ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(福祉部会福祉人材確保専門委員会)> 第3回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 議事録(2015年1月27日)
2015年1月27日 第3回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 議事録
社会・援護局総務課
○日時
平成27年1月27日(火)10:00~12:00
○場所
厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階)
○出席者
田中滋 (部会長) |
石橋真二 (委員) |
(代理:松山茂樹参考人) |
川井太加子 (委員) |
(代理:西條由人参考人) |
小林光俊 (委員) |
高橋福太郎 (委員) |
武居敏 (委員) |
花井圭子 (委員) |
福間勉 (委員) |
堀田聰子 (委員) |
柳川純一 (委員) |
○議題
介護人材確保の具体的な方策について
○議事
○田中委員長 皆さん、おはようございます。
1~2分早いですが、委員がおそろいですので、ただいまから第3回福祉人材確保専門委員会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
初めに、委員の出欠状況について事務局より説明をお願いします。
○東福祉人材確保対策室長補佐 それでは、本日の委員の出席状況について御報告いたします。
本日、鎌倉委員、黒岩委員から欠席の御連絡をいただいております。
また、鎌倉委員の代理としまして、日本社会福祉士会副会長の松山茂樹参考人に、黒岩委員の代理として、神奈川県保健福祉局福祉部の西條由人参考人にお越しいただいております。
なお、鈴木社会・援護局長と谷内厚生労働大臣官房審議官につきましては、公務のためおくれての出席となります。何とぞ御容赦いただければと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございました。
毎回のことですが、議事に入る前に、松山参考人、西條参考人の御出席について皆様の御承認をいただかなくてはなりません。
よろしゅうございますでしょうか。
(異議なしの声あり)
○田中委員長 ありがとうございました。
続いて、資料の確認を事務局からお願いします。
○東福祉人材確保対策室長補佐 それでは、お手元の資料の確認をお願いいたします。
皆様のお手元には、
資料1 介護人材確保の具体的な方策について
資料2 介護人材の確保について
参考資料1 介護人材確保に係る平成27年度予算案の概要(社会保障充実分)
参考資料2 平成27年度予算案の概要(厚生労働省)
を配付しております。
資料の過不足等がございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございました。
では、早速議事に入りましょう。
初めに、資料の説明を武内室長からお願いします。
○武内福祉人材確保対策室長 それでは、お手元の資料1介護人材確保の具体的方策についてに基づいて御説明をさせていただきます。
1ページ目をごらんいただきますと、これまで本専門委員会におきましてもお示ししてきたものが数ページ続きますが、まず介護人材確保に向けた基本的な考え方ということです。
1つ目のところでは、介護人材の量と質の好循環を進めるという視点に立つ、その際に参入促進資質の向上労働環境・処遇の改善という3つのアプローチによる総合的な対応を図るということを出発点としております。
その上で、現在の介護人材に係る課題を踏まえまして、介護人材とそれに関する業界の構造転換をすることが必要であるという問題意識。その際に、対象とする人材のセグメント(層)に応じたきめ細やかな方策を講じることが必要だということを示しています。その中で現状目指すべき姿ということで、介護人材をめぐる現状の問題認識、それを踏まえての将来の方向性を示しております。これはまた別のページでもお示しいたします。
また、3として、政策対応については、事業者を初めとして、都道府県など地域の関係者の適切な役割分担のもとで連携して取り組みを進めていく体制の構築が重要であるということ。
4では、2025年に向けて、戦略的な政策展開のために定量的な目標、時間軸に沿った対応を計画的に講じ、そしてそのPDCAを回していくという視点を掲げてあります。
これを模式化したのが2ページになります。こちらも今までお示ししてきた内容ですけれども現状から目指すべき姿。現在、左の部分、介護人材については、専門性のやや低い青い色の人材と専門性の高いオレンジ色の人材が混在していて、専門性が見えづらい、あるいは将来展望が見えづらいという課題を抱えています。それに関して、今後、2025年に向けては富士山型の形にしていこうということで、より専門性の高い人材が山の上のほうに来て、専門性の明確化・高度化を図っていくということ。そして、下の青い部分では、裾野を広げて多様な人材参入を図る。
そして、下のところに○1から○5まで書いておりますけれども、その山の中で長く歩み続ける、すなわち定着していくということ。道をつくる、キャリアパスを構築していくということ。それから、○5になりますが、標高を定める。この表現についてもし御指摘があれば、また修正していきたいと思いますが、限られた人材を有効活用するために機能分化を進めていく。この5つの方向性に基づいてA 参入促進B 労働環境・処遇の改善C 資質の向上、それから右のD 役割分担と連携、これらをパッケージにして方策を講じていこうという考え方を示しています。
その上で、3ページに関しましては、こちらも既に本委員会でお示ししていたもので介護人材の質的確保の検討にかかる基本的な視点。この質的確保の部分についてですが、特に下の図をごらんいただきますと、今、申し上げた介護人材の全体像のあり方について、全体像をしっかりと見据えた上で、キャリアパス、役割・機能、教育のあり方を考える必要がある。
とりわけ、(2)にありますように、介護福祉士のあり方にズームしますと、その部分について専門性の高い中核的人材としての確保福祉士を位置づけていくということ。それに必要な教育プロセスは何なのか、資格取得方法はどういうものか、明確な役割はどう考えるかといったことを考えていく必要がある。
(3)につきましては、その中でも資格取得方法について、資格取得方法の一元化の達成、そのために必要な環境整備等をどう図るかという構造で議論を進めてまいりました。
その上で、本日は、4ページ以降、これまでいただいた御議論も踏まえまして、介護人材確保の具体的な方策を、粒度をより下げた形で御議論をいただきたいと思っております。A、B、C、Dの4つのフレームに応じて御説明を申し上げたいと思います。
5ページ目はA 参入促進についてです。こちらは、まず青い四角の上のところに書いておりますけれども、参入促進を進めるに当たって人材層ごとにどういう方策を講じていくかということを分けて考えています。また、特に2025年に向けては、介護職の理解促進、イメージアップが大事でありますし、そのための適切な効果検証を行っていくことが必要であろうということ。そしてまた、若年層、それから、人口流出が進む地域において、地域の実情に応じて、他地域へのアプローチなどきめ細やかな柔軟な発想で取り組んでいくべきではないかということを問題意識として掲げております。
その上で、5ページから、左の欄に対象となる人材層、右に具体的な方策という形で整理しています。
対象となる人材層はトータルで3つに分けているのですが、まず1つ目は介護への理解・関心を高めるべき層です。この層に関しては、介護への親しみを持っていただくということ、介護が職業の選択肢になるようにということで、介護の現場の実態に即した3つの魅力。楽しさ、広さ、深さについて、児童・生徒、地域住民に発信することが必要ではないか。
また、介護に関心のある射程を広げまして、若者、主婦等々、地域住民によるコミュニティを通じた介護の魅力、実状についての情報発信が必要ではないか。そのためには、行政を含めた業界と地域住民の間での双方向の理解促進が大事ではないかということを掲げております。
よりつぶさに見た場合、将来の担い手である小・中学生という人をターゲットにした場合では、子供・若者の介護に触れる機会の確保、高齢者と接するような体験型学習を教育機関との連携で進めるべきではないか。介護事業者や従業者が積極的に地域開放を行って、小・中学生の受け入れ、そういったかかわり合いを持つことが大事ではないかということ。
一番下のところでは、就職活動期の高校生・大学生、子育て中・後の女性、中高年齢者層など、これから介護に興味を持って考えていこうという方々に対しては、1つ目、介護との接点をつくるために、職場体験の充実、ボランティア活動の参加促進。そして2つ目の○では、一般企業との連携も図りながら、住民に対して介護体験や介護についての基礎的な知識を学ぶための研修を行ってはどうか。3つ目には、介護業界だけに閉じているのではなくて、介護業界のみならず、外食、家事代行等々、他の民設業種・産業とのコラボレーション、協働によって、事業としての多面的な広がりを通じ、人材交流や事業連携を進めることも重要な切り口ではないかということを示しております。
次の6ページです。今度は、一段進んで、介護を就職の選択肢と考えている層、候補に上がっている方々についての考え方です。それらの方々については、まず何よりも、事業者における人材確保の取り組み。そのためには賃金体系、キャリアパス、育成システム、ICTの活用などによる雇用管理改善などの整備をして、プラス、求職者に対しての情報提供をしっかりとやっていくということ。
2つ目には、その事業者の経営理念や事業計画など、中長期的な方向性を見える化し、アピールをしていくべきであるということ。
3つ目では、他産業や他事業者の効果的な取り組みについて学び合い、他産業に負けない採用戦略の強化を進めることが必要ではないかということ。
4つ目の○では、介護未経験者の方々に対して、ハードルを低くするために、介護業務の実態や職場環境などに触れることによる入職の契機づくり、それから、職場体験実施などによって入職後にギャップが生じることを防止することが必要ではないかということ。
次には、介護福祉士を目指す方々と介護現場の初期の接点という意味においては、介護福祉士の養成課程における介護実習が大事ですので、その実習プログラムの充実の取り組みの強化。
次では、今度はマッチングの話でありますけれども、福祉人材センターにおいては、アウトリーチ活動による地域の事業所の実態に係る情報収集を強化する、あるいは経営改革のための指導などを行うということ、ハローワークとの連携を強化することが必要ではないかということです。
また、最後に、障害者の介護職への参画の促進ということで、このための事業者側における受け入れ環境の整備が大事ではないかということを掲げております。
そして、Cのところでは、かつて介護職についたことがあるものの一時的に介護から離れている方々については、いわゆる潜在介護福祉士という言われ方をしておりますけれども、看護の世界では、同様に、離職した看護師の方々をつなぎとめる仕組みがナースセンターの取り組みとして行われています。これを参考にして、離職した介護福祉士の届け出制度を構築し、その情報の把握、つながりを確保し、情報提供などを行ってはどうかということが1つ。
それから、そういった方々がそのつながりに基づいて復職しようという場合に、離職期間中のブランクによる不安感を払拭するために、専門的な介護技術の再研修、職場体験などを行ってはどうかということを挙げております。
続きまして、7ページから労働環境・処遇の改善にまいります。
8ページから、労働環境・処遇の改善についてどのような方策が考えられるかということを掲げております。こちらのBの部分では、今度は、離職の実態あるいは要因となっているものに応じてどういう対策を講じるかという構造で整理をしております。
