2012年12月26日 薬事・食品衛生審議会血液事業部会 議事録

日時

平成24年12月26日(水)16時~

場所

厚生労働省共用第8会議室

出席者

委員(五十音順)
出席委員(17名)
稲田英一、 ○大石了三、 大戸斉、 大平勝美、
岡田義昭、 小幡純子、 鈴木邦彦、 佐川公矯、
◎高橋孝喜、 花井十伍、 半田誠、 前野一雄、
三谷絹子、 三村 優美子、 山口一成、 山口照英、
渡邉治雄
(注) ◎部会長 ○部会長代理

他参考人7名

欠席委員(4名)
朝倉正博、 嶋緑倫、 幕内雅敏、 吉澤浩司

行政機関出席者
平山佳伸 (大臣官房審議官)
加藤誠実 (血液対策課長)
丈達泰史 (血液対策企画官)

議題

議題1 平成24年度献血推進調査会の審議結果及び平成25年度の献血の推進に関する計画(案)について
議題2 平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)等について
議題3 平成24年度安全技術調査会の審議結果について
議題4 平成24年度適正使用調査会の審議結果について
議題5 平成24年度運営委員会の審議結果について
議題6 「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)の改訂案について
議題7 医療用iPS細胞ストック構築に対する日本赤十字社の協力について
議題8 その他

議事

○血液対策企画官(丈達) 定刻となりましたので、ただ今から平成24年度第1回薬事・食品衛生審議会血液事業部会を開催いたします。なお、本日は公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに委員の出欠状況ですが、本日は朝倉委員、嶋委員、幕内委員、吉澤委員から御欠席と御連絡をいただいております。委員21名中17名の御出席をいただき、定足数に達しましたので、薬事・食品衛生審議会令第9条により、本部会が成立しましたことを御報告申し上げます。
本日の参考人を御紹介いたします。本日は、日本赤十字社血液事業本部から田所経営会議委員、大西副本部長、西田副本部長、日野副本部長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、事務局に異動がございましたので御報告いたします。血液対策課長は、三宅に代わりまして加藤が着任しております。血液対策課課長補佐は、猪股に代わりまして岡村が着任しております。伯野に代わりまして笠松が着任しております。どうぞ、よろしくお願いいたします。カメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
このあとの進行につきましては、高橋部会長よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 事務局より、初めに資料の御確認をお願いいたします。
○血液対策企画官(丈達) お手元の資料を御覧いただきたいと思います。本日の議事次第の2枚紙が付いております。これは本日の資料と、部会の委員名簿、座席表が付いているものです。議題1の関連は、資料1-1~1-6と参考資料1です。議題2の関連は、資料2-1~2-6と参考資料は2-1~2-7です。議題3の関連は、資料3-1~3-2です。議題4の関連は、資料4-1~4-3です。議題5の関連は、資料5-1~5-2と参考資料は5-1~5-3です。議題6の関連は、資料6です。議題7の関連は、資料7-1~7-2です。以上が本日、お手元にお配りしている資料です。不足等ございましたらお申し出ください。
○高橋部会長 本日は、今の御説明のように七つの議題がございまして、そのうち議題1、2、6、7が審議事項です。議題3~5が報告事項ということで、時間も限られておりますので少し順序を変えまして、議題1、2、6、7の審議事項を先に進めて、そのあと議題3~5の報告事項という順に進めたいと思います。
議題1に入ります。議題1は、本年度実施した献血推進調査会についての報告及び平成25年度の献血の推進に関する計画案についてです。献血の推進に関する計画は、血液法の規定により毎年度策定されるものです。この場で御審議いただき、その結果を反映したものを更にパブリックコメントに掛けた上で、次回の部会において審議会の答申として取りまとめたいと思います。事務局から資料の御説明をお願いします。
○課長補佐(岡村) 議題1「平成24年度献血推進調査会の審議結果及び平成25年度の献血の推進に関する計画案」について御説明申し上げます。本年度の献血推進調査会は、9月と11月の2回開催されております。1回目の主な議題として、資料1-1「献血推進2014の達成目標の進捗状況について」です。献血推進2014については、今後の献血可能人口の減少を踏まえ、献血不足を解消するため、平成22年度の調査会の審議を経て策定された献血推進方策の重点施策です。目標としましては、若年層献血者の増加、集団献血の確保、複数回献血の増加について、平成26年度までの数値目標を立てて、その達成のために現在取り組んでおります。
今回1回目の調査会で、平成23年度の実績ということで御報告をしております。お手元の資料の1-1のとおり、集団献血と複数回献血については着実に伸びていますが、残念ながら10代、20代の献血率は平成22年度を下回っております。日本赤十字社が作成した資料1-2「献血推進2014の若年層献血率減少の要因と分析について」の1ページを御覧ください。こちらの2番にまとめてありますが、前年度から減少した主な要因としては二つあります。1点目は献血者の動向の変化により、医療機関の需要のバランスを考慮したこと。具体的には採血基準が改正になったことに伴いまして、17歳の400mL、55~69歳の血小板採血が平成23年度に新たに開始されたことによりまして、需要バランスを図るということで、結果的に10代は200mL、20代は血小板採血が減少したということです。2点目は原料血漿確保目標について、平成22年~平成23年と比較して減少したということで、これについては血漿採血が若干抑制されたということです。詳細な献血者の動向については5ページ以降にございますので、御参照いただければと思います。これらの若年層の献血率の減少に歯止めをかけるためには、若年層への効果的な啓発として例えば大学生を中心とした学生ボランティアから高校生へ働きかけを行うなど、工夫を凝らした啓発を行うべきとの御意見をいただきました。
同じく1回目の調査会において、資料1-3「高等学校における献血実施率等が低い都道府県の原因と対策について」ですが、高校献血の実施状況と実施率の低い都道府県の要因などについて、こちらも日本赤十字社で作成した資料を基に御審議いただきました。1ページの1番にございますとおり、高校献血者数や献血セミナーは前年度より増加し、回復傾向にあります。一方、都道府県における地域間格差が非常に顕著であることが以前から指摘されておりまして、様々な要因がありますが、主に学校関係者の協力が得られないといった理由が多いということです。具体的には、その原因と対策について資料の4以降で整理しております。この点については、調査会においては学校関係者の理解促進のための取組、例えば厚生労働省と文部科学省の連携の強化をすべきといったような御意見をいただきました。ちなみにこれを踏まえて、2回目の調査会において文部科学省の担当官がオブザーバーとして出席をしました。
これらの若年層の献血離れを改善し、特に高校献血の推進を図る具体的な方策として、2回目の調査会において資料1-4ですが、「高校生の200mL初回献血者確保シミュレーション」を中心に御審議をいただきました。このシミュレーションは、献血推進2014の期間中の高校生の初回献血者の確保目標量を具体的に設定したもので、資料の1ページの1番下にある平成23年度の高校生の初回献血者の実績を基に、10代全体の献血率目標達成をベースとして、日本赤十字社において新たに高校生に初回献血者に特化した目標を設定したものです。詳細につきましては、2ページの3番以降に具体的な数値目標があります。当面はこの目標を達成するために、3ページ以降6番及び7番ですが、こういった広報普及対策を中心に日本赤十字社で取組を推進していく予定です。
資料1-5「赤血球製剤における1単位・2単位の発注及び供給比率について」、非常に細かい資料で恐縮ですが、日本赤十字社で調査をされた資料で、本年の特定の期間における赤血球製剤に対する医療機関の需要傾向をまとめたものです。左手に400mLの発注率がございまして、こちらの全国平均が93%で、大部分の医療機関が2単位である400mLを選択しておるということです。献血血液を過不足なく有効利用するため、高校生の200mL初回献血の推進については、これらの医療機関の需要バランスを考慮した受入れが求められます。一方200mLの推進については、このようなバランスを考慮する必要はありますが、各委員から高校生の献血推進については将来の献血者確保の柱でもありますし、初回献血に限らず高校生については、200mLを活用して献血者を確保していく方針を明確に打ち出すべきとの御意見をいただきました。また、200mLに対して医療機関の需要が低いという点につきましては、若い世代に限って考えれば肝炎の感染リスク等に関しては高齢世代と比較して低く、400mLと比較しても安全性はほぼ同等ではないか。こういった視点から、200mLの導入について医療機関における理解を促進することは可能ではないかといったような御意見もいただいております。いずれにしてもこれらの御指摘を踏まえまして、次回の調査会におきましては200mL採血全体の在り方について更に議論を深めまして、若年層確保のための有効な対策について御審議をいただければと考えております。
続きまして、平成25年度の献血推進計画案です。資料1-6「平成25年度の献血の推進に関する計画」が、現状の案でございます。左綴じですが、8ページ以降新旧対照になっておりますので、主な改正点について御説明申し上げます。8ページの上段は、来年度必要な血液量は全体で205万L。今年度の208万Lを若干下回ってはおりますが、全体の血液需要量に大きな変動はありません。11ページの上段に下線箇所がありますが、現行の計画上、20代及び30代を対象とした啓発の記載がないということで、当該年齢層については子育て中の世代に対する取組として捉えて、その記載を追加しました。併せてボランティア組織と連携して、親子が参加しやすい啓発活動の推進を追加しております。
12ページの中ほどの二番の「献血者が安心して献血できる環境の整備」というパラグラフですが、本来は献血に起因すると疑われる健康被害事例が発生したことを踏まえて、献血者の安全性確保に万全を図るため、献血者に対して十分な休憩の必要性、気分が悪くなった場合の対処方法を十分説明するよう、採血事業者へ徹底を求めるといった趣旨で記載したものです。
