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2014年8月4日 独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会(第29回) 議事録

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成26年8月4日(月)14:59~18:15


○場所

厚生労働省専用第23会議室(6階)


○出席者

内山部会長代理、斎藤委員、祖父江委員、花井委員、福井委員、藤川委員、三好委員、本田委員

○議事

(以下、議事録)


○内山部会長代理

 ただいまから「第29回厚生労働省独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましてはお暑い中をお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は永井部会長が御欠席ですので、部会長代理の私、内山が議事を進行いたします。そのほか本田委員、並びに祖父江委員が中座される予定です。本日の議題、議事等について事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日の議事について御説明いたします。本日の議事はお手元の議事次第のとおり2つありまして、1つ目が国立がん研究センターの平成25年度業務実績に係る個別評価、2つ目が国立成育医療研究センターの平成25年度業務実績に係る評価です。なお、委員の皆様方には前回と同様、評定記入用紙にSDの評定とその評定理由を記入しながら議事を進めていただくことになります。特に計画を大幅に上回った場合のS、あるいは計画を大幅に下回った場合のDの評定を付ける場合につきましては、そのように御判断した理由を具体的に記載していただくようお願いいたします。また、法人におかれましても、自己評定でSを付けた項目については説明の際にその理由を明確に御説明願います。会議時間内に評定の記入が終わらない場合につきましては資料をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、あるいは本日、評定記入用紙の電子媒体をメールでお送りいたしますので電子媒体に御記入をお願いいたします。大変恐縮ですが、その場合には87()までに事務局に提出いただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○内山部会長代理

 それでは、議事に入りたいと思います。まず、国立がん研究センターの個別評価です。最初に理事長から御挨拶と平成25年度における業務実績のポイントをお願いいたします。

 

○国立がん研究センター理事長

 国立がん研究センター理事長の堀田でございます、よろしくお願いいたします。まず最初に私から、平成25年度に特に重点的に取り組んだ事項ということでお話させていただき、その後各担当から自己評価、その根拠になるところを御説明申し上げたいと思います。

 まず、資料1-1の縦書きの資料があります。これに基づいて、簡単に触れていきたいと思います。私ども、国立がん研究センターは新しいビジョン、ミッションを制定することをこの1年の目標にやってまいりました。その結果、「革新への挑戦と変革 Novel,Challenge and Change」、この頭文字はNCCNational Cancer Centerとかけているものです。私どもは研究所、早期・探索臨床研究センターの両病院、がん予防・検診研究センター、がん対策情報センター、この6つの組織からなっておりますけれども、これを一体的・統一的に進めていくための基本コンセプトというものです。全体としての目標は「がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会」を構築する先導役をしていくということです。

 次のページ、右下の各スライドの欄にナンバーを打っております。1ページはがん研究センターの歩みですが、センターができたのは1962年、今から52年前です。1981年にがんが死因のトップになって以来、対がん10カ年戦略を第一次、二次、三次と行ってまいりました。三次の途中にがん対策基本法、またがん対策推進基本計画が立てられ、ここで大きくがんをめぐる状況は変わってきたと思います。

2010年に独法化し、その翌年に早期・探索臨床研究整備事業が始まり、この建て付けの中でEPOCという早期・探索臨床研究センターを立ち上げたのです。

2012年、がん対策基本法の第二期の見直しが行われました。がん登録推進法ができ、また、日本再興戦略の下、健康・医療戦略、そして来年から独立行政法人日本医療研究開発機構法により、いわゆる日本版NIHが始まります。このような大きな流れの中で、当初、独法化前には想定されないような事態がどんどん進行している状況にあります。そして、2015年に独法の改編が行われる予定で、国立がん研究センターは研究開発型独立行政法人に移行することになっております。

 それを踏まえて、国立がん研究センターの役割を見てみますと、2015年に独立行政法人の中でも国内に37機関しかない、いわゆる研究開発独法、国立研究法人に移行することになりますが、昨年12月の閣議決定には「研究成果の最大化」を目的とし、大学又は民間で取り組み難い課題に取り組む法人と位置づけられております。特に改革に必要な措置については法改正を伴わず、早期に対応可能なものは速やかに実施することとされておりますので、平成27年を待たずにやれることはやるという基本方針でまいりました。

 次のページを御覧ください。役割のもう一つ、日本が抱える諸問題、特にがんをめぐる問題としては高齢化の問題、あるいはドラッグ・ラグ、希少がん、がん体験者のサバイバーシップ、そういった問題も大きく取り上げられるところです。このようなミッションを行っていくには、我々はどういうビジョンを掲げる必要があるかということで「NCCの在り方検討会」を1年かけてやってまいりました。外部有識者を含めた各層からの意見聴取のシンポジウムを5回開きました。全センターの職員が参加するという形を取っております。NCCの今後の在り方全般、診療機能、人材育成、更に第3回は研究、第4回は海外から見たときのNCCの期待ということです。これにはNCI、マサチューセッツ総合病院のキャンサー・センターのトップ、英国クイーンズ・ユニバーシティーの医学部長、韓国がんセンターの総長にも来ていただいて講演をしていただき、我々に対する期待を述べていただきました。

 それを基にして企画戦略局のコア・メンバーで約24回、総勢50人ぐらいの規模で各分野につきまして検討を重ね、最終的に企画戦略局でこれを数十ページの報告書として取りまとめて理事長への提言という形になりました。それに基づいて新ビジョンを作成したということです。

 次のページ、「新生国立がん研究センターの理念と使命」ということで、これまでのものを少し書いております。患者・社会と協働し世界最高の研究を行うということ。使命には4番目のサバイバーシップの充実を追加しています。こういったミッションを実現するための組織体制が6ページです。これは機能別で組織別ではありませんが、基礎研究から臨床研究へ橋渡し、診療、臨床研究、ヘルスリサーチ、がん対策事業、切れ目なく動かしていくための基盤としてそれぞれの組織でバラバラに存在した支援機能を一括横断的、一体的に進める。国立がん研究センターではICH-GCPレベルの研究をくまなくできるような体制を取ったわけです。

 人材育成は戦略的に人材を育成し、これを国内に配置していくという役割です。7ページは具体的にどういった課題をしていくかという具体例です。

8ページ目はこの支援センターの組織図です。研究管理部から企画部、推進部、生物統計とあります。生物統計も国内では非常に著明な、優秀な統計家を6名確保しているというのは大学を含めてほかにないのではないかと思います。このような支援機能によりインハウス研究、治験、あるいは基礎研究や公衆衛生研究、看護研究まで全てをサポートする体制としました。

9ページはこれを実現するための人事システムです。この人事システムについてはいろいろ話題となっておりますけれども、我々の目的としては安心して業務に励める就労基盤の整備、キャリアパスを明確にして管理職を峻別していく。それから、戦略的に人材輩出を行うためです。このために、医師・研究者のキャリアパスとそれ以外の医療スタッフ、あるいは事務職員のキャリアパスを分けたということです。

 雇用については独法移行後、新採用の常勤職方、あるいは昇任の方の雇用期間は1年と整理されておりました。毎年毎年雇用を繰り返すということで、非常に不安定であるということから、公平で安定した雇用の確保ができるような見直しをして、基本的には5年若しくは10年という形での安定した雇用を確保する、再任もありということです。

 それから、役職と雇用を切り分けたというのも特徴です。科長、診療科長、研究分野では分野長若しくは部長といった者は13年が任期となる。再任はもちろんありますが、このような管理職といわゆるアカデミックなポジションである医長、主任研究員とは区別するという前提です。

 下に「必要な能力」と書いておりますが、医長や主任研究員というのはその領域の高い専門能力があるということでそれ自体が役職ではない。役職というのはそれに加え、マネジメント能力が優れていることが必要であって、それ自体は任期があってもいいとした次第です。

 そのほか、医師以外につきましては今までは常勤雇用が1年だったのを医療職については3年を目途に無期への切替えが可能としています。ほかの研究者、医師以外は基本的には無期への切替えができるようにしています。

11ページを見ていただきますと、平成25年度に新たに整備した診療あるいは研究環境の整備です。左上のほうにあります診療棟、地上9階・地下2階の大きな建物ですが、これにサイバーナイフ、あるいはサイクロトロン、BNCTを導入予定です。あるいは内視鏡センター、検診センターといったものがここに入っている非常に大きな事業でした。

 右のほうに行きますと、外来(11診察室)と処置室(2)を含む外来棟の整備を行いました。また、同病院の電子カルテの導入を平成25年度にいたしました。こういったことで、相当もの要りではありましたが、次への投資として考えているところです。

 平成25年度以降の整備実施計画につきましては、次にありますように赤い所が未完成でありますが、このような形で大きく動き出しているという状況です。これが平成25年度の主な取組としてのビジョンに基づく組織体制の変更等でして、これから先、各部門からの報告をしたいと思います。ありがとうございました。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。それでは、4つのグループごとに国立がん研究センターの個別評価を行っていきます。まずグループ1、評価項目13について評価します。所要時間は法人の説明10分、質疑と評定の記入に15分の合計25分です。それでは、法人から平成25年度の業務実績と自己評定について説明をお願いいたします。

 

○国立がん研究センター研究所長

 研究所長の中釜です。私から研究開発に関する事項、評価項目13について代表的な事例を基に説明させていただきます。

 まず7ページ、評価項目1、「臨床を志向した研究・開発の推進」です。ここでは独法移行に伴いTRの推進が求められてきましたが、それを強く意識し、ここにありますように実用化に向けた臨床研究、治験実施の仕組みを構築し、日本から新しいがん医療の開発を進めていくということで、昨年4月に早期・探索臨床研究センター(EPOC)を設置しました。この中で様々なアカデミア、製薬会社との共同研究を通して、右にありますが、がんの個別化治療の推進ということで、具体的にはクリニカルシークエンスの体制を国内で先導する形で導入しています。具体的なfeasibility研究として既にABC研究、TOPICS研究というような、クリニカルシークエンスの基盤構築等に関わる研究を推進しております。

 加えて、ヒト胆道がんで見つかった新しい融合遺伝子を標的とした臨床試験に関する基盤構築も行っていまして、ここに具体的なイメージを示していますが、患者試料から遺伝子を解析し、実際に具体的な治療に結びつけていく。このようながんの個別化治療の仕組みを通して、肺がんや胆道がん等の新しい治療標的を発見し、新しい治療薬の承認を含むと同時に既知の治療標的を診断し、効果の高い治療を実践する。こういう対策を進めている。

8ページですが、加えて希少がんへの取組も積極的に進められています。具体事例として、ここには頭蓋内の胚細胞腫、脳腫瘍の一部ですが、希少がんに対して多施設との全国規模の共同研究体制、加えてアジアの関連地域との連携を通して胚細胞腫コンソーシアムを作成し、センター内、あるいはセンター外との研究機関との共同研究によってバイオマーカー、あるいは新規治療標的探索に関わる対策を取りました。小児分子脳腫瘍グループとも同様の仕組みを作っています。

9ページ、そのほか具体的な基盤整備として、ここにありますようにセンター内のバイオバンクの手術検体の保存も顕著になっています。それから、その成果として、学会等が作成する治療ガイドラインへの採用に関しても中期計画5件に関し既に49件という、当初の中期計画の10倍近いガイドラインの採用をなし得ています。

10ページですが、産官学連携に関しても既に創薬関連企業との連携強化を進めています。平成25年度は加えてバイオマーカーに関する産官学連携ということで、シスメックス社と共同して体外診断薬の提携を始めています。具体的には現在、肉腫の治療奏効性に対するバイオマーカーの開発を進めています。これに伴い、10ページ右下にありますが、共同研究件数に関しても既に平成25年度は189件ということで、中期計画142件、あるいはその年度計画180件を大きく更新するような共同研究を進めています。

11ページには新しい創薬開発のシステムとして抗がん剤の腫瘍への集積を具体的にイメージングするシステムを世界初で成し遂げました。これに関しては、右上にありますように報道等でも取り扱われたわけですが、この解析を行うことによって実際に具体的に抗がん剤が効いているのか、腫瘍に行っているのかいないのかを質量分析という技術を使って世界初で分子イメージをすることに成功したということです。これに伴って、国内外の様々な製薬企業から創薬開発の新しい共同研究の提案がなされております。

 このように、産学共同研究を促進することによって、右下にありますが、知財に関しても、上のグラフにありますように収支バランスの点からも、青い棒で示した特許収入が特許にかかった経費を大きく上回っている。これは下の段にありますように、大学等ではおおむね特許収入よりも特許経費がかかるという状況なのですが、そういう状況を当センターにおいては収入が多く経費を上回っているという状況を達成できています。

12ページ、臨床試験の部門に関してです。評価項目2になります。病院における研究・開発の推進においても、臨床試験の支援部門の整備及び強化、治験件数の体制充実ということで、具体的には治験収入・治験実施件数においても平成25年度は438件、これは当初の中期計画269件、あるいはその年度計画359件を大きく上回るものです。その結果、治験収入が年間約25億円ということで、通常の大学の約10倍の規模です。加えて、国際共同治験実施数も昨年度は185件ということで、これも年度計画、あるいは中期計画の183件、あるいは103件を大きく上回る数を達成しています。

13ページ、加えて臨床研究の信頼性・科学性の向上に必須である生物統計部門に関しては先ほど理事長から紹介がありましたが、生物統計家を6名あるいは7名配置しています。これはほかの大学の数倍程度ということで、非常にしっかりとした基盤を整えている。それから、生物統計の教育コースについても開始しております。

 そのほか、PMDAとの人事交流を通して薬事規制要件に関する専門家の育成も進めている。この表にありますが、既にPMDA経験者を10名、現在も派遣中あるいは受入れ中の人数が各々3名、1名ということで、規制のほうに関しても積極的な人事交流を進めております。

14ページ、評価項目3ですが、担当領域の特性を踏まえた戦略的・重点的な研究・開発の推進においても、創薬開発は着実に進めているのですが、今後増え続けるがんに対してやはり予防あるいは予防介入に資するような研究成果に関しても積極的に取り組んでいます。ここにはがんの原因として、例えばミトコンドリア品質管理、あるいは細胞老化の制御と本態解明によるがん化の抑制制御、創薬のスクリーニング・システムといったものを構築しております。今後、老化に伴う制御可能ながん化予防の創薬開発も進めていきたいと思います。

本態解明の研究も引続き進めております。ここには代表事例として肺がんで示しています。肺がんに関しては多くの新しい融合、遺伝子異常が、陰性のケースも約20数%あるのですが、そういうものに関しても新しい標的としてBRMあるいはBRG1という分子を同定し、これを阻害することによってこのグラフにある赤い三角のように、この抑制によって大きく肺がんの増殖を抑えられる可能性が示された。今後遺伝子異常が、陰性の肺がんに対しても積極的な治療開発が進められるのではないかと期待しています。

16ページ、加えて予防に関係することですが、アジア人における乳がんあるいは肺がん等のリスク要因についても国際共同研究を進めております。非常に高頻度に起きる乳がん、肺腺がんの高リスク群の同定に関しても積極的に国際協力研究を進めています。

 その結果、肺がんにおいては4つ、あるいは乳がん・肺がんにおいてもアジア人特有の発がん感受性に寄与するような遺伝子を同定し、今後、これらを指標とした個別化予防、あるいは効果的な予防介入へ展開していきたいと考えます。

 同様に、右のほうには胃がんに関しても家族性胃がん、あるいは若年性胃がんに関してもその原因遺伝子の探索を進め、このような胃がん集積症例を用いて、現時点で胃がんに関する3つの易罹患性遺伝子を同定し、これに関する検証研究を進めているところです。

17ページに関してはバイオバンク事業を進めるということです。

18ページ、更に胃がんを的確に診断するDNAチップを開発しました。胃がんの場合は腹膜転移がある・なしによって患者さんの予後が大きく変わってくるのですが、これを的確に診断するチップを開発しました。これは国内初です。今後、この成果を臨床の場で検証していきたいと考えます。

