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2014年12月12日 第5回地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会

医政局

○日時

平成26年12月12日(金)16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議事

○北波地域医療計画課長 それでは、ただいまから第5回「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてまことにありがとうございます。

 本日は渡辺顕一郎構成員から御欠席との連絡をいただいております。また、武久委員が少々おくれておられるということです。

 また、私どもの医政局の二川につきましては、別用がございまして、後ほどこちらにまいりますので、御容赦いただければと思います。

 議題に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 お手元に議事次第、座席表、構成員名簿の他、資料1~3、参考資料1~6をお配りしております。

 また、本日安部構成員、齋藤構成員、和田構成員から資料を御提出いただいております。不足がございましたらお知らせいただければと思います。

 構成員の机の上には、前回資料をファイルにして置かせていただいております。

 それでは、以後の議事運営は遠藤座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 まず最初に団体を代表して御参加いただいている構成員の方が欠席される際には、代わりに出席される方について、事前に事務局を通じて座長の了解を得ること及び当日の会合において承認を得ることにより、参考人として参加し、発言をいただくことを認めることとしております。

 本日の会議につきましては、奈良県の渡辺構成員の代理として、表野参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、議題に入りたいと思います。

 本日は第3回検討会において議論いたしました、将来の医療需要の推計方法について再度御議論をいただき、その後、あるべき将来の医療提供体制を実現するための施策について御議論をいただきます。

 まず議題の1つ目、2025年の医療需要の推計方法について、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 地域医療計画課の佐々木です。

 座ったままで恐縮ですが、早速、資料の説明をさせていただきます。

 資料2及び参考資料1~3を御用意ください。

 まず、本日の御議論の位置づけですけれども、1031日の第3回検討会において、2025年の医療需要の推計の考え方についての案を御議論いただきました。そのときもさまざまな貴重な御意見を構成員からいただきましたが、提示したデータもフルデータでなかったり、また、具体的な数字もなかったりという資料を用いての御議論であったことから、結論をいただくという性格や段階のものではありませんでした。

 これを受けて本日は、この後、説明いたします資料2でもう少し論点を絞って、そして参考資料ではより多くのデータに基づいて御議論をしていただきたいと考えております。

 資料2の1ページをご覧ください。おさらい的になりますが、第3回検討会で事務局が提示した資料の概要を四角囲みでまとめました。そのまま読み上げますと、推計に当たっての基本的な考え方として、○1入院について医療需要を算出し、それを基に病床数を推計する。○2各医療機能の医療需要について、できる限り、患者の状態や診療の実態を勘案して算出するよう、DPCデータやNDBのレセプトデータを分析する。○3都道府県及び構想区域ごとに医療需要を算出することから、患者の流出入及び入院受療率等の地域差を考慮の対象とする。

 2つ目の○ですが、特に上記○2については、具体的には、患者に対して行われた医療の内容に着目することで、患者の状態や診療実態を勘案した推計になると考えられることから、患者に対して行われた診療行為を診療報酬の出来高点数で換算し、医療資源投入量の多寡で見ていくことが考えられる。

 その下ですけれども、DPCデータを分析することで、1入院について、1日当たりの医療資源投入量と入院日数との関係を見ることが可能であり、厚生労働省の研究班で行われた分析を御紹介したところです。

 ※印のとおり、今回、全てのDPC病院のデータから、医療資源投入量の推移を分析したので、後ほど御紹介いたします。

 また、第3回検討会に欠席された構成員もいらっしゃるので、いただいた主な御意見を6ページ以降に用意しました。

 2ページ、併せて参考資料1も御用意ください。まず先に2ページを申し上げますと、2ページは今回の分析の具体的内容で、(1)の分析対象データ及び(2)の分析の具体的内容は記載のとおりですので、省略いたします。

 3ページ、(3)分析の結果についてですが、併せて先ほどの参考資料1の2ページを隣に置いてご覧いただけますか。資料2の3ページと参考資料1の2ページをご覧ください。

 まず資料2の3ページの1つ目の○ですが、推計入院患者数の多い255の疾患について分析をしました。参考資料1の2ページの上の図ですけれども、この255DPCの医療資源投入量の推移を1つの図にプロットして見ると、異なる動きをするDPCが幾つかあるものの、入院初日から2~3日は医療資源投入量が特に高い状態にある。その後、一定の水準で医療資源投入量が落ち着き、安定しているということがわかります。これも逆の言い方をすれば、多くの疾患は入院初日から2~3日は医療資源投入量は特に高い状態にある。その後、一定の水準で医療資源投入量が落ち着き安定しているものの、異なる動きをするDPCもあるという見方もできるかと思います。

 つまり、入院後何日目だからといって必ずしも同じような医療資源投入量とはならず、こうした丁寧なデータの見方や分析が必要になると考えています。

 参考資料1の3ページ以降に7例ほど、どのような動きをするかの事例を示しています。横軸は入院後の経過日数で、縦軸は棒グラフ。棒グラフは左側にありますが、医療資源投入量の中央値で診療報酬の出来高に換算したときの点数。線グラフは右側の軸になりますが、その時点で入院している患者数でいわば残存カーブと呼ばれるものに当たります。

 なお、棒グラフの説明で中央値と申し上げましたが、入院後、患者さんは順次退院していくことになるので、その時点でまだ入院されている患者さんたちの中央値ということになります。この7例を比較しますと、病気によって棒グラフも線グラフもさまざまな経過をたどることがおわかりいただけるかと思います。そして、こうした多様性に対応した推計を行う必要があることもわかるかと思います。

 また、縦軸の右側は先ほど申し上げました患者数の実数でとっております。なので例えばこのグラフはこういう見方もできると思うのですけれども、7例の中で一番多いのは3ページの上の肺炎や急性気管支炎などで、一番このDPCデータのNが少ないのは5ページの下のケースだなという見方もできますし、また、4ページの下の精巣腫瘍で手術なしと、5ページ上の脊柱管狭窄などは約10倍患者数が違うんだなとか、こういう見方もこれらの資料によって可能になります。

 さて、資料2の3ページの3つ目の○をご覧ください。第3回検討会において各医療機能のうち、高度急性期機能と急性期機能の患者数の区分の考え方について四角囲みのとおり事務局案をお示ししました。つまり急性期機能については病床機能報告制度において定義が決まっています。急性期の患者に対し状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能という定義です。一方、医療資源投入量の提言の傾向を踏まえると、医療資源投入量が一定程度落ち着いた段階が患者の状態が安定した段階であると考えられる。これらを踏まえ、入院から医療資源投入量が落ち着く段階までの患者数を高度急性期及び急性期の患者数とする。

 ※印ですけれども、出来高換算点数で見た医療資源投入量は落ち着いているが、引き続き状態の安定化に向けた医療提供が継続されている患者も存在するのではないか。

 一番下の○ですけれども、また、高度急性期機能については、病床機能報告制度において急性期の定義に加えて診療密度が特に高いと定義されていることを踏まえ、医療資源投入量が特に高い段階の患者数を高度急性期の患者数とするという資料を第3回の際に事務局案としてお示ししました。

 続く4ページですけれども、論点を2つ提示しております。

 まず1つ目は、上から2行目から書いております高度急性期機能についての論点です。具体的には病床機能報告制度において高度急性期機能に該当する病棟の例として救命救急病棟やICUHCU等をお示ししました。このことから、これらの病棟に入院するような患者像も参考にして、高度急性期機能の患者数を区分する基準を考えてはどうかというのが高度急性期の論点としてお示しするものです。

 3つ目の論点は、その下の○、ただし以降にあるものですけれども、急性期機能についてです。具体的には第3回検討会でお示ししたとおり、また、先ほども申し上げたとおり、医療資源投入量は落ち着いているが、引き続き状態の安定化に向けた医療提供が継続されている患者も存在すると考えられていることから、こうした状態の早期安定化に向けたという患者数を今回の推計においてどのように分析や見込んだりするかというものです。

 その次の下ですが、3.慢性期機能の医療需要と在宅医療の患者についてをご覧ください。これは第3の論点に関することになります。

 まず四角囲みのとおり、2025年の在宅医療の患者数については、第3回検討会において退院して在宅医療を受ける患者数(現状であれば入院しているが、入院医療の機能強化と効率化によって退院し、在宅医療へ移行すると考えられる患者数)。

 ポツの2つ目が、現状において在宅医療を受けていると考えられる患者数。これを伸ばすものの合計として考えることをお示ししました。

 なお、その下の※印にあるとおり、在宅医療の定義に関することなのですけれども、ご自宅など居宅だけではなく、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、優良老人ホーム、その他患者さんが療養生活を営むことができる場所であって、医療提供施設以外の場所における医療を指すこととして、今後も説明を引き続きいたします。

 下から2つ目の○ですが、退院して在宅医療を受ける患者数を何らかの方法により推計する必要がありますが、療養病床については現在、診療報酬が包括算定であり、医療行為を出来高換算した医療資源投入量に基づく分析を行うことができません。つまり、先ほどのDPCのような形での分析は行えないという制限があります。

 そこで3番目の論点になるのが、4ページの一番下の○から5ページにかけての文章ということになります。つまり、現段階では地域の病床や在宅医療の充実、介護施設等の整備状況などにはばらつきがあると考えられるため、各地域の在宅医療の患者数を見込むに当たっては、全国的な状況を勘案しつつ設定することが必要ではないか。具体的には慢性期機能の医療需要と在宅医療を受ける患者については、一体の医療需要と捉える。そのうちどの程度の患者を慢性期機能の病床で対応するか。在宅医療で対応するかについては、現在、療養病床の入院治療率に地域差があることも踏まえて、医療資源投入量とは別の指標により設定することとしてはどうかという論点になります。

 今、申し上げたことのバックデータですが、参考資料2と3を御用意ください。

 まず参考資料2ですが、療養病床の都道府県別の性・年齢階級で調整した上での入院受療率の棒グラフになります。なお、注1にあるとおり患者住所別で算出したものであり、病院所在地別ではありません。

 裏面を続いてご覧いただいて、先ほどの表面で調整後でも都道府県間に差があることがわかりましたが、何に起因する差なのかという分析例として、裏面の縦軸に新たに療養病床に入院される患者の発生率を、横軸に平均在院日数をプロットしました。なお、地域差を検討する上でのいわば補助線として、平均在院日数の全国中央値やブロック別中央値などをグラフ上に線を引いております。

 もう一度、表面をご覧ください。参考資料2の表面です。例えば京都と和歌山をご覧いただくと、この両府県は同じ近畿ブロックであり、入院受療率も233237、人口10万人当たりと、全国平均に近い似たような数値となっております。

