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2013年4月24日 平成25年度第2回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録

○日時

平成25年4月24日(水)15:00~16:24


○場所

中央合同庁舎5号館講堂(低層棟2階)


○出席者

【委員】
小山信彌分科会長 相川直樹委員 池田俊也委員 伊藤澄信委員
井原裕宣委員 緒方裕光委員 樫村暢一委員 香月進委員
金田道弘委員 川上純一委員 工藤翔二委員 河野陽一委員
竹井和浩委員 藤森研司委員 三上裕司委員 美原盤委員
渡辺明良委員
【事務局】
井上企画官 他

○議題

1.医療機関群III群のあり方について
2.重症度を考慮した評価手法(CCPマトリックス)について(案)

○議事

15:00開会

○小山分科会長
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより平成25年度第2回「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開催いたします。
 まずは委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、嶋森委員、瀬戸委員、松田委員が御欠席です。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○小林補佐
 事務局でございます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料、上から、座席表、議事次第、委員名簿。
 本日の資料でございます。
 D-1「医療機関群III群のあり方について」。
 その下にD-1の参考資料といたしまして、2つございます。
 1つ目が「基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について(案)」、2つ目として「DPC制度(DPC/PDPS)に係るこれまでの検討状況について」と、参考資料が2つついております。
 その後ろに行って、D-2「重症度を考慮した評価手法(CCPマトリックス)について(案)」。
 最後に、松田委員提出資料「CCP Matrixについて」ということで、資料をお配りさせていただいております。
 過不足等がございましたら、どうぞ事務局までお申しつけください。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 まずは、2つのうちの議題の1つ目であります「医療機関群III群のあり方について」を議題といたしたいと思います。
 事務局より御説明をお願いいたします。
○小林補佐
 事務局でございます。
 それでは、お手元の資料に基づきまして御説明をさしあげます。D-1「医療機関群III群のあり方について」をご覧ください。
 こちらは、本年2月20日の分科会で今後の検討課題として挙げられたもののうち、「医療機関群III群のあり方について」という点につきまして、本日、議題として資料を用意させていただきました。
 これまでの検討内容でございますけれども、まず、平成24年度の診療報酬改定に係る議論におきまして、調整係数の置き換えの背景というものが挙げられております。
 調整係数は、前年度の診療報酬改定の実績を担保するという性格がございまして、DPC制度導入時の激変緩和を行うために設定をされていたものでございます。その設定の趣旨を踏まえまして段階的に廃止をし、新たな係数に置き換えることとされました。
 これより、平成24年度診療報酬改定におきまして、調整係数により設定されておりました包括の報酬部分につきましては、段階的に基礎係数と機能評価係数IIに置き換えることとされております。
 図としては、下のような形で係数が分割された形になります。
 2ページ目でございます。まず、このうちの基礎係数でございます。
 設定の趣旨でございますが、調整係数におきましては、前年度の包括評価水準を維持するという性格から、ここにありますa、b、c、dのそれぞれの対応といった機能になっているとされております。これらの機能全てを機能評価係数IIに置きかえるということは、今後さらに機能評価係数IIの項目を拡大したとしても事実上不可能であるという認識から、機能評価係数では評価し切れない部分、すなわち各施設が基本的に担う診療機能に対する係数部分を、基礎係数として設定することとなりました。
 今までの評価係数と基礎係数・機能評価係数IIによる調整分の図につきましては、下のような形になっておりますので、御参考いただければと思います。
 3ページ目でございます。
 その上で基礎係数の設定に当たりましては、より重症な患者への対応やより先進的な技術の実践といいました、ほかの施設とは異なる機能や役割を担う医療機関に、ほかと同程度の効率化・標準化を求めるということは、これらの役割を担うインセンティブがなくなってしまう懸念があるということから、合理的な役割や機能の差が認められる医療機関につきまして、機能係数を分けて設定することが妥当と考えられております。
 その際の考え方等につきましては、機能的な視点と診療実績データ的な視点、それぞれの観点から分類の検討が行われました。
 参考までに、下の点線で囲まれてございますが、医療機関群設定の視点につきまして、資料を抜粋しております。基本的な考え方でございますけれども、またここで確認をさせていただければと思っております。
 まず、1つ目の機能的な視点でございます。
 医療機関群に共通する機能、役割や診療特性等から見まして、同程度の医療の標準化や効率化を促進する観点から、まず医療機関群の設定が必要であろうということ。
 ただし、同一の医療機関群に属する全ての医療機関が画一的な医療機関であるべきという考えに基づくものではございません。
 また、医療機関群内の各医療機関の多様性につきましては、基本的にはこの基礎係数ではなく、機能評価係数I及びIIで評価すると考えられました。
 また、診療実績データの視点でございますけれども、診療実績データは出来高実績データでございますが、このばらつきが一定程度の範囲内に抑えられることが必要でございます。
 ただし、実際の制度の導入におきましては、激変緩和や機能評価係数I・IIによる補正も加えられてございますので、これらを全体として、最終的なばらつきがどの程度集約できるものかということを、今後、見極めながら検討を進めることとされております。
 また、評価係数といたしましては、基礎係数の役割を踏まえて、包括範囲の1日当たりの出来高点数(診療密度)を中心に評価を行うということでされておりました。
 このような考え方を受けまして、最終的には大学病院本院は、包括範囲の1日当たりの出来高点数がほかの施設と比較して明らかに異なっておりまして、役割や機能が明らかに他施設と異なると考えられることから、I群とされております。
 また、大学病院本院以外の施設におきましても、診療密度、医師研修の実施、高度な医療技術の実施、及び重症患者に対する診療の実施といった観点から、I群とされました大学病院本院に準じた診療密度と一定の機能を有すると考えられる医療機関につきまして、II群が設定されたという背景になります。
 それぞれの要件の中身につきましては、下の表に記載のとおりでございますので、ご覧ください。
 続きまして、機能評価係数IIでございます。機能評価係数IIにつきましては、以下に述べます2つの観点から医療提供体制全体としての効率改善等へのインセンティブを評価することとさました。
 具体的な内容としては、1つ目といたしまして、全てのDPC対象病院が目指す望ましい医療の実現。
 2つ目といたしまして、社会や地域の実情に応じて求められている機能の実現。これは、具体的には地域における医療資源配分の最適化等を指しております。
 これらを背景といたしまして、複雑性指数、カバー率指数、地域医療指数につきましては、各医療機関群の特性に応じた評価手法を導入することとされております。
 これが基礎係数と機能評価係数IIについての考え方でございますが、これと同時に、次回の診療報酬改定に向けた議論につきましてということで、以下のようなものが議論をされました。
 平成24年8月22日の中医協の総会におきまして、「基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本指針と今後の検討課題」というテーマで検討が行われております。この中で、基礎係数と機能評価係数IIという評価体系につきましては、調整係数を廃止するための基本的な枠組みとして基本骨格を維持するとされております。
 また、医療機関群I群(大学病院本院)及びI群に準じる病院であるII群につきましては、引き続き体系については維持することとされております。
 また、医療機関群III群のあり方につきましては、病床規模や診療特性などの医療提供体制において、非常に多様な施設が含まれると考えられますことから、機能評価係数IIによる評価との組み合わせも含めて、どのように考えるか、今後の実績を踏まえて検討をすることとされておりまして、本日、医療機関群III群のあり方について御検討いただければと考えておるところでございます。
