ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 看護職員需給見通しに関する検討会> 看護職員需給見通しに関する検討会  第1回議事録(2014年12月1日)




2014年12月1日 看護職員需給見通しに関する検討会  第1回議事録

医政局看護課

○日時

平成26年12月1日(月)15:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)
(東京都千代田区霞ヶ関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館)


○出席者

池西静江 (一般社団法人日本看護学校協議会副会長)
上野桂子 (一般社団法人全国訪問看護事業協会副会長)
太田秀樹 (一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長)
尾形裕也 (東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)
釜萢敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
菊池令子 (公益社団法人日本看護協会副会)
小林美亜 (千葉大学医学部附属病院地域医療連携部特任准教授)
古元重和 (千葉県保健医療担当部長)
島崎謙治 (政策研究大学院大学教授)
竹中賢治 (公益社団法人全国自治体病院協議会常務理事)
中出みち代 (公益社団法人地域医療振興協会山中温泉医療センター副センター長)
春山早苗 (自治医科大学看護学部学部長)
伏見清秀 (東京医科歯科大学医療政策情報学教授)
南砂 (読売新聞東京本社取締役調査研究本部長)
森本一美 (市立岸和田市民病院副院長・看護局長)

○議題

(1)看護職員需給見通しの現状と課題について
(2)その他

○議事

○田鍋看護課長補佐 それでは、定刻より少し早いですけれども、皆様方お揃いになっておりますので、ただいまより第1回「看護職員需給見通しに関する検討会」を開催いたします。

 本日は、御多忙のところ御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は第1回目の会合でございますので、まず、構成員の皆様を五十音順に御紹介させていただきます。

 池西静江、一般社団法人日本看護学校協議会副会長です。

 上野桂子、一般社団法人全国訪問看護事業協会副会長です。

 太田秀樹、一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長です。

 尾形裕也、東京大学政策ビジョン研究センター特任教授です。

 釜萢敏、公益社団法人日本医師会常任理事です。

 菊池令子、公益社団法人日本看護協会副会長です。

 小林美亜、千葉大学医学部附属病院地域医療連携部特任准教授です。

 古元重和、千葉県保健医療担当部長です。

 島崎謙治、政策研究大学院大学教授です。

 竹中賢治、公益社団法人全国自治体病院協議会常務理事です。

 中出みち代、公益社団法人地域医療振興協会山中温泉医療センター副センター長です。

 春山早苗、自治医科大学看護学部学部長です。

 伏見清秀、東京医科歯科大学医療政策情報学教授です。

 南砂、読売新聞東京本社取締役調査研究本部長です。

 森本一美、市立岸和田市民病院副院長・看護局長です。

 以上でございます。

 なお、神野正博構成員、小林司構成員からは、御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。

 事務局は、医政局の関係各課のほか、労働基準局、職業安定局、職業能力開発局及び老健局と、部局横断的に構成されておりますが、本日はテーブル着席者のみ紹介させていただきます。

 医政局長の二川です。

 医政担当審議官の福島です。

 総務課長の土生です。

 看護課長の岩澤です。

 老健局老人保健課長の迫井です。

 労働基準局労働条件政策課医療労働企画官の石川です。

 看護課看護職員確保対策官の笹子です。

 私は、看護課の課長補佐をしております田鍋です。よろしくお願いいたします。

 それでは、ここでカメラは御退席をお願いいたします。

(カメラ退室)

○田鍋看護課長補佐 初めに、医政局長から御挨拶を申し上げます。

○二川医政局長 医政局長の二川でございます。

 今日は第1回の検討会でございますので、冒頭、一言、御挨拶申し上げさせていただきます。

 皆様、御多忙のところ、この検討会の構成員をお引き受けいただきまして、厚く御礼を申し上げます。

 また、皆様におかれましては、日ごろより看護行政、広く医療行政あるいは厚生労働行政全般にわたりまして、格別の御理解と御協力を賜っているところでございまして、この場をお借りして厚く御礼を申し上げたいと思います。

 御承知のことと思いますけれども、医療分野におきましては、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けまして、改革が急務となっておるわけでございます。このため効率的かつ質の高い医療提供体制の確保、あるいは地域包括ケアシステムの構築、こういったことを通じまして、地域における医療・介護の総合的な確保を推進していこうといった視点から、先の通常国会におきましては、医療介護総合確保推進法が成立したところでございます。これの施行に向かいまして、私どもいろいろな準備も進めているところでございます

 看護関係のところだけ関連を申し上げますと、この医療介護総合確保推進法に基づきまして、看護師等で免許を持っている方がお辞めになられた場合に、どこにいらっしゃるのかというのを届け出していただく。努力義務ではございますけれども、そういった規定が入った。要するに、今後の再就職へつなげていこうといった視点のものでございます。

 また、医療機関の勤務環境改善などの導入によりましての看護職員確保対策、これも法律上の措置を定めたものでございまして、各病院管理者におきましては、そういった措置を講じていただくという形で、看護師等の勤務環境の改善につなげていこう、それによって看護師等確保対策を進めようといったものでございます。

 また、看護師の特定行為に係る研修制度の創設ということで、これも具体の行為、具体の研修の内容、そういったものを別の審議会を設けて進めているところでございますが、これも在宅医療の推進等々のために、こういった仕組みができた。こういったものでございます。

 そういった形で、いろいろな対策を講じているわけでございますけれども、御承知のとおりかと思いますが、看護職員につきましては、いろいろな問題があるわけでございます。

 例えば、人口10万対比で見てみますと、就業者数、学校養成所の定員数については、都道府県ごとに相当ばらつきがございます。人口比で見るのが必ずしもいいのかどうかわかりませんけれども、そういったことでばらつきがあるといった問題とか、あるいは看護師養成所を卒業なさったとしても、そこの地域での看護師にならずに、どこかほかの県に行かれてしまうケースがたくさんあるといった課題もあるといったことがございます。

 そういったことも踏まえまして、現在の看護職員の需給見通しは平成27年まで、今年と来年の分までという見通しになっておりますので、平成28年以降に向けまして、新たな見通しの策定をお願いしようということで、この検討会を立ち上げることにしたわけでございます。

 また、看護職員の確保対策そのものにつきましても、制限なく、忌憚なく御意見をいただきたいと思っているところでございます。

 さまざまな視点から活発な議論をお願いしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○田鍋看護課長補佐 なお、医政局長は公務のため、途中退席をさせていただきます。

 それでは、お手元の資料の御確認をお願いいたします。

 お手元には、上から順番にですけれども、まず、議事次第がございまして、その下に座席表。

 その後、

資料1 「看護職員需給見通しに関する検討会」開催要綱

 資料2 看護職員需給見通し等の検討に当たっての論点

 資料3-1 看護職員の現状と推移

 資料3-2 看護職員確保に関する今般の法改正について

 資料4-1 第七次看護職員需給見通しについて

 資料4-2 第七次看護職員需給見通しと現状について

 資料5 医療提供体制の改革について

参考資料といたしまして、

参考資料1 その他関連資料

 参考資料2 看護職員確保対策の経緯

 参考資料3 平成26年度看護職員関係予算の概要

 参考資料4 医療・介護に係る長期推計(主にサービス提供体制改革に係る改革について)(抜粋)

をお配りしております。

 乱丁・落丁等がございましたら、事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。

 また、今回の机上のマイクでございますけれども、御発言の際には手前のボタンを押して、赤いランプがつきましたら、御発言ください。御発言が終わりましたら、再度、ボタンを押して赤いランプを消してください。

 続きまして、お手元の資料1をご覧ください。本検討会の趣旨等につきまして、御説明させていただきます。

 「1.趣旨」でございますけれども、看護職員の需給見通しは、看護職員確保の基本的な資料として、おおむねこれまで5年ごとに通算7回にわたり策定しております。

 現在の第七次看護職員需給見通しは、平成2212月に平成23年~27年までの5カ年について策定しているところであります。今のところ就業者数は増加しておりまして、各年の供給見通しは上回っておりますが、需要見通しには達していない状況です。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、本年6月に公布された「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の施行などにより、今後、医療提供体制は大きく変化してまいります。看護職員確保対策につきましても、同法に基づき、先ほど局長からもお話がありましたが、看護師等の免許保持者の届出制度や医療機関の勤務環境改善などの施策を行うこととしております。

 これらの状況を踏まえまして、平成28年以降の看護職員需給見通しの策定のあり方や、長期的な看護職員需給見通しの推計のあり方、効果的な看護職員確保対策などについて御検討していただく場として、当検討会を設けさせていただいております。

 「2.検討課題」でございますけれども、先ほどの説明と重複いたしますが、平成28年以降の看護職員需給見通し、2025年及びそれ以降の長期的な看護職員需給見通しの推計、看護職員の確保対策などについて、当検討会で御議論していただきます。

