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2014年10月6日 第11回日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 議事録
健康局がん対策・健康増進課栄養指導室
○日時
平成26年10月6日(月)
10:00~11:40
○場所
厚生労働省 専用第22会議室(18階)
○出席者
構成員<五十音順・敬称略>
宇野 薫 (株式会社タニタ ヘルスケア/ネットサービス推進部 管理栄養士) |
江頭 文江 (地域栄養ケア PEACH厚木 代表) |
大竹 美登利 (東京学芸大学 教育学部 教授) |
佐々木 敏 (東京大学大学院 医学系研究科 教授) |
幣 憲一郎 (京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部 副疾患栄養治療部長) |
生源寺 眞一 (名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授) |
鈴木 一十三 (株式会社ローソン マーケティングステーション 部長) |
高田 和子 (独立行政法人 国立健康・栄養研究所 栄養教育研究部 栄養ケア・マネジメント研究室長) |
高戸 良之 (シダックス株式会社 総合研究課長) |
武見 ゆかり (女子栄養大学 栄養学部 食生態学研究室 教授) |
田中 延子 (公益財団法人 学校給食研究改善協会 理事) |
中村 丁次 (神奈川県立保健福祉大学 学長) |
原田 信男 (国士舘大学 21世紀アジア学部 教授) |
藤谷 順子 (独立行政法人 国立国際医療研究センター病院 リハビリテーション科 医長) |
八幡 則子 (パルシステム生活協同組合連合会 事業広報部 商品企画課 主任) |
渡邊 智子 (千葉県立保健医療大学 健康科学部 栄養学科 教授) |
事務局
新村 和哉 (健康局長) |
正林 督章 (がん対策・健康増進課長) |
河野 美穂 (栄養指導室長) |
芳賀 めぐみ (栄養指導室長補佐) |
斉藤 龍馬 (健康局がん対策・健康増進課長補佐) |
○議題
(1)「健康な食事」を普及するためのマークの決定について
(2)日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会の報告書について
(3)その他
○議事
○河野栄養指導室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第11回「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」を開催いたします。
本日は、天候の悪い中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
本日の欠席の状況でございますが、台風の影響で急遽欠席という先生方もいらっしゃいます。欠席される方々は、岡村構成員、幣構成員、田中啓二構成員、田村構成員、八幡構成員となっております。
開催に当たりまして、健康局新村局長より一言御挨拶申し上げます。
○新村健康局長 健康局長の新村と申します。よろしくお願いいたします。
本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
平成25年6月より開始いたしました本検討会も11回目となり、本日が最終回となります。先生方にはそれぞれのお立場から活発に御議論いただき、御尽力いただきましたことに感謝申し上げます。
これまで10回の検討会で「健康な食事」とは何かについて、多様な側面から構成する要因を踏まえて整理していただき、「健康な食事」の基準案の策定まで至ることができました。また、報告書の作成に当たっても先生方には多くの御協力をいただき、重ねて御礼申し上げます。
本日は、「健康な食事」の基準とその普及のためのマークを決定するとともに、報告書も取りまとめていただければと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
10 月1日に公表されました平成25年の健康寿命は3年前よりも延びておりますが、日本人の長寿を支える上で食事は重要な役割を果たしており、この「健康な食事」の取り組みは健康寿命のさらなる延伸に資するものとなると考えております。
今後は、この報告書をもとに「健康な食事」の普及に取り組んでまいりますので、引き続き御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げます。
以上、簡単ですけれども、御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○河野栄養指導室長 それでは、続きまして、資料の確認をさせていただきます。
お手元、議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、資料1「『健康な食事』を普及するためのマークの選考結果」、資料2「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会報告書(案)」の以上でございます。
それでは、これ以降の進行につきましては、中村座長にお願いいたします。
カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○中村座長 それでは、「健康な食事」のマークの選考結果について、事務局より御説明をお願いいたします。
○芳賀栄養指導室室長補佐 それでは、資料1をもとに説明いたします。
「健康な食事」を普及するためのマークの選考結果についてです。
まず、マークのデザイン(案)の募集と募集結果についてです。マークのデザイン(案)については、平成26年7月28日~8月29日の期間に厚生労働省ホームページにおいて募集したところ、合計114作品の応募がありました。
次に、一次選考の方法と結果についてです。座長、副座長、事務局において、以下にお示しする選考基準に基づき、応募のあった114作品のうち約1割に当たる12作品を選出いたしました。
選考基準については、資料1の括弧以降全部で5点ございます。
まず、1点目が3つのパーツから構成されており、料理 I ~IIIの3つの組み合わせが必要であることがわかること。
次に、カラーで作成した場合、対応するパーツの色は黄色系、赤系、緑系を用いていること。
3点目が、1~3cm四方程度での使用が想定されることから、シンプルであり、視認性がよいということ。
4点目が、消費者が手にとりやすいよう、わかりやすく、親しみやすいデザインであること。
5点目が、特定の保健機能を連想させるものではないこと。
以上の5点が選考基準です。
なお、「白黒で作成した場合、料理 I ~ III の料理をそれぞれ形で判別でき、魅力的で分かりやすいデザインであること」としておりましたが、選考の段階でこれに該当するものはありませんでした。
次に、二次選考の方法と結果についてです。
本検討会の各構成員が、一次選考を通過した12作品から、マークのデザインとしてふさわしいと思う上位3作品を選択しました。それぞれに配点し、合計得点が最も高かった作品は別添のとおりです。
おめくりいただき、別添をごらんください。
また、あわせて資料2の報告書(案)の89ページにマークに関する記述がありますので、こちらもあわせてごらんください。
別添の「健康な食事」の普及のためのマーク(案)です。
選考結果により合計得点が最も高かった作品がこちらになります。
このマークのデザインについてですが、円を三分割してシンプルな線や面で3つの料理を表現しています。
料理Iの主食については、代表的な米を稲穂であらわしています。料理IIの主菜については、魚のうろこをモチーフにした絵柄にし、肉をイメージする赤色を用いることで、たんぱく源となる食品を主材料とした料理をあらわしています。料理IIIの副菜については、野菜の葉を絵柄と色であらわしているということで、こういったポイントを捉えたマーク案でございます。
また、3つの料理の組み合わせの場合は、基本形にありますとおり、3色の色が塗られる形。例えば料理Iの料理に表示する場合は黄色の部分だけ、料理IIの料理に表示する場合は赤の部分だけ、料理 III の料理にする表示する場合は緑の部分だけということで、基準に合致した部分に関して色がつくような形で、白抜きのデザインは、基準のどの料理区分に当てはまるかによって変わるものではなく、同様の枠組みで基準に合致した場合、色がつくという形のバリエーションになっています。
なお、別添の左下に「1~3cm四方程度での使用例」ということで、小さくした場合の図案をお示ししています。
右側は、それぞれの色の指定番号です。
応募者は、東京都の佐藤遊作さんです。
また、あわせて、これまでマークについての検討では、マークの下部にロゴを入れることやキャッチコピーを設けることについても御意見がありました。具体的にどういう表現(文言)が適切かの議論を進めていただいた結果、さまざまな意見が寄せられ、表現そのものが多岐にわたる結果になりました。また、一つの言葉で表現することで、マークのイメージを固定化してしまうこと、人によって言葉の捉え方が異なるために誤った理解につながることも懸念されました。こうした多様さこそが「健康な食事」の特徴といえると整理できます。
選定されたマークについては、主食・主菜・副菜といった3つの料理の組み合わせがわかるだけではなく、絵柄や色合いから背景にある食事の多様性をイメージできるものであることから、マークの下部にロゴやキャッチコピーを入れるということはあえて行わないことと整理しました。ロゴやキャッチコピーを入れなくても絵柄や色で伝わるデザインであったということです。
これらの整理については、報告書の89ページに同様の記載をしております。