 2なお、これまでにいただきました主な御意見についてもあわせて紹介をさせていただきます。
 まず、1つ目でございます。III群の中に含まれる病院は非常に大きなバリアンスがありまして、これらを平均的に評価するということ自体に問題があるのではないかという御意見。
 III群の中に含まれる病院は、効率性や複雑性が高い専門病院、中程度の地域の中核病院、効率性や複雑性が低い小さな病院と分けられると考えられることから、それぞれ別々に評価をするべきという御意見。
 総合性はなくても、ある専門領域について非常に高いレベルを持ってやっているところは評価するべきではないかという御意見。
 調整係数が暫定で残っているということを踏まえて、医療機関群設定に関する十分なデータが集まった上で議論をするべきでないかという御意見。
 III群を余りにも細かくしていきますと、地域医療が崩壊する懸念があるのではないかという御意見などを、今まで頂戴しているところでございます。
 6ページ目でございます。このような本日御議論いただく内容に資する参考の資料といたしまして、事務局で以下に挙げますものを御用意させていただいております。
 基本的には、8月21日の分科会と同じデータのもので、平成24年度分につきまして、4月~12月までの9カ月分についてデータが集まっておりますので、その点につきまして、新たな資料を御用意させていただいております。
 まず、図1でございますが、(1)は24年度の4月から12月にかけてのDPCの実際の実績に基づきまして、病床数と、縦軸でございますが診療密度、この比較についての資料を御用意しております。
 また、この資料に基づきまして、23年度と24年度でDPCIII群の病院の経年変化を比較したものが図2になってございます。
 続きまして、次のページでございますが、III群病院の累計別の集計ということで、前回、今までお示ししてございます、専門病院やがん専門病院につきまして、ここに書いてありますような定義ということで整理をさせていただいた上で、それぞれの病院が病床数と診療密度の中でどのように表がなっているのかというものを、その下の図3で示させていただいております。
 図4でございますが、III群全体、がん専門病院、専門病院、その他と4つに分けまして、23年度と24年度での比較の図になってございます。
 また、規模別ということで、200床と500床ということで一つ基準を設けさせていただいた上での、各医療機関別の病床数と1日当たりの包括範囲の出来高診療実績の点数について、同様に色分けしたものが最後の14ページの上にありまして、下側はそれぞれの病床規模での23年度と24年度のデータの比較となってございます。
 なお、参考資料といたしまして、今、御説明した内容につきましての今までの資料につきまして、参考資料○1、○2として資料をつけさせていただきますので、御参考いただければと思っております。
 事務局からは以上でございます。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 「医療機関群III群のあり方について」ということで、ここのところには、約1,300を超える病院が集まっているわけですけれども、これを1つの群にするということに対して、どういうふうに考えていくかということであります。
 1ポツのところで、これまでの検討内容としては、平成24年度診療報酬改定における議論においては、調整係数置き換えの背景は、調整係数を基本的には廃止をするということがはっきり明記されまして、最終的には平成30年度にはなくしますよというお話が出ております。
 24年度診療報酬改定から、その準備段階として調整係数を基礎係数と機能評価係数IIに置き換えていくということでもって話が進んで、今、第1段階として、今までの調整係数のうちの25%分がこの基礎係数に置き換えられたという認識でよろしいかと思います。
 ページをめくっていただきまして、まず最初のところの2つの議論をする必要があるかと思います。それは、基礎係数と機能評価係数IIということでありますけれども、まず、議論の順番といたしまして、この基礎係数について、I群、II群、III群に分かれるというところで、何か御意見がありましたらお伺いいたしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 金田委員、お願いします。
○金田委員
 金田です。
 今の資料の3ページの上から5行目に、合理的な役割や機能の差が認められる医療機関について、基礎係数を分けて設定すると、合理的な役割と機能ということが書いてあります。4ページには、II群の実績要件1、2、3、4とあります。その要件の2の中で、医師研修の実施というのがあります。これは、たしか2年目までにするか5年目までにするかということで、議論がこの分科会でもあったと思うのですけれども、これが2年目までだったら、マッチングで公平性も保たれるのでいいのではないかとなったかと思います。
 II群病院がI群病院に準ずる機能や役割を果たすとすれば、やはり地域の病院に対する医師の派遣の評価というのがここに含まれる必要があるのではないか。
 特に初期研修の後の、例えば後期研修、3~5年目までとか、研修の一環として地域医療を研修することによって、地域の医師不足の解消になるし、これは昨日の新聞の全国紙の一面トップでありますけれども、22日の社会保障制度改革国民会議の内容を受けて、必要なときに適切な場所で最小の費用で受ける医療への転換を打ち出したということがあります。これは、かかりつけ医を意識したものかと思いますけれども、大病院がない地域で、中小病院が果たす役割にも準ずるものがあると思います。そのためにも、医師研修機能の中に医師派遣機能を評価する方法を検討したらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○小山分科会長
 金田先生の以前からのお考えで、地域の医療を担っている先生として切実に感じられていることだと思いますが、この件について何か各委員のほうから御意見ございますでしょうか。
 金田先生、今の先生の御意見は、その病院がどこかへ医師を派遣するということに対して評価をしてほしいということでよろしいのですか。
○金田委員
 そうです。III群の病院がII群になろうとしているところが多数あるかと思うのですけれども、その中でそういう派遣機能が評価されることによって、大学病院に準じて地域の医療に貢献することができ、しかも地域で適切な医療が研修できることにつながると思います。
 地域の一番の現実は、やはり本当に深刻な医師不足であるかと思います。
○小山分科会長
 先生、ただ、大変医師不足の地域の病院が、その他の病院へ医師を派遣するという能力を持っているとお考えですか。
○金田委員
 そのためには、地域での役割分担、医療圏内での大病院が複数あるところでは、大病院同士の機能分担も必要かと思います。近くに大病院がない等の理由で中小病院が中核的な役割を果たしている地域に関しては、大病院からの医師の派遣が不可欠ではないかと思います。
○小山分科会長
 今、研修制度が約10年たちまして、2年後の後期研修の動きが大分流れが変わってきているのです。どういうふうに変わってきているかというと、これはまた相川先生の意見を聞いてみなければわかりませんけれども、大学へ戻りつつあるのです。地域の病院が大分満たされてしまって、自分たちの行きたい病院が満たされてしまってというところがあるので、その先の研修となったときに、相川先生、そこら辺のことはいかがでしょうか。
○相川委員
 指名ですので、私の意見として、それから、医師臨床研修制度、年間の初期臨床研修制度の部会長をしていたときの経験から申し上げます。
 確かに医師の派遣を評価する、それによって、派遣を受ける病院の安定的な医師確保がうまくいくということは非常に大事なことだと思うのですが、傾向としましては、臨床研修制度ができる前は、先生方が御存じのように、大学のいわゆる医局というところに所属している医師が、医局の指示あるいは場合によってはその医局のトップである教授の指示などによって、一定期間、特定の病院へ医師を派遣する。それが派遣される病院の医師の確保にもつながり、かつまた、大学病院ではできない研修を派遣先の病院でできるということがあったわけです。
 しかしながら、この医師の派遣制度には別の問題が色々あったわけですね。つまり、大学によっても違うかもしれませんけれども、人事権がどうなのか。本人が希望しないところに行かされるような事例もありますので、やはり自分の職業、あるいは職場を選ぶ権利というものが、医局の指示などで侵されていた可能性もあったのではないかと私は思っています。
 臨床研修制度が導入されてから、特に研修病院のマッチングという方法ができてからは、少なくとも最初の2年間に関しましては、研修を受ける医師の考えがかなり尊重されるようになってきたと思います。その2年間にどこかの病院に派遣するというのは、これは研修病院群の組織の中で、協力型病院に組みいれてあればそこへ派遣できる。
