ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> レセプト情報等の提供に関する有識者会議> 第22回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録(2014年10月3日)




2014年10月3日 第22回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

○日時

平成26年10月3日(金)15時00分~16時30分


○場所

厚生労働省専用23会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2


○議題

議事次第
1.DPCデータの提供について
2.その他

○議事

○山本座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第22回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。

 構成員の皆様には、御多忙中、また本日はちょっと季節外れの暑さの中お集まりいただき、厚く御礼申し上げます。

 会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況について事務局から御報告をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

それでは、本日の構成員の出欠状況について御報告させていただきます。本日は、新保構成員、武藤構成員から欠席の御連絡をいただいております。

それから、府川構成員、石川構成員、猪口構成員、松田構成員、三浦構成員少し遅れてご到着されます。

ただいま11名の出席をいただいておりますので、会議開催要件を満たしております。

また、前回の会議を本年7月に開催しましてから構成員の交代がございましたので、御紹介させていただきます。

貝谷構成員にかわりまして、全国健康保険協会の伊奈川秀和理事に御就任いただいております。

○伊奈川構成員 伊奈川でございます。よろしくお願いいたします。

○赤羽根室長 それから、近藤構成員にかわりまして、日本薬剤師会の田尻泰典理事に御就任いただいております。

○田尻構成員 田尻でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局につきましては、保険局医療課より佐々木企画官、丹藤補佐、中下主査が出席しております。よろしくお願いいたします。

○山本座長 それでは、会議開催要件を満たしているとのことでございますので、早速ですが、議事に入らせていただきます。

本日は議事が1つで、「DPCデータの提供について」でございますけれども、これについて事務局から説明をお願いいたします。

○佐々木企画官 医療課企画官の佐々木でございます。

御説明に関しましては、資料1と、それから資料2-1、2-2を用意しております。まず、資料1でございますけれども、DPCデータの提供についてでございます。1枚めくっていただきますと、「本日の資料の構成」は、このようになっているというものでございます。

まず、3ページで、そもそもでございますが、「DPCデータとは」ということですけれども、こちらは「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法」というものに基づきまして、厚生労働省が収集し管理する情報でございます。

利用目的としましては、「DPC制度導入の影響評価及び今後のDPC制度の見直し」ということになっております。

活用方法としましては、各医療機関から提出されたデータを診断群分類の点数表の作成、医療機関別係数の設定等に活用しておりまして、個別患者が特定できないように集計した後、医療機関ごとに公開しております。

また、急性期医療を担う医療機関等の機能や役割を適切に分析・評価するということで、中央社会保険医療協議会、中医協の要請により適宜活用しているという状況でございます。

保有主体といたしましては厚生労働大臣でございまして、現在、DPCデータを提供する病院は、対象病院が1,585、準備病院が278という状況でございます。

4ページでございます。DPCデータの第三者提供に関しての位置づけということでございますが、先ほど御説明申し上げたとおり、「本来目的」となっておりますが、各医療機関から提供され、中医協におけるDPC、もしくは診療報酬改定のための議論のために用いているところでございまして、今回御議論いただきます第三者提供に関しましては、その下に書いておりますけれども、試行期間として行政機関を考えております。これは全体のイメージ図でございます。詳細は後ほど順次御説明いたします。

5ページ目でございますが、これまで、この有識者会議におきましてDPCの第三者提供に関しまして御議論いただいているところでございまして、25年の6月7日から3回にわたりまして、分科会も含めて御議論いただいているところでございます。

そして、6月24日の閣議決定によりまして、DPCデータの第三者提供ということについて、今年度から試験的に運用を開始するとされているところでございまして、これに対応する形でガイドラインというものの案を策定して、本日それも御議論いただくということでございます。

6ページ目をお願いいたします。「DPCデータの提供に関するガイドライン(案)」でございます。資料2-1としておつけしておりますものがガイドライン(案)の全体でございまして、もともとこれをつくるのに参考とさせていただいております「レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン」、こちらを見え消し状にしたものが資料2-2でございます。

