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2014年12月18日 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録

○日時

平成26年12月18日(木)
15:00~


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室


○出席者

出席委員(16名)五十音順

明 石 博 臣、  飯 島 正 文、 五十嵐    隆、 板 倉 ゆか子、
大 野 泰 雄、  小 幡 純 子、 笠 貫     宏、 木 津  純 子、
鈴 木    勉、  竹 内 正 弘、 中 川  俊 男、◎西 島 正 弘、
橋 田    充、 ○松 井    陽、 吉 田  茂 昭、  渡 邉 治 雄
◎薬事分科会長 ○薬事分科会長代理
他参考人1名

欠席委員(6名)

井 部 俊 子、 黒 木 由美子、 鈴 木 洋 史、 半 田   誠、
本 田 佳 子、 望 月  眞 弓

行政機関出席者

神 田  裕 二 (医薬食品局長)
成 田  昌 稔 (大臣官房審議官)
鎌 田  光 明 (総務課長)
森    和  彦 (審査管理課長)
磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
宇 津     忍 (安全対策課長)
赤 川  治 郎 (監視指導・麻薬対策課長)
浅 沼  一 成 (血液対策課長  他)

○議事

○総務課長 医薬食品局総務課の鎌田です。定刻となりましたので、ただ今から薬事・食品衛生審議会薬事分科会を開催いたします。本日は、お忙しい中御参集いただき、ありがとうございます。

 本日の委員の皆様方の御出欠についてです。井部委員、黒木委員、鈴木洋史委員、半田委員、本田委員、望月委員から御欠席との御連絡をいただいております。現在のところ、当分科会の委員数22名のうち16名の委員の皆様に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。

 それから、本日の議題についてです。議事次第にありますが、その他として、議題1と議題2を追加しております。また、本日の議題のうち、報告事項の議題1と、その他の議題1及び2については、会議を公開とさせていただきます。公開の案件終了後、個別品目の報告等へ移らせていただきますが、こちらは非公開とさせていただきます。なお、その他の議題2については、参考人として、国内外の治験に詳しい、独立行政法人国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科執行役員企画戦略局長でいらっしゃる藤原康弘先生に御出席いただいております。

 それでは、西島分科会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○西島分科会長 皆さん、こんにちは。それでは始めさせていただきます。最初に、いつものとおり事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、確認をさせていただきます。まず、公開案件の資料ですが、公開案件の審議事項については、委員の皆様の左から2番目にあります資料1-1、資料1-2、資料1-3、それから資料27、一番右側にあります資料28、それと議題概要になっております。そのほかに、右から2番目にあります議事次第、座席表とその裏面にあります委員名簿を配布しております。不足などありましたら、お申し付けください。

○西島分科会長 資料の御確認はよろしいでしょうか。それでは、何かありましたら、また事務局にお申し出いただきたいと思います。

 本日の案件ですが、報告事項が1件と、その他2件が予定されております。それでは、本日の初めの報告事項、議題1「一般用検査薬について」、まず事務局より説明をお願いいたします。

○参事官 医療機器審査管理担当参事官の磯部です。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、今、分科会長からありました「一般用検査薬について」ということで、御説明します。資料については、資料1-1、資料1-2、資料1-3の三つをお出しください。どちらも数ページのものです。

 全体の構造から申し上げます。医療機器・体外診断薬部会でずっと御議論いただいてまいりました。本年の6月4日から検討を開始して、計6回の議論を重ねて、この資料1-1から資料1-3に検討結果をまとめております。最終的にまとまったのは、12月5日の部会です。

 構成ですが、資料1-1として、全体の議論があった内容をまとめて「一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しに関する骨子」という形で、議論の内容と考え方をまとめております。これを受けて、実際の一般原則をどういうふうに修正したかということで、資料1-2にその全体をまとめております。それから資料1-3で、実際に、そのまとめたものを今後どのように進めていくのかということをまとめております。全部で三つの資料があります。

 それでは、最初に資料1-1から簡単に御紹介したいと思います。第1「基本的な考え方」から始まります。過去を申し上げますと、この一般用検査薬については、平成2年と3年に検討されておりまして、これまで一般用検査薬としては3種類認可されております。「尿糖」、「尿蛋白」及び「妊娠検査薬」です。それ以後、動きがありませんでしたが、20年以上たったこともありまして、このような一般用検査薬の在り方、どういうものを認め得るのかということについて検討を進めてきたわけです。その上で、ここに書いております、厚生労働科学研究の中では、生活者に関するアンケートで、一般用検査薬を用いた健康管理に関心を示す生活者がいることが示されていること、それから再興戦略の中での記載なども踏まえて、一般用検査薬の在り方について検討を進める必要があるということで、検討を進めてまいりました。

 一方、我が国の医療提供体制は、国民皆保険の中で様々な疾患の予防や早期発見、重症化や合併症の発症の予防を目的に、健康診査や検診が行われていると。また、再興戦略でも健診受診率の向上が成果目標で示されていると。また、生活者のアンケートでも、何らかの異常が出た場合には、医療機関を受診しようと考えている方が示されていること。こういった、日本の特徴も考慮した上で進める必要があるだろうということで、まとめております。

 こういった状況を踏まえて、1ページの一番下にありますが、検体、検査項目、販売時の適切な情報提供、販売の方法など、一般用検査薬として導入する際の一般原則に係る現状の取扱いを整理し、転用の仕組みを構築するということです。

 2ページです。冒頭に書いてあるのは、全体の考え方を整理した上で、これが適切かどうかについては、個別の検査項目ごとに医療機器・体外診断薬部会で議論を行うということです。同じ2ページの第2「具体的な内容」を御覧ください。特に検査項目、どういう考え方で整理するのか、これが一番御議論いただいた点です。ここに書いてある結論としては、検体としては、採取に際して侵襲性のない検体を対象とすること。検査項目としては「健康状態を把握し、受診につなげていけるもの」とすること。悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に係るものは除いて考えること。また感染症に係る検査は、個別の検査項目ごとに販売方法を含め慎重に検討を行うこと。また、検体の採取や測定に当たっては、引き続き特別な器具機械以外であれば使用可とするということです。

 特に御議論がありましたのが血液検体の扱いです。2ページの下の方にありますが、様々な検査を一般用として家庭で用いるためには、いろいろな課題があると。特に血液を検体する検査については、医療用検査薬を一般用検査薬とすることは難しい状況にあると記載しております。

 どういうことで難しいのかということで、3ページを御覧ください。(現状の課題)と書いてありますが、感染症の防止の問題や服用歴などの問題による止血困難等の対応の問題。生活者の血液を取り扱う上での安全を確保するための体制の問題。専門知識の乏しい方でも正しく結果を理解できるような仕組みをどう考えるか。また血液の付着した針などの廃棄の仕組みをどう考えるか。これらの体制・仕組みをどういうふうにするのか。こういった点が課題であり、これらの体制・仕組みを今後どう考えていくかは、全ての関係者の理解と合意の下で整備される必要があるとまとめております。

 同じ3ページのその下の「2.販売時の情報提供等について」です。実際に購入される方、生活者の方に、検査項目の意義や目的に関する説明、また検査の感度に関する説明や判定結果を踏まえた適切な受診勧奨に係る説明などについて分かりやすく説明するとともに、文書や相談応需等の体制も充実する必要があるだろうということで、偽陰性や偽陽性の存在も知らないような方々に対しても、きちんと説明する必要があるということをまとめております。

 その裏の4ページに行きまして「終わりに」という所です。今回の見直しによって、新たに一般用検査薬として販売される品目を含めて、国民の検査に対する理解度や検査後の受診の状況などに関する実態とともに、課題の整理状況を把握した上で、全ての関係者の理解と合意を得ながら段階的に検討を進める必要があると、終わりにまとめております。これが全体像です。

 それを受けて、資料1-2を御覧ください。「一般用検査薬の導入に関する一般原則について」です。具体的に、1ページを御覧いただくと「検査項目について」ということで、今申し上げたことをまとめて、ア)検体、イ)検査項目、ウ)方法、エ)性能。それから2ページの一番上ですが「2.製品への表示等について」ということ。それから2ページの下ですが「3.販売時の情報提供について」。3ページに「その他」ということで、こういう原則に従って一般用検査薬への転用を考えていくということです。4ページ以降は、先ほど申し上げた、平成2年から3年にかけて検討してまとめたものが右側の現行という所ですが、これと改正後、今回の見直しでどこがどう変わったのかという新旧対照表です。下線を付けた所が変更箇所ということで御覧いただければと思います。それが最後の8ページまで続いています。

 このような考え方に従ってどういうふうに進めていくかということで、資料1-3があります。1枚めくっていただいて、右側の別紙を御覧ください。フローチャートを付けております。先ほど申し上げた一般用検査薬の導入に関する一般原則に該当していると考えられる検査項目については、関係の業界で御検討いただいて、ガイドライン案を作っていただくということで考えています。その右側に米印の1で書いてありますが、使用上の注意、使用方法や検出感度。どこを陽性、陰性のカットオフ値にするかなどについても、その整理の案を業界から提出していただいて、厚労省がお受けしてPMDAの専門協議、外部の専門家の先生方の御意見も伺った上で、それが適切なものかどうか、どういうふうに修正すべきなのか、そういった御議論をいただいて、医療機器・体外診断薬部会で議論をしていただきます。その上でパブリックコメントを実施して、この項目を一般用検査薬の検査項目に追加するかどうかの判断をするという形です。その上で個別の製品の申請手続に入るという形を考えています。

 また一方で、一般用検査薬ということで、いわゆる一般用医薬品のリスク区分をどうするかということも検討する必要があります。これについては右側に書いてありますが、医療機器・体外診断薬部会の検討が終わった後、医薬品等安全対策部会において、そのリスク区分の検討をしていただくという形で流れを考えているところです。私の説明は以上です。

○西島分科会長 今まで平成2年、3年頃からほとんど増えていない一般用検査薬の導入に関して、新しい取組をしようということについての一般原則についての説明でしたが、これについて、まず医療機器・体外診断薬部会長の笠貫先生から追加の御発言はありますか。

○笠貫委員 平成2年から20年以上たち、21世紀におけるセルフケアという共通認識の下で、6回にわたって非常に活発な真剣な討論を重ねました。これから国民を含めたステークホルダーが、それぞれの意識改革、それから教育啓発と、一般用の検査薬を取り組む医療提供体制を含めて、システムの改革、改善も必要だろうと思います。

