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2014年12月2日 第14回健やか親子21推進協議会総会(議事録)

厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課

○日時

平成26年12月2日(火)13:00~17:00


○場所

三田共用会議所 講堂 
東京都港区三田2-1-8
(東京メトロ南北線「麻布十番駅」(2番出口)徒歩5分)
(都営地下鉄大江戸線「麻布十番駅」(2番出口)徒歩9分)


○議題

(1)「健やか親子21」推進協議会参加団体からの活動報告
(2)「健やか親子21(第2次)」について
(3)「健やか親子21」研究報告
(4)「健やか親子21(第2次)」推進体制について
(5)その他

○議事

○母子保健課長補佐 それでは、ただいまから第14回「健やか親子21推進協議会総会」を開催いたします。

 本日は、年末の大変お忙しい中、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 まず、開会に当たりまして、健やか親子21推進協議会会長伊藤雅治から御挨拶申し上げます。

○健やか親子21推進協議会会長 皆様、こんにちは。一言御挨拶を申し上げます。

 第14回「健やか親子21推進協議会総会」の開催に当たりまして、大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、皆様方には、日ごろから健やか親子21の推進に並々ならぬ御努力を賜っていることを厚く御礼申し上げます。

 健やか親子21は、本年、平成26年に第1次の計画期間が終了いたしまして、一つの節目を迎えます。昨年7月から開催されました検討会におきまして、平成13年からの第1次計画に基づく取り組みの最終評価が行われ、続いて、来年、平成27年4月からの新たな第2次計画について検討されてきました。

 本日の総会におきましては、まず、この14年間の活動を振り返っての報告に加えまして、検討会において御議論いただいた母子保健の現状における課題や、第1次計画の評価を通じた研究等の成果の御発表、また、健やか親子21のさらなる推進を図るための体制のあり方についても御議論をお願いしたいと考えております。

 本日、推進協議会参加団体が一堂に会しまして議論を行うことは、お互いの活動や役割を知り、連携を強化していくためにも大変貴重な機会だと考えております。ぜひ活発な御議論をお願い申し上げます。

 皆様方の御協力で、健やか親子21がさらに推進されることを祈念しつつ、私の御挨拶とさせていただきます。

 本日は、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○母子保健課長補佐 伊藤会長、ありがとうございました。

 続きまして、雇用均等・児童家庭局長、安藤よし子から御挨拶を申し上げます。

○雇用均等・児童家庭局長 雇用均等・児童家庭局長の安藤でございます。「健やか親子21推進協議会」の総会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、大変お忙しいところ、多くの関係者の皆様方に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。また、日ごろから、母子保健並びに児童福祉行政の推進に関しまして、御理解と御協力を賜り、この場をおかりして厚く御礼を申し上げます。

 まず、冒頭に、ちょっと事務局としておわびを申し上げなければなりません。

 お手元の資料でございますが、資料1にちょっと不備がございまして、ただいま正しい資料を用意させているところでございます。その関係で、この後の議題の順番をちょっと入れかえさせていただきますけれども、資料が整いましたら、当該の議題に移りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、母子保健の国民運動計画として平成13年に開始いたしました健やか親子21は、今年で計画期間が終了するところでございます。このため、厚生労働省では、昨年7月から健やか親子21の最終評価等に関する検討会におきまして最終評価を行って、さらに、次期計画の検討を行い、今般、これを取りまとめたところでございます。これらを踏まえまして、平成27年4月から、第2次となります健やか親子21をスタートさせていただくところでございます。

 また、次世代育成支援対策推進法に基づきます行動計画策定指針におきましても、同法に基づく市町村行動計画や都道府県行動計画を策定する上で、健やか親子21(第2次)の趣旨を十分踏まえていただくことが望ましいとされておりますので、計画策定に参画される場合には、健やか親子21(第2次)の趣旨についても御配慮いただきますようお願い申し上げます。

 日本では少子化が急速に進行しておりまして、子ども・子育てに対する支援がより重要になっております。こうした中で、今年9月には、政府にまち・ひと・しごと創生推進本部が設置されまして、まち・ひと・しごと創生法案をこの臨時国会に提出して、11月に成立したところでございます。この法律におきましては、結婚や出産は個人の決定に基づくものであることを基本としつつ、結婚、出産または育児について希望を持つことができる社会が形成されるよう環境の整備を図ること、これが基本理念の一つとされております。厚生労働省といたしましても、平成27年度の概算要求におきまして、妊娠・出産包括支援事業の充実というものを盛り込んでいるところでございます。これは、妊娠から出産、子育て期にわたるまでの総合的な相談や支援をワンストップで行うとともに、全ての妊産婦の状況を継続的に把握し、要支援者には支援プランを作成するなど、切れ目のない支援を行うための事業でございます。

 皆様方におかれましても、安心して妊娠、出産ができ、また、子どもの健康と安全を守ることができる環境整備や支援にご協力をお願い申し上げます。

 また、今年の通常国会では、児童福祉法も改正いたしまして、来年1月から新たな小児慢性疾病対策の制度がスタートします。対象疾病を新たに約100疾病追加するとともに、疾病を抱えた児童の自立支援を目的とした事業も実施することとしておりまして、疾病を持つ子どもとその家族への支援を充実させていきたいと考えております。

 このような大きな政策の流れを背景としながら、健やか親子21の推進におきましては、保健、医療、福祉、教育などの各分野間の連携をさらに積極的に進めてまいりたいと考えておりますので、引き続きどうぞ御協力賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、本日、この機会を通じて有意義な意見交換や交流がなされ、健やか親子21のさらなる推進につながりますよう祈念申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○母子保健課長補佐 ありがとうございました。

 続きまして、副会長の御紹介をいたします。

 健やか親子21推進協議会副会長、柳澤正義様です。

 本日、御発表いただく2名の方々を御紹介いたします。

 健やか親子21最終評価等に関する検討会の座長を務めていただきました国立成育医療研究センター総長 五十嵐様です。

 山梨大学大学院医学工学総合研究部社会医学講座 山縣様です。

 次に、オブザーバーの方々の御紹介をいたします。

 国立保健医療科学院院長 松谷様です。

 国立成育医療研究センターこころの診療部部長 奥山様です。

 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部 神尾様です。

 続きまして、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課保健指導係長 中野様です。

 文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室家庭教育振興係長 佐々木様です。

また、文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導企画係長 澤浦様は、御到着がおくれているようでございます。

 続きまして、厚生労働省医政局地域医療計画課小児・周産期医療専門官 伊藤様です。

 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室長 川鍋様です。

 最後に、健やか親子21推進協議会事務局母子保健課長の一瀬です。

 本日は61の団体の皆様に御出席いただくという御連絡をいただいております。複数の団体でまだ御到着いただけないところがございますが、健やか親子21推進協議会規約第5条「総会は、過半数の出席により成立」とされており、本会が成立していることを御報告いたします。

 それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。

 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。

 今後の議事の進行を伊藤会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会会長 それでは、これから議事進行を務めさせていただきます。

 お手元の議事次第では(1)から(4)までございますが、ちょっと事務的な都合によりまして、議題(1)を後にさせていただきまして、議題(2)から入らせていただきたいと思います。

 それでは、議題(2)「『健やか親子21(第2次)』について」に移ります。

 先日まとまりました健やか親子21の最終報告等に関する検討会につきまして、座長の五十嵐様より御報告をお願いいたします。

○健やか親子21の最終報告等に関する検討会座長 それでは、資料2の12ページをごらんいただきたいと思います。

12ページの上のほうですが、「健やか親子21」が目指すものとして、目標を4つ掲げてございます。これはもう皆さん十分御存じかと思います。これに関しまして、この14年間の活動について、12ページの下にあるスライドにお示ししてございますけれども、19名の委員からなる委員会で検討会を開催させていただきました。目的はここに書いてございますので、これを読んでいただきたいと思います。

13ページに参りまして、まず、基盤課題Aの切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策ということで、目標は「安心・安全な妊娠・出産・育児のための切れ目ない妊産婦・乳幼児保健対策の充実」ということなわけですけれども、これに関しまして、ここにありますような健康水準の指標、例えば、妊産婦の死亡率を下げる、全出生数中の低出生体重児の割合を下げる、あるいは妊娠・出産について満足している者の割合を上げる、それから、齲歯のない3歳児の割合を上げるとか、このような目標、それから健康行動の目標等、これは全部読みませんが、こういうものを目標としてあげさせていただきました。

 次に、課題Bの目標としては、「子どもが主体的に取り組む健康づくりの推進と次世代の健康を育む保健対策の充実」ということで、健康水準の指標、例えば、十代の自殺死亡率を下げるとか、ここにいろいろ書いてございますけれども、こういう目標が掲げてありました。

 次のページに参ります。14ページです。基盤課題Cの目標としては、「妊産婦や子どもの成長を見守り、親子を孤立させない地域づくり」ということで、例えば、健康水準の指標としては、この地域で子育てをしたいと思う親がどのぐらいの割合いるかということで、これを評価し、これを上げることを目標としました。それから、妊娠中、仕事を続けることに対して職場から配慮をされたと思う就労妊婦の割合を上げるということも指標にしております。

 次に、重点課題といたしまして、育てにくさを感じる親に寄り添う支援ということで、目標1として、「親や子どもの多様性を尊重し、それを支える社会の構築」ということで、健康水準の指標としては、親がゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間があるという、その割合を調査し、これを上げることを目標といたしました。それから、育てにくさを感じたときに対処できる親の割合を増やそうということも目標の一つになっています。

 それから、重点課題2として、妊娠期からの児童虐待防止対策ということで、これはなかなか難しいと思いますが、「児童虐待のない社会の構築」ということで、健康水準の指標としては、児童虐待による死亡数を減らす、子どもを虐待していると考える、あるいは思う親の割合を減らすというようなことを目標としたわけでございます。

 そういうことで多々目標がありまして、74の目標があったわけですが、これを評価いたしまして、15ページの下にございますが、目標を達成したという本当の意味での成功だと思いますが、本当の意味での改善があったのが、74項目中20項目の27%、それから、目標には達してはいなかったけれども、改善はしたということで、不十分な改善と言えるかもしれませんが、これが74項目中40項目で54%でありました。変わらないが8項目、悪くなっているが2項目、評価できないというのが4項目ございました。

 次のページをご覧いただきたいと思います。特に悪かった項目についてまとめておりますが、例えば、「変わらない」8項目は、思春期外来の数、産婦人科医師数、休日・夜間の小児救急医療機関を知っている親の割合、児童虐待による死亡数、子育てに自信が持てない母親の割合、ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合、育児について相談相手のいる母親の割合、子どものこころの専門的な診療ができる医師がいる児童相談所の割合というのが、変わらなかった項目であります。

 一方、残念ながら悪くなってしまった項目が2つありまして、1つが十代の自殺率であります。それから、2番目が全出生数中の低出生体重児の割合、この2つが、残念ながら目標を改善できるどころか、むしろ悪くなってしまったということで、この16ページの下には、十代の自殺率が平成12年から13年間にわたってどのように推移したかが、これから読み取れると思います。

 それから、17ページの上のほうですが、低出生体重児の割合が9.6%ということで、上げどまりと申しますが、上がったままの状態で減っていかない。これは、恐らくこれからもしばらくの間は、母親の出産のときの年齢が上がりますので、減ることはないだろうということが予想されています。

 そういうことで、全体としてこれをどのように評価するかは、恐らく先生方の考え方によって違ってくるとは思うのですが、法的な支援がないにもかかわらず、80%以上の項目で一応改善してきているということがありましたので、これは関係している先生方の御努力の結果、こういうことが起きたのではないかと思います。しかしながら、なかなか改善ができそうもない項目もありますし、それから、この14年間で評価しました中でも、新たな問題としてこれから捉えなくてはいけない課題もあるということが検討会の中で指摘されましたので、これは次の運動のときに目標を立てて対応させていただきたいと考えております。

 今後の課題、それからスケジュールにつましては、17ページあるいは18ページに記載してございますので、ご覧いただきたいと思います。

 以上です。

○健やか親子21推進協議会会長 五十嵐先生、どうもありがとうございました。

 それでは、引き続きまして議題(3)でございますが、「『健やか親子21』研究報告」に移ります。

 長年、健やか親子21に関する研究をされておられます山縣先生に、これまでの研究結果について、母子保健の現在の課題、健やか親子21の今後について御発表いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○「健やか親子21」研究班代表研究者 山縣でございます。よろしくお願いいたします。

 今、五十嵐先生に、来年4月から始まります第2次について、3つの基盤課題と2つの重点課題、そして、それが出てきた根拠となります現在の健やか親子21の最終評価について御説明いただいたところですが、私は、その間、そういった中間評価等々を実際に解析してまいりましたので、それも含めてお話をさせていただきたいと思います。

 資料3をご覧ください。

 今日は、最終評価から見えた課題というものを幾つか、そして、健やか親子21(第2次)に関してキーポイントとなるであろうことを少し御説明させていただきたいと思います。

 次のページをご覧ください。2ページ目の上ですが、健やか親子21の中の思春期の課題の中に十代の喫煙率というものがございますが、ベースラインに用いました1996年、高校3年生の男子は3人に1人以上が喫煙をしていたわけですが、第1回目の中間評価である2004年には20%、そして2008年には13%、そして今回8.6%で、直近値ではもう5%台になっており、いわゆる十代の喫煙率は、この間非常に改善してまいっております。恐らく健康増進法による敷地内禁煙等もあるとは思いますが、学校等での健康教育、それから全体の喫煙率の低下といったようなことが非常に関与しているものと思われます。

 その下でありますが、ただ、一方で、育児期間中の両親の自宅での喫煙率を見ますと、必ずしも大きく改善はしておりませんで、母親も現在まだ8%、父親で41.5%が喫煙しているという状態であります。

 次のページをご覧ください。喫煙問題に関しましては、上にありますように、このグラフの右側、黄色が一般女性の20代の喫煙率を示しておりますが、その右側の赤は妊婦の喫煙率であります。25歳未満では35%、20代後半でも20%と、むしろ妊婦のほうが2倍から3倍の喫煙率であるということや、そのパートナーに関しましても、緑と青を比較していただきますと約倍というように、むしろ、本来、受動喫煙を最も防止しなければいけない妊婦、そして妊婦自身が喫煙にさらされているという問題があり、さらにその下でありますが、妊娠前で喫煙していた者が、やはり妊娠中には禁煙をするわけですが、その後、子どもが1歳6カ月、3歳になるに従って、また再喫煙が起こると。これは育児の不安もあるでしょうし、ストレスもあるでしょうし、一方で、やはり配偶者の喫煙というものも大きな影響があると思われます。

 次のページをご覧ください。4ページ目の上でありますが、その結果として、例えば3歳の子どもがいる家庭につきましては、その家庭での喫煙率が約50%であります。現在、健康日本21(第2次)というものが行われておりますが、それによりますと、世帯での喫煙率は10%と評価されておりますが、実際に子どもがいる家庭ではその5倍もあるということで、非常に大きな問題で、これは本当に喫緊の課題であろうかと思われます。

 その下をご覧ください。健やか親子21の最終評価で悪くなった評価2つのうちの1つです。それが低出生体重児の割合で、これがなかなか低下しない、むしろ増えているという問題でありますが、次のページをご覧ください。

 この低出生体重児に関しましては、健康日本21の健康増進の問題に関してもこれが指標になっておりまして、その背景といたしましては、女性の健康そのもののこともありますが、もう一つは、このDOHaDという概念が予防医学の中に取り入れられているということであります。イギリスのバーカー先生が最初に提唱された、低栄養の妊婦から生まれた子どもは、大きくなって、成人期になって心臓病や糖尿病になるといった仮説、バーカー説でありましたが、その後、多くの疫学研究、そして動物実験で、これは仮説から正しい概念となってきたわけであります。私どもも地域で25年以上続けております出生コホート研究の中で、妊娠中の喫煙が低出生体重児のリスクであるとともに、これは5歳のときの肥満のリスクでありますが、それが4倍であるということや、それから、朝食を抜くことが肥満のリスクになる、これは妊婦の生活習慣でありますが、そのようなことを明らかにしております。朝食を抜くということは、ほかの栄養の研究で、この研究でありますと、やはり低栄養を意味しておりまして、まさにバーカー説が日本の地域の中でも明らかになったということであります。

