態を十分に把握・検証し、具体的な検討・整理を進めるべきである。

 このために、まず、介護福祉士が現に果たしている機能・役割を評価した上で、今後の介護ニーズの変化に応じた資質について検討を進めることが必要である。

 また、介護福祉士の担うべき役割が明確化される過程を考慮すると、現行の介護福祉士養成プログラムでは不十分なことが想定される。こういった問題意識に立った上で、必要とされる専門性や能力を獲得するための方策を講じるべきであるということで、1つ目としましては、カリキュラムにつきまして、今後の介護福祉士にふさわしいカリキュラムのあり方について順次導入を進め、教育内容の充実を図っていくということ。

 2つ目では、それとあわせて、国家試験の内容・水準についても必要な見直しを行って、新たなカリキュラムに対応した国家試験を平成34年度から開始することを目指していくということ。

10ページに参りまして、3つ目に、介護福祉士になった後も継続的に資質の向上を促すための環境整備の方策を検討するということを述べています。

 3つ目のテーマであります(3)介護福祉士の資格取得方法の一元化につきましては、事実関係としまして、これまで平成19年の改正において一定の教育プロセスと国家試験を課すという資格取得方法の一元化を行うということにされましたが、過去2回の施行延長が行われています。

 特に平成27年度から平成28年度への施行延長につきましては、介護人材の量的確保が困難になるという懸念から行われたものでございますが、介護福祉士資格取得方法の一元化については、資質の向上のみならず社会的評価の向上、ひいては介護人材の量的確保にも寄与するものであるという考え方を示しています。

 具体的に申し上げますと、これも今まで富士山の形の中で御説明を申し上げてきましたけれども、○1として、一様に介護人材を捉えるという考え方を転換し、限られた人材を有効活用するため機能分化を進めていく。専門性の高い中核的な人材として介護福祉士を位置づけていくということ。これによる資質の向上と多様な人材によるすそ野の拡大の両方やっていく、両立させていくということが重要であるということ。

 ○2として、唯一の国家資格である介護福祉士のあり方自体が介護人材の資質や社会的評価を左右するということを踏まえまして、介護福祉士の資格取得方法の一元化につきましては、速やかに実施すべきであるということを掲げております。

 養成施設ルートにつきましては、平成28年4月から国家試験の義務づけを行うということについては、直ちに行うと混乱が生じるおそれがある。

 他方、一定の時期まで施行を延期すれば、これまで同様に施行が延期されるのではないかという懸念を招く可能性もございます。

 速やかに資質の向上の要請に応える必要があるということから、これらを踏まえという部分で書いておりますが、国家試験の受験義務づけについては平成29年度より5年間をかけて漸進的に導入する。それまでの間、円滑な制度施行に向けた経過的な措置を講じるということで、平成29年度から養成施設卒業者に対し国家試験の受験資格を付与し、平成2933年度までの養成施設の卒業者については、11ページの(ア)として、卒業から5年間暫定的に介護福祉士の資格を付与する。

 (イ)として、その間に以下のいずれかを満たしていただければ、引き続き介護福祉士を保持することができるということで、Aとしては卒後5年以内に国家試験に合格するということ。Bとして原則卒後5年間連続して実務に従事すること。このいずれかを満たせば、引き続き資格を保持できるという形にしてはいかがかという内容です。

 (ウ)となっておりますが、これは構造的には○3になるかと思いますが、平成34年度以降の養成施設の卒業者につきましては、国家試験に合格することを介護福祉士の資格要件としていくということでございます。

 実務経験ルートにつきましては、介護ニーズの多様化、高度化に対応するためには一定の体系的な教育プロセスの導入が早急に求められるということで、実務者研修の義務づけを平成28年度より予定どおり施行するということ。

 その際、介護福祉士の資格取得を目指す方々のモチベーションを維持すべく、これまで行ってきた科目の読みかえ、通信教育の活用等の負担軽減に加え、受講しやすい環境整備の方策を講じるということでございます。

 その点につきまして、1つは、受講期間6月未満での研修終了を可能とする。これまで6月以上であるということを求められておりましたが、それをフレキシブルな形にしていくということ。

 2つ目に、現行の実務経験3年というものがありますが、これの考え方につきまして、これまで3年が経過した後4年目にようやく受験資格が発生するということでございましたが、年度末に受験資格3年を満たすという見込みがある方々については、受験資格を有するという取り扱いにするということ。

 もう一つ、モチベーション向上を維持する観点から、科目別に合格を認定する仕組み、いわゆる単位制などの導入の検討を始めてはどうかということを述べております。

 福祉系高校ルートにつきましては、福祉系高校は地域における介護人材の養成機会の確保のために重要な基盤であるということを認識した上で、1つ目の○では、平成25年度までの経過措置として実施していた特例高校につきまして、改正カリキュラムによる国家試験導入を想定している平成34年度を見据えて、平成2830年度までの間につきましては時限的な措置として再実施をするということ。

 2つ目に、加えて通信課程の活用を推進するということで、これについても、平成25年までの経過措置として実施していた通信課程と同様、次の12ページに参りますが、通信課程を活用し3年間の学習での受験資格を認めるということ。

 最後に、福祉系高校の教員要件につきましては、現在の教員要件を満たすことが非常に困難であるという意見が現場からあることも踏まえまして、今後の介護福祉士のあり方に係る検討の全体像の中で、福祉系高校の教員要件のあり方についても検討を行うということを述べています。

 こういった内容について、12ページの3 介護人材確保方策を支える関係主体に求められる役割とその連携では、どのようにそれを進めていくかという実行論に移ってまいります。

 この具体的な方策を進めていく上では、関係者が緊密な連携を図った上で役割分担を行って、取り組みを進める必要があるということ。

 1つ目の介護事業者に関しましては、主体的に取り組んでいく必要があるということで、経営力・人材育成力の向上が最も重要であるということで、1つ目の○では、具体的には介護業界内の横断的な連合(コンソーシアム)を創設し、情報発信、共同採用・人材交流などの取り組みを行っていく枠組みをつくっていくということ。みずからの努力により他産業に負けない業界への構造転換を進めていくということ。