○西島分科会長 ありがとうございました。それでは、委員の方々から御意見、御質問等がありましたら、御発言をお願いいたします。

○小幡委員 慎重にいろいろ御議論いただいて、こういう形で今後、一般用検査薬が、一般の方にとって有益な形で使われるようになるというのは大変良いことだと思います。今回、侵襲性のない検体を対象とするということで、特に侵襲の方は問題はないと思うのですが、少し参考までにお聞きしたいのですが、この頃、髪の毛などで遺伝子検査といいますか、よく世の中にありますが、少しそういう検査との関係が分かればと思います。

○西島分科会長 事務局から説明をお願いいたします。

○参事官 最近、確かに遺伝子検査サービスという形で、いろいろな場で、マスコミでも取り上げられたり、実際に行われているようには私どもも承知しております。あれについては、基本的には、いわゆる検査サービスでして、今ここで申し上げているのは、薬事法で規定されるこういう体外診断用医薬品をどういうふうに考えるのかということです。確かに同じ検査ということですが、検査サービスをどういうふうに捉えていくのかという問題と、体外診断用医薬品を実際に販売するものとして、今度は医薬品医療機器等法ですが、その中でどういうふうに規制するのかという問題で、今回のこの議論は正しく薬事法で規定される体外診断用医薬品の話というふうに御理解いただければよろしいかと思います。

○西島分科会長 そのほか、御意見、御質問はありますか。

○松井分科会長代理 資料1-1の3ページに、検査結果に偽陰性や偽陽性が存在することを知らないと答えた人が6割いたと。これはあらゆる検査に偽陰性、偽陽性というのはつきものであることは、それなりの知識のある方なら御存じなのですが、この6割というのは、やはり少なくない数字だと思うのですが、これに対してはどのような対策を講じるということでしょうか。

○参事官 その点については資料1-2の2ページから3ページです。まず製品の表示の方でも、ここに書いてありますが、2の5.に誤判定の可能性など検査の性能に関して説明をすることですとか、正しくそういう、言ってみれば検査の限界の問題です。そういったことについても、きちんとお伝えして、当然この結果が全てとは言えないことが出てくるわけなので、まずそういうことを入れさせていただくのと、それから3ページにも検査薬の判定について分かりやすく説明をするということも入れさせていただいて、正しく偽陰性や偽陽性、これはこういう検査薬である以上、一定程度つきものだと思っておりますが、それをなるべく減らすということは、当然性能の部分で確認をしなくてはいけません。

 もう一つ。そういった偽陰性、偽陽性の可能性ということについても、実際にきちんと購入される方にお伝えして、どういう形の指導をするかを、また個別の検査項目ごとに議論の中で、この検査項目についてはどういうふうに考えていったらいいのかということを、具体的な内容を詰めていくことになろうかと思っています。

○松井分科会長代理 まずは文書を添えるということですか。

○参事官 文書や表示や説明でお伝えしていくことになろうかと思います。

○笠貫委員 一般用検査薬は、それぞれのステークホルダーが共通の認識と知識を持って進めていかなければなりません。有効性と安全性を正確に活用するためには、ロードマップを作成し、一般用検査薬の導入を慎重かつ、必要なものはスピードアップをして進めていかないといけないと思います。ですから、一つだけを取り上げるのではなくて、全体像を把握しながら進めていただくということが、部会で議論されたところだと思います。

○大野委員 血液を対象に含めることの問題点として、これを見ていると、穿刺用の器具を廃棄するようになるため、どういうように廃棄するかが問題だということですが、今までは、例えば血糖値の測定は自宅で測っている人も結構いるのではないかと思ったのですけれど、それは医師の処方に基づいてやっているということなのですか。

○参事官 現在、先生の御指摘のように、例えば在宅で、自分で、在宅自己検査血糖器がありまして、医師が診断をし、治療方針を決め、その上でそういった検査器を交付して、御自宅でも針を刺して測る機械があります。これについては、医師がどういうふうにこれを使うのか、その結果どう考えるのかということについて、医師の指導といいますか、管理の下にやられているものです。今回のものは、そういう関与なしに使うものをどういうふうに考えるかということですので、そういう意味で、そういったことが実際にどうなのかということで、問題点を現状の形で整理させていただいたということです。

○大野委員 今までの場合、そういった形で、自宅で測定した場合に、使用した器具の廃棄はどういうふうに指導していたのでしょうか。

○参事官 私も十分理解してはいないのですが、多くの場合は交付された場所に返していると言いましょうか、薬局で交付される場合が多いと思うのですけれども、薬局にまた持って行って、まあ何度か行きますね。当然ずっと継続して行きますので、そこに持ち込んで、薬局等で廃棄されている場合が多いのではないかと思っています。

○大野委員 そういうシステムができれば、血糖値を測定するものなども、薬局なり病院にそういう義務を負わせればできるのかと。一般用検査薬の対象とするのにもそのような感じがしたのですが、前に書いてあるように、痛みが軽減されて非常にやりやすい器具ができてきたので、そういうふうに思ったところです。

○中川委員 血液を採取するのを自宅でやるというのは、いろいろ書いてありますが、今後ともこれは駄目だと思うのです。今、通信販売でキットごと送ってくるのがあるのです。それで自宅で微量採血をして送り返す。これに関して規制はどうなっていますか。

○参事官 私どもの、いわゆる検査サービスと先生がおっしゃっているものですね。それについては、医薬食品局の方の規制は特になく、医政局の方でも特にないというふうに、一応理解しております。

○中川委員 野放し状態ということですね。

○参事官 そういうところまで、ちょっとあれですが。

○中川委員 以前から医政局に申し上げているのですが、所管が違うなどという言い方ではなくて、医政局と連携して対処してください。家庭においてですよ、キットが送られてきて、微量でも採血するということは、大変なトラブルが起こるのです。あれは、なかなか血液がうまく出ないのです。そしてティッシュを血だらけにして、何とか採血する。高齢の方が自宅でやって、血だらけのティッシュが散乱して、その中でお孫さんが走り回って転んで、そのティッシュに触れたとか。その採血がたまたま、例えば肝炎ウイルスが陽性だったとか、いろいろなことがあり得るわけです。そういうことが野放し状態になっていていいのかと。これは医薬食品局と医政局とが連携して、早急に対処してください。

○参事官 中川先生からいつも、そういう御指摘をいただいています。医政局にもお伝えして、何ができるかなかなか難しいと思いますが、医政局に話してまいりたいと思います。

○中川委員 そういう弱腰なことを言っていては駄目でしょう。神田局長は危険ドラッグで頑張られて、随分いい仕事をされているのですから、部下がそういう腰の引けた発言をしないで、前向きにやりますというくらい言ったらどうですか。

○総務課長 医政局と検討して、対応を決めていきたいと思います。

○西島分科会長 この一般用検査薬の導入について、これは今進められようとしているセルフメディケーションに非常に重要な接点を持つもので、これについては先ほど笠貫委員からの御発言にもありましたように、ステークホルダーが皆で知恵を出して、安全性を保ちながら進めるということが極めて重要かと思います。いずれにしても、このような取組が広く行われるようになるということ自体は、私は大変必要なことだと思っております。ほかに御意見いかがでしょうか。

○板倉委員 方向性の問題があると思っているわけではないですが、すきま事案になってしまって、消費者庁で関わるみたいな話にならないように、先ほどの中川委員の御発言に対しては対処していただきたいというのが1点あります。

 それと、添付文書等に記載すべき基本的な項目ということで幾つか挙げられていて、これ自体は別に問題があるわけではないのですが、ただやり方というのでしょうか、使用方法や使用上の注意という所では、やはりそれについての理由を書かないと、消費者が自分で勝手な想像をしてしまって、飛ばしてしまうとか注意を守らないとか、それから違うようなこと、思ってもみないようなことをやってしまうということがありますので、やはり書き方として必ず、どういう理由があってこういうことをしなくてはいけないのかということについては、文書を作られるときに是非考えていただければ有り難いと思います。

○西島分科会長 事務局いかがですか。

○参事官 そういった、消費者に、この内容をなぜやらなければならないかを分かりやすくする一つの工夫だと思いますので、そういうことも含めて考えていきたいと思います。

○西島分科会長 ほかによろしいでしょうか。それでは、この報告事項の1点目「一般用検査薬について」は、このようなことで御了承いただいたものということにいたします。

 続いて、これも公開案件ですが、その他の事項の1「希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器及び希少疾病用再生医療等製品の指定基準の見直しについて」ということで、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 それでは審査管理課より説明させていただきます。資料27を御覧ください。こちらは希少疾病用医薬品あるいは医療機器あるいは再生医療等製品が対象です。これらの指定制度は患者数が少なく、かつ、企業の自主的な開発が進みにくい、いわゆる難病等に対する医薬品等の開発支援をする目的で、平成5年に創設された制度です。本日もオーファン指定の案件がございますが、この見直しについての報告になります。また、こちらの下に書いてありますが、今年5月に、難病の患者に対する医療等に関する法律が制定され、来年1月1日から運用開始、施行されることになっております。法律では指定難病ということで、いわゆる難病の正確な定義ができましたので、こちらとの整合性を図りたいということが趣旨です。詳しい内容について、図を用いて説明いたします。次のページは参考条文ですので、後で適宜御参照ください。

 4ページに上下に図がございます。まず、上の段で現行のオーファン指定制度、希少疾病用医薬品等の指定制度の概要について紹介いたします。制度の目的は今紹介しましたように、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないために研究開発が進まないといった医薬品等の開発を支援する目的で設計されております。指定要件ということで三つございまして、中ほどですが、国内での患者数が5万人に満たないこと、医療上の必要性が高いこと、代替する適切な医療品あるいは治療がない、あるいは既存の治療・医薬品よりもはるかに高い、著しく有効性、安全性が期待されるようなものであること。また、開発の可能性があること。この三つの要件を全て満たしたときに、指定をすることができることになっております。