御検討よろしくお願いいたします。
○中村座長 ありがとうございました。
それでは、「健康な食事」を普及するためのマークは、案のとおりと決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。御意見ございませんか。
ありがとうございました。では、全員一致で御了解いただいたと解釈いたします。
続きまして、報告書(案)について議論したいと思います。
構成員の先生方には報告案の作成について御尽力いただき、本当にありがとうございました。
報告書(案)につきましては、事務局より事前に送付しており、先生方にはおおむね御了解をいただいていると理解しています。
報告書(案)のポイントについて、事務局より御説明のほどお願いいたします。
○芳賀栄養指導室室長補佐 それでは、資料2を用いまして「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会報告書(案)」について御説明いたします。
まず、全体の構成についてですが、おめくりいただきまして、見開きの部分が目次になります。大きく5つの章に分けています。
「はじめに」の後、II章は「「日本人の食事をめぐる状況と『健康な食事』のあり方」に関する記述です。こちらについては、「日本人の食事をめぐる状況」、さらに「『健康な食事』のあり方について」、検討会での資料をもとに整理しております。特に2の「『健康な食事』のあり方について」は、各構成員から話題提供のあった内容をもとに整理しています。
次に、III章の「日本人の長寿を支える『健康な食事』のとらえ方と構成している要因例」に関してですが、これまでの検討結果のまとめになります。「日本人の長寿を支える『健康な食事』のとらえ方」について、さらにはそれらを構成している各要因の特徴について。(1)から(13)まで構成員からの御発表、検討会の中での御意見、話題提供を踏まえて資料をまとめています。
IV 章として「『健康な食事』の食事パターンに関する基準とマーク」について。
主な構成が「『健康な食事』の食事パターンに関する基準策定の基本的な考え方」、さらには基準の策定方法、次に実際に策定した基準、それからマークの基本的な考え方と策定方法、さらにはマークの運用方法。基準とマークについて、その他関連する施策との関係について。最後に、「『健康な食事』の食事パターンに関する基準とマークの普及に向けて」ということ。今後に向けた内容で、結んでいます。
IV 章については、「健康な食事」の食事パターンに関する基準とマークの策定方法から策定結果、普及、運用の方法、さらに今後に向けてというところまで一連の流れについて整理してございます。これまでの分析結果をもとにまとめています。
また、マークについては、先ほど御了承いただきましたマークに関しての基本的な考え方や公募の方法、選定方法と選定結果について、運用方法も含めてまとめている形になってございます。
最後に、V章として「日本人の長寿を支える『健康な食事』の今後の展望」ということで、基準とマークの普及のみならず、「日本人の長寿を支える『健康な食事』そのものに関しての今後の展望について、方向性を示すという形で報告書を結んでいます。
また、参考資料は、関連施策に関する資料、さらには構成員の名簿、開催経緯等ということで、全部で105ページの報告書(案)になっています。
それでは、おめくりいただきまして、特に前回の検討会以降変更があった点、また、先般、構成員の方々に報告書(案)をお送りした後に変更があった点等を中心に御説明します。
前半の資料に関しては大きな変更、追記等はございません。
確認になりますが、26ページをお開きください。「日本人の長寿を支える『健康な食事』のとらえ方と構成している要因例」についてです。こちらは御議論いただいた結果をとらえ方ということで文章にして最終的にまとめしました。
26 ページのとらえ方の枠組みの中の4段落目のところ「社会全体での『健康な食事』は地域の特性を生かした食料の安定供給の確保や食生活に関する教育・体験活動などの取組と、国民一人一人の日々の実践とが相乗的に作用することで実現し」ということで、意味は変わらないのですが、より日本語の意味が通じやすいように、多少「実現」という言葉の位置づけを変えて微修正しています。こちらは事前にお送りしました報告書(案)と同様です。
また、27ページの「健康な食事」を構成している要因例については、この図でお示ししている各要因の特徴について、28ページ以降、図表を用いた説明を中心に整理してございます。こちらについては、構成員の先生方から話題提供いただいた内容をもとに、できるだけ図表や写真でわかりやすくまとめております。
なお、前回お配りした後に、変更になった点が1点あり、28ページの図27になります。「平均寿命と健康寿命の差」についてですが、こちらについては、平成25年のデータをもとに、10月1日に新しいデータに変わりましたので、平成22年と25年の健康寿命を併記する形の図に変わっています。男性で0.78年、女性で0.59年延びています。
データに関して変更があったのはこの図27のみです。
次に、「健康な食事」の基準に関してですが、IV章、70ページになります。こちらについては、前回検討会以降、「健康な食事」の基準に関して、「『健康な食事』の食事パターンに関する基準」というふうに名称をより具体的に変更しています。こちらは、「健康な食事」のとらえ方や構成している要因例と実際の基準との関係をわかりやすくするため、基準については内容に忠実に食事パターンとしています。
70 ページの1の(1)の2段落目、3段落目にこの「食事パターン」という言葉を用いることについての説明を記載しております。
日本人の食事の特徴は、多様な食材を用い、味のバランスや多様な食感などに配慮してつくられた料理を組み合わせて食べることにあります。また、「健康な食事」には、適切な料理の組み合わせを通して必要な栄養素をバランスよくとることが求められます。
このため、健康の維持・増進に必要とされる栄養バランスを確保する観点から、“どういう種類の食品をどれだけ食べたらよいのか、それらが含まれる料理の組み合わせとはどういうものか”という「健康な食事」の食事パターンを明らかにする必要があるということで、食事パターンは、料理の組み合わせを基本とするものである。
こうしたことから、「健康な食事」のとらえ方や構成している要因例と実際の基準との関係をわかりやすくするために、「『健康な食事』の食事パターンに関する基準」という整理にしています。
こういった点がよりわかりやすくなるようにということで、71ページの図94「食事の構成からみた料理を基本とする食事パターンの検証」ということで、一連の考え方や解析、策定の手順が見える図を記載しています。
次に、実際の基準についてです。85ページをお開きください。表16が「健康な食事」の食事パターンに関する基準の具体的な内容になります。これまで御検討いただいた結果がこういった形で整理されています。この中で、前回検討会の後、さらに御検討いただきまして、数値の微修正があった部分がございます。
食事パターンの料理I(主食)に関してですが、まず、意味は変わらないのですが、「精製度の低い米や麦等の穀類」の後に「を利用した主食」ということで、より意味がわかりやすくなるように文章を少し修正しています。基準の考え方自体は変わりません。
また、実際の数値に関してですが、詳しい説明は、1枚おめくりいただきまして、83ページ、84ページの各料理区分ごとの基準の値の策定方法のところにございますが、料理Iについては、基準の値に幅を持たせる考え方において、前回は一律プラスマイナス15%を目安にということでしたが、実際に8グループ、性・年齢区分ごとに最適化の値を算出していただいていますので、その8グループのそれぞれの最適化値の一番低い値と高い値の間を基準の数値の幅とするのが適当ではないかということで、おおむね炭水化物の量に関しては、60gから+30、-30%ということで設定し、その後、+30%の部分については、エネルギーの基準の考え方をもとに設定した料理 I のエネルギーの基準が1食当たり300kcal未満であることから、この数値を超えない値を幅の上の値とすることとし、結果的に基準の値が1食当たり40~70gの炭水化物の量と整理しています。
また、精製度の低い穀類に関しては、解析結果が2割程度であったことから、その事実に忠実に2割程度としています。
また、注釈を加えています。ただし、精製度の低い穀類の割合が多い場合は、1日1食程度の摂取にとどめることに留意するということで、この内容の具体については、83ページの料理Iに関する記述のところにあります。通常の食形態とかけ離れることなく「健康な食事」を実現ということで、こういった追記をしています。
次に、料理IIに関してですが、たんぱく質の基準の値について少し修正がございます。
先ほどの料理Iの炭水化物の考え方と同様に、8グループそれぞれの最適化値の1つの値として求めたのが14.5なのですが、これから各グループの中で一番低い値と高い値に関して幅を持たせるということで、その幅が14.5gに対して+20%から-30%であったことから、これらの値を上の値、下の値ととりまして、10~17gを1食当たりのたんぱく質の基準の量としています。
料理IIIについては、基準の値の変更はありません。
ただ、料理I、IIと同様の考え方で8グループそれぞれの最適化値の上の値と下の値の幅に関する数値を検証した後、食品の種類や調理方法、料理が多様であることを踏まえて基準の値を求めるという整理になっています。結果的に基準の値、緑黄色野菜を含む2種類以上の野菜の量は100~200gというのは、前回検討会と同様の数値になっています。
また、85ページの表16の下に※印で「1日の食事においては、料理 I ~IIIの組合せにあわせて牛乳・乳製品、果物を摂取すること」という文章が追加されております。これは、構成員の先生方に報告書(案)をお渡しした段階ではこういった案にはなっていませんで、お渡し後、修正をかけた部分です。
