ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及のための検討会> 第4回 食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及のための検討会(2014年8月19日)
2014年8月19日 第4回 食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及のための検討会
医薬食品局食品安全部監視安全課
○日時
平成26年8月19日(火)13:30~15:30
○場所
航空会館501・502会議室
○議事
○山本座長 定刻になりましたので「食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及のための検討会」を開催いたします。
開会に先立ちまして、事務局より人事異動の報告があるとのことですので、まずはお願いいたします。
○事務局 7月に事務局におきまして人事異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。新村食品安全部長の後任として三宅部長が、また、福本審議官が着任されております。着任後、初の検討会となりますので、三宅部長より一言御挨拶をさせていただきます。
○三宅食品安全部長 本年7月11日より食品安全部長に着任いたしました三宅でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様方におかれましては、残暑の厳しい中、本日の検討会に御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
また、日ごろより食品衛生行政に格別の力添えをいただいておりますことをこの場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。
委員の先生方も御承知のとおり、HACCPによる食品の衛生管理はコーデックスでも推奨され、今や国際的な標準になっております。
日本でHACCPが導入されて20年近くなりますが、残念ながらまだその普及が十分に行き渡っているという状況には至っておりません。
我々行政も反省すべき点があるのではないかと考えております。
HACCPは、私も導入のときに覚えておりますけれども、NASAのいろいろな検討も含めて、最新のものだということで導入されたのを覚えておりますけれども、やはりイメージとして難しいものというイメージがついてきていたのではないかなと、NASAのせいだけではないと思いますけれども、やはりそういう点があったのではないか。
ですから、これを普及していくという意味では、シンプルでわかりやすいものにしていくということが大事ではないかと感じております。
また、導入した場合にどういうメリットがあるのかということを明確にしていくということも大事な点ではないかなと感じております。
本検討会では、HACCPの普及のための施策について、昨年9月から3回の検討を経て、12月に中間取りまとめをいただいたところでございます。
この中間取りまとめを受けまして、HACCPの段階的な導入を推進する観点から、本年度当初に管理運営基準ガイドライン及びと畜場法及び食鳥検査法の施行規則の改正をいたしております。
今後も、食品事業者のHACCP導入を強力に推進していく方策について、委員の皆様方から御意見を頂戴したいと考えております。
どんなにすばらしい、漏れのない完璧な仕組みというものがあっても、それが使われなければ意味がございません。
本日の議題にありますが、今後、食品の種類や施設の規模に応じたHACCPの実施について、できる限り具体的でわかりやすい方策を示していくことが重要あると考えております。
委員の先生方におかれましては、それぞれの専門の立場から忌憚のない御意見をいただきまして、この検討会が実りあるものになりますよう、お願いを申し上げる次第でございます。
簡単でございますけれども、冒頭に際しまして、御挨拶をさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○山本座長 ありがとうございました。
本日は、内堀委員、川崎委員が所用ため御欠席とのことです。川崎委員のかわりに代理として食品産業センターの川向技術環境部次長に参加していただいております。また、山田委員の退任に伴いまして、大澤委員が着任いたしました。
さらにオブザーバーとして農林水産省食料産業局企画課食品企業行動室の横田室長に御出席いただいております。
議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いします。
○事務局 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
議事次第、構成員名簿、座席表のほかに、
資料1としまして、中間取りまとめで示された「今後の施策の方向性」の対応状況。
資料2といたしまして、HACCP入門のための手引書。
資料3といたしまして、業態に応じたHACCP普及のための基本的考え方。
以下、参考資料となります。
参考資料1が中間取りまとめ。
参考資料2が管理運営基準ガイドラインの通知。
参考資料3-1が、と畜場法及び食鳥検査法の省令改正のもの。
参考資料3-2が、これの施行通知である部長通知。
参考資料3-3が、課長通知となっております。
参考資料4といたしまして、コーデックスガイドライン。
参考資料5が、EUの指針をつけさせていただいております。
また、先生方におかれましては、机上配付資料ということで、2冊準備をさせていただいております。1冊が、今回、三菱総研が行った調査報告を引用している部分がありますのでその報告書と、あとは厚い方が各種手引書の入ったものとなってございます。
さらには、今回、御欠席の内堀委員からの御意見の1枚紙を御用意させていただいております。
資料の不足等はございませんでしょうか。
以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
それでは、議事に入りたいと思います。
「議題1 食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及に関するこれまでの対応状況について」です。
「中間取りまとめ」を踏まえた、これまでの厚生労働省における対応について、事務局より御報告をお願いします。
○事務局 それでは、資料1の準備をお願いいたします。
「中間とりまとめで示された『今後の施策の方向性』の対応状況」ということで報告させていただきます。
中間取りまとめにつきましては、参考資料1に添付させていただいておりますが、時間の関係もございますので、今回、内容は省略をさせていただきます。
左側は、まず「中間とりまとめで示された『今後の施策の方向性』」というところでございますが、まず、1つ目といたしまして、管理運営基準ガイドラインを改正して「HACCP導入型基準」というものを新たに設置したというものがございます。これについて、若干お時間をいただきまして、内容の説明をさせていただきます。
参考資料2を御用意願います。
参考資料2でございますが、題名が「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)について」、こちらは食品安全部長通知となっております。
こちらは中間取りまとめを受けまして、パブコメなどを実施した後、本年の5月12日付で自治体あてに通知をしているものでございます。
これにつきましては、自治体のほうで条例をこの内容を参考に制定するものとなっておりまして、今年度中の条例改正を自治体に対してお願いしているものでございます。
具体的な中身、何を位置づけたかでございますけれども、ちょっと後ろのほうの8ページですので、後ろから2枚ほどおめくりいただいたあたりでよろしいかと思います。
8ページの一番下「6 食品等の取扱い」というものがございます。
本体は次のページ以降でございますけれども、こちらがいわゆる従来型基準と呼ばれているものでございまして、例えば、原材料の受け入れから始まりまして、各製造工程における衛生的な取り扱い。
さらには次のページに移りまして、製品等の自主管理などについて定められているものでございます。
この6の「食品等の取扱い」部分について、HACCP導入型基準におきましては、4ページをお願いいたします。
下線がたくさん引いてある部分でございます。
4ページの「10 食品等の取扱い」、これが先ほどの従来型基準と並びで書かれているものでございまして、ここにコーデックスの7原則をそのまま書き込んでいるものでございます。
そのほか、残りの5手順については、この前段の部分の8であるとか9、さらにはこの10をまたいだ12といったところにその手順についても規定をしているところでございます。
簡単ではございますが、以上がこのガイドラインの改正の中身でございます。
また、通知の頭紙の次のページをおめくりいただきたいのですが、こちらで「第2 運用上の注意事項」というものを書かせていただいております。
この内容についても簡単に御紹介をさせていただきます。
1番目から順番にお話しさせていただきます。監視指導に当たっては、原則として施設設備の変更まで求めるものではないことに留意されたいとしております。
さらには2番目ですが、法違反となるのは、HACCP導入型基準と従来型基準のいずれも満たしていない場合であるとしております。
また、3番目でございますけれども、HACCP導入型基準、これは基本コーデックスガイドラインにある7原則でございますが、これを全て適用しなければならないが、専門的な知見を必ずしも有していない食品事業者も少なくないことから、柔軟に対応し、必要な専門的助言を行うなど、きめ細かな助言指導に配慮されたいことということで、これは保健所の食品衛生監視に対する文言になります。
そして「HACCP導入型基準の導入について」というところで、施設全体で一斉にHACCP導入型基準による管理を導入することが困難な場合、この場合については、ラインごともしくは製品の種類ごとに段階的にHACCPの導入を進めていくことが望ましいと書いております。
次のページに移ります。
5番目の「監視指導を実施する職員の指導等について」でございますが、HACCP導入型基準に係る監視指導に当たっては、今後、国においてマニュアルや講習会等により必要な助言を行っていくとしておりまして、今回、後ほど御説明させていただく資料2の手引書はまさに「国においてマニュアル」というところに該当するものでございます。
6番目、HACCPに関する用語でございますが、こちらはパブコメでもたくさん寄せられたのですが、従来、用いられているものを引き続き使用する場合もありますが、その意味は、あくまでもコーデックスガイドラインに準拠したものであり、監視指導に当たっては、その旨配慮されたいということで、現状、法令上使っている用語と皆様方が日ごろ使われている用語で若干相違があるものですから、その点に関して律儀に自治体の皆さんが我々の用語を使わないようにという趣旨から書かせていただいているものです。
7番目でございます。
自治体HACCPとの関係について書かせていただいております。
これについては、自治体の皆様方が積極的に取り組んでいるところでございますが、HACCP導入型基準はこれにおいても活用されたいということを書いております。
