ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会)> 第9回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録(2015年1月23日)
2015年1月30日 第9回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録
雇用均等・児童家庭局
○日時
平成27年1月30日(金)10:00~12:00
○場所
厚生労働省(中央合同庁舎第5号館)6階 専用第23会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2
○出席者
委員
小杉委員長 (労働政策研究・研修機構特任フェロー) |
海野委員 (全国母子寡婦福祉団体協議会理事) |
大塩委員 (全国母子生活支援施設協議会会長) |
兼子委員 (浜松市こども家庭部長) |
島崎委員 (政策研究大学院大学教授) |
新保委員 (神奈川県立保健福祉大学教授) |
杉澤委員 (山形県子育て推進部子ども家庭課長) |
中田委員 (全国母子自立支援員連絡協議会) |
三木委員 (戸田市こども青少年部長) |
参加人
新川参加人 (NPO法人WINK理事) |
赤石参加人 (NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長) |
片山参加人 (NPO法人全国父子家庭支援連絡会代表理事) |
佐藤参加人 (ハンド・イン・ハンドの会主任研究員) |
事務局
安藤雇用均等・児童家庭局長 |
木下大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭担当) |
古川雇用均等・児童家庭局総務課長 |
大隈家庭福祉課長 |
山本家庭福祉課母子家庭等自立支援推進官 |
度会家庭福祉課課長補佐 |
○議題
ひとり親家庭への支援施策の在り方について
(母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針について)
○配布資料
資料1 母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針(平成二十年厚生労働省告示第二百四十八号)新旧対照表 | |
資料2 母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針に定められた施策に関する評価書(平成20年度~平成26年度) | |
資料1 母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針(平成二十年厚生労働省告示第二百四十八号)新旧対照表 |
○議事
○大隈家庭福祉課長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第9回「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」を開催させていただきます。
本日は委員の皆様全員御出席の予定でございます。2名の委員の方は少しおくれてこられると思います。委員の皆様には大変お忙しい中、また天候の悪い中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。小杉委員長、よろしくお願いいたします。
○小杉委員長
おはようございます。それでは、最初にお手元にお配りしております資料の確認を事務局からお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
最初に資料の確認をさせていただきます。
配付資料は、議事次第のほか、資料2点ございます。
資料1が「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針の改正案」。資料2が「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針に定められた施策に関する評価について」でございます。
○小杉委員長
それでは、次に参加人の参加についてです。本日は、NPO法人ウインクから理事の新川てるえさん、NPOしんぐるまざあず・ふぉーらむから理事長の赤石千衣子さんはまだお見えになっていません。NPO法人全国父子家庭支援連絡会から代表理事の片山知行さん、ハンド・イン・ハンドの会から主任研究員の佐藤俊恵さん。以上の参加を求めますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○小杉委員長
ありがとうございます。
それでは、本日の議事に入ります。前回の専門委員会では、母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針、その見直しの改正案について、大変建設的な御意見をいただきました。大変重要な御意見をいただきましたので、1週間という短い過程でございましたが、本日お示しします基本方針の改定案には前回御議論いただいた内容や御意見が盛り込まれていると思います。
それでは、事務局から前回の基本方針の改正案からの修正点について、説明をお願いいたします。
○山本母子家庭等自立支援推進官
それでは、修正点を御説明いたします。
資料1と資料2、もう一つ席上配付という形になりますけれども、この縦の表で「第8回専門委員会からの修正等について」というもの、前回お配りいたしました基本的な方針案の新旧対照表、前回は現行と改正案を赤字にしておりまして、その赤字のところにさらに修正したところを青字という形で、その2つを用意させていただいております。箇所が多うございますので、縦の表の「第8回専門委員会からの修正等について」をご覧いただきながら、御説明させていただきたいと思います。
全体的な御意見のところですが、「母子家庭等」と記載するのではなくて父子家庭を明記してほしいという御意見がございました。
これを踏まえまして、「母子家庭等及び寡婦」といった記載は「母子家庭及び父子家庭並びに寡婦」、「母子家庭等や寡婦」といった記載は「母子家庭、父子家庭又は寡婦」と修正させていただいております。母子及び父子並びに寡婦福祉法上の法律の中で出てくる文言、具体的に申し上げますと、資料1ですと方針のタイトルのところ、第1、第2、第3というところ、何々に関する事項といった形で項目が立っておりますが、これらは法律上出ておりますので、この第1、第2、第3、それからタイトルを修正しておりません。それ以外は全て修正させていただいております。また、「母子家庭等就業・自立支援センター」といった名称も修正しておりません。
全体的な御意見のところですが、漢字の「子供」、「児童」といった形で記述がありますので、そこを統一すべきという御意見をいただいておりますが、一般的な「子」をあらわす表現の場合には、「子ども」が使用されておりまして、そのまま「子ども」を使用しております。法令などや調査結果に関連する記載の場合はその整理に従って「児童」「子供」と記載することとしております。子どもの貧困対策の法律のところは「子ども」にしておりますが、子供の貧困大綱は「子供」といった形で整理をしております。
1ページ目です。「保育所等における」という記載をしておるのですが、この保育所等の「等」に放課後児童クラブなども入るかといった御質問がございました。これは保育所等の「等」には、特定教育・保育施設、これは認定こども園の幼稚園機能部分や幼稚園を除いたところ、特定地域型保育事業が入ると整理しております。
1ページ目です。「母子家庭の母のパート・アルバイト等についても父子同様に平均年間就労収入を記載すべき」といった御意見がございました。これを踏まえまして「パート・アルバイト等の形態での就労が47.4%、その平均年間就労収入は125万円となっており、依然としてパート・アルバイト等の平均年間就労収入が低い形態で就労する者」といった形の記載を追加しております。
2ページ目は言葉の訂正ということで、「~より良い就業につき」の「につき」の削除をしたらどうかと御意見いただいております。御趣旨を踏まえまして、文言の修正を行っております。
次の「また、母子家庭に比べて」を「母子家庭の母に比べて」、この言葉の表現も対応させていただいております。
2ページ目です。子どもの貧困率、OECD諸国の中よりも高くなっているところで、「。」終わっておりまして、それにつきまして何らかの評価を記載すべきという御意見をいただいております。これを踏まえまして、OECD諸国の中でも高くなっているに続きまして、「こうした状況にあって、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することがないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子どもの貧困対策は極めて重要である」といった記載を追加しております。
それから、「このため」以降の文章はもともと少し離れたところに記載してあったのですが、それを上に持ってきてつなげるという形の整理をさせていただきました。
それから、ちょっと飛びまして5ページ目です。「母子世帯になった理由について、未婚の母の割合を入れるべき。死別より未婚の母が増えている」といった御指摘をいただいております。これを踏まえまして、未婚の母の割合が7.8%、これは平成18年が6.7%でございますので、増加しているという記載を追加しております。
未婚の父の割合も1.2%と、これは平成18年度調査では数字がありませんので、23年度調査の値だけ入れているという形にさせていただきました。