 2つ目の○では、それぞれの介護事業者のレベルに応じましてみずからの経営理念やサービス提供の考え方を明らかにし、その理念に基づいた経営を進めていく。地域のニーズに応じた改善を継続的に行っていくということ。

 3つ目では、若者、他産業からの転職者など多様な人材が参入できるよう、多様なキャリア志向や働き方のニーズに沿った人事制度を構築する。

 4つ目に、介護人材を“採る”のではなく“育てる”という意識を持ち、人材のキャリア形成の支援、雇用管理改善の方策を進めていくということ。

13ページからは地方自治体に関しまして、地域の実情を踏まえた計画的・広域的な取り組みを進めるということで、地域における関係主体の連携の場を構築するということを述べております。

 1つ目の○では、地域の人口動態、経済動向等を踏まえた人材確保を進めるために、需給推計に基づく具体的な目標を設定し、介護保険事業支援計画や都道府県計画に基づいた計画的な取り組みを進めるということ。

 2つ目では、関係セクターとして、行政のみならず事業者、従業者、職能団体、養成機関、学校などの団体で構成されるプラットフォームを形成し、連携の場を構築し、事業の企画立案、取り組みを進めていくということ。

 3つ目の○では、地域医療介護総合確保基金などを活用し、例えば介護事業者に対する認証・評価制度を実施するなどの取り組みにより見える化を進めるといった取り組みを進めるということを述べています。

 介護人材の1つ目の○では、介護従業者の方々につきましては、日々の介護現場における利用者とのかかわりの中で得られた介護の魅力につきまして、積極的に情報発信を進めていくということ。

 2つ目に、地域の介護人材とのネットワークを構築し、学びを深める環境をつくるということ。

 介護福祉士養成施設・福祉系高校につきましては、教育の質の向上、地域の連携のために取り組みを進めるということで、1つ目は、教育の質の向上に努め、職能団体・介護事業者と連携した養成プログラムを策定・実行していくということ。

 2つ目に、進級・卒業時の統一試験などを実施するということ。

 3つ目に、地域住民への介護技術研修の実施などによる地域とのつながりの強化、介護福祉士等修学資金貸付における支援などによる学生の確保を進めるということ。

 4つ目に、他業種からの参入促進をするための環境として通信課程を有効活用すること。

14ページにわたって、5つ目に、離職者を対象とした公的職業訓練を引き続き実施していくということです。

 職能団体につきましては、介護の専門性の確立、わかりやすく情報を発信するということで、1つ目に、専門性の向上を進めるために、その言語化・体系化、わかりやすい情報発信を進めるということ。

 2つ目に、体系的な研修の充実、介護人材のネットワークの構築などの取り組みを進めるということ。

 福祉人材センター・ハローワーク等に関しましては、多様な人材に対するきめ細やかなマッチングを図るために、それぞれの役割・機能に応じた緊密な連携をしてマッチング機能を強化していくということを述べております。

 1つ目に、この際、これに関しまして、法令上、福祉人材センターの支援対象として介護人材全体をしっかりと位置づけていくということ。

 2つ目の○では、福祉人材センターとハローワークなどとの緊密な情報共有を促進するということ。

 3つ目に、福祉人材センターの地域でのきめ細やかな対応ができるよう、サテライト展開を推進するということ。

 4つ目に、福祉人材センターにおいて、離職した介護福祉士の届け出情報を管理するためのデータベース設置によって、再就業支援の強化を行うということ。

 5つ目に、アウトリーチによる活動。

 6つ目に、ハローワークに設置する福祉人材コーナーの活用による全国的な取り組みを進めていくということを述べています。

14ページの一番下では地域の一般企業・経済団体の役割につきまして、15ページにわたりますが、1つ目に、一般企業につきましても地域での取り組みとの積極的な連携を図るということ。

 2つ目に、介護業界との連携の強化。

 3つ目に、企業内研修などによる介護職への理解・関心を進めるということを述べています。

 教育機関・PTAにつきましては、将来の介護人材を担い得る児童・生徒たちに対しての情報伝達、そのための適切な教育・指導を行っていただくということ。

 2つ目に、例えば土曜日授業の活用などによる介護の理解促進などの取り組みを進めていくということにも触れています。

 メディアに関しましても、適切な情報発信を進めていただくために、多面的な情報を発信していただくということを掲げています。

 その上で、15ページ、最後となりますが4 2025年に向けた総合的な確保方策の策定ということで、国においては財源の確保、制度的対応、発信などを行うとともに、PDCAに基づく施策展開を回していくために、実行論として1.総合的な確保方策の策定ということで、初めて行った都道府県ベースでの人材の需給の推計に基づきますと、約30万人の介護人材が2025年に不足をしていくということが示されておりますので、こうしたことを踏まえ、国におきましては介護人材確保のための基本的な考え方を明らかにし、法令改正や、そのほか、16ページにわたっていきますと、具体的な目標の設定による基金などを活用した都道府県の施策の立案などの取り組みを進めていくということが重要である。

 その上で、国においては介護人材確保のための総合的な確保方策を明らかにしていくということ。

 この総合的な確保方策の実効性を確保するために、基金の事後検証、ハローワークとの連携による地域の状況の把握・分析などによる効果検証、介護保険事業計画との連携によるPDCAサイクルを確立し、不断の効果検証を行うということを述べています。

 2.福祉人材確保指針の見直しですが、現在、福祉人材確保指針については、社会福祉事業従業者を念頭に置いたものとしているということでありますが、この対象につきましても、先ほど述べました国において介護人材全てをターゲットとするということを踏まえまして、社会福祉事業に該当しない介護保険サービスへ拡大するということを法令上明確化すべきである。

