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2015年2月25日 第15回社会保障審議会福祉部会 議事録

社会・援護局総務課

○日時

平成27年2月25日(水)17:30~18:00


○場所

グランドアーク半蔵門「富士東」(4階)
(東京都千代田区隼町1-1)


○出席者

田中滋 (部会長)
石橋真二 (委員)
(代理:松山茂樹参考人)
川井太加子 (委員)
(代理:西條由人参考人)
小林光俊 (委員)
(代理:萩原英俊参考人)
高橋福太郎 (委員)
(代理:浦野正男参考人)
(代理:末吉孝徳参考人)
対馬徳昭 (委員)
花井圭子 (委員)
福間勉 (委員)
(代理:武藤素明参考人)
堀田聰子 (委員)
松原由美 (委員)
柳川純一 (委員)

○議題

2025年に向けた介護人材の確保(福祉人材確保専門委員会報告書)

○議事

○田中部会長 皆様おそろいになりました。定刻となりましたので、ただいまから第15回社会保障審議会福祉部会を開催いたします。委員の皆様におかれては、お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 初めに、委員の出欠状況について事務局より説明をお願いします。

○西辻社会・援護局総務課長 本日の委員の出席状況につきまして、御報告をさせていただきます。本日は猪熊委員、鎌倉委員、黒岩委員、関川委員、高橋英治委員、武居委員、橘委員、藤井委員、藤野委員、堀田委員、松山委員、宮本委員、三好委員から御欠席の連絡をいただいております。

 また、鎌倉委員の代理といたしまして、日本社会福祉士会副会長の松山茂樹参考人。

 黒岩委員の代理といたしまして。神奈川県保健福祉局福祉部の西條由人参考人。

 高橋英治委員の代理といたしまして、日本保育協会常務理事の萩原英俊参考人。

 武居委員の代理といたしまして、全国社会福祉法人経営者協議会総務委員長の浦野正男参考人。

 橘委員の代理といたしまして、日本知的障害者福祉協会事務局長の末吉孝徳参考人。

 藤野委員の代理といたしまして、全国児童養護施設協議会副会長の武藤素明参考人にお越しをいただいております。

 以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございます。

 議事に入ります前に、ただいま御紹介のありました松山参考人、西條参考人、萩原参考人、浦野参考人、末吉参考人、武藤参考人の御出席について、皆様の御承認をとる必要がございます。よろしゅうございますでしょうか。

(異議なしと声あり)

○田中部会長 ありがとうございます。

 続いて、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○西辻社会・援護局総務課長 本日の資料でございますが、お手元に配付させていただいております福祉人材確保専門委員会の報告書2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~をお配りさせていただいております。

 よろしくお願いいたします。

○田中部会長 議事に移ります。

 この福祉部会のもとに福祉人材確保専門委員会が設置され、1027日から5回にわたって介護人材の確保方策について議論を進め、報告書を取りまとめました。本日は、この報告書について本部会に報告をしたいと存じます。

 事務局、武内室長より報告書について、ポイントを絞って説明をお願いいたします。

○武内社会・援護局福祉人材確保対策室長 それでは、御説明いたします。

 本日の資料2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~は、先ほど行われました社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会で取りまとめられたものでございます。こちらの内容につきましてポイントを御説明いたします。

 まず、この報告書につきましては、1ページから1 はじめにということで1 現状と認識2 介護人材確保に向けた4つの基本的な考え方が示されています。

 1ページの1 現状と認識の部分では、最初に人材確保をめぐる背景、周辺環境の変化ということで、大きな3つ目のパラグラフ、4つ目のパラグラフでは、今回行われました各都道府県での介護人材に係る需給推計の暫定値によれば、2025年に248万人の人材が必要、そして、これは第2パラグラフに載っておりますが、足元の2013年には171万人。それを受けまして4つ目のパラグラフで、2025年に向けて現状の施策の継続だけの場合には、約30万人の人材が不足するという見通しがある。他方、その次のパラグラフでは、介護のニーズの高度化・多様化に対応し得る介護人材の質的向上を図る必要がある。こうした中で、介護人材を量・質とも安定的に確保するための道筋を示すことが喫緊の課題であるという形で述べています。

