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2014年10月24日 第10回 「健やか親子21」の最終評価等に関する検討会

雇用均等・児童家庭局母子保健課

○日時

平成26年10月24日(金)14:30~17:00


○場所

厚生労働省省議室


○出席者

委員

五十嵐委員(座長) 青木委員
秋山委員 出石委員(代理:戸矢崎横浜市神奈川区家庭支援担当係長)
市川委員 伊東委員(代理:坂上健康管理部医監)
今村委員 奥山委員
小林委員 迫委員
佐藤委員 島田委員
篁委員 中板委員
成田委員 久永委員
山縣委員 横山委員

オブザーバー

健康局がん対策・健康増進課 高山課長補佐
医政局地域医療計画課 伊藤専門官
社会・援護局障害保健福祉部障害児・発達障害者支援室 田中専門官
雇用均等・児童家庭局総務課 虐待防止対策室 川鍋室長
雇用均等・児童家庭局 少子化対策企画室 鈴木室長補佐

事務局

安藤雇用均等・児童家庭局長
一瀬母子保健課長
石津母子保健推進官
杉原課長補佐
木下課長補佐

○議題

(1)次期計画における指標及び目標等の設定について
(2)次期計画における推進体制について
(3)その他

○議事

○杉原課長補佐 定刻になりましたので、ただ今から第10回「『健やか親子21』の最終評価等に関する検討会」を開催いたします。

 委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

 本日は、川崎委員から御欠席との連絡をいただいております。

 篁委員からも15分程度遅れると御連絡をいただいております。

 また、2名の方に代理で御出席をいただいております。伊東委員の代理で宮崎市健康管理部医監の坂上様、出石委員の代理で横浜市神奈川区福祉保健センターこども家庭支援課こども家庭支援担当係長の戸矢崎様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

 なお、今村委員におかれましては、所用により途中中座されるとお聞きしております。

 今回の検討会から、事務局の体制に一部変更がありましたので、順に御紹介させていただきます。

 雇用均等・児童家庭局長の安藤でございますけども、途中からの出席ということでお願いたします。

 母子保健課長の一瀬です。

○一瀬母子保健課長 一瀬と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○杉原課長補佐 同母子保健推進官の石津です。

○石津母子保健推進官 石津と申します。よろしくお願い申し上げます。

○杉原課長補佐 私は同課長補佐の杉原です。よろしくお願いいたします。

 カメラの撮影は、ここまでとさせていただきます。

 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。座長、どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 初めに資料につきまして、事務局から御確認をお願いいたします。

○杉原課長補佐 お手元の資料でございますが、議事次第と座席表のほか、資料が4点ございます。

 資料1 指標に関する検討の方向性について(案)

 資料2 指標に対する目標の考え方等について(目標シート)

 資料3 母子保健課調査として、新たに調査方法を変えて把握する指標」

 資料4 「健やか親子21(第2次)」推進体制(案)

です。

 参考資料につきましては、1~7の計7点をおつけしております。

 前回までの資料につきましては、お手元のファイルに綴じております。

 資料は以上ですが、不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。

○五十嵐座長 ありがとうございました。いかがですか。皆さん、資料で足りないものはございませんか。よろしいですか。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 まず、議題(1)「次期計画における指標及び目標等の設定ついて」、これから検討していただきたいと思います。

 事務局の方で、前回の検討会の後に新しく設定された指標につきまして、ベースライン、それから目標を設定するために調査等をしておりました。今日は事務局から資料1「指標に関する検討の方向性について(案)」に関しまして、説明をお願いしたいと思います。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 議題(1)につきまして、事務局から資料に関しまして御説明させていただければと思います。

 説明に当たりまして、まず参考資料5をお手元に御用意いただけますでしょうか。

 前回第9回におきまして、指標の項目につきましては各委員に御議論いただきまして、本検討会としておおむね確定いただいたところです。そのうち、目標値を設定するに当たり、ベースラインのデータ等々が足りなかったものにつきまして、前回以降、参考資料5にあります大きく2つの調査におきまして、今回調査を進めてまいりました。

 まず1つ目が、厚生労働科学研究の山縣先生の班におきまして、平成26年度に市町村を対象とした乳幼児健診時に調査を行っていただいております。対象は、3・4ヵ月児で14,000名程度、1歳6ヵ月児で21,000名程度、3歳児で20,000名程度対象として、アンケート調査を行っております。調査期間が直近の平成26年7~9月。今回は回収率が83%と非常に高い率で回収を得られております。この短期間におきまして、これだけの調査をいただいたことに対して、この場をもって感謝申し上げます。

 また、2つ目になりますが、「母子保健に関する世論調査」を内閣府の協力を得まして行っております。対象は、全国20歳以上の3,000名の方を対象といたしまして、本年7月17日~27日に、個別面接聴取法により調査を行っております。こちらは、62.3%の回収率を得られております。

 本日、参考資料の後ろには、調査のアンケートの表をつけておりますので、御参照いただければと思います。

 それでは、資料1にお戻りください。

 本日は今、申しました調査で得られました結果をもとにベースライン値、または今後の中間評価、最終評価に向けまして10年間の目標値を御検討いただきたいと思っております。その中で目標値を定めるに当たり、大きくパターンを幾つか分けて、今後の御議論いただく際の参考にしていただければと思っております。

 資料1の枠囲みの中になりますが、大きくパターンを3つに分けております。

 1つ目が、パターンAとして、これまでのデータの推移等から目標設定が可能な指標をパターンAとしております。

 続きまして、パターンBは、「○○を知っていますか」というような認知の状況を把握する指標をパターンBと分けており、大きく対象が2つございます。当事者である親の方々を対象として認知を聞いているものに関し、当事者の方々には広く知っていただきたいということで、目標値は、おおむね90%から100%という高い目標値を設定してはどうかと考えております。

 一方で、国民の方全体を対象として認知を問うている指標、例えば「マタニティマークを知っていますか」といった値は、今回のベースラインの調査の値を参考にしながら、今後5年、10年である程度達成可能な目標を設定してはどうかと考えております。

 続きまして、3つ目のパターンCは、カテゴリーとして環境整備の指標と位置づけているものになります。多くが自治体において、体制整備が整っていますか、体制整備を進めていきましょうという目標になっており、10年後という最終的な目標に関しては100%を目指していきたいと考えております。

 今後、資料2以降で各目標値を検討する際に、これらのパターンいずれに当たるか念頭に置きながら御議論いただければと思っております。

 また、第9回までの検討会において、ベースライン値または目標値が決定しているものにつきましては、本日の議論の対象からは外させていただいております。

 3つ目して、今回調査が完了していない項目が3つございます。こちらにつきましては、今後12月に予定しております調査、また公表につきましては、来年の11月ごろを予定しておりますが、その中で把握していき、ベースラインの設定等を今後やっていきたいと思っておりますが、具体的には中間評価の検討会の中で目標値の決定をやっていきたいと思っております。

 指標に関する検討の方向性についてのご説明は、以上になります。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 ただいまの御説明、特に指標に関する検討の方向性で大きく3つに分けたというのを基本としたいという方針ですけれども、何かご質問、あるいは御意見ございますでしょうか。

 基本的な方向性は、これでよろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○五十嵐座長 それでは、特に御質問ないようですので、資料2「指標に対する目標の考え方等について(目標シート)」の説明をお願いしたいと思います。

 この資料2は、報告書の作成時点から、新たに加筆修正したところを中心に説明をしていただきまして、さらにその上で、新たな調査結果を踏まえた指標のベースラインと目標について、これから検討を進めていきたいと考えております。

 資料2の検討につきましては、課題ごとにやりたいと思います。

 まず基盤課題Aとして「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」について、事務局から説明をしていただきたいと思います。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 課題ごとに御説明をしてまいります。

 検討する項目は、資料1の裏面になります。本日検討いただく項目を列挙させていただいておりまして、基盤課題のAとCは検討いただく項目が多くなっています。

 資料2の1ページ目から順に御説明してまいります。

 加筆修正している点に関しましては、色がついている、もしくは網掛けになっているところの項目を今回加筆修正させていただいています。

 1ページ目、指標番号1「妊産婦死亡率」に関しましては、目標設定の考え方を一部修正しています。前回、他国との比較で例示した国のデータに関し、直近のデータを参考に差しかえており、ギリシア、ポーランド、オーストラリアといった国々が今の日本の水準よりも低い値ということが、今回確認しわかったところで、具体的な目標値に関しましては変更しておりませんが、参考とする情報として修正を行っているところです。ただし、これギリシア、ポーランド、オーストラリア、それぞれの国の経年を見てみますと、毎年低いわけではなくて、今回の調査の平成24年度時点においては、こういった低い値であったという情報になります。

 2ページは低出生体重児の割合になります。

目標に「減少傾向」としておりましたが、今回「減少」と表現を修正させていただいております。また、目標設定の考え方で、前回、要因として1~7を指摘させていただいているところですが、改善をする範囲は1~6で微修正を行っております。その他修正等ございません。

 3ページには「妊娠・出産について満足している者の割合」を掲げております。

まずベースライン調査をごらんいただきますと、平成25年度の健康度調査(3・4カ月児)調査におきまして「満足でしたか」という質問を用いて設定しております。

 今後のベースライン後の調査は、全体の満足度を聞くだけではなくて、「産後、退院してからの1カ月程度、助産師や保健師等からの指導・ケアは十分に受けることができましたか」という設問に対して「はい」「いいえ」の御回答をいただき、「はい」と御回答いただいた方を今後の目標値にしていきたいと考えております。

 理由としましては、目標設定の考え方にございますが、全体的な満足・不満足だけではなくて、より具体的な目標値に落とし込んでいきたいと考えており、項目を設定させていただきたいと考えております。

 具体的には4ページを見ていただきますと、今回、満足度を調査する中において、そのさらなる問いという形で、細かい項目も幾つか聞いているところです。そのうちの「満足している」の割合が低かった項目の中で、今後、切れ目のない妊娠・出産という点に着目した場合に重要と考えられる項目として、産後、退院してからの1カ月間のケアの程度に対しましての満足度を評価していきたいと考えております。

 5ページの「むし歯のない3歳児の割合」につきましては、第9回から変更等ございません。

 6ページの「妊娠中の妊婦の喫煙率」になりますが、調査方法をこれまで研究班で調査しておりましたが、ベースライン調査後、次回以降は問診の中に項目として入れて調査を行っていきたいという調査方法の変更になります。

 同じく7ページの「育児期間中の両親の喫煙率」に関しましても、研究班の調査から、今後は問診項目の中の調査に変更していきたいと考えております。

 同様に8ページは「妊娠中の妊婦の飲酒率」になりますが、こちらも今後、研究班の調査から乳幼児健診時の問診項目の中で把握する項目としてきたいと思っております。

 「ベースライン調査後」の欄の一番下になりますが、※に書いてあります「3時点の数値を単純平均した」というところは、本調査に関しましては3・4カ月児健診のみで把握するので、この一文は削除をお願いいたします。失礼いたしました。

 9ページに関しましては、特段変更等ございません。

10ページは今回初めて把握できた項目の1つになっておりますが、「小児救急電話相談(#8000)を知っている親の割合」について今回調査を行っているところです。

その中で「知っていますか」という設問に関しまして「はい」とお答えがあった親の割合として、今回61.2%という値を得られております。今後の調査方法は、毎年把握するという性質のものではないと考えており、少なくとも中間評価時及び最終評価の前年には、各自治体さんの御協力を得ながら調査を行って、この推移を把握していきたいと考えております。

11ページは「子供のかかりつけ医を持つ親の割合」になります。

今回は、平成26年度の山縣班におきます追加調査の中で、医師と歯科医師をそれぞれ分けて初めて把握することができました。これまでは、合わせた形で「かかりつけ医はいますか」という設問だったものを、今回歯科医と医師で分けて把握することができました。

 結果は、医師に関しては、3・4カ月児で71.8%、3歳児で85.6%、一方、歯科医師に関しましては、40.9%という割合が得られております。医師と歯科医師それぞれかかりつけ医に対するイメージ、役割等も違うので、こういった差があるのかなと思っております。

