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児童部会子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会(第7回)

子ども家庭局総務課少子化総合対策室

○日時

平成31年4月26日(金)15:00~17:00

 

○場所

労働委員会会館7階講堂
 

○出席者

委員

松原委員長 秋庭委員 尾木委員
多田委員 長崎委員 普光院委員
松田委員 水嶋委員 吉田委員
 

オブザーバー

内閣府子ども・子育て本部
独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第1課
 

事務局

本多内閣官房審議官 竹林保育課長
森田少子化総合対策室長 齊藤少子化総合対策室運営指導専門官

○議題

(1)今後の検討の進め方
(2)資格・研修受講の基準の検討
(3)今後の論点

○議事

○齊藤少子化総合対策室専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第7回「子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
傍聴されます皆様におかれましては、事前にお知らせしております傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
それでは、松原委員長よろしくお願いいたします。
 
○松原委員長 どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、始まります前に、本日の出欠状況について、事務局から確認をお願いいたします。
 
○齊藤少子化総合対策室専門官 本日は、尾木委員が若干おくれて来るという御連絡がございましたが、それ以外の委員につきましては、皆さん全員御出席いただいております。
 
○松原委員長 それでは、資料の確認も続いて、事務局からお願いをしたいと思います。
 
○齊藤少子化総合対策室専門官 資料の確認をさせていただきます。
配付資料につきましては、次第と座席表の下に、資料1、資料2、資料3、資料4、ここまでが事務局で用意させていただきました資料でございます。その下に、資料5としまして、委員提出資料5-1、5-2をつけております。5-1につきましては、前回も御提出いただいた資料を再度お配りをさせていただいております。最後に、参考資料としまして、基礎データ資料をおつけさせていただいております。
不備等ございましたら、お知らせください。
 
○松原委員長 過不足のほうは大丈夫でしょうか。
それでは、これから議論に入ってまいりたいと思います。
きょうは、1つ目の議題として、「今後の検討の進め方」について、2つ目に、「資格・研修受講の基準の検討」について、3番目に、「今後の論点」について御議論をいただきたいと思います。
順を追って議論をしてまいりたいと思いますので、まず、「今後の検討の進め方」について、事務局より資料の説明をお願いいたします。
 
○森田少子化総合対策室長 少子化総合対策室長の森田でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料1をご覧いただければと思います。
「認可外の居宅訪問型保育事業者の基準や監査手法等の検討の進め方(案)」としております。
1番ですけれども、「認可外保育施設の無償化の対象範囲」です。委員の皆さんも御承知のとおりですけれども、今現在、国会で審議がされております、子ども・子育て支援法改正案、この法律案の本則では、幼児教育・保育の無償化の対象となります認可外保育施設につきましては、児童福祉法に基づく届出がされ、かつ、指導監督基準を満たすものを本則としております。その上で、指導監督基準を満たさない施設を利用せざるを得ない保護者の方もいらっしゃるということで、5年間の猶予期間を設けるという附則を設けております。
附則の中では、さらに、経過措置期間の扱いを示しておりまして。2つ目の○の1つ目ですけれども、まず、経過措置期間中の原則は、指導監督基準を満たしていない施設についても、無償化の対象とするということです。
ただし、市町村が、当該市町村における保育の需要及び供給の状況その他の事情を勘案いたしまして、特に必要があると認めるときは、条例を制定することによりまして、例えば、職員配置などに関する基準を設ける、これは国の基準の範囲内でということですけれども、こうした基準を設けることによりまして、無償化の対象となる施設を決めることができるというような規定も盛り込んでおります。
なお、改正法案では、認可外保育施設の経過措置の扱いにつきましては、施行後2年目途の検討規定が設けられております。
今回、この専門委員会で御議論いただきたい認可外の居宅訪問型保育事業の基準や監査手法等ですけれども、まず、一般の認可外保育施設につきましては、職員の資格の基準といたしまして、保育士又は看護師が3分の1以上という基準がございます。これに対しまして、いわゆるベビーシッターにつきましては、運用面での基準は施設同様の基準が基本的には課されておりますけれども、職員の資格とか研修受講に関する部分の基準が現在はございません。保育士又は看護師の配置が望ましいと通知では書いてございますけれども、一定の基準はないという状況でして、今般の無償化を契機に、認可外のベビーシッターにつきましても、質の確保・向上を図るという観点から、資格・研修受講に関する基準の創設が必要だろうと我々としても考えておりまして、御議論をいただいているということになります。
さらに、情報開示の在り方とか標準的な監査手法についても、既に検討をしていただいているということになります。
今後の進め方ということで、事務局からの提案で恐縮ですけれども、下から2つ目の○ですが、本年10月からの幼児教育・保育の無償化の実施に向けまして、まず、現在基準のない、新たに創設する必要がある資格や研修受講に関する基準につきまして、この専門委員会として、できるだけ早期に整理をお願いできないかというのが御提案です。
その上で、ほかの論点を既にたくさん挙げていただいております。指導監督基準はあるものの、保育内容や健康管理・安全確保、利用者への情報提供、帳簿の備付け、こういったところについて、ベビーシッターの特性からなかなか運用の徹底が難しいというような御意見も既にいただいておりますので、この辺りの部分につきましては、厚生労働省としましては、連休が明けて5月以降、自治体の認可外の保育施設の指導監督を地方自治体が担いますので、地方自治体の方の意見も十分伺う必要があると思っております。そういった形で意見を伺った上で、整理をいたしまして、改めて、専門委員会での検討をお願いしたいと考えております。御議論いただければと思います。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
今、事務局から御説明がありましたように、この委員会で継続的に議論を進めてまいりますが、当面は、2の上から2つ目の○になります、新たに創設する資格や研修受講に関する基準について早期に整理をするというところに、まず焦点を置きたいという御提案でした。
進め方の議論ですので、進め方についての御質問や御意見がありましたら、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
大方、そのようなことでよろしいですか。
(各委員首肯)
 
○松原委員長 ありがとうございます。
そうすると、実際にこのことで進めていくことになりまして、先の議論に進むことができます。
では次に、この目的を果たすために、資格・研修受講の基準の検討について、ここは、きょうの一番大切なところになりますね。事務局より、資料の説明をお願いいたします。
 