なお、このHACCP導入型基準、よく誤解を生んでいるところがございまして、一部認証や認定をするものではないかということを誤解されている方がいらっしゃるのですが、あくまで管理運営基準に位置づけているHACCP導入型基準はそういったものではないということを申し添えさせていただきたいと思います。
そのことはこのガイドライン中にも規定はしておりません。
また、自治体に対しましては、HACCPを導入している施設数等については、今後、適宜調査をしますということでお願いをしているところでございます。
長くなりましたが、今のが管理運営基準ガイドラインの御説明でございます。
また、資料1にお戻りいただきたいと思います。
この管理運営基ガイドラインと並びで、(2)のほうでございますが、と畜場法と食鳥検査法の施行規則についても並びで改正をしておりまして、こちらは国のほうで規定をしているものですから、これは来年の4月1日施行ということでこちらは決まったものとなっているものでございます。
内容については省略をさせていただきます。
資料1の2枚目をお願いいたします。
(3)といたしまして「HACCP導入型基準に基づく衛生管理を行う事業者に対する導入支援として、国において、具体的な例示を作成し、導入を強力に促進すべきである」という中間取りまとめをいただいた御意見に対する対応でございますけれども、これにつきましては、昨年度におきましてその予算になるのですが、8種類の食品についての具体的な例示、すなわち手引きになりますけれども、これを作成しております。
その8種類でございますが、下のほうに※印で書かせていただいております。
総合衛生管理製造過程の対象食品にもなっております、清涼飲料水、乳・乳製品、食肉製品、あと魚肉ねり製品を含む水産加工品、そしていわゆるレトルト食品である容器包装詰加圧加熱殺菌食品、これらとさらには大量調理施設でつくられる食品、そしてと畜場・食肉処理、食鳥肉処理というこの8つをつくっているところでございます。
これらについては、いずれもこれから初めてHACCPに取り組もうとしている中小の食品事業者をターゲットとしてつくったものでございまして、基本、既に導入をされているようなところとかにつきましては、これは余り必要ないのかなと考えているところでございます。
また、手引書につきましては、本日、清涼飲料水編を例示として御説明させていただいて、本日、その中身の御了解が得られれば、厚生労働省ホームページへの掲載でありますとか、これはすなわち自由にプリントアウトして利用可能になるということになりますが、さらには保健所の食品衛生監視員を中心とした事業者への導入の啓発をされる方におかれまして、使用していただきたいと考えているものでございます。
以上が手引書のお話でございまして、2番目のポツがHACCP導入のためのDVDの作成ということで、これは現在、作成段階にあるものでございますが、魚肉ねり製品の工場をベースに現在作成しているところでして、近々完成する予定となっております。
これも広く皆様方にご覧いただけるような形で公表したいと考えております。
また、今後、順次手引書については作成を予定しておりまして、どういったものが必要かというのも御意見をいただければ幸いでございます。
資料1については以上でございます。
○山本座長 ありがとうございました。具体的なHACCP普及の方策の1つとしては、手引書というものを作成するというお話がありましたけれども、その中身につきましては、資料2で後ほど御説明いただくとして、それ以外のところ、ただいまの資料1に関連した項目について、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
いかがでしょうか。特に、中間取りまとめに対応した動きということで御紹介をいただいたところです。川向さん。
○川向参考人 食品産業センター川向です。
今の手引書についてですけれども、清涼飲料水以外の手引書についても、該当する業界の団体等に御意見を聞いてみたり、内容の確認、意見の反映が必要だと思うのですが、厚生労働省としてその辺について、どんな形で計画されているのか御意見いただけたらと思います。
○事務局 ありがとうございます。
そのほかの清涼飲料水以外、実は清涼飲料水につきましては、既に全国清涼飲料工業会の方にご覧いただきまして、指摘を受けているところでございまして、そのほかにつきましても、順次確認をとらせていただきたいと思っております。
○山本座長 よろしいでしょうか。
それぞれの業界に一応確認をとった上でということになろうかと思います。ほかにございますか。
それでは、また後で御質問等ある場合にはしていただくとして、今、手引書ができてきたということですので、続いて資料2について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは引き続きまして、資料2、手引書になります。
こちらについて、若干、長めのお時間をいただくことになってしまうかと思いますが、御了承いただきたいと思います。
資料2の準備をお願いいたします。
題名でございますが「食品製造におけるHACCP入門のための手引書」という題名にしております。ここでは、清涼飲料水編を例示とさせていただきます。
1枚おめくりいただきまして、目次でございます。
こちらの第1章と第2章さらには右側のページ、付録の2の部分なのですが、これについて全てに共通部分ということで、同じものを各食品に使わせていただきたいと思っております。
ですので、第3章「HACCP導入手順の実践」、ここについては、各食品で、今回、清涼飲料水であればサイダーを例示しておりますが、そういった形で具体的な食品を例示的に挙げて解説をしていくという構成にしているところでございます。
さらには、付録1、こちらも対象とする食品ごとに異なるものを使わせていただいているところです。
次のページ、左下にページ番号4と書いてあるところをお願いいたします。
この手引書の目的を上のほうに記載させていただいております。この手引書は、中小規模の食品製造事業者の皆様がHACCPに取り組むきっかけになるように作成したものです。
HACCPを取り入れる際の参考にしていただく一例です。
この手引書がHACCPに取り組む一助となり、経験を重ねられることによって、より適したHACCPに改良が加えられることを期待していますということを書かせていただいております。
その他、必要な用語を書かせていただいておりますが、これには先ほどもちょっと御紹介した用語の言いかえについても、例えば、重要管理点というのは必須管理点ともいいますよという形で書かせていただいているところでございます。
次のページ「主な登場人物」をお願いいたします。
これも全編共通でございまして、アドバイザーがいて、工場長そして品質管理担当者さらには専門家という構成となっております。
工場は、あくまでも小さい工場ということで書いてあるところでございます。
それでは、第1章に入らせていただきます。
8ページをお願いいたします。
ここでは、まず「1.HACCPとは」ということで、HACCPの内容を書かせていただいておりますし、右側の9ページにおきましては、HACCPの動きを記載させていただいております。
そして、10ページに移ります。
「3.現状と今後の課題」ということで、HACCPを導入するに当たっての必要な取り組みの声を青字で記載させていただいているところでございまして、例えば、経営者の安全に対する強い思いというものが必要だとか、そういったものが書かれているところです。
そして、次のところでは、今後の課題としてどういうようなものがあるかということで、どこから手をつけていいのかわからないとか、書類をつくるのに時間がかかる、人材の育成が急務といったことが挙げられている旨を書いています。
そして最後にHACCPを導入したメリットとして、社員のモチベ—ションが上がったとか、ロス率が下がったとか、こういったことを書かせていただいております。
以上が、HACCPの概要でございまして、第2章からは、5Sの活動の重要性について、記載をしております。
これはいわゆる一般的衛生管理の部分となるものでございます。
次のページ、左下、12ページをご覧ください。5Sというのは、整理、整頓、清掃、清潔、習慣、これの頭文字をとって5Sとさせていただいているところでございまして、その説明を書いてありまして、13ページには、スローガンをぜひ掲げましょうということで、そういったものを絵にして描かせていただいています。
そして14ページですが、工場の点検ということで、リーダーは定期的に工場内を巡回して、5S活動に問題がないかよく点検しましょうと書いております。
さらには、15ページに移りまして「製造環境の衛生管理」でございますが、一般的衛生管理プログラムはHACCPと自動車の両輪ともいわれ、どちらも欠かせない項目であると書いてあります。
一般的衛生管理の特に大事なポイントを絵にして示させていただいているところでございまして、5S活動を通して、無駄のないスマートな衛生管理を身につけることはHACCPを導入した際のメリットを享受しやすいとも考えられますし、また、逆にHACCPを導入して運用していく間に、5S活動の部分も見直しが期待されるということがありますので、まさに自動車の両輪ということが言えるのかなと考えているところでございます。
16ページをお願いいたします。
「2.食品取扱設備等の衛生管理」ということで、これも特に見落としがちな大事なところを絵にして描いております。
さらには、17ページでは、ネズミ、昆虫の対策を書かせていただいておりまして、18ページには「4.廃棄物及び排水の取扱い」さらには「5.使用水等の衛生管理」を書いています。
そして19ページでは「6.食品等の取扱い」の基本的なところを書いてありまして、次のページ以降も、食材からの二次汚染の防止とか、まな板の取り扱いとかを書かせていただいております。
22ページに移ります。
「4.従業員の衛生管理」ということで、健康がすぐれないときにどうするかというものを書いてありつつ、23ページには手洗いの重要性を書いているところです。
さらには24ページ「5.食品取扱者の教育・訓練」の仕方の一例ということで、こんな感じで教育をやってはいかがでしょうかという例示を示させていただいております。
25ページ「6.記録の必要性」でございますが、ここで特にポイントとなりますのは、女性の吹き出しに書いてあるところの下のほうでございますが記録付けのポイントは、ただ単に“○”“×”をするだけではだめなのですよということで“×”のときにどういう状態だったのか、どのように対応したのかということを書くことにしましょうというものを強調しているところでございます。
以上が、一般的衛生管理の5S活動の部分でございまして、次のページから第3章ということで、ここからは個別事例をもとにしたものになりますけれども、HACCP導入手順の実施でございます。
28ページには、12手順7原則とは何であるかという概要図をつけさせていただいております。
そして、手順1、チームをつくろうということで、この中では、精通したような人がいない場合は、外部の専門家や専門書を参考にすることも可能ですということを明記しております。
そして、次の30ページでございますが、ここでは手順2の製品説明書をつくろう、手順3の用途、対象者の確認をしようということで、今回、先ほども若干申し上げましたが、清涼飲料水の場合は、全くこれからHACCPを導入しようとしている、基本、小規模の事業者さんでございますけれども、その多くは、ラムネとかサイダーをつくっているところがほとんどと言ってもいいのかなと思うのですがということでしたので、今回は清涼サイダーを例示とさせていただいたところです。