 2ページ目「3.組織」です。

 本検討会は、医政局長が参集する構成員、3ページに名簿がございますが、全員で17名の先生方にお願いしております。

 「4.秘密保持義務」について、5.6.については、会議、会議資料、議事録の原則公開について定めております。

 7.は事務局の庶務につきまして、厚生労働省医政局関係各課、労働基準局、職業安定局、職業能力開発局、老健局の協力を得て、医政局看護課が処理することとなっております。

 続きまして、本検討会の座長及び座長代理の指名についてです。

 先ほどの開催要綱2ページ目になりますけれども、3の(2)に座長は構成員の互選により選任することとされておりますが、事務局で構成員の皆様にあらかじめお伺いしたところ、尾形構成員に御就任していただいてはどうかという御意見がございました。

 そのような状況を含めまして、尾形構成員に御相談申し上げましたところ、構成員の皆様の御賛同をいただけるのであれば、座長を引き受けてもよいという御意向でございました。

 そこで事務局から構成員の皆様方に確認させていただきたいのですが、尾形構成員に座長をお願いするということで、よろしいでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田鍋看護課長補佐 それでは、当検討会の座長は尾形構成員にお願いしたいと思います。恐縮ではございますが、尾形座長は座長席に御移動をお願いいたします。

(尾形構成員、座長席へ移動)

○田鍋看護課長補佐 また、同様に開催要綱、3.の(3)にあらかじめ座長は座長代理を指名することができるとされておりますが、尾形座長いかがでございましょうか。

○尾形座長 それでは、前回の第七次の検討会でも座長代理をお願いいたしました伏見構成員にお願いしたいと思います。

 伏見先生、よろしいでしょうか。

(伏見構成員、首肯)

○田鍋看護課長補佐 伏見先生、よろしいでしょうか。それでは、恐縮でございますが、伏見構成員は座長代理席に御移動をお願いいたします。

(伏見構成員、座長代理席へ移動)

○田鍋看護課長補佐 それでは、尾形座長より、一言御挨拶をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○尾形座長 ただいま御指名をいただきました尾形でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほど、局長の御挨拶にもありましたし、この開催要綱にもありますように、この6月に医療介護総合確保推進法が成立をし、そういったことも含め、今、非常に大きな医療・介護提供体制の転換期に当たっているのだろうと思います。

 そういう中で特に、この看護職員の確保というのは非常に重要な施策であると考えております。検討課題として3つ挙がっておりますけれども、ぜひ、構成員の皆様方の活発な御意見、御検討を経て、これらの課題に応えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○田鍋看護課長補佐 ありがとうございました。

 これより後は、尾形座長に議事の進行をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○尾形座長 早速、議題に入りたいと思います。

 本日の議題につきましては「看護職員需給見通しの現状と課題について」でございますけれども、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○笹子看護職員確保対策官 看護職員確保対策官の笹子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 私からは資料2~資料5まで、大部になりますが、ポイントを絞って御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料2をご覧いただきたいと思います。

 今回、検討に当たっての論点ということで、先ほど局長の挨拶あるいは要綱の説明でもありましたとおり、医療介護総合確保推進法の施行によりまして、本年10月から病床機能報告制度が開始されるということですし、平成27年度以降、2025年の医療サービス量を見込んだ上で、地域医療構想を都道府県が策定するということになってございます。

 そういった地域医療計画との整合性の観点からも、平成30年からの需給見通しというものは、地域医療計画と開始時期等を合わせて策定することといたしまして、次期需給見通し、すなわち、現在は平成23年~平成27年の第七次ということでございますけれども、平成28年以降は、まずは平成2829年の2カ年としてはどうかと考えてございます。

 2つ目の〇でございますが、そうはいっても、需要推計におきまして、今後、ニーズが増大すると考えられる在宅分野についてどのように考えるかということが一つ。

 もう一つは、供給推計につきまして、先ほど来説明がありました関連法の改正による看護師等の免許保持者の届出制度であるとか、勤務環境改善システムの導入、こういった政策効果というものをどのように考えるか。これが「(1)需給見通し」に関する論点案ということでございます。

 「(2)長期見通し」ということでございまして、税と社会保障一体改革におきまして、2025年までの長期見通しというものは推計されておりましたけれども、2025年以降も含めて、長期見通しについてどのように考えていくかということを論点として挙げさせていただいています。

 (3)の1つ目の〇でございますが、今回の関連法の改正の施行を実効あるものにすることも含めて、どのように総合的に看護職員確保対策を進めていくべきか。

 2つ目でございますが、局長の挨拶にもありましたが、都道府県間の看護職員の流入・流出の状況について、どのように考えるか。このようなものを論点案として掲げさせていただいております。

 2ページに、各種関連施策のスケジュールの概要をまとめさせていただいています。

 一番上が「病床機能報告」ということで、こちらは、本年10月に施行されてございます。各医療機関がどのような病床機能を担っていくかということを都道府県に報告していくということになってございます。

 その次の欄でございますが、その報告を踏まえまして「地域医療構想(ビジョン)」というものを都道府県が平成27年4月以降、策定することになってございます。

 ここにおきましては、2025年に向けたサービス量、各機能の病床の必要量、それを踏まえた関係職種の確保対策、こういったものを定めることとされておりまして、この地域医療構想が一番真ん中の青のところでございますが、第七次医療計画、平成30年からの医療計画に反映されていくということになってございます。

 こういった状況を踏まえて、一番下「看護職員需給見通し(案)」というところでございますが、現在、第七次需給見通し期間中の下に、本検討会でございますけれども、この検討会において、2カ年の需給見通し、平成28年と平成29年、こちらを策定いただきまして、平成30年~平成35年までは、また別途、検討会をつくり、病床機能報告、地域医療構想、医療計画、こういったものの作業状況を踏まえた、より精緻なものを作っていってはどうかという御提案でございます。

 「需給見通し策定のスケジュール(案)」でございます。

 本日、看護職員の需給の現状等ということで、キックオフさせていただきます。

 来年2月~3月の間に一度、検討会を開催させていただきまして、平成28年、平成29年のある意味簡易な需給見通しというものをどうやって策定していくのかという策定方針につきまして、事務局から案をお示しいたしますので、それに基づいて御議論いただき、その案の様式というものを都道府県にお送りして作業していただくということを考えてございます。

 都道府県に作業をしていただいている間に、4月から夏ごろにかけまして、看護職員確保対策等を御議論いただきまして、全体として、都道府県の作業状況も含めて、秋から冬ごろに報告書案の提示、取りまとめということで、およそ1年間にわたりまして御検討いただきたいということでございます。

 資料2につきましては、以上でございます。

 続きまして、資料3-1「看護職員の現状と推移」ということでございまして、データが並んでございます。

 「看護職員就業者数の推移」ということでございまして、現在、平成24年でございますが、1537,813人という数字になってございます。10年前が123万、15年前が106万ということでございまして、緑の線グラフです。順次、増えているということでございます。その中で准看護師が若干、減少傾向にあるということでございます。

 2ページ目でございます。就業者数、どのようになっているかということで、イメージ図でございます。

 一番上でございますが、現在、就業者数、約154万ということでございますが、左側ですが、新規の資格取得者、約5.1万人。離職者が約16.1万人。その右、再就業、約14.0万人ということで、毎年、約3.0万人増加しているという状況にございます。

 一番右でございますが、就業されていない方、潜在看護職員と言われる方々が約71万人おられるという推計をさせていただいております。

 3ページ目「看護職員の就業場所(平成24年)」でございます。

 病院が61%、診療所が21%ということで、そのほか、訪問看護ステーションや介護施設にも12%程度就業していただいている状況でございます。

 4ページ目は、資格別ということで就業場所を分けたものでございます。看護職員というのは、保健師、助産師、看護師、准看護師の4類型を申すものでございますが、保健師は市町村、一番左上です。助産師は病院、診療所。左下でございますが、看護師、病院で71%、准看護師は診療所が多いという特徴がございます。

 5ページ目「就業場所別看護職員数の推移」ということで、ご覧いただけますように、それぞれ区分ごとに、数としては順次増えているということでございますが、10年前と比べると、全体に対する比率という意味で申し上げますと、病院、診療所は85%から少し減ということでありますし、介護需要の増加ということに伴いまして、介護であるとか、社会福祉施設関係は若干増えている状況でございます。

 6、7ページ目あたりが「看護師の年齢階級別就業場所の割合(平成24年)」ということでございます。

 6ページ目でありますと、年齢が上がっていくに従いまして、病院の勤務の割合が下がる。一番左でございますが、25歳未満でありますと96%ぐらいであるのが、65歳以上になると、40%近くまで下がっていくという状況でございますし、一方で、紫のところでございますが、介護老人保健施設は年齢が増えていくに従って、割合が増えていくという状況。

