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2013年3月11日 第9回緩和ケア推進検討会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成25年3月11日(月)


○場所

厚生労働省 12階 第15・16会議室(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

1.緩和ケアの推進について
2.その他

○議事

出席構成員:花岡座長、池永構成員、岩瀬構成員、大西構成員、加賀谷構成員、木澤構成員、小松構成員、田村構成員、中川構成員、細川構成員、前川構成員、松月構成員、松本構成員、道永構成員、武藤構成員

○がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第9回「緩和ケア推進検討会」を開催いたします。
 構成員の先生方の出欠状況につきまして御報告いたします。
 本日は、小川構成員より欠席との御連絡をいただいております。その他の構成員の先生方におかれましては、全員出席をいただいております。
 それでは、早速でございますが、資料の確認をさせていただきます。お手元に配付させていただいている資料を御確認ください。
 まず、座席表。その次に議事次第。
 資料の1「緩和ケア推進検討会構成員名簿」。
 資料の2「拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制について(とりまとめ案)」。
 資料の3「緩和ケアに官銑研修会のこれまでの実績について」でございます。
 資料の4「緩和ケアに関する研修体制における論点(案)」。
 資料の5「緩和ケア研修のこれまでの取り組みと今後の方向性」。木澤構成員の提出資料でございます。また、一枚紙でその資料の追加分を配付いたしております。
 次、参考資料でございますけれども、参考資料1「緩和ケアセンターの具体的推進方策について(とりまとめ)」。
 参考資料の2「拠点病院に求められる緩和ケアの機能」。
 参考資料の3「がん診療連携拠点病院の整備について」。
 参考資料の4「緩和ケア専門委員会報告書」。
 参考資料の5「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針」。
 参考資料の6「がん対策推進基本計画」の緩和ケア関連部分抜粋でございます。
 参考資料の7「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会に関する提案」。こちらは都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会からの提案でございます。
 参考資料の8「今後の『がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会』に関する提案」。細川構成員の提出資料でございます。
 参考資料の9「医師に対する緩和ケア研修について」。大西構成員提出資料でございます。
 参考資料の10「臨床研修制度の概要」。
 以上でございます。
 資料に不足、乱丁ございましたら、事務局までお申し出ください。
 それでは、以上をもちまして撮影のほうは控えていただくよう御協力のほどよろしくお願いいたします。
 また、進行は、花岡座長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○花岡座長 それでは、おはようございます。
 本日は、いろいろ行事も予定されていると思いますけれども、お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、本日の議題に入りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 前回の検討会では、「拠点病院に求められる緩和ケア」につきまして木澤構成員より御発表いただき、議論を行ったところでございます。
 前回の検討会でも申し上げたとおり、きょうは、まず議題1といたしまして「拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制」についてとりまとめを行いたいと思います。
 次に、議題2といたしまして、緩和ケアに関する研修体制についての議論を行いたいと思います。
 まず、前回の議論のまとめにつきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局より、資料2「拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制について(とりまとめ案)」という資料を用いて説明させていただきたいと思います。資料2を御確認ください。
 拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制について、前回、木澤構成員より発表いただき、議論をいただいたところです。「1.はじめに」「2.求められる提供体制」という形でまとめてございますが、2の「求められる提供体制」について、「患者とその家族等の心情に配慮した意志決定環境の整備」始まり、「苦痛のスクリーニングの徹底」「基本的緩和ケアの提供体制」「専門的緩和ケアヘのアクセスの改善」「専門的緩和ケアの提供体制」というふうに、患者とその家族の診断からの流れを意識してまとめている資料になっています。
 それでは、2の「求められる提供体制」というところから御紹介させていただきます。
 (1)番として「患者とその家族等の心情に配慮した意志決定環境の整備」。
 患者の治療法等を選択する権利や受療の自由意思を最大限に尊重するが医療を目指し、診断結果や病状を伝える際や治療方針等を決定する際には、患者とその家族等の心情に対して十分に配慮して、医師の他に看護師や臨床心理士等の同席を基本とした上で十分なインフォームドコンセントに努める。
 医師による説明の後には、看護師や臨床心理士等によるカウンセリングや自記式アンケートを活用するなどし、患者とその家族の理解度や受容度を確認する。また、その結果を受け必要に応じて、医師による説明を追加して行う体制を確保する。
 セカンドオピニオンを提示する体制を整備するだけではなく、診断結果や病状を伝える際や治療方針等を決定する際には、他院におけるセカンドオピニオンを活用できること、セカンドオピニオンを活用した後も同院での治療において不利益を被ることがないことについて文書を用いて口頭で十分に説明することにより、セカンドオピニオンをいつでも適切に受けられ、患者自らが治療法を選択できる体制を確保する。
 がん患者が利用する機械が多い外来や外来化学療法室などで冊子や視聴覚媒体を用いて、集学的治療等の概要や治療前後の生活における注意点などに関して、啓発や情報提供を実施し、患者が自主的に治療内容などを確認できる環境を整備する。
 緩和ケアが提供されることやがんと診断された時からの緩和ケアが必要であることについて、院内の見やすい場所での掲示やわかりやすいパンフレットの配布等により、がん患者及び家族に対しわかりやすく情報提供を行う。
 続いて「苦痛のスクリーニングの徹底」ですが、問診票にがん疼痛をはじめとした身体症状の項目を設ける、診療録の熱型表にがん疼痛の程度を把握できる項目を設ける、看護しによるカウンセリングを活用するなど、身体的・精神心理的・社会的苦痛などのスクリーニングを診断時から外来及び病棟にて共通の方法にて行う。
 外来化学療法室等において、がん看護専門看護師や認定看護師をはじめとするがん看護を専門とする看護師を中心として、治療の有害事象を含めた苦痛のスクリーニングを行い、主治医と情報を共有できる体制を整備する。
 続いて「基本的緩和ケアの提供体制」ですが、がん疼痛や呼吸困難などに対する症状緩和や医療用麻薬の適正使用を目的とした院内クリティカルパスを整備し、がん疼痛をはじめとする苦痛を抱えた患者に対して迅速に対応できる診療体制を構築する。
 医療用麻薬等の鎮痛薬の初回使用や用量の増減時には、医師からの説明とともに薬剤師や看護師による服薬指導を行う。また、自記式の服薬記録などを活用して医療用麻薬等の使用を自己管理できるように指導する。
 質の高い基本的緩和ケアの提供には、緩和ケア研修のさらなる普及と質の向上が必要であり、研修医等の受講を促進するための方策や修了者数の把握・公表など、拠点病院の取り組みを評価する体制の検討が必要である。また、基本的緩和ケアにおける看護師等の役割は非常に重要であり、看護師等に対する研修体制のあり方についても検討する必要がある。
 続いて、「専門的緩和ケアへのアクセスの改善」ですが、患者・家族のかかえる苦痛が適切に評価され、専門的な診療を適切な時期に提供するために、緩和ケアチームへ紹介する手順など、評価された苦痛に対する対応の手順を明確化し、院内の全ての医療従事者に周知するとともに、患者とその家族に診療方針を提示する。また、緩和ケアチームへの紹介手順に関しては、医師だけではなく、看護師や薬剤師など他の医療従事者からも紹介できる体制を確保する。
 がん治療を行う病棟には、緩和ケアチームと各病棟をつなぐリンクナースを配置することが望ましい。リンクナースは、各病棟での緩和ケアの提供についてスタッフの指導にあたり、周知と理解を高めるとともに、緩和ケア提供体制の現状について緩和ケアチームへ情報を還元する。
 「専門的緩和ケアの提供体制」についてですが、緩和ケアチームは、メンバーによる病棟ラウンドを毎日行うとともに、概ね週1回以上の頻度で、定期的にチームでの病棟ラウンドを行い、苦痛に対する症状緩和を行う。なお、チームでの病棟ラウンドにはリンクナースなどの担当看護師が参加する。
 緩和ケアチームは、リングナースなどの病棟担当看護師とともに、症状緩和に係るカンファレンスを週一回以上の頻度で開催する。カンファレンスには必要に応じて主治医も参加する。
 特にがん疼痛の緩和に関しては、医療用麻薬適正使用ガイダンス、これは厚生労働省意訳食品局監視指導・麻薬対策課が作成したものですが、を活用して、医療従事者に対する医療用麻薬をはじめとした身体的苦痛緩和のための薬剤の正しい使用や管理に関する教育を徹底するとともに、主治医と緩和ケアチームが連携を取り、主治医が対応できない場合には緩和ケアチームにて薬剤を処方するなど、薬剤による緩和が必要な苦痛に対して適切な薬剤が迅速かつ適正に使用される体制を整備する。
 外来にて、医師による専門的な緩和ケアを概ね週1回以上の頻度で定期的に提供する。
 緩和ケアチームの専従看護師等は、外来ラウンドや外来支援を実施する等、苦痛のスクリーニング等の外来看護業務を支援・強化するとともに、必要に応じて緩和ケア外来やがん患者カウンセリングなどの適切な専門的緩和ケアが提供されるよう調整する。
 緩和ケアチームは、主治医・看護師等と協働し、苦痛のスクリーニング結果などを参考に必要に応じてがん患者カウンセリングを実施することにより、苦痛をかかえる患者とその家族に対して専門家による診療を適切な時期に提供するよう調整する。
 現在、緩和ケアチームには、専従の緩和ケアに携わる専門的な知識及び技能を有する看護師が配置されているが、チームの中で中心となってより専門的なケアを提供するという観点からは、がん看護専門看護師や認定看護師をはじめとするがん看護に関する一定の教育を受けた看護師が緩和ケアチームに配置されることが望ましい。
 緩和ケアチームの医師は、キャンサーボードや、手術療法・化学療法・放射線療法等のがん診療に関わる医療チームのカンファレンス及び病棟回診に参加し、専門的な観点から意見を述べるとともに、必要に応じて共同して診療計画を立案することにより、各職種の専門性を活かし、医療従事者間の連携と補完を重視した多職種でのチーム医療を推進する。
 「相談支援の提供体制」について。
 相談支援センターは院内診療科との連携を図り、がん患者の抱える苦痛に対する1次的な対応を行うとともに、必要に応じて、緩和ケアチームなどの専門家へ紹介を行う。
 患者・家族サポートグループや患者サロンの運営支援を行うなど、患者とその家族や遺族などがいつでも適切に緩和ケアに関する相談や支援を受けられる体制を強化する。
 「切れ目のない地域連携体制の構築」。
 2次医療圏内の緩和ケア病棟や在宅緩和ケアが提供できる診療所等のマップやリストを作成する等、患者その家族に常に情報提供できる体制を整備する。
 症状が十分にかんわされた状態での退院に努め、院内での緩和ケアに関する治療を在宅診療等でも継続して実施するために、がん疼痛や呼吸困難などのがん患者の症状緩和に係地域連携クリティカルパスを整備するなど、地域全体で共通した緩和ケアに関する治療のマニュアルを整備することが望ましい。
 がん患者が住み慣れた家庭や地域での療養や生活を選択できるよう、医療用麻薬を処方されているなど緩和ケアを必要とする患者等の退院支援や外来での在宅支援などにあたっては、主治医、緩和ケアチーム、相談支援センターが連携し、早期からの療養場所に関する意思決定支援や退院支援を行う。
 退院時には、病病連携、病診連携のための緩和ケアカンファレンスを実施し、地域のホスピス緩和ケア病棟や在宅療養支援診療所等の医師や訪問看護師などと強固な連携を構築することにより、患者とその家族の意向に応じた切れ目のない緩和ケアの提供体制を整備する。
 地域におけるがん患者の地域連携に関する協議会を定期的に開催し、地域全体での緩和ケアの提供に関する一定のルールを定めることが望ましい。
