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2014年7月31日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第68回) 議事録

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成26年7月31日(木)10:00~12:02


○場所

労働委員会会館講堂(7階)


○出席者

真野部会長、平井部会長代理、五十嵐委員、石渡委員、名里委員、橋田委員、松原委員、三田委員

○議事

(以下、議事録)

○真野部会長

 定刻になりましたので、ただいまから第68回厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会を開催したいと思います。委員の先生方におかれましてはお暑い中お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 御説明の前に、情報政策・政策評価審議官の異動がありましたので御紹介いたします。安藤情報政策・政策評価審議官です。

 

○安藤情報政策・政策評価審議官

722日付けで情報政策・政策評価審議官を拝任いたしました安藤でございます。どうか、よろしくお願い申し上げます。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは、本日の議事について御説明いたします。本日の議事ですが、お手元に配っております議事次第のとおりで、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成25年度業務実績に係る個別評価です。なお、個別評価につきましては、前回と同様に委員の皆様には評定記入用紙、【資料1-4】に評定とその評定理由を記入しながら議事を進めていただくことになりますが、会議時間内に記入が終わらない場合につきましては、資料をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、あるいは、本日、評定記入用紙の電子媒体をメールでお送りいたしますのでそちらに御記入の上、御提出をお願いいたします。その場合にはお忙しいところ大変恐縮ですが、85()までに事務局に提出していただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。  

 

○真野部会長

 ありがとうございました。それでは、早速議事に入ります。最初に 理事長から御挨拶と平成25年度におけるポイントの御説明をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 理事長の遠藤です。委員の先生方には日頃から当法人の運営につきまして何かと御指導ご鞭撻いただいております。この場をおかりして御礼申し上げます。

 時間も限られておりますので、早速業務実績のポイントについて説明させていただきます。平成25年度は第三期中期目標期間の初年度でございましたが、利用者の死亡事故の発生、また、生活寮の1つで利用者虐待が疑われる事案が発生するなど申し訳ない事案が1つならず発生してしまいました。まず、法人を代表しまして心よりおわび申し上げます。死亡事故につきましては、昨年のこの部会で御報告したところでありますけれども、その詳細については説明資料に記載してございます。いずれにしましても、この結果を重く受け止めて再発防止に従来にも増して取り組んでいるところでございます。 次に、虐待が疑われる事案については、事案自体は昨年の8月末に発生したのですが、その事実確認がよくできなかったことなどによって役員への報告が遅れて、ようやく本年331日に虐待防止法に基づき、高崎市へ通報を行ったというものです。通報後、直ちに全職員を対象に本事案の発生を周知するとともに、このような事案の発生防止の緊急対策を講じましたけれども、さらに弁護士、有識者、当事者団体などで構成する第三者委員会を開催しまして、その提言をいただきまして着実に実行してまいりたいと考えております。

 そのほか、社会保険医療に関する個別指導が行われまして、平成24年度と平成25年度の診療報酬の一部を自主返還するということもございました。これらについては、法人内の内部統制とガバナンスに少なからぬ問題があったという受け止めをいたしまして、厚生労働省の御指導のもとに、法人の管理運営の適正化に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。他方、目標に掲げられた事業につきましては、例えば発達障害関係では、新たに児童発達支援事業と、放課後等デイサービス事業を開始して、その事業も軌道に乗り、登録利用者数も次第に増えているなど、従来から継続している事業、新規事業ともに、おおむね順調に実施することができたと考えております。

 また、調査研究事業については、毎年8テーマ程度という数値目標を掲げられておりますけれども、国からの補助金をうけて実施した4テーマを含めて、14のテーマについて実践的な研究を実施いたしました。

 養成研修事業については、新たに強度行動障害の支援者養成研修会ですとか、知的障害者の高齢化と認知症をテーマとするセミナーを開催するなど、事業内容の充実と拡大に取り組んだところでございます。以上でございますが、誠に申し訳ない事案が発生してしまったこと、改めておわび申し上げるとともに、大いに反省をいたしまして、法人の管理運営の適正化に全力を上げて取り組んでいるということを御理解いただきまして、引き続き当法人に対する御指導・御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。自己評価を見ますと結構厳しく付けられているなという感じもします。それでは、4つのグループごとにのぞみの園の個別評価を行いたいと思います。

 まずグループ1、評価項目が15で法人の説明15分、質問等々で15分、合計30分でお願いします。平成25年度の業績と自己評定について説明をお願いします。   

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 事業企画局長兼総務部長の堀内と申します。資料1-2「平成25年度業務実績評価シート用説明資料」により説明いたします。本体の評価シートについても対応するページを申し上げますので、御覧いただければと思います。このポンチ絵には、右肩に評価シートのページ数が振ってあります。説明資料は主に、「評価の視点」と数値目標に対応した実績等で作成しておりますが、時間に限りがありますので、読み上げは省略いたします。

23ページです。「業務運営の効率化に関する事項」1-(1)「効率的な業務運営体制の確立」です。評価シートは1から4ページです。法人運営に当たり、施設利用者へのサービスの推進、維持に十分に留意しながら、適正な人員配置に努めています。23ページにあるとおり、適正な人員配置として、平成25年度期首223名から平成25年度期末で2名を削減、221名として、年度計画どおりの目標を達成しています。

 また、平成25年度においても柔軟な組織編成を行う目的で、2ページの下の取組を行いました。1つ目の○は、平成25年度の総務省の評価委員会の勧告の方向性の中で示されたとおり、利用者の減少に応じて施設事業局の内部組織を、3部体制から2部体制に集約しました。2つ目の○は、発達障害児を対象とする通所支援事業を実施、療育支援を行う体制整理のため、診療所を診療部に改組し、療育支援課を新設するとともに「障害児通所支援センター」を開設したところです。

 これは、平成24年度の本委員会の暫定評価において、留意事項として「発達障害児・者支援のニーズに的確に対応するため、就学前から成人まで、切れ目なく支援をするための体制を整備する」というような趣旨の御指摘をいただいたので、体制を整えたということです。

3ページです。常勤職員数については、ただいま説明したとおり、平成25年度の目標を達成しております。なお、提供するサービスの質を確保し、新規事業の実施に必要な専門職の採用を行うため、平成25年度においては、生活支援員、心理療法士、保育士の専門職の採用を行っております。人件費総額は平成24年度と比較し、約11,400万円の縮減を図りました。また、国家公務員に準拠して、震災特例による給与改定も行いました。

4ページです。平成25年度のラスパイレス指数です。対国家公務員比で95.9、他の独立行政法人比で91.4ということで、低い数字となっています。

5ページです。平成20年度から法人業務に必要な各分野の専門家を招聘して、資質の高い人材確保に取り組んでいます。平成25年度も引き続き地域支援、調査・研究、矯正施設等退所者などの専門家を招聘して、より質の高いサービスの提供をできる体制を整えております。

6ページです。法定外福利費については、労基法等に則り適切に対応しております。

7ページです。役員ポストの採用は平成2510月に就任した理事の採用に当たり、公募を行っています。以上が評価項目1の説明です。

2ページです。評価項目1の自己評価は、いずれも計画どおり、また積極的に取り組んでいるということで、「A」としています。

89ページです。1-(2)「内部統制・ガバナンス強化への取組」、評価シートの4から8ページです。平成213月の内部統制向上委員会の基本方針に基づき、内部統制・ガバナンス強化に取り組んでおります。平成25年度は委員会を3回開催いたしました。また、監査法人の専門的知見を有する第三者の指導を受けつつ、適正管理に努めました。平成25年度においては、当評価委員会の指摘等を踏まえ、阻害要因一覧を基に、優先的に対応すべき3つのリスクについて、継続的に取り組んでおります。一番下ですが、さらに総務省の研究会の報告を参考にして、法人の運営管理面も重視いたし、例えば1の法人の長によるメッセージの浸透度などを取り上げ、職員の意識調査を実施しました。その結果を踏まえ、平成26年度に改善計画を策定することとしております。

