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2014年10月30日 第12回労働政策審議会職業能力開発分科会若年労働者部会
○日時
平成26年10月30日(木)10:00~12:00
○場所
中央労働委員会講堂(7階)
○議題
(1)部会長の選出、部会長代理の指名等について
(2)若者に対する職業能力開発及び勤労青少年福祉対策について
(3)地域若者サポートステーションに関する有識者からのヒアリング
(4)その他
○議事
○藤浪キャリア形成支援室長 定刻となりました。定足数に達しておりますので、ただいまから、「第12回労働政策審議会職業能力開発分科会若年労働者部会」を開催いたします。平成25年12月16日、並びに平成26年9月27日付けで委員の改選がございまして、本日はその後の最初の会合ですので、部会長が決まるまでの間、事務局のほうで議事を進めさせていただきます。私は職業能力開発局キャリア形成支援室長の藤浪でございます。よろしくお願いをいたします。
早速、議題1「部会長の選出、部会長代理の指名等について」です。資料1-2を御覧ください。労働政策審議会令第7条第6項におきまして、「部会に部会長を置き、当該部会に属する公益を代表する委員のうちから、当該部会に属する委員が選挙する」となっております。この規定によりまして、部会に属する公益を代表する労働政策審議会の委員から、当該部会に所属する本審議会の委員が選挙するということになります。本部会におきまして該当する公益委員は宮本委員のみでございますので、宮本委員に部会長に御就任いただくことになります。よろしくお願いを申し上げます。
それでは、以後の進行は宮本部会長にお願いをいたします。
○宮本部会長 おはようございます。御紹介いただきまして、また御指名いただきましたた宮本でございます。この若年労働者問題は、新しい時代の状況・課題を踏まえて法律を作っていくという大変重要な作業だと思っておりますので、部会長という重責を務めさせていただきますが、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、早速ですが、議題1に入りたいと思います。まずは今回の委員の改選について、改選後の名簿、お手元の資料1-1です。新たに委員になられた方がいらっしゃいますので、御紹介をしたいと思います。
労働代表委員は向澤委員と村上委員が新たに委員になられました。公益委員は堀委員がが、そしてまた私も新たに委員を務めさせていただくことになりました。使用者代表は変更はありません。
本日の出欠状況ですが、諏訪委員の代理として日本商工会議所の福田産業政策二部副部長に御出席いただいております。
次に部会長の代理を選任させていただきます。資料1-2の労働政策審議会令第7条第8項の規定で、「部会長に事故があったときに、その職務を代理する」ことが役割とされておりまして、部会長があらかじめ指名するということになっております。そこで玄田委員にお願いしたいと思っておりますが、いかがですか。御異議ないということで、玄田委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、事務局の出席者を御紹介いたします。宮川職業能力開発局長、中山審議官、吉永総務課長。職業能力開発局の関係課の室長も出席していらっしゃいます。職業安定局から牛島若年者雇用対策室長が出席しておられます。事務局を代表して宮川局長より、御挨拶いただきたいと思います。
○宮川職業能力開発局長 委員の皆様におかれましては、本日お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。当職業能力開発分科会若年労働者部会の開催に当たりまして、一言御挨拶申し上げたいと思います。
御承知のように、我が国の経済社会の発展のためには人材力を高めることが何より重要でございまして、昨今、職業能力開発政策には大変多く期待が集まっている状況でございます。
取り分け少子高齢化の進展によります生産年齢人口の減少という中で、若者がその能力を発揮できる社会を構築していく。そのための支援をしていくことの重要性が何よりでございます。
このような背景の下、職業能力開発局におきましては、本年6月から9月にかけまして、職業能力開発の今後の在り方に関する研究会を開催し、同研究会におきましては、若者に対する職業能力の開発のための支援についても、方向性について御議論いただいたところです。
職業能力開発分科会の本会におきましても、本年9月30日から職業能力開発施策について御議論を頂いているところでございまして、当部会におきましても、地域若者サポートステーションの在り方など、若者の職業能力開発について集中的に御議論いただければと考えているところです。また、これまでの若年労働者部会におきましては、勤労青少年福祉法及びこれに基づく諸施策等を中心に御議論いただいたところ、現在の若者を取り巻く環境とか若者に対する職業能力開発の必要性を踏まえつつ、今後の勤労青少年福祉法あるいは勤労青少年福祉対策の在り方についても御意見を賜ればと考えております。
若者の雇用対策については、既に職業安定分科会、雇用対策基本問題部会でも議論が始まっているところでございます。こうした基本問題部会におきます議論とも連携しつつ、本部会での議論につきましては、その議論の取りまとめを能開分科会本体に報告させていただき、能開分科会の報告書としてまとめて取りまとめられる予定と考えております。広く皆様方の御意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。開会に当たりまして、私から一言御挨拶申し上げました。ありがとうございました。
○宮本部会長 ありがとうございました。それでは、次の議題に移ります。議事次第にありますように、本日の主な議題は3件あります。1つ目は「若者に対する職業能力開発及び勤労青少年福祉対策について」、2つ目は「地域若者サポートステーションに関する有識者からのヒアリング」、3つ目は「その他」となっております。
そこで、議題2「若者に対する職業能力開発及び勤労青少年福祉対策について」です。このうち、若者に対する職業能力開発部分については、10月22日の労働政策審議会職業能力開発分科会において、分科会長から地域若者サポートステーションの在り方など、若者の職業能力開発については、若年労働者部会で御議論いただくと賜っておりますので、これを受けて議論を行うものです。それでは、資料2、3について、事務局から説明をお願いいたします。
○藤浪キャリア形成支援室長 それでは、資料2の若者に対する職業能力開発等についてご説明いたします。まず「若者をめぐる現状」です。1ページ目は、若年労働力人口の推移です。15~34歳の若年労働力人口は減少が続いており、2008年には2,000万人を下回りまして、2013年には1,757万人で、総労働力人口に占める割合も低下傾向が続いております。
2ページは年齢階級別に見た完全失業率の推移です。一番上の折れ線グラフが15~24歳、その下の赤線が25~34歳ですが、いずれも他の年代に比べて高水準で推移をしていることを示しております。
3ページはフリーター、ニートの状況です。左側のグラフのフリーターについては、平成15年の217万人をピークに減少しており、平成21年以降、180万人前後で推移をして、平成25年では182万人となっております。
右側はニートです。ニートの定義については下にあります。15~34歳の非労働力の非労働人口のうち、家事も通学もしていない者ですが、その数は平成14年以降、60万人台で推移しております。直近の平成25年で60万人となっています。
その下は15~39歳までの無業者の状況です。後ほど御説明いたします地域若者サポートステーションの対象年齢が39歳までとなっておりますので、39歳までの数字を出しております。平成14年以降、80万人で推移しておりまして、平成25年で同じく80万人となっており、20万人積み上がっております。
5ページは、非正規労働者の割合を年齢別に見たものです。時系列に棒グラフが3本それぞれ立っていますが、非正規雇用の労働者の割合は、全ての年齢層で上昇しておりまして、特に15~24歳層では1993~2003年の10年間で大きく上昇していることが示されております。
6ページは、若者の離職理由です。初めて勤務した会社を辞めた主な理由を聞いていますが、理由として多いものは労働時間、休日・休暇の条件がよくなかった。人間関係がよくなかった、仕事が自分に合わないといった理由が挙げられています。
7ページは、企業における若年労働者の育成の状況です。上のグラフが若年労働者の育成の方法ですが、OJTが中心となっております。
下のグラフは、その育成方針ですが、新規学卒で雇用された正規社員は半数以上が長期的な教育・訓練等で人材養成がされています。中途採用の正社員については4割程度、正社員以外の若年労働者については、短期的な研修が最も多いという状況です。
次に「若者に対する職業能力開発に係る現行制度・施策について」です。8ページは、若者育成支援事業ですが、これは地域若者サポートステーション(サポステ)です。サポステについては、地方自治体と協働して専門的な相談やコミュニケーション訓練・職場体験等、あるいは学校と連携した中退者の支援、また合宿を含む若年無業者等集中訓練プログラム事業を、地域ネットワークを活用し、就労支援を行っておりまして、実施主体としては若者支援の実績ノウハウのあるNPO法人にお願いをしております。全国で160か所が設置されております。
そのサポステによる支援と利用者のイメージ、どんな若者がサポステの対象となっているのかということですが、ニート等の若者のうち、就労の意思はあるものの、様々な課題を抱えている者ということで、例えば、働きたいが、自信が持てず一歩を踏み出せないとか、生活のリズムが不規則な状態、あるいはコミュニケーションが苦手で外に出るのが不安だといった課題を持った若者たちで、そういった若者に対して、キャリア・コンサルタントによる個人の状態に応じた相談支援、課題・問題点の洗い出し、個別支援計画の作成などを通して、コミュニケーション能力向上のための様々なプログラム等、あるいは職場見学、職場体験等を重ねることによって、少しずつ自信を付けて、不安の解消などを図っていって、ハローワークなどをとおして、就職、社会につなげていくといった支援を行っているところです。
