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2014年11月27日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成26年11月27日(木)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、延東委員、尾崎委員、斉藤委員、佐藤委員、永山委員、根本委員、吉成委員

事務局

山本基準審査課長、黒羽課長補佐、大田課長補佐、松倉専門官、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松課長補佐
農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 関谷補佐 

○議題

(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
  ・農薬カスガマイシン
  ・動物用医薬品ガミスロマイシン
  ・農薬ジフルフェニカン
  ・農薬ピラゾスルフロンエチル
  ・農薬フルアジナム
  ・農薬ホサロン
  ・農薬及び動物用医薬品ルフェヌロン

(2)その他  

○議事

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。

 本日は、高橋委員、宮井委員、山内委員、由田委員、鰐渕委員より御欠席されるとの御連絡をいただいておりますけれども、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中9名の御出席をいただいておりまして、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立していることを御報告いたします。

 それから、御連絡ですけれども、机上に配付しております資料の委員必要事項連絡票については、お帰りまでに御確認をお願いいたします。

 それでは、以後の進行を大野部会長にお願いしたいと思います。

○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。

 初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局 本日お配りしました資料は、まず、議事次第と配付資料一覧、さらに委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけた資料の次に座席表がございます。

 その後ろに、本日御審議いただく品目について、それぞれ資料11、資料21のように報告書をつけております。資料7まで配付させていただいております。その後ろに、資料12、資料22のように、食品安全委員会の評価書等についても同様に資料7まで配付させていただいております。

 なお、資料2のガミスロマイシンにつきましては、補足資料も御用意させていただいております。

 そのほかに報告事項としまして、資料8は農林水産省からの意見聴取につきまして、「飼料の基準及び規格の改正に係る意見の聴取について」。

 資料9は、環境省からの意見聴取につきまして、「土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の方法の変更に係る意見聴取について」という資料を一部つけております。

 最後に、資料10といたしまして「急性参照用量を考慮した残留基準の設定について」の資料を配付しております。

 不足している資料がございましたら、事務局までお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、早速、審議に入りたいと思います。

 本日は、農薬について5剤、動物用医薬品について1剤、農薬及び動物用医薬品1剤について御審議いただきます。報告書の作成に当たりましては、先生方に御意見をいただき、どうもありがとうございました。

 それでは、議題1の食品中の残留農薬等の基準値設定を行いたいと思います。

 まず、農薬カスガマイシンの審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、1剤目、農薬カスガマイシンでございます。資料11を御覧ください。

 今般の残留基準の検討につきましては、関連企業からインポートトレランス申請がなされたこと及びポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。今回初めて御審議いただく剤です。

 「1.概要」につきまして、本剤は、アミノグルコシド系の殺菌剤、抗生物質でございます。

 化学名、構造式及び物性につきましては、記載のとおりです。

 「2.適用の範囲及び使用方法」についてですが、稲、果実、野菜と多くの作物に適用があり、9ページですが、今回カナダにおけるトマト、ピーマンなどの基準値に係るインポートトレランス申請がなされています。

 「3.作物残留試験」についてですが、13ページの別紙1117ページの別紙12に結果を記載しております。アメリカとカナダでは、作物残留試験の結果の共有が認められています。今回の試験結果も、アメリカでとられたデータが、アメリカ、カナダ両国に提出され、基準値の設定の申請がなされましたが、カナダのほうが先に基準値が設定されましたので、カナダの基準値を基にインポートトレランス申請がなされています。ちなみに、アメリカについては、本年9月にカナダと同じ値の基準値が告示されています。

10ページに戻っていただきまして、「4ADIの評価」です。ラットの繁殖試験から0.094mg/kg体重/dayと評価されております。

 「5.諸外国における状況」ですが、国際基準は設定されておりません。また、先ほどお話しいたしましたように、米国とカナダで果菜類や仁果類などの基準値に設定があり、ニュージーランドにおいてキウイの基準値の設定があります。

 「6.基準値案」です。規制対象はカスガマイシンのみとしております。

19ページの別紙2を御覧ください。大豆、えんどう、えだまめなど、農薬の使用方法が種子処理のみの作物があります。こちらについては、種つけ前の種子に使用する方法であるため、極めて残留性の低い農薬の使用方法であることから、定量下限をもって基準値設定をいたしております。

 また、トマト、ピーマン、その他のなす科野菜については、IT申請がなされておりますが、日本でとられた作物残留試験を基に設定した基準値のほうがカナダの基準値よりも大きい値となりましたので、こちらを採用しております。本剤は、抗生物質ですので、基準値の設定がない作物については含有してはならないとなります。

 最後に暴露評価ですが、TMDI試算によって行っており、国民平均2.2%、最大の幼小児で4.6%となっております。

 以上で、説明を終わります。御審議をお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 これは初回審議ですので、順を追って御審議いただきたいと思います。

 まず、化学名、化学構造、その辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 化学名はそれでよろしいと思うのですけれども、構造の書き方だけちょっと直していただればと思うのですが、2点ほどありまして、カスガマイシンとカスガマイシン-塩酸塩ともに同じですけれども、六員環が2つあるのですが、左側の環の中にNH2 というのがありますけれども、下の炭素から伸びている結合の線が消えてしまっているので、それをうまく描いていただきたいということと、両者ともカルボン酸を端に持っているのですけれども、「COOH」の向きを一般的に逆に描いたほうが分かりやすいと思いますので、「HOOC」と描いていただければと思います。

 以上です。

○大野部会長 ありがとうございました。事務局よろしいでしょうか。

○事務局 修正いたします。

○大野部会長 それでは、適用方法、薬理作用の辺りについて、尾崎委員いかがでしょうか。

○尾崎委員 結構です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 適用方法について、宮井委員から特にコメントはございませんか。

○事務局 特にございませんでした。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、体内動態と代謝の辺りについて、いかがでしょうか。

○吉成委員 動植物ともほとんど未変化体が主になりますので、特に注意を要する代謝物はありませんし、規制対象も案のとおり親化合物のみということでよろしいのではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私も同様に考えました。

 では、安全性の面で鰐渕委員いかがでしょうか。

○鰐渕委員 この剤は、発がん性も遺伝毒性も催奇形性神経毒性も認められませんので、一般的な無毒性量の設定の仕方、記載のとおりで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。

 今までのところで、先生方から何か御意見ございますか。

ADIの設定は0.094ということでよろしいですね。ありがとうございます。

 それでは、分析法と分析結果の辺りについて、いかがでしょうか。よろしいですか。

 斉藤委員お願いします。

○斉藤委員 済みません、非常に細かいところで申しわけないのですけれども、10ページの海外の記載の1行目ですけれども、「pH4に調製」の「製」の字が違っていますので、これはアジャストなので、多分国内の記述の「整」が正しいかと思います。下はプリペアですので、下を訂正していただければよろしいかと思います。

 それともう一点「または」からの記述で、「PTFEフィルターで精製」となっているのですけれども、「精製」と言ってもいいのですが、これは実際にはろ過なので「ろ過」ぐらいでよろしいのではないかと思います。

○事務局 修正いたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 ほかの先生はいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性の辺りについて、いかがでしょうか。定量下限に設定した大豆とかその辺りです。それから、トマト等については、IT申請の値よりも若干高い値を採用したと。その理由は、日本のデータがあったからという御説明がございました。最終的なTMDI比で最大で4.6%ということでございます。よろしいでしょうか。

 それでは、全体を通して御意見ございますか。

 それでは、化学構造のところと分析法のところで若干修正をいただきましたけれども、その修正していただいたものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、ガミスロマイシンについて御審議をお願いいたします。では、また事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料21報告書案、それから、冒頭に申し上げました補足資料として1枚紙を別途お配りしておりますので、この両者を御覧いただければと思います。まず、資料21の報告書案を説明した上で、続けて補足資料の説明に入らせていただきたいと思っております。