 福祉人材確保指針というのは、関係主体が具体的な取り組みを進める上でのガイドラインという性格を持っていますので、総合的な確保方策の方向性に沿ったそれぞれの関係セクターの方々に期待される役割、具体的な手法・進め方について記載していく。その記載内容を見直していくとともに、見直しのサイクルを3年1期という形で確立していくべきであるということ。

 今後福祉人材確保指針との関係でいえば、この専門委員会でも行ってまいりました、介護人材以外の社会福祉士や障害福祉人材の役割、確保についても別途検討することが求められるということを付言しております。

 3.介護人材需給推計の定期的な実施として、今後、介護人材確保に当たって、需給推計を効果検証のツールとしてしっかりと位置づけていくということでありますので、介護保険事業計画の周期に合わせて継続的に実施していくということを述べています。

 最後になりますが、その際、医療・介護の役割分担の変化、地域全体で介護人材を確保するという視点のほか、介護技術や介護ロボットなどの活用、人材の働き方の変革など、さまざまなイノベーションも踏まえた介護人材の需要面からのあり方についても、十分検討を引き続き行っていくべきであるということを述べております。

 長くなって恐縮ですが、その上で、参考資料3はデータ集でいつもつけさせていただいているものです。

 先に参考資料2のほうを御紹介させていただきますと、参考資料2は、現時点において考えられる政府としての施策の案につきまして、与党に現時点の考え方として出させていただいたものです。

 こちらの中では、これまで御説明した報告書(案)の内容と符合する形、あるいはこれまで御議論いただいたものをベースに整理させていただいております。

 こちらは形としてこういうパワーポイントの形になっておりますが、今申し述べた報告書と内容的には整合しているものでございますので、こちらも必要に応じてごらんいただきたいと思います。

○関口福祉人材確保対策室長補佐 引き続きまして、参考資料1をごらんいただきたいと思いますが、介護人材の需給推計について、若干お時間をいただいて御説明をさせていただきたいと思います。

 先ほどの報告取りまとめの1ページでも推計結果の御説明をしたところでありますが、その推計の考え方について、こちらの資料で御説明をさせていただきたいと思います。

 この推計につきましては、これまでも税の一体改革の際に行われてきましたが、今回、これとの違い、ポイントは2つございます。

 詳細は後ほど御説明させていただきますが、1つは、介護保険事業計画と連動する形で、介護保険事業計画の数値をベースにして都道府県に推計をしていただいた。これが初めての試みになります。

 もう一点が、需要のみではなくて供給という視点で推計する。ですから、需要と供給、両方の数値をはじき出す。これも初めての試みということになってございます。

 先ほどの報告取りまとめの16ページ、最後のところにありましたが、この推計につきましては、介護保険事業計画の周期3年1期と合わせて継続的に実施すべきということに報告書上なっておりますので、今後3年1に1回このような推計を行っていく方向になろうかと思います。

 その上でこの推計の考え方でございますが、最初に資料の6ページをお開きいただきたいと思います。これが今回、需要、供給の推計を行った際の考え方ということでございます。

 左側に縦に流れておりますが、需要推計フローということでございます。

 これにつきましては、上のほうからありますけれども、サービス利用者数を基本として、それに対応するサービス別の介護職員数を用いて利用者100人当たりの介護職員数を出すということです。

 それを基本にしまして、少し下のほうに行きますが、右から介護保険事業計画ワークシートの市町村集計値から入力というのがありますけれども、今回であれば第6期の介護保険事業計画の数値が市町村において集計されておりますので、それをベースにして需要数をはじき出すということでございます。

 推計に当たっては、都道府県においては、それぞれの実情に応じて変化率等を用いて都道府県の考え方を反映することもできるということになってございます。

 右側のほうが供給推計ということでございますが、供給推計につきましては大きく3つの柱がありまして、縦に流れている3つのラインで左から離職率離職者のうち介護分野への再就職率入職者数のそれぞれのデータを、今後どのようになるかということを各都道府県に見積もっていただいた上で、それを毎年繰り返して2025年までどのぐらい供給されるかという見込みを出す。

 これにつきましては、一番下のところにありますように、需給ギャップを推計することが目的ではなくて、需給ギャップを用いて都道府県において中長期的な介護人材の確保・定着対策を検討していただくための基礎資料という位置づけになっているということでございます。

 それを前提といたしまして、資料の1ページになりますが、この推計結果につきまして、この間、秋以降、数理の専門家の有識者の皆さんに推計内容、推計結果について御議論いただいたということでございます。

 2ページ目は、先ほど報告書にもありましたように、今回の推計結果につきましては、一番右側にありますように、2025年度において需要では248万人が見込まれ、それに対して供給、これはまた後ほど申し上げますが、これは単なる供給ということではなくて、あくまで現状推移シナリオ、現在の対策をそのまま単純に継続したならばという前提になっておりますので、先ほど報告の中でもありましたが、新たな基金とか、いろいろな施策をこれから講じていくことになりますので、それらについては反映されていない数字で、さらには、その上にありますように生産年齢人口減少等による供給量の減少ということも見込んで、かなりかた目の推計になっている。現状のまま行った場合で、かなりかた目に推計をした結果で供給としては215万人になっているということで御理解をいただければと思います。

 3ページ以降が専門家の有識者の皆さんからいただいた検証の結果ということでございますが、はじめにのところでは、1つ目の○の2行目からありますように、都道府県ごとに2025年における人材の需要と供給の見込みについて、昨年秋になりますが、平成2611月7日現在の暫定値として今回は推計をしております。

 これにつきましては、あくまで暫定値ということでありますが、暫定値というのは、そのベースとなっている数字である介護保険事業計画の数字自体でありますので、これから介護保険事業計画自体が最終的な数値に置きかわっていきますので、それを踏まえて大体5月ぐらいには最終値に置きかえをしていくことになろうかと思っております。ですから、この推計値については、5月に若干変わる可能性があるということでございます。

