ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会> 第21回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会について(2013年8月9日)




2013年8月9日 第21回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会について

医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室

○日時

平成25年8月9日(金)13:00~15:00


○場所

航空会館 大ホール


○議事

○北村座長 定刻となりましたので、第21回「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に
関する検討会」を始めさせていただきます。
 本日は御多忙のところ、また、暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 昨年11月以来の9カ月ぶりになるのでしょうか、開催ということで、本日大変たくさん
の審議事項がございますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず、新しい局長さんをお迎えしたこともございますし、委員の出欠状況、
配付資料の確認等を事務局よりお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○医療機器審査管理室長 ありがとうございます。
 ただいま北村座長より御紹介ございました、医薬食品局長に着任いたしました今別府よ
り一言御挨拶を申し上げたいと思います。
○今別府医薬食品局長 医薬食品局長の今別府でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、25年ぶりにこの医薬局に戻ってまいりまして、25年前に医療機器開発課をせっか
くつくったのに今はないなと、これが残念なことであります。
 ただ、逆に審査ラグがほとんどなくなったことと、それからこの検討会ができていると
いうこと、この2つが非常にうれしい誤算と言うとちょっと語弊がありますが、そういう
意味で非常に期待をしておりますので、きょうも含めて今後とも御支援のほど、よろしく
お願いいたします。
○医療機器審査管理室長 それでは、厚生労働省側の担当官が夏の人事異動により交代し
ておりますので、紹介をさせていただきたいと存じます。
 まず、医薬食品局長でございますが、ただいま御挨拶申し上げました、今別府でござい
ます。
 続きまして、医薬担当の審議官で成田でございます。
 審査管理課長の佐藤でございます。
 私、医療機器審査管理室長の古元と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況につきまして御報告申し上げます。
 本日、検討会委員16名のうち出席予定が12名でございます。千葉先生が少しおくれてお
見えでございますので、現時点では11名の御出席、残り4名、梅田委員、加納委員、中谷
委員、渡辺委員が御欠席という御連絡をいただいております。
 現時点で過半数を満たしておりますので会の成立を御報告させていただきます。
 また、本日は検討品目に関する専門家といたしまして、5名の先生方に参考人として御
参加をいただいております。御紹介をしたいと思います。
 国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科科長の福田隆宏先生です。
 前田眼科クリニック院長、前田利根先生です。
 国際医療福祉大学病院精神科教授、三國雅彦先生です。
 東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所、先端工学外科学分野教授、村垣善浩先
生です。
 虎の門病院中央検査部長の米山彰子先生はあと30分程度でお見えになる予定でございま
す。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきたいと存じます。お手元の資料をごらん
いただきたいと思います。
資料1 これまでの選定品目の現状(平成25年7月23日現在)
資料2 平成24年度学会等からの要望内容の概要一覧
資料3 ワーキンググループによる評価
 3-1【24-2】CD34陽性細胞分離
 3-2【24-7】経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)
 3-3【24-11】遊離メタネフリン測定キット
 3-4【24-13】抗菌性脳脊髄用シャント
 3-5【24-14】腫瘍治療電場システム
 3-6【24-16,17】義眼台
参考資料1 検討会委員名簿
参考資料2 検討会開催要領
参考資料3 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方
参考資料4 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方(概要)
参考資料5 ニーズ品目の選定の流れ
参考資料6 学会等提出の要望書
参考資料7 早期導入候補品目の評価資料
資料、不足等はございませんでしょうか。
 御確認いただきまして、もし不足等ございましたら会の途中でも結構でございますので、
お申しつけいただければと思います。
 出欠状況及び配付資料の確認は以上でございます。
 これより議事に入りたいと思いますので、傍聴されてお見えの皆様におかれましては、
頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。
 資料はおそろいでしょうか。よろしければ、議題に入らせていただきます。
 まず、利益相反に関する申し出状況について、事務局から報告をお願いいたします。
○事務局 議題に入ります前に、利益相反の確認結果について御報告いたします。
 寄付金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、本日の検討品目につきましては、
議論に御参加いただけない委員等はいらっしゃいませんでした。
 したがいまして、本日全ての委員が議論に加わることができますことを御報告させてい
ただきます。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、議題に入らせていただきます。
 本日、大変興味深い医療機器がたくさんございまして楽しみでございますが、まずは議
題1「これまでの選定品目の現状について」事務局より説明をお願い申し上げます。
○医療機器審査管理室 右肩に資料1と書かれた資料をごらんください。「これまでの選
定品目の現状について」です。平成25年7月23日現在の資料となります。変更点につきま
しては、変更箇所に下線を付してございます。
 それでは、前回からの変更点について簡単に御説明させていただきます。
 まず、1ページ目をごらんください。No.4、ヒストアクリルという血管内塞栓物質が、
平成25年4月に承認されております。
 2ページ目をごらんください。No.12、東洋メディック株式会社から平成24年3月に申請
された放射線治療補助材ですが、一旦申請が取り下げられまして、申請準備中となってお
ります。なお、今後再申請を計画しているとのことでございます。
 続きまして、3ページ目をごらんください。No.21、血管血栓用ビーズ、こちらは3品目
が承認されており、日本化薬株式会社のEmbosphere Microspheres 、Hepasphere
Microspheres、それから株式会社エーザイのディーシービーズです。それぞれ承認された
使用目的が異なり、右の備考欄に記載された適応で承認を受けております。
 No.24、水晶体嚢拡張リングが、平成25年4月5日に申請され、5月に優先審査品目に指
定しております。
 No.25、消化管狭窄に対するステント、センチュリーメディカル株式会社のNiti-S大腸用
ステントが薬事承認されています。
 続きまして、4ページ目をごらんください。No.30、創外固定用金属ピンにつきまして、
申請企業の社名変更が行われ、小林メディカル株式会社から日本メディカルネクスト株式
会社に変更されております。
 No.31、人工内耳、メドエルジャパン株式会社の品目が、平成25年1月に薬事申請され、
25年2月に優先審査品目に指定しております。
 No.35、カプセル内視鏡(大腸用)、ギブン・イメージング株式会社のものが、平成25年
7月に承認されております。
 No.36、完全閉鎖式血液体外循環装置でございますが、こちらも申請者の社名が変更にな
り、オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社から、ヴォーパル・テクノロ
ジーズ株式会社に変更されております。
 No.37、電磁トラッキングシステムが、平成25年2月に薬事承認されております。
 No.38、乳房小線源治療用アプリケーターが、平成25年6月に薬事承認されております。
 続きまして、2ページおめくりいただきまして、6ページ目をごらんください。No.52、
脳深部刺激装置が、平成25年4月に薬事承認されております。
 No.54、電極装着のガイドワイヤーが、平成25年6月に薬事承認されております。
 No.56、装着型体外式除細動器、LifeVestは申請企業名が旭化成株式会社から旭化成ゾー
ルメディカル株式会社に変更され、平成25年7月に薬事承認されています。
 最後のページになりますけれども、7ページ目、No.57、冷凍凝固カテーテルアブレーシ
ョンシステムでございます。対象疾患に発作性心房細動と房室結節リエントリー性頻拍と
いうことで選定をいただいておりますが、品目名の上5品目につきまして薬事申請されて
おり、適応が発作性心房細動となっております。
 No.58~60までの3品目につきましては、前回のニーズ検討会におきまして選定された品
目でございますため、新たに追加しております。
 そのうち、No.58の経血管的ステントグラフトシステムにつきましては、平成25年4月に
薬事申請されております。
 以上、御報告いたします。
○北村座長 ありがとうございました。
 かなりの、10品目ぐらいが薬事承認に至っていると。この半年ぐらいの間にですね。現
在申請中のものも数件あるということで、進んでいる様子をうれしく思いますが、御意見
ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、議題2「平成24年度学会等要望について」事務局より御説明お願いします。
○医療機器審査管理室 続きまして、資料2に従って御説明いたします。
 1ページ目、1.平成24年5月1日~6月30日受付の要望分につきましては、No.24-2のCD34
陽性細胞の標識・分離システムが本日の検討会にて御議論をいただく品目になります。他