 まず、資料21、ガミスロマイシンですが、本剤について御審議いただくのは今回が初めてとなります。

 今般の残留基準の検討につきましては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、これは従来「薬事法」と呼ばれていた法律ですが、法律の名称が変わりまして、ちょうど一昨日から施行されておりますので、こちらの新たな名称に書きかえております。この法律に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたこと、及び当該承認に伴い、同法に基づく使用基準を設定することについて、農林水産大臣から意見聴取があったことに伴い、御審議をいただくものです。

 「1.概要」、用途ですが、こちらは合成抗菌剤となっておりまして、マクロライド系の抗菌性物質です。細菌のタンパク質合成を阻害することによって、静菌的に作用を示すと考えられております。

 海外では、既に欧州、米国等において動物用医薬品として牛の細菌性呼吸器複合感染症に対する治療薬として使用されております。国内では現在承認されておりませんが、先ほど申し上げたように今般、牛の細菌性肺炎に対する治療薬として承認申請がなされたものでございます。

 なお、当該物質については、ヒト用医薬品としては使用されておりません。

 化学名、構造式及び物性については、記載のとおりです。

 適用方法及び用量ですが、ガミスロマイシンの使用方法については表中に記載しているとおりです。こちらは注射剤でして、牛に対して一日量として体重1kg当たり6mg以下を皮下注射することになっておりまして、休薬期間は49日間とされております。

 「2.対象動物における残留試験」ですが、分析の概要については、そちらにお示ししたとおりです。

 残留試験の結果を3ページに記載してございます。表1、表22つの試験が行われておりまして、それぞれ4例ずつ試験が実施されております。

 こちらの残留試験の結果から休薬期間49日時点における残留量を統計学的な解析手法によりまして算出したものが3ページの下にあります表3でございます。こちらは肝臓、腎臓、小腸の3つの部位についてのみ算出しておりますが、残りの筋肉と脂肪につきましては、いずれも40日前後を含めまして定量限界以下で実測値がとれておりませんので、今回の統計学的解析による算出は行っておりません。

 「3ADIの評価」ですが、まず、毒性学的ADIにつきましては0.01mg/kg体重/dayと評価されております。また、微生物学的ADIにつきましては0.045mg/kg体重/dayと評価されております。これらの結果から、より小さい値である毒性学的ADIに基づきまして、0.01というADIが最終的に設定されているところです。

 「4.諸外国における状況」ですが、JECFAにおきましては評価されておらず、ADIは設定されてございません。一方、米国、カナダ及びEUにおいては既に使用されておりまして、残留基準値が設定されてございます。

 「5.基準値案」ですが、まず、残留の規制対象としては、ガミスロマイシン親化合物のみとさせていただいております。この点につきましては、米国、カナダ、EUにおいても同様にガミスロマイシンを指標残留として設定しております。

 基準値案につきましては、6ページの別紙1を御覧いただければと思います。

5ページに戻っていただきまして、暴露評価ですけれども、今回暴露評価に当たりましては、親化合物のみだけでなく代謝物も含めた総残留で暴露評価を行っております。その結果を5ページの表に記載しておりますけれども、TMDI試算でいうと最も高いのが妊婦の1.4%となっております。

 なお、総残留で暴露評価をするに当たって、親化合物と総残留との比率を用いておりますが、それにつきましては5ページの表の注釈の少し下に、具体的な比率をそれぞれの部位ごとに算出しております。この値は放射標識体を使った代謝試験における残留量の比から算出したものです。

 それから、別紙2に、今申し上げた暴露評価の具体的な詳細を記載しております。

 最後9ページに答申案をつけさせていただいております。

 報告書についての御説明は以上なのですが、引き続きまして、補足資料について御説明をさしあげたいと思っております。補足資料として「ガミスロマイシンに係る注射部位の取扱いについて」という資料をつけさせていただきました。こちらは今、御説明させていただいた報告書案で基準値を提案させていただいておりますが、そのうち筋肉の残留基準値につきまして、注射部位を考慮する必要があるかどうかということで論点として提案させていただいているものでございます。

 こちらの補足資料に従って御説明申し上げます。

 まず、「1.注射部位の残留について」ですが、今般、製造販売承認の申請があったガミスロマイシン製剤は、牛の頚部皮下に投与する注射剤です。そして、残留試験の結果によれば、注射部位直下の筋肉には、他の通常部位の筋肉に比べて高濃度のガミスロマイシンが残留しているという結果が得られております。具体的には、表1を御覧ください。

 表1に試験1,22つの試験の結果を並べております。まず、筋肉の残留データにつきましては、先ほど報告書で御説明させていただいたのと同じデータを記載しておりまして、ほとんどの時点で定量限界以下となっております。

 一方、注射部位直下の筋肉についても別途測られておりまして、通常の部位に比べてかなり高い値が残留しております。

 本文に戻っていただきまして、2つ目の○ですが、一方、注射剤の残留基準については、従来より筋肉の大部分を占める通常部位に対応した基準値を設定することにより、その適正使用を確保するということをしてきております。本剤につきましても、現在提案させていただいている基準値案の0.01ppmは、この考え方に基づいたものとなっております。

 その下、注釈で小さい字で書いておりますが、本剤について、仮に注射部位の残留を考慮した場合ですと、筋肉の基準値案としては6ppmとなる見込みです。ただし、この場合、適正使用の有無にかかわらず、筋肉の大部分を占める通常部位については、およそ基準値を超過するという可能性がなくなってしまいますので、その基準値を設定して適正使用を確保するという趣旨が損なわれるというおそれがあるかと思います。

3つ目の○、ただし、0.01ppmの現在の基準値案とした場合は、本剤を適正に使用した場合でも、たまたま注射部位の筋肉を採取して残留検査が行われると、基準値案を超過する可能性があると考えられます。今回補足資料をつけさせていただきましたのは、この問題についてどのように考えればよいかということで提案させていただいているところです。

 続いて、「2.注射部位の摂取を考慮した場合の安全性について」ですが、まず、基準値案をどうするか以前に、注射部位をヒトが食べたときに、そもそも安全なのかどうかということを検討する必要があろうかと思っています。注射部位直下の筋肉へのガミスロマイシンの残留については、残留試験の結果から統計学的な解析により投与後49日時点、これは休薬期間に相当する時点ですが、この時点の平均的な残留濃度を推定しますと、0.35ppmと算出されます。過大な評価ですけれども、仮に、ヒトが摂取する全ての筋肉に0.35ppmのガミスロマイシンが残留すると評価をした場合でも、ガミスロマイシンの推定摂取量はADI比において最大7.6%にとどまっております。したがいまして、本剤が適正に使用される限りにおきましては、注射部位直下の筋肉がヒトに摂取されたとしても、特段安全性の問題はないと考えられます。

 裏のページをめくっていただきまして、これらを踏まえて「3.対応」として書かせていただいていますが、今申し上げたとおり、本剤については注射部位の残留濃度が基準値案を超過する可能性があります。一方、本剤が適正使用される限りにおいては、その注射部位を摂取したとしても特段安全性上の問題はないと考えられております。

 この点についてですが、本日は具体的な対応案というのはお示しさせていただいていないのですが、今後、国際機関であるとか諸外国における注射部位の取扱い等も参考にしつつ、対応を検討させていただきたいと思っております。

 本日の御審議なのですが、今申し上げたように筋肉の基準値につきましては、このような論点がございますので、事務局で改めてどのような選択肢があるかを検討した上で提案させていただきたいと思っております。報告書の筋肉以外の基準値も含めたそれ以外の報告書につきましては、通常どおり御審議をいただきまして、注射部位の取扱いについて、もし本日時点で御意見があれば、それも本日承りたいと思っております。

 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 ということは、場合によっては今回筋肉についてだけ基準を決めないで、ほかの部分だけ決めてもよろしいということでしょうか。

○事務局 基準値としては、全体として最終的にどこかの部会で決定いただきたいと思っていますが、筋肉以外の基準値について通常のとおり審議していただいて、もし、修正すべき点があれば今の時点で御指摘いただければと思っております。