○森田少子化総合対策室長 それでは、資料2をお願いいたします。資格・研修受講の基準の検討(案)という資料になります。
これまでも専門委員会を3月、4月と2回開催していただく中で、意見交換の中で、東京都の例も御紹介いただきました。また、説明に対する御意見もいただきました。そういったものを踏まえながら、事務局として基準(案)を整理させていただいております。
1ページですけれども、まず、下の表のようなところを見ていただきますと、一番左側がいわゆる一般の認可外保育施設、1日6人以上の乳幼児を保育する施設の基準になります。配置基準につきましては、乳幼児と保育士の割合ということで、これは認可保育と同様の0歳児であれば3:1、1・2歳児であれば6:1、4歳以上児であれば30:1というような基準になっております。
この基準について、職員のところですけれども、認可外保育施設につきましては、3分の1以上が保育士又は看護師資格を有していれば適合しているという判断になることになっております。
それから、一番下の「児童の処遇」ですけれども、保育の内容は、保育所保育指針に準じて行うこと、給食、健康管理・安全確保、利用者への情報提供、帳簿の整理などの基準がございます。
詳細は参考資料につけておりますけれども、説明は省略いたします。
真ん中のところがいわゆるベビーシッターの認可外の居宅訪問型保育事業の現在の基準になりますけれども、配置基準につきましては、原則として、乳幼児1人に対して、保育士1人になっておりますし、ここは既に御意見をいただいておりますけれども、不明確な部分があるのではないかというような御指摘もいただいておりますので、今後、整理していきたいと思います。
その上で、職員につきましては基準はございません。保育士又は看護師の配置が望ましいと通知に書かれているということになります。
設備や非常災害に対する措置に関しましては、ベビーシッターの業務の特性から規定はありませんけれども、最後の「児童の処遇」につきましては、基本的には、一般施設と同様の基準になっておりまして、例えば、必要な遊具を備えつけることのような、ベビーシッターには当然できないところ、こういったところは適用除外にしておりますけれども、保育内容につきまして、例えば、保育所保育指針に準じて行うということは、既に現在も基準としては課されていることになります。
上の四角の1つ目の○ですけれども、認可外の居宅訪問型保育事業の保育従事者につきまして、原則1:1、かつ乳幼児宅で保育するという特性を踏まえまして、保育士又は看護師以外の従事者について、一定の研修受講を要件としてはどうかということで、表の下の右のところにも書いてありますけれども、職員の基準を新たに「保育士、看護師又は一定の研修を受講した者」に改正してはどうかということにしております。
上の四角の2つ目の○ですけれども、幼児教育・保育の無償化では5年間の猶予期間がございますので、5年間の間はこの基準を満たさない認可外の居宅訪問型保育事業者も無償化の対象になりますけれども、5年後からは基準に適合した事業者のみが無償化の対象になるということになります。この5年間に、無償化を契機に質を高めていただくということで、計画的にといいますか、研修受講を推奨して、質の確保・向上を図っていくことが必要ではないかということにさせていただいております。
なお、下の欄外ですけれども、認可外のいわゆる家庭的保育、1日に5人以下の乳幼児を保育する事業については、保育従事者宅を基本に、1人で3人まで、あるいは、補助者がついて2人で5人までという形になりますけれども、これにつきましても、現在は、「保育士又は看護師の配置が望ましい」ということになっておりますので、今回、認可外の居宅訪問型保育事業に一定の研修受講を求めるということであれば、平仄をとるということで、1人以上は一定の研修受講を基準とするとさせていただいております。
2ページですけれども、一定の研修をどう考えるかということを案として整理させていただいております。これは、基本的には東京都の整理をかなり参考にさせていただいた整理をしておるつもりです。
1つ目の○ですけれども、認可の居宅訪問型保育事業の研修が現在もございます。現在は、東京都以外では、多くの地方自治体が実施しているわけではございませんけれども、この研修のカリキュラム、20時間程度の講義、それから、1日以上の演習の受講を求めることを基本とすべきではないかとしております。
この認可の居宅訪問型保育事業の研修、現在の整理は、保育士が、さらに上乗せでこの20時間の講義と1日以上の演習を受けていただくという整理になっておりますけれども、東京都はこれをうまく使われていることもありまして、同様の整理にしてはどうかということにしております。
これにつきまして、同等と認める研修までは一定の研修として認めていいのではないかということで、まず1つ目で、地方自治体が実施している既存の研修の中で、これまでに御意見をいただいていたと思いますけれども、子育て支援研修の地域保育コース、これは、時間的には、もう少し多い30時間ぐらい、2日以上の見学実習または演習になっておりますので、保育の基本を理解していただける研修ということで、これまで受講された方、あるいは、今後受講される方は一定の研修受講と認めていいのではないかというのが1つ目です。
それから、2つ目は全国保育サービス協会が実施されております居宅訪問型の保育研修。
それから、3つ目、前回、民間の事業者にヒアリングをさせていただきました。それぞれ研修をされているというお話もあったかと思いますので、こういった民間の研修事業者あるいは自社研修みたいな形でやられているものも、①又は②と同等と認められるものであれば、一定の研修と認めるということでどうかというふうに整理をさせていただいております。
参考までに、参考資料の6ページは、これも御説明いただきました東京都の研修要件になります。
それから、7ページですけれども、子育て支援員の研修体系がございまして、この真ん中の赤で囲んでいる部分が、子育て支援員の研修の地域保育コースでありまして、共通科目に加えまして、それぞれの事業ごとの科目を受けるような研修になっております。小規模保育とか家庭的保育の補助者とか、あるいは、一時預かり、ファミリー・サポート・センター事業などの従事者の研修になります。これも一定の研修として認めてはどうかというふうに整理をさせていただきました。
説明は以上になります。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
それでは、ここについてはいろいろな御意見があろうかと思いますし、御質問も含めて、御自由に御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
普光院さん、どうぞ。
 
○普光院委員 普光院です。
今の子育て支援員の研修体系ということで、ファミリー・サポート・センター事業、共通科目12科目に加えて4科目と書かれているようなのですが、これは義務として、全員に義務づけられているものなのでしょうか。
 
○森田少子化総合対策室長 必ずということにはなっていないです。
 
○松原委員長 ほかはいかがでしょうか。
尾木委員、お願いします。
 
○尾木委員 尾木でございます。
研修を一つの基準とする、研修受講を義務づけることには、基本的に賛成をします。
①の認可の居宅訪問型保育事業が訪問型保育についてはふさわしい研修だとは思いますけれども、子育て支援員研修も、全国各都道府県ほとんどのところで実施されていることと、それから、割と幅広く、子どもの保育に関する必要な知識とか、あるいは、具体的な保育方法などについて学ぶ内容となっていますので、受講される方にとっては、これを受講していただくと、ほかの地域型保育で働くこともできるし、訪問型保育で働くこともできるし、その方にとっては非常に有利ではないかと思っています。
子育て支援員の研修の地域保育コースは、地域保育型のコースと一時預かりコースとファミリー・サポート・センター・コースとあります。基本科目は全て共通していますし、保護者対応のところも恐らくそんなに変わらないと思いますので、どれを受けていただいても大丈夫かと思います。
それから、2つ目の全国保育サービス協会が実施する研修は、これはまさに訪問型保育の形態、特に、認可の居宅訪問型保育ではない保育として捉えて行っているものですから、これも非常にふさわしい研修だとは思うのですが、実施地域が限られているということですね。例えば、九州の方が受講されたいと思っても、なかなか受講機会がないことは1つ問題になると思います。
3つ目が、ここまでいいですよと言っていいのかどうかすごく迷うところです。民間の研修事業者が実施する、例えば子育て支援員研修とか、家庭的保育事業の基礎研修などを実施している団体があることも知っていますけれども、その中身がどういうことなのかと。実際に、①の研修をどこかの地方自治体から受託してやっていらっしゃる団体はその内容で研修をされると思うのですけれども、それぞれの団体が独自のベビーシッター講座のようなものをやっていたりもしますので、それを恐らく認めてくれということになったときに、それがふさわしい研修なのかどうかということを、どこでどなたがどのように判断するかということが1つ課題になると思います。
同様に、自社研修に関しても、自社研修をやられているところはたくさんあると思うのですが、どういった内容で、どういった時間数、あるいは、どういった方が講師となってやっているかというようなところですね。それをどなたが判断するのかというところが一番大きな課題で、③はどんなふうにしていくのかなというのがちょっと疑問に感じるところです。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
全国保育サービス協会の話が出ましたので、長崎委員お願いします。
 
○長崎委員 全国保育サービス協会の長崎です。
私も、尾木委員と同じような意見を持っておりまして、3番目の民間の研修事業者及び自社研修を、どのように審査をするのかというのが非常に難しい部分です。といいますのは、これは、私ども協会でも実は、各会員事業者が行っている自社研修を指定研修のような形で科目を平準化しようと検討したことが以前ありました。けれども、各社の研修の内容や、講師も、どのような講師をそこに配置するのかとか、また、協会としてそれを審査して、この研修は協会がやっているこの科目に準ずると認めるかという作業が非常に難しくて、結局、実施するまでに至らなかった経緯がございます。
自社研修は、協会に加盟している事業者であれば、協会の会員になるための入会審査基準がありまして、そこには必ず「自社研修をすること」というのが条件づけられているのですが、それはどのくらいのボリュームでどういうことをやりなさいというところまではうたってないのですね。研修資料を入会審査のときには見せていただくのですが、前回のヒアリングにお越しいただいた事業者は研修にも力を入れているところだったかと思うのですけれども、やはり事業者の差もありますから、自社研修を認めるのであれば、何か平準的なものを示す必要もありますし、民間事業者がやられている場合も、高額な受講料がかかる場合もあったりするので、3番目は非常に難しいかなと感じております。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
事務局のほうで、民間の研修事業者が実施する研修、自社研修のイメージは何か持っていらっしゃるのですか。
 