また資料1のほうにお戻りいただきまして、「DPCデータの提供に関するガイドライン(案)」でございますけれども、基本的な方向性といたしましては、DPCデータはNDB情報と医療情報の性質と類似点が多い。そして、研究申出者が両方とも活用したいということも考えられるということでございますから、基本的に「レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン」というものを参考とさせていただいてはどうかとなっております。

「主なポイント」としましては、試行期間においては集計表のみの提供とするとか、最小集計単位は、患者個人は「10」、医療機関は「3」とするとか、郵便番号は市町村単位以上の粒度に変換して提供するなどなど、今回、そのガイドラインの特徴というものを書かせていただいているところでございます。

7ページでございますが、提供様式でございます。DPCデータの提供に関しては、実際は個票と、それから集計表というものがあるわけでございますけれども、試行期間におきましては、集計表の情報のみを提供するということとしてはどうかと考えております。

これは、下に課題といいますか、書いておりまして、個票データの提供において、研究の意義を阻害せずに安全性が確保できるような普遍的な「審査基準」をつくるのは難しいということでございます。これは、NDBと比較しますとDPCデータは相当なデータがもう既に公表されておりまして、組み合わせることによりまして相当な特定ができるということ、それから、いろんな医療機関ございますけれども、DPC病院というのはあくまでも病院の一部でございますので、全てのデータでないということ。それから、様式1、これに非常に患者さんの個人特定可能な情報というものも含まれておりますものですから、こういったものについての取り扱い、さまざまな観点でNDBよりも少し注意深くやる必要があるということでございます。

また、2つ目、個票データの取り扱いは研究者にとっても大きな負担となり得るということで、個票データを扱うという場合には、後ほど御相談しますが、相当厳密な管理体制を求めるということになりますので、そういう意味では慎重に検討してはどうかということでございます。

また、8ページでございます。最小集計単位でございますけれども、これは公表される研究の成果物において患者等の数が原則として10未満になる集計単位が含まれていないとさせていただき、集計単位が市区町村の場合は、公表される研究の成果物において、患者等の数が100未満になる集計単位が含まれないということ。または、公表される研究の成果物において医療機関等または保険者の属性情報による集計数が、原則として3未満となる集計単位が含まれていないこととさせていただいております。

9ページでございます。セキュリティ環境に関しての利用場所、保管場所、管理方法の適用除外の特例に関してでございます。これは提供する集計表情報が十分に個人特定性を低くする処理を施した匿名性の高いデータである場合については、有識者会議における個別の審査に応じ、下記の項目は対象外とすると書いております。

実際はガイドラインの中で「下記の」と書いておりますのが、この資料2-1で申しますと、33ページに(2)というのが上のほうにございまして、ここの文言を抜き書きしておりますので、下記という内容がこのパワーポイントのスライド上ございませんけれども、この下記と書いておりますのが「第6 4(4)2~3」というところで、内容については33ページから34ページのところまで含まれる、このような内容について非常に厳密な管理体制を求めるという内容でございますけれども、こういうものについては匿名性が高いものである場合は求めない。ただし、個人特定性が高い場合については高いセキュリティ環境を求めるということでございます。

それから10ページでございます。外部マスターとの突合でございますが、有識者会議が特に認めた場合を除き、提供されたその他の個体識別が可能となる可能性があるデータとのリンケージを行わないという前提で開示するということでございます。これに関しましては、研究意義が高いということが期待できるわけでございますけれども、DPCデータが個人特定性が高いというような特徴からして、そういったものがさらに可能性高くなるという危惧があるということでございますので、個別に判断していただくこととしております。

また、11ページでございますが、「内訳」「割合」に係るデータに関しては、内訳に関するデータは内訳に関する全ての要素を申請していただき、割合に関する申請は認めず、分子分母の値を申請するとしております。これは、先ほど母数が数の問題で最小単位が10未満とかそういうものをつくらせていただいておりますので、それに該当するかどうかの判断がきちっとできるようにこういう要件としておるところでございます。