○大野部会長 分かりました。最終決定は、筋肉の問題が解決してからということになるわけですね。

 それでは、今の御説明を踏まえて先生方の御意見を伺いたいと思いますけれども、初回審議でございますので、順に御審議いただいて、その上で御意見を伺いたいと思います。

 まず最初に、化学名、化学構造について、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 化学名は特に問題ないと思いますが、これも構造、見た目の問題なのですけれども、六員環が上のほうと下のほうと大きな母体につながっているような構造をしていますが、立体を描く結合のところで、上の六員環のO辺りが非常に見にくいところがありますので、もし可能であれば直していただきたいということと、水素の立体性を全て描くか描かないかというので、描かなくてもいいのかなと思うのですが、ところどころ抜けているところもあるのですけれども、食品安全委員会の評価書と同じ構造の描き方をされているのかと思いますけれども、全部水素をとってしまってもいいのかなと思います。これはどういうふうに結合を描かれているか分からないのですが、ソフトウェアで描くともうちょっと見やすく描けるので、そうしたら全部描いていただいてもいいかなと思いますけれども、見やすさだけというところで検討いただければと思います。

○事務局 承知しました。見直させていただきます。

○大野部会長 そうですね。右上の六員環と大きな環とのつながりのところが、ちょっと見にくいですね。Hについては気が付きませんでした。どうもありがとうございます。

 ほかの先生、御意見ございますか。よろしいですか。

 それでは、用途と薬理作用の点について、尾崎委員いかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これについても宮井委員からは特に御意見はありませんか。

○事務局 特にいただいておりません。

○大野部会長 ちょっと気になるところが1つ、読むのに若干時間がかかったところがありまして、2ページの「(5)適用方法及び用量」の表です。四角で囲んである中ですけれども、「牛(生後13月を超える雌の乳牛(食用に供するために搾乳されなくなったものを除く。)を除く。)」と書いてあるのですが、若干読むのに時間がかかったのですが、これはこういう表現になっているのですか。

○農林水産省 これは農林水産省の法令で決める形で、こういう形をこれまでもとっておりますので、表現上はこの形でさせていただきたいと考えております。

○大野部会長 分かりました。生後13月を超える雌の乳牛を除くとやっておいて、ただし、食用に供するために搾乳されなくなったものを除くというふうにやったほうが頭にすぐ入ってくるのですけれども、決まっていることでしたらやむを得ないですね。

 次に、体内動態、代謝の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 代謝に関しては、幾つか代謝を受けるのですけれども、残留するものはほとんど親化合物ということですので、特に問題になるようなことはないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私も同様に考えます。暴露評価の対象としては親化合物だけでよろしいと、私も思いました。

 安全性の面で、鰐渕委員いかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、今までのところで先生方から何か御意見ございますか。よろしいですか。

 それでは、分析方法、分析結果の辺りについていかがでしょうか。特によろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性の辺りについて、いかがでしょうか。筋肉についてはまだこれからということですけれども、筋肉の暴露についての考え方や問題点を御説明いただきましたけれども、それも含めて御意見をいただければありがたいですが。

 お願いします。

○吉成委員 先ほどの総残留を使って暴露評価を行ったという表記で、5ページの(3)の表の下にある「暴露評価は」の文章の問題だけだと思うのですけれども、「由来の残留物の全てがガミスロマイシンと同程度の毒性を持つと仮定して試算を行った」という文章があるのですが、直接的な総残留を用いて暴露評価を行ったという表現があったほうがいいかなと思ったのですが、いかがでしょうか。毒性を仮定して評価は何で行ったかは書いていないのは、ちょっとまずいのかなと思います。

○事務局 そうしましたら、総残留を用いて行ったという趣旨を一文追加させていただければと思います。

○大野部会長 どこに追加いたしますか。暴露評価の最初のパラグラフですか。

○吉成委員 「持つと仮定して、総残留を用いて暴露評価を行った」というような表現で。そういう形であればいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。

○事務局 そのようにさせていただきます。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生方、よろしいでしょうか。

 先ほどの筋肉での基準値の設定について、まだ事務局でこれから検討しなければいけないということですけれども、先生方から特に御意見ございますか。こういうことを考慮したほうがいいのではないかということがあれば、いただくとありがたいですけれども。

 斉藤委員お願いします。

○斉藤委員 先ほどからちょっと気になっていたのですけれども、補足資料の単回皮下投与ですけれども、これは体重1kg当たり6mgを投与した場合の結果と理解してよろしいでしょうか。

○事務局 はい、そうです。

○斉藤委員 その場合の、49日時点の平均的な残留濃度は0.35であると。これも平均的で0.35で、その値を使ってADI比が最大7.6%にとどまるという表現なのですけれども、では、マックスの濃度だったらどのくらいだったのかというのは書かなくてよろしいのかなと。この表記を見ると、平均で出して、それが7.6にとどまるからいいのだというふうに読めてしまうので、それでもいいとは思うのですけれども、安全性を見る上ではマックスの残留濃度であってもADI比でこれ以下だったというのがないと、ちょっと不十分かなと感じたのですが、いかがでしょうか。

○事務局 通常の暴露評価をするときは、基準値を用いましてTMDI試算でまず計算をします。今回仮に注射部位を考慮した基準値を置くとすれば6ppmとなる見込みでして、仮にこの6ppmの基準値案を用いて暴露評価をするとADI80%を超える場合があります。ただし、それは毎日6ppmのものを食べ続けるという仮定をしておりまして、現実的には起こり得ないということで、暴露評価のときにはTMDI80%を超える場合は引き続きEDI試算で再度算出を行っております。EDI試算の場合は平均的な残留量を用いておりますので、今回の場合は、いわゆるEDI試算に相当するような考え方で算出しておりまして、その結果が7.6%という形になっております。

○大野部会長 ありがとうございます。斉藤委員いかがですか、よろしいですか。ありがとうございました。

 ほかに御意見なり質問なりございますか。よろしいでしょうか。

 そのほか部会報告の案について、最終段階ではございませんけれども、何か指摘や質問等はございますか。

 それでは、今日の段階はここまでにとどめておいて、後で筋肉の残留についての考え方が事務局でまとまったところで、また御審議いただきたいと思います。そういうことでよろしいですね。ありがとうございました。

 それでは、次の品目ですけれども、ジフルフェニカンについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 3剤目のジフルフェニカンでございます。本剤につきましては、前回10月の部会で御審議いただく予定としていたのですが、部会前に海外から畜産物に関する資料が提出されまして、その資料を踏まえて畜産物に基準値を設定するため、今回の11月部会に延期いたしましたが、提出された資料が代謝試験のみであることから、家畜に基準値を設定するには不十分と考えまして、当初の予定どおり家畜に残留基準は設定しない案として作成としております。

 それでは、資料31を御覧ください。

 本剤は、暫定基準の見直しについて御審議いただくものでございまして、部会は初回となります。

 用途といたしましては除草剤でございまして、その作用はカロチノイドの生合成を阻害することにより、殺草効果を示すと考えられております。

 化学名、構造式、物性につきましては、記載のとおりでございます。

 続いて「2.適用の範囲及び使用方法」についてですが、2ページから記載しておりまして、国内登録のある小麦、大麦について記載しております。

 続きまして、「3.作物残留試験」についてですが、分析対象は親化合物のみとしておりまして、分析法については34ページに記載しております。

 国内の作物残留試験につきましては、6ページの別紙1に記載されているとおりとなっております。

4ページに「4ADIの評価」について記載しておりまして、慢性毒性/発がん性併合試験による無毒性量からADI0.23と評価されております。

 「5.諸外国における状況」についてですが、JMPRによる毒性評価はなされておらず、国際基準は設定されておりません。その他の地域については、記載のとおりとなっております。

 「6.基準値案」についてですが、規制対象は親化合物のみとしておりまして、食品安全委員会の暴露評価対象も親化合物のみと評価されております。

 基準値案につきましては79ページ記載しておりまして、今回全ての暫定基準を削除する案としております。一部、一律基準より小さい暫定基準が設定されておりますが、本剤のADIが比較的大きいことから、基準値を削除し、一律基準としても問題ないと考えております。

 これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが10ページの別紙3でございまして、TMDI試算により最も高い幼小児で0.2%のADI占有率となっております。

 最後に、12ページが答申案です。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 これも初回審議ということでございます。御審議をお願いいたします。