 その上で2 介護人材確保に向けた4つの基本的な考え方。(1) 持続的な人材確保サイクルの確立。すなわち、量的確保と質的確保を両輪として参入促進労働環境・処遇の改善資質の向上という3つのアプローチによる、総合的な対応を図っていく必要がある。

 2ページ目にわたりましては(2) 介護人材の構造転換。このページの下のほうに図が描いてありますが、現在、介護人材につきましては青い部分の専門性の相対的に低い方々と、オレンジ色の部分の専門性の高い方々が混在しているまんじゅう型から、右側の目指すべき姿、富士山型と呼んでおりますけれども、専門性の高い方とそうでない方々の機能分化をしていくことが必要である。そのための方向性としまして、(2)の○1~○5を掲げてありますようにすそ野を拡げる。道を作るすなわちキャリアパスを構築する。長く歩み続けるすなわち定着促進を図る。山を高くするということで、専門性の明確化、高度化、質の向上。標高を定めるという表現で、限られた人材の有効活用のための機能分化ということが述べられています。

 (3)の考え方としましては、地域の全ての関係主体が連携し、介護人材を育んでいくプラットホームをつくっていくことが重要である。

 (4)では中長期的視点に立った計画の策定として、いわばPDCA、すなわち目標年度を2025年に設定した上で定量的な目標を定め、時間軸に沿った対策を計画的に講じていくことが必要であるという基本的な考え方を示しています。

 3ページからは2 介護人材確保の具体的な方策という具体論に入っております。

 3ページから順次、1つ目の大きな柱としては1.参入促進ということで、こちらにつきましては最初のパラグラフにありますように、既存の対策強化に加えて、若者、障害者など、さまざまな参入を進めていく必要がある。

 しかしながら、マイナスイメージなどがあるという指摘がある中で、しっかりとした3つ目のパラグラフ、介護職への理解促進、イメージアップの推進。そして、適切な効果検証を行うべきである。

 若者層の人口流出が進む地域では、さまざまなきめ細かな対策を行う必要がある。また、対策の有効性を定めるために、事業者側の努力、キャリアパスや賃金体制の整備を行って、情報発信を行っていくべきであるということが、4ページにわたって書いてあります。

 その後、4ページ以降、参入促進を進めるに当たって、対象となる人材層に分けて具体的な対策が提案されています。

 (1)介護への理解・関心を高めるべき層ということで、イメージアップあるいはネガティブな印象を払拭することで、その後、具体的な項目が書いてあります。

 その中には、1つ目の○で3つの魅力楽しさ深さ広さの発信というものをやっていく。あるいは2つ目の○では学生や介護に関心のある若者など、こういった方々への情報発信。

 小中学生については、高齢者と接するような体験学習、介護事業者や地域との交流。

 就職活動期の高校生・大学生などについては、介護との接点づくり。

 その次の○では、進路選択などに影響を持つ進路指導担当者や保護者へのアプローチ。

 一番下の○では、さまざまな地元志向の強い若者の掘り起こし。

 5ページにわたっては、2つ目の○にありますように、第2の人生を控えた中高年齢者あるいは就業していない女性の方々へのさまざまな参画支援を行っていくということ。

 (2)では介護を就職の選択肢と考えている層についての取り組みで、1つ目の○では、介護事業者が事業計画、中期的なビジョンの見える化を進めるべきである。アピールを強化すべきであるということでありますとか、その後も幾つかの○に書いてありますが、採用戦略の強化あるいは実習のプログラムの充実。下から2番目の○にありますような、ハローワークと福祉人材センターの連携の強化といった取り組みも進めるべきであるということが述べられています。

 6ページにまいります。(3)一時的に介護から離れている層。いわゆる潜在介護福祉士と呼ばれておりますが、これにつきましては1つ目の○にありますように、離職者の情報を把握するために、離職した介護福祉士の届け出制度を創設するということ。そして、それらの方々が復帰してくる際の支援を行っていくということが掲げられています。