 少し飛びますが、その上で、真ん中以降の受給推計(暫定値)の適切性と性格についてということで、2つ目の大きな○でこれらの推計に用いた変数についてはということがありますが、選択した変数について介護人材需給推計ワークシートの設計思想と著しい乖離があるものは認められずに、推計値としては適切なものと解されるということで有識者のほうからいただいております。

 その一方、細かい具体的な推計のところですが、例えば将来の離職率については、ほぼ全ての都道府県が一定の水準で推移する。実際上、離職率は推移として改善してきている傾向が見られておりますが、かなりかた目に各都道府県とも推計していただいて、一定水準、それ以上変化しないことを前提で推計していたりとか、その下の入職者数では6割のところが生産年齢人口の減少をしっかり盛り込んでいるとか、3ページの下から3行目になりますが、最終的には、推計としては、先ほども触れましたが、堅実なかなりかた目な推計になっているということと、現状推移、新たな施策効果は盛り込んでいない推計だということを確認いただいているところでございます。

 4ページは、先ほども触れましたように、2行目の括弧にありますように暫定値は現状推移型の推計値であって、今後、対策の余地は十分にあるのだという前提で置かれております。

 大きな○の2つ目、繰り返しになりますが現状投影型の推計とされていまして、都道府県においてはこの推計結果を踏まえて的確な対応を進めることが期待されるということで、3つ目の○には具体的な政策が書かれておりますが、これは先ほどの報告書とかぶりますので省略させていただきます。

 その下の『暫定値』公表の際の留意点と今後の国の役割ということでありますが、国においては、暫定値の公表の際には30万人が単純に不足するというような誤解を招かないように、あくまで現状推移型の推計としての性格を明確にする。先ほど申し上げましたように、あくまで現在の施策のままであり、労働力人口、生産年齢人口の減少等も織り込んでかなりかた目であり、現状推移のままの推計だということと、さらには具体的な検討に資するようということで介護人材の総合的な確保方策を速やかに策定すべきということも言われているところでございます。

 その次の○ですが暫定値の需給見込みについては、あくまで暫定値だということで年度末まで変動があり得るということと、報告書の最後の16ページにもありましたが、今後、例えば常勤職員の割合等が変動していけば、それに応じて変動が生じ得るものだということでまとめられているところでございます。

 5ページでございますが、数字の若干細かい取り扱いについてですが2.個別のサービスの取扱いについての1つ目の定期巡回・随時対応型訪問介護看護の取扱いについては、始まったばかりの調査だということがありますので、直近の数値を用いているということと、通所リハビリテーションの取扱いについては、職員の重複がかなりあるということで除外している扱いだということでございます。

 以上、推計の結果について、簡単に御説明をさせていただきました。

○田中委員長 説明ありがとうございました。

 それでは、この報告書の原案並びに参考資料1について、皆様から御意見、御質問を頂戴いたします。どなたからでもどうぞ。

 西條参考人、お願いします。

○西條参考人 口火を切らせていただきますけれども、報告書全体といたしましては、人材確保、育成の主体者はあくまで事業者であって、行政は目標を掲げつつ、計画的、かつ、効果的にこれを支援するという姿勢がかなり明確になった報告書ではないかと全体的な印象を持っています。

 今、私どもで作業を進めていますが、基金に基づく支援事業を初め財政的な支出を伴う施策には、当然、自治体としては県民の理解を得なければならない。そうした点にも配慮していただいた報告書になっているのかなと受けとめています。

 事業者等の皆様には、県民の理解を得られる施策の提案、企画、実施をぜひ期待しております。

 そうした中で、多少細かい点で確認事項がございまして、14ページの中ほどと15ページにもございますが、地域の教育機関という表現があるのですが、これは小・中学校も含めてだと思うのですが、一般的になぜ教育機関という言葉をここで使っていらっしゃるのか。図書館とか博物館とか美術館も含めるということだったら、それで構わないと思うのですけれども、学校でいいのかなという気がしています。

 また、12ページの第3章の書き出しなのですが、3行目の文末がほかの章と違いまして取組を進める必要があると考えられると何かちょっと遠慮しているような表現なのですけれども、別にここは必要があると言ってもいいのではないかという気がしています。

 済みません、ちょっと戻っていただいて13ページの2つ目の○です。それぞれの主体の連携の場としてのプラットフォームという表現となりまして、これまでの議論を踏まえて、行政は単に協議の場を設けるものではない。企画、実施、実行をするのだという表現になっていることは適切だと思います。

 本県としましても、全県的な協議、意見交換の場を設けるほか、各県域単位で地域ニーズも踏まえた具体的なマッチングの場を企画・実施する実行委員会形式のプラットフォームをつくりたいと考えております。

 以上でございます。

○田中委員長 2点御指摘がありましたが、いかがですか。

○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。

 教育機関という言葉遣いに関しましては、主に学校を念頭に置いていますが、先ほど御指摘のありました、もう少し他の教育機関という外縁部に含まれるようなものもこの部分に入るのかどうかという部分も含めて、最終的に表現を適正化いたします。

 語尾の部分もやや全体として平仄が合っていないという部分がありまして、その部分については対応したいと思っています。

○田中委員長 どうぞ、石橋委員、お願いします。

○石橋委員 それぞれ関係団体の役割の中で、14ページのところで職能団体の役割が書かれておりますけれども、ここの頭の部分を読んでいますと国民にわかりやすく情報を発信するため、以下のような取組を進めるということで、情報発信するだけが職能団体の役割という誤解も与えかねないと思います。

 職能団体としては、当然ながら、介護職員の体系的な研修と特に人材育成を行うのが大きな役割の一つになりますので、ここのところは国民にわかりやすく情報発信することと、質の高い人材育成を行うために、以下のような取組を進めるというような文言に直していただければということが1点です。

