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2014年11月5日 第3回 医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会 議事録
医政局研究開発振興課
○日時
平成26年11月5日(水)16:00~18:00
○場所
厚生労働省 12階 専用第12会議室(中央合同庁舎5号館)
○出席者
委員
楠岡座長 | 和泉委員 | 大津委員 | 近藤委員 | 中川委員 |
橋本委員 | 花井委員 |
事務局
福島審議官 (厚生労働省大臣官房) |
飯田審議官 (厚生労働省大臣官房) |
神ノ田課長 (厚生労働省医政局研究開発振興課) |
南川課長補佐 (厚生労働省医政局研究開発振興課) |
佐々木企画官 (厚生労働省保険局医療課) |
○配布資料
資料1 | 調査結果に基づき検討を行うとしていた臨床研究中核病院の要件の考え方について(案) |
資料2 | 承認要件を仮定した場合のシミュレーションについて |
参考資料1 | 第2回医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会議事録 |
参考資料2 | 臨床研究中核病院の承認要件に関する調査結果〔暫定版〕 |
参考資料3 | 臨床研究中核病院の承認要件に関する実態調査票 |
参考資料4 | 臨床研究中核病院の承認要件に関する主な論点について(第2回検討会資料) |
参考資料5 | 臨床研究中核病院の法制化に係る経緯について(第1回検討会資料) |
○議事
○神ノ田課長 定刻となりましたので、「第3回医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会」を始めます。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日、青谷委員、下瀬川委員、中西委員からは欠席の旨、御連絡を頂いています。早速ではありますが、配布資料の確認をさせていただきます。一枚紙で議事次第と配布資料一覧を記載したものがありますが、それに沿って御確認をお願いします。議事次第の次にそれぞれ一枚紙で座席表、委員名簿があります。その後ろに資料1、資料2と参考資料が1~5まであります。不足、落丁等がありましたら、事務局までお知らせください。よろしいですか。これより議事に入りますので、審議の円滑な実施のため、撮影はここまでとさせていただきます。以後の進行については、楠岡座長にお願いします。
○楠岡座長 早速、議事に入ります。議題1「医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件の取りまとめに向けた議論」から始めます。事務局から、資料1~参考資料5までが提出されているので、この資料について説明をお願いします。
○南川補佐 それでは資料の説明をさせていただきます。資料1を御確認ください。資料1については、前回の「調査結果に基づき検討を行うとしていた臨床研究中核病院の要件の考え方について(案)」をお示ししています。
まず「論点3」の、特定臨床研究をどのように定めるか、「特定臨床研究の計画を立案し実施する」機能をどのように評価するかという点についてです。法律の対応する条項については、第4条の3第1項第1号の部位に当たります。
○1特定臨床研究の範囲については、治験及び介入・侵襲を伴う臨床研究と定義してはどうかとしています。これまでの経緯から、国際水準の質の高い臨床研究を特定臨床研究にするのが妥当ではないかと説明させていただきましたが、厳密に国際水準を満たす臨床研究とした場合に、(ア)GCP省令に基づき実施される治験となりますが、(イ)介入及び侵襲を伴う臨床研究についても、現在見直し中の臨床研究に関する倫理指針において、モニタリング等の実施が求められる予定ですので、これにより国際基準に準じた質の高い臨床研究が実施されることになると考え、これについても特定臨床研究に含めてはどうかと考えています。
また、「考え方」の1つ目のポツにありますが、臨床研究中核病院は、特定臨床研究に関する研修を行う機能や、他の医療機関に対して特定臨床研究の実施に関する援助を行う機能を求められていることから、治験に限らず、介入・侵襲を伴う臨床研究を含めて特定臨床研究を幅広く定義することとしてはどうかとしております。
次に、○2「特定臨床研究の計画を立案し実施する」機能の評価についてですが、特定臨床研究のうち、研究者自らが企画・立案して実施される医師主導治験・医師主導臨床研究の実績をもって評価することとしてはどうかとしています。その際に、特に、未承認の医薬品・医療機器を使用する医師主導治験の実績を別途評価することとしてはどうかとしています。また、申請時には、複数年にわたって医師主導治験・医師主導臨床研究を主体的に実施してきた実績を求めてはどうかとしています。
考え方についてですが、特定臨床研究を治験と介入・侵襲を伴う臨床研究とした場合に、臨床研究中核病院に求められる自施設が主体的に立案し実施する機能については、企業治験や企業からの受託研究ではなく、医師主導治験と医師主導臨床研究の実績により評価することが可能と考えています。医師主導治験については、主体的に行った医師主導治験の実績を評価するとともに、その中で革新的医薬品・医療機器の開発に特につながると考えられる未承認薬や未承認の医療機器を用いた臨床研究の実績を別途評価したらどうかとしています。
2ページです。first in human(FIH)試験についてですが、今回、実績を調査しましたが、医師主導治験によるFIH試験が可能な施設は極めて限定的であるということと、臨床研究によるFIH試験については、その妥当性を確認することは困難であることから、現時点でFIH試験の実績を必須要件とするのは難しいのではないかとしています。ただし、FIH試験の実施については、同じく革新的な医薬品・医療機器の開発には必要ですので、行える能力については求めていくのではないかと考えますが、必須要件とするのは難しいのではないかと考えています。
次ですが、実績評価に当たっては、継続的に成果を出していくことが求められることから、単年度ではなく複数年にわたって新規に開始した件数を申請時の要件としてはどうかとしています。また、承認された後も単年度ではなく複数年での評価としてはどうかとしています。
今、説明した形の「要件イメージ」の案です。1つ目のポツが、過去3年間に自ら企画・立案し新たに開始した医師主導臨床研究(治験を除き、介入・侵襲を伴うものに限る)が○件以上であること。次のポツが、過去3年間に自ら企画・立案し新たに開始した医師主導治験の件数が○件以上であること。最後のポツが、過去3年間に自ら企画・立案し新たに開始した未承認の医薬品・医療機器等を使用する医師主導治験の件数が○件以上であること、としています。
次のページを御確認ください。「論点4」です。「他の医療機関と共同して特定臨床研究を実施する場合に、主導的な役割を果たす」機能をどのように評価するかについて、1つ目の○を御確認いただければと思いますが、特定臨床研究のうち、多施設共同で実施する医師主導治験及び医師主導臨床研究について、当該施設が主導的に実施した研究の実績を評価してはどうかと考えております。また、申請時には、複数年にわたって多施設共同で実施する医師主導治験及び介入・侵襲を伴う臨床研究を主導してきた実績を求めてはどうかとしております。
考え方については基本的に論点3と同じでして、「要件イメージ」の案としては、過去3年間に新たに開始された自施設が主導的に実施する多施設共同医師主導治験の件数が○件以上であること。次のポツが、過去3年間に新たに開始された自施設が主導的に実施する多施設共同研究(治験を除き、介入・侵襲を伴うものに限る)の件数が○件以上であること、としています。
4ページです。論点3と論点4相互に関わる部分としては、「論文数」に関する要件を記載しています。1つ目の○ですが、論文数については、特定機能病院と同様の要件(査読を有する英語論文の数)に加えて、当該論文のうち臨床研究に関する論文の数が一定数以上であることを要件としてはどうかとしています。
考え方として、研究実績の評価に当たり、学術的に意義のある研究が適切に実施されていることを評価する観点から、特定臨床研究の実施の実績だけではなく、論文数による評価も加えてはどうかということです。
論文数については、今回の調査において○1査読を有する英語論文、○2そのうちPubMedに掲載されている論文、○3そのうち臨床研究に関する論文の数を調査しましたが、○1査読を有する論文と○2PubMedに掲載された論文はほぼ数字が同じだったことを考えると、より質の高い論文という意味では○2そのうちPubMedに掲載された論文、○3そのうち臨床研究に関する論文を要件としてはどうかと考えています。ただ、最終的にPubMedに載ったものという形を施行規則上規定できるかについて、また省内で確認した上で、規定できればそのような形で進めていければと思っています。
「要件イメージ」については、当該医療機関に所属する医師等が発表した英語論文(筆頭著者に限る)の数が年間○件以上であること。このうち介入・侵襲を伴う臨床研究に関する論文の数が年間○件以上であることとしています。
次のページを御確認ください。「論点5」の「他の医療機関に対して、特定臨床研究の実施に関する援助を行う」機能の実績をどのように評価するかです。1つ目の○を御確認いただきますと、他の医療機関が企画・立案する臨床研究について、○1プロトコール作成支援、○2データマネージメント(各データ解析を含む)、○3モニタリング等に関する支援を、契約又はそれに準ずる書面に基づき、行った実績を評価してはどうかとしています。これについては、後ほど説明します。実績数としてはあまり多くはありませんが、要件イメージとしては、多施設共同研究において、○1プロトコール作成支援、○2データマネージメント(データ解析を含む)、○3医師主導モニタリング等に関する支援を、それぞれではなくて併せた形で、契約又はそれに準ずる書面に基づき、年に○件以上実施していることとしています。
「論点6」は「特定臨床研究に関する研修を行う」機能を実績として、どのように評価するかです。1つ目の○が、臨床研究に携わる者を対象に、年に複数回の特定臨床研究に係る講習会を開催することを要件としてはどうか、2つ目の○は、研修の受講を施設が認定する制度を設けることを要件としてはどうかとしております。
考え方としては、1つ目のポツで、臨床研究に関する研修については、それぞれ役割に応じた研修が必要と考えているので、医師・歯科医師などの臨床研究の実施に関わる者、CRCやデータマネージャーなど研究支援を行う者及び倫理審査委員会の委員を対象とした講習会を年に複数回開催していることとしてはどうか、また、臨床研究中核病院はARO機能を担うことから、これらの講習については外部の研究機関が参加できることを要件としてはどうか、2つ目のポツですが、医師・歯科医師などの臨床研究の実施に関わる者、そしてCRCやデータマネージャーなどの研究支援を行う者に対しては、それぞれの施設において研究修了書を発行してはどうか、認定に当たっては、講習会の受講に限らずe-Learningや外部の専門研修も含めることとしてはどうかとしております。