ここについては、特に農林水産省から牛乳・乳製品を料理区分の食品に加えてほしいとの意見がありました。この点については、現時点では「食事バランスガイド」の主菜の内容に従っているため、料理区分の料理IIに加えることはできませんが、牛乳・乳製品については、1日の食事において摂取することが重要であることから、その点が明確になるよう文章の修正を行いました。この点も含めて情報提供していくこととなります。
また、これに関連しまして、86ページ「料理 I ~IIIと1日に摂取する食品群との関係について」、1日に必要とされる量の摂取の情報も含めて整理した結果ということでまとめてございます。
87 ページ以降はマークに関する記述になります。先ほど御了承いただいたとおりです。
90 ページをお開きください。
決定したマークの運用方法に関してです。マークの対象とする料理は、前回の議論でご了承いただいたとおりの内容で、「対象とする料理は、市販される1食当たりの料理(調理済みの食品)であり、外食や給食など提供される場所、パック詰めやパウチ詰めなど提供される形態を特定するものではない。仮に基準を満たしても、1食分となってないものは対象とはならない。また、特定の保健の用途に資することを目的とした食品や素材は使用しないこととする」ということで、検討の結果をまとめてございます。
また、(2)として「マークの表示に当たっての留意事項」。何点か挙げてございますが、今後、この基準の運用に関しては、来年度からの「健康な食事」の食事パターンに関する基準の運用に向けてガイドラインを作成することとなります。ガイドラインについては、農林水産省と協働し、また、関係省庁と連携しながら策定を進めていく予定です。
最後に、92ページ、93ページになります。こちらがこれまでの検討結果を踏まえた基準とマークの普及に向けての部分、さらには「日本人の長寿を支える『健康な食事』の今後の展望」についてです。
92 ページのほうが基準とマークの普及を中心に整理しています。
93 ページのほうがV章ということで、これまで御検討いただきました日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方、さらには今後に向けた展望ということで、将来につながる展望も踏まえて整理している内容になっています。
以上、要点のみですが、報告書(案)についての説明でした。
御検討よろしくお願いいたします。
○中村座長 ありがとうございました。
それでは、御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○藤谷構成員 26ページの定義とかマークの説明とか、重要なところを英語訳しておいたほうがいいのではないでしょうか。
○中村座長 この報告書の中に。
○藤谷構成員 報告書かどうかはともかくとして、「日本人の」健康な食事として、世界に発信することも多いかと思うので、英語も正式な英語名称とか定義の訳があったほうがいいのではないかと思うのですが。
○中村座長 どうも御意見ありがとうございました。
私ども、国際的な発信はこれからますます重要になるのだろうと思っていまして、先日もアメリカに行ったら、もう既にこの検討を日本政府がやっているということに外国の研究者は気がついておりまして、期待しているぞというのと、報告書はぜひ読ませてくださいという話もありましたので、何かの形で英文化は検討したいと思っていますが。
どうぞ。
○武見構成員 そのことに関連して、ぜひ私も積極的に進めていただきたい。
9月25日でしたか、WHOが「ヘルシーダイエット」というファクトシートを発表しております。それはどちらかというと食材とか栄養素レベルでのものになりますけれども、そういう意味では、日本のこの動きはぜひ早く出すということでお願いします。ただ、報告書の中でやるのか、報告書が1回できてからやるのかというあたりは御検討いただきたいと思います。
○中村座長 藤谷先生の御意見は、この報告書の中のキーワードになるようなものは英語で書けということですか。
○藤谷構成員 報告書で入れるのかそのあとにするべきなのかその辺は順序がよくわからないのですが、例えばマークのことなどは、以前から、「健康な食事」という言葉の意味が、「健康な食事」と「健康な食事パターン」の二つの使いからで、少しずつ言葉の示すものが違います。それは英語にするとより明確になるところもあるのではないかなと思っています。
主要な語句の、正式名称は、この報告書でなくても、厚労省のホームページで早く出していただくとかしないと、この会議のメンバーの先生方が国際的に発表されるとき困るのではないかなと思って。
○中村座長 わかりました。検討いたしましょう。
ほかにございますか。佐々木先生。
○佐々木構成員 この御発言はとても大切なところだと思います。日本でこういうことをやっているということを世界に発信する、と同時に世界とこの分野でハーモナイズしていくということは極めて重要なことであろうと考えます。
類似の厚生労働省の行っているものとしては、私の知っている範囲では食事摂取基準が英訳化されて、厚生労働省から発信されるという情報をいただいております。
ぜひこれに関しても、この報告書の全体または一部を厚生労働省のほうから発信というか、公開していただけると、国民としてありがたいかなというふうに私は考えます。
○中村座長 とても貴重な意見ありがとうございました。
ほかにございますか。どうぞ。
○生源寺構成員 内容的にはこの報告書で異論がないのですけれども、事前のやりとりの中で申し上げたこともあるのですが、逆に見落としたところがちょっとありまして、データの解釈について一言申し上げたいと思います。
66ページ、まさに私どもの専門のところで、今の時点でこういうことを申し上げるのは本当に申しわけないのですけれども、この文章の2パラ目に「生産段階では輸入を含め10.6兆円だったものが」云々とあって、それが加工・外食などの段階を経ることによって74兆円ということで、7倍に増加していると。
この趣旨はそのままでいいのですが、この10兆6,000億は、図89で言いますと、一番左の9兆4,000億と1兆2,000億を加えたものなのですが、真ん中の列の真ん中よりちょっと下に「1次加工品の輸入」と「最終製品の輸入」もありまして、実はここにも外国産原材料が含まれているのですね。
私自身、手元にデータのない状態が続いていたものですから、かちっと確かめたわけではないのですが、2005年の生産額の自給率が69%だったと思います。つまり、原材料の段階で7割が自給ですので、そこから割り返すと、つまり、1次加工品とか最終製品の中に含まれている原料としての農産物あるいは水産物が恐らく4兆円ぐらいで、これが原材料としては13兆円から14兆円の間ぐらいになるかと思います。したがって、「7倍」というのは、恐らく5倍強になると思いますので、ここは数字等を最終の版では修正していただいたほうが正確になるかと思います。
もう一つ、これも正確さを期するという意味で、67ページの上から5行目「農業・水産業と食品産業は地方に比較的密度高く立地する産業であり」と。これは私の報告の中でもこういうことを申し上げました。ただ、正確に言いますと、食品産業の中の食品製造業が地方に密度の高いジャンルで、外食などになりますと、比較的都市部にもということでありますので、ここは「食品産業、特に食品製造業は」というような形にしていただくと、揚げ足をとられるようなことはないのではないかということです。
この段階で非常に恐縮ですけれども、今の2点について、よろしくお願いしたいと思います。
○中村座長 事務局のほう、今の修正のことに関して大丈夫ですか。数字のことは先生と相談させていただくということで。
○生源寺構成員 そうですね。農林水産省ともやりとりすれば、数字はそんなにややこしくなく出ると思います。
○芳賀栄養指導室室長補佐 それでは、事務局から修正案で、まず御指摘の66ページの(13)の2段落目「産業規模でみると、生産段階では輸入を含め10.6兆円」、ここに関しては、先生から後日正確な数値を教えていただいて、数値を修正するということ。
また、その2行後の「7倍に増加」というところは、増加していることがわかればあれなので、場合によっては「7倍に」というのを削除してもよろしいのではないかと思うのですけれども、それでよろしいでしょうか。
○生源寺構成員 はい。
○芳賀栄養指導室室長補佐 それでは、10.6兆円の修正の数値が確認でき次第、こちらは数値の修正をいたします。
また、67ページの6行目の部分に関しては、「食品産業、特に製造業は地方に比較的密度が高く」ということで、こちらで修正させていただきます。
○中村座長 はい。
ほかにございますか。大丈夫でしょうか。ございませんか。どうぞ。
○武見構成員 ガイドラインの策定についてこれからということで、農林水産省や他省庁と協働、省庁連携で進めていただくことが今後の普及にとって重要かなと思います。
そのときに、省庁連携をする中で、どういう組織が「健康な食事」の食事パターンの基準を使ったものに取り組んでいくかみたいなモニタリングが当然行われていくと思いますが,モニタリングはどこがどういうふうにやっていくのか。連携でやると、この辺が何となく曖昧になりがちなこともあったりするので、その辺がしっかり明確になるような形で省庁連携をしていただきたいと思うことが1点です。
