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2014年10月21日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会議事録

○日時

平成26年10月21日(火)
13:30~15:30


○場所

航空会館 201会議室


○出席者

委員

大前委員(部会長)、明石委員、浅見委員、阿部委員、石田委員、小川委員、苅田委員、小西委員、下村委員、寺嶋委員

事務局

三宅食品安全部長、山本基準審査課長、黒羽補佐、永田補佐、飯塚専門官

○議題

1 食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定について
2 清涼飲料水の規格基準(保存基準)の一部改正について
3 その他

○議事

○事務局 定刻より少し早いですけれども、委員の皆様が全員おそろいになりましたようですので、ただいまから、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会」を開催いたします。

 各委員の皆様におかれましては、御多忙のところ本部会に御出席いただき、誠にありがとうございます。

 それでは、審議に入るまでの間、基準審査課、永田が議事を進行させていただきます。

 まず初めに、委員の出席状況でございます。本日は、春日委員、阪口委員、山内委員からは御欠席の御連絡がありましたが、部会委員13名中10名の委員に御出席いただいておりますので、当部会が成立しておりますことを御報告申し上げます。

 次に、事務局に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。

 食品安全部長の三宅でございます。

 食品安全部基準審査課長の山本でございます。

 食品安全部基準審査課技術総括課長補佐の黒羽でございます。

 最後に、私は、食品安全部基準審査課課長補佐の永田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず初めに、部会の開催に当たりまして、三宅食品安全部長より御挨拶申し上げます。

○三宅食品安全部長 医薬食品局食品安全部長の三宅でございます。

 本日は、大変お忙しい中お集まりをいただきまして、ありがとうございます。先生方におかれましては、日ごろより食品衛生行政の推進に多大なる御理解と御支援をいただいておりますことを、この場をかりまして改めて厚く御礼申し上げます。

 この食品規格部会におきましては、清涼飲料水や米などの動物性食品以外の食品の規格基準の策定について御審議をいただくこととなっております。非常に多岐にわたる内容となるわけでございますが、委員の先生方におかれましては、科学的知見に基づく御議論をお願い申し上げます。

 本日の議題であります食品中のオクラトキシンAにつきましては、内閣府食品安全委員会が自らの判断により食品健康影響評価を実施しており、本年1月にその評価結果が通知されております。本日は、その結果を受けまして、御審議をお願いすることとしております。もう一つの議題であります清涼飲料水の保存基準の改正につきましても、御審議を賜りたいと考えております。

 それぞれの専門家の見地から、どうか忌憚のない御意見をいただければと思っております。実りある審議会となるよう、ぜひお願いを申し上げます。

 簡単でございますが、冒頭に当たりまして、御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局 それでは、これから議事に入りたいと思っております。

 以後の進行は、大前部会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○大前部会長 大前でございます。きょうの審議、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、早速でございますが、事務局のほうから、きょうの配付資料の確認をよろしくお願いします。

○事務局 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、座席表のほか、資料1としまして「食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定について」。

 資料2としまして「清涼飲料水の規格基準(保存基準)の一部改正について」。

 参考資料1としまして「食品健康影響評価の結果の通知について」、こちらは内閣府のほうで出されております平成26年1月27日付府食第94号でございます。

 参考資料2としまして、平成20年7月の当部会で合意されました「食品中の汚染物質に係る規格基準設定の基本的考え方」でございます。

 また、本日御欠席の山内委員より、20141017日付、食品規格部会、大前部会長宛て、「20141021日 食品規格部会への意見」との資料がございましたので、机上に配付させていただいております。

 資料の不足等がございましたら、事務局までお知らせください。

○大前部会長 おそろいでしょうか。

 それでは、きょうの議題は2つでございます。まず最初は、食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定につきまして、事務局から説明をよろしくお願いします。

○事務局 了解いたしました。

 それでは、お手元の資料1の1ページをごらんください。タイトル「食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定について(案)」でございます。