まず最初に、離職者の7割が入職後3年以内の者であることに着目して、1つ目として、早期離職を防止するためには、入職初期段階の方々が働きやすい環境整備、エルダー・メンター制度の活用などを進めてはどうかということが1つ。2つ目では、入職の初期段階で将来の展望が持てるよう、キャリアパス、賃金体系、キャリア支援の仕組みを見えるようにしていくということ。3つ目では、新人職員が安心して働けるように、初任者研修の受講支援など、基本的な知識・技術を学びやすい環境の整備が必要であろうということを掲げています。
2つ目のカテゴリーとして、主な離職理由の上位に上がってくるものに着目した取り組みです。
まず、結婚・出産・育児が契機になって離職されている方に関しましては、育児休業制度の充実、事業所内保育制度の運営支援など、子育てをしながら働き続けられる環境整備を進めようということです。
次に、労働環境、雇用管理のあり方に関しての取り組みの強化に関しましては、入職される時点で求職者の方々の事業者の選択に資するよう、認証評価制度、すなわち介護の事業者におけるさまざまな取り組みに関しての認証評価を行うことを実施する。あるいは介護事業者みずからの情報発信をしていくことによって人材確保育成に積極的に取り組む事業者を見える化していこうということを掲げております。
次に、労働環境・処遇の改善のためには、経営者の皆様においてキャリアパスの構築・運用のためのノウハウを定着させていくということ。労働・安全衛生法規の理解、あるいは他産業、他の事業者から学び取る、そしてベストプラクティスを共有するということを進めるべきではないかということです。
3つ目の固まりとしては、将来の見通しが立たないという要因がございます。これに関しましては、一定の経験を積んだ方々がそれぞれのキャリア設計に応じて資質を向上し続けられるようにマネジメント、医療的ケア、認知症ケア等々の専門性を高めるための研修などの支援を行ってはどうかということです。2つ目は、介護事業所における人材の専門性を評価するためのキャリアパスの構築と運用の部分のノウハウの共有を進めていくべきではないか。また、小規模の場合でも適格なキャリアパスが構築できるように、複数事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修の共同実施などの制度構築を進めてはどうか。そして、介護報酬を通じた賃金・処遇の改善を進めていくことが重要です。
そして、心身の不調・腰痛を理由に挙げられている方も相当程度いらっしゃいます。このために介護ロボット等の導入やICTの活用などによる利用者情報の共有など、業務の負担軽減、省力化の推進、生産性の向上というところを進めていくべきであるということを掲げております。
3つ目の固まりとして、9ページから資質の向上にまいります。
資質の向上に関して、冒頭に模式図を通じてコンセプトをお示ししましたが、それに基づいて、10ページ目の一番上の青い四角の部分では、介護人材の全体像のあり方、そして、介護福祉士が担うべき機能のあり方、資格取得方法の一元化といったことについての検討を進め、介護人材の類型化・機能分化を進めるとともに、介護福祉士を中核人材と位置づけること。これは、2025年には介護人材の5割ということを一つの考え方として、それを実現するための方策としてどういうことを考えていくかということを整理しております。
こちらは、行うべきプロセスに応じて整理をしています。
まず1つ目介護人材の全体像の在り方に関しましては、平成27年度から数年をかけて、次の視点を基本に据えて、介護人材の類型化、そして機能分化を図る検討を具体的に進めていくべきではないかという御提案です。
視点の1つ目としては、介護を担う人材層ごとの機能・役割、人材像、そして量的な比重をどのように考えるのか。よりつぶさに言いますと、介護を担う人材層は連続的であるという性格を持っていますが、介護福祉士、研修などを修了して一定の水準にある方、基本的な知識・技能を有する方という3つの人材層に大別することが1つ考えられるのではないか。また、検討に当たっては、介護福祉士を中核的な存在として位置づけるとともに、現在進行形で動き続けている介護ニーズの多様化・高度化に対応したものとすることが考えられるということを挙げております。
2つ目の視点としては、それではその人材層ごとに、その能力、教育・養成のあり方、キャリアパスをどう考えるかという視点です。そのためには幾つかの切り口があろうかと思いますが、人材層自体の厚みと広がりを増すためには、未経験者を含む裾野の拡大、そのために初任者向けの入門研修の充実などを図る方策が考えられるのではないかということが1つございます。また、2つ目のポツでは、今後、保育などの他の福祉分野を含む多様な人材が介護業界に参入しやすい環境の整備、すなわちさまざまな隣接領域・分野との人材の流動性を高めていくことのため、例えば、他の福祉分野の入門的な研修と共通的な基礎知識を共有できるような仕組みとすることも一つの切り口として考えられるのではないかということを書かれています。
そして、こういった検討を進めていく上では、2つ目の○で、この検討に当たっては、介護の現場において介護の人材がどのように配置されているのか、どういう業務が行われているのかといった実態を十分把握・検証することが大事です。そして、先行事例を参考としながら具体的な検討・整理を進めていくべきではないかということを提案させていただいております。その際には、人材層の区分については、事業所あるいは業種によってさまざまあるかと思いますが、職責や職階、業務内容、対象とする利用者像とどういう関係になっているのか。キャリアパスについては、サービスの種別、現場の実情等に応じてどのように考えるべきなのか。それから、必要な能力について、利用者の能力を引き出す力、観察力を含む業務の遂行力、他業種との連携の力、指導力、そして一歩進んで、改革・改善力、マネジメント力などが考えられるのではないかということを掲げています。
11ページにまいります。今度は2つ目の固まりとして介護福祉士の担うべき機能の在り方についてです。この部分は、○1で述べました介護人材の全体像の在り方と連続するものでありますが、介護の現場において介護福祉士がどのように配置され、どのように業務を行っているかという実態を把握・検証して、同様に、先行事例を参考とした検討が必要なのではないかということです。
その際に、介護人材の機能分化を進める上で、まず、現在、介護福祉士が実際にどのような機能・役割を果たしているのかということの把握と評価が必要であろうということ。そして、その中では、例えば介護ニーズの多様化・高度化にどう対応しているのか、チームケアでのリーダーシップなどの涵養の観点から、これからの介護福祉士にどのような資質が求められるのかということの検討が必要ではないかということ。
また、それを具体化していくに当たっては、必要とされる専門性や能力を獲得するために、次に掲げるような方策もあわせて検討すべきであるということで、現在の介護福祉士の養成・教育の内容や方法を検証した上で、カリキュラムの改正、教育内容の充実を図ること。2つ目では、国家試験の内容・水準についても必要な見直しを検討すること。3つ目は、介護福祉士になった後も継続的に資質の向上を促す環境整備の方策を考えること。そして、こうしたことと通底するものですけれども、介護福祉士の定義・役割、そしてその専門性をどう評価していくのかということについても検討を進めていく必要があるということを掲げております。
そして、12ページには、3つ目、資格取得方法の一元化についてです。現在、この3つのルートがございますが、これらについて分けて整理をしています。
1つ目養成施設ルートにつきましては、こちらは人材確保の検討委員会のところでも方向性が出されていましたが、28年度からの国家試験義務づけを延期するということに立った上で、ただし、これまで施行間近に施行の延期決定が繰り返されてきたという歴史もありますので、制度や政策への不信をこれ以上高めないという観点から、この国家試験の義務づけについて漸進的な導入を含め、資格取得方法一元化の達成に向けた取り組みを進めていくことが大事ではないかということ。あわせて、教育の質を担保するため、養成校においての統一試験などの取り組みを進めることが重要ではないかということを掲げております。
2つ目実務経験ルートについては、介護ニーズの多様化・高度化に対応するため、一定の体系的な教育プロセスの導入が必要だという観点から、実務者研修の義務づけを平成28年度から施行すべきであるということ。
そして、2つ目の○では、実務経験ルートの方々がより少ない負担で資格にチャレンジできるという観点から、現在の負担軽減措置、科目の読みかえ、通信教育の活用などに加えて環境整備を進めていくべきではないかということを掲げております。
そこでは、1つ目、平成28年度から、実務者研修における受講期間の規制を柔軟化すべきではないかということで、現在受講期間6カ月以上という規定がありますが、平成28年度からこの点を撤廃してはどうかということが1つ。すなわち、短い期間でもそれが達成できる形にするということです。ただし、かなり詰め込んだものによって教育効果が薄れないように配慮する必要もあるということ。
それから2つ目。国家資格を取ろうという方々について、現在、3年の実務要件があります。それですと、3年が終わった後初めて実務経験が発生するという取り扱いになっておりますが、この点についてさまざまな声があり、その実務経験の修了の見込みで受験をすべきではないかという御意見もある中で、社会福祉士はそういう取り扱いになっているということのバランスをとって、3年の実務経験を満たすという見込みの受験を認めてはどうかということ。
3つ目は中期的な課題となりますが、国家試験について、科目ごとに合格を認定する仕組みなど。ここではかりそめに単位制という言い方をとりあえず用いておりますが、他の国家試験などでもあるような、少しずつ科目を取っていくという方策を検討していくことも俎上にのせていってはどうかということで、こういったさまざまな形で資格取得をしやすい環境づくりを提案しております。
3つ目は福祉系高校ルート。この点に関しましては、他業種からの転職者の参入促進のための通信課程の活用が大事ではないかということで、25年度まで経過措置として実施しておりましたが、この通信課程に係る経過措置を再び実施することを考えてはどうかということが1つです。
また、2つ目の○では、地域部において、福祉系高校は介護福祉士の育成機会として重要な機能を有しているという問題意識に立ち、介護福祉士の育成機会を地域において維持していくという観点から、これまで実施をしていました特例高校という枠組み、これは25年度までの経過措置として、卒業後9カ月の実務経験も要件になった上で国家試験を受けられる仕組みなのですけれども、こちらについても、先ほど述べたような介護福祉士全体の抜本的なカリキュラム改正などの改革までの間に限り、時限的な措置として再実施してはどうかということ。また、今後の介護福祉士のあり方に係る検討の中でさまざまな教育課程についての検討も行いますが、福祉系高校の教員要件のあり方もそういった検討の俎上にのせていくことが必要ではないかということを掲げております。
そして13ページ。こういったA、B、Cの取り組みについて、14ページ以降、関係者がどうやって役割分担をし、連携をしてやっていくのかということです。
14ページのところでは、介護人材の量的確保・質的確保の好循環を構築していく、そしてこれが一過性のものにならず、持続可能な人材確保のサイクルとして確立されていくため、関係者がそれぞれの役割に応じた主体的な取り組みを進めるべきではないかという問題意識を出発点にしております。
14ページでは、まず国です。国については、全国の関係主体が同じ方向感を持って取り組みを進めるため、人材確保の道筋を示すということ、施策のPDCAのサイクルを確立するということを国の役割として担うべきであるということを御提案させていただいています。
