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2013年3月29日 第19回チーム医療推進会議 議事録

医政局医事課

○日時

平成25年3月29日(金)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 専用第23会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

○特定行為に係る看護師の研修制度(案)について
○その他

○議事

○永井座長 時間になりましたので、ただいまから「第19回チーム医療推進会議」を始めさせていただきます。委員の皆様方には、本日はお忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございます。
 では、事務局から委員の出席状況と資料の確認をお願いいたします。
○簑原医事課長補佐 まず、委員の出欠状況ですが、本日は北村委員から御欠席との御連絡をいただいております。また、安部委員が少し遅れられているということです。その他の委員の方は皆様御出席いただく予定になっております。
 お手元の資料の確認をさせていただきます。まず「チーム医療推進会議の開催要綱」です。資料1として「チーム医療推進会議報告書案(修正案)」、資料2-1として「チーム医療推進方策検討WGの今後の進め方」、資料2-2として「チーム医療のための看護業務検討WGの今後の進め方」、参考資料1「指定研修を修了した看護師の登録方法について(案)」、参考資料2「診療の補助における特定行為(案)について」、参考資料3「具体的指示・包括的指示が行われてから診療の補助が行われるまでの流れについて(案)」、参考資料4「第18回チーム医療推進会議における委員の主なご意見」、参考資料5「看護師が受ける研修に関する規定について」、参考資料6「参照条文」、参考資料7「チーム医療の推進に関する検討会報告書(平成22年3月19日)」、参考資料8「看護師特定能力認証制度骨子(案)に対する意見(平成23年12月7日)」です。落丁等ございましたら、事務局にお申し付けください。以上です。
○永井座長 特定行為に係る看護師の研修制度案の議案について、今日は御議論いただきますのでよろしくお願いします。前回、報告書の案について御議論いただきましたが、その御意見を踏まえて、事務局に報告書の修正案を作成していただきました。本日は修正案について御議論をいただき、本推進会議としての取りまとめを行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。まず、事務局から報告書案の修正部分について、資料の説明をお願いいたします。
○簑原医事課長補佐 御説明させていただきます。資料1を御覧ください。1枚目です。中段に、先日の議論で診療の補助の個々の行為について、絶対的医行為か、診療の補助の範囲かということについて、各委員の間でも意見の相違がありましたので、その旨を追記をさせていただいております。委員の大勢としては、そのような意見の相違を踏まえ、本制度の確立がチーム医療の推進を図り、医療安全の確保に資するという考え方の下、別添の「特定行為に係る看護師の研修制度(案)」についておおむね妥当という形に修正をさせていただいております。
 藤川委員、片田委員からそれぞれ御意見をいただきましたので、その旨を追記させていただいています。日本医師会代表の委員からはチーム医療の推進、医療安全の確保の観点から、多くの問題点があるとして現行の案には反対との意見があった。また、日本看護系大学協議会代表の委員からは、特定行為の内容、研修制度のあり方について十分に審議の上、制度化を判断すべきとの意見があったとしています。
 その次の行に「課題の更なる検討」というように修正をさせていただいています。
 前回、今後制度案を作っていく中で、細かい具体的な内容のところは、どこでどういう議論をするのかということがありましたので、その旨を最後に追記をさせていただいています。
 また、本制度の施行までの間における具体的内容の検討に当たっては、研修を修了した看護師に対する医療現場のニーズを踏まえながら、特定行為の内容及びその領域、それに応じた研修の枠組み、実施方法等が審議会において十分に審議されるべきという形で追記をさせていただいています。
 別添の「特定行為に係る看護師の研修制度(案)」のところは、特段の修正はしておりません。別紙1という形で「特定行為に係る看護師の研修制度の創設に当たって」というのも、特段修正をしておりません。
 一番最後、別紙2です。こちらは前回、藤川委員から御意見がありました内容、「特定行為に係る看護師の研修制度(案)に対する日本医師会の意見」です。