 次のページをご覧ください。こういったDOHaDの問題は、今お話ししました5歳のときの肥満のリスクだけではなく、思春期前期までこうやって2倍のリスク、ほかのいろいろなものを調整いたしましても、ただ単にお母さんが妊娠初期にたばこを吸っていたというだけで子どもは太りやすくなっているというようなことがありまして、こういうことを含めて、妊娠中の生活習慣、胎児期の環境、新生児期の環境に関しては、非常に大きな問題として取り上げる必要があるという根拠になっております。

 その下を見ていただきますと、これはちょっと余談ではあるのですが、私たちの研究では、左側の図ですが、どうも男の子に影響が大きく、女の子にはさほど大きな影響がないといった男女差などもあり、そういったようなことも今後課題かと思っております。

 次のページをご覧ください。次は健康格差の問題です。乳幼児死亡率、1980年には、悪いほうの下位10件の平均が人口10万対239.1、いいほうの10件の平均は161.1でありました。それが30年後の2012年には、悪いほうで81、いいほうで43.5と4分の1に減少しており、世界一の水準を保っているわけですが、一方、格差の面で見ますと、それが1980年の1.48倍から、現在1.87倍、最大で見ましても1.7倍から2.6倍と、どうも格差は広がっている傾向にあるのではないかということであります。

 その下の日本地図をごらんください。色の濃いところが乳幼児死亡率の高いところでありますが、2007年、左側の日本地図と右側2013年の日本地図を見ていただきますと、やはり似たようなところが濃い。もちろん改善されているところもあるということで、これを見ますと、格差という問題は、ある一時点、横断のところで見ますと、それは一種のばらつきとして高いところと低いところがあるのは当たり前なのですが、それを経年的に見た場合に、やはりそれが固定化されている、それを格差と言うならば、やはりこういった問題を格差として捉えるときに、こういう評価が必要だということになると思います。

 次のページをご覧ください。健やか親子21の中でも指標になっておりまして、3歳児の虫歯の有病率です。全国平均19.0%でありますが、いい方、愛知県、東京都、静岡県あたりの1213%のところから比べて、悪い方のところでは、30数%というように2.5倍の格差があるといったようなことが現実としてあるわけですが、これも、例えば2007年、2012年を見ていただきますと、色の濃いところがほとんど同じということで、まさにこれは格差のことを意味しております。ただ、一方で、その数字を見ていただきますと、2007年では悪いところが36.33%で、2012年では悪いところが29.09%というように、全体として改善はしてきているのですが、格差が縮まっていないといった状況であります。

 次のページをご覧ください。小児の肥満傾向に関しても同様でありまして、こういった格差が見られると。これは、震災後の最初に出されました小学校5年生の男子の肥満の割合でありまして、右側に福島県が頭1つ抜き出ているということが報道もされているところでありますが、見ていただきますと、やはり肥満の割合は、東北、北海道が占めておりまして、福島県がいきなりその真ん中から悪くなったわけではないわけですけれども、これも格差が存在するということ、そして、たった1年で、恐らく運動不足等によって子どもたちの肥満の割合が大きく変わるということであります。

 その下をご覧ください。これは47都道府県を数年間、折れ線グラフでずっと経年的に見たものでありまして、非常にわかりにくいのですが、太い折れ線グラフ、これが東北、北海道であります。やはりずっと上のところにあるということは、まさに肥満が固定化されているということであると同時に、一番右側の2点を見ていただきますと、バツが福島県ですが、急に上がっているのがわかります。同様に岩手県がやはり上がっているというように、やはり東北の震災の影響か、そういったようなことが、これを見てもわかるわけであります。

 次のページをご覧ください。ただ、表現するときに、この10ページの上にありますように、やはり日本地図でマッピングするのが一番わかりやすく、2007年、2013年、この6年間にこの色の割合はほとんど変わっていないということが見ていただけると思います。ただ、一方で数字を見ますと、若干肥満の割合というのは減少傾向にあるということで、これは健やか親子21の評価の中でも、そのように評価がされているところであります。

 下をご覧ください。合計特殊出生率です。2007年、2013年を見たものでありますが、いずれもかなり似たようなところの色が付いているとも見えますし、一方で、少しこの6年間に変わったとも見えますが、これをどういう風に評価するかということでありますけれども、こういった合計特殊出生率に対しても変化を見ていくことが必要だろうと考えております。

 次、11ページをご覧ください。健やか親子21の最終評価のときに47都道府県、各10市町村、全部で、最終的には472市区町村に対して数万人の方々から乳幼児健診のときに調査いたしまして得られたものであります。生後1カ月のときに母乳を与えていたという分布でありますが、47都道府県を5分位に分けて表現しておりますが、やはり一番いいところの9県と一番下のところの9県は1.5倍の差があると。これが、このときだけのものなのか、ずっとそうなのかといったようなことは、例えばこういう母乳を与えているというデータが、経年的に入手することがなかなかできず、これが固定化されているかどうかわからないので、こういったようなデータを、例えばきちんとどこかで集約してモニタリングする仕組みというものがあれば、これが本当に固定化されたものなのか、それともそうではないのか、もしくは、何か介入したところは改善することがあるのかといったようなことを評価することができると思います。

 下は、妊娠判明時の母親の喫煙率であります。これに関しては、もう約2倍の違いがある。これは都道府県の格差であります。こういったようなことがどうして起きるのか、それぞれいろいろな対策をされているところでありますが、この格差というのはなぜ起きるのかということを本当にきちんと究明していかなければ、健やか親子21(第2次)で示されています目標とされています、全ての子どもたちに、日本のどこで生まれても標準的なサービスが受けられるといったようなことが、ひょっとしたら厳しいかと考えております。

 次、12ページの上をご覧ください。これは少し変わりまして、地域の子育てサークルとか教室に参加している母親の割合であります。3、4カ月児を持つお母さん、それから3歳児を持つお母さんに関して聞いたものでありますが、何とこれが非常によく似ています。つまり、乳児期に対する色々なサークル・教室活動と幼児期に対する活動、こういったようなものは、どうもほぼ同じように、一生懸命やっているところはやっているし、なかなかそういったようなものに参加できているお母さんがいないところは、幼児期も、乳児期も同じだというようなことが、これを見てわかるわけです。

12ページ下です。その結果としまして、思春期の保健対策の充実、これは、悪くなっていた2つのうちの1つが、10代後半の自殺率というものが悪化しているということを背景にしております。それから、2番目、今お話ししましたDOHaD問題。そして、3番目、有機的な連携、連携については、ちょっと後でまた御説明します。そして4番目、これがいわゆる地域格差といったようなものをどう考えていくか。そして5番目、今回の重点課題の一つ、発達障害に対する課題。そして、児童虐待に対する課題といったようなものが課題にあげられております。

 最後に、現在、今回の健やか親子21(第2次)、それから、健康日本21(第2次)の中でも、地域で健康を支えるというようなことがありますが、そのキーワードとして、ソーシャル・キャピタルという言葉が使われております。これに関しましては色々な定義があるわけですが、基本的には2つの視点、1つは、個人による人と人とのつながり、ブリッジング、ソーシャルネットワーク、それによる情報の伝達や健康意識の影響を与えるといったようなこと、それから、もう一つがソーシャルコヒージョンという、団結力とかボンディングという集団としての力、例えば、これは山梨県でありますが、無尽による無尽仲間というものが健康寿命を延伸しているとか、NHKの「ご近所の底力」みたいなものはそういったものでありまして、ソーシャルネットワークに関しては、ハーバード大学が、肥満は伝染するとか、禁煙は伝染するという論文を出しておりますけれども、こういった2つの人のつながりや団結力によって、地域の信頼や、そして、そこから生まれる規範によって地域が醸成するといったようなことを母子保健領域でも考えていかなければいけないわけですが、一方で、その下をごらんください。

 国民健康・栄養調査で示されましたものですが、左から2番目の3つの棒グラフですが、これは、200万円未満が青色、そして200万円~600万円が赤、そして、緑色が600万円以上と、世帯収入によって例えば肥満の割合がこのように違う。つまり貧困層ほど肥満が多い。そして、右側のほうを見ていただきますと、喫煙行動に関しても、明らかに健康格差が喫煙率に影響しているといったような、健康格差と経済格差といったようなものが非常に密接に関わってきているということであります。

 次の14ページをご覧ください。その上で、例えば母子保健領域ではどうなのかということを私ども今回調べましたら、これは、世帯の収入をそのまま聞いているのではなくて、経済的なゆとりのある、なしで聞いているわけですが、「ない」という方は「ある」という方に比べて、例えば一番下、母親の喫煙率が高い傾向にありますし、それから、子育てに満足していないとか、ゆったり過ごす時間がないとか、自信が持てないとか、虐待しているのではないかといったような意識が非常に悪いところにありますし、それから、父親の関わりもなかなか得られない状況でありますし、それから、地域のいろいろな行事にも参加できないといったようなことで、母子保健領域におきましても、この経済的な問題というのが1つの課題であると。

 それに関連して、貧困研究で著明な阿部彩さんや社会学者の山田さんなどは、こういった経済格差、健康格差に加えて、希望格差、平等に「努力」とか「意欲」とか「興味」とかといったようなものがあるはずなのに、それがもう崩れてきてしまって、貧困家庭に生まれた子どもたちは将来に希望が持てなくなっていると。そのために健康といったようなものを十分に認識できなくているといったようなことが指摘されているわけであります。

 次のページをご覧ください。その貧困の本の中に、例えば日本とイギリスの違い、たとえ経済的に問題であっても、絵本とか子どもの本といったようなものが必要であるとする割合が、イギリス人は90%ですが、日本人は50%、新しい服に関してもこういう差がありますし、運動具やおもちゃに関しても、日本人は、貧困ではしようがないと9割の人が思っているということで、これは、母親、父親にとってはほぼ100%のものが、地域の中での子育ては親に全責任があるといった意識のあらわれが、こういう結果に出ているのかもしれないと思います。

 その下をご覧ください。これは最近言われていることでありますが、社会保障支出のGDP比との関係であります。高齢者に関しては青色ですが、我が国は10%、ほかの先進国と比べても遜色のないものでありますけれども、赤色で示します家族関連を見ますと、日本は1.0とアメリカに次いで低く、そして、ほかの国は3%を超えているわけですが、折れ線が合計特殊出生率であります。見事に、アメリカを除いて、この社会保障のGDP比と合計特殊出生率が非常に強い関連を示しているというものであります。

 最後に、きょうは推進協議会でありますので、1つ、連携に関して簡単に御説明いたします。

 今、私どもは連携と言ったときに、1人の個人に対して横断的にそこで必要なことを、家庭、地域、企業、医療機関、保育、そういったようなもので連携を組むということに加えて、その下でありますが、今後重要なのは、こういった縦断的な連携であります。例えば、その例といたしまして、乳児健診で発達障害の子を早期に発見した場合に、家庭や保育園、地域でそういう介入を行う、その結果として、学校に上がってから、その子どもが困らずに生活できるかどうかといったようなことを評価する必要があるわけですが、次のページをご覧ください。

 山梨県では、そういうことが一度できまして、その結果であります。5歳児健診、全体で335人に対して、気になるお子さんが24名、通過したお子さんが311名でありました。それを小学校1年生の2学期に担任の先生に調査いたしました。そうすると、気になるお子さん、こうリストがあるわけですが、それで気になるお子さんが15名、通過が320名ということで、5歳児のときに気になったけれども、小学校1年生2学期では気にならなくなった子が15名いると。つまり、この15名というのは、介入の効果ということになるわけですし、一方で、5歳児健診では通過したけれども、小学校1年生の2学期には問題になる子が6名。この子を詳細に見ますと、例えばADHDのようなもので、集団の中で評価しないと見つけることができなかった、乳幼児健診のように個別にやると、なかなか難しかったといったようなことがここであらわれているということであります。

 最後に、このような格差といったものの是正をどのようにしていくのか。1つの方法としては、比較をすると。現在、乳幼児健診はそれぞれのところで色々な努力で行われておりますので、そういう意味ではばらつきが出てきております。そういった意味では、問診票の共通項目をつくったり、健診の標準化といったようなことが必要であろうと考えられますし、連携という意味では、今お話ししたように、地域だけではなく、学校、さらに今後、職域も含めた縦断的な連携といったものをどう続けていくか、そして、最後でありますが、少子化の最大の問題は、子育てのときに、周りに同じように大変だったり不安になっているお母さんの数が少ないということであります。夜泣きをしている子どもを抱えているときに、昔であれば近所からもそういう声が聞こえたのが、今は自分の家だけであると。外に子どもをあやしに出すと、昔であれば、同じようなお母さんがいて、目を合わせて「大変だね」と思えたのが、今はそれもない。そういった孤独、孤立化、そういったものを地域の中でどうサポートしていくのかというのが今後の課題であり、例えば切れ目のない支援としての産後ケアセンターのようなものというのは、一つの対策の鍵になるのかもしれないと思います。

 少し時間をオーバーしましたが、以上であります。

○健やか親子21推進協議会会長 山縣先生、どうもありがとうございました。

 ここで、議題(2)の五十嵐先生の御報告と、今の山縣先生の御報告に対しまして、もし御質問があれば1~2問お引き受けしたいと思います。まず、御所属とお名前、どなたに対する御質問かということをお願いいたします。

○(公益社団)日本産科婦人科学会 日本産科婦人科学会から参りました三重大学の産婦人科の池田と申します。

 山縣先生に御質問なのですが、非常に詳細な御発表をありがとうございました。ただ、産婦人科の指標といいますか、この健やか親子21の中でもありますような産婦人科医師数、助産師数もそうですが、妊産婦死亡、それから周産期死亡、それから人工妊娠中絶の率の地域差や年齢別、それから不妊症という指標もありましたが、それから発達障害のことを言っておられましたが、例えば脳性麻痺の発生率等、これはまた別個として御発表になる予定なのでしょうか。

○「健やか親子21」研究班代表研究者 既に報告書の中に出しておりますが、今、先生御指摘の、例えば産婦人科医であれば、医師そのものは、出産に対しては増えているのですが、例えば産科を担う先生方の数が減っているというような評価がその中でされているところでありますし、妊娠死亡に関しましても、改善しているといったような評価を最終評価の中で出しているところであります。

○(公益社団)日本産科婦人科学会 ありがとうございます。御発表が、少しそのあたりで、また別のときに詳細にお聞きできるかと思いまして御質問いたします。

○健やか親子21推進協議会会長 そのほか。どうぞ。

○(一般社団)日本母乳の会 日本母乳の会の永山と申します。

 山縣先生のさっきの御発表の中で、母乳の会、11ページですが、母乳を与えているということの経年的調査をする仕組みがまだできていないというお話がちょっとあったのですが、国として経年的な調査をする仕組みというものは、今後どういうふうになっていくのでしょうか、教えていただきたい。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 先ほど山縣先生の御発表の中でもありましたが、経年的に、継続的に把握できるような仕組みづくりが非常に重要だと考えておりまして、今取り組んでいるところで、各市町村で行っています問診項目の共通化、標準化とあわせまして、保健指導におけます手引の作成を進めているところでございます。

 そういった取り組みを続ける中で、できる限り多くのデータを国としても把握できるような仕組みづくりというものを始めていきたいと思っておりますが、やはり健診の実施主体であります市町村の御理解が必要ということで、どの程度スムーズに行けるかということは、今後、努力を続けていく必要があるだろうと思っております。