具体的には、1つ目、総合的な確保方策を策定するべきである。2025年に向けて介護人材確保を進めるため財源を確保する、また制度設計を行うということとともに、中長期的な道筋を明示すべきであるということ。その際、介護人材の需給の見通しを行いまして、2025年に向けて人材を取り巻く状況の変化に対応できるような定量的な数値目標を設定するとともに、介護保険事業計画の期間と合わせた定期的な施策の効果検証、そしてその際の所要の見直し、ファインチューニングを行っていくということをしてはどうかということです。
3つ目の○としましては、今度は、供給の側面だけではなくて、介護人材の需要サイドにも着目し、介護技術、介護支援機器、あるいは働き方のイノベーションを推進していくという方向性を位置づけていくべきではないか。また、こういった各方策の取り組みについては、より多くの国民に当事者として御関心を持っていただく必要がある。また、介護職の人々自身の士気が高まっていくことが大事ですので、その点を踏まえて工夫した㏚活動を行っていくことが必要であるのではないかということを掲げています。
また、下の段福祉人材確保指針の見直しについてです。現行の福祉人材確保指針については、法律上、社会福祉事業の従事者に限定をしたものとなっています。これはこの指針の出自に由来するものなのですけれども、実質上、介護保険の誕生というともありましたし、社会福祉事業の従業者のみならず、密接なかかわりを有する介護保険サービスに対象を拡大する。それは法律上そのように明記していくことが必要ではないかということが1つです。
2つ目は、この指針のプレゼンスという意味においては、都道府県のみならず、介護事業者を初めとする地域の関係主体が具体的に取り組みを進めるサポートとなるように、より実効性が高く、メッセージ性の高いものにしていこうということです。
3つ目につきましては、その施策の定期的な効果検証が大事だということを念頭に置きまして、福祉人材確保指針についても定期的な見直しのサイクルを確立することが必要ではないかということを掲げてあります。
15ページ。今度は地方自治体の皆様について。こちらの役割としては、地域の実情を踏まえた計画的・広域的な取り組みを進めていただく、また、地域の関係主体の連携の場を構築し、施策を推進していただくことが大事ではないかということです。その際には具体的な方策のほうにございますが、地域の人口動態、経済動向などを踏まえ、広域的・総合的な人材確保を進めるために、介護人材の需給推計などに基づく具体的な目標を設定していただき、介護保険事業支援計画、あるいは医療介護総合確保推進法に定める都道府県計画に基づいたそれらと連動した計画的な取り組みが必要ではないかということが1つ。
2つ目。さまざまなステークホルダーがおられますが、行政のみならず、事業者、従業者、職能団体、育成機関、学校、一般企業、地域の経済団体、自治会など、そういった方々が一緒にこの問題に取り組んでいくプラットフォームの形成が大事ではないかということ。その連携の場を構築するということ。
そして、3つ目の○では、地域医療介護総合確保基金というものがございます。これは後ほどまた御説明いたしますが、介護事業者に関する認証評価制度。現在、京都府などで行われておりますが、こういったことを実施することによって介護人材の定着・育成を地域で行っている状況について見える化を進めていってはどうかということを初めとしまして、地域の実情に応じた取り組みを進めていくことが求められるのではないかと整理をしております。
次に、介護の事業者の方々について。この方々につきましては、主体的な取り組みの推進、とりわけ経営力・人材育成力を向上していくことが大事であるということです。こちらも今まで述べてきたことと重複する部分はありますけれども、具体的には、主体的な創意工夫に基づく取り組み。介護の魅力についての情報発信をするということ。そして、地域との連携。地域に開放していくということ。経営者の意識改革。それから、業界内でも横断型のコンソーシアムを形成するなど協働して取り組む体制をとってはどうか。それによって他産業に負けない業界に構造転換を進めていくことが重要であるということ。
そして、2つ目。若者、転職者等々、さまざまな方々が参入する業界であるということを十分に踏まえ、多様なキャリア志向、働き方のニーズに沿ったきめ細やかな人事制度の構築を目指していくべきであるということ。そして、介護人材を採るから育てるに切りかえていくために、キャリア形成支援、雇用管理改善の方策を進めるべきであるということを掲げています。
次に、働く方々、介護従事者です。従事者は現場の視点からの情報発信、そして、みずから資質と専門性を向上させていくことによって介護職の社会的評価の向上を推進していく役割を果たしていただくことが必要ではないかということ。この従事者の方々は日々の介護現場における利用者とのかかわりの中で得られた介護の魅力、実情について、地域住民とのかかわりを持ちながら情報発信を進めていくことが重要であろうということ。そして、みずから継続的な資質と専門性の向上のため、その事業者の単位にとどまるのではなく、例えば地域の介護人材と横のつながりをつくるなどして、その学びを深める環境をつくっていくことが大事ではないかということを掲げております。
最後のページ、16ページとなります。次に、福祉系教育機関。これは、養成校、あるいは福祉系高校などを念頭に置いて掲げておりますが、教育の質の向上、そして地域との連携ということを役割として期待してはいかがかということ。これらの教育機関は、介護福祉士の養成という重要な使命を担っておられるということで、教育の質の向上に努めていただくことはもとより、職能団体・事業者との連携によって継続的・体系的な養成プログラムの策定・実行が大事ではないかということ。そして、保持されておられる教育資源を地域に開放し、児童・生徒、家族介護者に対しての基礎的研修を実施するなど、これは例示的なものですが、地域におけるプレゼンスを向上し、介護への理解・参入を促す役割を果たしていただくことが必要ではないかということ。
次に、職能団体ということに関しましては、介護の専門性を確立し、国民にわかりやすく情報発信していただくことが期待されているのではないかということで、専門性向上のための取り組みを主体的に進めていただくだけではなくて、その言語化・体系化ということ、それに加えてのわかりやすい情報発信、それらを通じて介護職の社会的評価の向上を促進することが必要ではないか。また、職能団体としては、多くの加入員の方がいらっしゃると思いますので、最新の制度・施策の情報提供、体系的な研修の充実、介護人材のネットワークの構築などを進めるということ。そして、社会や地域に対してエビデンスに基づいた提言を行っていくことが求められるのではないかということを掲げています。
労働関係団体につきましては、地域における緊密な連携の中に入っていただいて人材確保の対策を推進していただくことが必要であるということで、福祉人材センター、ハローワーク等々が緊密な連携と情報共有を行っていただくということ。人材のマッチング強化、定着促進対策を推進していくことが大事だろうということ。それから、それに付随して、福祉人材センターの業務を地域の関係団体などに委託して、よりきめ細かな展開ができるようにしてはいかがかということです。
それから、介護業界から少し広がりまして、一般企業・経済団体についても視野に入れる必要があるということで書かせていただいております。一般企業・経済団体についても介護人材確保に向けた地域での取り組みに参加していただくこと、あるいは従業員への啓発をしていただくことが大事ではないか。介護離職の課題が現在浮上してきておりますが、この介護人材の確保というのが我が国の経済社会全体にかかわる問題だという意識を持って、地域での取り組みとの連携を図っていただくことが大事ではないか。その際、他産業におけるキャリア形成支援、雇用管理改善などのノウハウを活用して、介護業界との連携を強化していただく視点も大事ではないかということ。また、この介護保険の制度や基礎的な技術に係る企業内研修などを行うことによって、円滑な制度の利用とともに、介護職、介護というものへの理解・関心を進めていくことに関与していただくことが大事ではないかということを挙げております。
そして、今度は教育のほうにまいります。教育機関・PTAにつきましては、将来の介護人材を担う児童・生徒などに対して正しく情報を伝達するということで、児童・生徒にとって、その適性に応じて将来の職業の選択肢として介護職が位置づけられるようになるように、また、介護職を目指そうとする児童などの意欲をそぐことが決してないようにきちんと介護の魅力を知っていただき、適切な教育指導に反映していただくことが大事ではないかということを挙げております。
最後になりますが、メディアに関しましても、適切な情報発信と関心の喚起ということで、介護の人材確保に向けた国民的関心を喚起していただくため、介護人材の魅力、課題について多面的な情報発信を進めていただくことを期待したいということを掲げております。
こうしたことが資料1であります。
大分長くなって恐縮ですが、参考資料を一部御説明させていただきたいと思います。御報告を含めて予算に関してです。
参考資料1、2ということで予算関連の資料をつけております。
参考資料1では介護人材に係る平成27年度予算案の概要を整理しておりますので、こちらだけ触れさせていただきたいと思います。
まず、1ページ目をごらんいただきますと地域包括ケアシステムの構築ということで全体像として整理をしておりますけれども、この中の一環として、平成27年度からは、1の(1)に地域医療介護総合確保基金(介護分)724億円と入っております。その中に○2介護従事者の確保に関する事業というのが位置づけられておりまして、介護人材確保のための新たな財政支援制度がスタートするということに政府案としてはなっております。この財政規模に関しましては事業費ベース約90億円を確保しておりまして、これまでにない規模の都道府県における事業展開を可能とするということで整理をしております。
2ページ目は、今、申し上げた基金のスキーム図でありますので、こちらはごらんをいただきたいと思います。具体的にどのようにお金が流れていくのかということを掲げております。この右下の部分に介護従事者の確保に関する事業を位置づけております。
そして、3ページ目。よりズームしまして、介護従事者の確保に関して、この基金を活用した従事者の確保。これは、都道府県が地域の実情に応じて設計していただくことが必要になってきますが、そのメニューの代表例をお示ししています。この中では、参入促進、資質の向上、労働環境・処遇の改善に関する事業を支援するということで、これまでも類似の取り組みを行ってまいりましたが、これを大幅に充実・拡充していくということで例示をしております。参入促進、資質の向上、労働環境・処遇の改善ということで、カテゴリーごとにそれぞれ、これまで御議論いただいた内容なども勘案して盛り込んでおりますので、こちらも御参照いただきます。
こうした新たな制度を、2025年に向けて地域の実情に応じて実効性を持って展開していただくことが非常に重要だと思いますので、資料1とあわせて委員の皆様の御議論、お知恵をおかりできればと考えております。
私からは以上です。
○田中委員長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明にもあったとおり、今後、厚生労働省において、本専門委員会の意見を踏まえる形で、2025年に向けた介護人材確保の総合的な確保方策を策定していくことになります。また、来年度より、今説明がありましたように、介護人材確保のための新たな財政支援制度もスタートします。そこで、この総合的な確保方策の実効性を高めるための方策を示すことが我々専門委員会に求められる役割となります。
この委員会では、これまで介護人材確保について大きく分けて4つのテーマ、2ページ、3ページあたりの言い方をすると参入促進労働環境・処遇の改善資質の向上役割分担と連携と分けて施策を進めていくことについて議論を重ねてまいりました。またすそ野を拡げる長く歩み続ける道を作るなどの非常に文学的な表現も導入されています。
