ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録(2014年9月30日)




2014年9月30日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成26年9月30日(火)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、尾崎委員、斉藤委員、佐藤委員、高橋委員、永山委員、根本委員、山内委員、吉成委員、鰐渕委員

事務局

山本基準審査課長、黒羽課長補佐、大田課長補佐、松倉専門官、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松課長補佐

○議題

(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
  ・農薬エチプロール
  ・農薬エポキシコナゾール
  ・農薬スピロメシフェン
  ・農薬テブフロキン
  ・農薬フルオルイミド
  ・農薬プロピコナゾール
  ・農薬ベンチアバリカルブイソプロピル
  ・農薬ペンチオピラド

(2)その他

○議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。

 本日は、延東委員、宮井委員、由田委員より御欠席されるとの御連絡をいただいておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中11名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立していることを御報告いたします。

 また、利益相反に関しまして、本日の部会で御審議いただく品目におきましては、該当される委員はいらっしゃらなかったこともあわせて御報告させていただきます。

81日付で事務局に人事異動がございましたので、この場をおかりして御紹介させていただきます。

基準審査課長の山本でございます。

○山本基準審査課長 山本でございます。8月から基準審査課長に着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局 御連絡ですけれども、机上に配付しております資料の委員必要事項連絡票につきましては、お帰りまでに御確認をお願いいたします。

 それでは、以後の進行を大野部会長にお願いしたいと思います。

○大野部会長 それでは、議事を始めさせていただきたいと思います。

初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局 本日お配りしました資料は、まず議事次第と配付資料一覧、さらに委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけた資料の後ろに座席表がございます。

その後ろに、本日御審議いただきます品目について、それぞれ、資料1-1、資料2-1のように報告書を資料8まで配付させていただいております。

 その後ろに、資料1-2、資料2-2というように、食品安全委員会の評価書等についても同様に資料8まで配付させていただいております。

不足している資料等ございましたら、事務局までお願いいたします。

○大野部会長 いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、審議に入りたいと思います。

 本日は、平成26918日付で薬事・食品衛生審議会へ諮問された農薬8剤について御審議いただきます。報告書案の作成に当たりましては、先生方にいろいろ資料について検討していただいてチェックしていただいているところですけれども、本日またさらに御審議くださるようお願いいたします。

それでは、議題1の食品中の残留農薬等の基準設定ですけれども、農薬エチプロールについて御審議をお願いいたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、1剤目のエチプロールでございます。資料1-1をごらんください。

本剤は、マンゴーへの適用拡大申請に伴う基準値設定について御審議いただくものでございまして、今回の部会で4回目の審議となります。

 用途としましては、フェニルピラゾール系の殺虫剤でございまして、化学名、構造式等につきましては記載のとおりでございます。

 続きまして適用の範囲及び使用方法についてですが、国内の使用方法については2ページから3ページに記載しておりまして、今回拡大申請が来ているマンゴーにつきましては3ページに記載しております。

4ページ目の作物残留試験でございますが、エチプロールと代謝物Bについて分析が行われております。分析の方法については記載のとおりでございます。

国内の作物残留試験については、7ページの別紙1をごらんください。今回追加になったものとしまして、大豆と、適用拡大申請のありましたマンゴーについては黒く網で示しております。

4ページに戻りまして、魚介類への推定残留量と、5番目の乳牛における残留試験につきましては、前回の部会報告と変更はございません。

 また、ADIについても変更はなく、0.005mg/kg体重/dayと評価されております。

 続きまして諸外国における状況ですが、JMPRによる毒性評価がなされておらず、国際基準も設定されておりません。主要5カ国地域については、アメリカ及びカナダにおいて、米、茶に基準値が設定されております。規制対象につきましても、前回と変わらず、親化合物のみを規制対象としております。

 食品安全委員会におきましても、食品中の暴露評価対象物質を親化合物のみと設定しております。

 基準値案につきましては、8ページの別紙2をごらんください。登録の有無の箇所に、申請の「申」の字を入れてある箇所が今回適用拡大申請のあったマンゴーでございます。

これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが9ページの別紙3でございまして、EDI試算により、一番高い幼小児で21.6%のADI占有率となっております。

 最後に12ページが答申(案)となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。これは4回目ということですので、ほとんど直すところはないのではないかなと思いますけれども、一応確認していただきたいと思います。

 それでは、化学名、化学構造、その辺で新たに何かございましたでしょうか。

 ありがとうございます。

 薬理作用のところも、多分変わってないと思いますけれども、よろしいですか。

 ありがとうございます。

 体内動態のところも特に変わったところないと思いますけれども、よろしいですか。

 ありがとうございます。

 毒性のところはいかがでしょうか。

○鰐渕委員 特にないです。

○大野部会長 ありがとうございます。

それでは、分析対象物については、前回と同じ、エチプロールとするというところで変更ありませんけれども、よろしいでしょうか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

それでは、分析法と分析結果、そのあたりについて何か変わったところございましたでしょうか。

 斉藤先生、よろしいですか。

○斉藤委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。

 石井先生、お願いします。

○石井委員 大きい変更ではないのですけれども、今、御説明の中で、カナダとアメリカで米と茶に基準値が設定されているという御説明があって、この8ページの別紙2の参考基準値のところには特にその旨は書かなくてもよかったのでしたか。ちょっとそこだけ。

○事務局 確認して記載いたします。

○大野部会長 米と茶のところですね。ありがとうございます。そのほかございますか。

 それでは、全体を通していかがでしょうか。

 特にないようでしたら、今、御指摘で追記するところがございましたけれども、追記したものをもってこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

それでは、次の品目ですけれども、農薬のエポキシコナゾールについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 2剤目のエポキシコナゾールです。資料2-1をごらんください。

 今般の残留基準の検討については、関連企業からインポートトレランス申請がなされたこと、またポジティブリスト制度導入時に新たに制定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。今回、初回の御審議となります。

1.概要ですが、本剤はトリアゾール系の殺菌剤であり、エルゴステロール生合成阻害により殺菌作用を示すと考えられております。

 化学名及び構造式等については記載のとおりです。

2.適用の範囲及び使用方法ですが、今回、インポートトレランス申請がなされた基準値を設定する作物について、使用方法を2ページからお示ししております。

5 ページから、3.作物残留試験です。分析対象の化合物としてはエポキシコナゾール、分析方法は記載のとおりです。

 また、作物残留試験結果については、10ページからの別紙1-1及び1-2が作物残留試験結果となります。

4.畜産物への推定残留量ですが、各組織の最大残留量について、乳牛の試験結果は6ページの表1、鶏の試験結果は7ページの表2に記載しております。これらの残留試験結果と最大理論的飼料由来負荷、MTDBにより推定した各組織の推定残留量について、7ページの表3、表4にそれぞれ示しております。

5ADIの評価ですが、ADI0.0069mg/kg体重/dayという評価です。マウスの18カ月の発がん試験において、雌ラットで副腎皮質腫瘍及び顆粒膜莢膜細胞腫、雌雄マウスで肝細胞腺腫及び肝細胞がんの発生頻度の増加が認められましたが、遺伝毒性試験の結果から腫瘍の発生機序は遺伝毒性によるものとは考えがたいことから、評価に当たり閾値を設定することは可能であると食品安全委員会における評価書に記載されております。

6.諸外国における状況は、JMPRによる評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。米国においてバナナ及びコーヒーに、EUにおいて小麦、大麦等に、オーストラリアにおいて小麦、バナナ等に、ニュージーランドにおいて小麦及び大麦に基準値が設定されています。

 これらを踏まえて、7.基準値案ですが、残留の規制対象をエポキシコナゾール(親化合物のみ)としております。

 食品安全委員会においても暴露評価対象物質をジフェノコナゾールのみと設定しております。

基準値案は14ページからの別紙2となります。海外の作物残留試験成績に基づき基準値を設定しております。これらの基準値案により、暴露評価を行ったのは15ページの別紙3です。TMDI試算により一番高い幼小児で25.2%のADI占有率となっております。

 最後のページは答申(案)となっております。

 説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。これはこの部会での初回審議ということでございます。審議をよろしくお願いいたします。

 まず、化学名、化学構造、そのあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 特に問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