10ページです。モニタリング評価会議は、平成25年度は4回開催しております。モニタリングの結果については、幹部会議、職員向け園内報等を通じ、周知、反映しております。右側に書いてありますが、例えばこれまでには研修結果の報告を他の職員にもしてほしいという指摘がありまして、それについても対応しております。

11ページです。業務の情報開示については、組織、業務及び財務情報等の4項目について、当法人のホームページで公表しております。監査機能の強化については、内部監査を監査室に置いて実施しており、その結果をホームページで公表しております。

12ページです。健康維持対策、感染症防止対策です。日頃からここに書かれているとおり、徹底して取り組んでおります。定期的な健康診断の実施やインフルエンザワクチンの接種など、対策を講じております。事故防止対策については、事故防止対策委員会を毎月開催しており、発生原因の分析及び事故防止対策等を検討し、その内容を職員に周知しております。一番下の表の事故件数の推移ですが、事故件数及びヒヤリハットの件数は昨年より減少しております。

13ページです。初めの理事長の説明にもありましたが、また、既に委員の皆様には事前に御報告している、虐待が疑われる事案の発生と再発防止についてです。

 改めて概要を申し上げます。平成258月に生活寮のA寮において、職員が利用者の頭をたたいたという証言が、他の職員からあったということです。虐待防止のための体制が整備されていなかったために、高崎市への通報は行わず、これが平成263月末になってしまったというものです。49日に高崎市の監査が実施され、613日に虐待が疑われる事例を発見したときは速やかに通報することと勧告を受けたところです。

 この改善報告の内容は、障害者虐待防止法における体制の整備と認識が不十分だったということのために、全職員に対して通報の義務及び規則の周知徹底を行いました。また、弁護士等の外部の第三者委員会を設置し、事案の整理、原因分析及び問題点の洗い出しを行って、再発防止策を取りまとめていただく予定となっております。

14ページです。これも先ほど冒頭に説明がございました。関東信越厚生局と群馬県の個別指導における診療報酬の自主返還についてです。これは平成2511月にのぞみの園診療所において、関東信越厚生局群馬事務所と、群馬県の社会保険医療の個別指導が行われました。診療報酬の請求について不備があるという旨の指導結果を受けました。この指導に基づき、診療部の職員に周知改善を図るとともに、自己点検をして診療報酬の自主返還を申し出たというものです。具体的な指摘と内容については、下に書いているとおりです。

 1は、保険医療機関としての規則が周知されず、請求が適切でないことについて、医療従事者に対し診療報酬算定要件を再確認するよう指導し、診療録の記載は適切な記載とするように徹底いたしました。また2と3の診療請求の算定要件が不備、又はカルテに必要な記載がなく、算定されたケースがあったという指摘に対しては、厚生局の指示に基づき、約1年間分の診療請求を自己点検いたしました。その結果、平成24年度分で420万円、平成25年度分で520万円の返還が発生したというものです。これらの書類については、既に関東信越厚生局へ提出しているところです。

15ページ、参考です。「インフルエンザの対策」として記載しました。平成25年度のインフルエンザ発症は13名で、大規模な蔓延には至りませんでした。

16ページです。業務改善への取組として、国民及び職員からの意見等の聴取について、国民からの苦情・要望についてはホームページで広く意見等を募集しています。また、苦情・要望等受付箱を園内に設置しています。職員からの業務改善や無駄削減に関する提案等ができる仕組みとして、業務改善提案箱を設置しています。過去に、「学会等の内容を園内の研修会等で周知してほしい」という提案がありました。

8ページの頭に書いてありますが、評価項目2の評価です。虐待が疑われる事案と診療報酬の返還の事案がありましたので、評価は「C」とさせていただいております。

17ページです。1-(3)「業務運営の効率化に伴う経費節減」です。評価シートは8から11ページです。下の棒グラフで、第3期中期目標期間の最終年度(平成29年度)の額を第2期の目標期間の最終年度(平成24年度)と比べて、16%以上削減することとしています。

18ページです。交付金の予算額の推移を表にしています。平成25年度は前年度比で2.3億円の減です。

19ページは経費節減についてです。過去から常勤職員の削減をしております。また、独立行政法人移行直後から、給与水準の引上げを行っております。引き続き平成25年度も経費の節減に努めてまいります。

20ページは「事業収入の増加を図るための取組について」です。介護給付費、訓練等給付比は利用者の減により若干減少しておりますが、下段の枠の中に平成25年度における収入確保に向けた取組の主なものを挙げています。大きく分けて、障害福祉サービスの充実、診療報酬の確保、補助金等の確保です。障害福祉サービスの充実の中には、障害児通所支援センター「れいんぼ~」を開設したという新規事業もあります。

2122ページです。各部での点検及び監査室による監査の結果、無駄な費用として冗費は発生しておりません。22ページです。事務・事業は利用者のニーズに対応したものと考えております。

22ページの下の枠にありますが、高崎市から委託事業として、相談支援事業を受託しています。相談支援件数が年間6,000件を超えて、相当なニーズがございます。地域の障害者にとってはなくてはならないものとなっています。以上が評価項目3の説明です。

17ページです。この評価としては、予算の削減が確実に進展していること、収入確保も努力をしていることから、評価を「A」としています。

2324ページです。評価項目4「効率的かつ効果的な施設・設備の利用」です。評価シートは12から14ページです。24ページには、「平成2510月に会計検査員からの改善要求がされた」ということが書かれています。会計検査員の改善要求は、更地になっていた旧管理事務所跡地が有効利用されていないというものでした。改善要求とその対応は右側に書いてあります。

1つ目の有効に利用されていない土地について、自主的な見直しを不断に行うための体制整備すべしということについて、資産利用検討委員会の中に、見直しを不断に行う体制整備のための規定の改正をしました。2つ目は、この土地が必要でない場合は国庫納付の計画を、必要であれば施設整備等の計画を策定してくださいという指摘については、利用者の就労の観点から、「きのこハウス」というものの設置等を行うこととしました。平成25年度中は、近隣住民に説明会等の日程調整を行ったところです。なお、平成26年度以降は、これらの具体的な整備計画を策定し、住民の理解も得て整備することとしています。

25ページです。これは従来より空き寮を利用して、活動支援棟サテライト棟を設置しているものです。

26ページです。保有資産の活用についての監事監査は、平成2512月の期中監査以降では指摘はありませんでした。

27ページは、地域住民への施設開放の関係です。従来より、福祉関係者等への活動の場として、又は地域住民への開放と交流の場として開放しています。

28ページです。施設利用者に対する適切な医療の提供については、健康管理、生活寮への訪問看護等を実施して、内科健診、子宮がん検診等を実施しております。右側の地域医療への貢献については、地域の知的障害児・者及び家族に対して外来診療を実施しております。以上が評価項目4の説明です。

23ページです。この評価項目4の自己評価は「B」としています。

29ページ、3「合理化の推進」についてです。評価項目5、評価シートは14から16ページです。2の表ですが、一番右の平成25年度の水色で覆ってある競争性のある契約の件数の割合が(38.8)と低く見えますが、表の下の※1、※2に書いてあるように、この30件中28件については、毎月支払われる電気料金・ガス等の公共料金で、これらを除けば、「競争性のある契約の件数の割合は90%」となっていますので、目標の60%以上はクリアしております。

30ページです。入札案件については、全て一般競争等の競争性の高い契約を実施しています。平成25年度については、公告期間の確保を行ったところです。

31ページです。監事監査においてチェックを受け、契約監視委員会においても点検は行われましたが、特に指摘はございません。

32ページです。当法人の特定業務を独占的に受託している関連法人はございません。

33ページです。平成25年度において契約監視委員会を2回開催し、見直し・点検を行いましたが、指摘事項はありませんでした。また、契約は随意契約とみなし契約に基づき、基本的に一般競争入札等で実施しております。以上が評価項目5の説明です。

29ページです。この評価項目5の事後評価としては、いずれも計画どおり、又は大幅に成果を上げているということで、評価を「A」としています。Part 2の説明は以上です。

 

○真野部会長

 委員の先生方は記入と質問をお願いします。

 

○石渡委員

13ページの虐待が疑われる事案の発生についてお聞きします。起こったと思われるのが829日で、高崎市への通報が331日、7か月たっているということですが、これは報告があった寮長のところで止まっていたという理解でよろしいのでしょうか。

