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令和元年5月8日 第3回障害児入所施設の在り方に関する検討会(議事録)

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

令和元年5月8日(水)
16:00 ~ 18:30

 

○場所

中央合同庁舎第4号館 全省庁共用108会議室

○出席者

【構成員】

 原口構成員 宮野前構成員  柏女構成員   米山構成員  朝貝構成員   
 石橋構成員    水津構成員  小出構成員     濱崎構成員  鈴木構成員  有村構成員  
 市川構成員 木実谷構成員  北川構成員   森岡構成員   田村構成員

○議題

(1)特定非営利活動法人 日本相談支援専門員協会ヒアリング
(2)認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワークヒアリング
(3)全国医療的ケア児者支援協議会ヒアリング
(4)NPO法人 全国地域生活支援ネットワークヒアリング
(5)障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会ヒアリング
(6)公益財団法人 日本知的障害者福祉協会ヒアリング
(7)その他

○議事

【障害児入所施設の在り方に関する検討会(第3回)】

 

○山口障害児・発達障害者支援室長 皆様、こんにちは。それでは、これより第3回「障害児入所施設の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様、ヒアリングさせていただく皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、本日の構成員の出席状況でございますが、菊池構成員、相澤構成員、青木構成員が御欠席となっております。
また、部長は業務の関係でおくれて参ります。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としております。議事録については後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。また、厚生労働省における審議会等のペーパーレス化の推進の一環として、本検討会の資料は紙による配付を行っておりません。御不便をおかけいたしますが、御協力をお願い申し上げます。
構成員の皆様には、卓上にタブレットを設置しております。使い方について御不明な点がございましたら、事務局までお問い合わせください。
それでは、以降の司会は柏女座長、よろしくお願いいたします。

○柏女座長 皆様、こんにちは。連休明けると、本当に途端に仕事の山が降ってきて、バタバタしておりますが、皆様方も御遠方からお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。
前回からヒアリングをさせていただいておりますけれども、今回もヒアリングをさせていただく関係団体の方々に大勢お集まりいただきまして、心よりお礼を申し上げたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入っていきたいと思います。きょうは前回から引き続きまして、関係団体からのヒアリングを行うこととしております。スケジュール等について、事務局から御説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○山口障害児・発達障害者支援室長 それでは、初めに、本日お越しいただいています関係団体の方々を御紹介させていただきます。
特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会、代表理事、菊本圭一様。副代表理事、橋詰正様。
全国医療的ケア児者支援協議会、部会長、小林正幸様。太田幸弘様。
NPO法人全国地域生活支援ネットワーク、事務局長、小田泰久様。
障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会、代表、光増昌久様。運営委員、本田隆光様。
公益財団法人日本知的障害者福祉協会、政策委員会委員長、河原雄一様。障害者支援施設部会部会長、榎本博文様。
認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク、専務理事、福島慎吾様。主任、本田睦子様。
以上の6団体の方々においでいただいております。
本日のヒアリングの進め方ですけれども、1団体10分程度で御説明いただきまして、その後、各構成員の皆様から10分程度を御質問等の時間とさせていただいています。御発言・質疑それぞれ時間が来ましたら、事務局より合図をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
後のほうの団体の皆様については、しばらくお待ちいただくことになりますけれども、どうか御容赦いただければと思います。
また、先にヒアリングが終了した団体の皆様につきましても、全ヒアリングの終了後全体の質問の時間をとっておりますので、お時間の許す限りで結構ですので、可能であれば最後まで残っていただけますとありがたく思います。
それでは、座長、お願いいたします。

○柏女座長 以上のような予定で進めさせていただければと思います。6団体の方に御発言をいただきますので、質疑等と全体会議の時間を入れますと、2時間半ぐらいかかるかなと思っています。大体それくらいをめどにして進めていきたいと思います。今ほど事務局から御依頼がございましたように、6団体の方々におかれましては、もしも御都合が許されれば、最後に少し全体を通じての御質問等をさせていただければと思っておりますので、御協力いただけますよう、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、時間がありませんので、早速進めていきたいと思います。
まず、日本相談支援専門員協会様、どうぞよろしくお願いいたします。

○日本相談支援専門員協会(菊本氏) 改めまして、皆さん、こんにちは。今、御紹介いただきました、日本相談支援専門員協会で代表を仰せつかっております菊本と、きょうは副代表の橋詰の2名で参りました。このような場で発言の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。できるだけお手元の資料に書かれている内容の以外での文脈、行間のところで少し説明させていただこうと思っておりますので、10分間という非常に限られた時間でございますので、少し早口になってしまうかもしれませんけれども、その点については、お許しをいただきたいと思っております。
それでは、いただきました次第にのっとって少しお話をさせていただきます。
まず、視点-1でございますけれども、障害児入所施設の4つの機能につきましては、相談支援専門員の立場からお話しさせていただきますと、この4つの機能に非常に強く関与ができる立場であると自覚しております。ですけれども、実際には入所が児童の場合には措置ということになっておりまして、この点を鑑みますと、現実ではなかなか絡めない、関与しにくいというのが現状にあると思っております。
また、児童の問題につきましては、親権に配慮しなければいけないところもございますので、そういう意味では、専門職である相談支援専門員が関与することについては、我々も反省の念を持ちながら今回の発言の場をいただいているものと思っております。ですので、これ以降のもう少し具体的なお話につきましては、そういった反省も含みながら発言させていただくということでお聞きいただければと思っております。よろしくお願いします。

○日本相談支援専門員協会(橋詰氏) 副代表の橋詰と申します。よろしくお願いします。
私のほうからは、発達支援の機能や自立支援機能について中心に少し御報告させていただければと思います。発達支援の仕組みをつくる上でも、相談支援専門員は障害をお持ちになっているお子さんたちの福祉サービスを使う上で障害児利用支援計画を作成するという段階において、お子さんや親御さん、その育ちを応援していただいている周囲の皆さんのさまざまな状況を勘案しながら、どんな形で応援していただくかを計画としてつくらせていただいている立場にございます。一方で、そんな状況の中でニーズと言われている地域にそういった応援する手だてが実際にあるのか、応援の手だてとして受けていただいている福祉サービスの事業所の皆さんが、どういう形でどんな応援をしていただいているのかの実態を把握しながら、実際に、その方をそこの福祉サービスにつなげていくという仕組みの中で、なかなか支援がないという実態の中では、地域に持ち帰っていただいて、それはあくまで事業所の皆さんの課題ではなくて地域課題であるという位置づけの中で、協議会という仕組みを使いながら、お子さんたちが成長していく中でどんな支援が私たちの地域に必要なのかを一緒に考えさせていただいているような、ソーシャルワーク的な働きもしているという職種でございます。
そんな状況の中で、これまで障害児の入所施設の皆さんとさまざまな連携をとらせていただく中でも、専門的な発達支援の仕組みというのは支援の中にもかなり重複されていると思っていますし、実際にそれが地域の中でどう活躍されているのかと、実際に施設の中でどう機能しているのかの実態が、相談の私たちのところに届きにくくなっているという状況があります。そんな状況の中で、措置という話もありましたけれども、施設入所の入り口に当たって、実際にかかわってきたお子さんが入所施設を利用するという実態であった場合には、もしかしたら入所前からの実態をきちんとおつなぎすることができるかもしれないのですけれども、実際にはかかわりがない中で利用が始まってしまっているとか、実際に入所施設を利用されている中で相談支援がどうかかわるのかというところは、私たちの中でもすごく機能が弱いと思っています。
そんな課題の中で実際に期待することとしては、利用開始に当たっての状況が市町村も含めて相談支援がどうかかわれていくのか。そして、利用している実態の中で、そのお子さんがどう発達を遂げ、どう成長されて、実際にそのお子さんが地域に戻ってくるために、利用の中で地域の協議会はどんな形でお子さんを受け止めていくのかの準備をする段階がまだまだ足りていないという状況です。それはなぜかというと、どんな状況で支援されているのかという情報を地域がキャッチできる、情報の共有がまだまだ少ないのではないかと思っています。
そういう状況の中すごく評価していただいて、相談支援が利用実態の中で、入所施設がお持ちになっている相談支援事業所で計画をつくっていただいている方もいれば、外部の支援者が入って計画をつくっていらっしゃる方もいると思うのですけれども、そういう方たちが集って地域の課題として、そのお子さんをどう受け止めていくかを、利用中から地域の中できちんと共有していく仕組みをつくっていくことで、初めてお子さんが地域の中に出てくる、入所から移行していくという段階の準備ができる。そこをシステム化していくような仕組みを、ぜひ期待していきたいと思っています。

○日本相談支援専門員協会(菊本氏) 最後に、3つ目の視点で、入所施設に期待することと、私どものほうで危惧している点をお話しさせていただきます。
1つは、いわゆる成長を経てきて、お子様が18歳になられてからの意思決定支援というか、意思をどこでどのように酌み取るかの具体化に関して、かなり危機感というか課題感を持っているわけでございます。
具体的なお話をしますと、きょうの参考資料1にもありますように、障害児入所施設への入所理由は、ほとんどが虐待であったり、ネグレクトという形で、そういう意味では家庭環境に大きく寄与して入所している状況がございます。例えば、私が経験したケースでは、13歳でいわゆる性的虐待を受けて保護されて入所施設に入られて、その後、18歳になったときに、これは非常にありがたかったのですが、児童相談所の臨床心理士さんや入所施設のサービス管理責任者の方々が、御本人の今後の居所をどこにしていこうかということで丁寧に意思決定におつき合いいただいて、そこに我々も入らせていただいて支援させていただいたことがございます。今後も、そういった形のものをいわゆる個人のスキルや経験値だけに求めるのではなく、何か仕組み的なものにして、今以上の効果を上げることができないかところに期待を持っております。
そう考えますと、もう一点、私が所属している県の現状で申し上げますと、今、障害児入所施設が13~15くらいあったと記憶しておりますが、そのうちいわゆる福祉型のところは5カ所ぐらいになっていまして、以前よりも数が減っています。これはいわゆる児者転換によるものなのですけれども、そうしますと、児者転換によって児童施設から成人の施設に移行した方々への、前段に申し上げたような意思決定支援というか、どこに居所をつくって今後自分が生活していくかといったところに丁寧に関与できたかどうかは何らかの形で御検証いただいて、必要があれば当然、今、橋詰が申し上げましたように、地域の相談支援専門員等々と多職種連携をしていただいて、丁寧な意思決定によって居所、将来どんな暮らしをしたいのかに焦点を当てた取り組みをしていただければ、非常にありがたいと思っております。
以上でございます。

○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について、御質問等がありましたら御発言をお願いいたしますが、いかがでしょうか。どうぞ。

○石橋構成員 トップバッターを切るのはなかなか勇気が要るのですが、後からの方々にも皆、関係するかもしれませんが、私は障害のある子どもを持つ親ですけれども、地域の課題というのは親としてはできないですね。このときの「地域」と言ったら、私の受け止め方は町内会とか隣近所という意味で、そういうところの課題とは受け止められないです。今、地域の課題と言われましたけれども、これは幾ら時代が変わっても難しいです。これから御説明いただく方の資料にもありますけれども、皆さん方の考えている「地域」というのは何なのか。私も社会福祉協議会とかかわっていますが、「地域」と言ったらまさに住民なんですよ。この「地域」というのをどう考えているのか、「地域の課題として抱える」というのはどういうことなのかを説明していただければありがたいです。

○日本相談支援専門員協会(橋詰氏) もしかしたら用語の説明がうまく伝わり切らなかったかもしれません。申しわけございませんでした。私たち相談支援専門員が「地域」という言葉を使うときには、実際に今回いただいたテーマの中で「地域」は、1人のお子さんが地域生活をしている中で何らかの困難さを抱えている、それは御家族の介護だったり、御本人の生活だったり、もしかしたらアクセスだったり、さまざまな福祉サービスの不足だったり、いろいろな状況を相談の中で私たちが受け止めたときに、それは家族の問題ですとか、御本人の問題ですというところで解決はせずに自治体単位で、御家庭でお困りになっている状況が、もしかしたら別の御家庭でも同じような困難さを抱えているかもしれないという中で、それは個人の問題ではなくて私たち社会全体の問題だと受け止めて、そこをどう応援していくかというためには、施策が必要なのか、今回は施設さんですけれども、ハード面の施設さんの中での機能が必要なのか、家庭に入って応援ができるようなサービスが必要なのか、地域住民の皆さんにもっと理解していただくためのアクションを起こすためのさまざまな情報発信が必要なのかということを私たち自身がとらえさせていただいて、自治体の職員の皆さんや応援していただいている皆さん、一番は当事者であるお子さんをお持ちのお母さんやお父さん方と御相談させていただきながら、どうやったら住みやすい地域社会になるのかを考えていくための地域課題という説明の仕方をさせていただいたと御理解いただければと思います。