 2つ目の大きな柱として2.労働環境・処遇の改善があります。

 この部分につきましても、いろいろな観点から対策を講じるべきであるということで、まず(1)では新任の人材について、離職者が3年以内の方々が多いことに着目し、最初の○にありますように、新任の方々が働きやすいエルダー・メンター制度などの活用。

 2つ目の○にあるようなキャリア支援の見える化を進めるということ。

 (2)では、結婚・出産・育児というものが就業継続のボトルネックとならないように、そのための環境整備、保育環境の整備などを進めること。

 3つ目では労働環境・雇用管理の改善ということで、求職者が選択しやすくなるよう、事業所の認証評価を実施するあるいは事業者の情報発信を強く進める。7ページにわたって、積極的に取り組む事業者の見える化を進めていこうということ。

 その後にも魅力ある職場づくりのための普及・啓発。経営者に対する研修会の実施。最後の○では小規模の事業者が多いことにも着目し、相談体制を整備するということ。

 そして(4)将来の見通しを持って働き続けるためのキャリアパスの整備をしていこうということで、1つ目の○ではキャリア設計に応じて、資質向上の機会を得られるよう、必要なマネジメント能力のための研修やその他、他職種協働に必要な能力の研修などの支援を行っていくということ。

 同じく、3つ目では専門性やマネジメント能力を評価するためのキャリアパス構築。

 4つ目の○では小規模事業者でも、複数事業者が共同して採用や人事交流を行えるようにするということなどが掲げられています。

 (5)腰痛対策や業務負担の軽減ということで、ロボットの導入やICTの活用などによる事務負担の軽減。それから、メンタルヘルス面での研修の実施などが8ページに記載されています。

 3つ目の柱は3.資質の向上です。これらについては、介護のニーズの高度化・複雑化に対応していくために進めていく必要があるということで、○1~○3に具体的な視点が掲げられています。

 1つ目では、限られた人材を有効活用するためには、介護人材を一律に捉えて、一様に量的・質的な確保を目指してきたこれまでの考え方を転換する。多様な人材層を類型化した上で、機能分化を進めていく。それらのそれぞれの人材層の意欲・能力に応じた役割は何か、能力は何か、教育、キャリアパスのあり方はどのようなものかということを考えた上で、具体的な方策を講じていくべきであるという趣旨が書いてあります。

 2つ目では、その中でも中核的な役割を果たすべき介護福祉士については、専門職としての社会的評価・資質を高めていくための具体的な方策。その際にはマネジメント能力などの要請に応えるための教育プロセスのあり方、役割の明確化等が求められるということ。

 3つ目には、その中でも介護福祉士の資質の向上のため、資格取得の方法の一元化の実施を進める。その際には、時期の明示と必要な環境整備を進めるということが掲げられております。

 そうした考え方に基づきまして、8ページ(1)介護人材の全体像の在り方について、平成27年度から数年をかけて、介護人材の類型化・機能分化の検討を進めていくべきである。

 視点1では、介護を担う人材層ごとにどういう機能・役割を担い、どういった人材像、比重を考えていくべきであるかということについては、さまざまな切り口について御提案をいただいておりますが、これらの考え方に沿って検討を進めていくべきである。

 9ページでは、それぞれの人材層ごとに求められる能力、教育、キャリアパスとはどのようなものかといったことにつきまして、初任者向けの入門研修の充実や、他の隣接福祉分野との共同の基礎知識を共有できる仕組みといったものが提案をされています。いずれにしましても、9ページの中ほどにありますように、まずどのように実際に介護人材が配置され、業務を行っているかという実態を把握・検証し、具体的な整理・検討を進めるべきであるという課題提起がなされています。その上で、27年度から速やかに実態調査と分析を行い、その後28年度を目途に一定の方向性を示すべきと述べられております。