4品目につきましては、前回の検討会で選定いただいております。
 その下、2.平成24年9月1日~10月31日受付の要望分につきましては、No.24-6の夜尿症
トレーニングシステムは、要望品目が海外で未承認のためワーキンググループで対象外と
されました。
 No.24-7、経頭蓋反復磁気刺激によるうつ病治療装置は、本日の検討会で御議論いただき
ます。
 No.24-8、リバース型人工肩関節につきましては、既に薬事申請されている品目であるこ
とから、要望学会より要望を取り下げる旨の連絡をいただいております。
 No.24-9と10の嗅覚検査キットは、要望品目が海外未承認のためワーキンググループで対
象外とされました。
 2ページ目に続きます。3.平成25年1月1日~2月28日受付の要望分につきましては、
No.24-11、遊離メタネフリン測定キット(ELISA)は、本日の検討会にて御議論いただきま
す。
 No.24-12、経皮的血中ガス分圧測定装置は、要望がありました適応が海外でも未承認のた
め、ワーキンググループで対象外とされました。
 No.24-13、抗菌性脳脊髄用シャント、No.24-14、腫瘍治療電場システムは、本日の検討会
にて御議論いただきます。
 No.24-15、リード抜去ダイレータシースセットにつきましては、資料未整備のため次回以
降のワーキンググループで再検討することとされました。
 No.24-16と17の義眼台につきましては、本日の検討会で御議論いただきます。
 No.24-18、高密度焦点式超音波治療装置は、資料未整備のため次回以降のワーキンググル
ープで再検討とされました。
 No.24-19、体表面輪郭測定器につきましては、要望学会から、対象とする品目を再検討し
て要望書を修正することになっております。次回以降のワーキンググループで再検討する
予定になっております。
 最後に、平成23年度以前の要望品目について御説明いたします。
 No.22-39と40のバルーン拡張型ステント及びNo.23-18のバルーンカテーテル、こちらはと
もに資料が未整備のために次回以降のワーキンググループで再検討する予定となっており
ます。
 資料2につきまして、事務局からの説明は以上になります。
○北村座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対しまして、委員の先生方、御意見、御質問等はございませんでし
ょうか。
 前回のときにちょっと私からも質問した、学会要望のときのランキングに、ア、イ、ウ
と、それからこの会に登場してきたときにはA、B、Cという形になるので、その違いを
というのが、先ほど私も説明を受けましたが、学会レベルでア、イ、ウをこちらのほうが
受け取って審査あるいは申請、承認とそういった審査段階に入ったときにA、B、Cに切
りかえる形になっているということでございました。それでよろしいのですか。どなたか
説明をお願いします。
○事務局 学会からの要望、それからワーキンググループでの検討の時点では、ア、イ、
ウの状態といたしまして、ワーキンググループにてレポートを作成いたしまして本検討会
にかける時点でA、B、Cということで、それぞれアとA、イとBが対応するような形で
記載をさせていただいております。
 細かいア、イ、ウにつきましては、それぞれ資料1、資料2の下の部分に「疾病の重篤
性」「医療上の有用性」につきまして、ア、イ、ウそれぞれの表語が何を指しているのか
を説明させていただいておりますので、こちらを御参照いただければと思います。
○北村座長 ありがとうございました。
 私もそれで納得いたしまして、進行状態がわかりやすいということもあります。
 よろしいでしょうか。
 それでは、いよいよお待ちかねの審議に入らせていただきます。
 どうぞ。
○事務局 事務局より1点訂正の御報告をいたします。
 資料1の6ページ目、No.54、電極装着のガイドワイヤーでございますが、先ほど薬事承
認されたという御報告をさせていただきましたが、薬事申請中になりますので訂正させて
いただきたいと思います。
○北村座長 資料は正しいのですね。
○事務局 資料は正しいです。失礼いたしました。
 以上でございます。
○北村座長 了解いたしました。ありがとうございました。
 それでは、審議の順番なのですが、参考人に来ていただいている先生の御都合により少
し入れかえさえていただきまして、3-2(No.24-7)「経頭蓋反復磁気刺激によるうつ病
治療装置」、3-4(No.24-13)「抗菌性脳脊髄用シャント」、3-5(No.24-14)「腫瘍
治療電場システム」を先に検討いただく予定でございます。
それでは、3-2(No.24-7)「経頭蓋反復磁気刺激によるうつ病治療装置」につきまし
て、三國先生からワーキンググループの報告をお願いしたいと思います。よろしくお願い
いたします。
○三國参考人 御説明させていただきますが、ただいま座長からお話ありましたように、
順番を変えていただきまして本当に申しわけありませんが、ありがとうございます。
 うつ病という病気が、20年前は心の風邪だということで、抗うつ薬によって治りやすい、
敷居が低くなるような話がちまたに流布して、そういう治療も行われてきたわけでありま
すけれども、しかし、実際に本当にうつ病の治療をやってみますと、4分の1から3分の
1ぐらいの患者さんには抗うつ薬がなかなか効かない。寛解率が大体50%~70%というぐ
らいしかないということが明らかになってきまして、昨今ではがん患者さんの心が晴れな
いというようなことをおっしゃられて精神科を受診されるわけでありますが、そのときに、
いや、あなたのは適応障害であってうつ病ではないと御説明申し上げると、ああよかった
と、こういうふうに言われるくらいにうつ病というのはなかなか治りづらい。しかも自殺
のリスクも高い。そういう疾患ということで認識されるようにどんどんなってきていると
いう中で、精神科においては、もちろん精神療法とか認知行動療法とかそういったことも
やりながらでありますが、厳密に診断して、これは治療抵抗性で物理的な刺激療法のほう
がいいという場合には修正型の電気刺激療法を行って治療しているというのが現状でござ
います。
 そんな中で、実際にそういう麻酔科医がいて、筋弛緩剤を打って呼吸管理をしながら修
正型の電気刺激療法を行うというのは施設も限られてしまっている中で、この経頭蓋反復
磁気刺激、意識清明下で当事者が自分でそういう治療を受けているということを、覚醒度
の高い状態で治療が受けられる意味で恐怖心や何かもとれて治療がうまくいくということ
が非常にあるわけで、そういった治療法がFDA等の承認も得られて海外では実施されている
ところでございます。
 今日、御説明させていただきますワーキンググループによる評価、3-2でありますけ
れども、Magstim社から出ているRapid²を対象機器として検討いたしました。
 この機器に関しては、欧州のCEマークを取得している機器でありまして、成績について
は3ページ以降に詳細が出ておりますけれども、その前に、まず対象をしっかり絞って検
討していくということが求められる。その中には、治療抵抗性だと思われている症例が、
実は従来からいう躁鬱病ですね、躁とうつの両極を持っている方々が、抗うつ薬になかな
か反応しないということがあって、もともと治療抵抗性という状態の中にも、異種性があ
るということで、その適応をしっかり判別していく、そういう専門性を持っている人たち
によって、厳密に適応を選んで実施していくことが必要になろうかと考えて、そういった
ことが学会等からの適正使用マニュアルのようなものがうまくまとめられていくことが望
ましいのではないかと、ワーキンググループでは考えているところでございます。
 そのRapid²についての、これまでの海外の治療成績でありますけれども、実際にはこの
Rapid²というのは、まだ新製品として出たばかりのものでありまして、従来から使われて
いた機器でのデータがここに示されているというところでございます。
 従来の機器との差に関しては、参考資料6の161ページ、資料7にこのMagstim社の従来
機種スーパーRapidという機種と、今回申請しているRapid²との性能の比較表が出ておるわ
けでありますが、このように勝るとも劣らない従来機器と同等以上の性能が期待されてい
る機器だということでありますが、従来のスーパーRapidという機器で検討された臨床試験
成績が、この臨床データの1)~3)まで記載されているとおりでありまして、この中の
2つに関しては、高頻度刺激と低頻度刺激によってうつ病の治療効果が2週目でシャム刺
激と有意差があるということが示されているところでございます。
 残念ながら少数例でありますので、この検討資料の中では、同じ従来のFDAで承認されて
いる機種でありますニューロスターについての臨床試験の成績には4)と5)に示されて
いるということでございます。
 その従来のFDA等で承認されている機器に関しては、「早期導入を希望する医療機器に関
する資料」参考資料7の【No.24-7】、ここに別紙となっている一番最後のところについて
いるものが、このMagstim Rapid²とニューロスター、それからイスラエルから出ている
Brainswayの性能比較が出ておりますが、ここでも従来のものと遜色ない機種であるという
ことが示されているということでございます。
 なお、昨年の11月に、MAGPRO社というところの機種がこの検討会で検討されて承認いた
だきました。Magstim社のRapid²とかMAGPROは、従来から検査機器として日本で応用されて
いたものでありますが、残念ながらニューロスターに関しては日本ではそういった検査機
器としては使用がなかったわけですけれども、昨年の4月に、ワーキンググループにそう
いったこのrTMS、経頭蓋磁気刺激の装置として一番最初に取り上げられたのがニューロス
ターであったのですが、ワーキンググループでは、ぜひこれを採用してこの検討会に上げ
ようというところまでいったところで、突然代理店が変更になって自由診療で行うような
方向に動いてしまったということがあって、我々としてはこれまで検査機器として日本で
使われていた機器が、こういうrTMSの治療機器として使用されるようになればいいなと考
えていたところでありますが、こうやって昨年11月に続いて今回、Magstim社からも申請が
行われて、ワーキンググループではぜひこれを採用していただく検討に値するのではない
かというところで、今日こうやって御報告させていただいている次第でございます。
 なお、昨年のMAGPROについて、日本精神神経学会がガイドラインのようなものをきちん
とつくるようにという御指示がありまして、昨年の12月に日本うつ病学会でまずそういう
ガイドラインをつくりまして、その後、日本精神神経学会がECT委員会とrTMS委員会でその
検討を今、行っておりまして、11月の理事会に承認をとるべく検討を進めているところで
ございます。
 その中には、どういう治療施設が、どういう検査を術前にきちんと行って、対象を厳密
