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2014年11月27日 第3回外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会 議事録

社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室

○日時

平成26年11月27日(木)16:00~18:00


○場所

TKPガーデンシティ永田町 ホール4C


○議題

技能実習について
(1)移転対象となる適切な業務内容・範囲の明確化
(2)必要なコミュニケーション能力の確保

○議事

○山田室長補佐 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから、第3回「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 初めに、本日の構成員の出欠状況でございますが、猪熊構成員よりおくれて参加ということで御連絡をいただいておりますので、まずは御報告させていただきます。それ以外の構成員の皆様には全員御出席をいただいております。

○根本座長 この検討会も本日で第3回となりますけれども、これまでの検討会は本格的な検討を行うに当たっての前提となりますいろいろな考え方や方向性、さらにはEPAの受け入れに関するヒアリングを通しまして、外国人の介護人材に係る実態、課題の幾つかについて検討会として共有するというところにこれまでの検討会の主眼があったと思うところでございます。本日からは、第1回の検討会で提案、了承されております3つの検討事項の1つであります「技能実習への介護分野の追加」について検討していくことになるわけでございます。

 それでは、最初に事務局から資料の確認についてよろしくお願いいたします。

○山田室長補佐 まずは、報道関係者の皆様におかれましては、撮影はここで終了といたします。

(冒頭カメラ撮り終了)

○山田室長補佐 それでは、お手元の資料の確認をお願いいたします。

 皆様のお手元には、

資料1 技能実習への介護分野の追加について(検討の進め方)

資料2 主な検討事項

資料3 基礎資料

を配付していします。

 また、本日でございますけれども、平川博之構成員より資料配付の御依頼がありましたので、構成員の皆様の机上に配付しておりますことを御報告いたします。

 資料の過不足等がございましたら事務局にお申しつけいただければと思いますが、よろしゅうございましょうか。

 念のため、追加の資料でございますが、このような雑誌を配付させていただいております。

 事務局からは以上です。

○根本座長 ありがとうございました。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。

 まず、「技能実習への介護分野の追加について(検討の進め方)」につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○武内室長 それでは、御説明申し上げます。

 資料1「技能実習への介護分野の追加について(検討の進め方)」という資料をごらんください。こちらでは、技能実習への介護分野の追加について、今後どのような手順、考え方で検討を進めていくかということを整理したものになっております。

 1ページ目をごらんいただきますと、これまでも御紹介申し上げてきましたとおり、技能実習への介護分野の追加については、日本再興戦略で年内を目途に検討し、結論を得るとされていることを踏まえまして、制度の趣旨に沿って検討を進めていく。具体的には、主に以下の点について検証した上で追加の可否やあり方について結論を得ることが必要ということでございます。1つ目が「追加するとした場合の実施内容及び方法はどのようなものか」、2つ目が「技能実習制度の抜本的見直しとの関係をどのように考えるか」という2点です。

 まず1点目についてどのように考えていくかということにつきまして、「1.追加するとした場合の実施内容及び方法はどのようなものか」ということでございますが、介護分野を業種として追加するとした場合には2つの要件を満たすことが必要と考えられます。1つは共通要件「移転の対象となり得る技能であること、適切な技能評価システムが構築されること」、これは介護に限った話ではなく、技能実習に業種追加をされる場合の共通的な要件という意味です。

 2つ目は介護固有要件ということでございます。こちらは「対人サービスである介護分野を追加する場合に必要な制度設計がされ、運用が担保されること(日本語要件等)」と書かれています。ここは日本再興戦略でも、対人サービスという介護の特性を踏まえて日本語要件等について検討するということが明記されておりますので、こちらを踏まえたものとなっております。

 この介護固有要件について検討していく出発点としまして、以下の3つの懸念を解決することが必要であるという考え方を示しています。3つの考え方、これは第1回の検討会の資料でもお示しをしたものです。1つ目が「介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること」、2つ目が「業務内容に応じた適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること」、3つ目は「介護のサービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること」の3点です。

 そして、「2.技能実習制度の抜本的見直しとの関係をどのように考えるか」、制度の抜本的見直しの内容等を踏まえつつ検討していく必要があるということです。

 ここで掲げました1つ目のポツについて拡大したものが2ページ目にございますので、そちらをごらんください。改めまして、共通要件と介護固有要件、この2つについて検討していく必要がある。左下の介護固有要件は、今ほど申し上げたように3つの懸念を解決するための制度設計、運用の担保が必要ですということです。

 それでは、この3つの懸念というものを、よりつぶさに分解して考えていくとどういうものになるのかというものが真ん中の欄にあります。具体的な内容の例として掲げているもの、AからHまであります。(1)については、Aとして、介護という仕事が外国人が担う「単純な肉体労働」という印象にならないということ、Bとしては、介護業界が外国人を安価な労働力として使うというような認識をされないこと、Cとして、外国人を介護ではなく、単なる下働きとして使うために制度を活用しているという疑念を持たれないようにすることが必要であろうと。

 (2)に関しましては、Dとして、外国人でも、日本人と同等の労働を行う場合は同等の処遇を行う、Eとして、同じ職場で働く日本人従業者と円滑な連携ができる環境を整備するということ。

 (3)サービスの質、利用者の不安という観点から申しますと、F、利用者が安心してサービスを受けるのに必要な程度の言語能力が担保されること、Gとして、外国人実習生であっても、日本人と比較してサービスの水準が著しく劣ることがないように、また、安定性や確実性が担保されることが必要であろうということ、Hとして、利用者との間でトラブル等が起きたり、あるいは外国人の労働者としての権利が侵されたりする状況が生じないようにすることが必要であろうということが考えられます。

 こうしたAからHまでの具体的な事項、問題意識を検討するに当たって必要な検討事項というのを、右の「主な検討事項」に書いております。ここでは(1)から(7)まで主な検討事項を掲げ、それに特に関連する項目、左で掲げたAからHのうち、どの部分が特に関連するかという形で整理をしております。(1)では適切な業務内容・範囲の明確化、(2)では必要なコミュニケーション能力の確保、(3)では適切な評価システムの構築、(4)実施実習機関の対象範囲の設定、(5)適切な実習体制の確保、(6)は同等処遇の担保、(7)として監理団体による監理の徹底ということを掲げております。こうした検討事項に沿って、今後具体的な検討を進めてはいかがかと考えております。また、このような形で本日は(1)、(2)について議論を深めてはいかがかと考えております。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局の説明に対しまして、御質問等がありましたらお願いいたします。ただいまの説明というのは、いわば技能実習への介護分野の追加について検討していく上での、その検討の枠組みとも言えるものだと思えるものでありますけれども、いかがでしょうか。

 どうぞ。意見でも結構です。

○平川則男構成員 ありがとうございます。

 この技能実習への介護分野の追加の検討の進め方については、こういう方向になるのかなと思います。しかし、そもそもこの介護分野への追加ということについて連合としては、問題があると考えています。技能実習制度自体が多くの問題を抱えている制度であるということでありますし、介護は要介護者の生命、身体にかかわる職業でありますから、日本語能力によるコミュニケーションが十分とれない労働者が増加するということになれば、やはり認知症高齢者のケアに十分対応できないなどの問題があるのではないかということで懸念を持っていることについて、表明をさせていただきたいと思っています。