 そして、のぞみの園は高崎市の虐待防止センターも受託をされているということですが、そういうお立場でありながらこういうことが起こってしまったというのは、今、いろいろ第三者の評価が入っているということですが、そもそも虐待防止法が成立してから施行まで時間もあったわけですし、なぜ体制が整備されていなかった状況があるのかという辺りを御説明いただきたいと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 御説明いたします。まず、通報が遅れたというのは、そもそもで言いますと、こういう虐待防止の新しい制度ができて、それに基づいて法人内でそういう体制を整備しなければいけないということについての理解が不十分で、その体制整備が遅れてしまったということがございます。正に、そのことに尽きると思います。

 実際に8月末に事案が発生し、その通報が半年も遅れてしまったというのは、事実確認がよくできなかったということもあって、この事案についての内容が役員に上がらなかったということです。そういうことで、このような遅れを取ってしまったということです。

 それから御指摘のように、高崎市の虐待防止関係の事業を受託しております。そういう立場でこのようなことが足元で発生してしまったことは、誠に申し訳ないということで、高崎市に対しては、私どもとして、このような事案を発生させてしまい、このまま事業を続けていいのかどうかということを考えると、取りあえず返上したほうがよろしいというような考えは伝えております。

 

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長

 理事長から話しにくい部分もあろうと思います。担当しております厚生労働省の施設管理室長でございます。平成26年度末に理事長にお話が上がったのではないかと思いますが、直ちに理事長から厚生労働省に報告するようにと指示があって、こちらのほうで内容を聞いた上で、それは通報に該当する事案であるので、高崎市に通報するようにと申し上げました。

 それと、厚生労働省としても、国の機関がそのようなことがあって、そういうセンターを受託しているということについて、非常に責任を感じております。これについては、理事長とも御相談をして、高崎市に一旦御返上し、体制が整ったところで再度お受けするのが適切でないかと考えた次第です。

 

○石渡委員

7か月もの間、こういう事実を役員クラスが把握できない組織であったという辺りについては、真摯に受け止めて御検討いただきたいです。

 今、第三者委員会がいろいろ検討されていて、秋に報告が出るということですが、とにかく今後について確実な体制を整備していただきたいということを改めてお願いします。

 そのためにも、リスクマネジメントなどいろいろ検討してくださっているという、12ページの報告もございますが、この辺りのところも再検討を含めて、今後確実な対応をしていただくための厳しい体験であったというような方向性を作っていただきたいと、改めてお願いしておきます。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 ただいまの御指摘は大変重く受け止めて、全力を尽くして努力をしていきます。

 第三者委員会については、これから開催ということで、これまでは高崎市の実地監査、それに対する私どもの報告、職員に対するいろいろな研修会の実施、そういう緊急対策を実施してきたということで、第三者委員会においては、改めてこの事案の発生の経過について検証し、それを踏まえて私どもがいろいろと緊急対策として行ったことが、それで十分かどうか、そういうことを十分に御議論いただき、のぞみとしての発生防止の体制整備について御提言をいただけたらと思っております。そういうことで、その点だけお断りしておきます。

 

○五十嵐委員

29ページの合理化の推進の随意契約に関するところです。見直し計画のところで、競争性のない随意契約は17件、競争入札は33件という計画があり、実績が1730。その30の競争性のない随意契約の説明として、公共料金等というお話でした。

 もともと数値目標を見ると、公共料金等は除いてという話の中で、見直し計画の中で、この17件にとどめているということは、この公共料金の中にも、最近はいろいろな自由化等がありますので、競争入札する可能性のあったものがあったけれどもやらなかったという意味になるのでしょうか。見直し計画の段階で、これが少なくカウントされていたというのは、どういう理由なのでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 私どもの理解が不十分だったかもしれませんが、かつてこういった公共料金関係も母数に入れてカウントするのかどうかを確認しところ、入れるのだというお話があったかと思い、それで今回もこのような整理になっているかと思いますが、そこはもう一度確認させていただいて、改めて御説明させていただけたらと思います。申し訳ございません。

 

○名里委員

14ページの診療報酬の返還のところです。平成25年度でいくと約520万で、これが診療所の報酬の何割ぐらいに当たるのかということと、28ページに診療所の機能について書かれているのですが、その返還したところというのは、主に利用者への診療部分なのか、あるいは地域医療のところなのか、内容的に分かるものであればお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 まず、返還額が全体の診療報酬に占める割合というのは、20ページに年間の診療収入の表を掲げています。この表によれば、平成24年度は12,400万円、平成25年度は11,100万円ですので、このうち約500万円ぐらいずつ返還するということです。

 返還の内容ですが、大まかに言いますと、理学療法、摂食・嚥下関係のリハビリ、また心理療法関係です。これらについて、まず医師が診察し、診察したという旨をカルテに記載しなければいけないという規則になっているのですが、私どものドクターが多忙ということもあったのでしょうか、診察しなかったケース、あるいは診察してもカルテに記載していなかったケースが大半です。そういう意味で、リハビリや心理療法は実施したのですが、その前の医師の診察というところで条件を満たしていなかった、そのために返還という事態になったということです。

 そのようなことで、28ページの図で言いますと、理学療法、摂食・嚥下関係は利用者中心に行っております。心理療法の関係は、外来の発達障害関係の方たちを中心に行っておりますので、そういう意味で、利用者の診療の分、地域から発達障害関係で外来に来られている方の分の両方に関わることでございました。

 

○松原委員

 虐待の具体的内容について、頭をたたいたということなのですが、例えば何もしていない利用者の頭をたたいたとか、言うことを聞かないからたたいたとか、どういう理由であっても許されることではないのですが、様子を教えていただけますか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 これを目撃したという職員は、「たたいているのを見た」という報告をしたということでございます。

 実際にたたいたとされる職員は、利用者が車椅子に乗っており、体を大きく揺さぶっていたので、それを抑えるために、たたく行為かどうかというのは私も分かりませんが、抑えようとしていたと。そのような事案でございました。

 そういう意味で、本当にたたいたのかどうかということなのですが、状況としては、利用者が車椅子で大きく体を揺さぶっていたので転倒防止のために、抑えるためにということは確かだと思うのですが、それが抑えるためなのか、本当にやめろといってたたいたのか、これは今のところは私も確認できておりません。

 

○松原委員

 こういう報告のときには、虐待といっても、中身も併せて御報告いただいたほうが、虐待はいけないことですが、私たちも少しは評価しやすくなります。

 非常に気になるのは、のぞみの園さんの場合にはほかの独法と比べて、非常に目標の達成が難しいです。ほかの独法だと、達成したというだけなら「B」、すごくやって「A」、もっとやって「S」と言いますが、のぞみの園さんの場合には非常に達成自体が困難な重いテーマだと認識しております。

 それの達成のためには、職員の方々の日頃の努力と福祉の心が非常に重要であって、今回の一連の事件、事故で、モチベーションが下がらないように、それに十分留意していただきたいと思っています。意見です。

 

○平井部会長代理

 年々入所者の高齢化が進んでいて、大変サポートが難しいということは毎年伺っており、それに関する研究も非常に充実されていますが、現在のところ介護が絶対的に必要な方はどれぐらいいらっしゃるのかということと、それに対するサポート体制と言うのでしょうか、職員の方、例えばいろいろと勉強されていると思うのですが、介護に関係するような研修などもされているのか。その辺を教えていただけますでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 ただいまの御質問について、後ほどこちらの事業の説明で出てくるかと思いますが、大まかに言いますと、だんだんと高齢化してきまして、入所利用者については平均年齢が62を超える状況です。その結果として、車椅子が必要な人、常時車椅子利用の人と外出するときに利用する人を合わせて、100人を超えております。そして、例えば医療的ケアということで、胃瘻の人は6人、経鼻経管栄養の人が11人、喀痰吸引の人が27人など、医療的ケアも年々必要になってきておりますし、その程度も難易度が増している状況です。

