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2015年2月9日 第8回 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会

○日時

平成27年2月9日(月)14:30~16:30


○場所

中央合同庁舎4号館 1214特別会議室(12階)


○出席者

構成員

阿部構成員、熊切構成員、佐々木構成員、佐藤構成員、関口構成員、殿村構成員、

厚生労働省

樽見年金管理審議官、大西事業管理課長

日本年金機構

町田国民年金部長、石倉給付企画部給付指導グループ長、上野サービス推進部長

○議題

(1)業務支援ツールモデル事業の結果報告
(2)通信研修モデル事業の結果報告
(3)市町村における国民年金手続促進モデル事業の結果報告
(4)若年層に向けた国民年金保険料納付促進モデル事業の結果報告

○議事

議事

(この議事録のPDF版を第8回検討会の資料ページに掲載しておりますのでご利用ください。)

○司会
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第8回公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会を開催いたします。皆様お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。本日の構成員の出欠状況ですが、全員のご出席をいただいております。また、事務局からの出席者ですが、お手元の座席図の通りとなっておりますので紹介に代えさせていただきます。なお、大西事業管理課長は公務のため途中退席とさせていただきます。何卒ご了承ください。
 議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。本日は、配布資料といたしまして、資料1. 業務支援ツールモデル事業の結果報告(あずさ監査法人)、資料2. 通信研修モデル事業の結果報告(TAC株式会社)、資料3. 市町村における国民年金手続促進モデル事業(電通 PR)、資料4. 若年層に向けた国民年保険料納付促進モデル事業(電通 PR)でございます。こちらを配布させていただいておりますので、よろしくご確認をいただきたいと思います。不足等ございましたらお申し出ください。よろしいでしょうか。
 それでは、カメラの方はここで退室をお願いいたします。
 それでは、具体的な議事検討に入らせていただきます。本日は、業務支援ツールモデル事業の結果報告、通信研修モデル事業の結果報告、市町村における国民年金手続促進モデル事業の結果報告、若年層に向けた国民年金保険料納付促進モデル事業の結果報告を議題とさせていただきます。
 本日の大まかなタイムテーブルをご案内いたします。本日の検討会では、事業支援ツールモデル事業の結果報告を25分、通信研修モデル事業の結果報告を25分、市町村における国民年金手続促進モデル事業結果報告を30分、そして、若年層に向けた国民年金保険料納付促進モデル事業を40分として進めさせていただきたいと考えております。
 それでは、業務支援ツールモデル事業の結果報告をあずさ監査法人から報告させていただきます。
○あずさ監査法人
 それでは、お手元の資料1に基づき、あずさ監査法人より業務支援ツールモデル事業の結果報告をさせていただきます。右下のページ数で申し上げますと2ページは、本日の検討会におけるご報告事項でございます。実施したモデル事業の概要と結果のご報告でございます。概要については、お手元の資料の3ページから10ページにかけて記載がございますので、こちらをご確認いただければと思います。より重要な結果について詳細にご説明いたします。
右下ページ数で12ページをお開きください。任意アンケートの結果の報告でございます。任意アンケートにおいて我々が作成した業務支援ツールを用いることによって手続きがより円滑になるか、必要な説明を漏れなく行えるかという質問をさせていただきました。結果、「はい」と回答していただいた市町村と「いいえ」ですけれども「改善すれば使える」と回答していただいた市町村合わせておおむね95パーセント程度を超えておりまして、業務支援ツールの効果が一定程度期待できる結果となったかなと考えております。
次の13ページに具体的な担当者数別の回答の割合を記載させていただいております。より小さい中小規模の市町村の担当者や窓口経験の浅い職員から一定の評価が得られたのかなと考えております。
次の14ページは市町村規模別でございますが、こちらも同じような傾向で小さい市町村ほど肯定的な意見が多かったと考えております。
では、具体的に15ページで「はい」とお答えいただいた市町村のコメントの要約を申し上げます。良かった点として挙げられたコメントといたしましては、やはり我々が当初コンセプトとして掲げておりました「見た目が分かりやすい」点ですとか「手続きが漏れなく行えるように情報量がしっかり網羅されている」点について肯定的な意見がいただけていると考えております。
一方、16ページに、このアンケートでより重要だと考えておりました今後改善するための情報をサマリーとしてございます。こちらは、業務支援ツールの業務の種類ごとに傾向が分かれております。適用・免除について、やはり分量が多いというコメントが非常に多かったと考えています。こちらは課題の一つとして我々も認識しております。遺族や未支給、寡婦、死亡一時金につきましては、死亡を原因とする給付に関して全体として総合的な判断フローがほしいというコメントを多くいただきました。また、障害につきましては初診日の特定がやはりツールを使っても若干難しいというコメントが多かったので、我々としてはこちらも課題なのかなと考えております。
この三つの課題に対して今後の修正方針でございますが、18ページに進んでいただけますでしょうか。先ほど申し上げたように分量が多いという課題がある一方で、見やすくて分かりやすいというコメントがあるのも事実でございます。分量の多さを克服するために分かりやすさと見やすさはスポイルしていいものではございませんので、分かりやすさを維持して分量の多さを解消するために、業務支援ツールの検索性を上げるという対応を考えております。具体的にページ右下部分に赤字で記載しておりますが、例えば、業務支援ツールの全体の目次をお示しするとか、タブインデックスを付けられるようにスペースを設けるということが考えられます。実際に重点市町村ではこのようにタブを付けて使っていただいている事例などもありました。これはいいアイディアだと我々も思っております。
続きまして19ページでございます。適用免除と給付に関しては、やはり業務の性格から今後の修正の方針はかなり異なってくるであろうと考えております。適用免除に関しましては、窓口での応対時間が短いということがより明らかになりましたので、スピード感を維持するために、これまで制作した適用免除のツールを一本化してよりスピーディーな案内ができるようサマリー版を作ることを考えております。一方、給付は必要なものを追加していく方向性かと考えております。
20ページでございます。任意アンケートは窓口担当者に対してアンケートを行いましたが、繰り返しになりますが分量が多いというコメントが多くございました。一方で、お客様にとっては必要な情報であるというのは事実ですので、分量を少なくするという方向性ではなくてツール自体のコンセプトの周知ですとか、使い方の工夫、例えば代表的なカードの組み合わせをお示しすることにより、カード総数は多いものの、必要なカードは限られるということを発信していこうと思っているところでございます。
続きまして21ページでございます。任意アンケートにおいて使用場面ごとに使い方が異なるということがよく分かりました。一方で、重点ヒアリングにおいて使い方が違っても同じ物を使うメリットがあるということが気づきとしてありました。例えばどのような場合かと申しますと、市町村間で同じ物を使っていれば業務の引き継ぎの際に便利であるとか、年金事務所から市町村に対しての引き継ぎに便利であるというコメントも得られましたので、このような使い方は今後、市町村に対して提案していく必要があると思っております。
最後に22ページ以降です。やはり全体としてツールのコンセプトの周知が十分でなかったというところと、我々が想像もしていなかった使い方を市町村の皆様がしてくださっているということが分かりましたので、使い方のガイドを作成して市町村の皆様にこういう使い方をすると便利であるというところを全体として提案できればと考えております。我々あずさからの報告事項は以上です。いろいろとご意見等をいただければと思います。
○司会
 ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に関しましてご質問ご意見をいただきたいと思います。本日の検討会では任意アンケートおよび重点ヒアリングに基づき最終成果物の作成に向けた修正方針が示されておりますが、これらの点についてご意見をいただければ幸いです。いかがでしょうか。熊切構成員お願いいたします。
○熊切構成員
 アンケートの結果ですが、例えば9ページは担当職員数別で分けてありますが、2~5人で91ありますが、この層の中で1人に近い少ないほうと6人に近い多いほうのアンケート結果で特徴的なものがもしあればお話いただけますか。
○あずさ監査法人
 2~5人の間の中で多い層と少ない層それぞれの傾向というご質問だと理解しておりますが、任意アンケートで市町村の窓口数を記載してもらっていますが、この2~5人の幅の中で2人の市町村と5人の市町村で傾向みたいなものは今のところ分けられておりませんので、傾向みたいなものは申し上げられないのですが、おしなべてこの層については窓口で使えるという意見もありますし、研修用の資料としても使えるという意見が多かった層なのかなと思っているところでございます。