薬理作用のところはいかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

では、体内動態と代謝物、そのあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 この剤、動物でも植物でも代謝が非常に複雑でして、非常に多くの代謝物ができるのですけれども、作残試験の結果等を踏まえて、今回の規制対象、親化合物のみとするということで問題ないと思います。代謝物等にも特に問題となるようなものはないということから、このような判断でよいのではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。私も同様です。作物中の残留はほとんど親化合物ですし、動物中で残留するものは、グルコピラノシド体が意外に多くございますけれども、それはすぐに排せつされてしまうのではないかと思いますし、特に問題になる構造はなかったかなあと思いました。今までのところで、先生方いかがでしょうか。

 鰐渕先生、安全性のところでいかがでしょうか。

○鰐渕委員 幾つかの腫瘍の発生の増加が見られているのですけれども、遺伝毒性試験がいずれもネガティブということで、閾値が設定できるということで、この記載のとおりで結構かと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。今までのところでいかがでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、分析法、分析結果、そのあたりについていかがでしょうか。

 斉藤先生、よろしいですか。

○斉藤委員 はい。

○大野部会長 ほかの先生、よろしいでしょうか。

 それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。

 特にないようですね。それでは全体を通して何か気がついたところございますでしょうか。

 これについて、宮井先生から使用方法について、特にコメントは来ていませんか。

○事務局 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、ほかに何かございますでしょうか。

 それでは、これについては初回審議ですけれども、本日提出された案をもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 お願いします。

○吉成委員 1-1のエチプロールで、確認というか、ちょっとよく見えなかったので見落としたのですけれども、IUPACの化学名の1行目の最後のほう、tolyとありますけれども、tolylなので。済みません。見落としていました。

○大野部会長 ありがとうございます。気がつかなかったです。事務局、よろしいでしょうか。

○事務局 はい。

○大野部会長 皆さん、おわかりでしょうか。吉成先生、どうもありがとうございました。

 それでは、次の品目について御審議いただきたいと思います。次はスピロメシフェンについて御審議をお願いいたします。それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは3剤目、スピロメシフェンでございます。資料3-1をごらんください。

今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。

 なお、前回は平成249月の部会で審議が行われておりまして、今回で5回目の審議でございます。

1.概要についてです。本剤は、環状ケトエノール系殺虫剤です。アセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することにより殺虫活性を示すものと考えられております。

 化学名、構造式及び物性については記載のとおりでございます。

ページをめくっていただきまして、2.適用の範囲及び使用方法でございます。今回拡大申請がなされたかんきつにつきまして、四角で囲って示しています。

 続きまして、5ページ目、3.作物残留試験についてです。分析対象化合物としてスピロメシフェン、代謝物M1、代謝物M2及び代謝物M2のグルコース抱合体について分析が行われております。分析対象化合物につきましては、前回御審議いただいた内容に変更はございません。

 結果につきましては、10ページからの別紙1-1及び別紙1-2に記載しております。

 ページを戻っていただきまして6ページ、4.魚介類への推定残留量についてです。こちらにつきましては、前回御審議いただいた内容に変更はございません。

 続きまして7ページ、5.乳牛における残留試験についてです。これにつきましても、前回御審議いただいた内容に変更はございません。結果につきましては、表中に親化合物スピロメシフェン、代謝物M1、代謝物M2及びそれらの総残留量を示してございます。

 続きまして8ページ、6.食品安全委員会におけるADI評価に関してです。ADI0.022mg/kg体重/dayとなっており、前回の部会で御審議いただいた内容に変更はございません。

7.諸外国における状況でございますが、JMPRにおいて評価がなされておらず、国際基準も設定されておりません。米国において、小麦、大麦等に、カナダにおいてブロッコリ、キャベツ等に、EUにおいていちご、なす等に、ニュージーランドにおいてトマト、きゅうり等に基準値が設定されております。

 これらを踏まえまして、8.基準値案でございます。残留の規制対象、農作物及び魚介類においては、スピロメシフェン及び代謝物M1とし、畜産物においてはスピロメシフェン、代謝物M1、代謝物M2及び代謝物M2の抱合体とする案としております。

 規制対象につきましても、前回御審議いただいた内容に変更はございません。

 食品安全委員会におきましても同様に評価されており、これにつきましても、前回御審議いただいた内容と変更はございません。

 次に基準値案でございますが、15ページ、別紙2をごらんください。国内の作物残留試験成績に基づき、みかんについては0.2、なつみかん、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム及びその他のかんきつ類果実については、2をそれぞれ基準値案としております。

 これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが18ページの別紙3でございます。EDI試算によりまして一番高い幼小児で51.2%のADI占有率となっております。

 最後のページが答申(案)となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。これについては5回目ということでございますけれども、一応一とおり確認していただきたいと思います。

 化学名、化学構造、そのほかについてはよろしいですか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

薬理作用のところですけれども、これも変更ないと思いますけれども、よろしいですか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

体内動態と代謝物についてはいかがでしょうか。

○吉成委員 この化合物は構造内にエステル化構造を有していますので、容易に加水分解されて、代謝物M1というものができます。これ自身は規制対象に入れるほうがよいのではないかと思います。M2M9も実際に植物ではできて測定されているのですけれども、そのもの自身はそれほど問題になるような代謝物でないとは思うのですが、畜産物等では作残試験がM2M9も含めて行われているということで、今回の規制対象に関してはこれも含めて入れるというので仕方ないのかなとは思います。

1点、記載の問題ですけれども、規制対象のところで先に言ってしまって申しわけないですが、8ページの8の(1)の規制の対象の書き方で、「代謝物M2の抱合体」という書き方をしているのですが、今回測定されているのはグルコース抱合体でM9という名前がついていますし、あと、動物で、検出はされていませんけれども、ほかの構造の抱合体ができないとは限りませんので、ここはM9と限定したほうがよろしいのではないかなと思います。ほかにもちょっとそういう書き方があったような気がするのですけれども。

そのすぐ下のところですね。「畜産物における」という文章のところで、1行目から2行目にかけて、「代謝物M2及び代謝物M2の抱合体」というところを「代謝物M2及び代謝物M9」にしたほうがよろしいのではないかと思います。

 以上です。

○大野部会長 ありがとうございます。M9M2の抱合体と同じことということですね。

○吉成委員 抱合体という言葉になりますと非常に曖昧ですけれども、今回は。

済みません。私の勘違いですね。測定方法からすると、グルコース抱合体とは限らないということですから。

○大野部会長 代謝マップだと、グルコシドしかないですね。M9と言っても間違いでないのではないかと思います。

○吉成委員 動物では一応M2もできることが報告はされていますので、この代謝物ができると、他の抱合体、動物で起こるようなグルクロン酸抱合なり硫酸抱合は起こらないとは言えないと思うのですけれども、ただ一方で、今、測定方法を見てみますと、原理的にはどんな抱合体でも切れてしまうので、私、M9と言ったほうがいいのではないかと言いましたけれども、測定方法から考えると、実際にはいかなる抱合体でもいいのかもしれません。むしろ分析の対象が必ずしもグルコシドとは限らないというほうが正しいのかもしれないかなと思いました。済みません。

○大野部会長 ありがとうございます。もとのM2の抱合体としたほうがいいのかもしれないということですけれども、分析の先生方、いかがでしょうかね。

○斉藤委員 そのとおりだと思います。

○大野部会長 では、もとのままとさせていただきます。

 それから、ちょっと私気になったのが、M1が、親化合物が加水分解して容易に生成するものだということですけれども、加水分解なければM1がそんなに残留しないということだったら、ちゃんと分析方法がそれを加水分解しないような状況でも分析できるのだったらそれを入れなくてもいいのかなという気もしたのです。この記載してある方法ではどうしても加水分解されてできてしまうということですね。そうするとやはり入れなくてはいけないということになりますけれども、それでよろしいですかね。

 ありがとうございます。代謝と体内動態、それから測定対象物質については、吉成先生がおっしゃったことと私も同様に考えました。

では、安全性について、鰐渕先生、何かございますでしょうか。

○鰐渕委員 この際、それほど大きな発がん性を含めた毒性が出ていませんので、基準どおりで、書かれてあるとおりで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。

今までのところで先生方、御意見ございますでしょうか。

 斉藤先生、お願いします。

○斉藤委員 7ページの表ですけれども、これは後で追記していただいたもので、それはそれでいいのですけれども、代謝物M2は、M2M9という理解でよろしいでしょうか。それとも、ここの分析はM2のみに特化したデータということなのでしょうか。