 ところが、裏面を見ると和歌山は太い線で十字に切っておりますけれども、和歌山はグラフの左上のグループ、京都は右下のグループであることから、療養病床入院患者発生率や平均在院日数は、受療率だけでは似たような数字であっても、こうしたものは異なる傾向にあることが読めるかと思います。

 参考資料3をご覧ください。これは療養病床の2次医療圏別の平均在院日数だけを並べた一覧です。表面は都道府県別で、その下に2次医療圏という並び方になっております。

 裏面は平均在院日数の短い順に並べたものに、人口データもつけております。これも事例を挙げて見てみますと、表面をご覧ください。表面の秋田県の横手2次医療圏は、ここは私も臨床医のころ勤務していた場所ですけれども、隣の湯沢・雄勝2次医療圏は、この2つは交通的にも近接しております。しかしながら、横手2次医療圏と湯沢・雄勝2次医療圏は、平均在院日数に倍以上の開きがあることも読みとれるかと思います。

 このように慢性期機能の医療需要と在宅医療を受ける患者については、その地域差を説明できる要因を網羅することが困難であることがわかります。だからこそ先ほど申し上げた地域差を踏まえた設定が必要であり、この次の議題で御議論いただく実現に向けた施策の工夫が必要になるものと考えております。

 以上の3つの論点、1つ目は高度急性期機能の患者数を区分する基準をどうするか。2つ目は、急性期機能の定義の早期安定化に向けたという患者増をどのように分析、または見込んだりするのか。3つ目は、療養病床の入院治療率に地域差があることも踏まえ、医療資源投入量とは別の指標により設定することとしてはどうかといった論点を中心に、さまざま御議論いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局の報告の内容につきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。

 中川構成員、お願いします。

○中川構成員 まず、資料2の1ページの枠内の最初の○の○1ですが、第3回でお示ししたと。確認ですけれども、これは了解したということではないということでいいですね。お示しされたということで。

○遠藤座長 事務局どうぞ。

○北波地域医療計画課長 そのとおりでございます。本日、本格的に御議論いただきたいと考えているものでございます。

えひさもとに病床数を推計する。この病床数というのは地域医療構想で示す4病床機能のそれぞれの必要量ですか。

○遠藤座長 事務局お願いします。

○北波地域医療計画課長 基本的にそれを念頭に置いて記述をさせていただいております。

○中川構成員 各4病床機能について議論してきた中で、例えば急性期病棟だと言っても重症度、医療・看護必要度の要件は15%となっていることからもわかるように、急性期病棟であるという病棟に全て急性期の患者さんばかりが入っているわけではないというのは御理解いただいていますね。

○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 御指摘のとおりでございます。

○中川構成員 それでこの○のいろいろ高度急性期の入院需要を算出し、それをもとに病床数を推計するというと、まるで高度急性期病床という病床数を算定するときに100%その高度急性期病棟には高度急性期の患者さんが入っているというふうに誤解されかねないので、それと違いますね。確認です。

○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 今回の各医療機能ごとの病床数、必要数という形で法律はたてつけになっておりますが、ここで計算させていただきますのは地域医療構想区域ごとのという形での需要と、それを病床に換算するとどうなるかというものでございます。基本的には個々の病院でどういう構成になるか。これはまた別のフェーズだと考えております。

○遠藤座長 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 先ほどの最初のほうのお答えは間違ったでしょう。患者数を出して、それに必要な病床数を推計することで、地域医療構想における4病床機能の必要量を算定するのではないでしょう。まずは医療需要に対応する病床数を算定するということではないですか。そのように訂正していただければ納得します。

○北波地域医療計画課長 そのとおりでございます。訂正させていただきます。

○中川構成員 ありがとうございます。

○遠藤座長 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 中川構成員がおっしゃった内容の確認なのですが、先ほど重症度、医療・看護必要度の例が出ました。例えば7対1であれば15%という数字が出ているわけですが、ということは残り85%について、気になる点があります。1ページ目枠内2番目の○の終わりのほうで、医療資源投入量の多寡で見ていくことが考えられるということで参考資料もつけられていると思うのですが、御主張なさったように3日間は非常に医療資源投入量の多い時期がある。それが例えば15%に当たる患者さんの層かもしれませんが、先ほどから中川先生がおっしゃったように、それが急性期でも100%いっている病棟では決してなくて、それが混ざった病棟だという認識でよろしいのでしょうか。15%混ざっているのが急性期の、例えば7対1は今、急性期としているわけですから。

○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 地域としてどのぐらい医療需要があるのかというはかるやり方と、現在、私どもが進めております病床機能報告制度での報告、これは病棟単位で出しています。これとは少し考え方は今のところずれておりますので、そこはそういうふうに区別いただければと思います。

○遠藤座長 中川構成員、お願いします。

○中川構成員 北波課長のお答えに補足させていただきます。15%と言っても、それは医療・看護必要度のポイントに関係するのが15%で、ポイントに反映されなくても急性期病棟に入院されている患者さんは急性期ということは十分あるわけです。客観的に急性期だというのがポイントに反映されなくても85%が違うのではなくて、急性期の患者さんだという認識はできるのだと。そういう性質の病棟だという意味で申し上げました。

○遠藤座長 武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 これは常識でありまして、7対1、10対1に急性期ばりばりの人ばかりが入っているわけでもなく、また、慢性期病床にもお示ししていただいたグラフのように、非常に短期間にどんどん出ていくところもあれば、長く療養している病院が多い県もあります。これはここの2ページのグラフを見ますと、やはりプラトーに達したところ、ここをどう考えるかであって、このプラトーに達したところが患者がみんな急性期が終わったというわけでは多分ないと思います。ただ、この状態になったときにずるずると急性期でおったほうがいいのか、それともリハビリテーションをするような病棟に早く移ったほうがいいのかというと、後者の可能性が多い人が多いというふうに私は考えております。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 他の視点から何か御質問ございませんか。石田構成員、どうぞ。

○石田構成員 4ページの3つ目の論点でしょうか。慢性期機能の医療需要と在宅医療患者についてのところですが、地域の病床や在宅医療の充実、介護施設等の整備状況などにはばらつきがあると考える。このため、各地域の在宅医療の患者数を見込むに当たっては、全国的な状況を勘案しつつ設定する必要があるのではないかとあるわけでありますけれども、各地域の状況の設定については、それぞれの都道府県における地域医療の充実や介護施設などの整備状況などの進捗に合わせて設定することも必要ではないかと考えております。

 説明からは、政策的に病院から退院すると想定される患者を、在宅医療や介護施設などで受けとめるといった医療提供側の事情が反映しているとの印象を受けるものでありますが、市町村では2015年に向けて地域包括ケアシステムの構築を目指すこととしており、地域で暮らす高齢者が在宅医療や居宅における医療を伴う介護保険サービスで支え切れない場合に、慢性期機能の病床や介護施設等が一定の受け皿になって支えるというイメージを描いております。

 また、5ページでしょうか。○印では慢性期機能の医療需要と在宅医療を受ける患者については、一体の需要と捉えるとあります。私は慢性期機能の医療需要と在宅医療の患者数の見込みに当たっては、地域における在宅医療や居宅における医療を伴う介護サービスの基盤状況などの整備の進捗などを踏まえる必要があるのではないかと思っているところであります。

 全国の市町村では介護保険事業計画、第6期の計画を策定中であることから、来年度の都道府県の地域医療構想を策定する際には、この点を十分踏まえていただくよう明記していただきたいと考えております。

 以上でございます。

○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として受けとめました。

 尾形構成員、どうぞ。

○尾形構成員 2、3コメントと確認なのですが、まず参考資料1の2ページ目の医療資源投入量、中央値の推移というデータは非常に興味深いデータだと思います。多少の例外は含みつつも、かなりの疾患については明確なパターンが見てとれるということだろうと思います。ステージとしての病期で急性期とそれ以外の部分というのは、ある程度これを見ると分けることも可能かと思いますが、その一方で高度急性期と急性期については多分これだけでは難しいだろうと思います。

 資料2に戻っていただいて、4ページで先ほど御説明があったように救命救急病棟とかICUHCU等の病棟に入院するような患者像も参考にして区分するという考え方が示されていますが、ここで言っている患者像というのは例えばどういう指標をもって考えようとしているのか、もう少し説明をしていただければと思います。これは質問です。

 あとコメントを続けますと、慢性期と在宅のところですが、これも参考資料2で療養病床の都道府県別の入院受療率が出されておりまして、かなり大きな地域差があることが示されています。一方、資料2の5ページで、慢性期機能の医療需要と在宅医療を受ける患者については一体の医療需要と捉え、そのうちどの程度の患者が慢性期機能の病床で対応するか、在宅療養で対応するかという形で考え方が示されております。これはそのとおりだろうと思うのですけれども、そういう観点から見ると参考資料2はやや物足りない感じがいたします。というのは、ここに示されているのは療養病床の入院受療率だけなので、在宅のほうの数を合わせて考えたときに、どういう姿になっているのか。一般的に言うと療養病床と在宅医療というのは代替的ではないかと考えられますが、本当にそうなっているのかどうかというあたりが次のステップとして必要だと思います。

 また、療養病床という形で1本で出されていますが、療養病床は医療療養病床と介護療養病床があるわけで、その2つを分けたときにこういう地域差というのはどういう姿になっているのか。その辺も見てみたいという気がします。この辺は意見でございます。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、事務局、質問が1つございます。それから、いろいろ御意見がありましたので、それに対してもしコメントがあれば続けていただきたいと思います。それでは、事務局お願いします。

○北波地域医療計画課長 尾形構成員の御指摘のところの高度急性期のところです。これにつきましては資料2の3ページをご覧いただければと思います。第3回にこちらのほうからお示ししましたところにつきましては、一番下でございますが「また」というところで、要するに高度急性期機能というものについては病床機能報告制度の定義も踏まえて、医療資源投入量が特に高い段階の患者数を高度急性期の患者数とする。基本的には医療資源投入量で分けられるところは分けていきたいということで今、考えてはどうかということでございます。

 ただ、このレベルをどうするのかということにつきましては、ある一定の患者像、今、4ページのほうでお示ししたようなもの、救急救命病棟やICUHCUというものを念頭に置きながら、どのぐらいの点数のところ、積み上げたところが区分になるのかというのを少し患者像も議論していただいた上で、私たちのほうでも検討したいと考えております。