 目標に関しましては、それぞれ2ポイントずつアップしていくという形で目標値の設定をさせていただいているところでございます。

12ページは指標番号11「仕上げ磨きをする親の割合」になります。

こちらも今年行いました追加調査で初めて把握することができた項目になっており、仕上げ磨きをする親の割合、69.6%という結果が得られております。

 この仕上げ磨きに関する考え方ですが、子供が磨いた後に親が仕上げをするということで、子供の歯の健康への意識を高めると同時に、親子で健康的な生活習慣を育むことも目的としており、親子の交流という観点からも非常に重要なものと考えております。小さいころからこういうことをすることによって、自分の歯を大切にするという本人の健康観の育成といったものにつながるかなと思っております。

 下の表を見ていただきますと、「仕上げ磨きをしている」の割合と「子供が自分で磨かずに、保護者だけ磨いている」という設問を分けております。この指標におきましては、子供が磨いた後に、保護者が仕上げ磨きをしているという割合を高めていきたいと考えておりまして、こちらの値、69.6%をベースライン値、それをもとにした目標値という形で設定させていただいているところでございます。

13ページは指標番号12「妊娠届出時にアンケートを実施する等、妊婦の身体的・精神的・社会的状況について把握している市区町村の割合」という指標になります。

これは平成25年度の市町村に対する調査の中で把握できている項目でございますが、ベースライン値92.8%ということで、ほとんど全ての市町村においてこういった何らかの把握という取り組みが進められているという状況にございます。

 こちらにつきましては、ベースライン値が非常に高いということもございまして、また、環境整備の指標でもあることから、5年後には全ての市町村で妊娠届出時にこういったことを把握していただきたいと考えておりまして、5年後で100%という目標値を設定させていただいているところでございます。

 下の参考設問等を見ていただきますと、把握した後のフォロー体制でありますとか、実際の母子健康手帳の交付時に専門職が行っているかどうかといったところで、私どもが把握した情報のその後の活用といったところで、まだ多少各自治体で工夫いただける余地があるかなと思っておりまして、中間評価時にはこういった項目も見直していければなと思っております。

14ページは指標番号13「妊娠中の保健指導において、産後のメンタルヘルスについて、妊婦とその家族に伝える機会を設けている市区町村の割合」になります。

 今回、ベースラインの値は、43.0%という値が得られているところです。メンタルヘルスに関しては、御本人にこういったことを御理解いただくことと加えまして、その家族や周辺の方々に、こういった知識をつけていただいて、対応が適切にできる環境づくりを目指していきたいと考えております。今回、ベースライン値がまだ半分に達していないところでございますが、環境整備の指標ということもあり、10年後には100%を目指していきたいと考えております。

15ページは指標番号14「産後1カ月でEPDS9点以上を示した人へのフォロー体制がある市区町村の割合」になります。今回、ベースライン値が11.5%というきわめて低い値になっております。

 この理由としましては、今回の指標のところで、産後1カ月という形で限定させていただいたこともありまして、ベースライン調査を見ていただきますと、4週までを対象に、今回分子とさせていただいております。そのため、何らかのEPDSの調査等をやっている自治体の割合はもっと高かったのですけれども、1カ月以内でやっている割合で下がっています。さらにその後のフォロー体制ということで「こういったEPDSで把握した後のフォロー体制がちゃんとありますか」という設問に対して「体制はない」と御回答があったところも除いた結果、今回、ベースライン値が11.5%となっております。

EPDS等を活用して把握いただいた後に、適切なフォローにつなげていくことが非常に重要と考えておりまして、現在、ベースライン値は非常に低いのですけれども、10年後というこのスパンの中では、最終的には全ての自治体でフォロー体制まで含めて整備していただきたいと考えておりまして、10年後の目標は100%という設定をさせていただいております。

17ページは指標番号15になります。ハイリスク児に対して、退院後早期に訪問する体制がある市区町村の割合、また、そういった早期訪問体制構築に支援をしている県型保険所の割合になります。

 未熟児訪問事業が平成25年度から、従来県の事業だったものが市町村に移譲されたということもあり、現在まだまだ市町村での整備状況が24.9%とまだ低い値となっております。

一方で、そういった市町村に対するフォローする体制というものは、県型保健所の中では8割以上が有しているということで、今後さらに県のサポートをいただきながら、市町村でこの体制を整備できればなと思っております。また、市町村に対しまして、フォローする県型保健所が8割以上「フォローできますよ」と言っていただいているので、現在24.9%と低目ではありますが、10年後には100%が目指せるものであろうと考えております。

19ページは指標番号16になります。乳幼児健診の評価をする体制がある市区町村の割合、また市区町村の乳幼児健診の評価体制の支援をしている県型保健所の割合になります。

 ベースライン調査を見ていただきますと、どういった要件を満たした場合がこれに該当するかというところですが、まず設問の1で乳幼児健診事業の評価をしているかどうか。

2としまして、フォローアップ状況に対する評価もやっているか。

3としまして、他機関との連携状況の評価をしているか。

4としまして、事業の改善状況の効果を把握しているか。

5としまして、各計画において目標を定めた評価をしているかで、ただ評価をすると言いましても、こういった1~5につきまして、条件を満たしていますかというところまで、今回設問をさせていただいております。

 このうち1~5全てについてやっていますよと御回答いただいた市町村が約4分の1となっております。健診事業、今回の最終評価の中でもありましたが、各健診の中で市町村、都道府県の差があるということで、それぞれの市町村には事業評価を今後しっかりやっていただきたいという考えのもとに、こういったものを設定させていただいているところです。

 また、各市町村間の差を評価するには、やはり広域的な立場から県型保健所の御協力が必要と考えておりまして、市町村、都道府県それぞれで、こういった体制をもっと構築していっていただきたいと思っているところと、また評価に当たりましては、研究班で現在手引き等も作成を進めておりますので、そういったものを参考にしていただきながら、事業評価をさらに進めていければと考えており、10年後に関しましては、環境整備の指標ということもありまして、100%を目指したいと考えております。

 基盤課題Aにつきましては、以上になります。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 山縣先生、何か御追加ございますでしょうか。

○山縣委員 ありがとうございます。

 基本的には今のとおりだと思います。私どもの研究班で改めて今回調査をさせていただいたものでありますが、こういった指標については、今説明がありましたように、今後は評価の度に調べるのではなくて、日常的な母子保健活動の中でこういった値がきちんと把握できるような形ということで、なるべく乳幼児健診などを活用して指標の把握ができればよいと思います。

 もう一点は、環境整備の指標に関しましては、これも御説明がありましたように、全ての市町村、都道府県でこういった整備があるようにということで、最終目標が100%となっているのですが、一方で、現状で10%そこそこのものが50100と推移できるのかということは課題ではあるのですけれども、ただ非常に重要な問題であるということで、なるべくそこに力を注いでほしいということのあらわれと思っております。さらに、自治体がこういった仕組みを持っているか持っていないかとか、やっている、やっていないかだけではなくて、どういうふうにやっているのかということを今回入れたということは、通常であれば、こういう支援をすれば、結果、アウトカムがどう変わったと評価すべきなのですが、なかなかそこまでの評価に至らないので、とにかく効果を上げるための最低限必要な条件を示したということで、少し細かい形のものになっていると考えております。

 以上です。

○五十嵐座長 補足をありがとうございました。

 それでは、事務局と山縣先生からの御説明につきまして、何か御質問、あるいは御意見がありましたらいただきたいと思うのですが、もし御意見がある場合には、具体的にいただけますと大変助かりますので、よろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○今村委員 非常に高い目標を設定していただいて、非常に意欲的だなと感じて、評価をしたいと思います。

 ただ一方で、特に行政に対する目標が、100%というのがどんどん出てくるのですね。全部できて当たり前という状況です。また、別の予測では、崩壊していく、あるいは消滅していく自治体というのが896も出てくると。行政自体が非常に疲弊してくるということも想定されている中で、この目標というのは果たして妥当なのかどうか。やっていただければこれに越したことはないけれども、そこに対する到達可能性というか、そういうものに対してはどういう風に考えておられるのか、そこのところをちょっとお聞きしたいと思います。

○五十嵐座長 大変深刻な御質問なのですけれども、どうですか。

○木下課長補佐 難しいご質問をいただいたところではございますが、各自治体で、今回、私どもが環境整備の中でお願いしたいと思っている指標につきましては、やはり目標値自体は高い設定をさせていただいているところですが、取り組み自体は基本的だと言ったら若干語弊はあるかもしれませんが、全ての自治体で最低限このぐらいはやっていただきたいという取り組みを例示させていただいているところでございますので、できる限り多くの市町村というか、100%と掲げている以上は、全ての市町村で少なくともこの取り組みはやっていただきたいと考えているところでございます。

 考え方としてはそういう形になっておりまして、例えば今村先生がおっしゃっていただきましたように、子供が減ったり、市町村がなくなる懸念というものがある状況の中で達成できるかというのと設定の考え方とは、若干別のものかなと考えております。

○今村委員 よほど国の腰の据わった取り組みというのが多分求められるのだろうと思いますので、了といたします。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 他は、いかがでしょうか。

 では、レディーファーストでいきましょう。

○久永委員 ありがとうございます。久永です。

 今、例えば17ページの指標15についても、現状25%ぐらいのものを5年で50%、10年で100%という目標を掲げられているかと思うのですけれども、本当に重要なものであれば、こんなに時間がかかって本当に大丈夫なのかなというところはちょっと感じています。この目標設定が5年後、10年後という区切りになっているから、こういう風にされているところもあるかと思うのですけれども、その辺はどのような御判断で10年後の100%でいいとお考えなのか、ちょっとお伺いしたいなと思いました。

○木下課長補佐 17ページの指標15に関しましては、今、委員が御指摘のとおり、10年かけて悠長にやっていいのかという御指摘はごもっともな気もしているところでございます。ほかの項目につきましては、ある程度高いものにつきましては、残りの幾つか限られた自治体は、なかなか現状難しいところがあるので、ちょっと時間をかけてやっていきましょうという考えのものもございますが、特にハイリスク児に対する訪問とかに関しましては、10年かけて悠長にやっていいのかという御指摘に関しましては、御指摘のとおりかなというところで、場合によっては、中間評価時の目標をもう少し高めに設定するという御検討をいただいてもよろしいかと考えております。

○五十嵐座長 どうぞ。

○横山委員 調査法に関することなのですが、10ページと11ページのベースライン調査後の調査の部分なのですが、これは中間評価と最終評価のときだけやるということなのですが、ほかの指標に関しては、健診時の問診というように具体的に書いてあるのですが、ここだけが「各地方自治体が中間評価、最終評価、前年度の調査等を行い」と、とても曖昧に書いてあるのですけれども、これは自治体にある程度自由度を持たすという趣旨なのか、もしそうだとすると、余り自由度を持たせてしまうと、均質な評価ができるだろうかという疑問もあるのですが、ここの部分はどのようにお考えでしょうか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 先ほど、山縣先生からも御指摘があったように、できる限りコンスタントに情報をとれるものにつきましては、乳幼児健診等を通じてとっていきたいと。ただ、乳幼児健診の目的に関しましては、当然ながら健診に来られるお母様方、もしくはそのお子さんに対する保健指導なりに活用できるということを主眼に置いていることもあり、そういったものをすべからく乳幼児健診に盛り込むというのもそぐわないだろうと考えておりまして、特に指標番号の9、10に関しましては、乳幼児健診等を通じて、常に把握するという類いのものではなくて、一定程度の期間を置きながら、行政として把握すべき指標だろうと考えておりまして、位置づけとしましては、自治体調査のほうに委ねるという形にしております。

 一方、横山先生から御指摘がありました、均質になるかというところに関しましては、調査の方法等、できる限り具体的に市町村にお伝えして、こういった形でやっていただきたいというものを明確にしながら、できる限り質が均一になるような工夫をやっていきたいと思っております。

○横山委員 わかりました。ありがとうございます。

○五十嵐座長 よろしいですか。

 他はいかがでしょうか。

 どうぞ。

○秋山委員 秋山です。

 指標番号9のところで、#8000の件ですけれども、もし次回調査されるときに、どのような方法で#8000を知ったかということを調査していただければ、次回どのような広報をしたらいいという工夫につながるかと思います。よろしくお願いします。

