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2014年10月20日 第2回障害児通所支援に関するガイドライン策定検討会(議事録)

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成26年10月20日(月)
10:00~12:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室(12階)


○出席者

【構成員】

秋山構成員  石橋(大)構成員  石橋(吉)構成員  猪平構成員  宇佐美構成員  大塚構成員  大南構成員  尾崎構成員  片桐構成員  岸構成員  田中構成員  柘植構成員  辻井構成員  渡辺構成員

○議題

・放課後等デイサービスガイドラインについて 等

○議事

【障害児通所支援に関するガイドライン策定検討会(第2回)】

○大塚座長 定刻となりましたので、ただいまより第 2 回障害児通所支援に関するガイドライン策定検討会を開催します。構成員の皆様におかれましてはご多忙のところ、御出席いただきましてありがとうございます。最初に事務局から構成員の出欠状況の説明をお願いいたします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局です。本日の構成員の御出席の状況ですが、今回、猪平構成員、宇佐美構成員、辻井構成員におかれましては本日、初めて御参加いただいておりますので御紹介させていただきます。まず、日本盲人会連合、猪平構成員です。

○猪平構成員 第 1 回目は欠席をさせていただきましたけれども、今後、どうぞよろしくお願いします。猪平です。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 全国重症心身障害児 ( ) を守る会常務理事、宇佐美構成員です。

○宇佐美構成員 宇佐美です。よろしくお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 中京大学現代社会学部教授の辻井構成員です。

○辻井構成員 辻井です。よろしくお願いします。

○柘植構成員 筑波大学の柘植です。よろしくお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 本日は市川構成員、福島構成員から御欠席の御連絡を頂いております。柘植構成員におかれましては 11 時に御退席という予定になっています。また片桐構成員におかれましては少し遅れる旨、御連絡がありました。本日は市川構成員の代わりに加藤参考人に御出席いただいております。出欠状況については以上です。

○大塚座長 それでは早速ですけれども本日の議事に入りたいと思います。議事を進める前に本日の資料について事務局より説明をお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 本日、御用意した資料については、まず資料 1 として放課後等デイサービスガイドラインの構成等についての構成員の主な意見、資料 2-1 として第 2 回検討会の主な論点、資料 2-2 は放課後等デイサービスガイドラインの構成 ( ) で、参考資料 1 として渡辺構成員提出資料、参考資料 2 として岸構成員提出資料、参考資料 3 は田中構成員提出資料、参考資料 4 は大南構成員提出資料、参考資料 5 は秋山構成員提出資料となっています。

 また、資料番号を振っておりませんが今、追加で資料をお配りしています。岸構成員からは追加資料として 3 種類の資料をお配りしています。 1 つ目が 3 枚紙の両面のものでして、もう 1 つ目の資料が「資料提示を受けての追加意見」というもの、両面の 2 枚紙、最後にポンチ絵の 1 枚紙、この 3 セットを追加資料として岸構成員から御提出いただいています。もう 1 つ、日本盲人会連合の猪平構成員から 1 枚紙の追加資料をお配りしています。あと、東京都の自閉症協会からの放課後等デイサービスの課題についてということで 1 枚紙の追加資料でお配りしています。資料については以上です。不足等ございましたら事務局までお願いします。

○大塚座長 資料は大丈夫ですか。あとから配布されていますけども、大丈夫でしょうか。それではまず、事務局より資料の御説明をお願いいたします。

○田中障害福祉専門官 それではまず、資料 1 は構成員の主な意見と題しまして、前回配布した資料に第 1 回目検討会で出た構成員の主な意見を入れ込んだものですので御確認ください。

 次に資料 2-1 ですが、こちらは本日の主な論点となります。まず 1 として総則についてです。総則の (2) 放課後等デイサービスの基本的役割について、前回の議論も踏まえて資料 2-2 のとおり修正したものです。特に後方支援については幾つかの視点から御意見を頂きましたので、その点の書きぶりについてどう考えるか、御意見を頂きたいと思います。

 次に (3) 放課後等デイサービスの提供に当たっての基本的姿勢と基本活動ですが、前回は考えられる例というところで、参考までに数点挙げておりましたが、事業内容を具体的に入れるべきとの御意見もございましたので、資料 2-2 のとおりに1基本的姿勢と2基本活動に分類しました。まず、この総則の (3) について、このような構成で良いか、御意見を頂きたいと思います。そして1の基本的姿勢については以下のような記載で良いかどうか、御意見を頂戴したいと思います。

 続きまして2の基本活動ですが、こちらも以下の内容で良いかどうか、御確認をお願いします。放課後等デイサービス事業の行政説明のスライドで用いられてきた活動の具体例として記載されていた 4 例の文言等を見直して記載したものになっています。

 次に論点 2 として設置者・管理者向け、児童発達支援管理責任者向け、従業者向けガイドラインの構成について御意見を頂きたいと思います。資料 2-2 のとおりに、今回はイメージしやすいようにカギ括弧を設けて、具体的に盛り込むべき要素として現時点で想定されるものを可能な限り書き込んでみたものですので、こちらについても御意見を頂きたいと思います。

 また、論点 3 点目は家族支援についてですが、総則にまず、盛り込むべきかどうか、盛り込むとした場合に総則にどのような内容を盛り込むべきかというところで、例として下記 2 点を挙げました。また、各ガイドラインに具体的にどのように家族支援について盛り込んでいくべきか、こちらも御意見を頂けたらと思います。

 そして、その他として上記の他に重要な要点が漏れていないかという点でも御意見を頂けたらと思います。事務局からは以上です。

○大塚座長 ありがとうございました。今日の議論については、ただいまの説明について御質問等を頂きたいわけですが、分量が大きいので前半、後半の 2 つに分けたいと思います。大体、 50 分程度、 1 時間程度と 2 つに分けたいと思います。

1 つ、全般については総則について、それから家族支援の 1 つ目の○、家族支援について総則にどのような内容ということなので、総則に関係しているので、全般については総則と家族支援の○の 1 つ目。後半は設置者・管理者向け、それから児童発達支援管理責任者向け、そして従業者向けガイドラインの構成ということで、それぞれ分けて議論をしていただきたいと思います。

 それから、個人や各団体から御意見を頂いておりますけれども、時間を取ってそれを説明していただく時間はないので、御意見を言うときには全部を引用しないで、引用しながらポイントだけを絞りながら御質問、御意見を頂きたいと思います。

 それではまず全般、総則について、それから家族支援の 1 つ目の○、これについて御意見、御発言をお願いします。田中構成員から、いかがですか。

○田中構成員 ちょっと失礼します。

○大塚座長 大南構成員、どうぞ。

○大南構成員 推進連盟の大南です。放課後等デイサービスという大きな枠ですが、利用する側から見ますと、学校で授業がある日の放課後の活動が 1 つあります。それから、土曜日、日曜日あるいは祝日という、休日のサービスがあります。もう 1 つは夏休み等、長期の休業中のサービスがあるので、放課後等デイサービスという大きな枠組みなのですが、それぞれ活動の目標なり内容というのはかなり異なってくるのではないか。ですから、私どもの加盟団体からも出ているのですが、放課後等デイサービスの活動計画をというのをきちんと作成していただきたいという要望がございます。

○大塚座長 御意見としてお伺いしておけばよろしいですか。事務局から何かありますか。

○竹林障害児・発達障害者支援室長 おっしゃるとおりだと思います。活動内容は様々だと思います。ガイドラインでお示ししている中身の中で、例えば総則あるいはどういう研修をしなければいけないかとか、権利擁護とか、こういった部分は共通してきますので、活動内容を細かく書けるようにポイントごとに書き分けていくことを、今のところは想定しているのですが、ほかの構成員の方からも御意見を賜れればと思います。

○柘植構成員 筑波大学の柘植です。今の御発言に関連してです。私もほぼ同じような感じを持ちました。資料 2-1 2 枚目の基本活動の内容で、ア、イ、ウ、エとあります。イ、ウ、エも学校教育に関係あるわけですが、アは非常に関係があるのかなと思いました。先ほど大南構成員から「活動計画を」ということでしたが、もちろんそれも必要ですが、学校とうまい具合に連携してつなぐということで、「個別支援計画」という文言を明確に総則の中に打ち出しておくべきではないかなと思いました。

 もう 1 点です。先ほど活動計画の所で、夏休み、放課後とか 3 つの内容に分かれるので、場面別により細かくという発言がありました。私もそうかなと思います。その一方で、学校の中で教える内容と、こことの関係性とか、非常に難しいというか悩ましいというか、私の印象ですが、放課後でいろいろな所でいろいろなスタイルのものがあって、非常にうまい具合にいっているものもあれば、そうではないものもあるという状態を鑑みると、余り細かくし過ぎると、先進的にやっているところにブレーキを掛けても申し訳ないし、非常にゆったりと進めているところに、いろいろな問題があるのかなという気もします。ですから、ある程度細かくしながらも、余り細か過ぎるようなものにしないほうが、内容面の提示についてはいいのかなという感じもします。

○大塚座長 ガイドラインの性格をどう位置付けてやっていくかということだと思います。あとはよろしいですか。

○猪平構成員 猪平でございます。日本盲人連合会ですが、個人の意見としてプリントもさせていただきました。その中から、今の柘植先生の御発言には大変賛意を感じるところです。ただ、私は基本的役割のほうで 2 点申し上げます。

