ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ第32回議事録




2013年5月13日 チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第32回議事録

医政局看護課看護サービス推進室

○日時

平成25年5月13日(月)17:00~19:00


○場所

厚生労働省17階専用第18~20会議室


○出席者

秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長)
有賀 徹 (昭和大学病院 院長)
井上 智子 (東京医科歯科大学大学院 教授)
川上 純一 (浜松医科大学附属病院 教授・薬剤部長)
神野 正博 (社会医療法人財団董仙会 理事長)
小松 浩子 (慶應義塾大学看護医療学部 教授)
真田 弘美 (東京大学大学院医学系研究科 教授)
竹股喜代子 (前 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 看護管理部長)
英 裕雄 (医療法人社団 三育会 理事長)
星 北斗 (財団法人星総合病院 理事長)
前原 正明 (防衛医科大学校外科学講座 教授)

○議題

1)「特定行為に係る看護師の研修制度(案)」をふまえた具体的内容の検討
2)その他

○議事

○島田看護サービス推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第32回「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」を開催いたします。
 委員の先生方におかれましては、御多用中のところ検討会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、委員の出席状況でございますけれども、本日、大滝委員、山本委員より御欠席と御連絡をいただいております。また、事務局にて人事異動がございましたので、紹介させていただきます。医事課課長補佐、中田勝己でございます。
○中田医事課長補佐 どうぞよろしくお願いいたします。
○島田看護サービス推進官 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第がございまして、その下に座席表をお配りしております。
 資料1「特定行為に係る看護師の研修制度について」
 資料2「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループの議論の進め方について(案)」
 資料3—1「特定行為の内容や領域に関する検討の進め方について(案)」
 資料3—2「診療の補助における特定行為(案)一覧」
 資料4「指定研修について」
 参考資料「包括的指示・具体的指示が行われてから診療の補助が行われるまでの流れについて(案)」
 参考資料2「第31回チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループにおける委員の主な御意見」
 落丁や不足などございましたら、途中でも結構ですので事務局のほうにお申しつけください。
 カメラのほうはここまででお願いいたします。
(報道関係者退室)
○島田看護サービス推進官 それでは、有賀座長、以降の進行をよろしくお願いいたします。
○有賀座長 少し久しぶりだったかもしれませんが、本日、また夕方の時間、よろしくお願いします。作法全般を忘れていました。では、夕方5時で通常の勤務であれば終わりの時間ですが、これから出発したいと思います。
 まずは、資料1について御説明ください。お願いします。
○簑原医事課長補佐 資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 資料1は3月29日にチーム推進会議でおまとめいただいた報告書でございます。
 まず、1枚目でございますけれども、こちらは検討経緯等を冒頭に記載していただいておりまして、平成22年5月からチーム医療推進会議として御議論いただきまして、本ワーキンググループでも31回にわたって御議論をいただいたということでございます。
 平成23年12月に、看護師が現在行っている高度な知識・判断が必要とされる行為の中には診療の補助に含まれるか否かが明確でないものが存在すること、これらの行為を実施するに当たっては医療安全の観点から教育を付加することが必要であることについて、推進会議として意見の一致をしていただいたところでございます。
 その後、チーム医療推進会議のほうでさらに御議論をいただきまして、本制度を創設するに当たっての基本的考え方についても整理していただきつつ、御議論を重ねていただきました。
 その過程におきましては、個々の行為に関しまして、絶対的医行為か診療の補助の範囲かといったところに関してもさまざまな御意見がございまして、そういった御意見の相違等も踏まえて、委員の大勢といたしましては、後ほど御説明いたしますけれども、本制度の確立がチーム医療の推進を図り、医療安全の確保に資するという考え方のもとで、別添の「特定行為に係る看護師の研修制度(案)」についておおむね妥当との意見であったということにしていただいたところでございます。
 1枚おめくりいただきまして別添の内容でございます。「特定行為に係る看護師の研修制度(案)」でございます。
 まず、1つ目の○のところでございますけれども、医師または歯科医師の指示のもと、診療の補助のうち、実践的な理解力、思考力及び判断力を要して、かつ高度な専門知識及び技能をもって行う必要のある行為、以下「特定行為」ということでございますけれども、それについて保助看法において明確化をするということでございまして、具体的内容については省令等で定めるという形にしていただいております。
 次の○でございますが、医師または歯科医師の指示の下、看護師が特定行為を実施する場合に以下のような研修を受けることを制度化するということでございます。
 まず、1つ目の・でございますが、医師または歯科医師の指示のもと、プロトコール、このプロトコールの内容としては、対象となる患者、病態の範囲、特定行為を実施するに際しての確認事項でございますとか、その行為の内容、医師への連絡体制などが厚生労働省令等で定められているということを想定しておりますけれども、そういうプロトコールに基づいて特定行為を行おうとする看護師については、厚生労働大臣が指定をする研修機関において厚生労働省令で定める基準に適合する研修の受講、いわゆる指定研修の受講を義務づけるという形にしていただいております。
 2つ目の・でございますが、指定研修の受講が義務づけられない特定行為を行う看護師、いわゆる具体的な指示を受けて特定行為を行う看護師に関しましては、医療安全の観点から、保助看法上の資質の向上に係る努力義務といたしまして、特定行為の実施に係る研修を受けることを努力義務として追加するという形にしていただいております。
以下が指定研修の内容等でございますけれども、3つ目の○で、指定研修の研修を行う機関についての指定を行う場合については審議会の意見を聞くということでございます。
 研修の枠組みについても指定研修機関の指定基準として省令で定めるという形にしております。
 厚生労働大臣は、指定研修を修了した看護師からの申請に基づきまして、研修を修了した旨を看護師籍に登録するということ、その登録証を交付するという形でございまして、個々の登録に関しましては、あくまで研修を修了したことを確認するということでございまして、国家資格を新たに創設するものではないということについて確認させていただいているところでございます。
 この研修制度(案)は、委員の大勢からはおおむね妥当ということで御意見をいただいておりますけれども、医師会代表の委員からは、チーム医療の推進、医療安全の確保の観点からこの制度案については多くの問題点があるということで、現行の案には反対ということでございまして、別紙の2、4ページでございますけれども、日本医師会からの意見ということで御提示をいただいたところです。
 1から6でございまして、1は、特定行為を法令で定めることは現実的ではなく、チーム医療を阻害するおそれがあるということ。
 2は、包括的指示と具体的指示を明確に区別することは困難であるといったこと。
 3は、技術的あるいは判断の難易度が高い行為については医師の具体的な指示を受けて行うことが医療安全上望ましいということで、研修を受けて実施することは今までどおり当然のことであるといったこと。
 4は、特定行為の内容についても、特定行為の候補の案は本ワーキングでおまとめいただきましたけれども、特定行為に限らず一般の診療の補助行為にもリスクの高い行為が含まれているということで、これらも医師の具体的な指示を受けて行うべきであるといった御意見でございます。
 5は、看護師籍の登録に関しましても、看護師籍に登録するのではなくて研修施設が修了証を発行することで足りるといった御意見でございます。
 6は、チーム医療の原点は国家資格で認められた各職種の業務の質の向上に尽きるということで、医師のメディカルコントロールのもとに医療安全を確保することが重要であるといった御意見をいただいたところでございます。
 1枚目にお戻りいただきまして、恐縮でございますが、日本看護系大学協議会の代表の委員からは、特定行為の内容、研修制度のあり方について十分に審議の上、制度化を判断すべきといった御意見もいただいたところでございます。
最後でございますが、厚生労働省においては本報告書を踏まえ、特定行為に係る看護師の研修制度の実現に向けて課題のさらなる検討、調整を進められたいといったところでございます。
施行までの間における具体的内容の検討に当たっては、研修を修了した看護師に対する医療現場のニーズも踏まえながら、特定行為の内容及びその領域、それに応じた研修の枠組み、実施方法等が審議会において十分に審議されるべきであるといった内容になってございます。
3ページをおめくりいただきまして、チーム医療推進会議のほうで御議論いただきましたこの制度案の基本的考え方をおまとめいただきました。これが別紙1という形でございまして、1から5までございます。
まず、医師または歯科医師の指示のもとで診療の補助のうち特定行為を行う看護師について研修制度を構築することは、チーム医療の推進を図って、医療安全の確保にも資するものであって、国民のニーズにかなった医療提供体制を構築することにつながるものであるといったこと。
 2が、本制度自体が医師または歯科医師の指示を受けずに医行為または歯科医行為を行う看護師の創設に結びつけるものではないということ。
 3が、指定研修を修了した看護師が他の看護師や他の医療関係職種に対して診療の補助に関する指示を行うことは不適切であり、指示を行うのはあくまで医師または歯科医師であるといったこと。
 4が本制度を導入した場合であっても以下の点に変わりはないといったことで、3つほどございます。まず、看護師が絶対的医行為または絶対的歯科医行為を行うことは違法であるということ、看護師が医師または歯科医師の指示なく診療の補助を行うことは違法であるといったこと。2つ目でございますが、医師または歯科医師の指示のもとであれば看護師は診療の補助の範囲内において医行為または歯科医行為を行うことは可能であるといったこと。3つ目でございますが、患者の病態や看護師の能力を勘案して、医師または歯科医師が直接対応するのか、どのような指示によって看護師に診療の補助を行わせるのかといったところの判断は、医師または歯科医師が行うものであるといったこと。
5でございますが、看護師は、本制度の導入にかかわらず、療養上の世話及び診療の補助について、その専門性の向上や資質の向上に努めるものであるといったところを基本的な考え方としておまとめいただいたところでございます。
報告書の内容としては以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございます。
 報告書の内容は以上でといったときには1ページから4ページまでが報告書の内容そのもの、そういう理解ですね。ということで、全体の成り立ち方とか、いろんなことが書いてありますけれども、御質問はありますか。
