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2014年12月11日 第24回先進医療技術審査部会
第24回先進医療技術審査部会
(1) 日 時:平成26年12月11日(木) 16:00~17:20
(2) 場 所:中央合同庁舎第5号館 専用第14会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号TEL:03-5253-1111)
(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、伊藤構成員、
上村構成員、柴田構成員、関原構成員、大門構成員、
田代構成員、直江構成員、藤原構成員、松山構成員、
山中構成員、山本構成員、川村技術委員
(事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 企画官
保険局医療課 医療技術評価推進室長
保険局医療課 専門官
議 題:
1. 新規申請技術の評価結果について
2. 試験実施計画の変更について
3. 協力医療機関の追加等について
4. 先進医療の取り下げについて
5. 先進医療会議の審査結果等について(報告事項)
6. その他
議事録:
○猿田座長
それでは時間がまいりましたので、第24回「先進医療技術審査部会」を始めさせていただきます。
12月に入り、先生方におかれましては大変お忙しいところ、また、天候の悪いところを本日の会議に御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
本日の構成員の出欠状況でございますけれども、一色構成員、佐藤構成員、田島構成員、手良向構成員からは御欠席の御連絡を前もっていただいています。
それから、山口座長代理が10分ぐらい遅れるということと、山本構成員はほかの委員会から移ってこられるということでございます。
ともかく、18名の構成員のうち、14名の構成員が出席予定ということでございまして、今は12名の方がいらっしゃっておりますので、会議は成立しているということで始めさせていただきます。
それから、本日は肺の疾患のこともございまして、川村技術委員に御出席いただいております。川村先生、よろしくどうぞお願いいたします。
それでは、配付資料と本日の審査案件の確認を事務局のほうから、よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局でございます。配付資料につきまして確認させていただきます。
議事次第から始まりまして座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿と続きます。
次に「新規申請技術の評価結果」として、資料1-1ないし1-5がございます。
次に「先進医療Bの試験実施計画の変更について」として、資料2がございます。
次に「先進医療Bの協力医療機関の追加等について」として、資料3-1、3-2がございます。
次に「先進医療Bの取り下げについて」として、資料4がございます。
次に、先進医療会議の審査結果等として、資料5-1ないし5-5をおつけしております。
最後に参考資料となります。
会議資料の最終ページは176となります。
また、別途でございますが、机上配付資料として、先般、石川構成員その他の先生方より御要望いただいておりましたda Vinciサージカルシステムを使用する先進医療技術に関する整理表を御参考としておつけいたしております。こちらをごらんいただきますと、保険医療機関の要件に関する横紙が2枚、それから、試験デザインに関する横表が4枚とじられております。なお、こちらですけれども、いまだ審議中の案件も含んでおりますので、あくまで御参考としてご利用いただければと思います。
本日の資料は以上でございます。乱丁・落丁等がございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
それから、利益相反についてです。
資料1-1、11ページに記載しております、申請医療機関、医薬品・医療機器及び再生医療等製品の情報をごらんください。申請医療機関との関係、対象となる企業、または競合企業に関して事前に確認させていただいております。
今回は、いずれの構成員からも事前の届け出はございませんでした。事前の届け出以外に、もし、何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。
(確 認)
○医政局研究開発振興課専門官
なしということでよろしいですね。ありがとうございます。
また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等については、タブレットから閲覧していただけます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何がしページ、またはタブレットの何がしページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますのでよろしくお願いいたします。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
資料のほうはよろしいでしょうか。特に今、御説明いただきましたように、この前の会議で石川構成員からda Vinciのいろいろなものが出てきているので整理してはということで、石川構成員と事務局で途中経過ということでございますけれども、わかりやすい書類を用意していただきましたので、それも見ていただければということでございます。
特に資料について問題がなければ、早速議事に入りたいと思います。
新規申請技術の評価結果につきまして、まず、事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局より御説明させていただきます。
なお、撮影されている傍聴者の方がいらっしゃいましたら、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
では、資料1-1、11ページをごらんください。
なお今回、先生方のお手元に御用意しておりますマイクの数が若干少のうございますので、御発言の際は御協力をお願いできればと存じます。
今回、先進医療Bとして新規に御評価いただく技術は1件ございます。整理番号041「内視鏡手術支援ロボット(da Vinci Surgical System)による肺手術」です。
適応症は、臨床病期1期の原発性非小細胞肺癌です。
申請医療機関は、鳥取大学医学部附属病院です。
審査担当構成員は、主担当が大門構成員、副担当は上村構成員、田代構成員でございます。また、川村技術委員にも御担当いただいております。
資料1-5、49ページをごらんください。
審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明いたします。
まず、実施責任医師の要件として、診療科は胸部外科または呼吸器外科。
資格は、呼吸器外科専門医が必要。
当該診療科の経験年数は5年以上が必要。
当該技術の経験年数は1年以上が必要。
当該技術の経験症例数として、実施者(術者)として5例以上。
その他の要件として、当該技術以外の呼吸器外科領域のロボット手術を術者として5例以上の条件がつけられております。
次に、医療機関の要件として、診療科は胸部外科または呼吸器外科。
実施診療科の医師数は、具体的内容として日本呼吸器外科学会指導医の常勤医師が1名以上あるいは日本胸部外科学会指導医の常勤医師が1名以上必要。
他診療科の医師数としては、麻酔科の常勤医師1名以上が必要。
その他の医療従事者の配置としては、常勤臨床工学技士1名以上が必要。
病床数は100床以上が必要。
看護配置は10対1看護以上の配置が必要。
当直体制は、外科系診療科の当直が必要。
緊急手術の実施体制は要。
24時間実施体制の院内検査も要。
他の医療機関との連携体制は不要。
医療機器の保守管理体制は要。
倫理審査委員会による審査体制は、月1回以上の開催が要。
医療安全管理委員会の設置は要。
医療機関としての当該技術の実施症例数は20症例以上が必要。
そのほかといたしまして、術式は問わないが過去5年間の実績で毎年50例以上の原発性肺癌手術と毎年100例以上の胸腔鏡下手術を施行しており、過去5年間の肺癌に対する胸腔鏡下肺切除術のGrade3以上の呼吸器合併症の発生率が12%以下であることが必要とされております。
その他の要件には設定はございません。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
まず最初に、49ページの保険医療機関の要件として今御説明いただきましたけれども、この要件に関しまして、どなたか御意見ございますか。
○石川構成員