12ページでございます。提供依頼申出者の範囲でございますけれども、これは、試行期間におきましては国の行政機関に所属する者とさせていただいたところでございます。この理由といたしましては、現時点で、DPCデータ提供のための厚生労働省側の体制、データベースの構築ができていない、それから、セキュリティ体制の整備がまだできてない等々でございますので、多数の申請に対応することが不可能ということで、まずは行政的な利用価値が高いと考えられる国から開始することとしております。

13ページでございます。「試行期間におけるDPCデータ提供の基本的な考え方」としております。これは、いろいろな申請が今後考えられるわけでございますが、公共性等総合的に勘案し、優先度の高いものから集計表に限定して提供するということと考えております。申出者の範囲は、先ほど申したとおり、国の行政機関となっております。

なお、試行期間におきましては、従来の申出項目、集計表の基準については提供前に厚生労働省保険局医療課におきまして最小公表基準の匿名化処理を行うこととしておりますが、先ほど9ページのほうで、適用除外というところ、セキュリティ環境の話をさせていただきましたけれども、DPCデータの利用場所、保管管理に対して非常に高いセキュリティ環境がある場合につきましては、今申し上げた13ページの真ん中ぐらいにあります匿名化処理については行わないで提供することも考えているところでございます。

また、今回、特に従来のレセプト情報等の利用、提供に関する指針に掲げられた事項について、総合的に勘案して、意見を述べ審査を行うとさせていただいております。

次に14ページでございます。「レセプト情報等の主な審査方針」ということで、これは11回と14回の有識者会議の資料として既に出させていただいているところでございますけれども、研究内容の抽出については、個人の識別可能性を下げるという原則に鑑み、慎重に審査していただくとか、多数の項目を用いた探索的研究ということ、全てデータをくださいというものは慎重に審査するとか、「複数の研究」が1申出に盛り込まれている場合は慎重に行う。これは既に資料を提示させていただいて御議論いただいいた内容をそのまま採用させていただいております。

また、セキュリティ要件についても、「情報セキュリティマネジメントシステムの、申出者個々の研究環境に応じた合理的な対応」の実践を求めているということで、独自のセキュリティ規定が一部または全て欠けている場合は不承諾とする。それから、入退室の管理が不十分であったり、研究者や所属施設が複数にまたがる場合については慎重な評価を行うとか、既に提示させていただいておりますけれども、それをそのまま方針とさせていただいております。

今申し上げたものの提供のフロー図に関しては15ページでございます。申請者から保険局医療課のほうに申請をいただきまして、その申請に基づいて提供するべきかどうかの審査を審査分科会で行っていただき、その承認を得た後、集計したデータで申請者に提供する予定でございます。

16ページ以降は参考資料ということでおつけしている資料でございますので、御高覧いただければと思います。

私からの説明は以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

ただいまの御説明に関しまして議論を進めてまいりたいと思いますけれども、まず、本日ご欠席の新保先生から御意見をいただいていますので、事務局からそれを御披露願えますでしょうか。

○赤羽根室長 事務局から、新保先生の御意見を御紹介させていただきます。新保先生からは、最小集計単位と、それから外部マスターとの突合について御意見を頂戴しております。そのまま読ませていただきます。

他の情報との連結や照合等により再識別化の可能性があるデータについては、提供先における再識別化の禁止をガイドラインで明記するとともに、ガイドラインを遵守して再識別化しないことを約束・公表することを求めるべきではないか。

なお、個人特定性低減データや再識別化の禁止などについては、パーソナルデータ検討会の議論を踏まえて策定された大綱と平仄をとる必要があるとともに、今後の個人情報保護法改正に向けた法律案の内容も踏まえた検討が必要となることを付言しておきたい。