 まず、化学名、化学構造の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 細かいのですけれども、IUPACの名称の最初の部分「2’,4’」というところですけれども、これは2’4’の間にそれぞれスペースが入っているような気がしますので、確認して入っているようでしたら削除してください。お願いいたします。

 ほかは大丈夫だと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。これは入っていなかったらどうしましょうか。しようがないですかね。時々「‘」を打つとこのように空いてしまうことがありますので。では、パソコンのフォント上空いてしまったら仕方がないということで。

 薬理作用、用途、使用方法の辺りについて、尾崎委員いかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。

 これについても宮井委員からコメントはありませんか。

○事務局 特にないです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、薬物動態と代謝の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 動物、植物ともに代謝が幾つかされますけれども、基本的に主残留物は親化合物ということです。それと、植物で幾つか10%以上出る代謝物もあるのですけれども、まず基本的にアミド構造を持っているものが切れたものであることと、あと、ラットでも見られるものであるということで、特段問題となるような代謝物ではないと思われますので、幾つか代謝は見られますが、この案のとおり規制対象は親化合物のみということでよろしいのではないかと思いました。

○大野部会長 ありがとうございます。私も、おっしゃるように、いろいろな代謝物が出てきますけれども、作物中の残留については最終収穫の段階だと10%を超えるものはないということで、やはり暴露評価の対象物としては親化合物だけでよろしいかと思いました。

 安全性の面で鰐渕委員いかがでしょうか。

○鰐渕委員 特に発がん性を含めて問題となることはありませんので、記載のとおりで結構です。

○大野部会長 ありがとうございました。

 今までのところで先生方から御意見ございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、分析方法、分析結果の辺りについてはいかがでしょうか。特に問題ございませんでしょうか。

 それでは、基準値と国際的整合性の辺りはいかがでしょうか。よろしいですか。暴露評価でもTMDI比で最大で0.2%ということでございます。

 では全体を通して御意見ございますか。

○佐藤委員 済みません、細かいところなのですけれども、23ページにかけての使用方法で1番と3番は「は種後出芽前」という用語を使っていまして、2番は「発芽前」ということで、これは使い分けをしているかどうか分からないのですけれども、もし、使い分けをしていないのであれば、通常は「発芽前」という用語を使うと思いますので、調べた上で修正をお願いします。

○大野部会長 では、チェックしてくださるよう、お願いいたします。農水のほうで言葉の使い分けというのはしているのでしょうか。

○農林水産省 おっしゃるように似たような言葉ですけれども、意味があって分けていてはいけませんので、確認して農水から厚労省さんに連絡をさせていただきます。

○大野部会長 よろしくお願いいたします。事務局もそれでよろしいですか。

○事務局 はい。

○大野部会長 ほかにございますか。基準値と国際的整合性の辺りはいかがでしょうか。よろしいですか。

 全体を通してもよろしいですか。

 ありがとうございました。それでは、化学名の表現の仕方と言葉の問題ということでチェックしてもらうところがございましたけれども、確認した上でそちらに戻したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 次の品目ですけれども、農薬ですが、ピラゾスルフロンエチルについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 4剤目、農薬ピラゾスルフロンエチルでございます。資料41を御覧ください。

 今般の残留基準の検討につきましては、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくもので、今回初めて御審議いただく剤です。

 「1.概要」につきまして、本剤は、スルホニルウレア系の除草剤でございます。

 化学名、構造式及び物性につきましては、記載のとおりでございます。

 「2.適用の範囲及び使用方法」についてですが、稲作に対して適用があり、それ以外の作物には使用されていません。また、国内のみの使用であり、海外での使用もありません。

 続きまして「3.作物残留試験」についてですが、分析対象をピラゾスルフロンエチルとし、結果については8ページの別紙1に示しております。

6ページに戻っていただきまして「4ADIの評価」です。イヌの慢性毒性試験から0.01mg/kg体重/dayと評価されております。

 「5.諸外国における状況」ですが、先ほどお話しいたしましたように、日本以外での使用はありません。国際基準を含め、いずれの国でも基準値の設定はなされていない状況です。

 「6.基準値案」です。規制対象物質は、ピラゾスルフロンエチルとしております。

9ページの別紙2を御覧ください。作物残留試験を基に米の基準値を現行の0.1から0.05ppmと変更しております。

 その結果、暴露評価をTMDI試算によって行っておりますが、国民平均1.5%、最大の幼小児で2.6%となっております。

 以上で、説明を終わります。

○大野部会長 ありがとうございました。

 では、これも初回審議ということでございますので、順を追って御審議をお願いいたします。

 まず、化学名、化学構造の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、用途、使用方法、薬理作用の辺りについて、尾崎委員いかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 宮井委員からコメントはございますか。

○事務局 特にございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、体内動態と代謝の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 動物、植物とも親化合物がメーンで作残試験でも出ていませんので、特に問題なく、規制対象は親化合物のみということでいいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私も同様に考えました。

 では、安全性のところで鰐渕委員いかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載だけの問題なのですけれども、無毒性量1mg/kg体重/dayの横に「(発がん性は認められなかった)」と書いてあるのですけれども、この試験自身が慢性毒性試験なので、この一文は要らないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。では、これは削除してくださるよう、お願いいたします。

 今までのところで先生方から御意見ございますか。よろしいですか。

 それでは、分析方法と分析結果の辺りについて、いかがでしょうか。特に御意見ございませんか。

 それでは、基準値と国際的整合性の辺りについて、いかがでしょうか。玄米で定量下限以下ということで基準値が0.05ppm。それに基づく暴露評価では最大でTMDI2.6%ということで、よろしいですか。

 では、全体を通して何かございますか。

 ありがとうございます。それでは、この部会の報告案について、無毒性量の表記が若干削除されたということでございますけれども、それをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 次の品目ですけれども、農薬のフルアジナムについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 5剤目のフルアジナムでございます。資料51を御覧ください。

 本剤は、食用ゆり、ニンジン等への適用拡大申請、唐辛子へのIT申請、暫定基準の見直しについて御審議いただくものでございまして、部会は初回となります。

 フルアジナムは殺菌剤として使用されておりまして、植物病原菌の呼吸器系に作用し、殺菌効果を示すと考えられております。

 化学名、構造式及び物性については、記載のとおりでございます。

 「2.適用の範囲及び使用方法」について、国内の使用方法は210ページにかけて記載しておりまして、4ページに拡大申請のある作物について記載しておりまして、四角で囲って表記しております。

 海外の使用方法につきましては、10ページに唐辛子について記載しております。

 「3.作物残留試験」についてです。分析対象は親化合物、代謝物B、代謝物C、代謝物Fでございまして、分析方法につきましては、記載のとおりでございます。

 国内の作物残留試験につきましては、1519ページの別紙11に記載しておりまして、代謝物の残留はほとんど定量限界未満という結果になっております。

 海外の作物残留試験につきましては、20ページの別紙12に記載しております。

12ページの「4ADIの評価」についてですが、慢性毒性試験による無毒性量からADI0.01と評価されております。

 「5.諸外国における状況」についてですが、JMPRによる毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。その他の国や地域については記載のとおりとなっております。

 「6.基準値案」についてですが、代謝物の残留が少ないことから規制対象は親化合物のみとしておりまして、食品安全委員会の暴露評価対象も親化合物のみとなっております。

 基準値案につきましては2122ページに記載しておりまして、登録の有無に○が書かれているものは国内登録のあるもので、申請の「申」が記載されている箇所は拡大申請のある作物です。「IT」と記載されているものが、今回IT申請により基準値を設定するものです。

 これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが23ページの別紙3でございます。最も高いものでEDI試算により幼小児で51.6%のADI占有率となっております。

 最後に、2526ページに答申案について記載しております。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、これも初回審議ということで、順を追って御審議をお願いいたします。

 化学名、化学構造の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 特に問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 用途、薬理作用、使用方法の辺りについて、尾崎委員いかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これについて宮井委員から特にコメントはございますか。

