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2014年9月29日 第14回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ

医政局医事課

○日時

平成26年9月29日(月)17:00~19:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第23会議室(6階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

○ 関係団体からの各要望事項について
○ その他

○議事

○山口座長 皆様おそろいのようですので、ただいまから第14回「チーム医療推進方策ワーキンググループ」を開催させていただきます。本日は御多忙のところを御参集いただきまして、ありがとうございます。

 それでは、まず事務局のほうから、委員の出席状況と資料の確認をお願いします。

○中田医事課長補佐 事務局の中田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。座ったままで失礼いたします。

 まず初めに、今回より新たに委員に就任された方の御紹介をさせていただきます。

 徳田委員にかわりまして、公益社団法人全日本病院協会の安藤高朗委員でございます。

 また、オブザーバーといたしまして、柏木オブザーバーにかわりまして、公益社団法人日本精神保健福祉協会の加藤雅江オブザーバーでございます。

 続きまして、委員の出欠状況でございます。

 本日は、栗原委員、玉城委員、市川委員、田口委員、堀内委員、森田委員から欠席の御連絡をいただいております。

 それでは、まず二川医政局長より挨拶をよろしくお願いいたします。

 なお、本日、二川医政局長は公務のため、途中で退席させていただきます。

○二川医政局長 医政局長の二川でございます。

 本日はお忙しい中、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。また、本日御出席をいただいている委員の皆様方におかれましては、チーム医療の推進はもとより、医療行政全般にわたりまして格別の御指導、御支援を賜っているところでございまして、この場をおかりして厚く御礼申し上げたいと思います。

 皆様御承知のとおり、さきの通常国会におきまして、医療介護総合確保推進法が成立いたしました。いろいろな内容を含んでおるものでございます。肝の部分は、地域包括ケアの構築といったところかと思いますけれども、いろいろな法律の内容、法律の改正をあわせて行っておりまして、このチーム医療推進方策検討ワーキンググループ、これもきょう、14回ということでございますので、ここ何年間かいろいろな関係者からの要望を踏まえて、いろいろな検討をし、一定の方向を出していただいてきたわけでございますけれども、そういったところで御議論いただいた内容が今回の医療介護確保推進法のほうにも何点か盛り込まれて、それが国会で成立をしたというところでございます。今後はそういったものにつきまして、きちんと行政として施行に向かって進めていくということでございます。

 それから、今回、これまでこのワーキンググループにおきましては、そういった法律改正にかかわるようなものを優先的に御議論いただいてきた。それがこういった法律に結実をしたということでございますけれども、法律にかかわらないような事項でいろいろな団体等々からの御要望も多数あるわけでございまして、そういった部分につきまして、今後はこれまでの優先課題が法律改正だったと思いますけれども、それ以外のものにつきまして、今後はこのワーキンググループにおきまして御検討を進めていただきたいと思っております。さまざまな課題があるかと思いますけれども、御専門の立場から忌憚のないところを御意見賜りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 簡単でございますけれども、冒頭の挨拶とさせていただきます。

○中田医事課長補佐 それでは、続きまして資料の確認をさせていただきたいと思います。

 お手元の資料でございますが、まず座席表、ワーキンググループの議事次第がございます。

 その裏にワーキンググループの開催要項がございまして、資料1は「各要望事項にかかる論点整理(案)について(法律改正に関わらない事項)」です。

 あと、1枚紙でございますが、資料2-1、こちらはチーム医療推進協議会のほうから出されました要望書です。

 また1枚紙でございますが、資料2-2。こちらは平成2511月の医事課長通知がございます。

 続きまして、参考資料でございますが、参考資料1といたしまして「医療介護総合確保推進法で措置された事項(チーム医療推進関係)」がございます。

 参考資料2でございますが、こちらは平成26年度の「医療従事者の業務範囲拡大に関する研究」という研究報告書がございます。

 参考資料3でございますが、こちらはチーム医療推進協議会から提出されております「チーム医療推進に関する要望事項」の資料がございます。

 最後、参考資料4でございますが、医薬食品局総務課長の「電子メール等による処方内容の電送等について」の通知がございます。

 資料としては以上です。落丁等ございましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。

 ここで、カメラはここまでとさせていただきたいと思います。

 以降、進行を山口座長にお願いしたいと思います。

(報道関係者退室)

○山口座長 それでは、前回のワーキンググループから約1年が経過しておりますが、今回のワーキンググループでは、まず、6月25日に公布されました「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」に関する事項について、事務局から御報告していただきます。その後、関係団体から提出いただいた要望事項のうち、まだ十分に議論されておりませんでした法律改正にかかわらない事項について、今日は御議論いただく予定をしております。

 医療介護総合確保推進法におきましては、このワーキンググループで御議論いただいた診療放射線技師、臨床検査技師の業務範囲の見直し等の内容が盛り込まれていますが、同法に盛り込まれた内容のうち、チーム医療の推進に関するものは、参考資料の1にその概要がまとめられています。

 また、診療放射線技師、臨床検査技師の業務範囲の見直しに伴う養成課程の見直し等につきましては、厚生労働科学研究費補助金を活用した研究が行われまして、その研究の結果については参考資料の2にまとめられています。

 それでは、まず事務局のほうから参考資料の1と参考資料の2をまとめて説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○中田医事課長補佐 事務局から参考資料1、2をあわせて御説明させていただきたいと思います。

 まず、お手元に参考資料1を御用意いただきたいと思います。医療介護総合確保推進法で措置されました事項につきまして、御報告申し上げます。

 1枚おめくりいただきたいと思います。まず、診療放射線技師の業務範囲の見直しということでございまして、先ほど座長からもお話がありましたとおり、これらの事項につきましては、既にこのワーキングでも御審議いただいている事項ですので、概要を御説明したいと思います。

 検討の背景にもございますとおり、医療現場におきまして抜針等、診療放射線技師の業務範囲に含まれていない行為につきまして、安全性を確保した上で診療放射線技師により相当程度実施されているという実態を踏まえまして、診療放射線技師の業務拡大について拡大する必要があるという背景を踏まえた改正が行われております。

 2の真ん中にございますとおり、今般、業務拡大する業務といたしましては、(i)にあります造影剤の血管内投与に関する業務。具体的にはCTMRI検査等におきまして、医師、看護師が静脈路を確保した上で静脈路に造影剤を接続する、また、造影剤自動注入器を用いて造影剤の投与を行う、造影剤投与終了後に静脈路の抜針及び止血を行う、こういった業務でございます。

 また(ii)にございます下部消化管検査に関する業務。こちら、具体的にはカテーテル挿入部を確認した上でのカテーテルの挿入や、挿入したカテーテルからの造影剤、空気の注入を行うことが位置づけられております。

 また(iii)画像誘導放射線治療における業務といたしまして、同様にカテーテル挿入部を確認した上でのカテーテルの挿入、また、空気の吸引、こういった業務が位置づけられております。

 これらにつきましては、平成27年4月1日の施行を予定しておりまして、後で参考資料2にて御説明する教育内容について、現在取りまとめを行っているところでございます。

 続きまして、次のページでございますが、それ以外に診療放射線技師におきまして、病院または診療所以外の場所、例えばエックス線検診車等でございますが、こちらでエックス線を照射するときは、医師、歯科医師の立ち会いが必要とされていたところでございますが、これにつきましては、25年度の厚労特別研究におきまして、診療放射線技師が医師または歯科医師の立ち会いがない状態での安全性について研究を行っております。

 その結果を踏まえまして、1にございますとおり、エックス線検診車で胸部エックス線を行う場合に、医師または歯科医師の立ち会いがなくても安全性の担保は十分に可能であることが示唆されております。

 また、エックス線撮影を伴う胃透視、乳房撮影につきましては、医行為に関する手技等の評価を行う必要があるということで、この調査研究での評価は困難であったということを踏まえまして、真ん中の2番目にございますとおり、胸部エックス線検査のためにエックス線を照射するときには、医師または歯科医師の立ち会いを求めないとするということで、こちらは公布日施行として実施しております。

 その際の留意事項といたしましては、下の4点にありますとおり、事前に責任者の明確な指示、連絡体制、緊急時のマニュアル、日常の管理体制、従事者の教育・研修等、こういったことを条件として実施することとなっております。

 次に、おめくりいただきまして、臨床検査技師の業務範囲の見直しでございます。

 現行におきましては、医師、歯科医師の具体的指示を受けて採血を行うことが認められているところでございますが、これにつきましては、血液を検体する検査におきまして、高い精度、迅速な処理を要求するため、臨床検査技師が採血、検査を一貫して行う必要がある場合に備えたものということで、採血行為それ自体は臨床検査技師の本来業務ではないというところでございましたが、今後の方針といたしまして、臨床検査技師が行う検査につきまして、その精度を高くするとともに迅速な処理を行う観点といたしまして、当該検査と一貫して行う必要がある場合が想定され、また、一定程度ルーチン化しているものについて検討の対象として検討といたしました。

 2番目の真ん中にございますとおり、具体的な行為の内容といたしましては、(i)にあるとおり、インフルエンザ等のための鼻腔拭い液、鼻咽頭拭い液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液等により検体を採取。また(ii)のとおり、細菌・真菌検査等のための表在組織から直接採取する、また、手足からの表皮を直接採取する、また、頭部ブラシ法により白癬菌等を採取する。また(iii)にありますとおり、糞便検査のためのスワブを用いた肛門部からの便の直接採取。こういったものにつきましては臨床検査技師の業務と位置づけることといたしまして、こちらにつきましても施行日は27年4月1日と予定しておりまして、これも参考資料2で御説明申し上げます教育内容につきましては、現在検討を進めているところでございます。

 これらの内容につきましては、現行の教育内容に配慮しながら追加研修を受講することを義務化するという方向で予定をしております。

 次のページでございますが、歯科衛生士法の改正につきましては、ここに記載のとおりでございます。具体的には、歯科衛生士が予防措置を実施する場合の歯科医師の関与の程度の見直しということで、法に定める「直接の」というものを削りまして、歯科衛生士はその業務に当たっては、歯科医師その他歯科医療関係者と密接な連携を図り、適正な歯科医医療の確保に努めること、また、法の条文中の「女子」の文言を「者」に改めました。このような改正を行ったところでございます。

 最後でございますが、特定行為に係る看護師の研修制度ということで、これらにつきましては別のワーキングで議論されたことでございますが、今回の法律改正を受けまして、特定行為に係る研修制度を今後推進していくということになっております。

 これらにつきましては施行日が2710月1日ということで、こちらはことしの9月から医道審議会の看護師特定行為・研修部会で議論を既に進めているところでございます。

 あわせて参考資料2のほうを簡単に御紹介したいと思います。

 参考資料1で診療放射線技師、臨床検査技師の業務拡大につきまして、具体的な教育内容を別途検討している旨御説明申し上げました。この内容につきましては、ここにございます東京大学の北村聖教授にお願いいたしまして、研究を進めております。

