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幼児教育の無償に関する協議の場 幹事会(第1回)

子ども家庭局総務課少子化総合対策室

○日時

平成30年12月25日(火) 10:00~11:00

○場所

中央合同庁舎5号館 本館3階共用第6会議室

○出席者(敬称略)

山口県知事 村岡 嗣政
明石市長 泉 房穂
和光市長 松本 武洋
嵐山町長 岩澤 勝
蔵王町長 村上 英人
内閣府子ども・子育て本部統括官 小野田 壮
内閣府子ども・子育て本部審議官 川又 竹男
文部科学省初等中等教育局長 永山 賀久
文部科学省初等中等教育局幼児教育課長 先崎 卓歩
厚生労働省子ども家庭局長 濵谷 浩樹
厚生労働省大臣官房審議官 本多 則恵
厚生労働省子ども家庭局保育課長 竹林 悟史

 

○議事

○ 小野田統括官 本日は年末のお忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。認可外保育施設の質の確保・向上をはじめとする幼児教育の無償化に関する様々な課題に関しまして、PDCAサイクルを行うため、内閣府、文部科学省及び厚生労働省並びに地方自治体のハイレベルによる協議の場を先週17日に設置させていただきました。
本日はこの協議の場の幹事会の第1回として認可外保育施設の質の確保・向上を主な議題として開催させていただきます。来年10月からの幼児教育の無償化の円滑な実施に向け、地方自治体の皆様の忌憚のないご意見をいただきながら進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○ 竹林課長 この資料の取扱いについてでございますけれども、後ほどご説明いたします資料1の3の(3)にありますとおり、原則公開することとしておりますが、構成員の同意の下、非公開にすることもできるとしております。
それでは早速ですが、議事に移りたいと思います。最初に資料1だけ、私の方からご説明いたします。資料1をご覧いただければと思います。
最初に趣旨というところでございますけれども、幼児教育の無償化に関する様々な課題について詳細な議論を行うため、「幼児教育無償化に関する協議の場」の下に、地方団体の代表者と関係府省の局長級を構成員として開催するものでございます。構成員につきましては、先ほどご覧いただきました別紙のとおりでございます。
3番の運営のところでございますけれども、この幹事会そのものは非公開とする、幹事会の議事要旨につきましては、後日作成し、ご確認いただいた上公開すると、それから(3)幹事会の会議資料は原則公開とするが、構成員の同意の下、非公開とすることができる、(4)幹事会の庶務は、内閣府子ども・子育て本部、文部科学省初等中等教育局及び厚生労働省子ども家庭局において処理する、以上でございます。
続きまして、資料2厚生労働省子ども家庭局の濵谷局長からご説明させていただきます。