10ページは、サポステの実績です。平成25年度の数字を出しております。利用者ですが、新規登録者数は平成25年度は約4万3,000人、進路決定者数は1万9,702人となっています。下のグラフを見ますと、進路決定者数についてはサポステ数の増加もありますが、毎年増加しています。
平成25年度の1万9,702人の内訳ですが、就職した者が約8割という状況です。しかしながら、その4分の3が正社員以外の就職となっており、そういう状況から、本年度よりサポステ卒業者ステップアップ事業を実施しています。サポステの支援を受けて就職した社員等に就労後の職場定着のためのフォローを実施することに加え、より安定した就職機会、例えばパートからフルタイムとか、非正規から正規雇用といったキャリアアップができるようにステップアップに向けた支援を実施しています。
12ページであるが、そのサポステについては、昨年秋に行政改革推進本部による行政事業レビューを受けたところで、その指摘と対応についてまとめたものです。左側に行政事業レビューの指摘事項があります。本日の参考資料7にも付けてあります。
簡単に紹介しますと、各サポステの実績の把握・評価あるいはサポステの卒業者の就労状況やその後の継続性の把握に取り組むべき。地方自治体や民間のほか、生活困窮者自立促進支援の取組が進められている中、事業は有効と言い難く、事業に終期を設けるなどの事業の出口戦略が必要である。あるいは学校連携事業はニート予備群をサポステに誘導するような形となっており、見直しが必要という厳しい指摘を受けたところです。この指摘については、既に本年度において一定の対応を行ってきたところですが、更に平成27年度においても、引き続き見直しを行っていくことを考えております。
例えば、失業者の就労状況等については、全てのサポステで把握をしていくという実施体制の強化も考えておりますし、ハローワークとの連携も、より一層強化をしていこうと考えております。
そのハローワークの連携については、各労働局にも通知を出しております。対象者の相互の誘導、ケース会議の開催ということで、ハローワークと一層連携するようにということで指示を出しております。
14ページ、キャリア・コンサルティングについてです。キャリア・コンサルティングについては、個人がその適性、職業経験等に応じて、自ら職業生活設計を行って、これに即した職業選択等が効果的にできるよう、個別の希望に応じて実施される取組ということで、その基本的な流れは中ほどに図で表したとおりですが、若年者に対しては職業に対する認識が不十分といった若者特有の課題がありますので、そういった点に留意したキャリア・コンサルティングの実施が必要と考えております。
それを担うキャリア・コンサルタントについては、キャリア・コンサルティング技能士1級、2級の方々が全国で5,500人ほどおりまして、その人のレベル、標準レベルと言っておりますが、そのキャリア・コンサルタントは全国で約4万人という状況です。更に、その下のレベルになりますが、ジョブ・カード講習14時間以上を修了した登録キャリア・コンサルタントがおりまして、それらを全部合わせると、平成25年度末で約8万7,000人となっております。
16ページは、そのキャリア・コンサルタントを今後養成をしていこうということで、目標を立ててあります。養成計画の策定を今年の7月30日に行っておりまして、具体的な数値目標を抜粋して挙げてあります。標準レベルのキャリア・コンサルタント、そして技能士の累積養成数について、平成26年度末に10万人という目標として掲げています。
次に、17ページのジョブ・カードについてです。ジョブ・カードについては、平成32年までに取得者数300万人を目標としておりまして、その達成に向けて訓練の際のジョブ・カードの活用あるいは一般求職者等へのジョブ・カードの活用を進めているところですが、実態としてはそのほとんどが訓練での活用という状況となっています。
18ページはジョブ・カード交付、活用の根拠ということで、求職支援訓練については、省令で規定されていますが、それ以外については通達等によって規定をされております。
19ページは現在行われているジョブ・カードの見直しについてです。キャリア・パスポート構想研究会中間取りまとめ。中ほどに見直し案がありますが、訓練、就職時での活用から生涯を通して活用ができるものということで、生涯を通じたキャリア・プランニングのツール、円滑な就職等のための職業能力証明のツールであることを明確にした上で見直しを行っていくということで、現在検討が進められております。
20ページからは職業能力評価制度についてです。まず、職業能力評価制度の概容を示してあります。能開法に規定された技能検定を中心に、認定技能審査、認定社内検定、職業能力評価基準が整備をされております。このうち、技能検定制度について、その概要を示したものが21ページです。労働者の技能を検定し、これを公証する国家検定制度でして、昭和34年から実施されています。検定職種は現在128職種で、平成25年度には全国で約72万人の受験申請ということで、制度開始から累計約550万人が資格を取得しています。
22ページは技能検定3級の概要です。若年労働者等の人材育成に資するということを目的に、平成5年に3級を創設して、学生も受験可能となっています。3級受験者の約8割は学生・生徒です。実施状況は平成25年度は全国で約3万人の受験申請があり、約2万4,000人が合格しています。
技能検定の等級の全体像ですが、右側の数字を御覧いただければお分かりのとおり、2級、3級がボリュームゾーンで、受験者数全体の約8割を占めるという状況です。
24ページは技能検定のカバレッジです。国勢調査を基礎として、全就業者数と技能検定職種に対応する職業の就業者数の割合を算出していくと、約3割で、このうちものづくりの技能分野に限定してみると約8割です。一方、対人サービス分野に限定してみると、約2割であり、対人サービス分野等におけるカバレッジが低い状況となっております。
以上を踏まえて、現行の職業能力検定制度の全体像を概念的に整理したものを示してあります。現行の職業能力検定制度、各制度について職業能力の地域、企業特殊性という軸と、場面設定等によるパフォーマンスの差という軸でカバーする領域を見た場合を整理したものです。若年雇用吸収力の高い分野と重なる対人サービス分野において、職業能力検定制度が未整備という状況が示されています。
次に、26ページの訓練関係です。26ページは若者向けの公的職業訓練施策をまとめたものです。
27ページは学卒者訓練の概要で、国と都道府県において、職業に必要な基礎的な技術・知識を修得させるための1~2年間の訓練を実施しているところです。平成25年度は受講者数約1万9,000人、就職率は95.4%と非常に高い数字になっております。
28ページは日本版デュアルシステムです。主に若者を対象とした公共訓練で、いずれも高い就職率を示しています。
次に、地域の関係機関の協働、地域レベルのコンソーシアムによる職業訓練コースの開発ということで、不安定な就労の若者の安定的な就労の実現等を進めるために、企業、業界団体、民間訓練機関、行政が協働してより就職可能性を高めるための職業訓練コースの開発・検証を行うものでして、就労の可能性を高める訓練モデルの開発を全国10か所で本年度は進めています。
30ページですが、公共職業能力開発施設における高等学校等との連携に関する取組事例ということで、工業高校の生徒に対する研修、中学校における職場体験への協力のほか、中学校、高校に対する学校説明会といった取組が行われております。
次は、雇用型訓練の概要です。企業内での実習と、教育訓練機関等での座学を組み合わせて実施する訓練でありまして、有期実習型、実践型人材養成システムのいずれも高い実績となっております。
次に「勤労青少年福祉法に基づく施策の現状」です。勤労青少年福祉法の目的ですが、勤労青少年について、職業指導の充実、職業訓練の奨励、福祉施設の設置等の措置を計画的に推進し、もって勤労青少年の福祉の増進を図るということで、昭和45年に制定されて以降、大きな改正なく、現在に至っています。
主な内容としは、マル2の勤労青少年の日の設定。マル3大臣は基本方針を定め、知事が事業計画を策定するよう努めること。マル6事業主は一定の事業場ごとに勤労青少年福祉推進者を選任するよう努めること。マル7地方公共団体は勤労青少年ホームを設けて、指導員を置くように努めることとなっています。
この中の基本方針について、現在、第9次が策定されておりまして、次のページに全体像を示してあります。第9次については、平成23年度から平成27年度という期間で設定されております。
主な施策は大きく3本に渡っています。1つは勤労青少年の長期的な視点からのキャリア形成の促進、2点目は勤労青少年の交流、多様な活動の促進、3点目は勤労青少年福祉行政推進のための基盤整備等と多岐にわたる内容となっております。
第9次方針については、資料5で、それぞれ基本方針に盛り込まれております施策の進捗状況を簡潔に取りまとめたものを御用意しております。時間の関係上、簡単に御説明いたします。1ページ目。勤労青少年の長期的な視点からのキャリア形成の促進については、高校生に対する就職ガイダンスの実施、キャリア探策プログラム、ジュニア・インターンシップの実施。
3ページでは、学校から職業生活への移行支援ということで、新卒応援やハローワークによる支援等の職業安定行政における各施策が並んでおります。
5ページにおいては、訓練関係ということで、ジョブ・カード制度の推進、公的職業訓練実施について記載しております。
7ページの企業におけるキャリア形成支援の環境整備ということで、キャリアアップ助成金あるいはキャリア形成促進助成金の進捗状況を載せてあります。
11ページの勤労青少年の関係については、勤労青少年ホームに係る好事例の収集、提供といった取組についてまとめてあります。
元の資料に戻って、34ページです。勤労青少年福祉法に基づく各施策の実施状況について、今年の8月に各都道府県に対してアンケートを行いましたので、その内容を御紹介いたします。まず、「勤労青少年の日」に関する事業の実施状況ですが、実施していないと回答したのが4割以上となっております。実施している場合でも勤労青少年ホームが主体となって実施をしており、内容としてはスポーツ、レクリエーションが中心となっております。
また都道府県が策定する勤労青少年福祉事業計画について、その策定状況を見たところ、実際に策定をしているという都道府県はありませんでした。ただ、名称は異なるのですが、別の計画・プランに勤労青少年ホームのことを載せるといったことで、部分的に盛り込んでいるところが2県ありました。