 1枚おめくりいただきまして、ここに概要を記載しております。この研究につきましては、有識者及び関係団体等の代表者から御参加を願いまして、内容を見直しております。

 まず、診療放射線技師につきまして、その養成課程における研修内容といたしましては、おめくりいただきまして、4ページ目でございますけれども、別表の1でございます。診療放射線技師の教育内容、教育目標といたしましては、今後、造影剤の血管内投与等、こういった新たな行為が入ってくることを踏まえまして、専門基礎分野につきましては、12から13単位への増。また、専門分野といたしまして、今後、造影剤投与に伴う危険因子を認識するとともに、アナフィラキシーなど重篤な合併症に対処するために、そういった研修を行うということで医療安全管理学を新たに1単位新設しまして、全体として95単位の増という案でございます。

 5ページ目以降は、それぞれの学校に必要な器具等を、これは既存のものはそのまま記載しておりますが、例えば、その次のページにございますとおり、教育用の自動体外式除細動器、人体模型、抜針・止血シミュレーション等々、そういった新たに必要となる器材については下線部のとおりでございまして、今後こういったものを追加していただく予定になっております。

 また、次の資料の別表3につきましては、既に免許を取られている方の追加講習カリキュラムということでございます。こちらにつきましては、大枠の一般目標といたしまして、診療放射線技師の責任業務範囲を理解した上での造影剤投与などを適切に行う行為ができる能力を身につけること、また、危険因子を認識してアナフィラキシー対策にしっかりと対応できる能力、また、医師または歯科医師の指示のもとで行われることを認識し、責任をもって対応する。こういう大目標がある中で、今回追加されるそれぞれの項目について必要な時間数を設けております。

 ここに記載のとおりでございますが、具体的には、それぞれの薬理または基礎的な解剖事項、または感染管理、医療安全対策を習得するとともに、一部シミュレーションも踏まえて研修するということでございまして、全体として16時限を予定しております。

 次のページは別表4、臨床検査技師の教育内容でございまして、これも診療放射線技師と同じように、学校・養成所に組み込むべき教育内容といたしまして、今回、微生物学的検査、味覚、嗅覚検査等が入ってくることを踏まえまして、その解剖薬理について人体の構造を7から8単位に増加。あと、同様に、検体採取に関して感染管理などに配慮してできる能力を身につける。あとは、合併症発生時に適切に対応できる能力ということで、医療安全管理学を新たに1単位増加しまして、全体として95単位にしております。

 次ページ以降、別表5については、先ほどと同じように、今回、追加業務に従いまして、学校で備えておくべき器具等を下線で追加しております。

 最終ページ、別表6につきましては、こちら、既に免許を取得された方の追加講習カリキュラムということで、この表の見方につきましては、先ほどの診療放射線技師と同様でございます。こちらもそれぞれに追加すべき項目について基本的な解剖学的な知識も含めた知識、また医療安全対策、また具体的なシミュレーションを踏まえて、全体として16時限を設けております。

 現在、法律事項にかかわるものにつきましてはこのような準備を進めておりまして、事務局といたしましても適切な施行に向けて引き続き準備を進めていきたいと考えております。

 簡単ですが、以上でございます。

○山口座長 ありがとうございました。

 事務局からの御説明について何か御質問はございますでしょうか。

○小森委員 1点よろしいですか。

○山口座長 どうぞ。

○小森委員 日本医師会の小森でございます。

 今まで13回の議論を踏まえまして、医療安全ということを根幹に、このような体制をみんなの合意の中で進めてきたということについては評価をしたいと思いますけれども、今の診療放射線技師の既に資格を持っていらっしゃる方の取得は義務ではないわけですが、そういったことのサーベイというか、研修の実態を今後調査をするということの体制、また、臨床検査技師の方に対する新しい手技等については義務化されているわけですが、そういうことも同時に、研修の実態、あるいはまた方向性を検討していくということが必要だと思いますけれども、そのあたりはどうなっていますか。

○中田医事課長補佐 御質問ありがとうございます。

 診療放射線技師につきましては、御指摘のとおり、義務にはなっていないのですが、今回の特に造影剤投与のような医療安全に関する部分、ここについては強い意見もございましたので、今後、事務局のほうでもこの研修の実態や今後のフォロー、どういったことができるのか、しっかり対応を考えていきたいと思っています。

 また、臨床検査技師につきましては、臨床検査技師会のほうとも相談させていただきまして、どういった方が研修を受けているのかということをしっかり把握できるようなシステムを今検討しておるところでございます。

○山口座長 よろしいでしょうか。

○小森委員 結構です。こういった問題は、医療の現場の安全、患者さんの健康を阻害することがないようにということが大前提ですので、事後のフォローといいますか、そのことを検証して、また次の議論のステップに上がっていくということが極めて大事ですので、そのあたりのことについてはぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

○山口座長 よろしいでしょうか。どうぞ。

○三塚委員 日本歯科医師会の三塚でございます。

 参考資料の1のところにあります医療介護総合確保のためのチーム医療推進関係の中に、歯科衛生士法の一部改正のものが出ております。ほかの改正のものは、例えば業務範囲の見直しとか、いわゆるチーム医療にかかわるものでありますが、歯科衛生士法の一部改正に関しましては、これは業務範囲の見直しとか、そういうものではありませんで、あくまでこれは歯科衛生士と歯科医師の関与の程度を見直したということなので、チーム医療の概念とはちょっとはずれたものだという認識を私どもはしております。特に歯科医師の職種の立場のチーム医療というのは、私も病院における医科歯科連携とか、入院患者とか施設における部分の医科歯科患者の口の中とか、食べる機能とかという問題がまだなかなか進まないという現実問題があります。

 そういったことを踏まえまして、この歯科衛生士法の一部改正を受けて、私どもはこれから内部の議論をもう少し進めていかなければいけないという考え方でおりますので、今回ここに載っけてきたものの中では、歯科衛生士法の一部改正はちょっと異質なものだと。変な言い方ですが、ちょっと違うものだというふうにとらえていただければありがたいと思っております。よろしくお願いします。

○山口座長 ありがとうございました。

 ほかにはよろしいでしょうか。

 それでは、ありがとうございました。

 それでは、続いて、きょうの議論は、まず最初に、資料2のほうからいきたいと思いますが、資料の2-2「理学療法士の名称の使用等について」をご覧ください。これは、昨年1127日に発出されました医事課長通知ですが、本ワーキンググループやチーム医療推進会議における議論を踏まえて作成されたものです。これに関連した形でチーム医療推進協議会より資料2-1の要望書が提出されております。ここでは、理学療法士のほかの医療関係職種についても同様の通知を発出してほしいとの要望書でございます。これについて、チーム医療推進協議会より同様の通知を発出する必要性も含め、簡単に御説明をお願いしたいと思います。ここに5協会から出ておりますけれども、まず最初に、日本義肢装具士協会から簡単に御説明をいただけないでしょうか。

○坂井参考人 日本義肢装具士協会の会長をしております坂井と申します。

 理学療法士の名称と類似して、義肢装具士が活躍する場は、医療・福祉を含めまして、今、スポーツ・レジャー、特に切断者のリハビリテーション及びその後のスポーツ活動に関しまして、義肢を製作するというケースがございます。ここら辺で、医師の処方に基づかない形で個別で対応するケースもふえております。そういったケースですとか、あるいは一般者向けの靴ですとかインソール、これは障害の予防という形にもなるのかもしれませんけれども、軽度の痛みですとか変形を持った一般の方々に対してのサービスということもございますので、そこら辺がクリアになるとよろしいかなというふうに思っております。

 以上でございます。

○山口座長 ありがとうございました。

 続いて、日本救急救命士協会からどなたかよろしくお願いします。

○鈴木参考人 日本救急救命士協会会長の鈴木でございます。

 本会からは、この名称に関してですが、昨今、救急救命士がマラソン救護や一次救命処置を地域に出て指導するような場面が多くなっております。そこで、救急救命士が近隣の市民が倒れたり、けがを負った場合などの救護に対して、診療の補助としての救急救命処置及びそれに含まれない応急処置や応急手当てを行うときであっても、救急救命士という名称を使用することは何ら問題ないということで、ぜひ皆さん方に御議論いただければということで要望をさせていただきました。

○山口座長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、日本言語聴覚士協会からよろしくお願いします。

○深浦参考人 日本言語聴覚士協会の深浦でございます。

 言語聴覚士は、法律の定義で音声機能、言語機能または聴覚に障害がある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者ということで、ここに理学療法士、作業療法士法のような医師の指示というのは確かに入っていないのでございます。ですが、定義では、障害のある者に対しての言語聴覚療法の提供ということに限定されております。今、予防事業等に私どもも参画をしており、障害が発生する恐れのある方々にも対応しておりますので、同じようなものを出していただければと思って提出したところでございます。よろしくお願いいたします。

○山口座長 ありがとうございました。

 それでは、続いて、日本作業療法士協会からお願いいたします。

○中村委員 日本作業療法士協会の中村でございます。

 昨年11月に日本作業療法士協会が、介護予防による調査をいたしました。37都道府県の各県市会から返信がありまして、介護予防、地域支援事業にかかわっている自治体が178という実績があります。その内訳が介護予防45、地域支援事業103、それから、忘れてはいけない災害に対する予防、対応がありますが、それに30事業かかわっているという実績があります。そのほかに、平成24年から25年に国がやりました地域市町村介護予防強化推進事業を13モデル地区でやったわけですが、その中に作業療法の役割といたしまして、やりにくい動作、やりにくい活動に対する支援、それから、環境調整等にそういう役割があるという、国の調査結果からも出ておりますので、PTと同様な取り扱いをやっていただけたらいいなと思いまして提案させていただきました。よろしくお願いします。

○山口座長 ありがとうございました。

 もう一方の日本視能訓練士協会の方は6時ごろにならないとお見えにならないということなので、お見えになりましたら御意見をいただきたいと思います。

 理学療法士についてこういう通知が出ましたけれども、同じような通知を出してほしいという要望でございますけれども、実態としてどうなのか、実際にもう行われていることは行われているという実態がありますし、これがなければやれないということでもない。今、やられている活動に制限があるということでもないとは思うのですが、御意見、どなたかございますでしょうか。どうぞ。

○小森委員 この問題は理学療法士さんのことで随分議論しましたので、繰り返すことはしたくありません。ただ、法との整合性等の観点について、事務局である程度整理をしておられると思うので、そこを事務局の意見をちょっと、その整備の状況を一回お伺いしたい。

○山口座長 じゃ、事務局のほうから。

○中田医事課長補佐 資料2-2をごらんいただければおわかりかとは思いますが、理学療法士からの御要望といたしまして、介護予防事業などにおいて、身体に障害のない者に対して転倒予防とか、診療のほうに該当しない範囲の業務を行うことがこれまであるという御要望があって、このように理学療法以外の業務を理学療法士がやる際にも、これまで、理学療法士と名乗るとその診療補助の業務内しかできないんじゃないかというような御意見があったんですけれども、そうじゃないということを明確化するという意味でこの25年度通知を発出したところでございます。これは、私どもとしては当然法の趣旨からいってできることだとは思うんですが、強い御要望があったので、こういった結果になっております。