 最後の項目として「緩和ケアに関するPDCAサイクルの確保」。
 緩和ケアチームにて、院内の緩和ケアに係る診療や相談支援の件数及び内容、医療用麻薬の処方量、これは入院及び外来、各診療科別と記載していますが、苦痛のスクリーニング結果など、院内の緩和ケアに係る情報を把握し、情報の分析や評価を行う。
 院内の緩和ケアの提供体制において、適切な対応が行われているかどうかを施設ごとに可能な限り定量的に評価しホームページなどを用いて公表する。
 なお、評価基準については、下記の手法などが望ましい。
 1ポツ目ですが、外来化学療法中の患者に対してのスクリーニングの結果(スクリーニングの方法、スクリーニングで苦痛を認めた患者の割合、緩和ケアチームが介入した割合)、苦痛を認めた症状に関する緩和ケアチームの介入前後の評価スケールの変化について一定期間を対象として評価する。
 入院中の患者のコンサルテーションについて、コンサルテーションの件数、理由、苦痛を認めた症状に関する緩和ケアチームの介入前後の評価スケールの変化等について一定期間を対象として評価する、というふうに記載をしております。
 以上です。
○花岡座長 どうもありがとうございました。拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制についてのとりまとめ案を提示していただきました。
 この内容につきまして、修正や追加の御意見など、ございますでしょうか。どうぞ、松本構成員。
○松本構成員 ありがとうございます。
 患者・家族がいかに自分の気持ちをきちんとくみ取っていただけるかということが私たちにとってはとても大事な問題ですので、その観点から2点について申し上げたいと思います。
 まず初めは、(1)の意志決定環境の整備についてです。これは、確かにカウンセリングや自記式のアンケートを活用などするということで、自分の気持ちを言語化できない、表出できない患者の痛みをくみ上げていただくシステムはできるのかもしれませんけれども、患者・家族の気持ちというのは常に揺れ動くもので、そのとき、医療者が必要だと判断されなかったとしても、その後でつらさやしんどさが出てくるということはあると思います。そういったことから、その後、いつでもつらさやしんどさを伝えてよいのだという環境を整備し、そのことを文書等を用いて十分に説明する。いつでもいいんだよということをきちんと医療者側から患者・家族へ伝えていただくという体制の整備をぜひお願いをしたいと思っております。
 それから、同じ観点からもう一つ、(6)の相談支援の部分もそうなんですけれども、(6)の相談支援の提供体制のところです。特に2つ目の○のところです。患者と家族や遺族が適切に相談支援を受けられる体制を強化するとありますけれども、ここも「体制を強化」という文言だけではよく具体的なところがわかりませんので、例えば、こういったこともいつでも適切に相談や支援を受けられる体制を強化し、そのことの周知を徹底するというもう一歩踏み込んだ表現をしていただければ、より私たちは伝えやすくなるのではないかということを思っております。
 とりあえず、このことをまず1点申し上げます。ありがとうございました。
○花岡座長 どうもありがとうございました。いつでもできるということ、それを明記していただきたいというような内容でございます。
 ほかにはよろしゅうございますか。どうぞ、前川構成員。
○前川構成員 (6)の相談支援の提供体制のところなんですけれども、ごく最近、がんになって困った御家族が相談支援センターに相談したいと考え代表電話番号にかけたところ、担当者が不在と言われました。4回かけて4回とも担当者が不在と言われた事例があります。ですから、相談する最初の時点で患者が不利益を被るケースが全国の中にはあると思いますので、ここの提供体制のところに、全ての、とか何か良い文言を入れていただきたいと思っております。○花岡座長 ありがとうございます。なかなか連絡できないというようなことも生じるということでございますが、そんなときの緊急体制というか、何らかの体制がとれるような文言がということでございます。
 ほかにはよろしゅうございますか。松本構成員。
○松本構成員 済みません、たびたびで恐縮ですけれども、地域連携体制のところで申し上げたいと思います。(7)の地域連携体制の構築のところです。4つ目の○のところです。退院時のカンファレンスのことが書いてありますけれども、退院時のカンファレンスを行うことで強固な連携を構築するというのはなかなか難しいのではないかと思っております。これは、地元で在宅に携わっていらっしゃる医療者の皆様との意見交換のときにもこういう話が出まして、一回退院前カンファレンスをやったぐらいではなかなか信頼関係は築きにくくて、その後のシームレスなケアというのはできにくいんだというお話を聞いております。ですので、その下の○と一緒になるということであろうと思うのですけれども、地域におけるがん患者の地域連携に関する協議会を定期的に開催するなどして、強固な連携を構築するということが先だろうと思います。それがあった上で、退院前カンファレンスが一つの段階になって、意向に応じた切れ目のない緩和ケアの提供体制というものが初めてできるのではないかと思っております。退院前カンファレンスをすることで強固な連携が構築できるものではないということを少し御再考いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○花岡座長 ありがとうございます。
 田村構成員、どうぞ。
○田村構成員 それに関連してではあるのですけれども、連携をした後の状況がどうであったかというモニタリングするというところも必要であるというようなことを書いていただけると、結局、つないだら、それが連携だというふうに終わってしまっていて、患者さんや御家族が実際に望んでいるところではなく、つなぎやすいところにつながれてしまっているという現状も実際にはあるので、モニタリングをするというところにもいま一歩書き及んでいただけるとありがたいと思います。
○花岡座長 連携を構築した後のモニタリングというか、うまくいっているかどうかということも含めて考えようということでございます。
 どうぞ、小松構成員。
○小松構成員 緩和ケアに関するPDCAサイクルの確保というところは、余りたくさんは論議はしてこなかったかなと思っているのですが、先ほどから前川構成員や松本構成員がおっしゃっているような、診断時からの患者さんたちのつらさや不安というものが、今回のたくさんの要件の中でどういうふうに緩和されたのか、あるいはそれによって緩和ケアに対する満足度がどういうふうに変わったのかというところを、文言を少し入れておかないと、そこが医療者側からの件数はシステム的にここには書いてあるのですが、肝心要の部分を忘れないようにしたほうがいいかなと思いました。
○花岡座長 どうもありがとうございます。8番ですね。PDCAサイクルの確保というところで、患者側からの意見も入れるというようなことも含めて考えようということでございます。
 ほかに。加賀谷構成員、どうぞ。
○加賀谷構成員 2ページ目の(2)の苦痛のスクリーニングの2番目の○のところなのですが、外来化学療法室等において、がん看護専門看護師、認定看護師をはじめとして、がんを専門とする看護師を中心として、できれば、今、薬剤師もがん専門薬剤師およびがん薬物療法認定薬剤師という認定制度がありまして、それが特に治療の有害事象を含めたモニター等には大分貢献できていると思います。そういう意味で、看護師を中心として、がん専門薬剤師及びがん薬物療法認定薬剤師も協力して治療の有害事象等を含めた苦痛のスクリーニング等を行い、というふうな形にしていただくよう御一考いただけないでしょうか。
○花岡座長 薬剤師の方々もこれに非常にリンクしていることもございますので、その名前をここに入れたいということでございます。
 いかがでございましょう、ほかには。前川構成員、どうぞ。
○前川構成員 今、ちょっと思い出してごめんなさい、たびたび。
 2ページ目の基本的緩和ケアの提供体制のところですけれども、3番目の○のところで3行目、「拠点病院の取り組みを評価する体制の検討が必要である」。検討が必要であって、検討だけされて、その後がないので、修了者数の把握・向上など、どのように公表するかというところまでいかないと、ただ検討で終わってしまうのではないかという懸念があります。例えば、研修終了のマークをつけるとか、基本的な研修を受けた医師はここにいますよという、患者から見てわかる体制をつくってほしいなと思っております。その文言を入れないと、検討だけで終わってしまうような気がいたします。よろしくお願いします。
○花岡座長 どうもありがとうございます。検討だけでなく、それを出したものを公表するような形をとりたいというようなことでございます。
 どうぞ、事務局のほうから。
○事務局 ただいま御意見をいただいた研修体制のあり方について検討するという文言ですが、本日の議題に、研修体制のあり方についてというところを設けておりますので、そこでも議論、検討いただければという形で書いた次第です。よろしくお願いいたします。
○花岡座長 検討の入り口ということでございますね。
 松本構成員、どうぞ。
○松本構成員 たびたび済みません。あと2点だけ申し上げさせてください。
 まず1点は、(3)の基本的緩和ケアの提供体制の2つ目の○のところです。オピオイドの使用開始、また増減時の服薬指導のことですけれども、当然服薬指導の中に含まれるのだろうとは思っておりますけれども、このときの患者・家族の精神心理的な苦痛というのは大変大きなものがありますので、ここにこの際、精神心理的苦痛に対しても十分配慮をするという文言を一つつけ加えていただきたいと思っております。これが1点。
 もう一点申し上げさせてください。先ほどの地域連携のところですけれども、私どもの意識調査をいたしましたところ、患者が在宅での療養を選択するかどうかというときのハードルになっているのが、家族への負担ということが非常に大きなハードルになっています。ですので、家族を支援するそういったものもあるんだということ、そのことへの対応もしていくんだということを何とか盛り込めないかと考えております。例えば、5ページ目の1番目の○のところになりますけれども、2次医療圏内の緩和ケア病棟や在宅緩和ケアが提供できる診療所等のところに、家族を支援する介護サービスに関する情報などの、というようなことを何とか盛り込んでいただければ、家族というものへの心配が減れば、それが患者の背中を押すことにもつながるのではないかと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
○花岡座長 どうもありがとうございます。精神心理的な事項も加えて、地域連携ですね。7番のところをおっしゃっておられるのですね。切れ目のない。このところに家族を支えるという言葉を入れる。5ページの。
○松本構成員 家族のことはそうです。それから、精神心理的というのは服薬指導のところで。ありがとうございます。
○花岡座長 ありがとうございます。
 どうぞ、中川構成員。
○中川構成員 先ほど前川構成員がおっしゃったように、全体的にちょっと弱いというか、もう少し踏み込んだ表現をとれないか。これは全般的にそう思います。
 それから、4ページ目の一番上の○、専門的緩和ケアの提供体制ですけれども、「外来にて、医師による専門的な緩和ケアを概ね週1回以上の頻度で定期的に提供する」、この部分ですけれども、これは緩和ケア外来を想定されているのでしょうか。そうですか。であれば、緩和ケア外来というふうに書いたほうがいいんじゃないですかね。そう思います。
○花岡座長 ありがとうございます。緩和ケア外来ということを具体的に書いておくというほうがわかりやすいということでございます。「外来にて」という言葉のところですね。
 ほかにはよろしゅうございますか。どうぞ、小松構成員。
○小松構成員 1ページ目の2の求められる提供体制の(1)の真ん中の、医師による説明の後には、看護師や臨床心理士等によるカウンセリングや自記式アンケートを活用してというふうにあって、その結果を受けて、必要に応じて医師による説明を追加して行う体制を確保するというところですが、ここは、診断時のところの、現在、がんカウンセリングということがあって、それが十分にうまく機能していない部分があるために、医師にできるだけ追加をしていただくという体制のことを書いていただいているのだと思うのですが、ここでこれまで論議してきたように、例えば研修を終えた看護師がカウンセリングを独自で引き続き相談支援としてやっていくというようなことも話し合ったと思うので、つなぐだけではなくて、必要な場合は、看護師、あるいは臨床心理士、2つ書いてありますから、そこの人たちが患者の相談支援を継続するというようなこともぜひ入れていただければなと思います。
○花岡座長 ありがとうございます。これは、先ほど松本構成員も言われた、いつでもできるというようなフリーの体制というか、門戸を広げた形の表現があればということでございますね。
 ほかにはいかがでございましょうか。大体これで内容的に今の言葉を含めて検討してよろしゅうございますでしょうか。
 それでは、一応ここで、拠点病院に求められる緩和ケアの提供体制についてのとりまとめ案ということでございますが、私と事務局にて最終的にとりまとめることにいたしますが、よろしゅうございますでしょうか。細川構成員、どうぞ。
○細川構成員 