 放課後児童クラブの後方支援の明記されたところですが、もっと保護者の就労支援を明確に、放課後児童クラブにあるような性格付けを打ち出せないかと思っています。以前から、障害のあるお子さんの親御さんは就労を諦めざるを得ない。どうして障害児を産むとこういう運命になるのかということに接してまいりました。ようやく障害のあるお子さんをお持ちでも、就労を社会が認めてくれるようになったのだということへの強いメッセージを、ここで掲げられないものかという希望がございます。もう少しそれを打ち出せないかと考えております。

 もう 1 つは、放課後児童クラブの活用がインクルーシブ教育の推進の 1 つとして、それをもう少し社会として大きな枠で推進できたらと思っていますが、地域で子どもの遊び集団が、どうしても特別支援学級あるいは特別支援学校に通っているとできにくい。それを放課後児童クラブにその集団を求めたいと思いますが、意図的な支援が必要だと思うからなのです。そこに、デイサービスの後方支援をしっかりと位置付けていただくと、そうした集団での活動がスムーズにいくのではないかと期待するところです。この 2 点を掲げておりますが、よろしくお願いしたいと思っております。

○辻井構成員 今、何人かの先生方の御意見と関連しながらという形になると思います。名古屋でも放課後デイの幅の広さというのが良くも悪くも話題になっていて、本当に見ているだけから塾のようにいろいろ教えるところまで幅があります。

 それぞれの創意工夫はあってもいいのですが、一人一人の子どものニーズと状況の把握をある程度客観的なツールで、それをやる人が持っているからいいというだけではなくて、客観的にその人の状況が、その人がどのぐらいの理解力があったり、活動のバリエーションが使えたりというような形の把握というのを、何か客観的なツールを用いていくことをしていかないと、結果的には理解の共有は難しいのではないかというのが 1 つです。

 そうした意味では、そういうものに基づいた個別の支援計画をきちんとどの領域でも打ち出していくということですので、放課後デイの中でも同じように、放課後デイだからクオリティが低くていいということにはならないだろうと思います。

 あとは、基本活動のところも、ある程度その子どもにとっての必要性があるもので、アセスメントとセットにはなると思いますが、特に自立支援などに関する活動などに関連しては、ある程度踏み込んで、こうしたタイプの子どもたちにはこういうものが必要であるということが、あとのガイドラインに出てくるような形のつながりになるためには、客観的に効果が見込めるような活動に関しては、それをしたほうがいいということは踏み込んでもいいのかなと思います。

○大塚座長 支援計画を作るときは、プランの前にアセスメントからプラン作りということになりますので、その動きをきちんと担保していくことは大切だと思います。

○田中構成員 育成会の田中です。後方支援の位置付けを大項目の (2) で整理していただいているのですが、基本的には学校教育が後方支援を放課後デイサービスとして位置付けるということになると、学校教育の場が本人たちのメインストリームということになりますので、そこがもう少し分かるような表現も必要かなと思っていますし、その後にくる社会参加を促進するための活動の場として、これも地域差があるので一概に言い切れない部分があるのですが、制度としては児童館施策があると思います。健全育成の場としての社会参加を受け止める場、それがもう少し具体的に分かるような書きぶりが、大きな項目をつまびらかにするときには明確にしていきながら、その位置付けの中で学童保育です。これも障害児の学童保育という形で受け止め過ぎると、障害のあるお子さんだけが集まる場になってしまうということに関して、項目の中では「社会参加・包容」という形で表現されていますが、この一文だけではイメージが湧かないと思いますので、本来の資源がどのような位置付けで具体的にあって、その後方支援として放課後デイサービスがあるということに整理していく必要があるのではないかと思っています。

 そのためには、何人かの方もおっしゃっていましたが、サービス等利用計画です。ここの位置付けが、この前の会に位置付く児童の在り方検討会の場でも、学校の個別教育支援計画の情報がなかなか外に出にくい、そして共有しにくい課題について、もっと明確にしていく必要があるのではないかと思いますので、放課後等デイサービスの中では学校が立てる計画が主になって、そこを補完する後方支援だということを明確にしていく必要があるだろうと思っています。

○岸構成員 全国児童発達支援協議会の岸です。資料が増えていますが、上に「放課後等デイサービスガイドライン第 2 回についての意見」と書いてある、これが全てをまとめた資料になりますので、これとポンチ絵のものを見ていただければよろしいかと思います。

 基本的な役割等について意見を述べます。個別支援計画というものをきちんと盛り込む。先ほども出ていたアセスメントに基づく個別支援計画というのはとても大事なことだと思いますので、そこをしっかりとうたうべきだろうと考えます。

 「後方支援」という言葉の使い方というところで、私は慎重に考えたほうがいいと思っております。今の話であれば、事業所対事業所、事業間の後方支援のように写ってしまいますが、子どもがどこで生活するか、それをどのようにサポートするかという意味で後方支援と表現するべきではないかと考えます。在り方検討会の中でも専門的に後方支援という説明をされていたと思います。専門性とは何かということ自体を求めていくというようにしなければ、後方支援という言葉が、何をどうサポートできるのかということも非常に疑問ですし、その点はかなり慎重に検討すべきかと考えています。

 その危機感を持ちながら基本姿勢のところまで考えていくと、当然、障害児通所支援の中には放課後等デイサービスであったり、児童発達支援、保育所等訪問支援というものがあります。それぞれに計画というものがあって、「放課後等デイサービス計画というものが」というように表記されていますが、これも事業所の計画のように見えてしまうので、ここは個別支援計画とイコールだということをきちんとうたっておくべきではないかと思います。その点を書かせていただいております。

 活動に関してどのように対応していくか、どういう機能が求められるかというところでポンチ絵のほうを参考にしていただければと思います。これは日本作業療法士協会の資料で、学齢児に対して、それぞれ子どもたちが行っている活動を評価に基づいて、どのように個別や、個別の評価ををベースにした友達との集団の中での能力の発揮が必要と言う考えです。このようにサポートしていかなければいけないという資料になっています。左側の「学習」「社会性」「運動」「生活」に挙がっている項目に直接アプローチしてしまうのが、恐らくアセスメントがそこまで進んでいない状況だと思います。この中の要素をしっかり捉えて、どのような遊びの中で何を得させるかということも想定した上でのアプローチが、本来の放課後等デイサービスで、学齢期を対象にした支援ではないのかと思います。その点を深めていくような検討が必要ではないか。そのような役割を持つというのが基本的な役割であって、基本的な姿勢ではないかと考えて、資料を作らせていただいています。

○尾崎構成員 自閉症協会の尾崎です。後方支援のところです。今の田中委員の話を聞いて、教育がメインにあってというイメージなのですが、そこを私自身がはっきりとイメージできていなかったので、そこの部分はどういったイメージなのかというのをはっきりとみんなが共通認識できるような書きぶりにしていただきたいなということがあります。

 例えば移動支援が全然出なくて、放課後等デイのほうが出やすいという地域や、不登校の子の支援の場に使われていたり、ネグレクトの子の支援の場に使われていたり、いろいろな状況があるので、そういう場合は地域の状況を鑑みながら、放課後デイに全部押し付けるのではなくて、不足する資源があればきちんと補完すべきところだと思うのです。だから、本来なら教育でやるべきところが教育でやれていなかったり、学童クラブの受入状態が放課後デイができたお陰でどんどん障害児を閉め出してしまうというような逆の方向にいかないように、放課後デイに何でも押し付けるのではなくて、地域に足りない部分があればそちらをきちんと作るように地域ごとに取り組んでいくということを、きちんと書くべきではないかと思います。

○大塚座長 押し付けられているというのは、その前提としての相談支援、調整がどうなっているかがまず一番で、その後にくることなのかもしれません。片桐構成員、その辺はどうですか。

○片桐構成員 全国地域生活支援ネットワークの片桐です。尾崎構成員がおっしゃったことが起きているのは実態で、本当は発達支援などに真っ正面から向き合っていきたいのだけれども、どうしてもネグレクトの御家庭があったり、レスパイトにならざるを得ない状況というのはあります。

 一方で、放課後児童クラブがあれば、一般施策の放課後児童クラブ、普通学校に行ったのであれば放課後の支援も同じようにお友達と過ごしてほしいというのは、これは私の地域の事例になりますが、そういうコンセンサスが得られているのです。それでもなおかつ、例えば夏休みとかはスペシャルな対応が長時間にわたるので、そういうときは一時的に放課後等デイサービスを使うこともやむを得ないということは、私は新潟県上越市という所におりますが、実はそういうルールが既に設定されているのです。自分の地域の学校に行ったのであれば極力その児童クラブを利用する、若しくはそこにはきちんと予算化して加配していく、支援が必要であれば相談員を向かわせるとか、そういったような地域も出ているのです。