○森田少子化総合対策室長 御提案した趣旨といたしましては、先日の民間事業者のヒアリングも踏まえて、まず、自社研修につきましては、ヒアリングに参加していただいた団体は、法人として責任を持って、資質を担保するということを徹底されているということでしたので、研修の中身が同等と認められるのであれば、認めるという方向性もあるのではないかというのが1つです。
それから、民間の研修事業者の研修につきましても、先ほどまさにお話があったように、①についても、実際には、多くの自治体は民間を含めたところに委託するような形で研修を実施されていますので、委託を受けなければだめというのも、整理としてはどうかと、むしろ、中身が同等であれば認める必要があるのではないかということで御提案をさせていただきました。
ちなみに、同等と認めるところの運用が難しいというのは御指摘のとおりだと思いますので、その運用ルールは、さらに時間をかけて整理していくことは当然必要という認識のもとで御提案をさせていただいております。イメージは、例えば居宅訪問型の保育事業の研修カリキュラムを下に挙げております。それから、子育て支援員の研修の地域保育コースも、通知でいわゆるシラバスのようなものを示しておりますので、それを踏まえていただいた上で、①と同等と判断するということを想定しています。イメージとしては、都道府県なりが、厚労省として示している通知などを参考に同等という判断をしていただければ、①又は②と同等の研修として認めてもいいのではないかということで御提案させていただきました。
○松原委員長 どうぞ、普光院さん。
○普光院委員 今の事務局の御説明を聞いて、例えば、一つ一つの科目のカリキュラムなどが明確になっていればいいのかなとも思ったのですが、ただ、こういう「同等と認められる」という基準を決めたときに、そこがどこまできちんと審査されていくのか。一つ一つの会社の研修について審査をしたり、もし、その内容がこれではちょっとだめではないかというときにどういうふうに修正するのか、あるいは、審査して、無償化対象のベビーシッターの資格になる研修から外すというようなこともできるのかどうか。その辺は、権限を結構動かさなければいけないところなので、では、誰がやるのかということになると、やはり問題になってきますよね。
ですから、私の考えでは、数的に足りるのであれば、ある程度の規格の研修で限定してしまうこともひとつ必要なのではないか。もし、幅広く認めるのであれば、国の責任できちんと審査したり、あるいは、その資格になる研修なのかどうかについても、もし、だめな場合はどうするかという権限の動かし方みたいなものを決めていただいたりということが必要となると思うのですね。ぽんと投げて同等と認められるとなったときに、いろいろなことがそうやって手放しになっていくという現象が実際にありますので、そこをきちんとしていく必要があるのではないかなと思います。
私などは、保護者対応ということが今ちらっと出ましたけれども、保護者対応の研修でどういうことを扱っていただくということも吟味する必要があって、もちろん保護者との連絡のとり方等々、例えば保護者に対して失礼のない対応をするというようなマナー研修のようなものも考えられますけれども、今、結構大切になっているのは保護者支援で、世の中保育施設でクレーマーなどということも最近言われますけれども、実はクレーマーと言われがちな保護者の中には、要支援の保護者なども含まれていたりすることもあるわけですね。そういった視点。例えば、一見難しい保護者、クレーマーとか、だらしないとか思われている保護者に対して、児童福祉的な視点から子どもの最善の利益のために、では、この家庭をどうやって支えていけるか。あるいは、自分にそれができないのであれば、誰につなげばいいのかというような視点が持てるように、ソーシャルワーカーの視点を学んでいただきたいと思いますので、そういったことも公的な制度にふさわしい内容を、改めて、吟味する必要があるのではないかなと思っております。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
松田委員、お願いします。
 
○松田委員 松田です。御説明ありがとうございました。
私は、御提案をいただいた基準案の1ページ、2ページの内容はおおむねよいのではないのかなと思いましたので、今、ほかからの意見もお伺いしますと、2ページの具体的な研修というところで、①と②はまず問題ないという御認識であったかと思います。
①は、自治体が実施している既存の研修ということで、東京都さんのモデルを普及させてということですから、これが妥当であるかということは、まず自治体様が御判断されて決めていかれるということだと思います。③のところは、私はいいと思っているのですが、意見が分かれるところは、それが徹底されるかどうかなのかと思います。
それで、2つ申し上げたいのですけれども、1つは、民間事業者さんは、前回はこのヒアリングのシートなどを拝見させていただきますと、非常にレベルが高くて、むしろ、非常に良質な事業者もいると。一方、恐らくヒアリングには出てこなかったであろう不十分なところは恐らくある可能性があると。ばらつきがあるということだと思います。ただ、そのときに、良質な事業者様の努力を無にすべきではないと私は思います。
その上で、どこを基準に、誰が認定するのかというところですけれども、①で「自治体が実施している既存の研修」これでいいですよと自治体様が認めるわけです。厚労省様が工程表を出して、自治体が認める。その自治体様が③を認めるということであればよいのではないかと思います。
以上です。
 
○松原委員長 ということで、多田委員いかがですか。
 
○多田委員 東京都の多田です。
居宅訪問型保育事業の従事者の要件を定めるに当たってですけれども、研修要件を課すときに、要件の外に、研修をする主体を広げるか絞るかというところだと思います。
まず、東京都の状況としては、居宅訪問型保育事業者は非常に増えています。非常に多いという状況がありますので、他の自治体さんというか、全国的な状況とは違うのではないかと思っています。そういった中で、ある程度研修の実施回数を増やす必要があるのかなと思っています。その上で、研修をどうやって広げていくかということを考えたときに、行政だけでやっていくのでは必ずしも十分ではない可能性があると。もし、行政だけが実施するとなった場合に、逆に、研修を受けていないような事業者さんも参入してくる。その結果として質が低くなることがあるのかなと思っています。
そういった意味では、多様な研修事業者が研修を実施できる。それで、その研修を受けるベビーシッターさんが増えていくということで、質を確保できる仕組みとなるのが望ましいのかなと思っています。ただ、そのときに、今いろいろな委員から意見が出ていますとおり、どういう事業者を認めるかという、そこの基準とかルールとかその辺りはしっかり考える必要があるのかなと思っております。自治体が最終的に認めることになるのかもしれないのですけれども、そのときに、自治体ごとで判断が変わってくるとか、そういうことはないようにしなければいけないのかなと思っております。
以上です。
 
○松原委員長 どうもありがとうございます。
自治体でやらざるを得ないかなという御意見、御判断だと思いますが、千葉市の秋庭さんいかがですか。
 
○秋庭委員 千葉市の秋庭です。
私が今考えていたのは、条例を制定して、5年間の猶予期間を短縮しようとする場合、これから短い期間で研修を全部新たにやらなければいけないということになると、その研修を今度自治体がどう用意できるかとかそういうことを考えていかなければいけない。だから、既存の研修を基本とすることはいいかなと思います。
今の話の③番については、自治体が個別に判断となっていくと、例えば隣の県あるいは隣の市で判断して「よし」とされたものが、今度は千葉市でどうなるのかとか、その辺は統一していただかないと実務的には非常に混乱するというか、やりにくくなるのかなとは思いました。
以上でございます。
 
○松原委員長 その点は多田委員と同じ趣旨の御発言だと思うのですが、普光院さんどうぞ。
 
○普光院委員 先日もちょっと申し上げたのですが、ベビーシッターさんは自治体に限定されない仕組みなので、自治体が決めればいいというのは私は非常に違和感があるのですね。恐らく利用者もまたがって利用するでしょうし、子どもの公平ということを考えれば、できれば自治体ごとにばらつきがあるというのではなく、それぞれ一定の規格の中できちんとした研修を受けてきているということが必要かと思います。本来は保育士とか資格職に限られるべきではないかということがまずあったはずなのですね。だけど、そうはいかないからということでこれを緩めているわけですから、その緩めたところの基準を、さらに、ばらつきのあるものにしていくということには非常に疑問があります。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
ある一定の水準ないし共通性を持つべきだということだろうと思うのですが、事務局のほうできょう御提案いただいたものは、多分に東京都のカリキュラムを参考にされているかと思うのですが、こういった線で示していって、あとは、今後の自治体との議論にもよると思うのですけれども、これで共通項プラスアルファのところを自治体が考えるというような線で了解が得られれば、一定の水準も担保できるのかなとは考えておりますが、後で、今後の検討、論点のところで、この後何をしていくかという、そこは自治体との議論を踏まえるというようなところもあるので、あえて言えば、③については、基準をそろえるべきだという御意見で、これは全く問題にならんという御意見ではないかなと思うのですけれども、そういう理解でよろしいですか。
(各委員首肯)
 
