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2019年2月6日 第1回障害児入所施設の在り方に関する検討会(議事録)

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成31年2月6日(水)
10:00 ~ 12:00

 

○場所

中央労働委員会会館6階612号室

○出席者

【構成員】

相澤構成員   原口構成員 宮野前構成員 青木構成員 柏女構成員 米山構成員 
朝貝構成員     石橋構成員 水津構成員   小出構成員 濱崎構成員 市川構成員
木実谷構成員 北川構成員 森岡構成員   菊池構成員 田村構成員

○議題

(1) 障害児入所施設の現状について 
(2) 本検討会の進め方等について
(3) その他

○議事

【障害児入所施設の在り方に関する検討会(第1回)】

 

○源河障害福祉課長 時間になりましたので、これより第1回「障害児入所施設の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
なお、本日、有村構成員、鈴木構成員からは御都合により欠席との御連絡を頂戴しております。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としており、議事録については後日厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
また、ホームページでも御案内いたしますとおり、厚生労働省における審議会等のペーパーレス化の推進の一環として、本検討会の資料は紙での配付は行っておりません。御不便をおかけしますが、御協力をお願いいたします。
構成員の皆様には、卓上にタブレットを設置しております。使い方について御不明な点がございましたら、事務局までお問い合わせいただければと思います。
議事に先立ちまして、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長の橋本より開会の御挨拶を申し上げます。


○橋本障害保健福祉部長 おはようございます。障害保健福祉部長をしております、橋本でございます。開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
初めに、委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、構成員をお引き受けいただきまして、まことにありがとうございます。
また、日ごろより障害者、障害児の保健福祉に多大なる御貢献をいただき、また、ご理解いただいていることに対しまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
この検討会の主題となっております障害児の入所施設でございますが、御承知のとおり、平成26年に障害児支援の在り方に関する検討会というものが行われまして、その中でこの施設についての役割の一定の整理がなされたわけではございますけれども、残念ながら、その後、具体的な取り組みが十分に進展しているとは言えない状況でございまして、私どもとしても非常にじくじたる思いを持っておったところでございます。
他方で、施設に入所しているお子様たちは、例えば重い障害があったり、家庭に帰れないような事情があったり、事情はさまざまでございますけれども、世の中で最も支援を必要としているようなお子様方ではないかと思います。また、発達障害あるいは愛着障害、知的障害とかさまざまな障害が重複していたり、いろいろな専門家による介入、その他のいろいろな支援が必要なケースも多いかと思っております。
このため、この検討会におきましては、専門家の方々あるいは施設の現場の方々にいろいろな御意見をお伺いして、こうした子供たちに対する支援が少しでも前に進むような検討を進めていきたいと思っております。
どうぞ、忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、冒頭の私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


○源河障害福祉課長 それではまず、事務局から本検討会の趣旨について説明させていただきます。お手元のタブレットの「開催要綱」をごらんください。
「1.趣旨」及び「2.検討事項」でございますが、この検討会は平成24年の児童福祉法改正、平成26年の障害児支援の在り方に関する検討会においてなされた整理を踏まえつつ、現在の障害福祉政策や社会的養護施設等の動向、障害児入所施設の実態を考慮しつつ、障害児入所施設の在り方に関して検討を行っていただくものでございます。
「3.構成等」をご覧いただければと思いますが、この検討会は障害保健福祉部長による検討会としております。本検討会の下に福祉型障害児入所施設WGと医療型障害児入所施設WGを設置させていただいております。
次のページをおめくりいただきまして、検討会の構成員の皆様方を掲載させていただいております。
座長と副座長に関しましては、部長が指名することになっておりまして、座長を柏女先生、副座長を田村先生にお願いしたいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)


○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
次のページでございますが、WGの構成員の方を掲載させていただいております。福祉型WGの主査につきましては柏女先生、副主査につきましては米山先生にお願いしたいと考えております。また、医療型WGにつきましては、主査を田村先生、副主査を宮野前先生にお願いしたいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)


○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
また、この検討会の公開、非公開等につきましては、次のページの別紙2に記載しておりますので、ご覧いただければと思います。
それでは、以後の司会は柏女先生にお願いしたいと思います。柏女座長、どうぞよろしくお願いいたします。


○柏女座長 皆さん、おはようございます。
ただいま部長から座長に指名されました。田村副座長とともに議事を進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
これまで障害児支援につきましては、平成20年の障害児支援の見直しに関する検討会。先ほど部長のお話にもありました、26年の障害児支援の在り方に関する検討会。そして、今回は障害児入所施設の在り方ということで、ほぼ5年ごとに検討が続けられて、もちろんその間に総合福祉部会による総合的な検討もございましたけれども、それらを踏まえて、この障害児入所施設の在り方に関する検討会を進めていければと思っております。
御案内のように、社会的養護界では、社会的養護の在り方について大きな改革の途上にございます。家庭養護優先の原則が児童福祉法に規定され、その規定は障害児を除外するとはなっておりませんで、全ての子供たちについて家庭養護を優先していくということになっております。
そんな中で、この障害児入所支援施設の在り方についてここで議論ができるようになったということは、本当によかったと思っております。入所施設の在り方もさることながら、入所支援そのものの在り方についても議論できればと考えております。
皆様方の御協力をいただきながら、先ほど橋本部長のお話にありましたけれども、さまざまな課題、苦労、障害を抱えながら暮らしている子供たちと、それを懸命に支援している職員たちのために、何が最善の方法なのかをともに考えてまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは早速、議事に入っていきたいと思います。
まず、議事1「障害児入所施設の現状等について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。


○鈴木障害児支援専門官 資料1につきまして、事務局より説明させていただきます。
資料1「障害児入所施設について」です。
1ページ目をおめくりください。
まず、「障害児入所施設の経過」についてです。平成24年児童福祉法改正のときに、障害種別ごとであった施設を「福祉型」「医療型」に再編しました。障害の重複化を踏まえ、複数の障害に対応できるようにしたものです。
続きまして、平成26年に今後の障害児支援の在り方に関する検討会が開催され、報告書が取りまとめられました。その報告書の中で、障害児入所施設について言及されております。
2ページ目で、障害児入所施設の機能が4つにまとめられております。報告書の中では、障害児入所施設が担うべき機能として、まず、重度・重複障害、行動障害、発達障害等多様な状態像への対応のための「発達支援機能」。
退所後の地域生活、障害者支援施設への円滑な移行、就労へ向けた対応のための「自立支援機能」。
被虐待児等の対応のための「社会的養護機能」。
最後は、在宅障害児及び家族への対応のための「地域支援機能」。
これらを基本としつつ、今後の入所施設の在り方について検討し、その機能の活用を図るべきであると記載されております。
次のページに、先ほど柏女座長のほうからもコメントがございましたとおり、新しい社会的養育ビジョンがまとめられております。
平成28年児童福祉法改正の理念を具体化するために、平成29年8月に出された新しい社会的養育ビジョンの報告書の中では、社会的養育の対象は全ての子供であり、障害のある子供や医療的ケアを必要としている子供、そのほか特別なケアを必要とする子供に対しては、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子供の状態に合わせた多様なケアがなされる必要があるとされております。
ここに書かれていますとおり、まず、家庭養育が保証される必要があるということ。また、障害児入所施設も社会的養護の役割を担っている認識を深める必要があるということ。個々の子供のニーズに応じた養育や家庭環境調整を適切に実施するために、家庭支援専門相談員、いわゆるファミリーソーシャルワーカーなどの配置が必要であると書かれております。
次に、「検討の視点」です。以上のような経緯や状況等を踏まえつつ、現在の障害福祉施策や社会的養護施設等の動向、さらには障害児入所施設の実態等を考慮して、平成26年の障害児支援の在り方に関する検討会で整理されました4つの機能の観点を中心に、障害児入所施設の在り方に関する検討を行っていただきたいと思っております。
説明は以上です。


○柏女座長 ただいま、議事1について御説明をいただきました。
今日は第1回でもありますので、自己紹介も兼ねて、障害児入所施設の現状と課題等について、構成員の皆様お一人ずつ御意見を賜りたいと思います。
最初にお名前と御所属をお名乗りいただいて、時間も考えますと、恐縮ですけれども、お一人様3分程度でお願いできればと思います。
では、宮野前さんからということで、副座長は私の前にお願いしたいと思います。
それでは、お願いいたします。