13ページの最後の上段です。これは先ほどの1回目の調査会の高校生献血にも関わる話ですが、6番の「200ミリリットル全血採血の在り方について」の最後の部分です。調査会での御意見、御指摘を踏まえて、高校生献血の推進と方針としては初回献血に限らず、400mLに不安がある場合は200mLを積極的に推進するなど、若い世代にできるだけ多くの献血を経験していただくという方針を明確にしております。14ページの最後の部分は災害時の対応ということで、大規模災害時において献血血液の製剤化に支障を来さないための設備整備の必要性を追加しております。趣旨としては、昨年の大震災後の計画節電、政府による広域的な節電実施の可能性を踏まえて、例えば自家発電能力の強化等、血液製剤の拠点である血液センターの施設整備を充実させる必要があると考えたものです。それ以外については字句修正や記載の順序を入れ替えたものです。説明は以上です。
○高橋部会長 ただ今の御説明について御意見、御質問などはありませんか。資料1-2でしょうか、日本赤十字社の解析で若年層の献血率が悪くなった要因を挙げられておりますが、これは昨年、一昨年に比べて、今年若干下がっている要因ということであって、全体の要因ということではないわけですね。どうぞ。
○小幡委員 今御説明いただきましたが、これからのことを考えると、その当時400mLにしたのは、安全性の観点からということで、それ自身は変える必要はないと思いますが、どんどん人口も減ってくる状況で、若年層から掘り起こしていかないと、今後将来を見据えますと大変厳しいことになりますので、若年層献血率減少というのはかなりゆゆしき問題であろうと思います。取り掛かりとしては、最初はいきなり400mLではなくて、200mLくらいの方が、一度してみようかという気にもなりやすいと思いますので、是非そこは医療機関の方にも御理解いただいて、将来を見据えて若年層に初回やっていただくためにはやむを得ないのだということで動かしていくことは必要なのではないかと思います。
若い人は、なかなかセミナーに出る時間が惜しいのではないかという感じがしますので、むしろ高校の先生などにほんの5分でもお話いただければ献血車が来るとのであれば、やってみようかという気になる高校生も多いのではないかと思いますので、是非高校の先生の方に文部科学省にもお願いして働きかけることが大事ではないかと思います。それから、この頃の高校生ですので、若年層に好まれる献血記念品の製作を行うというのがありますが、別にお金をかけてというのではなくて、イメージと言いますか、お金をかける必要はないのですが、どういうものが良いかということをよく考えていただいて、献血に行ったら何か好みのものがもらえるというのは人伝に伝わることもありましょうし、友人も今度やってみようかということになろうかと思いますので、ぜひ考えていただきたいと思います。以上です。
○高橋部会長 私も、若年層の献血は無理しないで、特に初回に関しては400mLを200mLにそろそろ切り替えるべき時期に来ていると思います。そこで高校生、中学生のうちに献血に触れる機会を作った方がいいのではないかと思います。先ほど御紹介のあった文部科学省と厚生労働省の協力というのは、各地の教育委員会に働きかけて、教育の現場で献血の重要性などを取り上げていただくという趣旨のことでしょうか。
○課長補佐(岡村) 本年1月に文部科学省に当課から、高校において高校献血、セミナーを含めて献血に触れ合う機会をできるだけ受け入れてほしいという要請を、正式にさせていただいております。
○稲田委員 目標値について質問があります。資料1-1を見ると平成23年度は様々な事情が書いてありますが、平成22年度に比べると献血率が落ちている。資料1-4は、目標値が「平成24年度6.1%、平成25年度6.2%、平成26年度6.4%」という数字が書いてありますが、なぜこういった数値を挙げたかということと、そのことは先ほど様々な案が出ましたが、達成できる現実性についてどのような見込みなのかということをお伺いしたいと思います。
○大西参考人 1点目のシミュレーションですが、これについては当然ながらシミュレーションをして数字を出し、具体的な対策を上げておりますので、全国の血液センターに対して、この目標設定に対して、より詳細な進捗管理を行い、達成したいと考えています。
○鈴木委員 資料1-1で、若年層の献血者の増加が目標を達成できていないということですが、平成21年度に比べて、平成22年度は増えていて、平成23年度が減っているということですが、これは東日本大震災の影響はないのでしょうか。
○大西参考人 これについては、献血率については影響ないと考えております。
○高橋部会長 私自身は参考資料を拝見して、10代の献血率の減少が漸くここ数年下げ止まって、ほぼフラットになっていたということですし、それに続いて20代、30代が下げ止まっていく。それから反転していくような経過を辿るのではないかなと思います。1986年に400mL成分献血を取り入れて、それ以降、結果としては高校生献血が少なくなり200mL献血が非常に減少したという歴史がございますので、多分考えなければいけないのは1年ごとに変えるのではなくて、長期スパンで、ある程度施策の正当性というか正しさを確認して、今回の日本赤十字社の解析にあるようにそれでも波が逆向きになった要因は何か、微調整の要因を検討して、間違いなく進めていくことが大事なのではないかと捉えております。
○半田委員 200mL献血の促進は、結局若年層がリピーターになる率が高いというデータから始まったわけですが、もう実際に実施されていて、事後の評価としてどうなのでしょうか。そこが知りたいところです。今、高橋部会長のお話もあったように、本当に10代がこれから伸びて、20代、30代が伸びていくのかの予想は、今どの辺までいっているのでしょうか。
○大西参考人 今の御質問ですが、10代に献血200mLを経験させると、更に継続的に20代、30代になったときも献血をやっていただけるというようなデータがあるのかということでしょうか。過去のデータで見ると、10代に献血の経験をされた方については、継続して献血をされている率が高いということのデータがございまして、それを基に先生方を含めた方々の御意見に反映されているだろうと考えております。
○半田委員 それは導入のときのデータです。導入したときに一つのきっかけになったわけですが、実際に施行されていて、そのあとの評価というのはいかがでしょうか。これは実効性があるものなのかどうかというところです。もう随分年数が経っているわけですが、そのあとのフォローアップはされていますか。
○大西参考人 現在は、それ以降のデータについては手元にございません。
○半田委員 要するに、この方策が本当に実効性があるかどうかは長期のスパンで見なくてはいけないのですが、実際はかなり時間が経っているのだから、その評価をやっておいたほうが、feasibleかどうかもう少し先が見えてくるのではないかと思います。
○大西参考人 申し上げるなら、対策の中に「Love in Action」というマスメディアを使った様々な形、また、今まで行っていなかったような働きかけも行っておりますので、その効果というのは大きいと思っております。しかしながら、それが継続的な献血につながっているかは検証しておりません。ただし、結果として献血者全体数は増えております。今後、継続的な献血につながっているかどうかについては、調査させていただこうと思っています。
○課長補佐(岡村) 1点、事務局から補足させていただきます。平成23年度に国の方で若年層の献血者に関する調査を行っております。インターネットで約5,000人の回答を得ておりますが、その中で高校の集団献血がその後献血への動機づけになったのかどうかについては、大多数の方が動機づけになったといった回答を得ております。それ以外も含めまして、今先生の御指摘のとおり、実際に本当に高校の初回献血が、その後のリピーターにつながっているのかについては、今後ともフォローアップをさせていただきたいと考えております。以上です。
○稲田委員 先ほどから200mLと400mLの採血という話題がかなり出ていますが、例えば400mLを200mLにすると、どれぐらいの数が増えるのか。そういったリピーターの数というのも本当に出していただきたいと思います。
細かいことで申し訳ないのですが、資料1-6の13ページの上の段の横に線を引いた部分の、「特に高校生等の献血時には」の次の行に「不安がある場合は200ミリリットル全血採血を推進するなど」という言葉がありますが、この「不安がある」というのは誰が不安に思うのかという事の主体がはっきりしていなくて、献血をする人の不安なのか。もし採血側ということになると、もう少し医療に関する医学的な表現がされるべきなのだろうという気がしました。非常に細かいことで申し訳ありません。
○課長補佐(岡村) 事務局からお答えします。趣旨としては、高校生を中心とした献血をされる方自身が、400mLは不安があり、怖いといったようなケースがあろうかと思いますので、そういった趣旨です。
○高橋部会長 紛れのないように、「献血者に不安がある場合は」など、言葉を補った方が確実かもしれません。非常に大事なテーマですが、基本的には若年者の献血離れをいかに食い止めて、献血推進を広げていくかということでは一致していることですし、大筋の流れは良いけれど、細かい点につきまして、更に調整が必要だと思います。本日の議論を踏まえて、パブリックコメント聴取などの必要な手続を経た上で、平成25年度の献血の推進に関する計画の最終案を次回の部会に提出するようにお願いいたします。
議題2に入ります。議題2は、「平成24年度の原料血漿の追加配分について」と、「平成25年度の血液製剤の安定供給に関する需給計画(案)について」、併せて審議を行いたいと思います。なお、需給計画は血液法の規定により、毎年度策定されるものです。この場で御審議いただき、その結果を反映したものを次回の部会において審議会答申として取りまとめたいと思っております。事務局から資料の御説明をお願いします。
○新村専門官 議題2「平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)について」の資料につきまして御説明させていただきます。議題2としては、平成24年度の原料血漿の追加配分について、平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画についての二つの内容について御審議をお願いしたいと思います。
まず、平成24年度の原料血漿の追加配分につきまして、資料2-1を御説明させていただきます。平成24年度の原料血漿確保目標量は、昨年度開催された本部会で御審議いただき、御了解をいただいていますが、95万Lと定めております。その際、毎年その他要因を考慮した調整として、国内製造販売業者が必要とする量に加え、一定量の上乗せを行ってきましたが、日本赤十字社において十分に在庫量が確保されていることから、平成24年度は上乗せを行っておりません。今般、血漿分画製剤事業者である一般財団法人化学及血清療法研究所より、平成24年度の原料血漿配分量につきまして2.6万Lの追加要望がございました。平成24年度は化学及血清療法研究所には、その他の分画用として14万Lが配分される予定ですが、同研究所で製造されている免疫グロブリン製剤「ベニロン-I静注用」の適応追加に伴いまして、平成22年度から供給量が増加しているとのことで、今年度も当初計画を上回る供給状況となっており、同製剤の安定供給に支障を来す恐れがある状況となっております。事務局としては安定供給を確保する観点から、要望を認めることで対応をしたいと考えております。
