ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会)> 第8回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録(2014年1月20日)
2015年1月23日 第8回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録
雇用均等・児童家庭局
○日時
平成27年1月23日(金)10:00~12:00
○場所
厚生労働省(中央合同庁舎第5号館)12階 専用12会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2
○出席者
委員
小杉委員長 (労働政策研究・研修機構特任フェロー) |
海野委員 (全国母子寡婦福祉団体協議会理事) |
大塩委員 (全国母子生活支援施設協議会会長) |
兼子委員 (浜松市こども家庭部長) |
島崎委員 (政策研究大学院大学教授) |
新保委員 (神奈川県立保健福祉大学教授) |
杉澤委員 (山形県子育て推進部子ども家庭課長) |
中田委員 (全国母子自立支援員連絡協議会) |
三木委員 (戸田市こども青少年部長) |
参加人
赤石参加人 (NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長) |
片山参加人 (NPO法人全国父子家庭支援連絡会代表理事) |
佐藤参加人 (ハンド・イン・ハンドの会主任研究員) |
事務局
安藤雇用均等・児童家庭局長 |
木下大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭担当) |
古川雇用均等・児童家庭局総務課長 |
大隈家庭福祉課長 |
山本家庭福祉課母子家庭等自立支援推進官 |
度会家庭福祉課課長補佐 |
○議題
ひとり親家庭への支援施策の在り方について
(母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針について)
○配布資料
資料1 基本方針の見直し | |
資料2 母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針に定められた施策に関する評価書(平成20年度~平成26年度) | |
資料3 母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針(平成二十年厚生労働省告示第二百四十八号)新旧対照表 | |
参考資料1 「ひとり親家庭への支援施策の在り方について」(中間まとめ)の概要 | |
参考資料2 ひとり親家庭への支援施策の見直しの全体像について | |
参考資料3 ひとり親家庭支援施策の主な改正事項 | |
参考資料4 平成27年度ひとり親家庭等福祉対策関係予算案の概要 |
○議事
○大隈家庭福祉課長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第8回「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。
本日は、委員全員の御出席をいただいております。委員の皆様にはお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
また、前回開催時から事務局に異動がございましたので、紹介させていただきます。
雇用均等・児童家庭局長の安藤でございます。
○安藤雇用均等・児童家庭局長
安藤でございます。よろしくお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
大臣官房審議官、雇用均等・児童家庭局担当の木下でございます。
○木下大臣官房審議官
木下でございます。よろしくお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
総務課長の古川でございます。
○古川総務課長
古川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
家庭福祉課母子家庭等自立支援推進官の山本でございます。
○山本母子家庭等自立支援推進官
山本でございます。よろしくお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
私、家庭福祉課長の大隈でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に移りたいと思います。
小杉委員長、よろしくお願いいたします。
○小杉委員長
皆様、1年ぶりになるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
それでは、最初に、お手元にお配りしております資料について、事務局から確認をお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
それでは、最初に資料の確認をさせていただきます。
配付資料につきましては、議事次第のほか、資料が3点、参考資料が4点ございます。
資料1「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針について」。
資料2「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針に定められた施策に関する評価について」。
資料3として「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針の改正案」でございます。
参考資料1として「『ひとり親家庭への支援施策の在り方について』(中間まとめ)の概要」。
参考資料2が「ひとり親家庭への支援施策の見直しの全体像について」。
参考資料3が「ひとり親家庭への支援施策の見直しにおける法改正事項」。
参考資料4が「平成27年度ひとり親家庭等福祉対策関係予算案の概要」でございます。
それから、委員及び参加人限りとして、資料2及び資料3を作成するに当たって参考といたしました地方公共団体や関係団体からの主な意見を取りまとめて、机上配付とさせていただいております。
資料の説明は以上でございます。
○小杉委員長
それでは、次に参加人の参加についてです。本日は、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむから理事長の赤石千衣子さん、ハンド・イン・ハンドの会から主任研究員の佐藤俊恵さん、少し遅れて見えられる予定なのですけれども、NPO法人全国父子家庭支援連絡会から代表理事の片山知行さん、以上3名の参加を求めますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○小杉委員長
ありがとうございます。
次に、本日の進め方です。本日の会議の趣旨は、「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針について」です。本委員会では、平成25年8月にまとめました中間まとめを踏まえたその後の対応・検討について、昨年の1月に母子寡婦福祉法等の改正や予算案を事務局から報告を受け、確認したところです。
今回は基本方針の見直しについてですが、事務局からの報告をまず聴取し、本委員会としてその対応を確認するというのが趣旨です。事務局からの報告を踏まえて質疑を行いますので、円滑な議事運営に御協力くださいますようよろしくお願いいたします。
では、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○山本母子家庭等自立支援推進官
それでは、資料1から3までまとめて御説明させていただきます。
まず、資料1についてでございます。こちらは3枚物でございます。1ページ目は、タイトルとしまして「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針の全体像」でございます。これは現在の基本方針の概要をお示ししたものでございます。
この方針のねらいとしましては、母子及び父子並びに寡婦福祉法などを踏まえつつ、父子家庭も含めた母子家庭等施策の展開のあり方について、国民一般に広く示す。それから、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村において自立促進計画を策定する際の指針を示す。これらによりまして、母子家庭等の施策が総合的かつ計画的に展開され、個々の母子家庭等に対して効果的に機能することを目指すものでございまして、方針の対象期間としましては、現在、平成20年度から平成26年度までの7年間という形になってございます。平成25年3月に対象期間の見直しを行っております。
中身は大きく3点に分かれております。第1に「母子家庭等及び寡婦の家庭生活及び職業生活の動向に関する事項」というところで、離婚件数の推移や世帯数の推移、年齢階級別の状況や就業状況、収入状況などについて数値を記載させていただいております。
第2としまして「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のため講じようとする施策の基本となるべき事項」というところで、まず1つ目として、今後実施する母子家庭等及び寡婦施策の基本的な方向性。2つ目として、実施する各施策の基本目標。3つ目として、母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のために講ずべき具体的な措置に関する事項という形で記載をしております。
第3としまして「都道府県等が策定する自立促進計画の指針となるべき基本的な事項」について記載されております。
おめくりいただきまして、2枚目でございます。こちらは平成20年度から平成26年度までの7年間の間にひとり親家庭等の支援施策がどのように動いてきたかというのをお示ししたものでございます。平成20年4月に現在の基本方針の見直しの策定が行われまして、子育て・生活支援、就業支援、養育費の確保、経済的支援の総合的支援を実施するということ。特に就業支援や養育費の確保を強化するということで、現行の基本方針ができたところでございます。
平成22年8月には児童扶養手当法が改正され、父子家庭への支給が拡大されております。
平成23年11月には全国母子世帯等調査が行われ、平成24年4月には民法等の改正法が施行され、離婚の際の親子の面会交流や子の監護に要する費用、養育費になりますが、この分担の明確化といったものがなされております。
平成25年3月には母子父子家庭就業支援特別措置法が施行され、雇用機会の拡大ですとか、母子・父子福祉団体等の受注機会の増大などを盛り込んだ法令が施行されております。
平成25年8月にはひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会、本委員会におきまして現状と課題、施策の方向性等について中間まとめをいただきました。
平成26年1月には子どもの貧困対策推進法が施行され、同年8月には子供の貧困対策に関する大綱ができております。
平成26年4月には本専門委員会の中間まとめを踏まえた法改正が行われ、平成26年10月に母子父子寡婦福祉法が施行され、12月には改正児童扶養手当法が施行されております。
右のほうに「支援施策の拡充」といった形で書かせていただいておりますが、これは主に予算事業を並べております。平成24年度に学習支援ボランティア事業が創設され、面会交流の支援事業が始まっております。
それから25年、26年といった形で、27年度は来年度の予算事業を予定として書かせていただいております。子供への学習支援の拡充、親の学び直しの支援、在宅就業の支援といった形の予算事業を展開したいと思っておりますので、ここは予定として書かせていただきました。
これを踏まえまして、平成27年4月の基本方針の見直しにつきましては、まず4つの柱、この総合的支援を引き続き実施するということ。専門委員会で示されました課題や法改正事項、子どもの貧困対策に関する状況等を踏まえまして、この6項目の新たな事項を追加したいと考えているところでございます。
3ページ目が見直しの内容というところです。基本方針の見直しにつきましては、現在7年間となっておりますが、これを対象期間、平成27年度から平成31年度の5年間としたいと考えております。