1つ質問なのですけれども、よろしいですか。
大変素人っぽい質問なのですけれども、実施診療科の医師数のところで、具体的な内容が呼吸器外科と胸部外科、「あるいは」と書いてありますが、どちらかということだと思いますけれども、1名以上ということですが、今回肺のカルチノーマの手術ですけれども、胸部外科でもそういうものを扱っていると考えてよろしいのでしょうか。
○猿田座長
川村先生、よろしくお願いいたします。
○川村技術委員
胸部外科、呼吸器外科は複雑というか、当時の厚労省からはそれが望ましいとされたのですが、胸部外科学会と呼吸器外科学会という二つの学会で呼吸器外科専門医認定合同委員会を作りその委員会が専門医を認定する形を取っています。
それ以前は胸部外科学会も専門医をつくる、呼吸器外科学会も専門医をつくるといういわば専門医が乱立した状況だったものですから、腸学会が共同して合同委員会という形を作り呼吸器外科専門医制度を一本化したわけです。
そして当時は両学会とも専門医の上に指導医というものを置いていました。それが呼吸器外科学会の指導医であり、胸部外科学会の指導医というものなのですが、当然現在は新たに認定されることはありません。ただ既に取得した医師がその名称を使うことは制限されていません。これと同じことが心臓血管外科にも起こっています。ですから、肺癌を扱う外科医としては、呼吸器外科の専門医であることの上に、昔は胸部外科指導医と呼吸器外科指導医をとっていたという事実がございます。すでに申しましたように現在は学会指導医制度はもう動いておりません。ですから、ある年齢より上の人間しか学会指導医は持っていないということになります。
○石川構成員
ここは先進医療の技術部会ということですので、例えば今のお話ですと、胸部外科、うちの病院にも胸部外科の医師はいるのですけれども、一切肺癌はやらないんです。切ったことはない、という状況はあり得ます。だから、例えばこの書き方ですと「日本胸部外科学会指導医の常勤医師1名あるいは」と書いてあるので、これは要件としてはどうなのかということなのですが。
○川村技術委員
確かに、心臓外科で胸部外科の指導医という方はいらっしゃいます。しかも、心臓しかやらない方が多いと思いますので、これはもし許されれば胸部外科指導医「かつ」呼吸器外科指導医にしたほうがよろしいような気がいたします。あるいは胸部外科の指導医を抜くかのどちらかだと思います。おっしゃるとおりです。
○猿田座長
事務局は何か御意見ございますか。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局といたしましても、申請者の先生方にそれを照会して、また必要に応じて修文していただくようにいたします。
○猿田座長
要するに、これがもし先進医療で認められたときの施設要件というのは、これから先のいろいろな加盟の状況ということで問題になるものですから、一度その辺りのところを今先生がおっしゃったように、明確しておかなければいけないと思います。
肺外科ということであれば問題ないですね。石川先生、それはどうですか。
○石川構成員
da Vinciで肺癌というのは非常に新しい要件です。それに対して、十分な指導医の要件というのは大事だと思います。その辺のところを私は全然わからないので、質問ということでどなたかお答えいただければと思います。
○猿田座長
山口先生、いかがですか。
○山口座長代理
私も詳しくないのですけれども、川村先生に確認したいのですけれども、日本呼吸器外科学会の指導医は必ず日本胸部外科学会の指導医ですか。
○川村技術委員
結局、先ほど申し上げたように、二本立てで走っていたんですね。それで専門医が乱立したということで専門医制度を標榜するに当たっての制度改革があったときに、呼吸器外科専門医として各学会の認定ではなく合同委員会に認定という形に一本化されているんです。ですから、呼吸器外科学会指導医あるいは胸部外科学会指導医は、それ以後は存在しないのです。その後の指導医というのは呼吸器外科専門医になってから5年間以上実地医療をやっている医師で、各病院で1名、施設長がこの人を指導医にしてくれと申請があった場合にそれを指導医とすることになっているので、呼吸器外科学会指導医あるいは胸部外科学会指導医という学会の資格はなくなってしまったということがございます。ただ皆さん努力して取得した資格ですから制度が変わったからと言って取り上げることもできませんので、呼吸器外科学会指導医、胸部外科学会指導医という資格を名乗ることはできます。新規に認証していませんのでいずれ消滅します。
○山口座長代理
石川先生の疑問は、どちらの学会の指導医でもいいのですけれども、その指導医であればロボット手術をするに値する資格であるかどうかという疑問だと思うのですが。そのところを明解に答えていただければ。
○川村技術委員
わかりました。ロボット手術をするのには値しないと思います。というのは、ちなみに私は指導医でございますが、私がda Vinciをすぐやれるか、指導的な立場になれるかといったら、それは無理です。けれども、これは何かトラブルが発生したときに、呼吸器外科の専門医としてそういったトラブルの指揮をとれるかどうかということであれば可能だろうと思います。実際にやることに関しては、ここに定められている要件があって、10例以上経験をしなければいけないとかが、そちらで定められておりますからそれで宜しいかと思います。むしろここで求めている指導医の存在意義はそれとは別にその施設にトップとしてちゃんとした資格のある人間がいますか、もし何か事故が起きた場合に緊急に開胸して血管を止めにいけますかと。心臓のところに鉗子をかけられますかという意味で指導医の存在を求めているものと理解するのですけれども、それでよろしいですか。
○猿田座長
専門医の問題は今、池田先生がやっていますね。第三者機関での、あそこで今整理されていきますから、将来的な専門医はあそこでちゃんと決まってくると思います。ただ、今この時点においては、やはりda Vinciということと、それから、呼吸器外科ということでいけば、ここは呼吸器外科ということにしておけばいいのでしょうか、どうでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
今、川村先生からも御指摘がありましたように、実施医療機関の要件についての議論かと思いますので、その上の実施責任医師の要件で、経験・症例数などを縛っていただいているということを踏まえて、この2つの縛りをもって適切かどうかということを御議論いただけるものと考えております。
○猿田座長
ありがとうございました。
石川先生、そういう複雑な状況があるそうですけれども、このところはそういう形で。いずれにしろ、これは整理しなければいけないもので、専門医制度は絶対にちゃんとしないといけないのですけれども、一応今のところはこういう形で動いているということでよろしいですか。
○石川構成員
はい。
○猿田座長
ほかにどなたか御意見ございますか。もし、よろしければ、この施設条件というのは、一応今そういった形の議論がありましたけれども、これは議論を残していただいて、次へ移らせていただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。
それでは、早速ですけれども、今回の審議を担当していただきました、主担当の大門先生から概略をお話しいただいて、各構成員からお話をいただくということでよろしくお願いいたします。
○大門構成員
まず、お手元の資料の13ページの医療技術の概要をごらんください。
Da Vinciシリーズの肺切除術と申しましょうか、臨床病期1期の方に対して原発性非小細胞肺癌を対象としてda Vinciを用いたロボット支援下肺切除手術を行って、その安全性、有効性、経済性を評価するというものです。
主要エンドポイントは、藤田保健衛生と同じClavien-Dindo分類のGrade3以上の呼吸器合併症の有無。副次エンドポイントは、全合併症の有無、そのほかQOLに関するものが設定されております。
詳細は後ほど御説明いただくのですが、まず、お手元の紙資料に沿って各先生の評価結果の概要を述べさせていただきます。
13ページをごらんください。上村先生におかれましては実施体制の評価ということで、特に2番目、実施医療機関の体制のところで「不適」という評価をちょうだいしております。その理由といたしましては、14ページをめくっていただきますとコメント欄に示されていますとおり、実施医療機関の体制については医療機関の要件としての病床数についての議論を要すること。それから、手術執刀医の要件としての筆頭執刀医か否かを明確にすること。そのほか、手術によるラーニングカーブの存在を考慮しますと、トレーニング体制と症例検討会が必要であることを御指摘いただいております。
また、非常に丁寧に申請資料を御確認いただいておりまして、そのほかさまざまな視点から御意見をちょうだいしております。