○事務局 特にありません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、体内動態と代謝について、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 動物や植物でいろいろな代謝が行われて、実際に報告書にもありますように、代謝物が幾つか測定されています。しかしながら、先ほど御説明がありましたように、作残試験の結果からも代謝物の残留はほとんど見られないこと、それから、別の試験でも親化合物が植物では主ということですので、この案のとおりで規制対象は親化合物ということでよろしいかと思います。

○大野部会長 どうもありがとうございました。残留する代謝物については、私も吉成委員と同じでございます。

 安全性のところでちょっと気になるところがございますけれども、それについて鰐渕委員、御意見いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 この剤は、発がん性の問題は大した問題ではなくて、遺伝毒性がありませんので、ここに書いてありますように、閾値が設定できるメカニズム的に大丈夫だということがあるのですけれども、問題は神経毒性が一部不純物が含まれているということで、その物質に神経毒性、特に中枢神経系白質空胞ができるというようなことがあるのですけれども、内部資料として混在物5というのがあるのですが、その物質自身が仮にコントロール下、原体の0.2%以内できっちり管理されているということなので、その管理下においてすると安全の幅が約6.7倍あるということなので大丈夫かなと思います。

 ただ、こういう細かいところまで案の中に入れる必要は多分ないと思いますので、この場で一応しっかり検討したということさえ議事録に残しておけばいいのかなと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかの先生方には混在物についての資料は行っていないですよね。この製品の中の混在物として極めて類似した構造のものがあるのですけれども、それが神経毒性を起こすというデータがございました。それは食品安全委員会の報告に書いてございますけれども、それについて鰐渕委員から御意見をいただいたように、暫定基準を決める上ではいいのではないかと。

○鰐渕委員 食品安全委員会の評価書の48ページの中段辺りに書いてある、「なお、このADIは原体混在物5について、規格で規定された範囲内で管理されることを前提として設定されるものである」という一文が非常に重要だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これは非常に重要なところではないかと思いますけれども、原体混在物5が非常に多く不純物として含まれるようなものがつくられていたら、また考え直さなければいけないということになりますけれども、これは農薬の品質の管理というところで峯戸松さんのお考えをお聞きしたいのですが。

○農林水産省 今、厚生労働省の事務局から配られた資料にも書かれているとは思うのですけれども、当然、農薬メーカーは医薬品などもそうですが、原体のスペックを自社で管理して、当然想定していないような、通常は工場でつくる化学物質ではないと思いますけれども、そういう品質の悪いものを使うということはありませんので、そこは部会長がおっしゃるとおり農薬の品質管理の問題かと思いますけれども、当然メーカーがつくっている資料の中に、これは内部資料ということなので読み上げは控えさせていただきますけれども、決めているスペックの範囲内のものを実際に使って、製剤を流通する製品をつくっていくことになりますので、その範囲内であれば問題ないということで食品安全委員会で評価をいただいていることを踏まえると、問題ないのではないかと考えております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 食品安全委員会の報告書で、混在物の化学名が記載されていないのですけれども、それについては農薬の申請書には載っているわけですね。食品安全委員会の報告書に記載されなかったのは、何か意味があるのですか。

○農林水産省 例えば、原体混在物を明らかにしてしまうと製造方法等が分かってしまう場合がございますので、場合によってはそういうものは企業秘密ということで、知的財産にかかわるものとして出さない場合がございます。それは評価書等においてもそうなのですけれども、原体混在物はまさに製造方法が場合によっては分かってしまいますので、違うメーカーさんがまねてつくることができるようになってしまいますので、そういう情報については一部非公表、そういうものがあるということは出させていただきますけれども、どんな物質かというのはメーカーに化学名などで出さないということをさせていただく場合もございます。

○大野部会長 それを考慮して食品安全委員会では記載しなかったという推定でよろしいですか。

○農林水産省 例えば、分解物の一覧表で原体混在物が全て空欄になっているとおり、原体混在物は基本的にそういう考え方で出さないという形にさせていただいているものだと思います。

 それ以外の通常考えられるもの、もしくは公表されるデータから分かるものについては、化学名まで載せるという形で整理させていただきますので、委員の皆さんにお送りする資料については、そこを書いた形でお送りさせていただいていると思いますけれども、その点については御容赦いただければと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 食品安全委員会の報告書の議論の対象で一番重要な構造が書いていなかったので、非常に疑心暗鬼になってしまったのですけれども、今御説明いただいたようなことでございます。先生方の方から何か御意見ございますか。

 それでは、そういう配慮で食品安全委員会の報告書からも化学名が抜けたのではないかと想像されますので、今お配りしました資料、フルアジナムの原体混在物による毒性状況の概要については、回収しておいたほうがよろしいですか。

○事務局 はい、机上に置いたままでお願いします。

○大野部会長 それでは、そういうことでよろしくお願いいたします。

 それでは、今までのところで先生方から御意見・御質問ございますか。

○事務局 済みません、1点修正点があります。4ページを御覧ください。1, 50%フルアジナム水和剤の表ですが、下から2段目のむかごの一番右の「3回以内」とかいてある箇所ですが、こちらを「4回以内」に訂正させていただきます。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ここでちょっと気になったのが、球根の瞬間浸漬、こういう使用方法というのはあるのですか。ぱっと漬けてすぐ出すということですか。

○農林水産省 一定期間ずっと漬けておくのではなく、さっと漬けるだけという形で、瞬間何々浸漬という使用方法は、一応登録がございます。

○大野部会長 これは「しんせん」と読むのですか。

○農林水産省 「しんせき」です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかのところで御意見ございますか。

 それでは、分析方法、分析結果についてはいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性についてはいかがでしょうか。

 それでは、全体を通して御意見ございますか。

 では、これについては修正はなかったと思います。この事務局案をもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、ホサロンについて御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 6剤目、ホサロンについてでございます、資料61を御覧ください。

 今般の残留基準の検討については、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定依頼が農林水産省からなされたことに伴い、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値(いわゆる暫定基準)の見直しも含め、本部会において御審議をいただくものでございます。今回が初めての審議でございます。

 「1.概要」についてです。本剤は、有機リン系の殺虫剤でございます。アチセルコリンエステラーゼを阻害することで、殺虫効果を発現すると考えられております。

 化学名、構造式及び物性については、記載のとおりでございます。

 「2.適用の範囲及び使用方法」についてです。今回、適用拡大申請がなされた箇所に四角囲みをしております。メロン、きゅうりの使用時期に関して、それまで7日前までだったものが収穫前日までとなっており、茶の使用方法が追加となっております。

 「3.作物残留試験」についてです。分析対象化合物としてホサロンを対象とした試験が実施されております。分析法の概要については、記載のとおりでございます。

 作物残留試験結果につきましては、5ページの別紙1を御覧ください。

 続きまして「4ADIの評価」についてです。食品安全委員会において評価がなされておりまして、ADI0.002mg/kg体重/dayと評価がなされております。

 「5.諸外国における状況」についてです。JMPRにおいて評価がなされており、ADIが設定されております。国際基準はりんご、ナッツ類等に設定されております。諸外国の状況におきましても、記載のとおりでございます。

 「6.基準値案」についてです。残留の規制対象を親化合物ホサロンのみとする案としております。食品安全委員会においても、暴露評価対象物質をホサロン親化合物のみと設定しております。

 続きまして、基準値案についてです。6ページ以降に示しております別紙2を御覧ください。本剤については国際基準が設定されておりまして、それを準用する案としております。

 ただ、7ページに記載しておりますりんごの基準値5を採用いたしますと、暴露評価においてADI占有率を超過してしまうことから、りんごの基準値は不採用とする案としております。

 これらの基準値案に基づいて、暴露評価を行った結果が9ページの別紙3でございます。最も高い幼小児においてEDI占有率においてADI31.2%の占有率となっております。

 最後のページが答申案です。

 事務局からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、これも初回審議ということでございますので、順を追って御審議をお願いいたします。

 まず、化学名、化学構造の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 1つ先生、見落としがあります。分子式のところでCLのところで「L」が「I」になっていますので、「L」に修正してくださるようお願いいたします。

 用途と薬理作用、使用方法の辺りについて、尾崎委員いかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これについても宮井委員からコメントはありませんか。