 また、指定された医薬品等についての支援施策ですが、下段に五つございます。一つは優先的な治験相談、あるいは審査の優先審査、あるいは手数料の減額、研究費の助成、税額控除、あるいは研究開発に関する指導・助言といったものが受けられることになっております。こういった指定制度ですが、今般新しくできた法律で、難病について新しく定義ができましたので、こちらを取り込みたいということで、下段を御覧ください。こちらは難病の患者に対する医療等に関する法律、いわゆる難病法の定義を列記しております。難病については発病の機構が明らかでない、治療法が確立していなくて希少な疾病、かつ、長期の療養を必要とするものと位置づけられております。この難病の中でも、一定の要件を満たして、かつ、良質で適切な医療の確保を図る必要が高いというものについて、厚生科学審議会の意見を聞いて指定される、いわゆる指定難病というものが決められております。一定の要件というものが、実際に診断に関して客観的な指標による一定の基準が定まっている。要するに、疾患概念が明確に決まることと、国内での人数規定がございますが、概ね人口の0.1%程度以下という基準が決められたところです。

 どういう形でルールの変更を考えているかは、次のページを御覧ください。まず、現状は左側のような形になっています。5万人未満であれば、49,999人以下であれば、指定難病であっても、なくても希少疾病用医薬品等の優遇施策、支援施策が受けられる形になっております。今般の制度設計で、指定難病が5万人を超えている場合、人口の概ね0.1%程度ですと、指定難病の中にも、実はオーファン制度で支援できないというものが明確になりますので、そちらについても読めるように制度の改正をしたいということになります。今回6ページ、7ページには現時点で指定されております指定難病110疾患が掲載されております。この中にも4疾患は既に5万人の基準を超えておりますので、現行のままですと指定できないことになりますので、改正を検討しているということです。

 最初のページに戻りまして、具体的な指定要件の変更の考え方、左側が現行です。先ほど紹介しました三つの要件の、特に5万人未満のところについて、今回の法改正、法施行に伴い、対象疾患が指定難病の場合にはこの限りではない、5万人を超えても指定します、できるようにするという改正をしたいと考えております。

 今後の予定ですが、年明けの1月から2月にかけて、手続としてパブリックコメントを経て、4月1日、来年度から施行に入りたいと考えております。事務局からの説明は以上です。

○西島分科会長 希少疾病に関する見直しですが、これにつきまして委員の先生方から御質問、御意見がありましたら、御発言をお願いいたします。要点は5ページの指定難病のところ、5万人以上にも拡大するということですが、よろしいでしょうか。それでは、特に御質問、御意見ございませんので、この件については御了承いただいたものといたします。

 続きまして、その他の第2番目、人道的見地からの治験への参加についてです。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは審査管理課より説明させていただきます。お手元の資料28、当日配布資料を御覧ください。こちらについては「人道的見地からの治験への参加」と題しております。背景、経緯について紹介させていただきます。今年の6月24日に改訂されました「日本再興戦略改訂2014」におきまして、新たな保険外併用の仕組み、患者申出療養(仮称)もできていますが、その創設、それから今日報告いたします治験の参加基準に満たない患者に対する治験薬へのアクセスを充実させるための仕組みの導入に向けた検討を進め、来年度から運用を開始するとなっております。これを受け、患者申出療養については本年11月に中央社会保険医療協議会の総会において検討をされ、概要が公表されているところです。

 これとある意味で連携する意味で、私どもも検討を重ねてまいり、今般、日本版コンパッショネートユースについて、人道的見地からの治験取扱いとして整理いたしましたので、報告いたします。取扱いの概要については次ページで個別に具体的に紹介しております。

 次ページを御覧ください。冒頭に、この取扱いの考え方について、通常製薬企業は有効性・安全性・品質を証明するために検証試験というものを臨床試験で行い、申請してくるわけです。その際の検証試験等の中で、組入れ基準のために参加できなかった患者さんがいらっしゃいます。こういった患者さんについて、組入れ基準に満たなかったけれども治験薬へのアクセスを確保できるかという問題について、安全性の問題もありますので一定の要件を満たす場合については、その組入れ基準を緩和した治験をもう一つ並行してやっていただくことによって、実質的に組入れ基準に満たない患者さんについても未承認の治験薬へのアクセスを可能にしようという運用方法を考えていきたいと思っております。

 具体的に、6項目にわたって整理しております。順番に紹介したいと思います。一つ目、治験のプロトコール、治験計画です。検証試験が動いているということですので、時間の短縮、あるいは新たに治験計画を作る者の負担軽減の観点からも、そういった既存のプロトコールと大体同じようなものを設計デザインのコンセプトにしていく。もちろん検証目的ではありませんので、試験の中心的関心事項は、患者さんの安全性確認を主体とした試験には変更されると思いますが、そういった試験は同じようなものを作っていく。対象患者さんについては、検証試験のプロトコールの組入れ基準に外れてしまった患者さん。ただし、安全性確保が非常に大事ですので、安全性確保の観点から基準を緩めても差し支えないと判断された範囲内の患者さんについて対象とする。施設ですが、既に未承認の新薬の治験薬の使用実績を積んでいる、そういう治験、検証試験を実施中の医療機関を中心にやっていただいてはどうか。また、医薬品医療機器法の制度設計としてはいずれも治験の枠組みでやりますので、医師主導治験あるいは企業治験の枠組みの中でやっていただく形を想定しております。こちらの薬剤費、保険外併用療法が自動的に治験というのは適用されるわけですが、治験薬といった未承認の部分は患者さんが負担するか、あるいは企業が負担することになります。通常は、医薬品開発企業が持つ部分ですが、製品開発と直接関係ない部分については、今回の形については患者負担もありという制度設計にしたいと思います。実施時期については治験という枠組みが承認まで、承認を目的としている制度ですので、承認までの期間を考えております。当然ながら、途中で有効性が見られなくなったことが確定的となったり、開発中止になった場合には、その時点で終わることを想定しております。

 下の段は中央社会保険医療協議会総会、12月3日の資料を参考までに掲示しております。患者申出療養との関係について整理したものです。先ほど紹介した評価療養という保険外併用療法の中に、治験と先進医療というのは存在しているわけですが、開発のステージは左から右に時間が流れていきます。最終的には医薬品医療機器法の承認を取り、保険収載される。その前段階として、有効性・安全性を確認する臨床試験である治験があり、それと併走するか前段階にほかの保険外併用療法である先進医療が存在しているわけです。そこでは組み入れられないものについて、新たな保険外併用療法を作る観点で、患者申出療養の検討がなされているところです。

 下の方を御覧いただくと、既に治験がある分野については必ずしも新しい制度に依存せずとも、既存の治験の運用をある意味で整えることによって患者さんへのアクセスを可能にできるのではないかと考えているものです。

 具体的な連携とか手続については、次のページを御覧ください。上段のスライドは、今回考えられている治験の枠組みです。通常、検証試験が左側の治験実施施設で行われているわけですが、組入れ基準に外れた患者さんは当然ながら組入れの判定を行っていますので、そういうところにもいらっしゃいます。また、右上に、治験の実施施設以外からもお問合せを私ども厚労省にいただく場合もあります。製薬企業の方にいただくこともあろうかと思います。こういった御要請について、製薬企業の方に検討を依頼し、実施機関と協議いただき、最終的に医師主導治験でやっていただくのか、あるいは企業治験でやっていただくのかというような流れになろうかと思います。

 また、患者申出療養の方の制度設計が終わりましたら、こちらからの要請があろうかと思いますので、治験中のものについては私どものこの中で処理ができると考えております。具体的に、患者申出療養との連携については下の段を御覧いただくと、患者申出療養、12月までに公開された制度設計では、かかりつけ医等で実際に御要望をいただいたものを、窓口機能を有する特定機能病院経由、あるいは直接臨床中核病院に要請いただき、その中で治験の設計等の検討をいただき、申請いただいて、国の審議会で評価をして、実施に移るという流れになるわけです。患者申出療養からの吸い上げたニーズについて、治験中であった場合については、先ほど来ありますように、こちらの治験の運用を柔軟にすることによって対応可能なところもありますので、そちらについてはそのニーズを拾い取って、上の段にありますように関係企業とある意味調整をして、治験のプロトコールの修正、モデファイあるいは新規に申請をしていただいて、治験の枠組みの中でアクセスを確保していきたいと考えております。

 今後の手続は最初のページです。今申し上げたところが、取扱いの概要として列記されているところです。今後は平成27年度を目途に施行について準備していきたい。関係団体等とも調整を進め、細かい運用の取決めをしたいと考えております。

  本日、国内外の治験の制度について詳しい藤原先生におこしいただいているので、海外の制度の事情等も含めて、補足説明をお願いできればと思います。

○西島分科会長 それではよろしくお願いします。

○藤原参考人 がんセンターの藤原でございます。この人道的見地からの治験というのは、海外ではコンパッショネートユースとか、エクスパンディドアクセスと呼ばれている仕組みでして、今回初めて、ようやく日本にも入ってきたというところで、私どもとしては現場としては助かるなと考えております。

 EUでは既に2007年ぐらい、それよりも前からフランスが中心に、こういう人道的見地からの薬剤の提供というのは広く行われていました。EU圏の全ての国で同じようなプログラムがございます。EMAというEUの規制官庁では、2007年にコンパッショネートユースプログラムに関するガイダンスを出しております。アメリカでも長らくこういう同じような仕組みが走ってまいりまして、2009年にエクスパンディドアクセスという名前で、コンパッショネートユースとはアメリカでは表現しないのですが、フェデラルレジスターを改定して、同じような仕組みを導入しております。いずれも治験薬、海外では治験という言葉を使いませんが、開発中のお薬です。開発中の薬を対象にして、非常にプロミッシングな成績をもたらしている薬を、早く患者さんのアクセスを実現しようという仕組みとして導入されている制度で、非常に日本でもこの制度が入ってくれば助かるなと考えております。

○西島分科会長 ありがとうございました。事務局と参考人の藤原先生から御説明がございましたけれども、御質問、御意見はございますか。

○笠貫委員 人道的見地から、コンパッショネートユースが日本で必要だということは十分理解できます。人道的見地は患者さんの立場から言えば代替品がない、非常にニーズが高いということで、治験に基準外の方でも入れられるということだと思います。基準を満たせない患者さんはそれだけリスクが高いのですね。それでもそれに上回る患者さんにとってメリットがあるから、これを使えるということだと思います。ここで薬剤費を患者負担も可ということについてどう考えられるのですか。EU、アメリカではどうですか。日本で、人道的見地から治験の参加というときに、患者負担も可とした根拠をお話しいただけたらと思います。