 今のご提案は、主に初期研修終了後の医師あるいは卒業後10年程度までの医師を安定的に派遣できないかということでしょうが、これに関しましても、やはり職場を選ぶ自由・権利がだんだん尊重されるようになってきますと、II群の病院においても、あるいは大学病院においても、医師本人の考え方と派遣業務ということで人を派遣するということに関してはなかなか難しい問題があります。特に、派遣される医師の雇用条件とか年金とか、含めますと、厚労省のこれを制度として作り上げるには、いろいろな工夫をしていかなければいけないと思っております。
 ただ、やはり医師を確保するという意味で、現在、大学病院は以前と比べてはそれほどではないですけれども、ある程度の医師の派遣ということをやっているということは確かであります。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。お願いします。
○工藤委員
 前にこのII群病院の実績要件3のところで、高度な医療技術の実施、これは高い医療資源を使う、要求されると言いかえてもよろしいかと思うのですが、この要件3のa,b,cが、3つとも手術関係になっているということで、もちろん、外科手術を評価することを否定するものではないのですが、それだけでいいのだろうかということを、前に申し上げたことがございます。
 現在、内保連が取り組んでおりますのは、26の非常に負荷のかかる内科系の疾患、急性疾患を取り上げて、これをどのように実績要件3の中に落とし込めるかの検討を現在しております。
 まだ中間の段階でございますけれども、おおよそのことを申し上げますと、この26疾患全体でIII群とI群ときれいに分かれてまいります。今、行っておりますのは、26疾患の一つ一つがどれだけI群とIII群で分離できるかという検証をしておりますけれども、まとめられた段階では、ぜひこの場で御検討の機会をいただければと思っております。
 5月中にはまとまると思っておりますので、ぜひ御考慮をいただきたいということでございます。
 以上です。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 今、III群、II群の話で、II群になるにはみたいな話ですけれども、III群のあり方について何か問題があるかということをお聞きしたいと思いますが、樫村先生のところなどは、III群、II群、ここら辺の考え方はどうですか。
○樫村委員
 III群、II群の考え方は、現状の考え方で特に大きな問題はないと認識しています。
○小山分科会長
 今、先生のところは何群ですか。
○樫村委員
 今はII群です。特にこれで大きな問題はないように私は思っています。
○小山分科会長
 美原先生のところは、今、III群ですよね。どうですか。
○美原委員
 III群はかなり色々な病院が集まっていて、それが全て平均点で基礎点数をつけるのは、やはり合理的ではないように思われます。
○小山分科会長
 何とかしたほうがいいですか。
○美原委員
 何とかしたほうがいいと思っています。
○小山分科会長
 何か御意見ございますか。
○美原委員
 これにも書いてありますように、我々のアウトカムから調べた研究というか、そういうのをちょっと調査しましたけれども、中小規模で非常にある疾患に特化したものは効率性が高く、複雑性が高い。中くらいのものというのは、大きな病院でいろいろな総合的なことをやっている。
 それから、もう一つ、一番下の低機能の病院があって、これらはどちらかというと、余り積極的に急性期医療には入っていないのではないか。そういうようなものが全部一緒なのは、いかがなものかと思っています。
○小山分科会長
 貴重な御意見をありがとうございます。
 何かII群のほうがいいようなイメージをお持ちのようなのですけれども、実際の評価の仕方とすると、前々回のこのDPC評価分科会のほうで資料が出たとおり、平成30年度にもしIII群の病院が全てII群に移行したならば、調整係数はどうなるかといいますと、III群からII群に行って係数が上がる病院というのは、せいぜい11病院ぐらいしかなかったということを考えると、今、先生の言われたように、妥当ではないという考え方でいいのかどうか、そこら辺はどうですか。
○美原委員
 今、議論がI群、II群、III群と、III群の中の問題と、II群の問題というのがありますね。I群、II群、III群といったときに、I群は大学病院です、II群は大学病院に準ずる病院です。私は、それはそういう機能ですからオーケーだと思います。
 それで、III群の中に大学病院に準ずるような機能があるかもしれないと思っています。それは、やはりIII群からII群に上げられてしかるべきだろうと思います。
 つまり、私が思うのは、II群という明確な機能というのが、明確というか、大学病院に準ずるという機能があって、今、幾つかのII群の要件がありますが、先ほどからお話があったように簡単な手術をすると入らなくなってしまうとか、それはいかがなものかということは思います。
 一方、自分はIII群ですので、私がIII群のことを考えたときに、III群の中にはさまざまな病院があって、それの基礎点数が全部平均値であるというのは、いかがなものか。もちろん、それは機能評価係数IIで、ある程度多様性は評価されてはいますけれども、いかがなものかとは思います。
 例えば、データを見て言いますが、資料12ページの図4、各類型(専門病院等)と一日あたり包括範囲出来高実績点数で、III群のデータが、III群全体、がん専門病院、専門病院、その他の病院として出ております。こうしたときに、専門病院とその他の病院は違うではないか、ほとんど変わらないではないかという意見があるかもしれません。
 ただ、この専門病院という中には、脳疾患の専門病院もあるし、あるいは心臓の専門疾患もあるかもしれない。それらは、きっと高いと思うのですね。しかしながら、整形の疾患が専門であったり、眼科の疾患であったりすると、当然それは低くなってしまうので、この専門の分け方というのが、私はどういうふうに分けたかというと、アウトカムから分けたわけです。複雑性と効率性というアウトカムから分けて、これはそうではなくて、がんというのは、もともと非常に高額な医療費がかかるから、当然高くなるのは当たり前であって、専門病院の中にも外れ値があるように、非常に高くなるものがあって、このような分け方が適切かどうかというと、疑問が残ると思います。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 池田委員、お願いします。
○池田委員 
 確認をさせていただきたいのですが、例えば図4は、今の御説明のようにも読めるのですが、患者数補正後と書いてありまして、ここはどういうような補正をされているのか、先ほども関連して説明いただいたかもしれないのですが、教えていただいてよろしいでしょうか。
○小山分科会長
 お願いします。
○小林補佐
 事務局でございます。
 患者数の補正でございますが、今までに何度か出させていただいている補正数と同じでございまして、1つの病院が全国平均と同じMDCの患者数を診たと仮定して、MDCごとの患者数のばらつきを全国平均に戻した場合に、どういうふうになるかというものを出させていただいているものでございます。
○池田委員
 そうすると、少なくとも診断群の違いというのは、一定程度補正されていると理解してよろしいわけですね。ただ、恐らくがんの専門病院であれば、一般の病院が診ている、同じ診断群のがんの患者さんよりも、より手のかかるといいますか、重度のものを診ている可能性があるわけで、それがこういった差に出ているという解釈もできるので、なかなか読み方が難しいと考えてよろしいでしょうか。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 藤森委員、どうぞ。
○藤森委員
 提案が2つあるのです。一つは、この名称がI群、II群、III群と何かランキングのように見えてしまう。これはやはりメンツの問題に引っかかってくるところが多分にあると思うので、ぜひ評価分科会の中で、もう少しわかりやすいといいましょうか、なじみやすい名称を考えていかれて、メンツの問題にしないようなものにする。基本的には、大学病院に準じる機能を持っているか持たないかの二分であるはずのものであって、むしろ大学病院に準じないようなタイプの医療をやりたいという部分もあると思うのですよね。ですから、むしろそういうような形で、まず名称をぜひ御検討をいただければ、余りぴりぴりしなくなるのかな。
○小山分科会長
 イロハだっておかしいし、ABCでもおかしい。
○藤森委員
 そこを何とか知恵を出していただいてというのが、まずは一つでございます。
 もう一つは、この基礎係数というのが、調整係数を何とか無難に消してしていこうという中で出てきたものであって、別に決して医療機関の序列を見るものではないはずなのですよね。
 ですから、逆に今後、機能評価係数IIが拡大してくれば、合わせたもので、いわゆるIII群のほうが、II群にいるよりもハッピーな場合も当然出てくるだろうと思います。
 そうであれば、II群という言葉は嫌いですけれども、むしろいわゆるII群の病院だけれども、私はIII群でいいよという病院があってもいいと思う。そこは手挙げで、基準がありますから逆はないにしても、クリアしているのだけれども、いやいや、こっちでいいんだよという病院があってもいいと思うので、そういう検討をぜひお願いできればと思います。