 まず「1.経緯」でございますが、オクラトキシンAは、 Aspergillus ochraceus 等の数種の菌によって産出される世界中に存在するかび毒であり、穀類、コーヒー、ココア等のさまざまな食品汚染が報告されております。オクラトキシンAは、非遺伝毒性発がん物質であり、また、腎毒性もあるとされているところでございます。

 オクラトキシンAについては、内閣府食品安全委員会が自らの判断により食品健康影響評価を実施し、平成26年1月27日付でその評価結果が厚生労働大臣宛てに通知されております。先ほど申しましたけれども、通知の詳細な内容につきましては、参考資料1として配付させていただいておりますので、適宜御参照ください。

 これを受けまして、今般、食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定について、当部会へ諮問を行うこととなりました。

 「2.食品健康影響評価の概要」でございます。こちらは先ほど申しました参考資料1、食品安全委員会の評価書から一部抜粋しております。

 オクラトキシンAにつきましては、非発がん毒性及び発がん毒性それぞれにTDIが設定されているところでございます。まず、非発がん毒性につきましては、最小毒性量、豚の亜急性毒性試験における8μ g/kg体重/日を踏まえ、不確実係数500で除しまして、TDI16ng/kg体重/日と設定されております。

 発がん毒性につきましては、無毒性量を踏まえまして、週5回投与、15 μ g/kg体重/日に相当することから、不確実係数1,000で除しまして、TDI15ng/kg体重/日と設定されているところでございます。

 「3.我が国における食品からのOTA暴露状況」についてでございます。

 まず(1)でございますが、こちらは農林水産省の公表資料でございますが、国産穀類中のオクラトキシンAの濃度を示させていただいております。表には、米、小麦、大麦といったものを一部抜粋して表示させていただいておりますが、こちらのほうには調査点数、定量限界、定量限界以上の点数、平均値、最大値を示させていただいております。1点、小麦でございますが、定量限界以上のものがあったということでございました。

 1ページおめくりいただきたいと思います。こちらの表は、厚生労働科学研究で実施されました「食品汚染カビ毒の実態調査ならびに生体毒性評価に関する研究」から一部抜粋して資料を作成させていただいております。こちらにつきましても、食品中のオクラトキシンAの濃度を、大麦、ライ麦といった物品を中心に記載させていただいておりまして、合計件数、定量限界、定量限界以上の件数、平均値、最大値について示させていただいております。

 主なところとしましては、小麦粉、パスタ、そば粉、そば麺といったもので定量限界以上の件数がやや多かった、あるいは、チョコレート、インスタントコーヒーのところでも定量限界以上の件数がやや多かったということがわかるかと思います。また、平均値の部分でございますけれども、こちらはコリアンダーが1.58と、ほかのものに比べて高かったということでございますが、ほかのものも大抵、0.幾つ、0.0幾つという値であったことがわかるかと思います。また、最大値の部分では、例えばオートミール、レーズンが13.312.5、コリアンダーが9.67で比較的高かったと。それ以外のものについても、それぞれ示させていただいているところでございます。

 続きまして、「(2)暴露推計」でございます。こちらも食品安全委員会の評価書から一部抜粋して記載させていただいております。

 2ページ目、中段でございますが、オクラトキシンAの基準値を設定しない場合、または基準値を5μ g/kgと設定する場合のシナリオを想定して、日本人におけるオクラトキシンAの暴露量についてモンテカルロシミュレーションにより推計されております。ページをおめくりいただきまして、3ページでございますが、そのシミュレーションの結果、焙煎コーヒー、缶コーヒー、インスタントコーヒー、日本そば、小麦粉、チョコレート、ココア、ビール及びレーズンの9品目について、暴露量推計に用いられるサンプルデータが作成されております。