 その前提にたって、意見を申し上げますが、資料1の1ページの1.にありますとおり、この要件を課して、これらが克服できないようであれば対象業務に介護を加えないということについて、これはこのとおりでいいのではないかと思っているところであります。

 また、現在の技能実習制度全体に共通する問題でありますけれども、抜本的な見直し議論が行われていると聞いております。「技能実習制度の見直しに関する法務省・厚労省合同有識者懇談会」というものが行われたようでありますけれども、この2.にありますとおり、技能実習制度の抜本的見直しの内容等を踏まえつつというのが一つの大きなポイントであります。基本的には懇談会でどのような見直しの方向が進められているのか、。本来であれば、取りまとめを待って本検討会で議論を行うのが筋ではないかと考えているところであります。もし事務局の考え方があればお願いしたいと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 その点について、今の状況を御説明いただけますでしょうか。

○武内室長 ありがとうございます。

 まず本検討会の位置づけにつきましては、第1回の検討会でもお話をさせていただいたとおり、日本再興戦略に記載されているということを受けまして、介護分野の追加について予断なく検討していくということでございます。また、御指摘をいただきました技能実習本体の抜本的な見直しも政府としては行っているところです。こちらのほうは法務省、厚労省の合同の懇談会などにおいて入国管理政策の観点から行われております。

 また、本検討会は介護の観点から外国人を介護分野に受け入れることのあり方というものについて議論していくということで、この役割は異なりますけれども、抜本的な見直しの動き、こういったものもしっかりと踏まえた資料を用意するとともに、必要に応じてその内容なども御紹介しながら議論に供していきたいと思います。

○池田専門官 補足しますと、外国人研修推進室からですけれども、個別の職種については、まずは事業所管のほうで関与していただくというのが現行制度でもそのようになっておりまして、個別の職種である介護については、その職種の専門家を集めた検討会において検討されているというのが第一であると考えています。なお、法務省と厚生労働省の有識者懇談会においては、多能工化ニーズへの対応、地域ごとの産業特性を踏まえた職種の追加などの対象職種の拡大等の検討を行っているということでもあります。

 以上です。

○根本座長 それでよろしいですか。

○平川則男構成員 基本的にはやはり整合性を持ってやっていくというのは最低限必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。

○根本座長 それは事務局のほうにもよろしくお願いいたしたいと思います。この検討会としても順次そのような情報を必要に応じてきちんと収集しながら、入手しながら検討していくということでよろしいでしょうか。いずれにしても、本日は1ページの1.にありますように「追加するとした場合の」という前提でその内容を検討するということでございますので、その前提のもとに検討してまいりたいと思います。

 それ以外にいかがでございましょうか。御質問でも御意見あるいはコメントでも結構でございます。よろしゅうございますか。

 それでは、今後の検討の枠組みと言えるもの、この検討の進め方につきまして、一応今の段階ではこの検討会としてこれを了として進めていきたいと、そして、さらにまたこの資料の2ページにございます全部で7つの項目があるわけですが、そのうち本日は(1)、(2)について検討を進めるということでよろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○根本座長 それでは、順次進めてまいりたいと思います。

 それでは、最初の検討事項であります「移転対象となる適切な業務内容・範囲の明確化」につきまして、事務局より御説明いただきたいと思います。

○武内室長 それでは、右肩、資料2に基づいて「主な検討事項」の論点と考え方について御説明を申し上げます。

 資料2の1ページ目にございますように、7つの項目について順次、今後、御説明を申し上げます。

 2ページをごらんください。1つ目のテーマであります「移転対象となる適切な業務内容・範囲の明確化」についてでございます。「論点と考え方」2ページにわたっておりますが、【前提】まず出発点として共有すべきこと、そして、それを受けての【論点と考え方】という形で整理をしております。

 まず【前提】について、職種追加をするとした場合、技能実習が適正に行われますよう、実習生の方あるいは雇用される方双方が当該技能を修得するための作業の内容・範囲を明らかにし、それを認識しておく必要がある。また、移転の対象となる技能の修得成果を評価するための技能評価試験を整備するという必要もございますので、移転の対象となる技能を作業のレベルに落とし込み、その内容・範囲を明らかにしておくことが必要であります。

 現行の技能実習制度、他の職種も含めまして、現在の制度では、制度の趣旨・目的、例えば実習期間内に修得できるというようなことなどを踏まえて、職種ごとに作業のレベルに落とし込み、それらを「必須作業」「関連作業」及び「周辺作業」という類型に区分することとなっています。これらは管理団体などに対して示されます「実習計画のモデル例」というものの中で具体的に列挙される形になっています。これに関しまして、介護については従来の物づくりなどの対物サービスとは性格が異なりますので、ここでは「作業」と位置づけず「業務」という形で整理をして議論を進めてはいかがか考えます。

 それを受けて【論点と考え方】に参ります。「介護」を業種追加するとした場合、技能を裏づける業務内容はどのようなものかという点が1点目の論点です。これについて考え方として整理をしております。

 そもそも、いわゆる「介護」という業務の内容・範囲については、関連法令上、明確な範囲が厳密に定義され、画定されているものではございません。実態としては、さまざまな行為の組み合わせから構成され、日常生活上の活動との境界というのは不明確な性格を持っています。そこで、このたびの検討に当たっては、技能実習制度の趣旨に基づき、技能実習制度において対象とする場合の内容・範囲を定義づけ、明確化する必要があると考えられます。したがって、この検討会でそもそも介護というものの制度上、制度万般に通じる定義を行おうとするものではございません。

 その上で、技能実習で対象とする「介護」の業務を分類するに当たっては、2つの大別をしてはいかがか。(ア)として対利用者の直接的な業務、すなわち利用者に対して直接ベネフィットを与える業務と、(イ)として間接的な業務に区分をしてはどうか。

 よりつぶさな整理をしますと、3ページ目にわたりますけれども、(ア)として直接的な業務については「身体介護」と「身体介護以外の支援」に分け、具体的に列挙してはどうかということを書いております。この部分につきましては4ページを一緒にごらんください。技能実習で対象とする場合の介護というもののイメージ図をつけております。こちらをごらんいただきますと、真ん中に線が引いてあって、その上の部分が「業務」、下の部分が「業務を支える能力・考え方等」という整理にしております。そして「業務」の部分を見ていただきますと、今、申し上げましたとおり、いわゆる「介護」というものの範囲は不分明なところがございます。「日常生活上の行為」、波線がありますが、ここの部分との境というのは不明確な要素があります。

 ただ、今回、技能実習でどの部分を対象とするのかという部分を画定していくプロセスを踏んでいく上で、この青い部分を考えてはどうかということで、A、B、Cと掲げております。このAとBが先ほど申し上げた直接的な業務、すなわち利用者に対して行われる業務ということになっております。具体的には2つに分けております。身体介護、すなわち入浴、食事、排せつの介助などの行為というもの。それから、Bとしてこの身体介護以外の支援というもので、掃除、洗濯などの家事援助的なもの、あるいは機能訓練、レクリエーション的なものを包含するものに大別してはいかがかと考えております。

 それから、3ページで(イ)と書いておりました間接的な業務、すなわちこの4ページの図で言うと、AとBの業務を下支えする、あるいは後方支援的な業務として間接業務というものを位置づけてはいかがかと。例えば対象者の情報収集、記録、申し送りなどが想定をされます。これら、このAとBとC、こういった形で整理をするということで具体的に列挙していく形で考えていってはいかがかと思います。