 1.日進月歩の医療現場にあって、特定行為を法令で定めることは現実的ではなく、チーム医療を阻害するおそれがある。
 2.医師の指示の内容は、患者の病態、診療の補助の内容、看護師の業務経験等によって判断されるものであり、医療現場において医師の指示を「包括的指示」と「具体的指示」に明確に区別することは困難である。
 3.技術的、あるいは判断の難易度が高い行為については、医師の具体的な指示を受けて行うことが医療安全上望ましいものであり、研修を受けて実施することは今までどおり当然のことである。
 4.看護業務検討ワーキンググループにおいて取りまとめられた「診療の補助における特定行為(案)」の中には、特定行為に限らず一般の診療の補助行為にもリスクの高い行為が含まれており、医療安全の観点から、これらも医師の具体的な指示を受けて行うべきである。
 5.それぞれの現場が必要とする領域や行為によって、様々な内容の研修が想定されるものであり、その修了を看護師籍に登録すべき必要性はなく、研修施設が修了証を発行することで足りる。
 6.チーム医療の原点は、国家資格で認められた各職種の業務の質の向上に尽きる。医師のメディカルコントロールの下に、医療安全を確保することが重要である、という別紙2を追加をさせていただいています。説明は以上です。
○永井座長 ただいま御説明いただいた報告書(案)の修正案について、御質問、御意見をいただきます。いかがでしょうか。
 報告書としては、この別添及び別紙1、別紙2を付けたものが報告書ということでしょうか。
○簑原医事課長補佐 はい、そうなります。
○永井座長 いかがでしょうか。
○宮村委員 報告書は、それぞれ、どれが報告書ですか。ちょっともう1回教えていただけますか。
○永井座長 2枚つづりの裏表にあります、資料1、裏の別添、2枚目の別紙1、裏の別紙2です。
○宮村委員 分かりました。
○永井座長 これが報告書です。
○藤本委員 資料1、一番最初の文章のところに、研修を終えた看護師の看護師籍に登録するのか、あるいは研修修了証で足りるのかという議論があったと思うのですが、そのことについては、「今後の課題」に含まれているというように考えてよろしいのですか。文章として明記されていないので、その辺を伺いたいのですが。
○永井座長 事務局、いかがでしょうか。
○簑原医事課長補佐 まず1枚目を御覧ください。下線を引いてある所の中段ですが、「そのような意見の相違を踏まえ、本制度の確立が、チーム医療の推進を図り、医療安全の確保にも資するという考え方の下」、裏の別添の内容について、委員の大勢はおおむね妥当との意見であったということですので、委員の大勢としては、一番下の、御質問いただいた看護師籍に登録をするということについて、おおむね妥当であるという内容にさせていただいています。
○藤本委員 そうすると、今後の検討課題ではなくて、このように決まったというように受け止めていいのでしょうか。
○簑原医事課長補佐 委員の大勢の御意見としてはそう決まったという形になると思います。
○藤川委員 資料1の1枚目に、日本医師会の意見を書かせていただいて、4枚目にも書かせていただいているのですが、この答申案の内容は、両論併記であるということの意味で書いていただきました。両論併記ですので、この問題に関してもまだ議論が進んでいるというような認識をしております。それでよろしいでしょうか。
○簑原医事課長補佐 報告書の案といたしましては、委員の大勢としましては、別添の内容についてはおおむね妥当という御意見で、医師会の御意見としては反対の意見があったという形で、そういう両者の意見があったということになっています。
○永井座長 御意見いかがでしょうか。
○大久保委員 資料1の1ページ目の真ん中に、日本看護系大学協議会のご意見が書かれておりますが、日本看護系大学の中にも、やはりこの研修制度を推進したいと考えている大学も少なくありません。実際、養成調査試行事業で既に教育を始めている看護系大学院も7校ございます。日本看護協会としては、推進したいという考えを持っていらっしゃいます看護系大学、大学院と協力して、この制度を進めていきたいと考えております。
○永井座長 ここは片田委員の意見を記載したということだと思います。
○片田委員 私は組織代表として出てきておりますので、ここに書かれているのは、代表の委員からという意見でございます。そのことに関して看護界の状況の中で、私は看護協会の会員でもございます。そういうような意味合いも含めて、ここに表記されているとおりということで御理解いただければと思います。