 結論としましては、その下の次の段落の中段でございますが、オクラトキシンAの汚染量が5μ g/kgを超える食品はほとんどなく、また暴露量の平均的な値を示す50パーセンタイル値の範囲は0.080.14ng/kg体重/日、高リスクの消費者(95パーセンタイル値)の範囲が1.202.21ng/kg体重/日であったということでございます。

 「4.我が国における食品中のOTA低減対策」でございますが、まず「(1)生産段階での管理」としましては、農林水産省のほうで「米のカビ汚染防止のための管理ガイドライン」が策定され、現場で活用されているとのことでございます。

 また、「(2)製造・加工工程における減衰」でございますが、こちらは当方で実施しております試験検査の結果から、例えばパスタであった場合は、ゆで麺、またゆで汁にも一部分が移行していること。コーヒーの場合でありましても、焙煎コーヒーを熱水抽出した場合に、オクラトキシンAの1~2割は抽出されていないこと。また、米の場合でありましても、炊飯することにより、オクラトキシンAの1割以上が減衰していること等が明らかとなっております。

 以上を踏まえまして、「5.規制状況」でございますが、「(1)我が国の規制状況」としましては、現在、食品衛生法等の関連法規において規制はございません。

 ただし、国際的な食品規格であるコーデックス規格が、表にありますとおり、小麦、大麦、ライ麦について5μ g/kgという形でそれぞれ設定されているところでございます。

 参考資料2で示しております平成20年7月の食品規格部会の基本的考え方でございますが、こちらのほうで基本方針としまして、我が国の食品中の汚染物質の規格基準の設定にあたっては、コーデックス規格が定められている食品については、我が国でも規格基準の設定を検討することとし、コーデックス規格を採用する。

ということが合意されておりますので、こちらのほうを御参考にしていただければと思います。

 以上を踏まえまして、本日、「6.審議事項」でございますが、オクラトキシンAに関する規格基準設定の必要性について御議論いただければと思います。その際には、オクラトキシンAに関する規格基準を設定する場合には、その対象となる食品の範囲あるいはその値といったことについても御議論いただければ幸いでございます。

 事務局からは以上でございます。

○大前部会長 ありがとうございました。

 オクラトキシンAの規制をするかしないか、するとしたらどのような食品に対して、どういう数字を使うかというのが最初の審議の議題でございます。

 この山内先生の「食品規格部会への意見」というのがございますけれども、では、これを最初にお願いできますか。

○事務局 それでは、山内委員からの意見書を一部読ませていただきます。

20141017日付、食品規格部会、大前部会長宛て、「20141021日 食品規格部会への意見」、日本生協連、山内明子。

 2点、御意見がありますが、まず1.オクラトキシンAについてでございます。

1.オクラトキシンAの規格基準設定についての意見

 日本人のオクラトキシンAの摂取量を今後も低く保ち続けるために、Codex規格と同等の基準を設定する必要があると考えます。

 また、Codex規格の対象ではない食品にも、たとえば、干しブドウや、インスタントコーヒーなど、EUが基準を設定しているものを中心に、比較的濃度の高いものがあるようですので、それらを含めて、汚染実態調査の定期的な実施、継続を要望します

とのことでございます。

○大前部会長 ありがとうございました。

 山内先生は、こういう意見書を出していらっしゃいます。

 それでは、議論に入りますけれども、今の事務局の説明を含めまして、何か御意見いかがでしょうか。一応、食品安全委員会のほうからは、非発がん毒性としてTDI16ng/kg体重/日、発がん毒性としてTDI15ng/kg体重/日、発がん毒性に関しましては、閾値があるタイプの発がんであるという評価でこの数字が出ております。

 実際にシミュレーションしましたときですと、高リスク消費者の95パーセンタイル値の範囲が1.22.2くらいですから、この15とか16に比べると相当低いということで、現実的には、普通の日本人はそんなにたくさんオクラトキシンAをとっていないようだという資料でございますが、いかがでしょうか。