6ページ目です。「母子家庭の母及び父子家庭の父自身の平均年間収入を記載してほしい」という御意見をいただいておりますので、これを踏まえまして、母子世帯の母自身、父子世帯の父自身の平均年間就労収入金額、平均年間収入金額それぞれ追記させていただいております。
7ページ目です。これは6の収入状況、次の7で相対的貧困率に入れておりましたが、収入状況の次のところに「学歴の状況を示すべきである」という御意見をいただきました。これを踏まえまして、学歴の状況で母子世帯の母の最終学歴、父子世帯の父の最終学歴をそれぞれ中学校、高校、高等専門学校、短大、大学・大学院、専修学校・各種専門学校について、全国母子世帯等調査のデータを拾って書いております。
9ページ目です。「公的制度の利用状況等」でございますが、これは専門委員会で支援メニューの地域のばらつきについて御指摘いただいておりますので、そういった記載を加えるべきであるという御意見をいただきました。「また」というところからになりますけれども、これは「平成25年度の母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況によると、都道府県等及び市等における母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の自立支援施策の実施状況は地域によって差がある」といった記載を追加させていただいております。
12ページ目です。「関係機関相互の協力」でございますが、「専門委員会で触れられた、「一般の子育て家庭等を対象とした支援施策について優先的な利用などひとり親家庭のニーズに配慮して整備すること」「児童福祉、保育・子育て支援、要保護児童対をはじめとして、母子保健などのさまざまな多岐の分野にわたった支援が必要」といった視点を入れるべき」であるという御意見をいただきました。
これを踏まえまして、(2)の関係機関の相互の協力の青字のところですが、「また、家計、仕事、家事、住居、子どもの教育・進学、親族の健康・介護、児童虐待、配偶者からの暴力など、母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の抱える課題は多岐にわたっていることから、幅広い分野にわたる関係機関が相互に連携することも必要である。」という記載を追加させていただきました。
12ページ目もかかわっておりますが、ページでいきますとちょうどまたがっているところになりますけれども、相談機能の強化でございます。「ワンストップサービスとは何かという定義を明確にするべき、総合的・包括的であるべき。」「相談者のニーズを把握して、生活支援や子育て支援など他の機関につなげたり、情報を提供することが必要である。」「地方自治体の実情を踏まえた取り組みが必要である。」という御意見をいただいております。
これを踏まえて修正しております。少し長くなっておりますけれども、冒頭のところで考え方をお示しさせていただいております。「母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の支援ニーズは、母子家庭の母または父子家庭の父になった理由など多様なものがある。また、配偶者からの暴力や児童虐待の課題など多様な課題を抱えている場合もある。このため母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の悩みや課題の内容のいかんにかかわらず、まず相談でき、それぞれの悩みや課題に応じ、さまざまな支援メニューを組み合わせて、また、必要に応じて、他の支援機関につなげることによって、総合的・包括的な支援を行う相談支援体制を整えることが重要である」という考え方をお示しさせていただいております。
その後、母子・父子自立支援員、児童委員に移って、「さらに」以下になりますが、「さらに、母子・父子自立支援員の受けた相談内容の割合が母子父子寡婦福祉資金や児童扶養手当などに関するものが多い状況を踏まえると、相談窓口に就業支援を担当する者を配置して、就業支援の専門性と体制を確保するとともに、母子・父子自立支援員と連携することで、相談支援体制の質・量の充実を図ることが望ましい。また、行政とのあらゆる接点を通じて困難に陥る前から相談・支援につなげ、必要な支援メニューにつなげる体制を構築する必要がある」といった形で、定義や趣旨を記載させていただいております。
その後、19ページに同じような記載がございますが、それにそろえた形でこちらも直させていただきました。
次に、児童扶養手当の一部支給措置に関連する手続関係の記載ですが、施行済みですので、それを踏まえて、「また」になりますけれども、平成20年4月から実施されているという形で修正させていただいております。
14ページ目「子育て・生活支援の強化」の箇所でございます。日常生活支援事業や生活講習会等に加えて、ファミリーサポートセンター事業との連携の検討などを加えるべきということ、それから、就労による自立が直ちには困難なひとり親家庭もあるので、就業自立以前の日常生活の自立など、ひとり親家庭の状態像に応じた自立支援が必要といった御指摘をいただきました。これを踏まえまして、具体的には子育て・生活支援の強化のところでございますが、母子家庭の母及び父子家庭の父が安心して子育てと就業のための訓練との両立ができるようにするための後ですが、「また、就業が直ちに困難な場合に母子家庭の母及び父子家庭の父の状態に応じた自立を図るためには、多様な保育サービスやファミリー・サポート・センター事業などの一般の子育て支援を積極的に活用する」といった記載を追加させていただいております。
14ページ目の「(6)養育費の確保及び面会交流の支援の強化」、飛びまして16ページにも「養育費の確保及び面会交流の支援」といったパラグラフがございますが、ここの関係でございます。面会交流についてはDVや児童虐待についての配慮が必要であるということ、面会交流について、養育費確保の延長でいいのかという疑問があるということで、この2つはそれぞれ専門性が強く、異なる問題であるといった御意見をいただいております。
これを踏まえまして、まず「養育費の確保及び面会交流の支援の強化」の、面会交流に関する記載を少し修正させていただいております。
「面会交流については基本的には子どもの立場からその実施が望ましいことであるが、他方で、児童虐待や配偶者からの暴力等により面会交流が適切でない場合があること、養育費相談とは異なる専門性が必要である。このため、面会交流に関する意義や課題などを操法の親を含む関係者が認識した上で、取り決め・実施が適切になされるよう、関係機関や民間団体と協力して普及啓発や相談支援を実施していくことが重要である」といった記載に修正させていただいております。
ちょっと飛んで16ページのところでも出てまいりますが、ここも同じように「基本的には子どもの立場からその実施が望ましいことから、児童虐待や配偶者からの暴力等により面会交流が適切でない場合があることや養育費相談とは異なる専門性が必要であることに留意の上、相談や円滑な実施に向けての支援体制の整備を促進する」といった記載に修正させていただいております。
16ページの経済的支援策でございます。
児童扶養手当はひとり親家庭にとって重要な経済的な支えとなっていることを記載すべきという御指摘をいただきました。それを受けまして、「母子家庭及び父子家庭にとって重要な経済的な支えとなっている児童扶養手当制度を利用しやすくするために」といった形の言葉をつけさせていただいております。
これに伴い、文章がわかりづらくなりましたので、前半のところを児童扶養手当制度で一旦切って、後段のところを母子父子寡婦福祉資金貸付金にするという形で二段に分けて記載をさせていただいております。
飛びまして26ページ目「(4)基本方針の評価と見直し」の1でございます。「この評価は、第1に掲げた母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の動向に関して調査を実施する」という記載になっておりましたが、ここに「施策の評価に必要な数値を入手する」といった記載を追加すべきであるという御指摘をいただいております。
これを踏まえまして、「この評価は、第1に掲げた母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の動向に関して可能な限り定量的な調査を実施するほか、関係者の意見を聴取すること」といった記載に変更してございます。
27ページ、最後のところでございます。「重要な数値」を「参考となる数値」といった御意見をいただいております。ここはそのとおりに修正させていただいております。
以上が基本方針の修正箇所でございます。