 7ページ目は准看護師でございますが、紫の介護老人保健施設等につきましては、看護師と同じような傾向にございます。

 一方で、病院につきましては、30歳ぐらいから65歳、大体同じような割合で推移しているということが見てとれると思います。

 8ページ目「看護職員の年齢階級別就業状況(平成14年・24年比較)」ということで、青が平成14年、実数でございます。赤が平成24年ということで、25歳未満、2529歳のところをご覧いただきますと、29歳未満のところで、大分、人数が減っているということが見てとれる一方で、40歳以上のところ、平成24年の赤いところでは増えているということが見てとれると思います。

 9ページ目は、看護師の就業者数、年齢階級別でございます。

 平成14年が左でございますが、30歳未満34%が、平成24年に行きますと22%ということで、若い方の割合が減っているということ。

 一方で、平成14年の紫と60歳以上の3%を足した13%が、平成24年では16%と5%で21%ということで、こちらは増えているということが見てとれます。

10ページ目は准看護師でございますけれども、こちらも同様に30歳未満が平成24年になると減り、50歳以上という方々が増えているという傾向が見てとれます。

11ページ目「都道府県別にみた人口10万対看護師・准看護師数」ということでございます。

 こちらをご覧いただきますと、右半分くらい、和歌山県あたりから全国平均から上回っているということが見てとれます。一方で、関東、東京、千葉、埼玉あるいは大阪、兵庫あたりは全国平均を下回っている。大都市圏が下回っている状況にあるということが見てとれます。

12ページ目「都道府県別にみた病院勤務看護職員数(病床100対)」ということでございますが、こちらでとると、先ほど11ページでご覧いただいた西日本の各県が全国平均、あるいはそれをちょっと下回る状況になるということでございます。

13ページ「都道府県別にみた卒業者数と県内の新卒就業者数及び割合」ということで、端的に申し上げて、流入・流出というものを表したスライドでございます。

 オレンジのグラフ、これが赤い直線を超えると他県から流入している、下だと流出しているということがわかると思いますので、大都市圏、東京、神奈川であるとか大阪、兵庫、こういったところに流入している傾向があり、北海道、東北地方あるいは九州地方から流出していることが見てとれるかと思います。

 続きまして、14ページ目でございます。話が変わりまして、看護の教育制度ということでございますが、こちらは構成員の方々は御存じだとは思いますが、下から中学校卒業、左に行きまして、高等学校卒業ということで、その後、4年制大学に行かれる方、こちらが現在218校で1学年の定員が1万7,878名ということでございます。

 その横、高等学校を卒業した後、養成期間3年の養成所とか短大、こちらが現在555校ございまして、1学年の定員が2万8,051人ということでございます。こちらの定員が全体の46%ということで、およそ半分を担っているということでございます。

 右に行っていただいて、中学校卒業後、高校・高等専攻科、いわゆる5年一貫教育校でございますが、こちらが77校ございまして、1学年定員が4,035人、一番右でございますが、中学校卒業後、准看護師養成所・高校というのが243校ございまして、1学年定員が1万1,055人ということで、この後、養成期間2年の養成所・短大等に行っていただいて、看護師に行っていただくという累計でございますが、これが193校1万1,665人1学年定員という構成になってございます。

15ページ「高等学校卒業者と看護師・准看護師学校養成所新卒入学者の推移」ということで、赤い折れ線グラフをご覧いただきますと、新卒の入学者は平成18年あたりを底にしてございますが、それ以降は多少、改善の兆しにあるということでございます。

16ページ「国家試験実施状況及び合格率の推移(年次別)」ということでございます。

 一番左が実施年月、平成7年~平成25年までとってございます。その隣が保健師ということで、合格率をざっとご覧いただきますと、大体8690%の後半という合格率でございます。

 次が助産師でございます。合格率のところをご覧いただきますと、8898%という高い合格率になってございます。

 一番右が看護師でございます。合格率をご覧いただきますと、大体8397%程度でございますが、最近は90%前後といった合格率になってございます。

17ページ「離職率比較」ということでございますが、左、常勤看護職員と他産業の比較でございます。

 平成24年をご覧いただきますと、産業全体が紫で、医療・福祉の平均が薄緑でございますけれども、大体1415%の間にあることが見てとれます。

 一方で、看護、一番下の常勤看護職員というところですが、大体11%程度でございます。

 右側は新卒者で比較したものでございます。一番上の赤いものが新規短大卒の離職者、その下の緑が大学の離職者、一番下が新卒看護職員ということで、他産業あるいは大学卒、短大卒の一般の方々と比べると、多少低めに離職率が出ているということでございます。

18ページ目、看護職員として退職経験のある方に退職理由を聞いた調査がございます。

 四角で囲ってございますが、出産・育児のためというものが22%ということで最も多く、次いでその他、結婚のため、他施設への興味と続いてございます。

 注目するところは、そのほかに真ん中のほうですけれども、超過勤務が多い、休暇がとれない、給与に不満、夜勤の負担、責任の重さ等々、勤務環境に関する理由というものも多くなっている現状でございます。

19ページ目「現在就業していない看護師等が直近の就業先を離職した理由(複数回答)」ということでございます。

 こちらは日本看護協会さんがお調べになったものでございますが、こちらを見ても、妊娠・出産というのが最も離職理由としては多い。そのほか自分の健康状態、子育て、その下に勤務環境系の時間外労働であるとかといったものが続いていくということでございます。

20ページ目、逆から調べた「現在就業している看護師等が現在の就業先で勤務を続けている理由(複数回答)」、これも日本看護協会さんがお調べになったものでございますが、その理由は、一番上の幾つかをご覧いただきますと、勤務形態が希望どおりであるとか、雇用形態が希望どおりであるとか、残業が少ないであるとか、やはり勤務環境が主な理由と挙がっているのが見てとれると思います。

21ページ目「ナースセンター及びハローワークにおける職業紹介状況」ということでございます。私ども看護職員の復職支援というところに軸足も置いて、今後、施策を打っていきたいと思ってございますが、上がナースセンター、平成25年でございますが、紹介成功率というところで見ると67%程度、就職者数、実数で1万2,270人ということでございます。

 その下を見ていただきますと、ハローワークでございますが、就職者数が5万ちょっと、紹介成功率が43%ちょっとという数字になってございます。

 長くなりましたが、資料3-1は以上でございます。

 続きまして、資料3-2「看護職員確保に関する今般の法改正について」ということで、1ページ目、先の通常国会、本年6月でございますが、医療介護総合確保推進法が成立してございます。

 一番上「改革の目的」でございますが、高度急性期から在宅医療・介護までの一連のサービスを地域において総合的に確保すること。これによりまして、地域における適切な医療・介護サービスの提供体制を実現し、患者の早期の社会復帰を進め、住みなれた地域での継続的な生活を可能とする。これが目的でございまして、左から矢印が出ておりますけれども、このために効率的かつ質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築、こういった2つの大目的のための施策を打っているところでございます。

 医療提供体制の構築、下に行っていただきますと、地域での効率的・質の高い医療の確保ということで、病床の機能分化・連携ということでございまして、先ほど、若干触れましたが、その下、小さくて恐縮ですが、各医療機関が医療機能、高度急性期であるとか、急性期、回復期、慢性期、4つの区分でございますけれども、これを都道府県に報告し、2つ目のポツでございますが、その報告等を活用しまして、都道府県は各医療機能の必要量等を含む地域の医療提供体制の将来のあるべき姿、これは地域医療構想と呼んでございますが、これを策定するといった流れになってございます。

 このスライドの下半分でございますが、こういった医療提供体制の構築であるとか、地域包括ケアシステムの構築、それを下支えするサービス充実の基盤整備ということで赤く囲ってございますけれども、看護関係では左の「チーム医療の推進」という中の、診療の補助のうち特定行為を明確化し、それを手順書により行う看護師の研修制度を新設するということが一つでございます。

 もう一つは、真ん中でございますが、医療従事者の確保というところで、看護師等免許保持者に対する届出制度の創設、医療機関の勤務環境改善と、先ほど申し上げたとおりでございます。

 2ページ目「新たな看護職員確保に向けた施策の柱」ということで、足下、平成23年でございますが、約150万人いらっしゃる就業者、こちらが2025年で約200万人必要だと一体改革のときに見込まれてございます。

 そのために対応策ということで「(1)看護職員の復職支援の強化」ということで、看護師等人材確保促進法を改正いたしまして、こちらはまだ施行されておりませんが、来年10月に施行すべく、準備を進めているということでございます。内容は届出制度でございます。

 「(2)勤務環境の改善を通じた定着・離職防止」ということでございまして、こちらは医療法の改正ということで、10月から施行されてございます。

 内容といたしましては、医療機関による自主的な勤務環境改善を促進するということ、そのために医療勤務環境改善支援センター、都道府県に置かれるものでございますが、こちらが医療機関の取り組みをバックアップするシステムを構築するということでございます。