○松原委員長 ありがとうございます。
たまたま例で普光院委員のほうから、カリキュラムの中身の言及がございましたけれども、ここで示されたもので、過不足、御意見があれば、それもちょっと伺っておきたいところですが、いかがですか。
尾木委員、どうぞ。
 
○尾木委員 私は、先ほど、子育て支援員研修で、子育て支援研修は基本的に3歳未満ぐらいを対象にした研修内容ですけれども、それで、基本的なことは学べるだろうと申し上げました。ですけれども、居宅での保育、1:1で、しかも、その子どもの家ですから、保育者の側が自由に環境を変えたり、このようにしたいということがなかなか施設のようにはいかないところで行う保育です。それから、保護者の対応も、常に1:1ということなので、例えば、大きい施設でしたら、集団保育であることを理由として、それは受け入れられないですよと伝えられたりするところが、全て顔を合わせて、お互いに言い合わなければならないというようなところも非常に難しさがあります。
また、この研修内容についても、保育の現場に一人きりでいることが前提になるわけですから、子育て支援研修あるいは保育士の資格を持っていても、それにプラスアルファとして、居宅訪問保育をどのようにすべきかということは、プラスアルファで何科目かはわからないですけれども、少しそのことも加えて学んでいただいたほうが、集団の保育のように、常にそばに誰かがいて聞けばいい、相談すればいいという状態ではないので、そのことをコンパクトにでもいいので、何か1科目でもつけ加えるべきではないかなと思っています。
 
○松原委員長 ありがとうございます。大切な御意見だと思いますね。
こういった類いのがもし何かあれば、ほかにいかがでしょうか。
長崎委員、どうぞ。
 
○長崎委員 長崎です。
有資格者の中で保育士、それから看護師の資格をお持ちの方がふさわしいと今示されていますが、東京都この資料の中の一覧を見ていただくと、看護師の方でも、一定の保育経験を有する方とであっても、さらに、訪問型保育の現場の勉強ができるようなところもプラスで課してあります。保育士の資格をお持ちの方であっても、補足研修は、訪問型保育、1:1の保育のエッセンスを半日ぐらいにまとめた研修ですけれども、それを必ず受けていただくとなっていますので、これは、今、尾木先生がおっしゃったように、1:1、そして、家庭での保育という特徴に合わせた、そこの部分の特徴をまとめたようなプラスアルファの研修は必ず必要になるかと思っております。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
こういう御発言をいただいているのは、共通な基準をつくりましょうという大方の御意見でしたので、だとすると、あと何が必要なのかということで、あるいは、訪問型の特徴を学べるカリキュラムの時間はどの程度にせよ必要だよという御意見だろうと思うのですね。
ほかはいかがでしょうか。
どうぞ、水嶋委員。
 
○水嶋委員 家庭的保育の水嶋です。
私も、家庭的保育をしていますので、実習生というのが実践の演習ということになるのが。実習生を受け入れた経験もありますが、やはり全然違ったという感想を聞きました。保育士の資格を持っている人がほとんどでしたが、集団での保育経験はあっても、家庭的保育でさえ、全然イメージと違ったということをおっしゃるのです。実習をすることがいいと思いますが、それは難しいので、ベビーシッターの実際を具体的に伝えるにはどうしたらいいかということも示せたらいいと思います。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
ほかはいかがですか。
秋庭委員、お願いします。
 
○秋庭委員 秋庭です。
質という観点から、プラスアルファということについては、異議なしですが、ただ逆に、そもそも5年間の猶予が長過ぎるので条例で短くしようと考えると、プラスアルファを用意するための時間が無くなってしまうと思うので、ちょっと答えがないことを言っていると自分でも認識していますけれども、どちらかを立てるとどちらかが立たなくなってしまうというような状況にはなるのかなと思います。
 
○松原委員長 これはなかなか難しい御指摘ですが、ただ、実際は条例を定めるためには、その作業のけりをつけなければいけないですよね。
ほかはいかがでしょう。
どうぞ、吉田委員お願いします。
 
○吉田委員 吉田です。
この研修を受けるに当たって、ベビーシッターさんの利便性もしっかり追求しなければいけないなと思いますので、例えば、分散で講座を聴けたりとか、単科で聴けたりとか、組み合わせて、しっかり総合で受講したということができるようになれば、そこはもっと細かに受ける人も出てくると思いますし、どうしてもこの時間を用意しなければいけないということになると、働いていたりすると、なかなかそういう時間も用意できなかったりもしますので、これはちょっと極論になるかもしれませんけれども、場合によっては、インターネットを使ったものとかもあるでしょうし、そこでどう講座を担保するかということになると、ちょっとレポートを出させるとか、そういった組み合わせによって、この内容自体はすごいいいものだと思いますので、それプラス、例えば保育サービス協会さんでやっていらっしゃる、不足の部分があれば、そこをまた追加する形で層を厚くしながら、けれども、受ける人にとっては利便性を高められるような形にしていくと、より負担感のないものになっていくのではないかなと思いますので、難しいかなと思うところもあるのですけれども、意見としては言わせていただけたらと思います。ありがとうございます。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
これは、後で、また、議論が出てくるかと思いますが、研修の機会の確保をどうするかということの論点の一部にもなるかなと思います。
ほかはいかがでしょうか。
尾木委員、どうぞ。
 
○尾木委員 先ほどの吉田委員の御意見にちょっと関連してですけれども、今、子育て支援研修は、どこの都道府県で受けても、その一部科目の証書が出ます。それを全部合わせて、各地でとったものが全国各地で使えるようになっているわけですね。それが、この認可外の居宅訪問型保育事業は、研修を実施した自治体でなければ認めないという自治体もありますし、同じ自治体の内部でずっと部分的に積み重ねていくことはできても、いろいろなところでとったものが積み重ねられる仕組みにはなってないません。その辺が、子育て支援研修でこれを受けていて、例えば、居宅訪問型保育事業の研修を受けられるときに、受けてない科目を受ければ、それで認められるみたいな形になれば、これまで既に受けたものをもう一回受け直す必要はなくなるのかなと思います。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。
そうしましたら、ちょっと繰り返しになりますが、私のほうで整理をさせていただきますと、資料1にあります中で、2つ目の○のところの議論をしてまいりました。資料2の1ページ目で、今回は研修を受講させるということの縛りもかけると。保育士あるいは看護師あるいはこの研修を受けた者。研修の提供ということで、2ページ目の①②③は、原則的には異論がない。ただし、③については、いわゆる自治体間の共通の基準をつくるべきであるという御意見が大勢を占めたのかなと思います。
そのほか、カリキュラムの内容で、いわゆる訪問型の特徴をきちんと学ぶべきだという御意見と、あとは、単位をいろいろなところで積み上げていって、一つの受講を受けたという要件を認める、そういうことも考えていいのではないかという御意見が出たかと思います。
私のほうからのそんな確認をさせていただいて、これを受けて、事務局のほうにこういった議論を踏まえまして、資料の修正等を行っていただいて、次回に改めて提示させていただくというお願いをしたいと思うのですが、事務局のほうはいかがですか。
 
○森田少子化総合対策室長 委員長の御指示のとおり、資料を修正させていただいて、次回お示しさせていただきたいと思います。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
そういうことで一つの喫緊の課題はクリアできたところですが、今までのディスカッションの中でいろいろな課題が出てまいりましたので、今後の論点も確認をして、ある程度議論の方向性とかそういうものが見えてくれば、それも整理をしておきたいと思います。
まず事務局から、今後の論点について御説明をお願いしたいと思います。
 