 もう一点ですけれども、指標12で、妊娠届のときにリスクのある妊婦さんがわかり、それから指標14で産後うつのある人の発見、指標15でハイリスクの方に対するフォロー、そしてその次に、指標10のかかりつけ医につなげていく、そこで乳幼児健診などの評価につながれば、切れ目のない保健対策というところで指標に合致する気がします。調査時にそのような流れが読み取れるようなものであれば、指導的な内容にもなると思います。

 以上です。

○五十嵐座長 これは、順番ですね。検討していただけますか。

○木下課長補佐 個々の自治体にお伝えする際のやり方を工夫したいと思いますが、指標の順番に関しましては、指標の種類のカテゴリーで分けているところもあるので、この入れかえはなかなか難ししですけれども、自治体にメッセージを伝えるときには今、御指摘いただいたような事業の流れ、さらにはそれを評価する仕組みというものもあわせて伝えていければと思っております。

○五十嵐座長 わかりました。それでよろしいでしょうか。

 他は、いかがですか。

 どうぞ。

○奥山委員 子育てひろば全国連絡協議会の奥山です。

 3ページの指標3の「妊娠・出産について満足している者の割合」というところなのですけれども、やはり私ども地域子育て支援のほうから見ておりますと、妊娠・出産時の満足度というのは、その後の子育てに非常に大きく影響があります。次のページに細かく科学研究の設問等がございます。今、なかなか家族や親族の協力を得られない方も多くなっている中では、その産後支援のところが、家族以外のところも含めてなのですが、理解や対応だけではなくて、支援の部分が十分得られたのかというところも今後大事になってくるのかなと思いましたので、また研究の中でもいろいろ工夫していただくといいのではないかなと思いました。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 他は、いかがでしょうか。

15ページのうつの疑いのスケールですけれども、これはEPDSについてご存知ない方も多いと思われます。できれば「9点以上を示した人(うつの疑い)」とすることや、ベースライン調査のところの「EPDS」という言葉の横に、日本語訳あるいは英語のフルスペリングを入れることをご検討いただきたいと考えます。

 他にないようですので、それでは次にいきたいと思います。

 基盤課題Bの「学童期・思春期から成人期に向けた保健対策」について、事務局から御説明をお願いいたします。

○木下課長補佐 21ページの基盤課題Bに入りまして、指標番号1「十代の自殺死亡率」になりますが、目標は、こちらも「減少傾向」という表現していたものを「減少」に修正をさせていただいております。それ以外の点は、このページは修正ございません。

22ページは指標番号2「十代の人工妊娠中絶率」になります。第9回以降変更等ございません。そのままになっております。

23ページの「十代の性感染症罹患率」に関しましても、「減少傾向」という表現を「減少」と微修正をさせていただいております。それ以外の点は変更ございません。

24ページ、25ページになりますが、児童・生徒における痩身傾向、もしくは肥満傾向児の割合ですが、前回から大きな変更等ございません。

26ページは「歯肉に炎症がある十代の割合」、27ページは「十代の喫煙率」になりますが、いずれも第9回以降の変更等はないところになっております。

28ページの「十代の飲酒率」、29ページが「朝食を欠食する子どもの割合」、いずれも前回の第9回からの変更等なく、目標値等も変更しておりません。

30ページは指標番号10「学校保健委員会を開催している小学校、中学校、高等学校の割合」になります。

 ベースラインに、参考として、85.1%、平成24年のデータを入れております。文部科学省で調査いただいているもので、算出方法にございますが、学校保健委員会を開催している小・中・高、中等教育学校、特別支援学校の合計の数を示しているところです。

 中間評価、最終評価を空欄としていますが、今後、把握する際に、小・中と高等学校を分けて把握するということが可能となる見込みでございますので、中間評価時に改めて小・中と高校を分けた開催割合を把握した後に、改めて目標値の設定をやっていきたいと考えており、空欄とさせていただいています。

 また、これまでは学校保健委員会の設置率に関しまして、第1次の中で見てまいりましたが、設置率に関しましては、下の表にありますように91.6%、一方で、開催のところを見ますと、設置はしているものの開催がゼロというところもありますので、今後は開催しているかというところを見ていきたいと考えております。

31ページ、指標番号11の「地域と学校が連携した健康等に関する講習会の開催状況」になります。

調査を行った結果、ベースラインとしまして、53.6%の市町村で、何らかのこういった講習会の開催が確認できたところでございます。

 研修会の中身を見ていきますと、下の表になりますが、表2に1~6で、各種事業内容をお示ししているところです。割合の高かったものとしては「2性に関する指導」「5食育に関する指導」で、一方で「1自殺防止対策」でありますとか「3肥満及びやせ対策」は10%程度で、取り組む内容に関しましては、市町村それぞれで得手不得手いというか、差があるなというところでございます。

 また、表1を見ていただきますと、取り組んでいる事業のところで、ゼロのところが半分以上あるところでございますが、約4分の1はまだ1つの事業だけしかやっていないところもありますので、できる限りこういったテーマを幅広くやっていただきたいと考えており、中間評価時にも把握しながら、場合によっては2つ以上、3つ以上という形で取り組みを幅広くやっていただけるように促していければなと思っております。

 基盤課題Bにつきましては、以上になります。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御意見はございますでしょうか。

 山縣先生、何かございますか。

○山縣委員 いえ、特にはありません。

○五十嵐座長 よろしいですか。

 どうぞ、お願いいたします。

○今村委員 21ページと23ページ、5年後の目標と10年後の目標が「減少」となっておりますけれども、これは5年後に減少し、10年後にはさらに減少という意味ですか。それとも、それぞれ5年後、10年後が現在よりも減少していれば、それでいいということですか。

○木下課長補佐 大変申しわけないのですけれども、そこまで厳格には今、考えてはいなかったところで、ただ、当然ながら10年後減少するため、中間年である5年後も下がっているというところで、継続的な減少を目標としたいと考えてはおりました。ただ、評価する際に、今回の第1次の評価の際におきましても、中間時に上がっているけれども、最終時に改善が認められたものは達成したという評価をいただいているものもございますので、目標としましては、継続的な減少を目指しますけれども、最終評価のときにどうなるかというのは、その時点での御検討いただくことになるかなとは思っております。

○今村委員 もう一点いいですか。

○五十嵐座長 はい、どうぞ。

 

○青木委員 新小岩中学校の青木でございます。

 学校保健委員会の設置率はかなり上がってきていると思います。やはり開催をいかにしているかというところが、これからの課題だと思います。本校でも、今年から校医さんを順番で、今年は内科の校医さん、次の年は眼科の校医さんと、校医さんの御都合を1年間かけて聞きながら、毎年必ず校医さんに参加していただくということで進めます。今までは校医さんの御都合をお聞きしていて、なかなか日程が決まらないのが現状でしたけれど、ちょっとした工夫をすればできるということが今回、本校でもわかりました。このように開催率は上がっていくのではないかと思っております。数値がまだ入っていませんけれど、私は増加していくのではないかと思います。そのために働きかけをしなければいけない。色々な例を、文科省を通じてでも、学校保健委員会をこうやったらどうでしょうかという例示をしながらでも促進をしていく活動が、必要ではないかなと思います。

31ページの講演会等なのですが、本当にいろいろな講演会を現状本校でもやっております。外部からの専門家による講演会はとても有効で、子供たちもとても興味を持って参加します。保護者もそのときに一緒にお呼びするのですが、授業の確保ということで、幾つも開催するのが難しい状況です。せいぜい1つか2つぐらいというところで、多く取り入れることは、授業確保という意味では難しくなってきています。そして、本当に来てもらいたい保護者は来ないですね。講演会をやろうと、保護者会をやろうと、何をやろうとなかなか来てくれなくて、改善を求めている保護者こそ来てくれないという現状があります。でも考え方によると、中学生が卒業して5年でもう20歳。10年たてば25歳になり、先々親になりますから、中学生や高校生とか、小学校ぐらいからやっても、有効ではないかと思いますので、ぜひこれも促進をしていかなければいけないことではないかなと思います。

 薬物乱用防止については、私は前まで成果が上がっていると思ったのですが、危険ドラッグが入ってきて、現状は非常に厳しいということがわかりました。さらに学校でも油断せずに、薬物乱用や飲酒・喫煙防止も含めて、ますますやっていかなければいけないかなと今、改めて思っております。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 他は、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○今村委員 直接この目標とは関係ないのですけれども、今の31ページ、この講習会の開催というのは、地域においてそれぞれ専門の医会の先生方にできるだけ協力をするようにという呼びかけはしているのですけれども、例えばそこに出向いて行って、そして1時間なりそこらの講演をやって、そして質疑をやってということで、その謝金というのがきわめて少ないというか、びっくりするぐらいの金額で、あまりに厚意のみに頼ってこういうものをお願いするというのは、国の姿勢としてあまり正しくないのではないかなと思います。多分1桁違うという感じなのですよ。一挙にどうのこうのということはできないかもしれないけれども、やはり姿勢、方向というものを示すためにも、何らかの予算措置を示していただいたほうがいいのではないかなと思います。

○五十嵐座長 これは、文科省マターでしょうか。

○木下課長補佐 確認して、また何かしらお答えできる場合はお答えしますが、すぐにはわかりにくいところです。

○五十嵐座長 そうですよね。

○青木委員 ちょっと現状を言っていいですか。

○五十嵐座長 どうぞ。

○青木委員 学校としては、お呼びするときの講師料に一定のルールがあるのです。大学教授だと1時間幾らとか、次にこういう方だと幾らと、一応各自治体でそういうベースがあるのです。私が知っている限りでは、一番ランクが上なのがお医者さんではないかなと思います。

 例えば、私も食育研究会をやっていて、講師で行くのですが、ゼロです。交通費も自腹で行くということで。たまに出るときはありますけれど、本当に公務員とか、それから、薬物乱用教室なども、うちはライオンズクラブから来ていただいてもゼロです。まるでボランティアです。いろいろな会議にお医者さんがいらっしゃると、お医者さんにはお金を払われているけれども、私たちはゼロということがしょっちゅうあります。そういう意味では、その中では優遇されているのではないかと思います。

○今村委員 ついでに申し上げれば、大学の先生とか何とかは、自分のあれを置いておいて行くのですけれども、普通、大概の先生方は診療時間、その時間で行くのですよね。だから、そこの部分というのは随分と違うのだろうと思います。たくさんのお医者さんを派遣する場合には、大学の先生というのは、普通の地域で言えば、その診療科については、教授というのは1人しかいませんし、そういうことから言うと、大体専門委員会が対応しているわけですから、その専門委員会の先生方というのは大体開業医の先生方で、その自分の診療時間を全部割いて、お昼からもう診療をやめますよといってどうこうということですから、そういう状況はございます。

○五十嵐座長 はい。予算的な措置についてちょっと検討して、実情をわかるところで調べていただいて、これは文科省の関係になるのかもしれませんけれども、そういう問題があるのだということもちょっとお伝えいただくだけしかないのかと思いますけれども、今日のところは、それでよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○山縣委員 1つだけ追加で、この学校保健委員会は「健やか親子」が2001年に始まったときから比べると、かなり設置率も上がって、内容も多分良くなってきていると思いますし、今、ありましたように、地域の専門科の方々が学校で講演会をするというのもすごく増えてきたと思います。ただ、これはかなり地域差があって、やっている所は本当にかなりやっていますし、さらに加えて、地域保健委員会のようなものをつくって、もっと色々な関わりの人たちが入ってやっていたり、そういう中身的にはかなり違ってきているというのが現状で、ましてや設置がなかったりすると、まさにその市町村の格差みたいなものがすごく出てきやすいところで、そういう意味では、学校の対応もそうですし、それからこれまで頑張ってこられている地域の医師会、歯科医師会、栄養士会の先生方との連携が一番あらわれやすいところだと思いますので、注視していく指標だと思います。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○迫委員 今の30ページと31ページの関係でございます。学校保健委員会の設置率が91.6%、それに対して市町村で独自で講習会を開催している、または学校との連携という31ページの設問の中では、全くやっていない市町村が809カ所あると。今、山縣先生が市町村格差ということをおっしゃられましたけれども、まさにゼロという市町村があるということ自体が、市町村の範囲の中には、高校はあるかないかわかりませんけれども、当然小学校、中学校があるわけなので、91%で学校保健委員会が行われているのであれば、この809の市町村はどれだけ早い時点で減らすことができるか、そういうところが非常に重要な施策になってくるのではないかと思っております。その辺は、目標とはまた違いますけれども、そういう見方を今後していく必要があるのではないかと思いました。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 他は、いかがでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、次に進みたいと思います。