 このために、現場の職員に対する研修については、常勤の正規の支援員のみならず、もちろん非正規の職員も含めて、救急救命の研修から始まり、段階的な研修を、繰り返し研修しているところです。

 先ほど松原委員からも御指摘がありましたように、職員のモチベーションが落ちないように、いろいろな研修の機会を増やし、またその内容も救急救命から始まりますが、その他、咄嗟の自傷他害行為のときに、どういう制止の仕方をしたらいいのかをロールプレイでやるとか、実践に即した研修も工夫しながら、職員のスキルの向上、モチベーションの向上のために努力しているところです。

 

○平井部会長代理

 職員の方の健康維持ということもあると思いますので、効果的な介護の仕方とか、いろいろ広まっているようですので、そういうものを是非取り入れていただいて、職員もモチベーションが下がらないように、気持ちよく働けるようにしていただけたらいいかなと思います。

 

○三田委員

 確認です。虐待防止法が施行される前から、職員の支援指針というか、利用者の権利擁護に関わるようなサポートマニュアルというか、危機への対応のものが整備されていたかと思うのですが、その見直しが年に1回ぐらいされていたのか、あるいは利用者が高齢化していく中で、そういうものをどのぐらいの頻度でどういう形で見直されてきたのか。そして、特に民間の施設ですと、虐待防止法が施行されるに当たり、その虐待防止法が動き出した暁には、どのような連携、連絡体制を取るかを、普通は一緒に見直すのです。その辺について確認したいのですが、いかがでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事

 実際は、本来なら平成2410月に虐待防止法が施行され、その時点あるいはその前から、のぞみの園は国の施設としては、虐待防止対策委員会等を設置すべきところだったのですが、平成24101日時点で施行されたときに、のぞみの園としては苦情解決委員会というものがありまして、そこで対応できるのではないかという、虐待に対する認識、あるいは法律に対する認識がなかったというところで、虐待防止対策委員会を立ち上げていなかったということなのです。

 それが尾を引いたということもあるのかもしれないのですが、そこでのぞみの園の虐待に対する体制整備というものがしっかりされていなかったのは事実です。

 そこから端を発しまして、平成25年の101日に、虐待防止対策委員会を設置し、いろいろ対応策を図ってきたところなのですが、それもうまくいかなかったというところで、このような事案が遅れて行政に通報されたということの経緯です。

 

○三田委員

 また後で、研究や研修の項目があると思うのですが、そこで虐待防止に関わる研修も行っているということも知って、びっくりしまして、そういう状況の中でどのように研修を開催し、進めてきたのかというのは、研究、研修の部分と実際の支援との乖離です。そこに非常に大きな問題を抱えていると思っています。もう時間がないので、後でまたどこかで教えていただければと思います。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。それではグループ2に入ります。大幅に時間が遅れておりますので、説明は当初の予定ですと20分、質問が15分ということですが、なるべく早目にお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 資料の35ページ、評価シートですと16ページから20ページです。地域移行の取組についてです。平成25年度の地域移行の実績については5人でした。利用者の重度・高齢化が進む、あるいは利用者の特性や住環境を配慮しながら進めるという困難な状況ですが、年度目標の5人は達成しています。

36ページです。地域移行が困難な要因・理由と対策です。4点ありまして、1点目は、施設入所利用者が高齢・重度化しているということです。移行が困難となりうる理由としては、重篤な疾病等の罹患や、継続的に医療行為があってできないこと、機能低下に伴う介護度の増加などです。これらの対策としては、本人の状況を確認したり、医療との連携を図ったりしています。

2点目は、保護者・家族からの同意が得られにくいということです。これは23年にアンケート調査を行った結果から、現在の生活の変化を求めないとか、のぞみの園での生活が一番安心できるなどがあります。このような方に対しては、面会時の個別説明、地域移行した方を紹介する「地域移行通信」の発行、又はDVDを活用しての説明を行っています。

3点目です。入所者本人の経験不足があります。理由としては重度、重複の障害があったり、生活環境が変わることへの不安感があります。この対策としては法人独自の地域生活体験ホームでの体験による地域生活への自信を付けること。あとは移行先の見学及び納得するまでの体験利用ということです。

4点目です。移行先の確保が困難ということです。のぞみの園には現在38都道府県出身の利用者がいます。その多くは関東圏の都市部で東京都と埼玉県だけで全体の3割をしめている状況です。このように、大都市にはもともとケアホームなどの施設が少ないと。地元での待機者が多いという状況です。のぞみの園としては、厚労省からの各都道府県の協力要請などを行って、受入れの確保に努めているということです。

38ページです。地域移行に関して先ほど申し上げました法人独自事業として、地域生活体験ホームを実施しております。施設内の住宅街に用意しました建物2軒を活用して、施設利用者に地域生活の体験のためのサービスを提供しているというものです。その2軒の体験ホームでは、従来から、日中と夜間の体験を実施しておりましたけれども、25年度から新たに昼間の体験についても取り入れたところです。これらは利用者が外出や買物、音楽を聞いたりすることで、興味や関心事についても確認できるようにしたものです。比較体験についても継続的に実施しております。

39ページです。宿泊体験等の取組から伺える本人の気持ちの確認についてです。内容を要約して御説明しますと、利用者の意思決定については、本人の日常生活や地域生活体験の支援を行っている職員が詳しく把握しております。地域移行に当たっては、利用者の気持ちの確認をする手立てとして、宿泊体験が有効です。利用者本人がどのようなことに興味・関心等があるのか、どのような場面では落ち着いた様子が見えたか、体験時の様子を把握して総合的に判断をすると。家族や後見人に対しては移行についての理解を促すために、これらの体験時の内容を伝えております。移行先の事業所に対しても、本人の気持ちを伝えることはもちろんですが、必要なサービスについて御協力いただけるようにお願いしているところです。

40ページです。移行先を確保するための取組として、12と書いていますが、出身自治体等に対する協力依頼と、新たな協力事業所の実績です。特に東京都と埼玉県に重点的に協力を要請いたしました。

25年度のフォローアップの状況ですが、対象者120人に対して1014回の電話や訪問による生活状況確認を行っております。以上が評価項目6の説明になります。

35ページに戻っていただきまして、この評価項目は25年度の移行目標も達成して取組も強化しているので「A」評価としております。

41ページです。1-(2)施設入所利用者の高齢化に対応した支援です。評価シートは20から22ページです。重度高齢知的障害者に対する支援としては、大きく分けて4つございます。その1として職員の専門性の向上があります。専門性の向上としては、1高齢者支援の専門家による職員研修会の開催、県外の特養ホーム等での実務研修及び法人内の報告会の開催等を行っております。

42ページです。施設整備や日中プログラムについてです。施設の設備の整備については、例えば介護トイレの設置、風除室への自動ドアの設置等を行っています。日中活動のプログラムの工夫については、身体機能の維持を図る介護予防メニューの実践等の工夫を行っているところでございます。

43ページです。福祉と医療の連携についてです。1として診療所における各診療科、摂食嚥下外来等による健康管理、2として理学療法士の助言を受けての福祉機器の導入、例えば本人に合った車椅子や、車椅子のシーティング調整などの実施をしています。

44ページです。他の障害者支援施設等への情報提供、普及についてです。これについてはニュースレターのぞみの園の季刊誌を年に4回発行し、1回当たり3,900部を発行しています。これは行政福祉施設、大学等に配付しています。このニュースレターでの情報提供や、25年度は10周年記念セミナーの開催などの実施をしています。

45ページです。この項目については冒頭の挨拶にもありましたが、既に昨年には御報告をしておりますが、オムツによる窒息死亡事故の記載があります。改めて申し上げますが、これは平成25526日におむつを異食して死亡してしまったというものです。警察は事件性はないと判断して、保護者の方は納得されたということです。再発防止に向けての取組については、事故防止対策委員会を開催して検討した結果が下のほうに書かれています。事故自体は前回にもありましたが、死亡事故を踏まえたマニュアルがございました。それでは防止仕切れないものだったというものです。今後に向けた取組として、具体的には排泄支援に関する研修の実施を行って、専門家の指導を受け、オムツに頼らない排泄支援の取組を行いました。また、高齢知的障害者の認知症を中心とした医療的知識に関する研修も実施いたしました。以上が死亡事故の概要です。