もう一つは、この取り組みの関係団体、企業での推進に当たって、やはり企業が自主的に取り組んでいくということ。この中にも一部書かれていますけれども、そういうことがしやすいような、あるいはできるような、あるいは推進する、促進するようなガイドラインにしていただきたいと思っています。実際,厚生労働省が今、健康寿命の延伸の関係で「Smart Life Project」」というのに取り組んでいますけれども、これは健康日本21策定のとき、2012年時点ではその企業登録数は420社、食品関係の企業が3.3%で14社だったのですね。でも、けさ、たまたまもう一度数字を確認しましたら、今年の10月には、2年ちょっとで関係団体や企業の登録数は420社が2,266社までふえています。食品企業だけの数はわからなかったのですが、単純に3.3%とすれば、これも14社から75社ぐらいまでふえているということです。この取り組みに私もちょっと関与しているので、そういう意味では把握しているつもりなのですが、特段企業に何か補助を出してやってもらうとか、そういうことではなく、あくまで自主的に企業や関係団体が取り組んでこうやって広がってきているものですので、ぜひこういう形の取り組みにこの「健康な食事」もうまくつながっていくようなことを検討していただき、そうしたこともガイドラインに書き込んでいただければと思っております。
以上です。
○中村座長 ありがとうございました。
食品産業の協力というのはとても大事だろうと思っておりまして、産業界は開発の技術とか情報の発信能力を持っていますので、それらを生かしてこの運動を進めていければと思っております。だから、できるだけ多くの企業が取り組んでいけるような形にすることが大切だと思っています。
厚生労働省とオブザーバーとして本日も検討会に参加していただいています農林水産省が連携して取り組んでいけるということが大事だと思います。その際、正しく基準やマークを使うことも大切ですから、このあたりも徹底していければいいと思っています。せっかくつくった基準が何か変な誤解を受けたり、正しく普及していかないということになると、我々が1年近くも検討したことが無駄になりますので。
先日、ある人から厚生労働省は今度コンビニ弁当に健康のマークをつけるのかといきなり質問されたことがありますが、こういうのはこの制度を全く誤解している話でございまして、私どもは国民一人一人がより健康になってもらいたいという願いでこの制度をつくったわけですから、それの趣旨を徹底していくような仕組みをこれからつくるべきだと思っております。
ほかに御意見ございますか。どうぞ。
○藤谷構成員 そのような運用面から言うと、食品側でなくて、教育とか文での普及もとても大事だと思います。小さい子どもというよりは、高校生以上、大学生とか自分で食事を選ぶような人たちが、このマークのついたものを買うということだけでなくて、自分で調理する場合にもこういう観点を配慮して、昼はこれを買うにせよ、夜、自炊するときもこれに近いものをつくるとか、そういうこともありますので、マークそのものだけでなくて、マークに含まれる内容も含めて教育が重要だと思って。そのためには、いろいろな教育関係者が簡単に教育・普及ができるように、この報告書の中の要点とか普及すべき点などを例えば自由にアクセスできるようにパワーポイントにして提供すると、あしたからでも何かの機会、保健所とかでも教育ができますので、紙媒体だけでなくて、そういう電子データ媒体も提供していただけるといいと思いました。
○中村座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○宇野構成員 今の藤谷先生の御意見に全く賛成です。ガイドラインの中で具体的な事例、マークをつける側とマークを伝える側、マークを見る人、3つの立場があると思うのですが、私ども管理栄養士がより普及しやすい具体的な事例を盛り込んでいただきたいと思いますし、すぐにデータとして使えるものがあれば、現場は本当にありがたいというふうに考えます。
また、武見先生からも御指摘があった企業が推進できるようにというところで、広報とか販促とか広告などの事例などもあわせて御紹介いただけると進めやすいかと思います。
以上です。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○高田構成員 ほかの食事摂取基準や身体活動基準とは位置づけが違うものとは思いますけれども、何となくつくりっ放しになってしまって、そのうち必要だという声が上がったら見直すかもしれないみたいな感じになってしまいがちな気がしますので、できれば報告書の中の時点で今後も見直しとか課題の検討を行うようなことを明文化していただけると、こんなに10回もやる必要はないかと思うのですが、見直しをするチャンスというのがつくりやすいのではないかと思います。
○中村座長 先生、そういうのはこの報告書のどこに入れるのですか。
○高田構成員 例えば今後の展望になるのか、マークの普及のほうになるか、どちらかだと思うのですけれども。何年まで明記する必要はないかもしれないのですが、あったほうがいいと。
○中村座長 どうぞ。
○河野栄養指導室長 その点に関しましては、この「健康な食事」の食事パターンというのは、これ独自で成り立っているものではなくて、いろいろな施策との関係で整理をされているものでございますので、例えば91ページのところに「その他関連する施策との関係」ということで、これまでも「食事バランスガイド」との関係とか、いろいろなところで先生方の御意見をいただきまして、下から2つ目の段落のところに、「『食生活指針』や『食事バランスガイド』は、策定から一定の年数が経過していることから、食事摂取基準(2015年版)、『健康な食事』のとらえ方や食事パターンに関する基準との整合性をどう図るかは、今後の課題である」と書いてございますとおり、この大もとになる「食生活指針」や「食事バランスガイド」が既にかなりの年数がたっているところもございますので、こういったものの改正のスパンがある程度決まっていけば、当然その改正とともに食事パターンのほうの改正も決まってくるということになりますので、ここの文言をもってこのまま放置されるのではなくて、こういった大きな源となっている施策と連動して当然見直されていくということになります。
また、食事摂取基準(2015年版)をもとにして今回の食事パターンは数値が設定されておりますので、そういった観点からも、今回はエビデンスベースドということで整理をされておりますので、新しい食事摂取基準が出たらば、最終的なパターンを変えるかどうかはまた別の問題として、検証するというサイクルは必要だということで、今回あえて策定の方法のところにも食事摂取基準(2015年版)をもとにして策定したと書いておりますので、そういった内容で御理解をいただければというふうに考えます。
○中村座長 ありがとうございました。
ほかにありますか。佐々木先生。
○佐々木構成員 先ほど座長がおっしゃった、ちゃんとこの中の趣旨を理解して使っていただきたい、それを広めていただきたいというのは極めて、極めて重要なことだと思います。そして同時に、今、事務局からいただきました食事摂取基準があって、それをベースとしてつくられたもの。それだけではなく、あらゆる情報を集めて、我々が10回にも及んで、そして全員でつくり上げたものという意味では、大切なことは事例に走り過ぎないこと。その目的、根本、そのベースとなる考え方、そういうものを十分に踏まえて、忘れることなく、見落とすことなく普及ができるような方法と仕組みをつくって、そしてたくさんのところでこの普及、利用に努めていってほしいと思います。
○中村座長 ありがとうございました。
伏木さん。
○伏木構成員 前回お休みしたのでわかっていない部分があるかもしれませんが、実際のこのパターンに合わせて例えば食品をつくっている人たち、メーカーの人たちは試作されたことはあるのですか。
○中村座長 メーカー、いかがですか。
○伏木構成員 流通でも結構ですけれども。
○鈴木構成員 コンビニの鈴木と申します。
この目標、基準に関して、今、弊社内であるものとか、今、発売されているものとかでざーっと検索してみまして、どれぐらい当てはまるのかなというところがあったのですけれども、いろいろな基準がありますが、その中で食塩のところがかなり大きな最初のベースになるかなというところなのですが、そこでかなり振り落とされてしまうところがありました。我々としては、たんぱく質とかいろいろありますけれども、その前に、食塩への取り組みであるとか、そういうところから始めていって、来年の4月に施行されたとき、実際お客様が見て、あ、これが「健康な食事」ということの象徴なのだなとか、これを食べれば一つの食事パターンがとれるのだなということがわかる、組み合わせができるみたいなことがわかりやすいような売り場を実現するために、ガイドラインも作成いただきながら、今後検討を進めていくことにしております。
○伏木構成員 今、佐々木先生がおっしゃったように、この趣旨が大事で、ここの1つがひっかかっているから、これはもう通らないからやめようとかということにならないように何かないかなというふうに僕も思うのですけれども。ミニマムリクワイアメントの表みたいな感じのものになってしまうと、最初の趣旨と違ってきますね。
○中村座長 ありがとうございました。
原田委員。
○原田構成員 今の問題は重要だと思うのです。結局、これだけの報告書を作成したわけですが、これを全部読むのは厳しいですね。特に普及という意味で考えていった場合。ですから、ダイジェスト版みたいなところで基本的な考え方の部分と基本的な栄養バランスの問題とか、ポイントだけをまとめて、非常に薄いもので、配られて見た目にもいいような、これをベースにしたパンフレットの作成みたいなことはお考えでしょうか。
○中村座長 事務局。
○河野栄養指導室長 この点につきましても、先ほど来出ています英訳の話ですとか、パワポの作成、食事摂取基準のようなものも今、順次取りかかっておりますが、なるべく普及が広がるような取り組みというのは考えてまいりたいと思います。
○原田構成員 英訳版とかパワーポイントになってもいいけれども、結局、こういう時代ですから、さまざまな形でのバリエーションをもって発信していくということで、そういうパンフレットというのも割と手にとりやすいのではないかと思いました。