○石橋構成員 自治体ということですが、先ほど言いました「地域」というのは周りということも含まれますので、それだったら逆に、当事者の親として物すごく負荷がかかる御意見だと受け止めました。自治体とか社会の課題ですよというのだったら、当たり前のことですから何の違和感もなくスッと入ったのですが、地域の課題ということに関しては、当事者の親としては物すごく負担に感じました。

○柏女座長 ほかはどうでしょうか。
よろしければ、私から今の御発言を引き継ぐ形で御質問を1つさせていただいてもいいでしょうか。
自治体ということで言えば、先ほど相談員の先生方からお話があったのは、入所してしまうと児童相談所がかかわるので、今は県がかかわるので、なかなかかかわれないという話があったのですけれども、この検討会の以前の検討会でも、障害児入所施設のサービス決定権限を市町村に委譲する、つまり県という自治体ではなくて、市町村に委譲してやれば一元的にやれるのではないか。そこに相談員がかかわればいいのではないかという話があって、実現しないままに来ているわけですけれども、このことについてはどのようにお考えになりますか。

○日本相談支援専門員協会(橋詰氏) サービスの決定権をどこに持つかという問題も確かにあります。市町村に委譲された場合には、少なからず距離感は近くなるとは思いますが、実際に行政担当者は、例えば、そのお子さんの入所にかかわったときに、経過の中では必ず異動されていて全く知らない担当者に切りかわっているという状況があって、ケース記録と言われるような書類上は実際には継続されていくかもしれないですけれども、そのお子さんを育ててきたお母さんやお父さんたちの思い、感覚的にそこで感じとって応援しなければいけないとか、私たちはもっとこういうことをしなければいけないという、そこまでの引き継ぎが全て記録に残されているかというと、なかなか難しい部分があります。それについては、そこの継続性を持って相談ができる体制をつくっていくことが私たちの使命だと思っていますので、市町村単位で委譲されていることについてはすごく賛成します。ただ、それだけで解決できる問題ではなくて、もう少しそこに上乗せ的な仕組みをつくっていただきたいというところに、今回は相談支援を入り口から継続してかかわらせていただくような仕組みを御提案させていただいたという経過です。

○日本相談支援専門員協会(菊本氏) 補足させていただいてよろしいでしょうか。きょうの資料の中にも書かせていただきましたけれども、いわゆる成人のほうというか障害者のテーマの中では、地域生活支援拠点の整備というのがどこの自治体でもテーマになって進められていると思っております。私が所属している地域では、地域生活支援拠点の整備の中にしっかりと、重身の方や入所施設に入られる対象であるような障害児といった方々が、地域で、自宅で、生まれ育った場所で生活を続けていくことを希望したときには、それを支えられる仕組みをつくっていこうではないかというキャッチコピーをつくりながら、この地域生活支援拠点の整備を進めているわけです。
そうしますと、今、橋詰が申し上げましたように、入り口のときにかかわっている者、入所後にかかわっていく者、それから退所が予定されている、その年齢を迎えたときにかかわっていく者が同じ方がかかわることによって、そういう意味ではちょっと言い方が悪いかもしれませんけれども、地域からつまみ出してということではなくて、一旦家族との生活が離れたりするかもしれませんけれども、また戻るということも前提に考えていくためには、一貫性のある仕組みは必ず必要だろうと思っています。それが例えば、今の県レベルではなかなかしにくいので基礎自治体レベルでするべきだということについては、私も賛成というところはあります。

○柏女座長 ありがとうございました。
では、北川構成員。

○北川構成員 ありがとうございました。実態は、施設長さんたちが次の場所を一生懸命探してやっと見つかったとか、なかったとか、本当に施設長さんたちや施設の方々の努力で自立支援の次のところを探しているという実態がありますので、今後は相談支援の方々も自立の仕組みの中に加わってくださってやっていきたいというお言葉をいただいて、本当に力強く思いました。今後もよろしくお願いしますという感想です。ありがとうございました。

○柏女座長 ありがとうございます。
では、原口さん、お願いします。

○原口構成員 ありがとうございました。少し細かい質問になってしまうかもしれないのですが、地域の自治体の仕組みと少し関係するかもしれないのと、資料で言うと社会的養護機能の部分に少し関連した質問なのですが、現状として相談支援専門員の方や相談支援事業所が、例えば、地域の要保護児童対策地域協議会(要対協)にどのくらいかかわられていたり、また、かかわっている中で感じられる課題がもしあれば教えていただければと思います。

○日本相談支援専門員協会(菊本氏) 要対協に絡んでいる事例はかなり多くあると思っていますし、また、私の経験から申し上げますと、要対協に実は生活困窮者と自立支援相談支援機関が絡むことも非常に多くなっていると思っています。いわゆる、要対協の中に上げられてくるケースの背景が困窮だとか虐待といったときに、原因が困窮に起因するのではないかということがあると呼ばれることもありますので、障害の問題で呼ばれたり、困窮の問題で呼ばれたりということでかかわる機会は多くなっていると思っています。
ただ、ここは仕組みの少しマイナス部分になるかと思いますけれども、いわゆる虐待が認定された途端に、相談支援専門員が一歩退くというか、自治体の責任になるものですから、そこに一緒にかかわれている自治体もあれば、そこで急に相談支援専門員はストップで自治体主導で全て進んでいってしまうということで、先ほど御感想いただいたように、そこで本当はそのまま相談支援専門員も並行してかかわっていきたいというのが我々の望みですけれども、先ほどのお話ではないですが、自治体主導になった途端に、入り口のところ、出口のところでのケア会議等々、真ん中の入所後ではなかなか呼ばれなくなってしまうというところがあります。これは御存じのことだと思いますけれども、まだまだ相談支援専門員の体制も脆弱でございますから、そういう意味では、そこが余裕を持って対応できている地域というのは余り多くないと思っておりますので、冒頭でもお話しさせていただいたように、私たちとしてもこの問題については反省を感じながら発言させていただいているという趣旨でございます。

○柏女座長 ありがとうございました。
どうぞ。

○田村副座長 御苦労さまです。相談支援専門員が障害児の入所施設の入り口と出口でということで、利用中のところがなかなか難しいという話もありましたけれども、まさにそこが鍵なのではないかと思うのですが、いわゆる利用中にどういう利用のされ方、あるいはどういう本人主体の支援ができているのかを共有するような仕組みが必要なのではないかと思ったりして、今の入り口と出口の話だけだと、それまでの経過を余り知らないまま出口でかかわるということになると、結局入り口の行政の話と同じようなことになってしまうので、利用中も含めて継続的に相談支援機能を果たせてガラス張りになるというのがいいのではないかと思ったりするのですが、そのあたりはどうお考えですか。

○日本相談支援専門員協会(橋詰氏) 御質問いただいた内容のとおりだと私たちは思っておりまして、実践の中での例を少し挙げますと、例えば、中学の義務教育が終わった方たちが障害児施設に入所するという状況では、数年で加齢になるので受け側もかなり抵抗感はあると思うんです。出口の問題をどうしていくのかということがあります。そんなとき、きょう冒頭にもお話しさせていただいたのですけれども、例えば、中学校を卒業して入所するという状況だとすれば、3年後に地域に戻る準備のための入り口の相談支援が必要です。自分たちの生活圏域にその方が戻ってきてくださるための準備をどうするかというために、少なからず3年間はその方の成長をきちんと追っていく中で、中には一般就労するような力を身につけていかれる方もいれば、実際にはかなり障害が重くて手厚い介護体制を整えておかないと地域に戻ってこられないという方たちもいると思うのですけれども、そんな状況をずっと追っていきながら、最終的には3年後に自分たちのエリアの中で家族と近い中でしっかりと受け止めるために、宿題として入り口で預かってくるという仕組みを相談支援はやっていくべきだと思いますし、それがあるがゆえに15歳を過ぎた方たちの利用と地域移行が計画的に行われていくという実践をさせていただいてきたという経緯がございますので、そんなイメージを私も持っていますので、今の御発言どおりに進んでいくことが重要かと思っています。

○柏女座長 ありがとうございました。
まだたくさん御質問あるかもしれませんけれども、最後のところでまたお願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、続きまして、おくれてお見えになりましたけれども順番どおりにいきまして、難病のこども支援全国ネットワーク様、よろしくお願いいたします。

○難病のこども支援全国ネットワーク(福島氏) ただいま御紹介いただきました、難病のこども支援全国ネットワークの福島と本田でございます。本日は、このような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず初めに、本田から私どもの活動についての御紹介をさせていただきます。

○難病のこども支援全国ネットワーク(本田氏) では、私のほうから難病のこども支援全国ネットワークの概要についてお話しいたします。
難病のこども支援全国ネットワークは、難病や慢性疾病、障害のあるお子さんとその家族を支援する団体として、1998年2月1日に設立されました。会員数は807名となっております。
それらの子どもたちと家族は、医療の面だけではなく、教育や福祉あるいは社会生活の場面でもさまざまなハードルにぶつかります。治療の選択や教育、日々の暮らしで出会う問題など、多様で複雑かつ専門的なハードルを1つの家族の力で乗り越えるのにはとても大きな困難が伴います。そこで、難病や慢性疾病、障害のある子どもの親たちと小児科医を中心とした利用関係者が集って活動が始まり、そうした子どもたちと家族、これらを支援するさまざまな立場の人たちとともに、時のニーズに応じながらいろいろな分野で子どもたちと家族のQOLを高める活動を進めています。
主な活動としては、相談活動、交流活動、啓発活動、地域活動、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業を東京都から委託を受けて行っております。
相談活動として、電話相談、遺伝相談、ピアサポート活動があります。電話相談、遺伝相談は看護師、社会福祉士、医師などの専門職が御家族からの相談に対応しております。一番多い相談は、同じ病気の方と知り合いたいというお友達探しがとても多く、患者会がない疾病のときには、御希望があれば登録していただいて、当会のホームページや機関誌で、この病名の御家族を持つ方がお友達を探していますとお載せして、その方たち同士をつなぐお手伝いを行っております。ピアサポート活動は、病気や障害のある子どもを育てた経験者が同じ立場として、今不安に思っている御家族の心に寄り添う活動を行っております。
交流活動としては、難病や慢性疾病、障害のあるお子さんや親、きょうだいが出会って交流を深めるような、サマーキャンプがんばれ共和国の開催や親の会同士が情報交換や交流を深める場として、親の会連絡会を開催しています。親の会連絡会に参加している団体は60団体となります。
また、難病や慢性疾病、障害のあるお子さんや御家族の暮らしを知っていただく、そして理解を深めるための啓発活動として、こどもの難病シンポジウムや病弱教育セミナーの開催も行っております。
地域活動としては、山梨県北杜市の白州にレスパイト施設あおぞら共和国を建国しております。
難病ネットでは、サマーキャンプを長年にわたって開催しており、毎年1,000人くらいの方が集って交流していたのですが、これまでは既存の宿泊施設をお借りしていたのが、さまざまな気遣いもあり、課題もありました。いつか気兼ねなく過ごせる場所が欲しいねということをいつも話し合っておりました。そのときに山梨県北杜市白州に3,000坪の土地を御寄附いただいたので、難病や障害のある子どもたちと家族が好きなときに気兼ねなく数日間を過ごせる場所、みんなの別荘ということで建国しております。現在最大55名の宿泊が可能で、また、100人集まれる交流棟もありますので、親の会のキャンプなどにも利用することができます。今までに5,000名宿泊していただいております。
最後に、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業については、東京都より委託を受けて行っております。必須事業の相談事業と、任意事業としては遊びのボランティアとして、病院だけではなく御自宅にも伺って、遊びを通して楽しい時間を過ごす活動も行っております。また、交流会としては、平成27年に行った東京都の小児慢性特定疾病を抱える児童等の実態調査で明らかになりました、子どもの発達や成人移行支援、就労などに関する子どもの困り事やニーズに即した交流会を行っております。
このように、御家族に近い立場でかかわっている中で感じました障害児入所施設のあり方に関する意見を、福島から述べさせていただきます。