そうすると、余りII群、III群みたいな議論がなくなってくるのかなと思うのですけれども。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 名称は大分いろいろ苦労したのですけれども、結局こうなってしまいました。わかりました。
 渡辺委員、事務等のほうから見て、どうですか。
○渡辺委員
 ありがとうございます。
 私もこの実績要件3のところについてです。先ほど御意見がありましたように、高度な医療技術の実施が大学病院に準じるということであれば、大学病院にも内科はありますので、手術だけでなく、そういったバランスを少し拡大することがよいのではないかと思います。
○小山分科会長
 今、III群のあり方について何か特段不都合が、不都合という言い方はおかしいが、何か御意見はございますか。
○渡辺委員
 不都合という意味ではないとは思いますけれども、この要件のところは整理する必要があると思います。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 竹井委員、仕組みをつくっている立場とすると、どうですか。
○竹井委員
 特にI群、II群、III群のところは、システム的には各病院の設定値を設定すれば対応はできますので、その辺の条件を変えるですとか、あとは区分体系を少し変えるとか、そういったところはシステム的には余り影響はしませんから、実態に合った形でシステムをつくれればいいかなと思います。
○小山分科会長
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 三上委員、お願いします。
○三上委員
 この基礎係数というのは、もともと調整係数を機能評価係数IIに置き換えていく、調整係数を担保するということで、機能評価係数IIに置き換えるというのに置き換え切れない部分を、機能を見ながら群に分けていくということです。調整係数というのは、もともと診療密度、出来高対応でのばらつきに対応した個々の医療機関の部分だったわけです。
 もともとDPCの包括部分があって、それをまたされにグループにして包括にしてしまうと、2段階の包括の部分だということなので、当然その包括の中ではばらつきが出てくるのだろう。美原先生のところのような専門病院は、非常に調整係数では高いけれども、III群に入れば基礎係数としては低目になってしまうということは、当然起こるのだろうと思います。
 でも、そういうことは包括の中では当然あるわけで、ここに書いてある、例えば5ページにありますような、III群の中には、専門病院と、中程度の地域の中核病院と、効率性、複雑性が低い小さな病院というのがあるということです。特に小さな病院については、内科系の病院が多いのではないかと思いますし、その分、地域に密着したという良い部分もあるわけで、そういったことは評価されているということが、逆に言えば、いいことなのだろうと思います。
 それともう一つは、4ページの○3機能評価係数IIについての、最初の○の1)と2)のところに、全DPC対象病院が目指す望ましい医療の実現でありますとか、あるいは社会や地域の実情に応じて求められている機能の実現というのは、これは当然出来高でやっている病院でも目指すべきものがあり、社会や地域の実情に応じて機能を発揮するということなので、DPCの病院がどうなのか、出来高の病院がどうなのかという議論は、この機能評価係数IIのところではおかしいのではないかと思っています。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 今、話が機能評価係数IIのほうにも行ってしまいましたけれども、構いませんので、基礎係数と群分けのこと、機能評価係数IIのこと、両方についての御意見でよろしいですので、よろしくお願いします。
○三上委員
 最終的には、私はII群はさらに細かく分けることには逆に反対で、もともとII群とIII群を分けるときにも、一緒のほうがいいのではないか。II群とIII群を分けることによって、また問題が起こるのではないかということを言いましたけれども、III群をまた4群、5群と分けると、さらにまた大きな問題が出てくるとは思います。
○小山分科会長
 ほかにいかがでしょうか。金田委員、どうぞ。
○金田委員
 金田です。最後のページの上の図5です。
 先ほど美原委員から地域の病院の話が出ましたけれども、200床未満と500床以上に分かれていますけれども、これはやはりバックグラウンドの評価はこの中には出てこないのですよね。
 要するに、人口密度の高い都市圏に公的病院は歴史上できてきただろうし、地方の人口密度の低いところは、医療法人を初めとする民間病院とか自治体病院が担ってきた現実がある。地域に大病院がない中小病院では、人口密度の低い広域なところを多様な患者さんを受けているために、200床未満がこれだけばらつきがあるので、それは決して機能が低いというよりも、そこの地域に適合した役割を果たそうとしている形ではないかと思います。
 III群を分けることに関しては、私は、分けないほうがいいのではないかと考えます。
○小山分科会長
 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
 緒方委員は、これはどういうふうにご覧になっていますか。
○緒方委員
 私も、やはりある程度のばらつきが一つの群の中にあるのはしようがないと思うのですね。ただ、そのばらつきをどう評価体系に生かすかというところが問題で、群そのものをいじることがばらつきを補正することにはならないと思いますので、評価係数とかで考慮していくというのが正当だと思います。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 河野委員、お願いします。
○河野委員
 3月まではI群にいて、今はIII群の病院に移ったものですから、その目で見ていますと、やはりI群とIII群というのは明らかに違う。今、千葉県の中でIII群の病院間の違いなどを解析しようということを考えてはいるのですが、II群とIII群というのは役割とか機能が結構連続性がある感じがするのですね。
 だから、確かに先ほどからお話に出ていますけれども、II群とIII群をぱっと分けているには少し違和感を感じています。III群をさらに分けるということになると、その連続性をどこで切るのかというのは極めて難しくなって、それはそのばらつきの中で取り組むべきことでありますので、やはりIII群をさらに分けるというのは反対です。
○小山分科会長
 貴重な意見をありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。工藤委員、どうぞ。
○工藤委員
 基礎係数のI、II、III群に分けるということと、機能評価係数IIのあり方というのは、私はリンクしているのではないかと思うのですね。
 結論的に言うと、やはりI、II、III群の基礎係数の配分そのものが、1対2対4ぐらい、非常に大きいですよね。
 一方で機能評価係数IIを見ますと、全ての病院が現行の項目を目指す方向で推進していくのがいいのかどうか。やはり専門病院は専門病院を貫くべき、それでいいのではないか。あるいは、がん専門病院はがん専門病院としてどんどんやっていけばいい。ただ、それが基礎係数IIの中で、きちっとした配分がされているか、むしろそこに問題があるのではないかと思うのです。
 前にどなたか委員がおっしゃったと思うのですけれども、たった2%しか機能評価係数IIには配分されていないよという御意見があったと思いますけれども、その辺のバランスの問題があるのではないかと思います。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 先生、ただ、30年にはこの4倍になりますから、8~10%ぐらい、最終的にはそこに影響が出てくるということです。
○工藤委員
 最終的にはそうですね。ただ、比率そのものが1対2対4というのは、それは変わりませんね。
○小山分科会長 
 あれはエビデンスです。データをベースにして割り算して出した数字ですから、そこは何とも言いようがないのではないのですか。鉛筆をなめるわけにはいかないというところだと思うのですけれどもね。
 ほかはいかがでしょうか。川上委員はどうですか。薬剤部から見て、余り大きな影響はないという感じですか。
○川上委員
 薬剤関連には余り大きな影響はないとは思いますけれども、今回の資料を拝見して、自分はI群の病院に所属しているのでIII群には改めて色々な病院があるのだということがわかりました。
 例えば、資料D-1、10ページの図3を見ても、がん専門病院、専門病院、その他の病院とありまして、その他の病院になっている中にも、地域の中で中核的な役割を担っている病院とそうでない病院が多分同じ緑に入っているので、III群を分けるかどうかの議論とは別にして、III群にどういう病院が含まれているのかということをこういう形で図示していただくということは、理解が深まってよかったなと感じております。
○小山分科会長
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 国立病院を代表しまして、伊藤先生、どうですか。
○伊藤委員
 