というコメントをいただいております。

○山本座長 ありがとうございます。皆さんの御意見はいかがでしょうか。

○霜鳥構成員 DPCデータ自体、中医協の話なので、中医協とこの委員会の関係、こういうことは中医協で一応了解とられている話なのかどうか、その辺を教えていただけますでしょうか。

○佐々木企画官 医療課の企画官でございます。

中医協に関してでございますが、冒頭に御説明いたしましたとおり、今、DPCデータは診療報酬改定、DPCの検討に用いるということになっておりますので、当然それのお取り扱いを変えるということを議論していただく必要があるという認識でございます。ですので、後先になるかもしれませんけれども、直近の中医協におきまして第三者提供に関する議論を行う予定でございまして、その結果を踏まえて最終的に取り扱いを決めることになろうかと思っております。

○霜鳥構成員 そうすると、ここは了解がとれるという前提で一応議論するということでよろしいですか。

○佐々木企画官 はい、そういう理解でございます。

○山本座長 ほか、いかがでございましょう。

本日はこれしかありませんので、しっかり御議論願えればと思いますけれども、いかがでしょうか。

○猪口構成員 全日病の猪口です。

これで見ると、とりあえず今試行期間で、国から始めるということなのですけれども、DPCデータに関してはかなりいろいろな研究者が多分申し込みをしたがっていると思われますので、いつごろになると、この試行、国のみというのが外れて本格的な運用に移れそうな感じなのでしょうか。

○佐々木企画官 本日の資料の中でもちょっと御説明させていただいたところでございますけれども、DPCデータに関しましては、現在、国のほうでデータベース化がされていないということもありますし、保険局医療課のほうで当面対応するわけでございますけれども、その開示請求、それから開示する作業の担当、そういう人員対応というものができてない状態でございますので、そういったものがある程度整備されてきてということでないと、申請はいただいても全然処理が進まないということも起こり得るということなので、そこはきちっと体制を整備した上で、またこの有識者会議の御意見をいただきながら、どの範囲で開示していくかということを段階的に進めてまいりたいと思っているところでございます。

○山本座長 まだ具体的なスケジュールにはなってないということですね。

○佐々木企画官 はい。データベース化に関しましては、予算要求を始めておるところでございますし、そういう意味では、そういった方向に向けて一歩一歩進めていこうという体制ではございます。

○山本座長 どうぞ、霜鳥構成員。

○霜鳥構成員 ぜひ早目に進めていただきたいという要望をお伝えさせていただきます。

○山本座長 ほか、いかがでしょうか。

どうぞ、宮島構成員。

○宮島構成員 前回の会議は欠席してしまったのですけれども、DPCに関しましてはやはり情報密度が非常に濃いので、厳し目に抑制的にスタートするというのが適当だと思います。対象に関しても国の機関と限ったわけですけれども、これはレセプトの会議のかなり初期のほうでも申し上げたことなのですけれども、一般の国民感情で見ると、行政の機関なら、国の機関なら安心で、そうでなければ安心でないと必ずしも思えているわけではなくて、過去にも行政の情報管理が非常に荒っぽかったことなんかもありますので、今まさに体制が十分でないから国が始めるということであるならば、十分でないから国なら安心ということではなくて、さまざまな審査ですとか外部マスターとの突合をどうするかとか、そのような手続におきましても、逆に、国の行政機関から始めるに当たってもちゃんと安心感を得られる、公開性も手続もしっかりと理解を得られるような形で進めていただきたいと思います。

○山本座長 ありがとうございます。何か事務局からございますか。

○佐々木企画官 医療課企画官でございます。

今の御指摘も踏まえまして、分科会でも一件一件、今後は審査いただけるということなので、そういった、申請者には今のような御指摘もあったということも含めて伝えてまいりたいと思います。