見直しの方向性につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、下のほうに「基本方針の見直しのポイント」という形で書かせていただいております。左側が現在のもので、右側のほうが追記したいと考えているものでございます。これにつきましては後ほど新旧のところで御説明しますので、省略させていただきます。
資料1につきましては、以上でございます。
続きまして、資料2についてでございます。「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針に定められた施策に関する評価書」という形で、内容としましては、1枚おめくりいただきますと、目次といった形で表をつけさせていただいております。これらにつきまして、それぞれの項目ごとに事業の概要と数値的なところ、それから評価という形で行わせていただいております。
主なところだけ御説明させていただきたいと思います。まず、1ページ目でございます。下のほうにページを振らせていただいておりますので、こちらを御参照ください。1ページ目、国等が講ずべき措置ということで、「公共職業安定所における就業あっせん」を書かせていただいおります。「母子家庭の母等に対して、関係機関と連携し、きめ細かな職業相談・職業紹介等を実施する。マザーズハローワーク等においては、子育てをしながら就職を希望する女性等に対して、個々の希望やニーズに応じたきめ細かな就職支援を実施する」というところが措置の内容でございます。事業の概要、数値等につきましては、ご覧のとおりでございます。今後の方向性につきましては、「母子家庭の母等の就職件数等が着実に伸びていることを踏まえると、母子家庭の母等の就業支援施策として有効であり、引き続き実施する。」といった評価をさせていただいております。
6ページ目、国等が講ずべき措置ということで、「特定求職者雇用開発助成金の活用」を書かせていただいております。「母子家庭の母等就職が困難な求職者を雇い入れる事業主に対する特定就職困難者雇用開発助成金について、事業主に対する周知を徹底するなどにより、その活用を推進する」といった形で、事業概要、事業実績等につきましてはご覧のとおりで、支給件数等が着実に伸びているところでございます。今後の方向性につきましては、母子家庭の母等の就職に有効であると考えられますので、今後も引き続き実施するということにさせていただいております。
16ページ目に「13再チャレンジ支援寄附金税制の周知」を書かせていただいております。これは平成19年度から認定地域再生計画に基づきまして、地域において母子家庭の母等の積極的な雇用に取り組む会社に対する寄附につきまして、税制上の優遇措置を講じていたというものでございますが、これにつきましては、事業概要の2つ目のポツの最後のほうに書かせていただいておりますが、「特定地域雇用会社に対する寄附に係る課税の特例については平成24年度に、特定地域雇用等促進法人に対する寄附等に係る課税の特例については平成20年度にそれぞれ廃止されている」ところでございます。評価の方向性としまして、既に廃止されておりますので、これにつきましては基本方針からも削除ということを考えております。
20ページ目でございます。こちらが「16親の扶養義務の履行を確保するための施策の推進」で、これは具体的には養育費相談支援センターにおいて、さまざまな研修の実施ですとか、普及啓発、相談対応を行うものでございます。事業の概要につきましては、まず養育費相談支援センターにおいて1、2、3、4といったことを行っております。実施の実績につきましては、おめくりいただきまして21ページ目でございますが、母子家庭等からの相談延べ件数などはどんどん伸びているという傾向がございます。こういったところを踏まえまして、評価・今後の方向性というところでございますが、養育費相談支援センター事業では、毎年度母子家庭等への相談支援や広報啓発等を着実に実施しており、センターの役割は一定程度果たされているものと考えております。養育費の取り決めや支払いが適切に行われるためには相談支援や広報啓発が必要であり、今後も引き続き実施したいと考えております。
24ページ目「効果的な母子家庭等及び寡婦施策を展開するための実態把握・研究」でございます。母子家庭等及び寡婦施策を効果的に推進するために、母子家庭等及び寡婦の就業状況や収入状況などの実態を把握して、さらに効果的な支援施策についてその研究・検討を進めるということが書かれておりまして、事業概要につきましては、全国母子世帯等調査や本専門委員会の開催等を書かせていただいております。今後の方向性につきましては、平成23年度全国母子世帯等調査のデータを支援施策の見直し等に活用しておりますので、引き続き、基礎資料として有効であることから、調査等を実施したいと思っております。今後、「子供の貧困対策に関する大綱」を踏まえまして、ひとり親家庭への就業支援や経済的支援等の自立への効果等についての調査・研究の実施も検討したいと思っております。
飛びまして、33ページ目「母子家庭日常生活支援事業等の実施」でございます。この事業の中身につきましては、(a)、(b)、(c)という形で書いておりますけれども、母子家庭等が母等の修学や疾病等の事由により一時的に家事、育児等の日常生活に支障が生じた場合などに、家庭生活支援員を母子家庭等の居宅に派遣するといった事業でございます。事業の概要、実績等につきましては、ご覧のとおりでございます。今後の方向性につきましては、毎年度着実に実施されておりますので、今後も引き続き実施したいと考えております。
1枚飛びまして35ページ目「子育て支援、生活の場の整備」で、「ひとり親家庭生活支援事業の実施」を書かせていただいております。母子家庭等の生活基盤の安定を図るため、生活支援講習や土日・夜間の電話相談、児童訪問援助等々を行っております。事業概要の「また」というところにも書かせていただいておりますが、平成24年度からは、学習支援ボランティア事業に関する補助を行っているところでございます。下のほうに評価・今後の方向性を書かせていただいておりますが、毎年度着実に事業が実施されていることから、今後も引き続き実施したいと考えております。
1枚おめくりいただきまして、37ページ目でございます。こちらは「母子自立支援プログラム策定等事業の実施」でございます。事業概要は支援対象者の状況等の把握を行って、支援対象者の実情に応じてプログラム策定を行う自治体に対しまして補助を行うというものでございます。評価・今後の方向性につきましては、個々のひとり親の状況に応じて、生活支援や就業支援を適切に組み合わせて支援する必要があるため、今後も継続していくとさせていただいております。
41ページ目でございます。「より良い就業に向けた能力の開発」というところで、母子自立支援教育訓練給付金や母子家庭高等職業訓練促進給付金の活用を書かせていただいております。事業の実績につきましては、下のほうにそれぞれ書かせていただいておりますが、順調に伸びているというところです。今後の方向性につきましては、毎年度着実に資格取得件数が伸びていることから、母子家庭等の自立の促進に有効であると考えておりますので、今後も引き続き事業を実施したいと考えております。
51ページ目「母子家庭の母等の就業の促進を図るための措置に関する留意」ということで、在宅就業等多様な就業の機会の確保が書かれております。事業の概要につきましてはご覧のとおりでございますが、2つ目のポツ「ひとり親家庭等の在宅就業支援事業」というところですが、平成21年度から平成25年度まで在宅就業支援事業を実施しておりました。今後の方向性についてですが、在宅就業支援につきましては、費用対効果を踏まえた上で厳しい評価がされているところでございます。本事業の目的や趣旨等は意義あるものと考えておりますので、事業実施者等の運営の方法次第で、在宅就業を希望するひとり親への支援に一定の成果を上げられると言えるといった評価もされているところでございますので、こういったところを踏まえて今後も実施していきたいと考えております。
52ページ目「都道府県及び市町村等が講ずべき措置に対する支援」の「養育費の確保策」というところで、広報・啓発活動の推進や相談体制の拡充、情報提供等が記載されております。
評価・今後の方向性につきましては、母子家庭等への相談支援や情報提供が着実に実施されておりますので、今後も引き続き実施したいと考えております。
資料2、評価書の説明は以上でございます。
これらを踏まえまして資料3というところでございますが、「母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針」というところでございます。新旧対照表で作成しております。
左側が改正案、右側が現行のものという形で、右のほうに改正の理由、ポイントを書かせていただいております。
まず、1ページ目でございます。「はじめに」のところで「1.方針のねらい(1)母子家庭等施策の必要性」という形で書かせていただいておりますが、これは基本的には赤字のところが修正箇所でございますが、数値の更新などを行っております。
おめくりいただきまして2ページ目でございます。「一方、父子家庭の父については」というところも数字の更新で、その次のところ「このような母子家庭等の置かれた厳しい雇用・経済状況」というところのパラグラフでございますが、これは平成25年の国民生活基礎調査のデータを追加させていただいております。
下のほうに「また、平成25年には」というところで書かれておりますが、これは平成25年に子どもの貧困対策推進法と子供の貧困対策大綱ができておりますので、この観点の記載をさせていただいております。子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立し、大綱が策定され、今後、子供の貧困対策に関する大綱を踏まえて、貧困の世代間連鎖の解消を目指し、母子家庭及び父子家庭に関する施策を講じていく必要があるということを書かせていただいております。
3ページ目「母子家庭等及び寡婦福祉対策に関する国の基本方針」というところです。これは、右のほうを見ていただくとわかるのですが、これまでの改正の主な動きを時系列に並べたものでございましたので、新たに平成22年の児童扶養手当法の改正、平成26年、今年度行われました母子及び寡婦福祉法や児童扶養手当法の改正の記載を追加させていただいております。
4ページ目の「2.方針の対象期間」というところですが、これは平成27年度から平成31年度までの5年間としたいと思っております。
「第1母子家庭等及び寡婦の家庭生活及び職業生活の動向に関する事項」というところで、これは基本的に数値の更新でございます。「1.離婚件数の推移等」「2.世帯数等の推移」「3.年齢階級別状況等」「4.住居の状況」「5.就業状況」、こういったところは数値の更新をさせていただいております。
おめくりいただきまして、6ページ目のところも続きでございます。「6.収入状況」は数字の更新と、少し細かく書かせていただいております。
「7.相対的貧困率」は、子どもの貧困対策を「1.方針のねらい」のところで書かせていただいておりますので、これに対応するものとして相対的貧困率の数字を書かせていただいております。
「8.養育費の取得状況」につきまして、数字の更新を行っておりまして、(2)のところでございますが、父子世帯の記載のところを新しく追加させていただいております。
「9.面会交流の実施状況」のところは、文章を新しく追加させていただいておりまして、平成23年度の全国母子世帯等調査の数値を書かせていただいております。
おめくりいただきまして、「10.子どもの状況等」につきまして、(1)と(2)のところは数値の更新をさせていただいております。
(3)のところは、子供の貧困対策に関する大綱にひとり親家庭の子どもの就職率とか進学率が指標として掲げられておりますので、同じものをこちらにも掲載しております。
「11.その他」の「公的制度の利用状況等」につきましては、数値の更新をさせていただいております。
「12.まとめ」につきましても、これまでの動向を踏まえて記述の見直しを行わせていただいております。
次のページの「(2)父子世帯の状況」につきましても、状況を踏まえて表現を修正させていただいております。
「第2母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のため講じようとする施策の基本となるべき事項」の「1.今後実施する母子家庭等及び寡婦施策の基本的な方向性」というところで、「(1)国、都道府県及び市町村の役割分担と連携」というところがタイトルでございます。