これらに関しましては、私も事前に指摘させていただいているものもあるのですが、それによって対応されているものもあれば、依然として不十分なものもございます。
次に、16ページをごらんください。技術専門委員としてお越しいただいております川村先生におかれましては、全ての項目について「適」という御評価をいただいております。Da Vinciの本疾患への有用性については、後ほどお話しいただくことになりますが、対応すべきコメントも頂戴しております。
例えば、私も同様に事前に指摘させていただいたのですが、今回の参加施設基準を各施設が満たしているか。さらには、症例集積可能性を確認するためにも各施設の経験症例数を示すべきという御意見もいただいております。
続きまして、17ページをごらんください。田代先生におかれましては、倫理的観点からの評価を行っていただいております。
「適」と御評価をいただいているのですが、18ページに御記載いただいているとおり、かなりの箇所で説明文書の記載が不十分であるということです。御指摘いただいた点のうち、幾つかは実施計画書にもいえることですが、例えば、本試験では統計解析、DM、モニタリングといったところの業務が開発業務受託機関へ外部委託されるとあります。それらの点で相当の資金がインテュイティブサージカル合同会社から提供されることになると思われます。それに関係するCOIマネジメントに関し、今以上に明確な記述が望ましいと考えます。
また、田代先生にも御指摘いただいているのですが、ヒストリカルコントロールとして、この参加4施設の過去の胸腔鏡下手術の成績を用いるのですけれども、その収集するデータの範囲の記述を明確にしたほうがいいだろうということも指摘していただいております。
また、私の担当箇所に関しましては、19ページをごらんください。有効性及び安全性の評価方法に関しましては「不適」とさせていただきました。詳細は各先生の御説明の後にお話しさせていただきたいと思います。
こういった多岐にわたる御指摘をいただいておりますことを踏まえまして、事前評価としましては27ページにございますように「継続審議」で一旦とりまとめさせていただいております。
○猿田座長
どうもありがとうございました。今、御説明いただきましたけれども、それでは、担当していただきました各先生からの御意見をいただければということで、まず最初に、上村先生からお願いいたします。
○上村構成員
私からは、まず最初に、医療機関体制というところで「不適」ということにさせていただいたのですけれども、これは積極的に不適という意味ではございませんで、少し内容を明らかにしていただきたいということで、疑問点として100床くらいの病院でこの術式、支援体制も含めてですけれども、実施可能なのかというところに少し疑問を持っております。必ずしも病床数と医療の質が完全に比例しているわけではないということは十分理解しておりますけれども、具体的に例えば100床ぐらいの病院でこの研究に参加する予定があるということであれば、それはそれでまた個別に対応する必要があるとは思いますけれども、100床というところが少し気になりました。
ということで、それが絶対だめということではないのですが、病床数の要件を少し合理的な説明をしていただければと思いました。
それから、申請者御自身が添付されていました参考文献でもありますように、ある程度この術式に関してはラーニングカーブというのが存在するのではないかと考えています。そういった観点からも、非常に経験豊かな研究チームで臨まれるということですので、その中においても十分なトレーニング体制であるとか、述式の標準化に向けた取り組みを適時技術的な問題点等を議論しながら、情報の共有というところでそういった体制をつくっていただいたほうがよろしいのではないかということで、一応現段階では「不適」ということにさせていただいております。課題としては、解決できる課題だと理解しておりますので、よろしくお願いします。
あと、細かいところ、多分後ほど大門先生からも御指摘があると思います。いろいろなところでかぶっているところがございますけれども、まず、目的についてですが、これはいろいろなところで少し一貫性のない表現があるところが気になりました。例えば、届出書のほうに従来の胸腔鏡手術に対する優越性もしくは非劣性を評価するための包括的データ収集という記載もある一方で、この試験デザインから言えることというのは、明らかにセーフティーに関する評価ということですので、まず、そこをきっちり理解した上で研究を進めていかれたらいいのではないかと思いました。
ちょっと細かいことですけれども、組み入れの基準等も非常にざっくりとした基準になっています。例えば、主要臓器機能が保たれているというようなことがありますけれども、何らかの客観的な基準を設けられたほうがよろしいかと思いました。
あと、これは本日のメジャーなディスカッションポイントになると思いますけれども、プロトコル治療の定義、それから、胸腔鏡下手術もしくは開胸手術へ移行する基準等、それから、そういったことが起こった場合に安全性の評価等をどういうふうに統計的に扱うかといったところは、また本日の議論のポイントになるかと思います。
統計的なところは、このプロトコルの中に書かれてあることが私自身も少し理解できないところがありました。そこは今後、統計の先生とも相談しながら、わかりやすいような記載を求めたいと思います。
具体的には、主要な仮説をどういうふうに統計的に検証するかというところですけれども、前提になっている情報としては、私の理解では、現在の胸腔鏡下肺切除術での副作用等の発症率が9.1%であると理解していますけれども、これは恐らく点推定の話であって、さらにロボット支援下の肺切除術を行うことで4%に減少させるということです。そこも多分点推定の話で、統計的にそこをどういうふうに評価するのかというのが、この解析項目の中から少し理解できていない部分があります。真の合併症なしの割合の閾値が91.5%とされていますけれども、ここの統計の仮説の立て方の前提になっている部分が理解できていませんので、そこを少しプロトコルの中で明らかにしていただきたいなと思いました。
もう一つは、中間解析のあり方ですけれども、これも一応0.8という予測される確率を閾値として設定されているのですが、具体的には120例の中であるXという数の事象が出てくるということが多分あるわけですけれども、具体的にその辺の評価というのが主たる解析とどういうふうにリンクしていくのかというのが、この書き方では理解ができなかった部分がありますので、そこを少しはっきりさせていただけたらと思います。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。非常に詳細に御検討いただきました。また後ほど議論させていただきますが、特に一番最初の病院のベッド数の問題は、きょうちょうど整理したものを置いていただいておりますけれども、既に許可されたda Vinciの施設でも大分違っているものですから、そのあたりのところは後ほど議論させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、恐れ入りますけれども、専門委員である川村先生からよろしくお願いいたします。
○川村技術委員
私は呼吸器外科医でございまして、それほど統計学は詳しいわけでもございませんので、私の知り得る範囲でこの申請に関しての妥当性というか、意見を述べさせていただきたいと思います。16ページに私の書いた文章がございますけれども、1番目の実施責任医師等の体制につきましては、申請されている中村先生はこの分野では非常に有名な先生でいらっしゃいますし、症例経験数も十分にお持ちであることは存じ上げております。
そして、それに次ぐ施設として藤田保健衛生大学も常に学会で発表されていますから、経験のレベルは非常に高い、数もやられていることはよくわかっております。それ以外、京都大学も伊達教授が御自身のラーニングカーブを示されて、このda Vinciというものが通常の胸腔鏡手術よりも非常に習得しやすいものであるということは示されていらっしゃいます。広島大学もある程度発表されているのは存じておるのですけれども、いずれにしても、こういう施設基準を出していますので、それぞれの施設がどのくらいお持ちかということは明確にされたほうが、皆様方にわかりやすくてよろしいかなということだけ申し添えて、1番に関しては「適」とさせていただきました。
2番目の医療体制、研究実施体制ということだと思うのですが、モニターの部分だけちょっと文章で引っかかりましたので、モニターという方をどういうふうに指名されるのか、研究代表者が指名するというと何となくすっかりしないものというか、不透明な部分を感じてしまいますので、そこの定義をきちんとしていただければよろしいかなという程度です。