 まず最初に、このくらいのレベルでしたら、日本人はこれだけ摂取量自体が少ないので規制する必要がないと考えるか、あるいは先ほど基本的考え方の中で、コーデックス規格を定められている食品については、それに準じたらどうかという基本的な方針がありまして、山内先生は、それに従ったらどうかという御意見でございますけれども、皆様、いかがでしょうか。

○小川委員 国立衛研病理部の小川と申します。こちらについては我々の研究室でも一部毒性について検討させていただいているところです。こちらの評価書にも記載してありますし、議事録等を読ませていただいても、遺伝毒性については、今まで知られているような機序においては特に懸念されるところはないだろうという結論だと思いますけれども、若干の懸念が残るという部分もございますので、やはりコーデックスの規格基準は批准するような形で基準を何か設けたほうがよろしいのではないかと思います。

○大前部会長 ありがとうございます。

 そのほかの先生方はいかがでしょうか。

 食品安全委員会の評価書、分厚いものがありますけれども、それの117ページのところが最終的な食品安全委員会の判断でございますが、下から2段目の「以上を踏まえ」というところが、遺伝毒性云々かんぬんというところの記述になっております。

 少し読み上げますと、

DNAに間接的に作用する非遺伝毒性発がん物質であり、TDIを設定することが可能であると考えた

ということで、一応、食品安全委員会は非遺伝毒性があるということですけれども、今、小川先生がおっしゃったように、完璧に非遺伝毒性かどうかということに関しては若干議論があるといいますか、そのようなお話ですので、コーデックス、少なくとも規格はつくったらどうかという小川先生の御意見でしたが、いかがでしょうか。そういうことでよろしいですか。

 どうぞ、先生。

○小西委員 小川先生、それから皆様の意見と同様なのですけれども、ちょっと補足させていただきたいというか、私の意見としては、今、コーデックスで決まっております小麦、大麦、ライ麦に関しましては、実態調査でも、この資料にございますようにオクラトキシンAが検出されているということと、それから摂取量が大麦、小麦に関しましては、主食とは並ばないのですけれども、加工品も含めましてそれなりに多くなっているということから、暴露量も高くなる可能性があります。また、今後、食の欧米化によってパスタとかパン等の摂取が増えることが予想されるので、この小麦、大麦に関して規制をつくるということは賛成です。

 それで、1つ、食品安全委員会のほうでも結論の下に<今後の課題>として「食品等のOTA汚染実態データの収集」というのがございます。これは、今回の実態調査でも、小麦、大麦はよろしいのですけれども、そば麺とかそばに関しまして、それなりに検出されておりますし、それから、日本人はそばの摂取量が多いということもありますので、コーデックス、今回の規制云々ということではなくて、もうちょっと広い範囲で実態調査を続けていって、必要であれば将来的に日本独自の規制というのもあってもよろしいのではないかとの意見を持っております。

○大前部会長 ありがとうございます。

 まず規制をすることに関しては、皆さん、どうも御意見は一緒だということですね。あとはどの物質についてということで、コーデックスはこの3項目、小麦、大麦、ライ麦だけでございますけれども、そのほかに。

 先生、どうぞ。

○下村委員 規制をすることについては別に反対はございませんで、皆さんと大体同じだと思っているのですけれども、規制を設けるとすると、今度は企業の方たち、実際にそのサンプルを使う場合には必ず測定をしなければいけないということになると思いますが、それはどのぐらいの影響力があるかというのがちょっと気になりまして、かなりその消費を抑えてしまうようなことになるのかどうかという、その点だけをクリアしたいと思います。

○大前部会長 そこら辺は事務局のほう、いかがでしょうか。

○事務局 実際に規制を設けるということになりますと、やはり事業者の責任ということがございますので、事業者において検査がなされるものと承知しております。

 影響ということにつきましては、ここですぐにどのぐらいの影響があるかというのは答えられる材料を持ちあわせておりませんので、そこは確認をしてみたいと思います。

○大前部会長 ちなみに、この物質の測定方法は簡単なのですか。比較的普及している機器で十分いけるのですか。

○小西委員 僣越ながらお答えをさせていただきます。オクラトキシンAの測定法は、今、蛍光機器がついたHPLC、それからLC/MSLC/MS/MSなどで測定ができます。バリデーションがされた方法も、AOAC等ほかの、日本でも、私たちもバリデーションをとった方法を開発してございますので、それに関しましては問題がないと思われます。

