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2015年1月29日 第7回地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会

医政局

○日時

平成27年1月29日(木)16:00~18:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○議事

○北波地域医療計画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第7回「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、清水信行構成員から御欠席の連絡をいただいております。

 また、私どもの医政局長の二川は国会用務がありまして、若干遅れますことをお許しいただければと思います。

 それでは、議題に入ります前にお手元の資料の確認をさせていただきます。

 お手元に議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1~2、参考資料1~4をお配りさせていただいております。不足がございましたら、お知らせいただければと思います。

 また、机の上には、前回までの資料をファイルにして置かせていただいております。

 それでは、以後の議事運営につきましては、遠藤座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 ありがとうございます。それでは、議事に移らせていただきます。

 本日の流れでございますけれども、初めに、第6回検討会において議論いたしました将来の医療需要の推計方法について再度御議論をいただきます。その後、地域医療構想の策定における医療需要に対応する医療供給(医療提供体制)の整備及び策定後の実現に向けた取組について御議論いただきたいと考えております。

 まず、議題の1つ目でございますが、2025年の医療需要の推計方法について、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

 邉見構成員、どうぞ。

○邉見構成員 済みません、前回の第6回のときに、ちょっと私の舌足らずで皆さんに真意が伝わっていないかと思いますので、補足発言をさせていただきます。

 情報の公開の件でございますが、私、事務局のほうに、病院と診療所がどうして、いつ19床と20床で分かれたかというのをお聞きいたしましたが、私は聖教論議みたいに、なぜかとか、どうしてかということのお答えが欲しいわけではありません。これは、例えば普通の一般国民、市民は、入院施設は皆、病院と思っているのですね。だから、福岡で火事があって、あれが有床診療所だというマスコミの報道があったときに初めて、有床診療所ってあるのかということで、私はみんな病院だと思っていましたという人がほとんどでしたね。医局でドクターも、そんな制度があるのかという感じで、どこでも習っていないのですね。ドクターも有床診療所なんて知らない。医療制度とか保険制度はほとんどドクターは習っていないのですね。保険制度なんかを私が言うと、あいつは金もうけ主義の院長だと軽蔑されたりするのですね。

 だから、この国の教育とか情報発信はかなり間違っている。だから♯8000(小児救急電話相談)も知らないとか、いろいろなことがいけないという意味で、♯8000(小児救急電話相談)と同じように、国民が知らないけれどもみんな知っていると思ってしないように、今度の地域医療ビジョンの公表あるいは情報発信も、国民によくわかるような丁寧な情報発信をお願いしたいという意味での発言で、19床でどうしてだ、20床はどうだとかいうことを言いたくて発言したのではないということだけ補足させていただきます。

 どうもありがとうございました。

○遠藤座長 ありがとうございました。非常に重要な御指摘でございますので。

 それでは、早速、事務局に御説明いただきたいと思います。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 地域医療計画課の佐々木です。

 恐縮ですが、座ったままで、国民にわかりやすい資料説明をしたいと思います。

 お手元に資料1及び参考資料1と2を御用意ください。

 資料1の1ページですけれども、本検討会では、これまで4回にわたって需要の推計の御議論をいただきましたけれども、どのように区分をしていくのかというのが論点の中心となって、さまざまな御意見をいただいたところです。今回は、この1ページの1.のとおり、そもそも各入院医療機能の需要をどういう推計方法でやるのか、その基本的な考え方はどういうことなのかということを、今までも口頭では申し上げてまいりましたけれども、改めて資料としてお示ししました。

 そのまま読み上げますと、地域医療構想においては、以下の基本的な考え方に基づいて、都道府県を構想区域に区分すると。その上で、構想区域を単位として医療需要を算出し、それを基に必要病床数を推計します。

 その医療需要というのは、4つの医療機能ごとに算出をします。

 このうち、高度急性期、急性期、回復期につきましては、今まで御議論いただいたとおり、平成252013)年度のDPCデータやNDBのレセプトデータに基づいて、構想区域ごとの性年齢階級別の入院受療率を医療機能別に算定して、それにそこの構想区域の平成372025)年の性年齢階級別人口を掛け合わせると、将来の医療需要が出るという考え方で、今まで口頭で申し上げたことを紙であらわしました。

 なお、将来人口推計につきましては、社人研の中位推計を用いたいと考えています。

 ここで、DPCであれ、NDBであれ、レセプトデータだと、例えば正常分娩のようにレセプトデータに含まれない情報があるではないかということになります。これらにつきましては、そのデータの補正を行うことによって過小推計とならないようにしたいと思っております。

 慢性期につきましては、今までの御議論の中でも入院受療率の地域差があると、これをどう考えるのかということで御議論いただきました。このため、今まで申し上げた四角囲みのような算定方法を基にしつつ、その目標設定をどう加味するか、これに併せて慢性期の医療需要の推計としたいと思っております。このことを念のため1ページで紙にして御説明いたしました。

 さて、2~4ページは、今まで御議論いただいたことを改めて整理し、本日の御議論をお願いしたいと思います。

 2ページですけれども、改めてポイントを整理しますと、各医療機能の医療需要につきましては、患者に対して行われた医療の内容に着目することで、患者の状態や診療実態を勘案した推計になると考えられます。このため、患者に対して行われた診療行為を、先ほどのDPCNDBのデータを基にして、診療報酬の出来高点数で換算して医療資源投入量の多寡で見ていくということを昨年御議論いただきました。改めてポイントとして整理します。

 このうち急性期機能につきましては、定義が、急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能ということになっております。

 これを受けて、参考資料1の表面にあるこの資料などを基にして、これまで、この定義に合う線はどこなのかということを御議論いただきました。今回も引き続き御議論いただきたいと思いますけれども、前回、患者像をもっとイメージできる資料が必要なのではないかと御指摘いただきましたので、資料1の5ページや、また、参考資料1の裏面といったところに、構成員の皆さんに御議論いただく俎上となるような患者像の例をお示しいたします。

 また2ページに戻りますけれども、次は高度急性期はどうなのかということですが、急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能という定義でした。これを踏まえて、では、医療資源投入量が特に高いとはどういうことなのかということを今までも御議論いただきました。今回も引き続き御議論いただきたいと思います。

 なお、高度急性期機能に該当する病棟の例として、救命救急病棟やICUHCU等をこれまで例示してまいりましたけれども、この検討会の場でも、そのほかの病棟にも高度急性期の定義に該当する患者がいるのではないかという御指摘をいただきましたので、当然のことでございますので、このことも前提にして、特に高いというのをどう考えるかについて御議論いただきたいと思います。

 次に、回復期についてです。これも定義が、急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能。特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能)という定義でした。

 なお、ここにも書いていますけれども、在宅復帰する患者というのは、居宅、御自宅で訪問診療を受ける方や、施設で訪問診療を受ける方に加えて、医療機関に外来通院する方も含めます。

 なお、このペーパーにはございませんが、これまでのこの検討会での御議論や、また、病床機能報告制度の検討会でも、高度急性期は急性期ではないか、また、リハビリを伴わないものも含めてポストアキュートは回復期ではないかというやりとりがありましたので、一応これはこれまでのやりとりのレビューということで御紹介いたします。こうした点を踏まえ、引き続き本日も御議論いただきたいと思います。

 続いて、3ページですけれども、本日御議論いただきたい大項目の3つ目が「地域の実情に応じた慢性期機能と在宅医療等の需要推計の考え方」になります。

 ポイントとしましては、○の2つ目にあるとおり、療養病床については、現在、診療報酬が包括算定であり、医療行為を出来高換算した医療資源投入量に基づく分析を行うことができません。また、その次の○にあるとおり、現段階では、地域の病床や在宅医療の充実、介護施設等の整備状況等にはばらつきがあると考えられるため、各地域の在宅医療等の患者数を見込むに当たっては、全国的な状況を勘案しつつ設定することが必要であること。

 さらに、その次の○にあるとおり、具体的にはということで、慢性期機能の医療需要の中には、在宅医療等により対応することが可能と考えられる患者が一定数いるという前提で、そのうち、どの程度の患者を慢性期機能の病床で対応するのか、在宅医療等で対応するのかにつきましては、現在、療養病床の入院受療率に地域差があることも踏まえ、医療資源投入量とは別の指標により、設定することという考え方をこれまでお示ししたところでございます。

 本日は、4ページにございます2つの論点をお示ししております。

 1つ目は、これは前回もお示ししたとおりですけれども、現状として、療養病床の入院受療率には地域差があることから、この差を縮小していくこととするが、地域の在宅医療や介護施設等の整備の見込みなどを踏まえて、地域差が一定の幅の中で縮小する目標を設定することとし、この際、具体的な入院受療率の目標の設定をどのようにするかということで、6ページのとおり、前回お示ししたA案、B案を基に御議論いただきたいと思います。

 資料はこのまま6ページを見ていただいたままで結構ですけれども、4ページのポツの2つ目に何を書いているかというと、これらの目標を設定する際には、平成372025)年に向けた在宅医療等の整備を推進する施策と併せて行うことが必要になることから、住民や現場が混乱を来すことがないよう、関連施策が実現可能な範囲で調整の考え方を示す必要があるのではないかと書いています。

 文章が長いので、6ページの資料では○の4つ目、さらには、下の絵の間にあります※印のような表現の仕方をしておりますけれども、これは前回の検討会で、著しく現状と変わることは施策や取り組みの点で非現実的なものになるのではないかという御指摘があったことを踏まえて、論点として提示するものでございます。

 以上、1ページの推計方法の基本的な考え方について御確認いただくとともに、2~4ページ、そして5ページ、6ページの絵を参考にしながら、各医療機能等の需要推計の考え方について御議論をお願いいたします。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、早速御議論いただきたいと思いますけれども、大きく分けて3つのカテゴリーに分かれます。1.2.3.ということでございますが、1.については推計方法ということで、これまでもいろいろ議論がなされたものであります。2.がいろいろと議論が分かれたところでもありますし、3.もまだ十分議論がし尽くされていないということもあるものですから、いかがいたしましょうか。1.と2.をまぜまして、まずは御意見を承りたいと思います。その後に、3.の慢性期機能の推計方法についての考え方について御意見を承れればと思います。

 ということで、1ページと2ページに関連いたしまして、御意見をいただければと思います。3ページの上も少し含まれますけれども、どなたでも結構でございます。よろしくお願いします。

○邉見構成員 質問もいいですか。

○遠藤座長 質問ももちろん結構でございます。邉見構成員、どうぞ。

○邉見構成員 1ページの印の「正常分娩、生活保護等」の「等」はどんなものが具体的に。交通事故と労災ですか。

○遠藤座長 では、事務局、お願いします。

○松本専門官 おっしゃるようなものがありますけれども、正常分娩や生活保護、生活保護のところは公費負担医療ということでございますが、例えば被爆者医療等の公費負担医療のほかの分類について行おうと考えております。