35ページの勤労青少年福祉推進者数、選任事業所の把握の状況で、都道府県がどれだけ把握をしているかを聞いたところ、把握をしているのは4県のみでした。把握している4県の数字ですが、推進者数は2,500人ほど、選任事業所数は約2,000という状況でした。
勤労青少年ホームの設置状況については、設置をしていない県が3県ほどありますが、それ以外は設置をしており、主に市町村が設置という状況で、全国で合計333施設を確認しております。ピーク時には500以上ありましたので、減少傾向になっています。
最後に若者雇用対策に関する提言についての資料を付けてあります。36ページが自民党雇用問題調査会の提言内容、37ページの中段から公明党、39ページは経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太方針、中ほどに若者等の活躍促進が掲げられております。
40~42ページは日本再興戦略の改訂版です。若者に関しては42ページに「未来を創る若者の雇用・育成のための総合的対策の推進」として盛り込まれているところです。資料2については以上です。
資料3は、本日、御議論いただきたい具体的論点、3点です。1点目が若者一人ひとりがその能力を発揮できるよう若者の職業訓練、職業能力評価及びキャリア形成支援について、どのように考えるか。2つ目は、生産年齢人口の減少の中、ニート等の就労支援の充実の観点からサポステの今後の在り方についてどのように考えるか。3点目は、現在この取り巻く環境、職業能力開発の必要性を踏まえて、勤労青少年福祉法及び勤労青少年福祉対策の今後の在り方について、どのように考えるかといったものです。これに関連して能開分科会での主な意見をまとめたものを、参考資料の2として付けております。また、安定局での基本問題部会での「若年雇用対策の論点」について、参考資料3。そのほか職業能力開発の今後の在り方研究会報告書ほかの資料を配付させていただいております。私からは以上です。
○宮本部会長 ありがとうございました。非常にたくさんの情報を盛り込んだ資料を作っていただいたので、検討するに当たって大変助かるなと思います。ただいまの御説明の中で、地域若者サポートステーションに関する話もありましたが、本日の議題3として、地域若者サポートステーションに関する有識者ヒアリングを行うことにしております。そこで、続いて議題3の発表を聞いていただいて、後ほどまとめて質問や意見交換の時間を設けたいと思います。そういうことで今日来ていただいたのは、特定非営利活動法人ICDSの深谷理事長です。深谷理事長から地域若者サポートステーションについてお話いただき、少し質疑応答をしたいと思います。
○深谷理事長 おはようございます。NPO法人ICDSの深谷と申します。よろしくお願いいたします。
資料ナンバー4にありますように、私どもの法人では現在のところ、サポートステーションを愛知県の名古屋市と、岐阜県の岐阜市の2か所で運営させていただいております。名古屋については今年で7年目、岐阜はそれより1年短いです。資料の下に所在の場所等が書いてあります。名古屋市内にサポートステーションは1か所だけです。北区という場所で、市役所から地下鉄で1つ隣の駅へ行った所で、市の中心部ではなく、やや北部のほうに位置しますので、利用される方は名古屋市民だけではなく、北名古屋市や隣接する春日井市等の市民も利用していらっしゃいます。岐阜県のサポートステーションについては、本年に関しては岐阜県庁の隣のシンクタンクという庁舎にあります。来年度からは岐阜県の意向として、JR岐阜駅の施設に移転するという予定を伺っております。
両サポステとも「サテライト」という名称があります。名古屋のほうは名古屋市青少年宿泊センターです。これは名古屋市緑区という市の南部のほうにある、いわゆる宿泊型の青少年施設で、ここに週1回、キャリア・コンサルタントが行き、市の南部の方の相談を受けます。同じく岐阜については、岐阜市からかなり距離の遠い所が多いので、高山市と郡上市については、そちらの市役所の御理解というか御協力があり、市の施設を使わせていただいて、現地のキャリア・コンサルタントをサテライトの担当者という格好で配置しております。職員数は若干名古屋のほうがあります。これは受託させていただいている事業規模による差です。
次のページにいきます。利用者の属性はどのサポートステーションも、全国でそう大差はないのではないかと思っております。男性と女性の比率は、以前の合宿型の就労支援というか、ニート支援をやっていたときは男性が90%ぐらいを占めていたのですが、通所型となりますと男女のハードルが少し下がり、女性の比率も上がっております。年代は、30歳の壁というのが1つあります。いわゆる30歳になる頃に、御本人も気持ちの上で何らかの動きをしないといけないという焦りを感じるのか、30歳を境にしたゾーンがボリュームゾーンになっております。引きこもりの経験は、多いと見るか少ないと見るかは難しいところですが、大体1割+2割ぐらいは経験があるということです。来所のきっかけについては市の広報誌、岐阜の場合は回覧板というのがありますので、そういったもので広報することによって、来所されるパターンが非常に多うございます。
支援の内容ですが、各サポートステーションごとにメニューの名前や内容に、若干オリジナリティーがあります。そちらに階段上のステップの図があります。私どもの場合、いらっしゃる利用者の就労に向けたレベルという点では、かなり幅が広うございますので、階段の一番下のほう、ファーストステップの辺りは対人的なコミュニケーションさえ、放っておくと自分ではなかなか取ることが困難な方もたくさんいらっしゃいます。そこで、まずはそこのソーシャルサークルで、ある意味では他人と協力し、何か共通した作業をやっていただきます。ただ、それを単なる雑談等で終わらせてしまいますと、端から見るとただ遊んでいるだけということになりますので、何らか社会につながる、あるいは社会に役に立つということをコンセプトにした活動を考えながら、そこに参加して行かせるということを進めております。
「学びなおし(な)」の(な)は、名古屋のみでやっているという意味合いです。こちらでは高校等を中退された方が、もう1回高校に復学するとか、中卒の方の高校受験を支援するようなレベルの勉強を支援するというのが昨年度はありました。今年度に関しては、名古屋市の予算でやらせていただいております。そしてステップが上がっていきますと、徐々に就労に向けて職業理解を進めていくような、あるいは就職する際に最も必要だと言われるコミュニケーション能力を重視し、練習していく場を提供します。
更にステップが上がっていきますと、いよいよ就職活動に向けたトレーニングが、3つ目のステップとして入っていきます。ただし、ここには問題があります。サポートステーションは直接職業紹介を中心にやっているわけではありませんので、後はここまで行ったステップの子をハローワーク等につないでいくといったところが、現状の就労に向けた支援になっております。あと、先ほどの御説明にあったステップアップ事業、あるいはサポートステーションを卒業した方々のケアということで、職場定着にも着手しております。
以上が主立った支援の内容で、その支援プログラムの具体的な例を次項以降に示しておりますので、5ページを御覧いただきたいと思います。まず、サポートステーションに参加している方々にとって一番ハードルが高いのが、集中訓練プログラムです。こちらはトータルすると3か月という期間の中で、1か月はみんなで合宿をし、それ以外の期間は通所型で、いろいろなスキルアップの勉強をしていただきます。そういったプログラムを名古屋なら青少年の宿泊センター、岐阜でも公的な宿泊施設をお借りして運営しております。
具体的な内容として、通所の部分は先ほど御説明いたしましたが、合宿という点については共同生活をしていく、あるいは仲間と一緒に食事を作っていくというプログラムを通じて、基本的な人間力の向上につなげます。これは数値ではなかなか評価しづらいのですが、やはり他者とある程度の期間共同生活をすることによって、いわゆる協調性や役割を果たしていくといった責任感とか、行く行くは就労につながっていくような基本的なスキルの必要性を、参加した若者たちは非常に痛切に感じており、この合宿の前と後の見た目と言うと変ですが、雰囲気には著しい変化があると感じております。
6ページの集中訓練プログラムの2ですが、そちらには写真を入れております。基本的に複数の方々と一緒の共同作業をしていきます。また、生活のリズムが非常にプライベートな時間感覚と言ったらいいでしょうか、マイペースと言ったらいいでしょうか、そういうものを所定の時間を決めて行動していくといった、基本的な行動トレーニングをやっております。そして訓練の最終段階には成果発表ということで、それまでのジョブトレーニングで気付いたこと、学んだことを内省も含めて参加した人が発表し、今後の就労に向けたモチベーションを上げていくことで、1つのプログラムが終了していきます。
7、8ページは集中訓練ではなく、サポートステーションの中で常時行っているものです。そちらの代表的なものを1つ挙げただけですので、それぞれのサポートステーションで何らかの形で工夫をしております。我々は「サークル」という呼び方をしておりますが、利用者に個別の面談だけではなく、グループワークを通じて、スキルアップや意識を変えていくようなプログラムを展開しております。8ページはジョブトレーニング、自主事業というものです。これも協力していただく企業を開拓して、その企業で実際に仕事の内容を体験させるといったプログラムを展開しております。
続いて9ページにいきます。ジョブトレーニング等に参加された方々の事例で、まずは名古屋のサポートステーションの例です。大学を無事卒業したものの、結局就職をする段階で自分に自信がないということで、就職活動をまともにせずにニート生活に至り、そのまま25歳になってしまったという例です。そこにいろいろ書いてありますように、「ジョブクラブ」と言うと語弊はありますが、仲間と一緒に就職に向けた取組をしていくことによって、改めて自分の良さであるとか強みであるとか、そういうもので自信を回復する。それによって無事、就労を果たしていったという足跡です。
岐阜のサポートステーションの場合は、もともと不登校とか引きこもりという、かなり難しいタイプの方でした。そういった方は先ほどの階段のイラストのように、順番にステップを踏んでいただきます。ジョブトレーニングに行ったときの振り返りシートに書いてくれた感想を見ていただきますと、非常にネガティブな自己評価から、だんだん自分を肯定していくという評価に変わってきて、最終的には清掃業での就労を果たしてくれております。