本日は、これまでの議論をもとに、事務局よりテーマごとの論点などに対応する具体的な方策の案が後半で示されました。この個別の方策案について委員の皆様から、どこが足りないかとか、さらに深めるにはどうしたらいいかといった観点から御意見を頂戴いたします。
以後の進め方ですが、今、お話しした4つのテーマについて分けて順次議論してまいります。
初めに、資料1の5ページと6ページをお開きください。1つ目のテーマ参入促進のための具体的な方策についてです。これについて御意見があればお願いいたします。
石橋委員、お願いします。
○石橋委員 まず、参入促進の5ページのところです。将来の担い手である小・中、または高校生、大学生に対して体験学習などを行うということは非常に意義深いと思っています。ただ、子供たちだけではなく、そこで教える教育者というか先生たちに対しての介護に対する理解も重要でありますので、その先生たちに対する研修とか体験とかいうことも追加していただけばいいと思います。
もう一点ですけれども、6ページのC 一時的に介護から離れている層に対しての取り組みでございます。介護福祉士の場合も、潜在介護福祉士として、介護福祉士の資格を取って働いていない方が4割近くいますので、ここで示されていますように、ナースセンターの取り組みを参考にすることは非常に意義が深いと思っています。介護福祉士の場合についても、このナースセンターの取り組みを参考に、同様のスキームづくりを行って、いわゆる潜在介護福祉士の方が現場に再就職するための促進策として活用すべきだと思っています。
あわせて、その再就職の際には研修が必要になってくると思いますので、そういう研修などの取り組み、義務づけ等も行ったほうがいいと思いますし、我々、職能団体としてはこのことに関しては積極的にお手伝いさせていただきたいと思っています。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございました。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 参入促進のところに入る前に1つ2ページのイメージ図について教えていただきたいと思います。右側の目指すべき姿の図で、山の下に子育て中・後の女性云々と書いてあるのですが、一番下の層というのはここを対象にして参入促進を働きかけていくということなのか、ここがどういう意味を持っているのか教えていただきたいと思います。
また、上に向かって伸びている矢印について、下から真っ直ぐ突き抜ける形で伸びるのか、山のてっぺんの層だけ上に行くのか、その辺のイメージをもう少し教えていただきたいと思います。
その上で、6ページのC 一時的に介護から離れている層について、ナースセンターの取組を参考に、離職した介護福祉士の届出制度を構築するということについては、私も非常に良いことだと思っております。これについて、何らかの法改正が必要なのか、どういう形で具体的にやっていくのかということももう少し教えていただきたいと思います。
以上です。
○田中委員長 2点御質問がございましたのでお答えください。
○武内福祉人材確保対策室長 まず御質問いただいた1点目ですけれども、この青い部分の裾野の拡大に関しましては、下の緑のところにありますようなさまざまなカテゴリーの方がさらに裾野拡大として入ってきていただく可能性のある方々。これらに関して幅広く参入をしていただくというような取り組みを進めるべきだということです。
2点目のオレンジ色の矢印ですけれども、これは2つの意味合いがあると思います。まず1つ目は、この山自体を高くする。すなわち介護の専門性自体をさらに高度化させていく、介護のニーズの多様化・高度化に応じて引き上げていくという意味合いが1つあります。プラスもう一つ、おっしゃっていただいたこの青い部分の方々は、その青い部分のところで滞留していただければいいということではなくて、これらの方々も中で専門性を望む方は高めていただくということ。ここの部分はこの矢印ということよりも、むしろ○3とか○2に関するところになりますけれども、そこの中でキャリアパスに応じて上がっていく。そして、山がさらに高くなることに応じてそれをまたさらに登り続けていくということで、高めていただくことが必要なのだと思います。
3つ目は潜在介護福祉士の御質問だったと理解をしております。こういった潜在介護福祉士の方々の対策ということであれば、一番実効的な方策としては、法律上しっかりそれを位置づけていくことが考えられると思います。
○田中委員長 よろしいでいすか。
では、福間委員、手を挙げていらしたですね。次に堀田委員、お願いします。
○福間委員 参入促進と若干いろいろなことが関連してはくるのですが。
実は私どもが今、老健事業で行っている中での採用に関するブランドの確立というか、プラットフォームについての議論をしているのですが、その中で、若者をターゲットにして、今、どういう状況でどういう特性があるかとか、いろいろな方々と議論をする中で、若い人たちは実際に地域密着型というか地域志向の気質が非常に多いというのがいろいろな学者の皆さんからのレポートでも出ている。若者の特徴の1つとしては、地元にずっといたいとか、地元の友達とずっといられるとか、そういう時間を大切にするための職場があればいいと。中にはもちろんキャリア志向もいますけれども、そうではなくて、まずそこできちっと仕事が安定して働ければ、あとは自由な時間を楽しんでいく中で、そこでいければいいなというのが現代の若者の志向の中にはあるなということから、そこをターゲットにした介護をどうアプローチするかというのを、今、非常に議論しております。
単なる介護の魅力だけを強調するのではなくて、そういう彼らの気持ちに触れるところで、楽しい仕事で、家族にも喜んでもらえて、もちろん、ここにあるように利用者の方にも感謝をされる。そういうものが全部つながってくると、それ自体が彼らのモチベーションになっていくという点では、そういう見本となるようなツールをつくってみようということを今やっている最中なのです。ペーパー的なものは何も用意できていないのですが。
こういう中でも伺っていて、その中には、例えば若い子たち、短大ぐらいとか、今、そういうのも学歴志向ではない部分もあったりすると、すぐ働いてしまう。若い子はアルバイトでカラオケであったり、コンビニであったりというところにどんどんいるという状態がある。そういう子たちに介護というものを。ある意味では地域密着ですので。そうすると、今度は、介護というものを知っているとか、友達にいるとか、そういうきっかけがもう一歩必要で、例えば中学校のときに行ったなとか、福祉教育の中で1回体験していくだけでも随分違う。
核家族などというのはずっと前からある話ですが、今、おじいちゃん、おばあちゃんを知らない子たちばかりです。そういう意味では、そういう施設に行くと逆に違和感なく溶け込んでいるというのもありますので、そういう経験を一度しておいて、ここにある就職、介護で働きたい以前に、ただ一般論の中で介護というものをぴっと1個知らしめるツールをつくることもすごく大事なのではないかと思います。そんなことも、先ほどの説明にあった基金とかそういうのを生かして、よりツールができたらいいなと思っております。
参考までに。
○田中委員長 地元で働く喜びですね。ありがとうございます。
堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 3点あります。
まず1つ目は、5ページのAのところの発信の中身です。以前もどこかで申し上げたと思うのですけれども、もちろん、楽しさ、魅力のほうを、今、福間委員がおっしゃったような、地元に根差すとか、5ページの下のほうにあるような、ほかの領域とのコラボレーションの掛け算によるおもしろさみたいなものを含めて発信をよりリアルにしていくことも非常に重要なのです。それとあわせて、マイナスのイメージを払拭するためには、これもリアルに労働条件とかキャリアの可能性がどうなっているのかということも。6ページには求職者に対する情報提供を強化すると入っているのですけれども、そちらのマイナスのイメージが払拭されないことで、そもそも選択肢に入れないという人たちがいるので、既に選択肢と考えている層だけではなくて、新しい楽しさに加えて、マイナスを払拭できるリアルな情報も広く伝えていく必要があるのではないかというのが1点目です。
2点目は、5ページの一番下の箱の上と真ん中の○のところです。真ん中に介護が職業としての選択肢となるよう云々とあるのですけれども、これは広く介護への理解・関心を高めるということを考えると、1つ目の介護との接点をつくるためというのと、2つ目の介護が職業としての選択肢となるようというのはなくてもいいのではないかと思います。この一般企業との連携も図りつつ、地域住民に対して研修などを行うということも、必ずしも即、職業としての選択肢とならなくても、例えば生活支援の担い手としてとか、上のボランティア活動の参加促進につながってもいいわけだと思いますので、これは、もしかすると上の頭の言葉をとってもいいのではないかと思います。
最後3点目です。6ページ、先ほどお2人の委員から御指摘があったところの次ですが、Cの一番下の潜在介護福祉士等に対しというところです。この潜在介護福祉士とか潜在ヘルパーさんたちに対してちょこちょこやられている研修の話を伺うと、研修を受けた後のマッチングがつながっていないということで、そもそも届かないのだけれども、せっかく来てくれた人も就職につながらないという話をお聞きすることがあるので、再就業支援のところにしっかりマッチングがセットになっていくということも改めて確認のために入れていただきたいと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
武居委員、どうぞ。
○武居委員 今の堀田委員の御意見に関連してでございます。
5ページのAの最初の○ですが、小・中学生等の子供の職業選択と考えるときに、足を引っ張るのは親という話が以前にもあったと思います。そういう意味からしますと、仕事そのものがすばらしい仕事であるという話の一方で、例えば待遇が低いとか、働きにくいとかいうようなマイナスイメージを払拭するような言葉をぜひここで使っていただきたいと思っております。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
柳川委員、どうぞ。
○柳川委員 5ページについてです。体験学習をはじめとした直接的な方策は書かれているのですけれども、せっかく今、中学、高校でもIT教育をやっていますので、例えばITデバイスを使った双方向でのコミュニケーションといった発想があっていいのかなと感じます。それが1点目です。
2点目は、今も福間委員から出ていたのですが、企業が地方進出を考える際に、やはり介護人材の確保という非常に頭が痛い課題に直面します。しかし、逆に言うと、地方にとっては、地方創生の観点に向けた昨今の動きはすごいチャンスになるかもしれません。福間委員の言うように、介護業界に志向を持った人と、地方経済の再活性化という意味でも、少し地方のほうに力点を置いてもいいのかなという考えを表明させていただきます。
○田中委員長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 3点申し上げたいことがあります。
1つは、今まで委員がおっしゃったことの1つでもあるのですが、まず、5ページの、例えば高校生、大学生等を含めた参入促進というところです。先ほど石橋委員もおっしゃったとおり、一般的な人たちは大体新聞のリードあるいはキャッチコピーで判断してしまう。したがって、介護に関して、悪い意味の3Kのイメージが定着してしまっているという環境があるわけです。それを払拭することはなかなか難しいわけであります。まず基本的には、こういった大学生や高校生が教育の機会を得る、体験の機会を得ることも必要ですが、高校や中学の先生に正式な理解をしていただけるような研修制度を国としてきちっと考えていただくことが重要ではないか。これが1点です。
