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2015年1月22日 第25回先進医療技術審査部会
第25回先進医療技術審査部会
(1) 日 時:平成27年1月22日(木) 16:00~17:35
(2) 場 所:中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号TEL:03-5253-1111)
(3)出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、一色構成員、
伊藤構成員、上村構成員、柴田構成員、関原構成員、
田島構成員、手良向構成員、直江構成員、藤原構成員、
松山構成員、山中構成員、山本構成員
(事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 医療技術評価推進室長
保険局医療課 専門官
議 題:
1. 新規申請技術の評価結果について
2. 試験実施計画の変更について
3. 先進医療の継続の可否について
4. 協力医療機関の追加について
5. 先進医療の取り下げについて
6. 先進医療会議の審査結果等について(報告事項)
7. その他
議事録:
○猿田座長
時間がまいりましたので、第25回先進医療技術審査部会を始めます。構成員の先生方におかれましては大変お忙しいところ、また天候の悪い中をお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
それでは、早速始めさせていただきます。まず、本日の構成員の出欠状況ですけれども、佐藤構成員と大門構成員、田代構成員からは御欠席という連絡を承っております。山中構成員がちょっと遅れているということです。18名の構成員のうち、今のところ14名ですけれども、15名の構成員がいらっしゃるということで、この会議が成立していることを申し添えます。配布資料の確認につき、事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局です。配布資料について確認させていただきます。議事次第から始まり座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術員名簿と続きます。
次に、新規申請技術の評価結果として資料1-1ないし1-9があります。次に、「先進医療Bの試験実施計画の変更について」として資料2-1ないし2-3があります。「先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告について」として、資料3があります。「先進医療Bの協力医療機関の追加について」として、資料4-1と4-2があります。「先進医療Bの取り下げについて」として、資料5-1と5-2です。
次に報告事項として資料6-1「先進医療会議の審査結果について」、資料6-2として「平成26年度先進医療技術の実績報告等について」、資料6-3は「先進医療会議開催要綱等の改正について」があります。最後に参考資料となります。会議資料の最終ページは184ページとなります。また、先生方のお手元に机上配布資料として4枚とじの資料をお配りしております。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等ありましたら事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
それから利益相反についてです。申請医療機関との関係や対象となる医薬品・医療機器・再生医療等製品の企業等について、資料1-1、15ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して事前に確認させていただいております。直江構成員より資料1-1(15ページ)、整理番号042の技術、また一色構成員、藤原構成員、山口座長代理より資料1-1(15ページ)、整理番号043の技術及び申請医療機関との関係について利益相反の届出がありました。7ページにお付けしている「先進医療会議運営細則」を適用いたします。
この取決めにより、一色構成員におかれましては、整理番号043に関する検討において一時御退席いただくことといたします。また、山口座長代理におかれましては、整理番号043に関する検討において、事前評価及び議事の取りまとめには加わっていただかないことといたします。直江構成員、藤原構成員におかれましては、事前評価及び議事の取りまとめに加わっていただきます。もし、事前の届出以外に何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしということでよろしいでしょうか。
また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される方は会議資料の何ページ又はタブレットの何ページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。特に問題がないようであれば、早速議事に入らせていただきます。まず新規の申請技術の評価結果につき、事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局より御説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方がいらっしゃいましたら、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。
資料1-1、15ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして新規に御評価いただく技術は2件あります。1件目は整理番号042「難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ静注投与」です。適応症は、小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群です。申請医療機関は、国立成育医療研究センターです。審査担当構成員は、主担当が石川構成員、副担当が柴田構成員、田島構成員です。
資料1-5、31ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明いたします。まず「実施責任医師の要件」ですが、診療科は小児科、腎臓内科又は相当の科。資格として、日本小児科学会認定小児科専門資格を有するものが必要。当該診療科の経験年数は5年以上必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数も不要。その他ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群患者5例以上の治療経験を有することが必要となっております。
「医療機関の要件」としては、診療科は小児科、腎臓内科又は相当の科。診療実施科の医師数は2名以上必要。他診療科の医師数は不要。その他医療従事者の配置として、薬剤師が必要。病床数は100床以上が必要。看護配置は7対1看護以上が必要。当直体制は、小児内科系医師1名以上の当直が必要。緊急手術の実施体制が必要。24時間実施体制の院内検査が必要。他の医療機関との連携体制は要となっており、具体的内容としては、重症感染症発現等によるICU管理を要する、急性及び慢性腎不全発現により透析管理を要する場合に他の医療機関との連携が必要。ただし、自施設で対応可能であれば不要となっています。医療機器の保守管理体制は不要。倫理審査委員会による審査体制は、2か月に1回以上、さらに必要時に迅速に開催できることが必要。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要。
その他として、施設として難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群患者1例以上の治療経験を有すること、モニタリング・監査の受け入れ体制があることが必要となっております。「その他の要件」に取決めはありません。以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。まず最初、今の様式第9号の施設条件に関して御説明いただきました。御意見はありますでしょうか。診療科としては小児科、腎臓内科又は相当の科ということでよろしいですか。石川先生、これは特に問題ないですね。
○石川構成員
特にありません。
○猿田座長
よろしいでしょうか。それでは早速、整理番号042の評価結果について主担当を石川先生にお願いしてありますので、まず概要の説明と実施体制の評価をお話いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○石川構成員