続いて、11ページ以降へいきたいと思います。新規登録者は知名度の向上とともに、両サポステとも年々、一応増加を続けております。やはり1年目というのは、どちらのサポートステーションも知名度が低く、なかなか苦戦をする。3年ぐらいしてくると、大体名前が知れ渡っていって、そこからカーブが急角度になって上がっていくという傾向があります。相談件数は当然、登録者数にある程度比例いたしますので、同じような増加を示しております。
進路決定者というのは、先ほどの資料にあった全国の統計を単純に160か所で割り算しますと、1か所平均123名当たりが進路の決定者数になろうかと思います。幸い名古屋・岐阜というと、経済面というか労働市場で恵まれているという環境もありますので、就労あるいは進路決定者の率は、少し高いかなという傾向が出ております。
ちなみに実績マル4というのは、先ほどの行政レビューのお話でもありましたように、サポステについての費用対効果の検証が云々というところがありましたので、やっている側としては、自分たちがやっていることがきちんと効果があるのかということを、アンケート調査のような質問紙を配って調査を行いました。簡単に申し上げると、サポートステーションの役割として、自分が就労していこうという進路決定をしていくところに持っていくのがメインかと思っておりますので、調査結果のマル3にある進路決定の自己効力感を高めていくために、ソーシャルスキルやキャリア成熟度が高まればマル3も高まるだろうということで、各プログラムはこのマル1、マル2、マル3の辺りを狙って展開してきました。
利用を開始したすぐの段階と、3か月経過した後に同じ質問をして、心理的な変化がどのようにあったかということを調査した結果、そちらに赤文字で書いてありますように、いずれも0.1%水準において、3か月経過した後のほうが高まっているといった結果が得られております。これは年齢や学歴にかかわらず、サポートステーションという所で支援を受けたことによる変化だと思っております。詳細は次のページに別紙を付けております。
最後に15ページです。直接運営させていただく側として私が感じている課題を、簡単に御紹介したいと思います。まず1つは、安定的な運用です。サポートステーションは単年度の契約ですので、働いている職員も基本的に皆さん単年の契約社員ですから、正に非正規雇用です。かつ、サポートステーションを受託させていただくことが分かるのが、大体年が明けてからになります。ですから働いている側の人間にとっては、自分の次年度の働く場所が2月か3月にならないと確定しないという中で、毎年毎年働いております。その中で、先ほど学校連携事業というのがありましたが、せっかく学校の教育委員会の非常に高い壁を越えて、ようやく信頼関係ができつつあるねというところで、来年からはなしねということになりますと、学校から見た我々に対する見方も、信用ならないというお声を頂いており、安定して運営をすることが非常に難しいということを感じております。
位置付けという点は、先ほども申しましたが、直接職業紹介等ができるわけではありませんし、職業訓練をやっている場所でもありません。その辺りをうまく使う橋渡しだと言ってしまえばそれまでですが、どこに軸足を置くのかというところがもう少し明確になってくると、地方の行政といろいろなやり取りをさせていただくときの窓口等々も含めて、円滑な運営が可能になるのではないかと考えております。
3番の進路決定者の数も当然重要なものですが、利用した方々の意識の変化といった指標なども、御評価いただければ幸いでございます。
最後に委託費の積算です。契約は単年ですが、例えば私どもで物品のリースを掛けて、それを精算でお出しすると、金額が高いという御指摘が入るわけです。その高いという根拠は、3年とか5年という複数年度の、一般的に言うリースの契約でやる金額でおっしゃいますが、単年契約である以上、こちら側としては最初から複数年契約で物品リースを掛けるということは、その先のリスクは誰が負うのですかということになります。それについては全く何の回答もなく、世間一般ではこの金額ですということで終わってしまう。財務当局の厳しい予算状況も分かるのですが、リスクと費用というのは、やはりある程度見合うものがないと、きちんとしたことを続けてやっていくのは非常に難しいと感じております。
簡単ではございますけれども、そろそろお時間ですので、私からの報告は以上とさせていただきたいと思います。
○宮本部会長 大変短い時間の中で整理していただき、ありがとうございました。それではしばらくの間、今の深谷理事長の御報告に関して質議応答をしたいと思います。どなた様でもどうぞ。
○遠藤委員 私から何点か御質問をさせていただきたく思います。資料2の12ページに、「行政事業レビューの指摘とその対応」ということで3項目書かれており、それに関連して、学校連携推進事業が廃止されることに伴う不安や困惑といったお話があったかと思います。それについてもう少しお尋ねします。御案内のとおり、この事業そのものはサポステのあり方を有識者の研究会で検討した結果、学校とサポステの皆さん方がより連携していく、情報の共有を強化していくという位置付けで行われてきたわけです。廃止されるという方向性が出ており、廃止されることによるリスクは理解できるので、それを補うような形での展開など、、何か視点をお持ちであれば教えていただきたく思います。
○深谷理事長 詭弁になるかもしれませんが、直接高等学校の先生等から、今年は来てくれないのという御連絡を頂きます。その際、サポートステーションとしてはできませんという回答をまずした上で、うちのNPO法人として対応させていただきますということでやらせていただいております。
○遠藤委員 そこが、私の今日の関心事です。行政レビューで他の項目を見ますと、今年度は自治体の類似の事業が行われている地域では、重複部分は執行しないような形での要領が出ていて、来年度については対象者をより明確にするということです。方向性としては理解するのですが、現場で働かれている方、あるいは対象者になっている若者の皆さんからすると、どこでサポートされるのかということが必ずしも明らかでないし、御案内もされていないのではないか。そういったときに現場の皆さんが、こういう対象者であればこちらに来てください、そのことが現場でスムーズにできるような方向は、どういう形であればつくり出し得るのか。そこについても御見識があったらお尋ねしたいというのが1つ目です。
次に、理事長のNPO法人のような比較的実績もある所であれば、例えば市からの委託事業ができたり、類似の事業の一部を担ったりしながら、財布を分けて対応できるようなNPO法人があると思うのです。しかし実績のない所、あるいは陣容が十分でない所は、NPO法人自体が地域から外されてしまっているような状況があるのではないか。近隣のNPO法人の中で該当する事例があれば教えていただきたいと思います。
○深谷理事長 外されるかどうかは、そのNPO次第だと思います。うちも高校に行って何かをやるのに、具体的に何万円というお金が掛かるわけではありません。かつ、幸い名古屋のサポートステーションは月曜日が定休日なので、学校がやっている日に行けるということもありますので、職員がボランティアということで行って交通費程度を出しているだけです。では、そういったものをずっとやっていけるのかと言われると、名古屋市は財政的にやや強いものを持っており、そこが応援もしてくれるので、学び直しといったものもやれていますから、そういった部分において、地方行政の力の入れ方の違いというのがかなりあろうかと思います。回答になっておりますか。
○宮本部会長 今のことに関連して御質問、御意見はありませんか。
○中澤委員 御発表の中の最後に、委託費の精算根拠の見直しという御説明を頂きました。1つは、リース費用は複数年でというお話ですが、予算事業ですので費用面で対象にならないものがあるとか、サポステ業務を遂行していくうえで、もう少しこういう効果的な業務があればいいといった、御要望的なものは何かありますか。
○深谷理事長 細かい費目というか、費用についてはさほど問題はないかと思うのですが、一時は水道光熱費だったか、燃料代だったか、暖房代だったか、そういうものは駄目ということがありました。うちの岐阜の場合は場所が狭く、平成25年度は人員がかなり多かったのです。どう考えてもこのオフィスにこの人数が入ったら、誰も相談するスペースがないよねという環境だったので、別室の事務所を借りたわけです。そこでの家賃はいいけれど、そういう所の水道光熱費は駄目ということがあると、どうやってそこを使うのですかという話ですよね。いわゆる常識で考えて、これってあり得ないよねという話が時折出てくるのです。
○中澤委員 あと、委託費の積算根拠の見直しに関連するのですが、理事長のNPO法人というのは、「本業以外に大きな労力が掛かる」と書かれているのですが、NPO法人としてサポステ以外の業務はどのようなことをおやりになっておられるのでしょうか。
○深谷理事長 恥ずかしながら、先ほどのキャリア・コンサルタントの検定というか養成をやっております。ちなみにこの文章にある本業というのは、サポステとしての本業という意味です。センター長は本来、対外的な所を回ったり、現場の支援員のケアをしたりというのがメインのはずが、どちらかというと精算業務を経理担当者とやり取りするウエイトがすごく高いのです。そもそもこういうことをやりたい職種として選ぶ人は、余り経理にたけているわけではないので、知らない用語を自分が聞いて、それを経理を担当している事務員に咀嚼して伝えるにはスキルが要るわけです。
○向澤委員 いろいろと就労支援をされている中で、家族の方からも、引きこもりのお子さんなどがいると、どう対応していいかなかなか分からないという声がある。その中で、家族も含めたきめ細かな支援が全体の成果と言いますか、効果を上げていくには大事だと思っています。本人だけでなく、周辺の支援ということでサポステとして何か実施されていることがあれば、教えていただきたいと思います。
○深谷理事長 一応保護者勉強会といったものをやっております。
○向澤委員 地域での行政での支援と、サポステによる支援の違いみたいなものはありますか。
○深谷理事長 名古屋市の場合、基本的にニート状態の方は名古屋のサポステにというスタンスを取っていただいておりますので、そこは問題ないのですが、子ども・若者育成支援法に基づく総合相談センターの機能が、複雑な人だけそちらのセンターにということになっているのです。私の解釈でいくと、国としてやり出したのはワンストップでそこが最初の振り分け機能だという意味合いで取っていたので、そういったところが少しうまく機能していないという問題は感じています。
