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2013年5月27日 第26回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会 議事概要
医政局研究開発振興課
○日時
平成25年5月27日(月)17:00~19:30
○場所
厚生労働省 19階 共用第9会議室
○出席者
(委員)
| 永井委員長 | 青木委員 | 梅澤委員 | 春日井委員 | 貴志委員 | 
| 木下委員 | 小島委員 | 島崎委員 | 高橋委員 | 竹内委員 | 
| 戸口田委員 | 中畑委員 | 前川委員 | 水澤委員 | 山口委員 | 
| 山中委員 | 小澤参考人 | 島田参考人 | 
(事務局)
| 厚生労働省医政局研究開発振興課 | 
○議事
議事概要
 すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた大阪大学医学部附属病院、理化学研究所、先端医療センターからの申請、先行審議となった湘南鎌倉総合病院、朗源会ウェルフェアグループ、産業技術総合研究所、新潟大学医歯学総合病院、東京慈恵会医科大学の申請について審議された。
 その結果、先行審議の湘南鎌倉総合病院の申請は了承され、継続審議の大阪大学医学部附属病院、先行審議の東京慈恵会医科大学の申請は持ち回り審議となった。その他の申請については、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。
 (審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1~8参照。)
(別紙1)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 重症心筋症に対する骨格筋筋芽細胞シート移植による治療法の開発 | 
| 申請年月日 | 平成24年10月24日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 大阪大学医学部附属病院 澤 芳樹 | 
| 対象疾患 | 重症心筋症(拡張型心筋症及び虚血性心筋症 | 
| ヒト幹細胞の種類 | 骨格筋筋芽細胞 | 
| 実施期間及び対象症例数 | 3年間 DCM20症例及びICM20症例 | 
| 治療研究の概要 | LVAS装着を必要とする前段階、または年齢などにより心移植適応とならない重症心筋症患者に対し、自己の骨格筋から単離した筋芽細胞を、温度応答性培養皿を用いてシート化し、心臓外壁に移植する。 | 
| その他(外国での状況等) | 申請者により、LVAS装着患者に対する筋芽細胞シート移植の臨床研究が、指針施行以前より開始され、総括が行われている。平成21年8月より開始された第1相試験ではDCM5例、ICM7例にシート移植を実施し、安全性の観点から研究の継続に差し支えないとの中間報告がなされている。 | 
| 新規性について | 骨格筋筋芽細胞シートによる第2相臨床研究である。 | 
(別紙2)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究 | 
| 申請年月日 | 平成25年2月28日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 理化学研究所 高橋 政代 | 
| 対象疾患 | 滲出型加齢黄斑変性 | 
| ヒト幹細胞の種類 | iPS細胞(自家皮膚線維芽細胞から樹立) | 
| 実施期間及び対象症例数 | 登録期間:2年10ヶ月、観察期間:移植後1年 6症例 | 
| 治療研究の概要 | 先端医療センターとの共同研究。採取した皮膚組織から樹立したiPS細胞より網膜色素上皮シートを作製し、全身麻酔下に脈絡膜新生血管を抜去後、網膜下にシートを移植する。まず安全性の評価を主に行う。iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に起因する免疫拒絶反応や腫瘍化の程度を確認し、また移植手術手技より生ずる有害事象を調べる。 | 
| その他(外国での状況等) | 海外ではES細胞を用いた臨床研究が始まっているが、ヒト幹細胞臨床研究として、網膜細胞の移植が実施されたことはない。研究者は、免疫不全マウスを用い3度造腫瘍性試験を行い、またラットとカニクイザル網膜下へ網膜色素上皮細胞シート等を移植し、安全性を確認してきた。 | 
| 新規性について | iPS細胞由来細胞を用いた臨床研究であるところ。 | 
(別紙3)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究 | 
| 申請年月日 | 平成25年2月28日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 先端医療センター 栗本 康夫 | 
| 対象疾患 | 滲出型加齢黄斑変性 | 
| ヒト幹細胞の種類 | iPS細胞(自家皮膚線維芽細胞から樹立) | 
| 実施期間及び対象症例数 | 登録期間:2年10ヶ月、観察期間:移植後1年 6症例 | 