 人材育成、あるいはがん情報発信に関しては後ほどほかの者が説明いたします。

 最後に20ページ、このような研究を推進することによって現時点においてどのような成果を挙げているかという事ですが、このグラフはトムソン・ロイターが発する情報に基づいて、国立がんセンターが独自に調べたものです。例えば臨床医学、あるいは腫瘍学における最近5年間の論文数を累計すると、臨床医学に関してもいわゆる旧帝大に次ぐ論文数を発信していますし、その引用件数も多いということです。加えてオンコロジー、腫瘍学に限りますと、ほかの大学をかなり大幅に上回った実績を出しており、それは論文数及び引用件数においても同様の傾向であります。今後、このような研究を更に推進していきたいと考えています。以上です。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆様は評定記入用紙の評価項目13に評定結果と評定理由の記入をお願いいたします。先ほどの説明にありましたように、S若しくはDを付けた時にその理由が必要ということです。御質問等ありましたら適宜、御発言をお願いいたします。

 

○藤川委員

 短時間で、非常にたくさんの説明をいただいたので素人的にはちょっと分かりかねる部分も多々あります。特にSであることに着目して、とりわけいろいろ研究する上である程度こういう結論が出るのだろうというところを予め想定して、実証していくことをやっていらっしゃるのだと思います。それが想定外だったというものが何だったのか、もう少しはっきり教えていただければと思います。

 

○国立がん研究センター研究所長

 想定外に相当するものをピックアップして御紹介したつもりなのですが、まず7ページ、がん個別化医療のためのクリニカルシークエンスに対し、患者から試料をいただいてゲノム解析をして、それを実際に治療に反映するような仕組みというのは恐らく、今現在、日本ではがんセンターが率先して展開を進めています。これは恐らくがんセンターでなければなかなか難しい状況かと思います。提示した具体的事例として、少なくともフィジビリティーは成立しているのでSとして紹介させていただきました。

8ページ、いわゆる希少がんの取組もやはり様々な研究と臨床の連携が取れる、しかも病院との連携が既にできている特性を活かすことが必要でして、ここに書いてある頭蓋内の胚細胞腫は脳腫瘍の一種ですが、このような希少ながんに関しても非常に短期間でコンソーシアムを形成し、日本の小児がん学会との連携を取りながら進めてきました。解析基盤があり、しかも臨床研究グループとの連携が取れていることが活かせて想定外のことが短期間に実現できたと思います。ガイドラインは以上です。

11ページのイメージングについてですが、薬を開発する際に薬が効くか効かないかというのは、これまで薬の血中濃度しか評価し得なかったのですが、その薬が実際に腫瘍病変に行っているのかいないのか。腫瘍の周辺ではなくて病変なのか、ということがこの質量分析を使ったイメージングで世界で初めて可能になったということです。これを使うことによって、創薬開発がこれまで以上にかなり効率良く進められることが期待できるということで、多くの製薬企業はこの技術に非常に興味を示しており共同研究が増えているということです。

 特許収入も額としては想定外に増えています。臨床試験も治験収入が約25億円ということで、これは国際共同治験を含め、非常に数多くの共同治験を実施し得る体制があった。しかも、その収入は中期計画に比較しても大幅に増えているところからSという評価をさせていただきました。

 発がんリスクに関しては今後予防研究、予防のための予防介入が絶対必要になってくる。そのために16ページに示しましたが、高リスク群の捕捉というところはこのような遺伝素因を解明することにより、実際に乳がんや肺がんではそれが達成できたわけです。胃がんにおいても候補遺伝子が同定できたので、こういうリスク因子に関して各人のがん発症前のリスク診断が可能になったのではないかと考えます。

 最後、論文に関しても、今回我々も独自に解析した結果ですが、このようにオンコロジーの領域においてはほかを凌駕するような成果を出している点が明らかになった。当初は想定し得なかったのですが、結果的にはそうだったということで、こういう状況を引続き続けていきたいということです。

 

○祖父江委員

 どうもありがとうございました。非常に素晴らしいプランと実績ではないかと思います。まだこれから増えてくるかも分かりません。一つは理事長がおっしゃった点、非常に戦略的にやられているなと感じました。特に中長期的に解決すべき問題をえぐり出して、それぞれについて戦略的な問題解決の方法を前倒しで考えるということをクリアカットに、いろいろなところでやられている。研究もそれに匹敵するのではないかと思いました。

 特に、人事のことなどでキャリアパスを明確化したり、雇用をクリアに変更されたり、あるいは3年目途というような、いろいろな施策を取られていると思います。これの具体的な成果というか、確か先生から3年前でしたか、最初にも人事システムを含めて中身を変えるんだというお話をいただいたと思います。あと1年で総括になってくると思うのですが、具体的にどういう成果がこういうところから出てきたか、みんな非常に活気が出たということかと思いますがその辺をまずお聞きしたいと思います。

 

○国立がん研究センター理事長

 人事システムを変えたことによってどのような効果があったかというお話ですが、実際に成果として現れるにはちょっとまだ時間が足りないとは思います。少なくとも、今まで1年雇用と無期雇用が同じ職種の同じ立場で混在していたものだけは統一化したことによって公平感、あるいは自分たちは評価されているという気持にはなったという点で、職員間の不協和音の感じがなくなったのは事実です。

 それから、やはり、一定程度の任期制を敷くことによって緊張感が生まれるということと、例えば一旦役職に上がると、管理能力に問題があっても降ろせないというのは普通の会社ではあり得ないことです。大学においても、教授職と部長なり院長なり学部長という管理職は別ですよね。それと同じ形で、研究開発法人としてそのほうがふさわしいのではないかというようにさせていただきました。もうしばらく推移を見ていただきたいと思います。

 

○祖父江委員

 今のところは大体良い方向が出ていそうだと理解してよろしいですか。

 

○国立がん研究センター理事長

 はい、そう手応えを感じております。

 

○祖父江委員

 分かりました、どうもありがとうございました。もう一点だけ、研究所長にお聞きします。いろいろ非常に良い結果を出しておられると思うのですが、ちょっと気になったのは予防介入のことをおっしゃったのですが、全体の比重から言うと予防というところはちょっとまだこれからかなという感じがしました。リスク遺伝子を見つけてそのリスクをどうフォローしていくかとか、個別の予防介入というのはもちろん非常に素晴らしい結果を出しておられると思うのですが、これを今後どうやって全国的なムーブメントというか、国としてリーダーシップを発揮して、最初に理事長がおっしゃった日本全体としてのがん予防をリードしていくのかというビジョンが恐らくだんだん問われてくると思います。その辺についてのイメージは何かお持ちですか。

 

○国立がん研究センター研究所長

 実際に重要なポイントで、これまでも様々なリスク要因、因子が同定されてきて、疫学研究や遺伝子解析が出来上がってきたのですが、それをいかに現場で展開するかというのは実際日本がなかなかなし得なかったところだと思います。昨年度、その中でもほかの国の試験に追随する形で、クリーンコロンに対してアスピリンを投与して予防効果があるかということは実際成果を出して研究報告しました。これが一つの切り口になっており、現在、それを遺伝性の大腸がんの高リスクに対しても同じような検証をしています。それから、具体的に今回、基礎研究のほうでも遺伝的要因だけでなくリスクに寄与するような環境要因や、本態解明から得られる様々な結果を基に、薬ではなくて何か具体的に介入できるようなことへの展開に向けて、我々も体制を整えています。予防・検診研究センターとの連携を含め、それを進める準備段階ができたと今考えています。

 

○祖父江委員

 ちなみに法律とのリンクということはありますか。

 

○国立がん研究センター研究所長

 例えば、ゲノム情報に基づいた介入をしようとするとかなり難しい面が出てくるかと思うのですが、ゲノム医療に関しては様々なインシデンタル・ファインディングの対応も含め、それも現在体制を整えていますので具体的にどのような形の介入が可能なのか、あるいは、御本人に結果を返すかということも含め細やかな検討が必要かと考えています。

 

○福井委員

 予防についてですが、がんを減らす最短の方法は喫煙者を0にすることだと思います。そのことについての政策提言を書かれていますが、実際、喫煙率を下げるところにどれぐらいがんセンターが貢献したかについて何かデータがありますでしょうか。

 

○国立がん研究センター理事長

 最初に私から申し上げます。先生が御指摘のいわゆる政策提言と言えば、がん対策推進協議会の中でいろいろ発言をし、それを基本計画の中に折り込むというところはやっていますけれども、NCCとして独自に何かというのは、例えばクイット・ラインをやって全国から相談を受け付ける、あるいは世界の禁煙グループと連動したりなどやっています。先生の御期待にはまだ添えていないのかなと思います。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 がん対策情報センターの若尾です。実際は今の理事長のコメントのように、まだ本当に実を結んだというところはないのですが、地道に普及啓発の活動をしているとともに、今御説明がありましたクイット・ラインのトライアルをこの7月に行い、その成果をまとめてそれを基にまた提言したいと考えているところです。

 

○福井委員

 ちなみに、がんセンターの職員は全員喫煙しないのでしょうか。

 

○国立がん研究センター理事長

 私は時々現場をつかまえては「禁煙外来を受診しなさい」と言っていますけれども、なかなか完全には浸透していません。

 

○内山部会長代理

 先ほどの人事の件、大変素晴らしいと思うのですが、実際の評価をどのような方法でやっておられるのか。

○国立がん研究センター理事長

 科長とか分野長とか役職に関わる人は公募しますので公募で選考委員会を作って審査して、それを最初に理事長が決裁する形を取っています。それ以外の職員の扱いについては任用審査委員会を開き、有期雇用から無期雇用に切り替えてもいいかどうか、直属の上司の推薦を受けた上で委員会で判定する。決して、私が勘どころでやっているわけではありません。

 

○内山部会長代理

 公募は応募があるものですか。

 

○国立がん研究センター理事長

 役職だけですけれども、今回の公募には外部からも数診療科にありました。

 

○国立がん研究センター研究所長

 研究所のほうは少し厳しめの評価を加えています。例えば分野長に関しては外部評価委員会を設け、そこで評価していただく。それ以外の役職員に関しては内部評価委員会を設けて評価をしています。特に分野長の外部評価の場合、今回、外部評価委員の評価を踏まえて、研究実績を加味しながら、機能的な統合が必要な部分に関してはそういうことも実施に向けて進めようとしています。より機能的に駆動するような形を取っています。

 

○内山部会長代理

 論文集や採点表が非常に増えているのもやはりそういう結果なのでしょうか。

 

○国立がん研究センター研究所長

 それも一理あるかもしれません。

 

○三好委員

12ページ、治験の話なのですが、この中期、治験実施件数は確実に飛躍的に伸びている。平成21年度からそろそろ倍に届こうかという成果を挙げておられます。それは強化していったからこうだったとか、その辺を教えていただけると有り難いのですが。これだけ増えると治験のためのサポート部隊もたくさん要るだろうし、その辺はどのように工夫されたのか教えてください。

 

○国立がん研究センター理事長

 治験は企業からの治験と医師主導治験の2つに分かれるわけですが、収入面から言えば圧倒的に企業治験でありまして、契約額は総額で年間25億ぐらいございます。もちろん、それの間接経費を基に例えばリサーチ・コーディネーターの人を雇用したり、それに必要な専門職種の人を雇用しているわけです。その方たちも先ほど申し上げた研究支援センター付に全部なるということです。

 その研究支援センターですが、先ほど人数は申し上げませんでしたが、全部で120人ぐらいを目標に組織することになっております。それぐらいないとこれだけの治験や臨床研究を進められないという状況です。

 

○三好委員

 中期の間に120名ほどですか。

 

○国立がん研究センター理事長

 いや、もちろん独法化の前からも治験自体はやっており、相当数の雇用をしてきました。独法化前は企業との共同研究は0でしたけれども、独法になって企業からの収益はかなり増えるという状況が出てまいりました。引き続き収入を確保しつつ体制を強化したいと考えています。

 

○三好委員

 ありがとうございました。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

 追加します。独法化前までCRCはほとんど非常勤、数人単位の常勤しかおりませんでしたけれども、その段階で大幅に常勤化に移行いたしました。30数名、中央、東もそうですけれども、その辺に、増えたのが一つ大きな要因であると思います。

 その後、EPOCが平成23年度から本格稼働しまして、それまでは中央と東、築地と柏のキャンパスが別々の契約形態とか指示命令系統だったのですが、そのあたりをEPOCという1つの組織体が割と効率的に運用するようになりました。企業からすると、ワンストップで両病院の機能を使えるということで非常に人気も上がったと思って、このように件数が増えてきたというように分析しております。

 

○祖父江委員

 どうもありがとうございました。企画戦略局長に今お話いただいたのですが、そうやって増えていくときはいいのですが、やはり常勤化という問題はプロジェクトが重点化しないといけないところがだんだん移ってくる。そうすると、言い方は悪いのですがスクラップ&ビルド的なところがどうしても出てくると思います。先ほど理事長が人事システムとして、評価を加えながらスクラップ&ビルドとまではおっしゃらなかったのですが、そういうことが今後出てくると思います。その辺はどのように、例えば研究所など外部資金でどうしても運転しないといけないところがある。その辺はどのようにお考えなのか、あるいはうまくそれが回っていくのかどうか。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

 独法化になるときに、常勤化にするかどうかをまず検討するためにマッキンゼー・アンド・カンパニーに評価してもらいました。中央病院の臨床研究、治験の数が一体どのぐらいあって、それに対してどのぐらいの人間が必要だという分析をさせていただきました。その上で30数名などという数字を出してきました。

 その後、その当時の治験収入が大体両院合わせて18億から20億ぐらいだったのですが、そのうちの関接経理部分といいますか、人件費も合わせる部分がいくらぐらいであろうということを想定し、その範囲だったら常勤化しても大丈夫だろうと判断しました。今のところ右肩上がりで増えていますけれども、これがフラットになったとしても、今の20億ぐらいあれば十分な雇用が維持できるような体制で一応ストップしている状況です。それプラス、例えばEPOCの早期・探索臨床試験拠点、その前の治験中核病院、いろいろ国からの経費が大体3億とか5億入ってきます。その人件費は流動的な人材が基本的にはそこを使っていこうというアイデアで動いています。

 

○祖父江委員

 治験の中の枠組みで。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

  そうですね。

 

○祖父江委員

 全体として少なくするという。

 

○国立がん研究センター理事長

 ですから、プロジェクトで動くような研究や支援というのは、基本的にはプロジェクトが終了したら終わりということですから、常勤だけれども期限が付いています。収入を得れば支援する形になりますので、全く研究費もなくて支援することは今のところ基本的にありません。

 

○内山部会長代理

 それでは、よろしいでしょうか。続いて、グループ2、評価項目46について評価します。所要時間は、法人の説明に10分、質疑と評定の記入に15分、合計25分です。法人から、平成25年度の業務実績と自己評定についてお願いします。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 それでは、医療の提供に関する事項で、21ページからです。私、荒井が説明します。まず最初に、「高度先駆的医療の提供」という点ですが、やっていることのごく一部を紹介させていただきました。右下のグロテスクな写真ですが、実はこれ、15cmもある大きな表層型の大腸のがんでして、これを内視鏡的に全て切除するということで、内視鏡治療を年間2,000件施行して、これも世界のトップクラスです。また、そこの写真の左側にありますが、これは切らずに経皮的に門脈と脾静脈をバイパスするもので、これも世界初の治療ですが、こういったIVRも年間4,000件で、これも件数的には世界のトップクラスです。そのほかには、小児の網膜芽細胞腫に対するルテニウム小線源治療、あるいは、先ほど理事長から話があったような希少がんセンターを設置して、ホットラインを設けて、全科横断的に診療研究を行っています。

 まとめますと、臨床研究の総数は、これまで続けてきたものも含めて1,439件が今年度に実施されておりまして、内訳は下にありますが、先進B9件、医師主導が23件で、うち4件がファーストインヒューマンで、ヒトに対して初めての麻薬剤投与等の試験も含まれております。そのほかに、企業の試験、そして、JCOG等の臨床試験が989と、膨大な数の臨床試験を行っていただく必要があります。