○事務局 分析の方法を読み解きますと、加水分解をしておりますので、恐らくM2に変化する抱合体も含めてM2として測定していると思われます。

○斉藤委員 そうすると、ここは代謝物M2M9としなくてよろしいのでしょうか。ほかの作残試験の、例えば10ページ、一番上のところで、各化合物の残留量【スピロメシフェン/代謝物M1/M2M9】という表記になっているので。

○事務局 この代謝物M2に関しては、それでは、表の下にその旨の脚注を追記するという形でよろしいでしょうか。

○斉藤委員 はい、それで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのように追記をお願いいたします。

○斉藤委員 済みません、もう一点。これも適用拡大申請なのでどうでもいいですけれども、10ページの先ほどの作残試験の表、ずうっと目で追っていったら、たまたま茶のほうがM2M9が結構出ているのですけれども、これはとりあえず無視してしまっていいという考え方でよろしいでしょうか。

○大野部会長 いかがでしょうか。

私もちょっとそのところ気になって、こういう考え方、いいのかどうかわからなかったのですけれども、皆さんの御意見伺いたいと思います。計算してみたら、お茶からの摂取量は摂取量全体の1割ぐらいということで、それほど多くないということで、お茶しか出てないということなので許容できるのかなと思ったのですけれども、10%程度の暴露になるということを重く見るか、まあいいやと思うか、その辺についていかがでしょうか。

 茶を通した暴露が10%ということで、その中のM2M9という意味ではまたもうちょっと少なくなります。

○斉藤委員 済みません。ちょっとそれに関連してですけれども、先ほどの7ページの、結局、代謝物M2を見ると、組織中の残留量、実際にはM2M9だと思うのですけれども、これ全部定量限界未満なのですね。畜産のほうは、実際のデータとして、残留量M2M9は全く出ないのに、8ページの基準値案のほうでは、米国基準を採用しているため規制対象とするという論理でいっているわけです。つまり、実際に出てなくても、基準値案が米国の採用だから入れると。片や作残のほうは、出ているにもかかわらず入れないというのはちょっと違和感を感じたので、そのあたりどうなのかなと。今までこれで来ているので、このままいくというのであれば全然それで結構だと思いますけれども、ちょっと気になったのでコメントさせていただきました。

○大野部会長 事務局から、その辺について何か御意見ございますでしょうか。

○事務局 お茶に関しましては、過去の部会においても同様の審議がなされておりまして、お茶に関してはM2M9の両方が出ているというところですが、M2M9が検出されているものが、お茶に限っているというところ、お茶だけに出ているというところで、当時は特段問題ないだろうということで、この基準値案と結論づけられております。

○大野部会長 検出されたのが一部の農産物だけだったということでよろしいのではないかという判断ですね。

 鰐渕先生、お願いします。

○鰐渕委員 多分、構造的に見て、M2及びM9の毒性が原体のものとかM1に比べて強いような構造でないということと、またその割合自身が少ないということからも、その振れ幅の中に含まれるので、そこまで要らないのではないかという判断ではないかと思うのです。

○大野部会長 ありがとうございます。M2は、この親化合物の水酸化体、M9はグルコース抱合体であるということですね。そういうことから鰐渕先生の御意見になったかと思いますけれども、吉成先生、何か。

○吉成委員 今、鰐渕先生がおっしゃったとおりかなと思うのですけれども、例えばですが、この10ページの図で、13.67.88、これは親化合物、代謝物M1を足して、最大残留量21.5で、そこから、恐らく16ページの茶のところの30という数字が出てきていると思うのですけれども、そこに例えば仮にM2M95.73を足して27.幾つになったときに、30にぎりぎり入るのか、もう一つ上がるのかというのはちょっとわからないですけれども、許容範囲なのかなと私自身はちょっと思ったのです。

例えば今ので21.56.4から30という値が設定されているのですけれども、27.210ぐらいの値だったときには幾つにすべき値なのですかね。

○大野部会長 済みません。フォローできなくて。最大残留量が20ということになって、基準値が30ということ。

○吉成委員 入れてないときは多分そういう計算になっているのかなと思うのですけれども、今の、例えば10ページのデータを踏まえると、もしM2M9を入れるのであれば27ぐらい、あるいは圃場Bだと10ぐらいの値になると思うのですけれども、2710という値から幾つの値が出るのかなと思います。30に、同じようになるのかなと。入れる、入れないというのはまた別問題になってしまいますけれども。

○大野部会長 そういう意味だと、前に30と決めたのが、最大残留量の本当のぎりぎりのところで決めたということですね。それは、前はEDI試算でたしか70ぐらいいっていたのではないかと思いますけれども、それを今回精密にいろいろ残留データあるのを入れていったら50に適格に下がったということで、前回はぎりぎりだったので、お茶のところをその値にしたのですかね。それ以上やると超えてしまう可能性があるというので。

 それで、実際使用している上では、この30という値で、そういう基準値案で問題なかった、特に違反事例というのは出てなかったのですかね。適切に使用できたと。そうするとこれを、普通だったらもっとふやす必要があるわけですけれども。23倍にすると。

○事務局 現行の基準値30において、特段、違反事例等、問題出てはおりませんので、この基準値で問題ないと考えております。

○大野部会長 ありがとうございます。

それでは、まとめさせていただくと、現在、茶については、残留データから見るときついような印象がありますけれども、その値で特に問題なく運用できたということ。それから、茶について、M2M9が結構出ていたのですけれども、それについて測定対象物質に入れなかったということは、農産物中のM2M9が出たのはごく一部であるということ。それから、毒性学的に見て、構造的に見て、その毒性は親化合物と比べて特に強くなるということはないだろうと。それと比べて弱いと思われるということ。そういうことを総合的に考えて、測定対象物質は、農産物については親化合物とM1だけということでよろしいでしょうか。

○斉藤委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。それで、お茶への残留基準については、そういうことで、今まで、特に行政上問題なく運用できていたということですので、30のままとすると。若干、EDI比で余裕が出ましたけれども、変えないということでいってよろしいですかね。

 ありがとうございます。今度、分析方法と分析結果、そのあたりについてはいかがでしょうか。5回目ということで、でも、新たに気がつくところございますので、御意見を伺いたいと思います。

 よろしいですか。

 それでは、今、基準値について若干先走って審議していただきましたけれども、そのほかの基準値も含めて、先生方、御意見ございますでしょうか。

 佐藤先生、お願いします。

○佐藤委員 別紙2ですけれども、16ページです。その他のかんきつ類果実、これはなつみかんの果実全体参照にしないと基準2が入らないと思いますけれども、これはコメントに出したかと思います。

○事務局 「なつみかんの果実全体参照」に訂正いたします。

○大野部会長 ありがとうございます。ほか、ございますでしょうか。

 それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。

○事務局 1点訂正がございます。19ページの別紙3のところにADI占有率の%が書かれているかと思いますが、部会報告書の9ページのADI占有率と若干数値が異なっております。9ページに書かれている数値が正しいので、そちらに統一させていただきます。

○大野部会長 そうすると、19ページには51.2と書いてありますが、51.5ということですね。国民平均では29.1、それから妊婦では27、高齢者では34.6

 ありがとうございます。ほかにございますか。

 それでは、幾つか修正していただきましたけれども、修正したものをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、農薬のテブフロキンについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料4-1をごらんください。

テブフロキンでございますが、今般の残留基準の検討については、農薬取締法に基づく適用拡大申請が行われたことに伴うものです。前回は平成24年の5月に一度御審議いただいておりまして、今回が2回目の審議となります。

1 番の概要ですが、本剤は、アシルオキシキノリン系の殺菌剤でして、ミトコンドリア電子伝達系を阻害することにより殺菌効果を示すと考えられております。化学名と構造式及び物性は記載したとおりです。

2ページ、2番の適用の範囲及び使用方法ですが、適用拡大となっているところを四角で囲っております。丸数字で言いますと4番と、それから3ページに行きまして、5番、こちらの2つの製剤が新たに追加となっておりまして、これに伴いまして、作物としてはお茶、大豆、はくさい、ねぎ、トマトに適用拡大となっております。