「要件イメージ」としては、臨床研究の実施に関わる者、CRCやデータマネージャーなど研究支援を行う者及び倫理審査委員会委員を対象とした講習会をそれぞれ年に○回開催することという点と、臨床研究の実施に関わる者、臨床研究の支援を行う者に対して、研究修了書を発行することという形にしています。
次のページを御確認ください。「論点10」と「論点11」です。1つ目の○の、臨床研究に携わる医師・歯科医師・薬剤師・看護師については、臨床研究支援部門に所属する者と定義して、要件については、常勤換算値を基準としてはどうかとしています。常勤換算値を基準にするのは、特定機能病院と同様の考え方です。法律上は「その他従事者」となっていますが、「その他従事者」については、CRCだったり、データマネージャーについて、専従者、これは当該業務に80%以上のエフォートを有する者という定義で記載していますが、その専従者の数を基準としてはどうかと考えています。
「要件イメージ」については、多岐にわたるので読上げはしませんが、このような形で医師・歯科医師、看護師、薬剤師、生物統計家、コーディネーター、データマネージャー、モニタリング担当者、プロジェクトマネージャー、薬事審査関連業務経験者という形にしています。
最後の「指標の具体的な設定について」です。1つ目の○ですが、予算事業の対象として、平成23年度から順次5拠点ずつ15拠点を選定してまいりましたが、その15拠点全て、又は最も事業を早く開始した平成23年度に選定した早期・探索的臨床試験拠点5拠点の実績値を参考にして設定してはどうかとしています。
考え方ですが、予算事業により整備を進めてきた15拠点についても、国際水準の臨床研究や医師主導治験の実施体制を有するとともに、複数病院からなる大規模ネットワークの中核として、いわゆるARO機能を持つ拠点として選定して、これまで整備してきたところです。この経緯を踏まえて、医療法上の臨床研究中核病院の要件を定める際においても、その実績値を参考にしてはどうかと考えています。特に、平成23年度から早期・探索的臨床試験拠点として整備している5拠点については、今回、実績調査を平成23~25年までやりましたが、5か年計画のうちの3年目に当たることから、医療法上の臨床研究中核病院が果たすべき機能・能力について、整備が進んできていると考えられないかと記載しています。
ただ、具体的な要件の数値については、15拠点に関する調査の結果でまだ回答ができていない部分もあるので、その最終的な確認が取れた段階で数値を具体的に定めてはどうかと提案しています。資料1については、以上です。
資料2の説明をさせていただきます。資料2については、承認要件を仮定した場合のシミュレーションを6つ用意しています。「シミュレーション1」は「仮に早期・探索的臨床試験拠点の25パーセンタイルを基準とした場合」と仮定しています。これは暫定版となっているのは、まだ回答が来ていない部分や一部確認が必要な項目等があるので、現時点では暫定版としています。
一番上の部分を御確認ください。臨床研究の実績で平成23~25年を足した数、論文数の平成25年度のもの、人的体制で常勤換算にした医師・歯科医師、薬剤師、看護師、人的体制で専従にしたプロジュクトマネージャー、生物統計家等の数について、項目として付けています。その次の行で、仮の基準値として、それぞれの項目に1.75、0、1などとありますが、これについては早期・探索の5拠点、がんセンターが2医療機関あるので6機関になりますが、6機関の25パーセンタイル値という形で付けているものです。
左の1列目を御確認ください。これについては、15拠点(16医療機関)をAからPという形で付けています。それぞれの項目について、○となっている部分については25パーセンタイル値の仮の基準値を超えているものは○、超えていないものは×となっています。○も×も付いていない部分は、まだ未回答の部分と思っていただければと思います。
一番右の列の、基準値を満たす項目数を見ていただきますと、まだ御辺事が返ってきていない部分もあるので、例えばAという機関であれば、25パーセンタイルであれば16/16と全てを満たしている、Bという機関については、まだ回答していない部分もあるのでもっと増えると思いますが、8/16という形になっています。
下から4つ目の行を御確認ください。16機関のうち基準値を超えている割合という形で、それぞれの項目について、16機関の何パーセントの部分がこの基準値を超えているかというパーセンテージを書いています。
下から3行目からは、今回の15拠点以外の部分についても調査をしているので、16機関以外の病院について、この基準値を超えている部分のパーセンテージ、超えている病院の数、そして回答があった病院の数があります。特に、回答があった病院の数で、臨床研究に関する論文の確認作業が非常に大変だったこともあって、22病院しか御回答いただいていない上に、15拠点においても回答率が低い状況になっています。シミュレーション1の説明は、以上です。
「シミュレーション2」については、基本的には、仮の基準値を50パーセンタイル、つまり中央値にした場合にはこういう形になるというのがシミュレーション2です。
「シミュレーション3」については、75パーセンタイルにした場合についての形です。ほかの記載項目についての基本的な考え方は一緒です。
「シミュレーション4」については、「仮に早期・探索的臨床試験拠点、臨床研究品質確保体制整備病院(予定)の25パーセンタイルを基準とした場合」としています。先ほどまでさせていただいたシミュレーション1~3については、AからFを基準として、それぞれ代表となる統計値を基準に設定したのですが、これについてはA~Pの15拠点全ての医療機関のデータを基準に、統計値の25パーセンタイルを作りました。シミュレーション4については、そういう形です。
「シミュレーション5」については15拠点の中央値、「シミュレーション6」については15拠点の75パーセント値という形になっています。資料2の説明は、以上です。
資料2について、具体的な数値については回答が確認できてからと考えていますが、本シミュレーションにより大まかな要件の範囲について御議論いただければと考えております。
参考資料1は前回の議事録です。
参考資料2を御確認ください。参考資料2については、今回の調査の概要を書いています。今回は117医療機関に対して調査をしました。調査期間は1週間という極めて短い期間で多岐にわたる質問でしたので、この場を借りて皆様方の御協力にお礼を申し上げます。その中で、調査項目回収率については、95機関(81%)の回収率がありました。こちらは全ての項目に対しての御回答を頂いていないものもありますので、それも含めた形の95機関です。
調査結果の暫定版について、別紙を御確認ください。今回の御議論に関係ありそうな部分について暫定値という形で選じてまとめたものです。1ページの1-1の一番上の表については、医師主導治験主体の総数や、未承認の数、医師主導治験の多施設・主導の平均値・中央値・最大値・最小値。あとは、主な臨床研究機関としては、16機関を除いた形の平均値・中央値・最大値・最小値としています。
4ページを御確認ください。4ページについては、FIH試験の実績ですが、平成23、24、25年度という形で、特に治験の部分については、16機関の平均値でも0.1だったり、0.3だったりと。中央値は当然0になっていますし、FIH試験である医師主導治験は極めて少ないことは見て取れると思います。
5ページを御確認ください。5ページについては、それぞれの論文の数を16機関とそれ以外とに分けた形で同じくみています。論文の数については、少なくとも平成24年度と平成25年度はおおむね同じ傾向になっています。ただ、論文については回答数が少ない部分もあるので、ここについてはまだ少し数値だけでは評価しにくいのかと考えています。
5ページの一番最後の、他の医療機関に対する支援実績という部分についてですが、今回の15拠点でも、中央値では取れても1とか、3とか、1で、平均値であったとしても極めて少ないと。15拠点以外の部分であると、ほとんどやられていない状況が見て取れると思います。
6ページを御確認ください。6ページについては、それぞれの研修の実績の開催件数や、参加した職員数など、いろいろ聞かせていただきましたが、今回、開催件数の部分について要件の1つにしたいという形の提案になっています。
6ページの3-1の、研修を実施し、認定する制度がある割合は、15拠点ではおおむね80%ぐらいあって、15拠点以外の所であったとしても、これは50%ぐらい有している状況です。
最後、7ページを御確認ください。これは臨床研究に携わる者の数で、支援部門に従事する者、専従者、専任者の数をそれぞれ並べています。参考資料2の説明については、以上です。
参考資料3については、今回、調査させていただいた調査票の本体です。全部で7ページあり、今回、集計できなかった部分についても、今後の検討会において再度集計をした上でお示ししたいと思っています。
参考資料4については、前回、御議論いただいた「臨床研究中核病院の承認要件に関する主な論点について」という資料を付けています。
参考資料5については、これも第1回目の資料で、今回の法制化に至る経緯について、事業から始まり、最終的に医療法に位置付けられる経緯についてを今回お示ししています。事務局からの説明は、以上です。
○楠岡座長 前回の議論において、調査をした上で、その結果に基づいて検討するという部分について、考え方をまとめたものが資料1、暫定的ではありますが、返ってきた数値に関して検討を加えたものが資料2ということです。
これに基づいて、本日は主にこの点に関して議論を進めていきます。まず、資料1、資料2及び参考資料について、何か不明な点等はございますでしょうか。
○近藤委員 まとめ方としては非常にいいと思うのですが、1つ疑点があります。今後、医療法上の臨床研究中核病院を選ぶにあたって、どういう疾病を対象にしようとしているのか、それとも設備が整備されている点だけに焦点をあてて選択しようとしているのかです。
がんは日本で非常に関心を求められている領域ですから、当然のことながらそういうことをやっている研究施設は非常に多いわけですから、非常にこういうところでは有利になるだろうと。ところが、免疫、感染症、神経の病気など、研究されている領域がスペクトラムとしては狭いです。日本がこれから医療法上の臨床研究中核病院で臨床研究を強くしていかなければならないと考えたときに、そういうところもしっかり支援していかなければならないわけです。