○藤川委員 委員の方にも全員に届いていると思います。いろいろな病院の看護師たちからこの研修制度に対する反対意見の署名がたくさん来ました。この中には日赤や労災病院など様々な大病院の看護師さんたちから、この制度に関してはまだまだ問題があるということで反対の意見があるということです。全ての委員の方に送られたのではないかと思います、各委員と書いてありましたので。現場において日赤、医労連、日本看護学校協議会等、地域の看護協会の現場の人たちに聞いても、やはり看護界の中で非常に反対が多いということが我々の調査でも分かっています。まだまだこの議論は続けないと、チーム医療は現場で混乱をするということです。一部の推進派の意見だけでは現場は混乱するのではないかというのが、日本医師会の見解です。
○永井座長 ほかにいかがでしょうか。もし訂正等御意見がございませんでしたら、取りあえず最終案ということでよろしいでしょうか。御異議ございませんでしょうか。
○安部委員 異議ではなく1つ質問というか、イメージを教えていただきたいのですが、別添の資料の2ページに、「看護師籍に登録」という記載があります。この下の※の所に、「看護師籍への登録は、あくまで研修を修了したことを確認するものである」と書いているのですが、これは登録証が看護師個人に渡される。また。籍に何かしらの修了して登録してある旨が付くというイメージだと思うのですが、これは例えば医師や薬剤師、歯科医師場合、インターネットで資格確認ができるのですが、看護師の方は研修を受けて登録をしたときに、そのような仕組みは今後お作りになるというイメージなのでしょうか。それともこれまでどおりということなのですか。
○簑原医事課長補佐 今の点につきましては、研修修了後の登録をしたあと、インターネットで籍の内容について分かるようにするということについて、今後、検討させていただきたいと思います。
○安部委員 今後の検討課題ということですね。
○簑原医事課長補佐 はい。
○永井座長 ほかに御質問ございませんか。それでは、この最終案で取りまとめとしてよろしいでしょうか。
                (異議なし)
○永井座長 御異議ございませんので、本推進会議としては、特定行為に係る看護師の研修制度案について、本報告書の内容で取りまとめとさせていただきます。ありがとうございました。
 この会議は平成21年8月以降、3年以上にわたり議論してまいりました。先生方には様々な御意見の中で何とか報告書として取りまとめさせていただきましたことを、各委員の皆様に御礼を申し上げたいと思います。今後、厚生労働省におかれましては、本推進会議の報告書を踏まえて、制度化に向けた検討、また更なる調整を進めていただきたくお願い申し上げます。では、今後のスケジュール等について事務局から御説明をお願いいたします。
○簑原医事課長補佐 資料2-1と資料2-2を御覧ください。資料2-1ですが、今まで3年半、看護師の関係の検討をしていただきましたが、看護師以外の各医療関係職種の方々のチーム医療の関係も、当然課題としてはありますので、そういったことも、チーム医療方策検討ワーキンググループのほうで議論をしていく必要があるということで、4月以降、ヒアリング等をさせていただきながら、業務範囲の内容について具体的に議論するというような案を作成させていただいております。
 資料2-2です。今、報告書を取りまとめいただきましたが、特定行為の内容や研修の枠組等に関しましては、引き続き御議論いただく必要がある部分もあろうかと思いますので、そういった具体的内容について、看護業務検討ワーキンググループで4月以降も引き続き御議論をいただきたいという形にさせていただいております。以上です。
○永井座長 ありがとうございました。本推進会議としての報告書が取りまとまりましたので、最後に医政局長から、一言御挨拶をお願いいたします。
○原医政局長 今回、特定行為に係る看護師の研修制度案について、推進会議として報告書を取りまとめていただいてありがとうございます。3年にわたる議論の過程で、様々な観点から御議論をいただきました。本日の報告書の取りまとめに当たりましても、委員のそれぞれの方々の御意見を、できるだけくんだ形で、まとめられたと思っておりまして、改めて感謝を申し上げます。
 座長の永井先生、またワーキンググループの有賀先生におかれましては、特にワーキンググループは回数を重ね、本当に御尽力いただきまして感謝を申し上げる次第です。このまとめていただきました研修制度案について、厚生労働省として制度化に向けて、これから作業を進めていきたいと考えております。
 このチーム医療推進会議そのものですけれども、これは少子高齢社会の中で、特に高齢者がどんどんボリュームとしても増えていく。高齢化が進むと、疾病の発症率も当然ながら増えていく。その相乗効果で今後、疾病の増大というのは、とてつもなく増えていくだろう。そういう中で医師や看護師をはじめとした医療関係職種は、一応毎年人員としては増えてはきておりますが、限られた数ということもあります。どうしてもチーム医療という中で、それぞれの職種が、それぞれの専門性をいかした形で、チームで効率的な医療を提供していく必要があると思っております。
