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児童部会子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会(第6回)

子ども家庭局総務課少子化総合対策室

○日時

平成31年4月11日(木)14:00~16:00

 

○場所

中央合同庁舎第5号館18階専用第22会議室

○出席者

委員

松原委員長 秋庭委員 尾木委員
多田委員 長崎委員 普光院委員
水嶋委員 吉田委員  

ヒアリング事業者

スマートシッター株式会社
株式会社小学館集英社プロダクション
サンフラワー・A株式会社

オブザーバー

内閣府子ども・子育て本部
独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第1課
 

事務局

本多内閣官房審議官 竹林保育課長
森田少子化総合対策室長 齊藤少子化総合対策室運営指導専門官

○議題

(1)前回の主なご意見
(2)ヒアリング
(3)意見交換

○議事

○齋藤少子化総合対策室専門官 定刻となりましたので、ただいまから「第6回子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。傍聴される皆様におかれましては、事前にお知らせしています傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
それでは、この後の議事進行は松原委員長にお願いいたします。
 
○松原委員長 皆様、お忙しい中御参加いただきましてありがとうございます。始める前に、委員の交代があるようですので、本日の出欠状況と併せて事務局からお願いいたします。
 
○齋藤少子化総合対策室専門官 3月に御就任いただいた千葉市の松永委員が、年度替わりの4月の人事異動で異動になられたということで、千葉市こども未来局こども未来部幼保運営課長の秋庭慎輔様に新たに委員に加わっていただくことになりました。
 
○秋庭委員 秋庭でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○齋藤少子化総合対策室専門官 それから、中京大学の松田委員については、本日は所用により御欠席との御連絡をいただいております。
 
○松原委員長 では、皆様のお手元に配布しております資料について、事務局から確認をお願いします。
 
○齋藤少子化総合対策室専門官 お手元の資料の確認ですが、次第と座席表、それ以外に、各委員の皆様から前回頂いた主な意見をまとめたものが資料1、それから資料2-1、2-2、2-3、2-4として、今日ヒアリングいただく各事業者様の説明資料をお付けしています。資料3として、普光院委員からの提出資料を付けています。それに加えて、参考資料1として、これは前回も付けている部分がありますが、基礎的な資料ということで毎回付ける予定ですが、「認可外の居宅訪問型保育事業者の基準等の状況等」、参考資料2として「豊島区の居宅訪問型保育事業の概要」をお配りしています。漏れ等があれば御連絡いただければと思います。以上です。
 
○松原委員長 よろしいでしょうか。それでは、早速議事に入りたいと思います。今日は、ベビーシッター関連事業者からのヒアリングを行いますが、その前に、議題1で、前回の委員会での各委員からの主な御意見について、事務局でまとめていただきましたので、事務局より説明をお願いします。
 
○森田少子化総合対策室長 少子化総合対策室長です。よろしくお願いします。それでは、資料1を御覧ください。前回、3月の専門委員会で様々な御意見を頂き、少し項目を整理するような形で1枚にまとめましたので、かいつまんで御説明します。
まず、「総論」ということで、基本的には質を高めていくということで、委員の皆様の意見は御一致していたのかなと思います。1つ目の○で、次世代の健やかな育ちを支えるために、量ではなく質こそが重要という御意見や、長時間、毎日のように利用する場合については、余り入れ替わるということはよくないのではないか、東京都のようなチームでということも工夫が要るのではないかという御意見、これに対しては、チーム保育というのは実施できる事業者が限られるのではないかという御質問もあったかと思います。
それから、5つ目の○ですが、認可の居宅訪問型保育は原則3歳未満ということですが、認可外の場合、非常に年齢も様々で3歳以上の利用もあるし、小学校に通う児童の利用もあり、このようなことも考慮する必要があるということ、あるいは兄弟利用についても整理が要るのではないかという御意見もありました。
最後の○ですが、1日10時間、あるいは毎日利用するということについては、通常のベビーシッターの預かりとは違うことに注意が要るのではないかという御意見を頂いています。
「研修」については、非常にポイントになるのではないかという御意見が多かったと思います。これも東京都の例が参考になるのではないかということで、ほかの研修での代替の部分も整理されていて、参考になるのではないかという御意見。研修については、個人を中心にどのように呼びかけて促していくのか、あるいは、都市部では研修の機会の提供もあるが、地方で研修の機会をどのように提供し確保していくのか、受けたい人が確実に受けられるように機会を提供することが重要、受けやすくする工夫が要るのではないかといった御意見を頂いています。
「情報開示」については、これは質問と回答のやり取りのような形になっていますが、開示してもいいということであれば、個人のベビーシッターも含めて情報開示できるのではないかということに対し、無償化の条件として開示ということはあるかもしれないが、一律に全員に情報開示はなかなか難しいと思うということ、もし同意する方だけ開示というのであれば、考え方の整理がいるのではないかという御意見もあったと思います。
「監査」については、今の基準自体が施設型の基準を少し変更しているようなところで、指導する上で難しい面があるといった御意見もありましたし、やはり利用者の自宅に行くというのはなかなか難しいという御意見、あるいは一方で巡回支援指導を行っているような例もあるという中で、都道府県が市町村と連携して取り組むことはできるのかどうかということ。法人の場合、特定のベビーシッターの実態だけを見て、法人の適否を判断するのは適当ではないのではないかというお話もありました。個人利用では難しいが、公的な事業であれば、利用条件とするような形で利用者の自宅に訪問することもあり得るのではないかといったご意見もありました。
1回目でしたが、非常に多様な御意見を頂けたかと思います。今後も、我々のほうでも整理をしていければと思っています。
関連して、前回、宿題になっていた事項について補足で御説明します。参考資料1をお願いします。1ページ目です。数字の資料が前回は漏れていて、大変失礼しました。これは平成28年度の認可外保育施設の現況とりまとめということで、具体的には平成28年度末、平成29年3月末時点で、2年前ぐらいの数字になっています。ベビーシッターはこの時点で903か所です。前回も委員の方から、事業者と個人で分けた数字はないのかという御質問もありました。903の内訳としては、事業者が256者、個人は647人となっています。今、次の平成29年度の数字、平成30年3月末の数字を地方自治体から提出していただいたものを精査中ですが、ベビーシッターについては個人を中心にかなり届出が増えていて、恐らく2,000ぐらいの数字が次の年度の数字になるかと思います。これが1点です。
7ページ目ですが、これも新たに追加しました。6ページではベビーシッターと認可外の家庭的保育と、いわゆる1日6人以上の乳幼児を保育する施設という分類で、資格や研修、あるいは監査がどういう形で指導監督基準に書かれているかということを整理していましたが、7ページを御覧いただくと、いわゆる保育内容あるいは健康管理や安全確保、利用者への情報提供、備える帳簿、このようなものについては、まずベースとして施設あるいは家庭的保育のところで一連の基準があります。これについて、基本的にはベビーシッターも基準としては適用されていて、ベビーシッターの事業の性質上どうしても難しい、例えば保育内容の所でいうと、必要な遊具や保育用品の備え付け、保育室の見学、このようなことは利用者宅で行うわけにはいかないので、このような項目だけは一部適用しないとしていますが、例えば保育所保育指針を踏まえた適切な保育の実施をはじめ、必要な保育の中身については、認可外の施設と同様の基準は適用されているということになります。この点については、前回の御議論の中で、むしろ監査でどこまできちんと確認できるかということがあると思いますが、基準上は余り大きな違いはないということになっています。
最後ですが、参考資料2を御覧ください。これは、前回、普光院委員から口頭で御紹介いただきました。それを踏まえて、我々のほうで豊島区とも相談させていただき、1枚資料を追加させていただいています。豊島区のいわゆる巡回支援指導の例ということで御発言いただきましたが、豊島区の事業については、基本的には、認可の居宅訪問型保育事業について、待機児童対策として取り組まれている中で、巡回支援指導も実施されているとお聞きしています。
対象者は、やはり待機児童対策ということもあり、認可保育施設の申込みをして入園内定が出なかった方ということで、基本的には3歳未満のお子さんの家庭ということが対象のようです。基本事項の所ですが、いわゆるベビーシッターで数時間利用というようなイメージではなく、通常の保育時間を想定されているということで、保護者の方が出掛けて帰られるまで、それなりの時間を保育することを念頭においているようです。
認可なので、保育従事者についても認可の居宅訪問型保育と同じ内容の従事者となっていて、保育士であっても一定の研修を受けた方、あるいは保育士と同等以上の知識・経験を有すると区長が認めた方を保育従事者としているということでした。その上で、巡回支援については、公立保育所の園長経験者が、居宅や近くの公園を散歩しているときということだと思いますが、巡回を行われているということで御紹介させていただきます。以上です。
 
○松原委員長 ありがとうございました。2つの内容が含まれていますが、1つは前回の御意見で、このような趣旨で言ったのではないけれども、このような表現をされている、あるいは補足をしておきたいなどということがありますか。よろしいですか。
それでは、参考資料の1と2で説明していただいたことで、何か御質問がある方はいらっしゃいますか。これもよろしいですか。後で、総括の議論をする時間を取りますので。
それでは、ヒアリングのほうに入っていきたいと思います。まず、スマートシッター株式会社より御説明をお願いします。
 