 基盤研究Cの「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」という課題につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○木下課長補佐 32ページをお開きください。基盤課題のCになります。

 指標番号1「この地域で子育てをしたいと思う親の割合」です。今回新たに設定しました指標になり、調査自体も今回改めて行ったものになります。その中で、「この地域で今後も子育てをしていきたいですか」という設問に対しまして、「そう思う」もしくは「どちらかといえばそう思う」という御回答いただいた方で、3・4カ月児、1歳6か月児、3歳児、いずれを見ましても、9割以上の方が「そう思う」と御回答をいただいているところでございます。

 この指標を当初設定する際には、この値はもう少し低いのではないかなと事務局で思っていたところではございますが、住めば都ということではないのでしょうが、非常に高い値が出まして、今後この値をどう評価していくか、目標をどう設定していくかというところは悩みの部分でもございますが、今回は事務局からはこういった提案をさせていただているというところになります。

34ページ指標番号2になります。職域における健康水準の指標として、「妊娠中、仕事を続けることに対して職場から配慮されたと思う就労妊婦の割合」になります。こちらも、今回の追加調査の中で把握させていただいたものになります。

 設問になりますが、「妊娠中働いていましたか」という設問で「働いていたことがある」と御回答いただいた方の中で「職場から配慮されたと思いますか」という問いに御回答いただいております。結果として、非常に高い値が得られているところです。

 一方で、下を見ていただきますと、「どのような配慮でしたか」という中身を見ていきますと「いたわりの声かけなどよい雰囲気があった」が80%を超えているところで、それ以外の項目を見ていきますと、余り高くないという結果も得られたところです。例えば妊婦健診の休みをくれたという設問もございますが、御本人が言いやすい雰囲気があるか、もしくは職場の中で、とりやすい環境があるか、もしくはそういうときに休暇がとれるという制度も十分理解しているかというところで、職場の環境づくりというものはほかの項目を見ていけばもう少し改善の余地があるだろうなと考えているところでございます。

35ページ、指標番号3「マタニティマークを妊娠中に使用したことのある母親の割合」になります。

こちらは平成25年度の調査になりますが、ベースライン値として52.3%となっております。使用の割合に関しましては、地域差もあると思っておりますが、下を見ていただきますと、母親に関しましては、マタニティマークの認知は非常に高いという結果も得られているところで、知った上でちゃんと必要に応じて使用していただける女性、母親の割合を増やしていきたいと考えて、目標値の設定等を行っているところでございます。

36ページを見ていただきますと、「マタニティマークを知っている国民の割合」になっております。こちらは、世論調査で把握をいたしました。その結果、今回、知っている割合が45.6%という値を得ることができました。

 今後マタニティマークの利用しやすい環境づくりをしていくためには、国民の方々にマークを知っていただいて、どういう意味かということをもっと普及していくことが必要だろうと考えておりまして、なかなか高い目標値を掲げられているところではございませんが、中間で50%、最終で55%という目標を掲げさせていただいております。

 数値の算出方法等は、設定の考え方に細かく記載させていただいておりますが、通勤の手段というもので、都市部と町村部で公共の交通機関の普及の程度にも差があるということも鑑みまして、こいうった目標値の設定をさせていただいているというところです。

37ページは指標番号5「積極的に育児をしている父親の割合」になります。

ベースライン値は、平成25年度の調査の中で「お父さんは育児をしていますか」という中の「よくやっている」と御回答いただいた方の割合で、47.2%という設定をさせていただいております。

 この値は、下を見ていただきますと、平成17年、21年、25年度、経年的に見た場合に横ばい、もしくは微増ぐらいの状況ですが、縦に見ていただきますと「よくやっている」という割合は、最終評価の際にも御検討いただいたところではございますが、3・4カ月児が一番高くて、その後お子さんが大きくなるにつれてこの割合が下がっていくというところで、今後どう評価し、見直していくか、その改善に向けて取り組みをどうやっていくのかというところが今後の課題と考えております。

38ページは指標番号6の乳幼健の未受診者の把握の状況で、市町村で把握する体制がありますか、県型保健所で、把握に対する支援をしていますかと今回調査をしたところですが、実際に乳幼児健診をやっていただいています市町村は、非常に高い値で把握の取り組みをやっていただいているという状況が改めて確認することができました。

 一方で、県型保健所に関しては、乳幼児健診事業そのものが市町村の事業となっているところで、なかなか具体的に支援というもののかかわりがなかったという状況が見てとれるところです。

 さらにその乳幼児健診の未受診者の把握が単独の市町村で困難ということも考えられますので、そういった者を把握するに当たっては、広域的な協力もあり得るのかなと思っており、やはり県型保健所には何らかの支援というものを取り組んでいただけるとありがたいなと思っておりまして、県型保健所は現状まだ低い値ではございますが、5年後、10年後にはこういった割合を高めていければなと考えております。

40ページは指標番号7、「育児不安の親のグループ活動を支援する体制がありますか」と市町村にお尋ねしているところです。ベースライン調査に関しましては、育児不安の親のグループ活動の支援をしている「はい」と御回答をいただいた自治体の割合を計上しているところです。

 一方で、今後ベースライン後の調査に関しましては、出生数が少なくてグループ活動が困難というものを除いた上で、何らかの支援が必要な方がいる自治体におきまして、取り組みをしていますかというところを把握していければと考えているところです。こういった支援に関しましては、当事者に対する個別の支援とグループにおける支援というものを両輪でやっていくのが重要と考えており、市町村におけるグループ支援も促していきたいと考えております。

41ページは指標番号8「母子保健分野に携わる関係者の専門性の向上に取り組んでいる地方公共団体の割合」になります。

 ベースライン調査を見ていただきますと、調査の項目は「現在そういった研修をやっていますか」という質問に対し、都道府県で97.9%、市町村で95.1%で、何らかの研修、専門性の向上の取り組みというものはほぼ全ての自治体でやっていただいているということが把握できました。

 一方で、ベースライン調査後の項目の設問に関しましては、市町村の設問を、少しハードルを上げており、1を見ていただきますと「非常勤職員も含めて年1回以上、専門性を高める研修を受けるための予算を確保していますか」と。また、2で「受けた研修内容を共有する仕組みがある。もしくは、勉強価値等で深めている」、さらには3で「受けた研修内容を業務の改善に生かしている」これは1~3全てに「はい」と回答した自治体を今後この項目を満たすところにしていきたいと考えておりまして、恐らく123全て「はい」になる自治体は、少し低いかなということは想像しているところでございますが、中間評価時に改めてどういう状況かというものを含めて検討が必要と思っておりますが、やはり各市町村で専門性を高める研修をさらに取り組んでいただきたいと考えており、こういった調査項目の変更も含めて、今回御提案させていただいております。

 基盤課題Cにつきましては、以上になります。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それでは、何か御意見、御質問ありますでしょうか。

 どうぞ。

○青木委員 37ページの「積極的に育児をしている父親の割合」というところで、これは母親のほうがアンケートに書いて、母親から見た父親の参加の割合、父親自身は、もうちょっと自分自身はやっているつもりでいるかもしれませんそれでいいのでしょけれど、母親から見た父親の育児参加率が上がっていればいいと思うのですが、父親は実際育児参加についてどう自分が思っているかということも調べてみると面白いのではないでしょうか。その差が出るのではないかと思います。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

○出石委員(戸矢崎係長) 保健師長会代表として、意見を言わせていただきます。

37ページの「積極的に育児をしている父親の割合」というところで、この設問ずばりではございませんが、内閣府の子ども子育て支援事業計画のためのニーズ調査というものを各市町村のほうでも行っておりまして、子供さんにかかわる父親の時間というものもたしか設問項目にあったかと思います。ですので、かかわった時間というところの実数みたいなところも参考値としてお使いになっていただくとよろしいかと思います。というのは、市町村の「健やか親子21」のことをベースに、市町村それぞれが母子保健計画を策定するときに、やはり他の計画とのつながりというものを意識した形で作業していったほうがいいかなと思いますので、これだけではなく、ほかの調査とか、そういったニーズ調査的なところの数字というのを参考数値的に、欄外でも構いませんので取り上げていただくとよろしいかなと思っています。

 あと32ページに関しても、「この地域で子育てをしたいと思う親の割合」というところで、まさしく子ども子育て支援事業計画、保育園だけではなくて、地域の子育て支援の事業にも関連してというところで計画を策定させていただいております。その中で、全国統一の質問項目として、この項目を設定して、経年的な変化というのでしょうか、5年間に1回だと思いますが、数値を把握するというところも一つの手法として考えられるのではないかなと思っております。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 よろしいですか。

 はい、どうぞ。

○成田委員 世田谷保健所の成田でございます。

38ページの乳幼児健診の未受診者の全数把握がある体制についての御質問なのですけれども、今、乳幼児健診未受診者が亡くなられているとか、事件に巻き込まれているとか、様々な痛ましい出来事が報道されていて、大きな社会問題になっているところです。この指標が、単に未受診者の全数の状況を把握する体制があるかどうかで96.7%で、10年後に100%とありますが、ただ名簿を見て、来ているか、来ていないか確認しているのも「はい」になってしまうと思うのですね。やはり最終的には、この具体的な内容に関する設問の中で示されているように現認把握をしているかとか、もし、現任確認できないのであれば、他部署、他の子育て機関であるとか、学校、それから最近は入国管理事務所などとも確認しているのですけれども、そういう所と確認して初めて把握したと言えると思うので、もう少し目標を高くしたほうが、良いと思います。未受診者の体制を把握しているだけで、現状が96.7%、10年後で100%、これでいいのですかと、思われてしまう部分があるので、もう少しハードルを高くしてもいいのではないかなと思いました。

○五十嵐座長 はい、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 成田委員の御指摘、大変ごもっともなところでございまして、39ページを見ていただきますと、今、御指摘いただいたのは、その現認の確認等々の割合がございますように、設問の234のあたりで、現状まだこのぐらいの割合となっております。

 これも含めまして、今後の指標の目標の考え方ですが、38ページの下を見ていただきますと、ちょっと小さい字で恐縮なのですけれども、市町村用の算出方法を見ていただきますと、設問1)「全数の状況を把握する体制がありますか」で「はい」と回答した中で、さらに次の設問2)の1~4の全てに「はい」と回答した市町村を分子にする予定にしており、「ありますか」の「はい」だけではなくて、御指摘いただいたような確認方法を全部満たしているものを分子に計上する予定にしておりますので、ここまでちゃんとやっていただきたいというところは、この設問においても、同じ考えでいるところでございます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 どうぞ、中板委員からお願いします。

○中板委員 日本看護協会の中板です。

 指標番号6、乳幼児健康診査の未受診者の全数把握の体制について。市区町村と県型の保健所を並列していただき非常にありがたい。ベースライン値は県型保健所33.8%となっているが、47都道府県の格差についてはどのような形で見ることができるのか。全ての保健所に調査しているので、県全体で取り組んでいる県と、消極的な取り組みである県などが明らかになるとよい。都道府県格差をどのように評価していくのか。

 乳幼児健診未受診者については、居所不明等々、居住しているかどうかを把握するだけではなく、内容の問題である。都道府県の場合は広域的な把握が可能となるため、都道府県と市町村の役割を改めて整理していただき、ベースライン調査後の今後の調査の中にそれを組み込んでいただきたい。