○宮本部会長 まだまだたくさん御質問はあるかと思いますが、一通り深谷理事長のお話を伺ったということで、これを踏まえて議題2で議論をしたいと思っております。短い時間の中で、大変有意義なお話をありがとうございました。
○深谷理事長 ありがとうございました。
(深谷理事長退席)
○宮本部会長 引き続き、議題2「若者に対する職業能力開発及び勤労青少年福祉対策について」を議論いたします。これから質疑応答で、時間をある程度まとめて取っておりますので、どなたからでも御発言ください。資料3に論点が3つ挙がっていますので、この3点について限られた時間の中で、一通り満遍なく触れたいと思います。その参考になる資料4及び資料5を御覧いただきながら、まずは論点1「職業訓練、職業能力評価、キャリア形成の支援」について御発言ください。
○玄田委員 口火として、論点1について思うところを申し上げます。支援についてどのように考えるかということですので、大きな方向性として、是非次のような観点を御検討いただければと思います。つまり、こういう若者に対する対策、ある種の困難な状況にある若者への救済事業としての性格だけではなく、より広く考えていただきたい。
具体的に申しますと、この支援というのは将来の日本という国を担う貴重な人材に対する社会的な投資を促すための政策でなければならないという観点で是非とも御理解を頂くべきではないかと思うのです。
2003年以来、若者自立挑戦プランという様々な形で施策が進んできましたけれども、やはりこの問題については若者に対して国、自治体、家族、本人がどう関わるべきかということが、ずっと大きな論点になり続けてまいりました。その中で、ややもするとこれは若者本人の問題であるとか、先ほど向澤委員もおっしゃった、家族が解決できる問題であるという論点がただ強調されてまいります。
この10年の取組の中で、社会全体で取り組んでいかなければならない。しかも、これで先ほど深谷さんのお話もあったように、若者が自己肯定感を高め、より就職していくことによって、社会にとって貴重な人材となって、正に日本を担ってもらう人材を育てるのだという論点を、是非方向性として持つべきだと思います。
その際に重要なのは、これまで先進国で若者対策として捉えられてきた視点はまず1つ重要だろうと思います。それは、大きく次の3点です。個別的、持続的、包括的というキーワードでなされるものです。若者といってもいろいろな対応の状況がありますので、やはり個別に対応しなければならない。また一過性ではなく、ある程度時間を掛けてじっくり取り組むことにより、より一層の投資の効果が実を結ぶ。先ほど学校の話も出ましたけれども、雇用問題、また地域との関連、場合によっては学校等との連携という意味での包括がなければ、若者が持っている様々な可能性をより開花できないということです。
加えて日本の若者にもう一点重要な支援があるとすれば、恒常的である、若しくは安定的に支援をしていかなければならないという点です。恒常的というのは、日本の若者問題の特徴として、世代間に非常に強い格差があります。好況期に学校を卒業した世代と、そうでない世代に学校を卒業した世代では、かなり継続して処遇状況による違いが生じてしまう、これが非常に世代間での不遇感を生み出している。それは、日本の新卒一括採用というものがある限り、なかなか変わり得ないものでありますけれども、そろそろこの支援の在り方を見直すことにより、その若者が生まれ育った世代によって、不遇感を感じないような抜本的な対策を取ることを是非とも考えていただきたい。
そのためには、恒常的に世代を超えた対策をすることが大事になってまいります。今までの雇用対策はややもすると緊急対策的に、リーマンショックのような状況の中でなされるということで、最大限の努力はなされてきたと思うのですけれども、緊急対策にはどうしても時間的な問題もあったりして、本当の意味で速やかな対応が難しい。そうなった場合には、ある程度恒常的に取り組むことであってこそ、本当に危機的な状況の中で対応できる面があります。
もう一点、恒常的に対応が必要なのは、サポステもそうですが今は様々な形で若者の自立を支援してくださる個人や機関が増えてきているときに、こういう支援をされている方を、決して使い捨てにしてはいけないという観点をこれからは考えていかなければならない。若者が苦しいときだけ支援者に頼り、また状況が良くなったらそれで改正するということでは、支援者自体が育ちません。
また今のお話にあったように、ある部分国が財政難の問題を表に出していくと、場合によってはその支援されている方々に負担を押しやっている状況があることも率直に認めていかなければなりません。こういう状況を解決していくためには、個別的、持続的、包括的支援と並んで、やはり恒常的、安定的な支援をしていくような論点が特に日本の場合には大事だと思いますし、そのために法律による裏付けが今後非常に大きな形になって、若者支援の必要性を地方行政も含め、様々な方々に理解していただくための大きなきっかけになると思いますので、そういう形でこの支援の在り方を考えていただければと思います。
○宮本部会長 全体を整理していただいて、議論しやすくなりました。
○向澤委員 論点1の全体的なところに関連します。資料2のスライド7で、企業における若年労働者の育成状況のところですけれども、ここでは正社員以外の若年労働者については非正規、有期雇用が多いこともあり、なかなか長期的な教育訓練による人材育成があまりなされていない状況にある。それに関連すると思うのですけれども、今の仕事に直結するOJTは対象となっても、off JTのような形で、長期的なキャリア形成に資するような訓練や教育が受けられないところとかなり密接に関係しているのかと思っています。こういう部分で、非正規から正規雇用につながっていくような、長期的なキャリア形成に資するような訓練や教育が受けられる環境をより拡充していくのが1つ大事な方向性なのかと思います。
○宮本部会長 若者のための職業訓練が2003年以降いろいろな形で政策として組まれ、メニューを見るとたくさんあるのですが、それがどこまでカバーしているのか、そのカバレッジの問題です。これはかなり疑しいところがあって、特に一番恵まれていなくて、正に人的投資が必要という観点で言うと、そういう公的訓練がそこの部分に一番カバーできていないという感じを持つのですが、いかがでしょうか。
例えば、高校を退学する、あるいは卒業するけれども無業又はアルバイトで出ていく。アルバイトというのは、在学中にアルバイトをやっていて、そのまま出ていく。そのようにして高校を出ていく生徒に、あと1年教育訓練の機会があれば大分違うのですけれども、そこはほとんど押さえられていないと思うのです。高校を卒業するとき、学校側にその意識があるかというと、実態を見ている限りその意識はないという感じがします。
○堀委員 宮本先生から、高校での職業訓練のお話が出ました。以前、私どもが高校の就職指導担当者に、職業訓練の情報を未就職卒業生に伝えているかという質問をしていますが、やはりあまり高いとは言えないのが現状です。学校の先生にとっては、職業訓練というのは全く別世界のことで、なかなか知ってもらえないようなことがあります。このために、学校連携推進事業が進められてきたのだろうと思うのですが、残念ながら今回廃止されてしまうということで、大変残念だと思います。こうした事業は廃止されたとしても、深谷さんのようにボランティアでやってくださっているNPOもあるようですが、何らかの形で対応をお願いできればと考えております。
○宮川職業能力開発局長 施策を進めていく上で、特に学校との連携のことについて考え方を御説明いたします。学校連携推進事業をなぜ廃止することになったか、そもそも学校との関係について、行政事業レビューで言われた基本的な発想というのは、これは私なりの理解になるのかもしれませんが、そもそも学校がやるべきことをサポステがやる必要性はないということではないのかと思っています。中退者に対する問題は非常に重要な問題だと思っています。中退者の情報に対しては対応しなければならない。これは学校もそうですし、私どももそうです。ただ、在学されている方に対してまでやるのは、学校の事業とのデマケがきちっとできていないのではないかという意味での、学校連携推進事業が持つ問題点として理解するべきだろうと考えております。
私どもも、サポステが学校と連携してはいけないという趣旨ではないと思っています。逆に言えば、情報提供などの面で、これは絶対に連携していかなければならない。特に中退者の情報、中退しそうな人、中退する人にサポステにつないでいただき、ある意味サポステから別のルートに行く。例えば、訓練校を紹介できる人だったら訓練校に行ってもらう、サポステで対応しなければならない人はサポステで対応する。様々な対応をしなければならないのではないかと、私自身は思っております。
ただ、学校連携推進事業という形での事業が、もし学校とのデマケがよくできていないというのであれば、一旦そこは整理した上で、学校とサポステとの関係についてはよくよく整理する。論点2のほうになるのではないかと思っております。
○宮本部会長 学校への対応を御説明いただいたのですが、併せて高校、特に就職者の多い高校では、公的な職業訓練というものが学校でどう位置付けられているのか、その辺りは。
○宮川職業能力開発局長 私の承知している限りでは、堀先生がおっしゃられたように、学校の世界の方々というのは、学校を卒業させて、特に就職校であれば、就職させるということに意識を費やしているというのは、まず間違いないことだと思います。それは、ある意味正しい話だと思います。そういう意味で職業訓練という形のものに意識が及んでいないというのが1点あるかもしれません。申し上げましたように職業訓練というのは、基本としてまずは離職者に対する訓練を、公共職業訓練としては最優先にやっています。
ただ、公共職業訓練という形だけではできない方々に対してどうするかという場合に、最近では求職者支援制度という、雇用保険を受けられない方々に月10万円を払いながら職業訓練を受けてもらう。民間の教育訓練機関の職業訓練を受けていただいて、そういう形で就職していただく仕組みも作りました。そういう意味で、様々な手法についてより学校の先生方に、我々能開行政、場合によってはハローワークも含め、そういう雇用対策についてのつなぎをより積極的に、あるいは今まで以上に学校へ情報提供していく必要性は今回は感じられました。