 また、4ページの下の「業務」の下の部分にありますが、「業務を支える能力・考え方等」という部分に、「コミュニケーション能力」という土台と、その下に「人間の尊厳・介護実践の考え方・社会の仕組みの理解等」という土台を掲げております。これらを掲げている趣旨は、この介護という業務が単なる物理的な業務遂行とならないよう、これらの業務遂行を支える能力あるいは考え方、態度としてコミュニケーション能力、それから、人間の尊厳などの理解というものの業務遂行の基盤をなすものだと位置づけて、機能の移転を行うべきではないかという考え方で、こういう整理をさせていただいております。

 その上で再度3ページに戻っていただきまして、業務を画定した上で、もう一つ最後の論点として掲げさせていただいているのは、対象となる業務のうち、どのように「必須業務」「関連業務」「周辺業務」を区分するかという論点がございます。

 頻繁に飛んでしまって申しわけないのですが、5ページをごらんください。そもそも技能実習制度において、この作業というものをどのように分類し、どういう考え方に立っているかということの参考です。この必須、関連、周辺という作業の区分けについて整理をしたものが上の段にあります。必須作業と申しますのは、実習生が必ず行わなければならない作業と位置づけられています。そして、この部分が実技試験の出題範囲に該当する、実習計画のおおむね半分以上を占める必要があるという、この移転される作業の中心的な存在ということで位置づけられています。

 2つ目の関連作業については、必須作業にかかわる者がこの作業の工程において行う可能性がある作業のうち、必須作業には含まれないが、必須作業の技能向上に直接、間接に寄与する作業ということで、実習計画の半分以下という目安が示されています。

 そして、周辺作業は若干性格を異にしておりまして、必須作業にかかわる方が作業の工程において通常携わる作業のうち、必須、関連に含まれない作業、そして、必須作業の技能向上には直接、間接にも寄与する作業ではないということで、実習時間の3分の1以下程度、こういったものも実態としては含み得ますので、そういったものを周辺作業としております。したがって、例えば製造業あるいは農産物系の作業において、周辺作業というのは運搬でありますとか、そういったものが挙げられていることが一般的です。

 こういった整理、それから、下の段では実技試験の出題に関しまして、その評価の基準というものを掲げておりますが、この中では8つほど掲げられており、例えば(3)では、技能評価においては通常の実習生の日本語能力から見て妥当なものであるということ、(4)では、通常の実習期間に対応したものであること、あるいは(6)では、対象職種・作業についての一般的な作業方法が緩和されたものであること、こういったことが求められております。

 こういった整理を踏まえまして、再度3ページに戻ってください。3ページの下の業務の区分についての考え方について、1つ目、必須業務については、制度上、今御紹介申し上げたとおり、実技による技能評価試験の対象範囲と同一であることとされております。したがって、評価を実施し得る内容・範囲であることが必要となってきます。

 ここで介護分野について考えますと、我が国の介護福祉士国家試験などにおきましては、実技と筆記の双方の標準的な試験範囲としては、身体介護に相当する部分とされております。したがって、この身体介護に相当する部分であれば評価を実施し得るということで、身体介護を必須業務と整理してはいかがかと掲げております。

 その上で、一般的な介護業務内容として掲げたもののうち、身体介護以外のものを関連業務、すなわち4ページの図で言えばBとCの部分を関連業務と整理してはいかがか。また、それら以外の業務というもの、業務自体に直接、間接には寄与しないもの、こういったものは概念上想定されますので、そういった業務を周辺業務と整理してはいかがかと考えます。

 なお、御参考に、6ページには「介護福祉士国家試験の出題範囲について」参考資料をつけさせていただいております。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 ただいまの事務局からの御説明に対しまして御質問、もし御質問がなければ御意見、コメント等でも構いません。

 どうぞ、お願いします。

○白井構成員 御説明ありがとうございました。

 教育をする側の立場からしますと、まず1つは「作業」という言葉ではなく、2ページの「業務」であるということを言っていただいたことはとてもうれしいか思います。

 それと、技能実習で対象とする介護のイメージという整理の4ページの表では、非常に難しいところをわかりやすくあらわしていただいたなと思っております。そして、介護とは何か定義が難しい中で、このA、B、Cで分けていただきました。これをどう教えたり移転するかというのはまた考えなければいけないかと思っているのですけれども、身体介護をするときにも、やはり対象の利用者様がいるので、このCの対象の情報をどう収集して、どう展開するのかというところを何で教授できるのかとか、それをどこかで評価できるのかとか、そういうものが1つ見えやすく、わかりやすく提示していただければうれしいかなと。具体的にというのはないのですけれども、利用者を見て、これから行為をする際に、この人はどうもいつもとちょっと違う状態だなと思ったらば誰かに聞くとか、自分が今この業務を進めるに当たって何をしたらいいのか考えるという問題解決というか、そういうサイクル的なものがわかるような形であらわれると、「作業」ではなくて介護の「業務」ということになってくるのではないかという気がいたします。

 もう一つは、下の「業務を支える能力・考え方等」というところで、やはり介護行為は対人ですので、利用者に対しての尊厳とか、そのようなものが何か見える評価なり、お伝えし、教授し、その評価をするという何か明確な過程ができればいいかと思います。特に、では、こうやればいいというような具体的なものを持っているわけではないのですが、そのようなことが示されればいいのかなという気もいたします。これは意見でございます。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○熊谷構成員 4ページの仕分けの部分でありますが、AとBとCと、これは大変現場の業務の内容を理解した上での仕分けでわかりやすいことだと思っております。

 また、5ページにありますように、客観的かつ構成的な評価をするという意味で、非常に介護福祉士の試験などでもこういう部分が重要視されておるようですし、非常に現場の業務に即した分類をしていただいていると評価いたします。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 石橋構成員、どうぞ。

○石橋構成員 白井構成員の意見と少し関係があるところなのですけれども、4ページの図のところです。介護福祉教育のカリキュラムが3つの領域に分かれておりますけれども、介護をバックアップする形の領域として、ここに書いてある「人間の尊厳と社会の仕組み」等をしっかり学ぶということと、もう一つ大切なのが「こころとからだのしくみ」という領域があります。これは、例えば身体介護、生活援助を行うにしても、今、介護を必要とされている方は重度の方が多く、医療ニーズを持たれている方、また認知症の方などが多くいまして、認知症に関する知識、心のあり方を学んでいるとか、それから、医学的な知識というものを学んだ上でないと介護というのは適切に行うことができません。したがって、「業務を支える能力・考え方等」のところに医学一般に関する知識と認知症に関する知識、いわゆる「こころとからだのしくみ」の領域もしっかり学ばなければいけないという、そういう能力も必要だというのをつけ加えていただいたほうがいいと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 白井構成員の考え方は、恐らく今ちょうど石橋構成員が言われたところの一番下に介護過程の考え方をもう少し具体的に入れたらどうかとか、恐らく今、石橋構成員が言われたのは、この四角の家の格好をしているところに「こころとからだのしくみ」という言葉を入れてみたらどうかということだろうと思います。