○藤原参考人 患者負担のところというのは非常に難しいところでございますけれども、例えばEU、私ども2005年に黒川清先生が班長で、適応外使用の調査班というのを厚生科学特別研究費をもらってやったことがあるのです。そのときに、EU25か国のコンパッショネートユースの現状も調査いたしました。そうすると各国様々、患者さんが負担しているところもあれば、病院が負担していたり、あるいは製薬企業が負担していたりと、様々なところはあるのです。EUは25か国ばらばら。アメリカに関しては原則やはり企業負担か、患者負担かという2つのトラックがあるのですが、実際患者負担になりますと製造コストであったりとか、いろいろなコストを細かくFDAに報告して、それを了承されるという仕組み、制度になっております。そうすると企業は薬価が決まる前にそういう細かいところをFDAに開示してしまうと、市場に出た後に薬価交渉が多分大変になるので、患者さんに費用を払わせるようなスキームを取りたくないらしくて、企業が無償提供するというようなスキームの方が多くなるとは聞いております。ですから、ここは非常に議論があるところで、それぞれの国によってその国の皆保険の状態とか、患者さんの収入のばらつきとか、そういうものに影響されて変わっていきますので。今回、日本の場合は原則可とするとなっていますので、そこはこれから制度設計の中で、中医協さんなどと考えられると思うのですが、難しい課題ではありますけれども、両方いけるようなトラックとして、この原則は書かれたのだと私は見ております。

○笠貫委員 そうしますと、制度設計の中でこの運用面の基準は極めて大事な問題になるとは思います。日本の医療制度の中でどうするか、あるいは患者さんの負担、あるいは企業の負担など、日本としてどういう運用基準をしていくのかは、大変大切なことだと思いますので、個々の判断に任すことではなくて、運用基準を是非検討していただけたらと思います。

○西島分科会長 これについて事務局から何か御意見ございますか。

○審査管理課長 治験における有償、無償の別ということに関わる話でもあるので、元々どうなっているかということについて補足をさせていただきます。今でも、治験の枠組みの中で、一応有償の場合もあり得るということにはなっております。そのケースとしては、極めて患者さんからのニーズが多くて、企業が実際に供給できるような範囲の数量よりも余計に供給をするような話になってくる場合、開発企業側の方もその負担に耐えかねるというようなケースにおいて、一部負担をしていただくことはあり得るべしという考え方が、昔から存在しております。ただ、余りにも拡大するような格好になるものはむしろ早く開発を終わって、早く承認を取って、保険できちんと使えるようにするのが本来でしょうと。こういうことでもありますので、むやみに有償でということには余りしたくないなとは考えております。このケースの前例は、昔エイズ薬が登場したときに、治験で使える患者さんはかなり制限をされていて、でも、実際に患者さんは当時も結構たくさんいらっしゃって、その方々はアメリカでは使えるのに、日本だと治験がまだ走っているのでどうしてもアクセスできない。こんな状態で非常に命にかかわるというようなことをおっしゃられる方々に、アメリカで使われている添付文書で使える範囲であれば、患者さんが使うことに安全性上の問題がそれほどあるわけではないでしょうというようなところが、ぎりぎりの線として当時考えられて、拡大治験というような格好でやられた。そういう先例があるのですが、その際も企業側にとっては非常に大きな負担になって、こういうことを幾つも幾つもやっていくのはとても大変ですというような反応も、実際にあったところです。

 そういったところの過去の経験や、今の制度の予定している内容を踏まえますと、ここで患者負担も可と書いているのは、そのようなことを勘案しながら書いているということです。実際に先生のおっしゃるように、どんな病気のどんなお薬なのかということによって、あるいは開発の状況がどのような体制で行われているかをつぶさに見ていかないと、本当にどちらが良いのかというのは難しいところがあると思います。一律の基準という部分だけでは済まないところも恐らくあるのではないかと思われますが、ここは丁寧にやっていく必要があるかと考えております。今の状況では、こういう非常に大雑把な格好ではありますが、原則論としてはどちらもありと書かせていただいている状況です。

○吉田委員 今の審査管理課長のお話だと、結局治験が終わって、申請を出して、審査に入っている期間中に患者さんが使いたいと言われた場合、ということですから9か月か10か月の間にということですね。それ以外には使わない。では、治験が走っている間はどうなりますか。

○審査管理課長 一応検証試験が走っているときでも、多分ちょっと使えるケースがあってはというのがあるものですから、そこは少し幅があると思っています。ただ、余り上流へ行くと、使い方がまだ全然決まっていないので、そんな状態ではさすがに無理だと思っています。ただ、欧米で先に承認されているお薬で、日本での開発が遅れている場合には、結構まだ第 III 相の試験をやっているのだけれども使いたい患者さんがいるという状況もあり得ると考えています。このように日本の治験は終わってしまって、審査している間だけと限定的には考えていないということは、補足させていただきます。

○吉田委員 そうすると、国際治験は関係ないということですか。

○審査管理課長 いや、ここは治験でやっている場合に、有効性の評価をきちんとできるためにいろいろと制約がかかっているような組入れ基準が普通使われております。でも、安全性上はさほど問題ないのだけれども、併用している薬があるとか、そういったことによって規定上はそのプロトコールに入れないというような患者さんがやはり存在すると思うのです。あるいは年齢基準が、例えば65歳までになっていて、66歳の方はどうするかとか。そういったケースなどは何とかできないのという話はあるものですから、そういったところを今考えています。具体的な適用例を言いだしますと様々にあって、全部場合が尽くせるわけではありませんが、そういったものを考えざるをえないかと思っているところです。

○吉田委員 そうすると、安全性が担保できないという状況も考えられるのではないですか。例えば、70歳でもいいじゃないのとか、75歳でもいいじゃないのというふうに適用がどんどん拡がってしまいませんか。つまり、使用の可否を決めるのは誰かということだと思うのですけれど。

○審査管理課長 そこに関しては、これは治験の届出をきちんと出していただく枠組みのものですので、それを受け取るのはPMDAです。私どもの方も、もちろんそれに伴ってきちんとした安全性の確保される範囲でやってくださいということは、繰り返し申し上げているところでもあります。そこにはしっかり責任を取らせていただきたいとは考えております。

○吉田委員 分かりました。それなら安心だと思うのですが。

 あと、患者負担の件ですが、まだ有効性のデータが出ていない状況で、企業も値段を設定してないという中で、幾らかでも払えと言うのもなかなか難しい問題だと思うのです。

 それからもう一つは、企業によってはシロバコでもいいよ、ただでもいいよと言う場合と、いや、それなりの対価が欲しいと言う場合と、いろいろあると思うのです。この場合、企業側に選択肢があるのか、ある程度厚労省側が指導していく格好になるのか、どちらなのですか。

○審査管理課長 現状の治験の中での有償、無償については、届出をする企業側が有償もしくは無償の別を区別して書くということと、有償の場合はその理由を書いてくださいとなっておりまして、そこは同じ取り扱いになると思います。

○中川委員 今の判断するのがPMDAと言いましたね。これ、患者申出療養からのスキームだと、患者申出療養として前例のないものになりますから、そうなると先進医療会議の横につく組織体、会議体になると思うけれど、違いますか。PMDAではないのではないですか。

○審査管理課長 これは治験が走っている場合の取扱いですので、その治験の既にPMDAに届出を受けている状況の、そのようなものについてのお話です。それに付随して、そのプロトコールを少し改変したような形で、治験届出が出てくるということになるのです。そのときに、それを受け取るPMDA側の方でも、その治験届出は必ず見ることになります。そのことを私申し上げているのです。

 患者申出療養として入ってくる部分に関して、治験が実施中のものはその治験をやっている側の方にバトンを渡さしていただく方が速やかに、その患者さん組入れの手続が進むのではないかと考えているものですから、資料28の4ページ、2枚目の裏になります。その下の方の「4.」と書いてあります、患者申出療養からの受渡しと言っては何ですが、バトンがつながるところのその流れの中で書いておりますが、患者申出療養の方でのお申し出があった、それを中核病院に提案として申し出として来ている段階で、国、PMDAの方に御連絡をいただいて、そこで治験の方に渡していく。そういう手順を進めようと考えている。こういう仕組みを今のところ想定しております。

 この詳しい連携の仕組みについて、それからそこの適格であるかどうかの判断をできる限り最善を尽くしてジャッジをしていくという、その工夫については細かい作り込みはこれからとなっております。その点、患者さんの安全を確保することが緩くなったり、弱くなったりしないようにすることが大事だと考えています。

○中川委員 これは治験全体の枠組みを審査するわけじゃありません。患者申出療養は、患者さん個別について、この治験に参加するのか、参加できるのかできないかを判断するのは、これはPMDAではないと思いますよ。患者さんを個別に判断するのですよ。組入れ基準は満たしていない、もしくは近くに治験の参加病院、協力病院がない、たまたまなかったから治験に入ってなかったとか、いろいろな患者さんがいるのですよ。最終的な判断は、私は会議体だと思いますよ。PMDAはそういう機能は、私は失礼ですけれど持ってないのではないかと思いますけれど。

○審査管理課長 はい。正しくそういう個々のケースの当てはめをどうするかという問題が、こういう形で仕組みを構築していく際にどうしても出てくるものですから、実際にどのようにその当てはめをきちんとやっていくのかということについては、保険局とよく相談をさせていただきたいと思っています。

 今、治験の方で考えているのは、本当に最初に来られるケースをどうするかとなりますと、そのケースがなかなか微妙なケースだと、確かに難しいところがあるかと思います。ただ、一方では、比較的こういう範囲だったらというふうに考えられるような方々がある程度いらっしゃるようなケースの場合は、ある程度治験のプロトコールを基にしたある程度の幅のラインを作っておいて、そこで、それでしたら当てはまりますねという格好で、患者さんに参加を早くしていただけるようにすることも、一つの方法としてはあるかと考えています。エイズ薬のときには、実際そういったやり方で、多くの患者さんに薬剤を提供できることがあったというような話もあるものですから、そこはやはりよく相談をして、検討させていただきたいとは思っております。

○西島分科会長 ほかによろしいでしょうか。まだこれからいろいろと検討していくところがあるかと思いますけれども、方向としては是非必要なことかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、本件についても御了承いただいたものといたします。

 以上で、本日の公開案件は終了いたしましたので、以後の議題は非公開とさせていただきます。傍聴者の皆様方には、ここで御退席をお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。藤原先生、今日はお忙しいところをおいでいただきまして、どうもありがとうございました。