 また41ページにお戻りください。高齢化に対応した支援については、数々の施策を実施しておりましたが、死亡事故もありましたので、「B」評価としております。

46ページ、評価項目8、評価シートは22から23ページです。1(3)新たに受け入れる施設入所者への支援として、1著しい行動障害等を有する者への支援についてです。著しい行動障害等への支援についてですが、有期限の受入れから、退所までの段階的プロセスによるサービスモデルの構築に向けて取組を行っています。具体的には中段に書いてありますが、行政、相談支援事業所と連携、特別支援グループでの生活環境や行動特性に配慮した支援の提供、段階的な地域生活体験の実施です。25年度の受入れは、2人受け入れております。25年度は1人、改善が認められて退所しております。受け入れた2人については、著しい暴言・暴力で精神科病院においては四肢拘束を受けていた方等、非常に困難なケースでございます。退所者についても非常に困難なケースでしたが、約1年半の支援の結果改善が認められて退所したというものです。

47ページです。これに関して福祉と医療の連携を行っておりまして、診療所の精神科医師、臨床心理士等と連携をして検討を行い、個別の支援を行っています。また、職員の専門性の向上ということで、セミナーの開催等を行っております。

 以上のように、この項目8については、非常に困難な方を受け入れて実績も上げていますので、この項目の自己評価は「A」評価とさせていただいております。

 続きまして48ページです。評価項目9、評価シートは23から25ページです。2の矯正施設等退所者への支援についてです。この支援の受入実績は、平成20年度からやっていますが、延べ19名を受け入れまして、うち15名が地域移行、退所しています。平成25年度については3人受け入れております。49ページに書かれておりますけれども、8名面接をしたうち受入れは3名でした。受入れに当たって、矯正施設において12回の面接を行っております。また、25年度に地域移行をした人数は2名ですが、そのうち1名は家族関係が修復できたということで、家族の元に戻ることができました。

 他の障害者支援施設等への普及、情報提供です。講師派遣等による受入れからこれまでの流れや支援方法の報告をして、事業の理解をしていただくように拡大を図っています。

2として、支援計画に沿って、受入れから地域移行の支援に当たって、その内容を事例としてまとめて、情報提供をしています。

49ページの下段には関連機関との連携について記載しております。関係機関との連携については、前後から相談も受け付けています。また、地域生活定着支援センターと連携して、関係機関へ働きかけを行っています。具体的には黒字で書いてあるとおりです。以上が評価項目9の説明です。

48ページです。この矯正施設等退所者への支援については、非常に支援が難しいものですが、計画どおり着実に支援を行っており、自己評定は「A」とさせていただいております。

 続きまして50ページです。評価シートの2527ページです。(4)(6)発達障害児・者及び地域で生活する重度の障害児・者への支援についてです。障害児通所支援センター、通称「れいんぼ~」を平成25年度に開設いたしました。この「れいんぼ~」は大きく分けて2種類の事業を行っています。1つは児童発達支援です。この対象児童は未就学児を対象としております。通所する障害児とその家族に対する療育をそれぞれ行っております。もう1つは放課後等デイサービス事業です。これは小学校、中学校に就学している障害児を対象としています。下の線グラフは、左側が契約者数、右側は延べ利用者数です。いずれも増加傾向にあります。

51ページの図にありますとおり、支援に当たるスタッフは診療所の医療スタッフと福祉スタッフ、市役所等の関係機関が連携・協力して支援を行っています。その結果、25年度中に10名の児童が修了しました。家族からは我が子の成長とともに、親も支えられたという感謝の言葉もいただいております。

 右側は契約者数です。65名、待機者も8名おります。予想を上回る評判となっております。また、支援についてはのぞみの園オリジナルの支援プログラムを作成しております。1児童向けプログラム、2として保護者向けプログラムを作成しております。評価シートには書いてありますが、群馬県から依頼を受け、県の地域医療相談事業の5人の心理士の実務研修を、この「れいんぼ~」で実施しております。県からも厚い信頼をいただいているところです。

52ページはこれまでの支援についての情報提供・普及についてです。これもニュースレター、研修会セミナー等で情報提供を行っています。以上が評価項目10の説明です。

50ページです。この項目は高い評価もいただいております。自己評定は「A」とさせていただいております。Part2については以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。委員のほうから何か御質問はございますか。

 

○石渡委員

 大きく2点、高齢化対応のところと、発達障害児の事業関連のところで意見と御質問をお願いしたいと思います。まず、高齢化対応のところなのですが、私はたまたま別の自治体の高齢検討委員会で、のぞみの園の診療部長と御一緒させていただきまして、診療所の機能等について、かなり突っ込んだ話をお聞きしました。のぞみの園の場合は、生活を支える生活利用の部門、医療の診療所部門、研究部門が非常にうまく連携をして、私いろいろな所の高齢対応に関わらせていただくことがこの頃多かったのですが、やはりかなりはっきりとのぞみの園でなくてはやれない事業を展開して成果を上げているというように感じました。特に医療部門に関しては、やはり地域の医療機関との連携などが、かなり歴史があるということも含めて、深い関係性を持っていることがいろいろな意味で地域の障害がある方たちにもとても大きな意味を持っているというようなことも感じましたし、やはり研究部門との連携がありますので、ほかの組織ではやれない成果を上げていらっしゃるというように思いました。死亡事故があったことを重く捉えて「B」評価を自己評定ではされていますが、私はもっと高い評価に値するのではないかと個人的には考えています。

 それから、発達障害のところについてちょっとお聞きしたいのですが、先ほど実際に利用されている方が65名で待機者が8名というように紹介してくださいましたけれども、具体的に初診につながるまでの待機期間というのがどのくらいになっていらっしゃるのかということを、お分かりでしたらば教えていただきたい。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長 

 最初に高齢化についての御意見を頂きましたが、私どもそれを踏まえましてというか、励みとして、更に努力してまいりたいと思います。

 それから、発達障害関係については、まずこの「れいんぼ~」の事業、児童発達支援事業などを利用する前に、まずこの診療所の発達外来というところで、児童精神科の専門医が診察をして、通常の心理療法だけではなくて、福祉的な関わりが必要であると、そういう人たちについてこの「れいんぼ~」という通所事業を利用していただくということにしております。問題は初診です。初診というのは診療所の発達外来の初診で、児童精神科の専門医が初めて診察するというのは、大変希望者が多くて、現在5か月待ちぐらいになっております。これは1人の方を診察するのに大変時間がかかりまして、11時間以上かかるというのも普通ですので、どうしても希望者のわりになかなか対応が十分できていないということもございまして、5か月ということです。

 「れいんぼ~」のほうは、希望者が1日の利用定員と比較して、大分多いものですから、その関係で待っていただいている方も若干名おられます。

 

○石渡委員

 本当に発達障害の問題は全国的に大きな展開をしている中で、かなり医療機関が整っているであろう横浜市でもどんどん診療ができるようなセンターを作っていますけれども、3か月待ちぐらい。でもその3か月というのはとても大きな意味を持つのだというような親御さんの切実な声もよくお聞きしますので、5か月というのは本当にかなり頑張っていらっしゃるのだとは思うのですが、やはりそれだけのニーズがあるのだというような辺りを踏まえて、何か対応ができたら、人員を増やすことが切実な課題になるかとは思いますけれども、やはりそれだけニーズが大きいですし、早い対応をしておくことが、そういう子に二次的な生きにくさとか、困り感とかいろいろな言い方をされますけれども、二次障害を防ぐというところがやはり発達障害支援の最大のポイントだというようなところを皆さんおっしゃいますので、そういう意味でも早い診療とそれへの支援というのが大事かなということを改めて感じました。児童病院のことも含めて、いろいろ広げてくださっていると思うのですが、私はのぞみの園に関しては、研究部門と連携して、学童・青年期までの発達障害の実態しかまだ分かりかねていないと思うのですが、発達障害の高齢化対応というような、それものぞみの園でないとできない事業を展開されているという辺りも、とても期待されているところだと思いますので、長いライフサイクルでの支援というところに提言ができるような、事業展開をこれからもお願いしたいと思った次第です。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長 