○難病のこども支援全国ネットワーク(福島氏) 今、私どもの活動について本田から縷縷ご説明させいただいたとおり、私どもは施設を有している団体ではございませんし、基本的には在宅で生活をしている難病、慢性疾病、障害のある子どもとその家族という立場でございますので、専門家の皆様に余りお役に立つ情報は提供できないかもしれませんけれども、お手元の資料に従って幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。
今申し上げましたとおり、私どもは主として在宅で過ごしている障害のある子ども、障害児者とのその家族ということでございますので、4つの機能で見ると一番関心があるところは、地域支援機能の在宅の障害のある子どもと、その家族に対する補完的な意味での対応ということになるかと思います。
もう一点は自立支援機能ということで、いろいろ理由があって入所せざるを得ない人たちの地域移行に向けた支援といった部分が、主として関心がある部分ということになるかと思います。
視点-2の入所施設全般に関して課題と感じることでございますけれども、1点目は、住み慣れた地域から隔絶されたような環境にある施設も見受けられるのではないかと思っております。
それから、重心の施設のように医療型の施設におきましては、医療の色を大変強く感じることが多く、医療機関との差異が感じられないということもふだんから感じるところです。
また、重心の施設については、これも皆様御案内のとおりだと思いますけれども、入所者の高齢化が大変著しく進んでいるというのも、訪問するたびに強く感じるところでございます。
いわゆる歩く・動くような医療的ケアのある、気管切開しているけれども歩くことができるような子どもたちも最近、地域で暮らしていたりするわけですけれども、そういった医療的ケアのある子どもたちの行き場所、これは入所施設に限らず学校などもそうですけれども、受け入れる場所がない、行き場がないということも感じております。
最後に、家庭環境に近いという意味で、小規模化あるいはユニット化といった部分がまだまだ足りないのではないかと思っております。
視点-3につきまして、障害児の入所施設に期待することでございますけれども、これも先ほど申し上げました医療的ケアのある子どもを育てている家族のレスパイトとしてのミドルステイの場、ショートステイについてはもちろん課題はいろいろあるとは思いますけれども、もうちょっとそれより長く1週間、2週間レスパイトができるような場所が圧倒的に少ないと思っておりまして、世田谷区の成育医療研究センターの中に、もみじの家というものがございますけれども、長い間待たないと利用できないという状況がありますので、そういったものをぜひ全国的に整備していただきたいと。そういった部分で入所施設の果たす役割というのもあるのではないかと思います。
最後は、親亡き後のセーフティーネットとしての役割というのは、どうしても必要だと思います。冒頭にも説明させていただいたとおり、基本的には在宅で生活している親たちが中心となっておりますけれども、親もどんどん年をとって介助するのも大変という状況も多くございます。
最後に、その他のところですけれども、私の子どもは脊髄性筋萎縮症という神経難病で全身性の肢体不自由なのですけれども、もう成人しているのですが、1人で外出する機会も多くて、そういった場合にこんなサービスがあったらいいなと、入所施設もそういうところにかかわれるのではないかと思ったものが2点ほどございますので、簡単に御紹介させていただきたいと思います。
1点目は、外出したときにトイレを介助してくれるトイレ介助ステーションのようなものが地域にあると大変助かると感じます。全身性の障害のある人が外出をしたときに、主として人が多く集まるような地域の中心都市や繁華街などに出かけることが多いと思いますけれども、こういった場所でトイレに行きたくなったときに駆け込めるようなサービスがあると大変助かると思います。
例えば、合羽の着脱といったものであれば、駅員さんにお願いするとか通行人の方にお願いすることはできると思いますけれども、一般の方にトイレの介助というのは事実上無理といいますか、非常にハードルが高いわけで、障害児の入所施設に限らず障害者の通所施設でもいいと思いますし、介護保険の施設でもいいと思いますけれども、何かあったときに駆け込めるような場所が地域にあるといいなと。現行は御案内のとおり、移動支援や重度訪問介護などを使ってヘルパーを連れていくという形になるわけですけれども、トイレ介助だけ必要だという方も中にはおりますので、そういったものがあれば障害福祉サービスのコストの削減にもつながると思いますし、本人にとっても大変助かると思います。
今申し上げたものと2点目は一部重なるところはございますけれども、外出先において大規模な災害等が発生したときに、一時避難ができるような場所として施設が機能するととても安心できると思います。昨今、地震だけではなくていろいろな災害が起こるわけですけれども、機会としてはそんなに多くはないかもしれませんが、そういった拠点に駆け込めるような形のシステムが社会にあると、とても安心して外出ができる。そういった意味では社会参加につながるのではないかと思います。
以上でございます。ありがとうございました。

○柏女座長 ありがとうございました。
では、今の御説明について御質問等がございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
では、米山さん、お願いします。

○米山構成員 御発表ありがとうございました。在宅を考えてみると、私も30年余り前に病院に入所している神経・筋疾患のお子さんを在宅でできないかということを模索した時代から、今はある意味、呼吸器療法も3,000を超えるという形でふえてきて、本当に家庭で生活する、在宅で生活することが根づいてきたなと思っています。
きょうまとめておっしゃられたとおり、在宅側からすると、レスパイトやミドルといったところがまだまだ足りないということもあるのですが、2つお伺いしたいのは、先ほどの重症心身障害のようないわゆる寝たきりといった方等でなく、動く医療的ケア児と言われたりする移動のできる方というのは、肢体不自由の施設でもお預かりしにくさがあったりして、そこはうまくマッチングしていないということが実態としてはあります。その辺はどのような形が、具体的に要望はしているけれどもなかなか難しいというような、受け入れの施設などがうまい具合に、もみじの家以外で好事例があれば、教えていただきたいと思います。
それから、今回テーマで社会的養護ということで考えると、なかなか障害児施設に入れずに病院などで生活している方がまだまだおられると聞いておりますけれども、もし、そちらの団体でその辺の数等々を把握していらっしゃれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○難病のこども支援全国ネットワーク(福島氏) 1点目の動く・歩く医療的ケアのある子どもということですけれども、在宅で暮らしていても現実的には障害福祉サービスの利用にはなかなかつながりませんし、小児慢性特定疾病の自立支援事業というものが4年ほど前から始まっていますけれども、その任意事業としていろいろな事業をすることはできるのですが、現実的にはそういったサービスを提供している自治体は今のところほとんどありませんので、私が聞いている範囲では、ほとんど具体的なサービスには結びついていない。ただ、そうは言っても子どもの場合は、例えば児童発達支援であるとか、放課後等デイサービスにおいては、一部の事業者さんで非常に大変な御苦労があるかと思いますけれども、やってくださっているところも少しずつはできてきているのかなと思いますが、ただ数としては圧倒的に足りないと思います。
それから、病院に長期にいる子どもでございますが、数等については大変申しわけないですけれども把握しておりませんが、先ほど団体の紹介のところでお話しさせていただきましたが、私どもで小児慢性特定疾病の自立支援事業の任意事業として、遊びのボランティア・プレイリーダーを病院に派遣する事業をしておりますが、かなり長くレスパイトと称してほぼ病院に暮らしているような子どもたちも、人数はそんなに多くはないかもしれませんけれども、現実的にはいますので、そういったところにも少しずつサービスの光が当たってくるといいのかなと思っております。

○柏女座長 よろしいですか。
もうお一方、どなたかありますか。お願いいたします。

○木実谷構成員 重身の施設経営をしておりますと、入所という機能が在宅の方にとっては非常に頼りになる場所であると。最後の最後に頼るところであるという言い方をされる方もいるのですけれども、私は入所施設というのは障害を持っている方に全てに対してあらゆる機能を持ってあるべきではないかと思っています。入所VS在宅という感じではなくて、入所の中に長期、在宅で頑張ってきたけれども入所施設があるから最後の最後にお願いしようという気持ちで頑張れたという方もたくさんいるので、そういう存在としての入所施設も大事だと思っていまして、それまでのプロセスとして、ミドルステイも含めてできることがたくさんあればいいなと思っています。ただ、現実にはなかなか手が回りません。やりたい気持ちはいっぱいあるのですけれども、九州の施設のようにローリングベッドという考え方で、1つのベッドを共有して年に何人かの方でシェアしていくという、手続的にはとても大変みたいなのですけれども、そういう形でみんなで利用するというのも一つの方法だろうと思いますし、入所機能が在宅の最後の最後の両極端にあるのではなくて、もうちょっといろいろなステップで入所施設が働けるようになっていったらいいのかなと思っています。現実にはとても難しいことであることは承知しているのですけれども、今、お話を聞いていて強く感じました。

○柏女座長 ありがとうございます。御意見ということでよろしいでしょうか。
難病のこども支援全国ネットワークの皆さん、ありがとうございました。
続きまして、全国医療的ケア児者支援協議会様、よろしくお願いいたします。