 少し右側にそれぞれの内訳を示しておりますが、基本的には新しい医療を追求する、こういった臨床試験を行うことは、そのベースに、飽くまでも標準的な治療をきちっとやっていることが土台になりますので、新しい治験的な治療の試みがその背景に、標準的な医療をきちっと行っていることを御理解ください。よって、ここは数だけでものを言うわけにはいきませんが、この臨床試験数は圧倒的なものですので、S評価を付けさせていただきました。

 次に、22ページです。ここは、患者さんの視点に立った医療、良質かつ安心な医療の提供です。まず、適切な治療の選択ということで、これはいかに情報を提供するかになりますが、まず基本的には、一部を除いてほとんど、全ての診断・治療行為について説明文書が完備されております。その説明文書の中には必ず、ほかの治療の選択あるいは無治療という場合の選択肢が明記されております。これらを用いまして、担当医が文書を用いて説明をして、同意という形を取ります。それ以外に、診療情報を分かりやすく提供するための、各種の外来、患者教室、各種催しものを行っております。右側の上に患者教室の一部がのべ回数も含めて書いてあります。その下にチーム医療の推進が書いてありますが、チーム医療は今や現場では全く常識といってよろしいかと思いますので、これはルーチンの業務として行っていて、その中での緩和ケアチームあるいは栄養サポートチームといったものの推移を述べてあります。

 次に、23ページです。「入院時からの緩和ケアを見越した医療の提供」です。これを表現するのはなかなか難しいのですが、約7割の方が、がんに対する積極的な治療をやっている最中に、実際に緩和ケア科がそこに介入していくという数値を上げております。こういったことで、入院時あるいは治療を開始した当初から、治療中から、緩和ケアが密接にリンクして当たっていることを御理解いただけたと思います。その下に東病院のサポーティングケアセンターの立上げ等も含まれております。

 医療安全、これについては今さら申し上げることはないと思いますが、全てのインシデント、アクシデント、中央病院だけで年間3,000件で、何かあると必ず報告を挙げる体制が完備しておりまして、これに対して、専門の部会で解析、検討、対応を行って、必要なものをフィードバックします。右側にいちごの写真がありますが、これが医療安全ポケットマニュアルで、毎年更新しておりまして、重要な事柄は常に更新をして、これを全職員に伝えております。

 客観的指標については評価が大変難しいのですが、たまたまこの3月に病院機能評価機構の評価を受けたものですから、そこの成績を出させていただきました。今のバージョンにつきまして、受診した病院が82病院で、この中で、東病院が総合3位、中央病院が、実は456位は同列で、6位という結果でしたので、一つの客観的な指標から見た、中央病院、東病院の評価と取っていただいてよろしいかと思います。

24ページです。ここは「その他医療政策の一環として実施すべき医療の提供」で、様々なものをやりました。左の枠に組んであります。緩和ケアのホットラインあるいは緩和ケアチームカンファレンスの回数、かなり大勢の人間が参加しているという事柄。先ほど、理事長あるいは研究所長からの話にもありましたように、就労支援、そして、7つの専門外来、患者さんがかかった13の教室を挙げております。まだ枠が続いておりますが、右側、特にこのアピアランス支援センター、あるいは、がん患者さんの暮らしが広がるアイデア展と、少し説明します。

 アピアランス支援センターとはそのとおりで、アピアランス、外見です。治療をやっている過程で、髪の毛が抜ける、爪の色が黒くなってしまう、顔がむくむ、そういったことが社会復帰においてもかなり悪い影響を及ぼすという観点から、こういったアピアランスを何とか改善しようということで、日本で初めてアピアランスを支援するというセンターを開設しました。そこに写真が載っておりますが、がん診療を行っている他の病院からも高い評価あるいは注目を浴びておりまして、このセミナーには毎回たくさんの病院が参加して、既に地方の拠点病院でもこういった取組が始まろうとしております。

 次のページです。もう1つ、がん患者さんの暮らしが広がるアイデア展です。これは、今のアピアランスも含めますが、どうすれば少しでも心地よく過ごせるかにつきまして、安らぎの方法、食事の工夫といったことを看護部が中心となって、今のところは年に1回、こういった催しものを行っておりまして、昨年も550人、今年も外部からの参加を受けて、こういったことを非常に熱心にディスカッションしております。

 最後に、25ページの右側ですが、一番問題になるのは就労の問題です。これについては取組を始めまして、これは、ハローワーク飯田橋と、それから、社会保険労務士とがんセンターの相談支援センターが連携して、がんの治療を受けられた患者さん、いわゆるサーバイバーの方ですが、その方々の就労に関する様々な悩みに対応して、社会的にどういった支援をしたらいいかをディスカッションし、そして、提供することを行っております。真ん中に実数が書いてありますが、年間の全相談件数が9,556件ありまして、そのうち、就労に関するのが167件で、現在も増えつつありまして、今後の非常に重要な取組と認識しております。以上です。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆様は、評定記入用紙の評価項目46に評定結果及び評定理由の記入をお願いします。御質問等がありましたら、適宜御発言をお願いします。

 

○斎藤委員

23ページで、病院機能評価をお受けになったとのことですが、今までのお話を伺っていると、これだけ素晴らしいことをやっているのに、なぜ3位なのかと。何かマイナスになったのは、例えば、人気が多過ぎてなかなか受診できないとか、何かそういうような訳ありのものがあったのかどうか、その辺りを教えてください。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 実際には、こういったものをどうやって総合したかということを簡単に申し上げますと、Sの場合は+1点、Aの場合は0点、Bの場合は-1点、というふうな単純計算を全国の病院で行う、これはそういった会社が行っているのですけども。その方法の適切さについては何とも評価がし難いのですが、現実には、B評価、ここは改善したほうがいいですよというのが残った部分が数多いと、どうしても足を引っ張られるということで、上位とは結構密接しておりますが、残念ながら1位ではなくて、そこの所で3位と6位という結果になる。このB評価、詳細は記憶しておりませんが、実は余り大きな項目ではなくて、本当に病院の機能評価で、ここの所のこういう設備が行われているかといったことに関して、ここは改善したほうがいいですよ、あるいは、ここは人員が足りないから増やしたほうがいいですよといったことで、B評価を頂いた所が結果的にはトップに躍り出られなかったというところにつながっております。大きな問題があってという御指摘には当たらないと認識しております。

 

○本田委員

3点あるのですけども。1つは、22ページの、セカンドオピニオンとかその辺り、患者さんへの説明の部分ですけども。大変素晴らしい取組だと思いますが、体制はどのような形でやっているのかを教えていただきたいのが1つです。もう1つが、2425ページで、社会的な問題にも積極的に取り組んでいることに大変敬服するのです。例えば、こういうアピアランス支援センターにしても、患者さんの考え方や意見とか、そういうものを一緒になって取り組んでいるとか、そういう意見をどのように取り上げているかとか、その辺の工夫があれば、医療側の思いだけではなくてという部分で工夫があれば教えていただきたい。もう1つ、簡単な質問なのですけども、23ページの、緩和ケア診療研修のうち、治療中の比率が69%であったというのは、積極的ながん治療をされている方が7割ほどということでしょうか。もう1回教えてください。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 申し訳ありません。順番に説明します。まず、セカンドオピニオン外来です。当院ではがん相談対話外来という表現をしておりますが、どうしても予約の関係でお待たせすることがありまして、まずは医師が約1時間の時間を取って対応します。それで、少なくともそれに最低限1名の看護師、それも中堅どころ以上の看護師が付き添って、その医師の説明に対して十分な理解ができたかどうか、途中であるいは終わってから伺いながら、必要であれば追加を加える。そして、それ以外の、いわゆる精神科医あるいは栄養士等々、必要な方があれば、そこでまた適宜連絡を取って、呼んで対応するという、かなり手厚い内容のセカンドオピニオン外来をやっております。これがまず1つ目に対する答でよろしいでしょうか。

 

○本田委員

 それは、常にそういうチームがいるのですか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 ええ。チームというか、同じメンバーで組んで動いているわけではありませんので、どうしても担当で時間が変わって、メンバーは変わりますが、構成としてはそういった構成で。いわゆる、医者だけが一人っきりで、患者さんあるいは御家族で11ということではなく、チームとして対応しております。

2番目のアピアランスにつきましては、御指摘のあった、医療者側からの押売りではないかという可能性ですね。これは、もちろんそういうリスクを持っているかもしれません。しかし、この一緒に動いているメンバー、ボランティアとして協力してくださっているメンバーはサーバイバーの方がかなり含まれておりまして、そういう方々の実際の体験に基づいたものを伺いながらやっているわけで、医療者側の思い込みで勝手なものを押し付けている形は、多分、現時点では行われていないと認識しています。これは実際に、そういった患者さんからのギブ・アンド・テイクの情報を一緒にすり合わせしながら、次に何が問題か、常に問題として取り上げて組んでおります。そういった施設です。

 最後の所は、先ほどの私の説明がよくなかったかもしれませんが、24ページです。昔ですと、緩和ケアというと全ての治療が効かなくなって、もうどうしようもないので、緩和ケアをお願いしようかという、昔ながらの悪い形の緩和ケアの取組です。現在は、69%、約7割というのは、がんに対する治療を積極的に行っているけれども、既にその段階で緩和ケア医が実際に介入して、治療あるいはフルチームとして治療を行っている比率が70%という意味です。残りの30%がなくなって100%にならないのは、早期の胃がんとか、先ほどご紹介した内視鏡で取りきってしまうような患者さんの場合、その段階で緩和ケアの医者が入る。これは実質的に結構難しいものですから、どうしてもそういった方が除外されてしまいます。この結果として、残りの7割の方々、すなわち、治らない可能性の高い化学療法等を含み、積極的に治療を受けておられる方々に治療中から緩和の医師が介入しているという理解をしていただければと思います。

 

○国立がん研究センター理事長

 暮らしが広がるアイデア展について、今回が3回目なのですけど。1回目を始めるときには、外来の患者さん約1,000人から、日頃の、療養生活で日常の困ったことを看護部がアンケートとして吸い上げて、それで、項目の重要度というか、要求の高かったものを優先的にやっている状況です。

 

○花井委員

22ページ、チーム医療なのですけども。がんの領域ではチーム医療は先駆的な領域だと思いますが、外来などはどんな感じですか。化学療法では外来が増えてきていて。病棟では分かるのですが、外来で、例えば、もうナースが担当制になっているとか、それから、化学療法の薬剤師さんがそこでどのようにかかわっているかとかはどうでしょうか。外来ではチーム医療をやっているといいながら、外来だと、医師以外とはお話しませんでしたという所も多々見られるのですけど。がんセンターにおかれてはセカンドオピニオン外来より若干説明がありましたが、外来におけるチームの体制はどうなっているのでしょうか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 御指摘頂きました外来化学療法ですが、来られた全ての患者さんが、来られたときに必ず、担当の薬剤師あるいは医師、看護師というふうに、グループとして接するかというと、これは接していないのが実情です。ただ、実際に外来の化学療法を行うためには、少なくとも今申し上げた3つの職種が完全にリンクしておりますので、これは外来の化学療法を行うグループがチームとしてかなり頻回にディスカッションして、問題を洗うと、あるいは、特定の患者さんに関して何か問題があれば、その方に関しては三者合同、あるいは、それに必要な部署の、例えばMEさんとか、あるいは栄養の担当ですか、そういった者が加わって実際に当たるわけです。ですから、平たく申し上げて、そういったチーム、複数の職種の人間が同時に患者さんに対応する場合、特殊なケースに限られてきますが、外来の診療、外来での化学療法に関しては、全体としてはチームとして当たっていると申し上げて間違いないと思います。

 

○花井委員

 ありがとうございました。

 

○国立がん研究センター理事長

 もう1点。それから、看護師はストーマ外来とかリンパ浮腫外来というのをやっているので、リンパ腫だけが外来をやっているわけではないという形になります。

 

○花井委員

 病棟でのチームは診療報酬上も十分評価がされるのですが、外来は評価が低いところもあるため、難しい点もあるかと思いますが、やはりとても大切なので、それが進捗しているというので、非常にいいことだと思います。ありがとうございました。

 

○福井委員

 聞き逃しているかも分かりませんが、評価項目5は患者の視点に立ったということになっていますので、何か患者満足度のデータはあるのでしょうか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 患者満足度調査は必ず年に1回行っておりまして、この結果の評価、客観的な評価がなかなか難しいのですが、これについては院内できちっと私どもなりの評価をして、その結果の概要をホームページに掲載する形で出しております。今、ここでは資料には載せておりません。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。

 

○藤川委員

22ページの、セカンドオピニオンの所なのですけれども。実施件数が非常に多くて、他のセンターと比べものにならない件数なのですが、これを拝見すると、「がん相談対話外来」と「セカンドオピニオン外来」の両方を足した件数なのでしょうか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 すみません。一般的には、がん相談対話外来という表現を使ってみますと、何か別のものかしらということで。セカンドオピニオン外来とがん相談対話外来は、内容的には同じものです。

 

○藤川委員

 何が違うのかがよく分からないのですが。

 

○国立がん研究センター理事長

 「がん相談対話外来」とした理由ですか。要するに、当初、立ち上げたとき、通常のセカンドオピニオンはドクターが11で説明して、いろいろとサゼスチョンしたらおしまいではないよというイメージを作ったのだと思います。要するに、中堅以上の看護師さんが付くとか、場合によっては薬剤師さんとか、そういった人たちが付く外来で、対話的に行う外来だということです。

 

○藤川委員

 セカンドオピニオン外来は、ドクターのみとドクター中心と。

 

○国立がん研究センター理事長

 いや。これは一緒のことなのです。

 

○藤川委員

 どちらもドクター。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 これは歴史的な経緯があり、東病院ではいまだに「セカンドオピニオン外来」という表現を使っています。中央病院は「がん相談対話外来」と言っておりますが、中身は全く同じです。それで、紛らわしいのですが、ここで両方を並列で挙げております。申し訳ありません。

 

○国立がん研究センター理事長

 例えば、拠点病院の調査などでは、「セカンドオピニオン外来」というところに集計されていくものですから、「がん相談対話外来」というのは我々が別称で言っているだけです。

 

○本田委員

 先ほどの追加、23ページの緩和ケアの所なのですけれども。評価項目5で、患者の視点に立ったということで、改めて伺いたいのですけれども。一昔前というか、56年前くらいまでは、国立がんセンターは、高度な先進医療をやっていることもあるかと思いますが、医師の判断で、治らなくなったら、紹介の仕方とか、追出しと言われるようなことで、患者さんたちの声が大変高かったと思うのですけれども。その後、もちろん医療的な関係から、治療をずうっと続けることがいいとは考えていませんが、どのような形で連携、対応を支援していて、患者さんたちの対応や反応はどのように変わってきていると考えておられるのか、教えてください。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 御指摘の点が一番耳の痛い、そして多分、この数年間で一番ドラスティックに変わったところではないかと思われます。まず、先ほど申し上げた「がん相談対話外来」というものを公に出して、きちっと対応させていただきました。個々の医師の対応や表現の仕方などは指導の範疇かもしれませんが、実際にはその頃、体制として非常に不備が多かった医療連携、あるいは前方、後方の多施設との連携を強化しました。その結果として、あの頃に言われておりました「がんセンターががん難民を作っている」といったご指摘をいただかなくなりましたので、それなりの御理解をいただいているのではないかと理解しております。

 

○本田委員

 そのためにもがん相談対話外来があるとか、連携を強めたという理解でいいのですか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 はい。1つは、なるべくそういった評価を忘れ去っていただくためにも、相談外来を一つの象徴として、かなり意気込みを持って続けております。

 