ですので、今回、加熱殺菌というのがCCPのポイントではなく、二酸化炭素圧入のところがCCPになるという点で、ほかのものとは若干異なるものになっております。
製品としましては、透明炭酸飲料のびん詰を予定しておりまして、水は水道水を使っている。原材料としては、そのほか液糖であるとか、クエン酸、香料、炭酸ガスを使うものですというものが製品の概要でございます。
そして、31ページでございますが、こちらにはブランクを設けた表をそれぞれ設けさせていただいておりまして、基本仮の書類的な扱いとして書き込めるような形でつくっているところでございます。
32ページをお願いいたします。「手順4 製造工程図をつくろう」とあります。こちらは例示では簡便な流れ、フローをつけさせていただいておりますが、右のページをご覧いただきますと「ここがレベルアップ!」と書いてあるところで、いろいろな原材料に応じたフロー図をつくりましょうということを書かせていただいております。
34ページをお願いいたします。
「手順5 製造工程図を現場で確認しよう」。いわゆるウォークスルーによって、先ほどのフロー図がちゃんとなっているかという確認になりますけれども、ここもいわゆるポンチ絵を用いまして、注意すべき点などを吹き出しで書いておるところです。
右側の表では、何か気づいたところを書きましょうということで、ご覧のような表をつくっているところです。
36ページ「手順6」、ここからが原則とも相まってまいります。手順の6、これはすなわち原則の1でございますが「危害要因の分析に挑戦」ということで、その危害要因の分析の仕方の書き方を示しております。
さらには、38ページ、手順の7、原則で言うと2でございますが「重要管理点(CCP)をみつける」としております。
今回のサイダーにおきましては、基本7番目の工程の炭酸ガス圧入、こちらがCCPなのであろうということで、例示として挙げているところでございます。
さらには40ページ、手順の8「管理基準(CL)の決定」ないし手順の9「モニタリング方法の設定」ということで、原則の場合はそれぞれ3と4になります。
これについては、ご覧のような表の中で、危害要因、発生要因、管理手段、管理基準、モニタリング方法の一例を示しているところでございまして、管理基準においては、通常の製造事業者におかれては、いわゆるオペレーショナルリミットと呼ばれる運用上の基準値を設けていることが常でございますので、これについては、この女性の吹き出しのところで、管理基準よりもさらに厳しい運用上の基準を設けて、管理基準から逸脱しないように工程を管理することも検討しましょうというものを書かせていただいております。
42ページをお願いいたします。
手順の10「不具合があった時には『改善措置』」ということで、例を記載させていただいております。こちらは原則の5となります。
今回の場合は、不具合があれば廃棄するという例示を示しているところでございます。
そして、右側の43ページでは「ここがポイント」というところで、改善措置の記録はしっかり残しておくことをお忘れなくということで、重要なポイントを書かせていただいております。
さらには、44ページ、手順の11「定期的に見直す『検証』」の例でございます。
こちらは原則の6になります。こちらもそれぞれ考えられる点検検証項目について、例示を示しております。
そして、46ページが最後、手順の12、原則の7になりますが「記録の文書化と保管」ということで、モニタリング記録の例示を示しておりますし、記録の例としては、この女性の吹き出しのところで「今使っている作業日報を少しアレンジして記録をとることもできます」ということで、いわゆる柔軟性に該当する部分も書かせていただいているところでございます。
そして48ページ以降は、検証とは何かというものを書かせていただいておりまして、50ページにおいては「3.機器の精度確認」ということで、簡便な構成方法を例示させていただいているところです。
以上が、大きな本体の部分になりまして、次からのページは付録ということで、まずは清涼飲料水編におきましては、食品衛生法に基づく規格基準や製造基準などの一覧を挙げさせていただいておりまして、そのほか、HACCPのモデル例というものを示しているところです。
どちらかというと、この後段に書いてあるようなものは応用編に入るものと認識しております。
そして、幾つかページをめくっていただきますと、付録2ということで、またカラー刷りのページが戻ってくると思うのですけれども、ここでは食物アレルギーのことも挙げさせていただいております。特に、原材料における危害要因分析にアレルゲンというものが必要だと認識をしておりますところ、これに対する知見も加えさせていただいております。
さらには、工程別のチェックリストとかHACCPの様式例というものを添付させていただいているところです。
説明が長くなりましたが、資料については以上でございます。
○山本座長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明につきまして、活用方法等いろいろあるかと思います。
その他、お気づきになった点がございましたら、御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
五十君委員、どうぞ。
○五十君委員 全体に絵を使って非常にわかりやすくまとまっていると思います。4ページのところに、HACCPに関する用語集ということで、概念、それから言葉の統一をしていただいています。
「Hazard」に関しては、ここで危害要因という言葉を採用しており、このパンフレット全体を見ていくと、危害要因という表現で統一されていると思います。
それで、これは非常にいい訳かなと見ましたら、その下の「Hazard Analysis」、これがなぜか危害分析となっており「危害要因分析ともいう」と最後書いてあります。このあたりは「Hazard」を危害要因としたら、「Hazard Analysis」は危害要因分析かなと読んだのですが、ここを危害分析とした理由というのはあるのでしょうか。
○山本座長 事務局、よろしいですか。
○事務局 明確なものはないのですけれども、一応法令用語的にHACCP支援法なりほかで使っているのは、HACCPがそもそも危害分析重要管理点としておりましたので、ここは危害要因をメーンにして、危害要因分析ともいうとつけ加えたという感じです。
○五十君委員 だとすると、むしろ「Hazard」を危害要因と定義したのでしたら、これからは危害要因分析という形で統一していったほうが読みやすいのではないかと思います。また、危害分析自体が、ここで言う危害要因分析とは違う一般用語として利用されている傾向にあるという気もするのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
○山本座長 危害要因が一般的に用いられているということでしょうか。
○五十君委員 むしろ、危害分析ということ自体が、危害を分析するという形で使われているのに対して、今回、HACCPのところでは、もう「Hazard」に関しては、危害要因とすると定義しているので、それと対応する形でHACCPのところの「Hazard Analysis」に関しては、危害要因分析と、今後、統一していったほうがわかりやすいのではないかと思います。
○山本座長 事務局、どうぞ。
○事務局 ちょっと御説明させていただきますが、説明の中でも少し触れさせていただいたのですが、パブコメの中でも定義に関しては、同様の御意見を頂戴しておりまして、検討させていただいて、なるべくその誤解が生じないように整理をさせていただいたということがございます。
ただし、既存の法令上の用語として使っているものもあって、それは既に随分と長い間使っていて、一定の浸透をしていて、それによって、大きな誤解が生じているということでもないということもございましたので、その点については、既存の用語をそのまま使わせていただくとして、ただし、その説明にあっては、いただいた御意見を踏まえて、誤解が生じないように、さらに念入りに丁寧な説明を今後ともしていくということで、対応しているところでございまして、若干、まだ御意見等があるかもしれませんけれども、そういう事情で今の整理をさせていただいたということでございます。
○山本座長 用語のところはいろいろな意見があるのですけれども、恐らく法律を即改正するという形での文言の訂正というのは、なかなか急にはいかないだろうということもありました。
内容としてはこういうことだということは、ここで説明をしてあるとおりなのですけれども、将来、やはり一般的に皆さんが使っていく場合に、それはどちらになるのかというのが、その使っていく上で統一されていくような気もしております。
講習会的にどうするのかというものを含めて、もう少し使っていくうちに変わってくる可能性というものを含みつつ、このまま今のところはいきたいなというところかなと思うのです。
これをこのままずっと未来永劫この手引書の形で使うのかどうか、いろいろと手直しをしなければいけないところが多々出てくる可能性もありますので、そのつどやはり見直しをかけつつ、改良をしていくということにしてはどうかと思いますので、とりあえずのバージョンとして、これを提示させていただきました。
特に、誤りだと思われるような部分がございましたら御指摘いただいて、今後、講習会等で皆さんがもし使っていく上で、ここはやはり使いにくいというところは、この会ででも御指摘いただけるでしょうし、また、厚生労働省に直接御意見をいただくということもあろうかと思いますので、その辺を加味した上で、今回の御検討をいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
特にこの手引書について、ここはやはりちょっとおかしいぞというところがございましたら、御指摘いただければと思うのです。
○大澤委員 イトーヨーカ堂の大澤でございます。
事前に見させていただきました。ステップがわかりやすく自助でやっていくには良い形だと思います。
今、用語集という話がありました。このツールの対象は中小企業で、先ほど御説明があったように、HACCPをこれから取り組んでみようかという方が見るとなっています。ツールはこのままでも説明をするときに補足する必要がある言葉があると思いました。例えば、33ページの工程図の項目で、温度や時間とかはわかると思いますが、汚染区と清潔区は何だろうとか、その区別は何だろうと思う方がいらっしゃるのではないかと感じました。
あと、46ページの一番下の吹き出しに「PDCAサイクル」という言葉が出てきます。これも「PDCAサイクル」は何だろうと思われる方も中にはいらっしゃるのかなと思いました。
ほかにもHACCPを前提としてやっているとわかるけれども、初めてだとわかりにくいという言葉があれば、それは補足の説明をしながら使っていかれるのが必要だと思いました。
○山本座長 ありがとうございました。
今の点はどう扱うかですけれども、事務局、どうされますか。
○事務局 御指摘いただいたように、今、見直してみても、まだ不親切なところがあるように見受けられますので、その点を含めて、若干、手直しをさせていただければと思います。
○山本座長 今の御指摘でしたら、そう大きな変更ではないので、含められるのであれば、説明で補足するということも可能ですし、注意書きみたいな形で外につけることが可能かどうか、その辺は事務局のほうで御検討いただいて、よろしくお願いいたします。