非常にいい構想と思います。一つ、緩和ケア外来についてですけれども、緩和ケア外来では、患者さんや家族に対応するのが緩和ケア専門の看護師であったり、痛み緩和専門の医師であったり、精神科のリエゾンの医師であったり、いろいろになると思います。そのときに、その患者さんのカルテは一体何科になるかというのが実務上の大きな問題です。それぞれ診ている科の先生が自分の科の患者さんとして扱うことになっても、看護師が話を聞くのに、どの科の患者さんとして扱うのか、そこがはっきりしないとその患者さんの情報のとりまとめが出来なくなります。かって、一度構想として緩和ケア科というものをつくるということが議論されたことがあります。もし都道府県がん診療連携拠点病院で緩和ケア外来を毎日朝9時から夕5時までやるといことになれば、その連携拠点病院の中の外来緩和ケアというところには、緩和ケア科という名前に統一しないと、特に医師以外も対応することもあるのなら、その情報をとりまとめてコンピューターのカルテの中のどこに入れることになるのか問題が、現場ですぐに出てきてしまうと思います。
○花岡座長 電子カルテだと全部見れるのではないかと思うのですが、それとはまた別の話ですか。
○細川構成員 例えば外科の先生がその患者さんを診るとしまう。次に外来緩和ケア看護師が診ることがある。そうすると、看護師は、外科の莫大な量のカルテの中から、緩和ケアに関する部分を探すことになってしまう。緩和ケア外来として患者さんや家族に対応するなら、緩和ケアの部分のとりまとめとして、すなわち緩和ケア科が必要になります。
○花岡座長 膨大な量になるので、そこのところで緩和ケアだけの部分を取り出すような方策があれば。
○細川構成員 緩和ケア外来にもし患者が来られた場合には、その患者さんの登録は緩和ケア科の患者さんとしての診察券があり、緩和ケア科のカルテの中に入れないと、目的の総合的にどの科の先生やナースも緩和ケアとして患者さんと家族に対応するという形ができるようにならないと実務的にはうまく機能しません。今のままなら、例えば外科の先生診て、次にほかの科や看護師が対応するというときに、その状況に関して外科のカルテを開いて、その場所を探さなければ見れないことになります。ところが、緩和ケア外来として患者さんが来られて、緩和ケア科としてのカルテがあれば、みんな共用して、すぐにその場所でその患者さんの緩和ケアの問題点を見ることができるわけです。経過が非常に長い場合、外科で莫大な量のカルテになっていると、どの部分を探していいか、簡単には分かりません。
○花岡座長 抽出が難しいということですね。
○細川構成員 そうです。それともう一つは、例えば、その病院の緩和ケア外来でどれだけの数の患者さんをどういう内容で診ているかということを先ほど言われたように情報の分析や評価を行う場合の統括した資料を得るときにも、各科がばらばらに診ていて、各科のカルテに入っていると、それが多分できないと思います。
○花岡座長 事務局のほうで、緩和ケア科というのは公表的な形で看板を掲げられるものなんですか。それはまた別の体制になるんですか。
○がん対策・健康増進課長 院内表示。
○花岡座長 院内表示だけでございますか。
○木澤構成員 よろしいですか、今のことについて。
○花岡座長 では、木澤構成員。
○木澤構成員 標榜に関しては、標榜はできると思います。緩和ケア内科、緩和ケア外科などの形になりますけれども、標榜することは可能です。
○花岡座長 どうぞ、松月構成員。
○松月構成員 今の発言は非常に重要な発言だと私は思いますが、今までの議論の中で、緩和ケアセンターが今後そういった情報をどのようにとりまとめていくのかということを検討していくという認識をしておりました。また、現場レベルで具体的に情報共有について考えれば、電子カルテ等を活用した情報共有も可能ではないかと思ういます。とにかく、現場でどのように緩和ケアの情報を一元化して見れるようにするかという話だと私は理解しているのですが、今の先生の内容はそういうことではないのでしょうか。
○細川構成員 
標榜科としては、違いが何か分かりませんが緩和ケア内科でも緩和ケア外科でもいいのですけれども、要するに、緩和ケア外来を通した患者さんの情報を一まとめにするために、緩和ケア外来のカルテを整備してということを明記していただかないと、緩和ケア外来が機能していても評価できないで、何もしていないように見えるところもあれば、その逆などのところなど、いろいろ出てきてしまうということです。だから、緩和ケア外来の患者は、緩和ケア外来の患者として一まとめにできるような緩和ケア科を標榜するなどのところを上から指導的な感じで書いていただくようにしてほしいということです。
○花岡座長 木澤構成員、どうぞ。
○木澤構成員 
補足させてください。僕の理解ですけれども、例えば、緩和ケアチームがやっている外科の先生がやっている外来を全部緩和ケア外来としてカウントして報告しているところというのも現実とあると聞いています。純粋に緩和ケアを実践している外来の活動をきちんと分けて報告できるような仕組みをつくるというのは非常に重要だと思います。
 もう一点、緩和ケアの外来をやることがオフィシャルに認められていない病院というのはまだたくさんあります。なので、特に大学とか、そうなのですけれども、診療科を新たにつくるということは、緩和ケアを推進をする上では大きな役割を持っていると思います。
 以上です。
○花岡座長 これは提供体制というところにも一部は関連しているような感じがするのですけれども、それは望ましいというような形でいくのか、結構これは体制の問題にかかわるのですが、事務局のほう、いかがでございますか。この辺につきましては、何か具体的な言葉としても考えられることがございますか。どうぞ、推進官。
○がん対策推進官 今、御議論いただいている点が重要だということはよく理解しておりまして、実際、緩和ケア外来というものを定期的なものとして開催をいただくようにしていった場合に、具体的にどういう体制を整えていく必要があるのかということが論点だと思いますので、その辺も含めて書けるような形で考えさせていただきたいと思います。
○花岡座長 どうぞ、細川構成員。
○細川構成員 有難う御座います。多分、都道府県がん診療連携拠点病院で最初に緩和ケア外来をやり始めることになると、後はそれがモデルケースになると思います。例えば、今実際に、我々の施設ですと、緩和ケア外来という別の外来スペースを常時には設けられないので、患者さんや家族を緩和ケア専門の看護師が相談になるときは、認定看護師たちの集まっている緩和医療部の部屋で、個々に患者さんや家族と面談しています。またがんの痛みに関しては、ペインクリニックの患者さんとしてペインクリニック外来で診たりしています。また外科や内科に呼ばれてそれぞれの外来で話を聞いたりすることもあります。先ほど木澤先生がおっしゃったように、こういうのが実は緩和ケア外来の患者としてカウントされてはいないんですね。個別にカルテには書いていますけれども。もし緩和ケア外来を行えば、これと同じようなことが起こるわけで、本格的に今後、診療連携拠点病院にも緩和ケア外来を広げていくのであれば、緩和ケア外来のオフィスといいますか、窓口があるということが前提になってくると同時に緩和ケア科を作るべきだと思います。まず取っかかりの都道府県がん診療連携拠点病院で緩和ケア外来を行う際に、これをやっておいていただければ、後に続くのは楽だと思います。特に“テストケース”として都道府県がん診療連携拠点病院各にということであれば、ぜひ最初の段階でこれをやっていただけないかということです。○花岡座長 ありがとうございます。
 どうぞ、池永構成員。
○池永構成員 別の意見ですけれども、このとりまとめで、かなり診療体制の整備ということについて細かく書かれていると思うのですが、「はじめに」の2段落目で、この目標を達成するために整備するというふうに書かれていますが、我々緩和ケア病棟を担当する医師としては、多くの拠点病院が、うちの病院は緩和ケアは十分な体制がないからとか、する病院ではないからというふうなことで御紹介を受けることも多いので、やはり大きな考え方として、緩和ケアを拠点病院の重要な機能として位置づけ、このような整備をするというふうな、病院自体が取り組んでいただく大きな重要な機能というふうなことの文言も入れていただけたらと思っています。
○花岡座長 どうもありがとうございます。全体がそういうわけではないので、結局、拠点病院がどうしても中心にならなければいけないので、具体的なモデルケースといいますか、見える形でということでございます。
 ほかには大体よろしゅうございますか。
 非常にいい意見をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、このことにつきましては、私と事務局にて、今の御意見を踏まえて最終的にとりまとめを行うことといたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、続きまして、議題2に移りたいと思います。議題2では「緩和ケアに関する研修体制について」と題しまして、議論を行いたいと思います。
 まず、事務局より資料の説明をお願いいたします。その後、木澤構成員より「緩和ケア研修のこれまでの取り組みと今後の方向性」として資料を提出していただいておりますので、御発表いただくことにしたいと思います。
 それでは、事務局、よろしくお願い申し上げます。
○事務局 それでは、事務局より説明させていただきます。
 まず、参考資料の5を確認いただけますでしょうか。
 参考資料の5に「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針」の資料をつけてございます。
 まず、この指針の趣旨ですが、本指針は、がん対策推進基本計画(平成19年6月15日閣議決定)において、「すべてのがん診療に携わる医師が研修等により、緩和ケアについての基本的な知識を習得する」ことが目標として掲げられていることを踏まえ、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会に関する事項を定めることにより、緩和ケア研修会の質の確保を図り、もってがん診療に携わる医師が緩和ケアについての基本的な知識を習得し、治療の初期段階から緩和ケアが提供されるようにすることを目的とするものである、といったものでございます。
 そして、項目の2番で、研修会を定義づけておりまして、まず、同一の研修会主催責任者により実施される同一の参加者を対象とした一般型研修会、又は異なる研修会主催責任者により実施される異なる参加者を対象とした単位制による研修会、単位型研修会というものを位置づけております。そして、参加者主体の体験型研修形式の研修が含まれていることから、一般型研修会として実施されることが望ましい、というふうに位置づけられております。
 実施主体としては、都道府県、がん診療連携拠点病院、民間団体としております。
 そして、4番の緩和ケア研修会の開催指針という項目で、緩和ケア研修会の実施担当者について、そして、2ページ目になりますが、緩和ケア研修会のプログラムについて明記をしているところです。
 続いて、5番の項目では、緩和ケア研修会の修了証書の取り扱いについて定めている項目となります。
 そして、4ページ目ですが、その他の部分で、都道府県が行うべきこととして、緩和ケア研修会への参加機会の確保。(2)番ですが、緩和ケア研修会の開催の促進。そして、実績報告を位置づけているところです。そして(4)は、研修修了医に対して緩和ケア研修の継続を定めております。
 ページをめくっていただきまして、10ページ、11ページの別添1でございますが、こちらに緩和ケア研修会の標準プログラムを定めております。緩和ケア研修会の標準プログラムは、10ページの(1)一般型研修会を実施する場合について、また、11ページの(2)単位型研修会を実施する場合について、別々に研修項目を定めているものになります。
 続いて、資料の3を確認いただけますでしょうか。
 資料の3ですが、緩和ケアに関する研修会のこれまでの実績についてまとめた紙になります。
 1ページは、平成24年9月30日現在の全国での緩和ケア研修会修了者数となります。合計3万6,647人が修了していることになります。
 2ページにこれまでの修了者数の推移をまとめてございます。
 続いて、3ページになりますが、「国が支援する緩和ケア関連の研修について」というところで、緩和ケアに関する研修会の現状でございますが、まず、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会として、指導者研修会、そして一般向け研修会を位置づけているところです。
 指導者研修会においては、平成25年2月末現在、身体症状の緩和に関する研修を修了した者が1,814人。精神症状の緩和に関する研修を修了した者が750人おります。
 一般向け研修会は、先ほど御紹介したものですが、平成24年9月末現在で3万6,647人が修了しております。
 また、小児がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修会も平成24年度より開始したところで、現在111人が修了しているというところです。
 続いて、4ページですが、これ以外の緩和ケア関連の研修事業ですが、がん医療従事者研修事業として、これはがん診療連携拠点病院の機能強化事業の一部ですが、拠点病院で緩和ケアに関する研修を行うことができるようになっております。
 続いて、平成25年度予算案についてという項目ですが、新たにがん医療に携わる看護研修事業というのを盛り込んでおりまして、がん治療の多様化に伴い、看護業務も多様化しており、がん看護へのニーズが高まってきているため、がん看護を専門とするがん看護指導者を養成する研修会を実施し、看護師の質の向上を図るというふうにしているところです。