○邉見構成員 ありがとうございました。

○遠藤座長 ほかに御質問、御意見はございますか。

 それでは、武久構成員、お願いいたします。

○武久構成員 ○の下から2番目の「また、慢性期の医療需要については、入院受療率の地域差が生じていることから、この差を一定の幅の中で縮小させる目標を設定することとする」ですけれども、前にもありましたが、療養病床の入院受療率は都道府県によって著しく差がある。極端に言えば5倍もあるというのは、どう考えてみても、白人が何県にいるわけでもないし、日本人が各県にいるわけですから、そんなに病気の人が5倍も多いということは、まず同じ病気の者の差はそうはないと思うのですね。

 療養病床が多いところは受療率が高い。では、療養病床が少ないところは、一体そういう患者さんはどこへ行っているのかということをまず調べないとですね。私は、一般病床のほうに入っているのではないかと思っていますが、それは療養病床と一般病床とベッドの割合を出して見ないといけない。また、両方とも少ない場合には、ひょっとしたら在宅にいっぱいいるのかもわからない。療養病床がたくさんあるところは在宅療養者が少ないのかもわからない。そんな状態を、例えば100万人の人口があれば、大体病気の人はどのぐらいで、どんな病気の人が何人ぐらいいて、そして、どういう状態で、急性期にはこのぐらいいて、慢性期にはこのぐらいいて、在宅にはどのぐらいいるというのは、そんなに大きな差はないと思うのです。北海道と沖縄は多少気候的差はあると思います。

 そこで、療養病床の入院受療率をもって、格差があるからそこの格差を解消していこうというのは、わかるのですけれども、ほかの因子がどのぐらいあるかということで、今日いただいた資料等で相関関係を見てみましたけれども、一般病床と療養病床の受療率との相関関係は出ていませんので、これはぜひ出していただいたらと思うのです。そういうことで、やはりどこかにはいるのですね。東京だったら東京にいないで群馬県のたまゆらにいるとか、そのように病気の率の数はほとんど一緒だと思うので、こんな差があること自身は絶対に、通常からいうとおかしい。そこの原因をまず調べていただくということも一つの重要なことだと思っています。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 御意見ではありますけれども、若干資料にも触れられたと思いますので、何か事務局からこれに関連してコメントがあれば、お願いしたいと思います。事務局、お願いします。

○北波地域医療計画課長 資料で申しますと、参考資料4「療養病床の入院受療率の地域差に関する分析」という形で、既存の介護関係のデータ等につきまして、都道府県別に御紹介をさせていただいております。私どもも当初は、例えば療養病床の受療率の差というのが裏腹の関係で介護のほうに反映されているのではないかとか、いろいろなことを考えました。しかしながら、明確にトレードオフの関係になっているようでもございませんし、そこはもうちょっと分析が必要なのかなということで考えております。

 また、武久構成員から今おっしゃられました、いわゆる地域で医療ニーズの発生に余り差がないのではないかと、むしろ供給側のところでの話ではないかというところは、それも踏まえてさらに分析をさせていただきたいと考えます。

○遠藤座長 武久構成員、よろしゅうございますか。では、ひとつよろしくお願いします。

 ほかに御意見、御質問は。

 花井構成員。花井構成員の次に西澤構成員でお願いします。

○花井構成員  私も、前回か前々回のときに、地域差がよくわからないというお話をさせていただきました。雪が多いとか交通機関がない地域も今はありますので、そういうところですと理解できるのですが、それ以外に何があるのでしょうか。今回、資料4で余りそれがよくわからないということで出ております。

 資料1の一番最後のページのところですが、前回も議論になりましたが、どういうところを目標にしていくのかというところの関係で、やはり地域差とは何なのかもう少し分析していただくのと、納得いく範囲の中での受療率、病床のあり方というものを模索するということをぜひとも御検討いただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、西澤構成員、お願いします。

○西澤構成員 1つの意見だけですが、2ページの2つ目の○、ここでは「医療資源投入量」と書いているのですが、医療資源投入量の説明がこのペーパーだけでは少し抜けているような気がします。たしか出来高点数から入院基本料を除くということだったと思います。その説明をここに追加したほうがよろしいかと思います。

○遠藤座長 より正確に書いたほうがよろしいのではないかということですね。御意見として承りました。

 ほかに。

 では、相澤構成員。

○相澤構成員 まず、この次の議論にも少し関係すると思うのですが、推計方法の基本的な考え方です。構想区域がある程度決まってからはこの方法でいいのですが、今回集める第1回目は、この方法でやれば、初めから構想区域がもう決まっていて、構想区域を議論する必要性がないということに私はつながると思うのです。

 そうはいっても、データというのはある地域範囲で必ずとらないと、それをばらばらにとっていたらいけないので、第1回目だけは2次医療圏で推計をすると。それを基に議論して、あるべき構想区域の姿をつくるということをしないと。私が心配するのは、2次医療圏そのものがずっと突っ走りそうな気がして、推計のあり方を第1回目とそれ以降と、私は少し区分をしたほうがいいのではないかというのが1つの意見です。

 もう一つは、今、慢性期の医療のことが問題になっていますけれども、この急性期、回復期、慢性期というのは一番最初の議論で、病期に注目して区分しましょうという話で始まったと私は思っていますし、そのとおりだと思います。そうすると、慢性期の区分は何かといいましたら、回復期を終わって、治癒をしない限りは全て慢性期です。それの医療需要というのは、慢性期の入院の需要をどう推計するかということなのですが、慢性期の入院需要の推計というのは、その地域の非常に微妙な事情とか、あるいはそこに住んでいる方々の価値観だとか人生観だとか、本当に地域ごとに違います。それによって違うので、それをえいやと一律に数値でやって、本当に国民が幸せになるのかなということを私はちょっと感じているものですから、その辺を少し考慮していただけるとありがたいなと思います。

 第2点は、2ページの今御意見があった2つ目の○のところなのですが、実は医療資源投入量、前にもお話ししましたけれども、二百数万例をずっと見ていきますと、非常に奇妙なことに気づくのが、高い薬を使っていると、あっという間に物すごい点数になるのです。その患者さんはどうかなといってカルテを見にいくと、正直、余り大したことないという言い方は非常に語弊があるのですけれども、そんなに何か実際は重症でないというところがありまして、医療資源だけで見ていった場合に、やはり少し注意をしなければいけないところが私はあるのではないかなと思います。

 ですから、大まかには医療資源投入量の多寡で見ていくということは反対しませんが、そこに何か特殊な、そういったものは少し考慮するということをぜひ入れていただきたいなということをお願いしたいと思います。

 以上です。

○邉見構成員 関連でございますか。

○邉見構成員 はい。

○遠藤座長 では、邉見構成員、どうぞ。

○邉見構成員 私も前から言っているように、薬が余りにも資源量に大きく左右するようなファクターとして占める位置が大き過ぎるような気がするのですね。今、医療界で一番推進が叫ばれているチーム医療などは、みんな入院基本料に包括されてしまっているのです。だから、いろいろなことをチーム医療でやっても、全部入院基本料でオミットされると、今、日本の医療が進む方向とちょっと違うような感じもするので、チーム医療をどこかで評価できないかなと。また難しいのですけれども、実際にすると、先ほどの相澤構成員と同じように難しいのですが、一言どこかで残しておいていただかないと思って、言わせていただきました。

○遠藤座長 医療資源投入量という、このレセプトデータを使って行う推計について、今いろいろと御議論出ておりますので、それに関連する意見があれば、今まとめて承りたいと思います。

 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 薬剤が医療資源投入量に大きく寄与するというのはそのとおりで、薬を正しく使っているという前提でやりますね。相澤先生が言ったように、大したことない疾患に高い薬を使っているというのを考え出すと、別の議論になりますので、我々はこういうものを議論するときにはやはり性善説でいきたいなと思うのです。

 どうしてもやはり投入量は点数ですから、それでやるしかないし、入院基本料に包括されるといっても、人手をかけるのが急性期だという理論はもちろんそのとおりなのですけれども、私どもは最初から言っているように、少ない人員配置で急性期を頑張っているところを救うという意味では、入院基本料以外の基準というものは、やはり最後まで残したいなと思います。何か答弁みたいで恐縮ですけれども。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかに何かございますか。

 それでは、和田構成員、お願いいたします。

○和田構成員 入院医療機能の需要の推計の部分ですが、資料1の3つ目の○のところに、レセプトデータあるいはナショナルデータベースを使用しているということですが、大変ささやかですけれども、歯科入院分のNDBも当然入るという認識でよろしいでしょうかということをお伺いしたい。

 4月からは電子化が義務化されますし、歯科も電子化は進んできていると思います。歯科の入院は本当に全体から見れば少ないのは承知しておりますが、歯科の入院も含んでいるということがわかるように、何か表現していただければと思います。

 いろいろなところで、医療の部分は当然医科中心だということは承知しておりますけれども、歯科入院分についてもデータを整備していただきたいですし、資料の後半データの部分を見ると全く歯科関連はありません。この部分も歯科を含んでいると認識しているということでよろしいでしょうかというところです。

○遠藤座長 それでは、歯科入院についてお願いいたします。地域医療計画課長、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 現段階ではNDBとかに入っていないところもありますので、今のコンセプトの中には入っていないのです。ただ、いろいろな情報ツール、MEDIASも含めてございますので、どう見込むかというのはちょっと考えさせていただきたいと思います。

 ただ、1つ言いますと、病院の病床につきましては、基本的に全体として計算をしておりますので、当然その病院の中で歯科がございますれば、その部分は入っていると。入っていないのは恐らく診療所のベッドの部分という形になろうと考えています。ちょっとそこは検討させていただきたいと、精度を上げる意味でも少し考えさせていただければと思います。

○遠藤座長 和田構成員、どうぞ。

○和田構成員 ありがとうございます。

 医療と歯科医療、病院の中には入っているけれども、診療報酬体系を含めて全然違っているところがあって、この様な場合に全部一緒であらわされるですが、歯科の部分は別にして特出するような形というのはできないのでしょうかと思います。

○遠藤座長 それでは、何か御意見があればお願いいたします。

○北波地域医療計画課長 これから先、都道府県に、どのような分類で医療機能の中を推計していただくかというところに尽きるのですけれども、現行の医療計画自体が4分類プラス5分類と、精神を含めて5で成っておりますので、まずはそこから始めるという形だと思います。

 重要なのは、やはり地域医療を支える中で歯科の位置づけとかをどうするかということですが、需要量としてどこまで検討できるかというのは、ちょっと私たちも課題として受けとめさせていただければと思います。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 では、事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 先ほど相澤構成員からの御質問が幾つかございました。最初のデータ自体は2次医療圏で分析するしかないのではないかと、これは次の資料のところに書いてございますが、まずはやはり2次医療圏ごとにデータを整えさせていただいて、お出しするというところから、構想区域はいかにあるべきかと考えていただくようなたてつけではないかと考えておりますので、次の議題のところで御議論いただければと思います。

 また、慢性期のところにつきまして、まさにニーズをどのようにして図るかというところについてでございます。地域において一律にそのような形で算定をしていいのかどうかというところはあります。ここはどのような政策をするかというところにもかかってきますし、また、地域性というものもあろうかと思いますが、必要数をどのように算定するかというところからいいますと、ある程度整理しなければならないかと思います。

 1つは、今回、案としてパターンA、パターンBと示させていただいているのも、この方式で計算をしますと、基本的には当該区域が全国的に見てどういうところにあるのかというのが基本的にわかるというのもありますので、それを見た上で、その差は一体何なのかと考えていただくきっかけにもなるのではないかと思っております。