 今回、25年の11月にこの通知を発出いたしまして、実際に現場でどういうふうに役立っているのかというのは、まだ私どもとしても御意見を聞いてはおりませんので、もし差し支えなければ、こういった効果についてもぜひここでちょっとディスカッションをしていただければありがたいなというふうに思っています。

○山口座長 今の事務局のほうからにつきまして、どなたか御発言がございますか。

○小森委員 以前から議論して、ある程度皆さんの合意を得た事項だというふうに理解をしております。さまざまな状況、特に特別な事例として3.11のような特殊な災害事例を初め、連日、また、国内のさまざまな場所においてさまざまな事象が行っているときに、それぞれの方が持っていらっしゃる専門職種としての技能、国民の方々、あるいはそこで被災をされた方々、あるいはまた健康に留意をし、努力していこうという方々に専門職としての技能を提供するというのは、これは当然のことであって、それを妨げるという気持ちは日本医師会としても全くございませんし、ぜひともにそれは推進してまいりたいというふうに思います。

 ただ、勘違いしてならないのは、それを業として行うというような事柄、それから、保険診療の一環として行うということとは全く別の事項であるということを整理をされてきたわけであります。理学療法士の通知についても、現行法上、このように名称を掲げるということ等については何ら問題がないということでありますし、また、その名称があることで、さまざまな御支援、あるいはまた援助、あるいはまたアドバイスを受けられる方々は、そのことによって安心感を得られるのであれば、それはそれで一向に差し支えないというふうに思っております。

 ただ、問題の整理を明確にしておくということが重要であるということについて合意をされた事項であると思いますし、ただ、どんな職種、じゃ、さまざまな職種、みんな同様の通知を本当に出す必要があるのかどうかというのは、これはちょっとまた皆さんとディスカッションをしていただければと。ここにお集まりになられた医療関係の職種ということ以外に、多くのそれぞれの修練を積まれた、さまざまな領域の専門職の方というのはいらっしゃるので、それを全部こうやって通知を出していくのか。そこら辺は多少の違和感はあるんですけれども、今申し上げたようなことで整理をされた上でのことだというふうに私は理解しておりますので、それぞれの専門職の方々がその技能、また専門職としての機能を提供していくということは大賛成ということです。

○山口座長 ありがとうございました。

 それぞれの専門職がこういう領域で活躍されることについて、何ら制限をかけるものではないということは改めて確認いただいたと思いますけれども、ということを通知でもう一度確認をしなければいけないかというところがもう一つの論点かと思います。今回、5つの協会から要望が出ていますけれども、じゃあという話を言い出すと、全ての協会が何となしに出ないとすっきりしないという話なのか、それとも、前回の通知が理学療法士等というふうになっていればよかった話なのか、なかなか難しいところかと思いますけれども、通知という形でぜひ出していただきたいということがどの程度必須なのか。あったほうがいいというのは何となしにわかるような気もしますけれども、いかがでございましょうか。どうぞ。

○中村委員 日本作業療法士協会の中村です。

 これがない以前にこの委員会で言われましたように、現実的にはいろいろなところで実施をしております。ですから、現場はできる現状にあると思うのですが、この通知が出たということで、PTはオッケー、通知がないところの職種はという、実はこういう事例が起きております。ですから、私としましては、全部に出すのかというところは少し違和感もあるのですが、やっぱり通知を出していただいたほうが仕事は大変やりやすいなというふうに思います。

○山口座長 もし現場でその通知の中に理学療法士しか載っていなかったがためにぎくしゃくする場面があったということになると、これを例えば、この5つをさらに追加して出すことによって、かえって載らなかった6つ以外の資格については、より明確にその通知のあるなしの影響が出てくるという恐れもあるのではないか、というふうに思いますが。

○中村委員 本当に言われるとおりなんですが、明らかにするということが大切なので、この領域でどういう仕事が必要なのかというところでは、ぜひ通知を出していただきたいというのと、現場を預かっておりますが、現場の中でも実はそういうことが起きております。これは書いていないでしょうと。これはお仕事なのですかというようなことが現場レベルでも若干の齟齬が起きております。本体とは全然違うところで変なところが起きているのも事実でございます。

○山口座長 もし追加の通知を出すとしても、それは特定のそれぞれの専門職を個別に挙げるという形ではなくて、もっとより包括的な形で出されないと、またかえって新しい弊害を生ずるようなことになるのかなと思うんですが、その辺はいかがでしょう。どうぞ。

○三塚委員 話を伺っていますと、全くおっしゃるとおりなんですけれども、事務局が、要するにこのチーム医療のあり方をどういうふうに持っていきたいのか。それに尽きると思うんですね。ですから、今後の方向性を先生方のおっしゃっているように、確かに通知なんか出してしまうとかえって足かせになる場合がかなり出てきますから、全体としてこのチーム医療の議論の仕方を事務局がどんなふうに考えているのか、ちょっと事務局の意見を聞きたいような気がするんですね。

○山口座長 どうぞ、事務局のほうから。

○中田医事課長補佐 今回、このチーム医療のワーキングは14回目ということで、これまで議論を積み重ねた実績がございます。その一つの実績として法律の改正事項は個別に対応しましたので、今回は積み残っているこれまでの要望をまず一回整理しなければいけないというふうに思っています。それが終わった後に、今後チーム医療をどういうふうにしていくのか。今回はかなり各論の個別の業務の業務シフトの議論が結構多かったんですけれども、本当の意味でのチーム医療というものもしっかり議論していく必要があるんじゃないかと思っていまして、今後の次のステップについては、また別途検討して進め方を考えていく必要があるというふうに思っています。

○山口座長 どうぞ。

○三塚委員 わかったんですが、先ほどの話の中に、例えば現場の問題とか、教育の問題とか、そういったいろいろなものが含まれてきて、やっとそこで方向性が決まると思うので、現場としてはこうなんだという意見が出ているじゃないですか、そういったことをどういうふうに事務局は考えながら進めていきたいのかということをちょっとお伺いしたい。

○中田医事課長補佐 当然、現場の方の御意見を非常に重要な意見としてそれを反映させていく方向性で考えております。例えば、次の議題にもございますとおり、資料1である法律事項にならない事項についても、まさに現場の教育が非常に問題であるとか、個別具体的な御要望もございますので、それらについて一つ一つ対応策を考えていくと。その中に今後行政として通知として対応すべきものもあるかもしれませんし、逆にこれは現場の努力でやっていくところもあると思いますので、そこは事務局でしっかりと整理したいというふうに思っています。したがいまして、今回の御要望につきましても、次、資料1で全体の議論がありますので、それはいずれにしても整理していかなければいけないことでございますから、その中で今回の名称使用の件についても一緒に結論をお諮りするという方法もあるのではないかなというふうに思っております。

○山口座長 どうぞ。

○中村委員 つけ加えますと、今回の通知は、僕は大変ありがたい通知だと思っています。障害だけではなくて、その予防に関することとか、そういう周辺のことに関して、我々専門領域がやれることがありますよということをうたっていただきましたので、大変感謝しています。そういう意味で、いろいろな職種がありますので、広げる方向でチーム医療を検討していただいてありがたいなと思っています。

 以上です。

○山口座長 ちょっとこういう意見も踏まえて、また資料1でこれから御議論いただきますけれども、そういうものの一つとして、より包括的な形で要望も含めて活躍しやすいような環境をどう整備していただくかということで、また事務局で検討いただくということでよろしいでしょうか。どうぞ。

○近森委員 私もチーム医療ワーキングで何回か皆さん方の御意見を聞いていて思うのは、各職種の医療専門職、そのプロとしての誇りだとか、そういうものが何か弱い感じがします。大事なことは、業として行わなければできるわけですから、それぐらいは自分たちで判断して、きちんと末端まで徹底させることが大事だと思います。

 例えば栄養士にしても、栄養士の視点で患者さんを見て、栄養評価をして、プランをつくって、それを先生に提案して、それを承諾してもらって、栄養学的に介入していく。これは単に先生方に栄養評価とプランという情報をあげているだけなんです。それを先生が承諾してくださって、食事箋で指示が出ます。ドクターの指示が。だけど、実際は、各医療専門職がみんなそれぞれの視点で患者を見て介入しているんです。だけど、医師の指示のもとにみんなやっている。そういうように、もうちょっと医療専門職が自分たちの専門分野に誇りを持って、そして、もう少しアクティブにやっていかないと、これからのチーム医療の進歩はありません。こういう通知が出て、うちは出してもらっていないから末端でいろいろトラブルが起こっているとか、そういうことは、業じゃないから俺たちもできるんだということで、それで済む話でしょう。そうじゃないですか。なんか悪いですが、日本医師会さんの顔色ばかり見て、おどおどしながらやっているという雰囲気、ものすごく僕は嫌なんですよね。みんな堂々と意見を出すべきじゃないでしょうか。

 以上。

○山口座長 なかなか厳しい御意見も出ましたけれども、そのことも含めて検討項目の一つとして、また事務局で考えていただいて、通知という形がいいのかどうかということも含めて御検討いただければということで。

 それでは、続いて、きょうのメインのテーマであります資料1のほうをごらんいただきたいと思います。資料1のほうが前回ワーキンググループで提出されたもので、各団体から出されました要望とそれに関する論点を整理したものです。まずこれにつきまして事務局のほうから補足説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○中田医事課長補佐 まず、お手元の資料1をご覧いただきたいと思います。こちらにつきましては、これまでのワーキンググループで宿題になっておりました事項でございまして、法律改正にかかわる事項は対応したのですが、それ以外のところを今後どうしていこうかというものでございます。私のほうで簡単に概要を御説明いたしまして、不足がありましたら、関係団体の方から追加で御説明いただければと思います。

 まず1ページ目の薬剤師会からの御要望ということで、調剤を行う際の処方箋の送付手段ということで、メール等を追加してはどうかというような御意見でございます。こちらにつきましては、参考資料4のほうで、医薬食品局総務課長通知によりまして電子メール等における処方内容の電送等についてはもう既に認められていることが示されておりますので、ここでの要望については既に対応済みというふうに理解しております。

 2ページ目以降でございますが、こちらからチーム医療推進協議会からの御要望ということで一覧にしてまとめております。

 まず要望事項1でございます。日本医療社会福祉協会からの御要望事項でございまして、こちらにつきましては、社会福祉の援助技術、相談支援体制の変更に伴う研修システムの支援ということで、これからも研修についてはいろいろ御意見は出てくるところではございますが、このように具体的にどういった支援を御要望されているのかというところが一つ論点になっております。

 また、同じく救急救命センターへの社会福祉士の配置、また、地域支援病院への選任配置ということで、どういったことを想定した配置基準を設けることを想定しているのかというのが今後論点になってくると思います。