○河野栄養指導室長 今後これを普及していただくのは企業の方々ということになりますので、リーフレットという形がどういった形のものか、あるいはどういう内容を情報提供するとよいのかということも含めて、今後検討させていただきたいと思います。
○原田構成員 今、企業という話が出ましたけれども、そういう問題は大分これに盛り込まれていますが、前から問題になっていたと思うのですが、日本人そのものの食事意識とか食事のパターン自体がかなり乱れてきているというか、問題点がいろいろ指摘されている中で、改めてこういう検討会をやって、こういう食生活が理想なのだと。だから、企業向けの部分とそうではない、一般の国民全体の食事に対する意識みたいなものをもう一遍認識してもらうとか、そういうことを含めて。ですから、これをそのまま使うのではなくて、ある部分は企業向け、ある部分は一般向けみたいな形で。これだけのベースがあるわけですから、そういう多面的な報告書の御活用を御検討いただけないかということです。
○中村座長 どうぞ。
○武見構成員 今のこととも関連して、このガイドラインに書き込まれる内容が、企業とか団体とか、どちらかというとこれを実際やっていく側というイメージが先ほど非常に強かったのですけれども、その中に消費者教育も必要ということです。多分そういう言葉だと思うのです。それは子供から大人まで。消費者教育についてはどうするのかということも入っていくのか、いかないのか。それは今後の検討なのかもしれませんけれども。多くの政策は、国が政策を出した後に、例えば減塩対策、世界で進んでいるのもそうですが、企業向けの推進と消費者教育、これが両輪で進んでいくという考え方が、やはりうまく進む一つのポイントだと思いますので、ガイドラインの策定に当たってその辺も御検討いただければと思います。
○中村座長 ありがとうございました。
ほかに御意見ございますか。ございませんか。
とても貴重な御意見をありがとうございました。
この制度はとても意味ある制度でありまして、今まで多くの専門家は言葉とか絵で「健康な食事」の教育をしていたのですが、今回は食べるものそのものが教育のツールになっていくという、世界にまれな教育方法を展開しようと今、しているわけであります。ただ、これはとても意味あることなのですが、普及の仕方を間違ってしまうと、この食事だけ食べていれば健康になって、このマークがついていない食事は不健康な食事なのか、ほかの食事は食べられないのかみたいな、へんてこな解釈をする人たち、そういう茶化すような人も出てきますので、それに対しては、私どもは真摯に真面目に検討してきたのだということが人々に伝わるようにこれから普及活動をすべきだろうと私自身も思っております。
○原田構成員 今、座長がおっしゃったところが重要なわけでありまして、結局、食べ物を押しつけられるあれではなくて、楽しみながら、なおかつそれまでの伝統、流通の状況、そういったものに対して、いろんな食べ方があってというところで、食べ方の基本みたいなもの、逆にああしなければいけない、こうしなければいけないということではなくて、まさに消費者教育の原点として広く食とは何というものを考えていただくような提言を、この中のエッセンスの部分を使ってしていければ一番望ましいのではないかと思います。
○中村座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○伏木構成員 私は1つだけ心残りというか、実際自分自身がこれを試食しなかったですね。こういう形で実際につくられたときに、どんな食事なのだろうと。試食しなかったのが私自身はかなり残念です。
○中村座長 もういろんな企業が準備しているみたいですよ。シールも含めて。来年4月に間に合わないということで。私の聞いている感触では、結構やれるのではないかということを言っていますから。
藤谷先生。
○藤谷構成員 ぜひ27ページの丸い図とかそのあたりを英訳をお願いします。英訳がすごい大変そうなのですけれども、あの図の内容が大事だと思います。
それから、85ページの表16ですが、一体どこまでが基準かということについてです。この四角の中だけが独り歩きしてしまうと、この下の「牛乳・乳製品が必要である」という文章は外れてしまうことが多いと思います。くて、四角の中はマークで示す食事の基準なのですが、その利用にあたって「牛乳・乳製品」のことも入れたいのであれば、それも表に、例えば線が間に入ってもいいので、入れていただきたいと思います。今の四角の中は、発売する側が作る時の決まりである、つまりつくる側の表ですね。でも、下の「摂取すること」というのは、食べる人に対する文章です。さらに、85ページには文章で5行、これだけ食べればいいというのではないという、やはり食べる人に対する文章が書いてあるのですけれども、いざ定義となると、これがどこまで入るのかということが問題になると思います。
私の意見としては、この表の下にもう一個欄をつくって、牛乳・乳製品、果物のことと、同じものだけ食べるなということなどまでも表として、それを基準にしてしまったほうがいいかなと思ったりもしました。つまり、どこまでを基準として流布させていくか、いくかということが問題だと思います。
○中村座長 これに関して御意見ありますか。どうぞ。
○高田構成員 私も今の藤谷先生の御意見に非常に賛成します。ほかの施策でも市町村でうまく回っていないときに聞き取り等に回っていくと、表の注意書きが伝言ゲーム状態で末端のほうに行き、その部分がない表が伝わっていってしまったために、除外基準や例外的な扱いというところがうまく伝わっていない場面がしばしばありましたので、できれば重要な部分は表の中に入れて、表1個が出回っても最低限のことは通じるというふうにしていただけたほうがありがたいと思います。
○中村座長 どうぞ。
○田中(延)構成員 和食のブームの関係で学校給食においても和食に牛乳は合わないのではないか、なので牛乳は出さないようにしたいみたいな動きが若干ありまして、そういう動きが広まるということに関して非常に危惧しています。
このパターンがどこら辺まで切り取られて表に出ていくかによって、もしかしたら牛乳・乳製品はこれには合わないのではないかというふうに捉えられると困るので、健康をつくるという観点でカルシウムはこれからどの世代においても重要ですので、その辺をぜひ配慮していただきたいと思います。
○中村座長 ほかに御意見ございますか。佐々木先生、どうぞ。
○佐々木構成員 藤谷先生のおっしゃったことはとても大切で、表がどこまで切り取られて世の中に伝わるか。そのための定義といいますか、表づくりは極めて慎重になるべきだと思います。
そこで、この表16というものはどこまで指すのか。私は、表外の※は表の脚注である、すなわち表に含むというふうに理解をしております。ただ、※1、※2と書いていて、ただ「※」となっているところなのですけれども、これは一番下の表外のところも含めて表16であると考えるのが正しいのではないでしょうか。
そのときに少し議論が必要かなと今、思い至ったのは、表16の下に書いてある5行の中の最後の文章、特定の食材だけを選択したり、偏ったりしないで、異なる料理を選択するというところは、概念的、包括的な文章です。これを表16の中に入れるか、入れないかというところは少し議論をしたほうがよいのではないかと考えます。
まとめますと、表16は、この表の下の脚注の1行も含むものである。さらに、その下の異なる種類の料理を選択するというような基本的な考え方を表16の脚注等に付記するのかどうかに関して、ここで少し議論したほうがよいのではないかなと今、思いました。
○中村座長 意見、どうですか。どうぞ。
○伏木構成員 私は、一番下まで入れたほうがいいと思うのです。というのは、伝言ゲームが行く間に、もとは軽い気持ちで書かれたものが極めて厳しい印象になっていたり、逆に先ほどおっしゃったように大事なことが抜け落ちていたり、いろんなことがありますので、きちっとした部分と包括的、概念的な部分は両方きっちりと入ったほうが正確に意図が伝わると思うのですけれども。
○中村座長 どうぞ。
○渡邊構成員 私もここの文章はあったほうがいいと思います。というのは、650kcalの人がほとんどではないので、そのことを私たち専門家は承知していていろんな食べ方もアドバイスができますが、これが出てしまうと、いろんなことでこれがいいのだと思い込んでしまう人も出てくるので、そういった意味ではこの文章は必要かなと思います。
また、私は教育機関に勤めておりますので、このガイドラインができましたら、それを説明して学生を育てたいと思いますし、県立なので県のいろんな方たちにも積極的に働きかけていきたいなとは思いますが、企業向けと消費者向けと小学校、中学校の栄養教諭、栄養職員の方たちには、それぞれのためのリーフレットが必要だと思います。ですから、650kcalということにも幅があり、そしてそれはどんな人かということがきちんとわかるように伝えるためには、この文章は残しておいてほしいなと思いました。
○中村座長 どうぞ。
○原田構成員 そうであれば、処理としては、「※1 エネルギー」「※2 食塩」とあって、その下に「1日の食事においては」のところを「※3」にして入れて、そこで線を1本引いて、全体バランスみたいなところで最後の5行を入れた表にするという形にすれば、おさまるような気はするのですが。
○中村座長 どうぞ。
○武見構成員 私は、そうであれば、表のタイトルも変えるべきだと思うのですね。この基準の内容ということで言えば、それはあくまで食事摂取基準を踏まえた実際の食べ方から算定されてきた、「牛乳・乳製品」は入ってもいいと思うのですけれども、実際80ページとかの分析のところまでは入ってきているわけですから。そこから下は留意点だと思うのです。基準の内容と留意点とか、ちょっとそこの言葉はありますが、やはり基準の内容とは少し違う、もっと根本的な物の考え方をそこに出しているわけですから、そこははっきりしたタイトルにして、今のような形にすべきだと思います。