○山本座長 ほか、いかがでしょうか。

どうぞ、石川先生。

○石川構成員 済みません。おくれて来まして大変失礼いたしました。

今回、DPCデータは集計表のみということで限定されるわけですけれども、いずれは個別データのところまで進むかどうか、サンプリングセットからということだと思うのです。こうやって、DPCデータはとにかく本当に容易に、要するに個が類推できるような状況にありますので私たちは大変心配なのですけれども、同時に、このNDBの議論の中でもずうっとやってきたこととして、医療における個人情報の保護についての日本の法律の進化ということが、僕らはかなり期待していて、同時進行でやられるべきだと考えてきたわけです。こうやってDPCのほうもどんどん、今、集計表というところで枠がくくられていますけれども、これは早くやってくれという方もいらっしゃるし、そういう中では、やはり我々として心配なのは、日本の医療における個人情報の、要するに個別法なり、きちんと法律を整備していくということをどれだけ厚労省の側がやっていただけるかと。それによって国民の安心度って全然違うと思うのですね。そこのところはいかがなのでしょうか。

○渡辺課長 ちょっと大きな話でございますので、今この時点で厚労省としてどうということを申し上げる状態ではありませんけれども、ただ、御指摘のとおり、医療情報については非常に機微性の高いものということで、その取り扱いには慎重を期していくということは御指摘のとおりだと思います。

今回のDPCにつきましても、先ほど申し上げました「日本再興戦略」の中でも、今回についてはあくまでも試行的にということと、それから集計データに限るということも明記されておりますので、この試行期間の実施状況ということも見ながら、今後の拡大に当たってはその状況も見ながら慎重に対応していきたいと考えております。

○山本座長 よろしゅうございますか。

○石川構成員 これは意見です。いろいろな面で、今のこの日本の状況を見ると、こういうデータでいろんなものを進展させたいという計画を持っている方たちが随分いらっしゃると思うのですね。特に医療データ、期待される部分あります。しかし、やはり一番基本のところで安全なもの、セキュリティとかそういったものについてきちんと設計しておかないと、進んで進んで進んでいったところでいろいろな失敗が起こるというのは、歴史もいろいろそういうのがあるわけですね。ですから、僕は、これは3年も4年も続いている議論なので、ぜひ私たちが心配しているような医療における個人情報について、かなり罰則も含めてきちんとやっていっていただきたいと、これは強い要望を持っておりますので、その辺よろしくお願いしたいと思います。

○山本座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。

○田尻構成員 今の医師会の先生の御発言、まさしくそのもの、そのとおりだと思いますし、いろんな意味で、医療情報の扱い、一番そこら辺の事情おわかりなのが厚生労働省であると思っていますので、ほかの省庁でもいろんなお考え方があるようには聞いていますけれども、そこら辺のところ、特に医療に係る情報について、厚生労働省のほうできちっとコントロールできるようなことを考えていただいたら非常にありがたいなと思っております。よろしくお願いいたします。

○山本座長 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。

霜鳥さん、どうぞ。

○霜鳥構成員 要望ですが、ナショナルデータベース上のDPCのデータの取り方と、こちらでとっているやり方がわからないので、一度教えていただけますでしょうか。今でなくて結構ですが。

○佐々木企画官 非常に大まかな説明になりますけれども、基本的にナショナルデータベースは請求情報だけですので、最終的にどの診断群を選んで何点とりましたと、そういうところしかないわけですね。ところが、DPCデータになりますと、さっき申し上げた患者情報がある様式1とかそういうものも入ってまいりますので、そういうところが違うというところでございます。

○赤羽根室長 済みません。補足でございますが、資料1の24ページのほうにレセプトデータとDPCデータの主な相違点というのをまとめさせていただいております。ただいま言及ありました例えば様式1について、DPCデータでは少し詳細な情報があるというところなのですけれども、NDBのほうはもう少し、診療開始日とか診療実日数といったところで、もう少しざっくりした情報になっている。一方で、支払に関する情報については重なっている部分もあるというような状況になっております。

○山本座長 よろしいでしょうか。

どうぞ。

○霜鳥構成員 例えばDPCでアップコーディングあった場合どうするかとか、そういう問題なのですが、実は私も、支払機関としてこのDPCをどう扱うというのはちょっと別の問題があり、生めかしいのですが、そういうこともあって今お伺いしました。