に選びながら治療していくかというようなこととか、あるいは研修をどういう形で進めて
いくかとか、そういったことがもちろん盛り込まれているところでございます。
 ぜひ、御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○北村座長 三國先生、ありがとうございました。
 事務局から補足等ございますでしょうか。よろしいですか。
 昨年の最後の検討会で記憶にあって、いろいろ御議論いただいた日本でも一部の診療所
が自由診療としてやっているけれども、実態が見えない。それで、この関連学会のほうは
薬事承認をしていただいて、その機械で適応も学会として考えて、きちっとした形で有効
性も含めた臨床研究的なものもくむべきであろうというような御意見があってMAGPROを承
認していただきましたが、同類の別会社の機器でございます。
 これは、Magstim社か何か会社の違うものなのですが、本質的にはよく似たものでしょう
けれども、周波数とか磁気の強さとか、みんな同じなのですか。
○三國参考人 少し高頻度刺激を与えることができる幅が違っていて、20ヘルツまでのと
ころもあるし50ヘルツもある。Magstim社のは50ヘルツまでできるような機器になっており
ます。ですから、多少そういう性能に差はありますけれども、従来FDAで承認されたものと
の間での遜色はないということでございます。
○北村座長 MAGPROのほうが今、申請準備中という記載になっておるのですが、関連学会
のほうもいろいろ準備を進めていただいてもうすぐ方針が出るということでした。それで
よろしいのですね。
○三國参考人 はい。
○北村座長 この2つが承認されて、別に困ることはないのですね。企業の競争をさせる
ためにも。
○三國参考人 そう思っております。
○北村座長 両方を承認してほしいということでございますね。
○三國参考人 修正型の電気けいれん療法でありますが、それは1社しか承認されていな
いということがあって、実際には与えられるクーロンが非常に差があるという問題もあっ
て、別の機種もやはり申請しなければならないというのが約20年たって、またそういう問
題が今、起こってきておるということでありますので、rTMSに関しては、最初から複数ち
ゃんと選べるようにして競争してもらえるようになったほうがいいと思っている次第です。
○北村座長 先生方の中で御意見ございませんでしょうか。
 CEマークはとれているのですけれども、アメリカはなぜ承認しないのですか。アメリカ
の動きはどうなっているか御存じでしょうか。
○三國参考人 そういう検討を会社のほうはしているのだろうと思うのですが、欧州のほ
うからアメリカのほうにそういった働きかけがまだ十分ではないのではないかなと思って
います。
○北村座長 日本での自由診療として行われているものの、情報は学会としてはつかんで
おられますか。あるいは学会報告があるとか。厚生労働省は自由診療についてはつかめて
いないのが現状でしてね。
○三國参考人 精神神経学会の会員であるとか専門医である方等々、調べられる範囲はも
ちろん調べております。
○北村座長 聞いていますか。
○三國参考人 はい。
○北村座長 専門家が聞いているとおっしゃっていますので、日本人との違いもちょっと
記載がありましたけれども。自由診療でこれ、1回幾らぐらいとっているのですか。
○三國参考人 4万円。
○北村座長 何回もするんでしょう。
○三國参考人 30回。
○北村座長 1回、4万円。
○三國参考人 日本精神神経学会は、今年5月に福岡で総会行ったのですが、そこでもrTMS
のワークショップを行いまして、こちらでは倫理委員会を通した施設がいろいろ自分たち
の成績を語り合ってやっていますけれども、やはり電気刺激療法と同じように精神運動抑
制などがかなり強かったのがよくなるとか、不安、焦燥が強い人には余り効かないとか、
日本でもこういう臨床経験は各施設で随分積んできていて、対象を選びながらきちんとや
れるというところには来ているだろうと思っております。
○北村座長 いかがでしょうか。御承認いただけますか。
 千葉委員、どうぞ。
○千葉委員 大変関心のある機械と思いますが、質問させていただきたいのは、RCTが既に
終わっているスーパーRapidと今回のRapid²の一番大きな違いはどこにあるのでしょうか。
○三國参考人 先ほど図表を見ていただいたように、こちらのほうが新しい機種として今、
開発してきたというところのものでありまして、本質的にはそんなに差がないわけであり
ますけれども、選べるコイルであるとかクーリングのシステムであるとか、そういったと
ころでの、161ページにありますように、ほとんど同じ仕組みになっていて、繰り返しの頻
度だとかこういったところで少し差がある。機器としての性能はいいのだと理解しており
ます。
○千葉委員 大体同じものと考えてよろしいのですか。
○三國参考人 はい。
○千葉委員 機械の値段はどちらがどうということは、違いがあるのですか。
○三國参考人 それはよくわからないですね。
○千葉委員 もう1点、ニューロスターではRCTを2種類御報告になっておられますけれど
も、これはいずれも改善傾向であって、RCT1)~2)のような有意の改善という表現は、
この文章の中ではされておられませんね。いわゆる、有意とはいえなかったということで
しょうか。より大規模な3)~4)のRCTではニューロスターですか、これは。
○三國参考人 いや、有意ですよ。
○千葉委員 そうですか。
○三國参考人 はい。
○千葉委員 改善傾向とありましたので。わかりました。
○北村座長 日本でもこれが導入されて、承認して、ガイドラインができた時点で、また
臨床研究もやられる御予定ですか。
○三國参考人 そうですね。もちろん、承認された場合には追跡しながらちゃんとデータ
をとっていきたいと思います。
○北村座長 ぜひ、よろしくお願いします。
 それでは、MAGPROと同様に企業ももうおられますので、当委員会としては承認させてい
ただいて申請段階から早期導入という形にお願いしてよろしいですね。
○北村座長 ありがとうございました。
○三國参考人 どうもありがとうございました。
○北村座長 それでは、次の「抗菌性脳脊髄用シャント」について、村垣先生からワーキ
ンググループ報告をお願いしたいと思います。
○村垣参考人 よろしくお願いいたします。
 資料3-4をごらんいただければと思います。あと、こちらの【No.24-13】の添付資料も
写真とかがありますので、ごらんいただければと思います。
 本品は、抗菌剤が含浸された脳脊髄液用のカテーテルです。2種類こちらの写真であり
ますように、1ページ目と2ページ目、【No.24-13】と書いてあって糸でとじられているも
のですが、この左側が実際に水頭症でチューブを永続的に埋め込むタイプのもので、頭の
中に入れるのが近位カテーテル、そしてそこからお腹に通すのが遠位カテーテルでありま
す。
 右側の2ページにあるこの1本のチューブは、これは一時的に体外に排出するためのチ
ューブのドレナージのカテーテルということで、今回は脳神経外科の中で最も多い処置と
か手術の1つである、髄液循環異常、水頭症やその他の病気によっての循環異常に関して
の器具ということで、CODMANのBactiseal CatheterとEVD Catheter Setで、海外での承認
状況に関しては、米国は2011年で510k、欧州では1998年にCEマークを取得されておられま
す。
 資料の2ページ目を見ていただいて、対象疾患の水頭症は非常に多い病態で、調査によ
りますと、埋め込むシャント術の対象患者は年間17万人。ドレナージ術は年間15万人とい
うことで、あわせて30万人強ということであります。
 実際には、一時的にはドレナージで外に出すのですけれども、永続的には頭の中の液を
腹腔内に出す手術が最も多く行われています。最近、内視鏡などで第三脳室の底に穴をあ
けてそのままやるということもあるのですけれども、いまだにやはりこの水頭症の病態に
おいては最も多い手技だと考えられております。
 資料の3ページ目、医療上の有用性についてですが、ただ一般的にこの水頭症では5~
15%と高い発生率で感染が発生します。特に新生児や出血後の水頭症では、さらに発生率
が高いといわれています。
 その感染の原因としては、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌等で、グラム陽性の皮膚常
在菌が多いということで、本品はリファンピシンとクリンダマイシンを含浸させた抗菌性
のカテーテルチューブということであります。
 2002年に医療機器として導入されていますので、各国から臨床研究のデータがさまざま
出ております。その中で、それらをまとめたKlimoという先生方が、メタアナリシスをされ
ています。抗菌性のこういったカテーテルに関して22報あるのですけれども、その中から
クオリティーの高い14報が選定されまして、ランダム化の前向きが1報等を含めて小児、
成人、さまざまなものもあります。
 個々の研究結果を、感染予防効果ありが7報、効果なしが7報だったのですが、メタア
ナリシスをかけると、その対照群、一般的なカテーテルでは感染率が7%、本品は3.5%と
いうことで、統計学的に感染率が有意に低かったということで、感染予防の効果が示唆さ
れたということであります。おのおののデータの詳細に関しては、3ページ目から4ペー
ジ目に書いてあります。
 ということで、ワーキンググループの検討では、検討結果として、まず、水頭症は病気
の進行が不可逆であって適切な治療を行わないと致死的なのですけれども、一般的には認
知症や歩行障害等、QOLの低下を引き起こす病態でありますので、疾患の重篤性はBという
ことであります。
 感染発生低減効果がメタアナリシスにより示されているために、既存のカテーテルを用
いた治療よりすぐれていると判断され、医療上の有用性はBとしました。
 ただ、やはりワーキンググループで問題になったのは、文献では耐性菌の出現は見られ
なかったというのですが、本品の使用に当たっては、耐性菌のモニタリングや抗菌性があ
るとはいっても、基本的な感染予防を適切に行うことを指導する等が重要であると考えま
した。
 以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生から御意見、御質問等をお願いします。
 四宮委員、どうぞ。
○四宮委員 文献の件ですが、7つが効果ありで、効果なしが7つですよね。なしのほう
は、どういう内容だったのでしょうか。
○村垣参考人 私たちも、個々の文献まで詳しく見ていなかったのですが、結果としては
有意差がなかった、傾向はあるけれどもというのが多かったと思います。
○四宮委員 だとすると、7つの論文が効果があって、7つがなかったとすると、多分7
つのほうがめちゃめちゃ効果があって、7つが余り効果がないから結果として3.何%に下
がったと考えていいのですか。
○村垣参考人 あとは統計的に数がたくさんあるということで、有意性が出やすくなった
ことがあると思います。