今度は評価書でございますが、17ページ目、在宅就業の評価について、ひとり親家庭等の在宅就業支援事業評価検討会報告書の中身が正確に記載されていないので、全文を記載すべきといった御指摘をいただいております。これを受けまして、ほぼそのまま引っ張っておりますが、「平成21年度に安心こども基金を活用して実施されたひとり親家庭等の在宅就業支援事業については、ひとり親家庭等の在宅就業支援事業評価検討会報告書において、「在宅就業支援事業については費用対効果の低いものとなった一方で、在宅就業自体については、ひとり親にとって無理なダブルワークの解消や子どもの将来の教育費など貯蓄に充てるための収入を得る場合などには、有効な働き方の一つとなることが想定され、また、乳児や障害児の養育、自身の病気などにより外に働きに出ることができない場合、通勤が困難な場合などには、有効な働き方の一つとして強いニーズがあると考えられる。」「現行の在宅就業支援事業自体は、費用対効果が低く、そのまま継続することは妥当でないが、これまでに、事業実施者等においては、業務の開拓や参加者の能力開発のためのプログラム構築等の取組により、在宅就業を支援するためのノウハウを蓄積してきたところであり、今後の施策を展開するに当たっては、これらを有効に活用するとともに、事業計画、事業実施者、能力開発、発注に関する奨励等、就業支援に係る課題も踏まえた支援策を実施すべきである。」といった旨の報告が行われた。「平成27年度以降の在宅就業支援については、本報告の趣旨を踏まえ適切に対応していくこととする。」といった形で、少し長くなっておりますけれども、検討会の報告書を基本的に引っ張る形の方向性に修正させていただいております。
修正箇所は以上でございます。
○小杉委員長
ありがとうございました。
それでは、まず委員の方から事務局のこの今の報告に対して、御質問、御意見をお伺いしたいと思います。なお、発言に当たりましてはマイクをオンにして、終わったら切るということをよろしくお願いいたします。いかがでございますしょうか。前回の議論がかなり反映された修文がなされたと思いますが。大塩委員。
○大塩委員
大塩でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まずもってこの短い期間にさまざまな修正をしていただいて本当に大変だったと思います。どうもありがとうございました。たくさん修正をしていただきました。
1点がお願いと1点が質問なのですけれども、まず1点お願いは、13ページに相談機能の強化もかなり書き加えていただいて、細かい相談に対応できる仕組みを構築できる書きぶりにしていただきましたので、ありがたいなと思っているのですけれども、もう一度中間まとめを読み返してみると、中間まとめの9ページの下ですけれども、「このようなひとり親家庭の支援の窓口体制の整備に当たっては、地域によってひとり親家庭の支援ニーズが異なってくるほか、ひとり親家庭支援にかかわる行政機関、児童福祉施設や母子寡婦団体、NPOなどの民間団体など社会資源のあり方が多様であるため、市等が地域の実情に応じた相談支援窓口体制の在り方を検討して整えることが適当である。例えば、ひとり親家庭への相談支援窓口を、これまでのように福祉事務所が担う場合だけでなく、子育て支援の窓口や機関など他の機関に位置づけて体制を整備する場合や、地域でひとり親家庭支援を行っている母子生活支援施設等の児童福祉施設や民間団体などに委託することも考えられる。このように市等が地域の実情に応じた効果的な取組を行えるよう国は、財政的な支援を含む必要な支援を行うとともにモデルとなり得る先進的な取組等の収集と市等への情報提供を行うことについて検討が必要である。」ということで、相談体制を福祉事務所だけでなく、地域の実情に応じて、その地域にあわせた相談窓口を整えていくべきではないかというようなことを議論したかと思うので、そこのところが全く相談機能のところから抜けていますので、地域の実情にあわせて民間団体などの活用ということと、それに対してのモデル実施になるかと思いますけれども、財政支援なども盛り込んでいただけるとありがたいというのがまず1点のお願いです。
2点目ですけれども、これは質問なのですが、14ページに養育費の確保及び面会交流の支援の強化のところで、ここも非常に書き加えていただいたところではありますけれども、(6)の途中の段落が変わったところから、「国においては、養育費・面会交流相談支援センターにおいて普及啓発や相談支援を行うとともに」ということが出てきています。今まで養育費・面会交流相談支援センターという正式な名称を私は知らなかったのですけれども、今まではFPICなどが面会交流に対しての支援を行っていたたと思うのですけれども、この養育費・面会交流相談支援センターを調べてみたら、厚労省さんが公募され、入札をされるということがわかりました。これはどういうセンターで、どういう位置づけで、どのような数で、どのような人員を配置されるのか、お聞きしたいなと思って質問が1点です。
○小杉委員長
ありがとうございます。では、質問と地域の実情についてどう考えられるか、少し御回答をお願いできますか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
この地域の実情に応じてという記載は、説明を飛ばしてしまって申しわけなかったのですが、福祉事務所などの相談窓口に母子・父子自立支援員を適正に配置した上で、さらにそれぞれの実情に応じてというので、そこは酌み取ったつもりでそれぞれの実情を入れさせていただきました。それぞれの実情に応じて就業支援専門員を配置したり、さまざまな窓口、相談支援体制につなげることが重要であるといった形で、御指摘を踏まえて入れさせていただいているという整理をさせていただきました。
○小杉委員長
何ページのところに入っていますか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
12ページから13ページにかかっておりますけれども、基本方針の13ページ目の下の段落のところの「都道府県等及び市等は」で始まるところですが、「都道府県等及び市等は、福祉事務所等の相談窓口に、母子・父子自立支援員を適正に配置した上で、更にそれぞれの実情に応じ、就業支援専門員を配置し」、他の支援機関との連携を密にすることにといった形の記載をしまして、都道府県や市などの実情を踏まえて対応してほしいという記載に変えさせていただいております。
○小杉委員長
大塩委員。
○大塩委員
よろしいですか。私もここを何度も読んだのですけれども、この書きぶりは福祉事務所とか公的な機関の中でどうやっていくかということに限定されているように思われます。私もこの地域の実情に応じてと書いてくださっているので、その中に民間団体などは入らないかと思って読んでみたのですが、これからも寄り添い型の支援ですとかさまざまな支援が必要な方たちがありますので、それぞれの地域の中で展開できるような文言を残していただきたい。せっかく議論した相談機能の充実でしたので、きちんと残していただきたいなという思いがありましたので、意見として出させていただきました。
○小杉委員長
具体的な修文の案とかありますか。これだと就業支援員を配置しにかかっているように見えてしまいますよね。
○大塩委員
そうなのです。だから、もうここにこれは就業支援専門員を配置し、ここに実情というのが、それとか母子・父子自立支援員さんにしかかかってきていない、各関係機関にしかかかってきていないと思いました。
○小杉委員長
というふうに読めてしまうので、言いたいことがこれであらわれていないのではないかということです。
○大隈家庭福祉課長
今の13ページの「都道府県等及び市等は」から始まるパラグラフの4行後です。離婚や妊娠に係る相談窓口や支援機関との連携を密にすることによりという、ここの支援機関に母子生活支援施設は入ると思うのですけれども、それぞれの実情に応じという部分がかかる場所と今の支援機関が例えば民間機関を含む支援機関と書くことで、今の趣旨は少し見えてくるのかなとは思います。
○小杉委員長
そうですね。その支援機関というのが民間も入るということがわかるようにすると。実情に応じというのが支援員だけにかかるのではなくて、全体の文章にかかるようにするという修正でよろしゅうございますか。
もう一つの質問のほうのお答えを。
○大隈家庭福祉課長
もう一つの質問の養育費・面会交流相談支援センターは、従来26年度は養育費相談支援センターという名称で行っている事業のことなのですけれども、26年度はFPICというところに委託されている。この前も少し議論になりましたけれども、27年度の委託事業としては養育費・面会交流相談支援センター事業という名称として公募しているところで、委託先はまだ決まっておりません。基本的に業務の中身は同様のものでございまして、1カ所です。今も養育費相談支援センターは委託は1カ所ですので、それと同じ1カ所でございます。
○小杉委員長
大塩委員どうぞ。
○大塩委員
ありがとうございました。
養育費相談支援センターが平成27年度からは養育費・面会交流相談支援センターと名称も変更されて、国に1カ所。
○大隈家庭福祉課長
国の委託事業として1カ所で、その自治体の職員に対する研修とか、今までやってきた事業を引き続き行うということでございます。
○大塩委員
養育費だけではなくて面会交流相談支援センターという名前がついていますので、どのような人材がいらっしゃるところに委託されるのか、公募の中には相談員としてはどのような資格をもった方が必要ですみたいなのは書いてあるのでしょうか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
公募上は、相談員の配置につきましては、養育費や面会交流に関する助言や情報提供が実施できるように家事調停や家事審判に関する業務に従事した経験がある者を1名以上配置すること。それから、常勤、非常勤の者を常時2名以上配置することや母子家庭の母との心理的ケアについても配慮することといった要件をつけております。
○大塩委員
面会交流については記載はないのですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
養育費や面会交流に関する助言ということです。
○大塩委員
家事支援、家事というのは裁判のあれですね。
○山本母子家庭等自立支援推進官