 恐らくそれが大きく切り替わったのは、相談支援が入ったということがあります。地域の中で相談支援の方自体が「放課後デイで行きなよ」と判断してしまうと、そちらに決まると思うのですが、そのようになってしまわないように、きちんとアセスメントして、この子は自分の学校の児童クラブでもいける、この子は難しいと思うというような地域になれればいいのですが、そこをガイドラインの中に踏み込んで書くかどうかというのは、例えば支給決定のところまでになってくると思うのですが、今回の中で支給決定の在り方というのは、普通学校に行っているのであれば極力児童クラブを利用するべきではないかという踏み込み方までする予定はないわけですよね、支給決定の在り方そのものには踏み込んではいかないわけですよね。要は、事業所のモラルのところに踏み込んでいくということで、市町村向けに、「こういう支給決定をしなさい」という文言は入ってこないわけですよね。

○竹林障害児・発達障害者支援室長 現時点での事務局の想定としては、今おっしゃられたような考え方がにじみ出るような書き方が何とかできないかなと思いますが、支給決定自体のガイドラインではないので、このガイドラインの役割を踏まえてどこまで書けるかということかなと思っています。

○石橋 ( ) 構成員 全日本ろうあ連盟の石橋です。一人一人の子どもたちの支援、一人一人の子どもたちに合った支援が必要なのはよく分かります。しかし、一番大切なことは、実際に放課後で集まって、集団の中で行動するということです。一人一人を通して、 1 人の子どもたちとのエンパワメントがあるのではないのかと思うのです。障害をもつというアイデンティティをもって、それを高めるということの取組をきちんとガイドラインに盛り込まないと。私は障害者なのだという気持ちをきちんともって高めていく。放課後を通していろいろな経験をして、気持ちを強くしていくというエンパワメントするところを文の中に入れてほしいです。ただ支援をしてあげるだけ、後方支援が必要だという抽象的で曖昧なものではなく、実際に蓋を開けてみたら、きちんと子どもたちそれぞれが発揮できて、それぞれがきちんと調整しながら育ち合うようなという辺りも、後方支援という言い方に含まれると思うのです。よろしくお願いします。

○大塚座長 エンパワメント、勇気付けるような支援ということで、そうするとガイドラインの、例えば総則の基本的姿勢の 2 つ目の「また、愛情豊かで思慮深い大人による発達支援を通して、他者との信頼関係の形成を経験させる」とあります。「何々させる」というのはエンパワメントと全く反対の考え方なのです。専門家が強いるというような形です。やはり本人を中心に、本人を勇気付けて、もっともっと力を伸ばしていただく、そういう文言ですが、「体験させる」ではないですね。全く違うのですね。

○渡辺構成員 日本福祉大学の渡辺です。今、出てきた点も含めて、幾つか申し上げます。 1 つは、最初のほうで議論になっていた、放課後等デイサービスと言いながら、学校が終わった後の 2 3 時間を過ごす放課後の活動と、場合によっては午前から午後に至るまで 1 日長く過ごす、長期休暇の間の放課後等デイの在り方というのは、一緒くたにできないというのは全くそのとおりだと思います。そこは内容として書き方が必要なのかなと思っています。

 私自身の個人的な考え方としては、それを総則の中に含めるのかというと、総則というのは夏休みであったとしても放課後であったとしても、放課後等デイサービスの幹として必要なことを書くのが総則の部分だと思いますので、むしろそういった内容はその後の管理責任者若しくは従事者の部分で、具体的な活動の在り方として書いていくほうがいいかなと思いました。

 それから、私自身も今回は意見を出し、前回発言したことについて、もう少し詳しく書き直したものですのでここでは引用しませんが、また御覧いただければと思います。

2 つ目は、先ほどから話題になっている後方支援という捉え方についてです。私自身は、この文章の書き方でどうにでも解釈ができるところが逆に問題なのかなと思って聞いておりました。それは、「放課後児童クラブ等の一般施策を補完する後方支援」という、「補完する」という意味合いがよく分からないという感じで、お話を聞いていて思ったのは、 3 つぐらいの意味合いで「補完」という言葉を捉えられると思いました。

1 つは、一般施策を補完する、補っていくという意味でいうと、一般施策であるところの学童保育、放課後児童クラブの職員に対する専門的な助言であったり、コンサルテーションであったりを行っていくことにより、一般施策の中で障害のある子どもたちを受け入れていくスタッフをバックアップしていく。就学前でいうと、保育所等訪問支援の中に位置付けられているものになると思いますが、就学はこれがきちんと位置付けられておりませんので、そういう意味合いで取ることもできるというのが 1 つです。要するに、職員間でのバックアップをしていくというところが 1 つあると思います。

2 つ目は、放課後児童クラブを前提とはしても放課後児童クラブではできないことというのがあって、それはより子ども一人一人の障害ということに着目した個別の療育であったり、個別の支援ということができるというのが、放課後児童クラブにはできないことであって、それをやっていくことを補完という意味で捉えることもできると思うのです。この場合は、放課後児童クラブの受入れが今よりどんどん進んでいったとしても、例えばお子さんによっては並行で通所しながら学童保育も使うし、個別の部分については放課後等デイを使うとして、並行して使うことも可能だと思うのです。そういった積極的な意味で捉えることもできると思います。

3 つ目の意味というのは、放課後児童クラブの受入れを前提としますが、受け入れられなかった子は仕方がないのでこちらに来てくださいという、消極的な意味での補完という意味になります。

 私は、今の書き方でいうと、 3 つ目の意味で取られかねないということを危惧していまして、放課後児童クラブで受けるのが前提だけれども、受け入れられなかったら仕方がないのでこちらに来てくださいという補完の意味で捉えられると、実態としては、放課後等デイサービスが障害児支援の、特に学齢期から思春期に当たっての子どもたちの通所支援のフロントラインにありますので、そういった意味でいうと現実とも齟齬があって、合わないとも思っていますので、私は補完という意味をきちんと定義して、お話したような、学童保育で子どもたちを受け入れることをバックアップしていくために、例えば職員に対して専門的な助言を行っていくことであったり、あるいはここでしかできない個別の部分の意味合いをもっと強調しながら補完ということ、それは補完かどうか分かりませんが、もう少しそういった意味合いで使っていったほうがいいのではないかと思っています。

3 点目は、ほかの委員の御意見も全部拝見しておりますが、基本的にはここは児童福祉法に基づく支援の場ですので、保護者の御意向を尊重するということはきちんと書かなくてはいけないことだと思いますが、もう 1 点としては子どもの意思決定、自己決定をきちんと尊重する、最大限に尊重するということは理念的なこととして総則に入れていただきたいと思います。現場を見ると、ともすると子ども自身のニーズであったり、子ども自身の意思決定が余り大事にされないような支援が行われている場合というものを目の当たりにしますので、ここはしっかりと総則の中で書いていただきたいと思っております。

○大塚座長 障害児の在り方検討委員会における後方支援というのは、障害に関する専門職、専門機関あるいは専門事業所が、専門的見地から正に一般施策を後方から支える枠組みで使われていたと思います。これをどう考えるかというのはもちろん大きくあるので、それも含めて。

○秋山構成員 全国重症心身障害日中活動支援協議会の秋山です。重障児に対応する支援の在り方については私も参考資料として提出させていただいております。その中で重障児の場合は、常時見守りが必要な就学児への支援ということになるかと考えられます。障害の重い重障児、一般施策の中の放課後等児童クラブでは受入れは難しい方々、そういった方々が医療的なケア等が必要な場合が多い。そのために専従の専門スタッフを配置という人員配置も出ています。

 そういう中で、医療的ケアが必要な重障児を踏まえた基本的な考え方について、明記の仕方、表現の仕方、文言というのはいろいろな場合があると思いますが、今回示されている基本的な姿勢の中では、発達過程や特性を理解した上で、一人一人の状況に応じた放課後等デイサービスの個別支援計画に沿って発達支援を行う。その中で考えようと思えば考えられるとは思うのですが、重障児を踏まえた基本的な考え方、対応の仕方というのはどこかのところで、基本の姿勢の中でと私は思いますが、盛り込んでいただきたいと思っております。

○岸構成員 今、総則のお話ですが、先ほどの児童クラブですと、中高生は児童クラブは対象にはならないですね。

 要は、放課後等デイサービスは小学 1 年生から 18 歳まで、高校に在学中まで使える事業ですので、前回もこの年齢幅、それぞれのライフステージの課題が違う者、障害種別が違う者を一本のガイドラインで進めるというのは大変なことだということを確認させていただいたのですが、全体に係るような総則の書きぶりにしていかなければいけないと考えます。そういう点で、細かいところはどこにうたうかということと、全体を考えていくようなガイドラインとして進めなければいけないのではないかと思います。特に、アイデンティティや自己決定のところというのは、中学生、高校生にとってはとても大事な活動で、小学生の段階でそういう場面に出会う回数が多ければ多いほど、その後の社会的発達も全然違うということを経験してます。そういう点で放課後等デイサービス自体の枠組みをはっきりさせながら、総則は広く捉えなければいけないのだろうと考えます。

 もう 1 つです。障害児通所支援と考えたときに、放課後等デイサービスに学童保育自体のカバーを求めるのか。例えば保育所等訪問支援というのが本来はそういう機能をするべきものではないか。全て放課後等で学齢児に限った事業として捉えられてしまって、余りにも多様なことを求めるようなものになってしまうと難しくなるのではないかと思います。この点も慎重に考えなければいけないと思いました。