 指標番号8、母子保健分野に携わる関係者の専門性の向上に取り組んでいる地方公共団体の割合については、ベースライン値が非常に高い。先ほど、EPDSに関する指標のところで話題に出たが、母子保健分野において支援を行う際、メンタルヘルスケア、精神保健からの視点が非常に重要となる。今後の調査では、市区町村あるいは都道府県で行われている母子保健の研修等については、その内容も把握できるとよい。母子保健の基本的なところだけではなく、メンタルヘルスケアや精神保健に関することも取り組んでいるところがどのくらいあるのか。研修内容の把握についてご検討いただきたい。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 先に、指標番号6の都道府県の差ですが、この取り組みを県の中のどこで担当するかと言ったときに、母子保健の担当部署が主になるケースと、福祉担当の部署が主になるケースというのが今回調査した中であったというところがございまして、設問自体は県型保健所の割合を分子にとっていることもあり、保健所ではやっていないけれども、県としてはやっていますよという自治体もあったというところが実際のところございます。

 一方で、やはり乳幼児健診に関しましては、母子保健担当部署にかかわってほしいという思いもありますので、今後はそういったところも把握しながら、どういった数値で評価していくかというところは、県型の調査の算出方法も含めてしっかり考えていきたいと思っております。

 もう一方の指標番号8のさまざまな研修の中身の把握方法につきましては、今後検討させていただければと思います。

○五十嵐座長 それでよろしいでしょうか。

 はい、どうぞ。

○久永委員 34ページの指標番号2の一番下の設問のところで、細かくて恐縮なのですけれども、アンケートで「身体への負担が少ない仕事へ転換してくれた」という指標があるのですけれども、例えば弊社の場合ですと、仕事の内容がほぼ均一で、元々どういう仕事を前提とされているのか分からないですけれども、デスクワーク中心ですと、負担が少ないとか多いというのがすごくはかりにくくて、内容を変えることがまず難しいというのと、あとは女性自身もキャリアを考えたときに変わりたくないという要望がある中では、ここがなかなか上がっていくということが本当にいいのかどうかというのは、個人的にはとても疑問が残ったので、どういう職種を想定されてこの質問を設定されているのかというのと、この辺がどこら辺をゴールとして目指されているのかというのはちょっと気になったので、お聞きしたかったです。

○木下課長補佐 こういった設問項目に関しまして、研究班と御相談させていただきながらやっているところでございまして、今、言ったような体への負担が少ないというところに関しましては、職場によっては今、御指摘いただいたように、そもそも負担が均一なケースもあればそうでないケースもあるだろうと。そういった均一でないケースにおいては、やはり負担の少ないところに転換というものをやっていただきたいと。そういう意味で言うと、御指摘いただいたようにこれが100%になるということはまず難しいだろうなということはよくわかるところではございます。

 それ以外の項目に関しましては、おおむね広くそれぞれの職場に共通する項目かというところに関しましては、できるだけ高い値を目指していきたいと考えているところではございます。

○五十嵐座長 山縣先生、何かこれについて補足はありますか。

○山縣委員 今、御指摘のとおりで、要するに御本人が必要だと思ったときにそれに対応してくれたかという、そういう質問が必要かなとは思いますので、そういった対応を今後していこうとは思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 他は、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○秋山委員 秋山です。

 今、山縣先生がお答えになっていただいたので納得したのですが、やはり「配慮されたと思う」の数と、それから実際の行動されたこと、例えば休みをくれたとか、そういうものが実際に少ないと思います。その実際の行動の数値と、このベースラインが91というのとは、かけ離れている気がしますので、やはり実際の行動のところを目標にしていただいたほうがいいかと思います。

 この延長線上と思われる出産後にゼロ歳の子供たちが10時間保育をされているということを考えますと、妊娠期からワークライフバランスなどを考慮していただいたほうがいいと思います。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 その他は、いかがでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、次の重点課題1に移りたいと思います。「育てにくさを感じる親に寄り添う支援」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○木下課長補佐 43ページをお開きください。重点課題1、指標番号1「ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合」になります。

 こちらは、平成25年度の研究班の調査を用いてベースラインを設定しております。ベースライン調査後に関しましては、調査方法を、問診項目に移していきたいと考えております。目標値は、第9回でお示ししたものから変更ございません。

44ページは指標番号2「育てにくさを感じたときに対処できる親の割合」になります。こちらは新しい指標になっておりまして、今回の追加調査の中で把握しているところです。

 設問を見ていただきますと、「お子さんに対して育てにくさを感じていますか」というところで「いつも感じる」もしくは「時々感じる」と御回答いただいた方の中で、「何らかの解決する方法を知っていますか」という方を分子にして割合を示しているところです。今回83.4%の方は「何らかの対処ができる」という回答をいただいているところです。

 今後は、この項目につきましても、問診項目の中に入れて把握していきたいと考えているところです。

45ページは指標番号3「子どもの社会性の発達過程を知っている親の割合」になります。こちらも追加調査の中で把握をしたものです。

 設問を見ていただきますと、3・4カ月児の健診のときには「生後半年から1歳ころまでの多くの子どもは、『親の後追い』をすることを知っていますか」。また、1歳6カ月健診におきましては「多くの子どもは、『何かに興味を持ったときに指さしで伝えようとする』ことを知っていますか」。3歳児の健診のときには「『他の子どもから誘われれば遊びに加わろうとする』ことを知っていますか」というところで、発達過程に関する設問を設定させていただいたところです。

 結果は、46ページを見ていただきますと、健診時ごとに多少ばらつきはありますが、設問も異なっていることもありますが、3・4カ月児で85%強、1歳6か月児で90%強、3歳児で70%ぐらいという形で、それぞれ発達過程を御存じの親の割合となっているところで、今回目標値を設定する際には、この3つの平均値を用いて把握していきたいと考えております。また、こういったものの知識の普及・啓発もさまざまな機会を通じて健診時等を通じながらやっていきたいと思っております。

47ページは今と関連する項目ではございますが、「発達障害を知っている国民の割合」になります。

世論調査の中で今回把握をしており、設問しては「あなたは発達障害について知っていいましたか」という設問に対し「知っていた」と御回答いただいたのが67.2%となっております。

 下の性別、年齢階級別のグラフを見ていただきますと、年齢が高くなるにつれ「知っていた」の割合が減る傾向にはございますが、おおむねこのような割合という状況になっております。

 今後、この目標値に関しましては、低年齢層への普及・啓発と、高齢者の認知の状況が若干低いところがございますが、その分を勘案しまして、5年後80%、10年後90%という目標を設定しているところです。

48ページは指標番号5、発達障害を初めとする育てにくさを感じる親への早期支援体制がある市町村の割合、またそういった市町村に対する支援体制を整備している保健所の割合になります。

 ベースライン調査、昨年の母子保健課の調査になりますが、市町村では85.9%の自治体において何らかの支援体制を構築いただいているという状況になります。都道府県に関しましては、市町村への支援では、現在66.5%という状況になっております。

48ページの下を見ていただきますと、今後の調査の中では、育てにくさに対する支援というのが何かということに関しましては、設問を細かく分けており、まず「何らかの社会支援がありますか」。さらには2として「そういった個別事例の情報交換をする会議が定期的にありますか」また「支援のマニュアル等の整備があるか」といった項目を追加いたしまして、これらの要件を満たしているものを、この支援体制があるという分子にとっていきたいなと思っております。

 こういった形で市町村、県、それぞれの体制整備が進んでいけばと思っているところでございます。

 重点課題1につきましては、以上になります。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問はいかがでしょうか。

 どうぞ。

○市川委員 47ページのところなのですけれども、「あなたは発達障害について知っていますか」の設問は、括弧の中の文章を聞いているのでしたかね。事務局、これはよろしいですか。

○木下課長補佐 もう一度よろしいですか。

○市川委員 設問の前に発達障害の説明文をよく読んでもらったというのは、括弧の中の文章を読んでもらったと。

○木下課長補佐 そのとおりです。

○市川委員 ただ、この単語を知っている人はいっぱいいるのですけれども、その中身はみんな知らないというのが現状なのですよね。ですから、結局このことは、単語を知っているというだけみたいな気がしてしまうのですけれども、どうなのですか。

○木下課長補佐 設問のところで、(ア)が「知っていた」、(イ)が「言葉だけは知っていた」と分けてお尋ねはしているところで、今回この67.2%につきましては「知っていた」と御回答いただいた割合を計上しているところではございます。

○市川委員 つまりこの設問だと、自閉症とか広汎性発達障害とか学習障害とかADHDは知っていますよというのだけれども、結局みんなその中身は知らないのですよね。これで果たして発達障害を理解してもらっていると、「知っている」と言ってしまっていいのかなという気がちょっとしたもので、確認しました。

 私の印象では、単語を知っている人はいっぱいいるかもしれないけれども、中身をよく知っているという日とは少ないというのが実情なので。

○五十嵐座長 一応これは星印で、設問の前に発達障害についての説明文を明示した後で「ところであなたは発達障害について知っていましたか」という設定ですよね。

○木下課長補佐 参考資料5の11ページをお開きいただきますと、こちらが実際の質問票になっておりますが、こういう形で今回調査を行ったところでございます。委員御指摘のとおり、これだけでは本当に発達障害の中身も含めて知っているかどうかというのとは必ずしも一致しないのではないかと。

○市川委員 「『単語の中身は知っていますよ』という意味かな」と思って質問しました。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 これは何か体裁を変えるとか、質問のあれを変えるとか、そういうことは検討しますか。

○木下課長補佐 今回これは内閣府で実施いただいています世論調査の中で、こういった制度設計をさせていただいたというところもございます。今後、いつ次回の調査ができるかというのはお約束できるものではございませんが、恐らく中間評価なり最終評価なりの際には同じような評価をやっていく必要があるだろうと考えておりますので、その際、検討させていただければと思います。

○五十嵐座長 それでよろしいでしょうか。

 他は、いかがですか。

 どうぞ。

○篁委員 お茶の水女子大学の篁と申します。

 この重点課題にかかわるということで、全体を通じてなのですけれども、ちょっと基本的な質問なのですけれども、回答をどのように丸めていらっしゃるのかなということで、ちょっと疑問に思ったので質問させていただきたいのですけれども、例えば先ほどいろいろ御議論があった、前に戻ります36ページ、37ページで、イエス・ノーならいいのですけれども、4択の回答のポジティブの2つを丸めているものとそうではないものがあるのですね。そこら辺の基本はどのように考えていらっしゃるのかなと思いまして。例えば、36ページの先ほどマタニティマークを知っているか、知らないかというところでは「知っている」だけを数字として取り上げて、「言葉だけは知っていた」というのは入れていないのですね。先ほどの、隣の父親の子育てですけれども、育児のほうは「よくやっている」という回答だけの数字で「時々している」のは入れていないのですね。これは、私は積極的にという指標名があって、目的がそうだから一番上の評価のみをイエスとして取り上げたのかなと思ったのですけれども、今、重点課題のほうで発達障害のことについても、知っているか知っていないかで、「知っている」のと「言葉だけは知っていた」というのも丸めて知っていたとしようと。だから、すごくまちまちなのですね。4段階の回答をどのようにまとめているかの基本的なことが、それぞれによって違ってよろしいのかなと。何か意味があれば、また御説明いただけたらと思いました。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 まず、先に47ページですが、丸めてはおりませんで、「言葉だけは知っていた」は分子には計上しておらず。

○篁委員 ベースラインはそうですね。

○木下課長補佐 はい。「知っていた」のみにしておりますので。

○篁委員 では、この図のほうでは、上で丸めて「知っていた」と書くのは余り意味がないのですか。

○木下課長補佐 指標名との乖離という御指摘でしょうか。

○篁委員 47ページはそれもあります。47ページは、ベースラインとして67.2ですから、「知っていた」というところだけをとっているのですけれども、下の図の説明では「言葉だけ知っている」も入れているという説明があるわけですね。それは47ページについての乖離なのですけれども、全体を通して、4段階評点のときに「いつも」とか「とても」というのだけをとるのか、言葉が出てくると「知っている」「知っていない」「時々やっている」とか、そういうのも丸めるのかというのが、ちょっと共通点が分からなかったので質問しました。