| 治療研究の概要 | 理化学研究所との共同研究。採取した皮膚組織から樹立したiPS細胞より網膜色素上皮シートを作製し、全身麻酔下に脈絡膜新生血管を抜去後、網膜下にシートを移植する。まず安全性の評価を主に行う。iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に起因する免疫拒絶反応や腫瘍化の程度を確認し、また移植手術手技より生ずる有害事象を調べる。 | 
| その他(外国での状況等) | 海外ではES細胞を用いた臨床研究が始まっているが、ヒト幹細胞臨床研究として、網膜細胞の移植が実施されたことはない。研究者は、免疫不全マウスを用い3度造腫瘍性試験を行い、またラットとカニクイザル網膜下へ網膜色素上皮細胞シート等を移植し、安全性を確認してきた。 | 
| 新規性について | iPS細胞由来細胞を用いた臨床研究であるところ。 | 
(別紙4)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 自己脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた乳癌術後変形に対する再建治療の検討 | 
| 申請年月日 | 平成25年4月24日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 湘南鎌倉総合病院 山下 理絵 | 
| 対象疾患 | 乳癌に対する乳房温存術後(術後1年以上経過した症例)の乳房変形 | 
| ヒト幹細胞の種類 | ヒト皮下脂肪組織由来間質細胞(ADRCs) | 
| 実施期間及び対象症例数 | 登録期間:1年間、実施期間:2年間 5症例 | 
| 治療研究の概要 | この臨床研究では、乳房温存術後の陥凹変形に対し、自己皮下脂肪組織由来細胞移植による乳房再建術を行い、治療の安全性、乳房形態への効果、生活の質への効果を検討、評価する。 局所又は全身麻酔下に脂肪採取を行い、脂肪組織分離装置を用いてADRCsを得る。採取された細胞溶液と脂肪組織を混合し、注入用機器を用いて移植する。 | 
| その他(外国での状況等) | 本治療法は、国内において九州中央病院・九州大学において実施されており、判断した理由19例の安全性・有効性が報告されている(RESTORE研究)。ヨーロッパにおいて本研究と同じADRCを用いた乳癌術後の70症例に対し、施行された乳房再建の試験であるRESTORE2のうち、半年を経過した32症例についてthe San Antonio Breast Cancer Symposium(平成21年)において有効性・安全性が発表された。 | 
| 新規性について | 本研究は、ADRCsを用いた本疾患に対する臨床研究として湘南鎌倉総合病院として初めての申請。また評価手法として3D画像検査を採用している。 | 
(別紙5)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 重症末梢動脈疾患に対する自家間葉系幹細胞を用いた血管再生 | 
| 申請年月日 | 平成25年4月24日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 産業技術総合研究所 弓場 俊輔 | 
| 対象疾患 | 重症末梢動脈疾患 | 
| ヒト幹細胞の種類 | 自家骨髄由来間葉系幹細胞 | 
| 実施期間及び対象症例数 | 2年間 5症例 | 
| 治療研究の概要 | 共同研究機関である大隈病院で採取された約20mlの患者骨髄を本研究所に搬送し、骨髄から間葉系幹細胞を培養増殖する。大隈病院に搬送し、患者下肢虚血部位に筋肉内注射にて移植する。 | 
| その他(外国での状況等) | 平成23年にLu D等は下肢虚血疾患患者に対して骨髄間葉系幹細胞あるいは骨髄単核球の局所投与による2重盲検無作為化比較試験を行い、前者の治療効果が高いことを報告している。また、本研究者らも間葉系幹細胞が骨髄単核球に比して血管再生能に優れていることを報告している。 | 
| 新規性について | 骨髄より培養された間葉系幹細胞を用いて血管再生を行う点に新規性がある。 | 
(別紙6)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 重症末梢動脈疾患に対する自家間葉系幹細胞を用いた血管再生 | 
| 申請年月日 | 平成25年4月25日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 朗源会ウェルフェアグループ 大串 始 | 
| 対象疾患 | 重症末梢動脈疾患 | 
| ヒト幹細胞の種類 | 自家骨髄由来間葉系幹細胞 | 
| 実施期間及び対象症例数 | 2年間 5症例 | 
| 治療研究の概要 | 病院で採取された約20mlの患者骨髄を共同研究機関である産業技術総合研究所に搬送し、骨髄から間葉系幹細胞を培養増殖する。病院に搬送し、患者下肢虚血部位に筋肉内注射にて移植する。 | 
| その他(外国での状況等) | 平成23年にLu D等は下肢虚血疾患患者に対して骨髄間葉系幹細胞あるいは骨髄単核球の局所投与による2重盲検無作為化比較試験を行い、前者の治療効果が高いことを報告している。また、本研究者らも間葉系幹細胞が骨髄単核球に比して血管再生能に優れていることを報告している。 | 
| 新規性について | 骨髄より培養された間葉系幹細胞を用いて血管再生を行う点に新規性がある。 | 