 また、3番目にございます日本栄養士会の御要望といたしまして、こちらにつきましては、包括的指示に基づいた病棟における管理栄養士の業務拡大ということでございます。こちらにつきましては、既に右の論点にありますとおり、平成22年の通知におきまして、一般食においては包括的な指示でも業として行い得るとされておりますが、特別食についての栄養食事指導の判断、こちらについて診断に該当する可能性があるかどうかというところが一つ論点になっております。

 3ページ目の4番目も同様に栄養士会からの御要望でございまして、こちら、緩和ケア領域における業務拡大というものでございます。こちらにつきましても、緩和ケア領域、摂食機能療法領域におけます管理栄養士のかかわることにつきまして、現行でできるのか、そういったところもしっかりと確認しておく必要がございます。

 5番目の要望事項でございます。救急救命士協会でございますが、こちら、救命士の処置範囲拡大に伴う必要な追加教育の民間救急救命士への実施体制の確立と支援という御要望でございます。こちらにつきましては、具体的な内容についてどういったものかの確認が必要でございますが、こちら、特定行為の追加、これは救命士の特定行為の追加教育、講習の受講に関しましては、消防に所属する救命士に制限したものではないということで、民間救命士への追加教育・講習が必要と判断されるのであれば、そういったものにつきまして、都道府県メディカルコントロール協議会との調整を行うことで対応可能ではないかということでございますが、こちらにつきましても具体的な要望について確認する必要がございます。

 4ページ目、要望の6でございますが、日本言語聴覚士協会からいただいております包括指示に基づいた高次脳機能障害、失語、言語発達障害等々の評価に必要な検査の選択・解釈でございます。こちらにつきましても、検査の選択や解釈につきましてどういったものを想定しているのかということを確認することが前提でございますが、最終的に医師が診断を行うことを前提として言語聴覚士が所見をまとめて医師の診断の補助をすることは現行制度でも可能ではないかというふうにございます。

 7番目も同様に、包括指示に基づいた診療放射線技師との嚥下造影の実施ということで、こちらにつきましても、現行におきましても言語聴覚士、診療放射線技師が連携して造影検査を行うことは可能ではないかというふうに考えておりますが、これも具体的にどういった御要望かをお伺いする必要がございます。

 また、包括指示に基づいた嚥下訓練・摂食機能療法による食物形態ということも同様でございます。

 また、次のページ、5ページ目の日本作業療法士協会の御要望でございまして、包括指示による訪問リハビリテーション実施や複数職種による同時訪問ということの御要望がございますが、これもどういったリハビリを行うかは医師の判断にゆだねるところもございますので、こちらについても、どのような御要望でどういったものを想定しているのかという確認が必要でございます。

 また、同様に、包括的指示に基づいた福祉用具等の導入の適用、また環境整備の検討、適応訓練の実施、また、理学療法士協会からは理学療法士の病棟配置の推進ということでの御要望ですが、具体的な御要望内容については確認する必要があるというふうに考えています。

 また、6ページ、5ページ目からの続きでございますが、義肢装具や生活支援の選択も同様でございます。

 また、理学療法士協会からの訪問リハビリテーション事業所以外での主治医からの包括指示に基づいた訪問リハの実施ということで、こちらにつきましても、制度上どのような御要望かということでございまして、現在につきまして、主治医による診療情報提供だけでなく、訪問リハビリテーション事業所の医師による診療とリハビリテーションの指示がなければ介護報酬の対象とならないというようなところでの前提はございますが、こちらにつきましても御要望を確認させていただきたいと思います。

 また、14番目、臨床衛生検査技師会からの生理学的検査の追加ということでございまして、これにつきましては、先ほど御報告したとおり、味覚、嗅覚検査はもう追加しておりますので、これは対応済みということでございます。

 また、15番目につきまして、細胞検査士会からの細胞・組織標本に対する特殊染色の実施につきましても、具体的にどういった業務を御提案されているのかということを確認する必要があるというふうに考えています。

16番目、臨床工学技士会におきまして、カテーテル室への臨床工学技士、またペースメーカー植込み手術・交換時における定期フォローアップにおける臨床工学技士の配置や集中治療室への配置につきまして御要望がございますが、これも制度上どのように位置づけることを御要望しているのかということを確認する必要があるというふうに考えています。

 資料の説明につきましては以上でございまして、こちらも前回からワーキングに出ているものをそのまま活用させていただいていますので、このような記載になっております。

 以上でございます。

○山口座長 ありがとうございました。

 これまで出ていましたいろいろな要望をまとめていただきました。そして、現状としての問題点あるいは考え方についてもまとめていただきましたけれども、非常に多岐にわたりますので、きょうは、これについてそれぞれ追加することがあるのか、あるいはそれについて議論いただくところがあるのか、御自由に意見を出していただきまして、それを次回どういう方向に何をしなければいけないのか、まとめてゆきたいと思います。要望も、何を求めて、どうしたいのかというところが、わかるようでわからないものも多々あるように思いますので、それぞれ御要望をお出しいただいたところから御意見をいただいて、ご自由に御発言をいただきたいと思います。どこからでもよろしいですけれども、いかがでしょうか。どうぞ。

○松阪委員 臨床工学技士会から補足的な説明になるかわかりませんけれども、発言させていただきたいと思います。

 まず、臨床工学技士の業務というのは、平成22年のチーム医療推進に関する検討委員会の報告で、昭和63年当初施行時に健康政策局医事課長通知として都道府県に業務の内容について周知されております、臨床工学技士業務指針というのがございました。それに対して法制度が大体20年以上経過しているということと、職能団体、関連団体の実質的な取り組みによって医療技術の高度化に即した適切な業務が実施されていると、そういう判断があり、当初の業務指針の廃止も含めて、見直すべき時期がきているということが報告書として出されました。それによって関連団体と協力して臨床工学技士基本業務指針2010というのを公開となったわけで、それに伴い、医事課から平成2211月1日に63年度の業務指針の廃止というのが出されました。それによって新たな臨床工学技士基本業務指針2010が臨床工学技士の業務の基礎になっているところでございます。臨床工学技士業務については医療技術の進歩・変容に併せて関連学会との連携で適切に業務を管理して行くこと、としています。その中には、ペースメーカー、集中治療、そういうところの新たな分野が盛り込まれております。

 ここに書かせていただいた内容については、診療報酬というところにかかってくるかもわかりません。業務内容としては適正な業務であると認識しておりますが、まだまだ臨床の現場において技士の数が少ないというところもありますし、担う場としてそういうところに出ていっていないというところもございます。ですから、多くの施設のところに厚労省のほうからでも、そういう臨床工学技士の雇用も含めていろいろな面で御協力いただければと。それと、各団体の方にも認識を新たにしていただいて、業務の拡大というのを進めていきたいというふうに考え、ここに出させていただいた次第です。

○山口座長 ここに書かれていることは、既に2010年の指針でも可能ということが示されているということはいいわけですね。

○松阪委員 はい。

○山口座長 そうすると、それが可能にしてくれということではなくて、可能になっているんだから、そのことを広く広めてもらいたいということなんでしょうか。

○松阪委員 それと、集中治療に関しましては、本年、施設基準の中に臨床工学技士というのが盛り込まれるようになっております。そういうような面での診療報酬の中に特定、要するに施設基準として臨床工学技士というところをしっかりうたって、粛々と関連団体と進めていきたいというふうには考えております。

○山口座長 もう既に、例えばカテーテル室だとかペースメーカーとかいうのは、当然臨床工学技士を配置したいと思う病院は配置していると思うんですが、そうすると、例えばこのワーキンググループとしてどういうことをやることを技士会としては望まれているのでしょうか。

○松阪委員 ワーキングでこういう仕事をやっているということを認識もしていただきたいのも一つですし、それと、医事課のほうでも、業務の現状についてもさらに御理解をいただきたいということです。

○近森委員 臨床工学技士の法律は、女子医大の太田教授がアメリカの制度を導入してやっているので、皆さんの自由度はものすごく高いんですよ。だから、当然カテーテル室へのMEの配置を行っていますし、うちなんか、カテーテルの操作は医師とMEがやっています。夜中も休日もそれでやっています。ペースメーカーの外来フォローなんかも当然やっているし、あと、ICUなんかも急性期チームを10名から12名にふやして、24時間対応するようにしているし、重症病棟とERとオペ室の全ての心電図のモニタリングもしています。このようにMEというのはものすごくできるんですよ。できるんだから、それをこのワーキングで何をしてほしいと?それよりも、もっと臨床工学技士会でどんどんアピールすべきだと思います。業務をどんどん広げていくというのが大事であって、ワーキングで通知でも出してほしいとか、そういうことなんですか。

○松阪委員 特にペースメーカーに関しましてですけれども、一時、施設基準としてペースメーカーのところに臨床工学技士という名称が出たのですけれども、1年ですぐそれが消えてしまったという経緯があります。やはり今もなお、大きな病院ではいいんですけれども、臨床工学技士がペースメーカー等にかかわっているんですけれども、中小の病院になりますと、そういうところまで臨床工学技士の派遣といいますか、担当者が育成できないというところもあります。ですから、業者がどうしても入ってしまうというようなところがあり、そういうところを法でそういう認識を新たに進めていきたい。

○山口座長 ちょっと本筋のところが、業者を排除して技士を使ってもらいたいと、そういうことが論点では、ちょっとレベルが低いように思うんですけれども。

○取出委員 ソーシャルワーカーをしております取出と申します。

 臨床工学技士さんの業務ということでははっきり申し上げられないんですけれども、多分ほかの要望に関しても、先生方のおっしゃることはとてもよく先ほどからわかるんですけれども、それぞれが専門性が高い、それである程度の実績もあるとはいっても、日本全国、本当に高度医療から末端の医療まで、そのことが浸透して、ちゃんとチーム医療として実践できる環境になっているかといったところに多分たくさんの難しい点があって、1つは診療報酬で後押ししてほしいという思いがどうしてもついてしまうんですけれども、ここは診療報酬のことは議論しないということであれば、どうすればそれが広まっていくのかというところに少し光を当ててディスカッションしていかないと、多分この要望が隠れていってしまうような気もしまして、もう少し広まっていく、どう広まっていくためにとか、それをするためには何が足りないのかとかいうところを少し議論できるようなディスカッションにしていただけたほうが、今回の法律にかかわらない要望についてはいいような気がしました。

○山口座長 なかなか難しいところかと思うんですが、ワーキンググループとしては、恐らく、例えばこれを広めていくのに、あるいは理解をするのに、理解してもらうために、臨床工学技士会としては何をやっていて、そこのところでサポートが欲しいのはこれだというのを明らかにしてもらいたい。このワーキンググループが先頭に立って、これはこうやっていますよということを宣伝して回るという話にはならないと思うので、やはりそれぞれのグループとして自分たちの存在感をどうアピールしていくか。それを実際やる上で、サポートが欲しいのは何かと、そこまで絞り込んだ話をしていただけると、このワーキングでやれる内容がもうちょっと見えてくるのかなという感じが私はするのですが。