ですから、選び方として疾病領域もしっかりと念頭に置いてやっていかないと、がんは確かに立派な仕事をしていらっしゃるかもしれないけれども、がんだけではありませんから、感染症も含めていろいろやっていただくような形で組織を選んでいかなければならない。
しかしながら、選ばれた所が、ただ選ばれただけで済んでは困るわけです。だから、後でしっかりとフォローして、本当にきちんとやっているかどうかを見ていかなければならないわけですが、そういう意味であって、今までのような単にお金を配るというのではなくて、しっかりとフォローアップしていく、コンプライアンスをしっかり保った研究体制を取ってもらうということが、本気でやっているかどうかも見ることを、もう一つ観点に挙げていただかなければいけないのかなと思うところです。
○楠岡座長 まず1点は、対象疾患に関してですが、これに関して何か御意見はございますか。今回の議論の1つは、足切りの水準をどうするかという点ですが、そのときに難病とか、希少疾患、小児、感染症を対象にして、そこを中心にやっているような所は、当然のことながら対象となる研究の数も少ない可能性もあるので、それに関する配慮をどうするか。今回は、特にこの疾患についてという、疾患を指定する形ではなくて、もちろん手挙げですので、ある一定のレベルにあると思われている施設が手を挙げる格好になると思いますが、そういう点に関して何か別段の配慮をするのかどうか。この辺りはいかがですか。
○花井委員 基準なので配慮というのはよく分からないところはあります。しかし、今、近藤先生がおっしゃられたことには私も賛成です。例えば感染症とか精神とか、そういう領域になってくるとニッチになっていて、何かがあるという基準で決められると、割と集中した所が落ちるということになって、そこで狭く深いところをやっている所が今回は入らないというような考え方は、まずい気がします。
ただ、基準作りなので、かといって、だったらいいとも言えないので、ここで新たな基準を付け加えるかどうかというのは、まだはっきり意見は決まっていませんが、実情を見て、狭く深くきちんとやっているような所がどういう実態かというところにも目配りしながら、進めていく必要があるということは私も思います。
○橋本委員 それに関して事務局の考えを教えてもらいたいと思います。基準を決めて、全ての要件をクリアしている所が申請してきたら、そこは必ず選ばれるという話なのか、それともまた委員会があって、そういう政策的な重要度などを考慮して選んでいくという話なのか。どういう感じに運営されますか。
○南川補佐 手続としては、特定機能病院と同じで社会保障審議会に申請書を提出し、基準をクリアした段階で審議会での議論に掛けます。議論に掛けたときに、定量的な基準は別途あったとしても、定性的な、例えばガバナンス体制がしっかりしているかというところについては、当然審議会での議論であったり、実地調査も含めた形で、最終的な御判断を頂くと考えています。
○中川委員 確認します。医療法上の臨床研究中核病院に指定されると、補助金はどうなりますか。
○神ノ田課長 現時点では医療法上は名称独占ですので、独占的に名乗れるということにとどまっております。また、来年4月の施行後に、概算要求で、補助金を出せないかということで要求をしています。それが通るかどうかというところはあるかと思います。
○中川委員 そういうあやふやなことでは駄目でしょう。
○神ノ田課長 現時点で言えることは、厚生労働省として概算要求にそのような予算を盛っているという段階です。
○中川委員 整備事業があと数年で終わって、医療法上の臨床研究中核病院が日本の医療の中でいろいろな役割を果たす。そういう中で、どのように担当課として考えているのか。それは要件を見直すときに大事なことです。今日の中医協でも、患者申出療養の中核医療機関になるわけだから、主導的な、そこも含めて、後で課長からこの場で報告してもらいたいけれども。
何を言いたいかというと、要件を満たせば次から次へと指定していくのか。そうではなくて、予算にも限りがあるから、臨床研究中核病院としての補助事業として、限定的な、例えば10病院とか、15病院に限っていくという方針なのかということを明確にしないと、頑張れば次から次となれるのだ、30も40も臨床研究中核病院を指定していいのだというのと、また全然違ってくるでしょう。その辺のところはどうなのですか。
○神ノ田課長 現時点で、臨床研究中核病院について、数字の上限を設けるという考え方は持っておりません。ただ、今後臨床研究の基盤が整備されていく中で、また数年後にこの基準を見直すというようなことはあり得るかなと思っていますが、先生のおっしゃるような形で、どんどん数ばかり増えてということが懸念される事態になった場合には、またその中でもより質の高い所を承認する形での基準の見直しは将来的な課題になってくるかなと思います。
○中川委員 初回は幾つぐらいを指定するつもりなのですか。
○神ノ田課長 今ここで申し上げることができるのは、これまで予算事業として15の拠点について整備を進めてまいりましたので、この15の拠点については、国際水準の臨床研究ができるような拠点を整備しようという目的で予算事業をやってきましたので、来年4月以降、医療法に基づく中核病院になっていただけたらというような期待は持っていますが、それ以外の所についてももちろん手を挙げることは可能ですので、基準をクリアした所については、しっかりと審査をした上で中核病院として承認していくことになるだろうと思います。
基準がどうなるかで変わってくるところもありますので、現時点でこの数字だというのを申し上げるのは難しいかなと思います。
○中川委員 今のは非常におかしいし、問題の発言ですね。15病院を前提として、その15病院が医療法に基づく臨床研究中核病院になっていただけるかどうかというのは、どういう意味ですか。これは法制化された臨床研究中核病院はゼロからのスタートでしょう。その辺のことは、重大な問題発言ですよ。まず取り消してください。
○神ノ田課長 そういう意味では、審査に当たって15病院を特別扱いするということではございません。ただ、予算事業の目的としては、きちんと拠点を整備しなければいけないということで予算を確保し、整備してきたという経緯がございますので、そういった意味では、きちんとした拠点として整備が進んだとすれば、そういう役割を担っていただけるような拠点になるのではないかということを申し上げました。ただ、自動的になるとか、そういうことではございません。
○中川委員 今の発言は何も修正していないではないですか。
○南川補佐 補足でよろしいでしょうか。今回、まさしくそこの基準というものを御議論いただきたいと思っているのですが、シミュレーションさせていただいた、例えば25%タイルのシミュレーション1ですと、例えば16分の6とか、16分の4とか、16分の5とか、幾つかありますが、当然、早期・探索的臨床研究の25%タイルですので、おおむね早期・探索的臨床研究拠点は6機関あるとしたら、そのうちの4番目か5番目ぐらいの基準に設定しますので、それプラスアルファの幾つか、後進の10拠点であったとしても2、3機関が選ばれると。かつ16機関以外においても、基準値を超えている割合はそれぞれの指標に応じて何パーセントかありますので、仮にこのシミュレーション1の25%タイルを選んだ場合については、早期・探索の6のうちの4か5プラスアルファの数の機関が、最終的には、来年度に申請すれば、実績だけを見れば、おおむねクリアできるような実績になると。
逆にシミュレーション2にした場合については、今度は6機関の中央値ですので、さらに基準としては、実績についても人的体制についても厳しくなります。これについて言うと、例えば16機関以外の病院のうち基準を超えている割合というのは極めて少なくなってくるので、この基準としては、中央値ですので、早期・探索のうちの大体半分ぐらいでは。
○中川委員 ちょっと待ってください。これまで何回議論してきたのですか。これは整備事業の指定要件ではありませんか。毎回言いたくないのですが、いろいろな不適切事案が多発して、データ管理体制、倫理審査だとか、そういうことが非常に欠落して、15病院でも極めて不十分であったと。そこから始まって、何となく今の話だったら、資料2の条件さえクリアできれば医療法上の臨床研究中核病院に指定できるみたいな論調になっていますよ。
○南川補佐 そこは誤解を招いてしまったかもしれませんが、あくまでもこれは定量的な部分の指標でございまして、具体的には前回お示ししました参考資料4において議論した点、特にガバナンス体制も含めた形で、そしてこの定量的な実績、人員要件だけではなく、全ての要件を満たした施設について認定されると考えています。それなので、当然、研究不正が起こりやすいような医療機関については、仮に実績があったとしても、認定はされないというものと承知しています。
○楠岡座長 要件の数値の話は後回しにして、中川委員の指摘されている点に関しては、まずは最初にどれぐらいの数を考えるのかという点。臨床研究中核病院というのはAROを置くということを念頭に置いているのであれば、来年の4月以降、AROに一番近いのは、一番最初に事業としてスタートした早期・探索的の所で、多分それだと最大でも6個ぐらいで、そのうちの半分ぐらいの可能性も十分にある。
臨床研究がどんどん数が増えてきて活性化すれば、ARO機能を持つ所がたくさん必要になってくるでしょうし、あまり活性化しないのであれば、AROに集中させる意味では、むしろ数が抑え気味でもいいと思うのです。むしろそういう所に集中化して、人員とか体制を整えて全体を引っ張っていくことによって、だんだん数が増えていったら、また追加のAROが必要になってくるという形に本来はあるべきなので、数というのは、スタートする時点でおおよそどのぐらいというのは頭にあるかもしれないですけれども、それは実際に応募してきた所がどういう所か、最初から諦めている所もあるかもしれませんので、出てきたところで考えてもよいのではないか。問題は結局ARO機能としてスタートさせた後に、どのような形でそれが動いていって、研究そのものが活性化するということで、いろいろなものが早くできるとか、もっといいものが出来ていくというところになってくるかと思います。
そういうことを考えると、数が幾つとかいうのよりも、まずはスタートラインにどのような病院を乗せるかというところがあって、それがひょっとすると3つかもしれないし、場合によっては7つ8つになるかもしれませんが、まずはそれがスタートした後で、実態としてそれだけ要るのか要らないのかをどこかで評価する。要らないのであれば、基準を上げてどこかに集中化させる。それでは足りないのであれば、基準を下げるというよりも、手を挙げてもらう所を勧奨するような形で増やしていくという考え方になるのではないかと、これは私の個人の意見です。