 例えば、2ページの一等下の○のところの看護師籍に登録するとともに登録証を交付するという話に関しては、チーム医療推進会議としてはそのような形で進めましょうという結論であったという理解でいいわけですね。というようなことで、これが親のチーム医療推進会議の基本的なエッセンスになったということなのですが、わからないことがあればここで聞いてもいいのではないでしょうか。どうぞ。
○星委員 これにどうこうというつもりではなくて、わからないので教えてほしいのですけれども、1ページの最初の・のところに、診療の補助に含まれるか否かが明確でないものが存在することがわかった、意見が一致したと書いてあって、その過程において云々というのが、それから4行か5行か6行下ですね。個々の行為について絶対的医行為か診療の補助の範囲かについて意見の相違があることが明らかとなったと。その意見の相違を踏まえてこういうことにするとなっていて、次のページを見ると別添には「医師または歯科医師の指示のもと、診療の補助のうち」と、さりげなく「診療の補助のうち」と書いているのですが、ここで言う診療の補助というのは、最初で言うところの意見の相違があるものなのか、あるいはその意見の相違があるということを踏まえているのか。つまり、意見の相違があるのだということを前提にしているのか、あるいはそうはいってもミニマムのところは一致しているという範囲を指すのか、どっちを指しているのかというのは教えてもらえますか。
○簑原医事課長補佐 まさに意見の相違がありまして、そういったことを特定行為という形で法律で診療の補助の範囲内に入っているかどうかを今後、特定行為自体は法律が通りましたら審議会のほうで最終的な決定は具体的に御議論いただくことになりますけれども、そういうことを明らかにしていって、意見の相違である絶対的医行為か診療の補助に入っているかということを法律上ちゃんと位置づけて、医療現場にもそれがわかるようにしていくことが必要なのではないかというところで委員の大勢の一致が見られたということです。
○星委員 わかりました。ということは私たちがその議論はしなくていいのですね。そこはどこか別のところでしてくれると。
○簑原医事課長補佐 そこは、最終的な決定としては審議会でございますが、いきなりゼロベースから御議論いただくというのもなかなか困難ということで、後ほど御説明いたしますけれども、推進会議のほうでも、引き続き本ワーキングのほうで特定行為の候補といいますか、議論の土台になるものを御議論いただきたいという話になりましたので、特定行為の内容について引き続き本ワーキングのほうで御議論いただきたいということでございます。
○星委員 法律の解釈とか法律の問題としてどうこうという話について、私たちがそのたたき台をつくるということを含めてやっていいかどうかというのはちょっと不安ですけれども、そもそもの話として、診療の補助に入るものなのか、あるいは絶対的な医行為でそうではないのかという議論は、今、我々がチーム医療ということをベースに議論を始めたこととまた別な世界で、つまり法律論の世界でやはりある程度の線引きをしてもらうということも同時に必要なことだと僕は思うのです。私たちが実践的な目から見てこうですねという話と医事法制上どうですかという話はまた別なような気もしないでもないので、そのあたりのところについて、絶対的医行為かそうでないかというのまで我々にやれということになるとなかなか大変な気はするのですが、そこをやはり私たちがすることになるのでしょうか。
○簑原医事課長補佐 御議論としては、実際に医療現場でやられている行為、やっている医療機関もあれば、入っているかどうか、診療の補助に位置づけられるのかどうかわからないということで逡巡している医療機関もあるということでございます。法律的には最終的に当然、大臣なり省令で定めるということでございますので、行政が責任を持つということではございますけれども、その前提となる医療現場の現状でございますとか医行為の内容自体を御議論いただいて、その候補というか、御議論いただくための検討の情報を本ワーキングのほうでいただければと思います。
○星委員 というのは、くどいようですけれども、私たちがやっているのはかなり限定列挙的にやっているわけです。医行為の範囲あるいは絶対的医行為とは何ぞやというような法的な解釈、あるいはどういうふうに評価するといいますか、みんなが理解するのかということについて言うと、虫食いのような気がするのです。つまり、我々がここで議論している幾つかの行為というのは、あくまでチーム医療を推進するために必要と思われる、そして看護師さんたちに学んでいただいて一緒にできるような体制を安全につくりましょうということで列挙されている行為であって、ここに列挙されたものが、まさにここで言うところの診療の補助の範囲に含まれるものの全てでもなければ、あるいはそれ以外にもあるかもしれませんし、もしかしたらやはりこれは違うという話が出てくるのかもしれません。その辺のところの線引きを行為の一つ一つをつまみ上げたということで考えていくのか、あるいは法律論としてはそうではないことでいくのか、そのあたりのところは私も非常にわからないので、絶対的医行為と診療の補助の範囲に含まれるものは何かということをそもそも僕らは命題として預かっていないような気がするのです。
 つまり、現場において必要な行為で、やはりトレーニングが必要でみんなが不安に思っているものは何ですかという問いには答えてきたような気がしますけれども、診療の補助に含まれるか否かというようなことについては答えもしてきていないし、議論もしていないような気がするので、そのあたりの整理はぜひとも厚労省のほうで少ししてもらわないといけないような気がするのです。
○簑原医事課長補佐 そういう意味でいいますと、特定行為に規定したからといって全てそこで診療の補助かどうかを全医療行為について整理したということではなくて、先ほど御説明をさせていただきましたけれども、あくまで研修制度と関連してくるような行為について特定行為として御議論をいただくということでございますので、それ以外の行為、今まで検討の状況の中に挙がってきた行為に関しましても、行政のほうで厚生労働省として診療の補助に入るかどうかということはちゃんと整理をしていきたいと思っております。
○有賀座長 ほかにございますか。
 質問としてはちょっと原始的かもしれないのですけれども、2ページに別添の(案)がありますね。僕たちがよく会議などで、昭和大もそうですけれども、「これ、まだ案なのでここで決めたいと思います」とか言って、「では、(案)が取れました」みたいな話をするのですけれども、この場合の(案)の意味というのは、今後考えていかなきゃいけないことがあるので「制度(案)」という形で、(案)が取れるとか取れないとか、そういう議論じゃないのですね。そうですね。だから、特定行為に係る看護師の研修制度の今後についての考え方みたいな、そういう捉え方でいいのですね。見るたびに、(案)が取れるのかなと瞬間的に議長としては思うことがあるので、さっき言った作法の中の一部かもしれませんが。
 それから、別紙2も含めて報告書だということになりますけれども、私たち、例えば僕も実は日本医師会の会員で、星先生もそうですね。僕は何と東京都医師会傘下の大学医師会、郡市医師会の位置づけになる昭和大学医師会の会長なのです。ですから、日本医師会の言わんとしていることについての理解は一定の水準でもちろんしているわけですけれども、ここにおられる医師会の先生もそうですね。前原先生もそうですね。英先生もそうでしょう。日本医師会の見解がこういうものだということを理解した上で、このワーキンググループの一員として今後とも発言していただく。星先生、それでいいですね。星先生が何かをしょちゃっていると、「とてもじゃないけど、何言っているんだよ。この意見と違うじゃないか」みたいな話だといけないので。
 では、そういうふうなことでいきたいと思います。わからなくなったらまたいろいろ質問させてください。
 では、本格的な議題、きょうの議題は、特定行為に係る看護師の研修制度を踏まえた具体的な内容の検討というのがありますので、その件について、まずは資料の2と3、3は1と2があるのですね。それを説明してください。
○島田看護サービス推進官 それでは、資料2と資料3—1、3-2を説明させていただきます。
 まず、資料2でございますけれども「ワーキンググループの議論の進め方について」の案でございます。ただいま座長からお話がございましたように、推進会議で3月29日におまとめいただきました研修制度(案)の枠組みに基づきまして、本ワーキンググループにおいて特定行為の内容や領域、研修内容、研修方法等、具体的内容について御議論いただきたいと考えております。
 スケジュールでございますけれども、本日を含みまして、5月、6月でまず特定行為について御議論いただこうと思っております。後ほど詳しく御説明いたしますけれども、要検討となっておりました27の行為につきまして御議論いただければと思っております。そして、行為の範囲、領域が案として出ましたところで、次の段階として指定研修の内容や研修方法等、指定基準に係る事項について御検討いただきたいと思っております。大体9月をめどに研修内容等について御議論いただければと考えておりまして、その後、チーム医療推進会議に御報告させていただこうと思っております。先ほど事務局のほうから申し上げましたけれども、特定行為の内容や領域、研修方法につきましては、このワーキンググループで御検討いただきました内容を踏まえまして、今後、審議会で御検討いただいた上で最終決定という運びになると考えております。
 資料2の裏には「ワーキンググループの進め方(案)」という参考資料をおつけしております。こちらのほうは、3月29日の推進会議にこういった内容をワーキングで進めさせていただきたいと御提示いたしまして、御了承いただいた内容になってございますが、1枚目にお示しした内容のほうが詳しい内容でございますので、御参考までにごらんいただければと思います。
 続きまして、資料3—1でございます。まず、ワーキングで御議論いただきます特定行為についての検討の進め方でございます。
 「1.特定行為の内容の検討について」ですけれども、前回までのワーキンググループにおきまして、29の行為につきましては、特定行為の考え方に合致するということで特定行為に位置づけるべきという意見を多数いただいたところでございまして、この内容をチーム医療推進会議のほうに報告させていただいております。その時点で「要検討」という項目が27ございまして、これについては、診療の補助における特定行為に位置づけるかどうかといった点を引き続き御検討いただきたいと思っております。
 これら「要検討」の27の行為に対しましては、2つ論点がございます。1つ目が、行為の難易度がC、いわゆる一般の看護師も実施し得る診療の補助の範囲であるといったCと分類すべき行為ではないかという点。
2つ目ですが、看護師が行う病態の確認行為、プロトコールに基づいて看護師が行う患者さんの病態を確認するという行為があるかどうか、この2点についてそれぞれの行為について御議論いただきたいと考えております。
 行為の一覧は資料3—2におつけしておりまして、これは、第31回ワーキンググループでお示ししました資料から29の特定行為(案)と要検討となっております27の行為を抽出いたしまして、要検討に係る検討部分、これまでワーキングの先生方にいただいている御意見などについてわかりやすく記載させていただいているものでございます。
 資料の表をごらんいただきまして、●のついている行為が要検討でございまして、今申し上げた2つの論点、行為の難易度を検討する行為、患者さんの病態確認があるかどうかという行為について、当該行為はどちらの点について議論することが必要かということで●をつけさせていただいております。その左側にプロトコールに基づき看護師が実施する特定行為(案)という欄がございます。2ページの一番下が一番初めに出てくる○でございますけれども、29の行為につきましては、ワーキングでこれが特定行為の範囲ということでひとまずよいのではないかと言われている行為につきましても一覧をつけさせていただいております。