○西島分科会長 それでは、これから非公開案件に移ります。議題がかなりたくさんありますが、最初に議題2、副作用・感染等被害判定部会について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 すみません、その前に非公開案件の資料の確認をさせていただきます。お配りしております左から2番目の列に、資料2~26番までを置かせていただいております。それから、一番左側に文書報告の一覧と、文書報告資料の101118を御用意させていただいております。そのほかに、一番右側に、前回の分科会以降に開催されました部会の開催状況を1枚にまとめたものを御用意させていただきました。一番下に、議題と概要として、資料を御用意させていただいております。不足などありましたら、お申し付けください。

○西島分科会長 よろしいでしょうか。本日は、全て報告事項になっております。審議事項はありません。いつものとおり、事務局より御担当の部会ごとに区切って御説明を頂くことにいたします。まず初めに、副作用・感染等被害判定第一部会及び第二部会の議題2について、御説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項議題2、副作用・感染等被害判定結果について、事務局より御説明いたします。資料2を御覧ください。平成26年9月、10月及び11月に開催された判定第一部会及び判定第二部会の結果について御報告いたします。資料をおめくりいただきますと、まず3回分の判定結果をまとめたものをお示しし、その後ろ4ページ以降に、各回の判定結果とその一覧表を添付しております。1ページの判定結果まとめに沿って、御報告いたします。副作用被害判定については、請求等の内訳に示すとおり、新規303件、継続16件、現況34件、改定0件、計353件の請求がありました。判定結果は、支給決定することが適当であると考えられるものが298件で、その内訳は下の括弧内に示すとおりです。なお、支給となった割合は、保留の4件を除く349件に対して、85.4%となります。

 2ページの中程あたり、不支給決定することが適当であると考えられるものは51件で、その内訳は疾病、障害又は死亡が医薬品の副作用により発現したとは認められないため、不支給とすることが適当である、16件などです。

 続いて、3ページを御覧ください。感染被害判定については、新規2件の請求がありましたが、いずれも次回以降審議することとされております。副作用・感染等被害判定結果の報告は以上です。

○西島分科会長 飯島委員から追加の御発言がありましたらお願いいたします。

○飯島委員 特にありません。

○西島分科会長 委員の方々から御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。

○板倉委員 漢方薬での間質性肺炎や肝障害が幾つか入っているわけですが、具体的に漢方薬の中で何か特別に間質性肺炎なり何なりを起こしやすいような素材があるのでしょうか。割合、分からないままでずっとこういうものがありますよという情報だけは消費者にも多少伝わっている部分はあるのですが、一般的に消費者としては漢方薬は安全だみたいな思い込みも未だにあるようですので、この際ですので教えていただけると有り難いです。

○安全対策課長 御質問ありがとうございます。確かに、漢方薬で間質性肺炎などが起ったものはあります。今、手元に資料等はないのですが、例えば医療用の添付文書の中でも、漢方薬においても間質性肺炎が重要な基本的注意など副作用の所で記載されているものは多数ありますので、やはり漢方薬においてもそのような間質性肺炎などが起こっていることは事実です。手元にどういう薬剤かというのがないものですから、この場ではお答えできませんが、よろしければあとででも調べてお渡ししたいと思います。

○西島分科会長 そのほか、御質問等ありますか。特にありませんので、議題2については御確認いただいたものといたします。続いて、医薬品第一部会及び第二部会関係の議題3~15について、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 議題3~議題15について、審査管理課から説明いたします。本日は、資料3~15のほかに、当日配布資料としてお配りしております平成261218()、薬事分科会議題概要も併せてお手元に御準備いただきますと、有り難く存じます。

○西島分科会長 当日配布のものですね。

○事務局 当日配布の議題概要という横表の資料になります。

○西島分科会長 よろしいようですので、御説明をお願いいたします。

○事務局 議題3から説明いたします。資料3です。オーファディンカプセル2mgほか2規格です。こちらは、ニチシノンを有効成分とし、チロシン分解経路に存在する4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼの阻害薬で、高チロシン血症 I 型の効能・効果となっております。本剤については、本年1029日に開催されました医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し使えない旨の結論を頂いております。

 続いて、議題4、資料4、ジャディアンス錠25mg、同錠10mgです。こちらは、エンパグリフロジンを有効成分とするSGLT2の選択的阻害薬で、2型糖尿病の効能・効果となっております。こちらは、議題概要の1ページになりますが、部会での主な意見と回答を御覧ください。部会においては、脱水による死亡や皮膚障害について議論がありました。既存のSGLT2阻害薬について、脱水による死亡や皮膚障害が報告されておりますが、本剤の治験では、脱水症状の頻度がフラセボより高い傾向にはなく、脱水による死亡例もありませんでした。しかし、脱水が起こる可能性は否定できないことから、添付文書に十分な観察や水分補給の指導をするよう記載し、また患者自身も脱水症状が判断できるように説明書を配布する予定です。皮膚障害についても、その頻度はプラセボより高い傾向にはありませんでした。皮膚障害については、市販後調査に含めることとしており、また患者への説明文書も配布する予定としております。

 続いて、議題5、資料5、ノピコールカプセル2.5マイクログラムです。こちらは、ナルフラフィン塩酸塩を有効成分とする選択的Kオピオイド受容体作動薬です。慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善に係る効能・効果となっております。

 続いて、議題6、資料6、タケキャブ錠10mg、同錠20mgです。こちらは、ボノプラザンフマル酸塩を有効成分とするプロトンポンプ阻害薬で、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等に係る効能・効果となっております。こちらは、部会において既存のプロトンポンプインヒビターにあります非びらん性胃食道逆流が適応に含まれていないこと。それから、十二指腸潰瘍について非劣性は検証されていないとしながら承認することについて議論があったところです。まず、非びらん性胃食道逆流についてですが、現在非びらん性胃食道逆流についての開発は中断されており、申請者は今後の開発は市場の動向を見て是非を判断すると説明しております。

 次に、十二指腸潰瘍についてですが、既存薬に対して統計学的には、非劣性を検証することはできませんでしたが、本剤の治癒率が95.5%と高いこと。それから、投与中止例には本剤に関与しない理由で中止となった例が多く、投与期間が短いために未治癒とされた例があり、これを考慮した副次解析では非劣性が示されていることから、総合的に判断して十二指腸潰瘍に対する有効性もあると判断いたしております。

 続いて、議題7、資料7、メチレンブルー静注50mg「第一三共」を御覧ください。こちらは、メチルチオニニウム塩化物水和物を有効成分とし、生体内で還元されて、メトヘモグロビンをヘモグロビンへ還元する還元剤で、中毒性メトヘモグロビン血症の効能・効果となっているものです。

 続いて、議題8、資料8、ベピオゲル2.5%です。こちらは、過酸化ベンゾイルを有効成分とし、炎症性皮疹の原因菌に対して抗菌作用を示す抗菌薬で、尋常性ざ瘡の効能・効果となっております。

 次に、議題9、資料9、ビミジム点滴静注液5mgです。エロスルファーゼアルファを有効成分とする糖タンパク質で、ムコ多糖症 I A型の効能・効果となっております。部会においては、本剤に対する中和抗体の発現について議論がありました。本剤の投与により、特異的な抗体は生じますが、その量と有効性には相関性が見られませんでした。市販後調査でも、特異的抗体による影響を確認する予定としております。以上、議題4~議題9までの6品目については、本年1121日に開催されました医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。

 続いて、議題10、資料10を御覧ください。リクスビス静注用250ほか4規格です。ノナコグ ガンマ(遺伝子組換え)を有効成分とする遺伝子組換えヒト血液凝固第 I 因子製剤で、血液凝固第 I 因子欠乏患者における出血傾向の抑制の効能・効果となっております。部会において、インヒビターの発現について議論がありました。部会委員より、内因性の血液凝固第 I 因子活性に応じたインヒビター発現は検討されているか、との御質問がありましたが、血液凝固第 I 因子活性が2%以下の患者を対象とした本剤の臨床試験では、インヒビターの発現は認められておりません。ほかの重症度を含む集団でのインヒビターの発現については、製造販売後調査で情報収集する予定としております。本剤については、本年1027日に開催されました医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。

 続いて、議題11、資料11を御覧ください。治療用ダニアレルゲンエキス皮下注「トリイ」100,000JAU/mLほか1規格ですが、こちらはコナヒョウヒダニ及びヤケヒョウヒダニからエキスを抽出した液剤で、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎、気管支喘息に対する減感作療法の効能・効果となっております。部会においては、アナフィラキシーに関する議論がありました。今回の治験では、アナフィラキシーの発現リスクがより高い急速法が比較的多く用いられていることから、本治験におけるアナフィラキシーの発現率が高く見えている可能性があると考えております。また、本治験における発現率を踏まえても、これまでの知見を大きく上回るリスクが示唆されていないと考えられ、リスクを上回るベネフィットは期待できるものと判断しております。申請者には、市販直後の使用は急速法の実績がある施設に限定することや、資材等を用いて急速法はアナフィラキシーを起こすリスクが高い旨を注意喚起することを指導することにしております。

 続いて、議題12、資料12を御覧ください。コセンティクス皮下注150mgシリンジほか1規格です。こちらは、セクキヌマブを有効成分とするヒトインターロイキン-17Aに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体で、尋常性乾癬、関節症性乾癬に係る効能・効果となっております。部会においては、関節症性乾癬の有効性の根拠と、自己注射を行う際の情報提供について議論がありました。関節症性乾癬の有効性については、局面型皮疹に対する有効性を検討する国際共同第 III 相試験に、日本人関節症性乾癬患者を組み入れて評価を行っております。当該疾患の患者数は、約3,600人と少ないため、類薬を含めこのような試験を行っており、有効性に問題はないと判断しております。また、自己注射を行う際の投与法については、患者向けのガイドブックを作成し、患者に配布する予定としております。

 続いて、議題13、資料13を御覧ください。イロクテイト静注用250ほか6規格です。こちらは、エフラロクトコグ アルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする血液凝固第 III 因子製剤で、血液凝固第 III 因子欠乏患者における出血傾向の抑制の効能・効果となっております。部会においては、本薬の投与間隔が既存薬よりも延長することについて、適正使用、安全性及びインヒビターの発生について議論がされたところです。まず、適正使用については、部会委員より急性出血の止血等の定期的な投与以外の投与について、不適正な使用とならないように情報提供が必要ではないか、と御指摘がありました。この点については、本剤の特徴であります投与間隔の延長の有効性は、定期的な投与のみで確認されていること等の情報提供が必要と考えており、申請者には情報提供資材の作成を指示しているところです。