3番、作物残留試験です。まず分析対象の化合物はお示ししたとおりで、テブフロキンに加えて、代謝物のM1M2M3M4M8を分析しております。

分析法の概要につきましては4ページをごらんください。

それから、作残試験の結果ですけれども、別紙18ページに記載しております。網かけで記載しましたところが今回新たに追加で提出されたところになります。

5ページに戻っていただきまして、4番の魚介類への推定残留量ですが、こちらは前回から変更はございません。

6ページ、ADIの評価ですが、食品安全委員会によりまして、0.041mg/kg体重/dayと評価されております。こちらも従前の評価どおりです。

6番、諸外国における状況ですが、JMPRにおける毒性評価はされておりません。また、国際基準も設定されておらず、こちらに記載した主要国でも基準値は設定されておりません。

7番、基準値案です。まず、残留の規制対象としてはテブフロキン及び代謝物M1とさせていただいております。

 その理由ですが、代謝物M1は、水稲を含む各種の植物体内代謝試験において共通して10TRRを超えて検出され、急性経口毒性試験においても親化合物の毒性と同程度であったことから、残留の規制対象に含めております。

 一方で、作物残留試験においては代謝物M2M3M4及びM8の分析が行われておりまして、定量限界を超える残留が一部の作物に見られておりますが、その作物が一部に限られていることや、総じてM1に比べて残留量が少ないことから、規制対象には含めておりません。

 なお、食品安全委員会における評価におきましても、暴露評価対象物質としてテブフロキン及び代謝物M1を設定しております。

 なお、こちらは残留の観点から記載させていただきましたが、毒性の観点につきましても事前に専門の委員に御確認していただきました。その結果、毒性の観点からも規制対象はテブフロキンと代謝物M1でよいという御判断をいただいております。

その理由につきましては、まず残留が少ないこと、それからM2からM8までの代謝物が、M1が水酸化されて生じるものでありまして、その毒性はM1よりも低くなる、あるいは少なくとも毒性が高まることはないと推定されること、また、ラットの代謝試験などを見るとM2からM8が速やかに代謝されて消失しているということ、こういったことから、毒性の観点からも規制対象はこちらに記載したとおりで問題ないという御意見をいただいております。

 それから、基準値案は別紙29ページに記載のとおりです。大豆からお茶までを新たに設定しております。

 最後に、別紙3、暴露評価の結果ですが、記載いたしましたとおりで、ADI占有率としては最も高いのが幼小児及び高齢者で、12.7%となっております。

 答申(案)につきまして、13ページに記載のとおりです。

 説明は以上になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、また御審議をお願いいたします。

 化学名、化学構造について、いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないです。

○大野部会長 ありがとうございます。薬理作用のところはいかがでしょうか。

 ありがとうございます。

 体内動態、代謝物、それについていろいろ御説明ございましたけれども、それでよろしいでしょうか。

○吉成委員 今、御説明あったように、M1という加水分解物が動植物でできまして、その後も非常に複雑な代謝を受けますけれども、御説明のとおり、M1が毒性学的にも親化合物と同等かもしれないということ、それ以外はそれほど問題となるような代謝物でないということから、今回の案のとおりでよいのではないかなと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私も同じ意見で、残留するものは親化合物とM110%を超えるものはその2つだったかなと思います。このM2とかM3とか、そういうのもできていますけれども、若干検出もされますけれども、10%超えるものではないというところがございましたし、先ほど御説明がありましたように、毒性的にそれほど、少なくとも親化合物より強くなることはないだろうというお話でしたので、規制対象物質については親とM1でよろしいかなと思いました。

 今までのところも含めて、鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 毒性的にも記載のとおりで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

先生方、いかがでしょうか。今までのところについて、御意見ございますでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、分析方法、分析結果、そのあたりについていかがでしょうか。

 ありがとうございます。

それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。

最大暴露でも、幼小児、高齢者でADI比で12.7%ということで問題ないかなと思いますけれども、よろしいでしょうか。

ありがとうございます。それでは、全体を通して何か気がついたところ、ございますでしょうか。

よろしいですか。

それでは、これについては修正箇所はなかったですね。この事務局案をこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の農薬ですけれども、フルオルイミドについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、5剤目のフルオルイミドでございます。資料5-1をごらんください。本剤はりんごへの適用拡大申請と暫定基準の見直しに伴う基準値設定について御審議いただくものでございます。部会は初回となります。

 本剤は、殺菌剤として用いられ、その作用は胞子発芽時に働く酵素などのSH基と反応して、胞子発芽を阻害することにより殺菌効果を示すと言われております。

 続きまして適用の範囲及び使用方法についてですが、国内の使用方法については2ページに記載しておりまして、今回拡大申請が来ているりんごについては四角で囲って示しております。

 続きまして作物残留試験ですが、3ページをごらんください。分析対象としましては、親化合物、代謝物EFGINで、分析法については34ページに記載しております。

国内の作物残留試験につきましては、7ページの別紙1をごらんください。今回新たにりんごの作物残留試験が提出されておりまして、網かけで示しております。

 ページ戻るのですが、45ページにかけましてADIの評価について記載しておりまして、慢性毒性/発がん性併合試験による無毒性量から、ADI0.092mg/kg体重/dayと評価されております。

 その下の諸外国における状況につきましては、JMPRによる毒性評価はなされておらず、国際基準、主要5カ国、いずれも基準値は設定されておりません。

 続きまして6番の基準値案についてですが、一部の作物残留試験で代謝物Eの残留が認められているものの、親化合物と比較して残留が少ないことと、毒性が弱く、変異原性も陰性であることから、代謝物Eは規制対象から除く案としておりまして、その他の代謝物につきましてもほとんど残留が認められないということで、規制対象は親化合物のみとしております。

 食品安全委員会も、暴露評価対象は親化合物のみと評価しております。

基準値案につきましては、8ページから10ページに記載しておりまして、今回拡大申請のあった作物には、登録の有無の箇所に申請の「申」の字を記載して示しております。

 これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが11ページの別紙3でございまして、TMDI試算により、一番高い幼小児で23.3%のADI占有率となっております。

ここで訂正があるのですが、6ページの暴露評価の結果の数字に記載ミスがありましたので御報告いたします。まず国民平均ですが、10.3、幼小児が23.3、妊婦は6.3、高齢者は14.4となります。別紙3と同じものが入ります。

最後に答申(案)ですが、13ページに記載しております。

事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

これについて審議する前に、先生方にちょっと了解していただきたいところがございます。それは、事務局といろいろお話ししていたのですけれども、この物質は水の中で非常に不安定なのですね。半減期が5分以内ぐらいで分解してしまうものです。そういうデータが企業のデータに載っているのですけれども、えさに混ぜてこれを投与、毒性実験やっているのですけれども、えさの中でどのぐらい分解するかということに関しては、最初に送っていただいた資料の中には入っていませんでした。それで、えさの中でどのぐらい残留しているかというデータもなかったので、毒性試験での無毒性量が9.28と書いてございますけれども、それを評価した食品安全委員会が、えさの中で分解する可能性があるかということを踏まえてこの値を決められたのならいいですけれども、食品安全委員会の報告に特に記載がなかったので、そのことを食品安全委員会のほうに申し上げて、ちょっとチェックしていただきたいと思っています。

 そこで、それを踏まえて食品安全委員会のほうで、これと無毒性量については変える必要がないということでしたら、それに基づいてこちらで最終的な結論を出してもよろしいかと思うのですけれども、それが変わったということになると、また若干こちらでの審議にも影響与える可能性がございます。

 ということを踏まえて、今あるデータのもとで、この資料で先生方に御審議していただいてよろしいということで了解いただければ、食品安全委員会の報告に御意見伺って、変える必要がないということでしたらきょうの結論でそのままいく。もし変える必要があるということでしたらまた先生方に御審議していただくというようなことを前提に先生方にきょう御審議していただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 事務局、そういうことでよろしいですかね。

 ありがとうございます。それでは、これは初回審議ということですので、今までのやり方にしたがって御審議していただきたいと思います。

 まず、化学名、化学構造について、吉成先生、御意見をお願いいたします。

○吉成委員 特に問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。

それでは、薬理作用のところ、尾崎先生、いかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 体内動態、代謝物、そのあたりについてはいかがでしょうか。