 その算定方法自体は、やはり全国共通の考え方というのが必要ではないかと考えている次第です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、相澤構成員、どうぞ。

○相澤構成員 医療需要の推計の値が出ますと、非常に慢性期の先生から困るという御意見を私のところでいただいておりまして、正直、某県は、我々の県の5倍くらいの数があるわけで、数値を示されて、これが推計値だと言われると、それに合わせなければいけないと非常に不安感が強いのです。病院をやめなければいけないのではないかとか、もう病院を畳まなければいけないのではないかと不安がすごく強いので、そこだけ少し何か説明をしていただけるようなものをつけ加えていただけると、地域で非常に不安に思っている先生方におわかりいただけるかと思うので、ぜひその辺だけはよろしくお願いをしたいと思います。

○遠藤座長 慢性期の病床数につきましては、3.のところでの議論になりますので、またそこで御議論させていただければと思います。

 1.と2.に関連して、ほかにいかがでしょうか。

 それでは、相互に関連するところもありますので、既に議論もそこへ進んでおりますから、3ページの「3.地域の実情に応じた慢性期機能と在宅医療等の需要統計の考え方」というところについて御意見をいただければと思います。これにつきましては、6ページに事務局の考え方がA案、B案と出されておりまして、しかも、いずれの場合でも現状と著しく変更することがないように調整という、いわば激変緩和のような措置も事務局提案としては出されているというものであります。この案も含めて御質問、御意見をいただければと思います。

 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 この件につきましては、前回も意見を申し上げましたが、ここでA案、B案がそれぞれの入院受療率になってございます。

 参考資料2ですが、これは前回も出た資料だと思いますが、1ページ目は療養病床の都道府県別の入院受療率のデータです。そして、後ろを見ると、3ページが2次医療圏別の平均在院日数と書いてあります。私は勘違いしていましたが、2次医療圏ごとの資料は平均在院日数であって、入院受療率は前回提出されていなかったと思います。しかしながら、このA案、B案は、全ての2次医療圏が全国最小レベルまで、入院受療率を低下と書いています。即ちこの2次医療圏毎の入院受療率の資料が出ていないのですが、事務局、そのあたりはいかがでしょうか。

○遠藤座長 では、事務局、お願いします。

○北波地域医療計画課長 まず、お詫びをいたします。御指摘をいただきまして、今、整理をしていまして、まだ間に合っていないというところで、次回必ず提出をさせていただきたいと思います。

○西澤構成員 そういうことであれば、恐らくこの入院受療率は県レベルと2次医療圏では、2次医療圏のほうが差が大きいと思うのですね。であれば、やはりその資料を見てからでないと、A案がいいか、B案がいいか、あるいはほかの案がいいかと判断できませんので、改めて次回、資料を見てから意見を申し上げたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 次回ぐらいまでには集計できるという理解でよろしいですか、事務局。

○北波地域医療計画課長 はい。

○遠藤座長 お願いします。

 それでは、武久構成員、お願いします。

○武久構成員 ここの最後のA案、B案ですけれども、先ほど申し上げましたように、療養病床の受療率だけで物事を考えますと、例えば療養病床が多くて一般廟所が少ないところで療養病床をがくんと減らせば、トータルの病床数はどうなるかということも関係してきますから、減らした分だけその人たちは一体どこへ行くのかと。行き先がないのに、例えば在宅で見られるという人がいたとしても、それをちゃんと在宅で受け皿というものができてからでないとシフトできないわけですし、また、先ほど言ったように、一般病床の数の問題というのをA案、B案にも全然考慮していないというのはちょっとどうかなと思いますので、できればそのように考慮していただきたい。

 もう一つ、参考資料1で最初のDPCのグラフのもとのC1C2C3のところですけれども、前回では、最初のうちに、数日のうちに非常に高い診療報酬になっていると。ここは急性期で、そこからだんだん下がってきて、7日から1週間ぐらいということで、21日以降は慢性期ということに御説明いただいたように思うのですけれども、実際はこのように安定していれば家に帰っているわけですね。慢性期で来ているのは、この上でふわふわとした部分で治っていない部分が来ているわけですよ。ちゃんと治っている人は当然、急性期病院から8割、9割の確率で自宅に帰っているわけですから、慢性期はここのような低い点数だということとイコールではないということを主張しておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長 関連ですね。それでは、西澤構成員、加納構成員の順でお願いします。

○西澤構成員 今、武久構成員の言ったとおり、本当にほかの要因を勘案しないとなかなか判断は難しいと思っています。前回、私のほうで、療養病床の全国の数はわかるが、それ以外の特養とか老健とか、ほかの介護施設関係もできれば出していただきたいとお願いしました。その資料が、資料2の2627ページに載っています。まず、この資料を短時間の間につくっていただいたことに感謝を申し上げます。

 これを見ると、療養病床の多いところは、ほかの介護関係の施設が少ないのか、あるいは、療養病床が少ないところはそちらが多いかと思ったのですが、どうもこれは相関が余りないように見えます。26ページのほうは都道府県ごとの療養病床の数が書いてあって、B~Eはそれ以外のものが書いてあって、それぞれの合計を書いてございます。順位も療養病床の順位だけと、トータルの順位が書いてあって、これもかなりばらばらだなと。

27ページは、全ての合計を1番からつけていますが、これを見ると、本当にどう考えていいのかと。また、上位は南のほうが多いというのもちょっと私には意外だったなと。そういうことでは、これをどう分析するかというのは非常に大事だと思います。

 また、この参考資料4は、それ以外に在宅関係とかいろいろな資料もつくっていただきました。この両方の資料を兼ね合わせると、いろいろなものが見えてくると思います。やはりこのような資料を勘案して検討しなければならないということで、もう少しこの会で時間をかけるか、あるいはこのあたりはきちんと都道府県で勘案するということで出すか、いろいろあると思いますが、非常に多くの分析する材料が出たなと思っております。何とか私も短時間でもう少しこれを解釈していきたいと思います。

○遠藤座長 では、先ほどお手を挙げた加納構成員、中川構成員の順で。

○加納構成員 先ほどの医療資源投入量のDPCの上位255位の表なのですが、これはあくまでも急性期の病床のデータとして出てきているものだということで解釈していまして、線状にフラットになっているといえども、それは病気が安定しているかどうかということとは別物である、と私は理解してこれを見ておりますので、フラットだからイコール慢性期だという理論では、たしかなかったと思うのです。そこのところだけぜひとも少し確認をよろしくお願いしたいと思います。

○遠藤座長 事務局に対する確認という御質問ですか。

○加納構成員 先ほどそういう議論の中で、フラットだから安定、慢性期だという議論も出てきている状況だと思いましたので、再確認ですが、これに載っているDPCのデータというのは、あくまでも今回資料として出してきたのは、急性期のところから出てきているデータだと理解してよろしいのでしょうか。

○遠藤座長 では、事務局、お願いいたします。

○北波地域医療計画課長 このグラフにつきましては、急性期のところからということでございます。C3以下が慢性期とは、そんなことは言っておりませんし、慢性期は慢性期で別の計算方法という前提でございます。武久構成員からも御指摘いただいたとおりだと思いますので、そのようによろしくお願いします。

○遠藤座長 関連なので、先に武久構成員。

○武久構成員 加納先生のおっしゃるのは、ちょっと私が言ったことと違うので、安定してくれば当然病院にいないで退院しているだろうと言ったわけでして、C1C2C3というところで安定しているということで、慢性期、回復期との境界という説明が前回にありましたので、それを言っているわけで、安定してよくなってくれば当然おうちに帰っているのであって、安定した人が慢性期にいるということはあり得ないと思います。だから、急性期治療が終わってもまだ十分治っていない人が慢性期に来るということは当然のことです。

○遠藤座長 いいですか。

 では、中川構成員、お願いします。

○中川構成員 武久先生とか相澤先生が慢性期の方からいろいろ指摘されるとおっしゃっているのは、構想区域ごとに慢性期機能の必要量を定めるということが、療養病床と在宅医療等を一体的に考えるということが、この資料で示されていないからだと思うのです。例えば資料1の6ページで、これだけ療養病床だけのことを書いてあるから、在宅医療等と一体的に地域医療構想区域ごとに必要量を算出するのだということが見えませんね。まずは療養病床の数だけこのように出してというように見えるので心配をされるのではないでしょうか。どうでしょうか。

○遠藤座長 では、ちょっとそこを整理して御発言いただきましょうか。要するに、療養病床で見るのか、慢性期の病床で見るのか、在宅で見るのかというところはある意味で判断だということでありますけれども、推計をするときの考え方とそれはどのように絡むのかというところが少し混乱していると思うので、少し整理をして説明していただけますか。

○北波地域医療計画課長 資料1の4ページのところでございますが、「これらの目標を設定する際には、平成37年に向けた在宅医療等の整備を推進する施策と合わせて行うことが必要になる」と書いてございます。法的には、病床数の必要量ということになりますので、その数字はある一定の考え方で計算しますけれども、基本的にニーズとしてどう捉えるか、これは構想の中で、当然、在宅のニーズ、もしくは長期の療養の方のニーズ、ここら辺について総合的に捉えていくという方針はやはり打ち出すべきだと思っております。

○遠藤座長 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 北波課長、総合的ではなくて一体的にと。

○北波地域医療計画課長 一体的でございます。

○中川構成員 これは大事なことなので。

○北波地域医療計画課長 一体として捉えております。

○中川構成員 一体的に捉えるので、ある区域においては療養病床はかなり比重が大きい、ある区域では在宅医療等が大きいということもあり得るのだと、これが地域の実情に併せた弾力的な設定だということを確認しながら来たではないですか。そのことがこの資料に見えていないから武久先生も心配されているのですね、先生。

○遠藤座長 武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 相澤先生からもおっしゃっていますし、療養病床をお持ちの方も、慢性期医療はどうなるのだということを心配されている方は確かにいますけれども、むしろ急性期医療がどう絞られるのかというものを実際はもっと心配していますよ。そちらのほうが多分メーンだと思います。

 というのは、慢性期医療は療養病床20対1で調べますと、看護必要度が30%以上なのですね。だから、重症を見ているわけですよ。7対1の一般は15%ですから、むしろ重症度からいうと慢性期のほうが重いという場合が結構多い。そのような重症度を見ている病院は、実際問題としては何らびくともしていない。ところが、ある程度医療必要度が少なくて、社会的な要請もあったり、地域的な環境もあったり、いろいろあると思いますけれども、本当の特養とか在宅でも見られるような人というのは確かに一定はいます。ほとんどではないです。一定数はいますけれども、そういう人はところてん式にシフトして在宅のほうへ移るということもあるでしょう。ところが、急性期が絞られて、急性期から治りきっていない人が慢性期にどんどん入ってくるわけです。したがって、慢性期はますます重度化する。これは当然のことであって、需要がなくなるということは全く考えていません。

○遠藤座長 わかりました。

 事務局案について御質問、御意見、さらにあれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 尾形構成員、お願いします。

