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2014年10月17日 第2回地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会

医政局

○日時

平成26年10月17日(金)16:00~18:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○議事

○北波地域医療計画課長 定刻になりましたので、ただいまから、第2回「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。

本日は、山口育子構成員から欠席との御連絡をいただいております。また、齋藤構成員、尾形構成員におかれましては、少々遅れてこられるという状況でございます。

 議題に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1から5まで、参考資料1から4まで、西澤構成員提出の資料、山口構成員提出の資料をお配りしております。

不足がございましたらお知らせください。また、構成員の机の上には前回の資料をファイルにして置かせていただいております。

それでは、以後の議事運営は遠藤座長にお願いいたします。

 また、写真の方につきましては、ここまででよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 それでは、議事に移らせていただきたいと思います。

 まず、議題の1番目でございますが、「構想区域の設定の考え方について」を議題としたいと思います。これは、前回、時間がなくて議論できなかったものでございます。事務局から改めて御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 地域医療計画課の佐々木でございます。恐縮ですが、座ったままで御説明させていただきます。

 資料は、2及び参考資料1から3を用いて御説明いたします。また、本日御欠席の山口構成員提出資料も、読み上げはいたしませんが、後ほどご覧いただければと思います。それではまず、資料2をご覧ください。

 資料2ですが、四角囲みにありますとおり、地域における病床の機能の分化及び連携を推進するための基準として、厚生労働省令で定める基準に従い定める区域が構想区域となります。つまり、この点につきましては、前回、中川構成員から指摘ありましたけれども、省令で扱うことになります。

この表面、1ページの一番下の○をご覧ください。一番下の○にありますとおり、今回の法改正では、医療介護総合確保促進法の中で、都道府県の医療介護総合確保区域を定めることとしております。この考え方につきましては、9月12日に公布された、いわゆる医療介護総合確保方針において、二次医療圏及び老人福祉圏域を念頭において設定するものとされたところでございます。

 裏面をご覧ください。一方で、現行の二次医療圏につきましては、第1回検討会でも御説明いたしましたけれども、人口規模や面積に大きな差があったり、大幅な患者の流出入があったり、基幹病院へのアクセスに大きな差があったりという実態があります。

 なお、※印にありますとおり、平成20年度からの第5次医療計画から4疾病・5事業の形で導入され、昨年度からの第6次医療計画で拡充された5疾病・5事業、また在宅もそうですけれども、これらは二次医療圏にかかわらず、地域の実情に応じて柔軟に設定している都道府県もございます。

以上の点を踏まえますと、2ページの○の1つ目にありますとおり、構想区域は、二次医療圏を原則としつつ、○の2つ目の3行目、「将来における○1人口規模、○2患者の受療動向、○3疾病構造の変化、○4基幹病院までのアクセス時間等の変化等の要素を勘案して、地域の実態を踏まえ、定める」としてはどうかと考えております。

 なお、この後御議論いただく際のバックデータとして参考資料1から3を用意しております。まず参考資料1ですけれども、1枚めくっていただきまして、二次医療圏の考え方につきましては、直近では第6次医療計画を都道府県が策定する際に、その策定指針を厚生労働省として示すべく、検討会を設置して御議論していただきました。

3ページにありますとおりに、約3年前にこのとりまとめをいただいたところです。この中で二次医療圏の見直しについても言及されております。この3ページから4ページにかけてその関連の資料がございますけれども、5ページに、実際に見直しを行った例として宮城県の例をお示ししております。

 次に、先ほどの説明の中で二次医療圏間のさまざまな差について申し上げましたけれども、人口と面積のそれぞれ一番大きいところとか、逆に一番小さいところ、また平均のデータや面積といったもの、12ページに、今申し上げました二次医療圏間の人口・面積についてのさまざまなデータをお示ししております。

また、13ページには、面積が最小の尾張中部二次医療圏、14ページには面積の大きい二次医療圏の1位から5位までを占める北海道の地図上のどういう状況かというのも示しております。また、15ページには、人口が最多の東京都の関連のデータを示しております。

 なお、東京都につきましては、現在、二次医療圏と老人福祉圏域が一致しておりますが、かつては、この15ページの下にありますとおり、老人福祉圏域が区部圏域、多摩圏域、島しょ圏域と大くくりとなっていた時代がありますが、今は、東京都も二次医療圏と老人福祉圏域が一致しているということを補足的に申し上げます。

 また、その後ろ、16ページ、17ページに関連の条文等をつけております。

17ページの次が参考資料2になります。参考資料2をご覧ください。先ほど二次医療圏と5疾病・5事業等における圏域の設定につきましては、柔軟な設定が可能であり、実際そのように取り組んでいる都道府県があるということを申し上げました。

ここでは、1枚めくっていただきまして3ページに、邉見構成員の御地元ですが、兵庫県の実例をお示ししております。この地域医療構想も医療計画の一部という法律上の位置づけですけれども、現在の医療計画では、地域の実情に応じて二次医療圏やさまざまなそれぞれの5疾病・5事業における柔軟な設定を可能としていることの資料としておつけしております。

 1枚めくっていただきまして、参考資料3を最後に御説明いたします。参考資料3には、国立社会保障・人口問題研究所のデータをもとにした二次医療圏の将来人口推計をお示しいたしました。

なお、下から2つ目の※印にありますとおり、福島県は特殊な事情がございますので、二次医療圏データは含まれておりません。このページは、ダイジェスト、総人口の今後の動向、65歳以上人口の今後の動向、75歳以上人口の今後の動向をまとめております。

また、一番下の※印にありますとおり、2025年時点で、2010年時点より下回る二次医療圏は、総人口だと、344の二次医療圏中313の二次医療圏で総人口は下回る見込みとなっています。

 一方、65歳以上人口で見ますと、下回るのは28の二次医療圏、75歳以上人口になりますと7つの二次医療圏が人口減少と予測されております。

 1枚めくっていただきまして、今度は、今の表のバックデータとなりますそれぞれの二次医療圏のデータをつけております。先ほどは2010年と2025年の比較をいたしましたけれども、さらにその先、今から約25年後の2040年のデータもこの資料の中にはおつけしているところでございます。

 参考資料3は以上でございますけれども、恐縮ですが、また資料2に戻っていただきまして、今まで申し上げたとおり、医療における圏域設定にはさまざまな要因がございます。さらに地域の実情もさまざまであるため、運用の柔軟性を前提とした上で、かつ、二次医療圏間、また、二次医療圏間というのは都道府県境を越える二次医療圏間もあると思いますけれども、こうした二次医療圏間の実態に応じた調整を行うことを前提とした上で、先ほど申し上げました、資料2の2ページにありますとおり、構想区域は二次医療圏を原則としつつ、将来における○1人口規模、○2患者の受療動向、○3疾病構造の変化、○4基幹病院までのアクセス時間等の変化等の要素を勘案して、地域の実態を踏まえ柔軟に定めることとしてはどうかという、この点について御議論、そして、できれば本日御結論をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 ありがとうございました。

前回御提出いただいた資料に若干新たな資料も加わっているかと思いますけれども、それでは、ただいまの御報告に関しまして御質問、御意見等ありましたらばお願いしたいと思います。

 本多委員、お願いいたします。

○本多構成員 今、説明がありましたこの構想区域ですが、二次医療圏を原則として、ここに○1から○4にあるように、人口規模、患者の受療行動、疾病構造の変化、基幹病院までのアクセス、そういった変化など勘案して定めることは理解できるところです。ただし、前回の資料の中で、これまでの二次医療圏の見直しにおいて、32都道府県、見直しに該当して検討しながら、3県しか実際には見直されなかったようですので、その見直しをされなかった都道府県の理由等を分析して、その問題点を踏まえて検討しないと機能しないのではないかと考えられます。その理由等を把握した上で、こういった提案がされているのかどうかお伺いしたい。

○遠藤座長 それでは、事務局お願いいたします。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 今の御指摘につきましては、昨年度開催されました、尾形構成員を座長とする医療計画のPDCAに関する検討会でも御議論いただきました。参考資料1の4ページで御説明いたします。

今、御指摘いただいたとおり、○の1つ目にありますとおり、人口20万人未満、流入率が20%未満、流出率が20%以上、これら全て、3つ全てを満たす二次医療圏について検証を行うことを求めたところでございます。この時点では、該当する二次医療圏を有する都道府県は、ここにありますとおり、32の都道府県、87の二次医療圏ということでした。実際に平成24年度1年間かけてそれぞれの都道府県が見直しをしていく中で、より直近のデータを用いてこれらについて検証したと聞いております。その結果、直近のデータを用いても、これら3つの20万人未満、20%未満、20%以上をクリアするなどのところもあり、また諸要因を勘案した結果として、○の一番下にありますとおり、宮城県、栃木県、徳島県で見直しを行ったものも含めそれぞれの都道府県から報告を受け、研究会でも検証いただいたところでございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。よろしゅうございますか。

○本多構成員 はい。それから続けてお伺いしたいのですが。

○遠藤座長 どうぞ。

○本多構成員 前回資料では、医療に関する圏域、先ほども説明がありましたけれども、二次医療圏以外にも、地域医療構想区域、医療介護総合確保区域、それから老人福祉圏域と3つあるわけですけれども、4つも圏域があって都道府県も混乱するのではないかと。先ほど、東京は一致しているというような話もありましたが、一般の地域住民からしてみても、こういう圏域というのは理解できないところであり、今後、厚生労働省として、地域包括ケアと医療と介護の連携を進めていく上で、根拠法令が違うということは十分理解しているが、こういった圏域を将来的に統合していくような考えはあるのかどうかお聞かせいただきたい。

○渡辺医療介護連携政策課長 医療介護連携政策課長でございます。

 この二次医療圏と老人福祉圏域につきましては、現時点でも41の都道府県では一致しておりまして、それ以外のところでも、大半は、例えば一つの二次医療圏の中に2つの老人福祉圏域があるという包含関係にございます。これにつきましては、この9月12日に医療介護の総合確保方針というものを出しましたが、その中で、特に医療計画と、それから介護保険の事業計画のサイクルが一致していきます30年度以降を1つ見据えて、今でもそれぞれについてできるだけ一致させるようにということは言っておりますけれども、基本的には一致させていくと。その一致した二次医療圏イコール老人福祉圏域を医療介護の総合確保圏域としていくということで、基本的には収斂させていくということで方針としては出しております。