なお、追加要望分については、これまで上乗せを行ってまいりました在庫分から充当が可能ですので、平成24年度の原料血漿確保目標量そのものに変更は生じないため、需給計画の変更は不要となっております。以上が資料2-1「平成24年度の原料血漿追加配分について」の御説明です。
続きまして、平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画、いわゆる需給計画(案)につきまして資料2-2から御説明させていただきます。この需給計画は血液法第25条の規定に基づいて、翌年度の血液製剤の安定供給に関する計画を策定するものです。1ページは、本計画の対象となる血液製剤をお示ししたものです。2ページは、血液法第25条第2項に規定されております本計画で定めることとされている各事項につきまして、第1の「平成25年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量」につきましては4ページの別表第1に、第2の「平成25年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標」につきましては5ページの別表第2に、第4の「平成25年度に原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標」につきましては6ページの別表第6にそれぞれ示しております。別表第1から第3の需要見込量や目標量に関しては、血液法に基づく関係製造販売業者からの届出や近年の供給実績を基に、医療需要に対して過不足が生じることなく、安定的に供給されるよう算出したものです。
第3の「平成25年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」につきましては、92万Lを目標量としております。この目標量の算出の考え方につきましては、資料2-3「平成25年度の原料血漿確保目標量(案)」で触れさせていただきます。第5の「その他原料血漿の有効利用に関する重要事項」の1原料血漿の配分についてですが、日本赤十字社の血漿分画事業部門と株式会社ベネシスの事業統合により一般社団法人日本血液製剤機構の設立に伴いまして、一部の原料血漿の配分の流れが今までの採血事業者から製造販売業者等へから製造販売業者等から製造販売業者等へ変わることになります。このため、2ページの下から3行目の採血事業者のあとに、「製造販売業者等」を追加しております。
3ページの1原料血漿の種類ごとの標準価格につきましては、次回開催される当部会において日本赤十字社の財務状況等を踏まえて御審議いただくこととなりますので、今回は空欄とさせていただいております。2は採血事業者及び製造販売業者等から各国内製造販売業者等への平成25年度における原料血漿の種類ごとの配分見込量です。先ほど、日本血液製剤機構の設立に伴いまして、一部の原料血漿の配分の流れが変わると申し上げましたが、「凝固因子製剤用」と「その他の分画用」については、採血後、一定時間以内に凍結された原料血漿であるのに対して、PII+IIIペーストについては原料血漿からアルブミン製剤を製造する分画の過程で発生する原料ですので、当原料については採血事業者からではなく、製造販売業者等から配分されることになります。
資料2-3につきましては、「平成25年度の原料血漿確保目標量について」です。前年度と比較すると、3万L減の92万Lとしております。これは国内献血由来製品の最近の需要の動向、及び各製造販売業者等が保有する原料血漿及び製剤の在庫状況を踏まえて、各社と調整した結果、製剤の安定供給及び供給するために必要な原料血漿を確保する観点から前年度から3万L減とし、92万Lとしたものです。2ページの(2)「その他要因を考慮した調整」ですが、先ほども御説明させていただきましたが、平成23年度までは各社の受入希望量のほか、安定的に原料血漿を確保する必要があるという観点から一定量の上乗せを行ってまいりました。しかし、その上乗せ分が十分確保されていることから、平成24年度は上乗せを行いませんでした。平成25年度も同様に、十分な在庫量が確保されている状況であることから、上乗せは行わないということで整理しております。
資料2-4は、「平成25年度都道府県別原料血漿確保目標量について」です。従来から原料血漿の確保につきましては都道府県別に目標を定めておりまして、御協力いただいております。これは、全体の確保目標量の92万Lを各都道府県別に割り当てたものです。計算の考え方については従来どおりです。
資料2-5は、「平成23年度需給計画の実施状況」でございます。一番下の原料血漿確保実績は、確保目標量95万Lに対して95.7万Lを確保し、確保目標量を達成しております。
資料2-6は、「平成24年度需給計画の上半期の実施状況」でございます。上半期の原料血漿確保実績は、確保目標量95万Lに対して9月末の段階で50%を超える48.3万Lが確保できており、製造販売業者等へは計画どおり配分できるものと見込まれます。以上、平成23年度、平成24年度のいずれも、国内での医療需要をほぼ満たす血液製剤が安定的に供給されておりますが、製剤ごとの供給量や国内自給率の状況につきましては、参考資料として2-1から2-7にお示ししておりますので、後ほど御覧いただければと存じます。以上、資料の御説明です。
○高橋部会長 ただ今の御説明について、御意見、御質問などはございませんか。
○鈴木委員 資料2-2の3ページの価格の欄が空欄になっていて、次回までに埋められるということですが、この価格はどのようにして決定されていくのか、価格決定の仕組みについて教えてください。
○新村専門官 日本赤十字社から資料をいただきまして、直近の決算ベースのそれぞれの調査費や単価といったものの積み上げで、原料血漿に必要なところだけを抜き取って積み上げていく形になります。それに海外価格等も参照しながら、決定をしています。
○鈴木委員 要するに、日本赤十字社から資料をもらってそのまま積み上げ方式で決めるようなことをしてきたので、内外格差がついてしまったというところがあると思いますが、海外の価格を参照するとおっしゃいますが、実際にそういう取組というのは行われていますか。例えば薬価を決めたり保険医療材料価格を決めたりするときに、かなりそういうものを参考にしながら薬価を抑制していっていますが、そういう仕組みというのはあるのでしょうか。それは公開されているのでしょうか。それについて教えてください。
○新村専門官 海外価格については、本部会に資料としてお示しさせていただいております。
○鈴木委員 その価格が、どのようにして国内価格に反映されていくのかということは公開されているのでしょうか。
○血液対策企画官(丈達) 補足しますと、海外の原料血漿価格は公開されているものがございますので、それを当部会にお示しをさせていただいて、最終的にどれくらい乖離があるのかというところを見ながら値段を決めているということです。
○鈴木委員 あくまでも日本赤十字社の資料を基に、厚生労働省の方で決めているということですか。
○血液対策企画官(丈達) 一応、最終的には3月の部会にお掛けしてということになります。
○鈴木委員 要するに、日本赤十字社が決めているわけではないということですか。
○血液対策企画官(丈達) はい。
○高橋部会長 原料血漿の配分価格は、ここ2、3年で構造的な問題もあるということで細かく議論がされました。在り方に関するサブワーキングチームの結論が出たと思っております。それで、少しずつ配分価格の調整を進めているのだと思います。そのほかいかがでしょうか。それでは追加配分等について、事務局案で御了承いただいたということでよろしいですか。原料血漿の確保目標量と需要見込み、製造目標量等についても事務局案で了承することにしたいと思います。なお、先ほどの原料血漿の配分価格も含めた最終的了承は、次回以降の審議を踏まえて行うことにいたします。
続いて、先ほど申し上げましたように議題3~5を後に回しまして、議題6に入ります。議題6は、「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)の改定案について」です。事務局より御説明をお願いします。
○血液対策企画官(丈達) 資料6「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)新旧対照表」を御覧ください。この基本方針につきましては、血液法第9条第3項において5年ごとに見直しをするということになっています。前回が平成20年7月に告示をしたもので、現行の基本方針の期限は来年7月までとなっていますので、この改訂案を御審議いただきたいと考えています。新旧対照表になっており、現行案が下段になっています。改訂案が上段になり、修正部分については、上下段ともに横に棒線を引いているので、修正案の部分について御説明をいたします。
2ページの1、「安全性の向上」ということが中ほどにございますが、その中段で「否定できないこと」「限界があること」と線を引いておりますが、ここは表現を正確にするための文言修正です。
3ページの下段ですが、「安定的に供給するとともに、血液製剤の適正使用を推進する」という文言が入っていたのですが、実は後ろに同様の表現が出てくるので、この部分については重複しているため削除するという修正案です。
5ページを御覧ください。第二の「血液製剤についての中期的な需給の見通し」ですが、「平成25年度まで」を「平成30年度まで」と替えているのは、これは5年を更に見直して延長するという意味で、その年限を替えています。
その次の棒線ですが、「直近5年間でみると」と記載している部分につきましては、直近5年の状況を書いて注意点を記載したという意味です。その後ろに「○○万リットル」「○○万人」という数字が抜けている部分がございますが、これは今正確な数字がまだ集計しきれておらず、1月には集計できると思っておりますので、パブリックコメントの段階ではこういうものをできる限り入れ込んで次回の部会では正確にお示しをしたいと考えております。
6ページの最初の行に線が引いてありますが、これは直近の情報に従って修正をした部分です。その後ろの2の、「免疫グロブリン製剤及びアルブミン製剤」の数字は先ほどと同じで、現在集計中ですので、集計が出来次第、追記をしたいと思います。
6ページの最後の部分ですが、アルブミンとグロブリンの動向についての追記をした部分です。これは下段の6ページの最後のところを見ていただきますと、棒線が引いてある部分を削除したということですが、現行の基本方針においては、当初、厚生科学研究で需要予測をやっておりましたので、その予測の研究結果に基づいた数字を書いていたのですが、現状、そういう予測はしていませんので、直近の傾向を書き直したという形の修正になっています。
7ページを御覧ください。これはかなり細かい部分ですが、「血液凝固第IX因子製剤」を追記しておりますが、これはこの5年間のうちに新しい製剤が承認され、これに関係するものがございますので、修正しています。下段の三「血液製剤代替医薬品」の後段の部分に、「また」以下「新たに開発され云々」に線を引いておりますが、この辺は既に承認されてしまっているので、承認されたことに伴う文言修正しているということです。