○尾形構成員 意見というか要望なのですが、今も議論が出ていたように、やはり療養病床と在宅ケアをどのように一体として考えるかというのは非常に大事だと思います。今回、参考資料4ということで療養病床と在宅との関係等について分析をしていただいて、これはこれで興味深い結果だと思うのですが、前回申し上げたように、療養病床を一体として捉えているというのは、やや分析がラフではないかという気がします。やはり医療療養病床と介護療養病床を分けたときにどうなのか。違いがないなら、ないというのも一つの発見だろうと思いますので、ここは要望ですけれども、医療療養病床と介護療養病床を分けた場合にはどうなるのかという当たりを示していただければと思います。

○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。お願いします。

○北波地域医療計画課長 出せるかどうかも含めて検討したいと思います。どういう推計ができるかどうかというのがありますので。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 尾形座長代理に確認ですけれども、例えば参考資料4のようなものを作る際に、医療療養と介護療養を数的に分けてという御指摘であれば、できます。

○遠藤座長 では、御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 在宅医療が実際どれぐらい実現できているのかというのは、慢性期を考えるときにとても大事だと思うのです。参考資料4に在宅療養支援診療所の数が資料として出ているのですけれども、これは届け出をしている診療所の数だと思います。しかし、届け出をしていても実働というのでしょうか、最後、在宅で看取りまでしている診療所の数というのが必ずしも届け出と一致していないように感じています。実際に役割に応じた在宅医療をおこなっている数字が出てくる資料はないのでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 推計というよりは、実現に向けた施策を考える際に、それぞれの構想区域なり都道府県で検討する際にそういう分析もすべきではないかという形で、我々もできる範囲での情報提供と併せて、そういう打ち出し方であれば、より現実的な対応に向けて対応は可能、我々の打ち返しができるかと思います。

○遠藤座長 山口構成員、今のお答えでよろしいですか。

○山口構成員 具体的に構想を作るときには、実際に在宅医療をおこなっている診療所などの数も加味していただけるという判断でよろしいですね。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 先ほどの尾形先生の疑問にいささかの参考になるかと思いますけれども、日本慢性期医療協会が2年前に調査したところでは、医療区分という制度は、適切な診療報酬、請求体制ではないと私らは思っておりますが、一応医療区分で分けますと、20対1が約10%、25対1が医療区分1の割合が約40%、介護療養が医療区分1の割合が約70%というデータが出ております。また何かありましたら提出させていただきます。

○遠藤座長 もし参考になるということであれば、御協力いただきたいと思います。

 ほかにございますか。データがまだ十分でないというところもありまして、なかなか結論には至りませんけれども、いろいろと重要な御指摘はいただいていると思いますし、あるところについては、ほぼ御意見が収れんしつつあるところもあるかなと思いますので、また今後の議論にさせていただきたいと思います。

 本日はもう一つテーマがございますので、そちらのほうに移りたいと思います。

 それでは、地域医療構想の策定における医療需要に対応する医療供給(医療提供体制)の整備及び策定後の実現に向けた取り組みについて、事務局から御説明をお願いしたいと思います。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 それでは、資料2及び参考資料3と4を御用意ください。

 資料2の1ページをごらんください。本検討会では、これまで、地域医療構想に関する個別の論点について、6回にわたり御議論いただきました。本日は、これらを踏まえ、1ページのとおりフローチャートの形で策定プロセス等について整理をしました。

 なお、1ページの1)~8)は、2ページ以降の1)~8)に対応しておりますので、1ページはいわばこの資料の目次のような役割を果たしております。

 ざっと資料をごらんいただきたいのですけれども、先ほども御指摘が相澤構成員からありましたが、まず1)は、ディスカッションできる、策定を行う議論をする体制を整えましょうと。その上で2)では、データを基にして、この場合はまだ構想区域が固まっていませんので、私どもが都道府県に提供できるデータも基本は2次医療圏ごとということになります。それに基づいて、3)の構想区域の設定。構想区域の設定がされれば、今度は4)の患者さんの住所地を基にして、どれぐらいの患者さんが発生するのか、医療需要の推計が可能になります。5)では、その患者さんをどの医療機関が担うのか、どの構想区域にある医療機関が担うのか、それは今と同じでいいのか、10年先のあるべき医療提供体制をどう考えるのかということを、これは実際に現時点では患者さんは2次医療圏構想区域を超えて入院していますので、その調整を都道府県内、さらには都道府県を超えて調整していただいて、10年後は将来のあるべき姿としてどういう医療機関が、どれぐらいの患者さんを見るのかということを確定していただきたいと思います。ですので、この長い今日のこの資料のタイトル、議題の前半部分は5)が中心ということになります。

 そこで、それぞれの構想区域でどれぐらいの患者さんを将来、10年後に向けて見ていくのかということが固まれば、6)の必要病床数の計算が可能になります。

 ここでもう一度、例えばアクセス、実際にどれぐらいの数になったかを踏まえて構想区域を確認していただいて、今度は10年後の、10年後かどうかというのは結果はわかりませんけれども、2025年の必要病床数と、あと平成26年度、ですから昨年報告いただきました2014年時点での病床機能報告制度による集計数の結果がこの作業をする際には出ていますので、この両者を比較すると、将来、8)になりますけれども、先ほども申した、あるべき医療提供体制を実現するためにどのような対応をしていくのかということをお決めいただくことになります。

 今度、そこでこういう施策を打とうといっても、まだその場ですぐに動き出せるところというのはかなり限られてまいります。なので、このフローチャートではあえて策定後も記載をしております。つまり、病床機能報告制度は毎年度出てくるわけですから、それと2025年の地域医療構想の必要病床数を比較することによって、それぞれの医療機関は自主的な取り組みを進めることができますし、さらには、医療機関同士、医療機関相互の協議を行う際には、今回の法改正で協議の場、地域医療構想調整会議がありますので、それを活用して行うことができます。

 今回、もう一つ、地域医療介護総合確保基金がありますので、場合によってはこの活用も踏まえて考えていただくと。これは繰り返しになりますけれども、病床機能報告制度は毎年、医療機関の協力を得ていただくものですから、毎年毎年その状態がつまびらかになり、それぞれの医療機関が判断をしていくというものを1ページのフローチャートの中にまとめております。

 2ページ以降ですけれども、先ほど申したとおり、基本的には今ざっと説明した内容の詳細ということになります。基本的には、これまでの検討会資料を基に、また、各検討会でいただいた御意見を基に構成しておりますので、本日は限られた時間ですので、できるだけポイントを絞って修正した場所や加筆した場所、重要な点などに絞って御説明したいと思います。

 まず、ある意味で1番目のステップ、ファーストステップということになりますが、「1)地域医療構想の策定を行う体制等の整備」があります。ここでは、地域医療構想は医療計画の一部であることや、また、法改正事項を踏まえて意見を聞く対象等について記載をしていますけれども、○の2つ目の下から2行のとおり、地域医療構想の策定の段階から、策定後を見据えた協議の場、つまり、地域医療構想調整会議を設置し、意見をまとめることが望ましいとしたいと思います。これは協議の場の前倒しという御指摘もいただきました。法的にどういう言い方をするかは別として、少なくとも、この策定段階から協議の場、地域医療構想調整会議が関与することが望ましいという形で記載をしております。

 また、2番目のステップということになりますが、「2)地域医療構想の策定及び実現に必要なデータの収集、分析、共有」ということになります。

 今回の法改正、また制度改正では、各医療機関の自主的な取り組みや医療機関相互の協議が鍵を握ることになります。このためには、共通認識の形成に資する情報の整備が当然ながら必要となります。また、同じく今回の法改正で国民の責務が位置づけられたように、住民や患者さんが地域医療を理解し、そして、適切な医療機関の選択や医療の受け方をすることがやはり同様に鍵を握ることになるため、患者や住民に対して、これらの情報を丁寧に説明することが不可欠となります。

 こうしたデータは、厚生労働省、私どもが一元的に整備をして都道府県に提供したいと考えておりますが、各都道府県でも関係者と共有したり、協議や協力により地域の実情や課題に応じてみずから協力してデータを整備することも必要になると考えております。

 また、言わずもがなですけれども、先ほど申したとおり、病床機能報告制度で医療機関の御協力をいただいて、さまざまなデータが報告、提出されておりますので、これらの活用も必要な視点になります。

 3ページにあるとおり、20ページ以降にどんなデータが考えられるのかということを示しております。20ページ、21ページは、こういったデータがあるのではないかという6つに分類をしておりますけれども、これらをちょっと具体的にイメージしていただくために、22ページ以降に、この検討会でお示ししたものも踏まえて、こういうフォーマットでどうかということで、これまでにお示ししたものも含めて書いています。

 まず、22ページの表1は病床機能報告制度関係で、23ページも同様ですし、24ページ、表2になりますけれども、これは後ほど詳しく御説明しますが、先ほど申した需要、患者さんに対してどこの構想区域の病院が担うのかという医療提供体制との関係図。

 表3は、今の考え方を主な病気、例えば脳卒中、心筋梗塞などの、表2の個票という感じになりますね。そういうものをお示ししております。

 表4は図ですけれども、これは、例えばアクセスというのはかなり重要な要素になりますので、こういうデータもお示しをするべきかと考えております。

 表5は、先ほども言及いただきましたけれども、慢性期や介護保険施設等との関係の検討に必要な資料で、これも先ほど参考資料4で既に御指摘いただいたとおり、具体的に分析、さらには入院外の体制整備を考えていくときにはこうしたさまざまな切り口、データが必要だということで例示をいたしております。

30ページ以降は、以前出した2次医療県別の人口の将来推計ですけれども、ハード整備を考えますと、2040年までのデータがあったほうが医療機関にとっても、また地域にとっても有用と考えられることから、ここでは2040年までのデータを御用意したところでございます。

 3ページにお戻りください。3番目のステップですけれども、「3)構想区域の設定」です。

 先ほども御指摘ありましたが、第2回の検討会でおまとめいただいたとおり、構想区域の設定に当たっては、現行の2次医療圏を原則としつつ、人口規模、患者の受療動向、疾病構造の変化、基幹病院までのアクセス時間の変化など将来における要素を勘案して検討していただくということを改めて示しております。

 なお、明示的に書いているのですけれども、現行の2次医療圏と異なる構想区域を設定した場合には、その後の検討過程においても将来における要素を必ず勘案していただきたいと思っております。

 4番目のステップですが、「4)構想区域ごとの医療需要の推計」です。

 こちらは先ほどの議題1でも引き続き御議論いただくことになっておりますが、この議論がまとまれば、患者住所地を基にした基礎データから、それぞれの構想区域ごとに、まず患者住所地別にどれぐらいの患者さんが発生するのかというのを4区分ごとに分けます。

 5番目のステップですけれども、先ほど申したとおり、5)は議題2の題名の前半部分に当たります。

 くどい記載にこの後いろいろとなっておりますけれども、ポイントは、構想区域ごとの医療受療、つまり、患者さんをどこまで構想区域内の医療機関がカバーするのか。逆の言い方をすれば、ほかの構想区域に住んでいる患者さんをどこまで受け入れるのかということになります。