○スマートシッター株式会社 スマートシッター株式会社の丸山と申します。よろしくお願いします。資料2-1を使って御説明いたします。2ページです。スマートシッターというサービスは、もともと2014年7月にインターネットのゲームなどを運営されているグリー株式会社でスタートして、およそ4年半たったサービスです。こちらを2017年2月に株式会社ポピンズのほうで買収しておりまして、現在はポピンズグループで運営しております。いわゆるインターネット上のマッチングサービスと言われるサービスでしたが、ポピンズグループの経営に変わってから、その業態を一部変更して現在に至る形です。ポピンズでもベビーシッター事業を運営しておりますが、グループ会社の中で2つベビーシッターサービスを運営するというところで、すみ分けとしてはより気軽に短時間でも御利用いただけるサービスを強めて、主にスマートフォンからインターネットで自由に予約ができるというところで、より気軽に御利用いただけるサービスということで運営しております。3ページに、会社の状況をお知らせしておりますが、ポピンズホールディングスの下の100%子会社という形で現在運営しております。
5ページです。ポピンズグループに入りましてから、2018年5月に会社がお客様、保護者様とシッターの双方とそれぞれ契約を結ぶという形のマッチングサービスへと変更を行っております。その意図は後ほど御説明いたします。こちらにあるように厳しい審査、研修・実習制度、サポートをより手厚く、保険もより手厚いものに入るというところを、グリー株式会社時代からもそれぞれやっていたところですが、一層強めて運営をしている状況です。
6ページです。サービスとしてはPCからも御利用可能ですが、ほとんどの方はスマートフォンから御利用いただくサービスとなっております。入会金や年会費が無料、登録は数分で完了して、お客様の御登録情報が正しいかどうか確認を会社側でするのですが、最速数時間でそれを行い、即日で御利用可能のサービスという形で提供しております。御利用者様はシッターを検索して写真を見たり、動画を見たり、プロフィールを見たり、あるいは他の方が御利用になった際のレビューコメントを見ることができて、そういった中から御自身やお子様との相性が良いシッターを選ぶというものになっております。また、そのシッターが対応できるカレンダーもスマートフォン上で見ることができますので、そこから直接日時を予約する使い方をしております。このスマートシッターのシステムの中にラインのようなメッセージ機能もありまして、そこで保育内容の詳細のやり取りを事前にメッセージでするという機能もあります。登録しているシッターは現状9割近くが資格者となっており、一番多いのは保育士ですが、助産師や看護師も在籍しております。
7ページです。助産師が在籍しておりますので、0歳0か月からのお預かりもやっておりまして、0歳児のお子様は、日中の長時間の御利用を多く承っております。保育園や幼稚園に通ってからのお子様ということでは、現状登録しているシッターが保育士や幼稚園教諭の副業の者も多くいますので、夕刻以降の送迎や病児保育、土日の御利用を中心に提供しております。最近は小学生以上のお子様の御利用もだんだん増えてきて、そういったところでも同じような御利用シーンが増えている状況です。
12ページを御覧ください。先ほど申し上げた企業サポート型のマッチングサービスということで、2018年5月から業態の変更を行いました。従来はマッチングサービスということで、いわゆるシステムの運営会社が会社側で、CtoC、インターネットのサービスで言いますと、例えばメルカリなどのCtoCのサービスのベビーシッター版が会社の立付けでしたが、その変更として、昨年5月からはベビーシッター事業者になったという変更があります。それによって何が違うか整理しました。1つは、マッチングサービスというのは他社の例でいきますと全員基本は登録しますという所もありますが、それに対してスマートシッターというのは、もともと採用選考を非常に厳しくやっていたのですが、それに加えての研修・実習制度をより手厚くしていくという方向性に合わせて、企業サポート型を選んだ背景があります。
次のポイントが業態の変更というところで非常に重要かと感じております。もともとCtoCサービスの時代は、何かがあったときのトラブルの対応というのは保護者様とシッターが直接やっていただくということを利用規約上に定めております。そういったインターネットのサービスが多いのですが、そこを明確に会社側が責任を持ち、会社側が対応するという変更を行いました。こちらについては、グリー株式会社の運営のときから、運営の方針としては比較的トラブル対応を会社側がするという運用を行っていたのですが、それを明確化して、より一層会社に寄せたという背景があります。
最後に保険面の所で、CtoC時代というのは、お客様側に何かあったときというところで賠償責任保険に加入していたのですが、シッターのほうに契約が存在しないということで、シッターに何かがあったときのための保険加入はないという状況でした。それに対して、シッターとも契約を結ぶことで、業務災害補償保険に加入したという背景があります。
次に研修の状況について御説明します。スマートシッターの登録シッターは、全員登録時当日の研修に加えて、eラーニングまでは全員必須です。13ページの上側の●が付いている所です。これは全員必須です。登録時の研修は約1時間、eラーニングのほうは集中して受けると数時間で終わるような内容になっております。こちらはグループ会社のポピンズのものと同じコンテンツを全て受けていただくということで、コンテンツ数は非常に多いものになっております。これに加えて、登録時の本人のスキル、経験に応じての研修を設計しております。まず、資格及び現場での経験のいずれかがない方は必ず保育園の研修と実習を受けていただくことをステップとして入れております。また、資格・経験があっても、少しこの方はどうかなという方については必ず保育園研修に行っていただくことになっております。研修と言っているのは1日の流れを見極めとして拝見するということで1日です。実習も勤務としてしばらく保育園で勤務するということをやっております。
社外の研修として、ポピンズグループの外部にも提供を始めた研修や、ACSA様の研修、最近では東京都の事業者をやっておりますので、その研修の受講を推奨するような仕組みで運用して、受講者をそれぞれ増やそうとしております。
次のページです。以上が登録時の研修ですが、登録後にスキルアップ研修、主には対応する年齢を拡大したいときも同じような研修を受けていただく仕組みを入れております。主に保育園の実習を1歳児クラスに入る、0歳児クラスに入るということもやるのですが、先輩シッターと同行で家庭での振る舞いを見る研修も入れております。更新時研修というのは、毎年必ずeラーニングで基礎的なコンテンツについては繰り返していくという仕組みを入れております。
15ページを御覧ください。サポート体制や緊急時の対応状況について御説明します。日々のサポート体制は、本当にいろいろなことがあるのですが、主にはシステムの使い方が分からないや、シッターと保護者との間のコミュニケーションに食い違いがあったところを、どんどん会社側に寄せて対応するということを、企業サポート型への変更を行ってから徹底しております。保護者からのクレームやシッターの遅刻や当日キャンセル、この辺はあってはならないことなので、それを未然に防ぐサポートを行っております。これもよくあることですが、当日、予定していた時間を変更したいとか、依頼時間を過ぎても保護者が帰ってこないとか、細々としたことに対応する体制を用意しております。万が一の場合、緊急時の対応については、開始以来大きなけが、事故はこれまで0件ですが、何かあったときには、グループ会社のポピンズの看護師、顧問医、顧問弁護士などに相談するという対応を取っております。
16ページです。こちらは先日お伺いしたときに、どういった規準かということで御意見があればということで、箇条書で書かせていただいております。スマートシッターを4年半運営してきた中で、現在、結果的には資格者が多い状況ですが、採用登録の際にお会いして常々感じているのは、保育士資格が必須というよりも、やはり人として、プロとして振る舞えるかというところが、ベビーシッターとして御活躍いただくためには大事かと考えております。そういった素養がある方、やる気がある方にはしっかり研修・実習を充実させるという方向で考えていますので、是非、そういった方向になっていただけたらという思いで書かせていただきました。
2つ目の採用選考や研修・実習制度の充実についても同じことになります。3つ目は、もともとマッチングサービスから始まったのですが、万が一、何かがあった場合の対応だけではなくて、日々のサポートが非常に大切かと思いますので、そういった会社の体制があるところを考慮いただけたらと思います。あとはシッターのための保険加入については、いわゆるマッチングサービスではないのですが重要だということを書かせていただきました。簡単ですが以上です。ありがとうございました。
 
○松原委員長 質問の時間も取れますので、どなたからでも結構です。
 
○吉田委員 御説明ありがとうございました。いろいろお伺いしたいのですが、1つ目は料金設定はどういうふうに設定しているのか。今、スマホの画面を見ましたら、2,000円の人と1,500円の人がいるようですが、例えば下限と上限はどれぐらいで幅があるのか、もし決まっていたら教えていただきたいと思います。
あとシッターさんは登録制なので業務委託だろうと思いますが、働き手としての安定性という意味では、その先にある雇用的なところは難しいのかどうか、実際やっている中で、そういうことが実感としてもし分かれば教えていただきたいと思います。実際に今までマッチングアプリだけのところから移行されたということですが、厳しく審査をする中で落とされた方も中にはいるのではないかと思いますが、その辺は実際どうだったのか分かる範囲で教えていただきたいと思います。
 
○スマートシッター株式会社 1つ目の御質問の料金については、2,000円からということを会社として定めております。その後、シッターのスキル、経験によって個々に異なる料金設定としております。シッターの希望金額を聞いた上で、それをそのままOKにするのではなく、例えば事前告知制や、一度決めたことを1週間ごとに変えられても困るのでルールを設けた上で、かつ、他シッターとの比較感の上での相場と言いますか、市場はこれぐらいというガイドもした上で決めるという形を取っております。現状、分布としては3,000円ぐらいまでとなっておりまして、全く将来の理想でいきますと、本当に特別なスキル、経験がある方についてはもっと高い金額になってもよいかなとは考えているシステムですが、現状では2,000~3,000円ぐらいの間です。
2つ目の御質問については、現状、業務委託でやっておりまして、思いとしては副業、兼業の方も幅広く受け入れることによって、短時間での需要にお応えできるところももちろんありますし、保護者の需要とシッターの働き方の両方を理想に近付けていく設計の下に、今、業務委託は積極的に拡大していきたいと考えております。雇用については、やはりシッター自身が安定して働きたいと望む方もいますし、弊社はもともと長時間の保育のケースが少なかったのですが、東京都の案件を始めたりとか、待機児童の御家庭ということも徐々に増えてきた傾向もありますので、将来、そこを整えていくということもあるかと思います。
3つ目の審査については、やはりお会いして難しい方はどうしてもいらっしゃる現状で、採用の時点で難しいですと答えを出すこともありますし、研修でステップを重ねていただくという道を用意することもあります。
 
○吉田委員 例えば移行する中で、登録はしていたのだけれども御遠慮されたという方もいらっしゃったということですか。
 
○スマートシッター株式会社 それでいきますと、もともと規準を満たさない方というのは、実は移行前からかなり厳しい規準でやっているのでいないのですが、1つ変化として、ほかのベビーシッターサービスとの併用登録を禁止にしました。
 
○松原委員長 吉田委員、よろしいですか。
 
○吉田委員 ありがとうございます。
 
○普光院委員 今日はどうもありがとうございます。今の話に関連して、雇用形態について、副業・兼業の希望もあるということですが、その中には例えばポピンズさんの保育施設の職員の方が仕事の後シッターも兼業することもあるのでしょうか。
 
○スマートシッター株式会社 そうですね。参考資料に記事を御紹介させていただいております。ポピンズの保育士のほうでスマートシッターに登録するというケースも出始めております。
 
○普光院委員 そうされる方の理由はどういうことですか。職員として働いておられると、結構、今保育士の負担が重いという話が出ていますが、仕事としてはかなり厳しいように私は印象を受けているのですが、それでも更に副業ができるということになるのですか。
 
○スマートシッター株式会社 おっしゃるとおり、まだまだ保育業界全体としてそこが難しいという状況ではあるかと思っております。一施設一施設で見ますと、結構実は余裕がある施設や、お子様の人数が当初予定していたよりも少なかったために、本当に稼働がない所もありますので、そういった所での兼業の意向があるとか、あとは子育てサポーターの方も一部働きたいということで、より柔軟な働き方を希望されるケースということになります。
 
○普光院委員 思ったよりも子どもが入園していないからという話がありましたが、しかし、兼業されるということは施設での勤務時間外で兼業されるわけですよね。
 
○スマートシッター株式会社 もちろんです。
 
○普光院委員 分かりました。
 
○尾木委員 研修のことをお尋ねします。14ページで、スキルアップ研修はどういった方がどのくらいの頻度で受けられるのか。あと更新時研修のほうは、全ての方が年1回とおっしゃったと思いますが、このときの中身は一緒なのか、毎年変えているのか、その辺を教えてください。
 
○スマートシッター株式会社 スキルアップ研修については、本人の希望ベースで、実は続けてみると、最初に設定した年齢のお子様からの需要が十分あって、そこでの仕事に比較的満足されてという方が大半でいらっしゃるので、広げたいというケースは、お子様が成長して、そこで自分自身もとか、第2子のお子様も見たいとか、結構個別な事情で件数は少なめにはなっております。更新時研修については、毎年違うコンテンツになります。
 
○松原委員長 ほかはいかがですか。
 
○水嶋委員 家庭的保育の水嶋と申します。よろしくお願いします。家庭的保育も少人数で、職員もある程度いるのですが、危機管理についてですが、災害が最近多いので、私たちもいろいろなパターンを考えて訓練をしております。ベビーシッターはシッターさんに任されるわけですが、そういう訓練はされているのか。どういうふうに対応されるのか。
採用されなかった方についてですが、相性の良いシッターさんや、リピーターが付いてくるシッターさんとか、いろいろなシッターさんがいると思いますが、シッターとして全く希望者がなかった人はどうなるのか、仕事になるのかと思いました。
トラブルにおいては、対応がシッターさんから会社になったということで、これは安心かなというイメージはあるのですが、実際はどうなのか。会社対応になって実際トラブルはどういうふうになっていくか。トラブルがあった報告というか、事後はどうなさっているのでしょうか。
 