2点目は、今回、地域医療介護総合確保基金というものを設けていただいて、90億について介護従事者の確保に関する事業として位置づけていただいたのですが、これの有効活用を考える場合に、そういう助成制度があっても、県によって大変温度差があって、これが初年度から使われない県もあったりするわけであります。ですから、各県の温度差をなくして県段階の協力をきちっといただくように指導なり周知をしていただきたいということが1点です。
最後に申し上げたいのは、6ページのBのところです。上から5つ目の○で、特に介護福祉士養成課程における介護実習について、実習プログラムの充実等の取組のところであります。これに関しては実習プログラムの充実・強化を図っていかなければだめだろうと思っています。それには、第1に、老施協さんとか老健協さんの協力、すなわち現場の皆さん方の協力をいただいて、そしてアウトカムを中心とした評価をきちっとしていく。そのシステムをきちっと導入するということ。それはもちろん、我々、養成校協会と協力して、定期的・継続的に協議ができる機関などもつくっていただき、そして、議論して、いいものをつくり上げていくということをぜひ考えていただきたいということ。
私はたまたま、先週あたり、オーストラリアと我が国の介護等人材育成に関する研究者等との共同研究で、介護のグローバル研究を九州大学と一緒に進めておりまして、その中で、オーストラリアの介護などを見てきたら、あそこではアウトカムを中心としたトレーニングパッケージをきちっとつくって、そしてそのトレーニングパッケージをつくるのは、あくまでも業界の皆さんと教育機関が一体になって、常にどういうアウトカムを設定していくのかということをきちっと精査した上でそういうモデルを展開しているのです。それは非常に効果があると思っております。我々はそこまでのことはまだやっていない。例えば450時間なら450時間実習ということになっているのですが、基本的には、施設の実習と一言で言っても、特養の実習、あるいは老健の実習、在宅の実習、それぞれ機能がちょっと違うわけです。ですから、基本的な実習とあわせて、そういう機能分化した実習をアウトカム中心な評価ができるような実習体系に切りかえていくということを、ぜひ業界の御協力をいただいて、我々、養成校協会もつくり上げていきたいと思っております。
○田中委員長 大変貴重な御指摘ですね。情報をありがとうございました。
西條参考人、どうぞ。
○西條参考人 先ほど堀田委員からも御指摘がありましたが、5ページの介護が職業としての選択肢となるようの言葉を入れてしまうと、これは教育という範疇になってしまいます。ここでは体験型学習とか理解促進とか参加促進とかいった形で気をつけて書いていらっしゃると思うのですが、今、小林委員あるいは石橋委員からも提案がありました教員の研修。この研修という言葉が出た瞬間に、これは教育への介入ということになってしまう。つまり、文科省、各都道府県、市町村教育委員会の所管事項となります。例えば、教員にこうした研修を強制的にやらせるということとなり、それを国の教育方針として出すのであれば、そういう覚悟があるのであれば可能です。あるいは介護の教育。16ページの教育機関の役割で適切な教育・指導を行うの言葉も教育委員会としてはすごく抵抗があるのではないかと思うのです。そういった介護の重要性とか魅力、あるいは大変さも含めて、理解・促進というアプローチは十分可能だと思うのですけれども研修とか教育とかいう言葉を使うことには気をつけたほうがよいのではないかと思っています。
○田中委員長 事務局で検討していただきます。ありがとうございます。
松山参考人。
○松山参考人 ただいま西條参考人から御意見がありました。その件については西條委員と同じ意見というより、むしろこの場だけではなくて、厚生労働の範囲を超えて文科省と本当に協議をできる余地があるのかというのがまず1点。
それから、先ほど小林委員がおっしゃっていましたけれども、例えば参入促進であったとしても、次の雇用継続・離職防止にしても、一義的には、養成校並びに職域団体、老施協とか老健協会とか経営協とか、いま一つは職能団体、介護福祉士会といった部分がまずベースとしてきっちり協議していって、それらを国や地方公共団体が支える仕組み、構造が必要だと思います。
雇用の継続等については後ほどまた別の意見を申し上げたいと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
室長、ここまでのことについて何かお答えになる点はありますか。
○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。
御指摘いただいた件、事務局のほうで整理すべき点、あるいは他省庁と相談すべき点についてはよく整理をしてまたお示ししたいと思います。
○田中委員長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 6ページのB 介護を就職の選択肢と考えている層の上から4つ目の○ところに介護未経験者に対し云々とありまして職場環境等に触れることで入職の契機づくりやの次に入職後ギャップによる早期離職防止のためとありますが、前段とここの離職防止のためについては、少し違う意味合いになるのではないかと思います。入職後にギャップが出てきてやめてしまう場合は、それは何故かという問題があると思いますので、前の部分と少しつながらないため、もし書くのであれば、ここは分けて書かれたほうが良いように思います。
○田中委員長 ありがとうございます。
日本語の訂正を行うようにいたします。
皆様からの御指摘、例えば柳川委員が言われた地方再生のもとになり得るとか、福間委員が言われた地元で働くといった視点も大変よかったですね。また、アウトカム評価をきちんとするという小林委員の御意見も参考になりました。それらを踏まえて事務局で最終的な整理を行ってまいります。
次に、2番目に移ります。またお気づきであれば、1番目のテーマに戻っていただいても構いません。差し当たり、2つ目のテーマ、資料1の8ページです。労働環境・処遇の改善のための具体的な方策について御意見をお願いいたします。
柳川委員、どうぞ。
○柳川委員 8ページ目の一番下にあるように心身の不調、腰痛等で離職されてしまう方がいらっしゃるというのは大きな課題だと思います。働く人の気持ちとか困ったことを、普通は職場内で処理できればいいのですが、当然、なかなか言えないという実情もあると思うのです。相談を受けられる場所やサポートできる窓口というのを、社内だけでなく、団体でもいいですし、自治体でもいいですけれども、いうなれば逃げ場としてきちんと構築したほうがいいのではないかと思います。それがどこの主体かというのはその後の議論かとは思います。
○田中委員長 ありがとうございます。
石橋委員、お願いします。
○石橋委員 8ページの一番最初の早期離職者防止のための行でございますけれども、介護の現場では早い機会に離職される方が非常に多いということで、入職初期段階でこのようにエルダーまたはメンター制度の活用を進めることは賛成でございます。しかし、そのためには、エルダーとかメンターとか、いわゆる小規模のチームリーダー、初任者の指導ができるための研修などもあわせて行う必要があると思います。さらに、その上として、もう少しマネジメント力を持った中間管理職を養成することもあわせて必要だと思いますので、そのような研修体系の構築、キャリアパスの仕組みをつくっていくということが必要であると思います。
それから、参入促進にも関係があるかもわかりませんけれども、今、介護職として勤めて、将来どうなるか、そのキャリアパスがどうなっていくのかということと、賃金体系を含めてきちんと見える化ということが参入促進にもつながってくると思いますので、ここのところは特に大切であると思います。
○田中委員長 堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 2点あります。
1点目は結婚・出産・育児のところです。これだと子供が生まれてからだけになってしまう感じですが、調査をしていると、出産前にやめてしまうという話もよく伺うことがあるのです。配置の工夫とか、シフトの工夫とか、いろいろとあるのだと思うのですけれども、子育てのところだけではなくて、介護でやめるというのも結構出てきているので、生涯を通じてということに少し広げて書いていただけるといいかなと思います。そのときに、看護は割と昔からワークライフバランス、生涯を通じてということをやってきているところもありますので、そういったほかの職種からも学べるところがあればというのも入れていただければと思います。
それから、今の石橋委員の御意見ともやや関連しますけれども、その次の箱の労働環境、雇用管理の在り方でベストプラクティスの普及を進めるとあるのですが、経営のトップの法人のマネジメントのレベルと職場のマネジメントのレベルと、両方ともマネジメント人材の力がまだ弱いと思いますので、そこをどう育てるかということも、ベストプラクティスを集めるだけではなくて、しっかり書き込んでいただけるといいと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
福間委員、どうぞ。
○福間委員 2つございます。
1つは、こちらで言う心身の不調、腰痛等の環境のところです。これは、後のところでも若干出てくる介護の機器とか、そういう関係で申し上げますと、こういう福祉機器の歴史は大変長くて、最近はそれがICTでかなり高度になってきたという意味合いがあって、今、政策的にもしておりますけれども、そういう機器をきちっと生かしたケアというか、そこが十分にできていないのではないか。
例えば、私どももデンマークの講師で研修会をやったことがあるのですが、デンマークでは労働環境の基準が国でつくられていて、それをコミュニティにおろして、そこでまたアレンジする。その労働環境というのは、あちらのほうは機器が非常にすぐれていますので、その機器を生かした上での環境、それ自体が利用者にとっても優しい環境にある。
例えばベッドから移動する場合、高低の調整が十分にできないベッドだったりすると、結局は職員が担がなければいけないということで過重労働になってしまう。そこに一々リフトを入れるとしたら、今度はリフトが入るベッド回りの空間がないとか。結局、そういう機器を生かすための環境づくりとか、その辺も全部含めた、それこそ厚生労働省としての労働環境基準というのを。最低限の基準的なものはあるのでしょうけれども、もう少しケアに着目したものを今後ぜひ実践的につくっていただくとよりいいのではないかと思います。
もう一点、今、堀田委員がおっしゃったような意味での保育の問題です。これは、現在でもできているのかどうかよくわかりませんが、事業所内保育といっても非常に小規模でやるわけですけれども、待機児童もたくさんいる中で、都市部ですと地域の中のニーズもあるわけで、もう少し横断的に地域を利用した事業所内保育とか、もしくは事業所同士が連携してやるとか、少し柔軟な形で。もちろん、そこで働く職員のためが優先ではあるのですけれども、そういうことも含めた保育設備が考えられていいのではないか。例えば空きが出たときに事業所内保育をする者が回らなくなったり、オーバーした場合も柔軟にできるとか、少し柔軟性を持たせておかないと、実際には事業者もやりたくてもなかなかやれないという声も聞いていますので、そういうことも含めてあげるとより進むのではないかと思います。
○田中委員長 個別の事業者だけではなくて、事業者間の連携による取り組みがあってもいいのではないかとの御指摘ですね。ありがとうございます。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 第1回目の会合のときに、労働条件に関する記述が少ないことを発言し、このように取り上げていただいたことについて感謝したいと思います。
その上で、キャリアパス制度と賃金体系やキャリア支援の仕組みや、結婚・出産・育児等への視点がとても大切だと思います。マタハラという言葉がありますように、妊娠でやめる方が6割いるという状況もありますので、先ほど意見が出されましたように、介護も含め、やはり生涯を通じて働き続けるという形に書き直していただきたいと思います。