○事務局 特にございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 代謝と動態の辺りについて、吉成委員いかがでしょうか。

○吉成委員 幾つかの植物である程度出る代謝物があるのですけれども、作残試験でははかられていないものですが、ただ、アミノ基のところが切れた分解物ですので、問題となるような代謝物では特にないと思いますので、規制対象は親化合物のみということでよろしいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。私も、直接対象物質は親化合物だけでよろしいと思いました。

 安全性の面で鰐渕委員いかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 今までのところで先生方から御意見・御質問ございますか。よろしいですか。

 それでは、分析方法、分析結果の辺りについてはいかがでしょうか。お願いします。

○永山委員 ただ語句の訂正だけなのですが、分析法の概要の3行目の「フロリジルカラム」が「フリリジルカラム」になっていますので、「リ」を「ロ」に変えていただければと思います。単なる語句の修正だけです。

○大野部会長 下から2行目ですね。ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 それでは、基準値と国際的整合性のところはいかがでしょうか。基準値の設定したときに、りんごについては国際基準を採用すると暴露が基準を超えてしまうということで、りんごについては設定しなかったということがございます。この基準値を設定しなかったことで、何か国際的な問題が起きるとかそういうことは考えなくてよろしいのでしょうか。

○事務局 確かに暫定基準が削除されますと、一律の0.01になることになりますが、今後FSG/WTO通報を通じて諸外国には、こういった基準値になるということをお示ししますので、それに関しては問題ないのかなと考えております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 先生方いかがでしょうか。石井委員お願いします。

○石井委員 ちょっとお伺いしたいのですけれども、りんごの基準値を今回採用しなかったというのは、なぜりんごを選ばれたのかということと、値が大きいからこれを抜けばということなのでしょうか、その辺の理由がありましたら教えてください。

○事務局 そもそも暴露評価に関しては、残留量と摂取量が大きな寄与を占めているかと思いますが、りんごに関しては、どうしても摂取量が多いものですから、あまり残留量が高いものですと超過するという傾向があります。今回に関しましても、ホサロンについて国際基準が5ということになっておりますので、それを採用しますと、ADI占有率の80%をはるかに超えてしまうという結果が得られましたので、りんごだけを削除する案としております。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。

 永山委員お願いします。

○永山委員 一つ確認ですが、今気が付いたのですが、ここで示されているももの基準というのは、皮ごとの基準になっているのでしょうか。EDI試算でかなり際どいというお話でしたので確認ということで。

○大野部会長 国際的にはどっちでしたか。

○永山委員 国際的には多分全果だと思うのですが。恐らくですが。

○事務局 ももに関してはホールの基準だと思われます。

○永山委員 その場合、ここに注釈といいますか、何か必要にはならないでしょうか。

○事務局 国際基準と検体部分が違うものに関しては基本的には採用しないという案にしておりましたので、ももに関しても検査部位の違いから削除するのが妥当かなと、今御指摘いただいて、そう思いました。

○永山委員 削除も一つですし、果肉の基準に換算するといいますか、その辺のデータがあればそれを利用するということもあろうかとは思うのですけれども。かなりEDIが近いということでしたので、ちょっと確認をさせていただきました。

○大野部会長 それについては確認していただいて、削除するか、皮を除いた部分に合わせた値にするか、その辺事務局で検討していただけますか。

○事務局 分かりました。

○大野部会長 検討した結果を永山委員だけでよろしいですか。皆さんに確認していただくことにしましょうか。

○事務局 もう一度データを確認いたしまして、加工係数等が示されている場合は、それを乗じた値をもって果肉に換算したももの基準値に変更すると。それがない場合は、通常どおりももに関しては削除するということを皆さんに確認していただくということでよろしいでしょうか。

○大野部会長 ありがとうございます。そういうやり方でよろしいでしょうか。

 ほかにございますか。全体を通しても何か御意見があれば伺いたいと思います。

 それでは、これについては、ももに関して確認いただいて修正案を事務局から示していただくと。それを先生方に確認していただいて、御了承いただければそれとするという形で部会としての結論を出すということでよろしいでしょうか。

 それでは、ホサロンについては若干修正があるかもしれませんけれども、その修正を適切な形で行ったものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは、最後の品目ですけれども、ルフェヌロンについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 7剤目、農薬及び動物用医薬品ルフェヌロンでございます。資料71を御覧ください。

 本剤は、農薬、殺虫剤としての用途がありますが、今回は養殖さけのウオジラミ駆除用のための使用方法について、動物用医薬品的な使用方法です。EUにて設定されたさけ目魚類の基準値を基になされたIT申請について御審議いただくものです。今回が3回目の審議となります。

 「1.概要」につきまして、本剤は、ベンゾイルフェニル尿素系の殺虫剤です。欧州等では養殖のさけにおいてウオジラミの治療及び防除用に製剤の開発がなされています。

 化学名、構造式及び物性につきましては、記載のとおりでございます。

 「2.適用範囲及び使用方法」についてですが、農薬部分に変更はなく、6ページを御覧ください。動物用医薬品としての使用方法を記載しております。

9ページに、さけの残留試験を示しております。

 「6ADIの評価」についてですが、前回と変更はなく、イヌの慢性毒性試験を基に0.014mg/kg体重/dayと評価されています。

 「7.諸外国における状況」ですが、EUにおいてさけ目魚類やレタス等に基準値があり、また、オーストラリアにおいて鶏卵、乳等に、ニュージーランドにおいてりんごなどに基準値の設定がなされております。

EUでは、今回さけ目魚類に基準値1.35ppmが置かれています。先ほどEUでの臨床試験における暫定使用方法をお示しいたしましたが、EUでは今後この基準に適合する使用方法が各国にて承認されることとなります。

 「8.基準値案」です。規制対象は引き続きルフェヌロンのみとしております。

16ページからの別表2を御覧ください。農作物に変更はありません。魚介類(さけ目魚類に限る)EU基準値1.35ppmを基に1ppmと設定いたしております。

 日本の基準値1ppmは最大1.4ppmまでが適用範囲となりますので、EUの基準値をカバーできていると考えます。

 暴露評価についてですが、今回からEDI試算になっております。国民平均が21.1%、最大の幼小児で35.5%のADI占有率となっております。

 事務局からは以上です。

○大野部会長 ありがとうございました。

3回目ということで、今回はさけについての使用の追加ということでございます。

 では、前回と内容は同じだと思いますけれども、用途、化学名、構造、安全性までで新たに気が付いたところはございますか。

 尾崎委員お願いします。

○尾崎委員 用途のところの2段落目なのですけれども、「国内では、ルフェヌロンを含有する動物用医薬品は承認されていない」と書いてあるのですが、日本ではイヌ・ネコ用の動物用医薬品としては認可されているはずですので、この書きぶりだとまずいと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。

 そうすると、どういうふうに表現しましょうか。

○事務局 あくまで食用動物用として記載しておりましたので、イヌ・ネコ用の用途も踏まえて書きかえて、後ほど案を送らせていただきます。

○大野部会長 尾崎委員、そういうことでよろしいでしょうか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 ほかに安全性のところまでで気が付いたところはございますか。ありがとうございます。

 それでは、分析方法から基準値の辺りについていかがでしょうか。よろしいでしょうか。EDI比で35.5%になったということでございます。

 それでは、そのほかの点で全体を通して御意見ございますか。斉藤委員お願いします。

○斉藤委員 1点だけ、これも極めて些細なことなのですけれども、定量限界の表記のところが6ページと8ページで、片や「ppm」で、片や「ng/g」になっているので、これは統一しておいたほうがよろしいのではないかと思います。

○事務局 統一いたします。

○大野部会長 ありがとうございます。修正をお願いします。

 ほかにございますか。

 それでは、これについては用途のところについて修正があったということ。それから、定量限界について統一するという形での修正があったということです。そのほかについて修正はございませんでしたけれども、用途の内容については確認していただくわけですが、確認は尾崎委員にしていただければよろしいですか。