ほかにございますか。
○事務局 座長、御欠席の内堀委員から意見をいただいておりますので。
○山本座長 失礼しました。机上配付資料として、内堀委員からの御意見が来ております。
読み上げさせていただきますので、よろしくお願いします。
ツールとしては大変良くできていると思います。
これを普及していくための行政機関の役割や業界団体の役割を明確にすべきと思います。
今回作成した資料を渡して終わり、ではなく、各地での説明会の開催、導入事例の報告会、優良企業への表彰制度などを検討してはいかがでしょうか。
下記は、弊会のPB製造委託先の工場点検を担っている部門からの意見です。
個別具体的な箇所への指摘となっておりますので、より分かりやすく、使いやすくしていくために、参考にしていただければ幸いです
(1)HACCP入門のための手引書(清涼飲料水編)36-38p。
・CCPの決定においては危害要因分析表だけでなく、CCP決定フロー図(Decision Tree)が必要ではないかと思います。
Codex HACCPではDecision Treeを用いてCCPを決定することがガイドラインに沿った決定の仕方かと思いますし、Codex HACCPを基本とするならばガイドラインに沿った手順書の方がよいと思います。
危害要因分析表でもDecision Treeと同様の決定ができるということなのでしょうか。
(2)HACCP入門のための手引書(清涼飲料水編)の9p。
・2.HACCPの歩みにある、表は横軸もしくは項目に発行年もしくは取り組み年をそれぞれ明確に記載したほうがわかりやすいと思います。
(3)HACCP入門のための手引書(清涼飲料水編)の36-46p。
・手順6~12までは原則1~7になりますが、28pにそのことが表になっているものの、36p以降の見出しには、「手順6」としかありません。
「手順6(原則1)」といった記述を、それぞれで行った方がよいのではないかと思います。
という御意見です。
議論が必要な部分と、それから事務局がこれに対する対応として答えられる部分とがあると思うのですけれども、まずは下のほうは「手順6(原則1)」といった記載がどうですかということなのですけれども、これはいかがですか。入れてもよろしいかと思うのですけれども。ちょっとした変更なので問題ないと思います。
それから、発行年、取り組み年、これはこの一覧表に入れるとぐちゃぐちゃになりますか。それがちょっと心配なのです。
大体の順番では書かれているということなのですけれども、きちんとした、これは事務局、どうされますかね。これをやるとばらばらになってしまいますか。
どうされますか。
○高谷委員 何年にやったかというのが議論の対象ではなくて、こういうことをやっていますよというものを知ってもらうだけのお話だと思うのです。どこが何年にやったかというのは大した意味はないかと思いますから、そういうものはいいのではないですか。
○山本座長 こういう取り組みはこういうおおよその順番でなされてきたということで理解していただければと思うので、特段、法律がどこで発効されたかみたいなことではないということなのでよろしいかと思います。
あと、この最初のほうの「これを普及していくための行政機関の役割や業界団体の役割を明確にすべきと思います」という、これはちょっと次の普及のための議論のところで議論したいと思いますので、ここは後に回したいと思います。
それから、各地での説明会の開催、導入事例の報告会、優良企業への表彰制度というものが考えられると思うのですけれども、事務局として何かこの辺は使って当然講習会をやっていかれると思いますけれども、どう扱うと考えておられますか。
○事務局 まさに、今回、手引書がこういう形でお披露目をさせていただいて、御意見を頂戴して、固まった段階で、早速それを活用して、自治体の職員に対する研修、それから事業者に対する説明会等々、事業者団体がやられることもあるでしょうから、そういう形で広く使っていただくようにしていただければと思っております。
国としても、先ほど申し上げたとおり、説明会の開催、研修会等々に活用していくということを計画しているところでございます。
○山本座長 ありがとうございます。
あと、普及のための方策の1つとしても、優良企業の表彰みたいなものも、今後、考えていかなければいけないことなのかなとも思いますので、その辺は我々の提言として出すかどうかということが後の普及のための議論のところでお願いしたいと思います。
どうぞ。
○高谷委員 30ページのところなのですけれども、私はここを見たことがないので、こういう施設を清涼飲料水で原材料の水「(水道水)」とあるのですが、こんな高い原材料を使っているジュース屋さんは本当にあるのか。もしないとすれば、これは本当にあるものを代表で書いてほしいと思うのです。井水なら井水で構わないと思うのです。井水だと、またチェックする項目があると思うので、水道水はこれは余りにもひど過ぎないと。本当にあるのならいいのです。多分、ないと思っているのです。
だから、そういうことを、ここはやはり井水なら井水にしておいて、何がここで危害要因になるのかとか、そういうものをやっていただかないと、これを見てまたこちらで原材料に関する事項を書けよとなったら、みんな水道水になってしまうの。そんなことはないのではないかなと思うのです。そこはもうちょっと御検討していただいたほうがいいのではないかと思うのです。現製品について本当にあると、こういうものがあるのだというのを確認できればいいです。ないのだったらおかしいと思います。
○山本座長 これは協会のほうに確認をしていただいていいのではないかと思うのです。
○高谷委員 多分ないと思います。
○山本座長 よろしいでしょうか。これは確認した上で、井水に直せるのなら直したほうがよろしいかと思います。
最後、ちょっと残っているのはDecision Treeを使ったらどうかというところですが、これはいろいろ御意見があるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
池戸先生、いかがでしょう。Decision Treeに関して。
○池戸委員 この手引書が一般衛生管理とHACCPとセットで書かれていて、非常にいろいろな絵も描いてあってわかりやすいので、普及推進に期待できるのではないかと思います、それで、ただどういう事業者を対象者にするかとなると、かなり幅が広い。恐らく黙っていてもこれを参考にしていただける企業さんであれば、それはそれなりに使っていただける。
一方で、保健所の指導する方がこれを手引書として使うという場合もあると思います。そうすると、実態からすると、工業統計だけでの数字で見ると、3人以下の企業が30%以上を占める業界なので、3人以下のところにこれをそのままぱっと入れるのは、なかなかやはり現実的ではないのではないかなと。そうかと言って、そういう人向けにまた別の資料をつくるとなると、これはまた大変な話なので、私としては、現時点ではこのレベルで十分機能するのではないかと思います。
むしろ、そこは現場の状況を踏まえて、柔軟な対応をするというところで、これは指導する方が非常に大変苦労する分野ではあるかと思いますけれども、その方の御判断のもとでやられればいいのかなという感じで拝見しました。
○山本座長 ありがとうございます。
だから、Decision Treeまではここに記載する必要はないということをおっしゃったのだと思います。
座長が言うのもあれなのですけれども。
○池戸委員 もし用語が、私、気になっているのは、中間報告でこういう通知を出されるという話、それから、あと5月には出されているわけなので、恐らくこれを使って指導する特に中小企業というところの自治体の方々、保健所の方々からのいろいろな施策に対する要望とか、意見とか、そういうものが反映されていればいいかなと思いますけれども、その辺は、私、逆に気になっていたのです。
○山本座長 事務局、お願いします。
○事務局 Decision Treeの御意見が出てきているので、きょうの会議の資料にDecision Treeの資料がないので、皆さん方、どういうフローなのかなということがつかみにくいと思うのですけれども、ありますか。参考資料の。本来、HACCPを導入したときに、このDecision Treeに基づいてCCPがどこかということを決定する図として使われていたと私は記憶をしておるのですが、なかなかこれがやはりHACCPを最初に導入しようとする人にとっては、なかなかこの使いづらい面があって、やはりHACCPは難しいものかなというようなことにつながった一つの要因になっていったのかなと思っていますので、ちょっとここに入れるのが適切なのかどうかということをもう一度御議論いただければなと思っております。
○山本座長 ありがとうございます。
参考資料4の32ページに載っているのですけれども、HACCPというか、総合衛生管理製造過程が導入された当時に、いろいろ議論されて、このとおりに決定していくのかということでやられて、これを使ってつくられている方もおられましたけれども、意外と使いづらいというか、間違った決定をする場合がこの表を見たとき、よく理解している方は余り間違えることはないと思うのですけれども、理解されていない方がこのとおりにやっていったときに間違える可能性があるというような御指摘があったかと思います。
それから、これをもとにして決めるのではなくて、危害要因分析表をもとにして考えていかないと、本当はどこでCCPになるのかというのを決定するのは難しいのだろうというのがこれまでの二十年近い経験から来ていると私は理解しておりました。
ですから、これを載せなくてもHACCPのシステムはつくり上げることは可能だと思っています。
これがあると便利だという方は、後から確認するのにチェック表としては使うことは割と便利かなという気がいたしております。
事務局、どうぞ。
○事務局 それに関連して、御紹介させていただくとCodexのHACCPの取り扱いに関しても、ガイドラインができて、最終の改定から随分年月がたっているということで、この見直しをする動きもございまして、その中の議論の1つとしてはDecision Treeがかなり使い勝手が悪いというような議論もあって、これを削除するとか、あるいはリバイスを検討しなければいけないという議論がされているということもございますので、そのあたりを踏まえますと、必ずしもこの手順書の中に含まなくてもいいのかなと一つ考えた次第でございます。
○山本座長 ありがとうございました。
ということで、内堀委員からの御指摘の御提案の(1)と(2)の部分については、今回は見送るという形にしたいと思いますし、(3)の部分については、原則を加える形で入れてもいいのかなということだと思います。
最初のほうの御提案としては、今後の普及策として導入事例の報告会とか、優良企業の表彰制度などは、また後の議論とさせていただきたいと思います。
その他、この手引書に関しまして、御意見はございますか。
○工藤委員 ホームページにアップされると、いろいろな方がご覧になるかと思うのですが、対象が大変小さな、先ほど池戸先生からも3人以下の企業の方が何%も占めるとおっしゃっていますけれども、そういう方がこれをダウンロードして読んでも一回ではもちろんわからないですから、必ず研修なり、いろいろなトレーニングが必要であると思います。ですから、必ずセットであるべきではないかなと思うのです。