 先ほどの資料3—1にお戻りいただきまして、1点目で行為の内容について一通り御検討いただきました次の段階といたしまして、2点目でございますけれども、特定行為の領域について御検討いただきたいと考えております。この行為の範囲の検討結果を踏まえまして、医療現場の状況に応じた領域ごとに特定行為の範囲を明らかにするということを考えております。
 資料の御説明は以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございました。
 特定行為の内容や領域に関する検討の進め方という話でございますけれども、おおむねそういうふうなことが今後必要だということについてはおわかりだと思うのですけれども、ここら辺はどうなのだろうというものがございますか。
○星委員 1の2つ目の○に、?、?とあるのですけれども、これはこれでいいのだろうと思うのですが、実は?があるのではないかなと。これはずっと言い続けていて、採用されてはいない意見なので、また言うことになりますが、例えば超音波検査、これは痛みがあるかないかみたいな話はおいて、実際に臨床検査技師さんたちが既に自分たちで研修して学会の認定を受けたり、あるいは学会でトレーニングを受けたり病院でトレーニングを受けて院内の認証制度を受けたりして、現実にやられている行為であると。そういうやられている行為で、保助看法に穴があいて、保助看法の規定にかかわらず臨床検査技師がこれこれできますよという範囲でやっている、いわば自分たちが専門性と思ってやっているような行為をここでまた同じように分類するということになって、そして指定研修が必要で、それは研修を受けないとできません、あるいは研修を受けた後に免許に書きますみたいな話にもしなるとすると、混乱を来すことは容易に想像できると思うのです。現に他職種が自分たちの精度管理あるいは自分たちの安全管理のもとにやられているものについて今回特定行為として認定して、それに研修をしてというプロセスにもしのせるとすれば、私は不適切だと思うのです。
 したがって、他職種がやっているような、あるいはやり得る行為、保助看法の規定にかかわらず云々という範囲において、現にやられているか、やり得る行為のうち、これはというものはやはり除いておく必要があるのだろうと僕は思っています。その観点が抜けてしまうと、僕らは看護師の議論をして終わりでいいですけれども、例えば当該臨床検査技師さんの側からすれば「私たちはどうなのよ。私たちも認証制度ができるの。トレーニング制度にしなきゃだめなの。免状に書いてくれるの」という話になっていくとキリがないような気がして、つまり保助看法で穴があいていない行為がどの程度あるかわかりませんが、少なくとも一般的に看護師さんがメインでやられているものをメインに俎上にのせるべきだと私は思っていますので、そのあたりもちょっとここで皆さんに御議論いただければいいなと思います。
○有賀座長 それはたしか議論して、横にどいてもらった経緯がありましたね。
○簑原医事課長補佐 推進会議のほうで、他職種が基本的にはやっていてという行為は一応整理をしたことがございますが、まだ27の行為のところでの御議論だと思いますので、そういったところも含めて御議論をいただくということかなと思います。
○星委員 少なくとも、私がこれをぱっと見せられたときに、そういえばと思い出して、久しぶりですけれども、こういうのがあったなというようなことで、それは再度確認をしていただいて、27の議論をこれから進めていくとすればその観点もぜひ忘れないでいただきたい、そういう意味です。
○有賀座長 あちこちでいろんな議論を聞いていますので、先生が直接に言われた内容を今、思い出しながら、ほかでも議論したかなと思って発言した次第なのですが、それは全く荒唐無稽な話ではなかったはずなので、それはそれでいいのではないかとは思うのですが、川上先生、何かありますか、今の件では。
○川上委員 たしか今の点については、私の記憶では、他の職種もかかわる医療関連行為については一度外して議論してきたと思うので、その考え方を引き続き継承するということを確認いただければよろしいかと思います。
○神野委員 私もそう思いますし、全く賛成ですけれども、ならば資料3—1のところにやはり一言、今まで決めたことだということで入れておいていただいたほうがよろしいのではないかと思います。
○有賀座長 別に星先生が無視されているわけではなくて、平たく言うと入れ忘れているという話でいいのではないかと思います。これは逐条的にというか、逐語的にというか、逐項目的に、じゅうたん爆撃的に上からやって、また下からやっていくという話になると、えらい目に遭いますので、前も分類や基本的な考え方に関するディスカッションを前原先生にお願いしたことがあるのですけれども、今回のこの進め方の基本、?、?、プラス?を入れて、資料3—1に書いてあるような基本骨格でもって前原先生に再び一肌脱いでいただくという話は、先生方、いいですね。
○星委員 反対はしませんし、それから3-1の1と2というのを同時にやるのか、ばらばらにやっていくのかということだけはちょっと決めておいていただいて、ばらばらにやると二度手間になりそうな気がするので、1で項目を選んで、それをどういうふうにグループにするのかという2の話も少し具体的にしてもらうと、行為の内容が示している範囲というのがより明らかになったり、あるいは不足している項目が少し見えてきたりということもありそうなので、そこはどうせやるのなら逐次的にではなく、検討の時間も短いのでしょうから、1、2をあわせてということで私は理解しますけれども、それでいいのでしょうか。
○有賀座長 今、先生がおっしゃっているのは、資料3—1の内容の検討というのと領域の検討という話を両にらみでやっていくほうが考え方の整理に役に立つ、ぜひそうしたいという話ですね。前原先生、何か御意見ございますか。先生が嫌だと言えば話はもとに戻りますが。
○前原委員 嫌だと言えば終わってしまうのでしょうから、皆さんがよろしければやらせていただきたいと思いますけれども、この27行為に関してだけやればいいということですね。そういうことですね。
○有賀座長 当座はそういうことになりますね。
○前原委員 当座はそういうことですね。今、星先生がおっしゃられたように2の領域というのは結構大変というか、原案みたいなものは1カ月以内ですか、27の行為のことに関してどういうふうに分けていくのかという原案みたいなものをつくれというのは、つくってもいいですけれども、ちょっとそれは荷が重いかなという気はしますが、27のそれを特定行為に入れるかどうかということに関しては一生懸命やりたいと思います。
○有賀座長 今、先生がおっしゃった、資料2の1ページに5月~6月に検討しながら7月~9月に云々とスケジュール案がありますけれども、今、5月の真ん中辺だと思うので、1カ月ちょっとで6月が終わるので、そこまでに何とかしていただくとありがたいと思います。
 英先生、例えば「直接動脈穿刺による採血」が一等上にありますね。これだって局面によっては全然違いますね。先生の得意分野と僕の得意分野でもこのことはありますね。そういう意味で、特定行為の領域といいますか、医療現場の状況に応じた領域ごとに特定行為という部分が違うことはわかりながら議論するということでもいいと僕は思うのです。こっちではああであっちではどうだという話までぎりぎりしなくても、審議会にゼロベースでというふうに事務局がおっしゃいましたけれども、ゼロベースの人が本件に関してコミットするわけではありませんので、一定の水準で仕事をしている人たちが関係するわけですから、領域のことで余りぎりぎりはしない。ただ、そういう観点を入れておかないと景色が思い浮かばないだろうというのが星先生の言わんとしていることですね。その程度にはと。
○前原委員 わかりました。了解したいと思います。
 もう一点は、領域に分けるとすると、大体のことになると、在宅だとか、周術期だとか、救急だとか、慢性期ですか、皆さんのコンセンサスが得られているかどうかわかりませんけれども、僕の頭の中ではそんなふうに考えております。
○有賀座長 ただ、今までやってきたトライアルがあるじゃないですか。そこら辺が恐らく基本的にこれとこれとあれとどれみたいな話で、トライアルに顔を出していないところが無理くりたくさん入ってくるということはちょっと考えにくいのではないかなと僕は思うのです。
○前原委員 皆さんがどう考えておられるか、追加とかというのはありなのですか。そこまで言うとぐちゃぐちゃになりますか。
○有賀座長 追加してから考えますか。
○前原委員 審議会に上げる前に、ぜひとも特定行為の中で、この29はいいとして、27プラス、在宅ではこんなことがいいよとか、周術期はこうだよとか、慢性期ではこれはやはり外さないで入れておいたほうがチーム医療を推進するに当たって役に立つというような模様眺めの、もちろん業務試行だとか、そういうことをやっているような行為の中であれば挙げていただいて私のところに言ってきていただければ、皆さんのところのディスカッションにまたのせることはできるかと思っています。
○有賀座長 今、言ったみたいにせっかくのトライアルで鶏をかえす話とかえった鶏が働く話はありますから、そういう中での延長線上としては今言ったプラスアルファでのせるという話は無理がないとは思います。それをどう扱うかは、出てきたときにここでまた考えればいいのではないかなと思います。ただ、出てこないものを議論するわけにはいきませんから、場合によってはそういうような議論があって出てくるのであれば、それはそれで、出てくることがむべなるかなというか、もっともだよねということになれば。
○前原委員 それはここで議論してということですね。
○有賀座長 ちょっとついでに、審議会というのは具体的に、Aさん、BさんからXさんまで、あそこのあの人たちというふうな形で決まっているわけですか。
○簑原医事課長補佐 法律が通らないと審議会の設置はできませんので、まだ先でございますけれども、行為のところの27の御検討に関しましては、前原先生にいただけるということであれば、全面的にいろいろと御指示いただければ事務局のほうでやらせていただきたいというのと、行為の追加のところは、1カ月という時間もございますので、当面は27という行為を御整理いただきたいなと思っていまして、その後の行為自体として必要性があるということについてはワーキングで、また試行事業の現場等でありましたら、そこはそこで御議論いただければと思っております。
○真田委員 よろしいですか。済みません。
○有賀座長 どうぞ。
○真田委員 私の記憶にないので、もしかしたら忘れているのかもしれませんけれども、要検討のところの行為の難易度の検討と病態の確認の有無の検討というのは、前から2つに分かれていたのでしたか。
○有賀座長 B1とB2でしょう、このルーツは。
○島田看護サービス推進官 前回のワーキングのときに、その前に委員の先生方に事務局からのたたき台を出させていただいて、それぞれの特定行為等該当するのではないかと事務局が出したものについて御意見をいただきました。その御意見の中で、そもそもこの行為は難易度として高くないのではないかという御意見、それから確認の行為はあるかないかといったこともお伺いしておりましたけれども、ある、なしという御意見をいただきましたので、今の特定行為の考え方の整理からいたしますと、この2点について御検討いただいて、特定行為なのか、そうではないのかということを御検討いただきたいという趣旨でございます。
○真田委員 わかりました。そうしたら、例えば71-2の巻爪とか74の創傷の陰圧というのは技術の難易度が高いと思うのです。判断ももちろんですけれども、そういう2つ●がつくものもあるのではないかとここは思っております。最後の結紮とか腐骨除去などに関しましても、技術としての難易度はやはり高いのではないかと思って、2つ●がつくものもあるのではないかと思って、ぜひそこは検討いただきたいと思います。