まず最初に17ページを御覧になっていただきたいと思います。「実施体制の評価」のコメント欄に、概要の一番冒頭の部分があります。既に先進医療Bとして届け出されております小児腎臓病のグループ、それがJSKDC07という既にこの会議でも昨年10月9日に審議いたしました、ステロイド依存性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ+ミコフェノール酸モフェチルの経口投与という技術があります。このときにも極めて十分な計画等が出されておりましたが、ステロイド依存性ネフローゼ症候群よりは、今回の抵抗性ネフローゼ症候群というのは更に予後不良の疾病概念として捉えられております。かなりの部分、治療がうまくいかないと腎が完全に廃絶するということです。
今回の届出のものについては次のページ、18ページに書いてありますけれども、JSKDC08として十分な議論の上で計画されているということです。そして、先ほど言いましたように、難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群が腎機能の廃絶に向かう極めて予後不良の病態であることから、試験の重要性・意義は十分あると考えております。その中で資料1-4にポンチ絵で、小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の治療の仕方、次のページには薬品承認申請までのロードマップが出されております。
ここで少し計画を詳細に調べてみました。JSKDC07とJSKDC08、両方とも見て比べております。JSKDC07の際にもリツキシマブの投与についての議論はしております。私が最も注目しておりますのは日和見感染の予防対策について、この07の際にも指摘したことです。その点では、この07も08も同じ記載です。その点で細かいところを2点ほど指摘したいということで書きました。
1つは除外基準、様式第3号、11ページの除外基準に書かれている実施計画書で、活動性B型肝炎又は活動性C型肝炎を合併している患者又はB型肝炎ウイルスキャリアであることが確認される患者を除外としております。検査項目の内容をその下にも記載しましたけれども、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体が陽性と記載されています。解釈としては、3項目のうち1つでも陽性があれば除外と取れるわけですけれども、昨今、子供たちにはHBワクチンが法律でも定期接種の方向で検討されています。中でもこのHBワクチンを事前にやっているお子さんたちは、相当数に上っております。これはHBワクチンの実施者です。これはキャリアでもないのですが、HBs抗体は陽性ということになります。そういう点では、除外基準の記載の仕方については若干混乱があるのではないかということを指摘いたしました。
もう1つについては、これも日和見感染ですが、ニューモシスチス・カリニという記載がこの中に載っていたり、ニューモシスチス・ジベロッティ、これはジロベッティの間違いだと思うのですが、そのような記載があったり、ニューモシスチス感染症という同じ病気であるにもかかわらず、違う記載がしてあるので統一すべきだということです。
あと、ST合剤を、ここのリツキシマブを投与している間はB細胞は枯渇するわけなのですが、リツキシマブを投与して2日目ぐらいからもう既にB細胞はいなくなるということです。大体、半年ぐらいまでいなくなる。その間にこのニューモシスチス感染症にならないよう、ST合剤を予防投与するということなのですが、このST合剤をいつから始めるかについては記載がなく検査予定が出てきているので、これはきちんとしたほうがいいのではないかと指摘いたしました。
机上配布の資料を御覧ください。この指摘に対し、国立成育医療研究センターの腎臓・リウマチ膠原病の亀井先生から回答がありました。その回答の1ページ目、HBワクチン接種によりHBs抗体のみ陽転化した患者が除外されないよう、次のように修正させてもらいたいということで次のページ、2/2に書いてあります。修正後はHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HCV抗体いずれかが陽性。ただしHBs抗体のみ陽性患者のうちHBワクチン接種歴があり、かつ登録時HBV-DNA定量(-)検出感度未満の患者を除くというように改めたいということです。
この変更理由についてはHBV-DNA定量(-)が確認できていて、AST、ALTを定期的にモニタリングするのであればHBV-DNA量モニタリング及び核酸アナログ予防投与が不要と考えられるというガイドラインがあります。そのガイドラインは次のページ、肝炎診療ガイドライン作成委員会で用いられたものです。こういったことで、予防接種でHBs抗体プラスになった患者に関しても、この治療ができるように門戸を広げているということです。
なお、先ほどニューモシスチス感染症については統一するという御返事を頂だいています。そして、ST合剤の投与日についても当初から投与するという御返事を頂いています。つまり、修正をいただいたということです。以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。非常に強力な免疫抑制作用を持っているということで、今言ったように、予防接種の効果、たとえばB型肝炎の予防接種効果にも影響します。今日、治療ガイドラインを手元に用意していただきました。それと、ニューモシスチスの感染症に対する配慮ということでお話いただきまして、全体的にはいいだろうということです。
先に各委員の先生方から御説明をいただいて、そのあと、またもう1回石川先生にまとめていただくこととしたいと思います。続きまして田島先生、よろしくお願いします。
○田島構成員
この臨床試験は小児の患者さんが対象に含まれておりますので、タブレットの199ページ以降にあります同意説明文書が3種類作成されております。1つは高校生以上の患者さんと代諾者用、それから中学生用、小学生用という3種類です。
当初提出していただきました説明文書の中で、高校生以上の患者さんと代諾者用、中学生用のもののスケジュール表の内容に誤りがありましたので、訂正したものを出し直していただきました。訂正後のものについて4点ほど問題点がありましたので、同意説明文書につきましては評価は「不適」としておりますが、いずれも指摘事項に対する対応をしていただきましたら「適」として差し支えないと考えております。
問題点の1点目ですが、タブレットのほうの206ページ、208ページのマルの3ステロイド薬の飲み薬についての項目で、プレドニゾロンの服用期間の開始日については記載がありますけれども、終了日についての記載がありません。中学生用アセント文書の同様の項目についても、それが抜けておりますので追記していただきたいと思います。
2点目、同じページのマルの5観察期間中にネフローゼ症候群が再発した場合の治療についての項目において、プレドニゾロンで決められた治療をするとありますが、この治療とマルの3にあります同じプレドニゾロンの治療の差異が不明ですので、これを明らかにしていただきたいと思います。
3つ目に高校生以上、代諾者用の説明文書の説明文の行間が狭いために大変読みにくいものになっております。内容が読みやすいよう、行間を広げていただきたいと思います。
4点目ですが、小学生用アセント文書の4ページ、ステロイドの点滴の項目があります。これはタブレットのほうの234ページです。スケジュール表の上の本文に、3日間続けて1日1回点滴をするという記載はありますけれども、これを何回繰り返すのかということについての頻度の記載が入っておりませんので、分かりやすいように追記していただきたいと思います。
1点、指摘事項に書き漏らした点があります。タブレットの205ページ、最後から4行目、「身長をもとにした体重で計算されます」という記載になっておりますが、これでは趣旨不明です。身長をもとにした標準体重、「標準」が抜けておりますので標準を書き加えていただきたいと思います。
最後に患者相談等の対応は整備されていると考えます。次に補償内容についてですが、臨床研究保険に加入されており、その内容でカバーされておりますので特に問題はなく、これは「適」の評価にいたしました。以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。非常に細かく見ていただき、御指摘いただいたところを訂正していただければということでいいかと思います。後ほど、またもう1回議論させていただきます。それでは柴田先生から、試験実施計画等についてよろしくお願いいたします。
○柴田構成員
お手元の資料19ページになります。私の担当の範囲では大きなポイントとして、結果の解釈に影響を与える部分がきちんと詰められているのかという点について質問させていただきました。
疾患を対象とした先行研究において、治療の結果がガイドラインに掲載されるか否かの議論をされる際、リスク・ベネフィットバランスが余りかんばしくないためにガイドラインに掲載されなかったのではないかという議論がありました。ということは、本試験も仮に統計学的に有意に有効性が示されたとしても、副作用との兼ね合いで、これでは有効性が小さ過ぎるということが起こっては困ります。その点、今回の設定がリスクに見合うだけの有効性を検出するような設定になっているのか、ということをお伺いしました。その点についてはきちんと御回答いただき、現状の設定で問題ないということが確認できましたので、大きな問題点はないと考えております。