 3つ目が、少子高齢化社会を見据えまして「社会人経験者の看護職員への取り込み促進」をするということで、こちらは雇用保険法の改正で対応するということでございます。

 看護職員確保につきましては、この3点、三本柱で我々は進めていきたいと考えてございます。

 3ページ目、先ほど、2025年で200万人必要だということを御説明申し上げましたけれども、こちらは粗い試算ということでございますが、2025年で約196万人~約206万人の看護職員が必要だということでございます。

 ただ毎年、先ほどの資料でございましたように、約3万人のペースで増加はしてございますので、そう考えますと、一番右の上でございますが、ギャップは約3万人~13万人ということでございます。

 4ページ目以降は2ページの(1)復職支援の強化というところを御説明したものでございまして、4ページ目の下「ナースセンターの提供サービスの充実・改善」ということで、届け出していただいた看護師さんにメール等による情報提供など、求職者になる前から総合的な支援を行うということ。

 2つ目の〇にございますように、就職斡旋と復職研修の一体的実施など、ニーズに合ったきめ細やかな対応をするということ。

 3つ目の〇にございますように、ハローワークであるとか、地域の医療機関との連携、ナースセンターの機能をサテライト展開するといったことも法律改正によって可能にしてございますので、そういった対応をすることによりまして、総合的な復職支援であるとか、潜在化の予防、防止ということにつなげていきたいということでございます。

 5、6ページ目はさらに細かいものでございますので割愛させていただきまして、7ページ目、こちらは勤務環境の関係、2ページ目の(2)で御説明したものの経緯でございますのでこちらも飛ばしまして、8ページ目、勤務環境改善のための支援策を図示したものでございます。

 「事業イメージ(全体像)」のところにございますように、各医療機関がPDCAサイクルを活用して計画的に勤務環境改善に向けた取り組みを行うための仕組み、勤務環境改善マネジメントシステムと申しておりますが、こちらを創設するとともに、都道府県ごとに、こうした取り組みを行う医療機関に対する総合的な支援体制、医療勤務環境改善支援センターを設置することになってございます。

 その下に「都道府県 医療勤務環境改善支援センター」ということがございますが、その左側、労働基準局予算というところでございますが、アドバイザーを1名配置する予算を確保してございます。こちらは労務管理面でのアドバイザーを配置するということで、社会保険労務士などの配置が見込まれているということでございます。

 一方で、右側でございますが、労務環境だけではなくて、医業分野のアドバイザー事業ということで、診療報酬であるとか医療制度・医事法制面等々のアドバイザーを置くための予算が、地域医療介護総合確保基金904億円の内数でございますけれども、これを御活用いただける体制をとっているところでございます。

 9ページ目は条文なので飛ばさせていただきまして、10ページ目が、先ほど2ページ目で、社会人経験者の看護職への取り込み促進というところで雇用保険法の改正と申し上げたところでございます。

 右側をご覧いただきますと「要件」、被保険者期間2年等々ございますが「給付内容」、訓練費用の40%を支給するということ。それと、ポツを1つ飛ばしてその下でございますが「追加給付」ということで、就職を条件として、訓練費用の20%を追加支給するということになってございます。

 そのほか、1つ上のポツでございますが、45歳未満の若年離職者には、基本手当の50%を毎月支給するということで、こちらは平成30年度までの暫定措置ということになってございますが、こういった教育訓練給付金の拡充であるとか、教育訓練支援給付金の創設というものによりまして、これを活用することによって、社会人経験者を看護職員に取り込んでいきたいと考えているところでございます。

 最後に11ページ目「特定行為に係る看護師の研修制度について」ということでございます。

 「制度創設の必要性」というところで、2025年に向けて、さらなる在宅医療等の推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師、歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助を行う看護師を養成し、確保していく必要があるということでございます。

 そのために、現在、どのような行為を特定行為とするのか、あるいはその特定行為の研修の内容とかボリュームといったことにつきまして、医道審議会において御審議いただいているというところでございます。

 資料3-2は以上でございます。

 続きまして、資料4-1でございます。

 現在の第七次看護職員需給見通しがどうなっているのかにつきまして、御説明いたします。

 1ページ目「2 策定の方法」というところでございますけれども、(1)の➁をご覧いただけますように、実態を適切に把握するために、各施設の協力を得て、より精度の高い調査の実施に努めるということ。

 (2)でございますが、調査の方法としては、都道府県は、需要数・供給数について、都道府県ごとに積み上げを行いまして、厚生労働省で取りまとめるということ。

 各施設の調査票の記入者でございますけれども、看護担当責任者、看護部長等が記載するということで、提出に当たっては、各施設長に了承を得るということになってございます。

 「(4)需要数の推計方法」でございます。

 申し上げたとおり、➀でございますが、看護職員の需要数を施設ごとに推計するということなってございます。

 「(5)供給数の推計方法」でございますが、平成23年~平成27年の供給数は、都道府県が推計するということで、算定の考え方は、年の当初の就業者数に新卒の就業者数、再就業者数を足し上げまして、それから退職等による減少数を引くという計算式を示しているところでございます。

 「(6)見通し期間」は平成23年~平成27年までの5年間でございます。

 「(7)都道府県の需給見通し結果報告期限」でございますが、平成22年2月15日までということになってございます。

 3ページ目「各都道府県の調査方法」(1)でございますが「➀ 以下の施設については、全数調査を基本とする」ということで、病院、有床診療所、介護老人保健施設等々、ご覧いただけるところにつきましては全数調査を基本としてございます。

 ➁でございますが、無床診療所等々につきましては、既存の統計資料の活用または抽出調査でも可とするということでございます。

 6ページ目、こうした策定方針に基づいて取りまとめた結果でございます。

 看護職員の需給見通しは、平成23年の1444,000人から、平成27年には1501,000人に増加する。約6.9%の伸び率ということでございます。

 3パラ目、看護職員の供給見通しでございますが、平成23年の1348,000人から、平成27年には約1486,000人に増加する見込みということで、約10.2%の伸び率ということでございます。

 こうして取りまとめたものが7ページ目以降についているということでございますが、申し上げたとおり、需要見通し全体としては6.9%でございますが、例えば訪問看護ステーションなどは16.9%、17%近い伸び率ということで見込んでいるところでございます。

 資料4-1につきましては、以上でございます。

 続きまして、資料4-2でございます。

 1ページ目、現在、そうした第七次の看護職員需給見通し期間中ということでございますが、就業者数、実人員等々、平成23年、24年、2カ年につきまして実績が出てございます。

 例えば、平成24年を見ていただきますと、一番下から2つ目、就業者数の実人員でございますが、153万人ということでございます。その2つ上を見ていただきますと、供給見通しが151万人ということでございますので、供給見通しは超えているという状況でございます。

 そこからさらに2つ上っていただきますと、需要見通しが157万人ということでございますので、就業者数は、供給見通しは上回っているけれども、需要見通しは下回っているという状況が見てとれます。

 「第六次と第七次の比較」ということでございまして、青が需要見通し、赤が供給見通しということでございます。全般的な傾向としては、需要にせよ、供給にせよ、増加しているということが見てとれます。

 3ページ目「第七次期間の看護職員需給見通しと就業者数」ということで、青が需要見通し、赤が供給見通し、真ん中にある緑が就業者数ということで、1ページ目で御説明したものがグラフとしてわかるということでございます。

 4ページ目以降でございますが、施設ごと、4ページ目でありましたら「病院」、5ページ目でありましたら「診療所」等々、需要見通しと実際の就業者数がどのように推移しているかをお示ししたデータでございます。

 4ページ目であれば「病院」につきましては、需要見通しと就業者数の乖離率は需要見通しが平成24年で958,800に対して994,000でございますので、そんなにはないのですが、例えば7ページ目「訪問看護ステーション」につきましては、その乖離が88%になったり、8ページ目「介護保険関係」に関して、こちらは69%程度になったりということで、かなり乖離があるということでございます。

 最後に、資料5「医療提供体制の改革について」ということでございます。

 ほかの資料で、縷々申し上げましたので、総合確保法の説明をした1枚目は飛ばさせていただきまして、2枚目でございます。

 総合確保法に基づきまして、高度急性期から在宅医療・介護までの一連のサービス提供体制の一体的な確保を行うということで、➀でございますけれども「都道府県が策定する医療計画と介護保険事業支援計画を、一体的・強い整合性を持った形で策定」するということでございます。

 そのために、➀-1ということで、基本的な方針を策定するとともに、➀-2でございますけれども、医療計画の策定サイクルというものを、現在5年のものを見直すということでございまして、平成30年以降、介護と揃うように6年にするということで、在宅医療など介護と関係する部分は中間年(3年)で、必要な見直しを行っていくということでございます。