 どうぞ。

○熊谷構成員 今の御意見は大変そのとおりだと思いますが、どこまでを求めるのかというラインを決める必要があると思うのです。例えば認知症の対応ができればできたほうがいいのですが、日本人の新任職員であっても軽度から重度までの認知症に対応するということは大変困難なことでありまして、現場に来て御利用者の皆さんに接しながら順次知っていくということでありますので、夢を高く望むことは必要ですが、ある一定のライン以上のものを求めるのは、この実習制度では無理ではないかと考えます。

○根本座長 ありがとうございます。

 今までのところを伺われたところで事務局のほうから何かコメントはありますか。

○武内室長 今、白井構成員、石橋構成員、熊谷構成員からお話をいただいたところの中では、この業務を単に物理的なものとして捉えるのではなく、それを支える部分をどのように考え、その程度をどのように考えていくかということであろうかと思います。そのために、4ページの図では、この一番下の部分で関係する物理的な業務を支える部分への理解や態度、考え方といったものの必要性を掲げておりますので、こういった意味でその部分に含めて考えていきたいと思っております。

 また、その程度、どのような内容、程度を求めていくのかということに関しましては、こちらは今後、論点の中で掲げております「適切な評価システムの構築」あるいは「適切な実習体制の確保」という論点も掲げておりますので、本日はその対象をはっきりと画定した上で今後議論を加えていき、その立体的な理解、議論をしていただくというように考えております。

○根本座長 それでよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○田中構成員 今の発言の関連で申し上げますと、仮にこのAという身体介護のところで今6つの業務が出ておりますが、それをお2人の意見をもとに考えますと、ベーシックな知識と技術というもの、これは必ず知っておいてもらわないといかぬ。その次に標準的な業務と、そして、その上にはアドバンスといいますか、非常にテクニックな熟練といいますか、そのように分けて、これを対象別に技術を細分化して、最低限この技能実習の人にはベーシックなものや標準的なもの、そういうガイドラインを考えられてはどうかというのがまず1点でございます。

 もう一点は、これはあくまで日本のすぐれた介護の技術、知識、あるいはシステムを技能実習生に本国に持って帰ってもらうということでございますから、1つ大事なことが忘れられているのではないかというのは、日本の介護はやはり自立支援というところがございます。生活支援技術というのは自立支援という基礎の中で組み立てられたものでありますから、ぜひこの文言もここに取り入れていただきたいと思います。

 ございますか。失礼しました。ここに書いてございますので、よろしくお願いします。

○根本座長 ありがとうございます。

 平川構成員、どうぞ。

○平川博之構成員 できることをどこまで求めるかというのは今からの議論ですけれども、先ほど認知症のがありました。私は精神科の医者でもありますので、やはり認知症の問題は重要で認知症なくしてケアというのはちょっと乱暴かなと思います。といいますのは、認知症のケアは決して難しいわけではなくて、きちんとした知識、技術があれば、これは不可能な話ではないわけです。特にこれから先、認知症があって当たり前の介護現場ですから、避けてはいけないなと思います。

 認知症のケアというのは、今まさに出ましたように自立支援のケアでありますので、パーソン・センタード・ケアというケアの基本でもありますので、これから先、決めるという話です、外してしまうということはおかしいですし、そもそもこの技能実習制度というのは自国に持ち帰って役に立つものを身につけてもらうわけですから、いわゆる身体介護できたから役立つわけではなくて、先日も認知症サミットがございましたけれども、認知症に対する日本の介護技術はかなり世界的にも進んでいるので、それこそ持ってってもらいたいところです。そのあたりについてもぜひ御理解願いたいと思います。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 石橋構成員、どうぞ。

○石橋構成員 平川構成員のおっしゃったとおりだと思っています。せっかく海外へ日本の介護を移転するのであれば、正しい日本の介護のやり方の基礎をしっかり学んでいただいて、守っていただくというのがベストではないかと思っています。

○根本座長 ありがとうございます。

 平川構成員、どうぞ。

○平川則男構成員 私もこの表を見まして、やはりこの「技能実習で対象とする場合の『介護』のイメージ」、これは基本的には一体的なものだと考えているところであります。そういった意味で、必須、関連と分けられていますけれども、基本的には両者を一体的に捉えられるということも考えられるのかなと考えております。そういう中で、今、言われましたけれども、一番下の「人間の尊厳・介護実践の考え方」でありますが、介護保険法における介護の基本は、高齢者の自立の支援と尊厳の確保であり、一大目標であります。その中で認知症に対してどのような対応をしていくのかというのは極めて重要な、今の介護の柱になっていると言っても過言ではありませんので、そういった意味で、認知症の理解をどうやって深めていくかというときには、やはり先ほど言った「こころとからだのしくみ」の中で中核症状であるとか周辺症状であるとか、その辺に対する理解が適切な介護につながっていくのだという理解が必要ではないかと考えているところであります。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ、お願いいたします。

○平田構成員 6ページの資料で、介護としてここで例が挙がっているのが、介護福祉士国家試験の筆記試験と実技試験ですが、初任者研修レベルでの筆記あるいは知識等がどこまでなのか。と申しますのは、普通、我々は知識と技術と人に対する考え方で援助するという3つが相まっているのですけれども、この技能実習の技能で、利用者をお世話する介護を技術と、知識とを分けるような考え方を整理せざるを得ないところが少し難しいなと思います。考えてみれば、Aの身体介護とCの対象者の情報収集というのは、普通は情報収集がなければ実質介護ができないわけですね。だから、ここの関連を、この図としては整理がされているのですけれども、実際にそれを技能実習の中で実習、研修を含めてどう行うかというのはまたさらに詰めていかなければならない問題かなという気はします。

○根本座長 ありがとうございます。

 北浦構成員、どうぞ。

○北浦構成員 まず、4ページの表で大体議論されておりますが、私もこの図表の整理は大変よくできたものではないかと思っております。

 そういった意味で、ただ、一般の技能実習制度といいますと、これはやはり対人業務でサービス業務であるということで、ちょっとほかのところとなかなか比較が難しいところがあるかと思っております。それはなぜかといいますと、必須という部分はどちらかというとスキルを問うような部分でありまして、一番基本となるスキルの部分がいわば試験の対象にもなるし、そこが移転対象の一番中核であるというのが、ほかのいわゆる製造業、物づくり系ではそのような整理になっております。ただ、介護はこういったように全体的、総合的な形で実施されるということがありますので、このような絵の形でいくということは必要かと思います。また、基本的に必須であるとか、関連とか周辺もありますが、これは最終的には技能実習の中のウエートづけの問題でありますので、それを排除するというわけではないので、そこは私はよろしいのかなと思っています。

 ただ、問題は、移転対象であるという議論ですね。何が移転なのかという、ここのところは丸ごと全部移転なのか、本当はスキルの部分が中心で、それにあと付随しているのかというのは、技術論的に言うとそこはなかなか難しいので、それによってウエートの起き方が随分変わってくるかなという点は1点、今後の問題として考えたらよろしいのではないかと思っています。

 その意味で言うと、ちょっと見方が違ってきますが、A、B、Cは恐らくよろしいと思うのですが、下のコミュニケーション能力とか、そもそもこれは一番大事な点だと私も思うのですが、この部分については、ある意味で例えば本当にどこまで移転対象かと。つまり、日本語能力は別に持っていくわけではないわけですし、なかなかその辺のところも切り分けが難しいところがありますので、その辺もちょっと注釈を入れながら、それぞれ細かく分析をする段階で整理をする必要があろうかと思います。基本的には対象をこのように整理することは異存ございません。