○健やか親子21推進協議会会長 よろしいでしょうか。

 それでは、あとお1人いかがでしょうか。

 なければ、また後で全体のディスカッションがございますので、そのときにひとつお願いいたしたいと思います。

 それでは、引き続きまして、議題(4)になりますが、「健やか親子21(第2次)」の推進体制につきまして、いろいろ検討するために、健やか親子21の推進協議会の規約改正についてを議題とさせていただきたいと思います。

 まず、事務局から資料4の健やか親子21推進協議会規約(改正案)の説明をお願いいたします。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 お手元に資料4を御用意ください。

 資料4の1ページをおめくりいただきますと、「健やか親子21推進協議会規約(改正案)」を御用意させていただいております。今般、健やか親子21の活動が来年4月より第2次を迎えるに当たりまして、現行の規約の見直しをさせていただければと思っております。

 もう一枚おめくりいただきまして、3ページをご覧ください。3ページに、現在の推進協議会の体制の模式図化したものをお示ししております。上の現状と書いているものが、実際こういう活動を今やっていただいているところでございます。一方で、下が、規約に沿った形で絵を構築しますとこういう形になっておりまして、特にどの部分が違うかといいますと、規約の中では「幹事を置く」ということになっておりますが、現在、幹事という役職の方が不在になっているところでございます。一方で、幹事会につきましては、現行の健やか親子21の課題ごと、それぞれに幹事会を構成いただきまして、毎年、幹事会の中で代表を決めていただいて取り組みを進めていただいているという状況になっております。

 規約上におきましては、その幹事会を1つ設けることで、全ての課題のそれぞれから出ていただく方で構成するという形になっておりますが、この課題を超えた幹事会というものが現在ない状況でございます。

 一方で、次の4ページをお開きいただきますと、その推進体制の形といたしましては、まず、協議会の中には総会が現在もあるところですが、会長、副会長にあわせまして、幹事を今後改めて会長が指名するという形で明確にしたいと思っております。

 その下におきます参加団体でありますが、幹事会につきましても、基盤課題A、B、Cございますが、その中でどういう風にやっていくかということにつきましては、後ほど御議論いただければと思っております。改めて詳細な御説明をさせていただければと思います。

 また、1ページにお戻りください。今のような体制を念頭に、現行の規約に関しまして、文言の整理等も含めまして、1ページと、次ページの2ページにまとめた修正をさせていただいております。ぱっと見、真っ赤になっているように見えますが、内容につきましては、今回の第2次の趣旨を踏まえまして部分的な修正を行っているところが多くなってございます。

 実質的な修正といたしましては、新しい第3条としまして、会員資格の喪失というところで、会員資格の喪失の要件を少し整理させていただいているところでございます。

 また、次の組織に関しましては、今申しました図に沿ったような形で、「協議会に、全会員及び全役員で組織し最高意思決定機関である総会と、一部の会員及び全役員で組織し協議会の運営の企画・調整を行う幹事会を置く。」「必要に応じて、幹事会に専門部会を置くことができる。」としております。

 また、役員に関しましては、第5条になりますが、「幹事は、幹事会を代表し、会務を総理する。」ということで、幹事の役割を明確にさせていただいております。

 また、第7条になりますが、幹事会に関しましては、「幹事会を組織する会員は、会長が指名する。」「2 幹事会は、会長と協議の上、幹事が召集する。」と加えさせていただいております。

 規約に関しましては、繰り返しになりますが、幹事会及び幹事の部分を中心に修正を行っているところでございます。

 事務局の説明は以上になります。

○健やか親子21推進協議会会長 ただいま事務局から、今後の健やか親子21の活動の進め方を念頭に置いて規約改正案の御説明がございましたが、まず、この規約の改正案につきまして、御質問、御意見等がありましたら、ぜひ挙手をお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。

 これまでの体制と少し違う形に変えて活動をやっていきたいという、その辺、十分御理解いただけたでしょうか。いかがでしょうか。どうぞ。

○日本タッチケア協会 この規約の中に予算づけが一切書かれていないのですけれども、実際に前回の健やか親子21で、幹事団体が集まって会議をしても、予算がないものですからできない場合もあり、だんだんと下火になってきてしまって、最後のほうは1年に1回ぐらいしか幹事会ができないというような事態になっています。実際にこの総会の予算というのはどこから出ているのでしょうか。

○健やか親子21推進協議会会長 お願いします。

○母子保健課長補佐 現在、幹事会につきましては、幹事団体の参加に関しまして、国で予算の手当てはしていないところでございます。後ほど御説明する予定にしております今後の第2次の取り組みの中では、現在、平成27年度の概算要求の中で、新たな体制づくりに向けた予算の確保に向けた努力はしているところでございます。

○日本タッチケア協会 ぜひそれをやっていただかないと、この会の活動が負担になってばかりで、そのためにできない。現実にはそうで、課題2でずっと仕事をしてきたのですが、何もなくて、それで成果を出せと言われても極めて厳しいところがありますので、ぜひそれをよろしくお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会会長 事務局のほう、ひとつよろしくお願いいたします。

 そのほかいかがでしょうか。

 もし御質問がなければ、この規約改正案につきましてお諮りいたしたいと思います。

 現行の健やか親子21の協議会の規約の第5条に「総会の議事は、出席者の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。」となっております。従いまして、この規約改正案に賛成か反対かということで、まず、挙手をお願いしたいと思いますが、この改正案に賛成の方は挙手をお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。

(賛成者挙手)

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 ほとんど全員ということで、賛成多数、2分の1を超えているということでございますので、この規約を事務局提案のとおり改正させていただきたいと思います。

 後日、事務局から改正後の規約をお送りさせていただきます。

 次に、議題(4)でございますが、「『健やか親子21(第2次)』の推進体制について」でございます。

 第2次を開始するに当たりまして、私は会長を辞退し、次の方にお願いしたいと考えております。会長の選任等に関しましては、事務局にて進行をお願いいたしたいと思います。

 よろしくお願いします。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 ただいま伊藤会長より、会長職を辞されたいという御希望がございました。

 議題(4)の2の会長の選任及び副会長、幹事の指名に入りたいと思います。

 当分の間、事務局で進行を代行させていただければと思っております。

 また、今回、伊藤会長が会長を辞されるに当たりまして、副会長につきましても新たな選任が必要となります。新たな役員の任期に関しましては、第2次のスタートにあわせまして、来年4月からでお願いできればと思っております。

 現在の柳澤副会長におかれましては、健やか親子21がスタートいたしました平成13年から現在に至るまで、また、伊藤会長におかれましては、平成18年から現在に至るまで、それぞれ健やか親子推進協議会の要職を担っていただきました。これまで健やか親子21推進協議会を牽引いただきましたお2人に、事務局一同、改めて感謝、御礼申し上げます。

 会長を辞されるに当たりまして、伊藤会長、副会長の柳澤先生より御挨拶いただければと思っております。

 伊藤会長、御挨拶をお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会会長 私は、平成18年度から約8年間、この健やか親子21の会長を務めさせていただきまして、本当にこの会の運営に当たりまして、会員各団体に御協力いただきましたことを厚く御礼申し上げたいと思います。

 そして、今、御案内のように、来年4月から新しい形で健やか親子21が始まりますので、この辺のところはひとつ区切りをつけて、もっと若い、元気のいい方にぜひ頑張っていただくほうが、日本の健やか親子21の体制、さらに、この母子保健体制の推進のためになるのではないかと考えまして、大変勝手でございますが、今期をもって退任させていただきたいと思います。

 事務局、また柳澤副会長、そして、各加盟団体のこれまでの御協力に深甚な感謝を申し上げまして、簡単でございますが退任の御挨拶とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)

○母子保健課長補佐 柳澤副会長、御挨拶をお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会副会長 副会長の柳澤でございます。

 私は、今、御紹介がありましたように、健やか親子21がスタートの平成13年からずっと副会長を務めてまいりました。健やか親子21策定のための検討会の委員、そして、そこの場の副座長を仰せつかってから、第1回の中間評価、それからまた第2回の中間評価についても座長という立場で関わってまいりましたので、そういう意味で、ここで健やか親子21がひとまず最初の第1次が終結して、来年から第2次に移行するということで、いささか感慨を覚えるところでございます。

 先ほど五十嵐先生から、最終評価で指標の80%が改善の方向に動いたということは御報告がありましたが、これは、やはり関係する団体、それは実際、当協議会のメンバーであるわけですが、その関係団体、そしてまた地方自治体、国、それぞれの立場で、それなりにそれぞれの活動をした、その成果であろうと思います。私としても、その点については、健やか親子21という国民運動計画を評価しておりますし、得難い機会ということに、この十数年にわたって関わってこられたことを大変幸せに思っております。

 しかし、重要な課題が残されていることも今まで御報告されたとおりでして、それが第2次に引き継がれる、今後、国を挙げて取り組んでいくということだと思いますし、また、山縣先生から詳しく御報告をいただきましたけれども、より根本的なところで望ましくない方向への変化というものがある。虐待の激増というのも、その一つの大きなあらわれでありますけれども、子どもの健康の格差ということが、山縣班の研究の結果として明らかにされたと。そして、そのまたさらに根底に子どもの貧困ということが今大きな問題として浮かび上がっているのではないかと思います。これは国会でも取り上げられて議論されたところですが、子どもの貧困率の上昇が我が国である、そして、OECDの国の中でも貧困率が高いほうだということは、大変ゆゆしき問題だと思います。第2次計画で、それらを視野に入れた運動が進められることを期待しております。

 また、第2次のスタートと時を同じくして、先ほど次世代育成対策推進の行動計画については、健やか親子21の第2次を念頭に置いてというお話が局長からあったと思いますが、もう一つ、これも法律ができて、それに基づく制度として、来年4月から子ども・子育て新制度というものがスタートすると報道されております。その中核になるのは、国をはじめ、全自治体に設置される子ども・子育て会議というものだと了解しておりますけれども、そういった健やか親子21の第2次がスタートすると、足並みをそろえて新たな行動計画、そしてまた、子ども・子育ての新制度がスタートする、そういったことがありますので、ぜひ、言い方は悪いですけれども、その縦割りということがこれからないといいますか、そういうことを克服して、国が全体一体となって推進されることが重要ではないかと思います。

 ともかく、国が子どもと子育て、あるいは子どもと家庭、若い夫婦の家庭に対して、やはりもっと、言ってみればお金をつぎ込むということが、これは何よりも必要なことだと思います。先ほどの山縣先生のお話の中にもありましたけれども、ヨーロッパの先進国と比べて、我が国で、これから子どもと家庭にお金をつぎ込む、それを今の2倍増、3倍増にしなければいけない状態ではないかと感じる。

 勝手なことをひとつ最後に感想として申し上げて、今までの御協力に対するお礼の言葉にかえて御挨拶にさせていただきたいと存じます。どうもありがとうございました。(拍手)

○母子保健課長補佐 伊藤会長、柳澤副会長、改めまして感謝申し上げますとともに、第2次のスタートの直前でございます平成27年3月までの期間、引き続きよろしくお願いいたします。

 それでは、改めまして次期会長の選任に移りたいと思います。

 健やか親子21推進協議会規約の第5条に規定がございます。「会長は、総会において選任する。」とあります。会長の選任につきまして、これからお諮りしたいと思います。

 次期会長につきまして、会員の皆様から御推挙等ございますでしょうか。

 特に御意見がないようでございましたら、事務局といたしましては、「健やか親子21」の最終評価等に関する検討会座長を務めていただき、日本小児科学会会長の五十嵐様にお願いしてはどうかと考えておりますが、いかがでございましょうか。

(拍 手)

○母子保健課長補佐 ありがとうございました。

 それでは、五十嵐様に会長就任をお願いしたいと思います。

 次期会長であります五十嵐様より御挨拶をお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会次期会長 ただいま次期の会長に選ばれました小児科学会の五十嵐と申します。

 今までこの活動に御協力いただいた先生方の中で、私は小児科学会のほうで5年間ぐらい協力しただけなのですけれども、先輩がたくさんいらっしゃる中で私が会長を務めるのはちょっと問題ではないかと思っておりましたけれども、御指名ですので引き受けさせていただきたいと思います。

 我が国の小児保健、特に母子保健というのは、世界的にも非常に進んでいる、高水準を維持していることは間違いないと思います。しかし、子どもをどこまで定義するか、母子保健というと、何となく学校に入るまでの子どものようなイメージもあるのですが、この健やか親子は、大人になるまでをイメージしておりますので、子どもの定義を二十ぐらいまでと考えますと、日本の子どもの保健に対するシステムがかなり限界に来ているのではないかと今考えているところです。

 簡単に申し上げますと、集団健診で子どもの心の問題や個人のいろいろな問題を把握できるかというと、あるいは学校でそれができるかというと、なかなか難しいところがあるのではないかと思います。それからもう一つ、地方では過疎が進んでいますので、小児医療や小児保健の水準を維持することが非常に難しい状況になっているのではないかと思います。ですから、これからの10年は、これまでの14年に比べると、なかなか難しい問題がたくさんあるのではないかとちょっと危惧しているところです。

 一方、小児保健のシステムを考えたときに、アメリカのシステムが1つ、非常に参考になるのではないかと普段から考えております。ぜひ皆さん、ブライト・フューチャーという英語、この2つの言葉をお家に帰っていただいたらコンピューターで探していただければ、アメリカの小児学会あるいはアメリカの子どもたちが、どういう形で小児保健を維持しようと努力しているかということがわかってくるのではないかと思います。つまり、ウエルチャイルドを個々のレベルで把握していくというシステムができているわけです。その上で、増えているチルドレン・アンド・ユース・ウイズ・スペシャル・ヘルスケア・ニーズという、昔でしたら亡くなっていた子どもたちが助かって、大人になっていく方が増えているわけですけれども、そういう子たちにもしっかりとした対応をするという非常に現代的な難しい問題もあるわけですけれども、ベースは、このウエルチャイルドに対してどう対応する、そして、病気を持った子どもたちにもどういう医療や福祉を提供していくかということが、これから大きな課題になるのではないかと思います。

 そういうわけで、次の10年は大変困難が予想されますが、関係している方たちの御努力で改善に向けて努力したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○母子保健課長補佐 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、副会長と幹事、幹事会の指名に移りたいと思います。

 先ほど改正いただきました規約第5条に「副会長及び幹事は、会長が指名する。」とあります。来年4月からの第2次に関しまして、五十嵐次期会長より、副会長及び幹事の御指名をお願いいたしたいと思います。

○健やか親子21推進協議会次期会長 それでは、副会長として、第2次の推進体制をより進めるために会長を補佐していただきたいと思いますので、次回からはお2人に補佐をしていただきたいと考えております。お1人目は、日本産科婦人科学会代議員の池田先生と、それから、国立保健医療科学院院長の松谷先生にお願いしたいと思います。

 幹事につきましては、初年度においては日本小児科学会で担当させていただければと考えています。それから、幹事会は、これから選出されると思いますけれども、今後の推進体制のあり方として、推進協議会の活動報告とも関わってきますので、それを踏まえて、後ほど決めさせていただきたいと考えております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○母子保健課長補佐 ありがとうございました。

 ただいま御指名のございました次期副会長の池田様と松谷様に御挨拶をお願いできればと思います。

 まず、池田様、御挨拶をお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会次期副会長 日本産科婦人科学会の代議員をしております池田智明と申します。