 どうぞ。

○小沼委員 この提案内容から考えると、どこの施設でも臨床工学技士がいて、カテーテル室があれば、ほとんど臨床工学技士が入っていると思います。臨床工学技士をカテーテル室に配置しなければならないとうたってほしいということなんでしょうか。この文章は事務局でおつくりになったのでしょうか。

○中田医事課長補佐 違います。

○小沼委員 要するに、集中治療室やカテーテル室には臨床工学技士を配置しなければならないというふうにしてほしいということなんでしょうか。

○松阪委員 今回、医療法改正で、診療報酬改正で、集中治療のところにおいては臨床工学技士が施設基準として入るようになったという経緯がございますので、これを、上の2つについては、実際、その場で、臨床の現場で従事しています。ですから、これを粛々と関係団体と施設基準に盛り込まれるような動きをさせていただきたいと思いますので、16番で書かれている内容については、チーム医療の中の提案として撤回といいますか、取り下げさせていただきます。

○山口座長 事務局。

○中田医事課長補佐 今回の御要望の御議論をお伺いさせていただきまして、確かにこういう臨床工学技士の方を今後広めていこうというのは、趣旨としてはよくわかるんですが、ここでのワーキングの一つの成果としては、我々が今やっている施策の中で、どうしてもこういったものが障害になるから、チーム医療をしたくてもできないというものについて、法律のものはやりましたけれども、今は法律以外の通知とかその他の制度のものを何かないかということをまず第一優先でやる必要があるのかなと思っています。したがいまして、こういうふうに配置とかPRしてほしいというのは、御要望としては十分理解はさせていただきますが、今回、それはメインのものからは一旦置いておいて、まずはそういうものを先に議論をしていただいたほうが効率的ではないかなというふうに思っています。

○山口座長 なかなか難しい。配置をもし義務づけるとなると、今度はないところを制限する話に当然つながりますので、そこはまたちょっと違う問題かなというふうに思いますが。

 どうぞ。

○近森委員 今は、医師・看護師だけで医療ができる時代じゃないんです。例えば心カテ、6名要りますよ。それを6名の医者でやるのか、医師2名と臨床工学技士とモニタリングを検査技師がやって、あと、看護師さんと放射線技師、このチームでやるかの違いなんです。どちらがドクターの生産性が高くて、労働環境がいいかということです。当然チームのほうがいいでしょう。心カテにMEさんを入れたほうがいいでしょう。これは当たり前のことです。これを夜中も休日も急性期の基幹病院はやらなければなりません。夜中も休みもどんどん6名の医者が呼ばれるのと、2名の医者で済むのと、全然違います。そういう時代になってきています。チームを心カテに入れていない病院は、わかっていない病院です。そして、だんだん患者を取られる病院です。だから、自信を持ってMEさんはやってほしいなと思います。

○松阪委員 今回の御提案ということでチーム医療に出させていただいた3つについては撤回させていただきます。

○山口座長 どうぞ。

○佐原参考人 私は1番と2番の要望を書かせていただいております日本医療社会福祉協会と言います。医療職が中心のチーム医療の中では異質な社会福祉士を基本としております病院にいる医療ソーシャルワーカーの団体です。医療ソーシャルワーカーは、今、医療の問題、医療と介護の一括法にもうたわれておりますように、医療と介護、医療から地域につなぐというところでは本当に重要な役割を担っていて、私たちの団体も昭和28年設立ですから、61年、医療の分野には存在をしておりますけれども、今の配置というのはここでは取り扱うというところのテーマではないようにはお伺いしましたが、少なくとも1番の研修に関しましては、今回、9月12日に発表されました地域における医療介護を総合的に確保するための基本的な方針の、17ページのところに都道府県単位での基金を充てて実施する事業の範囲の中に、おかげさまで医療ソーシャルワーカーというものも研修の知識の普及というところで対象にしていただきましたので、これはこの要望を出した後に、基金の研修というふうに入りましたから、これをうちの各県協会等々でも推進していくようには思っております。

 2番目の地域にかかわる我々の存在というところでは、在宅拠点事業担当、これもここに要望を出した後にこれはなくなっておりますので、在宅療養支援病院へのMSWの配置というのをうちの協会でも調査をしているんですが、大体7割弱しか在宅療養支援病院でもソーシャルワーカーが配置されていない病院があります。ですので、少なくとも経営者の、近森先生もいらっしゃいますけれども、経営者の判断で多いとか少ないとかいないとかということがない状況をまずは我々はつくって、医療から地域につなぐ病床機能分化・連携ということを考えたり、地域包括ケアを考えたり、意思決定支援で期待されていることを検討していくためには、やはりまず安定的に配置をしていただくという方法をどうしたらいいかということは御検討いただきたいし、その方法を何かアドバイスいただければ、私たちとしては、窓口がもともとが健康局であり、いろいろなところにかかわっている部分でもあるものですから、そこの、我々がまず存在するというところが安定的に行き着くためのところを少し要望したいというふうには思っております。それのかないそうなところということで、この2番を出させていただいたんですけれども、基本は、病院に50床に1名以上はせめて均等的に配置をして存在したいというふうには、常々診療報酬のほうでも要望させていただいているところです。

 以上です。

○山口座長 配置が望ましいということと、なければできないということはまた別のことだと思いますし、配置されていることを評価する診療報酬の話をし始めるときりがないと思うんですが。評価されれば、それはそれで一歩前進ということはあるんでしょうけれども、診療報酬の話をすると、全ての要望に診療報酬がついてこないといけないような話になってしまいませんか。もちろんそういうソーシャルワーカーがいたほうがいいことは、それについて異論を唱える人はどこにもないと思うんですが、それがなぜうまくいかないか。それなりのそれぞれ病院の悩みはあるんだというふうには思いますけれども、それを推進するのに、では、ワーキンググループとして何をしたらいいかということが、もう一つ別のテーマなのかなというふうに思うんですが。その辺の何か御要望はあるんでしょうか。じゃ、ワーキンググループとしてどうしたらいいかというのはどうですか。

○佐原参考人 1つは、こういうお話を厚労省の中で声高に話せるという機会がまずなかったものですから、正直、我々の配置基準自体がないというところでは、きょう、いろいろな方に聞いていただいて、一つうれしいというふうには思っております。

○山口座長 どうぞ。

○高本委員 ソーシャルワーカーについて、今、厚労省は何を一番大事にしているかというと、連携でしょう。選択と連携という大きな筋でいっているわけですよ。僕はソーシャルワーカーというのはそれをやるための非常に大事なポイントだと思うんですね。もっと自信を持って、我々しかやれないぞというぐらいのことを言ってもいいんじゃないかと思うんです。ここではチーム医療ということを話していますけれども、ここの多くのところに医師の包括的指示ということを書いてありますでしょう。これはよくも働くし、悪くも働くし、両方でありますよね。包括的指示があるから勝手にやるんだと。これはチーム医療でも何でもないわけです。そこで包括指示というのと同時に、本当にチームとしてちゃんとそこに医師が関与していないといかんのだろうと思うんです。

 近森先生の病院へ僕は行きましたら、近森先生が栄養士とカンファレンスをやって、それで方針が決まるんですよね。ああいうふうなことをやることがチーム医療であって、ただ包括的指示があるからチーム医療なんだというのは全くチーム医療でも何でもない。ただ勝手にやっているだけの話ですから、本当のチーム医療をここでやるために、私はソーシャルワーカーはすごくキーだと思うし、みんながそこでただ単に包括指示ということだけで満足しないで、ちゃんとカンファレンスをやる。多職種カンファレンスというのが出ていましたよね。あれは私も病院の中でやろうと思っていますけれども、多職種カンファレンスをちゃんとやらないといけない。そういうところにまでインセンティブをつければ、これはどんどん盛んになるし、ソーシャルワーカーはそのキーになるのではないかと思います。ここにいる皆さんは、もっとぜひ自信を持ってチーム医療をやるんだというつもりでやっていただければいいんじゃないかと思うんですけれども。

○山口座長 どうぞ。

○安藤委員 どうも済みません、きょう初めてなので申しわけないんですけれども、全日病なり四病協というのは、中小の民間病院も非常に多いグループでございまして、そうなると、最近の診療報酬の話はされないということですけれども、例えば専従とかそういうふうなことが非常に多くなってきて、ハードルが上がってきているんですね。そうした場合、地方の小規模病院なんかは非常に厳しくなってくるというような状況です。そういうふうな配置というのも非常に大事ですけれども、いかにそういうものとはまた別に、多職種共同で助け合って、少ないマンパワーの中で、トータルマンパワーとしてどういうふうにアウトカムをよくしていくかという観点も私は非常に必要ではないかなと思っておりますので、ちょっと民間病院の立場からお話をさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。

○山口座長 どうぞ。

○川島委員 聖マリアンナ医科大学病院の管理栄養士の川島でございます。

 先ほどから先生方の間で管理栄養士の話が出ておりますので、日本栄養士会の要望につきましての補足説明をさせていただきたいと思います。西村参考人、よろしくお願いします。

○西村参考人 私のほうから説明をさせていただきます。日本栄養士会の西村でございます。

 我々は、前回の平成22年のときの通達におきまして、一般食については管理栄養士が変更等は行えるということでありましたが、特別食についてもぜひ同様にお願いをしたいというところでございます。それにつきまして具体にお話をさせていただきますと、医師から指示をいただいた食事がきちんと召し上がっていただけないケースが非常に多いということが現実にございます。そこには、患者様の個人の状態とか、あとは、今は食が個別化しておりますので、嗜好の面でも食べ残しをしてしまうということがあります。そこに今、栄養士は栄養管理も包括化され、NST加算もありますので、病棟業務を行っていますから、タイムリーに対応ができる職種になっておりますので、特に食事に関して、料理、こういったものとか、あと、現在、厨房にどんな食材がきちんと完備できているのかを踏まえて、患者様にきちんとした料理の提案なりができる職種です。それがないと、実際に医師からいただいた指示どおりの食事が満足に召し上がっていただけないという実情がありまして、結果的には治療の効果、リハビリの効果などにも影響してしまう。ですから、特別食であればあるほどですが、栄養士の介入があり、食事に関してタイムリーに指示を出せるような形をとっていただければ、ドクターの栄養素の指示等は、確保できる。そこに関してどうこうするという話ではなくて、食事の形態であったりとか、食事の実際の内容とか、そういった細かい部分に関しては栄養士が介入させていただくということが一番チーム医療としていいのではないかということで御提案をさせていただきました。

○山口座長 そうすると、お話は、一般食では管理栄養士がそういう形態等に介入することが可能だけれども、特別食では認められていないということですか。

○西村参考人 前回の平成22年の4月30日付けでの通達で、一般食に関しては管理栄養士の行う業務とされたということですが、治療食に関してはやはりまだそこのところまで至っていないということで、十分な介入がしきれない状況にあるということです。