次のページは細かいところではありますが、PMDAとの薬事戦略相談のときに、主要評価項目の解析対象集団に有効性の評価が行えなかった患者さんを入れるか入れないかという議論がなされておりました。治験実施計画書を拝見しますとそれに対応したような記載に見える部分もありますし、書き方の問題ですが、それに対応していないように読める部分もありますので、それがきちんと対応されているものであることは確認していただきたいと思います。ただし、これは細かいことですので適か不適かの判断には影響を与えないものと考えております。以上を踏まえ、私の担当した部分につきましてはいずれも「適」であると考えております。
○猿田座長
どうもありがとうございました。今、御指摘いただいたことに関してやり取りをしていただき、きちんとした対応を拝見させていただき、できているということかと思います。今、審査に関係した構成員の方からお話いただきましたけれども、どなたか御質問はございますか。最初、石川構成員からは免疫の問題や感染症の問題がありました。田島構成員に関しては特に倫理上の問題で、文章の問題とか補償の問題がありましたが、その辺りも大体対応していただいている。それから、柴田構成員から最後お話いただいたことに関しても、対応をしっかりしていただいたということかと思います。
○関原構成員
タブレットの202ページなのですが、ちょうど真ん中辺り、リツキシマブの「国内外」の説明では、減らす効果が報告されていますとあります。ところが、その次には「一方、海外」の説明として、海外では効果は確認されておらず、治療薬としては勧められていませんというように書いてあります。しかしその次には、日本ではこういうことで効果が出ています。それから、また海外の研究では4回より2回のほうが寛解に導くことができたと報告されている。つまり、海外では最初上の31人の説明と後段に書いてある説明が余りロジカルではない。要するに、どういうことなのかがこれでは分からないなというのが私の印象です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。よろしいですか。
○石川構成員
この点、私も整理が十分できていないのではないかと思ったのですが、リツキシマブの投与とステロイドパルス療法の計画が今回きちんとされています。そこのところの違いだと思います。リツキシマブだけでも例えば依存性の場合には効果があったりするのですが、それを更に今回の治療のようにステロイドパルスを計画的に行うことと併用もしたときにどうかというようなことで、今回は計画されております。それとの違いだと思います。
○猿田座長
ただ、ちょっと書き方をということですから。
○石川構成員
そうですね。
○猿田座長
ありがとうございました、よろしいですか。ほかにどなたか御質問ありますでしょうか。
○上村構成員
確認なのですが、主要評価項目が完全寛解の割合、それはそれでいいと思うのですが、私の誤解かもしれませんが、研究計画書の中で定義がきちんとなされていないのではないか。症例報告書のほうには3日間連続で尿蛋白陰性が記載されていて、実施計画書のほうにはそれがないような感じがします。
症例報告数のほうでも、恐らく6か月のところがプライマリなのだと思います。3日連続であれば、3日連続で陰性だったというところが捉えられないといけないのですが、そこで1日だけ陰性かどうかという評価なのです。その定義の問題と、6か月きっちり、ある幅があって、そのアライアンスの中で恐らく評価されるということだと思います。あと試験紙、ペーパーを使うということだと思うのですが、その規格等についても定義されていないところが問題なのかなと思いました。
○石川構成員
定性の検査紙についての規格は、全然されておりませんでした。それから最初のほうの御質問ですが、言葉の定義、例えば今回のステロイド抵抗性・依存性というところにきちんと、今ちょっとどこだか分かりませんがありましたよね。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局です。タブレットの138ページを御覧いただきますと、実施計画書の13ページのところの4「本試験で用いる定義」として、この実験計画書の中に出てくる用語の定義がされております。上から3番目に「完全寛解」、4番目に「不完全寛解」の定義がされておりますが、こちらの記載でいかがでしょうか。
○上村構成員
それでよろしいかと思います。すみません、これだけでもいいのですが165ページとか、38ページのところでもう一度記載していただいたほうが分かりやすかったのかなと思います。
もう1つ、割合の評価のところでちょっと確認させていただきたいのですが、これは信頼区間の下限が20%を超えるという意味で言われているということですか。確認させてください。
○柴田構成員
解析方法としては、無効と判断する閾値が20%という設定になっていますので、解析としてはそういう形になります。
○上村構成員
ありがとうございました。
○猿田座長
よろしいですか。ほかにどなたかございますでしょうか。今の20%の点、重要なポイントかと思います。もし、特にないようでしたら石川先生、恐れ入りますけれども、もう1回、総括的にお願いできますか。
○石川構成員
この「1~16の総評」ということでは、20ページに総合評価、「条件付き適」ということで記載されております。今回の治療の意義などに照らし合わせて、修正していただけるということであれば、幾つかの点があったわけですけれども「条件付き適」ということになります。
もう1つ加えたいものとして、子供にリツキシマブ等の免疫抑制剤を使うということになるわけですけれども、必ず日和見感染のリスクがあるということ、特に70%の方々が陽性になっていて、HIV感染症のときにも出てくるJCウイルスによるPML、こういったものも症例を重ねていくと必ず出てくると思います。その点、治療に入る前にきちんと患者さんあるいは家族に、質問も含めて説明することが大事かと考えました。いずれにしても「条件付き適」と判断いたしました。以上です。
○猿田座長
今先生が御指摘のところ、それから各構成員の方々からの指摘事項に対してしっかり対応していただければ問題ないだろうということでしょうか。どなたか御質問、ございますでしょうか。
○直江構成員
先ほどの定義のところですが、難治性ステロイド抵抗性ネフローゼという病気の中で、必ずしもステロイドパルスは問わないという理解でいいですか。いわゆる対象疾患の中で、通常の治療が効かないという中でセカンドをやっても効かないわけです。その中に必ずステロイドパルスは入っていますか。
○医政局研究開発振興課専門官
難治性の定義の中にですか。
○直江構成員
はい。
○医政局研究開発振興課専門官
それは病気の定義のところに。
○直江構成員
いや、これを見ると、タブレットの138ページですけれども、先ほどおっしゃっていたマルの1、マルの2、マルの3とあって、ステロイド抵抗性と診断され、免疫抑制治療で完全寛解しないものという中にシクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸、それからステロイドパルス等と書いてあるので、要するにどれかいずれか使っても効果がない人が全部引っくるめられるわけですよね。
○医政局研究開発振興課専門官
そうです。これでいきますと、いずれかを満たすという形になっていますね。
○直江構成員
なので、私は専門家ではないのですが、ステロイドパルスをかなりやっている人でリツキサン+ステロイドをやるのと、ステロイドパルスをやったことがない人を対象にしてステロイドパルス+リツキサンをやるのでは、有効性は相当違うのではないか。これは私の臨床感覚です。要するに、これはちょっと気に留めておいたほうがいいのかと思います。
○猿田座長
やり取りを拝見していると、特にこの施設ではパルスのことをかなり重視している。先生がおっしゃるとおりそこが重要なポイントです。ステロイド抵抗性ということにおいて、特にパルスをやって両方やることは一番効果的だろうと考えています。ですから、今度の場合に実際にそこのところをどう考えるかです。
○石川構成員
この書き方ですと、ステロイド抵抗性というのは先生が御指摘されたことだと思うのですが、恐らくここに至るまでの経過の中で、ステロイドパルスでなくても相当フルドーズの投与を行って、抵抗性などの判断がされているものだというように考えてよろしいと思います。今回はステロイドパルスだけでなく、この2つということでやるのかなというように私は考えていたのです。ちょっとそこは細かく議論していませんので。
○直江構成員
その場合にステロイドパルスが効いたのか、リツキサンが効いたのかが曖昧なのです。確かに早く治してあげたいというのは分かるのですが、解釈のところで、両方新しいのが入ると、どういうように結果の解釈をしたらいいのかということもあるのかなと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局です。ただ今の御指摘に関しましては、確かに猿田座長のおっしゃいましたようにそれ相当の治療、それもパルスを含む治療をやってなお寛解しないものというのが難治性であるという解釈を、申請者からは伺っていたやに記憶しております。しかし、こちらのステロイド依存性に対する定義の記述と、感受性・抵抗性というものに対する記述が必ずしも相関していないような記述になっているところが問題になるのかと思います。その点の修文に関して申請者に照会したいと思います。