5か月待ちというところは、できるだけ短縮するように努力したいと思いますが、児童精神科の常勤医が1人と、非常勤で精神科のドクターが来ていただいているということですので、そういう意味でできるだけ努力させていただきます。

 それから、御指摘がありましたように、ライフサイクルのある一時点でということではなくて、やはり就学前から成人に達した後も、そして高齢者になってもという、継続的な支援が必要であるというのは、私どもも十分踏まえておりますし、各方面からそういう要望、要請を受けております。したがいまして、この「れいんぼ~」の事業は現在はやっておりますが、これからの課題としては、中学校から高等部へ進学する時点、あるいは高等部を卒業しての進路をどうするか、そういった節目、節目での支援、更に就労関係を直接的にのぞみとしてどう支援できるか、あるいは地域の関係機関と連携・協力しながら、その支援体制を継続的に整えて実施していくというようなことで努力してまいりたいと考えております。

 

○名里委員

 意見もあるかと思うのですが、地域移行が重度の方にはやはり難しいということについては、もちろんあきらめていらっしゃらないと思うのですが、重いから難しいということにならないように、いろいろと手を尽くしていただきたいなということと、それでもやはり難しくて、のぞみの園の中でずっと暮らされているという方もいらっしゃるわけで、この方たちの対応として、42ページにあるような施設の整備や日中活動のプログラムの工夫をやっていると思うのですが、プログラムをやっているということだけではなく、その評価というか、実際暮らしぶりとして、御本人たちの満足度というか、そこら辺がどういう感じなのかということが、もう少し自己評価されているといいなと思いました。施設の中にいるけれども、地域との関係とか、どんなことが実際できていて、いい面があるのだったらどんなことがあるのかというようなことが、そういう視点で書かれているといいなと思いました。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 地域移行については、御指摘の点、大変貴重な御意見だと思います。私どもも重いからということであきらめているということはありません。ただ、だんだん高齢化して機能低下していきますと、御家族がなかなか同意してくれない、あるいは受入れの事業所が大変限られてくると。困難度が増してくるという中で、どこまで粘り強くできるか、そういうことで取り組んでおります。

 それから、42ページの所、確かに御指摘のような視点、私どもは十分意識として持って自己評価をしているというところはありませんでした。したがって、御指摘の御意見を踏まえて、私どもの高齢の長年生活してきた方の支援について、今のままでよろしいのかどうか、改めて点検してみたいと思っております。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは、続いてグループ3に移りたいと思います。予定では説明15分、我々のほうが15分となっております。よろしくお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 それでは、グルーブ3について、御説明いたします。資料は54ページです。評価項目の1116です。2(1)(2)調査研究のテーマ、実施体制等です。評価シートでは、2732ページです。国立のぞみの園研究会員についてですが、これは外部有識者委員4名、内部委員2名、厚労省からのオブザーバーで構成しております。平成266月に第1回を開催し、平成25年度の調査・研究テーマの内容について御助言・御指導を頂きました。平成263月に第2回を開催し、平成25年度研究結果に関する助言・講評を頂いております。

55ページは調査・研究テーマの内容です。平成25年度については、新たに都道府県地域支援事業用の研修メニューとして組み込まれた強度行動障害支援者養成研修の研修プログラムについて、全国の有識者や先駆的な実践を行っている事業所関係者の協力を得て開発いたしました。また、1高齢知的、4強度行動障害、6矯正施設、7虐待の4つの国の補助金と、ほかの10の実践的な研究を実施しております。

 また、平成25年度はこれまで調査が行われてこなかった障害者支援施設や特養老人ホームでの入退所の実態(12関係)。また市町村における福祉サービス等、介護保険との関係()について初めて調査を行っております。特に、ここに書かれている研究テーマの中でも、高齢知的、強度行動障害、矯正施設退所者の研究は、総合施設として、のぞみの園が第2期中期計画から力を入れて、現場の実践に取り組んでいる内容でもあります。この実践を通して時間を掛けて養った関係機関や有識者とのネットワークを活用したのぞみの園ではないと実施が難しい研究テーマであると思っております。研究数、研究テーマは全部で14テーマありまして、数値目標の8テーマを大幅に上回っています。

56ページ、調査研究の実施体制については、年4回開催の調査・研究調整会議があって、研究テーマごとに説明し、意見交換を行っています。あとは調査・研究プロジェクトについては外部の有識者、福祉関係者を交えた研究検討委員会を設置して、47人の大学関係者や福祉関係者等の職員を外部委員として、共同で検討を進めました。また、調査・研究倫理審査委員会については、個人情報保護、並びに倫理面の配慮を審議するために外部の有識者委員3名と内部委員3名により構成される委員会を開会させています。以上が評価項目11の説明です。

54ページに戻っていただきます。これはいずれも積極的な事業実施をしております。また調査・研究テーマも簡単なものではなく、重要なものです。また、のぞみの園でなければ難しいものと考えております。更に件数も大幅に上回っており、この評価は「S」としています。

57ページ、2-(2)成果の積極的な普及・活用です。評価シートでは3234ページです。平成24年分の研究成果については、研究紀要第6号を平成256月に700部、平成25年分については平成266月に発行しています。併せて研究紀要は、その全文をホームページに載せてあります。また、独法10周年紀要編集委員会を設置して、オリジナルの調査論文・最新資料等の編集を行いました。

58ページです。調査・研究の内容及びその概要は「ニュースレター」に掲載しております。新たにまとめた強度行動障害支援者養成研修自己作業テキストについては、全国の関係機関に配布して、ホームページにも掲載しております。有償刊行物の発行も行っており、平成25年度は1,360冊でした。

 研究の成果の評価についてですが、統計的なものはありませんが、外部の有識者等の国立のぞみの園研究会員では高い評価を得ています。また、このあと60ページに出てきますが、研修会での発表では、9割以上の方が満足を得ています。更にFacebookというのがありますが、ここでもたくさんの訪問者と良い評価を得ています。

57ページに戻っていただき、以上説明しましたとおり、計画どおり着実に進んでおり、また評価もいいということから、評価は「A」とさせていただいております。

59ページの3の養成・研修、ボランティアの養成関係です。評価シートは3539ページです。養成研修事業に関しては、障害・福祉等に従事する方の資質の向上を図るため、従来から各種セミナー等を積極的に実施しています。セミナーに関しては、平成25年度は国の政策課題である「福祉のサービスをしようとする罪を犯した知的障害者等の地域生活に向けて」というパート6を開催しました。左側に書いてありますが、司法関係者13人を含む、224人の参加を得ております。施設職員研修については、素行関係で中央研修として群馬県、大阪府の2会場で開催し、全国から司法関係者を含む105人の受講がありました。それぞれセミナーで5回、研修会は6回開催しております。数値目標の「それぞれ2回開催する」を大幅に上回る状況です。

60ページは、ただいま説明した11回のセミナー等の内訳です。素行関係以外でも強度行動障害、高齢知的障害者等、認知症等、非常に関心の高い、数多くの内容となっています。総参加者は1,630人。平成24年度は924人でしたので、大幅に増加しております。また、これらのセミナー等の開催に伴って、参加者から満足度についてアンケートをいたしました。その結果、満足度の平均が98.3%ということで、ほとんど100%近い高評価を頂いております。数値目標では、満足度が80%以上としておりますが、この目標は達成しております。

61ページです。これは平成25年度の新たな取組として、障害者養成現任研修を始めました。調査・研究の成果を実際の支援に生かしているのぞみの園のフィールドを生かした現任研修です。内訳はここに書いてありますが、コースとしては高齢知的障害者支援コースを高齢者支援グループの生活寮で3人、行動障害者支援コースは特別グループで2人、矯正施設等、退所した知的障害者コースは自活訓練ホームでそれぞれ受け入れているところです。

62ページです。実習生とボランティアの受入状況です。従来から実習生、ボランティアの受入をしています。左側に実習生受入実績を書いていますが、平成25年度は大幅に数が減っています。これは地元のある専門学校が解散してしまったことが大きな理由です。ボランティアは主に高校生、大学生を受け入れております。平成25年度は前年度より、より多くのボランティアを受け入れています。以上が評価項目13の説明です。