○木下課長補佐 個別の指標ごとに申しますと、委員御指摘のとおり、37ページの場合は、「積極的に」というのを含めまして、「よくやっている」のみをとっているという形で、それぞれの指標ごとに考え方を整理はしておりますが、共通というところでは、ちょっと一つ一つ御説明することになってしまうので、なかなか御説明が難しいなと思っているところです。

 一方で、認知に関しましては、マタニティマークにしろ、発達障害にしろ「言葉だけは知っていた」は含めずに、「知っていた」という割合だけを計上しているところで、47ページの下の説明との乖離は、内閣府の調査をそのまま持ってきているところもありまして、乖離しているというところではございますが、認知に関しましては「言葉だけは知っていた」ではなくて、「知っていた」と御回答いただいた方をベースラインに、さらには目標値に設定しているというところで、一応共通はさせていただいているところでございます。

○篁委員 はい、わかりました。

○五十嵐座長 よろしいですか。

 はい、どうぞ。

 

○中板委員 指標番号4、発達障害を知っている国民の割合について。「平成26年度母子保健に関する世論調査Q8」の回答として、「知っていた」「言葉だけは知っていた」「知らなかった」の3択であるが、それぞれの境界線がわかりづらいと思う。なぜ国民に発達障害を知って欲しいのか、それは最終的に何をゴールにしたいのかが加わると、この設問の意図も伝わるのではないかと思う。

○五十嵐座長 よろしいですか。

 どうぞ。

○山縣委員 本当に重要な御指摘だと思いますが、ただ、ではどういう風にやるのか、恐らく今コンセンサスを得られていませんし、こういったものに対するリテラシーをどう測定するかというのは、研究分野でもコンセンサスを得られていない話なので、例えば、まず言葉を知っている、知っていないと話にならないというところから始めるということも一つで、例えばメタボという言葉は昔は誰も知らなかったのが、今は9割ぐらいの人が知っているということで、色々なことを国民に向けて発信できるわけですから、そういう意味では、とにかく聞いたことがあったり、ある程度自分では知っているような気になっているということも大切で、そういうことも全く聞いたことがないとか、全くそういうことを知らないという人をいかに減らすかということがむしろ目標と、こういう場合にはなるのかなという気もいたします。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○木下課長補佐 1点だけ補足させていただきます。内閣府でやっていただいています世論調査に関しましては、調査の限界と言いますか、世論調査の趣旨という範囲からいきますと、認知しか聞けないという調査になっておりまして、この同じような世論調査の中で把握しようとすると限界があるところで、中間評価以降に、山縣委員から問題提起いただいたような、もう少し突っ込んだ調査をやるとなった場合には、手法も含めて考え直さないといけないかなというところがございます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 よろしいですか。

 それでは、次にいきたいと思います。重点課題2「妊娠期からの児童虐待防止対策」について、御説明をお願いいたします。

○木下課長補佐 50ページをお開きください。重点課題2になります。

 指標番号1「児童虐待による死亡数」に関しましては、目標値、考え方、いずれも第9回以降変更ございません。

51ページ、指標番号2「子供を虐待していると思われる親の割合」になります。指標名を一部変更しております。

26年のベースライン調査は、設問「あなた、または、あなたのパートナーは、子どもを虐待しているのではないかと思うことはありますか」という設問のアンケート調査を行っており、参考値として設定しております。

 ベースライン後の調査は、問診項目に入れるということを想定しており、その際に、1にありますような「虐待していると思うことはありますか」という設問ではなく、それらの行為を直接聞く形にしておりまして、その1~7に該当する方に関しまして、それらの方々を分子として、この割合を算出していきたいと考えております。

 この変更点に関しまして、これまで非対面の無記名の調査だったのですけれども、今後問診項目とすることから、直接的な質問ではなくて、「こういったことがありましたか」ということで把握する形にしていきたいと考えております。

53ページの指標番号3につきましては、基盤課題Aの再掲となっておりますので、割愛させていただきます。

54ページは「児童虐待防止法で国民に求められた通告義務を知っている国民の割合」になっております。

今回も、先ほど申しました世論調査の中で把握しております。その中で、設問のところにありますような設問に対しまして「知っていた」と回答いただいた方の割合を計上しているところです。

 下の結果を見ていただきますと、男女差は多少あるものの、年齢階級による差は余りなかったという結果で、ベースライン値61.7%、今後はそれらの値を少しでも高めていければということで、中間評価、最終評価の目標を設定しているところでございます。

55ページ、指標番号5「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)を知っている親の割合」になります。

こちらも、今回平成26年度の追加調査で把握したところですが、今回94.3%と非常に高い結果が得られております。

 中間評価に関しましては、今回さらに高めるということで100%という値を設定させていただいておりますが、これにつきましても、知っているだけではなくて、それに対する対処行動も含めて広く啓発することが必要と考えており、今回初めてこの割合を把握したということもありまして、今後中間評価以降、どういう設定をしていくか、またどういう対策を講じていくかというところは引き続き検討が必要と思っております。

56ページの指標番号6は、基盤課題Aの再掲になりますので割愛いたします。

57ページの指標番号7につきましては、冒頭御説明いたしましたが、今後調査を行う予定としており、今回検討の対象からは外させていただければと思います。

 同様に58ページも今後調査を行う指標になっておりますので、今回の検討からは外させていただければと思います。

59ページは指標番号9「特定妊婦、要支援家庭、要保護家庭等支援の必要な親に対して、グループ活動等による支援をする体制がある県型保健所の割合」になります。

こちらは、平成25年度の都道府県を対象とした調査の中で、支援をしているという回答をいただいたものを計上しております。約30%程度という割合になっておりますが、このハイリスク親に対する支援というものも、今後の母子保健活動の中の児童虐待対策の一つとして位置づけられる重要なものと考えておりますので、10年後には100%を目指したいと考えております。

61ページは指標番号10になりますが、こちらも今後調査を予定している指標になっておりまして、現在、ベースライン値等の設定ができておりません。参考値としては、下にありますが、現在、要対協の中の関係機関の参画状況というところで、参加の医療期間は現在10.2%、産科医会は3%程度、要対協の中に御参画いただいている状況ではございますが、今後改めて調査等を行って、目標値の数値設定等したいと思っております。

62ページは指標番号11「関係団体の協力を得て児童虐待に関する広報・啓発活動を実施している地方公共団体の割合」になります。

今回25年度の調査の中で、市町村の対象とした割合は54.9%という結果が得られております。同様の調査を都道府県に対しても行ったところですが、都道府県は100%の実施ということもあり、市町村の結果のみを計上しているところです。今後、こういった何らかの取り組みは、各市町村でやっていただきたいと考えておりまして、10年後100%を目指したいと考えております。

64ページは重点課題2の最後になります。指標番号12「児童虐待に対応する体制を整えている医療機関の数」になります。

今回、市町村を対象に、体制を整えている医療機関の数は幾つありますかというのを計上したところ、572カ所という参考値は得られているところですが、今後これをどう考えていくかというところの考えを整理いたしまして、少なくとも三次及び二次の救急医療機関においては、こういった体制整備を進めていっていただきたいと考えており、現在、三次と二次の救急医療機関を合計しますと、約3,163カ所ございます。それの少なくとも5年後には半分、約1,600カ所になるかと思いますが、それらにはこの体制を整えていただきたい。10年後には、少なくとも三次と二次の救急医療機関にはこの体制を整えていただきたいと考えており、中間評価時、さらには最終評価時の目標を設定させていただいているところでございます。

 重点課題2は以上になります。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に対しまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。

 どうぞ。

○成田委員 世田谷保健所の成田でございます。

56ページの指標番号6「妊娠届出時にアンケートを実施する等して、妊婦の身体的・精神的・社会的状況について把握している市区町村の割合」という項目があって、これはベースラインが92.8%で、10年後を待たずしてこちらは5年後で10%となっております。先ほど私が質問させていただいた基盤課題Cにあった未受診者を把握しているかどうかというのは、10年後まで待って100%となっておりまして、整合性がどうかなと思います。どちらかと言うと、やはり社会問題になっていて、未受診者を把握して、とにかく元気でいるかどうかを確認するというのが非常に大きな課題に今、市区町村ではなっているわけで、それを10年待って100%で、ベースラインも、いろいろさまざまな調査はするにしても、把握しているかどうかというのがベースラインの96.7%を100%というのは、今の56ページの目標とちょっとかけ離れた印象を受けてしまうので、少しこの辺見直しをしていただけるとありがたく存じます。

○木下課長補佐 先ほど御指摘いただきました38ページの基盤課題Cの指標番号6の現在のベースが96.7%で、5年後の99%というのはやめて100%にしてはという御提案ですけれども、ほかの委員からも御賛同いただけるのであれば、ここを100%に修正させていただければと思います。

○五十嵐座長 どうぞ。

○成田委員 御賛同というか、56ページに関しては、中間評価の5年後を100%として、最終評価の10年後の目標はなくしているわけで、この辺の考え方の違いというのも私にはよく理解できなかったし、それは委員の御賛同というのとまたちょっと視点が違うのではないかなと考えます。

○木下課長補佐 1点だけ違う点と申しましては、先ほど申し上げた38ページにつきましては、設問の中身のハードルを上げるというところで「体制がありますか」だけの設問ではなくなるというところもあって、来年以降、38ページの下にあるように細かく聞いていくと、現状96.7%は高いのですけれども、恐らく下がるだろうなということが推測されまして、中間評価時には大幅に見直しが必要であろうというところは一つ懸念はあるところであります。委員おっしゃるように、把握することというのは非常に重要ということは私ども理解しているところでありますので、5年後に100%を目指すという目標設定もあるかと思っております。一番の懸念は、今申しましたように、下のような設問を変えることによって、どの程度下がるかというところが一つ気がかりなところでありまして、39ページを見ていただくとわかるように、その把握方法を決めている、もしくは他機関との連携をしているというところに関しましては、まだ90数%ではなくて7割から8割程度という現状もございます。これは、5年後で今、7割から8割のものを100%を目指すのかというところの目標設定の考え方かと思っております。

○五十嵐座長 成田委員はよろしいですか。御理解いただけますか。

○成田委員 今、基盤課題Cにあった未受診者を把握しているかどうかについて、ベースラインを96.7%にしていますよね。このままだと、次回以降、具体的な内容について「はい」と全部回答した者の数にすると、少し比較というのができなくなってしまいます。そうだとしたら、今の段階からどれか違うものを上げていかないと把握が難しい。96.7%のままだと、把握しているかどうかで、「はい」と答えたかどうかということだけを見ていくので、それが10年後に100というのは、今の状況からすると少し違和感を覚えますよね。そうだとすると、もう一つ、今の状況からすると、そんなに待っていられないのだから5年後に100%だという考え方もあるのかなと思います。

もし、その96.7%ではなくて、1~4のどれかにするか、集計でもし可能であれば、1~4全部回答している自治体が幾つかというのがわかると思います。こうやって1~4までの回答が個別に出ているのだから、集計可能と思います。将来的には、1~4の全てを把握しているという自治体数はわかるわけだから、その数をベースラインにするという方法もあるのではないかなと思うのです。96.7%のままだったら、中間評価は56ページと同様に5年後に100というのもあるでしょうし、そうではなくて、もう少し10年後まで長く見ていくのであれば、最終的には、先ほどの御説明を聞いておりましたら、算出方法は設問1)で「はい」と回答し、かつ設問2)で1~4の全てに回答した人とするのであれば、それをベースラインにするという方法もあるのかなと思います。

5年後に合わせるのか、10年後に合わせるのか、その辺はしっかりと明確に説明ができるようにされておいたほうがよいのではないかと思います。

○木下課長補佐 今、御指摘いただいた形にできる限り近づけたいとは思っているところですけれども、一つだけ課題があるのが、39ページの234と、38ページの1234を変えてしまっているというところがございまして、そこは一点だけ課題になっているところがあり、単純比較はできないのですけれども、ベースラインでは、参考値として成田委員が御指摘いただいたように、39ページの234全てを満たすものを参考値と置いて、今後38ページの1~4を満たすもので評価していくという形は考えられるかと思っております。39ページの234を満たしている割合がどのぐらいと、すぐ手元に数字がございませんので、その方向で今後設定する、もしくは参考値をベースラインとするということであれば、ここの数値を修正させていただければと思います。