○司会
 いかがでしょうか。関口構成員お願いいたします。
○関口構成員
 上里町の関口です。よろしくお願いします。23ページの業務支援ツールの相談シートとチェックリストの使い方ガイドを作成するというかたちでこれから検討していくと思うのですが、昨年12月にデータをいただきまして、どのように使っていこうかという段階で資料の読み込みにかかる時間、それから、今後どのように使っていこうかということを検討する間にモデル事業のヒアリングの時期がきてしまったというかたちのなかで使い方ガイドである程度こういうふうに使ったらいいということが提案できていれば、もう少し市町村のほうも楽かなと考えています。
また、当然加入することによって保険料とか保険料の免除、給付の関係、付加保険料の関係などがみんな連動してきていますので、ある程度一連的に説明できるような簡単な物があれば助かるなという感触を受けました。以上です。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 横尾でございます。製作者の皆様が、実際の利用者が実際に作業をしている所を見ていただいた上で作っていただくという事は、とても重要なプロセスだと思います。今回、任意アンケートおよび実際にヒアリングをされてきたということで、それを実際に皆様がなさってきたということは、とても良いことだと思いますし、今後そういう取り組みが、国の様々な事業の中にもどんどん取り入れられていけば、さらに理解も深まってくるのではないかなと思いますので、モデル事業として良い取り組みだと思いました。その上で、実際に行ってみなければ分からなかった部分としまして、思ったよりスピード感をもって業務をされていたと実際に見ていて感じられたとか、実際に話を聞いて伺っております。例えば、分量が多いという声がありましたが、少なくすればいいのかというとそうことではなく、その声が出ているそもそもの問題はどこにあるのかというと、「使いこなせていない」ということだと思います。その量の業務内容を本来しなければいけないけれども、説明しきれていなかったり省かれてしまっていたりすることが今回の解決課題の一つであり、その課題解決のために、分量が増えて複雑化し、利用者が大枠や自分の行う一つ一つの作業との関連性が見えにくくなってしまったということがあるかと思います。
こういったケースにおいて、私たちが様々な企業でやりがちな失敗があります。それは、「説明書」を作ってしまうということです。使い方ガイドを作る目的というのは、「ツールの説明や解説」が目的ではなく、「使いこなせるようになる」ということです。ツールの説明書ではなくて業務でどう使えばいいのかということを職員の方が判断できるためのガイドを作っていただきたいと思います。「このツールが何なのか、これは何のための物です、これは何のための物です」という制作者目線ではなくて、窓口の方が「基本セットはこれとこれを用意しておいて、このお客さんだったらこっちはいらないかな」とか、「逆にこのお客さんだったらこれをお渡しする必要があるな」という「判断」できる事を主眼に置いてください。「自分の業務の中でどう使えばいいのか判断ができる」ということをメーンとした使い方ガイドを作っていただくと、すごく価値のある物になるのではないかと思います。使い方というとツールの説明をしてしまいがちですけれども、利用者である窓口の皆様は「ツールを使いたいのではなくて業務を効率的にやりたい」。言っていることが分かりにくいかもしれないのですが、何のためにあるのかというコンセプトが伝わっていなかったということは、コンセプトが伝わっていないことによって判断がつかなかったということだと思います。全部読み込んでみて、これはこれに使えそうだな、これはこれに使えそうだなということが判断できないために、今は使えなかったということもあると思います。
 具体的なアドバイスとしては、「窓口での話の行き違いにより揉めてしまうケースがあるので、そういうことがないように来訪者が持ち帰って確認できるように渡すツール」と、「説明を漏れなくするためのツール」の2種類があるという基本的な考え方を伝える。全体像として何のためのツールがあるかを伝える。
「適宜使ったほうがいい物」と「絶対使ったほうがいい物」があるのか、使う人が判断できるようにするということです。たくさんの方が関わって制作にあたられていると思いますので、コンセプトは伝えてあるし使い方は書いてあるけれども「本質的には的を射ていない」という物が出来上がりがちです。使い方ガイドの制作の意図をちゃんと最終的に手を動かす人にも理解してもらって作ると、良いと思います。
端的に申し上げると、「効率化」と「漏れなくやる」という2点が今回の目的なので、これは「効率化のためのツール」なのかというところをうまく盛り込んでいただいて、その上で使い方ガイド自体も「期待感」を持てる物にしていただけるといいと思います。「これさえ読めばきっと使いこなせるようになるんじゃないかという期待感」がないと見た瞬間に諦めてしまうということがあると思います。以上です。
○司会
 ありがとうございました。原構成員お願いいたします。
○原構成員
 今の意見に関連していますけれども、業務で使えるようにというのは非常に重要だと思いますが、そのあたりは後で出てきますTACさんとの実務研修の中で使い方を含めてどういう場面で使うかということをフォローしていただいていると思いますので、横のつながりというかあずささんとTACさんの連携で使う場面を想定できるような物になっているのではないかと期待したいと思います。
分量が多いという意見も出てきたと思いますが、細かくどういうアンケートが出てきているのか拝見していないので分からないですが、職員の方のレベルとか地域ごとのニーズの違いとかいろいろなことがあって単に全部削ってしまっていいのかという部分もあると思いますので、ここにもあるように検索性を上げることだと思います。市町村によっては独自にインデックス等で工夫してくださっている所もあるので、それぞれ知りたいこと、どういう職員の方が使うのか、ベテランの方が使う場合もあるし、想定しているような若手の方が使う場合もあると思います。が、検索性を上げるという部分でインデックス等で使いやすく、また、電話しながらでも使えるような物理的な使いやすさも含めて、また、教育とのリンクを張りながらやっていけばより良い物になるのではないかなと思っております。以上です。
○司会
 ありがとうございます。佐々木構成員お願いいたします。
○佐々木構成員
 今回のアンケートの自由記述部分などから実際にプラスにつながるようなもの、また、どう便利だったか、どれくらい時間が短縮できたかなど具体例やメリットを集めたものをコンパクトに紹介することをやられてみてはいかがかと思いました。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 今回のアンケートに関しましてツールを使い始めてすぐの段階での任意アンケートとかヒアリング調査でして、それにもかかわらず、これだけ良い評価をいただけているということは大変効果のあるものだと思っております。このツールを職員の方が半年や1年間使い続けることにより自分なりの使い方を発見することができるようになることが重要なのではないかと思っております。それから、特に異なる市区町村においても画一的なサービスを提供することができるということは非常に効果があったと思っております。以上です。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員
 ツールについてはご意見が今までにいろいろ出ていましたので、21ページに載っている方針という所です。市町村と年金事務所間とか市町村間と書いてあって、同じ物を使うことで連絡等が取りやすいということが書いてあるのですが、このツール自体についても年金事務所等にも全部配布されて、ある程度周知していかれるということでよろしいのでしょうか。確認です。
○司会
 大西課長よろしくお願いいたします。
○大西課長
 この会議にも日本年金機構が出席しておりますけれども、御指摘のとおり日本年金機構と共有していきたいと思っております。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。電話だと行き違いがあるので、このような紙で同じ共通の物を持てれば活用の仕方もあるのかなというところです。
使い方ガイドを作成するというのは大変ありがたいと思います。この後に出てくるTACさんの映像の中に使い方が入っていましたが、それとは切り離した形で作成するということでしょうか。
○あずさ監査法人
 そうです。TACさんの研修で実務編ということで応対のときのカードの使い方を出していただいているところですけれども、それよりも上の概念といいますか業務支援ツール全体としての全体像とその使い方について我々のほうでガイドを作成して、TACさんと連携しながら一部研修で取り込んでいただくようなかたちになるかと思いますけれども、別のラインで作っていくイメージで考えています。
○佐藤構成員
 分かりました。紙ベースで出るというかたちですか。
○あずさ監査法人
 我々としては紙でガイドを出させてもらって、それをどういうふうに研修に織り込んでいくかはまだ議論中ですけれども、映像にするのか、それとも、ナレーションが入るようにするのかは今検討中ですが、我々が紙で作ってTACさんでそれを使って研修してもらうというイメージをしております。
○佐藤構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。よろしいようでしたら、次の議事に進みたいと思います。ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、通信研修モデル事業の結果報告をTAC株式会社よりご報告していただきます。よろしくお願いいたします。