○全国医療的ケア児者支援協議会(小林氏) 全国医療的ケア児者支援協議会、親の部会の私、小林と申します。同行者は、うちの子どももお世話になっていますが、我々の会でいろいろお力をいただいている横浜市のキャマラードという施設を管理されている太田です。よろしくお願いいたします。
本日は、このような場をいただきまして、どうもありがとうございます。資料に沿ってお話しさせていただきたいと思います。 まず、資料でお話しさせていただきますと、一番最初に私の名前も出ているのですけれども、私も、お話がありました「重症心身障害児が歩くようになった医療的ケアも伴っている児」の親です。児は16歳になります。施設入所はレスパイトを使っており、先ほど言われているショートやミドルも使っていますけれども、ロングとなると見込みはなく、なかなか難しいです。我々や当会の親たちもだんだん体が衰えていく中で、今後どうやってこの子たちと生きていくのかということに、非常に大きな関心を持っています。そういった方々が集まる親の部会を私がまとめております。
2ページ目ですけれども、当会について簡単にお話しさせていただきます。
当会は「全国医療的ケア児者支援協議会」という長い名前になります。事業者部会と親の部会があります。事業者部会に関しましては、フローレンスの駒崎が事務局長をしており、医療者では、はるたか会の前田医師が代表です。その中で親の部会もありまして、そこにはいろいろな医療的ケアを持っている方が集まりまして、そこで困ったことをお互いに話し、情報・課題共有、解決していくような場となっております。
こちらの資料では、ビジョン、ミッション等を掲げておりますが、その中で我々は事業者部会と親の部会で協力し合って、親の部会から問題から吸い上げて政策提言に持っていくことをやろうとしております。
その中で、うちの子どもは「重症心身障害児でしたが歩くようになった」ということで先ほどお話しさせていただきましたが、施設入所について今回お話しさせていただければと思います。
3ページです。本日お伝えしたいことということで4点お話をまとめさせていただいております。
まず1つ目は、医療的ケア児者の多様化についてです。2点目は、施設入所の5つの問題と課題をお話しさせていただきます。3つ目と4つ目に関しましては提案という形で、医療型から総合型、もしくは福祉型から総合型へという形での提案をさせていただきます。
1点目、医療的ケア児者の多様化につきましては、医療的ケア児者が医学の進歩もしくはデバイスの小型化によって在宅医療に移行し、長命化しています。その結果として、リハビリを重ねて、重症心身障害児だった方々が歩けるようになり、「動く重症心身障害児」・「歩く重症心身障害児」が生まれてきています。この方々が、成人して施設入所していくための課題に関しては、まだ余り社会では取り上げられていないと思っています。既存制度では多様化した医ケア児者に対して評価し切れないところがありますので、皆さん施設入所ができないということで困ったという声を聞きます。
2点目として、障害児者施設の5つの問題と課題を挙げています。こちらに関しましては別途御説明しますので割愛させていただきます。
3点目、医療型と福祉型がありますけれども、短期入所の施設が少ない状況に対して、医療型では外部人材を入れていただきたい、そして総合化していただきたい。短期入所というのはミドルというお話もありましたけれども、回数をふやしてその実績をもって施設側の方々も安心して、長期で預かっていただけるようなプランを、考えていただきたいと考えています。
一方で、福祉型には医療がありませんので診療確保が課題になります。診療確保のために制度と法を整備していただいて、その場所を確保していただく。あわせて外部人材を入れていただくことが必要になってくると思います。
右側の絵について一番上だけ説明させていただきます。大島分類があります。知的と身体のところで十字になっておりまして、一番濃い部分が重症心身障害児と言われております。右側の絵はキューブになっていますが、こちらは非常にわかりにくい表ですが、これは医療的ケアという3軸目を持ってきたときに立体になります。そうしますと、一番コアな部分の重症心身障害児者ですが、長命化したことによって生きながらえた方々が多様化することによって、8個のマトリックスへシフトしていきます。この図は、そのシフトを示しており、その中で生きながらえる方法を考えていくことが我々の課題ではないかと思っています。
続きまして、我々は施設を持っている会ではありませんので、今回のお話に関しましては、状況と保護者からの需要面でのお話をさせていただきたいと思います。
4ページ、医療的ケア児者の多様化です。当会では、保護者等々500人以上いらっしゃるのですけれども、その中でデータを集めておりまして、「医療的ケア児者のうちで重身の人」が6割ぐらいです。さらにその中で、当会では「動く重症心身障害児」として約5%が移動可能で知的障害を持ち、医療と同時に見守りや行動援護が必要な方々がいます、これらの方々は、非常に希有です。さらに、「話す重症心身障害児」として、約21%の方が、移動が不可能で知的障害が比較的軽度で、コミュニケーション可能な方々がいます。参考として資料を見ていただきますと、2・3の医療的ケアがまずあり、知的障害あり・なし、そして緑とオレンジの2段階層に分かれまして、1,重症心身障害児、2と3が重症心身障害児として認識されない医療的ケアのある方。そして4、学校に行けないということで今よく問題になっています医療的ケア児者のみの方々がいます。人数比としましては、大体重身の方が54%いまして、5%、21%、そして20%という形になっています。
さらに右側の※2ですけれども、東京大学の上別府先生からいただいたデータを私のほうで加工したものですが、短期入所施設を利用したいと思ってできている方々の割合です。需要度は加味していないのですけれども、実際に使えているか、使えていないかに関しては、重症心身障害児者に対して、「動く重症心身障害児」と「話す重症心身障害児」は、低めの数字が出ている状況にあります。
次に、問題と課題についてお話しさせていただきたいと思います。
先ほど割愛させていただきましたが、5つの問題と課題です。絵を見ていただきたいのですが、左から右へタイムラインになっています。入所までの壁と、施設入所後生活の壁、地域共生への壁という形で5つ問題と課題を挙げさせていただきます。
まず1,施設が少ないということです。短期入所・日々のショートに合わせてミドルも少ない状況で、利用しにくくなっています。
それらに対して2,個別化が難しいという状況です。先ほどお話ししましたけれども、「歩く重症心身障害児」を見ていただくことがかなり難しくなっています。
さらに施設に入りましてから、今度は3,QOLが挙げられます。医療的ケアをやったり、食事をさせたりしていますと、医療者、福祉職の人数だとなかなかQOLまで回らない状況になっています。そのために自立支援活動をしてほしいのです。これは、親としても希望し、なかなかたりない状況になっています。
4,施設運営の人数が厳しいということで、設備、医療人材やマネジメント等が必要になってくると思っています。1で挙げた少ないという問題と課題の中で、2・3を達成するためには、質の高いマネジメントスキルが必要と考えています。
さらに5として地域移行の問題と課題があります。そういった医ケア児者が慣れ親しんで、もし長期に入れたとしましても、施設に居続けるか、地域に戻るかを判断するタイミングがいつか来ると思います。そのときに地域に戻るにしましても、共生社会と言いますが、各地域である程度問題を解決しようとしているがために、今度は保護者が転居しようとしたときに、あわせて移動することがなかなか難しい状況が起きてきています。
1,施設が少ないに関しましては、保護者たちの視点としては自治体に一定数の施設があってほしい。
2,個別化に難ということですけれども、施設入所の際に「療養介護」を求められます。「療養介護」という制度の要件は、現在入院している方々に向けてつくられているので、医療的ケアや在宅がこれだけ進められている中で、「医ケアを必要とする歩く重症心身障害児者」の要件と相反しており、このような方々へ余り対応できていません。そこで、療養介護の見直しをお願いしたい。見直しの素案は、APPENDEXに挙げてあります。また別途説明させていただきます。この「療養介護」の見直しに加えて、「医療法第1条」や「健康保険法」もあわせて、在宅と医療もしくは医療の場が限られていますので、そこも見直していただき、障害児者施設も医療の場として再定義していただきたいと思っています。
3,のQOLとしましては、障害に沿う医療とICTがこれだけ話が進んできていますので、そういったところも入れていただきたいです。「ICTセラピスト」という余り聞き慣れない言葉が入っていると思います。これは当会から総務省に提案させていただきましたけれども、今、医療的ケアのためではなく、障害者全般に向けての視線入力、脳波入力がいろいろ発達してきています。それを現場でキャリブレーションして、その子に合わせてくれる方々がいません。その方々とOT・PT・STの方々がうまくミックスすることによって、新しいシナジーがあらわれると思っています。そういった方々をカバーする制度があっていただきたいと思います。
4,施設は外部人材、訪問看護を施設に派遣するとか、重度訪問介護の適用年齢を下げたうえで施設に派遣し、不足する人材を補うことも検討していただければと思います。
最後に、5,地域共生社会ですけれども、医療的ケア児者が長く生きていきますと担当者が変わってしまいますので、そういった方々が情報を引き継いでいくことがなかなか難しくなっていますので、データベース等の管理もあってほしいと思います。
続きまして6ページです。こちらは提案になります。先ほどのイメージですけれども、先ほど、障害者の施設はあらゆる機能を持ってほしいというお話が構成員の方からあったと思います。そのために医療と看護師だけではなくて、セラピストが入ったり、福祉スタッフ、教員やデバイスができるような方々、また後見・補助・補佐ができる方に入っていただきたいと思っています。
このページの下の図もタイムラインになっておりまして、児童の在宅安定期に関しては、短期入所、レスパイトを行って、施設のほうは濃い緑のところですけれども、短期入所の積み重ねをしながら長期入所に導いていく。長期入所をある程度、親から離れて自立した後、地域に戻るかどうかまで制度設計をしていただく必要があると思います。入り口と出口というお話もありましたけれども、そのところでも相談支援の方に力をいただいてお願いできればと思っています。さらに、医療と生活だけではなく、趣味・娯楽の点に関しましてもQOLを上げるための自立支援やそのためのICTセラピスト等が必要だと思いますので、制度設計をお願いしたいと思います。
提案の最後、福祉型から総合型へということでお話しさせていただきます。
冒頭部分に1・2と書いてありますが、福祉型から総合型になる場合は「診療の確保」が課題になっています。「診療の確保」ためには外部人材を引き入れるためのインセンティブを持つ制度構築が必要になります。これは医療型と似ています。現在の問題とあるべき姿等を左側に書いておりますが、生活の場で医療を提供できない。そのため、あるべき姿では生活の場で医療を提供するようにしてほしい、それが施設であってほしい。そのためには何があるかというと、「医療法」の第1条で医療を提供できる場の規定がありますので、そこに障害者施設を入れていただくことを何とかお願いしたい。制度が適切に運用されているかどうか監視する目も必要だと思っておりますので、そこも必ず入れていただきたいと思っています。
右側に福祉型施設の課題を9つ書いております。こちらも1、モデルデザインや2,介護職の確保、3,看護師の確保、4,診療確保、5,卒後であっても自立できることをゴールとした教育の確保、6,各種セラピストを5,のために導入すること、7,診療補助、8,介護職補助、9,地域移行の支援ということで、同じように書かせていただいています。こういった課題を解決した上で、私たちの提案としましては、福祉型から総合型へ構築していただければと思っています。
APPENDEXをさらっとお話しさせていただきます。重症心身障害児の多様化ということで先ほどお話ししましたけれども、重症心身障害児に対して医療的ケアを含めていただきたいと思っています。そうしますと、大島分類に医療的ケアを補記した「8類型」を提案します。これに合わせて制度設計・支援をお願いできれば、医療的ケアを必要とする「歩く重心障害児者」「話す重心障害児者」にも適応できると思っています。
9ページですけれども、「療養介護」は医療的ケアが必要な方々は、「常時医療が必要な方」と改めて認識していただいて、「療養介護」を施設入所のために見直していただいて、施設とうまく連携できるように、この5項目に関して見直していただきたいと思います。
最後は、ICTセラピストのお話です。3つの仕事、1,キャリブレーション、2,アウトプットとして意思表示できない人に言語以外の意思表示ができるような支援もしていただきたいですし、3,インプットとして、本人が周りの状況を音声の言語外で認識でき、発信できるような感覚の補助もあってほしいと思っています。
以上、我々の主張として、保護者の需要としまして施設が少ないこと、それに対して個別に対応していただいて、長い目で見ていただけるような制度設計をお願いしたいということです。
以上です。どうもありがとうございました。

○柏女座長 ありがとうございました。
ちょっと時間が押しておりますので、お一人、お二人御質問がございましたら、お願いしたいと思います。
では、小出さん、お願いします。

○小出構成員 育成会の小出です。私も障害児を持つ親でございます。障害児、お子さんは16歳ということですけれども、この中で医療的な総合施設をということを強く言われていますけれども、児の期間というのはどうしても教育との関係がありますよね。小林さんのお子さんは、教育については今までどういうかかわり合いをもっていらしたのかお伺いしたいと思います。

○全国医療的ケア児者支援協議会(小林氏) 個人的なお話になってしまうのですが、特別支援学校に通学させていただいております。バスで通うことができています。ただ、その中でうちの子どもは言語、音声が全く入ってきませんので、iPadを使ってアプリを入れまして、音声以外の言語でのコミュニケーションの獲得を目指していますが、専門の方々がなかなかいらっしゃらない状況ですので、そこが難しいです。ただ、その中で特別支援学校の教育に関しては、本人は楽しくやっています。そういった状況ですので、親が望むものと提供されるものとの乖離があります。それは何かといいますと、本人は今の特別支援教育の中で生きていますけれども、そこからさらに出て親亡き後自立するために必要なICDや発信、インプット・アウトプットのことはまだサポートとして足りないと思っています。このサポートを卒業したとしても施設で自立支援を含めて行っていく体制があると安心です。

○小出構成員 ありがとうございました。教育とのかかわり合い、医療的ケアの必要、そこは重要なポイントになるかと思います。

○柏女座長 もう一人ほかにございましたら、どうぞ。よろしいでしょうか。
貴重な情報もたくさんいただきまして、ありがとうございました。お時間がございましたら、最後までお願いできれは思います。
続きまして、全国地域生活支援ネットワーク様、よろしくお願いいたします。

○全国地域生活支援ネットワーク(小田氏) 皆さん、こんにちは。NPO法人全国地域生活支援ネットワークの事務局を務めております小田と申します。本日は、大変貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、着座にて御説明させていただきます。
まず、私ども全国地域生活支援ネットワークですけれども、障害児者の通所サービス及び障害児者の相談支援サービスを行う事業者、個人の団体でございまして、とりわけ通所サービスや居宅サービス、グループホーム等の居住サービスを主に展開する立場から、本日意見を申し述べさせていただきたいと思います。
視点-2の障害児入所施設全般に関して課題と感じることについてということで、2点を中心に御説明させていただきます。
まず、1点目の強度行動障害児特別支援加算の緩和についてでございます。こちらは最後のページの参考資料を御参照いただきまして、一番下に小さい字でアンダーラインが引いてあります、福祉型障害児入所施設の強度行動障害者特別支援加算13人に関して、少し意見を申し述べさせていただきたいと思います。
平成30年4月時点での数字ですけれども、算定は全国で13人にとどまっております。こちらは極めて少ない人数かなと感じております。この要因は、加算要件が厳し過ぎるものと思われるため、結果として強度行動障害支援者養成研修の受講のモチベーションにつながりにくくなっていることが想定されることから、この加算要件の緩和が必要であると私どもは考えております。
同じく人材育成につながるのですけれども、強度行動障害のある方に関しては、障害特性に合わない環境から、つくられた障害と言われております。そういった環境をしっかりと未然に予防していくことが肝要であることから、そのためには児童期に障害特性をしっかり理解したかかわりが重要であり、障害児入所施設には必要な知識と技術を身につけた人材育成をさらに進めていただくことが虐待防止であったり、職員の負担を軽減したりといった職員の離職防止にもつながることから、こういった人材育成をお願いできればと考えております。
最後になりますけれども、他の団体の方と同じような意見になってしまうのですが、入所施設ということでサービス同士のかかわりがなかなかない状況が続いております。でも、もっともっと柔軟にサービスが使えるようになることが子どものためになるのかなと思いますので、入所施設、通所施設、相談支援事業所との連携が図れるように、サービスの柔軟化を求めていくことが今後期待することとして挙げております。
以上です。よろしくお願いいたします。

○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。
市川さん、お願いします。

○市川構成員 自閉症協会の市川でございます。
先ほどのお話からすると、暴れ回る障害児というか、動き回る方々で強度行動障害という言葉が適当かどうかわからないで使われているのですけれども、単純に言うと、一番必要なのは先ほどおっしゃったように、スタッフのスキルの向上ですよね。そうすると、加算の緩和だけでうまくいきますか。それもあったほうがいいのですけれども、そう単純なものではないような気がしているのですが、お考えをぜひ、聞かせていただければと思います。