 (2)介護人材の担うべき機能の在り方ということで、こちらにつきましても実態の把握・検証を行って、具体的な整理・検討を進めていく必要があるということで、その際に現行の介護福祉士の養成プログラムをどのように考えていくのかということにつきまして、10ページにまいりますが、介護福祉士の養成・教育の内容や方法を検証し、そのカリキュラムの改正、教育内容の充実を図っていくということが述べられております。

 (3)介護福祉士資格取得方法の一元化についてです。これまで一元化につきましては施行が延期をされてきたということの中で、○1、○2に掲げられておりますように、これまでは一様に介護人材の量的確保を目指してきたという考え方をとってまいりましたが、これを転換し、介護人材の機能分化を進める。

 ○2ではその中核となる介護福祉士のあり方が、介護職の資質や社会的評価を左右するという観点に立ちまして、次に述べるような方向性で考えていくべきであるということで、まず養成施設ルートにつきましては、10ページから11ページにかけまして、28年度から直ちに国家試験義務づけをするというのでは時間的余裕がなく、混乱を生じるおそれがあるということの一方で、これまで施行が何度も延期をされてきたことを踏まえまして、11ページにまいりますけれども、資質の向上、社会的評価の向上を進めるために、可能な限り速やかにこの義務づけを施行すべきという考え方を踏まえる必要があるということで、ここでは国家試験の義務づけにつきまして、これらを踏まえた、29年度より5年間をかけて漸進的に導入するという考え方。すなわち○1 平成29年度から養成施設卒業者に対し、国家試験の受験資格を付与する。○2 平成29年度から平成33年度までの方々については(ア) 卒業から5年間、暫定的に介護福祉士資格を付与する一方で、(イ)と書かせていただいておりますけれども、その間にA 卒後5年以内に国家試験に合格することB 原則卒後5年間連続して実務に従事することのいずれかを満たせば、引き続き介護福祉士の資格を保持することができることとする。そして○3 平成34年度以降の養成施設卒業者については、国家試験に合格することを介護福祉士資格取得の要件とするという方向性を示しています。

 実務経験ルートにつきましては、実務者研修の義務づけというのを平成28年度より予定どおり施行するとした上で、受講しやすいような環境整備の方策を講じるということで、3つの○が書かれておりますけれども、受講期間の柔軟化。

 2つ目の○では、現行の実務経験3年の運用上の配慮による、より早い時期での受験を可能にする。

 3つ目の○では、科目ごとの合格認定。いわゆる単位制の検討の着手をすべきであるということです。

12ページ、福祉系高校ルートにつきましては、地域における介護人材の養成機会確保のために重要な基盤であるということの問題意識に立ちまして、3つの○が書いてありますけれども、25年度までの経過措置として実施していた特例高校を、時限的に28年度から30年度までの入学者を対象として再実施をしてはどうか。

 そして通信課程の活用を推進する。

 3つ目の○では、福祉系高校の教員要件について、現場の方々からの実情あるいは御意見を踏まえて、今後の検討の中でその教員要件のあり方についても検討を行うということを述べています。

 3では、この介護人材確保を関係主体が共同して行っていく必要があるという問題意識のもと、12ページでは(介護事業者)の主体的な取り組みを求めるということで、一番重要な部分であるということで、12ページの下のところの○から、介護業界内での横断的な協力体制。

13ページにわたって、介護事業者がそれぞれの経営理念やサービス提供の考え方を発信していくなどのこと。

 そして、真ん中のあたりでは地方自治体に対しましても、地域の関係主体が連携できる場を構築し、施策を推進する体制を整えていくこと、あるいは介護保険事業支援計画や都道府県計画に基づいた計画的な取り組みをしていくことが掲げられております。

 また、3つ目の○では先ほども申し上げました、介護事業者に対する認証評価制度を実施するなどによって見える化を進めることなどが提案されています。

 介護従事者につきましては、現場からの情報発信、資質と専門性の向上を担うべき存在であるということで、職能団体による自己研さんのための研修の実施などを行っていくべきであるということが述べられ、14ページにまいりますと、介護福祉士養成施設・福祉系高校につきましては、継続的・体系的な要請プログラムを策定・実施していくということ、あるいは既に申し上げたようなさまざまな形で、学習しやすい環境整備を進めていくということが述べられております。