○TAC(株)
 それでは、説明をさせていただきます。資料2-1でございます。TAC株式会社からご報告いたします。1枚めくっていただきますと目次がございます。下のページ3ページです。モニタリングの実施概要ということで、モニタリングの目的はこの3点に絞って実施させていただきました。重点ヒアリング市町村と任意アンケートを実施させていただき、5ページにその報告をしておりますのでご覧ください。
アンケートの回収状況としては、任意アンケートは61市町村からご回答をいただいております。都市の区分と窓口の担当者数等の区分は一覧に示す通りでございます。市町村の構成バランスとこちらのバランスにさほど乖離がございませんでしたので、回答としては問題ないと認識しております。これと併せて重点市町村のほうも37市町村を実施させていただきましたので、全部で約100市町村のモニタリングとアンケートをいただいている状況でございます。内容についてですが、まずは6ページをご覧ください。次のページでございます。
 任意アンケートの集計結果の基礎編からご説明差し上げます。対象となる受講者に関しては着任後すぐの方から3カ月以内の方に内容は集中しておりましたので、当初の想定とおおむね合致していると考えております。それから、ナレーションのスピードについてもおおむね良いということ、それから、1講義あたりの動画の長さについても15分以内に収めてほしいといった結果が出ております。
それから、7ページ以降ですが、こちらは具体的にモニタリングの結果として基礎編についてさまざまなご意見を多数いただきました。一言で申し上げますと、研修についてはおおむね肯定的なご意見をいただいたと認識しておりまして、こちらの研修はそのまま継続して制作を進めることができると認識しております。肯定的な意見のほか、改善要望がいくつか挙がっておりますので、こちらの肯定的な意見をそのまま生かして可能な限り改善要望に一つずつ修正を加えて進めていきたいと考えております。それから、制度全体をダイジェスト版というかたちで基礎編の内容をザッとご紹介しました。ここの部分については非常に分かりやすかったというご意見をいただいております。
次に、8ページです。こちらは基礎編の適用編についての肯定的な意見と改善要望です。こちらも肯定的な意見と改善すべきところをいくつかご指摘いただいておりますので、可能な限り修正していくということで考えております。
それから、9ページです。給付編について肯定的な意見と改善要望をいただいております。こちらについても同じように肯定的な意見をたくさんいただきましたけれども、給付部分については制度の中でも法律用語がたくさん出てくるということもございまして、説明をもう少し分かりやすくしてほしいというご要望をいただいております。
次に、10ページです。実務編のアンケート結果です。対象となる受講者の数値については基礎編と同じように着任後から3カ月以内ということで実務編と基礎編で対象者の状況は変わらないという認識でおります。次の使い方編ですけれども、これはあずさ監査法人様の作られたツールを使って研修するものですけれども、この使い方編で業務支援ツールを使えるようになったかという質問にも担当者から「使えるようになった」という評価をいただいているところです。やはり給付編に関してはポイントが若干下がっておりますけれども、これはどうしても法律用語が多く制度的に難解な内容になりますので、そういった認識でおります。最後に、使い方編とケーススタディでございますが、こちらはやはり事例を重視して作ってほしいというご要望をいただいています。
 11ページから実務編のモニタリングの結果報告を箇条書きで列挙しております。加入・喪失、老齢年金、障害年金、それから、次のページに行きまして、ケーススタディについても同じように加入・喪失・各種変更、13ページに老齢基礎年金、障害基礎年金とまとめておりますので、後でご覧いただければと思います。
 14ページです。モニタリングの実務編で挙げた内容をひとくくりにまとめてみますと、こちらに挙がっている通りでございます。特徴としては免除・納付猶予で7件ございまして、遡及免除申請のケースをぜひ作ってほしいということです。改正等がございましたので、このへんのご要望がございました。
それから、14ページの右側です。障害基礎年金は13件と件数が多く、障害基礎年金のケースをできる限り広く作ってほしいという要望もございました。その中で事後重症と20歳前の障害のケースが具体的に事例として要望のあった項目になっております。
最後に、15ページ以降は、研修のモニタリングの結果を受けて修正の方針を一つにまとめたものになります。特に右側の対応方針をご覧いただくと、1講義は15分以内が適当であるということで、チャプターは業務の間でも細切れで聞けるように分けて考えていこうと思っています。四つ目になりますが、映像スライドにアンダーラインやクローズアップ機能を使い作っておりますが、こういった機能を更にうまく使ってポイントが分かりやすいように工夫してほしいというご要望がありました。こちらは適宜取り込む準備で進めております。五つ目は、受講者の配属先の状況によって通信研修の受け方が違いますので、例えば当初私どもが想定していた基礎編、実務編という順番ではなく基礎編のダイジェスト版を受けて、その上で研修の実務編の使い方、ケーススタディという実務的なところを少しOJT研修を受けて窓口業務へ入ってしまう。その中で法的な要素を学習したいということであれば、基礎編の各テーマで掘り下げて学習をするといった順番のご提案をしていくことで考えております。
17~19ページについては当初の予定通りの作成をしますので、こちらは後でご覧いただければと思います。以上です。
○司会
 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に関しましてご質問ご意見をいただきたいと思います。本日の検討会では、任意アンケートおよび重点ヒアリングに基づき最終成果物の作成に関した修正方針が示されておりますので、こちらの点についてご意見をいただければ幸いです。いかがでしょうか。殿村構成員お願いいたします。
○殿村構成員
 現実的な話になりますが、まもなく新年度で人事異動が行われると思います。それを念頭において、あずささんとTACさんでお作りになった業務支援ツール全てにおいて、引き継ぎマニュアルのような物をお作りになったほうが、今後しっかり全国に行き渡るのではないかと思います。参考にしていただければと思います。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。熊切構成員お願いいたします。
○熊切構成員
 2点お願いします。7ページの改善要望で「安易な言葉で解説を」と載っています。これはもっともだと思いましたが、基礎的な法律のところは手を抜かないかたちで噛み砕いた解説というかたちは守っていただければと思いました。
もう一つは、障害年金の関係はケーススタディを重要視されている意見が多かったと思いますが、症例でケースを作ると膨大な量になると思いました。できれば、考え方として症例別というより窓口に来るまでにその方やご家族がどのように暮らしてきて障害年金が必要になったかに対して相談ができるように。要は、お一人とか一家族で今までずっと生まれた時からちょっと変だなと思いながら病気でもないというかたちで過ごされてきた方が障害年金というものがあるということで私どもの窓口にいらっしゃる場合がありますと、医療部分の診断書などが欠けていたりします。これから障害年金の手続きを進めるときに、どうしたらうまくいくかという相談から入ることが多いです。単純に心の病の方がいらっしゃったりすると、診断名ではなく、そういう状況で窓口にいらっしゃった方の暮らしぶりに対してどうやってうまく相談を進めていったらいいだろうというところを考えて作るケースも必要だと思いましたので、お願いをしたいと思います。以上です。
○司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 私から2点ございます。1点目ですが、今熊切構成員からお話があったようなケースは現実的に結構あるのではないかと感じています。さらに、実際これから情報発信を進めていくということは分かりやすくなるということです。みんなが分かるようになってくると、そういう方のご相談ケースが増えてくると思います。高齢者は65歳になったらと明確ですけれども、障害の場合は明確でないところもございますので、そのケースはとても増えてくると思います。障害だけ他とは別に考えていただきたい部分としては、他の手続きと違い、一人一人説明や対応が異なってくるので、どういうふうに対応していくのかという「基本的な考え方」をきちんと理解しないと、手続き手順を理解しても、実際には対応できないと思います。「基本的な考え方」があって、そこから自分でアレンジを加えてやっていくかたちになるので、他のツールとの違いの部分を明確に分かるようにしていくこともすごく重要なのかなと思います。ケースでやれば分かりやすくなりますが、例えば目が悪くなってきた方とか、昔からいろいろな所にぶつかるなと思っていた方とか、一番難しいのは精神だと思いますが、そういう方が来たときに基本的にどういうふうにやっていくのがいいのか。たぶん年金事務所さんとも検討しなければいけない部分もあるのではないかと思います。年金がもらえるように誘導していくのがいいのか。ある意味、誘導していってしまうところもあるとは思います。どういう方針でやっていくのかという基本方針みたいなものがきちんと出来てくることが重要なのかなと思います。明らかに知的障害があると思われるけれども受診をされていないケースや場合によっては生活保護に回したほうがいいかもしれないケースなどいろいろなケースが想定できると思います。基本的な考え方があった上でケーススタディがあることで基本的な考え方で対応していけばいいということが分かっていくことが大事なのではないかなと思います。障害認定の関係は手続きが分かっていてもできないという意味で高難易度の業務だと思います。事例を加えるときにも基本的な考え方の整理については、やっていただけるといいのかなと思います。精神系のケースは1~2パターンあったほうがいいのかなと思います。よくニュースでも問題になりますけれども、本当は精神疾患がないのに給付されているのではないかという話も出てきますので、そういったことをどういうふうに考えていればいいのかということの方針が決まることが重要かなと思いました。