3番目が要は私の仕事だろうと思うのですが、この技術が有用かどうかという判断です。私自身は全くやっておりません。実は帝京大学には2台あるのですけれども、始めるとなるとそれなりに費用負担もありますし、実際に患者さんを集めるとなると大変なことがございますので、様子眺めというちょっとずるいことを決め込んでおります。申しわけありません。この機械が有用かどうかということに関して言いますと、お腹の手術、腹腔鏡対da Vinciというので考えた場合には、お腹というのはやわらかいわけです。内視鏡下の手術というのは、道具は基本的には直線です。最近、少し曲がるのも出てきているようですけれども、基本的に直線なわけです。そうすると、腹壁というのはやわらかいですから、かなり鉗子類は好きな方向に向けることができるだろうと思います。それに対して胸腔というのは肋骨に囲まれておりますので、肋骨のすき間から入っていかなければいけないということで、作業動線がどうしても自由度の制限された直線的なものにならざるを得ないわけです。肺の血管は非常に太いことは御承知のとおりでありまして、お腹の血管に比べますと3~4倍の太さがありますから、破けますと瞬間でかなりの量が出てしまいます。そこで我々はどうしているかというと、直線的にしか血管等を把持できないものについて、その方向に血管がない場合には、肺を牽引してその道具の方向に血管を合わせて持ってくるわけです。かなりの牽引力をかけて機械に血管を合わせるという作業をしなければいけません。そうすると、どうしても破けやすいということがあるわけです。やはり胸腔鏡手術というのは常に大出血が裏に隠れていて、何かあると死亡事故につながる可能性もあるというちょっとリスキーなところがあります。ですから、何かあってもいいように多少の穴を開けて、いつでもその穴を拡大したりして、止血をどうするか、肺動脈が破けたときにどうするかというのを常に考えていかなければいけない宿命を負っております。
Da Vinciは何が違うかというと、美容的なもの、穴の数に関しては変わりません。むしろ若干ふえるということがございますが、関節を持っているということ。それから、基本的に3Dカメラであると。今、胸腔鏡も3Dが出始めましたけれども、まだ普及するところの話ではなくて、試しに使ってみるという程度ですから、立体視ができて、しかも、関節がありますから鉗子の方を曲げて血管を裏まできれいにはがしていくことができる、血管を無理に牽引する必要がないということで、作業効率も安全性も非常にアップします。
ですから、ラーニングカーブという言葉が胸腔鏡では余り出てこないのですが、da Vinciでは出てくると。ある程度の数、10例とかやりますと、明らかに手術時間が短くなってきますし、そういう意味では安全性は格段に向上するだろうと思います。患者さんにとっては痛みとか美容的な意味でのメリットは何もありません。費用もかかるわけですから、そういう意味では余りメリットがない機械ということになってしまうのですが、安全ということに関して言いますと、圧倒的にいい機械だろうと思っております。
そこのところをきれいに証明していただければ、これは非常に意味のある研究になるのだろうと思います。けれども伊達先生が言われたようにda Vinciの技術は、大体今10~20例の間でかなりプラトーに達してくるとすれば、本試験の要件を満たす先生方は大体そういうレベルに達した方だろうと思います。その方々の手術の成績とそれ以前の胸腔鏡の一般的な成績を比較して果たしてda Vinciが胸腔鏡に比べて安全な機械であるかという証明になるのかなとは思います。
本当は、ラーニングカーブが早いというのを示せれば、もっときれいな研究になるのでしょうけれども、これは現実には難しい問題で、倫理的な問題として、初心者を2人並べて、どちらにやらせるかというわけにはいきません。ですから、やはりある程度経験があってきちんとできる方々が、いかに安全にこの手術を成し遂げるかということを証明するしかないだろうと思います。この研究は呼吸器外科医としては非常に期待しているところです。それが3番目に書かせていただいた有用性という点です。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
後ほど議論をさせていただきますけれども、倫理面から田代先生、よろしくお願いいたします。
○田代構成員
私の評価のところは17ページからになります。「適」と判断させていただきましたが、幾つか追記をお願いしたい点と、確認が必要な点がありましたので、条件をつけさせていただきました。コメント欄にも書きましたように、説明同意文書に関しては、大きな問題があるというものではないと思いますが、説明同意文書の記載内容以外にも、幾つか倫理面あるいは指針の適合性ということで確認したい点がありますので、幾つか指摘させていただきます。
最初の(1)ですが、手術以外の検査に関する記載が説明同意文書の中にほとんどなく、手術についての説明は非常に多いのですが、それ以外のこと、例えばQOL調査を4回やるとか、そういうことは書かれていないので、その辺をもう少し足していただければいいかなと思います。
恐らく大門先生のところでも指摘されると思いますが、そもそもプロトコル自体の検査項目がはっきりしていらず、それも影響していて説明同意文書にもそういったことが余り書かれていないのかと考えられます。
18ページにいきますけれども、(2)補償に関する記載についても、基本的には明確化する方向で対応していただければと思いました。
(3)からは説明同意文書から離れますが、施設でのCOIマネジメントに関してどのくらいここで突っ込むべきかということを少し迷ったのですが、今回の試験に関しては、企業側からこの試験に対して資金提供がなされていると書かれています。ですが、それが実際にどういうふうに試験実施に不当な影響を及ぼさないように工夫されているのか、ということが良くわからないため、このままゴーサインを出していいのかどうかということが迷う点です。細かな金額等をここに出していただくというよりは、恐らくは研究者側でそういった不当な影響を排除するためにこのような工夫をしているという、少なくともその説明をしていただければいいのかなとは考えます。ただ、これについては、これまでこの委員会でどのように扱ってきたかということもあると思いますので、あくまでも気づいた点として指摘させていただきます。
(4)と(5)は少し細かい点なのですけれども、(4)は今回試験の対象者が18歳、19歳の未成年が入るということになっていまして、事実上この歳なので本人の同意でやられると思いますが、指針の規定もあり代諾者が必ずつくということになりますので、それにあわせて少し記載を整理していただければと思います。具体的に言いますと、20歳ではなくて18歳、19歳を入れるということの意味を説明していただくことと、もう一つは、その際に代諾者からサインをいただくわけですが、それが一体だれなのかということをきちんと決めていただくということは、指針にも書いてあることですので追記していただければと思いました。
(5)のヒストリカルコントロールに関する確認ですが、これも大門先生が研究者の方とやりとりをされてかなり明確化してきたのですけれども、当初ヒストリカルコントロールが一体何なのかということがはっきりしなくて、私自身が倫理面で気にしていたのは、これが実際に幾つかの施設の診療情報を集めて何か再解析をするということになると、その分の手続というのが必要になってくるのですが、それが必要なのかどうかということがわからないという点です。既にあるデータを見るだけの話なのか、それとも何か新しく診療情報を集めるのかということがはっきりしないので、そこをはっきりさせていただきもし、集めるのであれば手続的なことをきちんとしていただくということでよいかと思います。
なので、上記のようなことを追記していただき、確認がしっかりとれれば、それでよいのではないかと判断しています。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
各担当した先生方から非常に詳細に検討していただいて、今、御報告をいただいたとおりでございますけれども、全体的にもう一回大門先生にまとめていただいて、その後で皆様方から御意見をいただければと思います。大門先生、よろしくお願いいたします。
○大門構成員
まず、私の担当箇所についてお話しして、最後にまとめをさせていただきます。
議論を円滑にしていただくためにも、ある程度事前に対応していただいたほうがよいかと思いまして、お手元の資料の29~45ページにわたって申請者に事前に確認させていただきました。各評価者の先生方から御指摘いただいた部分が含まれているものもあれば、本日新たに御指摘いただいた部分もあるのですけれども、多くは実施計画書の記載の不備あるいは不整合によるものでした。指摘により適切に修正いただいたものもあるのですが、申請者の先生には短期間で検討していただいたこともあって、残念ですが依然として問題点が解消されていないものが多々あるように思います。それについては、お手元の資料の19~26ページにわたってコメントさせていただいております。