 同じぐらいの規模の国立病院で、II群とIII群に分かれている病院があって、どこに違いがあるのかと内部で分析をいたしますと、外科のスーパードクターがいるところはII群になっていて、いないところはIII群のままという状況でございました。そういう意味では、外科系の実績に大変引っ張られる。
 それから、東京などのように、スーパードクターが多いところでは、なかなかII群になるのが大変というのが実態としてわかっております。
 このデータを見せていただく限りにおいて、III群では病床数で多少カーブがつくような気はしますけれども、350床以上のところに関してはほぼ変わりがないようなので、分けるのはむずかしいのではないか。
 あと、専門病院と専門病院以外のものをどういう分け方をするのかわかりませんけれども、このばらつきを見ると、III群の中で群分けをするというのは難しいのではないかと思いました。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 大体御意見はおうかがいをしたと思いますが、一応III群の議論は、感じとしては、これをさらに細かく分けるということに対しては、余り賛成の意見がなかったと考えておりますけれども、これで結論を出すわけではなくて、今回はこのあり方についての議論だけをさせていただいたということにとめたいと思います。
 この議題1の「医療機関群III群のあり方について」ということで、ほかによろしいでしょうか。お願いします。
○小林補佐
 御議論、ありがとうございます。
 1点だけ、本日いただいた御意見の中で、II群の実績の要件の内容について幾つか御意見をいただいたところでございます。各病院とも来年度III群になるのかII群になるのかということで、いろいろ調整を行っているところでございますが、現時点でこのII群の要件の内容について変えるということは難しいかなと思ってございますが、ほかのところで評価するのか、それとも、今後この要件を変えておくべきなのかということについて、御意見をいただいたということで、御理解させていただければと思います。
○小山分科会長
 それでよろしいと思います。
 では、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは、議題の2に移りたいと思います。次は「重症度を考慮した評価手法(CCPマトリックス)について(案)」を議題としたいと思います。
 まず、事務局より御説明をお願いいたします。
○小林補佐
 事務局でございます。
 それでは、資料D-2をごらんください。「重症度を考慮した評価手法(CCPマトリックス)について(案)」ということでございます。
 まず、1ポツの背景について御説明をさせていただければと思います。
 最新の診療実態や技術革新などがどんどん進んでおる中で、現在の医療資源必要度を正確に反映させるべく、診療報酬改定時にDPC(診断群分類)の見直しを実施しているところでございます。
 現行のツリー図と定義のテーブルを用いる評価方法の場合、DPCの精緻化を進めるためにはどんどんツリーを細かくしていく必要がございまして、新たな分岐を作成しておるところでございます。しかし、現行の方法を続けますと、支払分類数が細分化し過ぎる可能性があると考えております。
 参考までに、平成15年度からDPCの総数また包括対象のDPC数について経緯を示しておりますが、次第にふえてきている現状があります。
 こうした背景を踏まえまして、現在、厚生労働省研究班(伏見班)におきまして、重症度等による医療資源必要度の違いの正確な反映、また支払分類数のコントロールの両立を可能とするために、新たな評価手法、CCPマトリックスと呼ばせていただいておりますが、これについて検討が行われているという背景がございます。
 以上です。
○小山分科会長
 ということでもって、その後の松田委員提供資料がございますので、この説明を藤森委員にしていただきます。お願いいたします。
○藤森委員
 ありがとうございます。
 本日は、松田委員が所用で欠席でございますので、北大の藤森がかわりまして説明させていただきます。資料の松田委員提出資料というものでございます。
 まず、CCPマトリックス、これは今回初めて内容に関して詳しく御説明をしますので、少しゆっくりわかりやすく説明をしていきたいなと考えております。
 まず、このCCPとは何ぞやということで、実はどこにも略語が書かれていないのでわかりにくいかと思いますが、まず最初のCは「Comorbidity」ということで、併存症のことでございます。次のCが「Complication」ということで、合併症ということです。最後は「Procedure」ということで、医療行為全般という形になります。ですから、DPC的に言えば、入院時の併存症と入院後の続発症、そして、行われた医療行為を勘案して分類を精緻化していきたい、そういうことでございます。
 公式には「診断群分類を用いた急性期医療、亜急性期医療、外来医療の評価手法開発に関する研究」、これは東京医科歯科大学の伏見先生が主任研究者をされている、いわゆる伏見班と呼ばれるところで、ここ数年来、検討しているものでございます。私もその分担でございます。
 ということで、「Comorbidity Complication Procedure」マトリックスの説明をします。
 では、スライドの2番目でございます。背景としましては、その暫定調整係数がどんどん減っていくという中で、一層分類の精緻化を、特に支払いベースで見たときの精緻化をしていかないと、中の差が広がってしまうということもございますので、まず、もっと分類を精緻化していきたいということでございます。
 ですから、この調整係数の中には、病院の機能の違いというものもあったわけですが、実際には、その中でさらに同一のDPCの中でも、医療機関ごとのケースミックスあるいはその中身の違いというものもあっただろうということで、もう少し分類を精緻化することによって、そのぶれをなくしていきたいという形で考えられているものであります。
 ここに肺炎の例も書いていますが、肺炎も、今、割と分類が雑駁な部分もございますので、もう少し精緻化していきたい。
 ただ、今の日本のDPCは、PDPSという形で1日定額支払いになっていますので、その在院日数の違いが結構うまくバッファーができているところもございますので、そこがあるということはぜひ認識をしていただきたいと思います。
 2018年度、調整係数の廃止に向け、より正確に医療資源必要量を反映させるためのDPC分類のさらなる精緻化を行っていきたい、そういうことでございます。
 めくっていただきまして、3ページ目、現状はこれが多分皆さんは一番なじみがあろうかと思いますけれども、いわゆる樹形図という形で、どんどん右に行くほど細分化されるような形になって分類がつくられております。
 これは、現在2,927の分類で日本の全ての疾患をカバーしておる。その中で包括支払いになっているのは2,241という形になりますが、これをさらに精緻化していくと、分類が恐らく爆発的にふえてくるだろうということになりますと、これはもう分類とは言えなくなってくるようなことが、今後、行われてきますし、これはどうしても樹形図ですので、右に行くほど細かくなるのですが、幾つかのものは支払い上は同等なものも中にはあるだろうということがあるわけです。
 ですから、何とかこの細かい分類を、少し支払いの意味でも、まとまりがいいものはまとめてしまいたいということもございます。
 なぜ今この分岐がふえていくかというと、現状の一つの課題でもあるのですけれども、例えば、もし処置2に0~4までの5項目を用意すると、その同じ群の中の、例えば手術ありで5項目あると、手術なしでもどうしても5個用意しなくてはいけないという、そういう現状の課題があって、そこで数が変えられないのですね。
 ですから、片やで化学療法でどんどん分岐をふやして、例えば0~9まであるような、9分割をしてしまうと、手術ありのほうでも9分類用意しなくてはいけないということですと、爆発的に分類がふえてしまうというのが、今の樹形図状の課題であります。
 でも、これを何とかクリアしていきたいということで、次、4ページ目「CCPマトリックスとは」何かということで、手術処置と副傷病等の組み合わせに基づいて、この「等」が大事なのですけれども、医療資源必要度の分類をし直すということで、いわゆる樹形図、ツリー図の構造にとらわれずに医療資源の必要度が類似したものをグルーピングしていこうと、ここは一つの例としまして、縦軸に手術・処置等2、横軸に副傷病等という形ということになっています。
 ということで、実際それぞれ仮に3区分ずつあるとすると、3×3で9の区分ができるわけですけれども、その中を医療資源のリソースの類似性あるいは在院日数の類似性から見て、いわゆるリソースが高、中、低の形で3分類に直してしまおうという形になります。
 ですから、この手法を使いますと、細分類として100、200となったとしても、支払い上はある程度の数で抑えることができるだろうという形になります。ここは、手術処置と副傷病等という2軸ですけれども、技術的には副傷病、手術1、手術2とかいったら、3軸あるいは4軸といった形でマトリックスを含むことも不可能ではないという形になります。
 こういう形でマトリックス、ComorbidityとComplicationとProcedureでマトリックスをつくっていき、そこの中を数学的にグルーピングをしていくという形になろうかということでございます。これが、CCPマトリックスの考え方です。
 めくっていただいて、5ページ目です。
 実際どういうふうに作るかということですけれども、まず、このDPCの現在分岐条件になっているものをもう一回再整理する必要があります。そこで、さらに網羅的に項目を拾い上げて、もし現状で落ちているものがあればそれも整理し、かつ臨床的に類似しているものは、その中でさらにグルーピングをかけていくということが必要であります。