 2点目も同じ障害年金の話ですけれども、認定基準が各自治体で統一なのかと以前にもご質問させていただきましたが、実際には精神に関しては統一ではないという話を聞いていますので、それについてもこれから厚労省さんのほうでも来年度お医者様と検討していくと伺っております。その場合の教材やツールの改定版は作られるのでしょうか、それとも、作らないのでしょうか。
○事務局
 この事業は今年度でひと区切りとして決められている事業ですので、今後の改訂についてはまた別途検討していくことになります。今年度作った教材をただちに来年度改訂するということは検討しておりません。
○横尾構成員
 ならないということですね。ということは、そういった点も考慮する必要がありますね。実際に厚労省さんで検討があるということだけではなく、障害の認定をどう考えていくかというのは世界的にも大きく動いているテーマです。これからもそういったことが今後も動いていくということは十分に想定されます。その点を担当者が確認しておかないと、「以前はこの障害のもっと重いケースで認められなかったから、難しいと思いますよ」等、気遣いからアドバイスをしたら、実はその年からは認定されるようになっていたため、裁判になる等、よかれと思った事が仇になるケースもあると思います。基本的には年金事務所さんとご相談すればよろしいのでしょうか。
○司会
 大西課長お願いいたします。
○大西課長
 障害基礎年金の関係は全国の市町村で受付をしていただいた後、日本年金機構の都道府県単位で設置されている事務センターと言う審査を担当する組織に書類が回されます。そちらにお医者さんなどがいらっしゃって、これは1級にあたるとか、2級にあたるとか、あたらないという判定をしていただくという作業の流れになっています。先ほどの改訂の話に関して申しますと、我々が内部で調査したところ、認定する、しないのところは各都道府県の事務センターの判定にばらつきがあるということが今回判明しましたので、それを統一するような方向で判定のやり方みたいなところについて医学的見地から修正していこうということを検討しています。今回のこのマニュアルは、全国の市町村である程度均質的な受付ができるようにという観点から作っている物なので、全国統一性を図るべく認定のあり方の見直しをしたとしても、このマニュアルまで直接的な影響がないだろうと思っています。ただ、いずれにせよ常に障害年金に限らずこのマニュアル自体はなるべく最新の情報にしていったほうがいいと思っています。
○横尾構成員
 ありがとうございました。今のお話から私が理解したこととしましては、認定されるかどうかは事務センターに問い合わせてみないと分からないというスタンスなので、基本的には窓口業務は変わらないという考え方ということですよね。その考え方を、窓口にいらっしゃる方にきちんとお伝えすることを徹底されると、来る方も分かりやすいのかなという感じがします。誰々さんは認定を受けたのになんでうちは駄目なんだみたいな話が窓口で出てきてしまうと思いますし、出てきていると思います。
 都道府県単位や個別のケースによって違うので、申請してみないと分からない。取れますかと絶対聞かれると思うので、取れるかどうかは申請してみないと分からないということをきちんと伝える事、そして、最低限手続き書類が揃わない限り認定の可能性はないので、その可能性にチャレンジするために書類を揃える事については最大限協力しますという協力的な姿勢を見せるという基本的方針を、共有していく事が大切だと思います。
 障害者年金のところがすごく分かりやすくなってくると、本来認定を受けられるはずだったけれども受けられなかった方々の生活の質も改善していくと思います。ぜひ都道府県からきた内容をいろいろと反映していっていい物にしていただければと思います。ありがとうございました。
○司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。佐々木構成員お願いいたします。
○佐々木構成員
 6ページの箇所ですけれども、任意アンケートの集計結果の中で1講座あたりの動画の長さについてです。15分というのが推薦されていますけれども、私はやはり15分ではなくて10分のほうがいいと思います。二つ理由があります。一つ目の理由は、10分はきりがよくて分かりやすいですし、ちょっとした合間にも学習できるという点です。二つ目は、5分とか10分でないと困るという回答が約半数を占めていますので、10分で区切れば48分の38で約8割近くが時間的に満足いく結果になるのですが、15分で切ってしまうと約半分が満足しますが、5分や10分でないと困るという半分の部分が満足できないことになりますので、やはり15分ではなくて10分にされたほうがいいのではないかと思いました。赤い所が5分、10分、15分で70パーセントという見方もあるのですが、別の見方をすると、15分で切ると15分、20分、30分のむしろ右側の部分の方が満足しているということになりますので、そういった点からも10分のほうがいいのではないかと思います。
○司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。原構成員お願いいたします。
○原構成員
 まとめていただきましてありがとうございました。非常にたくさんのアンケートの中でまとめられたのは大変な作業だと思いますけれども、ぜひご指摘があったところを含めて分かりやすくするところは分かりやすく、それから、細かく詳細にするところは詳細にするなどメリハリをつけたかたちで引き続き改善の声に対応していただきたいと思っています。
ケーススタディのところでこういうものを作ってほしいという要望があったのは市町村の方からの声だと思いますので、分かりやすさという部分でいうと障害なども含めて基礎的なもので出ていないところを補うというかたちで引き続き改善していただければと思います。よろしくお願いいたします。
○司会
 ありがとうございました。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 9ページのところですけれども、改善要望のところに「新任者では一語一句に引っかかってしまうように感じた」という意見がありますが、これはやはり仕方のないことだと思います。これを乗り越えて頑張っていただきたいと思いますが、このように感じる方がいらっしゃって、用語集とか索引を作っていただきたいという要望があるようですが、こういった方に対応する場合、もし可能ならば、そのページの中でキーワードの説明をしてあげることができれば、より分かりやすくなりますし学習が続くのではないかとこれまでの教育経験から感じております。以上です。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。もしよろしければ、議題が残っておりますので次の議事に進行したいと思います。ありがとうございました。
最終成果物の制作にあたりましては、技術的に専門性のある項目に関して個別に構成員の皆様に資料等を配布させていただき、ご相談させていただきながら制作を進めていただきたいと思います。最終成果物の詳細は第9回目の検討会においてご報告いただくようお願いいたします。
それでは、引き続き資料3について電通PRより市町村における国民年金手続促進モデルについてご報告していただきます。
○(株)電通PR
 電通 PR です。よろしくお願いいたします。まず、右上に資料3と書いてございます市町村における国民年金手続促進モデル事業の資料をご覧いただければと思います。こちらでは、これまでにご検討いただき制作した各ツール、パンフレット、動画、ポスターについて調査を行いましたので、その報告をさせていただきたいと思います。まず、動画のほうは一部しかご覧いただいていなかったので、1分の動画を4種類ご覧いただければと思います。
(動画上映)
○(株)電通PR
 こちらの動画4種類と4ページにございますパンフレット8種類につきまして今回二つの調査を実施いたしました。6ページをご覧いただければと思います。市町村任意アンケートとしまして市町村年金ご担当者を対象に2週間アンケートをいたしました。112サンプルのご回答をいただいております。もう一つは、一般生活者を対象にしたインターネット調査を行いました。こちらは20~59歳の全国の男女216サンプルを回収させていただいております。
まず、市区町村の任意アンケートの結果を報告させていただきます。10ページをご覧いただけますでしょうか。まず、パンフレットの結果でございます。8種類のパンフレットをご覧いただきましたが、いずれも「分かりやすかった」が「分かりにくかった」を大幅に上回るという結果でございました。ただ、一方で「加入の手引き(一般)」について「分かりにくかった」という回答が高く、例えば「年金手帳が届く」といった表現などが誤解を与えかねないなどのご指摘をいただいておりますので、今後修正をしたいと思っております。パンフレットの量につきましては、8割以上が「ちょうどよい」とご回答をいただいておりまして、量としては問題ないかなと思っております。