○川島委員 実際にはかなり行っていますけれども、管理栄養士の数等も限られているというところもあります。また、治療食という性質上、食べにくいという部分がありますから、栄養量としては不足してしまう可能性が高くなっていますので、そこでも対応したいと思っています。

○山口座長 いや、問題は、管理栄養士の数が足りないので、特別食まで介入することができないという話と、それをやってはいけないという話は別の話なので、どっちなんですか。

○川島委員 済みません。一般食だけでという形になっておりますので、先生方がどうしても栄養士がかかわる部分でスムーズにいかない場合があります。かなり今もやっております。

○西村参考人 実際には、業務の中でドクターとのディスカッションの中で行っているケースはたくさんありますが、通達文が、一般食はよしとし、国が定める特別食はそうではないという書きぶりになってしまっているので、それが逆に妨げているという部分がございます。

○山口座長 そうですか。

○中田医事課長補佐 今の該当部分をちょっと読み上げますので、御参考に。

 通知の中では、一般食(常食)について医師の包括的な指導を受けて、その食事内容や形態を決定し、または変更すること。これは認められております。特別治療食について、医師に対し、その食事内容や形態を提案すること(食事内容等の変更を提案することを含む)。ここまで認められております。多分そのことを今議論されているのだと思います。

○山口座長 ちょっと常識的には、その提案をし、それで医師が拒否するということは考えられないので、提案をし、そして変更するということが実際の実情は可能なのではないかと思うんですが。

○近森委員 うちにもよく栄養士さんが見学に来られますが、よく言っているのは、食事形態の変更にものすごいエネルギーと時間を取られるということを言っています。どんなことをしているのと言ったら、御飯をそうめんにしたい。外来をじっと待って、先生のあく時間を待っているんです。そんなあほなことをやっているんです、栄養士は。だから、僕ははっきり言って、これは通達ができたからできるとか、通達ができていないからできないとか、そういうことを考えずに、もうちょっと院内で取り決めをしたらそれで済む話です。栄養士が患者さんの要望で、御飯からそうめんに変えるように食事形態や内容を勝手に変えていいよという、それだけ決めておけば、それでできることでしょう。こんな細かいことを一つ一つ通達、通達でやっていたら、ネガティブリストとか、そういうふうになりますよ。これが通達に出てないから、私、できないのよというふうになりますよね。

○川島委員 どこまでということをもう少し明確にしていただければ、業務がしやすいと思いましたので提案させていただきました。

○山口座長 本当にそういう明確な法律上の指示までないと、そのような特別食の規格の変更もなかなか難しいのか、包括的な指示で十分対応できるのか。ちゃんと現場でやっているところは当然やっているわけですから、そのことでどこかでは障害になっているところがあるとすれば、そこはちょっとおかしいですね。

○西村参考人 特別食と一般食を、先ほど事務局のほうから御説明があった書きぶりが残っていることで、そこがあるがゆえに、そこは栄養士が口出しするものではないという判断をされているドクターがいるということで。

○山口座長 そんなドクターがいるんですか。

○西村参考人 どうしてもその部分が、通達の中で何か、現在ある通達を少しでも御検討いただければというところでございます。

○山口座長 検討のポイントはもう少しはっきりしたように思いますので、それはある程度条文の解釈でも十分成り立つような話のように思いますし、現実的によりスムーズに運用できる方法を推奨していくなら、それはそれでいいかと思います。

○中田医事課長補佐 今の部分は通達上、そのような記載になっておりますが、今回、特別食をこのように書き分けている理由というか背景、そこはしっかりと確認して考えなければいけないと思っていますが、そこはちょっと事務局で確認させていただきたいと思います。

○山口座長 じゃ、そこはよろしくお願いします。

 ほかに。リハビリから結構たくさん要望が挙がっていますが、どうぞ。

○下田参考人 日本臨床衛生検査技師会の下田です。

 まず、前回、皆様の御賛同をいただきまして、第186回国会のほうで検体採取が認められましたことはありがとうございました。

 資料の6ページ、14番に挙げさせていただいております。こちらに関しまして、法律の改正は不要なんですが、私ども、診療の補助として行っております生理学的検査につきましては、厚生労働省令に1項目ずつ列記する形をとっておりますので、この2項目を厚生労働省令に入れていただきたいという形での提案となっております。前回、関係学会の意見を踏まえということがございましたので、2510月には、日本耳鼻咽喉科学会から要望書が出されておりまして、それを受けまして、全国の学会及び7地区での学会で、嗅覚、味覚についての研修会等は既に展開させていただいております。

 本日の資料の参考資料の2の最終ページの別表6のほうには、既に検体採取の追加講習と一緒の流れの中で既卒の方の研修内容のカリキュラムも一応こちらに挙げさせていただいておりまして、その前3ページ、別表4のほうには、今後の学生さんにつきましての教育のカリキュラムの中にも嗅覚、味覚を盛り込む形で研究班のほうからの答申も挙げさせていただいておりますので、あとは厚生労働省令で何とぞ2項目を追加いただければというところまできているということを追加で御報告させていただきます。

○山口座長 それはやはり省令が出ないといけないんですか。

 じゃ、それは内容を検討していただきます。

 ありがとうございました。

 ほかに。リハビリがたくさん出ていますが、リハビリの問題、よろしいですか。

○小川委員 理学療法士協会の小川でございます。よろしくお願いします。

 幾つかありますが、論点、再三、近森先生のほうから、この場の議論の進め方であるとか、目的であるとかといったことが確認をされていますけれども、なかなかそちらのほうに議論がいかないなという気が私もしておりまして、ただ、私どものほうから要望を出させていただいた内容も、見ると、ちょっと職種に偏っているかなという気はしないでもないんですが…。このワーキングの目的、要するにチーム医療の目的が、それぞれの職種の専門性を高めるということと、それをうまく共同させていくということがチーム医療の目的であるということを前提として、理学療法士の立場から御説明を申し上げます。

 私どものほうから3点ほど要望を出させていただいておりますが、まず11番の理学療法士の病棟配置の推進につきましては、一部推進をさせていただいたところでございまして、これについては非常にありがたく思っております。

 ただ、現状で「障害のある者に対して」という条文があり、それが診療の中でも生きているということで、病棟配置に関しても理学療法の対象が障害のない患者さん、入院患者さん等に対しての適用がなされていないということで、もう少し理学療法士の守備範囲というものを拡大していただいて、身体に障害のない者に対しても、いわゆる転倒であるとか、あるいはベッドからの転落であるとか、そういったものを予防する、それから、早期離床を推進するというふうな視点から、病棟配置を進めていただけるとありがたいなというふうに考えての要望でございます。

 それから、12番目につきましては、これは、義肢装具と生活支援機器の選択についての要望ですが、従来、義肢装具の処方、チェックアウト等に関しましては、義肢装具士制度ができる前に理学療法士が大体かかわりながら、その中でチェックアウト等もやってきたという経緯がございます。義肢装具士さんが法制化されて以来、義肢装具士さんの職域ということで一般的な理解がされていますが、理学療法士の養成教育の課程の中で義肢装具学というのは非常に大きなウエートを占めておりまして、これについても国家試験にも出題されているということもありますので、そうした中から義肢装具士さんと共同するような形で、理学療法士についても適合であるとか、あるいは指導であるとか、あるいは義肢装具の選択であるとか、あるいは生活用具、福祉生活用具についても理学療法士についてのかかわりを広げていただきたいという要望でございます。これは、やれるでしょうと言われればそれまでですが、一般に義肢装具士さんの職分というふうに理解されていますので、これについて加えて一応の御理解をいただきたいという要望でございます。

 それから、13番目ですが、別のところでも訪問リハビリテーションについてはいろいろ議論がありまして、そこで課題となっているのは、要するに退院をして地域に帰ったとき、家庭に帰ったときに、訪問リハビリテーションを始めるのに、リハビリテーションの継続性が絶たれるというふうなことが非常に大きな問題になっております。かかりつけの医師の指示をいただかないと訪問リハを開始できないということがありますので、その間に少し機能を落としてしまったりというふうなことが現実としてあるものですから、一定の、日常的な主治医との関係性を担保するということ、一定のプロトコールを共有するというようなことを前提として、包括的指示という言葉がいいかどうかわかりませんが、訪問リハビリテーションを早期に開始できるような体制にもっていけないかということの要望でございます。

○山口座長 ありがとうございました。

 いずれも現在の明確な法律なり診療報酬等の定義とかなりいろいろコンフリクトするところが、例えば、障害のない者に対するリハビリテーションが、自由におやりくださいという話は幾らでもあると思うんですけれども、それが診療報酬の対象になるかというと、大きな問題を含む話でしょう。また、今の在宅でのリハビリテーションの継続性という話も、誰が指示し、やっているかという話になると、ちょっと問題を整理する必要があるでしょう。かなり法律上、あるいは診療報酬上の定義とも、何を見直すことができればそういうことができるか、問題を事務局でもまとめていただくことができるかと思うんですが、なかなかハードルが高い問題もあると思うんです。

○近森委員 確かに障害がないとなったらリハビリの適用じゃないんです。だけど、今挙げられた転倒とか早期離床、転倒のリスクのある患者さんというのはどんな患者さんですか。結局、筋力がちょっと衰えているとか、脳脊髄疾患があるとか、そういう障害のある方でしょう。そういう方が転倒のリスクがあるから、当然リハビリはしないとだめなんです。早期離床といっても、手術してドレーンが入っていたり、人工呼吸している、完全に廃用になりかかっています。そういう患者さんに早期のリハビリをするのは当然のことです。そうでしょう。だから、それを障害がないと決めてしまうと、これは絶対だめです。だけど、転倒の疑いがある、それから、早期離床、これは当然リハのスタッフがやらなければいけないことです。あと、包括的指示による訪問リハビリテーションの実施というのは、お医者さんが気づかなかったら、リハのスタッフが提言すべきです。提言して、それで先生の指示をもらってやればいいんです。現行の法律どおり着々と患者さんにとっていいリハビリテーションが提供できるわけですから、何か発想が僕はちょっと間違っているように思います。

○小川委員 間違っていると言われると、返す言葉がありませんが、現実としてそういうことがあるんですね。かかりつけ医の方となかなか連絡がつかないとか、お忙しいものですから、なかなか処方をいただけないかとかということもございますので、これは私たちももちろん先生のところに足を運んで指示をもらうようにということで働きかけはしているんですが、少なくとも医師会等を通じて、そこら辺の協力を、これまでも再三していただいているところですが、あわせてさらに御検討いただければありがたいなというのが1点です。

○山口座長 どうぞ。

○近森委員 だけども、障害のない方にリハビリテーションを提供する。包括的指示のもとに具体的な個別の医師の指示がないのに訪問リハビリをする。これは原則間違っています。原則をいろいろの都合で曲げるべきじゃない。どうやって原則に基づいてきちんと業をするかということを考えないと。