 次に安全性についてですが、部会委員より御指摘のありました投与間隔延長を目的として結合された抗体の一部が安全性に与える影響を含めて、これまでに実施した本剤の臨床試験及び現在実施中の継続投与試験においては、本剤の副作用プロファイルが既存薬と異なるとの報告はないところです。なお、製造販売後調査でも、長期投与時の副作用について収集する予定としております。

 最後にインヒビターについてですが、これまで実施した臨床試験及び現在実施中の継続投与試験においては、本剤によるインヒビターの発現の報告はありません。こちらについても、製造販売後調査で更なる情報収集を行う予定としております。

 次に、議題14、資料14、ゼルボラフ錠240mgを御覧ください。こちらは、ベムラフェニブを有効成分とするセリン/スレオニンキナーゼ阻害薬で、BRAF遺伝子変異の根治切除不能な悪性黒色腫の効能・効果となっております。部会においては、QT延長と副作用のメカニズムについて議論がありました。臨床試験においてQT延長は認められておりませんが、関連する情報が細胞や動物での実験で報告されており、QT延長については製造販売後調査で検討することとしております。また、企業からも情報提供するよう指導を行う予定としております。

 また、二次性悪性腫瘍の副作用のメカニズムは判明しているかとの委員からの御質問については、本剤の作用機序等からは、二次性悪性腫瘍が発生する可能性は考えられておりますが、現在のところ詳細は不明という状況のお答えをしております。以上、議題1114の4品目については、本年1128日に開催されました医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。

 続いて、議題15、資料15を御覧ください。希少疾病用医薬品の指定について説明いたします。表紙をおめくりいただきますと、一覧表があります。各々の医薬品の名称及び予定される効能・効果について申し上げます。carglumic acidはN-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症等が関与すると考えられる血中アンモニア濃度の上昇抑制。teduglutide(遺伝子組換え)は、短腸症候群。一酸化窒素は成人及び小児に対する心臓手術の術前、術中、及び術後における肺動脈圧低下、右室機能改善及び肺の酸素化改善を目的とした肺高血圧の治療。イソプロビルウノプロストンは、網膜色素変性。エクリズマブ(遺伝子組換え)はMMO-IgG陽性の再発性視神経脊髄炎の再発抑制。サリドマイドは、クロウ・深瀬症候群。ボセンタイ水和物は全身性強皮症に伴う皮膚潰瘍。エクリズマブ(遺伝子組換え)は、難治性全身型重症筋無力症。以上8品目になります。これらの品目については、本年10月から11月までに開催されました医薬品第一部会及び第二部会で御審議いただき、希少疾病用医薬品として指定して差し支えないとの答申を頂き、通し番号1~6については一覧に記載した1120日に、また7、8の二つについては、指定手続中と表記しておりますが、12月8日に希少疾病用医薬品に指定したところです。以上です。

○西島分科会長 医薬品第一部会長の松井先生から追加の御発言はありますか。

○松井分科会長代理 特にありません。

○西島分科会長 第二部会長の吉田委員からは、何かありますか。

○吉田委員 特にありません。

○西島分科会長 委員の先生方から御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

○板倉委員 添付文書を拝見しますと、リスク管理計画の実行について、書いてあるものと書いていないもの、それから具体的なところまで書かれているもの等もあるのですが、この違いはどういうところに起因するのでしょうか。

○事務局 本年10月1日より、GVP省令、医薬品の製造販売後の安全管理に関する省令が改定され、それ以降に承認される品目については、承認条件としてRMPの設定を審査の過程で必要と認められたものについては、承認条件として付すこととしております。添付文書の中にRMPの個別の条項が書いてあるものについては、例えば全例調査や特定の医療機関に制限して流通させるようなケースについては、特に承認条件として製造販売業者に義務付けることは重要ですので、あえて書き込んであります。それ以外の情報収集や使用成績調査のような通常の製造販売後安全管理については、あえて特出しせずに、RMPの中に書き込んでいるものだけで、添付文書に情報提供させていただいている状況です。

○板倉委員 御説明ありがとうございました。こういう管理方法について、どの程度知られているのかが分からなく、例えばこれについてはガイドラインのようなものは出ているのでしょうか。

○審査管理課長 医薬品リスク管理計画の作成の中身はこういうものですというのは、通知でお示しをしております。これは、もともと国際基準のICHのガイドラインの中で、一応日米欧3極で共通の合意されたスタイルになっているものです。ただ、具体的な中身がどういうものなのかについては、PMDAのホームページにRMPを作成したものについてはその内容を公表するということで、Webに全部載せております。これは、まさしく医療現場の方々に、この新しい薬はどのような安全性上の課題があり、それを解明するためにどのような調査や試験がやられていて、それがいつぐらいに結果が出てくるのかということが、一応簡略に分かるような形にして公表しております。これを御覧いただくことで、現場でも理解が進むようにということで作成を進めているものです。それが、今年の10月からは承認条件として付されることになったことで、添付文書には承認条件を全部書くことになっておりますので、その承認条件として明記されたものが書かれていると。それが、今のような説明になります。できるだけ多くの方に内容を知っていただけるように努めてきております。

○西島分科会長 ほかにありますか。

○笠貫委員 リスクマネジメントプランですが、これにプラス全症例を登録して調査をするという条件が加わっているのは、2種類あるのですが、症例数が少ない場合には全登録をとなっているのですか。どこまで全登録とするのですか。一つは資料105に再審査期間終了まで全症例登録ということで、再審査期間とある期間を限る全症例登録ですね。それから、資料7と14は、試験症例が限られていることで、この期間を限らない全症例登録というのは、どのような目安をもっていらっしゃるのでしょうか。

○審査管理課長 基本的には、先生が今お話いただいたような、治験の段階で余りたくさんの患者を集めることができなかった。しかし、非常に必要性の高い薬なので、承認をしましょう。しかし、もう少し症例を重ねて有効性、安全性の情報を集積をしたいということなので、できる限り早く情報を集めるために全例を登録していただいて情報を集めてください、ということで承認条件を付けているものが、主に希少疾病用の医薬品、あるいは副作用の点でかなり注意の必要な抗がん剤等で多いです。全例調査について、承認される品目の性質や適用される疾患の領域によって、いつまでどれだけの症例を集めるのかを個別に検討しております。全例調査の目標を期間で決めるのか、トータルの症例数で決めるのかは、個々の品目の審査の中で検討が行われており、それをRMPという計画の中に、全例調査はこれこれの期間までやる、あるいはこれこれの症例数を目標としてやるというような具体的なことを盛り込んで示すような形に個々にはしている状況です。承認条件は、そこの前提としてまず全例調査をやることを書いています。個別の調査の中身について、具体的な計画が今まではqRMPのようなものがなかったので、なかなか分かりにくかったのですが、今はそれを作って、しかも公表して、医療現場でも御覧いただけるようにすることで、いつまで何をやるのか分からないというような疑問に答えるようにしようということでやっております。

 この場ではPMDAのホームページに載せているものをすぐにお見せすることができませんが、実際には全部載っておりますので、そのようなところで御覧いただけるように個々には目標のトータルの症例数、若しくはここまでの期間として、一応企業との間できちんと合意をして実行させている状況です。

○西島分科会長 よろしいですか。ほかに御質問はありますか。それでは、この15までの案件については、御了承いただいたものといたします。続いて、医療機器・体外診断薬の関係で、議題が1620までありますが、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 医療機器・体外診断薬部会にて御審議を頂きました議題16~議題20までの5議題について御報告いたします。こちらについても、当日配布資料の薬事分科会議題概要を合わせて御覧いただければと思います。

 それでは、議題16、資料16を御覧ください。医療機器Alair気管支サーモプラスティシステムの製造販売承認の可否等についてです。1ページの品目概要を御覧ください。4、構造・原理の概要について説明いたします。本品は、カテーテルを気管支鏡の鉗子口を通じて気道に挿入し、カテーテル先端部のバスケット電極を気管支壁に接触させて、コントローラから出力される高周波電流で気管支壁を加熱して、気道平滑筋を減少させる装置です。装置の外観図については、別紙1-1、別紙1-2にあります。この加熱により、気管支平滑筋量を減少させて、発作時の気道反応を抑制し、薬物治療ではコントロールができない重症喘息患者の喘息症状を緩和させます。

 5、使用目的、効能・効果についてです。本品は、気管支鏡手技が可能な高用量の吸入ステロイド薬及び、長時間作用性ベータ2刺激薬で、喘息症状がコントロールできない18歳以上の重症喘息患者に対し、喘息症状の緩和を目的として、気管支壁に高周波通電を行うために使用する、となります。

 部会においては、臨床試験において手技期間中の有害事象の発生率が高いことから、実施機関に関する承認条件が必要ではないかという御指摘を頂きました。有害事象は、治療当日及び翌日に集中しており、この期間の入院で管理可能であること。参考人から御説明を頂き、また既に広く行われている気管支鏡手技であるために、承認条件とはせずに、添付文書の警告に記載することと説明をし、御了承を頂いております。

 本品については、本年8月20日の医療機器・体外診断薬部会にて、8、備考に記載しました承認条件を付した上で再審査期間を3年として承認することが適当である、との御審議結果を頂きました。本品は、本年9月17日に承認されております。

 続いて、議題17、資料17を御覧ください。COOK Zenith大動脈解離用エンドバスキュラーシステムの製造販売承認の可否等についてです。4、構造・原理の概要について御覧ください。本品は、合併症を有する急性期Stanford B型大動脈解離患者の治療のために、大動脈に留置するステントグラフトシステムです。別紙1に外観図が示されておりますので、御覧ください。本品は、ステンレス製の自己拡張型ステントに、ポリエステル織布のグラフトを縫い付けたステントグラフトという構成品と、ステンレス製のベアステント及びそれらを動脈内に挿入、留置するためのデリバリーシステムから構成されます。

 ステントグラフトは、大動脈解離の原因となる大動脈の主要な亀裂を閉鎖することにより、解離によって生じた偽腔という部分の血栓化を促進し、ベアステントは大動脈の剥離した部分を補強し、また機能低下している内臓動脈等の血流を改善するために用いられます。