11ページのほうに入りますが、真ん中ぐらいから赤字のところが出てきますが、「都道府県等及び市等は、母子及び父子並びに寡婦福祉法第10条の2の規定を踏まえ」と書かれております。これは今年度の母子及び寡婦福祉法の改正で、都道府県等や市等の措置の積極的かつ計画的な実施及び周知並びに母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための支援を行うものの活動の連携・調整、こういった条文が追加されておりますので、この規定を書かせていただいたというところでございます。
「(2)関係機関相互の協力」というところでございますが、こちらも先ほど申し上げました規定の追加といったところも踏まえまして、母子家庭等及び寡婦への支援につきましては、さまざまな関係機関が相互に協力することが必要であるといったところを書かせていただいております。
12ページ目「(3)相談機能の強化」というところでございます。真ん中のところに「都道府県等及び市等は」という記載を書かせていただいておりますが、こちらは母子・父子自立支援員を適正に配置した上で、さらに就業支援専門員を配置するといった記載を書かせていただいております。これによりましてワンストップの支援体制を整備して、相談機能の強化を図ることが必要であるという記載をさせていただいております。これは今年度から総合的な支援のための相談窓口強化事業といったものを創設しまして、ワンストップの支援体制の整備を推進しておりますので、この内容を書かせていただいております。
「(4)子育て・生活支援の強化」というところでございます。これは法律の改正によりまして、子育て・生活支援の強化といったことが図られておりますので、その規定を踏まえまして新たに文章を追加しております。母子家庭の母親に対して生活講習会や情報交換の場の提供といったことを実施しておりますが、こういったものの拡充とか、世代間の貧困の連鎖を防止するために、学習支援や児童訪問援助等の母子家庭等の児童を対象とした支援をさらに拡充していくことが重要だといったことを書かせていただいております。
「(5)就業支援の強化」というところでございます。これは子供の貧困対策大綱等でも言われておりますが、ひとり親家庭の方がよりよい条件で就業するためには親の学び直しも重要だといった指摘がされておりますので、(5)の最後の2行「母子家庭の母等の学び直しの視点も含め、就業支援を拡充することが求められる」といった記載を追加しております。
「(6)養育費の確保及び面会交流の支援の強化」というところです。養育費や面会交流の取り決め、履行の促進といったところが重要だと思っておりますので、これに関する養育費の確保、面会交流の支援に関する取り組み内容等々につきまして記載させていただいております。
13ページの一番下「(8)子どもの貧困対策」というところでございます。子供の貧困対策大綱を踏まえまして、施策を実施していく必要があると考えておりますので、その記載をさせていただいております。「子供の貧困対策に関する大綱に基づき、関係機関と連携しつつ、各施策を実施していくことが重要である」といった記載をさせていただいております。
「2.実施する各施策の基本目標」というところでございますが、(1)と(2)は特に大きな変更はございません。
(3)につきましては、面会交流支援事業を開始しておりますので、面会交流の支援に関する記載を追加しております。
(4)につきましては変更ございません。
「3.母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のために講ずべき具体的な措置に関する事項」の「(1)国等が講ずべき措置」というところでございます。これは特に表現上の見直しというのが何カ所かありますが、ここは飛ばしまして、16ページ目「15親の扶養義務の履行を確保するための施策の推進」というところで、平成26年度、今年度までは相談の受付、国の委託を受けた機関というところで、養育費相談支援センターが各地方自治体や一般からの相談に対応しておりましたが、来年度から名称変更を予定しておりますので、「養育費・面会交流相談支援センター」という名称に変更しております。
「17効果的な母子家庭等及び寡婦施策を展開するための実態把握・研究」というところでございます。子供の貧困対策に関する大綱の中で、ひとり親家庭への支援施策、自立への効果等につきまして、調査・研究を実施するということが施策として掲げられております。これを踏まえまして、真ん中のところに「各施策の効果」といった記載を追加しております。
「(2)都道府県及び市町村等が講ずべき措置に対する支援」の「1相談支援体制の整備」で、アとしまして「ワンストップの相談窓口の整備」、イとしまして「相談機関関係職員を対象とした研修等の実施」といった記載を追加しております。
アの「ワンストップの相談窓口の整備」につきましては、今年度からの事業を踏まえたものでございます。イの「相談機関関係職員を対象とした研修等の実施」といいますのは、今年度の法改正で母子・父子自立支援員等の資質向上に関する規定というのが追加されておりますので、これを踏まえた追加をさせていただいております。
「2子育て支援、生活の場の整備」のところは、内容的には特に大きな変更はございません。ア、イ、ウ、エ、オまで特に変更はございません。
カにつきまして、「母子父子寡婦福祉資金貸付金の住宅資金や転宅資金の貸付の実施」といった記載を書かせていただいております。子供の貧困対策の大綱の中でも住宅の支援など施策として掲げられておりますので、これを踏まえましてこういった記載を追加させていただいております。
次のキとケは、「母子家庭日常生活支援事業」といった名前を「ひとり親家庭等日常生活支援事業」と、法律改正を踏まえて事業の名前を変えておりますので、名称の変更をしております。
20ページ目の上のほうです。これはひとり親家庭等生活向上事業の中に平成24年度から学習支援ボランティア事業というのが加わっておりますので、「大学生等の学習支援ボランティアの派遣等」といった形を書かせていただいております。
「3就業支援策」についてでございます。アとイは特に変更ございません。20ページの下のところからが「ウより良い就業に向けた能力の開発」といった記載でございまして、(a)は「ひとり親家庭自立支援給付金」でございます。
(b)(c)と続きまして、「(d)親の学び直しの支援」というところで、これは来年度から母子家庭の母等が、高等学校卒業程度認定試験合格のための講座を受講し、これを修了した際に受講費用の一部を支給するとともに、高等学校卒業程度認定試験に合格した場合に、受講費用の一部を支給する事業を開始する予定でございますので、この記載を追加させていただいております。
「(e)在宅就業の支援」というところでございます。在宅就業を希望する母子家庭の母等に対しまして、専門の支援員による支援を実施するという事業を来年度から開始したいと思っておりますので、この記載を追加させていただいております。
22ページ目は特に変更ございません。
23ページ目「4養育費の確保及び面会交流の支援」というところでございます。アとイとウは、特に変更ございません。
エのところは、すでに行われているものでございますが、面会交流支援事業というのを開始しておりますので、これは別居の親または同居の親からの申請に応じて、面会交流に関する事前相談や面会交流の援助等の支援を行っておりますので、これを追加させていただいております。
24ページ目「6広報啓発」というところで、これは平成26年度から広報啓発やニーズの把握活動等の事業を創設しております。これを踏まえまして文章を追加させていただいております。
資料3につきましては、以上でございます。
○小杉委員長
では、今の御説明につきまして、まず委員の方々のほうから御質問、御意見をお受けしたいと思います。どなたからでも結構です。主にきょうの議論は資料3の改正案をどうするかというところでございますが。
少しまとまりましたか。そしたら、御発言をお願いしたいと思います。では、大塩委員、お願いします。
○大塩委員
大塩でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
3点、お願いと質問なのですけれども、まず1点目のお願いは、基本方針の1ページ目「母子家庭等施策の必要性」のところで、「平均年間就労収入は181万円と低い水準にとどまっているのが現状である。パート・アルバイト等の形態での就労が47.4%となっており」ということで、ここでとめてあるのですが、2ページ目の父子家庭のところには、上から5行目のところに「アルバイト等の形態で就労する者が8.0%と一定割合存在し、その平均年間就労収入は175万円と」というふうに出してあるので、これよりもまだ就労収入の低い母子家庭なので、ぜひ1ページにも、47.4%がパート・アルバイト等の形態での就労なのですけれども、その収入は125万円ということをきちんと明記していただきたいというのがまず1点です。
2点目です。12ページの「相談機能の強化」のところのワンストップサービスというのが、ここだけではなくて何カ所も出てくるのですが、ワンストップサービスの意味についての確認です。第1回の施策の在り方検討委員会のところでは、施策がひとり親の方たちに対して周知されていないので、それを周知するために相談機能を充実しましょうということだったと思うのですね。それが委員会の終わりあたりから、母子・父子自立支援員さんプラス就業専門員さんを配置することによって、「ワンストップサービス」という言い方をしましょうということになったのですけれども、後でどういうふうに考えてみても、最初にひとり親家庭の方たちがひとり親になられたときに即専門的な相談機能が必要であるのに、自立支援員さんと就業専門員さんだけで相談機能を充実していくというのはちょっと違うのではないかなと。相談機能の充実のところとは少し違うなという感じがしましたので、ここの書きぶりというよりは、ワンストップサービスというものの定義をどう考えていくかということにかかわってくるのではないかなというふうに感じています。
もう一点は13ページです。前回の検討委員会の中でも何度か意見として出しましたし、ほかの方からも出されていたと思うのですが、13ページの「(6)養育費の確保及び面会交流の支援の強化」ということで、基本的な線がそちらに向いているというのはよくわかりますし、きちんと養育費を払ってもらう、そして面会交流をしていくことが児童の利益に資するということはよくわかるのですけれども、DV被害家庭であったり、被虐待児などは、面会交流は難しいと思われます。養育費の確保と面会交流がセットで出されると、離婚がしにくくなっていったり、無理をしながら生活を続けたりと、ちょっと心配だなという気がします。
それに、子供の年齢が小さければ小さいほど子供の意思の確認が難しいですし、虐待をしていた父親、あるいはDVをしていた父親に会うときのストレスがすごく大きいと思うので、ここのところを、DV被害者や被虐待児には配慮が必要である、ということを加えていただきたいと思います。
○小杉委員長
何か留保条件をつけておくべきだということですね。
○大塩委員
はい。お願いいたします。
以上、3点です。
○小杉委員長
ありがとうございます。
ほかに何点か出てからまとめてお答えいただこうかと思いますが、いかがでしょうか。
では、もう少し時間がかかるようでしたら、今、御質問、御意見がございましたので、事務局のほうからそれに対しての対応についてお答えいただくということでよろしいですか。
○大隈家庭福祉課長
まず最初の基本方針の1ページ目、181万円と合わせて125万円というところですが、母子と父子の書きぶりは、並ぶように検討したいと思います。
○小杉委員長
これは並ぶ方向で修正ですね。
○大隈家庭福祉課長
1つ飛びますけれども、13ページのところの面会交流も、確かにDVのケースとかもあるので、バランスをとった対応が必要だと思います。面会交流ももちろん子供の最善の利益のためにということでやるという趣旨ですので、その辺は書きぶりで、子供のためにやるというような形でうまく表現ができないかというところは検討したいと思います。
○小杉委員長
今の御懸念がちゃんと解消できるような書きぶりに書きかえるということでよろしいですね。
○大塩委員
お願いいたします。
○小杉委員長
2番目のワンストップについて、根本的にというのはなかなか難しいかと思いますが。
○山本母子家庭等自立支援推進官