○スマートシッター株式会社 1つ目の緊急対応については、大災害などを想定して、こういうふうにという研修も用意していますし、システムでの対応も行っています。何よりもお子様の命が最優先ですので、それに応じて行動してくださいという一通り想定したパターンの行動があります。例えばシステム上で通信状態が取れない場合に、保育の予定、スケジュール、場所が分かるようにとか、連絡手段をガイドしている形で用意しております。
2つ目については、これは選ばれる仕組みならではですが、どうしても選ばれない方というのは、御登録時点でそういう仕組みという御説明はしておりますが、仕事が入らないままというケースになります。会社としては、誰でも御紹介するようなシステムではなくて、採用選考もあって良いと思った方々を御紹介するという仕組みで運営していますので、できる限りその方の良いところを引き出して御紹介するシステムにしていますが、選ばれないケースもある状況です。
3つ目のトラブルについては、保険対応になった事例もありますので御紹介します。まず何かがあって問合せがあった場合、物損の事例になりますが、そこから保護者との連絡は全部会社側でやることになります。もちろん、何かがあった場合は終わるところまで継続して会社側で連絡を取っていく仕組みになっています。
 
○水嶋委員 シッターさんにもトラブルの理由があった場合は、その後は教育といいますか。
 
○スマートシッター株式会社 もちろんです。会社に呼び出してということもやっております。
 
○水嶋委員 ありがとうございます。
 
○松原委員長 ほかはよろしいですか。
 
○秋庭委員 千葉市の秋庭です。先ほど契約するシッターさんはある程度選考されるようなお話があったと思いますが、差し支えない範囲で教えていただきたいのですが、どういうところで善し悪しと言いますか、契約する・しないを決めていくものでしょうか。
 
○スマートシッター株式会社 採用面接というプロセスが入りますので、人として見ることも1つありますが、スキル・経験面を見るという要素もあります。その両方において、一次審査という形が対面での選考になりますが、どうかなという方については、全員、保育園での研修又は実際に先輩シッターに同行することも必ずステップとして挟んでおります。
 
○秋庭委員 基本的には保育園等での研修までは行くということですか。
 
○スマートシッター株式会社 そうです。研修に行く人が非常に多いです。
 
○松原委員長 私からも1つだけ質問します。今般話題になっている幼児保育の無償化が実現されていくとしたら、御社にはどのような影響が及ぶと思われますか。
 
○スマートシッター株式会社 やはり保護者様がもともとベビーシッターを使いたいというお声は昨今ずっと高まってきていますし、それがより料金として使いやすい価格になれば使いたいという方はたくさんいらっしゃるので、それに対して弊社はできる限りお応えしていくというスタンスではいるのですが、目的によって、長時間で使いたいということに対しては、先ほど御質問いただいたとおり、もともと短時間での御利用が非常に多いところから、長時間にもお応えできる体制を整えてきていますので、そこはしっかり会社として確立していきたいと考えております。
 
○松原委員長 現場の方として、そういうものを導入したときに、ここは留意すべきということがもし何かあれば教えていただきたいと思います。
 
○スマートシッター株式会社 無償化に合わせて必ずというよりは、通常の会社の運営時点で必要になったことを一層心掛けて、規模拡大に対応できるようにしていくというところのほうが強い要素かと思っております。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
 
○水嶋委員 前回の委員会で、東京都を参考にシッターの中でもチームの保育という意見が出ていましたが、そういうことはお考えになっていますか。
 
○スマートシッター株式会社 実際に東京都の案件のほうでは、そういったことをやっております。週5日全てフルで長時間というのは現実的ではないので、何人かのペアを作ってという運営でやっております。ただ、幼児教育無償化のほうが長時間前提なのかどうかというところはまだ私のほうで存じ上げないのですが、そうではなく、より多様な方の御利用があるというケースでいくと、チームというのは現実的ではないかと考えております。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
 
○多田委員 東京都の多田です。1点目の質問ですが、今回、監査がテーマとなっておりまして、その点での質問ですが、自社の内部でベビーシッターを、実際に保育している現場を見て評価する、ランク付けするとかの仕組みがあるのか、そういうのができるのかどうか。
もう1点、行政が保育している現場、つまり保護者の自宅に行って監査するということについてどういったお考えか。その2点お聞かせいただけますか。
 
○スマートシッター株式会社 1つ目については、保護者の方からのレビューが公開のレビューもありますが、非公開のレビューもあります。それは会社に対して伝えたいことを必ず書いていただく仕組みがあります。書いていただいたことは全てシッターにフィードバックする体制を今持っていますし、ある意味、シッターの評価にもそれを活用していることになるのかと思います。加えて、シッターからも、保護者のお宅ですとか、お子様の発育状況はこうだったということと、会社に伝えなければいけないことのレポートがあります。それをシッター間の共有として、これは伝えなければいけないことを伝える……として使うということも行っております。
監査については、必要な際にはシッターのどのお宅でも見に行っていただいても問題がないような体制ではあるので、それで弊社としては対応可能ですし、必要とあればと思っております。
 