○柘植構成員 先ほどの後方支援の話題について、日本福祉大学の渡辺先生の御発言をとても分かりやすく聞いておりました。先の国連の障害者権利条約で、スクール・インクルージョンだとかソーシャル・インクルージョンだとか、障害のある子とない子が共に学んで、大人もそういう方向でというのが明確に打ち出されて、教育のところでは、例えば就学の在り方は大きく方向転換したのです。一定レベルの障害があれば盲・聾・養護学校だ、特別支援学校だというつくりをやめたわけなのです。

 小中学校で学ぶけれども、特別な事情があればいろいろなサービスがあると変えたことを考えると、総則の (2) の後方支援の所で、まず一般施策で頑張って障害のある子どもを見るのだということが明確に書かれて、それでは足りない子がいると、一人一人の子どものアセスメントを丁寧にして、いろいろなサービスがあるという書きぶりを明確にしないと、 5 年前、 10 年前ならいいかもしれないけれども、これから 1 年半後に改正法が施行されるという時代の中にいる中でのガイドラインということを考えると、その辺のことは総則で明確に書くべきではないかと思いました。

○田中構成員 育成会の田中です。ほぼ同じ意見なのですが、先ほどお伝えした学校における教育支援計画と、サービス等利用計画がオペレーション全体の中心になるべきだということを今回の柱にしていかないと、学校教育においても学年ごと、学部ごとに教育目標が変わってくるわけですから、そこから発信されることに全く関わらずに、サービス等利用計画が一人歩きすることがないようにという意味も含めて、「後方支援」という言葉が位置付いていることを認識しつつ、諸々の細かい課題は個別や地域性により生じる問題なので、そこから問題を拾い上げていくとまとまりが付かないということでの総則だということも含めて、渡辺構成員や柘植構成員の整理に従っていったほうがいいのではないかと思っております。

○大南構成員 推進連盟の大南です。 1 つは、今お話のあった学校教育との接続のところです。個別の教育支援計画を特別支援学校は全部作っていますから、それらを是非活用できるようなシステムにしていく必要があるだろうと。学校のほうは保護者の了解が得られれば、その内容の一部は提供できるだろうと思います。

2 つ目です。これは前回の検討会でも話題になったと思うのですが、年齢です。 18 歳ということなのですが、高等部の生徒の中には、 19 歳、 20 歳の生徒もいますので、高等部在学中は放課後等デイサービスが受けられるような幅を持たせていただけると、加盟団体からの要望の中にも、「 20 歳まで受け入れてもらえないか」というのもあります。

 ただ、私は全部枠を外すのではなくて、少なくとも高等部在学中ぐらいのところでいかがかなと思っています。

○大西障害児支援専門官 放課後等デイサービスについては年齢延長を 20 歳までオーケーにしておりますので、高等部在学中に 19 歳、 20 歳の方は、個別支援の利用計画で必要があれば、市町村で支給決定して、利用可能となっております。

○大塚座長 それぞれが個別の事情があればということだと思うので。

○片桐構成員 また後方支援についてです。今の障害児支援の検討会の報告書を見ながら思い出していたのですが、先ほど渡辺先生がおっしゃったように、ともすると見られなかったらそちらでよろしくとも取られかねない書きぶりになってしまうというので、元々の障害児支援の検討会で、私も「後方支援はいいですね」と言った立場からすると、少し責任もあるかなと思ってはいるのですが、全くそのとおりで、例えば私どものネットワークで放課後等デイサービスをしている中で、どのようなことが起きているかというと、放課後等デイサービス、要するに放課後の支援が充実しているから特別支援学校を選ぶという逆が起きているのです。これが結構少なくなく起きていまして、放課後児童クラブでは受け止め切れないです。本人は学校に行く力はあるのだけれども、放課後の時間帯が。というのは 1 年間というのは 8,762 時間なのですが、学校に行っている時間というのは 1,600 時間ぐらいと言われています。結構サービスをバチッと使って、月、火、水、木、金、土、夏休み、冬休み、春休みと使うと、 1,700 時間ぐらいになりまして、学校に行っている時間よりも放課後のサービスを使っている時間のほうが長いという状況があって、親御さんとすれば、放課後の支援が充実している方で学校を選ぶという、非常に悩ましい、忸怩たる思いの状況が起きています。これは柘植構成員がおっしゃったように、一般施策がまず優先的にきて、難しいようであればサービスというスペシャルな支援を行っていく、少し強調するような発言になりますが、それは是非入れていただくべきかなと思っています。

○宇佐美構成員 この事業は福祉サイドからの事業だと思っています。もちろん、その前の時間帯には学校に行っているわけですから、それを全く分断するということを申し上げているわけではありませんが、デイサービスに教育の延長を求めるという考えも、親御さんの中にはあります。デイサービス事業には教員がいるわけではありませんので、そのところはできない部分というのがあります。やはり福祉サービスを提供するのが基本だと思います。

 全く教育とは関係なくやるというわけではありませんが、教育の部分を強く押し出されても施設としては対応ができないのではないか。そういう意味で後方支援という大枠でお話をすると、全てが入ってきてしまうような感じがするものですから、福祉サービスとしてできること、福祉サービスとしてできないことというのはあると思うので、そこの辺りをここの場で議論するのがいいのか、もう少し下位のレベルで議論をするのがいいのかとは思いますが、そういうことがあるのではないかと思います。

○尾崎構成員 今の後方支援の話は本当に同じ印象を持っていて、実際にこのガイドラインで、幾らやったとしても実態がそうなっていないという状況をどのように止めるのかというのは、とても頭が痛い。実際は障害児枠で入ったほうが学習塾として使えてしまうからというような目的で、使っている方もいるという状況になので、その辺はどこまで許容範囲なのかという疑問はあります。

 もう 1 つは具体的なことで、先ほど大塚さんが言われて初めて気が付いたのですが、基本的姿勢の内容の現時点での案が、「経験させる」とか「味わえるようにし」とか「感じられるように」と、全部子ども主体の文章ではなくなっているので、これはやはり子どもを主語にした文章に変えるべきではないかと思いました。

 あとは、「愛情豊かで思慮深い大人」という言葉が抽象的すぎてさっぱり分からないので、この言葉は取ったほうがいいのではないかなと思いました。

○渡辺構成員 何度も後方支援にこだわって申し訳ありません。今、出てきている皆さん方の御意見には全く異論はないのですが、私自身は少しだけ違う部分がありまして、それは何かというと、基本的にインクルージョンということを前提にした場合に、一般施策で受入れは進められていくべきだと思っていますし、そのようにして障害のあるなしにかかわらず、子どもたちが同じ場所で生活できることが前提だとは思っているのですが、ただ、私自身が持っている後方支援という意味が違って、それが基本なのだと言われれば、では完全にそれができるようになったら、放課後等デイサービスは要らなくなってしまう。突き詰めていくと、少なくとも一般施策の中に放課後の支援がない中高生は別にして、学童保育のある小学生時期は学童保育が全部カバーすれば放課後等デイサービスは要らないのかという話にもなると思うのです。

 しかし、それは少し違っていて、学童保育はもちろん障害があるなしにかかわらず、子どもたちが同じ場で過ごせることのメリットはあるのですが、私自身は放課後等デイでなければできないことがあるのではないかと思うのです。障害のない子どももある子どもも一緒にいて、みんなが集団で生活できる放課後があるということは、すごく大事なことだと思うのですが、一方で一人一人の個別性に配慮した支援であったり、あるいは障害にきちんと着目した上で、そこに対して、そこを前提として子どもの発達を伸ばしていくための支援であったりという部分というのは、丁寧な支援をしていこうと思うと、そういう個別的な関わりというのも必要になってくるわけで、私は、学童保育の枠の中だけではカバーしきれない部分があって、そこにこそ放課後等デイサービスの専門性、存在意義、固有性があるのではないかと思っているので、そういったところを明確にできることがガイドラインとしては大事なことで、必ずしもみんなが、学童保育が全部受け入れてくれれば要らないというわけではないというのが、私自身が考えていることなのです。それがこの中にもっとはっきり見えてくるといいと思います。

○大塚座長 個別の話が出て、個々の児童に対応して計画を作るというのはもちろんですが、それとともに集団というメリットを生かしと、ここをうまく書かないとどちらなのだと。両方大切で、両方あるのですが、得てして一見すると異なるような概念を 1 つの事業所の中でやるわけだから、うまく使わないと駄目ですね。

○田中構成員 今の渡辺構成員にお伝えしたい部分があります。子どもの児童発達支援センターのところでも、就学前の特別な支援ということで児童の関わりがあると思うのですが、なるだけメインストリームになるような流れを作るということで、訪問指導とか、保育園や幼稚園への対応があるということになっていますので、順番を。強調し過ぎると、教育が駄目だから福祉で補うというよりは、教育にいかずに福祉の放課後デイで全てを賄っていきたいという方向に曲がってしまわないような書きぶりにしないと、そこは是非留意しながら、それでもこぼれる問題をどのようにすくっていくのかというのは、これも教育と一緒に考えるという姿勢がないと、あちらかこちらを選ぶ立場を親御さんや御本人に押し付ける立場になってしまうのではないかということが危惧されましたので、そこは留意していただければと思っています。