○根本座長 ありがとうございます。

 そのほかいかがでしょうか。おおむねこの「技能実習で対象とする場合の『介護』のイメージ」という4ページの図は好評をもって迎えられておりますが、ただ、一番下のところにもう少しつけ加えるべき内容、概念等を入れる必要があるのかなということだと思います。心と体の問題、特にその中で認知症。特にこの下のところというのは「業務を支える能力・考え方等」とありますが、業務に使える知識なども含めたもの、知識とか理解というものもこの下のところに入ることかなと思います。

 そういうことを前提といたしまして、特にこの必須業務ということで身体介護ということは、身体介護のところだけを評価の対象とする考え方になるということでよろしいのでしょうか。それはそういうことですね。そういうことを前提として身体介護をAのランクに入れていると。ただし、そこを支える下支えのものがあるのだと、そういう構成になっているのだろうと思います。つけ加えるものとしては大体そういうところでよろしいでしょうか。

 ほかにどうぞ、猪熊構成員。

○猪熊構成員 この表を見て、身体介護は必須で、身体介護以外の支援は関連ということで、掃除とか洗濯とか調理という割とホームヘルプサービスというか、在宅でももちろん身体介護をやるのですけれども、そのうちに割と技能実習を受け入れるところの場所が介護施設なのか、割とBのところは在宅もやっているというイメージがあるので、在宅介護のほうにも入れるのかみたいな議論がここでも今後必要になるのかなという気もいたしました。

 それで、共通要件として移転の対象となり得る技能は向こうで学べない技能ということになると、この間のヒアリングのお話などを聞いていますと、多分日本で非常にすぐれているというお話であった、福祉用具のようなものを使った移動の技術とかが必要になるのかもしれませんし、あと、割と介護施設で受け入れるという話になると、今ありましたように認知症の方がかなり特別養護老人ホームなどでも8割とか多いということになると、見守りも含めてそういうことも業務に入ってくるのかなと思いますし、反対に、事業者の方が日本で受け入れた場合にどこの部分の介護を担ってほしいと思っているのかというのも聞いてみたいなと思いました。

 あと、済みません、おくれて来たので最初に全体のお話があったのかもしれないのですけれども、技能実習の関係で2~3点だけ、この4ページのというか、この介護の部分とは別に少しお話しさせていただいてもいいですか。

○根本座長 どうぞ。

○猪熊構成員 済みません。大した話ではないのですが、技能実習の話で3点ありまして、1つは、技能実習自体を見直すという本体の検討が厚労省と法務省のほうでされていると。これは11月に始まったばかりということなので、まだ多分向こうも始まったばかりなのでしょうけれども、もし機会があれば、いつかそちらの議論がどうなっているのか、お呼びするなりして聞いてみたいなというのが1点です。

 もう一つは、技能実習は今回初めて対人サービスが入るということで、介護という人の命にかかわるようなものが入るということなので、なるべくハードルを高くしておいたほうが後から対人サービスが入るためにもいいのかなという点が2点目です。

 第1回の議論のときの検討に当たっての基本的考え方ということで3点挙がっていまして、きょうの「技能実習への介護分野の追加について(検討の進め方)」のところでも前提条件が3点、介護職のイメージ低下を招かないようにとか、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにとか、利用者の不安を招かないようにということがあるのですけれども、介護の2番目の「業務内容に応じた適切な処遇を確保し」というところに含まれているのかもしれませんが、基本的な3つの視点の中で、日本人の利用者とか働く人ばかりではなくて、実際に来てもらって介護をする、介護に当たる外国人の方の人権が守られて、適切な労働条件であるということももうちょっと明示的に入れていただいてもいいのかなと思いました。そういう3点を技能実習関係でつけ加えさせていただければと思いました。

○根本座長 ありがとうございます。

 恐らく今、猪熊構成員の言われたところは、最初の議論のところで、例えば本格検討、今やっておられる懇談会のほうについては常時情報を入れて、その新しい情報をもとに構築していきましょうということも確認をしております。それから、対人サービスであるということでハードルを高くすることを前提として、例えば「作業」という用語を「業務」に変えるであるとか、それ以外にもこの4ページの図を事務局において作成されているということがお話しされたと思います。

 それから、特に明示的に言われたところも入っているかと思いますが、そのようなことを含めて、どうぞ、事務局のほうでお願いいたします。

○武内室長 ありがとうございます。

 若干補足をさせていただきますと、今、御指摘いただいて、また座長からコメントいただいたとおりでございますが、資料1の2ページ目をごらんいただきますと、今回の検討会において、一番右に書いております(1)から(7)という形で論点を今、分解しまして、これに沿って議論を今後進めていくという基本線でございます。その意味で、出発点として今回は内容・範囲の明確化ということでございますが、御指摘をいただきました処遇のあり方、(6)の部分にもありますし、労働者の人権という意味からしますと、この真ん中の段の一番下のHのところに「外国人実習生の労働者としての権利が侵されたりする状況を生じないこと」という問題意識を据えました。例えば労働者として虐待を受けるとか、そういったことがないように、あるいは処遇の問題も絡んできますが、こういったことを反映する部分としまして、どういう形で実習を行って適切な実習体制をどう確保していくのか、同等処遇の担保など、こういった論点の中であわせて検討していきたいと考えております。

○根本座長 ありがとうございます。

 よろしゅうございましょうか。

 では、北浦構成員、どうぞ。

○北浦構成員 先ほど座長がおまとめになったときに、身体介護の必須のところが評価の対象だとおっしゃったのですが、評価の問題は今回ではなく次回以降の議論だと思うのですが。ここに書かれているように実技試験の出題範囲としては必須であるという書き方になっております。実は技能検定試験などではそのように、例えばほかの知識系も全部聞きますし、対人サービスのところになりますと、こういった下の領域も入ってくるものもありますので、これはこの段でまた評価ということになりますと、ちょっと広くとるともう少し幅広になる可能性もあるかと思います。

○根本座長 わかりました。ちょっと先走って済みません。ありがとうございました。またそれは評価のところで改めて検討させていただきたいと思います。

 それから、先ほど猪熊構成員さんがおっしゃった施設なのか、在宅なのかということにつきましては、これは(4)の適切な実習実施機関の対象範囲の決定というところでまた改めて検討することになるだろうと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 ほかはいかがでございましょうか。

 それでは、一応この資料2の4ページ「技能実習で対象とする場合の『介護』のイメージ(案)」、いろいろ御意見、修正というか追加の御意見等をいただきましたけれども、そのような特に追加の御意見等を含めた形で、対象とする場合の介護のイメージはこのようなことで検討会としては御了承いただくということでよろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○根本座長 ありがとうございます。

 それでは、一応「移転対象となる適切な業務内容・範囲の明確化」はそういうこととさせていただきまして、続きまして、2番目の課題でございます「必要なコミュニケーション能力の確保」につきまして、事務局から御説明をお願いいたしたいと思います。