○本多構成員 ありがとうございました。

○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問ございませんでしょうか。

 相澤構成員、お願いします。

○相澤構成員 前回、邉見委員のほうから、地域医療ビジョンの前に地域ビジョンがあるべきではないかということで、私ちょっと調べさせていただいたのですが、総務省が定住自立圏構想というのを出していまして、定住自立圏というのは簡単に申しますと、ある中心都市を中心として市町村がお互いに話し合ってどういう定住圏を作るかということなのですが、その中の一つに、やはり住民の安心を確保するために医療と介護についてもそこの市町村間で構想を作るようにというのがございまして、実は総務省がそこにお金を出しております。

平成24年度は地域医療連携推進調査というのをやっておりますし、平成25年は、地域医療と地域公共交通の掛け合わせでどういう体系をとったら一番合理的かというようなことにお金を出しているのですね。ということは、この定住自立圏という中では、既にそういう市町村同士でさまざまな役割分担をしながら、どういう構想がいいかということをやっておるということです。

 ちなみに、長野県では上田というところがやっているのですが、そこは群馬県の嬬恋村と一緒に定住自立圏をつくろうとしております。

それから、二次医療圏と定住自立圏が一致しているかどうか調べたのですが、一致しているところもあれば一致してないところもあって、一体日本の政策はどうなっているのかという非常に疑問を感じたのです。その中で私がいろいろ調べて思ったことは、二次医療圏を基盤にしてやるよりは、市町村のデータを基盤にして、どういう組み合わせが一番良好かを考えるほうがいいのではないかと思っています。

 1つ、その中で、二次医療圏というのはもともと入院医療を提供する一体的な区域としてある圏域を指定するということで始まったと思うのですが、そもそもその考え方そのものが僕は間違っていたのではないかと思って、それが今の混乱状態を来しているような気がするのですね。いろいろ調べてみますと、結局、二次医療圏で、人口規模から言って、ある医療機能が足りないからといって本当にだめかというと、隣の医療圏にその機能がたくさんあって、うまく交通することによって、2つの医療圏であたかも住民にとって適切な医療が提供されているというのもございまして、最初から二次医療圏を基盤にと言うと僕はかなり間違った方向に行く可能性が強いのではないかと思います。

要するに、基本的に言いたいことは、そこにいる住民の方の安心と安全を確保するために医療、介護というのはあるべきであって、そうだとすると、市町村単位で考えながら、どことどこが一緒にやったら一番合理的かを考えていくほうがいいのではないかというのが私の考えということでお話をさせていただきました。

以上です。

○遠藤座長 とりあえず御意見として承りました。

では、邉見構成員、お願いします。

○邉見構成員 関連で。相澤先生、ありがとうございました。実は私も、兵庫県の西の端にありまして、5分で中国地方、岡山県でございますので、定住自立圏構想、うちのまちも備前市というところとやっております。備前と赤穂は、いいレンガの土とか備前焼とかで珪肺とかじん肺とかが多いのですね。そういうことで、うちの病院が中心になって呼吸器のことをやったり、観光も備前と赤穂でやったり、もう一つ、上郡町というのが山のほうにありまして、この3つで定住自立圏構想。それから、先生のところであれば、飯田と奥三河ですね。南信と豊橋の奥のほうがやったり、都道府県を越えてやっているところはたくさんありますので、私も、そういうこともこの中に最終的には入れないといけないのではないかなという意見でございます。

以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

お待たせいたしました。尾形構成員、どうぞ。

○尾形構成員 事務局からお示しいただいた資料2の2ページの、「構想区域は、二次医療圏を原則としつつも」云々で、こういうことも留意する必要があるということですが、二次医療圏については、圏域の広さの相違を含め、いろいろ問題が多いとは思いますが、しかし、なかなかこれにかわるものがないという現状を踏まえると、やむを得ないもののかなあと思います。

ただ、1つ確認しておきたいのは、一方で、二次医療圏というのは、一般病床、療養病床に関しては病床規制の単位になっているわけで、それと、これから考えられる将来の病床の必要量との関係はどういうことになるのか。もっとわかりやすく言うと、頭の整理ですけれども、仮に構想区域が二次医療圏とずれた場合にはどういう問題が生ずるのかという点を少し説明していただければと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。それでは、事務局、そのあたりのところについての考えをお願いいたします。

○北波地域医療計画課長 今回の地域医療構想における区域というのは、将来の病床の必要性というのを考えて単位を定めるということでございます。基準病床数自体は足元の病床の整備目標と考えておりますが、今回の地域医療構想区域での必要量というのは、将来時点における医療機能別の病床数の目標ということで、性格が異なっているということでございます。

ただ、当然ながら、両者の整合性というのを図らねばならないとは考えておりますけれども、今、この地域医療構想というのを考えるに当たって、地域完結とは何かという議論をする中で、必ずしも両者がずれているということをもって、これを整合性とらなければ構想区域が設定されないというものではないと考えています。今後その扱いにつきましては検討会の中でも御議論いただければと考えております。

○遠藤座長 尾形委員、よろしゅうございますか。

では、中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 北波課長の今の答えですけれども、説得力がないように思います。なぜかというと、二次医療圏の基準病床数と異なり構想区域の必要量は将来だからと言うのですけれども、間もなく数年以内に全構想区域で構想が策定されますね。そして、それに向かっていかに実現するか、協議の場で鋭意協議を進めていくわけですから、2025年という先の必要量だからという説明ではなかなか理解は難しいですね。

わかりやすく言うと、二次医療圏と構想区域は一致していたらわかりやすいのですよ。都道府県が二次医療圏を原則だけどこだわらず決めていいということで、もしずれが生じた場合、二次医療圏の基準病床数と構想区域に必要量はしっかり関係しますよ。

それはどういうときかというと、ある医療機関が増床する、もしくは新設する、そういうときに、構想区域が少しずれていても、二次医療圏ではオーバーベッドだと、もしくは隣の二次医療圏ではアンダーベッドだという関係をどのように整理整頓するのかということをきちんと説明しないと、これはなかなか納得できないと思います。どうですか。

○北波地域医療計画課長 基本的には、今回、地域医療構想区域をつくって、病床の転換や機能分化というのを図っていく中では、現行の二次医療圏に基づく基準病床数をまずは満たしていただきながらやっていただくということが必要ではないかと考えております。

ただ、平成30年には第7次の医療計画もございますので、その際の医療計画におきます圏域の見直しというものもございますので、そこら辺のところで本当は合わせていただくということではないかとは考えております。

○遠藤座長 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 今の説明の理解としては、第7次医療計画のときに、二次医療圏というものがまずそれ以降もあるとすれば、その二次医療圏を構想区域に準じて見直していくという理解ですか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 基本的には、現在考えております地域医療構想区域というものに準じて、定めますのは都道府県、同じ主体がやりますので、そこは整合性を持った形で運用していただくというのがやはり望ましいとは考えております。

○中川構成員 というのは、いいということですね。

○北波地域医療計画課長 恐らく、都道府県によってどのような判断を第7次医療計画を作るときに考えられるかというのはございますけれども、整合性をとるという形であれば、例えば地域医療構想区域ということで構想を定めた区域に、準じてというか、合わせていくような形で二次医療圏を変えていくということはあっていいとは考えております。

○遠藤座長 先ほど左側のほうからお手を挙げていた方いらっしゃいますが、では、西澤構成員、それから武久構成員の順番でよろしいですか。

○西澤構成員 事務局への質問ではないのですが、参考資料を提出させていただきますので、議論始まる前に説明したいと思います。

参考資料と書いたものの後ろから20ページぐらい前に、「医療提供体制のあり方 日本医師会・四病院団体協議会合同提言」というのがあります。ページがなくてわかりづらくて申しわけございません。

まずお開きいただければと思います。実はこの資料は、この検討会ができる前に、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本方針」というのができまして、その方針を立てる会議において提出いたしました。そのときに、ぜひこの地域医療構想を検討するときには参考としていただきたいということで承認いただきました。そういうことで本日つけさせていただいております。説明は何回もしておりますので簡単にしたいと思いますが、ぜひこれからの参考にしていただければということで、改めて説明させていただきます。

8月8日付ですが、めくっていただきまして、1ページ目、「基本方針」ということで、これが四角の中に囲んで書いてございます。1、2、3と書いていますが、後でお読みいただければと思いますが、一番最後の3行、「このため」以下です。「地域の医療・介護・福祉との連携の下、地域包括ケアシステムの実現に向けて、在宅医療を含めた地域特性にあわせた柔軟な医療提供体制を構築する」というのが私たちの基本方針でございます。ぜひこれからの地域構想のときにも、この点はしっかりと認識していただければと思っております。

めくっていただきまして、飛びまして3ページでございます。「かかりつけ医」と書いてございます。ここで、かかりつけ医というものは、上から5行目ですが、「国が推進している地域包括ケアシステムにおいても、『かかりつけ医』がその中心的な役割を担う仕組みの構築が重要である」ということで、日医と四病協は、「かかりつけ医」の養成、「かかりつけ医機能」の充実に努めると書いてございます。

めくっていただきまして4ページには、その定義、機能を書いてございますし、5ページには、「かかりつけ医と在宅医療」。この在宅医療も今後非常に大事でございますので、それの関係性も書かせていただきました。

それと6ページ目でございます。これが今回の検討会と大きくかかわるところだと思います。「医療・介護の再編」ということで、「3.1.大きな方向性」でございますが、「医療資源、介護資源が一定以上整備されている地域において機能が重複している場合には、その整理が必要である。一方、医療資源が十分整備されてない地域では、医療に切れ目が生じないように、地域性に応じた機能の見直しと整備が必要である。医療提供体制はこうした点を踏まえて構築していく必要があり、そのために病床機能情報の報告・提供制度を活用する。その制度の下で、都道府県が情報の収集、分析を行い、これを踏まえて地域の医療提供者、関係者等が主体的に医療提供体制を構築していく」と書いています。

