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2013年3月27日 第25回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会 議事概要

医政局研究開発振興課

○日時

平成25年3月27日(水)17:00~19:30


○場所

厚生労働省 12階 専用第13会議室


○出席者

(委員)

永井委員長 青木委員 位田委員 梅澤委員 春日井委員
貴志委員 木下委員 小島委員 高橋委員 竹内委員
戸口田委員 中畑委員 中村委員 前川委員 松山委員
水澤委員 湊口委員 山口委員 山中委員 小澤委員
島田委員

(事務局)

厚生労働省医政局研究開発振興課

○議事

議事概要

 すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた昭和大学藤が丘病院、国立成育医療研究センター、大阪大学医学部附属病院、東京大学医科学研究所附属病院からの申請、先行審議となった大阪大学医学部附属病院、奈良県立医科大学からの申請、新規案件の理化学研究所、先端医療センターからの申請について審議された。
 その結果、継続審議の昭和大学藤が丘病院、国立成育医療研究センターの申請は了承され、先行審議の大阪大学医学部附属病院、奈良県立医科の申請は持ち回り審議となった。その他の申請については、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。
 (審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1~8参照。)

(別紙1)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 自己骨髄間葉系細胞移植による末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病・膠原病)への血管再生治療
申請年月日 平成24年8月24日
実施施設及び総括責任者 昭和大学藤が丘病院
鈴木 洋
対象疾患 慢性閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膠原病による重症虚血下肢
ヒト幹細胞の種類 自己骨髄間葉系細胞
実施期間及び対象症例数 平成25年1月1日より4年間
10症例
治療研究の概要  重症化した末梢動脈疾患患者より、骨髄を少量採取し間葉系細胞を培養増幅し、虚血下肢に移植し、安全性と治療効果とを評価する。当施設では、骨髄・血液採取、細胞移植を担当する。
その他(外国での状況等)  小動物だけでなく、ウサギモデルにおいても平成24年に培養骨髄間葉系幹細胞の移植により血管新生効果が報告された。また中国において平成23年に、培養骨髄間葉系幹細胞によるヒトでの臨床研究において有効性が示されている。
新規性について  培養骨髄間葉系細胞を血管再生療法に用いることに新規性がある。

(別紙2)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 自己骨髄間葉系細胞移植による末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病・膠原病)への血管再生治療
申請年月日 平成24年8月21日
実施施設及び総括責任者 国立成育医療研究センター
梅澤 明弘
対象疾患 慢性閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膠原病による重症虚血下肢
ヒト幹細胞の種類 自己骨髄間葉系細胞
実施期間及び対象症例数 平成25年1月1日より4年間
10症例
治療研究の概要  重症化した末梢動脈疾患患者より、骨髄を少量採取し間葉系細胞を培養増幅し、虚血下肢に移植し、安全性と治療効果とを評価する。当施設では細胞培養を担当する。
その他(外国での状況等)  小動物だけでなく、ウサギモデルにおいても平成24年に培養骨髄間葉系幹細胞の移植により血管新生効果が報告された。また中国において平成23年に、培養骨髄間葉系幹細胞によるヒトでの臨床研究において有効性が示されている。
新規性について  培養骨髄間葉系細胞を血管再生療法に用いることに新規性がある。

(別紙3)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 重症心筋症に対する骨格筋筋芽細胞シート移植による治療法の開発
申請年月日 平成24年10月24日
実施施設及び総括責任者 大阪大学医学部附属病院
澤 芳樹
対象疾患 重症心筋症 (拡張型心筋症及び虚血性心筋症)
ヒト幹細胞の種類 骨格筋筋芽細胞
実施期間及び対象症例数 3年間
DCM20症例及びICM20症例
治療研究の概要  LVAS装着を必要とする前段階、または年齢などにより心移植適応とならない重症心筋症患者に対し、自己の骨格筋から単離した筋芽細胞を、温度応答性培養皿を用いてシート化し、心臓外壁に移植する。
その他(外国での状況等)  申請者により、LVAS装着患者に対する筋芽細胞シート移植の臨床研究が、指針施行以前より開始され、総括が行われている。平成21年8月より開始された第1相試験ではDCM5例、ICM7例にシート移植を実施し、安全性の観点から研究の継続に差し支えないとの中間報告がなされている。
新規性について  骨格筋筋芽細胞シートによる第2相臨床研究である。