○大前部会長 あとついでに、コストはどれくらいかかるものですか。

○小西委員 専門的な話になってしまうのですけれども、食品から直接HPLCにかけるわけにはいかないので、当然、前処理というものをします。その前処理に使うカラムというものがございまして、このカラムが安いものから高いものまであるのですが、安いものであれば1本500円ぐらいですし、高いものであれば2,000円ぐらいいたしますので、公定法としてどちらを採用するかということもかかってきますけれども、なるべくリーズナブルな、ほかのかび毒の検査よりも非常に高いコストがかかるということもございませんし、普通の平均的なコストで賄えると思います。

○大前部会長 あと、当然、業者さんは、自分のところではかる業者もあるかもしれませんが、外に出してはかってもらうということもあると思うのですけれども、測定機関はそれなりにあるということでよろしいわけですね。

○小西委員 はい。オクラトキシンAがはかれる設備というのは結構あります。

○大前部会長 ということでございますので、全体的な影響については今よくわからないということですが、測定法あるいは測定に要するコストに関しては、そんなにひどくはならないだろうというような状況だそうでございます。

 そのほか御質問はいかがですか。

 なければ、どの範囲の食品をということに少し戻りたいのですが、小西委員は先ほど、検出されておりますし、おそばなどを当然入れるべきだというお話がございましたけれども。

○小西委員 今ではなくて、今後でございます。

○大前部会長 今ではなくて。

○小西委員 ええ。

○大前部会長 では、今回はこの3物質でいいと。

○小西委員 はい。

○大前部会長 そのような御意見でございます。

 それから、山内先生は、先ほど読んでいただきましたように、干しブドウやインスタントコーヒー等、EUでつくっているものは全部かけたらどうかというのが山内先生の御意見でございます。ここら辺につきまして、いかがでしょうか。

 今回、幸いお米は検出されていないので、お米を入れるかどうかというのは、主食ですから結構重要な問題だと思うのですけれども、お米の保存に関しては、先ほど説明していただきました農水省の基準があって、それをちゃんとやっていれば検出されないレベルには保てるということでございます。

 では、浅見先生。

○浅見委員 やはり摂取量の多いもので主食に近いものというのは重要だと思いますので、そういうものを優先してという考え方は非常によろしいのではないかと思います。

 食品安全委員会の報告書の112ページを拝見しましたらば、ワインですとかビールとかアルコール等により摂取された可能性も考えられるということもあるのですが、こういう嗜好のものというのは人によってとる量も非常に違いますし、もう少し調査をしてデータを重ねてから考えるという形でいいのではないかと思いました。

○大前部会長 そのほかの先生方はいかがでしょうか。

 今の2人の意見をまとめますと、とりあえずこの3品目だけを規制しておいて、あとは暴露量の測定を重ねていって、もし結構量が多くなるようだったら、それに応じて規制したらどうかという御意見だったと思うのですが。

 どうぞ。

○石田委員 私も、基本的には先生方のお考えと同じですけれども、日本人がよく食べる主食に当たる米とかそばについては継続的にきちんと見ていく必要があるということ。

 あと、嗜好品についても、その食事パターンを考えると、ここに挙がっているものは、例えばワインとドライフルーツというような形で、同じようなものを重ねて召し上がる高リスクの消費者が出てくると思いますので、そういう点でも継続的に見ていく必要性はあると思います。