○猿田座長
もう1つは、今お話があった条件付きということで戻しますから、その時に今の不明な点をもっとはっきりしていただくほうが混乱がないと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
はい。
○猿田座長
ほかにどなたかございますでしょうか。
○石川構成員
もう1つ、今、細かく指摘しましたJSKDC08なのですが、07のところも同じ定義でやられているということもあります。そういったところも、もし必要であれば修文していただくという形でお願いしたいと思います。
○猿田座長
どうもありがとうございました。構成員の先生方、どなたかほかに御意見はございませんでしょうか。今、いろいろ御指摘いただきました点はしっかりクリアにしていただいてやっていただくということでお願いします。先ほど石川先生からお話がありましたように条件付きということで1回戻しますので、そこをしっかり回答していただくということで一度もどさせていただくことでよろしいでしょうか。ほかにどなたか御意見はありますでしょうか。もしないようでしたら、今のような形で「条件付き適」ということで質問させていただき、それが直ればアクセスさせていただくということでよろしいでしょうか。
それでは、そういう形でこの案件は「条件付き適」という形で決めさせていただきます。ありがとうございました。石川先生、構成員のほかの先生方、ありがとうございました。
次の案件、整理番号043に移りたいと思います。これに関しては、冒頭で申し上げたように一色先生に一時的に御退室いただきます。よろしくお願いいたします。
(一色構成員退室)
○猿田座長
それでは、事務局から御説明いただけますでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
資料1-1、15ページを御覧ください。2件目の審議技術は、整理番号043「腹膜播種を伴う胃癌に対するカペシタビン/シスプラチン+ドセタキセル腹腔内投与併用療法」です。適応症は、腹膜播種を伴う初発の胃癌です。申請医療機関は、東京大学医学部附属病院です。審査担当構成員は、主担当が藤原構成員、副担当が手良向構成員、佐藤構成員です。
資料1-9、45ページを御覧ください。審議に先出ち、本件についても先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明申し上げます。「実施責任医師の要件」としては、診療科は外科。資格は、外科専門医が必要。当該診療科の経験年数は、10年以上必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数も不要。その他として、レジメンを問わない抗がん剤腹腔内投与の経験が1例以上。胃癌に対する手術化学療法の経験が20例以上必要とされております。
「医療機関の要件」としては、診療科は外科。実施診療科の医師数は、経験年数10年以上の医師が3名以上必要。他診療科の医師数は、麻酔科の常勤医師が1名以上必要。その他医療従事者の配置としては、薬剤師が必要。病床数は200床以上。看護配置は10対1以上。当直体制は必要。緊急手術の実施体制が必要。24時間実施体制の院内検査体制も必要。他の医療機関との連携体制は不要。医療機器の保守管理体制は必要。倫理審査委員会による審査体制は、2か月に1回以上の開催が必要。医療安全管理委員会の設置が必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要。「その他の要件」の取り決めはございません。以上となります。
○猿田座長
今の施設条件に関して、藤原構成員、何か御意見はありますか。
○藤原構成員
ありません。
○猿田座長
ほかの構成員の方もよろしいでしょうか。それでは、この施設条件は、医療機関の条件はお認めいただいたことにいたします。早速概要の説明と実施体制の評価に関して、藤原主担当からよろしくお願いいたします。
○藤原構成員
お手元の資料の33ページを御覧ください。今回、私が主担当で、手良向先生が副担当、佐藤先生が倫理の部分の副担当をしていただいておりますので、後ほど詳細なところは各担当の先生方から御紹介いただければと思います。
43ページを御覧ください。これが、今回の技術の概要を示したものです。対象症例は、一番上の所が一番大事ですが、肉眼的な腹膜播種を伴う初発の胃癌の方、治療の前に化学療法等を受けていない方が対象になっております。その下の図を見ていただいたら分かりますが、腹膜播種がある方々にポートを埋め込んで、抗がん剤ドセタキセルを腹腔内に投与。さらに、その下の「化学療法」の所を見ていただきますと、シスプラチンの点滴静注と、カペシタビンという抗がん剤の内服療法を併用するというのが、今回の内容です。
審査では、手良向先生にプロトコールの詳細なチェックを頂いていますので、あとからお話いただきます。私が見たところでは、実施医師責任体制や実施医療機関の体制、それから医療技術の有用性については、既存の先進医療ではない臨床研究等が各種このグループからは報告されており、33ページに書いてありますように、私はいずれも問題ないと考えました。
○猿田座長
後ほど、また議論させていただきます。今の時点で何か御質問はありますか。特にないようでしたら、続いて試験実施計画等について、手良向先生よろしくお願いいたします。
○手良向構成員
試験実施計画書等の評価ですが、6~16番の項目について評価した結果、10、11、12については「不適」としております。ただ、これが修正されれば、基本的には「適」になると考えております。
まず、10項の有効性及び安全性の評価方法ですが、タブレットの700ページの14.1.データの集計及び統計解析方法の記載にかなり不備があると思います。タイトルと内容が一致していないとか、手順書と書かれていますが、何の手順書か分からないというレベルの話です。2番目は、統計解析計画書は基本的には必須だと考えます。あとは、文言の不備が幾つかあると思います。
701ページの15.に、目標症例数の設定根拠がありますが、ここの1年生存割合の閾値54%という所が、抄録なのですが元の文献を見ましたが、そういう数字はどこにも書いていませんでした。中央生存期間が書かれていますので、多分そこから計算されたのだと思いますが、もう少し正確にどのように算出したかを書いていただきたいと思います。
次に4番目ですが、702ページに組織がありますが、22.3.の所に研究事務局とデータセンターと併記してあり、会社名が書いてあります。事務局とデータセンターは全く異なる機能を持つ組織なので、分けるべきと思います。また、責任者を書いていただきたいと思います。統計解析責任者も記載されておりません。
次に、第11項に移ります。タブレットの700ページの14.2.の所です。これも、タイトルが「原資料の直接閲覧」となっていますが、その中身は中央モニタリングで整合していないという問題だと思います。この辺りは整理して書いていただければと思います。
第12項、有害事象の報告等については、タブレットの698ページにあります。この辺りの記載にやや不備があることと、安全性情報管理を委託する機関の役割が全く書かれていないので、手順としては若干不備があると思います。更に、標準業務手順書が添付されていますが、それとの不整合が存在しております。以上が、第10~12項です。
残りの項目については、基本的には「適」なのですが、細かいところで指摘をいたします。まず、第8項の登録の手順が、687ページに症例登録の手順が書かれておりまして、一次登録、二次登録と2回登録することになっています。その文言の中に「脱落扱い」などと書かれていますので、この辺りはもう少し検討して、整理をし、例えば一次登録の不適格などの言葉を使っていただきたいと思います。その次の3番は、記載の方法だけです。
次の第9項ですが、684ページの1.3.という所の最後のほうに、第1相試験の結果から投与量を決めたとあるのですが、DOCの腹腔内投与の投与量の10mgは固定されていると思うので、設定根拠をここに記載していただきたいと思います。
第13項ですが、702ページの記録の保存をがもう少し記載を整備していただきたいと思います。
最後に第15項ですが、703ページの研究資金及び利益相反です。平成27年度の補助金を得て実施する予定とすると書かれておりますが、予定というのは本当に大丈夫かということが1つです。それから、利益相反はないと書かれておりますが、それももう少し正確に書いていただきたいと思います。以上です。
○猿田座長
今、手良向先生から御説明いただいたことは、実は先進医療を進めていく上で一番重要なポイントです。かなり細かく指摘いただきました。大体、今やり取りを拝見させていただいて、かなりきちんと対応してくださっています。非常に重要な点ばかりで、実際にそこのところをしっかりしていただくことが、先進医療を進めていく上で重要です。今の御説明に関して、どなたか御質問はありますか。よろしいでしょうか。そうしましたら、本日、佐藤構成員が欠席ですので、佐藤構成員の部分を事務局から説明いただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