○島田看護サービス推進官 今、御指摘いただきました行為につきましては、病態の確認の有無を検討というところに●がついているのですけれども、そもそも事務局から、あるいはワーキングで御議論いただいた段階では、いわゆるBのレベル、B1というふうに整理できるということで、それに対してはどの先生からも御異論はいただいておりませんでしたので、今の時点で事務局としましては、B1レベルだろうという前提で、さらに病態の確認というものがあるかどうかという点についてを御検討いただきたいと思っておりました。
○真田委員 そうしたら、今からでも●をつける分はよろしいということですか。
○簑原医事課長補佐 ちょっと補足をさせていただきますと、●のついているところをそこだけ検討するという意味ではなくて、●のついているところについては、行為の難易度について、右のほうの「行為の難易度に関する意見」というところに書かせていただいておりますけれども、難易度がないのではないかというか、B1、B2というところではなくてCなのではないかという御意見をいただいているものについては●をつけさせていただいて、病態の確認の行為があるかどうかということを、前々回ですか、ワーキングで各委員のほうに御意見を照会いたしましたけれども、病態の確認行為自体の具体例が挙がってこなかったものについても●ということで、●がついているかついていないかによって行為の難易度があるかないかということを示しているわけではないということでございます。
○真田委員 今のお話、理解できないのでごめんなさい。私の理解度が悪いと思うのですが。
○簑原医事課長補佐 済みません。もう一度。行為の難易度に関する御意見ということで、例えば1ページ目の2の採血のところでございますけれども、右のほうの「行為の難易度に関する意見」の2つ目のところで「Cとすべき」という御意見が書かれているかと思います。そういったCとすべきという御意見があったものについて●とさせていただいているということでございます。
○真田委員 そうすると、71-2とか74は私、意見を出したつもりで、もしかしたら私の勘違いかもしれませんが、何も書いてないところに関しては。
○簑原医事課長補佐 それについてはB1とB2のままでいいのではないかということになったのかと思いまして、特に●という形には。
○真田委員 Cではないと意味ですか。
○簑原医事課長補佐 そうです。
○真田委員 やはり難易度は高いと思うもの、両方●がつくこともあるとは思うので、その点は御検討いただきたいと思います。
○有賀座長 僕が前原先生の立場になってこれをやり始めたら全部真っ黒けだと思ってやらないと。だって医療現場の状況に応じた範囲を明らかにと言ったときには、あっという間にバラエティーがばっとふえますから、こっちはさっさとできるけれども、こっちはさっさとやらないだろうというふうなところだって出てきますので、議論するときはこれは真っ黒けでいいのではないかと私は思います。そういう意味では取りこぼしのない議論を前原先生たちにお願いしたいと。
○真田委員 ぜひお願いします。
○有賀座長 ほかに前原先生にお願いしたいこと。
○川上委員 事務局に教えていただきたいのですけれども、行為の難易度といった場合に、これは技術的な難易度と判断の難易度の両方含めて行為の難易度という考え方でよろしいのですね。
○島田看護サービス推進官 はい。今までも技術の難易度と判断の難易度ということで、2軸でもともと議論させていただいたものの流れを酌んで、B1、B2という形でつけていただいておりますので、先生おっしゃるように、行為と言いつつも判断も含まれていると考えております。
○川上委員 特に薬剤などに絡む行為だと、主たる薬効が得られなくて病状が悪くなるとか、主たる薬効が強く出過ぎてしまうというような判断だけではなくて、主たる薬効と全く関係ない副作用が出るとか、相互作用が起こる場合もありますし、同じ一つのカテゴリーに入っている薬剤ごとに違ってきます。単純にただその薬を患者さんに与薬する行為が簡単であるというのとは全然違うところの判断が求められるので、そういった判断の部分も含めて難易度を御検討いただけるということで確認をさせていただきました。
○有賀座長 そうですね。粒を渡して飲みなさいという行為が難しいか難しくないかという話にしても、その粒が何だという話がありますね。キャラメルと違いますよという話ですから、先生が言っているのは。考えなければいけないことが多分いっぱいあるというのはそういうことだと思います。したがって、局面を展開すると前原先生がしんどいとおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりだと思います。
 では、前原先生には大変申しわけないのですけれども、もう乗りかけた船ですので、最後までよろしくお願い申し上げます。
 では、資料4、2つ目の指定研修の話ということでお願いします。
○島田看護サービス推進官 それでは、資料4を説明させていただきます。
 指定研修についてでございますけれども、指定研修につきましては、資料4の上のほうに書いてございますが、研修制度(案)の枠組みに基づきまして、研修内容、研修方法等、具体的内容についてさらなる御検討をいただきたいと思っております。
 1ページ目の真ん中の囲みは、研修制度(案)から指定研修に係る部分を抜粋したものでございますけれども、研修に係る検討事項といたしましては、1ページの下のほうに4点ほど挙げております。
 まず、1つ目ですが、必要な能力を獲得するために必須とすべき科目・実習及び単位数をどうするかという点。2つ目ですが、講義や実習における指導者(教員)の要件や人数をどうするか。3つ目が修了時の評価について、4つ目が施設設備・備品について必須とすべきものは何かといった点が検討事項としてあろうかと考えております。
 これまでのワーキングでも指定研修については御議論いただいておりまして、以下に既出の資料を中心にお示ししておりますけれども、資料については後ほど説明させていただきます。本日は、研修の内容につきましては行為が決まりませんと詳細を御議論いただけないところかと思いますけれども、指定研修について御検討いただく際に、今、挙げましたような検討事項につきまして、どういった観点で今後御議論いただけばよろしいかといった点ですとか、さらに指定研修機関としてはこういった事項を定めておくことが必要ではないかというような御意見等、全体的な指定研修について検討を進める上での論点といったものについて御意見をいただきたいと考えているところでございます。
 2ページは、必須とすべき科目や実習、単位数について、これまでワーキングでいただいた御意見をおまとめしております。
 3ページでございますけれども、研修の内容についてのイメージを前回のワーキングでお出ししたところでございます。特定行為についてプロトコールに基づいて患者さんの病態を確認しながら看護師がその行為を行うという枠組みが指定研修の対象となるということでございますので、指定研修の内容につきましては、左側に囲んでおりますけれども、特定行為を包括的指示のもとで実施するために必要な共通の知識・技能といった教育内容と、今後、領域ごとに特定行為の範囲というものが決まってくるという段取りを考えておりますけれども、その領域の中で該当する行為に応じた教育内容、技術というものを学んでいただくというような内容を教育内容として考えてはどうかということでございます。
 3ページの下に※印で記載しておりますけれども、特定行為ではありませんが、各指定研修機関において専門的な教育が必要と考える内容、例えば患者さんの教育ですとか、そういった内容について各指定研修機関の自由裁量によって追加していただくということは差し支えないといった形で整理してはどうかと考えております。
 4ページでございますけれども、これまで研修内容についてお示しをいたしました資料をもとに、今後、特定行為の範囲が決まりましたときにはどういった教育内容を何単位ということを検討していただくということで枠組みのイメージをお示ししているところでございます。
 5ページでございますけれども、今後、各領域に行為が追加された場合の研修のあり方についてお示ししたものでございます。行為が追加された場合であっても、左側に記載しております共通の知識・技能については習得済みと考えることができるのではないかということで、追加された行為について主として学んでいただくということになるのではないかといった整理の考え方をお示ししたものでございます。
 6ページでございますけれども、教員・指導者の要件についてどう考えるかという論点についての資料でございます。第25回のワーキングで資料としておつけしたものを6ページにお出ししておりますけれども、教員の考え得る要件として、教育内容を教授するのに適当な者、適当な職種、人数を確保ということ、特に医学的内容といったものあるいは薬学的な内容について学ぶ場合には、その内容の特性を鑑みて、医師、薬剤師を含めるといった基準も必要ではないかといったこと、特定行為の習得を目指した臨床実習については担当教員・指導者として医師を必要数確保してはどうかといったこと、そして医師の指導者の要件としては臨床研修指導医と同等以上の経験があることが望ましいといった要件を示すということも考えられるのではないかということでお示しをしております。
 7ページは、養成調査試行事業で実際にこういった要件の指導者の方々がこういった科目を教えておられたという実績をお示ししております。御参考としていただければと思います。
 8ページですけれども、修了時の評価についてどう考えるかという点についてでございます。これまでもワーキングで御意見をいただいておりますけれども、9ページに前回のワーキングでお示しした資料をお出ししておりますが、修了時の評価がすなわち各研修者の修了要件ということになりますので、修了時の評価をどうするのかといったことも御議論いただければと考えております。
 10ページでございますけれども、研修の実施方法といたしましては、指定研修機関の中で全て講義・演習、実習を行う場合と、実習施設と連携しながら指定研修を実施していただく場合もあろうかと考えておりますし、受講者の利便性等を考えますと、eラーニング等を活用した講義というものも今後活用の可能性を考えておりますので、そういったことも考えながら評価をどうするかといった点について今後御議論いただきたいと考えております。
 11ページは、第25回ワーキングでお出しした評価に係る資料でございます。養成課程修了時の到達目標・到達度といたしましては、養成課程修了時に全て自律して実施できるレベルを到達目標とするのではなく、養成課程では特定行為等の実施に必要となる基礎的事項を学び、行為等の実施に必要となる基礎的な知識の理解、思考過程、基礎的実践能力の習得を目標とするとしてはどうかという案を資料としてお示しいたしました。そして、養成課程の評価でございますけれども、各養成課程では修了時等適当な時期に受講生の到達度の評価を行い、特に修了時には客観的な評価方法等により一定の到達度に達していることを確認するといったものも考えられるのではないかという、たたき台という形で示させていただいております。
 12ページには、養成調査試行事業で実際に行われておりました評価方法、評価者についておまとめしたものをおつけしております。
 13ページは、施設設備・備品について必須とすべきものは何かといった論点を書かせていただいております。最後に、今申し上げましたもの以外に指定基準として必要とするものはないか、こういった点について今後御検討いただければと考えているところでございます。
 資料4の御説明は以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございました。
 指定研修についてというきょうの話題の後半の部分は、1ページにありますように、能力を獲得するために必須とすべき科目、内容が1つ目、それを展開するための指導者についてというのが2つ目で、3つ目が評価の方法論です。評価の方法論も結構なことなのですが、4つ目の指定研修施設の設備・備品というと、いかにも単純に物があるかないかということになりますけれども、物をどう使うかということでいえば、またはどういうふうな研修を進めていくか、展開していくかということを考えると、物の話は単に物ではなくてプロセスそのものになり得ますので、?、?、?、?は、項目としてはそれぞれ別立ての独立した項目でいいのですけれども、議論の中では恐らく行ったり来たりが起こるということは十分想像されると思います。それはそれでいいのですが、したがって、これからそれぞれ御意見をと思いますけれども、常識的には?からいかがですかと聞いていくことになると思うのですが、どうぞ。