 ここでポイントになるのは、構想区域をまたいで医療機関に入院する患者さんの増減を見込むことになるわけですから、4ページの○の1つ目で特に中心的な記載をしておりますけれども、構想区域双方の供給数の合計が一致。つまり、差し引きをちゃんと合わせるということを原則としたいと思います。

 なお、大都市圏は特にそうですけれども、都道府県をまたいで入院される患者さんもいますので、都道府県同士でも、先ほど申したとおり、適宜協議を行っていただきたいと考えております。

 今、申し上げました構想区域観の調整、また、場合によっては都道府県間の調整については、5ページの表の形になっているものをごらんいただいたほうが御理解いただきやすいかと思います。文章中は1)からるる書いておりますけれども、5ページの表の○1に書いているのは、各都道府県の構想区域ごとに○1、つまり、患者住所地に基づき推計した医療需要、患者さん等。○2、つまり、現在の医療提供体制というか、患者さんが実際に入院しているその状況が変わらないと仮定して、その数字を将来にも引き延ばして推定した、ちょっと重要なので対義語で供給するという表現を、供給ということをしておりますが、その数でございます。別の言い方をすれば、ほかの構想区域にある医療機関に見てもらった入院患者さんの増減したものを、この○1○2を比較して、○3の将来どうするのかという議論をお願いしたいと思っております。

 なお、この○1○2に関連するデータは、厚生労働省から提供できるように、先ほどの相澤先生の御指摘のとおり、まずは2次医療圏でどうかということをお示しできるように準備を進めております。

 4ページのところになるのですけれども、(3)で、都道府県間でも都道府県内でもそうですが、邉見構成員から以前、御指摘いただいたとおり、地域医療というのは地域そのもののあり方に密接に関係しますので、医療関係者の意見を踏まえることに加えて、介護だけではなく、総合計画や都市計画といった部署とも話をして、自分の地域でどのような医療の提供をするのか、その考え方をまとめていただきたいと思います。

 また、4ページの(4)に記載しておりますけれども、地域医療全体を考える際には、重立った病気をイメージしていくことでイメージしやすくなる、検討が進むと思いますので、既に医療計画において2次医療圏における医療提供体制が定められている、がん、脳卒中、急性心筋梗塞ですとか、また、ほかの関連する法律や制度での認知症疾患医療センターや、今後、難病医療拠点病院もできてきますので、そういった医療提供体制ですとか、また、発生頻度の高い肺炎や骨折について、具体的にどういう医療提供体制をイメージするのかということも踏まえながら、この検討を行っていただきたいと思います。

 以上、るる申し上げましたけれども、こういったことを踏まえて○3、つまり、将来のあるべき医療提供体制を御検討いただいて、そのもとでの構想区域ごとの、言葉で言うと推定供給数という言い方になるのでしょうけれども、別の言い方をすれば、受け持つ入院患者さんの数を確定していただきたいと思います。

 6番目のステップですけれども、「6)医療需要に対する医療供給を踏まえた必要病床数の推計」になります。

 先ほどの○3が固まれば、必要病床数は、ここでずっと今、必要病床数と言っておりますけれども、法律で言うと、先ほど北波も申し上げたとおり、将来の病床数の必要量の算出ができるということになります。

 「7)構想区域の確認」ですけれども、先ほど申したとおり確認していただきたいと思います。

 6ページの8)、8番目のステップですが、どのような将来の、2025年の姿に向けていくかということです。

 「(1)施策の基本的な考え方」を示しておりますけれども、の2つ目のとおり、地域医療は地域包括ケアシステムとの関係も含めて幅広い視点で捉える必要があります。つまり、今回は一般病床と療養病床を4区分してという話から始まったわけですが、地域医療というものを幅広い視点で捉えていただいた上で、また施策についても、基金の活用もありますけれども、関連する法律や制度、関係団体の取り組みを活用することも含めて検討していただきたいと考えております。

 一方で、医療提供体制を考える上で、「(2)必要病床数と病床機能報告制度による集計数の比較」はさまざまなことが浮き彫りになると思いますし、また、各医療機関の自主的な取り組みや医療機関相互の協議の考える題材を提供してくれるということになっております。

 そこで、(3)から8ページの在宅医療、また、9ページの医療従事者の確保と、これは基金の使途として法律で定められているということもあって、こういう柱立てをしてはおりますけれども、構想区域ごとの方向づけや、できればこの段階からの具体策を、年度スケジュールも意識をして議論してまとめていただきたいと思っております。

 ここまでが地域医療構想の策定までですが、先ほども申したとおり、結局それが毎年毎年それぞれの医療機関にとっても自分たちで取り組んでいこう、そして、地域全体として進んでいく。そして、次第に収れんしていくという絵姿を描いていただくために、9ページの「3.地域医療構想の策定後の実現に向けた取組」をお示ししております。

 この9ページの3.から始まりますけれども、2)で、ここでもずっと御議論いただいているとおり、各医療機関は当然ながらみずからの行っている医療内容や体制に基づいて、将来目指していく医療について検討を行い、そして、運営方針を決めていると思います。今回の法改正では、これからは病床機能報告制度によって、次の10ページにかかりますけれども、同じ構想区域のほかの医療機関の状況が把握できたり、また、地域医療構想によって、約10年先、将来の病床数の必要量、必要病床数という形でのニーズも把握することが可能になります。

 この2つのデータを比較したり、また、先ほど20ページ以降の別紙のデータを紹介しましたけれども、こういったものを参考にしたりすることで、みずからの医療機関の地域における相対的な立ち位置というものを客観的に把握した上で、自主的な取り組み、また、中長期的な運営方針の改定が可能になるのではと思っています。

 この10ページの下の図ですけれども、これは今までの検討会でもよく議論に出ているとおり、現在は病床機能報告制度が始まった初年度ということもありますので、病床機能報告制度で高度急性期、急性期、回復期、慢性期を選択したとしても、それぞれの病棟に入っていらっしゃる患者さんの患者像ですとか、病気というか、ステージというか、それはさまざまになっているものと思っております。例えば、診療科別に病棟編成とかをしていたりすることもあって、これはこういう状態になっているということがまず今の医療提供体制の前提として、その上で今回のさまざまなデータ、また自主的な取り組みによって、必要な体制の構築ですとか人員配置などのさまざまな取り組みによって、病棟単位での患者さんの収れんが次第に進んでいくということを前提としています。

 この図であらわしたかったのは、それでも一定の数の患者さんは、その病棟が選択した医療機能に対応する病気というか病態像と異なることがあります。100%というのはないという前提とした上で、だけれども、この限られた医療資源が重なり合うところで打ち消し合ったりするということも含めて、限られた医療資源が過不足なく地域に、結果的には全体として行き渡るような個々の医療機関での自主的な取り組みが進んでいくというイメージをあらわしたつもりです。

 こうしたことをそれぞれの地域内で進めるためには、11ページの「3)都道府県」と書いてあります、これは見やすいようにかなりデフォルメした絵になっておりますけれども、こうした都道府県はいわば裏方というか、舞台回しという役割を適切に発揮していただくことになるかと思います。

 文章の(1)は、この絵のステップ1に対応しますけれども、先ほども地域医療構想の策定のところで申し上げたとおり、基本は「病床機能報告による現状と地域医療構想における必要病床数との比較」になります。

 この比較をして、次のページの(2)、ステップ2に対応しますけれども、「各医療機能における個別医療機関の状況の把握」ということになります。ステップ1は、基本的には単純な集計比較ですので、誰でも情報がとり得るものになりますけれども、もう少し踏み込んで医療機能ごとの個別の医療機関の状況を整理することによって、各医療機関が検討の参考になるような資料やデータを作成し、それを基に(3)のステップ3にあるとおり、地域医療構想調整会議の活用によって医療機関相互の協議の促進となります。もちろんこの前提には、そのデータなどを見ながら、情報を見ながら、それぞれの医療機関がどうしていくのかという判断があります。

 基金の活用も含めて検討することになりますけれども、地域医療構想の策定段階では間に合わなかった場合でも、できるだけ早い段階で2025年までの各構想区域の年次計画というか、整備計画というか、そういうものを策定することで、結果的に個々の医療機関もまた見通しを立てやすいということを考えております。

 (4)のステップ4ですけれども、病床機能報告ですとか基金の計画というのは、毎年度行われることになりますので、こうした機会を通じて進捗状況を確認することができます。この際、予定どおり進めることが困難な、予定を立てていただのだけれども、そのとおり進めることが困難であったり、結果的に不適当になった場合というのもありますので、そういうものを検証することによって、場合によっては先ほど申した整備計画という言い方がいいかはありますが、その変更も含めて対応することで、結果的に地域全体のためにもなったり、また、医療機関や住民がイメージしやすくなることによって、先ほども申し上げました鍵を握る住民、医療機関の両者が、地域医療構想の実現に向けてイメージを描く、共同歩調をとるということができるかと思います。

13ページに、イメージをしやすいという意味で、スケジュールのイメージも用意いたしました。今、さまざまステップのことを申し上げましたけれども、これを1年のサイクルとして例示したものです。もちろん、それぞれの都道府県には、開催時期とかの関係もあるので、地域の実情に応じて柔軟に対応していただくことを前提としておりますけれども、こういうものを用意しております。

 あと、地域医療構想策定の後のスケジュールのイメージでして、これは基金のことを書いていますので、念のため申しますと、27年度、来年度の基金につきましては、地域医療構想の策定途中ということもあるので、6月までに基金の計画を仕上げてもらって、9月議会に間に合うようなスケジュールで考えています。これはちょっと横にそれまして、失礼しました。

 例えば、3月に病床機能報告制度の集計結果が出る、これはほぼ毎年こうなるわけですけれども、その後、約半年ぐらいかけて、それぞれの医療機関がデータだとか情報に基づいて自主的な取り組み、そして、必要に応じて地域医療構想調整会議を開催して、医療機関の相互の取り組みを確認し合うことによって、次年度の10月の病床機能報告制度に反映させることができます。

 さらに、基金の都道府県計画についても、年内にある程度、どういう打ち手をするのかということもまとめられると思いますし、県議会で言うと、2月議会であれば次年度の当初予算にも計上できるのではないかということでスケジュールイメージをお示ししております。

 ここから先は、13ページの「協議の場の設置・運営について」、また、17ページの「地域医療構想の実現に向けたPDCA」、これらについては、これまでの検討会資料が中心になりますので、かなりポイントを絞って御説明をしたいと思っております。

 なお、見やすくするため小見出しをつけたりしておりますので、体裁が多少変わっているなという印象があるかと思いますけれども、内容は今申し上げたとおりです。

15ページまで進んでください。一番下の(1)ですが、地域医療構想調整会議の参加者の範囲・選定をどうかというのは、第4回検討会でもいろいろな御議論をいただきました。その上で、整理としては、法律での規定などを基にして、基本は医師会、歯科医師会、病院団体、医療保険者を基本とすること。また、次のページに移っていただいて、議事等に応じて参加を求める関係者、具体的には代表制を考慮した病院・診療所、地域における主な疾病等の特定の診療科等に関する学識経験者、薬剤師会、看護協会、市町村などを柔軟に選定すること。また、公平性・公正性に留意すること。さらには、議題によっては当事者及び利害関係者等に限って参加をすること、こうした運用を改めて整理いたしました。