 もう一つ、療養病床と在宅のほうとの在宅関係。これは恐らくあるのかどうか。これはぜひ見てみたいと考えております。

 もう一つ、まだ検討が追いついていないところがございますが、介護と医療、療養病床につきまして、これはそれぞれの県によって介護療養病床と医療のほうで比率が大分変っております。それと受療率にどう影響するのか。若干見たら余り関係ないのかなという気もいたしましたが、いずれにしましてもそこら辺は対比をしながらどういう影響があるのか検討、分析をさせていただきたいと考えます。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

 尾形構成員、いかがですか。よろしゅうございますか。

 相澤構成員、どうぞ。

○相澤構成員 本日提出されたデータを見ますと、急性期からある一定の状態に落ち着いていくというのはわかると思うのですが、例えば参考資料1の4ページ、例えば精巣腫瘍を見ますと、時々とんとんと突出するところがあるかと思います。そうすると、医療資源だけで切るのは非常に難しいのではないか。ですから、医療資源で切るのと同時に、その提供している医療内容というものを考慮しないと、私は間違える方向にいくのではないかという具合に危惧をしますので、ぜひその辺は考慮をしていただきたいと思いますし、恐らくレセプトデータからある程度のことはわかるのではないかと思います。恐らく想像するのに抗がん剤を使っているのではないかと私は想像するのですが、抗がん剤だったら外来でもできるのかなということでございます。

 もう一点、それと類似した話なのですが、在宅医療か、あるいは在宅ではなくて医療施設あるいは介護施設での療養をするのかということでございますが、これに関して地域差があるというのは、恐らく在宅医療なり施設の提供量によるのだろうと思います。となりますと、今後、日本の医療設計をしていくためには、そこをどれだけ量を確保するのかというのは非常に重要な問題になると思います。

 そのときに重要なのは、施設あるいは医療施設によるどういう医療の提供をしているのかということを見なければならないと思いますし、在宅においてはどんな医療を在宅において提供しているのかというのを見ないと、同じ医療の提供が必要なのにある人は在宅で、ある人は入院でということは、そこに何かの因子があるわけでございますので、ぜひどういう医療をそこでは提供しているのかということを分析しない限り、今、提示されたような曖昧の中でずっといくしかないと思いますので、その辺をぜひやっていただきたいということをお願いしたいと思います。

○遠藤座長 御意見として承りました。

 それでは、関連ですか。西澤構成員、お願いします。

○西澤構成員 今の相澤先生と関連するのですが、ここに単純に医療資源投入量が高ければ急性期あるいは高度、当然だなと思いますが、医療資源とは何かということを明確にしないとだめではないかと思います。考えられるのは例えば手術する、あるいは高額な検査をする、薬剤だと思います。それぞれで意味は違ってくるのではないかと思います。例えば手術には人が多く関わるのは当たり前です。でも例えば薬剤の場合、その薬剤が例えば副作用とかで観察が必要な場合にはそうかもしれないが、ただ、高額なだけであって、何らそこに看護や医師の関与がないのであれば、それは本当に急性期とか高度急性期に当てはまるのかとか、そういうこまめな分析が必要だと思います。ただ十把一絡げに医療資源投入で見てしまうと間違うのではないかと思います。そのあたりはもう少し精緻した資料を出していただいて、議論したほうがよろしいのではないかと思います。

 それから、実は入院基本料を除いているのは一見よさそうですが、一番大事なのは人ではないでしょうか。そこに医師がどれだけ関わるか、看護師がどれだけ関わるかが高度急性期や急性期の1つの要件ではないかと思います。私はこれを抜いたことに対しても若干疑問に感じます。そのあたりはどのようにお考えなのか、お聞かせ願えればと思います。

○遠藤座長 質問ですので、入院基本料を抜いた資料ですけれども、その根拠について御説明をお願いしたいと思います。

○北波地域医療計画課長 正確にお答えできるかどうかというものがありますが、現在、私たちが今、4区分というものはどうやって区分できるのかというところについて、現在利用できるデータというものを活用して、何らかの傾向を見ながら、そして患者像ともなるべく一致させるような形で分類をしていこうという姿勢であるということでございます。だから基本的に現在、利用可能なものというのが1つの制限要因になってくるということであります。

 手術、検査、薬剤、それぞれコストがかかりますというところの、そのコストのかかる額は一緒でも、内容が違うということをどう評価するかということでございます。

 ここにつきましても、いわゆる検査でかかっている場合はどういうものか。薬剤の場合は、例えばどう言えるのか。これはいろいろな評価があろうかと思いますが、高い薬剤を使われる場合は、それなりに投薬の管理というのは非常に手間がかかっているのではないかとか、そういうふうなことも踏まえまして、例えば薬剤を抜いてみると本当にそれで状態がちゃんと反映される度合いがまた遠くなってしまうのか。そういうふうなことも少し考えなければならないのかなと思います。

 そういうことからいいますと、現在のところは手術、検査、薬剤、幾つか内容には類型はありますものの、DPCの中でも出来高換算をして、それを医療資源投入量ということで犠牲をさせていただいて、それで分類するというのは1つの考えられる案ではないかということで御提示をさせていただいております。当然もっと精緻な分析方法が出てくるとか、ビッグデータもございますから、そういうものが出てまいりますれば、それは改善していくのが当然でございますけれども、現在そういうふうなデータの制約の中でもできるものが何かあるかということでさせていただいている。

 入院基本料につきましても当然私たちも入院基本料、先ほど7対1も15%という話もございました。人というところの御指摘というのはそのとおりでございますが、これにつきましても入院基本料のところについては、7対1や10対1やそういう体制で見ておりますので、その中の個々人で見たときの看護必要度であるとか、どのくらい提供しているかというところが本当にリンクできればいいのですが、今できていない状況の中で一旦外して、それで図らせていただいているということでございます。もし関連があるかどうか、当然それは宿題としてあると思います。

○遠藤座長 それでは、手短でお願いします。

○中川構成員 西澤先生がおっしゃったことは大体正しいのですけれども、この議論が始まるときに例えば急性期病床群の議論からずっと続いているときに、地方で看護師さんがいなくて13対1、15対1で救急を受け入れて、急性期をやって頑張っているところがある。それをどうするのだということを忘れてはいけないということを一言言っておきます。よろしくお願いします。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、お待たせいたしました。加納構成員。

○加納構成員 今の議論に通じるのですが、資料2、3ページの枠内3つ目の○以降の部分でありますが、医療資源投入量で落ち着く段階までの患者数を高度急性期、急性期の患者数とすると決めているのは、今の議論の中では少し違和感があります。それと、その下に※印でついているところでは、存在するのではないかという、つまり存在するのは先ほどまでの議論の中で、存在するということで決めていただける、ということではどうでしょうか、ということなのでしょうが、明らかに存在する、というのが急性期の病床であると私は理解しているのです。そういう面では、いわゆる急性期の病棟で安全な医療行為を行う上で、必要な急性期における入院日数とか、そういう考え方もあるのではないかと思うのですけれども。

○遠藤座長 それは事務局にコメントを求めておられるわけですね。それでは、事務局どうぞ。

○北波地域医療計画課長 御指摘のとおりだと考えております。今回の患者像というものをどういうふうに分析するかというところにかかってくるわけでございます。当然、医療資源投入量で、今回こういうふうなことで諮って、すとんと落ちて、すっといったときに、その切れ目のところで直ちにというふうなことにするのかどうか。もしくはそれは患者さんがどういう状況にあるかというところの評価と関わってきますので、当然転院させるとか退院させるとか、次のステップに移るための期間というのはどう評価するかというのはあろうかと思います。だから若干そういう期間はあるのかなということを念頭に置きながら、こういう記述は書かせていただいた。

○遠藤座長 加納構成員、いかがでしょうか。

○加納構成員 今の話を聞いていますと、あくまでも医療資源の投入量がぽんと切れた時点までが急性期かなという話に聞こえてしまうのですが、どうでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 そうではございません。切れた後、状態が安定するためとか、現実問題と見て患者像としてどうなのかというのを考えていただきたいということでございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 お待たせしました。武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 この論議が始まったのは多分、去年8月ぐらいに医師会が医療機能の病床機能の4つを提案したときからだと大きく思っていますけれども、これを見ますと高度急性期と急性期の差は医療密度が特に高いということだけが差になっています。回復を見ると、急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療、医療ということは治療とリハビリテーションとなっております。慢性期は長期にわたり療養が必要な患者を入院させる。また、重度障害者及び難病となっておるわけでございますけれども、結局これはどういうことかというと、急性期の定義ということはかなり前にDPCの分科会で症状が安定するまでということだと思うのですが、ではどういうものを安定したと言うのか。と申しますのは、療養病床に急性期から患者さんがたくさん来ます。様々な患者さんいるので、安定していなかったり、かえって悪くなっている人がいるのも事実です。そういう人を我々慢性期で診て一生懸命治療をして、リハビリをして、帰しているという現状もあります。

 そういうことから考えると、急性期の定義の見直しというものもそろそろ要るだろうし、この病床機能の去年決めたものが正しいのかというのは、この参考資料にありますように療養病床でも結構短い間で退院している。また、我々の調査でも入院患者さんの33%が2週間以内に退院しているということも考えあわせますと、決して療養病床が長期の療養を要する患者さんを主体として入院しているというわけではありません。在宅療養等の慢性期の患者さんが急性増悪した場合は結構地域で入院をしております。そういう現状から見ると非常に不思議なところですが、ここの慢性期のところでは療養病床とはっきり書いてあるのです。あとの高度急性期、急性期、回復期には、昔は一般病床という言い方をしていたのですけれども、一般病床という言い方がほとんど出てこなくなったので、逆に言うと急性期病床と療養病床という形になるのかと思うのですが、去年から今まで話をしてきて、間で1つ非常に大きな転換点があった。それはことし4月の診療報酬改定です。そこで特定除外がほぼ全廃された。

 このことは去年どうだったのかというと、特定除外という慢性期の高齢者がたくさん入っている、いわゆる自分のところは急性期だという病院も結構あった。そうでないところもあった。そういうものが全部混在していた段階で4月の診療報酬改定では、そういう患者さんについては療養病床、入院基本料と同じ点数で報酬を請求しなさいということになりました。こういうふうになってくると、去年と今ではフェーズが違うわけです。だから去年の資料をもとに論議することが果たしていいのか。医政局が主体か保険局が主体かは別として、4月に大きな改革を伴う診療報酬改定があった以上、それを踏まえた上で論議をするということのほうが私は大切ではないかと思います。一般病床の中でも慢性期の患者さんがいっぱいいたという現状、まだいっぱいいるという現状をどう捉えるか。事務局に意見を聞きたいと思います。