○猪平構成員 渡辺構成員のお話を伺って、その面も必要だと思いました。けれども、通級の専門性が様々にあって、その並行利用というか、そうしたことも打ち出していければ、個別の支援ができる所と、あるいは集団を求めて経験をさせていく所と。総則ですから、願いとして 1 か所だけの利用ではないことも可能だということを含められないかと思っています。放課後等の短い時間などでは専門的な、あるいは長期休暇のある所は、集団を求めて学童クラブの活用とか、そういうふうに多様な利用ができないものかと考えています。 1 か所でサービスを受けることに決められないほうが、子どもの今後の多様な育ち、いろいろな望ましい発達を考えての利用ができることが、どこかに織り込めないかと考えますが、いかがなものですか。

○大塚座長 多様な使い方というお話が出て、一般の放課後児童クラブを使いながら、また障害の放課後等デイサービスを使い、放課後等デイサービスであっても、場合によると日によって異なる活動をしている事業所を使う可能性もあると、そういうことも含めて考えると。

○猪平構成員 視覚障害ではかなり寄宿舎があり、その活用を今後できないかと思って後に書いているわけですが、専門的な指導も受けられる寄宿舎の活用、そこに福祉サービスが入って、放課後デイをさせていただく。そして、長期とか休日、土曜日とかには、集団というところで寄宿舎の利用ができないこともあるから、そういうふうに多様なという意味でもあります。

 実は今、通級制度があるので、専門的な指導を求めて盲学校に通級で通う子どもたちが、放課後デイを寄宿舎で受けられ、またそこに便宜が図られるなどということが書いてありますが、そのこともあるし、とにかく今、視覚障害のお子さんに放課後デイのサービスの事業所が少ないということと、作りにくいこともあって、その拡大を図るためにも、寄宿舎の活用をこれからお願いできるような書き方がないかと思っていましたが、今、多様な利用でも関わることかと思って意見を述べました。

○岸構成員 私は混乱してきたのですが、今のいろいろな資源の中の 1 つとしての放課後等デイサービス、そのガイドラインという位置付けでの検討ですね。今のいろいろな資源を使っていくというところが、放課後等デイサービス自体に求められるものではなくて、それはむしろ相談支援のほうがしっかりとすべきこと。子どもの資源をコーディネートできる相談支援専門員が地域にいるのならば、できることだと思うのですが、そこがまだなかなかできていない。そのような現状の中で、通所支援の中の放課後等デイサービスのガイドラインに着手してます。今度は通所支援は何かということにも及んでくると想定しながら、話を絞っていかないといけないとおもいます。放課後等デイサービスのガイドラインとしては、その多様な資源の 1 つとしての役割をはっきりうたっていくことでよろしいのですか。

○大塚座長 そうです。今の議論は、総則等を書く理念的な把握として、何を前提にまず固めておいて、それから具体的に書いていくかなので、最終的には放課後等デイのガイドラインですが、その前提があるので、一般施策との関係や使い方みたいなものを 1 回議論したほうがいいと思います。そういう意味でやっています。

○辻井構成員 いずれにしても個別のニーズと、集団の中で集団の体験をたくさんしながらということがあったとしても、基本的にはそれぞれの子どものニーズをきちんとアセスメントし、そのアセスメントに沿って何が必要かで、必要なことを提供していく形になっていくのだと思いますので、基本的にはサービス過剰時代の枠組みの中で後方支援という位置付けをしつつ、明確な個別の支援計画、また第三者評価の必要性が当然出てくると思うのですが、どの人が何をしているかが分かる仕組みをそこにきちっと取り入れていれば、結果的に、この子は放課後クラブのほうがいいということを相談支援専門員が判断していくことにもつながっていくわけですので、基本的にはまずは筋道としてアセスメント、個別支援計画、それがサービス等利用計画も含めて連動していく形で整理がつくことではないかということを一応申しておきます。

○大塚座長 それでは、前半はこの辺でよろしいですか。あとでもう 1 回戻りますが、後半になりますので、先に後半を議論して、もう一度必要であれば戻りたいと思います。後半については、設置者・管理者向け、あるいは児童発達支援管理責任者向け、従業者向けガイドラインの構成についてと、家族支援についての 2 つ目の○ということで御検討いただきたいと思います。これについての御意見をどうぞ。家族支援のことが前半でも余り出なかったですね。家族支援も総則にどう位置付けるかもあるのですが。

○辻井構成員 家族支援に関連してですが、総則にも少しありますが、預りの場でリフレッシュすることができることも非常に大事なことだし、母親の就労支援なども大変大事だと思うのですが、もう一方で一定の専門性をもってとか、子どもに際しての一応一定のアセスメントを前提にしてということであれば、子どもと母親の両方がより生活しやすいというか、生きやすいやり取りの仕方をある程度そこで覚えることもできるパッケージを常備しておいたほうがいいのかとは思っています。

 そうした意味では、障害支援の在り方検討会などでも出てきたと思うのですが、ペアレント・トレーニングとか、ペアレント・プログラムとか、親御さんの頭の整理みたいなことができるスキルを特に児童発達支援の管理責任者辺りはしっかり持っていただくことは、ある程度前提としておいたほうが、こうしたスキルをきちんとその担当の職員が持っていると、第三者評価などでもまたつながっているわけですが、そういうことができる人がいることを一つ一つ担保していかないと、結局、やっていますと言っているけれども、できていないではないかということがたくさんあるわけで、それで最低限ここまでということを保つためには必要かと思っています。そういう意味では、家族支援にとっては、ペアレント・トレーニング、ペアレント・プログラムという辺りは、きちっと位置付けていただけるといいのかとは思います。

○岸構成員 家族支援に関してですが、私も提出資料には書いていますが、子どもたちは家庭で、家族の中で育っているわけで、家族の中での立ち位置であるとか、年齢によっては家族と少し距離を置いたほうがいいとか、子どもの評価、そのときの発達の状況、置かれている状況、家族の構造などもしっかりと聴取りをしながら、子どものことを評価しないといけません。お話を聴いただけとか、お預りして、「お母さん、買物に行っておいで」とか、それだけの話を家族支援とは言えません。これは、本来は最低基準の要件ですが、今のレベルからステップアップしようなどという話にはまだ全然なっていないと思います。もっと家族支援がどういうものかをしっかりうたっていく必要があるかと思います。私は (1) の後ろに (2) を付けてでも、情報収集とかも含めて項目を 1 個足すべきではないかと思います。

 というのは、家族支援自体が保護者との連携と表現されそうです。では連携は何かというと、これもまだ具体化していないことです。保護者よりも家族に対する支援という項目を打ち立てて、その子の背景をしっかり見ると。何か全然違う意味で使う形になりますが、これも 1 つ、やはり子どもを中心にした後方支援ではないかという観点ではあります。

 もう 1 つ辻井先生がおっしゃった、ペアレント・トレーニングやペアレント・プログラムはとても大事だと思うのですが、どうしてもペアトレやペアプロは、現在では、それぞれの方法論的な言葉として使われてしまっています。非常に誤解も招くと思って、この表記の仕方も少し変えないといけないか、若しくは並列して書くなどの必要性があるのかと思うところで意見を述べています。

○大南構成員 推進連盟の大南です。 2 つありますが、 1 つは放課後デイサービスを受ける子どもたちの年齢の幅は 10 歳以上あるわけで、保護者のいろいろなニーズとか相談も、かなり差があるというか、違いがあるわけです。従業者の研修とも絡むのですが、保護者のニーズの違い、あるいは相談に対応できること、それが 1 つの家族支援というか、そういうことにつながるのではないかと。何か相談しても、それは分かりませんと言われたのでは困るので、研修と絡めながら従業者の資質の向上というか、障害のある子どもに限らず、子どもの成長・発達に合わせた支援ができて、しかも保護者の日常的な相談に対応できることが、家族支援の基本になっていくのではないかと思います。

○田中構成員 育成会の田中です。この前の児童の在り方検討会の中で児童期はどうあるべきかという整理をして、事務局からはポンチ絵として、 3 層構造で就学前と学齢期と成人以降ということで、サービス等利用計画を中心にソーシャルワークの柱を立てていくことで位置付けられて、大人に関しては基幹相談支援センターがその位置付けになっていくと。子どもに関しては、就学前は発達支援センターで、学齢期がその中核となる期間センター、若しくは中核センター的な要素が弱いと個人的にも認識したし、何となくそういう話題になっていったかと思っています。

 ですから、今回このように設置者・従事者というふうに役割分担を明確にした中で、家族支援、特になかなか解決に至らない家族の困難さをどのように解決していくかというときには、先ほどの話題とも重なりますが、放課後デイサービスの事業所に過度な負担、過度な期待が寄っていくと、非常に歴史をもって取り組んでいる事業所もありますが、裾野の広がりの結果として、やっと立ち上がったばかりの、特に親御さんたちがお互いを見合うことがと出発点で、まだ従業者が親ばかりの事業所もあることを考えると、余り大きな課題がそれぞれのガイドラインの中に盛り込まれ過ぎると、書いてはあるけれども読まないという結果になる、そこは危惧すべきだと思います。

 ただし、書かないと意味がないこともあるので、結論としては、何か困ったときに、放課後デイサービスの事業所がどこを頼りにして問題を解決していったらいいのかと、そこの道筋が教科書的でもいいので、ガイドラインですから示していかないと、事業所が煮詰まって行き詰まってしまうことに関しては、解決策を持つべきではないかと思っています。