○ 濵谷局長 それでは、私から、ご説明させていただきます。
一枚めくっていただきまして、まず経緯でございますけれども、この協議の場、幼児教育無償化に関する様々な課題について協議するということでございますけれども、これまでの国と地方の幼児教育の協議におきまして、財政措置と並んで、認可外保育施設の質の確保・向上について、主として議論になったところでございます。そういう意味では、今回の幹事会におきましては、幼児教育の質の確保・向上を主とした議題として取り上げさせていただきたいと思っております。
まず、経緯でございますけれども、1が皆様ご案内のとおりでございますけれども、今年5月30日にまとめられた検討会、「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会」の報告書でございます。この検討会の報告書におきまして、いわゆる認可外保育施設の対象範囲について、一定の考え方が示されたということでございます。
この報告書を踏まえまして、2頁でございますけれども、今年の骨太でございます。現在の法案化作業、制度化作業は、この骨太の閣議決定に基づいて作業を進めているところでございますけれども、そういう意味ではこの骨太が制度の基本的な考え方に当たるものでございます。
まず、一番上に対象者が、認可外保育施設の無償化措置が、なぜ認可外保育施設まで広げるのかということでありますけれども、待機児童問題によりまして、認可保育所に入ることができない子ども、保護者がいらっしゃるということで、やむを得ずそういった施設を利用している保護者、お子さんがいらっしゃるということで、いわば代替措置ということで対象とするということでございます。
真ん中ほどに「対象となるサービスは以下のとおりとする。」とございますけれども、2つ目のポツでございますけれども、「一般的にいう認可外保育施設、地方自治体独自の認証保育施設、ベビーホテル、ベビーシッター及び認可外の事業所内保育等のうち、指導監督の基準を満たすもの」というのが原則という考え方でございます。ということでありまして、制度の基本的な考え方としては、指導監督基準を満たす認可外保育施設が基本とするというのが基本的な考え方でございます。「ただし」ということでございますけれども、次のパラグラフでございますけれども、「5年間の経過措置として、指導監督の基準を満たしていない場合でも無償化の対象とする猶予期間を設ける」ということでございます。そういう意味では、やむを得ず指導監督基準を満たさない認可外保育施設を利用している保護者の方が現にいらっしゃるということでございます。かつ、認可外保育施設は、最終的には指導監督基準を満たす、あるいは認可化移行を支援するという形で、認可外保育施設についてもレベルアップしていくという考えでありますけれども、ただちに、来年10月からただちに指導監督基準を満たすことは、現実問題なかなか難しいだろうということで、レベルアップのための猶予期間として、5年間の経過措置を設けるという考え方でございます。
次の頁でございます。以上が基本的な考え方でございますが、次の頁からは12月3日に提出しました「教育の無償化に関する国と地方の協議」に提出しました資料が基本でございます。
まず、届出対象である認可外保育施設の範囲の明確化と周知ということで、親族間や友人・隣人の預かりは対象外と書いておりますけれども、無償化の対象となる認可外保育施設につきましては、児童福祉法の規定によりまして、届出対象とされている認可外保育施設ということでございます。現行の規定におきましても、児童福祉法施行規則におきまして、親族間や友人・隣人の預かりなどは届出対象外とされておりまして、そういう意味では、現行法の規定によりましてもこれらは無償化の対象外ということでございます。こういった現行の届出対象施設について、こういった趣旨につきまして、明確化・周知を行っていくということでございます。
それから、指導監督の徹底等とございますけれども、現状、届出対象施設につきましては、原則年1回以上立入を行うこととしておりますけれども、その精度を上げまして、実効性を担保する観点から、都道府県等の意見をお聞きしながら、監査の手法・ルールを明確化していきたいということでございます。これは指導監督基準の見直しになります。それから、平成31年度予算案におきましては、認可外保育施設が遵守すべき基準の内容等についての助言などを行う「巡回支援指導員」につきまして、配置の拡充、人数の拡充の予算措置を講じているところでございます。
それから、指導監督基準を満たさない認可外保育施設が基準を満たし、さらに認可施設に移行するための支援ということでございますけれども、現行でも、希望する認可外保育施設につきましては、認可保育所等への移行に向け、運営費や改修費等の一部を補助しているところでございますけれども、平成31年度予算案におきましては、この移行を更に促進するために、補助単価の引き上げ、保育士の配置割合に応じた補助区分を見直し、きめ細やかな補助などの予算を計上しているところでございます。また、一番下のポツでございますけれども、ベビーシッターにつきましては、現行では指導監督基準がない状態でございますけれども、ベビーシッターの指導監督基準を新たに創設する予定ということでございます。
続きまして、12月3日に出した資料におきましても、無償化給付の実施主体となる市町村における対象施設の把握、施設への関与等について、必要な法制上の措置を講ずることとされておりますけれども、これにつきましては、今回の無償化法案、子ども・子育て支援法の改正法案という形で次期通常国会に提出する予定でございますけれども、この法案におきまして、事務負担に十分配慮しつつ、無償化給付に必要な範囲で市町村関与に関する規定を設ける予定でございます。
それから、無償化給付に伴いまして、現在は都道府県に認可外保育施設の届出がされ、一方で市長村が無償化給付の実施主体ということでございまして、この間の情報共有の強化が必要でございます。現行の規定におきましても、都道府県における届出事項の市町村への通知、都道府県と市町村の連携の徹底ということが、通知の規定がございますけれども、この通知等により、都道府県と市長村の連携の徹底を図ってまいりたいということであります。また、システム的な対応ということで、都道府県が受理した認可外保育施設の届出の内容、あるいは基準適合状況等につきまして、市町村が確認できる情報共有システムの構築を図っていきたいということでございます。
運用面も含めて、主に今申し上げたのは運用面ということでございますけれども、今後の進め方でございますけれども、こういった状況を踏まえまして、本幹事会におきまして子どもたちの教育・保育環境の安全確保のための認可外保育施設の質の確保・向上につきまして、順次、具体的な検討を行ってまいりたいということでございます。来年10月の施行に向けたスケジュールを踏まえますと、当面3段階ステップがあるのではと考えております。
まず、一点目が関連法案の提出に向け、法律上措置することが必要な事項についての検討ということでございます。これは主として、柔軟な運用ということで、条例で、地域の実情に応じた無償化、認可外保育施設の無償化の対象範囲を条例で設定できるということが検討課題になっておりますけれども、これは法律事項でございまして、これがまずは、早急に結論を得る必要があると考えております。次期通常国会にて、予算関連法案として提出することになりますと、通常は2月上旬に法案の閣議決定、国会提出ということでございます。内閣法制局等の作業等も考えますと、この点につきましては1月の中旬頃までには結論を得る必要があると考えております。
それから、2点目が、制度の運用改善に関する事項についての検討ということでございます。これは主として、政省令・通知など法律が成立した後の法律の委任に基づきます運用事項でございます。これにつきましては、法施行が来年10月施行を予定しておりますけれども、それまでの間のできるだけ早い時期に、つまり、市町村におきまして施行準備がございますので、準備を考慮した時期に固めるべきではないかと考えております。また、骨格につきましては法案審議の際にも、国会で議論になることが想定されますので、そういう意味では、政省令事項等につきましても、主たるものにつきましては固めていく必要があるのではと考えております。
それから、3点目が、PDCAサイクルということでございまして、無償化の実施状況を把握した上での改善に関する事項についての検討ということでございます。これは実際に施行した後に、いろんな課題が出てこようかと思います。そういったことで、施行後におきましても、PDCAサイクルを回しながら、制度の改善に努めてまいるということで、こうした3段階で検討を進めて行ければと思うところでございます。
説明は以上でございます。