まず、相談窓口の整備の前にさまざまな施策の周知等が必要であろうという御指摘ではないかというふうに理解したのですが、それの点につきまして、ちょっと離れておりますけれども、施策の周知の重要性につきまして記載をしておりまして、予算事業としまして広報・啓発やニーズの調査をするといった形で書かせていただいております。窓口の周知等につきましては、別のパラグラフに記載した施策で取り組むこととしておりますので、それとセットにしてお考えいただければと思います。専門委員会での御指摘は踏まえていると思っております。24ページ目の「6広報啓発」のところに施策の広報や周知等々につきまして実施していくといったことを書かせていただいておりますので、こことセットにして見ていただければありがたいと思っております。
○小杉委員長
大塩委員、いかがですか。どうぞ。
○大塩委員
24ページの「広報啓発」のところはわかりましたけれども、それと相談に来られた方に対する相談支援体制とはまた別なのではないかなと思うのです。広報啓発は常日ごろからやっておくべきものであって、ひとり親になられた方、あるいはなろうと思っておられる方が相談に来られたときにきちんと情報を発信して、そしてそのニーズを把握して支援につなげていくということが相談体制の中では必要だということを書き込んでいただきたいと思います。
ここのワンストップの項目を見ると、就労につなげていくことだけが目的のようにとられがちなので、その前に生活支援とか子育ての支援とか、きちんと伝えていくということが必要であると相談体制の支援の強化のところで議論したところだと思いますので、ワンストップサービスの使い方が就労支援に偏っているように思えてしまうのです。私だけでしょうか。
○小杉委員長
今の御意見の趣旨は、12ページの書きぶりの中で、このワンストップの書き方だと就業支援にしかつなげていないように思われると。それ以外の支援についての情報もそこで提供することが大事だということを書き込む、加えてほしいというふうに考えてよろしいですか。
○大塩委員
はい。
○小杉委員長
ワンストップの支援体制というのは、就業支援につなげるばかりでなく、文面で言うならば、具体的な幾つかの例を挙げて、そうした支援についてもきちんと情報提供して、ワンストップ支援にするようにというような書きぶりにという御意見ですね。
○大塩委員
はい。
○小杉委員長
どうぞ。
○大隈家庭福祉課長
17ページのところなのですけれども、それに関連した記述が挙がってございまして、(2)の「1相談支援体制の整備」のところにも「ワンストップの相談窓口の整備」ということで、福祉事務所等の相談窓口で、母子家庭等及び寡婦の方のさまざまな課題に対応した適切な支援メニューを組み合わせた相談窓口の整備ということも書いてございますので、この辺とあわせて受けとめられるのではないかというふうに考えます。
○小杉委員長
大塩委員、いかがですか。こちらの書きぶりをむしろ前のほうにも少し持ってくるという形で書いていただければということでよろしいですか。
○大塩委員
はい。
○大隈家庭福祉課長
前のほうのところで就業につなげるだけでなくて、もうちょっと広い形で、17ページに書いてあるようなことも含めて、わかりやすく表現できるように工夫してみたいと思います。
○小杉委員長
ワンストップの前には、総合的、包括的だからワンストップなのだということがわかるような書きぶりにということでよろしいですか。
○大塩委員
はい。
○小杉委員長
では、そこは文言の修正を少し加えるという方向で。
いかがでしょうか。三木委員、どうぞ。
○三木委員
私も相談については気になっていたところで、やはり市として相談窓口、どこに相談に行ったらいいかという周知が必要ということと、この間の委員会でも相談が多岐にわたるので、まずそこに行って相談ができるということ。また、専門的な機関につなげるということが必要だと思いますので、ワンストップサービスというと、そこで全部が完結するような印象を受けましたので、大塩委員のおっしゃったことはよくわかったということで、その修正については賛成します。
もう一点、文言の修正です。それとは別なのですけれども、12ページの(3)の赤く追加した下に「また、都道府県及び市町村は、平成20年4月から実施される児童扶養手当の」とあるのですが、もう実施されていますので、そこのところの文言は修正が必要かと思いました。すみません、細かいところで。
○小杉委員長
はい。それは国語の問題で。
島崎委員、お願いします。
○島崎委員
私が聞きたいことは違うことなのですけれども、今議論になっていることとの関連でまず1つ確認しておきたいことは、「福祉事務所等」とは何を指しているのかということです。つまり、ワンストップサービスというのはどこで行うイメージでいるのですか。
○小杉委員長
それは直接お答えいただけますか。
○度会室長補佐
ワンストップの窓口のことなのですけれども、一般に母子・父子自立支援員の方、多くは福祉事務所にいらっしゃるのですが、各自治体によっては福祉事務所だけではなくて、自治体の事情に応じて母子家庭の方、父子家庭の方が相談に来られる場所というものを指定していただくという形で、福祉事務所に限定するという形では考えておりません。
○小杉委員長
どうぞ。
○島崎委員
前の専門委員会のときにもこの点についてはいろいろ議論がありました。最終的な中間まとめにどう書いたかは、今、手元に資料がないので確認できないのですけれども、どういう議論だったかというと、ひとり親家庭の問題は、その問題だけに限定して考えるのでなくて、子育ての問題を抱えている人たちはひとり親に限らないのだから、もっと裾野を広くすることを考えていく必要がある。そうでないと、自治体の職員の定員削減が求められている中で、ひとり親家庭のためだけに相談機能を充実することは難しいという議論をしていたわけです。
イメージで言うと、八ヶ岳に例えて言えば、広い裾野があって、その上に、ひとり親家庭の問題という「山」、例えば障害を持ったお子さんの問題という「山」、不登校児童の問題という「山」といったように、それぞれ固有のニーズに応えていくことが有用である。そうした広い相談機能と固有の専門性をもった対応を考えないと、実際の総合機能であるとかワンストップサービスとかということは展開できないということを議論してきたつもりです。
文言はともかく、そういうことを認識した上で施策を展開していかなければならない。正直言ってワンストップサービスは「言うは易く行うは難し」の最たるものです。
福祉事務所に就労支援専門員を置いて、ひとり親家庭の相談員とセットであれば、それがワンストップサービスだというような、まさかそんなことを言っているわけではないと思いますけれども、いま強調したような認識を持ってもらわないといけないのではないなという気がします。それがまず1点目です。
○小杉委員長
どうぞ。
○杉澤委員
ワンストップサービスの窓口の件で、現場の声、市の声でありますとか、県の出先の声としまして、福祉事務所で言いますと、生活困窮者自立支援法がいよいよ本格スタートするということで、そちらでもワンストップ窓口、相談員の配置というふうな動きもございます。
同じ福祉事務所の中でひとり親の就業支援専門員を新たに置く。生活困窮者の対応もまたする。この方はこちら、この方はこちらというふうに現実にはならないということで、ひとり親施策に関して言えば、就業支援専門員という方をその役割で機能するように配置して活躍してもらうというのはなかなか難しいなというのがいろいろ聞く意見です。
これについては、自治体、地方の実情に応じた体制を組む必要があるのかなと思いまして、一律に母子・父子自立支援員に加えて就業支援専門員といった形での窓口設置というのはなかなかうまくいかないのかなというところがあります。
以上です。
○小杉委員長
これに関連して。中田委員、どうぞ。
○中田委員
先ほどのワンストップサービスのことにまた戻りますけれども、12ページの真ん中あたりに赤で改正されたところ、ワンストップの支援体制について書いてあるところが定義に関するような文言になっていて、私はとても評価しました。もちろん、就労ということも書いてありますが、「子育て支援、離婚や妊娠に係る相談窓口や」というところに書いてあって、「支援メニューにつなげるワンストップの支援体制」というふうに書いてありますので、ここがワンストップの窓口の定義に当たるところではないかと思います。
それに、今、就業支援専門員を配置することがちょっと難しいというお話もありまして、それは私たち母子自立支援員もちょっと危惧しているところではありますが、ひとり親家庭にとって経済的な支援、特に就労に関する相談というものはとても重要な課題ですし、就労が改善することによってかなり改善するという面が多いので、読み方によっては就労支援に偏るということもあるかと思いますが、やはり就労に関する支援というのはとても大切だと思います。
生活困窮者自立支援法によって、実をいえば富山県の私の福祉事務所のほうでも、母子のほうも生活保護のほうも人はそんなにふやせないから、何とか1人雇って2つ3つ兼務してもらえないかなみたいな打診的な相談を受けたりしていて、この財政難の折にいろんなところがいろんな相談員を置けとか、支援員を置きなさいというのはわかるけれども、実際どうなるかというところがとても難しいところだと思います。
母子自立支援委員の立場として今の改正案を読みまして、相談支援体制の整備についてきちんと明記されている、母子・父子自立支援員の人材確保、研修の実施についても明記されているということは、とても評価できる内容になっていると思います。
また、子供に関しても学習支援の推進とか面会交流の支援強化ということがしっかり明記されましたので、大変評価できる内容になっていると思います。
ただ、先ほどからも言っておりますように、今後、都道府県及び市町村が各施策を具体的に計画し、実行していけるかどうかというのがとても大きな問題だと思いますので、そこで広報とか助言・指導については特に大きな課題もあるでしょうし、そこに期待もしておりますし、そこのところが今後問題になるところではないかなというふうに感じております。
以上です。
○小杉委員長
ありがとうございます。
今、相談支援、就労支援の話が中心になっておりますが、このことに関連してありますか。海野委員、どうぞ。
○海野委員
先ほど出たのですけれども、川崎の場合は福祉事務所ではなくて、母子・父子福祉センターというのがありまして、そこで受託事業として自立支援センターをやっているのですね。そうしますと、そういう人たちだけが来るという形で、また安心感。ちょっと話をして、ほかに漏れても仲間同士だから安心というような面もある。
父子が一緒になったということでどうしようと悩んでいるのは、DVで離婚した人が、父子がそのセンターに自然に入ってきたときに、では、ここにはもう来ないわみたいになったらどうするかねと。そういうことが今、悩みの種になってきたかなと。でも、そういうふうになった以上は受け入れていくよりしようがないから、そこの対処は別に考えましょうと。そういう方がいらしたら別に相談を受けて、一緒にならないような方法を考えていくしか仕方がないのかなというような話し合いをしているところです。何でもかんでも一緒ということになると、やはりこういうふうになってしまうのだなというのが現実ですね。
○小杉委員長
ほかに御意見ありますか。全体としては、もちろん相談支援の充実、そこに就労支援が入るということに対して否定される方は誰もいらっしゃらないと思うのですが、生活困窮者の文脈とか、あるいは子育て支援の文脈とか、ひとり親支援というのはどちらの文脈にも入ってくる。そういう中でどう位置づけるのか。今のところは都道府県にお任せするということなのでしょうか。その辺をどんなふうに考えられているか。この文章の中にそれが全く。そういう文脈の中でどういう位置づけかということが入っていないというところが、多分皆さんがおっしゃっているポイントなのではないかなと思うのですが。どうぞ。
○大隈家庭福祉課長
ここの文章でそこについてどうだということを書いているわけではないですけれども、今、出ているワンストップの話は、いずれにしても12ページの書きぶりと17ページの書きぶりをうまく、わかりやすくという修正は必要だと思っていますが、ここのワンストップの窓口で全て解決できるという趣旨ではなくて、相談の内容に応じてほかの専門機関と連携を密にしてつなげていくということも含めたものということで考えているのと、その中で、ひとり親特有の課題に対する対応の場合もあるでしょうし、先ほど委員もおっしゃったように、ほかの支援策と共通するというか、同じ課題が必要なものもあると思いますので、他政策とのうまいつなぎとか、その辺は具体的に予算事業をこれから動かしていく中でよく考えながら進めていく必要があるのではないかと思います。