7ページ~8ページにかけましていくつか棒線を引いておりますが、これも先ほどと同じように年限を替えたものや、この5年間に新たに認められたもの等がございますので、現状と整合性をとった表現に修正したということです。
9ページを御覧ください。最初から8行目ぐらいのところに「供給状況」と修正しているところがございますが、これも現状に合わせた修正でございます。
中ほど3番目、「医療関係者等に対する啓発等」という規定があり、4行文章を追加しております。これは「また」以下からですが、ここは「また、関係者に対して国内自給の必要性を訴える必要がある」と追記をしている部分ですが、これは今年3月にまとめ、本部会にも報告をいたしましたが、血漿分画製剤の供給の在り方に関する検討会でおまとめいただいた文言をそのまま反映したものです。その後ろの2か所線が引いてありますが、これも現状に合わせた修正です。
10ページを御覧ください。第四の「献血の推進に関する事項」の中ほどですが、「また」以下で、これは先ほどから議論になっている「高校生における200mLの推進」を書いているものですが、これは調査会の御意見等を踏まえて追加した部分です。
10ページの下段ですが、後ろから5行目「なお」以下、3行ほど文章が入っておりますが、これはここに記載すべき内容ではないと判断いたしましたので、単純に削除したということです。
11ページですが、中ほどに線が引いてあり、「よう努める。」これは都道府県の規定を国と同等にするということで、政府で一括法案として血液法を修正がなされたという経緯が過去にございましたので、これは改正された血液法の内容に合わせた表現を取ったため、こういう修正になっています。
12ページを御覧ください。第五ですが、後半に線が二つ引いてありますが、意味を分かりやすくするためにこの部分は削除いたしました。
13ページです。二の「血液製剤の安定供給の確保のための需給計画」の一番後段に線を4か所ほど引いている部分がございますが、「なお、今後の国内自給の状況の変化を踏まえ」ということで、従来にも同様の記載がございましたが、少し意味が取りづらいという御指摘がございましたので、分かりやすくするためにこのような修正を掛けました。
その後の「原料血漿の配分」にも線がありますが、これは先ほども少し説明が出ておりましたが、新法人からメーカーに原料血漿を供給する流れが今回出来ておりますので、そこに合わせるための修正になっております。
14ページの下段ですが、四の「血液製剤の製造及び供給の在り方」という部分です。現行の基本方針を作成しているときに、こういう報告書の内容が出ておりましたので、こういう文章を入れていたわけです。この内容は基本方針のそれぞれのところに盛り込まれておりますので、今回は書く必要がないと判断し、削除したということです。
16ページを御覧ください。二の「迅速かつ適切に安全対策を実施するための体制整備」という欄の最後に4行追記しております。これは安全対策を実施するための体制ということで、感染症に関する情報とか、安全技術の開発動向など、海外の制度等を参照しながらあるべき姿を追求し、必要に応じて体制の充実、強化を検討すべきだという御意見をいただきましたので、その旨を追記したということです。
18ページの最後です。「血液製剤の表示」の中に数行の文言を追記しています。これも先ほど御紹介いたしました、本年3月におまとめいただいた検討会の報告書に記載されている文章を、そのまま反映しているということです。
最後のページです。19ページ~20ページにかけまして、五番として「血液製剤の販売価格」を追記しております。この部分も先ほどと同様、検討会の報告書に盛り込まれた内容をそのまま反映している部分です。
20ページの下段、最後のところですが、「研究開発等における血液製剤の使用に関する基準の策定」ということで、これは既に策定が終わりましたので、この部分については削除しております。修正の部分については、以上です。
○高橋部会長 ただ今の御説明について、御意見、御質問などはございませんか。
○大戸委員 先ほどの審議2の議題で、原料分画IIとIIIをもう1回また別の業者へ渡すと、あれは非常にいい考えだといます。それはもう少し展開し、再販売や、譲渡が、かなり緩やかなものにできないか。国内外の価格差があって、どうしても日本製品が使いにくいという事がございます。言ってみれば、日本の業者が外国の業者よりも競争において最初のスタート時点から高いものを使っているというハンディキャップがあるわけです。国内において転売というのですか、それができやすくすること、残ったものも、ごみではなくて、実はその中にまだまだたくさんの原料となるものを含んでいるということ。もし可能でしたら、ペーストの残った分画の原料となり得るもの、今焼却しているものをできれば外国に輸出できるところまで考えてもらうと、競争力がつくという気がするのです。
○血液対策企画官(丈達) 検討会などにおいても、今先生のおっしゃった意見等もいろいろ議論されたと記憶しており、今後どういうことができるかはまた検討したいとは思いますが、先ほど申し上げた、正に中間原料をメーカーにまた渡していくのは、国内において、せっかく頂いた献血ですので、有効利用の観点から、少しでも無駄をなくすためにやっているところですので、更にいい方法があるかどうかは、引き続き我々も検討していきたいと考えています。
○花井委員 今の点に関して一つ意見があるのですが、輸入用の原料は献血ではなくて、割と大きなスケールで他国にまたがって売血といいますか、有償採血で集めているものなので、そういう意味で言えば、若干国内産が高くつくという御説明は分かるのですが、今後、そのコストの問題を努力して、国内血漿を利用する上でも、もう少しコストを切り込んでいくということをやっていただかないと。もちろん売血と献血を競争させるのは、そもそもどうだという議論はあるにせよ、現場でコストの差がつくことによって、献血を使うインセンティブが大きく下がるということになれば、国内献血であっても、今後、そこはある程度頑張って切り込んでいかなくてはいけないのか、というのが1点です。
もう一つ、基本方針ですが、これは今後5年間ですか。そうすると、今、若年者の献血の面で、それは割と初回献血などもテコ入れするムードですが、先ほど半田委員がおっしゃった、それからどうやって継続していくかという観点から考えますと、20歳、30歳と、要するに最初に高校生が次の年に上がっていくわけですから、そういう長期的視点から考えますと、ページ数でどこに入れるかは少し考えますが、献血受入計画を日本赤十社が作ります。それに反映するように、受入れの中にある程度、若年層というか、働き盛りになったときに献血しやすい献血受入施設、若しくは献血しやすい時間での受入れということがあってもいいのかと思います。
したがって、献血受入計画の12ページの上の段の三の「献血受入計画」、11ページ~12ページですが、このあたりに健康被害の補償等が、献血者が安心して献血できる環境整備が書いてあるのです。例えば、献血者の利便性、時間や場所に考慮した環境の整備などを付け加えることは難しいでしょうか。
○高橋部会長 重要な御指摘だと思いますがいかがですか。
○血液対策企画官(丈達) 盛り込めると思いますので、すぐに正確な文言はお示しできませんが、その案文を三番の最後のところに盛り込む形でと考えます。
○花井委員 場所も今思いついてこの場所かと思っただけなので、どこか適切な場所があればいいと思います。趣旨は、一旦献血に触れあっても、急に働きざかりになり、忙しくなると少し落ちるというデータがかつてありました。そういう方々が割とアクセスしやすい時と場所に受入体制があればよりいいのかと、こういう観点です。
○血液対策企画官(丈達) 分かりました。入れる場所とその文言についてよく検討し、先生方にまた見ていただいて、それで最終的には座長にも御確認していただき、追記する方向で検討したいと思います。
○高橋部会長 先ほどの若年層の導入とその上の世代の確定と、そういうポリシーがもう少しはっきり出た方が進みやすいだろうと思いますので、文言を調整します。
○小幡委員 今のお話は、献血の時間がもう少し長く、勤め帰りの方でもできるようにならないかと、私も以前に発言したことがございますので、いろいろ技術的に難しいというお話はございましたが、できるだけの環境整備というのを是非入れていただきたいと思います。
他の点もよろしいでしょうか。この計画、基本的な方針ですが、9ページは、ここは新しく実質的に替えて入れ込んだところですが、血液法もかなり時間が経っておりますので、確かにこのあたりで今一度、こういう法律があり、なぜこの法律ができたのかという事も含めて、注意を喚起することは必要ではないかと思いますので、これは入れた方がよいかと思います。
販売価格も、先ほどの議論も少しあったのですが、今回、最後の19ページか20ページに「販売価格」が入り、正に競争が働かないから高いのではないか、何とかできないかという以前からの懸案の話が書き込まれています。特に、血漿分画製剤のところで「販売量を延ばすためには、より安く販売できるよう努力する必要がある」、正にこのとおりで、販売価格のところにあるので、これはこれで良いかと思うのですが、国内の献血由来の製剤を皆さんに使ってもらうというためには、18ページ~19ページの下線が引いてあるところの説明ですが、血漿分画製剤の説明の環境整備、ここも当然大事なところなので、販売価格もそうなのですが、こちらも必要なので、相まってということだと思います。
少し分からないのですが、薬剤師さんについて、18ページ~19ページ、例えば「医薬品たる血漿分画製剤の説明に薬剤師を活用できるように」というのは、ここが非常に特出ししてあるのですが、薬剤師に説明してもらう事が環境整備のために必要であるという理解なのでしょうか。
○血液対策企画官(丈達) 検討会で御議論いただいた際に、こういう血液製剤を使う場面では、緊急時や、医師の方がなかなか忙しくて対応できない部分があるという現状もよく理解してほしいという御説明もありましたのと、その中で、それであれば、病院・医院では薬剤師なども通常の医薬品の説明などをやられている部分もあるので、こういう血液製剤も医薬品の一つでございますので、そういう説明を薬剤師の新たな業務として別途、薬剤師を活用すればチーム医療的にはうまく回るのではないかということの御指摘があり、こういう表現に落ち着いたという経緯です。
○小幡委員 そうですね。ですから、本来は担当の医師が説明をしてくださるのがよいのですが、難しい場合というニュアンスなのですか。
○血液対策企画官(丈達) はい。
○小幡委員 この表現だけ見るとそこが読み取りにくかったものですから、「薬剤師などの活用も含め環境整備をする」ですね。これは販売価格の問題とも絡むのだと思いますが、要するに医療機関で選択したくても国内製剤のものがない状態もあって、十分に説明をして選択していただく環境がそもそもないという状況があるということは、検討会でもかなり議論があったので、本来、なかなか書き込みにくいのですが、広い意味での環境整備をここで書いていただきたいと思います。