 1ページに戻ります。使用目的、効能・効果についてです。本品は、以下の解剖学的適用を満たす合併症を有する急性期Stanford B型大動脈解離のうち、内科的治療が奏効しない患者の血管内治療に使用されるとあり、具体的な解剖学的適用の要件については、以下に示された四つの要件になります。本品については、本年1010日の医療機器・体外診断薬部会において、資料17の2ページ、8の備考に記載した承認条件を付した上で、再審査期間を3年として承認することが適当であるとの御審議結果を頂きました。本品は、本年117日に承認されております。

 続いて、議題18、資料18を御覧ください。MRガイド下集束超音波治療器ExAblate2000の製造販売承認の可否等についてです。4、構造・原理の概要について御覧ください。本品は、体外で発生させた超音波を、体内の焦点に集束させて、標的の組織を65℃85℃に加温させることで壊死させる集束超音波治療器です。本品については、2009年9月に症候性子宮筋腫の症状改善を使用目的として、承認を取得しております。本申請では、骨転移がんによる疼痛緩和を適応に追加する一部変更申請です。

 別紙1の外観図を御覧ください。本品は、超音波を照射するトランスデューサを内蔵した患者テーブル。それから、2、3ページに記載されております治療計画・操作用ワークステーション等から構成されます。外観図のドーナツ状のMR装置は、本品には含まれません。

 本品による治療では、MR画像でモニターをしながら、患者テーブルに内蔵されたトランスデューサから超音波を発生し、体内で集束させることで局所に熱量を与え、組織を加温、壊死させます。患者テーブルを移動させることで、焦点の位置を順次にずらして照射を繰り返すことで、計画した治療領域全体に熱量を与えます。

 1ページに戻ります。5、使用目的、効能又は効果です。本品は、体外から集束超音波を照射することにより、患部の組織を局所的に加熱、壊死させる集束超音波治療器であり、以下の目的で使用する。1.症候性子宮筋腫の症状の改善。2.有痛性骨転移がんによる疼痛の緩和。ただし、放射線治療の適用が適切ではない又は、放射線治療を実施したが効果が見られないものに限る、となります。本申請では、2.が追加されています。

 部会においては、薬事承認の可否に直接は関連しないものの、既承認の子宮筋腫に保険適用申請がされておらず、追加される適用の骨転移がんに対して、自由診療で使用されることは、患者の選択や提供される医療の質の確保の観点から望ましくないという御指摘を頂いております。これについて、保険の申請状況を企業から直接確認を行いたい旨回答をいたしまして、その後12月5日の部会で、既に承認を受けている子宮筋腫については、平成25年3月に保険申請済みであること。また、新たに追加されます骨転移がんについては、保険申請の準備中であることを御報告し、了承を頂いております。本品については、本年11月7日に承認されております。

 続いて、議題19、資料19を御覧ください。バイオパッチCHG含浸スポンジドレッシングの製造販売承認の可否等についてです。1ページの品目の概要を御覧ください。4、構造・原理の概要です。本品は、経皮カテーテル等の刺入部に添付する刺入部保護剤です。刺入創を被覆し、浸出液等を吸収するとともに、フォームに抗菌成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩を含有することで、中心静脈あるいは動脈カテーテルを挿入した患者において、皮膚のカテーテル関連血流感染症及び局所感染を低減することを目的に使用されます。

 本品については、本邦で販売名バイオパッチというプラスチックカニューレ型滅菌済穿刺針構成品として、平成7年10月に既に承認を受けており、国内では260万セットが使用されてきましたが、感染症の低減効果を標榜した上で、パッチを単体として医療機器として流通するため、新規に申請されたものです。2ページに外観図があります。

 1ページに戻ります。使用目的、効能又は効果についてです。こちらは、各種経皮デバイスの刺入創を被覆するとともに、浸出液等を吸収し、保護する。また、中心静脈あるいは動脈カテーテルを挿入した患者において、カテーテル関連血流感染症及び局所感染症を低減するとなります。

 部会では、本品の使用目的について、カテーテル関連血流感染症の予防のファーストラインとして使用され、一方、米国疾病予防対策センターのガイドラインでは、基礎的予防措置を遵守しているにもかかわらず、感染率が低下しない場合に使用が推奨されていることから、両者のニュアンスが異なるために、臨床現場で混乱を招かないかとの御指摘を頂きました。これに関し、本邦の審査では、提出された臨床試験の範囲で使用目的を決めたこと、臨床現場の混乱を招かないよう、使用方法については関連学会とも相談すると回答し、御了承を頂いております。

 本品については、本年1125日に改正されました医薬品医療機器等法に基づき承認された医療機器になります。医薬品医療機器等法では、品目ごとに使用成績評価の指定の要否について、薬食審の意見を聞いて指定することとなっております。本品については、本邦を含む世界各国で既に相当数の使用実績があり、有害事象が低いことが知られておりますので、使用成績評価は不要として承認することが適切であるとの審議結果を頂きました。

 続いて、議題20、資料20を御覧ください。希少疾病用医療機器の指定についてです。資料20の表紙の裏になります。こちらに、対象となります品目の一覧があります。それぞれの予定される使用目的、効能又は効果については、1番、PDT半導体レーザについては、化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道がんとなっております。2番目のHAL医療用下肢タイプについては、緩徐進行性あるいは慢性進行性の神経・筋難病疾患患者を対象として、定期的、間欠的、治療的に装着し、筋収縮を助けることで、筋萎縮と筋力低下の進行を抑制するとなります。3番目の輸部支持型ハードコンタクトレンズCS-100については、重症多形滲出性紅斑(スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症)の眼後遺症の視力補正及び症状緩和となっております。1番については、平成26年9月17日に希少疾病用医療機器として指定し、2、3番については現在指定手続中です。説明は以上です。

○西島分科会長 医療機器・体外診断薬部会長の笠貫委員から追加の御発言がありましたら、お願いいたします。

○笠貫委員 特にありません。

○西島分科会長 委員の方々から御質問はありますか。

○木津委員 私どもは余り機器に関する添付文書を拝見することがないのですが、全て医療用医薬品ですと1ページ目の左の上の方に、保存条件や使用期限が書いてあり、そこを見て、これはどのように保存するのだろうというのを見るのですが、どうもこの診断関係の機器に関しては、最後の方に出てくるのですね。例えば、バイオパッチなども使用期限、有効期間が6か月とそれほど長いわけではないので、できればこういうものは医療用医薬品と同じような位置にあるといいと思ったのですが、その辺りは理由があってこの位置になっているのかどうかを教えていただけたら有り難いのですが。

○西島分科会長 事務局、お願いいたします。

○安全対策課長 御指摘ありがとうございます。医療機器も含めて、添付文書の記載方法については、記載要領を作っております。医療機器については、今、見直しをしているところです。それで、パブコメを終わったぐらいかと思いますので、そういう点もあって今、見直しをしている段階です。記載要領については、医療用もガイドラインがありますし、医療機器についてもガイドラインを作っております。

○西島分科会長 そのほか、いかがですか。よろしいでしょうか。それでは、特にありませんので、議題1620までは御了承いただいたものといたします。

 続いて、再生医療等製品、生物由来技術部会関係の議題2123について、説明をお願いいたします。

○事務局 事務局から御説明いたします。議題21について、資料21です。ヒト(自己)表皮由来細胞シートを希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否についてです。再生医療等製品については、本年1125日の薬事法改正で医薬品、医療機器とは別に新たに定義されることとなりましたが、このオーファン制度についても、医薬品、医療機器と同様に制度を創設しております。今回この制度に基づいて指定の申請がありましたので指定をしたものです。資料21の1枚目の裏面です。今回、指定した品目を記載しております。名称はヒト(自己)表皮由来細胞シート。予定される対象疾患は先天性巨大色素性母班を対象としております。申請者は株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングです。本年平成261125日に指定したものです。部会では特に議論はありませんでした。

 続いて議題22、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認について御説明します。資料22です。2枚目にこの法律の制度の概要を記載しており、参考資料と書いてあります。カルタヘナ法の概要を記載しております。真ん中辺りに第一種使用等、第二種使用等と記載してありますが、この法律では遺伝子組換え生物等の使用方法に応じて、二つの使用方法に区分し規制しております。第一種使用等は環境中への拡散防止措置を執らない、開放系での使用方法になります。この場合は厚生労働大臣と環境大臣に対して環境中での影響について評価して申請を行い、承認を受ける必要があります。

 一方、第二種使用等については、環境中への拡散防止措置を執って行う、封じ込め措置を執って行う使用になります。こちらは工場などでの製造が主に想定されますが、厚生労働大臣への申請を行い、確認を受けた後に使用する必要があります。今回それぞれ1品目ずつ申請がありましたので、御審議いただいたものです。

 それでは資料22の表に戻ってください。こちらは開放系で行う第一種使用等に関するものです。品目についてです。申請された品目は単純ヘルペスウイルス1型に遺伝子組換えを施したものです。これは脳腫瘍に対する遺伝子治療に用いるもので、いわゆるウイルス療法と呼ばれるものです。申請者は東京大学医科学研究所附属病院で、今後、医師主導治験で用いるために開放系での使用の申請がなされました。

 続いての品目です。資料23です。議題23について御説明します。こちらは閉鎖系で封じ込め措置を執って行う第二種使用等に関する申請があったものです。対象の品目はモロニーマウス白血病ウイルスに対して遺伝子組換えを施したもので、こちらもがんに対する遺伝子治療に用いるものです。タカラバイオ株式会社から申請があり、今後、遺伝子治療用製品の製造をするために申請があったものです。それぞれの部会における議論を御紹介します。

 一つ目の医科学研究所から申請があったものについては、本品目は今後治験が行われる予定ですが、これまで臨床研究が行われておりました。部会においては、臨床研究で行われていた使用の方法との違いについて議論が行われましたが、臨床研究では患者さんからのウイルスの排泄等の懸念があるため、個室で患者さんを管理する規定がありました。これについて臨床研究でのウイルスの排泄のデータ等を踏まえて、今後の治験においては、個室管理を不要とする等の変更を行っております。そういった変更が行われていることについて部会での御議論をいただきました。また個室管理のみならず、ウイルス検査についても行うかどうかの議論がありましたが、これも同様に臨床研究においてウイルス排出に関するデータが得られていることから、ウイルス検査を行わないことを回答して、御了承いただきました。