 ➁でございますけれども、そういった病床機能分化・連携、医療従事者の確保・養成等のために、消費税増収分を活用して新たに財政支援制度、基金を設置するということで、これは法定化されてございまして、今年度につきましては904億円が確保されているということでございます。

 4ページ目でございます。病床機能報告は先ほどから御説明しておりますけれども、左下の図でございます。「医療機関」というところでございますが、現在は機能が見えにくいということで、医療機能を自主的に医療機関に選択していただきまして、例えば、A病棟であれば急性期、C病棟であれば慢性期ということで選択していただきまして、医療機能の現状と今後の方向を都道府県に報告していただく。都道府県は医療機能の報告等を活用いたしまして、地域医療構想を策定して、さらなる機能分化を推進していく。

 右側でございますけれども、地域医療構想(ビジョン)の内容として想定されてございますのが、1つ目が「2025年の医療需要」、例えば、入院・外来別・疾患別の患者数など。

 2つ目が「2025年に目指すべき医療提供体制」ということで、二次医療圏等(在宅医療・地域包括ケアについては市町村)ごとの医療機能別の必要量というものを策定する。

 3番目として「目指すべき医療提供体制を実現するための施策」ということで、例えば、医療従事者の確保・養成が含まれるということでございます。

 5ページ目は、報告制度をさらに詳しく説明したものでございますし、6ページ目以降、策定スケジュール、あるいは7ページ目、医療機能の分化・連携に係る取り組みの流れということで、地域医療構想(ビジョン)を策定するに際しては、学識経験者の団体の意見を聞くであるとか、策定時に医療審議会、市町村の意見を聞くであるとかということが書いてございます。

 8ページ目でございますが、ビジョンを実現するための仕組みということで、協議の場を設置するというのが(1)でございます。

 そのほか、都道府県知事が講ずることができる措置として、法律上、病院の新規開設・増床への対応ということで、開設許可の際に、不足している医療機能を担うという条件を付すことができるであるとか、➁でございますけれども、医療機関が過剰な医療機能に転換しようとする場合の対応、例えば、医療審議会の意見を聞いて転換の中止を要請する等々。

 ➂でございますが、稼働していない病床の削減の要請、こういった要請措置に医療機関が従わない場合、下から3分の1程度に書いてあるような措置を講ずることができるということでございます。

 9ページ目「医療・介護提供体制の見直しに係る今後のスケジュール」ということで、一番右下、平成30年度の医療計画、介護保険事業計画の策定に向けて、左側の地域医療ビジョンの策定、その下の介護保険事業計画の策定、平成27年度から進めていくという全体のスケジュールを示したものでございます。

 大変長く、失礼いたしました。事務局からは以上でございます。

○尾形座長 ありがとうございました。

 ただいま、事務局から資料2「看護職員需給見通し等の検討に当たっての論点」から資料5「医療提供体制の改革について」まで、6種類の資料につきまして幅広く御説明をいただきました。

 本日は第1回目でもございますので、とりあえず、これらを一括して自由に御質問、御意見等を賜れればと思います。どなたからでも、どうぞ。

 菊池構成員、どうぞ。

○菊池構成員 資料の2に論点がございますので、ここに関連して意見を申し上げたいと思います。

 「需給見通し」の最初の○のところで、平成30年からの需給見通しを地域医療計画と開始時期を合わせて策定することとして、次期需給見通しは、平成28年、29年の2カ年としてはどうかということにつきましては、賛成です。

 現在、都道府県においては、2025年に向けた地域医療構想を医療計画の中で策定するという準備が進められていまして、また、医療介護総合確保基金に関する都道府県計画、市町村計画においても、医療従事者の確保対策が検討されて、記載されることになると思います。

 一方で、看護職員需給見通しは、最近では、都道府県が地域の状況を踏まえて検討した結果を国が集約するという方法をとっていますので、都道府県からすると、同じような検討をするということになります。ですから、地域医療計画との整合性を保つという観点、事務を効率化するという観点から、平成30年以降は平成30年からの医療計画に合わせて作成することがよいと思います。それまでの2年間については、別途、策定するということで、この案に賛成です。

 また、平成30年からの医療計画に合わせた看護職員需給見通しについては、次の需給検討会となっております。地域医療構想は、平成27年度から各都道府県で取り組みますので、なるべく早い時期に、少なくとも平成28年度中に都道府県において参考となるような看護職員確保の方針と対策を国として示すのがよいと思います。

 以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 釜萢構成員、どうぞ。

○釜萢構成員 日本医師会の釜萢でございます。

 今、菊池構成員からもお話がありましたように、今回の需給見通しについては、平成30年度の地域医療計画の策定という大変大きな作業がありますし、地域の現場においては、この平成27年からの地域医療構想の策定がまだ余り具体的によく見えてこない。どういう形になるのかというところが必ずしもまだ明確でありませんので、今回については、詳しい聞き取り調査などをやってもなかなか現場の医療機関も答えにくいというところも予想されますので、2カ年の需給見通しを作成するという事務局の御提案に賛成申し上げます。

 今後の需給を考える上で過去の経験を踏まえますと、准看護師の役割というのは、決して今後少なくなるものではなく、最も地域に根づいた形での、例えば在宅医療などにおいても准看護師の果たす役割というのは大きいという認識を私どもはしております。

 前回のカリキュラムの改正が、私も看護学校の校長をずっと長く務めておりましたのですが、平成10年ごろから一生懸命作業に取りかかって、平成14年にできて、猶予期間がたしか平成16年までだったと思いますけれども、このカリキュラムの改正というのは、現場では大変大きな作業でございましたし、その結果として、准看護師の養成が以前よりもさらにやりにくい、難しい状況になったということがございます。

 まだ看護課で方針をしっかり立てられたとは伺っておりませんが、前回のカリキュラムの変更から年数も経過したことを踏まえて、また新たなカリキュラム変更ということも視野に入れておられるように伺っておりますが、これはもちろん、必要な改正はすべきでありますけれども、養成がなかなか難しくなって、さらに准看護師の数が減ってしまうという事態にならないように、私どもとしてはぜひお願いを申し上げたいと思います。

 今後、議論が深まると思いますけれども、今日お示しいただいた論点の中で、資料2の(3)の2つ目の〇ですが「都道府県間の看護職員の流入・流出の状況について、どのように考えるか」。これは大変難しい問題でありまして、職業選択の自由ということがありますし、医師の場合もそうでありますけれども、せっかく看護師を養成しても、なかなか地域に根づかずにまた別のところに行ってしまうということについては、やむを得ない面があるということも理解はしておりますが、実習の施設においても、非常に多くの困難を抱えながら、一生懸命、実習に協力をして養成をしておるということがあるにもかかわらず、せっかく資格を取られた看護師さん、看護職の方が、地域にいなくなって県外に出ていくということについては、どうこれを改善するか、判断するかというのは難しいのですけども、できれば、その地域にとどまって、その地域の医療の現場で役立っていただく方を養成したいという思いを持っております。

 以上でございます。

○尾形座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 上野構成員、どうぞ。

○上野構成員 全国訪問看護事業協会の上野と申します。

 訪問看護の立場から少し発言させていただきますが、訪問看護ステーション数は介護保険開始時伸び悩みがあったのですが、今、7,500カ所ぐらいになってきました。ですが、ステーションの人員基準は2.5人ということで、非常に小規模な事業所が多いのです。看護師等はようやく3万7,000人ぐらいになったのですけれども、まだまだ不足の状態です。

 訪問看護ステーションの看護職員数は全看護職員数の2%です。訪問看護ステーションになぜ人が集まらないかといいますと、まず一つは、24時間体制の電話を持つ負担感であるとか、病院と比べると給料面が少ないとか、一人で訪問する事の責任が重いとか、さまざまな理由があるのですが、これからの2025年を見据えては、訪問看護は非常に大事な就業場所だと思っております。

 ここの(3)の看護職員確保対策のところで、看護職員確保対策を進めていくというところに関して、訪問看護事業所がどうやって人を確保すればいいかというところを、もう少し病院にシフトするだけではなくて、訪問看護の視点でも考えていただきたいと思います。

○尾形座長 ありがとうございました。

 菊池構成員、どうぞ。

○菊池構成員 今、訪問看護の御意見が出ましたので、関連して申し上げます。

 論点の2つ目にも「需要推計について、今後ニーズが増大すると考えられる在宅分野に関してはどのように考えるか」というものがございますけれども、今後、在宅医療の充実、病床機能の分化ということで、訪問看護の需要は高まると考えられます。