○大塚座長 それは 1 つ大切な要素で、煮詰まりと共に、先ほどの事業者を孤立させないことは大切だと思うのです。いろいろな地域のネットワークは、連携の中に入って、きちんと同業者であるとか、相談支援や、自立支援協議会とつながりながら初めて成り立つので、そのものだけに問われると大変きついと思うのです。どう広がっていく形をつくるかと思うのです。

○宇佐美構成員 重障児を守る会の宇佐美です。ここの中に「保護者の就労支援」という言葉があります。「就労支援」という言葉をどう理解するか。まさか職業あっせんということまでは考えていないと思うのですが、この言葉はどこまで支援すればいいのかが気になります。福祉サービスを提供する事業所ができることは、子どもをお預りして、保護者の方が安心して仕事に就けることが、ひいては就労支援ではないかと私は思っているので、この意味合いについて皆様に共通の意識を持っていただかないと、先ほど田中さんがおっしゃった「就労支援」を幅広に取ると、この事業所が何か仕事のあっせんまでしなくてはいけないことに捉えかねられない。まさかそのようなことはないとは思いますが、できる範囲がある程度限定されているので、障害児支援の見直し検討会の中でも就労支援の議論になったと思いますが、福祉サービス事業所がどこまでできるのかはよく考えたほうがいいのかと思います。

○大塚座長 「就労支援」という言葉が出ましたが、それも含めて。

○片桐構成員 全国地域生活支援センターの片桐です。預りニーズは、これはなかなかはっきりとは出ませんが、実際はあります。私としては、そこの導入の預りニーズ的なところのハードルを上げないで、ある一定の気軽さは必要だとは思っています。なぜかというと、親御さんとすれば、御本人はこれから体験してもっと伸びるだろうということとか、放課後等デイに来てもらって、実施されるサービスの効果が導入だとなかなか見えないのです。

 来てみて、 3 か月やってみて、夏休みを経過してみると、あっ、こんなことができるようになったとか、しゃべらないと思っていたら、このように遊ぶようになったみたいに、ただ単に預かるのは駄目というところが取り分け強調され過ぎてしまうと、そもそもサービスとのコネクトがすごくしづらくなります。これは実は一部の地域では始まっていることで、療育を目的でないと駄目であるみたいになると、結局、礼儀正しく困っている人しか使えないみたいなことになるので、そういうものではないだろうというのが 1 つあります。その辺りの文言で、余りきつく縛ってしまう形だと、基本的な子どもを中心としたものはできないかと思っています。

 今、放課後児童クラブとの比較がずっとされているのですが、児童クラブと放課後デイサービスはそもそも出発点が違うと思っています。放課後児童クラブは放課後健全育成事業ですが、中には日中、保護者がいない場合とあるので、要は保護者が働いていないと使えないのですが、放課後デイサービスは、親御さんが働いていようが働いていまいが、基本的には使えますので。

 先ほど渡辺構成員の話も聞きながら、確かに児童クラブに行ければいいと思ってはいるのですが、この間このような事例がありました。お母さんは働かなくていいのですが、せっかくなので放課後はみんなと一緒に遊んでもらいたいという御要望を持っていて、「いや、お母さん、申し訳ない。親御さんは働いていないと使えないんだ」と言うと、今は「じゃあ、無理して働きます」という話になってしまうのです。ただでさえ待機が少ないので、もっと子どもたちが関わりたいとなると、児童クラブしかないのです。塾も行けないし、野球クラブとかもなかなか入れるわけでもないので、放課後で子どもたちが関わる所は児童クラブしかないとすると、親御さんが無理やり働かないと、一般施策の中で子どもたちと放課後過ごせない状況になるので、そういった児童クラブと放課後等デイサービスとの違いも考えておく必要があるかと思っています。

○大塚座長 ここで法律の規定を変えろとまではなかなか言えない。今の書きぶりの中でどうするかなので、それはまた審議会等において出していただければいいと思います。

○秋山構成員 全国重症心身障害日中活動支援協議会の秋山です。家族支援という視点においては、事業所は保護者・御家族と近い距離に存在しているがゆえに大きな、何かこれをしなければいけないという強い縛りではないにしろ、でも御家族や保護者の方に一番近い位置だとすると、日々のコミュニケーション、日々の保護者・御家族に対して敏感になる必要はあるのだと思います。それをどういう表現にするかはまた別の問題ではありますが、その視点という部分は重要だと思います。ですから、ごく当たり前のことではありますが、日々のコミュニケーションをしっかりやるという意識付けは、どこかで必要だとは思っています。

 「就労支援」という部分についても、やはり同じことが言えるのだと思います。直接、保護者にどうこう、家族にどうこうということではないけれども、家族の自立支援を行うことについては、子どもの成育の環境を整えるという意味では非常に重要だと思いますので、そこの視点は是非入れるべきだと思っています。

○渡辺構成員 皆様方の御意見とほぼ同じ点ですが、先ほどの就労支援ということで、「就労支援」という言葉がどうかということがあるのですが、基本的には就労支援でなくても、別に、例えば親御さんがその間に親の会の活動に参加しているとかも含めて、要するに、親御さんに対して基本的には前の在り方検討会のときもそうでしたが、「レスパイト」という言葉を使うかどうかということで、余りこういうことは言ってはいけませんが、議論になったときもありましたが、基本的には私は親御さんに対する時間の保障だと思っています。それを就労のために使う方もいらっしゃれば、親の会とか、社会的活動のために使う方もいらっしゃるし、その時間を自分の休息に当てる人もいるし、それは親御さんが自分で主体的に選んでくだされば結構ですが、日々介護とか子育てにどうしても追われがちな親御さんたちに対して、自分のために使える一定の時間を保障するという意味合いで、家族支援の中の位置付けを明確にしていくのではないかと思いました。

2 つ目、先ほど田中構成員から御意見があったのと全く同じで、相談支援もやってください、これもやってください、あれもやってくださいとやっていくと、本当に放課後等デイは、例えば今の職員配置とかも含めてそれができるのかということで、過度な負担とか、期待感を与えてしまうことになるので、むしろ抱え込まないで、要するにそこが支援の入口になっていくようにして、そこから必要に応じてきちんとほかにつながっていくところを大事にしていけばいいのではないかと、そういう意味では連携は大事だと思っています。

 例えば教科書的にと言われるけれども、私はそれでも全然構わないと思っています。教科書的にでも、今はこういう所ときちんと連携を取っていきなさい、可能性を考えてくださいと書いていくことが大事だとは思っています、総則の中でなければならないかといえば、そうではないのですが。

 そこのときに多分出てくることとしては、障害児支援の中であれば、特別支援学校などを含む特別支援教育とかという所だけにとどまらない一般施策であったりとか、それから後から述べますが、例えば要保護児童対策地域協議会など社会的養護の分野の関係機関との連携が必要なケースも出てくるのではないかと思うので、そういった幅広な連携先を明記しておくことは必要かと考えます。

 今のことと関連して言うと、アメリカやカナダで発達してきたファミリーサポートは、いろいろな文献を読んでいくと基本的には予防とはっきり書いてあります。そうなので、そこにレスパイトなども明確に位置づけられているのです。私がほかの社会保障審議会の児童部会とかの報告も聞いていたりしている立場で言うと、最近は厚生労働省も予防型支援とかという言葉を割と社会的養護の分野などは使うようになってきています。

 だから、簡単に言うと、虐待とか何かが起こってから支援が始まるのではなくて、そもそも虐待を起こさせないという、もっと一番前の部分の支援が大事ではないかということがあります。私自身は、家族支援を考えていくときに、例えば児童養護施設等の養護系の施設における障害児の入所率がかなり高いところまで来ているとか、あるいは、最近は児童虐待の事例の中に、少なからず育てにくいお子さんたちを抱えている家庭での問題が見えてきていることもあると、障害児支援においても親御さんが自分だけで抱え込まないように、もっと前の段階から身近な地域の中で、親御さんに対して気兼ねなく相談ができる体制をつくっていくことによって抱え込みを防いで、それが虐待とかという大きな問題に発展することを防いでいく視点は、障害児の支援の中においては大事だと思っています。そういったところでも身近な、社会資源としての位置付けが大事だと思いますし、そこから次にきちんとつながっていけるような連携した支援の必要性を明確に、場合によっては予防や予防型支援とかという言葉も使いながら、家族支援の中で書いていくといいのではないかと思っています。

○田中構成員 ガイドライン作りを前回、今回と進めていく中で、少し立ち位置を明確にしていかないといけないと思っているのは、制度の課題と現状の問題解決です。それを盛り込み過ぎると、事業所に向けて、若しくはそれを利用する保護者の方にも分かりやすいガイドラインとしていくはずなのに、ここの書きぶりによって制度が変わるテコ入れのようにしていくと、議論が果てしなく広がっていってしまうので、その視点で親御さんの就労支援について考えると、そもそも放課後デイサービスをやっている事業所として、それを打ち出して担いきれる力量と実力があるのかも、ガイドラインですので、見た人が考える要素になる書き方をしないといけないのではないかと、今、整理する必要があると思って提案します。