○ 竹林課長 ありがとうございます。それから全国市長会の方から資料3として提出 いただいておりますが、今説明しますでしょうか。お願いいたします。

○ 泉明石市長 全国市長会社会文教委員会委員長の泉です。資料3について、簡単にご説明申し上げます。資料3-1でございます。これにつきましては、ご案内のとおり、これまで認可基準という形で、私ども市長会としても質の担保を図るべく頑張ってきたわけでございます。この度につきましては、それを下回る、いわゆる指導監督基準という形を原則としつつ、5年間の経過措置期間中は、それを満たしていなくても、ということでございますが、この点につきまして、市長会内で、大変激しい議論が行われている最中でございます。
資料3-2をご覧下さい。上の括弧だけを読ましていただきますが、市長会のスタンスとしては、幼児教育の無償化は、子どもたちの安全が確保されることが第一、すなわち公平性と子どもの安全を比べた際に安全がおろそかになるようになってはいけないというスタンスでございます。特に、市長会のうち、政令指定都市や中核市を除く市町村のほとんどは指導監督権限を持っておりませんので、都道府県としっかりと連携しながら監督していかないと質の担保ができないという状況がございます。そういった中で、全国市長会としては、認可外保育施設等の無償化につきましては、本来劣悪な施設を排除するための指導監督基準を満たした施設に当然限定すべきというように機関決定をしておりますので、現時点における全国市長会としては、あくまでも指導監督基準を満たしたものに限定すべきであるということは改めてお伝えしたいと思います。
一枚おめくりいただきまして、こちらは厚生労働省が作っているペーパーでございます。資料の下2行を読ませていただきます。指導監督基準の意味です。厚生労働省はこのように全国市長会にこの間説明してきております。認可外保育施設指導監督基準は劣悪な認可外保育施設を排除するためのものであり、当該基準に適合する認可外保育施設であっても、保育所の、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を満たすことが望ましい。すなわち厚生労働省は、指導監督基準は最低限の劣悪施設を排除する基準に過ぎず、あくまでも認可を目指すべきであると、この間ずっとご指導を賜ってきたわけでございます。今回の案につきましては、この指導監督基準を満たさないものですら構わないということで、厚生労働省のスタンスがこれほど大きく、180度入れ替わってしまわれたことには驚きを禁じ得ません。
続きましては、資料3-3をご案内下さい。資料3-3はこの間の全国市長会の機関の決議決定等の抜粋でございます。あくまでもポイントは子どもたちの安全のための質の確保・向上の仕組みを早急に構築すること、これを国と地方が協力し合ってやっていきましょうというスタンスでございますので、子どもたちのために一生懸命努力することは当然でございます。そういった中で、詳細なマニュアルの作成がまだであること、指導監督基準の見直しや創設も未だできていないこと、そして今日のテーマでもございますが、地域の実情に応じて違いますので、そういった柔軟な運用等は必要であること、給食費の取扱いについてもまだ詳細が示されておりませんので、そういう意味におきまして、市長会としては大変な懸念をもっています。
なお、最後に2つばかりお伝えしておきますが、今回の無償化は、全国市長会から国に要望したことではございません。あくまでも国の方から地方へのお願い事でございます。2つ目、10月実施をこちらがお願いしたことはございません。10月実施を急いでいるわけではありません。繰り返し申し上げますが、10月実施を急いでいるのは国であるということはよくよくご理解願いたいと思います。まず、私からは以上でございます。