○竹股委員 多分、?と?が私の意見として同じ領域に入ると思うのですけれども、つまり指定研修の内容、科目をどうするか、プログラムをどうするか、カリキュラムをどうするか、実習体制をどうするかというのは、研修そのものの質にかかわる部分ですので、基本的にはそこをどう評価するのかという評価体制の問題とか、後は、実習が行われるわけですから実習施設の要件、そういったものが含まれてくるのかなと。当然、その中に指導者の要件・人数も入ってくるので、私の今の意見として、一つは?と?にかかわる部分の、要するに研修の中身の質をどう担保していくのかというところの項目がもう少し詳細に入ってもいいのかなということがあります。
 もう一ついいですか。?の修了時の評価というのは、あくまでも、終わって、はい、終わりました、太鼓判ですよという評価に特化したことをここに出しているという意味では理解できるのですけれども、研修のプロセスは最後だけではなくて途中途中もあるのです。それは今ここで議論するかどうかは別にしても、そういうことも入り得るということで確認させていただいてよろしいかなということがあります。
 私、一番気になったのは、この研修を受講する人たちが、これはもしかしたらカリキュラムの中身に抵触するのかもしれませんけれども、どういうレディネスを持っているのかというところの議論はいいのかどうかということです。これは具体的に申し上げると、かつて養成試行事業のときには少なくとも実務経験5年以上とかいうことが出ていたり、ある時期からそれは出なかったりというのがあるのですけれども、今回のある意味、新たな取り上げ方の中でその辺はどうなのかという議論を一回しておいたほうがいいのではないかということ。
 それから、あともう一つは、これは当然だと思いますが、研修を研修機関でしたにしても、必ずそれでゴーにはならないはずなので、研修の後の研修についても議論しておいたほうがいいのではないかなと思いました。
○有賀座長 ありがとうございます。
 今、研修の後の研修については、生涯学習というふうなことがありますので、ある意味、当たり前といえば当たり前ですが、この研修のプロセスに入るために、例えば最低5年ぐらいの実務経験云々という話はみんなわかった上で、正味のこの話をするときにはそのことを無理くりこの中に入れる入れないという議論についてはたしか星先生がどこかで言及されましたね。星先生はそうだよねと納得されて、僕も納得したような覚えがあるのですが、どんなふうになっていたのでしたか。
○星委員 研修制度で我々が技術研修をしていくときに、実務経験が必要かどうかというのを前提にすることでなくていいだろうと僕は理解して、だからこそ消えたというか、つまり何か資格要件を満たすために一定程度の経験が必要だというようなことで5年という話を多分していたのだと思います。研修をどういう状況で始めるかというのはそれぞれ一人一人によって違うわけで、レディネスが足りなければ教育期間が長くなってしまって、なかなか合格できないということがあるのかもしれませんけれども、それを入り口のところでばっさり5年以上なきゃだめよということで切り分ける論理的な意味がないからということで、我々は5年間というのは外したと私は記憶しています。
○有賀座長 そうなのだけれども、実際、教育する側と教育される側との関係を考えると、ここに書く必要はないけれども、きっとそうなってしまうのではないかなという議論もたしかありましたね。
○星委員 ありますね。
○竹股委員 これはいろいろ議論があると思うのですけれども、既に養成試行事業をやりましたね。その中でもやはり実務経験の問題というのはカリキュラムの内容とか研修の長さに非常に抵触するのです。そういう意味では、養成試行を特にやっていますから、その内容を現場の方たちにヒアリングするなどして、実際にどうなのかというような実質的な成果というか、試行事業の成果をきちっとここで聞いた上で議論したいなと思います。
○簑原医事課長補佐 前回、たしか御議論いただいたかと思いますけれども、御説明としては資料1のほうで、研修制度の中で研修の義務づけがされる看護師というのは、特定行為をプロトコールの指示に基づいて行う看護師さんは研修を義務づけられるということで、それ以前の議論では特定行為を実施できるかできないかというお話をしておりましたが、そうではなくて、こういう特定行為をプロトコールの指示に基づいて行う看護師さんは研修の義務づけをするということでございましたので、そこについて5年以上ないとプロトコールの指示に基づいて特定行為を行う看護師にはなり得ないので、制度論としてはそういう要件は課されないということでございました。前回も少し御議論いただきましたが、実際、今、御指摘がありましたように、入学をするときに、5年以上の経験を有する看護師さんを入学者の対象としますというような指定研修機関の御判断はあり得ると思いますので、そういったことを各研修機関で設定いただくのは可能ではないかと御説明させていただきました。
○神野委員 とはいうものの、何らかのキャップをしておかないと、四大を出て、勉強したいから大学院に行って、そのままこの資格を取って、言っちゃ悪いけれども、資格マニアみたいな方が世の中にいらっしゃるじゃないですか。そういう方ができないような仕組みというのはきちんとしておかないといけないのかなと思います。
○星委員 これは資格ではないということを言っておくべきだと。資格ではないので、研修を受ける分には受けていいよという話で、うちの研修はこういう到達目標に達するために特にこの領域の実務経験がこの程度ないとなかなか厳しいよというのは言うべきであって、卒業したてでもいいよ、ほいほいといって、では2年で育てるよみたいな話ではないのだろうと思うのです。
 ただし、資格要件といいますか、この研修を受けるための要件をどういうふうに決めるのかというのはかなり難しい話だと僕は思うのです。5年がいいのか、3年でいいのか、2年ならいいのか、10年が必要なのかみたいな話は余り意味のある話ではないので、この際、そこはそれぞれの研修機関が到達目標を考え、あるいはそれぞれの標準時間数を我々が規定したとしても、そのときに、このぐらいのことがわかっている実務経験がある人というのは念頭に置きながらも、もし可能ならば1年でも2年でもそこに入れば、ただし、その前の部分、つまり経験が少ないとできないような部分については前説も必要だし、もしかしたら時間数も余計にしなきゃいけないというようなことはそれぞれの研修施設が考えればいい話だと私も思っています。
 ですから、それを入り口のところで何年目と決めるというよりは、我々が想定する標準的な研修を始める人の姿というのをそれぞれ念頭に置くために、何となく5年ぐらいの人かなというのはあってもいいと思うのですが、もっと言うと、同じ5年経験しても何も知らない人もいれば、かなりのことができる人もいるので、そういうことを言い始めるとキリがないですから、みんなが想像するこのぐらいの人でここで言うところの科目や実習や単位数や時間数を考えていくという意味では、あってもいいことだと思いますが、それを要件にすべきではないと思います。
○有賀座長 思い出しましたけれども、要するに指定研修という仕組みそのものについて議論するときにどういう人を足切りするかというふうな話については、話のネタとしては無関係と。ただ、さっき僕もちょっと触れましたけれども、多分、竹股先生も同じことを言っていると思うのですが、どういう実習をどういう内容で能力を培っていかせるかということを考えたときに、教える側と教えられる人たちが一定の水準でこういうことだよねということがないと、今の話ではないけれども、大学院を出てきてからといったって、そもそも現場から発生した話ですから、現場で何もしたことがないような人が入ってくることは、そういう意味では想定していないわけです。想定の範囲内のルールのようなものは恐らく指定研修の全体像をディスカッションする中で何らかの形で入り得ると私は思うのです。結局そうならないと実効性のある社会の仕組みにはならないのじゃないかと。
○竹股委員 私、まさにそういうことなのです。私たちが新人あるいはあるキャリアのナースたちに継続教育をプログラムするときは、やはりいままでの実務期間も一つの習得内容なのです。理屈上、ゼロから新人がやることはないにしても、新人と、3年目、5年目、幾つかのポイントがあるけれども、その人とは何が違うかといったら、その期間に実務研修していることになるのです。だから、それを全然抜きにしてこのカリキュラムよとなってしまうと、ではどのぐらいのレベルから始めるのかという話になって、現実的には教える側も大変だし、時間もかかるというふうに、これは実体験からしてそう思います。
○有賀座長 つまり、実際に働いてきた方たちがこの話に乗ってくるということしか想定されませんね。この指定研修の内容が誰もしゃべっていないポルトガル語を勉強しましょうというのであれば、今言ったみたいな大学卒業したすぐの人も、5年目の人も、10年目の人もゼロラインに並べますけれども、そうではなくて、こういう仕事ぶりを現場で包括的指示の中でどう展開していくかという話になれば、しばし現場にいないと何のことかわからないという話だと思うのです。例えば国文法の勉強をするという話のときには、日本人同士であれば一応日本語をしゃべっているということを前提にという話になりますので、そういう意味では、ゼロベースでこの中に参入する人がいるというのはちょっと想定しにくいと。ただ、全く何も言わなければ、今みたいに何とかマニアみたいな人が誤解のもとに迷い込んでくる話はあるかもしれないということなのでしょうね。
 今、?と?に関連して発言されていますけれども、そのほか、?、?についても関係してくるといえば関係しますが、どうぞ。
○井上委員 特定行為についてはずっと30回近くのワーキングの流れの中でわかるのですが、指定研修というのは私の記憶だと去年の12月のチーム医療推進会議で報告されて、私たちにとっては1月のもので初めてです。そして間があいて今回ということになっているので、話の流れとしては、養成課程の話、2年とか8カ月とかと言ってきたのですが、そうではなくて、指定研修という形になったということであるならば、ぜひともOJT、要するに職場を離れてどこかに入学して何とかというのではなくて、eラーニング等を活用して、それこそ業務を続けながらやれるようなものというのが可能なのかどうか検討する必要があります。そうなると今までの教育課程とか養成課程とは全く違う発想の論議も必要になってくると思うのですが、厚労省で研修という言葉を使う例えば医師の初期研修とか、あれは学校に入るわけではないですね。私の記憶では、研修だから受講するに当たって資格要件はないというのを前回か前々回かでお答えいただいたと思うのです。研修なわけだから養成課程と発想を変えて、一行為ずつのばら売りはしないということで、最小単位で幾つかのブロックはあるのだろうと思うのですが、ぜひ日本全国で、この部分だけやりたい、あるいはOJT、オフじゃなくてオンでやれるということはこのワーキングで検討の可能性はあるのでしょうか。
○星委員 ここに来て意見が合って大変うれしいのですけれども、まさにそのことを私はずっと主張してきて、(「それがこれでしょう」と声あり)まさにそれです。今ここに示されたものはこれであって、2年とか8カ月、どちらにしても、現場を離れてどこかの学校に入って、それだけをやるという姿で学ぶということではなくて、必要な知識・技能についてのトレーニングについてはもちろん座学も必要だろうし、いろんなことが必要だろうから、全て現場で仕事をしながらということではいかないことは百も承知の上で、その組み合わせ、つまり、自分が職場を離れずに、全てができるかどうかは別として、ほぼ全てのことが研修できるというような制度にすべきだという話で、研修制度にしようとした時点で私は少なくともそういう理解をしています。そうでないと言う人、前原先生は大学院だとまだ言うかもしれませんけれども、大学院教育だという話ではなくて、研修制度とすれば、ごくごく身近なところで受けられると。ただし、おざなりで、いいよと言って、俺が教えたのだから、後、判こやるよみたいな話では困るという、この両方の話をしたと思うのです。