 続いて、参考資料の6を確認いただけますでしょうか。
 参考資料の6に、がん対策推進基本計画、これは平成24年の6月に閣議決定されたものですが、緩和ケア関連部分の抜粋をつけているところです。
 ページをめくっていただきまして、3ページ、下線を引いている項目になりますが、研修もしくは人材育成に関する項目として取り組むべき施策の中に、3ページの4段落目ですが、がん性疼痛で苦しむ患者をなくすため、多様化する医療用麻薬をはじめとした身体的苦痛緩和の薬剤の迅速かつ適正な使用と普及を図る。また、精神心理的・社会的苦痛にも対応できるよう、医師だけでなく、がん診療に携わる医療従事者に対する人材育成を進め、基本的な緩和ケア研修を実施する体制を構築する。
 1段落飛ばしまして、これまで取り組んできた緩和ケア研修会の質の維持向上を図るため、患者の視点を取り入れつつ、研修内容の更なる充実とともに、必要に応じて研修指導者の教育技法などの向上を目指した研修を実施する。
 続いて、4ページ目ですが、個別目標として、関係医療機関などと協力し、3年以内にこれまでの緩和ケアの研修体制を見直し、5年以内にがん診療に携わる全ての医療従事者が基本的な緩和ケアを理解し、知識と技術を習得することを目標とする。特に拠点病院では、自施設のがん診療に携わる全ての医師が緩和ケア研修を修了することを目標とする、といったことを明記しているところであります。
 最後に、資料の4を確認いただけますでしょうか。
 今回、資料4として「緩和ケアに関する研修体制における論点(案)」といった資料を事務局から提案させていただきます。
 まず、医師を対象とした緩和ケア研修についてですが、基本計画の記載も含め、拠点病院から、自施設のがん診療に携わる全ての医師と緩和ケア研修修了者について報告を求めることとしてはどうか。
 その際、?がん患者の主治医や担当医となる者?がん患者の主治医や担当医となることは想定されないが、主治医等から診察依頼を受けた場合や当直業務などでがん患者に対する診療を行うことがある者?病理診断医や放射線診断医など、がん患者との日常的な対面は想定されない者、に分類することとしてはどうか。
 (2)ですが、受講を促進するための受講しやすい研修体制とはどのような体制なのか。
 (3)研修内容に患者の視点を取り入れる方法の具体策はなにか。
 (4)研修指導者の教育技法などの向上を目指した指導者研修会の今後のあり方とはどのようなものか。
 続いて、看護師を対象とした緩和ケア研修体制について。
 特に看護しに対しての研修の必要性に関する御意見が多く出されているところだが、従来からの看護師の院内教育の中での普及を派額こととしてはどうか。
 1ポツ目で、院内教育の質を近てん化するため、院内教育において指導的立場となる者の教育体制の構築や、院内教育における標準的テキストの開発などを行ってはどうか。
 また、上記体制の普及のため、各拠点病院に対して、看護師に対する緩和ケア研修の指導者を定め、報告を求めることとしてはどうか、といったところで論点案を提案させていただきたいと思います。
 以上です。
○花岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのプレゼンテーションを踏まえまして、木澤構成員からお願いいたしたいと思います。参考資料2になりますか。
○事務局 資料の5です。
○木澤構成員 
では、資料の5をごらんいただきたいと思います。資料の5と、あと、資料5追加分という一枚の表裏の紙がついていますので、それも後でご参照ください。
 内容については3つに分かれて記述させていただきました。今、事務局のほうから御発表がありましたけれども、研修会の成果と課題をまずお示ししまして、その後、第2期のがん対策推進基本計画で定められた緩和ケア教育の方向性について確認をさせていただき、それに基づいて、今後どのようなことが求められるのかということを簡単にまとめさせていただきました。
 作成に当たりましては、緩和ケア研修会の開催指針、第2期のがん対策推進基本計画、そして、前回いただきました中間とりまとめ案等を参考にしまして、今までの検討会での議論を踏まえてまとめさせていただいたつもりですが、不手際がございますと思いますので、御指摘いただければと思います。
 3ページをごらんください。まず、今までの成果と、今、どんなスキームでやっているかということをお話ししたいと思うのですけれども、このがん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修というのは、がん診療拠点病院が年1回以上開催をその指定要件として求められているものでございます。この研修会は、先ほど事務局からお示しがありました開催指針に沿って緩和ケア研修会の企画・運営が求められています。その内容は、先ほど御紹介がありました「緩和ケア研修会標準プログラム」に準拠することが求められています。
 実際、どのようなものかをということを4ページに簡単にお示ししています。
 研修会のプログラムは、開催指針が出された後、厚生労働省の研究班でこのプログラムの原案が開発されて、それをもとにPEACEというプログラムがそのひな形のようなプログラムとしてつくられて、日本緩和医療学会で委託事業として推進をしているということです。
 このプログラムは卒後3年目の医師に身につけておいてほしい緩和ケアの能力ということを念頭に置いて作成されています。つまり、卒後臨床研修修了時に身につけていてほしい緩和ケアの能力を習得するためのプログラムというふうに読みかえることもできると思います。
 続いて、5ページに今のプログラムの実際の内容が書いてございますが、緩和ケアの概論があり、疼痛のマネジメント、先ほど松本構成員もお伝えいただきましたけれども、オピオイドを処方するときの心理・社会的な苦痛への配慮バリアをどうやって、患者さんや御家族の思いをどう受けとめるかというようなことのロールプレイ。あとは、その他の症状マネジメント、精神症状、コミュニケーション、地域連携といった内容になっています。
 次、6ページ目は、このプログラムをやった前後の医師の知識の変化を示しています。研修会前後で医師の緩和ケアに関する知識は改善して、2カ月後もその知識は残ったままであるということが証明されていますので、この研修会をやることは、少なくとも医師の知識の向上に寄与するということが示唆されています。
 続いて、7ページです。現在までの緩和ケア研修の課題です。こちらも質的研究が実施されまとまっています。まず研修実施に当たっての課題ですが、2つの課題があり、一つ目は開催に負担がある。これは、人的、経費的、時間的にかなりの負担がある。 もう一つは、これも以前から御指摘があるとおり、ファシリテーターの質が均一でなく、研修会の質が担保されていない、ということが挙げられています。続いては参加者の課題ですが、昨今特にですけれども、診療報酬等で評価されてから、モチベーションの低い参加者が参加されることがあるということです。もう一つは制度面の課題ですけれども、地域によって緩和ケア研修会の修了率に差がある。これは後でデータをお示しします。地域によって都道府県、医師会、拠点病院間の連携がとれていないことがある。参加者が2日連続で時間の確保が困難。
 もう一つの問題としては、地域においては、参加者を集めることが難しい状況となっているということが書かれています。後でお示ししますが、既に修了率が88%とか、かなり高い率になっているところは、参加者自体を集めることが困難になってきている。つまり、毎年やるといっても、参加者が10名を切ってしまって、本当にこれをやって効率的なのかということに疑問があるということが出てきている。
 5つ目。第2期のがん対策推進基本計画では、すべての医療従事者に研修体制をというふうに書いてありますが、医師以外の職種の研修についての位置づけが不明確であるということが挙げられています。
 続いて、各県のデータをお示ししたいと思います。
 8ページ目に載せていますのはは、岡山県のデータです。地域別に分かれていまして、平成20年から24年までの年次推移をお示ししています。まず、一番右側のカラムの計のところを見ていただきたいのですが、参加人数は、平成21年、22年は多かったのですが、徐々に減少傾向にある。集めにくくなってきているという現状があります。特に、高梁・新見、真庭のところを見ていただきたいのですが、平成22年度、23年度、24年度、かなり厳しい参加者の数になってきているというのが、ほかの地域と見比べますとおわかりいただけるかと思います。
 続いて、9ページ。これも岡山県のデータです。これは修了率だけ見ていただきたいと思うのですけれども、修了率、かなりばらつきがあります。県内医師全体を母数としてとったとき、例えば津山の地区だと28%、県の南西部だと15%前後、5大がんに関係する診療科に従事する県内医師数を母数としますと、津山などは58%修了していて、高梁は32%。2倍ぐらいの差が地域によってあるということを見てとれるかと思います。
 次、資料5追加分をご覧ください。
 これは群馬県の状況になります。群馬県のすべての拠点病院と医師会での開催をお示ししています。丸をつけたところを見ていただきたいと思うのですけれども、徐々に集めにくくなっていて、参加者が一桁になっているところが頻発しているというのがごらんいただけると思います。
 ただ、一桁になっているところでも、全体の受講率を見ていただきたいのですけれども、頑張って、例えばB病院はかなりの受講率、88とかになっていて、絞り出すように研修会をしている。少ない中でもG、C病院のように、2割というところもあるということを見てとれると思います。
 もう一つは、三重県の状況がその裏にあるのですけれども、これも似たような感じで、受講率全体を見ていただくと、50%のところもあれば、19.3%と低いところもあり、近ごろは病院によって参加者を特に集めにくくなってきているという様子が見て取れると思います。
 続けてよろしいでしょうか。今度は10ページになります。
 10ページには、今度は都道府県別の修了受講率が出ていますけれども、これも高いところから低いところまで。調べた中では、山形が一番高くて22%。これは全医師に対するものです。大阪は、概数だと思いますけれども、11%というふうに、かなりばらつきがあるということがおわかりいただけると思います。
 このような状況が現在までの研修会の現状で、この状況を踏まえて第2期がん対策推進基本計画からの抜粋で、これから取り組むべき施策として示されているものを幾つかお示ししたいと思います。
 今までの研修に加えてやるべきことというのが5つ挙げられていて、がん疼痛と症状緩和のための薬剤の適正使用と普及を図る。患者の視点を取り入れた研修内容にする。指導者の質の向上を目指した研修の実施。診断されたときからの緩和ケアを教育する。
 次、12ページにいっていただきたいのですけれども、個別目標としてはどんなことを挙げられているかというと、関係機関などと協力して、3年以内にこれまでの研修体制を見直しして、5年以内にがん診療に携わるすべての医療従事者に緩和ケアを理解し、知識と技術を習得することを目標とする。特に拠点病院では、自施設のがん診療に携わるすべての医師が緩和ケア研修を修了することを目標とする、とされています。
 今後、どのような方向性でやっていったらいいかということを、以下、おのおの個別のテーマをつけまして考えています。
 まず、求められる緩和ケア研修の方向性の1つ目としまして、受講しやすい研修体制をつくるためにどうしたらいいかということですけれども、1つ目は、単位型の開催を基本としたらどうか。これは、まとめて2日間時間をとらなくていいということに配慮して、今までは一般型を基本とするとされていますが、単位型の開催を基本とするとしてはどうか。
 2つ目は、対象者のモチベーションに配慮した内容にしたらどうか。要は、興味を持たないものは参加しにくいということがありますので、例えば、研修医向け、診療所医師向け、腫瘍医向けなど受講生によってある程度研修内容を変えられるように標準プログラムを工夫してはどうか。
 そのために教材の加入(多様化)と改善が必要なのではないか。具体的には、現行の疼痛・呼吸困難・消化器症状などに加えて、倦怠感、不眠、腹部膨満、意思決定支援などを入れるなどが例として挙げられます。
 ということで、参加者の必要性に合わせてプログラムを変えられるように、必修部分と選択部分をつくるなどを考えてはどうかと思います。
 これについては、14ページを見ていただきますと、既に追加教材が研究班等によって運用されていますので、対応はすぐ可能かと思います。
 15ページです。求められる緩和ケア研修の方向性2として、患者の視点を取り入れた研修ということで、研修内容を改善することを考えております。
 1つ目は、患者・家族のインタビューなどDVD教材の開発。
 2つ目は、研修会への患者・家族の一部プログラムへの参加などが考えられると思います。
 続きまして、16ページ、求められる緩和ケア研修の方向性3です。研修会の受講者を増加させる方略としましては、初期研修医や後期研修医に対して緩和ケア研修会の受講を義務化する、もしくは強く推奨する。こちらのほうは制度的な問題がありますので、すぐ義務化するといっても難しいのではと思いましたので、このような表現にしました。