○山本座長 ほか、いかがでしょうか。

○冨山構成員 資料1の17ページ、18ページ、「日本再興戦略」の話、さっき出ていましたけれども、18ページのほうに工程表が出ていますけれども、ここにも太く、第三者提供の本格的な運用に向け試験的運用を開始するということが書いてありますね。ナショナルデータの民間活用というのを含めて、今後、いわゆる第三者提供の部分を見るときにも、先ほども話ありましたけれども、大前提として、今、個人情報保護法改正の話が出てございますけれども、きちっとそこの部分で、医療情報というデータが、以前、個人情報保護法のできたときから個別法をつくるという話の部分がだんだん薄まって、そこが見えないような形になっていて、非常に我々危惧を持っているのですね。ここの部分がきちっとしない限り、この第三者提供の部分の論議というのはできないと思うのですよ。当然、並行でやっていると言いますが、ここの部分が見えない中でどんどん進めていくのは甚だ危険だと思っていますので、やはりここの部分きちっと、医療情報を安全に運用する、そこをもうちょっと厚労省としてはっきりと明確に見せていただきたいというのが要望でございます。

○山本座長 ありがとうございます。この議論をし出すと幾らでもしゃべることがあるのですけれども、若干ここの有識者会議の前提条件ではありながら、ここで最後まで議論を進めることができないとちょっともどかしさがございますけれども、ほかに御意見いかがでしょうか。

私から、9ページの「セキュリティ環境について」というところで、要するに対象外にすることができるという条件が書いてあるわけですけれども、十分に特定性が低い集計表という言い方を多分されていたと思うのですが、ここは、括弧の中に書いてある公表の基準をクリアしていることに限定するということでいいのですかね。つまり、基準は満たしていないけれども特定性が低いみたいな議論はもうしなくていいということでよろしいですか。

○佐々木企画官 そういう理解でございます。

○山本座長 わかりました。こういう問題は結構レベルの問題があって、微妙なところになると、この会議で決められるのかという話にもなりますから、これは本当に公表基準のクリアをしているかいないかを議論するということでいいわけですね。

いかがでございましょう。

これは進め方としては、試行期間を通じて審査等を行ってみて、もしもガイドラインに何か問題があるようならまた見直すというサイクルを繰り返すというふうに考えてよろしゅうございますね。

○佐々木企画官 はい。そのような考えでございます。

○山本座長 わかりました。つまり、本日、このガイドライン(案)というのはまず試行期間を始めるためのガイドラインだということですね。

○佐々木企画官 はい。そのような考えでございます。

○山本座長 わかりました。つまり、きょう、このガイドライン(案)というのはまず試行期間を始めるためのガイドラインだということですね。

ほか、何か御意見ございませんでしょうか。

どうぞ、石川先生。

○石川構成員 私の言っていることは、このDPCデータだとかNDBということについて研究してはいけないとかいうことではなくて、やはり一定、こういうものは私たち国民、あるいは医療従事者の財産でもありますので、それをより一層医療計画だとかそういうのにうまく使っていただくのだったらいいと思うのですね。ですから、そういう外枠の法律なんかがしっかりしていれば、例えば、今回、DPCで郵便番号を使うわけですね。要するにそれをやるということですね。例えば市町村単位というと、珍しい病気だったら、村のところまで行くと、個別で10なんていうことには絶対にならないのですよ。

例えば結核でも村で10集めるというのはなかなか大変かもしれないですね。今、地方によっては。そのようなことで、全部これはゼロになってしまうわけですね。こういうデータになってしまうわけですから、例えばここは集計表ではなくて、もう少し研究を進めていきたいならば、例えば結核とかいうことについて進めていきたいのであれば、個人情報の特定のところは、多少は危ないところまでいくかもしれないけれども、そのときにきちんと安心できるセキュリティの問題と、それから罰則の問題だとかそういうのがあって、ほかに漏れないだろうということも安心できるようなものであればもっと研究が進むのではないかと思うのですよ。そのことを言っているわけで、ぜひそのように僕らはしていただきたいと思うのです。それにしては、今の外枠というのは情けないと思っております。