 その前の13ページの一番下の介護福祉士養成施設・福祉系高校の役割の下から2つ目の○の地域住民への介護技術研修の実施等により地域とのつながりを強化するとともにというところと、14ページの頭のところに離職者を対象に、介護分野を含めた公的職業訓練を実施すると書かれておりますが、実際に職能団体としては、特に介護の日を中心に地域住民への介護技術の研修等を行い地域とのつながりの強化や、いわゆる潜在介護福祉士等の離職者に対する研修も職能団体として取り組んでおりますので、例えばですけれども、職能団体の役割の3つ目の○のところで介護人材育成のため、地域住民への介護技術の研修及び潜在介護福祉士と離職者を対象とする研修を行うとか、そういう文言を入れていただければありがたいと思います。

○田中委員長 職能団体の機能について、追加の御提案がございました。

 どうぞ。

○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。

 御指摘の点は趣旨に沿って対応させていただきたいと思います。

○田中委員長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 11ページの上から4行目にAとあって卒後5年以内に国家試験に合格することと養成校の対応に書いてあるのですが、5年以内に国家試験に合格することということで、5年を過ぎた人たちはどのようになるのでしょうか。

○武内福祉人材確保対策室長 この部分は、卒後5年間の介護福祉士の資格を取得した皆様に関して、5年以内に国家試験あるいは実務に従事ということでございます。

 国家試験の受験資格自体は付与されていますので、5年を経過した後も、国家試験に合格していただければ介護福祉士の資格が取得できるということで御理解をお願いします。

○小林委員 そうすると卒後5年以内というのは要らないのではないですか。卒後、国家試験に合格することだけでいいのではないですか。5年以内というのはちょっとわかりにくいですよね。意味がないのではないですか。早い話が、例えば卒業後1年でも取れる、あるいは5年でも、あるいは6年でも10年でも受験資格が与えられるという意味でしょう。

○武内福祉人材確保対策室長 そうです。

○小林委員 そうすると、この5年以内というのは要らないのではないですかということです。これがあると5年しか権利がないのではないかという誤解をする人たちもいまして、ここは取ったほうがいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。

○武内福祉人材確保対策室長 ここの部分は、(ア)で5年間介護福祉士の資格を付与するということとの兼ね合いで、5年以内にどういう条件があるのかということをA、Bとして整理をさせていただいたという考え方に基づくものです。

 そういう意味で、この5年間で求められる対応というのをより明確にするために書いたというものでございます。

 したがって、おっしゃられるような、5年間に限定されてしまうのではないかというような誤解が生じるおそれがあるという趣旨は承りましたので、どのような表現をすればその辺に誤解を生じないかということは工夫をしたいと思います。

○小林委員 そこは何かわかるようにしたほうが、私は卒後、国家試験に合格することと表現したほうがわかりやすいのではないかと思いますが、参考までに。

○武内福祉人材確保対策室長 ただし、文章としては(イ)のその間に以下のいずれかを満たせば、その後も引き続き介護福祉士資格を保持することができると、柱の文がこのように書かれておりますので、それが達成されるには5年以内に合格するということは、これは構造上正しい記述にはなっていますので、そのような理解をお願いいたします。

 すなわち、5年経過後に国家資格を保持するためには、論理的には5年以内に国家試験に合格をするということが必要になるという構造を示したものでございます。

○田中委員長 福間委員、どうぞ。

○福間委員 ありがとうございます。

 1 はじめにの1 現状と認識のところですが、報告全体が確かに人材確保のことをストレートに表現されているので、それ自体はいいのですけれども、やはりこの背景に、裾野を広げるとか介護の理解とか、その重要性も含まれているので、冒頭のところに、2025年にどんな社会になるのか、そのために介護を支え合う人材がいかに重要かということを強調する部分があっていいのではないかと思います。

 例えば介護保険部会の報告書では、2025年には75歳以上の後期高齢者が2,000万人社会になると非常にインパクトのあることが触れられておりますし、社会保障国民会議でも、地域包括ケアシステムそのものは21世紀のコミュニティーの再生だというような意味合いを冒頭のところできちんと強調するということが、その後の介護の重要性を理解するための前提になるのだということでは必要なのではないかというのが、スタート部分を読んだときの印象でございます。

 5ページのところで、4ページからつながってくる部分ですが、これはすそ野を広げるということだと思いますが、前にも申し上げましたけれども、今の初任者研修、いわゆる2級ヘルパー研修自体は非常に重要ですけれども、やはりもう少し裾野の入り口で、かつてヘルパー3級が講義25時間の実技17時間、在宅を見ていくのが8時間で50時間というのが非常に入りやすい広がりのある仕組みだったということを考えますと、そういうことも含めた具体的な次なるプランを国が示していくというのは、全国展開するツールとして必要なのではないかと思いますので、そういうものに着手するということもぜひ触れていただければと思います。

○田中委員長 2点御提案がありましたが、いかがですか。

○武内福祉人材確保対策室長 御提案いただいた趣旨を踏まえまして、どのように書けるかというのは検討してまいりたいと思います。

○田中委員長 川井委員、どうぞ。

○川井委員 前回、前々回と介護福祉士資格取得方法の一元化につきまして言わせていただきました意見を10ページ(3)介護福祉士資格取得方法の一元化のところに挿入していただきありがとうございます。記載されていますように漸進的に進められたらと思います。

 引き続きまして、昨日、私は、ある施設の介護福祉士さんたちの事例報告を聞かせていただきました。その内容は自分たちの日々のケアを振り返ってみると、自分たちが忙しそうに立ち振る舞うことで、それが利用者さんにも影響し徘徊の要因になっていたり、利用者さん同士のトラブルに発展してしまうことがある。そしてそれらは、お一人おひとりの利用者さんの情報収集不足から、利用者さん個々への適切なケアが提供できていないことが原因であることに気づかされた。だからこそ日々大変だけれどもスタッフで事例検討をし、ケアの見直しを心掛けている。という報告でした。私はこの報告を聞き、学び続けることの必要性を感じました。