○高橋部会長 今の小幡委員の御指摘ですが、要するにインフォームドコンセントをしっかりとることが大事なので、「説明と同意の文章を準備し」など、そういうことを入れて、先ほどの「薬剤師を活用するなど」というつなぎ方がいいのではないかと思います。医師が説明するのは時間的に厳しい、厳しいとおっしゃるのだけれども、あらかじめ文章を用意しておけば、それほど難しいことではないわけですし、また、患者サイドも非常にはっきりした情報を求めていることだと思いますから、そのあたりは少し書き込んだ方がいいのではないかと思います。
○鈴木委員 今のところですが、議論のときの内容もある程度は把握しておりますが、医療関係者といいながら「薬剤師」としか書いていないので、これは緊急の場合ですと、薬剤師が24時間いるとは限らないし、医師が忙しい場合に、看護師とか、そういった職種が説明をする場合もあるかと思います。ですから、「看護師・薬剤師」とするか「薬剤師等」とするか、そういうことは現場に即した表現として必要ではないかと思います。
○大石委員 薬剤師は医師との協同であらかじめ協議した内容においては、医師の業務軽減ということも踏まえてある程度行えるようにしようということが、様々な領域で今行われるところです。特に血液製剤は医薬品であるということで個々に、特に薬剤師という名前が入れられたと御理解いただければいいのではないかと思います。ですので、実際は看護師がする場合もあるとか、他の医療従事者がする場合もあるということであれば、「薬剤師等」という言葉でも構わないのではないかと思います。
○小幡委員 基本的に大事なのは、患者にきちんと説明をするという環境整備だと思うので、そのためにはどなたがするのが一番よいかは、病院によって、どのような病院か、あるいは緊急時なのか等、いろいろな事情もあろうかと思いますので、大事なのはそこの説明で、患者が選択できる体制づくりということです。
○三谷委員 今の話の続きですが、これは基本的には法律になるわけです。現場で実施されていることと少しdiscrepancyがあるのだと思います。もちろん、患者が緊急の事態で時間がないとか、あるいは病院自体が包括医療で余り選択の余地がないとか、いろいろなことを要因にして、必ずしも患者に同意を得るときに、血液製剤の原産国までは御説明をしていないのが現状ではないかと思うのです。多分、学会の調査でも、同意書に血液製剤の原産国まで明記していなかった施設が多かったかと思うのですが、これが法律としてアクティブになった場合、現場にどういう形で指導をしていただくのかも、今後考えていただく必要があろうかと思います。
○高橋部会長 実際に「原産国、あるいは献血・非献血の別を表示しなさい」という通達は随分出ているのですが、その通達を無視している医療機関が少なくないと。たしか8割以上がやっていないと調査で出ています。そういうことで、はっきりインフォームドコンセント、インフォームドチョイスの観点から、こういうことを明確に示す必要があるという書き方がいいのではないかと思いますし、先ほど小幡委員が言われたように、コスト構造との関係を、完全に別々に書くのではなくて、インフォームドチョイスを本当に実現するためにも、コスト構造を克服していかなくてはいけないと、そういうコンセプトを打ち出した方がいいのではないかと思います。細かいことを言い出すときりがないのですが、個別的なことと全体での捉え方、もちろんそれが現場とdiscrepancyがあると思うのですが、一方で原則はこういうものだということを改めて示す時期かと思っています。
○鈴木委員 前の話を蒸し返すことになるかもしれませんが、医師が忙しければ薬剤師あるいは看護師でもいいと思うのですが、説明は丁寧にする必要があると思うのです。その際に、国産にしますか、輸入製にしますかとか、あるいは献血ですか、非献血ですかとか、そこまで言って国産で献血を勧めろというのは、それは少し行き過ぎだと思います。病院で採用しているものは常に全部用意しているわけではないと思いますから、全部用意しておけというのは、それは非常に無理がある場合があると思います。こういうものを使っていますということで説明するという意味ではよろしいかと思いますが、国産で献血由来を勧めなさいと読める書きぶりであることが、私は無理があると思います。
今の医療費を巡るの中央社会保険医療協議会の議論を聞いていただいても分かるように、効率化、イコール抑制です。ですから、平均在院日数短縮や、後発品の使用の推進もそうですし、DPCはそれ自体が医療費の抑制が前提になっている。この間の中央社会保険医療協議会でも、DPCの当初の導入目的はそういうことではく、標準化で入ったということでしたが、今は効率化のために行われているということでした。そういう意味では、当然少しでも同じ品質で安いものがあれば使うということで、後発品と先発品の差はないと言っているわけですから、それ以上のことを要求することは難しいと思います。使っている製品についての説明は可能だと思いますが、それ以上に国産で献血を使えと言うのは、私は現場では無理があると思います。
○高橋部会長 希望する患者には選択できる権利を与えてほしいというのが、趣旨です。
○鈴木委員 いやいや。でも、緊急時などで。
○高橋部会長 もちろん、緊急時の話は別です。
○鈴木委員 例えばそうではない製剤があって、ですから、それの組合せを全部説明して、どれにしますかと言って、希望されるものを用意するだけの時間的ゆとりがない場合も多いかと思います。ですから、そういう場合に、患者が国産で献血だからと言って、そういうものを用意できる場合ばかりとは限りませんから、いくら説明を丁寧にしても、そういう意味での説明を丁寧にというのであれば、それは本来の現場の取組からして無理があると思います。
○花井委員 今の議論ですが、18ページの上に書いてある話は、インフォームドコンセントをきちんとするという中枢の部分は、今、鈴木委員が言われたとおり、医師は有効性か安全性という次元できちんとやると、これが基本だと思うのです。ここで書いてあるのは、国内自給とか原産地という話は、献血との関係でこういうことがあると思うのです。例えば、これは、どの病院にも献血を選択したいときには絶対に献血製剤を置けということを、ここで強要している記述ではないわけです。そういうのは、制度的にもあり得ないわけです。
ただ、献血というものに対する理解を国民に広くユーザーまで伝えたいという趣旨で、例えば、血液製剤で外国品にも瓶に書いていましたね。国産に関して言えば、必ず国産で点滴を受けながら、眺めると、「献血、採血地日本」と書いてあるわけです。眺めてベッドから分かって、ああ、そうかというときに、これは外国製とかあるのですかというと、それをインフォームドコンセントの中身として医師に義務づけるという話ではないけれども、そういうのを医師や医療関係者の皆さんが理解しておいてほしいという趣旨です。
薬剤師と私が提案したと思うのですが、幸い病棟に薬剤師が増えるようなので、薬剤師は今までは血液に関しては輸血部がやっていると。しかし、血漿分画製剤について、もの自体は薬剤部が扱っている。輸血部がない所もあります。そうすると、薬剤部の人たちが血液製剤の経緯などを十分理解しておいてくれれば、増えた薬剤師はそのことについて患者の質問に答え得る能力を持つだろうと、そういう期待を込めてあえて「薬剤師」だと申し上げたので、「等」と入れていただいていいと思うのです。
医療関係者の理解はそういう意味で、献血を選べる体制整備を医療施設は頑張れということまでは、ここでは恐らく言ってないと思うのです。そうであると、鈴木委員が言った論点が出てきていて、医療関係者のぎりぎりの現場と、プラスアルファのことは違うだろうという議論は出てくると思うのですが、これはそういう趣旨では書いていないと理解しています。ですので、そうなる書きぶりであればいいと思います。このままでもそのようになっていると思うのですが、少し誤解が生じているかと思いました。
○半田委員 三谷委員のお話もありましたが、実際、私の感覚では実態から少し離れた文言がある気もしないでもないので、御意見を差し上げました。実際、血漿分画製剤の自給に関して一番の問題点は、多分アルブミン製剤だと思うのです。アルブミン製剤は、実は5%製剤が一番輸入製品が多いわけですが、輸液として病棟の棚にあるものを急いで使うのです。そういう実態があるので、実際に事前のインフォームドコンセント取得には馴染まないのではないでしょうか。
逆に20%製剤などの高張液は、一定の、肝臓疾患などの慢性患者に使います。したがって、ある程度習慣的に使ってくることもあるので、インフォームドコンセントは効果的である可能性がはあると思います。ですから、その辺を切り分けるのが必要かと思います。ただ、具体的なことなので、文言の中に入れるのはなかなか難しいでしょう。ですから、文言としては、特に問題はないと思います。
もう一つ、輸血管理料との関連についてです。診療報酬を得るためには輸血部門でアルブミンを管理するのが基本で、職種としては、臨床検査技師が現在、輸血管理部門の中心として認められています。条文では「薬剤師」と限定されていますが、「薬剤師等」と付けていただくとよりいいのではないかと考えます。
○大戸委員 基本的なことですが、インフォームドコンセントをする実施者は、恐らく医師以外の人は認められていないのではないか。もし看護師、検査技師、薬剤師だとなると、基本的なところでフライングになってしまうのではないかという気がします。
○三谷委員 先ほどから医療機関の現場でなかなか難しいという状況は、私も検討会に参加してそういう話はよく伺っているのですが、患者、ユーザーの立場で何が知りたいかは一つ大事だと思うので、医療機関の側も無理な場合はもちろん無理なものはやむを得ないわけですが、できるだけ努力をしていただきたいということがあるのではないかと思います。ですから、18ページに患者がそういうことを考えているのだから、説明をしやすくしてほしいということが書かれているので、それは医療機関の立場は分かりますが、患者の立場になるとむしろ当然のことを書いていると思います。ですから、医療機関にそれを難しくしている販売価格のことはもちろんあるので、それも書かれているということです。できるだけ選択できる形にしておいて、そういう環境整備をしてほしいというのが、ユーザーの方からの声ということで聞いていただければと思います。
○高橋部会長 少し話が込み入ってしまい、司会の不手際で申し訳ありません。18ページの現行案三の表示では、先ほど来のお話で多分現場はほとんど動きがなかったことが明らかなので、表示だけではなくて説明まで踏み込んでいかないといけない。そのときに大戸委員が言われましたが、医師ではないと本当に駄目かなど、そういうこともあると思うのですが、少なくともそういう説明と同意の文章を用意して十分情報を伝えると、そういうことを強調すべきかと思います。
○血液対策企画官(丈達) 大戸委員の御質問ですが、薬事法第68条の7におきまして「血液製剤は特定生物由来製品」という薬事法上そういう名称になっていますが、それを「取り扱う医師、その他の医療関係者は」、ざっといきまして、「適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない」という規定になっています。
○高橋部会長 そろそろまとめなくてはいけないものですから、今後のスケジュール等についても御説明いただけますか。