○武内室長 では続きまして、2つ目の論点「必要なコミュニケーション能力の確保」についてです。こちらは資料8ページをごらんください。

 こちらは同じく「論点と考え方」という形で整理をしています。1つ目の○では、対人サービスである「介護」を業種として追加する場合、一定のコミュニケーション能力が必要である。外国人にとってコミュニケーションの一番の障壁になる日本語について、一定の要件を課すことが必要ではないかという論点でございます。この点につきまして、関連し、日本語能力以外のコミュニケーションスキル、傾聴やアイコンタクトなどにつきましても、実習開始後、日本人と同様に実習施設によるOJTなどで対応することが考えられるのではないかということをお示しさせていただいております。

 2つ目の○として、技能実習生に対して日本語要件を設定するならば、どの程度のレベル、内容を求めることとすべきかという点でございます。この点は2つございまして、まずEPAのほうでは、日本語の要件というのは制度上ありません。ただ、EPAの枠組みやEPAの受け入れ施設対象のアンケート結果を参考にしますと、日本語能力試験N3のレベルを求めることが考えられるのではないかということを示しております。

 この点に関しまして、まず11ページをごらんください。基礎資料のほうにも入っておるかと思いますが、EPAの介護福祉士候補者の受け入れ施設が求める日本語能力に関しまして、アンケートの結果で受け入れ施設の約9割がN3レベル以上を求めているということがございます。こういったことを踏まえてN3レベルというのを考えていくのが1つの考え方としてあるのではないかということをお示ししております。

 なお、順番が逆になってしまいましたが、10ページもごらんいただきますと、EPA候補者の場合どのような状況になっているのかということです。この点につきまして、EPA候補者における日本語研修期間をこれまで拡充してくることによって、日本語能力は経年的に向上してきているということが見てとれます。先ほど申し上げましたように、EPAのほうで日本語の要件というのが制度上設定をされているわけではございませんが、実態上、日本語研修の拡充によりN3程度の達成率は9割程度まで上昇しているという事実がございます。

 再度8ページに戻ってください。今の2つ目の論点の2つ目のポツにございます。この日本語要件に関しまして、「なお」と書いておりますが、介護特有の専門用語、方言など地域による日本語の使い方といった観点もございます。これらについては、実習開始後、例えば事業者団体の方々による地域ごとの研修など、こういった対応が考えられるのではないかという視点をお示ししております。

 3つ目の○では、日本語要件を課すとするならば、いつの段階でこれを求めることが考えられるかということであります。こちらにつきましては、技能実習生の技能習得を円滑に進めるという観点から、入国段階で一定の日本語能力を求めることが考えられるのではないかということを掲げさせていただいております。

 4つ目の論点、日本語要件を設定するといった場合、それをどのように実効的に担保することが考えられるかという論点です。この点につきましては、日本語能力の要件の担保するためには、何らかの拘束力を持たせる、制度的な位置づけを持たせるということを検討すべきではないかという視点を掲げさせていただいております。

 なお、御紹介しておりません9ページをごらんいただきますと、技能実習とEPAにおいて日本語をどのようにトレーニングしているかということについての参考情報です。現行の技能実習においては、日本語の研修というものが大々的に掲げられているわけではございませんが、入国後、原則2カ月間で行われる講習の一部として日本語研修が実施されているという状況にございます。下の段に図示されているとおりです。

 他方、EPAの介護福祉士候補者の日本語研修というものについては、国によって違いますが、日本語の要件はつけておりませんが、プロセス上、訪日前後で約1年間の日本語研修を行う形で制度的なたてつけがされているということになります。

 なお、技能実習の入国後の研修のあり方などにつきましては、この論点の中では「適切な実習体制の確保」といった論点とも関係する部分でございます。

 説明は以上です。

○根本座長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局からの御説明、コミュニケーション能力の確保に関する論点と考え方につきまして何か御質問あるいは御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 どうぞ、お願いします。

○石橋構成員 技能実習の場合につきましても、前回、EPAの候補者の方を実際に研修されている制度の御報告がありましたけれども、10ページのところに書いてありますように、右側の(注1)のところですね。N3程度の日本語水準が候補者の就労・研修開始時に最低限必要とされるレベルの目安とされるということから、少なくとも研修開始時にはN3程度は必要ではないかという気がします。ただし、それでいいわけではなくて、その後も日本語研修を積み重ねるというか、そういう仕組みも検討していく必要があるのではないかと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ、お願いします。

○田中構成員 あくまでもこれは技術移転という立場から考えますと、先ほどの日本の優れた介護のシステムを身につけていただくということのためには、この4ページの人間の尊厳、こういうところをきちんと身につけるというか理解していくということが大切だと思います。Aはもちろん基本的なことですけれども、これは「業務を支える能力・考え方等」を理解してこそ初めてこの技術が生きてくるという構成になっておりますので、当然このためには私は、N3ということが技術移転のための日本語能力の最低限の条件ではないかと考えております。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ、お願いいたします。

○平川則男構成員 この一番最初に発言させていただきましたけれども、介護の業務というのはチームで仕事をしているということや、ケース会議や業務の引き継ぎ等が不十分だと、なかなかその後のケアが難しいという事例も出てくるかと思います。

 先ほど説明があった資料の4ページにもありますとおり、このコミュニケーション能力というのは移転対象とする業務を支える必要不可欠なものだということについては再確認をしていく必要があるのではないかとも考えています。

 前回のヒアリングでも事業者さんもN3レベル以上必要だと考えていると言われておりましたけれども、介護の業務全てを任せるという形になると、N2以上でないと引き継ぎであるとか、利用者さんへの説明であるとか、もしくは非常時や例えば転倒事故が起きたときとか、そういうときになかなか対処が難しいということもありますので、それを踏まえますと介護業務を任せられる日本語レベルはN2以上ではないかと思います。

 ですから、N3レベルと書いてありますけれども、実際のEPAで行われている介護業務を見てみると、そもそも介護業務を実習施設に任せるということは、どのような意味合いでN3になっているのかというのは不明確なところがあります。これは質問でありますけれども、このN3というレベルを求めるのが適当と書いてあることと、どのような内容を想定しているのかということもお聞きしたいと考えているところであります。

 いずれにしましても、一番最後に、日本語要件を設定する場合の担保には何らかの拘束力ということについてはぜひとも検討すべきだと考えています。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 平田構成員、どうぞお願いいたします。

○平田構成員 同じような意見となりますけれども、やはり基本的には日本語能力は必要だろうと思います。前回いろいろな事業者の方にお聞きしたらN2.5という言葉も出てまして、それで今、N2と平川さんはおっしゃいます。現場の中で御利用者の援助にはN3でいいのですけれども、恐らく会議、カンファフェンス、研修会、この辺になるとなかなかN3レベルでは難しい。そこを技能実習だからよしとするのかというのは、今後の判定の中で議論になるのだと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 平川構成員、どうぞお願いいたします。

○平川博之構成員 基本的な意見は皆さん方とほぼ同じです。視点を変えれば、来日される御本人も大変だと思うのですよ。N3 程度を持っていなければ速やかに介護現場に踏み込むことができません。また、自分は日本の介護技術を勉強していくのだということを自国にいるときからある程度覚悟をしてもらわなければなりません。技能実習を通して自分のものにするのだということも含めて、更には語学研修のための自己投資が必要にもなるかもしれませんし、そういうことを含めてきちんとした形で決心を固めてもらいたいです。N3 ぐらいのレベルがあれば、ご本人が日本に来ても非常に勉強しやすいですし、逆に受け入れ側としても対応しやすいということを含めて、双方にとって大事なことだと私は思っていますそれだけに先ほど平川委員が言われたように、今回の事業では、私はこの日本語能力に拘束力を持たせ、双方の担保としていかないとと考えています。