 先ほど渡辺構成員の言われた親御さんの時間保障の部分の要素から始まり、それがレスパイトとか、緊急性が高ければショートステイとなるかと思いますが、そこを受け入れつつの放課後デイが始まった経緯と、そもそも放課後デイの制度として目指している本人の健全育成の場、ここの部分を上手に捉えながら、その先に親御さんの就労保障です。就労保障という視点では、あくまでも就労を支えるための支援が必要なお子さんへの関わりということになるので、その限定された利用者に対して長く続けることができる事業所かを見極めていかないと、需要があるから全て受け入れます、就労保障もします、健全育成もします、緊急性の高いものも受け入れますとなるには、事業所においては相当実力と見通しを持つ必要があることも、ガイドラインとして示していく必要があるのではないかと思っています。何をするべきで、するべきでないという書きぶりではなくて、こういう需要に対しては、このぐらいの体制やボリュームがないとやりきれないということも書く必要があるのではないかという結論です。

○辻井構成員 これで失礼します。家族支援はそうした議論でということですが、ガイドラインで設置者・管理者向け、及び児童発達支援管理責任者向け辺りに関連して、基本的に第三者評価を大前提としていただきたいと思っています。本人たちができていると思っていることと、標準的に思うものからして最低限をきちんと保てているのかどうかは、非常に重要な観点です。現状、いろいろなレベルのものがあることは、最低限の基準がきちっと示されていない。示されているということは、第三者評価ができることです。第三者評価ができるレベルの明確さを持っていったほうがいいということが 1 つです。

 もう 1 個は、先ほども少しお話したのですが、支援手法に関しても、最低限のものはある程度方法論も入れていかざるを得ないのではないかと思っています。何でもいいわけではなくて、基本的には発達支援のスタンダードで行動を把握して、その行動に対して、できないことを叱ってもしょうがないわけで、それをきちんとスモールステップでできていることを 1 個ずつ認めていきながら、本人の自己評価を上げながら、それを作っていくことは、発達支援の基本的な観点としては常識になるのだと思います。それがある程度研修と実践と評価という形に反映されていることを担保していく。それができていれば第三者評価はできるので、第三者評価までは是非踏み込んでいただけると大変有り難いかと思っています。

○大塚座長 ありがとうございました。猪平構成員、どうぞ。

○猪平構成員 日盲連の猪平でございます。今お聞きしていて、放課後等デイサービスの面に預りということが出てきますと、先ほどの「子どもの個人の意思の尊重など」という辺りに少し、そこを尊重できない用語になってくるかなと思います。ただ、このサービスが通所の面と家族支援の面の 2 つがあるのだということを確認できました。それで、預りという所を家族支援なのだというように捉えた書き方でお子さん個人の意思の尊重を、意思決定とか、その辺の尊重に対する配慮を、預りという面を家族支援というような置換えにできないか、そうした書き方にできないかということを思いました。それは、お子さん個人の意思を尊重するということをスタンスに考えたところです。いかがでしょうか。

○大塚座長 ありがとうございます。では尾崎構成員、そして秋山構成員、どうぞ。

○尾崎構成員 家族支援の中の親御さんの就労の支援に対して渡辺委員が言われた、時間保障の中の選択肢というか、親御さんの側の使い方として就労があるという捉え方が、私もこのガイドラインの中ではいいと思うのです。

 ただ、田中構成員が言われた、ガイドラインの中で何を記すかということを考えたときに、実際に今、就労している親御さんが放課後等デイサービス 1 か所では補い切れなくて、 3 か所ぐらい併用して月から土まで全部埋めているというような実態もあるわけですよね。確かに、実態に対して全部入れていくと読みにくいガイドラインになってしまうのは分かるのですが、やはり複数事業所の併用に対して事業所としてはどういう対策を取るのか、どのように情報共有するのかということも、できればガイドラインにある方がいい。今、例えば東京のある区では、特別支援学校が中心になって放課後等デイサービスのネットワーク会議みたいなものを事業所間でやっていたりするそうです。複数を併用するような所がかなり増えていくのであれば、そういうものが必要になってくるのかなと思います。

○秋山構成員 秋山でございます。児童発達支援管理責任者向けのガイドラインあるいは従業者向けガイドラインについて、やはり権利擁護という視点をもう少ししっかりと位置付けるべきではないかと思っております。この権利擁護については福祉サービスの根幹に必要なものというように考えますので、ニーズに応じた適切な支援とか苦情対応、虐待防止の取組というような関連した文言も挙がっていますが、権利擁護という言葉そのものをしっかり位置付けるべきではないかと考えます。

 それから、これは支援のスキルアップという部分にも関係してくると思いますが、コミュニケーション支援とか意思決定支援というような部分を重要視するということを挙げさせていただきたいと思います。特に重度重複障害を持っている重障児に関しては、彼らが示す僅かなサインを見逃さないということ、あるいはそれを通じて自己達成感を感じてもらうというようなことが非常に重要ですし、たとえ重度の知的障害があっても自分で選択することを尊重するということは、やはりどこかでそういった内容を盛り込んでいく必要がある。特に児童発達管理責任者だったり、直接関わる職員さんには、その部分をお伝えしたいと思っています。

 それから、医療等々の専門職との連携という部分で、やはり重障児に対応するべく、必要性というのはやはりその専門職との連携という部分が挙げられますので、そこの部分も必要かと思います。

 障害特性という視点に着目する必要性があると考えております。重障児への対応については、 ADL の面ではほとんどが全介助ということですので、快・不快などの表明も難しい障害児については、障害特性に応じた適切な介助は重障児の生活の基本だと考えますので、そういった視点も盛り込んでいただくということです。

 最後に、リハビリテーションの重要性という視点です。重障児にとっては、理学療法とか作業療法の訓練のニーズが高くなっているのは事実であろうと思います。これを放課後等デイサービスに盛り込むべきかどうかというのは議論になるところですが、報酬告示に示されている人員配置基準を見ても機能訓練担当職員の配置が挙げられているという点からも、そういうサービスをする必要があるのかなと考えております。

○大塚座長 どうもありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

○石橋 ( ) 構成員 全肢連の石橋です。特に基本活動の中の地域交流の機会というところです。養護学校を卒業すると、いずれにしても地域に戻らなければならないわけです。放課後等デイサービスが学校ではなくて地域の近くに、今、そこに通うという方々が多いと思います。そうなると、 18 歳以上になると地域に生活基盤がいく、そのためには地域間交流は大切なことですが、もう一方、ここの書きぶりに踏み込んで、事業所が地域に溶け込むことが必須だというような意味合いを書き込んでもらえれば、更に 20 歳以上という形のときにその地域でいろいろと子どもは生活していく、そういうものの支えにもなるのではないかと思います。

 少し戻りまして、家族支援のところです。やはり相談というものを今の事業所に求めるのは、私自身も無理ではないかと思います。というのは、接触する時間といったら迎えの時間の一時なのです。親が改めて事業所に行くかといったら、まず、そのために療育センターがあり、児童相談所があり、福祉事務所、それに自立支援協議会というものも現実にあるわけですから、親はそちらのほうに行きます。ですから、このやっている事業所に家族支援を求めるよりも、そこであったことを、その一時の時間に子どもに変化があったことを親に伝えるという、そういう書きぶりにしてもらえればと。親が一番求めているのはそこではないかと思うのです。ボールを持って遊べなかった子が遊べるようになったということを、家では味わえないことを家族が知ったら、家族がまた家でそれをするという形になると思いますし。

 それから、保護者の就労支援の、この「就労支援」という文字は、預り時間に結び付かないようにしておかないといけないのではないかと思います。というのは、社会に出ますと今のデイの時間は、東京近郊だと、送迎時間もありますと、大体 3 時とか 3 時半に施設を離れて、 1 時間ですから 4 時半で、逆にデイのほうの、今の居宅介護サービスのほうを時間延長してくれという要望につながります。そのような、先ほど御意見がありましたように、制度と余り関わらないようなところに就労支援というものを置いておかないといけないのではないかと今、御意見を聞いて感じました。

○大塚座長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。出尽くしましたか。大丈夫ですか。それでは、前半にも戻って、もう一度全体を少し、御意見等がありましたら、気が付いたところがありましたらどうぞ。前半、後半を含めて、少し御検討をお願いします。前半は、家族支援を総則の中でどのように入れるかというのはなかったかなとは思うのですが、家族支援の話も出ましたが。

○大南構成員 推進連盟の大南です。総則に入れる、入れないの話ではなくて、考え方として保護者の方に是非理解してほしいと思うのは。障害のある子どもたちが全て学校に行けるようになったのは昭和 54 (1979 ) です、今から 35 年前です。その時点のお母さん、お父さんたちは、私の子どもたちを学校に是非入れてほしいと、こういう運動を育成会を中心に展開されたわけです。ですから、小学校、中学校は義務ですが、その義務の中で学校よりいい所があれば学校に行かないでそちらに行くという考え方が一部にあるということは、やはり義務教育というのは何なのかということを考えていただく必要があるのかなと。そのことが、放課後等デイサービスをはじめ、福祉のいろいろな施策を活用していって、学校に行かなくても済むような、保護者のほうに都合がいいという言い方はちょっと申し訳ないですが、働くためにはそうしなければならないということですが。義務教育段階の子どもは学校にやらなければならないという、それがベースになっていろいろなことが展開されるならいいのですが、どうもそのことがちょっと忘れられている、学校に行けなかった時代のお母さんやお父さんたちの気持ちをどう伝えていくのか、その辺りが、この事業をはじめいろいろな、福祉と教育との接点というか、そこをうまく考えないといけないのかなということを思いました。