○吉成委員 今、大野先生おっしゃられた加水分解、分解のことは知らなかったのですけれども、実際に動物でも非常に多くの代謝物といいますか、どちらかというとマレイミド骨格が分解する分解物が非常に多く見られていまして、ただ、ちょっと御説明があったとおり、ほとんど残留しないということと、構造的にも親化合物の毒性よりも強くなっているようなものがあるとは思えないということから、さまざまな代謝物が動植物でできますけれども、今回の案のとおりでよろしいのかなと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。残留するものとかそういったものを含めた考えというのは、私も吉成先生と同じでございます。ということで、フルオルイミドでよろしいのではないかと思いました。

 鰐渕先生、安全性の面でいかがでしょうか。

○鰐渕委員 結果的に毒性試験をしてもあまり強い遺伝毒性を含めたデータは得られていませんので、記載のとおりで結構だと思います。ただ、安定性のことを含めたデータはやはり食品安全委員会のほうに問い合わせておくほうがいいかなと思いますので。

○大野部会長 ありがとうございました。私も、安全性のところで、これはSHに反応して作用をあらわすということなので、大体SHに反応するものは不安定なものが多いので、気になってチェックしましたら、これはメチル基性がすごく強いのですね。それで、吸入毒性も結構強くて、そういう意味だと、これは劇物に相当するものなのですね。

今までのところで、先生方、御意見ございますでしょうか。

 それでは、分析方法と分析結果、そのあたりについて御意見伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 斉藤先生、お願いします。

○斉藤委員 この案を拝見させていただいた段階で特に問題ないと思っていたのですが、今、先生からの御意見で、水中で非常に不安定であるということを考えると、例えば3ページにあるように、クエン酸緩衝液とか加えて大丈夫だったのかなとふっと思ったのですけれども、添加回収とかのデータでこのあたりのこの分析法はちゃんと担保されていたのでしょうか。水系で抽出して大丈夫だったのでしょうか。

○大野部会長 比較的安定だったのではないかと思ったのですけれども、どうだったかな。pH4では、30分置くと31.2%に減るとなっています。非常に短期間で処理すれば大丈夫ということですね。pH7だと、30分ぐらいで2.3%になってしまうのですね。pH9では1%まで減衰すると書いてありました。

 ここのところ、どうしましょうか。事務局に確認していただくということにしましょうか。

○斉藤委員 添加回収試験結果を確認されたほうがよろしいかと思います。

○大野部会長 添加回収試験のプロトコールを先生に見ていただくということは必要ないでしょうか。

○斉藤委員 きちんとしたデータが出ていればそれで問題ないと思います。

○大野部会長 では、確認してくださるようお願いいたします。

○事務局 わかりました。

○大野部会長 ほかの先生方、いかがでしょうか。

 永山先生、お願いします。

○永山委員 添加回収率は確実に確認していただくことにして、基本的に内部標準物質全部加えていて、下のほうはd体加えていたりしていますので、代謝物系は恐らくもう大丈夫だろうと推測ができるのですが、それで補正されていると思うのですが、フルオルイミド自身のところがはっきりしないところがありますので、その辺やはり確認していただいたほうがよろしいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。では、確認をよろしくお願いいたします。

今までのところで、先生方、ほかにございますでしょうか。

それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについていかがでしょうか。

基準値はりんごと西洋なしとかきと茶、それについてしか設定されていませんけれども、特によろしいでしょうか。

それでは、そのほか、全体を通して御意見ございますでしょうか。

それでは、確認していただくところがあったということ、それから、暴露評価の値の表が変わったということ、それから、食品安全委員会のほうの御意見を伺って、その上で先生方にその結果をお知らせして、それで判断するということでいかがでしょうか。

分析方法のところは分析の先生に確認していただいて、よろしければそれで了承していただくと。食品安全委員会のほうについては、特に無毒性量とADIが変わらなければそのままで進める、もし変わった場合にはまたもう一度御審議していただくということでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは次の品目ですけれども、プロピコナゾールについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、プロピコナゾールについて説明させていただきます。資料6-1をごらんください。

 今回の残留基準の検討については、関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴い残留基準の設定要請がなされたこと、そして、食品の農薬等のポジリス制度導入時に新たに設定した暫定基準の見直しを含め、今回部会で御審議をいただくものです。部会の報告は初回です。

 概要です。プロピコナゾールはトリアゾール系の殺菌剤です。糸状菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロール生合成を阻害することで抗菌作用を示すと考えられています。

 化学名、構造式及び物性は記載のとおりです。

 ページ進んでいただきまして、2.適用の範囲及び使用方法です。2ページの(1)が国内での使用方法、3ページの(2)の1がアメリカでの使用方法、4ページの2EUでの使用方法となっております。

3 番、作物の残留試験です。分析対象の化合物をプロピコナゾール、代謝物Zとしており、国内、海外における分析法の概要は記載のとおりです。

作物残留試験の結果ですが、10ページの別紙1-1が国内のデータで、プロピコナゾール、親だけを分析したもの。11ページからの別紙1-2の米国のデータが総プロピコナゾールで分析を実施したもの、16ページの別紙1-3EUでプロピコナゾールだけを分析したものとなっております。

4 番の畜産物への推定残留量です。分析対象をプロピコナゾール、代謝物質Zとし、こちらについても、プロピコナゾール、総プロピコナゾールとそれぞれ分析が実施されております。

動物における飼養試験(家畜残留試験)は、5ページの(2)の1が乳牛における残留試験、6ページの2が産卵鶏における残留試験で、7ページの(3)ですが、乳牛と産卵鶏についてMTDBと各試験における投与量から組織中の推定残留量を求めたのが表3、表4となっております。

 ページ進みまして、5番のADIの評価です。食品安全委員会では、0.019mg/kg体重/dayと評価しております。ゴシック体の記載のところですが、発がん性試験において、雄のマウスで肝細胞腺腫及び肝細胞がんの発生頻度増加が認められたものの、遺伝毒性試験及びメカニズム試験の結果から、腫瘍の発生機序は遺伝毒性によるものとは考えがたく、評価に当たり閾値を設定することは可能であると考えられたと食品安全委員会では結論づけております。

6番、諸外国における状況です。2004年にJMPRにおける毒性評価が行われADIが設定されております。国際基準は小麦、バナナ等に設定されております。主要国地域における基準は記載のとおりでございます。

7番の基準値案です。残留の規制対象は、親化合物のプロピコナゾールとする案としております。代謝物Zは、その構造からトリアゾール系農薬であるプロピコナゾール特有の毒性の発現にかかわっているとは考えにくいこと。また、国際機関においては暴露評価は代謝物Zに変換される全ての代謝物としているものの、規制対象は農畜産物において親化合物のみとしていることから、親化合物のみを規制対象とする案としました。

 なお、食品安全委員会における食品健康影響評価においても、農産物及び畜産物中の暴露評価対象物質はプロピコナゾール(親化合物のみ)としています。

 これらを踏まえました基準値案が17ページからの別紙2でございます。

ここで1点修正がございます。小麦のところにアメリカの小麦の作物残留試験データを記載しているのですが、今回、小麦の基準は国内の基準をそのまま採用することとなっておりますので、こちらは消します。かわりにライ麦の基準のIT申請がなされていて、米国ではこの小麦のデータをもとに基準を設定していることから、ライ麦の箇所に米国の小麦のデータを記載して、最終報告書では修正させていただきます。

 また、17ページ一番下のみつばですけれども、こちら、本基準ですが、国内登録はなく、また、今後も登録の予定がないこと、諸外国でも残留基準が設定されていないことから、今回、基準を削除することとしております。

 これらを踏まえて暴露評価を行ったものが別紙320ページからになっております。ちょっと今回特殊な暴露評価を、あまり例のない暴露評価を行ったので説明させていただきますと、TMDI試算でADIの占有率が80%に収まることをまず確認して、そこで収まれば、そこからEDI試算には進まないのですが、今回、TMDI80%には収まっているのですが、コーデックスMRLを採用する食品で畜産物の臓器で残留値の高いものがございました。

食品安全委員会は、先ほどもお話ししたのですが、暴露評価対象物質は親のみとしており、摂取量の推定も親で問題ないと思われるのですが、JMPRでは規制は親、摂取量の推定は総プロピコナゾールで行うとしていることから、安全側に立って、特に畜産物ですが、推定残留量より高い値の総プロピコナゾールのSTMRで評価を行っております。