 まあまあ俺が見たのだからいいよねという判こが押せない程度にきちんとしたことにすることと、それから全国どこで受けても一定レベルのものになるということは必要なことなので、一定程度のものになるためにはどういう枠組みが必要なのかということを考えていかなきゃいけないのだと思います。医師臨床研修についても、大学でやられていることとごく一部の特別の病院だけがやっているものが比較的多くの病院でやられるようになって、その後、どっちがいいのだというような議論もしていますけれども、いずれにしても、あれも一定の要件を決めて、教える人はどんな人で、どんな内容で、それはどうやってチェックしてというところも一定程度やっているわけですから、あれを少し模範にするとしやすいのではないかと思います。
○有賀座長 今の質問に関連してちょっと事務局にお尋ねします。指定研修という言葉の由来について簡単に。急に聞いたみたいな話が出たので。
○簑原医事課長補佐 一定の資格ではなくて、包括的指示、プロトコールの指示に基づいて特定行為を行う看護師さんに技術度とか判断が一定程度になるようなということでございましたので、資格をつくるというものではなくて、既存の看護師さんがプロトコールの指示に基づいて行うことでより高いレベルのものを目指していただくということで研修という文言を使わせていただいているところでございます。
○有賀座長 資料1の中では、指定研修という言葉そのものは別添のほうに出てくるのですか。
○簑原医事課長補佐 別添のほうに出てまいります。2つ目の○の1つ目の・の一番最後のところでございますが、「厚生労働省令で定める基準に適合する研修」とございます。
○有賀座長 だから、とは何かという話が出たらここに当たればいいと。
 では、小松先生、どうぞ。
○小松委員 資料とか皆さんの論議を聞いていて、このワーキングの中で論議を早急に優先度を高めてやったほうがいいなというのは、「特定行為を包括的指示のもとで実施するために必要な共通の知識・技能」というところの部分についてどういうものが、まあ幾つか分類された領域というのができてきますけれども、(「先生、今、何ページを読みましたか」と声あり)ごめんなさい。3ページの部分です。そこの左側のところに書いてある「共通の知識・技能」というところについてやはりきちんと論議をしておく必要があるかなと思っています。次のページに行ってしまうと到達目標がすごく幅広くまだそこが残っているままで、かなり2年課程とかを想定したところの部分があるわけですけれども、やはり今、論議があったようなことで研修という形でやる場合に、質を担保してきちんとした臨床判断、いわゆる臨床推論がきちんとでき、病態が把握でき、フィジカルアセスメントができ、プラス看護がやるわけですから患者さんたちがちゃんと制度機関につないでいけるようなところというふうな最小限のコアをここで少し論議して、それをきちんと出していく必要があるかなと思います。
○前原委員 僕が大学院と言っていたのは、2年課程と8カ月ですか、今、養成調査試行事業と業務試行事業というのはやっているわけですけれども、ここでの最初の答申で、どの程度の人を養成するのかというところで皆それぞれ違うのかもしれませんが、2年でも足りないのではないかなと僕は思っているのです。それは大学院ではなくても構わないですけれども、ただ、現場でOJTでやって特定の行為がやれるような人間をつくるのではなくて、最終的にはそこまでのレベルに、医師と看護師の間の溝を埋めるような中間職種と言うとそういう新しいのをつくるのかと言われてしまうとあれですけれども、それぐらいのレベルの人をつくった上で特定行為というのが現場でできる。ところが、ここに書いてありますが、卒業したらすぐできるわけじゃなくて、それはOJTでやっていくのだと。OJTをやっていくレベルの前の教育なり研修というのはやはりかなり高いレベルだと思っているし、周りというか世の中も、救急でも周術期でも慢性でも在宅でもある程度の包括的な指示のもとでできるような人を養成するのは高いレベルだと思っています。今やっている養成試行事業だとか業務試行事業のところがどういう実態なのかというのは、現に動いているわけですから、それを認識した上でみんなで議論すべきではないかなと思っています。
 ただ、門戸は広げて、やりたい意欲のある人はどんどん上げればいいと思いますので、前の5年間というのが3年になってなくなったというのは、指定研修になったからなくなったわけではなくて、レベルがある程度は、養成で何年目の人が来ているのかというのを調べればわかると思いますが、かなりの5年以上の経験の人が来て、その上に2年以上の医学的な知識なり、3Pプラスアルファのものを習得し、臨床推論ができ、卒業した後で包括的指示、プロトコールのもとである程度判断力をもって試行ができるというのはかなり高いレベルだろうと僕は思っていますので、その辺は共通認識としてこの会では持っていただきたいと思います。
○英委員 私は大学院教育を全然受けていないのでちょっとそのレベルでの研修のあり方が、しかも看護の話もあるので、十分理解ができないところもあって、現場的に実際に、例えばうちの看護師あるいは地域で頑張っている看護師が特定行為を担えるような現場づくりを考えたときに、やはりeラーニングがあって、実際に勤務している現場で実習を受けられて、そしてそういった行為が担えればいいのではないかと単純に考えてしまうのです。
 ただ、僕らの世界の中で一番参考になるというか、今ちょっと自分たちなりに問題なのは、ヘルパーさんの医療行為がやはり制度化されて、50時間の研修を受けて、なおかつ実習施設でやるという制度ができて、去年から動き始めていますけれども、実際にかなり問題があって、それを担いたいと考えているヘルパーさん、また担っていただきたいと考えている現場がうまくいっていないわけです。実習施設が物すごく少ない。実際に実習を受けられるのは宝くじに当たるようなものだという話があったり、あるいは実習の内容も非常に高度であり過ぎて、やれるところが非常に少ないだけではなくて実習先についても非常に負担感がある。ですから、確かに高度な専門性の高い教育を目指さなきゃいけないという一方で、チーム医療を本当に考えるのであれば、そういった現状も踏まえて実際的な行為の担い方というか、そういうのもきちんと議論していかなきゃいけないのかなと。eラーニングはすごく僕もいいのですけれども、実習というレベルを考えると、結構ハードルを高くすれば今度は実際にはそうなるのかなということも踏まえて、これから議論していきたいと思います。
○前原委員 英先生のおっしゃるとおりで、僕もそれは当然考えていまして、大学院でなきゃだめだとか言っていませんで、僕の考えとすれば、それが本道であれば、それ以外といってあれですけれども、部署ごとに領域を分けて、在宅なら在宅、周術期、慢性、救急とかというところである程度の教育、3Pも当然やるのですけれども、それは長い期間ではなくて6カ月になるのか、そのぐらいのしっかり医学的な知識を持ち、なぜこういうのが必要なのか、どんな合併症が起きるのかということを6カ月なりで教わって、ちゃんと習得した上で、そしてその部分のところでやっていく、そういう人たちも必要なのだろうと僕は思うのです。
 僕が2年間は絶対かかるよと言ったのは、広くあまねく、医学部教育みたいなものですかね。医学部教育というと6年とか4年とかなってしまいますけれども、それなりの医学的知識、3Pプラス看護教育もあるわけでしょうけれども、主に医学的な教育というものを、プライマリーとかそういうことを全般的に勉強するために2年では足りないのではないかなということです。ですから、2通りの道があるのだと僕は思います。2年なり、6カ月、8カ月というコースは、皆様が考えている社会のニーズからは2つつくっていかなければいけないのではないかと思っています。
○英委員 どういう看護師像を考えるか、つまり非常に専門性の高い、任せ得る人で、きちんと教育を受けた人ということで考えるのだったら、もちろんそうだと思うのですが、現場の担い手として考えたとき、果たしてそれが現場を支える人として出てこれるのかと。
○前原委員 僕が言ったのは、専門性が高くて2年間やれと言っているのではなくて、専門性は高くなくて、糖尿病も何もかも、プライマリーの救急も総合診療みたいなことを全般的に学ぶために医学のことはトータルすると全部勉強しなきゃいけませんね。そのためには3カ月や半年では無理でしょうと。プライマリーとして、全体、ゼネラルを勉強するのには2年間は必要でしょうと。その後で在宅なり周術期なり救急に行くのであれば、それはそこで特化した、より専門だと。だけれども、それをつくるのではなくて、その人が僕はメインだと思っていますけれども、それ以外に、在宅、救急、周術期で行う人に半年ぐらいで3Pをよりプラスアルファして、そこで自律してできるような人というのもつくらなければ現実的ではないと思っているということです。
○星委員 前原先生が大学院ではなくてもいいと言ったから喜んだら、言っていることはやはり変わりがないので、余り喜んではいけないのだろうと思いますけれども、期間の問題はちょっとおいてもらって、それから先生が今イメージしているようなスーパーナースをつくるという話もとりあえず度外視してもらって、今、議論しているのは、何もスーパー看護師をつくろうという話はしていないのです。というか、これはしないということを我々は決めたはずなのです。
 要は、ここに掲げられた特定の行為は危ない行為で、研修しないと危ないからちゃんと勉強しましょうと。勉強するときにも、ただ単純に行為ができればいいというわけではない、それができるための背景も一定程度知っておかなければ安全にできないということでスタートしている話なので、そのためにどの程度の基本的な知識が必要で、どういうふうな教育のプログラムなり教育のカリキュラムが必要で、どんなシラバスでやるかということも含めて、結果的にどのぐらいの時間数、どのぐらいの期間になって、それをどういうふうに積み上げてつくっていくかというのが研修の仕組みだと僕は思うのです。
 資格認定をするとか何かをするということで何時間何単位以上というようなところから入るのは、議論としてはその議論はすべきではないと思っていて、今しようとしている議論は、まさにこれからあるグループ分けされた一定の行為ができる人たちをつくっていくとすればどんなところが必要なのか、いずれそういう人が必要だという先生の御意見はわかるし、そういう希望があるのもわかるけれども、その話と、今、私たちがしようとする話をごっちゃにして、常に「いやいや、そういうのも一方でいいけど、やはりこういう人も必要だよね」という話をされると、何だかわけがわからないので、せっかく先生が毎回そのことを言ってくれるので、毎回私はそれをこうやって否定しなきゃいけないのはつらいですけれども、今、我々に課せられている課題は、上の会でまとめてくれたあの考え方に基づいて、では現場で安心してトレーニングをしながらやるとしても、ここまでのところは最低限やらないとやはり怖いよねというところを、そして皆さんのコンセンサスを得るということのほうが求められている課題で、我々はそれに対する答えをまず用意することが必要で、それにしてもそういうスーパーマンが必要だねという話はとりあえず一回おきませんか。おいて話を進めるべきだと思います。
○前原委員 ちょっといいですか。スーパーマンが欲しい、先生はそういうふうにおっしゃるかもしれないけれども、それが欲しくないと言っているのは先生だけだと思います。チーム医療推進会議の答申の報告書の中に、これを受けるのであれば、現場のOJTで少しできるような人をつくってくださいということは一言も書いていないと僕は思うのです。