(別紙4)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 関節鏡視下自己骨髄間葉系細胞移植による関節軟骨欠損修復
申請年月日 平成24年12月28日
実施施設及び総括責任者 東京大学医科学研究所附属病院
竹谷 英之
対象疾患 血友病患者の膝関節軟骨損傷
ヒト幹細胞の種類 自己骨髄間葉系細胞
実施期間及び対象症例数 登録期間:厚生労働大臣意見発出より2年間、観察期間:移植後1年間
5症例
治療研究の概要  安全性・有効性の評価を行う。血友病では幼少期から関節内出血のため青年期から末期関節症となりうる。血友病性関節症の早期から末期の間には有効な治療法がなく、本治療法の確立が求められている。
その他(外国での状況等)  慢性的に出血を起こす血友病動物モデルは存在しない。骨髄刺激法併用関節内注射法の臨床研究が広島大学を中心に計画されているところ。
新規性について  血友病性関節症に間葉系細胞移植を行う所に新規性がある。

(別紙5)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 小児重症心筋症に対する自己由来細胞シート移植による新たな治療法の開発
申請年月日 平成24年12月26日
実施施設及び総括責任者 大阪大学医学部附属病院
澤 芳樹
対象疾患 小児重症心筋症
ヒト幹細胞の種類 骨格筋筋芽細胞
実施期間及び対象症例数 5年間
15症例
治療研究の概要  標準的心不全治療を行っても改善が認められない小児重症心筋症患者に対し、自己の腓腹筋から単離した筋芽細胞を、温度応答性培養皿を用いてシート化し、心臓外壁に移植する。
その他(外国での状況等)  申請者らは、小動物のみならずイヌやブタ心不全モデルに対して、筋芽細胞シート移植を行い有効性を確認している。またヒト成人の拡張型心筋症及び虚血型心筋症に対しても実施している(重症心筋症に対する自己由来細胞シート移植による新たな治療法の開発:大臣意見平成21年7月30日発出)。さらにテルモにより成人虚血型心筋症に対し治験が開始されている。
新規性について  本研究は、小児心筋症に対し筋芽細胞シート移植を実施する点で新規性がある。

(別紙6)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 関節鏡視下自己骨髄間葉系細胞移植による関節軟骨欠損修復
申請年月日 平成25年3月6日
実施施設及び総括責任者 奈良県立医科大学
田中 康仁
対象疾患 外傷性あるいは離断性骨軟骨炎による膝関節軟骨損傷
ヒト幹細胞の種類 自己骨髄間葉系細胞
実施期間及び対象症例数 登録期間:3年間、実施期間:5年間
細胞移植群:40症例、対照群:40症例
治療研究の概要  有効性の評価を行う。腸骨より骨髄液を採取し、骨髄間葉系細胞を培養する。必要細胞数まで増やしたら、細胞浮遊液としてヒアルロン酸を加えて、関節内に移植する。
その他(外国での状況等)  米国Genzyme Biosurgery 社は、平成9年、自家軟骨細胞培養・移植法を開発し、FDA の認可を受け商品化した(Carticel R)が、従来の治療法を超える有用性は示せていない。我が国では広島大学がアテロコラーゲンゲルの中で自家軟骨細胞を三次元培養し、軟骨様組織を得て優れた成績を残している。信州大学、東海大学、大阪大学からの臨床研究に大臣意見が発出されている。
新規性について  関節鏡視下に投与するところに新規性がある。