○成田委員 設問の違いは私が十分理解していなかったので、その点についてはよくわかりました。自治体からすると、私たちの立場からすると、やはり1~4全部やっているところはどの程度あるのかなということを多分知りたいのだと思うのですね。把握しているかどうかというのは、当たり前のことになっているように今では思いますので、市区町村から見て、ここまでやればいいのだということがわかるような指標にしていただけるとありがたいと思います。

○五十嵐座長 では、これは検討していただけますか。

 ありがとうございました。

 どうぞ。

○奥山委員 地域子育て支援をしております奥山です。

 2つありまして、もう事務局からも何度も御説明があったとは思うのですけれども、やはり55ページの揺さぶられ症候群の認知度は、思ったよりも高かったというわけなのですけれども、保護者の立場からしますと、例えば45ページの「子どもの社会性の発達過程を知っていますか」という設問がこういう形で来られると、多分「知っている」に一応○をつけておこうという気持ちもあるだろなと思うのですね。ですので、知っていることと、どう対応していいかわかっていることとまた違うのだろうなと考えますと、今回、この調査でデータの状況がわかったわけですから、次のステップとしてどういう設問がいいのかということを考えていかなければいけないだろうなと思いました。

 もう一つ、児童虐待の通告義務、54ページですけれども、どちらかと言うと今、11月に向けて市民、それから地域の方々に向けても、こういった通告義務のことをお伝えしていくキャンペーンを張っていく期間で、それは非常に重要な啓発の期間だとは認識しております。一方で、44ページの「育てにくさを感じたときに対処できる親の割合」、つまり相談等できるかどうか、ここでもやはり対処法を知っているということで、相談先は電話番号があれば、電話をする先は知っているとか、何かパンフレットに載っているものは知っているとかいう形で、実際に相談しやすいかどうかということとはまた別問題だなと感じておりまして、どうしても虐待防止のパンフレットに「通告義務です。ここに電話してください」と電話番号が書いてある。一方で裏を見ると保護者の皆さん宛てに「何か不安があったら相談してください」となっているのですけれども、なかなか親向けのアプローチと地域の方向けのアプローチというのは分けて考えないと、保護者の方はなかなか本音を出せない、相談しやすさを感じないというところがあると思うのですね。ですので、新たにここのところは深堀りしていこうという今回委員会の皆さんの答申だったと思いますので、出てきた数字を見ながら、また改善していくということが必要ではないかと思いました。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 これはよろしいですね。御意見として承りたいと思います。

 他は、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○秋山委員 秋山です。

 一次医療機関も大事な役割をしていかなくてはいけないと思っていますが、今回の調査の中には、一次医療機関のところがどこで反映されるのかなと思います。それで提案ですけれども、例えば要対協を知っているかとかいう設問、あるいは二次、三次の医療機関のところに一次医療機関と一緒に連携をとっているかなどの設問を入れていただくと、一次医療機関も意識ができるのではないかと思います。

 以上です。

○五十嵐座長 これも検討していただきたいと思いますが、よろしいですか。

 ありがとうございました。

 他は、いかがでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、この指標及び目標につきましては、今日の議論を踏まえまして、取りまとめをこれからしたいと思います。御協力をいただきまして、ありがとうございました。

 今日は、福島県の小林委員と宮崎市の坂上委員がおいでになっていまして、各自治体でこの報告書を踏まえて、次年度以降の計画づくりを現在進めていらっしゃるのではないかと思うのですが、進捗状況あるいは策定状況について、簡単に御説明いただけると大変参考になりますので、よろしくお願いいたします。

○小林委員 福島県の小林でございます。

 それでは、福島県の状況を簡単に御説明申し上げます。

 福島県におきましては、現在、母子保健計画の見直しをしてございます。ほとんどの県もそうだと思うのですけれども、福島県の場合、母子保健計画単独ではなくて、次世代育成の推進法の法に基づきます都道府県行動計画を兼ねた形での計画という形になっていますので、それも含めた見直しをやっているということでございますが、我々のセクションはその母子保健だけではなくて、子育て支援の関係もやっているということで、来年度から始まる子ども・子育て支援新制度の関係の支援事業、支援計画の策定もありまして、非常に事務が錯綜しているというのが実態でございます。

 この検討委員会の中の議論を聞いていますと、さすがにハイレベルな議論がされておりますし、目標設定についても、本当に多種多様な目標設定がされているわけですけれども、それを全て県が計画の中に入れてやっていくというのは、なかなか財政的な部分もそうですし、行政的な人的な面もそうですし、なかなか難しいと思っています。特に福島県の場合は、東日本大震災、そして原発事故ということで子供たちの環境が非常に一時期悪化しており、現在も回復途上であるということもありますので、その状況を何とか脱して、前以上にいい環境にしていきたいということで今、計画づくりを進めているという状況でございます。

 その計画の中身につきましては、ある有識者からなる子ども・子育て会議の中で議論をしていただきまして、来月2回目の会合を開催しまして、今年度中には何とか母子保健計画も策定していきたいと考えております。

 私からは、以上でございます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 宮崎のほうはいかがでしょうか。

○伊東委員(坂上医監) 宮崎市の坂上です。

 宮崎市の取り組みについて、御説明させていただこうと思います。

 我々、宮崎市も、現在母子保健計画の見直しを進めているところなのですけれども、今、おっしゃったように、我々も子ども子育て計画と次世代がありますので、その3計画を一体的に作成しようということで議論を進めているところでございます。ただ、一体的にはつくろうと思っているのですけれども、その中でも母子保健計画の中身がぼやけるといけませんので、その中で、これは母子保健計画として位置づけるものですよということですとか、今回新たに重点課題も入れていただいているところですので、その課題がわかるようなつくり方をしようとしているところです。

 中身につきましては、できない部分もあるのですけれども、ここで議論されている目標値をできる限り入れ込みつつ、例えば重点課題1でしたら「育てにくさを感じる親に寄り添う支援」ということですので、我々独自として、福祉サイドと保健サイドの連携ですとか、そういう取り組みを盛り込む予定でございます。重点課題2の「妊娠期間の虐待防止対策」などについては、基盤課題Aとも関係するのでしょうけれども、我々が今回、国のモデル事業ということで、産後ケアのモデル事業を採択していただきまして、そういう取り組みも進めていますので、そこで早期発見ですとか、早期支援の取り組みを盛り込みつつ、いいものをつくれたなというところで今、議論しているところです。

 スケジュールにつきましては、27年度に向けて、年内の計画の策定を目指していまして、年明けから周知という形でして、4月から計画を進めていこうというスケジュールでつくっているところです。

 以上です。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 何か質問とかありますか。よろしいですか。

 それでは、資料3に移りたいと思います。母子保健課の調査として、新たに調査方法を変えて把握する指標を計画しているところですけれども、これにつきまして説明をお願いいたします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 資料3の1枚紙をお手元に御用意ください。

 今回、最終評価の際にも改めて研究班の御協力をいただきながら、また今回ベースラインの設定につきましても、研究班で追加調査をいただいたところではございますが、今後、継続的にこういった指標に関するデータを得られるように、大きく2つのパターンに分けて把握をしていきたいと考えております。

 まず1ページ目になりますが、指標番号をここに掲げております15の項目につきましては、各自治体でやっていただいています乳幼児健診の問診項目の中で位置づけることによって、継続的に市町村から県、県からまた国という形でデータを把握できるようにしてきたいと考えております。各自治体で、乳幼児健診の問診項目等の調整、検討いただく時間が必要かと考えており、できますれば27年度からのデータの集計、収集、28年度からは実際に国で全体の状況が把握できるような流れをお願いできないかと思っており、具体的な項目に関しましては、今回お示しした内容で設問項目も含めて各市町村で御検討いただきたいと考えております。

 裏面にいきまして、そこにあります4つの項目は、今、申しました問診の中に位置づけるのではなくて、毎年把握する必要もそこまで高くはないだろうと思っている一方で、取り組みの状況が全国でどうなっているのかということに関しましては、中間評価、最終評価時には把握したいと考えておりまして、先ほど横山委員から、情報が余りぶれないようにという御指摘もあったところでございますので、どういった設問でやるのか、調査時期に関しましてもなるべく早目に自治体にお願いしながら、中間評価の前の年と最終評価の前の年には調査いただいて、全国の状況を把握していきたいと考えております。

 以上になります。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、何か御質問、御意見ございますか。

 どうぞ。

○出石委員(戸矢崎係長) 全国保健師長会の戸矢崎です。

 こちらの調査の指標のベースといたしまして、かなり乳幼児健診の問診項目を新たに加えるという検討の流れです。1点、確認と意見です。新たな必須の問診項目が提案されていますが、市町村の乳幼児ですべてを取り扱う難しさを感じます。問診項目として市町村の選択の裁量をどうお考えなのかというところ。問診項目を変更するということは、今どこの市町村でも母子保健に関するシステムという形でデータ入力をさせていただいております。現在、市町村が使用しているシステムの改修も伴うことですので、その点についての御支援や環境整備的なところも同時に進めないと、平成27年の収集も難しさが生じると考えております。

○木下課長補佐 乳幼児健診の項目に関しましては、当然ながら事業の実施主体でも、市町村のお考え、自主性に重んじてやっていただくことと考えておりますが、こちらに関しましては、現在、研究班で検討いただいている項目でありますとか、それを踏まえた手引きに関しまして、各市町村に意見の照会等もさせていただいている中で、検討の過程でこの15項目は、必須として把握していただきたいとお願いしている項目になっております。

 システムに関しましては、システム化できているところは先進的な取り組みをされているところと理解いたしておりますが、やはり全てがシステム化できているわけでもないと。また一方で、各自治体でよりよい取り組みを進めるという観点からシステムを構築いただいていると理解しておりまして、それに対する支援というのは、全国一律の市町村に対してやるというのはなかなか難しいかと思っております。

○五十嵐座長 よろしいでしょうか

 ほかはいかがですか。よろしいですか。

 ありがとうございました。では、資料4「次期計画における推進体制について」、説明をいただきたいと思います。

○木下課長補佐 お手元に資料4を御用意ください。

 次年度平成27年度からスタートいたします「健やか親子21(第2次)」につきましては、さらに国民運動としての取り組みを進めていきたいと考えております。これまで何度か現状と課題というところで、問題点を提示させていただいたところではございますが、それに対する対策として、事務局でこういったことが考えられるのでないかというものを資料に整理させていただきました。

 「現状と課題」に関しましては、これまでに何度か御意見いただいたところではございますが、まず現状として、国民全体に広く認知されているとは言いがたい状況にあるだろうと。さきに申しました世論調査におきましても、全国民の中で「健やか親子21」を知っている方が約10%程度、20代、30代の方に限りますと20%強という結果が得られておりますが、まだまだ広く認知されているとは言いがたい状況にあるのではないかと思っております。

 また、課題の2つ目でございますが、その取り組みの主体が、現在、推進協議会に御参画いただいています団体でありますとか、地方公共団体という当事者に限られているという面もありますので、広く他の関係者に参画いただけるような仕掛けが必要ではないかと思っております。

 3つ目は、推進協議会でも御意見があったのですが、現在85団体に参画いただいているところですが、それぞれの団体が課題の1~4に分かれて、幹事会を中心に御活躍いただいているところですが、よく見てみると少し離れたところで似たような事業をやっているケースもあって、うまくそれぞれが連携しながらやっていくとよりよい取り組みができるのになという御意見もあったところで、各団体の相互間の情報の連携をより進めていけるような仕掛けも考えられないかと考えております。

 そういった課題を踏まえまして、対策として掲げております。

 1つ目としまして、現在「健やか親子21」に関しましては、ホームページで取り組んでいるところではございますが、多様なメディア、もっと広めにいろいろなものも活用しながら、認知度を上げて盛り上げて行きたいというのを一つ考えております。