介護福祉士法の中で資質向上の責務が規定されていますように、介護福祉士資格取得後も知識及び技能の向上に努めるということが必要ではないかと思います。この報告書の中に、周りの人たちが介護人材の確保、質を向上するためにどのように努力をしていくかということは入っているのですが、本人たちがどうするかというのがありませんので、そこに介護福祉士資格取得後も職能団体等が実施する研修等に参加しながら、みずから自己研さんに取り組むことが求められるといった言葉を、入れていただく必要があるのではないかと思いました。

 以上です。

○田中委員長 ありがとうございました。

 自己研さんについて御意見がありました。

○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。

10ページ目のところに介護福祉士になった後の話というのが書いてありますが、今、御提案のありました職能団体での研修の参加などを通じて引き続き自己研さんを続けるという趣旨、こういった点については、現に今そういう取り組みが行われているということでございますので、そういう趣旨を書き込んでまいりたいと思います。

○田中委員長 どうぞ。

○川井委員 ありがとうございます。

 大事なのは、周りの皆さんがこれだけ介護人材の量と質を確保するためにいろいろ考えてくださっているということに対して、やはりみずからも襟を正すということが非常に重要ではないかと思いますので、そのあたりをぜひ書き込んでいただければと思います。

○武内福祉人材確保対策室長 そういった環境を周囲の人たちが整えるだけではなくて、従事者、資格者の方々がみずから主体的にそういう意識を持って取り組むべきであるという趣旨だと理解しましたので、どのように書けるか検討いたします。

○田中委員長 検討して生かしていきたいですね。おっしゃるとおりです。

 武居委員、どうぞ。

○武居委員 まず最初に感想ですが、特に後半の部分で、各関係者がどのような役割をそれぞれ担っていくかということは大変大事なことだなと思って読ませていただきました。

 私のほうから1点お願いですが、7ページのキャリアパスについての部分でございます。

 専門的な資格を持った人材のキャリアパスを考えますと、大きく2つに分けて考えられるのではないかと思います。1つは、専門性をどう伸ばしていくのかという部分と、やはり組織の中で仕事をする以上は、専門性を持った上でのマネジャーへの道というようなことが具体的にはあるのだろうと思います。

 そういう意味で、例えば(4)の最初の○のところにチームケアのリーダーとしての役割を担うために必要なマネジメント能力向上のための研修というようなものを入れていただいている。または、後半のもう少し後に出てくる研修部分にもそのような部分が出てくるということで、大変必要な部分だろうと思います。

 そこで1点、7ページの(4)の3つ目の○でございますが介護事業者における個々の介護人材のからの部分で、専門性を評価するためのキャリアパスの構築と運用ノウハウの普及、これは一つ大事なことだろうと思いますけれども、もう一点、専門性だけではなくて、マネジメントに関する部分についても何らかの言及をしていただくといいのではないかなと思います。

 以上です。

○田中委員長 キャリアパスとは専門性だけではなくて、組織の中でより上位に立っていくことの力も必要であると。ありがとうございます。それも前向きに検討するということでよろしいですか。

○武内福祉人材確保対策室長 はい。

○田中委員長 花井委員、お願いします。

○花井委員 この報告書案につきまして、大きな方向性としては賛成したいと思います。その上で幾つかの質問と意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、4ページ目の真ん中より下の辺で就職活動期の高校生・大学生、地域の若者、子育て中・後の女性、中高年齢者層とあるところです。

 子育て中・後の女性という書き方にはどうしても違和感を覚えまして、子育て後は理解できますが子育て中については取ったほうが良いというのが意見です。

 5ページの(3)の上のノーマライゼーション・共生社会というところに障害者の参加を促進するためとありまして、このこと自体は非常にこれから進めていかなければいけないことなのですが、もう一つ、ぜひ見ておかなければいけないのが、障害者雇用促進法が改正され、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が、従業員が56人から50人に引き下げられ、2015年の4月からは、常時雇用している労働者数が100人を超えれば納付金の申告が必要となります。

 多分、大きな社会福祉法人が経営する介護施設等々では従業員100人を超えるところは出てくると思いますので、そういう意味で障害者雇用促進法の改正を受けてという言葉を入れるか、あるいは障害者の参加という言葉を障害者の雇用という言葉に直すか、障害者雇用促進法の改正ということを意識した内容を少し追加いただきたいと思います。

 6ページの(2)に事業所内保育施設の運営支援とありまして、これはそのとおりなのですが、何回目かのこの会議の中で、1つの事業所内で保育施設を運営するというのは非常に大変で、共同でというお話があったかと思います。

 そういう意味でいうと施設の運営支援と限定しないで、もう少し広目に共同での保育施設の運営ということがわかるように書かれたほうが良いのではないかと思います。

 子ども・子育て支援策というのは、今後、相当大きく多様なサービスが提供されてきますので、施設で働く人たちがそういうものを使って働き続けられる環境整備という意味では、ぜひともそのことを意識した子ども・子育ての支援システムということを加えられたほうが良いと思います。

 6ページの一番下に労働・安全衛生法規の理解・遵守という記載がありますが、ここは非常に重要であると思いますので、この言葉が入ったということは大変よかったと思います。

 また、7ページの真ん中辺で、正規・非正規を問わず~職業訓練という記載がありますが、ここについても非常に評価したいと思います。

 加えまして、3ページの参入促進のところに、非常勤職員が多いという記載があります。多分、働いている仕事の内容というのは正規も非常勤も同じだと思いますが、そういう意味でいうと、正規・非正規の均等処遇の確保に努める必要がある、といった文言をここに続けるか、前の勤務改善のところに入れるか、何かそういうことを出しておいたほうが良いと思います。

 次に、研修の関係です。

14ページの福祉人材センター、ハローワーク等のところはとても大切なことで、サテライト展開あるいはハローワークとの連携、福祉人材コーナーを設けるということは大変良いと思うのですが、福祉人材センターの機能の拡充・体制整備というのは必要ないのかというのが質問です。これからナースセンターのような離職した方を届出するという事業が始まるとすると、コンピューターを使える人ですとか、あるいはさまざまな体制整備が必要になってくるかと思います。この辺の記述がなくても良いのか、当然そのことを前提だということであればそれでいいと思いますが、若干気にかかっております。