○松原委員長 どうもありがとうございました。続いて、株式会社小学館集英社プロダクションより、御説明をお願いいたします。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション この度はお招きいただきまして、ありがとうございます。私どもの会社は、出版社の小学館の系列会社でございまして、本事業については、後ほど御説明させていただきますけれども、22年目になります。当社としては、小学館集英社のキャラクターを中心とした事業、いわゆるエンタテイメント事業とか教育事業をメインに行っている部門ですが、教育事業部門の中でこういった保育事業を開催いたしております。今はベビーシッター事業から発展させて、中心となっているのは保育園の運営を行っておりますけれども、この度は、その中のベビーシッター事業について御説明させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、担当の井川から説明させていただきます。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション井川様 本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。「ベビーシッターのHAS」という保育サービスの運営をしております。資料2-2です。ベビーシッターのHASは、1998年に開始しまして、今、22年になりますが、事業概要の部分は御覧いただきまして、随時、御質問も頂ければと思います。
まず、私どもの「ベビーシッターのHAS」という所は、「Human」「Assistant」「Service」という創業時に3つの大事な思いというところで、Humanは、人と人とのつながり、Assistantは命をお預かりする、成長の支援をするというところのAssistantと、究極のService業、お子様のお気持ちに寄り添うというところのService業というところで、Human Assistant ServiceでHASとなっております。シッターの愛称は、nurse+teacherからつくった「ナーチャー」と申しておりまして、なるべく説明ではシッターと申しますが、時々ナーチャーと言ってしまうかもしれませんので、御了承ください。
ベビーシッターのHASの従業員の状況、シッターについて御説明をさせていただきます。そこに書きましたとおり、169名ほどおりまして、中心は50代で、次いで60代と40代という形で、若い年代が少ない状態です。資格を持っている者と持っていない者が、99人と70人というところで、資格を持っている者が少しだけ多いという状況です。
契約としてはパートの雇用契約の形を取っておりまして、とは言え、週に何時間という契約をしているわけではなく、依頼があったときに、自分の予定と合ったところで私たちが仕事を依頼しますので、週何時間の、いわゆる日雇いというパートの雇用契約の形を取っております。また、同業他社への登録というのは禁止、重複登録を禁止しておりまして、保育士や幼稚園の先生でしていただくということはできるのですが、やはり皆さん忙しいので、ほとんどそういう方はいらっしゃらないのですが、別のお仕事をやるのは良しとしております。ベビーシッターの状況については、以上になります。
登録時研修については、神保町の本社に3日間来てもらいまして、約21時間、ここに書いてあるような項目を本部スタッフが1項目ずつ先生になりまして、5、6名で1回をやるのですが、受け答えを見て、小学館の看板を背負って仕事をしてもらうという中で、この人で大丈夫かを私たちも見させてもらっています。また、シッターのほうも、登録した後は1人で仕事をしますので、やはり電話の向こうの顔が見えてもらわないと電話も掛けてもらえないのも困りますので、私たちも見てもらって、そこで両者が最終の3日目に、もう一度面接をしまして、そこでお互いにOKということであれば登録という形になります。やはり赤ちゃんを抱っこしたいという気持ちで登録にいらっしゃる方も最初はいるのですが、3日間の研修の中で命を預かるという、ヒヤリとすることをたくさん申し上げているので、私は辞めますと言って、3日間の研修に出て辞められる方も年に何人かはいらっしゃいます。その中で、「やります」という方にお願いをしている状況でございます。
研修の部分で、先に社外研修のところをお話させていただきます。まず、ACSA、全国保育サービス協会の養成研修と現任研修のほうを受けていただいて、この2年間では13名ほど受けさせていただき、その後、資格を取っているものは35名、今活躍している者がおります。私たちの登録研修の後に、他社のベビーシッターさんと会話をしたり、本当に1対1の保育というところ、ベビーシッターに特化した研修というのはなかなか他ではないものですから、そちらに出させていただき、また、居宅訪問型保育という位置付けになった中で、やはり専門性も一層高まっている部分をしっかり学んできてもらいたいということで、まだ未取得の者には勧めていくというところをやっている状態です。あと、東京都福祉保健財団様の認可外保育施設職員テーマ別研修、こちらは年2回ありますが、こちらもシッターのほうに25科目提示されるので、出たい方を募りまして、私のほうでそれを申し込み、ただ、全部が申し込んでも受けられないので、大体、99件を申し込んで、66件のOKが出て、それにシッターが研修を受けるといったことをやっておりますが、こちらもとても受けたかった発達の気になる子の研修だったり、そういったことが受けられて有り難いと言っているシッターもおりますので、引き続き、受けたいと思っております。今回、始まっている東京都ベビーシッター利用支援事業の研修ですが、こちらも受けさせていただき、現在受講中の者も含め35名が受講させていただきました。こういったところが、私どもが受けている社外研修ということになります。
次に、自社の研修のお話をさせていただきます。弊社のほうでベビーシッターだけでなく、会社として安全というところに5、6年取り組んでおりまして、資料2-3で御説明させていただきたいと思います。
「ベビーシッターのHAS安全確保にむけての取組み」と書かせていただきました。まず仕組みの改定をベビーシッターのHASはいたしました。創業から20年、ほぼ何も仕組みを変えずにきていたところだったのですが、ようやくWebを活用した形、個人情報満載のサーバーを外には出せないということで、別のサーバーでWebを持って、お客様が見て、シッターも自分のスケジュールを見られるという、3者で狂いがないようなものをやっと作りまして、そういった大規模システム改革をしたのと、シッターの時給を改定するということをやりたかったので、料金の改定、基本のベビーシッター料金を1時間税抜きで1,800円だったのを2,100円にしました。
それから、「安全管理・危機対応マニュアル」というのが、もともと普通の保育のマニュアルの中の第5章だったのですが、それを1冊の本にしまして、今日、お持ちしたのですが、こういった形の冊子にいたしました。3ページです。もともとこれにしたきっかけは、2016年の内閣府令の「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」が出まして、私たちも認可外保育施設として、やはり大事な安全の部分、ピンクで囲んでありますが、昔は小さな事故を1個1個潰していけばよかったけれども、今はそうではなくて、もっと高い安全のレベルを私たちはちゃんと保持しなければいけないというところで、こういったものを専門家の先生、株式会社保育安全のかたちの遠藤登先生と共に監修していただき、これをシッターに渡すときも、なぜそれだけ安全が大事なのか、私たちがそこまで求められていることをよく説明していただいて、これを手渡したという経緯があります。
次に、「あんしん手帳」というのが出てきているのですが、これは、実は以前から、シッターがこの大きなマニュアルを持ってシッティングに行くわけにはいかないので、とても小さな手帳を持たせていました。このようなときはこうしてくださいということが書いてあったのですが、安全のマニュアルがより詳しく出来たことで全面改定して、薄い「あんしん手帳」を作りまして、この中に、災害のことだったり、誤嚥のときとか、いろいろな危ないいざというときにこのようにしましょうといったことを書いてあるものを作りまして、心のよりどころ、1人で仕事をするのは大変なことですので、その中でも本部がいるよという意味も含めて持ってもらって、昨年6月に配布しました。
5ページです。リスクマネジメント研修という全ナーチャーに参加してもらうものを、6月と1月の年2回やっておりまして、今年で6年目になります。遠藤先生にお越しいただきまして、テーマはそのときによって違うのですが、去年は6月に、数日前に関西の地震がありまして、ちょうどテーマを地震にしておりましたので、地震のケースを何個も何個もみんなでやって、先生が出題して、それにYes・Noで答える形を取ったりといったワークをして、シッターとしてもすごく身になったと言っておりました。1月は個人情報のテーマに絞りました。そういった研修をしているということです。
6ページです。6月のリスクマネジメント研修のときには、前年度の4月から3月までに本部のほうに入ってきたヒヤリハット、少し遅刻してしまったとか、何か忘れ物をしたとか、少し擦り傷をしてしまったとか、また本部もミスすることがありますので、そういったものを全てカウントするというか、そういうのを2015年からしているのですけれども、それを1年間集計しまして、シッターに開示をして、こういったことがあったので、今年度はないようにしましょうということを、毎年繰り返してフィードバックしています。
2018年1月のリスクマネジメント研修のときは、10年以上のシッターが結構多いのですけれども、1年間だけではなくて、今までの自分のシッティングをした中で、何がヒヤリとしたかということを思い返してもらいまして、付箋に1つヒヤリハットを書いてもらって、それをグループで話し合っていただき、項目ごとにグルーピングしてもらい発表するといった研修をしました。それが大変参考になるようなケースがいろいろありましたので、本部スタッフでそれを全部7ページにまとめています。お昼寝のとき、お食事のとき、頭を打ったとき、というように分けまして、こんなことが出ていますというのをまとめて、ナーチャー通信という広報誌を毎月作って1人ずつに送っていますが、その中で共有するということをしました。ふかし芋が危ないとか、大きな肉を塊で食べてしまうとか、おかゆも結構危ないとか、本当に日々の中でもいろいろな危険があるというところをみんなで共有したという貴重な機会だったと思います。こういったことをしたのが7ページです。
8ページ、その他の研修を書かせていただいております。1個ずつは説明いたしませんけれども、普通救命講習、AEDや心肺蘇生法といった部分は3年に1度全員が受けてくださいと。神田消防署に協力いただいているのですが、自身の近くの消防署でもいいので、必ず受けるということを皆に約束してもらっています。
アクティブナーチャー研修というのがありまして、これは去年からスタートしたのですが、やはり高齢者対策ということがあり、ACSAでも考えていらっしゃって、冊子もACSAから頂いたので、そちらを基に乳幼児の動きに合わせて機敏に動ける体づくり、シッターは健康第一だと思いますので、私たちもそういった運動のワークショップなどをいたしました。お茶の水女子大の運動生理学の水村先生という方にお越しいただきました。小さく写真が載っておりますが、ロコモティブシンドロームのことをして、みんなで研修しました。
こちらには書いていませんが、私どもの保育の施設と、ベビーシッターのほうもですけれども、保育の教育の顧問がお茶の水女子大学名誉教授の内田伸子先生で、発達心理学の先生でいらっしゃるので、私たちが子ども一人一人の発達に寄り添った心を込めたお世話という、保育所保育指針も0歳児がいかに遊びが大切かというところが、今出ておりますけれども、そういった部分も保育園のほうはかなり前から「楽習保育」という、楽しく習う保育と書きまして、そういった商標登録を取った保育理念を掲げているのですが、ベビーシッターのほうも昨年から、ようやく内田先生からも御指導いただくような形で、0歳児からのしっかりとしたお世話というところをやるようになってきております。このような自社の研修というところを御説明させていただきました。
続いて、9ページです。シッターには、普通にシッティングしていても実は危ないというのを何度もいろいろ話をしている中で、重大事故につながる危険のトップ3を見ないで言えるようになってというように言って、窒息とアレルギー反応と頭を打つ、これはとても危ないのだということを話しています。普通にご飯を食べていても、ちゃんと後ろに回って背中をたたけるように間を空けるとか、本当にちょっとしたことなのですが、いざというときに必要なことということで、先生からも御指導があったので、そういったことをみんなでやったりとか、あとは、SIDSの予防ということで、睡眠時の7項目のチェックをするのですが、そちらもあえて「おやすみチェック」というネーミングを付けまして、HASでは5分に1回、3歳までのお子さんの睡眠時のチェックをする。それも「あんしん手帳」の裏に7項目書いて、これできちんとやってくださいということを言って、みんなでやるようにしています。
4つ目に、「良好なコミュニケーション」とあるのですが、やはり日々のベビーシッティングの中ですと、1つのお客様に何人かのシッターがまいりますので、「あれっ」と思ったことは本部に言ってもらうことで、次の日に行くシッターに私たちから伝えられるので、いつもと違うというところに本当に敏感になっていてほしいということを常に言っております。ただ、本部とシッターがコミュニケーションが取れていないと、電話をしてもらえないと何も伝わらないということになるので、必ず本部の私たちもいろいろなところで顔を出したり、良好な信頼関係の中で報・連・相がちゃんと回るように心掛けておりまして、やはりサービスの質の要はそこだろうと思っているので、いつもそこを気を付けています。
最後、11ページになります。全社的な取り組みというのをやっております。私どもの保育の部署は総合保育事業部と申しますけれども、その中に「リスクマネジメント委員会」というのがあります。月に1度、保育園の担当者数名とベビーシッターのほうの担当者数名で、その1か月で起きたヒヤリハットやいろいろな問題を報告し合って、これは保育園だとこうだとか、そういったことの良い解決法をするというところをやったり、あとは事業部の裏方のスタッフが、現場よりもリスクの意識はちゃんと持っていたほうがいいので、リスクマネジメント委員会から事業部の全員へのいろいろな働き掛けをして、リスクの意識を高く持つようにしております。そして、 全社の中で「安全推進監査室」という部署がありまして、そちらが常にいろいろな、ドラえもん事業部など全部に関わりますけれども、そういったところの安全管理のことを考えている部署です。そして、毎年、数園の保育園にほぼ抜き打ちのように訪問して、危険がないかを確認しております。ベビーシッターのほうも去年2件、一昨年2件、御自宅にはお伺いはできないのですが、送迎サービス、主に小学生、保育園児ぐらいをシッターが送迎をするところを遠目から同行しまして、送迎のときもいろいろなお約束事は結構たくさんあるものですから、それをちゃんとやっているかというのをチェックしてもらうといった監査をして、フィードバックももらっています。そのような全社的な取組というのもやっております。本当に安全のことばかりやっているのですが、会社がおもちゃ箱のようにいろいろなことを、ドラえもん、ポケモンをやったり、私どもは保育園をやったりしているのですが、やはりベビーシッターは1人で行ってもらうという、一番ある意味リスクも大きいと、会社としても思う部分を、しっかりとやっているというところはお示ししながら、本当に大事なお子様の命を預かるということをやっていく中で、ここまでやっているということを御報告させていただきます。
情報開示の内容ということも説明してくださいと言われましたので、お伝えします。まず、ベビーシッターのHASでは、お客様と私どもの会社の2者間の業務請負契約というので成り立っておりますので、基本的にお手配については弊社が責任を持ってシッターを選定して派遣をしますので、その当日のシッティングで何か起きたことについては、全て会社が責任を負うという仕組みになっております。そういった意味でも、お客様からのシッターの要望としてはお伺いするのですけれども、最終的に決めさせていただき、お伝えするのは私たちのほうにお任せいただいております。ですので、シッターの顔写真や詳細プロフィールなどの個人情報は公開はしておりません。お客様のプライバシーを守るのと同様に、シッター自身のプライバシーを守るというのも私たちの役目としてやっておりますので、そこは御了承いただいております。
次に、事故発生状況、緊急事態の対応方法のところも説明をということで、そちらは最初のほうの資料に書かせていただいております。3ページ目ですが、万一のときには本部のスタッフが複数名おりますので、シッターが何かあったと言いましたら、1人が飛び、1人がお客様に電話をして、1人がその記録を取って会社に伝えるなど、そういった役割を持った中で、瞬時に動くということをいつも皆でやっているのですけれども、その事態が収拾した後は、事態報告書というのを保育者から書いてもらい、状況によっては会社に来てもらい、それを私たちとどういうことをどうすればよかったかというところの振り返りをします。お客様にも御報告をして、それをシッターの了解も得て、一般的な形にして、ナーチャー通信という共有のもので、こういうことを気を付けていきましょうということをみんなに伝えるようにしています。それをしてしまったシッターはとてもショックを受けるのですけれども、それをみんなで、次にないようにするのが私たちの成長の種だから、是非、載せさせてくださいという形で申しまして、シッターの了解を得ながら、そういうことを積み重ねてきているというのが今の現状です。
あと、病気の事故のときの発生のフローチャートとか、地震のとき、火災のときのフローチャートなども安全マニュアルを作ったときに、改めて作りましたので、そういったものも載せているということがあります。あと、災害時について、やはり保護者の方との協力、連携というのがとても大事だと思いますので、御入会時に私どもはインタビューという形でお客様のお宅に伺っているのですが、その際に災害時の御協力を改めてお願いしておりまして、非常用の袋も、こういうのを用意してくださいとか、緊急の連絡先のことでしたり、そういったところを御協力いただく形を取っております。
あとは都道府県、市町村との関係ということでお話を頂いたのですが、私どもは千代田区に認可外の保育施設設置届を提出しております。日頃はそれほど連絡を取ることはないのですが、認可外の保育ですので、本当に季節に応じたというか、11月でしたらSIDSの予防だったり、虐待防止にまつわるいろいろな注意喚起の御連絡を頂くので、そういった部分を私たちが今度はシッターのほうに工夫して伝えていくということをやっています。特に安全にまつわるガイドラインは、数年ごとに改訂されますので、そういったときに、本当に、では次はどうやってシッターに伝えていくかということをやっていきますので、引き続き、自治体からの連絡を頂くというのはとても貴重な機会だと思っているので、そういったところは今後もお願いしたいと思っております。監査の部分は、最近は受けていないのですが、記憶では、10年ほど前に、こども未来財団の監査を2度ほど受けたことがあったと記憶しております。あとは、新たな基準に関する意見というところなのですが、時間がきましたので、一応、ここまでで説明のほうを終了させていただきます。長々と失礼いたしました。
 