 そのような意味では、今回のこのような形でのチーム医療をどう進めていくかということは必然であると思いますし、また、この高齢化が進むスピードを考えますと、そうゆっくりと考えていられる時期ではないというようにも思っております。ただ、拙速であることはやはり避けなければいけませんので、そういう意味では議論を十分尽くしていただきたいとは思っております。
 今回、看護師の研修制度についてまとめていただきましたが、今後、その他の職種等についても、いろいろと出てくるかと思いますが、引き続きよろしくお願いしたいと思います。大変ありがとうございました。
○永井座長 本推進会議は今日で終わりではございませんので、今後も引き続き御協力いただきますようお願いいたします。また、有賀委員におかれましては、看護業務検討ワーキンググルーブでの検討作業を引き続き御尽力いただきますようお願いいたします。予定よりもだいぶ早く終わりましたが、これで終了とさせていただきたいと思います。
○宮村委員 座長、いいですか。あっという間に終わりという感じなのですが、まあ、そのことに何のあれもないのですが、資料2-1のチーム医療の推進方策検討ワーキンググループの進め方についてです。基本的に異論はございませんが、特定看護師や特定行為のときでも、時々触れられていたのですが、ある意味もっとも肝心なチーム医療の推進方策で、今後チーム医療を推進する観点、あるいは多職種の連携のための方策というものを各職種の業務範囲の見直しも含めてということに前文がなっているわけです。これに関しては、何ら異議はありませんが、その次の白マルの進め方になってくると、冒頭から具体的業務範囲だけになっているわけです。ですから、今後の進め方の中に、あるいはヒアリングの中に、今後のチーム医療連携、あるいは具体的に業務範囲の見直しと、少なくとも2つは書いておいていただきたいと。
 つまり今後の方策WGの所で、業務範囲だけの見直しが語られるというのは、それは決して本来のチーム医療ではありませんので、これだけを見ていると、例の特定行為と同じように法的な業務範囲の見直しだけが議論されるというのは、ちょっとどうかなと思うのです。本来のチームの連携推進、そしてそれから、具体的な業務範囲の見直しを含めていただけると、自分の組織に行っても、説明がしやすいものですから、お願いしたいと思います。
○永井座長 それはよろしいですね。
○簑原医事課長補佐 そのような形で。
○宮村委員 はい。
○永井座長 最後に小川委員から。
○小川委員 2点だけ質問させていただきたいのですが、まず1つは看護業務に関する試行事業が今後どうなるかということが1点です。
○永井座長 お答えいただけますでしょうか。
○簑原医事課長補佐 今まではこの制度案がある前提ではない形の試行事業の内容になっていましたので、この度おまとめいただきました報告書も含めて、試行事業のあり方自体も、検討させていただきたいと思います。
○小川委員 もう1点ですが、19回もの議論を重ねて、やっと看護師の研修制度についての答申案がやっとこれで出たということで、大変進んだのではないかなと思うのですが、このチーム医療推進会議の開催要綱にありますように、このチーム医療推進会議は、あくまでも看護業務だけのことを取り扱うわけではないので、チーム医療を推進するため他の様々な職種のことに関して、どんどんこの会で取り上げ、進めていただきたい。、これはお願いでございます。
○安部委員 先ほど資料2-1の所で、宮村委員のほうから御指摘いただいたのですが、私はそのとおりだと思っております。医療を取り巻く環境の中で、この仕事を増やすということよりも、環境整備なりその枠組みについての議論をしないと。それこそ各専門職種のエゴが出るようなことではなく、全体の環境を整備する必要がある。その上では御指摘のように、業務範囲に限らず、少し幅広な議論が必要だと思っておりますし、薬剤師会につきましては、昨年の6月13日の11回のときに、私の前任の山本信夫委員が薬剤師のことも出させていただきたいと発言しておりますが、薬剤師の業務についての要望も、是非準備をして出させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○永井座長 ほかに何かありますか。