 そこで議論になったのですけれども、一番やはり前向きのランダム化の比較試験が1種
類やられていて、それの有意差があったというところがやはり一番大きなところではない
かなと。
○四宮委員 レベルの高い論文のほうがそういう結果であったので、最終的にはそういう
判断をされたと。
○村垣参考人 実際のメタアナリシスの論文に関してもそういった論調で、確定的にはや
はりおっしゃっていないです。
○北村座長 吉田純委員、どうぞ。
○吉田純委員 シャント感染というのは非常に大変な病気で、それが少しでも有効性があ
るというのは非常にいいと思うのですけれども、まだ日本では誰も使っていないのですか。
○村垣参考人 はい、まだ。そうですね。
○吉田純委員 もう一つ、有効期限というか、そういうのはどうなのでしょうか。
○村垣参考人 保存の仕方は、27℃で保存することと書いてあるのですが、製品上でどれ
ぐらいまでかは、パッケージまではちょっと。
○吉田純委員 例えば感染で、長期にやりますね。例えば10年経って感染が多いとか、そ
ういうようなデータはまだないですかね。
○村垣参考人 おっしゃるとおりだと思います。
○北村座長 現在、日本の患者さんには何か、別の抗菌物質を含んでいないものが使われ
ているのですか。
○村垣参考人 一般的には、脳外科では普通のカテーテル治療が使われています。
○北村座長 これが導入されれば、保険もつくことになったらでしょうけれども、すっか
り入れかわってしまうような形になる可能性が高いでしょうね。
○村垣参考人 そうですね。日本の医療状況から考えると、これがもし発売されれば相当
スピードをもって、使われる割合としては変わっていくと思います。
○北村座長 適応は、プライマリーに使うのですよね。感染症を起こした人に入れかえに
使うのではなくて、最初から使う品物ですね。
○村垣参考人 おっしゃるとおりで、感染が起こってからのデータに関してはここに出て
いませんので、やはり一番最初のときに使用されることが多くなると思います。
○北村座長 使用されることのスタディーですね、結果も。
 どうぞ。
○吉田茂昭座長代理 これは、抗生物質を点滴なり経口なり与えながらチューブを置いて
おくのと、やはり直接的にチューブに塗ってあるのとでは違うのですか。
○村垣参考人 それが今回のさまざまな研究の結果です。ただ、実際、先生がおっしゃっ
たように、抗生物質を入れた場合かどうかというのは、欧米では恐らく術後の抗生物質は
ほとんど使わないので、術中というか術直前から使っての抗生物質と比較されたデータだ
と思います。
○吉田茂昭座長代理 メタアナリシスなども、要するに抗生剤を使っていない状態でのオ
ンオフの格好になっているだろうということですか。
○村垣参考人 全部のスタディーに関しては詳細を見ていないですけれども、恐らくラン
ダム化研究においては、カテーテル抗菌群、普通対照群において同じタイプの抗生剤とタ
イミングで使われている、恐らく術中、術直前という形だと思います。静注に関しては。
○北村座長 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 先ほどの御質問に対する回答、ちょっと誤解があったかもしれないので補足
説明させていただきます。
 14のうち7つが効果あり、7つが効果なしというほうの効果なしは、コントロールのほ
うがすぐれているという結果ではなくて、7つは統計的な有意な効果はないということで
ございまして、効果、改善傾向はあるということです。
○北村座長 よろしゅうございますか。
○吉田茂昭座長代理 細かな話は審査のときにやればいいと思うのですが、メタアナリシ
スは22報全部メタアナリシスしたという意味ですか。そうではないのですか。ランダム化
トライアルだけメタアナリシスされたのか。
○村垣参考人 ここは14報を厳選して、それの全症例を解析したということです。
○吉田茂昭座長代理 そうすると、前向きだけではなくて後向きも一緒に入れたメタアナ
リシスという読み方で統計的に成り立つのかなと一瞬思ったのですけれども、メタアナリ
シスの場合は、ランダム化トライアルだけを集めてきてやる、やらないと、メタアナリシ
スだけでも母数の対照群が5,500で本品群が3,400とアンバランスになっているので、それ
は成り立つかどうかちょっともう一回検討してみる必要はあるかもしれない。
○村垣参考人 例えばエビデンスレベル1bとかになると、幾つかの研究の中で1つか2つ
の信頼できるランダム化前向き研究があるということなので、メタアナリシス自体で後向
きが入っていてもそれは構わないと思います。
○佐藤委員 それについても補足ですが、エビデンスレベルで若干重みづけをしてメタア
ナリシスする場合がございますので、そういうこともあるということです。
○北村座長 もちろん、研究者がアメリカのほうのでしょうか、米国のですから。ジャー
ナルにこういう形で報告されて、エビデンスはまああるという形で510kですけれどもアメ
リカのFDAも承認したのだと思いますね。恐らく、非抗菌性のものよりは金額も高くなるこ
とは間違いないので、それでも採択になっているので、我が国の患者さんにも使ってあげ
たいというのは当然だと思いますが。
 よろしゅうございますか。
○笠貫委員 1つだけ確認なのですけれども、今、デバイスラグの話の中で、この外国承
認状況からこれだけ遅れて学会から出てきたというそこの理由を、ちょっと先ほども御質
問あったと思うのですが、十分聞き取れなかったので、確認を最後にしたいと思うのです
が。
○村垣参考人 そうですね。現場の意見としては、これは私見になるのですが、やはり日
本のほうが清潔、不潔に関してしっかりしているというところがあったのかもしれないで
す。後は、起こったりしてもそこは現場のいろいろなところでの対応でしていこうという
ことなので、システィマチックに変えていくというモチベーションがそれほど高くなかっ
たということかもしれません。
○吉田純委員 ちょっと真実はわかりませんが、それなりに今のシャントでそんなに感染
は多くないということですけれども、一旦感染を起こすと大変な病気になってしまうと、
そういうこともあってですが、でも、今回こういうふうに、それよりいいということにな
れば、やはりいいのではないでしょうか。
○北村座長 ありがとうございます。
 我が国は外来でのチェックアップもきめ細かいし、頻度も絶対的に高いですから、アメ
リカなどと比べると。従来品でも、割方すぐ発見してすぐ静注の注射による治療などをや
っていたのかもしれませんが、新しいこういうエビデンスがあるということで、よろしゅ
うございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、当委員会で承認して、早期に患者さんに使えるように申請を始めていただき
たいと思います。
 次は、3-5「腫瘍治療電場システム」と、これは大変おもしろい機械ですね。村垣先
生より、もう一つ続けてお願いいたします。
○村垣参考人 資料3-5と、こちらの【No.24-14】の、また黒い糸でとじられているとこ
ろをぜひごらんいただきたいと思います。
 非常にユニークな治療機器、腫瘍治療電場システムということで、疾患に対しては、再
発の神経膠芽腫ということで後ほど説明申し上げます。
 ノボキュア社のNovoTTF-100Aシステムということで、承認状況に関しては、2011年に米
国PMA、欧州では2007年CEマークがとれております。
 どういうものかということは、こちら写真を見ていただければと思いますが、患者さん
の頭にこういったトランスデューサーアレイ、こちらの写真になります、アレイで頭に電
極を貼りつけてバッテリー駆動で充電式のバッテリーで、日中18時間ずっとつけていると
いう治療法です。
 このもとになったのは、電場をかけるシステムが、細胞バイオのレベルで分裂中期の微
小管の重合と分裂終期の細胞内高分子とか泳動を標的としてアポトーシスを起こすと。腫
瘍の増殖を阻害するということの基礎実験の結果から、こういった医療機器が生まれたと
いうことになっています。
 今回の対象疾患は、神経膠芽腫と呼ばれて、脳腫瘍の中で最も悪性の脳腫瘍で、膵がん
と同等の予後ということで、生存期間の中央値は15カ月、再発からの生存期間が6カ月と
いうことで、非常に悪性の疾患であります。
 現状、テモダールという新しいお薬が認可されたのですが、そういった治療成績である
ということで新しい治療法が望まれていたということです。最近、ベバシズマブという分
子標的薬が承認されたのですけれども、今回こういった非常にユニークな治療法で日本の
研究者は最初この話を聞いたときに、眉唾だろうと、単に電気で刺激するぐらいでがんが
治るのかという話だったのですが、この再発の膠芽腫に対してフェーズ3の試験、ランダ
ム化試験が行われました。
 それがこの資料3ページ目に結果です。あと、こちらの写真がある横に生存曲線が書い
てありますが、1群はこのNovoTTFのみでの治療で、対照群はベバシズマブを含めた、その
時点で医者が最善と思われる化学療法を受けた患者ということでランダム化されて、237
例が分けられています。
 結果としては、このNovoTTFのみ対ベバシズマブを含めた化学療法群と比べて、中央値が
6.3カ月ということで、全く変わらなかったという結果です。
 特筆すべきは安全性のほうで、こちらはTTFのみなのでほとんど化学療法で認められる胃
腸障害や血液障害あるいは感染症がなかったということで、中程度の電極を貼っていると
ころの皮膚反応は認められましたが、重篤なものはなかったということであります。恐ら
くこれをもって、FDAは承認されたと伺っております。
 ということで、検討結果としては、対象疾患である再発の膠芽腫は、生存期間中央値が
6カ月程度ということから疾患の重篤性はAということです。
再発膠芽腫に対する第3相のランダム研究の結果によると、化学療法を中心としたもの
と比較して、生存期間あるいは無増悪生存率も同等であるということが示され、一方で有
害事象が有意に低かったということで、医療上の有用性はBと判断しました。
 一方で、当然頭蓋を刺激しますので、精神状態に変化等が懸念されることがありますし、
また、長時間の装着でありますので発汗による離脱や発赤等の皮膚トラブルに関しては、
患者への情報提供の対応が必要であると考えました。
 以上です。御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。
 これは、細胞分裂が激しく起こっていく膠芽腫のような増殖率の速いものに対しては、
脳以外でも何か研究されているものはあるのですか。
○村垣参考人 肺がんで、臨床研究が海外でやられていると伺っています。
○北村座長 この種の機械は、肺がんの領域等も含めて日本でほかに使われている実績は
あるのでしょうか。
○村垣参考人 いや、日本では今ないです。自由診療でやっていらっしゃる先生がいらっ
しゃるかもしれませんけれども、情報としては日本では治療されていないと伺っています。
○北村座長 適応は再発と米国もヨーロッパもなっていますが、日本でも同じく再発。