 次は、16ページの「公表」のところですが、ここは公開、非公開をわかりやすくしたほうがいいということで、患者情報や医療機関の経営に関する情報を扱う場合は非公開、その他の場合は公開ということを、これは紛らわしくしないように明記いたしました。さらには、協議の内容・結果については原則として周知・広報と、ここは変えておりません。

17ページの(1)は変えております。「合意の方法」の2段落目の「また」以降のところで、前回、検討会では、書面で残す部分は署名捺印まで求めるということを書いておりましたけれども、実効性は担保されるのではないかということの御指摘があったので、「関係者の合意を確認し得る書面」という記載にしております。

 今度はPDCAのところですけれども、「1)指標との設定」が18ページに続いておりますが、ここで前回は例示をしていなかったので、ここでは18ページの○1~○3のような例示をしております。

 また、「4)住民への公表」では、前回の検討会でいただいたアイデアも踏まえて、ホームページの情報を見る働きかけを多方面から行うことや、インターネットにアクセスできない住民向けに紙媒体での配布も準備することも加筆しております。

 最後のところになりますけれども、昨年、尾形座長代理が医療計画のPDCA研究会の座長をしてくださって、松田構成員も参画いただいたのですけれども、そこでの議論などを基にして、18ページの一番下の19ページのを加筆しております。

19ページの記載、6行にわたっていますけれども、これはちょっと口頭で補足説明いたしますと、都道府県職員だけでなく、関係者と可能な限りデータを共有したり一緒に分析できるよう研修をしたりといった取り組みを都道府県にお願いしたいということです。

 例えば、どうしても扱うデータの関係から守秘義務の関係が出てきます。例えば、医療審議会だと、守秘義務の規定が整備されているということもあって、それで条例等による適切な手続云々という記載をしております。

 なお、一番最後になりますけれども、これらのデータの扱いですとか、また、そもそもどういうものを収集するかというのは難しいことでもありますので、私ども厚生労働省でも、都道府県に対して技術的助言を含めた必要な支援を行いたいと考えております。

 長くなりましたけれども、1ページのフローチャートのような策定の流れでよいのか、また、策定後もこうした取り組みでよいのか等について御議論をお願いするとともに、できればこれは最終的にはガイドライン本文にかかわってきますので、そのような御指摘、おまとめをお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 ガイドラインの骨子案のようなものでございますけれども、ただいまお話しありましたように、構想を策定するプロセスと策定後のプロセスがありますので、まずは策定するまでのプロセス、ページ数で言うならば9ページの真ん中でございますね。2~9ページの真ん中まで、このあたりで御質問、御意見があれば承りたいと思います。

 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 3ページの最初の ですが、「これらの基礎となるデータは、厚生労働省において一元的に整備して都道府県に提供することとするが、各都道府県は」とあります。今、全国の都道府県医師会にいろいろお聞きすると、県庁がデータを抱えていて見せないという、誤解もあるのですけれども、県庁の職員が見せないぞ、みたいなニュアンスを出すということもあるので、明確に策定段階で、例えば都道府県の医療審議会にかかわる人たちとはこのデータを共有するのだということをもう少し明確に書いたほうがいいかなと思います。

 ただ、生データをいろいろな人に見せてもなかなか活用はできませんね。その上でも、やはり見るだけでもというか、共有しているのだということを自覚してもらわないと、地域医療構想の策定がスムーズに仲よくできないと思うので、ぜひその辺のところをもっと明確に書いてほしいと思います。

○遠藤座長 御意見として承りました。

 何か事務局からコメントはございますか。

 それでは、渡辺構成員、お願いします。

○渡辺構成員 現状においては、都道府県のほうで何かデータを隠しているということは、私の知る範囲ではございません。都道府県でも実際にどういったデータが提供されるのか、どのような作業が発生するのか不安もありますし、一方でしっかり地域医療構想の策定に取り組んで行かなければならないという感覚もございます。

 そこで、この資料2を拝見させていただいて、ようやく、都道府県が担う役割が徐々に見えてきたように感じております。資料の中にも記載してありますが、地域医療構想策定にあたり厚生労働省のほうでも技術的な支援については今後もしっかりとお願いしたいと考えております。

 それから県内で行う作業についてはある程度丁寧に具体的に記載して頂いていると評価をしているのですけれども、都道府県間の調整について心配事も含めて発言させていただきたいと思います。

 都道府県間の必要病床数の調整につきまして、患者の流出入をきちんと議論する必要があることは十分理解できます。ただし、これまで正直なところ、県またぎの協議というのは進んでこなかった背景もございます。必ずしも隣接県だけの問題ではなくて、高度医療を受けるためにかなり離れた都道府県間の移動ということもあろうかと思います。

 現場でできる限り関係者の方々に理解を求めて説明しなければならない立場において、これまで経験がない県またぎの協議を上手く進めることができるのかといった不安もございますし、現場での混乱を最小限にして合意形成に至るために、プロセスやルールの明確化が必要と考えます。この点につきましては、今後、厚生労働省と議論していきたいと考えております。

 それから、多くの都道府県にとって初めての経験になりますのでフィージビリティースタディーを実施し得られた知識とか経験を広めていくような取り組みについても提案したいと考えております。

○遠藤座長 一番重要なお仕事を担う形になりますので、いろいろと御指摘いただきました。

 今の御発言について、事務局から厚生労働省として何かございますか。どうぞ。

○北波地域医療計画課長 渡辺構成員の御指摘はそのとおりでございまして、今まででも医療計画を立てるに当たりましての基準病床数の算定等につきまして、余り県間調整とかはやってまいりませんで、流出入の現状を踏まえて見込むという形でございました。

 ただ、今回につきましては、地域医療構想を策定するに当たって、地域のニーズをどこで受けとめるかというところをきちんと議論したときには、ある一定量で流出入が行われている場合は、その実態を踏まえて、今後10年間でどのような形で、医療提供体制をどこで受けるかという形はやはり具体的な議論が必要になってくると思います。ですから、その過程の中でいかに円滑に隣接もしくは関係する医療区域との間で話し合いをするか、もしくは調整をするか、ここら辺は県とともに詰めていきたいと思いますが、この論点はやはり必要なプロセスだと考えております。

 データ利用につきましては、当然ながら守秘義務とかもありますけれども、基本的には私たちはデータを共有して議論をするというのが原則でありますし、参加者が議論の素材となるデータはきちんと共有する、これは非常に重要な御指摘だと思っております。決してデータというのは行政だけのものではございませんので、当事者が共有すべきものだということはガイドラインにもきちんと書かせていただきたいと思っております。

○遠藤座長 どうぞよろしくお願いします。

 それでは、土居構成員から齋藤構成員、相澤構成員の順で。

○土居構成員 今、渡辺構成員からお話があって、この地域医療構想は都道府県でしっかりとつくっていただくということこそが、この地域医療構想の意義であり、かつ魂を込めるものだと思っておりますので、ぜひとも頑張っていただきたいという期待を込めて申し上げたいと思います。

 そういう意味では、都道府県からの不安に対しては、医政局としてもしっかりと対応していただきたいと思いますし、かつ、むしろ初めての合意形成ということになると思いますから、ぜひともそこは臆病がらずに、しっかりと合意を形成していただいて、地域医療構想が実のあるものになることを期待したいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、齋藤構成員、お待たせしました。

○齋藤構成員 ちょっと質問もあるのですが、最初のフローを書いたところのページに「5)医療需要に対する医療供給の検討」は主な疾患ごとに検討するということが書かれ、そして、4ページ目にそのことが主な疾患ということで、医療計画上、がんと脳卒中、心筋梗塞をきちんと検討しましょうということになっているのです。医療計画で挙げられていることは、今回、精神は報告の機能にあがっていかないので、平成18年度に決められた医療計画はここに糖尿病が入っていたと思うのですけれども、そこはどのように取り扱うのかということを1つ教えていただきたいのがございます。

 もう1つ、いろいろなデータを出していくということで、その必要なデータは別紙の20ページ以降に主なデータがずっと羅列されているわけなのですが、20ページの「4疾病別のアクセスマップと人口カバー率」のところで、ここにもまた3疾病が書かれてあるのですけれども、ちょっとお尋ねしたいのは、これからの医療需要を考えるときに、正常分娩も含めてお産のことは考えるのだということが挙がっていたのですけれども、各圏域でお産の需要等々が出てきたときに、自分のところでお産をやっていたけれども、これからは機能が変わって閉じることも懸念をされますので、アクセスマップのところに、この3疾患のほかに私は周産期医療のことが書かれる必要があるのではないかと考えています。ますます遠くに離れた産科医療を求めて移動するということは少子化の政策とは異なる方向になるのかなと思いますので、できましたらここは、アクセスマップのところに周産期医療も入れてお示しすることが必要なのではないかと思います。

○遠藤座長 御意見として承りましたが、これについて事務局から何かお考えはありますか。お願いします。

○松本専門官 事務局でございますけれども、地域医療構想におきましては、地域で必要となる医療需要を、2025年の高齢化の人口構造を踏まえて出てくる医療需要を推計して、それをまずは高度急性期から慢性期までの4機能に分けるというのが一義的なものになっています。それに加えまして、疾患別ということも行っていこうということになっているのですけれども、4機能にこの疾患別というのを加えていきますと、データ量として非常に細かくなっていくということで、都道府県から見て使いやすい大きさというのはどういうことかということを踏まえながら、ここを詳細に決めていきたいと考えております。

 ですので、まず本日は、がん、脳卒中、急性心筋梗塞という例をお示ししましたけれども、それよりどこまで細かくするかにつきましては、今の齋藤構成員の御意見も踏めて少し考えさせていただきたいと思っております。

○遠藤座長 どうぞよろしくお願いします。

 それでは、松田構成員、お願いします。

○松田構成員 データを整備してきた側の意見なのですけれども、基本的には周産期等も含めて5疾病6事業に関しては、いろいろな指標をつくって、それをデータブックという形で一昨年から提供しています。その中に糖尿病とか周産期に関連する指標も入っています。先ほど中川構成員がおっしゃられたように、そのデータブックの使い方に関しては、都道府県の医療計画の担当者を対象とした研修会をずっと、もう3年間やってきています。ただ問題は、そこで研修された内容が都道府県の中で共有されていない。これがやはり一番大きな問題で、ですから、実際にはデータがあるのです。それをまずちゃんと使えるようにしていただくということが一番重要だろうと思います。今回はこの病床機能報告のデータだけが出ていますけれども、実際には、いわゆるデータブックという形でもう少し細かいいろいろな指標が出ていますので、それをしっかり活用していただくことが大事だろうと思います。

 それで、これはどうするかお願いなのですけれども、表4の25ページの「搬送時間別人口カバー率」というのは、これは私たち研究班のほうで出したものですが、これは実際にはDPC病院だけをやっています。でも、実際には心筋梗塞にしても、脳卒中にしても、DPCに入っていない病院もかなりやっている。実はそれを把握することはナショナルデータベースで可能です。ですから、もしこのマップを、いわゆる網羅性を持って作成するのであれば、多分、ナショナルデータベースの加工のところの有識者会議で、病院名は一切出さない、それから、地図から病院の位置を全部外すという形で、要するに脳卒中をやっている病院に15分以内にかかることができる人がいるエリア、30分以内にかかる人が住んでいるエリアということは出すことができますので、そういう匿名性を担保した形で分析するということをお許しいただければ、DPCだけではなくて、ナショナルデータベース全体に関してこれができると思います。