11ページ目です。改善点について自由回答をいただいております。こちらは何ページの何行目のどの言葉についてというように大変細かくご覧いただいてご回答いただいているため、全てを載せておらず一例となりますが、こういったご意見をいただいております。今後一つ一つ確認の上、誤解を招きそうな表現の改善や正確性の向上、文言の統一などを行っていきたいと思っております。さらに、使用方法、活用方法につきましても提案を含めたマニュアルを作成することでより効果的に使っていただけるようなかたちで考えております。
続きまして、動画について12ページをご覧いただけますでしょうか。動画につきましても4種類の動画はいずれも「分かりやすかった」が「分かりにくかった」を上回っておりました。ただ、「分かりにくかった」というところで「免除・猶予手続促進」がわりと高く挙がっておりまして、こちらはテロップ等で伝えたいことを補足すると良いなどのご意見をいただいておりますので、今後対応させていただければと思っております。長さにつきましても6割の方が「ちょうどよい」と回答をいただいておりますので、長さも問題がないと思っております。
13ページは、先ほどのパンフレットと同様自由回答で改善したほうがいい点を指摘していただいておりますので、こちらは今後厚生労働省と協議の上随時修正していきたいと思っております。続きまして、一般生活者のアンケートの結果をご報告させていただきます。
○(株)電通PR
では、インターネット調査についてご報告いたします。まず、16ページをご覧ください。パンフレットの印象について伺ったところ「簡潔な」が最も高く、続いて「わかりやすい」ということに関しておよそ半数の方が「感じる」とお答えいただきました。一番右の「年金に関するパンフレットとしてふさわしい」ということに関しては、女性の半数の方が「ふさわしい」とお答えいただいて、女性からの支持を多く得られたのではないかと考えております。
18ページ目まで飛んでいただけますでしょうか。こちらは、パンフレットによる行動喚起といたしまして、パンフレットを読んだ後にどのような行動を起こすかということを伺ったのですが、「保険料を支払おうと思う」とお答えいただいたのが全体の35.2パーセントで、「思わない」という回答を上回りました。特に男女で比較したときに女性に関してはおよそ半数の方が「支払おうと思う」とお答えしていただいておりまして、こちらも女性にとって特に行動喚起ができるパンフレットになったのではないかと考えております。
めくっていただいて19ページ目です。パンフレットを誰に共有したいかという質問ですけれども、「配偶者」と「子ども」が特に高く、「配偶者」が43.5パーセント、「子ども」が40.7パーセントとなっております。
こちらも男女で比較したときに「配偶者」も「子ども」もどちらも女性の半数以上の方が伝えたいとお答えいただきました。特に50代の女性に関しましては7割近い方が子どもに伝えたいと回答していただいておりまして、子どもが20歳前後の方々がお子さんに見せたいパンフレットにすることができたのではないかと考えております。
めくっていただきまして20ページ目です。どのようなときにこのパンフレットを読みたいかということを伺いました。一番高かったのが、どのパンフレットにおきましても20歳になった時となっております。全体的に「高校生の時」、「大学生の時」、「20歳になった時」、「就職した時」と年金の加入年齢の前後の接触意向が高くなっておりまして、高校生以降が年金に関する情報発信の適齢期ではないかとこの結果から捉えております。ここまでがパンフレットの報告事項となっております。
続きまして、動画についての報告です。24ページをご覧いただけますでしょうか。こちらもパンフレットと同様に動画を見た後にどのような行動をしてみたいかということを伺いました。こちらに関して「保険料を支払おうと思う」とお答えいただいたのが32.4パーセント。女性20~30代におきましては、およそ半数の方が「支払おうと思う」とご回答いただきまして、若年女性の支持を得られたのではないかと考えております。
めくっていただきまして25ページ目です。動画を誰に共有したいかという質問に関しましては、こちらもパンフレットと同様に「配偶者」と「子ども」が特に高くなりました。
最後がポスターになりますが、少し飛んで30ページ目をご覧ください。こちらはポスターA案、B案を載せております。感じたことをお選びくださいと印象について伺っております。こちらに関しましては、全体的にA案のほうがB案を上回るという結果になっておりまして、A案の方向性で今後ポスターの作成を進めていきたいと考えております。
以降につきましては、これらの調査の結果をまとめておりますので、お目通しいただければと思います。
○司会
 ありがとうございます。それでは、ただ今のご説明に関しましてご質問ご意見をいただければと思います。本日の検討会では任意アンケートに基づき最終成果物の作成に向けた修正方針が示されております。これらについてご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。熊切構成員お願いいたします。
○熊切構成員
 アンケートの分析の中で今回女性の方の意識が動いたような感じになっていますが、例えば男性の20~30代がパンフレットと動画の両方に触れた時にあまり意識が動かなかったという結果だと思うのですが、今回のモデル事業で全てをターゲットにするわけではないと理解していますが、今後、他のポスターやパンフレット類を考えていくということは考えとしてあるのでしょうか。
○(株)電通PR
 今現在パンフレット、動画、ポスターの3種類のツールを制作する予定ですけれども、現在の方向性をそのまま踏襲して修正を進めようと思っておりますので、新たな物につきましては来年度以降の話になるかなと考えております。
○司会
 いかがでしょうか。殿村構成員お願いいたします。
○殿村構成員
 素晴らしいですね。さすが電通さんだと思いました。一つだけ4ページ目の制作物の再確認のところですけれども、前回の時に国民年金に統一するとなったのかなと思っていたのですが、最初の物が公的年金になっています。やはり公的年金のほうがいいという結論になったのでしょうか。
○(株)電通PR
 大変失礼しました。国民年金に修正しておりましたが、貼りつける画像を間違えておりました。失礼しました。
○殿村構成員
 そうですか。良かったです。
○司会
 ありがとうございます。佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員
 質問ですけれども、一般市民の任意アンケートというのはインターネット調査と書いてありますが、これは厚労省のホームページに貼って回答を得たということでしょうか。各年代がきれいに同じ人数に統計がとれているので、そういう人を抽出しているのか、単純に全部きたものを集計しているのか確認したいです。
○(株)電通PR
 任意アンケートのほうでしょうか。
○佐藤構成員
 はい。一般の市民の方です。インターネット調査の一般市民のほうです。
○(株)電通PR
 初めにこちらで世代の割り付けをして別途調査をかけているかたちになるので、厚労省のサイトを見てとかということではなくて、別のインターネット調査をかけております。
○佐藤構成員
 例えば18ページを見ると、男性、女性28名ずつとか26名ずつとなっていますが、ある程度ターゲットを絞って調査をかけているというイメージでしょうか。
○(株)電通PR
 そうです。最初に世代と年齢で何人ずつという割り付けをして対象者に調査をかけているので、もともとこの年代の人たちをこれだけ取ろうと予定して聞いたというかたちになります。
○佐藤構成員
 失礼ですが、どういった方たちに聞いたのですか。1号、2号、3号となっていますが、ある程度会社を絞ったとかそんな感じですか。
○(株)電通PR
 特に調査をかけるときに何号ということを限定したわけではないですけれども、実際に聞いてみたところ、ふたを開けてみると、そこまで偏りがなく聴取することができました。
○佐藤構成員
 全国の中で関西とか関東とか万遍なく地域性も考慮しているということでしょうか。
○(株)電通PR
 エリアに関しましては6ページに小さくなっていますが記載しておりまして、主要エリアとその他と分けておりまして、全国万遍なく取るようにしております。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。もう1点です。先ほども話がありましたけれども、動画を見せていただいた時に、公的年金という言葉で動画も作成されていたのですが、公的年金はイコール国民年金ということもコンセプトですか。先ほどの動画で見ていない物もいつくかありましたが、公的年金というフレーズがあったのが少し気になっていたのですが、あれは広く一般的な話を含めての公的年金ということでしょうか。どちらで作っているのでしょうか。
○(株)電通PR
 広く公的年金としてご覧いただければと思って動画のほうは作成しております。
○佐藤構成員
 分かりました。だから、アンケートの中に市町村と書いてあるとお問い合わせがきてしまって、ほとんど対応ができないものが多いという回答が出ていたということですね。
○(株)電通PR
 そうです。
○佐藤構成員
 分かりました。
○司会
 関口構成員お願いいたします。
○関口構成員
 パンフレット、動画、ポスターというかたちで、パンフレット関係については自分の職場の方に配布できる可能性があるし、また、ポスター等についても公共施設などに貼り出しができますが、動画関係については今のところインターネットで確認するという考え方でよろしいのでしょうか。
○(株)電通PR
 YouTubeや動画サイトに掲載させていただいて、ご覧いただくことを目的に作成しているのですが、YouTubeだけですと年金で検索する人はそれほど多くはないというご意見もいただいておりますので、これからどういったかたちで拡散していくかを検討していかなければいけないと思っております。
○関口構成員