○松原委員長 ありがとうございました。それでは各委員から御質問を受けたいと思います。
 
○吉田委員 説明ありがとうございました。幾つか質問があるのですけれども、まず雇用面、パートで働くということだったので、パートで雇っている方々の平均収入というのが分かれば教えてください。あと、時給がどれぐらいで設定されているのかというところ。多分、長い方と短い方がいるかと思うのですけれども、長い方の労働時間がどれぐらいか分かれば教えてください。雇用面については、雇っているので、説明にもあったように健康状態に関する申告書や、年1回の健康診断提出というところが載っていたのですけれども、例えば健診については会社負担なのかどうかというところが分かれば教えてください。あともう2点、登録している方というのは、他のベビーシッターの所でもともとやっていた方が多いのか、未経験の方が多いのか、どちらが割合として多いのか分かれば教えてください。10年以上のシッターの方は経験値も長い方が多いかと思うのですけれども、年齢の上限があるのかどうかも、もし決まっていれば教えていただければと思います。以上です。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション ありがとうございます。まず、雇っている人の平均値を出していないのですけれども、長い人は長いのですが、少ない人も実はいるのです。お子さんが中高生になって、自分も働けるという中で、働ける時間に仕事があればするというところなので、毎日働きますという方が多いかというと余りそうでもなく、半月旅行に行きますとか、それでもその後にがっと仕事しますとか、結構自由度がある中で、でもしっかりとプロとしてやりますというような、かなり働きやすいのだと思うのです。そういった中で長く続けているという人が多いと思います。すみません、平均値が分からないです。時給については、資格がない人はスタートは1,000円で、ある人が1,100円なのですが、6か月過ぎて60時間以上働くと、プラス50円アップになります。あとは時間が日曜、祝日は2割増しであったりとか、そういった割増しがあるのですが、いかんせん昇給は1回しかないのです。なので、それでやってもらっているという状態です。
長い人の労働時間という部分は、これは皆さんそうだと思うのですけれども、本当は本来6時間で休憩を取らなくてはいけないのですけれども、8時間とか仕事をしている。でもそれは毎日ではないのですが、この日は頑張ってやりますという形で、次の日は2、3時間でしたりとか、そういった形で長くされるケースも現実としてあります。そこを本当にどうしたらいいのかというのは、多分皆さんはどうされているのだろうと、私も伺いたいところなのです。東京都の今回のものについては、2人交代というところでOKと言っていただいているので、そういった形を取らせていただいております。
健康診断ですが、私たちが「ここへ行ってください」というのはなくて、自分で行ってもらうのですけれども、会社負担は3,000円です。ただ、全く仕事をしていない人には補助はありません。絶対に受けてくださいとは言っているのですが、1回でも仕事をしている人は3,000円出します、交通費も出しますということで言っております。
あとは未経験の人が多いかどうかは、やはりほかの会社から来たというのが、余りあれなんですけれども4年前ですかね、ピジョンさんが個人のほうをやめられて、それでそちらの方が来て、かなりボンとお客様とシッターさんと一緒に来てくださったというところがあって、さすがにとても良いシッターさんが今も活躍していただいていますが、それ以外の部分は本当に経験のない方が多いと思います。自分の子育て経験というところで来ている、もしくは保育園の経験があるとか、幼稚園の経験があるという方がいらしてますが、保育士さんからこちらに来る方は、傾向として本当に一人を見てあげたいんですという方がいらっしゃるという傾向がすごくあって、どうしても一人一人を見たいのだけれども、いっぱいの中で見てあげられないので、今度はやはり一人のお子さんを、自分が一対一で見たいですという志望の動機でいらっしゃる方が、過去に結構多いなというのが印象です。
経験数、年齢の上限は、こちらは去年から5年たつと無期になるという、労働契約法が変わったと思うのですが、あれのために、私たちも無期になる人が今40人ぐらい出てまいりまして、それの関係もあって、会社のほうから定年制を設けなさいと言われました。今までは定年がなくて、本当に元気なのですね、お子さんのエネルギーをもらうので、とても元気で60、70歳代でも活躍できていていた人は活躍できていました。40歳でも腰にきている人はお仕事ができなくなるので自ら辞めているのですけれども、定年制がないというのを売りにしていたのですけれども、やはり決めなければいけないということで、有期の契約の方は64歳で、無期の方は65歳です。ただ、お客様が是非このまま来てほしいと。全然見た目もお若いので、そういった方は65歳以上も嘱託で1年ごとの契約でマックス70歳までというのが去年から決まりまして、そういった形を今は取っております。
 
○吉田委員 ありがとうございます。
 
○松原委員長 ほかはいかがでしょうか。
 
○尾木委員 リスクマネジメント研修で年2回の全ナーチャー参加型の研修をされているということで、やはり日々、皆さんそれぞれお一人でお仕事をされているわけですので、こうやって集まる機会がすごく貴重だと思うのですけれども、169名いらっしゃる中でどのくらいの参加率があるのでしょうか。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション 3日間に分けてやりまして、50、60人が入る、これくらいのお部屋に3回ですが、やはり全員は来られないのです。120~130人ぐらいが3日間に分けて来まして、あとの人たちにはナーチャー通信というので全部内容を載せて送って、見るようにという形を取っています。
 
○尾木委員 ずっと継続して参加していない方とかはいないのですか。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション そういった方については個人面談をするので、そこは実は先ほど申し上げました有期無期になるときに、無期でずっと行くのかみたいな、仕事を少しもしていない人がということもあったので、ナーチャースタンダードという4つの条件を設けました。1つは第一は健康であること、2つ目は研修に出ること、3つ目は稼動をしていること、4つ目は何か遅刻があるとか、クレームがあるとか、そういった稼動に問題がないこと。この4つの条件を満たした人は有期でも無期でも1年ごとに契約を続けていきましょうという約束事をみんなの了解を得たので、そういう意味では、本当に健康状態が駄目になった方は一回辞めていただいて、また大丈夫になったらいつでも登録してくださいというような形を取るようになっております。
 
○尾木委員 ありがとうございます。
 
○松原委員長 ほかにいかがでしょうか。私から同じ質問ですが、先ほどと同じように、今議論されている無償化ということは御社にどのような影響を与えるのでしょうか。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション 無償化というのはまだ本当にイメージが付かないのですけれども、恐らくお預けになる方が多くなると思うのです。そうすると、待期児童というところになると思うのです。今回の保育所保育指針にも、0歳さんの所と保護者の養育力のアップというところもあったと思うのですが、そういったところで無償化になることで、本当に働かなければいけないというのも分かるのですけれども、自分が育てている感覚というのをとても大事にしてほしいと思っているので、その辺りが保育園に預けるまで、それこそ東京都さんのように1年間はちゃんと休んで、誕生日まではしっかりお子さんと向き合っていただいて、そこから保育園に入っていただくとか、何かそういったところがあったほうが、無償化でとにかく預けて働くという方向になるのはちょっと残念だなといいますか、ベビーシッターがそういったところでお母さんに子育てが面白い、楽しいと思ってもらうところをサポートする役割をしたいとは思うのですけれども、無償化がそこでどういう影響が出るのかなというのは少し危惧しております。
 
○松原委員長 ありがとうございました。
 
○水嶋委員 家庭的保育の水嶋です。ここに有資格者が99人、無資格者が70人と書いてあるのですけれども、やはり無償化になるときちんと、ただ赤ちゃんがかわいい、抱っこしたいという人がなっているということもおっしゃってましたけれども、やはり子育ての人格形成の一番の基なので、もちろん研修は絶対に必須なのですけれども、例えば資格があるから、空いた時間をベビーシッターさんをやってみようというのは、ちょっと理解できますが無資格が70人もいらっしゃって、この人たちが子どもがかわいいだけとか、語弊があるのですけれども、小さい子なら何とか見られるかなという安易な考えでやられる方がいないとも限らないと思っています。研修は大事なのですが、資格を取っていくような人はいるのか、会社側から資格取得を推奨することはあるのかというところも、ちょっとお聞きしたい。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション 先ほど申し上げた、赤ちゃんを抱っこしたいというだけで来るような人は、最初の研修のときに御免なさいをしているのです。なので最初の研修でも、安全の部分であったりこういったこと、実は危いことがたくさんあるということを言って、それでも私はちゃんと学んでやりますという方を登録していただいているので、そういう意味でその上で保育士を取ってくださいということは私のほうでは今は言っていないです。それより私たちのほうで、しっかりお願いしたいことをやっていただくというところをやっているので、本当に空いた時間でちょっと働きたいですという人を登録させているというのではなく、そういう人にはお仕事を私たちもお願いしませんし、登録させているつもりはないです。一応人数も少ないですし、どういう人かは全部人となりは分かっているので、そういうちょっとだけやるという人を入れてはいません。もしそういうところが見えましたら本当にもう一回とことん話しますけれども、現状でそういった人を採っているつもりはないです。
ですから資格を取りたいですという人はもちろん取ってもらいますけれども、ACSAさんの研修等は、3日間の中で取れるので是非推奨しているのですが、保育士さんのほうを取ってくださいということは言っておりません。ただ、東京都さんのほうでも、今回はちゃんと研修を受けなければいけないので、その部分はますます言っていかないと、私たちが本来お助けしたい、お仕事をしながらでもというところのお母様を助けられないので、人数は増やしていかなければいけないと思いますので、それのための研修は是非受けるように持っていきたいと思います。
 
○水嶋委員 ありがとうございます。私たちの家庭的保育も、歴史は長いのですけれども、まだ認知度が低く、私はいつも4人を連れて外にお散歩に行ったりしているのですが、「お宅は何をしているのですか」と訊かれることがあります。一応パンフレットも持ってますし、いろいろな説明をするのですが、「そんなにいいことをされているのですね」と言われるのですが、最後に「資格ありますか」と言われるのです。ですからやはり一般の人は根底に資格があるということが安心なのだろうなということは常々感じていたので、その点で70人もいらっしゃるのでどうかなとお訊きしました。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション そうですね。
 
○水嶋委員 ありがとうございます。
 
○普光院委員 ありがとうございます。会社のほうで責任を持って派遣をされるということで、マッチングサイトの仕組みとはまた全然違って、登録されているシッターの中から適任者をその都度指名して派遣されているということだと思うのです。その中で、例えばかなり日数が多くて時間も長いレギュラー利用の方のお宅には、誰さんと誰さんと誰さんみたいなチームを作って、ローテーションを組んでもらって行ってもらっているというようなケースはありますでしょうか。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション そうですね、やはりたくさん御利用いただく方には、何人かが行っている中でメインの者が1人ないし2人決まり、その者が行けないところをほかの人が入るような形をとっています。今回の東京都のほうは、マックス5人までで、今3人若しくは4人のチームができておりまして、初めてラインワークスという、ラインなのですが会社がアカウントをしっかり持っていて、会社の中だけしかできないものをチームで持っておりますので、その日の連絡帳をしっかり取って、全員で共有して、今日はこうでしたというところもみんなで共有して、次の者が次の日に行くというところができてきました。今までは、そこまではやっていなかったのですが、それができたことでシッター自身がすごくやりがいを感じていて、前の人がこうだったというのがそこで分かると、自分もお子様への接し方がとても良いので有り難いと言っています。やはりこれがあるべき姿なのだなというのを、本当に最近感じております。
 
○普光院委員 ありがとうございます。とても良い申し送りがきちんとできているということですよね。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション はい、それがすごくいいと思います。
 
○普光院委員 そうですか。ありがとうございます。それからもう1点ですが、安全推進監査室という所があるということですが、一昨年と昨年、2件ずつ観察したということで、全体の利用回数からいくと、2年間で4件というのは非常に少ないのですけれども、この理由がどうかということ。10年前にこどもみらい財団の監査をお受けになったと。会社としてお受けになったということだと思うのですけれども、どんな内容だったのか、そのこともちょっとお聞きします。分からなければいいですけれども、分かれば。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション こどもみらい財団の方がいらして、本当に帳簿を見られたという感じでした。そういった帳簿がありますかとか、レポートがありますかとか、お客様の台帳がありますかとか。シッターの在籍の契約書でしたり、そういうものをひとしきり御覧になって帰られたという記憶です。
あとは送迎についての監査なのですが、こちらのほうは一昨年は私たちも、そんなことをするのかと思ったぐらいで、びっくりしたぐらいなのですね。もちろんお客様にも事前に御了解を得て、シッターにも一応了解を得て、それで私たちではない、全く知らない部署の者が、ちょっと遠目から電車に乗って移動するのを見るというようなことをやりました。一昨年のときは本当に大失態をしまして、夏だったもので60歳代の方が日傘を差してしまったのですね。「日傘を差していたよ」とすごく言われて、本当に申し訳なかったのですけれども、お子様がいる中、日傘を差しているというのは問題外だったので、その方にもお話しました。全員にも共有したのですけれども、やはりそういうのはあるなと思うので、そういったところを見てもらう監査というのは、とても大事だなと思うのですが、お宅に入るということが、今現状ではできていないのですけれども、それこそ無償化になって国費が出てくる中で、そういったところも了解を得てやっていただくこともできるのではないかなとは思いました。
 