○宮野前構成員 国立病院機構南京都病院に勤務しています、小児科医の宮野前と申します。
私自身は、いわゆる重症心身障害従事者と言われている重度・重複障害の子供さんを、大人を含めてですけれども診させていただいていまして、一応私自身は現場の人間と思っていますので、医療的ケアといった、社会的な課題があるお子さんたちを診させていただいている現場の視点でお話しできればと思っています。
現在、国立病院機構は約73施設が重心の病棟を持っていまして、約7,700人の方が療養生活をされています。そのうち、ちょうど10%の方がいわゆる18歳未満で児に当たる方たちで、この子供さんたちの特徴というのは、非常に医療ニーズが高い方。約45%の方が何らかの人工呼吸器ケアを受けておられるというような方たちで、言ってみれば日中活動とか社会参加の視点で頑張ってはいるのですが、なかなかできない。そういった重度化が明らかに進んでいるということをベースとして知っておいていただければと思います。
子供さんたちを診ている施設はたくさんありますけれども、いろいろな医療的な課題やマンパワーのこともありますので、そういった現場の視点で意見を述べられればと思っていますので、よろしくお願いします。


○朝貝構成員 信濃医療福祉センター、諏訪から参りました、朝貝と申します。全国肢体不自由児施設運営協議会の会長を拝命しております。
今、宮野前先生からお話があったように、私どもは平成24年に医療型障害児入所施設になって、肢体不自由児施設と重症心身障害児施設が一緒になったわけですけれども、全国に旧肢体不自由児施設は57施設あって、今、お話しになったように、一緒になってから相当重度化が進みました。
地域支援ということを一生懸命やっていきたいのですけれども、どうしても長期入所が優先されているという状況があって、これからこの検討会も含めて、我々はしっかり地域支援ということをやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。


○柏女座長 時間的にはもう少し大丈夫ですけれども。3分ありますので、自己紹介だけではなく、今、考えていることをぜひお話しいただければと思いますが、大丈夫ですか。


○朝貝構成員 大丈夫です。


○柏女座長 よろしいですか。
持ち時間は3分ありますので、ぜひここに期待することをお話ししていただければ。フリー討議という形になります。自己紹介だけではないので、よろしくお願いいたします。


○石橋構成員 石橋吉章と申します。住まいは隣の神奈川県の川崎ですけれども、団体は全国肢体不自由児者父母の会連合会で、現在副会長を仰せつかっております。
私が障害児を授かったというか接した時代と、今は障害の程度が違いまして、会の中には医療的ニーズが高い方も会員に加わっています。
この構成員のお話があってから、自分の子供は入所よりも療育センターでの生活が長くございましたので、入所というのはよくわからなくて、少し見聞もさせていただきました。
地域生活ということを視点に置く。または、児童ですから、有期限ということを考えますと、先のことを入所期間中にどう療育していくのかということが大切なのではないかなと思います。
福祉型と医療型で、そこにかかわる方々が措置と契約という形で入所されますけれども、ここの線引きが非常に曖昧と感じました。そのときの担当官というか、区役所なり児童相談所の職員の裁量で、契約になったり措置になったりという線引きがはっきりしないまま生活を送りますと、その次のステージに行くためのところでまた一つ障害が生じているのではないかなと感じておりますし、多分、教育のところも物凄く関係してくると思います。院内教育なのか、地域生活ということを考えるならば、地域の養護学校、特別支援学校に通うというようなことも議論できればありがたいと思っております。
以上でございます。まだ足りなかったでしょうか。


○柏女座長 もう少し大丈夫です。
一巡して時間が余れば、短かった方で補足があればいただきたいと思います。
どうぞお座りになったままでお話しください。


○水津構成員 全国重症心身障害者を守る会の会長代行をやっておる、水津でございます。
最初に、皆さん方に感謝を申し上げたいのでございますけれども、当会の長年の念願でありました、児者一貫制度の恒久化を認めていただきました。感謝申し上げたいと思います。
次に、皆さんが重症心身障害児者についてどの程度理解があるかわかりませんけれども、さらにご理解を深めていただくために、重症心身障害者をめぐる現状と課題についてお話しをさせていただきたいと思います。
まず最初に、重症児者をめぐる現状についてお話ししたいと思います。重症心身障害児者は全国で約4万3000人いると推計されています。そのうち、3割強は医療型重症児入所施設並びに療養介護事業所等に入所しております。残りの7割弱は在宅で暮らしているというのが現状でございます。
近年、出生数が減少しておりますが、重症心身障害児の数は増加傾向にあります。これは、従前には助からなかった命も、近年の医療制度の進歩により救われているわけでございます。ということは、障害児になるリスクが高くて、重症児が増えていると言われております。
一方、施設に入所している重症児者は、障害程度が重く、濃厚な医療的ケアを必要としていることから、地域移行は極めて困難であると思っております。施設を退所するときは死亡したときだということでございます。
以上のような現状を踏まえて、次の3つの課題を要望として述べさせていただきたいと思います。
1つ目として、近年はNICUから在宅生活に移行する事例が急増しています。人工呼吸器の装着等、濃厚な医療を必要としている重症児が、自宅での受け入れ体制に母親の心の準備が整わないままに、病院側が主体となって退院を急ぐ事例が見られています。在宅介護の中心となる母親は、十分な睡眠もとれず、極限状態で不安な毎日を過ごしています。
そうした実情を受けて、厚生労働省では、医療的ケア児等総合支援事業を平成31年度の予算の新規事業として計画されているとお聞きしております。全ての都道府県や市町村において、医療的ケア児が必要な支援を円滑に受けることができるよう、体制整備をお願いしたいと思います。
また、在宅の重症児者を支えるため、短期入所病床の拡充、相談支援、通所施設の整備等の在宅福祉サービスの拡充が望まれています。中でも短期入所につきましては、ほとんどの施設で3カ月前から申し込みを受け付けていますが、予約が殺到し、希望どおりに利用することができないことが多くあります。入所施設で蓄積したノウハウを生かし、在宅者への支援がより一層充実されますようお願いいたします。
最後の3つ目でございますけれども、親は可能な限り地域でともに暮らしたいと願い頑張っていますが、障害の重度化と親の高齢化に伴い、介護が限界となり、施設入所を希望するようになります。
当会が平成23年度に実施した入所待機者数調査によりますと、全国で約3,700人の入所待機者がおり、都市部でその傾向が高いことが判明しています。近年、それらの地域で施設が開所していますが、入居待機者が多い地域でさらなる整備が望まれています。
以上、重症心身障害者をめぐる現状と課題について話させていただきました。よろしくお願いします。


○木実谷構成員 皆さん、おはようございます。
木実谷と申します。日本重症心身障害福祉協会の理事長をしております。初代といいますか、江草先生から草野時治先生、岡田喜篤先生と続きまして、そうそうたる方の後にやって、非常に心苦しいのですけれども、10年ほど若返ったという感じで理事長を3年半ぐらい前からやっております。どうぞよろしくお願いいたします。
私自身は、日本で最初にできた重度の障害児の施設である島田療育センターというところの院長をしておりまして、ちょうど平成7年に島田に参ったのですけれども、平成18年ごろから非常に法律がばたばたと目まぐるしく変わりまして、契約を基本にしなさいということになりました。
親のほうも非常に戸惑いが多くて、重要事項説明書とか、私は不動産ではよくなれていたのですけれども、こういう領域でもこういうことをやるのだということで戸惑いましたが、そういうことを取り入れてやっていく中で、親からはとても怒られて、何でこの年になってこんなことをしなくてはいけないのだと、島田さんで全部やってくださいと言われまして、それでは契約にならないでしょうというような話をした覚えがございます。
そのぐらい親のほうも高齢化しておりましたので、18年からいろいろな法律ができて、最近では差別の問題とか、障害者の権利条約、その辺の批准を遵守するために、日本もいろいろな細かいことが法律的に変わってきたのだろうという15年だったのだろうと思うのです。ですから、平成というのは非常に障害、重心の施設にとってはとても大変な時期でもございました。
ただ、18歳のところで児童福祉法と療養介護事業ということで2つ分けましたけれども、厚労省の御努力によりまして、児者一貫の恒常化を認めていただいたのは本当によかったと思っています。
ただし、いろいろな条件がありまして、藤井部長のときにさんざん私も言われて、昼間は何もしてないのではないですかと言われまして、昼間の活動をきちんと見せてもらわなければ、この児者一貫の恒久化もどうなるかわからないみたいな感じで言われたのです。
ですから、今、重症心身障害福祉協会では、日中活動の在り方というものをどういうふうにしていくのだということを、もっと見える形できちんとやっていこうと思っています。というのも、入所者の高齢化が進んでおりまして、島田でもほとんど学校に行っている人がいなくなってきまして、なるべく小さい子を入れようかと思っても、小さいうちはおうちで見たいという方が多くて、どうしても40、50という入所希望者が増えてまいりました。
そういうところで、我々も何とかそれに見合うようにしなくてはいけないということなのですけれども、それと相まって、学校も終わっている人たちがほとんどになってきておりますと、昼間、学校でお世話になっていたときのすばらしいいろいろな行事とか活動を同じようにしろといっても、なかなか自分の施設1カ所だけでは難しいので、今後、日中活動ももうちょっとみんなで協力してやれるような形が望ましいのかななんて思っています。
入所しながらほかのところに行ったりというのは難しいことがあるのですけれども、同じリソースをもうちょっとみんなで共有して、それぞれ得意な分野がございますから、Aという施設ではこういう行事がある、Bという施設ではある、そういうことをお互い利用し合うということも必要なのかなと思っております。
それから、入所施設というものは一回入所するとずっと亡くなるまでいるというのが、今、ほとんどそうなのですよね。ですから、それでいいのかということがあります。一部、ローリングベッドなどを使って、1つのベッドを年間で何か月かずつ在宅の方に使うということもあるようですけれども、入所の固定化というものもこれから考えないと、在宅は増えるわ、入所施設はないわということがあります。それから、行政のほうも援助は余り望めないので、その辺のハードのほうも今後いろいろ考えていきたいと思っております。
医療があるということが、重心なんかではとても重要なことですよね。ですから、医療的ケア児というのが今、話題になって、逆に医療というものが脚光を浴びていまして、我々のような施設は、ノウハウがいっぱいあるから医療的ケア児をどんどんやりなさいと言って、何でもかんでもやれ、発達障害もやれとあふれ切っておりまして、その辺を少し整理しながら、我々の行く末を考えていきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。