○山本座長 ありがとうございます。

私もパーソナルデータの検討会の構成員をしていますので、新保先生の意見を少し補強しておきますと、こういう特定性の定量性でがちがちに足かせをはめてしまうと、1つは、本当の意味で言うような利用というのがやりにくくなるという問題と、では本当にこれで安全なのかという問題と2つあるのですね。多分、両方得なくてはいけない話で、片方で妥協するという問題ではないと思うのですね。

そうすると、新保先生の御意見にありますように、再特定の可能性があってもしないということをきちっと明記していただいて、それが守られるということが、担保されることが必要になるわけですが、宣言は多分していただけますし、多くの方は再特定しないのですが、ではそれが守られるという担保をどうやって得るのかが、今、個人情報保護法では問題になっていて、とにかく包括法で何らかの仕組みを導入すると。それが本当に一般の分野でどれぐらいの実効性があるのか、機微な分野ではどれぐらいの実効性が必要かみたいなことに議論を進めていくのだろうと、常識的にはそうなるだろうと思っています。

そういうことで進めていかざるを得ないので、こういう提供が、ある意味、一つのたたき台になって、それの実効性みたいなものがしっかり議論される必要があると思うのですね。進めていくところまで私は保証はできませんけれども、常識的にはそうなるだろうと。

そういうことで進めていかざるを得ないので、これはこういう提供が、ある意味、一つのテストベッドになって、それの実効性みたいなものがしっかり議論される必要があると思うのですね。何でもかんでも保護すればいいという制度にしてしまうと、これは本当に誰にとっても多分幸せなことにはならない。より高度な個人情報の保護と利活用が両立する道を探さないといけないわけですね。そこが今議論の最もホットなところということだと思います。

アメリカは、再特定化の再策定しない宣言をFTAに対してすることによって、FTA法による罰則でやろうとしているのですね。日本の場合はFTA法のような法律がないので、民間事業者が宣言したら、どうやってそれを担保するかの議論がまだまだ不十分で、先ほどの新保先生の後半の御意見がありますが、そこは今年いっぱいぐらいをかけて詰まっていくところだろうと思います。

ほかに御意見ございませんでしょうか。

さまざまな御意見いただきました。個人情報の取り扱いに関しては、この試行期間も通じて、あるいはNDBのほうの提供も通じて、我々としても非常に関心の高いことですし、直接関係するところですので、また有識者会議としても進めていただくことを求めていくということにさせていただきまして、このDPCの試行期間に入るためのガイドラインとしては、特段修正が必要な項目はなかったように思いますけれども、それでよろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○山本座長 ありがとうございます。それでは、特段修正の必要がないということで、先ほど資料1で説明いただいた、若干中医協との関連等もございますけれども、そういったもろもろの手続を踏まえた上で進めていくというふうにさせていただきたいと思います。

若干ほかのところとは関係ございますけれども、先ほども了承を得られる見込みということがございますので、このガイドラインに従って、申出があれば審査を進めていくということにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

それでは、事務局のほうから、このことに関して何かございますでしょうか。

○赤羽根室長 ありがとうございます。事務局においても必要な手続を今後進めてまいりたいと思います。

それから、これに関しまして、開催要綱並びに運営規程などの改正案を御提案させていただいております。資料3-1、3-2、3-3ということでつけさせていただいているもので、3-1と3-2が要綱案と、それから運営規程案になっているのですけれども、資料3-3をごらんいただければと思います。

こちらの資料に、それぞれ開催要綱と、その運営規程に対する新旧対照表をつけさせていただいております。まず、資料3-3の1ページ目をごらんいただきますと、開催要綱の改定案でございまして、「目的」のところで新たにDPCデータに関するガイドラインについて検討を行うという部分と、それから、DPCデータの利用申出があった場合に、決定するに当たって助言していただくということを入れさせていただいております。