例えば、上村先生から御指摘いただいた統計解析の部分についても、改めてコメントさせていただきました。
それから、田代先生からいただいた部分も全くそのとおりでして、きちんと追記していただくということを述べさせていただいております。
大雑把には20ページをごらんください。上村先生にも御言及いただいたのですけれども、プロトコル治療の定義なのですが、今回いわゆるロボット支援下肺切除術ということに焦点が当てられているわけですけれども、申請者の記載によりますと、ロボット支援下肺切除術とともに、それがうまくいかないだろうということが判断された後の胸腔鏡下肺切除術または開胸手術も定義としては含まれておりまして、これが端を発して、例えば、ヒストリカルコントロールがどういった形でとられるのかといったところが不明瞭になったり、あるいはそこから派生してきまして統計解析の部分との整合性がとれなくなってきているような印象を受けました。
その点につきましては、22ページをごらんください。そういった定義を意識しながら、また主要評価項目について評価がきちんと行われるようにするとすれば、ロボット支援下肺切除術(完遂例のみ)を恐らく主たる解析で対象とすることに当然留意すべきなのですけれども、これは何度か指摘させていただいたのですが、肝心の統計的事項においてそういった解析の対象集団や方法の規定が依然として明瞭に記載されていませんでした。
かつ、上村先生にも御指摘いただいたとおり、主たる目的とそれに対する仮説、統計解析との整合性がとれていない部分が依然としてございます。さらには、中間解析の内容も改善したほうがよさそうな点が多々ありました。これは恐らく短期間での御検討だったからかもしれませんが、生物統計の専門の先生と議論を十分されていないのではないかという印象を受けました。したがいまして、有効性及び安全性評価法に関しては「不適」とさせていただいております。
まとめますと、da Vinciの有用性については、川村先生に御説明いただいたとおりである一方、各先生のコメントはやはり対応していただくべきことですし、ものによっては記載レベルのものではないものもございますので、申請者にはじっくり御検討いただいて、その他この会議体での御意見にも対応していただいて、その対応結果を見届ける意味でも継続審議とさせていただいてはどうかと感じました。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今お話しいただきましたけれども、先生が御指摘いただいたことのやりとりに関しましては29~45ページに非常に詳細に書かれてございます。読んでいただくとわかるかと思いますけれども、ともかく各評価を担当していただいた先生方には非常に細かく見ていただきまして、まことにありがとうございました。
結論的には、今お話がありましたように、継続審議ということで不備のところを直していただければということでございますが、それでは、どうぞ構成員の先生方から御意見をいただければと思います。
山口先生どうぞ。
○山口座長代理
私はこれを見ていて、やはりかなりまだ問題が残っていると思いました。タブレットの10ページを見ていただくと、日本内視鏡外科学会による全国調査で9施設から60例と書いてあるのですけれども、ちょっと確認ですが、この調査というのはどういう目的で行われて、その結果というのは公表されているのでしょうか。つまり、都合のいいところだけ集めたものでも困りますし、質の担保というのはどのようになっているか、ちょっとお伺いしたいのです。日本内視鏡外科学会にもda Vinciの部会みたいなものもありますから、そういうところがやるとしたら、かなり実施者サイドに都合のよいことを言うかもしれません。そのあたり何のためにやった調査なのかということも明確にして、しかも、それが公表されているかどうか明らかにしてください。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局でございます。こちらのほうは、いま一度申請者に確認させていただいて、先生に御報告させていただきます。
○猿田座長
やりとりのところでは、どうもはっきりしなかったと。
○山口座長代理
やはりこういうものは調査の目的がはっきりしていて、どういう項目を調査したかということをきちんとしないと、基本的なデータとして取り扱えないということが1つ。
それから、もう一つがロボットでやった30例が出ていますけれども、これは恐らくきちんとその施設で臨床試験として計画して、試験の目的は安全性の担保だとか、何例やるとかアウトカムをきちんと評価するということが行われたものだと思います。それぞれの施設できちんとそういう申請がされていれば、どういうプロトコルで行われたかあきらかですし、結果がきちんと報告されたうえで公表されたかもわかると思います。そういうことがきちんとそれぞれの研究で行われているかということはどうなのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
あわせて問い合わせさせていただきます。
○山口座長代理
当然結果が出ているはずですから、それがきちんと公表されていなくて、ちょっと聞いてみたらこうだったという話では、エビデンスレベルの低いというか、全くクオリティーの低いものになります。だとすると、議論の土台が非常にぐらついてきますし、そこで恐らく審査の方々もちょっとわかりにくいというところが出てきたのではないかと思います。元になるデータがきちんとしていて、みんながどう見てもこれはよさそうだし、いいぞということがまずわからないと、先進医療にはふさわしくないと感じました。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
それでは、ほかの先生方から何か御意見ございますか。藤原先生どうぞ。
○藤原構成員
田代先生のCOIに関連しているところで、大体これまでここの部会にかかってくるda Vinciの資料を見ていますと、インテュイティブサージカル社が結構お金をつぎ込んでいて、診療経費の一部を負担している、前見た消化器系のものは診療経費を50万円と会社が面倒みますというのがあったので、今回はそれがなかったので、系統的にインテュイティブサージカル社がda Vinciを日本に普及させようと思ったら、全部の試験にそういうお金を出すと思うので、その辺ちゃんとCOIの管理の中でそういう金の流れを見せていただきたいなと思ったのと、タブレットの258ページのプロトコールのところに、術者の要件が書いてあって、これは今日お配りいただいたほかのda Vinciの申請もそうなのですけれども、大体、学会の専門医か何かを持っているとか、それから、da Vinciのインテュイティブサージカル社がやっているようなサーティフィケイトをとっているというのが追加基準で入っていたので、そこも施設要件の選定のときに整合性を図っていただきたいなと思います。
最後は、私のいるがんセンターは、肺癌のハイボリュームセンターで、彼らの手術を見ていると胸腔鏡下でも何も問題なく、物すごく早い時間、術後1週間以内にみんな退院していますから、そういう中で高い材料費を使ったda Vinciが本当に意味があるのかなというのが一番心配で、多分da Vinciで出血したら間違いなく開胸して止血すると思うので、止血移行率を見るのであれば、先ほどの山口先生もおっしゃっていましたけれども、胸腔鏡下の肺切除などをたくさんやっている施設での基準、その成績に対してこのda Vinciが優れているかというのを示していただかないと、多分やっていらっしゃる先生方は広島大学の岡田先生は非常にうまい先生なのは事実なのですけれども、胸腔鏡下肺切除術とか肺葉切除とか部分切除でもいいですけれども、そういうものにたけた施設の標準成績をda Vinciが凌駕するかどうかというヒストリカルコントロールにしていただかないといけないかなと思いました。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今おっしゃるとおりで、比べることによって本当の意義がわかってくると思いますので、非常に重要なことだと思います。
山中先生どうぞ。
○山中構成員
COIマネジメントの件に関しては、企業のほうからお金が出されているということなのですけれども、今どきの時代なので奨学寄附とかでやっているということもないでしょうから、何らかの契約に基づいてやっているのだろうと思います。ですので、契約書の中身を一度見ていただいて、ちゃんと資金提供のみにとどまっている、それから、実施主体がきちんと研究者であり、知財などもちゃんと研究者側に残っているというような契約形態になっていることを確認していただいたほうがいいかなと思います。
○猿田座長