だから、もちろん基準値を決めるときに、変なところに置くと、100個も200個もなってしまいますから、そういうわけにはいかないでしょうけれども、今は事業の対象は15ですが、そこまで全部がスタートラインに並ぶ必要は、必ずしもないかとは思います。その辺はまた御議論いただいて、後で敷居値を決めるときに、あまりたくさんの病院がそれをクリアしてしまうというのだと敷居値の意味がないので、そこは勘案する必要は出てくるかもしれないと思います。
○中川委員 座長の言うことは分かります。分かりますが、数というのはイメージとして大事ですから、全く数は考えていませんとか、そういう答弁を担当課長がされたら、これはもう話にならないではないですか。補助金をどうするのかも考えていない、どうなるか分からない、始まってからだ。そういう無責任な発言は困りますよ。
日本の臨床研究をどうやって元に戻すか、世界的な信頼を回復させるか、ものすごく重大な使命を我々は担っているのですよ。その緊張感を持ってくれないと困ります。
それから座長、申し訳ないけれども、今日の中医協で患者申出療養というのが大分固まって、臨床研究中核病院の役割というのは極めて重大だということが明確になったのです。そこで、研究開発振興課長から報告していただけませんか。
○楠岡座長 事務局のほうで、今日の中医協の内容に関して。
○神ノ田課長 患者申出療養というのが、今後、法律を出すということになっていますが、臨床研究中核病院で受け付けて国に申請していく、そこが基本になっています。
また、特定機能病院についても窓口を整えた所については、患者さんからの申出を受け付け、この場合は臨床研究中核病院と共同研究という形で、タイアップした形を取れた場合については、臨床研究中核病院のほうから国に申請を上げてもらいます。
いずれも中核病院からの国への申請となりますので、そういった意味では中核病院の役割は非常に重要で、患者さんに対する窓口をどう整えるか、あるいは特定機能病院との連携をどう図っていくかというところが、今後考えていかなければいけない部分ではないかと思っております。
○楠岡座長 この部分に関して、中川委員にお伺いするのですが、中医協の中での議論として、臨床研究中核病院がそういう意味では患者申出療養の1つのコアになるので、患者申出療養がどのぐらい出てくるかの予想は付かないわけですが、言うならばそれを素早くハンドリングしていくためには、臨床研究中核病院というのはある程度数があったほうがいいのか、それとも特定機能病院がその間に入るような形になるので、むしろコアとして数を絞って、しっかりした所が特定機能病院と連携しながらやっていくと。特定機能病院は、今回の数値を見ていただいたら分かるように、早期・探索的臨床試験拠点や臨床研究品質確保体制整備病院の15と、特定機能病院を全部含めた95からの回答では、かなり差があるのは歴然としているので、そうすると臨床研究中核病院というのはあまり増やさず、むしろしっかりできる所を数少なく置いておいて、特定機能病院との連携でやっていくのか。その辺りはどのように考えておられますか。
○中川委員 主体は臨床研究中核病院と特定機能病院です。それが患者申出療養の中心的な医療機関になります。ですから、そういう意味では臨床研究中核病院を全国遍くという必要はないと思います。しかし、やはり臨床研究中核病院と特定機能病院は同列ではなくて、臨床研究中核病院が数段上だというのが、患者申出療養の中でもそういう位置付けですから、これはやはり権威ある病院として、日本を代表する病院として位置付けるという意味では、多い必要はないと思います。
○楠岡座長 そうすると、非常に単純な計算でいくと、今は特定機能病院は100を少し切りますが、その1割の10ぐらいあれば十分というぐらいの、その辺がまず最初の出発点。
○中川委員 イメージとしてはそうかなとは思いますね。
○花井委員 朝の議論なのですが、全体として臨床研究中核病院というのを、先ほど無責任だという発言もあったと思いますが、要するに、この病院をどのような病院にするのかというグランドデザインが見えないところがあって、例えば中医協の議論で言えば、あたかも特定機能病院より素晴らしい病院が法律で位置付けられたものだから、これを使ってやればいいではないかというような話になっていて、あの議論だと感覚的には10個ぐらいはなければ、そのような仕事はできないのではないかというような議論になっていて、しかし、そこにいる人たちは、実際にどのような病院が何個選ばれるかも分からないまま、議論しているわけです。
ところが、ここでの議論をすると、最初から10か所も緩めていいのかという感覚になっていて、そこで臨床研究中核病院がどれだけ選ばれて、どう使うかということについての温度差があるのです。だから、もしかしたら患者申出療養では、かなり臨床研究中核病院に、雑用といっては何ですが、新たに申請して、もうやっている所で、市民病院などに申請されたら、その市民病院でやっていいかどうかの判断も、2週間以内に臨床中核拠点がやらなければいけないという仕組みになっているのです。それというのは、かなり煩瑣な仕事であって、そういうこともやっていくとなると、2か所、3か所に全部やらせるとなると大変なことになるわけです。そこが省全体としての合意ができていないままに進んでいるような印象があります。
○中川委員 皆さん、お分かりのように見事な縦割りなのですよ。ですから、保険局と医政局はきちんと連携してくださいとずっと言っているのですが、こういうことになるわけです。臨床研究中核病院は本当に医療の中枢というか、主役、主導的な立場に立っていただかなければならないのです。ですから何度も申し上げているわけです。
○楠岡座長 そうしますと、数に関しては何個というよりも、ポリシーとして、1つはARO機能をしっかりと発揮して研究全体を牽引していただかなければいけない。ですから、それなりにある程度体制も整えなければいけないし、それだけの体力がないと、AROが疲れ果ててしまっては困るわけなので、体力もあってと。そうすると、ある程度は集中化ということも頭に置いておかなければいけない。
一方、患者申出療養という別の問題のところからは、かなり臨床研究中核病院が持つ役割等は多いので、あまりにも少なすぎるとARO機能を発揮する以前に、ほかのことで忙殺されてしまう可能性もある。この2つのことを考えて、それのバランスの中で数を考えていく。現在何個というよりも、決め方のポリシーをはっきりと出しておいていただければ、それに基づいてある程度は基準を考えていけることになるとは思います。
それと、最初の話で疾患の話なのですが、疾患に関しては、もちろん特定の疾患に関して非常に力のある所にAROになっていただいたら一番いいわけですが、先ほども言いましたように、AROというのは結構体力が要るので、特定の疾患のみに注力している所は、そこまで体力が持てるかどうか。ただし、それなりに体力もそこそこある場合に関しては、先ほどの外形基準以外のところで、特にその病院はこういう領域に関して。例えば仮に全国で走っている医師主導治験とか、あるいは医師主導の臨床研究が、全てそこの病院が起点になっていて、ただその数が少ないというのであれば、当然そこはARO機能を持つべきということにはなると思います。数以外のところに関しては、言うならば申請時に、応募する理由をしっかりと書いていただいて、それは評価する所で考えていただく。
いくら非常に重要なことをやっているからといっても、体力的にあまりにも小さいと、それはAROとしては維持するのは難しいだろうし、そうでなく、逆にAROとしてその領域においては機能しているというのであれば、それは認めてもいいかもしれない。
これから数値の話にはなっていきますが、基本的には、特定のところに関しては、注記を入れておくということで、判断基準として、承認を審議する所ではそういうことも考慮に入れるということを入れておいていただければ、ある程度はカバーできるのではないか。
○近藤委員 楠岡先生がおっしゃったように、AROは一つ一つ持ったら大変ですよ。みんなが持たなければならないということはないと思うのです。例えば東京に1つあれば十分ぐらいなものだと思うのです。ですから、それは最終的にマネジメントするところであって、自分の所で別々にこういうものを持つ必要はないだろうと。だから、それは東京で一番大きな所が持てばいいのかなという気がしないでもないです。
ですから、AROを持っているかどうかということで決めるのは、将来不採算な話になってくると思うので、やはりそれは中央的にやるべき話ではないのかな。もちろん離れている所だと大変だろうと思いますから、ある程度身近な所で、代表してもらえればいいのかなという気はします。
○大津委員 疾患の件です。申出制度というのは疾患ごとに施設を限定するわけではないですよね。だから、臨床研究中核病院となった場合に、いろいろな疾患の申出制度ということが、そこをやるという形になるのでしょうか。
もしそれであれば、特定の疾患のところが際立っていても、全体の中の臨床研究などをやる体制がしっかりと整っていないと矛盾を生じるのではないかということがありますので、そうすると実績的な数に帰着してきてしまうのかなと。
○中川委員 患者申出療養です。患者申出療養は、その中で一番想定される多いものは、先進医療や治験も含めて評価療養でやっていて、その実施医療機関の近くにいない患者さん。現状は先進医療A、先進医療Bともに、対応しているのが10医療機関以下ですから、それを拡大する、先進医療を受ける患者さんが増えるという意味では朗報だと。さらに、先進医療A、先進医療Bの症例数の積重ねが増えれば、保険収載、保険適用になる道も早くなる。これが最大のポイントなのです。
そこで判断するのは臨床研究中核病院なのですが、必ずしも全ての疾患に対して得意ではないですから、それは適切な医療機関で判断する。臨床研究中核病院は身近な医療機関、例えば大学病院は本院でなくても、どこかの市民病院とか、そういう所で、あの病院はこの医療を実施する能力があるかどうかという判定もしなければいけない。そういう役割を持たなければならないという意味です。
○大津委員 そうすると、医師主導治験とか、我々の所で多施設などでやった場合には、必ず施設の訪問をして、その施設が参加施設として十分にできるかどうかというサイトビジットをしていきますので、そういった体制と同じようなことが取れるかどうかということになってくるのではないか。そうすると、結局今までの医師主導治験等の多施設でやったような実績というのが、ある程度参考にはなるのではないかと考えます。
○楠岡座長 まず1つは、数というか、最終的にどのように決めていくかという形に関しては、ポリシーがはっきりすれば、ある程度そこで数は出てくると思いますので、その辺は厚生労働省としてどう考えるか。こちらでやっている内容の中に、どんどん中医協で別の話がいろいろ進んだりしているので、それも加味しながら、その辺を考えていただくというのがお願いしたいところです。
その中で、もう1つは前回から問題になっているガバナンスの問題なのですが、今日はガバナンスのところに関してはまだ案が出てきていないので、これは次回に出していただくということです。