○田中構成員 基本的に放課後等デイサービスに関しては、児童の在り方検討会の頃から主たるメインストリーム、社会参加すべき場について意識しながら、どうあるべきかということを検討してきていると思っています。ですから、先ほどもお伝えしましたように、放課後等デイサービスにおいても柱を立てて、そこが中軸になって面的、横の広がりを広げていく。そのときに学校で十分な支えになり切れていない現状もあるということについては、学校が義務教育でいくべきだというところの外れざるを得ない現状があるということも、逆に見過ごしてはいけないことだと思います。その意味で、教育支援計画が十分に地域の広がりまで考えた取組になっているのか、基本的に放課後等デイサービスでの計画を学校との関係を位置付けながら進めようとしているのかということについて留意すべきで、個別の生徒や保護者の考え方がどうあるのかというのは、逆に 30 数年もたっていますので社会情勢も随分変わっていますので。今、学校に行き切れない児童、生徒が 12 万人もいるというような現状の中で障害児だけが特別に行きにくいのではなく、学校そのものが課題を抱えているという視点も逆に忘れないようにしないと、全体を考えるときにはバランスが欠けるのではないかと思っています。

 そんな位置付けで総則に関しては、特に個別のありようというよりは学校との関係性をどのように、付かず離れず良いパートナーシップでやっていけるかということを前提にしながら、漏れる個別の問題は個別相談のサービス等利用計画などで学校とのすり合わせも忘れずに行うということで、今の大南構成員の意見については十分受け止めていけるのではないかと思っています。

○尾崎構成員 この基本的姿勢の現時点の案の「心身の変化の大きい学齢期から特別支援学校高等部等にかけての子ども」がこの対象のメインであるということははっきりさせた上で、例えばこの中のメインではない不登校児とか、通常の学校に通っているけれどもなかなか、そこの学童だったり、いろいろな所で補い切れない課題を持っている子に対しての放課後等デイサービスの役割というようなものは、明確にガイドラインの中に記したほうがいいのではないかと思いました。もっと言えば、本当は就学前と義務教育期と高等部所属のときと不登校時と、せめてそれぐらいに分けて、それぞれに果たすべき役割を示したほうが、もしかしたら分かりやすいのかなと思いました。

○猪平構成員 日盲連の猪平ですが、全体でいいという具体的なお話がありましたので意見を言わせていただきます。

 設置者・管理者向けガイドラインの (1) の4「関係機関や保護者との連携」のエに「保育所・児童発達支援事業所との連携」とあります。いつまでたっても幼保一元化が進まないのは忸怩たる思いですが、こうしたときに、制度を変えないでというようなお話もありましたが、実はこういうところから少し変えるきっかけを示してはいかがかと思います。幼稚園や認定こども園に障害児がいるわけで、そうしたお子さんの支援、縦の連携も必要なのに、この 2 か所しか書かれないということに何かこだわりが、制度があるからということなのだと思いますが。その制度を、もう変える時期がきているのに変えられないということにいつまでもこだわらないで、例としては、例えば児童発達支援事業所、そして保育所、幼稚園、認定こども園などと列記してもいいような、もっと相乗りできるような書き方はないものかと、こういうこだわりのところに感じてしまいます。ちょっと意見です。

 そして、「その他」です。これが、せっかく放課後等デイサービスのガイドラインに障害のあるお子さんのためのということですから、重症心身障害児のほうからの御意見もありますが、各障害の支援の特性などが少しずつ留意事項として書かれないものかと。これはガイドラインですから、御覧になる方が少し分かっていただくようなものであるとこのガイドラインは使いやすいのではないかという思いがありまして、どこかで触れていただくことはできないか、障害の特性、支援の特性というものが、 1 項目ずつでも書く所がないかという希望があります。意見として述べさせていただきました。

○秋山構成員 秋山でございます。家族支援のところでもう少し。私は先ほど「家族に一番近い」というような表現をしましたが、実際的には、日々の何気ない御家族とのやり取りの中でそういった思いとか悩みとか相談事はそんなに少なくないと思っております。そういう意味では、やはり入口になるところが非常に、今、現実の中では少なくないのではないかと考えております。相談支援事業所、あるいはサービス等利用計画も進捗する中で、今、相談支援事業所との連携は欠かせないものですが、その中でもやはり親御さん、御両親、御家族は、そういう意味で本当は相談支援従事者等の役割というようなものを御家族にもっと周知しておく必要はあるのだろうと思いますが、現実的にはそこがまだまだ進んでいないという中でそういった事業所がその入口になるというのは十分考えられるので、その部分の重要性は、従事者あるいは児童発達支援管理責任者等々、管理者も含めて、認識は必要だろうと思っております。

○岸構成員 ガイドライン構成案の基本姿勢の 1 行目で、この放課後等デイサービスの対象は「心身の変化の大きい学齢期から特別支援学校高等部」と。ここになぜ特別支援学校高等部となるのですか?障害自体を前提として、障害程度のかなり重い子たちというところへのサポートという意味合いにだけなってしまうのではないかと読んでしまいます。ここは記載の仕方を考えなければならないのではないかと考えます。重ねて、軽度の子どもたち、特別支援学級であったり、通級に行っている子どもたちも、お友達との関係や社会との接点との調整であったり、関わりを求めていることが多々あります。そういう点で、放課後等デイサービスの対象年齢などは一般的な用語で記載していただきたいと思います。

○大塚座長 大南構成員、そうですね、ここの対象の方については学齢期から特別支援学校高等部というのは少し狭すぎると。

○大南構成員 後ろに「等」を付けていただくとか。全部書き出すと、今、御紹介があったように、特別支援学級であるとか、通級による指導であるとか。最近、また新たに始まっているのが巡回による指導です。通級は子どもが動くのですが、巡回は教員が動いていくという。それをずっと挙げていくと少し複雑になりますから、「等」はいけないかもしれないのですが、例えばそういう表現でいかがでしょうか。

○大塚座長 分かりました。では最後に、確認で。

○尾崎構成員 確認ですが。今、基本姿勢に「特別支援学校高等部等」と書かれているのですが、それは、小中学校の通常級、特別支援学級、通級指導教室などに通っている子は在籍校の学童保育の活動がメインで、義務教育終了後の場合は、特別支援学校高等部の子が放課後等デイサービスの対象の中心にするということをあえて強調するためにこの書きぶりにされたのかなと理解していたのですが、そうではないのですか。

○大塚座長 事務局、お願いします。

○大西障害児支援専門官 事務局、大西です。一応このように記載したのは、学齢児については、小学校、特別支援学校の小学部とか、いろいろありますが、学齢というと小学校、中学校が入ってくるので、通級とか、いろいろな形態も全部含めてカバーできるのかなというところです。あと、義務教育修了後の年齢段階については、最初は高等学校等、実際に場所を考えると、高等学校と特別支援学校高等部がメインに対象になろうかと思いますが、「高等学校等」にするのか「特別支援学校高等部等」にするのかというところで、実際の利用者が多いのは特別支援学校高等部かなという意識だったのですが、表現上、「高等学校等」のほうがよろしいということであれば、そちらのほうも考慮したいと思います。

○大塚座長 議論のほうはよろしいですか。今までの皆さんの御意見につきましては、事務局においてしかるべく検討した上で今後の議論に反映させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、今後の予定等について事務局から御連絡をお願いいたします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 本日はお忙しいところ熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。本日頂いた御意見につきましては、事務局において、構成案等に反映すべき点は反映いたしまして、次回検討会でまた御提示させていただきたいと思っております。

 また、前回の検討会で幅広く関係団体からの意見を聴くべきという御意見について、本日は御欠席されています福島委員から頂いた件ですが、このことにつきましては、構成員の所属団体以外の全国レベルの関係団体に事務局からお声掛けをして、意見表明の希望のある団体については、書面での意見提出を依頼したいと考えております。お声掛けする具体的な団体につきましては、今年度開催しておりました障害児支援の在り方検討会の構成員の所属団体、現在行っております障害福祉サービスの報酬検討チームのヒアリング団体のうち放課後等デイサービスに関する要望を出されている団体、前回の検討会で御提案になりました障害のある子どもの放課後保障全国連絡会を想定しているところです。構成員の皆様方に御了解が頂ければ、様式を示した上で、今回の検討会終了後に関係団体にお声掛けさせていただきたいと思っております。また、提出のあった意見書については次回の検討会で資料として配布させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大塚座長 よろしいですか。お願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 では、そのような形で進めさせていただきたいと思います。第 3 回目の日程につきましては、現在、皆様に日程の調整の御依頼をしているところですが、 12 月上旬頃を予定しておりますので、またよろしくお願いいたします。

○大塚座長 構成員の皆様は長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。ガイドライン策定検討会はこれで終わりにさせていただきます。御協力、本当にありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3037)
FAX: 03-3591-8914

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