○村垣参考人 そうですね。今、初発はまた初発でランダム化が既に試行されていると伺
っていますので、その結果を待ってということになると思います。
○北村座長 なるほど。いかがでしょうか。
 吉田純委員、どうぞ。
○吉田純委員 悪性グリオーマは特に膠芽腫の予後が非常に悪いということで、これまで
いろいろな開発をしているのですが、なかなかうまくいかないというのが現状で、こうい
う新しいツールが開発されれば非常にいいかと思うのですけれども、ただ、アメリカで認
可されて、今再発はフェーズ3で少しだけれども、有効性は確認されていないというとこ
ろなのですね。今アメリカでは販売されて302例があるということですが、ほかのところも
参加していますよね、このスタディーに。そこのところではどうして使わないのでしょう
か。
○村垣参考人 ヨーロッパでの販売状況ということですか。
○吉田純委員 ヨーロッパというか、ほかのところ、イスラエルとかスイスとかですね。
一応、多国間でスタディーはしておりますね。日本は参加していないのですが。
○村垣参考人 私もヨーロッパでの販売状況はちょっと存じ上げてないのですが。
○吉田純委員 悪性の、特にGBM(膠芽腫)の再発というのは予後が悪いものですから、有
効性を出すのは非常に厳しいのですが、ただ、本当に効くかどうかというのもなかなか難
しいところがあるのではないかと思うのですが。初発で今、スタディーが始まっています
ね。それが出ればはっきりしてくるのではないかと思うのですが。
○村垣参考人 おっしゃるとおりで、プラスアルファで、標準治療プラスこのNovoTTFなの
で、非常に結果が楽しみな研究だと思います。
○北村座長 笠貫委員、どうぞ。
○笠貫委員 確かに生存期間云々の問題だけではなくて、やはり抗がん剤の副作用という
ものから比べるとこれはほとんどないということで、私はこうした非常に悪性の腫瘍の場
合の患者さんのQOLという点では非常に大事なことなので、むしろ早目にこれは患者さんに
提供できるという形にしていただくのはいいかなと思いました。
○北村座長 平岡委員、どうぞ。
○平岡委員 この周波数が100~300キロヘルツで、これは電極で挟んでいるのですね。微
妙な周波数なのですけれども、多分電流が流れると考えられると思うのですが、そうした
ときに熱が発生しますね。でも、この効果自身は熱ではなくて。
○村垣参考人 変動電場、電場のようですね。
○平岡委員 電場ですけれども、これは最終的には熱ではないかと思うのですが。ただ、
非常に微量なエネルギーなのですね。1V/cmですから。だから、多分そのあたりは、この
あたりの類は結構、温熱療法の絡みで何十年も研究されている領域なので、突然出てきて
何かちょっとびっくりしているのが正直なところです。
 先ほど座長がおっしゃったように、これは細胞で効いて、しかも、固形腫瘍で効いてい
るのであれば、もう少しむしろ脳腫瘍ではなくて、例えば体幹部の四肢の腫瘍とかそうい
うところで評価されるべきではないかと思うのですね。突然特定の疾患に出てきてという
ふうに、ちょっと奇異な感じがしてしようがないのですが。
 確かに対象疾患が大体、5年生存率が5%、6%という難治がんということを考えると、
そういうメカニズムにしても、臨床試験でベスト・サポーティブ・ケアで同等であれば認
めるべきだという意見もあり得る一方で、やはり何となくそのあたりの理論根拠がないと
ちょっと気になるなというのが正直なところなのですが、そのあたりのことはどの程度解
明されているのでしょうか。
○村垣参考人 私も2008年のASCOでこの治療を伺ったときは驚きました。ただ、ASCOでは
トップニュースでこの電場のシステムが既存の化学療法と比べて差がなかったということ
で、ずっとフォローはしているのですけれども、いまだその逆の何か有害事象とか全く聞
かないという報告はなくて、サンディエゴの先生方とも伺っているのですが、ここの資料
にもあるのですけれども、放射線学的なCR(完全寛解)とかPR(部分寛解)のものが何例
かあるということなので、やはりそういった意味と、ランダム化で負けなかったというと
ころで、実際その間のところはブラックボックスだとは思うのですが、ここは患者さんの
要望も含めていい機会ではないかなと。今後、やはり我々自身が臨床研究で有効性がもし
あるとしたら、そのサブグループも含めて抽出していかなければいけないのではないかな
とは思っています。
○吉田純委員 本当に効けば非常にいい機器になるわけですけれども、再発例で予後、長
期フォローをしていないわけですね。やはり副作用が長期的に出る可能性があり得ると思
うのですね。だから、ある意味では日本に導入するに当たって、やはりきちっとしたサブ
グループで検証というか治験みたいなことをやったほうがいいかなと思うのですけれども、
どうでしょうかね。
○村垣参考人 ただ、有害事象が低いしアメリカでは510kということなので、承認した後
に臨床研究という形でグループでやっていくことがよろしいかとは思うのですが。治験と
なると、それだけにまた時間と対象患者を選ばないといけないというところがあると思う
のですけれども、しっかりとしたグループが前向きで研究することが必要だろうと考えて
います。
○北村座長 そうですね。吉田先生のおっしゃるとおりだと思います。
○吉田茂昭座長代理 平岡先生の御指摘のように、メカニズムがブラックボックスだとい
うのは、やはり診察するとき相当障害になるのではないかと思うので、例えば電場の分布
がどれぐらいの距離で違ってくるのかとか、画像ではわからないにしても何かそういうよ
うな浸透性がどれぐらいあるのだとか、どういう方向で電流が流れているとか、電場が形
成されているとかということを何か証明できるようなことをやっておかないと、結果がた
だよかったから、オーケーといって、後で余り本質的なものではなかったみたいな話にな
るとすごく困ったことにもなるかもしれないので、その辺承認を前提にして何か研究をし
てみようとかという動きはないものでしょうか。
○村垣参考人 先生、私の言葉の文言が適切でなかったかもしれませんが、実際には、私
が伺っている話では、再発層の部位に応じて電極の場所とかそういったものを変えて、貼
付部位も変えてやっていくということなので、そこの部分は企業側もしっかりいい治療を
行うための計算とかシミュレーションをやっていると伺っています。
○吉田茂昭座長代理 何か画像ができそうな気もするのですけれどもね。どういう状態で
かかっているとかというのは。うまいこと。
○村垣参考人 そこは、基本的には一番効果に左右するというのは、しっかりとずっと貼
っておくとかそちらのほうと、最初のシミュレーションと、2つと伺っています。
○吉田茂昭座長代理 要するに、モニタリングができるとすごくいいと思う。
○北村座長 資料3-5ですが、米国では2011年4月18日PMA承認となっておりますけれど
も、これはFDAのPMA承認は510kよりもハイレベルですよね。これはデータがそろってない
とだめですよね。PMA承認を受けているということは、基本的にしっかりとしたデータがあ
るということと理解してよろしいですね。
○事務局 事務局からお答えします。そのとおりです。
 こちら参考に、村垣先生は初めの御説明ではPMAということで御説明いただいたのですけ
れども、今のお話の中で510kという言葉を、多分勘違いされてお使いになったと思うので
すが、こちらはPMAで、いわゆる臨床試験に基づいたデータを評価して承認を受けたという
ものになります。
○北村座長 細胞に及ぼすメカニズム的にはよくわからないところが残っているのではな
いかとは思いますが、臨床スタディーとしてはしっかりしたものがあるという形でFDAが承
認しているということですね。あと、こんな電磁場が、先ほどのうつ病にもよく似たいろ
いろな頭に流す電流の、平岡先生あたりでも放射線からこっちに切りかえて脳電磁波研究
でもしていただくと。新しい治療法の1つですのでとにかくやってもらおうと。
 よろしいですか。
○笠貫委員 この機械は、まず第一に病気が非常に重篤で患者側のニーズが非常に高いと
いうのが第一バックにあって、医療機器の部分というのは、メカニズムはわからないとい
うものはたくさんあると思うのですね。そうすると、先ほどPMAで臨床的な有効性はある程
度認められていて、なおかつ抗がん剤と違う副作用がないQOLのいいものだとしたら、この
病気で苦しんでいる人には私は一刻も早く提供できるような優先審査をしていただけたら
と思います。
○北村座長 それでは、承認という形にさせていただきまして、ほかに方法がなくなって
いる方々ですので救いになればと思います。学会のほうでもまたそれを受けて対応を御検
討いただくということでよろしゅうございますね。
 ありがとうございました。
○村垣参考人 ありがとうございました。
○北村座長 当委員会としては承認させていただきまして、申請を始めていただきたいと
なります。
 それでは、次に「CD34陽性細胞の標識・分離システム」について、福田先生のほうから、
お待たせしました、よろしくお願いいたします。
○福田参考人 よろしくお願いいたします。
 資料3-1をごらんください。No.24-2であります。もう一つ、参考資料7の4ページに、
このように機器の写真、採取キット、チューブセットなどの写真が載っております。
 まず最初に、白血病などの難治性の血液疾患というものは、通常の化学療法が効く場合
もあるのですけれども、化学療法で完治が目指せないときに同種造血幹細胞移植を行いま
す。
 これは、超大量の化学療法とか全身放射線照射で患者さんの体の中にある白血病細胞を
たたき切りまして、その後ドナーの血液システムに入れかえてドナーの造血幹細胞を輸注
することでドナーの血液システム、ドナーの免疫力に置きかえるという治療法であります。
 再発を抑える力は非常に強いのですが、通常2~3割の合併症死亡があるという、非常
にハイリスク、ハイリターンの治療法になります。ただし、化学療法で完治が目指せない
方でも完治が目指せるということで、日本で年間約3,000件の移植が行われております。
 この移植後の最も重要な合併症というのが、ここの「対象疾患及び使用目的等」の最後
の行に書いております「移植片対宿主病」、Graft Versus Host Diseaseの頭文字をとって
GVHDと呼ばれます。GVHDというのはドナーさんのTリンパ球が患者さんの体を攻撃すると
いうことがわかっておりますので、このTリンパ球を除去してやればGVHDのリスクは下が
ってくるということになります。
 こういう移植を行う場合は、通常はHLAという白血球の型を合わせるのが重要と昔からい
われておりました。主なものでは、HLAのAとBとDRを2ペア、計6個の抗原のうち、完全一
致か、1抗原不適合というものが通常の臨床で行われているのですが、このCD34陽性細胞
の標識・分離システム、CliniMACSを用いると、6個のうち3個不一致でも通常どおり適切
なタイミングで移植が可能ということになります。
 海外での承認状況ですが、1997年から欧州でCEマークを取得しておりまして、米国では