○血液対策企画官(丈達) 今いくつか修正の御提案をいただきましたので、その修正の御提案を反映した形で一度先生方には見ていただきたいと思っています。その上で来年にパブリットコメントを掛け、一般からの意見を募集し、その意見に対してどのように修正を加えるのか、加えないのかそれをまた次回のこの部会で御議論いただけたらと考えています。
○高橋部会長 議論が様々出ましたけれども、事務局においてはその議論を踏まえて今のスケジュールに沿って作業を進めていただくようお願いいたします。
続いて議題7に入ります。「医療用iPS細胞ストック構築に対する日本赤十字社の協力について」です。本議題に関しては、京都大学iPS細胞研究所より、基盤技術研究部門の木村教授、臨床応用研究部門の齋藤准教授に参考人としてお越しいただいておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
事務局より資料の説明をお願いします。
○血液対策企画官(丈達) まず、厚生労働省側の資料としまして、資料7-1となります。京都大学のiPS細胞研究所の方から、厚生労働省及び日本赤十字社に対し、このiPS細胞ストックの構築に対する協力依頼がございまして、検討を始めたという経緯がございます。医療用iPS細胞ストックとは何かという概要の図を2ページに付けております。ドナーの方から細胞、この場合は血液ということになろうかと思いますけれども、血液をいただくということで、皮膚の場合もあるのですが、それを基にiPS細胞をたくさん作り、実際にいわゆるバンクのような形でiPS細胞ストックをiPS細胞研究所の方に作られるということです。その場合にドナーがどういう条件であればいいのかが一つ問題になるわけです。1ページの3ですが、このドナーが誰でもいいということではありません。特にドナーがHLAというものですが、これがホモである場合には移植後に拒絶反応が起こりにくいということですので、そうした方を捜して、ドナーになっていただくことが必要になるということです。
その場合、無作為にボランティアを募集して、そのホモの接合型のドナーを探すというのは非常に労力がかかる作業だということです。4番目の日本赤十字社の協力ですが、日本赤十字社において、血液事業の中で血小板の成分採血を実施しております。その際にくり返し献血していただく方において、HLAのタイプをきちんと最初に検査をしているということで、膨大なHLAの献血者の情報を日本赤十字社が持っているという現状があります。この情報を利用しまして、ホモである可能性の高い方を絞り込むという協力ができないかというのが今回の話です。詳細については後ほど御説明があろうと思いますけれども、本日御審議いただきたい内容は5番に書いてあります論点ですが、先ほど御説明しました血小板を献血いただいた方のHLAの情報というものは、血液事業に必要な情報として取得したものということになります。これを本来の目的以外のiPS細胞ストックの構築というところで利用することについて、日本赤十字社が協力することが妥当かどうかという論点で御議論をいただけたらと思います。
3ページは、構築に対する協力内容という案ですが、右上に厚生労働省、真ん中に日本赤十字社で、一番下の所にiPS細胞研究所というところで、それぞれ囲っている所が担当する仕事の範囲となります。もう少し詳しいところは後ほど説明があると思います。厚生労働省からは以上です。
○高橋部会長 日本赤十字社から御説明をお願いします。
○田所参考人 日本赤十字社の御説明をいたします。平成23年3月に京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥先生から日本赤十字社に対して、このストック構築に関する研究への協力の要請がございました。日本赤十字社の内部でもいろいろ検討を加えてきましたけれども、元々このiPS細胞ストックというのは多くの難病疾患で苦しまれている患者さんの治療に広く役立てようという意図でつくられています。しかも京都大学だけではなく、医療界全体に対して広く使われるようにしようという立場でつくられているということがあります。そのこと自身、日本赤十字社が疾病の予防や苦痛の軽減を目標にしているわけでして、我々の設立意義と合致するということが一つです。
それから先ほど御説明がございましたように、このiPS細胞ストックには、HLA検査済みで、その中で非常にごく僅かなHLAがホモ、両親からもらった型が同じだという人から作るのが最も効率的だろうと言われています。日本赤十字社ではHLA適合血小板を供給するために、成分採血をしていただいているドナーの検査をしていますので、その検査結果を参照して、そうした献血者に呼びかけをすることができるだろうということです。その呼びかけは非常に僅かな比率の人に行うわけですけれども、日本赤十字社はそれを効率的に行うことができるので、そういう意味では多いに役に立ち得るということを考えました。その上で、ポイントは血液事業を遂行する上で、献血者の方の信頼を失わずに、血液事業はそのまま遂行できるという条件の中でどのように協力ができるかという点ですが、血液事業の中で得られたHLAの情報を他の研究のために少し参照させていただくということを、どのようにできるかということを考えて、その対応策も含めて考えてみました。結論から言いますと、それはできるという結論に至りましたので、今回提案する次第でございます。最終的な協力というのは今回の審議を経て、我々としてはより具体的なものにしていきたいと考えております。
iPS細胞というものはどういうものか、このストック構築に関わる研究についての概略を少しお話いただければと思います。
○齋藤参考人 iPS細胞研究所の齋藤と申します。よろしくお願いします。iPS細胞は最近様々な報道がございまして、少し有名になってきましたが、基本的にどういうものかと言いますと、個人の身体の細胞から樹立することができる幹細胞と言われるものの一種で、この細胞は培養皿の上で増やすことができ、かつ、理論的には身体の中の全ての組織、あるいは細胞時に分化し得ることができるというものです。したがって、個人の方からiPS細胞を樹立した場合に、その細胞を例えば神経であるとか、心筋細胞であるなど、そういう細胞に分化させて、きちんと安全性等を評価した上で移植に用いることができれば、例えば今のお話で申し上げますと、神経とか心臓の難病の方に対する移植医療が成立するのではないかというように考えられています。こういう移植医療に関しては、拒絶というのが常に生じる問題なのですが、その観点からすると、ある患者さんからiPS細胞を樹立して、それをまた同じ患者さんに分化させて移植させていただくというのが一番拒絶のリスクは少ないと考えられるのですが、現実的にはそれは数か月以上の時間がかかりますし、場合によっては年単位の時間がかかりますし、患者さんの治療には間に合わないということが考えられますので、同種で拒絶のリスクの少ないHLAハプロタイプの方からiPS細胞のストックを作っておけば、多くの、日本人なら日本人の方の治療に使うことができるのではないかというのが医療用iPS細胞ストック構築の基本的なアイディアです。
今回の研究計画につきましては、日本赤十字社様と協同で4回にわたり具体的な検討を行ってまいりました。資料7-2の2ページに概要が示してありますが、先ほど厚生労働省の方から御説明されたのも基本的には同じスキームをもう一度説明しておりますが、日本赤十字社様の方から先ほどの成分献血者の方に、まず周知をしていただいて、その上で特定のHLAハプロタイプ、具体的にはホモハプロタイプで、この方に手紙を送っていただくという形を考えております。この周知のチラシの案が資料7-2の3~4ページです。実際にお送りする手紙の案が資料7-2の5~6ページとなっております。
日本赤十字社様から呼びかけていただいた方で、実際には候補の方で、臨床研究に協力してもいいかなと思われる方に関しては、その方からiPS細胞研究所の方に御連絡をいただくという形にしたいと考えております。その具体的な研究計画ですが、資料7-2の7ページになります。目的は、再生医療に使用可能な、先ほど申し上げました同種のヒトiPS細胞ストックを作りたいという事です。ただし、iPS細胞そのものを移植することはございませんので、実際にはその細胞から、例えば神経や心臓の細胞やその他の細胞を作るということが必要になります。細胞、分化細胞を作ってそれを移植することになりますので、その分化細胞を作って移植をすることに関しては、別途、例えばヒト幹細胞研究計画書とかそのような指針、法令に則った研究計画を申請し、きちんと手続きを踏んで移植をさせていただくということになります。したがって今回の目的はヒトiPS細胞が医療用グレードでまず作れるかどうか、そこに関して徹底的な評価を行うということです。それで移植ができるようであれば次の計画として、それを移植医療に用いるための計画を申請することになります。具体的な方法に関しては今申し上げましたとおり、日本赤十字社様の方でHLA検査を行った献血者の方に御案内を差し上げまして、その上で献血者の中から研究に協力してもいいと思われる方に関してはiPS細胞研究所に御連絡いただいて、そこでインフォームドコンセントを取得するという形になります。日本赤十字社様で収集された個人情報に関しては基本的にはiPS細胞研究所の方には渡らないという形になります。iPS細胞研究所の方にアプローチをしていただいた後に、iPS細胞研究所で再度問診、あるいはHLAの再検査等を行って、ドナーの適合性を評価するという形になります。
ドナー候補として考えておりますのは、自由意思による同意が得られる成人の方。除外基準として、ここに書いてあるのは一例ですが、ヒト同種iPS用細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針等。先ほど申しましたヒト幹指針等に規定の疾患あるいは感染症を有する場合としております。
8ページですが、これは京都大学iPS細胞研究所に来ていただいてからのステップになりますが、先ほどの左端の御案内を見ていただいて、研究に協力してもいいかと思われるHLAホモの方に関しては、まず来所いただきましてお話をさせていただき、その上で同意を取得する。同意を取得させていただいた方から血液もしくは皮膚を用いてiPS細胞の樹立を行うというステップになります。
最後に9ページですが、このHLAホモドナーは、大体何人、あるいは何種類を集めればよいのかということで、iPS細胞研究所としては、短期目標としては5年以内にHLAホモの方に、5~10種類のホモのハプロタイプの方からiPSストックを樹立したいと考えておりまして、これで日本人の方で大体30~50%の方にHLAのマッチしたiPS細胞を供給することができると考えております。これには数万人単位でのHLAのスクリーニングが必要ではないかと考えております。また、長期的には150種程度のHLAホモドナーの方のiPS細胞を樹立することによって、日本人の約9割程度の方に合致するiPS細胞ストックを構築することができます。これに関しては、恐らく数十から数百万単位でのスクリーニングが必要と考えられておりまして、なかなか、やはり私どものみではとても難しいというように考えております。このような大量のHLA情報をお持ち、あるいは取得される日本赤十字社様と協力して進めることによって、医療iPS細胞ストックをできるだけ1日でも早く構築して、1人でも多くの患者さんに貢献したいと考えております。以上です。