○株式会社小学館集英社プロダクション 補足しますと、確かに年2回は少ないというのは御指摘のとおりで、これは体制上の問題があり、数年前に弊社内でいわゆるセルフモニタリング、社内での客観的なチェックを行うということで立ち上げた組織で、このベビーシッター事業だけではなく、いわゆる弊社の中では保育園もあって、あと公共の施設管理といいますか、PFI事業、指定管理者施設の事業もやっておりますので、単純に量的な問題、体制上の問題もあって、今後増やす予定ではあります。
 
○普光院委員 ありがとうございます。
 
○長崎委員 先ほどのこども未来財団の現地調査について、少し補足させていただきます。これは当時、ベビーシッター育児支援事業の割引券を取り扱っている事業者に対して、適正に管理された上で利用されているかということの観点からの現地調査だったと思います。前回御説明しましたが、現在は企業主導型のベビーシッター利用者支援事業というものがありますので、そちらのほうでも現地調査として、取り扱っているベビーシッター会社に出向き、利用者との契約書がちゃんとあるか、シッターの名簿があるか、研修体制はどのようなことをされているかとか、そのベビーシッター会社が適正に管理の上、運営されているかどうかというところを見させていただいております。
 
○松原委員長 ありがとうございました。もう1社いらっしゃいますので、この辺で交代していただこうと思います。それでは、3社目のサンフラワー・A株式会社、よろしくお願いいたします。
 
○サンフラワー・A株式会社 サンフラワー・A株式会社の盛山でございます。よろしくお願いいたします。
 
○サンフラワー・A株式会社 アサノと申します。よろしくお願いいたします。
 
○サンフラワー・A株式会社 本日は、このような機会を頂きましてありがとうございます。私どもはサンフラワー・A株式会社と申します。平成5年に、元保育園の園長がベビーシッターの派遣会社として26年前にスタートいたしました。その頃から、所在地は東京都板橋区で、東京を中心にベビーシッターの仕事をさせていただいております。
ベビーシッターの内容は、営業所の営業時間は月から土の9時から18時で、日曜と祝日はお休みです。予約の受付については、この時間以外にも留守番電話が入るとコーディネーターが所持している携帯電話にメッセージが入りますので、基本的には365日、24時間受付可能です。ただ、昨今24時間を仕事で拘束するのはどうかという部分もあって、ここの見直しは考えている部分ではあります。
稼働時間も同じく、365日、24時間のシッターの稼働です。営業所は、池袋営業所、恵比寿営業所、江東営業所、さいたま営業所があります。サービスの提供地域は、東京、埼玉、神奈川の一部、千葉の一部です。利用料金は会員料金とビジター料金の2種類に大きく分けています。会員料金は、入会金が5,000円、年会費が8,000円、時間帯別に金額が分かれておりますが、月曜から土曜の色が黒くなっている部分は、基本料金になっております。平日の9時から18時で1,800円という価格です。ベビーシッター業界では、中よりもやや安価な部類に位置していると認識しております。ビジター料金については、入会金、年会費はなく、基本料金が2,500円です。会員、ビジターの両方に共通の事項として、税金は含まれておりません。御兄弟での利用があった場合には、それぞれの時間帯1時間当たりに500円加算させていただいております。シッターの交通費は実費の御請求を申し上げています。キャンセルについては、当日の場合は予定されていた保育料の100%を頂戴しており、前日18時までの取消しであれば半額の御請求をしております。
続いて、2ページを御覧ください。ベビーシッター以外の事業としては、家事支援、千代田区と豊島区で居宅訪問型保育事業、そのほか認可保育所を板橋区で1園、東京都認証保育所を練馬区で1か所、それ以外に他の法人の保育園の給食を作るお仕事もさせていただいております。
次に、ベビーシッターの保有する資格の状況です。私どもは非常にこぢんまりとした会社でして、全員で86名です。約半分が資格がありませんで、半分が有資格者です。保育士が13、看護師が3、助産師、幼稚園教諭、小学校教諭、認定ベビーシッターです。平成5年に開業した当初から、どちらかと言うとベビーシッターは補完的サービスの提供が多く、主たる保育は保育施設であり、ベビーシッターは補完的に機能することが多かったということがあります。そういった背景もあって、短時間で不安定な仕事というのがベビーシッターの歴史的背景でもあると思っています。その頃から、資格はないけれども保育の世界で働きたいとおっしゃる方々が選ばれる選択肢としては、公立や保育園の補助的な仕事かベビーシッターをするということが、選択肢の1つとしてありました。そういったこともあって、私どもも資格がないからと言って、一概に駄目だということではなく、人物重視で採用はさせていただいております。
稼働の実績も表の通りです。無資格者が少ないということもなく、実際に御利用いただいているお客様からしても、資格者であろうが無資格者であろうが、この方に来ていただきたいというリクエストに応じて手配をしていくと、このような結果になるということですので、無資格者が伝わりやすい価値ではあるのですが、業務独占資格の資格ではなくて名称独占資格ですので、資格がないからといって一概に保育者として不適であるとは考えておりません。
続いて、3ページの「研修の状況」を御覧ください。研修は、大きく外部と自社とあります。外部研修は行政の行うもの、あと全国保育サービス協会が行うものとに分かれます。行政の研修について、先ほどHAS様からも「大変人気の研修だ」という御指摘がありましたが、東京都の実施する認可外施設職員テーマ別研修を、多様なメニューを提示していただいて、選んで受講するということができるということで、大変シッターにも人気です。ただ、申し込んだ者が全員受講できるわけではなく、これはもう少し回数が多くてたくさん出来ると、受講する者が増えていくとは思っています。あと、時間も半日程度で選択ができますので、空いている時間に受けることが可能ということもあって、このようなスタイルの研修であれば受講がたくさんできるのではないかと思っております。
あと、ベビーシッターに対する研修としては、全国保育サービス協会のベビーシッター養成研修と現任研修があります。内容については表の中のとおりで、受講の状況もグラフのとおりです。こちらは、認定ベビーシッターの資格を取得するための要件とも重なっている研修です。ただ、養成研修を受けた後に現任研修を受けないといけないという流れになるので、どうしても現任のほうが少ないという形にはなってしまいます。
次に、4ページを御覧ください。こちらは、全国保育サービス協会の実施するベビーシッターの専門研修です。先ほどの資格要項になっている体系立った研修とは違った、そのときどきにエポックな話題のものを研修として取り上げていただいておりますので、可能な限り参加させていただいております。開催の時期が年度末であることが多く、保育の需要の高いタイミングであることもあって受講に至ることがないケースもあるのですが、非常に有意義な研修をされている部分なので、ここがもう少し増えると有り難いという思いはあります。
次が、居宅訪問型保育と、東京都が行っているベビーシッター利用支援事業で、当社もメンバーとして加わっておりますが、そちらの研修で、居宅訪問型保育の基礎研修で、保育サービス協会が実施しているものに参加しております。これまでは特に開催の件数は余りなかったのですが、昨年度は開催が多くて、順を追わずに間をとばしても受講が可能ということで、受講できるものが随分増えたということです。1回の開催につき5日間の研修があるのですが、5日間連続というのはなかなか難しい者もおりまして、第2回と第5回など、順を追わなくても受講できたということがあって、受講の人数を増やせたと思っております。
次に、5ページの「自社研修」を御覧ください。自社研修は採用時と採用後の大きく分けて2つです。採用時は、初任者研修、実務研修、同行研修、これは「同行研修」となっていますが、同行研修のほかにも保育園、保育施設での研修もあります。採用時研修は、面接をさせていただいた後に初任者研修、実務研修、実際の保育の研修を行うことになります。その後、採用後の修了研修を行って、勤務に就いていただくという流れになります。
このほか、シッターの研修は年に数回開催しているのですが、ここでの中心になるのは保育の技術ももちろんなのですが、一番多いのはケーススタディです。保育現場が保育環境として整っている場所ではないので、各家庭ごとに、このようなことがあった、あのようなことがあったというのは、様々にケースが違います。それを1人の経験値では補えないので、集合研修のときに、このような経験をしたとか、このような思いがあったというような形でケーススタディをすることで、全員の知恵とするというところが、有効な研修だと思っております。こちらのケーススタディの中で出た内容を、初任者研修、実務研修、修了研修のほうへ、内容をバージョンアップしていくというような形で、研修は取り組んでおります。そのほか、シッター向けに月1回の通信は発行しておりますので、そちらの中で情報の共有、ほかのシッターが失敗した内容の注意喚起は紙面で行っております。
次に、6ページの「情報開示」を御覧ください。私どものほうで勘違いをしたのかもしれませんが、シッターの情報の開示が必要だったのかなと思ったのですが、シッターの情報の開示については情報は開示しておりません。利用者には、「どこどこの何歳の、資格が有る無しの何々という者がお伺いします」という形で御連絡を申し上げます。シッターは、全員私どものほうで作った顔写真付きの身分証明書を持っておりますので、お迎えに行った際などにはそちらを提示して、「サンフラワーの何々です」という形で、あらかじめ保護者の方が施設などにおっしゃっていただければ、間違いなくシッターが来たことが確認できるようにはなっております。シッターの電話番号なども開示しておりません。登録型のシッターがほとんどなので、本人の希望として働きたくない、入れたくないという日に、直接お客様から電話が掛かってくると断りづらいということもありますし、会社を通じないでシッターをお願いしたいということが以前にあったということも聞いておりますので、こちらについては会社を通して御連絡したり、させていただく形を取っております。シッターの情報についてはこのような形です。
そのほかは、私どもの今の現状です。保護者の利用実態として、登録家庭の分布は、やはり板橋が本社ということもあって板橋が一番多くあります。利用の理由については、二重保育と不在を合わせると、これがほとんどという形になります。7ページを御覧ください。年齢別に見ると、2歳だと在宅しての御利用が一番多く、二重保育、不在ももちろんあるのですが、在宅での御利用が多くあります。3歳児、5歳児で見ると、二重保育と不在でほとんどの利用を占めているような状況です。
8ページの「利用時間」を御覧ください。利用の時間は3時間の利用が一番多く、4時間、5時間、10時間というのもありますが、大多数は5時間以内に納まる仕事が多くあります。そのグラフの下に年齢別の利用があります。6歳以上になってくると非常に短い時間での利用が多く、0~2歳ですと必要に応じた時間繰りをされる方が多いので、少し長めの方が出てきていて、長時間の利用については0~2歳は多いなという感じです。利用時間帯も表のとおりの分布です。
次は9ページを御覧ください。登録シッターについてです。シッターの数は現在は75名、稼働率は平均稼働率で66.7%です。登録は10年間で約3割減です。ただ、2017年4月以降では徐々に増えているという傾向にあります。居宅訪問型保育事業を始めてから、今までは訪問型保育の中で正社員というのは採用したことがなかったのですが、居宅訪問型保育が始まったことで、正社員としての保育士を採用して派遣することが可能になったということと、短時間ではなく長時間のお客様が増えてきたので、長時間に対応するためには、御覧いただいたように私どもはもともと短い仕事が多いので、別の新たな長い時間の仕事のシッターを募集することができたので、徐々に増えてきていると考えております。シッターでも安定した収入が得られるのだという状況になりつつあるのではないかと、働く側もそのように思っているのではないかと感じています。
次に、年齢層と男女比ですが、全て女性です。20代は5%と少なく、中心になるのは40~60代です。70代以上もかなりいらっしゃいます。右上のシッター在籍年数で「25年」と書いてあるのは、開業のときからずっといらっしゃるシッターで、先ほども御質問がありましたが、お客様のほうに来ていただきたいという御要望がある限りは伺うと。ただ、もう年齢が年齢なので、御本人から「今年を最後にしたい」ということで卒業されていく方が、昨年も6名ほどいらっしゃいましたが、だんだん代謝を図っていかなければいけないという状況です。
次に10ページを御覧ください。日々の保育については、これは通常のベビーシッターですのでリポートという形で書かせていただいて、書面にサインを頂いてやり取りをしています。その下には、保護者とどのような感じで本社が絡んでいるのかのフロー図があります。もともとベビーシッターのサービスを御利用いただくときに、お客様からは1人の方を指名したいという御要望を結構多くいただくのですが、病児保育のことを考えると、やはり4、5名で御利用いただいたほうが、必ずしも御指名いただいたシッターがその日に空いているか分かりませんし、日々の健康な状態と病児の状態を比較できるシッターの数が多いほうが、病児のときに熱は高いけれどもいつもと変わらずに元気だというような判断が付きやすいということもあって、大体4、5名での御利用を当初からお勧めしています。それなので、東京都の利用支援事業とか居宅訪問型保育であるという、チーム保育ということに関しては、昔から変わらない方法というように私どもは思っております。
次に、11ページを御覧ください。事故の状況です。開業してから現在に至るまで、死亡の発生件数はありません。治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等の件数もございません。昨年の1年間で見ると、事故件数は6件ありました。発生日時、区分、内容、月齢は表のとおりです。お子様が階段を降りる際に足を踏み外し、おでこに瘤ができた。お子様が家具に油性ペンで落書きをした。シッターが目を離したすきにお子様が食器を落として床で割れてしまった。お子様が蹴った壁掛けの鏡が落下し幅木が破損した。シッターがお子様の衣類を移動中に紛失してしまった。自転車に乗っている人との接触がありお子様が転倒し、着衣が破れてしまった。このようなことが、私どもで正式に事故として認識している内容です。大体、年間で4,000件弱ぐらいのマッチング数になるのですが、その中で6件ということで、多いか少ないかというところは、だんだん減少傾向にはあるのですが、私どものほうで注意をしていても、外からの方の接触ということも起こり得るので、ゼロはないにせよ軽微なもので何とか納まればとは考えています。
次に、それでは事故が発生した場合にどうかということです。呼吸・意識・反応がない場合と、そうでない場合とに分けて記載しています。順序が逆になるところもあるとは思うのですが、例えば呼吸・意識・反応がない場合、事故が発生したときに応急処置をするケースもあるでしょうし、全く反応がなくて、すぐにでも救急車を呼んだほうがいいという状況であれば119番が先になることもあると思います。これは一応119番が先になっていますが、順序は逆になる可能性もあると思います。保育者としては、119番と応急処置をして会社に連絡をする。コーディネーターのほうが保護者に連絡するなどの形を取るような流れになります。応急処置をしながら、例えば携帯電話などで会社に電話を掛けられるような状態であれば、コーディネーターのほうから119番をするということもあり得るとは思いますが、詳しい状況は現場のほうが見えておりますので、緊急時はこのような形で連絡の体制を定めています。これに該当しない場合は、まず会社へ連絡ですが、内容によっては応急処置が先になる場合もありますが、処置をした上で会社に連絡をします。会社のほうで判断をして、救急車を呼ぶのか、程度によっては通院するように指示するのか、保護者へ連絡するのかというのは、コーディネーター側で行うようになります。コーディネーターは365日24時間、今のところは連絡が付く形になっていますので、発生時にその対応を社外からでもするという体制にあります。社外から対応する際に、お客様の情報はクラウド型のシステムの中に入れていますので、コーディネーターは社外からでもそちらを確認することができる仕組みになっています。
12ページを御覧ください。都道府県、市町村との関係ということです。届出としては認可外の届出、報告として施設調査票の記入をしての報告になります。あとは研修の御案内を頂いたりといったような関係にあります。このほか、認可の申請を受けるときには、豊島区の立入りはありました。帳簿、帳票類の確認と、履歴書、資格証の確認、あとどのようなシステムになっているのかという、システムの画面等の確認もされておりました。あとは、2時間程度のヒアリングがありました。関わりとしてはそのようなところです。
基準に関する意見、要望等については、書かせてはいただきましたが、認可ができたことで認可外ができたということです。認可外ですが、資格の方への信頼度というのが一般の方はおありのように、「認可」と「認可外」という言葉の響きそのものが、一般のユーザーからすると「認可外?」というような響きがあって、今まで何もなかった方が、あなたは今日から認可外だと言われたことで、どうしてなのか戸惑った事業者も、どうもいらっしゃったそうです。ただ、今回、認可外のベビーシッターの基準というのができることで、うちはそういう中でも基準は満たすところなのだと思えることになるのであれば、非常にプラスであろうというように思っております。
ただ、シッターという業務は、どうしても個人がしますので、外形的要素で、これだからOKという形がなかなか作りにくいのも事実です。認可外ではありませんが、介護の職の一番入口の所の資格であっても、時間が決められていて修了のテストがあって、合格しなければその業務に就けないというようなハードルがある中で、どこまで許容するのかなというのは、少し慎重に御議論いただければ有り難いかなとは感じております。以上です。
 