EDI試算でほかに農産物でも値は入っているものはございますが、基本は親化合物の評価でよいと思われますが、アメリカから提出されたデータが総プロピコナゾールのデータしかなく、ただ、総代謝物の暴露量をもとにMRLを設定しておりますので、過剰な評価ではありますが、安全側に立ってこのような暴露評価を行っております。

食品安全委員会では生体内の運命試験や作物試験の結果から、親化合物とともに代謝物も十分な暴露が得られているとは考えられていますが、ちょっと特殊な例だったのでこのような暴露評価を行いましたが、この辺も御意見をいただければと思います。

 こちらを踏まえまして、23ページ、24ページ、25ページが答申(案)となっております。

 なお、またこちらも訂正で申し訳ありません。23ページのたまねぎの基準がブランクになっているのですが、上に0.2がずれているので、こちらも最終報告では修正させていただきます。

本剤については平成171129日付の厚生労働省告示第499号により食品一般の成分規格7に食品に残留する量の限度、暫定基準が定められておりますが、今般、残留基準の見直しを行うことに伴い暫定基準は削除されます。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。それでは、順々に御審議いただきたいと思います。

化学名、化学構造、そのあたりについてはいかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 薬理作用のところはいかがでしょうか。

○尾崎委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

体内動態、代謝物、そのあたりについていかがでしょうか。

○吉成委員 今、御説明にも多少ありましたけれども、親化合物からの代謝が非常に複雑でして、植物、動物それぞれ異なるもの、植物特有の代謝物などもございます。ただ、実際、暴露評価、ではなくて、残留試験がほとんど行われておらず、代謝物Zという構造を見ると分かると思いますけれども、かなり分解の進んだ、かつ、必ずしもこのプロピコナゾールから由来するものではない、ほかの剤から由来する可能性のある非常に単純な代謝物で総プロピコナゾール残留をはかられているのが現状かと思います。

 ただ、代謝経路としては、特段、親化合物より非常に残留性が高くなるとか毒性が強くなる方向に行く代謝物はないのかなと思いまして、個人的には、この案のとおり、親化合物のみで規制していくということで仕方がないのかなと思っています。

 ただ、説明にもありましたように、暴露評価については一応代謝物Zを測ることで、これは必ずしも総残留にならない可能性もあるかとは思うのですけれども、安全側に立った評価も行われているということで、Zを含めたほうがいいのかという御意見、もしかしたらあるかもしれませんけれども、構造から考えて、今回、測定可能なプロピコナゾールのみを、いろいろ代謝物がありますけれども、親化合物だけを規制対象とするという案でよいのかなと考えています。

○大野部会長 ありがとうございます。代謝物のBについてはいかがですかね。Bがにんじんにちょっと残っていますね。

○吉成委員 そうですね。この後は、構造的には配糖体、抱合体、もともとの親化合物の水酸化体ですので、動物、植物ともに、抱合される後、このジオキソラン環でしたか、の環が切れるような、より曲線を増すような方向に代謝が進むと思いますので特に問題ないのかなと考えました。

○大野部会長 ありがとうございました。私も、にんじんだけで残留しているということで、残留量もそれほど多くないのでよろしいかなと思いました。

今までのところで、先生方から御意見ございますでしょうか。

それでは、安全性の面で、鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで、マウスで腫瘍の発生が認められていますけれども、一応設定できるような遺伝毒性はないということで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。先生方、いかがでしょうか。

よろしいですか。

それでは、分析方法、分析結果について御意見伺いたいと思います。いかがでしょうか。

根本先生、お願いします。

○根本委員 4ページの総プロピコナゾールの試験法での分析の対象となる化合物の書き方ですけれども、原案では、「プロピコナゾール及び分解により代謝物Zに変換されるジクロロ安息香酸を含む化合物」となっているのですけれども、単にジクロロ安息香酸と言ってしまうとちょっと範囲が曖昧で、いろんな、2-4以外のものがあったりするので、それが代謝物Zに変化されるとちょっと考えにくいと思いますので、ここの文章は例えば「プロピコナゾール及び分解により代謝物Zに変換される化合物」としてしまったらいいのではないかと思いました。

それと同様な記載が総プロピコナゾールの分析の部分に出てきまして、その4ページの下から2行目の部分も同じように、「ジクロロ安息香酸を含む化合物」となっていますが、それも同様に修正してはどうかなということと、畜産物の試験のほうで、5ページの中段からちょっと下、総プロピコナゾールというところで、ここにも2行目ぐらいに「硝酸で還流してジクロロ安息香酸を含む化合物」と記載が出てきますけれども、そこも全て同じような記載ぶりにしたらいかがかなと思ったのです。

○大野部会長 ありがとうございます。事務局のほうで聞き取れましたでしょうか。

○事務局 はい。ちょっと読み上げますね。「過マンガン酸カリウム・水酸化ナトリウム溶液で加熱還流してプロピコナゾール及び分解により代謝物Zに変換される化合物を代謝物Zに変換する」という文章になると思うのですが、代謝物がいっぱい続くのですけれども。

○大野部会長 根本先生、そういう表現でよろしいですか。

○根本委員 代謝物Zに変換される代謝物Zということで、ちょっとその辺違和感あることはあるのですけれども、国際機関での表現も「代謝物Zに変換される全ての代謝物」というような言い方をしているので、そういう書き方でやむを得ないかなとは思ったのです。

○大野部会長 ほかの先生、いかがでしょうか、これについて。

よろしいですか。

ありがとうございます。ほかに、分析方法、分析結果のところについて御意見ございますでしょうか。

それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについていかがでしょうか。先ほど事務局から、これについて特に御意見伺いたいというところがございましたけれども。

規制対象物質は親化合物だけれども、暴露評価は、肉類、畜産物についてはZに変換される全ての代謝物を含むと。それを含んだ設定がアメリカのほうでなされていると。それと同じように暴露評価を行ったということだと思いますけれども、御意見ございますでしょうか。

それでは、この物質についてはこういうやり方で暴露評価するということでよろしいでしょうか。

ありがとうございます。事務局のほうで、特にこれについてさらにもうちょっと御意見伺いたいというところございますでしょうか。

○事務局 いいえ、特にございません。どうもありがとうございます。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。

これはこの部会では初回ですね。宮井先生のほうからは特に使用方法とかそういったものについて御意見ございませんでしたか。

○事務局 はい。特にございませんでした。

○大野部会長 ほかに、先生方、御意見ございますか。

それでは、これについては分析方法について修正が入りました。それから、別紙2について若干修正がございました。その修正したものをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。

それでは、次の品目ですけれども、ベンチアバリカルブイソプロピルについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料7-1、ベンチアバリカルブイソプロピルについて御説明させていただきます。

ベンチバリカルブイソプロピルは今回5回目の審議となりまして、前回は平成252月に御審議いただいております。農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準設定依頼、それからインポートトレランスによる基準設定依頼があったことから御審議をお願いするものでございます。

本剤は殺菌剤で、細胞膜の主要構成成分であるホスファチジルコリンの生合成阻害により、殺菌効果を示すものと考えられています。

2 ページをごらんいただきまして、適用の範囲及び使用方法でございます。こちらは、4ページにございますいちじく、いちご、ブロッコリについて適用拡大申請がなされております。また、インポートトレランス申請につきましては、韓国のばれいしょととうがらしの使用方法を記載しております。

続いて作物残留試験をごらんください。今回適用拡大申請のあった作物につきましては、ベンチアバリカルブイソプロピル本体のみを分析しております。また、とうがらしにつきましては、ベンチアバリカルブイソプロピルとその立体異性体であります原体混在物、それから代謝物M-3を分析しております。作物残留試験結果につきましては、8ページより別紙1-1及び1-2に記載しております。

6 ページに戻っていただきましてADIの評価についてでございますけれども、こちらは前回の食品安全委員会の評価から変更はございません。また、諸外国における状況につきましても、前回の部会と特に変更はございません。

次の7ページですけれども、規制対象につきましても、特に前回の部会から変更はございません。

10 ページの別紙2に基準値案を示しております。ばれいしょにつきましては、韓国の作物残留試験での定量下限値0.01ppm未満の結果によりまして、0.05ppmという基準を参照するよう依頼がございましたけれども、韓国における残留試験データのクロマトグラムのほうを確認いたしますと、日本と同様に、0.005ppmまで検出可能であると考えられますので、かつ、ピークの痕跡も認められなかったことから、現行の日本の残留試験結果をもとにした基準を据え置く案とさせていただきました。また、韓国ではとうがらしの残留データによりピーマンにも基準を設定しておりまして、ピーマンへの基準設定の依頼もございましたけれども、マイナー作物からメジャー作物への基準設定になることから、ピーマンには基準を設定しておりません。