ありがとうございました。
非常に貴重な御意見をいただきましたけれども、ほかにどなたか御意見ありませんか。
関原先生どうぞ。
○関原構成員
川村先生にお伺います。さっきのお話を聞いていると、胸腔鏡の手術えらくリスクがあるような説明なんです。腹腔鏡手術は保険に収載さ、相当多くやっているわけです。そんなにリスクがあるのなら患者には普通の安全な開胸手術にすればいい話で、今回の患者の同意書2~3ページに胸腔鏡のリスクが書いてあって、それに比べたらロボット手術はよりいいですよと患者が受け止める感じの記載になっています。執刀医が患者にそういうふうに説明したら患者は絶対お願いしますと言うに決まっているわけです。私は実は、肺がんの手術を開胸で3回しました。いずれも1週間で退院して何の問題もないわけです。もちろん、体に優しいとか低侵襲というのは大事なのだけれども、やはり藤原先生がおっしゃったように、最終的には日本医療はの保険制度の中でやっているわけだから、安全かつ効率的な医療というのも含めて全体感を評価するようなことにしていかないと、個別にこれはちょっと進んでいるだけの技術をどんどん認めていくということ自体に少し疑問を感じたものですから、御意見を伺いたいと思います。
○猿田座長
関原先生は3回経験しているんですね。
○川村技術委員
胸腔鏡手術と言いましても、やはり安全性を担保するという観点からはかなり幅広いいろいろな形の胸腔鏡手術が行われています。先ほどお話のありましたがんセンターの胸腔鏡手術というのは淺村先生御自身、あれは開胸です。胸腔鏡なんか使うんじゃないみたいなことを平気で言っている胸腔鏡手術です。ですから、あれは保険申請上、胸腔鏡になっているのですが、光を入れているだけの胸腔鏡もあります。そのほうが圧倒的に速いです。ただし、虎ノ門あたりがやっているようなほとんど開けないで穴だけでやるものもあります。それは相当慣れた人間がやりませんと、やはり破いたときにはそれなりのリスクがあります。ただ、相当数をやっているところは破けたときにどうするかというノウハウをかなり持っていますので、実際に死亡事故が起きるかというと、そこまではいかないのですけれども、皆さんそれなりに現場の人間は臨床としては事故があってはいけないということを大事にしていますので、それぞれの技量に合った小開胸なり、中開胸なり、場合によっては大開胸も加味しながら、しかも短時間でやらなければいけないところと、例えば2時間以内に終わらせなければいけないがんセンターのようなところは多分ある程度開けています。それを例えば4時間やれるところであれば、穴だけでもゆっくりやっていけばできないことはない。
回復の具合はどうかというと、先生は1週間でお帰りになったということですが、葉切除で3回受けるはずはないので、そちらは部分切除が入っていると思いますが、葉切除を受けた場合ある程度開胸しても今の技術であれば1週間あれば帰れます。それが完全胸腔鏡で肺葉を切除した場合には、多分強引に帰そうと思えば3日でも帰せるとは思います。要するに、胸壁の破壊だけが体に対するストレスであって、肺葉切除そのものは人の体にとってそれほどのストレスにならないのです。お腹と違いまして、すぐ御飯も食べられるわけですから。ですから、なるべくなら胸壁を破壊したくないというのはあるので、なるべく開けないという方向で進むのも事実ではあります。ただし、それには先ほど申し上げたように、血管が破けたらちょっと出血量はいきますよというのはあるわけです。
そのときに、関節を持っている機械が使えればそれなりに安全性は担保されますし、私が今、胸腔鏡で中途半端に小さい傷でやっているのですけれども、そこにいくまでのラーニングカーブはかなり時間がかかってきます。それがda Vinciはやはり速いようです。私は自分ではやっていませんから知りませんけれども、皆さんがお話しになっているところによりますと、やはり鉗子が途中で曲がるということはすごく楽で、血管の裏側をはがすときに、最初は慣れないのでこわごわはがすわけです(そうでなければ危ないわけですけれども)、それが比較的早く上達してはがせるようになっていくというのは事実のようです。
先ほど私が強調し過ぎたかもしれませんけれども、呼吸器外科の経験の浅い医師が胸腔鏡手術ができるようになるまでには、それなりに時間がかかるということで御理解いただければと思います。
○山口座長代理
がん研は完全鏡視下でやっていると思いますけれども。ほとんど今、なれた先生がやっているので。極めて成績良好で、この何年間か死亡例ゼロだと思います。ですから、決めて安全なレベルに達しているところも多いのではないですか。
○川村技術委員
そういうレベルに達しているところは当然たくさんあります。
○山口座長代理
がん研はもともと拡大手術派ですから、侵襲の大きな手術をやっていました。肺癌手術も以前は必ず開胸でやっていたのですけれども、やはりすぐれた技術を持った人が来て始めると術後の経過が良いことが実感されます。ですから全体として低侵襲の鏡視下手術の方向に向いて今進んでいると思います。ですから、da Vinciはどのシリーズもそうなのですけれども、コントロールの置き方が非常にバラエティーに富んでいて、なかなかすっきりしない点があります。先ほど申し上げましたけれども、今回のコントロールというのは非常に問題点が多いと感じます。つまり、ラーニングカーブがありますから、過去5年間の中でも最初の1年目、2年目、3年目で、合併症の発生率も全然違うと思います。ですから、本当は直近の全国でのしかるべき症例数をこなしたところの合併症の率をコントロールとして比較すべきだと思います。その中にいろいろなものを取り混ぜて、どんどんコントロールとして不適切なものになっていっているのではないかということが一番疑問だと思います。
○猿田座長
どうも貴重な御意見ありがとうございました。山口先生のまとめていただいた形で、結局これから非常に重要な技術であることは間違いないと。ただ、実際本日の会議では大門先生にまとめていただきましたように、まだ幾つかいろいろ答えていただかなければいけない点がございますので、本日のところは継続審議という形でよろしいですね。もしよろしければ、そういう形できょうのところは結論とさせていただき、早急に届出施設と、もう一回各評価委員の先生方とのやりとりをしていただき、できるだけ早く提出していただきます。そういう形でどなたか最終的に御意見ございますか。
○石川構成員
よろしいですか。これとはちょっと別のことで、da Vinciのことですけれども。
○猿田座長
では、今のことは継続審議という形で結論とさせていただきます。ありがとうございました。
では、どうぞ。
○石川構成員
川村先生にお聞きしたいのですけれども、今ラーニングカーブだとかそういうものが出てきたのですけれども、お腹のときのda Vinciのときもすごく気にしていることとして、どうやって若い人たちに技術移転するのかということです。例えば、先生は胸腔鏡でいろいろおやりになっている。開腹だとか開胸して若い人に教育する外科医という、非常にクラシカルなやり方で技術移転するのがどんどん変わってきている。Da Vinciになったらどうなのかということで何か明確に違いだとかを御説明いただけると、先進医療はどんどん出てきますので、今後の参考になると思いますので御説明いただけますか。
○川村技術委員
外科の教育は確かに大分変わってきております。これはda Vinciにいく前に胸腔鏡の時代からの変化ですけれども。要は、昔の外科医の場合も傷が大きいということはございますけれども、やはり術野が見えているのは術者と第一助手だけで、特に術者がよく見ているわけで、これは山口先生もご経験がおありだとと思われますが、自分が術者をさせてもらえないとよく見えないというのもございます。第二助手ぐらいですとほとんど鈎を引っ張っているだけでほとんど術野が見えない。いわゆる段階を上げて少しずつ少しずつやらせていただくということで最終的に執刀者になっていくわけです。da Vinciも内視鏡手術と変わらないわけですが、画像が近接していますのでモニター上に表れてくる画面というのは、開胸手術時の術者の目よりもはるかに拡大されて非常に明瞭な画像が得られます。要するに見えるということに関しての教育効果というのは非常に高いものがあります。ですから、この血管の裏には何があるかということを術者と同じ視点で見られますから、解説を受けながら画面を見ているだけでもかなりのことがわかってしまいます。ただ、具体的にどうはがしていくかとか、どう縫うかということに関しては、ある程度やらなければいけませんけれども。更にある程度自分がわかったときに、またさらにうまい人の手術を見ることによって学習効果というのは非常に早く上がってくるわけです。
もちろん、いろいろな場面で緊急で開けなければいけないとか、そういったこともございますので、従来からの開胸・開腹ということもトレーニングの中に入らなければいけないわけですけれども、それとは別に内視鏡手術というものに関するラーニングカーブというのは、従来の開胸・開腹よりもむしろ早いだろうということは言えます。助手でも術野がよく見えるということで。