 そうですね。町でもこういう動画を流せる機会はあまりないので、当然町の中では難しいなという感じがあるのですが、よく電車の中でテロップが流れている。ああいう所で流してみれば周知になるかと思います。費用の問題とかいろいろあると思いますけれども、そういった方法を検討していただければと思います。せっかくいいパンフレットや動画、ポスターを作っていただいたので、ある程度普及できる方法を検討していただければと思います。
○事務局
 若干補足させていただきます。実際に重点ヒアリングでこの動画をご覧いただいた時に、例えば市町村によっては窓口にテレビがある所では待合室で流したいとか、市町村の行政広報としてケーブルテレビで放映したいとかいろいろなご意見がございますので、今それを最終的に取りまとめております。もちろんインターネット上でも流せるようになりますし、実際に流すときに各市町村様のほうから著作権の問題はどうなっているのかといろいろな確認事項がございますので、今後活用方法を改めてご連絡するというかたちになると思います。
○司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 市町村動画の活用の仕方ですけれども、国民年金担当窓口以外での使用方法として、私ははじめから年金教育のことが頭から離れないのですが、例えば、高校の公民科担当の先生方に授業中に紹介していただくということもできるのではないかと思っております。これらの市町村動画を見たところ、今4本ありまして、特に給付の種類を紹介しておりまして、障害年金というのはなかなか教えるのが難しいのですが、映像で簡潔に説明されているので、短いけれども非常に分かりやすいのではないかと思っています。
それから、少し先走ってしまいますけれども、モデル事業を現在実施している状況下で、これから4月以降も年金事務所の年金セミナー等でこういう講義が続けられると思うのですが、特に映像資料の2の後半の5分間の始まりのところが年金の給付の種類から始まりますので、その映像資料を見せた後に解説して、復習としてこの市町村動画「申請してください。障害年金」などを見せるとより理解が深められるのではないかと思っております。
初心者にとって非常に難しいのは○○年金という名称がいろいろあるわけで、加入すべき年金として、国民年金、厚生年金、共済年金。それから、給付の種類として、老齢年金、障害年金、遺族年金。みんな○○年金という名称なので、この区別が初心者にとって非常に混同してしまいます。さらに、公的年金という使い方をしますと、加入すべき年金の総称だということをどこかでしっかり教えてあげる必要があると思っております。先ほどの4ページのパンフレットの「はじめのはじめ」のタイトルは公的年金でもいいのではないかと個人的には思っておりますけれども、国民年金というタイトルでも反対はいたしません。教育上は公的年金として、その後の流れで「20歳になったら国民年金」というほうがより実感がわくのではないかなと認識しております。以上です。
○司会
 ありがとうございました。原構成員お願いいたします。
○原構成員
 今も少し出ましたけれども、動画の部分の活用というかどこからどういうふうに発信するかはこれからだということだと思いますが、市町村発信ということであれば全く問題ないと思います。
例えば、YouTubeなどで一般の方々が誰でも見られるのであれば、阿部構成員がおっしゃったように年金といっても厚生年金や共済年金など人によって種別が異なる中で、「これは国民年金です」ということを誤解のないように行わないといけないのではないかと思います。市町村発信ということであれば問題ないと思いますが、一般のいろいろな方が見るとなると、もうひと手間加える必要があるように思います。
パンフレット等で皆さんから良かったという評価を受けてよかったと思います。細かい点ですが、18ページで公的年金の加入状況の1号、2号、3号、未加入者の方がそれぞれターゲット調査に入っていますけれども、サンプル数が少ないので何とも言えませんが、未加入者の方が「思わない」という回答が多いというのは、今の目的ではないと思いますが、今後どういうふうにここを「思う」に変えていくかというのは今後の課題だろうと思います。今まで未加入だった人にも市町村に行って手続きをしようと思ってもらえるようなものというのは次のステップかもしれません。ただ、今回の目的の部分でいうと全体的によかったと思っております。ありがとうございました。
○司会
 ありがとうございます。佐々木構成員お願いいたします。
○佐々木構成員
 今回のアンケートの結果の中で全体的に若い世代への動画とかポスターの訴求力が弱かったという結論があると思うのですが、国民年金の未納率でいうと若い世代ほど未納率が高いので、若い層への動画とかパンフレットの訴求力が高いということがやはり重要だと思います。今回のアンケートの調査結果から、なぜ若い世代への訴求力が弱かったのか、その理由を究明することが大事ではないかと思います。その理由を踏まえてパンフレット、動画をどのように改善していったらいいのか、その点が1点目の大事な点だと思います。
 2点目として、50代の親世代が子世代に動画とかパンフレットを紹介したいという意見が多かったということですけれども、コンセプトを変えて若い世代本人に直接訴求していくのではなくて、親世代のチャンネルを通じて親を経由して間接的な訴求という方向を考えられているかどうかということです。もし若い世代本人ではなくて親世代を経由して仲介して訴求するということになれば、動画とかパンフレットのコンセプト自体も変わってくると思いますので、そのあたりはどのようにお考えなのかを教えていただければと思います。
○(株)電通PR
 今回の調査の結果につきましては、先ほどおっしゃっていただいたように親御さんが子どもさんに伝えたいと思うという結果がとても強く出ておりますので、この方向性で親を媒介にしたパンフレットの PR を今後していければと思っております。パンフレットそのものを変えるというよりはPRの方向性や内容を変えていくかたちで訴求を促進していければと思っております。
○司会
 ありがとうございます。皆様ご活発にご質問ご意見を頂戴しているところではございますが、横尾構成員お願いいたします。次は議事で視聴動画が残っております。お願いいたします。
○横尾構成員
 1点だけすごく細かい話ですけれども、障害年金で障害認定の等級と国民年金の等級は違うと言うときに、一回マルをしてからバツにするのではなく初めからバツにしたほうがいいのではないかと思いました。以上です。
○(株)電通PR
 ありがとうございます。
○司会
 ありがとうございました。申し訳ございません。議事を残しておりますので次に進みたいと思います。
続きまして、資料4について電通 PRより若年層に向けた国民年金保険料納付促進モデル事業について報告していただきます。よろしくお願いいたします。
○(株)電通PR
 それでは、右肩に資料4と書いてある資料をご覧いただければと思います。こちらは実際に授業を行った結果と、その際に生徒の皆さんに回答いただいたアンケートについてご報告させていただきたいと思います。
(動画上映)
○(株)電通PR
 ありがとうございます。では、電気をつけてください。この教材を使いまして授業を実際に行ってまいりました。蒲田高校の公民科の浅川先生が行った授業、そして、東進ハイスクールで活躍されている清水雅博先生が大妻女子大学で行った授業、これらの授業の風景を編集してまいりましたので、ご覧いただければと思います。2分ほどの映像が二つで約4分の動画になっています。1月14日、都立蒲田高校、浅川先生です。
(授業風景上映)
○(株)電通PR
機材の都合で少し暗く見えてしまっておりますが、基本音声を楽しんでください。今これはライフイベントシミュレーションをした結果をみんなで発表しあっています。
(授業風景上映)
○(株)電通PR
ツールをフルに使っていただいた楽しい授業になりました。続いて、大妻女子大学の清水先生です。
(授業風景上映)
○(株)電通PR
 清水先生は社会保障というところをまずお伝えした上で、年金というものの仕組みをお伝えいただきました。高校ではできないようなとてもレベルの高い授業を清水先生は行ってくださいました。
(授業風景上映)
この部分もライフイベントシミュレーションをした上で女子大学だったので女子大学に合ったお話をしてくださいました。
(授業風景上映)
○(株)電通PR
 ここまでが我々電通PRが行ったモデル授業として高校1校、大学1校の授業でした。準モデル授業について。
○事務局
 準モデル授業に関してご報告申し上げます。資料の19ページをご覧ください。今回、準モデル授業といたしまして厚生労働省と日本年金機構で全6校で授業を実施しております。1月28日に千葉県立薬園台高校様、1月29日に神奈川県立横浜青陵高校様、1月30日に神奈川県立海洋科学高校様。今後は2月12日に流通経済大学様、2月16日に都立杉並高校様、3月中旬で調整しておりますが千葉県立安房拓心高校様で実施することを想定しています。今回、千葉県立薬園台高校様、青陵高校様におきましては準モデル授業を実施するにあたりまして、これまで講演を行った経験が少ない方でも円滑に講義を進められるように日本年金機構のほうでこれまで地域年金展開事業で使ってきたワークシートや動画以外の教材を使って分かりやすい授業をさせていただいております。19ページの下の真中の写真にあります通り授業終了後にご担当の先生と意見交換をさせていただいたりしています。
続きまして20ページでございますが、海洋科学高校様におかれましては、より円滑に授業を実施させていただく観点から、先ほどご覧いただいた浅川先生の授業のように意見を活発に交換できる授業を行うために、下の右側の写真の左側に担任の先生がお立ちいただいておりますが、グループワークで私が講演させていただいている他に実際に学校の先生にもグループワークに参加していただいております。具体的には、生徒からいただいたコメントに先生からお話をいただくようなかたちをとりながら、初めて訪問させていただくような学校でも担任の先生が授業を一緒にやっているような形の授業をさせていただく、そのようなモデル授業をモデル的に実施させていただいたところでございます。以上です。