例えば、この手引書を見ますと、わかりやすく書いてあるのですが、登場人物でアドバイザーあるいはドクターとかありますけれども、簡単、単純に見ましても、経営者と立場を変えた専門家が必要なのかなというように想像できますので、やはり、きちんとした説明なり、研修つきの普及ということをお考えになっていただきたいなと思います。この手引書の中に何かそういったことが、業界団体名が入るなり、ホームページのところに入るなり、そんなような検討も今後になるかと思うのですけれどもお考えいただければと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
手引書をただ配布するとか、ホームページに掲載するというだけではなく、普及策としては、講習会等が必要だということと、もう一つは、やはり業界団体ごとの普及というか、そういうものに力を入れていくことが必要なのかと思いますので、厚生労働省としてもその辺の取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
高谷委員、研修会とかに関して御意見ありますか。
○高谷委員 次の(2)のほうがいいのではないかと。
○山本座長 わかりました。では、手引書に関しましては、この程度でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山本座長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、次の議題に移りたいと思います。
議題2は「業態に応じたHACCPの普及について」ということですので、普及の具体的な方策、既に少し意見をいただいておりますけれども、今後の課題ということで考えていかなければいけない問題です。
本日は、これについて御意見をいただきながら議論していきたいと思います。
これについては、本日の検討会のみで結論が出るような案件ではないと考えております。
事務局から資料を説明していただいた後、問題点への対応に当たっての基本的な考え方について、各委員から御意見をいただいて、一定の方向性を見出していきたいと思います。
それでは、事務局から資料3の説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料3の準備をお願いいたします。
「業態に応じたHACCP普及のための基本的考え方」としております。
「HACCP導入が進まない理由として指摘されていること」、これにつきましては、中間取りまとめでも触れられている事項でありますとか、その他一般的に認識されていることをまとめて左側に表の形で書かせていただいているところでございます。
(1)現在、我が国におけるHACCPといえば「総合衛生管理製造過程の承認」を示すという認識が強い。また、HACCPが高度で難しい。多大な資金が必要であるといったような誤解を招いているのではないかという点がございます。
(2)HACCPの知識を有している人が少ない。これは何も事業者内に限らず、導入のためのアドバイザーなども含まれると認識しております。
(3)ですが、記録やその管理に対する工場での人員が不足しているのではないか。
(4)としては、事業者においてHACCP導入によるメリットが感じられていないのではないかといったものがございます。
これらに対しまして、右側のカラムでございますが、基本的な考え方というものを示させていただきました。
1つ目の丸「総合衛生管理製造過程」のみにとらわれることなく、コーデックス委員会が示している原則に則したHACCPの普及を考えるべき。
2つ目。HACCPの7原則の実施のための具体的方法を検討するに当たって「食品の種類や施設の規模」といった業態の実情を十分に考慮すべき。
3つ目。中小規模の事業者にとってもHACCPを導入しやすくするよう、柔軟なHACCPの導入方策を検討すべきであるが、その際も、衛生水準が下がることなく対応できるよう、様々な工夫を行うことが必要とまとめさせていただいております。
これにつきまして、2枚目をご覧いただきたいのですけれども、こちら、今の指摘事項に対応するコーデックスガイドラインにおける規定との関係、さらには検討のポイントをまとめさせていただいたものでございます。
まずは一番上、横に見ていただきたいと思うのですが「HACCP導入が進まない理由として指摘されていること」ということで、マル総にとらわれており「高度で難しい」「多大な資金が必要」という誤解を招いているというものに対しましては、参考となるコーデックスガイドラインの記載ぶりのところでは、コーデックスガイドラインでは、一般的衛生管理が土台にあって、その上でHACCPがあり、これは7原則から成り立っているものですという大原則があるところ、それを活用した上で、一番右側でございます。先ほど御説明させていただいた手引書なり、今後作成予定のDVDなりを使用しつつ、講習会・研修会といったものを実施していきたいと考えております。
そういった中で、マル総イコールHACCPという誤解を解きたいと思っておりまして、あくまでマル総というのは、HACCPをベースにした仕組みであるのですよというものを再認識していただきたいと考えております。
またちょっと飛びますが、一番下の横の列をご覧いただきたいと思います。
左側、食品事業者にHACCP導入によるメリットが感じられていないのではないかというものに対応しましては、真ん中です。HACCPの実施は、食品の安全性を向上させるとともに、その他の大きな利益をもたらすことができるという記載がコーデックスにございます。
これに対して、検討するポイント、右側でございますが、流通事業者及び消費者等を含めた幅広いHACCPの知識の周知、HACCPが持つメリットについて、正しく周知。これについては、一般的に言われているものとしましては、HACCPを導入したことによって、クレームの減少でありますとか、廃棄率の減少、製造動線の短縮ができて、これに伴いランニングコストが下がったとか、あとは製品そのものの消費期限の延長はできたといったようなメリットというものは一般的に言われておりますので、そういったものを周知、さらにはマークや公表についても、中間取りまとめで引き続き議論とされておりますが、これについても、今後、慎重に検討すべきということで、これは今後でよろしいかなと思っている案件でございます。
そして、今回でございますが、真ん中の2つになります。
まずはHACCPの知識を有している人が少ないのではないかという点に対応しましては、施設の規模や食品の種類ごとの製造工程等に応じたHACCPの実施が重要であるというものが原則でございます。
さらに、その下の記録やその管理に要する人員が不足しているのではないかというところでは、ちょっと省略いたしますが、コーデックスガイドラインでは、その柔軟性の部分でそういった規定があるということでございます。
これらを踏まえまして、右側でございます。
ちょっと四角を強調しているところですが、中小規模の事業者がHACCPの7原則を実施するため、
・食品の種類や施設の規模に応じた、
・柔軟なHACCPの導入方法等、
具体的な方策について検討をしてはどうでしょうかという提案でございます。
このまま参考資料の説明をさせていただきます。
次のページ、3枚目をお願いいたします。
一部繰り返しになりますけれども、コーデックスガイドラインでの記載の内容を確認させていただきます。
コーデックスガイドラインにおきましては、下線を引いたところです。
「HACCPを適用する時に、企業にとって柔軟な対応が重要であることが認められているが、すべての7原則がHACCPシステム中に適用されなければならない。この柔軟性には、ヒト及び財源、基本設備、工程、知識および実際上の制限を含む実施作業上の性質と規模を考慮すべきである」と、これは序文に規定されております。
4ページ目をお願いいたします。
同じくコーデックスガイドラインの中には、小規模または発展途上の食品事業者として、略称でSLDBと呼ばれておりますが、これを考慮した記述が書かれております。
まずは、HACCPチームの編成、手順1のところで、現場で当該専門知識が得られない場合についてのこと。さらに手順2の製品説明書の作成においては、複数製品を扱う事業者では、一つにまとめることは効果的な場合もあるというのが書いてあります。
さらには、手順12、原則であれば7の記録と保存方法でございますが、文書化の一環として、その分野別のHACCPガイドみたいなものができ上がっている場合はそれを活用できますよということと、既存の文書業務のものが活用可能であれば、それも使用してはどうでしょうか。いわゆる作業日報などをそのままちょっと改変して利用してはどうかといったようなことかと思います。そういったことが書かれております。
5ページ目をお願いいたします。
こちらはEUのガイダンスをまとめたものでございまして、これは下のほう、小さくちょっと出典的なものが書いてございますが、平成20年度において、厚労省の委託事業として、三菱総研に調査報告をしていただいたものがございますので、そこからまとめを抜粋させていただいた資料でございます。
あくまで、EUでございますが、全ての食品等事業者に対する義務化をしているEUでございますけれども、そこでのEU域内での実情に応じてそれの考え方というものをまとめてというか、規定されているものでございますので、何も我々、まだ義務化もしていない段階で、これを全て何か取り入れようとか、そういう趣旨でこの資料の作成や提示をさせていただいたものではございません。
あくまで、参考という位置づけでご覧いただければと思います。
「柔軟性の適用対象」ということで、ここでは小規模事業者だけではないですよということが書かれております。
さらには2番目「HACCP7原則の柔軟な適用」というところでは、簡略的だが、効果的な方法でHACCP7原則の目的を達成し得るならば、HACCP要件は満たしているものとみなすべきという、独特なものが書かれております。
さらに、次では「一般的衛生管理による代替」ということで、一般的衛生管理によって、危害要因の管理の目的が達成されるような場合、HACCPに基づく手順の義務化は必要ないということが書かれていますが、これはあくまで簡易な業態に対しての適用でございますので、ご覧いただいているように、コーヒーショップとか、他の包装済みの食品を売っているマーケットみたいなところとか、そういったものに対してだけこのようなことが書かれています。
そして「適正規範ガイドの活用」ということで、特に周知の定型的な手順に沿って食品が取り扱われるような食品分野では、必ずしも危害要因の特性の詳細や重要管理点の正式な特定にまで踏み込むことはないということが書かれておりまして、これはいわゆる一般の飲食店、レストランでありますとか、パン屋さんなどがこういったものに該当するとされています。
そして「一般的HACCPガイドの活用」ということで、事業者間に共通点が多々あり、製造工程が線形で危害要因の発生確率が高い次のような食品分野では、危害要因やその管理方法を示した一般的HACCPガイドの活用が適しているということで、と場なり、今回食鳥処理場も入るかと思いますが、そういったようなところにおいては、特異なガイド的なものの活用が適しているとされております。
最後、6ページをお願いいたします。
こちらはHACCP7原則に関する柔軟性の適用のところでございますが、ちょっと文字面上はちょっと突飛かもしれませんが、原則1のところですと、正式な危害要因分析は必ずしも必要ないと柔軟性のところに書いておりますけれども、これについては、成功例のガイド、いわゆる教科書的な、業界HACCP的なものを想定していただければと思うのですが、そういったものがある場合であればということが書かれております。