○高橋部会長 只今の御説明について、御意見、御質問などございませんでしょうか。
○田中参考人 日本赤十字社から追加の御説明をさせていただきます。資料7-2の2ページですが、この中で右上にございますのが日本赤十字社の行う内容として、協力の呼びかけと手紙の送付という二つがここに示されています。左の方が成分献血者に対して行うことです。第1、「協力の呼び掛け」とは、ポスター又はチラシですが、先ほど御紹介にありました3ページの実用化に向けたチラシ案がございます。これは成分献血者の方々に一応、お渡しいたしまして、一番最後のパラグラフにございます、献血いただいた際のHLA情報などの個人情報を利用させていただきますという事で、献血でいただいた情報を、今後の協力依頼の手紙を出させていただくことに使うことの承諾を得るチラシです。このチラシを成分献血者の方々にお渡ししたあとに、その中で2ページにございますように、「拒絶反応が起きにくいHLA型の成分献血者」と書いておりますが、これがHLA型ホモ接合体の献血者で、この方々に研究協力に対する御案内のお手紙を差し上げます。そのあとは、協力の意思がある献血者につきまして、iPS細胞外来の方にその意思を伝えていただいて、そのあと、先ほど京都大学のiPS細胞研究所から御説明にあった流れになります。以上です。
○高橋部会長 いかがでしょうか。
○鈴木委員 少し確認をしたいのですが、7-1の3ページ、赤の波線の日本赤十字社の左上、「 1、献血者への周知2、献血者への協力依頼」とありますけれども、これと7-2の2ページ、日本赤十字社の協力の呼びかけと手紙の送付というのが対応するということですか。そうすると、献血者への周知というのが協力の呼びかけになり、献血者への協力依頼が手紙の送付になるということと理解してよろしいのですね。
また、もし適合型の方がおられた場合、直接手紙がくることはあり得ないということですか。
○田中参考人 それは事前周知がなくということですか。
○鈴木委員 はい。
○田中参考人 それはございません。事前周知をさせていただいた方々のみに、その手紙を送らせていただきます。
○鈴木委員 「事前の周知」というのはどのような形ですか。
○田中参考人 チラシをお渡しする形です。
○鈴木委員 要するに、献血に来られた時に、という事ですね。
○田中参考人 そうです。
○鈴木委員 突然、自宅にチラシがくるということではないのですね。
○田中参考人 はい。
○鈴木委員 分かりました。
○稲田委員 確認ですが、対象者に関して、今の話を伺っていると、これから献血される方が対象になるという事で、ただ、この資料7-1の4番を見ますと、日本赤十字社はもう既に数十万人ほどHLAデータを保有している、この中から、というような書き方をしてあります。過去の方も対象になるのですか。
○田中参考人 対象にしますが、あくまでも献血に来られた際にチラシをお渡しし、その周知をした方だけです。過去の方に遡って突然この依頼文の手紙を出すことはございません。
○稲田委員 分かりました、ありがとうございます。
○高橋部会長 具体的にはHLA適応血小板の登録の方がここでいう協力の呼びかけをする対象で、その中で手紙を送付するのはホモ接合体の方、そういうことでよろしいですか。
○田中参考人 はい。
○高橋部会長 それで、アクティブに現在献血されている方という意味になりますね。
○田中参考人 そうです、献血現場にいらっしゃっている方です。
○田所参考人 チラシを受け取った方です。
○高橋部会長 ええ、つまり献血に来ないと受け取らないということですね。
○大戸委員 確認ですが。HLAホモ接合体ともう既に分かっているドナーに紙を渡して、その他のヘテロ接合体の方には渡さないというように感じたのですが、それではないのですか。
○田中参考人 それはありません。
○大戸委員 一律に全員ですね。
○田中参考人 はい。
○大戸委員 そうすると、恐らく10万人のドナーがいるとすると、そのうち日本人だと1,500人ぐらいがホモ接合体ですね。もう短期といって、5年以内に全て目標を達成するのではないかと思いますが、1,500人のうち種類からいうと100種類から、50種類ぐらいかもしれないです。
あともう一つは、この説明文書で、危惧するのは、iPS細胞からセルラインを作った時にドナーの人自身が病気になった時に、その細胞を御自分で受ける可能性があるわけですね。そうした場合に、自己の細胞ですから、そのiPSから作った組織ががん化した時に全く拒絶できなくなるわけで、そういう説明について必要ではないか。もう一つは、iPS細胞を作った時に、HLAタイピングだけではなくて、そのほかの様々ながん遺伝子など、様々なDNAのタイピングをする必要があると思うのですが、そういうことが一切書いてないのです。やはり献血者に対して全面的に開示していることにはならないのではないかというように思います。
○齋藤参考人 まず最初の御指摘ですけれども、確かにホモのドナーの方はたくさんいらっしゃると思いますが、iPS細胞研究所側のキャパシティの問題もありまして、一度に、例えば100人とか200人の方を作るのは難しいということがありますので、実際に進むのはある程度ゆっくりという形になるかと考えています。
インフォームドコンセントに関しては、現在倫理委員会で審議中ですけれども、まず、自家で移植する可能性があるかということに関してですが、今回のストックに関して言いますと、あくまで、まずストックを作るというところを医療グレードできちんとやって、御指摘いただいた安全性とか、あるいは有用性に関しては評価を行うということで、その上で使用するかどうかを考えるのですが、基本的には同種で考えています。つまり自家に関しては可能性がないわけではないのですが、自家の説明を特段行う形にはなっておりません。特に、今申し上げましたけれども、がん化などに関して言いますと、十分な評価を行った上で用いることになりますが、そのあたりの評価を行うことに関しては、実際の同意説明文書には記載をしております。
○三谷委員 基本的なことを教えていただきたいのですが、このHLAホモ接合体というのはどの遺伝子なのでしょうか。A、B、DR全部ホモということですか。
○齋藤参考人 臨床グレードで申し上げますと、恐らく日本人の場合はHLA、Cも含めてタイピングした方が良いとは思うのですが、連鎖等を考えまして、DRを調べるとDQを自ずと90%以上の確率で連鎖してきますので、恐らくはタイピングの対象としてはAクラスI、クラスIIの6座になります。全てというように考えています。ただし、それを臨床的な品質にどの座まで反映させるかについては今後少し検討していきたいと思いますけれども、一応、観察事項としましては、できればDP、DQ、DRまで含めた6座全てをタイピングしたいというように考えております。
○三谷委員 もう1点よろしいですか。基本的なことですが、このiPS細胞を供給するドナーになった場合に、どのくらいの侵襲があるかということを知りたいのですが、資料7-1の6ページの協力依頼文がまだ途中ですけれども、血液ですとどのくらい必要なのかということと、もし皮膚を提供する場合にはどのくらいの侵襲になるのかを教えていただけますか。
○齋藤参考人 血液ですと、30cc~50ccと考えております。皮膚の場合はパンチバイオプシーと言いまして、丁度このボールペンの先ぐらいの刀になったような器具を使いまして、局所麻酔をした上で、ここでパンチをするという形になります。ですから、局所麻酔と、そのあとは一針、縫合が侵襲ということになります。
○鈴木委員 資料7-2の6ページの協力依頼文案です。3ポツの個人情報の取り扱いについて、「あなたの個人情報は匿名化して厳密に管理しますので、外部に漏れることはありません」と書いてありますが、一方、資料7-1の3ページの下の、「個人情報管理『連結可能匿名化』」と書いてあるわけです。この場合は連結可能匿名化ですから、匿名化しても外部に漏れることはないというのはどういう意味か分かりませんが、個人が特定されることもあり得るというようなことではないのかと思うのですが、いかがですか。
○齋藤参考人 ありがとうございます。6ページの協力依頼文案に関しては、案ではありますけれども、原則として、厳密に管理しますが、御指摘いただいたとおり、匿名化した情報が漏れるというリスクに関しては、やはりあると考えています。したがって、それを最少にするための努力が必要で、今回この連結可能匿名化の場合は、先ほど御説明いたしましたとおり、iPS細胞研究所で個人情報と細胞に付随する情報を収集します、ということで連結可能匿名化の対応方自体もiPS細胞研究所に置くことになります。今の予定ではその連結可能匿名化した匿名化コードをそのまま使って細胞を外に出すということはせずに、再度細胞を動かして、それはまた別項にそれを管理する者を置いて、その番号で払い出しをするということで、内部で2回処理をした上で出そうというように考えております。先生の御指摘のように、それでもまだ匿名化のリスク、漏洩のリスクはゼロにはなりませんけれども、そのようなことを御説明した上で、細胞を使わせていただくことになると思います。
○鈴木委員 情報管理者を別に置くということですね。
○齋藤参考人 個人情報管理者は置きます。
○小幡委員 今の件は、連結可能であっても匿名化するということで一応、個人情報については厳重に管理されるという前提ではよろしいと思うのですが、1点だけ、資料7-1の4の書き方ですが、チラシを配付して初めて個人情報として流れるわけですね。つまり、ここの4の一つ目のマルで、「既に数十万人分のHLAデータを保有しており」と、これは意味がありますか。つまり、これから献血に来てくださった方にチラシを配付して、それで当たった場合に、研究協力をいただけるか、という案内がいくということですね。
○高橋部会長 基本は先ほど申し上げたような、HLA適合血小板の献血をするという意思表示をされて、HLAタイプにされた登録ドナーの方に対してです。
○小幡委員 登録ドナーの方にチラシを渡してから、全てが始まるわけですね。
○高橋部会長 そうです。
○小幡委員 「保有しており」という、この文は一応いるわけですね。
○血液対策企画官(丈達) 来られてそこから測ることではなく。
○小幡委員 来られなかったら結局はあり得ないわけですね。
○血液対策企画官(丈達) あり得ないです。
○小幡委員 表に出す時に、書き方が誤解をされる可能性があるかと思いまして、少し気になりました。要するに、スタートするのはあくまで来られてからですね。
○血液対策企画官(丈達) はい、そうです。
○小幡委員 そこがはっきりしていればよいと思います。
○高橋部会長 いろいろ問題は細かく詰めないといけないのですけれども、今までの御意見を参考にして、必要な修正をして進めていきたいと思います。
○鈴木委員 今お話したようなことも踏まえて、この研究の意義が重要であることは非常によく理解しているつもりですけれども、前提としてはこの事業にかかわる個人情報や人権の絶対的な保護ということが大前提になると思います。