○村上委員 宮川局長から、学校連携事業の説明がありました。学校との関係ということで今後考えていくことは大事ではないかというお話でした。私どもの組合の中でも、不登校のお子さんを持っている方もいます。不登校と中退で、学校に籍があるかないかというのは大きな違いかもしれませんけれども、その本人や家族にとっては大きな違いはありません。やはり何らかの支援、つながりを持てるような工夫を是非していただければと思います。
もう1点は訓練の話なのですが、私どもも地方からの声を聞くと、地方では若者の雇用の受皿がないという一方で、優良な中小企業に人が入ってこない、なかなか人を採用できないという話があります。そこは多分ミスマッチの問題ですが、在学中から、高校と企業などがもっと連携できるようにしていく必要があるのではないかと思います。本日は、公共職業能力開発施設と高等学校との連携という事例の説明がありました。そこに企業も入っていけるような仕組みというものも幾つかはあると思うのですが、好事例を紹介していただいたり、更に広めていくことが必要ではないかと思います。
○宮本部会長 もう少しまとめてからまた。
○遠藤委員 少しまとまっていないような内容ですが、切り口を幾つか変えた形での意見を述べさせていただきます。局長からお話がありましたように、離職者訓練を充実させてきたこと、その方向性は、そこで訓練の必要な方には学んでいただき、早期に再就職していただくことです。この流れ自体は何ら変える必要はないと思います。その組合せの中で若者を取り上げたときに、現状どういうところに改善の余地があるのか。例えば求職者支援制度が発足したときに、実は既卒未就職者向けのコースが設定できないだろうか。要するに、若者で何も経験のない方たちだけに特化したコースができないだろうかということも議論しました。
そのときに言われたのは、首都圏のようにある程度の受講者数が集まるような地域ではコースが設定できる。でも地域によってはやはり混在せざるを得ない。事業としてはなかなかやりきれないということがありました。そうすると、若者が学びやすいような状況を、例えば離職者訓練の場で作り出し得るのか得ないのかというところに、現場の人の知恵を出していくというのが1つあるのではないかと思います。
併せて申しますと、求職活動期間中にいろいろ会社を回ってみましたが、でも、自分は今の状況だと再就職の道は少し険しいようです。そういうときには、ハローワークで相談しながら受講指示が得られれば、離職者訓練の道に入って行くとは思うのです。その場面を捉えると、若者には迷いがあると思うのです、決断が遅いと思うのです。そういうときに、若者でない方々の一定のルールの中で行っている受講指示とは異なり、柔軟な形で若者向けに対する受講指示ができるのかできないのか。当然これは雇用保険財政にも影響してまいりますので、またモラルハザードの問題もあります。この辺のところは十分な審議をする必要があると思いますけれども、そういうところに知恵を出していくのが、若者という視点で見たときにはあるのではないかと思います。
別の切り口ですが、地域の若者サポートステーションについては、是非これを地域の中のネットワークの中核という形で育てていければという思いでおります。そういう中で、これはお尋ねになるのかもしれないのですが、行政レビューの答えとして、類似のものについては棲み分けを図っていくということがありました。棲み分けはするのですが、受皿としてはサポステ事業を担うNPO法人が受けていく。理事長からもお話があったように、本来自治体がやっている事業をサポステ事業を担うNPO法人が受けて、サポステ事業とは別に、その市の事業としてやっていくことができるのかできないのか。もし、できるのだとすると、サポステ事業を担うNPO法人の活躍する余地があるのかと思います。
もし、それができないということであるのであれば、その事業がどういう形で棲み分けされていて、どの時点で、誰がどういう形で御案内していくのか、対象となる若い人たちにとってより有用な状況に向かって、、是非皆さんのお知恵を集めていただきたいと思います。
○宮本部会長 今の御質問に関してはいかがですか。
○藤浪キャリア形成支援室長 今の御質問は、サポステ事業のほかに、その類似の市の事業があって、この市の事業をサポステ事業としてと。
○遠藤委員 サポステ事業としてやったらできないと思います。受皿はサポステなのですけれども、サポステの事業とは別にやることが可能なのかどうかということです。
○藤浪キャリア形成支援室長 やることが可能かどうか。
○宮本部会長 サポステというよりは、NPOではないですか。
○藤浪キャリア形成支援室長 NPOなら、市の事業は可能です。
○遠藤委員 可能だとすれば、課題は何かというと、やはり専門人材の育成であり、足りない部分についての拡充をどう図っていくのかということだと思います。これについては、報告書をまとめたときにも指摘されていることです。専門人材の育成については中央でもイニシアチブを取っていただいて、研修体制を整備していく、あるいは好事例を周知、共有していくといったことで十分補える面もあるかと思います。そういう意味では、サポステ事業を担うNPO法人を是非地域のネットワークの中核という形で育てていくような方向性も御検討いただければ幸いです。
○藤浪キャリア形成支援室長 今のNPOの育成という観点については、こちらとしても研修等をやっています。担当者を集めた全体の研修とか、地域のブロックごとにサポステの担当者に集まっていただいて、グループ討議等を行なったり、情報の共有も行っております。また、短期の実地研修ということで、模範になるサポステへ実際行っていただいて、そのサポステのメニュー等を実際に見て、持ち帰って参考にしてもらう取組を行っており、全体的なレベルのアップにも努めています。
○佐々木委員 先ほどのヒアリングの中で、深谷さんのお話、それから玄田先生の持続性という観点から、サポステの人材育成は非常に重要かと思いますし、単年度では非常に難しいというお話もありましたので、観点として継続的というところは是非入れていただきたいと思います。
○遠藤委員 学校連携事業の廃止について、それをどう補っていくのかというのは、いろいろお知恵を頂くように今後なることを期待しています。そういう中で1つお尋ねです。在学している方で、休学している場合についても、サポステ事業の枠の中では、トライできないことになるのでしょうか。
○藤浪キャリア形成支援室長 その状況にもよると思うのですが、休学されていて、もう卒業が難しいということであれば、中退予定者という枠組みの中で対応できるのではないかと考えております。
○遠藤委員 どういう棲み分けをするのかということは、仕切りがあると思います。その仕切りがあることを踏まえた上で、速やかな形で情報の共有をいかに図っていけるのか。是非とも課題整理をお願いできればと思います。
○向澤委員 佐々木委員の発言にも関連しますが、先ほどの深谷理事長からも、成果がなかなか定量的に測れない、なかなか数字で表せない部分もあるとお話がありました。ただ、目に見えて本人が変わっているのが実感としてある。これは、いろいろな方が言っています。やはり、サポステ事業の成果を皆さんが評価しているという事実もあるかと思います。職業能力開発の事業の今後の在り方に関する研究会のまとめでも、継続的に支援するというサポステのような仕組みが重要だという取りまとめがされています。。このサポステを初めとして、若者の就労支援を行っていく人材を増やしていくことが非常に重要だと思います。今は単年度事業ということで、なかなか先が見えない中で支援をされている実態もありますので、そこはしっかり法的な根拠付けをする中で、そういう人材の支援をやっていくことが非常に重要だと思います。
○宮本部会長 この1と2というのが微妙に重なるわけです。若者といった場合にも、サポステの対象の若者もいれば、そうでない若者もいます。1については、玄田委員のお話のように、より可能性を広げていくと言っていいのか、そういう若者に関して訓練、能力評価、キャリア形成支援の辺りについてはいかがですか。これは大学生とか高校生レベルまであるかと思います。
資料2を使っての厚生労働省からの説明の中には、能力評価の基準等々についてもいろいろなことが書かれています。私の実感では、例えば大学を卒業して、何となくうまく定着できず、離転職を繰り返しながら、また学校へ行ったり留学したりということをやっている人も少なくないです。1つの悩みは、どういう能力を付けて、何の方向に向かっていけば、今の苦境を脱することができるかが見えにくいという日本的な状況というのがあります。そういう意味では、キャリア・コンサルタント等に相談するようなことが広まっていくことも重要だと思います。あるいは欧米的な職業資格制度でもあればすっきりするのですけれども、なかなかそういうわけにはいかないので、ジョブ・カードをもっと普及するとか、工夫すべきところがまだあるように思いますけれども、この辺について業界のほうはいかがですか。
○村上委員 今の宮本部会長の御指摘なのですが、資料2の25ページに、現行職業能力検定制度の全体贈において、技能検定で対人サービス分野のところがきちんとカバーされていないのではないかという図がありました。職業能力開発の事業の今後の在り方に関する研究会報告書の中でも、対人サービス分野を含めて、これまでの国家資格などでカバーされていないところを広げていってはどうかということが書かれています。対人サービス分野というと、やはり介護などを思い浮かべてますが、そこは国家資格があるということで、それ以外にどのようなものをイメージされているのかをお伺いしたいと思います。
○伊藤能力評価課長 ただいま、対人サービス分野における能力評価制度の構築の具体的な方向性といった観点でのお尋ねを頂戴しました。本日の配布資料でも、能力開発施策在り方研の報告などで、その考え方が示されていますが、職業能力検定といった能力評価の仕組みに関しては、職業能力開発の目標あるいは動機付けという観点からの重要な役割を担うとともに、日本再興戦略を踏まえて、労働市場の機能強化という観点での、ある種のマッチングのクライテリア、あるいは非正規雇用労働者を含めた若者のキャリアアップのためのキャリアラダーといった幾つかの重要な役割を担うべきものというのが、まず、基本認識です。
その上で、現行の能力検定制度のカバレッジということを見た場合に、この資料にもありますように、対人サービス分野にあっては、もともと客観的な能力評価が難しいという側面と、ものづくり分野などに比べた場合に、厳格な能力評価の必要性が相対的に低かったということで、十分な整備に至っていなかったわけですが、今後の雇用吸収力が高く、また、若者のキャリア形成上の課題がより顕在化している等の観点から、この分野が重点だと。これが基本の考え方です。