 職能団体につきましては、専門性を確立し、情報発信をするということ。そして、質の高い介護人材の育成のための取り組みを進めていくべきであるということが述べられております。

 福祉人材センター、ハローワークにつきましては、福祉に特化した求人・求職のマッチングなどを行う機能を担っておりますので、ここについて、下から2番目の○では介護サービス全体がこの任務の範囲となるように、法令上、福祉人材センターの支援対象として明確化する、あるいはハローワークとの緊密な情報共有を行っていくということが述べられております。

 次のページでも、福祉人材センターの機能強化が述べられた後、地域の一般企業、経済団体も地域での取り組み、積極的な連携を図ることが必要であるということ。

 教育機関・PTAにおいても、進路指導者のみならず、保護者も含めて子供たち、学生に正しい情報、介護についての魅力を発信していく。

 メディアにつきましても、国民的関心の喚起、多面的な情報発信を求めていこうということが掲げられています。

 その上で16ページ以降、2025年に向けた取り組みの工程でありますけれども1.総合的な確保方策の策定ということが掲げられておりますが、この部分につきまして、3つ目のパラグラフにありますが、介護人材確保の施策の全体像を総合的な確保方策として明らかにしていくべきである。

 その際に、次のパラグラフにありますように介護保険事業支援計画との連携などによって、PDCAの確立をし、効果検証を行っていくべきである。

 そして、2つ目の2.福祉人材確保指針の見直しにつきましては、福祉人材確保指針の対象範囲について、介護サービスに関するものが全て対象となるように、法令上明確化すべきである。

 その上で、一番下のパラグラフになりますが、具体的な各関係者の役割分担、進め方について記載内容を見直すとともに、見直しのサイクルをしっかり確立をしていくべきである。

17ページに至りましては3.介護人材需給推計の定期的な実施ということで、今般、需給推計を初めて行いましたが、今後計画的・戦略的に進めていく上では、その推計を継続的に実施していく必要がある。

 そして、その際には供給面のみならず、需要面でのイノベーションあるいは働き方の変化なども考慮していくことが重要であるという旨の指摘がなされております。

 以上でございます。

○田中部会長 御説明ありがとうございました。

 ただいまの説明に対して、御質問などがおありの方は御発言ください。

 武藤参考人、お願いいたします。

○武藤参考人 それでは、1つだけ質問したいと思います。

 きょうは、介護人材の確保に向けての今後の方針、提言の取りまとめが課題となっております、この中には幾つか予定というか、今後これをどう具体化するかということに関して提起をされているところと、そうでないところとがあります。これをもっと、いつどうしてどう具体化するのか、そのための予算をどう確保するのか、制度改正についてはいつするのか、もう少し皆にわかりやすいような表現でこれをまとめていったほうがいいのではないかと思うのです。

 意見になってしまいますが、どうでしょうか。

○田中部会長 報告書そのものは委員会でまとまっていますので書きかえることはできませんが、今後のスケジュールをちゃんと知っておきたいということでしたので、お願いします。

○武内社会・援護局福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。

 このたび、専門委員会でまとめていただいた中には基本的な考え方、具体的な取り組みの方策について御提案をいただきました。この中では具体的な年次が入っているものもありますが、今後、継続的に順次行っていくべきものもございます。

 その中で、この中でも述べておりました総合的な確保方策というのは、国において示していくべきであるという考え方が示されていますので、こうした考え方に沿って、この人材確保専門委員会の報告書に基づいた内容を、具体的な施策に落とし込み、反映をさせていく過程の中で、より具体的にどういう時期に、どういった形で進めていくのかということも明示していきたいと考えております。