○根本座長 ありがとうございます。

 北浦構成員、どうぞ。

○北浦構成員 私も、コミュニケーション能力は絶対必須でありますし、その意味での日本語能力要件は必要であるという皆さんの御意見は賛成でございます。

 この論点の中を見てみますと、それはどの時点で担保していくのか。入国時と書いてあるのと、その後で向上させていくという、入国時に今のN3なのか、あるいはN3.5なのかわかりませんが、そこはこれから詰めていかないといけないというのが1点あるかなというのはございます。

 もう一つは、もしN3が入り口の段階だとすると、その後にこれはOJTで上げていきなさいという論点の書き方になっております。これは恐らくそういう形に技能実習がなっていってしまうわけなのですが、OJTと言った場合にこれは物づくり系の例ですけれども、その場合のOJTというのは決してお任せではないので、結構計画的にやっていくということがございます。計画的にやるということは、やはりカリキュラムがないといけない、それから、教える人がちゃんとしていないといけない、それから、用具がないといけない、教材がないといけない。そんなことが必要になってきますので、教室ではないというだけの話で、現場の中でもある程度の準備がないと本当の教育はなかなかできない。そうすると、ましてや日本語教育という、日本語も余りしゃべれない方はいないと思いますけれども、人に日本語を教えられるだけの能力をOJTの中で担保していくためには、やはり支援も要るのかなという感じもあります。

○根本座長 ありがとうございます。それは先ほど石橋構成員のほうも実習開始後の研修のあり方と申しますか、恐らくそういうところで「適切な実習体制の確保」という項目の中でそこら辺を検討することになるのだろうと思いますけれども、ありがとうございます。

 熊谷構成員、どうぞ。

○熊谷構成員 平川先生がおっしゃいましたように私も大賛成なのですが、たまたまことしの8月から私の施設でベトナムの高校生を4名受け入れております。インドネシアなども来ているのですけれども、インドネシアその他はN3が義務づけられておりませんでしたが、ベトナムにつきましては現地の教育が若干長かったということもあって、日本語検定3級が必須になっております。4名受け入れておりますが、私が今、決して大げさに言うわけではありませんが、コミュニケーションその他は全然問題ありません。利用者さんからももちろん、利用者の御家族からもそういう苦情はありませんし、そういう状況であります。

 ですから、私も、入国する時点でN3が必要ではないかと考えておりますし、教育の問題につきましても、EPAはこの実習制度とは違うのですが、受験を目的として教育支援していますので、若干内容は違うと思いますけれども、これも参考にして同じように教育をすることが大切かなと考えております。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 白井構成員、どうぞ。

○白井構成員 私も皆様方と同じでN3レベルなのだろうなと思います。

 あと、EPAでいらっしゃった方が支援を受けながら日本語の学びをしていますが、その方たちのお話を聞きますと、やはり継続的な支援がまずないと、難しい業務のレベルがあれば良いのですが、ケースカンファレンスとか、そういうところになるとN3ではちょっと厳しいということは言っているので、どこまでの業務を移転するかというところでの基準は必要なのかなと思います。

 それと、入ってくるときに、やはり私もこの何らかの拘束力というのはとても大事かと思うのですけれども、入ってきました、ここから日本語を始めましょうですと、やはり介護の勉強をどこまでできるかということにもなるので、やはりしっかりとした日本語の前提があって、そして、日本語を学んできていることによっていろいろな知識も入ってくるという、そして、技能を移転していただくということでは、日本語能力は非常に必要かと思っております。

○根本座長 ありがとうございます。

 これまでの御議論を踏まえて何か事務局のほうでありますか。

○武内室長 1点だけ、平川委員から御質問いただいた点です。

 きょうお示しした資料の中では、この技能実習生の方というのは学び、あるいは実習をするために入国をされるということで、学びやすい、あるいは利用者の方に安心して業務を提供できるという意味において日本語レベルをどう考えるかという論点を掲げさせていただきました。それで、11ページに掲げているデータで、就労を開始する時点、すなわち学ぶために入国し、就労に入っていく時点ではN3レベル以上ということで介助されていることを一つの参考にしまして、N3というレベルを入国段階で考えてはいかがかということでお示しさせていただきました。

 これらの業務については、EPAの中でもさまざまな業態といいますか類型がございますので、それぞれの施設と候補者の方々の能力、適正に応じて設定をされていると考えています。

 なお、あわせて平川委員が御指摘をされた部分、介護業務を任せられる日本語レベルということではN2というのが掲げられていたのは先般のヒアリングの中でありました。ただ、アンケート調査の聞き方というものもございますが、この任せられるというレベルの前の段階で、実習生として業務にスタートできるレベルとしては、この就労開始時に必要なレベルとして提示されているN3レベルが妥当ではないかという考え方で提示させていただいたところです。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○平川則男構成員 あくまで原則的なことを申し上げさせていただきますと、4ページのところの全体の介護のイメージ、その業務を支える能力ということで言えばコミュニケーション能力が必要であると。介護というのは、やはり一体的に考えていくと、身体介護もそうですけれども、業務の引き継ぎということも含めて極めて重要な部分でありますので、原則としてはN2レベルというのはどうしても求められるのが客観的な状況ではないかと考えているところであります。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

N3N2か、なかなかこの場ですぐ、一つの御意見としてと。しかし、おおむね今の御議論の中では、少なくとも実習開始時においてはN3は最低必要だと。そして、しかもそれを実習が開始された後もきちんとした研修体制でもって、その日本語能力、あるいはそれ以外を含むコミュニケーション能力を高めていく必要があるのだろうというところは共通して御理解いただけるかと思っています。

 いずれにしても、コミュニケーション能力というのは技術移転の最も大切な基本的な問題であるという問題意識に立って、このレベルをきちんと確保していかなくてはならない。そのためにも、やはり8ページの最後の○のところにもありますように、きちんとそのような能力を担保するための拘束力を持つ制度は何らかの形で必要だというところについては、この検討会として御了解いただけるかと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○三島室長補佐 経済連携協定受入対策室の三島と申します。

 9ページをごらんいただきたいのですが、1点補足させていただきます。

 ベトナムについては、訪日前に「日本語能力試験N3以上のみ」とあります。これは現在の制度のもとではこのN3以上というのが必須となっておりますので、ベトナムの場合は要件として求められています。また、インドネシアのほうも見ていただきたいのですが「N5程度以上のみ」とあります。これはベトナムと違って、N5程度以上が求められているということで御理解いただければと思います。ベトナムについてはN3が必須の要件となっているということで御理解いただければと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○田中構成員 少し言葉足らずで誤解があるかもしれませんので、私ども養成校は、過去も含めまして、現在、留学生が約60名おりました。そのときの入学要件の日本語能力はN2というふうにガイドラインを引いております。これは各学校が独自に判断するわけですけれども、共通的にN2以上ということが共通認識だと。しかしながら、それでもなかなか授業についていくのがしんどいというのが現状であります。

 そこで、私は、先ほどN3と申し上げましたのは、これは入国のときに少なくともそういうことで最低限この技能実習制度についてはN3ということが考えられるのではないかということでありますので、決して養成校はN3であるということではないということを申し上げたいと思います。どうも失礼しました。