○菊池構成員 皆さん、おはようございます。
三重大学教育学部の菊池と申します。教育学部の特別支援教育講座の教員をしておりまして、以前は国立病院機構、仙台のほうの西多賀病院というところで児童指導員を12年ほど勤めておりました。大学に来て10年になるのですが、私自身、児童指導員のときから、医療的なケアの濃厚に必要とされる子供さんたちの支援を自分自身の課題として進めてまいっておりました。
そうした子供さんはさまざまな感覚機能がなかなかうまく働かなくて、働きかけに対する応答が乏しいという状況にございます。そうした子供さんたちに対して、学校の先生であるとか、病院や施設の職員さんがさまざまな教育や療育を行っているわけなのですけれども、実際にそうした子供さんたちに対する、いわゆる見立てというか見方あるいはそれに基づいた支援の在り方ということが十分に確立されていないような状況にあると思います。
したがって、今回は入所施設の在り方ということでありますけれども、実際にそこで働いている方々、教育関係者や医療福祉関係者が、働きながら子供たちに対して質の高いサービスを提供するためには、彼らのそうしたさまざまな子供の見方をしっかりと育てていく必要があるのかなと思っております。
ですから、そういう視点についてまず一つ議論ができたらいいのかなというところと、あとは、在宅の子供さんあるいは入所している子供さんもそうなのですが、特にこうした医療的ケアが濃厚な子供さんたちについては、就学前にほかの子供さんと交わる機会が少ないと思うのです。子供たち同士の関係の中で育ち合いがあると思うのですけれども、そういう機会の提供を入所の中でも具体的に検討すべきではないかと思っておりますし、また、それをどう在宅支援の中にも広げていくかということは課題かなと思っています。
あとは、木実谷先生がおっしゃっていましたように、学校教育終了後のことになりますが、一対一でかかわっていた学校の先生が、学校教育が終わると、先生一人に子供一人ではなくて、職員一人に子供さん4~5人ということで、若干かかわり合いが少なくなるような感じもございますので、そうしたところの引き継ぎの在り方も含めて、療育、教育の質を落とさない入所機能の在り方ということも議論できたらと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。


○森岡構成員 三重県庁障がい福祉課、森岡と申します。よろしくお願いします。
三重県は大体都道府県の序列で24番目とか25番目で、中間的な県というような位置づけになっております。
まず、福祉型障害児入所施設でございますが、県内に4施設ございます。定員120で、100名ぐらいのお子さんが現在入所中でございます。数年前、26年度から、福祉型でございますけれども、私どもも県内で障害児の入所施設の在り方検討会というものを立ち上げまして、この過齢児対策を中心に検討を進めてきたところでございます。
そういったこともございまして、26年度に4施設、28名の過齢児のお子様がお見えになりましたけれども、現在は6名程度というようなことで、非常に4施設に努力いただいて、地域移行や者の施設への転換をしていただいているというようなところでございます。
まず、その入所施設の在り方検討会でございますけれども、児童相談所といいますと、今の虐待の問題もございますけれども、そういったことで大変な状況にあるということで、なかなか施設の障害児のところに目が届いていないというような状況がございまして、この在り方検討会におきましては、児童相談所の職員、市、町の職員、施設の職員の話し合いの場といいますか、情報交換の場としまして、最初のほうはなかなか話も弾まなかったのですけれども、最近は、率直な意見交換もさせていただいているところでございまして、こういったことに児相とか市町を、早い段階で巻き込んでいくというようなことが非常に大事なのかなと思っております。
あと、逸れるかもわかりませんけれども、私どもの課題としては、施設は非常に人材不足と言われております。ある施設では、30名の研修生を受け入れて1名残るか残らないかというようなことをおっしゃっていますし、ゆくゆくは介護現場では外国人の任用ということが言われていますけれども、そういったことにも目を向けていく必要があるのではないかというような御意見もございまして、人材不足というのが非常に頭を悩ませている問題でございます。
それから、児から者施設への移行でございますけれども、なかなか円滑にいかないというような問題がございます。それに関しましては、数字的なことを申し上げますと、4施設のうち、9~13歳までのお子様が36名、15~18歳までのお子様が57名ということで、高校に入ってから入所される方や中軽度の方が多いということで、なかなか1年、2年で地域移行や者の施設へ転換できないというような状況もございます。
先ほど、措置と契約という話もございましたけれども、私どもでいいますと、措置が多いのですけれども、1つの施設では措置が30で契約がゼロ。もう一つの施設では措置が12で契約が18というように、非常にばらつきがある状況でございます。私どもとしましては、措置のチェックリストをつくりまして、それに該当する場合は措置というようなことにしておりますけれども、施設によってかなり運用に違いがあるというようなこともございます。
そのような中で、情報交換とかそういうことを中心に取り組みを進めているところでございます。
あとは、医療型の障害児入所施設に関しましても4施設ございまして、県の施設も2年前からオープンしたのですけれども、診療に9カ月待ちとか10ヶ月待ちといっぱいになっている状況でございます。
私どもとしましては、これも議論が逸れるかもわかりませんけれども、いかに地域で社会資源をふやしていくということで、今ある資源の機能拡充をできるように、人的アプローチですね。相談支援専門員さん、看護師さん、保健師さんといった方にコーディネーターになっていただいて、その方もなかなか専門的な知識はございませんので、三重大学の医学部の附属病院の小児科の先生にスーパーバイザー等の役目を果たしていただいて、そういったテコ入れもしているところでございます。
あと、事業所でも喀痰吸引といったことができるように、これも三重大の医学部の附属病院さんの御協力によりまして、出張で技術指導に行っているというようなところでございます。
三重県としては、既存の4病院プラス社会資源をふやしていくというようなアプローチの仕方をさせていただいているところでございます。
以上でございます。