○(株)電通PR
 続きまして、授業を行った時に生徒にお願いしましたアンケートの結果についてご報告させていただきます。
○(株)電通PR
 アンケートの結果です。26ページ目をご覧いただけますでしょうか。こちらは実際の授業の際にアンケート用紙をお配りして、授業を受けた生徒の方からお声をいただきました。本日ご報告させていただくのは、準モデル授業とモデル授業の両方分ですけれども、今まだ準モデル授業を継続中ですので、最終的なご報告は第9回の時にさせていただきます。 
それでは、めくっていただきまして27ページ目をご覧ください。授業の満足度、理解度に関しましては、どちらも96パーセント、95パーセントということで多くの方に満足いただいて、ご理解いただけたのではないかと考えております。
 飛びまして、次は29ページ目をご覧ください。授業で使った教材と動画の分かりやすさについて聴取いたしました。教材については97パーセント、動画に関しては94パーセントの方が「分かりやすかった」とお答えいただき、大変ご好評をいただけたのではないかと思っております。
 めくっていただきまして32ページ目をご覧ください。この授業を受けて、今後自身の将来設計を考えるきっかけになったかという問いに関しては、91パーセントの方が「なりました」とお答えいただきました。授業を受けて、公的年金はご自身の将来に必要なものだと思いましたかという質問に関しては、100パーセント全員の方が「必要なものだと感じた」とお答えいただいております。
 ページが飛びまして36ページ目をご覧ください。この授業を今後皆さんご自身の後輩のために来年度以降もやってほしいと思いますかという問いに対しましては、95パーセントの方が「やってほしい」とお答えいただいて、後輩にも勧められる授業が作れたのではないかと我々は考えております。以上です。
○司会
 ありがとうございました。では、ただいまのご説明に関しましてご質問ご意見を賜りたいと思います。本日の検討会では特に授業で使用する動画等についても最終的に制作に反映するためご意見をいただければというところでございます。いかがでございましょうか。三浦構成員お願いいたします。
○三浦構成員
私も大妻女子大学の授業を見せていただいて、非常に学生に好評だということでよかったと思います。最後のアンケート結果のコメントのところにもありますが、後輩のためにぜひやってほしいかという質問に対して「やってほしい」が95パーセントといっても、薬園台高校と大妻女子大学では4割に留まっています。この部分はもう少し分析といいますか積極的に後輩に勧めたくなるようにするにはどうしたらいいかということはありますか。
○事務局
 お答えさせていただきます。海洋科学高校様と蒲田高校様は、学校の先生が実際に授業をされて生徒と一緒に授業を組み立てているという形態でございました。一方、薬園台高校様や大妻女子大学様は、厚生労働省や日本年金機構など外部の講師が授業を行うということで、どうしても受講されている方との会話の深さなどの違いが出てきてしまうということがあり、このような結果になっていると考えております。そのような課題もあり、例えば海洋科学高校様では私と担任の先生と一緒に授業をしてもっと授業の場を盛り上げるなどの工夫をしているところでございます。
○三浦構成員
 ありがとうございます。あと1点細かいところで動画を見ていて気づいてしまったのですが、授業で使った動画の払えない人のところです。「払いたくても払えない。そんな日が来ないとも言えなくもありません」というナレーションがありましたが、「来ないと言えなくもない」ということは「言える」ということですか。「そんな日が来ない」という意味になるのではないかと思います。
○(株)電通PR
 確認して修正させていただきます。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 モデル授業に関してですが、私は事情がありまして参加することができませんでしたが、非常に参加したくて参加したくてしょうがなかったのですが、センター試験の前日とかでいろいろ学内の事情がありまして、本当に見たかったという気持ちがすごく強かったです。このモデル授業におきましてはライフプランシートというものを活用されたと思うのですが、最初に65歳時の総支出額や内訳を記入させるようなシートになっていたように思いますが、生徒さんや学生さんはライフプランシートの記入に関してスムーズにいっていたのかどうかそのへんのところの情報をもしお分かりの方がいらっしゃいましたら、まずその点からお伺いしたいと思います。
○事務局
 事務局でも実際に授業をしてまいりましたので、事務局から話をさせていただきたいと思います。実際に授業をした時にライフプランシートなど最初は戸惑われます。ライフプランシートといきなり言われても戸惑うのですが、最初の時点で前置きとして1人で考えずに周りの人と少し話をしてもいいですよという話をすると、急にペンが進むようになります。また、ライフプランの金額の計算シートについても、グループワークを組んでみんなで話し合って「これだ」とお話いただけると非常にスムーズになります。一方で、1人で考えてしまうと「いくらぐらいなんだろう」、「分からない」ということで止まってしまいますので、講師が上手に一般的に1日いくらくらいかかりますというファシリテートコメントをしてあげることによってスムーズになると思います。
○阿部構成員
 どうもありがとうございます。ライフプランシートの使用方法ですけれども、食費とか家賃などの各支出を積算して総支出額を算出させるという方法があると思うのですが、必ずしも今回の年金教育ではそのような使い方をしなくても、重要なことは大まかに老後にかかる総支出額を推測してもらうことだと思います。そのときの高校生や大学生に対する引き出し方として、例えば、高校生だったら、大学生になって一人暮らしを始めたら保護者の方は1カ月にどれくらい仕送りをしてくれるのか、そして、君はどれくらいアルバイトをするのかとか、そういった点から自分だったら1カ月どれくらいの生活費がかかるのだろうかということを想像させたりすることによって、夫婦2人であれば1カ月あたりどれくらい生活費がかかるのか推測させることも一つの方法ではないかと思っております。ここで重要なことは、総支出額を推測させることで終わるのではなくて、むしろその額をどのようにゲットし続けるかということを考えさせることが年金教育上重要だと思います。そういったことから、グループワークの際に総支出額を考えさせるだけではなくて、どうやってゲットするのかということもグループワークの中に取り入れて考えさせて、グループ発表の際にその方法も答えてもらうことが重要なのではないかと思っています。そうしますと、今までの私の年金教育の経験からだいたい答えは決まっています。「先生、定年後も再就職しますから、働き続けるから大丈夫です。心配ないです」、「私は退職金がありますから大丈夫です」、「貯金があるから大丈夫です」これがだいたい三つの定番の答えです。これらの答えに対して必ずしも十分ではない、十分な人はむしろ少なくて、あまり用意できない人のほうが多いということを一つ一つ客観的なデータを使用できればそれを用いて反論していくことによって、老後の生活費をどうするかという問題提起に結びつけて、それから、映像資料の前半部分がその答えになっておりますので、そういう導き方が一つあるのではないかと思います。
前半部分の映像資料ですが、こちらは先日にもご指摘させていただきましたが、資料4の7ページですが、この中に「国民年金だけの人でも月平均約5万円」とか「厚生年金は約15万円」というナレーションがあります。そのカット割りを見てみますと、7ページの図の一番右側の一番下や真ん中の列の下から2番目の図柄ですが、先ほどのお話をお伺いしたところによりますと公的年金イコール国民年金という位置づけだと思いますが、公的年金と厚生年金の絵柄が二つ並んでいるのは少し不自然かなと思います。厚生年金も公的年金なので、ここは公的年金よりも国民年金という絵柄のほうが分かりやすいのではないかと私は考えておりますので、ご検討いただければと思っております。以上です。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。原構成員お願いいたします。
○原構成員
 私は高校と大学の両方を見させていただきました。ありがとうございました。その中で2点カリキュラムについてとやり方について、なるべく簡潔にお話させていただきたいと思います。
カリキュラムについては、ライフプランで65歳時にどれくらい必要かという最初のグループワークというかお金を考えるところから入るという流れがあって、皆さん熱心に聞いていらっしゃいました。2番目のところのグループワークでの35歳時というところは高校生には高校生なりの選択肢を用いる形で、大学生のほうは先生が用意したやや詳しい細かい説明をするというかたちで、要はカスタマイズをされていたという部分がすごく工夫されていたなと思います。高校生に教える部分と大学生に教える部分、また、対象者の方がどういう方かという部分を考慮すると、最初の部分のワークは統一してもいいと思いますが、2番目のワークは蒲田高校さんと大妻女子大さんとでも違っていましたが、対象者に合せたカスタマイズや工夫が必要だと感じましたし、工夫した効果が出たのかなと思います。