2011年にHDE申請中であります。
 参考資料3-1の2ページ目をごらんください。対象疾患については、詳細は省きます
が、主に難治性の白血病などの血液臓器悪性腫瘍であります。
 既存の治療といたしましては、先ほども言いましたように、血縁者間にHLAが完全に適合
したドナーがあればまずそれを用いる。それが見つからなければ、骨髄バンクや臍帯血を
検索してそちらの非血縁移植を行うという流れになりますが、家族内にそのHLAが合ったド
ナーが見つかる確率というのが3割程度と少なく、また、骨髄バンクというのは、コーデ
ィネートの期間に3カ月から半年以上かかる場合もありますので、待っている間に白血病
が悪くなって亡くなるということもありますので、実際に移植までたどりつけるのが6割
程度にとどまっております。
 臍帯血移植というのは、赤ちゃんのへその帯からとった幼弱な造血幹細胞移植を凍らせ
て保存しておきまして、その臍帯血バンクから取り寄せた臍帯血を移植細胞として用いる
ものでありますが、生着不全といってドナーさんの細胞が患者さんにくっつかないことが
1~2割と多いこと。そして、重症感染症が多いことから、この3種類の移植の中では最
も合併症死亡が高くて3割を超えるといわれております。
 今回、HLA6分の3一致、半分一致の移植というのはハプロ移植とよく呼びますが、親子
であれば必ず半分は遺伝的に受け継いでおりますので、この6分の3移植ができるように
なれば、ほとんどの患者さんでドナーがすぐに見つかるという状況になります。
 2ページ目の上のほうに書いてあります「CD34陽性細胞の分離」というのが、この機器
の概要なのですけれども、単純にGVHDを減らすためには、Tリンパ球だけを除くネガティ
ブセレクションというのが昔よく行われていたのですが、合併症が多いということで、反
対の考えで幹細胞の表面にあるCD34という抗原に対するモノクローナル抗体に磁気ビーズ
をつけまして、それを無菌的に集めてくる、全体の1%ぐらいの非常に微量のポピュレー
ションなのですけれども、そういうCD34のポジティブセレクションというのがよくやられ
ております。
 3ページに移りまして医療上の有用性についてなのですが、「分離性能試験」というと
ころで、米国のHDE申請資料として添付された臨床試験の結果では回収率が6~7割、純度
というのが、CD34陽性細胞のpurityが大体93%、そして問題となりますTリンパ球、T細
胞の除去効率というのが4log以上、つまり通常は体重当たり10の8乗、1億個ぐらいのT
リンパ球が、とってきた骨髄とか末梢血の中には含まれているのですが、それを1万分の
1以下まで減らすことが可能であります。
 6つの文献をまとめますと、回収率が6割以上、純度が8割以上、大多数は9割超える
かと思います。そして、4log以上Tリンパ球を下げられる、しかも無菌的に処理できます
ので、輸注後の感染症の報告などはないということで、分離性能試験に関しましては、海
外には幾つかほかの分離システムがありますけれども、CliniMACSというのは非常にその中
でもすぐれている機器と考えられます。国内には1つもそういう機器はありません。
 「臨床データ」に移ります。米国のHDE申請の場合には、米国だけちょっと特殊でありま
して、HLAが既に合っている移植でこの機器を使って移植後に免疫抑制剤を全く使わないと
いう、ちょっと独特なアプローチでありますので、もし日本に導入された場合に使われる
であろうHLA半分不一致、ハプロ移植の場合の報告について、4ページと5ページに報告の
要点を書いております。
 まとめますと、その問題となるGrade2以上の急性GVHDというのが、少ないもので3%と
か8%、多いものでも20%ということで、非常に低いという報告がなされております。
Overall Survivalなどに関しましては、ばらつきが大きいのですけれども、これは、この
機器の性能というよりは、移植に入る前の患者さんの状態でありましたり、白血病のコン
トロール状態などで大きく変わってきますので、一概に比較はできないということになり
ます。
 国内では、厚労省の班研究、小寺班研究で少数ながら治験がされておりまして、まとめ
ますと、海外では本当に数多くの文献、先ほどの参考資料7のところにも資料として21文
献つけておりますが、そういう多数のエビデンスがあり、CD34陽性細胞の高い分離性能が
あって、医療上の有用性が示されております。
 移植の可能なドナーが見つからない場合、化学療法だけで完治が目指せないという場合
もありますので、そういうケースにおきまして、本品の医療上の有用性は高いものと評価
されます。
 最後に6ページです。諸外国における使用状況についてでありますが、欧州で97年にCE
マークを取得されておりますので、欧州、米国以外でも韓国、シンガポールなどを含む25
カ国で実際に使われておりまして、台数としましては世界中で757台、1年間に数千から数
万のチューブセットとかキットが使われております。
 我が国におきましては、薬事承認されましたCD34の分離装置はないという点から、既存
の治療法がないと該当するかと考えております。
 ワーキンググループの検討でも、難治性の白血病というのは生命に重大な影響がある致
死的な疾患であることから、適応疾患の重篤性はA。そしてこの装置が他の移植ができな
い場合には、これが唯一の方法であるということで、医療上の有用性もA。さらに、回収
率、純度、T細胞除去効率など、そういう機器としての分離性能、安全性は非常に担保さ
れているということでありますが、ワーキンググループのときに議論になったのが、臨床
上の有用性について、これを使わないほかの移植法として臍帯血移植との比較がいろいろ
検討されました。ただし、今回のワーキンググループの結論としましては、PMDAでの審査
の過程では臨床上の有用性の比較という点が問題になってくるかもしれませんが、今回は、
その機器に対するニーズが高いことを中心にもってきまして、どちらもA、Aということ
で報告させていただいております。
 以上です。よろしくお願いします。
○北村座長 福田先生、ありがとうございました。
 事務局から何か追加事項はありますか。よろしゅうございますか。
 それでは、適応はHLAマッチの悪い場合にのみ、GVHDが高頻度に起こるであろうというケ
ースだけに使われる。
○福田参考人 国内であれば、100%そうなると思います。
○北村座長 がんセンターなどが、例えば先進の今はBといいますが、そういったもので
使われたことはありますか。
○福田参考人 この機器は当院にもありまして、遺伝子治療、HSV-TKの遺伝子をドナーの
Tリンパ球に入れるという形の治験と、医師主導の臨床試験というのをやっておりまして、
そのときにこのCliniMACSの使用経験はあります。そちらは、先進医療Bに申請されたそう
なのですが、私以外の医師がPIでやりましたので、まだ例数が少ないということで、そこ
にはのっていない状況でありまして、そちらは遺伝子治療の面からの治験を検討されてい
るということです。CliniMACSについての治験とか開発計画は現時点でないということで、
こういう細胞療法というのは、iPSの研究が進んでいきますと、さらに今後重要になってく
る部分かと思いますので、海外での豊富なエビデンスをもとにこの機器が国内で使えると
いうのは、そういう細胞療法のプラットフォームにもなるのではないかという議論があり
ました。
○北村座長 御意見ございますでしょうか。
 米国ではこれHDE申請中となっていますが、これはもう治験をしないで患者さんの立場か
ら例外的処置をとる方法ですね。
○事務局 全く治験が、臨床データが必要ないということではなく、臨床のデータもとら
れているものと思っております。今、まだ最終的なHDEにして。
○北村座長 治験はしなくていいのでしょう。臨床データはいるけれども、いわゆる比較
試験はいらない。
○事務局 そういうことになるかと思います。明確な有効性というものは見ない。安全性
に関しては見るというようなそういった制度になると思います。
○北村座長 吉田茂昭座長代理、どうぞ。
○吉田茂昭座長代理 今の質問もそうなのですけれども、福田先生も説明されましたが、
アメリカはとにかく骨髄バンクが物すごく発達しているので、完全一致ドナーでやります
から、こういうことは余り心配しなくていいわけですね。日本の場合は、いろいろと家族
からとってくるしかないという非常にきつい状況があって、それだけに必要性があるとい
うのはわかるのですけれども、これを使ったときの成績というのは、完全マッチングのと
きと比べてどんな感じなのですか。
○福田参考人 それはもう、患者さんの背景ごとにさまざまでありまして、そこを比較し
たランダム化比較試験というのは、報告されておりません。
○吉田茂昭座長代理 もし、完全マッチングと変わらないくらいでできるとしたら、すご
いことですね。多少悪いにしても。だから、そこら辺の事情が日本と米国で違うというこ
とも、その承認の背景の違いと出ていると思うので、この辺をしんしゃくしてやる必要は
あると思う。
○福田参考人 参考になるかどうかわかりませんが、参考資料7の文献11というところを
見ていただければと思うのですが、JCOに2012年に報告されておりまして、BMT CTNという
アメリカの多施設共同の前向き臨床試験、治験、GCPレベルではないのですが、2ページ目
の0303というのがこのCliniMACSを用いて、この場合はアメリカですので、HLA1の移植を
CliniMACSを用いてTリンパ球を減らすことで移植後に全く免疫抑制剤を使わないという
方法と、その前に行われました別の前向き試験の0101の中の基準が合う型をピックアップ
して比較したというデータがその論文の5ページに載っておりまして、Overall Survival
とかDisease-free survivalは全く同じでありますが、Fig3.の(E)にありますように、
GVHD-free survivalというのは、TCD、Tリンパ球を減らすことで患者さんのQOLを落とし
てしまう慢性のGVHDを抑えて免疫抑制剤フリーで生存できているというような、若干状況
が違うのですけれども、そういう比較をしたエビデンスは出されております。
○北村座長 必要なのはCD34の造血幹細胞ですね。これにマウスの抗体をつけて、なおか
つ磁気性ビーズをつけて細胞自身の機能が劣化するということは別にないのですか。
○福田参考人 そういうことはありませんし、海外も含めて本当に何百という成功例があ
って。
○北村座長 問題はないと。
○福田参考人 CD34細胞の質とか、生着しないのではないか、ダメージがあるのではない
かというのは大丈夫というエビデンスは多数出ております。
○北村座長 それは、もちろん調べられておられるでしょうけれどもね。
 よろしゅうございますか。
 今、吉田先生が言われたように、日本の造血幹細胞提供の骨髄移植の提供の中でマッチ
できない患者さんにはこういう方法を用いて助ける以外、死亡率が高いということですの
で、よろしゅうございますか。