○小川委員 それについては全く私も同感です。

 それと、身体の障害のない者、ある者、ある者でしょうというふうにおっしゃっていただいたんですが、障害をどう捉えるかということがもう一つ難しい問題としてずっとあると認識しています。ですから、今、先生がおっしゃっていただいたような、みんなそういう解釈でいいんだということであれば、当然私たちの対象にもなってきますので、そういう方向で進めていきたいと思いますが、そういう解釈でよろしゅうございますか。

○山口座長 確かにその辺のところは、どう理解し、どう現行法内でできるかというところがある程度示せれば、それで事が解決する部分もかなりあるように伺いました。その辺はそれなりに事務局で整理をしていただく必要があるのかなと思いましたけれども。

 どうぞ。

○小森委員 近森先生からも、それから、何人かの方から医師会という言葉が出てまいりましたので、黙っているというわけにはまいりません。このワーキングで常に私が申し上げてきたことは、高本先生もおっしゃったように、包括指示ということで勝手なことをするというのはチーム医療ではないわけですから、そういう議論はやめましょうと。それぞれの専門性をお互いが評価しながら、チーム医療として何ができるかという、そういうシーズをどんどんつくっていこうという議論をしましょうということをいつも提案しておりますし、ソーシャルワーカーの方もそういう議論をされたんですね。ですから、今回の議論の流れは、法改正を伴うということもありましたので、そういう意味では一回整理をして、また次のステップとして本当に意味のある議論を私どもしたいと思っています。

 ただ、医師がどこかで高慢であって、そして関係職種の方に大変御不快な思いをしているという現場が多々あるんだろうと思いますし、それは医師会としては真摯に受けとめて、さまざまな形での研修をさらに推進をし、また、近森先生がいつも言われるように、全ての方々の共有した認識だと思いますが、医師一人でできる、あるいは医師と看護師だけでできるという医療現場、また地域を守るという現状でないということは、全ての者が共有した認識ですので、そういう中で、それぞれ、これをやらせてくれ、やらせてくれという議論の次のステップに入るということを私たちも建設的にやっていきたいと思いますし、ただ、皆さん方から医師会という言葉の中に、医者よ反省せよという部分のお心は、これはしっかり重く受けとめて、それは対応したいというふうに思います。それはいろいろな思いをいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

○山口座長 どうぞ。

○中村委員 日本作業療法士協会の中村ですが、要望9と10の中で、少し御説明しておきたいと思います。

 包括的指示による訪問リハは、先ほど御意見がありましたから割愛いたしますが、「訪問リハビリテーションにおける複数職種による同時訪問」というのを書いてありますが、これはよくよく考えますと、医療の現場でも、1人の患者様に同時にPTOTSTがかかわったら最も効果が出るというモデルがあります。そういうモデルがチーム医療を推進する一つのあり方だと思いますので、そういうことをひとつ取り上げていただきたいなというふうに思っております。

 訪問リハは並立して行けませんので、それが特別そういう強調した形でありますが、実は病院の中においても、それは実際、私はリハビリテーションセンターにいて、PTOTで同時介入することがあります。OTSTが同時介入することがあります。けれども、診療報酬では実は認められていません。しかし、実施することには制限はかかっていません。よほどカンファレンスでそういう確認がとれないと実施できないという実際がありますので、そういうことを推進されるような取り上げをしていただいたらいいかなと思います。

 やれるんだからやれよという話はそうなんですが、そういう一定の患者さんがいるということでひとつ取り上げてほしいなというのと、要望10は実は2つの論点があります。福祉用具につきましては、病院・施設におきましては備品を使います。備えつけの備品ですね。個別対応がなかなか難しい患者さんに対して、適切な備品、用具が、例えば車椅子ですとか、うまく適用されないで入院生活を過ごされるという現状があります。これは何とかしなくはいけないと思っていますし、PTOT、福祉用具専門相談員の方、ナース、ドクター、やはりチーム医療でかかわる一つの材料ではないのかなと思ってここに書かせていただきました。

 あと一点は、住環境整備のところで家屋改造の対象者は、回復期リハビリテーション病院では、約4分の1ぐらいはいます。家屋改造するときに、事前の評価に行きます。3カ月入院していらっしゃいましたら、大体2カ月目、早い人は1カ月半目ぐらいに家屋を訪問して、どういう家屋改造すべきかを調査するわけですが、そのメンバーは、PTOTMSWがセットになって行きます。しかし、それは診療報酬では認められていません。現状は回復期リハビリテーション病棟でしたらそれをやっていると思います。そういうところでもう少し日の当たるといいますか、診療報酬上認められたら一番よろしいのですが、チーム医療のあり方として取り上げていただけたらありがたいなと思います。

○山口座長 もう一つよくわからないのですが、実際にそういう医療サービスを提供することが禁止されているわけではないのでは。

○中村委員 禁止されてはいません。ただ診療報酬上では一部しか認められていないんです。

○山口座長 そのことだけですよね。

○中村委員 そういうところだけです。

○山口座長 そうすると、お話は、複数の職種がかかわっていることが、そのように診療報酬で特別扱いされていないということに問題があるので、結局、診療報酬だけの話じゃないですか。

○中村委員 いや、診療報酬上も問題がありますが、そういうチーム医療でなくてはいけないという方針を出すべきだと思います。ここにガイドラインの作成というのがあります。それを推進たるような方策があります。ですから、病院から在宅に帰すためには、リハの関係職、ケースワーカー、関連職種が在宅に引き継ぐためにどういうことをやるべきかということをちゃんとうたっていただいて、それを受けて診療報酬ではこうだという方策がいいのではないかなと思うんですけれども。

○山口座長 診療報酬のバックアップがなくてやるというわけにはいかないんですか。

○中村委員 理解ある経営者の病院でしたら、それはやらせていただけます。けれども、大半の病院がそれは許してくれません。リハの関係者、PTOTST、ソーシャルワーカーはそういうサービスをやりたいですけれども、訪問に出たら半日はかかりますので、減収になります。理解のない経営者は禁止します。それは在宅支援を考える医療の中で、チーム医療を考える中では、やはりマイナスに働いていると思います。

○山口座長 どうぞ。

○鈴木委員 筑波メディカルセンター病院で事務管理を担当しています鈴木と申します。

 ここ数回のこの会議が余り私は発言の場がなくて、ちょっとじくじたる思いであれしていたんですけれども、少し風が向いてきたので。

 我々の立場ですると、法改正とかそういうところは一段落したという前提でいくと、今、我々が考えなくてはいけないのは、限られた経営資源の中で打つべき手を余さずどう打っていくかということを実現可能な具体的なプランに仕立て上げるのが、今、我々にとっては喫緊の課題だと思うんですね。そのときに、事務がそろばんをはじいているだけでは病院の改革も経営改善もできないので、当然、臨床の現場にいる専門家の方たちのアイデアをもらいながら、診療報酬だとか施設基準だとか、そういうのに依拠しない打つ手、これは一般の企業ではみんないろいろな努力をしているわけで、まだまだ我々には八方塞がりではなくて、残されている方策があるんじゃないかな。それを、できればせっかくの機会なので、多方面の皆さんからお話が聞きたいと。

 例えば、リハのお話にしても、障害のない方のリハというのは、僕は、健康日本21なんか、厚労省さんが掲げているのを見れば、医療機関併設の健康増進施設でももっともっとやれることがあるんじゃないかとか、それから、臨床工学技士さんなんかでも、我々はもっとやってもらいたいことはいっぱいあるわけです。手術室の中で。それから、医療機器のメンテナンスとか、そういうことを含めて、まだ日本の病院の経営面では無駄や非効率なことが盛りだくさんにあって、そこにプロのそういうことに十分たけている方たちのお力を使えば、それが一つのチームとして機能すれば、制度とかそういうもの以外に活躍できるところがもっともっとあると思うんですね。

 そのときにぜひお願いしたいのは、大規模病院じゃなければできない議論ではなくて、中小でも実現可能な、手の届く具体的なチーム医療、ソーシャルワーカーさんがいれば、もっともっと地域の医療ニーズを的確に掘り起こせるようなことが、いろいろな実例とかも含めて御提案をいただければ、それをこのワーキングから発信して、実現可能な病院にはどんどん取り込んでいったらば、今、経営資源が逼迫している中では、少し一縷の期待できる望みの道が開けるのかな。ぜひそういうお話をこの場でお伺いできれば、それを実践するのが我々の、その舞台をつくるのが我々のマネジメントの仕事なので、そういうシナリオをぜひ見せていただければな。久々にお話しさせていただきました。

○山口座長 どうぞ。

○深浦参考人 言語聴覚士協会の深浦でございます。

 今、大変重要な御意見がある中で、具体的な話で申しわけございませんが、私どもの要望を3点挙げております。これは、私ども言語聴覚士が日常臨床で非常に頻度多く行っている業務に関しまして、確認も含めてというのもあるんですが、出させていただいております。

 1つは、臨床心理・神経心理学的検査、この中には失語症検査とか知能検査とか発達検査とかいろいろございまして、失語症の方がおられたら失語症の検査と、失語症の方は高次脳機能障害とか、いろいろな障害をお持ちでありますので、それに応じて検査を選んでいくわけでございます。一つ一つの検査実施について医師の指示が必要であるとするならば、一人一人の患者さんにとって、いろいろの検査を組み合わせますので、大変です。これを我々の範疇の中で組み合わせさせていただければいいかなというので、これを出させていただきました。

 もちろん事務局のほうが右側のほうに書いていただいたように、解釈ということがちょっとおかしいので、まとめてそれを報告するということで出しております。

 それから、もう一点は嚥下障害でございます。嚥下造影検査というのは、誤嚥を直接的に検査するものでございますが、これは造影検査でございますので、医師の立ち会いがないとやれないということで、現行は医師と放射線技師と我々と3職種が大体行っているんですが、なかなか医師の方はお忙しくて、適宜できないことが多くて、その分、次のステップになかなか進めないことがございますので、医師のほうで、スケジュールを決定してやっていくということができれば、それに越したことがないかなということで、これを一つ挙げております。

 それから、それと似たようなことですが、食事形態でございます。これは摂食嚥下リハ学会なんかも含めて、嚥下障害の方の食事形態というのは、一定の基準がもう決められております。それに従ってパスといいますか、そういう形で大体できるのではないかなということを考え、一回一回の処方箋を出していただくよりはということで、3点挙げさせていただきました。

 以上でございます。

○山口座長 一番最後の食事に関する要望は、管理栄養士とのコミュニケーションがあればできる話なんではないですか。

○深浦参考人 食事形態、つまり、嚥下食に関しましては、刻み食とかペーストとかいろいろの形態がございまして、それが嚥下障害の状態によってどの形態にするかというのを決めていかなくてはいけないのですが、もちろん管理栄養士の方ともやりますが、大体病院によってある程度嚥下食というのは決まっておりますので、それに従って、それを上げていくとか、あるいは状態がちょっと変化したときには下げるとかいうことがございますので、結構な頻度で嚥下食の形態を変えているのでございます。そこら辺のことを、もちろん報告は当然するわけですが、もう少し効率的にやれたらいいなというところです。