○藤川委員

23年前に頻繁に伺うことがあったのですが、その前に、外来のほうでどうしても待ち時間が長いという印象があったのです。その辺りは、いろいろな所で待ち時間を短くするための施策が行われているとは思いますが、がんセンターではその辺りはどうでしょうか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 お待たせする時間を短くする取組は一生懸命に取り組んでおりますが、実際のところ、平均的には、通院中のセンターの拡充等も含めて、外来化学療法を受ける方もかなり短く、採血の結果が出るとすぐに治療を受ける体制になりつつあります。これは今も拡充しております。ただ、いろいろな事情で、きちっと結果が出てこない部分は残っています。比較的長時間、昔のように、2時間とかそういう時間をお待たせする患者さんがまだおられるのは事実です。完全に払拭し切ってはおりません。

 

○福井委員

 先ほどの言葉の確認です。「がん相談対話外来」に来られる患者さんは、通常のセカンドオピニオンの患者さんと同じように、外部の医療施設の診療情報提供書と検査結果を持って来る人だけを扱っているのでしょうか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 はい、そうです。いわゆる飛込みの患者さん、御家族や御本人という者は受けておりません。

 

○福井委員

 カウントされていないのでしょうか。

 

○国立がん研究センター中央病院長

 はい。

 

○福井委員

 そうですか。

 

○国立がん研究センター理事長

 予約枠はきちっとあります。「相談対話外来」を予約するためには、今だと大抵2週間ぐらい待っていただくことが多いです。だから、通常の診察で飛び込んで来たほうが早く受診できる場合もありますが、相談であれば、それはできないということです。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。続きましてグループ3に移り、評価項目79について評価をします。それでは、法人から平成25年度の業務実績と自己評定について説明をお願いします。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 それでは、評価項目789と説明をします。がん対策情報センター長の若尾と申します。まず、26ページです。こちらでは人材育成に関する項目です。人材育成は2つの項目があります。

 その1つ目は、リーダーとして活躍できる人材育成ということで、こちらにはないですが、レジデント制度は引き続き継続をします。レジデントを多く輩出し、がん診療連携拠点病院等に送り出しているところです。こちらにある1つ目は、臨床研究のe-learningシステムを構築し、そちらの普及を進めています。

 この中には、統計など100以上の講義があり、今回想定外の医政局長通知で紹介をされて、50以上の臨床研究施設に公式採用をされました。その結果もあると思いますが、昨年度新規登録5,800人。更に、修了証発行者3,400人と非常に多く使われているところです。

2つ目は、日本看護協会のがん緩和ケア認定看護師の教育過程を新たに開講をしました。今まで学校、大学等で行われている所が多く、がん専門医療機関として設置されたものでは全国で2番目のものとなっています。こちらについても12名が受講をして修了をしています。

 モデル的研修、講習の実施では全国のがん診療連携拠点病院等の医療従事者を対象としているものです。プログラム集は平成24年度23種類だったものに5種類を更に追加し、28種類のプログラムを提供します。右側のスライドの赤字の所が新規に追加をしたプログラムです。

 この中には、相談支援センターなども加えています。こちらで約1,100人の受講生に対して講習を提供しています。更に、国立がん研究センターで提供している拠点病院向けの研修はこれだけではありません。これはあくまで指導者が1,000人ということで、下に青字である指導者研修以外にも4,000人を対象とした研修を平成25年度に実施をしています。

 この中には、行政担当者向けの研修なども新たに設定して行っています。この研修において新たな取組として、昨年度収入面の御指摘を頂き、研修については今までずっと交付金の中で対応をさせていただいていましたが、どんどん交付金が減る中、研修の人数は大きくなっていく中で、今年度苦肉の策として受講料を取るということを行いました。受講料を取ったが、受講の希望者は減らずにこの中で約160万の収入を得たところです。

 次の評価項目8番です。医療の均てん化と情報の収集・発信に関する事項ということで、まずネットワーク構築の推進ということで、全国には397のがん診療連携拠点病院があります。その中で都道府県に1ないし2の都道府県がん診療連携拠点病院が51か所あります。

51か所の拠点病院と国立がん研究センター、中央病院、東病院を含めて53のがん専門施設で都道府県内のがん診療に関する意見交換等を行っています。このような都道府県の拠点病院が集まる唯一の機会となっています。

 実際には、昨年4つの部会で臨床試験、がん登録、情報提供・相談支援、更に平成25年度に新たに緩和ケアの部会を設置しました。この協議会で各部会でもいろいろ意見を調整した上で、親会のほうで連絡協議会としての取組を検討をしました。昨年度は、がん診療連携拠点病院制度に関する提案、もう1つのがん情報提供及び相談支援センターの活動と機能強化に関する提案を厚生労働省等に実施をさせていただきました。

 その結果、拠点病院の制度に関しては、今年の1月に発出されたがん診療提供体制の機能に関する整備指針にも採用をされた部分があります。下の矢印にあるこの協議会、平成20年度から始めて今年で第7回目でした。昨年度は第6回目でした。今まで国立がん研究センターが独自のアクティビティとしてやっていたものですが、このような実績を評価され、整備指針にも国による協議会として新たにオフィシャルなものとして位置付けをしていただきました。想定外の動きです。

 右側の地域がん相談支援フォーラムの実施をします。このフォーラム自体は平成24年度の12月から始めて一昨年度2回、昨年度3回行っています。回数は1.5倍です。実際の参加者などは倍以上に増えています。こちら従来の動きでは、都道府県内の相談支援の勉強会、連絡会みたいなものが中心でしたが、やはり県内の活動には限りがありますので、その隣県を巻き込んだ形でブロックで大きく意見交換をする。それも相談支援センターのメンバーだけではなく、実際の医療関係者あるいは行政関係者の含んで他府県の事例等の意見交換を行うということで行わせていただいています。

 効果としては、例えば宮崎県において今まで実務者の連絡会議はなかったのができたり、鹿児島県においては部門の連絡会議が運用を開始された。これは鹿児島県、宮崎県だけが単独では動けないところを他県の状況を見ることで、自県の遅れを認知した上で県内を動かしたという効果があったと考えています。

 下の企業連携によるがん情報の普及ルートの拡大ということで、こちらも情報提供に関する包括的連携の協定を民間の企業と結んでおり、それにより約150万部のチラシ、冊子等を全国に我々の届かないルートで配布をしていただくとともに、協賛金という形で一昨年度600万だったものを昨年度1,100万の協賛金を頂いて、これをベースに上で説明をした地域相談支援フォーラム等に活用をさせていただいています。

 次のページです。これも引き続き情報提供の部分です。ホームページがん情報サービスについて、まず20種類のがんについて内容、情報を更新しタブ化にしました。更に、右にある冊子13種類についても更新を行いました。

 『患者必携』というがん患者さんに向けた書籍です。これは2年前に発刊したものを改訂版を作るとともに、右にある「私も、がんでした」というのはホームページで掲載していたものをまとめてビジネスパーソン向けの情報として新しく書籍として出版しています。

 右にある「がんの臨床試験を探す」というページ。こちらは、今まで医療者向けとして提供していたサービスを簡単な解説を加え、更に検索機能も強化をする形で一般の方向けに公開しました。これは日本で初めての公開となります。こちらは非常に想定外の反響を受けて、多くの方から、これは非常に便利だという御意見を頂くとともに、元のデータの不具合があることが、これが広がっていくことによって新たに発見され、それに対する対応を現在しているところです。

 このようながん情報サービスですが、年間で約6,000万ページPVのアクセスを得ています。非常に多いですが、更に平成24年度、25年度を比べると750万ページPV増えているということと、あくまで参考値ですが、平成24年度のホームページのアクセスほかのナショセンと比べるとダントツで多くのアクセスを得て、がんと言えばがん情報サービスという所が浸透してきたのではないかと感じています。

 これも情報の収集・発信の項目ですが、先ほど理事長の説明でサバイバーシップ、新たながんセンターのミッションに加わったという説明がありましたが、やはりがんのサバイバーシップ、がん患者さんの単に病気を治すということではなく、社会的な生活上でのQOL向上に向けた取組が今求められているということで、平成24年度4月に新たにがんサバイバーシップ支援研究部というのを公的な研究機関として、我が国で初めて設置されました。設置をしたと言っても定員1名、部長1人の活動です。その1人の部長で、今非常に大きく活動をしており、エビデンスに基づいたサバイバーシップの活動を広げるということで下の矢印にある左側のリソースの開発、右側の人材育成。この中では、講演、学会での発表等研修などがあります。平成25年度1年間で計43回の講演あるいは発表などを行っています。つまり、週に1回ぐらいはどこかで講演しているということで、がんサバイバーシップの普及に大きく貢献しているものと考えています。

 社会啓発ですが、右のページにある公民館カフェとご当地カフェという活動を行っています。こちらで実際に患者さん、御家族、行政の方、あるいは民間の方。多くの様々な方を含め、それがフラットの形で集まってお茶を飲みながら意見交換をするということで、月島で4回、更に石巻、沖縄で各1回ずつ活動をし、それらは特に地方でやったときには、大きく地元等でも取り上げられて、がんサバイバーシップについて徐々に広まってきているのではないかと考えています。

 次の30ページです。これも均てん化と情報収集の中なので、すぐ地域がん登録等の実施状況の把握ということで、2つの大きながん登録に関しては活動を行っています。

1つは、都道府県が行う地域がん登録について、研究班に提出されたデータを集計して、全国の推計値を出しています。今までは、推計値を出すまでに大体5年かかっていました。昨年度4年で集計をすることができました。つまり、昨年度は2009年と2010年の2年分のデータを出したということになります。

2つ目は、397の拠点病院からのデータ、これを実データ。1つ目は推計値で、こちらは実データとして58万件のデータを収集するとともに拠点病院だけではなく、県推薦の約9万件のデータも集めて、併せて67万件のデータを収集しています。

 右のスライドです。左側は、あくまで診断された数を集めるだけです。右側は予後調査を行っています。これは2007年の診断症例の5年予後。20093年予後ですが、全国の約1,800の市区町村から14万件のデータを集めています。

 今までも予後調査を行いまして、最初は病院がバラバラで行っていた。それを2年前からがんセンターでまとめて行うようになりました。ただ、今までの2年については、有償な調査費が必要な部分、情報提供量が少ない部分については対応ができなかったのが、昨年度は初めて有償部についても拠点病院の自己負担によってデータを収集したということ。全国で初めて、がんの大規模な全国規模の予後調査を実施したというところです。それによって81%の生死が判明し、これに基づいた3年予後あるいは5年予後についてはこれから報告する予定です。

31ページです。評価項目9です。「国への政策提言に関する事項」です。一番大きなものとしては、先ほども話題となった「がん登録推進法」の成立が昨年の12月に行われました。これについては、厚生労働省、参議院の法制局と実際に制度設計に関する様々な情報提供等を行わせていただいたということで、それには前ページにある院内がん登録、地域がん登録集計のノウハウを生かした形で、31ページ左の下の全国がん登録データベースの制度設計について情報提供をすることで法律の成立に貢献したと考えています。

 最後の項目です。国際貢献に関するものをいくつか事例を紹介します。まず、米国の国立がん研究所との研究協力に関する覚書きの締結を行いました。実際に締結するのは、今年度に入ってからです。締結に向けた動きが昨年度から行っているものです。それについては、こちらにホームページで出ていますが、官邸のホームページに424日に行われた日米首脳会談で安倍総理からがん研究機関の間の協力が合意されたということが述べられています。

2つ目は、コホート研究という疫学の研究の中でAsia Cohort Consortiumという国際の共同研究組識があります。これの会議を主催したということと、今までAsiaと言いながらも実際の事務局はFred Hutchinson Cancer Research Centerにあったものです。これを新たに国立がん研究センターの予防研究部の中で事務局を受け入れることになりました。こちらも新しい動きです。

 最後の32ページです。そのような大きな動きとは別に、海外からの研修生も数多く受け入れています。20か国以上300人を超える訪問などを受けて、主にアジアが多いです。特に、内視鏡治療などでは欧米よりも進んでいるということで、ヨーロッパ等からも多くの研修生を受けています。

32ページ右です。経産省の事業ですが、日本の医療機器サービスの海外展開における調査事業への協力ということで、これも内視鏡治療をして、そこからスライドを作り病理画像解析をするという一連のものをパッケージとして作り上げるのに協力をしているということで、こちらも日本の技術を海外に移転するということで貢献しているというところです。以上となります。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆様は、評定記入用紙の評価項目79に評定結果及び評定理由の記入をお願いします。御質問等がありましたら適宜御発言をお願いします。

 

○三好委員

 最後の32ページの所の海外からの短期・長期研修で、短期と長期でどのぐらいの期間なのですか。その点だけ教えてください。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

 企画戦略局長から、短期のは3日以内のものが一番多いです。長期のものは、やはり1月ぐらい、長いものは3か月というところです。

 

○本田委員

 人材育成の所です。多くの方が臨床研究に関するe-learningを提供されているということでしたが、先ほど生物統計家の教育など、そのようなこともされているとおっしゃっていましたが、これは全部がんに限ったものですか。それとも別にがん、腫瘍などにはかかわらず全ての医療問題をやっている方などにかかわっているのでしょうか。

 特に、生物統計などは今いろいろな事件などもあり、日本で育成がとても求められている分野なので、そのような全体的にがんセンターが何か貢献をされているということでしたらすごいと感じました。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

験中核病院の事業で立ち上がり、順次整備を続けています。がんだけに限ったものではありません。現在、日本でひろく利用されているのは、臨床研究倫理指針が平成20年度に変わった際に指針で推薦されたがんセンターの作ったe-learningICRwebと、もう1つは日本医師会の治験捉進センターが作っているe-learningサイトです。

ICR-webには一応、がんも実例としては入っている部分もありますが。意図している所は臨床研究全般をカバーするような内容で書かれています。現在は、文科省のCITIがわりと使われるようになりつつあります。それより前からこの事業はされています。昨年来のディオバン事案などで、皆さんがこれに注目をされているので、先ほど紹介をさせていただいたように、非常にアクセスが増えているという状況です。

 

○祖父江委員

 どうもありがとうございました。3つほど聞きます。1つは、人材育成の所で御存じだと思いますが、文科省が全国の大学を束ねてがんプロというのをやっています。これは人材育成でがんに絡む人たちを総合的に育成していこうということで、今、第2期に入っているところです。そことの連携はどのようにやっているのか。あまり連携がないのかというのが1つです。

 先ほど、専門医のことはあまりおっしゃらなかったのですが、がん専門医というものをがんセンターとしては今後どのように育成していくのか。がん専門医を作ろうという動きも専門医機構の中ではありますが、各領域にがんは散らばっています。それを束ねて基本領域みたいながんを作ろうか、どうしようかという動きもあると思います。その辺は、専門医制度との関係でお考えになっているのか。

 

○国立がん研究センター理事長

 専門医に関して、基本領域が19で総合診療医が1つ増えました。その上の2階部分に、腫瘍内科なり外科なりというものを作れるかどうかというのは議論になっていると思います。そのような臓器横断的な専門医はどのように位置付けられるかが今議論の真っ最中だと思います。

 私どもとしては、内科系について言えば薬物療法専門医というものを重視し、それを取得するように指導はしています。がんセンターで、レジデントを終わる基本的な条件として、いずれかの2階構造の専門医は必ず採るようにという指導はプログラムとしてやっています。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 あと、追加をさせていただきます。最初に説明をしたレジデントの研修の中で今、理事長のお話があったとおり、各学科医の専門医を採っていただくことを目標としているところはあります。

 こちらで提供をしている研修プログラムは、それぞれの専門医を育成するということではなく、もっと広くチーム医療の推進をするということで化学療法チーム、あるいは緩和ケアチームなどのチーム医療と、緩和ケアについては都道府県の指導者の研修を行っています。その他の部分については、専門医指導という形では学会等が行う専門医の育成を利用するという形になっています。

 

○祖父江委員

 今の学会が主導する、機構が主導する専門医はどちらかというと、例えばジェネラルなものをかなり研修をしないと専門医はもらえないというというだんだん移行しています。そうすると、がんセンターの中でがんだけやっているという状態ではなかなか採れない。プログラムか何かを組んでという構想をお考えになっているのですか。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 どちらかというと、レジデントを来ていただくのは3年目以降、前期研修が終わった以降の方に来ていただいています。特に外科などで腫瘍以外の部分については、それまでに履修を学んできていただきたいというのをがんセンターとして出しているところです。