○全国地域生活支援ネットワーク(小田氏) 確かに、おっしゃられるとおりで、それをやれば全てうまくいくかといったら、そうではないと思います。まずは、こういった緩和をすることによって、必要最低限の質を確保するという視点が大事ではないかということで、今回このように御提案させていただきました。

○市川構成員 ということは、加算すると同時に、スキルアップを進めるようなものをつけていかないと、さっきおっしゃったような虐待を減少させるということにつながらないのではないかと。
もう一点、視点-3で触れられているのですが、障害児施設の抱えている一番の問題は、恐らく強度行動障害児の人がなかなか者のほうに移らないということで、私は児童精神科医ですが、病院でも同じことが起きていて、年齢が高くなってもずっと抱えていなければいないということが大きな問題だと思うんです。これについては何か、こうしたらうまくいくのではないかというアイデアはないですか。50年解決されていない問題だと私は思っているのですが。

○全国地域生活支援ネットワーク(小田氏) やはり受け入れる側の立場からすると、双方のスキルの共有化というか、つながる接点が多分この50年間もされてきたと思いますけれども、何か仕組みとしてもう少し掘り下げてできるようなことがあれば、少しは前に進むのかなと思うのですが、我々としてもそこをどうすれば処方箋みたいに対応できるかという答えは、まだ見つかっていないのが現状でございます。

○市川構成員 例えば私が考えていたのは、一部の人については児・者なんて分けないで、やむを得なく施設で見ていかなければいけない人がいるということは認めてやっていかないといけないのではないかと。もちろんよくなれば地域に戻るべきですけれども、残念ながら強度行動障害の方々を見ていると、スタッフはけがするわ、辞めていってしまうわというのが現状で、そこをクリアーしていかないと、いつまでたってもこの問題は解決しないのではないかと思って、伺わせていただいた次第です。

○柏女座長 では、北川さん、お願いいたします。

○北川構成員 ありがとうございました。
強度行動障害の子どもに視点を当てていただいたのが、すごくよかったと思います。児童養護施設の社会的養護の仕組みでも、子どもの困り感によって児童心理治療施設だとか、児童の自立支援施設に分かれていますので、一口に障害児入所と言ってもいろいろな子どもの困り感やニーズが違ってくるというところでは、強度行動障害児に対しても適切なかかわりをしっかりと治療的にしていくことも障害児入所の大きい課題ではないかと思いますし、ミドルステイでもいいと思うのですけれども、小さいときに専門的に予防も含めて診られる方がきちんと治療的にかかわることによって、成人期に安定して移行できるということもありますので、今回の障害児入所のことを考えるときに、その子どもたちをどう支えていくかという仕組みが障害児入所の中には必要ではないかと思います。児童養護でも高機能化ということがありまして、難しい治療的なかかわりが必要な子には4対4の対応をしていることもありますので、今後、障害児入所でもこの子たちに対する対応をどうつくっていくかというところで、いい意見をいただいたということでありがとうございました。

○全国地域生活支援ネットワーク(小田氏) 貴重な御意見、ありがとうございます。

○柏女座長 では、原口さん、お願いします。

○原口構成員 ありがとうございました。
もし、わかれば教えていただきたいことが1点あるのですけれども、強度行動障害に関して職員のスキルアップというのが少し話題に出たのですが、スキルアップということを逆に補うような形で外部の機関から施設に対して支援をするような仕組み、例えば、地域の中でそういったチームがあるとか、医療機関からコンサルテーションに派遣されるといった事例といいますか、職員の方のスキルアップということだけでは大変だと思うので、それを外部の人たちが応援する仕組みみたいなものが、もし実例でありましたら、教えていただければと思います。

○全国地域生活支援ネットワーク(小田氏) 実際、うちの全国地域生活支援ネットワークのメンバーでもそのような事業所に派遣で行って現場を見て、どういった環境整備が必要なのか、どういった支援スキルを身につけていけばいいかといったコンサルテーションをやられている事業所もございます。先ほどおっしゃられたとおりで、最終的にはそこの職員が自分たちで育っていく環境を整えなければ全く意味がない話でございますので、そういったコンサルテーションをやられているところも毎回毎回行くのではなくて年間を通じて、例えば、1カ月に1回入っていたものが、2カ月に1回、3カ月に1回、6カ月に1回という形で、徐々にこちらが引いていくような展開をうちの所属団体ではやっているという話は聞いております。

○柏女座長 では、市川さん、どうぞ。

○市川構成員 今のお話を伺っていて、私も施設を運営している側でもあるのだけれども、福祉あるいは医療の方もいらっしゃるけれども、もっとコメディカルスタッフみたいなものを入れていったほうがいいと思うんですよ。私の施設も、心理士とか作業療法士とか言語療法士とかどんどん入れているんだけれども、はっきり言って法人として全部赤字になっているんです。今後のスキルアップを考えていくのに一つの視点かなと思っています。

○柏女座長 では、米山さん、お願いします。

○米山構成員 ありがとうございました。
強度行動障害のことをテーマにしていただいて、入所施設のほうで私どもの北住班でやった障害児入所施設の現状ということで、強度行動障害の加算だとか、そういったところの利用が少ないということがもちろん上がっていました。
もう一つは、強度行動障害に該当しないけれども、実際に生活の中で大変というのは強度行動障害だけではなくて、行動の大変さというのはいろいろな多様さがあって大変になっているので、実際には福祉型の職員配置も平均で4.3対1ではなくて、2~2.5対1配置しているような施設になっているくらい、行動面の大変さというのはさまざまなので、その辺は福祉型の入所施設を考えるに当たって、もちろん児相なども職員の質と職員数ということが言われていますけれども、行動障害だけでなく、福祉型の中で起こっていることを見直せると、施設内虐待も含めて減るのではないかと思いました。

○柏女座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
では、濱崎さん、お願いします。

○濱崎構成員 お話ありがとうございました。
福祉型障害児入所施設ですけれども、この障害のお子さんだけではなくてほかもそうですけれども、入所施設に年齢が結構高くなってから入ってこられるんですよね。多分小さいときは親御さんがどうにかできたり、お子さんの力もそんなに強くないので、おうちの中で生活できると思うのですけれども、そういう傾向があったときには、本当はできるだけ早く入所施設等々と連携をとっていただいて、ずっと入りっ放しでなくていいと思うんですよ。でも、ある程度長期に入って、またおうちにも戻るということで、そこに専門家の御意見等も入れた形でやっていくと。大きくなってくると本当に職員も大変になってきますので、そういう意味ではもっと小さい段階から入所施設に入ると。入所施設というのは最後に行くところという感覚を捨てていただいて、もっと気楽と言うと失礼ですけれども、利用できる場というとらえ方が今後、実際に出たり入ったり利用できる場なのだというようになっていくと、もうちょっと違うのかなと思います。

○全国地域生活支援ネットワーク(小田氏) ありがとうございます。最後のサービスを柔軟にというところは、その辺は発達段階に応じて柔軟に使えると、よりお互いに強みが生かせるかなと思いましたので、このように御提案させていただきました。ありがとうございます。

○柏女座長 よろしいでしょうか。地域化、小規模化という話は以前出ていたのですけれども、やはり専門機能を発揮しなければならないところに集中的に支援を投入していくことの大切さを改めて感じることができました。ありがとうございました。
続きまして、日本グループホーム学会様、よろしくお願いいたします。

○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(光増氏) 日本グループホーム学会、正式には障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会と言います。任意団体です。任意団体のほかに一般社団法人日本グループホーム学会調査研究会というものもありまして、この間、厚生労働省の障害者総合福祉推進事業のグループホームを利用する人の実態調査等は、そちらと連携して行っています。
私は、代表の光増と申します。きょうは私が概要をしゃべった後、委員の本田から4つの問題に関して説明していきたいと思っています。
団体の紹介はお手元の資料に書いてあるので、細かいことは省略しますけれども、私たちは過去に独立行政法人福祉医療機構の助成金を受けて、障害のある子どもの子育て、里親家庭で育んでいくために、障害のある子どもが里親家庭で育つために、あるいは厚生労働省の自立支援事業の研究事業で、障害児の住まいの場のあり方に関する研究等も行ってきました。ですから、子どもの住まいの問題に関しては、現在もすごく関心のあるところで、きょうは貴重な時間をつくっていただいて、まことにありがとうございます。
御承知のように、グループホームの現在の制度は、平成元年10月に100カ所、約四百数十名でスタートしました。当時はバックアップ施設が必要でしたので、全国で数カ所の障害児入所施設のバックアップ施設としてグループホームを運営した時期もあります。
御存じのように、平成30年、昨年12月の国保連請求上のデータでは、12月現在で12万人のグループホーム入居者となっています。請求事業者数は8,000を超えています。住居数は多分2万カ所を超えている状況になっています。
そういう意味では、グループホームのあり方がすごく注目されて、非常に小規模で障害の重い人たちの生活の場として運営しているグループホームもあれば、大規模化・集約化して効率的に運営しているグループホームとか、全国的にはかなり温度差が広がっている現状があります。ただ、私はこれから子どもの入所施設からの地域移行とか、子どもが親元から離れてグループホームを利用する上では、グループホームの現在の資源をもっともっと活用すべきだと思っています。
最近のグループホームの流れの中では、例えば、アパートでのひとり暮らしを目指すサテライト型というものもふえてきていますし、1つの住居、1ユニットは2人からでも運営できるようになっています。ですから、小規模の運営では、行動障害の方や医療ケアが必要な方たちも居宅介護等を使いながら支援している実態は全国であります。ただ、グループホームの居宅介護は特例の経過措置なので、これを恒久化することで障害の重い人たちの地域生活が充実するのではないかと思っております。
また、グループホームの体験入居や、グループホームの中にショートステイ機能を持つことも現実的にできますので、そういう流れをぜひ、お子さんの部門でも検討してはいかがかと思っています。現在も、15歳でも児童相談所の所長の判断で大人のグループホームの制度は使えますが、今後この検討会で検討するときは、児童福祉法の範囲で新しく子どものグループホームの創設等もぜひ論議していただきたいと思っております。
課題については、これから本田から説明いたします。

○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(本田氏) 同じくグループホーム学会の本田と申します。
視点-1は、今、代表がお話ししたように、グループホームは地域の資源でかなり重要なものだと認識しております。
もう一つは、児相が判断すれば15歳からでも利用できますということです。
視点-2に入ります。入所施設全般に関しての課題と見ているのは、1番目に、入所児童の減少による役割の見直しを図るべきだと思っています。私は福島県いわき市なのですけれども、個人的な体験の中で、どこの入所施設も県内全部定員割れしている状態です。
2番目は、社会的養護の観点から、できる限り小規模で家庭的な環境が望ましい。本人が意識しなくて多分、入所施設に入ってくるわけで、その中でもどんなに障害が重くても家庭的な環境が必要ではないかと考えています。あと、そのときには職員体制にかなり配慮しなければいけない。
もう一つ、18歳になって退所するまでに地域移行するための個別支援の取り組みが現在のところ余り見られないということです。地域移行に向けた取り組みを業務として考えていないということです。これに関しては、最後の参考資料を見ていただくといいのですが、いわき市が昨年、基幹センターで検討して自立支援協議会に諮っているのですが、1つは児童相談所が高等部3年生になって初めて、1年後には18歳で措置が切れますという情報を流すだけの状態であったのを、逆に、高等部1年に入学した段階からいかに早く本人・家族の状況を把握して、どうしたら高等部3年が終わった後で地域に戻ってこられるかの検討に入っています。具体的な作業をしなければいけないので、この図式だけではかなわないものがたくさんあるのですが、そのために生活介護、ショートステイ、グループホーム体験など学校にいる間でできないかということをいろいろ今検討して、一人一人の個人のアセスメントをきちんととっていく作業を今やり始めているところです。いわきでも去年の段階でわかっただけで20名ほどの方が、特に行動障害の方たちが8割以上いて、その人たちの行き場がなくて、大人の施設に行くこともできない、地域でも受け入れないという状況で今きています。それを何とか地域で受け入れるためのシステムづくりができないかと思っています。
最後に、視点-3です。そんなことから、できるだけ身近な地域で小規模で家庭と地域との中間的な役割を担えるような機能を入所施設が持てないかということです。端的に言うと、児童養護施設のようにグループホーム制度を創設してほしい。その上で、家庭が崩壊する前にショートステイの機能を強化して、地域支援の重要な資源としてあるべきだと。
もう一つは、入所中からもほかの障害福祉サービスやほかのデイサービス、居宅介護など移動支援も使えるようにして、いかに地域の中で連携してその人を支えて地域移行できないかという視点です。
最後に、地域移行に向けた体験型サービスを利用できるように、制度的なものも検討してほしいと思っています。
その他としては、先ほど代表が説明したように、学会として調査したこともありますので、里親ファミリーホームが現在、児童養護施設に3年以上勤務した職員または里親の経験があるなどの設置基準があるのですが、里親のファミリーホームをつくろうとすると、障害福祉サービスだけの経験ではできないというのがあるので、それも条件として緩和していただけないかと思っています。
以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。かなり具体的な御提言もいただいております。
何かございますか。市川さん、お願いします。