 副傷病もたくさんありますけれども、副傷病の中でも臨床的には、リソースの面でも患者さんのコントロールの面でも、類似のものは一つの副傷病のグループとしてつくっていくというような形で、まず、その分類を整理いたします。
 次に例えが書いてありますけれども、現在の樹形図を用いたDPC分類のつくり方は、木になったままのリンゴを最終的に選別しようとしているのに対して、CCPマトリックスは、でき上がって刈り取った後のリンゴをもう一回細分化してみようという形です。わかりやすいかどうかわかりませんが、そういう形の例えがございます。
 そうすることによりまして、分類数の項目をふやしていって、何千、何万となりましても最終的にはコントロールをして、二千数百ぐらいの支払いの分類に落とし込むことができるだろうという形になります。
 ただ、そのためにはいろいろな作業をしていかなければいけないということで、スライドの6枚目でございます。
 まず、分類条件をもう一度再整理をしよう、いわゆるDPCの定義表をもう一回クリーニングしようという形になりますが、まず、医療資源の必要度を反映するような、医療行為あるいは傷病を全てもう一回再整理をしてみるということが必要ですし、それらはDPCデータから得られなければいけないという形になります。ですから、当然、今の傷病名の情報の精度の向上ということをもう一回図らなければいけないですし、様式1にもし足りない項目があれば、これは少し加えていかなければいけないという形になろうかなと思います。
 あるいは、これは現行でもそうなのですが、その医療行為をやったことによって点数が高くなるような、いわゆる過剰な診療行為を誘発するようなものはあってはいけないということですし、あるいは、こちらのほうが金額が高いからこちらをやってしまいましょうみたいな、治療の手技の選択に影響を与えてもいけないだろうという形になります。
 当然、実際にそのカルテなり医療行為なりを確認するという、auditの整備を一緒にしていかないといけないということで、こういったことを段階的にやっていかなければいけないというものが、まずあります。
 めくっていただきまして、7ページ目になりますが、では、今までの樹形図はどうなるのかということも、検討していかなければいけません。今の樹形図というのは、MDCが18分類あって、下にさらに4桁で合わせて6桁のDPCの分類がございます。そして、全部で10桁目までが手術なのですけれども、そこまでの分類はある程度やはり残す必要があるのかもしれない。その後の手術・処置等1あるいは手術・処置等2、副傷病というところでこういうマトリックスを組んでいくという考え方もあろうかと思いますので、どの部分まで樹形図を残し、どの部分からマトリックスにするのかということを、これは多分DPCごとに違う可能性がありますけれども、そういう検討もしていかなければいけないと思います。
 今の樹形図は臨床医からすると、非常にわかりやすい部分もございますので、これをある程度踏襲をしていく必要があるだろうなと思います。
 その中でちょうど中間的なものが手術・処置等1なのですが、これをマトリックスの中に入れてしまったほうがいいのか、あるいは分類として樹形図として残したほうがいいのかということは、これはきっちり分離をして検討していかなければいけないのかなと思っております。
 8ページ目「CCPマトリックス構築の課題」、厳密に言いますとCCPマトリックス構築の前提となる課題と言わせていただいたほうがいいかもしれませんが、まず、手術、手術・処置等1、手術・処置等2、副傷病等の体系的な整理が必要。これは、DPCの定義表というものを、先生たちにぜひごらんになっていただきたいなと思うのですが、たまたまこのバインダーの中に一部の抜粋がございますので、見ていただければいいと思います。
 平成23年度の12月14日のD-2という資料の3ページ目に、(3)DPC構造上の整理をしましたという図がございます。
 例えば手術のところを見ていただくと、手術の分岐の中で、手術なし、その他の手術あり、そして、経皮的カテーテル心筋焼却術というのがあります。それで、対応コードという形で99,97,01と書いてある。これが今の支払い分類で使っているところの2桁のコードになるのですが、その1つ右にフラグというものがございまして、99,02,03,03とかと書いてある。これが実際の臨床分類なのですね。
 ですから、この臨床分類をもう少し、もう一回ここを精緻化していただいて、本当に似ているものは同じフラグにし、臨床的に違う医療行為は違うフラグにして、できれば若干の序列をつけていただく。これを今度MDC別の研究班の中でやっていただくという形になろうかと思いますけれども、この見直しを今後全ての手術、処置にやっていくという、そういうことでございます。
 ですから、ここはできないとCCPマトリックスができないので、この整理を今やる。今までここを少し、支払いの分類を減らそうとして、コードのほうを使ってきたわけですけれども、これを今度はフラグのほうを使っていくような、そんなイメージで作業をしていくという形になろうかなと思います。
 ただ、DPCごとに本当に見なければいけない手術、本当に見なければいけない処置というものをもう一度再定義していただくという形になろうかなと思います。ですから、当然、もしかするとこのいわゆる「その他の手術」などというものはなくなってくるのかもしれないですね。かえってそれが悪影響があるかもしれませんので、そういったものも見直していくという形になろうかなと思います。
 ということで戻りますが、MDC横断的に統一されたコード体系というものをつくっていったほうがいいのかなということで、例えば、手術・処置等2に関しましては、リハビリテーション、中心静脈栄養、人工呼吸、血液浄化療法等々という形で、ちゃんとカテゴリーをつくって、できれば、これをある程度一つのMDCの中では統一的に使っていくような、そんなようなことももしできればいいのかなと思います。場合によっては、例えば子宮がんと卵巣がんのように、疾患は違うのだけれども、同じ化学療法のレジメンでやるというものもありますから、そういったものは場合によっては少し疾患横断的につくっていく必要もあるかもしれませんけれども、そういったものも含めまして、この定義表の見直しとコード体系のグルーピングのまとめ方に関して、今後、MDC別の研究班の中できっちり議論をしていっていただきたいなと考えております。
 副傷病も全く同様でございまして、現在、実際、副傷病として見ていないものはなかなか様式1には書かないということもございますけれども、それはきっちり書いていただき、統計的、臨床的に一定のルールで副傷病をグルーピングしていくという作業もしていかなければいけない形になります。ということで、こういうことを今後やっていく。臨床的な同等性が一番大事ですけれども、プラスアルファ、支払いとしての類似性というものも担保しながらグルーピングをつくっていくという形になろうかなと思います。
 9ページ目です。実際の作業、数学的な手法はまだこれからの検討の段階のものに今はなりますけれども、在院日数と包括範囲の診療点数の類似性及び臨床的な類似性から、クラスタ分類等々の統計的な手法を使ってグルーピングをしていくという形になります。当然、それぞれの群で何症例ぐらいをミニマムとするのか、どれぐらいの揺らぎを許すのかということも一緒に考えながら、グループをつくっていくという作業になっていこうかなと思います。
 10ページ目、これはあくまでも(案)でございますけれども、今後の精緻化の作業の流れ図ということです。この評価分科会の下部組織としてMDC別研究班という、以前のMDC別班長会議でございますので、その中で定義表の先ほど申し上げたような精緻化を検討していただき、コード体系の整備と分類項目の整理と追加とグルーピングということをやっていただきます。
 そして、医療課のほうで、我々研究班も協力しますが、統計的処理によってこのマトリックスを作っていただき、最終的にそのマトリックスのまとめ方、データ等がどうかということを、もう一度MDC別研究班のほうに振って最終的な形に持っていくという流れを、今、検討しているところでございます。
 めくっていただきまして結果となりますけれども、11ページのような形で、これは樹形図をそのまま踏襲していますけれども、例えば、現在のこの分類0001から分類5000と書いてあるような分類が、マトリックスに直しますと、飛び飛びですけれども、同じ分類が何回か出てくるみたいな、こんなような形でまとまっていって、最終的には2,000~2,500ぐらいの分類になっていく。できれば、これを樹形図という考え方を頭の中から消していただいたほうが、本当はいいのかもしれないですけれども、もし樹形図的に書くのであれば、こういう形になろうかなと思います。
 12ページ、ということで、一層今まで以上に様式1の作成等々が大事になってきます。例えば、副傷病はとても大事です。副傷病によってリソースが当然変わってきますので、医療資源の投入に影響のあるような副傷病をきっちりと書いていき、かつグルーピングを同等性のあるものをきっちりやっていくという形になろうかとは思います。それが当然、複雑性係数のほうにもきいてくるという形になってくると思います。
 ですから、様式1のいろいろな調査項目になっているものもございますけれども、いろんなスコア等々も、肺炎の重症度等々の評価もきちっとやっていただくという形になります。
 当然、アップコーディング等々がないように、実際のコーディングとカルテの中身あるいは退院時サマリーの中身と整合性があるということが大事になってきますので、auditに耐えるような記録とコーディングを各医療機関は意識していただくということが、大事になってこようかなと思います。
 最後13ページ目ですが、これは日本独自のことかといいますと、諸外国にも先行事例がございまして、これはAPR-DRGという米国で開発されているもので、All Patient Refined DRGと言われるものでございますけれども、日本とはちょっと違いまして、基本的にはいわゆる技術的なものが先にあって、その後で傷病がついてくるようなのがDRG的な分類です。