 この過去14年にわたりまして、多くの指標をインプルーブメントされました会長、副会長以下、関係各所の先生方に敬意を表したいと思います。

 日本産科婦人科学会という、いろいろ昨今の新聞でも報道がありましたように、10年後は、もっと分娩施設、それから産婦人科が減るだろう、日本の産むところが危機的状態にあるだろうというような指標が出ておりまして、ほとんどの科の医師数が増加している中、とうとう日本産科婦人科学会は1万人という会員を切るか切らないかというところになっておりまして、日本の産む場所といいますのは3,000施設ございますが、その3,000施設で年間100万の分娩数、産婦人科医が約1万。この中ではお産をしていない者もおるわけですけれども、1万を3,000で割りますと、3人ぐらいの少人数で1施設の分娩を扱っているという計算になりますが、これは欧米の2分の1にも足りないような状況でありまして、いかに我が国が分散化しているかという、その中で、小児科の先生方、また関係各所のコメディカルの方々と協力しながら、世界に有数たる周産期死亡率を、妊産婦死亡率というところの低さを保っているというところは、ひとえに現場の力と、それから、すぐれた行政のあり方だと思っています。

 ただし、これは限界が来ておりまして、過去10年、やはりこの次の第2次の目標を得るためには、まだまだ新しいアイデア、また国民の努力、それから、地域での行政との連携とか、まだまだいろいろあるわけでありますが、今日の先生方と協力しながら推進したいと思っております。

 御協力、よろしくお願いいたします。(拍手)

○母子保健課長補佐 続きまして、松谷様、御挨拶をお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会次期副会長 国立保健医療科学院の院長をしております松谷でございます。

 健やか親子21推進協議会、これまで活動されて、多分スタートのときにはもう既に日本は、総体としては世界に誇れる水準の現行の状況であったと思いますけれども、それをさらにこの間進めてきたというのは、これに加わった、あるいはこれに加わらないでも、それぞれの地域で活動された多くの方々の努力の賜物ではないかと思います。総体としてはそうですけれども、一つ一つのミクロといいますか、いろいろな場面では、非常に大きな課題を抱えていると思います。そして、これから先を展望しますと、日本の社会そのものの劣化というものが指摘されるようになってきました。親子を取り巻く環境がそれだけ厳しいものにこれからなっていくのだろうと思います。

 その中で、しかし、健やかな親子というものは、次の社会をつくっていく一番の基本のところだと思いますので、五十嵐会長を池田先生とともにお支えして、これから少しでもよい方向に進めていくように努力したいと思います。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○母子保健課長補佐 ありがとうございました。

 以上で、次期会長及び副会長の選任及び指名を終えさせていただきます。

 改めまして、議事の進行を伊藤会長、お願いいたします。

○健やか親子21推進協議会会長 それでは、ここで一旦15分程度休憩とさせていただきまして、15分後から議題(4)の審議をお願いいたしたいと思います。

 それでは、15分間休憩いたします。よろしくお願いいたします。

 

(休  憩)

 

○母子保健課長補佐 それでは、伊藤会長、お願いいたします。

○健やか親子21推進協議会会長 それでは、これから議事を再開させていただきたいと思います。

 休憩前に、再開後は議題(4)からと申し上げましたが、議題(1)の資料が用意できましたので、まず、議題(1)から始めさせていただきたいと思います。

 では、議題(1)「健やか親子21推進協議会参加団体からの活動報告~14年間を振り返って~」に入りたいと思います。

 4つの課題ごとにこれまでの活動の御報告をしていただきます。意見交換は、4つの課題全ての御報告の後に時間をとりたいと思います。

 それでは、それぞれの課題の代表幹事からの報告をお願いいたします。

 まず、課題1でございますが、「思春期の保健対策の強化と健康教育の推進」につきまして、一般社団法人日本児童青年精神医学会の齊藤様からお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○(一般社団)日本児童青年精神医学会 それでは、課題1幹事会からの御報告をさせていただきます。

 今回は14年間を振り返ってということなのですけれども、私は、この5年間関わらせていただきまして、それ以前には、中間の評価については委員をさせていただいたことがございますけれども、課題1は5年間です。そこで、参加している幹事会の代表の皆さんも、おおむねそのぐらいの期間、課題1に加わった方たちだったものですから、主として自分たちが現実に関わってコメントできることについて振り返りをさせていただきました。

 その中で、活動報告につきましては、この緑色の薄い方の資料が課題1の振り返りの資料でございます。ここにあげてありますのは、14年間ではなくて、ただいま申し上げましたように5年間であります。その中で、私たちが取り組んできた課題の中で、課題1としてやったなと思われる、手応えを感じている取り組みは、何と言いましても、公開講座を5年間に2回、昨年度とその2年前に開催させていただいたということであります。

 我々の課題1は、ただいま御紹介にもありましたように、思春期の保健対策ということでやってまいりましたので、心と体と、そして性という3つの思春期課題についての取り組みということで、公開講座もそのような組み立てにさせていただきました。体の方は、性と一緒にする形で、基本的に2回の公開講座は、心に関するメンタルヘルスに関する話が1題、そして、2題は、男子の性、女子の性という1題ずつ、合わせて3題の講義を行うということでやらせていただきました。どうしても都合上、年末の、大体クリスマス前後ぐらいに設定していたのですけれども、それでも2回とも200名の方が全国から参加されました。半数は養護教諭の皆さんでしたけれども、そのほか保健対策を地域で行っている方たち、いろいろな職種の方がたくさん集まられました。手応えもかなりよいということで、もしも機会が与えられるなら、この思春期対策と保健対策については、今後もこんな公開講座を開いていけたら2回の公開講座で開発されたニードというものに応えることができるかなと思っているところであります。

 この5年間を振り返ってまいりまして、1つ、公開講座ができたということは、どういうことをやっていたからできたのかと振り返りまして、これは、公開講座の前の1年間、参加している幹事団体が、メンタルヘルスに関わるところ、それから思春期の性に関わるところ、その他の課題を取り扱ったわけですが、その各団体が、そのときそのときの一番ホットに取り組んでいる課題について代表的な団体の研究者なり実践者を呼んで、幹事会の場で講義を、ミニレクチャーをやってもらって、議論するということを積み重ねたということが、割と公開講座にも自然につながっていったと感じております。そのような活動を年間5回の幹事会を繰り返すことによって実現できたというところは、我々手応えをある程度感じているところであります。

 実際の取り上げた内容につきましての現在の、あるいは取り組んだ課題に関しましての我々幹事団体の考えといたしましては、やはり第1次の御報告の中では、性に関する指標がおおむね改善したということになっております。そして、増悪したというか悪化したのが、自殺に関するところでしたけれども、性に関する問題、それから改善したとされている思春期やせ症の問題につきましても、現場においては、いまだかなり深刻な課題として、教育界においても、性教育の難しさ、それから、子どもが持ち込んでくる性的課題の複雑さ、それから、メンタルヘルスの世界でも、臨床現場では、思春期やせ症の治療に関してはやはり現在でも非常に苦労し、また、ボリュームもそこそこに多いという状況の中で取り組んでおりますので、今後も、第2次に向けても、ほとんどの幹事会団体はそのまま参加するということを表明しておりますので、ほとんどではなくて全てだったかもしれません。今後も、この課題を継続して、第2次のミッションにフィットする形でやっていければと思っているところであります。

○健やか親子21推進協議会会長 齊藤様、どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして課題2でございますが、「妊娠・出産の安全性と快適性の確保と不妊への支援」につきまして、一般社団法人日本母乳の会の永山さんからお願いいたします。

○(一般社団)日本母乳の会 日本母乳の会の永山です。

 当初、課題2は4団体で始まりました。日本産婦人科医会、産科婦人科学会、日本助産師会と日本母乳の会でした。その後、日本母乳の会は、当時、任意団体だったのですが、一般社団法人になりまして参加しております。色々な参加事情の厳しさから、産科婦人科学会がなかなか参加ができなくなった状況がありまして、平成22年から日本周産期・新生児医学会が幹事会として参加しまして、5団体でしております。

 先日、最後のまとめをしたときに、実は、私が第1回から最後までいるたった一人になりまして、まとめの段階も、ここで何かめぐり合わせで、最後にまとめの担当になりましたので、よろしくお願いいたします。

 幹事会は、年に2~3回ずつ、今までに40回ほど、つい11月2日までに40回開催しました。かなりほかの課題と比べても遜色なくやっていたのだなと、このまとめをしながら考えました。

 最初に、「妊娠・出産の安全性と快適性の確保と不妊への支援」という課題なのですが、集まった団体が、どこに共通項があるのかというところから始まるような状態でした。資料の方に、幹事会の大体の流れが書かれていますので後でご覧になっていただけたらと思いますが、最初は、開業助産所の安全性について、かなり厳しい話し合いが大きく取り上げられました。その後に、当時は開業助産所の中でデータも収集されていない、いわゆる基礎データが何もないという状態でしたので、それをするということがかなり大きく進みました。

 それと、安全性については大きく共通項ができたのですが、快適性というものに対して、この4団体でなかなか意見のすり合わせができないところがありました。安全性の中でも、お産の身体的、命にかかわる安全性についてはかなり共通項があったのですが、それでは、母と子どもの心の安全性ということについて今までずっと議論されてきていなかったのではないかというところが大きな話題になりました。それで、快適性について、当時、かなり豪華な病院とか豪華な産院というものが話題になっていたときだったのですが、快適性を、そのようなアメニティーに属するということではなくて、母親が出産した後に子どもが育てられるような環境をつくることが快適性ではないかという議論がかなり行われました。その間の議論は、厚生科学研究に2回ほど応募して、採択されまして、その間にかなり分厚い報告書を作りまして、その間の議論の過程が全て載っていますので、もし何かの機会がありましたらご覧になっていただけると思います。

 それで、全体会議ですが、全体会議も4回ほど開催したのですが、幹事会と全体会議との関連性が、あまり幹事会の中でも議論することができなかったので4回にとどまりました。全体会議を呼びかけても、なかなか集まりがよくないので、最後の4年間ぐらいは、もうほとんど全体会議をすることができませんでした。

 先日の11月2日の幹事会の中で、まとめとして、ここに書かれているような安全性の確保について、妊産婦の死亡半減目標ということについては、かなり良くなっているけれども、まだ達成されていないということ、それと、先ほど池田先生からお話がありましたが、分娩を取り扱う産科医の減少と産科施設が閉鎖されているというところで、これから新しい安全性のシステム向上をつくらなければいけないのではないかというところがこの間、議論されました。

 それから、安全性を確保しつつ、分娩直後の母子接触ですとか母子が安心して過ごせる環境をつくっていくのがまだ課題として残っているということです。また、母子接触について、マスコミ報道でかなり色々ありましたので、NCPRの講習を受けることは、これから周産期に関わる方は必須とすることの提言をしたいということです。

 それから、分娩に関わる産科医、医師自体が増えていても、分娩そのものに関わる医師が非常に少なくなっているということと、女性医師が増えているということで、女性医師の働く環境、分娩に関わってもらえるような女性医師を養成することが必要ではないか。

 あと、助産師さんも、数字上は助産師さんはたくさんいるように見えるのですが、例えば病院勤務の中で助産師さんが助産業務に全く関わっていないという実態をもう少し厚生労働省で把握してほしいという議論がありました。ただ、助産師教育のあり方もこの14年間、健やか親子が始まったときに比べるとかなり変わってきました。大学教育になりましたので、その辺で今、課題を抱えているところです。

 それから、最初は助産所の安全性というところからかなり議論が始まりましたので、その後、医師法が変わりまして、嘱託医療機関と助産所の支援ということでかなり改善されましたが、まだまだ全国の助産所の中では、産科医が不足というところで嘱託機関になっていただけないという現状もあるということがあります。ただ、私たち母乳の会が関わっておりましたので、母乳育児の重要性の見直しをしようではないか。母乳育児というのは、ただ母乳を飲ませるということではなくて、母親の育児する力を育てるもとになるのだという観点から、5団体は共通認識がありました。特に、最近では、世界中で生活習慣病や子どもの肥満の予防に関わっているという分娩がたくさん出ています。特にアメリカでは急激に、アメリカは肥満の国で大変なので、かなり文献も出ているので、日本でもその辺のところを使ってほしいということ。

 それと、乳がんの発生ですね。ちょうど日本が1970年代、60年代から母乳率が非常に下がった。20%になったときの女性たちが、今、乳がん年齢にかかっているということで、この辺の社会的な関係性も考えていったらどうかということです。

 それから、私たち日本母乳の会が今やっている「赤ちゃんにやさしい病院」、これはWHOとユニセフが認定しているものを、私たちが業務を委託されているのですが、これを推進していこうということで、先ほど山縣先生が御発表されました全国を5つに分けた母乳率の中でも、一番の59.6%のところには、赤ちゃんにやさしい病院が一番多いというのもありまして、それを進めていっていただきたいということ。

 それがまとめなのですが、提言とまとめがダブるところがありますけれども、特に安全性のためにもう少し周産期協議会のネットワーク機能を充実させてほしいということと、まだ開業助産所で分娩を望むお母さんたちがいるので、それの連携をもう少ししてほしいということですね。

 それから、今、お母さんたちの満足度ということがかなり色々なところで言われていますが、分娩だけではなくて、分娩後1週間の満足度も考えていかなければいけないというところと、それから、産科のオープンシステム、助産所のオープンシステムと地域周産期センターの連携をもう少ししてほしいというような提言があります。

 それから、ぜひ、母子同室を推進するために、病院機能評価の中に、このような母子が接触する部屋を入れていただきたいというところですね。

 それから、厚生労働省が出されました「授乳・離乳の支援ガイド」についても、大分普及されてはいるのですが、さらなる普及をして、これに対する研修を行ってほしいということです。

 それから、去年、一昨年、こども未来財団の委託研究で、研究課題として、2週間健診について4団体で研究しました。母乳育児だけではなくて、産後うつ、幼児虐待の予防としても2週間健診をぜひ公費でやっていただきたいというところですね。それと、安全性を確保するために、NCPRの講習は間断なく受けていくというようなことをしてほしいというのが、11月2日の幹事会で提言されました。ここで提言として出させていただきます。

 それと、15年間の幹事会の中で1つ、ここには出ていませんが、先ほど費用の問題については、国のほうが考えていくという嬉しい発言がありましたので、それは今後とも費用、幹事会のほうで、やはり費用が出せないので十分に活動できないという意見がかなりのあれでありましたので、幹事会に対する費用を是非ともしていただきたいというところです。

 あと、この課題2の各団体がそれぞれやっていることと、この健やか親子の成果の連動性を課題2に参加している団体にどうやってアナウンスしたらいいのかというところが、11月2日のまとめのところでかなりありましたので、次期の健やか親子21の課題になるかと思うのですが、この課題2に参加している全体の団体と幹事会との関連性を少し考えていただきたいというところで、この間の私のまとめとさせていただきます。

○健やか親子21推進協議会会長 永山さん、どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、課題3「小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備」につきまして、日本小児科学会会長の五十嵐様よりお願いいたします。

○日本小児科学会 10ページをご覧いただきたいと思います。私どもの幹事団体は、全国保健所長会以下8団体から構成されております。本年度は、私ども日本小児科学会が担当しておりましたので、私からお話をさせていただきます。

 課題2の幹事団体に比べまして、私どもの幹事会の活動は非常に低調でございまして、年に1度幹事会をやるかやらないかぐらいという感じでこの10年間やってまいりました。最近は、シンポジウムといたしましては、院内学級の普及、在宅医療支援体制を確立するためのシンポジウム、あるいはワクチンで予防できる病気に関する講習会、それから、東日本大震災で被災した子どもの健康を守る講習会あるいはシンポジウム等を開かせていただきました。

11ページをご覧いただきたいと思います。我が国の予防接種の特に定期接種がどういう状況になっているかというのが11ページの下のグラフでおわかりになると思いますが、2010年の欄の一番上のほうに「ロタウイルス」と書いてありまして、ここまで行っているのが欧米先進諸国のワクチンの定期接種の数でありますけれども、日本は、このグラフで描いてありまして、「水痘」と書いてあるのが、今年の10月に水痘が導入されたわけでして、先進諸国に比べるとようやく3分の2ぐらいのレベルまで行ったと御理解いただければいいと思います。すわなち、B型肝炎、ムンプス、インフルエンザ、ロタウイルスは、小児に対しましては定期接種になっていない状況にあるということであります。