原則2を飛ばしまして「原則3 管理基準の決定」というところで、管理基準は必ずしも固定的な数字とする必要はないということで、と畜場であれば、と体の糞便汚染ということで、いわゆる見ため的なものですね。こういったものでもいいのではないか。
さらには、加工の際の食品の物理的性質の変化ということで、牛乳であれば、加熱して膜が張ればいいとか、そういったことが書かれております。
原則4の「モニタリング方法の決定」は、モニタリングは単純な方法でもいいですということで、冷凍、冷蔵庫などの温度計を用いた視認による定期的な検証などは、その程度でいいのではないかとか、定期的な測定は必ずしも必要ないということで、特定の調理法や標準的な機器によって標準的な方法で加工される場合、イメージできるのはファストフードのハンバーガー屋さんでの工程とかイメージしていただければいいのかもしれませんが、そういったところでの調理温度の計測というのは、マニュアルに従って画一的に行われているので、そういったものを指すのかなと考えられます。
原則の5と6を飛ばしまして、最後原則の7、食品の安全確保に不可欠なものに限定してよいということで、記録のところですが、例えば視認によるモニタリングの場合、記録は不適合の検知時に限定してもよい。ただ、その場合でも実施した是正措置の記録は必要ですよというようなことが書かれておりまして、記録方法は日報やチェックリストを活用することが適しているとされております。
長くなりましたが、以上でございます。
○山本座長 ありがとうございました。
議論をこれからしていただくわけですけれども、事務局から特に本日議論していただきたいという点については、資料3の2ページ目の中段の右側にあります「『食品の種類や施設の規模に応じた』『柔軟なHACCP導入の方法等』、具体的な方策について検討」ということでございます。
今、手引書を一応8つつくったということですが、中小を対象にすると、まだまだ業界団体はあると思います。
特に、優先順位をつけて導入していかなければいけないようなものがあるのかどうかということについての御意見をいただきたいことと、柔軟な適用というのは、どう考えていったらいいのかということについて、本日は少し議論をしておきたいなと思います。
もちろん、その他御意見ございましたら、それを言っていただいても構わないわけですけれども、特にその2点について御発言をしていただければと思いますが、いかがでしょうか。
高谷委員。
○高谷委員 柔軟なところが大変重要だと思って、コーデックスが2003年に出した柔軟な云々という話と、それを受けて2005年にEU委員会が出した小規模云々のところなのですが、特に、EUのものは大変魅力的なのですね。厚生労働省がこのまま取り入れるつもりはないとおっしゃったのですけれども、ただ、これはよくよく原文で注意書きを読むと、これはEU委員会が承認をしていないのです。DGSANCOが出したこの文章自体は。ただ、これは参考に出したので、これを取り入れるときは、私は責任を負わないから、各自自分で確認しろよとただし書きがあるはずなのです。これをそのまま入れないというのはもちろん大事だと思うのですけれども、大変だけれども、文章が魅力的であるのですね。
それで、たまたま日本食品衛生協会は、毎年海外の食品衛生調査団というのを派遣しておりまして、今年10月末から11月にかけて、今年はEUに行くのです。
EUに行ってくるので、このDGSANCOのところに行って、実際にこの運用がどうしているのだというのを具体的に聞いてこようかと思います。
EU委員会が承認もしていないものが、どうしてこんな文書が出て、お前たち自分で責任を持って確認しろよという文書をつけながら、こういうものを出したのか、どういう運用をしているのかというのは確認をしていきたいと思っているのですけれども、ぜひ私どもはいろいろな経由で農林水産省の方がEUの通商代表部に多分行っている人がいて、その人経由でお願いをしたり、いろいろDGSANCOにコンタクトをとって会うように、今、調整をさせていただいているのですけれども、そこでよくこの趣旨の確認をしていきたいと思って、これが本当にどの程度採用できるのかというのは魅力的なので、そこはしていきたいなと思っているので。ただ、おっしゃるように、7原則は守らなければいけないのだろうと思うのですけれども、7原則12手順というから、19個何かやることがあるのかと、そんなことはないですね。7原則をやるために、12手順があるはずなので、12手順の中にここが原則1です、原則2と出てくるはずだから、そこをうまく説明をしながら普及していかなければだめかなという気はしているのです。
それについては、皆様方の御意見を聞きながら、最後に申し上げたいことがあるのですけれども、実際には、私はEUのこれが魅力的だなと思いながら、ただ、私はこれは保障しないぞというものをただし書きみたいにそのまま使えないよなと思いながら、これは三菱総研、そこまでちゃんと翻訳してくれていると思っているはずなのですけれども、そこを本当はちゃんと言っておいてほしいなと。
以上です。
○山本座長 ありがとうございました。
EUの場合は、義務化が先にあるわけなので、それに対応するためには、全てがちがちで行くと、全部アウトみたいなことになりかねないというところがあるのかなという気もいたします。
○高谷委員 魅力的で。
○山本座長 確かにそうなのですけれども、食品衛生法でも食品事業者が守るべきことという形でやっているわけなので、違反すればアウトになるのですけれども、なかなか柔軟な対応はこれをやらなくていいのだよというやり方では、7つあったら6つまでやればいいのだよというのが柔軟ではなくて、その中身を工夫することが柔軟なのだと思います。
ですから、例えば、クリティカル・リミットを決めるときの方法で、数値であることが望ましいとか書いてありますけれども、あとは連続的にというようなモニタリングのポイントの話もありますが、そういったときにも、何も数値だけが唯一のものではないというような運用の仕方とか、そういうものを特にと畜場などで導入しようと思えば、数値であらわせないことは結構あると思います。
そういったことかなと思いますが、ほかに何か柔軟性もしくは業態ごとのこういった特殊性というものがあるとか、それから監視する立場としてこんなことが必要かなというのがあれば、御意見をいただければと思いますが、田崎さん、いかがでしょう。
○田崎委員 今の高谷委員の大変魅力的という御意見がありましたが、私もこれについては共感する点がございます。
食品を取り扱う事業者の皆様は、その多くが小規模飲食店が大多数でございます。リスクファクターが非常に多い事業者が多い一方で、このHACCP導入については、この際、柔軟性がどこまで適用できるかというのがやはりポイントになると考えます。食品調理とか製造過程にかかわる危害要因を考慮してHACCPに基づく手順の簡略化がどこまでできるのかというところが、今後自治体がこの制度を進めていくうえで重要なポイントになるのではないかと考えます。
次に、この制度をどのように普及させるかという点です。実効性を担保するという意味で、具体例を示させていただきます。
各自治体でも様々な認証制度を導入していますが、必ずしも継続という点では難しいという自治体が多いと感じます。
そこでの課題は何かというと、まず、そこの店にあったマニュアルづくりが非常に大変だったというのと、もう一つは、そのマニュアルづくりを普遍的に、恒久的に記録していくことは結構な困難が伴うことです。ある程度集約された記録であればいいのですけれども、全て記録していかなければいけないところで結構厳しい点がございます。
また、飲食店・販売店でも、多くの施設は汚染区域と非汚染区域が混在していますので、そこら辺をきれいにクリアに整理し、容認できるような仕組みが必要ですが、それがどこまで許されるのかということがポイントになってくると思っています。
総合して申し上げれば、先ほど、手引書を作って頂けるとお話がありましたが、大手の業界の方は大体わかっていらっしゃると思うのですけれども、小規模事業者を視点におくと、手引書のつくり方が非常に難しいのかなということです。我々、指導する立場としては、この手引書を使って指導するわけですので、重々検討した上で作成していただきたいと思っています。
そういう意味では、行政、各業界、関連協会からの実施可能レベルの目線で意見をお聞きすることが重要だと考えています。
以上です。
○山本座長 今回できた8つの手引書以外のところで、導入していかなければいけないということになると、どの辺が今後さらに広がるのかなということなのですけれども、何か御意見ございますか。
五十君先生。
○五十君委員 特に先ほどの参考資料ではなくて、資料3の5ページのEUの先ほど魅力的だったというところに出てくるのですけれども、一般的衛生管理、それとの位置関係を少し議論する場を設けないといけないと思いました。特に今のような項目、幾つかつくっていただいた手引書のほうは問題ないと思うのですけれども、ここに例示されているような小規模等々の食品を扱うところに関しては、一般的衛生管理でどこのところがだめなのかという、その辺をきちんと整理していかないと、そのあたりの業種に関しての導入をどうするかというのが見えてこないのではないかと思います。
○山本座長 なかなか個別具体的にというと、議論が難しいのですけれども、結局、一般的衛生管理でこうこうしなさい、ああしなさいということを8つの項目についていろいろ書かれてはいるのですね。ガイドラインとして管理運営基準の中にも出ています。
ただ、そこでもう一つつくっておかなければいけないのだろうと思うことがありまして、ではその一般的衛生管理で最低限達成すべき目標は何なのだと、どういう状態になければいけないのかというのが示されているのかなと、要するにGMPというのが、こうすべきよだけれども、こうしたらこうなります。その状態というのはどんな状態なのですかというのを示してあげる必要はないのかということですけれども、それはいかがなものなのでしょうね。
高谷委員、何かありますか。
○高谷委員 ここでEUが言っている5ページのところの「一般的衛生管理による代替」のところで、ここで言っている小規模の小売店だとか、飲食を提供するようなところというのは、基本的にはHACCPになじむかなじまないかというのが1つあるのだろうと思うのですけれども、だからHACCPで衛生管理をきちんとするというのは、総合衛生管理製造過程でも説明していたと思うのですが、最終製品を1個ずつ検査しなくてもいいのだぞという、衛生管理をしっかりそこでやっているからということからすれば、ある程度製造業であるとか、大量調理施設であるとか、そういう意味では弁当屋さんとか、そういうところに適用していくのであって、一般的なレストランみたいなところにHACCPだよと大上段にかぶって、何かさせるかという話は、大変厳しい話があるのだろうと思うのです。
先ほど、田崎委員がおっしゃったように、リスクがいっぱいあるようなのだ。CCPだらけではないかという話になってしまうのではないかなと思って、そこは今のやっているガイドラインのものと施設基準と合わせれば、きちんと衛生管理はできるという認識に立っていいのではないかと思うのです。
そういう教育の仕方を今後は我々が教育の仕方というか、そういう講習会等でしっかりと話してくるべきではないかなと思っています。