○根本座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。コミュニケーション能力の確保に関する論点と考え方、N2N3か、どちらにするかということについてはまたいずれ御議論いただく場もあるだろうと思いますけれども、本日はそこら辺にとどめておきまして、ほかはよろしいでしょうか。

 それでは、本日検討すべき2つの事項につきまして、一当たり御意見をいただきましたけれども、次回以降も(3)以降、引き続きまして順次議論を深めていきたいと思っております。

 予定の時間、6時にははるかまだ達していないわけですけれども、皆様方の御協力を得て非常に効率的に議論が進められたと思いますが、本日はここまでにいたしたいと思います。

 どうぞ。

○平川博之構成員 済みません、資料を提供したものですから、机上だけでは申しわけないので、時間はかかりませんので説明させてください。

○根本座長 よろしくお願いいたします。

○平川博之構成員 お手元の資料は老健といって、老健施設に関する月刊誌です。昨年の12月号に「EPAによる介護・看護職員人材確保の展望」ということで特集を組んでおります。老健施設協会は以前より人材問題については特別な委員会を設置したり、あるいは処遇改善の署名活動を行ったりとかさまざまなことをやっています。介護人材あっての老健と思っておりますし、ある意味では老健施設の介護人材は医療、看護、リハビリ、在宅を含めた総合的な介護技術が必要です。言ってみれば老健施設で介護学を学ぶことは、研修医のための大学病院みたいなもので、研修後内科を目指す、外科を目指すと同じように訪問や通所に移られて良いと思うわけです。

 そういう中で、EPAも進んでまいりまして、私の施設でもフィリピンからの方が来られていますが、船出当初はいろいろな問題もありましたが、前回のこの委員会でお話があったようにJICWELSのほうもかなり頑張られて現在はかなりいい形になってきています。今年からベトナムからも候補者が来られるということで、去年の9月ごろベトナムに参りまして、現地での様子を自分の目で見てまいりました。といいますのも、EPAが始まる少し前のフィリピンに行、フィリピンでのEPAの取り組みを見てきたのです、当時は件の芸能人ビザの問題の直後で、たくさんのフィリピンの方々が日本に送り出されていました。結果は皆さん方よく御存じのように非常に悲惨な状況で日本で行方不明になった犯罪に巻き込まれたりで、そういったものの背景になったフィリピン送り出し機関を見てまいりました。その現場は本当に悲惨でした。そういう方々を我々は受け入れて活用していたということ恥ずべきことで、さきの大戦で日本が東南アジアには大変なご迷惑をかけたにもかかわらず、またこんなことをやってしまい、暗い気持ちになりました。

そのような経験があったので、新規に始まるわけですから、ベトナムの状況を見ていこうと思行ってきました。お手元の資料のページでいきますと、その時のレポートを本誌の特集組みました初めに展望を 述べ、角田さんにもお話をいただいて、14ページから、ベトナム日本大使館一等書記官の鶴谷さんからお話を伺いました。ベトナムは、ここに書いているように9,000万人の人口で平均年齢27歳と非常に若い国です。介護士、ナースについても国家試験がなくて、大学を出ればナースになれるということで、国によって随分違うのだと思いました。国柄としては、高齢者の介護は家族が見るということですし、また、介護福祉士という言葉自体がな、ホーリーという言葉がそれに近いかなと言った感じです。ですから、ベトナムでは、15ページの真ん中に書かれているように、日本と同じような介護の概念はなくて、高齢者施設では看護師が入浴の支援や移動を含めたお世話をやっているという実態を知りました。

17ページですが、大使館のほうで、先ほどお話が出ましたようにN3以上を目標に非常に頑張って養成がすすんでいるけれども、マッチングがうまくいけばいいのだがと心配をしていました。

18ページで、先ほどからベトナムは結構日本語教育がしっかりしていたという話がありましたが、実際に日本語研修をしている宿舎、教室も行ってまいりました。アークアカデミーという会社がASEANから受託し日本語研修をしていました。研修生学費や食費、宿泊費は全て無料という形でやっております。候補者 150名の方がいて、熱心に勉強されておりました。この9月の時点でN2レベルもいるぐらいということで、国柄なのでしょうか、懸命に学ばれていました

18ページの右側の欄の真ん中ぐらいです、「日本文化に適応するための授業を300時間設けている。ここでは日本の地理や慣習・マナー、日本の介護や看護など専門講師による演習も行う」ということで、これは、とても大事なことと思いました。今回の来日に際し段差なく日本に来られたというのは、先ほど言ったN3N2という日本語技術の取得と同時に、こういった研修もきっちりしっかりやっことが良かったのではないかと思っています。

21ページは、ベトナムのタンロン大学の学部長にお話しを伺いました。タンロン大学では日本の看護師資格を取るための、日本語で受験できるための勉強コースをつくっていて、結構人気があるということでした。ベトナムは真剣に日本の医療や介護を学びたいのだということがわかりました。

29ページからは外国人介護職に関する私の意見です。今回は技能実習ということで、さらに外国人枠をふやすという議論ですが正直、私自身はやはり日本の介護は日本人がやるべきであって、介護福祉士資格を取っても4割の方がこの業界から去ってしまうといった離職率の高さなどをケアすべきであって、それでも賄い切れない場合に、諸外国に御支援をお願いすべきというのが私の基本スタンスです。安直な外国人頼りいかがなものかと思っています。

 ベトナムでは、日本から学びたいという気持ちを強く感じました。勿論この時点では今回の技能実習制度の話はなかったのですけれども、本制度で日本の介護技術を学ぶだけでなく、送り出した国に対して貢献するため、個人的な技術の取得だけでなく、日本介護制度等さを伝えることも大事だと思います。たとえば、私は老健施設の関係者ですので、特養とか老人病院というのは世界に類似の仕組みはありますが、老健という仕組みは世界的に類を見ませんJudoと同じようにローマ字でROKENと書いて、これから高齢化が進むアジアにもROKEN の機能や仕組み自体も学んでもらいたいです。送り出しも受入側もウイン・ウインと、両方イコールの形で進めていくことが大事だと思っています。今回技能実習制度の枠組みEPA他国の方々を日本に招き入れ、日本の技術を身につけて、また自国に帰ってもらうということに何ら変わりはないと思うので、EPAの仕組みからもしっかり学ぶべきであると思っています。

最後に1点加えるとすると、お金のことが心配です。きちんとしたものをつくるとなると原資がどうなるのか。基金を作るのか、あるいは寄附でやるのかわかりませんけれども、人、物、金で考えると、今仕組みについての話し合いを進めていき、物は作れますが、それを動かすお金の問題をどうするのか。前回の本会で JICWELSの方からいろいろ説明がありましたがEPA の仕組みで1人の介護福祉士をつくるのにどれぐらいお金が投資されているのか聞いてみたかったです

 長々とどうも済みません。

○根本座長 ありがとうございました。

 お金と申しますか経費の問題については、またどこかで検討するというか、そういう場があるのかなと思っておりますけれども、いずれにしても貴重な情報をいただき、ありがとうございました。

 それでは、次回の開催につきまして、事務局より御連絡をお願いいたします。

○山田室長補佐 次回の日程については、後日調整をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上です。

○根本座長 ありがとうございました。

 おかげさまで非常に効率的に進めさせていただきました。

 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。お忙しい中ありがとうございました。

 


(了)

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