これはまさしく、この検討会が始まる前に病床機能報告制度の検討会で、実は今月から始まっていますが、その報告制度をベースにして今回の地域医療構想があるということと、その基本的な考え方は、日医と四病協がここに書いていただきましたので認識していただければと思っております。

その下でございますが、「現時点では」ということで、以下のとおり、提言の1番目で、「地域の人口等に応じて一定数確保すべき病床は、医療計画に適切に組み込んでいく」ことが大事。それから2.「急性期病床は地域における医療ニーズの実態と客観的な将来見込みを踏まえて再編を行う。病期としての急性期には、病態としての重症・中等症・軽症が含まれる」と書いています。以下にはその説明を書いてございますが、こういうことをしっかり踏まえながら、この地域医療提供体制をつくらなければならない。言い方を変えますと地域医療構想をつくらなければならないと思っておりますので、そのような御認識、よろしくお願いいたします。

7ページでございますが、ここでは慢性期の重要性とか、さらに4には、在宅医療が必要だと。これは、どうしても計画というと入院の病床機能だけに思われがちですが、入院ということと、片方では在宅というのは大事だということを認識した上で考えていただきたいなと思っております。

8ページ、9ページですが、「病床の区分」と書きました。ここに4区分が書いてございます。実は昨年9月の医療部会で、報告制度のための4分類が出ましたが、日医と四病協との提言がもとになってこれになったということでございますので、改めて私たちが主張していることを今申し上げたいと思います。

ただ違うのは、内容では、報告制度の急性期病床は簡単に2行程度でしか書いてございませんが、実は急性期の中に、先ほど言いました重度、中等度、軽症があるということで、ここに、急性期の中でも役割分担しなければならないということを書いてございますので、今後構想を立てていくときには、できればこのような定義づけといいましょうか、そういうことを踏まえてやっていただければと思っております。

10ページは省略いたしまして11ページ、片方ではやはり有床診療所というものが非常に大事だということもぜひ頭に置いて議論していただければと思います。

次のページですが、1118日には、「地域包括ケアシステム構築に向けて」ということで、これは四病協単独で出しましたが、日本医師会から出すOKはいただいております。

めくっていただきまして、目次が書いてありまして、1ページ目でございますが、「はじめに」のところで、2段落目から読みますが、「高齢化が急速に進行する中で、地域では、多くの疾患と多彩な愁訴を抱えた要支援・要介護の高齢者を対象とする医療需要が急速に増加している。地域包括ケアシステムは、この問題を解決できるシステムとして構築されることが求められる」ということで、これから高齢者が非常に多くなる社会においては、今とかなり変わるということをここで申し上げております。

そして、その下に書いてあるのが、在宅療養者とその家族が安心して療養生活を送るためには、かかりつけ医(在宅医療)と病院・有床診療所(入院医療)の連携がなくてはならない。今、機能分化ということで、入院医療も機能分化しておりますし、在宅医療も大事だということで議論されておりますが、それが結びつかなければ意味がないということを申し上げております。

そういうことでは、この1ページの下の4行ですが、「かかりつけ医の機能の充実とともに、在宅療養高齢者の受け皿としての入院機能を有する病院・病棟の創設と入院医療・在宅医療・介護の多職種チームが連携して機能を有する円滑な入退院システムの構築を早急に実現する必要がある」ということで、この点を踏まえた上での構想をぜひつくっていただきたいと考えております。

その後、「基本方針」等々ですが、時間がないので5ページに飛ばせていただきます。病床機能と病院機能ということで、入院機能と在宅を結びつける、そういうものがなくてはならないということで、一つの形として、この図の中の、急性期、回復期にまたがる地域医療・介護支援病院と書いてございます。これは、入院機能としては急性期、回復期でございますが、それに付加している機能として、高齢者の救急受け入れ、在宅医療支援、医療・介護支援、ケアマネジメント支援を持った、こういう病院が必要ではないかと。これが入院機能と在宅を結びつける大事なものではないかという提言をここでしております。

めくっていただきまして、どの機能と要件かというのを6ページに書いてございますのでお読みいただければと思います。

7ページは、今、病床機能報告制度でも、その病院の病棟が、急性期、あるいは回復期ですといっても、地域住民の方はわからない。やはりこの病院はどういう病院だというのがわからなければならないということで、例えばの話で下に類型が書いてございます。最近の病院は、単独機能というよりも幾つかの機能のケアミックスが非常に多うございますので、その病院の機能が見えるようにしなければならないと思います。これからの報告制度をもとにして、住民に開示するときには、こういうことを考えながら、わかりやすくしていただきたいと思います。

簡単ですが、今後これから地域医療構想のガイドラインを作る上、あるいは本日の構想区域を作る上でも参考にしていただければと思います。

ありがとうございます。

○遠藤座長 ありがとうございました。四病協の提言につきまして御説明いただきました。もし御質問等があればまた今後の議論の中で承りたいと思います。

お待たせいたしました。武久委員、お願いいたします。

○武久構成員 私も、二次医療圏と医療介護総合確保区域というのは、中川構成員がおっしゃったように、一致すべきだと思っております。今、二次医療圏は、各県の行政区に分かれておりまして、田舎へ行きますと、県庁所在地が県の人口の半分を占めている。今日お示しいただいた資料2の○の2番目の○1から○4のうちの○1○2、○4について、具体的に、私としては医療介護総合確保区域についての条件というのを5つ考えております。

まず○1として人口規模ということで、人口はある程度近似していないと、極端な場合、参考資料の中にもありましたように、数万人というところから数百万人というのまであるわけです。県の中でも数十万人と数万人の区域があるということは、○2の条件として、各機能の病院、各機能の病床がまず一通りそろっていること。3番目として、各種の介護サービスが一通りそろっているということですね。それから、先ほど言いました、人口がほぼ均一になること、それからもう一つ、4番目として、道路とか鉄道とかのいわゆるアクセス。

人間の動向として、患者さんは都市部に向かって動く習性がございまして、そういうことからすると、都市、特に県庁所在地の県都は、1つにするのではなしに、私は、方向性によって3つないし4つに分割して、そして、南から受けるところと北から受けるところとしないと、県庁所在地に高度急性期病院がいっぱいあって、それで周辺の二次医療圏には高度急性期病院は全くない、こういう現状であります。

したがって、区域は医療介護総合確保区域ですから、すなわち、私が言ったように、医療も介護も総合的に確保された区域でないといけない。しかも、それはアクセスが容易なルートでないといけない。もしもそれで、そのアクセスどおりに患者さんが行かないで、違うところのアクセス病院に高度急性期に行っても、それは構わないのですけれども、大体そのような流れになっていくのではないかと思っていますので、このことを考えますと、この5つの条件というのは結構必要ではないか。県に任せておきますと、どうしても県の事務所があるとか、その行政区域の中でやろうとしますので、ここのような会議で、国のほうからこのような形で計画を作るようにしないと、県が独自に地域医療計画立てるから、それでだんだん、30年のときに合わせて行ってもらうのだということでなしに、ここである一定の方向性というのは示したほうがいいと私は思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。ほかにございますか。

 相澤構成員、お願いします。

○相澤構成員 皆さんの意見として、二次医療圏を中心にいこうということであるとするならば、二次医療圏への患者さんの流入・流出というのは今の計算方式では僕はもう全く役に立たないと思うのですね。なぜかというと、先ほど西澤委員からの話もありましたように、今後、病床が急性期、回復期、慢性期と分かれていくとするならば、急性期の患者さんがどこからどこへ移動しているのか、回復期の患者さんがどこからどこへ移動しているのかを把握しないと計画はつくれないと思うのです。ですから、現在のようなマクロの流出・流入率の計算は、はっきり言ってやめていただきたいと思います。

例えばある圏域から、急性期の患者さんはある二次医療圏に行っているのですが、その患者さんはもともといた医療圏に帰ります。そうすると、急性期だけを受けている病院は非常に流入患者さんが多いのですが、マクロ的に見ると、その患者さんは元の住所地域に帰っていますので、一見すると非常にアンバランスですが、2つの医療圏を合わせると非常にバランスがとれているのですね。ですから、流出、流入だけで物事を判断するのは、僕は間違えていく可能性が非常に強いと思いますので、それはぜひお願いしたいなと思っています。

もう一つは、二次医療圏ごとに協力、協調しなさいというのを、たしか前回の二次医療圏を見直すというときに、厚労省からそういう指示が都道府県に行ったと思うのですが、残念ながら、二次医療圏同士の協働とか協調というのはうまくとれなかったのが現実だと思います。それは、先ほど話がありましたように、そこに行政の区域がありますので、行政同士の話になるとうまくいかない。

では、こういう現実をどういうぐあいに解決していくのかと、どういうぐあいに納得してもらうのかという話にもなります。データをきちんと示さないと納得していただけないと思いますので、ぜひもう少しきめ細かな、どういう患者さんのどういう病態の方がどこへ移動しているのかというデータがぜひ欲しいなと思います。

以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 事務局にお願いなのですが、言葉を正確に使って議論を進めていったほうが混乱しないのではないか。総合確保区域と構想区域と二次医療圏と、今、構成員から意見が出ましたが、大分混乱していますので、ぜひその辺のところは御指摘いただいたほうがいいかなと思います。

それと、先生おっしゃった今の御意見ですが、ほかの圏域に行って、治ったら戻ると。それを流出・流入と言うのではないでしょうか。だから、今までの流入、流出の式といいますか、それは余り役立たないというのは、私はそうでもないのではないかと思っているのですが。

○相澤構成員 厚労省の方の説明のほうがいいと思います。

○遠藤座長 事務局、コメントありますか。

○北波地域医療計画課長 患者さんが外に出るというのが流出であると考えております。

○中川構成員 医療機関単位で見ると、医療圏域で見ると、ほかのところから来るのが流入ですね。それで、治ったら戻る、それが流入したということではないですか。それでいいですね。ですから、別に問題ではないと思うのですけれどもね。

○松本専門官 補足させていただきますと、今、中川構成員がおっしゃったとおりだと思います。というのは、要は、ある地域に住んでいる人が隣の医療圏の病院を受診した場合、病院側のある医療圏から見たら流入ですし、もともと居住していた医療圏から見たら流出になります。いずれにせよ、治ったら戻るということを前提にしてこのようなことをおっしゃっているということで間違いございません。