また、事業所内保育所については、子ども・子育て新システムが始まりまして、さまざまな形態の小規模保育所とか、いろいろな形の選択肢が広がっておりますので、そういうことも意識した保育を考えたほうが良いいのではないかと思います。
それから、大変細かな話で恐縮ですが、8ページに労働・安全衛生法規の理解ということが書かれていて、これ自体はとても大切だと思っておりますが、ここに社会保険の適用についての記載を入れていただきたい。介護の場合は介護保険の費用がメインになりますので、保険ということであれば、介護保険の制度の中にあるこのような施設等々のところの従業員はやはり社会保険が適用されるべきだと思います。どういう形かはお任せしますけれども、ぜひそのことが見えるようにしていただきたいと思います。
以上です。
○田中委員長 松山参考人、お願いします。
○松山参考人 先ほど参入促進の中で、介護の魅力ということで働きかけようと。魅力で一生懸命働きかけたとしても、実際に入職してから比較的単年度で離職していく。むしろ、離職防止とか定着促進のボリュームをもっと増してもよろしいのではなかろうかと思われます。
公益財団法人の介護労働安定センターは毎年調査統計をやっています。あの中で離職防止に一番効果的だったことは、私が覚えている中では、たしか働きやすい環境づくり。先ほど委員のどなたかからもありましたけれども、例えばメンタルヘルスであったり、働きやすい環境づくりのためのシステムはどうなっているのか。事業所の規模等々もあると思いますけれども、こういった部分も一つの仕組みとして提示していくのも必要なのかなと思われます。
以上です。
○田中委員長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 今の8ページのところです。この将来の見通しがたたないというところでありますが、先ほど各委員からおっしゃっていただいたように、キャリアパスのパスウェイをどう見える化していくかは重要な問題で、こういうことをきちっとつくり上げていかないと介護の魅力がはっきり伝わらない、可視化できないということだろうと思います。何回も申し上げていますが、我々、養成機関、そして産業界、業界の皆さんと協働してきちっとモデルづくりを進めていくことをぜひやらせていただきたい。それに対する開発研究の国の資金的助成なり補助なりもいただいて、きちっとしたモデルづくりをしていくということができないかということのお願いが1つ。
それから心身の不調、腰痛等の対策のところでありますが、これも先ほど福間委員におっしゃっていただいたように、我々養成校でも、既にヨーロッパにあるボディメカニズムの基礎知識等を含めた、要するに腰痛にならない科学的な介護の体移動の技術をきちっとパッケージ化して教育するということをぜひ進めたいと思っているのです。そういうパッケージプログラムなどをきちっとつくって標準化するということもぜひ取り組んでいきたい。こういうものに対する支援も考えていただいたらありがたいと思います。
以上です。
○田中委員長 武居委員、どうぞ。
○武居委員 8ページのどの部分に書き入れていいのかというのはわからないのですが、現場の介護職員にとって最近徐々に重みが増していることとして、例えば介護報酬の複雑さとかリスクマネジメント、つまり、事故に対してのリスクをどう回避するのかという問題が非常に大きくなっていて、業務の中で記録などが非常に負担になっている。それが、通常の勤務時間の中では直接ケアに当たるので、結果的にはその記録が時間外にずれ込んでくるということがありますので、そういう問題に関するITの導入のようなことはぜひどこかに入れていただくとありがたいと思います。
○田中委員長 書かれていないことで、メンタルヘルスのこととか、今のバックヤード業務のICT化とか、それぞれいろいろなことを御指摘いただきました。
室長、今までのお答えというか方針をお示しいただけますか。
○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。
いろいろと御意見をいただきました。その中で、趣旨をより明確化する、あるいはこういった意を含めるべきであるとか、いろいろな御指摘を多々いただいておりますので、そういったことを踏まえて最終的な形に整理をしてまいります。
○田中委員長 次に、3つ目に移らせていただきます。
3つ目は、資料1の10ページから12ページまでです。資質の向上のための具体的な方策について。これが一番ボリュームがありますが、これについての御意見をお願いいたします。
川井委員、どうぞ。
○川井委員 12 ページの養成施設ルートというところですがこれまで施行間近に施行延期の決定が繰り返され、制度や政策への不信を高めてきたことを踏まえ、漸進的な導入を含め、資格取得方法一元化に向けた取組を進めるというところは、私もこれでいいのではないかと思います。前回も申し上げましたように、社会的な不信とか、これから介護職になるという学生や若い層たちからの信頼を得るためにも、やはり決めたことは進めるということが大事なのだろうと思うのです。そうしましたときに、漸進的に進めるということですから、経過措置というのが一定期間必要になってくるのではないかと思います。
では、経過措置の期間についてどのように考えたらいいのかということも考えてみました。平成 19 年の改正の内容を 24 年度に施行ということを考えますと、経過措置の期間的なものは、大学等を含めまして考えましても、やはり5年程度は必要なのかなと思います。その後、国家試験を完全に義務化するという方向で考えていったらどうかと思います。
では、具体的に経過措置をどのようにやっていくのかが問題になってこようかと思います。例えば経過措置の 5 年間は、卒業と同時に暫定的に国家資格を付与する。その間に国家試験を受けるという人たちは受けていただいて合格すれば、国家資格を付与する。もう一つは、その経過措置の5年間実務経験を積んでいただきますと、そのまま国家資格を保有できるとか、そのような案もあるのかと考えます。 以上です。
○田中委員長 ありがとうございました。
高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 今、5年、5年とおっしゃっていましたが、それは5年ということに決まっているのですか。先生が、5年ぐらいあればいいなということの意味ですか。
○川井委員 先ほども申しましたように、今の大学生などのことや、制度の改正を含めて考えていきますと、5年ぐらいでどうですかという私の考えを申し上げたまででございます。
○高橋委員 これは武井室長に対する提案なわけですね。
○川井委員 そうですね。
○高橋委員 そうですか。
私は高等学校の校長をやっていますから、そういうことで、この12ページの福祉系高校ルートの下の○地域における介護福祉士の育成機会を維持する観点から・平成25年度までの経過措置として実施していた『特例高校』を卒業し・・改訂カリキュラムによる教育への移行までの間に限り、時限的な措置として再実施するは大変いいなと思うわけです。今、先生は5年とおっしゃったから、5年後には改訂カリキュラムが完成してしまうのかなと。そうすれば、特例校の実施は消滅することになるのかなとも思ったのですが、実際、現場においては、平成25年度までということで、26年度の高校生においては生徒を募集していない、存在しないということなのですね。
そこで、再実施するというのは、特例校において平成27年4月の高校生を募集していいのかどうか。どうせ再実施するというのであれば、余り先に延ばさないで、26年度は募集しなかったけれども、27年度から募集をしてもいいという形になれば、私は現場の校長として、本校は特例校ではないけれども、全国に特例校は結構ございまして、それが認められるということであれば、それを実施したい。特例校の中で1校は養成校に移るということは言っておりますけれども、そういう意味でこれはどうなのでしょうか。27年度は募集できますか。
○田中委員長 どうぞ。
○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。
今御指摘のありました特例校については、現在は経過措置として25年度までのものですので、今はありません。したがって、現時点ではこの特例校の措置は終了していることになります。その上で、今回お示しした案について御議論いただいた上で、こういった方向性で対応することが必要だということになるのであれば、それに必要な法令上の手当てなどを行った上でそれを行うことができるということになります。したがって、それに対応した形で御対応いただくことが必要になるかと考えております。
○高橋委員 難しいことは私はわからないもので。今の時点において、27年度は募集できるかできないか。できないということですか。
○武内福祉人材確保対策室長 はい。制度上は25年度で経過措置は終了しておりますので、今現在はこの経過措置はないことになっております。
○高橋委員 そうすると、ここで再実施するというのはいつから再実施するという考えなのでしょうか。
○武内福祉人材確保対策室長 こちらもここでそういったことをやるのかどうか、そのタイミングを御議論していただければと思いますけれども、今現在はそういった仕組み自体が法令上存在をしていないので、これをこういう方向でやることが決まった上は、そういったものに必要な法令上の措置を講じる。そしてそれがきちんと形になった上で対応していただくことが必要になると思います。
○高橋委員 ということは、この場においてぜひお願いしますということを提案して、それで皆さんが、ああ、そうかと思ったら、そのことを考えるということの意味ですか。
○武内福祉人材確保対策室長 はい。こちらは具体的な方策として具体的な提案として整理をさせていただいたものですので、これについてそもそもどのように考えていくべきかということを御議論いただくことが必要だと思いますし、その前提として、高橋委員からの御提案があるということであれば、それを承らせていただきたいと思います。
○高橋委員 しつこく申し上げて申しわけないのですが、私が感じるには、この場にいる皆さんが賛成するとはとても思えないのです。それを求めているのは恐らく私1人だと思うのです。ですから、この場でこれから話し合いをして、そしてやるということであれば、これは期限つきになっていますから、25年度で消滅することになる。ことしも募集できない、来年も募集できないということになれば、実質上は特例校なるものによる介護福祉士の養成はなくなると考えていいのでしょうか。
室長に大変申しわけないのですけれども、私はほかの人の意見は聞きたくない。私にとっては意味がないから、室長からお答えをいただきたいのです。
○武内福祉人材確保対策室長 わかりました。ほかの委員の方がどうかというのは、私はなかなか申し上げられないので。今、高橋委員から御提案いただいたことは、この委員会でいただいた意見としてしっかり受けとめさせていただきます。それに対して何らか御意見があれば、それはそれでこの場で御議論いただければと考えます。
○田中委員長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 今、高橋委員から、高校を認めるようにということを含めてのお話でありますが、今回、この10ページに介護人材の類型化、機能分化、そして介護福祉士を現場の中核を担う人材として位置づけると。その中に、特に介護福祉士についての機能と役割を明確にしたい、さらにはそのニーズの多様化、高度化に対応したものとして考えたい、それによってキャリアパスのパスウェイをつくっていくことを検討してはどうかということであります。
今の介護福祉士が、まさにこの絵のとおり、団子型になっているということであります。要するに、高校卒業ですぐなれる人と、現場3年で国家試験を受けてなる人と、我々養成校、最低高校卒業以後2年の専門課程でなる人、あるいは大学4年間を卒業してなる人、要するにいろいろいらっしゃるわけです。これらが団子になっているので、介護の専門性が見えない。キャリアウェイも見えないということでありますから、今後、5年間ということであれば、5年間でその辺のパスウェイを、専門性、アウトカムを中心にしてきちっと構築していくということを厚労省から御提案いただいているわけですから、これを今後議論しながらつくっていくということで話を進めていただいたらありがたいと思います。