 前に戻りますが、10ページの介護福祉士資格取得方法の一元化については、これまで2回見送られたということで今回はぜひともと考えておりましたが、準備期間が十分に確保されないと混乱が生じるという現場の強い声があったということで、平成29年度より、5年間をかけて漸進的に導入するとしたことはやむを得ないと思いますので、ぜひとも5年後には確実に実施するということを確認いただきたいと思います。

 この冊子と関連して、参考資料のほうについても質問させていただきます。

 参考資料2の15ページの下の箱のところですが平成34年度から養成施設卒業者に対し、国家試験を義務づけというのは先ほども述べた通り、ぜひとも5年後には実施していただきたいと思います。

 一方、※のところで准介護福祉士を平成34年度から施行とあります。准介護福祉士というのは、報告書案の中にはそういう言葉がないと思いますが、フィリピンとのEPAの協定の関係だということがその後ろの21ページのところに記載されております。EPAの協定との関係での准介護福祉士ということにつきましては、ちょっとさかのぼるのですが、調べましたら、2013年の介護保険部会の中では、フィリピン政府が、就学コースについて平成23年度以降送り出しを停止しており、フィリピン側にとって准介護福祉士資格の意味は事実上なくなっているという説明があったと伺っております。

 そうしますと、フィリピンにとっては、一応、協定としてはあったとしても、准介護福祉士については意味がないということになりますが、この項目というのは、日本人について5年後に国家資格が行われるということになって、国家試験に落ちた人が全部准介護福祉士になるのかというあたりが不明確なものですから、その辺を御説明いただきたいと思います。

 准看護士のような准介護福祉士というものを設けるということについては、大変懸念しておりまして、これから国家資格を統一していこうと言っている以上、むしろ平成34年度から施行ではなくて廃止するという方向に向かうべきではないかと考えます。そのあたりはどのような背景でこのようになっているのかということも御説明いただければと思います。

○田中委員長 御提案が幾つかと質問が2点ですね。ハローワークの機能及び准介護福祉士についてです。まず、質問についてお答えいただけますか。

○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。

 質問いただいた点で、まず、人材センターの機能の強化という部分につきまして、これは届け出制度をやっていくという方向性に伴って、それに付随して必要な体制の整備、その中には、今後、具体的にどういう届け出制度を運用していくための体制が必要なのか、あるいはそういったデータベースを整備していくのかといったあたりを検討していく必要があるということは言うまでもございませんので、御指摘いただいたようなその部分の機能・体制の整備というものは前提となっております。

 御質問の2点目の准介護福祉士のほうですけれども、現在の事実関係としては、既に平成19年改正の時点で准介護福祉士というものが条文上設置をされていますので、その部分をこの資料では掲載させていただいているというものです。

 また、21ページでは、そういったものに対して関係する附帯決議などがあるということを事実関係として整理させていただいたものでございますので、それについては、こういった事実関係をまず整理させていただいた上で適切に対応していきたいと思っています。

 また、廃止すべきだという御意見につきましては、御意見として承りたいと思います。

○田中委員長 そのほか幾つかの提案がありましたが、それは検討するということでよろしいのですか。

○武内福祉人材確保対策室長 はい。そうですね。御質問あるいは御提案いただいた子育て中・後の女性という部分ですが、特段そこに入っていただかなければという特定したターゲットとしてというよりも、介護に関心のある方、働いてみようと思われる方であれば、どのような状況、あるいはどのような人生のステージにおいても入りやすいような環境をつくっていくというような趣旨で、そこは広目に子育て中・後双方のいろいろな環境に応じた支援方策を講じていこうという趣旨で書かせていただいたものであります。

 また、障害者雇用促進法の改正との関係、あるいは非常勤・正規の均等処遇の関係、こういったあたりの御指摘もありました。このあたりは障害あるいは労働関係の部局ともよく内容を確認・調整をさせていただいた上で、どのように反映することができるかということを整理してまいりたいと思います。

○田中委員長 子育てという表現の理解は難しくて、子育て中が、高校生を持っていたらまだ働けないのか、子が3歳児なのか。18歳の子育て中の人だったら働けると思うし、そもそも子供がいない人は働かなくていいと言っている感じがするので、子育ては余計な形容詞かもしれないですね。ここで言っているのは就業していない主婦とか、そういう意味なのでしょうね。子育ては限定的な形容詞ですよね。

 どうぞ。

○花井委員 現在この介護職についているのは圧倒的に女性が多いということは承知しているのですが、将来のことを考えたら、当然、男性の参画というのも重要なポイントになってくると思います。

 そういう意味でいうと子育て中・後の女性と限定しているところが、これから将来に向かうときに片方の性を特筆するということについて、政府としてどうなのかということもありまして、できれば女性というのを切るか、若者とか、そのように書いてあるので、ここ自体も要らないのかなと思います。ここは今、田中先生がおっしゃったように子育てという言葉を外すとか、何らかの工夫があったほうが良いと思います。

○田中 現在フルタイムで働いている人という意味ではなくて、現在、職についていない人という意味でここでこういう例示になっているのだと思いますが、現実として中年世代で労働市場に出ていない方は女性が多いので、こういう書き方になっているのでしょうね。

 どうぞ、石橋委員。

○石橋委員 10ページの(3)介護福祉士資格取得方法の一元化についてでございますけれども、このことは以前から申し上げていますように、平成19年の法律改正のときに、資格取得方法の一元化というのは、資質向上のみならず社会的評価の向上、ひいては介護人材の量的確保に付与するものであるということですので、ぜひともこのことは実現していただきたいと思っております。

 特にこれまでそう決められたにもかかわらず2回延長されて、介護福祉士の国家資格自体の評価が低下する、信用をなくすというようなことにもつながりかねませんので、今度このような形で決めた以上はしっかり約束を守っていただきたい。それはぜひ実現していただきたいと思っています。