その後、2番以降はDPCデータを必要な部分に追加していくといった変更でございます。

それから、3ページ目をごらんいただければと思いますが、運営規程の第3条のところの改定は、かねてからさせていただいている継続審査を運営規程の中に盛り込ませていただいたというものでございます。

それから、DPCデータに関する文言を追加させていただいております。こちらも、現時点では、(案)という言葉が抜けているのですけれども、(案)でございまして、必要な手続が済んだところで確定という運びにさせていただければと思います。

以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。今の事務局の御説明に関して何か御疑問ございますでしょうか。

よろしゅうございますか。

基本的には、DPCの提供に関しても、この有識者会議、あるいは分科会で扱うということでございますけれども、お仕事がふえることになりますけれども、よろしゅうございますか。

それでは、議題1はこれで終了ですけれども、議題2の「その他」について事務局からお願いいたします。

○赤羽根室長 「その他」としまして1件御報告事項がございます。

参考資料をごらんいただければと思います。参考資料として「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会 議論の整理」という紙をつけさせていただいております。

こちらは、ことしの通常国会で医療法が改正されまして、その中で新たに病床機能報告というものが医療機関から都道府県に対して行われるという制度が始まっております。この検討会の議論の整理では、病床機能報告の制度について具体的な事柄をいろいろ御議論いただいたというものです。

ここで御報告させていただく趣旨は、病床機能報告制度の中で、今後、病床機能報告の中の一部の情報についてはレセプトデータを使っていくということになります。これは本当に決められた事柄についてオートマティックに報告されていくというか、制度の中で報告されていくというものですので、基本的にはこの有識者会議の第三者提供とは別の流れのものなのですけれども、一応レセプトデータが使われる新たなスキームができたということで御報告させていただく次第でございます。

以上です。

○山本座長 ありがとうございます。何か御質問、御意見ございますでしょうか。

ここで余り突っ込んだ議論をしても仕方がないとは思いますけれども、御意見ありましたらどうぞよろしくお願いいたします。

○石川構成員 これは地域医療計画というか、要するにNDBの発生してきた高確法のもとで、今回の病床機能の4類型に役立てるということについては、これは普通に使えることですね。遵法的ですよね。

○赤羽根室長 済みません。病床機能、例えば研究者の方であったり、都道府県が例えば医療計画なんかのためにこの第三者提供の枠組で使われるという趣旨ですか。

○石川構成員 いや、これはそうではないのではないの。

○山本座長 これは本来目的。

○赤羽根室長 済みません。病床機能報告自体は医療法の別の枠組ですので。

○石川構成員 そこについては我々は審査をするということではないわけですね。

○赤羽根室長 審査しないということです。

○山本座長 ほかに何か御意見ございますでしょうか。

本来目的の利用に関しては時々御報告を聞くということになっております。

よろしゅうございますか。

それでは、最後に何か事務局から御報告ございますでしょうか。

○赤羽根室長 ありがとうございます。

本日は、御多忙の中、御議論いただき、ありがとうございました。本日、DPCデータの提供に関するガイドラインについてとりまとめいただきましたので、今後、こちらを踏まえて試行期間におけるDPCデータ提供の審査を行っていければと考えております。

また、次回以降の有識者会議の日程につきましては、事務局から調整の上連絡させていただきます。

また、この後の分科会につきまして、17時めどの開始の予定とさせていただいておりますが、分科会構成員の方がもし早目にそろった場合には少し早目に開始させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

以上です。

○山本座長 ありがとうございました。

随分早く終わってしまいましたけれども、それでは、今回はこれにて閉会とさせていただきます。分科会に入られている委員の方は少し待ち時間がございますが、よろしくお願いいたします。

本日は、お忙しい中どうもありがとうございました。


(了)

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