この基準値案により暴露評価を行いまして、結果を次の11ページの別紙3に示しております。TMDI試算によりまして、最も高い幼小児のADI占有率は8.8%となっております。

14 ページが答申(案)となります。

事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いします。

○大野部会長 ありがとうございます。5回目の審議ということでございます。一応確認していただきたいと思います。

化学名、化学構造、物性、そのあたりについて、よろしいでしょうか。

○吉成委員 特に問題ないのですけれども、若干、もし可能でしたら、構造式の図を御修正いただければと思います。というのは、後で原体の立体異性体S-Lというのと親化合物の立体をきちんと区別するのに、口頭では場所を言いにくいのですけれども、立体を示している箇所が2カ所あるのですけれども、そこの線をもうちょっとはっきりさせていただいたほうがいいかなと思いました。

○大野部会長 出っ張っているくさびのところですか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 これはケミドローで書いていただいたということを聞いているのですけれども。

○事務局 5ページの原体混在物のほうに立体異性がわかりづらいと思いますので、こちらのほうを修正させていただきます。

○大野部会長 それを修正すればよろしいですか。

○吉成委員 済みません。混在物って、立体規定されているのですか。

されていますね。済みません。では、そちらも含めてですね。混在物を直されるのであれば親化合物も直せると思いますので、両方くっきりと書いていただければと思います。

○事務局 直します。

○大野部会長 ありがとうございます。随分環構造がきれいになったなと思っていたのですけれども、では、立体線のところはもうちょっとわかりやすく修正してくださるようお願いいたします。

それでは、薬理作用のところはこのままでよろしいでしょうか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

代謝のところも、特にデータは今までと変わったものはないと思いますけれども、よろしいでしょうか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。私も特に意見はございません。

それでは、安全性の面で、鰐渕先生、何かございますでしょうか。

○鰐渕委員 特に変わりないです。

○大野部会長 ありがとうございます。

それでは、分析方法、分析結果について、ございますでしょうか。

○斉藤委員 特にございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

根本先生、お願いします。

○根本委員 済みません。細かいことで恐縮ですけれども、代謝物M-3については、代謝物M-3抱合体と一緒にはかっているのかなと思いますので、4ページの分析対象化合物の一番下の「代謝物M-3をいう」というところで、例えば抱合体を含むというような、何か抱合体もはかっているのだということが分かるような記載があったらいいのではないかと思いました。

○大野部会長 どこが。

○根本委員 5ページで、真ん中からちょっと下のiii)で「代謝物M-3及び代謝物M-3抱合体」というふうに抱合体もはかっているということなので。

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのように修正をお願いいたします。

○事務局 済みません。この点ですけれども、これは海外のほう、6ページの一番頭のところですけれども、2%酢酸の混液で抽出して、凝固法で処理したもので代謝物M-3もはかっているのですね。こちらのほうは代謝物の抱合体は含まれていないと思ったのですけれども。

○根本委員 少なくとも国内のほうでは代謝物M-3抱合体と分析対象化合物がなっているので、併記されるか何かされたらいいかなと思います。

○大野部会長 では、海外のところは代謝物M-3だけでよろしい。抱合体と書かなくていいですか。

○根本委員 そうですね。国内のほうには抱合体と書かれていますので、海外のほうはないようですので、少なくとも国内の試験法では抱合体をM-3に関しては含んでいるだろうと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生、いかがでしょうか。

よろしいですか。

それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。韓国のインポートトレランス申請についていろいろ判断が事務局で行われましたけれども、それも含めて御意見伺いたいと思います。

よろしいですか。

それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。

ありがとうございます。それでは、これについては分析対象の化合物についての表現に若干追記がございましたけれども、その追記したものをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、本日の最後の農薬の審議でございますけれども、ペンチオピラドについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは8剤目、ペンチオピラドでございます。資料8-1をごらんください。

 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。

 なお、前回は平成259月の部会で審議が行われておりまして、今回、4回目の審議でございます。

まず1.概要でございます。本剤はボスカリドアニリド系殺菌剤です。

化学名、構造式及び物性につきましては記載のとおりでございます。

 次のページ、2.適用の範囲及び使用方法でございます。今回適用拡大申請がなされたブロッコリー、にら、かんきつ、小核果粒について、ブロッコリー及び小核果粒につきましては、使用時期について、それまで収穫3日前までとしていたものが、前日までに変更になっております。また、かんきつ及びにらにつきましては、適用作物が拡大になったものとして四角で囲んでございます。

 続きまして12ページ、3.作物残留試験についてです。分析対象化合物としてペンチオピラドについて分析が行われております。

分析法の概要については、前回御審議いただいた内容と変更はございません。

12ページ下、4.畜産物への推定残留量についてです。本剤に関してはJMPRにおいて評価がなされており、畜産物等におけるコーデックス基準が設定されております。分析対象化合物は、ペンチオピラド及び代謝物PAMとしております。分析の概要は記載のとおりでございます。

 乳牛及び産卵鶏において残留試験が実施されており、これらを踏まえて推定残留量を算定したのが表3及び4でございます。

 続きまして15ページ、5ADIの評価についてです。ADI0.081mg/kg体重/dayという評価となっております。この値は前回の部会で御審議いただいたときと変更はございません。

6.諸外国における状況でございますが、JMPRにおいて評価がなされており、国際基準も、麦類、豆類等に設定されております。また、米国、EUにおいて記載のとおりの基準値が設定されております。

これらを踏まえまして、7.基準値案でございます。残留の規制対象を、農作物にあってはペンチオピラドのみとし、畜産物にあってはコーデックス基準の規制対象を準用して、ペンチオピラド及び代謝物PAMとする案としております。

 食品安全委員会におきましても、農作物中の暴露評価対象物質をペンチオピラドと評価しており、これらの内容につきましても、前回御審議いただいた内容と変更はございません。

 基準値案でございますが、26ページ、別紙2をごらんください。作物残留試験成績に基づき登録有無欄に、申請の「申」と記載しております食品について適用拡大申請がなされております。その他、らっかせい、てんさい及び畜産物においてコーデックス基準を採用する案としております。

これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが29ページの別紙3でございます。EDI試算によりまして一番高い幼小児で21.0%のADI占有率となっております。

 最後のページが答申(案)となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。4回目の審議ということでございますけれども、形を追って審議していただきたいと思います。

それでは、化学名、構造式、物性、そのあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ありません。

○大野部会長 ありがとうございます。

薬理作用のところはいかがでしょうか。

○尾崎委員 結構です。

○大野部会長 ありがとうございます。

代謝、代謝物についてはいかがでしょうか。

○吉成委員 案のとおりで結構だと思います。PAMという代謝物が測定されていますが、これは動物に比較的出る代謝物でして、それで残留試験も行われているということで、このままでよいのではないかと思います。

○大野部会長 どうもありがとうございました。私も特に修正はございません。

安全性の面については、鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 特に変わりないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

今までのところについて、先生方、御意見ございますでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、分析方法と分析結果、そのあたりについてはいかがでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。

 随分たくさんのものについて基準値設定されているけれども、実際に残留基準からするとADIとの関係でかなり余裕があるということですね。

 全体を通して、先生方、御意見ございますでしょうか。

 石井先生、お願いします。

○石井委員 27ページの適用させる作物なのですけれども、真ん中辺にみかんとなつみかんの果実全体とレモンとかの項目があるのですが、この場合、その他のかんきつのすだちとかかぼすというのをレモンとかオレンジとかグレープフルーツに適用させているのは、より小さいものの残留値を大きいものの果実に適用させていいということでやっていたのでしょうか。

○大野部会長 26ページですか。

○石井委員 27ページの別紙2の真ん中あたりですけれども、すだち、かぼすの値をレモン、オレンジ、グレープフルーツに適用させて基準値を今回設定しているのですが、実際、表面積が結局大きくなるのですかね。重量割合で言うと。そういった残留値をこの大きいものに対して適用させているというやり方で決めていくのでしたっけという質問なのですが。