○ 竹林課長 ありがとうございました。それでは、ただいまご説明のあった内容について、これから意見交換をさせていただきたいと思います。構成員の皆様どなたからでも結構ですので、恐縮ですが、挙手の上ご発言をお願いいたします。

○ 松本和光市長 和光市長の松本です。今泉市長から話があった点、一点補足させていた だきたいんですけれども、資料3-3の下の方にですね、認可外保育施設やベビーシッター等に関する指導監督基準についてあるんですけれども、ベビーシッターの指導監督基準はこの間出る出るという話がありながら、なかなか出てこなくてですね。これが出来てこないと、我々として条例で対応する際の判断もしかねるということでございまして、早急にベビーシッターに関する資料がいただければと思うんですね。実際に条例を作る際にはこれがないと作れないということはお伝えしておきたいと思います。

○ 村岡山口県知事 山口県知事の村岡でございます。知事会におきまして、次世代育成支援対策プロジェクトチームのチームリーダーを勤めております関係で、知事会を代表として参加させていただきます。このように意見交換の場、無償化につきまして、ハイレベル協議、そしてまた本日の幹事会という場を設けていただいたことに感謝を申し上げたいと思っております。知事会においても様々な意見がありますけれども、本日このテーマについて、代表して発言をさせていただきます。
まず、認可外保育施設の無償化の対象範囲でありますけれども、保育の需給状況ですとか、地域の実情をそれぞれ勘案し、無償化の対象範囲を条例で定められるようにすることは理解するところでございます。各市町村の判断の下で条例を作れるようになるということについては理解するところでありますけど、結果的にですね、無償化について、県内でばらつきがでるとかになってくると、一方で不公平感が増していくといくことに懸念をしているところでございます。もちろん、それぞれの判断について、市町村で条例を作るわけですけど、例えば、隣の市町村と全然違うということになってきたときに、一方で不公平間がでてくることについてはよく留意しておかないといけないと思っております。そうしたところも踏まえて、条例を検討する際に、情報提供とかですね、勘案要素として、周辺の状況とかを踏まえて判断できるような状況を整えていく必要があるのではないかと思っております。
その他の点でいくつかお話させていただきたいと思うんですけれども、届出対象となる認可外保育施設の範囲の明確化でございます。今、届出につきましては、都道府県で受付を行っておりますけれども、施設、様々な形態のものがございまして、そもそも届出対象として扱ってよいのかどうかというところ、必ずしも明確でないケースがあって、今でも都道府県間でかなりばらつきがあるという状況でございます。今回、届出が無償化の要件とされている訳ですけれども、例えば森のようちえんとかですね、自然体験活動を中心とするような、園舎のない施設ですとか、イングリッシュスクール等の幼児期の学習・進学を主眼とする施設などが対象となるのか、ならないのか、すべきなのかどうか、改めて対象となる施設を明確化していただきたいと思っております。ある程度、考えられるばらつきが出そうなところとか、ここは除くべきとか、全国的に見てあらかじめ示せるものは是非示していただきたい。
それから、都道府県と市町村の情報共有の関係について、当然、都道府県の指導監督、そして市町村の給付事務を円滑に進めるために、相互間の情報共有が適切に行われなければいけないと思います。国におきまして、都道府県が受理した届出の内容などを市町村で確認できるような情報共有システムを構築するとされておりますけど、都道府県をまたがるような広域利用についても、関係自治体間で必要な情報が速やかに共有できるような仕組みをしっかりと構築いただけるように改めてお願いしたいと思います。
それから合わせまして、認可外保育施設については、現状法律では、事業開始後、1ヶ月以内に都道府県に届出ということになっておりますけれども、無償化ということになってきますと、給付事務を円滑に進めるためには、事業開始後ではなくて、事業開始の前に届出が行われる仕組みにする必要があると思っておりますので、そういった見直しについても検討をお願いしたい。
さらに指導監督の関係ですけど、先ほど説明がありましたけれども、認可外保育施設の質の確保・向上に向けましては、できるだけ早期に認可施設への移行ができるように改修費・運営費等の財政支援を含めた支援策の充実強化を図っていただきたい。そしてまた、認可外保育施設の増加が見込まれるわけですけど、適切な運営を確保するために実効性のある指導監督が計画的に実施できるように、都道府県における指導監督体制の充実強化、あるいは指導監督基準の見直しを行う必要があると思っております。合わせて指導監督体制の充実強化に向けましては、必要となる財政措置も講じていただきたい。これは多くの県からもそうした声が上がっておりますので、是非とも検討をお願いしたい。以上でございます。