○遠藤座長 ありがとうございます。

それでは、加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 いい例かどうかわからないのですが、愛知県におけるさっきの地図が書いてある参考資料1でいくと13ページになるのですが、尾張中部地区というのは、実は三次救急はないのですね。なくても、第二次救急で民間病院が対応。愛知県というのはほとんどが公的病院主体で急性期をかなりやっていらっしゃるところなのですが、この尾張中部というのは公的病院がほぼなくて、民間で全部やっているところで、そういう特異的なところなのですが、非常にうまくいっている例として僕は聞いています。介護のほうとの連携もうまくいっていて、ここにおける流入率、流出率がかなり高いような感じするのですが、この地域においてはこれで非常にうまくいっていると。もしよければ、またここのデータとかそういうのを分析していただいたら、今の議論もちょっとわかりやすくなるのと違うかなと思うのですが。

○遠藤座長 ありがとうございます。

それでは、安部構成員、どうぞ。

○安部構成員 今日は資料3に医療需要の推計というのが幾つかの項目別に載っています。参考資料を見ておりましたら、参考資料4のスライドの20ページには、「医療・介護サービスの需要と供給」ということで、医療だけでなく、介護サービスの需要と供給も載っております。

そういう観点からしますと、今後、この構想区域の設定の考え方の中で、○1から○4については、妥当だとは思うのですが、この中で、医療と介護の間で、例えば施設と在宅、施設と入院という行き来も当然あるわけでありますので、医療介護連携政策課とかで非常にうまく考えてくださるとは思うのですけれども、地域の中で医療と介護の需要の移行という要素も大きなファクターかと思いますので、御検討いただければと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

○相澤構成員 ちょっと補足だけさせていただきます。先ほど僕が言ったのは、急性期の患者さんは流出しているのですけれども、慢性期の患者さんはそこは流入してくるということでなくて、治ったではなくて、違う機能を持っている病院に移動してくるということで、そこが今のデータではどういう流れになっているのか全くわからないので、そこはきちんととっていただきたいなという趣旨でございます。

○遠藤座長 ありがとうございました。

大体御意見は出尽くしたかなと思いますけれども、整理いたしますと、これを考える上では、現状の二次医療圏、さまざまな課題を持っているとはいえ、他にかわる有効なものが必ずしもあるわけではないということでありますので、まずはこれをベースにすると。ただし、資料2の2ページにあるような○1から○4までの要件について検討するということで、この要素を勘案するということで、先ほど来いろいろ御発言あったことはまさにこの1から4までのことについてどう検討するかということの御議論に踏み込んだお話だと受けとめられますので、さらに個別の話は議事録にきちんと残っておりますので、より具体的な議論をする上で先ほど来の話についてご留意いただきたいと思います。

中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 確認というか、お願い、提案なのですが、各都道府県は第7次医療計画で現行の二次医療圏を今回決める構想区域に準じて見直すつもりで構想区域を設定してほしいと。そういうメッセージというか、アナウンスを医政局から全国に発信してはどうでしょうか。そうしないと、また混乱を起こすのは明白でございますので、提案です。

○遠藤座長 今すぐコメントできるかどうか知りませんけれども、ある意味で、今回、非常に細かいことまで視点に入れながら作るわけです。それに対して二次医療圏というものをどのように考えるかということですね。

事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 今、貴重な御意見、構成員の方々からいただきました。その中では、確かに第7次の医療計画のときとの整合性を保つべきというメッセージの話、また、介護との整合性という話もあったかと考えております。そういうこともございますので、この検討会で御議論いただきましたこと、これは当然ながら尊重していくという話でございますので、その方向で考えています。

○遠藤座長 尊重されるというお答え。

○北波地域医療計画課長 尊重、ちょっと言い方があれですが、当然ながら、それを踏まえてという形だと思います。

○遠藤座長 よろしゅうございますか。

では、武久構成員、お願いします。

○武久構成員 皆さんも御存じのように、病院というのは、特に田舎ではこれ以上増えないのですね。だから、どこにどの病院があるかは決定しているわけです。介護保険施設も施設自身はそう増えない。居宅サービスは増えるかもわかりませんが、そうすると、どこにどんな病院があって、その病院の機能はどういう機能でというのは、この病床機能報告制度でみんなわかるわけですね。そうすると、具体的に県のレベルだと、この病院はどこへ入れよう、この病院はどこへ入れようということで、一つ一つの例を実際にとって区域を、先ほど言った1から4の条件の中に入れ込むことはできるわけです。絶対それに合わせて二次医療圏を、中川先生おっしゃったように、合わさないと、全然別というか、医療、介護の総合確保できる区域でないと全然意味ない。逆に言うと、特養が全くない医療圏があっても困るわけですから、そういう意味では、漠然とした二次医療圏から非常に具体的な個別のピンポイントのサービスが集まった集合体としての確保区域を作るということは非常に重要で、これに都道府県は全部合わすというのが当たり前のことでないかと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。それでは、そのような対応、そのような対応というのは要するに、資料2にあるようなことですね。二次医療圏をベースにしながら、この○1から○4までの要素を勘案すると。ただ、個々については非常にいろいろな課題があるということ、あるいはこれを考える上でのデータの制約もありますので、できるだけデータ制約をなくしていくような試みもまた必要になってくるということだと思います。例えば流出入についてもより正確なデータの把握が必要だということについても今後検討していくことになるかと思いますけれども、基本はこういう考え方でよろしいかということで、よろしゅうございますか。

それでは、渡辺構成員、どうぞ。

○渡辺構成員 都道府県の立場で少し発言させてください。この検討会の場で、この構想区域、原則として二次医療圏ということは異論ないのですけれども、資料2の2ページのところの○1から○4というところの要素を勘案してとなっておりますが、都道府県のほうに幾つか聞いた際には、この○1から○4の要素を勘案する際に、やはり推計、予測するための何らかの算出方法というのがあわせて示されるべきではないかというような意見が出ておりますので、一言つけ加えさせていただきます。

○遠藤座長 ガイドラインというのを作るわけでありますので、そういう意味では、そういった内容についても恐らく議論することになるのかなあと思いますけれども、事務局にちょっと意向を聞いてみたいと思います。事務局、今のことについてコメントございますか。

○北波地域医療計画課長 考えるときの方法であるとか計算方法ということなのかもしれませんが、恐らく都道府県によっていろいろと考え方についてはバリエーションがあろうかと思いますので、私どもといたしましては、考えるに当たって参考になるデータというものはきちんと提示させていただいて、それで都道府県は決めていただくということではないかと考えております。

○遠藤座長 渡辺構成員、よろしいですか。

○渡辺構成員 一定程度、基礎となるようなものが出た上で、その上に都道府県の実情に応じて味つけするということになるのでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 考え方の組み立てとしてはそのような形だとは考えますが、一律に何かを示せるかというとそういう話ではないのかなと。むしろきちんとしたデータを出させていただくような形だと考えております。

○渡辺構成員 ここで人口規模とか流出入とか、先ほども相澤委員のほうから細かく出すべきではないかという話もありましたし、疾病構造の変化というようなところも具体的にどうしたらいいのかという部分でちょっと悩ましいなと考えております。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 ガイドラインは、都道府県がこれから地域医療構想を定めていく上に参考になるものでございますので、都道府県から、このようなものが必要であるとか、こういうことであればきちんと議論を重ねさせていただきたいと。これは行政の中でもさせていただきたいと考えております。

○遠藤座長 そういうことですので、まさにガイドラインをつくっていくプロセスでありますから、都道府県の御立場からまた御意見を承れればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。それでは、1の議題につきましてはそのようなことにさせていただきまして、次、第2の議題ですね。2025年の医療需要と各医療機能の必要量の推計方法について、これも資料が出されておりますので、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 それでは、資料3から5を順次用いて御説明いたします。先ほどの説明時間より2.5倍ほどの時間を要しますので、お許しください。

 それではまず、順番ということで、資料3をご覧ください。今回から、本検討会としての推計方法を御議論いただくことになりますけれども、まずは、現在幅広くご覧になっていると考えられる平成23年の6月に策定したいわゆる一体改革シナリオについて、この検討会の構成員の皆様におかれましての共通理解ですとか現状確認をしたいと思います。

 冒頭強調しておきたいことは、四角囲みにありますけれども、あくまでもこの資料はこのときの、平成23年のときの長期推計の内容を説明する資料でございますので、この資料が直ちに本検討会の事務局案としてお示ししたものではないということでございます。

 このため、4ページの後ろに資料4がございます。この後、資料3を説明いたしますけれども、本検討会で御議論いただく際の御留意いただきたい点の案を事務局で作成いたしました。これが資料4の位置づけでございます。

1枚めくっていただきまして、資料5がありますけれども、、現在活用可能な医療情報はどういうのがあるのか、その資料も用意しております。このような流れでこの後説明いたします。

 改めまして資料3に戻っていただきまして、この資料を御説明いたします。まず、資料3の1ページの○の1つ目にございますように、このときは平成37年度、つまり、今回の地域医療構想がターゲットにしております2025年と同じ時点になりますけれども、現状投影シナリオ、つまり、医療の進歩などを考慮しないシナリオと改革シナリオ、つまり、医療の進歩や知見の集積により医療水準が向上するであろうシナリオの大きく分けて2つのシナリオによって、1日当たりの利用者数といった医療需要や、また必要ベッド数という供給について推計を行ったものでございます。

 ○の2つ目をご覧ください。そのうち最も実現可能性の高いと考えられたパターンの推計方法について、この後御説明したいと思います。推計方法についてでございますけれども、このときの推計方法をこの後、分けてまとめております。

1ではまず、下に*印がありますけれども、平成20年の患者調査のデータをMEDIASで補正して、その上で、1日当たりの一般病床の入院患者を80万人といたしました。この時点の性・年齢階級別のサービス利用状況をそのまま将来に投影する。つまり、当時も、また約15年たった後も、同じ性・年齢であれば、同じような医療のかかり方になると、そう仮定した場合、2025年における1日当たりの一般病床入院患者数は97万人になると考えて推計いたしました。