○松原委員長 御質問を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
 
○普光院委員 いろいろな研修をシッターが受けているというのはよく分かったのですが、登録シッターの中で全く研修を受けていないという方がいらっしゃるのでしょうか。
 
○サンフラワー・A株式会社 外部研修ということでしょうか。就業前と稼働してからは研修の対象になりますので研修を受けてからの稼働開始になります。
ただ、先ほどもHASさんのほうでおっしゃっていましたが、集合型研修ですと、どうしても業務が入っていて全員が出席できないときもあるので、そのときは分けて開催したこともありましたし、可能な限りは出席していただくという形でお願いをしています。そのときは、研修時給としての給与の支払いと交通費の支給はさせていただいております。
 
○普光院委員 ありがとうございます。
 
○松原委員長 ほかにいかがでしょうか。最後のほうで留意点のお話もしていただいたので、3社共通の質問はしなくてもいいのですが、あえて御社に何か影響があるとしたら、何か想定し得ることはありますか。
 
○サンフラワー・A株式会社 私どもに影響があるかどうかは分からないのですが、ベビーシッターという業界に対して、一定の制度上の信頼が得られるものが付されることに、すごく意義があると思います。我々はどちらかと言うとローカルな信頼の中で仕事をさせていただいているのです。信頼の構成として、顔が見える範囲の中でのローカルな信頼と、ある意味で大企業だから、有名企業だからというところの制度的な信頼、冒頭にスマートシッターさんがお話になったような、分散した評価基準に対してのレビューなどを中心にした評価に対しての信頼ということで、今は信頼というのは3種類ぐらいあると思うのですが、その中で、今までなかったもの、認可ではないのだけれども、ある意味では制度的なものができるという期待感は、業界の中には多少お持ちの方は多いのではないかと思います。
どうしても主役ではなくて補完的な仕事というところが多く、ベビーシッター会社の多くは施設も運営していて、収入の割合で見ると、施設型のほうが収入が多く、中にはベビーシッターを続けるために施設をやっているのだということをおっしゃるぐらいのこともお聞きしますので、是非そういった方々に光が当たる制度になるといいと思っています。答えにはなっていないのですが、そのような感じでございます。
 
○松原委員長 ほかにいかがでしょうか。
 
○普光院委員 先ほどの話の中で、「正社員で雇うことができるようになった」とおっしゃいましたが、それは固定給の社員ということでよろしいのでしょうか。
 
○サンフラワー・A株式会社 そうです。月額26万円の。
 
○普光院委員 では、勤務時間も決まっているという感じなのですか。
 
○サンフラワー・A株式会社 はい。私どもは保育園の運営と、平成15年から創業者が社会福祉法人も取得したので、グループ会社の中に保育園も幾つかございます。そちらの保育士と同じ処遇で、募集はしています。新卒の方の応募もあったのですが、複数の目がある中での新卒者であれば大丈夫なのですが、家庭の中に新卒者が居宅訪問型保育者としては難しいので、1名は採用したのですが、今年は保育園に行ってくださいという形で、正社員として採用して保育園に行っていらっしゃる方はいらっしゃいます。あとは経験をした保育士の方が、1対1の保育を極めてみたいということと、ベビーシッターの仕事というのは、どうしても収入が安定しないということが長年あったので、正社員として働けるのであったらやってみたいという方がいらっしゃったということです。
 
○普光院委員 その方は、勤務時間中はシッターとしてずっと稼働しているのですか。つまり、その正社員の方は勤務時間があるわけですよね。その時間内は、シッターとして実務に就いておられるわけですか。
 
○サンフラワー・A株式会社 保育者として採用しているので、御要望いただいた時間から時間までが基本になります。基本的には、居宅訪問型保育の認可事業のほうなので、待機児童対策で御利用される方がほとんどなので、例えば9時から6時までというのを。
 
○普光院委員 そういうレギュラーの利用に。
 
○サンフラワー・A株式会社 そうです。
 
○普光院委員 分かりました。
 
○サンフラワー・A株式会社 ただ、その方がお休みで、ベビーシッターで病児が出たというときにお願いするようなことは可能だとは思っています。
 
○松原委員長 ほかはよろしいですか。では、どうもありがとうございました。ヒアリングはここまでとさせていただきます。
                               (3団体一斉に退室)
 
○松原委員長 それでは、ヒアリングの内容にかかわらず今後の進め方、あるいは1回目の議論も踏まえて、今日のヒアリングも踏まえてということで御意見を伺いたいと思います。どうぞ御自由に御発言ください。
 
○吉田委員 各社の、今回はある程度しっかりした会社なので、研修制度も充実しているという話も聞きますし、そういった意味で安心感はあると思うのです。ただ、それぞれがそれぞれの研修をしているので、その辺の統一感、どう最低限ここはやるというところがやはり必要なのではないかとは感じました。あと、そういった意味では、先ほどサンフラワーの方もおっしゃっていましたけれども、企業としての体力がある程度ある所は、それに乗っかってうまく認可外の所を売っていけるというところは出てくると思うのですが、個人ベースでやっている人たちがその基準を設けたときにそれをクリアできるのかどうかというのは1つ課題になるのかな、というのは非常に感じたところです。
 