○相澤構成員 大分大学福祉健康科学部の相澤でございます。どうぞよろしくお願いします。
私は長いこと児童自立支援施設で、小舎夫婦制で子供たちと寝食をともにするような生活をしてまいりました。30年近くそういう生活をしておりまして、最初は県立の施設に行って、その後国立の武蔵野学院で寮長をやって、その後、厚労省のほうで6年間児童福祉専門官とか補佐をやった後に、きぬ川学院と武蔵野学院の院長を務めさせていただきました。
この障害児の在り方ということですけれども、私のそういう経験からしますと、例えば武蔵野学院に入ってくる子は、PTSDですし、非行ですから素行障害もあるということで、知的障害とか発達障害という重複障害があるような子供たちと生活していたわけです。
県立の施設の子供たちと国立に来たときの子供たちを比較したというか、自分が実際にそういう子供たちの支援をしてみて感じたのは、発達課題の最初のアタッチメント形成みたいなところがきちんと形成されていない、愛着に障害のある子はなかなか大変だなと。その辺がきちんと形成されていくということがすごく重要なのだろうと。そういうことを考えると、この発達支援の機能の中で小規模化をしていくとか、先ほど柏女座長が言ったように、家庭養育優先の原則をきちんと考えた在り方を踏まえていかなければいけないのではないかと、自分の臨床経験から強く感じております。
そういう意味では、被虐待の心の回復のための専門的ケアというようなことを考えると、いろいろな他職種、医師とか心理士、看護師の方々の配置をして、個々のきちんとしたニーズに応えていくことがとても大切だろうと。そのために、そういう障害児施設の中に多くのいろいろな専門家を配置するといったようなことも必要ではないか。
先ほどビジョンで紹介していただきましたが、家庭支援専門相談員などの配置というのは、私も検討会の委員だったのですけれども、私もいわゆるファミリーソーシャルワーカーを配置するというようなことが必要だと発言させていただいたのですが、できるだけ家庭の中にお返ししていくことが障害児の子供たちにとっては必要ですので、早期にきちんと在宅に移行していこうということが必要ですので、ファミリーソーシャルワークについても考えていく。
また、自立支援ということで、移行支援ということでございますけれども、社会的養護のもとで施設で生活した子が在宅に戻って家庭復帰していくということは、非常に丁寧に、スモールステップで少しずつ移行していかないと、なかなか適応できない。
例えて言うならば、サケが海水から汽水にいって、汽水から淡水にならしていくのと同じように施設が海水で在宅が淡水だとすれば、きちんと汽水の時期を十分にとって、そこでケアを手厚くして徐々に徐々に移行していく。そういう支援を考えていくことが必要ではないかと私は思っています。
もう一つ、地域支援機能ということですけれども、施設として、地域のニーズ、子育て支援ニーズとかということにもきちんと対応していくという意味では、多機能化を図っていくというようなことも今後は必要ではないかなと考えておるところでございます。
私のほうからは以上でございます。ありがとうございました。


○原口構成員 国立精神・神経医療研究センターの原口と申します。よろしくお願いします。
私は、ふだんは国立精神・神経医療研究センターの研究に携わると同時に、心理士という立場で、保育園、幼稚園や小中学校等、障害のあるお子さんの通所施設などの支援のアドバイザーなどを外部の立場として務めていることが多いです。
そういった観点から、今回のお話をいただいたときに少し思ったのは、障害児入所施設の在り方の検討会ということなのですけれども、障害児入所支援という形で考えたときには、恐らく入所施設での支援ということだけではなくて、入所施設への支援というか、先ほど意見もあったかと思うのですけれども、例えば外部の、地域にいる専門家の方が一緒になってスーパーバイズをしたり、職員へのサポートをする。
私も施設のほうにかかわらせていただくことがあるのですけれども、職員さんが、例えばお子さんとのかかわりというところに難しさを感じて、うまくいかなかったときにやめてしまったりしたときには、その方の研修ということだけでもなくて、サポートという意味では、中に専門家を配置することももちろん非常に重要なことだと思うのですが、何か地域の中でそういったバックアップのような形の仕組みというものも一緒に考えていけるといい。もしかしたら今回の視点とは少し違うのかもしれませんけれども、私自身の今までの考え方からすると、入所施設での支援の充実を図る上でも、入所施設への支援という意味でも、そういった部分も非常に大事になってくるかなと思います。
地域支援に関しても、入所施設の役割としての地域支援というものもあると思うのですけれども、地域との支援といいますか、例えば学齢期で言えば特別支援学校があったりするわけですので、そういった連携という視点を見たときに、入所施設での、入所施設への、入所支援とのというような形で、非常に包括的に考えていくようなことも一つ視点として入れていくことで、最終的には施設での子供たちへの支援に還元されると感じています。
ですので、今回の議論の視点として、発達支援、自立支援、社会的養護、地域支援という非常に多様な機能を、全てこの入所施設へのということではなくて、入所施設を中核としてでも、周りの地域のいろいろなリソースとどういうふうに連携していけるかということも視点の中に組み込むことで、そこにいる職員さんたちにも応援になると思いますし、お子さんや家族への支援にもなるのではないかなと感じています。
私自身も今回のお話をいただいて、こういったいろいろな資料を見させていただいたり、見学をさせていただく中で感じたのは、実態というところを踏まえてなのだけれども、実態に非常に多様化があって、その一つ一つが本当に違っている。お子さんも一人一人違っているというときには、その施設の強みやその課題をアセスメントしたり、お子さん一人一人のアセスメントももちろん大事になってくるかなと思うのですけれども、施設のそういった強みみたいなところもネットワーク型で考えていけると、施設と施設での協力とかができるのかなということは少し感じたところであります。
どうぞよろしくお願いいたします。


○青木構成員 おはようございます。武蔵野学院の院長をしています、青木と申します。
本日は障害児施設の関係の皆さんがお集まりの中で、児童自立支援施設とは何ぞやというような形で、御存じの方も多くいらっしゃると思いますけれども、児童福祉施設の一つであります児童自立支援施設、昔は教護院というような言われ方をしていた時代もあります。そこの施設長を今、しております。
その私がなぜここにということからすると、私がこの児童福祉の仕事をする出発点になった、今、名前は変わりましたけれども、秩父学園という知的障害の施設があります。そこで17年間指導員をしておりました。それが私の仕事に対する、また、障害を持った子供たちとの原点であります。
その後、厚生労働省のほうに仕事をする機会をいただきまして、10年間ほど厚生労働省で仕事をさせていただきました。その最後のときに、障害児支援の専門官をしていましたので、まさに平成20年の障害児支援の在り方検討会のときに担当をさせていただいて、今日お集まりの皆さんの中にはお久しぶりですと御挨拶しなければいけない方がいっぱいいるような気持ちでいます。
そして、今の武蔵野学院の現状なのですけれども、昔はいわゆる非行少年と言われているような子供たちではありましたが、今はいわゆる暴力だとか薬物といった子供たちは随分減っております。むしろ障害のお子さんが随分ふえています。ですので、うちの実態でいうと、入所の段階で療育手帳を持っていますとか、精神発達の形での服薬をしていますとか、また、入所して、これから退所するに当たって、手帳をとらなければいけない。それも、療育手帳だけではなく、精神のほうの手帳も含めて、そして、障害児支援につなげていかなければいけない。こういったお子さんが7割とか8割という数字になっております。
これは国立の施設だからということももちろんありますが、全国の児童自立支援施設は今、58ありますが、全国的に見てもこういった障害のお子さんが増えてきているということが明らかになっております。
そういった意味では、障害のある子供たちというよりは、たまたま児童自立支援施設に入所しているということではありますが、全ての子供たちにとって何が必要なのかというようなことをこの会でも考えていければと思っております。
単に分類支援ということで、施設の役割が違うよねというその違いだけではなく、似ているところも必ずありますし、むしろ同じところもきっとあるのではないかと思います。先ほどから話が出ているように、施設同士で協力ができるといったことも必要ですし、さらには協力していかなければならないこともあろうかと思います。さまざまな立場でお話しさせていただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。
以上です。