○中村座長 大竹さん。
○大竹構成員 私もこの注意書きをつけるのはいいのではないかと思いますけれども、今、武見委員もおっしゃったように、まずマークはどういう基準かというのをきちっと示す。それはこの四角の中だと思うのです。だから、マークの基準がこれで、それ以外に消費者、私たちが摂取するときに何を注意しなくてはいけないのかという意味では、例えば「摂取上の注意点」とかと切り分けて書いたほうがいいと思います。
ただし、全部1つとしてきちっとどこにでもその情報が行くということで、先ほど提供する側と消費者の側と分けてというふうにおっしゃっていましたが、どちらにもそれが一体として伝わるような示し方のほうがいいかなと思いました。
以上です。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○佐々木構成員 私も全面的に賛成です。そうであれば、今の枠外の「1日の食事においては」というところは、1日全体のお話をしていて、この枠内に書いてある基準とはやや目的が異なる。むしろ下の5行に書いてある1日全体の中で異なる種類の料理を選択しようとか、全体の概念的、包括的なほうに近くなるだろうということではないでしょうか。
そうすると、大竹先生がおっしゃったように、基準の内容としては現在の表そのものとし、そしてこれの基本的な考え方というもので落としていただきたくない、必ず伝えていただきたいことは表の外で、1つが現在既に書かれております「牛乳・乳製品、果物」というところ。もう一つは、その下に文章として書かれている5行のところをもう少し短く、要点だけにして、この2項目に関して付記するというような形になるのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○伏木構成員 もうちょっと幅を広げたほうがいいと思うのです。下の5行まで含める必要があると思うのです。というのは、上だけでマークがひとり歩きしてしまうと、要するに、1日の食のカロリーは650kcal未満であるというふうに宣言したに等しいのではないですか。体重も体格も、高校生も大学生も全然関係なく言ってしまっているような感じになってしまうのは怖いなと思っているのですけれども。
○中村座長 どうぞ。
○佐々木構成員 そうすると、基準というものを今、枠外と文章に書いてあるものまで含めて「基準」と呼ぶという考えですね。
○伏木構成員 そうそう。基準はこうなのだけれども、しかし、下の5行のただし書きのもとでこの基準はございますよという形でないと。基準は基準、しかし、運用に当たって別にこういう考え方がベースですよと離れてしまうと、ちょっとやり過ぎかなという感じがするのですけどね。
○中村座長 いかがですか。
まだ御発言のない先生もいらっしゃるので、どうぞ。
○江頭構成員 管理栄養士の江頭です。
私は地域にいますので、赤ちゃんから高齢者まで実際に現場にいさせていただいている立場で今、ずっとお話を伺っていたのですが、この表に関しては、実際つくる側の企業の方が見た基準というところと、私の場合は多分使い勝手のほうになるので、そこが1つの表の中にセットになっているほうが。基準なのですけれども、その数字だけではなく、下の5行、こういった文章ではなくもっと簡潔的にというところではあるのですが、そこが入ってセットになっているということをつくる側も使う側も共通の認識として持っているということはすごく大事かなと思います。
なので、含めた形のほうがいいのではないかと思っていますが、それこそ線を入れるとか、確かにそれぞれ違う部分ではあるので、わかる形で、※1、2、3、4という羅列ではなく、1、2と次の2つは違うというところの差別化をする形の表記で1つに見える形にならないかなと。済みません、ずっと聞いていながら、ぜいたくに発言させていただきます。
○中村座長 どうぞ。
○高戸構成員 私も江頭さんと同じ意見で、給食会社ですとヘルシーメニューという考え方があって、かなりこの枠組みにはまっていきますので、つくる側からすれば、※2のところまでで十分役に立つのですが、その先の教育等々を考えますと全部含めたものがよいので、表は全ての内容が入っているもののほうがいいかなと考えています。
○中村座長 どうぞ。
○武見構成員 その意見もよくわかりますが、一方で、では、この基準に合っているかどうかということを判断するときには、恐らく下の5行は入ってこないと思うのですね。それを言ったら、もう何でもありになってきますから。そういうふうに考えたときに基準というのはどこまでを示すのかということを明確にしておくべきです。厳密に言えばこの四角の枠の中だけということにならないと、恐らく基準に合っている、合っていないということが判断できなくなってしまうのではないかなという気がします。そういう意味で、下と枠を切り分けた形、表現としては「基本的な考え方」とか「留意点」というふうに分けて示しておかないと、今後実際やるときにかえって混乱をする。では、表の上の部分だけに,もう一つ別の名前をつけるのかということになりかねないと思いますけれども。
○中村座長 ほかに。どうぞ。
○大竹構成員 私もその考えで、マークというのは、やはり限定的だと思うのですね。そういう意味では、この基準に合っているのがこのマークだけれども、さらに私たち使う側がこういうことも配慮しながら食事パターン、毎日の食事をしていくことが必要だということで、下の注意書き、今、枠外にあることが出てくるのかと思うのですね。
だから、マークがあれば全て健康ということではなくて、やはりマークはこの範囲内でつけていますよと。健康を考えているけれども、ある意味ではこれで100%いいわけではないということも含めて、そのことが伝わるような表のつくり方にしてほしいと思います。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○渡邊構成員 基準はこのとおりでいいのですけれども、この下の文章がないと、実際暮らしている人は使い方がすごくわからないと思います。基準の食事を作るほうも、いつもこの基準とこの文章がセットで1つの表になっていれば、あ、こういうことだけど、実際はこうなのだねとか、こういうふうに考えるのだねということで理解しやすいと思います。製造するほうも、食べるほうも、選ぶほうも。だから、この基準とこの下の文章はいつもセットであるようにしてほしいなと思います。
○中村座長 ほかに。どうぞ。
○田中(延)構成員 そのことはこの表のつくりで解決できる話だろうと思うのです。基準は基準、使い方というのは。
○中村座長 わかりました。
○田中(延)構成員 それを出すときは全て入っているようなものにしていただけるといいなと思います。
○中村座長 事務局からどうぞ。
○芳賀栄養指導室室長補佐 それでは、御意見を踏まえまして表の修正案を提案させていただきます。
まず、表のタイトルですが、「『健康な食事』の食事パターンに関する基準の内容」の後ろに「と摂取上の留意点」。
基準に関しては、御意見が重ねてあったとおり、枠内のものが基準であるということを区別することになろうかと思いますので、その枠の下に括弧で「摂取上の留意点」として、「注1 1日の食事においては、料理 I ~ III の組合せにあわせて牛乳・乳製品、果物を摂取すること」。注2として、下の5行の最初の1行目「なお、ここで策定した基準は、健康な食生活を送るための食事パターンの一つの例である」を取りまして、「必要なエネルギー量は個人によって異なることから、体重や体格の変化を見ながら適した料理の組合せを選択すること、摂取する食品や栄養素が偏らないよう、特定の食材を用いた料理を繰り返し選択するのではなく、異なる種類の料理を選択することなどの工夫が必要である」ということで、これら2つを「摂取上の留意点」として枠の下に注1、注2ということで整理し、これら全てを含めて「『健康な食事」パターンに関する基準の内容と摂取上の留意点」という表題の表としてはいかがかという修正案です。いかがでしょうか。
○中村座長 どうぞ。
○田中(延)構成員 何かしつこいようですけれども、基準の下にちょっとつけ足しのように書かれると、そこのところは余り読まれなくなってしまうので、基準は基準、留意点は留意点としてちゃんと表をつくっていただいて、ぼん、ぼんと入れていただいたほうがいいと思います。
○中村座長 全部を囲ってしまったらどうなの。
○田中(延)構成員 全部囲ってください。
○中村座長 全部表にしてしまう。
○芳賀栄養指導室室長補佐 囲むが、パーツがわかるというような表のつくりにするという理解でよろしいですか。
○田中(延)構成員 ぜひそうしていただきたい。
○中村座長 だから、上のブルーの「食事パターン」というのを「食事パーンの基準」というふうにして、下に「留意点」というので、同一の表にしてしまう。必ずこの表が歩くと。そういう話でいいですか。まだあるのですか。
○高田構成員 表のつくりではなくて、今の2番目のほうが非常に長い感じがして、個人差を考えてくださいということと、同じ食品ばかり繰り返し使わないでという2つの内容が入っている気がするので、2と3に分けていただいたほうがシンプルになるのではないかと思います。
○中村座長 では、2番目が「必要なエネルギー量は個人によって異なることから、体重や体格の変化を見ながら適した料理の組合せを選択すること」。「摂取する食品や栄養素が偏らないよう、特定の食材を用いた料理を繰り返し選択するのではなく、異なる種類の料理を選択することなどの工夫が必要である」というのが3番目という意味。ということでいいですか。
○生源寺構成員 今のを「選択すること」で切ってしまっていいのではないですか。そうすると、全部「こと」で終わりますので。
○中村座長 「選択すること」ね。
いいですか。どうぞ。