○遠藤座長 関連ですか。中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 武久先生にお聞きしたいのですが、急性期の患者さんが慢性期の病床にいらっしゃる地域というのは機能区分で言うと、急性期病床が足りないのではないですか。それはあるべき姿ではないと思いますが。

○遠藤座長 武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 先生おわかりのように、急性期のあらゆる病院が全て患者さんを治してくれているわけでもないのです。残念ながらうまく治らない場合もありますね。当然慢性期の場合もあります。だからそういうふうに安定した患者さんが送られてくるわけではない場合もありますよということを言っているわけです。だから我々のほうで急性期から重度の人でまだ状態が安定していない人を急性期のほうは、もう急性期治療が終わったから、後の治療はよろしくお願いしますと言って送ってこられる患者さんはいます。その人に対して我々はリハビリテーションとか、慢性期の治療をしているわけです。

○遠藤座長 武久構成員からの御質問といいますか、幾つかのことをおっしゃっているようなのであれなのですけれども、コメントがあればお答えいただければと思います。事務局どうぞ。

 では、加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 今の発言を聞いていますと、それは慢性期の医療体制がドクターも48対1で、看護婦さんも25対1か20対1で診られているのだから、先生の御発言は気になるところなのですが。

○遠藤座長 どうぞ。

○武久構成員 私は事実を言っているだけですよ。だからそういう人を入れて、お医者さんは48対1と言いながら、実はその倍ぐらいの医者がいないとできない。看護婦さんも20対1ではできないので、16対1ぐらいに加配してやっている。これが現状です。

○遠藤座長 では、邉見構成員、どうぞ。

○邉見構成員 私はずっと思っているのですけれども、患者さんの重症度を期間で分けるとか、点数で重症度をするというのは実際は無理なのです。どこかで一人一人病気というのは個人違いますからね。本当はそういうふうなことはできないのですけれども、7対1のときは私は病棟を主張ずっとしたのですけれども、病院になったわけです。今度は本当は一人一人だったら病床をしなければいけないのを病棟にしようと言うのです。だからみんな無理があるのです。初めから。

 そして、今、日本の医療機関で退院基準とか入院基準がぴっちりしているところは非常に少ないのです。みんなばらばらの基準でやっていますから、何日入院するかという基準がないわけです。この病状について。地域によっても違いますし、病院の規模とかマンパワーによっても違います。いろいろ違うので、これは結局、いつまで議論してもみんなかみ合わないのではないかという気がするのです。ずっと聞いていて。だから何を本当に基準にするかというところがわからない。

 例えば先ほど精巣腫瘍のところで、化学療法をしているからウィークリーでぽんと抗がん剤が来るから、ところどころ高くなるのではないかと言いましたけれども、我々の地域でやれば1日にバスは3往復ぐらい、盲腸腺ですけれども、JRは昼間だったら2時間に1本ぐらいですから、化学療法でも入院したいわけです。乗せてきてくれる人もいないですし、放射線とか化学療法は後がしんどいですから、そういうことも考えると地域差も物すごいありますし、先ほど中川先生おっしゃったように看護婦さんも慢性的におりませんし、しかし救急は皆受けていますし、そういうふうなところがありますので、これはなかなか皆さんの言っている難しいなというのが事実ですから、どこかで何かで決めなければいけないとすれば、少しの例外は仕方がないのではないかという気がするのです。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 まさにそういうことだと思うのです。そういう意味で医療需要を単純に分けるのではなくて、ある程度機能で分けていこう、医療需要を機能別にわけていこうということでありますから、何らかの形でやらなければいけない。厳密にはいろいろな難しいことはいっぱいあるわけであります。しかも個別にどういう治療をやられたのかという問題もありましょうし、データの中には単なる資源制約の反映であるということで、たまたま医療機関がないからそういう形になっているんだということもあるわけですので、さまざまな課題があるのですけれども、他にそれではなかなか使える代替案があるのかどうかという視点で、どこまでこの事務局提案を許容できるかということの議論だと思いますので、そういう視点からも御発言をいただければと思います。

 先ほど武久構成員から事務局に質問がありましたですかね。

○武久構成員 ありました。だから要するに慢性期医療の去年決めた概念、長期にわたる。これに限定するというのがおかしいし、現実問題として私は急性期というのは急性期治療が終了した段階で急性期は終わると実は思っているのです。だから急性期治療というものはどういうものかというと手術とか特殊な処置とか、そういうものが終わって後、3カ月も4カ月もいることはあり得ないわけですから、普通、7対1でも18日という平均在院日数がありますから、平均すると大体2週間ぐらいで帰るというのが普通であって、このDPCの参考資料1のグラフが安定するところというのは、まさに次のステップに移らないといつまでもリハビリが少ない急性期病院でいて、よくなって帰れるわけがないのです。これが高齢者になったらとてもではないけれども、帰れない。そういうふうに長く急性期にいるということが、かえって本人には害になるという概念、認識が非常に乏しいと思います。

 では、慢性期に対する概念をちょっとおっしゃってください。

○遠藤座長 事務局どうぞ。

○北波地域医療計画課長 慢性期の定義というのはつい先ほど、7月のときに医療機能病床制度の取りまとめのときに定義づけという形で今、武久構成員から御指摘のあった長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能と、その他の難病、筋ジスというふうな定義がございますので、これをそのまま素直に受けて分類をしていくということではないかと思います。

 もう一つは、要するに入院した後、ずっと期間がたっても例えば医療投入量で今、はかりますと、例えば参考資料1で少し入院日数が経過してからも高いところが続いているところがあります。これをどう評価するのか。これは当然あろうかと思います。ただ、現在これは母数も少ないですから、少し例外的なものと見るのか、これをセンターとして正面から受けとめて定義を変えるのか。恐らく私どもが今やろうと思っていることというのは、地域医療構想区域でどのぐらいの需要があるのかということをはかるということでございますので、個々の症例の中でそういうふうなことがあったときにどう整理するか。それは分けて考える必要があるのかなというところはあると思います。

 もう一つは、診療報酬の立て方で需要が変わるというのもおかしな話でございますので、まず需要は現在、利用可能なデータの中でできるだけ客観的に見せていただいて、診療報酬、お金のつけ方というのはまた別の話として考えたほうが、整理がつくのかなというふうには考えております。

○武久構成員 ということは、この参考資料2を見ますと療養病床でも非常に先ほど言ったように急性期の患者さんを診ているし、入院期間が短い場合もある。慢性期の病床期の医療機能は確定ですか。現在では確定なのです。そうすると、そうでなしに急性期から患者を受けて、短期間で治療して帰すという機能をもし療養病床が持った場合には、そこは回復期になるのです。だから療養病床はイコール慢性期ではないというふうに考えていただいているのであれば、それでいい。療養病床でも回復期の機能を半分以上持っているところは、それは回復期になるということでいいでしょうか。

○遠藤座長 関連ですね。中川構成員。

○中川構成員 今のこの検討会は、突然この検討会が始まったわけではなく、それまでいろいろな検討会、医療部会を通じて議論を尽くしてここまで来ているのです。それで急性期も療養病床で診るなんてことをおっしゃられると、これはちゃぶ台返しみたいなものですから、議論を戻して整理しましょうよ。病床機能報告制度で自主的に4つの機能を報告して、そして2025年の医療の提供体制のあり方で地域医療構想として各4病床機能がどのぐらい必要なのかということを出すと、あるべき病床機能、医療提供体制の姿を示すためのガイドラインの検討会ですから、例えば特殊な療養病床で急性期を診ているから急性期も療養病床だとか何とかという、そういうことを言い出すとこれは議論になりませんので、その辺のところは座長、議論を戻していただきたいと思います。

○遠藤座長 あるところで収束させますけれども、ただそうは言っても一応御質問があったわけです。

○武久構成員 非常に重要なことなので、さきの段階で去年からやっているからこう決まったのだから、あとは何の話も要らない。だってこの4月に大きな変化があったということと、前に決めたときには慢性期医療の代表は誰も入っていなかったのです。慢性期医療の現状を言っているだけであって、中川構成員はサブアキュートという言葉はなくなったんだと言ったけれども、現実にありますから言いますが、特養や在宅でいる患者さんが肺炎になった、熱が出たと言うと、療養病床にたくさん来ます。それは慢性期ですか。急性期ですか。私はそういう邉見先生がおっしゃったように、がちっと決めるのでなしに、来た患者は診るわけですから現状を言っているわけです。あなたは療養病床には急性期の人は1人もいないと思っているのですね。

○中川構成員 ちょっと待ってください。いつそんなことを言いましたか。1人もいないなんて言っていませんよ。急性期を療養病床で診ているということ自体が違うのではないかということをまずお聞きしたのです。それでサブアキュートがなぜ違うのかというと、軽症急性期という言い方をするから違うと申し上げているのです。高齢者の方が慢性期病床だとか在宅だとか介護施設に入っていて、肺炎を発症したら急性期です。軽い重いは後からわかることなのです。だから私はそういう患者さんは急性期病床機能のところで診るべきだとずっと申し上げているのです。そういう意味で発症時に軽症急性期と決めつけるいうことを意味するサブアキュートという言葉は、使わないようにしましょうということを申し上げているのです。

○遠藤座長 了解しました。いずれにしても、この話はこれでやめたいと思いますが、もし先ほどの話で事務局からコメントがあれば承ります。なければ結構ですが。どうぞ。

○北波地域医療計画課長 基本的にはそのようなどこで受けるかというところも含めて、基本的には2025年に地域医療構想区域でどのような医療体制をとるかというところを各医療構想区域ごとによく考えていただくということだと思いますし、現在ここで御検討いただきたいというところは、まずは需要というものをどういうふうに見込むかというところでございますので、そこの区分の考え方につきましてはぜひよろしくお願いしたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、齋藤構成員、お願いします。

○齋藤構成員 1点、確認をさせていただきたいのですが、慢性期機能のところと在宅医療の需要の見込みを推計するときに、手順としては現状で在宅医療を受けている方々、これは精神も子供もみんな入っていると考えているのですけれども、そのことと、それから一部慢性期機能のところを一体の需要と捉えて、そこからどの程度在宅で診るか、あるいは病床で診るかということは、各都道府県での、あるいは協議の場、2次医療圏ごとでそのことは検討するということでよろしいのかどうかということが1点。