又、こういった事業の趣旨は広く国民に説明をして理解を得ることが不可欠だと思いますので、それはよろしくお願いしたいと思います。今回の提案については、日本赤十字社が血液事業により保有しているデータをこの事業への協力要請に使用することが、献血者の献血時の同意事項に含まれているかどうかという疑問は残るのですが、それを踏まえた上で、あくまでも研究でのみ使用することから、もう少し丁寧に依頼文なども見直していただいて、いわゆる連結可能匿名化であって、まだ個人情報が漏れる可能性も完全には否定できないということがあるので、それにもきちんと御説明をすることが前提になるかと思いますが、そういう意味での研究面での使用というのは了承できるのかと思います。ただそれ以降進む場合はやはりもっときちんとした第三者委員会の設置とか、ガイドラインの策定とかそういったものを踏まえた上での、より厳密な管理というものが必要になると思いますので、そういったものがよく、重要性は分かりますが、だから急げ急げということでは、折角の研究が、ノーベル賞にケチが着いたのでは本当に申し訳ないと思いますから、是非そこは尚更しっかりと厳密にしていただきたいというように思います。
○山口(照)委員 一つ、鈴木先生の言われたことで、これは研究だけで終わっていないというように理解しています。実際、医療に使われるという前提で、そこは少し確認を。
○齋藤参考人 今、御指摘いただいたことも踏まえまして、新たに研究計画を立てて、きちんと審議を受けるということです。
○高橋部会長 今の個人情報の管理のことと、大戸委員が言われました様々なiPSを臨床応用する時の様々な課題、それを克服する必要があるということ。そして実際に応用する時は、改めてきちんと研究計画を提示して承認を得るというようなことをしっかり強調すれば間違いがないのではないかなと、そのように思います。よろしいでしょうか。
少し、司会の不手際で、お約束の時間が過ぎてしまったのですが、議題の3~議題5が残っておりますので、まとめて事務局から御説明いただいて、そして確認したいと思います。事務局、よろしくお願いします。
○課長補佐(笠松) 報告事項議題の3~5についてですが、ポイントをつかんで御説明させていただきます。資料の3、安全技術調査会の御議論を御報告申し上げます。まず、資料3-1「『献血時のシャーガス病対策について』の安全技術調査会審議結果と日本赤十字社の今後の対応について」について御説明いたします。シャーガス病は昆虫を媒介とするTrypanosoma感染症を言い、中南米で患者の多い感染症です。これは現状では日本で輸血の陽性例は0例、ないということですけれども、中南米での患者が多いということを踏まえて安全技術調査会でいろいろと、平成24年7月に御議論をいただきました。その結果、2段落目の、中南米出身者、母親が中南米出身者、中南米に4週間以上の滞在歴のある人については、献血はしていただくけれども、血漿分画製剤の原料にのみ使用し、輸血用血液製剤の原料には使用しないということ、これが当面の対応。それにプラスアルファで将来的な対応として、献血者の御協力を元に検体を保存し、研究的に抗体検査を行い、今後の対応を検討していくということで御議論をいただきました。それを踏まえ、2番「日本赤十字社での今後の対応」ということでそれを具体化しまして、10月から実施をしております。
続いて資料3-2により、「平成24年度第1回NAT小委員会」について御説明いたします。これは感染症検査の技術的な標準化に関しまして御検討いただいたものです。平成24年5月に御検討をいただいて、E型肝炎のウイルス検査のための国内標準品について、感染症研究所の作成したものを国内標準品とすることで承認。パルボウイルスの国内標準品についても、感染症研究所で作製の方向性を決定ということです。又、genotypeパネルについては、B型、C型肝炎、HIVパネルについては厚生労働科学研究の成果を有効活用するということです。E型肝炎についても同様です。パルボウイルスパネルについては現在研究班で検討中です。
続いて資料4の、「平成24年度血液事業部会適正使用調査会」の御議論の報告です。横長の資料です。基本事項として、この適正使用調査、実態調査ですが、これは全国で血液製剤を扱う全ての医療機関を対象に、厚生労働省が日本輸血細胞治療学会にお願いをしまして、調査をしていただいたものの報告です。基本項目の1、輸血用血液製剤が供給された実績10,816施設のうち、東日本大震災の関係で東北3県プラス茨城県を除く所に依頼をし、調査をさせていただきました。4行目の、100床未満が全体の54%、300床以上が17%です。一番下の2)医療機関の管理体制ですが、先ほど御議論にありました、輸血業務の一元管理、これは全ての施設で66.46%実施されていて、大きな300床以上の病院では90%の実施率でした。具体的に一元管理等々ということでは、輸血責任医師の任命、担当臨床検査技師の配置、24時間体制、院内の輸血療法委員会の設置等について、2005年と比較して大きく体制が整備されてきております。特に300床以上では90%の施設で整備をされているところです。
3)検査等について、これはABO型、RhD型、不規則抗体スクリーニング1、2、3ですが、300床未満の施設では30%、あるいは60%外注検査に依頼している状況がございます。また4番輸血前の感染症検査についても、輸血後感染症検査は必ず実施している施設は26%にすぎず、あと、検体保存も20%程度であったというところが指摘されています。
次に4)輸血療法の実績です、1輸血実施患者数は、数字がありませんが、同種血輸血患者数が推計約101万人、また自己血輸血が約10.6万人ということで、昨年より減少傾向ですが、これは東日本大震災の影響も考えられるために、少し長期的に見ていく必要があるのではないかということです。また血液製剤の2の2行目ですが、血液製剤ごとに見ますと、赤血球製剤では緩やかな増加傾向、血小板は横這い、血漿製剤は微増、アルブミンはほぼ横這いということで、診療科ごとに様々使われる道が分かれているということです。
5は御議論のあったところですが、大量輸血をする施設で、非常に多く集中的に使われております。5赤血球輸血1日10単位以上を使用する症例は全体の3%ですが、使用量としては、16%、FFPについては30%を占めています。以上が血液製剤使用実態調査の御報告です。
資料4-3の1枚紙ですが、「アルブミン製剤の適正使用に関するガイドライン(案)」は、適正使用調査会での御議論を踏まえ、レギュラトリーサイエンス研究総合研究事業の中で、牧野委員の研究班で既にやっていただいているインフォームドコンセントの実施に関する研究というものに、アルブミンの適正使用に関するガイドラインの作成の研究を加えていただきました。具体的には、進捗状況に記載されておりますが、文献学的な調査を踏まえて、学会や関係団体と連携をしながらガイドラインを作っていこうというものです。現時点では、適正使用とされている事例、あるいは不適切な使用とされている事例、指針でそうなっている事例について文献を調査しているという段階で、今後、下から3行目にございますように、エビデンスのレベルの確認作業を行って、基準案について関係学会に情報提供を行い、調整をし、パブリックコメントを経て、ガイドライン案を作成し、適正使用調査会に提出する予定となっております。
続いて、資料5の、「平成24年度血液事業部会運営委員会」の、今年度3回行われました御議論につきまして御報告をさせていただきます。具体的には、感染症の報告事例についてです。また、フィブリノゲン製剤について、使用実態の医療機関の調査に関する御報告です。これのほかに、先ほどの、基本方針についての御議論もいただいたところです。資料5-1「血液製剤に関する感染症報告事項について」は、感染症に関するものですが、供血者から始まる遡及調査、これは献血時にウイルスが陽性になった事例について、過去の献血時に陽性だったことがないかということを振り返って調査したものです。一番右の、平成24年4月~9月まで3,540の件数があります。横に見ますと非常に多くなっていますが、特に7月~9月に3,500件中の3,100件が集中しています。これはB型肝炎ウイルスのスクリーニングの基準を厳しくしたものによるもので、一時的にこういうことで件数が増えておりますが、中期的にはこれによって、安全対策が講じられるであろうというところです。その遡及調査の結果、B型について1例受血者の陽転事例がありました。
次のページは感染症報告事例のまとめです。1番、1年間で輸血により感染症が疑われる事例が104件で、B型肝炎が46件、C型肝炎30件、HIVは0、その他E型肝炎2件、細菌23件です。このB型の46件のうち、献血者の保管検体の陽性事例が10件でした。C型30件のうち保管検体の個別NAT陽性事例は0件です。HIVも0件です。なお、併せて亡くなられた方については他の原因による死亡を除くものとして、B型による死亡2件、C型1件、その他3件です。
次のページが献血血液におけるHIV抗体の陽性の比率です。一番下右側の2012年の上半期、献血10万件当たり1.420件ということで、過去10年の中では最も低い水準に近い数字です。
資料5-2は、「フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について」ですが、納入先医療機関については、動きはありませんでした。次のページは、平成23年度及び24年度フィブリノゲン製剤納入医療機関に対する訪問調査の結果についてです。厚生労働省の職員がいわゆる国立系の病院、国立病院機構とか、国立大学病院等に訪問をさせていただき、いろいろ調べさせていただいたものです。こうしたことを合計158件、この2か年度で調査をした結果、様々な、網羅的に調べている所と状況によって焦点を絞って調査をしていただいた所がいろいろあったということです。(3)の表ですが、今回の調査を契機に2,401名の方の投与が判明し、お知らせできる方について、お知らせをしているという状況です。
続いて参考資料5-1、5-2、5-3となっていますのは、前回の本部会で御議論をいただき、今後進めるようにという御指示をいただきました、いわゆる献血血液の研究開発等での使用に関する指針です。それについて具体的な公募を来年1月9日までしておると、厚生労働省ホームページその他で公募を行っております。ということの御報告です。申し訳ありません、駆け足で御説明いたしましたが以上です。
○高橋部会長 議題3~5について、特段のことがありますでしょうか。それではよろしいですか。大変不手際で申し訳ありませんが、予定されていた議題は以上です。
そのほか、全体を通じて何かありますでしょうか。
それでは本日はこれまでとしたいと思います。次回の日程は、事務局から改めて御連絡することといたします。本日はありがとうございました。
                                                                                                                                      (了)

※備考
この会議は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 血液対策課 課長補佐 笠松(内線2905)