 ただ、ナショナルデータベースの問題が1つあって、先ほど齋藤構成員が指摘された出産のデータが実は正常分娩はないのですね。正常分娩のデータを動態統計のほうからとるか、とらないか。いわゆる出生届がありますので、あのデータから同じようにして匿名化をして、要するに、分娩をやっている機関に30分以内にかかれる人が住んでいる地域とかは出すことができる。多分それをやっていただくということが必要なのかなと思います。

 もう一つ、先ほど、構想区域の話があったのですけれども、東京都は今回、要望があって、有識者会議でも許可が得られたので、区単位での移動というのは分析できるようになっています。多分、同じことを大阪、名古屋、福岡というか大都市についてはやらないといけないと思うのです。これも多分、有識者会議で市区単位での分析ができるようにしていかないと、先ほど言った構想区域を考えるという分析はできないと思いますので、事務局のほうでの調整をぜひお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長 それは御意見として承ればよろしいですね。

○松田構成員 ただ、これをやるためには、それをクリアしないといけないと思います。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 手続とかがありますので、保険局とも調整をとらせていただきたいと思います。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

 それでは、お待たせしました。相澤構成員、どうぞ。

○相澤構成員 病院団体としましては、この地域医療構想の策定は非常に重要だと認識しております。そして、協力はしていきたいと思っているのですが、1番は、地域医療構想を策定する体制のあり方ということを非常に心配しております。2ページの○が2つあるのですが、よく読んでみると、やれと言っているのか、やらなくてもいいと言っているのかがよくわかりません。既存の圏域連携会議等の場を活用して検討する必要がある。必要がなければやらなくてもよろしい。それから、この段階で協議の場を設置し、策定後を見据えて意見をまとめることが望ましい。望まなければやらなくてもよろしいということで、うがった見方をするとそういうことになるのです。

 私たちが心配しているのは、協力はする。でも、その検討する場をぜひ圏域ごとにしっかりと設けていただきたいということをまず申し上げたいと思います。

 この文面でいくと、構想区域ごとに圏域連携会議でやるのか、どこでやるのか余り明確でないということになっていますので、ぜひそれは明確にしていただきたいと思います。

 もう一つ皆さんが心配していましたのは、これまで都道府県ごとの医療審議会があって、その下にワーキンググループというのがつくられたのですが、ほとんどワーキンググループは機能せずに、県の方がいらっしゃるのでワーキンググループが機能しない県もあって、病床を持っている病院の意見がなかなか反映されない事実がかつてあったと。そうすると、そのやり方を踏襲されると非常に危機感があるということを皆さんから強く発言するようにと言われていますので、ぜひこの点はよろしくお願いしたいと思います。

 それから、もう一点。調整会議の前に、ともかく病院が自主的にきちんとやりなさいということを言っていただいたのは我々にとっては非常にありがたいことだと思っています。ただし、今、残念ながら、多くの病院とは言いませんが、ある病院の中では、こういう統計だとか周りの環境がどうなっているのかをしっかりと把握する能力がない病院があります。そういう病院に、やはりきちんとわかるようにデータを出していただくということがまずあることが重要ではないかと私は思います。

 恐らく、今、病院団体の中で非常に疑心暗鬼に陥っているのは、今回、病床機能報告をしましたね。そして、自分たちの病棟が病期のどこに当たるかをみんな出しました。1,000床ある病院が10何病床全て高度急性期で出した病院もあります。それを今、あそこは勝手に出しやがってとか、あそこは先取りでやったとか、病院間の中で非常に疑心暗鬼が起こっているのですね。

 お願いなのですが、ぜひ今回のデータを一回各病院に返して、もう一度各病院から、こういうデータだけれども、どうしますかということを、最初のスタートはすごく大事なので、それを一回やっていただきたいと、そこから地域で計画を立てていくのをやっていただいたほうが話がスムーズにいくと思うので、策定前のここをぜひ大切にしていただきたいということだけをお願い申し上げたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 関連ですか。

○中川構成員 関連です。

○遠藤座長 それでは、中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 相澤先生が言った最後のところで一回返してというのは、それは必要ないと思いますよ。毎年報告するのですから。

○相澤構成員 いやいや、1回目だけ。今回。

○中川構成員 今年もまた10月に報告するのですよ。そういうことで問題ないのではないですか。

○相澤構成員 今、何もデータがない中で皆さんが出されたのは御存じですね。それが27年のこれから検討していく場で使われるのではないかと、みんな疑心暗鬼に陥っているのです。ですから、それを解消するようなことをするためには、やはりどうしても各病院へ一回返して、どうですかということをやってもらったほうが非常にありがたいのではないかと思うのです。それから以降はずっと同じでいいと思いますけれども。

○遠藤座長 事務局に対する御要望だったということもありますので、もし事務局から何かただいまのことでコメントがあれば、いただければと思います。理解不十分がゆえのあれかもしれませんので、その辺のところで何かあれば御意見いただければと思いますけれども、なければ結構です。事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 最初のコメントのところで、検討する必要がある、意見をまとめることが望ましいと、これはまさに県がいろいろな選択肢がある中で具体的事例を出させていただいて、それで一番いいやり方を選んでいただくということだと思いますので、このような言い方になっております。だから、1つで決めるという話ではないのかなということで、こういう書き方でございます。まだ御意見がありましたら、踏まえさせていただきたいと思います。

 また、病床機能報告制度につきましては、私どものほうから、まず報告いただくときは、定性的基準でみずから御判断いただいてというように言っていることもございますので、その結果についてもう一回返して訂正をしろということはなかなか申し上げられずに、むしろ、既にもう来年のサイクルが近づいておりますので、そちらのほうで処理させていただくのがいいのかなとは考えておりますが、また御意見あろうかと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 先ほど手を挙げられていた和田構成員、お願いします。

○和田構成員 では、資料2の6ページの○の2つ目ですが、この部分の記載はまさに病床機能分化と地域医療の重なりの部分だと思いますので、入院する主病となる疾患だけに着目するのではなくて、併発しているような歯科疾患についても記載をいただきたい。これまで何度も発言したように、医療と歯科医療は全く仕組みが違っているので、いつも歯科医療が分断されてきた。この4行目部分です。精神科、認知症などのところに歯科疾患という言葉も入れていただきたい。

 これまでの医療計画でも、都道府県ががん患者さんの周術期口腔機能管理が重要であるという視点から、歯科医療の役割についても明記している都道府県がほとんどであります。これまでの医療計画との連続性を図って、主病だけではなく関連する疾患についての役割がわかるようにしていただきたい。

 同様の視点から、7ページの3つ目の○ですが、回復が遅延したりADLの低下を招くことがないようにというところがございます。医療機関等と書かれていますが、具体的に歯科も含むという記載をお願いしたい。

 同じページの5つ目の○ですが、退院時の研修については、歯科がある病院では歯科職種が当然入っていると考えていますが、地域関係者のところで歯科関係職種も声がかかるような研修を考えていただきたいと思います。既に日歯のほうは12月に意見としては出させていただきましたけれども、ガイドライン案に対する意見も追ってまた書面で提出させていただきたいと思います。

 最後ですが、参考資料4。あくまで療養病床の入院受療の地域差ということでございますが、やはりこの中でも医療に関する分析でございますので、在宅療養支援歯科診療所の都道府県データなど、歯科医療に関するデータも含めて分析をして、地域医療をより広い視点で見ていただければと考えます。

 以上です。

○遠藤座長 多々御要望を承りました。御意見として承りましたので、また事務局としては御検討いただくという形で対応していただければと思います。

 ほかによろしゅうございますか。

 では、石田構成員からお願いします。

○石田構成員 前半の9ページまでということですので、まず8ページの4つ目の○、都道府県から市町村への支援についての記載でございますが、この中では「市町村が地域包括ケアシステムの観点から円滑に施策を進めるよう連携する必要があるため、市町村の施策に対する支援に加えて、市町村担当者に対する研修によって資質の向上を図ることも重要である」とあるわけであります。市町村で今般から行われることになる在宅医療介護連携推進事業といいますのは、今般の介護保険制度改正で地域支援事業に位置づけられた新しい制度であるわけでありまして、今後、2025年までの間に市町村地域において特に日常生活圏域を意識して計画的に進められるというものであります。

 これについて、市町村によっては着手時期に差が生じるという見込みであると言われているところであります。しかしながら、こうしたことは市町村の職員の資質に影響しているものではなく、これまで市町村になかった在宅医療介護連携推進のための事業に取り組むこととなったことから生じる経過的な状況であり、事業の円滑な実施に向けては、むしろ都道府県からの技術的助言や財政的支援のほうが重要になるものと考えています。

 この場で都道府県にこうした要望をするということではございませんが、この部分の記載については、市町村の職員の資質云々というよりは、ニュートラルに、必要があるため、市町村へのさまざまな支援が必要であるというふうにしていただいたらありがたいと思っております。この点についてよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 御要望として承りました。適宜、対応いただきたいと思います。

 それでは、お待たせしました、尾形座長代理、お願いいたします。

○尾形構成員 9ページまでということでよろしいですか。

○遠藤座長 はい。

○尾形構成員 それでは、2ページで1点だけ意見です。上から3つ目の○のところで、先ほどから出ていますように、現行の医療計画のプロセスと同様に、地域医療構想の策定に当たって都道府県医療審議会が中心的な役割を担うということだろうと思うのですが、やはり前にも出てきましたけれども、この原案を作成する段階から保険者が関与するということが、非常に私は重要だと思っています。でき上がった後は、9ページにあるように協議の場、地域医療構想調整会議には法律上も保険者がメンバーとして明示されているわけですが、やはり原案作成段階から積極的に関与する必要があると思います。

 第4回の会議資料だったと思いますが、都道府県の医療審議会のメンバー構成にはかなりばらつきがあります。本来はいずれ医療法の施行令を改正すべき話だとは思いますが、そこまでいかなくても、今回、メンバーの中に保険者をぜひ入れるにように配慮していただければと思います。これは意見です。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。

 では、本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 今の尾形構成員の意見と全く同じですが、実態として保険者が入っていない都道府県がありますし、委員構成についても非常にバランスを欠くところがありますので、通知等で是正していただくようにお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、時間もなくなったのですが、後半部分、9ページ以降についても御意見、御質問があれば承りたいと思います。

 土居構成員、どうぞ。

○土居構成員 事務局に1点、質問なのですけれども、12ページの「地域医療構想調整会議の促進に向けた具体策の検討」というところ以降に、先ほども御説明がありました整備計画という文言が出てくるのですが、これは何か固有名詞的な整備計画ということをおっしゃっておられるのか、それとも単にこの地域医療構想を現場でしっかりと促進、2025年を見据えて整備を進めていただくためのある種の工程表のようなニュアンスということなのかをお伺いしたいと思います。