 そういうことで、定期接種を増やしていただくための要望書等を厚生労働省その他に出していたり、あるいは同時接種を普及するための活動や、あるいは副反応への制度的対応を迅速化する要望等をさせていただきました。

12ページをご覧ください。乳幼児健診というのは、子どもの発達を評価する上で極めて重要な仕事でありますけれども、なかなかこの健診が標準化されていない。簡単に言いますと、ドクターが自分なりのやり方でやってきたというのが今までの歴史だったと思いますけれども、これに対しまして、健診内容を標準化すべく講習会を昨年から日本小児科学会を中心に開催させていただいています。それから、虐待防止等の活動についても講習会その他でキャンペーンを張っているところであります。

 それから、子どもの安全を守るために必要な、子どもの事故というものが、日本では事故と言いますが、外国ではインジュリー、傷害と言うようになっておりますけれども、この傷害を、どういう具体的な内容があるかを医療関係者に知らしめるための雑誌への掲載、あるいは安全対策を推進するためのさまざまな活動を小児科学会を中心にやっているところであります。

 それから、小児科医会あるいは小児保健協会が一緒にやっている、メディア等から子どもたちの生活を守る活動も、あわせて行っているところであります。

 それから、子どもの死因が、病院の中で亡くなる方はいいのですけれども、救急等で担ぎ込まれて亡くなる子どもたちの死因が明らかにされないまま、言ってみれば放置されているのが日本の現状でありまして、これをチャイルド・デス・レビューと言いますが、先進諸国では、これがきちんと整備されておりまして、そういう制度があることが虐待防止のための防波堤になるわけですけれども、日本ではそれがないということで、今、パイロットスタディーとして、東京、京都、群馬等で行われていますけれども、この調査への協力をしているところであります。

13ページの小児救急体制について、小さな子どもを持つ親御さんたちにとっては、小児救急が十分に整備されていないということが子育ての大きな障害になるわけですけれども、かといって全ての不安に対応できるわけではないということで、親御さんを対象とした電話相談事業が厚生労働省を中心に展開されているわけです。これを「#8000」と言いますけれども、この事業を継続あるいは充実するための講習会等を、実際に担当される方は、医師や看護師さんが中心ですけれども、講習会を実施しています。

 それから、市民への情報伝達ということで、市民公開講座を開いたり、それから、冊子を配布したり、あるいはホームページに、ホームページを見ると、例えば発熱のときには、患者さんがどういう状況にあるかをチェックすると、すぐに病院に行きなさい、あるいは1晩様子を見てもいいというような簡易診断ができるようなシステムも作りまして、ホームページに掲載しているところであります。

13ページの下にありますのは、実際に起きた傷害事例を集めて、そこから製品の改善に向けた取り組みを行っているという一例をあげさせていただきました。後でご覧いただきたいと思います。

14ページには、心の問題も非常に大きな課題ですので、これは小児科医会が中心になってやっておりますが、子どものこころの講習会等を開いておりますが、発達障害を含めまして全ての疾患に対応できるわけではもちろんありませんので、しかし、小児科医の重要な仕事の一つと認識しているところであります。

 それから、小児慢性疾患あるいは難病への対応が来年の1月から変わるわけですけれども、この制度の見直し作業に学会等を中心に協力させていただきました。

 それから、その中で、来年から始まります健やか親子21にもありますが、「自立支援員」という、慢性の疾患を持っている子どもたちが大人になる過程におきまして自立が非常に重要であるので、これを支援するための支援員を養成することが必要と考えまして、これは難病のこども支援全国ネットワークが中心になりまして、小児学会等が協力して、来年2月に開催することになっています。ちょうど今日、パンフレットが配付されておりますので、後でご覧いただきたいと思います。

 それから、小児の慢性疾患が増えて、特に未熟児医療が非常に改善したわけで、超低出生体重児の子どもたちが助かっているわけですが、残念ながら、人工呼吸器を付けたまま生存しているお子さんたちをつくっているという面もございます。そういうわけで、そういう方たち、在宅医療をする方たちが増えていることに対して、国からの支援が高齢者に比べると非常に少ないので、これを何とかしなければいけないということで、社会活動をすると同時に、小児科医自身も、あるいは開業の先生、病院の先生も含めまして、小児在宅医療を行っている親御さんたちへの支援、あるいは実際にどういうことをアドバイスできるかというような講習会も行うようになっております。

 それから、我が国の小児の入院環境の状況は、欧米に比べましてやはり非常によくないことが多いのではないかと思います。特に、子どもたちが過ごす環境が家とはあまりにも違っているということと、それから、子どもたちを支援する人たちが、病院関係者以外、非常に少ないわけです。例えば、ボランティアの方とか、あるいはチャイルド・プレー・セラピストのような専門家の人たちとか、あるいは親御さんを支援する方とか、あるいは心理の先生とか、そういう方たちを整備することが今の保険制度のもとではなかなかできません。しかし、そういうことが本当に必要な状況が、深刻な状況になっていることがありますので、こういうものも改善するような方向に向けて、いろいろ勉強会あるいは講習会などをしているところであります。

 最後に、16ページですけれども、先ほどもちょっと私は御挨拶のときに申し上げましたけれども、何歳までが子どもなのかということを考えたときに、欧米では21歳までは子どもであるということで、小児、思春期を連続して診ていくのだというのが今の欧米での流れなわけですけれども、その中で、小児医療というのは、今まで15歳で切れてしまうというところがありました。現実に、慢性疾患を持って、今度15歳を超えて、あるいは二十を超えて大人になっていく人たちが非常に増えているわけです。例えば先天性心疾患は、重病の場合には亡くなる方が多かったわけですが、特に左心底形成症候群という病気は非常に難病だったわけですが、今、手術を2回やりますと6割の方が成人に到達することができています。つまり病気を持って大人になっている方たちが増えているので、その方たちがいかに健康に過ごせるか、あるいはいかに社会に溶け込んで、セルフエスティームを持って生活することができるかということが重要な課題になっておりまして、そういう大きな問題に対しても、学会を中心に提言をつくったり、あるいは成人の学会と協力して活動しているのが現状であります。

 一番最後のスライドは、慢性疾患を持っている子どもたちが外国では、例えばアメリカでは17%、英国では12%、17歳の時点でいるということがわかっておりますし、日本でも、今、調査しておりますが、中学生のレベルで15%ぐらいはいるというプレリミナリーなデータが今、出ているところであります。先進諸国では、こういう問題が共通した問題になっているということを認識したいと考えています。

 以上です。

○健やか親子21推進協議会会長 五十嵐先生、どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、課題4「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」につきまして、日本小児保健協会の加藤様からお願いいたします。

○(公益社団)日本小児保健協会 第4課題幹事代表、日本小児保健協会健やか親子21推進協議会担当いたしまして、この6月に引き継ぎましたので、約半年やらせていただきました関連から、14年間を振り返って報告させていただきたいと思います。

 第4課題の幹事団体は、ご覧になります児童虐待防止協会を初めとした5団体でございまして、現在4団体となっております。1028日に幹事会を開きまして色々議論をいたしました。幹事会は年に1度、そしてまた、関連団体におきます集会も、年に約1度行ってきております。

 課題は、3本柱を立てまして取り組んでまいりました。1、心の安らかな発達、2、育児不安の軽減、3、虐待防止、この3つの柱に沿いまして活動してまいっております。

 まず、1番目の柱であります心の安らかな発達でございますけれども、これにつきましては、関連団体におきます日常的な活動を行ってまいりました。

 特にその1つの例といたしましてはタッチケア、こちらは、新生児科におきますケアとして発足しておりますけれども、保育所や重症心身障害児施設におきまして、これを応用して取り組んでまいりました。そして、こちらに関します調査研究、広報、個別支援活動も行ってきております。研修活動につきましては、親と子の心の健康づくり中央研修会、こちらは平成22年まで行ってまいりました。デンバー2発達判定法講習会、こちらも毎年行っております。東日本大震災に関連した取り組みといたしまして、専門家派遣・調査研究を行っております。

 2つ目の柱といたしまして、育児不安の軽減~親支援に関してでございます。

 まず、親支援に関しましては、相談者の技能向上のための書籍出版、セミナー開催を行ってまいりました。また、電話相談におきまして、グレーゾーンの親に対する対応ということを、主に虐待防止協会を中心として行ってきております。

 2つ目の柱の2つ目ですけれども、出産後の母親への支援といたしましては、産後サポート、2週間健診、母乳哺育の推進等に関しまして支援を行ってまいりました。

 2-3の育児不安・ストレスでございますが、こちらに関しましても、さまざまなシンポジウムを開催しますほか、専門職の言葉が生じさせる育児不安に関して、さまざまな啓発を行ってまいりました。

 3つ目の柱、虐待防止でございます。

 まず、虐待された子どもに対する対策でございますけれども、こちらに関しまして、調査研究、研修会、マニュアルなどを作成・改訂してきております。

 3-2の早期発見・早期対応でございます。こちらに関しましては、情報共有に努めてまいりました。当初、団体の存在さえ相互に知らぬ状況から始めまして、お互い色々なことがわかってきて、一緒に何ができるかということを議論できました。特に児童福祉部門との連携について議論され、児童相談所におきましても、様々な研修が推進されました。また、歯科の方面から、この虐待予防につきましては、虐待の早期発見等につきましてどのように活動ができるかということについて、開発、研修等が行われました。また、児童虐待予防・防止につきましては、常にハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチを組み合わせて執り行うという観点が必要なために、これらに関する概念整理を行いました。要保護児童対策地域協議会に関しましては、市町村保健師におきます調整などが活発に行われました。さらに、予防のためのグループミーティング、保健所、保健センターにおきますこの取り組みを支援してまいりました。

 児童虐待の防止の続きでございます。20ページに参りますけれども、東日本大震災後、産後うつ、様々なメンタルの問題が起こっておりますけれども、その虐待防止のための活動として関連団体が努力をしてまいりました。そして、児童相談所には保健師さんが配置されていますけれども、その実態につきまして調査が行われ、公表されました。さらに、要保護児童対策地域協議会ですけれども、こちらに小児科医や産婦人科医の参加が必要であるということを要望してまいりました。

 以上が14年間の取り組みの振り返りになりますけれども、今後に向けて幾つか提言させていただきたいと思います。

 まず、この取り組みに関しましては、多くの職種の間で仕事内容を相互理解していかなければなりませんので、それについての取り組みが重要だと思います。そして、取り組みというのは、明瞭で、かつハードルが低いものから始めることが有効であると考えます。例えばオレンジリボンなどというものは、とりあえずそれを所持させ、着用してみるといったシンプルなところで普及啓発が行われるものでございますので、そういったことから取り組んではどうかと議論されております。さらに、全国の子育て支援団体、民間の力を、ネットワークを活用して、これを推進力に巻き込んでいくことが大きな力となるだろうと考えます。

 さらに、妊娠届出から児童虐待を予防していくということは、今般、非常に議論されているところです。入り口でキャッチして、どのように予防していくか、実は検討会などでも議論されているところですけれども、経済困窮、メンタル問題など困難要因は様々に複雑でございますので、それぞれの得意分野とする関連団体と連携していく必要があると考えます。そしてまた、これは、今回の事務局であります母子保健課から通知文がたくさん出ています。ただ、通知が通知に終わらず効果的に運用していくためには、関連団体の努力が必要であると思います。こういった妊娠期から予防していくということは、切れ目ない支援が重要になってきますけれども、しかしながら、制度上は縦割りである部分が多いので、どうしても切れ目が出てくるきらいはあると思いますけれども、こちらを関連団体の連携と協働でつなげていって、こういった切れ目をなくして、活動としてシームレスに運用していかなければならないと議論されました。

 以上でございます。御清聴ありがとうございます。

○健やか親子21推進協議会会長 加藤さん、どうもありがとうございました。

 これで4つの課題につきまして14年間の活動を4つの幹事会から御報告していただいたわけでございます。この4つの活動報告につきまして、御質問、御意見、また、さらに来年4月からの2次計画にどのように反映させていったらいいかというような点も含めまして、御意見、御発言がございましたら挙手をお願いいたしたいと思います。

 もし発言される場合は、事務局がマイクをお持ちしますので、団体名をおっしゃっていただきまして御発言いただきたいと思います。

 どなたからでも結構でございます。いかがでしょうか。

 手が挙がらないようでございますが、まず、では、柳澤先生、今4つ聞かれて、何かご感想なりいかがでしょうか。何かありましたら。

○健やか親子21推進協議会副会長 4つの幹事団体のそのまた代表からの御報告をいただいたわけですけれども、これは毎回のこの協議会で感じることなのですが、それぞれの課題の幹事団体は、それなりにお集まりになって、ディスカッションした上でこういうところでも報告をされる。しかし、1つのそれぞれの課題について、それを担当している団体の数はもっとずっと多かったと思うのですね。20とか30とか。その多くの団体と幹事団体との間の連絡といったことがどうも感じられないように思っていたので、その点について、各課題の幹事団体としては、幹事団体になっていない他の団体との連携あるいは連絡、ディスカッションというものをどのように考えて、どのようにされてきたか、また、そういう点を第2次においてはどのように改善していくか、その辺のところに、もしどなたか答えていただければというか、お考えをいただければと思います。それは、僕としての本当の感想なのですけれども。

○(一般社団)日本児童青年精神医学会 それでは、課題1からお答えさせていただきますが、非常に痛いところをつかれた御質問で、おっしゃるとおり、そこが一番問題なのですね。幹事会は、確かに年間5回のペースで課題1は開き続けてまいりましたし、その中ではかなり活発な議論も行われましたけれども、それを、それでは参加数十団体にどう広報し、また、活動に巻き込んでいくことができるかというのは、ついに議論だけで終わってしまいまして、あとは会費を納めていただく御連絡を差し上げるときに連絡をしているような点が多々ありました。

 ただ、公開講座のときには、やはりそれらの団体を通じて広報をするということもかなりやりましたので、そちらから参加を呼びかけていただいたりはしていたと思います。今後の課題ですが、やはり少し予算の問題も会が大きくなりますとありますので、そのあたりも含めて検討課題かと思います。

○(一般社団)日本母乳の会 課題2の幹事会ですが、実は、幹事会の世話人を最初の10年間は日本母乳の会が担当しました。当時任意団体で、ボランティア団体で、経済規模の一番小さな団体が、全体会議の郵送の費用から全て持ってやりました。4回ぐらいは全体会議をやったのですが、最後のほうは、呼びかけをしても、ほんの数団体しか来られないというところ、内容が悪かったのかもしれないのですが、それで、幹事会の中で、何のための全体会なのかというような議論も出ました。

 先ほども私、お話をしましたけれども、幹事会と全体会をどういう風に有機的に結びつけていくのか、それは、例えば今、課題1の方で、そのようなシンポジウムみたいなものをやる、そのためには費用がないという話になりまして、特に課題2の場合は、団体が、私たちのように任意団体、民間団体と産科婦人科団体という、かなり幅の広い団体だったので、全体に呼びかけてシンポジウムを開こうという話も何回かは幹事会の中で出たのですが、費用の問題と内容のすり合わせがなかなかできないところがありまして、これは、私もずっと担当しておりまして、全体会議と幹事会の有機的な連合はどうしたらいいのかというのは、厚生労働省の方にも何回も御相談したりしたのですが、やはり今後の2次に向けて大きな課題だと思います。

○健やか親子21推進協議会会長 お願いします。

○日本小児科学会 課題3といたしましては、毎年、幹事会の代表がかわるということで、責任の所在がどうも明確ではなかったということと、それから、理由はわかりませんが、幹事会を呼びかけても、例えば今年度は8団体のうち5団体が御出席いただいただけで、3団体は欠席だということで、どうも14年目を迎えて、最初の意気込みがなくなってきたというか減衰してきたというような感じがしています。