(別紙7)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究
申請年月日 平成25年2月28日
実施施設及び総括責任者 理化学研究所
高橋 政代
対象疾患 滲出型加齢黄斑変性
ヒト幹細胞の種類 iPS細胞(自家皮膚線維芽細胞から樹立)
実施期間及び対象症例数 登録期間:2年10ヶ月、観察期間:移植後1年
6症例
治療研究の概要  先端医療センターとの共同研究。採取した皮膚組織から樹立したiPS細胞より網膜色素上皮シートを作製し、全身麻酔下に脈絡膜新生血管を抜去後、網膜下にシートを移植する。まず安全性の評価を主に行う。iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に起因する免疫拒絶反応や腫瘍化の程度を確認し、また移植手術手技より生ずる有害事象を調べる。
その他(外国での状況等)  海外ではES細胞を用いた臨床研究が始まっているが、ヒト幹細胞臨床研究として、網膜細胞の移植が実施されたことはない。研究者は、免疫不全マウスを用い3度造腫瘍性試験を行い、またラットとカニクイザル網膜下へ網膜色素上皮細胞シート等を移植し、安全性を確認してきた。
新規性について  iPS細胞由来細胞を用いた臨床研究であるところ。

(別紙8)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年3月27日審議分

研究課題名 滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究
申請年月日 平成25年2月28日
実施施設及び総括責任者 先端医療センター
栗本 康夫
対象疾患 滲出型加齢黄斑変性
ヒト幹細胞の種類 iPS細胞(自家皮膚線維芽細胞から樹立)
実施期間及び対象症例数 登録期間:2年10ヶ月、観察期間:移植後1年
6症例
治療研究の概要  理化学研究所との共同研究。採取した皮膚組織から樹立したiPS細胞より網膜色素上皮シートを作製し、全身麻酔下に脈絡膜新生血管を抜去後、網膜下にシートを移植する。まず安全性の評価を主に行う。iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に起因する免疫拒絶反応や腫瘍化の程度を確認し、また移植手術手技より生ずる有害事象を調べる。
その他(外国での状況等)  海外ではES細胞を用いた臨床研究が始まっているが、ヒト幹細胞臨床研究として、網膜細胞の移植が実施されたことはない。研究者は、免疫不全マウスを用い3度造腫瘍性試験を行い、またラットとカニクイザル網膜下へ網膜色素上皮細胞シート等を移植し、安全性を確認してきた。
新規性について  iPS細胞由来細胞を用いた臨床研究であるところ。

厚生科学審議会科学技術部会 ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿

  氏 名      所 属 ・ 役 職

  青木 清     上智大学生命倫理研究所長
  位田 隆一   同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授
  梅澤 明弘   国立成育医療研究センター研究所 副所長
  春日井 昇平  東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学 教授
  貴志 和生   慶應義塾大学医学部形成外科 教授
  木下 茂     京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学 教授
  小島 至     群馬大学生体調節研究所 教授
  島崎 修次   国士舘大学大学院救急システム研究科長
  高橋 政代   理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チーム チームリーダー
  竹内 正弘   北里大学薬学部臨床医学 教授
  戸口田 淳也  京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 教授
○永井 良三   自治医科大学長
  中畑 龍俊   京都大学iPS細胞研究所 副所長
  中村 耕三   国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局長
  前川 平     京都大学医学部付属病院輸血細胞治療部 教授
  松山 晃文   (財)先端医療振興財団再生医療研究開発部門 再生医療開発支援部長
  水澤 英洋   東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
  湊口 信也   岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学循環呼吸病態学 教授
  山口 照英   国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 研究員
  山中 竹春   国立がん研究センター東病院臨床開発センター 室長
  小澤 敬也   自治医科大学内科学講座血液学部門 教授
  島田 隆     日本医科大学分子遺伝学教室 教授

 (敬称略)

○:委員長


<照会先>

医政局研究開発振興課
電話:03-5253-1111(内線)2587

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