そうです。
○大塩委員
家事支援した人が1名配置、人員として。
○山本母子家庭等自立支援推進官
最低1名。
○大塩委員
最低1名配置ということでわかりました。ちょっとびっくりしました。皆様に意見を聞いていただけたらと思います。ありがとうございました。
○小杉委員長
その件は前回からの引き続きの議論でもありますので、島崎委員どうぞ。
○島崎委員
面会交流についてはいろいろ意見があります。前回も言ったのですけれども、この専門委員会でどういう議論があったかというと、養育費の相談支援と面会交流の相談支援はかなり質的に違う、専門性も違うし相談支援の具体的なコンテンツも違う。その点を曖昧したな形でやるとかえって施策の展開がうまくできなくなるのではないかということでした。つまり、安直に対症療法的、なし崩し的に進めるとかえって望ましい面会交流の推進が図られなくなるのではないかという議論をずっとしてきたわけです。
その上で、一昨年8月の報告書の中では、わざわざ面会交流支援の充実を検討するに当たって、「面会交流支援には子どもと両親との三者の心のケアや児童虐待やDVの問題の対応など、養育費相談とは異なる独自の専門性が必要であることから、関係機関との責任や役割分担を明確にすることについて検討する必要がある」という文言をわざわざ加えたのです。ちなみに、ここで言っている関係機関というのは、法テラスとかそういう団体を指しているわけではなく、具体的には、法務省、裁判所を統括する最高裁を指しています。
私は厚生労働省が面会交流に関し前に踏み出すことはおかしいと言っているわけではなくて、面会交流を進めるのならば体制整備をきっちりしないとうまくいかないと思います。また、法務省および最高裁とどのような仕事を分担するのか、責任と役割分担について詰めた検討が必要だということを申し上げているのですけれども、今回、例えば面会交流という言葉を養育費相談支援センターにつけ加えたときに、この点についてはどういう議論を省内・局の中でしてこられたのかお尋ねしたいと思います。○小杉委員長では、その点についてお答えをお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
これにつきましては面会交流の重要性、さまざまな関係者から指摘されてきているということもございましたので、これは省の中で現在行っている養育相談支援センターについて、面会交流の事業も行っておりますので、面会交流の相談に対応しているということを明らかにする意味でも、公募している事業の名称として面会交流相談支援センターという形で募集するという結果となっているところでございます。
○島崎委員
全然答えていませんね。そもそも法務省と裁判所と厚生労働省が面会交流に関してどういう役割分担をすべきだと考えているのですかということをお尋ねしているのに答になっていません。
○小杉委員長
いかがですか。
○大隈家庭福祉課長
役割分担としては、厚生労働省としてはあくまでも民事法制あるいは離婚法制とか司法手続は厚生労働省の所掌外である、それはもちろん大前提として、現在も厚生労働省の委託事業として養育費相談支援センター事業の中で面会交流の相談も行っている、そこの仕切りは全く変えないという前提の中で、現在行っている面会交流支援事業について、実際行っているわけですから、そこについて事業の名称として明らかにする。そこはもちろん養育費を払っているのに面会交流させてもらえない、どうしたらいいのかという紛争のような事例について、そういう相談があった場合にはもちろん、それは今までどおり厚生労働省の範囲外、家庭裁判所とか法務省の領域になりますので、そういうときは法的な支援を受けることを伝えて、そういうところにつなぐところの、厚生労働省の役割の範囲内でということで考えている。そういう前提のもとで今回事業の名称としては面会交流も出すということで考えたということでございます。
○小杉委員長
島崎委員。
○島崎委員
今も前回もそうですけど、養育費相談支援センターでは面会交流についても相談支援しているとおっしゃっていますけれども、相談はともかく支援としては何をやっているのですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
支援は自治体で相談に応じているということに対して、研修等の支援を行っていることなどでございます。
○小杉委員長
はい。
○島崎委員
ということは、養育費相談支援センターは自治体が行う面会交流に関する指導なり人材育成について責任を負うということですか。もう一つ言えば、それが支援の中身だということですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
この事業における面会交流の支援とは、現在行っている自治体に対する支援として行うものでございます。
○島崎委員
一般人が、今の名前でも構いませんが、養育費相談支援センターという言葉を見聞きして相談した人は、そこで言っている支援とは自治体の人材育成をすることだとは普通思わないでしょう。相談支援センターで支援してくれると普通は思うのではないですか。
もう一つ違ったことを聞きますよ。今のお話だと、例えば非同居親から面会交流について取り決めをしていないけれども、子どもと月に1回程度会うことは健全育成上必要だと思っているので会いたいと私は思っているが、同居親が会わせてくれない。それについて説得してくれと言われても説得しないですね。では、例えば、同居親が非同居親と話し会うことは了解しているが、2人だけでは嫌だと言っており立ち会ってほしいと言われたらどうするのですか、それは応じるのですか、応じないのですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
それは難しいと思います。
○島崎委員
そうやって支援の内容を除いていくと何が残るのですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
ですから、繰り返しておりますが、養育費に関し、自治体で相談を受けられている方の支援という形でございます。
○島崎委員
あなたが養育費・面会交流相談支援センターという名称を聞いたときに、支援とはそういうことだと思いますか。
もう一つ、このペーパーの中で、相談支援機能体制を強化すると言っています。例えば15ページの上から5行目ですけれども、「相談機能の強化を図る」と言ったわけです。それから、その下のところにも「都道府県及び市等においては、面会交流に関する専門知識を有する相談員を配置して、その研修の実施等を通じて、相談機能の強化を図る」ということを言っているわけです。では、その相談機能の強化とか体制の強化というのは一体何を言っているのですか。○山本母子家庭等自立支援推進官こちらで考えておりますのは、ここの相談スキルの向上を目指しているということです。
○島崎委員
繰り返しになりますけれども、面会交流に関して、厚生労働省ができると思っている分野はどこなのですか。先ほどのお話だと、面会交流の取り決めをしていなければ、厚生労働省では手に負えないということなのでしょう。
○山本母子家庭等自立支援推進官
そこは繰り返し申し上げておりますが、そういうことです。
○島崎委員
ということは、相談はともかく相談の次の支援というのは何を言っているのかということです。
○山本母子家庭等自立支援推進官
そこは名称の問題ということかと思っています。相談支援ということで確かに先生おっしゃるように相談プラス一体的な支援と捉えられる可能性があるという御指摘だと思います。養育費もそうなのですが、「相談」というところを「相談支援」と言っているところもございます。面会交流、養育費に関する「相談を受け付ける」という意味の「相談支援」という言葉を使って相談支援センターと言っています。「支援」というところはあくまでも「自治体の職員等に対する支援」という位置づけはこれまでも変えていないところでございます。
○島崎委員
例えば16ページの(3)では、わざわざ「円滑な実施に向けての支援体制の整備を促進する」とまで言っているのですよ。
○山本母子家庭等自立支援推進官
これは今行っております面会交流支援事業のことを指しています。父母からの同意がある場合の面会交流の日程調整等を行うという事業を行っておりますので、そこを記載させていただいたところでございます。
○島崎委員
面会交流を進められるに当たって、貴局は法務省なり最高裁なりと今後面会交流についてどういうふうに進めていくべきか協議あるいは相談されたのですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
繰り返しになりますけれども、これまで行っている事業をそのまま延長しているという考えでございますので、法務省や最高裁と具体的な対応の協議といったことは行っておりません。
○島崎委員
だったら一昨年の夏に取りまとめた報告書で、「面会交流の支援の充実を検討するに当たって、関係機関との責任や役割分担を明確にすることについて検討する必要があるのだ」ということについて、厳しい言い方をすれば無視したということですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
そういうわけではございません。今行っている事業に加えてさらに先生がおっしゃるような、紛争的な事例のところまで踏み込んでいく場合には、関係機関、法務省や最高裁と相談する必要はあると思っておりますが、まだそこまで考えておりませんので、相談をしていません。決して無視をしているわけではございません。
○島崎委員