○森田少子化総合対策室長 ありがとうございました。
それでは、資料3と資料4を説明したいと思います。
まず資料3ですけれども、これは、これまで専門委員会で委員の皆様からいただいた主な御意見を整理させていただきました。個別に資料を出していただいているものは別添とさせていただいておりますけれども、それぞれ2つの四角の枠で、1つ目の四角の○から始まっているものは第5回です。それから、◇のものが第6回の御意見になります。それぞれ委員の皆様には事前に御確認いただきましたので、申し訳ございませんが、繰り返し詳細な御説明は省略させていただきます。【総論】【研修】【情報開示】【監査】、項目的にはこういう項目で御意見をいただいてきたのかなと思っております。
それを踏まえまして、最初の資料1で、まずは研修の基準のところを御議論いただきつつ、こうした論点についても継続的にもうしばらくこの専門委員会で御議論いただきたいと思っておりまして、資料4を整理させていただきました。基本的には、資料3でこれまでもいただいていた御意見は、項目としては落とさないようにということで整理したつもりですけれども、この後、こういうものが足りないとか、また、御意見をいただければ、これも次回に向けて、再度、整理をしていきたいと思っております。
大きく5点に分けておりますけれども、1点目がまさに委員長からもお話があった点です。資格・研修受講の基準を定めた上で、その運用をきちんとしていくという、今、ひとしきり御意見をいただいたことが、まさに、より具体的に整理していく必要がある課題だと思っております。研修の機会の確保。これはずっと御意見をいただいておりますけれども、東京など都心に事業者が多いことは事実ですけれども、地方でも、事業者あるいは個人でベビーシッターをやられている方がいる以上は、なるべく近いところで研修を受けられるような機会を確保するということで、先ほど、吉田委員からはeラーニング的なことを検討すべきというようなお話もございました。こういったことを整理させていただくことだと思います。
特に、個人のベビーシッターの方は、法人や会社のように、受けなさいよと言う方がいらっしゃらないので、都道府県、指定都市、中核市も届出を受けても、全ての人に接触するのはなかなか難しいとは思います。こういったところをどういうふうに受講を促進していくかということも御意見を賜ればと思います。それから、これはまさに今日もご意見がありましたが、事業者の自主研修の内容の確認をどういうふうにきちんと行うかというようなことが出ております。この部分は、さらに、さまざま御意見があると思いますので、次回に向けて整理させていただきたいと思います。
それから、ここからは別の論点になりますけれども、保育内容、健康管理・安全確保、帳簿の整理等、今も基準としては施設と同様に適用されますけれども、実態として運用がなされているか、あるいは、それを自治体で確認できているかというようなことで、2つほど整理しております。
1つは、これも第4回、第5回でありました、毎日、長時間利用するようなケースが、今後、無償化との関係で出てくるような場合には、チーム保育みたいなことも含めて考えていく必要があるのではないかという御意見もありましたし、3歳未満児、3歳以上児でも、保育内容が違うというようなこともお話があったかと思います。そういった居宅訪問型保育特有の留意事項について整理をしていく必要があると思っております。
同様に、運用についての具体化ということで、保護者との連絡、安全確保とか、乳幼児突然死症候群というお話も出たかと思います。それから、保育記録を保存して、開示することも、施設と比べると、これもチェックが働くのが難しいというようなこともあろうかと思います。苦情窓口の保護者への周知などは、現行ある基準の通知の具体化などをご議論いただくのかなと思っております。
3点目が事業者による情報開示ですけれども、一定の研修受講を基準にすることになれば、それを保護者が選択する際の判断材料となりますので、どういった形で情報開示するか。これも、法人であればホームページなどがあろうかと思いますけれども、特に個人の方をどういうふうにするかという方法も検討が要ると思っております。個人のベビーシッターの情報開示の範囲ということで、東京都の方からもさまざま経緯があって、今は、個人のベビーシッターについては、総数だけをホームページで出されているというようなお話もありました。これも今後共通ルールを決めないといけないかと思っております。
それから、今の話と関連しますけれども、4番目で、地方自治体による監査手法とその運用ということで、特に、法人と個人でもかなり状況が違いますけれども、標準的な監査手法を、今回の無償化を契機に我々としても整理していきたいと思っておりますし、巡回支援指導との連携も、既に御意見をいただいていたかと思います。
それから、今般の子ども子育て支援法の改正の中では、無償化の給付に対してということではありますけれども、市町村による調査とか、そういった報告・調査を求めるような権限もございまして、これと児童福祉法の認可外保育施設に対する都道府県、指定都市、中核市の指導監督、監査の関係も、内閣府とも相談しながら整理が必要と思っております。
その他ということで、これは尾木委員からありました、兄弟や多胎児利用の方の関係。これは特に幼児教育・保育の無償化の関係では、年齢が違うと、一人のお子さんは無償化の対象だが、もう一人の子どもさんは無償化の対象ではないというようなことも生じますので、いずれにしてもそのルールの整理は我々としてはしていく必要があると考えております。
この資料につきましては、きょう何か確定するということではございませんので、この後、御意見をいただきまして、順次、整理していきたいと思っております。
説明は以上でございます。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
大きく4点とその他ということで、柱を立てていただきましたが、この柱はもう少しボリュームを上げて議論をすべきだという御意見をいただいてもいいでしょうし、この4つないしは5つの柱ごとに、内容を深堀りをして、議論をいただくヒントを今いただいてもいいのかなと思いますので、どなたからでも結構です。
普光院さん、どうぞ。
 
○普光院委員 普光院です。
私、資料5-2につけていただいているのですけれども、「赤ちゃんの急死を考える会」の事務局長の藤井さんから、御意見を預かってまいりましたので、今ここに挙げてあることとも関連すると思いますので、ちょっと御紹介させていただきたいと思います。時間もありますので、簡単にはさせていただきます。
藤井さんは、お嬢さんをファミリー・サポート・センターでの事故で亡くされています。2010年11月、左側の写真の下にちょっと書いてありますように、「大阪市八尾市のファミリー・サポート・センターを利用した1時間の預かりの中で、当時5カ月だった娘のさつきは泣いていたところを「寝かせるため」にうつぶせに置かれ、その後心肺停止状態で発見されました。病院で心臓は蘇生されるも意識と自発呼吸は戻らず、いわゆる「脳死状態」となり、事故から3年後に死亡しました。」ということで、藤井さんはずっと御自宅で看護されたということでした。
この事故後、ファミリー・サポート・センターの預かった方は有償ボランティアなわけですけれども、「預かり手の会員は「うつぶせ寝が危険だとは知らなかった。そのような研修は受けていない」と述べていました。私たち遺族は、事故以降、複数回にわたって、市や国の担当課との面談を行い、2017年3月には訴訟過程で明らかになった課題を踏まえ、制度の安全性を高める申入れを行いました。その後、救命救急講習の義務化など、部分的な改善はありましたが、いまだ、安全面での課題は多くあります。」ということです。この下の下線のところにも書いてありますけれども、ファミリー・サポート・センターには「基準」が存在しないということですね。私もこの仕組みの立ち上げのときからずっと知っているのですけれども、あくまでも地域の互助ですね。隣のおばちゃんが抱っこしててくれていた時代があったよねというような、互助を人為的にマッチングというか、地域の信頼関係の中でファミリー・サポート・センターがつなぎましょうということでスタートした仕組みでした。1時間800円で預けられます。この800円は最低賃金を切っております。つまり、これは労働ではなく、あくまでもボランティアなのです。こういうファミリー・サポート・センターというものを無償化することについてどう考えるのか。どのような義務を課すことができるのか。私自身は、ファミリー・サポート・センターが無償化対象ということになるのであれば、その無償化の対象となるファミサポさんというのは有償ボランティアであってはいけないのではないかと思っています。
藤井さんのご意見の続きですが、「ファミサポは、施設ではない個人の居宅での保育者一人による預かりという点で、無償化の対象であるベビーシッターと形態が類似しています」ということで、「命と安全を守るために基準をしっかり検討・設定していただきたいと切に願っています」ということです。
四角の2.は、保育事故が、基準のない、緩い認可外の保育で多く起こっているということを書いてくださっています。
それから、裏面にまいりまして、3番に「公平性」をいうならば「質の公平」を、ということを書いてくださっていまして。私も全く同じ考えです。「そもそもベビーシッターやファミリー・サポート・センターの預かり形態は「託児」であり、施設での複数保育者による「保育」とは条件が大きく異なることから、今回の無償化の対象にこれらが含まれること自体に大きな疑問を感じています。国が“どれを選んでも同様に安全ですよ”と示しているとも受け取れます。(認可施設と基準が異なる認可外保育施設や企業主導型、さらには、それらの基準を満たさない施設さえもそのまま対象とすることについても同様に感じています)」ということです。「認可保育所に入れなくて、そういった施設や事業を利用している方々への公平性を担保するための措置かと思われますが、そうであるならば、安全(質)における公平性も同様に保証されるべきではないでしょうか」ということです。安全(質)における公平性も同様に保証されるべきだというところを、ぜひ今回の検討の中で強く念頭に置いていただければと思います。
しかし、無償化の対象として、今回、検討が進んでいるわけで、その中で最低限求められることを4.のところで書いてくださいました。
①統一した研修カリキュラムの設定と受講の義務づけをしてくださいということです。以下、詳しくは皆さんのほうで読んでいただきたいと思いますが、特にポツの2の「既に事業に従事している者の扱い、また上記の対案として「無償化」を機に国で統一したカリキュラムに基づく研修の受講・修了を義務づける。ここが最低限」だと思うという御意見です。
それから、②に移りますけれども、都道府県への届出義務と、立ち入り調査の実施。「「無償化」の対象として保育を行うための条件を満たしていることを確認する。公費の保育とするならば、行政には実際に預かり状況を指導監督する責務がある。届出と調査を通じて不適切な事業者が排除される仕組みでないと、命や安全は守れない。」と書いておられます。私も権限を行使する仕組みをつくり込んでいかないと、無意味になってしまうと思います。
それから、③として、公的保険(無過失)の適用。保険は多くの事業者の場合は入っていると思うのですけれども、過失を証明しないと下りないというのが民間の保険ですので、ここで公的保険を適用できるようにしてほしいと。無過失であっても下りるようにしてほしいということが書かれています。
それから、④。指導監督の基準並びに実際の預かりにおける規定、指針の策定ということで、これは今回の議論の論点として書き込まれていることかと思います。
以上、ちょっと省略してしまいましたが、ぜひ、一つ一つ丁寧に読んでいただければと思います。
私のほうからは、これに関連いたしまして、ひとこと。先ほど、届出というのがありましたけれども、ちょっと質問になってしまうのですが、今は、ベビーシッター事業者のベビーシッターさんも全員届出をしているということですよね。
一応登録番号とかで一元的に全国のベビーシッターが登録されているシステムもこの機会につくり、そこでそういった研修をきちんと受講しているか、不適格なことはないか、がチェックできるようにし、不適格なことが起こっていれば、自治体を移動してもその方はベビーシッターとして認められない。少なくとも無償が対象のベビーシッターとしては認められないということがしっかりできるようにする、そういったことが必要ではないかと思いました。
以上、ここまでにしておきます。ありがとうございました。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
とっかかりの御意見ということで、大切なポイントも含まれていたかなと思います。
どういった観点からでも結構ですので、そのほかにも御意見があればお伺いいたします。
尾木委員、どうぞ。
 