 それでは、当委員会で承認させていただきたいと思います。
○福田参考人 ありがとうございました。
○北村座長 また、これはどういう使い方をするのか、どういう患者さんに意義があるの
かはしっかりと、申請した先生方も早く使えるようにしていただくのがこの委員会ですが、
その結果をまたいろいろなところで反映させていただいて、患者さんの観察をお願いした
いと思います。
○福田参考人 ありがとうございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、最後の3-3(No.24-11)「遊離メタネフリン測定キット」これは体外診断薬
でございますが、これの説明を米山先生からお願いしたいと思います。よろしくお願いし
ます。
○米山参考人 よろしくお願いいたします。
 資料3-3、そして資料のほうNo.24-11でございます。
○北村座長 最後ではなかった、最後から2つ目です。
○米山参考人 対象は、遊離メタネフリン測定キットということで、患者血漿中の遊離メ
タネフリン及びノルメタネフリン濃度を測定するELISAのキットでございます。
 対象は、カテコールアミン産生腫瘍である褐色細胞腫ということで、その診断に用いま
す。キットといたしましては通常のELISAのキットですけれども、必要な試薬、マイクロプ
レート等をセットにしたキット製品でございます。
 褐色細胞腫は非常に数の少ない疾患で、班研究によりますと、推定患者数3,000人といっ
たようなものでございます。症状から褐色細胞腫を疑いまして、現在のところは尿中のメ
タネフリン、ノルメタネフリンを測定して、褐色細胞腫であろうという見当をつけ、そし
てMRI、CT等画像診断で腫瘍を診断して切除をするというような形になります。
 現在は尿中のメタネフリン、ノルメタネフリンを測定しておりますけれども、蓄尿する
必要がありまして、しかも酸性蓄尿ということで、場合によっては入院をして蓄尿する必
要があるということで、診断にはちょっと負担が生じます。
 これに対しまして、血漿中の測定であっても、同じように感度、特異度があるというこ
とが示されてきまして、海外ではこれが用いられるようになってきております。
 海外での承認状況ですが、欧州では2009年にCEマークを取得いたしまして、欧州の各国
で用いられております。米国では、このキットは未承認でございますが、同じような目的
のほかのキットが510kを取りまして使われております。
 医療上の有用性についてですが、海外では幾つか研究の報告がございまして、その主な
ものを資料3-3のところにまとめております。
 褐色細胞腫が疑われる患者につきまして、これを用いまして感度、特異度を出しており
ますけれども、3つほどここに挙げてございますが、いずれの報告でも感度、特異度90%
を超えるということで、尿中の測定に比べて劣らない、もしくは若干勝るといったような
報告を出しております。
 国内ではまだ使用経験がきちんと報告されておりませんが、添付資料のところにござい
ますように筑波大学で研究が進んでおりまして、これは投稿中ということですが、これに
つきましても、感度、特異度90%を超えるよい数字が出ております。
 そういうことで、褐色細胞腫の診断に当たって血漿中のこのキットを使うということ、
非常に臨床的には有用性が高いと考えております。
 疾患としては、一部は悪性のものもございますけれども、多くは悪性ではありませんの
で、疾患の重篤性ということではBと考えております。
 臨床上、医療上の有用性ですが、既存の尿中の測定法がこのHPLCで使われておりますけ
れども、診断の性能としては劣らない。そして、ワンポイントの採血で診断ができるとい
う、その簡便性においては著しくすぐれているということで、医療上の有用性はBと考え
ました。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。
 Neuroendocrine tumorの診断薬として、血漿を使っての診断薬ということで、非常にセ
ンシビリティーがよろしいという次第なのですが、今までこの系統のものはなかったので
すか。
○米山参考人 国内ではございません。
○北村座長 国内の、自費というか、病院持ちのお金でも、検査会社に依頼することもな
かったのですか。
○米山参考人 これは、済みません、把握しておりませんが、少なくとも広く行われると
いうふうにはなっていないと思います。
○北村座長 これは承認されると保険医療にしたいわけでしょうね、先生方も。そうです
よね。
○米山参考人 そう思います。そうしますと、尿中とあわせてはかる、もしくは、ちょっ
と言い落としましたが、海外のガイドラインにおいても第一選択として血漿中を勧めてお
りますので、尿中にかわって血漿中が主に使われるようになるかと思います。
○北村座長 御意見ございますでしょうか。
 笠貫委員、どうぞ。
○笠貫委員 私も循環器の内科の立場としては、これはぜひ早く進めていただきたいなと
思います。尿中の場合には、これ蓄尿しないといけないので、外来では診断できないので
こういうことは、私は大変いいことではないかと思います。
○北村座長 よろしいですね。これ速やかにもう、これは申請したらすぐ、体外ものです
ので事務方がその気になってくれれば、これ一月で終了するのではないかな。余りこの会
では、体外診断薬が出てきたことがなかったのですが、必要だということで、おっしゃっ
たように外来でできると、例えば手術してそのtumorをとった後のフォローアップなどにも
使えるのですか。
○米山参考人 治療効果判定にも使えると思います。ですので、非常に有用性が高いと思
います。なかなか体外診断薬も承認には少し時間が実際はかかっていると思いますので、
現場としては非常にこれは要望されているものですので、よろしくお願いしたいと思いま
す。
○北村座長 私からもよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
 千葉委員、どうぞ。
○千葉委員 関連して御質問ですけれども、子供のニューロブラストーマというのは、こ
れは全くこの診断とは無関係でしょうか。子供の蓄尿のほうがはるかに病院では手こずる
とは思いますが。
○米山参考人 ニューロブラストーマはちょっと別かもしれませんが、小児のフェオクロ
モサイトーマもありまして、文献でも小児でも同じように有効であるということで示され
ております。
○千葉委員 そうですか。わかりました。
○北村座長 よろしいですか。
 それでは、承認させていただいてよろしゅうございますね。
 ありがとうございました。
 それでは、よろしくお願いします。
 今度こそ最後のものになりますが、今度は義眼台と。義眼台と、ここでわかる先生が何
人おるかなと、先ほど事務の方と話していたのですが、義眼台というものについて、前田
先生からその辺も含めて御説明いただければ。
○前田参考人 最初に、参考資料6の405ページに、今回の申請として1つ「『すくすく』
網膜芽細胞腫の子どもをもつ家族の会」というところから申請が出ているという点と、も
う一つ、413ページに公益財団法人日本眼科学会からこの申請が出ているということです。
 形なのですけれども、421ページにありますが、義眼台といいましても跳び箱のような形
をしているわけではなくて、円形の球でございます。材質はPMMAでできておりまして、前
に、眼科が出したのにPMMAの、昔、私がグリコのおまけの指輪みたいなのというのを1個
出したことがありますが、今回も同じでPMMAが材質になっております。
 資料3-6にいきますが「対象疾患」は眼内腫瘍、眼外傷、絶対緑内障などで、眼球を
摘出もしくは眼球内容除去術を行った無眼球症に伴う眼部の陥凹が対象疾患になります。
 「使用目的」は、眼窩容積を補填し、眼部の陥凹を回避・改善すること及び義眼の装着
を安定させることとなります。
 「対象医療機器」は、今回PMMA Eye Sphereを出させていただきまして、製造企業名はGulden
Ophthalmicsです。
 「外国承認状況」は、米国で510kが1997年。欧州では未承認となっております。
 対象医療機器の概要を説明させていただきますが、PMMAでつくられた球体で直径は10~
22mmまでの7つの規格がございます。個々に滅菌された状態で包装されているところは先
ほどの絵に書いてあったとおりでございます。
 「概要」ですが、眼内腫瘍は、小児では網膜芽細胞腫、成人では脈絡膜悪性黒色腫が代
表となっております。
 ページをめくらせていただきまして、外傷における眼球破裂の場合、強膜の縫合などで
眼球の温存が試みられますが、重度の場合では眼球の摘出を行う場合があります。絶対緑
内障という病気がありまして、これは緑内障の末期で眼圧が下がらずに、視力はないので
すが痛みだけはあるという病気があります。このような病気のときに、痛みをとる目的で
眼球摘出または強膜を残した眼球内容除去術というのが行われる場合があります。
 疫学的な話ですけれども、網膜芽細胞腫は年間およそ80名くらいではないかと、両眼発
症例を含めまして、約100眼くらいではないかと推測いたします。
 脈絡膜悪性黒色腫の頻度は、年間およそ30~40名と推定されます。
 眼球破裂、絶対緑内障に関する疫学的データはございませんが、各大学で年間1~2例
の眼球摘出が行われていると考えておりますので、全国に直しますと数十例が対象患者で
はないかと考えられます。
 以上のことをまとめますと、対象となる眼球の数は年間100~200眼程度ではないかと推
定されます。
 「既存の治療法」なのですけれども、眼球摘出に関する既存の治療法は、義眼台を用い
ずに閉創する術式でありました。ただし、眼部腫瘍に関する専門書などでは、義眼台を用
いる手技が推奨されておりまして、我が国における診療報酬にも義眼台に関する術式は規
定されておりますが、薬事承認をとった医療機器は現在、存在しておりません。
 最後のところ、4ページにいきますが「検討結果」を御紹介させていただきます。
 眼内腫瘍は致死的な疾患ではありますが、義眼台の有無が術後の成績に影響を及ぼすこ
とはありません。しかし、眼部や顔面骨の変形などが生じまして、患者さんやその御家族
に日常生活で大きな精神的な負荷が生じ、日常生活に著しい影響を及ぼすため、疾病の重
篤性はBといたしました。
 また、義眼台の使用による術後の眼瞼炎や結膜炎などの減少、眼部や顔面骨変形の予防、
さらに義眼の装脱着そのものが容易となり、義眼の可動性が向上する点なども考慮しまし
て、「医療上の有用性」はBといたしました。
 国内には薬事承認された義眼台がないため、長年にわたり医師個人が海外から取り寄せ
て使用しておりました。視機能の確保に関与しない眼球摘出術の際にも、患者の術後の整
容面やQOLなどを考えますと、本品の早期国内導入が待たれると結びました。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました、前田先生。