○大野部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。

○事務局 かんきつ類に関しましては、実が大きいものと小さいものの作物残留試験データに基づいてグループで設定しているかと思うのですが。

○山内委員 推測ですが、なつみかんの作物残留データを他の果実にあてはめると、2ppmが導き出されるのですが、カボス・スダチのデータをもってくると、理論的に3ppmになります。このため、余裕をもって3ppmにするのがよいと判断したのではないかと考えます。

○石井委員 最初に審議あったエチプロールという剤については、同じ科目の中でエチプロールの8ページ目ですけれども、なつみかんの果実全体を小さいものに適用させているのですね。今のなつみかん全体をほかのに適用させるか、かぼす、かんきつを逆にほかのものに適用させるか、23ですごく寄与率が違ってくると思うのですね。そこが何か一定のルールでされているのか、今、山内先生おっしゃったように、余裕を持ってどちらかを選んでやるというルールで基準設定されているのかどうなのかあと思いまして。

○大野部会長 先ほどの韓国のインポートトレランスのときには、とうがらしで基準値設定あって、韓国ではピーマンについても設定してほしいという依頼があったけれども、マイナーな作物に基づいて設定するのは今までと違うということで、ピーマンについては入れなかったということもございましたね。そういう今までの考え方の問題だと思うのですけれども、事務局のほう、いかがですかね。

○事務局 先ほどちょっと説明させていただいたのですが、かんきつ類に関しては大きい実の作物残留試験と小さい実の作物残留試験が提出されておりまして、それをグループで設定しているのですが、その中で一番大きい残留値を示している小さい実のもの、すだち、かぼすの基準値をグループ内のものに設定しているというところです。山内先生の御説明のとおりでございます。

○大野部会長 ありがとうございます。石井先生、いかがでしょうか。

○石井委員 わかりました。残留値の大きいものをほかに適用させて安全を見ているということですね。

○事務局 そのとおりです。

○大野部会長 基本的な考え方としては、もしかんきつ類がないとしたら、なつみかんのデータを採用するということになるのですかね。なつみかんで2になると。でも、その他のかんきつでデータが高かったので、それをこの場合採用したと、そういうことでよろしいですね。

○事務局 グループで置く場合は大きい実のものと小さい実のものが必要なので、片方しかない場合はもう片方は置くことができないという状況になるかと思います。

○大野部会長 大きなものと小さいものがあった場合には、ないものについては高いほうの値を基準にしてやるということですかね。

○事務局 そのとおりです。

○農林水産省 済みません。農水省から少し補足させていただいてよろしいですか。

○大野部会長 お願いいたします。

○農林水産省 今回の場合、登録作物が、みかんとかなつみかんとか、個別にかんきつとなっているので、このかんきつで登録する場合はみかんと大きななつみかんの大粒のかんきつ、それとかぼす、すだちのような小粒のかんきつとそれぞれデータを持ってないと、それで使用方法が同じ場合だけかんきつという登録ができるということになります。ですので、使用方法としてかんきつと出されている場合はその3種類が必ずデータがあります。

この基準値が分かれている理由ですけれども、今回、確かにエチプロールと、あとスピロメシフェンとペンチオピラド、少しずつ違うところがあると思うのですけれども、従来はみかんは果肉だけを対象に基準値を設定しているので、みかんは特別に違う数字が必ず大体立っていまして、それ以外のものについては、作残試験があるところはその値を持って基準値を入れて、それ以外のところは高いほうを入れているというのがこのペンチオピラドの考え方だと思います。

 逆に、エチプロールの場合は、なつみかんが全てに入っているのは、一番高いものを全てに入れてしまうと。レモンからその他のかんきつまでですね。という考え方をとられているのだと思います。なので、こちらは厚生労働省の考え方になるのですけれども、どちらかに整理していただくというのが1つだと思いますし、グループで登録されているのでということであれば、その範囲内は1つの基準値というのが確かに一つの考え方としてはあると思います。

 エチプロールは多分一番高いところをとっていますので、ペンチオピラドの場合は、なつみかんとかぼす、すだちでそれぞれ基準をつくると、なつみかんだけのデータでいくと2、かぼす、すだちでいくと3になるのに、なつみかんだけ2を置いていますけれども、先ほど石井先生から御指摘あったエチプロールのほうはなつみかんを全てに適用してしまっているので、一番高いのをその他のかんきつ類果実まで全部適用しているのですね。そこに確かにずれはあると思います。

今までの考え方、従来、ペンチオピラドのようにやっていたのですが、最近はエチプロールのような考え方でやるというお話があったのかなと私思ってこのエチプロールを見ていたのですけれども、こちらのところだけちょっとそごがあると思いますので、厚労省さんのほうで一応確認していただければなと思います。登録の際は、その3種類のデータがあるのは間違いありませんので、必ずそれを全て見て基準値を設定していただいております。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、事務局のほうでちょっと確認していただくということですけれども、とりあえずこの場では、今、説明で、その他のかんきつ類についてのデータをもとに、ほかのレモン、オレンジ、グレープフルーツについて設定したと。その考え方は、そちらのほうが高かったのでそれを採用したということで、石井先生、よろしいですか。

○石井委員 はい。

○大野部会長 ほかの先生、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。それでは、これについては、修正は特になかったかと思いますね。事務局案をもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、本日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 では、こちらの分科会における取扱いについて記載されております一枚紙をごらんください。

 平成2233日に了解されました「食品衛生分科会における確認事項」に基づきまして、本日の部会で御審議いただいた農薬8剤についての分科会での取扱い原案を御用意させていただいております。

 フルオルイミド、プロピコナゾールにつきましては、既に設定されている残留基準の一部改正に該当しますことから、区分3とする案といたしました。

 エチプロール、エポキシコナゾール、スピロメシフェン、テブフロキン、ベンチアバリカルブイソプロピル、ベンチオピラドにつきましては、食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4とする案とさせていただいております。

○大野部会長 ありがとうございました。ただいま説明していただいた分科会での取扱い原案について、御質問、御意見ございますでしょうか。

 根本先生、お願いします。

○根本委員 教えていただきたいのですけれども、エポキシコナゾールは、今回初回審議で暫定基準の見直しということだったと思うのですが、そうすると区分3になるのかなと思っていたのですけれども、何か理由があるのでしょうか。必ずしも初回審議だからといって区分3になるとは限らないという、よくわからなかったものですから。済みません。

○事務局 済みません。失礼いたしました。区分3とさせていただきたいと思います。

○大野部会長 根本先生、ありがとうございます。

 前回、薬事分科会のときに結構シビアな議論がございまして、区分が違うと、それについて部会長が承認したのはおかしいというような感じのことがございまして、そのあれを分科会長が認めたのもおかしいということで大分厳しい議論がございました。そういった形で、これについても先生方が見ていただいて問題のところを指摘していただけると非常にありがたいので、よろしくお願いいたします。

ほかに何かございますでしょうか。

 それでは、エポキシコナゾールについては分類を3に移すということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのように事務局で手続していただきたいと思います。

 それでは、今後の手続について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 本日御審議いただきました農薬8剤につきましては、食品安全委員会からの通知を受けておりますことから、何品目か修正必要なものがございますが、御確認いただいた修正版をもって部会報告書とさせていただきます。

 それから、フルオルイミドについて、御提案のありましたとおり、食品安全委員会のほうに毒性試験の実際の試料中の濃度を確認するという点につきましては確認させていただきたいと思います。

 今後の手続につきましては、パブリックコメント、WHO通報、消費者庁協議等必要な手続を進める予定としております。

○大野部会長 ありがとうございます。

先ほどのフルオルイミドについては、食品安全委員会のほうの御意見を伺って、もしADIが変わるようだとまたこちらで審議していただかなくてはいけないので、そうなると、分科会のほうに、スケジュール的にはもしかしたら上げられないこともあるかもしれませんね。

 それでは、そういうことで御理解くださるようにお願いします。ほかに報告事項ございますでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、次回の予定を説明をお願いします。

○事務局 次回の部会の開催日程につきましては、平成261030日(木曜日)の午後を予定しております。出欠につきましては後日御確認させていただきます。また詳細につきましても、追って御連絡申し上げます。

 冒頭でお伝えしましたが、机上に配付しております委員必要事項連絡票は、会議終了後に係の者が回収いたしますので、机上に置いたままでお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

先生方におかれましても、御審議どうもありがとうございました。これで終了いたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921

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