 医療依存度の高い中重度の在宅療養者または、看取りのケアへの対応が必要になりますし、地域で認知症の患者さんを支えるためのケアも必要になると思います。そういうことに加えて、小児患者や精神の患者さんへの訪問看護も需要が高まると考えます。対応するためには、各地域で24時間365日対応できる体制が必要で、そのためには訪問看護師を確保するということが不可欠です。その人材の確保が大きな課題と考えますので、この需給見通しにおいても、その点をきちんと出せるようにしたほうがよいと思います。

 その対策に関連してですけれども、今後の医療計画では、在宅医療提供体制の計画的な整備とともに訪問看護師確保対策をしっかり入れ込むべきと考えます。本会が平成25年版の47都道府県の医療計画の内容を確認しましたところ、訪問看護に関連する数値目標を挙げている県が31県でした。訪問看護は、政策課題としてはおおむね理解されているとは思いますが、具体的な数値目標までは挙げていない都道府県がまだございます。

また、訪問看護の数値目標の指標としては、訪問看護ステーション数が21県と最も多く、人に注目して、訪問看護従事者数の拡充を目標としているのはわずか7県という状況でした。

今後の医療計画では、在宅医療を担う訪問看護師の就業の実態と需要数を適切に把握して、訪問看護の数値目標と訪問看護師の確保対策をしっかり入れ込むべきだと考えます。

 数値目標としては、訪問看護事業所数とともに訪問看護師の人の拡充を指標に入れていただくのが重要と考えております。事業所数は年々増えておりますけれども、その多くは小規模で、必ずしも訪問看護師が十分ではありません。小規模事業所の場合には24時間365日の体制や看取りのケアが必ずしも十分でない。それから、ICT化が遅れているとか、事務業務の負担割合が大きいというような医療提供体制上の課題があります。一方で、訪問看護師にとって研修に出にくい、オンコール体制が負担である、責任ある仕事の割に処遇がよくないということがあり、訪問看護師が得にくいとか、定着しないという課題も抱えています。そこで訪問看護の推進対策として、事業所の大規模化、ICT化等の有効な対策が必要と考えます。

 また、訪問看護師の確保対策としては、病院看護師からの転職を待つだけでなく、新人看護職員や潜在看護職員が訪問看護の世界に入ってこられるように、研修プログラムの開発と実施、現場の訪問看護師が研修を受けられるような体制の整備なども必要かと思います。

 全般の対策も、あわせて申し上げました。

○尾形座長 ありがとうございました。

 竹中構成員、どうぞ。

○竹中構成員 全自病協の竹中と申します。

 今の訪問看護の必要性に関連して全く同感でございますが、今、看取りとか療養型からのニーズをおっしゃいましたけれども、実は急性期病院も訪問看護をだんだん必要としてまいっております。短い平均在院日数の中で高い自宅退院率を要求されるような状況でございますので、ぜひ、訪問看護の機能が必要でございます。

 ただ、各医療機関がそれぞれ、その機能を持ち合わせるということには無理がございますので、そういった機能を各所で充分に備えていただく。また、先ほどおっしゃいましたように、急性期医療への従事を終えた比較的年配の看護職の方々がそういう方向に進んでいらっしゃるようでございますけれども、いまだ急性期に携わっていらっしゃるような比較的若い方にもそういう希望があれば積極的に進んでいけるような対策を構築すべきではないかと考えております。

 以上でございます。

○尾形座長 ありがとうございました。

 春山構成員、どうぞ。

○春山構成員 地域医療計画との開始時期に合わせてこの需給見通しを考えていくということについては、賛成です。看護職員のことだけ考えていくということではなく、医療計画には在宅医療とか僻地医療とか、そういうことに関する計画も含まれていますので、地域ごとの医療ニーズに合わせて看護師の需給見通しを考えていくことが大切だと思います。

 この論点の(3)に看護職員の確保対策について入っているのですが、それについては、需給の数だけ見ていたのでは検討していけないのではないかと思うのですけれども、そこら辺はどのような感じで進めていくのかと、一つ疑問に思っています。

 都道府県の中でも地域偏在であるとか、施設の規模に応じて看護師の確保状況がかなり違っていますし、確保と定着というのは違いますし、確保と育成はつながっていると思いますし、定着とキャリア支援とか職場環境の整備というのはつながっているので、そういったいろいろなことが関連する中で、ここでは確保対策というものがどのような観点から何に基づいて検討していくのかと疑問に思っています。

○尾形座長 最後の点は御質問のようですので「(3)看護職員確保対策など」と書いてあるところをどういう形でこの検討会は進めていくのかということですが、事務局から説明をお願いします。

○笹子看護職員確保対策官 対策官でございます。

 今、春山先生から需給の数だけ見ていても仕方がないということ、さまざまな確保・養成等々との施策の関連性如何ということで御質問をいただきました。

 我々といたしましては、需給見通し、今、七次の途中でございますけれども、30年からは地域医療構想と整合的な形で需給というものをより精緻な形でつくっていくということが一方でございますが、現在のところ、我々として行っているのは、先ほど資料3-2で御説明いたしましたとおり、200万人という看護職員の必要数という観点から、全体として3万人~13万人のギャップが2025年に至るまである。そのために、まず第一歩として、地域医療介護総合確保推進法に基づきまして、看護職員の復職支援の強化、これはまだ施行もされていなくて来年10月からするということで、繰り返しになりますけれども、離職者を的確に把握いたしまして、離職者の方が潜在化しないように、都道府県のナースセンターが適時につながりを確保して、復職につなげていく。そのときには当然のことながら、復職の研修等も必要ということで、ナースセンターのほうで研修をしていくということ。

 あるいはデータでもお示しいたしましたとおり、勤務環境の改善ということを通じました定着・離職防止というのは極めて重要だと考えてございまして、医療機関による自主的な勤務環境改善活動を支援するということで、医療勤務環境改善支援センターにアドバイザーを置く等々の措置というのを本年10月から施行しているところでございます。

 そのために、この地域医療介護総合確保推進法に基づきまして基金を確保しておりまして、904億円ということでございますけれども、こういった今、申し上げたような施策にも地域の実情に応じてお使いいただけるということにしてございますので、まずはこの改正法の着実な施行を図っていくことが一点だと思います。

 そのほかにもし何かございましたら、御議論をいただければと考えているということでございます。

○尾形座長 春山構成員、いかがでしょうか。

○春山構成員 一つは、医療介護総合確保推進法に基づいて制度化されたことについての進みぐあいを見ていくということと、そのほかということなのですけれども、私が疑問に思っているのは、そのほかについて議論していくときに、それぞれの構成員の経験とか、そういったことに基づいて議論していくということなのか、何か事例等の御紹介なりヒアリングがあるのかということで質問をいたしました。

ありがとうございます。

○尾形座長 この開催要綱でも検討課題の3つの項目の3番目に一つ独立して「看護職員確保対策の検討」が挙がっておりますし、資料2の3ページのスケジュール案でも、来年になりますけれども、「看護職員確保対策等」ということで議論をしていただきますので、その際には、いろいろな資料、データ等を出していただき、幅広く検討していただくという形で進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 土生総務課長、どうぞ。

○土生総務課長 今の春山構成員の問題意識にどこまで答えられるかでございますが、一つは地域医療構想のガイドラインの検討会、これは先行して始めさせていただいております。その中で、先ほど医療機能の報告制度の紹介もありましたけれども、高度急性期機能、急性期機能、あるいは回復期機能、慢性期機能、さらには、在宅医療の地域ごとの推計をどのようにするのか。こういったことについても御議論いただくということになっておりますので、そういう意味では、医療提供体制のベースをどう考えるかという材料は順調にいけば出てくるはずでございますので、そういったものも報告しながら、それにかかわる看護職員の方をどのように確保していくのかということも、一つ視点になろうかと思っておりますので、補足させていただきます。

○尾形座長 よろしいでしょうか。

 ほかにいかがでしょうか。

 太田構成員、どうぞ。

○太田構成員 私は、在宅療養支援診療所連絡会の立場です。在宅医療実践者からの発言になります。

 地域包括ケアの構築は、基礎自治体に委ねられたミッションです。現在、市町村が地域包括ケアシステムづくりに向けて努力しているのだと思うのですけれども、地域包括ケアシステムがうまくいっているのかいっていないかというアウトカムの物差しというのは、はっきり示されていません。仮に、いわゆるエイジング・イン・プレイスといいますか、地域居住の継続が可能になればいいわけですから、地域居住が継続したかどうかということは地域で看取られたかどうかということです。地域の看取り率によって地域包括ケアシステムがうまくいっているかどうか判断しても問題ないと私は思います。

 基礎自治体における地域での看取り率というのは、私ども独自で調査しますと、市町村によってはゼロ%のところもあれば、35%のところもあるのです。格差が歴然としているわけです。地域での看取り率を高めるファクターになるのが、訪問看護ステーションの力なのです。地域の看取り率と訪問看護ステーションの力というのは、明らかな相関があるのです。地域包括ケアシステムを構築させる上で、訪問看護が重要であるということははっきり証明されているわけです。