 もう1点は、いろいろ地域差があるので別の指標で設定するということが出ているのですけれども、本日の資料で、療養病床の受療率と平均在院日数と発生率というようなデータが出ているのですが、この別の指標というものが、すなわちこれらを使ったもので設定をするのだということで私たちは考えていていいのかどうか。その2点を伺いたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 事務局、よろしいですか。

○北波地域医療計画課長 今回、受療率という形でこの資料も提示させていただいているというのは、こういう指標も使うというのが1つあるということで出させていただいております。

 慢性期のところでの障害を抱えておられる方とか、そういう長期療養でおられる方、こういうものも当然中にはありますが、一体として捉えるときに、そこら辺を全部切り出してやるのかどうかというのは、ちょっとそれは先ほど石田構成員からも御指摘がありました地域での在宅の基盤とも関わってくるものなので、一律にできるのかなというところがあります。

 もう一つ、前回ですが、新田先生からお話がありましたように、例えば療養病床での医療区分1というのは、基本的には在宅で居宅もしくは施設というところで対応できるのではないか。ただ、もう少し進んでいるところは医療区分2とか3でも大丈夫なのではないかということもございましたので、恐らくそこら辺は地域による差が出てくるかと思います。

 恐らくこれは地域医療構想区域ごとに、どういう目標を持って10年間で達成するのかというところに関わるときに、例えば全国的にはこのレベルにありますとか、進んだところはこのレベルにあります、それを我が構想区域ではどうしましょうかということを議論していただくような構成なのかなと思いますが、そこにつきましても御検討いただければと思います。

○遠藤座長 邉見構成員、どうぞ。

○邉見構成員 今、齋藤構成員は、在宅の中に子供や精神とおっしゃいましたけれども、精神は今回は全く除外ではないですか。

○齋藤構成員 在宅医療は結局、精神の患者さんも診ておりますし、子供も診ているので、ここに現状において在宅医療を受けていると考えられる患者数と書いてありますから、当然そのことも入ってくるのだろうなと思ったので今、確認をしたところでございます。

○遠藤座長 事務局、確認をお願いします。

○北波地域医療計画課長 患者数のときには、精神病床というのは入れておりませんが、どのくらいの供給体制で行うかと考えるときには高度療養になりますので、よろしくお願いします。在宅だけです。

○遠藤座長 それでは、精神の話が出ましたので櫻木構成員、どうぞ。

○櫻木構成員 医療需要を考えるときには、この人はどの病気で、どの病床を利用しているかというよりは、むしろこれだけの需要があって、それをいわゆる医療資源の必要量に振り分けていくという考え方ですね。ですから医療需要を考えるときは、この人は精神だから何とかということはちょっと横に置く必要があるのと、今、問題になっているのは精神で言うと例えば在宅介護で言うと認知症の方だとか、あるいは逆に言えば一般病床に入院している人でも、精神疾患がありながら身体合併症を診ている人もいたりするので、そこをどういうふうに考えていくかというのは必要で、その辺の視点というのは細かく検討する必要があると思いますし、そのことについては我々もいろいろな細かなことについて考えを持っていますので、またそれは項目立てをして資料として提出したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 相澤構成員、お待たせしました。

○相澤構成員 先ほども申し上げたのですが、先ほど齋藤構成員の意見もそうなのですけれども、在宅というのは何も高齢者だけではないものですから、先ほど言いましたように医療内容、どんな方にどんなことをやっているのかをしっかり把握しないと、全部一概にばさっと切ってしまうというのは、私は何か間違った方向に行く可能性があると思いますので、それはぜひお願いをしたいと思います。それは療養病床のほうでも多分同じだと思うので、お願いしたいことが第1点。

 第2点は、先ほどからの話を聞いてみますと、地域にどれだけ入院が必要な患者さんがいるかという把握ですから、そうしますともし武久先生がおっしゃるように、療養病床のほうにもそういう急性期の方が入ってくるとすると、その量というのも把握しないと地域全体の需要は一般病床だけのデータでは多分不足するのだろうと思います。そうすると、そこの量的把握をどうするかということも、1つ考えなければならない点ではないかという具合に思います。

○遠藤座長 先ほど来の御主張ですね。内容まで踏み込むべきであるということですね。

 それでは、山口構成員、お願いします。

○山口構成員 確認をさせていただきたいのですが、先ほど齋藤構成員の御質問の回答のところでちょっとよくわからなかったのですが、資料2の5ページの慢性期機能の別の指標というところなのですけれども、受療率も1つの指標になるという回答と受け止めました。この慢性期はこれから高齢者がふえてくることになると、需要として非常に高いところだと思うのですが、例えば自分の近隣で入院できるところがなくて、県をまたがって遠い医療機関に入院をするという電話相談も届くことがあります。先ほどの表を見ていますと他県から流出入している方もいらっしゃるように感じるのですが、先ほど御説明の中で地域の事情や特徴を明確にすることは不可能なのでというような御説明のようにお聞きしました。ここの別の指標として具体的に想定しているものが、受療率以外に何か具体的なものがあるのかどうかということを別の指標により設定することとしてはどうかと書いてあるので、例えば具体的に指標の想定が何かあるのであれば、教えていただきたいと思います。

○遠藤座長 事務局よろしいですか。お願いします。

○北波地域医療計画課長 受療率というのは1つの代表的なものであります。裏側にもいわゆる療養病床、入院患者発生率とか平均在院日数、これをかけ合わせると基本的には受療率のような形になるのですけれども、例えばどのぐらい急性期、回復期のところから慢性期とかそういうところに移ってこられるのかというのは新規のところですね。そこら辺でどういう流れになるのか。もしくはなったときにどこまでおられるのかということもあろうかと思います。

 1つの指標でということは私たち今のところは決めておりませんが、余り受療率以外に考えられるものが現在ではないのかなと考えております。

○遠藤座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 ということは、こういうものを参考にしながら、それぞれの地域や地域の特性に合わせて考えてくださいというふうに受けとめればいいのでしょうか。

○北波地域医療計画課長 恐らく現状の受療率というものをそのまま追認するような形ということであれば、まさにこれから在宅を推進していきましょう。地域ケアというものを推進していきましょうという観点から言うと、私どもも問題がないわけではないと思っております。ということでありますので、基本的にはできるだけその地域に戻していき、また、地域から来られたらすぐまた地域に戻っていくような姿を描く中で、どこを目標にするのかというところを少し指標としてガイドラインでも示すというのが1つのあるのだろうと思います。全国規模を目指すのか、もう少しトップランナー的なところを目指すのかというところの議論というのはあろうかと思います。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 他にございませんか。西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 今、いろいろな意見が出ましたが、要するに機能を分けるときに医療資源投入量を使うという事は原則的には反対ではありません。ただ、先ほど私が言ったように、資源と言ってもそれぞれ違うので、そのあたりはきちんと疾患ごとに見直して、精緻化することによって4区分の中に生かしていただきたいと思います。

 もう一つ大事なのは、先ほど私は入院基本料と言いましたが、医師と看護師がその患者さんにどれだけ関わっているかというのは大きな1つの基準だと思います。それも大事なので、医療資源とは別に、考慮していただきたいと思います。

 一番問題なのは、今の看護必要度が本当に看護師さんがその患者さんに時間をかけているかどうかというのは、少し疑問があるので、タイムスタディを1回やってみる必要があるのではないかと思います。これは大がかりにできませんが、これをやることによって、より4機能の分類ができるのではないかと思っています。もちろん来年4月に間に合わないと思いますが、タイムスタディはぜひやっていただきたいと要望しておきます。

 以上です。

○遠藤座長 邉見構成員、どうぞ。

○邉見構成員 事務局にちょっとお聞きしたいのですけれども、武久構成員が先ほどおっしゃったように、4月に地域包括ケア病棟というものができましたね。これはこの4分類であれば急性期、回復期、慢性期、全部入るような地域医療ビジョンを1つの病棟でやるような病棟だと私は解釈して、田舎の自治体病院とか中小の病院はこれをとるべくというか、この方向に行くしかないという病院も小さい病院にはいっぱいあるのです。これはその保健局マターですけれども、その病棟はどういうふうな分類になるとお考えですか。

○遠藤座長 事務局どうぞ。

○北波地域医療計画課長 私たちも今、病床機能報告の第1弾を受けている段階ですので、それとどうやって照合できるかというのはございますけれども、いろいろなところで来ると思います。ただ、要するにいろいろなケアをやっているのだろうなと思うのですが、病棟単位で報告を受けていますので、恐らく慢性期のところで上げてくるところ、一部回復期で上げてくるところ、そういうものが多いとは思います。急性期もしくは回復期ですが、ちょっとそこは見させていただかないと何とも言えないというところです。そこら辺は私自身もどうなっているのか勉強途中でありますので、よろしくお願いします。

○遠藤座長 武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 私も西澤構成員の意見に賛成で、ぜひ1回タイムスタディをやられたほうがいいと思うのです。というのは、療養病床というのは暇だと誤解されているのではないかと思うのです。医療区分2、3ってどんな状態か皆さん御存じですか。ここにいらっしゃる方、多分知らない人が多いと思うのですけれども、酸素吸入をしたり、中心静脈栄養をしたり、急性期のICUと変わらないような治療をしている人が、3ですからね、そういう状態のときにどのように看護師さんやお医者さんがそこで1分刻みで動いているかということも、ぜひ一般の急性期と言われるところと比べていただいたらいいと思うのです。

 それと病床機能は病棟単位ですから、ここで大きな多分、中川構成員の考え方と私の考え方と違うところは、結局、急性期病床と慢性期病床とが一緒にある病院の場合には、当然そのサブアキュートも何もかも関係なく急性期病棟にその病院の先生を入れるわけです。落ち着いたら慢性期に入れる。これは正しいというか、そういうふうにしているわけです。ところが、慢性期病床だけしかないところは、その近くのお年寄りが来たら、それは急性期も診ますし、そこの病院が、ここは慢性期病床だとどこにも看板に書いていないですから、当然外来も200300来ている場合もありますから、そういうときは慢性期の病床に急性期の病変の人が入るのは当たり前の話であって、それだけのことです。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 清水構成員、どうぞ。

○中川構成員 済みません、今日の予定を聞きたいのですけれども、6時まででもう一つ大きな議題があるので、ぜひ進行していただきたいと思います。○遠藤座長 大体よろしゅうございますか。それでは、初めてということで清水構成員、お願いいたします。

○清水構成員 せっかく参考資料3というものをつけていただいておりますので、この療養病床で今たくさん御意見をいただいたのですけれども、全国で見ると長崎県から北海道まで非常に平均在院日数というものに差があるのですが、これは地域の差ということで、地域差をかなり考慮して設定をしなければいけないということで、この資料を出されたのでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。