 今後は、もし幹事会をやるにしても、課題ごとの代表はもうフィックスにするとか、あるいはメーリングリストを有効に使うとか、そういうこともこれからは考えていくことが必要ではないかと考えています。

○健やか親子21推進協議会会長 課題4のほうはいかがでしょうか。

○(公益社団)日本小児保健協会 今まで出たことと大変似ているのですけれども、幹事会を行いまして、情報交換は大変有益ではありましたけれども、単に情報交換だけというのでは目的が定まらないということで、何か、どのような活動をしていくかという議論に絞ったほうがいいというような感じがあります。

 費用ですけれども、やはり幹事団体で遠方のところがありまして、実は、今年度、費用面で参加できませんでした。大変残念なことでありまして、予算的な措置を何かできることがありましたら、ぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 それでは、非常に勝手でございますが、きょうはオブザーバーで参加されている先生方に、この報告を受けた感想を松谷さん、奥山さん、神尾さん、1人1~2分程度で簡潔にできたらコメントいただければと思うのですが。

○国立保健医療科学院 今、課題別のそれぞれの御活動の御報告を聞きました。特に幹事になったところは、大変な御努力というか御苦労いただいたのだと思います。今、お話を伺いますと、年ごとに持ち回りでやっているところがほとんどだったように思いますけれども、運営の方法については、それぞれの入っている団体の事情があるでしょうから、それによって持ち回りでやる、あるいは特定の幾つかのところ、あるいは1つのところが中心になってやるという、それは話し合いで決められることではないかと思います。

 それから、中身については、それぞれの団体がやっていることの取りまとめという意味も一方でありますけれども、1つは、この健やか親子21で設定された全体としての国の健やかな親子を今後どういう風にしていくかという課題と方向というものが、その中で検討されて出されたわけですので、それに向けてどうするかというところ、それに向けてのそれぞれの団体での課題というか問題の抽出と、できることは何か、あるいはできないことは何かというような進め方が本来は必要なのだと。ただ、それぞれの団体は、自分の目的があってそれぞれ活動していますので、それが中心になるのはもちろんなのですけれども、その中で、その1割か2割の力をほかの団体との協議、そして、この健やか親子21の方向に、自分たちの団体としてはどこにこうできるのかというようなことに力を割く、そういうことの協議の場ということではないかと思います。

 こういうことでよろしいのかどうか、ちょっとわかりませんが。

○健やか親子21推進協議会会長 それでは、奥山さん、ひとつお願いいたします。

○(独法)国立成育医療研究センター 皆様、本当に御苦労さまでしたという感じで、80%も目標が達成されたというのはすごいことだと思うのですけれども、どのぐらい、何が効いてこうなったのかなというのが、ちょっと疑問が湧いてきています。そういうことがもう少しわかると、さらに一体何をしたらいいのだろうかということがわかってくるのかなという気もしているのですけれども、この健やか親子21の活動体全体としてということ以上に、個々の団体あるいは個々の団体に所属している個人が、物すごくこのことに全て努力をした結果がここにあらわれているのだと思うので、それ自体すばらしいことだと思います。

 今後のことに関しては、やはりつながっていくということが、どこかキーワードになるのかなと思って聞かせていただきました。いろいろな団体が何をしているのかを知ったり、お互いに、では、ここはちょっぴり協力しましょうみたいなつながりもあるでしょうし、それから、先ほど最初のほうで出てきたような、ライフサイクルとしてつながった形で支援をしていくというような形で、つなぐということがキーワードに今後なっていくのではないかとお話を伺いました。

 特に、先ほどのお話をずっと伺っていても、妊娠期から子どもの時期というのがかなりつながってきたようには思います。いろいろな子どもの、例えば虐待の問題、虐待死の問題を考えていくと、妊娠期に問題が大きいのだということもわかってきて、そして、妊娠期からの支援が必要だ、そして、妊娠期から、子どもが育てにくいなと思ったら、その先を見ていかなければならないというお話も出たと思うのですけれども、私自身がちょっと気になっているのは、子どもが親になるところが何かすぽんと抜けているなという、私自身が成育医療というリプロダクションサイクルにかかわる医療に関係しているせいもあるかもしれませんけれども、やはり児童福祉法の18歳までの壁というものがあって、その先が、親になるときに一体どうつながっていくのだろうかという、そこの部分がかなり抜け落ちてしまっている部分があるかなというのが、ちょっと気になっています。これは第2次というより、このさらに10年後の第3次の課題なのかもしれませんけれども、やはりそこら辺も少し見据えて、この子たちが親になるというところを見据えて考えていくことも必要なのかなと思いました。

 感想でございます。ありがとうございます。

○健やか親子21推進協議会会長 それでは、神尾さん、お願いいたします。

○(独法)国立精神・神経医療研究センター たくさんの御報告ありがとうございました。まず、すばらしいなと思ったことですけれども、さまざまな領域の専門家集団の方たちが、様々な方向を向いて、国民に向けたり、専門家に向けたり、または政府に向けたり、色々な活動をなさっていらっしゃった。でも、それがたった一つの目的、子どもが将来、健やかに育つ社会のためというものであることを確認できたという意味で、すばらしい集まりというか活動、プロジェクト全体だと思いました。

 それと同時に、やはり難しいなと思いましたのは、参加される方の御専門がたくさんあり過ぎてということはないのですけれども、網羅されているのですが、指標の選び方も、非常にエンドポイントに近いものから、スタートになるもの、例えば低出生体重児の増加というのは、そこから、では、どうするかということの指標でしょうし、自殺率というのは、もちろんそれは究極の問題で、本来であれば、その前に何か指標をとるべきだと思います。そういったことが、何か一見したところ矛盾するようなものになったり、非常にそこは取り込み方が難しいなと思いました。

 それで、一つだけ私が感じたことなのですが、先ほどから予算の問題も出てきていまして、やはり専門家の人材育成とか制度というものはコストがかかり時間もかかるものは、多分この健やか親子というのは国民運動だということが最初から掲げられているので、やはり高コストなものの分担すべき、もちろん重複はされているでしょうけれども、同時に、やはり国民に向けた活動が全ての課題に共通であるべきなのかと思うのですね。

 そして、いろいろな御報告がありました。ただ、それについては、恐らく難しいのは、結論が1つではなくて、それは、学問的な意味でも結論が難しいというだけでなく、国民とのコンセンサスという意味で非常に難しい問題が、特に育児というのは大きいのだと思うのです。非常に特殊なハイリスクの人対象ではなく、全ての社会という意味で、何か一つ正しいものがあるわけでは絶対ないと思われますし、多様性という言葉も見られましたように、個人のスキルを上げるのではなくて、社会とか地域の何か力を上げると考えたときに、余りにもピンポイントの指標に焦点を絞ると、ちょっと目的がまた見えにくくなったりするということを考えると、到達目標というよりも、これらの問題に国民をどれだけ巻き込んで対話するかとか議論するか、専門家から何かすばらしいものをおろしますというだけではなく、双方向的な議論をもっと巻き起こして、主体的という言葉もいろいろありますけれども、国民の主体的な取り組みをもう少し見えるようにしていくと、全ての課題に共通したものが見えるのではないかと思いました。

○健やか親子21推進協議会会長 神尾さん、どうもありがとうございました。

 今、大変貴重なコメントではなかったかと思います。国民運動としてどう考えていくかというのが一番基本の課題だと思いますが、そういう観点で、引き続き、またこの後のディスカッションなり、第2次計画をどうしていくかという形でひとつ御議論いただきたいと思います。

 それでは、議題(1)をこの辺で終了させていただきまして、引き続き、次に、議題(4)「『健やか親子21(第2次)』推進体制について」の議題に移らせていただきたいと思います。

 それでは、事務局から、資料4の健やか親子21(第2次)推進体制の案の説明をお願いいたします。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 資料4をお手元に御用意ください。

 資料4の6ページをお開きください。6ページの上段に「健やか親子21(第2次)」推進体制のイメージをつけさせていただいております。

 現状と課題につきましては、これまで御指摘いただいた内容を踏まえた課題を整理させていただいているところで、1としまして、広く国民に認知されているとは言いがたい点、また、2として、参加団体が地方公共団体やまた関係団体に限られていること、3として、協議会の中でいろいろな御意見がございましたが、課題ごとであったりとか、幹事会とそれ以外の団体との連携が十分ではないのではないかというような問題意識を持っているところでございます。

 それに対する対策といたしまして、右になりますが、1として、さらに認知度を高めるために、多様なメディアを活用した多面的なアプローチを強化していきたいこと、2として、これまでの参加団体の中に含まれておりませんでした民間企業といったものの参画を促せるような取り組みを行っていきたいこと、3として、推進協議会を構成いただいている関係団体相互の連携でありますとか、協働した活動がよりやりやすくなるような体制をつくっていきたいと考えておりまして、そのイメージ図として、下にありますように、より多くの関係団体を巻き込むアプローチでありますとか民間企業との連携といったものを行っていきたいと考えております。

 進めるに当たりまして、下の絵になりますが、まず、本年度ですが、本日御議論いただいております新たな体制づくりの検討の内容等も踏まえますこととともに、現在、平成27年度の概算要求の中におきまして、健やか親子21の活動を推進していくための予算を要求しているところです。当然ながら、まだ予算の要求段階ですので、確保された暁には、平成27年度からの活動として、メディアを活用した認知度を上げるための広報戦略でありますとか、ウエブサイトコンテンツ等の制作、また、当事者であります母子の方々の参画を促すような交流の場をつくっていくですとか、各自治体、各団体で取り組んでいただいております先進事例をさらに収集、発信していくこと、また、関係機関間でのイベントの企画、情報交換といったものに取り組んでいけたらと考えております。

 また、そういった活動を進めるに当たりまして、推進するためのチームも創設して、さらに活動を盛り上げていきたいと考えているところでございます。

 続きまして、7ページをお開きください。第2次の推進に当たりまして、事前に本日の総会に参画いただいております協議会の参加団体に意向調査をさせていただいております。1128日時点の集計結果になっております。

 まず、1つ目としまして、今後、推進協議会への参加を御希望されますかというところで、引き続き参加したいという御回答をいただいておりますのが74団体、脱退の御意向をお示しいただいたのが2団体、検討中というのが5団体ございます。その他、具体的な記載事項に関しましては、記載されている内容を御確認いただければと思います。

 もう1ページお開きください。推進協議会の参加形態についてですが、現在の第1次の活動につきましては、課題ごと、1~4それぞれにどの課題に近い活動をしたいかという御意向を踏まえ課題ごとの活動をしていただいているところでございますが、今後の参加形態としてどういう形が望ましいかというところで、事務局で幾つか選択肢を用意させていただいております。

 1つ目が、現状と近い形ではございますが、課題ごとに活動する。2つ目として、数年間、例えば2年から3年ごとに強化のテーマを決めて、その強化テーマに沿った活動をしていく。3つ目としては、一緒に活動したい団体で声をかけ合って、自主的に活動する。4つ目としては、各個別の団体の活動にゆだねるというような選択肢を設けましたところ、現状に近い形ですが、1つ目にあります課題ごとに分かれて活動するという形がいいのではないかと御回答いただいたところが43団体になります。

 その他の具体的記載欄のところですが、4つ目にありますように、具体的な活動内容が固まらないとなかなか判断できない。基本的には自由度が高いほうがいいと。5つ目としまして、医療分野のみではなくて、保健福祉分野の団体との連携が重要であること。その次に、団体ごとの事業特性を生かし、第2次の指標及び目標に対しての効果的な活動を決めていくのがいいのではないか。また、その下でございますが、日ごろの活動は、活動内容に個別または賛同する幾つかの団体とともに、年に1回から数回程度会合を持って意見交換ができればいいこと。最後に関しましては、法人の状況によって、なかなか活動を起こすのが困難なため、既存の事業を絡める形の参加も認めてもらいたいといった御意見をいただいております。

 資料の説明につきましては以上になります。

○健やか親子21推進協議会会長 ただいま事務局から第2次計画の考え方について御説明いただきました。説明にありましたように、引き続き参加したいというところが多いということ、課題ごとにという回答数が圧倒的に多かったということでございます。

 したがいまして、これからの推進体制について、今日御出席の各団体からご質問なり御意見がございましたら、ぜひ御発言いただきたいと思います。御意見を発表される方には、挙手していただきますと、担当者がマイクを持ってまいりますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。

○日本タッチケア協会 日本タッチケア協会の堀内と申します。

 この最初の図の中に「民間企業等との連携と協働」と書いてあるのですが、具体的にはどういうことをお考えなのでしょうか。逆に言うと、子どもたちの健康を守る上で、経済の原理が進入したために親子関係が崩れてしまう、例えばスマホで子育てなんていうのがありますけれども、そんなものの背景が企業の中にはあるわけですね。それをどういう風に選定して、どういう風に評価して、そしてどういう協力をとろうというのを基本的に考えていらっしゃるのかちょっとお聞かせ願えないかと。極めて危険でもあると僕は思いますので、ぜひ、どういうことを想定しているのかをお聞かせ願いたいと思います。

○健やか親子21推進協議会会長 では、お願いします。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 お手元の資料の4ページをお開きください。現行の健康日本21におきまして、スマートライフ・プロジェクトという形で、民間団体に健康日本21の趣旨等に賛同いただける活動をいただけるというところで任意に参加いただいているところでございまして、こちらにおきまして、現在2,300ほどの団体が参画いただいているところでございます。健康日本21は、御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、いわゆるメタボリックシンドロームでありますとか生活習慣病対策という観点に基づきまして、それに対する活動、対策というものを進めている活動でございます。

 上になりますが、健やか親子21におきましても、こういったスマートライフ・プロジェクトといったものを参考にさせていただきながら、原則は、やはり健やか親子21の趣旨に賛同いただける企業の方々に御参画いただくことを念頭に置いております。その活動内容につきましては、今後、御議論いただきたいところではございますが、課題ごとに活動する際に、企業とコラボするのか、もしくはそれ以外の方法があり得るのかという点も含めて御意見をいただきながらやっていければと考えておりまして、あくまでも健やか親子21の趣旨、第2次の目標を達成するための活動に協力いただけるというところで御理解いただける企業に御参画いただければと考えております。

○健やか親子21推進協議会会長 手をあげてきた企業に対して、参加したいということに対して、例えば、イエス・ノーを言うことができるのかどうか。そのイエス・ノーを言うとしたら誰が言うのか、そのあたりは今後の検討課題と考えてよろしいでしょうか。

○母子保健課長補佐 現在、どういう基準でどうという具体的なところは、まだ事務局では案がないところでございます。

○日本タッチケア協会 なぜこんなことを言うかというと、健やか親子のマークをつけるということは、やはり企業イメージのアップになるのですね。そして、それがこの協議会が、このものについて保証するという意味をどうしても民間の方たちは持ちかねないものですから、余程気をつけないと、とんでもないことが起きてくるのではないかとちょっと危惧するものですから、発言させていただきました。

 どうもありがとうございます。

○健やか親子21推進協議会会長 その他いかがでしょうか。どうぞ。

○(NPO)難病のこども支援全国ネットワーク 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。

 先ほどの各幹事会からの発表、それから柳澤先生からも、幹事団体とそうではない団体との連携が課題だという御指摘をいただいたのですけれども、この図の中に推進チームというものを新たに設置して、「機動的で中核的な役割を担う」と書かれているのですけれども、これは具体的にどういう形で設置をして、どういう形で運営することを考えているのか、今わかっている時点で結構ですので教えていただきたいと思います。

○健やか親子21推進協議会会長 では、お願いします。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 先ほどの4ページの際に、推進協議会が左にありまして、民間団体を含めましたプロジェクトのグループを大きく2つに分けているところでございますが、この2つの中から、推進するための代表となるようなメンバーを選出しまして推進チームを構成することを考えております。