 二つ目、第二種使用等を行うモロニーマウス白血病ウイルスについて部会での御議論を御紹介します。こちらのウイルスについては、レトロウイルスを使用することから、患者さんに対して悪影響を及ぼす影響がないかどうかについて、部会員から質問がなされました。これに対してはこちらの品目も同様に過去に臨床研究が行われており、その臨床研究においてレトロウイルスによる悪影響に関する治験が得られていないことから、問題はないということを回答して、御了承いただいております。

 またこの議題の議論は拡散防止措置が適切に執られているかどうかに関する議論を部会でいただいておりますが、この遺伝子組換えウイルス自体の患者さんに対する安全性についての議論は別途行われるのかどうかについて御質問がありました。それについては治験の計画に関する調査の形で医薬品医療機器総合機構で行われており、安全性に関する議論は別途議論の場があることを御説明し、御了承いただいております。説明は以上になります。

○西島分科会長 それでは再生医療等製品・生物由来技術部会長の大野委員から追加の御発言がありましたらお願いします。

○大野委員 御説明のとおりでございます。別に発言はありません。

○西島分科会長 委員の方々から御発言ございますか。特にございませんので、議題2123についても御了承いただいたものといたします。続いて、要指導・一般用医薬品部会関係の議題24について御説明をお願いします。

○事務局 議題24、資料24、エフコート、エフウォッシュ、バトラーエフウォッシュです。当日配布の議題概要については9ページになります。本剤、有効成分フッ化ナトリウムを0.05%含有する洗口液です。むし歯の予防を効能・効果とするサンスター株式会社から申請された品目です。資料241枚目の用法・用量欄にありますが、洗口方法は、本剤を口に含み、歯面に十分ゆきわたるように30秒から1分間ブクブクうがいし、吐き出す用法になっております。本剤については先月1126日に開催された要指導・一般用医薬品部会において御審議いただき、部会における主な意見を御紹介します。

 まず、用法・用量の洗口時間については、歯面に十分にゆきわたらせるということで、少なくとも30秒間以上実施することが必要なため、30秒から1分間ブクブクうがいすることが適切であるとの御意見をいただき、用法・用量の「約30秒間」のところを「30秒から1分間」に変更しました。また添付文書については、「用法・用量に関連する注意」において、記載事項が見づらいということで記載順を工夫すべき、また添付文書における歯磨き、ブラッシングが重要であるといった記載について、分かりづらいという御意見がございましたので、資料24の一番最後に、修正した添付文書をつけました。本剤について、承認条件として3年間の安全性に関する製造販売後調査が付され、これについて要指導医薬品に該当し、承認して差し支えない旨、結論をいただきました。説明は以上です。

○西島分科会長 要指導・一般用医薬品部会長の橋田委員から御発言ございますか。

○橋田委員 特にございません。

○西島分科会長 委員の先生方から御発言ございますか。特にございませんので、議題24についても御確認いただいたこととします。続いて医薬品等安全対策部会関係の議題25について御説明をお願いします。

○事務局 議題25、一般用医薬品のリスク区分について、安全対策課から御説明します。資料25です。一般用医薬品については、リスクに応じて第一類医薬品から第三類医薬品の三つの区分に分類し、適正使用のためリスク区分に応じた販売方法が執られております。資料の裏面を御覧ください。第一類医薬品は薬剤師により販売され、文書により情報提供の義務があります。第二類医薬品は薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供は努力義務とされております。資料の表に戻ります。スイッチOTCについては、承認条件として付された製造販売後調査期間の終了後1年間は第一類医薬品に分類され、その間にリスク区分の見直しを行っております。この度スイッチOTCとして承認され、第一類医薬品として流通しているロキソプロフェンナトリウム水和物の経口剤の製造販売後調査報告書が提出されたことから、その調査結果等を基に本剤のリスク区分について、本年8月27日開催の安全対策調査会で審議いただきました。本資料の中ほど以下に安全対策調査会、安全対策部会における議論の概要を記載しております。

 まず、安全対策調査会では産婦人科及び整形外科の専門家に参考人としての参加をいただいた下で審議を行い、その結果、ロキソプロフェンは製造販売後調査の結果等を含めた安全性情報等が既に指定第二類医薬品とされておりますイブプロフェンなどの類薬と同等と評価され、類薬と同様の妊娠後期への禁忌について注意喚起を行うことなどを条件として、指定第二類医薬品とすることが適当と評価されました。その後、パブリックコメントを実施して、その結果も踏まえて、本年1114日開催の医薬品等安全対策部会において御審議いただきました。当部会では医療用ロキソプロフェンは高い頻度で使用されている解熱鎮痛薬であるため、患者にも広く使用経験があり、認知されている医薬品であることから、例えば、妊婦が禁忌であることを知らずに、一般用のロキソプロフェンを安易に購入して服用する潜在的リスクが類薬と比較して高まるのではないかとの懸念が示され、薬剤師による情報提供の義務化が必要であるとの指摘があったため、第一類医薬品とすることが適当と評価されました。本結果を受けて、今後、第一類医薬品として告示を行うことを予定しております。説明は以上です。

○西島分科会長 医薬品等安全対策部会長の五十嵐先生から御意見ございますか。

○五十嵐委員 特にございません。事務局の御指摘のとおりです。

○西島分科会長 それでは委員の方々から御意見をどうぞ。

○中川委員 私は安易に第一類が第二類へと、決められたスケジュールでいくことは問題だとかねがね思っていますが、今回この医薬品等安全対策部会が機能したことを評価したいと思います。その上で申し上げますが、安全対策調査会が機能しているのか。全然結論が違う。この辺を少し、失礼な言い方ですが、気を引き締めてしっかりやっていただきたいなと、これは要望です。

○西島分科会長 事務局からどうぞ。

○安全対策課長 どうもありがとうございました。調査会での審議でもなかなか難しいところでした。やはり類薬との位置付けをどうするかが観点になりました。ただ御指摘いただいた所も踏まえて、今後、調査会での審議、部会での審議等もやっていきたいと思っております。

○西島分科会長 ほかにございますか。それでは議題25についても御了承いただいたものといたします。最後に指定薬物部会関係の議題26について説明をお願いします。

○事務局 指定薬物部会について報告します。資料26です。指定薬物部会は前回の報告から2回開催されております。平成26年度第3回の部会が1023日、第4回の部会が1117日に開催され、指定薬物の指定について審議をいただきました。第3回の部会では8物質、第4回の部会では7物質について指定薬物にするか否か御審議いただきました。当日の審議では、実験で観察された動物の行動についての議論があり、また資料中の記述について物質の特性が正しく記載されていない部分の修正をするよう指摘がございましたが、いずれの物質についても指定薬物とすることが適当であるとされました。それらの物質については資料2ページ以降に名称、構造式を示しております。これらの物質を指定する省令について、それぞれ11月8日、1128日に施行されています。以上です。

○西島分科会長 指定薬物部会長の鈴木委員、御発言ございますか。

○鈴木()委員 特にございません。

○西島分科会長 委員の先生方から御発言ございますか。特にございませんので、これについても御了承いただいたものといたします。以上で本日の議題はすべて終了いたしました。全体を通じて何か御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは事務局から何かございますか。

○事務局 来年の1月に薬事・食品衛生審議会の改選がございます。そのためこのメンバーでの分科会は本日が最後になります。恐れ入りますが、西島分科会長から一言、御挨拶をいただきたいと存じます。

○西島分科会長 今、事務局から御説明がありましたが、この分科会のメンバーは今日で最後です。私はこの2年間この分科会の会長を務めさせていただきました。行き届かぬ所がたくさんあったかと思いますが、委員の先生方のお力添えにより、何とか2年間やり通すことができました。先生方、どうもありがとうございました。今日、来る前にこの関係事例をいろいろ見たのですが、平成5年に初めて中薬審の委員を仰せつかりました。この薬事審議会の委員は平成18年から拝命しており、ほぼ10年になります。この委員会の会長を仰せつかったときには、本当に重責でどうなるかと思っておりましたが、何とか2年間を終えることができまして、今はほっとしております。皆さんお気づきのように、この審議会において審議事項がめっきり減って、報告事項がほとんどになりました。これについては前回のこの委員会でもう少し部会での情報をいただきたいということで、今回から部会での主な意見と回答ということで、私宛には事前に頂きまして、また今日は皆さま方に配布されたということで、これは今後も是非、続けていただきたいと思っております。報告事項が増えた背景は、一番大きいのはやはりPMDAがかなり力を付けて、人数も増えて、そこでの議論が活発に行われて、それに続く部会での作業が進んでいるかと思っております。その結果、審査の期間が短くなったことも大変大きな成果になっているかと思います。この医薬品については、先ほどのコンパッショネートの医薬品にあるように、そのほかの医薬品についても病気で困っている方に一日も早く、良い薬を安全にお届けすることが大変重要なことで、この委員会はその最後の段階です。私はもう退任しますが、委員の先生方にはこれからもそのようなことで、御尽力していただきたいと思っております。本当にこの2年間ありがとうございました。

○事務局 ありがとうございます。それでは最後に神田医薬食品局長から一言、御礼の御挨拶を申し上げます。

○医薬食品局長 先ほど事務局から紹介がありましたように、このメンバーでは最後の分科会ですので、一言、御礼の挨拶を申し述べたいと思います。任期中いろいろ案件がございましたが、御指導を賜りましたことに、まず、委員の皆さま方に心から御礼を申し上げたいと思います。とりわけ西島分科会長におかれましては、2年間会長をお務めいただき、併せて3つの部会の部会長もしていただきまして、本当に御指導いただきありがとうございました。同じようにこの分科会として10年の任期に当たられる笠貫委員も今回で御退任です。今日は御欠席ですが、本田委員も10年ということで、委員としては10年が限度ということになっておりますので、長きにわたり御指導賜りましたことに心から御礼を申し上げたいと思います。また明石委員、小幡委員におかれましては、御都合によりこの分科会は御退任されます。この間の御指導に心から感謝を申し上げたいと思います。先ほど西島分科会長からお話がございましたように、いろいろ運用面についても御指摘いただきましたので、それについては今後とも適切に対応できるように私どもとしても努力してまいりたいと思っております。多くの委員の方は残られることになろうかと思いますので、引き続き高い見地から御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、御礼の御挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。

○西島分科会長 それではこれで本日の薬事分科会を閉会にいたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 総務課薬事審議会係 対馬(内線2785)

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