具体的な分野のイメージですが、こうした対人サービス分野における能力評価の仕組みのモデル事例創出といった観点から、今年度から「業界検定スタートアップ支援事業」に着手しています。「業界検定」というのは、日本再興戦略にも位置付けられている、業界が主体となって、実践的な能力評価の仕組みを整備し、それを人事や採用でも積極的に活用してもらうというコンセプトです。この「業界検定スタートアップ支援事業」の中では、例えば百貨店といった流通業であったり、フィットネスといった健康産業であったり、あるいは学習塾といった教育訓練産業といった分野を対象としながら、既にこのモデル事例の開発には着手しているところです。
今後も計画的な整備・拡大を図る中では、例えば観光等、対人サービス分野は大変多岐にわたるものですので、それぞれの特性に応じた実践的な能力評価の仕組み、コンテンツを開発するとともに、これを制度的な観点でどのように位置付けていくのかということに関しては、本部会あるいは能力開発分科会等でも御審議いただく中で、更に具体化を図っていきたいと考えております。
○宮本部会長 やはり、ある程度基準を明示しないと、若い人は職歴もなく、知識もない中で、右往左往するという状況が非常に問題だという感じがします。そういう意味で、今回の盛り込む中にも、この辺りのところは重要かと思います。そのほかはいかがでしょうか。
行きつ戻りつしていますが、具体的論点の2番目、地域若者サポートステーションの今後の在り方についてです。もう大分、御意見を頂いていますが、何か付け加えることがあればお願いいたします。
○堀委員 玄田先生をはじめとして、たくさんの委員の方から、やはり今度の法律の中にサポステないしはサポステのような機能を持つ支援機関を、是非、法的な位置付けとして残していただきたいという意見が大半だったのではないかと思いますし、私も改めて主張させていただきたいと思います。
ただし、サポステないしサポステのような機能を持つ支援機関を法的な位置付けにする場合に、どこまでの役割を担うものとして書き込むかということについて、ほかの先生方のお話を伺えればと考えております。
○宮本部会長 この点についていかがでしょうか。NPOは今、いろいろな新しいニーズに対して非常に重要な役割を果たしていると思いますけれども、やはり並み居るいろいろな団体、集団の中では最も体制が整備されていない中で苦労をしていて、絶えず失業の憂き目にさらされている状態だと思うのです。特に若者支援の世界というのは、本当に新しい世界で、10年も経っていないので、それだけ脆弱性が際立っていると思うのです。このままでは、若者支援の世界は持続できない。これについて何か良いお知恵があれば、出していただけますか。
○玄田委員 いい知恵はありませんが、一言だけ申し上げたいと思います。在り方として一番重要なのは、今後、この体制をどうするかということです。2006年の25か所から始まり、2013年度には160か所という急激な増加を遂げてきたわけです。では、これを今後どうするかということを考えたときに、更にもっと拡大する余地があるという意見もあれば、より少数精鋭的にという意見と、いろいろ分かれるとは思うのです。
2013年以降、まだ時間が経っていないので、早々な決断は下せないのですが、やはりこれだけ困難を抱える若者が全国に多々存在していることを考えると、恐らく160か所程度は、当面はある程度維持する方向で考えなければならないのではないかと思います。恐らく、まだ不足はしているとは思うのですが、先ほどどなたかがおっしゃった人材という面も考えると、この160か所をある程度維持した上で、それぞれの機能強化を進めていくことが、まずは重要だろうと思っています。
ただ、そうなった場合、機能強化がどういう方向に行くか、非常に大きなジレンマがあります。堀さんもおっしゃったことと関係するのですが、先ほどのICDSさんも含めて、比較的、若者を支援する方々は、非常に個性的な方が多々いらっしゃいます。つまり、不登校時代の子供たちをうまく社会につなげる経験を積んでいらっしゃる方や、障害者手帳を持っているわけではないですけれども、ある程度心身の状態に不安定さを抱えている若者たちを、社会の就労支援につなげていくとか、非常に個性を多々持っていらっしゃる。ですので、いろいろな置かれている状況の中で、特徴を持った支援者とうまく出会うことによって状況が改善されるという面があるわけです。
そういう面では、是非、160か所それぞれの個性を伸ばしていただくことが大事だと思う反面、ただ、置かれている状況は全国いろいろなので、では、私は今、宮城県にいて、自分に合った所が沖縄にあるからといって、そこに若者が行けるかというと、なかなかそういうわけにはいかないわけです。そうすると、ICDSの1つの方向としては、自分に合った支援者先に出会えるような異動の促進というのもあるのですが、ただ、恐らくそれは現実的には難しいだろうと。そうなると、もう一方の方向としては、ある程度サポステは、ユニバーサルなサービスを最低限提供する所として機能していただかないと、やはり社会的な評価を頂くのは難しいのではないか。
個性をいかすということと、ユニバーサルサービスということを、どううまくバランスするかということなのですが、私自身が申し上げたいのは、これはあまり厚生労働省や中央で、最低限のサービスはこれだということを何か決めるよりは、サービスの中身については、ある程度経験を積まれた団体や組織の中でアイデアや経験をいかす中で、それをできるだけ普遍的に広げていくような、言わば底上げの方向を、是非、御検討いただきたい。例えば、もっと人材交流、若者自身というよりも、支援者自身の人材交流を進めるとか、何かサポステのあるべき支援のプログラムについて共同開発をしていただくような様々な措置など、これまでの支援者の実績をいかす形で、それをユニバーサルに広げるような工夫が、今、必要なのではないか。
そのためには、もちろんある程度のルールは必要で、特にこの事業は、効果ということで非常に多く社会の注目を浴びるわけですから、先ほど深谷さんから予算の執行について非常に難しい面があるというお話があり、それは重々分かるのですが、やはり公的支出から成り立っていることを考えると、特に運営に関してはしっかりとしたルールを定めながら、内容については、ある程度全体で共有できるように、個々の実績に応じて底上げの方向を図っていただくということが、この事業の今後の持続的な発展にとっては必要なのではないかということを考えております。
○宮本部会長 ありがとうございます。大変大切な御指摘を頂いたと思いますが、この辺りについていかがでしょうか。
○遠藤委員 ただ今、玄田先生がおっしゃったことは、再三引用して申し訳ないのですが、在り方に関する検討会の報告書をまとめるときにも議論がありました。私自身も玄田先生のお立場に賛同して発言をさせていただきました。そのとき、なぜそういうことを申し上げたかというと、拠点数が160ということで、一足飛びに拡充が図られたということとともに、その時点で注目されたのはアウトリーチ事業だったわけです。アウトリーチ事業そのものに効果があることは何ら異存がないわけですが、160か所すべて、新規に増設された所も含めて、アウトリーチ事業が十分にこなし得るのかどうか疑問無しとしない。やはり必須の事業と、選択事業との組合せの中で、地域の状況等も踏まえて対応を図っていくのが、より現実的ではないだろうかという立場で発言したわけです。
ただ一方で、今後、サポステの位置付けが法的な色合いを帯びてくることになると、法的に位置付けるがために、その必須の事業の幅をもう少し広げなければいけないといったような実情もあるのではないかということも考えております。
自分自身、まだ具対的な線引きはできていませんが、その線引きをするに当たっては、やはり背伸びをさせてはいけないということだと思います。背伸びをすることによって一番疲弊してしまうのは誰かということを考えれば、やはり現場の実情といったものも十分にこなし得るような形での枠組み作りに知恵を出すべきではないかと思っております。
○宮本部会長 いかがでしょうか。先ほどお話が出ましたように、サポートステーションの受託団体は、それぞれの歴史を持った団体なので個性的でありますけれども、やはり、次のステージはユニバーサルに、どの団体でも同じだけのレベルの力を持っていることが必要になる段階に既に来ているということなのです。その条件を実現するためにどうしたらいいのかということだと思います。
例えば、社会福祉等は大学の研究科の中に、きちんと体系的な教育訓練の仕組みを持っていますが、この若者支援は全くなくて、それぞれの団体が体験の中から編み出してきたもので、優れた団体が、今、それを広げているところなのです。その世界へ入ったら、誰でもこれは読まなければいけないというような教科書一つないのです。この辺りも、ユニバーサルな水準を作るということであれば、必要な時期ではないかという感じがします。大学のどこがそれであるか分かりませんが、大学にコースがきちんとあるようなところまで行かないと、社会的に信用される支援機能にはならないのではないか。学校との連携が難しい。難しい理由の1つはそこにもあるのではないかという感じもしています。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
論点の3点目に移ります。現在の若者を取り巻く環境や、若者に対する能力開発の必要性を踏まえて、勤労青少年福祉法、それから勤労青少年福祉対策の今後の在り方ということです。先ほど資料2に基づいて御説明がありましたように、勤労青少年福祉法は、相当前に出来たもので、それを現在も踏襲しつつ、中身を少しずつ新しくしているという段階にあるわけなのです。この辺りについて御意見を頂ければと思います。
○玄田委員 率直なところを申し上げます。資料2の33ページで全体像を拝見して、やはり非常に時代の隔世感を明確に感じるわけです。33ページの右上にあるとおり、典型的にこの基本方針が対象としているのは、親元を離れて就職した若者や、勤労学生という久しぶりに聞いた言葉のようなぐらい、もちろん当時としては大変大きな問題だったわけですし、今でもそういう状況にある若者がいることは間違いないわけですが、今、やはり我々が目を向けていかなければならないのは、もう少し幅広い若者の状況であろうことは、恐らく私のみならず、皆さんも感じるところではないかと思うわけです。