○米山構成員 心身障害児総合医療療育センターの米山です。よろしくお願いいたします。
今回、私は福祉型の入所施設のワーキングということで、もともと私の今いるセンターは重心のほうで、私は昭和59年から重心で抱えてきた方々の家族をずっと診療させていただいたり、そんなことから始まって、医療的ケア児も私どものセンターの所長の北住がいろいろ提言したところから出た言葉でございます。
そういった中で、今回、医療型の障害児入所施設もあるのですけれども、私に拝命いただいた理由としては、皆さんのお手元の資料にもありますけれども、平成28年、29年に厚労科研のほうで障害児入所支援の質の向上を検証するための研究をさせていただいて、そこで全国の医療型あるいは福祉型の障害児入所施設の実態を調査させていただいてきました。
その中で、今後の在り方を示唆するようないろいろな情報がございましたので、そういったものを踏まえて、いろいろ皆さんと話し合いをして、今後の在り方について検討できればということを期待されているのだと思います。
そこの実態調査をして、家庭局のほうの養護施設等の実態調査から、障害児施設は児童福祉施設でありながら今まで除かれていたのです。それが、30年2月の、前回の5年ごとの調査に初めて障害児施設が全部入った形での調査になって、やっと児童福祉施設が全調査になったことは本当にありがたかったなと思います。
26年の今後の在り方の中で、御本人の最善の利益保証、ベスト・インタレストという発達支援と、そこの育ちの基盤の家族を支援するといったところを地域支援でという3つのことが言われて、随分この5年で変わってきていると思います。
医療的ケア児も含む中で、在宅の方々を支援するという中でいうと、私の知っているデータであると、例えば1カ月30日の間に60時間ですといって、要は1日2時間のケア等がある御家族が、学校の時間ももちろんレスパイトを含んではいるのですが、それを除いたレスパイトがあると、その親御さんたちの健康度、QOLが有意差も持って変わるということがあります。それは日本の調査なのですけれども、実際に海外の調査でもレスパイトがあったほうがいろいろな質が上がるという報告もありますが、そういう在宅の支援を考えたときに、利用者さん本人と御家族のニーズをもう一度踏まえた上で考えていかないといけないと思います。
たまたま私どもの在宅の方で、重心の方だったのですけれども、先週インフルエンザで亡くなられたという方がいらっしゃって、在宅の支援の在り方というのは考えなければいけないと改めて感じたところではあります。
そういう医療型のこと、それから、福祉のほうでも、先ほどの調査報告でもありましたけれども、今後の新しい療育ビジョンでもございますが、施設に入った方々について言うと、家庭環境が良好な、家庭的環境という言葉で提言されていますけれども、そういったところだと、いわゆる小規模化、グループケアということを始めたら、子供の暮らしということでいうと、職員と一緒にする時間が増えたり、問題行動と言われるようなものが減ったといういろいろなデータを報告書に載せています。
その中で、ソフト面で人材育成だとか、居住空間の工夫だけでも随分変わるというようなことが報告であるのですけれども、そんな中で今後、人材育成もですし、人材の確保が厳しい中だと、いろいろなAIを使いながらの見守り機能だとかといったことも含めて、いろいろ検討できればいいかなと思います。
ちょっと長くなってしまったのですけれども、最後にお願いなのですが、用語の使い方で、実は社会的養護のほうでお話をした際に、医療的ケア児というともちろん児童福祉法の56条の6の2のものなのですけれども、福祉の領域だと、医療とのかかわり、薬物療法といったものを医療的ケアという表現をしていることもございますので、その辺も検討会の中ではそう混乱はないとは思うのですが、そういった言葉の使い方を用語集のような形で用意していただけると、共通の土俵でお話し合いができるかと思います。
私は先々、障害児入所施設を、障害児入所ではなくて児童発達支援入所施設のように、障害児というような言葉の使い方といったところも変わっていけばいいな、なんて個人的に考えています。
長くなって申しわけありません。よろしくお願いいたします。


○小出構成員 手をつなぐ育成会の小出と申します。
私は、知的障害と自閉症を重複します28歳の娘がおります。28歳になりましたけれども、私は地元の浜松の育成会、浜松市の中には育成会が4つありますけれども、そのうちの一番もともと浜松市であった育成会ということで、今、会員が1,100名おります。
それで、幼児、就学前の幼児が100名弱おりまして、学齢期が全体の4割、児が4割ぐらいいるということで、知的障害というのは生まれつきの障害ということで、私はそこの会長になって20年たちますけれども、定点観測という意味合いで、幼児、その幼児の世代の保護者、また、その処遇をずっと見る機会がありまして、現在もそうやっています。
そういうことで、入所施設についても、実は平成17年、自立支援法が始まる前の年から、県立の施設の在り方検討ということで加わっておりまして、その中には多くのというか、児童施設があります。山下清もいたという有名な八幡学園というところもありまして、その施設ができた昭和23年のころは保護という形だったのですけれども、年代によって大分変わってきたなと。
それで、養護学校が義務化になる昭和55年というのは、その中では教育がされていた。結構多くの児の入所施設があったと。現在、10カ所になりました。約300人弱が入所しておりますけれども、御用意していただいたデータから見ますと、この数値で大分私どものところと違うのは、虐待児が31.5%という数字がぽんと飛び込んできたのですけれども、現在、28年度のデータで、首都圏の場合は、児童入所施設でいきますと70%弱が虐待児でございます。それが、26年のときのデータは40%台だったのが、急激にここに来てふえております。ということがありまして、児童入所施設の在り方が大分急激に変わってきたなと。
それから、障害福祉サービスとこの入所の大きなところで、私どもが悩んでいるのは、入所施設でありますので、市、町をまたいだ圏域であるということです。先ほど委員の中で、入所施設に入るときの課題ということも言われておりましたけれども、私は出るときですね。そこから退所するときに、引受先が市、町の福祉になるということで、広域の県域の対象となる入所施設にいた人たちが地域に帰ることの困難性がある。
それから、障害福祉サービスも、いろいろな児のサービス、放課後等デイサービスも含めて急激に整ってきました。それによる弊害、弊害と言っていいかはあれなのですけれども、学齢期は特別支援学校と放デイがセットで、ずっと昼間は面倒を見てくれるということで、それが卒業時になくなるということ。その間、家庭ではほとんどのお母さんは働くようになっておりまして、子供を見る時間というのは極端に減っております。それで18歳になって卒業して家庭に帰ってくるかというと、そのサービスが途切れますので、家庭に帰れない。そうすると、今度は者の施設なのですけれども、児の入所施設にはかかわりはないのですけれども、潜在的な問題をここにはらんでいる。児の施設から地域へという出口のところでは、同じような共通の課題があります。
これが福祉サービスが整ってきたことによることかどうかはわかりませんけれども、そういう保護者の生活の視点で皆さんの御意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。


○濱崎構成員 11番の濱崎久美子と申します。
私は全国盲ろう難聴児施設協議会という小さい団体の事務局長として、ここに出させていただいております。
私どもの協議会は、以前、難聴児の通園施設であった施設で、今は児童発達支援センターになっている施設。それから、盲とろうの入所施設が開園ということで、入所施設が盲単独ですと3です。ろうと併用で合わせて5。それから、ろう単独は8。難聴児通園施設だったところが22と、全部で31のちっちゃい団体なのです。
なぜその小さいところで頑張っているかというと、聴覚と視覚は感覚障害なので、ここは楽するわけにはいかないということで、頑張ってはいるのですけれども、実態としては、盲とかろうだけに限りますと、入所する子供さんの数がどんどん減っていきますので、そこをどうやって切り抜けているかというと、定数をその時期々々に減らして、職員数も減らしていくとか、それぞれの設置されている都道府県ないしは政令指定都市と相談して、ほかの障害のお子さんを措置で受け入れることで生き残りを図っているというのがここ最近、10年くらいの実情でございます。
でも、共通していることは、盲とかろうのお子さんというのは必ず生まれてくるわけだから、そういうお子さんがいたときに行くところがないということがないようにはしなくてはいけないと思っているわけです。
こういう少ない数ですから、県立の施設も2つありますけれども、1つの県はその県の子供しか入れませんけれども、もう一つの県はそんなことは言っていられないということで、県立であっても広く受け入れています。それから、民間の施設のほうは全部設置されている市区だけではなくて、全国展開という感じでいろいろなところからお子さんが来ているという実情です。
今、ちょうど私どもも自分たちの協議会の中で、せっかく施設を持っていながら、余りしっかり活動していないところもあると言うと語弊がありますけれども、守りの姿勢だけでずっと来たのを、何とかこの後自分たちでできることは何かということを考えなければいけない。そうしないと存続も大変ですよと、会そのものの存続も大変ですよという時期に来ていたときに、このようなお話を起こしていただいて、本当にありがたいと思っているところです。
私自身の施設としては、主たる障害を聴覚障害とする、東京の金町学園というところの施設長をさせていただいているのですけれども、今の状況でいきますと、通常の社会的養護の施設に障害のあるお子さんが10%以上いるとかという話も出ておりますので、もうちょっといろいろ開いてみて、障害のある子供の施設、ない子供の施設という分け方よりは、今までもお話が出ていますけれども、その辺を見直してみるということも必要かと思います。
最近の私どものところでは、お子さんが2人いて御両親が離婚されて、お父さんが子供さんを引き取ったと。それで、小学校3年生のお子さんは普通のお子さんということで児相の一時保護所で預かって、次の施設が見つかるまで1年以上も一時保護所にいると。下のお子さんは聴覚障害があるということで、私どもがあいていたので入れるという状況になった。でも、そのときに、本当はきょうだいが一緒に、どちらかでもいいですから入れたほうが、親としては預けるのに安心だと。児相と大分かけあったみたいですけれども、それは今の状況ではできませんということで、そんな家族3人が3カ所で生活しながらというようなこともあったりすると、もう少しそのあたりがフレキシブルにといいますか、子供とか家族ということに重きを置いたら、ちょっと融通があってもいいのではないかということは、現実に幾つか起こっていることでございます。
そんなことを含めて、今回せっかく持っている入所施設の、特に福祉型の入所施設でろうは子供さんの数も少ないですので、何か生かすことができるといいのではないかと思っております。
どうぞよろしくお願いします。