あと、自治体ごとに実情も違いますので、もともと就労支援専門員を導入したときは、母子自立支援員は例えば貸し付けの業務で忙しくて、就労支援は大事だと思っているのだけれども手が回らないというような声もあって、設けたもので、実際活用いただいている自治体もございますので、こちらとしてもぜひ配置はいただきたいと思いつつ、財政事情とかほかの施策との関係もあるでしょうから、そこは自治体が取り組みやすいような形でこちらも周知とか、好事例なども発信していきたい。そういう中で、必ずこういうやり方でやってくださいというわけではないですけれども、できるだけうまく事業が回っていくようなことを考えていきたいと思っております。
○小杉委員長
どうぞ。
○島崎委員
17ページの一番右側を見ると、「平成26年度から総合的な支援のための相談窓口強化事業を創設し、ワンストップの支援体制整備を推進」と書いてありますね。具体的にはどういうことをやったのですか。つまり、ここで「総合的な支援のための相談窓口強化事業を創設し」ということで、わざわざ創設したのだから、交付要綱で何か1つ追加したかどうか知りませんけれども、何かやったのでしょうか。その結果、例えばこういうことが成果としてあったとか、まだ年度途中かもしれませんが、ワンストップの支援体制整備を推進したということで、どういうところが手を挙げてきて、その評価まで至っていないかもしれませんけれども、どういう実績なりになっているのでしょうか。
○小杉委員長
事業の実績、わかりますか。
○度会室長補佐
実績については、実際に26年度から先ほど話がありましたように補助金を交付するという形で実施しておりまして、幾つかの自治体が手を挙げて、実際に就業支援専門員の配置をされて行っております。
この総合的な相談窓口というのは、窓口をつくるだけではなくて、それを知っていただくということも当然必要になりますので、そういったことも含めて今、取り組んでいただいているという形になります。
この状況につきましては、現在先行的に実施されている自治体の状況を調査しておりまして、その内容を例えば窓口体制の立ち上げ方とか方法とか、そういったものを各自治体に知らせて推進していくという形で今、行っているところです。
○小杉委員長
どうぞ。
○島崎委員
今の話を聞いていると、前のときの専門委員会の議論は、ひとり親家庭の問題というのは、離婚した後の話だけでなくて、離婚前からいろいろな相談ニーズはあり、時系列的に見てもかなりタイムスパンの長い話だし、一時期に集中的にいろんな重要な問題を解決しなければいけない。例えば子供の教育の問題であるとか、転校の問題とか、それから自分が急に働かざるを得なくなったときの法律上の問題とかが出てくるわけですね。それから、当然のことながら養育費であるとか面会の取り決めをどうするかということもある。つまり、さまざまな問題を一時期に一挙に解決しなければいけないという問題があるわけです。だから、ワンストップで、できるだけあちらへ行け、こちらへ行け、これは2週間後に来てくださいとかということがないようにしましょうねというのが、ざっくり言えばワンストップサービスのイメージだったわけです。
私は少なくとも専門委員会ではそういうことを言ってきたし、そういうのが大方の理解だったのではないでしょうか。大塩委員がおっしゃっているのは、まさにそういうことだったわけだと思います。
せっかくそういう意見が出たのだから、言葉が適切でないかもしれないけれども、余り矮小化せずに取り組みを推進していったほうがよろしいのではないかなと思います。私は、書きぶりよりも、むしろ書いた内容にどうやって「魂を込めていくか」がはるかに重要なことだと思っています。
○小杉委員長
海野委員、どうぞ。
○海野委員
前回もそうなのですが、離婚届に今、養育費をもらっていますかという欄があっても、実際問題は何にも活用されていない。離婚する人は養育費をもらうにはどうしたらいいかもわからない。前回も言ったのですけれども、離婚届を持っていったときに、こういうふうなところがあるから、こういう担当に相談しなさいみたいな、こういう連携ができていると、ある程度のところが解決するのではないかなと思ったのですが、そこまで進んでいないみたいなので、まだまだ。
チェック欄にチェックしていなくてみんな受け付けられているから、後々そこで長い時間がかかってしまうというのが現実なのですね。だから、そこを早く解決しないと、養育は誰がするのだ、学校の問題とか保育園の問題、待機児童のたくさんあるところなどは簡単には入れないとか、いろんな問題点が出てくるので、それを離婚届を出すときにある程度解決できれば先へ進めるのだけれども、それを出しただけで、では、これからそちらの交渉みたいな形になると、母子家庭のお母さんはなかなか前へ進めないのではないかなと思っているので、そこを解決する方法はないのかなという提案を前回もしたのですけれども。
○小杉委員長
ありがとうございます。
ここに書かれています「総合的、包括的」、言葉にするとそういうことですね。求めるところはそこであると。この文章の修文の範囲で言うならば、それをもうちょっと最初に前面に出して、ワンストップというのはそういうことなのだと。その上で、第一歩として就労支援を置くというところがあるというような位置づけにしていただくと、少し議論の精神が生きるのではないかなと思うのですが。そういう方向性でここをおさめていただくということで。どうぞ。
○木下大臣官房審議官
今、座長のほうからもありましたけれども、島崎委員がおっしゃった問題意識、相談機能の強化なり方法論で語るだけでなくて、何が問題だから、どういうことができないからこういう話になるのかという前提の問題意識をきちっと書くことによって、我が市町村ではこういう体制で行かなければいけないとか、あるいはここができなければ、ここと連携をとれば何とかいくなとか、そういう方向感が出てくる。今抱えている、御指摘があったような問題意識を、各委員がお持ちなので、そこが少しこの文章の中に出るような形で書けば、若干は、今おっしゃったようなことが出てくるのかなという気がしています。
方法論については、恐らくこういう形になってしまいますが、その前段階が問題認識が少し欠けているので、そこが十分わかっていないのではないか、あるいはそこがなければ伝わらないではないかというところだと思っています。そこをよく中でも検討したいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小杉委員長
多分「方針のねらい」とか、最初のほうのこれは何のためにあるのかということの中にきちんと書き込んでいただくということです。
そういう方向性でよろしゅうございますか。
○島崎委員
はい。
○小杉委員長
では、この件はここまでとして、違うテーマについて御指摘をいただきたいと思います。島崎委員、どうぞ。
○島崎委員
以前本専門委員会が取りまとめた「中間まとめの概要」というのが参考資料1としてついていますが、それを見ると、養育費確保支援のところで「面会交流の意義・課題等の周知啓発、面会交流支援の専門性を踏まえた関係機関との責任・役割分担の明確化」とあります。これは、面会交流の問題は養育費確保の延長線で考えてよいのだろうかということが背景にある。つまり、面会交流というのは単純な相談ではなく、非常に専門技術性が要求されるわけです。こどもの意識や感情の問題のほか、場合によっては、DVのケースもあり、面会交流の相談や申込みがあったときにどう対応するかというのは、養育費の支援とはかなりディメンションが異なる難しい問題をはらんでいます。
何を聞きたいかというと、今回、例えば13ページ、14ページ、23ページを見ますと、面会交流の支援の強化というのがかなり強くあらわれています。私は、面会交流を進めていくべきだということについて何の異存もありません。面会交流は積極的に進めていくべきだと思っているのですけれども、問題は厚生労働省としてどこまでやるのかということです。もっとストレートに言うと、法務省あるいは最高裁(裁判所)との役割分担や責任分担をどう考えているのかということです。先ほど申し上げた「関係機関との責任・役割分担の明確化」というのは、明確に書いていないのだけれども、ここでイメージしている関係機関というのは今言ったような役所なのであり、それとの役割・責任分担をしっかりしておかないと、中途半端に面会交流の相談支援をやりますと言っても、なかなか現場では定着せず、かえって面会交流が形骸化することにもなりかねません、。その点に関しては、基本的に面会交流の支援の強化を今回かなり強調して書かれた意図と、これは厚生労働省の告示という形で出されるのであれば、厚生労働省として私が申し上げたことについてどこまで頭の中の整理をされたのかということについてお尋ねしたいと思います。
○小杉委員長
お願いします。
○大隈家庭福祉課長
25年の中間まとめに書かれているとおり、スタンスとしては、面会交流は子供の立場から重要ということで、面会交流の取り決めとか実施が適切になされるような普及啓発とか相談支援、現在も行っていますけれども、その内容の充実を図っていくとか、あるいは相談支援を担う人の研修の実施、これも行っておりますが、その内容についても充実を図っていくというようなことが必要だという趣旨で書いております。
もともと民法上の離婚制度の規定とか、そういう関係法令に基づく話なので、そこはあくまでも法務省あるいは最高裁の話だという認識はそのとおりでございます。ですので、この基本方針案上はっきり書いていないのは、確かにおっしゃるとおりなのですけれども、関係省庁と十分連携を図って取り組んでいくと。厚労省としてできるのは、そういう普及啓発とか相談支援の部分だというところは変わらないというところですが、ただ、子供の観点からもっとできることはないのかということで、今の内容の充実を図る。
ですので、法務省としてやっていただく部分とか、あるいは最高裁で対応していただく部分はしっかりやっていただく必要があるし、そこを厚労省がやろうとしているというわけではございません。
○小杉委員長
どうぞ。
○島崎委員
面会交流の相談の申し出があったときに、面会交流に関する補助金が厚生労働省でつくられたときに低所得者に限る形にしていましたね。その要件は撤廃されるのですか。それともそこの低所得者要件はそのままにしておくのですか。
○大隈家庭福祉課長
来年度事業の要綱などはこれからですので、要検討事項ではございます。ただ、事業の対象、その要件があることによって若干使いにくいというような声もあるので、それも踏まえて検討したいとは思っております。
○島崎委員
もう一つよろしいですか。
○小杉委員長
はい。
○島崎委員
養育費の相談をしている「養育費相談支援センター」というのがありますね。これを拝見すると、「養育費・面会交流相談支援センター」になっているということは、面会交流の相談支援もする、厚生労働省からすればどうセンターに「してくださいよ」ということですね。「養育費・面会交流相談支援センター」でやってもらおうとしている面会交流の支援というのはどういうイメージなのですか。
つまり、私が何を言っているかというと、語弊があるかもしれませんけれども、きちんとやり切れないものを中途半端に進めようとすると、かえってうまくいかないということを心配しているわけです。養育費の延長線上に面会交流があるわけではないのだから、面会交流は面会交流として、特別なトレーニングを積んだ人が特別な場所できちっとしたスキームをもとにいろんな調査をしながらやっていかないと、実際うまくいかないと思います。その点についてどこまで詰めてここまで書かれたのかというのを知りたいということなのです。
○小杉委員長
事務局、お願いします。
○大隈家庭福祉課長
現在、養育費相談支援センターということで事業を実施しておりますけれども、現行事業でも面会交流についての相談も相談対象に入っておりまして、24年度、25年度とセンターの相談全体に占める面会交流に関する相談の割合が高まってきている。ですので、従来は養育費確保関係の相談が多かったところ、面会交流の相談もふえてきているということもあり、現在も行っているわけですが、事業の名称としても養育費と面会交流を並び立ててというか、もともとやっているものを明示するという形で考えております。ですので、今まで全然やっていなかったことをやるというわけではなくて、ウエートとして多くなってきたので、名称上、明記すると。
ただ、面会交流について非常に難しいところもあるので、そこは現状やっているような相談をよりよくしていくと。先ほどの例えば夫婦間でそもそも争いがあるようなときに無理に面会交流をするなどということではなくて、現状行っている面会交流の相談の中でより充実させていくという方向で事業内容は考えております。