 そうしますと、需要見通しを推計する上で、市町村の協力が不可欠なわけです。都道府県に向けて需要見通しを立てるようにという通達が行くのでしょうけれども、市町村がこの調査にどうかかわるのかということを具体的に指示しないと、本当の需要見通しが出てこないのではないかということを危惧するのです。ですから、ぜひとも、市町村の役割を明確化してほしいと私は思います。

○尾形座長 ありがとうございました。

 伏見座長代理、どうぞ。

○伏見座長代理 一番最初の○のところに関連してですけれども、私は医療提供体制が大きく変わろうとしている現状において、最初から言われていますように、次期の需給見通しを平成28年、平成29年の2カ年とするということについては、賛成いたします。

 ただし、実際2カ年の推計をどうするのかと考えたときに、医療提供体制が大きく変わるのは30年からですが、現実には既に地域においては、例えば7対1病床だとか地域包括ケア病棟、あるいは先ほどから議論されている在宅とか、いろいろ大きく変化が発生していると思います。一方、今回は医療機関調査を行わないとすると、都道府県が推計する際に、ただ単に過去の値を外挿するだけで終わってしまう可能性もあると思います。したがって、2カ年という短い推計期間であっても、結構大きな変化が起こる可能性がありますので、それをうまく吸い上げるための方法論を、次回以降検討する必要があると思います。医療提供体制が2年でどのぐらい変わるのかということを含めて予想して、それをどう調査に織り込むかなどについては、十分考えていく必要があるのではないかと思っております。

 以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。

 今のご意見にも関連するのですが、医療機関の調査をやらないということ、特に今回の需給見通し策定のスケジュール案として示されておりますが、これと第七次との違いについて、その辺をもう一回、念のために御説明をいただいたほうがいいと思います。

○笹子看護職員確保対策官 事務局でございます。

 今回のスケジュールというのは、資料2にございますとおり、来年の2月、3月に需給見通しの策定方針をお示しして、それに基づいた作業を都道府県にやっていただく。それはもう半年足らずというところでございます。

 一方で前回、第七次のときでございますけれども、先ほど期限が平成22年の2月と申し上げましたが、それに至るまで、さまざまな調査票をどうしていくのかとか、そういったことを1年前から検討会で御議論いただきまして、しかも医療施設、個々に施設によっては全数調査ということをするわけでございますので相当長期間、調査の期間をとり、なおかつ都道府県でまとめたものを厚生労働省においてヒアリングをするというような、積み上げですから、ある意味仕方がないことなのかもしれませんが、そういった非常に手間のかかるやり方をしているということでございます。

 戻りますけれども、一方で、今回につきましては都道府県、しかも平成28年、平成29年の2カ年にすぎないということでございますと、伏見先生、太田先生から、そうはいっても、なるべく政策の変更をうまく吸い上げる方法をという御指摘だと思いますが、例えば7対1の要件厳格化につきましても、まだその効果というのは必ずしもデータとして出てきていないということ。すなわち来年3月には都道府県に作業を発注するということからすると、そこら辺をどこまで吸い上げることができるのか、反映させることができるのかにつきましては、我々、事務局としても検討はしたいと思いますけれども、なかなか精緻なものということまではできないのではないかと思います。

 以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 菊池構成員、どうぞ。

○菊池構成員 看護職員需給見通しを策定することの目的に、看護職員を確保する体制を整えるということがあると思います。看護職員を確保する対策については、先ほど厚生労働省から資料3-2で御説明をいただきまして、特に2ページに3つの対応策が挙げられておりますが、これについてはぜひ進めていただきたいと考えております。

 特に、対応策の2番目の「勤務環境の改善を通じた定着・離職防止」ということにつきましては、看護職員の離職理由であります長時間労働や夜勤など、厳しい勤務環境を改善することが定着・離職防止につながると思います。

 また、勤務環境の改善は、対応策の(1)の復職支援をスムーズに行う上でも必要ですし、(3)の社会人に看護の世界に入ってもらう、社会人経験者の看護職への取り込みを促進するという点でも、ベースとなる必要な対策だと思います。

 このたび医療法改正で、医療機関において、このような医療勤務環境改善をするということが管理者の努力義務とされました。勤務環境の改善ということにつきましては、医療機関に限らず、訪問看護ステーションにおいても、また介護関係の施設においても、勤務環境が人を得にくい理由の一つになっておりますので、そこも含めて勤務環境の改善を進めることが確保対策としては重要と考えています。

○尾形座長 ありがとうございました。

 島崎構成員、どうぞ。

○島崎構成員 これまでの看護職員需給検討会がどのような形でなされてきて、今回、それとは何が違うのかということについて、私は十分理解できておらず、少しピントがずれるかもしれませんが、このスケジュール案を見ると、それほど何回も開催するという感じではないですね。少なくとも十数回開催するイメージではない。しかも、いろいろなデータ的な制約もあります。そうした中で何をどこまでどうやるのかということは、この検討会における議論の全体の輪郭を考える上で重要なことではないかと思います。

 なぜそのようなことを申し上げているかというと、先ほど来、各委員の話を伺っておりますと、いわゆる看護師確保対策についてもいろいろ御発言があったわけですけれども、この看護師確保の問題だけをとってみても、その確保というのは教育の問題、制度の問題、報酬の問題、意識改革の問題等々いろいろ関係してくるわけです。もしそれらをきちんとこの場で議論しようとなったら、看護師需給見通し検討会ではなくて看護問題検討会みたいな形になってしまいます。

 一方で、先ほど伏見座長代理がおっしゃったように、確かに2年間の推計かもしれませんけれども、それなりに根拠を持ったものにする必要があるということになれば、限られた制約の中で何が最善かということについて、相当程度詰めた議論が必要になります。何といっても、需給見通しがこの検討会の一番の基本的な問題だとすれば、その推計方針についての議論も1回で済むというわけではないかもしれません。要するに、限られた時間的な制約、データの制約等がある中で、検討会のプライオリティーをどうつけていくのかということについてよく考えたほうがよいのではないか、それが私の意見です。

○尾形座長 ありがとうございます。

 太田構成員、どうぞ。

○太田構成員 看護師の確保の件なのですけれども、これは在宅医療の立場というよりはどちらかというと医療施設の経営者の立場ということになるのですが、地域看護を目指す人たちはそんなに多くなくて、確保に苦労するわけです。言葉は悪いですが、いわゆる一本釣りするということもあるわけです。あるいは、志の高いナースはホームページなどを見てみずからアプライしてきたりするのですけれども、結局、民間の紹介事業者に頼る場合もでてきます。

 今回、その話題は出ていないので、数が少ないから無視してもいい数字なのかもしれないのですが、民間のナースの紹介事業者というのは結構、高額な紹介料を取るのです。これは保険医療機関として、保険収入の中から経費として捻出されるものです。民間業者に登録するナース側にももちろん課題はあるとは思うのですけれども、事業として成立している背景があるわけですから、今後、離職した人たちのデータをどこかで一元的に管理されるということで、民間事業者がやっていけなくなるというのが理想だとは思います。しかし、何で魅力があるのか、なぜナースたちはわざわざ民間事業者に登録するのか、そういう背景は調べられたらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。

○尾形座長 何か事務局、ありますか。

○笹子看護職員確保対策官 先生から今、御指摘をいただいた有料職業紹介事業者、高額な手数料を取っているのではないか、という御指摘でございます。

 看護職員確保のために民間の有料職業紹介事業者を活用する医療機関も多いと思いますけれども、その一方で、高額な手数料負担が医業経営を圧迫しているという御意見が出されているというのは、我々としても認識しています。

 こちらは厚生労働省の職業安定局でございますが、民間の職業紹介事業について実態調査を行いまして、その結果を踏まえて、医療機関を含む民間職業紹介サービスのユーザー向けに、さまざまな留意事項であるとかアドバイス、民間職業紹介サービスの利用についてのリーフレットの作成、配布、あるいは労働局における民間職業紹介サービスの利用に当たっての相談対応等の取り組みを行ったところです。今年の夏です。

 また、御指摘のように、医療機関は社会保険を財源に運営しているということで、公的な無料職業紹介機能の強化も必要と認識してございますので、そういった意味で、先ほど来、御説明させていただいている総合確保法に基づいて、ナースセンターの機能強化ということで、適切な支援を実施できるように離職時の届け出制度などを創設するということで、これをきちんとやっていきたいと考えてございまして、こうした施策を通じまして、復職支援をやっていきたいと考えてございます。