○ 岩澤嵐山町長 町村会の行政委員会の代表をさせていただいております、嵐山町長の岩澤と申します。町村会といたしましては、来年の10月の実施に向けて、この制度そのものは歓迎しておりますので、スムーズに実施ができるようお願いしたいと話をしてまいりました。その中で、国で始めた事業であり、国の根幹となる事業なので、財政面、それから事務量その他スムーズに行くように責任を持ってもらいたいと言ってまいりました。それらについて、かなり進んだ形で対応していただき、大変歓迎しております。そして、もう一つ一番大きな形でお願いしたのは、話し合いを今後もしっかりと続けていっていただきたいということです。PDCAサイクルをとって、ハイレベルで行う今日のような協議の場を持っていただき、大変ありがたいと考えております。これから進めていくに当たって、いろんな形で協議して、更に進めていき、スムーズな形で無償化が実施できるようにしていただきたいと思っております。特に、いざ実際に始めていった場合には、細目について色んな形での問題が出てくると思いますので、それらについて、こうした場をもって、早急に、早く対応をとっていただきたいと町村会としては思っております。基本的には10月に向けて、スムーズな進行ができるように進めていただきたいというのが基本的な考え方です。以上です。

○ 村上蔵王町長 町村には認可外保育施設は少ないところである。そういった中で、町村は目が行き届きやすい、そういう環境の元にあり、本町で実施される指導監査の際に一緒に立ち会って行っている。認可外保育施設の色々な話をいただいたが、なかなか厳しくなるのではないか。数が多く所在する都市部であれば、そう感じると思う。条例制定とあるが、都道府県の指導監査が年1回できない、又は証明書の返還があった場合などに、事業者や利用者に混乱が生じるのではないかという懸念もある。その辺りをうまく、スムーズにやっていただけるといいのかと思う。以上です。

○ 松本 和光市長 今回、一番重要な論点というのが、条例の制定に関する制度の立て付けだと思うんですね。今回の説明ですと、今までは基本的に厚労省の原則は認可を目指すということでやってきたわけですけど、今回はベースラインは指導監督基準を満たすところに下げるという話がありました。実際問題ですね、都市部以外の多くの自治体では、やむを得ず認可外保育施設を使うという人は少ない、少数派だと思うんですね。そこについて、あえて、原則論を動かして、下げる必要があるのかということがあるんだと思うんですね。そもそも論として、無償化の考え方のところで、5月のとりまとめでも骨太でも共通しているスタンスというのは、あくまでも基本は認可に入りたい人で、そうじゃない、入れなかった人について救済するために経過措置を作った話があったわけですから、そもそも対象にならないような自治体について、認可外保育施設のベースラインを下げるようなことが必要ないんじゃないかというのが、原則的な、子どもを守るための考え方だと思うんですね。それでないと、自治体の判断で、ラインを引かない自治体においては、条例を定めなければ、保育士が一人も居ないような保育施設が新たに参入してくる可能性もあると思うんですよ。要するに、安かろう、悪かろうみたいな考え方の事業者が無いわけではないわけですから。
私も実際に子どもを認可外保育施設に預けたことがあるわけなんですが、非常に劣悪な環境でした、はっきり言わしていただきますとね。それはなぜかというと、今保育士不足な中で、そういうことをやった方が事業者としては参入しやすいし、それしかないのであれば地域の人は使うわけですから、より子どもを危険にさらすリスクが地方では出てくるだろう。ですから基本的には、本則というのは下げるべきではないのではと思うんですね。むしろ大事なのは、基本的には原則は下げない方がいいんじゃないか、その中で待機児童が居るところだけは例外的に基準を下げていいという考え方にしてみた方が、結局のところ子どもの安全は守れると思うんです。特に和光市においては、指導監督基準を満たさない施設は今無いんですね。ですからベビーシッター以外で指導監督基準を満たさない施設に預けている親御さんはいないという考え方です。なぜそうなっているかというと、子ども・子育て支援新制度が導入されてきた中で、指導監督基準を満たしてはいるけれど認可外のところは認可に持っていく努力をしてきたし、指導監督基準を満たさない施設についてはその存在を許さないと、そういう形で、自治体で厚労省さんのスタンスに従って努力をしてきた結果が現状なんです。これを改めて、自治体の何ら判断がない場合には、どんどんベースラインが下がっていくようなことを惹起するような立て付けになっちゃうと思うんですよね。ですから、やっぱり、基本的な原則としては認可がベースですよと、その中で例外的なところについては下げてもいいんだけど、それは市町村が判断して、市町村が下げたことに一部責任を分担するという方が、私はロジックがかなっていると思うんですね。政府としても、政府の責任でベースをドーンと落としてというときに、市町村が責任をとれない形になってしまう。そのあたりの基本的な立て付けについて、もう一度考えていただきたいなと思います。