ほかの人の意見も聞いてください。私は今の答弁は納得できません。
○小杉委員長
新保委員どうぞ。
○新保委員
私からというよりも参考人の中にこの事業にとても詳しい方がおられますので、今は私たちの発言の機会なのかもしれませんが、もしよろしかったらその発言をお許しいただけないかなと思うのですが。
○小杉委員長
よろしいですか。
○新保委員
多分そちらのほうで。
○小杉委員長委員
の皆さんよろしければ、では、新川参加人お願いします。
○新川参加人
NPO法人ウインクの新川です。よろしくお願いします。
実際に私どもの事業の中で面会交流の仲介サービスを行っています。近年調停や裁判の中で面会交流をできるだけ子供の立場に立ってしていこうという取り決めが推進されていますので、過去の離婚にDVの理由があろうとモラハラがあろうとも、子供に悪影響がなければできるだけしましょうという動きになっていて、実際には当事者がすごく苦しんでいるので、支援は必ず必要だと思っているのですが、島崎先生がおっしゃったように、私もここに来て初めて支援センターが一緒の名前になるのだというのを聞いてびっくりしました。全くもって一緒にすべきものではないと思うので、さまざまな検討課題も全く別のもので、養育費相談支援センターが面会交流に関しても一緒になって委員会を開催するとかというのは、全くおかしいのではないかとすごく強く思いました。
本当に事例によってもさまざまですし、DV、モラハラに関しても必ずしも面会交流をさせるべきではないこともあることは私たちは実施体験を持って体験しているので、そういった支援に携わっている人たちの意見も必ず必要になってくると思うのです。そういったことを踏まえて今後の施策等を検討していっていただきたいのですが、従来の養育費相談支援センターの委員会の中でそれができるかといったら、私ははっきり言ってできないと思っていますので、一緒にして行われることというのは本意ではないと強く思います。
○小杉委員長
ほかにこの件に関して。
今、養育費・面会交流相談支援センターでやられる予定の事業というのは、先ほどのお話ですと都道府県の担当者の研修というお話でしたよね。やろうとされていることは、それに限った支援ということで理解してよろしいのですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
はい、そのとおりでございます。
○小杉委員長
そうするとそれがはっきりわかるような文章にし直すというのではいかがでしょうか。何をするかということが実は非常に限定されたことをする場所なのだということをわかるようにする方向性はいかがでしょうか。この言葉から連想されるような全体的な支援は現実にはもちろんやっていないし、やることもできないだろうというような御意見が多数なので、厚労省としてもそれをそこまで踏み込むつもりもない、ただ、この言葉だけではという話ではないかと思うのです。
○大隈家庭福祉課長
確かに面会交流の今のところの支援という書きぶりで実際厚労省がやろうとしている範囲に限定したような、もっとわかりやすい書き方に変えることはもちろんやろうとしていることそのものですので、できると思います。
○島崎委員
ちょっと誤解があるといけないので申し上げておきますけれども、私は面会交流に関して厚生労働省は消極的であるべきだと言っているのではありません。しかし、面会交流は子供の心理に絡む問題もあって非常に難しいのです。「言うは易く行うはかたし」の典型みたいなところがある。したがって、面会交流は関係省庁・機関がきちんと役割分担を決めて、ここは自分たちでやっていきます、この点についてはこういう協力をしていきましょうというように、お互いが手をつないで前に一歩進まないとうまくいかないのです。
それを今までの養育費の相談支援センターでできますか。確かに養育費の相談のなかで面会交流についても話が及ぶことはありますよ。例えば、養育費を払っているのに子供に会わせてくれないといった相談はあるでしょう。だけど、面会交流の支援はしていない。少なくとも支援と名乗るのであれば、例えば今ほかの事業でやっている面会交流の支援事業みたいなものを組み込むといったことが必要であり、それであればわからないわけではありません。しかし、そこまで踏み込んでいないのに、何か面会交流について取り組んだとみせかける、実態が伴っていないのに一歩も二歩進めようとしているように書くのは、誤解を与えるし、かえって禍根を残すというと言い過ぎかもしれませんけれども、まずいのではありませんかということを言っているのです。
もう一つ言えば、この面会交流については何回も議論を重ねてきた結果、わざわざ関係機関と協議という一文を入れたのに、そのことについてきちんと対応していないというのは問題だと思います。
○小杉委員長
ありがとうございます。
○古川総務課長
総務課長でございます。
今、各委員から御指摘の点でございますけれども、趣旨といたしましては、決して中間報告含めて御指摘いただいた点を横に放置したというつもりではございませんけれども、今の委員からの御指摘は、改めてどこまで厚労省ができるのか、解決ができないとしてもそれをどうやって実際にあるべきところにつないでいくのかという道筋がはっきり書かれていない趣旨と理解をいたします。前回含めてまことに申し訳ございませんけれども、この部分につきましては、各委員の御指摘を踏まえてどこまで書き込めるか、もう一度丁寧に検討させていただきます。この部分につきましては一旦預からせていただければと思います。
○小杉委員長
そういうことでよろしゅうございますか。参加人から、発言を求められていますが、よろしいですか。では、赤石参加人どうぞ。
○赤石参加人
この養育費・面会交流相談支援センターの件ですけれども、相談を支援するということでありますと、相談の後に「・」が来るような名称だとまだわかりがいいのかなと思いますので、名称は養育費相談等・支援センターとか、養育費相談を支援しているのだということがわかる名称だとまだわかりやすいのかなと思います。
あと前回も申し上げましたとおり、今養育費相談の中で法律家がいないとわからないことがあります。普通当事者の方は法テラスに行かれて、弁護士の方に相談するわけですけれども、弁護士資格を持っていらっしゃる方とかがかかわれるような枠組みが必要になっていくことをきちんと明確にしたほうがいいかなと思います。
○小杉委員長
ありがとうございます。
今後の方向としてそういうことが必要だという御意見であると受けとめました。
大塩委員。
○大塩委員
この件に関してはもう一度検討していただくということですので、それに期待したいと思います。先回も申し上げましたけれども、この養育費と面会交流がセットになると、養育費をもらうためには面会させなければならない、と思ってしまう方もあると思います。うちの利用者の方たちの中にも子供たちが会いたくないということはあります。そういう時は裁判の中で調査官の方が聞いてくださいますので、きちんと一人ずつ答えることができるのですけれども、子供の年齢が幼いときとかは自分の意思で自分の意見を言うことができません。そういうときにこの養育費と面会交流がセットになった名称が歩き始めると、どうしても養育費をもらうためには会わせなければいけないのではないかと思われてしまいDV被害者の方や虐待を受けている当事者の方たちにとってすごく負担になってしまい、本当はもらうべき養育費についても遠慮してしまったりとかいう事態も起こってきますので、この名称はとても大事だと思いますので、ぜひ御検討していただきたいというのがお願いです。
○小杉委員長
要望として受けとめていただければと思います。
参加人から発言を、委員の方々よろしいですか。では、佐藤参加人どうぞ。
○佐藤参加人
話の方向性が違ったら恐縮なのですけれども、養育費相談支援センターで今までやってきた面会交流支援事業、厚労省がやっている支援事業については、監護や非監護はともに児童扶養手当の支給要件以下という要件が入っているはずで全員が利用できないかと思うのです。養育費相談支援センター自体は相談なのでいいと思うのですが、面会交流支援事業についてはかなり要件を狭くしていて、自治体とか引き受ける事業者の数が極めて少ないのに、そこをどういうふうに支援していくのかなというのが1点です。
どちらも児童扶養手当以下の収入しかないとすると、そこがセットになっていると養育費を支払うこと自体困難な非監護親について、面会交流がセットになるといろいろな状況で会いたいけど、養育費が支払えない状況にあって、でも会えない中でもってためらいが生まれるかと思うのです。
委員や参加人の方の意見も含めますと、これを一緒に名称としてあわせてしまうこと自体で、DVのように悪いケース、会わせてはいけないケースも含めて、あるいは会いたいけれども、会えないというケースも含めて、敷居を高くしたり、逆に会わせてはいけない人に敷居を低くするような事業に展開してしまう懸念を払拭できないのであれば、公募をしているとはいえ、養育費相談支援センターで面会交流支援事業がどういうものか、紹介しているというのであれば別ですけれども、名称は検討の必要があるかなと思います。
○度会室長補佐
養育費相談支援センターというのは面会交流支援事業という事業が出ましたけれども、それぞれ事業は別でして、養育費相談支援センターが面会交流支援事業を行っているわけではなくて、面会交流支援事業につきましては、今、地方自治体で正確に申し上げますと3カ所ですけれども、面会交流の支援ということで取り決めがあって、同意がある方で、ただ、同意があるのですけれども、お互いにまだしこりがあったりしてなかなかできないと。それを1年間うまく調整してあげて、その後、お子さんと両親の方が会えるようにするという事業を行っています。これは養育費相談支援センターとはまた別の事業という形で行っております。