○市川構成員 自閉症協会から参加しております、市川と申します。よろしくお願いします。
私は、40年ぐらい児童精神科をやっており、第1種自閉症施設の病院に30年ぐらい勤務しておりました。その間、出向で知的障害児施設の医務課長を何年かやっておりました。福祉と医療が、同じような人がいるのに全然違う見方をしており、驚いたのを覚えております。両方とも、児者転換の問題がうまくいっていないという点と、強度行動障害の対応をどうするかという点が課題になっていました。
私が病院で勤務したときに驚いたのは、児の病院なのに者が三分の一いるという状況です。大人になっても受けてもらえるところがなかったのでした。福祉施設で受けていただけるといいのでしょうが、行動障害の激しい人はだめだと受けてもらえず、大人の病院にもなく、そのまま時間が過ぎた結果だと思いました。
私が院長の時に病院が移転になりましたが、私の功績は、30年かけて70人いたオーバーエイジの人をゼロにしたということでした。
強度行動障害についても、医療だけでも何ともならないし、福祉の世界では、経験則に基づいているスタッフもあり、虐待は非常に起きやすい状況にありました。少しずつ改善しているかもしれませんが、この分野は、医療と福祉が乖離していまして、一緒に行動していなかったと私は理解しておりました。
福祉施設にいた時には、例の医学モデルと生活モデルと言う考え方には困りました。重症心身障害でも、私たちの分野でも、医学モデルは使えず、生活モデルでやるしかないことが、理解してもらえていなくて、「医療は邪魔だ」とはっきり言われたこともありました。といって、福祉だけでは診られないのです。病院にいたときに一番福祉から感謝されたのは、障害児施設で医療が必要になった人を一時的にお受けして、数か月で施設に戻っていくシステムでした。養護施設、児童相談所の一時保護所も同様に対象にして感謝されたことを覚えております。
この分野は医療と福祉の連携をしなかったら、利用者は非常に気の毒だと私はいつも思っているのですけれども、そういうことを理解していただける方がなかなか少ないように思っております。
実際に、厚労科研でも報告してあるのですけれども、結局行動上の問題が激しいということで、家庭は受け取らない、福祉施設も受け取らないという方が、精神科の成人の病院に十何年前に全国で調査したときに500名ぐらいいたのです。成人の精神科病院では、知的・発達障害の専門医はいませんから、ただいるだけになってしまっているという状況でした。この2~3年でもう一回新たに調査したのですけれども、国公立医療機関は減っていなくて、民間は少し減っていましたが、もしかすると亡くなられた方もいたのかもしれません。成人になったときにどうするかについては、重心は児者転換が必要で連携して行く方向だそうですが、強度行動障害についても抜本的に考えないと、いつまでたっても御本人たちは非常に厳しい状況に置かれるのではないかと考えています。児童精神科は精神科の中の一部なのですが、残念ながら精神科医の多くは統合失調症と鬱病しか興味がなくて、知的障害のある方とか自閉症の方はほとんど診てくださらなかった。最近になって、発達障害が非常にふえてきまして、日本精神病院科協会もやっと興味を持ってくれるようになってきている状況です。知的障害のある発達障害の方、特に入所が必要な方は気の毒な状況が続いており、非常に心配しているところです。ぜひ何らかの方向性を出していただけるとありがたいと思っています。


○北川構成員 私は、日本知的障害福祉協会児童発達支援部会の部会長をしております、北川です。
協会は、この児童発達支援部会は通所と入所があります。私は児童発達支援センターを中心とした通所のほうを担当しております。ですから、「障害児支援の在り方に関する検討会」などの中で、通所のほうはすごく変化してきて、地域で中核の役割を果たす施設になるとか、一般施策への後方支援など、いろいろなことを論議してきました。実際に地域での支援が変わってきました。しかし、入所のほうは検討会の中でも、私もそのとき傍聴していたのですけれども、少しだけ話し合われましたが、実際になかなか地域での展開が難しいということなのか、いつも入所の方々から、「私たちは光が当たらない」と言われてきました。
この障害児入所の子どもたちのこと、入所そのものをどうするかということを考えるということは、私たち福祉協会のほうでの代々の部会長の方々、役員の方々の悲願だったので、このような検討会が開催されますことを本当に感謝申し上げます。
福祉協会やその他のところで、何も入所のことをしてきていないわけではなく、実は、私も里親をしていたり、法人としてファミリーホームをやっております。社会的養護の必要な障害のある子が地域に住んでおります。重心の子も里親で見ている里親さんもいます。その中で、平成19年には、厚生労働省障害保健福祉推進事業で、「障害のある子供こそ地域の普通の住まいが必要です」の取り組み、また福祉協会のほうでも、障害者総合福祉推進事業で、「障害児入所施設における小規模ケア化、地域分散推進をする上での課題に関する調査」を行ってまいりました。
そのような中で、子ども家庭局のほうでは養護施設の地域分散化とか家庭養護化が進んできました。障害児入所の方々が、「私たちはどうなっているのだろう」といつもいっていました。 そして、平成28年の児童福祉法改正で、家庭養育の優先原則ということになりました。ぜひ障害児入所も全ての児童が健全に育成されるように、児童福祉法の理念のもとに、家庭養護の原則・家庭的養護に進んで積極的に進めていただければと思っています。
実際に、ファミリーホームなども障害児の子供が多いので、実践としてはできていけるのではないかと思っております。
2つ目ですけれども、人員配置の問題があります。障害児入所が4.3対1で、児童入所が4対1という逆転現象が起こって、いろいろな加算があるにしても、基準が変わってきているということもあります。でも、実際は加算とかで自助努力で、福祉協会の調査によると、障害児入所施設は、2.4対1ぐらいの職員配置でやっているということでした。
3つ目なのですけれども、過齢児の問題がありますので、北海道の場合は、今、19歳以降の子が9人しかいないという状況で、なぜ9人かというと、みんな児者転換してしまったのです。だから、旭川とか稚内あたりの北のほうには障害児入所がなくて、逆に児童養護に障害のある子が入所していて、いろいろな課題があると北海道の課長さんがおっしゃっておりました。
ということで、ぜひ全国に1,300人いる過齢児の問題を、進路担当だとかアフターフォローだとか、あと、障害児入所施設だけが考えるのではなくて、地域みんなで連携して協議するような場があったらいいかなと思います。
それから、4つ目ですけれども、障害児入所、福祉型の場合は強度行動障害の子に対する対応、もう一つは、逆に知的には高いのだけれども、いろいろな問題行動が多くて、ケアニーズが高い子供に対する発達支援機能を充実させていく必要があるかなと思います。
最後に5つ目ですけれども、米山委員もおっしゃっていましたけれども、障害児入所の方々からは、名称を発達支援入所施設などに変えていただけたら、地域の中でもっと障害児入所の役割を果たせていけるのではないかという意見が入所施設の方々から出ていました。
以上です。