○尾崎委員 そうですね。

○大野部会長 ほかの先生はよろしいでしょうか。

 それでは、尾崎委員に確認していただくということで、必要に応じて修正したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 今日の個別の審議については終了いたしましたけれども、本日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、分科会における取扱いにつきまして、横1枚の紙を御覧ください。平成2233日に了解されました食品衛生分科会における確認事項に基づきまして、本日の部会で御審議いただいた農薬5剤、農薬及び動物用医薬品1剤についての分科会での取扱い原案を御用意させていただいております。

 ガミスロマイシンにつきましては、引き続き審議ということになります。

 カスガマイシン、ジフルフェニカン、ピラゾスルフロンエチル、フルアジナム、ホサロンにつきましては、既に設定されております残留基準の一部改正に該当しますことから区分3といたしました。

 ルフェヌロンにつきましては、食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4とする案とさせていただいております。

○大野部会長 ありがとうございました。

 ただいま説明していただきましたような食品衛生分科会における取扱いの案でございますけれども、それについて御意見ございますか。ガミスロマイシンについては継続審議ということでございます。

 特にないようであれば、当部会としてそのような取扱いで分科会長の承認を得たいと思います。

 その他報告事項はございますか。

○事務局 3件ございます。

○事務局 資料8及び資料9を続けて御報告させていただきます。

 まず1件目、資料81を御覧ください。アルジカルブについて御報告させていただきます。

 本剤は、飼料の基準及び規格の改正に関して、農林水産大臣より意見聴取がなされたものでございます。

 改正の内容は次のページの別紙2の表を御覧ください。本剤については、平成231221日の部会にて既に審議がなされております。参考までに、その部会報告書を添付してございます。

 お示ししております改正案については、その際に了承された内容を踏まえて検討されたものですが、その中でえん麦、マイロの基準があるかと思いますが、これについては食品分類上はその他の穀類に該当するものでして、今回の改正では飼料中の残留基準は0.2ppmとなっているのですが、食品中の基準は0.1ppmと異なる値となっておりますので、仮に飼料作物としてえん麦及びマイロが食用に供されたと仮定して、暴露評価を行いました。

 その結果は資料83に示してございます。EDI試算で最も高い幼小児において74.6%となっております。

 さらに、今回の基準値改正に関して農林水産省において飼料を介した畜産物中の残留量について検討がなされております。参考資料としてその概要をお配りしております。今回、乳牛における残留試験は実施されていないのですが、代わりに代謝試験が実施されておりまして、これらの結果から家畜への移行試験について検討がなされております。

 乳牛及びヤギにおける代謝試験の結果から残留量が推定されておりまして、これらを踏まえ、食品衛生法で定められた畜産物の基準、本剤については基準が設定されていないため一律基準となるのですが、各食用部分において0.01ppmを下回ると推定されております。

 以上の結果から、今回の意見聴取に伴って、既に当部会において御審議いただいた食品中の基準値を変更するものではないことから、特段問題ないとしております。

 続きまして、資料9について報告させていただきます。資料91を御覧ください。

 土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の方法の変更についてです。参考資料としてその概要をお配りしておりますが、改善の内容の詳細については資料92の新旧表を御覧ください。

 本件については、ほ場試験の方法の変更について環境大臣より意見聴取がなされたものです。土壌残留に係る登録保留基準とは、農薬が土壌に残留することで農作物等が汚染されることにより、ヒトや家畜に被害が生じないようにする観点から定められた基準でございます。これを満たさない農薬については登録が保留される、すなわち登録を与えないことになります。

 土壌残留の指標といたしましては、土壌半減期180日という判定基準がございまして、それを判定する試験法がほ場試験でございます。

 今回の改正の内容についてですが、新旧表にお示ししておりますとおり、試験ほ場の選定や試験の手順といった項目について、より明確化、具体化するものとなっております。ただ、土壌残留性を示す土壌半減期180日という判定基準を変更する内容のものではないことから、特段問題ないとしております。

 以上でございます。

○大野部会長 ありがとうございました。

 ただいまの説明について、先生方から御意見・御質問ございますか。

 では、私から。土壌中半減期が180日未満のものについては、今までも登録保留だったという説明ととったのですが、それでよろしいですか。

○事務局 土壌半減期が180日以上のものについては、土壌に残留するということから登録が保留されることになるものです。

○大野部会長 これからなるということですか。

○環境省 環境省から御説明させていただきます。

 土壌中半減期が180日以上の場合は後作物残留試験で食品衛生法第11条第3項の一律基準を上回った場合は登録保留となってございます。180日未満の場合につきましては、後作物残留試験で食品衛生法第11条第1項に基づく規格または第3項の一律基準を超える場合には登録を保留と定めてございます。

○大野部会長 では、180日を超えたから自動的に保留というわけではないわけですね。ありがとうございます。

 ほかに御質問・御意見ございますか。

 それでは、その他の報告事項はございますか。

○事務局 それでは、資料10につきまして、私から御説明させていただきます。

 「急性参照用量を考慮した残留基準の設定について(案)」を御覧ください。現在、食品安全委員会では、食品健康影響評価において急性参照用量(ARfD)の設定を含めた評価が開始されております。既にARfDも含めた評価結果が厚生労働省に通知されている農薬がございまして、今後本部会におきましても、ADIだけではなくARfDに対しても暴露評価を行い、残留基準を設定する必要がございます。そのため、本部会における短期摂取量の推定方法につきまして案を作成しましたので、御意見をいただき、とりまとめたいと存じます。

 「1.短期摂取量の推定方法」ですが、基準値が設定される食品ごとに図に示しておりますように、一日最大摂取量と作物残留試験の結果などから、JMPRと同様に一点推定法を用いて短期摂取量を推定する案といたしました。

 実際の計算式は9ページにございますけれども、こちらのJMPRと同様の計算式によりまして、短期摂取量の推定を行うことになります。

 ケース13まで計算式が場合分けされておりますけれども、農作物の各個体の農薬残留量にばらつきがあり、通常の複数個体の混合試料における作物残留試験の農薬の残留量よりも各個体中の残留量のほうが多い可能性のあるケース2の場合には、農作物の個体ごとの農薬の残留量のばらつきを考慮しまして、変動係数3を用いております。これもJMPRと同様の変動係数でございます。

 また、1ページに戻っていただきまして、この推定は1歳以上の一般のグループ、幼小児のグループについて行うこととしています。ただし、妊婦または妊娠している可能性のある女性につきましてARfDが設定された場合には、女性のグループについて推定を行うこととしております。これらの方法もJMPRと同様でございます。

 続きまして「2.一日最大摂取量の取扱」について説明させていただきます。一日最大摂取量のデータベースは、平成1719年度の食品摂取頻度・摂取量調査のデータを基に、厚生労働科学研究において作成されたものでございます。原則、統計学的に95%以上の信頼水準で97.5パーセンタイル値を求めることができる120人・日以上のデータ数がある場合に、その97.5パーセンタイル値を一日最大摂取量としております。

 しかしながら、幼小児のグループにつきましては、世帯ごとに摂取量調査が実施されておりまして、データ数が一般の約4%程度しかございません。そのため、データ数が120人・日未満であっても、幼小児が比較的よく食べる食品についてはリスク管理を行ったほうがよいと考えられますので、信頼水準の程度を勘案しまして、データ数が64人・日以上の食品について暴露評価の対象に含めております。この64人・日以上のデータ数の場合、信頼水準は80%になります。

 また、女性のグループにつきまして、データ数が120人・日未満の食品につきましては、データが近似していると考えられます一般のデータで代用することにしております。

 実際に推定に使用するデータを別紙として添付しております。

 次に、「3.作物残留試験結果の取扱」について御説明いたします。作物残留試験のデータ数が4例以上の場合には最高残留濃度(HR)を用い、3例以下の場合には残留基準値案を用いることとしております。JMPRにおきましては、残留基準の設定に用いられる残留試験の例数が一般的には8例以上であり、その結果を用いてHRが決められますが、事例は少ないものの4例や5例でHRを決め、暴露評価を実施している事例がありますこと、また、平成20年度の厚生労働科学研究においても同様のルールで試算が行われておりますことから、本案とさせていただきました。