○田中委員長 ありがとうございます。皆さんがおっしゃっているのを聞いていると、山の絵で言うと、山のガイドマップをつくるというのがあってもいいかもしれないですね。
○高橋委員 いいでしょうか。
○田中委員長 どうぞ。
○高橋委員 団子からピラミッド型に介護福祉をつくりかえるというか、つくりたいというお話のようですが、それは、例えば高校の介護福祉はピラミッド型にはなり得ないということの意味でおっしゃっているのかどうか。四大を出て介護福祉士をやっているというのは私は余り見たこともない。
○小林委員 失礼ですが、いっぱいいますよ。
○高橋委員 そうですか。
○小林委員 私どもの養成校にもたくさんおります。
○高橋委員 そういう意味で特例校が必要ないという考えなのかどうか。
○田中委員長 室長、どうぞ。
○武内福祉人材確保対策室長 補足をさせていただきますと、2ページでお示しをした目指すべき姿、富士山の絵の中では、オレンジ色の部分に専門性の高い人材をということを書いております。ここの考え方としては、今までお示ししたように、このオレンジ色の部分に介護福祉士の方々が中核となって座っていくということを御提案させていただいています。
それで、今、この介護福祉士を養成されているルートというのは、実務ルート、養成施設ルート、福祉系高校ルート。これらそれぞれのルートが介護福祉士を養成していただくという重要な使命を担っていただいているということですので、そのルートの違いにかかわらず、大学も含めてですが、そういったところで養成された方々というのは介護福祉士の資格を持たれ、そしてこの富士山の中では中核的な存在として位置づけられているという姿を描いていってはどうか。こういう意味合いで書かせていただいております。
○高橋委員 それでは、1人で何だかんだ言ってもだめですから、私は委員の1人として、ぜひ特例校も再度実施していただけるようにつくっていただきたいと思います。
それから今後の介護福祉の在り方等にかかる検討の中で福祉系高校の教員要件の在り方を検討すると書いてございますが、これはいつごろから検討するのですか。
○武内福祉人材確保対策室長 こちらには、教員要件につきましては今後の介護福祉士の在り方にかかる検討の中でと書かせていただいております。これに関しましては、その前の10ページ、11ページにかけて介護人材の全体像の在り方の検討介護福祉士の担うべき機能の在り方の検討を連動させてやっていってはいかがかと書かせていただいています。より具体的に言うと、10ページの部分では、平成27年度から今後数年をかけて検討していってはいかがかと書いておりますので、この御議論次第ですけれども、早ければそのタイミングでこの人材像、介護福祉士、そして介護福祉士の資格取得方法のあり方、これらを連動させて検討していくことになるかと思います。
○高橋委員 ありがとうございました。
○田中委員長 堀田委員。柳川委員は後ほどお願いします。
○堀田委員 10ページの介護人材を類型化した上で、機能分化を図ることについて検討を進めるというところについて、今まで何人かの委員、それから、先ほど小林委員の御意見にもありましたけれども、とりあえず今回は介護人材ということになっていますが、介護人材に関して、職能団体、教育団体。今、教育もさまざまな教育機関がありますので、教育。それから、事業者団体とか労働、そして保険者などが入ったより民主的な形で、現場の実態に合った形。そして、将来、地域包括ケアの構築をしていくということを見据えた形で、誰がどこまで何を担うのかということ。まず視点1のほうをしっかり考えていく枠組みをつくる必要があるのではないかと思います。
場合によっては、これは、後ろの15ページのところで、自治体で協議会的なものをといったことが書かれていますけれども、国レベルでそういったものをつくるのがいいのか。それとも、自治体レベルでそういった関係団体横断の協議の場をつくっていく中で、モデル事業的に議論したほうがいいのかといったことも含めて、トップダウンではなくて、現場のニーズにより合った形で、関係団体がみずからつくっていくという筋道をまずつくったほうがいいのではないかと思います。
これも後ろともややかかわるところかと思いますが、まずは、この介護というところで、関係団体、そして住民、保険者も含めた形での誰がどこまで何を担うのかということをやった上で、将来的には、この福祉人材確保対策検討会のところでも、社会福祉士とか、障害児童の方々の御意見を最後にばっばっばっとお聞きしたような感じで終わっていたように思うのですけれども、横をもっと広げて、このケアの領域を横断的に誰がどこまでというところについての議論を深めていくというような将来の可能性についても検討の余地があるのではないかと思います。
そうした中で、これまでもさまざまな場で言われるようになってきていますけれども、基礎の部分を共通化するというところに関連して、今、この視点2のところで他の福祉分野の入門的な研修との共通的な基礎知識をとちらりと書いてくださっていますが、昨年は子育て支援員の検討なども行われていたところだと思いますので、それに関してもさまざまな議論があったと思います。そういった議論の知見を共有しながら考えていくこともあるのではないかと思います。
以上です。
○柳川委員 12ページ目にちょっと戻るのですけれども、ビジネス的な感覚でものを言って恐縮なのですが、そもそもこれは入職してくださる方を増やしたいということがあると思うのです。先ほど時限措置が終わっているとかいう議論もありましたけれども、既存のルートはやはり大事にしたほうがいいのではないかと考えます。ですので、私は時限措置の再開というのは賛成です。
ただ、これは経過措置が何年あるかということの議論にもよると思うのです。経営サイドとしてはが3年から5年、いろいろ考えるチャンスをもらったということで、ぜひそういうところも詰めていっていただきたいと思います。
あと、細かい点ですが、実務経験ルートで単位制というのがあって、働きながらテストをするのは大変だということなのですが、今は確か、全部センター試験みたいに総合点で競っていると思うのです。これは立ち位置が非常に難しいのですけれども、働きながら取れるという利便性という意味で、それぞれの単位で合格点が取れるということになり、また、多少でこぼこがあった人間のほうが、やる気がある人間が合格するというのもいいと思うのです。この分野で100点、この分野で40点でもいいといった仕組みが残ってもいいのかなと感じました。
意見です。以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
石橋委員、どうぞ。
○石橋委員 11ページのところです。先ほど堀田委員がおっしゃられた介護人材の全体像のあり方、それぞれの役割をきちんと明らかにしていくと同時に、介護福祉士自身も具体的にどのように現場で配置され、どのような役割を現場で行っているかということの検証をしっかり行っていくべきだと思っています。その上で、介護福祉士等に求められる能力、資質はどのようなものかというのを十分検討した上で、それに求められるカリキュラムの内容等の検討を行う。ここに書かれているように、カリキュラムの改正とか教育内容の充実を図っていくという段取りをしっかりと行っていく。そのためには一定程度の時間は必要であると思います。
同様に、国家試験の内容、水準等についても見直しを行っていく。それから、介護福祉士になった後、継続的に資質の向上を促すための環境整備も検討の議論になってくるのではないかと思っております。ここはしっかりと検討されるべきだと思います。
それから、12ページの資格取得方法の一元化についてです。資格取得方法の一元化というのは必ずしも量的確保を妨げるものではないということを前に申し上げましたけれども、資格取得方法を一元化することによって質を担保し、社会的評価を得る。そのことによってより介護福祉士の魅力が高まれば、多くの人が参入する仕組みになる。そういう量と質をうまく好循環するための資格取得方法の一元化というのは早急に行うべきだと思っています。実務者研修が平成28年度から義務づけされますから、ここのルートと余り差がないようにすべきだと思っています。ただし、川井委員がおっしゃられました漸進的に導入ということも検討の余地があるのではないかと思っております。
それと、これは今後の検討になるかもわかりませんけれども、科目別に合格を認定する仕組みというのは国家資格として評価を下げることにもつながりますので、そこはやはり慎重に検討すべきだと思っています。
○田中委員長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 1つ目が、10ページの介護人材の全体像の在り方の視点2の最後のところです。私も他の福祉分野の入門的な研修との共通的な基礎知識を共有できるような仕組みとすることはとても良いことだと思うのですが、その前段の保育等の他の福祉分野を含む多様な人材が、介護業界に参入し易いという記載については、今、保育分野も大変人手不足で困っていると聞いておりますので、むしろ逆転させて共有できるような仕組みをつくって参入しやすい環境整備を図るなど、文章を少し工夫されてはどうかと思います。
次に、12ページの介護福祉士資格取得方法の一元化の養成施設シートの関係ですが、国家試験の完全義務化について、先ほど5年というような意見が出されました。そのことがどうかということについてはなかなか判断つかないのですが、延期するという事情もわかります。その場合、いつからといったときに、1つには、平成30年(2018年)から医療計画と介護保険事業支援計画の年度を合わせることになっています。後のほうに出てきますが、介護士の需給計画をつくることになるとすれば、医療計画と介護保険事業支援計画が同時期に策定される、その時期をある程度射程に置いたほうが、需給数を出していくことにつながると思いますので、一つの考え方として意見を述べておきたいと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
保育分野から人をとるつもりはないと。誤解されないように事務局に直していただきます。
福間委員、お願いします。
○福間委員 10 ページのすそ野の拡大のところですが、具体的に例えば、初任者向け入門研修と書かれてございますけれども、私は内容的にいい、悪いは別に置いたとして、かつてのヘルパー3級は、ある意味でのカルチャー的な、まちづくりとか、いろいろな意味での市民への啓発とか、そこからボランティアに入っていったり、もしくは本当にヘルパーをやりたいということで2級を目指すとか、そういうステップアップの入り口としては市町村レベルで行政や社協やいろいろなところがやっていた。または施設でも、地域のためにやるとか、非常に取り組みやすかったものだったと思います。人材確保となると、ちょっと誤解されて、3級でもいいのかと。そういうことではなくて、まさに働く以前に、福祉を理解する入り口としてのものが今ないのではないか。
私も受けましたけれども、認知症サポーターはほぼ半日で終わってしまって、あとはサポーターの活動キャラバンですか、そういうものに行かない限りは何もない。ただ勉強して終わりということで、もったいないというか。あれはあれですごく参考になるのですが、今のような認知症は、誰でも関心の高いところにはもう少しウエートのある勉強の場があってもいいのかなと。そこから若い人たちが次のステップ入るという意味でも、ぜひここはすそ野の拡大プラス理解を広げるという意味でのものがあっていいなと思っておりますので、実現していただきたいと思っております。
それから、12ページのところですが、初めに、実務経験ルートのところは、私ども、今、職員が受講に行くのに代替職員を確保できないぐらいに深刻な現場の状況がございます。もちろん3対1以上の人員配置ですからやりくりはできるのですが、多くの人が受けるための道筋としては、今回出していただいたようなことでより進めていきたいと思っております。