○遠藤座長 事務局どうぞ。

○北波地域医療計画課長 事実としてこのような形になっているというところを見ていただきながら、これではまずいのではないかということも認識していただければなと思ったので、用意をしております。

○清水構成員 先ほどもおっしゃったように、平均値をより目指していくという考え方でしょうか。

○遠藤座長 事務局どうぞ。

○北波地域医療計画課長 地域住民の方にとって何が一番いいのかという議論がまず先にあろうかと思います。その中で何を目指すのか。平均がいいのか何がいいのか。ここはぜひ御議論をいただきたいと思っています。

○遠藤座長 ここでの議論ということでございます。

 ありがとうございました。大変活発な御意見をいただきまして、どうもありがとうございます。事務局におかれましては、ただいまいろいろと御意見がございましたので、引き続き2025年の医療需要の推計方法について検討していただきまして、また再度この検討会で議論したいと思いますので、必要な宿題はお願いしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 次に議題の2つ目、あるべき将来の医療提供体制を実現するための施策等について、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 資料3をお手元に御用意ください。手短に説明いたします。

 資料3の1ページ目ですけれども、この基本的な考え方にありますとおり、本年6月に成立しました医療介護総合確保推進法では、あるべき将来の医療提供体制を実現するための施策等について、医療法ですとか医療介護総合確保促進法などを定めている。1~2ページにその根拠条文を掲載しております。

 これ以外にも2ページにありますとおり、昨年12月に社会保障審議会医療部会でおまとめいただいた御意見ですとか、また、ことし9月に医療介護総合確保促進会議で御議論いただいて、大臣告示でまとめた総合確保方針ですとか、また、各都道府県や市区町村、医療機関等で実際に実施されている事例などを整理して、このガイドラインの中で事例も含めてお示ししてはどうかという趣旨がこのペーパーです。

 例えば3ページをご覧ください。今、申し上げたとおり、各都道府県が地域医療構想を策定する際に実現するための施策を記載することとなりますけれども、まずここでは病床の機能分化・連携の推進についての整理となります。

 1つ目の○ですが、地域医療構想の達成に向けた病床の機能の分化及び連携については、都道府県が策定した構想区域における高度急性期から慢性期までの各医療機能の医療需要に基づき、ここから先が大事なのですけれども、医療機関の自主的な取組み及び医療機関相互の協議により進められることを前提としています。この自主的な取組みと医療機関相互の協議を前提としていることが、繰り返しになりますが、この制度改正の大きなポイントとなっており、これらを実効性のあるものとするために、地域医療介護総合確保基金を有効活用していただくという骨格になっております。

 ○の2つ目から4ページにかけては、この視点に立ったときにどのような方策があるかを整理したものでございます。

 5ページ、在宅医療の充実についてです。なお、在宅医療とは、先ほどの議題の際の説明の繰り返しになりますけれども、※印にあるとおり、御自宅などの居宅だけではなく、施設系のものも入るというもので説明を続けてまいります。

 ○の1つ目ですが、在宅医療の提供体制は、在宅医療を受ける患者の生活の場である日常生活圏域での整備が必要であることから、市区町村と連携して推進していく必要があります。このことは医療介護総合確保推進法の中心的な考え方と言えるところです。

 一方で、市区町村はこれまで在宅医療を初めとする医療行政になじみがなかったという背景もございます。このため保健所等を活用した都道府県の支援が重要となります。つまり都道府県と市区町村が施策ごとに役割分担等を検討し、いわば網の目を組んで市区町村が地域包括ケアシステムの観点から、円滑に施策に取り組めるよう連携して進める必要があります。

 なお、地域包括ケアシステムですけれども、医療確保総合確保推進法などで地域の実情に応じて包括的に確保される体制と定義されております。

 ○の2つ目以降は、この視点に立ったときにどのような方策があるかを整理したものになります。

 続いて6ページをご覧ください。医療従事者等の確保・養成についてです。

 1つ目の○ですが、このたびの制度改正では地域医療支援センターや勤務環境改善支援センターといったものの機能を医療法に位置づけたり、チーム医療の推進、看護職員の確保、定着等についても関連する法改正を行ったところです。

 これらに加えて○の2つ目、3つ目の視点もガイドラインに盛り込んではどうかという考え方をしております。

 7ページ、次は少し異なった視点からの実現に向けた取組みになりますが、都道府県の役割の適切な発揮という形で章立てをしております。

 ○の1つ目ですが、病床機能報告制度と地域医療構想との関係について整理しています。つまり医療機能の分化・連携については、まずは病床機能報告制度によって医療機関が有する病床で担っている医療機能の現状等を厚労省のサーバーを経由して都道府県に報告していただいているところでございます。これを受け国や都道府県が情報を整理して、その結果などを踏まえて都道府県が地域医療構想を策定します。こうして各医療機関は将来どれくらいの医療需要があるかや、各医療機能の必要量はどうなのかということを把握できます。かつ、近隣の医療機関の状況も把握できるので、今までと比較して医療機関が自主的な取組みをする。その判断材料が格段にふえるという仕組みになっております。

 ○の2つ目は地域医療構想と協議の場、改めて調整会議という言い方ですけれども、調整会議との関係について整理をしています。例えば各医療機能の必要量の達成の場合、調整会議では医療機関相互の協議によって機能分化や連携を適切に促していくことになり、都道府県は前回御議論いただいたように、設置運営方針に従って医療機関の自主的な取組みを支援するということになります。

 3つ目の○は調整会議の調整会議と知事権限との関係について整理をしております。医療機関相互の協議によって地域医療構想を推進していくことが大前提となりますけれども、協議だけでは進まない場合には、都道府県知事が医療審議会の意見を聞いて一定の役割を発揮できるということになっております。この場合、次の8ページの措置を講ずる場合には、都道府県において合理的な根拠に基づいて適切に運用されることが重要となります。

 この8ページの中身ですが、○1病院の新規開設・増床への対応、○2既存医療機関による医療機能の転換への対応、○3稼働していない病床、運用上はいわゆる休眠病棟になるかと思いますけれども、その削減の要請や、医療機関が上記の養成または命令・指示に従わない場合の措置について整理をしております。これらは昨年の社会保障審議会医療部会での議論から、今般の法改正においても多くの方に御議論いただいたところであり、第1回の検討会においても同様の御説明を差し上げたところです。

 9ページ、ここが最後になりますが、地域医療構想の実現に向けたPDCAについてです。地域医療構想は医療計画の一部であり、その医療計画のPDCAにつきましては本年3月に尾形構成員を座長に研究会報告書をおまとめいただいたところです。ここではその報告書をもとに整理しましたけれども、例えばイでは課題設定やデータ提出、データ抽出、地域医療構想を策定する際に抽出した地域の課題ごとに指標となるデータの抽出について記載しており、併せて人材、ヒューマンリソースについても都道府県庁の担当者だけではなく、地域の医療事情に精通し、かつ、統計学、疫学、公衆衛生等の知見を有する学識経験者や、実際に医療を提供する方への関与が望ましいと書いております。

 また、ニでは医療を受ける当事者である住民が医療提供体制を理解し、適切な受療行動をとるためには計画の評価や見直しの客観性及び透明性を高めることが必要であり、ホームページ等で住民にわかりやすく公表することなどを盛り込んでおります。

10ページ以降は1ページ以外の関連条文を掲載しております。また、14ページ以降、そして参考資料5、6には具体的な事例などを掲載しているところです。

 以上のさまざま御説明いたしましたけれども、ポイントとしてはそもそも今回の法改正では病床機能報告制度、地域医療構想調整会議、地域医療介護総合確保基金といった政策ツールを駆使して、医療機関が自主的に取り組んだり、相互に協議して進めることを前提としつつ、地域医療構想においては都道府県が実現に向けた取組みを取りまとめることになっていることから、本来は各都道府県や各地域で実情に応じて創意工夫すべきものであることを前提に参考としてさまざまな事例をお示しし、また、法律で規定されている事項も御説明しました。こういった内容をガイドラインに記載してはどうかと考えております。御議論、そして、他にガイドラインに記載すべき事項の御提案があれば、御審議のほどよろしくお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 どうもありがとうございました。

 それでは、御質問、御意見を承りたいと思います。中川構成員、お願いします。

○中川構成員 8ページの○3、稼働していない病床の削減の要請というところで、これは全国の皆さん非常に心配しています。例えば病床利用率が低い病棟の病床は削減されるのではないかという心配なのですけれども、これは今、佐々木室長説明されたように、実際の運用としては稼働していない病棟があれば、まずは公的な医療機関から削減の指示というか命令、民間は要請、余程のときだと思いますけれども、そういう理解でよろしいですね。

○遠藤座長 事務局お願いします。

○北波地域医療計画課長 8ページに書いてあるもの、先ほど佐々木から説明しましたが、まさに医療機関での自主的な取組みということですので、こういう事態が起こらないようにするというのがまず最初だと思いますが、病床の削減の要請につきまして、恐らく稼働しているかどうかというのは病棟単位でしか見られないというところがございますので、現実問題としては病棟が全然動いていないということであれば、そういう俎上に乗ってくるかと思います。ただ、その公的か民間かというのは、その時々ということだと思いますので、よろしくお願いいたします。

○中川構成員 公的か公的以外かというのは、その時々というのはどういう意味ですか。

○北波地域医療計画課長 出てきたデータの話だと思いますので。

○遠藤座長 武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 たしか以前の文書には、公的医療機関については稼働していない病棟は、まず削減する。民間については特に記述がなかったと思います。

○遠藤座長 事務局どうぞ。

○北波地域医療計画課長 法律事項でも2つ権限を分けています。公的病院は命令です。民間病院は要請でございますので、そこは全然効果が違っているというところです。

○邉見専門委員 公的ということが出ましたので一言。

 今、田舎のあれはマンパワーがなくて、大学医学部、医育機関の地域枠というところに期待して、それが出てくる5年後ぐらいにはあけようと思ってためている病棟もあるのです。その診療科が全部引き揚げてしまって、例えば整形外科がいなくなって整形外科病棟が閉まっているとか、呼吸器内科が引き揚げてしまって、地域枠が出てきたらあけようといって待っているところもあるのです。だから一概にぱっとやってしまわれると、ちょっと困る。それは地元の人はよくわかっていますから、協議会の場所で言いますけれども、そういうところがありますので、一言だけ。