 2つ目、各拠点病院は研修会修了率を公表する。全医師を母数としてはどうかと書きましたが、先ほど事務局、御指摘ありましたように、もし御負担でなければ、受講生の背景をカテゴライズした上で、その修了率を公表するというのは非常に有効な方法だと感じました。
 17ページです。求められる緩和ケア研修の方向性4です。指導者研修会のあり方ということですけれども、事務局御発表のように、緩和ケアのほう1,700名、精神症状750名、計2,500名程度の指導者を育成してきておりますが、今後は、むしろ緩和ケア研修会の質の担保が重要ですので、もちろん指導者の数もふやしていく努力はしたいと思うのですけれども、むしろ今の研修会の指導者の質を上げることに比重を置いていったほうがよいのではないか。
 ということで、修了者に対するスキルアップのための研修会を実施したらどうか。特に教育スキルであるとか、あとは、緩和ケアに関するさらなる知識の向上。例えば、細かいことを質問されても答えられるだけの能力をつけていただく等考えてはどうかと考えています。
 次ですが、緩和ケア研修の方向性5です。地域の実情に合った研修会の実施です。
 先ほど、細かい資料を幾つも見ていただいたのですが、地域によっては、研修会の参加者をかなり集められなくなってきていて、受講率もかなり高い地域もあるということは見てとれると思います。僕のところに上がってくる話としては、これだけもう受講が終わって集めにくくなっているのに、3人、4人の参加者のために大勢の人的な資源をかけてやることが果たして効率的なのかというような声が届きます。
 確かに非効率的な部分があると思いますので、地域の実情に合わせた効率的な研修会の実施をするために、都道府県は先ほどのようなデータを毎年きちんととって、都道府県の判断でがん診療拠点病院が合同で、例えば2施設は合同でやってもいいというようなことにして開催することを可能としてはどうか。
 このような実施を都道府県だけに任せるのではやはり不十分と考えることもできます。全部病院同士をペアにして研修会をやるというところが出てくることも十分考えられますので、本当に適切に実施されているかどうか、研修会に関する視察や相互監査事業の実施をしてはどうか。これに対しては一例がありまして、1つは、長野県は独自に研修会がどのように行われているかということを相互監査を拠点病院間でしていると聞いておりますし、青森県は先日、厚生労働省の研究班が主催して、県内の研修会事業の相互監査をしたと聞いています。
 また、県レベルでそれぞれの拠点病院の研修会事業の取り組みについて相互監査をすることで、成功事例や困難事例などを検討し合うことによって質を高めることができると思いますし、行政と拠点病院の協力体制が涵養されるというか、強化されるという効果もねらえると思います。
 続いて19ページです。医師以外を対象とした研修会の実施ですけれども、まずは喫緊の問題としましては、看護師の研修から開始するのが現実的ではないかと考えます。拠点病院において、院内及び地域の看護師等に対するがん医療、がん看護に関する総合的な研修を実施すること。
 また、御指摘もありましたとおり、がん看護専門看護師や認定看護師等を対象としたがん看護カウンセリングなど(意思決定支援や外来における継続看護など)に関する研修会、指導者研修会の実施をしていくという方向性がよろしいのでは、というふうに考えました。
 以上でございます。
○花岡座長 どうもありがとうございました。
 次に、事務局から、都道府県のがん診療連携拠点病院連絡協議会からの緩和ケア研修会に関する提案書について御紹介をお願いしたいと思います。また、細川構成員、大西構成員より提出資料がございますので、続いて御説明をお願いしたいと思います。
 それでは、事務局のほうから。これは参考資料7になりますか。お願いいたします。
○事務局 では、参考資料の7を確認ください。
 これは、平成24年11月27日に、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会から出された提案書になります。「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会に関する提案」。
 ここで、1ページ目の下から2段落目から御紹介させていただきたいと思います。
 緩和ケアの研修体制を見直すに当たっては、緩和ケアが「がんと診断された時から」と変更された意義を踏まえつつ、研修会の担い手であるがん診療連携拠点病院における研修会開催の実情を踏まえていただきたく、本連絡協議会は下記の提案を行うことといたしました。
 緩和ケアを推進していくことは、がん患者の療養生活の質の維持向上に直接的に関与していくものであります。緩和ケア研修会がより効果的かつ効率的に実施していくことにより、緩和ケアを一層推進していくことができるよう、以下の対策を講ずるよう提案いたします。
 裏面、2ページ目ですが、1番、研修内容について、「がん対策推進基本計画」において、緩和ケアが「がんと診断された時から」と変更された意義を踏まえ、全人的な緩和ケアの理念を伝える研修内容とすること。
 2番。2日間の研修会は、受講者と主催者の負担となっている。研修会の講義部分についてはeラーニングで代用することが可能であるため、eラーニングを導入し、効率的な研修会の運営ができるようにすること。
 3番。地域によって受講対象医師の多くの受講済みであること、指導者を十分に確保できないこと等の実情がある。効率的な研修を行うため複数のがん診療連携拠点病院が共同で研修会を開催できるようにするなど、地域の状況に応じた柔軟な対応を可能とすること。
 4番。すべての医師が緩和ケアの重要性を理解するために、初期臨床研修において緩和ケア研修会への参加を推奨すること。
 5番。緩和ケアにおけるチーム医療を進めていく観点から、医師以外のメディカルスタッフも必要な緩和ケアに関する知識や技術を習得できる体制を構築していくこと。
 以上の提案がございましたので、紹介させていただきます。
○花岡座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、細川構成員からお願いしたいと思います。参考資料8でございます。
○細川構成員 細川でございます。よろしくお願いいたします。
 先ほどの都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の堀田先生からの提案と少しオーバーラップするところもございます。つまり問題点は非常に似通っております。2007年にがん対策基本計画に基づきまして、さまざまな緩和ケア研修会を行ってきたわけでございます。先ほど木澤先生から報告がございましたように、その修了者数は確実に増加しております。恐らく現在では4万人弱という形になっていると思います。
 それなりの成果は当然上げてきているのですけれども、昨年度2010年6月に見直しをされまた第2期のがん対策推進基本計画におきましては、「これまで取り組んできた緩和ケア研修会の質の維持向上を図るため、患者の視点を取り入れつつ、研修内容の更なる充実を図るとともに、必要に応じて研修指導者の教育技法などの向上を目指した研修を実施する」と明記されました。緩和ケア研修会につきましては、これまでの取り組みを振り返りまして、今後のあり方について検討時期にあると思います。これの内容につきましては、既に木澤構成員のほうから御報告ございました。
 日本緩和医療学会では、厚労省の開催指針に準拠しました緩和ケア研修会を全国で適切に開催されていくように、日本サイコオンコロジー学会の協力を得ながら、「症状の評価とマネジメントを中心とした緩和ケアのための医師の継続教育プログラム」及びPEACEを開発いたしまして、緩和ケア研修会の開催に関しまして、厚生労働省からの委託を受け、指導者を育成するための研修会の開催等のさまざまな活動を継続的に行ってまいりました。これまでの活動を通じて得られましたさまざまな経験を踏まえまして、日本緩和医療学会より、緩和ケア研修会の質の向上と更なる充実を目指しまして、以下の提案をさせていただきます。
 厚生労働省が定めます「緩和ケア研修標準プログラム」に、「患者の体験や医師に対する期待などについて、患者の視点を取り入れた内容を含むこと、また、ビデオ等を利用し、効果的な学習ができるように配慮すること」といった記載を加えることといたします。
 また、全国の緩和ケアの水準の向上を目指しまして、緩和ケア研修の修了者に対して、緩和ケアについての継続的な学習ができる体制を構築します。つまり、具体的には、継続学習のインターネットサイトの作成とか、スキルアップ研修会の開催などを行うことといたします。
 3.緩和ケア研修会の質を維持していくために、現在の研修内容に置きかえるようなeラーニングの導入はすべきではないこと。ただし、継続した学習を望んでいる者がeラーニングを使用して学習する機会をつくっていくことは望ましいということであります。eラーニングについては、導入すべきだという意見もございますけれども、実際にeラーニングに対しましては、非常にモチベーションの高い方がeラーニングを使った場合には非常にいいツールとなるのですけれども、とりあえず義務的、事務的にやった場合には全くの勉強にならないという部分が確実に出てまいります。これはさまざまな分野でeラーニングを使用したときの質の担保ができるかという問題点としてしばしば取り上げられていることでございます。このため、今のところ、緩和医療学会の見解もeラーニングを導入するということは、質の担保ができないとの結論に至ったわけでございます。
 もう一つ、質の高い緩和ケア研修会が開催されるように、企画責任者だけではなく、研修会の協力者も指導者研修会を修了していることを原則とするということです。
 5.指導者研修会の修了者が継続的に学習し、緩和ケアの教育に関するスキルアップをしていくことができるよう、引き続き指導者研修修了者に対する学習支援に積極的に取り組んでいくこと、とします。
 6番、これは非常に大事なことだと思うのですけれども、初期研修医への緩和ケア研修の修了を研修医の必須項目とすることというのがあります。これは、厚労省側で義務化するということになるのですけれども、先ほど木澤構成員より発表がございましたように、初期研修のPEACEプログラムというのは、卒後3年ぐらいのところまでを目標としたものでございますので、既に多くのがん患者さんを診ている方々にとっては物足りないところも当然ございます。こういったものに対しては、スキルアップのためのeラーニングでありますとか、その他さまざまな方法で対処が可能です。
 もう一つ、今まで大きく問題になっています最近の研修会への参加者減ということですけれども、その理由の一つは若い研修医の先生方の参加が難しいという現状、つまり2日間の研修をまるまる2日間続けて一辺にやるという今の研修会の開催形式の問題です。この解決には、現在でも幾つかの都道府県では、すでに研修内容を統一したA、B、C、Dの4つに分けまして、どこの施設の行う研修会を受けてもA、B、C、Dを1年ないしは2年間で、取得すれば、参加、終了した資格となるという形をやっております。こうすると非常に若い先生が参加しやすくなります。参加者が少ないということは、開催側の施設の先生方の研修会開催へのモチベーションが非常に下がるということもございます。10人参加の研修会をやるのも、50人のをやるのも、おおよそ実際にはほとんど同じ手間がかかります。時間的にはほぼ同じです。
これまでの間に約4万人弱の研修修了者を出しているわけですけれども、ご存じのように、毎年、研修医の数というのは1学年8000人程度の一定数でございます。2年間分の研修医を対象とすれば、それだけで5年間で4万人が研修会を終了できます。またこの2年間の間にA、B、C、Dに分けました単位をさまざまな施設の研修会で余裕を持って受講するということは、研修機関同士の研修医の交流もあると同時に、参加者が減少している施設で受講される方もふえてくるということも当然起こります。いろんな角度から見ても、研修医の2年間の間に緩和ケア研修を研修医の修了必須項目とすることは、現在緩和ケア研修の抱えております多くの問題を解決する一つの有効な方法となると考えております。ぜひ御検討をお願いいたします。
 7番、がん医療に関連する各学会等におきまして専門医や認定医の取得や更新の際に、緩和ケア研修の修了を促すような取り組みを行うように働きかけます。
 以上です。
○花岡座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、大西構成員からお願いしたいと思います。参考資料9でございます。
○大西構成員 よろしくお願いします。
 医師に対する緩和ケア研修、主に精神面のところについてのお話をさせていただきたいと思います。
 まず、現状ですが、指導者研修会の修了者数、これは資料3で750と出ているので、こちらをまず訂正をお願いします。
 いつも数が少ないというおしかりを受けているところでありますが、750名いるということは、私どものところは1つの科ですので、身体科に比べれば、かなり健闘している数じゃないかなというのが現状でございます。
 それから、PEACE研修会の資料に関しては、さまざまな改訂が必要だということを皆様の御意見でいただいておりますので、新しいバージョンを皆さんで検討中でございます。
 それから、指導者がいないという御指摘も受けたことがございますので、私どもとしては、学会ホームページの中に問い合わせ窓口を作成しています。例えば、指導者がこういうところで困っているとか、指導者が足りないとか、そういうことに関しては、学会のホームページで受けて、すぐに対応するようにしております。実際に指導者が足りないということで、ホームページを使って派遣した例もございます。