これがさらにda Vinciになるとトレーニングはどうなるかというと、機械そのものは模擬的なものでまずやるしかないだろうと思いますけれども、ただ、そこに至るまでの目視、自分で見て納得していく、何がどうなっていくのかということに関するトレーニングというのは術者と全く同じものを見ていますので、そういう点では胸腔鏡手術よりもda Vinci手術のほうがさらに楽ではあろうということです。それに先ほど申し上げたように、鉗子の扱いに関しては、従来の胸腔鏡に比べると関節を持っているだけ楽なので、そういうことを含めますと従来の胸腔鏡よりさらに技術の習得は早くなるだろうと。ですから、昔の開胸の手術で上手になるよりも、多分胸腔鏡のほうがラーニングカーブは早いであろうし、それよりもさらにda Vinciのほうが早くなるだろうということは予測されます。
ただし、それを証明するのは極めて臨床試験としては不適当だと思いますので、それができれば一番楽なのでしょうけれども、そこは難しいのだろうと思います。ただ、そのときにはヒストリカルコントロールになりますから、先ほどから山口先生が何回もおっしゃっているように、適切なコントロールを持ってこないと、確かに都合のいいデータということではうまくないだろうと思います。
○猿田座長
どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
きょうは非常に貴重な御意見をいただいて、da Vinciがいかに有用かということもわかりました。その結論を出していただくということでも、ぜひしっかりしたプロトコルでやっていただくということが大切かと思います。大門先生、上村先生、それから、川村先生、田代先生、どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
それでは、大分時間をとってしまいましたが、次の議題に移らせていただきます。
次は、先進医療の試験実施計画の変更でございます。これは事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局でございます。先進医療Bの試験実施計画の変更について、本日は1件の申請がございました。51ページの資料2をごらんください。
神戸大学医学部附属病院からの申請で、告示番号50、こちらも内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下腎部分切除術についてでございます。
適応症は腎癌、ただし長径が7cm以下であって、リンパ節転移及び遠隔転移していないものに限るとなっております。
本試験は、腎の部分切除可能な腎癌患者を対象として、da Vinciサージカルシステムを用いたロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術の有効性及び安全性を検討するものです。
主要評価項目は、腎機能の温存と根治切除、すなわち切除断端陰性かつ阻血時間が25分以内とする多施設共同非盲検単群試験で、予定登録証例数は100例です。
予定試験期間は、平成26年9月1日から6年間。ただし、症例登録期間は1年間で、その後の追跡期間は5年間であり、今回の申請時点で15例が既に登録されております。
今回の主な変更内容ですが、次のページをおめくりいただきますと、主な誤記修正、記載整備及び第三者的機関へのデータマネジメント委託に伴う記載整備となっております。
御審議のほどお願いいたします。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
これはこの前もここで随分議論して許可して、もう既に15例いったそうですが、今言った形で少し変更をお願いしたいということですが、これに関しまして、どなたか御意見ございますか。特に問題はないように思いますけれども。
特に御意見がなければ、この形で変更をお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○猿田座長
それでは、お認めいただくということにさせていただきます。
続きまして、協力医療機関の追加等についてでございますが、これも事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局でございます。
資料3-1、53ページをごらんください。これまでに大臣告示されている5つの技術につきまして、協力医療機関の追加申請がございました。おのおの先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載してございます。
また、54ページには、既に先進医療の申請医療機関として承認されているもので開設者の変更や医療機関の所在地移転のため新たに保険医療機関として指定されたことから、改めて先進医療実施届出書を提出された技術を記載してございます。これらの医療機関では、現在も引き続き先進医療を実施しております。
資料3-2、55~62ページにお示ししておりますが、事務局において協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認いたしました結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしておりますので、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと存じます。特に御意見がなければ手続を進めたいと思います。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
特に53ページの資料を見ていただきたいと思いますけれども、事務局のほうで各追加協力機関の体制はチェックしていただきまして、ここに書いてある施設は大丈夫であるということで追加を認めてはどうかということでございますけれども、どなたか御意見ございますか。
もし、特に御意見がなければ、この形で手続を進めるということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。それでは、これをお認めいただくことにさせていただきます。
続きまして、先進医療の取り下げについてでございますが、これも事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局でございます。資料4、63ページをごらんください。
先進医療の取り下げが1件申請されております。地域医療機能推進機構京都鞍馬口医療センターから申請されておりました大臣告示番号20、ボルテゾミブ静脈内投与、メルフェラン経口投与及びデキサメタゾン経口投与の併用療法についてでございますが、こちらにつきましては、ボルテゾミブの皮下投与が既に保険収載となり、静脈投与法が既に実施されない状況であること、また、症例の集積がほぼ停止してきたこと、さらに、本来の予定試験期間が満了となることから、今回取り下げを申請しております。
御審議をお願いいたします。
○猿田座長
ただいまの御説明で取り下げということでございますけれども、どなたか御質問ございますか。
藤原先生どうぞ。
○藤原構成員
原発性アミロイドーシスという非常にまれな疾患に対して先進医療Bをやっているという非常に意義ある試験だと思うのですけれども、それが単に静脈内投与の実施がされない状況になったとか試験期間満了だからというのでやめるのでは、そもそも始めた意味がなかったのではないかと。むしろ適正にプロトコールを改訂して、ちゃんと試験を満了して、原発性アミロイドーシスにボルテゾミブの皮下注の保険適用につながるような努力をするというほうが適正なように思うのですけれども。
○猿田座長
おっしゃるとおり、原発性アミロイドーシスは非常にまれな疾患ですけれども非常に厳しいんですね。そこは私も事務局と相談させていただいたのですが、やはり皮下注が保険適応となるとどうしてもこのままのプロトコルだと問題ということのようです。そのあたりを説明していただけますか。
○医政局研究開発振興課専門官
私どもといたしましては、もちろん総合的な状況を勘案しまして、申請者ともプロトコル変更や試験機関の追加なども相談し検討いたしましたが、申請者といたしましては、変更等々が多岐にわたるというところから一旦取り下げさせていただいて、新たな試験を組み直してまた申請をしたいという意思をお持ちですので、今回は申請取り下げという形を一旦とらせていただくことになりました。
○猿田座長
ありがとうございました。そういう事情なのですけれども、原発性アミロイドーシスは今はどうですか。
直江先生どうぞ。
○直江構成員
これは承認されたのがいつで、これまで症例の登録数は何例かということはわかりますか。