佐藤構成員からは、資料1-6、34ページ、実施体制の評価判定項目は「適」との御判断を頂きました。コメントとしては、説明文章には軽微な問題があったが、指摘に伴い修正された。ちなみに、先進医療実施届出書の25ページには、保険加入なしとなっているが、この試験独自では保険に入っていないものの、過失があれば病院としての賠償責任保険でカバーされるという意味である。そのほかは、患者相談の対応も含め適切である、とのコメントを頂いております。以上です。
○猿田座長
各構成員からの報告を頂きましたが、全体的に一度藤原先生にまとめていただいて、そのあとで総合的な討論をしていただければと思います。藤原先生、よろしくお願いします。
○藤原構成員
手良向先生に見ていただいたように、プロトコールには各種まだ不備がありますが、それを適正に直していただければ脈はあると判断し、総合的な評価をいたしました。
お手元の37~40ページですが、私が最終的に申請者の方々に指摘した所です。37ページは、実はこの先進医療Bの申請の前に、大臣告示番号42といいまして、カペシタビンと同じような「S-1」という抗がん剤を内服して、オキザリプラチンをという抗がん剤を静脈内投与するのに加えて、今回はドセタキセルですが、告示番号42ではパクリタキセルという抗がん剤を腹腔内投与するというプロトコールが既にこの先進医療会議で承認されて進んでおりました。それが、まだ終了報告等が先進医療技術審査部会に出てきておりませんでしたので、一緒に同時にやるのは難しいのではないかということで、それを確認させていただいたところ、昨年の10月にプロトコール改定をして、その後12月にやっていた試験を終了したということで、今回のこの試験に傾注できますということでしたので、それは大丈夫だろうと判定いたしました。
問題は、お手元の資料の44ページです。「薬事承認申請までのロードマップ」が、この先進医療Bでは出口指向の臨床試験でないといけませんので、これを御覧いただきながら少し考えていただければと思います。今回の研究は、従前、臨床研究が既に2014年の1月から7月に行われて、今回の申請に至ってきているものがあります。そのあと、この試験が終わったあとに、さらに治験あるいは先進医療で比較試験をもう1つやり、その上で薬事承認申請に持っていきたいというのが申請者たちのお考えでした。
38ページに戻ります。これは、従前の告示番号42番でも同じように、パクリタキセルの腹腔内投与の追加の承認審査が今後行われますので、申請者たちは既にPMDAと個別面談や事前面談を、無料ですので実際に議事録は残らないので、そんなに重いものではないのですが、それは済まされております。その中でいろいろなやり取りをしているのですが、よく読んでいくと、結局、何も明らかにされていないと。この先進医療が終わったあとに本当に薬事承認までつながるのかは、PMDA側としては何も言っていないという状況ですので、そこは大丈夫ですかということを確認させていただきましたが、頑張りますという回答を頂いております。
試験をきちんとやっていただき、その結果を踏まえて、どちらにしても次のステップが必要になるので、そこで最終判断が加わりますが、次のステップにいく前段階の第2相試験としては非常に重要ですので、最終的な私の判断は手良向先生からのいろいろな御指摘を踏まえてそれを直した上で、「条件付き適」ではないかと思っております。
それから、あと1点追加しますと、最近、第2相試験を中心に抗がん剤の臨床試験がこの先進医療技術審査部会への申請が増えてきました。今回、手良向先生にいろいろモニタリング等の指摘を受けているのですが、振り返ってみますと、先日委員も代わりましたし、従前のいろいろな申請を見てきている中で、毎回の審査で同じようにモニタリングや監査の中身をチェックしているのかどうかも不安になってきました。できれば、事務局で我々各委員が指摘することが過去の指摘と齟齬がない、あるいは例えば今回医学系研究の倫理指針が変わってきますので、もう少しモニタリングや監査に関する要求度は高くなりますし、ICH-GCPの運用をどのように考えるかについても、厚労省の医薬食品局の審査管理課やPMDAの方々の考え方も少しずつ考え方が変化すると思いますので、なるべく我々の指摘が、担当になる委員間で齟齬が発生しないように、事務局で見ていただければと思います。追加コメントです。
○猿田座長 特に、今一番最後に言われたことは非常に重要で、今までの経過を見ていても、考え方がどんどん変わってきているのですね。特に、ICH-GCPの契約に準拠してやろうという形で、もっと言えば臨床研究のやり方をしっかりさせようということで、随分議論してまいりました。本日、手良向先生から御指摘いただいたことは非常に重要なポイントで、実はそういうところが少し抜けていたことは確かだと思います。ですから、今度はしっかりそこをやっていくことで先へつながっていくと思います。全体として、構成員の先生方、どなたか御意見はありますか。特に、最後に藤原先生から御指摘いただいたことは、これからの先進医療の進め方としても非常に重要なポイントです。
○山本構成員 手良向先生が御指摘されていた中で、資金が厚労科研でやりたいということですが、これはもちろん資金が取れたらすぐに開始できるのがいいので、その前に先進医療の会議に掛けること自体は反対ではないですが、結果的に、資金が取れなかったときにどうするのかが気になります。厚生労働科研費が取れなかった場合、ほかの資金の資金源が書いていないので、多分この試験はできないということになると思うのですね。その場合は、先進医療として認めるのかと。私個人としては、先進医療Bを資金源なしでやれるとは思いませんので、資金源は今ここに予定と書いてあるのであれば、取れたことを確認してから承認を下ろすべきなのかなと今思ったのですが、それについてはいかがでしょうか。
○猿田座長 先生がおっしゃったことは、確かに重要です。
○医政局研究開発振興課専門官 この先進医療の試験の実施にかかる費用、あるいは保険外併用分の自己負担分をどのように案分するかに関しては、変更がある度に逐一こちらに報告が上がり、先生方に御審議いただき、その変更を加えた形で了承するかどうかを御審議いただくことになります。今、山本先生がおっしゃったように、今のこの記載ですと、この資金源を用いて施行予定です。もし、万が一それが取れなかった場合には、このままの計画では施行できず、次善策として実現できた資金計画を御提示いただいて、プロトコール変更を掛けていただく流れになると解釈しております。
○猿田座長 予定は、大体いつ頃になりますか。
○医政局研究開発振興課専門官 当落の発表ですか。
○猿田座長 はい。私も実は気になっていたのですが、いつになるのかなと思いました。ずれますからね。予定どおりいかない。
○医政局研究開発振興課専門官 まだはっきりとしたことは申し上げられません。
○猿田座長 はい。そういうことで、今の点は御了承いただいて。
○手良向構成員 今の点ですが、私が言いたかったのは、そちらの費用というよりも、例えばCROに業務を委託する場合に、基本的にはCROとの契約が終わっていないとIRBに掛けられないわけで、そういうレベルの話をしたかったのです。
○医政局研究開発振興課専門官 そちらの体勢の実施に関しては、それは試験の進行に直接影響いたしますので、もしこれから状況に変更が加えられるような際は、先生がおっしゃいましたように、直ちに試験を施行することはできないことになりますので、また修正を加えて持ってきていただくことになるかと思います。
○猿田座長 そういう場合に、藤原先生が仮に判定は「条件付き適」という形でいいだろうとおっしゃいましたが、そういう形でよろしいでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 一応この試験自体は、この形で進行する場合に問題がなければということで解釈いただければと思いますので、今回は「条件付き適」ということで承り、この施行体勢について確実に実施されているかをチェックするということで、御理解いただければと思います。
○猿田座長 非常に難しい問題も含んでおりますが、どなたか御意見はありますか。
○山口座長代理 これは非常に重要な研究だと思いますし、全体としては何も異論はありません。患者サイドから見ますと、42の先行したものがあり、また同じようにファイブエフユー系統、シスプラチン系統、タキサン系統のものをやるときに、混乱するのではないかと思います。説明の中で、例えば副作用のプロファイルは違いますから、そういう意義のあるものなのか、あるいは国際標準がこちらのやり方なのでそういうメリットがあるなど、何か差が分かるように説明すべきです。この先行した研究については全く書いていなくて、説明の中にも出てこないので、これは一体何なのかと混乱するところがないようにしていただきたい。というのは、こういった治療はものすごく患者は注目していますから、いろいろ誤解を招くといけないので、そこを書いて説明したほうがいいのではないかということが1つです。