(別紙7)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 重症虚血肢患者に対する体外増幅自己赤芽球移植と自己骨髄単核細胞移植による血管新生治療の比較試験 | 
| 申請年月日 | 平成25年5月13日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 新潟大学医歯学総合病院 南野 徹 | 
| 対象疾患 | 既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患・難治性血管炎 | 
| ヒト幹細胞の種類 | 培養自己赤芽球あるいは自己骨髄単核細胞 | 
| 実施期間及び対象症例数 | 平成30年3月31日まで 自己赤芽球移植群24症例、自己骨髄単核細胞移植群24症例 | 
| 治療研究の概要 | 移植の14日前に40~60mlの骨髄を採取し、主に赤芽球を培養増幅して、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射する。医療用エリスロポエチン製剤を併用する。あるいは、500~1000mlの骨髄を採取し、骨髄単核細胞を分離し、筋肉内注射する。両血管新生治療の治療効果および安全性を無作為化並行群比較試験にて検討する。 | 
| その他(外国での状況等) | 本邦ではG-CSF動員自家末梢血単核球移植や自家末梢血単核球移植、皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞移植による臨床研究が実施されている。 | 
| 新規性について | 重症虚血肢に体外増幅自己赤芽球を投与するところに新規性がある。 | 
(別紙8)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年5月27日審議分
| 研究課題名 | 鼻腔粘膜上皮細胞シートを応用した鼓室形成術 | 
| 申請年月日 | 平成25年5月14日 | 
| 実施施設及び総括責任者 | 東京慈恵会医科大学 小島 博己 | 
| 対象疾患 | 中耳真珠腫、癒着性中耳炎 | 
| ヒト幹細胞の種類 | 自己鼻腔粘膜上皮由来上皮幹細胞 | 
| 実施期間及び対象症例数 | 登録期間:2年間 6症例 | 
| 治療研究の概要 | 鼻内視鏡下に鼻腔粘膜を採取し、CPCにて鼻腔粘膜上皮細胞シートを作製して、鼓室形成術時に病的粘膜を除去した中耳腔、乳突腔にシートを移植します。手術後、聴力検査やCT撮影にて経過を観察します。 | 
| その他(外国での状況等) | 鼓室形成術において術後の粘膜再生は重視されており、鼻腔粘膜(昭和62年、鈴木ら)や乳突洞粘膜(平成7年、牧野ら)の移植が行われてきたが、十分な成果が得られていない。 | 
| 新規性について | 鼓室形成術時に鼻腔粘膜上皮由来の細胞シートを移植するところに新規性がある。 | 
厚生科学審議会科学技術部会 ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿
  氏 名      所 属 ・ 役 職
  青木 清     上智大学生命倫理研究所長
  位田 隆一   同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授
  梅澤 明弘   国立成育医療研究センター研究所 副所長
  春日井 昇平  東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学 教授
  貴志 和生   慶應義塾大学医学部形成外科 教授
  木下 茂     京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学 教授
  小島 至     群馬大学生体調節研究所 教授
  島崎 修次   国士舘大学大学院救急システム研究科長
  高橋 政代   理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チーム チームリーダー
  竹内 正弘   北里大学薬学部臨床医学 教授
  戸口田 淳也  京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 教授
○永井 良三   自治医科大学長
  中畑 龍俊   京都大学iPS細胞研究所 副所長
  中村 耕三   国立障害者リハビリテーションセンター 総長
  前川 平     京都大学医学部付属病院輸血細胞治療部 教授
  松山 晃文   (公財)先端医療振興財団再生医療実現拠点ネットワークプログラム(JST)開発支援室長
  水澤 英洋   東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
  湊口 信也   岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学循環呼吸病態学 教授
  山口 照英   国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 研究員
  山中 竹春   国立がん研究センター 生物統計学室長
 (敬称略)
○:委員長
<照会先>
医政局研究開発振興課
電話:03-5253-1111(内線)2587
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