余り何でもかんでも飲食店を含めてしまってHACCPをやっていますよと大上段で胸を張って言えるかというのは、うーんとうなるのですけれども、国がどうしてもそうしたいというなら、そういう考えを持たざるを得ないと思うのですけれども、多分、何年か後に開催される東京オリンピックを目標にしながら、日本のレストランも含めて安心ですよ、こういう管理をしていますからということを打ち出していこうとすれば、何かやっているということを言わなければいけないのだろうと思うのですけれども、それは一般的衛生管理、今の施設基準の話と、管理運営基準の話で一番いいのかなと。
ただ、残念なのは、施設基準をつくるときに、管理運営基準を念頭に施設基準をつくっているかと言ったら、そんなことはないから。ばらばらにつくってしまったので、恐らく施設基準に合っていても、管理運営基準に適用しようと思ったら、おいちょっとそこ無理だよねという話が出てきているので、そこは柔軟的にどう対応してあげるかなというのが1つあるのだろうと思うのです。そこのことを今後はそういうレストランであるとか、飲食店であるとか、そういうところに考えてあげればいいのだろうと思って、今回は私の考えは、これで進めようとするのは、少なくとも小規模とか、そういうところの製造業的なところを、大量調理施設みたいな弁当屋さんとか、そういうところをターゲットに絞ってやっていけばいいのかなという気はしているのです。
○山本座長 ありがとうございました。
事務局、何か意見ありますか。
○事務局 今、御指摘いただいたことに関してなのですけれども、柔軟性と一口に言っても、いろいろな捉え方があろうかと思うので、そういう1つは前回、中間取りまとめの際に、この場でも御議論いただいたように、いかにきめ細かに指導をしていくかということがまさに言いかえれば、それが柔軟性だと思うわけでありまして、事例として紹介の中でもあったように、チームひとつをつくるに当たっても、なかなか人材がいないといった場合には、それは外部の人材を借りることができるということはコーデックスガイドラインの中でも書いているわけでありまして、そういう意味での支援をやっていくというのも具体的な柔軟性の一つであると思いますし、今、御指摘あったように、その業態、まさにここに書いてあるように、業態と一口に書いておりますけれども、業態と食品の種類であったり、事業者の規模等々を切り口に考えたときに、やはり小規模に対しては、どのように適用していくかということもありますし、食品製造の形態、メーカーなのか、あるいは流通に近いものなのか、飲食店なのかといったところで、やはり変わってくるわけであります。
今回の基準の対象というのは、食品等事業者ということで、幅広く対象を広げているわけでありますけれども、やはりそこは優先順位というものがありましょうから、まずはメーカーということで、ガイドライン、手引書もそういう形で進んでいくようになるわけでありますけれども、御指摘いただいたようなメーカーサイドから導入を図っていくということでありまして、メーカーからどう広く飲食店とか、業態を問わず広げていくかというところは、さらにHACCPそのものなのか、あるいは少し考え方という形で入れていくべきなのかといったところは、この場でも今後議論をしていただければなと思っているところであります。
○山本座長 ありがとうございます。
なかなか柔軟性という議論が難しいところがあるのですけれども、高谷委員から御指摘があったように、施設基準と管理運営基準の乖離している部分とか、そういうところがあるところに理解が難しいところが出てくる部分もあるのかなと思いますので、今後、その辺の整合性の見直しみたいなこともあわせて事務局のほうで検討しておいていただければなと思いますのと、確かに、今回取り上げた8品目以外には、かなり広域流通するものというものが含まれているわけなので、それ以外のものというと、やはり大量調理施設を含むそういうレストランチェーン的なものがそこの中には含まれているだろうと思いますし、ほかにといいますと、日本独自で言えば、麺類関係は結構独自の取り組みはされているのかなという気はするのですけれども、これからちゃんとやっていっていただきたいところでもあります。
ほかに何か。池戸先生。
○池戸委員 先ほどの議論になっています柔軟性のお話と、それから先ほど中小規模のところが圧倒的に多いというところをどうするかというところが重要だと思います。
最初に、HACCPの普及ありきという話ではなくて、上からの押しつけではなくて、その主体の方々がこのメリットを感じて実施していくというのをどうやってやるかという話だと思うのです。
それで、見方は体制をどうするかという話とやり方をどうするか。
体制の話は、先ほどペーパーで内堀委員が出されてきた自治体の業界の役割を明確にすべきという言い方は、私としては、これは逆に言うと両者の連携をいかにやっていくかという、そういう前向きの考え方でやはりやるべきだと思うのです。やはり、先ほどお話に出ましたように、柔軟性と言うのは、ある意味では現場の実態、状況を踏まえた対応ということだと思います。
これも非常に千差万別で、多分、この通知を踏まえて、保健所のほうがこれに基づいていろいろと現場のほうに普及、指導しろというと、反応を得ることによって、ますます状況が実態がわかってくる部分もあると思うのですね。それに対応した、現場の状況に応じたこちらのやり方も柔軟性を持ったやり方をやはりやるべきではないかと思っています。
それで、EUのほうも、私も以前、行ったときは、まだ原則が例のコーデックスの7原則ではなくて、5原則の義務化の範囲にまだ記録なども入っていないその時期でして、あそこは義務化とはいえども、やはり誘導行政というのですかね。おじいさん、おばあさんのピザ屋さんなども対象にしていますので、そうすると、そういったところにHACCPと言った途端にもうわけがわからないというような状況の中で苦慮されていて、したがって、行政の方も「今度チェック・指導に来るときは、このぐらいはやってください」みたいな、そういう指導のやり方をやっていると言っていました。それで、言い方がちょっと正確にどういう言い方だったか忘れましたが、「我々はHACCPの義務化ではなくてHACCPの原理(Principle)の義務化をしているのだ」ということでした。つまり、7原則の中で、どこが危なくて、どこを監視すればいいかみたいな、そういう基本的な理解について柔軟性をもって助言する部分かなと。特に我が国の場合は、義務化ではないわけですから、助言という形でいかに誘導していってあげるかという、そういうような取り組みがやはり必要かと思います。
それから、あとこの8分野以外でどうかというと、食中毒統計によれば、業態別では、やはり飲食店が圧倒的に45%以上ありますね。そこをHACCPがいいのか、本当に5Sみたいな形でいくのか、それも含めて、やはり実態としては、そういう事故を多く起こしている分野については、常に頭に置いて指導していく必要があるのではないかなと考えております。
以上です。
○山本座長 ありがとうございました。
確かにEUというか、ヨーロッパが導入したときには、最初、義務化の場合でも、記録がないとか、検証がないというようなところでやっていたと思うのですけれども、コーデックスの議論の中で、やはりそれをHACCPと呼ばないというお話になりまして、それで7原則まで持っていくということで変わった経緯はあったと思います。
ただ、そのときに、それをがちがちに適用するのではないという方向性をもって、うまく誘導していったのではないかと思います。
ほかに御意見ございますか。
どうぞ。
○川向参考人 柔軟性のところに関しては、HACCPの基本は、それぞれの施設の状況に応じて管理を行う、いわば「自主衛生管理」というところであり、中小零細企業が自主的に実施いただくために、やはり必要な考え方ではあるかなと思っていますが、私たち食産センターとして特にどうするのが最適かということについて、具体的な案というのは持っていないのが現状であります。
ただ、現場の実態に応じた細かな指導というところに関して言えば、事業者の立場に立って現場に入り込んで親身に指導するコーチあるいはファシリテーターの確保、プール化や派遣の仕組みのようなものが必要になっていくのではないかと考えています。例えば、中小企業庁の中小企業支援機構とか、厚労省さんの行われている職業訓練事業のような仕組みのようなものが必要になってくるのではないかと思います。
以上です。
○山本座長 ありがとうございます。
厚労省主体になるというわけではなく、全体的にどう進めていくかということなのですけれども、やはり、いろいろな活用、業界団体の活用の仕方もあると思いますが、全国組織としては、高谷委員のおられる食品衛生協会等も大いにそういう普及活動の一部を担っていただくことにはなると思いますし、食品産業センターもそういうことで事業をやっておられると思います。
やはり池戸委員がおっしゃったように、官民の協力のもとでやっていって普及していくという協力体制が必要なのかなという御意見だったと思います。
高谷委員、どうぞ。
○高谷委員 委員長から名前を出していただいたので、ちょっと食協の宣伝をさせていただきます。そういう意味ではなくて、基本的に行政は行政でやることがあって、いかに都道府県、保健所の末端の食品衛生監視員まで、今回の趣旨を全国統一してやっていただくためにもそれぞれ丁寧に説明をしていただく必要があると思うのです。
今までも、皆さん方のお耳に届いていると思うのですが、都道府県によっては、管理運営基準の運用の仕方も都道府県によっては違うので、全国展開しているチェーン店みたいなところは、あちらの県ではいいと言っていたけれどもこちらの県ではだめだと言われたということもあり、そういうことが起きると、今回のHACCPの普及もやる以前よりもっと悪くなってしまうということになるので、そうならないようにしっかりと教育をしていただかなければいけない。それに力を注いでいると、事業者のほうまでとても回ってこないということになると思うのです。
私どもの全国組織でございますので、ある県においては営業許可の事務手続については、お手伝いをさせていただいている食品衛生協会もあります。
このように、行政と協力をしながら、許可を下ろすのではないですよ。事務手続のお手伝いをさせていただいている食協もあるものですから、行政との協力が大変つながりが強いということもあって、私どもは、そういう意味では、この食品の衛生管理については、やはり食品衛生監視員、プロでなければ無理だと思うのです。
という意味では、卒業生が大分いるはずなので、食品衛生監視員のOBを使って、こういうことのきちんとした衛生管理のお手伝いをしていただくというのは、大変重要だと思うのです。
そういう方々は、地方の食品衛生協会と結びつきが強いですから、ぜひ彼らを使って、コンサルタントをできるようなことをしていただかなければいけないなと思いまして、私どもは、そういう方々を使って、全国のそれぞれの食品衛生協会を軸にして、事業者の方々に役所が都道府県に使う資料、同じものを使って、事業者にも認識をしてもらうということが大事ではないかなと。両者が同じ認識の上に立って、それぞれ衛生管理を進めていく、ひいてはHACCPの取得につながるということをしたいと思います。働かせていただきたいと思いますので、ぜひ食品衛生協会を活用していただいて、今のような推進をしていただければと思っております。
○山本座長 ありがとうございました。