それから、このロードマップを見ますと、それぞれ全く別に検討すべきかという疑問がわきます。同じような対象で同じようなやり方で、例えば万が一先行するものと生存率で差が出てしまった場合、そのときもそれで進めるのかどうかは、どう考えているのかも詰めておいたほうがいいと思います。
○猿田座長 非常に貴重な御意見だと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 今、頂いた事項に関しては、確認事項として先方に追加で問い合わせて、対応していただくようにいたします。
○猿田座長 12月で一応終わっていますから、そこをはっきり。
○山中構成員 山口先生がおっしゃったことは、もっともだと思います。先行するTS-1オキサリプラチンをプラットフォームベースにした臨床試験は、この対象にシスプラチンが入れにくいということでオキサリを入れるメリットがあるということで始めた試験ですので、その辺りの説明がもう少しプロトコールにあったほうがいいのではないかと。ドセタキセルがパテント切れになっているので、これを先進医療で開発することがとても重要だと思うのです。つまり、先進医療の意義があると思うのですが、先行する試験は特に同じグループがやっているものですから、治療開発のロードマップ、戦略に関して、齟齬がないようにしないといけないと思いますので、その辺りはもう少し説明を追記していただきたいと思います。
それから、同じグループでパクリタキセルの腹腔内投与に関する第3相試験をやっていたと思うのですよね。TS-1シスプラチンvsTS-1パクリタキセルの腹空内投与、ファーストラインで同じ投与対象で。それは、もうそろそろ結果が出る頃なのではないかと思うのですが、そこに関する説明、記載がありませんので、それも先進医療でやっております。ですので、その部分の追記がどうなっているのかは、説明を追加していただきたいと思います。
○猿田座長 今、山口先生が御指摘いただいたことと、山中先生が御指摘いただいたことは、全体的なことで非常に重要なことですが、問合せでそこをしっかりしていただくことが大切かと思いますので、よろしくお願いいたします。そのほか、どなたか御意見はありますか。2つの試験の関係はしっかりしませんが。
○山本構成員 複数の試験が走っているということとはちょっと違って、先ほど申し上げた資金の話です。これは、抗がん剤の試験なので、補償保険をもともと掛けられない前提がありますので、そこを抜きで始まりますので、開始のところで資金が乏しくてもできると思っていらっしゃるのかなという気もします。通常、普通の試験でしたら、最初から最低限補償保険を掛ける、私は個人的にそれがいいことかどうかは非常に疑問はありますが、ほぼそれが必須と言われていますので、数百万単位の保険金を用意するところから始まるわけです。
ですので、治験以外の臨床試験の実施のときに、資金の獲得と資金の規模について、今まで余り日本では議論されていませんし、どちらかというとお金のことは抜きにして、必要なことをやらなければならないというような論調が割と多かったと思います。そういうことを繰り返していることが、結局、利益相反がずるずるになってしまうとか、臨床試験がうまく進まないことにつながってきたのではないかと思いますので、必ず資金の見通しをつけて臨床試験をやっていただきたいと思います。ここの先生方は、もちろんそこはよく分かっていらっしゃると思いますが、今後やられる方々もそこを抜きにして臨床試験はできないことを、事務局からもきちんと指導していただければいいかなと思います。
○猿田座長
今度、新しい機構ができて、そういう形でもお金の問題が少し変わってくると思います。ほかに御意見がなければ、先ほど藤原先生が判定していただいたように、幅広い意味での「条件付き適」という形でお認めいただいて、細かいところは事務局で詰めていただく形に持っていきたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
今、承りました事項について、照会いたします。
○猿田座長
委員の先生方、それでよろしければ、この案件も「条件付き適」ということでお認めいただくということでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。それでは、一色先生にお入りいただきたいと思います。
(一色構成員入室)
○猿田座長
それでは続きまして、試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料2-1、47ページを御覧ください。1件目は、東北大学病院からの申請で、告示番号13「低出力体外衝撃波治療法」についてです。適応症は、虚血性心疾患、ただし薬物療法に対して抵抗性を有するものであって、経皮的冠動脈形成術又は冠動脈バイパス手術による治療が困難なものに限るとなっています。
本試験は、低出力の衝撃波を体外から心臓に照射することにより、血管新生を促進して心筋虚血を改善する治療法で、虚血範囲に応じて40ないし70か所、1か所につき200発照射する治療を1ないし2日おきに3回行うものです。主要評価項目は、1週間当たりのニトログリセリン使用量です。
予定試験期間は、2010年7月~2015年3月。予定症例数は50例で、今回の申請時点で31例が登録されています。主な変更内容は、予定試験期間の2017年3月まで2年間の延長、その他記載整備です。変更申請の理由ですが、症例集積が遅れており、従来の登録進捗と昨年8月の協力医療機関の追加を勘案して、2年間で更に20症例の登録を見込んで、2017年3年に完了する見込みとのことです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
今、御説明いただきましたように31例まで登録されたのですが、その後は進みにくいと。すみません、一色先生、その代わり症例があるものですから、これはやはり延長してということでよろしいですか。
○一色構成員
はい、やむを得ないと思います。
○猿田座長
ほかに委員の先生方、どなたか御意見はありますか。もし特になければ、こういう形でこれをお認めいただくことにさせていただきます。どうもありがとうございました。続きまして事務局から。
○医政局研究開発振興課専門官
資料2-2、49ページを御覧ください。2件目、京都大学医学部附属病院からの申請で、告示番号17「術後のホルモン療法及びS-1内服投与の併用療法」についてです。適応症は、原発性乳癌。ただし、エストロゲン受容性が陽性で、HER2が陰性のものに限るとなっています。
本試験の目的は、標準的な術後ホルモン療法とTS-1を併用することにより、標準的な術後ホルモン療法単独と比較して、再発抑制効果を高めることの検証です。症例登録の後、標準的術後ホルモン療法単独又はTS-1併用療法に割り付けられ、両群ともに標準的術後ホルモン療法を5年間実施しますが、併用療法群は標準的術後ホルモン療法と同時にTS-1を1年間投与し、併用療法の再発抑制効果の増強を検討いたします。
予定症例登録期間は、2012年2月ないし2015年1月。予定症例数は1,860例で、今回の申請時点で1,439例が登録されております。主な変更内容は、予定症例登録間の2015年7月まで6か月間の延長です。変更申請の理由ですが、月間登録症例数が、51ページに記載されていますグラフのように変化しています。2014年は月間登録症例数が90例近くに達しましたが、同年6月から急に月間登録症例数が減少し、直近5か月間の平均月間登録症例数は55例であることから、仮にこのペースで進むと、目標症例数達成まで約8か月間を要することとなり、登録期間を6か月延長し、当該試験の完遂を目指すとのことです。御審議をお願いします。
○猿田座長
かなり進んで1,439まで来たのですが、その後進みが悪くなったということで、少し延長をお願いしたいということですが、どなたか御意見はありますか。当初の目的が1,860例ということで、かなりの例数ですが、ここまで来ていますから、もう少しのところということです。よろしいですか。特に御意見がなければ、これもお認めいただいたということにさせていただきます。
3番目の試験実施計画の変更につきまして、事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料2-3、53ページを御覧ください。3件目、大阪市立総合医療センターからの申請で、告示番号40「オクトレオチド皮下注射療法」についてです。適応症は、先天性高インスリン血症。ただし、生後2週以上12か月未満の患者に係るものであって、ジアゾキサイドの経口投与では、その治療に係る効果が認められないものに限るとなっています。
本試験の目的は、ジアドキサイド不応性先天性高インスリン血症を対象に、オクトレオチド持続皮下注射療法の有効性、安全性を検討するものです。主要標価項目は短期の有効性、副次標価項目は長期の有効性、発達予後及び治療中の低血糖、身体計測値、有害事象、臨床検査、腹部超音波検査、胸部超音波検査・心拍モニターによる心合併症の標価です。