○小杉委員長
どうぞ。
○島崎委員
そこまで言われると、反論したくなります。私は養育費相談支援センターの運営委員をやっていますが、同センターでどういう議論をやってきたのかということについてはきちんと確認したのでしょうか。養育費の延長線上で面会交流の問題を捉えていいかどうかとかいろいろ問題がある。もちろん実際には、例えば面会交流に関する相談の電話がかかってきたときに、それは養育費相談支援センターの所管外だと言ってガチャンと電話を切っているわけではありません。しかし、例えば養育費と面会交流というのを中黒で結ぶのであれば、具体的に面会交流についても、こういう体制でこういう取り組みをしなければいけないということについてきちんと詰めなければ、委託を受けた側としては中途半端なものにしかなりません。
ですから、今後委託事業として中身を詰められるのであれば、今からでも遅くないので、相手方ともよく相談しないとまずい。中途半端な形で始めると後悔することになるというのが申し上げたいことです。○小杉委員長ありがとうございます。
面会交流というのは非常に専門性が必要ですから、そのことを文面に書き込むという話ではないですね。そこを事務局として理解して、その上で事業を進めてほしいというような御意見だと思います。
どうぞ。
○大隈家庭福祉課長
今、島崎委員がおっしゃったところは十分踏まえて事業運営をしていきたいと思っております。
○小杉委員長
ありがとうございます。
ほかの委員の方から。まだ意見をおっしゃっていない兼子委員、いかがですか。いいですか。
ほかのことでも結構です。新保委員は。
○新保委員
現在、結構です。
○小杉委員長
それでは、委員の方からは一応御意見を承ったというところで、参加人の方の御質問、御意見をお受けしたいと思います。参加人の方からございますか。では、赤石さんからどうぞ。
○赤石参加人
しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石です。どうぞよろしくお願いします。
まず、2ページで新たに貧困率についての記述がふえました。子どもの貧困対策法もできましたので、当然入るべきだったと思っております。ありがとうございます。
ただ、「平成24年で54.6%となっており、平成22年の国際比較では、OECD諸国の中でも高くなっている」という記述になっております。54.6%で、ひとり親、母子家庭、父子家庭の支援を頑張っておられるのだけれども、でも、この数字を抑えることになっていないという現状を踏まえますと、非常に深刻であるとか、国を挙げてこの貧困問題に対処する必要があるとか、書きぶりはもう少し違うものでないといけないのではないかなと思っております。幾つか貧困率についての言及がある箇所がございますが、やはり数値のみになっておりまして、ちょっと残念に思っております。この基本方針の検討においてその問題をどう考えるのかというのが隠れた大きなテーマではないかなと思っております。本当に偉そうなことを言って申しわけありません。その上で、そういうことをぜひ書き加えていただきたいなと思います。
ちょっと細かいことですが、4ページの母子世帯、父子世帯の世帯数等の推移の「2.世帯数等の推移」の(2)に母子世帯の数が明記されております。その次に父子世帯の数がありますが、理由別の構成割合が死別と生別になっております。
25ページ「計画策定前の手続」の(2)の1のアに「母子家庭等及び寡婦の数(離死別や未婚等の原因ごとの数)」というのが書いてございます。ですので、ここも未婚の母子の数をきちんと書いたほうがいいのではないかなと思います。たしか平成23年度の母子世帯等調査では、死別による母子世帯が17.5%、未婚の母子が7.8%ということで、未婚のほうがふえてきておりますので、ここはちゃんと明記すべきであろうと思います。
これは感想になるのですが、DVがその後の母子世帯に及ぼす影響というのは甚大なものがございますので、DVによる離婚というのがどこかで明確に把握されるといいなという感じはいたしますが、どういうふうに入れていいかわからないので、これは感想になってしまいます。
もう一回7ページの上でも貧困率について言及してくださっているのですけれども、ここも「OECD諸国の中でも非常に高い」というすごく客観的な記述になっているので、2人に1人貧困でも、高いですよ、にっこりというわけにはいかないなと思っております。
13ページの「養育費の確保及び面会交流の支援の強化」というところについて今、御議論がありましたが、私も面会交流の支援に関しては、DVへの配慮というのは非常に必要だと思いますので、ちょっと留保したような書きぶりにしていただけるといいなと思います。
それとともに、今、「養育費・面会交流」というふうに並んで書かれるということに関して、養育費についてそこまでの議論をいつしたのだっただろうかという、そんな感じもしておりまして、今までの議論の中でもいろんな委員の方がおっしゃったように、そのまま並行的にやっていっていいのだろうかという思いがございます。
今、養育費相談支援センターの方がいろいろなところの研修事業も引き受けておられますけれども、そこで養育費の相談についての研修の講師なども引き受けておられるかなというふうに思うのですが、若干思いますのは、やはり弁護士さんを派遣したほうがいい場合もあるのではないかなという感じがしております。ごめんなさい、養育費相談支援センターの方が本当に頑張ってやっていらっしゃるのはわかるのですが、どうしても調査課の方が多いところでございますので、法的なところになかなか手が届かない。でも、自治体は、お聞きしますと、無料で派遣していただけるシステムになっておりますが、実は法的なところ、もっと勘どころに合ったものを聞きたいということがあるのではないかなというのをちょっと危惧しております。弁護士さんが派遣されてくるほうが効果的な学習ができるのかなと思います。
今回、親の学び直しの支援が予算要求として入りました。21ページの「(d)親の学び直しの支援(実施主体:都道府県及び市等)」ということで、高卒認定試験合格のための講座受講とか、受講費用の一部支援ということで、本当に中卒率の高い母子家庭の方、父子家庭の方も高かったと思うのですけれども、そこにこういう施策が乗ったということはとてもありがたく思っております。
その上でお聞きするのですが、実際に機能するためにどのくらいの額を予定していらっしゃるのかというのは、ちょっと関係ない話なのかもしれないのですが、どこかで教えていただけたらありがたい。
本当に使えるような。中卒の方というのは、そもそも学校の中で排除されておりますので、私も中卒の方に受けてみないとか、高認というのはそんなに難しくないよと勧めても、言った途端に10メートルぐらい逃げていくような、学校なんて絶対嫌だというお気持ちのある方が多いのですね。でも、その後の資格を得るとしたら、やはりここが必要だよということをどういうふうに勧めていけるのかということ、この施策ができたからにはそこをうまくやっていけたらいいなと思います。
あと、父子家庭の方に言及するときに、「母子家庭等」で表記するというふうになっております。私は、母子家庭、シングルマザーで暮らしてきましたが、父子家庭の方のお気持ち、きょう片山さんが来ていらっしゃるので片山さんがおっしゃってくださると思うのですが、一応補強ということで。自治体の施策にはそう書かないと信じたいのですけれども、「等」と書かれるのは、とてもおつらいと思います。そこは、文字数がちょっとふえるのですが、「父子家庭」も明記していただけたほうが。困難を抱えている人ほど排除されているような気持ちになりやすいので、そうしていただけるといいなというふうに思います。
あと、24ページ「広報啓発」のところを入れていただいてよかったと思っております。これは、きょう来てくださっているような県や自治体の方は本当に熱心にやってくださっていると思うのですが、津々浦々の市によっては、やはり広報啓発を全くしておられないというか、今、例えば高等職業訓練促進費制度はほとんどの市でやっておりますけれども、しかし、このチラシを1枚もつくっていないような市もございます。私は東北の沿岸部にたまに御支援のために行って、そこの市の施策などをいただいてくるのですが、1枚もないというのはどういうことなのかというか、そういう状況で、今、その自治体名まで言いたい気持ちではございますが、かなり深刻であるということの認識をしていただきたいですね。ほとんどひとり親の施策は児童扶養手当のみというふうに当事者の方も認識しておられる。ほかの支援があるなどとは考えもしないというのが状況です。ですので、ここに力を入れていくということは基本ベースで必要ですので、よくやっていらっしゃる自治体を褒めるような施策とか何かないと進んでいかないというか、そういうふうに思います。
もう一度25ページの計画のところで、先ほども言ったように、把握のところでございますが、原因ごとの数を母子家庭数で把握するというふうになっていますが、DVを受けているということで生活がかなり困難になるので、どういうふうにしたらいいのかわからないのですが、それがここには触れられていないというか、なかったかのように見えるのですね。それが非常に尾を引いているということがありますので、ちょっと工夫が必要なのだなと思っております。
ごめんなさい。すごく長いことは承知しているのですけれども、児童扶養手当についてです。5年間受給後に手続が必要なのですが、その実態を調査するということになっていたかと思います。それが中間まとめでも言及されていたかと思います。実際にどんな方が支給停止になっているのか、広報が必要なのかということ。先般も児童扶養手当の受給に関して、新聞記事でもシェアハウスに住んでおられる方がなかなか受給に至らないというような事例が紹介されていて、非常にグレーゾーンの大きい規定になっていますので、自治体の方は大変苦慮されていらっしゃる。このあたりをどう検討していくのかも課題ではないかなと思っているのですが、いかがでしょうか。
ということで、すみません、終わらせていただきます。
○小杉委員長
ありがとうございます。
参加人の方皆さんにと思ったのですが、忘れるといけないので、ここで一度、今、受けとめる御意見の部分もありましたが、御質問、あるいは対応できる範囲みたいなことでお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
まず、貧困問題への認識が書かれていないとか、幾つかありましたが、もうちょっと後のほうがいいですか。
○大隈家庭福祉課長
貧困問題のところ、数値以外でどういうことが書けるかは少し検討したいと思います。
○小杉委員長
右側に「貧困対策が課題」と書いてあるので、これを書いてもらえば、課題なのだというふうな。
○大隈家庭福祉課長
そこは検討したいと思います。
○小杉委員長
そこは御検討ください。
○大隈家庭福祉課長
未婚の数字も、わかっている数字であれば、並びもありますが、書けるものは書いていきたいと思います。面会交流のところも、先ほどのとおり、DV等、少し留保したような書き方ということで考えたいと思います。
「母子家庭等」を「母子家庭及び父子家庭」とするのか、「ひとり親」とするのか、法律上の固有名詞になっているものは固有名詞として引用しなければいけないですが、それ以外は工夫の余地があると思いますので、それは考えたいと思います。
学び直しの予算額なのですけれども、高等学校卒業資格認定試験、参考資料4の中にあるのですが、予算額としては2.3億円です。参考資料4は4ページまでついていて、その後にポンチ絵がございます。資料1「保護者の学び直しの支援」というポンチ絵がありますが、真ん中の右側「所要額:2.3億円」ということになっておりますので、これが27年度の予算案の額ということになります。
○赤石参加人
何人の方ですか。
○大隈家庭福祉課長
予算上の想定としては3,000人程度ということになっております。
○赤石参加人
ありがとうございます。
○大隈家庭福祉課長
児童扶養手当、シェアハウスについては幾つか新聞の報道もございましたが、事実婚の解釈で、当事者間に社会通念上夫婦としての共同生活と認められる事実関係の存在があるかどうかという判断基準があって、実際にその有無を判断する際に、受給資格者の生活実態をきちんと確認した上でやっているのかどうかというあたりもあると思っておりまして、今、各自治体の状況を把握しております。その上で改めて適正な支給手続を行っていただくようなことを各自治体に求めていく必要があるのではないかと思っておりますが、まずは今、各自治体の状況の把握に努めているというところでございます。