 具体的には、推進協議会は、今の85団体を中心に構成いただいて、このプロジェクトには民間団体を中心に構成いただきたいと考えております。その2つで、では、今後どう10年、もしくは1年目から2年目という年限を限った場合に、どのようなプロジェクトでやっていくかというところをこの推進チームで構成していきたいと考えているところまでは、事務局で考えているところでございます。

○健やか親子21推進協議会会長 よろしいでしょうか。

○(NPO)難病のこども支援全国ネットワーク ということは、役所のほうの事務局的な機能をもう少し拡大するというか広げるというか、そういった形ではないということですか。

○母子保健課長補佐 今、考えておりますのは、右の四角にありますように、事務局の機能に関しましても、できますれば民間企業等に委託した上でやっていければと考えているところでございます。

○健やか親子21推進協議会会長 よろしいでしょうか。

 では、その他。どうぞ。

○(一般社団)日本母乳の会 日本母乳の会の永山ですが、先ほどの話の民間企業の参加というところで、これは、例えば民間企業は寄附をするとか費用を負担するとか、そういうことが発生するのでしょうか。「育児関連企業、雑誌、育児用品メーカー、製薬企業」とかここに書かれていますが、そういう参加する団体が、寄附をしたりとか、そこが費用負担をするとかと。

○健やか親子21推進協議会会長 いかがでしょうか。

○母子保健課長補佐 現時点で寄附とか費用負担ということはイメージしておりません。

○健やか親子21推進協議会会長 よろしいですか。

 では、どうぞ。

FOUR WINDS乳幼児精神保健学会 FOUR WINDS乳幼児精神保健学会の渡邊久子です。

 私は、検討委員の段階から入らせていただいて、継続して全国で皆さんが頑張っていることに大変敬意と、それから感慨を覚えるのですけれども、1つ、私は今回の東日本大震災のときに、日本人の持っている「お互いさま」という私たちの血や肉になっている精神があるにもかかわらず、全体の子どもをやはり幸せにしていく、子どもの笑顔を取り戻していくスピードが遅過ぎると思います。

 例えば、小児性愛者の問題は、欧米はもう30年前に小児性愛者をきちっと取り締まるという法律ができているのですね。3040年前に。そして、今、本当に頑張っているのは、警視庁の犯罪被害課の女性たちです。女性たちが、その人たちを、痴漢の被害者たちを受けとめている。

 それから、もう一方で、家族機能不全の進行は本当にひどくなっています。それは、とりもなおさず私どもの高度経済成長の中で、競争主義で育てた、育った子どもたちが親になって、育児ができない、そして、育児というよりも、ごちゃごちゃの家族機能不全の中で、ドメスティックバイオレンスが物すごい形です。

 ですから、私どもは日々、本当にエリートの父親たちにストーキングされたり、罵倒されたり、家庭裁判所でつるし上げられて、それでも子どもを守れないわけですね。だから、やはり日本の現場というものを、現場の当事者の方たちの声がもっと反映するようなつながりを持っていただきたいのですね。

 例えば、東日本大震災の岩手県とか宮城県、福島県の、この方たち3人が一緒になってケースを話したのは、2週間前に福島県の郡山市で会があったのですけれども、そこに持っていくまでに、例えば宮古市の支援者たちは、とても語れない、わかるわけないしという形で、継続してきちっと。

○健やか親子21推進協議会会長 ちょっと申し訳ありませんが、簡潔にひとつお願いいたします。

FOUR WINDS乳幼児精神保健学会 はい。1つ申し上げるのだったら、子どもの政策をきちっと継続性のあるベースを国民は、市民は、中央政府にやっていただきたい。ですから、子どものデータというものが、基礎データというものがなかったり、あるいは流産や死産に関しても、部署が違うと、もうデータの出方が千差万別になってしまう。そこら辺の統一をして、そして、被災に遭った子どもたちの10年後、20年後を追っていくというような、あるいは神戸で生まれた子どもたちが、今どれほど思春期に荒れているかとか、そういった継続性のある国民全体を見ていくということをやっていかないと、やはり私は、子どもの笑顔は消えていると思いますし、子どもがどれほど苦しんでいるかという現場感覚をもっと私どもはすくい上げていただきたいと思います。

○健やか親子21推進協議会会長 ありがとうございました。

 まだあろうかと思いますが、次のステップにちょっと進ませていただきたいと思います。

 今後の推進協議会の参加形態につきまして、先ほど事務局から御説明がありましたように事前の調査結果が示されておりますが、今日この第2次計画でどういう形で進めていくかということにつきまして、今日出席いただいております団体同士で15分程度ディスカッションをしていただけたらと考えているわけでございます。そして、座席の配置もグループで構成されていますので、グループに分かれてディスカッションをしていただき、後ほどグループごとに発表していただきたいと思います。

 それでは、第2次計画においては、課題ごとにそれぞれある程度共通した団体が集まって取り組んでいくというようなことが示されておりますので、今日は、まずその第1段階といたしまして、今日出席している団体同士で、今後そういうやり方でやっていくことについての考え方なり具体的にどうやっていったらいいかあたりを、短時間でございますが少し御議論いただきたいと思います。

 2つテーマがございまして、1つ目は、推進協議会の今後の活動形態についてでございます。これについては、本日の総会で決定したいと思います。

 2つ目は、推進体制全般についてでございますが、これは、事務局での今後の検討材料にさせていただきたいということでございます。そして、テーマは3つでございまして、事前に事務局から提示があり、各団体であらかじめ御検討いただいていることと思いますので、それをもとに意見交換をしていただけたらと思います。

 それでは、ひとつよろしくお願いいたします。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 事前の配付資料の中のグループ編成でグループAからグループHまでグループを分けさせていただいております。それぞれのグループAからグループHの近い形で今、座席を構成させていただいておりますので、多くのグループは、前にいらっしゃる方と後ろに座っていらっしゃる方でグループが1つになるかと思いますので、前を向かれている方、前列にいらっしゃる方が後ろを向くような形でグループを構成いただければと思います。

 各グループにリーダーをお願いしているところでございまして、グループAが母子保健推進会議、グループBが母子衛生研究会、グループCが日本小児看護学会、グループDが全国保健師長会、グループEが日本家族計画協会、グループFが難病のこども支援全国ネットワーク、グループGが日本産科婦人科学会、グループHが日本歯科医師会様にグループの代表をお願いしているところでございまして、それぞれでディスカッションをお願いできればと思います。

 4時から4時5分ごろまでを一つの時間の目安としまして、ディスカッションをお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

(A~Hグループに分かれてディスカッション)

 

○母子保健課長補佐 それでは、座席を元の配置にお戻しをお願いいたします。

○健やか親子21推進協議会会長 それでは、これから各グループでディスカッションされた内容をグループごとに御発表いただきたいと思います。一応目途といたしましては1グループ3分程度ということでひとつお願いいたしたいと思いますが、まことに恐縮でございますが、グループAからお願いいたしたいと思います。

 それで、今後の協議会の活動形態について、それから、2つ目は推進体制全般、3つ目は、事前に事務局から御提示があって、各団体であらかじめ御検討いただいたテーマということでございますが、そのあたりを総括して御発表をお願いいたしたいと思います。

 それでは、グループAから、ひとつよろしくお願いいたします。

○(公益社団)母子保健推進会議 私は、母子保健推進会議というところの会長をしております小児科医の巷野と申します。今までも会議で、欠席したことも多かったのですけれども、出席するたびに勉強して帰っております。

 実は、私は昨日、こういうことを書いてくるようにということを夕方知りまして、他の方々とちょっと相談もしないで、何か書いていかなければいけないというので、私の独断と偏見で書かせていただいたことだけ説明させていただきます。

 この会は、先ほどからお話がございますとおり、各領域の方々がたくさん集まって、これで全てだろうと思うくらい職種も技術も集まっているわけですから、ここで相談すれば最後のところは出るわけでございますけれども、私は、単純に考えまして、健やか親子21というのは、この会の名前でございます。「親子」という言葉が出ているのです。私は小児科医で、特に小児保健に興味を持って親子の相談に乗ったりすることが多いのですけれども、親と子の関係がこの会ではどこにも出てこないのです。親がいる、子どもの声から言えば、子どもは「ママ、パパ」と言っているわけですね。

 今日は、そこに文章をちょっと書いたのですけれども、私は一般の動物、哺乳動物というのは、生まれた子どもは全部独立してしまうのですね。お腹がすけば、自分で這いながら餌を探しますけれども、人間は、生まれた段階で何もできない。空腹になっても、ただ泣くだけ。ですから、そこに誰か大人が必要なんです。子どもが泣けば、身近な母親がそばで、「ああ、おなかがすいたかな」と自分のおっぱいを飲ませるし、おむつは取りかえるし、全て親がやって、そこから親子が出発して子どもは発育してまいりますが、まだまだゼロ歳、1歳、2歳というのは、人間の赤ちゃんは、自分のことを何も知りません。自分がわかるようになるのは、大人への出発は3歳、4歳です。その前の生まれてからゼロ、1、2歳という非常に未熟なときには、誰かがもう24時間手をかけないと生きていけません。それが子育て、育児ということになるわけでございますけれども、そのとき最も真剣になってできるのは母親だと思います。

 長くなりましたが、結論で申し上げますと、今、母親は外に出て働くという方が非常に多いわけでございますけれども、子どもが病気になると、もちろん入院して治療を受けるにしても、軽い病気ですと保育園でも預かります。それを何と言うかというと「病児保育」と言う。赤ちゃんにとって失礼な名前です。病児を保育する。病児は治療するのです。入院するときには患者になって入院するわけですけれども、ほんのちょっとした風邪などのときには保育園が預かる、親は働きに出る。ほんのちょっとの風邪でも、子どもにとってはこんな寂しいことはない。ほんのちょっとのときでも、子どもが具合が悪いときには親がやってほしい。今では、保育所は11時間、小さな赤ちゃんを預かっております。そんなことから、私は、病児保育というのは、子どもと親を離してしまう大きな罪悪ではないかと思っております。

 そんなことから、私も大学で教育したときの教え子が何人か、アメリカなどで生活している者がおります。数年前だったでしょうか、病児保育ということで小児科でも検討したことがあったときに、どうもその言葉が気に入らないので、アメリカに行っている知人、教え子だったのですが、そこへ電話をしました。「病児保育というのを知っているか」と言ったら、知らない。

○健やか親子21推進協議会会長 申し訳ございませんが、簡潔にひとつお願いいたします。

○(公益社団)母子保健推進会議 では、簡単に言います。日本ではこうやって病気のときに預かるけれどもと言ったら、アメリカでは、子どもがちょっとでも病気、具合が良くないと、これは州によって違うと思いますけれども、1時間以内に親が迎えに来ると言う。そして、家に帰って病児を親が看るということですね。親と子どもというものは非常に強い力で結ばれていて、世間もそれに協力している。そんなことから、子どもは、それこそごく健やかに育っていくのではないかと思うのです。

 そんなことから、病気のときに、今回はたくさんの立場の方がいらっしゃるのですが、子どもが病気のときに親子とどう接したらいいか各方面から知恵を出していただきたいと思います。

 以上でございます。

○健やか親子21推進協議会会長 ありがとうございました。

 それでは、続きましてグループBから発表をお願いいたします。

○(公益財団)母子衛生研究会 グループBを代表しまして、母子衛生研究会の瀧澤と申します。私どもは民間の団体でございまして、日ごろの活動は、今日御出席いただいている先生方の御指導に基づいて活動させていただいている団体でございます。

 それでは、Bグループの発表をさせていただきます。

 1の活動を盛り上げるというところですが、ここは、健康日本21との比較といいますか、どうしても健やか親子21については、ちょっと弱い。弱いところは、健康日本21はスローガンがある、親子のほうは特にない。あと、もう一つは、健康日本21の方は法律で定められていますが、親子の方は、特に通知のみというところがあるというところが出ました。それとあと、先ほどから出ております予算というところがどうしてもございまして、なかなか幹事団体で幹事会を開いたときにも、その辺の予算の問題ですとか、あと、もう一つ、事務局との連絡の、何と言うのでしょうか、言われての開催ということが多かったものですから、1つは、事務局ももう少し中心になって色々活動に加わっていただけるように、今後ちょっと御検討いただければありがたいと思っております。

 あと、盛り上げる方法の一つとして、各団体のホームページがございますので、2次の指標、目標についての概要をそこで取り上げるとかというのも一つの方法かと考えております。

 次に、2のほうですが、民間団体との協働の取り組みというところでございますが、先ほどもお話にあったように、企業との関わりとかという問題もあるかと思いますので、その辺は、ガイドラインを設けるとか、その辺のところは明確にして御協力いただけるところのふるいにかけるというのでしょうか、そういった方法も一つのやり方ではないかと思っております。

 3の参加団体の相互連携につきましては、先ほどのように、事務局を中心として音頭をとっていただくような、声をかけていただくというのでしょうか、そういうやり方で、あと、各団体の活動の目的があるものですから、その目的に沿った、今回の2次の課題、目標を当てはめていけば、個別というのでしょうか、また、推進のそういう会の中で、特徴ある活動になるのではないかと考えております。

 以上でございます。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、グループCから御発表をお願いいたします。

○(一般社団)日本小児看護学会 グループCでは、まず最初に、この健やか親子21に対する根本的な問題提起がございまして、先日、ニュースでも報道されたように、世田谷区の幼稚園を設立しようとしたときに、地域で大きな反対に遭ったということが話題にあがりました。それを受けて、一体この健やか親子21の国民運動は何だったのかということの議論をいたしておりました。

 ここに大きな問題がありまして、社会全体を動かしていかなければならないのに、今までそうではなかったという反省も含め、今後どうしていったらいいのかということを話し合っていく必要があると考えています。そのためには、社会全体に向けたプロモーションが大事なのですが、今までの方法では無理があるということで、1つ要望としましては、厚生労働省に予算化していただきたい。各団体が個々にシンポジウムとかをしていっても、それでは足りず、例えば公共に大きなCMを流すとか、とにかく国民全体が知ることができるような方法をとるということを推し進めていただきたいと思っています。

 そのための提案の一つとして、広報を一般の企業のプロに任せるとか、そういう方法もとっていただきたく思っています。このCグループで話し合われました、例えば、そういったプロに頼むような広報のほか、企業には、財団化していただいて、いろいろなプロジェクトに対する助成をしていただくとか、そういう方法もあるのではないかと出ました。

 また、最後に、この参加団体全体の連携をとるという意味では、提案として、同じ方向を持つようなグループでまずグルーピングをするということです。ある課題グループの中では、個々の興味・関心はあるのだけれども、それを一つの同じ方向に向かったテーマで進めていくことが大変難しかったこともありましたので、推進チームまたは協議団体の代表者が集まるようなところで、少し大きなテーマを決めて、そこに参加するという方法もあるのではないかということも考えております。御検討いただければと思います。

 よろしくお願いします。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 それでは、グループDからお願いいたします。

○全国保健師長会 全国保健師長会の加藤です。Dグループの発表をしたいと思います。

 Dグループでは、先ほど事務局から説明がございました現状と課題というところを読み返すところから、こちらの3つのことを話し合いました。結論ですが、「健やか親子21月間」というものをつくってはどうかということです。例えば、エイズでしたらレッドリボンで何月、児童虐待の防止月間ですと11月ですのでオレンジリボン、こういった色と、あと、月間ということを絞ることで広く国民に伝わるのではないかということを考えました。年に1回では不足なのではないかと思いまして、「健やか親子21週間」というものをつくったりですとか、それでも足りなければ、毎月21日を「健やか親子の日」にする、こうやって日にちを絞ることで、認知度も高まりますし、協力する企業も協力しやすいのではないかと考えました。なので、こちらのテーマの一つ、1番、2番に重なってしまうのですけれども、こういったキャンペーンを展開することで、盛り上がり、幅広い世代に周知されるのではないかということです。