 また、長期療養の患者につきましても同様の試算を行った結果、療養病床の1日当たりの患者数は、1日当たり21万人が、2025年には31万人になるという推計でございます。よって、2025年の1日当たりの入院患者の合計は、97万人+31万人の合わせて128万人という推計を当時いたしました。

さて、ここで、本検討会においても重要なテーマになります病床機能別にどのように按分したかについて説明いたします。念のため申し上げますけれども、本検討会では、先ほど御指摘ありましたとおり、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分について御議論いただくことになります。3年前のこのときには、一般病床については高度急性期、一般急性期、そして亜急性期・回復期リハ等の3区分に分けて、当時は行いました。

 この1ページの下のほうに→があると思います。これをご覧ください。このときの按分の比率は、平成20年の社会保障国民会議における医療介護費用シミュレーションの仮定の2:5:3を用いました。

2に入りますけれども、具体的には、まず、一般病床の基準病床数に占める高度急性期と一般急性期の合計必要数、つまり、急性期病床必要数を算出しました。つまり、亜急性期・回復期リハ等を除く数です。これはDPC及びDPC準備病院を急性期の病院全体の代表と仮定し、これらの病院におけるMDC主要疾患群16分類の各疾患の患者発生数に各疾患の平均在院日数を乗じたものの合計を算出しました。つまり、疾患の特性をある程度反映したことになると考えております。

 この数字をさらに病床稼働率で割り戻すことにより、急性期病床必要数を算出しました。その結果、急性期病床必要数は一般病床の基準病床数に占める割合の約7割となりました。引き算をすれば、10割から7割を引きますので、亜急性期・回復期リハ等は約3割ということになります。

その次のポツでございますけれども、次に急性期病床必要数は、高度と一般の2つの要因からなりますので、このうち高度の急性期の病床数をどうやって算出したかを御説明します。

 高度の医療ニーズは特定機能病院の平均入院医療収入程度以上の医療を行っているケースと仮定いたしました。ここにありますとおり、4,400点ということでございます。その結果、この基準を満たすケースが入院全体の15.6%であったことから、一般病床の入院患者のうち高度急性期医療ニーズを約2割と算出したところでございます。

以上から、今申し上げた2割を高度急性期で、一般急性期を、7-2ですから5、亜急性期・回復期リハ等の患者の割合が3、こういうことで2:5:3というのが当時導き出したものでございます。

 次に、2の按分割合を先ほどの97万人に掛けた結果、高度急性期の方が19万人で、一般急性期が49万人、亜急性期・回復期リハ等の患者は29万人ということになります。

なお、先ほども申し上げましたが、長期療養患者は31万人ということでございます。

その次ですけれども、ここからが改革シナリオと呼ばれる由縁ですけれども、まず、ポツが4つここにございます。高度急性期、一般急性期、亜急性期・回復期リハ等で長期療養ということでございますけれども、それぞれについて御説明いたします。

高度急性期につきましては、平均在院日数を2割短縮することとし、患者数も2割短縮し、減少分の患者は、亜急性期・回復期リハ等及び在宅医療・外来対応にそれぞれ2分の1ずつ移行と仮定しております。

その次のポツですが、一般急性期につきましては、平均在院日数を3割短縮することとし、患者数も3割短縮。この減少分の患者は、亜急性期・回復期リハ等、また在宅医療・外来対応にそれぞれ2分の1ずつ移行と仮定いたしました。

その次、亜急性期・回復期リハ等ですけれども、先ほどのとおり、高度急性期と一般急性期から患者さんが約11万人移行すると仮定した上で、全体として平均在院日数を2割短縮することとし、患者数は、その上で29万人から31万人と増加で、今申し上げた短縮分の患者は長期療養や介護、外来に移行すると仮定しております。

一番下のポツでございますけれども、長期療養につきましては、亜急性期・回復期リハ等からの移行が2万人としたものの、介護施設への移行で5万人が減少するのではないか、また、全体として平均在院日数も1割短縮できるのではないかとして、31万人が25万人になるとしております。

その次の、資料で言うと3ページをご覧ください。3で算出した高度急性期16万人、一般急性期33万人、亜急性期・回復期リハ等31万人、長期療養患者25万人の患者数につきまして、下のポツにありますとおり、それぞれの病床稼働率で割り戻して必要病床数を算出しました。また、3ページの下のとおり、地域一般病床を設けた場合の病床数の推計もしております。

4の下の→にありますとおり、高度急性期病床が18万床、一般急性期病床が35万床で、亜急性期・回復期リハ等の病床が26万床、そして、今申し上げた地域一般病床が24万床で、さらに、先ほど申し上げました長期療養の28万床、このそれぞれの数値を図で示した資料は皆さん中医協等でもご覧になったことがあると思います。ある企業の乳酸菌飲料のボトルの形をしているあの絵でございますけれども、あの乳酸菌飲料の容器の形がここの18万、35万、26万、そして28万があって、24万人は縦串を差したような形で示されております。

以上がまず入院患者、そして入院の病床数についての推計でございます。

3ページの5に、在宅医療の患者の推計も当時はいたしております。ベースになりますのは、やはりこちらも平成20年の患者調査でございます。まず65歳以上人口の在宅医療受療率を0.56%としております。ここが0.56%というところがまずポイントで、2025年の65歳以上人口にも同じく0.56%を乗じて推計することにより、その下のポツの3つ目にありますとおり、20.4万人という数字が一旦導き出されます。さらに、その下、4つ目のポツにありますとおり、3年前の推計の時点では、在宅医療患者数は、2025年までに段階的に割合が増加した結果、一番下の行にありますが、先ほどの0.56%の1.4倍に増加すると仮定し、28.6万人、つまり、約29万人と計算しております。

なお、先ほど申し上げましたが、3年前の推計では65歳以上の場合のみの推計になっており、第1回会議で、相澤構成員だったと記憶しておりますけれども、御指摘いただいた小児や難病など、65歳未満の方で何らかの事情で在宅医療が必要な方の推計はこの中には含まれておりません。

4ページに、【推計に使用している主なデータ】ということで、当時は4ページのこれらのデータを使って推計を行っております。

以上が今までの推計でございました。

続く資料4をご覧ください。資料4は、先ほども申し上げましたけれども、これからこの検討会で御議論いただきたい内容を書いております。重要なところですので、そのまま読み上げます。

地域医療構想では、都道府県が、都道府県及び構想区域を単位として、将来の医療需要と各医療機能の病床の必要量の推計を行うことから、以下のような点に留意すべきではないか。

○1社会保障・税一体改革の推計では、各医療機能の将来の患者数について、一定の仮定を置いて推計を行っているが、DPCデータやレセプトデータなどのデータを活用して、できる限り、患者の状態や診療実態により即した推計を行う必要があるのではないか。

○2社会保障・税一体改革の推計では、平均在院日数や在宅・外来等への移行について、一定の仮定を置いて推計を行っているが、DPCデータやレセプトデータなどのデータを活用して、できる限り、患者の状態や診療実態を踏まえた前提のもとに推計を行う必要があるのではないか。

○3都道府県間・構想区域間の患者の流出入や地域差の要因分析等を踏まえた推計をどのように行うか。

○その他、どのような留意点があるか。

という論点整理をお示ししております。

 次の資料5でございますが、今申し上げました推計の方法論に加えて、推計するに当たりどのようなデータが活用可能かも重要ですので、資料5を御説明いたします。

 なお、この資料5は、前回も参考資料でつけておりましたけれども、今回はこの中身、ポイントを絞って説明したいと思います。

 1枚めくっていただきますと、「NDBの概要」と書いております。このほか、順次、KDBDPCについても御説明してまいります。まず、この2ページ、NDBでございますが、健康保険による診療のレセプト情報及び特定健診等の情報が載せられています。

ちょっと先に参りますが、6ページの右下をご覧ください。ここに書かれた記載項目全てが月ごとに集計されております。個人情報保護の対応につきましては、後ろにも説明を書いていますが、ハッシュ関数という方式を用いた匿名化を実施することにより、個人が特定できないようになっております。NDBの本来の利用目的は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づく理由とされております。

 ただし、資料が行ったり来たりで恐縮ですが、3ページをご覧ください。3ページにありますとおり、本来目的以外の利用については、提供方法等を定めたガイドラインに従って適切に申請及び審査をなされ、提供を承認された場合についてはデータの提供を受けることが可能となっております。

次に、KDBの説明をしたいと思います。資料は12ページの次のページがKDBになっております。このKDBというのは、国民健康保険及び後期高齢者医療制度の情報を扱い、一方で、介護保険のデータもカバーしているのが特徴です。ただし、第三者にデータを提供する体制にはなっておりません。また、国民健康保険及び後期高齢者医療制度以外の健康保険のデータは入っておりません。なので、国民全体のカバーをしているわけではありません。というのが、KDBの、どういうデータかの説明でございます。

19ページの次に「DPCデータの概要」という資料がございます。このDPCですけれども、21ページ以降をご覧ください。このDPCにつきましては、レセプト請求情報以外にも、退院時の転帰やADLなど、より詳細なデータを活用することが可能となっております。

一方で、21ページにありますとおり、対象病院が急性期を担う医療機関等に限られているというのも特徴でございます。現在、DPCの対象病院は1,585病院で、一般病床の約55%をカバーしているところです。

なお、DPCデータにつきましては、医療機関別の集計や診断群分類別の集計などが既に公表されているところでございます。

 以上で資料3から5までの説明を終わりますが、全体を改めて申し上げますと、資料3は、3年前の推計はこうやったという方法論の御説明でございます。資料4の論点について、本検討会として、その資料3のよいところや悪いところを見ながら御議論いただいて、その際には、資料5など、どのようなデータ、医療情報を使えるのかも加味して御議論いただきたいと思います。その上で、この検討会で推計方法を検討するに当たりどのような視点や留意点が必要かを御指摘いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 資料3についてですが、これはあくまでも23年6月の一体改革の需要と供給の推計方法だとおっしゃいましたが、その割には説明が丁寧過ぎます。まるでこれが今度の構想策定の算定式にとらわれかねない。これはあくまでも3年前のものだということを、ひとり歩きしないように、まず後で明確に言ってください。