これはいろいろ御意見いただきましたけれども、養育費と面会交流は確かに違うものではあるのですけれども、離婚される場合には養育費と面会交流それぞれを取り決めていただくということは重要なことでありますので、その普及啓発はしていかなければいけないという思いがありまして、そういったところで今回養育費と面会交流の相談にも応じているということも含めて養育費相談支援センターという名称を使わせていただいたという経緯があります。
ですので、確かに面会交流の支援をしているかというと、そこはしていないわけなのですけれども、現状で取り決めが少ないとかそういうことを考えていただく機会をつくっていくところに相談ができる場所がどこがあるかということで、こういった名称をつくったという形になっています。先ほど総務課長からもお話がありましたが、この辺の内容についてはもう一度検討させていただきますが、そういう思いがあったということです。
○小杉委員長
新保委員どうぞ。
○新保委員
今まで面会交流について幾つかの省庁が取り組むべきかどうか、多分それぞれの省庁で考えたのだろうと思いますが、取り組まないできた。そのことについて厚労省のこの局が一歩踏み出そうとしたことについて、まず高く評価したいと思います。
それに取り組み始めたことについて、この会議のメンバーの一人として大変な作業に足を踏み入れていただいたことに感謝したいと思います。
面会交流について普及啓発をすることについて、これはやってもいいことなのかなと思います。ただ、皆さん方のお話をお伺いさせていただきますと、やはりセンターの名称に面会交流を入れることについては、現時点ではちょっと早いかなという感じがいたします。ですから、可能なのは養育相談支援センターの事業の一つとして、普及啓発について入れることについて、可能であれば、多分やっておいたほうがいいだろうなと思うのは、関係省庁と事前にすり合わせをした上で、事業の一つとしてこれを入れたいと思うのだけれどもということで、了解をとった上で先に進んでいく。一緒にやっていきましょうという姿勢を示した上で、普及啓発についての我がほうとしてやらせていただきたいことをお示しいただくというあたりのほうがよろしいのではないかなとここに参加しているメンバーの一人として感じさせていただきました。ですから、これが私の意見でございます。
○小杉委員長
ありがとうございます。ほかの意見。
○杉澤委員
面会交流関係で先ほどの15ページなのですが、赤字の一番下のところに「都道府県等及び市においては」の部分が4行ございます。一つ確認なのですが、先ほど事務局でおっしゃられた3カ所取り組んでいるというのは、この専門知識を有する相談員を配置して取り組んでいるところが3カ所という理解でいいのかという確認。これについては都道府県等及び市が就業自立支援センター等にこの専門知識を有する相談員を配置というのはなかなかハードルが高い、事実上そういうことがあるかと思います。これについても全体を検討する中で、例えば前にもあった地域の実情に応じとかそういった点も含めて、この点も御検討いただければと思います。
○小杉委員長
質問のところがございます。事務局のほうで3カ所やられているというのは、この文章とどう関係があるのかという。
○山本母子家庭等自立支援推進官
前段の養育費や面会交流に関する専門知識を有する相談員を配置というのは、各都道府県等が委託して実施している母子家庭等就業・自立支援センターにおいて現在やっているものをそのまま書かせていただいています。それから、面会交流の日程調整等の事業を行っているのが3カ所ということでございます。
○小杉委員長
この文章で言っている配置するという話とは、実施するとは別の話だということですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
はい、そこは別です。
○小杉委員長
今、杉澤委員からの御要望は地域にとってはハードルが高いので、その辺が配慮された文章にしてほしいという御意見ですね。
○山本母子家庭等自立支援推進官
書き方がわかりづらくなっているところがあるかと思いますので、考えます。
○小杉委員長
島崎委員。
○島崎委員
今の質問に関連して、25ページの全体の構成がきちんと理解できていないので、とんちんかんな質問になるかもしれませんが、下から7行目のところに「面会交流支援事業の実施」とあって、「実施主体:都道府県等」になっています。
「別居親又は同居親からの申請に応じ」とわざわざ書いて、「面会交流に係る事前相談や面会交流援助等の支援を実施」するとなっています。ここで言っている面会交流援助とか支援というのはどういう意味なのですか。
○度会室長補佐
これが先ほど言いました面会交流支援事業、都道府県。
○島崎委員
そっちのことを言っているということですか。
○度会室長補佐
そうです。ですので、限定的な事業ですけども、今やっている現在の事業をあらわしているという形になります。
○島崎委員
もう一つ言うと、この面会交流援助というのは、「援助」という言葉とその次の「等の支援」と言葉を書き分けています。援助とは何をしようとしているのですか。つまり支援とか援助とかいろいろな言葉を使い分けているのだけれども、何か明確な意図があって使い分けているのですか。
○山本母子家庭等自立支援推進官
ここで言っている「援助」といいますのは、取り決めがある場合の面会交流の日程調整ですとか場所のあっせんなどを指している言葉でございまして、「支援」というのは「サービス」と言ったほうが適切かもしれません。全体的な用語の意味で「支援」と言っているのでございます。養育費の確保支援とか経済的支援とかそういったことを「支援」という意味で使っております。ですから、他のところで「支援」と言っているのと同じような意味でございます。
○島崎委員
多少皮肉を言えば、養育費相談支援センターの相談支援だけはちょっと意味合いが違うということですね。
○山本母子家庭等自立支援推進官
はい、そういうことでございます。
○小杉委員長
皆様から御意見をお伺いしたいと思います。特に養育費、面会交流についてほかにございますか。ほかのことも含めて、もう時間も迫ってきますので、ほかの御意見も含めて委員の皆様から。
○海野委員
川崎では弁護士さんに月に1回来ていただいて、そういう相談事をしてもらうのですけれども、予約するので例えばこういう名称になっていたとしても、今回は面会交流の件とか養育費の件とか全く区分けして相談すれば、相談の内容で何回でもできるようになっているので、そういうやり方もあるかなと思うのです。選んでちゃんと相談していただく。必ず予約制にしなければ、1カ所ぐらいでどうにもならないと思うので、とりあえずそういうやり方もありかなとは感じるのです。
○小杉委員長
その場合には弁護士さんに来ていただくとか。
○海野委員
そういうことですね。専門家にね。
○小杉委員長
ほかの委員の方から何かございますか。今のところ発言いただかなかった委員で何かほかのことでもございますでしょうか。兼子委員どうですか。
○兼子委員
やはり私も面会交流のところは意見にも書いたように「及び」ということでくくる部分で、別々にできないかという意見はお知らせはしてあるのですけれども、今の議論を聞いていて、もう一度再度の検討ということをされるということですので、そこのところでお願いをできればと思いますけれども、支援という言葉を私たちのところでもよく使うのですけれども、その支援の中身についてはよく問われるところなので、誤解のないところでの言葉の使い方を気をつけなければいけないというのは日々指摘のあるところですので、再度、私自身の確認をしました。ありがとうございます。
○小杉委員長
三木委員、いかがですか。
○三木委員
ありがとうございます。
市としましては専門の相談員を置くこと、養育費とか面会交流についても詳しい知識を持っていることが望ましいのですが、先ほどの杉澤委員のおっしゃったように「都道府県等及び市等においては」という15ページの記載については、私も母子家庭と就業自立支援センター等にという「等」が入っておりますので、市としてもそういう相談員を配置することが必要になるのかということはちょっと気になっていたところです。この点については地域の実情に応じて検討していただければありがたいということです。
もう一つ別のところなのですが、よく短い期間でこれだけ書き込んでいただいたと思いますけれども、相談機能の強化のところで、やはりいろいろ地域の実情に応じて、また関係機関との連携を密にすることによりというところで入れていただいたのはありがたいと思います。12ページから13ページにかけてというところではよく書き込んでいただいたと思います。ただ、やはり中間まとめのところで、先ほど大塩委員がおっしゃっていた9ページのところで、相談支援窓口体制整備の中で、やはり次のような相談支援のできる窓口の体制を整え、これを周知することについて検討が必要であるとまとめてありますので、やはり相談支援体制を整えること及びこれの周知についても重要であるということはどこかに入れていただければありがたったかなとは思います。
以上です。
○小杉委員長
それでも十分対応は可能な部分だとは思います。
○大隈家庭福祉課長
周知については、ほかの全体的なところで周知は書いてあることは書いてあるのですけど、わかりやすく見えているかという点はあると思いますので、あわせて検討させていただきます。
○小杉委員長
中田委員。
○中田委員