 最後に「4ARfDを超過した農作物の残留基準の検討」です。推定された農薬の短期摂取量がARfDを超過した場合について御説明いたします。超過が認められた場合には、基準値案の引き下げや、残留試験や加工係数など必要なデータの追加により、個別に検討することといたしております。

 以上が、短期摂取量の推定方法の案に関する説明でございます。本案につきまして、御検討をお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 ただいまの説明について御質問・御意見ございますか。

 この考えについては参考のところに書いてある、最初の急性参照用量を考慮した残留農薬の基準について、そこでホームページのアドレスが書いてございますけれども、この報告書に基づいて決めたということですね。

○事務局 まず、参考の1つ目の○は、本年3月にこの部会で御説明させていただいたときの資料でございます。前回の説明では、食品安全委員会でARfDの設定が始まること、厚生労働省としてもこれまでの経緯を踏まえていろいろ検討してきたことと、あと、JMPRの基本的な考え方について説明させていただいております。

 次の2つの○が、JMPRの実際の評価の方法についての元の文献でございます。

 最後の○が、急性参照用量の導入について厚生労働科学研究が行われておりますので、そちらの紹介でございます。こちらの厚生労働科学研究につきましても、厚生労働省のホームページで厚生労働科学研究のデータベースがございますので、そちらで内容が御覧いただけます。

○大野部会長 ありがとうございます。

 先生方からいかがでしょうか。御質問・御意見はございますか。

○事務局 済みません、今日欠席されております山内委員と由田委員から御意見を伺っておりますので、紹介させていただきます。

 まず、山内委員からですけれども、意見は全部で3つございます。ARfDを考慮しました制度の導入については、より高度に安全性が確保されることになると考えられることから賛成しますという御意見をいただいております。ただ、一方、新たな考え方の導入について、消費者や生産者にほとんど知られていないと思われるので、今後は制度導入の意義や考え方も含めて、広い対象に分かりやすく説明されるよう要望しますという意見をいただいております。

 これにつきまして、これまで農林水産省における農薬規制に関する一般の方を対象としましたリスコミや、消費者、生産者などの懇談会に厚生労働省も出席して説明を行っております。また、厚生労働省においても消費者団体等との懇談会、あるいは自治体の衛生部局を対象としました講習会において説明を行っておりまして、引き続きARfDを考慮した基準設定について周知を図ることとしております。

2つ目の御意見ですけれども、幼小児の評価対象食品が統計学的に95%の信頼水準を満たさないものを含んでいることについて、幼小児が好んで食べる果物や果汁など幅広く対象とするためには、暫定的にやむを得ない措置と考えますという御意見でございます。ただし、今後、早急に調査を実施して、より正確な最大摂取量のデータを収集することを要望しますという御意見をいただいております。

 また同様に、由田委員からも御意見をいただきまして、最大摂取量について今後新たな摂取量調査を実施して見直すことを前提として、今回は64人・日以上でやむを得ないのではないかという御意見をいただいております。

 これらにつきましては、今後、幼小児のデータの拡充を含め、食品の摂取量調査を実施しまして、現在のデータの更新を行うことを検討しております。

 それから、山内委員からの3つ目の御意見ですけれども、今後の残留基準の見直しによっては、農薬の使用方法の変更があり得るため、農薬メーカー等がそれを予想して事前に使用方法や適用作物を変更するなど、生産現場で混乱があるという情報を聞いております。消費者としてもこのような混乱は望ましくないと考えるので、今後のスケジュールについて、いつごろ、どのような変更が実施されるのか、可能な限り速やかに明らかにしていくべきと考えていますという御意見です。

 これについてですけれども、まず、残留基準のARfDを考慮した見直しについてですが、先ほど冒頭で申し上げましたように、食品安全委員会でのARfDを含めました評価というのは、本年6月ごろより開始されております。今後、適用拡大やインポートトレランス申請が行われる農薬については、それらの基準改正に係る食品健康影響評価におきましてARfDが設定されます。厚生労働省では、そのARfDを考慮しまして残留基準の見直しが行われることになります。

 ただ一方、これらの申請の予定がないような農薬あるいは暫定基準の見直しが行われていない農薬につきましては、ARfD設定の優先度を検討しまして、食品安全委員会へARfD設定の依頼を行い、残留基準の見直しを行っていく必要がございます。具体的には、国際機関や欧米で設定されたARfD、それから、各農薬の各農作物における検出状況や、今日御検討いただいております短期摂取量の推定方法によりまして試算を行い、その結果等を踏まえましてARfDを考慮した残留基準の見直しを行っていく予定としております。

 山内委員、由田委員の御意見については、以上でございます。

○大野部会長 ありがとうございます。

 先生方いかがでしょうか。永山委員お願いします。

○永山委員 考え方というより、別紙の表の意味合いを教えていただきたいのですが、ここで「1ユニット」という言葉が使われているのですが、このユニットというのはどういう意味なのかということと、脚注に「ユニット重量は各グループ共通」と入っているのですが、これについて教えていただけるとありがたいのですが。

○事務局 ユニットというのは1つの農作物の各個体の重量でございます。可食部になります。スイートコーンですと、とうもろこしの食べる部分で、とうもろこし1本当たりの可食部の重量ということになります。ばれいしょであれば、ばれいしょ1個の可食部の重量になります。例えば、ほうれんそうとかですと1個というのはカウントしにくいと思うのですけれども、根がくっついているところで1株ずつカウントしまして、1ユニットの重量ということでございます。

 各グループ共通ということは、こちら一般と幼小児と女性と分かれておりますけれども、食品の重量ですので、これは対象食品についてであり、幼小児や一般の体重や摂食量に影響を受けるものではございませんので、例えば、幼小児のお米で言えば、ユニット重量の記載欄がございます。お米についてはユニット重量の検討は必要ありませんので線が引いてありますけれども、一般の同じ食品のユニット重量を見ていただいて、その数字を用いて、一番最後のページの計算式で計算いただくということになります。

○永山委員 ありがとうございます。グループというのは、作物のグループではなくて、年齢別とか国民平均とか、そちらのグループということですね。分かりました。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。

○農林水産省 済みません、農林水産省から1点補足させていただきます。

 先ほど山内委員から、農薬メーカーが登録ラインを変更して、生産者とも混乱するのではないかという御懸念をいただいているところですけれども、もちろん、我々としましても食品の安全の確保というのは重要なことだと考えていますので、必要に応じて農薬メーカーが食品安全委員会の評価や薬食審の審議に先だって考える登録内容については、前倒しで変更していくという対応をもちろん推進しておりますけれども、一方で、当然今まで使用できていた農薬が使用できなくなるということですので、そういった混乱が生じないようにということで、当省から生産現場への主に指導を担っている都道府県等に適宜情報提供して混乱の回避に努めていきたいと。これについては、厚生労働省さんと協力して農林水産省も一体となって進めていきたいと考えております。

 以上です。

○大野部会長 ありがとうございました。ほかに先生方からございますか。

 ほかに報告はございますか。

○事務局 特にほかに議事はございません。

○大野部会長 それでは、次回の予定はいかがでしょうか。

○事務局 今後の手続につきまして、先に御説明させていただきます。

 本日、御審議いただきました農薬5剤、農薬及び動物用医薬品1剤につきましては、食品安全委員会からの通知を受けておりますことから、何品目か修正が必要なものがございますが、御確認いただいた修正版をもって部会報告書とさせていただきます。

 今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等必要な手続を進める予定としております。

○大野部会長 どうも失礼いたしました。そういうことでございます。

 このほかの報告事項はないですね。ありがとうございました。

 それでは、次回の予定をお願いいたします。

○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成261224日の午後を予定しております。出欠につきましては後日確認させていただきます。また、詳細につきましても、追って御連絡いたします。

 冒頭でお伝えしたとおり、机上に配付しております委員必要事項連絡票は、会議終了後に係りの者が回収いたしますので、机上に置いたままでお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 先ほどお願いしたフルアジナム原体混在物について配付していただいたものについても、残してくださるようお願いいたします。

 では、以上をもちまして本日の部会を終了させていただきます。どうも御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921

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