それと、その上で申し上げますが、資料3の問題点は、入院受療率、外来受療率を全国一律とまず仮定している、その問題がまずあります。

そうして、この資料3の2ページに移りますが、3行目、「DPC及びDPC準備病院を急性期の病院全体の代表と仮定」というのが重大な問題です。我が国の急性期医療がすべてDPCでいくのだといつどこで決まったのかということをやはり言わなければいけませんね。将来ともに、まだそういう議論はしていませんし、そういう政策も出していませんし、これは次の大問題です。

それと、その2ページの3.改革シナリオで、平均在院日数を、高度急性期は2割、一般急性期は3割等々と書いてありますが、現状よりも2割3割平均在院日数を短縮することがイコール改革でしょうか。中医協でも申し上げましたが、例えばDPCの治癒率の低下を指摘しましたが、平均在院日数の短縮はもう私は限界を通り越していると思っています。この平均在院日数を短縮することが改革だという間違った風潮はぜひ直していただきたいと思います。

以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 今、中川委員がおっしゃったとおりで、特に平均在院日数、一般急性期を3割にする根拠もわからないですし、実際に平均在院日数は現場ではかなり限界が来ているどころか、逆に、僕は以前、救急の検討会で一度発言させていただいたのですが、明らかに65歳以下の方よりは65歳以上の平均在院日数は延びているのです。疾患によっては、20日を超すとか、そういう形が出てきているというのを資料をもって提出したわけです。逆にこれから延びる可能性があるのにこの3割カットすることで、ベッド数まで減らしているというのは、この3年前の考え方どうだったのかということです。またこれを過去のものにしないと、今の現状とは違うのではないでしょうか。逆に、DPC等をこれから用いて、NDBKDBの今後のデータを用いて新しく調べていくのは大事かなと思います。そういう面では、データをしっかりと検討して、本当の平均在院日数を出していただきたいと思うのです。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 済みません。まず、この資料3の推計方法の位置づけについて、確かに23年の6月に行われたものということでございますし、今回説明させていただいたのも、この社会保障・税一体改革時の推計方法を御紹介するということで紹介させていただきました。

ただ、1つだけ申し上げますと、今回、この歴史的な経緯というのは当然ございまして、社会保障・税一体改革の議論というのが平成20年からずうっと続いてきたわけでございます。そのような中で、政府として、23年6月に推計を行った。この中で取り上げられています理論構成であるとか変数の設定の方法とか、ここら辺については、当然ながら、御議論はあろうかと思います。

ただ、その後も、平成23年でございますけれども、社会保障・税一体改革の成案という中でも、この推計をもとにして社会保障改革の具体像の工程であるとか、そういうあるべき姿、また費用計算もされたということでございます。その上で、また平成24年にも大綱が閣議決定されていると。今に至ります医療提供体制の改革で、今回の医療介護総合確保推進法、去る6月に成立しましたのも、そういう議論の流れが、また改革の方向性というものが底辺にあって至っているということでございます。

そういうこともございますので、推計自体をどのような形で行うのか、今、私ども事務方からも説明させていただきました、現在利用可能なデータというものを踏まえるというところもございますし、平成23年の当時に活用したデータ、これについての粗雑というものもあろうかと思いますが、基本的な改革の流れというものの中で、このような形での地域医療構想の議論も出てき、また医療法の改正もあったということでございます。

 具体的には、やはり改革の方向性というものは維持しつつ、この推計方法がいかに説得性のあるものであるのかということについて御議論いただきたいと考えております。

また、受療率につきましても、当然ながら地域差があるという御指摘、これはそのとおりだと私も考えております。ただ、今回の医療提供体制について、この需要と供給量を考えるに当たりまして、あるべき姿というものもございますので、そこら辺をどのように考えるか、これはぜひ検討会の中でも御議論いただきたいと考えております。また、DPCの位置づけにつきましても、いろいろと評価があろうと思いますので、検討会の中でも御議論いただきたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 この一体改革の方向性の正しさを議論してほしいと聞こえたけれども、違いますか?

○北波地域医療計画課長 一体改革の方向性の正しさを議論するというものではなくて、この推計自体はあくまで参考でありということであります。ただ、コンセプトというか、要するに基本的な考え方、議論の出発点としては、そのような流れがあるということを念頭に置いていただいて、それで議論を進めていただきたいという趣旨でございます。

○中川構成員 先ほど私、発言させてもらいましたけれども、この推計方法の問題点を言いましたけれども、全国の医療提供体制、二次医療圏で、全てが今問題あるわけではないのですよ、北波課長。絶妙なバランスで、限られた医療資源で見事に医療の提供をしているところがほとんどなのです。こういう推計方法を用いて、全国の医療機関全部が、この算定式で改革しなければならないのだというような発言に聞こえるのですよ、あなたの発言は。全く違うと思う。だから、地域医療構想ガイドラインはあくまでも参考だと私は何度も念を押しているのです。今の課長の発言だと、あくまでも参考にならないではないですか。お答えください。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○北波地域医療計画課長 当然ながら、これから都道府県が地域医療構想区域ごとにどのような医療の需要があるか、またそれを満たすべき提供体制がいかにあるかということを具体的に計算していただくという形になろうと思います。その際には一定の考え方というものを提示させていただいて、それで都道府県が決めていただく。推計するということになろうかと思います。

第1回のときも申し上げましたけれども、いわゆる法律の建てつけ上も、将来の病床数というものは厚生労働省令で定めると書いてありますので、一定、どのような考え方かということはやはり示さざるを得ない。ただ、その中でも、当然ながら、都道府県がどのように考えるか、そのような都道府県の事情というものも反映させると、こういうところは当然あろうかと思いますので、そこら辺につきましても、この検討会で議論いただければと考えております。

○遠藤座長 中川委員、よろしいですか。

○中川構成員 課長、一体改革が示されたとおっしゃったけれども、一体改革の参考資料も含めてあれは全部閣議決定ですか。一体改革大綱そのものではないですか。重大なところですから、明確に言ってください。

○北波地域医療計画課長 今、そこら辺、重大だというところで御指摘がございましたので、きちんと確認させていただきます。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

それでは、先ほど手を挙げておられた武久委員、西澤委員、石田委員の順番でお願いします。

○武久構成員 資料3の2ページの高度急性期とか一般急性期とか、これは23年度に発表されたものであって、時代が非常に大きく変わっておりまして、確かに各構成員がおっしゃったように、今は今のままである程度各地域で医療体制は保たれているわけですけれども、財政の審議会等で、医療費がこのままどんどん上がっていったらどうしようもないということで、多分、財務省からのいろんなプレッシャーもあって、効率化を図らなければならないということがベースにあると思うのですね。我々、医療現場で担当している者も、それは効率化できて、患者さんに迷惑かからないのであれば当然協力してしかるべきものでありますけれども、既に大きくこの数年で変わっておりまして、2025年の、皆さんが出していただいたこの3ページの分についても、はや、この4月には保険局では地域包括ケア病棟という新しい概念が出てきております。この概念は一体この中のどことどこを指すのかと。例えば救急指定をとれと言っているということは、一般急性期も入っているのかなとか、また慢性期の一部も入っているのかと思いますけれども、その辺のところの整合性がちょっとよくわからないのと、先ほどDPCのことで中川構成員がおっしゃっていましたけれども、今回の通達では、DPCは全病院がデータを出せと、改革されるとなっているわけです。そうすると、急性期病院の診療報酬体系ではない病棟に対しても全てにやれとなっているのですけれども、これは保険局の意見なのか、それとも医政局の意見なのか、厚生労働省の意見なのか。

 それから、レセプトデータのところの6ページに注射とかいろいろ書いてあるのですけれども、慢性期病床では包括のところが多いので、注射とか、何をしたかというのはレセプトの上には出てこないのですね。したがって、出てこないものを参考にするというのはどういうことかというのは、DPCのデータを出せということは、逆に言うと、こういうデータを出さないといけない。ということは、レセプトにも書くのであれば、どっちみち慢性期病棟も、これは医療区分でなしに、DPCの慢性期バージョンのようなのをつくっていただかないと、結局、慢性期の現場では、レセプトは別の方式で評価区分で出せと。データは細かい診療内容を出せということで、事務当局も非常に困るわけですけれども、この辺のところを医療と介護も含めてトータルで、医政局と保険局のほうで意思疎通できているだろうと思うのですけれども、この辺のところが私のほうは現場としては非常に困るので、どのように考えていったらいいかということも含めて、この3年前のが今現在も、また2025年にも有効だというような、ある程度ベースになるという御発言もありましたが、もう少しフレキシブルに考えていただけたらと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。新たなシミュレーションを行う過程において、必要なデータ等々のあり方も考えてほしいというようなことだったのだろうと思います。それは恐らく今後の、資料4に書いてある内容の事柄の一部だろうと思いますけれども、それでは続きまして、西澤委員、どうぞ。

○西澤構成員 まず、資料4ですが、今いろいろな新しいNDB等のデータもあるのであれば、そういう新しいデータを入れながら今後やっていくというのはいいと思います。ただ、それをどのように使うかというのはこれからの議論だと思います。

片方で、資料3は、社会保障・税一体改革のときのパターンの図ですね。正直言いまして、何でこの文章でわざわざわかりづらくしたのかなと。もっとあのときの表を出していただいたほうが説明もしやすかったのではないかなと思います。

 それと、誤解がありましたが、ただ、平均在院日数を縮め、例えば急性期は9日ということでみんな一斉に反発しました、当時。でも、前後の資料をよく見ると、効率化、重点化と、それから充実というものがあったはずです。この資料、何の資料かというと、将来的に医療費がどうなるかを見るものだったと思います。ということで、実は、急性期で平均在院日数を9日に縮めるけれども、そのかわり医療従事者は1.6倍にすると。高度急性期は2倍にすると書いてありました。亜急性においても1.3倍でした。要するに、人を多く配置して、平均在院日数を縮めたり内容を充実するということですね。それによって、例えば平均在院日数の短縮による効率化で4,000億効率化できると。片方では充実、人をふやすためには8,000億必要だということで、差し引き4,000億が必要だということでした。それを消費税財源でやる。

そういう全体像を見ていただかないと、どうしてもここだけ見せられるとひどいになってしまいますね。と云うことで、全体像を見て、考えていくべきだなと思います。そういうことで、事務局の資料の出し方、もう少し上手に出していただいたほうがいいと思います。