面会交流に関しては、実際に相談に来られる方の様子を見ていますと、面会については考えたこともないとか、あとは面会交流と養育費を完全にセットに考えていて、面会させたくないからお金は要らないとか、もらうためには面会させなければいけないのではないかというレベルの考えを持っている方が、富山県だけかもしれませんけれども、とても多いように感じます。
これは別のことなのですということから含めて、やはり面会交流ということをちょっとでも考えてみる契機になるということで、今は全国まだ3カ所しかありませんけれども、これが各都道府県にあって、そういうことも含めて意識が高まっていけばいいのではないかなと思いますので、ぜひ法整備のことも含めて、また努力していただいて、ぜひこの面会交流ということに関して周知されていくことを望んでおります。
以上です。
○小杉委員長
周知広報は積極的にやってほしいという意見ですね。
面会交流に集中していますが、ほかのことでございますか。
新保委員お願いします。
○新保委員
子供の貧困対策に関することについて幾つか今回書き加えていただいたことはとてもありがたく感じています。子供の貧困対策会議に関する議論などを読ませていただきますと、学校とか文部科学省の行政との関係が物すごく大事になってくる。学校をプラットホームにしようということが全面に打ち出されています。これは厚生労働省の告示ですので、どこまで書けるのかというのは私自身よくわからないところがありますけれども、少し書いてもいいのではないかという気がします。
学校との関係とか文部科学省が所管しておられる制度についてもう少し説明することができるような相談、もう少し具体的に言うとスクールソーシャルワーカーの加配について明確に大綱の中にも書かれていますので、スクールソーシャルワーカーの一つの専門職について相談の相手方、関係機関として明示することができるとわかりやすくなるのかなと思います。
○小杉委員長
何ページあたりに書き加えればいいですか。
○新保委員
私が見ているのは12ページ、13ページあたりです。12ページでは関係機関相互の協力ということで、子供の教育、進学ということが書いておられます。一般的な形で子供の教育、進学等を書くとこれは我が厚生労働省が所管しておられる貸付金事業などということが頭に浮ぶことが多いのかもしれませんが、文部科学省が所管しておられる奨学金に関することだとかスクールソーシャルワークなどのことについて、もう少し書けるといいなと思います。少し挑戦していただけないかなという気がいたしました。
生活困窮者自立支援制度との関係についても多分この母子家庭及び父子家庭の方々が活用することもふえてくるだろうと思いますので、それとの関係ももう少し書いてもいいのかなという気がします。これは当然この文章の中に思いとしては入っているだろうと思いますので、そのあたりの書きぶりはお任せしたいと思います。
○小杉委員長
これはお受けとめいただいて、反映できるところはと考えてください。ほかに委員の方から御発言ありますか。
海野委員どうぞ。
○海野委員
今までやった中でいろいろ教育的な部分もあったのですけれども、一般家庭でも結構困っている家庭もあって、たまたま私が近隣にいるのですけれども、高校生が3人、双子ですので、3年生が2人、1年生が1人で3人育てているふた親、お母さんは洗濯物から食事の支度で、パートぐらいしか出られない。そうすると44~45歳の人だからそんなに収入があるわけではないのです。
今度は大学ということになるといろいろ考えるだろうと思うけれども、そのお子さん自体がすごいなと思ったのは、小学校からもう東大しかないとして勉強してきて、お子さん3人ともどこへ塾をやったことがありません。とりあえず今3年生で2人が大学へ行くのですけれども、塾をやったことを思えば少しずつ蓄えておいて、大学に入る資金にしようというのが両親の考えです。だから、学問というのは本来はそうあるべきだと思うのです。塾へ行かなければできない、家庭教師がいなければできない。今回東大へ行きたいのでセンター試験は東大合格率の中に入っています。だから、東大へ多分入れるとは思うのですけれども、でも、勉強というのは塾へ行ったから、その一家は全部運動が大好きで、皆さんが運動をやっているのです。部活も活発にやり、目指すことができるというのは本人の意思しかないのです。
だから、昔から本当に勉強しようとした人はこつこつやってきて、家庭教師だ何だと人に依存するような人間だったらば、社会に出てどうなるのといつまでも依存の社会なんてないから、立派な子供を育てようと思ったら依存ばかりではなくて、自立させること、子供もその親も自立しないと社会に出てからまた困るのではないかなというのがすごい実感として最近感じているのです。甘やかすことも大切だけれども、厳しいことももっと必要なのではないかと、今の社会傾向に私はすごく疑問を持っているので、一言言わせていただきます。
○小杉委員長
ありがとうございます。
それでは、参加人の方からもう一回、今は限定された発言でしたので、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。新川参加人どうぞ。
○新川参加人
一つ追加でお願いなのですが、広報啓発の部分、当事者に向けた広報啓発はもちろんなのですけれども、各自治体の先駆的な事例とかモデルケースになるようなものを私たちも知りたいですし、各自治体が共有したほうがいいと思うので、されているのかもしれないのですけど、そこをぜひお願いしたいと思います。
○小杉委員長
赤石参加人。
○赤石参加人
短時間でいろいろな意見を反映していただき、本当にありがとうございました。かなり無理も言ったかと思いますが、感謝しております。
その上で7ページ、収入状況のところなのですが、平成18年の調査で、平成17年の母子世帯の実態調査をしております。平成23年、22年の収入の調査をしているわけなのですが、調査票が異なりますので、世帯収入を平成23年度の調査で聞いておりますので、この間ちょっと整理が必要で、291万円という世帯収入の書きぶりを変更していただきました。これは新たに聞いている項目ですので、以前はただ年間総収入は、年間就労収入はと、平成18年度までは聞いておりましたので、新たな項目として291万円あるいは455万円が上がったという認識です。
この書きぶりでいいのですが、より読みやすいようにするには、今気がつきましたけれども、7ページの一番上の行です。「母子世帯の平均年間収入金額」とありますが、これは全体にかかっておりますので、その4行前に母子世帯のというところで多分全部かかっているので、母子をとって世帯の平均年間収入金額としたほうがかえってわかりがいいのかなと思います。
同じように、(2)の「父子世帯の平均年間収入金額455万円」というのは、父子をとったほうがいいのかなと思います。これは専門委員会でも議論させていただいていますので、223万円というこの平成22年の数字をきちんと書き込んでいただいたのはよかったと思います。これに比べる数字が213万円であるかどうかは曖昧であるという御認識だということでよろしいのですよね。何度も議論するのが大変なので、ここできちんとお話をいただいておいたほうがいいのかなと思って、お願いいたします。
意見ですけれども、どうしてもここの基本指針の書きぶり全体は母子家庭あるいは父子家庭が離婚後、面会交流とか養育費の支援を受けて、その後は就労支援を受けたら自立をしていくのですという書きぶりだったのを、専門委員会のいろいろな議論を生かしていただいて、いろいろな方がいるので相談支援の中のいろいろな実情にあわせた相談支援をしなければいけませんねというDVとか虐待とかその方自身の生育歴とかいろいろな問題がありますので、そのように専門委員会のまとめを生かしていただいたということだと思います。
私としてはそれでも就労支援に力が入っているような書きぶりであるとは思うのですが、精いっぱい入れていただいたということを評価したいと思います。
以上です。
○小杉委員長
収入のところは一応確認。
○赤石参加人
そうですね。
○度会室長補佐
今言われた6の収入状況の(1)のところですけれども、今終わりのほうに「母子世帯の」と書いてありますけれども、確かにそこは母子をとって世帯のとしたほうがわかりやすいという形で、下の次の(2)の父子世帯も世帯という形でさせていただきます。
今、赤石さんから説明していただきましたけれども、その世帯収入のとり方、確かに平成18年の調査まで、そこは若干曖昧であって、平成23年の調査とは単純には比べられないというところはありますので、この書きぶりを今回直したというのは、次回以降はこの書きぶりをもとにそれができるという形で直してあります。
○赤石参加人
お願いですが、いろいろな簡易の表が出てくるのですが、そのときに比較で291万円を書いている表はかなりございます。それは平成18年調査で213万円だったものが、平成23年度で291万円に母子世帯の収入が非常に増加したように見える図がたくさん厚労省発表資料にございます。
この間ずっと議論しているのですが、そこは今後きちんと引き継いでいただいて改めていただけるようにお願いしたいと切に思いますし、平成28年に次の調査がございますので、調査票の検討をなさると思います。そのときにぜひ私どもの専門委員会、ここの議論などしていただいて、調査項目を決めていただけたらと思います。
○小杉委員長
それを受けとめていただくということです。
続いて片山参加人。
○片山参加人