 2つ目としまして、活動を広めるために、民間企業にも参画しやすい運動となるような取り組みもやっていきたいと思っております。

 3つ目としまして、推進協議会の中の横の関係をもっとスムーズにいくようにというところで、そのために推進チームというものをつくるなどして、それぞれがどういう活動をしているかという情報が流れるようにしていければと考えております。

 具体的なイメージとして、下にお示ししているところではございますが、まず今年度、必要な予算の確保と書いているところではございますが、概算要求の中で「健やか親子21」の取り組みを進めるための予算要求をしているところです。現時点でまだ次年度の予算は確定していないところですが、まずは来年度以降、新たな計画が進むに当たり、盛り上げていけるような必要な予算の確保に取り組んでいきたいと考えております。

 また、27年度以降は、いろいろなやれることを御提案いただきながら、実施可能であろう項目を幾つか列挙しているところですが、必要な予算が確保できた暁には、ここに列挙している項目に取り組んでいければと思っております。

 また、この取り組みを進めるに当たって、各委員の方々からいただいた御意見を参考にしながら内容を盛り込んでいって、充実するような仕掛けをやって、よりよく母子保健の環境整備を進めていきたいと思っておりますので、御意見いただきますと大変ありがたいと思っております。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま説明をいただきましたけれども、何か御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○久永委員 今後、民間企業との連携とかを強めていくという御提案に対しては、民間企業の私としても、すごく一緒にやっていけたらいいなと思うところなのですけれども、やはり具体的に何をやっていくのかというところを決めていくのはかなり難しいところだろうなと認識しています。民間ではそもそもやっている事業がありまして、それにプラスしてということになりますので、考えていく中では、できればモデル事業のような形で小さくスタートして、それが全体に広がっていくようなものを提案するとか、やり方を一緒に相談しながら進めていけるような機会を設けていただけたら、より多くの企業がこのプロジェクトに参画できるのではないかなと思いました。

 よろしくお願いします。

○五十嵐座長 「健康日本21」では、民間の企業等と協力して何かイベントはされていると前々回でしたか伺いましたけれども、そういうことは今後考えられますでしょうか。

○木下課長補佐 恐らく今、これまで御紹介いたしました「健康日本21」でやっていますスマートライフプロジェクトを参考にしながら、もしくはそのスマートライフプロジェクトと一緒に、部分的にこちらが参画できるような仕掛けをやりながら、必ずしも私どもの活動だけを単独でやる必要もないと思っておりますので、既存のいろいろな活動と連携しながらやっていけるといいなと思っております。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○山縣委員 今やっている「健やか親子21」では、やはり予算の問題が結構あって、うまくいかない部分もあったと思うのですが、そういう意味では今お話があったように、次は予算をしっかりとるというのは非常に重要だと思います。

 もう一点は、先ほど県や市町村でも母子保健計画だけではなくて、子育て支援の計画、それから次世代育成の計画があるわけですが、そういったものをある程度まとめたような形で、子育ての支援、健康支援という形でキャンペーンを張るようなことができればと思います。それぞれの役割があるにしても、地域の中で子育てをしていこうという意味で、住民は色々なものがあるとよくわからなくなるので、関係者が連携してそういうものをまとめるような形でキャンペーンを張ることがもしできて、その中の一つに「健やか親子21」があるのだという形ができないかなという工夫をぜひ考えていただければと思います。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 よろしいですか。

 他は、いかがでしょうか。学校とか、あるいはNPO等の代表の方が今日いらっしゃるのですけれども、いかがですか。

 どうぞ。

○青木委員 「健やか親子21」のことについて、保健とか家庭科とかの教科の中で学習指導要領に、「国の国民運動」として取り組まれているということがちょっとでも入ると、教科書に載るのです。そうすると、子供たちは「そういう制度がある」ということで認知度がかなり上がると思います。うので、どうでしょうか。

○木下課長補佐 ちょっと御相談させていただきながら。

○五十嵐座長 指導要領に書き込まないといけないわけですよね。

○木下課長補佐 副読本とかそういうところでもいいのかなと思いますので、どういった形でお願いできるかというのは、今後相談させていただきたいと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○奥山委員 今日午前中、内閣府の子ども・子育て会議がありました。そこでの議論では、やはり国がどういう公定価格という金額をどう決めるのか、幼稚園、保育園、認定こども園、それから地域の子育て支援というところでの議論なのですけれども、やはりどうしても母子保健分野から幼稚園、保育園に行くまでの間の子育て支援を十分ディスカッションできておりません。地域のほうで考えるときには、本当にその部分というのはとても重要なところになっていると思いますので、1つは、今度事業計画をつくるときの最初のところに、関連の法案との関係性、そういう図をどこの自治体でもお入れになると思うのですね。そのときには、しっかり「健やか親子21」を書いていただくこと、確認することというのも大事かなと思いました。

 さらに、地域では、地域の推進体制もそうですし、それから保護者に向けてもそうですし、この妊娠期から就学前、教育保育につながるまでのところがとても重要なのだと、そこの書き込みのところに一緒に盛り込んでいただく、そういうことをぜひ市町村にもお願いをしていったらいいのではないかなと思いますし、完成した暁には、そのキャンペーンを一緒に張っていくということがとても大事なところだろうと思います。

 よろしくお願いします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 他は。

 どうぞ。

○迫委員 2点ほどお話をさせていただきます。

 まず1点目は、資料4の中で、下のほうですけれども、ネット等とか、ウエブサイトを使っての展開ということが示されているわけであります。ちょうどこの若い世代、妊娠、出産そして子育ての世代は、やはりネット社会が中心で、ネットから情報をとってくると。そしてその情報が、本当にささやかなというか、エビデンスがない情報であっても、それを信じ込んでしまう。特定の例を出してはまずいかもしれませんけれども、最近、〇〇式育児法とかいう、かつて話題になったものがまた再燃している。これはいろいろな子育て法の中でも問題があるのですけれども、例えば離乳食は2歳までやってはいけないという極端な指導をしている。そういうものがまたネット上ではやってきていて、それに頼っている人たちが、その行動をしている人たちがいらっしゃる。

こういう極論の社会になってくると、やはり正しい情報、エビデンスのある情報をどうやってネット上で流せるか。それは優先順位をどうつけるか、トップに必ず上がってくるとか、そこから相談できる体制につないでいくとか、何かそういう仕組みを組み立てていくことが必要ではないかと思うわけであります。

そういう意味で、ここで新たなアプローチとしてウエブサイトコンテンツの制作等々を考えられていらっしゃるということで、これは、正しい情報を正しく伝えるという意味では非常に重要なことだろうと思っております。

 それからもう一点、ちょっと残念なことは、マタニティマークの認知度の問題です。認知度はかなり高いのですけれども、現在ネット上ではかなりこの扱いについて大論争になっている。妊婦さんは使いたいけれども使えない。高齢者または働く男性からは批判が強くて「なぜ妊婦に席を譲らなければいけないのか」と。そういうあたりでの大批判が起こってきている。そういうものについて、やはり国民全体がきちんと子育てを支援していくという方向に持っていかなければいけない。これはぜひともキャンペーン等で、全ての団体、組織、それから企業も含めて、働く人たちは全部そこにいるわけですので、そういうキャンペーン活動等の中で、せっかくつくってここまで普及してきたマークの普及に取り組んでいければいいと思いました。

 以上です。

○五十嵐座長 御意見ありがとうございました。

 他は、いかがですか。よろしいですか。

 はい、どうぞ。

 

○中板委員 健やか親子21(第2次)の推進体制について。例えば、生活習慣病対策では、健診を受診するとポイントがたまるよう、コンビニとタイアップをして推進している自治体がある。ポイントがたまれば、そのコンビニで買い物ができる。そういったことも踏まえると、健診等さまざまな保健サービス事業を進める中で、民間企業とタイアップして、お互いにwin-winの関係となるような取り組みも参考になるのではないかと思う。

 また、介護予防においては、65歳以上の元気な高齢者が、少し元気ではない高齢者を色々な形で支える。そこにポイント制などを導入しながら、自助・互助を醸成する方策を事業者とともに進める取り組みを行っているところもある。そのような考え方を取り入れることを検討してもよいのではないか。

 今はネット社会なので、LINEによる普及も可能である。これは、賛否両論いろいろありますが、LINEは多くの方に使われているので、例えば「健やか親子21」やマタニティマーク、「薬物乱用はダメなのだ」というようなメッセージも含めたLINEスタンプをつくることも1つの方法。私たちは頭が固くなっているので、もっと若い人たちに入ってもらいながらアイデアを募ってみるのはいかがでしょうか。

○五十嵐座長 どうもありがとうございます。

 他は、いかがですか。

 どうぞ。

○秋山委員 小児科の学会とか関連団体も、この「健やか親子21」に沿った活動をしていますが、なかなかそれが会員全体には広まっていません。そこで活動するときに、これは「健やか親子21」に沿っていると認識できるように、そしてそこに「健やか親子21」のマークを使うようにしていけば、会員に周知でき、かつ周囲にも広がっていくかと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 1つの団体だけではなくて、色々な団体が協力して行う国民運動ですので、今日は各界の代表の方達がお集まりになっているわけですけれども、ここにおいでになる方以外も含めまして、社会に広く呼びかけて、協力をいただくことがこれからも必要ではないかと思います。

 よろしいでしょうか。

 それでは、御議論もかなり出たと思いますので、議論はここで終了させていただきたいと思います。今日は色々御意見をいただきましたけれども、修正しなければいけないこととか幾つかありましたので、これにつきましては、座長一任とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○五十嵐座長 ありがとうございます。

10回にわたる検討会を通じまして、委員の先生方には御尽力をいただきました。本当にありがとうございました。

 「健康日本21」という活動と、この「健やか親子21」というのは連動している運動なわけですけれども、どうも「健やか親子21」のほうは少し元気がなかったような感じがいたしますので、これから先生方の御協力で、これからの10年間を活発に行うことによって、母子保健をさらに進めたいと考えたいと思います。

 母子保健課というと、お母さんと小さな子供たち、あるいは若年成人までの色々な施策、あるいは研究も足りないのではないかと個人的に考えています。今回「健やか親子21」にこうした点を反映することはできませんけれども、将来、若年成人までを含めた活動をする必要もあるのではないかと考えております。先生方のおかげでここまでに至りましたので、心から御礼の言葉を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

 では、進行はこれで私は終わりにしまして、事務局にお返ししたいと思います。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○杉原課長補佐 五十嵐座長には、円滑に議事を進行していただきまして、まことにありがとうございました。

 事務局を代表いたしまして、局長の安藤より御挨拶を申し上げます。

○安藤雇用均等・児童家庭局長 本日は、冒頭からの出席がちょっとできませんで大変申しわけございませんでした。

 昨年の7月から計10回にわたって、委員の皆様方におかれましては、活発な御議論をいただきまして、まことにありがとうございました。いただきました御意見は、今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。

14年間にわたる第1次計画に基づく母子保健施策の成果と課題を明らかにしていただくとともに、今後10年間の方向性を示す次期計画について御議論をいただき、本年の3月に第9回の検討会には報告書を取りまとめていただいたところでございますが、報告書はブロック別に開催いたしました研修会などを通じまして、都道府県、市町村に周知をし、また6月には局長通知で母子保健計画策定指針をお示しして、母子保健計画の策定をお願いしたところでございます。

 本日の検討会では、追加調査に基づく各指標のベースラインや目標を設定していただいたということで、今後10年間はこれらの目標を一つでも多く達成することができるように、国としてもしっかりと努力をしてまいりたいと考えております。

 委員の皆様方におかれましては、引き続き「健やか親子21」の周知や母子保健の向上についての御協力をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

 全ての子供が健やかに育つ社会を実現すべく、これから10年間、各課題の解決が着実に図られるような国民運動が展開されることを期待申し上げまして、お礼の言葉とさせていただきます。

 本当にありがとうございました。

○杉原課長補佐 委員の皆様には、10回にわたりまして、非常に御活発な御意見、御議論をどうもありがとうございました。

 本日をもちまして、「『健やか親子21』の最終評価等に関する検討会」は終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上でございます。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局母子保健課

電話番号: 03(5253)1111(内線7934)

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