 この経緯からすると、4年も5年もやっていて、当初からはある程度の医学的知識、実習、かなり高い能力を持った、その当時、6年前ですか、自民党の政権のときにはちゃんとそこへナースプラクティショナーという言葉も書いてありました。フィジシャンアシスタントという言葉も書いてありました。(「それは否定している。また話を戻す」と声あり)戻していません。(「先生だよ、戻しているのは」と声あり)戻していませんよ。その答申のもとに流れが来ているわけです。チーム医療推進会議で答申が出て報告書が出たのを、「それはないよね」と先生の考え方だけでワーキングはそれで話をしましょうというのは、先生が戻していることになります。全くそれはおかしな話だ。
○星委員 済みません。私だけの考え方ではなくて、私は、少なくともこのペーパー、資料1のペーパーを読んだ上で議論しているのです。
○前原委員 資料1のペーパー。
○星委員 では、資料1がおかしいと言うのですか。
○前原委員 いや、そんなことはないですよ。資料1がどういうことを意味しているかということを先生は理解していないということです。
○星委員 僕に言わせれば先生が理解していないということです。
○秋山委員 今のとちょっと関係なく、指定研修についての7ページ目の「各教育・研修機関における教員・指導者の要件」のイメージの中に科目例で、例ですから4つありますね。そのうちのフィジカルアセスメント、臨床薬理学、病態生理学、この適切な教員をそろえているというとやはり大学だと思うのです。だから、大学がどうこうではなくて、その方たちの例えば講義などは共有してeラーニングでする、そのための教材はどこか共有する、施設要件とか教員の人員配置とか、そういうのを各指定するときに共有するという考え方は今までなかったと思うのです。そういうことでもしてOJTに近づく具体的な研修のイメージ、そしてフィジカルアセスメントにしても講義だけではなく実際の実習は必要でしょうし、もちろん臨床実習というか臨地実習は現場でないとできない。そこのところの組み合わせを上手にしながら、本当にこういう方たちを研修でつくっていくというときには、具体的な実施可能な線を出していくために施設設備・備品についてというあたりももっとフレキシブルにというか、そういうものが備えられてもいいのではないかと具体的に私は思いましたけれども、どうでしょうか。
○有賀座長 全くそのとおりなのです。だって、10ページの絵を見れば、実習施設としていろんな施設があって、あっち行ったりこっち行ったりということだってあり得ると書いてあるわけです。その中でよりクオリティーの高い部分をどう求めていくかというだけの話ですから、極めて具体的に星先生の思いに近いものが当座でき上がったと仮定しても、そのまま10年間いくとは思いませんね。医学教育の内容だって、僕らが卒業したころに比べれば今はもっともっと授業そのものが立体的になっていますね。僕らの場合はほとんど座学で、後は試験を通ればそれでオーケーみたいなことで、今はそうなっていませんね、OSCEがあるとか何とかで。そういう意味では教育の内容も恐らく刻々と進化していくのだろうと思うのです。
 まずは進化するにしても仕組みがなきゃどうにもなりませんので、そういう意味では前原先生が言っているみたいに相当程度に頑張るナース、確かに現場で今、卵がかえって働いてくれている人たちは、すごい能力の高い看護師さんたちがこの件にトライアルとはいえ、入ってきていますので、彼女たちを見ているとすごいなと思いますね。
 ただ、どんなジャンルにも初めのころに頑張る人というのはめちゃめちゃできのいい人が大体いるものなのです。これは僕が言ったわけではなくて、千葉県に30ぐらいの消防本部がありますけれども、そのうちの半分ぐらいの消防本部が千葉市消防本部に来てその地域をやると。情報を一緒にやろうと。そのとき消防本部から来ている人は全部、その消防本部のエリートが来ているわけです。3年間ぐらいはエリートが来るだろうと言っています。
 ですから、事の初めのころは恐らくそういう人たちがいて、僕たちが見学に行くと相当程度それっぽい人がいる。ひょっとしたらアネステジアもやっちゃうんじゃないかと見まがうほどにすごい人たちがいますね。大学院を出た人がアメリカだってかけているのだからひょっとすると同じじゃないのという話は、前原先生の話を聞いていればそういうふうなことだってそうだよねと。だけど、皆で議論してきた10ページの右側の絵は、そういう意味では比較的しなやかな発想に支えられていると考えるのがいいのではないかと。今、秋山先生が言ったとおりだと思いますので、そういう意味で指定研修に関する議論が進んでいくのではないかと想像します。書いてあることの理解がああでもないこうでもないと言ったところで、見解の相違と言ってしまえばそれっきりですから、どうにもなりませんので、ここでの議論が発展できるような形で上手に話をしていただくと。
○星委員 その話、つまり前原先生とのバトルは別にどうでもいいとおきまして、先ほど大学でという話があって、まさに今、3Pを教えられるのは医学部の先生たちがメインなのかもしれませんが、いずれ地域の医療機関でもそういうことができるようになるべきだと私は思っています。あるいは看護学校でもと言って、ちょっと批判を買うかもしれません。でも、結局そういうもの全てeラーニングに任せて私たちは実務だけやればいいということを続けていくのも正しくないと私は思うのです。我々の手で、そういうeラーニングを横目で自分たちも見ながら教員も学んで、一定程度の水準になって、自分たちでもう一歩先の勉強を一緒にするみたいなことを私はあるべき姿にしておきたいのです。
 したがって、そういうものはどこそこの資格を持った人がこういう形でやらなきゃだめよというよりは、それがモデルだと、そういうモデルに近づける教員があなたの病院にいないなら、あるいはあなたの学校にそういう教員がいないなら、やはりつくるべきというようなメッセージとともに私たちは受け取るべきだと思います。私たちが受け取ったメッセージは、単純に特定行為をする看護師さんたちへの教育だけではなくて、ほかの職種の人たちや、あるいは看護基礎教育へのフィードバックや、さまざまな形で自分たちの教育の仕方や実務トレーニングの仕方を変えていく可能性があると思うのです。
 前原先生はそれより上のことを想像しましたけれども、私は広がりのことをさらに考えていて、この研修制度が一定のレベルで行えるような病院あるいは学校が日本全国に多少なりとも出てきて、そういうところがもっともっと多くの人たちに研修の機会を与えるような努力につながっていくという姿を私は想像したいし、そのことがもしかするとこの研修制度の一つの大きな役割ではなかろうかとぐらいに思います。
 したがって、どううまくその芽を出させて地域の中に根づかせていくかということに主眼を置くべきだろうと私は思います。資格制度ではなくなった分、そういう意味での自由度とか、あるいは逆に言うと責任も大きいのだと思うのです。自由度が高い分、責任が重いと思うので、そういったことをお互いに情報共有しながら、自分たちで独善的に看護師はこういうふうに俺たちが育てればいいのだということではないレベルでの看護師さんたちへの教育が行われるような施設というか、そういう地域が1カ所でも2カ所でもふえていくようなことに資するような議論をさせていただきたいし、そのつもりでここにいるので、先ほどの議論はまさにおっしゃるように私も受けとめていますので、そのことを申し上げておきたいと思います。
○前原委員 フレキシブルな指定研修、実習施設、僕はこれでいいと思いますし、そして門戸を広げて、勉強したい人はぜひそういうふうにしてやっていただきたい。eラーニングも僕はいいとは思いますけれども、診療参加型の看護師さんを養成しようとする、それが今は社会のニーズであるという認識からすると、それを目指すに当たっては、講義だとか座学はeラーニングでもいいかもしれないけれども、実習というものはぜひとも必要なので、それをやりつつ、こういうフレキシブルなことをやっていくことがいいと思います。
 ただ、今までの議論で、指定研修についてと4ページにある、いわゆる3Pというか、看護実践、解剖生理学、病態生理学、フィジカルアセスメント、医療管理学、臨床実習というのはこれをやるのに半年ではできないだろうと。この辺のところはやはりカリキュラムにもかかわってくるし、看護協会、看護師さん自身はどういうふうに思っているのか、どういう人が欲しいかということによっては違うのかもしれないけれども、このことをしっかりやる、しっかりやるというのは2年コース、6カ月コース、8カ月コース、期間は切りませんけれども、こういうものは何もかもみんな6カ月コースで、それをチーム医療推進会議、そしてワーキングで決めているのではないのだということを理解していただきたい。2つやっているのだということを理解していただきたいと思っています。
○有賀座長 ですから、2年か8カ月かという話のこれもまた初めのころの皆が一様に思っていたらどうなっているのだろうねという話が、単位の数だとか、領域における実習の広さ、深さなどによって多分決まってくるだろうと。どっちにしたって、例えば大学院で博士課程ということになると4年ですかね。僕なんか大学院を卒業した者と同等と認めるという話で、実は、卒業した者と同等と認めるということで学位を取ったのも卒業して十何年ですから、単位ということでいけば、1年間のこなした単位は僕は物すごく少なくて、だけども、一定の水準で認めてもらったというところまでたどり着いているということがあります。何年以上といったところで、つい最近は昭和大で大学院を飛び級で出してもいいのじゃないかと。物すごくすぐれた人がいて、女性でしたけれども、そういう話もしましたから、年限は大事ですけれども、やはり内容こそもっともっと重要という話で本件は進めていくしかないのではないかと思います。
 今日ここに大滝先生がいないのですね。さっき星先生は臨床研修は一つの見本になるとおっしゃいましたけれども、いい意味でも見本になりますけれども、実は足りないという観点から見れば、あの部分に関しては反面教師としての見本という部分もないわけではないわけです。それも含めて大滝先生などは多分医学教育のプロという観点から見ているはずなので、この部分についてはそれなりの見識を十二分に発揮していただけるのではないかと思って、もしいたら、それこそ前原先生のワーキングじゃありませんが、こっちのほうもシンクタンク的に少しまとめていただくとありがたいかなと思ってはいるので、いかがですか。いない人にお願いしますと言ったところで届くかどうか知りませんが、これはいないからそうなったのだから、言うことを聞いてねとしか逆に言うと言いようがないのですが、ちょっと御意見を。
○真田委員 大滝先生はもちろんよろしいかと。看護の先生も両方で御検討いただければなと。
○有賀座長 一人でやれなんて言っていませんから、前原先生だって一人でやると言っているわけじゃないから。
○真田委員 お願いいたします。検討事項の案のところで指定研修に必要な検討事項としては4つきちんと挙がっていると思うし、これは網羅していると思うのですけれども、1ページの?に「必要な能力」と書いてあるのですが、必要な能力をある程度定義しないと、これはつくれないのではないかなと思います。つまりどういうことかというと、どういう科目が必要云々というときには、これは特定行為をプロトコールのもとに実施し、チーム医療ができるという方々を育てるのだと思うのですけれども、そのときに特定行為の実施には、先ほど言った3Pが理解できて臨床推論の方法がわかるとか、ある一定の到達目標があってこそ、必要な能力で科目とか実習が考えられるのではないかと思うので、?の前にもう一つ、その部分の必要な能力を定義することがないとここら辺のまとまりがつかないのではないかと思いましたので、その点の御検討もいただければと思います。
○有賀座長 多分、GIOとSBO、あの関係は大滝先生のほうが得意だと思いますけれども、それがないと先へ出発できませんので、そういう意味では、?、?、?、?の前に○0があるという御指摘だと思います。全くそのとおりだと思います。今言った大滝先生にお願いしますよということでいいのだと思うのですけれども、そのプラスアルファでこの中から看護の方たちに入っていただいてということで、僕のイメージはそうなのですが、そちらは急に言われても困るという話でしょうか。
○島田看護サービス推進官 大滝先生にきょうの御議論を説明させていただきまして、それらの御趣旨で御検討いただくように事務局から説明したいと思います。