○松原委員長 ありがとうございます。こういうヒアリングに応じていただける所は、それなりに実績もおありになるし、自信もおありになる所ですから。
 
○普光院委員 私、今日、書いたものを資料3で出させていただいております。私としてはこういったことを課題として考えていく必要があるのではないかということで資料3の紙を用意させていただいているのですが、今日は時間がありませんので、細かいことがかなり書いてあるので、追々、次の機会にでもまた、ここに書いたことを取り上げさせていただければと思います。
今日の感想といたしましては、先ほど会社が責任を持って派遣するというようにおっしゃいましたけれども、そういういわゆる派遣型の所と、いわゆるマッチングサイトの進化形といいますか、個々人が、もちろんいろいろな研修やトラブル対応などは会社がやるのだけれども、基本的には個々人がある程度、自分に値段を付けてマッチングで合った人と、最初のポピンズさんの所も決して完全なマッチングではなかったですけれども、やはり、かなり広範囲な人たちが登録して割と自由にやっているような印象を受けました。大分違うという印象がありました。例えばチーム保育みたいなことは、特に長時間に及ぶ保育の場合は必要性が非常に高いのではないかと思っているのですが、今ほども個人のシッターさんのお話が出ましたけれども、果たして個人の集合体でそれがうまくできるのかどうか。あるいは、そういうマッチングサイトをやっている会社が、うまく面倒をみてそういうことができる体制を作ることができるかもしれないのですけれども、単なるマッチングサイトの体制ではそういうことはできにくいだろうと思ったりしています。
私が作りました紙の1項目だけを御紹介したいと思います。資料3に「保育の必要性を認められる子どもは、シッター料金に無償化を適用できるか」と書いていますが、これは、まず最初に、私たちが検討している事柄が果たして実態のあることなのかどうかというところにちょっと疑問を持って調べてみた結果です。「保育の必要性を認められる子ども」がこの無償化の対象になるわけですが、保育の必要性が認められる最低の就労時間は1か月48時間です。保育時間自体はこれプラス通勤時間があったりするわけですけれども、最低48時間程度というところを目安に考えますと、このベビーシッター会社の1時間料金が最低2,000円程度である、マッチングサイトだと1,300円、1,400円という方もいましたし、ファミリーサポートセンターだと800円ということで、こういう単価になった場合に、では、上限の3万7,000円分をこの1時間料金で割るとどうなるかというのが2列目です。ベビーシッター会社の2,000円ですと、3万7,000円では18.5時間利用できる。でも、これではとてもフルタイムはカバーできないということです。マッチングサイトですと26.4時間、ファミリーサポートセンターですと46.3時間となりまして、ファミリーサポートセンターは、ファミリーサポートセンターでそこまで長時間、連日できる人はいないと思うのですけれども、かなり使える時間数になってくるということです。非課税世帯だけになります3歳未満児の4万1,000円ですと、次の列のような時間になるということです。
これをフルタイマーの月120時間就労のケースで見ると、では一体、この単価でそれだけ利用すると幾らになるのかと言うと、2,000円だと20万3,000円、マッチングサイトの1,400円ですと13万1,000円、ファミリーサポートセンターですと5万9,000円ということで、これは、無償化の3万7,000円を引けばこうなるということです。その次の鍵括弧で括ってあるのは引く前の額です。ですから、実際には24万円掛かるのだけれどもそのうちの3万7,000円が無償化されると自己負担は20万3,000円になるということで、一番上の所はかなり可能性が低いと判断いたしました。ですから、自己負担を追加するにしても、料金が安くないと、なかなかフルタイムでの利用は厳しい、フルタイムというか、保育の必要性を認められる就労時間を埋める利用は、ある程度自己負担がないと難しいということで、逆に、単価が安いものほど使いやすいという状態になるということがこの表から分かるかなと思います。
認可外・幼稚園との組み合わせは本体保育に無償化額の大部分が使われるためシッター利用は考えにくいが、幼稚園の預かり保育の代わりにベビーシッター等を利用することはできるのではないかということで、無償化の預かり保育分は1万1,300円なのですけれども、もしこの部分をシッターで使うとすれば、マッチングシッターなら8時間程度、ファミリーサポートセンターなら14時間程度は使えるということが考えられるということで、大体、もしも無償化でベビーシッターを利用するとしたら、どういう形態になるのかというのをここから想像してみようと思ってこのような数字を計算してみました。
逆にこれを見て心配になりましたのは、では、無償化の範囲内で何とかしようということで、むしろ単価の安いサービスを利用しようとすると、ベビーシッター会社の保育よりはマッチングサイトのシッターとかファミリーサポートセンターになっていくということで、その辺をどのように考えたらいいのかというのも少し慎重に考える必要があるかなと思いました。今日は時間がないのでその頭の所の説明だけにさせていただきます。
 
○松原委員長 ほかにいかがでしょうか。
 
○尾木委員 ほかの委員の方もおっしゃったことですけれども、やはり会社に所属しているか個人で運営されているかによって、どういう研修を受けているかということが1つ違うと思います。それから、会社に所属している場合も、自社研修がどのようなものか今日来られた方は本当にモデル的な、ちゃんとやっていらっしゃる会社だと思うのですけれども、自社研修がどの程度の基準を満たしたものかというのが外からは分からないところもありますので、やはり共通性のある基準を作って、こういった研修を受講していることとか、一定の達成目標を作ることが必要なのではないかと思いました。
ただ、スマートシッターさんのお話の中にレビューというのがあって、非公開のレビューというのはかなり本音でいろいろなことを書いてくださるのだろうと思いました。ただ、いろいろな個人的な感情などもあるでしょうから差し引いて見なければいけないところはあるのかもしれないのですが、特に無償化の対象になる所には必ず保護者の評価を取るような仕組みを組ませるのは1つかなと思いました。
それから情報開示のことです。第5回の専門委員会の中で、個人情報になるので開示がなかなか難しいというお話があったのですが、第4回までの委員会の中では、そういったマッチングサイトなどに登録する方の情報を確認してから利用できるようにするために届出制にして、どのくらい研修を受けている方なのか、保険に入っている方なのかということをあらかじめ確認してもらうために届出制にしたというところもあると思います。千葉市さんが番号で提示しているとおっしゃっていたと思うのですけれども、個人のお名前を載せるのでなくても、利用したい保護者が番号を照らし合わせて確認することができるような仕組みは、是非作っておく必要があるのではないかと思いました。以上です。
 
○普光院委員 私も今、先生がおっしゃったことにとても同意なのですけれども、私の資料の3ページ目に(4)の③として「トラブル報告」というのを提案しております。これを挙げましたのは、私は保護者からの相談を受けるのですが、自治体が介在しているサービスにもかかわらずベビーシッターに関する苦情をなかなか取り上げてもらえず、自治体からも対応してもらえず、大変苦しんだ事例があります。保護者の言っていることが苦情に値することなのか、それとも個人的な、本当に不満でしかないのか、子供の利益にとって本当に考慮すべきことかどうかということはありますけれども、とにかくまず、何かあるのであれば、しかるべき所に言えて、それをしかるべき立場の人が検討してくださるという、そういう体制を必ず作っていただく必要があるのではないかということでこの「トラブル報告」ということを保護者が報告できるような仕組みを私は是非提案したいと思います。
それから③の下の最後の*の所に、無償化に限らず、登録シッターについては、番号(氏名、住所等なし)で研修実績等を公表することが必要ではないかと、今、先生がおっしゃったことなのですが、この役割が果たして自治体でいいのかというのはちょっと思っています。例えば東京都の方が千葉県のシッター会社を利用したりとか、いろいろなケースがあると思うのですが、果たしてこの仕組みは自治体ごとの仕組みでいいのかどうかというのもちょっと検討する必要があると思っております。以上です。
 
○松原委員長 ほか、いかがでしょうか。
 
○水嶋委員 先ほどおっしゃった先生たちの意見の一定の基準というものを、保育の無償化とかになるのだったら、やはり保育の質も関係してくるので、どうしても、それは一概には言えないとは思うのですが、相性のいい方とか、利用者にただ気に入られるような保育では駄目だと思うのです。だから一定の、これだけのことはしないといけないという基準がある、また情報開示においても、個人が多いとおっしゃっていたので、ベビーシッターとしてこういうことは登録をしなければいけないというものは、やはり基準を決められたほうがいいと思います。以上です。
 
○長崎委員 今、先生方がおっしゃったその基準を決めて、特に個人のシッターに対してですけれども、基準を決めて、普光院先生もおっしゃったように、では誰がそれを審査して、管理、監督していくというような機関が果たして個人のシッター全てを自治体ができるのか、今のままの届出制の延長でその役割が大きくなったときに自治体がそれをできるのか。まずは審査をして、その後、ずっと管理、監督をして、もし何か問題が起こったときに誰が対応するのか、今はその役割をベビーシッター会社が自社の責任としてやっているのです。それを、個人のシッターを誰がどこで管理、監督するのかというのは、非常に大きな課題だと私は感じております。
 
○松原委員長 この辺りは論点ということになると思うのですが、ほかに議論をすべき点で、研修の量の問題だけではなくて質の問題も出ました。もちろん、そもそも制度として利用するときに、どうも自己負担額を想定しなければいけないということになると、その辺りの利用の有り様をかなり考えなければいけないという御意見もありました。ほか、いかがでしょうか。まとめていくにもなかなか難しいと思うのですけれども、今日はこのくらいで一旦閉じてよろしいですか、大丈夫ですか。この辺りを少し、資料を整えるなり、考えるなり、整理するなりというようなことで追加があれば出していただきますが。
 
○普光院委員 この私が提出しましたものの中には、どうやったら、保護者は何を、例えば書類としてもらっておかなければいけないのか、それを自治体に提出してその費用を償還してもらうみたいな事務手続になるのかみたいなところまで考えている部分があります。
それから、無償化の対象となるということはあくまでも自治体の管轄になると、その利用者に関わる部分は自治体の管轄になると思うのです。私が先ほど言いましたのは、シッターの登録データベースというのは、ひょっとしたら国でお作りになってもいいのではないかと。それを自治体が利用して、利用者の償還事務などにも活用する、あるいは監査や、まず、例えば資格、どういうシッターを無償化の対象にするかということをこれから決めていくと思うのですけれども、そういう無償化の対象となるシッターだということを自治体がお決めになったときに、それに当たっているのかどうかを国のデータベースを見れば分かるというような形に整理すべきなのかどうか、ちょっと素人考えで分からないのですけれども、その辺は自治体の事務のやり方とも照らし合わせて考える必要があるのかなと思っております。
 
○松原委員長 ありがとうございます。もし保護者が申請をして償還をしてもらうとすると、利用する前に、本来、自分が利用するベビーシッターさんがそれに該当するのかどうか、あるいはベビーシッターのチームが該当するのかどうかが分かっていないと、申請してから「これは値しません」と言われたら「それはないでしょう」という話になるので、事前の情報提供が必要になりますよね。
 
○普光院委員 そうなのです、そうですよね。
 
○松原委員長 どういう償還の方法を取るかにもよるかと思いますが、もし保護者が自ら申請するというシステムを作るならば、そういう形になると思います。ほか、よろしいでしょうか。
それでは今日の議論はこのぐらいまでにさせていただきまして、最後に、次回の日程等の説明を事務局からお願いいたします。
 
○森田少子化総合対策室長 本日は誠にありがとうございました。次回の専門委員会の議題及び日程につきましては事務局で調整させていただきまして、また追って御連絡させていただきたいと思います。最後のところでも様々な御議論がありましたが、今現在、幼児教育・保育無償化の法案の審議が進んでおりまして、次回には、我々のほうでは、まず、この委員会でいつまでにどういうことを議論していただく必要があるかということも含めて整理させていただきながら、議論を継続させていただきたいと思います。恐らく、4月中にもう一回ないし二回お願いすることになろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。以上です。
 
○松原委員長 では、本日の専門委員会はこれにて閉会といたします。御出席の皆様、どうもありがとうございました。
 

 

 

 

 

(了)

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