○大前部会長 ありがとうございました。

 そのほか御意見ございますか。

 そうしましたら、この3品目に関しては、コーデックスに準じてということになろうかと思いますけれども、規制値を考えるということ。そのほかの比較的頻繁に食べられる食品に関しましては、しっかり暴露実態をこれから追跡していって、その結果に応じて、必要に応じて規制を決めるということで、皆さん、よろしゅうございますか。

(委員首肯)

○大前部会長 皆さん、うなずいていらっしゃいますので、この会はそのような結論にしたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、きょうの2題目です。清涼飲料水の規格基準(保存基準)の一部改正につきまして、事務局のほうから説明をよろしくお願いします。

○事務局 それでは、説明させていただきます。

 お手元の資料2をごらんください。タイトル「清涼飲料水の規格基準(保存基準)の一部改正について(案)」でございます。

 まず「1.現行規定について」でございますが、こちらは非常に難しい法文になっておりますので、資料の裏側、2ページおめくりいただいたところにポンチ絵を作成しております。こちらを適宜ごらんになりながら説明を聞いていただければと考えております。

 まず「現行規定について」でございますが、こちらは厚生省告示第370号におきまして、清涼飲料水については、「ミネラルウォーター類」、「冷凍果実飲料」、「原料用果汁」、「ミネラルウォーター類、冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水」の4つに分類され、それぞれ規格基準が定められているところでございます。今回御議論いただきたいのは最後の部分でございまして、「その他の清涼飲料水」についてでございます。

 このうち、「その他の清涼飲料水」にあっては、製造基準及び保存基準が以下のように定められております。一部読み上げさせていただきます。

・製造基準。

 清涼飲料水は、容器包装に充てんし、密栓若しくは密封した後殺菌するか、又は自記温度計をつけた殺菌器等で殺菌したもの若しくはろ過器等で除菌したものを自動的に容器包装に充てんした後、密栓若しくは密封しなければならない。

とされております。

 この部分なのですけれども、従来は殺菌だけを認めていたものでございますが、平成11年に除菌について追加したという過去の経緯がございます。殺菌方法と除菌方法につきましては、お手持ちの資料の1ページ目におきまして、a、b、c、dとそれぞれ細かく規定がされておりますが、一部割愛させていただいております。

 さて、「保存基準」についてでございますが、

 「その他の清涼飲料水」のうち、pH4.6以上で、かつ、水分活性が0.94を超えるものであって、原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法で殺菌していないものにあっては、10 以下で保存しなければならない。

と定められております。

 資料をおめくりいただきまして、「2.問題点」でございます。

 今回お諮りしたい点でございますけれども、製造基準としては「除菌にあっては、原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を除去するのに十分な効力を有する方法で行うこと」と規定する一方で、保存基準としては「原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法で殺菌していないものにあっては、10 以下で保存しなければならない」と規定されております。

 このため、現在の規定では、「十分な効力を有する方法」で「除菌」を行った場合でも、保存基準に従って「10℃以下で保存しなければならない」状態となっております。

 近年、国民の間で清涼飲料水の需要の高まりなどを背景に、除菌技術についてもその技術向上が図られていることを踏まえれば、「その他の清涼飲料水」のうち、「十分な効力を有する方法」で「除菌」を行ったものについては、「 10 以下で保存しなければならない」とする保存基準を不要とするべきという考え方があるかと考えておりまして、この点についてお諮りをしたいと考えております。

 資料としましては、後ろにつけさせていただいております新旧対照表と呼ばれるものを御確認いただければと思います。右側が現行のものでございまして、今回お諮りしたい改正案を左側に記載させていただいておりますが、右側の現行のものに比べまして、今回お諮りしたい点の改正案につきましては、一部読み上げさせていただきますけれども、

 ミネラルウォーター類,冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水のうち,pH4.6以上で,かつ,水分活性が0.94を超えるものであつて,原材料等に由来して当該食品中に存在し,かつ,発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法で殺菌又は発育し得る微生物を除去するのに十分な効力を有する方法で除菌していないものにあつては,10℃以下で保存しなければならない。