○医政局研究開発振興課専門官
告示されたのは平成23年10月1日でございます。協力医療機関は8保険医療機関で、平成26年10月までに症例数が10例登録されております。
○直江構成員
目標は何例ですか。
○医政局研究開発振興課専門官
ただいま手持ちの資料がございませんので、また調べさせていただきます。
○猿田座長
63ページを見ると、協力機関は今まで9施設ぐらいありますね。ですから、投与法が変わったということで一回整理していただいて、提出期間等を検討していただくということでよろしいでしょうか。改めて数字がわかったら、また先生に連絡させていただくということで、事務局よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
承知いたしました。(※ 後に資料から目標症例20例と判明し、別途報告済み)
○猿田座長
それでは、よろしければそういう形で。
○山口座長代理
ちょっとよろしいですか。当時、私の先輩がこれで亡くなったので、こういうのがあればよかったなと非常に印象に残った研究でした。問い合わせるならば、その10例の結果がどうだったかというあたりも教えていただければと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
取り下げをしていただいた試験に関しましても、全てその時点での総括報告書を求めることになっており、有効な症例に関しては全てデータをつまびらかにしていただくということになっておりますので、よろしくお願いいたします。
○猿田座長
どうぞ、その点よろしくお願いいたします。
それでは、そういう形で一応、今の時点では取り下げを認めるということで御了承いただきたいと思います。
続きまして、先進医療会議の結果について、これも事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料5-1、65ページをごらんください。
去る12月4日に開催されました第25回「先進医療会議」では、ごらんのように新規の案件が1件提示され、「適」とされました。
以上、御報告を申し上げます。
○猿田座長
ありがとうございました。これも割と新しい形です。今お話がありましたように、先進医療のほうで認められたということでございます。
これに関してどなたか御意見ございますか。これは報告ということで、どうもありがとうございました。
それでは、あと事務局から報告事項をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
それでは、残りの資料5-2、5-3、5-4、5-5とございます。少々長くなりますが、こちらのほうは中医協の了承を経る前提で去る12月4日の「先進医療会議」に提出され、その具体的運用について御了承いただいた内容でございます。前回の技術審査部会においても既に先生方に御説明さしあげた内容とほとんど変更はございませんので、簡単に御報告を申し上げます。
資料5-2、91~106ページに至る資料でございますが、最先端医療迅速評価制度についての資料でございます。こちらについては前回お示しした内容から変更はございません。
資料5-3、107~136ページでございますが、先進医療の外部評価の対象となる「医療上の必要性が高い抗がん剤」について、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いとされた抗がん剤であって、治験の実施または薬事承認に係る公知申請がなされていないものについて、胃癌を適応症とするパクリタキセルの1週間間隔投与の用法・用量の追加につき、先進医療に係る申請が右端に記載された医療機関から出された場合、その外部評価を可能とする旨が了承されました。
次に、資料5-4、137~144ページでございますが、こちらは国家戦略特区における先進医療実施の特例について及び運用方法に関する資料でございます。こちらも前回お示しした内容から変更はございません。
さらに、資料5-5、145ページからでございますが、さきの改正医薬品医療機器等法の施行に伴い、医薬品・医療機器に加えて、再生医療等製品が規定されたことを受けました先進医療通知、先進医療会議開催要綱、先進医療会議運営細則の改正についてお示しした資料でございます。
以上となります。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
これは、前のこの会議におきまして御説明をいただいてからどういうふうに進展したかということでございますけれども、会議はやられているようです。前に御説明いただいたものからはそんなに大きく変わっていないということでございますが、ただ、私が心配しますのは、これで動き出したときに先生方のところにまた、技術的ないろいろな評価をいただかなければいけないということで御負担をかけることになるのではないかという点を非常に心配しております。特に、技術委員の先生方は限られておりますので、どうしても特殊な状況で先生方に御迷惑をかけるのではないかということだけ心配しておりますが、あくまでもこの会議でいろいろなことを議論して進めていくことになると思いますので、よろしくお願いいたします。
どなたか御意見ございますか。今のような形で一応議論はされているということでございます。もし特になければ、本日議論していただく点と報告事項というのは以上かと思いますが、どなたか全体的に見て何かございますか。どうぞ。
○保険局医療課専門官
保険局の事務局でございますが、今回の資料5-2の91~94ページの4枚につきましては、今後の中医協のほうで御了承いただくということとなっておりますので補足をさせていただきます。先日の「先進医療会議」で御了解をいただいた内容を中医協に報告するということになっております。
以上でございます。
○猿田座長
ほかに、どなたか追加事項はございますか。
細かいところは、まだこれから詰めていただくということですね。
○保険局医療課専門官
今回、こういった形で「先進医療会議」で御審議いただき、御了解いただいておりますので、また開催要綱等につきましては細かく規定させていただこうと思います。
○猿田座長
私どもがちょっと心配したのは、この間新聞に出ていた東京都の特区の問題とかああいうものも出てきているので、それもまた皆様方にいろいろな技術の面で御迷惑をかけるのではないかと心配しております。
一応、きょうまでのところは今、御報告いただいたところかと思いますけれども、ほかに先生方から特に御意見がなければ、先の予定を事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
次回の日程でございますが、来年1月の開催となります。こちらは1月22日木曜日、16~18時とさせていただきます。場所については別途御連絡させていただきます。
また、本日の議事録については、作成し次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、あわせてよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
先生方におかれましては、平成26年は一応きょうで、今年度は3月までとなりますけれども、いろいろと御協力いただきましたことを厚く感謝申し上げて終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
では、山口先生から一言。
○山口座長代理
終わってしまう前にda Vinciのことですけれども、今まで出てきたものを見ると、一般社団法人外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の試案に載っていないda Vinci技術の審査があります。外保連での評価が必ずしも正しいわけではありませんけれども、保険収載するときには必ず外保連の試案に載っていないとだめというルールになっています。外保連はいろいろな学会が全部集まっていますので、一部の専門学会の意見がそのまま通ることはありません。専門家が必ずしもいい意見を言うとは限りません。というのは、いろいろな利害関係やあつれきがありますから、専門学会だからこそ陥る罠もあると思うのです。むしろ全体を見回してやれるような、組織である程度登録の時に評価しておいた方がやりやすいのではないでしょうか。外保連における審査は保険収載の前に、どうせやらなければいけないことですから、ここに出す前に必ず外保連に出してもらうほうがいいのではないかと、個人的には思います。
○猿田座長
ありがとうございました。
どなたか御意見ございますか。山口先生は外保連の責任者でいらっしゃるから。
もし、ございませんようでしたら、これで終わらせていただきます。
どうも御協力ありがとうございました。
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