○市川構成員 今お話のあった視点-1のところに、重症心身障害者や強度行動障害の重たい人も個別支援が可能であると書いてあるのですけれども、実際にやってみるとなかなか大変なところもあるのではないかと思いますが、こういうふうにしたらうまくいくのではないかとか経験的なことがあれば。

○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(光増氏) 重症心身障害の方も強度行動障害の方も、そういう障害の重い人を多くグループホームで支援している実態の中では、グループホームのスタッフだけでは人的な不足があるので、両方とも個別的な居宅介護サービスを十分取り入れているケースがあります。1人当たり大体1カ月300時間の重度訪問介護あるいは行動援護等をグループホームで使いながら支援している実態があります。この間、私どもの団体もあるいは報酬改定に参画している多くの団体も、より障害の重い人たちの暮らす場は小規模化すべきではないかという主張をしたり、調査をしています。そういう意味では、手厚く支援するところに報酬を厚くすることや、いろいろな加算をつけることで、特に行動障害の人たちも十分生活できるような全国の実践事例は多くなってきていると思います。

○市川構成員 私の経験的に、グループホームが一番大変なのは夜間だろうと思うんです。特に、強度行動障害の方とうまくやっているところは入所施設と綿密にタイアップしているところとか、あるいは病院とタイアップしているということがないと、なかなか大変かなという気がしていたので伺いました。

○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(光増氏) 夜間はこの間いろいろな論議の中で、グループホームでの夜間支援が2名に1人つくように加算がふえたので、例えば、物すごくスペシャルな人がいたとしても、2人暮らしの家に1人の夜勤者がいて、あとはグループホームの経費の中でもう一人入れて、マンツーマンで夜間を見ているという実態もあります。

○柏女座長 よろしいでしょうか。
では、北川さん。

○北川構成員 ありがとうございました。
里親ファミリーホームの職員のことですけれども、最初は障害福祉サービスの経験でもよかったのですが、途中からだめになったという経緯があるので、ファミリーホームは障害児もかなり入れていますので、本当に障害児サービスの経験がある方でもできるようになったらいいということに賛同いたします。
質問ですけれども、視点-2の入所児童の減少による役割の見直しを図るべきというところですけれども、減少もあるかもしれないですが、実態として社会的養護を必要とする子はふえていて、障害児入所のほうではなく、養護施設や児童心理治療施設などにかなりの割合で入っているということで、そちらで一生懸命見ていただいて、児童養護でも結構いっぱいいっぱいになっている実態を見ていると、名称はいろいろ考えていかなければいけないと思いますけれども、障害児入所の役割はあると思うのですが、この辺についてもう一度お聞かせください。

○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(本田氏) 施設の関係をなくすという発想ではなくて、この役割はきちんと地域支援の機能として見ていただきたい。視点-3でも述べたのですが、できるだけ身近な地域で小規模でという視点の中で、中間的な役割を担えるようにあってほしいなと。今、私が関係しているいわき市には、実は児童の福祉型の入所施設はないんです。そうすると県内のあちこちに行ってしまう。それからまた18歳になったら戻ってきますよではちょっと対応が難しいので、地域に小さくても中間的な役割を担ってショートステイも含めてキャッチボールできるような仕組みになっていただきたいなという思いがあります。

○柏女座長 では、米山さん、お願いします。

○米山構成員 ありがとうございました。
障害児から若干離れるのですが、年齢が低いところから障害児者あるいは社会的養護のお子さんたちのことも考えれば、やはり小規模化してグループホーム化、1つずつの家ということが理想だと思いますが、教えていただきたいのは、そちらの会が15年たったわけですけれども、その先を考えたときに、障害者の保険制度の使い方の中で、今ランキングで一番保険を使っているのは肺炎で、次にがんが出てきているんですね。高齢化ということを考えたときに、グループホームのその先というのは、先ほど木実谷構成員からありましたけれども、私の見ている方もそうですが、親御さんが70歳、80歳になって在宅をずっとされていて地域でも活動していて、そこで見られなくなってということで重身の施設に入ったりしますが、グループホームの場合にそういったときに重度の方、強度行動障害の方もそうですが、その先を見通したときにどんなイメージを持っていらっしゃるか、教えていただきたいと思います。

○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(光増氏) グループホームも高齢化は加速度的に進んでいます。御本人の意思で、グループホームで一生を終えたいという人もいますし、末期がんになって一時は病院の治療を受けるけれども、最終的にはみとり支援でグループホームで亡くなりたいという意向もあって、御本人の意向でそういう支援をする実践事例はふえつつあります。しかし、現実的に高齢化になっている傾向があって、医療面だけではなくてサービスで、例えば、障害のグループホームを利用しているけれども、日中活動は介護保険を使いたいという選択肢もできるので、それは1割負担を払ってでも介護保険のサービスを使いたいという利用も少しずつふえてきています。ですから、高齢の認知症のグループホームとは違って、まだ若いとはいえ、いずれ認知症のグループホームの高齢化の問題と重なる部分があるので、私たちも、看取り支援や終末期を迎えたときグループホームで支援するときの配慮が必要だという報酬改定での意見の提言はしております。

○柏女座長 小出さん、お願いします。

○小出構成員 実は、児童入所施設は特別支援学校と併設しているというところもあります。日中は特別支援学校に通って、夕方になると入所施設に戻ってくるという施設ですけれども、今、18歳で高等部を卒業すると出なければいけない。それは入所施設ですから広い圏域から入っていると。それで地域へ帰るとなると、皆さん理想的にはグループホームでまたということがあるのですけれども、グループホームが地域になかなかできなくて、どこもニーズが高くて、入所施設からの移行でグループホームへ入るという方は比較的入れるのですけれども、児童入所施設から地域のグループホームへというと、なかなか引き取ってもらえないんです。どうすればいいでしょうか。今、私どもは政令市になって、農地がたくさんあります。そこが宅地並み課税になるんですよ。遊休地もたくさんあるものですから、お百姓さんがたくさんいるものですから、そこを全部グループホームに提供するからつくってくれ。土地は提供するけれども、なかなかつくってもらえないのですが、何が問題なのでしょうか。

○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(光増氏) 子どもの施設からグループホームに移行するときに、例えば、昨年4月から強度行動障害の方が児童入所施設からグループホームに移行する場合の加算や何かはついているんです。ですから、もうちょっと政策誘導的に児童入所施設からグループホーム、地域移行する場合の加算を手厚くするだとか、あるいはグループホームをつくるとき国庫補助の協議を優先させるという抜本的な対策も必要かなと思っています。
もう一方では、今、消防法や建築基準法とか、ただ単なる支援する面ではなくて、ほかの法律の縛りがグループホームでできているので、例えば、親御さんから家を提供するからグループホームに使ってくれと言われても、建築基準法上の問題、消防設備をつけなければいけない、何百万円もかかるような状況があるので、そういうところでうまく国庫補助も使うとか、あるいは私どもの支援しているところでは、親御さんが亡くなった家を息子さんがグループホームとして改修して、ほかの人を入居させてともに生活するということも可能なので、将来グループホームに転用したいという家族がいれば、早目に情報提供して、あるいは家をつくるときから、ちゃんと防火安全対策の家をつくって将来何十年後はグループホームにするとか、そういう論議もあってもいいのではないかと思っております。

○柏女座長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
私ごとですが、私の妻も認知症のほうですけれどもグループホームで生活していて、身につまされてお話を伺わせていただきました。ありがとうございました。
最後に、日本知的障害者福祉協会様、よろしくお願いいたします。

○日本知的障害者福祉協会(河原氏) 皆様、こんにちは。公益財団法人日本知的障害者福祉協会です。
協会の概要としましては、お手元の資料にありますように、昭和9年に団体が設立されまして、主に知的に障害がある方の支援を行っている6,441事業所が加盟しておりまして、知的に障害がある方の支援等を検討している協会です。
協会の加盟施設には、知的障害児から成人期、高齢の知的障害の方、幅広い事業所があります。きょうは、このような場を設けていただいて大変うれしく思っておりますので、精いっぱい御提案させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、座って御案内させていただきます。
きょうの協会からの提案の主なポイントとしては、視点に沿っての提案と地域の社会資源の実情ということで、きょうは障害者支援施設部会の榎本部会長に同席していただいておりますが、障害の入所施設の現状等々について提案させていただきます。最後に、加齢児支援の対応ということで、協会で考える提案ということで進めさせていただきます。
それでは、私、政策委員長の河原から、最初に障害児施設のあり方に対して視点-1~視点-3について簡単に御案内させていただきたいと思います。
まず、視点-1でございます。障害児入所施設の4つの機能につきましては、障害児支援の在り方に関する検討会において、当協会から提案させていただいたものがかなり幅広く入っております。その点では、その機能をさらに充実させる施策ということで、3点ほど挙げさせていただきました。
1点目が、障害児入所施設の小規模グループケア化、加えて障害児のグループホーム、これは先ほども御提案がありましたが、児童福祉法の範囲の中での障害児のグループホームの制度化、障害児入所施設、里親やファミリーホームをバックアップする機能を付加するといった政策が大事かと思います。
2点目が、自立支援機能の充実ということで、課題に上っております地域でのシステムの問題です。児相、市町村、施設、相談支援事業所等々が一堂に会しまして、対象に向けての自立支援会議もしくは入所に向けての入所調整会議というものを一つシステム化して、事業所と行政関係がネットワークを組む。それに加えて、自立支援システムの構築を図る点で、自立支援ホームを開設して、22歳くらいまで入所者が無理なく自立していくためのトレーニングの機関が必要かと思います。
3点目としては、地域支援の機能の拡充ということで、在宅及び家庭への対応ということで、家庭支援専門相談員の配置が必要かと思います。
視点-2でございます。ポイントとしては2点あります。
1つ目が、社会的養護が必要な障害児の問題がかなり大きな割合を占めるようになったということで、その部分の議論が必要かと思っております。
2点目としては職員配置です。児童養護施設の職員配置基準が5.5対1から4.1に引き上げられたことの整合性という意味で、障害児入所施設の職員配置、4.3対1からの引き上げが必要かと思います。
視点-3です。今後期待することについてということで、大きく分けて3点ほどあります。
そのうちの1点が、施設の名称です。障害児である前に1人の子どもであるという観点から、「障害児入所施設」という名称を「児童発達支援入所施設」と改めて、その施設は単に入所の施設の機能を持つだけでなく、地域支援を行う機能を付加させる。地域の障害児・家族を支援する拠点としての位置づけを担わせることが大事かと思います。
そして、視点-1でも述べたとおり、小規模化、グループホームやファミリーホーム、それらの関係機関との拠点、システム化が必要かと思います。
以上が視点-1~視点-3の内容についての御案内です。
引き続きまして、その他、加齢児支援について協会の榎本より御説明さしあげます。