私も6ページの6番の収入状況からなのですけれども、例えば父子家庭の父親自身の個人の収入、7ページにある360万円というふうにありますし、世帯のほうを見ますと455万とあります。これは何を比べて455万円を感じ取るのかといったら、私は児童のいる世帯というのがあって、それが658万円ということで、それは平成23年の国民生活基礎調査のところから引っ張ってきている金額なのですけれども、ひとり親支援は何をもって支援をしてどこまで支援をして、自立させるかというところで、結局、二人親の世帯の収入にはかないっこないような部分がある中で、就労支援をしていくというところで、やはり二人親の金額あるいは児童のいる、妻のいる父親の収入の金額というのを私は個人的に知りたいなと思っていて、ただ、漠然と455万というふうに書いてあっても、何と比べて、455万円がいいのか悪いのかぴんとこないというところもありますし、母子家庭と比べればそれは父子家庭の収入はいいですので、そうしたら支援は要らないのではないのかということにもなりかねないです。
比べる対象が母子家庭と父子家庭ではなく、児童のいる家庭の数字を入れる、あるいは妻のいる夫の収入の金額を入れるなどして、それは例えば家事と育児と仕事を一人で全部やるとこのぐらいの収入になってしまうのだよという見せ方にもなると思います。前回もそれは母子家庭と調査報告に入れてほしいということを言ったのですけれども、こちらのほうにも入れていただきたいなというふうに思います。
○小杉委員長
それは御要望としてお聞きいただければと思いますが。では、佐藤参加人どうぞ。
○佐藤参加人
収入については、赤石委員や片山さんからお話があったので、私のほうからも児童のいる世帯の収入と比較してというところがないと、なかなか理解が進まないかなと思いますので、ただ、もうおっしゃっていただいたことなので、私のほうから別のことで、16ページの一番下のページに「公共職業訓練の実施」とあります。ここに「個々の求職者の特性に配慮した」と記載があるのですが、この書きぶりがやはりわかりにくいかなと思います。母子家庭の母ですと、雇用保険とつながっていないので、そういった公共職業訓練につながりにくいという側面があったり、さまざま今制度が変えられているので、こういった表記になっているかと思うのですけれども、この個々の求職者の特性というところをもう少し書き加えていただかないと、理解が浸透しないかなというふうに思うのがまず1点。
あともう一つ、26ページの共同の広報啓発活動についてとおっしゃっていたと思うのですが、26ページの6の広報啓発のところなのですけれども、「広報啓発・広聴、ニーズ把握活動等事業実施する等により」、「等」がたくさん入っているのですけれども、この広聴というのは何を指しているのかなと素朴に思います。広報啓発その他はいいのですけれども、広聴ということは、誰から意見をどんなふうに聞くのかというところが、「広聴」という言葉で一くくりにされてしまっていて、しかも実施主体は都道府県及び市町村となっています。
また、この広聴したものについて、一体これをどうしたいのかというところまでが施策の実施を図るという内容になっているのですけれども、せっかく書き加えられた項目なのですけれども、ざっくりとしていて、わかりにくいので、その部分も少し質問も兼ねて広聴というものはどういうものなのかというところを教えていただくとともに、できれば補足の説明があればいいなと思います。
以上です。
○小杉委員長
広聴という言葉についての質問と、それをどう位置づけるのかという話だと思います。
○山本母子家庭等自立支援推進官
ここは事業の名称ということで使わせていただいているのですが、支援施策の計画的、積極的な実施を図る際に、支援施策に関する要望とか意見を聞くという意味で広聴というのを使っております。
○佐藤参加人
もし趣旨の内容があるのであれば、解説をいただくなり、何々など広聴と入れていただいたほうがわかりやすいかと思うのです。
○山本母子家庭等自立支援推進官
そこは「広報啓発・広聴、ニーズ把握活動等事業」というのがこの事業の名称でございます。具体的なところはその1行下のところ、「要望・意見の聴取やニーズ調査等を行う」と、それによって計画の特性を踏まえて、とつなげていまして、「広聴」というのがこの「要望意見の聴取」という意味で書かせていただいたところでございます。ここは事業の名称を使わせていただいたので、できればこのままにしたいと思っております。
○小杉委員長
事業の名称ということですので、わかりにくいといえばわかりにくいです。○佐藤参加人16ページの最後の「個々の求職者の特性」というところなのですけれども、これだけだと私としてはざっくりしているのでね。
○山本母子家庭等自立支援推進官
そこはどういった記載が可能かどうか関係部局と調整させてください。
○小杉委員長
ほかに皆様から御意見、御質問ございますか。
比較的細かい文言の修正で済む部分はともかく、一つ大きな課題として、面会交流についての厚労省としての考え方をきちんと文章として入れるという方向性をお示しいただいたのではないかと思いますが、そのあたりどういたしますか。
○大隈家庭福祉課長
面会交流のところは大変御指摘いただいて、こちらで預かりとさせていただく点と、あと文言の修正などちょっと工夫すべき点もあるので、こちらで検討させていただいて、その後、座長と進め方を相談させていただければと思います。
○小杉委員長
文章の修正というのが微細な修正ではなくて、少し大きな部分が入るということでございますね。
○大隈家庭福祉課長
面会交流のところは非常に考え方の整理などございますので、また座長と相談して各委員への御説明など進めたいと思います。具体的なやり方はまた検討したいと思います。
○小杉委員長
ただ、もうこうやってもう一回研究会を設けるという余裕はもうない状態ですよね。
○大隈家庭福祉課長
そこも含めて御相談させていただければ。少なくとも各委員にはしっかり御説明できるというのは最低限必要だと思っております。
○小杉委員長
方法はともかく、皆様にもう一度修文したものを見ていただくという機会を設けまして、その上で最終的には個々に、この場で皆さんに同意いただきますかということは言えない状態だと思いますので、個々に確認をいただいた上であとは事務局に引き継いでいくということで、事務局に最終的にはお任せするということでよろしいですか。
○島崎委員
前回も申し上げたのですけれども、私は文言そのものについてそれほどこだわっているわけではありません。問題はどういう実態をつくり出そうかということです。
先ほど新保委員が言われたように、面会交流は子供の養育・子供の健全な育成の見地から非常に重要なことです。したがって、厚生労働省がそれについて前に少し進めるべきだと思い踏み出すのであれば立派な決断です。だけど、踏み出す具体的な中身、つまり何をどういうふうに変えようとしているのか尋ねると、今の実態と変わりませんというのであれば、関係者に対し欺くとまでは申し上げませんが、かえって不信感を与えるのではないかということを言っているのです。その点について、もう一度局内でスタンスをきちんと整理していただくことが何よりも重要だと思います。その後、文言についてはもちろんいろいろ修正は必要なのでしょうが、この委員会をもう一回開く必要があるかどうかということについては、私はそこまで求めているわけではありません。○小杉委員長皆様の意見は十分理解していただいた、皆さんはそこは了解していただいたということで、それに対して真摯に対応されるという方向性はもう既に出していただいているので、あとは今の新たな方向性といいますか、きちんと議論した上での方向性というのは多分修文という形でこの中にあらわれてくるのだろうと思います。あらわれ方というのは、私に一任させていただくということでよろしいですか。
もう一度皆様に持ち回りで確認するというよりは、今の事務局からのきちんと真摯に対応するという方向性は示していただきましたので、そこで御了解いただいたということで、最終的な修文については、私に一任させていただくという形でこの場でおさめさせてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○小杉委員長
ありがとうございます。
それでは、そういう形で私のほうに最終的な文章を一任させていただきます。
では、事務局におきましては、引き続き本専門委員会での議論を踏まえた取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
以上、最後に事務局のほうから今後の予定などについて御連絡をお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
ありがとうございました。事務局としては、本日いただいた御意見も踏まえて整理をさせていただいて、必要な修文も行って基本方針を作成させていただきたい、座長と相談して見直しを進めてまいりたいと考えております。
また、さらに先の予定ですけれども、基本方針の見直しについては、パブリックコメントが必要でございますので、パブリックコメントを求めた上で、最終的には厚生労働大臣の告示として定めるということとしておりますので、そのような形で見直しを進めていきたいと考えております。引き続き御指導のほどよろしくお願いいたします。
○小杉委員長
それでは、本日の専門委員会はこれまでといたします。どうも皆様御協力ありがとうございました。
<照会先>
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代表:03-5253-1111(内線7892)
直通:03-3595-3112
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