○半田委員 今18団体でチーム医療推進協議会というのを作っておりまして、その中で今日お話のあったように、縄張り争いに絶対にならないように、超高齢社会にどう効率的で効果的な医療体制を作るかという視点で、1つの方向を向いた中で各職種の調整といったら問題があるかも分かりませんが、その方向性をまず一にしたいと思っております。そうしないと、看護師とドクターの間だけで2年間もかかってしまって、あと10何職種が出てくると、とんでもない話になりますので、チームの推進協議会としてもこの推進会議をできるだけ円滑にいくような方向で、論議をさせていただきたいと思っております。
○大久保委員 現場からの意見を申し上げたいと思います。現場では患者に対して早く回復して前の生活に戻っていただけるよう、患者さんを中心に考えて、そして医療の質の向上にも努めているところでございます。その一環として、チーム医療の推進も各施設、個人が努力をしているところだと思います。不安を抱えている現状もございます。今回は本制度が国の仕組みとなることで、やはり現場の努力の後押しになるというようにも考えます。そして、先ほどからお話が出ている、これからの2025年問題に対しても、進めていく一歩であると思います。現場での期待も大きいですし、早期の法制化を切願するというところでございます。

○片田委員 言葉足らずなのですが、チーム医療の推進と先ほど来出ている御意見に関しては、本当に大切なこととして、組織として取り組んでおりますので、いくつかの部分のところだけではなく、全体として取り組んでいるということを、若干付け加えさせていただきます。
○太田委員 在宅の現場の話です。在宅においては、やはりナースの力は非常に大きくて、在宅医療になっていく中心的役割をナースがはたしています。御承知のように、介護職にも医療的な行為がある程度認められております。例えば痰の吸引などがそうですが、先ほど局長の話にもありましたが、限られた人材で多くの高齢者を支えていくという上で、今後、在宅は大変重要な領域になるわけです。そこで、医療チームの中に介護系の人たちも、在宅においては当然考えておかねばいけないだろうと思いまして、あえて申し上げます。
○永井座長 ほかに御意見いかがでしょうか。
○藤本委員 委員の皆様それぞれの現場ではこうだというお話がされているのを、私も大変勉強させていただきながら伺っておりました。反面、救急の場から在宅の場まで、いろいろな場面が同じ場で議論されているということは、議論がなかなか進まない原因にもなっているのかなという感じがしておりました。したがいまして、これからいろいろな多職種の連携のあり方を議論していただく際には、「現場」といったときに、どこの医療現場を指して考えているのか、ある程度明確にする必要があると思います。救急ではこう、在宅ではこうというような話合いの仕方をしていくと、私もイメージが持ちやすくなりますし、話し合いもスムーズにいくのではないかと、そのようなことを感じておりましたので、よろしくお願いいたします。
○有賀委員 チーム医療という言葉を聞くと、今の話もそうだと思うのですが、ある患者さんがいて、その患者さんに多くの職種が関わる。そのような方法論は、例えば、昭和大学病院などでの議論では、もう普通にあって当たり前というか。もちろん強弱というか、濃い薄いはあるので、いろいろな場面でチーム医療について語っていかなければいけないことは、これから先もそのとおりなのですけれども、そういうようなチーム医療の集積が昭和大学病院の中全体にあるのです。その集積を言葉でいうと、組織的な医療の展開という感じになのです。チーム医療を推進しましょうねということは、もう既にそのとおりなので、組織的な病院全体としての組織としての医療全体が俯瞰できるような、そういうような観点で、自分たちの仕事を語ろうじゃないかと。そんなような議論になっているのです。つまり来年度の目標をどこに定めるかという議論の中で。
 今の話を聞いていますと、確かにそのとおりなのです。現場現場の固有の問題がありますので、それらについてチーム医療という観点で見なければいけないのですが、実はここへ来る前に、太田先生がすごくよく知っていると思いますが、私はあまりよく知らなかったので勉強しようと思って、和光市の介護、福祉の方を囲んでの勉強会があって、朝早くから2時間ぐらいやっていたのですが、結局医療と介護と福祉を分断して考えると、やはり組織的な地域社会の仕組みが今一つまた分からなくなってしまう。だから、福祉の方がひたすら福祉のことを考えてくださるのは結構なのですが、ある日その対象者が病気になったときには、119番を回すわけですよね。そうすると、ここの言葉でいうと、チーム医療の中に救急隊員が入ってくると。こういうような話になってくるわけです。