 それから、希望時には研修会の講師の派遣も私どもとしては行っております。やはり質の問題がございますので、どうしても全国的に均一な講師の質が確保されていないという現状もあると思いますので、そういう場合には私どものほうにお申しつけいただければ、しっかりとした講師を責任を持って送らせていただきたいと思います。
 検討課題なんですが、やはりまだ考えなければいけないのは、質の問題ですね。750名、研修を通っておりますが、その中でのサイコオンコロジー学会に入っている指導者数が多いとは言えないのが現状です。ですから、質の問題が学会レベルとして担保されているとは言えません。
 それから、PEACEの次のステップも考えなければいけない時期にきていると思います。例えば、精神腫瘍学研修会、5会開催。例えば、多職種を対象とした精神的ケアの問題の研修会を開くことも考えております。
 それから、どうしても精神の場合には地域差がございますので、地域差を埋める取り組みを私どもはいろいろ検討しております。
 他職種への協力は、我々精神の専門家として、皆さんにできる限り講師の派遣等を通じて、あと、スライドの作成とか資料の作成に関して御協力させていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○花岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局より論点案の提示がございました。これは、資料4でございますが、それと、木澤構成員の発表の中での対応に対する具体策についても言及がございました。また、都道府県拠点病院連絡協議会や日本緩和医療学会及び日本サイコオンコロジー学会の立場からの御提案もございましたので、議論に移りたいと思います。
 では、資料4でございますけれども、まず、医師を対象とした緩和ケア研修ということと、看護師を対象とした緩和ケア研修ということで、2つに大きく分かれておりますけれども、1つは、拠点病院から自施設のがん診療に携わるすべての医師と緩和ケア研修修了者について報告を求めることとしてはどうかということで、その際の内容について?までございますが、この件について、まず取り計らいたいと思いますが、いかがございましょうか。
 松月構成員、どうぞ。
○松月構成員 今の御報告を伺っていて、医師の受講率というか、研修を修了した方の数に格差があるということは、いろいろな問題があるのだと思いますですが、それは、今後、少しは改善していく可能性があるのでしょうか。例えば、若い医師の場合、勤務の関係で参加できない。それがある年齢の医師になると、研修の受講に対して必要性を感じて頂けないというか、僕はいいやと思っていらっしゃるのかなど、先生方が研修の受講についてどのように感じていらっしゃるのかをぜひお伺いしたいと思います。
○花岡座長 いかがでございましょうか。報告を求める前の段階でございますが、受ける方々の気持ちがどういうふうなところなのか。意欲等を含めてですか。細川構成員、どうぞ。
○細川構成員 
1つには、例えば開業されている先生でも勤務医の先生でも、ある年齢の方でがんに取り組んでいられる方で緩和ケアを勉強しようと思われた方は、ほとんどの方がこの5年間で受講を終わっておられます。そういたしますと、開業されていても、在宅でがんの患者さんを診ていられないとか、がんという疾患を扱っておられない先生とかが今後対象となってしまいます。それと、今後がん治療の最前線で活躍される本当は一番参加していただきたい年齢の方々が非常に多忙なわけです。その場合に、土日2日間を、当直があったり、緊急手術があったり、救急患者があったりというような忙しい日々の中で、2日間まるまるこの研修会に参加するということは、参加したくても、若い、卒後2~3年から4~5年までの先生にとっては非常に厳しくなってくる。この方たちを本当は取り込みたいのにこういった事情で取り込めないというのがいまの現状だと思います。
 ですから、先ほど言いましたように、解決のための方法として、研修医期間中の緩和ケア研修会へ二酸化を義務化するのが一つの方法です。その解決策として、2日間でやっている内容を全国統一したA、B、C、Dの4つに分けまして、どこで都道府県、施設で行われても同じ分け方のプログラムにします。そうしたら、どこで受けてもA、B、C、Dを修了すれば、2年間に修了ができるという形になります。こうすれば、俄然受講しやすくなるということです。
 今は全体として参加者数が頭打ちにきているのは字ずつですので、新しい方策としてというのが先ほど来の提案でございます。○花岡座長 松月構成員、よろしゅうございますか。
○松月構成員 ということは、今後、臨床研修医へは必須研修として、研修修了者を増やしていくという対策を検討されているということでしょうか。
○花岡座長 いきなり2のほうに入りますが、受講を促進するための受講しやすい研修体制という形になりますが、まず、報告を求めることとしてはどうかということで、その際に、?にありますような、がん患者の主治医や担当となる者とか、分けまして、結局、直接関係する人と、病理診断医など、直接がん患者との日常的な対面が想定されない者というような分け方をしてはどうかという、これが御提案でございますが。どうぞ、小松構成員。
○小松構成員 この研修会の全貌をきょうお聞きすることができて、非常にすばらしいなと思って聞いておりました。特に、医師の場合は全医師を対象にしているということでしょうか。いわゆるこの研修の第1期のアウトカムと第2期のアウトカムというのがどの方向に向かっているのかというのがちょっとわかりにくくて、受講率から見ると、全医師の中で少ないところは11~22%という幅がありますけれども、全市の中での10分の1、あるいは5分の1というところの研修が行われたということであり、それはものすごい力を入れてやった成果かなと思っていて、この第2期のときに、一体これをボトムアップをするのか、細川先生がおっしゃったように、いろいろな診療科の方がいらっしゃるので、どのあたりを母集団として、どこまで、どんなレベルというふうに想定されながらこういった研修がいっているのかということがちょっとわからなくて、というのは、看護師等の研修を考えていくときに、研修ということが国で行われる場合に、どのレベルでどの方向性までいってアウトカムを出していくのかというのをきちんと整理をしておかなくてはいけないなと思ったものですから、それがお聞きできればありがたいと思います。
○花岡座長 木澤構成員、いかがですか。今のことにつきましては。基本的にはがん患者、がん診療に携わるすべての医師というところに一つの大きな言葉があるんですね。だから、がん診療に携わるすべての医師がまずそこを受けるというところが一つの基準ではないかと思っておりますが、木澤構成員、それでよろしいですか。
○木澤構成員 そのとおりだと思います。プログラム開発する上ではどういうことを想定したかというと、がん診療のところを外して、すべての医師がというふうに考えて作成しました。卒後3年後の医師を対象にするということ時点で、すべての医師が受けたら、生涯ためになって、自分の診療に反映できるということを想定してプログラムをつくりました
○花岡座長 ありがとうございます。
 携わろうと思う人ももちろん含まれていると思うので、それはどのぐらいになるかわかりませんけれども、かなりの数になると思います。
 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 2007年6月、多分15日だと思いますけれども、当時の安倍首相が実は私どもの所に来られて、この基本計画を発表されたという記憶があります。そのときにおっしゃった言葉が、がん診療にかかわる医師、多分10万人とおっしゃったのですね。その方々が、当初10年と言っていたのを5年で全員ということをおっしゃって、細川構成員から先ほど4万人という数字が出たわけなんですが、一方、私ども、東大病院放射線科に所属していますけれども、そこには放射線診断と放射線治療が同居しています。放射線診断の先生方は、実は一日中モニターを見ることが仕事になっていまして、基本的には患者さんと接する機会はないんですね。一方、我々は常に患者さんと話している。そうしますと、10万人というものがどこまでを指すのか。あるいは、その濃淡というのは間違いなくあるのであって、私どもでも緩和ケア研修の中で、直接の主治医、担当医の方がほとんど来られています。そういう意味では、事務局からの提案があったように、少し分けてみるというのは、非常に現実的な方策ではないかな。
 ただ、分けたものを公表していただくということも必要であって、とりわけ、先ほど来、細川構成員、大西構成員、あるいは堀田理事長からも出ている、研修医における強い推奨という部分、そしてそれをとりわけ特定機能病院においては公表していただくということを、これを例えば先ほどの分類で言うと、?、?、?に分けて公表していただくということは、緩和ケア研修の促進に非常につながるのではないかなと思います。
○花岡座長 ありがとうございます。
 どうぞ、武藤構成員。
○武藤構成員 
私も循環器内科医でしたが、開業してがんの患者さんをたくさん診るようになりました。ここの会に参加しまして初めてこういった研修があることを知りまして、先日受講して、非常に勉強になりました。ありがとうございます。そこで幾つか思ったことがございました。まず、開業医でがんの方にかかわっている人というのは大変多いと思いますが、どのように一般開業医の先生達に研修の広報がなされているのかということを一つお伺いしたいと思います。私も医師会には入っておりますけれども、医師会に入らない先生も最近は多いので、どこから情報を流していけば、がんにかかわっている、例えば在宅医療で緩和ケアをやっている医師が研修に参加できるのだろうかと思いました。
 次に、病院の先生も当然お忙しいと思いますが、開業医の先生も基本的にはものすごく忙しい。私は2日間、連日で参加できましたけれども、多くの開業医の先生には結構厳しいと思います。従って、単位制など2日連続で参加しなくても研修出来る仕組みを考えていただきたいと思います。
 最後に、参加している方たちが、キャリアも職種も相当ばらばらで、そこには大きな意味があろうかと思いますが、やはりある一定の知識を持った医師がその次を学んでいけるようなものが欲しいと思います。上級のプログラムを期待させていただいております。ありがとうございます。
○花岡座長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見でございます。
 まず、そうすると、報告をまとめるということにつきましては、このような?、?、?ぐらいの分け方にしていただいて、ということで、これは大体よろしゅうございますでしょうか。それに公表するような形をとらないといけないということがございましたので、これは緩和ケア研修ということで、公表はまた別の一つ向こうの段階になりますが、(1)でございますね。
 (2)は、今、いろいろ御意見がございましたが、受講を促進するための受講しやすい研修体制というもので、単位に分けるとか、一遍に2日間というのは、武藤構成員からもございましたように、かなり厳しいので、きょうはここの単位、きょうはここの単位というふうに分けて受講するというのも一つの体制ではないかということでございます。
 ほかに何か、この点について御意見ございますでしょうか。どうぞ、道永構成員。
○道永構成員 日本医師会の中に会内委員会としてがん対策推進委員会というのがございます。その委員会がたまたま金曜日に開かれたので、緩和ケアの研修会について御意見をいただいてきました。今の2日間の体制は開業医にとっては非常に難しいということでした。認定産業医制度というのがありますが、そういった感じで、できないでしょうか。細川構成員のおっしゃっていることと重なるのですけれども、ある程度の年限の間にこれだけの単位を取りなさいということがもし許されれば、いろいろな先生たちが講義を受けられるということと、あとは更新制みたいな形にして、例えば、何年たったらもう一回研修会を受けましょうみたいな形にしたら、一般開業医といいますか、診療所のほうに浸透するのではないかという御意見をいただいてきました。
○花岡座長 ありがとうございます。
 まず、こういう研修会をやっているということ自体、武藤構成員がおっしゃったように、徹底されていないという面も少しあるということもございますので、そのほうから始めるということがまず大切だと思います。
 受講しやすいというのは、逆に言うと、開催するほうとしては大変になりますね。会をふやす、きょうはこの単位をやりますというような形になって、その辺のところのバランスが非常に大切かなと思います。基本的には、2日間とか、何日がいいかというのはございますけれども、内容的なものが取り込めるような日数を無駄なく過ごすということが必要になってくると思います。
 3番目に移って、研修内容に患者の視点を取り入れる方法の具体策は何かということでございますが、これはいかがでございましょうか。松本構成員、どうぞ。
○松本構成員 ありがとうございます。
 基本計画の中にこの文言を入れていただきましたので、ぜひこれを何とか実現をしていただきたいと思っております。