○大竹構成員 そんなにこだわらないのですけれども、そうすると、上2つが「こと」「こと」で終わって、最後が「ある」で終わるので、その辺を整理していただければと思います。
○中村座長 言葉を美しく整理してください。
○芳賀栄養指導室室長補佐 御提案があった注2の候補の文章を2つに切り分けるところですが、「必要なエネルギー量は個人によって異なることから、体重や体格の変化を見ながら適した料理の組合せを選択すること」「注3 摂取する食品や栄養素が偏らないよう、特定の食材を用いた料理を繰り返し選択するのではなく、異なる種類の料理を選択すること」でいかがでしょうか。
○中村座長 いいですね。
(「はい」と声あり)
○中村座長 では、これで御了承いただいたということで、めでたくこの報告書ができ上がったということになります。
本当に御協力ありがとうございました。大変有意義な議論ができたと私も感動しております。
そこで、本日の予定時間は何時までになるのですか。時間がまだありますか。
○河野栄養指導室長 はい。
○中村座長 まだありますので、これからの問題も含めて、あるいは「健康な食事」の認証制度あるいは概念に対して、これからどういうふうに普及したらいいかというアイデアも含めて、お一人ずつ御意見を最後に承りたいと思っております。
では、こちらからこう回っていきましょうか。宇野委員から。余り長くなると時間がなくなるので、適当なところで。どうぞ。
○宇野構成員 マークをつけたり、伝えていく立場の管理栄養士として、今後のスケジュールといいますか、ガイドラインがいつごろできて、4月から運用開始ができるようなスケジュール感を早くつかんで、おくれのないように準備を進めたいなと思っています。御指導よろしくお願いします。
○中村座長 ありがとうございました。
では、どうぞ。
○江頭構成員 昨年の6月から参加させていただいて、私は地域の現場にいる管理栄養士ですので、こういったところでお役に立てるのかなというふうな思いの中ですごくいろんな勉強をさせていただきました。
きょうの議論の中でもその趣旨や目的がずれないようにというところが何人かの先生方からあって、本当にそのとおりだなと思っています。当初の検討会の中でずっと議論してきた構成している要因例、三角から丸になってというあのところに現場で迷いがあったら立ち戻って、栄養食品だけでなく、さまざまな視点があそこの中に盛り込まれているので、今、どうしても詰めなければならないマークのこととか基準のことはあるのですけれども、そこのところに戻ってしっかり現場で伝えていきたいなと思っています。
ありがとうございました。
○中村座長 ありがとうございました。
では、大竹さん。
○大竹構成員 私は家政学の専門家としてこちらのほうに参加させていただきましたが、食べることについては専門家でないので、非常に勉強させていただきました。ありがとうございました。
こちらでは余り家庭科教育ということは申し上げなかったのですけれども、実は家庭科教育のほうが今、中心になっておりまして、小学校、中学校、高校の教科書をつくっております。そこでは3つの食品群とか、4群の食品群とか、「食品バランスガイド」とか、さまざまな基準が教科書に混在して載っていて、教えるのに非常に苦労して、そこをどう整理するのかといつも悩んでおりました。
そういう意味では、この新しい基準というのは、多分小学生でもすごくわかりやすいのではないかなと思いますので、学校現場、小中高の家庭科の中においてぜひこれを活用していきたいなと思っています。
ありがとうございました。
○中村座長 どうもありがとうございました。
では、佐々木先生。
○佐々木構成員 この検討会は、ややもするとマークをつくる気かというふうに誤解をされるというところが懸念なのですね。この検討会の報告書のタイトルにあるように、「健康な食事」のあり方に関する検討会であります。そして、世界は科学に基づいて、事実に基づいて、エビデンスに基づいてというところになってきております。
今回初めてというか、やっとといいますか、そのプロセスを経て日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方を考えることができたということで、この報告書のプロセスこそが大切であると。結果も当然大切ですが、このプロセスこそが大切であり、このプロセスをぜひ次のこのような食事を考えるものに生かしていっていただきたいと切に願います。
○中村座長 ありがとうございました。
では、生源寺委員。
○生源寺構成員 私は、最後何回か失礼したのですけれども、非常に勉強になり、かつ刺激的でありました。私は農業とか食料の経済学を専門としているのですが、今回のこの分析を拝見していまして、食事はある意味では社会のありようを映し出しているところがあるわけで、そういう意味では、食事に関する個々の品目というよりも、食事のパターンに関する社会科学的な研究の余地がまだまだあるなという感じがいたしました。
例えば今回の報告書に2カ所ぐらい収入階層別の食事の違いのようなことが出ているのですけれども、実は収入階層別のものは結構家族の人数あるいは働いている人の人数も効いているのですね。したがって、1人当たりに直すと、もう少し厳しい状況も出てくることがあるかなということを感じたり、いいデータもまだないわけですが、そういったことも含めてもっともっと深めるべき点があるなと思いました。
かつ、こういった学際的、サイエンスの先生方といろいろお話ができたり、あるいは実務の世界の方々と情報、交流できることも大変すばらしいことだと思いますので、この後継の研究会なりも考えていただければいいなと思いました。
以上です。
○中村座長 どうぞ。
○鈴木構成員 流通として参加させていただいて、毎回来るのがすごく刺激的というか、勉強させていただいている感じで、あ、先生方はこういうふうにコンビニというものを見ていたり、若者というのを見ていたり、いろんなことがあるのだなということを再認識させていただきました。
ただ、給食とか社食とかコンビニとか流通とかスーパーとかができることはまだまだたくさんあるのだなということ、コンビニということが食事提供だけではなく、情報提供であったり、リテラシーをアップしていくことに貢献できるのだということがわかりましたので、これから頭をひねって、来年4月に、ああ、こうなったのだということが皆様に公表できるように。先生にも試食をしていただけるように準備してまいります。イの一番に送らせていただきますので、ぜひ御感想などをいただきたいなと。また会でも開いていただきましたら、そのときは持参いたしますので、よろしくお願いします。
○中村座長 ありがとうございました。
高田委員。
○高田構成員 私も毎回多面的な意見を聞かせていただいて大変勉強になりました。また、こういう「健康な食事」という考え方は非常に難しいなというのをつくづく感じさせられた会議でした。
既に研究所宛てには国内あるいは国外からこういうのをやっているのだねという質問が来ておりますので、本当にマークだけにならないように、趣旨とか経過がきちんと伝わるように私のほうは努力させていただきたいと思います。
また、初回に佐々木委員が提案したように、地中海食に比べて、日本人の長寿を支える「健康な食」という部分に関してのエビデンスはまだまだ非常に足りない部分があるかと思いますので、そこについても今後努力していきたいと思っております。
ありがとうございました。
○中村座長 ありがとうございました。
○高戸構成員 今回この検討会に参加させていただいて、我々給食の場合ですと、ヘルシーメニューというのはお客様からの御要望が非常に高いのですが、なかなかエビデンスベースドになっていない、御紹介したように各社ばらばらの基準を持ってヘルシーメニューということを御提案しておりますが、今回こういう形で食事パターンの検討をさせていただいたことで、ある程度一つの形になって普及啓発のお役に立てることになるかと思います。そういう意味では、かなり情報発信力があるのではないかなと考えております。
日本給食サービス協会でも日本給食経営管理学会とともに産学連携で、正しい表現の仕方、正しい伝え方の問題等について、現在、検討を始めておりますので、新たにガイドラインにでき上がりましたら、普及啓発のほうの役割を担いたい。給食がこの検討から外れるのか、外れないのかと若干混乱したこともあったのですけれども、非常にいい機会であったと思っております。
本当にどうもありがとうございました。
○中村座長 どうもありがとうございました。
武見委員、どうぞ。
○武見構成員 先ほどちょっと申し上げたのですが、9月の末に発表になったWHOの「ヘルシーダイエット」のファクトシートを読んだときに、あ、日本のこの検討会は一歩先を行っているなと本当に思いました。そういう意味で、この内容をしっかり国際的に発信していくこと。その結果だけではなく、プロセスを含めて発信していくことが、改めて日本人の食事というものに世界からもう一度注目を持ってもらうよいきっかけになるでしょうし。また,日本の中のさまざまな研究の不足点について、自分も含めてすごく感じることが多かったので、今後取り組んでいきたいと思います。
もう一つ、27ページの「日本人の長寿を支える『健康な食事』を構成している要因例」の整理は本当に意味があるなと。特に栄養教育ということを考えている立場から思います。日本人の、できれば全ての人が,こういう視野を持って自分の食というものを捉えられるようになっていく、そういうふうに栄養教育の分野でももっと努力していきたいと思いました。
以上です。
○中村座長 ありがとうございます。
では、田中延子委員。
○田中(延)構成員 大変すばらしい報告書をまとめていただいたと思っています。これ1冊を読むことで日本が今、置かれている状況が隅から隅までわかるということで、座長を初め、事務局の皆さんは本当に大変だったと思うのですけれども、大変感謝したいと思います。
マークも趣旨がすごく伝わるすばらしいマークが選択されたということで、よかったなと思っています。