予定症例登録期間は2014年1月ないし2016年3月。予定症例数は5例で、今回の申請時点で4例が登録されています。主な変更内容は、予定症例登録期間の2016年3月まで1年間の延長です。変更申請の理由ですが、本先進医療の対象になる疾患は、新生児・乳児の超希少疾患かつ緊急性を有する疾患で、参加表明67施設に対し、現時点で19施設が承認されており、8月までに2例の登録でいずれも大阪市立総合医療センターからのみでしたが、以後、施設数の追加に伴って登録が増加し、本申請時点で目標5例のところ4例までの登録となっています。現在も引き続き協力医療機関の増加に努めていますが、症例の希少性もあって、平成27年3月までに目標数に到達できる確実な目途がないため、1年間の延長を申請するものです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
先生方、御覧のとおりこの病気は非常にまれな病気なものですから、非常に登録が難しいです。でも、もう少しだけ延長すれば何とか後1例いくだろうということですが、あとは、御意見はありますか。
○山本構成員
1年延長するのに全く意見はありませんが、非常に難度の高い臨床試験で、ウルトラ・レア・ディズィーズ、かつ、緊急疾患と。それで、どこで出てくるかも分からないというので、ここまで4例まで登録されたということで、非常に努力されていることを感じました。
○猿田座長
難病班で、特に内分泌学会の先生が随分苦労して連携してやっているというものでした。もし、特にほかに御意見がなければ、これもお認めいただくということでよろしいですか。
ありがとうございました。これもお認めいただくことにさせていただきます。
先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告につきまして、これも事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料3、55ページを御覧ください。先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告について御評価をいただくのは、告示番号36「インターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法」です。申請医療機関は、国立がん研究センター東病院です。本技術は、本申請医療機関が参考資料B、183ページにてお示ししております臨床使用実績の効率化要件に該当するため、使用実績のない状態で申請され、承認・告示されたものです。
適応症は、成人T細胞白血病リンパ腫。ただし、症候を有するくすぶり型又は予後不良因子を有さない慢性型のものに限るとなっています。本試験の概要は、55、56ページに記載のとおりとなっています。試験予定期間は、2013年9月19日から2018年9月18日までです。
57ページを御覧いただきますと、初期的に継続可否の評価に必要な症例数として設定された介入群2例での治療開始後28日までの観察が終了し、独立した委員会による評価の結果、安全性及び継続の可能性に問題がない旨の報告がなされています。以上、御審議をお願いいたしまた。
○猿田座長
これは直江先生にお聞きしたいと思います。どうですか。
○直江構成員
B群はやったことがないので、最初の割付けはB群にしておいて、安全性を担保して、しかるべき後、A、Bをランダム化すると、そういうことでよろしいですね。B群の予定は、これはもともと最初の割付けは何例を先行させるということでしたか。
○医政局研究開発振興課専門官
これは2例を。
○直江構成員
この場で承認されれば、本格的にランダム化がゴーということですね。
○医政局研究開発振興課専門官
最初からランダム化され、A群が2例終わったところで報告が来る設定だったと。
○直江構成員
分かりました。ここで見ますと、安全性レポートでは特段の問題はないということですので。少し気になるのは、この2例を集めるのにどのぐらいの時間がかかっていますか。
○医政局研究開発振興課専門官
私どもは把握していませんので、申し訳ありません。
○直江構成員
これは何となく少し前のスタディーなので、目標症例数がランダム化で74名ですよね。
○猿田座長
はい。
○直江構成員
そうなので、これは1つでも増やさないと、まずいですね。
○猿田座長
そうですね。
○直江構成員
少し遅れそうだなと思う。これは審議とは別ですが。問題ないと思います。
○猿田座長
一応、今日はともかく認めることはよろしいのですか。ほかに委員の先生方、どなたか御意見はありますか。今言った形で非常に集めるのは難しいかもしれないということですが、でも、ここではお認めすることかと思うのですが。特に御意見がなければ。それでは、これをお認めいただくということで、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
協力機関の追加につきまして、これも事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料4-1、59ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている5つの技術につきまして、協力医療機関の追加申請がありました。資料4-1に各々の先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載してあります。
資料4-2、61ページないし65ページを御覧いただきますと、事務局において協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認いたしました結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと存じます。特に意見がなければ、手続を進めさせていただきたいと思います。
○猿田座長
59ページ、特に協力医療機関の所はよろしいですか。ここは非常に重要な点なものですから、御確認いただきたいと思いますが。いずれもしっかりした所ですが。もし、特に御意見がなければ、これもお認めいただくということでよろしいですか。
ありがとうございました。それでは、これはお認めいただくということにさせていただきます。
今度、先進Bの取下げですね。事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料5-1、67ページを御覧ください。告示番号8「パクリタキセル静脈内投与、カルボプラチン静脈内投与及びベバシズマブ静脈内投与の併用療法(これらを3週間に1回投与するものに限る)並びにベバシズマブ静脈内投与(3週間に1回投与するものに限る)による維持療法について、この度、申請を取り下げる旨申出がありました。
取下げ理由として、平成22年に高度医療評価制度に申請した時点では、本試験実施中に再発卵巣癌に対してベバシズマムが承認されることは想定されていませんでしたが、平成25年11月に卵巣癌を適応症とした効能・効果が追加され、この際に元来承認申請をされていた初発例に加え、本試験の対象である再発卵巣癌患者も含まれたこと、並びに用法や用量も承認内容と一致することを確認したため、先進医療としての取下げを申請されたものです。
告示番号27「慢性心不全に対する和温療法」についても、申請を取り下げる旨申出がありました。取下げ理由として、予定試験期間の経過及び予定症例数の登録が完了し、試験が終了したため、先進医療としての取下げを申請されたものです。
資料5-2、69ページを御覧ください。告示番号17「術後のホルモン療法及びS-1内服投与の併用療法」について、協力医療機関を取り下げる旨申出がありました。取下げ理由として、協力医療機関である帝京大学ちば総合医療センターにて、実施責任医師の退職に伴い先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たすことができなくなったため、該当医療機関の登録取下げを申請されたものです。以上、御審議をお願いいたします。
○猿田座長
一番最後のところは本当は施設条件で言っているのですが、やる人がいなくなってしまったということでやむを得ないかと思うのですが。構成員の方でどなたか、今の3つに関して。
○柴田構成員
資料5-1の告示番号8のベバシズマブを使った申請の件ですが、確認させてください。私は確かこれを当時審査を担当したのではないかと記憶しているのですが、この試験は患者の状態が悪くなるまで継続投与される試験だったと記憶しています。となると、このような形で取下げになった場合に、患者は当初、試験に参加するために米国から試験薬が提供されて、それに基づいて、少なくともベバシズマブのお金は払わずに済むという形で試験に参加された方が、保険診療に入ったせいで逆にその分負担が増えてしまうことが起こったのか否か。あるいは試験が終わる途中でこのような形で止めてしまうと、もともと国際共同試験として実施していたので、途中で日本だけ投与中に試験をやめてしまうなどということで問題は起こらなかったのか。その2点を確認させていただきたいのですが。
○猿田座長
これは被験者への影響ということですが、事務局としてどうですか。
○医政局研究開発振興課専門官
まず患者の御負担の件ですが、先進医療が終了となりますと、保険診療に移行いたします。この試験の場合には、申請者と協議いたしました結果、やむを得ず保険診療に入っていただいて、その分の自己負担は御負担いただく形で治療を継続することになりました。
○猿田座長
自己負担は、結構多いでしょう。