 花井委員がおっしゃられたとおり、参考資料2の20ページのところなのですが、准介護福祉士につきましては、先ほど室長のほうから話がありましたが、平成19年の法律改正のときには、フィリピンとの経済連携の協定上、外交上やむを得なくこれを法律上位置づけざるを得なかったということでしたけれども、我々職能団体としては、准介護福祉士の創設に関しては、逆に介護福祉士の社会的評価に反するものであるということから、これについては大いに反対をさせていただいて、このような附帯決議ができて速やかに介護福祉士の統一を図ることとされてきたわけですから、それを早目に執行していただきたいと思っています。

20ページの資料を見ますと、一番下の段のところの上記(a)、(b)以外の者は、准介護福祉士の資格を付与と、いかにも准介護福祉士については今後認めるようなイメージになりますので、これは修正していただきたいと思います。

○田中委員長 ありがとうございます。

 参考資料2は本報告の付属品であるかないかによって意味が違ってきますね。違えば、別なところで使ったもので、本報告とは関係ないという感じでよろしいのですか。

○武内福祉人材確保対策室長 はい。

○田中委員長 ほかにいかがでしょうか。

 では、私からも文言について。

 地域包括ケアに関する言葉は地域包括ケアと地域包括ケアシステムと2種ありまして、今つくっているのは地域包括ケアシステムです。地域包括ケアは、その上で行われる一人一人の利用者に対するケアを言っているので、医療介護総合確保推進法の用語に合わせると、この報告書の1ページや最後のページに出てくる言葉はシステムをつけたほうがいいですね。

 最後のページの下から4行目の自助・互助・共助ですが、ずっと地域包括ケア研究会で使ってきた用語では自助・互助・共助・公助と分けるのです。4つのヘルプの補完性原理に当たります。もう一つ公助とつけていただくと、地域包括ケア論との整合性がとれますので、お願いします。

 修正、あるいは評価をすることも言っていただきました。

 どうぞ、福間委員。

○福間委員 私もどのように答えを出していいのかわからないのですけれども、6ページの2.労働環境・処遇の改善の中ほどの4つの離職事由の中の心身の不調、腰痛等の中で、労働環境で腰痛対策とか業務負担の軽減が触れられているのですが、心身の不調については、現場的にいえば大変残念なことではあるのですが、現場の従事者による虐待というのが、1件でもあってはいけないことが現にあることの原因の中には、やはり心身の状態というのはかなりあるのです。

 ストレスがより弱者に行ってしまうという、研修でもそこを一番ポイントにして我々もやっているのですが、そういう点で、彼らへのエクスキューズする場所というか、何かそういうところが業界としても必要なのですけれども、どうしても雇われている職場の団体みたいなところというのは従事者の方々からはなかなか行きにくい部分もあるのかなと思うので、例えば人材センターとか、本当は職能団体がいいのでしょうが、職能団体も、介護福祉士となってしまうと、そうではない人たちが、そうではないからと思ってしまう部分もないわけではないと思いますので、いずれにしても心身の不調への相談部分も人材の確保を継続するためには必要なことなのではないかなと思いまして、課題として書くだけでも結構ですから、研修とは別にどこかそういう窓口的なものを検討していただければと思います。

○田中委員長 関連してですか。どうぞ。

○川井委員 私の知っている限りでは、大阪市社会福祉情報・研修センターでもメンタルヘルス相談として、施設で働く職員の精神的なストレス等、何かあればSOSが出せるようなホームページが開かれていたり、パンフレット等の配布も行っていると聞いています。どこまで周知できているかはわかりませんが。

○田中委員長 関連してストレスについて。

○花井委員 今の御意見に賛成したいと思います。下のところに安全衛生法規の理解・遵守とありますが、今、どこの職場でもメンタルヘルス対策が大きな課題になっておりまして、まして認知症のお年寄りを相手にする仕事というのは、よりストレスが蓄積されるのではないかということは容易に想像ができますので、メンタルヘルス対策ですとか、あるいは相談窓口といった何らかの文言と、その次の(5)に腰痛対策とありますが、腰痛対策だけではなくて、先ほど御発言がありましたように、心身への対応のようなものもあわせてぜひ記載していただきたいと思います。

 以上です。

○田中委員長 皆さん、何人かの委員の方からメンタルヘルスへの対応は重要だと言っていただきましたが、いかがですか。

○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。

 おっしゃっていただいたメンタルヘルスへの対応の重要性、こういった趣旨については触れてまいりたいと思います。

 また、具体的な方策につきましても、現在、福祉人材センターでもそういったことを行う余地はございますし、今御提案のあった窓口をどう設置するかというあたりも具体的にどう書き込めるか検討したいと思います。

○田中委員長 一わたりよろしゅうございますか。

 本日の議論はここまでとしたいと存じますが、御了承ください。

 本日の報告書(案)について、皆様からいろいろと貴重な御提案、御指摘ありがとうございました。

 大筋として全体の流れや大きな項目、いろいろな提案については、この方向でよいとの意見が大部分だったと思います。文言の修正や幾つか細部にわたる追加は必要ですが、大筋はこれで了承されたと感じます。

 本日いただいた御意見については、修正箇所について事務局と私とで整理をした上で、次回の専門委員会にお諮りして報告書の取りまとめとする予定でございます。

 よろしゅうございますか。

(はいと声あり)

○田中委員長 ありがとうございました。

 最後に、事務局より連絡があればお願いいたします。

○西辻総務課長 次回の日程でございますが、次回の専門委員会につきましては、明後日、25日、水曜日の午後4時から、場所はグランドアーク半蔵門での開催を予定しております。よろしくお願いいたします。

○田中委員長 2日間しかありませんが、事務局、作業をよろしくお願いいたします。

 これにて本日の委員会は終了いたします。

 皆様、貴重な意見を頂戴し、まことにありがとうございます。


(了)

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