先ほど申し上げたことをもう一度だけ繰り返すとすれば、今、若者が高齢社会、人口減少の中でますます社会的に貴重な、投資すべき対象になっていることを考えると、より多くの若者の充実したキャリア形成を促すための施策、その中でも特に雇用に関する施策が重要だというような、ある種の衣替えが必要な時期に来ているのではないかと感じます。特にこちらの対策は福祉ということが中心で、特にこれはもともとは厚生省と労働省がまだ分かれていた時代ですので、もう少し今の段階では、福祉というものと労働というものの接点を見出す段階に来ているのであろうということを改めて感じるわけです。
そこで、具体的に1点だけ申し上げますと、33ページの「今後の方向性」と書いてある3つの○は、なるほどそのとおりで、今でもというか、正に重要な点を御指摘いただいていると思うのですが、特に気になるのは3番目の○です。「社会的ネットワーク、支援人材の育成等の基盤を整備」というところについて、まだもう少し考える余地があるのではないかということです。先ほど頂いた資料5などを見てもそうですし、資料2でも、特に支援人材に関しては、今のところ、雇用対策としてはキャリア・コンサルタントという1つの大きな方向性があります。こちらを充実させることは間違いないとは思うのですが、果たしてキャリア・コンサルタントの充実だけで、社会的ネットワークや支援人材の整備が十分に事足りているのかというと、やや若干不足気味な感じがするのです。
よく例で申し上げるのは、ある県の農村部、山間部で一人暮らしの取り残された高齢者の女性がいらっしゃいまして、車もない、タクシーもない、バスもないという中で、正に孤立状況の中で、村の中にいた、もともと引きこもり状態の若者で、車を運転することだけが唯一の趣味だった若者が、今、そのお年寄りが町の中に出て買物をしたりなどする仕事を担っているという例があります。これはある意味では、正に中間就労の典型的な例で、こういう山間部に取り残されたお年寄りと、もと引きこもりの若者をつないだのは、言わばコミュニティソーシャルワーカーと呼ばれる方々です。先ほどの、若者の問題を社会全体で、地域全体で担っていくためには、やはり個々の若者に向かっていくキャリア・コンサルタントと、個々の若者の問題を社会とつないでいく別の存在、例えば今申し上げたようなコミュニティソーシャルワーカーのような存在についても支援していくことは、これからの方策を考えていく上では非常に必要だと思いますし、言い換えれば、そういうコミュニティソーシャルワーカーのような存在を、単に福祉対策だけではなく、雇用との連携の中で位置付けていったり、強化していくことが、青少年勤労福祉対策の今後のステップを踏み出す上では、1つの大きな方向性になるのではないかと感じております。
○宮本部会長 ありがとうございます。今の玄田委員の御発言は重要なポイントだと思います。何かこれに関して御意見はないでしょうか。
○村上委員 私どもも玄田先生の御主張のとおり、勤労青少年福祉法自体が、その成り立ちから見たときに、今の時代にどうなのかという問題意識は持っているところです。ただ、何か見直していく際には、現行で行われていることで継続したいところに関してマイナスにならないようにすることは踏まえていただければと思っております。
サポステのことでもう1点よろしいでしょうか。先ほど宮本部会長と、玄田先生から、ユニバーサルサービスにしていくに当たって様々な整備が必要だという御指摘がありました。少し分野は違うのですが、多分、保育所もかつては公的なものではなくて、民間から、助け合いのところから生まれてきました。その後の経過の中で法律に位置づけて公的なものとして認可の制度を作ったり、専門人材の育成の規準を作ってきた歴史があったかと思います。そのようなものも参考にしつつ、サポステを育成していくことが必要なのではないかと思います。
○宮本部会長 この勤労青少年福祉法は「福祉」という名称ですけれども、今、この若年者の問題は労働と福祉の接続をどうするのかという課題があるでしょう。
○宮川職業能力開発局長 昭和45年からの法律ということで、過去の経緯を私の理解している範囲で説明いたします。先ほど申しましたように、当時は、当然のことながら厚生省と労働省は別の役所で、言わば、厚生省は社会福祉を、労働省は労働福祉をやるというのが当時の切り分けです。「福祉」という言葉は、今はほとんど「社会福祉」と同義で使っていますが、当時は「労働福祉」という用語を使っていました。例えば、勤労青少年福祉法のほかに、勤労婦人福祉法という法律もありまして、実は今や均等法になって「福祉」というのはもう用語としては外されています。当時は働く方々の福祉を社会全体として考えるという発想の下に、特に勤労婦人あるいは勤労青少年に対する施策を、労働行政としてやっていくという位置付けで「福祉」という言葉を使っていたということです。
ここにありますように、当時の勤労青少年福祉法のもともとは、法律を作ったのは昭和45年ですが、実際にこういう方々に対する施策は、昭和30年代の後半ぐらいから、当時は中卒の方、金の卵の方々も含めて、上京されたそういう方々に対して、学生の方々や、高校、大学を出られて就職された方々との格差を是正していくという発想の中で、こういう方々に働き甲斐と生き甲斐を見出していただくためのツールとして、特に箱物、いわゆる勤労青少年ホームなどの形で施策を中心にやっていたわけです。
先ほど玄田先生からもお話がありましたように、時代とともにかなり大幅に変更されてきて、勤労青少年福祉対策基本方針の内容についても、先ほど宮本先生からもお話がありましたように、実際は、ある意味、換骨奪胎している部分があるのですが、もうそろそろ、この法律なり、この対策のやり方は、方向性としては玄田先生がおっしゃったような方向なり、ほかの方々からお話があった方向に持っていくべきではないかと考えております。
ただ、村上委員からのお話もありましたように、現に、まだやっているというか、こういうことに取り組んでいらっしゃる方々が何か困ってしまうようなことは避けなければならないと思っております。いずれにいたしましても、本日御議論いただいた方向を踏まえながら、この勤労青少年福祉対策なり勤労青少年福祉法そのものの在り方については、是非、御議論をまとめていただき、その方向を踏まえて対処したいと思っております。
○宮本部会長 まだ若干時間があるようですが、御発言はありますか。
○福田氏(諏訪委員代理) 日本商工会議所の福田と申します。本日は諏訪委員の代理で出席しております。参考資料2の33ページの1番に、「勤労青少年の長期的な視点からのキャリア形成の促進」ということで、ジョブ・カードについての記載があります。ご存じのとおり、各地の商工会議所においてジョブ・カード制度の取組の一端を担わせていただいております。現在、厚生労働省の研究会において、ジョブ・カード制度についての見直しが行われていると伺っております。今後、見直し後も含めて、こういった勤労青少年のキャリア形成の促進という観点からも取組を進めていきたいと思っております。
○玄田委員 1点だけ。今、局長のお話でありましたが、勤労者福祉の重要性は、いまだに極めて重要だということは認識しております。ただ、あえて方向性を変えるとするならば、今、多くの勤労者が、福祉ではないのかもしれませんが、求めているのは時間の確保ではないでしょうか。いろいろなレクリエーションをやるにしても、いろいろなレクリエーションがあり、それぞれが選ぶ時代の中で、なぜ選べないかというと、そのための時間が持てないということを考えると、恐らくこの部会の問題意識とは違いますが、例えば有給休暇の取得が自然と増えていくような環境整備や、もちろんメンタル対策も含めて、よりそういう面での、最終的に勤労者福祉の向上につながるような今までの施策の強化という方向のほうが、むしろ多くの若者を含めた方々のお気持ちに沿う形などではないかということを、今、お話を伺って感じました。
○宮本部会長 その続きで言えば、言葉は入れるかどうか分かりませんが、働いたら結婚もできるし、子育てもできると。その辺りのところにもつながっていく、当初の頃にはなかった新しい課題ですが、その辺りも念頭に置いたものに変えていく必要があるだろうという感じはします。
○宮川職業能力開発局長 その点につきましては、現在、「様々な働き方改革」というような大きなテーマの中で、いかに長時間労働を削減していくのかという取組は厚生労働行政としても大きなテーマです。昭和45年ぐらいは時間があっても何もできなかったというところから、いろいろ選択肢はあるけれども時間がないというところに、今、変わっているという状況は、玄田先生がおっしゃられるとおりだと思っております。そういう意味で、今後、勤労青少年の、あるいは勤労青少年だけではなく、若者の雇用ということを考えた場合に、やはり大きく考えていくべきなのは、今の基本方針の中にある、ある意味、キャリア形成の促進なり、キャリアというものをどう確保していくのかという大きな問題について取り組むような形のものに見直していくというのは、1つの方向性としてあるのではないかと思っております。
○中澤委員 皆様方がおっしゃるように、福祉という概念がどんどん変わってきている状況があるのではないかと思います。そういう意味で、抜本的な見直しをしていくべきではないかと思っております。
それから、先ほどのサポステとの絡みなのですが、先ほど事例発表をいただきましたNPO法人の理事長もおっしゃっていましたし、この提言の中にも書かれていますが、是非ともハローワークとの連携が、いわゆるユニバーサル機能の強化という観点とは少し違うのかもしれませんが、また、どういう具体的な連携方法が適切であるかはよく分からないのですが、どのサポステでもハローワークとの連携が取られていくことが必要ではないかと思います。
○宮本部会長 ありがとうございます。それも重要な御指摘だと思います。
本日はこの辺りで終わりにいたします。本日の議論を踏まえて、次回に向けて、事務局と私のほうで取りまとめ案を作成したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(各委員了承)
○宮本部会長 そのほかに何か付け加えることなどありますか。よろしいでしょうか。本日の議事録の署名委員は、労働者側の村上委員と使用者側の中澤委員にお願いいたします。それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。
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