 ただ、やはり幾つかの過程を経て、よりよい方法を探っていく必要はあると思います。たしか前回の検討会のときに木澤構成員からも慎重であるべきではないかというような御意見もありまして、私も帰りましていろいろ考えてみましたけれども、やはりそうだろうなと思っております。いきなり、例えば研修会の会場に患者・家族が行って参加してものを言うというようなことから始めるというのは大変厳しいと思いますので、例えば何かワーキンググループのようなものをつくりまして、木澤構成員がいらっしゃるようなプログラムの開発にかかわっていらっしゃる先生方との意見交換をするなどをして、どうするのが一番いいのかというのをまず考えるところから初めてはどうかと思っております。そんなまどろっこしいことを言っているんじゃないよという患者さんの声が聞こえてくるようではあるのですけれども、ただ、やはりよいものにしていくために、一定期間何かそういったことを検討していくのもいいのではないかと思っております。
 先ほどの御提案の中に、一部、患者・家族のインタビューなどをDVD化して使うということについても御提案がありました。これも一つの方法かなと思いました。というのは、地域によって研修会に参加できる患者・家族に差がありますので、違いがありますので、地域差が生まれるということは私たちは避けたいと思っています。やはり研修については一定の質を担保していただきたいと思いますので、そういった意味でDVDを活用するというのは一案かと思いました。
 ただ、そうなると、やはりDVDはDVDで一つフィルターになってしまって、私たち患者・家族の、例えば顔色であるとか、目の力であるとか、声色であるとか、そういったものがなかなか先生方に伝わらないということになると、これは患者・家族が参加するという力が薄れてしまうのではないかということを危惧しております。こういったことからも、何らかいいプログラムをつくるために、検討の場を設けていただくというところからまず始めていただければと思います。
○花岡座長 ありがとうございます。
 患者・家族の視点を取り入れるということでいろいろな方法があると思いますけれども、このような具体的なことを検討するというところから始めたらいかがかということでございます。
 それでよろしゅうございますでしょうか。どうぞ、武藤構成員。
○武藤構成員 このようなワーキンググループを立ち上げるのは、私は大変賛成です。現実的には患者さんやその御家族が医師に向かってその場で直接言うことは、特に地方では困難だと思われます。その場で言えなくて、研修自体が非常に不満足に終わってしまう可能性もあろうかと思います。また、医師に対しては、信頼感や不信感など、いろいろなパターンがあろうかと思いますので、典型的なものをぜひ整理をしていただいて、よく見られるパターンをDVD化するほうが、効率的だろうと考えております。
○花岡座長 どうもありがとうございます。
 ほかにはいかがでございましょうか。
 この検討グループ、ワーキンググループみたいなものが立ち上がって、そこで一応検討していただければということで、この点はよろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、4番目ですけれども、研修指導者の教育技法などの向上を目指し、指導者研修会の今後のあり方についてはどのようなものかということですが、これは木澤先生、どのぐらい数、必要なんですか。研修指導者という数ですね。
○木澤構成員 数は、当初はどう考えていたかといいますと、全部で397拠点病院がありますので、そこにまずは1人ずつというのが当初数年間の目標だったのですね。それは2年間ぐらいで達成してしまったのですけれども、異動等がありますので。あとは、1人だと、なかなか研修会をつくっていくのが難しいということで、現在ここまでふえてきたわけです。今の数を見ると、1,600人ぐらいいるわけですね。拠点病院割にしますと、1施設4人いるという勘定になります。実際はそれほど多くはないと思うのですけれども、偏在がありますので。少なくとも拠点病院にはほとんどいないというところはなくなりつつある状態だと思っています。では、十分かと言われますと、やめられる方や新しくなりたい方も出てきますので、新しい指導者を年1~2回の研修会をして補充していく必要はあると思うのですけれども、今までは年4回開催をして、プラス国立がん研究センターがしていますので、5回、年間約300人の養成をしてきたのですね。ここまでは恐らく必要ないだろう。半分でいいだろう。そのあとの能力を質の向上に当てたらどうかというのが、今考えているところでございます。
○花岡座長 ありがとうございます。
 拠点病院というのが約400ということを考えれば、そのぐらいの数でということですが、これは、拠点病院にかかわらず、いろいろな病院も、一般病院も必要になってくる可能性はございますか。
○木澤構成員 おっしゃるとおりです。拠点病院以外の病院でも開催できるように、養成を続けていきたいと思っています。
○花岡座長 ありがとうございます。
 今後のあり方とはどのようなものかという投げかけでございますけれども、今のところでは、数としてはかなり充足していますが、質の向上を目指すような教育技法、これはなかなか難しいですが、これはどこかで検討されているんですか。緩和医療学会でもその辺のところの検討をされておられますでしょうか。
○細川構成員 どうしてもこういった運営をする場合には、まず、指導者研修の質を担保しつつ指導者の数をある程度そろえて均てん化を図れるようにし、あと、内容的に漏れのある場合はそれを補充したり、重点的に高めていく項目は時間数を増やすというような形での対応となります。今まず質とその数はそろそろ足りてきたので、今後は内容を充実させていこうということになります。これは幸いなことに、今まで木澤先生を初め、さまざまな先生たちの努力で指導者研修をやってきたのですけれども、指導者研修を受けられた先生方のほうから、もっと勉強したいという声が上がってまいりました。その人たちのグループが新たにもっと勉強をしていこうという流れも出てきております。そういったことから質の担保ということに関しましては、緩和医療学会のほうでもてこ入れは当然いたしますけれども、すでに指導者の風潮として、いい感じになってきております。このため、これから数よりも質ということに重点を置いてやっていこうと考えております。
○花岡座長 ありがとうございます。
 それでは、医師を対象とした緩和ケア研修についての大体の流れ、よろしゅうございますでしょうか。どうぞ、前川構成員。
○前川構成員 済みません、最後になって申しわけないのですけれども、ちょっともとに戻りまして、今、研修を受ける先生方は、頭打ちというか、結構多くなっているとおっしゃったのですけれども、私の感じているところでは、がん拠点病院のがんにかかわる医師が本当に研修を受けているかどうかというのは患者には、わかりません。拠点病院の中に、がんにかかわる医師が何人いて、研修を受けた医師が何人かという把握が各拠点病院にできているかどうかを、どなたにお尋ねすればわかるのでしょうか。
 そして、忙しいから受けられないという意見が今までたびたび出ていますけれども、がんに携わる医師が患者のために本当に必要だと思えば、必ず受けることはできると思います。4パートぐらいに分けて、1年間に4回で受けるとか。必要性を感じる医師としての感性があればできるのではないかと思います。その2点を言い残したので、発言したいと思いました。ありがとうございます。

○花岡座長 松本構成員、どうぞ。
○松本構成員 ありがとうございます。
 今の研修のことが先ほどの緩和ケアの提供体制についてというところにかかわってくると思います。前川構成員からご質問があったように、緩和ケアの研修について、拠点病院の取り組みを評価する体制の検討が必要であるという、これはどうなのかということを先ほど前川構成員から御発言があって、事務局からは、後ほどの研修のところで検討いただきたいというお答えだったと思っております。ここを少し整理をさせていただきたいのですが、論点案の中の(1)の修了者について報告を求めることとしてはどうかと書いてある、これが回答だという認識でよろしいのでしょうか。こういう報告を求めることが回答ということでよろしいのでしょうか。
○花岡座長 事務局のほう、どうぞ。推進官、どうぞ。
○がん対策推進官 先ほどのとりまとめ案に記載させていただきました取り組みの評価体制の基礎データに不可欠な情報として(1)を挙げさせていただきました。これを報告を受けた上でどうするかという部分も含めて皆さんの御意見をいただければありがたいと考えております。
○花岡座長 よろしゅうございますか。
 まず、報告をとらないといけないので、その報告をということでここにかけさせていただいているということでございますが、前川構成員、何か疑問ですか。
○前川構成員 今のお答えの意味がはっきり把握できなくて。済みません。
○花岡座長 まず、ベースがどのぐらいやっているかという報告そのものがない状況なので、まず、報告を求めてから、実際の充足とか、どのようにするかというところを次の段階にしなければということでございます。
○前川構成員 報告を求めるのは、どこがどこに対して報告を求めるのでしょうか。
○花岡座長 どうぞ、推進官。
○がん対策推進官 厚生労働省が拠点病院を指定しますので、その枠組みの中で定期的に報告をいただいています。そこの中でこういった情報をいただいてはどうかという趣旨ですので、厚労省が拠点病院に求めるということになります。
○前川構成員 わかりました。
○花岡座長 木澤構成員、どうぞ。
○木澤構成員 1つだけ問題があると僕は思っていて、というのは、単位型の場合、拠点病院は修了者を必ずしも把握していないんですね。都道府県が把握していて、拠点病院は把握していないので、ごめんなさい、拠点病院自体は知らないこともある。僕らも知らないんですね。都道府県が知っているので、ぜひ都道府県に報告を求めていただきたいと思います。
○花岡座長 どうぞ、推進官。
○がん対策推進官 現状は多分そういうことになっていると思うのですけれども、やはり病院が自分の状況を把握していただくということが必要なのではないかと。
○花岡座長 前川構成員、どうぞ。
○前川構成員 先日、山口県の協議会でも県の方にお聞きしたのですけれども、把握していますかと聞いたら、わかりませんという明確なお答えでした。
○花岡座長 どうぞ、木澤構成員。
○木澤構成員 済みません、大学の事情かもわからないのですけれども、ローテーションしますので、すべて把握することは難しいんですね。一般型の研修会で僕たちが全部修了者管理をしているのであれば、直ちにすぐ出すことができるのは当たり前だと思います。ただし、単位管理を都道府県がしている場合は、修了者の管理を拠点病院がすることは極めて難しくなります。ですので、そこら辺のところはかなり御配慮いただかないといけないと思います。
○花岡座長 細川構成員、どうぞ。
○細川構成員 今の話の補充になりますが、昔の研修医は例えばAという病院で2年間なら2年間ずっとそこにいたわけです。今は、たすきがけというような形で、一応B病院に所属していても、何か月かはほかの病院で研修したりしているのが普通なのです。だから、B病院の研修医の某が、どこで、何をしているかをB病院が常に把握というのは、本当に極めてしにくいのです。緩和ケア研修会では少なくとも最終的に修了証が発行されます。それは各都道府県から発行しています。そのため最終的なデータは都道府県が持っているということなのです。
○花岡座長 病院そのものも、今、何人いて、誰がやったかというのはすぐできるような感じもするんですけれども、そういうわけではないんですか。
○木澤構成員 単位型の場合は、拠点病院に何の報告も。都道府県が報告していますから。この人が出ていますという報告はいただけないんです。僕らは。修了していますということは。一人一人を県が管理していますから。ですから、それだったら体制をつくっていただかないといけないと思います。
○花岡座長 推進官、どうぞ。
○がん対策推進官 現状という意味で、先生おっしゃることはよくわかるのですけれども、やはり拠点病院というところを足掛かりに、結局、今、何人の方が分母となって、何人が分子なのかというところが、病院ごとであったり、地域によってというところがあって不明確になっているところがあって、そこを政策的に全国的に率を高めていくといった場合に、やはり病院で把握をしていただくと。例えば単位型でA、B、C、Dとやる場合には、自分はどこまで受講したのかというのを病院に報告するとか、そこは労力を極力減らしたいとは思うのですけれども、何らかの体制を構築してやっていただく必要があるかなと考えているのですが、いかがでしょうか。
○花岡座長 基本的にその時点を決めなければいけないですね。何月何日現在という形でやっていただいて、そこで何人受けたかというのを病院のほうから、例えば病院長のほうからとか、そういう形で問いかければ出てくるのではないかなと私は思うのですけれども。どうぞ。
○がん対策・健康増進課長 報告に偏っていますけれども、そもそもその病院で研修を受けていなかったら、お医者さんに研修を受けてほしいと、病院でやるか、都道府県でやるかは別にして、そういう意思がないと、患者さんのために全然よくないので、結果的に、どのお医者さんが研修を受けているか、受けていないかというのは、病院の管理者として把握するのが当たり前であって、それも把握していないといったら、拠点病院としてそもそも問題なので、厚労省に誰が報告するかじゃなくて、それだったらば、まず、病院の中で誰が研修を終わったかというのをしっかり組み込んで、それを報告してもらうという仕組みにするのが重要じゃないかと思います。