○遠藤座長 事務局、お願いいたします。

○松本専門官 区域によっては、建てかえ時期とかいろいろと個々の話になったら出てきますので、まさに工程表という形の一般的な表現でございます。

○遠藤座長 土居構成員、どうぞ。

○土居構成員 私もこれまで、この会議の中で、ちょうどこの部分にまつわるPDCAサイクルについては非常に重要だということを申し上げてまいりました。地域医療介護総合確保基金については、私は非常に重要な基金で、これを有効に活用していただいて、地域医療構想をよりよいものにしていただくということはとても大事なことだと思っております。ただ、一部には、この基金が本当に有効に活用されるのかと、単にお金をばらまいているだけではないかというような見方をする方も中にはいらっしゃって、まだもちろん実際本格的に基金が支出されていない段階ですから、これは杞憂であってほしいと私自身も思うわけであります。そういう意味では、このPDCAサイクルというのは非常に重要で、そういう年々の状況を見きわめながら、事務局の案にも示されているように、病床機能報告制度と予算案での基金の予算計上というものをリンクさせながら、地域医療構想をよりよく実現していくような形にしていただきたい。

 そのためには、1つ心配というか、これは踏まえていただきたいと思うのは、各医療機関の自主的な取り組みを促すということも併せて書かれていて、これは非常に重要で、むしろまず最初にということで、自主的な取り組みを進めるということはこの文章の中でも既に書かれているところで、基金の支出を待たずに自主的に取り組んでいただける医療機関のやる気をそがないように、この基金の配り方というのも工夫が必要だろうと思います。極端に言えば、基金の支出がなくても自主的にできるということであれば、お金を使わなくても自主的な取り組みを促していただく。だけれども、悪く言ってしまうと、基金の支出がもしあるのだったら、そちらのお金をもらってから対応しようかなということになって、せっかく自主的な意欲がありながらも、それをそいでしまうようなことになると、せっかくの基金ももったいないということになります。もっとほかのものに基金を活用すれば、よりよく実現できるというようなこともあったりいたしますので、医療機関の自主的な取り組みを尊重しつつ、基金を有効に活用するというところをこのPDCAサイクルの中でも埋め込んでいただくことが大事かと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 時間が迫っておりますけれども、次回もまたここについては議論をいたしたいと思いますが、本日御発言なさいたい方は御発言いただきたいと思います。

 加納構成員、お願いします。

○加納構成員 16ページの上から7行目にありますが、「関係者の選定に当たっては、公平性・公正性に留意するものとする」という形で協議の場のメンバーのことが書かれているのです。前回もちょっとお願いしましたが、基金のときもそうだったのですが、地域医療再生基金のときに、やはり公私の差というものができましたので、公私の問題も含めとか、何かそういった形で公私の公平さをどこかで明記するのは難しいでしょうか。それはお願いでございます。

○遠藤座長 それは事務局への質問ということですか。

 何かコメントはありますか。

○加納構成員 それを意味して書いていただいているものだとは思うのですが。

○北波地域医療計画課長 それを意味して記載させていただいております。当然、基金のほうは公民の公平というのも入っておりますので、そういうことからいいますと、やはりどちらかに大幅に偏ることは望ましくないというのは当然ながら、この規定をしていますのでそれは御理解いただきたいと思います。明示的に書くとどうかというのはありますけれども、表現上の話だと思います。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 石田構成員、それから、齋藤構成員でお願いします。

○石田構成員 この会議におきましては、これまでの議論で、在宅医療を充実させるという、そういった必要性については既に確認されております。また、地域医療構想における需要推計の段階でも、市町村介護保険事業計画との整合性に留意する必要があるとの共通認識を得ていると理解しているところであります。

 また、8ページの一番上の○では、「地域包括ケアシステムの構築のためには、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるよう医療と介護の連携を推進し、医療と介護の提供体制を一体的に整備する必要がある」といった記載もあるわけであります。こうしたことから、地域医療構想調整会議における地域の病院、有床診療所が担うべき病床機能及び病床数等の合意等に当たっては、構想区域内の構成市町村の介護保険事業計画における介護サービス見込み量、提供量を踏まえる必要があるものと考えます。

 つまり、それぞれの構想区域等の在宅医療、介護連携の進捗状況に併せたものとすることが必要であり、現実的であると考えております。このため、地域医療構想調整会議には、市町村の参加を求めることが必要であると考えております。改めまして、この点について御配慮をお願いしたいと思います。

 なお、市町村では、介護保険事業計画に基づき、着実に在宅医療・介護連携推進事業を実施しているという運びでございます。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 では、齋藤構成員、お待たせしました。

○齋藤構成員 私も、この「4.協議の場の設置・運営について」の15ページの下から16ページの上段にかけて、「参加者の範囲・選定」の書き方なのですけれども、確かに法律上の文言に、診療に関する学識経験者の団体、その他の医療関係者、医療保険者とその関係者という形で書かれてあるのですが、この書き方だと、この参加の関係者というのは、15ページの下にある医師会、歯科医師会といったような4つなのだと。その上で、議事に応じて参加を求めるというのが、この議事の内容が14ページの○1~○4となると、いわゆる本来知るべき情報が知れなくなるとかという心配が出てきます。それから、今、石田構成員が言ったように在宅医療の問題、急性期医療の受け皿でどんなケアが必要になるかといった継続性の問題等々も考えますと、この書き振りではなくて、本来調整会議はこういうメンバーで、しかし、どうしても調整が困難であるというときに、このコアになる団体がワーキンググループ等々で調整をするということのほうが実働的ではないかと思っております。

 ですので、どうもこの書き方だと、この4つなり5つの団体が決め打ちで、あとはついでねというような印象を見受けますので、書き方を、大体こういったメンバーに関与していただき、ただし、調整が本当に困難な場合は、こういう人たちで検討するのだという、医療部会の急性期医療に関する作業グループのような、ああいった審議のほうがよろしいのではないかと思いますので、この書き方のところと意見を申し上げます。

○遠藤座長 関連ですか。

○中川構成員 はい。

○遠藤座長 では、中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 今の齋藤構成員の御意見ですが、最初からたくさんの方でやると、メンバー間の調整ができなかったなというふうになりますね。むしろ、私は逆だと思いますね。例えば調整会議は、前々回かに出されましたけれども、随時開催と定例開催とがありますね。定例開催的なものは多いメンバーでやってもいいと思うのです。一方、随時開催、いわゆる個別の医療機関が病床機能を転換したいとか、いろいろな懸案のときには、まずは15ページに書いてあるメンバーでやって、内容を詰めていって必要なときには拡大するというのが私はスムーズな議論ができるのではないかと思います。

○遠藤座長 関連でありますか。

 では、花井構成員、本多構成員で。

○花井構成員 この15ページから16ページにかけて、今の齋藤委員がおっしゃったメンバーの件です。実は13ページの下のところに、この調整会議の「主な議事」が書かれており、このほかに医療従事者の確保等々が書かれています。そのことからすれば、ここに掲げられているメンバーの構成は少し狭いのではないか、もう少し住民ですとか、あるいはこの法律の国会審議の中で大臣がお答えになったように被保険者ですとか、もう少し幅を持たせて柔軟に選定できるような。さらに、特定の診療科等に関する学識経験者とありますが、そこに限定した学識経験者となっておりますので、そこももう少し柔軟にそこの県で選定できるような書き方にしていただきたいというのを要望として出させていただきたいと思います。

 もう一つ、確認で松田先生に質問なのですが、先ほど正常分娩のデータがないとおっしゃいましたが、これはやはり保険適用ではないことからデータがとれないと思ってよろしいでしょうか。

○松田構成員 そのとおりです。

○遠藤座長 お待たせしました。本多構成員。

○本多構成員 同じく、15ページから16ページの記載のところですけれども、特に16ページの6行目ぐらいに「公平性・公正性」とありますが、この文脈だと15ページの基本の参加者のところにかかっていないような感じがしますので、その上でというところで段落を切らないで、例えば「また」とかという形にして、公平性は基本的な医療保険者とかを含めるところもかかるようにしていただけたらと思います。

 あと、関連で申し上げますと、18ページの「4)住民への公表」ですけれども、これは協議の場が設置される前にも、やはり住民にわかりやすく、今こういう構想会議ができて、こういうものが進められていくよというような広報をぜひとも早目早目にお願いしたいと思います。

 それから、先ほどの土居構成員に関連しますけれども、18ページの下から2つ目の○のところに「基金が適切に活用されたことが確認できる評価指標を設定する必要がある」と書かれております。今年度も実は計画が出ておりますけれども、ちょっとこれはいかがかなと思うような計画なども見受けられますので、そういった評価指標というものを明確にしていただくことが、基金の適正な運営につながるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

15ページの文言については大体よろしゅうございますか。ただいま多様な御意見が出ましたので、御意見として受けとめましたので、また事務局もそれらを踏まえまして少し御検討いただくという形で、次回以降また議論させていただきたいと思います。

 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 次回に向けてお願いなのですが、前回、第6回のときに出された報告制度の結果、4病床機能の結果が現時点と6年後とありますけれども、あれはもう少し詳細なものを公表したほうが、相澤先生がおっしゃたように疑心暗鬼を少し解消しておかないと、間違った情報がひとり歩きしているような気がします。

 それと、例えば報告の結果として特定機能病院ぐらいは、個別の名前は要りませんけれども、どのように報告しているのか。全部が高度急性期という報告をしているところもあると聞きますし、きちんとやっているところもありますし、でも、そういうこともいいのだと。自主的に報告しなさいということを認めたシステムなのだということも含めて、現時点において報告しても心配はないのだよということがわかるような資料もつくって、次回ぜひお示しいただければと思います。

○遠藤座長 御検討いただければと思います。

 まだ御意見はおありになるかと思いますけれども、基本的にこの問題、また次回も御議論いただきたいと思っております。予定の時間を少し過ぎてしまいましたので、このあたりにしたいと思いますが、櫻木構成員から意見書が出ておりますが、これはお読みになっていただければということで出されているということでしょうか。

○櫻木構成員 今回の地域医療ビジョンに関しては、いわゆる一般病床と療養病床の機能報告制度から端を発しているわけですけれども、地域医療という観点からは、やはり精神科医療を早い段階からさせていただきたいということで、以前に具体的にこのようなところで精神科医療と一般医療というのは連携が必要ですというのもお出しすると約束しておりましたので、それで提出させていただきました。

 今日の資料の記述で言えば、6ページのところに将来あるべき医療提供体制を実現するための施策の検討というところで精神病床等の機能の評価ということも入れていただいておりますので、これはまた読んでいただければ。

○遠藤座長 わかりました。そういう御趣旨の意見書ということでございますので、適宜御対応いただければと思います。

 それでは、司会の不手際で時間をオーバーして申しわけございませんでした。事務局におかれましては、多様な意見が出ましたので、また宿題も出ておりますので、引き続き検討いただきまして、次回また材料をつくっていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 時間をオーバーしておりますので、本日はこれぐらいにしたいと思います。

 事務局から何かございますか。

○北波地域医療計画課長 第8回、次回につきましては、2月12日を考えております。詳細につきましては追って御連絡をいたしますので、よろしくお願いします。

○遠藤座長 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
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