○田中部会長 松原委員、お願いします。

○松原委員 この人材確保の報告書に関しては、全く異論はございません。

 感想なのですけれども、介護人材がなかなか少ない、なり手が少ないということの大きな理由の一つに、キャリアプランが描きづらいということが皆さんよく指摘なさっていることでございます。

 オランダの例とかを見ますと、そういうことの解決策の一つとして、介護士になって、将来的に看護師にもなれる、このキャリアプランが続いていくという設計方法もあると思います。教育システムから団体との連携とか、非常に大きな問題があって実現できていないと思うのですが、中長期的にはそういったことも、裾野を広げるという意味で、検討課題に入ってきても良いのではないかというのが感想でございます。

 あと、2ページ目に構造転換の図で就業していない女性とあるのですけれども、これは別に未就業者でもいいのではないか。女性でなければいけないのかなと思った次第です。

 以上です。

○田中部会長 就業していない女性について、少し説明していただけますか。

○武内社会・援護局福祉人材確保対策室長 こちらは福祉人材確保専門委員会でも御議論をいただいたのですけれども、就業していない女性という部分にフォーカスが当たっているという趣旨ではなく、現に一つは女性の方々の就業率が、ライフステージの中でうまく上がっていない部分がありまして、そうした方々がうまく、円滑に介護の世界に入ってこられる環境整備を積極的にやっていこうという趣旨で書かせていただいたもので、必ずしもそうした、女性に担っていただきたいという趣旨ではございませんので、その点はそういう御理解を賜ればと思います。

○田中部会長 よろしいですか。

 就業率のM字カーブのへこんだ部分のことを主に言っています。介護は女性がすべきだという趣旨ではないです。

 ほかに、感想とかはございますか。

 どうぞ。

○武藤参考人 もう一つよろしいでしょうか。

 6ページのところなのですけれども、一番下のほうですが結婚・出産・育児によらず生涯働き続けられる環境整備とあります。読みようによっては結婚・出産・育児によらずという表現の仕方はおかしいのではないかなと、これは意見ですけれども、思ったところです。

 私どもの社会的養護の分野もそうなのですが、大体、就職後5~6年、それから8~9年ぐらいでどっとやめる層があるのです。そういうところというのは結婚して出産して育児があるのですが、泊まりが多くて、なかなかこの仕事を続けられずやめてしまうという傾向があります。ぜひここをもう少し、具体的にこういうことが必要だということも含めて提言しないと、この2行だけでは弱いのではないかなということを感じた次第です。

 少し、このよらずという表現の仕方と、ここへの対応策、環境整備という部分を、もう少し踏み込んだ提言ができないのかなということを日ごろ、私たちの業界も感じているものですから指摘をさせていただきました。

○田中部会長 ありがとうございました。

 今後、事務局は法律をつくったり、予算をつくったりするときに誤解のないように努めてください。

 福間委員、お願いいたします。

○福間委員 人材の委員会の委員でありながら、この質問をこの場でしてはいけないと思うのですが、6ページの一番下のところの求職者の選択に資するよう、認証評価制度の実施ですが、この認証評価制度というのは、具体的に何をおっしゃっているのかがわからないので教えていただければ。

○武内社会・援護局福祉人材確保対策室長 こちらは、事業者の方々の具体的な人材育成に対する取り組みといったものに対して、それを積極的に評価し、見える形で情報提供をしていくということを、この認証評価制度の実施という言葉で示しております。

 こちらは福祉人材確保専門委員会でも御紹介をしたことがあるかと思いますけれども、例えば京都府のほうで、人材育成に積極的に取り組まれている事業者の方々に対してそれを情報提供し、それを認証する仕組みもありますので、そうしたものも念頭に置いたものということで書かせていただいております。

○田中部会長 ほかに御質問はございませんか。

 では、私どもとしては今後、この専門委員会の報告書に沿って、2025年に向けた介護人材の確保のために、具体的なさまざまな方策が進んでいくように期待しております。

 委員の皆様と役所が協力して、世の中が進展するように期待いたします。

 本日は、短い時間でしたがここまでといたします。

 皆様、御協力どうもありがとうございました。


(了)

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