あと、前回の論点に関して、今日の資料1に関して、比較的ここは決めやすいというところを決めてしまって、残った問題を次回以降にじっくりやりたいと思います。
資料1の論点3で、特定臨床研究をどのように定めるかに関して、○1の範囲について、これは治験と介入・侵襲を伴う臨床研究という定義ということで、これに関して何かございますか。よろしゅうございますか。言うならば、臨床研究という非常に幅の広い中で、前向き介入研究、医療機器などを使うということであるということで、定義としてはそういう範囲のことになるかと思います。
○2で、「特定臨床研究の計画を立案し実施する」機能に関してですが、これは○にあるように、そこの医療機関に所属している研究者が企画・立案した医師主導治験、あるいは医師主導の臨床研究の実績ということで、その中でも、特に未承認の医薬品・医療機器を用いる医師主導臨床研究の実績ということです。
ただ、臨床研究中核病院はエビデンス形成ということがあるので、当然、市販後の医薬品の組合せ等による研究も入ってくるので、それも一応評価の中には入れておいたほうがいいかと思うのですが、それはいかがでしょうか。全体としては早期・探索のところと、市販後のエビデンス形成に寄与するところということです。
○和泉委員 それは市販後の、例えば介入研究でしょうか、それとも観察研究でしょうか。
○楠岡座長 介入研究です。
○和泉委員 それは必要だと思います。
○楠岡座長 ですから、特にエビデンス形成ということになってくると、かなり大規模でないとあまり意味がないことになるので、大規模をどう定義するかによりますが、それも考慮に入れてということでと。
○近藤委員 追加をお願いしたいところは、「計画を立案し実施する」というのは分かります。実施した結果をどう評価して、社会に出すかということが重要だと思うのです。やりっ放しであっては困るというところをしっかりと出してもらいたいのです。それは義務だろうと思うのです。
○楠岡座長 臨床試験に関しては、今回、結果の公表が義務付けられる形になりますね。ですから、それは論文という形になるのか、どういう形になるのかは別として、そこは指針の中でしたか。
○南川補佐 指針の中で結果の公表については義務付けられることになるのですが、近藤委員がおっしゃっているのは、それが治験をやったときに実際に薬事承認につながったかとか、そういうような御趣旨の発言かなと伺っていたのですが、これについては事務局内でも考えたのですが、現時点においては厳しいかなと思っています。今後、先ほど課長からもありましたように、見直しされるときに、そういう形で医師主導治験の実施件数は最終的に結び付いたものということも考えておいてもいいのかなと思っているところです。
○近藤委員 どうなったか分からないものが多いではないですか。それはちゃんと知りたいですね。
○大津委員 市販後の試験に関して参考として入れるということは構わないと思うのですが、そうすると今回の「ディオバン」等の一連の問題となった、企業スポンサーなのか、本当に研究者主導なのかというところが非常に不明瞭な試験というのが結構入ってくる可能性があると思うので、そこは何かしらの条件を付けないと非常にあやふやなものになって、また同じことを起こすのではないかという懸念がございます。
○楠岡座長 それは念頭に置いておいて、別のところで臨床研究に関する法制化の検討の中でもそういうことを検討していますので、それの結論も反映させるということで。
2ページ目のfirst in humanの取扱いですが、確かにfirst in humanをしようと思うとfirst in humanになるシーズというか医薬品がなければなかなかfirst in humanにはならないので、これはある意味バイチャンスみたいなところもありますので、必須にはしないが、申請時の資料には経験数などはあったほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
そうしたら、必須にはしないが評価の対象にはするという形にすると。したがって要件イメージとしては、過去3年間、これは3年ぐらいでよろしいですか。取りあえず3年と置いておいて、自ら企画・立案し新たに開始した医師主導治験、医師主導臨床研究、治験を除き、介入・侵襲を伴うものが○件以上であること。過去3年間に自ら企画・立案し新たに開始した医師主導治験の件数が○件以上であること。それから、過去3年間に自ら企画・立案し新たに開始した未承認の医薬品・医療機器を使用する医師主導治験の件数が○件以上であること。あとは、要件ではないけれども、評価するべき対象として、first in humanとか市販後の大規模臨床試験というものを置いておくという。
○和泉委員 治験の場合でも、今回はfirst in humanで記入されてもよろしいのですが、外国人でやっても、おそらく治験の場合は日本人でもphase 1をするということが想定されますと、first in Japaneseも考慮する必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○楠岡座長 いかがですか。企業治験の場合はfirst in Japaneseというのは割とはっきりしていて、国際的にやっていて日本ではまだやっていなくて、これから参加するというのでfirst in Japaneseというのは分かるのですが、医師主導の場合は、実はひょっとするとfirst in Japanese=first in humanかもしれないし、実は他国で既にやっていて、単にfirst in Japaneseかもしれない。しかし、論文として出てこなければ、それは後でしか分からないというところがあるので、first in Japaneseであるかどうかの判断が非常に難しいと思うのですが。
○大津委員 first in Japaneseというところでいうと、これは結局、医師主導治験の数に入ってくる話になると思うのです。海外でも未承認であれば、海外で通っていたにしても日本国内未承認という形であれば、それは医師主導治験というところのカウントで考えればよろしいのではないかと思うのですが。
○楠岡座長 では、それは特に分けずにということで。
そうしましたら、論点3に関しては、大体今のようなところでよろしゅうございますか。○の件数に関しては、後で一括して議論させていただきたいと思います。
次が論点4で、「他の医療機関と共同して特定臨床研究を実施する場合に、主導的な役割を果たす」機能ということで、要件のイメージとして、過去3年間に新たに開始された自施設が主導的に実施する多施設共同医師主導治験の件数と、過去3年間に新たに開始された自施設が主導的に実施する多施設共同研究で、治験を除き、介入・侵襲を伴うものということで、医師主導治験と多施設共同の治験以外の介入・侵襲を伴う臨床試験ということで一応あるということで、これはほかに何か追加すべきなど、ありますでしょうか。
当然、論点4は論点3で出てくる数の一部という形になりますが、要は、すごく医師主導治験をたくさんやっているように見えるのだけれども、実は施設内だけでやっていて、あまり多施設共同という形は取っていないということもあり得るので、特にAROの場合は、多施設共同に関してある程度重点を置くということで、それを明示するという考え方でよろしいでしょうか。
○近藤委員 いや、それは明示しなければいけないのです。選ばれたからには、インテグレーションを取っていかなければ困るわけで、黙っているようでは駄目でしょう。その気でやっていただかなければならないわけですから、オールジャパンということで。
○楠岡座長 医師主導治験に関しては、文部科学省のTR事業は、ある意味ゴールが医師主導治験になっているので、TRをやっている所は医師主導治験の数が多い。しかし、必ずしも全部が多施設共同でやっているわけではなくて、自施設内だけでということもありますので、そういうことも含めて、私としては論点4はこの形で多施設共同医師主導治験等を明示していただくということで。
○花井委員 少し細かいですが、「主導的な役割を果たす機能」の中で、主導的に研究したということで、Tautologyっぽくなっているので、主導的の中身をもう少し腑分けして書かないと、主導的とはどういうことかと聞いて「主導的にやった所」と書いてあるような気がするのです。例えば、研究代表者がその人であればいいだけではないですよね。そこのデータマネージャーやいろいろな人が関わってという趣旨だと思うので、主導的の意味をもう少しどこかで明確にしておいたほうがいいのかもしれません。
○楠岡座長 今の話で、後ろのほうとも関連するのですが、多施設共同研究の研究代表者は他の施設の方なのだけれど、調整事務局はここがやっているという場合は、後ろのところでカウントして、ここには入れないという考え方ですか。
○花井 私は思い至らなかったのですが、そうであるがゆえに主導的の意味をはっきりしておかないと。
○近藤委員 要するに、これはマネージメントの中心という意味ですよね。勝手に決めてどんどんやらせるという話ではないのです。しっかりと組んだ病院とコラボレーションを取ることが前提ですよね。
○楠岡座長 ですから、今のような全体の調整責任者は別にいて、調整事務局を担当するというのは論点5で出てくる「他の医療機関に対して、特定臨床研究の実施に関する援助を行う」という所で数をカウントして、こちらは正に全体の責任医師に限ると。
○花井委員 かつ、そこのチームが関わるということだと思います。
○大津委員 基本的には代表者事務局が、多くは同じ施設ですが、先生がおっしゃるように異なる場合もあります。その場合は、ほとんどはプロトコール作成、実際の試験のマネジメントは事務局がやりますので、プロトコール作成や試験のスタディ全体のマネジメントをやっているというところで、括弧付きでも明記していただければ分かりやすいかと思います。
○楠岡座長 前の議論の中で、その研究機関が必ずしもリーダーシップを取っていない疾患領域に関して、支援はするけれども、実際のプロトコール作成等は第一人者の他の機関の方がするような場合には、こちらには入らないという考え方でいいということですね。
次に4ページの論文数ですが、これは資料2や参考資料にもありますように、単純に英語の論文というとすごい数が出てきて、ばらつきもある。端的に言うと、所属している医師の数で決まってくるようなところもあって、大施設であればすごい数になりますし、小規模施設だと少なくなってしまう。ということで、ここでは英語論文の中で「介入・侵襲を伴う臨床研究に関する論文の数」となっていますが、これはいかがでしょうか。英語論文というと本当にいろいろなものが入ってしまうので、これは臨床研究中核病院なので、少なくともまずは臨床研究に関する論文という枠があって、その中には観察研究とかいろいろあるかもしれませんが、更にその中で介入・侵襲を伴う研究という形にすれば。