○障害者支援施設部会(榎本氏) 榎本でございます。よろしくお願いいたします。
私が呼ばれたということは、児の施設の退所後、なぜ移行がスムーズに進まないのかという疑問があるからだろうと思っておりますが、ここで全て答えられるわけではないですので、現状について若干お話しさせていただきます。
まず、入所施設が障害児支援施設と変わりまして、この施設は昭和46年から平成12年の30年間に75%ほどができました。平成14年以降は、入所施設は地域の実情を踏まえ、真に必要なものに限定されるというもとに、新設はつくらずに減少していくことになっております。少しずつはつくられておりますけれども。その後、平成18年度以降は、障害福祉計画で入所施設の利用定員をふやし、地域移行するための数値目標が設定されまして、施設整備に当たっては、1人当たりの居室面積等の設備基準が6.6平米から9.9平米になり、改修を行った場合、現行の定員分の居室の確保は難しいという実情があります。
その一方で、老朽化による大規模修繕や建てかえの際、プライバシーへの配慮等を目的に居室を4人部屋から2人部屋や個室化するという対応、それから、小舎制を導入し、意思決定支援の推進や特別な支援を要する利用者への配慮、生活環境や生活の質の向上を各施設とも目指す努力を行っております。
次に、社会保障審議会障害者部会の資料で示されているとおり、現在の入所施設は高齢化・重度化傾向にあります。また、50代での老化・早期退行等の課題があります。それに対しては、施設の強みを生かして専門職スタッフによるチームケアを実施しているところです。
次期第6期の障害福祉計画策定に向けて、障害者支援施設の入所施設のあり方についての実態調査が実施されました。今後、重度・高齢化、看取り、著しい行動障害のある方への支援、医療的ケアの必要性について対応策を検討し、障害者支援施設の機能を十分に活用した施策の推進が望まれております。
次に、加齢児につきましては、成人の入所施設で受け入れるに当たっては、20歳前後の元気な若い方と、現在入所している動きの穏やかな高齢者等の支援について、安全面の確保からハード面・ソフト面の相当の配慮が必要です。また、県単位で1,000人を超え入所施設を希望するという地域もあり、加齢児の入所調整に当たっては、加齢児の移行者数と入所の待機者の実態を把握し、地域の実情を踏まえ、行政の関与・調整が重要だと考えています。
自治体行政における子どもの支援は、子ども課等、障害者支援は障害福祉課等で対応する縦割り行政の弊害が指導期から成人期へのスムーズな移行を困難にする一因となっているのではないか。成人の施設関係者も障害児支援に係る政策会議やワーキンググループに参加し、縦割りにとらわれることなく課題を共有し、問題解決に向けた関係を構築する必要があると思います。
次に、生活の場、グループホームにつきましては、先ほど御説明があったかと思いますけれども、設置数もふえておりまして、18歳を迎える前からグループホーム体験入居等を行い、生活のイメージをつける必要があると思います。
それから、相談支援事業所につきましては、加齢児にかかわる入所相談を受ける場合もあるのですが、決定権を持たない民間事業者が障害者支援施設を探し、入所までの調整を行うことは非常に困難な状況があります。支援決定の権限を持つ市町村行政が責任を持って介入し、行政責任として加齢児支援を行うことが重要であると、部会は違いますけれども考えております。
以上です。

○日本知的障害者福祉協会(河原氏) それでは最後に、加齢児支援の対応ということで、その他の2を御説明させていただきたいと思います。
まず1点目、国・自治体等の行政責任による自立援助システムの早急な構築が求められるかと思います。この部分につきましては、加齢児の経過措置が切れるということ、それから、今後、加齢児問題があるということで、国の責任において障害者施策との連携を図るという点では、都道府県・市町村行政が入所直後から積極的に関与して、利用者御本人、保護者、児童相談所等々、地域の関係機関が参画するシステムの構築が求められるのではないかと思います。
2点目としては、第2期障害児福祉計画と第6期障害福祉計画についてです。これはたまたま2021年から第2期と第6期の福祉計画が始まりますので、当然ながらこの2つの計画に関しては、加齢児支援に関しては計画的な支援策を作成して、双方の計画の整合性を図ることが重要かと考えます。
3点目としては、榎本からも説明がありましたが、障害児入所施設を利用している段階から、総合福祉法の福祉サービスを体験する機会を構築することが必要かと思います。
4点目としては、国としての積極的な施策の実施です。1点目としては、加齢児を積極的に受け入れた生活の場の事業に関して報酬上の評価等の創設。2点目は、一定割合の加齢児を専門的に受け入れること目的とした共同生活援助事業等を新設する場合、施設整備の補助を優先して、一定の補助金を上乗せする等の措置が必要かと思います。
多少長くなりましたが、以上、公益財団法人日本知的障害者福祉協会の御案内です。どうもありがとうございました。

○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、今の御説明につきまして、御質問等がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
森岡さん、お願いいたします。

○森岡構成員 具体的な御提案ありがとうございます。行政を司る立場としましては、非常に具体的で、また、利用者本位の考え方に即した御提案だと受け止めさせていただきます。ありがとうございました。
まず、1点目なのですけれども、入所調整あるいは自立支援の、入り口と出口のところに関しましては、市町村の参加の位置づけがなされておりません。本県におきましては入っていただいておりますけれども、そういった位置づけがないと、なかなか参画していただきにくいところがございますので、ぜひ入り口から市町村に参画いただけるような仕組みがあればいいのかなと考えております。
もう一点、自立援助ホームでございますけれども、障害児入所施設、中学や高校から入ってこられる方に関しましては、短期間の入所期間では地域移行の訓練がなかなか難しいという状況があり、実は三重県におきましても、児から者の施設になかなかスムーズに移行できないということで、通過型の中間的な施設を運営していただいているところがございます。そういった施設についても明確に位置づけていただければ、非常にやりやすいのかなと思っております。
あと、通過型施設に関しましても、者に移行するときの入所調整の優先順位が位置づけされていないところが本県におきましても一部ございまして、者の施設に移行するときには当然優先度が高くなければならないということがございますので、そういったことも同時に考えていく必要があると考えています。私どもの考え方に近い御提案ということで参考にさせていただきます。ありがとうございました。

○柏女座長 御意見ということでよろしいですか。
では、市川さん、お願いします。

○市川構成員 非常に具体的なアイデアを出していただいて、すばらしいと思います。おっしゃるとおりで、民間の相談機関が加齢児を者にというのは非常に難しいし、仮にうまくいっても余りいいことはないだろうと正直経験的に思っておりますので、ぜひ、このあたりは自治体が関係するとか、そういう政策をとっていただかないと、逆に児の施設の中に者でも見られない人がいるというようなことがないようにしていただければと思っておりますので、非常に具体的なアイデアありがとうございました。

○柏女座長 御意見ということでよろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○石橋構成員 全児連絡の石橋ですが、その他の加齢児支援についての1の(1)の文章ですが、4つ目で県単位で1,000人を超える入所施設を希望する方がおられると。その後で、入所の待機という言葉が出てくるんです。私が知り得た知恵では、児の入所というのは課題はあるけれどもほとんどが措置だと聞いていて、それを結び合わせると措置を受ける方がある県においては1,000人も待機しているのかと読み取れたのですが、ここをもう少し詳しく御説明いただけますか。

○日本知的障害者福祉協会(河原氏) 御質問ありがとうございます。この1,000人単位というのは児のほうの数ではなく、者の数がこのくらいいる県があるというのを耳にしております。どこの県というのは終わってからお話しできたらと思います。

○石橋構成員 者が入っているならいいのですけれども、これは障害児の入所施設のあり方ということで、その点を結びつけると、逆に言ったらとんでもない社会ができ上がっているのかなと思って。

○日本知的障害者福祉協会(河原氏) 大変言葉足らずで申しわけございませんでした。

○柏女座長 ほかにはいかがですか。よろしいでしょうか。
では、鈴木さん、お願いします。

○鈴木構成員 立川児童相談所の鈴木と申します。児童相談所の立場から。
今、見ていてそうだなと思いつつ意見になってしまうのですが、児童相談所の現状として、児童の入所に当たっては児童相談所を中心として市町村、施設を交えた入所調整会議の実施のご提案ですが、これが今の児童相談所の現状ではなかなか難しいということと、この中に書いてあったように、子どもと見るべきなのか、それとも人間としてずっと生まれてから高齢になるまでその地域で生活できる生活者として見るべきなのか、そこがとても難しいところで、現状では児童相談所から者に移るところが、児童相談所としても市町村と次のステップにモーションをかけてもなかなか難しいところがあるので、そこをスムーズにやっていくために児童相談所だけではなかなかできないところがある現状です。そういったために御提案をいただいているのだろうなとは思うのですが、ぜひ現状をどうにかしていただきたいというのが児童相談所の願いでもあります。

○柏女座長 ありがとうございました。何かございますか。

○日本知的障害者福祉協会(河原氏) 御意見ありがとうございました。細かい自立支援システムの構築については、参考資料2にシステムとして提案させていただいておりますので、御参考いただけたらと思います。
それから、いろいろな行政の方から事例等もお聞きして大変参考になりました。それから、児童相談所の実態も障害児の相談支援をやっておりまして、児相さんが非常に大変だということは百も承知なのですが、この現状を打開するために一つの施策、インセンティブをとらなければいけないのではないかということを我が協会では強く感じておりますので、その辺は今後ともよろしくお願いしたいと思います。
以上です。

○柏女座長 それでは、日本知的障害者福祉協会様のヒアリングを終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
時間が6時半ぐらいをめどに考えたいと思っておりますが、そうしますと、10分、15分ぐらい全体について、また個別の御質問でもいいのですが、せっかくですので、御意見はもちろんあるかと思いますけれども、御質問を中心に過ごしていきたいと思いますが、どなたかございますか。
では、有村さん、お願いします。どなたに御質問されるかも、あわせてお願いしたいと思います。

○有村構成員 どなたに御質問すればいいか迷うところではあるのですけれども、一番最初に御報告いただきました、日本相談支援専門員協会さんにお伺いしたいと思ったのですが、社会的養護の中でも児相から情報が伝わらないと、里親さんやいろいろなところからもよく聞くのですけれども、子どもの虐待等で社会的養護の課題として児童相談所でとらえられているとき情報共有が難しいというお話が出ていました。児童相談所の調査などをしてみると、それぞれ人員に合わせて必要なことはやっていらっしゃるのですが、ヒアリングなどをしてみて大きく違うなと思うのは、人材の余裕のある・なしで連絡やつなぐ機能にかなり限界が起きてきてしまうということです。それは児童相談所の虐待対応だけを見ていても起こるわけですが、そういう意味では、先ほどほかの団体さんからも児童相談所の関与や市町村レベルの関与などいろいろあると思うのですけれども、ケアマネジメント、ソーシャルワークという領域で、多分悩ましい部分も抱えながらいろいろお考えになっていると思いますが、そういった情報共有のアイデア、児相レベル、地域レベルでは、もう少し情報共有をきちんとしていって、ずっとつながり続けると。単に1回かかわって調整するだけではなくて、プロセスの中で把握していかないといけないというところでは、つないでいくというところなどはかなり重要なのかなと思いましたので、どの団体に質問させていただくか迷うところではあるのですが、御質問させていただきました。

○柏女座長 それでは、日本相談支援専門員協会の方、お願いします。

○日本相談支援専門員協会(菊本氏) 御質問ありがとうございます。
今御質問にありましたように、現場で児相さんと組ませていただくことや、先ほども要対協という御質問がありましたけれども、まさに一緒に席を並べて検討させていただいている中で現場の混乱というと、情報共有のあり方の一つの考え方として、支援対象者をだれとしてとらえているかというところが非常に不明確な議論があると思っています。それは、要するに保護の対象となっている児童に関しての情報と、それを養育しています御両親、家庭の問題というか、支援対象者が御両親ということがあったりして、そこが混在しながら議論されていたり情報共有がされていると、一方に偏った結論が出てしまって、そこに先ほどお話ししたような、例えば、家族が生活困窮のような別の問題も抱えていることになると、そこに着目しないと児童への保護の継続性やその後の支援方針がかなり変わってくる部分があると思っています。ですから、そういったところの交通整理を含めたことが児相の段階で行われて、その中で市町村でかかわる担当課、子ども・家庭とか、そこの課でかかわる部分と、障害児ということになると障害者の福祉課が出てくるということもありますので、そういった情報の整理は一定程度必要かと考えています。
そういう意味では、いわゆる子どもの人権、権利の捉えと、ここは悩ましいところで先ほども少しお話しさせていただいた親権の問題もありますので、ただ、そこのバランスを見ながら一定程度の方向性を得た情報共有と支援方針の決定が相当必要だと思っています。
そして、先ほど入り口と出口、それから入った後の継続的な真ん中のお話もさせていただいたわけですけれども、その情報を施設側の社会化というか、大分成人の施設では施設の社会化が進んできていると思っていますけれども、そういった情報がなかなか児童施設からは得にくいということがございます。背景に虐待等がありますと、御本人を虐待している者から守るという保護的な機能が強く現場では重きを置かれた支援方針になっていきますので、そうすると、今どういう状態にあって、どこに御本人がいらっしゃるといった情報が出しにくいことがあって、どうしても内向きな議論で多職種連携につながりにくいという背景は感じています。