 そういうことでは、今回の資料3は、これはこれで価値ある資料だと。それは単なる病床数とか何かのものだけでなくて、そこにおける資源の投入ということを含めて価値があると思いますので、ぜひもう一回そういう出し方をして、参考にしていただきたい。逆に言うと、今回、資料4のような推計をするときにも、単にベッド数がどうだとか提供体制がどうだとかでなくて、そうするためには、やはりこれだけの資源の導入も必要だとか、そういうことも含めた議論もぜひしていただければと思います。

 以上です。

○中川構成員 関連です。

○遠藤座長 では直接関連ということで、中川委員、手短にお願いします。

○中川構成員 私は、この表だけを見て問題点を指摘したのではないのです。人員配置が1.何倍というのを全部承知の上で言っているのです。現実的な人員配置の像ではないではないですか。そういうことも含めて申し上げているのです。ですから、改めてこれをほかの書類も合わせて再度出すことはありません。

○西澤構成員 中川委員に反対したわけでなくて、我々も最初見たときにはひどいなと思ったので言っただけです。ただ、中川委員言ったとおり、では実際どうだったかというと、診療報酬改定を見ると、例えば平均在院日数の短縮とか、その為に人員を手厚く充実するとか言われていましたが、結果として診療報酬を下げたということは、このときの試案とおりになっていません。だから、中川委員の言うように、そうなってないではないかは、そのとおりだと思います。

ですから、やはり平均在院日数を縮めたり、あるいは医療の質を高めるためには、それだけ充実する必要があると。逆に言うと診療報酬を上げて初めてこういうことができるということ。それがされなかったということでは、私も中川委員と全く同じ考えです。ですから、含めて出せということは、効率化されるものと充実されるもの、組み合わせを同時に出しながら我々に提案していただきたい。逆に言うと、地域医療構想を作るときには、ぜひこのような観点も十分に入れながら議論していただければと思います。

以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。事務局、何かコメントありますか。

○北波地域医療計画課長 第1回の検討会のときに、資料3という形で、本検討会で議論していただきたい事項というのを提示させていただきました。ここでは「2025年の医療需要の推計方法について」というのが第2番目です。第3番目が「2025年の各医療機能の必要量の推計方法について」ということでございます。今、各先生方のところから医療費の話も出ましたけれども、基本的に現在の医療提供の実態とか現在利用可能なデータのところから見まして、どのような医療ニーズがあるのかというのをきちんとはかっていくというのがまず前提にあるのかなあと考えております。

そういう意味から申し上げますと、どういうデータをとって、どのような形で推計すると医療ニーズがまずはあらわせるのか。これをあるべき姿にするにはどうするのか、もしくはこれがあるべき姿なのかということも含めてこれは検討していただくということでございますので、1つは、ニーズをはかる、それから、それを提供するにはどういう形にするのかという形での推計方法を議論していただくというのが本検討会でお願いしていることでございますので、よろしくお願いいたします。

○遠藤座長 ありがとうございます。

お待たせしました。石田構成員、どうぞ。

○石田構成員 資料4の「地域医療構想における将来の医療需要と病床の必要量の推計に当たっての留意点(案)」について市町村の立場から意見を述べさせていただきます。

今回の2025年の医療需要と各医療機能の必要量の推計に当たって基礎とするデータというものが少し医療サービス提供側のものが中心になっているように感じているわけでございます。

今般の制度改正では、介護保険の地域支援事業の中に在宅医療介護連携推進事業が新たに創設され、市町村が地域において進めるものとしております。特に病院からの退院相談やかかりつけ医の紹介などが市町村の主要な業務となり、これが重要なキーになるものと理解しております。

このため、市町村では、介護保険事業計画の策定に併わせて、この在宅医療介護連携事業の実施のための具体的な業務設計を行っているさなかであり、稲城市でも、かかりつけ医と要介護者等との状況を踏まえ、地域包括ケアシステムとしての在宅医療と介護サービスとの一体的提供のための環境づくりをどのように進めるかについて検討しているところであります。

さて、市町村では在宅医療の必要な高齢者については、一定程度、介護保険の中の主治医意見書から把握しており、どこの診療所や病院の医師がどの要介護者などのかかりつけ医であるかについて、個別に把握しております。このような在宅医療の環境を介護サービスと連携して地域づくりをしようとしている市町村介護保険のデータ、つまり、医療サービス利用側のデータの活用についても留意することが、円滑で、かつ地域の実情に応じた地域医療構想の策定につながるのではないかと考えているところであります。

さらに、診療所などを後方支援する機能を持った病院についても、実態に即した必要量が把握できるのではないかと考えています。

以上の点も含めて、各都道府県において地域医療構想を策定する際には、基礎的自治体であり、かつ、介護保険の保険者である市町村の意見を反映させていただきたいと考えております。

以上、「地域医療構想における将来の医療需要と病床の必要量の推計に当たっての留意点(案)」について市町村の立場から意見を述べさせていただきました。

○遠藤座長 ありがとうございます。市町村は市町村で独自のデータを持っていて、それは有益なものもあるので、それも活用したらどうかという御提案だったわけであります。ほかにございますか。

花井構成員、どうぞ。

○花井構成員 質問ですが資料3の3ページのところで、先ほど来出ておりますように、これはあくまでも23年のものだということと、ただ、このときに使った推計の方法を今後も活用できるものは活用していくということなのかと思っております。3ページの4.のところですが、この病床数の計算の仕方で、高度急性期病床、一般急性期病床が、稼働率70%と置かれていることに疑問を持っています。高度急性で稼働率70%で病院の経営は大丈夫なのかなと心配しているのですが、この70%と置いた根拠とか、そのあたりがわかれば教えていただければと思います。

○北波地域医療計画課長 参考資料4の、ページで言いますと24ページをご覧いただければと思います。先ほど西澤委員から御指摘ありました絵につきましては、この参考資料にございましたので、これで説明したほうがよかったのかもしれません。スライド番号で言うと22、「医療・介護サービスの需要と供給(必要ベッド数)の見込み」という表題がついている表があろうかと思います。そこの中で、それぞれ、この一般急性期とか、いわゆる病床の機能別に費用を推計しているところに70%という数字が出ております。これは基本的には病院報告のデータをもとに稼働率というものを、当時の数字から割り出してきて、7割という形で設定させていただいていると。平成23年の病院報告でございます。

○遠藤座長 よろしいですか。

 尾形構成員、どうぞ。

○尾形構成員 資料3ですけれども、室長の説明は詳し過ぎるというお話もありましたが、室長の説明になかったところで私なりの理解を申し上げると、ここでの改革シナリオのポイントというのは、多分2つあって、1つは急性期医療を確立するということと、それから居住系を中心とした在宅ケアを拡充するという、この両方の施策を同時に展開していこうというのが1つではないかと思います。

 それから2点目は、先ほど西澤構成員がおっしゃったように、急性期について、在院日数を短縮したり病床数を縮減すると、従来ですと、それで医療費適正化を図るというような路線だったと思うのですけれども、ここはむしろそういうことをやると診療単価が上がったり、あるいは在宅ケアが拡充されることを通じて全体としてのコストは上がるという、そこが多分2つ目のポイントなのだと思います。

 ここからはいろいろ御意見があると思うのですけれども、私は、改革シナリオというのはそれなりに合理性があると思いますので、これをベースに議論するということには賛成です。

ただ、留意すべきなのは、こういう議論というのは全く国民に開示されていないというか、理解されていないと思います。医療関係者の間では、この2025年ビジョンがどうだというような議論が盛んにされていますけれども、恐らく一般国民の方は全く御存じない。特に今度、地域医療構想ということになるともっと地域住民に身近な話をしなければいけないわけですので、やはり今までのようなことではまずいのではないかと思います。今まで以上に、住民、あるいは国民の理解を求める努力が必要になってくるのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤座長 どうもありがとうございます。そのとおりだと思いますね。ほかにございますか。

 土居構成員、どうぞ。

○土居構成員 御議論を伺っておりまして、私はこの資料3、当時の社会保障・税一体改革で将来推計をしたモデルになったものを使ってアップデートしたような研究をして、論文2本ぐらい書いたことがあるのですけれども、将来推計をする基本的なモデルとしては、これをまず重視して、ただ、いろいろ、今日、メンバーの方から御意見ありましたように、パラメータというか、将来どういう値になるかについては、この資料4にありますように、DPCなりレセプトのデータに基づいてまずは実態を把握することをきちんとやる。それから、地域差があることもきちんと要因分析を進めるという形で、この資料4の方向でよいのではないか。

 将来の医療需要を何か資料3で言っている骨格と違う枠組で計算するというのはなかなか私も容易に想像ができない。ほかの方法がなかなか容易に見つからないものではないかと思います。要は、年齢階級別、男女別の人口、これは社会保障・人口問題研究所から市町村別にもう既にデータが出ている。それから、DPCデータないしはレセプトデータなどから受療率なりそういうものも求められると思いますから、その数値をまずは明らかにする。

それから、その後、先ほど来議論がありますように、地域差があるということは、当然その地域ごとのデータをきちんと分析することを通じて、それぞれの構造区域で値が違うことをきちんと突きとめる。それから、今後、2025年までにどういう変化が予想されるかも、これは何か資料3に書いてあるものをそのままそっくりコピーするのでなくて、資料3にある推計の時期から少し年月がたっておりますから、その年月のたった分のアップデートを重ねながらも、今後の必要な病床数のあり方を意識しながら、改めるところは改める。

特に年齢階級別の人口が劇的にこれから各地で変わってくると。先ほど参考資料も事務局から説明がありましたけれども、その劇的な人口変動を踏まえると、やはり資料3で言っていた時とは違う数値が出てくる可能性がありますので、そういうものをきちんとアップデートしながら、資料4に書いてある内容で推計するという方向でよろしいのではないかと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

では、相澤構成員、お願いします。

○相澤構成員 私も土居委員の御意見に賛成で、あくまでもこの資料3は参考のデータとして、これをもとに、今度、資料4にある○1、○2、○3に基づいて、地域事情を考慮しながら必要量を推計していくという方向に行ったほうが私はいいのではないかと。あくまでも、中川先生がおっしゃっていたように、資料3、この数値が絶対的なものとしてひとり歩きしないようにしたほうが私はいいのではないかなと思います。