○ 泉明石市長 今、一番大事なことを言っていますので、私の方からも改めて。繰り返し ますが、全国市長会としても、しつこいようですけど、ずっと国のご指導を賜りながら、認可基準を満たして、それこそ市の方で、市単でお金をつぎ込んでも質の担保をやってきたわけですよね。今回はここのラインをまず、原則を指導監督基準、簡単に言うと、これまでは全員保育士にすべき頑張ってきたのを、それを保育士は児童3人に1人でもよいというのを原則にし、加えて、保育士が0でも無償化対象という立て付けなんですが、今和光市長が話したように、少なくともこれを落とすにしても、あくまでも原理原則は一定保育士がいることを原則とし、ただ待機児童の観点からやむなきところは、5年以内の経過措置として条例によって経過措置を設けることができるという例外措置として救うというのが今回の国の考え方に沿っているものであろうと強く思います。
ちなみに、明石市の場合、明石市は中核市に移行して指導監督基準を有しましたので、市内にある認可外の43施設全部確認しました。残念ながら、5つは指導監督基準を満たしておりませんので、今回補正予算案を組みまして、200万円1施設につぎこんででも、全部指導監督基準を満たすように頑張っている最中なんです。これまで地方は質の担保のために必死に頑張ってきているわけですから、それをまさに、それまでの努力を全くひっくり返すような対応をとるべきではないと強く思います。
なお、国の方から説明がございましたので、簡潔に、若干ペーパーに沿ってポイントだけ是非お伝えしておきたいんですが、国の今のご説明、濵谷局長の3ページについて4点ばかりありますので、4点とも簡潔に少しだけ反論しておきます。
1つ目ですが、届出の範囲ですが、まさに保育士0でも、窓がなくても無償化するんですかと、少なくても都道府県に届け出する際に最低限の施設をそこはのけるくらいのことをしないと、オールオーケーとするのはあまりにも荒っぽいと、そういう意味においては届け出の対象は再度精査いただきたいのが1点目。2つ目は、指導監督基準の徹底ですが、ご案内のとおり、東京都は3%しか立ち入りやっていないんです。現状やれていないのをどうやって指導監督するのか、これを単なる巡回支援員に気持ち程度の予算を付けただけでは全く不十分で、こんなの対策になっていません。3つ目です、3つ目の移行措置、これを移行させるんだと、よほどの予算をつけないと保育士なんか雇えません。入口以外に逃げる場所がいるんだったらハード整備もいるんです。相当な金額をつぎ込まないと、きれいごとでは基準は上がりません。あまりにも不十分です。4つ目、ベビーシッターについては、今年5月にベビーシッターを対象とすることが決まっていながら、12月に入っていまだに基準すら出さないと、今日の時点でベビーシッターの基準無かったら、10月なんか間に合いません。市長会の中でも10月間に合わないとか出ているわけですから、シビアに考えていただかないことには。10月実施を円滑にすることはやぶさかではありませんが、そのための前提として、詳細な制度設計をお示しいただかなければ間に合わないという思いがございます。
またもうひとつ、条例というのは自治体が議会に提出して、議会で承認いただいたら条例は制定できるものですから、国家において法律で条例制定権を付与されるものではありません。条例というのは自治体の判断に基づいて、憲法上の法律の範囲内で制定すべきものであって、法律の範囲内についての解釈に疑義が生じないように、確認的に法に基づいて法律に盛り込むことはあるにしても、法律によって生まれる権利ではないんです。条例というのは自治体本来における固有の権利ですので、誤解なきように、説明の仕方を十分考えていただきたいと思っております。
最後に公平性です。公平性については、例えばすでに、明石市は第2子を無償化しています。明石の子どもは神戸の施設を使っても無料です。例えば、全国的にも医療費の無料化なんかはバラバラです。つまり同じ医療機関を使っても、払う子供によって、市内・市外によって変わる、現実そうしております。であれば医療費だって、国が一律に医療費の無料化制度を作ればいいではないですか。国がそういうことをせずに自治体の判断に委ね、サンクションを維持しながら、今回についてのみ公平性を言うのはバランスを失していると強く思います。