○大津委員 1つは、絶対数になるとその施設の医師数で決まってきてしまうので、絶対数である程度の最低限は必要でしょうけれど、評価をするときには常勤医師数当たりといった形で出すのが客観的な評価ではないかと思います。
もう1点、臨床研究に関する論文というと定義が非常に分かりにくくなって、例えば臨床検体を使って、ほとんど基礎的な免疫染色やゲノムの解析をやったものを臨床研究にするのかどうかは、かなり判断に迷うところで、そこの定義付けをしっかりしないと、ばらつきが出る可能性があります。むしろ、臨床試験のレポートだけと絞ってしまったほうが、分かりやすいのは分かりやすいかと思います。
○南川補佐 ここの要件イメージについては、所属する医師等が発表した英語論文は基礎も臨床も含めた論文の数、これは特定機能病院と同じようなもので、特定機能病院は70になっている部分で、そのうちの一定割合については臨床研究に関する論文がなければいけないという意味合いで記載しております。今の御議論では、そもそも基礎も含めた論文数は要らないのではないかということだと承知しております。
もう1点は、今回調査をした際の定義については、臨床研究であれば倫理審査委員会を基本的には通すことを考えておりますので、倫理審査委員会を通した臨床研究に関するデータを基にして書いた論文という形にしております。これにしても、かなり各施設からの返答が遅れているので、こういう定義が妥当ではないかという御意見があれば頂ければと思います。
○橋本委員 後で数字の話をするときに出る話かもしれませんが、臨床研究の実績や人数などの基準と、こういう論文数の基準が同じような基準として認識されて、論文数が足りないので駄目だみたいな話になってくるのはどうなのかなという気がします。だから、基準として決める中でも、これは絶対に数字で決めなければいけないという部分と、これはゼロでは困るけれども、プラスあればいいのではないかみたいな判断でいいようなものと、峻別をしていったほうがいいのかなという気がします。
○楠岡座長 具体的にはどの辺りでしょうか。今おっしゃった論文の数とか。
○橋本委員 論文の数とか、あと例えば人的体制で、先ほど診療科の話も少し出ましたが、主にやる臨床研究の種類によっては、医療機器や再生医療が中心の所は薬剤師の数が若干少ないとか、抗がん剤を扱う所が多いとか、そういう診療科による違いが出てくるような部分も恐らくあるのだろうと思います。また、最初に議論していた医師主導治験の実績にしても、ほとんど数が少ない中でどこかで数字を決めて切るのがいいのか、あるいは医師主導治験に関しては実績さえあればよしとするという考えもあると思いますが、全てが平均点を付けてそれをクリアしていなければならないという基準の決め方は、ちょっとそぐわないのではないかという気がします。
○楠岡座長 それは後ほど検討するときに、基準値として高めに設定するか低めに設定するか、あればOKとするかというところで御議論をお願いします。
○中川委員 この医療法の臨床研究中核病院は、はっきり言って特定機能病院から選りすぐるのですよね。それ以外はなかなか想定されませんね。となれば、特定機能病院の70という論文数よりも厳しいのは当然で、数もちゃんと決めなければいけないし、そのように割り切ったらどうでしょうか。先ほど大津先生がおっしゃった臨床研究の定義が難しいというのは、私もそう思います。ですから、あまり臨床研究に関する論文にこだわらず数で。数が多いということはそれなりにアクティビティも高いし、その医療機関のレベルも相関すると思いますので、それはきちんと決めたほうがいいと思います。
○楠岡座長 そこは最後に少し御議論いただいて、絶対数にするか一人当たりにするかは検討して、ただ、二本立てというのも1つあると思うのです。絶対数があって、人数があるから楽々とクリアしてしまうような所に関しては一人当たりも見て、あまりにも生産性が低いものはどうするかということでいかがでしょうか。
○中川委員 医師数が少ない所は、そもそも臨床研究中核病院になるのかという大前提がありますから、私は一人当たりは要らないと思います。
○楠岡座長 分かりました。それでは、それを念頭に置いて後で御議論いただきたいと思います。論文数に関しては今のような形で、臨床試験に絞ってしまおうということでよろしいでしょうか。臨床試験に絞るとなると、今はデータがないのですね。
○南川補佐 今回の調査で出したデータは、倫理審査委員会の審査を経た臨床研究のデータに基づき記載した論文数であれば、データはあります。
○楠岡座長 臨床研究に絞るとなると、そこは少し追加して、全施設は無理としても、少なくとも16施設のデータぐらいは手に入れていただければと思います。
○南川補佐 定義次第だと思いますが、恐らく内数になると思いますので、少しどういうのが妥当かを御相談させていただいた上で、再度その部分だけ確認することは可能だと考えております。
○楠岡座長 大津先生、臨床試験に関わるところで、プロトコール論文とか結果論文とかサブ解析とか、そこまでは縛らずに。
○大津委員 一番シンプルに分かりやすいのは、1臨床試験・1論文、そこに付随するものがあれば。
○楠岡座長 一塊で扱うということですね。
○大津委員 別というか、外すというほうがシンプルで分かりやすいと思います。それに関連したという話になると、先ほどの定義の問題と同じでいろいろなことが出てきてしまうので、臨床試験の結果論文の1つということでやったほうが分かりやすいと思います。
○楠岡座長 なかなか難しいですね。論文になっているのは、必ずしも今やっている話ではなくて、過去の話ですね。それは後で議論をするとして、そうすると、むしろ論文の数というよりも論文になった試験の数、あるいは承認につながった試験の数。
○大津委員 承認につながったというのは、治験の場合はほとんどそうなるのでしょうけれど、それはそれでかまわないと思います。
○楠岡座長 それでは、そこは後ほど御議論いただきたいと思います。
次は論点5です。援助の話で、先ほど少し出ましたが、プロトコール支援、データマネージメント、モニタリング等に関する支援を契約に基づいて行っていく。これは、現時点ではあまり数がはっきり出ていないので、今の橋本委員の御発言のように、今やっていればいいということで、今後伸ばしていかなければいけないものですが、数としてどの辺にするかは後で御議論いただきたいと思います。これに関しては、数は別として、イメージとしてはこの形でよろしいですか。「プロトコール作成支援、データマネージメント、モニタリング等」、「等」で大体みんな入ってしまうかと思いますが、ほかに契約等の支援であり得るようなもの、含めておいたほうがいいようなものはありますか。
○和泉委員 細かいようですが、「監査」は付いていますね。それは「モニタリング等」で読むということでよろしいですかね。
○楠岡座長 よろしいですか。
次は論点6です。研修ですが、これは研修を何回開催したかといった内容と、研修しっ放しでは困るので、それに関して受講した人が身に付いていることを確認する意味で修了書を発行するという2段階の形ですが、ここはいかがですか。もちろん内向けだけの話ではなくて、外向けに開放することも条件に入れるということで、よろしいでしょうか。
次に論点10、11ですが、医師・薬剤師・看護師等の数、専従者の数です。イメージとしては、臨床研究支援部門に所属する医師の常勤勘算数、看護師・薬剤師・生物統計家・臨床研究コーディネーター・データマネージャー・モニタリング担当者・プロジェクトマネージャー・薬事関係経験者ということですが、これに関してはいかがですか。
○和泉委員 実際、以前もお話がありましたが、医師も含めて薬剤師・看護師等で、通常の診療をやりながら臨床研究をやっているという実態は少なからずあると思うのです。これだと、その部分の評価をどのようにするのかなと思います。ですから、臨床研究支援部門に籍がある方というだけでは、通常の臨床研究はされていないのではないかと思っているので、その辺りの考慮をしていただく必要があるかと思います。
○楠岡座長 ただ、前回の議論のときに、臨床研究を実施している医師はどう定義するかが非常に難しくて、極端なことを言うと、うちにいる医者はみんなやっているからといって常勤職員の数になってしまっても意味がないし、そういう意味でどのようにすればよろしいか。
○和泉委員 ですから、一番は医師の先生方の臨床研究に関する時間的な割合を、ある程度係数を入れるしかないかと思っています。
○橋本委員 予算事業のときの申請で、非常にエフォート率の低い人がたくさんいるということがあって、そのときにどなたが責任を持ってやるのかがよく分からないので、主務というか、50%を超える割合がこの部門での仕事だという人が、少なくとも医師には必要なのではないかと思います。
また、この中に事務局の話が出てこないのですが、先ほどの患者申出療養制度の話も含めて事務局の機能が非常に重要になってくると思うので、事務局に必ず専従者を置いて、本当に専門的な方を育てていくぐらいのことはしたほうがいいのではないかと思います。
○楠岡座長 分かりました。それは書き方としては、例えば臨床研究支援部門に所属する事務職員といった書き方でよろしいですか。
○橋本委員 何か肩書きが明確にあるのであれば、そういう肩書きがあってもいいと思いますが、特にないのであれば、事務局機能の責任者を置くような形になるのではないですかね。
○大津委員 もう1つ、倫理審査委員会とか遺伝子倫理とか再生医療とかいろいろな委員会があって、臨床研究、疫学研究、その指針の対応もありますし、委員会の事務局をやる人は、特殊な資格試験はないのですが、かなり専門性が高いことを要求されるのです。ですから、そういった倫理審査関係の事務局に対応できる人材が絶対に必要だと思うのです。そこが実際上の指針に対応できていないプロトコールの部分のチェックを濃密にやるので、そこの専門職は必要だろうと思いますし、それが何かしらの形で反映されるような定義付けをされるといいのではないかと思います。
○楠岡座長 倫理審査委員会の事務局のことは、法制化のほうでもいろいろ議論されているので、これに事務局として、単純に一般事務ではなくて倫理審査委員会に関することと、先ほどから出ている患者申出療養が制度化されたらそれの事務局もきちんと人員を確保していただかないといけないと思います。あとは、ある程度専門職的なところで、データマネージャーやCRCということになると思いますが。
○花井委員 どのぐらいというのは取りあえず置いておいて、この要件イメージを見ると、臨床研究支援部門に所属する臨床研究コーディネーター以下は専従とか専任という、いわゆる50%、80%の。
○南川補佐 専従は80%です。先ほど言った50%以上については、今回の調査の中では「専任」という言葉を使っております。
○花井委員 そうすると、上の「医師・看護師・薬剤師・生物統計家」はそれが書いていないのだから、多分そこに入れていないのだと思いますが、これでいいのかなと。生物統計家というのは、大体専任みたいな感じなのではないですかね。そこをもう1回議論していただきたいと思います。また、これは個人的ですが、中核病院であれば5割以上とか8割の先生は臨床研究部門にいるのではないですか。