59ページに戻って、この評価としては、セミナー等の実績が数値目標を大きく上回っていることと、その内容も国の政策課題等で関心が高い内容であること。また、その満足度もほぼ100%であること。更に新たな取組として、支援者の現任研修を始めたということで、この項目は「S」評価としております。

 続きまして、63ページの援助・助言関係です。評価シートは3941ページです。援助・助言の利用促進の取組としては、ニュースレターで広報記事を掲載しており、PR用のリーフレットも作成しております。研修会の場で配布するなどの利用促進に取り組んでいます。

64ページは援助・助言の実績件数です。第2期中期計画期間の平均の実績は185件ですが、これを大きく上回り、平成25年度は256件で40%のアップとなっており、目標を大きく達成しております。

65ページは職員派遣の各テーマ別件数と参加者数の対前年度の対比表です。いずれも前年度に比べて増加しています。以上が評価項目14の説明です。

63ページに戻って、この項目は件数も大幅に増加していますので、評価は「A」とさせていただいております。

66ページの5のその他の業務関係で、評価シートの4115ページです。66ページ、67ページは診療所と「れいんぼ~」についての説明ですが、先ほど説明済みですので、省略させていただきます。

68ページです。このグラフは診療所の心理科・精神科外来者数の推移です。平成21年度より着任いたしました児童精神科の専門医が常勤として知的障害・発達障害児()の専門外来を行っております。精神科については大幅に増加していまして、地域では欠かせないものとなっています。

69ページと70ページです。69ページには診療所の入院患者と診療収入、外来者数の状況を示したグラフです。施設利用者の減により患者数は減少しております。ただし、一般の外来者数は増加しております。また診療収入は施設利用者の減等により減少している状況です。今、言ったのは70ページです。

71ページは診療所の収支状況です。平成25年度の決算額は、事業収入が約11,000万円、対前年度で約1,300万円の減です。これも入所利用者の減等による影響です。また、事業経費、支出は約22,000万円です。対前年度は約29,000万円の減となっております。対前年支出減の原因は退職手当の減と、CTの購入が平成24年度だったため、減しているということです。

72ページです。診療所等については、前回の評価委員会でも指摘されていますので、ここは詳しめに書いております。72ページは診療所の沿革と、設置した当時理由を説明した資料です。11つ言うと時間がありませんが、ここに書かれているとおり、重度の知的障害者ということで、当時より必要なものだったということです。

73ページに診療所の運営について、メリットと診療所がなかった場合のデメリットを書いております。診療所設置のメリットとしては、1常勤の医師が配置され、個々の利用者の障害特性を十分に把握した上での診療ができること。2高齢化に伴う機能低下等に対応した医療的支援が可能であること。3重篤な傷病のため、ほかの地域の高度医療機関での手術後の経過管理が可能であるということで、高度医療機関における協力が得やすいこと等が考えられます。

 診療所がない場合のデメリットは、現在、1日当たり100人の患者があるということで、診療所がない場合、地域の医療機関へ受診しなければなりませんが、人数が多く、更に重度の知的障害者ということで、診療時間が多く掛かることとか、複数の疾患を抱えている方が多いので、地域の医療機関からの協力は得にくいことが考えられます。3として、症状説明や送迎、意思伝達のための長時間の対応が必要なため、付添いの職員の確保ができないといったデメリットがあります。

74ページは平成24年度に購入したCTの関係です。真ん中辺りにメリットと書いてありますが、メリットについて御説明いたします。検査時間が15秒程度、短時間での検査が可能で、利用者への負担が少ない。あるいは高度医療機関に紹介する際に的確な診療情報を提供できるなどのメリットがあります。また、下に平成25年度の利用状況をグラフにしております。4月から2月が20件を切っていますが、実は検査技士が平成253月から261月まで病気で休んでいたため、臨時的に外の技士が担当していたため、件数が少なくなっていますが、3月以降については、多いときで、月に256件の利用があります。以上、診療所やCTについては利用者の生命と健康管理に重要な役割を担っていることを考えています。

75ページは診療所以外の付帯業務です。高崎市からの受託を受けて障害者相談支援センターを運営しております。地域の障害者や家族に対して相談支援を実施しておりまして、実績は6,123件で、前年度より増加しています。そのほかにも虐待関係などを受託しております。あと短期入所、日中一次支援も実施しています。

76ページは参考ですが、当法人が運営するケアホームの一覧です。ケアホームについても年齢は高く、障害程度区分も高いという状況です。

77ページは就労関係の資料です。従来から就労移行支援事業を行っております。平成25年度の就職者は1人で、これまでの累計就職者は7名となっています。定職率は85.7%です。また、就労継続支援事業B型を実施しておりまして、平成25年度の平均工賃は33,742円となっており、前年度額より6,624円もアップしています。群馬県の数値と比べても相当高い水準となっています。就労継続B型については、平成25年度に拡大しております。以上が評価項目15の説明です。

66ページに戻って、この項目は診療所やその他の事業について、それぞれ役割も果たしておりますし、地域の障害者への支援も充実しているということで、評価を「A」とさせていただいております。

 続きまして、78ページの「サービス提供に関する第三者からの意見等を聴取する機会の確保」、評価シートは4546ページです。第三者の意見を聴取する機会として、国立のぞみの園運営懇談会がありますが、2回開催しております。この運営懇談会の議事要旨についてはホームページに掲載して公表しております。

79ページは「第三者評価機関における評価」についてですが、平成24年度に受けているため、これは3年に1回ですので、平成25年度は実施しておりません。以上が評価項目16の御説明です。

78ページに戻っていだき、この項目は計画どおり取り組んでおり、評価を「B」とさせていただいております。グループ3については以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。御意見はいかがですか。

 

○橋田委員

 研究の事業についてお聞きしたいと思います。非常に重要な事業だと思います。いろいろな調査・研究のテーマを選ばれてやっておられるということでしたが、その成果がどういった形で出てきているかについてお聞きしたいと思います。いろいろな印刷物で報告をしておられるということと、研修等を非常に活用されているということでしたが、それ以外に例えばのぞみの園の中のいろいろな運営のシステムの中に、それが反映されているとか、政策課題と関係のあることを選んでおられるという言葉もあったかと思いますが、そういう所に還元されているとか、そういった例を御紹介いただけたらと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 研究の成果につきましては、印刷物なりホームページなりの媒体を通じて、関係事業所にお知らせすることで努力しております。また、学会発表とか研究関係の刊行物にも投稿したりしております。

 そして、そういった成果をのぞみの園の事業の中でどう生かしているかということですが、例えば高齢者関係の研究、強度行動障害関係の研究あるいは矯正施設を退所した人の支援に関する研究といったものは、のぞみの園の総合施設の中で、現に実践している事業でもありますので、そういった事業を推進する上で、研究の成果を、できる限り活用することにしております。そのため、職員への研修会などでも、その研究の成果を伝達することもありますし、逆に現場の支援をしている職員たちを、一応研究のチームとして組織して、そういった現場の中での問題意識から研究テーマを設定してもらって、それについて若手職員中心で、1年、2年研究をして、その成果を発表していくといった方法も採っております。

 

○真野部会長

 今のご説明に関連してですが、研究とか研修を幅広くやられていて、我々は多分委員会でも国民に対してのサービスをというような話はしたのです。一方、先ほどから話題になっているのぞみの園の中でのいろいろなトラブルもあるわけです。人員配置というのは、全体の人員は減っているわけですが、研究とか研修事業に対しての人員配置と内部の人との、つまり、普通の入所者に対してサービスを提供する人とのバランスはどのようになっていますか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 常勤の職員については、目標を設定されて、段階的に削減していくということがあります。そういう中で、いかに事業の各部門に職員をやり繰りして配置していくかは大変難しい問題となっております。研究や研修については、それにしても事業としては充実し、拡大するという方向で取り組んでおりますので、そういう意味で職員は増えていくようなことで配置しております。