○ 濵谷局長 様々なご意見をいただきましてありがとうございます。最初の条例との関係なんですけれど、基本的な考え方ですが、資料2ページでも申し上げましたが、今年の骨太で政府として決めた考え方であります。そういう意味で地域によって事情は違いますけど、都市部を中心にでありますけれども、そういう意味では明石市長が劣悪なと言われましたけど、保護者の方でも好き好んで劣悪な施設を使っている方ではない方もいらっしゃるわけであります。そういう意味で、今回の無償化の目的、保護者の負担軽減と幼児教育の質の確保、2つ目的があります。そういう中で、2つの目的のバランスをとりながら、制度設計していく必要があるということでございます。政府としては、今回の無償化ということで、保護者の負担軽減ということを目的の一つとして掲げていますので、そういう意味では保護者に対する支援が行き届くようにというのが基本であります。その上で、質の担保ということも併せてやっていかないといけないということであります。そういうことで、原則論といたしましては、指導監督基準を満たすものということで、特に都市部を考えますと、認可保育施設だけでは足りていない現状もありますので、認可外保育施設までウイングを広げた上で、ただし、指導監督基準を満たすものということが原則でございます。その上ででありますけど、まさに明石市長がおっしゃったように、指導監督基準を満たすためには、きれい事ではすまないわけであります。ただちに来年10月から指導監督基準を満たしてくれといいましても現実には難しいわけであります。そういう意味で、明石市長がおっしゃるようなことを勘案いたしまして、5年間の猶予期間ということで、今年の予算措置だけでなくて、いろんな指導監督の在り方も含めて、強化をいたしまして、この5年間の間になんとか指導監督基準を満たす、あるいは認可施設に移行していくための努力をしていくための期間とご理解いただきたいと思います。
それから条例との関係でありますけど、今回市長会からご要望いただきましたので、無償化の対象範囲について一定の勘案要素の下に、条例で委任するということを法律でもうけるということでございます。今回条例でという規定を法律上設けませんと、条例でしぼるという余地は全くありませんで、法律ですべて対象が決まるという制度になるわけでございます。制度設計としてはそういう仕組みも当然ありうるわけです。ただし、それはその地域の実情を色々考えたとき、それと各自治体の要望を踏まえたとき、市町村の裁量に委ねた方がいいだろう、明石市さんのように質の担保が早く図られるところもあるだろうと、そういうところについて、市町村の判断で最初から、入り口で無償化の範囲を狭めることを可能にしようと、法律で条例に一定程度委任しようという制度設計ということになります。
順不同でありますけれども、ベビーシッターについての基準について、ご指摘がございました。恐縮でございますが、作業が必ずしも迅速に出来ていませんで、これについては早急にベビーシッターの指導監督基準をお示しできるよう作業したいと思います。
また、知事さんから森のようちえんなどの取扱いという話もございました。基本的には森のようちえんなど園舎が無いものも、ベビーシッターも同様でございますが、認可外保育施設に該当いたします。そういう意味で、園舎が無い場合に関する基準についても、今の段階で明確でないので、認可外保育施設に関する基準として明確化を図っていきたいと考えています。
それから、指導監査等に関する財政支援について、今回も交付税措置の要望をいたしておりますが、先ほど申し上げたように、認可外保育施設の質を上げていくことにつきましては、今年でおしまいということでは、当然ございませんので、最低限この5年間でしっかりと対応していくということでございます。来年度・再来年度以降も、しっかりと措置について、知事会、市長会、町村会とも十分協議、相談して、対応を検討していきたいと思います。
情報共有につきまして、広域利用の話もありましたが、システムの詳細はこれからでございますけれども、他府県の内容につきましても閲覧できるような仕組みも含めて検討したいと考えております。