○尾木委員 1つは、この無償化が始まるに当たって、ベビーシッターの選び方というか、そういう周知を、これまでも厚生労働省のほうで、ベビーシッターを利用するときの留意事項が案内されていますが、無償化の対象として考えて選ぶときには、こういったことを必ず確認しなければならないとか、それをあらかじめアナウンスしておかないと、実際に利用して、その方はだめですとか、これは対象外ですということが起こらないようにする必要があると思います。また、選択する際に、こういう観点で選びましょうということを、特に無償化と絡めた形で周知する必要があるのではないかということが1点です。
それから、もう一つが、先ほどお示しいただいた「今後の論点」の2の中に、「苦情窓口の保護者への周知」ですけれども、これをどこに置くのかということがあると思います。これは、現在でしたら、事業者に所属しているベビーシッターであれば、事業者が苦情を受け付けるということになると思うのですが、個人の場合にはそれはどこが受けるのか。すごく苦情があれば、例えば都道府県とか市町村に対して言っていく方もあるかもしれないですが、そこで何らかの対応がとれるのかどうかといったときに、どういった機関がこの苦情窓口の役割を果たすのかということも検討をしていかなければならないのかなと思いました。
前回のヒアリング等も通じて、監査だけでは、監査に行ったときはすごくいい振る舞いをしていても、そうではないときは違うことが起こっていることも考えられるわけですから、そうしたことは保護者から、こういったことがあったという情報を集められるような仕組みもやはり有効なのではないかなと思っています。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょう。
水嶋さん、どうぞ。
 
○水嶋委員 私は2015年から日本の保育は変わったのだと思っています。子育て支援制度になって、ベビーシッターであろうが、それは保育の形態の特性として、やはりいいものはあるだろうと思います。子育ての支援もいろいろなアドバイスもしてあげられるし、密接的なかかわりができ安心できるメリットもあると思います。ただし、子どもに携わる人は絶対に子どもに最善の利益を与えないといけない。それを追求していっているのだよということを、ベビーシッターも、家庭的保育も、保育園も子どもに携わる人はそういう意識を持たなければいけないと思います。気になるのは、個人の人が半分ぐらいいるということ。この人たちに、そういう意識をどういうふうに持っていってもらうか。そこからスタートしての無償化なのだから、ヒアリングのときに申し上げた通り、ただ子どもが好きだからということでシッターになるということではない。子育ては、独りよがりな保育もいけないし、研修も受けて、子ども子育て支援制度できちんとやっていくということを子どもに携わるすべての人に伝えてほしいと思います。
 
○松原委員長 松田委員、どうぞ。
 
○松田委員 松田です。今後の論点ということですので、幾つか考えていることも含めてお話しさせていただきます。
まず1つ目の「資格・研修受講の基準の運用」で、eラーニングという話が先ほど出されたかと思いますが、私も、これだけネットが普及してきている時代で、そして、地域にかかわらず、そうしたことができる機会を活用する方策の1つとして考えたらいいのではないかと思いました。
続きまして、3番の「事業者による情報開示」ですが、済みません、まだ具体的なイメージがつかめていないのですが、既にやられている事業者様であれば、今、ベビーシッターを何人抱えていて、そのうちの何%の人、願わくは100%がちゃんと研修受講しているとか、内保育士の資格を持っている者が何人です、このような情報の開示がまず必要であると思われます。問題は個人だと思うのですけれども、個人がWEBで皆さん公開するのは多分非現実的なのかなと思います。そこで、これから検討されることだと思いますが、最低限の方法として、無償化のサービスをこれから利用するかどうかというのが1つの論点です。3歳以上において特にそれを利用する方。その場合は、何らかの利用申請を自治体かどこかに出すことになりますか。つまり、居宅訪問型保育事業者を使って無償化を利用する。そのときに、利用するベビーシッターの方の研修受講状況がちゃんとできていることがチェックされる。そこをしっかり担保されることが最低限の水準なのかなと思いました。
あと2点ほど、少し長くなりますが、言わせてください。
1つ目は、先ほど普光院委員がお話しいただいた事業者の立ち入り調査ということで、これは半分賛成いたします。それは何かというと、居宅訪問型保育事業者様が、ベビーシッターの方が相手の家の中に行きまして、実際やっているというところを見たほうがいい部分もあると思います。また、それを見ることによりまして、自治体様がチェックすることによりまして、いわゆるベビーシッターの方の虐待とか、また、変なことを防ぐことにもつながるという効果が期待できます。ただ一方で、少し懸念もあります。それが、半分は少しどうなのかと思うのが、1つはプライバシーの問題ですよね。個人の御自宅、利用者の御自宅ということになる。2つ目は、それに関わります個人の家庭の中に行政の方が入っていってチェックすると。恐らくベビーシッターの方がやっている状況は、利用者はいないと思うのですよ。預けているわけですね。それまで入っていくのは、権力の行き過ぎた行使にならないのかという、ちょっと微妙な問題に関わってくると思います。何を申し上げたいかといいますと、現状を踏まえて、バランスをどうとっていくかということが少し検討課題なのかなと思いました。
最後ですけれども、今、論点にはないのですが、論点にすべきというわけではないのですけれども、少し気になっていることを申し上げると、今回の幼児教育無償化で、3歳以上は無償になりますから、そこでは原則ほぼ全てのお子様が保育園か幼稚園かにシフトしていくだろうと私は思っています。それは望ましい姿だと私は思います。それが趣旨ですので。ただ、そこで、あえて、居宅訪問型保育事業者を利用する家庭はあると思うのです。それはあくまでも想定ですけれども、特に配慮が必要なお子様を抱えた方ですね。そうしますと、今後、居宅訪問型保育事業におきましては、そうした方が利用される可能性、そのときに、先ほど研修の話もありましたけれども、どういう配慮や何かが必要かということが少しセンシティブな問題になるのかなというのがちょっと気になっているところです。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
普光院さん、どうぞ。
 