○田村構成員 立命館大学の田村といいます。
副座長を拝命して、頑張りたいと思います。
私ですが、何者かというところを少し自己紹介したいと思うのですが、私自身は今、立命館大学で教員をしていますけれども、もともとは重症心身障害児施設の指導員から職歴はスタートしています。重症児施設の機能が広がる中で、通園事業の指導員あるいは通園事を充実させるためには、全国協議会の事務局とか、相談支援事業が広がってきて、重心の相談支援事業の展開、県での仕組みみたいなことなんかをずっとやってきています。
今は大学で教えながら、今度は居宅訪問型の児童発達をどうできるのかみたいなことに少し調査をしようかなと思いながら、先ほどもありましたけれども、障害が重くてNICUから出るというか出される感じで家庭に帰ってくる本人さんとお母さん、お父さんをどんなふうに支えられているのかというところでいうと、まだまだ不十分な状態で出されているという感覚が強いので、家族に困難さがあっても時間切れで出されてくるというところで、そのフォロー体制とかというものが余り十分話し合われていないまま、言い方は悪いですけれども、放り出されてしまう方がまだまだ存在しているわけです。
かといって、入所型の施設に入れるわけではないというところで、入所型の施設の機能がどこまでそこをカバーできるのかということと、地域との連携の中で役割分担をするという、どちらかがどちらかを見るというわけではなくて、柔軟にそのあたりを話し合いの中できちんとフォローができる体制が必要なのかなと思っています。
お母さんたちの話なんかも聞くと、本当に不安でたまらないというお母さんと、少し時間がたってくると、今度はサービスを使うことになれてくるお母さん方。だから、母となりゆくとか、親となりゆくというところに、少し支援が要るか。あるいは、同じ親御さんとの話し合いの中で、自分自身の親としての在り方、重心の親としての在り方に気づきながら強くなっていくというところに、どうも措置から契約になる中で若干弱点、課題があるのかなという気がしています。
サービスを使うことの中で、本当に家族の生活みたいなことが成り立っているのだろうかみたいなことがよく目にするところでもあります。そういう意味で言うと、家族となりゆくとか、親となりゆくということは、単に地域の支援機能だけではなくて、特に入所のところなんかを求められてくるところでもあるのかなと思っています。
私がまだ重症児施設に就職する少し前は、昭和50年代で、うちの施設のところでの療育の方針で、家族、兄弟、姉妹を射程に入れた療育というスローガンを掲げて、単に個に対する療育活動だけではなくて、その背景にある家族、つながりみたいなところを少し強化しながら、ゆくゆくはその強化の中で対象にならないのかということも願いながら療育活動の展開をしていたことも昔あったわけで、そういうことが少し弱くなってきているのだろうかという気もします。それが施設の中だと、長期入所になるとだんだんまた違ってくるわけですけれども、ただ、障害児あるいはそういう学齢期までの子供たちにとってみると、そのあたりが家族も本人も大事なような気がしています。
そのことが少しどうにかならないのかなと思っていることと、そうやって見てくると、乳幼児期、学齢期、青年・成人期という形で、ライフステージを上がっていくのですが、先ほどもどこかお話があったかと思うのですが、ライフステージが上がるのですけれども、ライフステージが上がると体制が変わるみたいな、いわゆる生活の質が落ちるみたいなことがよく見受けられるところがあります。
先ほどもありましたけれども、学齢期は学校があって、日中は手厚い体制で、施設としては生活に力が注げるけれども、青年・成人期になると同じ人員配置の中で生活も日中活動も力を注がなければいけないというときに、本当にその体制があるのかどうなのかということでいうと、なかなか難しい。それは乳幼児期のところも同じです。行くところがなくて、自分の入所施設の中で日中の療育体制をつくるわけですから、職員配置とすれば、必然的にどこを薄くするのかという話になって来ざるを得ないとなると、いわゆる効率的な職員の動き方が求められてきて、最終的には生活部分に効率化を求められていくという状況に今、あるのではないかなと思っています。
そういう意味で言うと、日中の活動以外の部分、朝夕の部分でどういうかかわりができているか。あるいはそういう暮らしの充実。暮らしという視点が、入所施設の中で、個人の視点のところで言うと、いかにどうなっているのかみたいなことは気にする必要があるのかなと思っています。
だから、竹を割ったような形で何かができるというわけではなくて、生活全体として日中頑張るところもあるのだけれども、ゆっくりする生活部分のところで、どういうゆっくりの仕方ができたり、どういう人との関係の紡ぎ方ができたりということが、医療的な重軽関係なく、そういうふうないわゆる最善の利益が暮らしの中できちんと保障されているかどうかみたいなことが、点検する視点でもあるのかなと思ったりもしています。
あとは、皆さん方にそれぞれたくさん出していただけたので、私から言うことはそれぐらいかなと思っています。


○柏女座長 それでは、私も時間を頂戴いたしまして、自分自身の自己紹介と、考えていることをお話しさせていただきます。
振り出しは児童相談所の心理職で10年ほど、当時は障害相談が非常に多くて、障害の判定や認知機能訓練等に携わってきました。その後厚生省に行って、今、淑徳大学で子ども家庭福祉学を中心に講義をしております。
この障害児の支援の見直しに関する検討会は、平成20年のときに初めて国の検討会のほうで障害児だけを取り上げてくださった研究会に入れていただいて、現在に至っております。
研究のテーマは、子供家庭福祉サービスの供給システムの研究をずっと続けておりまして、特に障害児支援の分野は、入所は県の仕事、通所は市町村の仕事ということで、ここに切れ目が出てくるということを常々感じておりますので、どうやって切れ目のない支援をつくっていったらいいのかということを自分の中で研究テーマにしております。
そういう意味では、障害児支援の分野から通所支援等あるいは児童社会的養護等にどう後方支援ができるのかということなども大きなテーマとして持っておりまして、保育所等訪問支援が児童養護施設や乳児院にできるようになっておりますけれども、障害児入所施設から保育所等訪問支援で児童養護施設や乳児院に支援に行っているという話は余り聞いたことがないものですから、こういうところをどうやってつないでいったらいいのかということも考えていきたいと思っております。
また、先ほど相澤さんのほうからもお話がありました、家庭養護優先の原則あるいは家庭的養護をどう進めていくのかということも大事なことではないかと思いますし、また、北川さんがおっしゃっていた、職員の配置基準の、いわば哲学がはっきりしないということも課題として挙がるかなと思います。
社会的養護の関係だと、愛着関係を形成するために低年齢児は厚い配置基準にするということが、保育所もそうですし、そうしたことが基準にあるわけですけれども、そういう年齢によって配置基準を高めていくという視点が、一部の障害関係の入所施設にはありますけれども、少しそこが乏しいのではないかというようなことを感じております。
また、今、障害児入所支援への入り方と出方の話がありましたけれども、その場合のつなぎ方をどうやっていくのかということも大事なことですし、出方という意味では、社会的養護の関係だと、社会的養護自立支援事業が非常に最近充実してきておりますが、この障害児分野での自立支援の在り方、社会との関係の在り方をどう工夫していったらいいのかということは、児者一貫体制をつくっていくことと同時に、福祉型障害児入所支援については児者一貫はとらないと。でも、経過措置があって今、伸びているという状況ですので、ここの考え方も整理しておかなければいけないのではないかなと思っています。
それから、最後に、今回の議論とはあまり直接には結びつかないのですけれども、障害児支援と虐待防止と子育て支援を連携させた、包括的な地域子育て支援というようなことも考えていかなければいけないのかなと思っています。
この10年ぐらいずっと、国立病院機構の保育士の方々と勉強会を続けてきて、本も出したりしてきております。保育士たちが家庭支援専門相談員のような仕事をされていらっしゃいます。実際に、ある2歳の重い障害を持ったお子さんが国立病院機構に入所してきて、親はそこから逃げるようにして家庭に帰ってしまって、その後2年間全く連絡がない。でも、その2年間連絡がない方のお母さんはシングルの方ですけれども、お母さんに保育士が一生懸命発達の様子をお知らせしたり、連絡をとっていたときに、ちょうど2年たってやっと4歳になって、写真を送ったときに、その写真を見て、靴下を送ってくれた。そして、それをきっかけにして、またじっくりとじっくりとやりとりを続け、そして、親が来てくれ、最初は15分ぐらい会ってすぐ帰るというようなことだったけれども、だんだんだんだんそれを長くいって、それをずっと支え続けてきた保育士の実践などを聞かせていただくと、この入所施設の支援の限りなさ、可能性を強く感じながら、この分野に期待しているというところでございます。
これから1年ぐらい続くのではないかと思いますけれども、この障害児入所支援の在り方について、しっかりと皆様方とともに学び、提言をしていければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
少し時間がありますが、短かった3人の方で、では私もという方。
朝貝さん、どうぞ。


○朝貝構成員 さっき地域支援のことを少しお話ししましたけれども、我々の役割ということで追加させていただきたいと思います。
地域で生活をしていても、子供の持っている能力を最大限伸ばすという取り組みが大事だと思うのです。そのときには、機能の予後を予測してやらないと、何でもかんでも伸びるわけではないので、そこが非常に大事で、適切なときに適切な量と質の療育をしなくてはいけないという中で、我々はケースによっては通院頻度を増やすということもしなくてはいけないですし、有期有目的入所ですね。これには親子で入所するやり方と、年齢が大きくなってきて4歳以降になれば単独でもできますので、普段は生活していても1~2カ月入所して機能を伸ばして地域に戻すと。その一回で済むわけではなくて、機能の伸びる時期にそういうことを繰り返して、地域でできることを増やしていくということを行っているわけです。
先ほど、NICUから在宅へのお話もありましたけれども、親子入所なんかはまさにNICUから親子入所をして、1~2カ月少し子供さんの関わり方を勉強して、また地域に戻るというような役割もあるかと思うのですが、57施設あると言いましたけれども、我々の仲間が全てこういう役割ができるわけではなくて、先ほど申し上げたように、ほとんど子供が入所していなくて、学校も要らなくなってしまったような施設もあるわけで、これをどうやって今度生かしていくかということになると、拠点化とか広域での療育ネットワークをつくっていかないと今後は難しいかなと考えています。
よろしくお願いします。