○ 泉明石市長 一点だけ、ベビーシッターです。条例を仮に自治体で作るとなると、明石市は作る予定ですけど、10月実施ですから、6月議会で制定を目指していきます。そうなると、3月議会ではある程度素案とか要綱を示す必要があります。そうすると本当にタイトなスケジュールで、ベビーシッターについて早く指導監督基準が無いと議論も始められない状態です。全国市長会としては1/23に委員会なり、合同会議がありますが、どれほど遅くても、1/23のその組織の委員会の場において、ベビーシッターの基準が出てないと、10月に間に合わなくなってしまうので、立場を異にしたとしても、国の立場とするとベビーシッターも対象ということでしょうから、なおさら、指導監督基準の創設を言い続けているわけですから、さすがにお示ししていただかないとと思います。
○ 松本和光市長 しつこくて申し訳ないんですけど、今回の指導監督基準を満たさないところの扱いについてなんですけれど、最初のベースラインのところで、基本的に条例で下げることができるようにしていただけると、各市町村長を信用しないわけではないんですけれども、あえて悪い方にもっていこうとすると非常に難しいわけですが、無作為で放置することによって、要するに保育士が足りないから保育士がなくてもいいやというような施設を放任するようなことになることを憂慮しています。特に今保育士確保が大変じゃないですか。そういう意味でベースラインの考え方についてもう一度よくよく検討いただいて、もちろん保育士を増やすのが大前提と思いますけれども、市町村長には保育に熱心なところもそうでないところもおられるということをご認識いただければと思います。
○ 濵谷局長 繰り返しにはなりますけど、今回の無償化、なかなか、保護者の負担軽減というところと、質の担保というところの接点をどこにするのかという制度設計を悩んでいるわけですけど、ある意味で、保護者の負担軽減は大きな柱の一つになっています。そう意味では保護者にも期待感があります。そういう意味では今回の無償化のスタート時点につきましては、本則におきまして指導監督基準を満たすもの、条例で指導監督基準を満たすに最初から限るとか猶予期間を短縮することができるとかいうことが、スタート地点、閣議決定の趣旨に沿った扱いということでご理解を賜りたいただ、無償化の法律もいったんできてそれが未来永劫変わらないということではないわけであります。これはPDCAサイクルを回すということもお約束させていただいておりますので、そういう中で、例えばですね、現在指導監督基準を満たすものは、立ち入り検査の直近の状況でいいますと、約6割、残りの4割は満たしていないという状況ではありますけれども、例えば、2,3年後に指導監督基準を満たすものがかなり増えているということになれば、猶予期間のあり方も検討対象になりますでしょうし、もともと本則でどこまで対象とするのかということについても検討対象になりえるんではないかと考えている。当初はこういう形でスタートさせていただいて、PDCAサイクルの中で協議させていただいて、保護者負担軽減と質の担保のベストミックスといいましょうか、よりよい調和を図るようによくよく、今後とも協議をさせていただきたいと言うことでございます。

○ 岩澤嵐山町長 先ほども少し話をさせていただきましたが、もう一度話をさせていただきます。お示しいただきました、制度化に向けた方針という中に、少子高齢化という国難に正面から取り組むという話が書いております。まさにこういうことで、人口減少に大苦戦している町村が多いわけですので、こういった全世代型の社会保障制度ということと、子育てにお金がかかりすぎるという根本的なことに、期待しているわけでございます。10月導入がスムーズにいくように、いろんな問題が出てくると思うんですが、そこのところを細かく、こうしたハイレベル協議で、PDCAサイクルをとって、スムーズに進行できるように期待しているのでお願いしたい。

○ 泉明石市長 最後にお伝えしとくと、全国市長会として、私と和光市長が参加しているが、組織として一定の経過があり、方向性も出ているので、1/23に市長会で集まりますので、そういった組織的な議論を経ながら一定の方向性づけ、すり合わせをしていきたいと思っておりますので、そこはご理解いただきたいと思います。組織として動いてますので、よろしくお願いいたします。

○ 竹林課長それではまだ議論はつきないかもしれませんけれども、だいたい予定された時刻を過ぎる状況になりましたので、本日の議論は終了とさせていただきます。今後のスケジュールについては、私どもとしても法案提出とのスケジュールが気になってはおりますけれど、少し、今日のここでのやりとりを踏まえまして、具体的な日程、具体的な進め方については事務局より別途ご相談させていただければと思います。ご列席いただいた皆様方、どうもありがとうございました。

 

 

(了)

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