○普光院委員 普光院です。今の松田先生の御発言について、また、ちょっと御意見を申し上げたいと思います。
前に既にちょっと議論になっているのですけれども、WEBでシッターの届出を公開するということに関しては、個人名ではなく登録番号で公開するという方法があり、これは、個人情報という点では可能だと思っております。これは以前も申し上げたかと思います。全国一つのシステムを自治体や利用者が利用するという形で、国が運用をしていただければ大変助かるのではないかということを私は御提案したこともございます。
それから、立ち入り調査に関しましては、本当は、もちろん子どもの安全や不適切な保育の排除ということを考えれば、全部を見ることが必要かとは思うのですが、まず前提として、利用者が承諾することがどうしても必要になると思います。ただ、多くの場合、利用者は承諾すると思います。家の中が散らかっているから恥ずかしいわとかいろいろあるかもしれませんが、そもそもベビーシッターさんに入ってもらっている段階で他人を自宅に入れてしまっているので、むしろ、例えば公立保育園の元園長だった人が回ってくれるのよと聞けば、そうしたらぜひお願いしますとおっしゃる方もいらっしゃると思うのですね。だから、利用者の承諾、希望などを原則として、立ち入り調査あるいは巡回指導のようなものでも実施していくことは私は望ましいことではないか。そこで、回れなかったところをどうするかという問題はもちろんあるわけですけれども、まずは、私がいろいろベビーシッターの利用者などとやりとりをしてきた経験からしますと、そこのところをまずやるということで検討をしていただけるとありがたいなと思います。
それから、松田先生がおっしゃった3番目のことは、私もそう思います。思いますというのは、一部分は同じかな。きょうの資料5-1の私の出しております紙の裏面の3)の⑦にちょっと書いてありますけれども、「3歳以上の教育では、同年齢程度の仲間と関わりあうことことによる相互作用が重要であることが、OECDからも指摘されている」これは相互的な作用による教育ということが、OECDが保育の質の一つとして示した中に書かれているわけですけれども、そういう指摘もあると。保育所や幼稚園に入園していない3歳以上児については、入園を推奨することも必要であると考えております。
一方で、松田さんもおっしゃいましたように、逆に、個別保育が3歳以上になっても必要なお子さんという方がいらっしゃると思うのですね。もともとの居宅訪問型保育事業の目的である障害児のお子さんもそうですね。発達障害のお子さんもそうだと思うのですけれども、中にはそういう方もいらっしゃると思うのですけれども、一律には言えませんが、ケース・バイ・ケースですが、そういう特別なニーズをお持ちのお子さんについてマン・ツー・マンの保育のほうが望ましいよとなった場合には、ぜひとも、認可外の居宅訪問型保育事業を活用して、そういう方が保育を利用できるようにしていただくことも、また、大切なのではないかな思っております。
以上です。ありがとうございました。
 
○松原委員長 冒頭申し上げましたように、きょうは、ここの部分については結論を導きませんので、いろいろなお考えを伺うほうがいいと思いますので、どうぞ御自由に。
吉田委員、お願いします。
 
○吉田委員 2点あります。
1点目が、議論も出ていたところですけれども、兄弟がいる場合の対応についてしっかり考えないといけないのかなとは思っております。研修受講の基準のところで言えば、配置基準は原則1:1となっておりますので、この基準があくまでも原則で、例外をどう立てるかというところだとは思うのですけれども、もちろんこれから日本の社会も少子化をどう克服していくかという状況の中で、兄弟がいるというところも当たり前になっていく。それが望まれるところだとは思うのですけれども、そうなってくるとベビーシッターの扱いをどうしていくのか。もちろんその質も担保しながらですけれども、ベビーシッターさんの預かってもらう環境を整備するのかというところもしっかり考えないといけないのかなというふうに。1:1だから、2人のベビーシッターが来るのかとかですね。それも余り現実的ではないと思いつつも、僕もどうすればというのが結論に至ってないのですけれども、しっかり考えていかないといけないのかなとは思っております。
あと、もう一点が、4に近いのかもしれないのですけれども、自治体間の連携をどう深めていくか、情報を共有化していくかというところもしっかり議論をしていかないと、今まで支援員の研修のところでも議論が出たところですけれども、結局、例えば埼玉県に住んでいる人は東京都の研修が受けられないというのは、それはそれでしようがないと思うのですけれども、情報はそういった意味ではきちんと共有化していく。ベビーシッターの情報についても、今回、研修を受けた中で横の情報がしっかり伝わるような仕組みにしていかないといけないのかなと。そこを都道府県の間もしくは市町村がそういうふうにして情報を共有し合うかというところもきちんと整理しなければいけないところだとは思っておりますので、そこら辺も議論できたらと思います。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
1番目については、今まで出た議論で、なかなか難しいところであるかとは思います。
ほかはいかがでしょう。
長崎委員、お願いします。
 
○長崎委員 長崎です。
また、研修のところにちょっと戻ってしまうようなところがあるのですけれども、皆さんの御意見を伺っていて、確かに自治体が研修の実施主体になることになると、失礼ですけれども、自治体の格差が非常に出てくると思います。。というのは、協会にもいろいろな自治体から研修に関する相談があります。居宅訪問型保育の基礎研修をやりたいから見積をくださいと。しかし、対象者が少人数であると、そこにそれ相応の予算がかけられるのかという問題。いろいろなところから話を聞くと、小さい自治体が合同でやれればいいな、それから、都道府県単位でやっていただけるといいなというような声を聞いております。ですから、その辺を弾力的に実施できたらいいのかなと思っております。
それから、先ほど松田先生がおっしゃったeラーニングの件ですけれども、実は、私どもの協会でも、地方では、人を集合させて、先生をそこに配置してという研修がなかなかしづらくなっております。では、全国津々浦々までするにはどうしたらいいかというのも日々検討をしておりまして、東京で行っている研修会を生でライブ配信をしたらどうだろうということを今検討しております。というのは、eラーニングだけではなく、ベビーシッターは一人で仕事をしている特徴がございますから、集合体で、ほかのシッターとディスカッションをしたり、そこでワークしたりというのは非常に大事だと協会は考えておりますので、機械に向かってだけのお勉強ではなく、どこかで、ほかのシッターさんや保育士さんたちと触れ合いながら学ぶ機会も必要だと思っています。その1つとしてライブ配信であれば、臨場感もありますし、そこに集まった何人かでディスカッション・ワークもできるかとは思っております。まだ試行段階ですので、きちんとしたことはお話しできないのですけれども、いろいろな研修の組み合わせで学ぶ機会があるといいと思います。一部はeラーニングで、一部は救急救命とか安全面については、もしかすると、自社研修でやっていらっしゃる一番多い科目というか、安全配慮について学ぶことは多いと思いますので、そういったふうに、科目的な単元で認めていただけるようなことができれば、皆さんもいろいろな研修の受講機会が生まれるのではないかなと思っております。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
秋庭さん、お願いします。
 
○秋庭委員 自治体ですので、実際にどう運用していくかという立場から考えてしまうのですけれども、千葉市の場合は、東京都さんのように、保育所に入れないので、保育所に入るかわりにこういったサービスを使うというような人はそれほど多くはないのかなと予想はしていますが、この中身を具体的に自治体として責任を持って運用していくためには、数が大量に出てくると現実問題として対応できないと思います。
例えば、子どもさんを一時的に預かります、自治体には求職中で申請さえすれば無料ですよなどとスポット的なベビーシッターの利用を事業者が無償化の対象となる世帯に呼びかけ、そのような使い方が広がってしまった場合などは、これは相当厳しいかなとは思います。なので、ある程度使い方で縛るとか考えていただかないと、何でもかんでもいいよということになってくると、いろいろな使い方ができてしまうのかなとは思います。
あと、もう一点は、無償化にあたっては届出のほか、監査や確認等の事務が必要になってくると思うのですが、その辺の自治体の事前の準備もあわせると、この事務手続はかなり大変なものになってくるのかなと思っております。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。
事務局のほうで、委員から幾つか質問等も出ていたので、この時点で何かコメントはありますか。
 