○遠藤座長 ありがとうございます。大変重要な課題です。

 簡潔に10秒ぐらいで。

○相澤構成員 今のことに関連してですけれども、要は地域の医療需要を見て、そして病床を私は勘案すべきだということを入れるべきだと思います。いかがでしょうか。

○遠藤座長 武久構成員、よろしいですか。それも簡潔にお願いします。

○武久構成員 私の理解では、病床稼働しているかしていないかというのは、保健所に届け出ている許可ベッドと、厚生省に届けている稼働ベッドとの差のことを言うのかなと思っていたのですけれども、そうでいいのでしょうか。それだけ聞きたいと思います。

○北波地域医療計画課長 それはまず整理してから御回答させていただきます。

○遠藤座長 それがよろしいかと思います。

 石田構成員、お待たせしました。

○石田構成員 5ページの在宅医療の充実について意見を述べさせていただきます。

 1つ目の○では、区市町村はこれまで在宅医療になじみがなかったことから、保健所などを活用した都道府県の支援が重要であるとありますが、今般の皆保険制度改正で地域支援事業の中に在宅医療介護連携事業が位置づけられたことから、介護保険を所管する高齢者福祉部門が中心としてこの事業を行うことが想定されているわけでございます。このため、都道府県から市町村への支援というものは記載にあるとおり、保健所などを活用した支援に加えて、高齢福祉部局から介護保険の事業である在宅医療介護連携推進事業への支援についてもお願いしたいと思っております。つまり介護保険の保険者への支援としても強化していきたいと考えております。

 市町村は在宅医療介護連携ということで、在宅医療を支えるということをしっかりやっていかなければいけないと思っております。

 また、2つ目の○では人材確保及び育成の観点でございますが、こうした人的体制の支援こそ、都道府県にぜひ担っていただきたい分野だと思っているところであります。

 4つ目の○で、関係者が一堂に会して事例検討などを行う研修が必要であるという記述がございます。こうした環境整備は市町村が取り組むべき重要な仕事であり、特に医療関係者の理解を得て御出席をいただいて、こういった研修を行うことの重要性を啓発していただければ大変ありがたいと思っております。この点についてぜひ御配慮をお願いします。

○遠藤座長 どうもありがとうございます。

 尾形構成員、お願いします。

○尾形構成員 7ページに都道府県の役割の適切な発揮ということが掲げられており、9ページに地域医療構想実現に向けたPDCAサイクルということで書かれておりますが、全体として大変な役割と責任が都道府県に期待されているということだと思います。これを実現するためには、都道府県職員自身の専門的スキルの養成というのは非常に重要ではないかと思います。

 例えば9ページのPDCAサイクルのところのイの3行目に、都道府県担当者のみならず、地域の医療事情に精通し云々と書かれていますが、もちろんこれはこれでいいと思うのですけれども、併せて都道府県担当者の問題も重要だと思うので、例えば研修体制の整備だとか、あるいは地域の公的な病院を活用するといったことも含めて、都道府県の担当者自身の人材養成が重要ではないかと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 齋藤構成員、お願いします。

○齋藤構成員 ありがとうございます。

 ペーパーを出しておりますので、お手元に見ていただきながら、時間もないので簡単に御説明したいと思いますが、病床機能分化・連携の際に、3ページ目の資料ではそれぞれの専門職等の研修とか在宅のことを知っていただくような人材確保に取り組んでほしいということが書いてございますが、治療が機能によって転々としていくということと併せて、ケアとかリハビリも転々としていくという状況がございますので、ぜひ施策の1つに多職種の協働研修というものを必ず位置づけていただきたいというのが1つでございます。

 2点目の在宅医療の充実につきましては、ここに書いてございますように、特に訪問看護の人材確保あるいは在宅医療をやる医師の確保、こういったようなことが書かれているのでございますが、特に訪問看護につきましては、なかなか需要推計ができない状況にあっても恐らくニーズは伸びていくということがありますので、人材育成と重度化の対応というところでは、今回26年度の診療報酬改定ができました機能強化型訪問看護ステーションというものを必ず2次医療圏に最低限1つ以上というものを盛り込んでいただけないかと思っております。

 現在、私どもの調査で約200強の機能強化型が設置をされておりますけれども、中には都道府県に1個も算定ができないというところがありますので、資源の状況によっては、そこは病院が担うというようなこともあろうかと思います。そういった広域的な整備拡充の視点あるいはサービス提供形態の多様化の視点といったものも入れた上で、この機能強化型をどう位置づけるかということもガイドラインの中には入れていただきたいということと、人材の確保・養成につきましては裏(2ページ)に書いてございますが、女性が多い仕事でございますので、これは女性医師の問題にも絡めまして離職の防止対策ということを徹底して施策の中には盛り込んでいくべきだということと、特に訪問看護師の確保につきましては、今154万人が働いていても医療機関あるいは診療所で83%を占めるという状態でございますので、具体的な施策としては訪問看護の未経験者の採用、育成システムの構築あるいは地域の医療を支援するといったような病院から一定期間身分を保障した形で、長期出向あるいは長期研修という形で地域医療に参入していくということをぜひ入れていただいて、抜本的に訪問看護師あるいは地域で働くナースたちがふえるような施策を地域ごとで検討していただきたいと思っているところでございます。

 以上です。

○遠藤座長 どうもありがとうございました。

 本多構成員、お願いします。

○本多構成員 5ページの在宅医療の充実に関連しまして、参考資料6に具体的な取組例が出ておりますが、その中には連携に最も効果があった取組みや多職種連携を阻む要因が記されておりまして、今後の在宅医療、介護サービスの充実に向けて非常に参考になるものが記されています。苦労した点、うまくいかなかった点なども含めて、これから在宅医療、在宅介護に取り組む際のアドバイスについても整理して示したほうが、実効性のある取組みにつながるのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。

 もう一点、7ページの都道府県の役割の適切な発揮ということですが、最初の○に先ほど説明があったとおり医療機関の自主的な取組み及び医療機関相互の協議により進められることを前提とするとあり、ここは理解できるところなのですが、2つ目の○に調整会議における医療機関相互の協議、最後は医療機関の自主的な取組みを支援すると書いてあります。

 また、3つ目の○のところでは冒頭から医療機関相互の協議によりとありまして、最後のところで合理的な根拠に基づき適切に運用されることが重要であると記されております。これは医療機関の協議が殊更強調されているような文章になっており、全体的に都道府県の役割が余り発揮できていないようなトーンになっています。

 この調整会議につきましては、医療関係者、医療保険者、その他の関係者で構成されていることが確認されておりますので、例えば2つ目の○については、医療機関相互の協議によりという箇所を、医療関係者、医療保険者、その他関係者の協議によりと見直したのがいいのではないか。それから、最後の行についても医療機関の自主的な取組みを支援とする表現を、医療関係者、医療保険者、その他関係者の協議が整うよう支援するという表現に、併せて3つ目の○についても、冒頭の医療機関相互の協議の箇所を同様に医療関係者、医療保険者、その他関係者の協議と変えていただいて、下から2行目の以下の措置以降の表現を、例えば都道府県知事は地域医療構想を達成するために以下の措置を適時適切に講ずることが重要であるという形に表現したほうがいいのではないかと思います。

○遠藤座長 御意見として承りました。

 安部構成員、どうぞ。

○安部構成員 今日は1枚紙の施策等に関する意見というものを出させていただきましたので、それについて簡略に説明をさせていただきたいと思っております。

 最初に1つ目の○でありますけれども、医療分化・連携の推進に関連する意見でありますが、現在、医療機関に従事する薬剤師においては、チーム医療の一員として病棟薬剤業務に取り組んでおります。この数年で着実に進みつつありますが、今後、さまざまな病床において病棟業務をさらに充実し、入院開始時から在宅復帰を思考した支援を行うために、薬剤師の人員確保や必要な研修等による人材育成にも取り組む必要があると考えております。

 2つ目の○の在宅医療の推進に関連する意見であります。ポツが4つありますが、1つ目は入院と在宅医療において切れ目のない適切な薬物治療を実施するには、入退院の調整の際に医療機関の薬剤師、薬局の薬剤師の間で薬物治療に関する情報を共有する体制を構築することが求められます。先ほど医療機関の薬剤師の人員確保については申し上げましたが、薬局の薬剤師においても、確実な在宅応需や入退院時のカンファレンスに安定して参加するためには、一定の薬剤師人数が必要でありますので、その確保のための施策が必要と考えます。

 2つ目のポツでありますが、在宅医療において医薬品の管理や適正使用の確保が困難な状況にある場合に、薬剤師が過不足なく速やかに訪問薬剤管理治療業務を実施する体制を整える必要があります。そのために退院後に自宅等で療養される場合には、入院前から利用していた薬局で継続的な薬学的管理が受けられるように薬局の在宅応需に関する情報を公開する体制を構築する必要があります。

 また、入院前とは異なる地域の施設等で在宅療養を受ける場合もあります。その際に薬学的管理を必要とする患者さんの状況と、訪問薬剤管理指導を提供する薬局の情報を適切に結びつけられるよう、地域の行政や薬剤師会等が協力をして体制を整備する必要があると考えます。

 裏面の3つ目のポツでありますが、在宅医療では医師以外の医療職種や介護の職種の方々も訪問するわけでありますが、訪問した現場で患者さんの容態急変に遭遇することも想定されます。そうした場合に備えて職能に応じた対応、連絡方法に関する事前の取組みや研修、事前の訓練などを実施する体制を整備する必要があるのではないかと考えます。

 最後のポツでありますが、現在、「がんと診断されたときからの緩和ケア」の推進が求められておりますが、緩和ケアの推進に必要な医療用麻薬、医療材料の供給や備蓄に関して地域における協議の場の設置、薬局の麻薬、無菌調剤が可能な薬局の情報などを医療関係者間で共有する体制を整備する必要があると考えます。

 また、緩和ケアの推進とともに医療用麻薬の使用量が増大することも予測されますので、麻薬小売業及び麻薬卸売業の拠点の整備を進めることも必要であると考えます。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 和田構成員、お待たせしました。

○和田構成員 医療提供といえば、当然医科医療の提供が主になるというのは重々承知をいたしておりますが、近年、多くのコホート研究より、生活習慣病を中心とした、口腔と全身の関連が明らかになってきております。そういう意味で治し支える医療というものを目指す中では歯科医療がどういうふうな役割を果たせるのか。それを果たすために、ガイドラインの策定に当たっては、歯科の役割を明記いただきたいと考えております。