○花岡座長 それは、執行部のほうから出てくるような感じが私もするのですが、投げかければ、医師のほうも、何日現在でいる医師を出せば。名前までということもこれは入るんですか。修了者の名前まで入るんですか。前川構成員、どうぞ。
○前川構成員 研修医のほうはちょっと難しいかもしれないのですけれども、せめてがん拠点病院の、今おっしゃったように、自分の病院でがんにかかわる医師が何人いて、終了者の人数をトップの病院長は把握するべきであって、それが公にされていないということは、患者の不利益にもなると私は感じます。○花岡座長 どうぞ、松月構成員。
○松月構成員 
木澤構成員のおっしゃっていることの実情はよくわかります。ただ、ではそれでよいかというと、臨床研修医はプログラムに沿って、それが終わったのかどうなのかという管理を行う責任はやはりあると思うので、もしそれが抜けているようであれば、体制を整備することが必要ではないかと思います。ただ、看護師の研修の場合も同様のことが言えます。院内で行っている研修は、誰が何を受講したかわかるのですが、外部の様々な研修を受けにいきますので、それまでの管理が出来ているかというと、実際は難しいので、今、木澤構成員がおっしゃったことは、実感として、私はすごくよくわかります。本当に、個々の研修まで把握するのは非常に難しいところではありますが、必須の研修としてこれをプログラムに載せるのであれば、管理体制を整備することを前提条件の上で、進めることができるのではないかと思っております。
○花岡座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 木澤構成員がおっしゃるように、多分私どものところでも把握できていないんですね。ただ、それはまずいということもそのとおりで、ですから、拠点病院の要件の中にそこを書き込む必要があるのではないでしょうか。
 それと、前川構成員がおっしゃっていた自分の主治医が受けたかどうかというのも非常に重要なポイントで、患者委員ならではの視点だと思うのですけれども、ただ、多分それを患者さんから聞けないですよね。先生、受けたんですかと。よく病院にはIDカードがあって、そのホルダーがありますよね。ケース。あそこにいっぱいベタベタシールが張ってあるんです。ものすごい数のシールが張ってあります。それは個人情報保護とか、データ管理とか、ともかく、ありとあらゆる講習を受けて、張らなければいけないのです。そのうちの一つとして、拠点病院においてはそういうシールをつくって、全国共通でもいいと思いますよ。それを受講した人に張ると。これは非常にインセンティブになります。ぜひそれを提案したいと思います。
○花岡座長 細川構成員、どうぞ。
○細川構成員 
ちょっと話がこんがらがっていると思います。もし拠点病院の研修医だけをとれば、例えば1年目の終わる3月31日の時点とかなら、誰が、何人が受講を終わっているかということのチェックは病院でできると思います。また次の年の2年間の研修が終わった時点でのチェックもできると思います。ただ、何月何日、突然、今、各研修医がどれだけ研修を終わっているかという把握は、多分無理だと思います。ですので、報告・把握義務を年度終了時点とかに絞ってなら十分把握は可能です。
 それから、今おっしゃったように、研修医ではなく、がん治療に携わっているに主治医などの医師、そういった人たちが受けているかどうかということに関しては、研修医と違い、いつでも病院はその状況は把握できます。この部分を把握していないというのは課長の仰る通り問題があります。ただ、研修医に関しては、いつでも把握できるというのはちょっと無理だと思います。特に単位制が普及してくるとそうなります。
 最終ですけれども、松月構成員がおっしゃったように、研修医の緩和ケア研修を義務化していただければ、すべて解決すると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
○花岡座長 ありがとうございます。
 大体の方向性が見えてきたと思いますが、とにかく拠点病院からの報告を厚労省が求めるというような作業から始まるのだと思うのですが、それは大丈夫でございますね。
 それでは、看護師を対象とした緩和ケア研修体制に移りたいと思いますけれども。
○池永構成員 済みません、ちょっと確認をしたいことがございます。木澤先生からの提案の中で、18ページの地域の実情に合わせたというところなんですが、受講率が非常に高い施設というのは、ただ単に病院が小さいとかそういうわけではないのですか。どういうところが受講率が高くて、もう参加者がいないということなんでしょうか。単に受講率がということであれば、地域の実情というよりかは、受講率が何パーセントを超えたような施設では、合同でという形にしたほうがいいのかということですけれども、教えていただければ。
○木澤構成員 詳しくはよくわかりません。正直。ただ、ここで88と出ているところは、そう大きい施設ではないです。あと、そこがすごく飛び抜けているのですけれども、本当に2倍、3倍程度の受講率のばらつきは、同じ規模の病院でも結構あるので、研修に対する取り組みの差というのは大きいだろうというふうに把握しています。
○池永構成員 ですから、ここの地域の実情というのは、ある程度受講率の高いところは、みたいな意味合いということでいいのでしょうか。
○木澤構成員 そういうことですね。
○池永構成員 ありがとうございます。
 もう一つなのですけれども、13ページに戻って申しわけないですが、いろいろな研修医とか診療所医師とか腫瘍医とか、モチベーションを上げるために、特化したようなプログラムということなんですが、逆に言うと、それぞれ一緒に学ぶというよりかは、ちょっと参加者を統一させた形の研修のほうがモチベーションが上がるということなのでしょうか。
○木澤構成員 例えば、こういう声があります。ずっとがん診療に携わってきている方で、この間、国立がん研究センターでやったときは、かなり内容をアドバンスに設定されているんですね。私たちの大学のときも、なるべくそういうふうにしているのですけれども、例えば県内で研修会を組んでいるときには、A病院では主にがん診療に携わる医師にフォーカスして、少し深い内容までやります。例えば、B病院は、研修医を対象にしてやるので、比較的ベーシックなことについてやります、などの色分けをすることで、より対象者が興味を持って参加できるような工夫をしたらどうかという提案です。
○池永構成員 わかりました。ということは、必修部分と選択部分をつくるということも書いているのですが、ちょっと削ってもいいような部分があるというお考えもお持ちなんでしょうか。現在のプログラムでということなんですが。
○木澤構成員 必要ない部分があるとは思っていないのですけれども、追加できる部分をふやしたいというのはすごくあります。
○池永構成員 ふやすという意味でということですね。済みません。ありがとうございました。
○花岡座長 お時間の関係もございますので、看護師を対象とした次の項目に移りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 これにつきましては、松月構成員のほうから何か御意見ございますでしょうか。
○松月構成員 
このように看護師の研修につきまして、取り上げていただき、非常にありがたく思っております。ただ、看護師の就業者数は約147万人おり、その全ての看護師に対して、従来からの院内教育の中で普及ということになると、相当時間とお金がかかるのではないかと思っております。
 この仕組みとして考えていただいている2つ目のポツの、「拠点病院に対して、看護師に対する緩和ケア研修の指導者を定め」というのは、おそらく専門看護師、認定看護師のことを指しているのだと思いますが、その方たちは、日常的な自分の活動として、がんにかかわる一般的な普通のナースに対して、基本的ながん看護の教育を行っておりますので、その者に対してというのは、まず、そういう者に対して最初に教育を行うということを考えていけたらいいかなと思っていることと、1つ目のポツにあります、標準的テキストの開発というのは、非常に私は大切で重要だと思っております。がん看護の領域の中には、現在、標準的テキストと呼ばれている、それに沿ってみんながやっているというものがまだございません。PEACEプログラムのような医師のようなプログラムはございませんので、そういうものに対してその開発をということを書き込んでいただいたのは非常にありがたいと思っておりますが、これをどんな体制で普及を図るかということになりますと、非常に悩ましい問題がさまざまございます。
 当面は拠点病院をということで最初は持っていくのだと思いますが、先ほど伺った医師の研修の普及状況を考えてみましても、一体どこを目標にしたらいいのかということの課題も出てくるかなと思います。これは、今後のがん医療全体の未来ということを考えると、やはり看護師が引き受けていかなければいけない、とても重要な役割であり、今、進めていく時期にあるのかなということは、ひしひしと感じておりますので、これはぜひ前向きに考えていきたいと思っております。
具体的な計画につきましてはこれから始まりますので、ぜひそこのところは、さまざまな皆様のご支援を賜りたいと考えているところでございます。
 また、がん患者さんというのは発病してからの経過が長期にわたるので、そういう方たちに寄り添った看護をするということは看護の基本でございますので、それを基盤に、がん看護、がん医療の専門的な知識や技能を付加することで、がん看護の充実につながるのではないかと思っております。
 そして、現在は、薬剤師さんであるとか、栄養士さんであるとか、社会福祉士の方であるとか、さまざまな医療職の方々とも連携し、チームとして医療を提供しております。ここには看護師ということを書き込んでいただきましたが、そうしたチームの中で、その接続役、橋渡し役を十分に担えるようになれればと考えております。○花岡座長 どうもありがとうございます。
 小松構成員、どうぞ。
○小松構成員 私は今まで医師の研修の論議を聞いていて、はっきりしないといけないのは、看護師を対象にしたこの研修体制について、今回、きちんとした形で出てきたのは初めてかなと思いますけれども、松月構成員がおっしゃったように、分母をどうするかということが重要で、医師の場合は全医師を対象にということで始まったということでしたが、今回はすべての文言、私はきょう初めて見ますけれども、がん看護指導者を養成する研修会ということを想定した形でのことかなと思っておりますけれども、そこの指導者を一体どこのレベルにするのかといったこと等に関しては、十分はっきりとしたところで行っていかなければならないだろうと思っているのが1つ。
 もう一つは、ただ単に、ちょっと安易かなと思ったのは、院内教育の中での普及を図ることというふうにその一言で終えてしまうと、じゃ、どういう体制で、一体先ほどからずっと論議しているアウトカムをどういうふうにするのかとか、一体どの人がどんなふうに研修を受けたのかとわからなくなるという状況が生じることは目に見えるわけですから、その体制を看護協会のほうに委託がいくことは書かれておりますけれども、都道府県、民間団体、がん診療拠点病院というその体制をまずつくることが非常に重要であり、日本がん看護学会も4月から一般社団法人になりますので、そのほか、日本緩和医療学会の人たちと、そういう連携をとらないと、まずはいけないなということと、レベルを一定させていくということ、それによって、全ナースにどう波及できるかというモデルを想定した形での効果的な研修を考えませんと、責任が果たせないということになりますので、フロントランナーで医師の研修が進んでおりますので、そこの部分の課題を入れ込みながら、共同体として行っていくということで責任をとっていくということが重要かなと、今お話を聞いていて思いました。
○花岡座長 ありがとうございます。非常にいい御意見でございます。
 これは松月構成員、ワーキンググループとか、そういうものの設立も想定されておられるんですか。
○松月構成員 これから検討を始めるという段階ですので、そこからスタートということをぜひ御了解いただきたいと思います。また、ぜひこれと並行してそのような科研を立ち上げていただけると、非常にありがたいと思っております。
○花岡座長 ありがとうございます。
 それでは、時間もございませんので、今回の議論はここまでということにいたしたいと思います。次回検討会までに本日の議論をいただきました緩和ケアに関する研修体制について、事務局にて案をとりまとめていただきたいと思います。次回検討会では、緩和ケアに関する研修体制に関するとりまとめを御確認いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 資料などにつきましては、今回同様、事務局より皆様へ事前に提示いたしますので、これもよろしくお願い申し上げます。
 その他、事務局から連絡事項はございますでしょうか。
○がん対策推進官 次回、第10回緩和ケア推進検討会の開催につきましては、構成員の御都合を伺い、調整の上、後日連絡をさせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。
○花岡座長 それでは、お時間がまいりましたので、本日の検討会を終了したいと思います。構成員の皆様方、長時間にわたり、まことにありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局がん対策・健康増進課

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