 ですから、チーム医療の話をするのはいいのだけれども、そのチーム医療の背景の社会基盤というか、病院医療でいえば病院の医療が基盤になるのでしょうが、太田先生がおっしゃるようなことでいけば、地域社会という基盤の中に入って医療が展開するわけですので、チーム医療推進会議のテーマは、ある日ある所のスポットの場所の話になるのだと思うのですけれども、そのスポットの場所の背景の社会基盤の部分をよく頭にたたき込んで、それをある程度頭に入れてディスカッションできるような、そういうようなことでいかないといけないのではないか。
 原医政局長がおっしゃったようにお年寄りが増えてくると、病気も増えてくる。もうこれはそのとおりでしょうね。救急車は、東京では今、白い車が足りなくなって、赤い車が出るのが1日に300件以上あります。もう白い車が行けないのですよ現場に、言っていることが分かりますよね。ですから、白い車のほかに赤い車が行くんです。赤い車が一生懸命やっているうちに、患者さんを運べる白い車が行くと。それが東京ではもう1日に300以上ですよ。ですから、そういうようなことが起こっているので、是非ここのチーム医療推進会議で議論するときには、社会的背景を十二分に頭の中に入れて、そういうようなものなんだということを共通認識の上に議論していかないといけないのではないかなと思いました。
 宮村委員が単に手連手管の問題ではないだろうとおっしゃったのは、歯科医師会に説明するという問題ではなくて、歯科医師会を含めた僕たち医療界の全体の問題なのではないかなと思ったので、少し発言させていただきました。
○藤川委員 いま有賀先生が仰ったのは都会の事情で、これから非常に老人が増えてくる問題は分かるのですが、やはり日本列島は北から南まで非常に広いですよね。島国ではありますけれども、山あり山間部あり、離島ありです。やはり1つの切り口だけではチーム医療というのは成り立たない。都会は都会なりのチーム医療がいるだろうし、田舎は田舎、地方は地方、過疎地は過疎地のチーム医療を考えてやらないといけません。ドクターヘリを飛ばせばいいというだけの問題ではない。ドクターヘリは必要ですけれども、東日本大震災が起こった東北地方は、震災が起こる前から医師不足、看護師不足の状況があります。チーム医療を語るときに、十分医師や看護師が充足している地域のチーム医療と、そういうものが非常に不足している、そういうところでチーム医療をどう保っていくか。
 それによって国民の基本的人権を、どこに住んでいても、同じような医療レベルのチーム医療が受けられるようにしているのかというのも、日本医師会の立場にとっては非常に重要な課題です。チーム医療を考える場合、地域の背景、医療環境を常に頭に入れておくべきです。、我々は常に医療安全のことを強く言いますが、医師が最終的な責任を取る立場であるということと、適確な指示を出す立場である以上、やはりそういうところも十分考えて発言をしていかねばならないと思います。以上です。
○有賀委員 藤川先生、都会とおっしゃったように、十分に医者がいるというふうにおっしゃっていますが、人口で頭割りすると、東京は確か都道府県で41位ぐらいになります。ですから、病院の数だったか医師の数だったか忘れましたけれども。相対的にはやはり悲しい地域であることは間違いないのです。ですから、人がたくさん住んでいるということと、人がたくさん住んではいないという意味においては考えなくてはいけない切り口がそうなのですが、医療者が1人1人の患者さんに対してどうしていこうかという、そういう意味での心意気は先生方と僕らは多分同じだと思っています。
○永井座長 よろしいでしょうか。
○堺委員 今日はまとまってよかったと思うのですが、やはり問題は、医療資源は限られているので、医療資源にはいろいろな資源やマンパワーが入るかと思うのですが、多分、現状のままでいったら、日本の医療は立ち行かなくなるのです。今藤川委員がおっしゃったように地域によっては医師がいないところがあるので、そういう中でどのようにチーム医療を活用しながらやろうかということで、そんなことはないと思いますが、医師が直接いないところだったらどうするかということまで含めて、だから、チーム医療は多分すごい広い意味で捉えていく必要があるのです。我々はどうしても現場の中で、例えば医師対看護師、医師対他職種というのですが、先ほどから言われているように、やはり広い社会の中でのチーム医療ということなので、これも含めた議論だということを言っていきたいと思うのですが。
○永井座長 よろしいでしょうか。今の皆様の御意見を今後に反映しながら、推進会議を進めていきたいと思います。それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局医事課

代表: 03-5253-1111(内線:2569)

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