今回示されました主食、主菜、副菜の観点というのは、やはり日本独特のもので、日本の食文化を守りつつ、どのような種類の食品をどの程度食べたらいいのかということを示せたということで、今までよりも一層すばらしいものになったなというふうに本当に感謝しております。
私としては、今後、自分の活動の中でこの趣旨が正しく伝わるように取り組んでいきたいなと思っております。
このすばらしい会に加えていただいたことに心より感謝したいと思います。ありがとうございました。
○中村座長 ありがとうございました。
では、原田委員。
○原田構成員 今回、「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」というところで、私は、日本の食文化みたいなことをやっている立場でどうやってかかわっていいのか、初めにお話があったときちょっと戸惑ったところはあったのですが、そういう部分も含めてということで、先ほどの六十何ページの表の中にうまく位置づけていただいたことは非常にありがたいと思っております。
ただ、先ほども消費者教育ということを申し上げましたけれども、これはつくる側の基準ということに少し重きがあるということはわかるのですが、今の食生活の現状、特に私などが接している育ち盛りのスポーツマンの学生などを見ていますと、彼らの食生活はこれでいいのかいなというのが物すごくあります。これは、「健康な食事」のあり方というよりも、その一歩手前の食とは何かとか、まさに食育の基本にかかわるところの問題なのですが、この辺のところの教育、普及の問題を少し真剣に考えていく必要があるのではないかなと。
食育の問題には前にちょっとかかわったこともあるのですが、少し口幅ったいようですけれども、食育の問題には文科省と農水と厚生労働省それぞれの立場からかかわり合っていて、微妙にスタンスが違うと思うのですが、その辺をうまく連携をとって、食の問題を一番基本に扱う厚労省あたりで、食べるというのはどういうことなのかと。もちろん、食文化の伝統も重要ですが、その前の食文化の根本のところの理解ということをもうちょっと広めていけたらいいのかなと思っております。
○中村座長 どうもありがとうございます。
伏木委員、どうぞ。
○伏木構成員 この検討会で私が一番印象に残っているのは、27ページの図26であろうと思うのです。このプロセスがここに集約されていて、議論でここまで達したというのは大きな成果であるし、この図自身はひとり立ちして、いっぱいそこらに配られても本当に自信を持って。むしろ配ってほしいと思うぐらいであります。
まさに食は多様性が大事で、日本国中同じような食事になってしまうというのは楽しくないし、また、どこかで危ないかもしれない。そういう意味で、多様性を残しながら1つの基準をということ、これをどう両立させていくかというのがこれからの問題であろうかと思います。
基準に関しては、今までの幾つかの基準と違って、これをメーカーがつくって売られて、消費者が買うというプロセスも生まれていますね。そうすると、これが例えば好まれなければ買われない、つくれない、売れない、消える、こういうことも残っているわけで、それには消費者の教育というのと彼らの判断がどうかということ、いろんなことが含まれている、非常に新しい形だと思うのです。
ですから、それをずっと注視して、片っ方ではこの趣旨を消費者の方々に周知徹底させると同時に、つくる側のほうも、ギャップがあるとしたらギャップをどう埋めていくかということも考えて定着していくようにというふうに願っております。
○中村座長 ありがとうございました。
藤谷先生。
○藤谷構成員 とても楽しい会合でした。ありがとうございました。何にも宿題報告をせず、ほかの先生方の話ばかり伺って、大変勉強させていただきました。
農産物をつくるところから始まって、経済的な問題、そして流通、そしてアカデミックなエビデンスの問題、そういうところが全部マルチディシプリナリーに検討できた検討会だということが今回の特色だと思いますし、それだけの分野の協力を得ないと、広まるような適切なものは作れない、どこかだけ、学会とかだけが基準を言っても広まらないというふうに本当に思います。今回は事務局のほうでこのように多彩なメンバーを集められたことと、農水省とか文科省とか、省庁側のほうも多彩なところがお出になって、今後も横の協力ができるという立場でこの会を開催されたところがすばらしいと思います。
今回の検討会の対象は、健康を維持する、予防する、若い人から中高年の元気な方だと思うのですけれども、次の検討会としては、さらに選ぶ力が弱くなっていたり、つくる力、買う力が弱くなっているような高齢者、さらに病気もついている、嚥下障害もついているというような高齢者に関しても、農水省のほうも介護食ということで出してくださっていますし、いずれまた御検討いただければと思います。
ありがとうございました。
○中村座長 渡邊委員、どうぞ。
○渡邊構成員 このような会は、今までは食べ物の専門家だけでつくっている場合が多かったように思うのですが、今回は多様な分野の先生が参加されていました。そのおかげで、すごくいいものができました。私はいつもこの会議に出席させていただき多くのことを学んで帰っていたという状況でした。
27ページの図は本当にすばらしくて、私もこれを使って授業等いろんなところで活用させていただきたいし、きょうの85ページの表16について、みんなで検討できたこともすごくよかったなと思っています。
食事摂取基準も大きく変わってきて、みんなだんだん理解もできるようになってきていますけれども、私たちが小さいときには給食は残さず食べろというふうに育っております。何だかみんな一律一緒みたいな教育の中で育ってきておりましたが、そうではないということが随分広がってきています。そういったことが今回の数字、科学的な根拠をもとにつくったけれども緩やかで、よく読むと、こういうふうに工夫すればいろんなことができて、そして健康で暮らせるのだよということがわかるものができて、私はすごくよかったなと思います。
今後は文科省とか農林水産省とか、あとは産業という意味では経産省とか、そういったところとも連携してぜひ広げていってほしいし、シンポジウムとか、パワーポイントをつくるとか、いろんな工夫をしていただけるとすごく助かると思います。
私も自分ができる範囲で積極的にこういったものを広げる活動に参画というか、自分なりに努力したいなと思っています。
どうもありがとうございました。
○中村座長 先生方、本当にありがとうございました。
では、きょうの議論を最終的にまとめます。
まず、基準のマークに関しては、本日承認いただいた、決定したということでいいでしょうね。
報告書に関しましては、主として議論したところが2カ所ございまして、66ページの数字の問題でございます。これは後日数字を確認して、私のほうでチェックして報告書に記載したいと思いますが、その辺は座長のほうに御一任をお願いしたいと思います。
最も議論が多かった表16に関しましては、先ほど既に詳細に確認していただきましたので、その案で報告書をまとめさせていただきたいと思います。
以上で本日の課題に関しては全て終了いたしました。
では、今後のスケジュールにつきまして、事務局からお願いいたします。
○河野栄養指導室長 今後のスケジュールについてですが、本日の検討会で意見のありました修正点を座長と事務局で確認をしまして、報告書の公表は後日ということで、また決まりましたらば先生方に御案内を差し上げたいと思います。
また、先ほど御質問があったこれからのスケジュールですが、報告書についての説明の中でもありましたとおり、平成27年度からの運用に向けて、農林水産省と協働で年内を目途にガイドラインを策定していくこととなります。
以上でございます。
○中村座長 ありがとうございました。
それでは、閉会に当たりまして、がん対策・健康増進課の正林課長様より一言お願いいたします。
○正林がん対策・健康増進課長 構成員の皆様方、1年以上にわたって非常に熱心に御議論いただきまして、本当にありがとうございました。また、今日は若干の微修正が残りましたけれども、このように報告書をまとめていただきまして、本当にありがとうございます。
今日の議論を聞いていまして、一にも二にもまとめられた報告書をいかに普及啓発していくかということが大事かなというふうに痛感いたしました。確かにこの90ページの報告書を全部読まれる方はそうそう多くないので、ポイントを絞ってパワーポイントにするとか、あるいは海外に発信するために英訳するとか、しっかりと国民の皆様あるいは海外の方々にわかる形で、しかもこの議論の内容がわかる形で情報発信していくことがとても大事だなというふうに痛感いたしました。今後、我々はガイドラインを作ったり、そういった作業を進めていきたいと思っています。
会議はこれで終わりますけれども、引き続きいろいろ御指導いただけたらなと思っております。本当にありがとうございました。
○中村座長 どうもありがとうございました。
最後になりますが、座長として一言お礼を申し上げたいと思います。きょうは、嵐の中で会議が始まりまして、終了するころには晴れているという天気予報でございます。この会議を象徴しているようなお天気でございます。
約1年間にわたりましてこの会議の座長を務めさせていただいたことをとても誇りに思っておりますし、皆さん方が本当に協力していただき、こんなすばらしい報告書ができたことをうれしく思っております。世界の人々に世界一長寿な国である日本国が「健康な食事」とはこういうものだということを発したということ、それはとても意義のあることだろうと思っております。これからこの報告書が生かされ、国民、そして世界の人々の健康に寄与できればいいなと思っております。
本当に長い間ありがとうございました。これで終わりたいと思います。
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