ちょっとわからなかったのは、今もお話がございましたけれども、28年を延期して、一元化に向けた取り組みをいつにするかということだと思います。先ほど川井委員がおっしゃった5年というのがいつからいつまでの5年を考えるのかが定かに見えていないのですけれども、確かに大学の4年間がありますので、そこをきちっと配慮した募集と、そういうことを前提にして募集する学生たちとそうでない学生たちというのがあると思いますので、それが4年なのか5年なのかは実務的に整理していただければそれでいいのではないかと思います。
福祉系の高校についても、ここに書いてある言葉をそのまま読めば改訂カリキュラムによる教育への移行までの間と書いてありますので、それが4年なり5年になったところでの話なのかなと私は受けとめているのですが、それでよろしければそういう形での経過ということになるのではないかと思います。
あと、川井委員が御提案された中に、その間の資格の付与というのがあります。私は暫定などという言葉はかわいそうだから準介護福祉士と言ったらこれはまたこれで怒られるのかもしれませんが、勉強して、学校での統一試験も受けて、今現在、そういう形で試験を延期している方は実際に介護福祉士を取られているわけですから、その質が下がるとは思えないので、それでも私はいいのではないかと思いますが、そこはもう少し具体的な提案等を含めて出していただければと思います。
○田中委員長 川井委員、どうぞ。
○川井委員 先ほど何年を想定されているかという御質問があったかと思うのですけれども、私自身は29年から5年をめどにということを想定しておりました。そして、暫定的というお話がありましたけれども、要は、今まで義務化が2回延期されてきたという経緯もありますので、経過措置の中で漸進的に進めていることを見える化していくほうがいいのだろうと思うのです。
○田中委員長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 私ども養成校には、今まさに4年制大学もあるわけでございます。例えば、今回の1年延期についても、入りたいという学生とか父兄、あるいは高校の先生方等から、何でそんなにぐるぐる方向性が変わるのだということで非常に厳しいクレームがあったということを含めると、いわば新しい制度を打ち出して周知期間というのが必要です。周知期間できちっと説明して入っていただく。入っていただいた学生に途中で変更になるといったら、学校としてうそになるわけです。したがって、そういうことを含めると、制度が発足して5年間の経過期間を設けていただくというのは合理的ではないかと思っております。
○田中委員長 3つ目についてはここまででよろしいですか。
室長、何かまとめはよろしいですか。
では、最後、資料1の14ページから16ページまで、4つ目のテーマ役割分担と連携のための具体的な方策について御意見をお願いいたします。
○堀田委員 まず、14から15ページにかけてのところですが、先ほども御指摘がありましたけれども、医療や介護、それから地域包括ケアに関係するさまざまな事業計画に対応する形で重要な予測をしてPDCAを回していくということだと思うのですけれども、都道府県なり地方自治体でしっかりとマネジメントプロセスが回っていけるような支援をどのようにつくるか。それは都道府県同士でナレッジをしっかり共有し合うということなのか、人事をもうちょっと工夫するのか、国がどう支援するのかというところも、このPDCAが回っていくための支援というのは1つ書き込まれてもいいのではないかと思います。
もう一つ、14ページの総合的な確保方策の策定の2つ目、3つ目、それで15ページの需給推計というところにもかかわるのですけれども、まずは、需要の予測をするときに、直近では現状の考え方の延長で見通しをつくらざるを得ないと思うのですけれども、この先2025年、あるいはその先2040年までを見通したときには、今回も議論されているような新しい機能分化を考えていくとどうなるのか。それから、特に新総合事業が入っていったりしますので、これまでの考え方の延長の需給の見通しとはやや違う考え方で長期的には需給見通しをやらなければいけなくなるのではないかということも考えられると思います。ということで、この需給推計等に基づくというときには、短期的にはこれまでの考え方に基づいた推計をせざるを得ないと思いますが、ここの場であったような議論、そしてCのところで、これから期待される議論と平仄を合わせた形で、新しい形のこの需給の見通しの考え方をどうするかということも、もしかするとこの地方自治体の2つ目の○の協議体の中で考えていくとか、そういったことをモデル事業的にやってみるとかいったことも必要ではないかと思います。
それから、14ページの3つ目に需要サイドということをやっと書いていただけたなと思ったのですけれども、需要の伸びをどのように抑制するかということに関してまだ十分に知見が蓄積できていないのではないかと思います。需給の構造をしっかりと抑えることに加えて、需要の伸びを抑制するために求められるケアのレベル、それから、ここに働き方と書いていただいていますけれども、マネジメントのレベル、そして事業単位を越えた圏域単位といったような制度のレベルでのイノベーションのあり方の方向性を研究していくことも必要ではないかと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございました。
川井委員、どうぞ。
○川井委員 せっかくこの制度がオールジャパンでやりましょうという話になっていますので、 14 ページにも書いてありますように国民が当事者として関心を持つと。今言った全ての方々に周知していただくことが大事かなと思うのです。そうしましたら総合的な確保方策というのが言葉的に少し硬いので、キャッチコピーか、サブタイトルか、そういうものがあればよいかと思います。よい考えが浮かびませんが、例えば認知症でしたら認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)というようなコピーがあります。その流れでいえば 例えば、裾野を広げながら富士山高みを目指していくイメージからグリーンプランとかです。
○田中委員長 ありがとうございます。
西條参考人。
○西條参考人 ここまでのAからCまでの施策は、施策の主体がどこかというのが明確に書かれていないのですが、役割分担というところでいきなり施策の主体という表現がなされているというところで、ちょっと違和感を感じます。A、Bは、施策は事業者等が中心になると思いますし、Cは制度の検討ですので国が中心となると思うのですけれども、さらにここでDとして、国、地方公共団体のほか、これまでAからCまでに掲げられていない、アプローチの対象とされていました一般企業とか教育機関まで、いつの間にか施策の主体となって位置づけられているというのはちょっとどうなのかなと思っています。
整理の仕方として、ここに掲げている国・地方公共団体の方策というのは、まず人材確保の基盤みたいな形で、この役割分担とは別に整理してはどうかなと思っています。その上で、連携という取り組み。この連携も、ここは具体的方策と書かれているので、せっかく今までA、Bの中でいろいろな取り組みの事例が掲げられた中が非常に矮小化されてしまう雰囲気も見えてしまうので、間違ったメッセージを発しないためには、ここは具体的方策、取り組みを進めるに当たっての基本的な考え方ぐらいの整理でどうかなと思っています。
もう一点は、国の役割の中に、今後、基金の財源の確保というのをぜひ入れてもらいたい。我々が計画に基づいて施策を進めるに当たっても、財源的な措置がされていないと何も進めることができませんので、今回、予算措置していただいていますけれども、これを継続的に、基金がいつの間にかなくなるということにならないように、そういった姿勢をぜひ見せていただければありがたいなと思っています。
以上でございます。
○田中委員長 ありがとうございます。
堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 先ほどの福間委員の御意見ともやや関係するところですけれども、16ページのところに一般企業・経済団体というのがあって、3つ目の○に円滑な制度の利用等を進めるとともに、従業者が云々とあります。ここの記述というのは、きょうの議論の5ページのAの下から2番目の○の一般企業との連携も図りつつ云々というところと、先ほど福間委員が御指摘になった10ページのすそ野の拡大のところとも関連すると思うのです。すぐさま介護職になるかどうかというレベルではなく、全ての人たちを広く担い手にというような発想で、それを初任者研修と呼ぶのかどうかは甚だわからないのですけれども、生活支援の担い手を掘り起こすという観点からも、介護離職を防ぐという観点からも、この5ページ、10ページ、16ページというのは関連があるものということを頭に置かれながら書いていただけるとありがたいと思います。
以上です。
○田中委員長 よろしいですか。
堀田委員から、このレポートだけではなくて、今後の研究のあり方も先ほど言っていただきましてありがとうございます。
よろしければ、時間なので。
○小林委員 最後に。
○田中委員長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 資質の向上から役割分担と連携を含めてなのですが、今、日本の介護というのは10兆円にならんとしているだけのお金が使われているわけでありますから、今回、機能と役割をきちっと打ち出していただきましたから、この機能分化をきちっと進めていく上においても、業界と我々教育機関、そして職能団体を含めた総合的な介護の研究機関を国のバックアップのもとに何かつくるということをぜひ検討していただきたいことが1つ。
もう一つは、学ぶ学生、あるいは学び直しの学生も含めてたくさんいるわけでありますので、そういう人たちの育成資金をきちっと確保していただくこともあわせて御要望に入れていただいたらありがたいと思います。
○田中委員長 研究と奨学金ですね。という御意見でした。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 これらの内容のそれぞれの具体的な施策がいつから開始されるのか、どの部分が法改正で、どの部分が指針の見直しで済むのか、政省令の見直しで済むのか、その辺がなかなかわかりにくいので、最後のほうでも結構ですので、整理をしていただけたらありがたいと思います。
○田中委員長 活発な御議論ありがとうございました。この専門委員会は、本日を含めてこれまで3回にわたって議論を行ってまいりました。介護人材確保に当たって基本とすべき考え方、基本的な考え方を具体化するに当たっての論点、また介護人材確保のための具体的な方策について議論を進めてまいりました。特に本日は具体的な方策について幅広い観点からのさまざまなアイデアが示されました。議論が深まったと感じております。
そこで、次回は、これまでこの委員会で議論してきた介護人材確保のための考え方や方策について整理を行います。その上で、本専門委員会の取りまとめの議論を行いたいと考えております。
ついては、次回までに私と事務局で報告書案を作成し、事前に皆様方に御確認いただいた上で議論を行いたいと存じます。そのような方向でよろしゅうございますでしょうか。
(異議なしと声あり)
○田中委員長 ありがとうございます。
では、最後に、事務局から連絡があればお願いします。
○東福祉人材確保対策室長補佐 次回の日程につきましては、2月4日水曜日の開催に向けて調整中でございます。詳細につきましては追って連絡させていただきます。
以上です。
○田中委員長 本日の委員会はこれにて終了いたします。皆様、お集まりいただき、活発な御意見をありがとうございました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(福祉部会福祉人材確保専門委員会)> 第3回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 議事録(2015年1月27日)