○山口座長 どうぞ。

○三塚委員 嚥下のところですけれども、先生おっしゃいましたように、管理栄養士と話をすれば済むことで、当然管理栄養士は医師、歯科医師の指導のもとにそういったものをやっておりますから、これは領域がまたがり過ぎているんじゃないかな。これは管理栄養士と言語聴覚士が話し合いをすれば済むだけの話だというふうに解釈しています。

○山口座長 どうぞ。

○近森委員 やはり同じような傾向です。各職種の専門性に僕はもうちょっと自信を持ってもらいたいと思います。医者が診る、看護師が診る、STが診る、OTが診る、その中で嚥下で一番権威のあるのはSTでしょう。そのSTが言ったことを否定する職種なんてありません。そうじゃないですか。そうだったら、お医者さんに提言して、食態を変えてもらうだけの話でしょう。それをお医者さんがなかなかつかまらないとか、医者が偉そうに言って私らの意見を聞いてくれないとか、そういう現場の苦労、それで原則を曲げたらいけません。あくまでも食形態というのは医師の指示のもとに出すべきですし、嚥下造影の実施というのはかなり侵襲性を伴う検査ですので、お医者さんのもとできちんとやる方がいいように思います。STも協力して。これが原則です。そうでしょう。だから、現場でお医者さんがなかなか来てくれないとか、定期的に検査できないとか、そういう現場の苦労で原則を曲げたらだめです。やはり医師の指示のもとに業務を行う、業を行うというのは大原則ですから、そこのところをお医者さんがなかなか来てくれないとかいうことで原則を曲げるべきじゃないです。

○山口座長 嚥下の造影検査は、医師の包括指示で現在でも可能ではないかということが書いてありましたけれども、これは医師の立ち会いが必要なのではなかったですか。

○中田医事課長補佐 診療放射線技師法ではそこまでは明文化されておりません。要は、立ち会わなければいけないとは書いていませんが、現場の実態としてはそうなっているんじゃないかなというふうに考えています。

○山口座長 いろいろ御意見が出てくると、もう一つ、医師といろいろな職種との間の壁がそう低くはないというところがかえってはっきりしたようなところもあるかと思いますけれども。

 どうぞ。

○安藤委員 私も病院をやっていますけれども、いろいろな医師を抱えていますけれども、私はリハビリだとか嚥下とか、まだまだ勉強不足なので、ここら辺で医師の意識改革をきちんとしていくというのは非常に大事な時代が来ているのではないかなと、そういうふうに思っております。そこら辺のちゃんとしたマネジメントをするのは、病院の院長の責任だと思うんですね。ちゃんとチーム医療ができない医師に対しては、ちゃんと人事考課をして、その評価を公表するとか、そういうふうなことをちゃんとやっていかなければいけない時代がきているし、若い病院の経営者は、最近そういうことをやり始めているので、そういうふうな流れが浸透していけばいいと思います。

○山口座長 ありがとうございました。

 取り上げられた問題の中で、救急救命士のお話がないんですが。どうぞ。

○鈴木参考人 日本救急救命士協会の鈴木でございます。

 救急救命士制度についてですが、厚生労働省と総務省消防庁という2つの行政の枠組みの中で制度が進められており、国民の趨勢に合わせて業務範囲の拡大が行われてまいりました。それに当たって特定行為の追加教育がふえてまいりました。総務省消防庁という枠組みの中で言いますと、しっかりと税金が投入されて追加教育がされております。今は、4万2,000人ほど、救急救命士の認定者がいます。2万2,000人は消防の職員で、2万人は民間人です。2万人の特定行為の追加教育を受ける場が現在はありません。職能団体や民間が自助努力をしないだろうというような声もあるかもしれませんが、我々としましては、教育に携わる大学や大学院に対する後援です。そして、認定に関するメディカルコントロール協議会の支援要請をぜひともお願いしたいと思います。

 2番の事務局のコメントにありますが、認定するに当たって、都道府県メディカルコントロール協議会との調整を行うことで対応が可能ではないかという御意見がありますが、私も薬剤投与の症例数を満たしておりますが、東京都のメディカルコントロール協議会に申請したところ、これは東京消防庁の救急救命士、いわゆる消防救急に対する認定であって、民間は認められないというような状況も起きております。また、大学で追加研修を修了し気管挿管の法定症例数をこなした救急救命士、これは消防職員ですが、地元に戻って地域のメディカルコントロール協議会に認定されなかったということが起きています。ですから、メディカルコントロール協議会のあり方が、消防救急を管理するというような考えではなくて、民間の救急救命士の認定を促進するような何か、通知文を出していただくとうまくいくのではないかなと。

 業務の特殊性上、地方公務員の救急救命士が実働が主体がほとんどですので、行政から文書を出していただくことによって動く部分がありますので、その点をぜひ検討いただきたく、この要望をさせていただきました。

 以上です。

○山口座長 これはちょっと問題点を整理してもらう必要があるかと思うんですが。どうぞ。

○酒井病院前医療対策専門官 救命士のほうを所管しております地域医療計画課でございます。

 今、座長先生もおっしゃっていただいたように、論点が多過ぎて、ちょっと整理が必要かなと思っておりますけれども、少し情報の整理をしたいかなと思っております。

 まず、今、数字のほうが参考人のほうから出ておりましたけれども、救急救命士の認定を得ている者は4万2,0003,000人と。その辺はいいかと思うんですが、今、2万2,000人と発表がありました消防職員につきましては、これが2万9,000人。これは消防庁の救急救助の現況からの数字ですので、これは正しいのかなと思っております。

 また、民間の救急救命士、この定義のほうもまず必要かと思うんですけれども、これは2万人と御発表いただきましたけれども、先ほど2万9,000と4万幾らかを計算いたしますと、約1万5,000人。この中で、前回までのこのワーキングの中でも何度か病院等で働く救急救命士等の発表があったかと思うんですけれども、その特定行為をしたい消防職員でない救急救命士がどれほどいるのかというところのまず整理が必要かなと考えております。

 そして、税金のお話もございましたけれども、厚生労働省の地域医療計画課で特定行為等が新たに加えられますと、追加講習等のプログラムを出させていただいております。これは本日の参考資料2の一番後ろのページにございますけれども、このような形で追加講習のプログラムを厚生労働省地域医療計画課として出させていただいております。

 どのようにこれを認定していくかというところでございますけれども、救急救命士、これは先ほど近森先生もおっしゃいましたように、医師の指示のもとというところがございますので、医師としっかり連携をとっていくというところで、医師会、医療機関、救命センター、あるいは消防署、あるいは都道府県行政、こういう方から構成していただいている都道府県メディカルコントロール協議会、こちらで質を担保するというところでありまして、厚生労働省あるいは国のほうで一括して追加講習を終わった、この人はできるというところを認知しているのではなく、都道府県にお願いしているというところでございます。

 昨今、東京消防庁で認定を受けられないだとか、もろもろございましたけれども、先ほどの追加講習のプログラム、これについて出しているところに、この追加講習を受ける対象者というものも書かせていただいています。そこでは消防職員であるだとか、そのような制限もさせていただいておらず、私ども地域医療計画課のスタンスといたしましては、論点ペーパーのほうにまとめさせていただいているような感じで調整が必要ではないかというところで、税金の話、これは消防職員が講習を受けることが地域の皆様にとって役に立つということを、消防本部、あるいは地域メディカルコントロール協議会が判断をして、その救命士の雇用主である市町村がお金を出して講習を受けさせるという整理をいたしますと、民間では、雇用主、どういうところで雇われているかというデータを私ども余り持っておりませんけれども、そういうところは質の担保ができるような体制のところで講習を受けさせるというので、これは税金が云々ではなくて、雇用主がどのように判断するかというところで整理できるのかなと考えております。

 ほかにまだ論点が残っておりましたら、追加いただければと思います。

○鈴木参考人 官と民で医療国家資格の間でやれる業務範囲とか格差が広がっていくということと、今後、消防に働かない救命士がますますふえていくということに関して、厚生労働省はどうお考えでしょうか。

○酒井病院前医療対策専門官 官民の職種の差というところは、今御説明させていただきましたように、消防職員として働いている方の消防本部がこの処置は必要だというように考えてやっているというところでありますので、民間というところでもし働いている救命士さんがその処置が必要であれば、それは受講すればいいのかなというふうに考えております。まず官民のところから整理させていただくと、そのようになるのではないかなと。職種に、官民の差によって行える業が違うというところはそういうような整理ができるのかなと考えております。

○山口座長 少なくとも研修を受けたいというときに、その道が閉ざされているという、費用の点とか何かはあるんでしょうけれども、講習の受講する道が閉ざされているということではないということの理解でいいですか。

○酒井病院前医療対策専門官 はい。閉ざしておりませんし、どのようにやってくださいねということも通知のほうで公開させていただいております。

○山口座長 なかなか難しいところで。

○鈴木参考人 国としてはそういうスタンスなのは十分御理解しますが、地域によってはそれがなかなか浸透していない環境もあるということを少しお考えいただければなというふうに思います。現に認定されていない事例もあるわけですから。

○山口座長 ありがとうございました。

 そろそろ時間になってしまいました。いろいろ御議論いただきましたけれども、ありがとうございました。きょうのいろいろ皆さんにお出しいただきました議論を踏まえて、事務局のほうで、このワーキンググループとしてどのような対応方針を出していくのかを整理していただきまして、次回検討したいと思っております。

 本日はどうもありがとうございました。

 それでは、事務局から今後の進め方について。

○中田医事課長補佐 長時間にわたり御審議ありがとうございます。

 本日の御議論を踏まえまして、各要望事項の対応方針案につきましては、座長とも相談させていただきまして、準備を進めていきたいと思っています。

 次回ワーキングの日程につきましては、追って事務局から御連絡させていただきます。

 以上でございます。

○小川委員 1点、よろしいでしょうか。

○山口座長 どうぞ。

○小川委員 済みません、終わりのところで申しわけございません。

 このワーキングの始まりあたり、2年前、3年前になりましょうか。そのころに今日の話題の中でも出ましたように、多職種カンファレンスの問題があって、その議論がちょっと置き去りになっているかなという気がするのと、それから、おととしでしたか、チーム医療に関する調査をやりまして、チーム医療を評価していくという方向性が打ち出されたかと思うんですがその点、それと、もう一点、教育と研修制度の問題についても、本日も単発で出てはいるんですが、それらに対して、チーム医療を推進する、あるいは評価をするという視点からの議論というのは、今後なされる予定があるのかどうか、お伺いしたいんですが。

○山口座長 いかがですか。

○中田医事課長補佐 課題の整理をさせていただきまして、次回以降また御相談させていただきます。

○山口座長 それでは、どうもありがとうございました。


(了)

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