 

○祖父江委員

 ちょっと理解が。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

3年以降です。今、がんセンターのレジデントに最初に応募してくる採用年次が何年かというと、大体卒後5.5年から6年です。その間に一般外科なり、良性腫瘍は診ておいてくださいというのが前提で採っています。もう1つ、がんプロとの連携です。実際には、例えば研修プログラム等でがんプロと連携しているということは今のところはありません。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長 

 一部あります。千葉大とか島根もそうです。いくつかの所にがんセンターの名前を入れていただき、そこで連携はさせていただいています。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 あちらのがんプロ実施先としてがんセンターに来ていただいているという形です。

 

○祖父江委員

 むしろ、受けるという方向ですね。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

 先生方を出すということはあまりやっていない。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 がんプロとの連携大学院があります。例えば、慶應とか順天堂や千葉や熊本もそうです。そういう所には、連携大学院教授をがんセンターの中に置き、がんセンターの職員を大学院に入っていただいて、博士号を取ることはあります。それはがんプロとリンクをしているわけではないです。

 

○祖父江委員

 長くなり申し訳ないです。もう1つだけ。先ほどの予防との関係で、2つおっしゃったと思います。1つは、コホート研究。もう1つは、予後調査というか、サバイバルというか。それをシステム化していこうと。全国的なシステムまでにしていこうと。

 これは、ナショナルセンターとしては非常に今後はっきりやっていただきたいことだと思っています。どれぐらいのフォローアップ率で見えているのか。現時点で、全体のがんのどれぐらいを把握ができているのかということを1つお聞きしたい。それから予防との関係で、コホートをどこか設定されてやっているかどうか、その2点をお聞きします。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 まず、コホートのほうです。全国のコホート研究の研究班のほうでの対応です。実際の全国コホートをやっている所です。がんセンターとしてということではなく、がんセンターのスタッフが主任研究者をやっている全国のコホート研究として対応をしています。

 

○国立がん研究センター研究所長

 いわゆるJPHCの多目的コホートでは、12期でトータルで14万人のコホートをやっています。その中で更に、ゲノム情報を付与したフィジビリティーも2年間でやっております。今後、ゲノム情報を加味して前向きにコホートするような研究が推進できるような体制を整えたいと思います。そのためには、研究費も取っていく必要がありますので、内部の研究開発の中でそれはきちんと運用する状況にはなっています。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 それから予後調査です。全体的に予後調査をするのは全ての症例でありません。各医療機関で予後を判明ができない、予後調査ができない方を対象に今回行って、できない方を対象として81%が分かったという状況です。なので、既に死亡が確認されていたり、外来等で生存が確認をされている方はこのほかにいます。正確な数字は分かりませんが、8割以上の方の予後が分かっているというところになります。

 

○花井委員

 すみません、素人っぽい質問で申し訳ないです。31ページの米国のがん研究所とのいわゆる共同研究について、安倍首相も言及したということですが、普通に米国の研究機関との協力締結でやってそうなものです。これはどれだけすごいことかを教えていただきたい。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

 結構アメリカも保守的なところがあり、簡単には覚書きを文書として交わすことは具体的にはしていないです。例えば、個別のそれぞれの部署が留学などに応じることは最近やっています。組織全体として覚書き協定を結んで人事交流をしましょうということは最近あまりやってくれないらしいです。

 今回の場合も、向こうのNCIの所長が前のNIHの長官もやってノーベル賞を受賞しているハロルド・バーマスさんです。彼にサインをもらうというのはかなり大変なことです。1年以上前からいろいろな働きかけを行いました。理事長にも一度行っていただき、向こうでがんセンターとしては、こんなことを一緒にやっていきたいということもディスカッショッンもした、いろいろした上でこの締結をしています。ハードルはそんなに低いものではないという御理解をいただければと思います。

 

○花井委員

 具体的には、そのようなことによって何か内部の研究、例えば向こうの米国の研究者が頻回に多くの人が訪れるなど、中の雰囲気も変わるような出来事なのですか。

 

○国立がん研究センター企画戦略局長

 以前は、中釜先生も御存じで説明していただくのもいいかもしれませんが、がんセンターともかなり向こうのFogarty CenterというNCIの外部との交流をするセンターがあり、そこを通じて人の行き来はしたのですが、この10年ぐらいの間はあまりそのようなものはなくなっています。

 今回、人事交流を復活させようというところで、向こうと折衝をする中で、ビザをしっかり出す上では了解覚書(MOU)を結んでいないとビザは出しませんという話も出てきまして、それでこれを結び、昨年がんセンターの東病院から1名。今は、中央病院から1名。向こうの臨床研究の方法論を学びに行ってもらっています。彼らが帰って来て、学んできたノウハウをまた僕らの所に移転する。次は向こうから来ていただくことは予防の領域で行えばよいかと考えています。そのような現状になっています。

 

○内山部会長代

 よろしいですか。

 

○福井委員

Aを付けるのか、Sを付けるのか。いつも迷うところです。例えば、Sでしたら先ほど言われたNCIとのを締結をするということはプロセスであって、そこから先、良い成果が生まれるかどうかというのが最終目標になります。

 プロセスの所で、正直のところSを付けるものなのか、Sを付けるかどうかは成果が出たかどうかで付けるべきなのかと思ったりしています。悩んでいるということも理解していただければと思います。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 ありがとうございました。是非、成果ということではがん登録の法律の成立です。これは本当に長年の悲願であって、今まで平成24年度に出来たがん対策推進基本計画でもぼやっとしたことしか書かれてなかったのが本当に法律として出来た。

 これにより、今までのがん対策が大きく変わるということに結び付きます。ここは是非成果として評価していただきたいと考えています。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。

 

○斎藤委員

 これだけ素晴らしいことをなさってきて、多分先生方、職員の方にもプレッシャーがすごく高いのではないかと思います。その方たちの離職率はどうなのでしょうか。

 

○国立がん研究センター理事長

 離職率については、職種によって違うので統括事務部長から説明します。

 

○国立がん研究センター統括事務部長

 医師、看護師ともに11.4%です。

 

○斎藤委員

 ほかと比べて高いのですか。

 

○国立がん研究センター統括事務部長

 ほかと比べた場合は、多分同レベルか、看護師の場合はちょっと低いかもしれません。ただ、研究職についてはそんなにはいきません。

 

○国立がん研究センター理事長

 一般に、看護師の急性期病院の離職率は18%ぐらいです。急性期病院とは言えないから低いのかもしれません。全国の看護協会が出している全ての病院の看護師の離職率は確か11%だったと思います。全国平均と言ってもいいのかもしれません。

 

○福井委員

 教育病院は、ほとんどそれぐらいになっているようです。実は、私たちの所も3年で医師もナースも35%が辞めます。ほとんど同じです。

 

○国立がん研究センター理事長

 同じですね。あと医師は、自ら求めて行くので、別に嫌になって辞めるわけではないですね。次のポジションがいろいろ引っ張られたりして動きますので、それは離職とも言えない。転職率と言ったほうがいいと思います。

 

○藤川委員

 情報発信の件です。確か去年の独法評価の頃に、ちょうど院内感染か何かの事件が起きたと思います。あの頃親族が入っていたので調べたかったものですから、ホームページで検索をしましたが、なかなか情報に到達しにくかったということがありました。

 それは、やはりネットだといろいろな所からみんな入ってきますので、1か所にあればいいということではなく、やはり患者さんが安心してそのような情報を入手するために、緊急の情報みたいなものは、いろいろな所から見てもすぐ入れるような体制を作っていただけたらいいと思いましたのでよろしくお願いします。

 

○国立がん研究センターがん対策情報センター長

 ありがとうございます。中央病院等の院内感染等の情報等については、やはり探しにくいという御指摘がありました。がんセンターの公式ホームページについて、昨年の後半から今年度にかけて今改編を行い、前よりかなり探しやすくなっていると考えています。

 それについても、実際に「患者・市民パネル」が情報センターで100名の患者さんにお手伝いをいただき、本来はがん情報サービスを見ていただく役割の方ですが、中央病院のホームページについても患者市民パネルに御意見を頂いて、どのような形が見やすいというのをモニタリングした上で改編を行っています。前より良くなっていると考えています。

 

○内山部会長代理

 続きましてグループ4、評価項目1014について評価をします。なお、時間が限られておりますし、質疑応答に十分な時間を割きたいと思いますので、法人の説明を10分を厳守して説明いただけると有り難いと思います。よろしくお願いします。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

 評価項目1014を説明します。項目が5つありますが、10134項目についてはA評価としています。33ページを御覧ください。効率的な業務運営体制に関する事項です。各部門の再編ということで、左側に代表的なものを並べていますが、早期・探策臨床研究センター、あるいはアピアランスセンターなど、これまで個別項目で説明しているものです。33ページ右側ですが、事務職員に対する研修について、目標以上の8回実施しているということです。

 続きまして34ページ、評価項目11、効率化による収支改善・電子化の推進について説明したいと思います。財務状況につきましては4041ページに資料をつけておりますので、そちらを後ほど御覧いただきたいと思います。34ページのグラフを御覧いただくと分かるように、これは各NC共通の問題ではありますが、運営費交付金が毎年毎年減額される中、医業収益等の経常収益を増加させる努力をして何とかやってきているということです。さらに下の(参考)を御覧いただきますと、これは理事長の説明にもありましたが、これまで国時代からの構想などを独法化以降、平成22年度以降、具体的には診療棟の整備や電子カルテの更新、研究棟の整備に伴う現在ある旧予・検センターの解体の準備を進めてきたところです。平成25年度はそれが具体化したというタイミングで、具体的には診療棟が完成し、旧予・検センターの解体を決定し、電子カルテの更新というようなイベントがあったということです。平成25年度はそういう意味で運営費交付金の7億減に加えて、電子カルテの更新あるいは新診療棟への引っ越しに伴って診療が一部ストップするところがありましたための収入減、あるいは引っ越し、電子カルテ移行にかかる費用の発生などの一時的な要因があり、単年度の収支ではマイナスとなっています。先ほど申し上げましたように独法以来、平成22年度以降収支を黒字にするとともにプランニングしてきたものを使ってイベントをこなしているということです。その結果、平成2225年の累計の経常収支では、金額で申しますと35億の依然としてプラスということになっています。総収支、臨時損失を含めますと19億のプラスということになっていますので、最終、平成26年度を入れても中期目標は達成できると思っております。

34ページの右側にありますような材料費の抑制やSPDによる材料費の抑制など、複写サービスの供給方式の導入などによる経費の削減、35ページの左側の医業未収金の抑制を行っておりますし、35ページの右側を御覧いただくと、先ほど出てきました電子カルテの更新によって、更新しなかった場合との比較で15億円ほどの削減を見込んでいるということです。

36ページの評価項目12は法令遵守内部統制です。これについて1点目は左側ですが、診療報酬請求業務未集金管理、あるいは研究費執行管理、これらを重点監査項目にして内部監査を実施しているということです。さらに右側ですが、公的研究費の適正執行に向けた体制整備で、当センターもこれまで研究費については機関経理の実施、事務部門による検収体制の整備、全て事務部門が第1次検収を行うことはやってきたわけですが、100万円以上の物品の購入については事務部門が入札などの手続を取っていたわけですが、100万円未満の少額物品が1日平均100品目ほどありますが、これらについては従前は研究者サイドから直接発注という形になっていましたが、研究費の執行の適正化をより強化するとともに効率化を図るために電子入札システムを導入し、こうした小規模物品についても入札手続を取って購入するという形にしています。こうした取組は他の研究機関では未だ実施されていない画期的な取組だと自負しております。それ以外に2)3)にありますような研究費使用に関して適正化のための取組を行っているところです。

37ページ、予算、収支計画及び資金計画等です。まず自己収入については左側の上のほうにありますように治験、共同研究、寄付金、それぞれについて大幅な増額を図ったところですし、左の下にありますように、債務残高についても独法移行時点から、借入は90億ほどありますが、債務残高は9億程度の増に抑えているということです。

 最後に評価項目1438ページを御覧ください。その他主務省令に定める業務運営に関する事項で、ここだけS評価としています。そのポイントは右側に書いてあります。冒頭、理事長が御説明申し上げましたし、御質問もいただきましたので説明は省略させていただきますが、新たな任期制の導入など人事システムの見直しを行い、準備を進めて4月からスタートしたということでS評価としております。

39ページ、その他広報関係で、ホームページのアクセス件数も飛躍的に増加していますし、ここに書いている件数はがん情報サービスは含まない、センターのホームページの件数ですが、飛躍的に増加するとともに一般向けの広報誌、「hibiho(日々保)」と名前をつけてありますけれど、これを新たに創刊した。さらに39ページの右側にあるようなプレスリリースなどを行って、センターの活動についての理解をいただくような努力をしているということです。以上です。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆さまは評定記入用紙の評価項目1014に評定結果及び評定理由の記入をお願いいたします。御質問等ございましたら適宜御発言をお願いいたします。

 

○斎藤委員

 セミナーを有償化して運営なさって、それでも受講者が減らなかったというところがすごいなと思っていました。それからしますと37ページをなぜAになさったのかがよく分かりません。どうしてSではなくAになさったのか、その辺りを教えていただけますか。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

 受講料を取るようになったら160万ぐらい、それぐらいの話でしたので、160万円ですね。

 

○斎藤委員

 金額の多寡で。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

 というのもあって、全体としてSをつけるというまでの勇気がなかったというのを御理解いただけるかと。

 

○斎藤委員

 金額の多寡からすると大したことはありませんけれども、無償のものを有償にするというのはものすごく大変なことなので、それを勇気をもってなさって、それがまた成功したというのは評価のポイントではないかと思いました。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。

 

○花井委員

36ページですが、内部監査の項目を増やしたり、研究者による発注を全面廃止したというのは画期的だと思うのですが、これで現場の評価はいかがですか。

 

○国立がん研究センター理事長

 これは元々研究者、むしろ秘書さんかな、研究補助の人が伝票のやり取りをして、事務が入ったものを検収するというやり方をしていたのですけど、どうしても研究者が直で業者とやり取りがあるのは余りよくないだろうということで、そこを一切切るというのを一昨年に決定し、そのための準備をずっとしてきて、ようやくこういうスタイルになりました。これに対して非常に困った事態が起こっているとか、研究者側から非常に不満があるということはないですね。むしろ絡まないほうがいいというのが、今の研究者の志向になっていると思います。

 

○内山部会長代理

 数年前の事件を受けてということですね。

 

○国立がん研究センター理事長

 はい。

 

○内山部会長代理

 その後このように準備してきて、確実に新しい仕組みが始まったということですよね。

 

○国立がん研究センター理事長

 そうですね。その中で分かってきたことは、検収や監査をやったりしても、研究者と業者が直接に発注なり価格交渉をするという背景があると、どうしてもこれは不透明さが残ると言わざるを得ないと考えました。

 

○内山部会長代理

 納品から研究者のところに「2次検収」と書いてありますが、検収センター的なのがあるわけですか。

 

○国立がん研究センター理事長

 それは事務が検収をして、その次のステップです。

 

○内山部会長代理

 それから研究者ですね。

 

○国立がん研究センター理事長

 はい。ですから直接権限者が納入するということはもうあり得ないです。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

 資料で不備がありまして、当然事務が1次検収を行った上で、2次検収が研究者ということです。

 

○三好委員

34ページの収支ですけど、平成25年度は98%、累計では101.9%と、ほぼ目標達成という見方だとすると評価はB相当かなと思うのですけども、内容は総合的にこれはいろいろなことが集約されて、結果として数字上はこうなっているということで質問しているのですが、結果としてほぼ目標どおりだから単純に言うとここの指定の評価どおりにいくとBですよね。だけど、これはAにしたというのは、いろいろなことを勘案してということでいいのでしょうか。補助金が減るとか減らないとかのことも同じなので、結果としてほぼ目標どおりということなので、Bではないかと私は思うのですけれども、御意見をお願いします。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