○医政局研究開発振興課専門官
おおよそ月平均4万円の御出費になるということです。
○猿田座長
やむを得ないですか。どうですか。柴田先生、何かありますか。
○柴田構成員
制度上やむを得ない部分もあると思うのですが、このような形で最終的にゴール、試験の進捗と試験に参加されている患者の経過がうまく整合しないことによって生じるトラブルというと言い過ぎかもしれませんが、このようなはずではなかったということは、長期間にわたって行われる臨床試験の場合はどうしても出てくるので、そういう部分に関する何らかの形、柔軟な救済策とかというのはできないものかとも思うのですが。
○医政局研究開発振興課専門官
実はこの取下げに関しましては、この事象が起こってから今回の取下げ申請に至るまで多少時間を要しています。実は事務局と申請者との間で、この費用に関してどう扱うのかということのやり取りをいたしておりました。もちろん、例えば研究費とかほかのお金で、その案分を負担するという方法も当然あります。しかし、今回に関してはそのような出費に関する資金源が得られなかったということがあり、やむを得ず御本人の負担によることで同意を取り直していただくことを進めていただいている状況が整いましたので、今回、取下げになりました。
○猿田座長
今までにこういうケースはありましたか。余りないでしょう。
○医政局研究開発振興課先進医療係長
ありません。
○猿田座長
よく治験が終わってから保険までの間はちゃんとカバーできるようになっているのですが、こういう先進医療のところで、こういう形で行ったのは初めてのはずなのですが、私も聞いたことはなかった。これからそういうことも出てくるかもしれないということで、検討していかなくてはいけないと思います。
○藤原構成員
関与ですが。こういう試験は、これはNCI、アメリカの国立がん研究所がサポートしている共同研究で、アメリカのシステムと日本のシステムはかなり違うところがある。ただ、今後、国際共同試験は非常に増えてくる中で、今回の事例は特殊だとはいえ、今後こういうのはものすごく増えてくると思うのです。以前から、例えばアメリカのFDAとかの規定、あるいはアメリカの連邦規則による規定で、有害事象の報告内容と日本の薬事法施行規則とか、症例……で求めている有害事象の報告範囲が異なったりとか、細かい所はたくさんある。我々が国際共同試験をやっているときにはそれは苦労するところですが、できれば研究開発振興課も、向こうのFDAとかNCIは政府機関なので、国際共同試験をやるときには向こうの事情もあることを御理解いただいて、例えば情報交換をして、規制をどうするかは進めていただいたほうが、世界に取り残されないというのがありますので、今後よろしくお願いしたいと思います。
○猿田座長
非常に重要なポイントで、実はこのプロトコールを作るときは私も少し立ち会ったことがありまして、そういうところでは国際的にどう思っているかということで随分議論されていたのですが。議論した場所は国際に持っていくところの場所でもやっているものですから、今、藤原先生がおっしゃったことは非常に大切ですから、今後の問題としてしっかり考えていかなくてはいけないと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
ただいま御指摘のあった点につきまして、国際共同治験が関与ですが、少し時間がかかっている手続の間に、申請者を通じて米国の薬剤提供機関ともやり取りを持ちました。その結果、国際共同治験としては体を保ったまま実施を継続するということになっていますので、その点御報告を申し上げます。今のところは1例1例個別に対処することになっていますが、今後の体制につきましては、また改めて検討させていただきたいと思います。
○猿田座長
藤原先生、よろしいですか。何か御意見は。
○藤原構成員
その裏では大変苦労していることを。
○山本構成員
私も今、国循のほうでNIHグループの中のあるインスチチュートが助成している国際共同試験に参加して、藤原先生がおっしゃっている米国と日本の臨床試験に関する制度と規制の違いについて、非常にいろいろ実感しているところです。厚労省の事業でグローバル研究拠点がありまして、少なくとも1つの北里では、実際、そういう米国の国際共同試験を幾つかやっておられまして、個人的に非常に困ったときに北里に何度かお聞きしたときに、大抵のことは向こうも承知しておられて、こういうことを言ってくるとか、自分たちはこういうふうに対処していることは教えていただけるのですが、非常に残念なのは、せっかく拠点になっているのに、それが行政にフィードバックされていないというところだと思います。
結局、現場で何とか対処して終わっているのですが、いつまでたっても、例えばFDAは明確に明示していることが日本の中ではどこにも書いていないので、倫理委員会によって考え方が違っているとそれで終わってしまうとか、そういう治験以外の臨床試験の国際整合性が今まで全く考えられてきていなかったと。せっかくグローバル拠点が2拠点あるのだから、その所からいろいろフィードバックを図って。
○猿田座長
今の点は、要するに北里それから神戸の先端医療振興財団の2つが日本主導型グローバル事業の拠点になっていて努力していただいているが、まだ効果があがっていないということかと思います。これから一層効果的に活動していくようにお願いしていきます。。
○関原構成員
素人っぽい質問なのですが、国際共同治験をしている最中に、これはなぜ急いで保険に収載することになったのですか。
○猿田座長
その裏はちょっと私もわかりませんが。これは事務局は分かりますか。
○医政局研究開発振興課先進医療係長
初発の卵巣癌を対象に、同時並行で医師主導治験が走っておりまして、その治験を申請資料として、承認されました。その承認の際に、初発・再発関係なく卵巣癌ということで承認されたため、今回、先進医療の対象からは外れるということです。
○猿田座長
よろしいですか。先進医療と治験と一緒に走っていたということです。
○藤原構成員
関与委員ですが。臨床試験のエンドポイントが複数あって、卵巣癌に対する有効性をきっちり見るというもので、承認には至っていますが、今回の臨床試験は維持療法といって、長く抗がん剤治療を継続して、それが更に再発予防につながるかというところもエンドポイントに入っているので、時間がかかっているので、対象群は卵巣癌ですが、見る臨床的で仮説が複数入っているので、こういうことになっていると。
○猿田座長
一応、取下げをお認めいただくということでよろしいですか。ありがとうございました。
報告事項に移ります。事務局から。
○医政局研究開発振興課専門官
資料6-1、71ページを御覧ください。去る1月15日に開催されました第25回先進医療会議では、御覧のように新規案件が2件ありました。このうち整理番号074につきましては、本日、御審議を頂きました後続研究に係る修正との整合性を整えること、また、整理番号075につきましては、各登録症例の適格性審査に係る院内の多面的評価体制を保証することを条件に、いずれも「適」とされました。
資料6-2、6-3につきましても、同じく1月15日に開催されました第25回先進医療会議で報告、了承されましたので、本日、技術審査部会構成員の先生方にも併せて御報告を申し上げます。
資料6-2、161ページ、「平成26年度先進医療技術の実績報告書等について」では、先進医療として実施されているA及びBの実績報告、各技術の進捗状況、及び1年間の登録症例がゼロ件である技術の状況が各々記載されています。
資料6-3、173ページ、「先進医療会議開催要綱等の改正について」では、国家戦略特区に係る申請技術の迅速審査についての取決めを定め改正された、先進医療会議開催要綱等について報告がされています。以上です。
○猿田座長
先ほどの実績に関しましては、もう1回よく見ていただければと思いますが、先生方の御苦労でかなりここも行われていることかと思います。報告事項ですが、どなたか御意見はありますか。皆様方のお陰でかなりいろいろな点が進んできているということで、時代とともに変わってくるものですから、今日いろいろな御意見を頂きましたが、それに対してしっかり対応していかなければいけないと思っています。
どなたか全体的に御意見はありますか。もしありませんようでしたら、次の予定を事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
次回の日程ですが、2月の開催は19日(木)16~18時とさせていただきます。場所については、別途、御連絡させていただきます。
○猿田座長
予備日にしていたところですが、開催することになったということです。
○医政局研究開発振興課専門官
また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後、公開とさせていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長
最後になりましたが、構成員の先生方からどなたか御意見はありますか。もし、特にないようでしたら、これで第25回技術部会を終わります。御協力、どうもありがとうございました。
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