 その上で、ちょっと中川先生に反論するようで申しわけないのですが、私、社保審の医療部会でもデータを出させていただいたのですが、急性期って、入院してから何日かという明らかな線引きは全くございません。各病院ごとにそれを自由度を持ってやっているわけで、それを現状追認のままでいくと、なかなか改革は、正直言って難しいと思うのですね。ですから、患者さんの病態だとか病期に合った適切な医療を適切な機関できちんと受けられるようにしていくというのが、多分、改革の方向性であろうと思いますので、その辺も含めて、しっかりとデータを見ながら議論するということでいかがでしょうか。

○遠藤座長 ありがとうございます。

中川委員。

○中川構成員 相澤先生、後半のほうは私と全く考え同じですね。別に私、全面否定しているわけでなく、ほとんど先生とは表現の違いが大きいかなという気がします。ありがとうございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。今までのお話ですと、最初はどう拡散するかと思いましたけれども、大体今の話で、将来の医療ニーズ、あるいはそれぞれの機能を持った病床の数の推計というのがなかなか難しいので、このような推計方法をベースとしてとらなければいけないだろうということに収れんしたのではないでしょうか。もともと事務局が言っているのは、この資料3に書いてある内容をベースにしろとは言ってないのです。数字をベースにしろとは。このようなやり方をかつてやってきたのであるけれども、資料4にあるように、時代も変わっているし、大胆な仮定のもとに行った資料3なので、それをきちんとブラッシュアップするべきだ、それを考えてほしいと、こういう問いかけであります。それはそういうことだろうということで、ある意味、御同意を得たのだろうと思います。まさにいろいろな意味で変わってきておりますし、それから、仮定も非常に大胆な仮定が本当に置かれております。先ほどおっしゃったような急性期の在院日数というのはどのぐらいを考えるのかとかいろんな問題が出てきておりますので、まさにその辺についてはまた御議論いただきたいと思います。

 先ほど説明もありました、いろいろなレセプトをベースにしたデータベースができておりますので、それの御専門の先生もいらっしゃいますが、このデータベースの活用について何かコメントございますか。

 特段よろしゅうございますか。

 では、松田先生、お願いします。

○松田構成員 データに基づいてやるということでよろしいだろうと思います。それで、ここでお願いすべきなのかどうかわからないのですけれども、いわゆる構想区域を検討するということは、多分、市町村単位で組み合わせを変えるということにもつながる。変えたらどうかというような検討もしないといけないと思うのですが、今のナショナルデータベースの分析が二次医療圏単位に限定されているので、この後、これを分析しようと思った場合には、重立った疾患については市町村単位での受療動向を分析できるように、この場で少しそういう依頼をさせていただきたいなあと思います。

 それからもう一つは、その流出入の詳しい分析をするためには、DPCではこれができている理由が、DPCのデータには実は居住地の郵便番号が入っているのですね。実は諸外国のレセプトも郵便番号が入っていますので、どこかの段階で郵便番号を入れていただくという作業が必要になるだろうと。要するに、レセプトの中に居住地の郵便番号を入れていただく。そういうデータを受けた上で、個人情報の保護に配慮しながら流出入を考えていくということをやらないと、特にこれから在宅医療のことをやろうとした場合には、外来のデータが全然わからないとどうしようもないですので、そういう意味で、データ活用するということを前提に、使いやすいデータのフォーマットというのも検討していただけたらと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。大変重要な御指摘を、DPCの専門家ですので、おっしゃってくれたと思います。つまり、ある意味で過剰な期待もできないわけですね。データベースがそろっていると言いましても、DPCは非常に豊富なデータがありますけれども、制約もございます。まさに療養病床をどうするのかとか、外来をどうするのかという問題もありますので、そういう制約条件の中で何がしかをやっていかなければいけないということです。いずれ、現状のデータでどこまでができて、どこまでができないのかということが共通認識として持てるようになれば、議論として現実的な議論ができるかなあと、このように考えておりますので、また御専門の先生方にはよろしくお願いしたいと思います。

 齋藤構成員、どうぞ。

○齋藤構成員 今までの議論を聞いていて私がちょっと心配しておりますのは、在宅医療の需要というのをどのように計算して見込むのかというのがなかなか手法がない中で推計したという印象がございます。訪問看護の現場からいろいろ聞こえてくるのは、高齢者だけではなくて、前回、相澤構成員がおっしゃっていたように、NICUから、障害を抱えて、そのまま地域に戻る、それから、認知症や、精神疾患をお持ちの方々、それから、やはりがんといったように、訪問看護からしますと、そういった方々の需要が大変伸びておりますし、どの年代も訪問看護の利用というのは非常に大きくなってきておりますので、在宅医療の需要を見込むときに、ぜひそういったデータを、前回推計したものと、それから、今の現状がどのくらい乖離があって、そして、この先どう見込むのかということをぜひ検討していただければと思っております。

 その際に、これからの整備にかかわってくると思いますが、実は訪問看護ステーションというのは既に全国で7,500、今もう少しできていると思いますが、所在地から大体30分の移動を見込むと、空白地域がなくなっています。これから量を整備するといったときには、事業所の整備ということではなくて、訪問看護に従事する人の量をふやしていかないとこれからの需要にはなかなか難しいと思いますので、そのことを含めて少し分析して、計画的に整備ができるようにガイドラインの中に盛り込んでいただきたいと思っております。

 以上です。

○遠藤座長 そうなのですね。この議論は基本的に病床とか施設に着目した議論なので、マンパワーをどこまで議論するのかというところが1つあると思うのですね。それはある意味で不可分のところもあるわけですので、そこをどう考えるかということですね。あと、在宅医療の需要というものについての推計というのはまた大変難しいですね。先ほどの説明では、2つの方法で推計しましたね。1つは、現状で在宅医療等やっている人を1.4倍にするというようなやり方と、もう一つは、病院の平均在院日数を短縮して、退院する人の半分が外来、在宅に行くということをやる、その2つ足しているのかどうかわかりませんけれども、そのような方法は誰が見ても相当アバウトだなと思いますので、そこら辺をどのように考えるかというのは大変難しい課題かなあと思います。

 どうぞ、和田構成員、お願いいたします。

○和田構成員 ちょっと質問です。資料3の1ですが、推計方法の部分で、*のところ、「医療費の動向~MEDIAS」で補正して計算という部分がございます。それから、5のところで、在宅医療の患者のデータの最初のポツのところに「歯科医師」云々という言葉がございますが、ここに訪問歯科診療の患者は入っているとは思うのですが。ただ、1のところでは、歯科における入院患者というのは実態としては数が大変少のうございますので、病院機能の中のいわゆる医科病院機能の中では何ら関係ない世界と見られますが、歯科入院患者は入っているのか入っていないのか、歯科入院患者というのがどこかのデータに入っているのか。その辺を教えていただければと思います。

○遠藤座長 事務局、わかりますか。

○北波地域医療計画課長 済みません。MEDIASで補正して計算というのは、当時、そのような形のほうが正確だということでやったかと思います。今の資料を提示させていただいたのは、この計算方法を了解いただくということでなく、昔ありましたよということで出しております。当然ながら、患者調査ということをやっておりますので、歯科であっても、これは入っているのではないかと考えております。

○和田構成員 ある区分といいますか、医科疾患の入院の部分、歯科入院とか、歯科の在宅だとか、データとして少し別建てで出していただけると大変検討がしやすくなると思いますけれども、いかがでしょうか。

○北波地域医療計画課長 利用可能なデータがあるのかどうか、またはそれを使うことによって推計方法というものがどのように影響するか、そこら辺もちょっと見極めながらということになろうかと思います。いずれにしましても、都道府県がこの医療需要、またはそれに対する医療提供の量というものを考える上で必要なものという形でデータの活用はさせていただきたいと思っております。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

松田構成員、どうぞ。

○松田構成員 今、大変貴重なコメントをいただきましたので、ナショナルデータベースを分析する立場から言うと、歯科のデータ欲しいのですね。ところが、一番最初の時点で分析した時点では、歯科のレセプトが17%ぐらいしか入ってない。ようやく今、六十数%まで上がってきていますので、これは訪問看護もそうですけれども、在宅医療のことを分析しようと思ったときに、訪問看護と歯科はすごく重要なのですけれども、このデータが今使えるものがきちんとそろっていない。これを看護協会と、それから歯科医師会のほうでぜひ強力に進めていただきたいなと思います。

○遠藤座長 どうぞ。

○和田構成員 歯科のほうのレセプトの電子化がおくれておりますが、一応3月末で、いわゆる診療所数から言えば80%強、レセプトの枚数から言えば90%に近くなるということでございますので、今後そういうデータが使えれば大変ありがたいと思っております。

○齋藤構成員 訪問看護のほうも、最近、直近でデータをちょっと調査させていただいたのですけれども、一応7割ぐらいはレセプトで出しているというのは出てきておりますので、もう少し努力はしたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございました。よろしくお願いします。

 それでは、清水構成員、お願いいたします。

○清水構成員 先ほど齋藤構成員のほうからお話がございましたが、町村の立場から申し上げますと、医療従事者の確保というと、それが非常に危惧されております。東京都でも、13の町村がございまして、特に島嶼部についてはやはり医療従事者の確保がかなり困難な状況となっておりますので、これは地方においても、病床があったとしても、医療従事者が確保できなくて閉鎖される診療科があるとかいう話はいろいろマスコミ等でも取り沙汰されていると思いますので、その辺の議論もぜひ含めてやっていただければと思っております。

 以上でございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

大体予定した時間になりましたけれども、よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。今日は大変難しいテーマでありましたけれども、大変貴重な御意見を賜ることができたと思います。事務局におかれましては、本日、各構成員からいただいた御意見を踏まえまして、また新たな案を出していただくという方向で御検討いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。

 それでは、本日の議論はこれまでとさせていただきたいと思います。

最後に、事務局から何かございますか。

○北波地域医療計画課長 第3回につきましては1031日の開催を予定しております。また詳細につきましては、決まり次第、連絡を差し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

○遠藤座長 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課医師確保等地域医療対策室
直通電話:03-3595-2194

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