 ほかも一緒ですが、運営費交付金が7億減額になった。先ほども申し上げましたが、診療棟の整備あるいは電子カルテの更新に伴って診療をストップせざるを得なかったということに伴う収入の減とか、あるいは平成25年度においての引越費用やデータ化移行の費用がかかったという特殊要因が78億あるという中で、特に累計収支で申し上げますと、中期目標を100%という中で101.9%という結果なので、Aと評価したということです。

 

○福井委員

 確認ですが、35ページの右側の電子カルテ更新による15億円経費削減というのは、これから5年先のことについての話で、予算と比べて15億円の削減なのか、過去5年間と比べて15億円削減なのか、どちらでしょうか。

 

○国立がん研究センター統括事務部長

 過去と比べて電子カルテを入れ替えたときに、今まで作り込みの電子カルテだったものですから非常にコストがかかる。

 

○福井委員

 今度はパッケージを。

 

○国立がん研究センター統括事務部長

 パッケージ型にしたということで、中央病院、東病院合わせて15億程度の削減が5年間で見込まれる。

 

○福井委員

5年間でしょうか。

 

○内山部会長代理

 余談ですが、ナショナルセンターで逆のバージョンもあるようですので、貴センターではなく別のナショナルセンターで質問したいと思うのですけれども。別のバージョンというのは変更前後の会社がちょうど逆ということです。

 

○国立がん研究センター理事長

 たまたまこれは前の5年間が非常に高額で非常に驚きましたけれども、それこそ5年間で50億を超えるような契約であったので、それをもっと安くならないかということで価格競争をして落札したのがこの額だったということです。

 

○内山部会長代理

 落札のときの、いわゆるプロポーザルのときの評価方法というのはナショナルセンターごとに異なるわけですね。共通の様式ではなくて、それぞれ独自のものがあるわけですか。

 

○国立がん研究センター理事長

 そうですね。少し申し上げたいのは、経常収支率が下がって調子が悪いようにみえますけども、平成22年度や23年度に購入しなければいけない計画だったものが後ろ倒しになっているので、その年に使い切らないで、ある意味余剰金という形になっていたのが最近その整備が進んだために使っているので、資産そのものはむしろ増えているのですね。ですから費用がどこでかかったかによって、単年度の収支でみるとそれが下がったようにみえるというべきで、平成25年度についてマイナス17億になったというのは、それプラス臨時的な移転等の費用を含め特殊要因があったということです。

 

○藤川委員

 いろいろ施設整備をされているということで、平成263月完成とか平成266月完成というものが出てきましたし、カルテに関しては5年先でみるとマイナス効果が大きいということではありましたけど、建物関連はどうしても減価償却がかかってしまうということで、キャッシュの問題ではないのですが、P/Lベースで考えるとどうしてもインパクトが大きいのかなと思うのですが、先ほどこのペースでいけば来年は大丈夫、5年間の中期目標の達成は大丈夫ということをおっしゃっていたのですけど、その辺りをもうちょっと具体的に教えていただけますでしょうか。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

 繰り返しになりますが、4年間累計の経常収支35億プラスですので、平成26年度の経常収支をマイナス35億立てない限りにおいては必ずプラスになると思います。もちろんマイナス35億という恐ろしいことにならないように、できれば経常収支ベースで言えば収支トントンを目指して今年度もやっていくのだろうと思っています。

 

○藤川委員

 年間でどれぐらい償却は増えるのですか。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

2.5億です。

 

○藤川委員

 来年はフルに1年ではないから少ないということではなく、今おっしゃった2.5億というのは1年間フルに計上した場合ということになるのでしょうか。来年はもうちょっと少ないということですね。

 

○国立がん研究センター理事長特任補佐

 来年度というのは、平成26年度はフルで計上して2.5億。

 

○藤川委員

 平成266月完成みたいなものは12か月ないことになりますので、いくらか少ないということになりますよね。

 

○福井委員

37ページ左上の自己収入のところで、寄付金はもっともらっていいのではないかと思っています。がんで命を助けられたという方々から一桁ぐらい違う寄付金を頂けるのではないでしょうか。税制上の優遇措置はありますでしょうか。寄付した方はその分税額の対象とならないとか。

 

○医政局医療経営支援課長補佐

 寄付した方にはあります。

 

○福井委員

 そのことをもっとアピールして、パンフレットも作って、退院時には持って帰ってもらうとか、ちょっとしたことで寄付金を頂けるのではないかと思います。

 

○国立がん研究センター理事長

 その点はちょうどプロジェクトチームを立ち上げて検討しているところで、これも企画戦略で始めたところです。かつては国時代は受けるという要素がなくて、独法化以後も、私もびっくりしたのですけど、書式が、ありがとうございました、というよりも寄付をさせてやっても許可するみたいな、そういうものだったのですよ。

 

○内山部会長代理

 大学もそんなところがあります。

 

○国立がん研究センター理事長

 しかも決済も回さなければいけないので、高額になると審査委員会を作らなければいけないというのがあって、それで実際に寄付しようと思ったときにできないので、2か月後ぐらいになると、まあいいやという感じになってしまうというのがあって、それを今、先生がおっしゃるようにもう少し積極的に受けられるような形にしたいと思っています。

 

○内山部会長代理

 ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。以上で国立がん研究センターに係る個別評価は終了です。

 次の議題に入る前に法人及び法人所管課の入れ替えを行いますので、皆さましばらくお待ちください。どうもお疲れさまでした。

 

 (法人入れ替え)

 

○内山部会長代理

 それでは続きまして、国立成育医療研究センターの個別評価を行います。最初に理事長から御挨拶と平成25年度における業務実績のポイントを御説明お願いいたします。

 

○国立成育医療研究センター理事長

 国立成育医療研究センターの五十嵐です。本日はお話の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。私どもの研究センターの概要については業務実績の概要の2ページ目を御覧いただきまして、こういうミッションの基に運営されている組織です。これについては既に報告を何回もしておりますので省略いたします。

 業務実績のポイントですが、5点ありますので簡単に報告いたします。まず、私ども臨床研究中核病院に指定を受け、研究所に社会・臨床研究センターを設立しまして、研究所と病院のより一層の連携強化を図るための体制を整備いたしました。2番目は、小児がんの拠点病院、それから小児がんの中央機関に指定を受けましたので、この整備にも今努めております。3番目は、平成25年度の小児在宅医療連携評価機関に指定を受けましたので、退院後も高度な医療を在宅で継続する患者の増加に対応するために、在宅診療科及び在宅医療支援室を昨年の7月に設置いたしました。

 また厚生労働省から小児在宅医療連携拠点事業の評価を委託されましたので、同事業の進捗管理を行うとともに、取組状況等報告書としてまとめました。4番目は病院機能評価を初めて受審したことです。特定機能病院等は当然持っているべきですが、今まで病院機能評価を受けておりませんでしたので、今年の2月に受審をいたしまして5月に認定を受けました。最後のポイントはこれからの話なのですが、御存じのように高度先進医療を行いますと結果としていろいろな障害を持ったお子さんたちが生存して大人になっていくという、ある意味病気を作っている面もあるわけです。

 そこで、在宅で療養をされている子どもとその御家族のために、短期滞在ケアを提供し、従来の医療福祉ケアを超えて豊かな学び、あるいは遊びのある子どもにとって楽しい、それから御家族が自宅のようにそこでリラックスをして安心して過ごすような、そういう施設がこれから必要だと考えております。幸いに一定の財源の確保のめども立ちましたので、この計画の実行を決定し、612日にこの事業の記者会見を行いました。今後この事業を進めてまいりまして、平成281月に開設できるように努力したいと考えております。名前としては、「第二の我が家プロジェクト」という名前を付けまして努力しております。以上、平成25年度の実績のポイントを説明いたしました。ありがとうございました。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。それでは4つのグループごとに国立成育医療研究センターの個別評価を行っていきます。まずグループ1、評価項目12について評価します。所要時間は、法人の説明10分、質疑と評定の記入に15分の合計25分です。それでは、法人から平成25年度の業務実績と自己評定について説明をお願いいたします。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 では、まず研究所長の松原から評価項目1及び2について説明をいたします。お手元の業務実績の概要の5ページを御覧ください。4、平成25年度の取組1(臨床研究)に基づいて説明をいたします。研究所と病院の連携を深めるために、平成25年度の組織改編で社会臨床研究センターを設立いたしまして、臨床試験・研究・開発・データマネジメント・知財と特に臨床研究機能の強化を図りました。評価項目1としまして、臨床を志向した研究開発に非常に重点を置いてやっております。まず、研究所と病院が連携する会議については、5ページの右側のグラフの一番上を御覧いただくと分かると思いますが、かなりの数が増えております。

 研究所内で臨床医に向けた臨床研究・疫学研究に関する系統的のレクチャーシリーズを開始しまして、結果、会議の開催数が大変増えておりまして、平成25年度は30%増となっております。これはただ数が増えただけではございませんで、下の項目に移りますが、臨床研究中核病院に指定されたということは非常に大きい出来事です。全国で臨床研究中核病院は大学病院を中心として幾つかの機関が指定されておりますが、小児周産期に特化した医療機関としては成育医療センターが唯一の機関として、臨床研究中核病院に指定されました。これに基づきまして被験者候補検索システムの強化・拡大と臨床研究への応用、小児固形がんなどの小児腫瘍に対する臨床試験のデータセンターとしての機能を充実いたしました。これが自己評価でSとした一番大きな理由です。

 小児腫瘍など臨床試験データ管理実施数は、右側のグラフの真ん中を御覧いただきたいと思いますが、年度を追って数が大変増えております。多施設共同非腫瘍性希少疾患臨床研究、国立成育医療研究センター内臨床研究、多施設共同小児がん臨床研究ということで、年々かなり数を増やしております。産学連携の基盤整備としましては、社会・臨床研究センターの知財・産学連携室が企業などの産業界、あるいは大学との研究機関との連携を推進いたしまして、共同研究契約締結は平成21年度に比して50%以上伸びております。右側の一番下のグラフを御覧ください。平成25年度は25件ということで、昨年度がかなり突出して数が多かったのですが、平成21年度から右肩上がりに伸びてきております。

 評価項目2に移りますので、6ページを御覧ください。病院における研究・開発の推進ということで、臨床研究機能の強化をいたしました。臨床研究中核病院で採択されたことを受けまして、旧臨床研究センターの体制を根本的に見直しまして、研究所内に社会・臨床研究センターを設立いたしました。右を御覧いただきますと、社会・臨床研究センターの下に社会医学研究部、政策科学研究部、開発企画部、開発薬事・プロジェクト管理部、臨床研究教育部など大きな組織改編を行って体制を固めております。こういう体制の下で社会・臨床研究センターが支援する臨床研究数も増加しておりまして、計画、立案、支援件数は平成21年度3件しかなかったのが、平成25年度は12件ということで9件増加、実施支援件数も3件から17件ということで大幅に増加しております。評価項目12については以上です。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆様は評定記入用紙の評価項目12に評定結果及び評定理由の記入をお願いいたします。御質問等ございましたら適宜、御発言お願いいたします。

 

○藤川委員

 評価項目12に関してはかなり関連する内容のように御説明を伺っていると思えるのですが、1S2Aというところが何となくよく分からないという感じがしたのですが、もう少しその辺りがクリアになる説明をしていただけるとありがたいです。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 評価項目1は、要するに体制をしっかり作ったということ、国からの評価で臨床研究中核病院に指定していただいたという客観的な評価も非常に高いものをいただいたのでSといたしました。評価項目2ですが、体制は見直したのですがまだまだすごいアウトプットが出る段階にないので、本当はSとしたいところなのですが少し控え目にAといたしました。

 

○三好委員

6ページの所なのですが、社会・臨床研究センターが支援する臨床研究数の増加がそれぞれ計画立案プラス9、実施支援件数プラス14、それとその上の5ページの図の、これの実際に臨床試験データ、これは管理実施数だから臨床試験の研究の数とこちらとは特にリンクしていないというか、これの一部をカウントしている、そうすると社会・臨床研究センターが支援しない部分はどうなっているのかなとふと思ったので、私の言い方が全然とんちんかんかもしれないですけれども。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 全く別のものです。小児腫瘍に関する臨床試験データというのは、他施設のものもかなり入っておりまして、管理しているものと研究センターが支援している臨床研究とは一部重なっているものもありますが、基本的には全く別の数字とお考えいただければと思います。

 

○福井委員

6ページで、社会・臨床研究センターには5つの部門があるということですが、それぞれについて何人ぐらいの研究者が配置されているのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 基本的には部長が1人、室長が2人、その下に非常勤ですが研究員が入ります。ただ、まだこの中で空席のポストもありますので、全部埋まっているわけではありません。

 

○福井委員

 社会・臨床研究センター全体では、全部で何人くらいの研究者のポストがあるのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 非常勤も含めてでしょうか。

 

○福井委員

 常勤ではいかがですか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 常勤では、基本的には1つの部で3人です。

 

○福井委員

18人ということでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

3×5=15です、15人です。後は様々な形での非常勤が入っておりまして。

 

○福井委員

 これ以外にベーシックサイエンスの研究部門もあるということでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 もちろんです。ベーシックサイエンスは全く別です。

 

○内山部会長代理

 臨床研究中核病院に指定されたのは、小児周産期分野で初めてということで画期的だと思うのですが、私は審査の方法などになじみがないもので具体的にどのようなことが評価されるのですか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

1つは小児の薬は非常に開発が遅れておりまして、最近もいろいろ問題になっておりますが、成人では許可されているけれども子どもでは許可されていないものを医者の裁量でただ使っているだけというのは非常に多い。きちんとした臨床試験を経たものというのは少ない、剤形も少ない。そういうところで成育が中心になって、それほど数は多くないのですが、そういうことにこれまで一生懸命、努力してきたことを評価していただいたということ。もう1つは、これまでの実績よりもむしろこの分野の伸び代を成育に期待していただいて、こういうものは日本の大学病院の小児科ではまず絶対できないことですので、その辺も評価していただいたと思っております。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター理事長

 それについて追加よろしいでしょうか。体制も非常に重要で臨床統計の専門家とか、いろいろ治験をするときにプロトコールをしっかりと作れる要員も複数、医師等もおりますので、そういう体制もある程度、評価をいただいたのではないかと思います。

 

○内山部会長代理

 はい。ありがとうございます。よろしいでしょうか。続きまして、グループ2の評価項目34について評価します。所要時間は法人の質問10分、質疑と評定の記入に15分の合計25分です。それでは法人から平成25年度の業務実績と自己評定について説明をお願いいたします。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 評価項目3について説明いたします。6ページの下を御覧ください。「担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進」という所です。成育としては、最重点研究課題として1つに再生医療の確立があります。今年度はES細胞由来の最終製品を作ることに成功しました。成育医療研究センターでは、これまではヒト以外の異種動物成分を用いることなく、ヒトES細胞7株を樹立してきました。これは我が国では最大の数です。その実績を基に実用化促進事業、「ES細胞を加工した製品や、ES細胞を活用した、医薬品等のスクリーニングや有効性・安全性の評価方法の確立」の事業の一環として「アンモニア分解酵素活性を有するES細胞由来の肝臓細胞」を作成することに成功いたしました。これは臨床グレードの物を作っておりますので、今後臨床試験として高アンモニア血症の先天異常の患者さんに対してこの細胞の移植を計画しております。

7ページの右側のグラフを御覧ください。ここにセンターから出ました英文、和文の原著論文の発表数が書いてあります。平成25年度は295件の原著論文を発表しておりまして、平成21年度に比べて15%増、この中身も英文論文が増えたことによるものです。多岐にわたる研究を行っておりますが、左側の所を御覧いただきますと、Lancet誌に掲載された国際共同研究の成果が1つ大きなものとして挙げられると思います。この論文は29か国30万人以上の女性を対象に、妊産婦死亡及びニアミスに関する調査を実施したものです。