○星委員 現実に看護基礎教育でどんな内容のことをどんなふうに教えているかということをスタート地点にしないと、スタートできないというのが一つ。
 それから、今、認定看護師やその他、あるいは今の試行事業などでどんなことを目標にしてどんな内容でやっているのかということをみんな共有する必要があると思うので、そういう意味で言うと、初めての試みですね。医師の養成、医師じゃないけれども、養成課程と看護師の養成課程、それがコンフュージョンというか、一緒になってということでやれば非常にいいモデルになり得る、今後のことにもですね。
 一つ私は提案があって、お互いの教育の中身をお互い勉強するみたいな話はもちろん必要なのでしょうけれども、先ほど臨床研修の一つの問題点として、悪い見本でもあるねという話をしてしまいましたが、まさにそうだと思います。非常に独善的になって、力仕事をさせて2年間過ごしてレポートが埋まればいいみたいな話は、余り大きな声で言ってはいけないのだろうと思いますけれども、そういうことが起きているとは言いませんが、起き得る今の仕組みですね。現場に任せてという一定程度のそういう割り切りももちろん絶対に必要で、それがないでしゃくし定規にしてしまえば本当に大変だと思いますけれども、自分たちのやっている教育が、要求度に応じて、つまり自分がやらせたい、やってもらいたい行為ができるようになるというようなことだけではなくて、まさにここで目標とされていることに到達しているかどうかということを客観的にというか、自分たちが、教えている側が、あるいは評価する側が理解できるようなチャンスをこの制度をつくる時点でちゃんとつくっておくべきだと思います。それをやらずに、とりあえず施設認定をして、後はレポートを埋めてもらって、症例があって黒丸が幾つついたらいいみたいな話だけでやってしまうのは何か危険なような気がするので、そういう仕組みを今回の研修制度そのものに織り込むような工夫をしたほうがいいのではないかと思います。
 先ほど言ったように、それが高度なほうに移行してくるという話は前原先生に任せて、それがどんどん基礎教育や現地での新人教育や、あるいは普通のナースと言っては悪いですが、その人たちの教育なんかにもいろんなことが波及していくことを考えて、全国的にあるレベルが全体として上がっていくということを想定するならば、やはりそういうことにコンシャスでなければできないというような、あるいはコンシャスであるような、つまりそこをのぞきに行けば自分の今やっていることがどの程度かということがわかるような、広場ではないけれども、そういう場所は必要で、そのことを制度設計のときにどういうふうに入れるかわかりませんが、想定をするべきだと思っています。何時間とか何を何単位ということだけでいってしまうのはちょっと私も危険だと思うし、そういう意味ではそういう工夫をすることが必要だろうと私は思いますので、よろしくお願いします。
○有賀議長 今の御意見は、資料4の検討事項、○0、?、?、?、?とあって、?については修了時、もちろん途中の評価も入れて、これは指定研修を受けている人に関しての評価となりますけれども、今の話は、そういう教育をしている、10ページで言うと、ここに登場する指定研修機関だとか実習施設だとか、こういうところの評価というものも一定の水準で標準的な形でものを示すということがないと勝手気ままな話が行くということを星先生は言っておられるわけです。これは臨床研修病院についても全く同じことが言えるようなので、そういうところからも学ぶことは十二分にあっていいのではないかという話ですね。
 医学教育は卒前教育に比較的特化したみたいな、「医学教育」という雑誌を見るとそうなりますけれども、必ずしもそうではなくて卒後の教育も皆入っていますので、大滝先生はその辺ではいい人材だと私は前から思っていますので、それでいきたいと思います。
○前原委員 建設的な会議をやってきたつもりですけれども、指定研修についてということで真田先生がおっしゃっているように必要な能力を獲得するために必須な科目、ではどの程度の人を養成しようと思っているのかというのは皆おのおの違うのかなと。星先生とも共有できていると僕は思ったのですけれども、どうも違う。最初から違うのかもしれませんけれども、では、今、認定看護師さん、専門看護師さんという名前を出してあれかもしれませんが、その人たちのプラスアルファの人をつくろうとしているのか。それとも、特定の医行為、チーム医療を推進していくためには、看護と医学、その間のところの知識ももう少し教育をした上で、国民がみんな安心してその行為を医師の指示のもと、包括指示のもとでできるような人をつくるとなると、おのずと必要な能力というのはかなり高いのだろうと僕は認識しているということです。皆さんがどの程度認識してというのは、チーム医療推進会議の親会議でも多分そのように認識していると僕は思うということです。その辺のところは共通のコンセンサスが得られないのであれば、これはまた最初から同じようなことになってしまって、報告書がせっかく出て、その報告書の中身の文面はいろいろ当たりさわりのないように書かれていますけれども、やはり必要な能力というのはかなり高い部分もあるし、そうじゃない部分も、両面のことがありますから、両方つくらなきゃいけないのではないかというのが普通の理解ではないのかなと思っています。
○有賀座長 蒸し返しをするような話になってちょっと何となく困るのですけれども、現に私たちが参考にして見てきた今の特定看護師さんになった人たちのお話を聞くと、認定看護師をして専門の資格を取って、そのプラスアルファでこちらのほうにばく進したのだという話を時々聞きますから、初めのグループがそうであるということについては何も否定する必要はない。ただ、もともとのディメンジョンが違う。つまり、普通の看護師さんの延長線上としての専門看護師ということに比べると少し内容の次元が違う部分が入っていますので、ある一人のナースにとってのキャリアパスは先生が今おっしゃったことについて否定するものではありませんけれども、ここで考えているのは、それを議論したその先にそれがあるということを誰も決めてはいないのです。
 そういう意味で僕の理解は、今はそういう人がそうなっているということは認めますけれども、これから先もずっとそうなのかという話は何も誰も決めていません。相当程度にそれっぽい人がこれからも出るのだと私は思いますけれども、未来永劫そうだと決める必要もないし、したがって、2年間の大学院をぎりぎりやれという話も多分ならないのだと思います。そういうことはこれから先の議論をどういうふうにしていくかということに関して重要なので、さっき言ったGIOとかSBOの話は、前原先生のような考え方で考えても、星先生のような考え方で考えても、僕たちの社会は結局やれることしかできませんから、こう言ってはなんですけれども、エイリアンが来てエイリアンの仕事をつくっているわけではなくて、一緒に働いている看護師さんたちがこれから先どうするのかという話をしていますから、そんなに極端なバラエティーの中にばらまかれるとは余り思わないのです。
 前原先生にしても星先生にしても僕にしても英先生にしても、ふだん働いている現場での議論の延長線上にこの手の話をそれぞれがまずは構築しますので、したがって、前原先生は周術期または外科系の患者さんが相当程度に頭に浮かぶかもしれませんし、星先生は場合によっては褥瘡とか、そういう病棟の景色が浮かぶかもしれませんし、英先生の場合にはどう考えたって在宅の話が浮かぶわけですね。僕に関して言えば、病棟だと完璧にインテンシブケアです。ただ、救急外来とか普通の外来の話までいけば、つまり救急隊が運んでいる97%ぐらいは救命救急じゃないところに行きますから、そういう意味での救急外来の話も実は頭の中に入るわけです。
 そうなってくると、今言った救急認定看護師さんのプラスアルファにということに今のところなってはいますけれども、これから先もそうなのかという話は、例えばトリアージという患者さんの緊急度を判断してどのぐらい早く患者さんの処置に当たるかということに関して言うと、既に一般のナースができていることになっていますが、諸外国の例などを見ると結構大学院を出た人がやっているという話もありますので、それはこれから先、十二分に議論していく必要のあるテーマだと私は思います。
 今がこうだからといってがたがた言ったところでしようがありませんので、とりあえずは、今、私が言った程度の理解で先へ進みたいと思います。それ以外のことを言っていただくと話がこんがらがりますので、易しく言ってくださいね。
○井上委員 私の理解で指定研修のことについてもう一つ意見を言わせていただきたいのですが、先ほど私がOJT、オンの話をしました。それは裾野が広がるという意味ではとてもいいと思うのですが、私が思うに、これは一番難しいと思うのです。私は今、専門看護師の教育をしていますが、社会人で入学したい、職を持ったまま入ってきたいという人たちを私は断っているのです。というのは、教育課程のほうがよほど簡単なのです。囲い込んで何カ月なり何週間なりやるほうが教育としては本当にやりやすい。
 OJTである程度の質を確保する。それから、あしき例にならないように、今、オンライン教育といっても、好きなとき、24時間オンデマンド、自分で見るだけじゃなくて、スカイプなどを使って、デブリーフィングといってやったことに関して、同時性で例えばどこかとつないでスクーリングのようなことをする。今のIT技術をいろいろ使って、やりっ放しではない教育が必要です。多分これだけの裾野の広い人たちのOJTというのはかなり大変なもので、シンクタンクとかそういうところに本格的に入ってもらわないと、片手間な研修でやったのでは、いろんな施設があるのでとんでもないことになります。
 そういう意味で、裾野が広がるのはいいのですが、OJTの場合は教育システムというのを考えてやる。うまくいけば非常に画期的な、医療に限らず先駆的なものになるのではないかと思うのですが、それにはすごくお金もかかりますが、いい機会なのではないかと。むしろ、囲い込んで休職させてやったほうがよほど簡単というのは言えます。済みません。それを言いたかったのです。
○星委員 最後に、本当にこの行為をさせるかどうかというところに話を戻せば、医師の包括的な指示のもとにできるというのはこの研修を受けているというのが一つの条件でしかないわけです。現実に自分が教えたのに、これをやらせて自分が何か返り血を浴びるようなことになるのであれば、もちろんやれとは言わないわけですから、そういう意味でいうと、OJTというのは大変だといいますけれども、自分がこの人に責任を持たせてやらせられるかどうかというのは非常に大きな評価基準になり得るというのも一方で言えることだと思うのです。
 したがって、制度だけを余りがちがちにするというのも僕はどうかと思うし、だからといって野方図に何でもいいというのは問題なので、その辺のどこかストライクゾーンを探し当てるという作業を私たちはしなきゃいけないのだろうと。それもこんな短い期間でどうやってストライクゾーンを探すのかというところだろうと思うので、そういう意味でいうと、前さばきをしてもらったほうが私たちは議論がしやすいと思うし、具体的なイメージをもう少し共有できたほうがいいと思います。
○有賀座長 何だかんだ言いながら全ては現場ということになりますので、そういう意味での議論をこれから先も続けていきたいと思います。きょうはこれでいいですね。はっきり言ってお疲れではないですか。
 では、事務局に話を戻すというか、もうやめていいですね。
○島田看護サービス推進官 はい、座長の御指示であれば。
 次回以降のスケジュールにつきましては、また御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○有賀座長 では、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室

看護サービス推進専門官 高橋: 03-5253-1111(代表)(内線4174)
03-3595-2206(直通)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ第32回議事録

ページの先頭へ戻る