○森田少子化総合対策室長 ありがとうございます。
すみません、今日は全てにお答えはいたしませんけれども、参考資料1をごらんいただきたいと思います。この資料は、この委員会での意見を踏まえまして、資料を少しずつ追加しておりまして、追加した資料がきょうの御意見に関連するものがありましたので、御紹介させていただきたいと思います。
11ページ、12ページです。11ページは、以前からつけております、まさに5年前でしょうか、この専門委員会で御議論いただいた結果としてのマッチングサイトのガイドラインの件でして、適合状況調査サイトを運営させていただいておりまして、今現在、こういう形で16のマッチングサイトを挙げております。
次の12ページに、まさに御議論をいただいて前回の報告書にも書かれたガイドラインの概要をつけております。委員の皆様はほとんど替わられておりませんので、御承知のとおりですけれども、先ほどのお話からいくと、個人のベビーシッターは、今は多くはこのマッチングサイトを使って募集するという形になっていると思います。まず、マッチングサイト運営者が遵守すべき事項の中に、先ほど、苦情窓口が個人の場合は難しいというお話がありましたけれども、マッチングサイトとして相談窓口を設置してくださいということをガイドラインで書かれているというのが1つです。
それから、マッチングサイトを利用する個人のベビーシッターに関しては、下にあるようなことを利用規約で定めることになっていまして。これはかなりさまざまなことを整理いただいているとは思います。保険の加入の話もございますし、研修の受講状況を保護者に示すこととか、もちろん、これは全て個人個人で完全に守られているかどうかということはありますけれども、前回の5年前ぐらいの御議論でこういう形で示しているというのが1つです。
それから、普光院さんからシステムのお話がありまして、22ページに、これはもともと我々と内閣府で相談して今年度やる予定にしておったものですけれども、資料として入れておりませんでしたので、追加させてもらいました。今、内閣府と相談しながら、認可のシステムもございますので、それも活用させていただく形で、認可外の情報を共有できるようなものを今年度構築していきたいと思っております。22ページです。
この中で、認可外の情報として、まず、都道府県によっては、監査して、この施設は基準に適合しているといった情報を今も公表されていますけれども、それを確認をする際に、自分の県内であれば、その県のホームページで確認できると思いますけれども、県を越えてというか県境で隣の県のということもあり得ますので、それを、例えば東京都さんのホームページを見てみたり、千葉県のホームページを見てみたりというのは大変ということもありますので、一元的に確認できるという形で整理をしていこうと思っています。
これをうまく活用すれば、保護者の方もこの情報の確認が可能になります。情報の項目は精査が要るかと思っていますが、都道府県の方々と検討をさせていただいておりまして、市町村と都道府県の間は当然全ての情報を共有できるようにすることになると思いますが、保護者に対しても必要な情報は閲覧できるようにしていきたいと思っておりまして。
ただ、きょうの御議論の中では、個人のベビーシッターの話が出ています。これはもう少し整理が要ると思っていまして。個人のベビーシッターの方には番号でという御意見もありましたけれども、どういう形でどういう情報を出せるか。これも地方自治体とも御相談しながら整理していきたいと思っております。
以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございます。
少し補足説明をしていただきまして、いかがですか。追加の御意見はおありになるでしょうか。
どうぞ。
 
○竹林保育課長 保育課長でございます。
直接認可外施設のほうの担当ではないのですけれども、認可のほうの担当ですが、先ほど、何人かの先生方から、3歳以上児で、原則は幼稚園、保育所、集団保育と。ただ、どうしても配慮が必要なお子さんで、逆に、あえて、集団的保育ではなくて、このような居宅訪問型のサービスを利用しなければいけない方もいらっしゃるのではないかというお話がありました。
まさに、そういう観点から新制度では、御存知の方も多いと思いますけれども、認可の事業の1つとして居宅訪問型保育という事業類型をつくっています。現状では、まだ、余り普及しておらず、わずかな自治体しかやっておりませんけれども、いろいろお話をお聞きして、先ほどのようなケースが、この場は認可外の居宅訪問型の今は議論をしているわけですけれども、むしろ、先ほどお話が出たようなケースは、認可外の居宅訪問型というよりは、認可の居宅訪問型を普及させて、そこで対応をしていくという話なのかなと。2つありますけれども、1つは保育の質という意味です。そういう意味で言えば、あらゆるサービスがそもそも認可中心になっていくべきではありますけれども、とりわけ、障害をお持ちだとか、病気をお持ちだとかということで、集団保育になじまない方であれば、認可の居宅訪問型であれば、原則、保育士とかの資格を持って、さらに、そこから追加の講習も必要ですし、そうではない方は家庭的保育相当のかなり長時間の研修を受けた上での事業ですから、そこの質の担保という点もありますし。
あと、経済的な負担という意味でも、ここに普光院委員の資料でまとめていただいているように、本当に、ベビーシッタータイプのもので、120時間とかを利用しようとすると、相当の金額がかかってしまって、恐らく37,000円の上限では全然賄い切れない金額の利用料になってしまうのかなと。認可であれば、その時点でどれだけ利用しても無償化ということでございますので、その2つの意味で、先ほど委員の皆さんがおっしゃったような話は、どちらかというと認可の居宅訪問型をしっかり普及させて、そこで対応していく話なのかなと感じました。
あと、eラーニングの話が少し何人かの委員の方がおっしゃっていましたけれども、eラーニングのことも、認可施設の研修についても同様のようなお話があって、これからキャリアアップ研修を普及させていただきたいと思っています。離島でありますとか、あるいは、都市部であっても、施設のほうが忙しくてなかなか研修に出してもらえないという話に対応して、eラーニングが効果的なのではないかと。一方で、eラーニングですと、双方向的なところの弱点があったり、あるいは、集団的な演習とかの対応が難しいのではないかとか、あるいは、なりすましで早回しをしたり、他人が受講したりするという問題もあるのではないかという話もありまして、昨年度、調査研究事業を立ち上げて、そのようなeラーニングを実施する場合の留意点とか、不正を防止するためのいろいろな手段について一応整理をして、つい最近、全国の自治体の方にこの成果をお出ししたところです。そこは、直接のターゲットは、認可の施設のキャリアアップ研修ですけれども、どちらかというと、保育の内容というよりは、eラーニングの手法を採用するに当たっての留意事項をまとめたものですので、その他の研修についても参考にしていただけるのかなと思いました。
以上でございます。
 
○松原委員長 ありがとうございます。非常に参考になる御提供だったと思います。
普光院さん、どうぞ。
 
○普光院委員 これは利用者の立場からの不安ですけれども、全ての科目がeラーニングで済むというのは非常に不安だなというのがありまして。その人物というのは見ていただきたいというか、人物試験はないわけですけれども、リアルな人物をどこでも見られないまま何か一種の許諾がされてしまうのは一つちょっと不安があります。これは個人の保育なので、まさに、マッチングサイトの事件はそういうところで起こったわけですよね。インターネットの中のマッチングの中で、名前も変えて出てきた人を信じてしまったという事件でしたので、何かちょっと全部インターネット上で済んでしまうということには大変不安を感じます。
 
○松原委員長 一つの御意見ですので。
 
○森田少子化総合対策室長 きょう御議論いただきましたのは、資料2の基準のところで、これは最低条件として、少なくとも「1日以上の演習」としていまして、ここは必ず集まっていただくというイメージになっています。
 
○松原委員長 ほかになければ、ぼつぼつ閉じたいと思いますが、よろしいですか。
それでは、きょうはここまでにしたいと思います。
最後に、次回の日程について事務局から説明をお願いいたします。
 
○森田少子化総合対策室長 ありがとうございます。
きょうの必須の宿題としまして、資料2の研修受講の基準のところにつきまして、きょうの御議論を踏まえた必要な修正などを行います。それを踏まえまして、連休明け早々で大変恐縮ですけれども、5月8日(水)の夕方、次回の委員会を開催させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
 
○松原委員長 それでは、お忙しい中を御出席いただきまして、ありがとうございました。

 

 

(了)

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