というように、下線部の部分を追加させていただきたく思っております。

 そちらをまとめましたのがポンチ絵でございます。ポンチ絵中で申しますと、上の現行の部分のうち、製造基準の部分が幾つかございますが、その中の一番下の段、こちらは除菌について、原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を除去するのに十分な効力を有する方法について、保存基準10℃以下ということが定められている部分、こちらのものを不要とする改正、矢印下の右下をごらんください。こちらの部分をなくすような改正を、今回提案させていただきたいと考えております。

 事務局からの説明は以上でございます。

○大前部会長 ありがとうございます。

 では、山内先生の御意見をお願いできますか。

○事務局 読み上げさせていただきます。

 先ほどの山内委員からの意見書でございますが、

2.清涼飲料水の規格基準の一部改正について

 事務局提案の通り、除菌技術の進展という状況を踏まえ、「その他の飲料水のうち、十分な効力を有する方法で除菌を行ったものについては、10 以下で保存しなければならないという保存基準をはずす」ことに、賛成します。

という意見書をいただいております。

○大前部会長 ありがとうございました。

 本来は多分、平成11年の除菌を追加したときに、ここも変えなくてはいけなかったのでしょうけれども、そのタイミングを逃したというか、そういうことで現在ある矛盾を解消したいというのが今回の事務局案だと思いますが、先生方の御意見はいかがでしょうか。これはよろしゅうございますか。

○浅見委員 ありがとうございます。

 除菌の技術といいますのが、最近どのような状況かというのを先日お伺いしまして、主に0.22 μmの膜を使って、それ以上のものを全て除去するという技術がかなり確立をされて、対象自体は結構少ないとお伺いしたのですけれども、そういうことで、十分ほかの手段で担保されているということですので、保存基準のほうの指定をなくしても特に支障は生じにくいのではないかとお伺いしました。こちらのほうも、そのように思っております。

○大前部会長 今、説明がありました除菌の技術については、これは大丈夫だという判断でよろしいわけですね。この文章は、少なくともそのレベルの除菌ではないとやってはいけないという意味だと思いますけれども、発育し得る微生物を除去するのに十分な方法ということでございます。

 寺嶋先生、御意見いかがでしょうか。

○寺嶋委員 私も賛成でして、今ではフィルトレーションのようなメンブレン等を使った技術はもう十分発達しておりますので、今おっしゃったように0.22 μm等でフィルトレーションしていれば発育するような微生物の除去というのは十分達成可能だと思われますので、今回のこの保存基準を外すということで、私は賛成です。

○大前部会長 ありがとうございました。

 特にそのほか御意見がなければ、これはこの案で賛成ということでよろしゅうございますか。

(委員首肯)

○大前部会長 それでは、「今後の対応」で、当部会において了承された事項については、速やかに食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼を行うとありますけれども、これはどのようになるのですか。保存基準を外した後に食品安全委員会に持っていって何の評価をしてもらうのかなと、ちょっとこれを見て思ったのですが。

○事務局 御説明いたします。こちらの食品規格部会で御了承いただきました内容につきましては、食品衛生法第11条という告示を改正することになりますので、食品安全委員会への諮問が必要となります。ですので、事務局のほうで手続を進めさせていただきます。

○大前部会長 ありがとうございました。

 そのようなことだそうです。よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。

 それでは、最後の議題、その他でございますけれども、事務局のほうから何かございますでしょうか。

○事務局 思ったより早く部会での議論が終わってしまいましたが、事務局からは特段ございませんで、次回の部会の開催日程等につきましては、後日追って事務局より御連絡させていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○大前部会長 ありがとうございました。

 それでは、ちょっと早過ぎるかもしれませんが、審議した中身に関しては全然問題ないと思いますので、早く終わってもそれは全然問題ないと思っております。

 それでは、きょうはどうも短い時間、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課規格基準係

(03-5253-1111 内線4280)

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