 医科医療を中心として、医科と歯科の連携が必須でありますが、切れ目のない歯科医療を提供することによって患者のQOLを高める、あるいは重症化予防、発症予防等に寄与するものと考えていますので、歯科医療をどのように提供すればこのことが実現できるのか、ここに意見を2枚書かせていただいております。少し絵面が複雑になっている部分もございますが、2枚目に一応形として示しております。

 今まで歯科医療というのは診療所の中でこもっていたと表現されると思いますが、現在、がん治療等の医科の周術期治療等に関わってまいりまして、医科疾患患者の口腔の疾患がしっかりと治療されるということは大変大事だと感じております。そういった意味で医科疾患による入退院とか施設、在宅への転帰により受診が途切れていくということがあってはならないと思います。病院と歯科診療所の連携あるいは病院の中での医科と歯科の連携ということは、形としてしっかりと明記をいただければと思います。

 歯科は診療所が中心でございますが、病院の中における歯科の役割も今後重要になってくるものと考えております。そういった点で2枚目に構想区域内における病院歯科の必要数あるいは対応についても明記をしていただきたいと記載してございますが、具体的には地域や病院の実情に応じて医科入院患者の口腔機能管理を含む歯科医療の提供、地域における歯科診療所の病院歯科による後方支援、歯科診療所が歯科のない病院のほうへ訪問診療するという形。それから、高次歯科医療の提供というように病院歯科の中でもいろいろ機能がございます。今までどうしても歯科疾患だけを見ていて病院の中にあっても医療チームと連携がとれないままということが大変多ございましたけれども、今後ぜひ医科歯科の連携の中で入院患者さんの歯科医療の提供が退院時まで切れ目なく続いていくことでQOLを高める、あるいは予防ができるという観点から、ぜひそれぞれの診療所の役割あるいは病院歯科の役割について明記をいただきたいと思います。

 在宅の部分につきましても歯科需要というのは推計が大変難しい。実数として出てこないということがございますが、医科で訪問されている方の約9割は歯科疾患を有する。口から食べる機能というのをちゃんと確保することは大変重要だという観点から今後、提供できる歯科医療、あるいは提供すべき歯科医療として途切れのない歯科医療提供のイメージを記載させていただいておりますが、ぜひお読みとりをいただいて、明記をいただきたいと考えます。

 以上でございます。

○遠藤座長 どうもありがとうございました。

 山口構成員、お願いします。

○山口構成員 9ページの地域医療構想の実現に向けたPDCAのニのところに、医療提供体制を理解し、適切な受療行動をとるためにはという文言があり、これがまさしく医療法6条にこのたび盛り込まれた国民の責務のことを言っているのかなと思います。

 構想の内容をどう公表していくのかについては、恐らく今後の議論になるのかなと思うのですけれども、ここの文章の中にホームページ等で住民にわかりやすく公表するとあります。恐らく等というのはホームページ以外にもあるという意味だと思うのですが、ホームページだけに「等」がつきますと、多くはホームページに公表して、公表したことになってしまう都道府県が大半という可能性が高いではないかと思っています。ですので、より具体的に住民に届く公表のあり方を具体的に示していく必要があるのかなと思いますので、ここはホームページだけでなく、もう少し別の文言を盛り込んでいただくように工夫していただきたいと思いますし、改めてまた意見もお伝えしたいと思っております。

 以上です。

○遠藤座長 どうもありがとうございました。

 それでは、相澤構成員、お待たせしました。

○相澤構成員 それでは、在宅医療の充実のところで少し意見を申し上げたいと思います。

 2番目の○のところに医師のことが書かれていますし、一般診療所のことも書かれているのですが、一般診療所の医師が安心して在宅医療をするためには、そのバックアップ機能である入院をする病院というものが必ず必要だと思います。ですから、そのバックアップ機能として機能する病院と、在宅医療をやっている診療所との連携強化あるいは円滑な連携というものを進めていくことが、私はどこかに書き込まれるべきではないかと思っています。

 その上のところなのですが、市町村はこれまでに在宅医療になじみがなかったことからという具合に書いてあるのですが、私たちよく感じることは市町村の担当の人と話しますと、理解がないというか、知識がないといいますか、何と申し上げていいのか、話が全然通じないということがよくございます。ですから、前は県の職員の教育、研修というのもありましたが、ぜひ市町村の職員の研修も入れていただかないと、話がスムーズに前へ進まないということが危惧されます。

 もう一つは、9ページの6番の地域医療構想の実現に向けたPDCAについての意見ですが、イのところに学識経験者、実際に医療を提供する者が関与することが望ましいという、何かわけのわからないことが書かれているのですが、私は地域医療構想を策定するときというのは非常に重要だと思っています。これが今後の日本の医療の多くのところを決めていきますので、ぜひここには関与することが望ましいということではなくて、ぜひ実際にその討議をする場を設けて討議をしていくことが必要だろうと思いますし、できればその中に住民の方を巻き込んで議論することによって、住民の人にこの地域医療構想というものが近いものになっていくと思うのです。そういうことによって住民を巻き込んでいくことをしないと、恐らくこの地域構想の達成は難しいと思いますので、ぜひそのようなことの書き込みをお願いしたいという具合に思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 石田構成員、どうぞ。

○石田構成員 市町村の立場からお話したいと思いますが、確かにこれまで在宅医療については、保健衛生分野で主に住民を一くくりにした在宅医療推進ということが行われていました。今般は何度も申し上げたとおり、介護保険の中で在宅医療介護連携というスキームで、しかも介護保険の対象者を中核にしながら個別具体的に地域で事業を進めるといった施策が進むと思っております。そういった意味で市町村、これまでのスキルがなかった、あるいはなじみがなかったことを踏まえて、これからしっかりと10年後の地域包括ケアを地域でつくるといった覚悟で進むと私は思っております。先生に御心配なくとここでは申し上げておきます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では土居構成員、お願いします。

○土居構成員 9ページの地域医療構想実現に向けたPDCAというのは非常に重要なポイントだと思います。PDCAサイクルを都道府県でしっかり機能させていただきたい。

 その上で1つ指摘させていただきたいのは、同じく3ページにある地域医療介護総合確保基金に関してであります。これは自主的な取組みを促す意味でも非常に大事な基金ですので、これを活用した事業においては適切な評価指標を設けて、この評価指標というのも単に基金が有効に活用されたかどうかをチェックするだけでなくて、地域医療構想と連動させるような形で評価指標を設定していただいて、それがPDCAサイクルの中でうまく回るようにしていただくことが必要で、そういう有機的なつながりがより地域医療構想を実現する上で大事だと思います。

 以上です。

○遠藤座長 どうもありがとうございました。

 他にございますか。それでは櫻木構成員、お願いします。

○櫻木構成員 地域医療構想のガイドラインに何を書き込むかという視点なのですけれども、精神疾患というのは医療計画で5疾病の中に位置づけられる、非常に重要な部分を占めていると考えております。ですから今後、地域医療構想を考える上で精神疾患を含む医療計画の一部であるという視点がどうしても必要だと思いますので、それも地域の実情に応じた形で精神医療をどういうふうに検討していくかということが求められると考えております。

 ですから、地域医療構想の個別の部分というのは、なかなか関連が難しいかもしれませんけれども、総論的な部分に精神医療をどういうふうに位置づけていくかという視点を持っていただくことを要望したいと思います。それについては個別のいろいろな事項が必要になってくると思いますので、我々のほうでもそのことをまとめたものをまた提出させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、和田構成員、お願いします。

○和田構成員 改めて相澤先生のお話をお聞きしながら、構想区域におけるいわゆる病院の中に歯科があるケースと、全国の病院で20%しか実は歯科標榜がないという現実から言えば、構想区域内の病院はぜひ病院歯科というものを入れていただきたいと思います。これは先生おっしゃったように、在宅を我々診療所が担うときに必ず病院との関係が出てまいりますし、歯科疾患だけではなくて、当然全身の主病がある方がほとんどでございますので、病院との関連が大変大きくなります。

 そういう意味で病院歯科というのは今まで1人あるいはせいぜい2人ぐらいの歯科医師しかいない。とても入院患者の方の口腔機能管理をするという役割も今までよりははるかに求められると考えておりますし、在宅診療についての後方支援という役割も大変大きくなるものと考えますので、構想区域において病院の歯科という位置づけをぜひお考えいただきたいし、明記をいただきたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 花井構成員、どうぞ。

○花井構成員 6ページの医療従事者確保のところですが、先ほど齋藤構成員も話をされましたように、医療と介護の連携ということがこれから重要になってくるとすれば、定着ということが大切になってきますので、ぜひとも定着、離職防止、男女を含めたワーク・ライフ・バランスの確立という観点を入れていただきたいと思います。

 大変気になっているのは、医療と介護を結びつけるコーディネーターの役割というのも非常に重要になってくる。医療ソーシャルワーカーの育成も急がれると思うし、共同での研修も必要だと思うのですが、教育機関でこれから地域も意識した看護のあり方とかを考えると、医療従事者の確保と養成というものが、とても重要になってくるかなと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 中川構成員、お待たせしました。

○中川構成員 和田構成員が先ほどおっしゃったことは、日本歯科医師会のお考えなのでしょうか。

○和田構成員 はい。

○中川構成員 そうですか。

○遠藤座長 他にございますか。齋藤構成員、お願いします。

○齋藤構成員 施策のところではないのですが、在宅医療のニーズを見込む際に前回、第2回の検討会で松田構成員から、訪問看護のニーズはなかなかレセプトが電算化されていないので、需要の推計が難しいのだという御発言があり、私どもいろいろ調べますと、訪問看護ステーションは実は7割が電算化システムを持っているのですが、そこが支払審査機関とつながらないというのがあって、ここを何とかしてつなげるようにしていただきたいと思っております。そこをつなげて詳細に見ていくと、大体子供の在宅療養には何をやっているかも詳細にわかってまいります。これはぜひ国のほうにお願いなのですが、そういった在宅の医療需要を推計する際に非常に重要なデータとなりますので、ぜひ訪問看護ステーションの電算化のところを何らかの手当をしていただいて、整備をしていただきたいと思います。

○遠藤座長 御要望として承りました。

 本日、皆様からたくさんの御意見というより御要望というほうが多いのかもしれませんが、ございました。事務局におかれましては本日の御意見、御要望を十分御検討いただいて、ガイドライン案に反映していただければと思っております。

 予定の時間を若干過ぎておりますので、本日はこれまでとしたいと思います。

 事務局から何かございますでしょうか。

○北波地域医療計画課長 第6回の開催につきましては、決まり次第、追って御連絡を差し上げますので、どうぞよろしくお願いします。

○遠藤座長 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。本当にありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

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直通電話:03-3595-2194

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