○南川補佐 具体的な数値については、参考資料2の別紙の7ページを御確認ください。ここにそれぞれ常勤勘算、専従者80%以上、専任者とあって、それぞれの業種についての数のおおむね中央値を御覧いただきたいと思いますが、例えば医師であれば常勤勘算すると5名、16機関、15拠点の中央値を見ると、医師であれば常勤勘算すると5名で、専従者にすると4名になっています。この辺りは、最終的に専任者と専従者を重複させているかどうか、確認が今後必要だと思いますが、専任者が1名になったりしています。生物統計家に関しては、中央値だけで見ると専従者が2名、常勤勘算も2名、専任者という形でいるのは0名ということで、専従者が多いことが見て取れると思います。
今回、事務局案を常勤勘算で出したのは、特定機能病院ということが念頭にあったのと、もう1つは、医師であれば本来診療をやっている中で一部の時間、3割とか4割を臨床研究支援部門の何かの支援の責任者などをしている場合があると思ったので、それについては0.3とか0.4というものもカウントするという考え方の中で常勤勘算をしています。他方、支援部門のプロジェクトマネージャーや生物統計家、CRCについては、専従でやるほうがいいのではないかということも踏まえて専従という形にしています。ただ、これについてはこの場の御議論において変えることは全く差し支えないと考えております。
○花井委員 参考資料2の7ページを見ると、専任・専従クラスの要るものだということからすると、先ほどの常勤勘算+専従・専任という表現があってもいいかなと思います。
○楠岡座長 ここの要件イメージで、生物統計家はほとんど今のデータからでも専従に近い方が多いわけですが、それ以下の臨床研究コーディネーターやデータマネージャーに関しては、それは機能であって、職種としては看護師や薬剤師ということがあるので、どちらかというと機能で専従のコーディネーターが何人いるかとか、データマネージャーが何人いるかというところがコアになってきて、結果的に看護師や薬剤師はもともとの職が何かぐらいの意味合いしかないかもしれません。
問題は、今御指摘があったように、医師のところが併任ばかりで、責任を持つ人が誰もいないのは困るので、医師に関しては少し専従、この業務にじっくり腰を落ち着けてやっていただける方が要るかもしれません。プロトコールを作ったりするのは、ここの専従の方ではなくて、むしろ臨床現場でばりばり臨床をやっている方がプロトコールを作ったりすることになるので、ここにはむしろカウントされない可能性のほうが高いと思いますので、そこは考えていただいたほうがいいかもしれないと思います。
また、今後モニタリングが義務付けられるような話になって、CRCがモニタリングをするとなると、どちらでカウントするのだと。両方半々だと、専従ではないからどちらにも入れられないみたいなジレンマが出てしまうので、そこをどのように調整するのかを考えていただきたいと思います。この点に関して、ほかに何か追加はありますか。よろしいでしょうか。
それでは、最初に戻ってまとめると、論点3に関してはここに出てきているもので、first in human、あるいは市販後大規模臨床試験に関しては少し参考にするということが1点です。論点4に関しては、特に問題はなしということです。4ページ目の論文に関しては、臨床試験に絞るということと、大津委員からは1試験・1論文のカウントでという御意見がありましたが、どうしますか。
○和泉委員 そこはもう少し柔軟な対応でもよろしいかと思います。
○楠岡座長 現時点においては、あまり絞るといつ頃やったかがはっきりしないところもあるので、例えば現にスタートしていてプロトコール論文だけ出しているということもあれば、5年間ぐらいフォローした結果が出て論文になっているということもあって、内容がごちゃごちゃになってしまうので、例えば過去3年間に関して、毎年発表された臨床試験に関する論文の数を取りあえず押さえるということでいかがでしょうか。
○大津委員 そうすると、臨床試験に付随するサブ解析やTRで検体を使ったものもアクセプトするということですね。
○楠岡座長 一応それもカウントして。
○大津委員 そうであれば、あくまで臨床試験に付随したものという定義付けをしていただけると調べやすいかと思います。
○近藤委員 先ほど中川委員が言われたように、組織としてどれだけアクティビティがあるかを見るわけであって、全く新しいのに論文が出てくるわけがないのです。ですから、その組織全体がどれだけのアクティビティがあるかは評価する必要があると思います。その後その結果がいろいろな論文になってくるかもしれません。その特定のものについて、わけの分からない論文を義務化する必要はないと思います。将来的な見方として、組織がどれだけアクティビティがあるかを見たほうがいいだろうと思うのです。
○楠岡座長 そういう意味でも、取りあえずは臨床試験に関わる論文ということで、あまり細かくはしないで、プロトコール論文やバイオマーカーの論文でもそれは含める形で。
論点5に関しては、特に御異論はなかったと思います。論点6に関しても、特に御異論はなしということです。論点10、11に関しては、先ほどの要件イメージのところで、臨床研究部門に関しては常勤勘算以外に専従がどれぐらいいるか、また、CRCとデータマネージャー、モニタリングの機能が重複していることもあるので、そこをどのように書き分けるか。事務局機能に関しても、ある程度しっかりしたものを求めると。
○南川補佐 1点だけ確認ですが、論点4の「主導的な役割を果たす」という点について、研究代表者がいることと、事務局機能を持っている者がいることと大きく2つあるというお話の中で、両方兼ねているものを主導的な役割を果たすとするということでしょうか。
○楠岡座長 別々です。
○南川補佐 了解しました。
○大津委員 主導的というのは、事務局のほうだと思います。実際プロトコールを作成して試験のマネジメントをしている医師がいるほう、多くの場合は事務局のほうだと思います。
○南川補佐 分かりました。
○楠岡座長 一番の問題は、そこでの数値を置くとしたらどこに置くかですが、事務局で資料2としてシミュレーションを6通り考えていただいています。細かい数字に関しては、もう1回今の議論の中で追加で調査していただかなければいけないものがあると思いますが、基本として、今の早期・探索の6拠点、あるいは15拠点が、現にARO機能を担って、あるいは目指してやっている所なので、1つの目安にはなるかと思います。そのときにどちらを取るかですが、シミュレーション1~3の早期・探索を中心に取るのがいいのか、15病院、16病院全部を取るか、この辺りに関してはいかがでしょうか。全体の傾向としては、早期・探索のほうが進んでいる分だけいろいろな数値が高いということで、先ほどからの議論で言うと、目指すはそちらの方向ということであれば、まずは早期・探索の6を1つの参考値に取るという点はよろしいでしょうか。
それでは、次はどの辺りに線を引くかですが、事務局では25、50、75パーセンタイルと3つ出しています。確かに、25%だと現状かなりできている。50パーセンタイルはちょうど半分ができている。ただし、半分と言ってもできている病院とできていない病院がごちゃ混ぜになるので、全ての項目で現状において○が付く所はないという状況です。75パーセンタイルになると、将来のゴールに近いということになるので、できていない所のほうが多い。この値に関しては、スタートしてからどこかで見直しをしなければいけないのは間違いないので、見直しの時期をいつにするかということも後の御議論になるかと思いますが、当面、スタート時点においてはどの辺りに置くかということと、先ほど橋本委員から指摘があった、ある所よりも若干低めに設定したほうがいいという点があれば、それに関して御意見を頂きたいと思います。
1つの考えとして、6拠点において3年間掛けてやってきている所の、仮に50パーセンタイルの所ひとつにしても、実はクリアしている所が全くないのが現状なので、これはある程度目指していただく1つの敷居にはなるかと思います。
○中川委員 今の座長の御意見に賛成です。
○楠岡座長 そうしましたら、取りあえず50パーセンタイルを暫定的な数値として。ただ、今の意見の中で、少し考えなければいけない要素として出てきたものに関しては検討していただく。そういう意味では、医師主導治験とか、その辺に関してはあまり御意見はなかったと思いますが、医師主導治験があればいいというのは、それは現状では緩過ぎるかと思うので、50パーセンタイルの所がやっていれば、それぐらいの数はやっていただくことになるかと。
それから、論文のところですが、これは今データがないので調べなければ分からないと思いますが、これも先ほど来、アクティビティが一定程度あればそれなりの数は出るだろうということなので、これも50でよろしいですか。参考資料2の5ページ、1-5の論文数、平成25年度を見てみますと、筆頭著者が病院に所属していて、査読のある英語論文の中で臨床研究に関する論文数が、右側の主な臨床研究機関の所の平均が64と出ていて、これが今回、特定機能病院の70にほぼ匹敵する数になっているかと。それに対して、16機関では既にその時点で平均が160で、倍以上になっている状況ですので、論文数もある程度そういうような形で見ていっても十分クリアできる範囲ではないかと思います。ただ、臨床試験となると絞り込みが大変かもしれないと思います。よろしいでしょうか。
○大津委員 病院の勤務医、臨床医の論文と規定していたのでしたか。基礎研究の部分とかも入っている話でしたか。
○南川補佐 ここに書いてある英語論文数というのは、基礎も含めた所属医師が主な著者である論文数になっていて、臨床研究に関する論文数は真ん中の○2にありますが、これについては倫理審査委員会を通ったデータを使ったものという形で確認しています。
○楠岡座長 したがって、観察研究なども全部入っていると思います。
○大津委員 これは臨床研究中核病院なので、基礎研究の論文よりは臨床試験のところの条件を強くすべきだろうと思います。
○楠岡座長 臨床研究に関するものと、その中でも観察研究ではなくて臨床試験に関しての論文数で、その辺りは追加調整になると。あと、論文の質の担保として、1つはPubMedという話が出たのですが、これは結局あまり関係がないという今のところの結論ですね。
○南川補佐 結論としては、できればPubMedのほうを採用したいと思っていますが、最終的に省令に書けるかどうかという事務的な確認をさせていただいた上で、次回に持ち越させていただければと思います。
○楠岡座長 よろしいですか。PubMedオンラインは、雑誌が一定基準をクリアして申し込んだら採択してくれますが、PubMedのほうはかなり基準が厳しいので、そこはある程度絞り込めると。もう1つは、サイテーション・インデックスが付いている雑誌かどうかという話が前にあったのですが、サイテーション・インデックスは民間の指標なので使いにくいという話があって、これは取りあえずPubMedというところで。