特に、やはり食品衛生監視員を今後どうしていくのかというのは、理解をちゃんと統一させていかなければいけないだろうということとOBの活用ですね。そういったところで、全国的な組織である食品衛生協会、またそれ以外の業界団体もあると思いますので、そういったところとの協力のもとに、同じ土俵に立って、同じ目線で、しかも知識としても同等のものを得られるような形にしていかないと、日本が本当にHACCPをやろうと言ったはいいけれども、全く違ったものをやっていたみたいなことにならないようにしていきたいなと、それはぜひ事務局のほうにもよろしく教育体制を整えていただくようにお願いしたいと思います。
○山本座長 大澤委員、どうぞ。
○大澤委員 柔軟性の部分について、池戸委員からも意見があったように、恐らく、現場は、様々な現場があり、同じ食材をつくっていても、機械が違っていたり、ラインが違っていたり、設備が違っていたり、工程が若干違っていたりとか、現場現場のやり方というものを見ていくというのも柔軟性の一つなのかなと思いました。
あと、時間軸のところが、このツールから見ると、10ページで工場長が「1年間努力するか」という言葉が入っています。上のほうに、一般衛生管理プログラムで5Sを1年間月1でマニュアルをつくっていきましょうと書いてあります。これは、次のページ以降のHACCPの手順へのステップなのか、または同時並行なのかという考えも出てくると思いました。その様な時間軸の融通性、柔軟性というものも必要かと思いました。
それと、導入したいと思う気持ち、HACCPについての認知度、一般衛生管理についての認知度も差があると思いますので、その認知によっても、少し時間や、導入規模もずれてくると感じました。また、ツールの中で登場人物として、アドバイザーというのが登場していますが、これを見て、やはりアドバイザーがいなくてはだめなのかという認知になるかもしれません。自力でと初めに書いていますから、自助努力でやるのですが、初めての方は、アドバイザーのような人がいると、やりやすいと思われると感じました。そうすると、先ほどから出ているような指導というか、教える方がやはり必要になってくるのかと思いました。
教える方も、現場の内容を知った上で、一緒になって組み立てられるということが非常に重要で、先ほど工藤委員からセミナーという話がありました、一緒にやっていただける知識を持った方という形が普及に対しては差が出てくると感じました。
それと、あと高谷委員の協会の御協力とかもあるのですけれども、食品のHACCPだけではなくて、全体的な管理や、安全管理や、生産管理という事業が、厚労省だけではなく、各都道府県、業界団体、学校、協会、もしくは、本日も農林水産省が来られていますが、他省庁の、同様で、同じ目的を持った施策の中にもこのツールを導入していただいてHACCPをそこに組み込むであるとかの、連携をやっていっていただければと思います。
各所が、それぞれが対象者に向かって行うより、一本化された方が受け手が1つの目的で見られることも大事だと思いました。
○山本座長 ありがとうございました。
確かに導入していく上で、順番をどうするのかということはあると思うのですけれども、基本的にはどうなのでしょうね。5Sの部分は当然できていないと、その上にCCPを乗せなければいけない話なのでしょうから、同時並行でもいいのですけれども、最低限そこは一般的衛生管理はできていないと難しいのかなということですね。
だから、企業の中にアドバイザーは必ず必要かというと、確かにいたほうが便利なのですけれども、どうでしょう。そのつど必要に応じてという形で求められるような体制ですか。どこに聞きにいけばいいのというのがちゃんとわかるような形になっていれば、ある程度いいのかなと。
やはり、基本、最初は自分である程度は勉強していかないと、ただ単に教えられただけでやっていたって実践はできないだろうということだと思います。
いろいろな業界があると思うのですけれども、例えば、レストランなどにしても、そのレストランでの作り方をレシピをちょっと変えただけでもリスクの程度が変わってくるというものが食品にはありますので、その辺、やはりレディメードもあるのですけれども、オーダーメードでHACCPはつくり上げていけないのだろうなというところもそこは勉強していただかないと難しいだろうなと思いますね。
一般的に、ジェネリックモデルというものは提示するものはあったとしても、自分のところにやはり適応したHACCPをちゃんと構築していただくようなレベルを将来的には目指していくということで、今、一足飛びにそこに行くというのは難しいでしょうから、両方、公的な機関とあとは民間との協力のもとで進めていくという、そういう意識、方向性、そういう意欲をみんなで持っていただくような形でまずは周知していくということだと思っております。
大澤委員からの意見も大体そういうところかなと感じました。
ほかにございますか。
もう大分時間がたってきましたけれども、事務局、どうぞ。
○事務局 きょうは有益な御意見をいただきまして、大変ありがとうございます。
実は、来週、28日ですけれども、全国の自治体方々に集まっていただいて、毎年これはやっているのですけれども、食品安全行政講習会というものを予定しております。今年はHACCPについて、このように非常に大きな動きがございますので、今回の講習会はこのHACCPを中心に、全国の自治体の方々への研修の計画をしています。
その中で、きょう御議論いただきました手引書についても、自治体のほうからはガイドラインは改正されたけれども、その後、実際に監視指導するときのツールを早くつくってくれという要望の声が強かったものですから、これを早速、全国の自治体のほうに周知をしたいと考えています。
これを周知することによって、ある程度統一的な指導の一助にはなるのかなと考えています。それから柔軟性についてもいろいろ御議論いただきました。なかなか一足飛びにEU並みのことというのは、難しいのかなというのはきょうの印象でございますが、さはさりとてコーデックスで規定されているようなところについては、盛り込むことができるのかと思います。一部既に施行通知であるとか、この手引書の中でも盛り込んでおりますけれども、そういったあたりを周知していきたいと思っております。
それから、行政だけが周知をする、普及をするというものは、やはり限界がございますので、そこは業界団体とも目線を合わせながら、協力しながら連携を強化しながら今後とも進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○山本座長 どうもありがとうございました。
資料3に基づいた議論というのは、そろそろ時間が来ておりますので、このあたりにしようかと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山本座長 それでは、議題3「その他」とありますけれども、事務局、何かございますか。
特にございませんか。
それでは、全体を通してもし言い忘れたこととかがございましたら、御意見をと思いますけれども、よろしいですか。
一点、ではどうぞ。
○田崎委員 済みません。農水省の方がいらっしゃいますので、ご質問させていただきます。国内規格HACCPの信頼性を高めるために、国内規格を3つのグループに再編して、最上位のグループをGFSIの基準に沿って、新たな日本初の規格をつくるという、そういった動きがあると聞いております。その内容についてお伺いできればというのが1点と。
それから、HACCPの関係で、厚生労働省が新たな仕組みをつくっていく中で、農林水産省、水産庁もたしか検討されていますが、そういったそれぞれの省庁で、一見するとそれぞれが個別に衛生管理の認証システムを作っているように感じます。それにより「さまざまな自主的衛生管理が行政主導で行われている」と一般的にはとらえられるのでないかと思っています。
その結果、自治体やさらに業界も混乱しますし、そこら辺の調整というのは、今後、どのように進めていくのか、もし情報があればお聞かせ願いたいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○山本座長 ではお願いします。
○農林水産省横田室長 農林水産省の食糧産業局の食品企業行動室、横田と申します。
先ほど、1点目ですけれども、認証の仕組みをつくるというお話は、今年の5月からこれは民間の取引の中で、いろいろな認証の仕組みというものが求められているという現状がございますので、それに対応した、なおかつ国際的にも通用するような認証の仕組みというものが要るのではないかということで、議論をしておりまして、今月の8日に報告書ということで、検討会の報告書を公表させていただいているということです。
そこで言われているのは、3点ございまして、1つはまさに取引上で使えるような認証のスキームを構築していこうと、特になかなかいろいろHACCPというものが先ほどちょっと御指摘がありました水産庁のHACCPとか、いろいろあるのですけれども、ちょっとレギュレーションとしてのHACCPとは別に、取引上使えるようなもので統一したものを官民でつくっていこうという点が1点。
もう一つは、本日のお話でもありましたけれども、HACCPの普及だとか、あるいは事業者さんの中での専門的な知識を有した人たちの育成だとか、あるいはもう少し海外も含めてデファクトのスタンダードができつつありますので、そういうところで意見をちゃんと言っていけるような人材を育成していこうというようなこと。
もう一つは、海外にも日本としていろいろな衛生管理だとか、HACCPの取り組みをしているということをきちんと情報発信していこうという3点をまとめて、これを具体的にしていきましょうということにしております。
それをやっていくに当たっては、今、こちらで議論されている厚生労働省さんのHACCP導入型基準だとか、あと本日議論されているいろいろな手引書だとか、そういうところも当然参考にさせていただいて、そごのないような形で整備をしていきたいと考えております。
水産庁のHACCPという話がございましたけれども、輸出の段階で各国から求められてくるHACCPの基準というものがありまして、それに対しては、やはり各国に対して求められるものを対応していかなければいけないというところはあると思うのですけれども、なるべくそういうところの基準なども加味しながら取引の中で使えるような認証の仕組みというものができたらいいなと考えております。
そのあたりを関係者の皆様、いろいろ御意見をいただきながら、なるべく事業者さんにあれもこれもという負担の生じないように進めていきたいと思いますので、ぜひ御協力をお願いいたします。
○山本座長 ありがとうございました。
厚生労働省と農林水産省のやっていくことが乖離しないように調整をよくしていただきながら進めていただければと思っております。
それでは、よろしいでしょうか。
これできょうの議論は終わりにしたいと思いますけれども、今後の予定について、事務局からお願いします。
○事務局 次回につきましては、いわゆる柔軟性の部分のまとめ的なものができればと考えております。別途、日程調整をさせていただいた上で、開催を決めさせていただきたいと思います。
○山本座長 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。
長時間、ありがとうございました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及のための検討会> 第4回 食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及のための検討会(2014年8月19日)