 他方、特に生活寮の支援の現場は、常勤職員数だけで対応するのは事実上、困難になっておりまして、どうしても非正規職員を採用して、正規職員と非正規職員の組合せの中で支援をしていくことにならざるを得ません。生活寮は17ほどありますが、その中のある寮では、非正規職員の割合が半数近くになることもあります。そういう意味で私どもは非正規職員が増えても、サービスの質が低下しないようにという問題意識は強く持っておりまして、研修を段階的に繰り返し実施していくということで取り組んでいるところです。

 実は虐待の事案もそうですが、正規職員と非正規職員の連携・協力みたいなところが、大変難しい問題で、そこのところがうまくいかないと、いろいろなトラブルの発生の原因になり得るということが、今回の大変大きな教訓でした。そういう意味でも、定員削減みたいな厳しい状況の中で、いかに人員配置をやり繰りして、事業を円滑に推進していくかという大変難しい課題と受け止めて、全力を尽くして取り組んでいるというのが率直なところです。

 

○真野部会長

 日本国全体の課題の1つのような感じもしますが、ほかの先生はいかがですか。

 

○平井部会長代理

 細かいことで恐縮ですが、高齢の方の入居者が多くて、医療が必要な方が多いということで、診療所が非常に活躍しているということですが、薬はそこで出しておられるのですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 ほとんどは院外処方です。

 

○平井部会長代理

 では、薬を外部の薬局に取りに行かれるという形ですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 院外処方ではありますが。処方箋を処方する薬局にうまく連絡して、そういったオーダーに応じて速やかに届けていただくというシステムを作っておりますので、院外ですが、速やかに薬がこちらに入ってくるということです。

 

○平井部会長代理

 そうでなければ、なかなかできませんね。だから、薬剤師の活用が、今すごく言われていまして、在宅に薬剤師がもっと関わりなさいとなっていますので、そこの薬局の方ともいろいろ連携されているとは思いますが、より積極的に患者が使っておられる薬の整理や服用の状況のチェック、あとは高齢者になりますと、薬のせいで認知症の症状あるいは譫妄なども出たりすることもありますので、その辺りは薬剤師との連携、活用をもう少し積極的にされると、入所者の症状なども改善されるのではないかと思いますので、是非、御検討いただければと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 貴重な御意見をありがとうございます。薬剤師は常勤でいたのですが、定年退職した後、非常勤ということで、対応しておりますので、そういうことも踏まえて、どのような工夫ができるかを検討したいと思います。

 

○平井部会長代理

 雇用されるのもなかなか難しい面もあると思いますので、連携されている薬局などの薬剤師をもう少し働かせるようにしたらいいのではないかと思います。

 

○名里委員

 いろいろのぞみの園の機能なりが広く国民にというコーナーだと思いますが、ボランティアとか実習生の受入れなどが関わってくるかと思います。これから少子高齢化にどんどんなっていく中で、どれだけ一般の人たちに障害のある人のことを分かってもらうだけでもなく、一緒に生きていくということの意義とかそういうことを感じてもらうことが、すごく大事だと思っています。そのことの拠点に障害者の施設がなっていくというぐらいの役割なのではないかと思っています。ボランティアの数というだけではなく、関わったことでの意識の変化とか、地域の変化、地域づくりみたいなことを施設がその一端を担えたら、すごくいいなと思っています。是非、こういう大きな国の施設が、そういう地域づくりみたいなところに、どのように一緒にやっていっているのかをモデル的にやっていただけたら、すごくいいなと思いました。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 御指摘のような方向で、更に努力してまいりたいと思っております。私どもの事業も町の中に日中活動の拠点を作ることを何箇所かやっておりますし、そういう事業所では、正に自治会の一員として地域の活動に大いに参加していくという方向でやっております。そのほか、のぞみの園として年1回のフェスティバルみたいなものをやって、地域の方々に1,000人を超えて参加していただくとか、努力はしております。

 ただ、ボランティアのところも、私どもは必ずしも十分できていない点がありますし、いろいろ御協力いただいていたボランティアの方たちが、だんだんお年を召されて、これからはもう駄目だということもあって、減ってしまったということもありますが、若い人を中心にこういった障害のある人たちについての理解を深めて、いろいろな御協力を頂き、ともに生きていくという社会づくりに向けて、私どもとしても努力してまいりたいと考えております。

 

○三田委員

 意見です。診療所でのいろいろな活動はよく分かったのですが、全国的にほかの施設では診療所を豊かにしていくことは、なかなかできない状況の中で、しかも入所者が幅広い医療ニーズをこれから持っていくだろうということで、昨年も同じことを言ったと思いますが、私がのぞみの園に期待するのは、地域の医療とどう連携し、医療システムを作るのか。そして、なかなか認知されにくい障害者医療や障害者理解を、どのように研究でもいいですし、支援のプロが地域に入っていってやるのかということのモデルのようなものを本当に出してほしいのです。それがたくさんの施設やいろいろ困っている人たちに助かると思うと、診療所を豊かにする一方で、地域の仕組みということを研究でもいいのですが、期待したいと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 御指摘の点、私どもは十分に取組ができてないところです。調査・研究も含めて、何ができるかというところは、もう一度よく考えさせていただきます。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは、時間もかなり押しておりますので、最後のグループ4をなるべくてきぱきとよろしくお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 それでは、グループ4「予算収支計画及び資金計画等の業務運営に関する事項」です。81ページ、評価シートですと4748ページです。81ページの右下に書いてあるとおり、平成25年度の総事業費は退職手当を除いて317,700万円、自己収入の額が176,200万円ですので、自己収入の割合は55.5%です。目標の40%以上はクリアしています。

82ページに自己収入割合の推移が書いてあります。平成22年度から50%を超える割合となっており、増加傾向です。以上が評価項目17の説明です。

81ページに戻って、この項目は計画以上に取り組んでいるということで、「A」評価とさせていただいています。

83ページは、人事に関する計画です。評価シートは4849ページです。冒頭申し上げましたが、平成25年度の期首が223人、期末が221人となっており、計画どおり達成しております。

84ページの施設整備に関する計画は該当ありません。この項目の評価は「B」評価としております。グループ4の説明は以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。御質問等はいかがですか。確認ですが、18の人数のところだと思いますが、三田委員も言われていましたが、これが自己評価「B」というのは、目標は達成できていて、計画どおりですが、「B」にするというのは。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 一応計画どおりは基本的に「B」ということを聞いていますので。

 

○真野部会長

 オーソドックスに書かれたということですね。大幅にとか、そういうのはなかったと。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 特に大幅にでもないので、年度計画どおりにやっているということなので、特にそれ以上のものはないので「B」としております。

 

○真野部会長

 分かりました。ほかの委員はよろしいですか。それでは、最後は早かったので、概ね時間通りに終わらせることができました。三田委員も言っておられましたが、なかなか大変な独立行政法人であるということを、我々は分かっておりますが、自己評価もどうしても厳しくなりがちですので、我々も客観的に評価させていただきたいと思いますが、なかなか大変かなという感じを全体的には持った次第です。

 それでは、事務局から今後の流れと、次回の開催について連絡をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは、今後の流れについて、御連絡いたします。まず資料1-4の評定記入用紙ですが、こちらに全ての評価項目について、御記入が終わっている場合については、部会の終了後に回収いたしますので、机上に置いたままお帰りいただくようお願いいたします。

 まだ記入が終っていない場合につきましては、冒頭にも申し上げましたとおり、用紙をお持ち帰りいただいて記入いただくか、あるいは本日メールでお送りする電子媒体に御記入の上、85()までに事務局に御提出いただきますようお願いいたします。

 次に次回の開催予定ですが、次回は820()15時から、場所は厚生労働省9階の省議室になります。議題は、医療・福祉部会3法人の平成25年度業務実績に係る総合評価に加え、のぞみの園、福祉医療機構の平成25年度財務諸表の承認に係る審議、平成25年度に中期目標期間が終了した医薬品医療機器総合機構の中期目標期間全体の業務実績評価、いわゆる最終評価を行うこととしております。事務局からは以上です。

 

○真野部会長

 それでは、これで終わりたいと思います。長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)

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