 最後に、この資源消費に基づいて4段階のCCあるいは死亡危険度に基づいて4段階のCC、これはいわゆるCommodityとComplicationですけれども、それぞれ分類をしまして、医療資源と死亡確率をそれぞれ分けまして、Very severe, Severe, Moderate, Mildの4分類、4掛ける4の16段階で分類をして支払の精緻化に使っているという先行事例がございます。
 これにプラスアルファ医療行為が入ってきますので、多分日本のほうがより精緻化が進むと思うのですけれども、そういうような形で先行事例がございますので、これに倣いながら分類の精緻化をしつつ、かつ支払いとしては2,500程度の分類におさめることができるかどうかということを、今、検討しているところです。
 以上でございます。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 では、引き続きましてCCPマトリックスにかかわる今後の対応につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○小林補佐 
 事務局でございます。
 それでは、資料のD-2にお戻りください。2ポツのCCPマトリックスにかかる今後の対応についてということで、案を書かせていただいております。
 現行のツリー図及び定義テーブルを用いた評価手法からのCCPマトリックスへの移行につきましては、現在現場で運用されておりますシステムの仕様への対応、償還価格の決定のために必要なデータについての収集期間が必要であるということ、また、先ほどプレゼンをいただきました資料にもありますとおり、CCPマトリックスの中でも幾つか課題がございますので、そういった課題へ対応していく必要性があるということから、直ちにCCPマトリックスについて全面的に導入するということについては困難であろうかと思っておりますけれども、引き続きDPC分科会で課題として、引き続き検討していただければと思っておるところでございます。
 また、CCPマトリックスの導入を検討するに当たりまして、今年度のDPC検討ワーキンググループ(MDC班会議)でございますが、こちらにおいても、診断群分類の検討や様式1に関連する課題等の整理を行うこととしてはどうかと考えております。
 以上でございます。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 今回初めてCCPマトリックスというものがどんなものかという御説明をいただいたのですけれども、何となくわかったようなわからないような、リンゴの話が出てくるとまたこんがらがってしまったような感じがするのですけれども、御質問あるいは御意見がありましたら、お願いいたします。
○池田委員
 この新しい評価手法の導入によりまして、重症度等さまざまな異なる患者像が、1つの診断群の中で評価されているというものが、医療資源の必要度の違いによってより精緻に分類をすることができるということで、先ほど前半のほうでいろいろ議論がありました、例えば、病院によっても同じ診断群でも違う重症度あるいは手のかかり方の違う患者さんが受診されて、それが医療資源消費量の違いに影響があるのではないかというような部分については、一定程度この新しい評価手法で解決できる可能性もあると私は考えますので、大変有望なものではないかと思っております。
 その上で1点、かねてからこの樹形図のときにもやや私自身が疑問に思っておりましたのが、例えば、先ほどの松田委員提供資料の7ページのところに、樹形図構造を残す、これもCCPマトリックスの中で可能であるということで、特に傷病名分類と手術に関する分類は臨床的に意味が大きいので、これは踏襲してはどうかという提案であるわけであります。
 現在、輸血に関して、これは手術ありのほうに必ず分類する形になっていて、私も医療者の端くれでありますが、これがちょっと臨床的に違和感がありますし、さらに医療資源消費の観点から見ても、他の手術ありの病態とはやや一線があるようにも思います。このCCPマトリックスの構築に際しては、輸血は恐らく手術ありのほうではなくて、手術・処置等の中で評価をするのが適切ではないかと考えておりますし、場合によっては、現状の樹形図でもそのように変えていくということも、一つ検討していただけるといいかなと考えております。
 以上です。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがですか。伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員
大変おもしろいと思ってはいるのですけれども、これは点数と一緒に入院期間のIとかIIとかというような樹形図がついている代物で、それを無視して例えば3つに分類ができる代物なのでしょうか。トータルとして、高に分類されたところが、入院期間のIというのは、一般的には長くなったりとか、そういう意味でここによる低、中、高というのはどうなのかというのと、もう一点引っかかるのはこの重症度というのと本当にリンクする代物なのかどうなのかというのは、研究班の中での見解を伺いたいなと思っております。
○小山分科会長
 藤森委員、いかがですか。
○藤森委員
 これは研究班で議論をしているところですけれども、実際、このAPR-DRGのように1入院というものが決まっていて、その中でのリソースということであれば、これはかなり単純化で計算ができるのだろうなと考えております。ただ、日本のDPCのPDPSの場合は、そこにさらに日にちという概念が入ってきますので、そういう意味では、変数が1つ多くなっている形になりますので、これはなかなか難しいのだろうなという感じはしております。
 ただ、恐らく在院日数と医療資源と両方あわせて類似性のあるものというもののグルーピングということは、全部ではないにしても、できるだろうなとは私は考えてはおりますので、II以下の小さなところがどういうふうに設定されるかというのは、わからない部分もございますけれども、それもあわせ込んだ上での分析をしていって、集計をしていってグルーピングをつくっていきたいと考えております。
 ですから、当然在院日数も似ているし、医療資源投入度も似ているという形でのグルーピング、マトリックスという形になろうかなと思っています。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 相川委員、どうぞ。
○相川委員
 私もこのCCPマトリックスに大変興味のあるところで、今までだと分類が5つになったのを3つになりそうかは、例でもわかるのですけれども、具体的なところを教えていただきたいのです。
 私が理解していないのかもしれませんけれども、4ページの下の図に例が示されていますね。これはコンプリケーションというのは、恐らく尿路感染症をコンプリケーションとして例示したのだと思うのですけれども、日本の場合には、パーディアム・ペイメントになっていますよね。そうすると、例えば手術して3日間肺炎になった。あとはずっと肺炎は治ってしまったという場合でも、一度でも肺炎になればパーディアムでずっとこの点数でいくのですか。コンプリケーションに関して。肺炎がずっと続いている場合も、例えばコンプリケーションが7日間続いている場合、でも1日だけ肺炎になったというようなことでも、ずっと同じ点数が続いてしまうわけですか。
○藤森委員
 現状のDPCの場合は、1日でも副傷病が発症すれば、副傷病ありで見ていく。現状はそうなのですね。ただ、次にこれをやるときは、いわゆる疾病のグルーピングをしますので、そのグルーピングの中で例えば何日以上あったものをそのグループに入れるとかという、そこは技術的に可能と考えてはいます。ですから、そこもMDC別のワーキングの中で、同じ疾患でも当然Severityの違いは在院日数であると思うのですけれども、何日ぐらいまで副傷病があれば、副傷病ありにしようねという形のものは入っていく可能性はあるだろうなとは思っております。
 ただ、きょうこの現在では、1日でもあれば「あり」という形にはなっているということもあります。
○相川委員
 考え方としてはね。
○小山分科会長
 ありがとうございました。
 樫村委員、お願いします。
○樫村委員
 副傷病名、情報が非常に重要だということなのですけれども、現在、支払いに影響しない副傷病名というのは、そんなに書かれていないのではないかという印象があるのですが、どの程度これは書かれていて、その状況でこれが精緻化されていくということに対して、問題がないのかどうかというのは心配になったのですけれども、どうでしょうか。
○小山分科会長
 どうですか。
○藤森委員 
 我々もそこの集計をまだしたことがなくて、現状のいわゆる定義表の中にある副傷病の書かれている率あるいはそれ以外が書かれている率というのは、データはあるから集計はできるのですけれども、まだやったことがないので、それも含めて分析しながらやっていこうと考えております。
○小山分科会長
 どうぞ。
○樫村委員
 もう一つ、これがうまくできると、恐らく今ある医療機関のばらつきというのが、ある程度収束するというか、補正されるというのですけれども、状況としては、予想でいいのですけれども、どのぐらいそれが収束されるか、相当有用に働くと見ていますか。
○藤森委員
 有用にしたいなと思って頑張っているところでございます。
○小山分科会長
 それはそうですよね。
○樫村委員
 これといわゆる機能評価係数IIが連動していくと、今のばらつきというのが相当な形で収束していって、ある一定の範囲内に落ち着くという可能性が出てくるのではないかと思って、期待しているかなと思うのです。
○小山分科会長
 それが、この導入の一番大きな目的でもあるわけですからね。
 三上委員、どうぞ。
○三上委員
 今のCCPマトリックスというのは、基本的には医療資源の必要度が類似したグループをまとめていくということですが、重症度にあわせてまとめるのか、あるいは出来高点数が似ているグループをまとめていくということだろうと思うのですけれども、まず、言葉の使い方が、重症度というのと医療密度というのと出来高点数というのと医療資源の必要度というのが、どのように使い分けておられるのかわかりにくいのです。