 例えばですけれども、東京タワーですとかスカイツリーですとか、シンボリックな建物を緑色にライトアップすること。一方的にこちらがするのではなくて、国民ですとか住民がとにかく参加できるように、思春期が参加しやすいような、LINEのスタンプのデザインを一般公募するとか、本当にみんなが参加して盛り上がっていけたらいいなというようなことで話し合いました。

 なので、3つ目の参加団体相互の連携強化にもつながるのですが、こうした日にちや月間が決まっていますと、このときに合わせて、それぞれの企業ですとか団体が、テーマを持って報告会ですとか検討会も開催しやすいのではないかということでまとまりました。

 以上です。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、グループEからお願いいたします。

○(一般社団)日本家族計画協会 日本家族計画協会の櫻田でございます。

 短い時間ではありましたけれども、1、2、3の課題について少しずつ意見を述べさせていただきました。

 1の活動を盛り上げるという意味では、健やか親子21事務局としてというか、現場の活動を吸い上げるものが今ないものですから、そういったものをもっと積極的に行ってはどうだろうかと。そういったものを発表する場があると思うのですが、例えば、今後、機関紙などをつくってくれれば、各団体がイベントとか研修会のときに配るのもいいかなと。これは予算のこともあるのでしょうが、そういったことで活動を盛り上げることはどうだろうかと。今はもう数値を知らしめるだけなので、そういった現場レベルの活動をつなげたらどうかというようなことも出ました。

 それと、民間団体との協働ということでございましたけれども、先ほどから出ております、民間団体とは一般企業のこと、この意図をしっかり明確にして取り組んだほうがよろしいのではないかということでございました。色々な考えがしっかりしていませんと、変な方向に行って、事務局、我々が意図していない方向で進んで行ってはまずいだろうということで、意図を明確にしてほしいという意見が出ました。

 参加団体の相互の連携等については、やはり一緒に協力しながら事業をすることがもっとあってもいいのではないかということが出ました。各団体の事業、共催、後援、協力というものがあるのですけれども、こういったものを今まで以上に連携を持って進めていったらよろしいのではないかと。具体的にすぐできそうなのは、やはりウエブ関連事業などは、ウエブのリンクを張ったりということをするだけでも、今までよりも進歩が見られるのではないかというような話が出ました。

 それともう一つ、上のレベルでこの連携のあり方を決めて、しっかり骨組みを決めて、それを受けるのもいいのではないか。例えば、よく分かりませんけれども、推進チームというのはどういう機能を持つかわかりませんが、そういったところで、その連携のあり方について、きちっと枠組み、それから、具体的なものを決めておろしていただくのも、やりやすい方法にもなるのではないかというようなことが話し合われました。

 以上でございます。

○健やか親子21推進協議会会長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、グループFからお願いいたします。

○(NPO)難病のこども支援全国ネットワーク グループFの難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。

 大変短い時間で、準備不足もあって、また、まとめ役の能力不足もあって、与えられた命題への十分な検討ができなかった点をまず最初にお詫びしたいと思うのですけれども、1点目の認知度を高めるための提案ということですが、既に各グループから発表いただいたとおり、シンボルマークの有効な活用であるとか、あと、こちらでも推進月間を設けるというお話がありました。それから、メディアを最大限利用することであるとか、公開シンポジウム等、そういった露出の回数を増やすというような方策が出ました。ただし、そのためには、やはり財政的な基盤あるいは事務局機能の拡大というものが必要だということが意見としてございました。

 2点目の民間団体との協働で取り組むべきことですけれども、これについても、民間企業とのルールなき協働には懸念があるという声が示されました。それから、イベント等広報への協力であるとか、各地域で関係者を集めた研修会あるいは勉強会を開催するというお話、それから、市町村等のこの健やか親子21と関連した自治体の計画に各団体が関与できる仕組みづくりがあるといいというようなお話もございました。

 最後の参加団体相互の連携強化ですけれども、同じ活動分野、活動内容でグループをつくって、情報交換を通して連携を強化する。それから、同じミッションや関心を持つ団体によるイベントの開催ということ、それから、お互いの団体からの呼びかけを強化するといった話がございました。

 以上でございます。

○健やか親子21推進協議会会長 ありがとうございました。

 では、続きまして、グループGからお願いいたします。

○(公益社団)日本産科婦人科学会 日本産科婦人科学会の池田でございます。

 我々のところで、母性をめぐる職種でございますが、実は、例えばですが、日本産科婦人科学会はほとんどの学会に所属しておりまして、母性のほうは、顔見知りといいますか、そういったことで、このような機会を与えていただきましてありがとうございました。そういった意味で、日本周産期・新生児医学会というのは、基幹団体が日本産科婦人科学会でもあるのですが、日本小児科学会もその乗り入れですので、ぜひ、この母性の話題をするときも、日本小児科学会に入っていただきたいということがございました。

 それから、認知度を高める活動を盛り上げる、今まで先生方がおっしゃっているとおりでございますが、出ました意見では、広告媒体の活用、それから、学会や研究会等を行うときでも、現場の先生方、またナースの方々、コメディカルの方々と地域との連携、それから全国との連携というものをより図るようにしていったらいいのではないかということでございます。

 それから、恐らくこの14年間、特に我々の母性の方の学会の取り組みが、ここの参加が少なかったせいかもわかりませんが、指標にしましても、評価にしましても、母性の指標が少なかったり、今日でも、第2次のポイントは全ての子どものためにというようなことで、これはお母さんが抜けているということですか。健やか親子ですので、一応「子どもとお母さんのために」と言っていただければありがたいと。これから、私たちも、産婦人科としてよりこの取り組みに参加していきたいと思っております。

 それから、皆さんから出た意見ですが、厚生労働省からのオーソリゼーションというところ、予算は無理といたしましても、いろいろな御指導をしていただきたいということでございます。

 民間団体との取り組みは、先ほど事務局からありましたけれども、健康日本21というものを手本にしながら進めてまいったらいかがかということでございます。

 以上です。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、グループHからお願いいたします。

○(公益社団)日本歯科医師会 日本歯科医師会の佐々木と申します。

 時間がないところで、事務局からいただきました3つの点についてのみ検討いたしました。特に認知度を高めるというところでは、まず、基本的に自分たちが所属している団体会員にもまだ十分周知していないのではないかと。いわゆる団体の幹部だけが知っているというか、そういうことで、まず、とりあえずやりやすいそれぞれの団体会員へ周知したらどうかということでございます。

 また、シンボルマークにつきましては、御意見がありましたが、ある団体でも積極的にシンボルマークを活用している団体もありますが、ちょっとシンボルマークの使用制限がきついところもあるので、ぜひ緩和してほしいと。そして、シンボルマークをどんどん積極的に使ったらいいのではないかという御意見もありました。

 それから、3番の参加団体相互の連携ですが、メーリングリスト等を利用してはどうかと。それから、各団体ともホームページ等を持っているかと思いますので、そのようなものをお互いに利用したらどうかと。なかなか今日集まったグループの中でも、お互いに団体の内容が十分把握し切れないところもございましたが、この関連資料の報告書の中でそれぞれ14年間の報告が出ておりますので、そのような資料を利用してお互いのグループを知り合ったわけですが、最後に、やはりせっかくちょっとの間でもお話し合いをすると親しくなるので、また別れてしまうと離れてしまいますので、今まで出ていない意見では、是非こういうような日に、最後に懇親会をやって欲しかったという御意見もありました。

 それから、民間団体との協働の方はなかなか時間がなかったのですが、事例として、民間団体の施設を借りて、親子のクッキング教室等も既にやっている団体もありますので、そういうものが広がったらいいのではないかというような意見がありました。

 以上です。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 今、8つのグループから、それぞれ代表の方に短時間で御発表いただきましたが、若干時間がございますので、もし各メンバーの方で、補足的なこととか、代表の方が省略されたので、是非こういうことを提案したいというようなことがありましたら、若干時間の余裕がございますので御発言をお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。どうぞ。

○(NPO)日本小児外科学会 小児外科学会の北川と申しますが、小児外科学会も、つい最近になって入った者ですが、我々の団体では、この民間団体との協力というところで、先ほど堀内先生がおっしゃっていた、確かに連携が難しいところもあるのですが、特に事故とか外傷、こういうものは民間団体と協力して、例えばヘルメットの良いものを作ったりとか、あるいは転落防止のための柵を作るとか、自転車の事故も多いものですから、自転車の2人乗りの安全な子どものシートを作るとか、そういうところは、多少民間団体とできる一つのところかもしれませんので、そういうところのある程度の予算とかというものがないと、なかなかそこへ話も持っていけないのかもしれませんので、その辺の御支援があればと思っております。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 そのほか、いかがでしょうか。

 それぞれ各グループから3つの点について短時間でございますが議論をしていただいたわけでございます。やはり一番多かったのは、国民運動としての広報のあり方につきまして、非常にいろいろなアイデアというか意見が出されたのではないかと思います。

 座長として、少し横道にそれるかもわかりませんが、私は、たまたま骨髄バンクの副理事長もやらせていただいておりまして、そこもいろいろ、たしか宝くじの収益金かな、広報の予算をやっていただいていまして、そこで広報をやっていただくと、骨髄を提供するドナーの登録が非常に増えるのですね。ですから、そういうことで、やはり国民に対していかに広報して、そして、国民自体が変わって行動に移っていくか、そのあたりが今後のこの健やか親子21の第2次計画の根幹の部分になるのではないかと思いますので、今日、それぞれのグループから出していただいた意見、これをまた事務局できちっと整理をさせていただきまして、4月以降の具体化につなげていっていただきたいと考えております。

 それで、今日の3点の議論を踏まえますと、まず1つは、事前の調査結果や、先ほどのこのグループディスカッションの議論を踏まえますと、やはり課題ごとにグループをつくって活動することが、1つ、かなり意見として出されたと思います。課題は色々、広報のあり方ですとか連携の仕方とございましたが、そういうことで、1つは、今日ここで確認させていただきたいことは、課題ごとにある程度共通するグループが活動するというあたりを、今日はそういう方向で、この第2次計画の具体化について検討していただく、そのことについてまず1つ御了承いただきたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。そういう方向でということであれば、ひとつ御了承いただきたいと思います。

 そして、各団体がどの課題で活動するかといったことにつきましては、事務局で改めて各団体に御希望をお伺いするという形にさせていただきたいと思います。その点を含めて、御了承いただけるかどうか、いかがでございますでしょうか。

 それでは、特に異論がなかったということで、そのような形で進めさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。

(拍 手)

○健やか親子21推進協議会会長 それでは、もう一つの課題でございました推進体制全般につきましては、今日それぞれのグループからいただいた意見をもとに、事務局でこれから検討いたしますので、そのような形で今後の対応をひとつ御了解いただきたいということでございます。

 それから、もう一つは、各団体の活動課題が決まった時点で、保留にしておりました幹事団体の指名を新しい会長にしていただき、事務局から改めて御連絡をさせていただきたいと考えております。この点もあわせて各団体の方に、この機会にお伝えさせていただきたいと思います。

 以上で大体今日の予定していたところでございますが、今後色々意見を深めていただきまして、今後とも、国、地方公共団体、それからそれぞれの関係団体と連携をとりながら、いかに国民運動として発展させていくか。日本のこれからの将来のことを考えますと、高齢者対策より、もっと健やか親子というか若い親子の関係をいかに国の最重要課題として取り組んでいくかということが、本当に今、大変な時期に来ているのではないかと思いますので、ひとつこれからよろしくお願い申し上げたいと思います。

 それでは、以上をもちまして今日の議事を終了させていただきますが、この後は、事務局でひとつよろしくお願いいたします。

○(一般社団)日本家族計画協会 議長、先ほど質問したいことがあったので、させていただけませんでしょうか。よろしゅうございますか。

○健やか親子21推進協議会会長 どうぞ。

○(一般社団)日本家族計画協会 皆さん、申し訳ございません。先ほど課題2のところでちょっと質問というか御提案を発言したいということがありまして、その他でということで議長がおっしゃっていただいたものですから、ちょっと待っておりました。

 私は日本家族計画協会の櫻田と申しますけれども、思春期保健対策に取り組んでいる地方公共団体の割合というところで、少し御提案というかアイデアというか、御検討いただきたいことがありまして。

 先ほどの五十嵐先生の資料の13ページの基盤課題Bというところでも御提示があったのですけれども、実は私ども日本家族計画協会では、思春期保健セミナーというものに1981年からずっと取り組んでおります。そこで思春期保健相談士の認定を行っているわけでございます。現在は認定者は8,331人ということで、かなりの数を認定しているのですけれども、この思春期保健相談士を地方公共団体においても色々な思春期保健事業でぜひ有効に活用していただいて、思春期の子どもたちを支援していただきたいと思っているわけです。今、思春期保健も性教育も、日本においてはちょっと停滞気味かなというところでございますので、こういう方々の社会資源を有効に活用するのは非常に効果がある対策ではないかと思います。

 健やか親子の取り組みの目標ということで、先ほど申しました思春期保健対策に取り組んでいる地方公共団体の割合というところですけれども、御承知だと思いますが、県は取り組みが100%なのです。全ての県が取り組んでいると報告になっています。政令市は90.6%となっていますね。ところが、市町村においては何と38%と極端に低いわけです。これでは、なかなか思春期保健の向上につながるというわけにはまいりませんので、ぜひ、こういった方々、社会資源を活用して、この数値を上げていただくような方法はないものかと思っております。

 この目標をぜひ向上させる、アップさせるためにも、母子保健課とか事務局、何かしらにおいてこの数値を上げるような対策をとっていただきたい。こういう社会資源を活用するような広報、周知を行っていただきたいということで、ちょっと御検討ということで発言したかったわけです。

 終わりしなに皆さん大変失礼しましたが、どうぞよろしく御検討ください。

○健やか親子21推進協議会会長 どうもありがとうございました。

 それでは、一応今日の議事はこれで終了してよろしゅうございますでしょうか。

 それでは、本日の議事をこれで終了させていただきたいと思います。

 では、あとを事務局、ひとつよろしくお願いいたします。

○母子保健課長補佐 事務局でございます。

 先ほどシンボルマークに関しまして使いにくいという御意見をいただいたところでございますが、本日お配りしております「健やか親子21(第2次)」のパンフレットがお手元にあるかと思います。パンフレットの6ページをお開きいただきますと、シンボルマークの取り扱いについてというものを1ページ設けさせていただいておりまして、中段に「シンボルマークの使用について」という項を設けております。

 シンボルマークの使用に当たりましては、本推進協議会に参画いただいております団体の場合は、趣旨に賛同して普及啓発に活用する場合は、使用の許可申請は必要ないという取り扱いにさせていただいておりまして、この推進協議会に参加いただくメリットの一つという位置づけになっております。ですので、この趣旨に賛同した範囲においては、特段の許可なくマークを積極的に御活用いただければ、このマーク及び活動の普及啓発につながると思っておりますので、積極的に御活用いただければと思っております。

 留意点としましては、色の変更だけはこのままでという点だけをお願いしているところでございますので、その点だけご留意いただければと思っております。

 改めまして、伊藤会長、柳澤副会長、御出席の皆様、本日は活発な御議論いただきまして誠にありがとうございました。

 最後に、事務的な御連絡になりますが、本日の総会は、限られた時間でもございましたので、今後の活動の推進に関しまして御要望、御意見等ございましたら、事務局までお寄せいただければと思います。

 それでは、これをもちまして第14回「健やか親子21推進協議会総会」を閉会いたします。

誠にありがとうございました。


(了)

<照会先>
雇用均等・児童家庭局母子保健課
電話番号:03(5253)1111(内線7934)

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