 また、この論文の引用件数はこれから出てくるわけですが、この論文と関連して昨年度センターから報告いたしましたLancet誌掲載の国際共同研究による体系的レビューのうちの2つの論文が、僅か1年半の間に被引用回数が400回あるいは250回を超えるということですので、今年度発表した論文もかなりの被引用回数が期待できると思います。

 ヌーナン症候群の原因となる新しい病因遺伝子の同定に成功しております。次世代シーケンサーを用いて希少難病ですがヌーナン症候群の原因遺伝子を同定しております。これは当該疾患の診療、診断に役立つということではなく、これまでここで同定されたRIT1という新しい遺伝子、これは今まで機能がよく分かっていなかったのですが、この研究がきっかけとなりまして肥大型心筋症に関係があるのではないか、あるいは大人の肺がんでこの遺伝子が見つかるというように、ヌーナンでもそういう症状を見て取れることがあるのですが、そういうもう少し一般的な疾患にも拡大できるような成果が出てきております。

 右上を御覧ください。新しい眼科手術法として、従来失明に至る可能性が高かった重症の未熟児網膜症に対して新しい手術を開発いたしまして、8割以上の児で失明を回復できたという報告をいたしまして、これはJAMA Ophthalmol誌に掲載されましたが、各紙により報道されております。

8ページは、そのほか疾病に着目した件数といたしまして、1つは次世代高速シーケンサーを用いて様々な網羅的遺伝子解析を行っております。解析数としては1,300例です。IgE非依存症の食物誘発性消化管アレルギーが、特に我が国で急増しておりますので注目されておりますが、それについても論文を発表したり、全国的なオンライン登録システムや診断治療指針を新公開するなどの成果を上げております。先ほど申し上げました臨床研究部治験実施件数に関しましては、そこのグラフに示しますように右肩上がりで件数が増加しております。研究の面では評価項目としては以上です。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 続きまして病院長の賀藤から評価項目4について説明いたします。910ページを御覧ください。9ページは、「高度先駆的な医療、標準化に資する医療の提供」ですが、小児肝移植の実施、生体肝移植を中心にして昨年度は合計33例の肝移植を行いました。うち2例は脳死移植ドナーからです。一番特筆すべきはこの数、肝移植数としては世界最多であり、かつ生存率100%、死亡例は0でした。8月には世界初となる生体肝移植ドナーの余剰肝を用いて、肝臓の細胞、肝細胞移植をOTC欠損症オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症の新生児に施行して成功しております。

 これは、新生児期に高アンモニア血症による脳障害をこの手技によって回避することができまして、それによってある程度の時間を稼ぐことができ、6kgぐらいまでは何とかこの手技で時間を稼ぐことができて、その後きちんと生体肝移植を行えるということで、後遺症並びに移植の安全性を高めることとしては大変、有意義な治療です。

 胎児治療ですが、先天性横隔膜ヘルニアに対する胎児鏡下バルーン気管閉塞術を日本で初めて成功させました。この術式を行いますと出生時、生まれてからですが、横隔膜ヘルニアは肺の低形成の重症度がその子の予後を決めるのですが、その肺低形成の悪化を予防できて、生まれた後の生存率向上に寄与できるものと考えております。双胎間輸血症候群に対するレーザー手術を60例実施。これは当然日本で最多の症例数で、生存率は95%で、これも世界トップです。後は、胎児の胸水に対するシャント術は10例で胎児死亡例は0です。

10ページは、胎児診断、non-invasive prenatal testing(NIPT)出生前遺伝学的検査というものを母体血を用いて遺伝カウンセリングを基に942例、昨年度施行しております。これは少しマスコミでも載りましたが、この検査は欧米では既に商業ベースで開始されておりました。ただ、この検査を出生前遺伝のカウンセリングの体制が残念ながらきちんとしていない日本で行うことによって、陽性というだけで確定診断を受けないまま中絶したりとか、中絶ということに関しても全く体制を整えていないままで民間がやってしまう、一般の産科医がやってしまうのは大混乱であろうということで、きちんとカウンセリングの体制を整えて、ある一定の指定された施設で行うことが大切だということで、学会の指導の下、この検査を行っております。

 免疫不全に対する治療としては、慢性肉芽腫症に対するサリドマイド療法、アデノシン・デアミナーゼ欠損症に対しては、ADA(アデノシン・デアミナーゼ)酵素補充療法を各1例に施行して成功しております。乳児の頭蓋形態の異常に対する治療として、欧米ではもう行われておるのですが、日本では行われていなかった医療ニーズの高い医療機器ということで申請して承認していただいて、うちでは自由診療の下、乳児の頭蓋内形態異常に対して62例に頭蓋形状誘導ヘルメットを施行して治療しております。これは、もし今年度になりますと、来月と聞いておりますがPMDAに相談する予定になっております。以上です。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆さんは評定記入用紙の評価項目34に評定結果及び評定理由の記入をお願いします。御質問等ございましたら適宜、御発言をお願いいたします。

 

○三好委員

7ページの所なのですが、ここで新しい眼科手術法、私も患部が全然分からないのですが、この新しい眼科手術法で8割以上が失明を回避できた。これは通常はどのぐらいでこのぐらい回避できたと、その割合によってどうしてこれがSではなくてAなのかということを判断したいのでお願いします。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 この手術をしなければ多分約4割が失明する、それに近いものであろうと。この手術をすると正常に見える方が8割少しにはなるということです。

 

○三好委員

4割が8割になるというのは、評価をAにされているから画期的ではないということですか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 非常に画期的だと思います。これはもうすばらしい評価だと思いますが、どのレベルでSを付けるのかということで前年度も随分、特筆すべき、とんでもない研究結果がない限りSを付けるのはおこがましいと思ったものですから。

 

○三好委員

 そうすると9ページはSになっているので、この辺はその辺と比べると全然レベルが違うよと。

 

○国立成育医療研究センター病院長

9ページ、いわゆる評価項目4Sを付けた理由は、1つは世界初の肝細胞移植を行ったということと、もう1つは世界初ではなくて日本で初なのですが、胎児の先天性横隔膜ヘルニアに対する胎児治療を日本初で行ったということで、初が世界初と日本初ですが、それをやったということでこれはSにしております。

 

○内山部会長代理

 厚労省で用意いただいた資料2Sになっているのですが、参考資料2の裏ですね、表ががんセンターで。でも、御本人たちがAとおっしゃっているからいいのでしょうけど。

 

○国立成育医療研究センター理事長

 補足いたしますと、確かに失明を回避することはできたわけですが、視力を完全に正常化するには遠いのですね。ですから、この手術は非常に有効ではあるのですが、この子たちが大人になったときにどこまで視力として得ることができるのかというのは、これからフォローしなければいけないということで、まだSとは付けないで非常に謙虚に判定いたした次第です。

 

○福井委員

7ページの所です。極端な話かもしれませんが、和文の原著論文が53点ある点について、今どき日本語で書いて原著論文は評価されるのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 一応やっぱり、いわゆる学会誌で査読あるものに出したものもありますので、それをただ0ということで何も書かないというのもおかしいので、書いたものは書いたものということでここに数字は出してあります。ただ、特にこれを評価していただきたいということではないです。私としては英文原著が一番の評価材料だと思っております。

 

○福井委員

 もう1点、8ページの治験の数ですが、案外少ないように思います。小児科関係はこんなものなのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 小児は大変少のうございますので、最初に成人領域でやられて、それがFirst in childrenとなるとなかなか障害が大きくて、治験はこれでも増えています。

 

○福井委員

 いま医師主導研究をできるだけ誘導されてこられたと思いますが、これも1件というのは随分少ないようですが、やはり難しいのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 そうですね。なかなか具体的には患者数が、いわゆるリクルートも含めると、あと薬への安全性ということになるとなかなか医師主導としては、二の足を踏むところが出てくる。やっと医師主導が出てきて少し前に一歩出たかと私どもは考えています。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 評価項目3については今、事務方から指摘を受けたのですが、確かにS評価で出しておりました。ここに転記するときにAと間違えて付けました。申し訳ありません。

 

○福井委員

 そうですか。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 後は客観的に御判断いただければ、申し訳ありません。

 

○内山部会長代理

 福井委員からも御質問がありましたが、小児科の領域には特殊な領域がありまして、成人でだんだん高齢化してきて、症例数も多い領域と比べますとかなり動き自体が制限されているところがあります。ですから逆に成育医療研究センターでもこうだということは他の病院はもう推して知るべしのところがありまして、小児科はどこも苦労していると思います。

 

○三好委員

10ページで、胎児診断が940例実施されたと、海外ではアメリカがすごく進んでいる。日本では何らかの適正に使用する仕組みが必要であると書かれているのですが、このときにこのセンターの役割はどういう形になるのですか。何か役割をセンターとしてされるとかされないとか提言するとかしないとか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 それは日本産婦人科学会で、この試験をするための施設として選定されております。その選定条件はカウンセリング体制がしっかり整っていること。その後のフォローも大切ですが、一番はカウンセリングが大切だと思います。後は限られた施設でやるべきだということで、かつ、そのデータをきちんと評価して後で社会に公表しなくてはいけませんので、そのデータがきちんと管理できるという所は、東京ですと国立成育医療研究センターと、一番大きいのは昭和大学がやっていると思いますが、そこで幾つかの選定された病院も昭和大学とともにまとめ役という形で位置付けられていると思います。

 現在その昨年度行われたデータの影響については、今、学会がまとめている最中です。

 

○内山部会長代理

 続きまして、グループ3、評価項目59について評価します。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 最初に評価項目5、「患者の視点に立った良質かつ安心できる診療の提供」ということです。まずはセカンドオピニオン外来の充実ということで、右のグラフにあるように、昨年度は172件のセカンドオピニオン外来を行いました。特筆すべきは、この8割がほかの小児病院、大学病院からの紹介であったということです。

 次に、小児がんセンターの指定です。昨年度、国から小児がん拠点病院に指定されて、それを機会に悪性腫瘍の患者さん全員に対してソーシャルワーカーが面接して、医療費助成、また教育支援などの案内を行って、積極的にフォローし、退院した後もきちんとがん相談窓口をカウンターに作って、その後のケアをしております。

 次に、今まで当院では重症下肢、あとは重症な呼吸系の病気、心臓系の病気、そのほかの病気で人工呼吸器を離脱できない患者。あとは低酸素性脳症で、ほとんど意識がなく、寝た切りの赤ちゃんを退院させることがなかなか困難でした。それで一般病棟に大分患者さんが多くなってきたということもあったのですが、NICUICUに入室して、そのような状況になりつつあるかと危惧された場合は、早期にソーシャルワーカーがICUに入ってきて、親との面談を開始して、それで病棟に上がってからもソーシャルワーカーがやっていくということで、退院支援チームを作りました。その結果、昨年は、今まではなかなか退院が困難であっただろう、長期入院が年単位であった72例の患者さんが、今までは長期になりつつあったのを、きちんと退院させ、促進することができたということです。

12ページ、評価項目6、当院の周産期・小児医療に関しては、昨年度の分娩件数が2,142件です。ところが、そのうちの7割がハイリスク分娩ということで、母体搬送受入数は年間92例でした。あとは胎児異常、いわゆる胎児のエコーを行って、それで何らかの異常があると判断された患者さんが、それを主訴として紹介があったのが約500例で、これは全国から来ています。それはほとんど診断と方針をこちらで立てさせていただいて、約8割を各施設に逆紹介しております。

 次に小児医療救急に関しては、これは東京都の事業でこども救命救急の事業があり、それに参加しております。昨年度の救急外来患者数は、31,621人です。救急車の搬送受入台数は3,182台と、右のグラフで見ると少し減っていますが、これは3月に試行した電子カルテ更新のために制限を掛けましたので、その影響かと思われます。

 あとは東京都のこども救命事業に関して、受け入れているほかの救命救急センター、又はホットラインで受け入れた重症な小児患者数は、昨年度は503名でしたが、この事業に都内で4つの病院が加盟しているのですが、そのうち私どもの施設だけで半分を占めております。

 次に国から昨年度は小児がん拠点病院として指定されて、その拠点病院の中央機関にも指定されております。それに伴い、血液腫瘍、固形腫瘍、脳神経腫瘍、腫瘍外科などに機能を分担して、組織改編を行っております。また、退院後もきちんと高度な医療を在宅で継続できるため、在宅診療科を新設、又は在宅診療支援室を設置しました。

 次に評価項目7、人材に関してです。成育医療に精通した人材の育成については、昨年度は当センターの産科・麻酔科の医長が順天堂大学の麻酔科教授。移植外科医長が熊本大学の小児外科の准教授。血液腫瘍科医長が聖マリアンナ医科大学の小児科の准教授に転出しております。また、医師の初期臨床研修、首都は東京医療センター、関東中央病院、筑波大学から初期の研修を受け入れて、小児の医療研修をしております。そのほか、パラメディカル、医師も当然ですが、医師以外の看護師、放射線技師に対しては、成育医療研修会を行っております。

 次に研修・講習の実施については、センター以外の人たちを対象にした成育医療研修会や成育臨床懇和会を行っており、昨年度は31回開催しております。また、カルフォルニア大学のサンフランシスコとのインターネット回線で、臨床研究のClinical Researchのやり方を行うに関して、少し教育コースを各医師に対して行っております。

14ページ、評価項目8、「均てん化と情報の収集・発信」については、先ほど申しましたように、東京都こども救命事業に参加しており、都内のこの事業に参加している4つの小児三次救命救急センター間の連絡を密に取って、子どもの重症患者の対応をしております。また、関東の4つの小児病院の耳鼻科の方に集まっていただいて、合同カンファレンスを行って、聴力測定講習会などを行っております。

 次に「妊娠と薬の情報センター」というのが当センターにあり、いわゆる妊娠中に使用して良い薬についての相談事業をしております。やはり、当センターだけではやっていけませんので、各地域に拠点病院を整備しております。昨年度は4か所新たに加わり、合計25か所に拠点病院を整備しております。毎年125の病院が集まって研修会を開いております。また、医療連携関連では、地域の医師、コメディカル等を対象にして講習会などを行って教育をしております。情報の発信については、病院、センターについてウェブなど、1つは医療研究者向け、もう1つは一般向けと情報を発信しております。あとは当センターに関するパンフレットの日本語版・英語版を新たに作成しております。

 次に評価項目9、「政策提言 医療政策の推進等に関する事項」については、政策提言に関しては、内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」というのがあり、当センターの不妊診療科医長が参加しており、これまでの議論と成果、取るべき課題をこのタスクフォースに係る中では中心的な役割を占めて提言などをしております。また、消費者庁では「子どもを事故から守る」プロジェクトをやっており、当院救急外来を受診した小児外傷例で、これはやはり予防が可能であったと判断された事故のデータを、消費者庁と国民生活センターがこのプロジェクトに参加することによって4,129件を提供しております。これは全国から集まってくる情報件数の約6割を占めております。国際貢献と言えるかどうかですが、コソボという小さな国がありますが、そこで川崎病というのが流行っていることがありまして、どうしていいのか分からないということで、当センターから医師が、これはコソボからの招聘で、コソボの大学で川崎病の診断・治療について講演等をしております。また、平成254月には中日友好病院、平成2511月にはソウル延世大学の小児病院、平成262月には上海小児病院と連携を結んで、お互いの医療のレベルについて切磋琢磨していくような連携をうまく取っております。以上です。

 

○内山部会長代理

 委員の皆様は、評定記入用紙の評価項目59に評定結果及び評定理由の記入をお願いします。御質問等ありましたら、適宜御発言をお願いします。

 

○藤川委員

13ページの人材育成について書かれておりますが、産科麻酔科医長、移植外科医長、血液腫瘍科医長が転出ということで、すごく重要な方々が抜けてしまったのかということで、逆に心配な記述のように思えるのですが。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 大変な痛手です。お三人とも大変優秀な方でしたので、ものすごい痛手でした。特に産科麻酔は当センターは無痛分娩を積極的にしており、産科麻酔担当が3人いるのですが、そのうちのトップが出たということで大変な損失でしたが、一応、何とか、こちらで2年前に研修した方が産科麻酔をやりたいということで、やっと今年の5月に補充ができております。あと移植外科については、彼はセカンドでしたが、やはり大変腕が良い外科医でしたので、大変な痛手でしたが、そこはトップが頑張っております。またサードでやっていた人間も、それなりの実績があったものですから、そこを引き上げる形で、今は全く問題のない体制でやっております。