 先ほど相川委員がおっしゃったように、例えば肺炎を合併した場合でも、1日の場合と1週間連続で治療した場合とで、出来高であればかなり違ってくるのですけれども、グルーピングすれば1つのグループという形になりますので、その辺で病態に応じた、あるいは重症度に応じた精緻化というのが、この方法でできるのかどうかという点について、わかりにくいので説明していただきたいなと思います。
○小山分科会長
 藤森委員、お願いします。
○藤森委員
 例えば、肺炎に関しましては、現在でも様式1の中に「市中肺炎の重症度」という項目がございます。ですから、当然重症度が決まってくると、大体予想される肺炎の部分の治療日数等々が決まってくるのだろうなと考えれば、肺炎を1つで持ってくるのではなくて、肺炎の中の重症度1、2、3という形で分けていくというようなことも可能だろうなとは思います。
 そういう意味で、様式1の中でもう少し必要な情報があれば、これはやはり入れていかなければいけないということでございます。
○小山分科会長
 どうでしょうか。ほかにいかがですか。
 金田委員、お願いします。
○金田委員
 金田です。
 松田委員提供資料の13の参考のところに、諸外国の動向としてAPR-DRG、アメリカの例を示していただきました。ここの左の説明に、従来のDRGが重症度を十分反映していないということで、その批判に対して副傷病の組み合わせで重症度を評価する方法を採用したとあります。これでどういうふうに変化があったか、何か効果があったか、もし御存じなら教えていただければと思います。
○小山分科会長
 これを導入したことによって、精緻化ができたのかどうかということですね。
○藤森委員
 これは米国のある会社がつくっている商品なのですね。日本とは違いまして、商品としてAPR-DRGというのは導入されていて、当然その中にはいいことがたくさん書いてあります。
 実際に私自身、これでどれだけの精緻化ができているかというペーパーはまだ見たことはありませんけれども、ただ、その会社はこれを今かなり精力的にあちらこちらで導入を図っていますので、今まで重症度が支払いに十分反映されていなかったという反省はあるのだろうなとは思います。そういう意味で、いわゆる医療資源と死亡危険度というのを導入して、そこを精緻化しましたよというのが、今、一つのセールスポイントになっているということは伺っております。
○小山分科会長
 単純に考えれば、売れているということは、このアメリカの考え方をすれば、それだけ医療費を抑えられているということなのかもしれないですね。
 ほかにいかがでしょうか。緒方委員、お願いします。
○緒方委員
 方法論的なことをおうかがいしてよろしいでしょうか。ベーシックな話で恐縮です。
 一つは、マトリックスは今2次元、行と列になっていますけれども、3次元以上を考えているのでしょうか。
○藤森委員
 まず、現行で実際、その定義表の中では、手術・処置1、手術・処置2、副傷病という形、あるいは最後に重症度もあるのですけれども、ある意味、現在5項目あるのですね。ですから、最大5次元までは現行でもつくることはできるのですが、ただ、それが本当に妥当かどうかということが問題です。
 ただ、やはりある程度序列をつけなければいけないので、例えば処置1の向こうに処置2をつけた1つの軸ということもできるのかもしれませんけれども、それにしても臨床的な同等性と、ある程度の医療的に見て重たいものから軽いものへの序列をつくれるかどうかというところが、1つの出発点かなと思います。
 ただ、なるべく人間が理解できたほうがいいと思いますので、2次元以内でおさめられたらいいなと思ってはいるのです。
○緒方委員
 応用という観点から考えたら、次元数は少ないほうが多分わかりやすいと思いますが、方法論の理論的なことからいえば、何次元でも可能ということですね。
○藤森委員
 そうです。
○緒方委員
 わかりました。
 それからもう一つ、2番目は、スライドの5ページでCCPマトリックスの作成手順とあるのですが、その中に分類条件の数には制限がないけれども、支払いの分類数はある程度コントロールできるというのは、これはどういうロジックなのでしょうか。
○藤森委員
 実際、いわゆる臨床的な分類というのを先ほどの定義表のサンプルの中での、いわゆるフラグという部分、ですから、あれはなるべく臨床的な同等性のもので、かつ違うものは違うグループにしようということで、手術は01~99まで組めるような形で、無限ではないにしても、かなりのものがとれます。
 ただ、実際、それを全部組み合わせてつくると何万という分類になってしまいますので、支払いのときに実効性があって、かつ統計的に使えるのは、恐らく2,000分類から2,500分類だろうと考えていますので、そうした形でそこにおさめていきたいなということでございます。
○緒方委員
 それは、シミュレーションでそういう数が出ているということですか。
○藤森委員
そうです。
○緒方委員
 わかりました。ありがとうございました。
○小山分科会長
 井原委員、どうぞ。
○井原委員
 孤立されているので、藤森先生の味方をします。
 今の皆さんの御意見はそれぞれごもっともですけれども、私はやはり包括の限界というのがあると思います。現在のツリー図上でも、例えば、DICにせよ脳梗塞にせよ、1回だけ決められた注射を行っても2週間続けていても、評価は同じなのです。ですから、そういう現在の不公平感からすれば、もう少しより公平な形に近づけようという試みですので、皆さんからの御意見がきょうはたくさん出たので、それを参考にまたこれを練っていけば、よりいいものができるのではないかなと思います。
○小山分科会長
 まとめていただいたようなのですけれども、ここで私も1つ質問があるのです。疾患そのものの重症度とありますよね。それは導入することはできないのですか。
 例えば心筋梗塞の中にも、それこそ意識のないところからそうでないところまで、いろいろありますよね。あるいは脳梗塞だったらばラクナから全く意識がないというような、そこら辺の分類も入れるわけにはいかないのですか。
○藤森委員
 それは、今のDPCそのものがプロシージャーの中で吸収している部分なのです。同じ心筋梗塞、同じ脳梗塞でも行っているプロシージャーが違うということで、既にそこで分類ができているという形になります。
 あともう一つ、在院日数が違うだろうということで、在院日数の違いでも、そういう意味では二重に、今、既に吸収できている部分だろうと思います。
 だから、むしろ今できていないのは、副傷病のほうが全然できていないという部分もございますので、そことあと処置時のところですね。あそこは今、物すごく分類がふえていますので、あそこを何とかしたいということでございます。
○小山分科会長
 ほかはいかがでしょうか。
 竹井委員、どうぞ。
○竹井委員
 点数を決めるところは、今の樹形図というのは限界があって、こういったマトリックスを入れて細かく見る必要があるのだなというのはわかります。
 一番心配しているのは、これがどういった形で告示、通知されるかというのがどきどきしていまして、11ページを見ると、従来の樹形図にも当て込むことはできる。現在でも重症度は疾患コードによって細かく分かれていますので、その辺を変えればできるかなという気もしますし、一方、CCPマトリックスの考えを入れれば、もっと全然違うマトリックスなり点数表を出すこともできると思いますので、できればその辺の体系は早目に御議論いただければいいかなと思います。点数の決め方も大事なのですけれども、お願いいたします。
○小山分科会長
 毎度おなじみのお願いです。よろしくお願いします。
 話を聞いている限り、すぐというのはなかなか難しそうなので、もうちょっと時間に余裕があるのではないかと思いますけれども、最後は最後でいつものとおりだと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 渡辺委員、どうぞ。
○渡辺委員
 この手法はよろしいと思いますが、一つお願いとして、実際の実務上、この方法が開始された場合、例えば、医事システムが非常に複雑になるとか、システム変更に多額の費用がかかるとか、そのようなことがないようにぜひ考えていただきたいと思います。これは、病院経営の面では切実な問題になります。
○小山分科会長
 ある意味、竹井委員と同じあれですけれども、そういうことですよね。逆にそれを導入することによって複雑化してしまうのだとすると、考えなければならないところがありますしね。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、他の御質問は特にないようでしたら、本件にかかわる質疑はここで終了したいと思います。
 本日の議題は以上であります。大変寒い中、決して寒いから早く終わるわけではなくて、議論を尽くしたので、これで終わりにしたいと思いますけれども、次回の日程等について、事務局から御連絡がありましたら、お願いいたします。
○小林補佐
 事務局でございます。
 お寒い中、御議論いただきまして、まことにありがとうございました。
 次回の開催日程でございますが、現時点では未定でございます。日程等が決まりましたら改めて御連絡を差し上げます。よろしくお願いいたします。
○小山分科会長
 それでは、平成25年度第2回「DPC評価分科会」を終了させていただきます。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。

16:24閉会         


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課包括医療推進係

代表: 03-5253-1111(内線3289)

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