○尾形座長 太田構成員、どうぞ。

○太田構成員 それはよくわかります。私がもう一つ申し上げたいのは、ナース自身もそこに登録するからには魅力があるのではないかと思うのです。登録するナースがいなければ事業は成立しないわけですから、ナースがなぜ登録するのかという背景を、これは国なのか、職能団体側の課題なのかわかりませんけれども、公的機関が機能しているのに登録するのかということが問題なのではないかと感じています。

○尾形座長 関連であれば、菊池構成員、どうぞ。

○菊池構成員 職能団体でなぜそこに皆さんが登録されるのかをきちんと把握したことはないのですけれども、おそらく、希望に応じてきめ細やかにタイムリーに対応してくれるというところが、公的な機関よりも魅力があるのではないかと感じております。

 最近の若い方は、インターネット経由でいろいろな登録を簡単にできるということに慣れていますので、そういう手法を有料職業紹介所でとっているということも、すぐ対応するということにつながっていると思います。

 このたびナースセンターへの届出制度ができまして、ナースセンターでも、もう少し職業紹介の機能を強め、できるだけ潜在化しないようにつないで、復職につなげるということは、努力をしたいと思っております。そのためには、ナースセンターの今の人員体制とか箇所数ではかなり限界があるので、ハローワークとの連携やナースセンターの人員体制の強化も必要になります。そういう点で、ナースセンターは各県の事業となっておりますので、県の看護協会ももちろん協力いたしますけれども、県の行政でも、そこの機能強化に御理解いただけるとありがたいと考えております。

○尾形座長 事務局、どうぞ。

○笹子看護職員確保対策官 事務局でございます。

 先ほど、太田構成員から御指摘をいただきました有料職業紹介事業所を使った理由いかんということでございますけれども、平成25年度の厚生労働科学研究でアンケート調査をしておりまして、利用のきっかけであるとか、利用のメリットについて御意見を看護師の方に伺っている中では、先ほど菊池構成員からも御指摘がございましたように、インターネットを検索していてつながったということであるとか、あるいはメリットとしては、登録してすぐに連絡がある、また、そういったサービスとして、すぐ先方からアクセスが来るということなどが挙げられているようでございます。

 そういったことなので、繰り返しになって恐縮ですけれども、我々としては離職者の情報を得て、ナースセンターの機能を強化することによりまして、なるべくナースセンターのほうから潜在看護師さん、離職された看護師さんにアクセスしていくという法律の施行を万全に期していきたいと考えているということでございます。補足でした。

○尾形座長 釜萢構成員、どうぞ。

○釜萢構成員 今の点について、医療機関の側からもぜひ申し上げておかなければいけないのですが、民間の看護師の紹介を利用することが転職をしようと思っている看護師さんにメリットがある。経済的にも、その業者を使って転職したほうが有利な点が多々あるということは、もう皆様、御案内のとおりですけれども、この背景は何といっても、いろいろ施設基準が大きく変更になって、看護師の需給が非常に一時期、今もそうですが、大変逼迫して、看護師を雇用しようにも応募者がいないという中で、このような紹介を受けて看護師を雇用すると非常に高額のお金が必要になるというような、非常にゆがんだ体制が出てきてしまっているということが背景にあることはぜひ、皆様御存じのとおりですけれども、申し上げたいと思います。

 これは今後のナースセンターの充実などによって、そのような民間の業者を医療機関が利用しなくても必要な看護師さんがちゃんと来てくれる、雇用できるという体制をとることがぜひ必要でありまして、それは病院ももちろんそうですけれども、これから在宅を考えて、太田構成員がおっしゃるように、訪問看護ステーションをやっていくのに民間の業者を利用して高額な金を払ってというのは、とても不可能でありますので、そこは国が進めているようなナースセンターを使って、しっかり離職者の状況を把握するということが一番大事だろうと思います。

 以上です。

○尾形座長 池西構成員、どうぞ。

○池西構成員 私は、日本看護学校協議会、看護学校の全国組織なのですが、副会長をしています。看護職員確保対策ということでは、養成所等の働きというのがとても大きな役割を担っていると思うのですが、今、養成所等の置かれている状況は、看護教育において臨地実習は欠かせないもので、とても充実したいと思うのですが、実習施設確保困難の問題がとても厳しい状況です。

18歳人口の問題も含めて、数の確保を基礎教育でというのは、この先、なかなか困難ではないかと考えます。

 数の問題もまだまだ不足していることは実感しているのですが、実習施設の確保が困難な現状の中で、これ以上、学校数および、養成数が増えたとしても、なかなか十分な教育ができないという実情です。

 それよりもむしろ、先ほどから話題になっているような、地域包括ケアを担える看護教育、つまり、看護教育の中身をしっかりと見つめていく方向性で、訪問看護ステーション等に興味を持ちながら地域の医療を担えるような看護職をどう育てていくかという方向に考えていかなければいけないと思うのです。

 卒業後すぐの段階でも訪問看護ステーションで働きたいという学生がいないわけではないのです。どうしたらその人たちが訪問看護ステーションに40歳、50歳を待たずに、もっと早い時期に目が向けられるのかということも考えていき、育てた学生たちが偏在することなく、これから求められる地域にしっかり目が向けられるような、看護師養成を行うという内容の問題になると思うのですが、そういうことを通して社会に貢献していかなければならないと思っています。

 要は数については、これ以上は難しいのではないかと思っています。全国調査をしたときに、科目によっては違うのですが、6割~7割ぐらいの養成所が、実習施設を確保するのに困っているという声が聞こえておりますので、その意味では、これ以上増えてももっと大変なことになり、看護教育として重要な臨地実習が十分行えないという現状になることを踏まえつつ、内容の検討が必要という印象を持っています。

○尾形座長 ありがとうございました。

 古元構成員、どうぞ。

○古元構成員 千葉県の古元と申します。

 調査の件で発言をさせていただきたいと思います。今回は医療機関ではなく都道府県が調査をするということでございますので、それについて2点ございます。

 1点目は、スケジュールについてです。実際の調査の時期がいつになるかということ。地域医療ビジョンのガイドラインが出てくるのが年度末ごろと私どもは想定しておりますので、地域医療ビジョンのガイドラインが出てくる前に調査を行う場合、医療ビジョンとの関係などについて自治体が戸惑わないようにしていただければありがたいと思っております。ガイドラインがまとまる前に調査することが決してまずいというわけではないのですが、そこの関係は整理していただければありがたいです。

 2点目は内容について。都道府県が実際に回答するにあたり、使用できるデータとしては、恐らく平成22年の調査の結果でございますとか、この秋、各医療機関が病床機能報告制度で出してきたデータ等があると思うのですけれども、いずれにしましても、各県、ばらつきのないように、できるだけ調査用のマニュアルをご用意頂くなどし、簡易に報告ができるようなものにしていただけますと大変ありがたいと思っております。

 以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。

 よろしいでしょうか。そろそろ時間ですので、まとめに入りたいと思います。

 きょうは自由に幅広く皆様のいろいろな御立場からさまざまな御意見をいただきました。おおむね意見が一致していると思われる点について、私から整理して申し上げますと、資料の2で論点ということで示されているうち、今回の需給見通しについては、平成28年、平成29年の2カ年として、平成30年度以降については、医療計画の6年に合わせた次の需給見通しをつくるというスケジュールについては、おおむね皆さんの合意が得られたのではないかと思います。

 それに関連して、今回の需給見通しについては医療機関等への調査は従来のような形では行わない。都道府県に調査をお願いするという形で、ある意味では簡易な形で進めるということですが、一方で、御意見がありましたように、制度改革の影響等をどこまで踏まえられるのかといったあたりについては、少し事務局で検討していただいて、次回以降の策定方針の中で考えていくということかと思います。

 資料の2で示された内容については在宅医療とか訪問看護等を重視すべきだという御意見が非常に多かったと思います。一方、このスケジュール自体については、ただいま御意見がありましたように、ほかの施策、特に地域医療ビジョンのガイドラインの策定との関係のあたりはよく配慮をしていただいて、無理のない形で都道府県に作業をお願いするということで、おおむねこのスケジュール、検討事項で進めていくということかと思いますが、そのような取りまとめでよろしいでしょうか。何か御異論があれば、よろしいですか。

 それでは、そのように進めさせていただきたいと思います。長時間、大変熱心な御討議ありがとうございました。本日の議論はここまでとしたいと思いますが、事務局から何かございますか。

○田鍋看護課長補佐 どうもありがとうございました。

 次回は、来年2月~3月の間に開催しまして、需給見通しの策定方針などについて、皆様に御議論していただく予定でございます。開催日時や場所につきましては、後日また御案内いたします。

 次回以降につきましても、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○尾形座長 それでは、これで本日の第1回「看護職員需給見通しに関する検討会」を終了いたします。長時間の御討議、どうもありがとうございました。


(了)
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