とりあえず以上です。
○小杉委員長
よろしいでしょうか。
○赤石参加人
はい。
○小杉委員長
それでは、次に片山参加人、お願いします。
○片山参加人
全国父子家庭支援連絡会の片山です。
4つございます。
まず、貸付金についてなのですけれども、従来、母子・寡婦福祉資金貸付金制度の利用のほうが修学資金のほうですごく高い利用があったと思うのですが、先般、父子家庭にも拡充されました。修学資金というふうな部分ではなくて、例えば事業を開始するための資金ですとか、通常国金にお願いするようなものを使いたいというふうなニーズがありましたので、実際に現在進行形の話なのですけれども、例えば店舗経営で仕事をしている。これでひとり親の貸付金制度を利用するに当たって、事業開始資金というものですとか、継続資金というふうな事業系の貸付金を利用するに当たって、例えば国金ですとか民間の金融機関ですと、事業計画ですとか過去3年間の財務状況というのを提出して、お金を借りに行くと思うのですが、今、自治体とか、小さい市町村ですと都道府県になると思うのですけれども、そういった場合、事業プランとか将来性、市場内容とかニーズについて、自治体の貸付金を貸し付けます、貸し付けませんというふうにジャッジする人がどのぐらいの知識を持っていて、どういうふうな形で貸してくれるのかなというところです。
つまり、修業資金、子供の学習のために借りるお金というのは、収入と支出だけ見ていれば貸してくれるものですね。あなたはちゃんと就労しているので、将来返せますねということで、貸し付けを行うということになると思うのですけれども、事業系の貸し付けになると、もう少し専門的な知識があって貸し付けないといけないのかなというふうに思います。
福祉的なエッセンスが入っているので、各自治体の人たちはどういうふうなガイドラインで貸し付けを行っているのかなというのが1つです。これは質問、確認です。
もう一つは、赤石さんがおっしゃっていただいた明記の問題なのですけれども、「母子家庭等」というのは、従来「母子家庭等」の「等」の中に父子家庭が入っている、あるいは入っていない。その「等」は寡婦だったりというのがあるのですが、僕もずっと文章を見ていて、これは父子家庭も入っている「等」なのか、入っていない「等」なのかわかりにくいので、尊厳だとか存在というものよりも、わかりやすさ、わかりにくさというところで分けてほしいと。
一般の父子家庭の人たちが例えばホームページを見たり、文書を見たりしてわかったほうがサービスを受けやすい。全国の父子家庭の人たちは、母子・父子自立支援員さんがいるということ自体わからない人がたくさんいますので、インターネット環境を持っている人はぎりぎりの暮らしで生活していると思うのですが、本当に困窮している人たちは情報の収集というのができない。インターネットもやっていないし、新聞もとっていない、テレビも見る時間が余りないという人たちなので、もっと表現をわかりやすくしていただきたいなと思います。
それから、先ほどからワンストップの相談の窓口の充実というふうになっていますけれども、そこで就労支援とかDV、子育て、子供の障害、親の軽度の障害とか、たくさんのものが含まれて、それを受けるというふうな形になってくるとは思うのですが、事父親の就労支援というのは、従来あった母子家庭の人たちのための就労支援とは全く異なってくるのかなと思います。というのは、母子家庭の方は離婚のときに仕事をしていなかったり、就労経験がなかったり、パートとかそういうふうな方が多いので、基本的なビジネススキルを学ぶ上での就労支援というのも必要かと思うのですけれども、父子家庭の就労支援というのは、父子家庭の父親のスキルアップとかレベルアップというよりも、雇う側の考え方、要は、ひとり親を雇うのだったら、独身の一般の男性を雇ったほうがいいというふうに経営者はみんな考えると思うのですね。ここだけの議論にとどまらず、国全体、残業をなくしていくとか、そういうふうな醸成というのが必要で、それをこういうひとり親支援のポジションからうたっていくのは必要だと思うのですね。
特措法のほうで父子家庭も就労支援を入れなさいというふうになっていますので、各自治体でやっていると思うのですけれども、分けて工夫をしていかないと、予算の無駄遣いになってしまうのかな。従来あった母子家庭支援の中に父子家庭の人、5人枠をつくりましたというふうな自治体が多いです。それだと、何かもったいないなというふうに思いますので、そこら辺を細かく分けて考えていって、各自治体に研修とか説明をしていただきたいなと思います。
この3つです。以上です。
○小杉委員長
では、時間のほうも迫っておりますので、もう一方、参加人の佐藤さんから御意見を伺ってからと思います。お願いします。
○佐藤参加人
ハンド・イン・ハンドの会の佐藤です。どうぞよろしくお願いします。
何点かございまして、まず1つは先ほどのワンストップのところで、私も大変気になっています。まず、初期の段階での相談対応というのがとても大事だというふうに専門委員会でも申し上げました。ファーストカウンセリングというような形でもって、いかにその時期、タイミングを見計らって相談支援につなげていくか。そこでやれることというのは限りがあるかと思うのですけれども、相談したら終わりというような相談窓口であっては困るわけであって、継続フォローしていく必要があると思います。
これは12ページのワンストップのところから飛びまして、16ページの母子自立支援プログラム策定事業は大変いい事業だと思っているのですが、策定して、それが効果的だったのかどうかというところの検証が実際なされているかどうか。全く出ていないと思うのですね。策定して、こんなのがあります、こういうふうにやったらこうなりますというメニューだけ見せられても、おなかに入って実際力を蓄えて、お母さん、お父さんたちの自立につながっているか。ここの検証が実はとても大事であるにもかかわらず、そこがここには入っていない。極めて残念だなというふうに私は思っています。
自立支援員さん、大変厳しい環境の中でお仕事をしておられて、ここにはたくさんの専門家ですとか、地域にはこういったところをボランティアで支えたいという方もいらっしゃるかと思うのですね。全て予算でやる必要性はないかもしれません。NPOとかそういったところも活用しながら、策定がうまく進むか、1年あるいは3年。
欧米の貧困家庭とかひとり親家庭への支援については、継続調査、出口まで出して、そこからどうなっていくかというところまでしっかりやられている。今、私が「出口」と言っているのは相談の窓口ですが、相談の窓口に行くのも大変だけれども、そこから後もお母さんは1人で孤軍奮闘していくというのが絵でございます。そこのフォローを今後とも継続して、せっかく自立支援プログラムが策定事業として入っているのであれば、そこにつながった方だけでも1年後あるいは3年後、本当に資格が取れたのか、就労がパートから常用雇用につながって収入増加につながったのか、これが初めて次の就労支援に予算が割かれていくということだと思うのです。
現状はもう既に経済的支援で予算が全て使われてしまっているような状態で、機能的に就労支援というものになかなか予算が回っていかないという実情もありますが、自立支援プログラムがもう既に策定されているのであれば、今後はそういった取り組みをしていただきたいので、情報収集をして提供するというだけではなくて、継続的にフォローするというところをぜひ御検討いただきたいというところがまず1点。
12ページの下の「母子家庭の母等が、安心して子育てと就業・就業のための訓練との両立ができる」、これはどういった意味を指しているのかなというふうに私はひっかかっております。子育てしながら訓練を受けるのか、あるいは子育てと訓練をしていれば、就業はしないで訓練に集中していけるのか、それとも全部を一遍にやれということなのか、これがちょっとわからない。高等職業訓練も、10万円の生活費の負担ということであって、そこに係る学費等々が補助される仕組みではないのですね。ですから、本当に自立を促したいという意図がおありになるのであれば、例えば看護師さんであれば、3年間日中修業が必要なわけですね。これを仕事と両立しろという話なのか。そこは効果が高いというふうにおっしゃっているのであれば、ここに「・」が入っていますけれども、これは一体どういうことなのかなと。
先ほどおっしゃられたように、結婚して、あるいは妊娠してやめて、再就職のハードルがすごく高い、パートしかもう仕事がないという状況の中で、経済的自立を図らなければならないといったときに、専門的な技能を身につけるということ以外母子家庭の自立は恐らくないと思います。それは父子家庭も同様かもしれません。働き方全体の見直しも必要ですけれども、そこのところの支援がなければ、永遠に同じことを繰り返していかなければいけない。お母さんたちはいつも大変だと。その中で福祉というところに位置づけられてしまうと思っています。
もう一点、DVであるとか虐待の問題が出ました。文言に書き加えるべきだという御意見も大変もっともなことだと思っているのですが、ただ、全ての人がDVに遭っているわけでもなければ、全ての子供が虐待をされているわけでもないと思っています。ですから、文言に落とし込むことによって、母子家庭イコールDVだ、あなた、大変ねというふうに言われれば、適切な相談窓口に行きにくいということもありますので、そこは表記のほうを十分配慮し、注意していただきたいなというものが1点。
これは感想というか、聞いていただきたい。25ページ、都道府県等がこの基本方針を踏まえて各自治体でまたつくると思うのですね。私は、この年末から年始にかけて幾つか調べております。各県とも素案、仮の案というものを既に公表していまして、これはある県の素案ですので、県名はこの中では伏せますけれども、お母様方にアンケートをとっておられて、その中から幾つか御紹介をしたいと思います。
「私は、ひとり親家庭になってから就職するのに大変苦労しました。ひとり親だからこそそれなりの収入が欲しいと思い、面接は数十回受けるも、民間企業は受かることもなく、子供の状況をいろいろ聞かれ、働ける環境も整っているのに余りいい顔はされず、また、資格取得はしたいと思うものの、一旦は自己負担しなければならず、そのお金もなく、資格取得も諦めざるを得なく、全く悪循環でした。もっと資格取得の充実をしてほしいと思いました。」というお母さん。
「遠地、田舎のほうで安心した時間で職業訓練や講座の受講ができるようにしてもらいたいです。目的地に一、二時間かけて行くとなると、子供をどうしようと思い、諦めてしまいます。案内書類を受け取っても、感謝ではなく苦痛な気持ちで書類に目を通しています。建前だけの話に母子家庭を利用しているとさえ感じるときもあります。」別のお母さんです。
「ファミリー・サポートの利用を考えたことがあります。1時間に係る料金が高過ぎて手が出せません。結果、子供を1人で留守番させる形になり、とても寂しい思いをさせてしまいました。何とかならないでしょうか。」という御意見。
○小杉委員長
そろそろよろしいですか。まだ1件ぐらい。
○佐藤参加人
もう終わりです。
これもファミリー・サポートなのですけれども、ここの地区を調べると、平日7時から21時の利用で1時間当たり3歳までで800円、7歳以上だと600円ということです。この金額を高いというお母さんがいらっしゃった。
各自治体ともこうした自立支援計画が今度基本方針に加わるとともに、新しく刷新されると思うのですね。厚労省のホームページからリンクを張りつけていただいて見られるようになるのか、検討いただけるのかというところも含めて、各地の実情を知るという意味では貴重なものになるかと思いますので、御検討いただければいいなと思って申し上げました。
すみません、長くなりまして。
○小杉委員長
ありがとうございます。
それでは、今、御要望もありましたけれども、御質問もありましたので、お答えいただけますでしょうか。片山参加人及び佐藤参加人からの件。
○山本母子家庭等自立支援推進官
片山委員から御質問がありました事業開始資金の審査のところでございます。各都道府県の実際の運用というのを全て我々も把握しているわけではないのですけれども、疑義照会といいますか、こういうふうに運用してくださいというのは、当然こちらから各都道府県に伝えておりまして、その際の配慮としまして、事業の全体の予算、資金と今回の貸付金の資金、自己資金の割合がどうなっているかというのをきちんと確認するようにと、あと、おっしゃるように窓口だけではわからないケースもありますので、経営について診断できるような方、専門家の助言等も得ながら審査してくださいといったことはお伝えしております。