○日本相談支援専門員協会(橋詰氏) 補足というか、きょうは計画相談と言われている相談支援を中心にお話ししたので、実は私どもの相談支援も市町村から委託を受けて、実際には福祉サービスを使う前からお子さんの育ちや発達の段階の相談も受けられるような委託相談であるとか、実際には虐待と言われているようなこととなると、今度は権利擁護の関係の相談をどうやって児童相談所と一緒に手を取り合いながら、地域のお子さんを見守っていくか、育てていくかについては、まだ推進の途中ではありますけれども、基幹相談支援センターの相談支援専門員が地域づくりをするという実態があります。
ただ、実際には人口規模、障害をお持ちになっているお子さんの人数と、そこに支援として相談ができるような体制がどれほど構築されているかによっても、そこはかなり格差が出てくると思っています。機能している地域とすると基幹相談支援センターが機能しながら、それこそ要対協ではないですけれども、学校や保育園から実際にリスクの高いお子さんの相談、児童相談所が介入する前からマークせざるを得ないような状況の相談まで入っていて、みんなで御家族の負担を軽減することが虐待防止につながっていくのではないかというような相談支援を展開していく中で起きていくという状況が判明したときには、実際にはクローズでかかわってきているのですけれども、そこまでなかなか行き届かない。ただし、措置をされた後の情報共有という形は、地域と児童相談所の中での仕組みは、まだまだでき上がっていないのが実態ではないかと感じています。

○柏女座長 ありがとうございます。
では、小出さん、お願いします。

○小出構成員 どこに相談したらいいかなと悩んでいたのですけれども、今、相談支援事業所が出てきました。実はある現象が起こっていて、今、特別支援学校に行っている間は、放課後等デイサービス等いろいろ日中活動を含めて、朝、子どもを学校へ預ければ夕方遅くまでそういうサービスで預かってくれるということが18歳まで続くと。それから学校を卒業する段になって今、学校側が悩んでいる。強度行動障害で、その子を家庭で引き取れないという現象があります。
もう一つ、先ほど言いましたように、私どものところは学校と児童の入所施設が併設しているところがあります。そこの状況が、ほとんどの子が虐待で入っている。従来だと強度行動障害の方が結構いたのですけれども、そういう方々は見られなくて虐待でいっぱいになっている。そうすると、学齢児において生活困難、養育が困難な子どもたちも家庭では見られる状況にあるけれども、学校を卒業したら見られなくなったということで、その先の行き先がない。本来であれば児童入所施設でも入れるのですけれども、今はそういう状況ではないと。児・者のところで先ほど言われましたように、者のほうはグループホームに入れるかといったら人数がたくさんいるので入れないんです。そういうこともありまして、みなしで本来であれば児の入所で何とか過ごして改善できる子たちが、今、学校の中にいて卒業しているという現状があるのですが、相談支援事業所さんはそういう相談を受けるのでしょうか。

○柏女座長 では、お願いいたします。

○日本相談支援専門員協会(橋詰氏) 先ほどのお話の続きになるかもしれないですけれども、お子さんの保育園入園前から相談が継続しているケースというのは、実際には特別支援学校に上がろうが、地元の小学校に上がろうが、実質的にはずっと相談は継続されているので、移行期がどの段階で来るかといったときに、御本人の実態がどんな状況なのか、実際に親御さんがどんな思いでお子さんを育ててきたのかという経過をずっと追っていますので、卒業時に行き場所を失ってしまうみたいな進路相談で学校が困っているとすると、そこはもう少し相談の機能強化をしなければいけない地域ではないかと思っています。
一方で、社会資源の話もちょっと出てきたと思いますけれども、受け皿をどのようにしていくかということも、1年前に相談を預かって、卒業する生徒さんをどう支援するかというのは、相談支援としてはどんなに地域協議会を使ってもかなりタイトな状況になりますので、やはり資源を開発や受け皿づくりをしていくには2年、3年という歳月が必要で、そうなると入り口の相談がどの段階で行われていくかということがすごく重要だと私たちは感じています。
もう一点は、私は長野県で相談支援をしていて県単で療育等支援事業が残っているのですが、実は、入園前の相談や就学相談委員会みたいなところまで療育コーディネーターが入って、学齢期になる前から実際に親御さんやお子さんと出会っているという段階から相談が始まっています。療育等支援事業が相談支援ができ上がってくる中でそれを撤廃してしまった地域は、子どもの相談が1回空洞化してしまって、大変な状況になってからでないと相談が預かれない地域状況になっているかと思いますので、そこをどんな形で是正していくのかというのは、これからの大きな課題ではないかと思っています。

○柏女座長 ありがとうございました。
最後に、北川さんからお願いいたします。

○北川構成員 今回のヒアリングでは、各団体の方々からいろいろな障害児入所の課題、治療的なかかわりが必要性、家庭養護が必要性、パーマネンシーに向けてどんなふうに子どもたちを支えていくかということがあったと思いますが、障害福祉のいいところとして、自立支援協議会など民間と行政が力を合わせられるところがあります。児童相談所は、必ず子どもの自立支援計画を毎年1回か2回出していますので、そういうところを今後、民間と一緒に自立支援システムの構築が必要なのかなと思って聞いておりました。
社会的養護のほうでは、パーマネンシーのアフターケアがすごくよくなってきていて、20歳までの措置延長をしていただけることも多いし、22歳までの補助金などもできていて、協会に質問ですが、自立援助ホームの移行期の柔軟性みたいなものをどのようにお考えになるか。
それから、もう一点、全国医療的ケア児者支援協議会の方に質問ですけれども、今、在宅の方がほとんどだと思いますけれども、家族支援の点と、施設が少ないとおっしゃられていたのですが、もっともっと医療型の入所施設が必要と思っていらっしゃるのか、この2点に関して教えてください。

○柏女座長 最初に、福祉協会さんから。

○日本知的障害者福祉協会(河原氏) 御質問ありがとうございます。
移行期の柔軟性に関しましては、現状を見ると、いわゆる年齢が来たから退所しなければいけないというところが一つのルールになっておりまして、いわゆる選択ができない仕組みになっているところが一つの課題かなと思いますので、その点では確かに障害児の入所施設を出られて次のステップを踏まれる方もいると思いますが、先ほど御説明していただいたとおり、一定の猶予期間を持つという自立援助ホームのような仕組みであるとか、ひょっとしたらグループホーム等が創設されたら、そこからさらにファミリーホームなど、退所後選べるような仕組みをふやしていくことが、移行期の柔軟性を高めていくのではないかと思っております。

○全国医療的ケア児者支援協議会(小林氏) 御質問どうもありがとうございます。支援に関してと、施設が少ないという2点の質問と認識させていただきます。
支援に関しましては、医療的ケアの保護者の方々は、まず学校に行けないということや、学校もしくは通所施設等に入られたときにも仕事を辞めざるを得ないような状況が起きています。それは預けられるところがないからということもあるのですけれども、そういった意味で施設入所を長いプランで考えていくことが必要かと思っています。そのために何が必要かといいますと、まず、短期入所で実績を積みまして、そこの施設に慣れ親しんで、その施設で長期のプランを考えていけるようなことが必要かと思います。保護者の方々からは、病気になってしまったときに預け先がないということで嘆かれているお話も聞きますので、そういったところの支援は必要かと思っています。
施設が少ないということに関しましては、先ほどもみじの家の話も出たかと思いますけれども、非常に混んでいる状態になっています。そのほか、レスパイトに入りたくても入れないということはよく聞きます。私どもの資料でも4ページに出しましたが、短期入所の利用度ということで、重身の方も満足に入れていないという声も聞きますし、さらに医療型は、例えば、歩く重症心身障害児の方が入ろうとしたら入れないといったことも聞きます。
そういった意味で、個に沿った点と、施設数が絶対的に少ないという両方の面から、施設数は足りないと認識していますので、その意味での受け入れる支援と相談を個に適することと、施設での運営体制のサポートをよろしくお願いしたいと思います。

○柏女座長 ありがとうございました。
時間が迫ってきておりますので、全体についての質問はここまでにさせていただきたいと思います。本当にたくさんの貴重な御意見をちょうだいできました。まとめることはいたしませんけれども、個人的に大きく4点を感じました。
1つは、社会的養護の分野で進められている政策の障害児入所施設への適用を考えていくことが大きな論点としてあるかなと思いました。
2点目は、さりさりながら医療的ケアを必要とする子どもたちについては、特有の配慮等を考えなければならない。そこでは総合型も必要になってくるという御意見もあったかと思います。
3点目は、社会的養護の分野でも同じサービスを提供し、障害児入所でも同じようなサービスを提供していく方向性に向かうとするならば、社会資源の有効活用を考えると、共生型サービスのようなものもあわせて必要になってくるのかなと思います。
4点目は、幾つかの団体からのヒアリングで出ておりましたけれども、県と市町村との大きな切れ目の問題、アドミッションケア、インケア、リービングケアの3つの中で県と市町村で大きな切れ目があるということ。同時に、行政という公と相談支援事業所という民の切れ目もあって、つながらない状況が出てきているということが、かなり明らかになったかなと思います。これらの論点について、これから考えていかなければならないのかなと思いました。本当にありがとうございました。
それでは、その他で、事務局から参考資料1の障害児入所施設に入所する児童に関する問題等について、御説明をお願いいたします。

○山口障害児・発達障害者支援室長 それでは、参考資料1をごらんいただきたいと思います。時間もありませんので、簡単に御紹介させていただきたいと思います。
これは昨年度の研究事業として実施したもので、障害児入所施設に入所する児童に関する問題について調査を行ったものでございます。
1ページでございますけれども、調査の概要ということで「1.調査実施目的」の一番下の段落にございますように、この調査は入所施設に入所する児童間、つまり子ども同士の間で発生する問題について調査したものです。調査対象は下にございますとおり、全国の都道府県、政令市、児童相談所設置市でございます。
結果でございますが、4ページを見ていただきたいと思います。児童間で発生する問題を自治体において把握する仕組みがあるかどうかを聞いたものです。
まず、把握する仕組みの有無については下の表にございますとおり、都道府県で87%、政令市で90%、児相設置市で50%が把握する仕組みがあると回答しております。
把握状況・把握方法につきましては、下の表の右側になりますが、4番目「定期的な書面報告の義務や調査はないが、随時個別に問題の発生状況を把握している(事後報告等)」が最も多く、次いで、1番目「問題発生時に、施設からの報告を義務付けている」が多くなっています。
次に、5ページですけれども、平成29年度に児童間で発生した各種問題についての把握状況をまとめたものです。下の表にございますとおり、性的な問題、暴力の問題、心理的な問題の3つに分けまして、それぞれの状況について聞いております。このうち性的な問題につきましては、都道府県で18、政令市で9の市が把握していると回答しております。同様に暴力の問題につきましては、都道府県で13、政令市で10。心理的な問題については、都道府県で8、政令市で3が把握していると回答しております。
6ページでございますけれども、先ほどの5ページの調査で平成29年度に把握していると回答した自治体について、その事例の件数を集計したものです。真ん中の表にございますとおり、事例の件数でいきますと都道府県計で性的な問題が40件、暴力の問題が71件、心理的な問題が56件となっております。政令市計で性的な問題が17件、暴力の問題が15件、心理的な問題が1件となっております。
次に、8ページをごらんいただきたいと思います。児童間で発生する問題について各自治体の担当部署で行っている予防等の取り組みについて尋ねたものです。下の表にございますとおり、まず、一番左の列にございます実施しているとする都道府県の数がn=24、実施しているとする政令市が7となっております。
その内容としては、施設の直接処遇職員を対象とした研修・スーパービジョンの実施、または研修の受講支援、施設等の物理的環境の整備に関する助言が多くなっております。
このほか10ページ以降では、特に児童間で発生する性的な問題について詳細に調査しております。時間の関係で説明は省略いたしますけれども、お時間のあるときにごらんいただきたいと思います。
なお、今回の調査では、自治体を対象とした調査となっていますため、自治体で把握していない事例については把握できておりません。このため本年度の研究事業におきまして、事業所を対象とした調査を包括的に行うこととしております。結果については来年の今ごろになるかと思いますけれども、またホームページにも公表されますので、ごらんいただきたいと思います。
説明は以上でございます。

○柏女座長 ありがとうございました。
特に質疑の時間は設けませんけれども、最後に皆様方から何かございますか。よろしいでしょうか。
それでは、時間になりましたので、これできょうの議事は全て終了となります。関係団体の皆様方には、最後までお残りいただきまして御協力をいただきまして、本当にありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。
事務局から、今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。

○山口障害児・発達障害者支援室長 次回の開催は6月26日水曜日、15時から18時までを予定しております。詳細については別途お知らせいたします。

○柏女座長 きょうよりさらに延びて3時間という形の長丁場になりますけれども、ヒアリングを続け、そして論点を少し整理していくという形になりますので、とても大切な回になるかと思います。
きょうはお忙しい中、御出席をいただきましてありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
これにて終了いたします。

 

 

 

(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3048、3037)
FAX:  03-3591-8914

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