○柏女座長 宮野前さん、よろしいですか。


○宮野前構成員 最初に私、自分の立ち位置、小児科の現場の視点でと言いましたけれども、病院機構は141施設の連合なのですが、そのうち73施設が重心の病棟を持っている。そういった中でいわゆるネットワークをつくっていまして、一応そのグループリーダーをさせていただいています。それから、院長先生方の集まりである協議会で、政策的なことを含めて本部のほうにいろいろ意見を言わせていただく立場でも仕事をさせていただいています。
先ほど言いましたように、本当に重度化が進んでいるという現状があって、実際に、これは公立の重心施設も同じだろうと思いますけれども、入所者の平均年齢、今、最頻値が、病院機構に関していうと50~55歳になっていまして、先ほど申したように、18歳未満の方というのは10%。そのうち、いわゆる措置入院、やむを得ない措置という言葉を使うことがあるのですが、大体4分の1、18歳未満の方がそういった措置入院で、いわゆる家族力といったところが非常に欠けている御家庭が多いということも実態としてあります。
それから、重心の施設ですので、児者一貫という言葉を先ほど紹介いただきましたけれども、移行ということが、現場の人間として余りないと言うと語弊があるのですけれども、ちゃんと私たちのところで寮生活を送ってもらうためのそういった支援計画を立てていますので、いろいろほかの施設の勉強もさせてもらいながら、恐らく肢体不自由児施設自体も重度化、重複化が進んでいると思います。そういった中で、勉強としてどういった取り組み、医療方の施設がどんな取り組みができるか。
基本的に在宅支援という、実は国立病院機構というのは独立行政法人国立病院機構法というものが規定されていて、それに基づいて厚労大臣が目標をつくって、これは5年計画で、4月から第4期になるわけですけれども、その目標に対して理事長命で計画をつくると。その中に福祉ということは一切入っていないのです。私たちは現場の人間ですので、医療と福祉というのは表裏一体で対応すると。機構としてはセーフティーネットという非常に幅の広い言葉になりますけれども、結核とか筋ジス等も含めた形の神経難病もそうなのですが、そういった形で対応している中で、在宅支援、それから通園事業も取り組んでいて、そういった中で医療の重度化は進んでいるなということと、その中で、言ってみればほかの福祉施設、事業所とどういった連携をとっていくか。あるいは教育の現場とどういった連携をとっていくかということは、大きな課題として、各施設の担当の人たち、特に指導員の方たちはされていると思いますので、そういった機能を生かしていければというような感じで、今、お話を聞かせていただきました。ありがとうございます。


○柏女座長 ありがとうございました。
次の議題に移りたいと思います。
議事2「本検討会の進め方等について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。


○鈴木障害児支援専門官 それでは、本検討会の進め方の案について御説明いたします。
本日の皆様の御意見を踏まえた上で、2回目から4回目までは各団体にヒアリングを行いまして、課題の整理をしたいと思います。課題が一定程度整理されたところで、福祉型、医療型のワーキングに分かれまして、議論していただきたいと思います。
8月ごろに中間取りまとめを行いまして、中間取りまとめを受けて、10月までワーキングを行い、12月に最終取りまとめを予定しております。
次のページはヒアリングについてです。事務局としましては、資料に書かれております団体を提案させていただきました。1団体につき10分程度の意見表明をしていただき、その後、質疑・意見交換を想定しております。また、必要に応じて、追加でヒアリングを行うことも想定しております。
説明は以上です。


○柏女座長 ありがとうございました。
今後の進め方について事務局提案がありましたが、何か御意見はございますでしょうか。
青木さん、お願いします。


○青木構成員 青木です。
ヒアリングなのですけれども、全体のボリュームとか時間的なものとかいろいろあろうかと思いますので、時間があればという意味であるのですが、これは今回入所施設の検討ではあるのですけれども、障害のある子供たちが生活をしているというか、端的に言うと特別支援学校の寄宿舎の現状はどうなっているのかなということが気になります。というのが、これはかなり地域差があるのですけれども、平成20年度の検討会のときにもこのことが一度話題になったのですが、もし時間等があればお聞きしてみたいなというのが一つ。
もう一つ、今回、施設の検討ではあるのですけれども、あえて反対に、施設ではなく地域での生活にこだわっているというか、むしろそれを大事にしているという活動をしている方たちの動きというか意見も聞くような機会もあったらどうかなという意見です。
以上です。


○柏女座長 ありがとうございました。
特別支援学校の寄宿舎については、今、青木さんがおっしゃったように、20年のときに文科省の方もオブザーバーで入ってくださって、意見を聞いていただきましたけれども、その後十分な検討が進んでいないということもありますので、場合によっては文科省のほうと調整しながら考えていくのもいいのではないかなと思いました。ありがとうございます。
相澤構成員、どうぞ。


○相澤構成員 私はよくわからないので教えていただければと思うのですけれども、難病の子供とかは実際に当事者の方の意見を、例えば社会的養護のほうですと、子供自身の意見を聞くということがありますが、この検討会でも、もし可能であれば当事者の方の意見を聞くような機会があればいいかなと思っていますが、いかがでしょうか。


○柏女座長 ありがとうございました。
当事者の方の御意見をということで、今、事務局のほうで考えていることはありますか。


○鈴木障害児支援専門官 今回挙げさせていただいた団体については、当事者個人というよりは団体としての意見をいただきたいと思っていますので、特定として聞くことは考えてはいませんでした。


○柏女座長 親の会の方は入っていらっしゃるし、そこの方を通して当事者の声は伝わってくるとは思いますけれども、もし事務局のほうで考えられるのであれば、当事者参加というのはこうした分野では大事だと思いますので、ヒアリング等について何か御検討いただければと思います。


○鈴木障害児支援専門官 承知しました。


○柏女座長 どうぞ。


○北川構成員 自立支援機能の受け皿の中で、障害者支援施設の役割が大きいと思うのです。そうしたときに、時間の関係とかもあるかもしれませんけれども、私も日本知的障害福祉協会として来ていますが、私はその中の役割として、7,000ぐらい会員がいる中で、子供ってすごく小さいのです。やはり入所施設、大人の支援をしている方々のヒアリングがあれば、より自立支援機能の移行の意見を反映させられるのではないかと思うので、できればお願いしたいと思います。


○柏女座長 ほかにはございますか。
ありがとうございます。ヒアリング先について委員から幾つか提案がありましたので、それも含めて事務局のほうで整理していただければと思います。
そのほかには、この進め方についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、きょうの議事はこれで全て終了となりますけれども、何かこれ以外の議事で委員の方から御意見あるいは御質問、御提案はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
私から事務局のほうに2点要望があるのですけれども、1つは、今、4つの視点を中心に、とても細かいけれどもとても大事な論点が提案されましたので、この4つの視点ごとに、きょう出された意見の中で、論点として考えられるものを整理していただければと思います。
それから、この4つの視点以外の論点もあったかと思いますので、それらも含めて整理して、次回のヒアリングのときにそれを前に提示していただくと、今はここの部分をおっしゃっているのだ、この部分をおっしゃっているのだということを理解しながらヒアリングを聞くことができると思いますので、そのような形を一つお願いできればと思います。
2つ目は、現在、内閣府で子ども・子育て支援事業計画の策定指針の改定が検討されています。この中には障害児支援の在り方、入所支援の在り方も入っているわけで、6月か8月ぐらいまでに策定指針の改訂版ができて、各都道府県、市町村に告示されると内閣府の子ども・子育て会議で聞いております。
この策定指針は、これからの第2期計画をつくって、子ども・子育て支援の2期計画を都道府県や市町村がつくっていく上でとても大切なものだと思いますので、原案で結構ですので、この場に一度提示していただいて、御意見を求めていただけるとありがたいなと思います。そんなにたくさんの時間をとっていただく必要はありませんけれども、それをしていただけると嬉しいなと思います。これが2点目のお願いになります。ぜひ御検討いただければと思います。
それでは、これにてきょうの会議を終わらせていただきたいと思います。事務局のほうにマイクをお返しいたします。


○源河障害福祉課長 たくさん御意見をいただきまして、ありがとうございました。
今、座長から御要望のありました2点、それから、皆様方からヒアリング先を含め御意見いただいたものに関しましては、座長とも御相談しながら検討、対応させていただきたいと思います。ありがとうございました。
次回の開催でございますが、3月27日水曜日、15時からを予定しております。詳細についてはまたお知らせさせていただきます。
きょうはどうもありがとうございました。


○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、これで終了いたします。
 

 

 

(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3048、3037)
FAX: 03-3591-8914

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