佐藤参加人から御質問がありました12ページの「子育て・生活支援の強化」のところの記載ですが、これは今回の法改正で子育て・生活支援の事業、ひとり親家庭の相談ですとか、生活支援の講習会とか、ホームフレンドの派遣、ひとり親家庭同士の情報交換事業とか、そういったものを法律上位置づけたということで、支援の強化を図っております。こういったものをきちんとやる理由といいますか、何でこれをやらなければいけないのかというところの文脈で出しているというところでございます。先ほどおっしゃいましたが、外で働けるようにするためにきちんと子育てのサポートをしないといけないというような文脈で使っているものでございます。
○佐藤参加人
ということは、つまり、現状と変わらなく、例えば就業するために訓練を受けたいと言っても、現状の支援策しかないので、お母さん、お父さんは1人で頑張るということになるのですね。
○山本母子家庭等自立支援推進官
給付金とかに触れているところではございません。
○小杉委員長
あと、自立支援プログラムの検証のようなことはどこかで行われているのでしょうか。その辺の質問もあったかと思いますが。
○山本母子家庭等自立支援推進官
プログラム策定等も含めましてさまざまな就業支援施策が講じられておりますので、それが自立にどの程度効果があったかというのは、来年度以降きちんと調査をしていきたいと思っております。
以上です。
○小杉委員長
このくらいの御返答でよろしいですか。
○片山参加人
はい。
○小杉委員長
そろそろ時間のほうも来ているのですが、大塩委員、どうぞ。
○大塩委員
最後に一言なのですけれども、先ほどから島崎委員がずっとおっしゃってくださっていましたが、養育費と面会交流がセットになっているところなのですけれども、ずっとひっかかっていたのです。14ページの書きぶりなのですが、14ページの「(3)養育費の確保及び面会交流の支援」の赤字のところに「面会交流は」とあって、途中で「また、養育費を支払う意欲につながるものであることから」という文言が入っていて、これが養育費と面会交流がセットになってしまうというところがあると思うのですね。ぜひここは省いていただきたい。DV被害者の方とか被虐待児など特別に配慮が必要な児童もありますので、そこを書き加えていただいて、「面会交流は、児童の健やかな育ちを確保する上で有意義であり」というところは、もちろん大事なのですけれども、「ではあるが、DVや被虐待児など配慮が必要な児童もあり、面会交流に関する相談や円滑な実施に向けての専門的な支援体制の整備を促進する」というような書きぶりにしていただけると、DV被害者の方たちも、養育費は義務ですから、もらうべきものであり、面会交流は、子供の状況によっては会わせないほうがいいこともありますので、そこをきちんと明記していただきたいなというのが最後のお願いです。
以上です。
○小杉委員長
島崎委員、どうぞ。
○島崎委員
繰り返しになりますが、文章そのものよりもぜひお願いしたいのは、どういう議論をこの専門委員会でやってきたのかということ、その趣旨をきちっと酌み取ってほしいということです。例えば何でワンストップの話が出てきたかといったら、厚生労働省としていろんな施策とか、こういうメニューとか、どんどん打ち上げるのだけれども、実際は使われてない、ニーズに応えられていないからです。あちらへ行け、こちらへ行けと言ったって、そんなのは実際のひとり親家庭にとってみると使い勝手が悪く、実態と制度が合っていない。だからニーズにきちんとフィットさせなければいけないという文脈だったと思います。それから地域の実情によって違いがあるのだから、全部福祉事務所という話ではないでしょうということだったわけで、改めて中間報告書を読むと全部書いてあります。
先ほどの繰り返しになりますけれども、面会交流を単純に養育費の延長みたいなもので考えてはいけないということも、ここでかなり議論して書いたわけですよ。それがどうして唐突な形で出てきてしまうのか。それから、養育費の支援センターの話に関しても、面会交流についても、実態上相談は行っているからといって面会交流を並列させるような話ではないですよ。もしそうであれば、なぜそうなのかということについてきちんと説明がされなければ、はい、わかりましたとはとても言えません。極端なことを言えば、これまで議論してきた専門委員会の委員としての見識が問われると思います。
もう一回専門委員会で何を議論してきたのかということを踏まえて対応していただきたい。厳し過ぎるかもしれませんけれども、最後に苦言を呈したいと思います。○小杉委員長ありがとうございます。
参加人、どうぞ。
○赤石参加人
ありがとうございます。
きょう、評価書についての意見というのが、時間もなかったのであれだったのだろうと思うのですが、若干訂正がされているのかなと思いますが、12月にこの評価書についての意見を求められまして、提出させていただきました。大体入っているのですが、入っていないところもあると思うのですが、この中で評価できないところが結構あったのですね。というのは、例えば公共職業訓練の数は書いてあるのですが、母子家庭数が書いていないとか、あと、母子家庭等就業・自立支援センター事業の数は書いてあるのですけれども、実績、その方が非正規なのか、期限の定めのない仕事についたのかとか、そういう細かい資料がないので評価できない。
これをもとに基本方針ができたというふうに認識しているのですが、今後この評価書の数値のあり方についてもう少し改善していただけるといいなと思っております。そこら辺の意見が若干あるような、ないようなまとめが配られていたかと思うのですけれども、その点について、ちょっとお聞きしたい。
在宅就業支援の検討会の報告書があったと思うのです。最初、在宅就業支援の報告書の中身と異なる文言が書かれていたので、それは訂正をお願いします。
一部書かれていたのですけれども、今も全文入っていないのですね。「平成21年度から実施した本事業については、その趣旨は有意義であったが、一部の事業者を除いて費用対効果が低い結果となり、このままの形での継続は妥当でない」であります。そのことがこの評価書にそのまま書いてあるべきですね。新保先生も出席されていたかと思いますけれども。そこが抜粋になっているのはちょっと。せっかく開いた検討会ですので、きちんと明記されるべきで、この評価書の精度をもう少し上げていただけると、きちんと評価できるのではないかなと思います。
○小杉委員長
今後の評価のあり方、そのことは検討されているのかという質問でしたね。
○赤石参加人
そうですね。これはどういうふうに。
○山本母子家庭等自立支援推進官
数字をそもそもとっていないところ、数字が存在していないところがございますので、その辺の評価のあり方につきましては今後の課題ということで認識をしておりますけれども、そもそもデータが存在していないので、今回は対応できないというのがあります。
それから、在宅のところは。
○赤石参加人
評価書51ページです。
○度会室長補佐
検討会の報告としてはきちんとしたものが出ておりまして、検討会の報告に基づいて、27年度の予算案として在宅就業の支援をしていくという方向性はあります。評価書のほう、先ほど言われたように、若干はしょられているということなのですけれども、その報告があって、それを受けて新たな予算案として打ち出しているということには変わりありませんので、できましたらこのままにさせていただければと思っております。
○小杉委員長
どうぞ。
○赤石参加人
先ほども言ったように、「このままの形での継続は妥当でない」という最終的なここの文章まで写すべきだと思います。
○大隈家庭福祉課長
報告書の結論をそのまま正確に引用していないという部分があれば、そこは正確に引用するように直す余地があると思いますので、そのようにしたいと思います。
○小杉委員長
佐藤参加人、どうぞ。
○佐藤参加人
余計な蛇足になりますが、在宅就業支援事業について、私も参加人という立場で御意見を申し上げましたので、全く無関係ではないと思いますので、この場をかりてお話をしたいと思います。在宅就業支援事業は、在宅就業につなげる上での数少ない職業能力開発でもあったわけですね。その部分は今後大いに検討されていくべきだったろうというふうに思うのですけれども、在宅就業そのものが低賃金の内職だというふうにしかとられないというようなところがございまして、実際のところはスキルの低い方から高い方までたくさんの方にPCスキルをつけさせたいということで挑んだ自治体もたくさんございます。
ですから、職業能力開発が余りない中でもって、eラーニングを使いながら、あるいは集合研修をしながらお母さんたちに職業能力を開発するための事業として検討会でもそこは評価されたものというふうに思っています。
このままの形での継続は妥当でないというのであれば、そこの職業能力開発がとれてしまって在宅就業だけを推進するというのは、私としてもいかがなものかなというふうに思っています。ただ、子供の貧困対策の大綱ができたときに、その大綱の中に「在宅就業を推進する」という文言が入っていますので、恐らくこういう評価書の中には検討会の内容と総合性を図ってこういう形での記載になっているというふうに理解をしています。
在宅就業そのものは、遠地で働きに行けないという方にとっても仕事をする上で貴重な機会になったというふうにも考えておりますので、一部の意見だけで低賃金の内職だというふうに判断されるのは大変心外であると考えております。
以上です。
○小杉委員長
基本的に御意見として承っていただいて、先ほど大隈さんのほうからおっしゃったような形での修文はなされるということでよろしいですね。
もう一方。
○片山参加人
すぐ終わります。
在宅就労なのですけれども、今、厚生労働省の別の部屋でテレワークの推進事業をやっていて、僕も在宅就労支援の補助金をいただいて一般企業にコンサルティングに入っているのですが、それだと親の介護もできるというところなので、これはやめたほうがいいと思うのですよ。今、ずっと言っている在宅就労支援事業をやめて、方向転換、変えていったほうがいいと思いますので、そういうふうな意見です。フレキシブルワークですとかワーク・ライフ・バランスの観点から企業側のコンサルを進めていくというのがいいと思います。
以上です。
○小杉委員長
時間が来てしまいました。先ほどの島崎委員の御発言にありましたとおり、見識を問われるというような鋭い御意見もございましたので、今回はもう少し修文をしていただいて、あるいは皆さんの意見を聞いて何らかの改正をしていただいて、その上でもう一度皆さんで見ていただくほうがよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょう。まだ全部言い切れなかった方もいらっしゃると思いますので、26日の午前中までは事務局のほうで皆さんの御意見を承って、それを入れた形で次回提出という方向でよろしいですか。
本日の議論はここまでとして、次回というのを設けるという方向で、事務局から次回について説明をお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長
ありがとうございました。
今、委員長からございましたとおり、本日、時間の関係で御発言できなかった部分もあるかもしれませんので、26日の月曜日のお昼12時までに事務局宛てにメールで御提出いただけるとありがたいと思っております。
今、委員長からございましたとおり、次回開催ということであれば、専門委員会の日程につきましては1月30日金曜日、ちょうど1週間後になりますけれども、同じく午前10時からでお時間をいただいておりますので、1月30日午前10時から予定をしております。
次回は、本日御議論いただいた内容を改正案に盛り込んで、御議論いただくということでいかがかと思いますが、どうでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小杉委員長
以上でよろしゅうございますか。
では、本日の専門委員会はこれにて閉会したいと思います。どうも御出席の皆様、ありがとうございました。
<照会先>
雇用均等・児童家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室
代表:03-5253-1111(内線7892)
直通:03-3595-3112
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