○南川補佐 そこも含めて、限定できるかどうかを中で相談させていただきます。
○楠岡座長 あと、基準に関して少し考えなければいけないところは、論点5の、プロトコール作成支援、データマネージメント、モニタリング等も契約に基づいてやっているというところで、ここにはデータが出ていないのですが、先ほどのシミュレーション2の50パーセンタイルのところでもほとんどなかったのです。参考資料2の5ページの一番下の2「他の医療機関に対する支援実績」で、16機関でも中央値が1、3、1、その他(相談件数)は9とありますが、ほとんど一桁のような状況なのです。これは現状においては、もし基準値が1ということはあるかないかということになるので、そういうところになるかもしれないことを念頭に置いておいていただきたいと思います。
それから研修に関しては、どんな研修かという基準が結構難しいのですが、臨床研究に関する研修であれば含めるということで。今回、事務局で調べるときの条件は特に何か。
○南川補佐 臨床研究に関する研修会について何かやっているかという形に。ただ、対象とする人については分けた形で聞いております。
○楠岡座長 それと、研修修了証を発行すること。これは言うなれば、ただやりっ放しというのではなくて、その評価もきちんと行うということ。それから、ほかのところで少し問題になっているのは、やっていて、みんなちゃんと受講票を受けて持っているのだけれども、全職員の数パーセントしか受けていないというのが問題なので、何パーセントという基準は難しいかもしれないですが、臨床研究中核病院にいる医師。看護師さんになると診療ばかりに従事して、研究とはあまり関係がないかもしれませんが、医師に関しては何パーセント、できれば100%。そこで研究しているわけですから、何らかの形で分担研究者とかに関わる可能性は高いので。
○大津委員 やはりそこの職員数ですよね。医師数をちゃんと出して、その中で何パーセントというのを出していかないと。施設全体として対応すべき話ですので、やはりそこは出していくべきだろうと思います。
○楠岡座長 そこのところを少し考えていただいて。というのは、やっていて受講者を把握していない医療機関も結構あったり、あるいは受講票は出しているのだけれど、誰に出したか記録がちゃんと保存されていなくて。あとは、数は多いのだけれども、よく見たらマニアみたいな人が何回も受けていて、全職員から見ると割合が非常に少なかったりすることもあるので。何パーセントがいいかは次回の議論になるかと思いますが、必ずある程度の人が受けておいていただかないといけないことになるかと。よろしいでしょうか。
○南川補佐 パーセントのことなのですが、指針上は臨床研究に携わる方はきちんと研修を受けることにはなっているので、研修を受けていることはあるけれど、修了認定ということになるのですかね。いずれにせよ、研修そのものはパーセントにかかわらず基本的に受けていただくことが指針になっていますので、それそのものを要件にするのはおかしいのかなと思います。
○楠岡座長 研修は確かに受けているのだけれども、指針違反をやっているという事例はありますので、それはしっかり身につけていただかないといけないです。
○近藤委員 いやいややる研修はよくないと思いますね。何のために研修するかですよね。だから、そこら辺を組織がしっかり明示していかないと、それをしなかったら話にならないわけで、一般的な医療においても研修した内容は反映してもらわなければいけないわけだから、絶対に数字や員数合わせみたいな格好で研修はやってほしくないです。いやになってしまいますから。そこら辺のところは上手に誘導していただかないといけないかと思います。
○楠岡座長 分かりました。最後に、論点10、11の職員の数等に関しては、特に今のところ、生物統計家も非常に数が少なくて難しいのですが、これも6拠点で見ると複数置いておられる所が中央値で出てきている状況なので、それを念頭に置いてという形になるかと思います。
あと、事務局のほうは職員の数とかではなかなか難しいので、これをどう評価するかを考えていただいて。事務局があるというだけだったらあまり意味がないので、そこのところは構成的にどういうような職員の形になるかということです。
一応、資料1のところの議論に関して。あと、事務局のほうで、この点は確認しておきたいという点はありますか。
○和泉委員 以前、座長がお話されたことも記憶にあるのですが、治験の中核の場合には、CRCの資格認定制のようなものを座長が御指摘なさいました。今後、グローバル的な臨床研究をやっていくということであれば、ACRPのような国際的な認定組織の証明書等を、諸外国ではそれをきちんと看板に掲げて、臨床試験等をやっている施設があるようですが、今回、そこの部分について、果たして条件まで入れる必要があるかどうかですけれども、医師等もそうですが、CRCの質という意味では、資格もある程度必要なのかと思って発言しています。
○楠岡座長 事務局のほうにお尋ねします。CRCの認定をしているのは臨床薬理学会と、それからCRCではないですが、臨床試験学会がGCPパスホートというものを出したり、あとは海外の機関が国際的に認定制度を行ったりしていますが、ここのCRCというのは特に何か制約を決めて条件づけはしているのですか。
○南川補佐 資料1に記載しているとおり、CRCに関しては3年以上の実務経験を有することとしております。事実上この要件を定めるに当たっては、何々という資格を取っていることというのはちょっと難しいかと思っております。ただ、3年という基準にしたのは、上級CRCの講習会を受けられる条件が3年になっておりますので、それを念頭に記載したものです。
○楠岡座長 今後、もしCRCの認定制度等ができて、国で行うことはないと思いますが、ある程度公的な機関で実施されるようなものが出れば、それはそのときにまた考慮するということで、現段階においては3年間の経験があればよしということで。
○南川補佐 そのようなつもりでおります。
○橋本委員 細かいことなのですが。論点11の下のほうに「薬事審査関連業務の実務経験」とありますが、これは何か明確な定義があるのですか。
○南川補佐 これにつきましては、今回、医師主導治験などを研究機関でやっていただくことですので、最終的な出口である薬事審査という意味でいうと、PMDA等において薬事審査をやった経験がある方が臨床研究、特に医師主導治験とかにおいて、企画・立案、相談等を行っているものを念頭に置いております。
○橋本委員 PMDAの経験という、かなりストレートにそういう趣旨ですか。
○南川補佐 最終的にはFDAとかでもいいのかもしれないですが、いずれにせよ薬事審査という形での承認審査業務をやった方という意味合いで、これまで、整備事業においても同様の形を申請書の記載事項として置かせていただいているので、それを踏襲した形としております。
○橋本委員 海外での経験も含めてということですね。企業側というのはないのですね。企業でその申請業務をしたみたいな人ではないと。
○南川補佐 そうですね。この段階では審査の関連業務という形で念頭に置いています。
○楠岡座長 審査管理課とかはどうするのですか。PMDAとか。
○南川補佐 最終的には、また御議論いただかなければいけないところかもしれませんが、実際の承認申請の業務をやった方という意味で書いておりますので、審査管理課で通知なり何なりを書いたことが、医師主導治験を実際に行う場合に最終的にそれが資するかどうかになってくるのかと思います。
○楠岡座長 現状としては、PMDAは頭に置いてということで。ほかに、事務局のほうから追加で確認事項は。
○南川補佐 事務局としましては、シミュレーションの話については、今回についてはまだ埋まっていないところもありますし、いろいろいただいた御意見等を踏まえて再度調整し調査をする部分もありますので、そこを踏まえた形で、今回御議論いただいた早期・探索的臨床試験拠点を基準とすることと、中央値を基準として考えていくというようなことですが、最終的には、その調査を踏まえた形で、早期・探索を基準とした上で、最終的には数値をまた確認させていただければと思います。
○楠岡座長 そうしましたら、次回のときには中央値を念頭に置いて、ある程度定まった数値を御提示いただくことと、それから、議論が残っているガバナンスやそれ以外のところについて検討することになるかと思います。あと、委員のほうから何か。
○花井委員 倫理委員会の件は、共同IRBをどう使うかで、機能は別ということだったと思いますが、一方で、その入口の所で、基準は主にファンクションを並べているわけですね。そうすると、倫理的に立派かどうかは何ら基準がないわけです。一般的にファンクションでそれを見ようと思うと、ガバナンスと。もう1つは研究責任者、施設長、それが透明性を確保しているかですが、このままいくと、その辺のものがなければ、入口で議論になった、この病院は立派なのかどうか、立派というのは散文的ですが、要は倫理的要件は一切ないことになってしまうのではないか。その辺はどうなのですか。ファンクションだけバーッと並べて、それでやれればいいんだとなると、最初の第1回の議論の感覚からいうと何かもの足りない気がするのですが、それはどう考えたらいいですか。
○楠岡座長 次回、そこの所をまた。この前も共同IRBでもいいだろうという議論が中西委員のほうから出ていますので。それと、今年度事業でIRBの認定というのがありますので、そうすると、認定を取ってくださいというのも一つあるかもしれないです。
○花井委員 正にそういう認定IRBと同基準ぐらいのIRBが必ずあるとか、あとは利益相反委員会といったところが入っていないと何となく示しがつかないような気がします。
○楠岡座長 次回、もう1回そういう形でずうっと見直すということでお願いしたいと思います。ほかはよろしいですか。あと、議題2の「その他」に関して事務局から何かありますか。
○南川補佐 特にございません。
○楠岡座長 先ほどの最後の議論ですが、本日の数値基準に関しては大体の方向が出ましたので、次回は、それも含めた全体的な流れをもう一度検討することで進めていきたいと思います。
本日予定していた議題は以上ですが、あとは特に何かありますか。よろしいでしょうか。ないようでしたら、事務局から連絡事項をお願いします。
○神ノ田課長 次回の開催日時、場所等につきましては事務局から追って御連絡させていただきます。また、本日の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。
○楠岡座長 ありがとうございました。以上にて閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
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