 血液腫瘍科は、逆に言えばがんセンターに指定されましたので、それによって分担化したので、今はいろいろな科を公募して医長が新たに1人決まっております。残念ながら出て行かれた方は優秀でしたが、また優秀な人材を確保しております。がんに関しての体制については強固になっております。

 

○藤川委員 

 成育センターは、お母さんをしていらっしゃる友人たちからすると、すごく優れた病院だということはよく聞いているのですが、ただ、非常に激務なのかなというところもあるのか、こういう優秀な先生方が辞められてしまうというのは、何か思いつくような原因はありますか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 少なくとも、ここに書かせていただいたところは、逆に優秀だから引っ張られただけの話だと思います。

 

○藤川委員

 そういう方々を育成した素晴らしいセンターだという御趣旨ということですか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 そういうことです。

 

○藤川委員

 分かりました。

 

○内山部会長代理

 プロモーションですから、それだけの人材を育てているというのは、やはり、素晴らしいことであると医療関係者は評価すると思います。

 

○福井委員

 人材育成と国際貢献に関わることですが、外国から研修に来ているとか、成育医療センターに勉強に来ている人の人数は、特に数値としては出ないのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 少なくとも研修はやっております。例えば、現在も中国から放射線科の研修に1人来ています。それは今すぐには出ませんが人数は出ます。

 

○福井委員

 来年以降になるのでしょうが、そういう数値も出されるといいと思います。申し訳ないですが、がん研究センターはアピールが上手だと思います。先生方の所は淡白で、恐らくいろいろ活動されているはずなのに、出されているデータがずいぶん淡白のように思います。もう少しいろいろな数値を出されるといいと思います。

 

○国立成育医療研究センター研究所長

 国際交流という面では研究所もかなり外国の方が来ております。例えば社会医学研究部はミーティングを英語でするほどたくさん外国の方がいらっしゃるということです。また次年度はそういった数字をきちんとお示ししたいと思います。ありがとうございます。

 

○内山部会長代理

 良い悪いは別として、今、福井委員が言われたことは、共通した感想かもしれないです。私は小児科のドクターは謙虚なのだなという印象で受け取っていますが、業績をアピールするテクニックは、小児科領域もこれからは心していかなければいけないのかなという気はしております。

 

○福井委員

 先ほどの「患者の視点に立った」というところとも関わりますが、患者満足度、実際は御両親の満足度だと思うのですが、そういうデータも取られているのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 持っています。患者満足度調査を毎年やって、それで一応分析して、それもやっております。

 

○藤川委員

 最初に理事長がおっしゃっていた病院機能評価を受けられたということで、後ろのほうまで拝見しても、その評価がどうだったのか書かれていないと思われるので、その評価についても教えていただけたらと思います。

 

○国立成育医療研究センター理事長

 お蔭様で、1年掛かりで取り組みまして、一発で合格させていただきました。大変高い評価を頂きました。

 

○藤川委員

 先ほど何位だったということをすごく主張されていたので、そういった御主張もあればお聞きしようかと思ったのですが、いかがでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター理事長

 そもそもこれだけの高度の医療をやっている病院にも関わらず、今まで病院機能評価を受けなかったこと自体が大変申し訳ないと思います。とにかく第三者の評価を受けることによって、医療をいろいろな意味で改善するためには、第三者の意見が必要ですので、それを病院一丸となって向かう目標として立て、これを取ることができました。これで満足してはいけないと思っており、国際認証等も将来受けることも視野に入れて今考えているところです。

 

○内山部会長代理

 よろしいですか。ありがとうございました。続きまして、グループ4、評価項目1014について評価します。所要時間は、法人の説明10分、質疑と評定の記入に15分、合計25分です。法人から平成25年度の業務実績と自己評定について説明をお願いします。

 

○国立成育医療研究センター企画戦略室長

 私は企画戦略室長の大森です。よろしくお願いします。効率的な業務運営体制、効率化による収支改善等、評価項目1014について、お手元の資料15ページ~17ページに基づいて説明いたします。

15ページ、適正かつ効率的な業務運営体制について、病院の様々な事案に対し、迅速に対応するため、平成254月に副院長複数制を導入して、従前の看護を環境整備担当に加えて、入院診療、教育研究、外来診療、経営財務、医療安全、周産期入院診療という各担当の副院長を加えて、特命副院長5名体制としました。これによって、各担当業務の責任体制を明確化しました。

 また、効率的な業務運営を推進するため、当センターの特性や機能に応じた人員配置及び経費の節減に努めました。しかしながら、後ほど説明する様々な要因により、平成25年度の損益計算における経常収支は52,600万円の損失、経常収支率は97.85%と目標値は達成できませんでした。

 また、収益関係については、競争的資金による研究事業を実施する各省庁等からの情報収集、あるいは申請に係る支援を行うなどによって、外部資金の獲得に努め、平成25年度は外部の競争的資金155,500万円を獲得しました。

 次に支出関係については、医薬品医療材料については6つのナショナルセンター、あるいは国立病院機構との共同購入を実施して、スケールメリットを活かしたコスト削減に取り組みました。医薬品については、同種同効薬の精度による医薬品の集約。また、後発医薬品の採用、使用促進に努めて、医薬品費の削減に努めました。また、医療材料についても、年間の払い出し額が多い品目について、入念な価格交渉によるコストの削減を図りました。また、企業会計原則による会計処理については、財務会計システムを導入して、月次の決算処理を速やかに実施するとともに、入院や外来患者数、診療点数、平均在院日数等のデータと併せて問題点の把握及び対応策を実施してまいりました。

 また、医業未収金比率を縮減するために、分娩預かり金制度、あるいはクレジットカードによる支払い制度を導入。あるいはレセプトのチェックを徹底するといった対策を講じて、未集金比率は0.043%と目標を上回る成果を上げました。

 また、内部統制体制の適切な構築については、平成25年度は、15ページの右下に記載したとおり、重点項目を定めた計画的な内部監査を実施するとともに、契約監視委員会により一名応札等の点検、あるいは契約締結から業務開始までの準備期間を十分確保するなどの見直しを進めました。

 また、倫理法令等の違反行為を未然に防止するため、これまで弁護士によるコンプライアンス、ホットラインを運営してきましたが、それに加えて、コンプライアンス体制を確立推進するために、平成25年度にはコンプライアンス推進会議を設置するとともに、職員のコンプライアンスに関する理解を深めるために、コンプライアンスのマニュアルを作成し周知を図りました。

16ページ、平成25年度の財務状況について損益計算書及び、右側に貸借対照表を示しております。まず、運営費交付金391,900万円を頂きましたが、それを含め、経常収益2337,300万円に対して、経常費用は2389,900万円となっております。経常損益は52,600万円の損失という結果です。

 損益計算書に示すとおり、医業収益については、対前年度比約1.9億円の減となりました。これは年度末に電子カルテシステムを更新しましたが、その際、様々な事情により、受入れ患者数を制限せざるを得なかったために、入院診療収益が約5.1億円減となるところです。一方で、出生前診断の開始等により、外来診療収益については約3.2億円の増となり、併せて1.9億円の減ということです。

 そのほかの収益として、外部研究費が対前年度比約1.4億円の増となったほか、補助金の収益化に伴う資産見返り負債払い戻し入れにより、1.6億円の増となっております。

 他方、経常費用としては、給与費が対前年度約7億円の増となりました。これはPICU2床増床したこと等に伴い、看護師約11名を増員したほか、診療体制、あるいは患者支援体制を充実強化するために、薬剤師4名、医師3名など、職員の増員によるものです。

 また、材料費については、年間の払い出し額が多い品目の価格交渉をするなどにより、対前年度比8,000万円のコストの削減を図りました。このほか、経費としてガス料金、電気料金の値上げにより、対前年度約2億円の増となりました。また、減価償却として、補助金により新たに購入した研究機器等の減価償却費が約1.6億円の増となりました。以上により、平成25年度の経常収支は52,600万円の損失と、経常収支率は97.85%という結果でした。

16ページの「貸借対照表」については、資産が前年度に比べて、113,200万円の減となりました。このうち流動資産については、電子カルテのシステムの更新により、2月から3月の診療報酬収入が大幅に減少したということで、約5億円の減となったものです。また、固定資産の6.8億円の減については減価償却によるものです。また、固定負債が対前年度約9.18億円の減となっておりますが、これは約定返済により、長期借入金の残高が減少したことによるものです。

17ページ、事業別の経常収支の状況について、昨年度との収支差を示したものです。平成24年度は、経常利益77,900万円ありましたが、平成25年度は前年度に比べて、臨床研究事業は約1億円の増となったものの、運営費交付金約1.9億円の減に加えて、診療事業で約106,900万円の減。また、教育研修事業で約2億円の減となったことにより、平成25年度の経常損益は約52,600万円の損失。当期純損失は53,900万円という結果でした。

 なお、診療事業については、17ページの右に示してあるように、小児特定集中治療室の増床、あるいはがん患者リハビリテーション等の施設基準を取得するなど、収入増に取り組んできましたが、先ほどの電子カルテの更新等に伴う医業収益の減により、あるいは人員増に伴う給与費の増、また出生前診断などの実施に伴う委託費の増等により、最終的に損失となったものです。

 現在、電子カルテについては、正常に稼動しております。また、平成25年度の増員等により、診療体制の充実強化を図るということで、今後、診療事業については、実績の改善が見込まれます。以上のような状況に基づいて、ここに記載をし忘れていますが、評価項目1014については、いずれも自己評価をAとしております。以上です。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆様は評定記入用紙の評価項目1014に評定結果及び評定理由の記入をお願いします。御質問等ありましたら、適宜御発言をお願いいたします。

 

○藤川委員

 電子カルテの件ですが、メーカーを全く違うところに入れ替えたということで、別のセンターでは真逆の選択をされたところもあり、真逆の選択をしたことによって、5年先まで考えたときに、かなり経費の削減が見込まれることが考えられるという説明を受けたのですが、その点、逆に心配といいますか、どうなのかというところをお聞かせ願いますか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 うちの電子カルテは富士通からIBMに変わりました。これは入札でしたが、やはり一番大きいのは年間のメインテナンスの維持費の金額だろうと思います。その維持費用が、富士通の時代よりは大変安価です。それが5年かかると全く違って、億単位で違う金額になっています。ですから、それは5年間トータル、年間のメインテナンスがかかる金額を安価にすることが一番大きなメリットです。

 

○内山部会長代理

 すでにもう公表されていることですから話してもよろしいと思いますが、がん研究センターでは今度はIBMから富士通に変えることによって、初期導入費用と補修契約が5年間で約数億円の削減効果があるとのことです。がん研究センターの委員会のときに私がさせていただいた質問は、導入決定の評価基準が各センターで統一されたものではなく、それぞれのセンターが希望する評価基準でやられたのでしょうかという質問でした。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 それはまず一番大きいのは、うちは小児と産科型ということです。総合病院なら逆に言えばありません。ですから、小児に関わるところでは、薬の単位に関してちゃんとmgccmlというものが、きちんとどのようなときで、どのように計算して出してくれるか。これはいちいち濃度を計算してやるわけにはいきませんので、そうすると医療安全上のシステムを作ってほしいとか、あとは産科のほうの分娩監視システムに関して、こういうデータが来たらこういうふうにしてほしいとか、小児の場合は特に重症な方ですと、小児慢性特定疾患と、ほかのいろいろな医療補助があります。ですから、それに見合った医事会計をきちんと自動的にしていただかなければいけないので、それはものすごく複雑になってきます。あと、産科でもあります。別のところもあります。補助もありますので、その計算システム。医事システムは総合病院と少し違ってくると。検査なども含めて、食事に関してもです。ですから、その辺で、こうしてほしいという希望がありました。ほとんどのベンダーは総合病院を相手にしてきましたので、小児がこんなに詳しく要求されることはまずなかったものですから、その辺で小児への特化、カスタマイズをしていただけるかどうかというところが、1つの大きな評価の分岐点であることは確かです。

 

○福井委員

 損益計算のところで経常損失52,600万円の経常損失ですが、評価項目11の効率化による収支改善、電子化の推進が、自己評価ではAになっていますが、これはどういう考え方でAにされたのでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター企画戦略室長

 今、院長が申し上げたように、電子カルテシステムそのものは、あくまでも効果的な業務推進、業務の効率化という観点から導入したものです。結果的に、非常にシステムの内容が複雑だったということもあり、移行がうまくいかなかったことが影響しております。

業務自体については適切に行われたということでA評価としております。

 

○三好委員

 関連の質問ですが、中期通算では、今実績としてどのぐらいのパーセンテージになっているのか。要するに100を超えているのか、超えていないのか。来年度の見通しはどうかをお聞きしたいのですが。

 

○国立成育医療研究センター企画戦略室長

 これまでの通期通算によりますと、102.3%という状況です。ですから、平成26年度の見込みは立っておりませんが、システム自体は今、通常に稼動の状況になっています。また、運営体制については、人員増等で体制の充実強化を図りましたので、今後、確実に収入の増は見込めると考えております。

 

○三好委員

 もう1点、外部資金の獲得で、競争的資金は対前年度でいくとどのぐらいですか。中期で少し上がっているのがポイントの数字でしかありませんので、増加傾向なのか、ほぼ一緒なのか、そこだけ教えてください。

 

○国立成育医療研究センター企画戦略室長

 対前年度でいきますと約2億円の増です。

 

○花井委員

 小児ということで、多分特殊なところがたくさんあって、お金の節約も難しいところがあるのでしょうが、ジェネリック率もそんなに高くはないようですが、これもやはり小児ならではの難しさでしょうか。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 それは小児科どうのこうのではなく、当センター全体における甘えだったと思います。決定事項ですが、今年度は金額ベースの75%の薬を全部ジェネリックに変えました。それは文句があろうとも変えました。

 

○花井委員

 やはり、そういうことは書いておいたほうが良いと思います。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 これは今年度のものですから。前年度の反省に基づいて。

 

○花井委員

 金額ベースで数字を見つけられないのですが。

 

○内山部会長代理

 でも、今年度の業績として記載するセンターもあるようです。とにかく良いことは何でも追加して記載してもらうのがよいと思います。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 それも先週正式決定したものですから。

 

○花井委員

 そうですか。品目ベースで書いてあって。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 多分、購入価格は年間3,500万円の減になります。

 

○花井委員

 そうですか。分かりました。

 

○国立成育医療研究センター病院長

 かつ、病気の評価係数で後発医薬品の係数が出たら、それもアップすることになっていますので、それで病院収入も少しアップするかと思います。

 

○花井委員

 ありがとうございます。

 

○内山部会長代理

 ほかにありませんか。それでは、以上で国立成育医療研究センターに係る個別評価は終了です。事務局にお返しします。本日は以上で議事を終了しますので、事務局から今後の流れと次回の開催等について連絡をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れについて御説明します。資料1-4、資料2-3の評定記入用紙の全ての項目について、評定等の記入が終わっている場合には、用紙を部会終了後に回収いたしますので、机の上に置いたままお帰りいただくようお願いいたします。なお、記入が終わっていない場合にはお持ち帰りいただいて評価していただくか、あるいは本日メールでお送りしますので、電子媒体に御記入の上87()までに事務局に提出していただくようお願いします。

 次回の開催予定は87()13時から、場所は厚生労働省専用第22会議室です。議題としては、「国立精神神経医療研究センターの平成25年度業務実績に係る個別評価」を予定しております。最後に、本日配布した資料の送付を希望される場合については、事務局から郵送しますので、机上に置いたままお帰りいただくようお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○内山部会長代理

 ありがとうございました。委員の皆様もありがとうございました。


(了)

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