やり方について先ほど事務局からもお話がありましたけれども、理想としては、やはり知識があってカスタマイズできる先生と、プラス、生徒と双方向でコミュニケーションのできる先生が一緒にその場にいていただくのが良いと思います。高校や大学の先生は一緒に聞いているのではなくて、できれば教える側に立っていただきながら一緒に講義も聞いてもらうことも良いかと思います。皆さんが浅川先生のようにうまく伝えるのは難しいと思いますので、専門家や知識に長けていてカスタマイズして話ができる人とその学校の先生とが一緒に授業を行う態勢にして、コミュニケーションをとることと知識をきちんと伝えるという両方ができるのが理想的だと思います。そういった意味で、今後、日本年金機構さんで行っていく中で、職員さんが講師として立たれるのかと思いますが、職員さんだけではカバーできない部分もあるかと思いますので、例えば地域によっては、講師としての研修を受けた社会保険労務士のような専門家を使っていただいて、学校の先生とジョイントする形のやり方も展開できると思います。この方法ですと、社会科や公民科の先生も「あ、そうなのか」とご納得いただける部分もあると思いますので、これをモデルとして工夫していただければと思っております。以上でございます。
○司会
 ありがとうございました。他にご意見はありますでしょうか。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 あずささん、TACさん、電通さんの全般を通してですけれども、今までこの検討委員会で揉んできた内容がうまく反映され、そのことが良い評価にもつながっているのを見て、検討会に参加させていただいてすごくよかったなと感じました。その中で1点だけ気になっていることがあります。桃太郎の映像で、将来の不安を日本国が全部やっつけて将来への不安が全くなくなったという表現に対していろいろなご意見がきそうだなという感覚を持っております。将来への不安を無くそうとしているという事であれば良いのですが、将来への不安が無くなったという点が気になりました。日本国自体はすごくいい国で私も日本がすごく好きですし、厚生労働省さんのことも信頼していますし、別に日本国が良くないということではないですけれども、日本国が英雄だと思わせようとしているように受け取れる表現よりは、どちらかというと今回のテーマである年金制度としたほうがよろしいのではないかという印象を受けました。日本国という桃太郎は鬼をやっつけることができて将来安心して暮らすことができたのですと過去形になっている感じが、事実を伝えているというより、国のPRみたいな印象があるのかなと思いました。
 なんとなく障害者の方やいろいろな方からご意見がきそうかなと思いました。国民年金制度がないときよりあったほうが不安は取り除かれているというのは事実だと思いますし、よろしいかと思いますが、国まで広げてしまうというところがどうかなと思ったところもありましたので、年金制度にされてはいかがかなと思いました。ご検討いただければと思います。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。殿村構成員お願いいたします。
○殿村構成員
 私は、この教育動画を子どもたちだけに見せておくのはもったいないと思います。ぜひ、大人にも公開して欲しいと思うのですが、そのために、先ほどの年金ごとの動画と一緒にまとめて、プラットフォーム化して、誰もが一目でわかる扉を付けたらどうでしょうか。公的年金と国民年金の違いというのは、大半の人々は区別できないと思います。それを総括して公的年金に表現するとすれば、その中に国民年金の説明があって、教育の動画もあるということを全部一覧で見えるような扉をつくって、そこから動画にアクセスできるようにすることで、誰もが年金について学習できるツールにできると思います。私はこれまで消費税と年金を同じ土壌で考えることができませんでしたが、この動画を見てよく理解できました。すごく説得力があると思いましたし、関西人として、お金に敏感な関西人には特に響くと思いました。以上の理由で子どもたちだけに言っておくのはもったいないなと思いますので、ぜひ大人を含めた全国民に見ていただけるようなシステムにしていただければと思います。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 先ほどのご意見とも関連しますが、前半部分の映像資料で横尾構成員から桃太郎のご指摘がありましたけれども、実は私、事前に「公的年金システム論」という授業の中で桃太郎の部分だけ授業を履修している学生に見せました。学生から意見をヒアリングしてみましたところ、年金制度と言っていながら年金制度の話ではないような、しっくりこないという意見を一部いただいております。しかし、今回のモデル授業のアンケートを見てみますと、高校生くらいだと非常に分かりやすいのかなと思っております。年金のことを少し勉強して知識がある人たちだと少し物足りないとか、ちょっとしっくりこないということなのかなと思っております。今回のこの映像資料は大学生にも見せるわけですけれども、それ以前の若い高校生に見せることに効果があると思いますので、これは私もしっくりいかないなというところもありますが、高校生が親しみやすいという意見が多く出ているようであれば、このままでもよろしいのではないかと思っております。
 今回のモデル授業に関しまして、薬園台高校さんではこのカッコの中の252という数字は聴講した生徒さんの人数なのでしょうか。そうすると、この252人に対して1人の講師が教えたのですか、それとも、2クラスに分けたのですか。
○事務局
 お答えいたします。全8クラスで同時に授業をしています。
○阿部構成員
 8クラスに分けて実施したということですね。
○事務局
 そうです。8クラス別々の教室で、約30~40名程度で、8人の講師が同時に授業をしたという状況です。
○阿部構成員
 そうすると、話の内容は全てすり合わせをして、ほぼ同じ内容で講義をされたということですか。
○事務局
 準モデル授業でいいますと、19ページの資料にございます通り事前に講義のもととなるスライドを入念に作って、話の導入の流れがいいように工夫しています。学校の先生たちと違ってなかなかスムーズにお話できないところがありますので、スライドを使いながらスムーズに話ができるように統一的にしています。
○阿部構成員
 分かりました。ありがとうございます。例えば、30ページのアンケート結果の自由回答を見てみますと、年金を納めないとか年金を払わないという記述が見られます。実際にモデル授業を行った蒲田高校の先生は保険料という言葉を使っていたのを私は聞き取ったのですが、生徒さんの印象として保険料という概念が非常に弱いと思いますので、税金を払わなければいけないということは認識していますが、保険料ということに関してはあまりよく理解していない人が多いと思いますので、映像資料の後に講師の先生方に社会保険、保険料について力を入れて教えてもらう必要があるのではないかと思っています。
 後半部分のビデオの中で免除と申請のテーマがありましたが、そこのところのナレーションが今回いただいた資料には掲載されていないと思うのですが、免除と申請の中で「税金で払っている基礎年金の2分の1は」というナレーションがありましたけれども、ここは当然基礎年金ですけれども、国民年金という言葉が出てきたり基礎年金という言葉が出てきたりして年金初心者には非常に分かりにくいです。授業でも、全ての人が国民年金に加入する、そして、その国民年金のことを基礎年金と呼ぶということを話しているわけです。年金上級者にとっては全然問題ないですけれども、年金初心者は、なぜ国民年金のことを基礎年金と言うのかと疑問に思うわけです。それは歴史を遡って1985年の改正のことなど順を追って話していくと理解してもらえるのですが、初心者の方は国民年金と基礎年金がごちゃごちゃになってなかなか先に進まないということがあります。正確な表現としては間違いないと思いますが、たぶん講師の方が映像資料の後の講義のところで説明すればいいのかなと思いますけれども、そのへんのところが気になりました。以上です。
○司会
 ありがとうございます。予定した時刻を超過しておりますが、最終的に何かご意見のある方はおりませんでしょうか。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 今の阿部構成員のお話に補足ですけれども、初めにもあったように最終成果物を作る時にTACさん、あずささん、電通さんで「用語を全て統一」していただいて、基礎年金などを含めて全部統一していただくことをぜひお願いしたいです。保険料を納付するという表記ならいいですが、年金を払うという表記が出てきたりするので、全部統一していただかないと、せっかく3社共同でやっている意味が薄れてしまいますし、統一したほうがより生かせるのではないかと思いますので、用語の統一をぜひお願いしたいと思います。
桃太郎の話、全体の意見ではなく一部の方がとても気になるという案件だと思いますので、ご検討いただければと思います。ありがとうございました。
○司会
 ありがとうございました。他はよろしいでしょうか。ご活発なご意見等ありがとうございました。3社とも最終成果物の制作を進めるにあたりましては、技術的に専門性のある項目については今後個別に構成員の皆様に資料等を配布させていただき、ご相談させていただきながら制作を進めさせていただきます。最終成果物の詳細は第9回目の検討会においてご報告いただくようお願いいたします。
 次回の第9回でございますが、3月中旬に開催を予定しております。正式な日時、時間、場所に関しては追って事務局よりご案内差し上げます。
 なお、次回検討会が最終回となりますので、各事業の最終成果物をご確認いただきコメントをいただいくことを予定しております。
 それでは、本日の検討会は終了いたします。ご多忙の折お集まりいただき誠にありがとうございました。


 


(了)

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