 事務局から何か補足要件ありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、御意見ございますでしょうか。
 どうぞ、澤先生。
○澤委員 眼球摘出後の義眼の挿入というのは、私も昔よくやったのですが、とにかく一
旦入れても出てきてしまうというのが一番大きな問題で、そうでなくても結膜で覆ったも
のが、結膜がだんだん緩んできてというか裂けてしまって出てきてしまうという経験があ
りまして、義眼台を入れないで手術を終わってということが多いのですね。
 今回のデータを拝見しましても、参考資料467ページに人の顔の写真が出ている文献です
が、ここでもやはりこの、多分義眼台ですね、前田先生。やはりこれは出てきてしまうと
いうコンプリケーションもあるということで、その問題は次の論文の、これも477ページの
ところにもそういったことは書かれておりまして、今承認されている義眼台がないという
ことから、これを承認することは特に問題ないと思うのですが、やはり従来いろいろな義
眼台で、我々はレジン球とかいろいろなものを経験してみたのですが、そこで経験した内
容と同じような結果であるなと。例えばこれはテフロンの太い糸をぐるぐる巻いて眼内に
入れて義眼台のかわりにするとか、今までも私どもいろいろとやって眼球の容量をつくっ
て、それで結膜で閉じてその上に義眼をのせるということをしてきたというのが実情です。
 一番、この義眼台が大事なのは、小児で非常に小さいときに眼球摘出した人にこの義眼
台を入れて、オルビタ、眼窩を膨らませてやらないと顔面が斜めに非対称に発達してしま
うということでありまして、もしこういう義眼台がうまく小さい子供で使えると、それは
非常に利点があるのだろうと思います。可動性よりかは、まず顔面骨の発達のためにはこ
れを小児で使うということがあると思います。大人の場合にはそういうことはもうありま
せんので、そういう意味では、適応疾病の重篤性というのは大人だったらCでもいいかも
しれませんが、子供の場合は、うまくいけばそういう顔面骨の変形を少しでも小さくでき
るという利点があるかと思います。
 以上です。
○北村座長 これは先生、サイズが幾つかあると、7つくらいとおっしゃっていましたけ
れども、これは子供の場合には大きくなるにつれて入れかえていくということですか。
○前田参考人 そうだと思います。入れかえにくい表面加工がされている材質とかもあり
まして、例えばここの、本日しゃべりませんでしたがハイドロキシアパタイトといって表
面がごつごつしていて、いろいろ血管侵入に富む材質のもあるのですが、お子さんの場合
にこれを使いますと、恐らくリプレースがしにくいということになると思いますので、表
面がつるつるのタイプ、逆に言えば澤先生が先ほどお話になられたように、逆に出やすい
かもしれませんが、でも入れかえがしやすいというようなタイプを選ばれることになるの
だと思います。
○北村座長 外から注射して大きさを膨らませるように考えたらいいのにね。まだないの
ですか。
○前田参考人 それは私は今、始めて聞きましたが。
○北村座長 それから、何かかたいような感じがするのですが、目を動かす動眼筋に縫い
つけると書いてありますね。それは針で縫いつけるのですか。
○前田参考人 そうです。直接縫いつけるのもあります。
○北村座長 針が通るかたさなのですね。
○前田参考人 はい。あと、結膜とかテノン嚢という膜で覆ってから糸を通すという方法
もありますし、いろいろな術式が試みられております。
○澤委員 今の外眼筋というのは6つあるのですが、そのうちの4つ、上と下、外転筋と
内転筋、これを縛ってやらないと、しばらく何かぐるぐるめまいがすると言われます。眼
球摘出した後。ですから、この場合もこのビー玉、ビー玉ですよね、ガラスの。あれを想
像していただいて、それを入れて外直筋を縛る。それでもってある程度動かすようにする
と。
 今、座長がおっしゃられた充填するというものは、韓国からかなり報告が出ております。
韓国は銃による軍隊でのけがが多いのか、義眼に関する論文が結構出ておりまして、それ
は眼科学会の雑誌よりか美容整形の雑誌に回してもらいたいといっているペーパーが、そ
ういうふうにリジェクトしたこともありますが、そういうような状況です。
○北村座長 これは保険に通ったものは今、日本にないのですか。
○前田参考人 術式はあるのですけれども、材料がないです。
○吉田茂昭座長代理 必要性はよくわかったのですが、私が気になるのは、やはりこの輸
入企業名がなくて引き受け手がいない。事務局のほうでその辺の見通しとか、どういうと
ころが問題になっているかとか、横隔神経ペースメーカーもいまだに公募中なのだけど、
そういうことにならないようにするために、何か考えていただいていることはありますか。
○事務局事務局 正直なところ、今まだ具体的な企業名等、当たりをつけているところは
ございません。
 先生のおっしゃるとおり、この義眼台につきましては、コストの面でもそれほど単価が
高いものではございませんので、恐らく商業ベースにのせるには非常に難しいものだろう
と思います。ただ、日本にはこういった医療グレードのPMMAのボールをつくるような技術
を持っている会社というのは何社かございますので、そういった会社さんにちょっとアプ
ローチをかけながら一般公募の形をとって参入していただければいいなとは考えていると
ころです。
○吉田茂昭座長代理 今、言われたのは、コストが安過ぎて商売にならないのではないか
ということですね。
○事務局事務局 はい。
○吉田茂昭座長代理 でも、それ保険の点数を高くしてやればいいというわけにいかない
のですかね。ダイナマイトだってものすごく安いけど、ニトロにしたら、薬にしたらえら
い高くなるじゃないですか。そういうもので、医療用のニーズが高ければ点数を上げてや
るとかということもできるのではないかと思うのだけれども、その辺はどうなのですかね。
○事務局事務局 現時点ですと、保険のことについて何とも言えないところではあるので
すが、そういったことが可能であったとしても、やはり企業としてはその確証がとれない
となかなかビジネスとしては手を出しにくいところだとは思います。
 ですので、今回のこの事業自体も経済課と一緒の事業になりますので、少し経済課とも
相談しながら進めていきたいとは思っております。
○北村座長 日本でつくらせても、日本の企業もきれいないいのをつくるような気もしま
すけれどもね。もし、企業がつかないようなことになったら、やはり子供たちも親御さん
もかわいそうですからね。何とか輸入企業を、ここに出席されておられます方々にもお願
いして。人道的なものですね。もうからないでよろしい、ちょっと私のところが輸入しま
しょうと言ってくれるところがないと、この会議の成果が出ないのです。
○千葉委員 今の吉田先生が話題にされた横隔膜神経ペースメーカーに関しては、私の聞
いているところでは、ある企業が手を挙げてPMDAと今、相談に入っていると伺っています。
そのときやはり一番問題となったのは、幾らで扱うかですね。企業が損しないで済むかど
うか。多分、私の聞いている範囲では、これはもうけるつもりはないけれども、損だけは
しないようにするということでやってくださっている企業があると聞いております。
○北村座長 それはそれでいいと思いますよ。損せいとは申しませんからね。ただ、それ
でもうけたいというのでは、数が100個200個ですから、なかなかかもしれませんが。しか
し、やはり目の、非常に子供たちの精神発育にも影響するでしょうから、大事ですね。
 笠貫委員、それでは最後にどうぞ。
○笠貫委員 今の座長の言われたこととダブるのですが、私もこれが学会、研究会から出
てきたものではなく、それだけではなくて、親の、家族の会から出てきたというのは非常
に大きな意味を持っていて、これからこういう学会、研究会という上で、医者を通さない
で患者の会とかこういうところからここの会に出てくるというのは非常に大事なことだと
思います。そういう意味でも、ぜひ今のテクノロジーアセスメントの話に入ると思うので
すが、何らかの臨床的有用性の話とか何かこういうもので、決して会社がマイナスになら
ないような仕組みもぜひ経済課、保険局と考えていただいて、進めていただけたら大変あ
りがたいなと思います。
 以上です。
○北村座長 これは、ここで採択させていただきましたことで、企業を募集していただく
わけですね。これは医政局のほうからやるというのは今までどおりですか。
○事務局事務局 そのとおりです。
○北村座長 では、これぜひよろしくお願いいたします。
○澤委員 今お話伺って、日本の企業に話をして募集をされるということですから、PMMA
は眼内レンズ、コンタクトレンズ、それから眼鏡と、非常によく使われているものですよ
ね。ですから、日本の企業で。
○北村座長 つくったらいいのにね。
○澤委員 できると思いますが。ほかのを承認するからこれもつくれと言えばもっとつく
ってくれるのではないかと思いますが。
○北村座長 いや、私もしょっちゅうそう思うんです。2つ合わせると。それは法律違反
にもなりかねないというらしいので、なかなかこれだけ眼内レンズ売っているのだから、
こんなものつくってやれよ、ただでいいだろうというのは、思うのですけれども、なかな
かそれを命令することができないのでしょうね。命令できる国からは出てくるかもしれま
せんけれどもね。
 余談になりましたが、皆様の御協力で予定どおりの議題を終了させていただきまして、
ありがとうございました。
 事務局からの連絡事項等がございませんか。
○事務局事務局 1点お願いします。
 今回、6つの案件につきまして、このニーズ検討会の採択の可否は御審議いただいたと
思うのですが、それぞれの評価のA、B、Cにつきましても依存はないということで理解
させていただいてもよろしいでしょうか。これを1点確認させていただきたいと思います。
○北村座長 ワーキンググループの、参考人の方はお帰りになられましたけれども、佐藤
先生、代表してどうでしょうか。
○佐藤委員 ワーキンググループにおいては、A、Bをどうするかというのはいつも議論
になるのですが、今回、今までのA、B評価とのバランス、整合性も考えてこれでいいと
いうような結論に達しました。
 A、Bがやはりそれ自体で評価されること自体については、やや危惧もあるのですけれ
ども、内容をごらんいただきまして、格別それに不適正ではないということで、今回その
ように出していただきました。
○北村座長 先生方のほうからも特によろしゅうございますか。
 それでは、予定どおりのお時間に終了させていただきまして、まことにありがとうござ
いました。
 本日の検討会を閉会とさせていただきます。
○医療機器審査管理室長 失礼いたしました。次回の日程につきましては、また改めまし
て日程調整をさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 また、議事録につきましても、御確認を送付させていただきますので、よろしくお願い
します。


(了)

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